明 細 書 位相変調方式に よ る送信装置お よ び受信装置 技術分野 本発明は、 PSK (Phase Shift Keying) 方式、 ま た は MSK (Minimum Shift Keying) 方式を改良 し た新規な位 相変調方式に よ る送信装置お よ び受信装置に関す る も のである。 背景技術 第 1 図は、 従来から知られている 4 相 PSK (QPSK) 方 式の変調器の構成を示す。 ベースバ ン ド データ と し て 入力 された送信符号は、 分配器 2 に よ っ て、 1 ビ ッ ト ずつ交互に ikと q«に分け られ、 ロールオ フ · フ ィ ルタ 4, 6 を介 し て 、. 平衡変調器 8, 10に それぞれ入力 さ れ る。 各平衡変調器 8, 10の出力では、 2 相 PSK (BPSK) 信 号が得られるが、 搬送波発生器 12か ら出力 さ れた搬送 波 と 、 こ れを移相器 14で 90度移相 した搬送波 と は、 位 相が 90度ずれている。 したがっ て、 2 つの BPSK信号を 合成器 (加算器) 16でベ ク ト ル合成 し 、 バ ン ド パス フ ィ ルタ 18で不要な周波数成分を除去する こ と に よ つ て、 4 相 PSK 信号が得られる。 なお、 QPSKの変調信号
は、 次の式で表される
S (t) = 1/-Γ 2 ( iitcosco ct+ qksin ω c t) (1) ま た、 BPSKの変調信号は、 第 1 図の一方の平衡変調 器 8 ま た は 10の 出力 と し て得 られ、 次の式で表さ れ る。
S (t ) = iKcos ω ct ( 1 A) 第 2 図は、 QPSKの位相変化を示す図であ る 。 信号 点 から P2 (位相回転量 180 度) 、 ある いは か ら P4 (回転量 90度) に変化する場合を考える。 こ れらの位 相変化が所要時間ゼロで行われる理想的な場合、 位相 軌跡は、 I軸, Q軸を通り 、 QPSKのエンベロープは一 定に保たれる。 しかしながら、 実際の位相変化は所定 の時間を要し、 位相軌跡は、 I軸, Q軸か ら離れる た め、 第 3 図に示すよ う なディ ッ プが発生する。 た と え ば、 位相回転量が 180 度の場合、 位相変化は、 0点付 近を通過す る ので、 ほぼゼロ ま でのデ ィ ッ ブが発生 し、 90度の場合は約 3dB のディ ッ プが生じ る。
こ の よ う に、 位相軌跡が I 軸, CI軸から離れてカー ブを描く ため、 位相変化には所定の時間が必要であつ た。 そ して、 位相変化点では、 エンベロープの レベル 変化が生じていた。
この よ う な位相変化点での レベル変化は、 (1) 何ら 情報伝送に関与する ものでな く 、 かつ、 (2) かかる レ ベル変化に起因して伝送帯域が広が.つ て し ま う 、 と い う 欠点があっ た。
一方、 PSK に類似 し た技術 と し て、 第 4 図に示す よ う な MSK がある。 MSK の変調信号は、 次式の よ う に表 現さ れる。
S ( t ) = [ i k co s ω r t] cos ω c t
+ [ q k s i n ω r t ] s i n ω c t ( 2 ) すなわち、 第 1 図に示す QPSKの変調回路で、 入力信 号の矩形パルスの代わ り に、 位相が 90度ずれた半周期 の正弦波を用 いた こ と に等 し い。 MSK は、 搬送波の位 相の と びがな く 、 エ ンベロープが一定である ため、 飽 和特性の ある非線形伝送路で も 、 位相歪な どの特性劣 化が少ない こ と を特徴と する。
こ の MSK の位相の空間軌跡は、 データ の 0 、 1 に応 じて、 円周上を時計回 り 、 あるいは反時計回 り に 回転 す る軌跡を描 く 。 す なわ ち 、 正負の 回転方向 に よ つ て、 情報伝送を行っ ている と い う こ と がで き る。 し か し なが ら、 回転し ない状態を情報 と して用 いる こ と は し てレ、なかっ た。 発明の開示 本発明の 目的は、 位相変調を行う 際の位相変化点の レベル変化を、 積極的に利用する こ と に よ っ て、 効率 良いデータ伝送を可能 と し た、 新規な位相変調方式に よ る 送信装置 お よ び受信装置 を 提供 す る こ と に あ る。
本発明の他の目的は、 位相の空間軌跡が描く 正負の 回転方向に加えて、 回転しない状態を情報と して積極 的に利用する こ とによ っ て、 データ伝送の効率を向上 させる こ と に ある。
これらの目的を達成するために本発明による送信装 置は、 伝送すべき入力データを所定ビッ 卜数毎に区切 り 、 分割データ と して順次出力するデータ変換手段 と、 前記分割データの各々を位相回転方向の正、 負お よび回転しないという 3値の位相回転情報で表現した 位相軌跡制御信号を出力する位相軌跡制御手段と、 該 位相軌跡制御信号に応じて伝送信号の位相を変化させ る変調手段とを具備するこ とを特徴とする。
こ こ で、 前記位相軌跡制御手段は、 位相回転の方向 に関わる前記 3値の位相回転情報と、 該位相.回転を開 始する位相とによって、 前記分割データを表現した位 相軌跡制御信号を出力するこ とを特徴とする。
ま た、 本発明に よる受信装置は、 伝送すべき入力 データを所定ビ ヅ ト数毎に区切り 、 順次出力された分 割データの各々を、 位相回転方向の正、 負および回転 しないと いう 3値の位相回転情報で表現した位相軌跡 制御信号に応じて、 信号の位相を変化させて形成した 位相変調信号を受信する位相変調方式による受信装置 であ っ て、 前記位相変調信号を検波する位相検波器 と、 該位相検波器の出力から前記位.相軌跡制御信号を 復調する位相軌跡復調手段と、 前記位相回転情報を前
記分割データ に変換する変換手段 と を具備する こ と を 特徴 と する。
さ ら に、 本発明に よ る送受信装置は、 伝送すべ き 入 力データ を所定 ビ ッ ト 数毎に区切 り 、 分割データ と し て順次出力するデータ変換手段 と 、 前記分割データ の 各 々 を位相回転方向の正、 負お よ び回転 し な い と い う
3 値の位相回転情報で表現 し た位相軌跡制御信号を出 力する位相軌跡制御手段 と 、 該位相軌跡制御信号に応 じ て伝送信号の位相を変化させる変調手段 と 前記伝送 信号を検波する位相検波器 と 、 該位相検波器の出力か ら前記位相軌跡制御信号を復調する位相軌跡復調手段 と 、 前記位相回転情報を前記分割データ に変換す る変 換手段 と を具備する こ と を特徴 と する。
本発明は、 位相の空間軌跡が描 く 正負の回転方向に カロえ、 回転 し ない と レヽ ぅ 状態も利用 し 、 こ れ ら を 3 値 の回転方向情報 と規定する。 そ して、 こ の 3 値の回転 方向情報を n 回送れば、 3 Πビ ッ 卜 の信号が送信で き る こ と を利用 し ている。 ま た、 こ の回転方向情報を回転 開始位相 と組み合わせる こ と に よ っ て、 さ ら に伝送速 度を向上させる こ と ができ る。 ま た、 位相の空間軌跡 を変化させる こ と に よ り 、 伝送速度の向上を図る も の である。
図面の簡単な説明 第 1 図は、 従来の 4相 PSK(QPSK) の変調器の構成を 示すブロ ッ ク図である。
第 2 図は、 第 1 図の変調器における位相変化の状態 を示す概念線図である。
第 3 図は、 第 2 図の位相変化時に発生するェンべ ロープの変化を示す線図である。
第 4図は、 従来の MSK の変調器の構成を示すブロ ッ ク図である。
第 5図は、 本発明による位相変調方式による送信装 置および受信装置の第 1 実施例の全体構成を示すブ ロ ッ ク図である。
第 6図は、 第 5図の送信装置の構成を示すブロ ッ ク 図である。
第 7図は、 第 6 図のデータ変換部の構成を示すブ 口 V ク図である。
第 8図は、 第 5図の受信装置の構成を示すブロ ッ ク 図である。
第 9A図は、 従来の BPSKを説明するための線図であ る。
第 9B図は、 本発明による BPSK (変形 BPSK) の基本原 理を説明するための線図である。
第 1 OA 図および第 1 OB 図は、 第 1 実施例における位 · 相回転の状態と分割データ との関係を示すテーブルで
ある。
第 1 1図は、 第 1 0 A 図お よ び第 1 0 B 図において、 位相 回転方向 と 位相回転開始位置 と が何等の物理的な制約 な し に独立に定ま る と仮定 し た場合の位相回転の状態 と 分割データ と の関係を示すテーブルである 。
第 1 2図は、 本発明に よ る位相変調方式に よ る送信装 置の第 2 実施例の要部の構成を示す プ ロ ッ ク 図 で あ る。
第 1 3図は、 第 2 実施例における位相回転方向 と 分割 データ と の関係を示すテーブルである。
第 1 4図は、 本発明に よ る位相変調方式に よ る送信装 置お よ び受信装置の第 3 実施例において、 位相回転方 向が正ま たは負の と き の、 位相回転量 と 分割データ と の関係を示すテーブルである。
第 1 5図は、 本発明に よ る位相変調方式に よ る送信装 置お よ び受信装置の第 4 実施例において、 位相回転方 向が正ま たは負の と き の、 位相回転量お よ び位相回転 開始の絶対値 と分割データ と の関係を示すテーブルで あ り 、 位相回転方向 と位相回転開始位置 と が何等の物 理的な制約な し に独立に定ま る もの と仮定 し た と き の テーブルである。
第 1 6図は、 円 ま たは楕円 も し く は多角形の位相軌跡 を発生する ための関数発生器の構成を示すプロ ッ ク図 である。
発明を実施するための最良の形態 以下、 本発明の実施例を詳細に説明する。
実施例 1
本実施例においては、 伝送すべき入力データ と して シ リ アルデータ を用い、 位相変調器に BPSKを用いてい る。 第 9A図および第 9B図は、 従来の BPSKと本実施例に よ る BPSK (以後、 変形 BPSKと呼ぶ) と の違いを示す概 念図である。 従来は、 0 と 7C と の間で位相切 り 替えを 行っ て いたが、 本発明では、 位相の回転方向 十 , - に、 回転しない という情報を加えて 3値と している。 すなわち、 位相変化に所定の時間が必要な こ と に着目 し、 こ の時間を意図的に利用 して位相変化の軌跡を制 御し、 これによ つて上記 3 値を作り だし、 情報伝送速 度を向上させている。
第 5 図は、 本発明に よ る位相変調方式に よ る送信装 置お よ び受信装置の第 1 実施例の全体構成を示すブ ロ ッ ク図である。
図において、 参照符号 100 はデータ変換部である。 データ変換部 100 は、 まず、 シ リ アル入力データ を 4 ビッ ト毎に区切って、 第 10A 図および第 10B 図に示す よ う な分割データ ^〜(116 を作成する。 た と えば、 d, は 0000、 d2は 0001、 die は 1111という具合いである。 次いで、 これらの分割データ(^〜(116 のそれぞれを、 2 値データ 0 k と 3 値データ g» と の組合せ ( φ ¾ , )
で表現する。 こ こ で、 2 値デ一夕 0 = 0 , π ) は、 第 10A 図お よ び第 10B 図のテーブルに示す位相回転の 開始点を指示する もので、 開始点 0 の と き は ゆ k = 0 であ り 、 開始点 π の と き は Φ x = π であ る 。 一方、 3 値データ ( = + , 0 , — ) は、 た と えば位相回転方 向が正 (反時計方向) の と き に 十 、 位相が回転 し な い と き に 0 、 位相の回転方向が負の と き に 一 を と る 。 そ し て 、 各分割デー タ は 、 2 組の デー タ (位相デー タ ) DA ( = 0 k, qk)お よ び DB ( 0 »< + 1, qk + 1)に よ っ て 表現される。 た と えば、 分割データ d ,は、 0 か ら正方 向 に 回 転 し 、 さ ら に 、 π の 位置か ら 正方 向 に 回 転 す る位相回転に よ っ て表現されるか ら、 ( 0 , + ) , ( π , + ) と 表現さ れ る 。 ま た、 分割デー タ d7は 、 ( π , 0 ) , ( π , 一 ) と表現される。 なお、 データ dx! , dX 2 については後述する。
データ変換部 100 か ら出力された位相データ ( Φ k, qk) は、 位相軌跡制御部 200 に供給され、 回転方向 と 回転開始位置を情報 と して含む正弦波に変換さ れる。 すなわち、 位相軌跡制御部 200 は、 位相データ ( Φ k, qk) を変換 して、 次式で与え られる位相軌跡制御信号 を出力する。
sin (qusinw r t + φ k ) (3) こ こ で、 ω r は位相の回転角速度である。 こ こ で、 回 転方向情報 が ( + , 0 , ― ) の 3 値を と る こ と が本 発明の特徴である。
位相軌跡制御部 200 から出力された位相軌跡制御信 号は、 変調器 300 で位相変調され、 変形 BPSK信号 と な る。 変調器 300 は、 第 1 図に示す従来の平衡変調器と 同様の も のである。 以上が送信装置の構成である。 送 信装置で発生された変形 BPSK信号は、 有線ある いは無 線の伝送路 400 を介して受信側に送られる。
—方、 受信装置の構成は、 次の通 り である。
伝送路 400 を通して伝送された信号は、 位相検波器 500 で位相検波される。 位相検波器 500 は、 従来の位 相検波器 と 同様の も のであ る 。 こ の位相検波に よ つ て、 (3) 式で与え られる位相軌跡制御信号が出力 さ れ、 位相軌跡復調部 600 に供給される。
位相軌跡復調部 600 は、 入力された位相軌跡制御信 号から qKw r と φ κ と を復調し、 これらをデータ逆変 換部 700 に供給する。 データ変換部 700 は、 qKc r と φ κ とか ら位相データ ( 0 k , qk) を求め、 これを さ ら に分割データ(^〜ά16 に逆変換して出力する。
第 6 図は、 第 5 図に示した送信装置のさ ら に詳し い 構成を示すブロ ッ ク図である。 データ変換部 100 は、 入力データ を 4 ビ ヅ ト毎に分割して、 第 10A 図および 第 10B 図に示す分割データ(^〜(! を発生する ための 4 ビ ッ ト シフ ト レジス夕 102 と 、 分割データ ^〜 を連続する 2 つの位相データ DA, DB に変換するための マ ト リ ッ クス回路 104 と 、 16個 ( 4 ビ ヅ ト ) の基準値 を出力す る ための 16進スィ ッ チ群 106 と 、 後述する
テーブル切替制御部 150 と か ら構成されている。
第 7 図は、 データ変換部 100 の さ ら に詳細な構成を 示すブロ ッ ク 図である。 4 ビ ッ 卜 シフ ト レ ジス タ 102 か ら出力 さ れた並列 4 ビ ッ ト は、 16個のデータ比較部 111 〜 126 に供給される。 各データ比較部は、 対応す る 分割デー タ が入力 さ れた と き に信号 ( 1111 )を 出力 する。 た と えば、 データ比較部 111 は、 分割データ d , ( 0000 )が入力 された と き に 4 ビ ッ ト の信号 ( 1111 )を出 力 し、 データ比較部 112 は、 分割データ d 2 ( 0001 )が入 力 された と き に 4 ビ ッ 卜 の信号 (1111)を出力する と い う 具合いに構成されている。 こ のために、 各データ比 較部は、 一つの 16進スィ ツ チ 106m (m = 1-16の ひ と つ) と 、 4 つの比較器 CMP と を備えている。 16進スィ ッ チ は、 分割データ d ,〜 d , 6 を判定するための基準値を出 力する も ので、 た と えば、 データ比較部 111 の 16進ス イ ッ チ 1061は、 d,の値 ( 0000 )を出力 し、 データ比較部 112 の 16進スィ ツ チは、 d2の値 (0001)を出力す る。 各 比較器 CMP は、 16進スィ ッ チからの ビ ッ ト と 、 シ フ ト レ ジスタ 102 からの対応ビ ッ ト と を比較 し、 一致 し た と き に 1 、 一致しない と き に 0 を出力する。 各データ 比較部 111 〜 : 126 の 4 ビ ッ ト 出 力 は 、 4 入力 の AND ゲー ト 131 〜 146 に供給される。 こ う し て、 AND ゲー ト 131 は、 入力データが d!の と き に 1 を出力 し 、 AND ゲー ト 132 は 、 入力 デー タ が d2の と き に 1 を 出力 す る。 以下の AND ゲー ト も 同様であ り 、 た と えば、 AND
ゲー ト 146 は、 入力データが d16 の と き に 1 を出力す る。
これらの分割データ(^〜(!^ は、 マ ト リ ッ ク ス回路 10 に供給される。 マ ト リ ッ クス回路 104 は、 第 10A 図お よ び第 10B 図に示す分割データ d ,〜 d i 6 お よ び テーブル切 り 替えデータ dx l,dX2 を位相データ DA, DB に変換する回路であ り 、 これらのデータ変換を行う た めの通常のマ ト リ ッ クスを有している。 マ ト リ ッ クス 回路 104 は、 さ らに、 AND ゲー ト 131 〜 146 からの入 力を記憶する入力バッ フ ァ と 、 2 ク ロ ッ ク分の遅延素 子と 、 位相データ DA,DB を記憶する出力バ ッ フ ァ と、 テーブル切 り 替えを検出する ためのテーブル切 り 替え 検出回路と を備えている。
こ こ で、 第 10A 図, 第 10B 図を参照し て、 テーブル の切 り 替えにつ いて説明する 。 上述 し た よ う に、 分 割データ dl〜dl s は、 2 つの位相データ DA ( = Ø , qk) , DB ( = Φ K ÷ I , q κ+ 1 ) によ っ て表現される。 この場合、 κ と qkとが完全に独立な らば、 第 11図に 示 す よ う に 、 各 2 値 φ κ に 対 し て 3 値 qKが定 ま る から、 6 個の値を取り 得る。 よ っ て、 2 組の ( Φ k , qR) によ って、 6 X 6 = 36個の分割データ を指定でき る こ と に なる 。 しか し なが ら 、 φ κ と qKと は、 一般 に、 完全には独立ではない。 た と えば、 分割データ d i の場合を考える と、 回転開始位置が 0 で、 +方向に回 転する と 、 次の開始位置は π に決ま っ て し ま う 。 つ ま
り 、 2 つ 目のデータ ( Φ κ+ 1 , qk + 1 ) の Φ … は 0 を と る こ と はで き ない。 こ の よ う な物理的制約を考慮す る と 、 第 10A 図お よ び第 10B 図に示す よ う に 、 2 つの 位相データ DA, DB では、 18個の分割データ を指定で き るのみである。 しかも 、 こ れ ら 2 つのテーブルを切 り 替えな ければな らない。 た と えば、 データ d ,, d , 6が連 続 し て送信される場合を考える と 、 こ れ ら の中間に、 テーブル切 り 替えデータ dx , を挿入 し な ければな ら な い o
こ のため、 マ ト リ ッ ク ス回路 104 には、 テーブル切 り 替え制御部 150 が接続され、 テーブル切 り 替えデー 夕 dx l , dX 2 の送信を制御する。 た と えば、 分割データ (! ,,(^ 6を連続 して送信する場合、 これらのデータ の間 にテーブル切 り 替えデータ dx , を挿入 し な ければな ら ないか ら、 マ ト リ ッ クス回路 104 は、 2 つの分割デ一 タ d d1 6に対 して、 3 つのデータ d dx^ d に対応す る位相データ を出力 し なければな ら ない。 こ のため、 マ 卜 リ ッ ク ス回路 104 は、 データ d d! eが連続 し て入 力 され、 テーブル切 り 替えが発生した こ と を検出す る と 、 データ d! e を入力バ ッ フ ァ に留めた状態で、 テ一 ブル切 り 替え制御部 150 に切 り 替え指令 TRを送る 。 こ れに よ っ て 、 テーブル切 り 替え制御部 150 は 、 マ ト リ ッ クス回路 104 に切 り 替えデータ dx l を出力す る た めの指令を与える。 マ ト リ ッ ク ス回路 104 は、 切 り 替 えデータ dx l に対応する位相データ を出力後、 データ
d1 6 に対応する位相データを出力する。 上述した 2 ク ロ ッ クの遅延素子は、 この場合に、 データ d1 6 に与え るべき遅れをつく るために使用される。 マ ト リ ッ クス 回路 104 は、 このとき、 第 6図に示すスィ ッ チ 54をク ロ ッ ク CLK に直結して、 マ ト リ ッ クス回路 104 と平均 処理回路 56へ供給されるクロ ッ クの周期を 2倍に引き 延ばす。 なお、 平均処理回路 56につ いて は後述す る。
次に、 位相軌跡制御部 200 は、 以下のよ う に構成さ れている。 まず、 第 10A 図および第 10B 図に示すよ う に回転開始位相が 0 なのか、 あるいは πなのかを示す 2値の φ k (回転開始位相) は、 加算器 208 に入力され る。 一方、 回転方向 (回転しないという状態を含む) を示す 3値の q!c ( +, 0 , 一) は、 正弦波発生器 204 から供給された正弦波 sin w rtと、 乗算器 206 によ つ て乗算される。 すなわち、
qksin ω rt [ ) こ こで、 ω r は、 位相回転の角速度である。
乗算器 206 の出力は、 加算器 208 に供給され、 次式 の加算が行われる。
qicsin ω r t + φ k (5) 加算器 208 の出力は、 sin 変換器 210 に供給され、 上 記 (3) 式で与え られる位相軌跡制御信号が出力され る。 すなわち、 位相軌跡制御部 200 は、 位相回転方向 'を示す 3 値の と 、 位相回転開始位置を示す 2 値の
φ κ を情報 と して含む正弦波状の位相軌跡制御信号を 出力する。 こ の位相軌跡制御信号は、 平衡変調器 302 と搬送波発生器 304 と を備えた 2 相位相変調器 300 に よ っ て位相変調され、 次式の変形 BPSK信号が出力 さ れ る。
s i η ( ω c t + qksinw rt + φ k) (6) 一つ の分割デー タ ( 4 ビ ッ ト ) を伝送す る た め に は、 位相回転を 2 回行っ て、 2 つの位相データ DA , DB を伝送 し な ければな らない。 こ の よ う に位相回転を 2 度続けて行う こ と は、 BPSK変調器 300 か ら 2 ビ ッ ト の デー タ を送出 し た こ と に相当 す る 。 し た 力 s つ て 、 4 ビ ヅ '卜 の シ リ ア ル入力 デー タ d ,〜 d , 6 (本実施例で は、 dx l , dX 2 はテーブル切 り 替えデータ と し て使用 し ている ) が伝送路 400 上では 2 ビ ッ 卜 に変換さ れた こ と にな る。 すなわち、 回転方向の正負に、 回転無 し と い う 状態を加えて 3 値 qkで回転方向情報を表現 し 、 か つ、 こ れに回転開始位置情報 Φ k を加え る こ と に よ つ て、 4 ビ ッ ト のデータ を 2 ビ ッ ト で伝送す る こ と が可 能に な っ た。 ただ し、 伝送速度は、 必ず し も 2 倍に は な らない。 こ れについては後述する。
第 6 図において、 ク ロ ッ ク CLK の周波数 f を分周器 52に よ っ て 1/2 に分周 し、 f/2 と してい るのは、 こ の こ と に対応 し て い る 。 す なわ ち 、 一つの分割デー タ ( 4 ビ ッ ト ) をシフ ト レジスタ に取 り 込むために は、 4 ク ロ ッ ク必要であるが、 マ ト リ ッ ク ス回路 104 は、
この間に 2 つの位相データ DA, DB を出力すればよ い。 すなわち、 2 クロ ッ ク毎に、 1 つのデータ を出力する よ う に、 ク ロ ッ クの周波数を 1/2 に分周 している。 こ の周波数 f /2 のク ロ ッ クがスイ ッ チ 54を介して、 マ ト リ ッ ク ス 回路 104 と 平均処理回路 56と に 供給 さ れ る。
ただし、 上述したよ う に、 テーブル切 り 替えデータ dXr ま たは dX2 を送信する と き には、 これと分割デー タ の う ちの一つを 4 ク ロ ッ クで送信する こ と になるので、 4 ク ロ ッ クで一つの有効データ を送る形 と なる。 よ っ て、 この場合は、 スィ ッ チ 54をク ロ ッ ク 側に直結し、 周波数 f のク ロ ッ ク CLK をマ ト リ ッ クス 回路 104 と平均化処理回路 56に供給する よ う に してい る。 こ のス ィ ッ チの切 り 替え制御を行 う のが、 マ ト リ ッ クス回路 104 からスィ ッ チ 54に送られる信号であ る こ と は既に述べた。
平均処理回路 56は、 一定個数のデータ (た と えば 10 個) から、 1 データに要する平均時間を計算する回路 である。 た と えば、 10このデータの う ちに、 有効な分 割データ (^〜(!^ が 9 つ、 テーブル切 り 替えデータ dxi が 1 つ含まれていた と する と 、 11X 2 ク ロ ッ ク分 の時間を要する。 すなわち、 平均時間は、 2.2 ク ロ ッ クである。 したがっ て、 マ ト リ ッ クス回路 104 力ゝ らの 位相データ Φ k , qkの,読み出 しは、 2.2 ク ロ ッ ク間隔 行えばよい。 平均処理回路 56からマ ト リ ッ クス回路
104 に供給 さ れて い る信号 CKA は、 こ の よ う に平均化 された ク ロ ッ ク信号である。 こ の よ う な平均化を行 う こ と に よ っ て 、 送信速度 が平均化 さ れ る 利点が あ る 。
次に、 第 8 図を参照 して、 受信装置の詳細な構成を 説明する。 受信装置は、 基本的に、 送信装置 と 逆の動 作に よ っ て、 受信信号か らデータ を復調する。
伝送路 400 を介し て受信された信号は、 (6) 式で表 現 さ れ る変形 BPSK信号で あ る が、 こ れが位相検波器 500 の同期検波器 502 に入力 される。 同期検波器 502 は、 搬送波再生部 504 で再生された搬送波 と受信信号 と を乗算し 、 その結果をバン ドパス フ ィ ルタ 506 に供 給する。 こ の結果、 ノ ン ド パス フ ィ ルタ 506 力 ら は 、 (3) 式で表される位相軌跡制御信号が出力 さ れる
こ の位相軌跡制御信号は、 位相軌跡復調部 600 の逆 正接回路 602 と 、 移相器 604 と に供給さ れる 。 移相器 604 は、 位相軌跡制御信号の位相を 90度回転 し て、 余 弦波 と して逆正接回路 602 に供給する。 すなわち、 逆 正接回路 602 には、 (3) 式で表現される位相軌跡制御 信号 と 、 それに対応する余弦波 と が供給さ れ、 その比 (正接) の逆正接がと られる。 こ の結果、 逆正接回路 602 か ら は、 (5) 式で表現される出力が得 られる 。 こ の出力か ら 、 回転開始位相 Φ k と 、 回転方向情報 q kと が復調される。
' ま ず、 ( 5 ) 式で表現 さ れ る和は 、 低周波 フ ィ ル タ
606 を通され、 回転開始位相 が取 り 出される。
(5) 式で表現される和は、 ま た、 微分器 608 に供給 される。 微分器 608 は、 こ の和を微分して、 振幅が ω rQk の余弦波を出力する。 すなわち、
ω rqkCOS W rt (7) を出力する。
この余弦波は、 さ らに、 乗算器 610 に供給される。 乗算器 610 は、 こ の余弦波に、 発振器 612 から供給さ れる余弦波 cosw rtを乗算して、 乗算結果をバン ドパ ス フ ィ ルタ 614 に供給する 。 こ う し て、 ノヽ * ン ド パ ス フ ィ ル-タ 614 は、 振幅 ω rqK を出力する。 ノ ン ドパス フ ィ ルタ 614 の出力は、 微分器 616 に入力される。 微 分器 616 は、 こ の入力を w r で微分して回転方向情報 qKを出力する。
このよ う に、 位相軌跡復調部 600 は、 回転開始位相 Φ k と回転方向情報 とを出力し、 これらをデータ逆 変換部 700 に供給する。
データ逆変換部 700 は、 2 つの位相データ DA = ( Φ k, qK) および DB = ( φ k + i , qK+ 1 ) から分割データΚ〜(11 6 を復元する。 まず、 2値の φ κ は、 2つの比 較器 701 と 702 に供給され、 0 , π とそれぞれ比較さ れる。 そして、 0のと きには比較器 701 から 1 が、 π の と き には比較器 702 から 1 が、 それぞれ出力され る。 一方、 3値の は、 3つの比較器 711, 712 および 713 に供給され、 + , 0 , — とそれぞれ比較される。
そ し て、 + の と き には比較器 711 力 ら 1 が、 0 の と き に は比較器 712 か ら 1 が、 — の と き には比較器 713 か ら 1 がそれぞれ出力さ れる。 こ れら 5 つの比較器の出 力は、 マ ト リ ッ ク ス回路 720 に供給さ れる 。
マ ト リ ッ ク ス回路 720 は、 2 つの位相データ DA,DB か ら 、 分割 デー タ d! ~ d , 6 を復元す る 。 た と え ば、 ( 0 , + ) , ( π , + ) と い う 位相データ が入力 さ れ た場合に は、 第 1 OA 図に示す よ う に、 分割データ d!を 出力 し 、 ( 0 , 一 ) , ( π , — ) と レヽ ぅ データ が入力 さ れた場合に は分割デー タ d8を 出力 す る 。 こ の た め に 、 マ ト リ ッ ク ス 回 路 720 は 、 2 つ の 位相 デー タ
D A, DB を記憶する入力バ ッ フ ァ と 、 こ の入力バ ッ フ ァ か ら 出力 さ れた位相デー タ DA, DB を分割デー タ 〜 d, 6 に変換するためのマ ト リ ッ クス と を備えてい る。 さ ら に 、 マ ト リ ッ ク ス 回路 720 の 出力側 に は 、 出力 ノ ' ッ フ ァ 730 と判定回路 740 と が接続さ れている 。 判 定回路 740 は、 マ ト リ ッ ク ス回路 720 の 出力 か ら 、 テーブル切 り 替 え デー タ dx ,, dX 2 を検出す る 。 そ し て、 こ れ らのデータ dx l ま たは dX2 が検出 さ れた と き には、 出カノ ッ フ ァ 730 に格納されている dx , ま たは dX 2 の出力を禁止する。 一方、 他のデータ ^〜(11 6 の 場合に は 、 出カ ノ ッ フ ァ 730 内の デ一 夕 を 出力 さ せ る。 こ う し て、 2 つの位相データ DA, DB か ら 4 ビ ッ ト の分割データ を出力す.る。
' 以上が復調回路の主要部の説明であるが、 こ の復調
に使用される ク ロ ッ ク は、 以下の よ う に して取 り 出さ れる。 ま ず、 ローパスフ ィ ルタ 606 から出力された位 相 ø k がク ロ ッ ク抽出回路 70に入力される。 ク ロ ッ ク 抽出回路 70は、 PLL 回路によ っ て、 こ の入力 Φ か ら ク ロ ッ ク を 抽 出 す る 。 こ の ク ロ ッ ク は 、 交番信号 noioioioij が送られてきた と き の Φ k に等しい。 ク ロ ッ ク抽出回路 70から出力された周波数 f のク ロ ッ ク は、 2 通倍回路 72で 2倍の周波数 2fと され、 平均処理 回路 74に送 ら れる と と も に、 微分回路 608 に供給さ れ、 微分動作を起動する。
平均処理回路 74は、 2fの平均値を出力する もので、 その出力はマ ト リ ッ クス回路 720 に供給され、 その変 換速度を規定する。 これは、 送信側での平均処理に対 応する ものである。
次に、 本実施例 1 による伝送速度を、 従来の BPSKの 伝送速度と比較して検討する。 こ こで、 送信データ と しては、 riOlOlOlOjを仮定する。 BPSKでは、 第 2 図の 位相空間における点 P , P2の間で位相切り 替えが行わ れる。 したがっ て、 原点 0 と点 P iと の距離を r と する と 、 位相切 り 替え時の移動距離は 2rと な る 。 従来の BPSKでは、 1 動作で 1 ビ ッ ト のデータが送信されるか ら、 位相空間における 1 ビッ ト 当 り の移動距離は て I ビ ッ ト と なる。
—方、 本実施例では、 第 10A 図および第 10B 図に示 すよ う に、 半円状の円弧を描きながら位相切 り 替えが
行われるか ら 、 1 動作に要する移動距離は、 π r であ る 。 ま た 、 2 動 作 で 4 ビ ッ ト の デー タ が送信 さ れ る。 よ っ て、 1 ビ ッ ト 当 り の移動距離は、 2 π r/4 = π r/2 と な る。 伝送速度の比は、 位相空間におけ る 1 ビ ッ ト 当 り の位相空間距離の比の逆数で表せる。 し た が つ て 、 位相空間に お け る 移動速度が等 し い と す る と 、 従来の BPSKと本実施例に よ る変形 BPSKの伝送速度 の比は、 4/π = 1.273 と なる。 すなわち、 本実施例の 変形 BPSKに よ れば、 従来の BPSKよ り 約 27%の伝送速度 の向上が図れる。
同 じ よ う に考える と 、 位相軌跡を底辺が 2r、 高さ が r の二等辺三角形状に し た場合の伝送速度比は 、 約 1.4 倍 と なる。 ま た、 底辺が 2r、 高さ が r/2 の二等辺 三角 形状に し た場合の伝送速度比は 、 約 1.8 倍 と な る。
さ ら に、 楕円の位相軌跡を描かせた場合に は、 次の よ う にな る。
ま ず、 座標 ( r , 0 ) , ( 一 r , 0 ) の 2 点を通る 楕円軌跡を、 半径が R で中心角が 2 0 の円弧で近似す る。 こ の円弧の長さ は 2R Θ で、 かつ、 S sin— r/R) と なるか ら、 円弧の長さ は 2R sin" 1 (r/R) と 表わ され る。 た と えば、 R = r 、 すなわち円弧が半円の場合、 円弧の長さ は、 Zr sin' 1 1= 2Γ· π /2= π r と な り 、 こ の場合は 、 上述 し た結果を得る 。 一方、 R = 2rの 場合、 円弧の長さ は、 4r sin" 1 (1/2) = 4r · (π /6) =
(2/3) π r と な る 。 よ っ て、 上 と 同様の計算に よ つ て、 従送速度の比は、 2r/(l/3) 7r r = 6/π = 1.91倍 と なる。 実施例 2
実施例 1 では、 入力 データ を 4 ビ ヅ 卜 毎に分割 し て、 こ れを 2 ビ ッ ト で送る よ う に し た。 そ の た め、 テーブルの切 り 替えが必要であっ た。 こ の実施例 2 で は、 テーブルの切 り 替えな しでデータ伝送を実行する ために、 入力データの分割を 3 ビ ッ ト単位で行っ てい る ため、 8種類の分割データが生じる。 これらの分割 データを伝送する ためには、 3 値の回転方向情報 q»を 2 回送ればよ い。 本実施例は、 この原理を用 いた も の である。
第 12図は、 本発明に よ る送信装置の実施例 2 の要部 の構成を示すブロ ッ ク 図であ る 。 入力データ は、 3 ビ ッ ト の シ フ ト レ ジス タ 821 に取 り 込まれ、 3 ビ ヅ ト の分割データ ^〜 に変換される。 た と えば、 ^ = 000 , d2= 001 , d3 = 010 , d4 = 011 , d5 = 該当無 し 、 d6 = 100 , d7= 101 , d8 = 110 , d9 = 111 と す る。
これらの分割データは、 マ ト リ ッ クス回路 822 に供 給される 。 マ ト リ ッ ク ス回路 822 は、 第 13図に示す テーブルに よ っ て、 分割データ ^〜(^を 2 つの位相 データ DA,DB に変換する。 これを実施例 1 の場合 と比
較す る と 、 位相データ DAある いは DBは、 ( φ k , qk) = ( don ' t care , q κ ) の形を と つ て レ、 る こ と が分力 る。 すなわち、 本実施例では、 位相回転方向にのみ着 目 し て いる ため、 位相回転開始位置は問題 と さ れず、 回転方向情報 q kのみが + , 0 , 一 の 3 値を と る 。 ぃレ、 かえ る と 、 位相回転完了後における位相位置は問題 と さ れない。 例えば、 第 9B図に示す よ う に 、 位相回転方 向が " + " であっ た と して も 、 位相回転開始位置は、 0 — π に変化する場合のみな らず、 π → 0 に変化す る 場合 も あ る 。 こ の 変換 に よ っ て 、 分割 デー タ d ,は ( 十 , + ) , d2は ( 0 , + ) と レ、 う 具合いに変換さ れ る。
こ れ らの位相データ DA, DB は、 第 6 図の位相軌跡制 御部 200 と 同様の構成を もつ位相軌跡制御部 823 に送 ら れ、 前述の ( 3 ) 式の位相軌跡制御信号が出力 さ れ る。
以後の処理は、 位相回転開始位相 Φ « が問題に され ない点を除いて、 実施例 1 と 同様であるので、 説明を 省略する。
本実施例に よれば、 3 ビ ッ ト のシ リ アル入力データ
(^〜 dgが、 伝送路上では 2 ビ ッ ト に変換さ れた こ と に なる。 本実施例では、 位相軌跡が半円状の円弧 と な る ので、 伝送速度の比は、 従来の 0.96倍 (3/π ) に低下 する。 し力 し な力 5ら、 た と えば底辺が 2r、 高さ が Γ/2 の二等辺三角形状の位相軌跡を用いれば、 伝送速度は
従来の 1.34倍になる。 また、 前述した楕円では、 し 43 倍と なる。
なお、 上記の位相データ DAおよび DBについては、 デ ジタル信号化するために 3 値信号 2 組を用いたが、 ァ ナロ グ 3 値レベル信号を用いて + , 0 , 一を表す こ と も可能である。 いずれに しても、 後段の BPSK用位相変 調回路に対して位相回転方向を制御できればよ いので あ っ て、 その信号形態がデジタルであるかアナロ グで あるかは、 本実施例の本質と は無関係である。
(以下余白)
実施例 3
実施例 1 で は 、 位相回転方向情報 q Xと し て 、 3 値 ( 十 , 0 , — ) を用いたが、 こ の回転方向情報 q xに 回 転量を含ま せる こ と ができ る。 すなわち、 第 14図に示 す よ う に、 正負の回転方向に位相回転量 θ κ = κ ω r を含ま せる こ と ができ る。 本実施例の基本的動作は、 q の代わ り に q k p k ω r ( = q k θ k )を使用 し た点以外は、 図 5 に示 し た第 1 の実施例 と基本的には同 じ である。 そ こ で、 本実施例特有の動作についてのみ、 以下に説 明する。
ま ず、 シ リ アル入力データ をデータ変換部 100 に入 力 し 、 m ビ ッ ト ( m は 2 以上の整数) 毎に ラ ッ チ す る。 こ の m ビ ッ ト のデータ に よ り 2 m個のデータ が形成 される。 そ こ で、
2m ≤ n2
と な る正の整数 n を求め、 第 14図に示す よ う な位相回 転量 , Θ 2 - Θ n を予め設定 してお く 。 こ こ で、 第 14図に示す位相回転量 Θ ! , Θ 2 - Θ „ は、 正負の 位相回転の一方についてのみ示 し た も のである。 こ れ らの位相回転量は、 必ず し も ( 360° /n) X I , ( 360° /n) X 2 … (360° /n) x n と する必要はな く 、 任意の 値に設定す る こ と ができ る。
デー タ 変換回路 100 (第 5 図) では 、 n2個の デー タ d,! 〜dn n を特定するために、 第 1 の位相データ DAと 第 2 の位相 デー タ DBを位相軌跡制御部 200 に供給す
る。 ただ し、 第 1 の実施例で位相デ一夕 DA, DB に よ つ て位相の回転方向のみを特定していたの と は異な り 、 本実施例では位相データ DA, DB によ っ て、 位相の回転 方向 と位相の回転量 0 : 〜 0 Π と を特定 している。
か く して、 m ビ ヅ 卜 のシ リ アルデータ が 2 回の変調 器出力 と して送出される こ と になる。 し たがっ て、 た と えば、 上述した楕円を位相軌跡と して用いれば、 伝 送速度は従来の BPSKの (S/ C "1- 1 ^ Z"1— 1倍 と な り 、 半円状の位相軌跡を用いれば 2m/7z;倍に向上する。
受信側では、 伝送路 400 を介して得られた信号を位 相検波器 500 および位相軌跡復調部 600 で復調し、 位 相データ Daに起因した位相回転量 ø 1 〜 θ n と 、 位相 データ DBに起因した位相回転量 0 , 〜 0 n と を得る。 これらに基づいて、 データ逆変換部 700 は、 分割デー タ d i t 〜 dn n の'いずれであるかを判別 し、 m ビ ッ 卜 の シ リ アルデータ を復調する。 実施例 4
第 15図は、 実施例 4 で用いるデータ構成を示 し た図 である。 本実施例において も、 ハー ド ウ ェ ア構成は実 施例 1 と ほぼ同様であるので、 説明は省略する。
本実施例 と第 1 の実施例と の相違は、 第 1 お よ び第 2 の位相データ DA, DB が、
(1) n個の位相回転量 0 , 〜 0 n と、
(2) n個の回転開始位相 Φ , 〜 φ n
の組合わせに よ っ て規定されている点に あ る 。 その他 の点については、 第 1 の実施例 と 同様であ る 。 実施例 5
第 16図は、 実施例 5 の要部の構成を示すブロ ッ ク 図 である。 本実施例は、 第 6 図の乗算器 206 に供給する 正弦波 sinc rtを一般化 して、 関数 f (t) と し た も ので ある。 こ れに よ つ て、 位相回転軌跡を円 だけでな く 、 楕円や三角形にする こ と が可能である。
第 16図において、 関数発生器 900 は、 関数 f (t)を発 生 し 、 乗算器 206 に供給する ものである。 関数発生器 900 は、 I 軸信号を発生するための I 軸用 ROM902と 、 Q軸信号を発生する ための Q軸用 R0M904と 、 I 軸信号 に係数 a をかける乗算器 906 と 、 Q軸信号に係数 b を かける乗算器 908 と 、 乗算器 908 の出力を 90度位相回 転する移相器 910 と 、 乗算器 906 の出力に移相器 910 の 出 力 を 加算 す る 加算器 912 と か ら 構成 さ れ て い る。
こ こ で、 係数 a,b を適宜設定する こ と に よ っ て、 各 種 の 関数 f (t)を 発生 す る こ と が で き る 。 と く に 、 a = b = l と し 、 I 軸信号 を cosw rt, Q 軸信号 を sinw rtと すれば、
cos ω r t + j s l n ω r t ( a = b = 1 ) (8) と な り 、 位相回転軌跡は円 と なる。 ま た、 a = 1 , b < a と すれば、
cos ω r t + j b sin ω r t (a=l,bく a) (9) と な り 、 位相回転軌跡は楕円 と なる。
本実施例によれば、 円、 楕円、 三角形、 直線な ど、 複数の位相軌跡を発生する こ とができ る。 これ らの複 数の位相軌跡を各分割データ に割 り 当てて信号伝送を 行う こ と も可能である。 産業上の利用可能性 本発明に よ る位相変調方式によ る送信装置およ び受 信装置は、 テ レ ビ、 電話、 パソ コ ン通信等の通信分野 全体にわたって、 広 く 利用する こ と ができ る。