WO1989011889A1 - Catheter - Google Patents

Description

明 細 書

カ テ 一 テ ソレ

技 術 分 野

この発明は、 カテーテルに関し、 より詳しくは、 血管や尿道等の 生体の管部に挿入されるカテーテルに関する。

背 景 技 術

従来より、 例えば動脈硬化による血管の抉窄若しくは閉塞、 又は 血栓の形成等を除去する治療方法が種々開発されている。

このうち、 最も確立した治療方法は、 バイパス手術であり、 例え ば血管の病変部を患者自身の血管又は人工血管に取り替えてしまう ことにより、 障害を根本的に除去するものである。 しかし、 この場 合においては、 生体を切り開く手術を伴うために、 生体に負担をか けると共に、 治療に多大な費用を要する。

また、 薬物治療も行われているが、 血栓の溶解のみに効果があり、 動脈硬化病巣閉塞の除去は困難である。 そこで、 バル一ン付きのカテーテルを体外から血管内に挿入し、 病変部において上記パル一ンを膨らませて血管の抉窄部を機械的に 拡張する治療方法や、 レーザー導光用フアイバを内装したバルーン 付きのカテーテルを揷入し、 上記バル一ンによって血管を閉塞させ て血液の流れを止めながら、 レーザ光によって病変部を蒸散させる 治療方法も行われている。 - 一方、 血管等の内壁の診断方法として、 イメージファイバを内装 したカテーテルを血管等に挿入し、 上記イメージファイバによって 病変部を内視することが行われている。

このようなカテーテルを用いた治療方法又は診断方法においては、 カテーテルを、 目的とする病変部に到達させるために、 当該カテー テルを、 血管の分岐部において所望の方向へ導く必要がある。

そこで、 先端部を所定角度屈折させたカテーテルを用い、 手元に おいてカテーテルを回動させることにより、 先端部を所望の方向へ 配向させることが行われている。 し力、し、 分岐部の形状は個人差が 大きいために、 上記既製のカテーテルでは各患者に対応することが 困難であると共に、 複雑に屈曲、 分岐した部分で当該カテーテルを 所望の方向へ誘導することは困難である。

このため、 カテーテルの先端部を節輪構造とし、 カテーテル内を 揷通させたワイヤを操作することにより、 上記先端部を所定方向へ 屈曲させるものも提供されている。 しかし、 このカテーテルは、 構 造が複雑になるために、 細径化が困難であるという問題があった。 この発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、 構造が簡素 であると共に、 血管等の管部内において、 所望の方向へ容易に導く ことができるカテーテルを提供することを目的とする。

発 明 の 開 示

上記目的を達成するための第 1 の発明のカテーテルとしては、 バ ルーンの内部に周方向に沿って複数の区画室が形成されていると共 に、 各区画室に対して、 流体送給用の管路が個別に導通されている ものである。 また、 第 2の発明のカテーテルとしては、 バルーンが、 力テーテ ルの周方向に沿つて複数個設けられていると共に、 各バルーンに対 して、 流体送給用の管路が個別に導通されているものである。

上記第 1の発明のカテーテルによれば、 これを血管等の管部に揷 入した状態で、 流体送給用の管路を通して、 所望の区画室に対して 流体を供給することにより、 当該区画室を膨脹させることができ、 これによつて、 カテーテルの先端部を訢望の方向へ配向させること ができる。

また、 第 2の発明のカテーテルについても、 所望のバルーンに対 して流体を供給することにより、 当該バルーンを膨脹させて、 カテ 一テルの先端部を听望の方向へ配向させることができる _c 図面の簡単な説明

第 1図はこの発明のカテーテルの一実施例を示す正面図、 第 2図は同じく断面図、

第 3図及び第 4図は使用状態を示す断面図、 - δ - 第 5図は他のカテーテルを示す正面図。

発明を実施するための最良の形態

以下実施例を示す添付図面によって詳細に説明する。

第 1図は、 この発明のカテーテル（1 )の先端部を示す正面図であ り、 当該先端部には、 血管等の管部（Α)を閉塞するためのバルーン (2)が形成されている。 このバルーン（2 )の内部には、 第 2図に示 すように、 仕切り壁（3)によって仕切られた複数の区画室（4 )が形 成されている。 そして、 各区画室（4)には、 流体送給用の管路（5) が個別に導通されており、 この管路（5)を通して、 各区画室（4 )に 対して、 当該区画室（4：)を膨脹させるためのガス又は液体を個別に 供給できるようになつている。 上記流体送給用の管路（5 )は、 図の 場合 1本のチューブ（6)の内部を区画室（4)の数に応じて区画した ものであり、 その中央部は、 薬剤供給用の管路（7)として構成され ている。

以上の構成であれば、 上記カテーテル（1 )を血管等の管部（Α)に 揷入し、 管部（A )の分岐路に到達させた時点で、 区画室（4 )を選択 的に膨脹させることにより、 カテーテル（1 )の先端部を所望の方向 へ配向させて、 所望の分岐管へ導く ことができる。 さらに詳述する と、 例えば第 3図に示すように、 管部（A )内壁の下面と対向する区 画室（4 )に対して膨脹用の流体を供給して、 当該区画室（4 )を膨脹 させると、 バルーン（ 2 )の下面側が管部〔 A )内壁に当接した時点で、 カテーテル（1 )の先端部が持ち上げられて、 斜め上方へ配向される ことになる。 したがって、 カテーテル（1 )をさらに奧へ揷入するこ とにより、 当該カテーテル（1 )を上方の分岐管（A 1 )に挿入するこ とができる。 また、 第 4図に示すように、 管部（A )内壁の上面と対 向する区画室（4 )を膨脹させると、バルーン（2 )の上面側が管部（A ) 内壁に当接した時点で、 カテーテル（1 )の先端部が押し下げられて、 斜め下方へ配向されることになる。 したがって、 カテーテル（1 )を さらに奥へ揷入することにより、 当該カテーテル（1 )を下方の分岐 管（A 2 )に挿入することができる。 そして、 上記何れにおいても、 区画室（4 )の膨脹量を制御することにより、 カテーテル（1 )の先端 部の配向角度を任意に調整することができる。 また、 複数の区画室 ( 4：)を同時に適量ずつ膨脹させることにより、 配向方向も任意に調 整することができる。

第 5図は他のカテーテル（ 1 )を示す断面図であり、 上記実施例と 異なる点は、 カテーテル（ 1 )の怪方向に沿って複数のバルーン（2 ) が形成されていると共に、 各バルーン（2 )に対して、 流体送給用の 管路（5 )が個別に導通されている点である。

上記の構成のカテーテル（1 )についても、 管部（ A )の分岐路に到 達させた時点で、 各バルーン（2 )を選択的に膨脹させることにより、 カテーテル（1 )の先端部を所望の方向へ配向させて、 所望の分岐管 へ導く ことができる。

この発明のカテーテル（ 1 )は、 上記実施例に限定されるものでな く、 例えば、 流体送給用の管路（5 )を、 独立した複数のチューブで 構成すること、 区画室（4 )やバルーン（2 )の数を增減させること等、 この発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更を施すことがで きる。

産業上の利用可能性

また、 この発明のカテーテル（1 )は、 イメージファイバを埋設し た内視鏡カテーテルや、 レーザ導光ファイバを埋設したレーザ照射 カテーテル等の他の種々のカテーテルにも適用して実施することが できる。

以上のようにこの発明のカテーテルによれば、 バル一ン内の複数 の区画室、 又は複数のパルーンを選択的に膨らませることにより、 カテーテルを听望の角度にて听望の方向へ配向させることができる ので、 当該カテーテルを容易に目的位置に導くことができると共に、 構造が簡素であることから、 細径化を図ることができるという特有 の効果を奏する。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 先端部に流体の充填によって膨脹可能なバルーンを取付け たバル一ン付きのカテーテルにおいて、 上記バルーンの内部に周方 向に沿って複数の区画室が形成されていると共に、 各区画室に対し て、 流体送給用の管路が個別に導通されていることを特徵とする力 テ一テル。

2 . 先端部に流体の充填によって膨脹可能なバル一ンを取付たバ ルーン付きのカテーテルにおいて、 上記バルーンが、 カテーテルの 周方向に沿って複数個設けられていると共に、 各バルーンに対して、 流体送給用の管路が個別に導通されていることを特徵とするカテ— テル。