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JPH08142150A - 長尺プラスチック成形物 - Google Patents

長尺プラスチック成形物

Info

Publication number
JPH08142150A
JPH08142150A JP6301703A JP30170394A JPH08142150A JP H08142150 A JPH08142150 A JP H08142150A JP 6301703 A JP6301703 A JP 6301703A JP 30170394 A JP30170394 A JP 30170394A JP H08142150 A JPH08142150 A JP H08142150A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
paper powder
molded product
core
long plastic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6301703A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirohisa Yoshikawa
浩久 吉川
Keishi Hanamoto
恵嗣 花本
Takashi Matano
剛史 俣野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP6301703A priority Critical patent/JPH08142150A/ja
Publication of JPH08142150A publication Critical patent/JPH08142150A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Molding Of Porous Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋸引き、釘打ち等の加工性がよく、耐水性、
寸法安定性等の性能及び意匠性にも優れた巾木、廻り
縁、モール等の長尺プラスチック成形物を安価に提供す
る。 【構成】 少なくとも芯部と外側部との2色、又は、そ
れ以上の多色押出成形による長尺プラスチック成形物に
おいて、芯部は紙粉を含有する樹脂で、また、外側部は
紙粉を含有しない樹脂で成形して構成する。そして、芯
部の樹脂に添加する紙粉は、大きさが長径6mm以下、含
まれるパルプの繊維長は1mm以下のものとし、且つ、樹
脂の紙粉含有量を10〜40重量%とすることが好まし
い。また、芯部は紙粉含有に加えて発泡成形してもよ
く、外側部表面には直接印刷、転写印刷、或いは、ラッ
ピング等により加飾を施して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築用部材等に用いら
れる巾木、廻り縁、モール、扉、窓枠などの長尺の部材
に関し、更に詳しくはこれらを木、中密度繊維板(MD
F)、合板などの木質系材料からプラスチック系材料に
置き換えて製造する場合の改良技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、建築用部材として用いられている
巾木、廻り縁、モールなどの長尺の部材には、木、中密
度繊維板(MDF)、パーティクルボード、合板などの
木質系材料が主に使用されている。しかし、近年、環境
問題から森林資源の枯渇が問題視され、また、前記木質
系材料自体にも、例えば性能面で耐水性が不足し、反り
がでやすく、腐敗し易い、或いは、カビが発生し易いな
どの欠点がある。このような問題を解決するために各種
のプラスチック、或いは木粉をブレンドしたプラスチッ
クなどを利用することが試みられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、通常のプラス
チックの場合は、施工現場で鋸引きが困難であるとか釘
打ちができないなど、その加工性に難点があり、また、
膨張係数が大きく寸法安定性にも欠け、特に扉等の建具
に用いた場合、気温の変化によって開閉が困難になった
り、隙間が生じ易いなどの問題があり、更には、コスト
も高くなるという欠点がある。そして、木粉をブレンド
したプラスチックの場合は、前記の加工性は改善できる
が、樹脂が黒みを帯び濁った色となるため、後加工の表
面加飾に支障をきたすという問題がある。本発明は、以
上のような背景に鑑みてなされたものであり、その目的
とするところは、安価で、鋸引きや釘打ちなどの加工性
が良く、且つ、耐水性があり、腐敗やカビの発生が防止
でき、寸法安定性も良いという性能にも優れた巾木、廻
り縁、モールなどの長尺プラスチック成形物を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め鋭意研究した結果、以下の本発明により目的を達成し
たものである。即ち、本請求項1の発明は、少なくとも
芯部と外側部との2色、または、それ以上の多色押出成
形による長尺プラスチック成形物であって、該芯部が紙
粉を含有する樹脂で形成され、該外側部が紙粉を含有し
ない樹脂で形成されていることを特徴とする長尺プラス
チック成形物からなる。
【0005】また、本請求項2の発明は、前記芯部の樹
脂が紙粉を10〜40重量%含有し、且つ、該紙粉の大
きさが長径6mm以下で、含まれるパルプの繊維長が1
mm以下であることを特徴とする請求項1記載の長尺プ
ラスチック成形物からなる。
【0006】本請求項3の発明は、前記芯部が発泡体構
造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の
長尺プラスチック成形物からなる。そして、本請求項4
の発明は、前記長尺プラスチック成形物の表面が加飾さ
れていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
記載の長尺プラスチック成形物からなる。
【0007】〔好ましい実施態様〕 (紙粉について)本発明において樹脂に含有させる紙粉
は、断裁などで発生する白紙の裁ち屑を粉砕してもよい
が、製本などのミーリング加工(回転刃による面出し)
の際大量に発生する紙粉を用いることができる。紙粉自
体、形は不定形であるが、長径が6mm以下で、含まれ
るパルプの繊維長が1mm以下のものが好ましい。紙粉
の長径が6mm以上で、繊維長が1mm以上になると樹
脂との混練性が低下し、混練に時間を要し、紙粉が更に
細分化されにくくなるため、不均一になり易く好ましく
ない。紙粉の長径が6mm以下で、繊維長が1mm以下
であれば樹脂との混練は可能であり、小さいほど混練が
容易である。このような紙粉を用いることは、廃棄物の
有効利用であり、パルプ資源の有効活用である点でも好
ましく、安価で原料入手も容易である。
【0008】(樹脂について)本発明の長尺プラスチッ
ク成形物に使用する樹脂としては、ポリスチレン、アク
リロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(AB
S樹脂)などのスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−塩化ビニ
リデン共重合樹脂などの塩化ビニル系樹脂、そして、ポ
リプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリメチル
ペンテン樹脂などのポリオレフィン系樹脂を主に使用す
るが、これらに限定されるものではなく、例えば、ポリ
アミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリ
レート、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル(P
PE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などの
樹脂も使用でき、更に、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタ
ン系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリエステ
ル系などの各エラストマーも使用できる。これらの樹脂
は、それぞれ単独で使用するほか、適宜2種以上をブレ
ンドして使用することもできる。
【0009】(樹脂と紙粉の混練について)上記のよう
な樹脂と紙粉とを混練することにより、押出成形に用い
るペレットを作成する。混練及びペレット化の装置とし
ては、せん断力の強いインテンシブミキサー(バンバリ
ーミキサー)にペレタイザーを組み込んだ装置を使用す
るのが能率的である。この装置で樹脂を加熱し、軟化さ
せた状態で紙粉を混練することにより、紙粉は更に破砕
され均一に分散される。紙粉を混練した樹脂はペレタイ
ザーを通して冷却、ペレット化する。
【0010】混練に際して、樹脂に添加する紙粉の量
は、10〜40重量%の範囲が、成形物の鋸引き、釘打
ち等の加工性の向上及び膨張係数の低下による寸法安定
性の向上、更にはコスト低減効果などを総合的に得られ
る点で好ましい。添加量が10重量%以下の場合は、前
記の効果がいずれも不充分であり、また、40重量%以
上の場合は、加工性、寸法安定性の向上及びコスト低減
効果は得られるが、押出成形による成形物表面の平滑性
の低下が著しくなるため好ましくない。
【0011】(成形について)本発明の長尺プラスチッ
ク成形物は、少なくとも芯部と外側部との2色またはそ
れ以上の多色押出成形により製造するものであり、芯部
には紙粉を含有する樹脂を用い、外側部には紙粉を含有
しない樹脂を用いている。尚、本発明において用いる用
語「多色」は、必ずしも各層の色(色相、明度、彩度)
が異なる場合には限定されず、材質や組成、或いは、性
質の異なった複数の層という意味で用いる。そして、紙
粉を含有する樹脂のみで押出成形した場合、紙粉の含有
量の増加に伴い徐々に成形物の表面の平滑性が損なわ
れ、外観上好ましくない状態となってくる。従って、表
面の平滑性を維持するために2色またはそれ以上の多色
押出成形法を採用し、外側部には紙粉を含まない樹脂を
用い、1層または複数層の芯部に紙粉を含有する樹脂を
用いるものである。尚、外側部の樹脂には紙粉は含有さ
せないが、着色剤、その他の添加剤は適宜加えることが
できる。また、多色化の形態についても、反り防止の点
では芯部の周囲を全周外側部で被覆することが好ましい
が、芯材周囲の一部(例えば3/4周等)を外側部材で
被覆することもできる。窓枠などのように成形物表面の
一部に外部に露出しない面がある場合には、その非露出
面に芯部の露出面をもってくると良い。
【0012】このように外側部の紙粉を含まない樹脂の
層は、成形物の外観および表面物性を良くするための層
であり、その厚さは成形に支障がない限り薄くてよく、
2〜3mm程度あれば充分である。また、多色押出成形
によれば、芯部のみを発泡成形することが可能で外観、
表面性を変えずに、軽量化のほか防音性、断熱性、緩衝
性等を付与することができる。この場合芯部の樹脂に発
泡剤を加えて成形すればよく、発泡剤は下記に示すよう
な公知の無機または有機の発泡剤が使用できる。
【0013】無機の発泡剤としては、重炭酸ナトリウ
ム、炭酸アンモニウム、ソジウムボロンハイドライド、
シリコンオキシハイドライト等が挙げられ、有機の発泡
剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチ
ルニトリル、ジアゾベンゼン等のアゾ化合物、パラトル
エンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビスベンゼ
ンスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド系化
合物、そして、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、
N,N−ジメチル−N,N−ジニトロソテレフタルアミ
ドのようなニトロソ化合物等が挙げられる。これらの発
泡剤の添加量は、発泡剤の種類、発泡条件等により多少
変わるが、発泡倍率1.2〜4倍程度で、0.2〜2.
0重量%の範囲であり、通常は、略0.7重量%程度で
ある。発泡倍率が4倍以上になると成形物の強度自体の
低下が著しく、また、釘打ちの保持性も低下するため好
ましくない。
【0014】また、多色押出成形において、外側部に用
いる樹脂と芯部に用いる樹脂とは、同種の樹脂であるこ
とが両者の接着性等の点では好ましいが、異種の樹脂を
用いることもできる。即ち、外側部にコストは多少高く
ても、より高性能の樹脂を用い、芯部に安価なポリスチ
レン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの紙粉含有
の汎用樹脂を用いることにより安価で高性能の成形物を
得ることができる。例えば、ポリ塩化ビニルとABS、
ポリスチレンとABS、ポリ塩化ビニルとアクリル樹脂
等の組み合わせの一方を芯部とし、もう一方を外側部と
する場合、両者の接着性は良好である。そして、両者の
接着性が弱い場合には、中間層に別の接着性を強化する
樹脂を用いることもできる。また、3層以上の多色体の
場合、芯部から外側部に向かって、1層毎に順次紙粉含
有率を低下させてゆき、最外側部で紙粉含有率を0にす
ることもできる。
【0015】(成形物の表面加飾について)長尺プラス
チック成形物の表面加飾方法は、従来公知のシルクスク
リーン印刷、グラビアオフセット印刷、タンポ印刷など
により直接印刷する方法、転写印刷による方法、或い
は、特公昭61−5895号公報、特公平1−3333
2号公報、特公平3−2666号公報等に開示される所
謂ラッピング加工と呼ばれるフィルムラミネート方式な
ど、いずれの方法を用いてもよく、また、エンボス加工
を施してもよい。
【0016】特に、ラッピング加工は、予め印刷などに
より加飾したロール状のフィルムを成形物表面にラミネ
ートするもので、成形物表面への接着方法は、例えばロ
ール状フィルムの印刷絵柄の上に予め感熱性接着剤を塗
布しておいて、この面を成形物表面に合わせて加熱ロー
ルなどにより熱圧着してもよく、また、ドライラミネー
ト用接着剤を貼り合わせ直前にフィルム側に塗布し、そ
のまま成形物表面に熱圧着してもよい。本発明のような
押出成形による長尺プラスチック成形物にラッピング加
工を施す場合、個々の成形物に後加工として行うことも
できるが、押出成形とインラインで同時絵付けする方法
が効率的である。
【0017】
【作用】本発明の長尺プラスチック成形物は、少なくと
も芯部と外側部との2色、または、それ以上の多色押出
成形により成形し、該芯部は紙粉を含有する樹脂で形成
し、該外側部は紙粉を含有しない樹脂で形成したもので
ある。このように芯部の樹脂に紙粉を含有させることに
より、成形物を鋸引きした際摩擦熱により、樹脂が鋸刃
に粘着することがなくなり、スムーズに切れるようにな
る。また、釘を打っても成形物の歪みが吸収されるため
割れることがなくなり、加工性が向上する。そして、成
形物の熱膨張係数を小さくするため寸法安定性を向上さ
せる。更に、成形物の外側部は紙粉を含有しない樹脂で
形成しているため、表面が平滑に仕上がり外観もよく、
耐水性その他、使用している樹脂本来の性能が生かされ
る。このような多色押出成形により、両者の樹脂の欠点
を補い、長所を効果的に生かすことができる。
【0018】
【実施例】以下に図面、実施例により本発明を詳細に説
明する。図1、図2は、それぞれ本発明の長尺プラスチ
ック成形物(巾木形状)の一実施例の構成を示す模式断
面図である。但し、本発明はこれらに限定されるもので
はない。 (実施例1)ポリスチレン(以下PS)樹脂(スチロー
ルEF60 出光石油化学製)100重量部に対して、
長径が6mm以下でパルプの繊維長が1mm以下の紙粉
を11.2重量部の比率で混合し、バンバリーミキサー
で加熱、混練し、紙粉を10重量%含有するPSのペレ
ットを作成した。次に、多色押出成形機を用いて、図1
に示すような外寸120×10mmの断面形状で外側部
の厚さ2mmとし、長さ3mの巾木状長尺プラスチック
成形物1を、芯部2と外側部3との2色押出成形によ
り、芯部2には前記の紙粉含有PS樹脂を用い、外側部
3には紙粉を含有しないPS樹脂(スチロールEF6
0)を用いて成形し、続いてその表面に、木目印刷を施
し更にその上に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂系の
感熱性接着剤を塗布した厚さ30μmのポリ塩化ビニル
(以下PVC)フィルム(図2の4)を熱圧着によりラ
ッピングして実施例1の木目模様入り巾木成形物を得
た。
【0019】(実施例2)実施例1の構成において、芯
部に用いたPS樹脂の紙粉含有量が35重量%となるよ
うに、PS樹脂100重量部に対して前記紙粉を53.
9重量部の比率で混合してペレットを作成した他は総て
実施例1と同様に加工して実施例2の木目模様入り巾木
成形物を作成した。
【0020】(実施例3)実施例1の構成において、芯
部および外側部の成形に用いたPS樹脂をポリプロピレ
ン(以下PP)樹脂(ポリプロE100G 出光石油化
学製)に換え、更に、芯部に用いるPP樹脂の紙粉含有
量が20重量%になるように、前記PP樹脂100重量
部に対して紙粉25重量部の比率で混合してPP樹脂ペ
レットを作成した。また、巾木成形物の加飾に用いた木
目印刷入りPVCフィルムの接着剤をウレタン系接着剤
に換え、ドライラミネート方式でラッピングした他は総
て実施例1と同様に加工して実施例3の木目模様入り巾
木成形物を作成した。
【0021】(実施例4)実施例1の構成において、2
色押出成形の際に、芯部の紙粉10重量%を含有するP
S樹脂のみに発泡剤として0.75%アゾジカルボンア
ミドを使用し、芯部の発泡倍率が2倍になるように発泡
剤の添加量、成形条件を調整して押出成形した他は総て
実施例1と同様に加工して実施例4の木目模様入り巾木
成形物を作成した。
【0022】(実施例5)実施例2の構成において、2
色押出成形の際に、芯部の紙粉35重量%を含有するP
S樹脂のみに発泡剤として0.75%アゾジカルボンア
ミドを使用し、芯部の発泡倍率が2倍になるように発泡
剤の添加量、成形条件を調整して押出成形した他は総て
実施例2と同様に加工して実施例5の木目模様入り巾木
成形物を作成した。
【0023】(実施例6)実施例3の構成において、2
色押出成形の際に、芯部の紙粉20重量%を含有するP
P樹脂のみに発泡剤として0.75%アゾジカルボンア
ミドを用いて、芯部の発泡倍率が2倍になるように発泡
剤の添加量、成形条件を調整して押出成形した他は総て
実施例3と同様に加工して実施例6の木目模様入り巾木
成形物を作成した。
【0024】(比較例1)PS樹脂(スチロールEF6
0 出光石油化学製)のみを押出成形して実施例1と同
寸法の巾木成形物を作成し、その表面に実施例1と同じ
方法で木目印刷入りPVCフィルムをラッピングし、比
較例1の木目模様入り巾木成形物を作成した。
【0025】(比較例2)PP樹脂(ポリプロE100
G 出光石油化学製)のみを押出成形して実施例1と同
寸法の巾木成形物を作成し、その表面に実施例3と同じ
方法で木目印刷入りPVCフィルムをラッピングし、比
較例2の木目模様入り巾木成形物を作成した。
【0026】(評価および結果)以上のように作成した
実施例1〜6および比較例1、2の木目模様入り巾木成
形物について、下記項目の測定または評価を行い、その
結果を表1に示した。 (1)線熱膨張係数の測定 各長尺成形物について、20℃における線熱膨張係数を
測定した。 (2)加工性 各長尺成形物について、鋸引き及び釘打ちを行い、その
適性を評価した。 ○:鋸引きの際、樹脂が刃に粘着せずスムーズに切れ、
また、釘打ちにより割れの発生または保持性不良のない
もの。 ×:鋸引きの際、樹脂が刃に粘着し切りにくくなるか、
或いは、釘打ちにより割れの発生または保持性不良のあ
るもの。 (3)耐水性 各長尺成形物を室温の水中に3時間浸漬し、変形、膨
潤、重量増加の有無により評価した。 ○:変形、膨潤、重量増加が殆どないもの。 ×:変形、膨潤、重量増加のいずれかが認められるも
の。 (以下余白)
【0027】
【表1】 (注)表1において%は、重量%を示す。
【0028】表1の評価結果より明らかなように、多色
押出成形による長尺プラスチック成形物の芯部の樹脂に
紙粉を含有させることにより、鋸引きや釘打ちなどの加
工性が向上すると共に、線熱膨張係数が小さくなり寸法
安定性を向上させることができた。具体的には、PP樹
脂の場合で約1/3、PS樹脂の場合で約1/2の線熱
膨張係数となった。また、耐水性についても特に問題は
なく良好であった。尚、参考までに木質系材料であるM
DF(中密度繊維板)、パーティクルボード、合板の線
熱膨張係数を示すと、MDF5.67×10-6、パーテ
ィクルボード7.00×10-6、合板0.77×10-6
であり、いずれもプラスチック材料と比較して小さい
が、これらは耐水性がないため吸湿による膨張が著し
く、この点で寸法安定性に欠けている。
【0029】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明の長
尺プラスチック成形物は、少なくとも芯部と外側部との
2色、または、それ以上の多色押出成形による長尺プラ
スチック成形物であって、該芯部が紙粉を含有する樹脂
で形成され、該外側部が紙粉を含有しない樹脂で形成さ
れたものである。このような構成を採ることにより、以
下のような効果を奏する。 成形物の鋸引きによる切断が容易になり、釘打ちも可
能で加工性が向上する。 線熱膨張係数が小さくなり、寸法安定性が向上する。 耐水性に優れており、木質系材料のような腐敗やカビ
の発生がなく、吸湿による反りや膨張、膨潤もない。 外側部の樹脂が紙粉を含有しないため、樹脂の物性が
そのまま生かされると同時に、成形物の表面性がよく、
平滑で外観にも優れている。 廃棄物である紙粉の有効活用が可能で、成形物の軽量
化とコスト低減が可能になる。
【0030】そして、前記芯部の樹脂の紙粉含有量を1
0〜40重量%とし、且つ、紙粉の大きさが長径6mm
以下で、含まれるパルプの繊維長が1mm以下のものを
用いることにより、樹脂との混練が容易になり、成形物
の表面性、加工性、寸法安定性などの性能、および、コ
スト低減など総合的に優れた長尺プラスチック成形物が
得られる。また、前記芯部を発泡成形して発泡体構造と
することにより、一層の軽量化およびコスト低減と共
に、断熱性、防音性、緩衝性の付与が可能になる。更
に、成形物の表面を加飾することにより、外観において
も意匠性の高い長尺プラスチック成形物が得られる。
【0031】このように本発明は、安価で加工性が良
く、耐水性、寸法安定性、断熱性、防音性、緩衝性など
の性能に優れると共に、外観においても意匠性の高い長
尺プラスチック成形物を提供できる効果を奏し、産業上
非常に有益なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の長尺プラスチック成形物(巾木形状)
の一実施例の構成を示す模式断面図である。
【図2】本発明の長尺プラスチック成形物(巾木形状)
の別の一実施例の構成を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 長尺プラスチック成形物 2 芯部 3 外側部 4 加飾フィルム層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00 31:10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも芯部と外側部との2色、また
    は、それ以上の多色押出成形による長尺プラスチック成
    形物であって、該芯部が紙粉を含有する樹脂で形成さ
    れ、該外側部が紙粉を含有しない樹脂で形成されている
    ことを特徴とする長尺プラスチック成形物。
  2. 【請求項2】 前記芯部の樹脂が紙粉を10〜40重量
    %含有し、且つ、該紙粉の大きさが長径6mm以下で、
    含まれるパルプの繊維長が1mm以下であることを特徴
    とする請求項1記載の長尺プラスチック成形物。
  3. 【請求項3】 前記芯部が発泡体構造を有することを特
    徴とする請求項1または2記載の長尺プラスチック成形
    物。
  4. 【請求項4】 前記長尺プラスチック成形物の表面が加
    飾されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の長尺プラスチック成形物。
JP6301703A 1994-11-11 1994-11-11 長尺プラスチック成形物 Pending JPH08142150A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10244633A (ja) * 1997-03-03 1998-09-14 Nissha Printing Co Ltd 積層体とその製造方法
JP2004308227A (ja) * 2003-04-07 2004-11-04 Toppan Printing Co Ltd 木質樹脂発泡成形体及び化粧材
JP2015194001A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 株式会社トッパン・コスモ 床用化粧材

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