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JPH11514854A - 転写活性化のインヒビターについてのスクリーニングのための方法および構築物 - Google Patents

転写活性化のインヒビターについてのスクリーニングのための方法および構築物

Info

Publication number
JPH11514854A
JPH11514854A JP9-511984A JP51198497A JPH11514854A JP H11514854 A JPH11514854 A JP H11514854A JP 51198497 A JP51198497 A JP 51198497A JP H11514854 A JPH11514854 A JP H11514854A
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JP
Japan
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promoter
construct
collision
gene
cell
Prior art date
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Pending
Application number
JP9-511984A
Other languages
English (en)
Inventor
ギース,クラウス
エスコベド,ジェイム
Original Assignee
カイロン コーポレイション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by カイロン コーポレイション filed Critical カイロン コーポレイション
Publication of JPH11514854A publication Critical patent/JPH11514854A/ja
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Abstract

(57)【要約】 レポーター遺伝子が第1のプロモーターの調節制御下にあるように、第2のプロモーターを含む第2の調節配列にもまた連結されるレポーター遺伝子に連結される第1のプロモーターを含む第1の調節配列を含む衝突構築物が提供される。第1のプロモーター下の転写の方向は第2のプロモーター下の転写の方向とは反対であり、そして第2のプロモーターの活性化はレポーター遺伝子活性を干渉する。衝突構築物は第2の調節配列および第2のプロモーターのインヒビターをスクリーニングするために使用され、それにより機能的なインヒビターがレポーター遺伝子の増強されたシグナルを引き起こす。衝突構築物を含むベクター、宿主細胞、およびキット、ならびに衝突構築物、ベクターおよび宿主細胞を生産するための方法、ならびに候補インヒビターを標的プロモーター活性を阻害するその能力についてスクリーニングするための方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 転写活性化のインヒビターについてのスクリーニングのための方法および構築物 発明の分野 本発明は、衝突構築物(collision construct)の使用による、プロモーター のインヒビターまたは転写活性化のインヒビターをスクリーニングおよび同定す るための方法に関する。衝突構築物は、適切なインヒビターの存在下における、 レポーター遺伝子シグナルの増加された発現を提供する。従って、本発明は、衝 突構築物、衝突構築物を作製および生産するための方法、ならびに衝突構築物を 含むベクター、宿主細胞およびキットに関する。 発明の背景 遺伝子機能のインヒビターの過去の研究は、Hsuら、Science 254:1799-1802(1 991)およびHsuら、Proc.Nat'l Acad.Sci.USA 90:6395-6399(1993)に記載のよ うに、遺伝子の転写の阻害の研究を含む。構造遺伝子は、転写を活性化もしくは 抑制するまたはmRNA転写物の伸長を促進する特定のタンパク質(本明細書におい て結合タンパク質という)に結合し得る、本明細書において応答エレメントとい う1つ以上の配列を含む転写調節領域を有する。これらの結合タンパク質は、Fa isstおよびMeyer(1992),Nucleic AcidsRes.20:3-26;THE ENCYCLOPEDIA OF MO LECULAR BIOLOGY,K.Kendrew(編)(Blackwell Science,Oxford 1994)に記載 のような転写因子;ならびにGhosh(1993),Nucleic Acids Res.21:3117-3118に 記載のような専門データベースにおいて同定された転写因子のような転写因子を 含む。 代表的には、アクチベーターのような転写因子は、特異的なDNA配列(応答エ レメント)を認識し、そしてそれを結合するドメインを含む。転写アクチベータ ーはまた、他の転写因子と相互作用して、転写を開始させるか、またはRNA転写 物を伸長させる別のドメインを含み得る。従って、アクチベーターのDNA結合ド メインもしくは応答エレメントのいずれかに競合的に結合することによりアクチ ベーターの応答エレメントへの結合を阻害する分子、またはアクチベーターの転 写因子相互作用ドメインをブロックする分子は、転写活性化を阻害することが予 想される。 リプレッサー(これはまた、大部分がタンパク質である)は、転写を活性化す る代わりに、リプレッサーが応答エレメント(例えば、オペレーター)に結合し 、そして転写をブロックする以外は、同様に機能する。リプレッサーに競合的に 結合し得る分子は、リプレッサーを応答エレメントから除去することによって転 写を活性化する。従って、リプレッサーに競合的に結合する分子に対するインヒ ビターはまた、転写活性化を阻害することが予想される。 転写を阻害するように機能し、そして上記の遺伝子転写の古典的な抑制または 活性化とは異なる方法により作動する分子作用の他の様式が存在する。このよう な方法は、例えば、転写因子のmRNAに対して指向される触媒性事象を含む。標的 プロモーターの転写または転写因子の転写を阻害するためにこれらの方法を用い ること、およびそのようなインヒビターについてスクリーニングするための方法 を案出することが所望される。 従来、研究者が生物学的機能のインヒビターを探す場合、研究者はその機能の 阻害を反映する生物学的機能の減少またはレポーターシグナルの減少を探す。非 常にしばしば、シグナルの減少は、解釈することが困難である。なぜなら、減少 は、試験される想定上のインヒビターの存在以外の要因の結果であり得るからで ある。例えば、シグナルの減少は、培地中の有毒化学物質、不適切なインキュベ ーション温度、不適切なインキュベーション時間、試験において使用される細胞 の良くない状態などを含む外因性の問題の存在により引き起こされ得る。この問 題を解決するためには、多数の時間のかかる実験が、多数のコントロールととも に行われなければならない。 それゆえ、インヒビターの存在が、レポーター遺伝子シグナルの減少の代わり に増加によって反映され得れば望ましい。 発明の要旨 それゆえ、本発明の目的は、インヒビターの存在下において、レポーターシグ ナルの増加を生成し得る、インヒビターについてのスクリーニング試験を提供す ることである。 本発明の目的はまた、そのようなスクリーニング試験において使用され得る材 料を提供することである。 これによれば、本明細書において、第1のプロモーターを含む第1の調節配列 、第1のプロモーターの転写制御下にあるレポーター遺伝子(ここで、レポータ ー遺伝子は、その転写および翻訳に際して検出可能なシグナルを提供し得る)、 ならびに第2のプロモーターを含む第2の調節配列(ここで、第1のプロモータ ー下の転写の方向は第2のプロモーター下の転写の方向とは反対であり、第2の プロモーター下の転写の調節はレポーター遺伝子シグナルを変化させ、そして第 1のプロモーターは第2のプロモーターとは異なる)を含む核酸分子を含む、衝 突構築物と呼ばれる構築物が提供される。 本発明のさらなる目的によれば、本明細書において、上記のような衝突構築物 が提供される。ここで、第2のプロモーターまたは第2の調節配列は、第1の結 合タンパク質に結合して第1の結合対を形成し得る、第1の応答エレメントを含 み、そして第1の結合対の形成が第2のプロモーターの活性を調節する。 本発明の別の目的によれば、本明細書において、上記の衝突構築物が提供され る。ここで、レポーター遺伝子の終止コドンの最後のヌクレオチドが、第2のプ ロモーターの3'末端から、約2050ヌクレオチド未満周辺の距離で分離されている 。 本発明のさらに別の目的によれば、本明細書において、上記の衝突構築物が提 供される。ここで第1のプロモーターおよび第2のプロモーターの一方または両 方が、以下からなる群より選択される遺伝子のプロモーターまたはプロモーター /エンハンサー領域に由来する:ウイルス遺伝子、バクテリオファージ遺伝子、 原核生物遺伝子、および真核生物遺伝子。真核生物遺伝子は、酵母またはその他 の菌類遺伝子、鳥類遺伝子、昆虫遺伝子あるいは哺乳動物遺伝子であり得る。あ るいは、プロモーターまたはプロモーター/エンハンサーは、合成で作製され得 るか、あるいは部分的に由来しそして部分的に合成され得る。 本発明のなお別の目的によれば、本明細書において、上記の衝突構築物が提供 される。ここで、第1の応答エレメントおよび第2の応答エレメント(後者は、 必要に応じて第1の調節領域中に存在する)の一方または両方が、以下からなる 群より選択される遺伝子の調節配列に由来する:ウイルス遺伝子、バクテリオフ ァージ遺伝子、原核生物遺伝子、および真核生物遺伝子。真核生物遺伝子は、例 えば、酵母またはその他の菌類遺伝子、昆虫遺伝子、鳥類遺伝子、あるいは哺乳 動物遺伝子であり得る。 本発明のさらなる目的によれば、本明細書において、標的プロモーター下の転 写を阻害するその能力について候補インヒビターをスクリーニングまたは同定す るための、上記の衝突構築物の使用方法が提供される。この方法は、衝突構築物 を含む細胞を提供する工程(ここで、構築物中の第2のプロモーターが標的プロ モーターであり、そして細胞は衝突構築物を発現して、レポーター遺伝子シグナ ルを生産し得る)、候補インヒビターの非存在下および存在下のそれぞれにおい てレポーター遺伝子シグナルを測定する工程、ならびに得られるレポーター遺伝 子シグナルを比較する工程を包含する。適切なインヒビターは、インヒビターの 存在下において増加したレポーターシグナルを生成し得るインヒビターである。 本発明の別の目的によれば、本明細書において、上記の方法が提供される。こ こで、衝突構築物中の第2のプロモーターまたは第2の調節領域は、結合タンパ ク質に結合し得る応答エレメントを含む。結合タンパク質は、細胞中での衝突構 築物および結合タンパク質に対するコード配列を含むベタターの同時発現により 提供され得る。あるいは、結合タンパク質は、それを構成的に生産する細胞によ り提供され得、次いで、衝突構築物が細胞に導入され得る。また、結合タンパク 質は、衝突構築物を含む細胞に直接添加され得る。 本発明の別の目的によれば、本明細書において、第1のプロモーターを含む第 1の調節配列、転写および翻訳に際して検出可能なシグナルを提供し得るレポー ター遺伝子、第2のプロモーターを含む第2の調節配列(ここで、レポーター遺 伝子は第1のプロモーターの調節制御下に配置され、第1のプロモーター下の転 写の方向は第2のプロモーター下の転写の方向とは反対であり、そして第1のプ ロモーターは第2のプロモーターとは異なる)を提供し、そして一緒に連結する ことによる、衝突構築物の作製方法が提供される。 本発明のさらなる目的によれば、本明細書において、衝突構築物を含む宿主細 胞(例えば、原核生物宿主細胞または真核生物宿主細胞(例えば、細菌細胞また は酵母細胞))を培養することによる、衝突構築物の生産方法が提供される。 本発明のなお別の目的によれば、本明細書において、上記の衝突構築物、また は衝突構築物を含むベクターもしくは宿主細胞を、上記の方法に従ったその使用 のための説明書とともに含むキットが提供される。 本発明のさらなる目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明から明らかと なる。しかし、詳細な説明は、本発明の好ましい実施態様を示すが、例示として のみ与えられることが理解されるべきである。なぜなら、本発明の精神および範 囲内の種々の変化および改変が、この詳細な説明から当業者に明らかとなるから である。 図面の簡単な説明 図1は、逆方向に進行するCMVプロモーターおよびHIV-1プロモーターを含有す る衝突構築物(HeLa細胞で形質転換される)、およびコントロールのためのHIV- 1プロモーターが存在しない別の構築物の概略図である。グラフは、数マイクロ グラムのTat発現ベクターにおける、約0〜2のTatレベルの範囲にわたるCMVプ ロモーター活性のTat依存的阻害を示す。記号(●)は、衝突構築物におけるア ルカリホスファターゼ遺伝子の発現を表す。記号(□)は、コントロール構築物 におけるアルカリホスファターゼ遺伝子の発現を表し、これはTatタンパク質に よるCMVプロモーター活性の非特異的な減少を示す。他の略号として、アルカリ ホスファターゼを表すAP;およびサイトメガロウイルスプロモーター/エンハ ンサーを表すCMVが含まれる。 図2は、#1152、#1161、#1225、#1162、および#1163と命名された5つの異な る衝突構築物の概略図、およびそれぞれ、各1μgのDNAの発現により生じ、そし てHeLa細胞において、0.5μgのTatタンパク質発現プラスミド(「+Tat」)また は0.5μgの不活性Tatタンパク質発現プラスミド(「-Tat」)の存在下で決定さ れた、アルカリホスファターゼ活性の100分率におけるレポーター遺伝子シグナ ルである。図2は、HIV-1 Tatタンパク質の存在下でのアルカリホスファターゼ 発現の特異的な減少が、LTR内の機能的なTAR配列に依存することを示す。衝突構 築物#1152を使用した場合、不活性Tatプラスミドの存在下で、レポーター遺伝子 シグナルは高かった。このシグナルは、活性なTatプラスミドの存在下で約60% 抑制された。TAR配列の一部が欠失している場合(構築物#1161)、またはプロモ ーターのさらなる部分が欠失している場合、Tatの存在下または非存在下で、レ ポーター遺伝子シグナルの有意な差はなかった。従って、衝突構築物におけるア ルカリホスファターゼ発現の抑制は、Tatタンパク質およびTAR配列に依存的であ る。 図3は、#1085、#1166、#1213、#1167、および#1168と命名された5つの異な るレポーター構築物の概略図、およびレポーター遺伝子シグナルである。レポー ター遺伝子シグナルは、それぞれ、HeLa細胞において0.5μgのTatタンパク質発 現プラスミド(「+Tat」)または0.5μgの不活性Tatタンパク質発現プラスミド (「-Tat」)の存在下で、各1μgの構築物の発現により生じたアルカリホスフ ァターゼ活性の百分率として示される。活性Tatタンパク質発現プラスミドの存 在下で、構築物#1085を用いて測定したアルカリホスファターゼ活性を100%とし た。図3は、Tatタンパク質によるHIV-1プロモーターの活性化はTAR配列の存在 を必要とすること、およびTARの一部分が欠失している場合、Tatの非存在下での レポーター遺伝子シグナルが、TAR配列の全部が存在した場合のシグナルと比較 して増加したことから、TARはおそらくはサイレンサー機能を有し得ることを示 す。TARステムループ構造を形成させないこの構築物(#1166)を含有する細胞に Tatを添加すると、レポーター遺伝子シグナルが約2.5倍増強された。TATAボック スおよびSp1結合部位を含むプロモーター領域のさらなる欠失により、Tatの非存 在下または存在下で、レポーター遺伝子シグナルが完全に喪失した。 図4は、約21、94、153、406、566および2047ヌクレオチドのスペーサー領域 を含有する異なる衝突構築物の概略図である。それらは、停止コドンTAA、また は21ヌクレオチドのスペーサーを有する構築物においてはTGAにより規定されるA Pのコード配列の3'末端と、HIV-1プロモーターにおけるヌクレオチド+59(+1ヌ クレオチドを転写開始とする)でのTAR配列の末端との間に位置する。この接合 の配列を図5に示す。 図5は、衝突構築物#1152におけるAP遺伝子の3'末端および変異型HIV-1プロモ ーターの5'末端のDNA配列の論点マップ(argumnt map)を示す。APコード領域の停 止コドンを示す。HIV-1プロモーターの263位での転写の開始を、+1で示す。268 位でのヌクレオチド置換(TからCへの置換)、271位でのヌクレオチド置換( CからAへの置換)、および344位での置換(AからCへの置換)を示す。さら に、301位でのTヌクレオチドの挿入もまた示す。 図6は、TARデコイ(TAR decoy)が、HIV-1転写の特異的なインヒビターとし て作用することを示す。図6aは、TARデコイの存在下でのHIV-1転写の阻害を示す 。図6aの上部は、HIV-APレポーター遺伝子構築物、およびトランス活性化応答配 列(TARデコイとも呼ばれる)の多量体化(8コピー)を発現するプラスミドの 概略図である。矢印は、転写および翻訳の方向を示す。黒塗りの四角は、TAR配 列を表す。図6aの下部は、HeLa細胞が、種々の組合せのHIV-AP(1μg)レポー タープラスミドおよびTAR発現プラスミド(0.5μg)により、0.5μgのTat発現ベ クターの存在下または非存在下でトランスフェクトされたことを示す図である。 AP活性を、以前に記載されるように決定し、そしてTatの非存在下でのHIV-APプ ラスミドにより得られたレベル(レーン1に示す)に対する活性化の倍率として 表す。図6bは、HIV-1プロモーター活性の阻害により、衝突構築物において増加 したレポーター遺伝子発現を示す。図6bの上部は、衝突構築物、およびTAR配列 の多量体化コピーを発現するプラスミドの概略図である。図6bの下部では、HeLa 細胞は、種々の組合せの衝突構築物(1μg)および漸増量のTAR発現プラスミド (レーン3〜5、それぞれ1μgおよび2μg)により、0.5μgのTat発現プラ スミドの非存在下または存在下でトランスフェクトされた。各実験での全DNA濃 度を、未成熟(premature)停止コドンを含有するTat発現ベクター、および無関連 の(レプチン)遺伝子を発現するpBJプラスミドを添加することにより一定に保 った。各カラムは、少なくとも3つの独立した実験の平均を表す。誤差バーは、 複数のトランスフェクションの標準誤差を表す。 好ましい実施態様の詳細な説明 本明細書中に記載される本発明は、先に出版された著作、および時には係属中 の特許出願に基づく。一例として、そのような著作は、科学的論文、要約、また は発行された特許、および公開された特許出願からなる。本明細書中に引用され るすべての公開された著作は、参考として援用される。 本発明者らは、本明細書中で、プロモーターまたは転写活性のインヒビターを スクリーニングするために使用され得る衝突構築物を作製し得ることを発見した 。この衝突構築物の使用により、所望のインヒビターの存在が、レポーター遺伝 子のシグナルの増強によって示される。 本発明をより良く理解するために、本明細書中で使用される用語を、以下に定 義する: 「核酸分子」または「核酸配列」は、DNA配列、RNA配列、またはヌクレオチド 配列を含むそれらの相補鎖のいずれかをいう。 「調節配列」は、遺伝子配列がそれを制御されるような位置におかれた場合、 遺伝子配列の発現(その転写または翻訳を含む)に影響し得るかまたはその発現 をなし得る1つ以上のエレメントをコードする核酸配列をいう。このような調節 配列は、例えば、最小プロモーター配列、完全プロモーター配列、エンハンサー 配列、上流活性化配列(「UAS」)。オペレーター配列、下流終結配列、ポリア デニル化配列、翻訳の開始を最適化する最適な5'リーダー配列、およびShine-Da lgarno配列であり得る。あるいは、調節配列は、組合せエンハンサー/プロモー ターエレメントを含み得る。本発明の構築物の発現に適切な調節配列は、構築物 が発現されるべき宿主系に依存して異なる。本明細書中での使用に適切な調節配 列の選択は、当業者の能力の範囲内である。例えば、原核生物では、このような 調節配列は、プロモーター配列、リボソーム結合部位、および転写終結配列の1 つ以上を含み得る。真核生物では、例えば、このような配列は、プロモーター配 列および/または転写終結配列の1つ以上を含み得る。発現に必要とされる調節 配列の必要な何らかの成分が、衝突構築物に欠失している場合、そのような成分 は、衝突構築物が形質転換または再導入のために宿主細胞に挿入され得るベクタ ーにより供給され得る。本明細書中での使用に適切な調節配列は、原核生物供給 源、真核生物供給源、ウイルス、ウイルスベクター、バクテリオファージ、また は線状もしくは環状のプラスミドを含む任意の供給源に由来し得る。調節配列の 一例は、ヒト免疫不全症候群ウイルス(「HIV-1」)プロモーターである。これ は、HIV-1の長末端反復(「LTR」)のU3およびR領域内に位置する。あるいは、 本明細書中での調節配列は、例えば、ある遺伝子のUASと別の遺伝子由来の必須 のプロモーターの残りとの組合せにより作製される、合成された配列(例えば、 GADP/ADH2ハイブリッドプロモーター)であり得る。 「最小(minimal)プロモーター」は、100%の活性でないように弱められてい る天然に存在するプロモーターである。例えば、Berkowitzら(1989)Mol.Cell. Biol.5:4272-4281に記載されるような、最小fosプロモーターのようなTATAボッ クスを除くすべてを欠失したプロモーター。 「レポーター遺伝子」は、転写または翻訳の際にそれだけで、または他の1つ 以上の試薬との反応のいずれかにより、検出可能なシグナルを提供し得るポリペ プチドをコードする核酸分子をいう。本明細書中の使用に適切なレポーター遺伝 子は、当該分野で慣用的であり、その選択は当業者の能力の範囲内である。この ようなレポーター遺伝子の例としては、以下が挙げられる:酵素クロラムフェニ コールアセチルトランスフェラーゼ(「CAT」)をコードする遺伝子、ルシフェ ラーゼをコードするホタル由来のluc遺伝子、β−ガラクトシダーゼをコードす るEscherichia coli由来の細菌lacZ遺伝子、アルカリホスファターゼ(「AP」) 、ヒト成長ホルモン(「hGF」)、細菌β−グルクロニダーゼ(「GUS」)および グリーン蛍光タンパク質(「GFP」)。これらは、Ausubelら、CURRENT PROTOCOL S IN MOLECULAR BIOLOGY(1994)(Greene Publishing Associates and John Wi ley & Sons,New York,N.Y.)に記載される。 「応答エレメント」は、通常、遺伝子の調節領域由来の核酸分子の領域をいう 。これは、結合タンパク質(例えば、転写の活性化のためまたはRNA転写物の伸 長を可能にするために、活性化分子、あるいは転写の阻害のために、リプレッサ ー分子)に特異的に結合し得る。いくつかの応答エレメントが、当該分野で公知 である。本明細書中での使用に適切な応答エレメントの選択は、当業者の能力の 範囲内である。 本明細書中での「結合タンパク質」は、転写の調節のための応答エレメントに 特異的に結合し得るタンパク質をいう。いくつかの結合タンパク質が公知である 。本明細書中での使用に適切な結合タンパク質の選択もまた、当業者の能力の範 囲 内である。転写調節領域の多数のDNA結合タンパタ質ならびに応答エレメントが 、Wingender(1988),Nucleic Acids Res.16:1879-1902;Molecular Cell Biolo gy,J.Darnell,H.LodishおよびD.Baltimore,(Scientfic American Books, New York 1990);およびDhawaleおよびLane(1993),Nucleic Acids Res.21:553 7-5546に記載される。一例は、ヒト免疫不全症候群ウイルス-1(「HIV-1」)、 ヒト免疫不全症候群ウイルス-2(「HIV-2」)、およびサル免疫不全症候群ウイ ルス(「SIV」)のようなウイルスで見出された、Tat/TARの組合せである。これ らのウイルスにおいて、トランス活性化因子である「Tat」は、本明細書中でい う結合タンパク質である。そしてトランス活性化応答エレメントである「TAR」 は、本明細書中でいう応答エレメントであり、JonesおよびPeterlin(1994),Ann .Rev.Biochem.63:717-743;およびAntoniら(1991),Adv.Virus Res.43:53- 145に記載される。TARおよびTat以外の応答エレメントおよび結合タンパク質の 例としては、Rev応答エレメント(「RRE」)、NF-κB結合部位、Sp1結合部位、 ならびにGal4およびLexA結合部位が挙げられる。結合タンパク質の例としては、 Tat.Rev、NF-κB、Sp1、Gal4、およびLexAが挙げられる。 用語「結合対」は、DNA/DNA対、DNA/RNA対、タンパク質/DNA対、タンパク 質/RNA対、およびタンパク質/タンパク質対を含む、一対の分子をいう。これ らにおいて、この対の成分は、無作為な分子に対するよりも高い親和性で特異的 に互いに結合し、その結果、結合に際して、この対は転写の活性化のような生物 学的応答を誘発するか、または結合タンパク質がリプレッサーである場合は、生 物学的応答(すなわち、転写)を抑制する。 2つの分子の間の相互作用に関する用語「特異的結合」は、非特異的結合より も、親和性の高い結合および低い解離定数を示す。従って、特異的結合はバック グラウンド結合から識別される。 転写の文脈における用語「調節する」は、正および負の両方の調節をいう。活 性化は、正の調節のよい例である。抑制は、負の調節のよい例である。 以下に記載の方法論は、当業者が本発明の実施を可能にするために十分な項目 を含むと考えられるが、例えば、Sambrookら(1989),MOLECULAR CLONING:A LAB ORATORY MANUAL、第2版(Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,Ne w York)に記載される標準的な組み換えDNA技術を用いて、そして連邦保健教育 厚生省、NATIONAL INSTITUTE OF HEALTH(NIH)GUIDELINE FOR RECOMBINANT DNA RESEARCHに記載の現行の規制のもとで、特に例示されない他の構築物(例えば 、プラスミド)が構築され、そして精製され得る。 従って、本発明の一つの実施態様において、衝突構築物は、レポーター遺伝子 が第1のプロモーターの転写調節制御下に置かれるように、第1のプロモーター を含む第1の調節配列に対してその5'末端で連結されている配列をコードするレ ポーター遺伝子を含む。レポーター遺伝子を、第2のプロモーターの転写活性が 第1のプロモーターの転写活性を妨げる第2のプロモーターを含む第2の調節配 列に対してその3'末端で連結する。これは、例えば、第2のプロモーター下での 転写が第1のプロモーター下での転写方向と逆方向に進行するように、第1の調 節配列および第2の調節配列を配置することによりなされ得る。 本明細書中の衝突構築物を用いて、例えば、転写活性のインヒビターのスクリ ーニングまたは同定を行い得る。この使用のために、上記の衝突構築物は、阻害 されるべきプロモーター(これ以降、「標的プロモーター」)を用いて、第2の プロモーターとして作製される。そのように作製される衝突構築物は、リンカー エレメントを用いてまたは用いずに、発現のためのベクターに挿入される。次い で、組換えベクターは、レポーター遺伝子を発現し得る適合性の宿主細胞に導入 される。以下により詳細に記載するように、これらの目的のために使用され得る 公知のベクターおよび宿主細胞が存在する。 本明細書中での使用に適切な調節配列は、所望の宿主細胞中での発現のための プロモーターとの使用に適合する任意の調節配列であり得る。例えば、衝突構築 物が哺乳動物の遺伝子プロモーターを含む場合、哺乳動物系に由来する調節配列 が所望される。調節配列は、本明細書中での使用のために選択されたプロモータ ーと自然に会合する配列であり得るか、または合成配列であり得るか、あるいは 一部合成もしくは一部誘導され得る。 本明細書中での使用に適切なプロモーターは、構成的に活性であるプロモータ ー、または誘導可能もしくは調節可能なプロモーターを含む、任意のプロモータ ーであり得る。プロモーターは、天然に由来するか、または合成的に作製され得 る。それらは、任意の遺伝子、ウイルス、原核生物、または真核生物に由来し得 る。真核生物遺伝子は、酵母または他の真菌、昆虫、哺乳動物、または鳥類の遺 伝子であり得る。好ましい実施態様では、標的プロモーターは、ウイルスまたは 腫瘍細胞に由来する。適切なプロモーターの例が、以下の発現系に関する部分に 記載される。 本発明の衝突構築物における第1のプロモーターとしての使用に適切なプロモ ーターは、第2のプロモーターの転写活性とほぼ同じ強さである転写活性を有す るプロモーターである。第1のプロモーターが第2のプロモーターよりかなり強 い場合、第2のプロモーターまたは標的プロモーターの存在によるレポーター遺 伝子シグナルの阻害は低くあり得る。そしてインヒビターの存在下での増強され たレポーター遺伝子シグナルは、検出困難であり得る。 従って、衝突構築物において第1のプロモーターとして使用される利用可能な プロモーターが強すぎる場合、最小プロモーターを生成するためにその一部を欠 失させることによりこのプロモーターを弱めることが所望され得る。これは、例 えば、制限酵素消化を含む、多数の方法によりなされ得る。弱められたプロモー ターの例としては、TATAボックスを除くすべてを欠失したプロモーターである。 プロモーターは、逆方向に転写を行う第2のプロモーターが存在するしないに関 わらず、レポーター遺伝子の発現をほぼ同じレベルで行う場合、本明細書中では 強すぎると考えられる。 阻害すべき標的プロモーターが構成的に活性である場合、衝突構築物を含有す る形質転換宿主細胞により発現されるレポーター遺伝子シグナルは、インヒビタ ーの全くの非存在下で最初に確立され得る。次いで、候補インヒビターがその細 胞に導入または添加され、そしてレポーター遺伝子の発現がモニターされ得る。 あるいは、衝突構築物を含有する形質転換細胞をマイクロタイターウェルのパネ ルに置き、そして候補インヒビターのパネルを細胞に添加し得、一つのインヒビ ターを各ウェルに添加し得る。適切なインヒビターは、その非存在下で生じるシ グナルと比較して、その存在下で増強されたレポーターシグナルを生じるインヒ ビターである。 使用されるべき標的プロモーターは、標的プロモーターの近傍で結合タンパク 質が応答エレメントに結合することにより調節(例えば、活性化)されるプロモ ーターを含む。応答エレメントは、標的プロモーター中に天然に存在し得るか、 または標的プロモーターに人工的に連結され得る。従って、本発明の衝突構築物 を用いて、結合タンパク質と応答エレメントとの間の結合を阻害することにより 、標的プロモーターの活性化を阻害し得るインヒビターを同定し得る。これは、 結合タンパク質または応答エレメントのいずれかに競合的に結合するインヒビタ ーを同定することにより達成され得る。第2のプロモーターの活性が阻害される 場合、レポーター遺伝子の活性は、結合タンパク質によって活性化されない場合 と同程度のレベルに戻る。 結合タンパク質は、細胞を含む培地にそれを添加し、そして培養ディッシュか ら細胞を静かに剥がすことにより細胞に導入され得る。あるいは、結合タンパク 質は、結合タンパク質のコード配列およびその発現を可能にする調節配列を含有 するベクターの形態で提供され得る。ベクターは、衝突構築物の細胞への導入の とき、その前、またはその後のいずれかで、宿主細胞に導入され得る。本発明の 別の実施態様では、衝突構築物、または結合タンパク質のコード配列を含有する 安定な細胞株が最初に確立され、そして他の配列がその後に導入される。さらに あるいは、衝突構築物および結合タンパク質の両方を含有する安定な細胞株が、 作製され得、そしてその後、インヒビターのスクリーニングのために使用され得 る。 衝突構築物、または衝突構築物を含有するベクターは、エレクトロポレーショ ン、リン酸カルシウム処理、およびリポフェクタミントランスフェクションを含 む、慣用的な技術により宿主細胞に導入され得る。標的プロモーターは、例えば 、合成的に作製され得るかまたは天然の供給源(例えば、ウイルス遺伝子、腫瘍 細胞遺伝子、または真菌遺伝子)に由来し得る公知のヌクレオチド配列を有する 、公知のプロモーターであり得る。典型的には、このようなプロモーターは、天 然の供給源から切り出され、そして制限酵素および/またはリンカーの使用によ り衝突構築物に挿入され得る。 あるいは、プロモーターの配列は正確には知られていないかもしれないが、プ ロモーターの一般的な位置は知られている。例えば、プロモーターは、特定の制 限フラグメント内に存在することが公知であり得る。この場合、制限フラグメン トは、本発明の衝突構築物の第2の調節配列として使用され得る。 本発明の別の実施態様では、この状態を担う遺伝子(単数または複数)が同定 されていないとしても、まだ同定されていない特定の遺伝子(例えば、ガン性細 胞の産生を担う遺伝子)の転写を止めることが所望され得る。この目的のために 、mRNAが腫瘍細胞から単離され、そしてサブトラクティブハイブリダイゼーショ ンとして公知の一般的な手順により、正常細胞から得られたmRNAと比較され得る 。サブトラクティブハイブリダイゼーションにより、どのmRNAが腫瘍細胞には存 在するが、正常細胞に存在しないかが決定され得る。cDNA分子が、このようにし て得られたmRNAに基づいて構築され得る。そしてプロモーター活性を含有するゲ ノムDNAのフラグメントが単離され得、そして本発明の衝突構築物の標的プロモ ーターとして使用され得る。 本明細書中での衝突構築物は、その発現および使用のための宿主細胞への導入 のために適切なベクターに挿入される。当業者は、そのような目的のために、そ のようなベクターおよび宿主細胞を選択し得る。さらに、適切なベクターおよび 宿主細胞の例が、以下に非常に詳細に記載される。 本明細書中での使用に適切なレポーター遺伝子は、以前に記載されたように、 所望の宿主発現系において発現され得る任意のレポーター遺伝子であり得る。例 えば、レポーター遺伝子は、その中でも、β−ガラクトシダーゼであり得る。 同様に、本明細書中での使用に適切な応答エレメントは、それに対する阻害が 所望される任意の応答エレメントであり得る。そのような応答エレメントの例は 、上記の通りである。本明細書中での応答エレメントは、慣用的な技術(例えば 、制限酵素による既知配列の切り出し物の合成)によって、プロモーター配列の 一部になり得、そしてリンカーを用いてまたは用いずに、プロモーター配列に連 結され得る。 本明細書で使用するための結合タンパク質は、上記の任意の結合タンパク質で あり得る。このような結合タンパク質は、インヒビターのスクリーニングでの使 用のための衝突構築物を含有する細胞に添加され得る。そうする際に、細胞は、 培養ディッシュまたはウェルからこすり取られ、そして添加した結合タンパク質 と混合され得る。 あるいは、結合タンパク質は、結合タンパク質のコード配列を含有しそしてこ のコード配列の発現を可能にするベクターの形態で、細胞中に導入され得る。こ の様式で、結合タンパク質を含む安定な細胞株がインヒビターをスクリーニング するために作製され、そして使用され得る。本発明の別の実施態様において、構 成的に結合タンパク質を産生する細胞が使用され得る。 本発明のさらなる実施態様において、衝突構築物を含有する安定な細胞株が作 製され得る。これは、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム処理、および リポフェクタミンまたは形質転換のような従来の技術によって衝突構築物を宿主 細胞に導入し、そして衝突構築物を安定に発現する細胞または細胞株を選択する ことによって、行われ得る。 標的プロモーターまたは転写活性に対するその阻害活性について試験されるべ き候補インヒビターが、衝突構築物(この構築物において、標的プロモーターは 構築物の第2のプロモーターであり、そして最適には、細胞に結合タンパク質も 提供することが所望される)を保有する細胞に添加され得る。候補インヒビター の存在下および非存在下でそれぞれレポーター遺伝子シグナルの発現が観察され そして比較される。 単一の候補インヒビターを試験することに加えて、衝突構築物を含有しそして 必要に応じて結合タンパク質のコード配列を含むベクターを含有する安定に形質 転換された細胞株が、マイクロタイターウェルに置かれ得、そしてインヒビター のパネルがそこに添加される。候補インヒビターの存在下および非存在下でそれ ぞれレポーター遺伝子シグナルがまた観察されそして比較される。 本発明のさらなる実施態様において、インヒビター(例えば、プロモーターお よび転写アクチベーターに対するインヒビターのような)をスクリーニングする ための方法が提供される。インヒビターのスクリーニングのために使用され得そ して衝突構築物において使用され得るプロモーターは、任意の所望のプロモータ ー(例えば、ウイルスおよびガン細胞、細菌および真菌由来のプロモーターを含 む)であり得る。阻害され得る転写アクチベーターは、任意の所望の転写アクチ ベーター(例えば、Tat、Rev、NFκB、およびSp1を含む)であり得る。本明細書中 で阻害され得るプロモーターの領域は、転写因子に結合する任意の領域(例えば 、TAR、RRE(Rev応答エレメント)、NFκB結合部位、およびSp1結合部位)であり得 る。 本発明の実施態様は、転写のインヒビターとして作用するリボザイムについて 、リボザイムのランダムなライブラリーを細胞においてインビボでスクリーニン グするために調整され得る。リボザイムは、プロモーターと相互作用する転写因 子のRNA分子を標的化することによって、またはレポーター遺伝子のmRNAを標的 化することによって、転写を触媒的に妨害することにより作用し得る。しかし、 リボザイムライブラリーをスクリーニングするための本発明の使用は、リボザイ ム機能のいかなる理論にも制限されない。プロモーター−転写因子相互作用(DNA -タンパク質相互作用)を干渉することによってプロモーターを阻害する転写のイ ンヒビターとは異なり、リボザイムは触媒的にRNA分子をを無力にする。本発明 の文脈では、衝突構築物中の第2のプロモーターを阻害するリボザイムが、レポ ーター遺伝子シグナルの増強によってランダムな合成的に誘導されたリボザイム のライブラリーから、リボザイムが第2のプロモーターまたはこのプロモーター と相互作用する転写因子のmRNAを無力にするように作用していることを示して、 選択され得る。 本発明の1つの実施態様において、衝突構築物のサブユニット(第1の調節配 列、レポーター遺伝子、必要に応じて応答エレメント(単数または複数)、および 第2の調節配列を含む)はすべて、公知の供給源からこれらのエレメントを取り 出すための制限酵素消化の従来の技術を使用して、このような供給源から得られ 得る。あるいは、これらのサブユニットは化学合成により合成的に作製されるか 、あるいは公知の供給源からその一部を単離し、そしてそれらを合わせるか、ま たはそれらを合わせそしていかなる損失している部分も合成的に作製することに よるかのいずれかによって、半合成的に作製され得る。一旦得られるかまたは作 製されると、これらのサブユニットは、例えば、5'から3'の1方向で進む転写 の方向で、レポーター遺伝子を第1の調節配列の調節制御下に置き、そして5' から3'の方向に進むが、第1の調節配列とは逆方向である第2の調節配列によ る転写の方向で、第2の調節制御配列を応答エレメントの調節制御下に置くよう に、例えば公知のリンカー配列を使用して、共に連結され得る。応答エレメント およ び第2の調節配列の配置は、第2の調節配列の転写の活性化が、おそらくは2つ の転写ユニットの間の衝突の結果として、その転写および翻訳の際にレポーター 遺伝子シグナルを低減させるようにされる。第2の調節配列が、レポーター遺伝 子の翻訳をブロックするアンチセンスメッセージを生じる機構は、妨げられ得な い。 レポーター遺伝子と応答エレメントとの間の間隔は、レポーター遺伝子活性の 所望のレベルの阻害を得るために変化され得る。本発明の1つの実施態様におい て、レポーター遺伝子の3'末端と第2の調節配列のプロモーターの+1ヌクレ オチドとの間の間隔は、2200ヌクレオチド未満である。好ましくは、この間隔は 1000ヌクレオチド未満であり;より好ましくは、800ヌクレオチド未満である。 最も好ましくは、間隔は、約600ヌクレオチドと約20ヌクレオチドとの間である 。特に、約21、94、153、406、および556塩基対の間隔が好ましい。別の実施態 様において、衝突構築物の標的または第2のプロモーターは、第1のプロモータ ーの3'末端から1500塩基対までの距離で最適に配置され得る。従って、この最 適の距離より短いかまたはそれと同じである配列を含むレポーター遺伝子が選択 される。 第1の応答エレメントはまた、リンカー配列または組み合わされた第1の応答 エレメントを使用して、第2の調節配列に連結され得、そして、第2の調節配列 は、再び制限酵素消化によって公知の供給源から取り出され得る。 応答エレメントは、本発明の第2の調節領域を含むほとんどのプロモーターの 性質に従って、通常、第2の調節配列の5'末端で配置される。しかし、例えば 、第2の調節領域が、3'末端で応答エレメントを配置するに適切なプロモータ ーを含む場合、応答エレメントは3'末端で最も適切に配置される。好ましくは 、この応答エレメントは、使用されているプロモーターに並列してその天然の位 置に配置される。例えば、HIV-1 LTRプロモータが使用される場合、応答エレメ ントであるTARは、プロモーターの+1ヌクレオチドに対して3'に配置される。 他の霊長類免疫不全ウイルスにおいて、および関連する非霊長類レンチウイルス のサブセットにおいて、応答エレメントはまた、第2の調節領域の3'末端で最 も適切に配置される。例えば、Cullen,Cell(1993)73:417-420の、このような ウイルスのプロモーターの特性の議論を参照のこと。本明細書中の応答エレメン トはまた、より劇的な効果を生じさせるために多量体化され得る。多量体化され ている応答エレメントの例は、テトラサイクリン誘導に対して応答性のオペレー ターである[tet-op]7である。 一旦作製されると、衝突構築物は、その発現のために、以下に記載するような 適切な宿主細胞中(細菌のような原核生物系、あるいは酵母、昆虫細胞系、また は哺乳動物系のような真核生物系を含む)に導入され得る。結合タンパク質はま た、以下に記載する発現系において発現され得る。細菌細胞における発現 細菌における使用のための制御エレメントには、プロモーター(必要に応じて 、オペレーター配列を含む)、およびリボソーム結合部位が含まれる。有用なプ ロモーターには、糖代謝酵素(例えば、ガラクトース、ラクトース(lac)、および マルトース)由来の配列が含まれる。さらなる例として、生合成酵素(例えば、ト リプトファン(trp)、βラクタマーゼ(bla)プロモーター系、バクテリオファージ λPL、およびT7)由来のプロモーター配列が挙げられる。さらに、tacプロモータ ーのような合成プロモーターが使用され得る。βラクタマーゼおよびラクトース プロモーター系は、Changら、Nature(1978)275:615、およびGoeddelら、Natur e(1979)281:544に記載され;アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プ ロモーター系は、Goeddelら、Nucleic Acids Res.(1980)8:4057およびEP 36,77 6に記載され、そしてtacプロモーターのようなハイブリッドプロモーターは、米 国特許第4,551,433号、およびde Boerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1983) 80:21-25に記載される。しかし、真核生物タンパク質の発現に有用な他の公知の 細菌プロモーターもまた、適切である。当業者は、このようなプロモーターを、 例えば、Siebenlistら、Cell(1980)20:269に記載されるように、任意の必要な制 限部位を供給するためのリンカーまたはアダプターを使用して、目的のコード配 列に作動可能に連結し得る。細菌系で使用するためのプロモーターはまた、一般 に、標的ポリペプチドをコードするDNAに作動可能に連結されているシャインダ ルガーノ(SD)配列を含む。天然の標的ポリペプチドシグナル配列を認識せず そしてプロセシングしない原核生物宿主細胞については、シグナル配列は、例え ば、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、lpp、または熱安定性エンテロ トキシンIIリーダーの群から選択される原核生物シグナル配列によって置換され 得る。プラスミドpBR322由来の複製起点は、ほとんどのグラム陰性細菌に適切で ある。 前述の系は、特にEscherichia coliに適合する。しかし、細菌宿主での使用の ための多数の他の系には、とりわけ、Bacillus spp.、Streptococcus spp.、Str eptomyces spp.、P.aeruginosaのようなPseudomonas種、Salmonella typhimuri um、またはSerratia marcescansのようなグラム陰性またはグラム陽性生物が含 まれる。外来DNAをこれらの宿主に導入するための方法には、代表的には、CaCl2 、または2価カチオンおよびDMSOのような他の薬剤の使用が挙げられる。DNAは また、Sambrookら、(1989),MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL,第2版 (Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,N.Y.)に一般的に記載され る、エレクトロポレーション、核注入、またはプロトプラスト融合によって細菌 細胞中に導入され得る。これらの例は、例示であって、限定しない。好ましくは 、宿主細胞は、最少量のタンパク質分解酵素を分泌する。あるいは、クローニン グのインビトロ方法(例えば、PCRまたは他の核酸ポリメラーゼ反応)が適切であ る。 本発明で使用される原核生物細胞は、Sambrookら、(1989),MOLECULAR CLONIN G: A LABORATORY MANUAL,第2版(Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Har bor,N.Y.)に一般的に記載されるように、適切な培地中で培養される。酵母細胞における発現 発現ベクターおよび形質転換ベクター(染色体外レプリコンまたは組み込みベ クターのいずれか)が、多くの酵母中への形質転換のために開発されている。例 えば、発現ベクターは、とりわけ、以下の酵母について開発されている:Hinnen ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1978)75:1929; Itoら、J.Bacteriol.(198 3)153:163に記載されるSaccharomyces cerevisiae; Kurtzら、Mol.Cell.Biol. (1986)6:142に記載されるCandida albicans;Kunzeら、J.Basic Microbiol.( 1985)25:141に記載されるCandida maltosa;Gleesonら、J.Gen.Microbiol. (1986)132:3459およびRoggenkampら、Mol.Gen.Genet.(1986)202:302に記載 されるHansenula polymorpha;Dasら、J.Bacteriol,(1984)158:1165に記載 されるKluyveromyces fragilis;De Louvencourtら、J.Bacteriol.(1983)15 4:737およびVan den Bergら、Bio/Technology(1990)8:135に記載されるKluyvero myces lactis; Kunzeら、J.Basic Microbiol.(1985)25:141に記載されるPic hia guillerimondii;Creggら、Mol.Cell.Biol.(1985)5:3376および米国特 許第4,837,148号および同第4,929,555号に記載されるPichia pastoris;Beachお よびNurse,Nature(1981)300:706に記載されるSchizosaccharomyces pombe; ならびにDavidowら、Curr.Genet.(1985)10:380およびGaillardinら、Curr.G enet.(1985)10:49に記載されるYarrowia lipolytica、Ballanceら、Biochem.Bi ophys.Res.Commun.(1983)112:284-289;Tilburnら、Gene(1983)26:205-22 1およびYeltonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1984)81:1470-1474に記載さ れるA.nidulans、およびKellyおよびHynes,EMBO J.(1985)4:475479に記載さ れるA.nigerのようなAspergillus宿主;EP 0 244 234に記載されるTrichoderma reesia、ならびにWO 91/00357に記載される、例えば、Neurospora,Penicilliu m, Tolypocladiumのような糸状菌。 酵母ベクターのための制御配列は、公知であり、そしてEP 0 284 044に記載さ れるアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)、EP 0 329 203に記載されるエノラーゼ 、グルコキナーゼ、グルコース-6-ホスフェートイソメラーゼ、グリセルアルデ ヒド-3-ホスフェート-デヒドロゲナーゼ(GAPまたはGAPDH)、ヘキソキナーゼ、ホ スホフルクトキナーゼ、3-ホスホグリセレートムターゼ、およびピルベートキナ ーゼ(PyK)のような遺伝子由来のプロモーター領域を含む。酵母PH05遺伝子(酸性 ホスファターゼをコードする)はまた、Myanoharaら、Proc.Natl.Acad.Sci.U SA(1983)80:1に記載されるように、有用なプロモーター配列を提供する。酵母 宿主での使用に適切な他のプロモーター配列としては、Hitzemanら、J.Biol.C hem.(1980)255:2073に記載される3-ホスホグリセレートキナーゼ、またはHess ら、J.Adv.Enzyme Reg.(1968)7:149およびHollandら、Biochemistry(1978)1 7:4900に記載される、他の解糖酵素(例えば、ピルベートデカルボキシラーゼ、 トリオースホスフェートイソメラーゼ、およびホスホグルコースイソメラーゼ) のプロモーターが挙げられる。増殖条件によって制御される転写のさらなる利点 を有する誘導性酵母プロモーターとしては、上記のリストおよび他(アルコール デヒドロゲナーゼ2、イソチトクロームC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝に関 連する分解酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒ ドロゲナーゼ、ならびにマルトースおよびガラクトース利用を担う酵素のプロモ ーター領域を含む)に由来するプロモーターが挙げられる。酵母発現での使用に 適切なベクターおよびプロモーターは、Hitzeman、EP 0 073 657にさらに記載さ れる。酵母エンハンサーはまた、酵母プロモーターとともに有利に使用される。 さらに、天然には存在しない合成プロモーターもまた、酵母プロモーターとして 機能する。例えば、1つの酵母プロモーターの上流活性化配列(UAS)は、別の酵 母プロモーターの転写活性化領域と連結され得、合成ハイブリッドプロモーター を作製し得る。このようなハイブリッドプロモーターの例として、米国特許第4, 876,197号および同第4,880,734号に記載される、GAP転写活性化領域に連結され たADH調節配列が挙げられる。ハイブリッドプロモーターの他の例としては、EP0 164 556に記載される、GAPまたはPyKのような解糖酵素遺伝子の転写活性化領域 と合わせられた、ADH2、GAL4、GAL10、またはPH05遺伝子のいずれかの調節配列 からなるプロモーターが挙げられる。さらに、酵母プロモーターは、酵母RNAポ リメラーゼに結合しそして転写を開始する能力を有する非酵母起源の天然に存在 するプロモーターを含み得る。 酵母発現ベクターに含まれ得る他の制御エレメントは、例えば、Hollandら、J . Biol.Chem.(1981)256:1385に記載される、GADPH由来およびエノラーゼ遺伝 子由来のターミネーター、および分泌のためのシグナル配列をコードするリーダ ー配列である。適切なシグナル配列をコードするDNAは、EP 0 012 873およびJP6 2,096,086に記載される酵母インベルターゼ遺伝子、ならびに米国特許第4,588,6 84号、同第4,546,083号、および同第4,870,008号、ならびにEP 0 324 274、およ びWO 89/02463に記載されるα因子遺伝子のような分泌酵母タンパク質の遺伝子 に由来し得る。あるいは、インターフェロンリーダーのような非酵母起源のリー ダーはまた、EP 0 060 057に記載されるように、酵母での分泌を提供する。 外来DNAを酵母宿主に導入する方法は、当該分野で周知であり、そして代表的 には、スフェロプラストまたはアルカリカチオンで処理したインタクトな酵母細 胞の形質転換のいずれかを含む。酵母への形質転換は、Van Solingenら、J.Bac t.(1977)130:946およびHsiaoら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1979)76:382 9に記載される方法に従って行われ得る。しかし、細胞へDNAを導入するための他 の方法(例えば、核注入、エレクトロポレーション、またはプロトプラスト融合) もまた、一般に、Sambookら、前出に記載されるように使用され得る。 酵母分泌のために、天然の標的ポリペプチドシグナル配列が、酵母インベルタ ーゼ、α因子、または酸性ホスファターゼリーダーによって置換され得る。2μ プラスミド起点由来の複製起点は、酵母に適切である。酵母での使用に適切な選 択遺伝子は、Kingsmanら、Gene(1979)7:141またはTschemperら、Gene(1980) 10:157に記載される酵母プラスミド中に存在するtrp1遺伝子である。trp1遺伝子 は、トリプトファン中での増殖能を欠く酵母の変異株のための選択マーカーを提 供する。同様に、Leu2-欠損酵母株(ATCC 20,622または38,626)が、Leu2遺伝子を 保有する公知のプラスミドによって相補される。 酵母における本発明のポリペプチドの細胞内産生のために、酵母タンパク質を コードする配列が、所望のポリペプチドのコード配列に連結され得、発現の際に 酵母細胞によって細胞内で切断され得る融合タンパク質を産生し得る。このよう な酵母リーダー配列の例は、酵母ユビキチン遺伝子である。昆虫細胞における発現 バキュロウイルス発現ベクター(BEV)は、発現されるべき外来遺伝子のコード 配列がウイルス遺伝子(例えば、SmithおよびSummers、米国特許第4,745,051号に 記載されるポリヘドリン)の代わりに、バキュロウイルスプロモーターの後ろに 挿入されている、組換え昆虫ウイルスである。 本明細書中の発現構築物は、昆虫細胞系の感染または形質転換のための中間体 として有用なDNAベクター、バキュロウイルス転写プロモーターをコードするDNA を一般に含み、必要に応じて、しかし好ましくは、所望のタンパク質の分泌を指 向させ得る昆虫シグナルDNA配列が下流に続く、ベクター、および外来タンパク 質をコードする外来遺伝子の挿入のための部位を含み、シグナルDNA配列および 外来遺伝子はバキュロウイルスプロモーターの転写制御下に置かれており、本明 細書中の外来遺伝子は所望のポリペプチドのコード配列である。 本明細書中での使用のためのプロモーターは、一般に昆虫(例えば、Lepidopte ra、Diptera、Orthoptera、Coleoptera、およびHymenoptera目)に感染する500を 超える任意のバキュロウイルスに由来する、バキュロウイルス転写プロモーター 領域であり得、例えば、Autographo calfornica MNPV、Bombyx mori NPV、rrich oplusia ni MNPV、Rachlplusia ou MNPV、またはGalleria mellonella MNPV、Ae des aegypti、Drosophila melanogaster、Spodoptera frugiperda、およびTrich oplusia niのウイルスDNAが含まれるが、これらに限定されない。従って、バキ ュロウイルス転写プロモーターは、例えば、バキュロウイルス即時初期遺伝子IE IまたはIENプロモーター;39Kおよび、遅延初期遺伝子を含有するHindIIIフラグ メントからなる群より選択されるバキュロウイルス遅延初期遺伝子プロモーター 領域との組合せの即時初期遺伝子;またはバキュロウイルス後期遺伝子プロモー ターであり得る。即時初期プロモーターまたは遅延初期プロモーターは、転写エ ンハンサーエレメントで増強され得る。 本明細書中での使用に特に適切なものは、Friesenら、(1986)「バキュロウイ ルス遺伝子発現の調節」:THE MOLECULAR BIOL0GY OF BACULOVIRUSES(W.Doerfl er編);EP 0 127 839およびEP 0 155 476に記載される、バキュロウイルスの強 力なポリヘドリンプロモーター(これは、DNAインサートの高レベルの発現を指向 させる)、および、Vlakら、J.Gen.Virol.(1988)69:765-776に記載される、p1 0タンパク質をコードする遺伝子由来のプロモーターである。 本明細書中での使用のためのプラスミドはまた、通常、ポリヘドリンポリアデ ニル化シグナル(Millerら、Ann.Rev.Microbiol.(1988)42:177に記載される) 、ならびにE.coliでの選択および増殖のための原核生物アンピシリン耐性(amp) 遺伝子および複製起点を含む。適切なシグナル配列をコードするDNAがまた含ま れ得、そしてそれは一般に、分泌される昆虫またはバキュロウイルスタンパク質 の遺伝子(例えば、バキュロウイルスポリヘドリン遺伝子)(Carborellら、Gene( 1988)73:409に記載される)、ならびに以下をコードする遺伝子由来のシグナル 配列のような哺乳動物シグナル配列に由来する:ヒトαインターフェロン(Maeda ら、 Nature(1985)315:592-594に記載される);ヒトガストリン放出ペプチド(Lebac q-Verheydenら、Mol.Cell.Biol.(1988)8:3129に記載される);ヒトIL-2(Smi thら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1985)82:8404に記載される);マウスIL-3 (Miyajimaら、Gene(1987)58:273に記載される);およびヒトグルコセレブロシダ ーゼ(Martinら、DNA(1988)7:99に記載される)。 多数のバキュロウイルス株および変異体、ならびに宿主(例えば、Spodopteraf rugiperda(毛虫)、Aedes aegypti(蚊)、Aedes albopictus(蚊)、Drosophila mel anogaster(ショウジョウバエ)、およびBombyx mori宿主細胞)由来の対応する許 容性の昆虫宿主細胞が、同定され、そして本明細書中で使用され得る。例えばLu ckowら、Bio/Technology(1988)6:47-55、Millerら、GENETIC ENGINEERING(Setlo w,J.K.ら編)、第8巻(Plenum Publishing,1986)、277-279頁、およびMaedaら 、Nature,(1985)315:592-594の記載を参照のこと。種々のこのようなウイルス 株は、公共に入手可能である(例えば、Autographa californica NPVのL-1変異体 およびBombyx mori NPVのBm-5株)。このようなウイルスは、Spodoptera frugipe rda細胞のような宿主細胞のトランスフェクションのためのウイルスとして使用 され得る。 ポリヘドリンプロモーターに加えて、他のバキュロウイルス遺伝子は、バキュ ロウイルス発現系において有利に用いられ得る。これらには、それらが発現され る間のウイルス感染の期によって、即時初期(α)、遅延初期(β)、後期(γ)、ま たは超後期(very late)(δ)が含まれる。これらの遺伝子の発現は、おそらくは 転写調節の「カスケード」機構の結果として、連続的に起こる。従って、即時初 期遺伝子は、他のウイルス機能の非存在下で感染の直後に発現され、そして、生 じる遺伝子産物の1つ以上は、遅延初期遺伝子の転写を誘導する。次に、いくつ かの遅延初期遺伝子産物は、後期遺伝子の転写を誘導し、そして最終的には、超 後期遺伝子は、1つ以上のより初期のクラスからの既に発現されている遺伝子産 物の制御下で発現される。この調節カスケードの1つの比較的良く規定されてい る成分は、Autographo calfornica多核体病ウイルス(AcMNPV)の好ましい即時初 期遺伝子であるIEIである。IEIは、他のウイルス機能の非存在下で発現され、そ して遅延初期クラスのいくつかの遺伝子(好ましい39K遺伝子(GuarinoおよびSumm ers、J.Virol.(1986)57:563-571およびJ.Virol.(1987)61:2091-2099に記載 される)ならびに後期遺伝子(GuarinoおよびSummers,Virol.(1988)162:444-451 に記載される)を含む)の転写を刺激する産物をコードする。 上記の即時初期遺伝子は、遅延初期カテゴリーのバキュロウイルス遺伝子プロ モーター領域と組み合わせて使用され得る。即型初期遺伝子とは異なり、このよ うな遅延初期遺伝子は、即時初期遺伝子または遺伝子産物のような、他のウイル ス遺伝子または遺伝子産物の存在を必要とする。即時初期遺伝子の組合せは、39 KまたはバキュロウイルスゲノムのHindIIIフラグメント上に見出される遅延初期 遺伝子プロモーターの1つのような、任意のいくつかの遅延初期遺伝子プロモー ター領域と共に作製され得る。本発明の場合では、39Kプロモーター領域は、発 現されるべき外来遺伝子に連結され得、その結果、発現はIEIの存在によってさ らに制御され得る(L.A.GuarinoおよびSummers(1986a)、前出;GuarinoおよびS ummers(1986b)J.Virol,.(1986)60:215-223、およびGuarinoら、(l986c),J .Vlrol.(1986)60:224-229に記載される)。 さらに、即時初期遺伝子と遅延初期遺伝子プロモーター領域との組合せを使用 する場合、異種遺伝子の発現の増強は、遅延初期遺伝子プロモーター領域との直 接的なシス連関でのエンハンサー配列の存在によって実現される。このようなエ ンハンサー配列は、即時初期遺伝子またはその産物が限定されている状況におけ る、遅延初期遺伝子発現のその増強によって特徴づけられる。例えば、Guarino およびSummers(1986a)、(1986b)、およびGuarinoら(1986)に記載されるように、 hr5エンハンサー配列は、シスで直接的に遅延初期遺伝子プロモーター領域(39K) に連結され得、それによって、クローン化された異種DNAの発現が増強され得る 。 ポリヘドリン遺伝子は、超後期遺伝子として分類されている。従って、ポリヘ ドリンプロモーターからの転写は、未知の、しかし恐らくは多数の他のウイルス および細胞遺伝子産物の先の発現を必要とする。ポリヘドリンプロモーターのこ の遅延発現のため、当該分野の状態のBEV、例えば、米国特許第4,745,051号で、 SimthおよびSummersにより記載される例示のBEVシステムは、ウイルスゲノムの 残りからの遺伝子発現の結果としてのみ、そしてウイルス感染が良好に進行した 後にのみ外来遺伝子を発現する。これは、現存のBEVの使用に対する制限を意味 する。新たに合成されたタンパク質をプロセッシングする宿主細胞の能力は、バ キュロウイルス感染が進行するにつれて減少する。従って、ポリヘドリンプロモ ーターからの遺伝子発現は、新たに合成されたタンパク質をプロセッシングする 宿主細胞の能力が特定のタンパク質について潜在的に小さくなるときに起こる。 結果として、BEVシステムにおける分泌糖タンパク質の発現は、クローン化され た遺伝子産物の不完全な分泌、それによってクローン化された遺伝子産物を細胞 内に不完全なプロセッシング形態に捕獲することに起因して複雑である。 昆虫シグナル配列を用いて、切断されて成熟タンパク質を産生し得る外来タン パク質を発現し得ることが認識されているが、好ましくは、本発明は、哺乳動物 シグナル配列を用いて実施する。 本明細書で適切な例示の昆虫シグナル配列は、鱗翅目脂肪動員ホルモン(AKH) ペプチドをコードする配列である。AKHファミリーは、昆虫のエネルギー基質の 動員および代謝を調節する短ブロックの神経ペプチドからなる。好ましい実施態 様では、鱗翅目Manduca sexta AKHシグナルペプチドをコードするDNA配列を使用 し得る。直翅目Schistocerca gregariaの遺伝子座由来のシグナルペプチドのよ うな他の昆虫AKHシグナルペプチドもまた有利に使用され得る。別の例示の昆虫 シグナル配列は、CP1、CP2、CP3またはCP4のようなショウジョウバエ小皮タンパ ク質をコードする配列である。 現在、外来遺伝子をAcNPV中に導入するために本明細書で用いられ得る最も一 般的に用いられる移入ベクターは、pAc373である。当業者に公知の多くの他のベ クターもまた、本明細書で用いられ得る。バキュロウイルス/昆虫細胞発現系の ための材料および方法は、Invitrogen(San Diego CA)のような会社からキット形 態(「MaxBac」キット)で市販されている。本明細書で利用される技術は、一般に 、当業者に公知であり、そしてSummersおよびSmithの A MANUAL OF METHODS FOR BACULOVIRUS VECTORS AND INSECT CELL CULTURE PROCEDURES、Texas Agricultu ral Experiment Station Bulletin No.1555、Texas A & M University(1987);S mithら、Mol.Cell.Biol.(1983)3:2156、およびLuckowおよびSummers(1989)に十 分に記載されている。これらは、例えば、LuckowおよびSummers,Virology(1989 )17:31に記載されるように、ポリヘドリン開始コドンをATGからATTに変え、そし て このATTから32塩基対下流にBamHIクローニング部位を導入するpVL985の使用を含 む。 従って、例えば、本発明のポリペプチドの昆虫細胞発現には、所望のDNA配列 を、公知の技術を用いて移入ベクター中に挿入し得る。昆虫細胞宿主は、野生型 バキュロウイルスのゲノムDNAとともに、挿入された所望のDNAを含む移入ベクタ ーで、通常同時トランスフェクションにより同時形質転換され得る。ベクターと ウイルスゲノムは組換えられ、容易に同定および精製され得る組換えウイルスを 生じる。パッケージ化された組換えウイルスを用いて、昆虫宿主細胞を感染し、 所望のポリペプチドを発現し得る。 本明細書で利用可能である他の方法は、上記で引用したSummersおよびSmith(1 987)で呈示されている、昆虫細胞培養、プラスミドの同時トランスフェクション および調製の標準的な方法である。この参考文献はまた、AcMNPV移入ベクター中 への遺伝子のクローニング、プラスミドDNA単離、AcmMNPVゲノム中への遺伝子の 移入、ウイルスDNA精製、組換えタンパク質の放射能標識および昆虫培養培地の 調製の標準的な方法にも関係する。ウイルスおよび細胞の培養手順は、Volkman およびSummers、J.Virol.(1975)19:820-832ならびにVolkmanら、J.Virol.(1976) 19:820-832に記載されている。哺乳動物細胞中の発現 本発明のポリペプチドは、HeLa細胞のような哺乳動物細胞中で、これらの細胞 内で機能的であるプロモーターおよびエンハンサーを用いて発現され得る。合成 の非天然プロモーターまたはハイブリッドプロモーターもまた本明細書で用いら れ得る。例えば、T7T7/T7遺伝子プロモーターが、Chenら、Nucleic Acids Res、 22:2114-2120(1994)に従って構築および使用され得、ここでは、T7ポリメラー ゼがそれ自身のプロモーターの調節制御下にあり、そして別のT7プロモーターの 制御下に配置されている挿入されたコード配列の転写を駆動する。本明細書中の 使用にまた適切なのは、Birkenmeierら、Genes Dev.(1989)3:1146-1156に記載の ような、CCAAT/エンハンサー-結合タンパク質C/EBPαの遺伝子である。 哺乳動物細胞発現のための代表的なプロモーターには、とりわけSV40初期プロ モーター、CMVプロモーター、マウス乳癌ウイルスLTRプロモーター、アデノウイ ルス主要後期プロモーター(AdMLP)、および単純ヘルペスウイルスプロモーター などが含まれる。マウスメタロチオネイン遺伝子由来のプロモーターのような他 の非ウイルスプロモーターもまた、哺乳動物構築物における使用を見出す。哺乳 動物発現は、プロモーターに依存して構成性または調節性(誘導性)のいずれかで あり得る。代表的には、翻訳停止コドンの3'側に位置する転写停止およびポリア デニル化配列もまた存在し得る。好ましくは、ポリペプチドコード配列の5'側に 位置する翻訳開始の最適化のための配列もまた存在する。転写停止/ポリアデニ ル化シグナルの例は、先に引用したSambrookら(1989)に記載のような、SV40由来 のシグナルを含む。スプライスドナーおよびアクセプター部位を含むイントロン もまた、本発明の構築物中に設計され得る。 哺乳動物構築物の発現レベルを増加するために、エンハンサーエレメントもま た本明細書で用いられ得る。例としては、Dijkemaら、EMBO J.(1985)4:761に記 載されるようなSV40初期遺伝子エンハンサー、およびGormanら、Proc.Natl.Acad .Sci.USA(1982b)79:6777に記載のようなラウス肉腫ウイルスの長末端反復(LTR) 由来のエンハンサー/プロモーター、およびBoshartら、Cell(1985)41:521に記載 のようなヒトサイトメガロウイルスが挙げられる。哺乳動物細胞中で外来タンパ ク質の分泌を提供するためのシグナルペプチドをコードする配列を含むリーダー 配列もまた存在し得る。好ましくは、リーダー配列がインビボまたはインビトロ のいずれかで切断され得るように、リーダーフラグメントと目的の遺伝子との間 にコードされるプロセッシング部位が存在する。アデノウイルス三部分リーダー は、哺乳動物細胞中で外来タンパク質の分泌を提供するリーダー配列の例である 。 標的ポリペプチドをコードするDNAの哺乳動物細胞における一時的発現を提供 する発現ベクターが存在する。一般に、一時的発現は、宿主細胞が発現ベクター の多コピーを蓄積し、そして次いで発現ベクターによりコードされる高レベルの 所望のポリペプチドを合成するように、宿主細胞中で効率的に複製され得る発現 ベクターの使用を含む。適切な発現ベクターおよび宿主細胞を含む一時的発現系 は、クローン化したDNAによりコードされるポリペプチドの便利なポジティブ同 定、および所望の生物学的または生理学的特性についてこのようなポリペプチド の迅速スクリーニングを可能にする。従って、一時的発現系は、標的ポリペプチ ド様活性を有する標的ポリペプチドのアナログおよび改変体を同定する目的に特 に有用である。 一旦完成すれば、哺乳動物発現ベクターを用いて任意のいくつかの哺乳動物細 胞を形質転換し得る。異種ポリヌクレオチドの哺乳動物細胞中への導入方法は、 当該技術分野で公知であり、そしてデキストラン介在トランスフェクション、リ ン酸カルシウム沈殿、ポリブレン介在トランスフェクション、プロトプラスト融 合、エレクトロポレーション、ポリヌクレオチドのリポソーム中へのカプセル化 、およびDNAの核への直接マイクロインジェクションを含む。哺乳動物細胞宿主 系形質転換の一般的局面は、Axelにより米国特許第4,399,216号に記載されてい る。 発現のための宿主として利用可能な哺乳動物細胞株もまた公知であり、そして American Type Culture Collection(ATCC)から入手可能な多くの不死化細胞株を 含み、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎 臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌腫細胞(例えばHep G2)、ヒト胎 児腎臓細胞、ベビーハムスター腎臓細胞、マウスセルトリ細胞、イヌ腎臓細胞、 バッファローラット肝臓細胞、ヒト肺細胞、ヒト肝臓細胞、マウス乳癌細胞など を含むがこれらに限定されない。 本発明の標的ポリペプチドを産生するために用いられる哺乳動物宿主細胞は種 々の培地で培養され得る。Ham's F10(Sigma)、Minimal Essential Medium([MEM ]、Sigma)、RPMI-1640(Sigma)、およびDulbecco's Modified Eagles's Medium([ DMEM]、Sigma)のような市販の培地が宿主細胞を培養するために好適である。さ らに、HamおよびWallace,Meth.Enz.(1979)58:44、BarnesおよびSato、Anal.Bio chem.(1980)102:255、米国特許第4,767,704号、同第4,657,866号、同第4,927,76 2号、または同第4,560,655号、WO 90/103430、WO 87/00195、および米国特許再 発行第30,985号に記載される任意の培地が、宿主細胞用の培養培地として用いら れ得る。これらの任意の培地は、必要に応じて、ホルモンおよび/または他の生 長因子(インスリン、トランスフェリン、または上皮増殖因子など)、塩類(塩化 ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、およびリン酸など)、緩衝液(HEPESな ど)、ヌクレオシド(アデノシンおよびチミジンなど)、抗生物質(GentamycinTMM 薬剤)、微量元素(通常マイクロモル範囲の最終濃度で存在する無機化合物として 定義される)、およびグルコースまたは等価なエネルギー供給源で補充され得る 。当業者に公知の他の必要な任意の補充物もまた、適切な濃度で含まれ得る。温 度、pHなどのような培養条件は、発現のために選択された宿主細胞について以 前に用いられている培養条件であり、そして当業者に明らかである。 衝突構築物は、リポフェクタミン、DEAE-デキストラン、エレクトロポーレー ション、およびリン酸カルシウム、ならびに上記のような従来の技法により宿主 細胞中に導入され得る。 インヒビターのスクリーニングにおける使用のために、衝突構築物を含む安定 な細胞株を作製および選択し得る。例えば、衝突構築物を、選択マーカー遺伝子 (例えばネオマイシン)とともにエレクトロポーレションする。G418耐性コロニー を、衝突構築物の存在および機能性についてアッセイする。細胞株は、原核生物 または真核生物起源であり得る。好ましくは、細胞株は真核生物であり、より好 ましくは、哺乳動物である。好ましい実施態様では、細胞株は、HeLa細胞、T細 胞、B細胞および293細胞由来であり得る。 衝突構築物を含む安定な細胞株はまた、結合タンパク質を含むプラスミドで同 時トランスフェクトされ得る。結合タンパク質のコード配列は、Gieseら、Genes & Development(1995)9:995-1008に記載される、pCG、pEVRF誘導体のような発現 プラスミド中に挿入され得る。pEVRFは、Matthiasら、Nucleic Acids Res.(1989 )17:6418に記載されている。pCGは改変されたポリリンカーを有し、そしてヒト サイトメガロウイルスプロモーター/エンハンサー領域から、哺乳動物細胞中で 発現を行う。結合タンパク質のコード配列はまた、発現プラスミドpCDNA(Clonte ch,Palo Alto,CA)中に挿入され得る。結合タンパク質をコードするDNA構築物 は、Sambrookら(1989)MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL,第2版(Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,N.Y.)および先に引用されたAusube lらに記載されるような組換えDNA技術の標準的な方法により作製され得る。 あるいは、衝突構築物は、例えば、結合タンパク質を発現させるベクターで安 定にトランスフェクトされたHeLa細胞、T細胞、B細胞または293細胞のような 結合タンパク質を構成的に発現する細胞株中にトランスフェクトされ得る。 あるいは、さらに、スクリーニングに使用するための衝突構築物を保持する宿 主細胞は、トランスフェクトされた細胞を含む培地中に添加される結合タンパク 質に曝され得る。好ましい実施態様では、Tatタンパク質発現ベクターが衝突構 築物を保持する細胞株に添加される。発現ベクターの量は、所望のレポーター遺 伝子活性の阻害の程度に依存して変動し得る。第2の調節配列の活性化の非存在 下で、約50%〜90%の範囲のAP活性、好ましくは60%〜80%のAP活性、および第 2の調節配列の活性化の存在下で、約10%〜50%の範囲のAP活性、好ましくは20 %〜40%のAP活性で作用することが望ましい。 従って、インヒビターのスクリーニングのために衝突構築物を含む宿主細胞を 用いることにおいて、レポーター遺伝子活性は、結合タンパク質の非存在下、結 合タンパク質の存在下、およびスクリーニングされる候補インヒビターの存在下 で測定される。転写を活性化する結合タンパク質の存在下でレポーター遺伝子活 性を増加する候補は、例えば、転写活性化に対するインヒビターとして選択され 、さらに試験され得る。 本発明の別の実施態様では、転写活性化のインヒビターをスクリーニングする ための本発明の衝突構築物を含むキットが作成され得る。このようなキットは、 1つ以上の本発明の衝突構築物を含むベクターまたは宿主細胞を、アッセイの実 施に必要な試薬および材料、または必要なこれらの残りの試薬の記載、ならびに 適切なセットのアッセイの説明書とともに、適切な容器中に含み得る。他の材料 または試薬は、例えば、希釈剤、緩衝液、宿主細胞および他の試薬を含み得、チ ューブ、プレートなどの適切な容器がキットに含まれ得るか、または説明書に記 載され得る。 本発明を、ここで、特に好都合な実施態様を呈示する以下の実施例を参照して 例示する。しかし、これらの実施態様は例示であり、そしていかなるようにも本 発明を限定するとして解釈されるべきではないことに注意すべきである。特に、 他のプロモーターまたは応答エレメントおよび他のレポーター遺伝子は、本明細 書に記載されたそれらと置換され得る。 実施例1 CMV およびHIV-1プロモーターならびにアルカリフェスファターゼ レポーター遺伝子を有する衝突構築物の構築:構築物#1152 本発明の1つの実施態様では、ヒトサイトメガロウイルス(「hCMV」)プロモー ター、分泌型のヒト胎盤熱安定性アルカリフォスファターゼ(「AP」)の遺伝子お よびヒト免疫不全ウイルス-1(「HIV-1」)のプロモーターを含む衝突構築物を、 以下に記載の前駆体構築物から生成した。 最適な翻訳開始のためのhCMVプロモーターおよび単純ヘルペスチミジンキナー ゼtk遺伝子を含むヌクレオチド配列(以後「tk上流領域」)をプラスミドpCGから 単離した。Gieseら、Genes and Develoment(1995)9:995-1008に記載されるプラ スミドpCGは、先に引用されたMatthiasらに記載されるようにpEVRF誘導体である 。pCGは改変されたポリリンカーを有し、そしてヒトサイトメガロウイルスプロ モーター/エンハンサー領域から哺乳動物細胞中で発現を行う。hCMVプロモータ ーを、pCGから、制限酵素EcoRIおよびXbaI(Boehringer Mannheim,Germany)を用 いた消化により単離した。本明細書中の目的のための制限消化を、本質的には、 先に引用されたSambrookら、および先に引用されたAusbelらに記載のように、ま たは製造者の推奨に従って実施した。例えば、代表的には、消化は、2μlの10 ×制限緩衝液、水またはTE緩衝液中の0.1〜4μgのDNA、μg DNAあたり1〜5U の酵素および総容量を20μlにするための水を用いて行った。消化の成分を、消 化されるDNAの量に応じて約10分から一晩、37℃でインキュベートした。 次いで、pCGから単離されたhCMVプロモーター配列を、Pharmacia(Piscataway, N.J.)から購入し、同じ制限酵素EcoRIおよびXbaIを用いて切断されたプラスミド pTZ19U中に連結した。得られたプラスミドを構築物#1080と称した。本明細書に おける連結反応は、本質的に、リガーゼの製造業者(Boehringer Mannheim,Germ any)により指示されたように、そして先に引用されたSambrookら、および先に引 用されたAusubelらに記載された原理に沿って行われた。要約すれば、約10〜100 フェムトモル(fempto moles)(10-15)のベクターDNAを、3〜10倍モル過剰の挿入 DNAと、20μlの最終容量中でT4 DNAリガーゼ(Boehringer Mannheim,Germany)を 用いて、連結されるDNAの量に依存して16℃で約10分から一晩連結した。 アルカリホスファターゼ遺伝子のコード領域を、Clontech(Palo Alto,CA)か ら購入したプラスミドpSEAP-Basicから、HindIIIおよびSalIを用いた制限により 単離し、そしてStratagene(La Jolla,CA)から購入し、同じ酵素で切断したプラ スミドBluescript中に連結した。構築物#1067と称される得られたプラスミドを ClaIおよびSalIで切断し、5'突出をKlenow酵素(Boehringer Mannheim,Germany) によりフィルインし、そして末端を再連結した。本明細書に記載されるフィルイ ン反応は、Klenow酵素(Boehringer Mannheim,Germany)の製造者により指示され たように実施した。得られるプラスミド構築物を#1074と称した。この操作はSa lI制限部位を回復した。 アルカリホスファターゼ遺伝子のコード領域を、構築物#1074からXbaIおよび SalIを用いた制限により単離し、そして同じ酵素で切断した構築物#1080中に連 結した。この連結は、tk領域に関してフレームの合っていない(out-of-frame)AP 遺伝子を含む中間組換えプラスミドを生じた。インフレーム融合物の生成のため 、AP配列を含む中間組換えプラスミドをXbaIおよびHindIIIで切断し、5'突出を フィルインし、そして末端を再連結した。この操作もまたXbaI部位を回復した。 得られたプラスミドを構築物#1112と称した。 HIV-1プロモーターを、SelbyおよびPeterlin、CelI(1990)62:769-776に記載の ように、プラスミドpHIVSCATから、Asp718およびHindIIIを用いた処理により単 離した。単離されたフラグメントを、同じ酵素で切断したStratagene(La Jolla, CA)からのプラスミドBluescript中に連結した。得られたプラスミドを構築物# 1075と称した。pHIVSCAT中の特異的HIV-1プロモーターは、制限酵素認識部位を 作製するために導入されたいくつかの点変異を含む。pHIVSCAT中の変異体プロモ ーターの野生型HIV-1プロモーターとの比較は、活性における有意な差は示さな かった。変異体HIV-1プロモーターの配列を図5に掲げる。HIV-1プロモーターは 、構築物#1075から、EcoRVを用いた制限により単離し、次いでSmaIで切断した 、Pharmacia(Piscataway,NJ)からのプラスミドpTZ18U中に連結した。得られた プラスミドを構築物#1149と称した。 本実施例の最終衝突構築物を生成するために、HIV-1プロモーターを、構築物 #1149から、SalIおよびAsp718を用いた制限により単離し、そして同じ酵素で切 断した構築物#1112中に連結した。得られたプラスミドを、衝突構築物である構 築物#1152と称した。 衝突構築物において、hCMVからの転写の方向とHIV-1プロモーターからの転写 の方向とは反対方向であった。APコード領域の末端間の距離は、停止コドンTAA 、およびプロモーター配列の+1により規定されるようなHIV-1プロモーター中の 転写の開始部により規定され、約213ヌクレオチドであった。 実施例2 アルカリホスファターゼ活性のHIV Tatタンパク質依存性減少 HeLa細胞を、以下を用いて一時的にトランスフェクトした:(1)1μgの衝突構 築物であるプラスミド#1152、および(2)種々の量のプラスミドpSV7fd/TAT:そ れぞれ、0μg、0.1μg、0.3μg、0.5μg、および1.5μg。プラスミドpSV7fd/TAT は、本明細書では、Tat発現プラスミドと称され、そしてその構築は以下に記載 される。各トランスフェクションアッセイにおけるDNAの量を、Tat不活性プラス ミドを添加することにより一定に保った。その構築物をまた以下に記載する。結 果を図1に示す。本明細書で記載されるHeLa細胞の一時的トランスフェクション には、リポフェクタミン(BRL,Gaitherburg,MDから購入)を、製造業者の説明書 に従って用いた。以後のトランスフェクションには、他に明言して提供されなけ れば、1μgの衝突構築物を、0.5μgのTat発現プラスミド(pSV7fd/TAT)および/ または0.5μgのTat不活性プラスミドのいずれかとともに用いた。約8時間後、 細胞を洗浄し、そして10%ウシ胎児血清を補充した新鮮なDME培地中でインキュ ベートした。トランスフェクションの約16〜20時間後、上清液のアリコートを、 製造業者(Clontech,Palo Alto,CA)の条件に従ってアルカリホスファターゼ活 性について分析した。 Tat発現プラスミドおよびTat不活性プラスミドを以下のように構築または使用 した。プラスミドpSV7fd/TATを、Peterlin(University of California at San F rancisco)から得、そしてSelbyおよびPeterlin,Cell(1990)62:769-776に記載さ れるように構築および使用した。プラスミドpSV7fd/TATは、HIV-1由来の転写ア クティベーターTatのコード領域を含む。このプラスミドでは、Tat発現は、SV40 初期プロモーターの制御下にある。不活性なTat発現プラスミドを、XbaIを用い たプラスミドpSV7fd/TATの制限により生成した。DNA末端をフィルインし、そし てプラスミドを再連結した。この手順は、未成熟停止コドンを生じ、そして機能 的Tatタンパク質発現のないフレームシフト変異体を生成した。得られた構築物 を、Tat不活性プラスミドと称し、そして本明細書で各トランスフェクション中 のDNAの総量を一定に保つために用いた。 図1は、添加されたTat発現プラスミドの量に依存していたAP活性の減少を示 す。Tat発現プラスミドの0から2μgの範囲にわたって、レポーター遺伝子活性 は約100%から約25%まで減少し、試験された最も高いレベルで約75%阻害を生 じた。レポーター活性は、Tatが約0.3〜0.5μgの間のTat発現ベクターのレベル で存在したとき約40%であった。このレベルでは、CMVプロモーター活性に対す るTatタンパク質の非特異的影響はほとんどない。 実施例3 構築物#1152由来の欠失構築物を用いる、 AP 活性の減少についてのTARのTatに対する依存性の研究 先の実施例中のAP活性における観察されたTat依存性減少に対するHIV-1プロモ ーター中のTAR配列の存在の依存性を検査するために、以下の欠失を構築物#115 2中に導入した:(1)TAR配列の主要部分の欠失、構築物#1161;(2)全TAR配列の 欠失、構築物#1225;(3)全TAR配列およびTATAボックスの欠失、構築物#1162; および(4)全TAR配列、TATAボックス、および3つのSp1結合部位の欠失、構築物 #1163。 構築物#1152をBglIIおよびBamHIを用いて制限し、そして末端を再連結した。 得られたプラスミドは構築物#1161を示す。この欠失は、TAR配列の約36ヌクレ オチドを除去する。 TAR配列の完全な除去は、テンプレートとして構築物#1152のDNA、およびプラ イマー#613(5'-GCGAAGCTTTGCAGCTGCTTATATGCAGCA-3')、およびNew England Bio labs、Beverly、MAから購入した逆方向プライマーを用いるPCRにより、−14位か ら+59位までのヌクレオチドを欠失させることによって得た。下線部分の配列は 、 HindIII制限部位で始まるHIV-1プロモーターのヌクレオチド-35〜-13を示し;下 線のない部分は、5'末端でヌクレオチドGCG後に始まるHindIII制限部位を含む。 得られたDNAフラグメントを、HindIIIおよびAsp718で消化し、そして同じ酵素で 切断した構築物#1152中に再連結した。この操作はまた転写の開始部を除去し、 そして構築物#1225を生成した。 第3の欠失構築物を、構築物#1152から、XbaIを用いた制限および再連結によ り調製した。得られたプラスミドは、構築物#1162と称する。この欠失は、完全 TAR配列およびTATAボックス配列を含む領域を取り除く。 第4の欠失構築物を、構築物#1152から、SmaIおよびBamHIを用いる制限、お よび末端再連結により調製した。得られたプラスミドを構築物#1163と称する。 この欠失は、完全TAR配列、TATAボックス配列および3つのSp1結合部位配列を取 り除く。 図2は、欠失構築物#1161、#1225、#1162および#1163における0.5μgのHI V-1 Tatタンパク質発現プラスミドの存在下でのアルカリホスファターゼ発現の 特異的減少を、構築物#1152と比較して測定した結果を示す。構築物#1152につ いて、Tatの非存在下でのAP遺伝子の活性を100%に設定した。Tatの存在下で、A P遺伝子の活性は、36%±7%に減少した。従って、Tatの存在下では、APの発現 は約64%減少した。大部分のTAR配列が欠失した構築物#1161について、Tatの非 存在下のAP遺伝子の発現は約55%であった。Tatの添加は、AP遺伝子発現を約53 %までだけを減少させ、このことはTatタンパク質によるレポーター遺伝子活性 の阻害がTAR配列依存性であることを示した。TAR配列中に欠失を含む構築物#12 25は、Tatの非存在下で約150%のAP遺伝子活性、およびTatの存在下で約140%の AP遺伝子活性を生じた。TAR配列およびTATAボックス中に欠失を含む構築物#116 2は、Tatタンパク質の非存在下で約150%のAP遺伝子発現、およびTatの存在下で 約153%のAP遺伝子発現を生じた。TAR配列、TATA配列およびSp1結合部位中に欠 失を含む構築物#1163は、Tatの非存在下で約160%、およびTatの存在下で約150 %のなお高レベルのAP遺伝子発現を生じた。これらの結果は、HIV-1プロモータ ーの活性化のための機能的TAR配列およびTATAボックス配列の必要性を示す。さ らに、Tatタンパク質によるHIV-1プロモーター活性の有意なアップレギュレーシ ョンは、機能的TAR配列を必要とする。 実施例4 転写活性化に対するHIV-1プロモーターの種々の欠失の影響および TAT 不活性プラスミドの構築 別の構築物を作成し、AP遺伝子をレポーター遺伝子として用いて転写活性化に 対するプロモーター領域の部分の欠失の影響を試験した。構築物#1085を、実施 例3に記載のように、変異体HIV-1プロモーターを、pHIVSTATから単離されたAsp 718/HindIII DNAフラグメントとして用い、そして同じ酵素で切断したプラスミ ドpSEAP-Basic(Clontech,Palo Alto,CA)中に連結して作成した。この操作は、 HIV-1プロモーターをAP遺伝子に連結した。構築物#1166、#1213、#1167およ び#1168を、上記の構築物#1161、#1215、#1162および#1163からHIV-1プロ モーター欠失構築物を単離し、そしてそれらをプラスミドpSEAP-Basic中にAsp71 8/HindIIIフラグメントとして連結することにより作成した。従って、構築物#1 085は完全HIV-1プロモーターを含む。構築物#1166はTAR配列の約36ヌクレオチ ドを欠いている。構築物#1213はTAR配列のすべておよび元の転写開始部位を含 むヌクレオチドを欠いている。構築物#1167はTAR配列およびTATAボックスを欠 いている。構築物#1168は、TAR配列、TATAボックス、および3つのSp1結合部位 を欠いている。HeLa細胞を、先に記載したように後者の構築物で一時的にトラン スフェクトし、そしてAP遺伝子発現を先に記載したように観察した。 図3は、Tatの非存在下で、TAR配列を含む構築物#1085中の完全長HIV-1プロ モーターがAP遺伝子の有意な発現を誘導し得ず、約2%のAP活性を生じたことを 示す。0.5μgのタンパク質発現プラスミドTatの存在下で、構築物#1085は、AP 遺伝子発現を活性化した。構築物#1085により産生されるAP遺伝子活性を100% に設定した。従って、Tatの存在下で、約50倍の活性化があった。大部分のTAR配 列を欠いた欠失構築物#1166は、Tatタンパク質の存在下でわずか約2%のAP活 性を示した。しかし、Tatタンパク質の非存在下では、短縮型HIV-1プロモーター は、約12%のAP活性を産生した。欠失構築物#1213、#1162および#1163は、基 礎およびTat誘導性プロモーター活性を示さなかった。 実施例5 衝突構築物の機能に対する間隔の影響を調査するための構築物 第1と第2のプロモーターとの間、または第2のプロモーターとレボーター遺 伝子間の変化する距離またはスペーサー領域を有する構築物を作成し、衝突構築 物の機能に対する間隔の影響を調べた。 停止コドンにより規定されるAPコード配列の3'末端と、転写の開始部を+1ヌ クレオチドとしてHIV-1プロモーター中の+59ヌクレオチドのTAR配列の末端部と の間に位置する、21ヌクレオチド(構築物#1190)、94ヌクレオチド(構築物#118 1)、153ヌクレオチド(構築物#1187)、406ヌクレオチド(構築物#1188)、556ヌ クレオチド(構築物#1189)および2047ヌクレオチド(構築物#1159)のスペーサー 領域を含んで種々の衝突構築物を作成した。これらの構築物は以下のように作成 した:構築物#1190は、構築物#1152のHpaIおよびHindIIIを用いた制限消化お よび再連結により作成した。この操作は、停止コドンをTAAからTGAに変えた。構 築物#1181は、構築物#1152のSalIおよびHindIIIを用いた制限消化および再連 結により作成した。構築物#1187、#1188および#1189は、それぞれ、Ogawaら( 1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6859-6863に記載されるように、PEBP2αコー ド領域の部分(SacI/HindIII DNAフラグメント、Asp718/HindIII DNAフラグメン ト、またはNcoI/HindIII DNAフラグメントとして)を、それぞれ、SalI(平滑末端 とした)およびHindIIIで切断した構築物#1152への挿入により作製した。構築物 #1159は、SalI/Asp718フラグメントとして、プラスミドpT3/T7-Luc(Clontech, Palo Alto,CA)から単離されたルシフェラーゼ遺伝子の、同じ酵素で切断された 構築物#1152への挿入により作製した。結果を表4に示す。 図4は、衝突、阻害、またはAP発現が、HIV-ILTRとレポーター遺伝子との間の 間隔、あるいは第1のプロモーターと第2のプロモーターとの間の間隔に依存す ることを示す。0.5μgのTat発現プラスミドの存在下で、約21ヌクレオチドから 約556ヌクレオチドまでの間隔を有する構築物中のAP活性は、40%と46%との間 であり、そしてその後は、間隔が約2047ヌクレオチドまで増加するにつれ、アル カリホスファターゼ活性は増加し、衝突に対する特定の間隔の必要性を示した。 一時的トランスフェクションを、1μgの衝突構築物DNAおよび0.5μgの活性また は不活性Tat発現プラスミドのいずれかを用いて行った。これらの結果は、衝突 が、HIV-1LTRとレポーター遺伝子に含まれる第1の調節配列との間の間隔に依存 することを示す。 実施例6 Tat タンパク質発現プラスミドで安定にトランスフェクトされたHeLa細胞 HeLa細胞を、BioRad Gene Pulser(BioRad,Hercules,CAから購入)を用いるエ レクトロポーレーションによる選択のために、10μgの活性Tat発現プラスミドま たはTat不活性プラスミドのいずれかを、1μgのプラスミドpSVNeo(Clontech,P alo Alto,CAから購入)とともに用いてトランスフェクトした。エレクトロポー レーションは、製造業者の説明書に従って行った。例えば、エレクトロポーレー ションの条件は、室温で、10%ウシ胎児血清、および各50μg/mlのペニシリンお よびストレプトマイシンを含む最終容量500μlの培地中で、1000 uFおよび300ボ ルトである。安定なTat発現コロニーは、約10〜14日後の400μg/mlゲンタマイシ ン(GIBCO BRLから購入)に対する耐性により同定した。安定なコロニーを拾い、 増幅させ、そして構築物#1085(このプラスミドはAPレポーター遺伝子に連結さ れたHIV-1プロモーターを有する)を用いるトランスフェクションによりTatタン パク質発現について分析した。陽性のTat発現細胞株を、pSVNeo(Clontech,Palo Alto,CA)の製造業者により記載される指示に従ってアルカリホスファターゼ活 性を測定することにより同定した。 実施例7 転写活性化のインヒビターをスクリーニングするためのアッセイ 以下のアッセイを設計し、Tatタンパク質、Tat/TAR相互作用または任意の他の HIV-1プロモーター標的のインヒビターをスクリーニングした。求める阻害は、 長末端反復(LTR)活性の有意な阻害により同定される。細胞株は、上記の実施例 6に記載のように、衝突構築物#1152およびTatプラスミドで安定にトランスフ ェクトされる。衝突構築物のみで安定にトランスフェクトされたコントロールHe La細胞と比較して約30%〜40%の定常状態アルカリホスファターゼ活性を産生す る安定にトランスフェクトされた細胞株を、スクリーニングのために選択する。 インヒビターのスクリーニングは以下のように行う:インヒビターを培養培地中 に導入し、そして約16〜20時間後、上清液を、実施例6に記載のようにアルカリ ホスファターゼ活性について分析する。96ウェルのアッセイプレートを用い、例 えば、12の異なるインヒビターを、8つの異なる濃度で同時に試験する。アルカ リホスファターゼ活性の増加を生じるインヒビターを、一時的トランスフェクシ ョン実験によりさらに特徴付ける。一時的トランスフェクションを実施例2に記 載のように実施する。例えば、HeLa細胞を、インヒビターの存在下で、構築物# 1152および制御された量のTatプラスミドを用いて一時的にトランスフェクトす る。次いで、インヒビターを、インヒビターまたはTat発現プラスミドを滴定す ることによりTatに対する用量応答性について試験する。別の一時的トランスフ ェクションアッセイを、上記のスクリーニングプロセスにより選択された各イン ヒビターについて繰り返す。 実施例7 TAR デコイを含む構築物 APレポーター遺伝子活性における増加によりHIV-1転写のインヒビターを同定 することにおける衝突構築物の機能性を証明するために、本発明者らは、多量体 化TAR配列を含むベクター(その概略を図6に示す)を構築した。TARデコイと呼ば れるTAR含有配列の過剰発現は、Sullengerら、Cell 63:601-608(1990)およびGr ahamおよびMaio、Proc.Nat'l Acad Sci USA87:5817-5821(1991)に記載される ような、Tat仲介トランス活性化を抑えることによるHIV-1プロモーター活性の阻 害について十分であることが証明された。TarデコイのHIV-1転写をブロックする 能力は、図6aに概略的に示されるように、レポーター遺伝子がHIV-1プロモータ ーの調節制御下に配置されたHIV-AP構築物を用いて先に分析された。HeLa細胞中 へのHIV-APプラスミドのTat発現ベクターとのトランスフェクションは、Tatの非 存在下で検出されたレベルに対してレポーター遺伝子発現の約45倍の刺激を示し た。TARデコイの添加は、Tatのトランス活性化機能をほぼ完全になくした。次に 、衝突構築物に関連して、TARデコイのHIV-1転写を阻害する能力(図6bに概略 的 に示す)。結果は、TARデコイの添加が反対転写(counter-transcription)による レポーター遺伝子発現を抑制するTatの能力をブロックしたことを示した。高いT ARデコイ濃度では、AP活性は、図6bのレーン4および5に示されるように、Tat の非存在下で検出されたレベルよりなお高かった。これらのデータは、TARデコ イが、Tatのみならず、TAR配列に結合する他の細胞因子を抑えることを示唆する 。この結果は、ΔTAR構築物で検出されたAP値が、TARデコイの存在下で野生型衝 突構築物で得た値に類似であることを示す図1の一部で概略的に図示された結果 によりさらに支持される。 プラスミドpBJ-TAR8を、Takebeら、Mol.Cell,Biol.8:466-472(1988)に記載 のように、XbaIおよびHindIII制限酵素を用いてpHIVSCATから単離された多量体 化TAR配列(ヌクレオチド−40から+59)を、pBJ中のSraプロモーターの下流に挿 入することにより構築した。コントロールプラスミドとして、TAR配列と比べて 類似サイズのGieseらEmbo J.12:4667-4676(1993)に記載のようなレプチン遺伝 子をpBJベクター中に挿入した。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.衝突構築物であって、以下を含む核酸分子: a)第1のプロモーターを含む第1の調節配列; b)該第1のプロモーターの転写制御下にあるレポーター遺伝子;および c)第2のプロモーターを含む第2の調節配列; を含み、 ここで、該第1のプロモーターは該第2のプロモーターとは異なり、そして該 第1のプロモーター下の転写の方向は該第2の調節配列下の転写の方向とは反対 であり、そして 該第2のプロモーターの調節は該レポーター遺伝子シグナルを変化させる、衝 突構築物。 2.前記第2のプロモーターが、第1の結合タンパク質に特異的に結合して第1 の結合対を形成し得る、第1の応答エレメントを含み;そして該第1の結合対の 形成が、転写調節条件下で該第2のプロモーターの活性を調節する、請求項1に 記載の衝突構築物。 3.前記第2のプロモーターの調節が、その活性化により達成される、請求項1 に記載の衝突構築物。 4.前記第2のプロモーターが5'末端および3'末端を含み、そして前記レポータ ー遺伝予が該第2のプロモーターの3'末端から、約2047ヌクレオチド未満の距離 で分離されている、請求項1に記載の衝突構築物。 5.前記距離が、ヌクレオチドで、約1〜50、51〜100、101〜150、151〜200、2 01〜300、301〜400、401〜500、501〜600、601〜1000、1001〜1500、1501〜2200 の範囲の群より選択される範囲にある、請求項4に記載の衝突構築物。 6.前記距離が、ヌクレオチドで、約1〜20、21〜40、41〜60、61〜80、81〜10 0、101〜120、121〜140、141〜160、161〜250、251〜425、426〜550の範囲の群 より選択される範囲にある、請求項4に記載の衝突構築物。 7.前記距離が、ヌクレオチドで、約21、94、153、406、556、および2047から なる群より選択される、請求項4に記載の衝突構築物。 8.前記第1のプロモーターが最小プロモーターである、請求項1に記載の衝突 構築物。 9.前記第1のプロモーターおよび前記第2のプロモーターの一方または両方が それぞれ、ウイルス遺伝子、バクテリオファージ遺伝子、原核生物遺伝子、およ び真核生物遺伝子に由来するプロモーターからなる群より選択される、請求項1 に記載の衝突構築物。 10.前記ウイルスが、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、ヘルペスウイル ス、肝炎ウイルス、パピローマウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウ イルスからなる群より選択される、請求項9に記載の衝突構築物。 11.前記第1のプロモーターが、λPLプロモーター、λPRプロモーター、原核 生物リボソームRNA P1/P2プロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、シ ミアンウイルス40プロモーター、サル免疫不全ウイルスプロモーター、アルブミ ンプロモーター、lckプロモーター、およびfosプロモーターからなる群より選択 される、請求項1に記載の衝突構築物。 12.前記第2のプロモーターがウイルスに由来するプロモーターであり、そし て該ウイルスが、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、肝炎ウイルス 、およびヒト免疫不全ウイルスからなる群より選択される、請求項9に記載の衝 突構築物。 13.前記第2のプロモーターが、fltプロモーター、CD4プロモーター、および β-3プロモーターからなる群より選択される、請求項9に記載の衝突構築物。 14.前記第1の調節配列および第2の調節配列の一方または両方が合成配列を 含む、請求項1に記載の衝突構築物。 15.前記第1の調節配列が合成配列を含み、そして該合成配列が、最小プロモ ーターに連結された多量体Gal4結合部位および最小プロモーターに連結されたLe xA結合部位からなる群より選択される、請求項14に記載の衝突構築物。 16.前記合成配列がTATAボックスを含む、請求項14に記載の衝突構築物。 17.前記第1のプロモーターが、第2の結合タンパク質に特異的に結合して第 2の結合対を形成し得る、第2の応答エレメントを含み;ここで、該第2の結合 対の形成が、転写調節条件下で該第1のプロモーターを調節し、そして該第2の 結合タンパク質が該第1のプロモーターに特異的に結合し得ない、請求項1に記 載の衝突構築物。 18.前記レポーター遺伝子が、アルカリホスファターゼ、ルシフェラーゼ、ク ロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β− グルクロニダーゼ、およびグリーン蛍光タンパク質をコードする遺伝子からなる 群より選択される、請求項1に記載の衝突構築物。 19.前記第1の応答エレメントが、ウイルス遺伝子、バクテリオファージ遺伝 子、原核生物遺伝子、および真核生物遺伝子からなる群より選択される遺伝子の プロモーターまたはプロモーター/エンハンサー領域に由来する、請求項2に記 載の衝突構築物。 20.前記第2の応答エレメントが、ウイルス遺伝子、バクテリオファージ遺伝 子、原核生物遺伝子、および真核生物遺伝子からなる群より選択される遺伝子の プロモーターまたはプロモーター/エンハンサー領域に由来する、請求項17に 記載の衝突構築物。 21.前記第1の応答エレメントが、トランス活性化応答エレメント(「TAR」 )、Rev応答エレメント(「RRE」)、NF-κB結合部位、およびSp1結合部位から なる群より選択される応答エレメントである、請求項2に記載の衝突構築物。 22.前記第2の応答エレメントが、トランス活性化応答エレメント(「TAR」 )、Rev応答エレメント(「RRE」)、NF-κB結合部位、およびSp1結合部位から なる群より選択される応答エレメントである、請求項17に記載の衝突構築物。 23.前記第1の結合タンパク質が、Tat、.Rev、NF-κB、およびSp1からなる 群より選択される、請求項2に記載の衝突構築物。 24.前記第1のプロモーターが、活性化に際して、前記第2のプロモーターの 転写強度とほぼ同一の転写強度を有する、請求項1に記載の衝突構築物。 25.請求項1に記載の衝突構築物を含むベクターであって、宿主細胞において 該衝突構築物の発現を可能にするヌクレオチド配列をさらに含む、ベクター。 26.請求項25に記載のベクターを含む宿主細胞。 27.前記宿主細胞が前記衝突構築物を増幅し得るか、またはその発現をもたら し得る、請求項26に記載の宿主細胞。 28.前記細胞が、原核生物細胞および真核生物細胞からなる群より選択される 、請求項26に記載の宿主細胞。 29.前記細胞が前記衝突構築物を増幅し得、かつ原核生物細胞である、請求項 27に記載の宿主細胞。 30.前記細胞が前記衝突構築物の発現をもたらし得、かつ真核生物細胞である 、請求項27に記載の宿主細胞。 31.請求項1に記載の衝突構築物を含むキットであって、その使用のための説 明書をさらに含む、キット。 32.請求項25に記載のベクターを含むキットであって、その使用のための説 明書をさらに含む、キット。 33.請求項26に記載の宿主細胞を含むキットであって、その使用のための説 明書をさらに含む、キット。 34.標的プロモーター下の転写を阻害するその能力について候補インヒビター をスクリーニングするための方法であって、以下の工程: a)請求項1に記載の衝突構築物を含む細胞を提供する工程であって、ここで 、前記第2のプロモーターが標的プロモーターである、工程; b)該候補インヒビターの存在下および非存在下においてレポーター遺伝子シ グナルを測定する工程;ならびに c)得られるレポーター遺伝子シグナルを比較して、該第2のプロモーター下 の転写の阻害が候補インヒビターの存在下において生じたかどうかを決定する工 程、 を包含する、方法。 35.前記標的プロモーターが前記細胞に対して内因性ではない、請求項34に 記載の方法。 36.前記標的プロモーターが前記細胞に対して内因性である、請求項34に記 載の方法。 37.標的結合タンパク質と標的応答エレメントとの間の結合を阻害するその能 力について候補インヒビターをスクリーニングするための方法であって、以下の 工程: a)請求項2に記載の衝突構築物を含む細胞を提供する工程であって、ここで 、前記第1の結合タンパク質が標的結合タンパク質であり、そして前記第1の応 答エレメントが標的応答エレメントである、工程; b)該標的結合タンパク質の非存在下または存在下においてベースラインのレ ポーター遺伝子シグナルを提供する工程; c)該候補インヒビターの存在下および非存在下においてレポーター遺伝子シ グナルを測定する工程;ならびに d)得られるレポーター遺伝子シグナルを比較する工程、 を包含する、方法。 38.前記標的応答エレメントが前記細胞に対して内因性ではない、請求項37 に記載の方法。 39.前記標的応答エレメントが前記細胞に対して内因性である、請求項37に 記載の方法。 40.前記標的結合タンパク質が、以下: a)前記細胞に該標的結合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を導入す ること; b)該標的結合タンパク質を構成的に生産し得る細胞に該標的結合タンパク質 を生産させること;および c)該標的結合タンパク質を該細胞に添加すること からなる群より選択されるプロセスにより提供される、請求項37に記載の方法 。 41.標的プロモーター下の転写の阻害を同定するための方法であって、以下の 工程: a)請求項1に記載の衝突構築物を含む細胞を提供する工程であって、ここで 、前記第2のプロモーターが標的プロモーターである、工程; b)候補インヒビターのパネルの存在下および非存在下においてレポーター遺 伝子シグナルを測定する工程;ならびに c)得られるレポーター遺伝子シグナルを比較して、標的プロモーター活性の 阻害が候補インヒビターのパネルのいずれかの使用において生じたかどうかを決 定する工程、 を包含する、方法。 42.レポーター衝突構築物の作製方法であって、以下の工程: a)第1のプロモーターを含む第1の調節配列、転写および翻訳に際して検出 可能なシグナルを提供し得るレポーター遺伝子、および第2のプロモーターを含 む第2の調節配列を提供する工程;ならびに b)該第1の調節配列、該レポーター遺伝子、および該第2の調節配列を一緒 に連結して、請求項1に記載の衝突構築物を生産する工程 を包含する、方法。 43.請求項33に記載の宿主細胞を培養する工程を包含する、衝突構築物の生 産方法。 44.請求項1に記載の衝突構築物を原核生物細胞または真核生物細胞中で発現 させることを包含するプロセスにより生産される衝突構築物。 45.前記真核生物細胞が、哺乳動物細胞、昆虫細胞、酵母細胞、および鳥類細 胞からなる群より選択される、請求項44に記載の衝突構築物。
JP9-511984A 1996-08-16 1996-08-21 転写活性化のインヒビターについてのスクリーニングのための方法および構築物 Pending JPH11514854A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US60/003,708 1995-09-13
US08/689,926 1996-08-16

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11514854A true JPH11514854A (ja) 1999-12-21

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