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JPH1175765A - 調味料の製造方法 - Google Patents

調味料の製造方法

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Publication number
JPH1175765A
JPH1175765A JP9238465A JP23846597A JPH1175765A JP H1175765 A JPH1175765 A JP H1175765A JP 9238465 A JP9238465 A JP 9238465A JP 23846597 A JP23846597 A JP 23846597A JP H1175765 A JPH1175765 A JP H1175765A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soy sauce
koji
added
amino acid
protein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9238465A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Tate
博 舘
Eiji Ichishima
英治 一島
Kenichi Hirano
賢一 平野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Amano Enzyme Inc
Original Assignee
Amano Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Amano Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Amano Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP9238465A priority Critical patent/JPH1175765A/ja
Publication of JPH1175765A publication Critical patent/JPH1175765A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 醤油等の大豆タンパク質を原料とするアミノ
酸系調味料の呈味性、特に旨味を向上させる。 【解決手段】 麹菌由来のX−プロリルジペプチジルア
ミノペプチダーゼ(DPIV) を醤油の醸造過程において
添加すると旨味に関係するアミノ酸であるグルタミン酸
やアスパラギン酸の組成比率が特異的に上昇し、醤油の
旨味が向上した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大豆タンパク質を原
料とするアミノ酸系調味料の製造方法に関する。より詳
細には、本発明は醤油の製造(醸造)方法及び醤油の旨
味成分増強剤に関する。
【0002】
【従来の技術】醤油は、一般に大豆や小麦などの植物性
原料にアスペルギルス オリゼー(Aspergill
us oryzae)、アスペルギルス ソーヤ(As
pergillus sojae)等の麹菌を繁殖させ
て得られた醤油麹を食塩水中に仕込み、これを発酵及び
熟成させることにより製造される我が国の伝統的な発酵
調味料である。
【0003】醤油醸造には、麹菌のほかに乳酸菌(ペデ
ィオコッカス・ハロフィラス(Pediococcus
halophilus)等)、酵母(チゴサッカロミ
セス・ルキシー(Zygosaccharomyces
rouxii)、キャンディダ・ベルサチリス(Ca
ndida versatilis)等)などの微生物
が関与し、これらの微生物の作用により芳香及び呈味に
優れた醤油が生産される。
【0004】醤油の呈味は、甘味、旨味、酸味、鹸味及
び苦味の五味が、複雑な発酵過程において混然一体とな
って発揮されるものである。例えば、醤油は、原料中の
糖質及びタンパク質が麹菌の酵素により分解されて生成
した、糖などの甘味成分、アミノ酸やペプチドなどの旨
味成分、乳酸菌の乳酸発酵により生成した有機酸などの
酸味成分、苦味アミノ酸やペプチドなどのコクを引き出
す苦味成分、及び食塩の鹸味成分を含んでおり、またさ
らに酵母のアルコール発酵により生成したアルコールや
エステルなどの香気成分をも含んでいるため、従来から
万能調味料として使用されてきた。
【0005】特に、タンパク質原料の分解は、麹菌の各
種プロテアーゼの作用によるものであるが、これは醤油
の収量だけでなく呈味にも影響するため、古くから多く
の研究が行なわれてきた。 醤油もろみ(諸味)におい
て、タンパク質原料の分解は仕込み初期から急速に進行
するが、これは麹菌中のエンドペプチダーゼにより生成
したポリペプチドに、ロイシンアミノペプチダーゼ及び
酸性カルボキシペプチダーゼのようなエキソペプチダー
ゼが作用し、アミノ酸及びジペプチドを主体とした低分
子ペプチドが生成するためとされてきた(栃倉辰六郎
編、「醤油の科学と技術」、 第174−176頁、
(財)日本醸造協会(1988年))。
【0006】しかし、酸性カルボキシペプチダーゼは最
適pHが3.7と低く、醤油醸造中でアミノ酸生成が急
速に進行する仕込み初期のpH5.5〜6では、その作
用は極めて小さいものと考えられる。また、ロイシンア
ミノペプチダーゼは基質ペプチド鎖のN末端から順次ア
ミノ酸を遊離していくエキソペプチダーゼであるが、ペ
プチド中にプロリン残基が存在すると、プロリンのイミ
ノ基側にアミノ酸が一つ結合したX−Pro−Pept
ideの状態で作用を停止してしまう。したがって、約
80%にも達する醤油のアミノ化率はロイシンアミノペ
プチダーゼや酸性カルボキシペプチダーゼの作用では説
明ができなかった。
【0007】本発明者は、従来カビでは全く報告が見ら
れなかった、X−Pro−Peptideに作用してX
−Proを遊離する新規なX−プロリルジペプチジルア
ミノペプチダーゼが、麹菌によって産生されていること
を初めて見いだした(Tachi et al.,Ph
ytochemistry,31(11),3707−
3709(1992))。X−プロリルジペプチジルア
ミノペプチダーゼは、別名ジペプチジルアミノペプチダ
ーゼIV(DP IV)(EC3.4.15.5)とも呼ば
れる。麹菌が産生するDP IVは280,000の相対
分子量を有し、分子量145,000の2個のサブユニ
ットからなる2量体タンパク質である。この酵素は哺乳
類のDP IVに類似しており、 特にブタ腎臓のDP IV
と同じ相対分子量を示す。以下、本明細書においては、
麹菌が産生するX−プロリルジペプチジルアミノペプチ
ダーゼを、単にDP IVと言うことにする。
【0008】DP IVは、Gly−Pro−X結合に作
用し、特異的にGly−Proを生成する。本発明者
は、Gly−Proは他のエンドペプチダーゼやエキソ
ペプチダーゼによっては分解されないペプチドであるこ
とに鑑み、Gly−Pro含量が醤油醸造における原料
タンパク質の分解と相関関係にあることを見いだし、G
ly−Pro含量の測定が醤油の熟成の一つの指標とな
ることを明らかにした(Tachi,J.Brew.S
oc.Japan,91(2)、138−140(19
96))。
【0009】しかしながら、このDP IVが醤油の醸造
において醤油の呈味性、特に旨味にどのように関わって
いるのかについては全く報告がなされていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】一般的に醤油の呈味性
の大まかな指標は全窒素含量であるが、その中でも特に
旨味はグルタミン酸含量によって大きく左右されること
が知られている。したがって、旨味に優れた醤油を得る
ためには、原料タンパク質の加水分解によって醤油中に
生じたアミノ酸やペプチドのような全窒素のうち、グル
タミン酸の含量を高める必要がある。
【0011】一方、醤油醸造用原料を製麹することなし
に酵素剤のみを用いて醤油の醸造を行うことが提案され
ている(特開昭49−81598及び特開昭49−86
594)。この方法は、製麹のための大掛かりな設備や
長い時間を必要とせず、均一な麹を得るための厳密な温
湿管理も不要となる等の点で優れているが、グルタミン
酸含量等の旨味成分量において十分満足のいく醸造方法
ではなかった。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、醤油
の旨味を向上すべく、醤油の小仕込み試験ならびにDP
IVによるタンパク質の分解及びアミノ酸生成に対する
役割について鋭意検討を行った結果、DP IVが、本発
明者がすでに報告してきたように醤油醸造における原料
タンパク質の分解に大きく関与し、アミノ酸の生成を促
進するというだけでなく、驚くべきことにグルタミン
酸、アスパラギン酸等の醤油の旨味成分の含量を特異的
に上昇させ、醤油の旨味を向上し醤油の呈味に対して極
めて大きな影響を持つことを見いだした。本発明はかか
る知見に基づいてなされたものである。
【0013】すなわち、本発明は、大豆タンパク質を原
料とするアミノ酸系調味料の製造方法においてX−プロ
リルジペプチジルアミノペプチダーゼを添加することを
特徴とする調味料の製造方法に関する。また、本発明
は、変性処理を施した醤油醸造用タンパク質原料と炭水
化物原料とを混合する工程、この混合物に種麹を加える
製麹工程、及び得られた醤油麹(出麹)に食塩水を添加
して諸味を作り、これを発酵及び熟成させる仕込み工程
からなる醤油の製造(醸造)方法において、X−プロリ
ルジペプチジルアミノペプチダーゼ、好ましくは麹菌由
来のDP IVを添加することを特徴とする上記醸造方法
である。
【0014】
【発明の実施の形態】醤油を醸造するための原料として
は、従来から用いられているいかなる原料も本発明にお
いて使用することができる。醤油醸造の主要な二つの原
料は、タンパク質原料と炭水化物原料である。
【0015】醤油醸造用タンパク質原料としては、大豆
が用いられる。大豆としては、脱脂大豆、丸大豆等が挙
げられる。大豆の代わりにタンパク質原料として、グル
テン、精製タンパク等を利用することもできる。
【0016】醤油醸造用炭水化物原料としては、麦、好
ましくは小麦が用いられる。小麦の成分のうち、炭水化
物、すなわち澱粉が重要であるが、タンパク質も一割以
上含まれており、醤油の主要な原料がタンパク質である
ことから、タンパク質の含量が多いいわゆる硬質小麦が
好ましく用いられる。小麦を製粉してから醤油醸造に適
した成分を集めたこうじ麦を使用することも好ましい。
炭水化物原料は、小麦の他に、大麦、はだか麦、ふす
ま、香煎、小麦グルテン、ハトムギ等を含んでいてもよ
い。また、麦の代わりに炭水化物原料として、各種澱粉
を利用することもできる。
【0017】以下、本発明の醤油の醸造方法を、大豆と
小麦とをそれぞれ醤油醸造用タンパク質原料及び炭水化
物原料(以下、 それぞれ単にタンパク質原料及び炭水化
物原料という)として使用する濃口醤油の醸造を例にし
て説明する。醤油の醸造にあたっては、まずタンパク質
原料と炭水化物原料とに変性処理を施す。変性処理とし
ては、麹菌の生育や酵素の作用を容易にするために醤油
醸造において通常行われる変性処理であればいかなる処
理方法を採用してもよい。
【0018】大豆の変性処理としては、NK式処理法、
連続蒸煮法等の蒸煮法、アルコール変性法、膨化処理法
等が挙げられる。グルテン、精製タンパク等のタンパク
質原料の変性処理としては、蒸煮法、アルコール変性法
等が用いられる。
【0019】NK式処理法については回転式蒸煮装置が
工業的に使用されるようになり、通常の回転式蒸煮缶
(NK缶)では、約0.9〜1.0kg/cm2 の蒸気
圧で40〜60分蒸煮が行われる。最近では連続蒸煮装
置を使用した連続蒸煮法が採用されるようになり、この
方法によれば、より高圧で、より短時間の蒸煮が実用化
されている。大豆の変性処理として膨化処理も特に好ま
しく、この処理方法によれば、大豆を例えば150〜1
70℃、4〜7kg /cm2 の蒸気圧の水蒸気に2分〜
15秒接触させてから急激に大気中に放出することによ
り、大豆を膨潤させる。
【0020】小麦の変性処理としては炒熬が挙げられ
る。各種澱粉の変性処理としては蒸煮法が挙げられる。
炒熬とは小麦を小麦炒り機で炒ることを言い、これによ
り澱粉がアルファー化し、酵素の作用が容易となる。炒
熬処理を施した小麦を次いで割砕する。
【0021】本発明の醤油の醸造方法は、麹菌由来のD
P IVを添加する以外は、従来から行われている常法に
従えばよい。以下、本発明の醤油の醸造方法を、大豆と
小麦とを原料として使用する濃口醤油の醸造を例にして
説明する。
【0022】上述のように蒸煮処理を施した大豆と炒熬
割砕処理を施した小麦とを混合し、これに種麹を加えて
製麹を行う。製麹は、麹菌を増殖させて、タンパク分解
酵素、糖化酵素を生成させ、その後に食塩水を加えて加
水分解を起こさせるために行う工程である。製麹に要す
る時間は約45時間(三日麹)又は約72時間(四日
麹)が代表的である。上述の処理原料を製麹のための装
置に入れた(盛込)後、常法に従い一定時間後に手入れ
(一番手入れ、二番手入れ)と呼ばれる撹拌を行い、品
温(原料温度)の調整と新鮮な空気の補給を行う。製麹
には古来、麹蓋式が行われていたが、現在では自動製麹
装置を用いて、省力化、均一な品温分布、雑菌による汚
染の防止、短時間での酵素力価の達成等を実現してい
る。
【0023】種麹として用いられる麹菌としては、黄麹
菌が好ましく、これには例えば、アスペルギルス・オリ
ゼー(IAM2616、RIB128、RIB430、
RIB915等)、アスペルギルス・ソーヤ、アスペル
ギルス・タマリ(IFO4359等)等が包含される。
これらのうち、アスペルギルス・オリゼー、アスペルギ
ルス・ソーヤが好ましい。これらの麹菌は容易に入手す
ることができ、単一菌種又は菌株で用いてもよく、また
複数の菌種又は菌株を混合で用いてもよい。例えば商用
の種麹は、複数種の麹菌の混合物として容易に入手する
ことができる。本発明において使用する麹菌は、上記の
種又は菌株に限らず、これらの変種、変異種、変異株等
であっても、本発明の醤油の醸造に適していれば、いず
れも使用することができる。
【0024】このようにしてできあがった醤油麹(出
麹)は、プロテアーゼ、アミラーゼ等の各種の酵素を含
んでおり、これらの酵素がその後の仕込みによって形成
される諸味中で発酵、熟成に重要な作用を及ぼす。これ
らの酵素の中には、本発明に係るDP IVも含まれてい
るが、本発明の醸造方法においては、あらかじめ別途用
意した麹菌由来のDP IVを、後述のように醤油醸造原
料中にさらに添加することを特徴とする。
【0025】この醤油麹を次いで食塩水と混合し、諸味
を作る。これを仕込みという。加える食塩水の濃度は常
法通りでよく、逆算して熟成した諸味の食塩濃度が13
〜20%、好ましくは約17%となるような濃度であ
る。食塩水の量(汲水)も常法通りでよい。汲水は一定
原料に対して使用する食塩水の体積で表現され、例え
ば、大豆と小麦とを合計して1kl使用して製麹する場
合、それと等量(1kl)の食塩水を加えて仕込みを行
うことを汲水10水仕込みと言い、濃口醤油では通常1
0〜12水の食塩水が用いられる。
【0026】この仕込みにより、諸味の発酵及び熟成が
行われる。発酵及び熟成は、20〜40℃、好ましくは
25〜30℃で、3〜6カ月、好ましくは約5カ月行
う。例えば、仕込み直後の諸味の品温を約15℃前後の
低温に維持し、次いで室温を約28℃前後に高めると、
やがて品温が約28℃前後になり発酵が促進される。こ
の場合、約5カ月後に冷風を送って諸味の温度を15℃
に下げることが好ましい。この仕込み、発酵、熟成の過
程では、諸味の仕込み後、初期段階において、麹中の酵
素により原料成分が分解する。この分解により生じたペ
プチドやアミノ酸を栄養分として、その後ペディオコッ
カス・ハロフィラス(Pediococcus hal
ophilus)のような乳酸菌、及びチゴサッカロミ
セス・ルキシー(Zygosaccharomyces
rouxii)のような醤油酵母、キャンディダ・ベ
ルサチリス(Candida versatilis)
のようなカンジダ属の酵母等が増殖し始め、諸味の発酵
・熟成に重要な作用を及ぼす。仕込み後20〜40日、
好ましくは30日後に、上記チゴサッカロミセス・ルキ
シーのような醤油用酵母を、仕込み後7〜20日後にペ
ディオコッカス・ハロフィラスのような乳酸菌を外部か
ら添加してもよい。
【0027】熟成の終わった諸味は常法に従い圧搾する
ことにより液体部分(生揚げ)を分離し、この生揚げに
必要に応じて各種の添加物を加え、一定温度まで加熱
(火入れ)して、最終製品としての醤油が得られる。
【0028】本発明においては、上述の醤油の醸造方法
において、あらかじめ麹菌から分離しておいたDP IV
を添加することを特徴とする。したがって、本発明に係
る麹菌由来のDP IVは、醤油の旨味成分増強剤として
使用することができる。麹菌としては上記種麹として用
いた黄麹菌が挙げられるが、DP IV活性の高いアスペ
ルギルス・オリゼーRIB915(Aspergill
us oryzae RIB915)が好ましい。
【0029】一島の方法(E.Ichishima、
“Methods in Enzymology”、G.
E. Perlmann及びL.Lorand編、第1
9巻、第397頁( 1970年) )に従って、アスペル
ギルス・オリゼーRIB915をふすまに接種すること
により、ふすま麹を調製することができる。DP IVは
ふすま麹から抽出することができる。また、DP IVは
醤油麹、諸味又は諸味濾液からも抽出することができ
る。
【0030】DP IVは、例えば以下のようにして得ら
れる。まず、醤油麹又はふすま麹の製麹工程において、
麹を取り出し、これにリン酸緩衝液を加えて抽出を行
い、濾紙で濾過を行って粗酵素液を調製する。得られた
粗酵素液に硫酸アンモニウムを飽和になるように加え、
放置して塩析された沈殿物にセライト濾過を施して、硫
安塩析物とする。得られた硫安塩析物に、ゲル濾過、さ
らに必要に応じて疎水クロマトグラフィー、再ゲル濾
過、イオン交換クロマトグラフィー、ショ糖密度勾配等
電点電気泳動等を施すことより、精製DPIVを得る。
【0031】こうして麹菌から抽出され精製されたDP
IVは、上述の醤油醸造において、旨味成分増強剤とし
て、変性処理後の大豆と小麦との混合工程、製麹工程、
仕込み工程(発酵・熟成過程を含む)のいずれの工程で
添加してもよい。好ましくは、仕込み工程においてDP
IVを添加する。
【0032】DP IVの添加にあたって、酵素は抽出液
又は粉末の形態で、食塩水とともに添加することが好ま
しい。粉末の形態の添加用酵素DP IVは抽出液の凍結
乾燥により得られる。DP IVの添加量は、DP IV活
性が0.01−0.3nkat/諸味g、好ましくは
0.1−0.2nkat/諸味gとなるように添加す
る。
【0033】その際に使用する食塩水の量は、仕込み工
程において食塩水を添加した後の食塩水量が醤油醸造の
常法に従った量になるように調整すればよい。使用する
食塩水の濃度は熟成した諸味中の食塩濃度が13〜20
%、好ましくは約17%になるように適宜調製する。
【0034】DP IV活性は以下のようにして測定す
る。まず、0.45mMのグリシル−L−プロリン−p
−ニトロアニリド(Gly−Pro−pNA)(pH
7.5、20mM リン酸緩衝液に溶解)0.5mlに
酵素液0.1mlを加え、30℃で5分反応を行う。こ
れに0.1M HCl 0.5mlを加えて反応を停止
後、遊離したp- ニトロアニリンの400nmにおける
吸光度を測定し、pH7.5、30℃で1秒間にp- ニ
トロアニリン1モルを遊離する酵素力価を1 kata
lとして、DPIV活性を求める。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、以下の実施例は単に説明のために挙げただけ
であって、何ら本発明を限定するものではない。
【0036】例1(旨味成分増強剤DP IVの調製) 脱脂大豆6kg及び小麦6kgを用い、種麹として「一
紫」(ビオック社製)を使用して、常法通り30℃で4
8時間製麹を行い醤油麹を調製した。また、ふすま麹の
調製は、供試菌株としてAspergillus or
yzae RIB915 を用い、上記一島の方法に従
った。1リットル三角フラスコにふすま30gを採り、
蒸留水21mlを加えて混合後、オートクレーブで12
1℃で20分間滅菌した。保存斜面よりA.oryza
e RIB915を2白金耳接種し、30℃で72時間
培養してふすま麹を調製した。
【0037】醤油麹及びふすま麹を取り、それぞれ10
倍量の20mMリン酸緩衝液(pH7.5)を加え、4
℃で3時間抽出を行い、濾紙No.2で濾過を行って粗
酵素液を調製した。醤油麹の製麹工程においてDP IV
活性は製麹18時間から30時間にかけて急激に増加
し、48時間では1.0nkat/g麹に達した。ま
た、ふすま麹においても製麹工程においてDP IV活性
が見られ、36時間から60時間にかけて急激に増加
し、72時間では1.0nkat/g麹に達した。
【0038】上記粗酵素液のそれぞれに硫酸アンモニウ
ムを90%飽和になるように加え、4℃で一晩放置後、
塩析された沈殿物にスタンダードスーパーセルを用いて
セライト濾過を施したものを硫安塩析物とした。セファ
デックスG−200(Pharmacia 社製)を20mMリン
酸緩衝液(pH7.5)で緩衝化後、カラム(2cm
x 95cm)に充填した。硫安塩析物1.7gを20
mMリン酸緩衝液(pH7.5)3mlで溶解したもの
を添加し、20mMリン酸緩衝液(pH7.5)でDP
IVを溶出した。DP IV活性は3nkat/ml で
あった。
【0039】例2(醤油醸造における大豆タンパク質の
分解に対するDP IVの作用) 例1と同様にしてふすま麹の調製及び粗酵素液(以下、
DP IV存在酵素液ともいう)の調製を行った。硫安塩
析物1.7gを20mMリン酸緩衝液(pH7.5)3
mlで溶解した粗酵素液を、20mMリン酸緩衝液(p
H7.5)で緩衝化したセファクリルS−300(Ph
armacia社製、2cm x 95cm)に添加
し、20mMリン酸緩衝液(pH7.5)で溶出した。
溶出液のDP IV活性を測定し、DP IVを除去した酵
素液(以下、DP IV除去酵素液という)を調製した。
【0040】一方、上記粗酵素液(DP IV存在酵素
液)に、DP IVを0.5nkatの量で添加した酵素
液(以下、DP IV添加酵素液という)を調製した。S
oybean Flour(TypeI、52%タンパ
ク質、SIGMA社製)300mgに蒸留水10mlを
加え、121℃で10分間加熱後、1Mリン酸緩衝液
(pH7)10mlを加えたものに、DP IV存在酵素
液、DP IV除去酵素液又はDP IV添加酵素液を2m
l及びトルエン1mlを加えて30℃で60時間又は9
0時間酵素反応を行った。反応終了後、100℃で5分
間加熱して酵素反応を停止し、濾紙(No.2)で濾過
したものを大豆タンパク質分解物とした。
【0041】大豆タンパク質分解物を限外濾過(USY
−1、分画分子量10,000、アドバンテック社製)
後、アミノ酸分析システム(LC−6A、OPA法、島
津製作所製)を用いて測定した。カラムは Shimp
ack ISC07/S1504を用い、移動相はA
液:0.2N クエン酸ナトリウム溶液(pH3.
2)、B液:0.6N クエン酸ナトリウム+0.6N
ホウ酸溶液(pH10)、C液:0.2N 水酸化ナ
トリウム溶液を用い、55℃、流速0.3ml/mi
n、検出はEX348nm、Em450nmの分析条件
で行った。大豆タンパク質分解物のアミノ酸組成を表1
に示す。
【0042】
【表1】 表1 アミノ酸 組成g(組成比率%) DP IV除去酵素液 DP IV存在酵素液 DP IV添加酵素液 Asp 0.2(1.2%) 2.3(3.9%) 3.1(4.9%) Thr 1.1(6.6%) 4.4(7.5%) 5.8(9.2%) Ser 0.5(3.0%) 2.6(4.5%) 4.4(7.0%) Glu 0.2(1.2%) 6.8(11.6%)7.8(12.4%) Pro 0.1(<1%) 2.9(5.0%) 2.8(4.5%) Gly 0.2(1.2%) 1.4(2.4%) 2.0(3.2%) Ala 0.8(4.8%) 3.3(5.6%) 2.9(4.6%) Val 1.0(6.0%) 3.6(6.1%) 2.8(4.5%) Met 0.4(2.4%) 1.4(2.4%) 1.3(2.1%) Ile 1.4(8.4%) 4.0(6.8%) 2.8(4.5%) Leu 2.6(15.6%)6.4(10.9%)4.3(6.8%) Tyr 0.8(4.8%) 2.6(4.5%) 3.3(5.2%) Phe 2.2(13.2%)4.0(6.8%) 3.8(6.0%) His 1.6(9.6%) 2.8(4.8%) 2.6(4.1%) Lys 1.3(7.8%) 4.3(7.3%) 6.5(10.3%) Arg 2.3(13.8%)5.8(9.9%) 6.7(10.7%) 合計 16.7(100%) 58.6(100%)62.9(100%) (30℃、60時間での加水分解)
【0043】呈味性を有するアミノ酸についてみれば、
DP IV存在酵素液ではグルタミン酸が6.8mg、ア
スパラギン酸が2.3mgと、DP IV除去酵素液のそ
れぞれ約30倍及び10倍に生成量が上昇し、プロリン
も2.9mgと多くなっていた。さらに、DP IV添加
酵素液ではグルタミン酸が7.8mg、アスパラギン酸
が3.1mgと、DP IV存在酵素液よりそれぞれ約1
mg及び0.8mg生成量が多くなっていた。
【0044】また、ロイシンやフェニルアラニンなどの
疎水性アミノ酸及びヒスチジンやアルギニンなどの塩基
性アミノ酸についてみれば、それらの組成比率(%)
が、DP IV存在酵素液ではDP IV除去酵素液に比べ
て5〜7割程度減少しており、DP IV添加酵素液では
さらに減少していた。
【0045】このように、DP IVは醤油の呈味(旨
味)に重要な役割を果たすグルタミン酸やアスパラギン
酸などの生成を特異的に促進し、醤油の呈味を改善する
旨味成分増強剤として醤油醸造に使用できることがわか
った。
【0046】
【発明の効果】本発明の醤油の醸造方法によれば、醤油
の旨味成分であるグルタミン酸やアスパラギン酸のよう
なアミノ酸の含量を特異的に増大させることができる。
そして、DP IVを醤油の旨味成分増強剤として用いる
ことができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大豆タンパク質を原料とするアミノ酸系
    調味料の製造方法において、X−プロリルジペプチジル
    アミノペプチダーゼを添加することを特徴とする調味料
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 大豆タンパク質を原料とするアミノ酸系
    調味料が醤油である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 変性処理を施した醤油醸造用タンパク質
    原料と炭水化物原料とを混合する工程、この混合物に種
    麹を加える製麹工程、及び得られた醤油麹に食塩水を添
    加して諸味を作り、これを発酵及び熟成させる仕込み工
    程からなる醤油の製造方法において、X−プロリルジペ
    プチジルアミノペプチダーゼを添加することを特徴とす
    る上記製造方法。
  4. 【請求項4】 X−プロリルジペプチジルアミノペプチ
    ダーゼが麹菌由来である請求項1〜3のいずれかに記載
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 X−プロリルジペプチジルアミノペプチ
    ダーゼを有効成分とする醤油の旨味成分増強剤。
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