JPH10502810A - Lerk−5と命名された新規のサイトカイン - Google Patents
Lerk−5と命名された新規のサイトカインInfo
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- JPH10502810A JPH10502810A JP8504407A JP50440795A JPH10502810A JP H10502810 A JPH10502810 A JP H10502810A JP 8504407 A JP8504407 A JP 8504407A JP 50440795 A JP50440795 A JP 50440795A JP H10502810 A JPH10502810 A JP H10502810A
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Abstract
(57)【要約】
LERK−5ポリペプチドが開示され、LERK−5を生成するに有効なDNA配列、ベクターおよび形質転換された宿主細胞も共に開示されている。LERK−5ポリペプチドは、チロシンキナーゼレセプターのeph/elk族の一員である、elkおよびhekに結合する。
Description
【発明の詳細な説明】
LERK−5と命名された新規のサイトカイン 発明の背景
チロシンキナーゼレセプターとして知られているタンパク質は、リガンド結合
に応じて活性化される固有のキナーゼ活性を持つ。この種のタンパク質は、触媒
ドメイン内に保存された構造モチーフを特徴とし(Hanksら、Scienc
e242:42,1988)、触媒ドメインまでのN末端領域の構造上の特徴を
基にして、族(family)に細別することができる。
Boydら(J.Biol.Chem.267:3262,1992)は、チ
ロシンキナーゼ活性を示す細胞表面の糖タンパク質を精製した。N末端アミノ酸
配列から、このタンパク質はeph/elk族の一員と同定され、それ故、he
k(ヒトeph/elk様キナーゼ)(human eph/elk−like
kinase)と命名された。hekと免疫反応するモノクローナル抗体を用
いて、数多くのヒトの細胞の型によるhekの発現について研究した(Boyd
ら、同上)。hek抗原は、ヒトの前駆B細胞白血病細胞系LK63(この細胞
系は、抗体を上昇させる免疫原として用いられた)およびT細胞白血病細胞系J
M上に検出された。RajiBリンパ腫細胞系は弱いhek抗原発現を示し、そ
して試験したその他の細胞系(前駆B細胞およびT細胞系を含む造血細胞系を含
む正常な細胞系および腫瘍細胞系の両方)は、一貫して陰性であった。hek抗
原発現について試験した正常組織および腫瘍組織の生検試料内では、正常組織で
陽性であったものはなく、造血腫瘍のみ非常に低い割合で陽性であった。
上記のLK63細胞系およびJM細胞系、ならびにヒトのT細胞白血病細胞系
HSB−2でのhek転写物の発現は、ノーザンブロット分析によって示された
(Wicksら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA89:161
1,1992)。単離されたhek cDNAクローンのヌクレオチド配列およ
びアミノ酸配列は、Wicksら、上記に示されている。
elkと呼ばれる細胞表面タンパク質は、チロシンキナーゼレセプター族タン
パク質の他の一員である。elkの部分クローンは、最初、ラットの脳のcDN
A発現ライブラリーを、チロシンキナーゼ活性を示すタンパク質についてスクリ
ーニングした中から発見された(Letwinら、Oncogene3:621
,1988)。後にelkコード領域全体に及ぶ複合配列が、前記部分クローン
をプローブとして用いて、ラットの脳のcDNAライブラリーおよびラットの小
脳ライブラリーから単離された部分クローンから誘導された(Lhotakら、
Mol.Cell.Biol.11:2496,1991)。
hekおよびelkタンパク質は、hek同族体(homolog)であるm
ek4およびcek4(Sajjadiら、New Biol.3:769,1
991);eek(Chanら、Oncogene6:1057,1991);
erk(Chanら、同上);eck(Lindbergら、Mol.Cell
.Biol.10:6316,1990):cek5(Pasquale,E.
B.Cell Regulation2:523,1991);およびeph(
Hiraiら、Science238:1717,1987)を含む、数多くの
その他のチロシンキナーゼレセプターと密接に関係している。この亜族のタンパ
ク質群は、細胞質ドメインのみならず、細胞外ドメインでも、41から68%の
同一性で関係している。興味あることに、これら様々なレセプターの組織分布は
多様である。例えば、elk mRNAの発現は、精巣および脳に限定されると
報告されている(Lhotakら、同上)が、eckは、これらと同一の2組織
内のみならず、肺、腸、腎臓、脾臓、卵巣、および皮膚等にも認められる。
チロシンキナーゼレセプターに関して同定されたそれらのリガンドは、レセプ
ターを発現する細胞の成長、分化および生存に影響する多様なタンパク質群であ
る。hekおよびelkのリガンドが単離され、これらは以下にさらに詳細に考
察される。
さらに、存在するであろうhekおよびelkの任意のリガンドの同定は、こ
れらレセプターを通して信号を送ることによって制御される細胞プロセスの性質
の研究に有用に提供されるであろう。これらレセプターを通して仲介される特定
の生物信号を増強または阻害しようとする場合、そのような信号を導入する役割
を果たすであろう個々のタンパク質を同定すると都合がよい。さらに、信号の導
入を開始することなしにある種のレセプターと結合するタンパク質が知られてお
り、これらには、インターロイキン−1レセプターアンタゴニストタンパク質が
含まれる(Eisenbergら、Nature343:341,1990;H
annumら、Nature343:336,1990およびCarterら、
Nature344:633,1990)。hekまたはelkを結合するさら
なるタンパク質の同定は、それらのタンパク質がアンタゴニストとして機能する
か否かを決定するために望ましい。発明の概要
本発明は、チロシンキナーゼレセプターのeph/elk族の一員である、e
lkおよびhekと結合する、LERK−5と命名された新規のサイトカインを
提供する。また、本発明は、LERK−5タンパク質をコードするDNAの単離
、および単離されたDNAを含む発現ベクターを提供する。LERK−5を生成
する方法は、LERK−5タンパク質の発現に適当な条件下で発現ベクターを含
む宿主細胞を培養し、そしてLERK−5を回収することからなる。LERK−
5に対する抗体もまた、開示されている。図面の簡単な説明
図1は、ヒトのLERK−5およびネズミのLERK−5のアミノ酸配列を並
べて比較している。それぞれのタンパク質について、膜貫通領域を箱で囲み、成
熟タンパク質の第一アミノ酸を丸で囲んだ。同一アミノ酸を縦線で示す。発明の詳細な説明
elkおよびhekとして既知の細胞表面レセプターと結合するLERK−5
と命名された新規のタンパク質をコードするcDNAは、本発明に従って単離さ
れた。また、LERK−5DNAを含む発現ベクターが提供される。組換えLE
RK−5ポリペプチドの生成方法は、LERK−5発現に適当な条件下で発現ベ
クターで形質転換した宿主細胞を培養し、そして、発現したLERK−5を回収
することを含む。細胞外ドメインからなる可溶型タンパク質を含む、精製された
LERK−5タンパク質もまた、本発明の範囲内である。
また本発明は、LERK−5あるいはそれと反応する抗体を生成する免疫原と
して作用しうるLERK−5フラグメントを提供する。一つの実施態様では、抗
体はLERK−5に特異的なモノクローナル抗体である。
ヒトLERK−5cDNAは、実施例1記載の方法に従って単離に成功した。
ヒトLERK−5cDNAクローンのコード領域のDNA配列およびそれによっ
てコードされるアミノ酸配列を、配列番号1および配列番号2に示す。コードさ
れたタンパク質は、N末端シグナルペプチド(配列番号2のアミノ酸−25から
−1)、細胞外ドメイン(アミノ酸1から199)、膜貫通領域(アミノ酸20
0から225)、および細胞質ドメイン(アミノ酸226から308)からなる
。elkおよびhekとして既知の2つの細胞表面レセプターへのLERK−5
の結合は、実施例4に示している。
LERK−5cDNAを含む組換えファージλgt10ベクターを含む細胞溶
解液は、1994年6月16日、American Type Culture
Collectionに寄託した(寄託番号ATCC75815)。寄託は、
ブダペスト条約の条件に基づいて行われた。組換えλgt10ベクターは、実施
例1で単離され、クローンλ6と同定されたベクターである。
本明細書中に開示した新規のサイトカインは、チロシンキナーゼレセプターの
eph/elk族の一員であるラットの細胞表面レセプターelkのリガンドで
ある。elk mRNAの発現は、ラットの脳および精巣で検出され(Lhot
okら、上記)、elkがオンコジーンを活性化する能力を持つ可能性が示唆さ
れた(Letwinら、上記)。さらに、サイトカインは、チロシンキナーゼレ
セプターのeph/elk族のその他の一員であるhekのリガンドである(B
oydら、J.Biol.Chem.267:3262,1992;Wicks
ら、PNAS USA 89:1611,1992)。hekが発現される細胞
型の中に、ヒトのある種の白血病細胞系がある。
ここで用いられる”LERK−5”という言葉は、elkおよびhekを結合
する能力を持ち、ここに開示したLERK−5アミノ酸配列と実質上相同性を示
すポリペプチド類を指す。ヒトのLERK−5は、これらに限られるわけではな
いが、マウス、ラット、ウシ、ブタまたは様々な霊長類を含むその他の哺乳動物
の種から誘導されたLERK−5タンパク質と同様に、本発明の範囲の内にある
。ここに用いられている”LERK−5”という言葉は、(細胞外ドメイン、膜
貫通領域および細胞質ドメインからなる)膜結合タンパク質、ならびにelk結
合性またはhek結合性を保持している切除型タンパク質を含む。そのような切
除型タンパク質には、例えば、細胞外(レセプター結合)ドメインのみからなる
可溶性のLERK−5が含まれる。
elkおよびhekに結合するその他のタンパク質も同定されているが、本発
明のLERK−5はこれらの他のelk結合タンパク質およびhek結合タンパ
ク質とは区別される、新規のタンパク質である。
一つのelkリガンドは、PCT出願WO94/11384に記載されている
。このelkリガンドをコードするクローン化cDNA(クローンtele7と
名付けられた)のヌクレオチド配列、ならびにそれによってコードされるアミノ
酸配列は、WO94/11384に示されている。タンパク質は、N末端シグナ
ルペプチド、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞質ドメインを含む、
346アミノ酸からなる膜貫通タンパク質I型である。
二種類のhekリガンドタンパク質(A2およびC6と名付けられたクローン
によってコードされている)は、アミノ酸レベルで38%同一であり、PCT出
願WO95/06065に記載されている。2つのhekリガンドタンパク質を
コードするクローン化cDNAのDNA配列およびコードされるアミノ酸配列は
、WO95/06065出願に示されている。コードされたタンパク質は、それ
ぞれ、N末端シグナルペプチド、細胞外ドメイン、およびグリコシルホスファチ
ジルイノシトール(GPI)固定化シグナルを含むC末端疎水性領域を含む。転
写後プロセシングの後、両タンパク質は、GPI結合を通して細胞表面に固定さ
れる。
elkおよびhekに結合することが見い出されたもう一つのタンパク質は、
B61と呼ばれている。B61cDNAのヌクレオチド配列およびコードされる
アミノ酸配列は、Holzmanら、Mol.Cell.Biol.10:58
30,1990に示されている。B61は、WO95/06065に記載された
結合アッセイで示したように、後に、kelおよびhekと結合することが見出
された。
これらの4つのタンパク質(B61ならびにクローンtele7、A2、およ
びC6によってコードされるタンパク質)の内、本発明のLERK−5は、te
le7によってコードされるelkリガンド(以下、elk−L tele7と
呼ぶ)と(構造上)最も密接な関係にある。LERK−5およびelk−L t
ele7タンパク質の全長のアミノ酸配列は、58.5%同一であり、DNA配
列は、61.4%同一である。elk−LおよびLERK−5のシグナルペプチ
ドおよび細胞外ドメインからなる配列は、アミノ酸レベルで51.6%同一であ
り、DNAレベルでは53.6%同一である。細胞質ドメインは、アミノ酸レベ
ルで74.7%同一であり、DNAレベルで75.5%同一である。
ら、Oncogene 8:2857,1993)が上げられる。LERK−5
は、hek2とも結合する。
ヒトの染色体13で発現する配列tag(expressed sequen
ce tag)(EST)のヌクレオチド配列は、GenBank(登録商標)
(受託番号L13819)に見出される。ESTの源は、月齢3ヶ月のヒト女児
の脳のmRNAから誘導されたcDNAとして同定される。開示されたESTの
337bpの配列は、elk−L tele7ヌクレオチド配列と並べて比較し
た場合、tag配列は、elk−L tele7DNAの対応する領域と59.
3%同一である。配列の相同性がこの程度であることから、本発明者らは、配列
tagが生物活性タンパク質、具体的にはelkまたはhekと結合するタンパ
ク質、をコードする遺伝子の一部分であるか否かを決定しようとした。
GeneBankの記録には、ESTによってコードされるいかなるポリペプ
チドも開示されておらず(例えば、仮に読み枠があるとしてもそれが何であるか
示されておらず)、ましてやそのようなポリペプチドのいずれかがelkまたは
hekに結合することも示唆していない。仮に、tagDNA配列が本明細書中
に報告されるLERK−5DNAのクローニングによって明確になる読み枠の中
で発現していたとしても、コードされるアミノ酸配列は、elkおよびhekに
結合する上記の4種のタンパク質の細胞外ドメインに保存されている4つのシス
テイン残基の内の3つが欠落しているであろう。本発明のLERK−5タンパク
質中で、これらのシステインは、配列番号2のアミノ酸37、64、76および
128に認められる。tag配列を翻訳したものは、配列番号2のアミノ酸79
から190に相当する(実施例1に記載するように、1つのミスマッチを含む)
。それ故、337bpのtag配列が、elkまたはhekに結合する能力を持
つポリペプチドをコードするとは思えない。
以下の実施例1で単離されたヒトLERK−5DNAは放射能標識されてのよ
く、種間ハイブリダイゼーションによって他の哺乳動物のLERK−5cDNA
を単離するためのプローブとして用いることもできる。異なる哺乳動物の種から
誘導された様々な細胞系または組織から単離されたRNAは、LERK−5遺伝
子のクローニングに用いるに適当なmRNA源を同定するために、ノーザンハイ
ブリダイゼーションによってスクリーニングすることが出来る。
ネズミのLERK−5をコードするDNAは、受精後11.5日の胚から調製
されたcDNAライブラリーより単離された。ネズミLERK−5アミノ酸配列
が図1に示され、ヒトLERK−5アミノ酸配列と並べて比較した。ネズミとヒ
トのLERK−5は、アミノ酸レベルで97%同一である。
配列番号2のLERK−5タンパク質のelkまたはhekに結合する能力を
有するフラグメントも、本発明の範囲内である。本発明の一つの実施態様では、
可溶性LERK−5ポリペプチドが提供される。可溶性LERK−5ポリペプチ
ドは、細胞膜上にポリペプチドを保持する膜貫通領域が欠落しているが、天然型
のLERK−5細胞外ドメインの全体または部分を含む。可溶性LERK−5ポ
リペプチドは分泌を促進するために、最初に合成された時は天然型の(または異
種の)シグナルペプチドを含むと好都合であるが、このシグナルペプチドはLE
RK−5が細胞から分泌される時点で切断される。用いられ得る可溶性LERK
−5ポリペプチドは、elkまたはhekを結合する能力を保持している。また
、可溶性LERK−5は、可溶性LERK−5タンパク質が分泌され得る限り、
膜貫通領域の一部分または細胞質ドメインの一部分あるいはその他の配列を含ん
でも良い。
可溶性LERK−5は、培養液から所望のタンパク質を発現している完全な細
胞を例えば遠心分離によって分離し、所望のタンパク質の存在について培養液(
上清)をアッセイすることによって、同定され(また、その非可溶性の膜結合L
ERK−5対応物から識別され)る。培養液中にLERK−5が存在することは
、タンパク質が細胞から分泌されそれ故所望のタンパク質の可溶型であることを
示している。可溶性LERK−5は、このタンパク質の自然発生型であってもよ
い。
可溶型LERK−5を用いるとある種の応用に好都合である。可溶性タンパク
質は細胞から分泌されるので、組換え宿主細胞からのタンパク質の精製を容易に
する。さらに可溶性タンパク質は、一般的に静脈内投与により適当である。
可溶性LERK−5ポリペプチドの例としては、天然型LERK−5タンパク
質の細胞外ドメイン全体からなるそれらが含まれる。そのような可溶性LERK
−5タンパク質の一つは、配列番号2のアミノ酸1から199からなる。最初に
宿主細胞内で発現した時、可溶性タンパク質はさらに、用いた宿主細胞内で機能
する以下に記載する異種のシグナルペプチドの一つを含んでもよい。また、タン
パク質は天然型シグナルペプチドを含んでいても良く、そのようなLERK−5
は配列番号2のアミノ酸−25から199を含む。可溶性LERK−5タンパク
質をコードするDNA配列も本発明の範囲内である。
可溶性ペプチドを含む切除型LERK−5は、数多くの従来の技術のいずれか
によって調製することができる。所望されるDNA配列は既知の技術を用いて化
学合成することもできる。またDNAフラグメントは、全長のクローン化DNA
配列を制限エンドヌクレアーゼで消化することによって生成され、アガロースゲ
ル電気泳動によって分離されても良い。所望の位置にDNAフラグメントの5’
末端または3’末端を再構築するオリゴヌクレオチドが合成されても良い。オリ
ゴヌクレオチドは所望するコード配列の上流に制限エンドヌクレアーゼ切断部位
を含み、そしてコード配列の5’末端に開始コドン(ATG)を定めてもよい。
制限エンドヌクレアーゼ切断部位を含むリンカーを用いて、所望のDNAフラグ
メントを発現ベクター中に挿入しても良い。また、熟知されたポリメラーゼ鎖反
応法を用いて、所望のタンパク質フラグメントをコードするDNA配列を単離し
ても良い。所望されるフラグメントの末端が明確なオリゴヌクレオチドは、PC
R法でプライマーとして用いられる。さらに代わりの方法として、既知の変異誘
発技術を用いて所望する位置、例えば細胞外ドメインの最終アミノ酸のコドンの
すぐ下流、に終止コドンを挿入しても良い。
LERK−5タンパク質のシグナルペプチドおよび様々なドメインの前述の考
察に関して、タンパク質のそのような領域の上記の境界はおおまかなものである
ことを熟練者は認識するであろう。例えば、シグナルペプチドの切断部位を予想
するコンピュータープログラムを利用できるとしても、切断は予想された部位以
外の部位でも起こりうる。さらに、タンパク質調製物は、一つより多くの部位で
シグナルペプチドが切断されることによる、異なるN末端アミノ酸を持つタンパ
ク質分子の混合物からなりうることが認識されている。さらに、膜貫通領域の正
確な境界は、コンピュータープログラムによって予想されたそれらとは異なるか
もしれない。翻訳後プロセッシングは、用いられた特定の発現系によって変化し
、上記のそれらとは異なるN末端またはC末端アミノ酸を持つタンパク質が得ら
れるかもしれない。所望の生物活性を保持するそのような変異体も本発明のLE
RK−5ポリペプチドの内に含まれる。
本発明は、組換え体および非組換え体双方の、精製LERK−5ポリペプチド
を提供する。所望の生物活性(例えば、elkまたはhekに結合する能力)を
保持する天然型LERK−5タンパク質の変異体および誘導体もまた、本発明の
範囲内にある。LERK−5変異体は、天然型LERK−5ポリペプチドをコー
ドするヌクレオチド配列の突然変異誘発によって得ることが出来る。LERK−
5変異体は、ここで言及されるように、天然型LERK−5と実質上相同はポリ
ペプチドであるが、一つあるいはそれより多くの欠損、挿入または置換により、
天然型LERK−5のそれとは異なるアミノ酸配列を持つ。
望ましくは変異体ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列は、少なくとも天然型
のLERK−5配列と80%同一であり、望ましくは少なくとも90%同一であ
る。本発明の一つの実施態様では、LERK−5タンパク質は細胞外ドメイン、
膜貫通領域および細胞質ドメインからなり、該LERK−5タンパク質のアミノ
酸配列は、配列番号2のアミノ酸1から308として示される配列と少なくとも
90%同一である。その他の実施態様では、elkおよびhekと結合する能力
を持つ可溶性LERK−5ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸1から199
として示される配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列からなる。
同一性(%)は、例えば、Devereuxら、Nucl.Acids Re
s.12:387,1984に記載され、ウイスコンシン大学遺伝子コンピュー
ターグループ(UWGCG)(the University of Wisc
onsin Genetics Computer Group)より入手でき
る、GAPコンピュータープログラム、バージョン6.0を用いて、配列情報を
比較することによって決定できる。GAPプログラムは、Needlemanお
よびWunsch,J.Mol.Biol.48:443,1970による方法
で、SmithおよびWaterman、Adv.Appl.Math 2:4
82,1981によって改訂された、アラインメント法を用いている。GAPプ
ログラムにとって好ましい欠如(default)パラメーターには以下のもの
が含まれる:(1)ヌクレオチドの一成分からなる比較マトリックス(値1は同
一であることを示し、値0は同一でないことを示す)、及び、Schwartz
およびDayhoff編、Atlas of Protein Sequenc
e and Structure、National Biomedical
Research Foundation、353−358頁、1979に記載
のように、GribskovおよびBurgess、Nucl.Acids R
es.14:6745,1986の加重比較マトリックス;(2)各ギャップに
ついて3.0のペナルティー、各ギャップの各シンボルについて0.10のペナ
ルティー、(3)末端のギャップにはペナルティーなし。
天然型配列の変更は、数多くの既知技術のうちのいずれによっても行うことが
できる。天然型配列のフラグメントに連結するのを可能にした制限部位が隣接さ
れた、変異体配列を含むオリゴヌクレオチドを合成することによって、特定の座
に突然変異を導入できる。連結反応の後、その結果得られた再構築配列は、所望
のアミノ酸の挿入、置換または欠失を持つ類似体をコードする。
あるいは、オリゴヌクレオチド部位特異的突然変異誘発法を用いて、必要とさ
れる置換、欠失または挿入に応じて変化させた特定のコドンを持つ、変化した遺
伝子を提供できる。上記の変化を作り出す例示的方法は、Walderら、Ge
ne 42:133,1986;Bauerら、Gene 37:73,198
5;Craik、BioTechniques,1985年1月、12ー19;
Smithら、Genetic Engineering:Principle
s and Methods,Plenum Press,1981;Kunk
erl、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:488,19
85;Kunkelら、Methods in Enzymol.154:36
7,1987;ならびに米国特許第4,518,584号および4,737,4
62号に開示されており、ここに参照として援用される。
変異体は、保存的に置換された配列を含んでもよく、これは所与のアミノ酸残
基が類似の物理化学的特徴を持つ残基によって置き換えられることを意味する。
保存的置換の例としては、Ile、Val、LeuまたはAlaを互いに置換す
るように一つの脂肪族残基を別の脂肪族残基と置換すること、または、Lysと
Arg;GluとAsp;またはGlnとAsnとの間で置換するように一つの
極性残基を別のの極性残基と置換すること、が含まれる。その他のそのような保
守的置換としては、例えば、同様の疎水性特徴を持つ領域全体を置換することが
良く知られている。
また、LERK−5を修飾し、グリコシル基、脂質、リン酸塩、アセチル基お
よびそれらに類する基のようなその他の化学的部分と共有結合性または凝集性の
複合を形成させることによって、LERK−5誘導体を作り出すこともできる。
LERK−5の共有結合誘導体は、LERK−5アミノ酸側鎖上の官能基あるい
はLERK−5ポリペプチドまたはその細胞外ドメインのN末端もしくはC末端
における官能基に化学的部分を結合することによって調製できる。本発明の範囲
内にあるその他のLERK−5誘導体は、組換え培地中でN末端またはC末端の
融合物として合成されるように、LERK−5またはそのフラグメントと他のタ
ンパク質またはポリペプチドとの共有結合性または凝集性の複合体を含む。例え
ば、複合体は、LERK−5ポリペプチドのN末端においてシグナルまたはリー
ダーポリペプチド配列(例えば、サッカロミセス属のα因子リーダー)を含んで
もよい。シグナルペプチドまたはリーダーペプチドは、翻訳時または翻訳後に、
その合成部位から細胞膜または細胞壁の内側または外側の部位へ複合体を移動さ
せる。
LERK−5ポリペプチド融合体は、LERK−5の精製および同定を容易に
するように加えられたペプチドを含むことが出来る。そのようなペプチドには例
えば、米国特許第5,011,912号(本明細書中に参照として援用される)お
よびHoppら、Bio/Technology 6:1204、1988に記
載された、ポリ−Hisまたは抗原性を持つ同定用ペプチドが含まれる。そのよ
うなペプチドの一つは、FLAG(登録商標)ペプチド、Asp−Tyr−Ly
s−Asp−Asp−Asp−Asp−Lys(DYKDDDDK)(配列番号
3)である。このペプチドは高い抗原性を持ち、特異的モノクローナル抗体によ
って可逆的に結合されるエピトープを提供して、迅速なアッセイと発現した組換
えタンパク質の精製を容易にする。またこの配列は、ウシ粘膜エンテロキナーゼ
によってAsp−Lys対合のすぐ後に続く残基で特異的に切断される。
さらに本発明は、対応する天然型のグリコシル化パターンを伴うまたは伴わな
いLERK−5ポリペプチドを含む。酵母または哺乳動物の発現系(例えば、C
OS−7細胞)内で発現したLERK−5は、選択した発現系によって分子量お
よびグリコシル化のパターンにおいて、天然型のLERK−5ポリペプチド同様
であっても良くまたは有意に異なっていても良い。大腸菌のような細菌発現系内
でのLERK−5ポリペプチドの発現では非グリコシル化分子が提供される。
LERK−5細胞外ドメインのN−グリコシル化部位を修飾して、グリコシル
化を妨げることもできる。真核生物のポリペプチドのそのような部位は、アミノ
酸トリプレットAsn−X−Y(式中XはProを除く任意のアミノ酸であり、
YはSerまたはThrである)を特徴とする。ヒトLERK−5タンパク質は
、配列番号2のアミノ酸11−13および114−116において、そのような
トリプレットを2つ含む。このトリプレットをコードするヌクレオチド配列の適
当な修飾は、結果として、Asn側鎖への炭水化物の結合を妨げる、置換、付加
または欠失を生ずるであろう。例えば、Asnが異なるアミノ酸によって置換さ
れるように選択して1個のヌクレオチドを変化させると、N−グリコシル化部位
は充分に不活性化される。タンパク質のN−グリコシル化部位を不活性化させる
既
知の方法は、米国特許第5,071,972号およびEP第276,846号に記
載された方法に含まれており、以後これらは参照として援用される。
その他の例としては、生物活性に重要でないCys残基をコードする配列を変
化させて、Cys残基を欠失または他のアミノ酸で置換させると、復元時の不適
当な分子内ジスルフィド架橋の形成を防ぐことが出来る。他の変異体は、隣接す
る二塩基性のアミノ酸残基を修飾することによって調製され、KEX2プロテア
ーゼ活性を示す酵母系中での発現を強化する。EP第212,914号は、部位
特異的突然変異誘発を用いて、タンパク質中のKEX2プロテアーゼプロセシン
グ部位を不活性化することについて開示している。KEX2プロテアーゼプロセ
シング部位は、塩基性残基が隣接することをなくすようにArg−Arg、Ar
g−LysおよびLys−Argの対を変化させるために、残基を欠失、付加ま
たは置換することによって不活性化される。Lys−Lysの対はかなりKEX
2切断を受けにくく、Arg−LysまたはLys−ArgのLys−Lysへ
の変換は、KEX2部位を不活性化するための保存的で好適な方法であることを
示している。ヒトLERK−5は、配列番号2のアミノ酸228−229、22
9−230、232−233および251−252に、4つのKEX2プロテア
ーゼプロセシング部位を含んでいる。
天然に存在するLERK−5変異体もまた本発明の範囲内にある。そのような
変異体の例は、選択的なmRNAスプライシングまたはLERK−5タンパク質
のタンパク質分解の結果生じる、elk結合性またはhek結合性を保持してい
るタンパク質である。選択的なmRNAスプライシングは例えば、自然発生の可
溶型タンパク質のような切除されてはいるが生物活性を持つLERK−5タンパ
ク質を生ずるであろう。タンパク質分解に起因する変異は例えば、LERK−5
タンパク質から(一般的には1−5末端アミノ酸から)一つまたはそれより多く
の末端アミノ酸がタンパク質分解により除去されることにより、異なる型の宿主
細胞で発現させた時、N端またはC末端が異なることを含む。
elkまたはhekに結合するための必須の能力を持つ変異体は、任意の適当
なアッセイによって同定できる。LERK−5変異体の生物活性は、例えば、L
ERK−5と競合してelkまたはhekと結合する変異体の能力を分析するこ
と(即ち、競合結合アッセイ)によって、測定できる。
競合結合アッセイは、標準的な技術を用いて行うことが出来る。例えば、放射
能標識したLERK−5を用いてLERK−5変異体と競合させて、細胞表面に
結合したelkまたはhekに対する結合活性についてアッセイすることが出来
る。質的評価は競合オートラジオグラフプレート結合アッセイによって得られ、
スキャッチャードプロットは量的評価を行うために用いることが出来る。完全な
細胞の代わりに、固相に結合させた可溶性elkまたはhek(例えば、プロテ
インAまたはプロテインGを含む固相に結合させた可溶性のelk/Fcまたは
hek/Fc融合タンパク質)で代用できる。その他の型の競合結合アッセイで
は、放射能標識した可溶性elkまたはhek、およびLERK−5を発現する
完全な細胞が用いられる。
また、本発明のLERK−5を結合アッセイに用いて、elkまたはhekを
発現している細胞を検出することもできる。例えば、LERK−5またはその細
胞外ドメインを、放射性核種、比色または蛍光測定反応を触媒することのできる
酵素、ビオチンまたはアビジンのような検出可能な部分と複合させることができ
る。elkまたはhekの発現について試験する細胞を、標識したLERK−5
と接触させる。インキュベーション後未結合の標識LERK−5を細胞から分離
し、検出可能部分を用いて結合を測定する。
本発明の一つの態様は、elkまたはhekタンパク質を結合させるために、
LERK−5を用いることを含む。例えば、LERK−5はタンパク質精製法の
試薬として用いることができる。LERK−5またはLERK−5/Fc融合タ
ンパク質は、従来の技術によって固体支持物質に付着させ、アフィニティークロ
マトグラフィーによってelkまたはhekを精製するために用いられる。
本明細書中に開示したLERK−5タンパク質はまた、LERK−5へのそれ
らの結合親和性によってelkまたはhekタンパク質の生物活性を測定するた
めに用いることができる。一つの例としてLERK−5は、elkまたはhek
タンパク質を(例えば、化学修飾、切除(truncation)、突然変異等で)修飾し
た後も生物活性が保持されているか否かを測定するために用いうる。このように
、elkまたはhekタンパク質の生物活性を、例えば、それを調査研究に用い
る
前に確認することができる。
LERK−5タンパク質は、例えば、異なる条件下でのelkタンパク質の保
存寿命および安定性をモニターするために「品質保証」の研究を行う人々により
用いられる試薬としての用途が見出されている。実例として、異なる温度で保持
されていたまたは異なる細胞型で生産されたelkタンパク質の生物活性を測定
するための結合親和性の研究において、LERK−5を用いることができる。修
飾されたelkタンパク質のLERK−5への結合親和性を修飾されていないe
lkタンパク質のそれと比較すると、修飾によるelkの生物活性へのあらゆる
不利な影響が検出される。同様に、hekタンパク質の生物活性をLERK−5
を用いて評価することが出来る。
またLERK−5ポリペプチドは、それに結合している薬剤をelkまたはh
ek細胞表面レセプターを発現している細胞へ運ぶためのキャリアーとして用い
られることも見出されている。JMと呼ばれるヒトT細胞白血病細胞系およびL
K63と呼ばれるヒト前駆B細胞白血病細胞系を含むある種の白血病細胞系で、
hek抗原の発現が報告されている(Boydら、J.Biol.Chem.2
67:3262,1992およびWicksら、Proc.Natl.Acad
.Sci.USA 89:1611,1992)。このように、LERK−5タ
ンパク質はin vitroまたはin vivoにおける方法で、これらの細胞
(または細胞表面にhekを発現することが見出されたその他の細胞型)に診断
用または治療用薬剤を配達するために用いることが出来る。
そのような使用例の一つとして、治療剤/LERK−5複合体にhek+白血
病細胞系をさらし、薬剤が白血病細胞に対して細胞毒性を示すか否かを評価する
ことが上げられる。LERK−5に結合された数多くの異なる治療剤が、白血病
細胞への薬剤の細胞毒性効果を検出し比較するアッセイに含まれることができる
。LERK−5/診断用薬剤複合体は、生体外または生体内でhek+細胞の存
在を検出するために用いることができる。
LERK−5ポリペプチドに結合できる診断用および治療用薬剤は、これに限
定されるわけではないが、予定された応用に従って選択される特定の薬剤と共に
、薬剤、毒、放射性核種、発色団、比色または蛍光測定反応を触媒する酵素、お
よ
びその類似物を含む。薬剤の例としては、様々な形の癌の治療に用いられるそれ
ら、例えば、L−フェニルアラニンナイトロジェンマスタードまたはシクロホス
ファミドのようなナイトロジェンマスタード、シス−ジアミノジクロロプラチナ
のような挿入剤、5−フルオロウラシルのような抗代謝剤、ビンクリスチンのよ
うなビンカアルカロイド、およびブレオマイシン、ドキソルビシンのような抗生
物質ならびにそれらの誘導体が含まれる。毒素の中には、リシン、アブリン、ジ
フテリア毒素、Pseudomonas aeruginosa エキソトキシ
ンA、リボゾーム不活性化タンパク質、トリコテセン(trichothece
nes)のようなマイコトキシン、ならびにそれらの誘導体およびフラグメント
(例えば、一本鎖)がある。診断用として適当な放射性核種には、これらに限ら
れるわけではないが、123I、131I、99mTc、111Inおよび76Brが含まれる
。治療用として適当な放射性核種には、これらに限られるわけではないが、131
I、211At、77Br、186Re、188Re、212Pb、212Bi、109Pd、64Cu
及び67Cuが含まれる。
そのような薬剤は、任意の適当な従来からの方法によって、LERK−5に結
合させて良い。LERK−5は、タンパク質であり、例えば、所望される薬剤の
官能基と反応して共有結合を形成できるアミノ酸側鎖の官能基を含む。代わりに
、タンパク質または薬剤を所望する反応性官能基を生成または付着させるために
修飾しても良い。修飾には、タンパク質に様々な分子を付着させることを可能に
する二官能性カップリング試薬の一つを付着させることが含まれる(Pierc
e Chemical Company,Rockford,Illinois
)。タンパク質を放射能標識する数多くの技術が知られている。放射性核種金属
は、例えば、適当な二官能性キレート剤を用いることによってLERK−5に付
着させても良い。
LERK−5および適当な診断用または治療用薬剤からなる(望ましくは共有
結合した)複合体は、このように調製される。複合体は、特定の適用に適当な量
で投与されるかまたは使用される。
本発明のLERK−5のもう一つの使用法は、elkまたはhekと複合して
elkまたはhekレセプターを発現する細胞の増殖または分化に演じるであろ
う、LERK−5の役割を研究する研究用の道具として用いられることである。
また、本発明のLERK−5ポリペプチドは、elkまたはLERK−5または
その相互作用を検出するためのin vitroでのアッセイに用いられて良い
。同様に、LERK−5は、hekまたはhekとLERK−5の相互作用のア
ッセイに用いられることが見出されている。
上に考察したように、様々なラット組織をelk−mRNAについて分析した
ところ、転写物は脳および精巣にのみ検出された(Lhotakら、上記)。神
経組織上でのLERK−5のelkへの結合は、神経保護効果または神経栄養効
果を及ぼすと信じられている。
LERK−5は、組織培養試薬として用いられることが分かっている。LER
K−5タンパク質は、培養神経の生存度を強化するまたは寿命を延長するために
in vitroで培養された神経に加えることができ、そうすることによって
、神経組織の研究が容易になる。培養液に加えるLERK−5の適当な濃度は、
毎日の試験によって決定することができる。
本発明の一つの実施態様は、神経組織をLERK−5と接触させることを含む
、神経組織の疾病を治療する方法である。そのような疾病には、損傷または慢性
急性のいずれかの神経性疾病が含まれる。LERK−5タンパク質は、そのよう
な損傷または疾病を治療するために哺乳動物に投与することができる。本発明の
一つの実施態様では、LERK−5は、少なくとも部分的には刺激神経毒性とし
て既知の神経死の機構によって特徴づけられる、または仲介される神経変性状態
の治療に用いられる。さらにLERK−5は、神経組織に栄養効果を及ぼすため
に哺乳動物に投与できる。損傷または疾病による神経の損失または損傷に苦しむ
患者では、LERK−5は生き残ったそれら神経の生存能力を強化できる。
本発明は、有効量の精製LERK−5ポリペプチドおよび適当な希釈剤、補助
剤、または担体を含む医薬組成物を提供する。そのような担体は、用いられる投
与量および濃度では患者に毒性を示さないであろう。通常、そのような組成物の
調製は、哺乳動物のLERK−5ポリペプチドまたはその誘導体を、バッファー
、アスコルビン酸のような抗酸化剤、低分子量(約10残基より少ない)ペプチ
ド、タンパク質、アミノ酸、炭水化物(グルコース、スクロース、またはデキス
トラ
ン)、EDTAのようなキレート剤、グルタチオン、またはその他の安定剤およ
び補助剤と組み合わせることを、必然的に伴う。中性に緩衝化した塩類溶液は、
適当な希釈剤の一つである。
治療に用いるために、組成物は、徴候および患者に適当な様式および服用量で
投与される。本発明の分野の当業者には理解されるように、治療に有効な服用量
は、治療される状態の性質及び重度、並びに患者の年齢、体格および健康状態等
の因子によって変わるであろう。投与は、これらに限られるわけではないが、連
続注入、手術中の局部注入、心室内注入(心室内カテーテルの使用を含む)、埋
没物(ゲル、膜およびその類似物)からの持続放出または注射(例えば損傷部位
への注射もしくは中枢神経系内への注射)を含む、適当な経路で行うことができ
る。
本発明の組成物は、変異体、誘導体、およびその生物活性フラグメントを含む
、上記のあらゆる形のLERK−5タンパク質を含んでよい。本発明の一つの実
施態様では、組成物は可溶性のヒトLERK−5タンパク質からなる。そのよう
なタンパク質は、上記のようにFcポリペプチドに融合させたヒトLERK−5
の細胞外ドメインを含んでも良い。オリゴマー形のLERK−5
二量体または三量体のような、オリゴマーの形のLERK−5ポリペプチドは
、本発明の内にある。そのようなオリゴマーは、自然発生するか、または組換え
DNA技術によって生成することができる。オリゴマーは、ジスルフィド結合で
結合されたか、または、スペーサーペプチドリンカーを伴うもしくは伴わない融
合タンパク質として発現された、LERK−5ポリペプチド(望ましくは細胞外
ドメインまたはそのフラグメント)からなって良い。オリゴマーは、例えば、異
なるLERK−5ポリペプチド上のシステイン残基の間のジスルフィド結合によ
って形成することができる。
LERK−5オリゴマーは、免疫グロブリンから誘導されたポリペプチドを用
いて調製することもできる。抗体から誘導されたポリペプチド(Fcドメインを
含む)の様々な部分と融合させた異種のポリペプチドからなる融合タンパク質の
調製は、例えば、Ashkenaziら、PNAS USA 88:10535
,1991およびByrnら、Nature 344:677,1990に記載
されており、ここに参照として援用される。本発明の一つの実施態様では、LE
RK−5二量体は、LERK−5を抗体(IgG1)のFc領域と融合させるこ
とによって作り出される。Fcポリペプチドは、可溶性LERK−5のC末端(
細胞外ドメインのみからなる)と融合させることが望ましい。LERK−5/F
c融合タンパク質をコードする遺伝子融合物は、適当な発現ベクターに挿入され
る。LERK−5/Fc融合タンパク質は、組換え発現ベクターで形質転換した
宿主細胞で発現し、また、抗体分子と同様に凝集できるので、その結果、鎖間ジ
スルフィド結合がFcポリペプチド間で形成され、二価のLERK−5が得られ
る。融合タンパク質が抗体の重鎖および軽鎖の両者で作られるならば、4つまで
のLERK−5細胞外領域を持つLERK−5オリゴマーを形成することが可能
である。
本明細書中で用いられる”Fcポリペプチド”という言葉は、抗体のFc領域
より誘導した天然型および変異型のポリペプチドを含む。また、二量体化を促進
するヒンジ領域を含む切除型のそのようなポリペプチドも含まれる。一つの好適
なFcポリペプチドは、PCT出願WO93/10151に記載されているよう
に、N末端ヒンジ領域から天然型のC末端におよぶ一本鎖ポリペプチドである。
このFcポリペプチドの変異型は、以下に示す実施例3に記載されている。この
変異型はFcレセプターの親和性を減少させる。
あるいは、ペプチドリンカーを媒介として、LERK−5ポリペプチド(望ま
しくは2つの可溶性LERK−5ポリペプチド)を連結することができる。ポリ
ペプチドの連結に適当なペプチドリンカーは、既知であり、従来の技術によって
用いうる。ペプチドリンカーによって連結されたLERK−5ポリペプチドから
なる融合タンパク質は、例えば、組み換えDNA技術によって生成することがで
きる。
本発明は、ジスルフィド相互作用によって連結された、またはスペーサーアミ
ノ酸連結基の存在下もしくは非存在下で融合ポリマーとして発現された、LER
K−5細胞外ドメインまたはそのフラグメントのオリゴマーを提供する。例えば
、
LERK−5細胞外ドメインの二量体は、IgGのFc領域の連結基によって連
結できる。発現系
本発明は、LERK−5を発現させるための組換え発現ベクター、および発現
ベクターで形質転換した宿主細胞を提供する。任意の適当な発現系を用いること
ができる。ベクターは、哺乳動物、微生物、ウイルスまたは昆虫遺伝子から誘導
されたような転写または翻訳を制御する適当なヌクレオチド配列に、機能可能な
ように連結したLERK−5DNA配列を含む。制御配列の例としては、転写プ
ロモーター、オペレータもしくはエンハンサー、mRNAリボゾーム結合部位、
および転写および翻訳の開始および終結を制御する適当な配列が含まれる。ヌク
レオチド配列は制御配列がLERK−5DNA配列と機能的に関係する場合、機
能するように連結されている。このように、プロモーターヌクレオチド配列がL
ERK−5DNA配列の転写を制御する場合、プロモーターヌクレオチド配列は
LERK−5DNA配列と機能できるように連結されるている。さらに、通常は
複製開始点によって授与される所期の宿主細胞内での複製能力、および形質転換
株を同定するための選択遺伝子を発現ベクター中に更に組み込んでもよい。
さらに、LERK−5遺伝子に本来存在しない適当なシグナルペプチドをコー
ドする配列を、発現ベクター内に組み込んでもよい。例えば、シグナルペプチド
(分泌リーダー)のDNA配列を、LERK−5配列とフレームが合うように融
合させると、その結果、LERK−5は、最初、シグナルペプチドを含む融合タ
ンパク質として翻訳される。予定される宿主細胞中で機能するシグナルペプチド
は、LERK−5ポリペプチドの細胞外への分泌を増強する。シグナルペプチド
は、LERK−5が細胞から分泌される時点で、LERK−5ポリペプチドから
切断される。
LERK−5ポリペプチドを発現する適当な宿主細胞には、原核生物、酵母ま
たはより高等な真核細胞が含まれる。細菌、真菌、酵母、および哺乳動物の細胞
宿主で用いられる適当なクローニングベクターおよび発現ベクターは、例えば、
Pouwelsら、クローニングベクター(Cloning Vector):
A Laboratory Manual,Elsevier,New Yor
k(1985)に記載されている。また、本明細書中に開示したDNA構築物か
ら誘導したRNAを用いてLERK−5ポリペプチドを生成するために、無細胞
翻訳系を用いることもできるだろう。
原核生物には、例えば、大腸菌または桿菌等のグラム陰性またはグラム陽性の
生物が含まれる。形質転換に適当な原生生物の宿主細胞には、例えば、大腸菌、
枯草菌、ネズミチフス菌、並びにシュードモナス、ストレプトマイセス、および
スタフィロコッカス属の内の他の様々な種が含まれる。大腸菌のような原核生物
宿主細胞内では、LERK−5ポリペプチドは原核生物宿主細胞内での組換えポ
リペプチドの発現を容易にするためにN末端メチオニン残基を含んでもよい。こ
のN末端Metは、発現された組換えLERK−5ポリペプチドから切り離すこ
とができる。
原核生物宿主細胞で用いられる発現ベクターは、一般的に一つまたはそれより
多くの選択可能な表現型マーカー遺伝子を含む。表現型選択可能マーカー遺伝子
は、例えば、抗生物質耐性を授与するタンパク質または独立栄養要求性を供給す
るタンパク質をコードする遺伝子である。原核生物宿主細胞に有用な発現ベクタ
ーの例としては、クローニングベクターpBR322(ATCC37017)の
ような商品として入手可能なプラスミドから誘導したベクターが含まれる。pB
R322は、アンピシリン耐性およびテトラサイクリン耐性のための遺伝子を含
み、それ故、形質転換された細胞を同定する簡単な手段が提供される。適当なプ
ロモーターおよびLERK−5DNA配列が、pBR322ベクター内に挿入さ
れる。その他の商品として入手可能なベクターには、例えば、pKK223−3
(Pharmacia Fine Chemicals,Uppsala.Sw
eden)およびpGEM1(Promega Biotec,Madison
,WI,USA)が含まれる。
組換え原核生物宿主細胞発現ベクターに普通に用いられるプロモーター配列に
は、β−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースプロモーター系(Cha
ngら、Nature 275:615,1978;およびGoeddelら、
Nature 281:544,1979)、トリプトファン(trp)プロモ
ーター系(Goeddelら、Nucl.Acids Res.8:4057,
1980およびEP−A−36776)およびtacプロモーター(Mania
tis,Molecular Cloning:A Laboratory M
anual,Cold Spring Harbor Laboratory、
412,1982)が含まれる。特に有用な原核宿主細胞発現系は、ファージλ
PLプロモーターおよびcI857ts非耐熱性リプレッサー配列を用いる。λPL
プロモーターの誘導体を取り込んでいるAmerican Type Cult
ure Collectionから入手可能なベクターには、プラスミドpHU
B2[大腸菌株JMB9(ATCC37092)内に存在する]およびpPLc
28(大腸菌RR1(ATCC53082)内に存在する]が含まれる。
あるいは、LERK−5を酵母宿主細胞中で、望ましくはサッカロミセス属(
例えば、S.cerevisiae)から、発現させても良い。ピキア(Pi
chia)またはクルイベロミセス(Kluyveromyces)のような他
の属の酵母もまた用いることができる。酵母ベクターは場合により、2μ酵母プ
ラスミドからの複製開始点配列、自己複製配列(ARS)、プロモーター領域、
ポリアデニル化配列、転写終結配列、および選択可能なマーカー遺伝子を含むで
あろう。酵母ベクターのプロモーター配列に適するプロモーター配列には、とり
わけメタロチオネイン、3−ホスホグリセレートキナーゼ(Hitzemanら
、J.Biol.Chem.255:2073,1980)、または、エノラー
ゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピル
ビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸
イソメラーゼ、3−ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオ
ースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、およびグルコキナー
ゼのような、その他の解糖酵素(Hessら、J.Adv.Enzyme Re
g.7:149,1968;およびHollandら、Biochem.17:
4900,1978)のプロモーターが含まれる。酵母中での発現に用いられる
その他の適当なベクターおよびプロモーターは、Hitzeman,EPA−7
3,657に記載されている。もう一つの代替物は、Russellら、J.B
iol.Chem.258:2674,1982;およびBeierら、Nat
ure 300:724,1982に記載されているグルコース−抑制性ADH
2プロモーターである。酵母および大腸菌の両方で複製できるシャトルベクター
は、大腸菌内での選択および複製のためのpBR322からのDNA配列(Am
pr遺伝子および複製開始点)を、上記の酵母ベクターに挿入することによって
構築できる。
酵母のα因子リーダー配列を用いて、LERK−5ポリペプチドの分泌を行わ
せることができる。このα因子リーダー配列は、プロモーター配列と構造遺伝子
配列との間に挿入されることが多い。Kurjanら、Cell 30:933
,1982;Bitterら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
81:5330,1984;米国特許第4,546,082号およびEP第3
24,274号を参照のこと。酵母宿主からの組換えポリペプチドの分泌を促進
するのに適当なその他のリーダー配列は、当業者に既知である。リーダー配列は
、
一つまたはそれより多くの制限部位を含むようにその3’末端の近くで修飾され
ていてもよい。このことは、リーダー配列の構造遺伝子への融合を促進するであ
ろう。
酵母形質転換のプロトコールは、当業者に既知である。そのようなプロトコー
ルの一つは、Hinnenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
75:1929,1978に記載されている。Hinnenらのプロトコール
は、選択培地(0.67%酵母窒素原基、0.5%カザミノ酸、2%グルコース
、10μg/mlアデニンおよび20μg/mlウラシルを含む)中でTrp+
形質転換株を選択する。
ADH2プロモーター配列を含むベクターによって形質転換された酵母宿主細
胞は、発現を誘導するように「富栄養」培地中で増殖させても良い。富栄養培地
の例としては、80μg/mlアデニンおよび80μg/mlウラシルを添加し
た1%酵母エキス、2%ペプトン、および1%グルコースを含む培地が挙げられ
る。ADH2プロモーターの抑制解除は、培地からグルコースが使い尽くされた
場合に起こる。
また、哺乳動物または昆虫の宿主細胞培養系を用いて組換えLERK−5ポリ
ペプチドを発現させることもできるだろう。昆虫細胞中で異種起源タンパク質を
生成するバキュロウイルスの系は、LuckowおよびSummers、Bio
/Technology 6:47,1988に総説されている。また、哺乳動
物を起源とする確立された細胞系を用いても良い。適当な哺乳動物宿主細胞系の
例としては、サル腎臓細胞のCOS−7系(ATCC CRL1651)(Gl
uzmanら、Cell 23:175,1981)、L細胞、293細胞、C
127細胞、3T3細胞(ATCC CCL163)、チャイニーズハムスター
卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、およびBHK(ATCC CRL10)細
胞系、並びにMcMahanら、EMBO J.10:2821,1991に記
載されているように、アフリカミドリザルの腎臓細胞系CV1(ATCC CC
L70)より誘導されたCV−1/EBNA−1細胞系が含まれる。
哺乳動物宿主細胞発現ベクターの転写制御および翻訳制御配列は、ウイルスゲ
ノムから切り出すことができる。普通に用いられるプロモーター配列およびエン
ハンサー配列は、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、サルウイルス40(
SV40)およびヒトのサイトメガロウイルスから誘導される。SV40ウイル
スゲノムから誘導したDNA配列、例えば、SV40起点、初期プロモーターお
よび後期プロモーター、エンハンサー、スプライス部位およびポリアデニル化部
位は、哺乳動物の宿主細胞内で構造遺伝子配列を発現させるためのその他の遺伝
子エレメントを提供するために用いることができる。ウイルスの初期および後期
プロモーターはいずれも、ウイルスの複製開始点をも含むであろうフラグメント
として、ウイルスゲノムから簡単に得られるため、特に有用である(Fiers
ら、Nature 273:113,1978)。より小さいまたはより大きい
SV40フラグメントが用いることができる。但し、SV40ウイルスの複製開
始点部位内に位置するHindIII部位からBgl1部位に及ぶおおよそ250
bpの配列が含まれることを条件とする。
哺乳動物の宿主細胞中で用いられる好例な発現ベクターは、Okayamaお
よびBerg、Mol.Cell.Biol.3:280,1983に開示された
方法に従って構築できる。C127マウス哺乳動物上皮細胞中での哺乳動物のc
DNAの安定な高レベル発現に有用な系は、実質的にCosmanら、Mol.
Immunol.23:935,1986に記載の方法に従って構築できる。C
osmanら、Nature 312:768,1984に記載されている有用
な高発現ベクター、PMLSV N1/N4は、ATCC39890に寄託され
ている。さらに有用な哺乳動物の発現ベクターはEP−A−0367566に記
載されている。その他の適当なベクターはレトロウイルスから誘導できる。
天然型のシグナル配列の代わりに、米国特許第4,965,195号に記載さ
れたインターロイキン−7(IL−7)のシグナル配列:Cosmanら、Na
ture 312:768,1984、に記載のインターロイキン−2レセプタ
ーのシグナル配列;EP第367,566号に記載のインターロイキン−4シグ
ナルペプチド;米国特許第4,968,607号に記載のインターロイキン−1
レセプターシグナルペプチドI型;およびEP第460、846号に記載のイン
ターロイキン−1レセプターシグナルペプチドII型のような、異種起源のシグナ
ル配列を加えても良い。LERK−5タンパク質
本発明は、上記のような組換え発現系によって産生させることも、あるいは天
然に存在する細胞から精製することもできる精製LERK−5タンパク質を提供
する。都合良くはLERK−5は、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(S
DS−PAGE)分析において他のタンパク質に相当するタンパク質のバンドが
で検出されないように精製される。関連分野の技術者らは、上記のようなグルコ
シル化の差異、翻訳後プロセシングの差異およびその他の原因によって、LER
K−5タンパク質に相当する複数のバンドがSDS−PAGEに見られるであろ
うことを認識するであろう。LERK−5タンパク質は、異なる(LERK−5
でない)タンパク質に相当するバンドが見えない限り、精製されていると考えら
れる。LERK−5は、SDS−PAGE分析でタンパク質のバンドが単一であ
ることによって示されるように、実質上均一になるまで精製されることが最も望
ましい。
LERK−5タンパク質を生成させる一つの方法は、LERK−5をコードす
るDNA配列を含む発現ベクターで形質転換された宿主細胞をLERK−5が発
現するような条件下で培養することを含む。次いで、用いられた発現系に応じて
LERK−5タンパク質を培養培地または細胞抽出物から回収する。当業者らは
、組換えLERK−5を精製する方法は、用いられた宿主細胞の型およびLER
K−5が培養液中に分泌されているかどうかと言ったような因子によって異なる
ことを認識するであろう。
例えば、組換えタンパク質を分泌する発現系が用いられる場合、まず最初に、
商品として入手できるタンパク質濃縮用フィルター、例えば、アミコン(Ami
con)またはミリポアペリコン(Millipore Pellicon)の
限外ろ過ユニットを用いて、培養培地を濃縮してもよい。濃縮段階に次いで、濃
縮液をゲル濾過培地の如き精製用マトリックスに適用できる。あるいは、陰イオ
ン交換樹脂、例えば遊離の(pendant)ジエチルアミノエチル(DEAE
)基を持つマトリックス若しくは支持体を用いることもできる。マトリックスは
、アクリルアミド、アガロース、デキストラン、セルロースまたはタンパク質の
精
製に普通に用いられるその他の型である。代わりに、陽イオン交換法を用いるこ
ともできる。適当は陽イオン交換体には、スルホプロピルまたはカルボキシメチ
ル基を含む様々な不溶性のマトリックスが含まれる。スルホプロピル基が望まし
い。最終的には、疎水性の高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)媒体
(例えば、遊離のメチル基またはその他の脂肪族基を有するシリカゲル)を用い
た、一つまたはそれより多い逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC
)k工程を用いて、LERK−5をさらに精製することが出来る。上述の精製段
階のいくつかまたはすべてを様々な組み合わせで用いて、実質上均一な組換えタ
ンパク質を提供することもできる。
また、発現したLERK−5ポリペプチドのアフィニティー精製に、elkま
たはhekのリガンド結合ドメインを含むアフィニティーカラムを用いることも
可能である。LERK−5ポリペプチドは、高塩の溶離緩衝液でアフィニティー
カラムから回収でき、次いで、使用のために低塩緩衝液中で透析される。または
、免疫親和性カラムはLERK−5を結合する抗体を含んでもよい。可溶性LE
RK−5/Fc融合タンパク質は、プロテインAまたはプロテインGを結合させ
たクロマトグラフィーマトリックスを用いて精製することもできる。
細菌培養で生成された組換えタンパク質は、通常、最初に宿主細胞を粉砕し、
遠心分離し、不溶性ポリペプチドであれば細胞ペレットから、または可溶性ポリ
ペプチドであれば上澄み液からの抽出した後、一つまたはそれより多くの方法で
の濃縮、脱塩、イオン交換、アフィニティー精製、またはサイズ排除クロマトグ
ラフィーの段階によって分離される。最後に、RP−HPLCが、最終精製段階
として用いられる。微生物細胞は、凍結融解の繰り返し、音波処理、機械的粉砕
、または細胞溶菌剤の使用を含む、任意の慣用された方法によって粉砕できる。
形質転換された酵母宿主細胞内では、LERK−5は精製を簡単にするために
分泌ポリペプチドとして発現することが望ましい。分泌された組換えポリペプチ
ドは、Urdalら、J.Chromatog.296:171,1984;に
開示されている方法に類似した方法で、精製できる。Urdalらは、組換えヒ
トIL−2を精製するための分離用HPLCカラムでの2連続逆相HPLC工程
を含む方法について記載している。核酸
さらに、本発明は、LERK−5のヌレオチド配列を提供する。そのようなヌ
クレオチド配列には、これらに限定されるわけではないが、ここに開示した一本
鎖型および二本鎖型の両方のLERK−5DNAならびにそのRNA相補体が含
まれる。本発明のLERK−5DNAは、例えば、cDNA、ゲノムDNA、化
学合成したDNA、PCRによって増幅されたDNA、およびそれらを組み合わ
せを含む。ゲノムDNAは、実施例1で単離したcDNAまたはその適当なフラ
グメントをプローブとして用い、慣用的技術に従って単離できる。
本発明のLERK−5DNAの例としては、これらに限定されるわけではない
が、配列番号1のヌクレオチド1から1002(配列番号2の全長のLERK−
5をコードする);配列番号1のヌクレオチド76から1002(全長の成熟L
ERK−5をコードする);配列番号1のヌクレオチド1から672(シグナル
ペプチドおよび細胞外ドメインをコードする);および配列番号1のヌクレオチ
ド76から672(細胞外ドメインをコードする)からなる群より選択されたヌ
クレオチド配列からなるDNAを含む。既知の遺伝子コードの縮重により、一つ
より多いコドンが同じアミノ酸をコードできる。それ故、DNA配列を上記のそ
れらから変化させてもなお、同じアミノ酸配列を持つポリペプチドをコードでき
る。そのようなDNA配列変異体は、例えばPCR増幅の間に起こるような沈黙
突然変異の結果生じ得る。あるいは、そのような沈黙突然変異は、天然型配列の
意図的な変異誘発による生成物であろう。本明細書中に開示されたLERK−5
をコードするDNA配列と遺伝暗号の結果縮重するDNA配列も、本発明の範囲
内である。
LERK−5核酸の有用なフラグメントには、標的LERK−5mRNA(セ
ンス)またはLERK−5DNA(アンチセンス)配列と結合する能力を持つ一
本鎖核酸配列(RNAまたはDNAのいずれか)を有するアンチセンスまたはセ
ンスオリゴヌクレオチドが含まれる。本発明のアンチセンスまたはセンスオリゴ
ヌクレオチドは、LERK−5 cDNAのコード領域のフラグメントからなる
。そのようなフラグメントは、一般的に、少なくとも約14のヌクレオチド、望
ま
しくは約14から約30のヌクレオチドからなる。与えられたタンパク質をコー
ドするcDNA配列に基づいて、アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチド
を誘導する能力は、例えば、SteinおよびCohen、Cancer Re
s.48:2659,1988ならびにvan der Krolら、BioT
echniques 6:958,1988に記載されている。
アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドを標的核酸配列に結合させると
二本鎖が形成され、それはそれら二本鎖の分解強化、転写もしくは翻訳の未成熟
終了を含むいくつかの手段の一つによって、またはその他の手段によって、標的
配列の転写または翻訳をブロックする。それ故、アンチセンスオリゴヌクレオチ
ドは、LERK−5タンパク質の発現をブロックするために用いることができる
。アンチセンスまたはセンスヌクレオチドはさらに、修飾された糖−ホスホジエ
ステル骨格(または、WO91/06629に記載されているその他の糖結合)
を持つオリゴヌクレオチドを含み、そのような糖結合は内在性ヌクレアーゼに耐
性である。耐性の糖結合を持つそのようなオリゴヌクレオチドは、生体内で安定
である(即ち、酵素分解を抵抗する能力を持つ)が、標的ヌクレオチド配列を結
合する能力を持つ配列特異性を保持している。センスまたはアンチセンスオリゴ
ヌクレオチドのその他の例には、WO90/10448に記載されたような有機
部分、およびポリ−(L−リジン)のように標的核酸配列へのオリゴヌクレオチ
ド親和性を増加させるその他の部分、に共有結合しているオリゴヌクレオチドが
含まれる。さらになお、エリプチシン(ellipticine)のような挿入
剤、アルキル化剤または金属錯体をセンスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチ
ドに付着し、アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドの標的ヌクレオチド
配列への結合特異性を修飾することもできる。
アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、CaPO4媒介D
NAトランスフェクション、エレクトロポレーションを含む任意の遺伝子伝達方
法によって、またはエプスタイン−バールウイルスのような遺伝子伝達ベクター
を用いることによって、標的核酸配列を含む細胞内に導入できる。アンチセンス
またはセンスオリゴヌクレオチドは、好ましくはアンチセンスまたはセンスオリ
ゴヌクレオチドを適当なレトロウイルスベクター内に挿入し、次いで、挿入され
た配列を含むレトロウイルスベクターと細胞とをin vivoまたはex vi
voのいずれかで接触させることによって、標的核酸配列を含む細胞内に導入す
る。適当なレトロウイルスベクターには、これらに限定されるわけではないが、
ネズミのレトロウイルスM−MuLV、N2(M−MuLVより誘導されたレト
ロウイルス)、あるいはDCT5A、DCT5BおよびDCT5Cと呼ばれる二
重コピーベクター(PCT出願US90/02656を参照のこと)から誘導さ
れたベクターが含まれる。
また、センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドをWO91/04753
に記載されているように、リガンド結合性分子との複合体を形成することによっ
て標的ヌクレオチド配列を含む細胞内に導入することもできる。適当なリガンド
結合分子は、これらに限定されるわけではないが、細胞表面レセプター、増殖因
子、その他のサイトカイン、または細胞表面レセプターと結合するその他のリガ
ンドを含む。リガンド結合性分子の複合化は、リガンド結合性分子がその対応す
る分子またはレセプターに結合する能力を実質的に妨害しないか、センス若しく
はアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその複合体の細胞内への導入をブロッ
クしないことが望ましい。
また、センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドをWO90/01448
に記載されているように、オリゴヌクレオチド−脂質複合体を形成させることに
よって、標的核酸配列を含む細胞内に導入することもできる。このセンスまたは
アンチセンスオリゴヌクレオチド−脂質複合体は、好ましくは内在性リパーゼに
よって細胞内で分離される。
以下の実施例は、特定の実施態様を具体的に説明するものであって、本発明の
範囲を制限するものではない。実施例1: ヒトLERK−5cDNAの単離
ヒトLERK−5をコードするcDNAを、以下の方法に従って単離した。方
法は、クローニングに用いるための適当なcDNAライブラリーの同定、並びに
そのようなライブラリーのスクリーニングに用いるプローブの調製から始められ
た。
まず最初に、様々な細胞型から単離されたRNA上でcDNA鎖を合成した。
次いで、当該cDNAを鋳型として用いて、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)が慣
用的技術に従って行われた。PCRでは、5’および3’プライマーとして、c
h13 seq tag(GenBank(登録商標)受入番号L13819)
と呼ばれる377bpのDNAフラグメントからなる末端を定めるオリゴヌクレ
オチドが用いられた。このDNAフラグメントは、先により詳細に考察したよう
に、elkリガンドDNAの一部分との相同性の程度から選ばれた。
予想されたサイズ(337bp)のDNAのバンドが、CCRF−HSB−2
(ATCC CCL120.1)と名付けられたT細胞白血病細胞系から単離さ
れたRNAに由来するcDNAを鋳型としたPCR反応によって増幅された。こ
の337bpの一本鎖DNAフラグメントが単離され、プローブとして用いるた
めに標準技術によって32Pで標識された。
様々な組織からのmRNAを含むノーザンブロットは、32P標識のDNAフラ
グメントをプローブとして行った。ハイブリッド形成したmRNA(約5kb)
は、ヒト胎児の脳および肺を含む組織で検出された。さらに、予想されるサイズ
のDNAバンド(337bp)は、鋳型としてヒト成人または胎児のいずれかの
肺のcDNAライブラリーを用いたPCRによって増幅できた。このように、全
長のクローンを単離する試みにおいて32P標識プローブでスクリーニングするた
めに、ヒト胎児脳からおよびヒト肺繊維芽細胞から誘導したcDNAライブラリ
ーが選択された。
ファージλベクターλgt10内に挿入されたヒト胎児脳のcDNAライブラ
リーは、Clontech Laboratories,Inc.,Palo
Alto,Californiaより購入した。cDNAは、ベクターのEco
RI部位に挿入される。第二のcDNAライブラリーは、SV40で形質転換し
たヒト成人肺繊維芽細胞細胞系WI−26VA4から誘導された。このライブラ
リーは、米国特許第5,264,416号の実施例2に記載の方法に従ってファ
ージλベクターλgt10内に構築された。
337bpプローブでのスクリーニングは慣用された方法によって行われ、ハ
イブリダイズしたクローンが両ライブラリーにおいて同定された。ヒト胎児脳の
ライブラリーから単離された個々のクローンの一つ(クローンλ6と命名)の、
cDNA挿入物のヌクレオチド配列を決定した。クローンλ6cDNAのコード
領域のDNA配列、およびそれによってコードされるアミノ酸配列を、配列番号
1および配列番号2に示す。WI26VA4ライブラリーから単離したクローン
は5’末端が切除されたDNAからなるが、配列番号1の配列の開始コドンより
5bp短いだけである。
コードされたタンパク質は、LERK−5と名付けられ、N末端シグナルペプ
チド(配列番号2のアミノ酸−25から−1)、細胞外ドメイン(アミノ酸1か
ら199)、膜貫通領域(アミノ酸200から225)、および細胞質ドメイン
(アミノ酸226から308)からなる。LERK−5は、実施例4に示すよう
に、elkおよびhekとして既知の二つの細胞表面レセプターと結合する。配
列番号1のヌクレオチド310から646は、上記の337bpの配列tag(
GenBank(登録商標)、受託番号L13819)と、一つの誤対合を持つ
のみで、一致する。配列番号1のLERK−5DNAのヌクレオチド568はA
であるが、配列tagのこの位置はGである。この差は、対立遺伝子変異または
クローニングの人為結果によるものと解釈できる。配列番号1の位置568でA
がGに変化すると、位置165のアミノ酸はAsnではなくAspとなる。
クローンλ6DNA(λgt10内に挿入したLERK−5cDNA)を含む
細胞溶菌液は、1994年6月16日、American Type Cult
ure Collection,Rockville,MD,USAに寄託され
た(寄託番号ATCC75815)。寄託は、ブダペスト条約の条件の下に行わ
れた。実施例2: 可溶性elk/Fc融合タンパク質の調製
この実施例は、可溶性elk/Fc融合タンパク質をコードする発現ベクター
の構築について記載している。この融合タンパク質は、実施例4に記載されたL
ERK−5がelkを結合する能力を持つか否かを決定するための結合アッセイ
に用いられた。
ラットのelk cDNAのDNA配列およびコードするアミノ酸配列は、L
hotakら、Mol.Cell.Biol.11:2496,1991に示さ
れており、ここに参照として援用される。ラットのelkタンパク質は、538
アミノ酸からなる細胞外ドメイン、25アミノ酸からなる膜貫通ドメイン、およ
び419アミノ酸からなる細胞質ドメインを持つ。
ラットのelk cDNAフラグメントを、ヒトIgG1抗体のFc部分をコ
ードするcDNAの5’末端に融合させた。ラットのelk−cDNAは、T.
Pawson(Samuel Lunenfeld Research Ins
titute,Mt.Sinai Hospital,Toronto)から得
た。Asp718の制限エンドヌクレアーゼ切断部位は、elkコード領域の上
流に導入した。ラットのelk cDNAのAsp718−BglIIフラグメン
ト(全細胞外ドメイン、膜貫通領域、および細胞質ドメインの小部分からなる)
を単離した。
ヒトのIgG1抗体のFc領域からなる単一のポリペプチド鎖をコードするD
NAを、Stratagene Cloning Systems,La Jo
lla,Californiaより商品として入手できるpBLUESCRIP
T SK(登録商標)ベクターのSpeI部位にクローン化した。このプラスミ
ドベクターは大腸菌内で複製可能であり、21のユニークな制限部位を含むポリ
リンカーセグメントを含んでいる。クローン化したDNAのヌクレオチド配列は
、それによってコードされるFcポリペプチドのアミノ酸配列と共にPCT出願
WO93/10151に記載されており、ここに参照として援用される。ユニー
クなBglII部位が導入され、Fcポリペプチドのアミノ酸3および4のコドン
の内に取り込まれる。コードされたFcポリペプチドは、N末端ヒンジ領域から
天然型C末端に及ぶ、即ち本質的に全長の抗体Fc領域である。
上記のAsp718−BglII elk cDNAフラグメントは、elk c
DNAがFc cDNAの上流に位置するように、Fc cDNAを含むpBLU
ECRIPT SK(登録商標)ベクターにクローン化された。遺伝子融合の結
果として誘導された一本鎖DNAは、elkの全細胞外ドメインをFc配列に完
璧に融合させるために、Kunkel、Proc.Natl.Acad.Sci
.USA 82:488,1985およびKunkelら、Methods i
n
Enzymol.154,367,1987に記載されている方法に従って変
異誘発させた。変異誘発したDNAは、本来のヌクレオチドが排除されているこ
と(即ち、膜貫通領域および細胞質ドメインの一部のDNAが欠失していること
)、およびelkおよびFc配列が同じ読み枠の内にあることを確認するために
、配列決定された。
elk/Fc融合タンパク質は、CV1−EBNAまたはCOS−7細胞等の
哺乳動物の宿主細胞内で合成されることが望ましい。elk/Fc遺伝子融合物
を摘出し、HAV−EOと名付けられた哺乳動物発現ベクター(Dowerら、
J.Immunol.142:4314,1989)内に挿入した。哺乳動物の
宿主細胞に得られた組換え発現ベクターをトランスフェクトし、培養して融合タ
ンパク質を一時的に発現させた。その融合タンパク質は、elkシグナルペプチ
ドを通して培養液中に分泌された。elk/Fc融合タンパク質は、プロテイン
Aセファロースカラムを用いてアフィニティーカラムクロマトグラフィーで精製
した。実施例3: 可溶性hek/Fc融合タンパク質の調製
この実施例は、可溶性hek/Fc融合タンパク質をコードする発現ベクター
の構築について記載している。この融合タンパク質は、実施例4に記載されたL
ERK−5がhekを結合する能力を持つか否かを決定するための結合アッセイ
に用いられた。
ヒトhek cDNAのDNA配列およびコードされるアミノ酸配列は、Wi
cksら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1611,
1992、に示されており、ここに参照として援用される。このhekタンパク
質は、(N末端からC末端までの)細胞外ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞
質ドメインからなる。
二つのDNAフラグメント(その内の一方はhek細胞外ドメインのN末端フ
ラグメントをコードし、他方はhek細胞外ドメインのC末端フラグメントをコ
ードする)は、Wicksら(同上)に公表されたhekヌクレオチド配列に基
づいたオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、標準的条件下でポリメラーゼ連
鎖反応(PCR)を行うことによって単離された。PCRの鋳型は、CCRF−
HBS−2(ATCC CCL−120.1)と名付けられたヒトT細胞白血病
細胞系より単離したmRNAより調製されたcDNAである。hekDNAの5
’末端を含むPCR生成物をSpeIおよびHindIIIで消化し、成熟型ヒト
hek配列の5’末端(即ちシグナル配列をコードするDNAを欠く)からhe
k遺伝子に見出されるHindIII部位に及ぶDNAフラグメントを単離した。
hek細胞外ドメインDNAの3’末端を含むPCR生成物は、HindIIIお
よびClaIで消化し、内部のHindIII部位からhek細胞外ドメインをコ
ードする配列の3’末端のすぐ下流のClaI部位に及ぶフラグメントを単離し
た。ClaI部位は、細胞外ドメインのすぐ下流に導入されたマルチクローニン
グサイト(mcs)の内部に存在する。
ヒトIgG1抗体のFc領域変異型をコードするDNAを単離した。このFc
変異型DNAおよびそれをコードするポリペプチドは、米国特許出願第08/0
97,827号(1993年7月23日提出)に「OX40のリガンドである新
規のサイトカイン」という名称で記載されており、当該出願は本明細書中に参照
として援用される。変異型DNAは、実質的にDengおよびNickolof
f、Anal.Biochem.200:81(1992)に記載の方法に従っ
て行われる部位特異的突然変異誘発によって、天然型Fcポリペプチドをコード
するDNAから誘導した。Fc変異型ポリペプチドのアミノ酸配列は、PCT出
願WO93/10151に記載の天然型Fcポリペプチドのそれと、アミノ酸1
9がLeuからAlaに変化し、アミノ酸20がLeuからGluに変化し、さ
らにアミノ酸22がGlyからAlaに変化していることを除いては同一である
。この変異型Fcは免疫グロブリンレセプターとの親和性が減少している。
Fc変異型DNAを含む組換えベクターは、ClaIおよびNotIで分解さ
れる。これらの制限酵素はそれぞれ、Fc変異型DNA挿入物のすぐ上流および
すぐ下流のポリリンカー領域でベクターを切断する。望ましいFc変異型をコー
ドするフラグメントが単離された。
変異型Fcポリペプチドは、N末端ヒンジ領域から天然型のC末端、即ち抗体
Fc領域の実質上の全長、に及ぶ。Fc領域のフラグメント、例えばC末端で切
除されたフラグメント、もまた用いられて良い。フラグメントは、二つに分かれ
たhek/Fc融合タンパク質のFcポリペプチド部分間に鎖内ジスルフィド結
合が形成され二量体を作るために、複数のシステイン残基(少なくともヒンジ内
のシステイン残基)を含むことが望ましい。
SMAG4と名付けられた哺乳動物発現ベクターを、SpeIおよびNotI
で切断した。SMAG4ベクターは、哺乳動物の高発現ベクターpDC201(
Simsら、Science 241:585,1988、およびPCT出願W
O89/03884に記載されている)に挿入したネズミのインターロイキン−
7のシグナルペプチドをコードする配列(米国特許第4,965,195号に記
載)を含み、大腸菌内でも複製する能力を持つ。SpeIは、IL−7のシグナ
ルペプチドをコードする配列のすぐ下流でベクターを切断する。NotIは、ベ
クターのマルチクローニング部位内にあるSpeI部位のおおよそ155bp下
流を切断する。ベクター配列およびIL−7シグナルペプチドをコードするDN
Aを含む大きなSpeI/NotIフラグメントが単離された。
SpeI/NotIで切断したSMAG4発現ベクター内に、上記の2つのh
ekをコードするDNAフラグメントおよびFc変異型をコードするDNAフラ
グメントを挿入するために、4通りの連結反応を行った。大腸菌細胞に連結反応
混合物をトランスフェクトし、所望の組み換えベクターをその中から単離した。
単離されたベクターは、(N末端からC末端に向かって)IL−7シグナルペプ
チド、hekの細胞外ドメイン、導入されたmcsによってコードされる4つの
アミノ酸、およびFc変異型からなる融合タンパク質をコードする。
次に、発現ベクターをプラスミドpSV3.NEOと共にCV1/EBNA細
胞内にトランスフェクトした。CV1/EBNA細胞系(ATCC CRL10
478)は、McMahanら、EMBO J.10:2821,1991に記
載の方法に従ってサル腎臓細胞系から誘導した。ベクターpSV3.NEOは、
宿主細胞が生成しないSV40T抗原を発現する。pSV3.NEOベクターは
、pSV3(MulliganおよびBerg、Proc.Natl.Acad
.Sci.USA 78:2072,1981)とよく似ているが、さらにネオ
マイシン耐性遺伝子を含んでいる。形質転換された細胞を培養し、融合タンパク
質
を一時的に発現させた。融合タンパク質は、ネズミのIL−7シグナルペプチド
によって培養液中に分泌される。融合タンパク質は、プロテインAセファロース
カラムで溶出して精製し、実施例2および3に記載の方法に従って、hek/F
cタンパク質を結合する能力について細胞を選択するために用いられた。実施例4: 結合性の研究
elkおよびhekとして知られているレセプターへのLERK−5の結合能
力は、以下のアッセイにより調査した。方法は、細胞表面上にLERK−5を発
現している細胞の調製から始めた。
LERK−5DNAは、実施例1に記載のクローンλ6DNAを鋳型として用
いて、PCRによって増幅させた。PCRに用いたプライマーは、LERK−5
DNAのコード領域の末端を定め、さらに、増幅されたDNAの5’末端にXh
oI制限部位を3’末端にNotI部位を加えた。5’プライマーは、さらに、
開始コドンの上流にKozak共通配列を加えた。
反応生成物をXhoIおよびNotIで消化し、SalI(XhoIに適合す
る)およびNotIで切断した発現ベクターに挿入した。発現ベクターは、大腸
菌内でも複製する哺乳動物の発現ベクター、pDC410である。pDC410
は、pDC406とよく似ている(McMahanら、EMBO J.10:2
821,1991)。pDC410のマルチクローニング部位(mcs)は、さ
らなる制限部位と3つの終止コドン(それぞれの読み枠に付一つ)を含む点でp
DC406のそれとは異なる。mcsの下流のT7ポリメラーゼプロモーターは
、mcs内に挿入されたDNAの配列決定を容易にする。さらに、EBV複製開
始点は、pDC410内の(SV40プロモーターから運転される)SV40の
ラージT抗原をコードするDNAによって置き換えられる。
10cm2の皿内のCV1−EBNA−1細胞に、LERK−5DNAを含む組
換え発現ベクターをトランスフェクトさせた。CV−1/EBNA−1細胞系(
ATCC CRL10478)は、CMV初期エンハンサー/プロモーターから
誘導されたEBV核抗原−1を構成的に発現する。CV1−EBNA−1は、M
cMahanら、EMBO J.10:2821,1991に記載の方法に従っ
て、アフリカミドリザルの腎臓細胞系CV−1(ATCC CCL70)より誘
導した。
トランスフェクトした細胞を24時間培養し、次いで、それぞれの皿の細胞を
24穴のプレートに分配した。さらに48時間培養の後、結合アッセイを以下の
方法によって行った。トランスフェクトされた細胞(約4x104細胞/穴)を
、50mg/ml脱脂粉乳を加えた結合培地(25mg/mlウシ血清アルブミ
ン、2mg/mlナトリウムアザイド、20mMHepes pH7.2を含む
RPMI1640)であるBM−NFDMで洗浄した。次いで細胞を、様々な濃
度の実施例2で調製したelk/Fc融合タンパク質または実施例3で調製した
hek/Fc融合タンパク質と共に、室温で1時間インキュベートした。次いで
、細胞を洗浄し、結合培地中の一定飽和濃度の125I−マウス抗ヒトIgGと共
に、室温で1時間緩やかに攪拌しながらインキュベートした。しっかりと洗浄し
た後、細胞をリプシン処理して遊離させた。
上で用いられたマウスの抗ヒトIgGはヒトIgGのFc領域に対するもので
あり、Jackson Immunoresearch Laboratori
es,Inc.,West Grove,PAから得られた。抗体は標準的クロ
ラミン−T方法を用いて125Iで標識した。抗体は、細胞に結合している任意の
elk/Fcまたはhek/Fc融合タンパク質のFc部分に結合するであろう
。すべてのアッセイに於いて、125I−抗体との非特異的な結合はelk/Fc
(またはhek/Fc)の非存在下、ならびに、elk/Fc(またはhek/
Fc)および200倍過剰モルの無標識のネズミ抗ヒトIgG抗体存在下でアッ
セイした。
細胞に結合した125I−抗体をPackard自動ガンマカウンターで定量し
た。親和性の計測(Scatchard,Ann.N.Y.Acad.Sci.
51:660,1949)をDeltaグラフプログラムを用いて行った。
elk/Fc結合アッセイでは組換えLERK−5を発現する細胞は単一の結
合親和性クラスを示し、細胞当たりおおよそ103.317の結合部位を有した
。アフィニティー定数(Ka)は、1.05x109M-1であった。4つの結合ア
ッセイの結果を平均すると、elk/Fc結合のKaは、1.2±0.3x109
M-1
であった。
組換えLERK−5を発現する細胞はまた、hek/Fcをも結合することが
認められた。hek/Fc結合のKaは、4.3±3.3x107M-1(4つの実
験平均値)であった。実施例5: ノーザンブロット分析
様々な組織内でのLERK−5発現を調べるために、様々なヒト組織(胎児お
よび成人の両方)からのmRNAを含むノーザンブロット分析をLERK−5リ
ボプローブをプローブとして行った。プローブは、実施例1で単離された337
bpDNAフラグメントから以下ように誘導された。
337bpDNAフラグメントの末端限定オリゴヌクレオチドは、ポリメラー
ゼ鎖反応(PCR)のプライマーとして用いた。3’プライマーは、さらにT3
RNAポリメラーゼプロモーターをも含んでいた。PCRは、337bpDNA
を鋳型として用いて、慣用的技術によって行われた。それ故、得られた増幅DN
Aは、3’末端にT3RNAポリメラーゼプロモーターを含んでいた。リボプロ
ーブは、T3RNAポリメラーゼおよび増幅DNAを鋳型として用いて、標準技
術によって調製した。
ブロットをリボプローブと63°Cでハイブリダイズさせ、次に、最初に1X
SSC/0.1%SDS、68°Cで1時間、次に0.1XSSC/0.1%S
DS、68°Cで30分間洗浄した。ブロットを2枚の補力スクリーンの間には
さんで、−70°Cで11日間X線フイルムにさらした。
胎児組織から誘導されたRNAを含むブロットでは、主なmRNAバンド約5
.0kbが、心臓、肺および腎臓内で見られるが、肝臓では見られなかった。成
人組織からのRNAを含むブロットでは、5kbのバンドは肺および腎臓内に検
出されたが、発現レベルは胎児組織内より低かった。ハイブリダイズしたmRN
Aバンドは、成人の心臓、脳、胎盤、肝臓、骨格筋、膵臓、脾臓、胸腺、前立腺
、精巣、卵巣、小腸、結腸および抹消血液リンパ球内では検出できなかったか、
または非常に微かであった。実施例6: LERK−5のモノクローナル抗体
この実施例は、LERK−5のモノクローナル抗体の調製について説明してい
る。LERK−5は、COS−7またはCV−1/EBNA−1細胞のような哺
乳動物の宿主細胞中に発現し、elk/Fcアフィニティークロマトグラフィー
を用いて精製される。精製したLERK−5(または、細胞外ドメインのような
それのフラグメント)を用いて、慣用された技術、例えば、米国特許第4,41
1,993号に記載された技術を用いてLERK−5に対するモノクローナル抗
体を生成させることが出来る。簡単に言えば、免疫原としてのLERK−5を完
全フロイントアジュバントで乳化したものでマウスを免疫化し、10−100μ
gの範囲の量を皮下または腹腔内に注射する。10から12日後、免疫化された
動物を、不完全フロイントアジュバントで乳化したさらなるLERK−5で追加
免疫した。マウスは、その後も、一週間または二週間の免疫化スケジュールで周
期的に追加免疫した。LERK−5抗体に関してドットブロットアッセイまたは
ELISA(酵素結合イムノソルベントアッセイ)で試験するために、眼窩後方
放血または尾の先端切除によって血清サンプル周期的に採取する。
適当な抗体力価が検出された後、陽性の動物にもう一度最後の塩水中のLEK
R−5の静脈注射を行う。3から4日後、動物を屠殺し脾臓細胞を回収する。さ
らに脾臓細胞をマウスのミエローマ細胞系、例えば、NS1または望ましくはP
3x63Ag8.653(ATCC CRL1580)に融合させる。融合物は
ハイブリドーマ細胞を生成し、それらを複数のミクロタイタープレート中のHA
T(ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジン)選択培地中に塗布して
、融合していない細胞、ミエローマハイブリッドおよび脾臓細胞ハイブリッドの
増殖を阻害する。
Engvallら、Immunochem.8:871,1971および米国
特許第4,703,004号に開示されている技術を適応させて、ハイブリドー
マ細胞を精製LERK−5との反応性について、ELISAによってスクリーニ
ングする。望ましいスクリーニング技術は、Beckmannら、J.Immu
nol.144:4212,1990、に記載されている抗体捕獲技術である。
陽性のハイブリドーマ細胞を有性生殖のBALB/cマウスの腹腔内に注射し、
高濃度の抗LERK−5モノクローナル抗体を含む腹水を生成させることが出来
る。あるいは、ハイブリドーマ細胞をin vitroで様々な技術によってフ
ラスコまたは回転瓶中で増殖させることも出来る。マウスの腹水内に生成された
モノクローナル抗体は、硫酸アンモニウム沈殿、次いで、ゲル限外クロマトグラ
フィーによって精製することが出来る。または、LERK−5への結合を基にし
たアフィニティークロマトグラフィーと同様に、プロテインAまたはプロテイン
Gへの抗体の結合を基にしたアフィニティークロマトグラフィーを用いることも
できる。実施例7: レセプターのリン酸化
以下の実験では、LERK−5が、elkのリン酸化を誘導する能力を証明し
た。可溶性LERK−5/Fcタンパク質は、配列番号2のLERK−5のアミ
ノ酸−25から198をコードするDNAを上記のヒトIgG1Fcポリペプチ
ドをコードするDNAと、ベクターpDC303中で融合することによって調製
した。哺乳動物の発現ベクターpDC303は、SF CAVとしても既知であ
り、PCT出願WO93/19777に記載されている。可溶性LERK−5/
Fcタンパク質は、Fanslowら、J.Immunol.149:655,
1992に記載された方法と類似した方法に従って、発現、精製した。
ラットのelk cDNAを哺乳動物の発現ベクターpDC303内に挿入し
、CV1/EBNA細胞内にトランスフェクトした。細胞を24時間後に10c
mのプレートから6穴のプレートに分けた。さらに2日後、細胞をメチオニンお
よびシステインの欠乏状態にし、次いで、[35S]メチオニンおよび[35S]シ
ステイン(Amersham)の1:1混合物、全濃度100μCi/mlで3
時間放射能標識した。
1μg/mlの可溶性LERK−5/Fcまたは可溶性elk−L/Fc(W
O94/11384に記載)を37°Cで加え、10分間刺激した。次いで、細
胞を冷PBS+1mMオルトバナジン酸塩で2回迅速に洗浄し、溶解バッファー
(25mMトリス−塩酸,pH7.5、150mM NaCl、1mM EDT
A、50mMフッ化ナトリウム、1% NP−40、1mM DTT、1mMオ
ルトバナジン酸塩、およびプロテアーゼインヒビター)で溶解した。
プロテインGセファロースを用いて、ウサギの抗elk抗体で細胞溶解液を免
疫沈降させた。抗elk抗体は、ヒトelk−Fc融合タンパク質でウサギを免
疫化することによって生成させた。RIPAバッファー(50mM HEPES
、pH8.0、150mM NaCl、0.5%デオキシコール酸ナトリウム、
0.5%nonidetP−40および0.1%SDS)で3回、PBSで1回
洗浄した後、サンプルを還元バッファー中に置き、SDS−PAGEによって分
析した。次いで、タンパク質をニトロセルロースに移し、[35S]で標識したタ
ンパク質をPhophorImager(Molecular Dynamic
s)で検出した。次いで、メンブレンを抗ホスホチロシン4G10(Upsta
te Biotech Inc.,Lake Placid、NY)、次にビオ
チン−ヤギ抗マウス(Kirkegaard and Perry Resea
rch Laboratories,Inc.,Gaithersburg、M
D),ストレプトアビジンペルオキシダーゼ(Kirkegaard and
Perry)でイムノブロットし、次いで、ECL感光試薬(Amersham
)を用いて感光させた。抗ホスホチロシン抗体とのelk免疫沈降物のウエスタ
ン分析は、LERK−5/Fcが、elk−L/Fcと同様に,elkリン酸化
を刺激することを示した。リガンド依存性リン酸化タンパク質は、培地のみで処
理したか、あるいはコントロールプラスミドをトランスフェクトしたCV1/E
BNA細胞内には、検出されなかった。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
// C07K 14/715 9356−4H C07K 14/715
(C12N 15/09 ZNA
C12R 1:91)
(C12P 21/02
C12R 1:91)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. elkおよびhekを結合する能力を有するLERK−5タンパク質 をコードする単離されたDNAであって、前記LERK−5が、配列番号2のア ミノ酸−25から308および配列番号2の1−308からなる群から選択され たアミノ酸配列を有するものである、前記DNA。 2. DNAが配列番号1のヌクレオチド1から1002および配列番号1 のヌクレオチド76から1002からなる群より選択されたヌクレオチド配列を 含む、請求項1記載のDNA。 3. elkおよびhekを結合する能力を有する可溶性ヒトLERK−5 タンパク質をコードする単離されたDNAであって、前記LERK−5が、配列 番号2のアミノ酸−25から199および配列番号2の1−199からなる群よ り選択されたアミノ酸配列を有するものである、前記DNA。 4. DNAが配列番号1のヌクレオチド1から672および配列番号1の ヌクレオチド76から672からなる群より選択されたヌクレオチド配列を含む 、請求項3記載のDNA。 5. elkまたはhekを結合する能力を有する可溶性LERK−5ポリ ペプチドをコードする単離されたDNAであって、前記可溶性LERK−5ポリ ペプチドが、配列番号2の残基1−199の配列と少なくとも90%同一である アミノ酸配列を有するものである、前記DNA。 6. elkおよびhekを結合する能力を有するLERK−5ポリペプチ ドをコードする単離されたDNAであって、前記LERK−5ポリペプチドが、 細胞外ドメイン、膜貫通領域、および細胞質ドメインからなり、かつ、前記LE RK−5ポリペプチドが配列番号2の残基1−308の配列と少なくとも90% 同一であるアミノ酸配列を有するものである、前記DNA。 7. 請求項1記載のDNAを含む発現ベクター。 8. 請求項3記載のDNAを含む発現ベクター。 9. 請求項5記載のDNAを含む発現ベクター。 10. 請求項6記載のDNAを含む発現ベクター。 11. 請求項7記載のベクターで形質転換された宿主細胞をLERK−5の 発現を促進する条件下で培養し、そして培養液からLERK−5ポリペプチドを 回収することからなる、LERK−5ポリペプチドの調製方法。 12. 請求項8記載のベクターで形質転換された宿主細胞をLERK−5の 発現を促進する条件下で培養し、そして培養液からLERK−5ポリペプチドを 回収することからなる、LERK−5ポリペプチドの調製方法。 13. 請求項9記載のベクターで形質転換された宿主細胞をLERK−5の 発現を促進する条件下で培養し、そして培養液からLERK−5ポリペプチドを 回収することからなる、LERK−5ポリペプチドの調製方法。 14. 請求項10記載のベクターで形質転換された宿主細胞をLERK−5 の発現を促進する条件下で培養し、そして培養液からLERK−5ポリペプチド を回収することからなる、LERK−5ポリペプチドの調製方法。 15. elkおよびhekを結合する能力を有する精製されたヒト成熟型L ERK−5タンパク質であって、Lys−Ser−Ile−Val−Leu−G lu−Pro−Ile−Tyr−Trp−Asn−Ser−のN末端アミノ酸配 列を特徴とする、前記ヒトLERK−5タンパク質 16. LERK−5が配列番号2のアミノ酸1−308および配列番号2の 1−199からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する、請求項15記載の 精製されたLERK−5。 17. ポリペプチドが請求項5記載のDNAによってコードされる、精製さ れた可溶性LERK−5ポリペプチド。 18. ポリペプチドが請求項6記載のDNAによってコードされる、精製さ れたLERK−5ポリペプチド。 19. 請求項16記載のヒトLERK−5ポリペプチドと免疫反応性の抗体 。 20. 抗体がモノクローナル抗体である、請求項19記載の抗体。 21. 請求項17記載の可溶性のヒトLERK−5ポリペプチド、およびF cポリペプチドからなる、融合タンパク質。 22. 融合タンパク質がジスルフィド結合で連結されている、請求項21記 載の2つの融合タンパク質からなる二量体。
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| AU720943B2 (en) | Receptor protein designated 2F1 | |
| CA2179909C (en) | Ligand that binds fas antigen | |
| US6268482B1 (en) | Recombinant cytokine designated LERK-6 | |
| JP2001521368A (ja) | Lerk―8と称すサイトカイン | |
| USRE37582E1 (en) | Cytokine designated LERK-6 | |
| AU687647C (en) | Cytokine designated lerk-6 | |
| MXPA97000213A (en) | Noveled cytokine designated as ler | |
| MXPA98007441A (en) | Desired cytokine ler |