明 細 書
血管新生阻害剤お よ び新規化合物 技術分野
本発明は、 血管新生阻害剤お よ びこれに有用な新規化合物 に関する。
背景技術
血管新生は、 胚発生、 女性性周期によ る排卵または胎盤形 成等のヒ ト ま たは動物の通常の生理的状態、 創傷治癒、 炎症 等の修復過程の よ う な健常な状態で起こる一方で、 毛細血管 が急激に増加、 増大して組織に重篤な損傷を も たらす多 く の 病的状態等で起こ る こ とが知られている。 例えば、
N. Engl . ] . Med. 285 : 1182, 1971には、 腫瘍細胞の増殖が腫瘍組線の 毛細血管新生の増加に依存して生じる こ とが記載されている。 また、 松原ら は、 炎症 Vol . 10, No. 4, Jul y 1990, p 241 -245に、 炎症過程において、 毛細血管や後毛細血管細静脈等の よ う な 小血管の新生 と 、 単球やリ ンパ球等の細胞浸潤との間に相関 がある こ と、 さ ら に、 肉芽の増殖には栄養血管と しての小血 管の新生が不可欠である こ と を報告 している c
また、 この他の血管新生の異常亢進が関係する疾患と して は、 眼科領域における糖尿病性網膜症、 後水晶体線維増殖症、 角膜移植に伴う血管新生、 緑内障、 眼腫瘍およ びト ラ コ ー マ 等、 小児科領域における血管腫お よび線維性血管腫等、 外科 領域における肥大性はん痕およ び肉芽等、 内科領域における リ ユ ーマチ性関節炎お よ び浮腫性硬化症等、 心臓疾患におけ る ァテロ—ム性動脈硬化症およ び各種腫瘍が知られている ,:
このため、 近年、 上述の各種疾患の治療のために、 血管新 生を阻害する薬物を医薬に利用する こ とが注目 されている : すなわち、 病的過程において小血管の新生が起き る こ とが知 られている 、 例えば、 癌、 慢性関節リ ウマチ等の慢性炎症、 糖尿病性網膜症、 未熟児網膜症、 網膜内の種々の血栓性疾患、 動脈硬化、 血管腫、 血管線維種ま たは乾癬のよ う な種々の疾 病の治療に血管新生阻害作用を有する薬物が有用である。 この よ う な血管新生阻害作用を有する薬物と しては、 例え ば、 前述の炎症 Voし 10, No. 4, Ju l y 1990, p 24 245に、 テ ト ラ ヒ ドロ コ ルチゾールが開示されている。 ま た、 慢性関節リ ゥ マチの治療に用いられる抗リ ゥマチ剤のう ち幾つかが血管新 生阻害作用を有する こ と も 開示されている。 これらの抗リ ゥ マチ剤 と して は、 金チオマ レ イ ン酸ナ ト リ ウム、 ァ ウ ラ ノ フ ィ ン (auranoi i n)または D-ぺニシラ ミ ン等の S H化合物が例示 されている。
しかしながら、 上述の血管新生阻害作用を有する薬物は、 臨床上、 種々 の問題を有する。 例えば、 テ ト ラ ヒ ドロコ ルチ ゾー ルは、 血管新生阻害作用を発現するためには、 血管新生 促進作用 を有するへパリ ン と併用する こ とが必要である 一方、 上述の血管新生阻害作用を有する抗リ ウマチ剤の多 く は重篤な副作用を有 しているため、 投薬管理上適用が難し い
本発明は、 かかる点に鑑みてな された も のであ り 、 顕著な 血管新生阻害作用を有 し、 血管新生の異常亢進を伴う種々の 疾患の治療お よ び予防に有用な血管新生阻害剤およ び血管新
生阻害作用を有する新規化合物を提供する .
発明の開示
本発明者等は、 上記の課題を解決すべく 、 鋭意研究を重ね た結果、 後述する本出願人が先に提案 した特開平 2 — 1 8 0 8 4 6号公報に開示された リ グナ ン類が顕著な血管新牛阻害 作用 を有する こ と を見い出 した .:. さ ら に、 かかる 血管新生阻 害作用を有する化合物について研究した結果、 新たに、 血管 新生阻害作用を有する新規化合物を見出 し、 本発明を完成 し た .:
すなわち、 本発明は、 下記一般式 ( I ) で表わされる化合 物 I 、
( I )
[式中、 R ,は、 炭素数が 1 〜 4 である低級アルキ ル基、 炭素数が 1 〜 4 である アルコキシカ ルボ二ル基も し く はカ ル ボキシル基を示す。
R 2、 R 3 及び R 4 は、 同一も し く は異なって、 水素原子、 水酸基、 メ ト キシ基ま たはァセ ト キシ基を示す: こ こで、 R 2 及び R 3 が一緒になつ て下記一般式 ( I I ) に示すよ う に
閉環していて も 良い
一 0 - ( C H m— 0— ( II)
(式中、 mは、 1 〜 6 の整数を示す: ) ]
下記一般式 (ΙΠ)で表わされる化合物 ΠΙ、 も し く は
(III)
[式中、 R 5 は炭素数が 1 〜 4 である低級ア ルキ ル基を示 す。
R 、 R 及び R 8 は、 同一も し く は異なって、 水素原 子、 水酸基、 メ ト キシ基又はァセ ト キシ基を示す。 ] 下記一般式 (IV)で表わされる化合物 IV、 ま たは、
( IV)
(式中、 。及び は、 同一も し く は異なって、 炭素 数が 1 〜 4 である低級アルキル基を示 し、 R , 2及び R , 3は 同一も し く は異なって、 水酸基またはメ ト キシ基を示す。 ) のいずれか一つ、 若 し く は、 これらの化合物の う ち少な く と も 2種以上の混合物を有効成分と して含有する こ と を特徴 とする血管新生阻害剤を提供する :
また、 本発明は、 下記一般式 ( V ) で表わされる新規化合 物を提供する
( V )
[式中、 R: は、 炭素数が 1 〜 4 である低級ア ル キ ル基、 炭素数が 1 〜 4である アルコキシカ ルボ二ル基も しく はカ ル ボキシル基を示す。
R 2、 R 3及び R 4は、 同一も し く は異なって、 水素原子、 水酸基、 メ ト キシ基も し く はァセ ト キシ基を示す。 こ こで、 R 2及び R 3がー緒になって下記一般式 (II) に示すよ う に閉 環していて も良い。
- 0 - ( C H 2 ) - 0 - (II)
(式中、 mは、 1 〜 6 の整数を示す。 )
ただし、 R! 〜 R 4 、 表 1 に示す組合せになる場合を 除く 。 ]
表 1 化合物 Ri R2 R3 R 4
A メチル メトキシ 水酸基 水素原子
B メチル メトキシ メトキシ 水素原子
C メチル 水酸基 水酸基 水素原子
D メチル メトキシ ァセトキシ 水素原子
E メチル 水酸基 メトキシ 水素原子
また、 下記一般式 I )で表わされる新規化合物を提供する
(III)
[式中、 R 5 は炭素数が 1 〜 4 である低級アルキル基を示 す。
R 、 R 及び R 8 は、 同一も し く は異なって、 水素原 子、 水酸基、 メ ト キシ基又はァセ ト キシ基を示す.: ]
以下、 本発明を詳細に説明する。
なお、 説明の便宜上、 一般式 ( I ) , ( III)お よび ( IV) に示す化合物を夫々化合物 I , I Πおよび IVと記載する .:
本発明の血管新生阻害剤の有効成分の一つである化合物 I のう ち、 一般式 ( I ) において、 R , 〜 R が表 1 に示す 組合せである化合物 (以下、 表 1 の第 1 行から第 4 行に対応 して順次、 化合物 A〜 E と いう ) は、 特開平 2 — 1 8 0 8 4
6 号公報に開示されている通 り グアヤ ク脂 (Guaiacmn officinal しの樹脂) の抽出成分 A と その誘導体 B 〜 E であ る : 上記公開公報には、 化合物 A 〜 Eが 5 — リ ポキシゲナ— ゼ阻害お よびア ル ド ー ス リ ダク タ 一ゼ阻害を有する こ とが開 示されている力'、 血管新生阻害作用については何等言及され ていない:
化合物 I は、 例えば、 次の よ う に して合成する こ とができ る
オ ー ガニ ッ ク プレノく レ イ シ ヨ ンズフ ロ セデュ 一 ズイ ン タ ー ナシ ョ ナ ル [ORGANIC PREPARATIONS AND PROCEDURES INT] 、 8 (IV), 179-183 (1976) 、 お よ びシ ン レ ツ ト , 421 -423 (1990) [SYNLETT, 421 - 423(1990)]等に記載されている方法に従って得られる一般式 (VI) で示される化合物 VIを出発物質と して用いる。
(VI)
(式中、 R M は、 炭素数が 1 〜 4 である低級アルキル基、 ア ル コ キシ 力 ルボニル基又はカ ルボキ シ ル基を示 し 、 R 15、
R 16及び R ,7は、 同一も し く は異なって、 水素原子、 メ ト キシ 基又はベンジルォキシ基を示す。 )
化合物 I は、 化合物 VTのブタ ン部の 1 お よ び 4位の炭素原
子間を縮合させて得る こ とができ る :. ま た、 化合物 V Iの縮合 反応を行っ た後に、 必要に応 じて、 R 〜 R 16を脱メ チ ル化、 脱ベ ンジル化も し く はアルキル化して他の化合物 I に誘導す る こ と も で き る c
こ こ で、 縮合反応は、 化合物 VIまたはその誘導体を、 例え ば、 塩酸、 硫酸等の無機酸、 p — ト ルエ ン ス ルホ ン酸、 ト リ フ ルォ ロ酢酸等の有機酸、 ま た は塩化ア ル ミ ニ ウ ム 、 ボロ ン ト リ フ ルオ ラ ィ ド、 エーテ ル錯体等の ルイ ス酸中で加熱する こ と によ り行う こ とができ る : また、 化合物 VIを、 五酸化リ ン 、 無水酢酸、 塩化ァセチ ル等の脱水剤 と共に適当な溶媒中 で加熱する こ と に よ り 行う こ と も で き る 。
また、 脱ベンジル化は、 ベンジルォキシ基を水酸基に変換 する場合に行われ、 例えば、 触媒と して、 例えば、 ラ ネ—二 ッ ケ ル、 ニ ッ ケ ルボラ イ ド、 水酸化パラ ジ ウ ム 、 塩化バラ ジ ゥ ム 、 パラジウム黒も し く はパラジウム炭素を用い、 水素雰 两気下、 適当な有機溶媒中で行な う こ と がで き る ,:
ま た、 脱メ チルイ匕は、 メ チ ル基ま たは メ ト キ シ基を夫々 水 素原子ま たは水酸基に変換する場合に行われ、 例えば、 ル イ ス酸 (例えば、 塩化ホウ素) を、 ハロゲン化炭化水素 (例え ば、 ジク ロロ メ タ ン、 ク ロ 口ホ ルム) あるいは芳香族炭化水 素中で、 化合物 VIに作用させるこ とによ り行う こ とができる: また、 ア ルキ レ ン化は、 隣接する水素原子をア ルキ レ ン化 して架橋させる場合に行われる .: アルキ レ ン化は、 例えば、 アルキ レ ン ジノヽラ イ ド (例えば、 エチ レ ン ジブ口 ミ ド、 メ チ レ ン ジブ口 ミ ド、 メ チ レ ン ジ ョ 一 ド、 ブロモ ク ロ ロ メ タ ン 、
ジ ク ロ ロ メ タ ン等) を塩基 (例えば、 炭酸カ リ ウ ム ) の存在 下、 アセ ト ン 、 ジ メ チ ル フ オ ルムア ミ ド等の溶媒中で化合物
V I に作用させる こ と によ り 行われる :
各合成工程において得られた反応液は必要に応じて精製 し て も次のェ稃に用いる こ と も でき る。 例えば、 まず、 反応液 をそのま までも し く は乾燥した後に、 シ リ カ ゲル、 0 D S — シ リ カ ゲル、 ボーラスポリ マ一 ゲル、 セフ アデッ ク ス等の担 体を使用 したカ ラ ム ク ロマ ト グラ フ ィ 一に付し、 溶出液を分 取してフ ラ ク シ ョ ン を得る - この際、 カ ラ ム ク ロマ ト グラ フ ィ 一 に用いられる溶出溶媒と しては、 水、 メ タ ノ ー ル、 エタ ノ ー ル、 アセ ト ン 、 酢酸ェチル 、 テ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ン ( T H F ) 、 ァセ ト ニ ト リ ル、 ベ ンゼ ン 、 エー テル、 ジク ロ ロ メ 夕 ン 、 ク ロ 口 ホルム 、 石'油エーテ ル、 へキサ ン、 シ ク ロへキサ ン等の単独も し く はそれ以上の混合溶媒を使用する こ とがで きる
この よ う に して得たフ ラ ク シ ョ ン を、 水、 メ タ ノ ール、 ェ 夕 ノ ー ル、 アセ ト ン、 酢酸ェチル、 T H F 、 ァセ ト ニ ト リ ル、 ベン ゼ ン 、 エーテル、 ク ロ 口ホルム、 ジク ロ ロ メ タ ン 、 石油 エーテル、 へキサン等の溶媒を単独も し く はそれ以上の混合 溶媒と して用いて再結晶も し く は粉末化する こ と によ り 目的 とする精製物を得る こ とができ る。
上述の合成方法の他に、 化合物 I のう ち、 化合物 Aはグァ ャク脂から常法に従っ て抽出およ び分離する こ と に よ り 得る こ とができ る。 そ して、 これら以外の化合物 I を化合物 Aか ら常法に従って誘導する こ と も でき る .:
化合物 I は、 一般式 ( I ) において、 R 力;、 メ チル、 ィ ソブチル、 ェ ト キシカ ルボニル、 およ び、 カ ルボ二ルカゝらな る群から選択される一つである こ とが好ま しい: R ,力'メ チ ルま たはエ ト キシ 力 ルボニルである こ と力'よ り 好ま し く 、 メ チルである こ とが特に好ま しい
ま た、 化合物 I は、 一般式 ( I ) において、 R 2力?、 メ ト キシまたは水酸基である こ とが好ま しい。 R 3は、 メ トキシ、 水酸基またはァセ ト キシである こ とが好ま しい: R 2およ び R の両方がメ ト キシであるか、 R 2お よ び R のいずれか一 方がメ ト キシであって、 他方が水酸基である こ とがよ り 好ま しい。 R 2およ び R 3の両方がメ ト キシである場合には、 こ れらの基が互いに結合して閉環していた場合も好ま しい。 さ ら に、 R 2およ び R 3のいずれか一方がメ ト キシであって他 方が水酸基である こ とが特に好ま しい。
また、 化合物 I は、 R
4が、 水素原子またはメ ト キシであ る こ とが好ま し く 、 水素原子である こ とがよ り 好ま しい。 化合物 I の R , 〜 R
4の よ り好ま しい組み合わせは、 R ,力
5'、 メ チル、 イ ソブチルまたはエ ト キシカ ルボニルであ り 、 R およ び R
3のいずれか一方がメ ト キシであって他方が水酸基 であ り 、 かつ、 R
4は、 水素原子またはメ ト キシである場合 である。 これらの組み合わせのう ち、 R ,力 メ チルであ り 、 R
2およ び R
3のいずれか一方がメ ト キシであって、 他方力? 水酸基であ り 、 かつ、 R
4が水素原子である場合が特に好ま しい。 しカゝし、 例えば、 : およ び R
3のいずれか一方がメ ト キシであって、 他方が水酸基であれば、 その他の R ,お よ
び R 4は、 上述の一般式 ( 1 ) の範囲内であれば特に限定さ れない - 本発明の第二の有効成分である化合物 I I Iは、 下記反応式 ( I ) に示すよ う に、 例えば、 化合物 ( 1 ) を出発物質と し て合成する こ とができ る。 反応式 ( I
(4) (5)
(式中、 R 1B は、 炭素数が 1 〜 4 である低級アルキル基 アルコキシ力 ルボニル基又はカ ルボキシル基を示 し、 R 19
R 2。及び R 21は、 同一も し く は異なって、 水素原子、 メ ト キシ 基又はベンジル才キシ基を示す - )
ィ匕合物 ( 1 ) は具体的には、 ベ ン ジルバ二 リ ン ( 3 — メ ト キ シ 一 4 ー ヒ ドロ キシベ ンズア ルデヒ ド) 、 イ ソノ ニ リ ン 、 シ リ ン ガア ルデヒ ドを 用レ、る こ と がで き る 。
まず、 化合物 ( 1 ) が水酸基を有している場合には、 この 水酸基を常法に従って適当な保護基で保護して、 化合物 ( 2 ) を得る。 水酸基の保護基は、 例えば、 ベ ン ジル、 4 ー メ ト キ シベ ン ジ ル、 4 一 二 ト ロベ ン ジル、 ト リ チ ル 、 ベ ン ゾヒ ド リ ルの よ う な置換も し く は無置換のベンジル基、 または、 例え ば、 t ー ブチ ルジ メ チルシ リ ル 、 t — ブチ ルジ フ エ二ルシ リ ル、 ト リ フ エ ニルシ リ ルの よ う な シ リ ル基を用いる こ と 力?で き る,:■
保護基の導入は、 例えば、 ベ ン ジル基の場合には、 化合物 ( 1 ) を、 対応する ベン ジルノ、 ラ イ ドま たはべン ジルス ルホ ネー ト と共に、 炭酸ア ルカ リ 、 水酸化アル カ リ 、 水素化アル カ リ の よ う な塩基存在下で、 ア ル コ ー ル、 ジ メ チルホルムァ ミ ド ( D M F ) 、 ジメ チルス ルホォ キシ ド ( D M S 0 ) 、 テ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ン ( T H F ) 、 ベンゼ ン、 アセ ト ンの よ う な 一般的な有機溶媒も し く は水ま たはこれらの混合溶媒中で冷 却または加熱して反応させる こ と によ り 行う こ とができ る: 一方、 シ リ ル基の場合には、 ィヒ合物 ( 1 ) を、 対応する シ リ ル ノヽライ ドま たはシ リ ル スルホネ一 ト のよ う な一般的なシ リ ル化剤と共に、 例えば、 ァ ミ ンま たは炭酸アルカ リ のよ う な 有機または無機塩基の存在下で、 D M F、 D M S O、 T H F、
ジ ク ロ ロ メ タ ン ( C H 2 C l 、 ク ロ 口 ホ ルム ( C H C 1 3 ) またはベ ンゼ ンの よ う な非フロ ト ン系溶媒中で、 冷却ま たは 加熱 して反応させて行う こ とができ る :
次に、 化合物 ( 2 ) の アルデヒ ド基にアルキル基 C H 2 R 18 を付加して化合物 ( 3 ) を得る。 このアルキル基の付加反応 は、 ィヒ合物 ( 2 ) を、 導入 しょ う とするアルキル基に対応す る ア ルキ ル リ チ ウ ム 、 ア ルキルマ グゥ ネ シ ゥ ム ノヽラ イ ド、 ァ ルキル金属 と共に、 T H F、 エーテルお よ びベンゼンの よ う な非プロ ト ン性有機溶媒中で、 冷却ま たは加熱 しながら反応 させて行う こ とができ る,.
次に、 化合物 ( 3 ) の ア ル コ ー ル性水酸基を酸化して化合 物 ( 4 ) を得る。 この酸化反応は、 例えば、 ク ロ ム酸類 (例 えば、 P C C、 無水ク ロ ム酸、 重ク ロム酸ナ ト リ ウム、 P D C、 コ リ ンズ試薬) 、 マ ン ガン化合物類 (例えば、 二酸化マ ン ガン、 過マ ン ガン酸カ リ ウ ム) 、 ルテニ ウ ム類 (例えば、 テ ト ラ プロ ピルア ンモニゥムパールテ ネ一 ト) のよ う な重金 属塩によ り 、 アセ ト ン 、 ベ ンゼ ン 、 ジク ロ ロメ タ ン等の溶媒 中で酸化するか、 例えば、 D M S O、 N B Sのよ う な有機化 合物を用いて酸化する こ と によ り行う こ とができる。 しかし、 この酸化反応は、 これらに限定されず、 一般にアル コ ー ルの 酸化に用いられる方法であれば適用でき る。
次に、 この化合物 ( 4 ) を二量化して化合物 ( 5 ) を得る。 すなわち、 化合物 ( 4 ) と、 別途ク ロ 口化した化合物 ( 4 ) の 。. ノヽロ ケ ト ン を、 例えば、 リ チ ウ ム ジア ルキルア ミ ド、 ナ ト リ ウムア ミ ドまたはカ リ ウムアミ ドのよ う な塩基存在下で、
T H F または液体ア ンモニア等の溶媒中で、 冷却ま たは加熟 して反応させる こ と に よ り 行う こ とができ る この化合物
( 4 ) の ひ ノ、ロケ ト ンは、 化合物 ( 4 ) を、 塩素ま たは塩化 銅と反応させるか、 塩基存在下で、 塩素、 N— ク ロ ロ コハク 酸イ ミ ド ( N C S ) の よ う なク ロ 口化剤と 反応させる こ と に よ り 得られる : これによ り 、 ィ匕合物 ( 4 ) およ びその ひ ハ ロ ケ ト ンが結合して二量体になる と共に、 ひ ノ、ロ ケ ト ンのケ ト ン部がエポキシ化して、 化合物 ( 5 ) が得られる c,
また、 過剰の塩基存在下で、 化合物 ( 4 ) と ク ロ 口化剤 と を反応させる こ と によ り 、 ハロ ゲン化およ びエポキシ化を 1 工程で行う こ と も でき る。
次いで、 化合物 ( 5 ) を閉環させて化合物 ( 6 ) を得る。 化合物 ( 5 ) の環化は、 化合物 ( 5 ) を、 適当な溶媒中で、 一般的な酸 (例えば、 塩酸、 硫酸、 酢酸、 ト ルス ルホ ン酸) またはルイ ス酸 (例えば、 フ ッ 化ホウ素、 エー テル錯体、 塩 化ア ル ミ ニウ ム) と反応させるカヽ または、 無水齚酸、 ト リ フ ルォ ロ無水酢酸、 五酸化リ ン の よ う な脱水剤と反応させる こ と によ り行う こ と力 でき る。
この後、 閉環された化合物が保護された水酸基を有 してい る場合には、 脱保護反応に付して化合物 ( 6 ) を得る こ とが でき る。 脱保護反応は、 保護基がベンジル基の場合には、 例 えば、 パラジウム触媒 (例えば、 パラ ジウム一炭、 水酸化パ ラ ジ ウ ム 、 パラ ジ ウ ム黒、 塩化パラ ジ ウ ム) の存在下で、 水 素気流中または一般的な有機溶媒 (例えば、 ア ル コ ール、 酢 酸ェチル、 ベンゼン、 T H F ) 中で撹拌しながら反応させて
行う こ とができ る : 一方、 保護基がシ リ ル茶の場合には、 塩 酸の よ う な酸、 ま たは、 フ ツイ匕カ リ ウ ム、 フ ッ 化セシウム、 フ ッ 化ア ンモニゥム類、 フ ツイ匕水素酸のよ う なフ ッ 素化合物 と共に、 ァセ ト ニ ト リ ル、 ア ル コ ー ル、 T H Fの よ う な有機 溶媒中で反応させて行う こ とができ る。
本発明の血管新牛阻害剤の第三の有効成分である化合物 IV のう ち、 一般式 ( IV) において、 R 5カ?メ チル基、 R。力 ひ 一 メ チル基、 R 7力 5'メ ト キシ基、 R 8が水酸基である化合物
(以下、 化合物 F とレゝう ) は、 特開平 2 — 1 8 0 8 4 6号公 報に開示されている通 り 、 化合物 A と 同様に、 グアヤク脂の 抽出成分である。 従って、 化合物 F以外の化合物 IVは、 化合 物 Fから常法に従って誘導する こ とができ る。
以下、 上述の化合物 I , III, IV (以下、 化合物 I , I】I, IV をま とめて本化合物と いう ) の血管新生阻害作用について説 明する。
既に、 ヒ ト大網毛細血管の内皮細胞 (以下、 H O M E細胞 という ) を用いたィ ン ビ ト ロによ る血管新牛.モデルが確立さ れている。 一つは、 H OM E細胞を力 ミ ソ リ 刃で傷付けた際 の創傷の修復過程における血管新生のモデルであ り 、 も う 一 つは、 T G F ひ によ り促進された H O M E細胞の遊走、 組織 ブラ ス ミ ノ 一ゲン活性化因子 (い P A ) の合成、 お よ び、 H 0 M E細胞の管腔形成のモデルである。
そこで、 本発明者らは、 上述の二つの血管新牛モデルを用 いて、 血管新生阻害作用を有する化合物について研究を行つ た c この結果、 上述の グアヤク脂抽出成分である化合物 A〜
F力 H 0 M E細胞の創傷治癒において aられる正常な血管 新生を阻害する こ と を見出 した: さ ら に、 別途合成 した新規 化合物である 、 化合物 A 〜 D を除 く 化合物 I 、 化合物 I I I、 およ び、 化合物 E を除 く 化合物 iVの よ う な新規化合物も 同様 の活性を有する こ と を見出 した:
また、 本化合物は、 T G F ひ によ り促進された H 0 M E細 胞の遊走、 い P Aの合成、 およ び、 H O M E細胞の管腔形成 も 阻害し、 さ ら に驚 く べき こ と に、 ヒ ト の ガン細胞によ り誘 発された血管新生を阻-宵し得る :
こ の よ う に本化合物は、 血管新 4:.、 特に異常な rftl管新牛の 亢進と関係を有する病的過稃の改善に極めて有用である : 例 えば、 腫瘍細胞の増殖抑制、 炎症の治療、 肉芽の増殖抑制等 に利用でき る。 こ の他、 血管新生と相関関係を有する疾患の 治療に幅広 く 応用される こ とが期待される。
本発明の血管新生阻害剤は、 上述の化合物 I 、 化合物 I I Iも し く は化合物 IV、 ま たは、 それらの混合物を有効成分と して 含有する ,: すなわち、 本化合物を夫々単独で含有していて も 良い し、 本化合物を 2 つ以上混合して用いて も 良い。 ま た、 その他の薬学的に許容可能な担体と共に使用する こ と も でき る
本発明の血管新生阻害剤の投与形態は、 特に限定されず、 必要に応 じて適宜選択する こ とができ る。 例えば、 錠剤、 力 ブセル剤、 顆粒剤、 細粒剤、 散剤または液剤のよ う な経口剤、 ま たは、 注射剤ま たは坐剤のよ う な非経口剤が挙げられる: 本発明の血管新生阻害剤は経口投与によ り投与でき る: こ
の場合には、 本発明の血管新生阻害剤中の有効成分の重量は、 患者の年齢、 性別、 体重ま たは疾患の程度によ り 異なるが、 通常、 成人に対 して、 1 R あた り 30〜 lOOOmgの範囲内であ り 、 こ の投与量を 1 日数回に分けて投与するのが好ま しい
轾ロ剤は、 本化合物を単独で使用する力 、 例えば、 デン プ ン 、 乳糖、 白糖、 マ ン ニ ッ ト 、 カ ルボキシ ル メ チルセル 口 一 ス 、 コ ー ン ス タ ーチまたは無機塩類の よ う な賦形剤を用いて 常法に従って製造する こ とができ る。 前記賦形剤の他に、 結 合剤、 崩壊剤、 界面活性剤、 滑沢剤、 流動性促進剤、 矯味剤、 着色剤ま たは香料等を適宜選択して使用する こ とができ る : 結合剤と しては、 例えば、 デン プン 、 デキス ト リ ン 、 ァ ラ ビア ゴム末、 ゼラ チ ン 、 ヒ ドロ キ シ ブ口 ピルス タ ーチ、 メ チ ルセルロ ース 、 カ ルホキシ メ チルセル ロ ー ス ナ ト リ ウ ム 、 ヒ ドロ キ シ プロ ピルセル ロ ー ス、 結晶セル ロ ー ス 、 ェチルセル ロ ー ス 、 ボ リ ビニル ピ ロ リ ド ン ま たはマク ロ ゴー ル を例示で きる。
ま た、 崩壊剤 と しては、 デン プン、 ヒ ドロ キ シ プロ ピルス タ ーチ、 カ ルボキ シ メ チルセルロ ース ナ ト リ ウ ム、 カ ルボキ シ メ チルセル ロ ース カ ルシ ウ ム 、 カ ルボキ シ メ チルセル ロー ス ま たは低置換ヒ ドロキシプロ ピルセルロ ース を使用でき る: ま た、 界面活性剤 と しては、 ラ ウ リ ル硫酸ナ ト リ ウ ム、 大 豆 レ シチ ン 、 シ ョ 糖脂肪酸エス テルま たはポ リ ソ ルべ一 ト 8 0 を例示でき る
また、 滑沢剤と しては、 タルク、 ロウ類、 水素添加楠物油、 シ ョ 糖脂肪酸エス テル、 ス テア リ ン酸マ グ ネシ ウ ム 、 ス テア
リ ン酸カ ル シ ウ ム 、 ス テ ア リ ン酸ア ル ミ ニ ウ ム ま たはボ リ エ チ レ ン グリ コ ー ルを例示でき る
また、 流動性促進剤と しては、 軽質無水ケ ィ酸、 乾燥水酸 化ア ル ミ ニ ウ ムゲル、 合成ケィ酸ア ル ミ ニ ウ ム またはケ ィ酸 マグネシ ウム を例示でき る。
さ ら に、 本発明の血管新生阻害剤は、 懸濁液、 ェマルジ ョ ン剤、 シ ロ ッ プ剤またはエ リ キシル剤 と して も投与する こ と ができ る。 この よ う な剤形の場合には、 矯味矯臭剤ま たは着 色剤を含有 して も よい:
本発明の血管新生阻害剤は非経口剤と して投与でき る。 こ の場合には、 本発明の血管新生阻害剤中の有効成分の重量は、 患者の年令、 体重、 疾患の程度によ り 異なる力 通常、 成人 に対して 1 R あた り 1 〜 300mgの範囲内であ り 、 この投与量 を、 静注、 点滴静注、 皮下注射または筋肉注射によ り投与す るのが好ま しい。
非経口剤 と しては、 本化合物を適当な希釈剤で希釈して用 いる こ とができる:, 希釈剤と しては、 一般に、 注射用蒸留水、 生理食塩水、 ブ ドウ糖水溶液、 注射用楠物油、 ゴマ油、 ラ ッ カセィ油、 ダイズ油、 ト ウモロ コシ油、 プロ ピ レ ン グリ コー ルまたはポリ エチ レ ン グリ コールを用いる こ とができ る。 非 経口剤には、 さ ら に必要に応じて、 殺菌剤、 防腐剤または安 定剤を加えて も よい c
これらのう ち、 特に、 注射剤は、 保存安定性の観点から、 パイ アル等に充填後冷凍し、 通常の凍結乾燥技術によ り水分 を除ま して、 凍結乾燥物と して保存 し、 使用直前に凍結乾燥
物から液剤を再調製 して用いる こ と も でき る :. 注射剤には、 さ ら に必要に応じて、 等張化剤、 安定剤、 防腐剤、 無痛化剤 等を加えて も 良い。 その他の非経口剤 と しては、 例えば、 外 用液剤、 軟膏等の塗布剤ま たは直腸内投与のための坐剤が挙 げられ、 これらの製剤は常法に従って製造する こ とができる。 以上説明 したよ う に本発明の血管新生阻害剤は、 血管新生 阻害作用を有する本化合物を有効成分と して含有 し、 血管新 生と相関間係を有する病的過程の改善に極めて有用である。 例えば、 腫瘍細胞の増殖抑制、 炎症の治療、 肉芽の増殖抑制 等に利用でき る。 この他、 血管新生と相関関係を有する疾患 の治療に幅広 く 応用される。
すなわち、 本発明の血管新生阻害剤は、 血管新生を阻害す る作用を有する と共に、 病的過程で認められる、 異常に促進 された血管新生に対して も 阻害作用を有する。 これによ り 、 例えば、 腫瘍細胞の増殖抑制、 炎症の治療に代表される よ う な、 血管新生の異常亢進を伴う 各種疾患の治療に極めて有用 な医薬品を提供でき る。 また、 本発明の新規化合物は、 この よ う な血管新生阻害剤の有効成分と して極めて顕著な効果を 有する有用な化合物である。
図面の簡単な説明
図 1 は、 試験例 1 において薬物投与後の R数と相対腫瘍增 殖率との関係を示す特性図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明の実施例を詳細に説明する。 しかし、 本発明 は本実施例によ何ら限定される ものではない。
本発明における血管新生阻害作用を確認する試験を行う 前 に、 表 2 〜 4 に示す本試験に用いる化合物 ( 1 ) 〜 ( 1 4 ) を実施例に示すよ う に して得た
表 2
般式 ( I )
一般式(III) 化合物 R 5 Re Rv R8
9 メチル メトキシ 水酸基 水素原子
表 4
表 2 に示す化合物 ( 1 ) は、 上述のオーガニッ ク プレパレ イ シ ヨ ンズプロセデューズィ ン ターナシ ョナルに記載された 合成方法に従って合成したつ
また、 表 2 に示す化合物 ( 2 ) 〜 ( 4 ) は、 得れらた化合 物 ( 1 ) から常法に従って誘導する こ と によ り得た。
実施例 5
表 3 に示す化合物 ( 5 ) は、 特開平 2 — 1 8 0 8 4 6号公 報に示される方法に従ってグアヤク脂から抽出および精製し て得た。
実施例 6
表 2 に示す化合物 ( 6 ) である 3 , 4 —ジメチルー 2 , 5 一ビス ( 3 , 4 —メ チ レンジォキシフエニル) フ ランは次の よ う にして製造した。
まず、 実施例 1で得た化合物 ( 1 ) 5 0 m g を、 無水ジク ロ ロ メ タ ン 1 m 1 に溶解した。 さ ら に、 0. 8 M三塩化ホウ 素 0 . 9 m l を加えて室温で 2時間撹拌した。 反応終了を薄 層ク ロマ ト グラフ ィ ー ( T L C ) で確認した後、 反応液に水 を加えて生成した沈殿物を濾取した。 この沈殿物をアセ ト ン に溶解した後濾過し、 得られた濾液を濃縮乾固して、 3 , 4
—ジ メ チル一 2 , 5— ビス ( 3 , 4 —ジヒ ドロキシ フ エニル) フ ラ ン 2 2 . l m g を得た c
次に得られた 3 , 4 — ジ メ チル 一 2 , 5 — ビス ( 3 , 4 — ジ ヒ ドロ キシ フ エ ニル) フ ラ ン 1 2 . 2 g を、 ジ メ チルホル ムア ミ ド 2 9 0 m 1 に溶解した。 次に、 反応容器内部の空気 をアル ゴンガスで置換した。 この操作を 3 回行った。 次に、 反応液に無水炭酸カ リ ゥ ム 4 0 g を加え、 再び反応容器内の 空気をアルゴン ガス で 3 冋置換した。 この後、 反応液にジブ ロモ メ タ ン 8 . 7 m 1 を加えて 60でで 4 時間撹拌した: 反応 終了を T L Cで確認した後、 反応液を酢酸ェチルで希釈し、 2 N塩酸、 水、 飽和炭酸水素ナ ト リ ウ ムおよ び飽和食塩水で 順次洗浄した。 次いで、 無水硫酸マ グネシ ウ ムで乾燥し、 溶 媒を留ま して濃縮乾固 し、 残渣 9.76gを得た。 得られた残渣 をシ リ カ ゲルカ ラ ム ク ロマ ト グラ フ ィ ー [カ ラ ムサイ ズ ; 径 6cm X 20cm, キーゼルゲル 60, 70-230メ ッ シ ュ, へキサ ンー鲊酸 ェチル (8:1), 1 画分あた り 1 5 m l ] に付して、 3 3 〜 2 8 0番目 に溶出 した画分を合わせて濃縮 し、 齚酸ェチル—へキ サンから結晶化して化合物 ( 6 ) 5. 0 8 1 5 g を得た:. 生成物 ( 6 ) の理化学的特性は次の通り である。
性状 : 無色針状晶
融点 : 1 5 2 〜 : I 5 3 °C
赤外線吸収スペク ト ル ( IR, V max cm" ' , KBr) :
2 7 9 2 , 1 5 0 2 , 1 4 8 6 , 1 2 3 0 , 1 0 3 6 , 9 3 2, 7 1 2
紫外線吸収ス ペク ト ル [ λ max nm ( loge ) , EtOH] :
2 1 9 ( 4 . 2 8 ) , 2 6 2 ( 4 . 0 5 ) ,
3 3 0 ( 4 . 3 2 ) , 2 . 1 8 ( 6 H , s ) ,
5 . 9 9 ( 4 H, s ) ,
6 . 8 7 ( 2 H , d , J = 8 . 0 H z ) ,
7 . 1 4 ( 2 H , d d , J = 2 . 0 , 8 . 0 H z ) ,
7 . 1 6 ( 2 H , b r s )
マス スペク ト ル ( E I — M S ) m / z ( % ) :
3 3 6 (M +, 1 0 0 ) , 1 8 7 ( 2 2 ) , 1 6 8 ( 2 0 ) 高分解能マス ス ぺ ク ト ル
C K
計算値 : 3 3 6 . 0 9 9 2
実測値 : 3 3 6 . 0 9 8 7
実施例 7
表 2 に示す化合物 7 である 3 , 4 —ジメ チルー 2 , 5 — ビ ス ( 3 , 4 一エチ レ ン ジォ キシ フ エ ニル) フ ラ ン は次の よ う に して得た。
実施例 6 と 同様に して化合物 ( 1 ) から得た 3 , 4 ー ジ メ チルー 2 , 5 — ビス ( 3 , 4 ー ジ ヒ ドロ キシ フ エニル) フ ラ ン 1 2 . 2 g を、 ジメ チルホルム ア ミ ド 7 0 m 1 に溶解した 後、 反応容器内の空気をアルゴンガスで 3 冋置換した。 次に、 反応液に無水炭酸カ リ ウ ム 1 2 . 6 0 g を加え、 再びア ルゴ ンガスで 3 回置換した。 さ ら に、 反応液にジブロモェタ ン 3 . 9 4 m l を加えて、 6 0 °Cで 6 時間撹拌した。 反応終了を T L Cで確認した後、 反応液を酢酸ェチルで希釈し、 2 N塩酸、 水、 飽和炭酸水素ナ ト リ ゥ ムお よび飽和食塩水で順次洗浄し
た: この後、 反応液を無水硫酸マ グネ シ ウ ムで乾燥 し、 さ ら に濃縮乾固 して残渣 3 . 9 4 g を得た。 得られた残渣をシ リ 力 ゲルカ ラ ム ク ロマ ト グラ フ ィ ー [カ ラ ムサイ ズ : 直径
.5cm X 40cm, キーゼルゲル 60, 70-230メ ッ シ ュ, 300g, へキサ ン —酢酸ェチル (8:1,6:1) ,各画分 15ml] に付して、 画分 3 1 〜 5 3 を合わせて濃縮 して化合物 ( 7 ) 1 . 2 5 8 g を得た。 化合物 ( 7 ) の理化学的特性は次の通 り である
性状 : 白色粉末
赤外線吸収スペク ト ル ( I R , V max cm" 1 , KBr) :
2 9 7 6 , 1 5 8 3 , 1 4 5 4 , 1 2 8 0 , 1 0 6 8 , 9 2 6, 7 1 2
紫外線吸収スペク ト ル [ ス max nm(loge ),EtOH] :
3 2 7 ( 4 . 3 2 ) , 2 4 2 ( 4 . 1 1 ) , 2 2 1 ( 4 . 2 7 )
プロ ト ン核磁気共鳴スペク ト ル ( δ ppm in CDC13 ) :
2 . 1 8 ( 6 H , s ) , 4 . 2 7 ( 8 H, s ) ,
6 . 8 9 ( 2 H , d , J = 8 . 0 H z ) ,
7 . 1 6 ( 2 H , d d , J = 2 . 0 , 8 . 0 H z ) , 7 . 1 9 ( 2 H , d, J = 2 . 0 H z )
マス スペク ト ル (EI -MS) m/z (%) :
3 6 4 (M +, 1 0 0 ) , 1 8 2 ( 1 2 )
高分解能マス スぺク ト ル
し 22H 2θΟ
計算値 : 3 6 4 . 1 3 1 0
実測値 : 3 6 4 . 1 3 0 6
実施例 8
表 2 に示す化合物 ( 8 ) である 2 . 5 — ビス ( 3 , 一 ヒ ド 口キ シ 一 4 ' ー メ ト キ シ フ エ ニル) 一 3 , 4 — ジ メ チル フ ラ ン は次の よ う に して得 ら れた。
まず、 出発物質である 3 — ヒ ド ロ キシ 一 4 — メ ト キ シベ ン ズア ルデヒ ド 1 0 0 g を ジ メ チ ルホ ルム ア ミ ド 7 0 0 m 1 に 溶解 した。 こ の溶液に、 無水炭酸カ リ ウ ム 1 0 0 g 、 ベ ン ジ ルブロ ミ ド 9 0 m 1 を加え、 9 0 ° (:、 6 時間撹拌した: 反応 終了を T L C によ り 出発物質の消失に よ り確認した後、 反応 液を酢酸ェチルで希釈し、 水 1 リ ツ ト ルで 2 回洗浄した . 得 られた酢酸ェチル層を、 2 N塩酸およ び飽和炭酸水素ナ ト リ ゥ ム水溶液で順次洗浄し、 無水硫酸マ グネ シ ウ ムで脱水 した 後濃縮 した。 残渣にはジメ チルフ オ ルムア ミ ドが残っていた ため、 乾固せず薄黄色油状物質と して 1 5 8 . 6 5 g を得た。 こ の残渣にメ タ ノ ール 1 5 0 m 1 を加え、 低温室に一夜放置 し、 生成した結晶を減圧濾取する こ と によ り 、 3 — ベ ン ジル ォキ シ 一 4 ー メ ト キシベンズア ルデヒ ド 1 2 3 . 5 1 (収 率 7 8 % ) を得た。
三つ頸フ ラ ス コ に、 3 . 0 Mェチルマ グネ シ ウ ム ブロ ミ ド - ェ一テ ル溶液 1 8 7 m l を入れ、 氷冷下 5分間撹拌した。 こ の溶液に 3 —ベ ン ジルォ キシ ー 4 — メ ト キシベンズア ルデ ヒ ド 1 2 3 . 5 1 g を ト ルエ ン 4 0 0 m 1 に溶解した溶液を 滴下ロ ー トから約 2 0 分かけて滴下して加え、 さ ら に氷冷下 2 時間撹拌した。 反応終了後、 酢酸ェチル 3 0 0 m 1 を反応 液に加えて希釈した。 さ ら に、 この反応液中に硫酸ナ ト リ ウ
ム 1 0水和物を細かく砕いたも のを加え、 2 時間、 すなわち、 沈殿物がさ ら さ ら になる まで撹拌した。 3 時間静置 した後、 反応液を減圧濾取 して上清と沈殿に分けた。 上清を濃縮乾固 する こ と によ り 、 1 — ( 3 , 一ベンジルォキシー 4 , 一 メ ト キ シ フ エ ニル) プロ ノ、。ノ ー ル 1 4 0 . 5 7 g を得た。
一方、 氷浴で冷却しながら、 水 7 2 m l に濃硫酸 4 1 m l を加え、 酸化ク ロム (一) 4 8 g を加えて撹拌し、 水を加え て全量を 3 5 0 m l と してジ ョ 一 ンズ ( Jone' s) 試薬を調製 した。
先に得られた 1 — ( 3 , 一ベンジルォキシー 4 , 一 メ ト キ シ フ エニル) プロ パノ ール 1 4 0 . 5 7 g を アセ ト ン 8 3 0 m l に溶解した。 この溶液に、 ジ ヨ ー ンズ試薬 3 5 0 m l を、 氷冷下 ( 0〜 1 0 での間) で 1 時間かけて少量ずつ加え、 さ ら に 1 時間撹拌した。 反応終了後、 イ ソ プロ ピルアルコ 一 ル 5 0 0 m 1 を反応液に加え、 反応液が緑色に変化する まで放 置した。 こ の後、 反応液をジク ロロ メ タ ンで 3 回抽出 し、 得 られたジク ロ ロメ タ ン層を、 水、 飽和炭酸水素ナ ト リ ウム水 溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、 無水硫酸マ グネシ ウ ム で乾燥し、 さ らに濃縮 した。 得られた残渣を、 ジク ロロ メ タ ンー メ タ ノ ールから結晶化する こ と によ り 、 3 —ベンジルォ キシ 一 4 - メ ト キシ プロ ピオ フ エ ノ ン 1 0 0 . 0 1 g (収率 7 3 % ) を得た:
得られた 3 —ベ ン ジルォキシ一 4 — メ ト キシプロ ピオ フ エ ノ ン 1 0 0 g をテ ト ラ ヒ ドロフ ラ ン 1 . 0 リ ツ ト ル に溶解し た。 この溶液に、 ナ ト リ ウム ピス ト リ メ チルシ リ ルアミ ド 1
0 0 g を加えて 8 0 でに加温し、 3 0 分撹拌した :, 続いて ョ ゥ素をテ ト ラ ヒ ド ロ フ ラ ン 0 . 5 リ ッ ト ル に溶解し、 こ の溶 液を滴下漏斗から反応液中に一気に滴下して加え、 さ ら に 3 0分撹拌を続けた。
反応液を放冷した後、 さ ら に 3 0分間氷冷 し、 こ の反応液 に飽和塩化ア ンモニゥム 1 リ ツ ト ルを加えて、 さ ら に 1 時間 撹拌した。 こ の反応液を酢酸ェチル 1 リ ツ ト ルで抽出 し、 得 られた酢酸ェチル層を飽和チォ硫酸ナ ト リ ウム水溶液、 水、 2 N塩酸、 飽和炭酸水素ナ ト リ ウム水溶液およ び飽和食塩水 の順で洗浄した。 次いで、 酢酸ェチル層を無水硫酸ナ ト リ ウ ムで乾燥した後濃縮乾固した。 得られた残渣を、 シ リ カ ゲル カ ラ ム ク ロマ ト グラ フ ィ ー [キーゼルゲル 60, 70〜 230メ ッ シ ュ ( 1 k g ) 、 へキサン : 酢酸ェチル (5:1),画分 1〜 20,(3:1) 画分 21〜 40、 各画分 1 リ ッ ト ル] に付 して、 得られた画分 2 6 〜 4 0 を濃縮乾固する こ と に よ り 、 (土) 一 2 , 3 — ビス
( 3 —べ ン ジルォ キ シ一 4 — メ ト キシベン ゾィ ル) ブタ ン 4 0 . 8 4 g (収率 4 1 % ) を得た。
得られた (土) 一 2 , 3 — ビス ( 3 —ベ ン ジルォキ シー 4 ー メ ト キ シベンゾィ ル) ブタ ン 4 0 . 8 4 g を ク ロ 口 ホルム 7 4 0 m 1 に溶解した。 この溶液に、 塩化ァセチル 8 . 7 m 1 の メ タ ノ ー ル 7 4 0 m l 溶液を加え、 7 0 で、 2 時間撹拌 した。 次いで、 反応液を濃縮 し、 得れらた残渣をジク ロ ロ メ タ ン 一 メ タ ノ ール力 ら結晶化 して、 2 , 5 — ビス ( 3 , 一ベ ン ジルォ キシ一 4 , 一 メ ト キシ フ エ ニル) フ ラ ン 3 2 . 1 6 g (収率 8 2 % ) を得た。
生成物の理化学的性質は次の通りである。
赤外線吸収スぺク ト ル (IR, レ max cm" 1 , KBr) :
1 6 0 0 , 1 5 8 4 , 1 5 1 2 , 1 2 5 4, 1 2 1 8 , 1 0 1 4
プロ ト ン核磁気共鳴スペク ト ル ( S ppm in CDC13 ) :
2 . 0 5 ( 6 H, s ) , 3 . 9 2 ( 6 H , s ) ,
5 , 2 1 ( 4 H , b r s ) ,
6. 9 5 ( 2 H, d, J = 8. 8 H z ) ,
7 . 1 8 〜 7. 5 0 ( 1 4 H , m)
マススぺク ト ル (EI -MS)m/z (%):
5 2 0 (M +, 7 7 ) , 4 0 1 ( 5 8 ) , 2 9 5 ( 2 2 ) ,
9 1 ( 1 0 0 )
高分解能マススぺク ト ル 計算値 : 5 2 0. 2 2 5 0
実測値 : 5 2 0. 2 2 6 2
前工程で得られた 2 , 5— ビス ( 3 , 一ベンジルォキシー 4 , ーメ ト キシフ エニル) フ ラ ン 3 2 . 1 6 g を、 テ ト ラ ヒ ドロフラ ン 1 7 0 0 m l に溶解し、 さ らにメ タ ノ ール 2 9 0 m l を加えた。 この溶液に P d C l 2 4 3 0 m gを加え、 水素気流下、 室温で 5時間撹拌した。 反応終了後、 セライ ト 濾過して得られた濾液を濃縮した。 濃緑色を呈した残渣をジ ク ロ ロ メ タ ン 1 0 0 m l に溶解した。 こ の溶液に、 メ タ ノ 一 ル 5 0 0 m l を加えて生じた沈殿を濾取し、 黄白色沈殿 2 1 . 8 8 gを得た。 この沈殿を シ リ カゲルカ ラム [キーゼルゲル
60, 70-230メ ッ シュ (300g),へキサン 一齚酸ェチ ル (3:1),各画分 100ml] に付して、 得られた分画 9 〜 3 3 を合わせて濃縮し、 残渣をへキサ ン—酢酸ェチルから結晶化して化合物 ( 8 ) 1 4 . 8 3 9 3 g を得た。
一方、 残渣をシリ 力 ゲルカ ラム に付してメ タ ノ ールで溶出 して得られた画分 3 . 5 4 g を、 さ らにシリ カ ゲルカ ラム
[草野科学社製、 CIG column,カ ラ ムサイ ズ ; 直径 50nunX 3 0 0 mm , へキサン一酢酸ェチル(3:1),各画分 15ml〕 に付して、 画分 5 1 〜 1 5 0 を合わせて濃縮し、 残渣をへキサン—酔酸 ェチルから結晶化して、 化合物 ( 8 ) 3. 3 7 2 9 gを得た。 先に得られたものと合わせて最終的に化合物 ( 8 ) 1 8 . 2 1 g (収率 8 7 % ) が得られた。
化合物 ( 8 ) の理化学的特性は次の通り である。
性状 : 無色針状晶
融点 : 1 3 0〜 1 3 1 "
赤外線吸収スペク ト ル (IR,レ max cm' 1 ,KBr) :
3 4 3 6 , 1 5 7 8 , 1 5 1 0 , 1 2 9 0 , 1 2 6 0,
1 0 1 4 , 8 6 8
プロ ト ン核磁気共鳴スペク ト ル δ ppm in CDCh ) : 2 . 1 9 ( 6 H , s ) , 3 . 9 1 ( 6 H , s ) ,
5 6 4 ( 2 H b r s ) ,
6 9 0 ( 2 H d, J = 8 . 5 H z )
7 2 0 ( 2 H d d , J = 2 . 0 , 8 . 5 H z ) ,
2 8 ( 2 H d , J = 2 . 0 H z )
力 一ボン核磁気共鳴スぺク ト ル ppm in CDCla )
9 - 8, 5 6. 1, 1 1 0. 8, 1 1 2 . 0, 1 1 7 . 7 , 1 1 8. 0 , 1 2 5. 9 , 1 5. 5, 1 4 5 . 6, 1 6. 7
マススぺク ト ル (EI-MS)m/z (%) :
3 4 0 (M十, 1 0 0) , 3 2 5 (4 7 ) 2 9 7 ( 1 1 ) , 1 7 0 ( 2 2 )
高分解能マス スぺク ト ル
計算値 : 3 4 0. 1 3 1 1
実測値 : 3 4 0. 1 3 2 1
実施例 9
表 3 に示す化合物 ( 9 ) である 2 4 — ビス ( 4 ーヒ ドロ キシ 一 3 — メ ト キシ フ エニル) 一 3 5 一ジメ チルフ ラ ン を 次の よ う に して得た。
4 — ヒ ドロ キシ一 3 — メ ト キシベンズアルデヒ ド 1 0 0 g をジ メチルホルム ア ミ ド 7 0 0 m l に溶解し、 無水炭酸カ リ ゥム 1 0 0 g とベンジルブロ ミ ド 9 0 m l を添加し、 8 01:、
1 . 5時間撹拌した。 反応終了後、 反応液を水 1 リ ツ ト ル に あけ、 酢酸ェチル 3 0 0 m 1 で 3回抽出した。 この酔酸ェチ ル層を水で 2 回洗浄して、 無水硫酸マグネシ ウ ムで乾燥した 後濃縮した。 得られた残渣をメ タ ノ ールから結晶化して、 4 一ベンジルォキシ ー 3 —メ ト キシベンズアルデヒ ド 1 4 2 . 9 5 g (収率 8 9 % ) を得た。
次に、 フ ラ ス コに 3 . 0 Mェチ ルマグネ シウ ム ブロ ミ ドエ —テル溶液 1 3 0 m 1 を入れ、 水冷下で 5分間撹拌した。 こ
れに、 先に得た 4 —ベンジルォキシ ー 3 —メ ト キシベンズァ ルデヒ ド 8 5. 5 3 g を ト ルエン 3 0 O m l に溶解した溶液 を滴下ロー トから 3 〜 4 0分かけて滴下し、 さ ら に、 氷冷下 で 2 0分間撹拌した。 反応終了後、 水 2 0 0 m 1 を少量ずつ 添加し、 まず有機層 と水層を分離した。 この水層を ト ルエン で 3回抽出し、 得られた トルエン層を先の有機層 と合わせた。 この有機層を、 水、 飽和炭酸水素ナ ト リ ウムおよ び飽和食塩 水で順次洗净し、 無水硫酸マグネシ ウムで乾燥した後濃縮 し た。 得られた残渣を メ タ ノ ールから結晶化して、 4一べンジ ルォキシー 3 —メ ト キシプロ ピオフエノ ール 9 3 . 0 2 g (収率 1 0 0 % ) を得た。
—方、 氷浴で冷却しながら、 水 4 8 m 1 に濃硫酸 2 7 m l を加え、 無水酸化ク ロム 3 2 gを加えて撹拌し、 水を加えて 全量を 2 3 5 m l と してジ ョ 一 ンズ試薬を調製した。
前工程で得られた 4 一ベンジルォキシー 3 _メ ト キシプロ ピオフエノール 9 3. 0 2 g をアセ ト ン 5 5 0 m l に溶解し、 氷冷下で、 ジ ヨー ンズ試薬 2 3 0 m 1 を 0 ~ 1 0 :の間で少 量ずつ添加して 1 時間撹拌した。 反応終了後、 ィ ソプロ ピル アルコール 1 0 0 m 1 を反応液が緑色になる まで添加し放置 した。 反応液をジク ロロメ タ ンで 3 回抽出し、 得られたジク ロロ メ タ ン層を、 水、 飽和炭酸水素ナ ト リ ウム水溶液、 飽和 食塩水で順次洗浄し、 無水硫酸マグネシゥムで乾燥した後濃 縮した。 得られた残渣をジク 口ロメ タ ン ィ ソプロピルエー テルから結晶ィ匕し、 4 —ベンジルォキシー 3 —メ トキシプロ ピオフエノ ン 5 3 . 2 2 g (収率 5 8 % ) を得た c:
ジ イ ソプロ ビ ルア ミ ンのテ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ン溶液を三頸フ ラ ス コに入れてフ ラ ス コ内部の空気をア ^ゴンガスで置換し た。 次に、 溶液を— 7 0 °Cに冷却した後、 n —プチル リ チウ ム へキサ ン溶液を加え、 一 7 0 で 1 0分間撹拌した。 こ の溶液に、 4 —ベン ジルォキ シ ー 3 — メ ト キ シ ブロ ピ オ フ エ ノ ンのテ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ン溶液を加え、 一 7 0 t 、 3 0分撹 拌した。 さ ら に、 N — ク ロ ロ コハク酸イ ミ ドのテ ト ラ ヒ ドロ フラ ン溶液を加え、 — 7 0 °C、 1 0分撹拌した。 室温に戻し、 さ ら に 1 . 5 時間、 反応液を撹拌し続けた。 この結果、 反応 液は次第にオ レンジ色に着色した。 この後、 飽和塩化アンモ ニ ゥ ム水溶液を加え、 3 0分撹拌した。 この溶液に酢酸ェチ ルを加えて希釈した後、 酢酸ェチル層を水、 2 N塩酸、 飽和 炭化水素ナト リ ウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄した。 この酢酸ェチル層を無水硫酸マグネシ ゥ ムで乾燥した後濃縮 乾固 して、 残査 3 8 . 4 8 g を得た。 こ の残渣をシリ カ ゲル カ ラ ム [キーゼルゲル 60, 70-230メ ッ シュ (380g),へキサン 一齚 酸ェチル (5: 1) ,各画分 500ml] に付して、 画分 1 7 〜 2 6 を合 わせて濃縮乾固する こ とによ り 、 1 , 3 — ( 4 一ベンジルォ キシ ー 3 — メ ト キシ フ エニル) 一 3 , 4 一エポキ シ一 2 — メ チル一 1 — オ ン一ペン タ ン 7 . 1 g を得た。
得られた 1 , 3— ( 4 —ベンジルォ キシ 一 3 — メ ト キシ フ ェニル) 一 3, 4 —エポキシ 一 2 — メ チル一 1 一 オン 一ペン タ ン をク π 口 ホルム に溶解した。 こ の溶液に、 塩化ァセチル のメ タ ノ ー ル溶液を加え、 9 0 でで 2 時間撹拌した。 反応液 を濃縮し、 残査をシ リ カ ゲルカ ラム [キーゼルゲル 60, 70-230
メ ッ シュ (140g),へキサンー齚酸ェチ ル (5:1) ,各画分 1 リ ッ ト ル] に付して、 画分 2 〜 6 を合わせて濃縮乾固するこ と によ り 、 3, 5 — ジメ ト キ シー 2 , 4 一 ビス ( 3 —べンジルォ キ シ ー 4 ー メ ト キシ フ エ二ル) フ ラ ン 6 g を得た。
得られた 3 , 5 —ジメ トキ シ 一 2, 4 一 ビス ( 3 —べン ジ ルォ キシ ー 4 ーメ ト キシフ エニル) フ ラ ン 6 g を、 テ ト ラ ヒ ドロ フラ ン 3 0 0 m 1 に溶解し、 さ ら に メ タ ノ ー ル 5 0 m 1 を加えた。 この溶液に P d C 1 28 0 m l を力 Uえ、 水素気流 下、 室温で 3時間撹拌した。 反応終了後、 溶液をセライ ト濾 過して、 濾液を攮縮して残渣 4 . 4 4 g を得た。 残渣をシリ 力 ゲルカ ラ ム [CIG力 ラ ムク ロマ ト グラ フ ィ ー (サイズ ; 直 径 22腿 X 300mm) , へキサ ンー醉酸ェチル (4 :1),各画分 15ml] に 付して、 画分 8 5 〜 1 2 3 を合わせて濃縮して化合物 ( 9 ) 2 . 2 9 g を得た。
化合物 ( 9 ) の理化学的特性は次の通りである。
性状 : 淡褐色粉末
赤外線吸収スぺク ト ル (IR, v max cm— 1 ,KBr) :
3 3 6 8 , 1 6 3 0 , 1 6 0 0, 1 5 1 4 , 1 3 9 0 紫外線吸収スぺク ト ル [ λ max nmdog ε ),EtOH] :
2 1 0 ( 4 . 4 8 ) , 2 3 3 ( 4 - 1 9 ) , 2 8 8 ( 4 . 2 9 )
プロ ト ン核磁気共鳴スペク ト ル ( S ppm in CDCh ) : 2 . 1 5 ( 3 H, s ) , 2 . 3 4 ( 3 H, s ) ,
3 . 9 1 ( 6 H, s ) , 3. 9 6 ( 3 H, s ) ,
5 . 6 4 ( 1 H, s ) , 5 . 6 5 ( 1 H, s ) ,
7 8 ( 1 H d, J = 2 . 0 H z )
7 9 ( 1 H d d, J = 2 . 0, 8 5 H z )
9 6 { 1 H d, J = 8. 0 H z )
9 8 ( 1 H d, J = 8 . 5 H z )
1 2 ( 1 H d d , 1 = 2 . 0, 8 0 H z ) ,
1 7 ( 1 H d, J = 2 . 0 H z )
カ ーボン核磁気共鳴スぺク ト ル ( S ppm in CDC ) 1 0. 7 , 1 2 . 4, 5 6. 0, 1 0 8. 3 , 1 1 2 3,
1 1 1 1 5. 0 , 1 1 8 9 1 2 2 1 2 4 . 6,
1 2 4 1 2 5. 7, 1 4 4. 5 4 6 . 4 1 4 6. 6 ,
1 4 6. 9
マススべク ト ル ( Εレ MS) m/z (%):
3 4 0 (M + )
実施例 1 0
表 2 に示す化合物 ( 1 0 ) である 2 5 —ビス ( 4 ヒ ドロ キシー 3, ー メ ト キシ フ エニル) 3, 4 ー ジイ ソ ブチ ルフ ラ ン を次のよ う に して得た。
マグネシ ウ ム 1 0 gにテ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ン 5 m 1 を加え、 1 , 2 —ジブロモェタ ン 2滴を加えた。 反応液が白濁した後、 1 —ブロモー 3— メ チルブタ ン 3 0 m l とテ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ン 3 0 m 1 の混合溶液の滴下を開始した。 この際、 反応溶液 が発熱した らテ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ン 4 0 m 1 を一度に加えた。 この よ う に して穏やかに発熱する程度に反応液の温度を維持
しつつ混合溶液を滴下し続けた。 滴下が終了 した後反応液を
2時間室温で撹拌した。
上述のオーガニッ ク プレパレイ シ ヨ ンズプロセデュ一ズィ ンタ ーナシ ョ ナルに記載された 4 一ベンジルォキシ一 3 — メ ト キシベンズアルデヒ ト 5 0 g を ト ルエン 1 5 O m l に溶解 した。 この溶液を氷浴で冷却しながら先の反応混合物に滴下 した。 滴下終了後、 さ らに 3 0分氷浴で冷却しながら撹拌し た。 次に、 反応混合物に過剰の硫酸ナ ト リ ウム十水和物を加 えた。 この反応混合物を一晩撹拌した後、 生成した沈殿を濾 別し、 濾液を溏縮する こと に よ り、 1 一 ( 4 , 一ベンジルォ キシー 3 , ーメ ト キシフエニル) 一 4 ーメチルペンタ ノ 一 ル 6 4 . 5 g (収率 9 7 . 8 % ) を得た。
別途、 氷浴で冷却しながら水 2 7 m 1 に濃硫酸 1 5 m 1 を 加えた。 この溶液に酸化クロム (一) 1 8 gを加えて撹拌し、 水を加えて全量を 1 3 0 m l と して、 ジ ヨー ンズ試薬を調整 した。
先に得た 1 一 ( 4 , 一ベンジルォキシ一 3, ー メ トキシフ ェニル) 一 4 ーメチルペンタ ノ ール 6 3 . 0 g をアセ ト ン 3 1 0 m l に溶解し、 氷浴で冷却しながらジヨ ーンズ試薬を 0 〜 1 0 " で滴下した。 滴下終了後、 溶液にイ ソプロピルアル コール 5 0 m 1 を加え、 溶液が緑色を呈する まで室温で撹姅 した。 次に、 反応液をジク ロ ロメタ ン 4 0 0 m 1 で 3 回抽出 した。 得られた抽出液を、 水 3 0 0 m l 、 飽和炭酸水素ナ ト リ ゥム水溶液 3 0 0 m 1 およぴ飽和食塩水 3 0 0 m l で順次 洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、 減圧下で濃縮
して褐色結晶を得た。 この結晶をエーテ ル一へキサンから再 結晶する こ と によ り 4, 一ベンジルォ キ シー 3 , ーメ ト キ シ — 4 — メ チ ルノ レ ロ フ エ ノ ン 5 1. 6 g (収率 8 2. 6 % ) を得た。
得られた 4, 一ベン ジルォ キシ ー 3 , ー メ ト キ シ 一 4 ー メ チルノ レ ロ フ エ ノ ン 4 O g を、 テ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ン 6 0 0 m 1 に溶解した。 この溶液にナ ト リ ウ ム ピス ト リ メ チルシ リ ル ア ミ ド 4 0 . 8 g を加えて 3 0分還流して加熱した。 次に、 ヨ ウ素 2 5. 6 g をテ ト ラ ヒ ドロフ ラ ン 2 0 0 m l に溶解し て、 反応液に一気に加え、 さ らに 3 0分還流して加熱した。 反応液を放冷した後、 飽和塩化アンモニ ゥム水溶液 4 0 0 m 1 を加えて撹拌した。 この後、 反応液に酢酸ェチル 5 0 0 m 1 を加え、 醉酸ェチル層を飽和チォ硫酸ナ ト リ ウム水溶液 6 0 0 m l 、 水 6 0 0 m l、 2 N塩酸 6 0 0 m 1 、 飽和炭酸水 素ナ ト リ ウ ム水溶液 6 0 0 m 1 およ ぴ飽和食塩水 6 0 0 m l で順次洗浄した。 洗浄した酢酸ェチル層を無水硫酸マグネシ ゥ ムで乾燥した後、 減圧下で濃縮した。 残渣をシ リ カ ゲル力 ラムクロマ ト グラ フ ィ ー (ジク ロロ メ タ ン) によ り分離し、 褐色固体を得た。 こ の固体をク ロ口 ホルム 6 5 0 m 1 に溶解 し、 塩化ァセチル 7. 6 m l およびメ タ ノ ー ル 1 2 6 0 m 1 の混合溶液を加えた。 2時間還流した後、 反応混合物を減圧 下で濃縮した。 得られた残渣をシリ 力 ゲルカ ラム クロマ ト グ ラフィ 一 (ジクロ ロメ タ ン一へキサン 2 : 3 ) に よ り分離し、 褐色結晶を得た。 この結晶をエタノールから再結晶して、 2, 5—ビス ( 4, 一ベンジルォキシ一 3 , 一メ トキ シフエニル)
一 3, 4ージイ ソプチルフラ ン 2 2. 7 g (収率 5 8. 7 % ) を得た。
生成物の理化学的性質は次の通りである。
性状 : 白色針状結晶
融点 : 1 1 3 . 3 X:
赤外線吸収スぺク ト ル (IR, リ max cm— 1,KBr) :
2 9 5 2 , 1 5 1 2 , 1 4 5 4 , 1 2 7 , 1 2 5 2 , 1 2 1 8 ,
1 1 4 4 , 1 0 2 6 , 7 9 0
プロ ト ン核磁気共鳴スペク ト ル ( <5 ppm in CDC ) :
0 9 3 ( 1 2 H , d, J = 6 . 6 H z ) ,
1 8 0 〜 丄 . 9 7 ( 2 H, m) ,
2 5 2 ( 4 H , t, J = 7. 3 H z ) 3. 9 5 ( 6 H , s )
5 1 9 ( 4 H , s 6. 9 0 〜 6 9 4 ( 2 Η, m)
7 . 1 6 - 7. 4 8 ( 1 4 H , m)
マス スぺク ト ル (EI -MS) m/z (%)
6 0 4 (M + )
元素分析
理論値 C : 7 9. 4 4 H 7. 3 3
測定値 C : 7 9. 6 3 H 7. 2 5
上述のよ う にして得た 2 5 — ビス ( 4, 一ベン ジルォキ シ ー 3, 一 メ ト キシ フ エニ ル) 一 3 , 4 ージイ ソ ブチ ルフ ラ ン 9 . 0 g を、 テ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ン 1 0 0 m l に溶解し、 メ タ ノ ール 2 0 m l を加えた。 この溶液に触媒と して塩化パラ
ジゥム 1 0 0 m g を加え、 水素気流下室温で 3時間撹拌した。 塩化パラジゥムをセライ ト濾過によ り濾別し、 濾液を減圧下 で濃縮して白色結晶を得た。 この結晶をメ タ ノ ー ル一水から 再結晶して、 化合物 ( 1 0 ) 5 . 8 g (収率 9 2 . 0 % ) を 得た。
化合物 ( 1 0 ) の理化学的性質は次の通りである。
性状 : 白色板状結晶
融点 : 1 1 3. 2 - 1 1 . 0 t
赤外線吸収スペク ト ル (IR, リ max cnf KBr) :
3 5 5 2 , 1 5 1 0 , 1 2 7 2 , 1 2 5 0, 1 2 2 0 , 1 1 9 8 , 7 8 8
プロ ト ン核磁気共鳴スペク ト ル ( 5 ppm in CDCh ) : 0. 9 3 ( 1 2 H , d, J = 6. 8 H z ) ,
1 . 8 1 〜 : L . 9 7 ( 2 H, m) ,
2 . 5 2 ( 4 H , t , J = 7. 3 H z ) ,
3 . 9 4 ( 6 H, s ) 5. 6 3 ( 2 H , s ) ,
6 . 9 3〜 6. 9 8 ( 2 H, m ) ,
7. 1 7 - 7. 2 4 ( 4 H , m)
マススぺク ト ル (EI-MS) m/z(%) :
4 2 4 (M + )
高分解能マススぺク ト ル
理論値 : 4 2 4. 2 2 4 9 7
測定値 : 4 2 4. 2 2 5 3 6
元素分析
理論値 C : 7 3. 5 6 H : 7. 6 0
測定値 C : 7 3. 3 3 H : 7 . 6 1
実施例 1 1
表 2 に示す化合物 ( 1 1 ) である 2, 5—ビス ( 4, ー ヒ ドロ キシ ー 3, , 5 ' —ジメ ト キシ フ エ ニル) 一 3, 4 — ジ メチルフ ラ ンは次の よ う に して得た。
まず、 ェチ ルマグネシ ウム ブロ ミ ド 1 2 O m l を氷浴で冷 却しながら 5分撹拌した。 こ の溶液に、 Jornal of Natural Products, Vol 54, Nol (1991), pll0〜 118に記載された方法に従って 合成した 4一ベン ジルォキシ 一 3, 5 — ジメ ト キ シベンズァ ルデヒ ド 5 0 gをテ ト ラ ヒ ドロ フラ ン 1 5 0 m l に溶解 した 溶液を 3 0分かけて滴下した。 滴下終了後、 反応液を さ ら に 1 時間水浴で冷却しながら撹拌した。 次に、 過剰の硫酸ナ ト リ ウム十水和物を反応液に加えてさ ら に一晚撹拌した。 生成 した沈殿を濾別した後、 濾液を減圧下で濃縮 し、 生じた油状 物質をァセ ト ン 2 5 0 m l に溶解して溶液と した。
別途、 氷浴で冷却しながら、 水 2 4 m 1 に濃硫酸 1 3 . 5 m l を加え、 酸化ク ロム (一) 1 6 g を加えて撹拌し、 さ ら に水を加えて全量を 1 1 5 m l と してジ ョ一 ンズ試薬を調製 した。
先に得た溶液にジ ヨ ー ンズ試薬を 0〜 1 0 I:で滴下した。 滴下が終了 した後、 この溶液にイソ プロ ピルアルコール 5 0 m 1 を加えて撹拌した。 この溶液が緑色を呈した ところで撹 拌を中止し、 この溶液をジク ロロメ タ ン 3 0 0 m 1 で 3 回抽 出した。 得られた抽出液を水 3 0 0 m l 、 飽和炭酸水素ナ ト リ ウム 3 0 0 m l お よ ぴ飽和食塩水 3 0 0 m l で洗浄した c:
洗浄した抽出液を無水硫酸ナ ト リ ウ ムで乾燥した後、 減圧下 で濃縮した。 得られた褐色結晶をシ リ カ ゲル カ ラ ムク ロマ ト グラ フ ィ 一 [酢酸ェチルーへキサン (1:9)] に よ り 精製 して 白色結晶を得た。 この結晶をエーテ ル一へキサンから再結晶 する こ と に よ り 、 4 , 一ベン ジルォ キシ ー 3, , 5, ージメ ト キシプロ ピオフ エ ノ ン 3 0 . 1 g (収率 5 5 . 1 % ) を得 た。
得られた 4 , 一ベンジルォ キシ ー 3, , 5, 一 ジメ ト キ シ プロ ピオ フ エ ノ ン 3 O gを、 テ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ン 4 5 0 m l に溶解した。 この溶液にナ ト リ ウム ビス ト リ メ チ ルシ リ ルァ ミ ド 2 8 g を加え、 3 0分還流して加熱した。 ヨ ウ素 1 9 g をテ ト ラ ヒ ドロフ ラ ン 1 5 0 m l に溶解した溶液を、 この反 応液に一気に加え、 さ らに 3 0分還流して加熱した。 放冷し た後、 飽和塩化ァンモニゥム水溶液 3 0 0 m l を加えてさ ら に撹拌した。 この反応液に齚酸ェチ ル 5 0 0 m 1 を加え、 酢 酸ェチル層を飽和チォ硫酸ナ ト リ ウ ム水溶液 4 5 0 m 1 、 水 4 5 0 m l 、 2 N塩酸 4 5 0 m し 飽和炭酸水素ナ ト リ ウ ム 水溶液 4 5 0 m 】 および飽和食塩水 4 5 0 m l で順次洗浄し た。 この酢酸ェチル層を無水硫酸マグネ シウ ムで乾燥した後 減圧下で濃縮した。 得られた残渣をク ロ口ホ ルム 5 0 0 m 1 に溶解し、 塩化ァセチル 5. 9 m l と メ タ ノ ール 9 7 0 m l の混合溶液を加えた。 この混合溶液を 1. 5時間還流した後、 反応混合物を減圧下で濃縮した。 得られた残渣をシリ 力 ゲル カ ラ ムク ロマ ト グラ フ ィ ー [ジクロ ロ メ タ ン一へキサ ン ( 3 : 2 ) ] に よ り精製して桃色固体を得た。 この固体を酢酸ェ
チルから再結晶 して、 2, 5—ビス ( 4 , 一ベン ジルォ キ シ 一 3, , 5 , 一ジメ ト キシ フ エニル) 一 3, 4 ー ジメ チル フ ラ ン 1 2 . 3 g (収率 4 2 . 2 %) を得た。
得られた生成物の理化学的特性は次の通りである。
性状 : 白色針状結晶
融点 : 1 4 4. 5 〜 : I 4 6 . 0 °C
赤外線吸収スぺク ト ル (IR,リ max cm" 1 , KBr) :
1 5 9 0 , 1 5 0 2 , 1 4 6 4 , 1 2 6 2 , 1 2 4 4 , 1 1 2 2
プロ ト ン核磁気共鳴スペク ト ル ( 3 ppm in CDCh ) :
2 . 2 4 ( 6 H , s ) , 3 . 8 9 ( 1 2 H, s ) ,
5 . 0 5 ( 4 Η, s ) , 6 . 8 8 ( 4 H, s ) ,
7. 2 6〜 7. 5 4 ( 1 0 Η , m)
マススぺク ト ル ( EI-MS) m/z (%) :
5 8 0 (M + )
元素分^ r
理論値 C : 7 4. 4 6 H : 6 2 5
測定値 C : 7 4. 1 6 H : 6 3 4
上述のよ う にして得られた 2 5— ビス ( 4, 一ベンジル ォ キ シ一 3, , 5 ' — ジメ ト キシフ エ二 ル) 一 3, 4 ー ジィ ソ ブチルフ ラ ン 8. 7 gをテ ト ラヒ ドロ フラ ン 1 0 0 m l に 溶解し、 メ タ ノ ール 2 0 m l を加えた。 この溶液に、 触媒と して塩化パラ ジウ ム 1 0 0 m g を加え、 水素気流下室温で 2 時間撹拌した。 次に、 塩化パラ ジウ ムをセライ ト濾過によ り 濾別し、 濾液を減圧下で濃縮して白色結晶を得た。 の TO日日
をジクロロ メ タン一へキサンから再結晶 して化合物 ( 1 1 )
5 . 7 g (収率 9 4 . 2 % ) を得た。
化合物 ( 1 1 ) の理化学的特性は次の通りである。
性状 :青色針状結晶
融点 : 1 6 0. 5 〜 : L 6 1 . 7 °C
赤外線吸収スぺク ト ル (IR, リ max cm— 1,KBr) :
1 6 0 8, 1 5 1 2 , 1 4 6 2 , 1 3 5 0 , 1 2 6 6 ,
1 2 1 0 , 1 1 1
プロ トン核磁気共鳴スぺク ト ル ((5 ppm in CDCh ) :
2 . 2 2 ( 6 H, s )
3 . 9 5 ( 1 2 H , s )
5 . 5 8 ( 2 H, s )
6 . 8 8 ( 4 H, s )
マススぺク ト ル (EI-MS) m/z(%) :
4 0 0 (M + )
高分解能マススぺク ト ル
理論値 : 4 0 0. 1 5 2 2 0
測定値 : 4 0 0. 1 5 2 8 9
実施例 1 2
表 2 に示す化合物 ( 1 2 ) であるジェチル 2, 5 —ビス ( 4, 一ヒ ドロキシー 3, ーメ トキシフエ二ル) フラン一 3, 4 —ジカ ルボキシ レ一 トは次のよう に して得た。
J. Org. Chem., Vol.37, No.26, 1972, p4371〜 4376に記載された方法に 従って合成したジェチル 2, 5 —ビス ( 4, —ベンジルォキ シ一 3, ーメ トキシベンゾィ ル) ブタ ン一 1 , 4 ージォエイ
ト 6 5 4 m g をク ロ 口ホルム 2 0 m 1 に溶解し、 p— ト ルェ ンスルホン酸一水和物 0. 1 9 gを加えた。 この溶液を 2 4 時間還流して加熱した後、 齚酸ェチル 8 0 m 1 を加え、 酢酸 ェチル層を飽和炭酸水素ナ ト リ ゥム水溶液 3 0 m 1 で洗浄し た。 酢酸ェチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、 減 圧下で濃縮した。 得られた残渣をシ リ カ ゲルカラムク ロマ ト グラ フィ ー [酢酸ェチルーへキサン (1:4)] に よ り精製して 黄色結晶を得た。 この結晶をエタノ ールから再結晶して、 ジ ェチル 2, 5 —ビス ( 4, 一ベンジルォキシー 3, ーメ ト キ シフ エニル) フラ ン一 3, 4 —ジカ ルボキシ レー ト 2 1 5 m g (収率 3 3 . 8 % ) を得た。
生成物の理化学的性質は次の通りである。
性状 : 白色針状結晶
融点 : 1 1 1 . 9〜 ; I 1 2. 4 "
赤外線吸収スぺク ト ル (IR, max cm" 1 , Br) :
1 7 3 2 , 1 7 1 0 , 1 5 1 2 , 1 2 9 0 , 1 2 7 0 , 1 2 4 4 , 1 2 1 0 , 1 1 4 0 , 1 0 6 2, 1 0 0 0
プロ トン核磁気共鳴スベク ト ル ( S ppm in CDC13 ) : 1 . 3 2 ( 6 H, t , J = 7. 1 H z ) ,
3 . 9 4 ( 6 H, s ) ,
4 . 3 1 ( 4 H, q, J = 7. 1 H z ) ,
5. 2 1 ( 4 H, s )
6 . 9 1 〜 6 . 9 5 ( 2 H , m ) ,
7. 2 4〜 7. 5 2 ( 1 H , m)
マススぺク ト ル ( EI-MS) m/z (%):
6 3 6 (M + )
元素分析
理論値 C : 7 1 . 6 8 H : 5 . 7 0
測定値 C : 7 1 . 4 8 H : 5 . 7 5
得られたジェチル 2 , 5 — ビス ( 4 一ベンジルォキシ ー 3 , ー メ トキシフ エニル) フ ラ ン一 3 4 ージカ ルボキシレ― ト 5 0 . 6 m gを酢酸ェチル 5 m 1 に溶解した。 この溶液に、 触媒と して 1 0 %パラ ジウム 一 カ ーボン 5 m g を加え、 水素 気流下室温で 3時間撹拌した。 パラ ジウ ム一 カ ーボンをセラ ィ ト滤過によ り浦別 し、 濾液を減圧下で渡縮して化合物 ( 1 2 ) 4 0 . 2 m g を定量的に得た。
化合物 ( 1 2 ) の理化学的性質は次の通りである。
性状 : 無色オ イル
赤外線吸収スぺク ト ル (IR, y max cm— 1 , CHCh ) : 3 5 4 0 , 1 7 2 0 , 1 5 1 0, 1 4 6 4 , 1 3 7 6, 1 3 2 8, 1 2 6 8 , 1 2 3 0, 1 1 7 0 , 1 0 9 8, 1 0 5 8 , 1 0 3 2
プロ ト ン核磁気共鳴スぺク ト ル ( 3 ppm in CDCh ) : 1 . 3 3 ( 6 H, t, J = 7 . 1 H z ) ,
3 . 9 5 ( 6 H, s ) ,
4 . 3 2 ( 4 H , q , J = 7 . 1 H z ) ,
5 . 8 2 ( 2 H , s )
6 . 9 5〜 7 . 0 0 ( 2 H, m ) ,
7 . 3 8〜 7 . 5 2 ( 4 H , m )
マ ス スぺク ト ル ( EI -MS) m/z (%) :
4 5 6 (M + )
高分解能マススぺク ト ル
理論値 4 5 6. 1 4 2 0 3
測定値 4 5 6. 1 4 1 3 6
実施例 1 3
表 2 に示す化合物 ( 1 3 ) である 2, 5 —ビス ( 3, — ヒ ドロキシー 4, ーメ ト キシフ エニル) 一 3, 4 ージイ ソブチ ルフ ランは次のよ う にして得た。
マグネシウム 1 0 gにテ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ン 5 m 1 を加え、 1, 2 —ジブロモェタン 2滴を加えた。 反応液が白濁した後、 1 ーブロモー 3—メチルブタ ン 3 0 m l とテ ト ラ ヒ ドロ フ ラ ン 3 0 m 1 の混合溶液の滴下を開始した。 混合溶液を滴下す る間に反応溶液が発熱したらテ トラ ヒ ドロフラン 4 0 m 1 を 一度に加えた。 この よ う にして穏やかに発熱する程度に反応 液の温度を維持しつつ混合溶液を滴下し続けた。 滴下終了後、 さ らに反応液を 1 時間室温で撹拌した。
実施例 8で得た 3 —ベンジルォキシー 4 ーメ ト キシベンズ アルデヒ ト 5 0 g を ト ルエン 1 5 0 m 1 に溶解し、 氷浴で冷 却しながら、 先の反応液に 2 0分かけて滴下して加えた。 滴 下終了後、 さ らに 2 0分間氷浴で冷却しながら撹拌した。 こ の反応液に過剰の硫酸ナト リ ゥム十水和物を加えてー晚撹拌 した。 生成した沈殿を濾別した後、 濾液を減圧下で濃縮して 生じた油状物質をァセ トン 3 1 0 m 1 に溶解した。
氷浴で冷却しながら水 2 7 m 1 に濃硫酸 1 5 m 1 を加え、 酸化クロム (―) 1 8 gを加えて撹拌し、 水を加えて全量を
1 3 0 m 1 と してジ ヨ ーンズ試薬を調製した。
先の溶液にジ ヨー ンズ試薬を 0 〜 1 0でで滴下して加え、 滴下終了後、 イ ソプロ ピルア ルコー ル 5 0 m 1 を加えて撹拌 した。 この溶液が緑色を呈したところで酢酸ェチル 3 0 0 m 1 で 3回抽出 した。 この抽出液を、 水 3 0 0 m l 、 飽和炭酸 水素ナト リ ウム 3 0 0 m l およ び飽和食塩水 3 0 0 m 1 で順 次洗浄した。 洗浄した抽出液を無水硫酸ナ ト リ ウ ムで乾燥し た後減圧下で濃縮した。 得られた褐色結晶をへキサンから再 結晶する こ と によ り 3 , 一ベンジルォ キ シ一 4, ーメ ト キ シ 一 4 —メ チルノ レロ フ エ ノ ン 4 2. 0 g (収率 6 5. 2 % ) を得た。
得られた 3 , 一ベンジルォ キシ 一 4 ' — メ ト キシー 4 - メ チルノ レロ フ エノ ン 5 gをテ ト ラ ヒ ドロ フラ ン 7 5 m 1 に溶 解した。 この溶液にナ ト リ ウ ム ピス ト リ メチルシ リ ルア ミ ド 5. l g を加えて 8 0 で 3 0分撹拌した。 ヨ ウ素 3. 2 g をテ トラ ヒ ドロフ ラ ン 2 5 m l に溶解した溶液を反応液に一 気に加えて、 さ らに 2時間撹拌した。 反応液を放冷した後に 飽和塩化ア ンモニ ゥ ム水溶液 5 0 m 1 を加えて撹拌した。 こ の後、 反応液に酢酸ェチル 8 0 0 m 1 を加え、 齚酸ェチル層 を、 飽和チォ硫酸ナ ト リ ウム水溶液 3 0 0 m l 、 水 3 0 0 m 1 、 2 N塩酸 3 0 0 m l 、 飽和炭酸水素ナ ト リ ウ ム水溶液 3 0 0 m 1 およぴ飽和食塩水 3 0 0 m 1 で洗浄した。 洗浄した 酢酸ェチル層を無水硫酸マグネシウ ムで乾燥した後に減圧下 で濃縮した。 得られた残渣をシ リ カ ゲルカ ラ ムク ロマ ト グラ フ ィ [ジク ロ ロ メ タ ン一へキサン (1:2)] に よ り 精製して
褐色固体を得た。 この固体をク ロ口ホルム 6 5 m 1 に溶解し、 この溶液に塩化ァセチル 0. 7 m l お よ びメ タ ノ ール 1 2 0 m l の混合溶液を加えた。 この混合溶液を 1 . 5時間還流し た後に減圧下で濃縮した。 得られた残渣をシ リ カ ゲルカ ラ ム ク ロマ ト グラ フ ィ ー [ジク ロ ロ メ タ ン一へキサ ン (2:3)] に よ り精製して黄色結晶を得た。 この結晶をジク ロロメ タ ン一 へキサンから再結晶 して 2, 5 —ビス ( 3, 一べンジルォ キ シ ー 4, ー メ ト キシ フ エ二ル) 一 3, 4 —ジイ ソ ブチ ルフ ラ ン 1 . 4 5 g (収率 2 2. 9 %) を得た。
得られた生成物の理化学的性質は次の通りである。
性状 : 白色針状結晶
融点 : 1 0 0. 5 〜 : I 0 1 . 4 °C
赤外線吸収スペク ト ル (IR, V max cm— 1,KBr) :
2 9 4 8 , 2 8 6 4 , 1 5 1 2 , 1 4 6 2 , 1 4 4 2 ,
1 2 5 6 , 1 2 1 8, 1 1 3 2 , 1 0 1 6
プロ ト ン核磁気共鳴スペク ト ル ( S ppm in CDCh ) : 0 . 8 7 ( 1 2 H , d , J = 6 . 6 H z ) ,
1 . 7 4 〜 ; L . 8 8 ( 2 H , m) ,
2 . 4 3 ( 4 H, d, J = 7. 3 H z ) ,
3 . 9 4 ( 6 H, s ) 5. 1 9 ( 4 H, s ) ,
6. 9 2 〜 6. 9 6 ( 2 H , m) ,
7 . 2 1 〜 7. 6 4 ( 1 H , m)
マススぺク ト ル ( EI -MS) m/z (%):
6 0 4 (M + )
元素分析
理論値 C : 7 9. 4 4 H : 7. 3 3
測定値 C : 7 9. 1 7 H : 7. 3 2
こ の よ う に して得た 2, 5—ビス ( 3, 一ベン ジルォ キ シ 一 4 , ーメ ト キシ フ エ二ル) 一 3, 4 ー ジイ ソ ブチル フ ラ ン 6 0 4 m gをテ ト ラ ヒ ドロフ ラ ン 2 0 m l に溶解し、 メ タ ノ ー ル 4 m 1 を加えた。 この溶液に触媒と して塩化パラジウム 1 O m gを加えて、 水素気流下、 室温で 2 時間撹拌した。 塩化 パラ ジウ ム をセライ ト濾過によ り濾別し、 滤液を減圧下で濃 縮して白色結晶を得た。 この結晶をェ一テル一へキサンから 再結晶して、 化合物 ( 1 3 ) 3 4 0 m g (収率 8 0. 2 % ) を得た。
化合物 ( 1 3 ) の理化学的性質は次の通りである。
性状 : 白色針状結晶
融点 : 1 0 9. 0 〜 : 1 0 9. 5
赤外線吸収スぺク ト ル (IR, リ max cm— 1,KBr) :
2 9 5 2, 1 5 1 0 , 1 2 9 4 , 1 2 8 0 , 1 2 5 6 ,
1 2 2 0 , 1 1 2 4
プロ ト ン核磁気共鳴スペク ト ル ( S ppm in CDC13 ) : 0 . 9 3 ( 1 2 H , d , J = 6. 6 H z ) ,
1 . 7 6 〜 ; L . 9 7 ( 2 H , m) ,
2 . 5 1 ( 4 H , b r s ) ,
3 . 9 3 ( 6 H , s ) , 5. 6 2 ( 2 H , b s )
6 . 8 7〜 6. 9 1 ( 2 H , m) ,
7. 4 4 ( 4 H, b r s )
マススぺク ト ル ( EI-MS)m/z (%)
4 2 4 (M + )
高分解能マススぺク ト ル
理論値 4 2 4 . 2 2 4 9 7
測定値 4 2 4 . 2 2 5 6 8
元素分析
理論値 C : 7 3. 5 6 H : 7. 6 0
測定値 C : 7 3. 3 9 H : 7. 6 9
実施例 1 4
表 2 に示す化合物 ( 1 4 ) である 2 , 5 —ビス ( 4, ー ヒ ドロキシー 3, ーメ ト キシフ エニル) フ ラン一 3, 4 ージカ ルボン酸は次のよ う に して得た。
実施例 1 2で得た化合物 ( 1 2 ) であるジェチル 2, 5 - ビス ( 4, ーヒ ドロキシ一 3, ーメ ト キシフエニル) フラ ン — 3, 4 ージカルポキシレー ト 5 4 2. 2 m gをェタ ノ ール
2 5 m l に溶解した。 この溶液に 1 096水酸化ナ ト リ ウム水 溶液 2. 4 m 1 を加えて 9時間還流して加熱した。 この溶液 を冷却した後濃縮した。 得られた残渣に水 1 5 m 1 を加えて 溶解した。 次に、 この溶液に 2 N塩酸 5 m l を加えて生じた 沈殿を滤過し、 この沈殿を水洗した後乾燥して褐色固体を得 た。 この固体をメ タノール一水から再結晶して化合物 ( 1 4 )
3 3 1. 2 m g (収率 6 9 . 6 %) を得た。
化合物 ( 1 4 ) の理化学的性質は次の通りである。
性状 : 白色粉末
赤外線吸収スぺク ト ル (IR, y max cm— 1 , CHCh ) : 1 5 9 8 , 1 5 1 2 , 1 4 7 0, 1 4 3 4 , 1 3 7 0 ,
1 2 9 0 , 1 2 4 8 , 1 2 0 8 , 1 1 7 6, 1 1 3 0 プロ ト ン核磁気共鳴スペク ト ル ( S ppm in CDs 0D) :
3. 9 1 ( 6 H , s ) , 6. 8 6〜 6. 9 0 ( 2 H , m) , 7 . 3 4〜 7. 4 0 ( 2 H , m) ,
7. 5 5〜 7. 5 6 ( 2 H , m)
マス スぺク ト ル (EI -MS) m/z (%) :
4 0 0 (M + )
高分解能マススぺク ト ル
理論値 4 0 0. 0 8 1 2 4
測定値 4 0 0. 0 7 9 4 3
実施例 1 5
表 1 に示す化合物 ( 1 5 ) であるジェチル 2, 5 —ビス ( 3 ' ーヒ ドロキシ一 4 ' ーメ トキシフエ二ル) フラン一 3, 4 ージカ ルポキシ レ一 トを次のよう に して得た。
イ ソバニリ ン酸 5 1 g を、 N, N—ジメチルホルムアミ ド 3 5 0 m 1 に溶解し、 ベンジルクロ ライ ド 8 0 m 1 と炭酸力 リ ウム 9 0 g を加えて 6 0でで 2 4時間撹拌した。 その後、 ベンジルクロライ ド 3 0 m l を加え、 さ らに 1 5時間同じ温 度で撹拌した。 冷却後トリェチルアミ ン 2 0 0 m 1 を加え、 3 0分間撹拌した。 反応混合物を水 1 5 0 m 1 にあけ、 酢酸 ェチル 3 0 0 m l で 3 回抽出した。 有機層を、 水 1 0 0 m 1 で 3 回、 2 N塩酸 1 0 0 m l で 3回、 および、 水 1 0 0 m 】 で 3 回、 順次洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥した後に 減圧下で濃縮した。 残渣をジク ロロ メ タ ン—ェ一テルから再 結晶して、 白色針状結晶と して 3—ベンジ 8 ルォキシー 4 一
メ ト キシ安息香酸ベン ジル 9 8 - 3 g を収率 9 3 . 0 %で得 た。 この化合物の理化学的性質は次の通りである。
m . p . 7 5. 7
赤外線吸収スペク ト ル (IR,kBr:cm_ 1 ) :
1 7 0 8, 1 5 1 4 , 1 2 9 0, 1 2 7 0 , 1 2 2 0,
1 2 0 8, 1 1 8 2, 1 1 3 0 , 1 0 9 6, 1 0 1 0 , 7 6 0 , 7 6
プロ ト ン核磁気共鳴スペク ト ル ( S ppm in CDCh ) : 3 . 9 3 ( 6 H, s ) , 5. 1 7 ( 2 H, s ) ,
5. 3 2 ( 2 H , s ) ,
6. 8 8〜 6. 9 2 ( 1 Η , m) ,
7. 3 0〜 7. 4 8 ( 1 0 H, m) ,
7. 6 2〜 7. 7 5 ( 2 H, m)
マススぺク ト ル m/z ) :
3 4 8 (M + )
元素分析
理論値 : C : 7 5. 8 4 H : 5 7 9
測定値 : C : 7 5 . 8 8 H : 5 8 9
得られた 3 —べンジ 8 ルォキシ 4 ー メ トキシ安息香酸べ ンジル 8 0 g をメ タ ノ ール 4 6 0 m 1 に加熱溶解し、 1 0 % 水酸化ナト リ ウム水溶液 1 8 4 m l を加えて 2時間還流した。 冷却後反応混合物を減圧下で濃縮して白色結晶を得た。 この 結晶を水 2 3 0 m 1 に溶解し、 1 N塩酸を加えて酸性にした。 生じた沈殿を濾過し、 乾燥した後に齚酸ェチルから再結晶さ せて 3—ベンジルォ キシ一 4 — メ ト キシ安息香酸 5 5 . 1 g
を収率 9 2 . 9 %で得た。
この化合物の理化学的性質は次の通りである。
m . p . 1 7 7. 5 〜 1 7 7. 8 t
赤外線吸収スぺク ト ル (IR,kBr: cm— 1 ) :
1 6 6 6 , 1 5 9 6 , 1 5 8 4 , 1 5 1 2 , 1 4 4 2 , 1 2 9 6 , 1 2 7 4 , 1 2 3 0 , 9 9 8
プロ ト ン核磁気共鳴スペク ト ル ( S ppm in CDCh ) :
3 . 9 5 ( 6 H, s ) , 5 . 1 9 ( 2 H , s ) , 6. 9 1 〜 6. 9 6 ( 1 H , m) , 7 3 1〜 7. 4 9 ( 5 H, m) ,
7. 6 5 〜 7. 8 0 ( 2 H , m)
マススぺク ト ル m/z(96) :
2 5 8 (M + )
元素分析
理論値 : C : 6 9 . 7 5 H 5 4 6
測定値 : C : 6 9 . 8 1 H 5 5 6
得られた 3 —ベンジルォキシー 4ーメ トキシ安息香酸 3 5 を塩化チォニル 7 5 m l に溶解し、 7 0時間還流した。 冷 却後反応混合物にベンゼンを加えて減圧下で濃縮し、 生じた 結晶をテ ト ラヒ ドロフ ラ ン 2 0 0 m 1 に溶解した (溶液 A と い う ) 。 一方、 水素化ナト リ ゥ ゥム ( 6 0 % o i l ) 1 g をへキサ ン 3 0 m 1 で 3回洗净し、 アル ゴン雰囲気中でエー テル 1 7 5 m l を加えて懸濁した。 ァセ ト齚酸ェチル 5 3 g およ ぴェ一テル 1 7 5 m 1 を混合し、 こ の懸濁液に加えて 1 時間還流した。 この反応混合物に溶液 Aを加えて 5時間還流 した。 この反応混合物をさ らに一晩室温で撹拌した後に 2 N
塩酸を加えて酸性に した。 有機層を分離し、 水層をェ一テル 1 0 O m l で 3回抽出した。 こ られの有機層を合わせて、 こ れを食塩水 1 0 0 m 1 で 3 回洗浄し、 無水硫酸マグネシウム で乾燥した。 乾燥後の有機層を減圧下で濃縮し、 生じた褐色 油状物質を 9 5 %エタ ノール 3 0 0 m 1 に溶解した。 このェ タ ノ ール溶液に酢酸ナ ト リ ウム 6 0 g を加えて 4時間還流し た。 冷却後、 反応混合物を減圧下で漉縮し、 残渣に水 1 5 0 m 1 を加えて齚酸ェチル 1 0 0 m l で 3 回抽出した。 この抽 出液を飽和炭酸水素ナ トリ ウム水溶液 5 O m l で 3回、 飽和 食塩水 5 0 m 1 で 3 回で順次洗浄し、 無水硫酸マグネシゥム で乾燥した。 この後、 この抽出液を減圧下で濃縮し、 生じた 淡黄色結晶をァセ トニ トリ ル 2 5 0 m 1 に溶解し、 さ らに、 水 2 5 0 m 1 、 過硫酸力リ ウム 4 1 . 9 gおよび硫酸銅(II) 五水和物 3 . 6 9 g を加え、 アルゴン雰囲気で還流した。 冷 却後、 反応混合物にジクロロメ タン 1 5 0 m I を加え、 その 有機層を分離した。 残された水層をジク ロロ メ タ ン 7 0 m 1 で 2 回抽出し、 先の有機層と合わせた。 この有機層を無水硫 酸マグネシウムで乾燥した後に、 減圧下で濃縮した。 得られ た橙色結晶をシリ カ ゲルカ ラ ムクロマ ト グラ フ ィ ー (ジク ロ ロメ タン) を分離し、 白色結晶 1 4 . 2 gを得た。 この結晶 1 . 3 g をジクロロメ タン 4 O m l に溶解し、 p — ト ルエン スルホン酸一水和物を加えて 7 2時間還流した。 冷却後、 反 応混合物に醉酸ェチル 8 0 m 1 を加え、 飽和炭酸水素ナ ト リ ゥム水溶液 5 0 m 1 で 3回洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで 乾燥し、 減圧下で濃縮した。 生じた橙色油状物質をシリ 力ゲ
ルカ ラム ク ロマ ト グラ フ ィ ー (齚酸ェチルーへキサン = 1 : 4 ) で分離し、 白色結晶を得た。 こ の結晶をエタ ノ ー ルか ら 再結晶させて白色針状結晶と して、 ジェチル 2, 5— ビス
( 3 ' —ベンジルォ キシ 一 4 ' — メ ト キ シフ エニ ル) フ ラ ン — 3, 4 — ジカ ルポキシ レー ト 7 8 . l m g を収率 2 1 . 5 %で得た。
この化合物の理化学的性質は次の通りである。
m . p . 1 2 6. 0 〜 : 1 2 6 . 5 "C
赤外線吸収スペク ト ル (IR,kBr:cm— 1 ) :
1 7 2 0, 1 5 1 2, 1 3 3 8 , 1 2 5 8, 1 2 4 2 , 1 2 1 8, 1 1 4 2
ブロ トン核磁気共鳴スペク ト ル ( <5 ppm in CDCh ) : 1 . 3 2 { 6 H, t, J = 7. 1 H z ) ,
3 9 4 ( 6 H, s ) ,
4 2 8 ( 4 H, q, J = 7. 1 H z ) ,
5 1 9 ( 4 H , s ) , 6. 9 3〜 6 9 7 ( 2 H, m) 7 2 9〜 7. 5 2 ( 1 H , m)
マススぺク ト ル m/z(? :
6 3 6 (M + )
元素分析
理論値 : C : 7 1 . 6 8 H : 5 1 9
測定値 : C : 7 1 . 4 2 H : 5 8 8
次に、 得られたジェチル 2, 5 —ビス ( 3 ' —ベンジルォ キシ 一 4 ' ー メ ト キシ フエ二ル) フ ラ ン 一 3 , 4 —ジカ ルボ キシ レー ト 8 3 7 m gを酢酸ェチル 4 0 m l に溶解し、 1 0
%ノ ラジウ ム 一カ ーボン 4 0 m gを力 Qえて、 水素雰囲気中、 室温下で 2 5時間撹拌した。 この後、 触媒をセライ ト濾過に よ り濾別し、 濾液を減圧下で濃縮した。 得られた残渣を酢酸 ェチルーへキサンから再結晶して白色針状結晶と して化合物
( 1 5 ) 5 8 7. 5 m gを収率 9 4 . 6 %で得た。
こ の化合物 ( 1 5 ) の理化学的特性は次の通り である。 m . p . 1 9. 0〜 : 1 4 9 . 9 °C
赤外線吸収スペク ト ル (IR,kBr:cnT :
3 3 8 0 , 1 7 3 2 , 1 7 2 0, 1 5 1 2 , 1 2 7 4 , 1 2 4 2 , 1 2 1 8, 1 0 9 4 , 1 0 6 4
プロ ト ン核磁気共鳴スペク ト ル ( ppm in CDC13 ) : 1 . 3 4 ( 6 H, t , J = 7 . 1 H z ) ,
3 . 9 4 ( 6 H, s ) ,
4. 3 4 ( 4 H , Q , J = 7. 1 H z ) ,
5. 6 5 ( 2 H, s ) , 6. 8 8〜 6. 9 2 ( 2 H, m) , 7. 4 0〜 7. 4 6 ( 4 H , m )
高分解能マススぺク ト ル
理論値 m/z:458.14203
測定値 m/z:458.14358
元素分析
理論値 : C : 6 3 . 1 5 H : 5 . 3 0
測定値 : C : 6 2 . 8 6 H : 5 . 3 7
実施例 1 6
表 2 に示す化合物 ( 1 6 ) であるジェチル 2, 5 —ビス ( 3 ' —ヒ ドロキ シー 4 ' ー メ トキシ フエニル) フラン一 3,
4 —ジカ ルボン酸を次のよ う に して得た。
まず、 実施例 1 5で得たジェチル 2, 5 —ビス ( 3 ' — ヒ ドロキシー 4 ' —メ ト キシフ エニル) フ ラン一 3, 4 ージカ ルポキシ レー ト (化合物 ( 1 5 ) ) 4 6 8 m g をエタ ノ ール
2 5 m l に溶解し、 1 0 %水酸化ナ ト リ ウム水溶液 2 . 4 m 1 を加えて 3時間還流した。 冷却後、 反応混合物を減圧下で 漉縮し、 残渣に水 5 m l を加えて溶解した。 この水溶液に 2 N塩酸を加えて酸性と して、 生じた沈殿を滤過し、 水洗した 後乾燥した。 得られた褐色粉末をメ タ ノ ール一水から再結晶 して、 淡褐色粉末と して化合物 ( 1 6 ) 3 0 6. 8 m g を収 率 7 4. 7 %で得た。 この化合物 ( 1 6 ) の理化学的特性は 次の通りである。
赤外線吸収スぺク ト ル (IR,kBr:cm—リ :
3 2 5 6 , 1 7 0 8, 1 6 1 6 , 1 5 0 8 , 1 2 , 1 2 5 8 , 1 2 2 2 , 1 1 3 8, 1 0 9 8 , 1 0 2 2 , 7 6 6
プロ ト ン核磁気共鳴スぺク ト ル ( S ppm in CDCh ) :
3 . 9 1 ( 6 H, s ) ,
4. 3 4 ( 4 H, q , J = 7. 1 H z ) ,
6 . 9 8〜 7. 0 2 ( 2 H, m) ,
7. 3 7〜 7. 4 2 ( 4 H , m )
マススぺク ト ル
m/z: 4 0 0 (M + )
高分解能マススぺク ト ル
理論値 m/z :400· 07943
測定値 m/z:400.08043
次に、 上述のよう に して得られた化合物 ( 1 ) 〜 ( 1 6 ) を用いて、 本発明の有効成分が顕著な血管新生阻害作用を有 する こと を確認する実験を行った。
実験例 1
本発明の血管新生阻害剤の有効成分である化合物 (以下、 単に化合物と もいう) を、 力 ミ ソリ刃で傷を付けたヒ トの H 0 M E細胞のモデルにおける H OM E細胞の遊走、 および、
T G F « で促進された H 0 M E細胞の遊走に対する作用につ いて評価した。
本実験例では、 H OME細胞と して、 ヒ ト大網脂肪組織よ り単離して 1 0 %牛胎児血清 〈F B S ) を含有する M— 1 9 9培地で 3〜 5代にわたって継代培養したものを用いた。 また、 T G F a は、 コ ラボアテ ィ ブリ サーチイ ンク
(Collaboative Research Inc..Bedford, MA)から入手したものを用 いた。
このよ う な H OME細胞を、 3 5 mmのコラーゲンコー ト プラスチッ クデイ ツ シュ上で単層培養して集密状態 (コ ン フ ルェン ト) にした。 この H 0 M E細胞に力 ミ ソ リ の刃で傷を つけ、 リ ン酸緩衝生理食塩水 (P B S ) で 2回洗浄した。 次 に、 この H OME細胞を化合物 ( 1 ) 、 (2 ) 、 (4 ) 、 ( 5 ) 、 ( 6 ) または ( 7 ) 〜 ( 1 2 ) を 1 0〃 gZm l の 終濃度で夫々添加した 1 %ヒ ト血清含有 M— 1 9 9培地で、 3 7 、 2 4時間培養した。 一方、 上述の 1 2の化合物の他 に T G F α を 1 0 π g /m 1 の濃度で添加した 1 %ヒ ト血清
含有 M— 1 9 9培地で、 H OME細胞を、 3 7 °C、 2 4時間 培養した。 さ らに、 無処置群と して、 有効成分お よび T G F a が添加されていない 1 %ヒ ト血清含有 M_ 1 9 9培地のみ で、 HOM E細胞を、 3 7 °C、 2 4時間培養した。
この よ う に して H OM E細胞を培養したディ シュ上にぉレ て、 コラーゲンコ一 ト したプラスチ ッ ク ディ ッ シュの露出部 分に移行する H 0 M E細胞の数を計測した。 得られた計測値 から無処置群を 1 0 0 %と して細胞遊走率を算出 した。 この 結果を表 5 に示す。
表 5
表 5から明らかなよ う に、 本発明の化合物を終濃度 1 0 g /m l で T G F «無添加の培地に添加した場合には、 全て の化合物によ り、 細胞の遊走を約 1 0 〜 8 5 %抑制できた。 特に、 化合物 ( 1 ) 、 ( 5 ) 、 ( 6 ) および ( 8 ) によ り 、 約 5 0〜 8 6 %抑制できた。 また、 本発明の化合物を濃度 1 0 μ g / m 1 で T G F α添加の培地に添加した場合には、 全 ての化合物で T G F a によ り促進された細胞の遊走を約 2 5 〜 7 6 %抑制できた。 特に、 化合物 ( 1 ) 、 ( 8 ) および
( 9 ) によ り細胞の遊走を約 4 5〜 7 6 %抑制できた。
以上のよ う に、 本発明の化合物によ れば、 H OME細胞の 遊走およ び T G F a に よ り促進された H OM E細胞の遊走を 抑制でき る こ とが確認された。
実験例 2
次に、 T G F 0 によ り誘発される H OM E細胞の管腔形成 に対する有効成分の作用について評価した。
まず、 タ イ プ 1コ ラーゲン溶液 (新田ゼラチン社製) 8容 量、 1 0 XM- 1 9 9 1容量、 再構成バッ フ ァ ー [ 2 0 0 m Mへぺス (H e p e s ) 、 0. 0 5 N水酸化ナ ト リ ウムおよ び 2 6 0 mM炭酸水素ナ ト リ ウム] 1容量を氷冷下で混合し、 この混合物を直径 3 0 mmのブラスチッ クディ ッ シュ (コ一 ニング社製) に入れて 3 7 °Cに放置してゲル化させて、 タ イ プ 1 コラーゲンゲルを作成した。
次に、 1 0 % FB S含有 M— 1 9 9培地に浮遊させた H O M E細胞を、 上述のタ イプ 1 コラーゲンゲルに散布し、 3 7 °Cでイ ンキュベー ト した。
ィ ンキュベー トに よ り HOME細胞がコ ンフルェン ト にな つたと き、 H OM E細胞を化合物 ( 1 ) 、 ( 2 ) および ( 4 ) 〜 ( ; 1 2 ) (終濃度 l O g Zm l ) および T G F。 (終濃 度 1 0 n g m 1 ) を添加した 1 %ヒ ト血清含有 M— 1 9 9 培地に置き換えて 3 日間ィ ンキュベー ト した。
また、 対照群と して T G F α のみを添加した 1 %ヒ ト血清 含有 Μ— 1 9 9培地、 およ び無処置群と して 1 %ヒ ト血清含 有 M— 1 9 9培地のみに H OME細胞を置き換えて 3 日間ィ
ンキュベ一 ト した。 イ ンキュベー ト して 2 日 目に培地を交換 した。 3 日 目に、 個々のディ ッ シュを位相差顕微鏡を用いて 2 0 0倍の倍率でビデオカメ ラ (R 5 0 0 0 H、 富士、 東京) に 8視野撮り、 H 0 M E細胞が形成した管腔の 1視野当た り の総全長を、 コスモゾーン ( C o s m o z o n e ) 1 5 ィ メ ー ジアナライザー (ニコン社製) を用いて測定した。 この結果 を、 表 6および表 7 に示す。
表 6
化合物 管腔総全長 Z HP F
10/ug/ml添加 (1 0 ό 'μ πι) 無処置群 0.616
対照群 2.045
化合物 2 1.115
化合物 4 2.127
化合物 6 1.240
化合物 7 1.195
化合物 管腔総全長 ZHP F
10; g/ml添加 ( 1 0 > m) 無処置群 0.551
対照群 1.561
化合物 1 0.337
化合物 8 0.422
化合物 9 0.496
化合物 1 0 0.655
化合物 1 1 0.817
化合物 1 2 0.736
表 6および表 7から明らかなよ う に、 化合物 ( 2 ) , ( 6 ) ,
( 7 ) において終濃度 1 0 g / m 1 では、 T G F 。 によ り 誘発された管腔形成を 4 0〜 6 0 %抑制 した。 また、 化合物
( 1 ) , ( 8 ) , ( 9 ) , ( 1 0 ) , ( 1 1 ) , ( 1 2 ) は、 終濃度 1 Q μ g/m 1 で T G F c に よ り誘発された管腔形成 5 0〜 8 0 %抑制した。
実験例 3
H 0 M E細胞とヒ ト癌細胞とのコ · カ ルチヤ一 (co-ci ture) において、 ヒ ト癌細胞によ り誘発された H 0 M E細胞の管腔 形成に対する化合物の作用を評価した。 本実験は、 森崎、 斎 藤らの 「血管内皮細胞と 中膜平滑筋細胞の Co-culture実験系」 に記載されたコ · カ ルチャーの方法に従って行った。
実験例 2で調製したタ イプ一 1 コラーゲンゲル上の H OM E細胞と癌細胞株と して用意したヒ ト食道癌細胞 (T E— 1 ) をコ · カ ルチヤ一する こと に よ る管腔形成ア ツ セィ系を組み 立てた。 すなわち、 まず、 外槽と して 6穴 (各穴のサイズ ; 3 8 X 7腿) を有するプレー ト (コ一ニング社製) を用いて、 この穴に 1 0 % F B S含有 M— 1 9 9培地 2 m l を夫々収容 した。 この培地上で T E— 1細胞を培養した。 この後、 培養 液を化合物 ( 1 ) およ び ( 8 ) を夫々添加した 1 % F B S含 有 M— 1 9 9培地 2 m l に換えた。 また、 1 % F B S含有 M - 1 9 9培地のみに換えた。
一方、 内槽 (サイ ズ ; 3 0 X 7 mm) の底部に 0. 4 mm の ミ リ ボアフ ィ ルタ 一を取り付けてなる培養プレー ト を用意 し、 この内槽中にタ イ プ一 1 コラーゲンゲルを収容した。 こ
のタ イプ一 1 コラーゲンゲルの上に、 1 0 % F B S含有 Μ— 1 9 9培地に浮遊させた H OME細胞を 2 m 1 ずつ植えた。 H 0 M E細胞がコ ン フ ルェン ト になった時点で、 培地に含有 される血清成分を 1 0 % F B Sから 1 % ヒ ト血清に変え、 内 槽を外槽内に所定の状態で載置した。 このア ツ セィ系では、 外槽の癌細胞から分泌される 因子が内槽の底部に設け られた ミ リ ポアフ ィ ルタ ーを介して内槽に達し、 タ イ プ一 1 コ ラ ー ゲンゲル中で HOM E細胞に管腔を形成させる。
こ こで、 無処置群と して、 H OME細胞を化合物およ び T E— 1細胞を添加せずに培養した。 また、 対照群と して、 H 0 M E細胞を本発明の化合物を添加せずに T E— 1細胞と コ • カ ルチャー した。
これらの培養した H OME細胞における管腔総全長の測定 は、 実験例 2 と同様に行った。 この結果を表 8に示す。
表 8
表 8から明らかな よ う に、 化合物 ( 1 ) , ( 8 ) は終濃度 1 0 ^ g /m 1 において癌細胞が分泌する増殖因子 (主に T G F a ) によ り誘発される管腔形成を 4 0〜 6 0 %抑制した。
以上の結果よ り、 本発明の血管新生阻害剤の有効成分であ る これらの化合物は、 例えば、 毛細血管、 後毛細血管細静脈 のよ うな小血管の新生の機構で顕著に見い出される内皮細胞 の遊走及び管腔形成を阻害する作用を有する こ とが確認され た。 実験例 4
ィ ンビポにおける本発明の化合物の抗腫瘍作用について試 験した。
M 5 0 / 6 (mouse ovarian ret ICUIO sarcoma,マゥス卵巢; lgノ を、 C 5 7 B L 6マ ウスの腹腔 (i.p.)内に移植し継代して 得た腹水細胞を、 P B S (—) で細胞数 2 X 1 07 cells/ml に希釈した。 この希釈液 5 0 μ 1 (細胞数 1 X I 0 ° cells) を、 C 5 7 B L 6 マ ウス ( 6週齢、 雌) の右背部に皮下 (s.c.) 移植した。 移植日の次の日から起算して 7 日 目から、 このマウスに試料を投与した。 試料は、 上述の化合物 ( 1 ) および ( 8 ) を、 それぞれ、 2 %T w e e n 8 0 P B S (一) 中溶液に懸濁し、 この懸濁液を 1 匹のマウスあた り 1 0 0 1 で皮下注射した。 投与量は、 A O O m g Z k g , 2 O O m g/ k gおよび 1 O O m gZ k gの 3種類を設定した。
陽性対照と してはマイ トマイ シン C (MM C ) およびフ マギリ ン ( Fumagi 11 in)を用いた。 M M Cは、 2 日おきに 4 回 血管内投与した。 その他の試料およびフマギリ ン については、 週 3 回で計 6回の血管内投与を行った。 対照については N =
9、 その他の群については N = 5で試験を行った。
腫瘍細胞の移植から 2 1 日 目 (試料投与を開始した日の 翌日から起算して 1 4 日目) に、 相対腫瘍増殖率を調べ、 試 料の抗腫瘍効果の判定を行った。 この結果を表 9およ び図 1 に示す。
表 9
ここで、 相対腫瘍増殖率は、 下式で示される。
相対腫瘍増殖率 - ^
/τ— ノハ Αι ヽ
対 照 0 0 0 0
フマギリン 3 0 4 1 7 < 0 0 5
MM C 3 . 2 7 9 < 0 0 5 化合物 1 4 0 0 5 1 3 < 0 0 5
2 0 0 3 7 4 < 0 0 5 1 0 0 3 7 1 < 0 . 0 1 化合物 8
1 0 0 5 9 4
また、 有意差検定は、 Mann -Whi tney U-Test によ り行った 腫瘍 (試料投与の日から 1 4日目) ·
X 1 0 0 (%) 腫瘍 (試料投与の日)
なお、 判定日における腫瘍死はなかった。
以上の結果から明らかなよ うに、 本発明の化合物 ( 1 ) 、 ( 8 ) は、 イ ンビボにおいて有意な抗腫瘍作用が認められた。 また、 I C R系のマウスを用いて経口投与において本発明 の有効成分の急性毒性を調べたところ、 本発明の化合物を 1 k gで投与した場合にも死亡例が見られなかった。 こ の
結果から、 本発明の化合物が、 毒性が少なく 、 安全性の高い こ とが確認された。
次に、 本発明の血管新生阻害剤の具体的な剤形を例示する。 実施例 1 7
(1)コ ー ンス タ ーチ 4 4 g
(2)結晶セルロ ース 4 0 g
(3)カ ルボキシ ル メチル
セ ルロース カ ルシ ウ ム 5 g
(4)軽質無水ケィ酸 0 , 5 g
(5)ステアリ ン酸マグネ シ ウム 0 . 5 g
(6)化合物 ( 6 ) 1 0 g
計 1 0 0 g
上記の処方に従って成分(1)〜 (6)を均一に混合し、 通常の 打錠機によ り圧縮成型して一錠 2 0 0 m gの錠剤を得た。 こ の錠剤 1錠には、 実施例 6で得られた化合物 ( 6 ) が 2 0 m g含有されており、 成人が 1 日 3 〜 1 0錠を数回にわけて服 用する。
実施例 1 8
(1)結晶セルロ ース 8 4 5 g
(2)ステアリ ン酸マグネ シ ウム 0 5 g
(3)カ ルポキシ ル メチル
セルロース 力 ルシ ゥ ム 5 g
(4)化合物 ( 7 ) 1 0 g
計 1 0 0 g
上記の処方に従って、 成分(1)、 (4)および成分(2)の一部を
均一に混合し、 通常の打錠機によ り圧縮成型した後粉砕した。 次に、 成分(3)およ び成分(2)の残量を加えて混合し、 通常の 打錠機に よ り圧縮成型して一錠あた り 2 O O m gの錠剤を得 た。 この錠剤 1錠には、 実施例 7で得られた化合物 ( 7 ) が 2 O m g含有されてお り、 成人が 1 日 3 〜 1 0錠を数回にわ けて服用する。
実施例 1 9
(1)結晶セル口 一ス 7 9 . 5 g
(2) 1 0 %ヒ ドロキシブ口 ピル
セルロースエタ ノ ー ル溶液 5 0 g
(3)カ ルボキ シル メチル
セルロース カ ルシ ウ ム 5 g
(4)ス テアリ ン酸マグネ シ ゥム 0 . 5 g
(5)化合物 ( 8 ) 1 0 g
計 1 4 5 g
上記の処方に従って、 成分(1)、 (2)お よ び(5)を均一に混合 し、 常法に従って練合し、 通常の押し出 し造粒機によ り造粒 し、 乾燥およ び粉砕した。 この後、 成分(3)およ び(4)を混合 し、 通常の打錠機に よ り圧縮成型して、 一錠あた り 2 0 0 m gの錠剤を得た。 こ の錠剤 1錠には、 実施例 8で得られた化 合物 ( 8 ) 力 s 2 0 m g含有されてお り 、 成人が 1 日 3 〜 1 0 錠を数回にわけて服用する。
実施例 2 0
(1)コ ー ンス タ ーチ 8 4 g
(2)ス テアリ ン酸マグネ シ ウム 0 . 5 g
0
(3)力 ルボキシ ルメチ ル
セル ロース カ ルシ ウ ム 5 g
(4)軽質無水ケィ酸 0 . 5 g
(5)化合物 ( 9 ) 1 0 g
計 1 0 0 g
上記の処方に従って、 成分 (1)〜 (5)を均一に混合し、 通常 の圧縮成型機によ り圧縮成型した後、 破砕機によ り粉碎し、 篩別 して顆粒剤を得た。 この顆粒剤 1 g には、 実施例 9 で得 られた化合物 ( 9 ) 力 s i O O m g含有されてお り 、 成人が 1 日 0 . 6 〜 ; 2 gを数回にわけて服用する。
実施例 2 1
(1)結晶セルロ ース 8 6 . 5 g
(2)】 0 %ヒ ドロ キシ プロ ピル
セルロースエタ ノ ー ル溶液 3 5 g
(3)化合物 ( 1 0 ) 1 0 g
計 1 3 1 . 5 g
上記の処方に従って、 成分ひ)〜(3)を均一に混合して練合 し、 押し出 し造粒機によ り造粒した後、 乾燥し、 篩別 して顆 粒剤を得た。 この顆粒剤 1 g には、 実施例 1 0で得られた化 合物 ( 1 0 ) が 1 0 O m g含有されてお り、 成人が 1 日 0 . 6 〜 2 g を数回にわけて服用する。
実施例 2 2
(1)コ ー ンス タ ーチ 8 9 . 5 g
(2)軽質無水ケィ酸 0 . 5 g
(3)化合物 ( 6 ) 1 0 g
計 1 0 0 g
上記の処方に従って、 成分 (υ〜 (3)を均一に混合し、 混合 物 2 0 0 in g を 2号カ プセルに充填 してカプセル剤を得た。 このカプセル剤 1 カ プセルには、 実施例 6で得られた化合 物 ( 6 ) 力 s 2 0 m g含有されており 、 成人力? 1 日 3〜 : 1 0 力 プセルを数回にわけて服用する。
実施例 2 3
(1)注射用蒸留水 8 9. 5 g
(2)大豆油 5 g
(3)大豆リ ン脂質 2 . 5 g
(4)グリ セリ ン 2 g
(5)化合物 ( 7 ) 1 g
全量 1 0 0 g
上記の処方に従って、 成分(5)を成分(2)お よび(3)に溶解し、 この溶液に成分(1)およ び (2)の溶液を加えて乳化して注射剤 を得た。
実施例 2 4
(1化合物 ( 8 ) 0. 0 5 g
(2)白色ヮセ リ ン 2 5 g
(3)ステアリ ルアルコ ー ル 2 2 g
(4)サラ シ ミ ツ ロ ウ 1 5 g
(5)ポ リ オキシエチレ ン ( 2 5 )
モ ノ ステア リ ン酸エス テル 2 3 g
(6)ソ ル ビタ ンモ ノノ ル ミ テ— ト 2 7 g
(7)パラ オキシ
安息香酸プ口 ピル 0 . 0 5 g
(8.)バラ オキシ
安息香酸メ チル 0 . 0 5 g
(9)精製水 3 2 . 8 5 g
全量 1 0 0 g
上記の処方に従って 成分(1)〜(9)を均一に混合し、 加熱溶 解して軟膏剤を得た