JPH10513048A - 生体分子の変調剤のためのスクリーニング - Google Patents
生体分子の変調剤のためのスクリーニングInfo
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、推定上の変調剤が変更された生体分子を有する1またはそれ以上の条件増殖細胞タイプにおいて表現型センサーに及ぼす影響を、これらの生体分子が正常である細胞タイプにおけるそのセンサーに及ぼす影響と比較することにより、生体分子の変調剤をスクリーニングする方法を提供する。変更された生体分子またはその生体分子に関連する生化学経路により、異なる影響が生じ、および/または変調剤が及ぼす影響により正常な細胞において本質的に再生産されうる表現型影響が生ずる。また、変調剤が異なる変更された生体分子を有する複数の細胞に及ぼす影響、および/または複数の異なる表現型センサーに及ぼす影響を比較することにより、変調剤をスクリーニングする方法および変調剤を特性決定し評価する方法が提供される。この方法はまた、既知の変調剤を参照して新規変調剤を特性決定して、例えば、作用のメカニズムを同定し、または変調剤の分子相互作用を特性決定するためにも適用しうる。
Description
【発明の詳細な説明】
生体分子の変調剤のためのスクリーニング技術分野
本発明は酵素またはRNA分子などのような生体分子の促進剤または阻害剤を
スクリーニングするための方法およびそのような促進剤または阻害剤の特性付け
のための方法に関している。従って特定の態様において、本発明は抗微生物試薬
の分野に関している。背景技術
以下の背景技術情報は係属中の特許請求に対する従来の技術であるとは認めら
れないが、ただ読者の理解の助けとなるように提供される。
種々の目的のための生物学的に活性な化合物の開発は多くの異なった分野にお
いて非常に興味が持たれている。例えば抗菌療法の分野においては現在の薬剤に
対する細菌の耐性は、重大な問題でその問題は大きなものとなりつつある。細菌
の抗生物質耐性の増加の結果として患者の入院がより長くなり、処置費用が増加
する。(B.Murray,1994,New Eng.J.Med.330:
1229−1230。)従って、存在する細菌耐性機構により影響されない新規
抗菌性薬剤、並びに一般に影響され易い細菌株により起こされる感染の処置の改
良を提供する薬剤に非常興味が持たれている。
同様に種々の真菌(植物、動物およびヒト病原体を含む)に対して活性な化合
物、並びに哺乳類細胞に活性な薬剤(抗癌剤)の開発に非常に興味が持たれてい
る。
抗生物質のような新規治療剤の開発は種々の方法により始めることができるが
、一般的には少なくとも二つの範疇に分かれる。第一は特異的標的に注意を払わ
ず抗菌剤をスクリーニングする伝統的な方法である。
第二の方法には新規標的の同定、および続いてこれらの標的に影響する抗菌剤
を発見するための化合物のスクリーニングが含まれる。そのようなスクリーニン
グには、遺伝子の発現または特定の酵素の機能の阻害のためのスクリーニングを
含む種々の技術を含むことができる。そのようなスクリーニングのほとんどは特
定の野生型の増殖阻害または生物体の耐性株を探しているが、ある種の方法は特
定の群の阻害剤に対して過敏性である細菌株を利用している。そのような方法の
例には、Kitanoら,1977,Jap.J.Antibiot.30Su
ppl:S239−245、および KamogashiraおよびTakeg
ata,1988,J.Antibiot.41:803−806、が含まれ、
そこでは同一クラスの追加の阻害剤スクリーニングのための特定の抗菌剤に過敏
性である細菌株の使用を報告している。
別の方法はAndrianopoulosら,1995,培養色変化による生
物学的に活性な薬剤の同定、PCT出願PCT/US94/09304、国際特
許出願WO95/06132、により報告されている。この出願は二つの生物体
の混合培養の使用を報告しており、その各々は異なった色の培養液を生成し、お
よびその一つは特定のクラスの阻害剤に対してより感受性を持っている。感受性
株の一つの好適な阻害により混合培養物は他の株の色を示すようになり、特定の
標的に活性な化合物の存在を示唆する。更に別の方法はC.Selitrenn
ikoff,1983,Antimicrob.Agents Chemoth er
.23:757−765、に記載されており、ニューロスポラ クラッサ(Neurospora crassa
)突然変異体株の細胞壁の再生が、真菌細
胞壁の構築機能に作用するであろう抗真菌化合物を検出するためにモニターされ
た。発明の要約
本発明は、高感度で、特異的でおよび高度に情報を提供する様式で生体分子の
迅速なスクリーニングおよび特性付けのための方法を提供する。特にこれらの方
法は、条件付き増殖表現型を示す細胞型の使用による、抗菌剤のスクリーニング
を含む生体分子の変調剤(modulator)のスクリーニングを可能にする。そのよ
うな突然変異細胞型は突然変異した生体分子に作用するまたはそれらにより起こ
された欠陥を増幅する薬品に対してより感受性があり、従って、そのような変調
剤存在下の突然変異体および正常細胞型の異なった増殖に基づいた有用な変調剤
の指標を提供する。そのような突然変異体の例としては温度感受性突然変異体が
挙げられる。さらに、突然変異体株による異なった炭素源利用のような別の表現
型センサーは変調剤のスクリーニングまたは特性付けに利用できる。突然変異を
受けた生体分子には例えば、DNAジャイレースおよびRNAアクチベーターの
ような酵素が含まれる。さらに、本発明は多くの異なった生体分子の同時迅速ス
クリーニングを可能にする。
加えて、本発明は多重チャンネル法を用いて生体分子の変調剤をスクリーニン
グ、評価および特性付ける方法またはそのような変調剤を含む調製物を提供する
。従ってこれらの方法は伝統的スクリーニング法よりも化合物スクリーニングの
初期の段階でより広い範囲の関連する生物学的特性の同時決定を可能にする。本
発明のいくつかの方法において、化合物または調製物が種々の異なったアッセイ
を用いて同時に評価され、どの化合物が特定の細胞型の増殖を阻害するか、化合
物の標的、関連する毒物学的特性、関連する薬品作用学的特性などの情報を提供
することができる。そのような薬品作用学的特性には例えば、血清結合、血清不
活性化、溶解性、安定性および活性のスペクトルの幅(異なった細胞型に渡って
)が含まれる。多重チャンネルスクリーンでのアッセイの組の結果を一緒にする
ことにより、生物学的に活性な化合物の機構を特性付ける、いくつかの場合は化
合物それ自身をも特性付ける同定可能なパターンが提供される。
従って、本発明の第一の態様では生体分子の変調剤のためのスクリーニング法
を特色とする。本方法には変化した生体分子を持つ第一の細胞型および正常な生
体分子を持つ第二の細胞型間の表現型センサーを比較することにより潜在的変調
剤の影響を決定することが含まれる。変化した生体分子を持つ第一の細胞型は条
件付けられれた増殖表現型を持つか、または変化した生体分子が部分的に無能力
な機能を持っている。第一および第二の細胞型の少なくとも一つは、変化した生
体分子の機能が部分的に無能力化されるように適当な増殖培地中で(好適には半
寛容な条件下で)潜在的変調剤と接触して増殖する。好適には、第一および第二
の細胞型は別々に潜在的変調剤と接触する。
用語”表現型センサー”とは、細胞の代謝的機能発現の特質である細胞型の観
察可能な特質を意味している。従って、表現型センサーは細胞内にある特定生体
分子の機能の相違の指標であり、特定の生体分子の異なった機能レベルを持つ二
つの細胞型間で異なっているであろう。そのような表現型センサーは、ある種の
条件下で増殖するような動的特質、またはある種の代謝物の細胞内レベルのよう
な細胞状態であろう。センサーは決定が実施されるおよび/または細胞が増殖す
る条件に依存して変化し得るであろう。
”スクリーニング”とはあらかじめ知られていない分子の興味ある性質がアッ
セイで決定されることを意味している。この方法はそのような分子の性質を決定
する個々の試験とは異なっている。一般的に、この方法では多数の潜在的変調剤
を同時にスクリーニングすることが含まれる(例えば、5または50またはそれ
以上のそのような変調剤)。当業者は、潜在的変調剤には3000未満の分子量
の小さな分子、並びにオリゴヌクレオチド、ペプチド、脂質および炭化水素を含
むより大きな分子を含む広範囲な生体分子が含まれることを認識するであろう。
”変調剤”または”生体分子の変調剤”または”バイオ変調剤”とは生体分子
の活性を阻害するまたは促進することにより影響を及ぼすことができる薬品であ
る。一般的にそのような変調剤は生体分子の阻害剤である。従って変調剤には例
えば抗菌剤および抗癌剤が含まれる。”既知のバイオ変調剤”は特定の細胞に生
物学的に活性であることが知られている化合物であるが、しかし特定の作用様式
または細胞標的が既知である必要はない。”潜在的変調剤”とは選別または評価
される試験化合物である。
”から成る”とは言葉”から成る”に続くものを含んでいることを意味してい
るが、それらに制限するものではない。従って、用語”から成る”の使用は掲げ
られた要素が必要とされるまたは委任されるが、他の要素は随意であり存在して
も存在しなくてもよい。
”生体分子”とは生きている細胞または生物体内に通常存在し、細胞または生
物体により産生されるまたは利用される分子を意味しており、蛋白質、ペプチド
、ポリペプチド、炭水化物、脂質,RNA,DNAおよびオリゴヌクレオチドが
含まれる。”変化した生体分子”とは天然に存在する微生物(すなわち正常な微
生物)に存在するものとは異なったものである。”変化した”とは生体分子がそ
の活性が不完全であるか、すなわち、低下したレベルの活性を持っているか(例
えば20%減少、好適には完全には活性がなくなっていない)、または正常な生
体分子で観察される活性よりも促進された活性(例えば、少なくとも25%以上
)を持っていることを意味している。本用語はまた量の欠陥、例えば生体分子の
過
剰発現または過小発現も含んでいる。そのような生体分子の例には以下に例示す
るDNAジャイレースが含まれる。そのように変化した生体分子は、これらの分
子に作用する薬品に対してより感受性があること、例えばDNAジャイレースは
フルオロキノロンに対してより感じ易いことが決定された。そのようなより高い
感受性はこれらの生体分子に作用する薬品、すなわち変調剤のより高感度な検出
を可能にする。従って、特定の酵素の潜在的変調剤は、欠陥のある生体分子を持
つ微生物を用いるそのような分子の活性の迅速アッセイで容易にふるい分けする
ことができることが決定された。用語”異なって変化した生体分子”とは生体分
子の区別可能な変化を示している。これは例えば、異なった型の生体分子の変化
および/または表現型的に区別可能な生体分子の変化(その変化を除いては同一
である)を含むことができる。
用語”細胞型”には一倍体および二倍体の両方が含まれる。例えば、二倍体細
胞は哺乳類(例えば、ヒト)不死化細胞株および二倍体微生物細胞を含むことが
できる。用語”細胞型”は特定の株または細胞系統を示している。
用語”条件付けられた増殖表現型”とは、その表現型を持つ細胞型の増殖が正
常細胞型よりも大きな程度、培養条件の少なくとも一つの変化するもので条件付
けられていることを意味している。一般に、比較は正常親細胞型および親の条件
付けられた増殖誘導体間である。従って、条件付けられた増殖細胞は、寛容な条
件および制限条件間の増殖において正常細胞よりもより大きな相違を示すであろ
うし、半寛容(中間)条件ではより遅くまたは検出可能な表現型相違を示して増
殖するであろう。そのような条件付けられた増殖表現型の特別の例は温度感受性
表現型である。典型的には、正常細胞型と比較して、温度感受性細胞型(例えば
、細菌株)の増殖は若干高い温度で阻害されるであろうが、一方より低い温度で
は同様の増殖を行う。従って、”条件付けられた増殖”は正常細胞と比較して、
いくつかの変わりうる培養条件の変化に対する細胞型の異なった応答を意味して
いる。そのような変わりうる培養条件には温度、塩濃度、pHおよび栄養利用が
含まれるがそれらに制限されるわけではない。下記の発明の詳細な説明および実
施例に記載されているように、条件付けられた増殖細胞は普通半寛容条件下で増
殖された場合一つまたはそれ以上の抗増殖剤に過敏性を示すけれども(例えば、
抗
菌剤に対する細菌株の増大した過敏性)、ある濃度の抗増殖剤(例えば、抗菌剤
)の存在に対する単に異なった応答を意味するつもりではない。しかしながら、
化合物に対して過敏性であるが、他は条件付けられた増殖表現型を示さない細胞
型は本明細書に記載した多重チャンネル法で有用である。
”部分的に無能力な機能”とは生体分子が正常細胞条件下、その生体分子の正
常コピーよりもより低い生物学的活性しか持っていないことを意味している。
細胞および細胞型に関する文脈において用語”増殖”とは細胞の数の増加を意
味している。特定の細胞型に対しては本用語はまた個々の細胞の大きさの増加、
特に細胞分裂に先だった増加も含んでいる。従って、”増殖を比較する”とは一
つの細胞型の細胞数および/または大きさが他の細胞型と比べてより多い(大き
い)またはより少ない(小さい)変化を示すかどうか、または特定の細胞型が一
つの組の条件下で別の組の条件に比べてより多いまたはより少ない増殖を示すか
どうかを決定することを意味している。そのような増殖の直接的または間接的測
定が使用できる。例えば、培地の濁度が常法によりモニターでき、培地のpHが
モニターされ、または細胞の生存率が蛍光発色団によりモニターされる。当業者
は、細胞の増殖を測定する他の直接または間接法も本発明の範囲内であることを
認識するであろう。より一般に、”表現型センサーを比較する”とは、二つまた
はそれ以上の異なった細胞型および/または条件に対して観察可能な特質の相違
または類似を決定することを意味している。増殖または炭素利用のパターンまた
は表現型プロフィールの比較において、用語”比較する”とは試験結果の全体が
考慮されることを意味している。ある場合には、結果の単純な計算およびグラフ
化のような単純な分析および表示のみで結果パターンを比較することが可能であ
る。しかしながら、多くの応用例において、含まれるデータの量およびデータの
型は統計的分析およびコンピューターによるパターン認識の使用により非常に有
用なものになろう。そのような分析のいくつかの可能性は発明の詳細な説明に記
載されている。
部分的に無能力な生体分子は、変化した生体分子またはその生体分子に関連し
た生化学的経路に作用する変調剤の作用により高い感受性を持っている。従って
、そのような変調剤は第一および第二の細胞型の表現型センサー(異なった増殖
の
ような)に異なった影響を与える(両方の細胞型がその変調剤と接触して増殖し
た場合)。従って、化合物が変化した生体分子を持つ細胞型に生体分子が変化し
ていない細胞型よりも大きな影響を与えるスクリーニング結果を示すことは、化
合物が特定の生体分子または関連する生化学的経路を標的とする変調剤であるこ
との指標である。従って、好適な態様において、本方法は第一および第二の細胞
型を潜在的変調剤と接触させて増殖させることを含んでいる。変化した生体分子
または関連する生化学的経路に作用する変調剤は、変調剤が存在しない場合より
も存在する場合の方が表現型センサーに非常に大きな相違を生じさせる。特に、
表現型センサーは増殖でありうる。
異なった変化した生体分子を持つ複数の異なった細胞型の使用はより広い範囲
の比較情報を提供し、従って、好適な実施態様において、複数の第一の細胞型が
使用される。そのような複数の数は小さな数(例えば、2または3)でもよいが
、好適には多くの数の(例えば、50または100またはそれ以上)生体分子変
化および他の細胞型相違を含ませるためにより大きな数である。従って、複数の
生じた表現型センサーの比較は、特定の変調剤についての広範囲な情報および多
数の異なった標的に対する効果のモニタリングによるふるい分けのより広い範囲
を提供する。
別の好適な態様において、正常な生体分子を持つ細胞型(第二の細胞型)が潜
在的変調剤存在下で増殖され、表現型センサーが異なった細胞型に対して同一で
あるかどうかを決定する比較を行った。このことは特定の変化した生体分子の細
胞効果が、その生体分子またはその生体分子が関係する生化学的経路を標的とす
る変調剤の作用により野生型(正常)細胞において本質的に再現できるという観
察結果に基づいている。
表現型センサーまたはパターンの比較の文脈において、”同じ”とは、観察ま
たはパターンの組を他のより関係が少ない組形成から機能上区別する特有な程度
の類似を意味している。従って、本用語は同一であることは意味していない;型
または程度の相違が対の構成物間に存在してもよい。例えば、変調剤存在下の正
常細胞および突然変異体細胞の炭素利用のパターンの比較する場合、炭素源が異
なっている培養培地中の二つの細胞型の増殖量は異なっているが、パターンは依
然として同じでありうる。他の表現型センサーおよびパターン比較は類似の様式
で考えなくてはならない。
前に示唆したように、細胞型は好適には複数の異なった増殖条件下で増殖され
る。従って、特定の態様において、比較は多数の異なった増殖条件下で実施され
る。このことにより比較に有用である異なった増殖条件でのパターンが提供でき
、また増殖条件の範囲は表現型センサーの範囲の変化を異なって反映できるので
より広範囲のふるい分けを提供できる。変化した生体分子、変調剤の存在または
その二つの組み合わせは、異なった培養条件における細胞の増殖のような表現型
センサーに対する特徴的効果を生じるある範囲の細胞効果を与える。特定の例に
おいて、増殖を支えるために特定の基質を使用する細胞の能力は、細胞中の変化
した生体分子および変調剤の存在を含むストレス条件により変化する。従って、
特定の生体分子に作用する変調剤の存在は、野生型細胞をその生体分子の変化体
を持つ細胞と同じ増殖パターンを示すようにさせる。同様に、未知の変調剤の存
在は野生型細胞が、以前から既知の変調剤の存在で細胞が示す増殖パターンと同
じものを示すようにさせることができる。特定の態様において、複数の増殖条件
は増殖を支えるために利用可能な炭素源が異なっている種々の異なった増殖培地
を含んでいる。基質利用のパターンの比較は変調剤の細胞標的の指標である。
”増殖条件”とは少なくともいくつかの細胞型の増殖のために適した細胞外環
境を意味している。従って、条件には適当な生理学的環境ならびに適当なエネル
ギー源が含まれる。一般に本発明の方法では、増殖条件は野生型細胞の増殖に適
するように選択される。
前に指摘したように、好適な態様において、本方法は炭素源が異なった複数の
異なった培地での細胞増殖の比較をさらに含んでいる。(特定の培地での増殖能
力はこの場合表現型センサーである。)増殖のために種々の炭素源を利用する、
変化した生体分子を持つ細胞型の能力が、その生体分子またはその関連する経路
に作用する薬剤または変調剤により模倣できることが決定された。すなわち、変
化した生体分子を持つ細胞において、これらの細胞はストレス下にあり、弱めら
れた中心的機能を持っているであろう。細胞に対するこのストレスは一つまたは
それ以上の炭素源を使用するその能力を、これらの炭素源利用の機構を反映する
様式で変化させている。そのような方法は生体分子の変調剤の活性の表現型プロ
フィール(この場合代謝プロフィール)を提供し、炭素利用に基づいた変調剤の
作用機構の分析を可能にする。そのような分析の例は下記の発明の詳細な説明に
提供されている。
用語”炭素源”とは増殖培地に存在する炭素含有化合物を意味しており、それ
は増殖を支えるエネルギー源としておよび/または必要とされる分子を合成する
ための炭素の供給源として少なくともいくつかの細胞型により利用されるであろ
う。従って、特定の化合物を利用する特定の細胞型または微生物株の能力は細胞
型の特色となるパラメーターである。そのような炭素源の例としては例えば、種々
の単純糖が含まれる。
従って、前に指摘したように、上記の方法におよび一般的に本発明の方法に多
くの比較を利用することが好適であり、複数の細胞型を利用することが好適であ
る。特に、異なった変化生体分子を持つ複数の異なった細胞型を利用することが
好適である。
上記の方法および本発明の他の方法において、変調剤の存在および/または効
果を決定するため複数の表現型センサーを試験するのも好適である。このことに
より、変調剤の機能発現に関する広範囲の情報、ならびにより広いふるい分け(標
的および機構のより広い範囲のスクリーニングのため)を提供する。
好適な態様において、細胞型の条件付けられた増殖表現型は温度感受性(ts)
表現型(通常熱感受性表現型)である。従って、そのような細胞型は好適には半
寛容温度(即ち、その細胞の寛容的および制限的温度の中間の温度)で増殖され
るであろう。好適には(しかし必要ではない)、そのような温度感受性表現型は
条件付きで致死的であり、細胞は制限温度で死ぬことを意味している。温度感受
性表現型(熱および寒さ感受性の両方)が現態様には好適であるが、他の条件付
けられた表現型細胞も単離でき、特定の応用には好適であろう。そのような他の
表現型にはpHまたは浸透圧感受性が含まれるが、それらに制限されるわけでは
ない。
”微生物”とは一般的に単純で、顕微鏡的な生物体を包含することを意味して
いる。ほとんどの場合、これらは細菌、真菌およびウイルスのような一倍体生物
体である、例えば、サッカロミセス セレビジエ、アスパラギリス ニガー、カ ンジダ アルビカンス
、カンジダ グラブラータ、大腸菌、スタフィロコッカス オーレウス
など。(真菌には酵母が含まれる。)一般に、ただ一つの形の遺伝子
を持つ一倍体生物体は遺伝子的手段によりより容易に取り扱いできる。しかしな
がら、二倍体生物体もまた本発明の方法、これらの生物体に対して活性な薬剤の
スクリーニングおよび哺乳類(例えば、ヒト)細胞における薬剤の効果のモデル
としての両方に有用である。
関連する態様において、本発明は潜在的変調剤存在下で変化した生体分子を持
つ複数の細胞型を同時に増殖させることによる生体分子の変調剤のスクリーニン
グ、および潜在的変調剤存在下でどの細胞型の増殖が変化したかどうかを決定す
る方法を提供する。複数の細胞型は好適には別々に潜在的変調剤と接触させる。
さらに、複数の細胞型は同時に多数の異なった潜在的変調剤存在下で増殖できる
。変化した生体分子を持つ細胞型は条件付けられた表現型を持っているであろう
が、必ずしも必要ではない。この態様の好適な実施態様は第一の態様のものと同
様である。
好適な態様において、本方法はさらに変調剤存在下での複数の細胞型の増殖の
パターンに対する既知の作用の機構を持つ変調剤存在下で細胞を増殖させた場合
に観察されるパターンのように、一つまたはそれ以上の表現型に対する変調剤の
影響を比較することにより変調剤の作用機構を同時に決定することから成ってい
る。さらに、本方法は種々の炭素源の利用または変調剤存在下の正常な細胞によ
る他の表現型センサーのパターンを、変調剤不在下での既知の突然変異の細胞型
のパターンと、または機構が知られている変調剤存在下での正常な細胞のパター
ンを比較することにより変調剤の作用機構を同時に決定することからなっている
。
本発明の方法の文脈において用語”同時に”とはある作用の少なくとも部分的
な同時の操作を意味している。従って、多数の異なった細胞型の同時増殖につい
ては、異なった細胞型が少なくとも全期間の一部、同時にすべて増殖されるが、
しかしながら好適には、本発明の方法の一つの単一の操作に含まれているすべて
の細胞型が完全に同時に増殖される(即ち、すべての細胞型に対して培養が同時
に始まり同時に終わる)。
生体分子に対する変調剤の操作に関して、用語”作用の機構”とは一般に変調
剤が細胞にその生物学的効果を働かせる方法を意味している。一般に、このこと
は少なくとも全体の細胞機能のレベルに対する特異性を意味している、例えば、
蛋白質代謝、核酸代謝または細胞膜生合成。従って、本発明の文脈において作用
の機構は、もしその機構の知識が方法の結果を試験する前にこれらの方法の一つ
の操作者に入手可能であれば”既知”である。このことは操作者が実際にその知
識を得ていたことを意味するわけではなく、ただその知識はその人が入手可能で
あることである。
”作用の機構”と異なり、”細胞標的”または”遺伝子標的”は非常に高い程
度の特異性を意味している。これらの用語は特定の生体分子の機能に含まれるま
たは著しく影響する細胞生化学経路を意味している。従って、本用語は変調剤に
より直接的に影響される特定の分子、または意味を持って特定の分子を含む生化
学経路を意味している。
本発明の方法に関して使用される用語”増殖のパターン”とは多数の異なった
細胞型での、および/または多数の異なった増殖条件での異なった増殖試験の蓄
積された結果を意味している。同様に、”炭素源利用のパターン”とは多数の異
なった細胞型での、および/または異なった炭素源を持つ種々の異なった増殖培
地での基質利用試験の蓄積を意味している。
また、上記の態様の特定の実施態様において、生体分子の少なくとも一つの変
化はその生体分子の活性を低下させる。
特定の生体分子の生物学的機能に関係して、その生体分子の”活性”は細胞ま
たは特定の型の細胞群中の特定の分子の全プールにより示される生物学的機能の
レベルを意味している。従って、一般に、本用語は特定された量の生体分子生物
学的機能のレベルを意味するが、また細胞中のその生体分子の機能の全レベルも
意味し、従って後者の立場では特定の生体分子が過小発現の場合(即ち、その一
般的な型の正常細胞よりも細胞中に産生される分子の量が少ない)を含むことが
できる。
さらに別の上記の態様の実施態様において、細胞増殖は間接法で測定され、ま
たは野生型細胞系統または株の野生型類似体よりも特定の細胞型中では、変化し
た生体分子は過剰発現されまたは変化した生体分子はより低レベルで発現される
。
用語”過剰発現”および”正常レベル”および”より低いレベル”または”過
少発現”は細胞中に存在するその型の活性な分子の数に関係して区別される。過
剰発現は著しく高いレベルの発現(20%またはそれ以上)を意味し、一方より
低いレベルは著しく低いレベル(20%未満またはそれ以下)を意味している。
従って、正常レベルは野生型または特定の一般型の参照細胞中に存在する活性な
分子の数を意味している。そのような変化した発現レベルを得るための一つの方
法は、変化した生体分子の遺伝子に転写的に連結された制御配列のクローニング
によることであり、その結果その遺伝子の転写および/または翻訳レベルの変化
が生じる。
2つの関連する態様では、本発明は生体分子の変調剤のスクリーニングを行う
ため、もしくは特性決定を行うための方法を提供する。この方法は、一度に一つ
の変調剤の複数の特性を決定するための一連のアッセイを同時に実施することを
必要とする。このことにより一度に一つの化合物の単一の特性を決定するという
常法から脱し;その代わりにこの方法は、ある化合物の特性におけるある範囲の
情報を提供することに焦点を当てている。初期段階に入手することができるか、
もしくはある変調剤の同定後にのみ入手可能なこの範囲の情報により、例えば治
療的使用のための化合物のような候補化合物の優先順位決定(prioritization)
が一層容易になる。必須ではないが、典型的にはこの多重アッセイ(多重チャン
ネル)アプローチは96−ウエルマイクロタイタープレートを用いて実施される
。必須ではないが、更に典型的には多重アッセイの結果により、所定の結果もし
くは特性が知られている変調剤(一つもしくは複数)についての結果と比較する
ことが可能な結果パターンが得られる。
この多重チャンネル法は、条件成長表現型を有する一つもしくは複数の細胞タ
イプにおける変調剤の効果を決定することに基づく先に記載されるスクリーニン
グ法および特性決定法を包含するのに特に適する。従って好ましい態様では本発
明は、条件増殖表現型(一つもしくは複数)を有する細胞タイプ(一つもしくは
複数)におけるその変調剤の効果を決定することを含む。ある好ましい態様では
更に、本方法は変調剤の細胞性標的の決定を可能にするアッセイ(一つもしくは
複数)を含む。典型的にはそのような標的決定は、多数の細胞タイプにおける変
調剤の効果パターンの同定を必要とするであろう。
この「アッセイ」は、その結果が、検査もしくはアッセイされるものに関連す
る値もしくは特性についての情報を提供する検査を意味する。従って例えば異な
るアッセイにより、存在する細胞数、特定の炭素源が利用されるのか否か、特定
の溶液もしくは懸濁物中の活性化合物の量、ならびに広範にわたる多種多様の他
の値および特性を調査することができる。
変調剤の「特性」は、物理的および機能的特性の両方を意味することができる
。従ってこの用語は、中でも、例えば、特定の溶液中の化合物の安定性、一つも
しくは複数の細胞タイプの増殖における化合物の効果、特定の細胞タイプにより
利用される増殖用基質における特定の化合物の効果、特別な化合物の血清結合の
ような特性を意味することができる。
用語「特性決定を行う」は変調剤の特性に関しては、化合物の一つもしくは複
数の特性の少なくとも部分的な決定を意味する。特性決定される特性は、特定の
特性の特性決定を行う特定のアッセイの結果により直接決定されてもよいがその
必要はなく、もしくは多数の異なるアッセイもしくは観察結果から判定すること
を必要としてよい。
変調剤を「評価するための方法」は、その変調剤に関与する多種多様の検査の
結果を決定することを意味する。一般的には、そのような評価により多数の異な
る特性についてその変調剤の特性決定がなされ、そしてその化合物を他の化合物
から少なくとも部分的に識別する一連の情報が提供される。
更に別の好ましい態様では、変調剤の以下の特性の内の一つを決定するのには
少なくとも一つのアッセイが有用であり、それらの特性とは:血清不活化、溶液
もしくは懸濁物中の安定性、その変調剤に対する耐性の発生の頻度もしくはメカ
ニズム、溶媒もしくは溶液中の変調剤の溶解度、変調剤の細胞毒性、ならびに変
調剤のスペクトルの広さ、である。
記載されるように、本発明に有用なアッセイにより変調剤の多種多様の異なる
特性が調査される。このような状況では用語「安定性」は、ある特別な環境内で
の構造変化に対する分子の耐性を意味する。このような構造変化は開裂再構成も
しくは他の化学的改変を必要としてもよい。
用語「血清不活化」は、特定の哺乳類血清中での、特定の化合物の生物学的活
性の喪失を意味する。このような不活化は一般的にはあるタイプの構造改変(こ
れは開裂であることがしばしばである)を必要とし;これは更に、特別な化合物
の血清蛋白質への結合による単純な不活化をも含んでよい。
用語「溶媒」、「溶液」、および「懸濁物」は、それらの通常の化学的な意味
を有する。従って溶媒は、2つもしくはそれを上回る数の構成成分の分子混合物
中の主要構成成分である。溶液は、もう一つの構成成分に関する一つもしくは複
数の構成成分の分子混合物である。懸濁物は、本発明の方法の状況下では、もう
一つの構成成分中の一つの構成成分の物理学的分散物である。溶媒は液体であり
、そして溶液および懸濁物は主要液体構成成分に関しては液体である。従って用
語「溶解度」は、特定の溶媒中で溶液となるであろう物質(溶質)の量を意味す
る。一般的には本発明の方法では、適切な溶媒は、例えば、水、生理食塩水、緩
衝液、培地、もしくは血清のような水性溶媒である。
ある特定の変調剤についての細胞の「耐性の発生」に関しては、この用語は、
特定の細胞から特定のレベルの生物学的効果を誘導するのに必要とされる変調剤
の量の増加を意味する。このような耐性の発生は一般的には、特定の変調剤の作
用メカニズムに依存して異なる頻度で、かつ異なる細胞タイプについて生じる。
従って耐性の発生の頻度は、ある特定の細胞集団中に、ある変調剤に応答するそ
のような変化を有する細胞がどの位頻繁に出現するかを意味する。
変調剤の更に別の特性に関しては、「細胞毒性」は多種多様の細胞についての
化合物の致死効果を意味する。このような毒性は典型的には特定の対照細胞に関
して決定され;治療剤に関してはその対照細胞は一般的には哺乳類細胞である。
このような細胞毒性は一般的には、最も適切な目的の細胞内に存在する一つの構
成成分もしくは一群の構成成分における化合物の効果から生じる。
変調剤の生物学的活性に関しては、用語「スペクトルの広さ」は、変調剤が特
定の生物学的活性を呈する細胞のタイプの範囲を意味する。従って例えば、抗菌
剤である変調剤については関連するスペクトルの広さは典型的には、その抗菌剤
がその抗菌作用を有する細菌株および種の範囲を意味する。
特に好ましい態様では、この方法は更に、複数の細胞タイプにおけるその変調
剤の毒性学的結果のパターンをもう一つの、もしくは好ましくは複数の他の化合
物の効果と比較することにより、ある変調剤の分子毒性のプロフィールを決定す
ることを含む。このような他の化合物のメカニズムおよび分子相互作用により検
査化合物についての特性における比較情報が提供されるため、この方法は細胞と
いう状況下における検査化合物の分子相互作用の特性決定を行うことを含むこと
が好ましい。このことにより生物学的に適用される際の、その化合物の動態およ
び生物学的効果の能力の推定値が提供される。特定の態様では、一連の細菌性お
よび/または真菌性の株(例えば、サッカロミセス(Saccharomyces)株)、な
らびに哺乳類細胞におけるこれら化合物の効果を決定することにより、化合物の
分子毒性および細胞相互作用を分析することは有用である。本明細書に記載され
るサルモネラ ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)およびスタフィロ
コッカス アウレウス(Staphylococcus aureus)の温度感受性変異体株および
他の類似株によりそのような分析に適する細胞タイプのパネルが提供される。
もう一つの態様では、本発明は、好ましくは複数の異なる同時アッセイにおい
て、複数の異なる表現型センサーにおける変調剤もしくは変化した生体分子の効
果を決定することにより一つもしくは複数の細胞タイプの表現型のプロフィール
を決定するための方法を特性とする。複数の異なるアッセイにより、その細胞タ
イプの多数の異なる特性の特性決定が実施されることが好ましい。複数の異なる
アッセイは例えば、変調剤の存在/非存在下での、野生型と突然変異体細胞との
間で異なる表現型センサーの評価(一例では、多数の異なる増殖用条件下での増
殖のための検査)を含むことができる。このような増殖検査には、異なる炭素源
を有する異なる増殖培地中での増殖が含まれる。
本明細書で用いられる際には用語「表現型のプロフィール」は、多数の異なる
検査もしくはアッセイを通して特定の細胞タイプについて同定される結果のパタ
ーンを意味する。従って先に示されるように、一つのタイプの表現型のプロフィ
ールを、多数の異なる炭素源を利用する増殖検査(好ましくは同時に実施される)
において観察される炭素源利用/非利用のパターンを基にして、ある細胞タイプ
について確認することができる。表現型のプロフィールは更に、追加としてかも
しくは代用物としてのいずれかで、代謝機能の他のインディケーターをも含むこ
とができる。これには例えば、発現が細胞内の生理学的条件の変化に感受性を示
すRNA転写物を調査すること、例えば、リボヌクレオチドおよびデオキシリボヌ
クレオチド、cAMP、アラルモン(alarmone)類、アシルリン酸、およびポリリン
酸のような重要な細胞性代謝物の細胞内プールレベルを決定すること、例えば特
定の二次代謝物、発酵からの混酸、およびクオーラム(quorum)−感受性ペプチ
ドのような特定の細胞外産物を決定すること、および例えば細胞蛋白質の2次元
ゲル電気泳動(2−Dゲル)のような呈示方法の使用によることが含まれる。
更に別の態様では、本発明は、生体分子の変調剤の作用メカニズムを特性決定
するための方法が提供される。この方法は、変化した異なる生体分子を各々が有
する多数の細胞タイプにおいて、例えば増殖パターンのような表現型センサーに
おける変調剤の効果を決定することを必要とする。異なる細胞タイプについての
表現型センサー効果は、既知の変調剤の効果と比較される。このような比較によ
り、検査変調剤の作用メカニズムが既知の変調剤の作用メカニズムに類似するか
どうかが示される。既知の変調剤の作用メカニズムが知られている場合には、従
って検査変調剤の作用メカニズムはこのメカニズムおよび密接に関連するメカニ
ズムを含むように狭められる。作用様式の特性決定は、その変調剤が作用する細
胞標的の同定を含んでいてもよい。従って本方法は、既知の変調剤の既に同定さ
れたメカニズムと比較することによる作用メカニズムを同定するための迅速なア
プローチを提供する。具体的にはこの方法は、化合物の構造の同定もしくは複雑
なメカニズムの研究の必要性を伴うことなく、抗微生物活性を有する化合物の早
期特性決定を提供する。このアプローチは、異なる抗微生物剤に対する感受性(例
えば、β−ラクタム類、アミノグリコシド類、グリコペプチド類、およびテトラ
サイクリン類に対する多種多様の細菌株の異なる感受性)が有意に異なる広域に
わたる多種多様の異なる細胞タイプが利用される際には特に有利である。
先の態様に類似し、好ましい態様では少なくとも一つの細胞タイプが条件増殖
突然変異体であり、これはその突然変異体が例えば温度感受性表現型のような条
件増殖表現型を有し、かつ好ましくは半許容条件下で増殖することを意味する。
ある好ましい態様では更に、特性決定はその変調剤の細胞標的を同定することを
含む。
関連する態様では、本発明により、特定の正常生体分子を有する細胞タイプ内
での表現型センサーにおける変調剤の影響を、他の細胞タイプにおける変化した
特定の生体分子の表現型センサーにおける効果と比較することによる、ある生体
分子の変調剤の作用メカニズムの特性決定のための方法が提供される。先の態様
に示されるように、特定の正常生体分子を標的とする変調剤の効果は、その機能
が変化している生体分子の変化の効果を模倣することができる。従ってそのよう
な比較により、変調剤の作用メカニズムが他の細胞タイプにおける変化したいず
れかの生体分子に対応する生体分子を必要とするか否かが示される。典型的には
正常細胞タイプは、親株もしくは親細胞株であろうし、かつ変化した生体分子を
有するその細胞タイプはその親細胞タイプ(もしくは密接に関連する細胞タイプ)
の突然変異体派生物であろう。
この観点の好ましい態様は、先の観点について示されるものに類似し、複数の
表現型センサー、もしくは条件増殖表現型を有する細胞タイプ、もしくは例えば
細菌、真菌類、および哺乳類の癌細胞のような特定の生物体からの細胞タイプを
利用することを含む。
2つの関連する態様では、本発明は天然産物調製物の特性決定を行うための方
法を提供する。第1の方法は、変化した生体分子を有する複数の細胞タイプ中の
表現型センサーにおける検査天然産物調製物の効果を、第二の天然産物調製物も
しくは既知の変調剤の効果と比較することを含む。異なる調製物(もしくは調製
物と既知の変調剤と)の存在下での複数の細胞タイプについての効果パターンの
比較により、対照天然産物調製物もしくは既知の変調剤中に存在するものに対す
る、検査される調製物中に存在する変調剤(一つもしくは複数)の類似性もしく
は相違点が示される。このアプローチにより、所望される活性を有する天然産物
調製物の脱複製を初めとする、例えば抗菌剤のような有用な変調剤の更なる開発
のために天然産物調製物の優先順位を決定するための迅速法が提供される。それ
に加え、既知の調節分子の作用メカニズムが知られている場合には、その方法は
更に、その2つの変調剤が異なる場合であったとしても、その細胞タイプの増殖
パターンが類似様式の作用と一致する場合には、その天然産物調製物中の変調剤
の作用メカニズムを示すことができる。
第二の関連態様は、複数の細胞タイプ内の変化した異なる生体分子の一つもし
くは複数の表現型センサーにおける効果を、他の細胞タイプ内で変化したものに
相当する正常な生体分子を有する細胞タイプ中のそれら表現型センサーにおける
天然産物調製物の効果を比較することを含む。先に論議される態様に類似し、特
定の変化した生体分子の効果を模倣する変調剤による表現型効果の作製により、
その変調剤がその生体分子もしくは関連する生化学的経路に作用することが示さ
れる。
これら2つの観点の好ましい態様は、これまでの観点について先に示されたも
のに類似する。
用語「天然産物調製物」は、一つの化合物もしくは複数化合物の混合物を意味
し、複雑な特性決定されていない混合物であることができ、例えば植物、動物、
もしくは微生物のような生きた生物体起源から調製される。典型的にはそのよう
な調製物は、特定の細胞の培養培地から取得されるか、もしくは特定のタイプの
細胞から直接取得される部分的に分画化された混合物である。しかしながらこの
用語は更に、分画化されていない細胞培養物抽出物もしくは溶解物、または一つ
もしくは複数の化合物について高度に濃縮されている分画をも意味することがで
きる。
この方法は変調剤の活性を示す天然産物調製物の脱複製に有用であり、ある好
ましい態様では特性決定は、第一の天然産物調製物が既知の変調剤の第二の調製
物とは異なる遺伝子標的を阻害するか否かを決定することを含む。このことは、
この方法により2つの調製物か、もしくは調製物と既知の変調剤とにおける変調
剤の標的の類似点もしくは相違点の特性が決定されることを意味する。
先の各観点の特に好ましい態様では、細胞タイプは、スタフィロコッキ(Stap hylococci
)、シュードモナス(Pseudomonads)、エンテロコッキ(Enterococci
)、エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriacae)、およびストレプトコッキ
(Streptococci)からなる群より選択される細菌を初めとする微生物である。特
に興味深いものは、例えば、スタフィロコッカス アウレウス(Staphylococcus
aureus)、プソイドモナス アエルギノサ(Pseudomonas
aeruginosa
)、エンテロコックス ファエキウム(Enterococcus faecium)、エ
ンテロコックス ファエカリス(Enterococcus faecalis)、およびストレプト
コックス ニューモニアエ(Streptococcus pneumoniae)のような一般的な病原
性種である。具体的な態様ではスタフィロコッカス アウレウス(Staphylococc us
aureus)が利用される。好ましい態様では更に、細胞タイプは例えば、サッ
カロミセス セレビシエ(Saccharomyces cervisiae)、アスペルギリス ニゲ
ル(Aspergillis niger)、カンジダ アルビカンス(Cadida albicans)、およ
びカンジダ グラブラタ(Candida glabrata)のような真菌類である。同様に、
先の観点の好ましい態様では、細胞タイプは哺乳類の癌細胞である。
本発明の他の特性および利点は、本発明の好ましい態様の以下の記述、および
請求の範囲から明らかになるであろう。好ましい態様の記述 図面の簡単な説明
図1は、12種類の抗菌剤および一般的毒性剤に対するSalmonella
typhimuriumの3つの温度感受性突然変異体の感受性の増加倍数を
示す。これらはDNAジャイレースサブユニットAの突然変異体(gyrA21
2、gyrA215、およびgyrA216、半許容温度(35℃)で増殖)で
ある。DNAジャイレースに作用する抗菌剤に対しては高感受性であるが、他の
種類の薬剤または毒性剤に対しては高感受性ではない。データは、既知の標的に
おける増殖条件突然変異が標的阻害剤に対する高感受性をもたらすことを示す。
図2は、作用モードが特性決定されている種々の抗菌剤について、1組のSa
lmonella温度感受性突然変異体の高感受性プロフィールを、野生型の感
受性プロフィールと比較して表す。
図3は、異なる必須遺伝子間に存在し、増殖条件突然変異体を用いるスクリー
ニングにおいて異なる応答を生じさせることができる種々のタイプの相互作用を
図示する。
図4は、条件増殖突然変異体を5つの異なる細胞性プロセスに影響を及ぼす突
然変異体および対照とともに用いる多重チャンネルスクリーニングプレートの可
能な配置を図示する。
図5−9は、他の遺伝子における突然変異体と、および抗生物質の存在下にお
ける野生型と比較した、3つのts gyr突然変異体についての炭素源利用性
を図示する。炭素源化合物のコードは以下に示す通りである。
炭素源化合物コード
A6 Tween80
B7 M−イノシトール
C2 β−メチル−D−グルコシド
C3 D−プシコース
D4 ギ酸
D10 α−ヒドロキシ酪酸
E2 イタコン酸
E3 α−ケト酪酸
E8 プロピオン酸
F2 スクシンアミド酸
F4 アラニンアミド
H7 2−アミノエタノール
図10は、多数の細胞タイプ(例えば増殖条件突然変異体)をそれぞれのプレ
ート上で用いて単一の化合物の表現型プロフィールを作成する、マイクロウエル
プレートにおける多重チャンネルの実施を図示する。多数のプレートを用いて異
なる化合物をスクリーニングする。図示されるように、実施により、化合物の多
くの性質を特性決定して、望ましいプロフィール(表現型プリント(pheno
print))または標的を同定することができる。
図11は、1組の温度感受性Staphylococcus aureus突
然変異体について同一の阻害プロフィールを示す2つの化合物の構造を示し、化
合物の構造的類似性が示される。
図12は、1組のStaphylococcus aureus温度感受性突
然変異体の、Staphylococcus aureus野生型の増殖を阻害
するが、その作用の標的が特性決定されていない種々の化合物に対する感受性の
増加倍数を示す。
図13は、DNAジャイレースに作用する化合物の同定のために設計された可
能な多重チャンネルスクリーニングプレートを図示し、ジャイレースサブユニッ
トAを標的とする新規抗菌剤について得られるであろう仮定的結果(−)を示す
。
図14は、異なる増殖条件突然変異体の種々の試験化合物についての予測され
た阻害プロフィールのタイプを図示し、特定の化合物により影響を受ける突然変
異体の数が様々であると予測されることを示す。
図15は、特性決定されていないStaphylococcus aureu
s増殖阻害剤のスクリーニングにおいて、種々の数の温度感受性突然変異体の増
殖を有意に阻害した化合物(合計65から)の比率を示す。
図16は、特性決定されていない増殖阻害剤のスクリーニングにおいて、0、
1または3より多いStaphylococcus aureusの温度感受性
突然変異体に影響を及ぼした多数の増殖阻害剤の効力(MIC値)を示す。
図17は、65個の特性決定されていない増殖阻害剤のスクリーニングにおけ
る、Staphylococcus aureusの温度感受性突然変異体のそ
れぞれについてのヒットの数を示す。
図18は、増殖条件突然変異体を用いる多重チャンネル遺伝的増強(pote
ntiation)スクリーニングの、既知の標的または未知のクローン化遺伝
子のいずれかを用いる伝統的な生化学的スクリーニングと比較したいくつかの利
点を示す。
図19は、抗菌剤のスクリーニングにおいて用いるための、高感受性を必要と
しない、優勢致死突然変異体を選択するための方法を図示する。
図20は、種々の多重チャンネルスクリーニング目的(方法)およびそのよう
な方法を実施するために適当なアプローチを記載する表である。
本発明は生体分子の変調剤を同定および評価するための方法を提供する。この
ような変調剤は特定の生体分子の機能を阻害もしくは充進するかのいずれかであ
ってよいが、しかしながら多くの治療的使用では阻害剤が適切である。従って、
本発明は例えば抗微生物剤(抗細菌剤および抗真菌剤を含む)、および抗癌剤、
ならびに他の治療用化合物の同定および開発に有用である。
本発明は2つの関連する因子を含む。条件増殖突然変異体細胞は、主要細胞性
機能に関与する変化した生体分子を含む。許容条件下ではこの生体分子が十分に
機能して、その細胞の正常もしくはほぼ正常な増殖を可能とさせる。しかしなが
ら制限的条件下では、変化した生体分子の機能は、その細胞増殖が有意に遅くな
るかもしくは全く生じなくなる程度にまで損なわれる。半許容条件と称される中
庸条件下では、変化した生体分子の機能は部分的に損なわれる。以下の実施例に
おいては、部分的に損なわれている生体分子が、その生体分子もしくは関連する
生化学的経路に作用する阻害剤に対して高感受性となるように、条件増殖株を単
離することができる。このような株は更に、例えば炭素源利用性のような他の性
質においては、半許容性条件下で特性的かつ同定可能な表現型パターンを呈示す
る。
従って本発明の第一原理は、適切な条件下で野生型細胞と突然変異体細胞との
間の相違点もしくは類似点を評価することにより細胞改変(一つもしくは複数)
(一般的には欠失)の表現型センサーを利用する。このような表現型センサーは
、特定の生体分子(一つもしくは複数)の変化、特に主要生体分子の改変により
生じる代謝変化を反映する。適切な表現型センサーは、野生型細胞と、その野生
型細胞の一つもしくは多数の異なる突然変異誘導体との間で異なる検出可能な表
現型の特性を決定することにより確認することができる。(一般的にはその特性
は、変化した異なる生体分子を有する突然変異体の間でも異なるであろう)。こ
れらの表現型センサーは、特定の条件下では細胞が何をなし得るか(例えば、増
殖;特異的基質の利用など)、および/または特定の細胞構成成分もしくは分子
の状態(例えば、代謝プール;転写物の存在:蛋白質パターンなど)を反映する
。
代謝変化は変化した特異的生体分子から生じるため、その生体分子を標的とす
る変調剤は、野生型細胞の表現型に、対応する突然変異体細胞タイプの表現型の
本質的再生を行わせることができ、そして/または野生型と比較するとその突然
変異体の超高感受性を生じさせることができる。先に示唆されるように、これら
の効果は適切な表現型センサー(一つもしくは複数)の調査によりモニターする
ことができる。一つのこのような表現型センサーはストレス条件下での炭素源の
利用の識別パターンであり、この場合このパターンは特定の変化を施された生体
分子を表示する。もう一つの重要な表現型センサーは、例えば温度感受性細菌株
のような、半許容性条件下での条件増殖突然変異体細胞増殖の高感受性に基づく
。このような株を、ある生体分子の変調剤(一つもしくは複数)の存在を検出す
るため、および/またはその変調剤の作用メカニズムの特性決定を行うために用
いることができる。「要約」に記載されるように、条件増殖細胞タイプは熱感受
性タイプに限定されるのではなく、例えば、pH、浸透圧、および低温に対する細
胞の高感受性などのような別の培養パラメーター(一つもしくは複数)が成長の
条件となる他の細胞を含む。この高感受性の効果は「遺伝的増強作用」と称する
ことができ、なぜなら変化した生体分子(遺伝的構成成分)はその構成成分に作
用する変調剤の効果を増強するからである。先に記載されるように、このような
細胞は高感受性に加え、あるパターンの表現型効果を呈することがある。
従って、表現型センサーはおおまかには少なくとも2つの一般的範疇に分類す
ることができる;1)野生型よりは突然変異を生じた細胞タイプにおいて、その
変調剤の一層大きな効果として反映されるもの、2)変調剤が野生型細胞に、モ
ニターされる特定の特性に関する突然変異を生じた細胞の表現型を本質的に再生
せるもの。
本発明の第二原理は、例えば抗菌剤のような変調剤の早期開発段階で一層広い
範囲の評定基準を提供するために一連の異なるアッセイを一緒に取り込ませるこ
とによる生体分子の変調剤の同定および特性決定を行うことへの新規アプローチ
である。ある化合物に関する一連の情報のこのような同時取得は、治療剤として
の更なる開発のために変調剤の優先順位を決定するためには特に有益である。「
多重チャンネルスクリーニング」と称されるこのアプローチは、先の条件増殖表
現型を有する細胞の使用を含むが、ただしそのような突然変異体細胞の使用には
依存しない他のアッセイの使用も含む。特定のスクリーニングのためのアッセイ
の選択は、通常は特定の適用法に従って変化するであろう。これらのアッセイは
、異なる表現型センサー(先に記載される)を利用する多くの異なるタイプのも
の、ならびに突然変異体細胞タイプを必要としない他のアッセイであることがで
きる。
以下の論議および実施例は抗菌剤のスクリーニングおよび評価を強調するが、
しかしながら本発明は更に、抗癌剤を初めとする他のタイプの変調剤を同定およ
び評価するのにも適切である。条件増殖細胞タイプ−高感受性および温度感受性突然変異体の表現型プロフィー ル
先に示されるように、条件増殖細胞タイプは熱感受性細胞もしくは細菌株に限
定されるものではない。具体的には、これらの細胞タイプを、細菌、真菌および
哺乳類の細胞において単離することができる。このような細胞を単離するための
方法は一般的には当業者に知られているが、ただし典型的には目的の幾つかの細
胞タイプの突然変異体を単離および検査することを含む。この突然変異誘発は、
自発的突然変異誘発、化学的突然変異誘発、物理的突然変異誘発、部位特異的突
然変異誘発、およびインビトロ突然変異誘発を初めとする多種多様の方法のいず
れかにより引き起こすことができる。いずれかの方法により取得される特定の条
件増殖表現型を有する突然変異体は、典型的には適切な許容条件下で増殖し、か
つ適切な制限的条件下では増殖しない細胞コロニーを選択することにより単離さ
れる。
薬剤発見のための新規標的を同定することに加え、条件増殖突然変異体は、遺
伝子もしくは生化学的標的の特性決定が完全になされる以前であったとしても、
変化した生体分子に対応する標的の変調剤のためのスクリーニングに有用である
。この方法は全細胞を基にするものであり、厳密な増殖阻害剤についての検索を
行う従来のスクリーニングよりは感度が高く、高い標的特異性を提供するように
調節することができ、かつ、ヒットの評価および相対的優先順位を決定するため
に検査化合物についての一層多くの生物学的情報が早期に入手できるよう構造化
することができる。
所定のスクリーニング法は、条件増殖表現型に関連する変化した生体分子に作
用する化合物についての条件増殖突然変異体の高感受性に基づく。例えば、熱感
受性必須遺伝子機能を有する、条件致死的温度感受性突然変異体は、半許容的温
度下では部分的には欠陥を生じる。増殖温度が上昇するにつれ、突然変異した遺
伝子産物は進行的な細胞機能の損傷をもたらす。変調剤(例えば、阻害剤)のス
クリーニングのために利用されるのは、そのような温度感受性突然変異体の固有
の表現型特性である。
各温度感受性突然変異体は、欠損性細胞構成成分の遺伝子的および生理学的効
果から生じる二次性の表現型を有する。この遺伝的欠損は、野生型蛋白質よりは
薬剤により一層簡単に阻害される部分的機能性蛋白質を生じる。この特異的高感
受性は、「遺伝的増強作用」のスクリーニング法を樹立することによりスクリー
ニング目的のために利用される。このようなスクリーニングでは、突然変異体株
の増殖阻害を生じるが野生型タイプでは生じない化合物が選択される。このよう
な化合物はより高濃度では野生型株の阻害剤となることがしばしばである。
更に、原発性遺伝子欠損は、半許容性条件下でさえ突然変異体細胞に広域な生
理学的変化を起こすことができる。一例では、特定の突然変異により、初期標的
の上流および下流の生化学的に関連する蛋白質の全機能についての要件を作製す
ることができる。このような効果は、遺伝子的に欠損を生じている細胞性構成成
分を阻害する作用物質に加え、それらに関連する蛋白質を阻害する作用物質に対
して同時発生的高感受性をもたらす。生理学的不均衡の効果は、「代謝ウエッブ
(web)」と称することができる代謝相互関係を通して生じるであろう。従って、
幾つかの事例では、初期の遺伝的増強作用のスクリーニングは初期標的もしくは
生化学的に関連する標的のいずれかの阻害剤を同定する能力を有する。高感受性プロフィールの決定
実施例1&2のための一般的方法
サルモネラ ティフィムリウム(Salmonella typhimrium)の温度感受性必須
遺伝子突然変異体の高感受性の評価を行う目的で様々な薬剤および毒性作用物質
の最少阻害濃度(MIC)を決定した。
the National Committee for Clinical Laboratory Standards(1994)の推奨
事項に従う標準的マイクロブイヨン希釈技術を用いることによりMTCを測定した
。細菌をまずミューラー−ヒントン(Mueller-Hinton)ブイヨン中、30°C下で
増殖させ、105cfu/mlに希釈し、そしてこれを用いてミューラー−ヒントン(Mue
ller-Hinton)ブイヨン中で2倍希釈された抗生物質を含む96−マイクロウエル
プレートに接種した。プレートを半許容性温度(35°C)で20時間インキュベー
トし、そしてMTCを、可視化できる増殖を妨害する抗生物質の最低希釈率として
決定した。
親株のものと比較される突然変異体の感受性レベルの2倍の違いは、実験変動
の限度の範囲内に含まれ、そしてそのためMICの3〜4倍の減少を有意な高感受
性として見なした。
実施例1:gyr突然変異体の高感受性
既知の標的における、その標的の阻害剤に対する温度感受性突然変異の特異的
高感受性が、半許容性温度(35°C)下で増殖させた3つの温度感受性S.ティフ
ィムリウム(S.typhimurium)突然変異体のジャイレースサブユニットAの対立
遺伝子(gyrA212、gyrA215、およびgyrA216)の感受性プロフィールと供に図1
に示される。このグラフは、野生型親株に関して観察されるものと比較される特
性決定がなされている様々な抗菌剤に対する感受性の倍数増加を示す。このデー
タにより、DNAジャイレースに作用する作用物質に対するこれらの突然変異体の
高度に特異的な高感受性が示される。他の種類の薬剤もしくは毒性作用物質に対
する感受性は、親株とは有意に違わない(2倍以内)。
それに加え、異なる突然変異体対立遺伝子はジャイレース阻害剤に対しては独
特な高感受性のプロフィールを示す。ある突然変異体はクメルマイシンに対する
高感受性を示し(gyrA216)、あるものはクメルマイシンおよびノルフロキサシ
ンに対する高感受性を示し(gyrA215)、そしてもう一つのものはノルフロキサ
シンおよびシプロフロキサシン(gyrA212)に対する高感受性を示す。ジャイレ
ースサブユニットAの突然変異(gyrA215)がB−サブユニット阻害剤に対する高
感受性を生じることができること、およびこれを用いて、あるスクリーニング法
でそのような化合物を同定することができることを銘記されたい。それに加え、
幾つかのgyrA突然変異体株は既知の阻害剤に対する高感受性は全く示さず;恐ら
くこれらの株を用いて新規種類のジャイレース阻害剤を同定することができるで
あろう。まとめると、これらの結果により、突然変異を生じた対立遺伝子の選択
は、構造的なサブユニット−対−サブユニット相互作用を初めとするジャイレー
ス機能に影響を及ぼす新規種類の化合物の同定に有用であってよい。従って、あ
るスクリーニング法での損傷を受けたジャイレース突然変異体の特性の利用によ
り、インビトロで標的蛋白質の単一の特異的機能をアッセイするという生化学的
基盤のスクリーニングに勝る素晴らしい利点が提供される。
実施例2:サルモネラ(Salmonella)の温度感受性突然変異体の高感受性のプ ロフィール
条件致死突然変異体に関する高感受性のスクリーニングの一般化された利用法
の証明が、部分的に特性決定されたサルモネラ(Salmonella)の条件温度感受性
突然変異体からの高感受性のプロフィールを回収することにより実施されている
(図2)。この表は、野生型親株に比較する特性決定がなされている様々な抗菌
剤に対する突然変異体株の感受性増大を示す。感受性レベルの2倍の違いは実験
変動の限度以内に含まれ、そしてそのため3〜4倍の違いが有意とされる。
多種多様の高感受性のプロフィールが温度感受性株間で観察される。これらの
プロフィールは互いに顕著であるが、それでも関連する欠損を有する突然変異体
には共通の類似特性が存在する。サルモネラ(Salmonella)のトポイソメラーゼ
IV遺伝子に密接に関連する突然変異を有するparF突然変異体はジャイレースサブ
ユニットB阻害剤に対して高感受性を示し得る(黒丸)一方で、これらの突然変
異体は更にDNAもしくは蛋白質代謝に影響を及ぼす薬剤にも感受性を示し得る。
同様に、細胞壁の生合成メカニズムに可能な欠損を有する4つの温度感受性突然
変異体の内の2つのものの高感受性のプロフィールの範囲内に含まれる特異性も
観察される(突然変異体dapA およびmurCEFG、黒菱形)。後述の突然変異体は他
の作用物質に対しても感受性を示し、そして放射活性性チミジンの取り込みに欠
損を有する突然変異体(SE5091)とそれらの高感受性のプロフィールを供にする
。
従って、高感受性のプロフィールは実際には、図3に詳細に説明される数々の
タイプの相互作用を必要とする細胞経路間の認識可能な相互関係を表す。これら
のプロフィールにより作製されたパターンは、過敏となる遺伝子/代謝系内に含
まれる標的についての独特な兆候(サイン)となる。このことにより標的の特性
決定を行うための、そして最終的にはスクリーニング用薬剤の脱複製(dereplic
ation)のための有力な道具が提供される。この高感受性というプロフィールが
、37の既知の薬剤もしくは毒性作用物質の選択を用いる120のサルモネラ(Salmo nella
)および14のスタフィロコッカス アウレウス(Staphylococcus aureus)
温度感受性突然変異体について証明されている。
表現型センサー法−突然変異体表現型プロフィール
条件増殖突然変異体は更に、例えば炭素源利用プロフィールを用いる更に別の
表現型プロフィールを提供する表現型センサー方法にも用いられる。十分な表現
型センサーを用いれば、特異的標的阻害のパターンもしくは表現型プロフィール
が確認される。(特定の表現型センサーは、例えば野生型細胞と、一つの突然変
異体細胞株もしくは好ましくは一連の突然変異体細胞株との間の比較により標的
を同定するためには単独でも有用であってよい)。従って、この表現型プロフィ
ールを提供する目的で多種多様のレパートリーの表現型を同定するための突然変
異体株の評価が行われる。これらの評価には、既知の毒性作用物質および阻害剤
に対する高感受性、炭素源利用性、ならびに変調剤プロフィールの説明の手助け
となるであろう突然変異体表現型プロフィールを確認するための特異的もしくは
一般的代謝活性を測定するために設計された他のマーカーが含まれる。
一例では、野生型株もしくは許容条件下で増殖させた温度感受性突然変異体と
比較すると、温度感受性突然変異体は半許容的増殖条件下では所定の異なる炭素
源を代謝することができない。特異的突然変異体もしくは突然変異体群により利
用されることのない炭素源により、損傷を受けた主要機能に関連する追加的表現
型が提供される。それに加え、これらの炭素源マーカーの内の幾つかは、幾つか
の特異的細胞性標的もしくは経路に影響を及ぼす既知の薬剤のMTC下濃度に露出
された野生型株によっても用いられなかった。例えば、細胞壁作用薬であるケフ
ァマンドールの致死下濃度により、サルモネラ(Salmonella)野生型親株は、dapA
もしくはmurCEFGのいずれかの細胞壁関連性突然変異体によっては利用されない
ものと同一の炭素源を代謝しなくなる。従って、特定の生体分子を標的とする阻
害剤は本質的には、変化した(部分的に損傷を受けた)その生体分子を有する突
然変異体細胞について観察されるものと同一の炭素利用表現型を野生型細胞にお
いても引き起こす。
先の「要約」に記載されるように、表現型プロフィールは、単独もしくは組合
せ物としてのいずれかで含まれることができる代謝機能の他のインディケーター
を取り込むことができる。炭素源利用に加え、窒素源利用を調査することができ
る。同様に、その発現が細胞の生理作用の変化に感受性を示すRNA転写物により
細胞機能をモニターすることができるようになる。例えば、リボ−およびデオキ
シリボヌクレオチド、cAMP 、アラルモン類、アシル−リン酸、ならびにポリリ
ン
酸のような重要な細胞性代謝物の細胞内プールレベルも同様に細胞性機能のイン
ディケーターとして作用し、そして例えば特定の二次代謝物、発酵に由来する混
酸、およびクオーラム(quorum)関知用ペプチドのような特定の細胞外産物の産
生も同様である。それに加え、例えば細胞性蛋白質の2次元ゲル電気泳動(2-D
ゲル)のような呈示法の分析により、細胞状態の広域な分析が可能となる。一般
的には、識別用細胞効果(識別用表現型効果)を明らかにすることが可能ないず
れかのモニターが、表現型プロフィールとして包含されるのに有用である可能性
がある。
それと組合せて、必須細胞経路と他の細胞経路内、および必須細胞経路と他の
細胞経路との間の相互関係が、標的および阻害剤の高度な識別的認識のために単
独もしくは好ましくは供に利用される高感受性および生物センサープロフィール
として表される。この情報により、化合物作用の標的もしくは経路の認識が可能
となる。
先に示されるように、一つもしくは複数の表現型センサーに基づく分析は典型
的には、野生型細胞と比べて特定の突然変異体細胞が特定の変調剤の存在下では
幾つかのセンサーの一層大きな変化を示すかどうか、あるいは特異的変調剤の存
在が野生型細胞に、一つもしくは特性的な一連の突然変異体細胞タイプの表現型
を本質的に再生させるであろうかどうかのいずれかを決定することを必要とする
。(他の分析も所定の適用法には有用である)。所定の状況下では、実施される
実際の比較は、既に取得された結果のデータベースからの既知の変調剤について
の一つもしくは好ましくは複数の表現型センサーの観察結果と、仮想的変調剤の
効果の一つもしくは複数の実験結果との間のものとなる。
実施例3:特異的炭素源利用
例えば炭素源もしくは窒素源のような特定の物質を代謝する能力が遺伝子スク
リーニング(Gutnick et al.,1969,J.Bacteriol.100:215-219; Alper and A
mes,1975,J.Bacteriol.121:259-266)のための微生物の特性決定をするため
(Lederberg,1948,J.Bacteriol.56:695)、および実際には分類法の目的で
微生物を分類するため(Bochner,1992,米国特許第5,134,063号)に用いられて
いる。代謝のインディケーターは、増殖、pH、もしくは酸化還元−感受性染料で
あ
り得る。以下には、検査化合物の存在もしくは非存在下で特定の物質(もしくは
基質)を利用する細菌株の識別能力を利用する、新規の抗微生物剤を同定するス
クリーニング法を作製するための2つの適用例が記載される。一つの適用法では
、検査化合物の存在下で増殖する際には野生型株は、既に特性決定がなされてお
りかつ野生型株のものとは異なる(基質代謝に関して)ことが示されている突然
変異検査株の表現型が再度作製されるであろう。具体的にはその突然変異体株は
、その表現型が半許容性条件下で特性決定される温度感受性株である。第二の適
用法では、検査化合物の存在下で増殖する際には野生型株は基質利用性プロフィ
ールを、野生型株がストレッサー(stressor)(例えば、MIC以下のレベルの抗
生物質、致死レベル以下の突然変異誘発物質など)に露出される際に観察される
既に特性決定されている表現型を再度作製させるように変化させる。再度記載す
るが、このような表現型は予め特性決定がなされているであろうし、かつ野生型
のものとも異なることが示されているであろう。
大多数の炭素源の利用性の予備的特性決定は、例えばBiolog MT、ES、GN、も
しくはGP Microplate(商標)のような手動もしくは自動化された分類用スクリ
ーニング装置を用いて実施され得る。別法ではこれは、商品として入手可能な構
成成分を用いて実施することができる。サルモネラ ティフィムリウム(Salmon ella
typhimurium)野生型および温度感受性突然変異体、もしくは致死下レベル
のストレッサーを有する野生型の特性決定を行った。簡潔に述べると、株をTSA
プレートに綿棒で塗り付け、そして30℃の許容温度下で6時間増殖させて接種原
を作製した。この接種原(MacFarland の基準では、0.89%の滅菌食塩溶液中約
1)を、ロイシン欠損バックグラウンド中に存在する株内に宿る突然変異体の補
正を行うためにロイシンを添加したことを除外しては、Biolog“Instructions f
or Use”ハンドブックにより調製した。接種原をBiolog GNもしくはESプレート
に添加し、そして35℃の半許容温度下で一晩(約21時間)インキュベートした。
炭素源利用はマイクロプレートリーダー中、600nmでの比色法により測定した。
野生型および突然変異体によっては同じようには用いられない基質が同定される
。野生型および突然変異体、もしくは野生型 + / −ストレッサーにより識別さ
れて利用される基質の予備的同定の後には、基質の濃度および
他の条件(例えば、接種原、温度、培地の構成成分)を変化させることにより識
別シグナルの確認検査および至適化が実施される。典型的にはこれらの段階は、
Biolog MTプレートを用いるか、または少量のトリプトン(0.06%)もしくはプロ
テオースペプトン(0.2%)を補足してある唯一の炭素源(検査される基質)を含
む最少培地中に含まれる酸化還元用インディケーター(例えば、テトラゾリウム
バイオレット、0.0001%)を用いることにより実施した。これは96ウエルのマイ
クロタイタープレートフォーマットで実施することが可能であったが、これは高
処理能もしくは多重チャンネルのスクリーニング法に適用可能である。
炭素源利用は、検査された過半数の突然変異体およびストレッサー条件では野
生型とは有意に異なっていた。2つの説明的な特定の実例は、GyrA突然変異体
対 野生型のもの、および野生型 + / − シプロフロキサシンのものである
。最初には、図5〜9に示されるように、3つの異なるジャイレースA突然変異
体は、幾つかの炭素源を用いる能力では野生型とは異なっていた(英数字コード
はBiolog GNプレート上のウエルの位置に対応していた)。この効果は、a)その
突然変異体は、検査した95の炭素源の内の70(70 / 95)を用いることが可能で
あるかもしくは不可能であるという点では野生型に類似し、複合合計では検査し
た15 / 95の炭素源を利用するという点のみが異なっており、かつb)3つのジャ
イレースA突然変異体の炭素源利用に関しては表現型に非常に有意な重複が存在
したという点で有意であった。他の遺伝子における突然変異体は有意に異なる表
現型を生じた。第二に、細胞内での分子標的がジャイレースAであることが知ら
れているシプロフロキサシンのMIC下レベルの取り込みにより、その突然変異体
対立遺伝子の内の一つの表現型が完璧に産生され、そしてこれに関して他の2つ
のものとの有意な重複(46〜71%)が示される。MIC下レベルで投与される他の種
類の抗生物質によっては、ジャイレースA / シプロフロキサシンにより誘導され
る表現型とは異なる表現型が生じる。例外はセファマンドールおよびクロラムフ
ェニコール(40% 重複)であった。ジャイレースBを標的とするノボビオシンは
、ジャイレースA 突然変異体およびシプロフロキサシンにより誘導される表現
型のものに非常に類似する表現型を生じる。
2つの異なる適用法が先に記載されている一方で、本明細書に記載される2つ
の実施例は互いに関連性を有しており、かつ更に進んだ結論を引きだすことを可
能にする。これらの実施例により、炭素利用パターンにより、その遺伝子産物も
しくは標的の機能の完全性の読み出しが可能となる。従って、記載されるスクリ
ーニングにより、その作用様式が、既知の遺伝子産物もしくは既知のストレッサ
ー標的機能的完全性に関連する作用物質を同定することができる。
株の確認およびスクリーニング条件
高感受性(増殖については条件付きではない)は過去に、特異的細胞経路を標
的とする新規薬剤の発見のために成功裏に使用されている。(Kamogashira and T
akegata,1988,J.Antibiotics 41: 803-806; Numata et al.,1986,J.Antib
iotics39: 994-1000)。例えば温度条件突然変異体のような増殖条件細胞により
表される特異的高感受性により、完全な細胞のスクリーニングにおけるこれらの
突然変異体の使用による新規化合物の同定のための標的特異的スクリーニングを
開発するための迅速方法が提供されることが示される。しかしながら、半許容増
殖条件下では有用とはならないであろう突然変異体を削除することは有益である
。このような突然変異体対立遺伝子は、スクリーニングアッセイ温度ではほぼ野
生型タイプの機能を有することがある。温度感受性突然変異体の使用の正当性を
証明するための最も簡潔な方法は、半制限的増殖温度で増殖速度の減少を示すも
のを選択することである。増殖速度の減少によっては、必須遺伝子機能が部分的
に欠損を生じていることが示される。突然変異体株の部分的欠損の特性決定を行
う一層特異的な方法は、生化学的もしくは生理学的アッセイにより実施可能であ
る。多重チャンネルスクリーニング
本発明の多重チャンネルスクリーニングという態様は、生体分子の有用な変調
剤を同定および特性決定するためのアプローチにおける、ある変化を表す。多重
チャンネルスクリーニングでは、化合物のプロフィールを描き出すために単一化
合物について、例えば遺伝的増強作用アッセイのような多種多様なアッセイが同
時に実施される。このような化合物のプロフィールは例えば、多重チャンネルス
クリーニングに多数の条件増殖細胞タイプを包含させることを介して得られる標
的特異性についての情報を含むことができる。それに加え、化合物の特性決定お
よび優先順位決定に有用な更に別のアッセイを特定の多重チャンネルスクリーニ
ング法に包含させることができ、そこのとにより一層広域な化合物のプロフィー
ルが提供される。
複数の遺伝的増強作用アッセイを含む多重チャンネルスクリーニングについて
は、一つのスクリーニングは、変化した異なる生体分子を有する例えば条件増殖
細菌突然変異体株のような、一連の異なる条件増殖細胞タイプを含む。異なる細
胞タイプが様々な方法により識別されるスクリーニングからの所望される情報に
依存して、異なるタイプの細胞パネルを選択することができる(別々にか、もし
くは組み合わせてかのいずれかで)。例えば、各細胞タイプが変化した異なる生
体分子を有する細胞パネルを選択することができる。このようなパネルにより、
標的同定についての広域な情報が提供される。もう一つの実施例では、パネル中
の各細胞は同一生体分子内に表現型の上で識別可能な変化(例えば、蛋白質酵素
内の異なる残基での突然変異など)を有することができる。この種のパネルによ
り既知の標的における変調剤の作用の一層特異的な識別が可能となる。あるタイ
プの細胞パネルの更に別の実施例では、各細胞タイプが特定の細胞生反応経路の
変化した構成成分(すなわち、変化した生体分子)を有することができる。異な
るタイプの細胞パネルの組合せ物が含まれる他の選択法も作製することができる
。
特定のパネル(一つもしくは複数)の細胞については一般的には、多種多様の
既知の化合物に関する検査を実施すると、それら化合物の表現型効果の比較用デ
ーターベースが提供される。(このような表現型効果は先に記載される多くの異
なるタイプのものであることができる)。このような比較用データベースには、
例えば抗菌剤および抗真菌剤、毒性作用物質、および既に取得されている天然産
物調製物のような治療用作用物質の効果が特定の目的のものとして含まれる。利
用可能なこのようなデータベースと供に、細胞パネル(一つもしくは複数)を用
いて未知の活性を有する化合物もしくは調製物をスクリーニングすること、また
は目的の生物学的活性の幾つかを有することが知られている化合物もしくは調製
物の特性決定もしくは評価を行うことができる。検査化合物の表現型のプロフィ
ールを既知の化合物のプロフィールと比較することにより、特定の化合物におい
て広域かつ迅速な情報が提供される。このような情報を、例えば、特定の生物体
からの主要遺伝子に対して作用する抗菌性もしくは抗真菌性化合物の発見のため
、細胞障害性化合物の同定のため、および幾つかの興味深い細胞効果を有するこ
とが知られている化合物の作用メカニズムの同定のためのような、様々な様式で
用いることができる。従って、そのような情報の一つの利点は、同定された異な
る活性化合物の初期の優先順位決定が可能になることである。
比較用データベースの作製は有用なことに、例えば様々な化合物ライブラリー
から取得することができる、幾らかの毒性を有する多種多様の化合物についての
相互作用の特性決定を必要とする。そのような分析に利用される生物体は多種多
様な生物体から取得することができる。具体的には、細菌、真菌類、および哺乳
類細胞を用いることができる。これらの目的のためには、例えばサッカロミセス
セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)のようなイースト類、ならびに細菌
のサルモネラ ティムフィムリウム(Salmonella tymphimurium)およびストレ
プトコッカス アウレウス(Streptococcus aureus)が特筆される。この分析に
より異なるタイプの分子相互作用の特性決定が行われ、そしてそのためこの分析
結果は異なる生物体間に用いるのに適切である。
更には多重チャンネルスクリーニングにより、化合物の毒性を決定するため、
およびその化合物が係わる特異的細胞相互作用についての詳細にわたる情報を提
供するという両方の目的のために、ある変調剤の分子的毒性特性の分析を行う能
力が提供され、そのことによりその後には特定の生物体中での、ある化合物の動
態を予想する能力が提供される。一般的には、多重チャンネルの発明のこの適用
法では、多数の異なる細胞タイプでの特異的変調剤の効果のプロフィールを決定
することが必要とされる。その後にそのプロフィールを他の化合物の効果のプロ
フィールと比較すると、毒性および細胞性相互作用における情報が提供される。
このことは真核生物という状況下(例えば、哺乳類細胞)での使用が意図される
作用物質の開発にとっては特に有意である。そのような他の化合物の作用メカニ
ズムおよび細胞性相互作用(特に特異的細胞性相互作用)についての情報により
、検査化合物の特性についての相対的情報が提供される。従って、この目的につ
いては、例えばイーストのような真核生物性の微生物体における毒性作用物質の
効果のデータベースは哺乳類細胞中でのこのような化合物の効果の便利なモデル
と
して作用する。このようなデータベース(および検査化合物のプロフィール)は
典型的には、異なる種および単一の種に含まれる異なる株(例えば突然変異体)
の両方を含むことができる多数の細胞タイプを利用するであろう。このようなデ
ータベースの重要性および利用性は化合物数と供に増加し、そして細胞のタイプ
はその後に実施される比較数の増加により増加する。
従って、多重チャンネルスクリーニングにおける条件成長細胞型の通常の用途
は下記のように要約できる:
(a) 遺伝子(及び遺伝子生成物)を遺伝学的に変更することにより細胞に変更
生体分子を創造するか、またはこのような変更を有する細胞を得る;
(b) 様々な変更生体分子を有する細胞型のパネルを形成する;
(c) 該細胞型パネルを周知の変調剤に露呈し、表現型効果(表現型センサー)
を測定し、比較データベースを創造する;
(d) 試験化合物または調節物に該細胞型のパネルを露呈し、表現型効果を測定
し、試験物質の表現型プロフィールを創造する;
(e) 試験物質の表現型プロフィールを周知の変調剤の表現型プロフィールと比
較する。表現型プロフィールを相互に比較するために必要に応じて統計的比較と
パターン分析を使用する。
図20は多重チャンネルスクリーニングおよび方法の用途の様々な異なる型お
よびこれらの用途のそれぞれについて適切な弁別装置が挙げられている。しかし
、そのリストは広い範囲をカバーしていないことが認められるべきであり、当該
技術に精通した者なら他にも多くの適当な用途を認めるであろう。
前述のように、本発明の表現型センサー(例えば遺伝的強化)および多重チャ
ンネル要素は一定範囲の源から得られた細胞に適応される。治療薬剤の開発の必
要により特に関心があるのは細菌の細胞、菌類の細胞およびほ乳類の細胞(ほ乳
類のガン細胞を含む)である。
多重チャンネルスクリーニングは、例えば96ウエルプレートなどのフォーマ
ットで有利に行われる。この96ウエル多重チャンネルスクリーニングフォーマ
ットは単一の化合物の特性を明らかにするために各プレート毎に96種類までの
分析検査が可能である。もし別の分析検査が望まれるなら、1個以上の別のプレ
ートが同時に使用できる。図10に示されるように、このフォーマットは単一化
合物の特性をすぐに明らかにし、またはそのプロフィールを提供する。さらに伝
統的な配置は、プレート毎に96種類までの化合物を使用し、1回の分析検査を
するので、前述の遺伝的強化分析検査により容易に適用できる。
多重チャンネルスクリーニング配置と伝統的なスクリーニング配置とを比較す
る場合に、多重チャンネルスクリーニングフォーマットは一般に化合物に焦点を
合わせている。最初にどの化合物をスクリーニング選別するかについて決定がな
されるので、スクリーニングを行う化合物の優先順位が生じる。各プレートは即
座に各化合物のプロフィールを提供する。さらにもっと伝統的なフォーマットは
標的に焦点を合わせる。実行すべき標的または遺伝的強化スクリーニングの順序
について決定がなされるので、標的の優先順位が生じる。多重チャンネルスクリーニングの利点
多重チャンネルスクリーニング方法の有意な利点は一度に臨床的および製品開
発関連の両方に関する広い範囲のデータを獲得する能力である。これは化合物と
天然生成物製剤のスクリーニングと評価の両方を行う新しい戦略を提供し、一連
の試験と評価の分析を使用する現在使用されている製薬戦略よりむしろ様々な関
連分析で化合物の同時評価を可能にする。従って、この多重チャンネル方法は化
合物の属性の広い評価ばかりでなく、さらに広い範囲のタイプの化合物を同定す
る能力を提供し、生体活性化合物を同定し開発する過程における効率を増しコス
トを下げる結果となる。
これは一部下記に示されるS.aureusの例により描かれており、その場合に多
重チャンネルスクリーニング設計は関心事の活性(ヒット)を有する化合物の同
定を急速にもたらし、さらなる評価用の化合物の優先順位を決めるために必要な
特定情報のいくらかまたは全てさえも提供する。図12は多重チャンネルスクリ
ーニング設計の基礎としての遺伝的強化方法の利点を示している。
全体的に見て、条件成長(例えば、ts)変異体の全細胞表現型センサー(例
えば、遺伝的強化)分析を使う方法は生化学スクリーニングの選択性を包含し(そ
れは標的特異的、または少なくとも経路特異的である)そしてそれは変異体の超
高感度な性質の故に成長阻害剤を求める伝統的なスクリーニングよりさらに感度
が高い。表現型センサー方法はまた急速な遺伝子対スクリーニングの技術を提供
し、遺伝子または生化学標的の特性が充分に明らかにされる前でさえもヒットを
同定する。多重チャンネルスクリーニングプレート
上記の表現型プロフィールの結果は、ts変異体は半許容性成長条件において
特定の超高度の感受性プロフィールを示す。スクリーニングの道具として、変異
体阻害プロフィールは特定の細菌経路に及ぼす試験化合物の影響の特徴を明らか
にする。変異体は野性型株より感度が高いので、阻害活性の弱い化合物でさえも
同定できる。
必須の遺伝子の阻害剤についての多重チャンネルスクリーニングの1例が図4
に示されている。このスクリーニング設計では、1枚のプレートが1つの化合物
を評価するのに役立っている。各ウエルは別個の全変異体細胞分析検査を提供す
る(すなわち、スクリーニング用プレート当たり多数の標的がある)。包含され
る分析検査は遺伝的強化分析検査であり、すなわち、条件成長細胞(例えば、t
s−超高感度変異体)は、野性型株の成長を阻害しない濃度の成長阻害剤である
化合物を明らかにする。変異体阻害のプロフィールは化合物の阻害の標的に関す
る情報を提供する。前記ts変異体は周知の薬剤に対するそれらの超高感度感受
性プロフィールによりまたはそれらの関連する欠陥のある遺伝子により分類され
る。図面はDNA/RNA代謝作用を標的とする新しい抗菌剤で得られると思われる仮
説の成長阻害結果を示している(”−”で表示されている)。
様々な異なる多重チャンネルスクリーニング設計は特定の必要または目的に適
合するように提供される。幅広く設計されたスクリーニングの選択(例えば図4
に示されるような)、または特定の細胞経路に焦点を合わせたスクリーニング、
または特定の標的さえも変異体を適当に選択して作ることができる。さらに特定
のスクリーニングプレートはDNAジャイレースのような特定の遺伝子標的の変異
体、または細胞分割経路などの特定の経路における変異体を使うことができる。
遺伝的強化分析検査の他に様々な分析検査の種類が多重チャンネルスクリーニ
ング方法に有用に含まれることができる。1例を挙げると、抗生物質強化分析検
査がある。条件成長変異体が超高感度の感受性を示す、最小限の阻害濃度の阻害
剤(例えば、抗菌剤)の抗生物質強化の1つの型において、可能性のある変調剤
が周知の阻害剤と相乗的効果を示すかどうかを決定するために野性型細胞型が試
験される。このような相乗効果の観察は変調剤の作用のメカニズムの証拠または
確証として役立つ。
別の例としては、前述のように炭素源利用分析検査は多重チャンネル分析検査
配列に包含され、さらに変調剤の効果を明らかにする。
図13は、成長条件(ts)変異体を利用する、DNAジャイレースに対する抗
菌剤の同定のために設計された多重チャンネルスクリーニングプレートの実施を
示す。同様の多重チャンネルスクリーニングが、例えばタンパク質代謝作用など
の他の細胞機能を標的とする薬剤またはDNA代謝作用に影響を与えるがDNAジャイ
レースには関係のない薬剤を同定するために、ts変異体を使って設計される。実施例4 周知の成長阻害剤の評価
上記実施例で説明されたように細胞経路の周知の阻害剤を試験することの他に
、他のスクリーニングで同定された特性の明らかにされなかった成長阻害剤も温
度に敏感な変異体を使って評価された。これらの成長阻害剤は作用の標的の特性
を明らかにされたことがなかった。これらの化合物は5mg/mlのStaphylococcus a
ureus の標準的な実験室株(菌株8325-4)に何らかの成長阻害を引き起こすことが
以前に示された。次に、化合物は一定範囲の濃度のものをS.aureus ts 変異体
の集合(全てS.aureus 8325-4由来のもの)に対して使用して試験を行い、野性
型と比較したMIC値を測定した。図12は52のS.aureus ts変異体と65の成長阻害
剤化合物(47化合物は示されていない)を使って得られたデータを要約したもの
である。表は野性型親株と比べたts変異体の感染性の倍増を示している。野性型
の2倍以内の値は有意な超高感度値の同定を容易にするために表を空白のままに
しておいた。
ts変異体に及ぼす65試験化合物の影響はほとんど選択的であった。ほとんどの
化合物について、限られた数の変異体が超高感度であった。全ての化合物のおお
よそ3分の1が変異体と野性型菌株について同様の阻害を示した(すなわち、こ
れらの化合物に対して超高感度であった変異体は全くなかった)。図12の2つ
の化合物が試験された変異体の約50%に対して強力な阻害効果を示した(化
合物00-2002と00-0167)。2つの別の化合物は同等の阻害プロフィールを示した
(化合物30-0014と20-0348、図12)。これらのプロフィールの予備的分析は以下
に示される。
超高感度感受性の遺伝的基準は2つの判定基準により実証された。第一に、一
化合物(10-0797)は同じ遺伝子に影響を及ぼす2つの変異体(NT32とNT69)を強力
に抑制阻害した。第二に、これらの変異体の温度に敏感な表現型の相補性により
超高感度感受性は失われた。
さらに、同等の阻害プロフィールを有する2つの化合物(30-0014と20-0348)は
極めて類似の構造を有する(図11)。従って、超高感度感受性プロフィールは標
的がはっきり限定されない場合でさえも、作用が類似している標的で化合物を確
認できるパターンを提供する。これらの化合物の構造が極めてよく似ていること
はその作用標的も同様に共通である。阻害された変異体(sea,dang,3個の特
性の不明な変異体)に基づいて、これらの化合物の作用標的はまだ限定されない
。
多数のts変異体に対する特性の明らかにされていない阻害剤のスクリーニング
を実行することが好ましい。このスクリーニングは前もって決められた化合物の
濃度を使用し、各化合物について変異体阻害プロフィールを得る。化合物の存在
下で親菌株と変異体菌株の相対的成長の相違を計算することにより、上記の第一
スクリーニングのMIC測定値により得られたものに類似の化合物プロフィールが
得られる。
広い範囲の試験化合物がスクリーニング選別される。第一のスクリーニングの
実施において予め選択された濃度で野性型親菌株を阻害する試験化合物がさらに
低い濃度で再試験され、阻害プロフィールを得る。前述のスクリーニングから得
られたデータ分析は試験化合物の存在下で親菌株に比べて変異体菌株の有意な成
長減少が選択性化合物活性の合理的な指標であることを示した。
さらに、試験用化合物には野性型株の成長阻害を示さない化合物を包含できる
。変異体菌株の超高感度感受性は必須の細胞機能を標的とする化合物を同定する
能力を提供するが、野性型菌株の成長を阻害する充分な力には欠ける。このよう
な化合物は薬物作用を使って変性され、強化された類似化合物を生成する。超高感度感受性データの分析
図8に示される格子は成長阻害剤のスクリーニングから予想された変異体阻害
プロフィールの様々なタイプを示しており、”x”は野性型用よりもはるかに低
い濃度の特別な化合物による特別な変異体の阻害を示す。
この格子は1個以上の変異体の成長阻害を引き起こす化合物(化合物A,C,D
,E);1個だけの変異体を阻害する化合物(化合物B,F)および全く変異体を阻
害しない1個の化合物(化合物G)を示す。さらに、このプロフィールは化合物
で全く阻害されない変異体(変異体8)、単一の化合物(変異体1,6,7)、および
いくつかの化合物(変異体2,3,4,5)を同定する。前述の予備スクリーニングにお
いて、これらの予想される阻害プロフィールのいくつかに適合する化合物が同定
された。
予備スクリーニングにおいては、野性型菌株の成長を阻害する化合物は野性型
の成長を阻害しない点まで希釈された。この状況では特別な化合物に過敏な変異
体だけが成長できない。従って、”一般的に毒性”と見なされる化合物でさえ過
敏な変異体菌株で分析検査された場合、作用の特定性を示す。
最も単純に解釈すると、成長阻害を引き起こす化合物は1個の必須の高分子の
機能を阻害する。1個以上の標的高分子を特定して阻害する化合物もいくつかあ
る。しかし、標的の1つは阻害に非常に敏感であるので、1つの標的が第一の標
的と考えられる。従って、阻害剤と標的との間で1対1の対応が確立される。し
かし、データとあまり分かりやすくない理由の両方から標的と阻害剤との間の簡
単な1対1の関係に例外をもたらされる。複雑な効果をさらに分析し理解するに
はデータを充分に活用する必要がある。複雑な効果のいくつかは下記で考察され
る。多くの変異体に影響を及ぼす化合物
ある種の化合物、例えば膜の保全またはDNAインターカレーションを標的とす
る洗浄剤などは特定の標的というよりむしろ”一般的”標的を有する。これら”
一般的標的”とは単一の遺伝子の生成物の製品ではなく、むしろ多くの遺伝子生
成物の作用により創り出される。従って、超高感度感受性プロフィールを分析す
る場合に、多くの変異体に影響を与える化合物は”一般的な標的”に対する作用
を示すかもしれない。周知の膜活性剤およびインターカレーションのプロフィー
ルは同様の効果を有する特性の不明な化合物を確認するための情報を提供する。
1個以上の変異体の成長阻害を引き起こす化合物はまた影響を受けた変異体が
代謝作用に関連がある場合に発生する。これらの変異体は同じ遺伝子または同じ
生化学経路に影響を与える。例えば、多くの細胞壁の生合成段階の1つにおいて
欠陥のある変異体はこれらの段階のいずれかを阻害する化合物に対して超高感度
感受性を示す。この種類の効果についての証拠は周知の阻害剤の超高感度感受性
パターンにおいて観察された(図2)。この概念は拡大されて、”代謝産物ウエ
ッブ”により引き起こされる効果を包含し、その場合遠くまで及ぶ因果関係は遺
伝子生成物とその機能との特徴の明らかにされた場合と明らかにされなかった場
合の相関関係により発生する。
全体的に、親菌株に対するより変異体に対して活性の高い化合物を全て考慮す
る場合にヒット率は高かった。下記の柱状グラフ(図9)は我々の原型のスクリ
ーニングで1個、2個、3個または3個以上の変異体に影響を与えた化合物につ
いてのヒット率を示している。3種類以上の変異体に影響を与えた多数の化合物
は少なくとも一部はこの部類の化合物の効力が増大されたことによると説明され
た。図10は親菌株S.aureus 8325-4について得られたMICにより評価されたよう
に、スクリーニングにおいて発見されたヒットのいくつかの効力を示している。
原型のスクリーニングでは、3個以上の変異体に影響を与える化合物は一般に
さらに強力であったが、広い意味では毒性と考えられるものもいくつかある。図
10の星印により示される欄は別の全細胞スクリーニングにおいてサルモネラチフ
ィムリウム(Salmonella typhimurium)の阻害剤であることが明らかにされた4つ
の化合物のうちの3個を示している。結局、同じ化合物により影響を与えられた
変異体の部類の最も超高度感染性の菌株だけが第一標的であると見なされるべき
である。さらに、特定の化合物の全体の変異体阻害プロフィールは非常に有用で
あり、パターン認識分析においてその実際の表現型プロフィールと見なされるべ
きである。ほとんど(または全く)変異体に影響を与えない化合物
予備スクリーニングで分析検査された全ての化合物はある程度まで野性型菌株
の成長を阻害するので(予備選択の最初の基準)、このような化合物は、変異体
個体群が各化合物について対応する超高感度感受性の標的を有する菌株を提供す
るように充分変更されないことを示している。多くの化合物により影響を受けた変異体
多くの様々な化合物により阻害される変異体のため、1対1の化合物/標的の
単純な関係の別の相補性が生ずる。S.aureus パイロットにおいて各変異体の成
長を阻害した化合物の相対数(%ヒット)が図11に示される。いくつかの変異
体が多くの化合物により影響を受けた。これに関してはいくつかの別個の原因が
はっきりしている。まず、多くの異なる化合物に対して超高感度感受性を引き起
こす膜/障壁に欠点を有する変異体がいくつかある。このような変異体は多くの
化合物の細胞間濃度を上昇させ、代謝作用に関係のない標的を阻害するであろう
。他の変異体は、それらの変更遺伝子生成物が代謝作用ウエッブの臨界点に位置
するので、はるか細胞の結果にまで及ぶ欠陥を有することもある。さらに他の変
異体は分析温度で非常に損なわれる特定の対立遺伝子を有するかもしれない。こ
れらの変異体については、特定の対立遺伝子が高度に超過敏な菌株を創り出した
ので、その代謝作用ウエッブの意義は大きい。ほとんどまたは全く化合物の影響を受けない変異体
ほとんどの化合物に超高感度の感受性を示さない変異体について、それらの突
然変異は限られた代謝作用のウエッブに影響を与えることが可能であり、この突
然変異はどんな化合物でも現せなかった真の特異性を提供することが可能であり
、またはこれらの変異体は分析温度でほとんど完全な活性を有することが可能で
ある。この分析は既に指摘したように菌株確認の重要性を強調する。
これらのパターンを解釈する際に、スクリーニングされた変異体の数および標
的の合計数も重要な変数である。これらの数から、スクリーニングされた試料の
変異体標的と1対1の対応をするべきである化合物の部分を簡単な見込みに基づ
いて予測する。ヒットと下流の発展の優先順位
多重チャンネル遺伝的強化スクリーニングの初期の段階は下記の通りである:
* スクリーニングのために変異体細胞型(例えば、菌株)の予備選択
* 構造的特徴、生物活性などに基づく所望の試験化合物の予備選択(任意)
* 選ばれた化合物を予め決められた濃度(例えば、5mg/ml)で試験
* 変異体個体群に対する化合物の阻害プロフィールの分析と関心のあるヒッ
トの選択
* 特定変異体に対する関心のあるヒットの選択的阻害作用の確認
* 優先順位をつけられたヒットの第二次評価
遺伝的強化分析検査は多数の標的の阻害剤のために多数のスクリーニングを素
早く実施する方法を提供する。このスクリーニングフォーマットは高速の高処理
量のスクリーニングの能力を試験する。多数の化合物をスクリーニングする能力
はこのスクリーニングから多数の”ヒット”を生み出す。薬品化学、薬理学及び
臨床開発を通して流れに沿った発展を限度するにはヒットの優先順位をつける必
要があるであろう。多数のヒットが得られる場合、それぞれが合理的な生体外活
性を有するので、ヒットの優先順位をつけることは様々な基準に従って進めるこ
とができる。ヒットの特徴を明らかにするための基準のいくつかは例えば以下の
通りである:
* 化学的新規性
* 化学的複雑性、変更可能性
* 薬理学的プロフィール
* 毒性プロフィール
* 標的の所望性、遍在性、選択性
二次試験は最初のヒットの評価のためばかりでなく、薬品化学の努力を支える
ために必要とされる。これらの二次試験の多くは最初の遺伝的強化分析検査と共
に多重チャンネルフォーマットに包含される。遺伝的強化試験はヒットを同定し
確認するためには十分であるが、さらに開発するためにヒットの選択は作用を及
ぼす特定標的を確定することが必要である。条件成長変異体のそれぞれに対して
相補性クローンを使用すると、変更された生体分子に対応する遺伝子が単離され
る。このような相補性クローンは当該技術分野に精通した者に周知の技術、例え
ばゲノムのライブラリーからクローンを作成し試験することなどにより単離され
る。遺伝子クローンを用意して、抵抗力のある対立遺伝子の選択により特定の標
的の証拠が早く提供される。次に、誘導化合物の迅速な特定感度試験のために生
化学分析検査を確立する努力は、標的タンパク質の過剰発現及び精製;新規な標
的機能を早く解明するためにオープン読みとり枠(ORF)の連続分析ばかりでなく
、変異体と野性型菌株を比較して新規な標的機能を確認する様々な生理学的及び
生化学的試験および標的の生化学的分析検査の確立の促進により助けられる。
多重チャンネル使用に適したTs超高感度感受性スクリーニングの代わりの方法
標的に基づく全細胞のスクリーニングを案出するために取られる別の戦略が多
数ある。これらの戦略を実施するために、遺伝子の存在、遺伝子のDNA配列、超
高感度感受性表現型プロフィール及び条件変異体対立遺伝子について知ることに
より重要な情報や試薬が得られる。代わりの戦略としては下記に基づくものが挙
げられる:
* 標的遺伝子の過剰発現と過小発現
* 優性な変異体対立遺伝子
* 高度の超高感度感受性を有する変異体対立遺伝子標的遺伝子の過剰発現と過小発現
染色体に暗号化される(ノーマークら、1977年、ジャーナル・細菌学132;912-
922)またはプラスミドに暗号化される(徳永ら、1983年、ジャーナル生物学化
学258;12102-12105)遺伝子量を2倍に増加することにより引き起こされたもの
(アンダーソンおよびロス、1977年、年報細菌31;473-505頁;スタークおよび
ウオール、1984年、年報生化学53;447-491頁)から遺伝子量を複数倍に増加す
ることまでの範囲の過剰発現表現型の無数の例が挙げらる。観察される表現型は
類似体耐性(複数コピーの正の選択、阻害表現型の負の選択)または成長欠陥(
複数コピーに関しては負の選択であろが阻害表現型に関しては正の選択)である
。
過剰発現は人工的なプロモーター制御により極めて簡単に達成される。このよ
うなスクリーニングは制御可能なプロモーターの幅が広い大腸菌において管理さ
れる。しかし、この方法は全細胞のスクリーニングにより得られる利点、すなわ
ち、その化合物が関心の病原体に入ることを保証する利点を失う。制御可能なプ
ロモーターを定着させると、関心の細胞型はこのように有用である。例えば、S
.aureusにおいて制御可能なプロモーターを定着させると、S.aureusだけでな
く
他のグラム陽性微生物でも同様にスクリーニングの道具として役立つ。優性な対立遺伝子
優性な対立遺伝子はスクリーニング能力の源を提供できる。必須の遺伝子の優
性対立遺伝子は、その対立遺伝子が機能的でなくまたは発現されていない場合に
条件が確立されないと成長を妨害する。制御された発現方法(第一転写調節)は
遺伝子生成物発現の条件下で細胞の成長を妨げる優性な変異体対立遺伝子を同定
する機会を提供する。
優性であるが条件で機能的となる変異体対立遺伝子は等しく有用である。単一
の突然変異は優性と条件の両方の成長表現型を提供する。しかし、温度に敏感な
対立遺伝子の既存の集合を利用すると、優性対立遺伝子に関するその後の選択で
の突然変異生成により、必要な優性条件対立遺伝子を得るための突然変異の機会
がさらに多くなる。タンパク質表現型に及ぼす突然変異のこのような追加の影響
には先例(ティ.アルバー、1989年、年報生化学58;765-798)があるばかりで
なく、一般に内部残留物に影響を与える熱に敏感な突然変異(メヒトら、1983年
、Proc.Natl.Acad.Sci.USA; 2676-2680)は優性突然変異よりタンパク質の
様々な位置で発生し、その1つの型はタンパク質ータンパク質相互作用に影響を
与え、それはタンパク質の表面ではもっとありそうであるということを示唆する
証拠もある。
優性条件二重変異体を使用すると、超高感度感受性の表現型は単一の条件変異
体対立遺伝子の場合と同じものを二重変異体に残すので、別の利点があるかもし
れない。この場合に、標的遺伝子の2個のコピー、すなわち1個の野性型と優性
条件二重変異体遺伝子とを運ぶものを運ぶ部分二倍体は精巧なスクリーニング菌
株を提供すると思われる(図13参照)。そのスクリーニングは阻害剤化合物に
対する優性タンパク質の超高感度感受性に依存していると思われる。優性タンパ
ク質の機能の条件下では、細胞は成長しないが、優性タンパク質の阻害は細胞の
成長を可能にする。温度に敏感な対立遺伝子は野性型タンパク質に関して、優性
タンパク質の超高感度感受性の基礎を提供する。
超高感度感受性を有する変異体対立遺伝子
元の条件致死変異体より著しく超高感度感受性を示す別の変異体が求められる
。
選択またはスクリーニング方法は最初の二次表現型プロフィールに基づく。これ
らの新しい高度の超高感度感受性を有する対立遺伝子は毒薬または阻害剤の存在
下で観察されるもの以外に条件成長欠陥を持つ必要がない。このような高度に超
高感度感受性を有する対立遺伝子は強力な標的特異性、および弱い阻害剤に対し
て高度の感受性を提供する。このような超高感度感受性の対立遺伝子は、伝統的
なスクリーニングフォーマットにおいて、天然の生成物を使ったスクリーニング
、および化合物の合成または組み合わせのライブラリーを使うスクリーニングに
容易に適合することができる。多重チャンネルのパターン比較とデータ分析
多重チャンネルのスクリーニングデータの分析のための総合戦略は、(1) 同
様の生物学的効果を有する化合物を分類すること、(2) 化合物の部類を特定の
標的に関連づけること、(3) 分析の多重チャンネルパネルで設計された製薬上
所望の別の基準に基づいて化合物を分類することである。
化合物のプロフィールの類似性の同定は簡単な検査方法により開始されるが、
図表用具が検査方法を単純化することができる。化合物プロフィールを放射状曲
線で描くことによりデータの図表が提供され、個々の化合物のプロフィールの類
似性が視覚化される。さもなければ、多重デフィネッティ図表により化合物プロ
フィールの視覚化方法が提供される。
化合物のプロフィールは積み重ねられるので、化合物の適当な分類を識別する
ために統計用具が有用になりまたは必要にさえなる。このような統計用具は化合
物の生物学的効果に基づいて化合物間の関係を提供するように設計されるべきで
ある。
遺伝子間の関係を理解することにより化合物間の生物学的に意味のある関係を
正しく理解できる。遺伝子は代謝作用経路についての正しい知識に基づいて群に
分類できる。この群に分けることは遺伝子と遺伝子生成物との間の生物学的およ
び代謝作用的に意味のある関係を反映すべきである。その関係にある遺伝子間の
距離の測定は予測される(すなわち、これは「関係がある」または「無関係であ
る」ということ以上であり、一定の間隔を開けたツリー以上である)。
化合物は変異体菌株のパネル(または分析検査のパネル)に及ぼすそれらの効
果を統計的に分析することに基づいて群に分類できる。このような群に分類する
ことにより、変異体ーチャンネルのパネルにおける化合物の生物学的効果に基づ
いた化合物間の関係が作られるべきである。主要成分の同定および群分類分析ア
ルゴリズムを含む多様な統計分析により、この化合物の分類を実行する道具が提
供される。
化合物プロフィールの解釈は化合物の部類と遺伝子の部類との間の配置の辞書
を作る必要がある。これらの予備的な配置はその適切な群の関係と距離について
改訂と更新を行うべきである。従って、適切な統計的分析は神経の網目および他
のパターン認識アルゴリズムで発見されるようなさらに精巧なアルゴリズムを必
要とするデータの解釈についての学習および訓練の段階を含む。
特定の遺伝子に対する化合物の直接の経験的配置は化合物の作用メカニズムを
同定するために製薬産業で使用される(労働強化ではあるが)標準的方法により
達成できる。情報のデータベースは分析の多重チャンネルパネルにおいて周知の
作用メカニズムを使って化合物の性能について作ることができる。このような情
報は配置の解決方法のために調査空間を限定する制限を提供するので、計算に関
する問題を簡単にするばかりでなく、計算法により同定される正しい解決方法を
強化することができる。
データ分析方法は分析検査の多重チャンネルプロフィールに基づいて、化合物
と天然生成物との間の類似性を決定する能力を提供する。同様に、データ分析方
法は多数の化合物での実施に基づいて、分析検査間の類似性を決定する能力を提
供する。これは最大の情報を提供するために分析検査のパネルを体系的に改良し
最適化できるようにする。対の分析検査が完全に関連するデータを提供する場合
に、その対の分析検査は余分でくどくなるので、従って、対の分析検査のうち、
化合物のプロフィールのために独立の測定値を提供する分析検査は残して、他の
1つを捨てることができる。スクリーニングおよび評価のための化合物と製剤
要約で既に述べたように、様々な出所の異なる変調剤は本発明の方法で適切に
スクリーニングされ、特徴を明らかにされ、または評価される。これらの変調剤
としては、合成化合物(構造的に同定されない化合物を含む)、天然の生成物化
合物または製剤、および組み合わせライブラリーが挙げられる。このような試験
材料と共に使用する場合、これらの方法は化合物または製剤について最初のスク
リーニング情報、および様々な変調剤の結果を比べることにより、変調剤を脱複
製する情報の両方を提供する。このようにして化合物または製剤は同定され、同
じ表現型プロフィールを示し、従って、同じ作用メカニズムを有することが予測
される。同じ作用メカニズムを有する化合物は一般に同じ(またはほとんど同じ)
化合物であるので、この情報は天然の生成物製剤をさらに開発するために優先順
位をつける場合に特に有用である。この情報を使って、開発努力の重複が避けら
れる。これらの源から治療薬をさらに速く開発する準備ができる。
上記の考察は細菌成長阻害剤のスクリーニングを強調したが、本発明はこれら
の実施態様に限定されるものではない。前記のように、本発明の方法は他の細胞
型に適用できるので、他の実施態様は下記の請求項の範囲内である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),AL,AM,AT,AU,A
Z,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ
,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,
IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,L
R,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN
,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,
SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,T
T,UA,UG,UZ,VN
(72)発明者 ボスチャン,ケイス
アメリカ合衆国カリフォルニア州94025,
メンロ・パーク,エッジウッド・レーン
1823
(72)発明者 マロイン,フランソワ
アメリカ合衆国カリフォルニア州95030,
ロス・ガトス,オーバールック・ロード
18400,ナンバー 6
(72)発明者 パー,トーマス
アメリカ合衆国カリフォルニア州94037,
モンテラ,サーティーンス・ストリート
335
(72)発明者 シュミッド,モリー
アメリカ合衆国カリフォルニア州95070,
サラトガ,オーチャード・ロード 20370
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.生体分子の変調剤をスクリーニングする方法であって、 a) 変更された前記生体分子を有する第1の細胞タイプおよび正常な前記生体 分子を有する第2の細胞タイプを増殖培地中で増殖させ; b) 前記細胞タイプの少なくとも1つを潜在的変調剤と接触させ;そして c) 前記第1の細胞タイプと第2の細胞タイプとの間で表現型センサーを比較 することにより前記潜在的変調剤の存在が及ぼす影響を決定し、 ここで前記第1の細胞タイプは条件増殖表現型を有するかまたは前記生体分子は 部分的に損なわれている機能を有する; の各工程を含む方法。 2.前記第1および第2の細胞タイプをそれぞれ増殖培地において前記潜在的変 調剤と接触させ、ここで、前記表現型センサーが、前記第1の細胞タイプと第2 の細胞タイプとの間で、前記生体分子の変調剤の存在下では前記変調剤の不在下 より大きく異なる、請求項1記載の方法。 3.表現型センサーの前記比較が、前記第1および第2の細胞タイプの増殖を比 較することを含む、請求項2記載の方法。 4.前記第1および第2の細胞タイプを別々に前記潜在的変調剤と接触させる、 請求項3記載の方法。 5.異なる変更された前記生体分子を有する複数の前記第1の細胞タイプの増殖 を、前記第2の細胞タイプの増殖と比較する、請求項4記載の方法。 6.前記第2の細胞タイプを前記潜在的変調剤の存在下で、前記第1の細胞タイ プを前記変調剤の不在下で増殖させ、そして、前記比較が、前記表現型センサー が前記第2の細胞タイプについて前記第1の細胞タイプについてのものと同一で あるか否かを決定することを含む、請求項1記載の方法。 7.前記第1および第2の細胞タイプを複数の異なる増殖条件下で増殖させる、 請求項6記載の方法。 8.前記複数の異なる増殖条件が、その炭素源が異なる複数の異なる増殖培地を 含む、請求項7記載の方法。 9.複数の前記第1の細胞タイプを増殖させ、そして、前記比較が、前記表現型 センサーが前記第2の細胞タイプについて1またはそれ以上の前記第1の細胞タ イプについてのものと同一であるか否かを決定することを含む、請求項6記載の 方法。 10.前記条件増殖表現型が温度感受性表現型である、請求項1記載の方法。 11.変調剤の存在が、前記変調剤が複数の異なる表現型センサーに及ぼす影響 を比較することにより決定される、請求項1記載の方法。 12.生体分子の変調剤をスクリーニングする方法であって、 a) 変更された生体分子を有する複数の第1の細胞タイプおよび正常な前記生 体分子を有する第2の細胞タイプを増殖させ; b) 前記複数の第1の細胞タイプおよび/または前記第2の細胞タイプを潜在 的変調剤と接触させ;そして c) 前記複数の第1の細胞タイプと第2の細胞タイプとの間で表現型センサー を比較することにより前記潜在的変調剤の存在が及ぼす影響を決定する; の各工程を含む方法。 13.前記第1および第2の細胞タイプをそれぞれ増殖培地において前記潜在的 変調剤と接触させ、ここで前記表現型センサーが、前記第1の細胞タイプと第2 の細胞タイプとの間で、前記生体分子の変調剤の存在下では前記変調剤の不在下 より大きく異なる、請求項12記載の方法。 14.表現型センサーの前記比較が、前記第1および第2の細胞タイプの増殖を 比較することを含む、請求項13記載の方法。 15.前記第2の細胞タイプを前記潜在的変調剤の存在下で増殖させ、前記複数 の第1の細胞タイプを前記変調剤の不在下で増殖させ、そして、前記比較が、前 記表現型センサーが前記第2の細胞タイプについて前記第1の細胞タイプのいず れかについてものと同一であるか否かを決定することを含む、請求項11記載の 方法。 16.前記第1および第2の細胞タイプを複数の異なる増殖条件下で増殖させる 、請求項15記載の方法。 17.前記複数の異なる増殖条件が、その炭素源が異なる複数の異なる増殖培地 を含む、請求項16記載の方法。 18.前記第1の細胞タイプの少なくとも1つが条件増殖表現型を有する、請求 項12記載の方法。 19.前記条件増殖表現型が温度感受性表現型である、請求項18記載の方法。 20.生体分子の変調剤の作用のメカニズムを同時に決定することをさらに含み 、前記変調剤の存在下における前記複数の第1の細胞タイプの増殖のパターンを 既知の作用のメカニズムを有する変調剤の存在下における増殖のパターンと比較 することを含む、請求項12−19のいずれかに記載の方法。 21.生体分子の変調剤の作用のメカニズムを同時に決定することをさらに含み 、前記変調剤が前記第2の細胞タイプにおいて1またはそれ以上の表現型センサ ーに及ぼす影響を既知の作用のメカニズムを有する変調剤が前記複数の第1の細 胞タイプにおいて前記表現型センサーに及ぼす影響のパターンと比較することを 含む、請求項12−19のいずれかに記載の方法。 22.前記第1の細胞タイプの少なくとも1つが微生物である、請求項1−19 のいずれかに記載の方法。 23.前記微生物の少なくとも1つが細菌株である、請求項22記載の方法。 24.前記細菌株が、ブドウ球菌属、シュードモナス属、腸球菌属、腸内細菌科 、および連鎖球菌属からなる群より選択される、請求項23記載の方法。 25.前記細菌株がstaphylococcus aureusまたはSal monella typhimurium株である、請求項24記載の方法。 26.前記微生物が真菌である、請求項22記載の方法。 27.前記真菌が、Saccharomyces cerevisiae、As pergillis niger、Candida albicans、および Candida glabrataからなる群より選択される、請求項26記載 の方法。 28.前記第1の細胞タイプの少なくとも1つが哺乳動物癌細胞である、請求項 21記載の方法。 29.生体分子の変更の少なくとも1つが、前記生体分子において前記分子の活 性を低下させる欠陥である、請求項1−19のいずれかに記載の方法。 30.増殖が間接的方法により測定される、請求項1−19のいずれかに記載の 方法。 31.前記変更された生体分子の少なくとも1つが野生型細胞に関して過剰発現 される、請求項1−19のいずれかに記載の方法。 32.前記変更された生体分子の少なくとも1つが、野生型細胞に関して過少発 現される、請求項1−19のいずれかに記載の方法。 33.生体分子の変調剤をスクリーニングする方法であって、前記変調剤の複数 のアッセイにおける影響を同時に決定することを含み、ここで前記複数のアッセ イが前記変調剤の複数の異なる性質を特性決定することを特徴とする方法。 34.生体分子の変調剤を評価する方法であって、複数のアッセイにおける前記 変調剤の影響を同時に決定することを含み、ここで、前記複数のアッセイが前記 変調剤の複数の異なる性質を特性決定することを特徴とする方法。 35.前記アッセイの少なくとも1つが、前記変調剤が条件増殖表現型を有する 細胞タイプの増殖に及ぼす影響を決定することを含む、請求項33または34に 記載の方法。 36.条件増殖表現型を有する複数の細胞タイプの前記変調剤の存在下における 増殖を決定することをさらに含む、請求項33または34に記載の方法。 37.前記アッセイの少なくとも1つが、哺乳動物血清における前記変調剤の血 清結合を決定することを含む、請求項33または34に記載の方法。 38.前記アッセイの少なくとも1つが、哺乳動物血清における前記変調剤の血 清不活性化を決定することを含む、請求項33または34に記載の方法。 39.前記アッセイの少なくとも1つが、溶液または懸濁液における前記変調剤 の安定性を決定することを含む、請求項33または34に記載の方法。 40.前記アッセイの少なくとも1つが、前記変調剤に対する耐性の発生の頻度 またはメカニズムを決定することを含む、請求項33または34に記載の方法。 41.前記アッセイの少なくとも1つが、溶媒または溶液における前記変調剤の 溶解度を決定することを含む、請求項33または34に記載の方法。 42.前記アッセイの少なくとも1つが前記変調剤の細胞毒性を決定することを 含む、請求項33または34に記載の方法。 43.前記変調剤の分子毒性学的プロフィールを決定することをさらに含み、こ こで前記変調剤の複数の細胞タイプにおける毒性学的影響のパターンを、1また はそれ以上の他の化合物の毒性学的影響のパターンと比較される、請求項42記 載の方法。 44.前記変調剤が複数の細胞タイプにおいて及ぼす毒性学的影響のパターンを 1またはそれ以上の他の化合物が及ぼす毒性学的影響のパターンと比較すること が、さらに前記変調剤の分子相互作用を特性決定することを含む、請求項43記 載の方法。 45.前記複数の細胞タイプが複数の細菌株を含む、請求項43記載の方法。 46.前記複数の細菌株が、Salmonella typhimuriumま たはStaphylococcus aureus株を含む、請求項45記載の 方法。 47.前記複数の細胞タイプが複数の真菌株を含む、請求項43記載の方法。 48.前記複数の細胞タイプが複数の細菌株を含む、請求項44記載の方法。 49.前記複数の細菌株が、Salmonella typhimuriumま たはStaphylococcus aureus株を含む、請求項48記載の 方法。 50.前記複数の細胞タイプが複数の真菌株を含む、請求項44記載の方法。 51.前記複数のアッセイが、前記変調剤のスペクトルの広さを決定することを 含む、請求項33または34に記載の方法。 52.前記アッセイの少なくとも1つが、前記変調剤の細胞性標的を決定するこ とを含む、請求項33または34に記載の方法。 53.前記変調剤の細胞性標的の前記決定が、前記変調剤が複数の細胞タイプの 増殖に及ぼす影響を比較することを含む、請求項52記載の方法。 54.前記複数の細胞タイプが条件増殖表現型を有する複数の細胞タイプを含む 、請求項53記載の方法。 55.前記条件増殖表現型の少なくとも1つが温度感受性表現型である、請求項 54記載の方法。 56.細胞性標的の前記決定が、複数の細胞タイプにおいて複数の表現型センサ ーを比較することを含む、請求項52記載の方法。 57.前記細胞タイプの少なくとも1つが微生物である、請求項33または34 に記載の方法。 58.前記微生物が細菌株である、請求項57記載の方法、。 59.前記細菌株が、ブドウ球菌属、シュードモナス属、腸球菌属、腸内細菌科 、および連鎖球菌属からなる群より選択される、請求項58記載の方法。 60.前記微生物が真菌である、請求項57記載の方法。 61.前記真菌が、Saccharomyces cerevisiae、As pergillis niger、Candida albicans、および Candida glabrataからなる群より選択される、請求項60記載 の方法。 62.前記第1の細胞タイプの少なくとも1つが哺乳動物癌細胞である、請求項 33または34に記載の方法。 63.細胞タイプの表現型プロフィールを決定する方法であって、変調剤または 変更された生体分子が前記細胞タイプの複数の表現型センサーに及ぼす影響を決 定する工程を含む方法。 64.前記細胞タイプの複数の異なる性質を特性決定する複数の異なるアッセイ をさらに含む、請求項63記載の方法。 65.生体分子の変調剤の作用のメカニズムを特性決定する方法であって、 a) 異なる変更された生体分子を有する複数の細胞タイプを前記変調剤の存在 下で増殖させ; b) 前記変調剤が前記細胞タイプの表現型センサーに及ぼす影響を決定し;そ して c) 前記変調剤が前記表現型センサーに及ぼす影響を既知の変調剤が前記表現 型センサーに及ぼす影響と比較する; の各工程を含む方法。 66.前記変調剤が複数の表現型センサーに及ぼす影響を比較することをさらに 含む、請求項65記載の方法。 67.前記変調剤の存在下における異なる変更された生体分子を有する複数の細 胞タイプの増殖のパターンを決定し;そして 前記変調剤の存在下における前記複数の細胞タイプの増殖のパターンを、既知の 変調剤の存在下における前記複数の細胞タイプの増殖のパターンと比較する; の各工程を含む、請求項65記載の方法。 68.前記既知の変調剤の作用のメカニズムが既知である、請求項65記載の方 法。 69.前記細胞タイプの少なくとも1つが条件増殖突然変異体である、請求項6 5記載の方法。 70.前記条件増殖突然変異体が温度感受性突然変異体である、請求項69記載 の方法。 71.前記条件増殖突然変異体を半許容条件下で増殖させる、請求項69記載の 方法。 72.前記特性決定が前記変調剤の細胞性標的を同定することを含む、請求項6 5記載の方法。 73.生体分子の変調剤の作用のメカニズムを特性決定する方法であって、 a) 第1の細胞タイプを変調剤と接触させ; b) 前記変調剤が第1の細胞タイプにおいて表現型センサーに及ぼす影響を決 定し;そして c) 前記変調剤が前記第1の細胞タイプにおいて表現型センサーに及ぼす前記 影響を、変更された生体分子が異なる前記変更された生体分子を有する複数の細 胞タイプにおいて前記表現型センサーに及ぼす影響と比較し、 ここで前記第1の細胞タイプは正常な前記生体分子を有する; の各工程を含む方法。 74.前記変調剤が複数の表現型センサーに及ぼす影響を比較することをさらに 含む、請求項73記載の方法。 75.前記細胞タイプの少なくとも1つが条件増殖突然変異体である、請求項7 3記載の方法。 76.前記条件増殖突然変異体が温度感受性突然変異体である、請求項75記載 の方法。 77.前記条件増殖突然変異体を半許容条件下において増殖させる、請求項75 記載の方法。 78.前記特性決定が、前記変調剤の細胞性標的を同定することを含む、請求項 73記載の方法。 79.前記細胞タイプの1またはそれ以上が微生物である、請求項63−78の いずれかに記載の方法s。 80.前記微生物の1またはそれ以上が細菌株である、請求項79記載の方法。 81.前記細菌株の少なくとも1つが、ブドウ球菌属、シュードモナス属、腸球 菌属、腸内細菌科、および連鎖球菌属からなる群より選択される、請求項80記 載の方法。 82.前記微生物の1またはそれ以上が真菌である、請求項79記載の方法。 83.前記真菌が、Saccharomyces cerevisiae、As pergillis niger、Candida albicans、および Candida labrataからなる群より選択される、請求項82記載の 方法。 84.前記第1の細胞タイプの少なくとも1つが哺乳動物癌細胞である、請求項 63−78のいずれかに記載の方法。 85.天然産物調製物を特性決定する方法であって、 a) 異なる変更された生体分子を有する複数の細胞タイプを増殖培地中で増殖 させ; b) 前記複数の細胞タイプを天然産物調製物と接触させ;そして c) 前記天然産物調製物の存在下および第2の天然産物調製物もしくは生体分 子の既知の変調剤の存在下において前記複数の細胞タイプの間で表現型センサー を比較することにより、前記天然産物調製物の存在の影響を決定する; の各工程を含む方法。 86.天然産物調製物を特性決定する方法であって a) 異なる変更された生体分子を有する複数の細胞タイプについて、1または それ以上の表現型センサーに及ぼす影響のパターンを決定し;そして b) 天然産物調製物が正常な前記生体分子を有する細胞タイプにおいて前記1 またはそれ以上の表現型センサーに及ぼす影響を前記パターンと比較する; の各工程を含む方法。 87.影響の前記パターンが炭素源利用性のパターンである、請求項86記載の 方法。 88.少なくとも1つの前記細胞タイプが条件増殖表現型を有する、請求項85 記載の方法。 89.前記条件増殖表現型が温度感受性表現型である、請求項88記載の方法。 90.前記複数の細胞タイプの少なくとも1つが微生物である、請求項85−8 9のいずれかに記載の方法。 91.前記微生物の少なくとも1つが細菌株である、請求項90記載の方法。 92.前記細菌株が、ブドウ球菌属、シュードモナス属、腸球菌属、腸内細菌科 、および連鎖球菌属からなる群より選択される、請求項91記載の方法。 93.前記微生物の少なくとも1つが真菌である、請求項90記載の方法。 94.前記特徴決定が、前記第1の天然産物調製物が前記第2の天然産物調製物 または前記既知の生体分子の変調剤とは異なる遺伝的標的を阻害するか否かを決 定することを含む、請求項85または86記載の方法。
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