JPS5941667B2 - 蓄熱材 - Google Patents
蓄熱材Info
- Publication number
- JPS5941667B2 JPS5941667B2 JP8372879A JP8372879A JPS5941667B2 JP S5941667 B2 JPS5941667 B2 JP S5941667B2 JP 8372879 A JP8372879 A JP 8372879A JP 8372879 A JP8372879 A JP 8372879A JP S5941667 B2 JPS5941667 B2 JP S5941667B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat storage
- storage material
- supercooling
- heat
- melting point
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
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Description
【発明の詳細な説明】
この発明は空気調和装置のヒートポンプの熱源などに好
適な融解熱を利用する蓄熱材に関するものである。
適な融解熱を利用する蓄熱材に関するものである。
従来からCaCl2・6H2Oはその融点が29℃であ
り、また融解熱も68.5cal/ ccと大きく、し
かも融液がほぼ中性で腐蝕性も少なく、安価なことなど
から蓄熱材として注目されてきたが、その過冷却現象に
対する防止策が未解決なことから、現在に至るもなお実
用化されるに至つていない。
り、また融解熱も68.5cal/ ccと大きく、し
かも融液がほぼ中性で腐蝕性も少なく、安価なことなど
から蓄熱材として注目されてきたが、その過冷却現象に
対する防止策が未解決なことから、現在に至るもなお実
用化されるに至つていない。
CaCl2・6H20の融液はo℃まで容易に過冷却し
、数日を経てもなお固化しないことがあり、この理由は
我々の知見によれば、水分が固化に際して何らかの再配
列を要するためであり、(Caf゛)イオンの水和現象
によるところが大きいと考えられるものである。融点3
5℃のCaBr2・6H20もCaCl2・6H2Oと
ほぼ同じ傾向をもつている。またCaCl2・6H2O
やCaBr2・ 6H20を主成分とした水化物混合系
は我々の先行発明によれば実用的な冷房用蓄熱材として
有用なものである。すなわち、CaCl2・6H20−
MgC12・ 6H2O系(融点22〜24℃:特開昭
51−43387)、CaCl2・6H20−MgBr
2・ 6H2O系(融点15〜18℃:特開昭51−7
6183)、CaCl2・6H2O−CaBr2・6H
20系(融点15〜16℃:特開昭51−128052
)3CaBr2・ 6H2O一LiBr・2H2O系(
融点12〜14℃:特開昭52−11455)などであ
り、これらの混合系は単独のCaCl2・6H20やC
aBr2・6H20にくらべて過冷却が破れやすいとは
いえ、実用的には信頼性に問題がある。過冷却液体にそ
れ自身の種結晶を投入すれば、過冷却が破れることはよ
く知られた事実であるが、蓄熱材として実用化する際に
そのような手段をとることは不可能に近い。
、数日を経てもなお固化しないことがあり、この理由は
我々の知見によれば、水分が固化に際して何らかの再配
列を要するためであり、(Caf゛)イオンの水和現象
によるところが大きいと考えられるものである。融点3
5℃のCaBr2・6H20もCaCl2・6H2Oと
ほぼ同じ傾向をもつている。またCaCl2・6H2O
やCaBr2・ 6H20を主成分とした水化物混合系
は我々の先行発明によれば実用的な冷房用蓄熱材として
有用なものである。すなわち、CaCl2・6H20−
MgC12・ 6H2O系(融点22〜24℃:特開昭
51−43387)、CaCl2・6H20−MgBr
2・ 6H2O系(融点15〜18℃:特開昭51−7
6183)、CaCl2・6H2O−CaBr2・6H
20系(融点15〜16℃:特開昭51−128052
)3CaBr2・ 6H2O一LiBr・2H2O系(
融点12〜14℃:特開昭52−11455)などであ
り、これらの混合系は単独のCaCl2・6H20やC
aBr2・6H20にくらべて過冷却が破れやすいとは
いえ、実用的には信頼性に問題がある。過冷却液体にそ
れ自身の種結晶を投入すれば、過冷却が破れることはよ
く知られた事実であるが、蓄熱材として実用化する際に
そのような手段をとることは不可能に近い。
なぜなら蓄熱槽は水分の蒸発を防止するため密閉構造で
あり、しかも融点が29℃であることからいつて、夏期
には結晶自身ほとんど融解し去つてしまうからである。
本発明の発明者は長い研究の結果、表1に上げる化合物
がCaCl2・6H2OやCaBr2・6H20あるい
は両者のどちらかを主成分とする混合系蓄熱材の過冷却
防止にきわめて有効な効果をもつことを発見した。現在
のところ、このような過冷却防止効果が、これら化合物
のどのような性質に基づくのかについては明らかではな
い。しかしながら、このような効果が通常の意味におけ
るエピタキシャル成長の観点(同一結晶形、同一格子定
数)から理解できないことだけは表1からも確実である
。なぜならCaCl2・6H20やCaBr2・6H2
Oは六方晶系に属し、表1の物質とは結晶形が一致しな
いからである。これまで過冷却防止材は可能なかぎり小
さな過冷却度で効果を発揮するものが探索されてきたが
、たとえば室内壁暖房などに使用される場合、必らずし
も直ちに過冷却が破れる必要がないばかりでなく、場合
によつては積極的にある温度まで過冷却させておき、そ
の温度以下になつた時に初めて過冷却防止効果を発揮さ
せた方が実用的に好ましい場合もある。
あり、しかも融点が29℃であることからいつて、夏期
には結晶自身ほとんど融解し去つてしまうからである。
本発明の発明者は長い研究の結果、表1に上げる化合物
がCaCl2・6H2OやCaBr2・6H20あるい
は両者のどちらかを主成分とする混合系蓄熱材の過冷却
防止にきわめて有効な効果をもつことを発見した。現在
のところ、このような過冷却防止効果が、これら化合物
のどのような性質に基づくのかについては明らかではな
い。しかしながら、このような効果が通常の意味におけ
るエピタキシャル成長の観点(同一結晶形、同一格子定
数)から理解できないことだけは表1からも確実である
。なぜならCaCl2・6H20やCaBr2・6H2
Oは六方晶系に属し、表1の物質とは結晶形が一致しな
いからである。これまで過冷却防止材は可能なかぎり小
さな過冷却度で効果を発揮するものが探索されてきたが
、たとえば室内壁暖房などに使用される場合、必らずし
も直ちに過冷却が破れる必要がないばかりでなく、場合
によつては積極的にある温度まで過冷却させておき、そ
の温度以下になつた時に初めて過冷却防止効果を発揮さ
せた方が実用的に好ましい場合もある。
目的に応じて好ましい作動温度域をもつ過冷却防止材を
自由に選択できるようにするためには、できるかぎり多
くの過冷却防止材を探索しておく必要があり、表1にあ
げた物質群はこのような目的に十分にかなうものである
。なおCaBr2・6H20に対する表1にあげた物質
の過冷却防止効果はCaCl2・6H20に対するもの
とほとんど同じであり、ただ過冷却の破れる温度が表1
にあげた数字よりも数度高い値であつた。なお、Bas
O4とSrSiF6は過冷却防止効果をもつていない。
以下、実施例について説明する。実施例 1CaC12
・6H20にBaHPO4を0.1重量%加え、融解し
た後、蓄熱槽に入れ、水分蒸発防止のため表面を流動パ
ラフイン層で被覆する。
自由に選択できるようにするためには、できるかぎり多
くの過冷却防止材を探索しておく必要があり、表1にあ
げた物質群はこのような目的に十分にかなうものである
。なおCaBr2・6H20に対する表1にあげた物質
の過冷却防止効果はCaCl2・6H20に対するもの
とほとんど同じであり、ただ過冷却の破れる温度が表1
にあげた数字よりも数度高い値であつた。なお、Bas
O4とSrSiF6は過冷却防止効果をもつていない。
以下、実施例について説明する。実施例 1CaC12
・6H20にBaHPO4を0.1重量%加え、融解し
た後、蓄熱槽に入れ、水分蒸発防止のため表面を流動パ
ラフイン層で被覆する。
放熱運転時、22℃で固化が開始すると共に、直ちに蓄
熱材の温度は29℃になり、ほぼ68.5ca1/Cc
の融解熱が得られた。実施例 2 CaC12・6H20にCaSiF6を0.02重量%
加え、融解した後、室内の壁に備えた蓄熱容器内に入れ
、密栓する。
熱材の温度は29℃になり、ほぼ68.5ca1/Cc
の融解熱が得られた。実施例 2 CaC12・6H20にCaSiF6を0.02重量%
加え、融解した後、室内の壁に備えた蓄熱容器内に入れ
、密栓する。
このものは室内温度が18℃以下になると固化を開始し
、直ちに蓄熱材温度が29℃まで上昇し、65ca1/
Cc以上の放熱量が得られた。実施例 3 CaC12・6H20にMgBr2・6H20を20モ
ル%加え、過冷却防止材としてBac2O4を1重量%
加える。
、直ちに蓄熱材温度が29℃まで上昇し、65ca1/
Cc以上の放熱量が得られた。実施例 3 CaC12・6H20にMgBr2・6H20を20モ
ル%加え、過冷却防止材としてBac2O4を1重量%
加える。
この組成物は11℃のブラインによつて完全に固化し、
15〜17℃間で約60ca1/Ccの融解潜熱を放出
した。実施例 4 CaC12・6H20にCaBr2・6H20をモル比
にして1:1に混合し、過冷却防止材としてBa2p4
O7を0.5重量%加える。
15〜17℃間で約60ca1/Ccの融解潜熱を放出
した。実施例 4 CaC12・6H20にCaBr2・6H20をモル比
にして1:1に混合し、過冷却防止材としてBa2p4
O7を0.5重量%加える。
このものは10℃で固化が開始し、50caI/Cc以
上の融解潜熱を放出した。実施例 5 CaBr2・6H20にBaSiO3を0.1重量%加
えたものは、25℃以上で固化を開始し、直ちに蓄熱材
の温度が33℃以上となり、40ca1/CC以上の固
化熱を放出した。
上の融解潜熱を放出した。実施例 5 CaBr2・6H20にBaSiO3を0.1重量%加
えたものは、25℃以上で固化を開始し、直ちに蓄熱材
の温度が33℃以上となり、40ca1/CC以上の固
化熱を放出した。
Claims (1)
- 1 CaCl_2・6H_2OあるいはCaBr_2・
6H_2Oの少なくとも一方を含む蓄熱材に、BaHP
O_4、Ba(H_2PO_4)_2、Ba_3(PO
_4)_2、Ba_2P_4O_7、BaPO_3、B
aC_2O_4、Ba(BO_2)_2、BaSiO_
3、CaSiF_6、BaSiF_6からなる群より選
ばれた少なくとも一種類以上の化合物を加えたことを特
徴とする蓄熱材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8372879A JPS5941667B2 (ja) | 1979-07-02 | 1979-07-02 | 蓄熱材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8372879A JPS5941667B2 (ja) | 1979-07-02 | 1979-07-02 | 蓄熱材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS568483A JPS568483A (en) | 1981-01-28 |
| JPS5941667B2 true JPS5941667B2 (ja) | 1984-10-08 |
Family
ID=13810575
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8372879A Expired JPS5941667B2 (ja) | 1979-07-02 | 1979-07-02 | 蓄熱材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5941667B2 (ja) |
-
1979
- 1979-07-02 JP JP8372879A patent/JPS5941667B2/ja not_active Expired
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS568483A (en) | 1981-01-28 |
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