WO1993009993A1

WO1993009993A1 - Systeme de changement de vitesse pour bicyclette, procede de changement de vitesse pour bicyclette et dispositif actuateur de changement de vitesse pour bicyclette

Info

Publication number: WO1993009993A1
Application number: PCT/JP1992/001454
Authority: WO
Inventors: Koichi Tagawa; Yoshihisa Iwasaki
Original assignee: Bridgestone Cycle Co Ltd; Maeda Industries Ltd
Current assignee: Bridgestone Cycle Co Ltd; Maeda Industries Ltd
Priority date: 1991-11-11
Filing date: 1992-11-09
Publication date: 1993-05-27
Anticipated expiration: 1994-05-11
Also published as: JPH0820378A; EP0571631A1; US5390565A; EP0571631A4; US5421219A

Description

明細書

【発明の名称】

自転車用変速システム、自転車用変速方法および自転車用変速操作装置【技術分野】

本願発明は、自転車用変速システム、自転車用変速方法および自転車用変速操作装置に関する。詳しくは、変速操作体として、ハンドルバーの左右の握持部外周にそれぞれ回動可能に套嵌される筒状操作体を備え、ハンドルバーからほとんど手を離すことなく変速操作を行うことができるとともに、低速側あるいは高速側への変速操作に誤りが生じることのないように構成されたものに関する。

【背景技術】

図 1 0に示すように、従来、前変速機 aと後変速機 bとを備える自転車の変速システムは、操作ケーブル c 1， c 2を介して上記各変速機本体 a , bとそれぞれ連結され、ハンドルバー等の適部に取付けられる前変速機用の変速操作装置 d 1および後変速機用の変速操作装置 d 2を備えており、上記各変速操作装置 d 1 , d 2を操作することにより、各変速機 a , bを作動させて変速を行うように構成されている。

上記従来の変速操作装置 d 1 , d 2は、フレームやハンドルバーに設けられる固定軸に回動可能に支持されたレバーの基部に、操作ケーブル c 1， c 2を巻き付けるように構成されており、レバーを一方向に回動操作すると、操作ケーブル c 1 , c 2がレバー基部のケーブル巻取り溝に巻き取られて牽引される一方、レバーを逆方向に回動操作すると、操作ケーブル c 1 , c 2が変速機本体に組み込まれたリターンスプリングのばね力によって引っ張られながらレバの巻取り溝から繰り出される。このとき、操作ケーブルの軸方向動が変速機本体に伝えられてこれを作動させる。

図 1 0に示すような一般によく用いられているディレーラ（外装変速機）は、所定間隔で並列配置された複数の異径スプロケッ卜に対してチェンを横方向に押圧して、これを所望のスプロケットに掛け変えることにより変速を行うものである。

後輪に設けられるリャディレーラは、たとえば、特開昭 6 3— 2 5 1 3 8 8号公報に示されているもののようにガイドブーリおよびテンションプーリを回転可能に支持するチェンガイドを備え、このチェンガイドは自転車フレームに取付けられるリンクベースに、レ、わゆる平行四辺形パンタグラフ機構等のシフトリンク機構を介して、チェンにテンションを与える方向に付勢されながら回動可能に支持されている。そして、上記シフトリンク機構を、操作ケーブルを介して連結された変速レバー装置を操作することにより変形させ、シフトリンク機構の可動部材に支持された上記チェンガイドをハブ軸方向に平行移動させることにより、チェンを多段フリーホイールの所望のスプロケットに掛け変えて変速を行うように構成されている。

また、前耠に設けられるフロントディレーラは、スプロケットに掛かろうとするチェンを内外に挟むように位置する内外一対のガイドブレートを、複数のスプロケットが並列配置された前ギヤの厚さ方向に移動させ、このガイドプレートによつて上記チェンを内方向にまたは外方向に押圧し、上記チェンを所望のスプロケットに掛け変えるように構成されている。

しかしながら、上記従来の変速操作装置は、上述したように、ハンドルバーあるいはフレームの適部に設けられており、変速操作を行うためには、ハンドルバ一から手を離さなければならなかった。このため、変速操作時には、咄嗟にブレーキをかけることはもちろん不可能であり、しかも片手運転となるためハンドル操作が不安定となることも避けられなかった。

一方、変速操作を必要とするのは、主として平地から坂道に変わる場面あるいは坂道から平地に変わる場面等路面状態が変化するときであり、そのような走行場面においては走行状態が不安定となり、また、 ·ブレーキ操作を必要とすることも多い。

上記問題を解決するため、実公昭 5 8 - 4 6 6 9 3号に示されている変速操作装置のように、左右ハンドルバーの外周に筒状の操作体を套嵌し、この筒状操作体を回動操作することにより変速操作ケーブルを牽引しあるいは繰り出すことのできる，いわゆるハンドル回転式の変速操作装置が提案されている。

上記公報に記載されている変速操作装蘆においては、ハンドルバーの握持部から手をほとんど離すことなく変速操作を行うことが可能であり、走行安全性が大幅に高められている。

ところで、従来のリャディレ一ラにおいては、操作ケーブルを牽引することにより上記チェンガイドが車幅方向内方へ移動させられて、低速側スプロケット（大径側ギヤ）にチェンが掛け変わるように構成される一方、フロントディレーラにおいては、操作ケーブルを牽引することにより、上記ガイドプレートが車幅方向外方へ移動させられて、高速側スプロケット（大径ギヤ）にチェンが掛け変わるように構成されている。

したがって、前後の変速機を同時に低速側へ変速させるためには、リャディレーラを操作する操作ケーブルを変速操作装置に巻き取って牽引する一方、フロントディレーラを操作する操作ケーブルを変速操作装置から繰り出さなければならない。このため、前後双方の変速装置を低速側あるいは高速側へ同時に変速操作するためには、前変速機用の変速操作装置と後変速機用の変速操作装置とを互いに逆方向に回動操作しなければならないことになる。

ところが、上記のような前変速機と後変速機の双方を備える自転車において、上記公報に記載されているようなハンドル回転式の変速操作装置を導入すると、きわめて重大な問題が生じる。

すなわち、上述したように、従来の変速システムにおいては、前変速機は変速操作ケーブルを牽引すると高速側ギヤ、すなわち大径側ギヤにチェンが掛け変わるように構成されている。一方、後変速機においては、変速操作ケーブルを牽引すると、低速側のギヤ、すなわち大径ギヤへチェンが掛け変えられるように構成されている。このため、路面状態が急に上り坂になるような場合、.前後双方の変速機を低速側へ変速させようとすると、左右の変速操作装置、すなわち、ハンドルバ一に套嵌支持された筒状の操作体を互いに逆方向に回転操作しなければならないことになる。

しかしながら、路面状態が変化する状況下において、左右のハンドルバーに套嵌支持された筒状操作体を互いに反対方向に回転させるのは、非常に不自然な動作である。すなわち、ハンドルバ一を握持する左右の手指には同じ方向の力が作用しているはずであり、一方の筒状操作体のみを、上記力と反対方向に回動操作することは困難である。したがって、乗者は、誤って左右の筒状操作体を同じ方向へ回動操作してしまう恐れがある。この場合、一方の変速機を高速側へ変速操作してしまい、低速走行側への咄嗟の変速操作に対応することができないという間題が生じやすかつた。

特に、オフロードを走行するマウンテンバイク等においては、路面の急な変化に変速操作が対応できな場合には、踏力を車輪に伝えることが十分にできず、転倒する危険も生じる。

[発明の開示】

したがって、本願発明の目的は、ハンドルバ一からほとんど手を離すことなく変速操作を行うことができるとともに、低速側あるいは高速側への変速操作に誤りが生じることのない自転車用変速機構および自転車用変速方法を提供することである。

本願発明の他の目的は、上記自転車用変速機構および自転車用変速方法に好適な自車用変速操作装置を提供することである。

本願発明は、前変速機および後変速機と、ハンドルバーの左右の握持部外周にそれぞれ回動可能に套嵌支持される筒状操作体を有する変速操作装置とを備え、上記各変速機は、上記各筒状操作体の回動操作によって牽引されあるいは繰り出される操作ケーブルによってそれぞれ作動させられるように構成された自転車用変速システムであって、次のことを特徵とする。

上記各筒状操作体は、いずれもその上面が後方へ移動する方向へ回動操作することによって、上記各変速機が低速走行側へ作動するように構成されている。本願発明の他の目的、特徵および利点は、添付図面を参照して説明する後記の好ましい実施例の説明から明確となろう。

[図面の簡単な説明】

図 1は、本願発明に係る自転車用変速システムの全体構成を示す図である。図 2は、後変速機を操作する右側の変速操作装置の平面図である。

図 3は、図 2の変速操作装置の軸線に沿う断面図である。

図 4は、図 3における IV— IV線に沿う断面図である。

図 5は、図 3における V— V線に沿う断面図である。

図 6は、図 5に示す第一のラチット機構の作動を説明する説明図である。図 7は、図 3における VI I -VI I 線に沿う断面図である。

図 8は、前変速機を操作する左側の変速操作装置の平面図である。

図 9は、図 8における IX— IX線に沿う断面図である。

図 1 0は、従来の自転車用変速システムを備える自転車の全体構成を示す側面図である。

【発明を実施するための最良の形態】

以下、本願発明に係る実施例を図 1ないし図 9に基づいて具体的に説明する。図 1に示すように、本願発明に係る変速システム 1は、前変速機 1 aおよび後変速機 1わと、ハンドルバー 2の左右握持部 3 a， 3 bの外周に回動可能に套嵌支持される変速操作体としての筒状操作体 4 a , 4 bを有する変速操作装置 5 a ， 5 とを備えて大略構成されている。

本実施例に係る前変速機 1 aは、インナケーブル t 1とこれに套揷されるァゥタケ一ブル t 2とから構成される変速操作ケーブル Tの上記インナケーブル t 1 を牽引することにより、高速側へ、すなわち大径ギヤにチェンが掛け変わるように構成されている。

一方、後変速機 l bは、変速操作ケーブル Tのインナケーブル t 1を牽引することにより、低速側へ、すなわち、大径ギヤ側へチェンが掛け変わるように構成されている。

なお、上記前変速機 1 aおよび後変速機 1 bは、従来例と同様の変速機が用いられており、その詳細な説明は省略する。

以下の説明は、後変速機 1 bを作動させる右側の変速操作装置 5 bの例について行う。なお、前変速機 1 aを作動させる左側の変速操作装置 5 aにおいてもほぼ同様の構成が取られてレ、る。

本実施例に係る変逮操作装置 5 bは、図 3に示すように、右側のブレーキレバ —装置 6 bおよび右価握持部 3 bと一体的に形成されている。

上記ブレーキレバー装置 6 bのブレーキブラケット 8の基 ¾には、周壁の一部を軸方向に切り欠いて内外周を連通させたスリット 9を備える円筒状取付け部 1 0が設けられており、この円筒状取付け部 1 0が、ハンドルバー 2の上記握持部 3 bの車幅方向内側に套嵌され、上記スリット 9を横切って螺合される取付けねじ 1 1によって上記円筒状取付け部 1 0の内径を強制的に弾性縮径させることにより、ブレーキブラケット 8および変速操作装置 5 bがノヽンドルバー 2に対して固定される。

本実施例に係る上記ブレーキレバ一装置 6 bは、図 2および図 3に示すようにハンドルバ一 2の前面から車体前方に向けて突出するように設けられたブレーキブラケット 8と、上記ブレーキブラケット 8に設けたレバ一軸 1 2に基端部が回動可能に連結され、上記ノヽンドルグリップ 7の前方に延出させられたブレーキレバー 1 3とを備える。インナケ一ブル w lとこれに套揷されるァゥタケ一ブル w 2とからなるブレーキケーブル Wは、そのァウタケーブル W 2が、上記ブレーキブラケット 8の車幅方向内端部に止着される一方、ィンナケーブル w 1がブレーキブラケット 8の内部空間に導入され、その端部のニップル 1 3 aが上記ブレーキレバー 1 3の基端部に止着されている。

本実施例に係る変速操 ί乍装置 5 bは、上記ハンドルバー 2に套嵌固定した上記円筒状取付け部 1 0の車幅方向外 J、すなわち、ハンドルバ一 2の右側握持部 3 bの外周部に回動可能に套嵌され、ハンドルグリップ 7に連続するように形成された筒状操作体 4わと、上記筒状操作体 4 bの内周部ないしブレーキブラケット 8の基端部内周部に構成される変速操作機構 1 4とを備えて構成されている。本実施例に係る上記筒状操作体 4 bは、ブレーキブラケット 8の基端部の軸方向外側において、ハンドルバー 2の外周に固定状に套嵌された円筒状のスリーブ体 1 5の外周に回動可能に套嵌されている。

上記筒状操作体 4 bは、乗者が握持して回動操作する握持操作部 1 6と、上記握持操作部 1 6の車幅方向内側に形成され、インナケーブル t 1とこれに套揷されるァウタケーブル t 2とから構成される変速操作ケーブル Tの上記インナケーブル t 1を巻き取るリール部 1 7と、後に説明する第一のラチヱット機構 2 5のラチエツト爪 2 9を収容する爪収容部 2 8とを備えて大略構成されている。上記握持操作部 1 6の外周には、乗者が握持しやすいようにゴム製の外套体 1 9が套嵌されており、上記ハンドルグリップ 7とその外周がほぼ連続するように形成されている。

そして、この筒状操作体 4 bないしハンドルグリップ 7を握持した状態でハンドル操作を行レ、つつ変速操作をも行えるように構成されている。

図 2は本実施例に係る変速操作装置 5 bの平面図であり、図 3は上記変速操作装置 5 bの中心軸に沿う拡大断面図である。

本実施例においては、変速操作ケーブル Tは、ァゥタケ一ブル t 2がブレーキブラケット 8の基端部に設けた止着ボルト 1 8に止着されるとともに、インナケ一ブル t 1は、ブレーキブラケット 8の基端部上面に設けられたリール 2 0によつて、 '牽引繰り出し方向が変換された後に上記筒状操作体 4 bのリール部 1 7に巻き取られる。

上記.リール 2 0は、図 2および図 4に示すように、ブレーキブラケット 8の基端部上面に設けられた支軸 2 1に回動可能に支持されており、ハンドルバー 2に沿って導かれる変速操作ケーブル Tのインナケーブル t 1をハンドルバー 2に套嵌される筒状操作体 4 bの外周方向へ向かう方向に変換する役割を果たしている o

上記リール 2 0によって、方向変換されたインナケーブル t 1は、その先端部に設けられた二ップル 2 2が、上記筒状操作体 4 bのリール部 1 7のリ一ル巻取り溝 1 7 aに沿って設けられたニップル係止孔 2 3に収容されることにより、上記筒状操作体 4 bに対して止着されている。

図 1および図 4に示すように、本実施例においては、右側の筒状操作体 4 bをその上面が後方（矢印 P方向）へ移動するように回動操作すると、上記変速操作ケーブル Tのインナケーブル t 1が牽引されるように構成されており、このインナケーブル t 1の他端は、後変速機 1 bに連結されている。

上記筒状操作体 4 の車幅方向内側には、上記筒状操作体 4 bの回動を規制する係止機構 2 4が設けられている。

本実施例に係る上記係止機構 2 4は、上記筒状操作体 4 bがインナケーブル t 1を牽引する際にこの筒状操作体 4 bを所望の回動位置に保持する第一のラチェット機構 2 5と、上記筒状操作体 4 bのリール部 1 7に巻き取ったィンナケープル 1が、変速機側のリターンばねの張力によって無用に繰り出されないよう摩擦力を与える抵抗付与手段 2 6とを備えて構成されている。

上記歸状操作体 4 bの軸方向内側には、図 3に示すように、上記係止機構 2 4 の第一のラチエツト機構を構成するラチエツトホイール 2 7がスリーブ体 1 5の外周に回動可能に套嵌されている。

上記ラチエツトホイール 2 7は、車幅方向外側の外周部に形成された係合歯部 3 0と、上記筒状操作体 4 bのケーブル操り出し方向の回動に所定の回動抵抗を付与する抵抗付与部 3 1とを備えている。そして、上記係合歯部 3 0が上記筒状操作体 4 bの内端部に設けた爪収容孔 2 8に収容されるラチエツト爪 2 9と係合させられるように構成されている。

上言ラチエツトホイール 2 7の係合歯部 3 0は、図 5に示すように、一方向の係合歯 3 2が形成されており、図 6に示すように、筒状操作体 4 bをケーブル巻取り方向（矢印 P方向）に回転させる場合には、上記筒状操作体 4 bの爪収容孔 2 8に収容されたラチエツト爪 2 9が半径方向外方に淳き上がって上記ラチエツトホイール 2 7と筒状操作体 4 bとの相対動が許容される。一方、上記筒状操作体 4 bをケーブル繰り出し方向（矢印 Q方向）に回動操作する場合には、図 5に示すように、リング状ばね 2 9 aよって半径方向内方に弾力付勢された上記ラチエツト爪 2 9とラチエツトホイール 2 7の係合歯 3 2とが嚼み合い、上記筒状操 {乍体 4 bと、上記ラチヱットホイール 2 7とが一体的に回動するように構成されている。 '

一方、上記ラチエツトホイール 2 7の抵抗付与部 3 1の外周には、図 3および図 7に示すように、上記ラチエツトホイール 2 7に所定の回動抵抗を与えるためのリング状のフリクションバンド 3 3が巻付けられている。そして、上記フリクシヨンバンド 3 3の端部が、締め付け手段 5 0を構成する締め付けボルト 3 4および締め付けナツト 3 5によって近接させられることにより、上記抵抗付与部 3 1の外周を締めつけて、上記ラチヱットホイールに所定の回動抵抗を与えることができるように構成されている。

本実施例に係る上記フリクションバンド 3 3は、図 7に示すように、帯状板バネ部材を略環状にプレス成形して形成されており、上記ラチエツトホイール 2 7 の抵抗付与部 3 1の外周面に摺接させられる複数の円弧状摺接部 3 3 aと、相隣り合う摺接部 3 3 aの端部間に一体形成され、半径方向外方に凸状に膨出させられて上記抵抗付与部 3 1の外周面から離間させられた複数の関節部 3 3 bと、上記摺接部 3 3 aの端部から半径方向外方へ略平行に対向して延出させられ、締め付け手段 5 0によって互いに近接させられる一対の締め付け部 3 3 cとを備える上記摺接部 3 3 aは、その内周面が上記抵抗付与部 3 1の外周面に対応する円弧状に形成されている。一方、上記関節部 3 3 bは、上記摺接部 3 3 aの曲率より大きい曲率で半径方向外方へ膨出するように形成されており、その内側面が上記抵^:付与部 3 1の外周面から離間させられている。

また、上記締め付け部 3 3 c 3 3 cには、締め付け手段 5 0を構成する締め付けボルト 3 4を通揷するための通揷孔 3 4 a , 3 4 bがそれぞれ形成されている。そして、上記締め付けボルト 3 4およびこれに螺合させられる締め付けナツト 3 5によって、上記一対の締め付け部 3 3 c 3 3 cを近接させることにより、上記抵抗付与部 3 1の外周を締め付けて、上記ラチエツトホイール 2 7に所定の回動抵抗を与えることができるように構成されている。

上記締め付け部 3 3 c , 3 3 cは、ブレーキブラケット 8の基端部の内部空間に突入させられており、上記締め付け部 3 3 c 3 3 cないしこれに連通揷される上記締め付けポルト 3 4が上記内部空間の内壁部に当接することにより、ラチエツトホイール 2 7と共回りしないように構成されている。

上記フリクションバンド 3 3は、上記円弧状摺接部 3 3 aの内周面と、上記抵抗付与部 3 1の外周面との間に生じる摩擦力によって、上記筒状操作体 4 bとともに回動させられるラチエツトホイール 2 7に所定の抵抗を与える。

すなわち、上記締め付けボルト 3 4と上記縮め付けナツト 3 5とによって、上記締め付け部 3 3 c、 3 3 cの対向間隔を調節することにより、上記摺接部 3 3 aが上記抵抗付与部 3 1を締め付ける締め付け力を調節することができ、上記ラチェットホイール 2 7に所定の回動抵抗を与えることができるように構成されている。

すなわち、上記締め付けボルト 3 4と上記繚め付けナツト 3 5の締め付け力を調節することにより、上記ラチエツトホイール 2 7に所定の回動抵抗を与えることができるように構成されており、上記回動抵抗は、後変速機 1 b内のリターンバネによって与えられるインナケ一ブル t 1の張力に打ち勝つように設定されている。

上記構成の抵抗付与手段 2 6を備える係止機構 2 4を採用することにより、本願発明に係る変速システム 1を円滑に作動させることができる。

すなわち、上記フリクションバンド 3 3の各摺接部 3 3 aが上記関節部 3 3 b を節として容易に弾性変形させられ、従来の単なる環状の摩擦部材に比べて大きなバネ.特性が与えられる。このため、上記一対の締め付け部 3 3 c 3 3 cを締め付けポルト 3 4によって近接させることにより、フリクションバンド 3 3の全周にわたって弾力を蓄勢することが可能になる。この結果、上記締め付けボルト 3 4および締め付けナツト 3 5によって締め付け調整される締め付け部 3 3 c 3 3 cの調節代を大きく設定することが可能となる。このため、筒状操作体の回動抵抗の調節範囲が大幅に広がり、微妙な調節が可能になる ₀

また、各摺接部 3 3 aが、上記関節部 3 3 bを節として容易に弾性変位させられるため、上記ラチエツトホイール 2 7の外周面に均一の押圧力で摺接させられる。このため、上記ラチエツトホイール 2 7に安定した回動抵抗を与えることができるとともに、最適な面動抵抗を設定することが可能となる。この結果、.筒状操作体の回動操作性が格段に向上する。

また、上記梳め付け部 3 3 c 3 3 cを近接させるための締め付けボルト 3 4 W

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を、上記フリクションバンド 3 3の軸と直角方向に配置することができるため、変速操作装置の軸方向寸法が大きくなることはなレ、。しかも、上記ラチエツトホィ一ル 2 7の外周面に対して摺接させられるように構成されているため、本実施例のようなハンドルバーに套嵌された筒状の操作体 4 bを有する変速操作装置に好適である。

さらにまた、図 7に示すように、上記関節部 3 7 bの内面と上記抵抗付与部 3 1の外周面との間に隙間が形成されるため、この隙間に、グリスを保持させることが可能となる。このため、上記フリクションバンド 3 3と上記抵抗付与部 3 1 との間の磨耗を長期に渡って防止することが可能となり、変速操作装置の性能を長期間保持することも可能となる。

さらに、本実施例においては、図 3に示すように、上記ラチエツトホイール 2 . 7の内端において軸方向に係合離脱させられる係合体 4 0を有する第二のラチェット機構 3 6が設けられている。

上記第二のラチヱット機構 3 6は、上記ラチヱットホイール 2 7の内端面に形成された歯部 3 7と、上記ブレーキブラケット 8の基端部に形成された爪収容孔 3 8に収容されるばね 3 9と、このばね 3 9によって弾力付勢される係合体 4 0 とを餳えて構成されている。

上記歯部 3 7には、上記第一のラチヱット機構の係合歯部 3 0の係合歯 3 2と反対方向に向けて形成された係合歯 3 7 aが設けられている。

上記第二のラチヱット機構 3 6によって、筒状操作体 4 bをケーブル繰り出し方向に回動操作する場合に、上記歯部 3 7と上記係合体 4 0とが係合離脱を繰り返してラチェット音が発生させられる。このため、乗者は、変速操作が確実に行われたことを確認することが可能となる。

上記構成の変速操作装置 5 bの作動を以下に説明する。

上記右側の筒状操作体 4 bをその上面が後方に移動するように（図 1における矢印 P方向）回動操作すると、図 4に示すように、インナケーブル t 1が筒状操作体 4 bのリール部 1 7に巻き取られ、インナケ一ブル t 1が牽引される。

このとき、上記筒状操作体 4 bの車幅方向内端部に保持されるラチエツト爪 2 9は、図 6に示すようにリング状ばね 2 9 aの弾力に逆らってラチエツトホイ一ル 2 7の半径方向外方に浮き上がる。そして、係合歯部 3 0の上を滑りながら相対回動し、上記筒状操作体 4 bには、上記抵抗付与部 3 1によって与えられる回動抵抗は作用しない。

このとき、上記ラチエツト爪 2 9と上記ラチエツトホイール 2 7の係合歯 3 2 とは、係合離脱を緩り返し、上記係合歯の間隔に応じて、ラチヱッ卜音が発生させられる。このため、乗者は、変速操作が確実に行われたことを認識できるとともに、筒状操作体をどの程度回動させたかを認識し、変速操作を確実に行うことができる。

所望の回動位置で上記筒状操作体 4 bの回動を止めると、図 5に示すように後変速機 1 bのリタ一ンばねによつて与えらるインナケ一ブル t 1の張力およびリ , ング状ばね 2 9 aの ί単力によって、上記ラチエツト爪 2 9と係合歯部 3 0とが嚙み合い、上記筒状操作体 4 bと上記ラチェットホイール 2 7とを一体的に回動させようとする。しかし、上記ラチエツトホイール 2 7の抵抗付与部 3 1に巻回されたフリクションバンド 3 3による摩擦力によって上記回動が阻止され、インナケーブル t 1が上記筒状操作体 4 bの回動位置に対応した牽引位置に係止され、インナケ一ブル t 1が無用に繰り出されるようなことはない。上記構成により、ィンナケーブル t 1を所望量牽引して保持することができる。

一方、上記筒状操作体 4 bをその上面が前方（矢印 Q方向）に移動するように回動操作すると、上記ラチエツト爪 2 9と係合歯部 3 0とが嚙み合ったまま上記筒状操作体 4 bとラチエツトホイール 2 7とが一体的に回動させられる。このとき、上記抵抗付与部 3 1に巻回されたフリクションバンド 3 3によって一定の回動抵抗が付与されるが、筒状操作体 4 bを回動させるに必要な力は、 '上記フリクシヨンノくンド 3 3によって与えられる回動抵抗からインナケーブル t 1の張力を減じた分ですむため、回動操作力が減少して容易にインナケーブル t 1を繰り出すことができる。

上記構成により、筒状操 ί乍体 4 bを回動操作することにより、、インナケープル t 1を牽引し、あるいは繰り出して変逮操作をすることができる。また、上記フリクションバンド 3 3によって一定の回動抵抗が与えられているめ、後変速機 1 bのリタ一ンバネによるインナケーブル t 1の張力によつて筒状操作体 4 b が回動させられ、インナケーブル t 1が誤って繰り出されることはない。

さらに、本実施例においては、ラチヱットホイール 2 7の端面に形成した歯部 3 7と上記ブレーキブラケットの基端部に形成された爪収容孔 3 8に収容される係合体 4 0とによって、第二のラチヱット機構 3 6が形成されているため、インナケーブル t 1を繰り出す場合にもラチエツト音が発生する。したがって、上記歯部 3 7の設定間隔を変速段数に対応した間隔に設定すると、変速段数に応じてラチエツト音を発生させることが可能になる。このため、乗者は、ケーブル繰り出し方向に筒状操作体 4 bを回動操作する場合においても、上記ラチット音によって、確実な変速操作を行うことが可能となる。この結果、変速操作性が大幅に向上させられる。

さて、以上の実施例は、ハンドルバー 2の右側に設けられ、後変速機 1 bを作動させるための変速操作装置 5 bについて述べたが、ハンドルバー 2の左側に設けられ、前変速機 1 aを作動させる変速操作装置 5 aにおいても、操作ケーブル t 1の牽引方向以外は、全く同様の構成が取られている。

すなわち、図 8および図 9に示すように、左側の変速操作装置 5 aにおいては、リール 2 0は、ブレーキブラケット 8の下面に設けられており、ハンドルバー 2の下面側からインナケ一ブル t 1を牽引し、繰り出すように構成されている。すなわち、左側の変速操作装置 5 aにおいては、筒状操作体 4 aを、その上面が後方に移動するように（矢印 P方向）回動操作すると、インナケーブル t 1が繰り出される一方、その反対方向（矢印 Q方向）に操作すると、インナケーブル t 1が牽引されるのである。

したがって、図示はしないが、ラチヱットホイール 2 7のラチェット爪の係止方向も右側のラチエツトホイールと反対方向に形成されている。

すなわち、本実施例における変速システム 1においては、左右の筒状操作体 4 a , 4 bを、その上面が後方に移動するように（矢印 P方向）回動させると右側の変速操作装置 5 bにおいては、インナケ一ブル t 1が牽引される一方、左側の変速操作装置 5 aにおいては、ィンナケ一ブル t 1が操り出されるのである。しかも、上記右側の変速操作装置 5 bから延出する操作ケーブル Tは、後変速機 1 bに連結される一方、左側の変速操作ケーブル Tは前変速機 1 aに連結されている。

したがって、上記両筒状操作体 4 a， 4 bをその上面を後方に移動するように (矢印 P方向）回動操作すると、後変速機 1 bおよび前変速機 1 aの双方が低速走行側へ作動させられる一方、両筒状操作体をその反対方向（矢印。方向）に回動操作すると、高速走行側へ作動させられるのである。

このため、従来のハンドル回転式の変逮システムのように、前後の変速機を同時に低速側へ腦させるために、左右の筒状操作体を反対方向へ回動操作する必要はなくなる。このため、咄嗟の変速操作において、左右の筒状操作体を同じ方向へ回動操作してしまい、一方の変速機が低逮側へ、他方の変速機が高速側へ作動させられれてしまうといったようなことはなくなる。

また、本実施例においては、両筒状操作体 4 a, 4 bをその上面が後方へ移動する方向へ（矢印 P方向）回動操作することにより、上記各両変速機 1 a , 1 b が低速走行側へ作動するように構成されている。

両変速機 1 a， 1 bを低速側へ同時に変速操作する必要がある場合として、路面が急に登り坂になるような場合が考えられる。このような場合、ハンドルを身体にきつけるようにして、ハンドル操作を安定させ、また、ペダルの踏力を増加させる必要がある。このとき、ハンドルには、自然にハンドルバ一 2を手前に、すなわち、握持部 3 a, 3 bの上面を後方に回動させる力が作用することなる ο

本実施例は、上記握持部 3 a, 3 bに作用する力を利用して、変速操作を円滑に行うように構成したものであり、乗者の手指ないし腕に加わる力の変化に逆らうことなく変速操作を行うことが可能となる。

この結果、変速操作をスムーズにかつ確実に行うことが可能となり、快適な走行を行うことができる。また、変速機の誤操作を有効に防止することができるため、走行安全性も格段に向上する。

本願発明の範囲は上述の実施例に限定されることはない。

実施例においては、インナケ一ブルをリール 2 0によって方向変換した後に筒状操作体 4 a , 4 bに巻き取るように構成したが、直接筒状操作体 4 a , 4 bに巻き取るように構成することもできる。

また、実施例に係る係止機構においては、第一のラチエツト機構 2 5と第二のラチエツト機構 3 6とを設けたが、摩擦付与機構のみで構成することもできる。また、係止機構として、いわゆるクリック機構を備える変速システムにも本願発明を適用することができる。

また、本実施例に係る係止機構 2 4は、筒状操作体 4 bを備える変速操作装置のみならず、たとえば、フレーム適部に突設されるレバー軸に回動操作可能に套嵌される変速操作レバ一を備える変速操作装置 ίこも独立して適用することができさらに、本願発明を適用する変速システムもリャディレーラ、フロントディレーラ等の外装変速システムに限定されることはなく、内装変速システム等他の変速システムに適用することもできる。

また、上記変速操作装置に採用した第二のラチヱット機構において、実施例では、ラチェットホイール 2 7の内端部に歯部 3 7を形成するとともに、ブレーキブラケット 8の基端部に係合体 4 0を保持するように構成したが、ブレーキブラケット側に歯部を形成し、ラチエツトホイール 2 7に係合体を保持するように構成することもできる。

また、この第二のラチエツト機構も、上記係止機構と同様に、筒状操作体 4 b を備える変速操作装置のみならず、たとえば、フレーム適部に突設されるレバー軸に回動操作可能に套嵌される変速操作レバーを備える変速操作装置にも独立して適用することができる。

Claims

請求の範囲

1 . 前変速機および後変速機と、ハンドルバーの左右の握持部外周にそれぞれ回動可能に套嵌支持される筒状操作体を有する変速操作装置とを備え、上記各変速機は、上記各筒状操作体の回動操作によつて牽弓 ίされあるいは繰り出される操作ケーブルによってそれぞれ作動させられるように構成された自転車用変速システムにおいて、

上記各筒状操作体は、レ、ずれもその上面が後方へ移動する方向へ回動操作することによって、上記各変速機が低速走行 1ίへ作動するように構成されていることを特徵とする、自転車用変速システム。

2. 前変速機および後変速機と、ハンドルバーの左右の握持部外周にそれぞれ回動可能に套嵌支持される筒状操作体を有する変速操作装置とを備え、上記各変速機は、上記筒状操作体の回動操作によつて牽弓〖されあるいは繰り出される操作ケ一ブルによってそれぞれ作動させられる自転車用変速システムにおける変速方法であって、

上記各筒状操作体を、その上面が後方へ移動する方向へ回動操作することによつて、上記各変速機を低速走行側へ作動させることを特徵とする、自転車の変速方法。 .

3. 上記変速操作装置は、ブレーキレバー装置を構成するブラケットと一体的に構成されていることを特徵とする、請求の範囲第 1項に記載の自転車用変速システム。

4. ハンドルバーにおける上記握持部の端部外周にハンドルグリップを固定状に設けるとともに、上記筒状操作体の外周面を上記ハンドルグリップ外周面に連続するように形成したことを ^とする、請求の範囲第 1項に記載の自転車用変速システム。

5. 自転車フレームの適部に回動操作可能に支持される変速操作体と、上記変速操作体を所定の回動位置に係止する係止機構とを備え、上記変速操作体の回動操作によって牽引され、あるいは繰り出される変速操作ケーブルによって変速機本体が作動させられるように構成された自転車用変速操作装置において、上記係止機構は、円筒状の外周面を有し、上記変速操作体とともに回動させられる係止体と、この係止体に套嵌されるとともにこの係止体に所定の回動抵抗を与える略環状の摩擦部材とを備えて構成されており、

上記摩擦部材は、上記係止体の外周面に摺接させられる複数の円弧状摺接部と、相隣り合う上記摺接部の端部間に一体形成され、半径方向外方に膨出させられて上記係止体の外周面から離間させられる複数の関節部と、上記摺接部の端部から半径方向外方へ略平行に対向して延出させられ、締め付け手段によつて互いに近接させられる一対の締め付け部とを備えることを特徴とする、自転車用変速操作装置。

6 . 上記変速操作体は、ハンドルバーの左右の握持部外周にそれぞれ回動可能に套嵌支持される筒状操作体であることを特徴とする、請求の範囲第 5項に記載の自転車用変速操作装置。

7 . 自転車フレーム適部に回動操作可能に支持された変速操作体と、この変速操作体を所定の回動位置に係止しうる係止機構とを備え、上記変速操作体の回動操作によって牽引され、あるいは繰り出される変速操作ケーブルによって変速機本体が作動させられるように構成された自転車用変速操作装置において、

上記係止機構は、摩擦部材によって所定の回動抵抗が与えられつつ回動可能に支持された係止体と、 '

上記変速操作体をケーブル繰り出し方向に回動操作するときに上記係止体に対して係合させられる係合体を有し、上記変速操作体とともに上記係止体をケ一ブル繰り出し方向に一体回動させる第一のラチエツト機構と、

上記変速操作体をケーブル繰り出し方向に回動操作するときに上記係止体に対して係合離脱を繰り返す係合体を有し、ラチエツト音を発生させる第二のラチェット機構とを備えることを特徴とする、自転車用変速操作機構。

8 . 上記変速操作体は、ハンドルバーの左右の握持部外周にそれぞれ回動可能に套嵌支持される筒状操作体であることを特徴とする、請求項 7に記載の自転車用