[go: up one dir, main page]

JPWO2012111687A1 - ストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法 - Google Patents

ストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2012111687A1
JPWO2012111687A1 JP2012557982A JP2012557982A JPWO2012111687A1 JP WO2012111687 A1 JPWO2012111687 A1 JP WO2012111687A1 JP 2012557982 A JP2012557982 A JP 2012557982A JP 2012557982 A JP2012557982 A JP 2012557982A JP WO2012111687 A1 JPWO2012111687 A1 JP WO2012111687A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic particles
streptavidin
antibody
coupled
bound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012557982A
Other languages
English (en)
Inventor
荒井 信之
信之 荒井
泰弘 松岡
泰弘 松岡
耕治 鵜澤
耕治 鵜澤
豪 永井
豪 永井
和樹 守田
和樹 守田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minaris Medical Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Medex Co Ltd
Hitachi Chemical Diagnostics Systems Co Ltd
Minaris Medical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyowa Medex Co Ltd, Hitachi Chemical Diagnostics Systems Co Ltd, Minaris Medical Co Ltd filed Critical Kyowa Medex Co Ltd
Publication of JPWO2012111687A1 publication Critical patent/JPWO2012111687A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/531Production of immunochemical test materials
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2446/00Magnetic particle immunoreagent carriers

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

ビオチン結合能の高いストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法を提供する。以下の工程を含むことを特徴とする、ストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法。(1)表面にアミノ基を有する磁性粒子をグルタルアルデヒドと反応させる工程;及び、(2)工程(1)で得られた磁性粒子を、遊離のグルタルアルデヒド存在下、ストレプトアビジンと反応させる工程。本発明の製造方法により製造されるストレプトアビジン結合磁性粒子は、臨床診断上、有用である。

Description

本発明は、ストレプトアビジン結合磁性粒子及びその製造方法、及び、蛋白質結合磁性粒子の製造方法に関する。
診断薬では、ホルモン・癌マーカー・感染症マーカー等の検査対象物質を検出するために固相担体として磁性粒子がしばしば用いられる。このような測定系においては、抗体または抗原(一次プローブ)等が磁性粒子上に結合され、検体中の測定対象物質と結合した後、さらに蛍光物質や化学発光基質、酵素などで標識された二次プローブと結合することにより、定性または定量的に測定対象物質が検出される。
また、近年においては、疾病の早期発見、検査の高精度化、高感度・微量マーカーへの対応等により検査の高感度化が求められている。さらに患者サービスを目的とした検査結果の迅速出力、検査センター化に伴う大量処理化などにより、検査の迅速性も求められるようになってきている。
そこで、このような磁性粒子を用いた測定系における高感度化・迅速化を実現する手段として、一次プローブおよび二次プローブを液相中で反応させ、次に磁性粒子上に結合させる方法がよく用いられる。代表的な例では一次プローブにビオチンを結合させたビオチン標識一次プローブを、試料中の測定対象成分、及び、二次プローブと反応させて、ビオチン標識一次プローブ−測定対象成分−二次プローブからなる複合体を形成させ、次いで、アビジン結合磁性粒子を作用させて、アビジン−ビオチン相互作用により、磁性粒子上に当該複合体を結合させる方法がある。
このようなアビジン結合磁性粒子においては、アビジンと同じ性質を持つストレプトアビジンを用いたストレプトアビジン結合磁性粒子の方がより有用である。ストレプトアビジンはアビジンと同様にビオチンと非常に強く結合し、アビジンよりも変性に強いという特性がある。また、等電点はアビジンが塩基性であるのに対して、ストレプトアビジンは弱酸性または中性であるため、他の蛋白質との非特異的結合が少ないという利点が知られている。このストレプトアビジンを利用したストレプトアビジン結合磁性粒子は多くの用途で利用されている。
しかしながら、磁性粒子上に結合できるストレプトアビジンの量は限られており、1テストあたりの試薬に必要とされるビオチン結合能を得るためには大量のストレプトアビジン結合磁性粒子を用いらなければならず、製造コストがかかる等の問題点があった。さらに、ストレプトアビジン結合磁性粒子を用いる測定においても以下のような問題点があった。
(1)磁性粒子は静置条件下で沈殿してしまうため使用時には分散させる必要があるが、粒子量が多いと分散させるのに時間と労力がかかる
(2)粒子量が多いと磁石で容器の片側に寄せた際にその体積が大きくなり、B/F分離及び洗浄時に内部に閉じ込められた反応液を洗浄する効率が低下する
(3)測定対象成分を検出する際に磁性粒子量が多いと磁性粒子そのものの着色による濁度が増加し、例えば化学発光や蛍光による検出では光学的な遮蔽によりその感度が低下する。
また、ストレプトアビジン結合磁性粒子の量を抑え、ビオチン結合能を必要最小限とした状態においては、検体中に存在するビオチン(ビタミンH)と競合することにより測定における反応が阻害され、正確な検査値を得ることができない可能性が生じる。ビオチンはサプリメントとしての服用、薬剤としての投与があり、しばしばこのような問題が指摘されている。
一方で、この解決手段としていくつかの方法が提案されてきた。一つは、磁性粒子重量あたりの表面積を大きくするため、粒子の粒径を小さくする方法がある。しかしながら、粒径を小さくすると、磁石で粒子を回収する時間が大幅に長くなったり、洗浄工程における洗浄液の吐出・吸引操作で粒子が流れやすくなったりする等の問題がある。特許文献1には検体中の検出対象物質を分離する方法において、温度応答性高分子により表面が修飾された磁性粒子を用いて、平均粒径50〜1,000 nmの磁性粒子においても温度応答性高分子による粒子凝集により、水溶液中から磁性粒子を回収する方法が記載されている。このような粒子は磁性粒子が小さくなることによる反応におけるメリットがある一方、粒子表面が温度応答性高分子により覆われていることによる非特異吸着があり、また凝集させるために特殊な条件下におきかえる工程があった。
また、不溶性担体の表面積を大きくするため多孔質化する方法も提案されている。例えば、特許文献2には磁性粒子の外層に多孔質の層を化学的に形成させる方法が記載されているが、この方法では、抗原と抗体との免疫反応やDNA同士またはDNAとRNAとのハイブリダイゼーションにおいて、表面積あたりの結合能は向上するものの、孔内の反応効率が悪く、期待された性能を得ることは難しかった。
特開2009−28711号公報 特開2006−307126号公報
本発明の目的は、ビオチン結合能の高いストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、ビオチン結合能の高いストレプトアビジン結合磁性粒子を用いる、蛋白質結合磁性粒子の製造方法を提供することにある。
本発明者らは本課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、表面にアミノ基を有する磁性粒子をグルタルアルデヒドと反応させた後、得られた磁性粒子を、遊離のグルタルアルデヒド存在下、ストレプトアビジンと反応させることにより、ビオチン結合能の高いストレプトアビジン結合磁性粒子を製造し得る、という知見を見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]〜[4]に関する。
[1] 以下の工程を含むことを特徴とする、ストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法。
(1)表面にアミノ基を有する磁性粒子をグルタルアルデヒドと反応させる工程;及び、
(2)工程(1)で得られた磁性粒子を、遊離のグルタルアルデヒド存在下、ストレプトアビジンと反応させる工程。
[2] さらに、以下の工程を含む[1]記載のストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法。
(3)工程(2)で調製したストレプトアビジン結合磁性粒子と還元剤とを反応させる工程。
[3] ストレプトアビジン結合磁性粒子が、磁性粒子上に、ストレプトアビジンどうしが架橋された構造を有する、[1]または[2]記載のストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法。
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法により製造されるストレプトアビジン結合磁性粒子と、ビオチン化蛋白質とを反応させることを特徴とする、蛋白質結合磁性粒子の製造方法。
本発明により、ビオチン結合能の高いストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法、及び、当該ストレプトアビジン結合磁性粒子を用いる、蛋白質結合磁性粒子の製造方法が提供される。本発明の製造方法により製造されるストレプトアビジン結合磁性粒子、及び、蛋白質結合磁性粒子は、臨床診断上、有用である。
本発明の製造方法により製造されるストレプトアビジン結合磁性粒子と、市販のストレプトアビジン結合磁性粒子における、磁性粒子上のストレプトアビジンの構造を表すSDS−PAGEの泳動像である。レーン1は分子量マーカーを、レーン2はストレプトアビンを、レーン3は実施例1のストレプトアビジン結合磁性粒子を、レーン4は市販のストレプトアビジン結合磁性粒子Dynabeads T1(ダイナル社製)を、レーン5は市販のストレプトアビジン結合磁性粒子BE-M08/10(メルク社製)を表す。バンドAは単量体を、バンドBは二量体を、バンドCは三量体を、バンドDは四量体を、バンドEは高次架橋体を表す。
1.ストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法
本発明のストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法は、表面にアミノ基を有する磁性粒子をグルタルアルデヒドと反応させる工程(1次反応工程)、及び、1次反応工程で得られた磁性粒子を、遊離のグルタルアルデヒドの存在下、ストレプトアビジンと反応させる工程(2次反応工程)を含む。
本発明の製造方法で製造されるストレプトアビジン結合磁性粒子は、磁性粒子上で、ストレプトアビジンが架橋された構造を有する。ストレプトアビジンは四量体構造を取っており、単量体どうしは非共有結合により結合している。本発明の製造方法により製造されるストレプトアビジン結合磁性粒子においては、磁性粒子上で、この四量体構造のストレプトアビジンどうしがグルタルアルデヒドを介して共有結合し、架橋構造を取っている。また、ストレプトアビジンは、グルタルアルデヒドを介して磁性粒子のアミノ基と結合している。より詳細には、四量体構造のストレプトアビジンのうちの一部が、グルタルアルデヒドを介して磁性粒子のアミノ基と結合している。このストレプトアビジンの架橋構造は、例えばストレプトアビジン結合磁性粒子を1%のSDS溶液に置換し、60℃で1時間処理することによって、磁性粒子上に結合していたストレプトアビジンのサブユニット間結合を解離させ、SDS-PAGE(ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動)、ゲル濾過HPLC等により確認することができる。SDS-PAGEは、電気泳動により蛋白質を大きさに依存して分離する方法であり、試料をSDSで変性させた後、変性した蛋白質をポリアクリルアミドゲル電気泳動に供して、得られた泳動像から、蛋白質の分離、同定を行う方法である。SDS-PAGEとしては、ストレプトアビジンの架橋構造を確認できる方法であれば特に制限はなく、例えばバイオ実験イラストレイテッド5(細胞工学別冊 秀潤社)に記載されている方法等が挙げられる。
SDS-PAGEにおいて、四量体構造のストレプトアビジンは、SDS存在下での変性処理により、その四量体構造がほどかれる。もしも磁性粒子上のストレプトアビジンが架橋構造を取っていないのであれば、SDS存在下での変性処理により得られる分解物は、ストレプトアビジン由来の単量体のみとなる。一方、磁性粒子上のストレプトアビジンが架橋構造を取っているのであれば、SDS存在下での変性処理により、ストレプトアビジン由来の単量体に加え、ストレプトアビジンの架橋構造に関わった二量体、三量体、さらには高次の多量体が得られることになる。従って、SDS-PAGEにより、ストレプトアビジン由来の単量体、二量体、三量体、及び、高次の多量体に起因するバンドが見られる場合には、磁性粒子上に、ストレプトアビジンの架橋構造が形成されていることになる。
本発明の製造方法で製造されるストレプトアビジン結合磁性粒子は、磁性粒子上にストレプトアビジンどうしが架橋された構造を有しているため、ビオチン結合能が高い。本発明の製造方法で製造されるストレプトアビジン結合磁性粒子の、粒子あたりのビオチン結合能は、通常、0.5〜3 pmol/mm2であり、1〜2.5 pmol/mm2が好ましい。
本発明のストレプトアビジン結合磁性粒子における、粒子あたりのビオチン結合能は、ビオチン結合能を測定し得る方法であれば、いかなる方法によっても測定することができ、例えば一定量の蛍光標識されたビオチンを一定量のストレプトアビジン結合磁性粒子と反応させ、磁石でストレプトアビジン結合磁性粒子を収集した後に、一定量の上清を採取し、採取された上清の蛍光を測定し、得られた測定値を、予め作成された蛍光強度とビオチン濃度との関係を示す検量線に照らし合わせることにより算出することができる。
本発明のストレプトアビジン結合磁性粒子において、ストレプトアビジンは、天然由来のものでも、遺伝子組み換え体でもよいが、遺伝子組み換え体が好ましい。
本発明において、ストレプトアビジンが固定される磁性粒子は、本発明のストレプトアビジン結合磁性粒子の製造を可能とする磁性粒子であれば特に制限はなく、例えば粒子の内部に磁性体を含有し、外層が有機ポリマーなどから成るコア・シェル構造の磁性粒子、外層を含まず磁性体が有機ポリマーに不均一に分散した構造の磁性粒子、磁性体のみから成るクラスター状の磁性粒子等が挙げられる。表面にアミノ基を有する磁性粒子の具体例(市販品)としては、例えばアミノ基タイプEstapor磁性粒子(メルク社製)等が挙げられる。
磁性粒子中に含まれる磁性体は、残留磁化が少なく、超常磁性の磁性体微粒子が好ましく、例えば四三酸化鉄(Fe3O4)、γ−重三二酸化鉄(γ-Fe2O3)等の各種フェライト、鉄、マンガン、コバルト、クロムなどの金属またはこれら金属の合金等が用いられる。
有機ポリマーと磁性体から成る磁性粒子中の磁性体の含有量は、磁性粒子全体の重量に占める割合が10重量%以上であるのが好ましく、30〜60重量%であることがより好ましい。
磁性粒子の形状としては、例えば球状、針状等が挙げられ、球状が好ましい。磁性粒子の粒径は、例えば0.1〜5μm等が挙げられ、好ましくは0.5〜3μmである。
(1)1次反応工程
1次反応工程は、表面にアミノ基を有する磁性粒子をグルタルアルデヒドと反応させる工程である。1次反応工程で使用される、表面にアミノ基を有する磁性粒子としては、表面にアミノ基を有し、かつ、本発明のストレプトアビジン結合磁性粒子を製造し得る磁性粒子であれば特に制限はなく、例えば前述の磁性粒子等が挙げられる。
1次反応工程において、表面にアミノ基を有する磁性粒子は、分散液中に分散されて使用される。分散液としては、例えば界面活性剤を含む水溶液等が挙げられる。分散液のpHとしては、通常pH4.5〜7であり、pH5〜6が好ましい。水溶液に使用される水性媒体としては、例えば蒸留水、精製水、緩衝液等が挙げられる。水性媒体として緩衝液を用いる場合には、設定するpHに応じた緩衝剤を用いることが望ましい。緩衝液に用いる緩衝剤としては、例えば、酢酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、グッドの緩衝剤等が挙げられる。
グッドの緩衝剤としては、例えば2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis-Tris)、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(MOPSO)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸(HEPES)、3−〔N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕−2−ヒドロキシ−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPSO)等が挙げられる。
界面活性剤は、磁性粒子を分散し得るものであれば特に制限はなく、例えば陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤の分散液中の濃度は、磁性粒子を分散し得る濃度であれば特に制限はなく、例えば0.01〜5.0%である。
また、1次反応工程に使用される、表面にアミノ基を有する磁性粒子が容器に固着した場合、又は、磁性粒子の凝集が形成された場合は、超音波処理により容易に磁性粒子を分散させることができる。磁性粒子の凝集の有無は、粒度分布計により磁性粒子の粒径を測定することにより確認することができる。
1次反応工程の反応条件は、表面にアミノ基を有する磁性粒子とグルタルアルデヒドとが反応し得る条件であれば、特に制限はない。1次反応工程における反応温度は、通常15〜50℃であり、20〜40℃が好ましく、35℃が特に好ましい。反応時間は、通常30分間〜6時間であり、1〜2時間が好ましい。
(2)2次反応工程
2次反応工程は、1次反応工程で得られた磁性粒子を、遊離のグルタルアルデヒドの存在下、ストレプトアビジンと反応させる工程である。
遊離のグルタルアルデヒドは、1次反応における未反応のグルタルアルデヒドであっても、新たに添加されるグルタルアルデヒドであってもよい。
遊離のグルタルアルデヒドとして、1次反応における未反応のグルタルアルデヒドを用いる場合は、該未反応のグルタルアルデヒドをそのまま2次反応工程に用いることができるが、1次反応後の反応液にグルタルアルデヒドが過剰に存在する場合は、磁性粒子上にグルタルアルデヒドが残存する程度に磁性粒子を洗浄するのが好ましい。磁性粒子の洗浄条件としては、洗浄後の磁性粒子上にグルタルアルデヒドが残存する条件であれば特に制限はない。洗浄液としては、過剰に存在するグルタルアルデヒドを洗浄除去できる洗浄液であれば特に制限はなく、例えば前述の界面活性剤を含む水溶液等が挙げられる。洗浄回数は、過剰に存在するグルタルアルデヒドを洗浄除去した後の磁性粒子にグルタルアルデヒドが残存する回数であれば特に制限はなく、通常5〜15回であり、8〜12回が好ましい。洗浄液の温度は、過剰に存在するグルタルアルデヒドを洗浄除去した後の磁性粒子にグルタルアルデヒドが残存する温度であれば特に制限はなく、通常20〜30℃であり、22.5〜27.5℃が好ましく、25℃が特に好ましい。また、洗浄された磁性粒子は、ストレプトアビジンと反応させるまで保存することができる。ストレプトアビジンとの反応までの保存時間は、本発明のストレプトアビジン結合磁性粒子を製造し得る時間であれば特に制限はなく、通常2〜6時間であり、3〜5時間が好ましく、4時間が特に好ましい。
遊離のグルタルアルデヒドとして、グルタルアルデヒドを新たに添加する場合、1次反応の反応混合物から未反応のグルタルアルデヒドを除去し、新たにグルタルアルデヒドを添加する。なお、この場合、未反応のグルタルアルデヒドは完全に除去されていなくてもよい。添加されるグルタルアルデヒドの量は、本発明のストレプトアビジン結合磁性粒子を製造し得る量であれば特に制限はなく、通常、磁性粒子1 mgに対して2〜20 mgとなる量であり、5〜10 mgとなる量が好ましい。
遊離のグルタルアルデヒドの存在下でのストレプトアビジンとの反応は、本発明のストレプトアビジン結合磁性粒子を製造し得る条件であれば如何なる条件も用いることができる。反応温度は、通常25〜40℃で、27.5〜37.5℃が好ましく、35℃が特に好ましい。反応時間は、通常4〜24時間であり、8〜20時間が好ましく、18時間が特に好ましい。ストレプトアビジンの量は、本発明のストレプトアビジン結合磁性粒子を製造し得る量であれば特に制限はなく、通常、磁性粒子に対して15〜45(w/w)%であり、20〜30(w/w)%が好ましく、25(w/w)%が特に好ましい。
2次反応工程で得られた反応混合物そのものも、本発明の製造方法によって製造されるストレプトアビジン結合磁性粒子として使用することができるが、2次反応工程で得られた反応混合物中の磁性粒子を磁石により収集し、磁性粒子以外の溶液を除去した後、洗浄液により洗浄して得られる磁性粒子も、本発明の製造方法によって製造されるストレプトアビジン結合磁性粒子として使用することができる。洗浄液としては、本発明のストレプトアビジン結合磁性粒子以外の物質を洗浄し得る洗浄液であれば特に制限はなく、例えば前述の水性媒体等が挙げられる。また、蛋白質や防腐剤を含む水性媒体も洗浄液として使用することができる。蛋白質としては、例えば牛血清アルブミン(BSA)等が挙げられる。防腐剤としては、例えばアジ化ナトリウム等が挙げられる。また、洗浄された磁性粒子は、保存用溶液に懸濁されて保存され得る。保存用溶液としては、本発明のストレプトアビジン結合磁性粒子を安定に保存し得る溶液であれば特に制限はなく、例えば中性から弱酸性の緩衝液中に、牛血清アルブミン(BSA)等の蛋白質を含む水溶液等が挙げられる。
本発明のストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法は、2次反応工程後に、還元反応工程を含んでもよい。還元反応工程は、2次反応工程で生成したストレプトアビジン結合磁性粒子と還元剤との反応の工程である。2次反応工程により、磁性粒子上に架橋構造のストレプトアビジンが形成されるが、形成された架橋構造のストレプトアビジンはシッフ塩基(イミン)を含むため、このシッフ塩基(イミン)を還元剤により還元することにより、より安定な架橋構造とすることができる。
還元反応工程におけるストレプトアビジン結合磁性粒子として、2次反応工程の反応混合物そのものを用いても、洗浄された磁性粒子を用いてもよい。ストレプトアビジン結合磁性粒子と還元剤との反応に用いられる溶媒は、還元反応を進行させ得る溶媒であれば特に制限はなく、例えば前述の分散液等が挙げられる。また、有機溶媒を含む分散液も還元反応における溶媒として用いることができる。有機溶媒としては、水に可溶性で、還元反応を進行させ得る有機溶媒であれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン等が挙げられる。還元剤としては、シッフ塩基(イミン)を還元し、架橋構造を保持し得る還元剤であれば特に制限はなく、例えばボラン系の還元剤等が挙げられる。ボラン系の還元剤としては、例えば2−ピコリンボラン、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。還元剤の添加量は、通常磁性粒子の0.0001〜0.1(w/w)%であり、0.0005〜0.05(w/w)%が好ましく、0.001(w/w)%が特に好ましい。
還元反応の反応温度は、通常30〜50℃であり、35〜45℃が好ましく、40℃が特に好ましい。還元反応の反応時間は、通常2日間〜10日間であり、5日間〜8日間が好ましく、6日間が特に好ましい。
還元反応後、磁性粒子は磁石により、磁性粒子以外の溶液成分と分離することができる。分離された磁性粒子は、例えば前述の分散液又は希釈した保存用溶液により洗浄され、さらに、保存用溶液中に懸濁されて保存することができる。保存用溶液としては、本発明のストレプトアビジン結合磁性粒子を安定に保存し得る溶液であれば特に制限はなく、例えば前述の保存用溶液等が挙げられる。
2.蛋白質結合磁性粒子の製造方法
本発明の製造方法で製造されるストレプトアビジン結合磁性粒子と、ビオチン化蛋白質とを反応させることにより蛋白質結合磁性粒子を製造することができる。磁性粒子上のストレプトアビジンと蛋白質に結合するビオチンとの相互作用により、蛋白質が磁性粒子上に結合する。
ストレプトアビジン結合磁性粒子と、ビオチン化蛋白質との反応は、蛋白質が磁性粒子上に結合する条件であれば如何なる条件でもよい。反応温度は、通常25〜50℃であり、30〜40℃が好ましい。反応時間は、通常30分間〜24時間であり、2〜18時間が好ましい。
蛋白質としては、測定対象成分に結合する抗体、抗原抗体反応において測定対象成分と競合する競合物質等が挙げられる。競合物質としては、例えば測定対象成分や、測定対象成分に結合する抗体が認識するエピトープを含む物質等が挙げられる。蛋白質の具体例としては、IgG、抗IgG抗体、IgM、抗IgM抗体、IgA、抗IgA抗体、IgE、抗IgE抗体、アポ蛋白AI、抗アポ蛋白AI抗体、アポ蛋白AII、抗アポ蛋白AII抗体、アポ蛋白B、抗アポ蛋白B抗体、アポ蛋白E、抗アポ蛋白E抗体、リウマチファクター、抗リウマチファクター抗体、D-ダイマー、抗D-ダイマー抗体、酸化LDL、抗酸化LDL抗体、糖化LDL、抗糖化LDL抗体、グリコアルブミン、抗グリコアルブミン抗体、トリヨードサイロニン(T3)、抗T3抗体、総サイロキシン(T4)、抗T4抗体、薬剤(抗テンカン剤等)、薬剤に結合する抗体、C-反応性蛋白(CRP)、抗CRP抗体、サイトカイン類、サイトカイン類に結合する抗体、α−フェトプロテイン(AFP)、抗AFP抗体、癌胎児性抗原(CEA)、抗CEA抗体、CA19-9、抗CA19-9抗体、CA15-3、抗CA15-3抗体、CA-125、抗CA-125抗体、PIVKA-II、抗PIVKA-II抗体、副甲状腺ホルモン(PTH)、抗PTH抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、抗hCG抗体、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、抗TSH抗体、インスリン、抗インスリン抗体、C-ペプタイド、抗C-ペプタイド抗体、エストロゲン、抗エストロゲン抗体、線維芽細胞増殖因子-23(FGF-23)、抗FGF-23抗体、グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)、抗GAD抗体、ペプシノーゲン、抗ペプシノーゲン抗体、B型肝炎ウイルス(HBV)抗原、抗HBV抗体、C型肝炎ウイルス(HCV)抗原、抗HCV抗体、成人T細胞性白血病ウイルス1型(HTLV-I)抗原、抗HTLV-I抗体、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗原、抗HIV抗体、インフルエンザウイルス抗原、抗インフルエンザウイルス抗体、結核菌抗原(TBGL)、抗結核菌抗体、マイコプラズマ抗原、抗マイコプラズマ抗体、ヘモグロビンA1c、抗ヘモグロビンA1c抗体、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、抗ANP抗体、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、抗BNP抗体、トロポニンT、抗トロポニンT抗体、トロポニンI、抗トロポニンI抗体、クレアチニンキナーゼ-MB(CK-MB)、抗CK-MB抗体、ミオグロビン、抗ミオグロビン抗体、L-FABP、抗L-FABP抗体、H-FABP、抗H-FABP抗体、CCP抗原、抗CCP抗体、SP-D、抗SP-D抗体、カビ毒類[デオキシニバレノール(DON)、ニバレノール(NIV)、T-2トキシン(T2)等]に結合する抗体、内分泌撹乱物質類[ビスフェノールA、ノニルフェノール、フタル酸ジブチル、ポリ塩素化ビフェニル(PCB)類、ダイオキシン類、p,p’−ジクロロジフェニルトリクロロエタン、トリブチルスズ等]に結合する抗体、ステロイドホルモン類(アルドステロン、テストステロン等)に結合する抗体、大腸菌等の菌類、菌類に結合する抗体、食物アレルギー物質ダニ類等のアレルギー物質、抗アレルギー物質抗体等が挙げられる。
また、ビオチン化蛋白質の他に、ビオチン化炭化水素系化合物やビオチン化核酸も用いることができる。本発明のストレプトアビジン結合磁性粒子と、ビオチン化炭化水素系化合物とを反応させることにより、炭化水素系化合物結合磁性粒子を製造することができる。また、本発明のストレプトアビジン結合磁性粒子と、ビオチン化核酸とを反応させることにより、核酸結合磁性粒子を製造することができる。
ビオチン化炭化水素系化合物における炭化水素系化合物としては、例えばカビ毒類[デオキシニバレノール(DON)、ニバレノール(NIV)、T-2トキシン(T2)等]、内分泌撹乱物質類[ビスフェノールA、ノニルフェノール、フタル酸ジブチル、ポリ塩素化ビフェニル(PCB)類、ダイオキシン類、p,p’−ジクロロジフェニルトリクロロエタン、トリブチルスズ等]、ステロイドホルモン類(アルドステロン、テストステロン等)等が挙げられる。
ビオチン化核酸における核酸としては、例えばDNA、RNA、アプタマー、これらの誘導体等が挙げられる。
本発明の製造方法により得られるストレプトアビジン結合磁性粒子及び蛋白質結合磁性粒子を用いて、試料中の測定対象成分を測定方法することができる。さらに、本発明の製造方法により得られるストレプトアビジン結合磁性粒子と、ビオチン化蛋白質とを用いて、試料中の測定対象成分を測定することもできる。当該測定方法は、通常の磁性粒子を用いる免疫学的測定方法を用いることができ、サンドイッチ法、競合法等が挙げられる。試料としては、本発明の製造方法により得られるストレプトアビジン結合磁性粒子及び蛋白質結合磁性粒子を用いた測定対象成分の測定方法を可能とする試料であれば特に制限はなく、例えば全血、血漿、血清、髄液、唾液、羊水、尿、汗、膵液等が挙げられるが、血漿、血清等が好ましい。
測定対象成分としては、本発明の製造方法により得られるストレプトアビジン結合磁性粒子及び蛋白質結合磁性粒子を用いた測定方法により測定され得るものであれば特に制限はなく、例えば以下の物質等が挙げられる。IgG、IgM、IgA、IgE、アポ蛋白AI、アポ蛋白AII、アポ蛋白B、アポ蛋白E、リウマチファクター、D-ダイマー、酸化LDL、糖化LDL、グリコアルブミン、トリヨードサイロニン(T3)、総サイロキシン(T4)、薬剤(抗テンカン剤等)、C-反応性蛋白(CRP)、サイトカイン類、α−フェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)、CA19-9、CA15-3、CA-125、PIVKA-II、副甲状腺ホルモン(PTH)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、インスリン、C-ペプタイド、エストロゲン、線維芽細胞増殖因子-23(FGF-23)、抗グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)抗体、ペプシノーゲン、B型肝炎ウイルス(HBV)抗原、抗HBV抗体、C型肝炎ウイルス(HCV)抗原、抗HCV抗体、成人T細胞性白血病ウイルス1型(HTLV-I)抗原、抗HTLV-I抗体、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体、インフルエンザウイルス抗原、抗インフルエンザウイルス抗体、抗結核菌抗体、結核菌抗原(TBGL)マイコプラズマ抗体、ヘモグロビンA1c、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、トロポニンT、トロポニンI、クレアチニンキナーゼ-MB(CK-MB)、ミオグロビン、L-FABP、H-FABP、抗CCP抗体、SP-D、カビ毒類[デオキシニバレノール(DON)、ニバレノール(NIV)、T-2トキシン(T2)等]、内分泌撹乱物質類[ビスフェノールA、ノニルフェノール、フタル酸ジブチル、ポリ塩素化ビフェニル(PCB)類、ダイオキシン類、p,p’−ジクロロジフェニルトリクロロエタン、トリブチルスズ等]、ステロイドホルモン類(アルドステロン、テストステロン等)、大腸菌等の菌類、食物アレルギー物質ダニ類等のアレルギー物質、抗アレルギー物質抗体等が挙げられる。
また、蛋白質結合磁性粒子の代わりに、本発明の製造方法により得られるストレプトアビジン結合磁性粒子とビオチン化炭化水素系化合物とを用いて製造される炭化水素系化合物結合磁性粒子を用いて、又は、蛋白質結合磁性粒子の代わりに、本発明の製造方法により得られるストレプトアビジン結合磁性粒子とビオチン化炭化水素系化合物とを用いて、試料中の測定対象成分を測定することができる。測定対象成分としては、例えばビオチン化炭化水素系化合物を構成する炭化水素系化合物や当該炭化水素系化合物に結合する抗体等が挙げられる。炭化水素系化合物としては、例えば前述の炭化水素系化合物等が挙げられる。ビオチン化炭化水素系化合物を用いた試料中の測定対象成分の測定は、例えばサンドイッチ法や競合法等の通常の免疫学的測定方法を用いて行うことができる。
さらに、蛋白質結合磁性粒子の代わりに、本発明の製造方法により得られるストレプトアビジン結合磁性粒子とビオチン化核酸とを用いて製造される核酸結合磁性粒子を用いて、又は、蛋白質結合磁性粒子の代わりに、本発明の製造方法により得られるストレプトアビジン結合磁性粒子とビオチン化核酸とを用いて、試料中の測定対象成分を測定することができる。測定対象成分としては、例えばビオチン核酸を構成する核酸に結合する核酸や蛋白質等が挙げられる。蛋白質としては、例えば前述の蛋白質等が挙げられる。ビオチン化核酸を用いた試料中の測定対象成分の測定は、通常の核酸測定方法や、通常の免疫学的測定方法を用いて行うことができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら限定するものではない。
(1)ストレプトアビジン結合磁性粒子の製造
磁性粒子にはアミノ基タイプEstapor磁性粒子 EM2-100/40(メルク社製)を用いた。当該磁性粒子はコア・シェル構造から成り、粒径が1.62μmであり、内部コア部分には全質量比41.2%の磁性体を含み、ポリスチレンからなるシェル部分には化学的にアミノ基が97μeq/gで修飾されている粒子である。
当該磁性粒子を100 mg採取し、1.0%のTrimethylstearylammonium Chloride(東京化成社製)を含むpH5.5、10 mmol/L酢酸緩衝液(以下、分散液Aという)を4 mL加え、分散させた。続いて容器横に強力磁石を配することで磁性粒子を収集し、分散液Aを吸引除去した(以下、分散液の添加、磁性粒子の収集、吸引除去の一連の操作を「洗浄」と略す)。該洗浄を続けて4回行った。
次に、分散液Aを1.5 mL加え、磁性粒子を十分に分散させた後、25%グルタルアルデヒド水溶液(ナカライテスク社製)を3.5 mL加え、シェーキングインキュベーター(アズワン社製、SI-300C)により1,500 rpmで振盪しながら37℃で2時間インキュベートした。
次に0.1%のTrimethylstearylammonium Chloride(東京化成社製)を含むpH5.5、10 mmol/L酢酸緩衝液(以下、分散液Bという)を用いて、洗浄操作を10回行った。分散液Bはあらかじめ25℃の恒温槽でインキュベートしておき、25℃の環境下で作業を行った。また洗浄は最初に連続して6回行い、洗浄開始から3時間30分後に3回、4時間後に1回行った(以後、得られた粒子を「活性化粒子」と略す)。
遺伝子組み換え体のストレプトアビジン(ロシュ社製)を、pH5.5、10 mmol/L酢酸緩衝液に24.5 mg/mLの濃度となるように溶解し、ストレプトアビジン溶液を調製し、氷冷で1時間以上静置した。活性化粒子から分散液Bを除去した後、ストレプトアビジン溶液1.4 mLを添加し、素早く分散させた。このままシェーキングインキュベーターにより1,500 rpmで振盪しながら40℃で16時間インキュベートした。次に、2−ピコリンボラン(純正化学社製)の0.53 mg/mLメタノール溶液(200μL)を添加し、シェーキングインキュベーターにより1,500 rpmで振盪しながら40℃で6日間インキュベートした。得られた反応混合物から、磁石により磁性粒子とそれ以外の溶液成分とに分離し、分離された磁性粒子を1.0%のBSA、0.09%のアジ化ナトリウムを含む50 mmol/LのMES緩衝液(pH6.5)で10回洗浄し、ストレプトアビジン結合磁性粒子を得た。
(2)ストレプトアビジン結合磁性粒子のビオチン結合能の測定
上記(1)で得られたストレプトアビジン結合磁性粒子、及び、市販のストレプトアビジン結合磁性粒子について、以下の方法により、ビオチン結合能を測定した。
ストレプトアビジン結合磁性粒子を0.1%BSA・PBS[PBS:0.15 mol/L 塩化ナトリウムを含有する10 mmol/L リン酸緩衝液(pH7.2)]に1 mg/mLで分散させ、倍々希釈法で0.0156 mg/mLの6段階(64倍希釈)まで希釈した。この6サンプルとブランク(0.1%BSA・PBS)それぞれを96穴ブラックプレートに50μLずつ分注した。次にBiotin-Fluorescein (Thermo Scientific社製)を0.1%BSA・PBSで1μg/mLに希釈し、サンプルを分注したウエルに50μLずつ分注した。サンプルを分注したプレートはシェーカーインキュベーター(アマライト社製)で振盪しながら37℃で10分間インキュベートし、粒子が分散した状態での蛍光強度を蛍光プレートリーダー“プレートカメレオンV”(HIDEX社製)で測定した。
ここで磁性粒子上のストレプトアビジンに蛍光標識ビオチンが結合すると、ストレプトアビジンに結合した蛍光標識ビオチンどうしが近接して存在することになり、蛍光の消光が起こる。蛍光の消光は単位面積当たりの磁性粒子に結合したストレプトアビジンへの蛍光標識ビオチンの結合量が大きくなるほど高くなる。この性質を利用し、ビオチン結合能が既知の市販の磁性粒子をレファレンスとして、このストレプトアビジンの蛍光減少率をあらかじめ評価しておくことにより、本発明のストレプトアビジン結合磁性粒子のビオチン結合能を算出した。本実施例ではストレプトアビジン結合磁性粒子の希釈サンプルから、蛍光強度が50%減少した時のストレプトアビジン結合磁性粒子濃度を直線近似で算出し、レファレンスのストレプトアビジンと比較することで、ビオチン結合能(pmol/mm2)を算出した。
測定結果を第1表に示す。
Figure 2012111687
第1表から明らかな様に、上記(1)で得られたストレプトアビジン結合磁性粒子は、市販のストレプトアビジン結合磁性粒子(ダイナル社製 DynabeadsT1、及びメルク社製 BE-M08/10)に比較して、高いビオチン結合能を有することが分かった。
磁性粒子上のストレプトアビジンの架橋構造の分析
実施例1で得られたストレプトアビジン結合磁性粒子について、磁性粒子上のストレプトアビジンの架橋構造は以下の方法で確認した。ストレプトアビジン結合磁性粒子20 mgを5 mLのPBSで10回洗浄し、1%SDS/PBSで20 mg/mLとした。次に60℃のインキュベーターで1時間インキュベートし、粒子を除いた上清をSDS-PAGEで分析した。
本法によるストレプトアビジン結合磁性粒子、及び、市販のストレプトアビジン結合磁性粒子におけるストレプトアビジンの構造をSDS-PAGEで確認した泳動像を図1に示す。
図1から明らかな様に、ストレプトアビジン、及び、市販のストレプトアビジン結合磁性粒子においては、ストレプトアビジンを構成する単量体のみが認められたのに対して、本発明の製造方法により製造されるストレプトアビジン結合磁性粒子においては、単量体に加え、二量体、三量体、四量体及びさらに高次のバンドが認められた。これにより、市販のストレプトアビジン結合磁性粒子においては、ストレプトアビジンが架橋構造を取っていないのに対して、本発明の製造方法で得られたストレプトアビジン結合磁性粒子においては、ストレプトアビジンが架橋構造を取っていることが判明した。
本発明により、ビオチン結合能の高いストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法、及び、当該ストレプトアビジン結合磁性粒子を用いる、蛋白質結合磁性粒子の製造方法が提供される。本発明の製造方法により製造されるストレプトアビジン結合磁性粒子、及び、蛋白質結合磁性粒子は、臨床診断上、有用である。

Claims (4)

  1. 以下の工程を含むことを特徴とする、ストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法。
    (1)表面にアミノ基を有する磁性粒子をグルタルアルデヒドと反応させる工程;及び、
    (2)工程(1)で得られた磁性粒子を、遊離のグルタルアルデヒド存在下、ストレプトアビジンと反応させる工程。
  2. さらに、以下の工程を含む請求項1記載のストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法。
    (3)工程(2)で調製したストレプトアビジン結合磁性粒子と還元剤とを反応させる工程。
  3. ストレプトアビジン結合磁性粒子が、磁性粒子上に、ストレプトアビジンどうしが架橋された構造を有する、請求項1または2記載のストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により製造されるストレプトアビジン結合磁性粒子と、ビオチン化蛋白質とを反応させることを特徴とする、蛋白質結合磁性粒子の製造方法。
JP2012557982A 2011-02-15 2012-02-15 ストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法 Pending JPWO2012111687A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011029332 2011-02-15
JP2011029332 2011-02-15
PCT/JP2012/053465 WO2012111687A1 (ja) 2011-02-15 2012-02-15 ストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2012111687A1 true JPWO2012111687A1 (ja) 2014-07-07

Family

ID=46672603

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012557982A Pending JPWO2012111687A1 (ja) 2011-02-15 2012-02-15 ストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2012111687A1 (ja)
WO (1) WO2012111687A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102489353B1 (ko) 2015-06-01 2023-01-17 캘리포니아 인스티튜트 오브 테크놀로지 특정 집단에 대한 항원으로 t 세포를 스크리닝하기 위한 조성물 및 방법
WO2017061128A1 (ja) 2015-10-08 2017-04-13 凸版印刷株式会社 ピロールイミダゾール含有ポリアミドを用いた標的二本鎖核酸分子の濃縮方法およびキット
JP6218916B1 (ja) 2016-12-28 2017-10-25 Jsr株式会社 磁性粒子分散液
US12258613B2 (en) 2017-03-08 2025-03-25 California Institute Of Technology Pairing antigen specificity of a T cell with T cell receptor sequences

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07209166A (ja) * 1993-12-13 1995-08-11 Hewlett Packard Co <Hp> 基体表面への被検体の結合方法、低分子量被検体の定量方法、及びビオチン−被検体複合体
JP2000146965A (ja) * 1998-11-06 2000-05-26 Iatron Lab Inc 免疫学的分析用試薬、免疫学的分析方法及び免疫学的分析用キット
JP2005523027A (ja) * 2002-04-22 2005-08-04 ユニヴァーシティ オヴ フロリダ 機能化されたナノ粒子及びその使用方法
JP2005526226A (ja) * 2001-08-10 2005-09-02 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー タンパク質で負荷された微粒子の製造方法
JP2006042654A (ja) * 2004-08-03 2006-02-16 Onchip Cellomics Consortium 細胞分離回収方法および細胞分離チップおよび細胞分離装置
JP2008501122A (ja) * 2004-05-28 2008-01-17 ナノゲン・インコーポレイテッド ナノスケール電子式検出システムおよびその製造方法
US20100267166A1 (en) * 2007-03-01 2010-10-21 Church & Dwight Co., Inc. Diagnostic detection device

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07209166A (ja) * 1993-12-13 1995-08-11 Hewlett Packard Co <Hp> 基体表面への被検体の結合方法、低分子量被検体の定量方法、及びビオチン−被検体複合体
JP2000146965A (ja) * 1998-11-06 2000-05-26 Iatron Lab Inc 免疫学的分析用試薬、免疫学的分析方法及び免疫学的分析用キット
JP2005526226A (ja) * 2001-08-10 2005-09-02 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー タンパク質で負荷された微粒子の製造方法
JP2005523027A (ja) * 2002-04-22 2005-08-04 ユニヴァーシティ オヴ フロリダ 機能化されたナノ粒子及びその使用方法
JP2008501122A (ja) * 2004-05-28 2008-01-17 ナノゲン・インコーポレイテッド ナノスケール電子式検出システムおよびその製造方法
JP2006042654A (ja) * 2004-08-03 2006-02-16 Onchip Cellomics Consortium 細胞分離回収方法および細胞分離チップおよび細胞分離装置
US20100267166A1 (en) * 2007-03-01 2010-10-21 Church & Dwight Co., Inc. Diagnostic detection device

Also Published As

Publication number Publication date
WO2012111687A1 (ja) 2012-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5980127B2 (ja) ストレプトアビジン結合磁性粒子及びその製造方法
US20190137484A9 (en) Sample depletion and enrichment to improve the quality of diagnostic test results
RU2444736C2 (ru) Детектирование молекул-мишеней в пробе
JP6118761B2 (ja) 被検物質測定キット及び被検物質の測定方法
CN112823054A (zh) 用于检测生物标志物的方法
WO2008053822A1 (fr) Procédé de détection d&#39;une réaction de liaison spécifique d&#39;une molécule par fluorométrie monomoléculaire
WO2019088142A1 (ja) バイオアッセイのための検出剤及びそれを用いたシグナルの増幅方法
WO2012111687A1 (ja) ストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法
JP2009517652A (ja) 強結合対の構築による高感度磁気捕獲分析
WO2012111686A1 (ja) ストレプトアビジン結合磁性粒子の製造方法
WO2015178729A1 (ko) 신규한 시료 내 검출대상물의 검출방법 및 그를 이용한 검출키트
CN119104735A (zh) 一种磁微粒化学发光法蛋白检测方法
EP0669000A1 (en) IMMUNOLOGICAL TITRATION OF AN ANTIBODY ON TWO SITES, WITH CHEMOLUMINESCENT LABELING AND BIOTIN-BINDING LIGAND.
Wang et al. Development of a magnetic separation immunoassay with high sensitivity and time-saving for detecting aflatoxin B1 in agricultural crops using nanobody
JP2004325414A (ja) 免疫測定方法及び免疫測定キット
US20220205997A1 (en) A detection method for detecting an oxidized LDL/Beta2GPI complex and a detection kit therefor
JP3216452B2 (ja) 免疫測定法及びその装置
JPS59176675A (ja) 酵素免疫測定用試薬
RU2543631C2 (ru) Способ функционализации поверхности магнитных наночастиц
JPH10239317A (ja) 地帯現象抑制測定方法及び測定試薬
JP2007147494A (ja) 同時物質測定方法およびそれに使用する測定用支持体
JP2005512074A (ja) 血清または血漿存在下でのラテックス微粒子の非特異的集合を低減する方法
JP5137880B2 (ja) 結合性物質を固定化した乾燥粒子の製造方法
JP2010002393A (ja) 標的物質の検出方法
JP2024083120A (ja) ハプテンの分析方法、及びキット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160112

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160809