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JPH07243971A - 蛍光偏光法によるdnaまたはrnaの測定方法 - Google Patents

蛍光偏光法によるdnaまたはrnaの測定方法

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Publication number
JPH07243971A
JPH07243971A JP3471994A JP3471994A JPH07243971A JP H07243971 A JPH07243971 A JP H07243971A JP 3471994 A JP3471994 A JP 3471994A JP 3471994 A JP3471994 A JP 3471994A JP H07243971 A JPH07243971 A JP H07243971A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rna
dna
sample
fluorescence polarization
measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3471994A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Tsuruoka
誠 鶴岡
Masao Karube
征夫 軽部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP3471994A priority Critical patent/JPH07243971A/ja
Publication of JPH07243971A publication Critical patent/JPH07243971A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/62Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
    • G01N21/63Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light optically excited
    • G01N21/64Fluorescence; Phosphorescence
    • G01N21/6445Measuring fluorescence polarisation

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】蛍光偏光法を利用して迅速にDNAまたはRN
A測定を行なう方法を提供する。 【構成】試料に蛍光標識試薬を加えて混合し、試料中の
DNAまたはRNAと蛍光標識試薬とのハイブリダイゼ
ーション反応を行った後、蛍光標識に起因して発生する
信号による蛍光偏光度を計測することによる、DNAま
たはRNAを測定する方法において、試料中のDNAま
たはRNAと蛍光標識試薬とのハイブリダイゼーション
反応を行わせるに際し、蛍光標識試薬の混合前あるいは
混合後に、塩化ナトリウム等の無機酸塩またはクエン酸
ナトリウム等の有機酸塩を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料中のDNAまたは
RNAの測定において、蛍光偏光法を利用して迅速な測
定を行なう方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、遺伝子の本体であるDNAやRN
Aを測定する必要性が高まっており、従来の免疫測定法
をモデルとして、放射性標識や酵素標識を用いる測定法
が研究され一部実用化されている。これらに代表される
従来のDNAやRNAの測定法はほとんどの場合、不均
一系の測定系として構成されている。すなわち測定物質
(DNAまたはRNA)を含む試料と測定に用いる試薬
(測定試薬)とを混合し反応させた後、未反応の測定物
質または測定試薬を既反応のそれらと分離した上で、標
識に起因して発生する信号を計測する方法である。上述
の分離操作は通常、B/F分離とよばれる。このような
B/F分離の方法としては、反応容器やフィルム等に固
定化されたDNA試薬を用いる方法、磁性微粒子を用い
る方法または電気泳動を用いる方法などがあるが、いず
れの場合も煩雑なあるいは長時間の操作を必要とする。
【0003】このようなB/F分離が不要な測定法とし
て、均一系の測定系に適用できる蛍光偏光法が知られて
いる。該方法は、従来から試料中の薬物等の簡便かつ迅
速な測定法として知られているが、また同様に、DNA
またはRNAの測定法として応用可能であると考えられ
ている(特開平 5-123196 号公報など) 。
【0004】該方法によりDNAまたはRNAを測定す
るためには、検出すべきDNAまたはRNAの塩基配列
と相補的な塩基配列を含むDNAまたはRNAに蛍光物
質を標識し、これを試薬として用いる。ここで上記試薬
を蛍光標識試薬(標識プローブ)とよぶ。通常、該試薬
には1本鎖のDNAまたはRNAが用いられる。
【0005】蛍光偏光法によるDNAまたはRNAの測
定法のプロセスの例を以下に示す。まず、測定すべき試
料に蛍光標識試薬を加える。該試料中に標的とする塩基
配列を含むDNAまたはRNAが存在する場合、該試薬
はある反応時間で標的とする塩基配列を有する部位と、
互いに相補的な配列同士が会合し結合する。この反応を
ハイブリダイゼーションとよぶ。ここで試料中のDNA
またはRNAは温度あるいは薬品等の処理によって1本
鎖の状態に前処理されているものとする。ハイブリダイ
ゼーションにより、蛍光標識試薬が標的とするDNAま
たはRNAと結合すると該試薬の見かけ上の分子量は結
合前より増大する。一般に溶液中での分子運動は分子量
が大きいほど緩慢である。そこで反応前後の蛍光偏光度
をモニターすると、ハイブリダイゼーションによる結合
後の値は結合前より大きくなる。これは標的DNAまた
はRNAとのハイブリダイゼーションにより、蛍光標識
試薬の見かけ上の分子量が増大するからである。蛍光標
識試薬の量を一定とすれば、この変化の程度は標的とす
るDNAまたはRNAの量に対応する。そこで反応前後
の蛍光偏光度の変化により、標的とするDNAまたはR
NAの量を測定することができる。
【0006】なお通常、蛍光偏光度は、励起側、蛍光側
ともに偏光素子をセットし、蛍光側の偏光素子を回転さ
せ励起光の偏光面と平行および垂直の偏光面を有する蛍
光を測定することによって得られるので、1分以内の短
時間で1回の測定を終了することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に1本鎖DNAま
たはRNAとそれらとのハイブリダイゼーションの速度
は非常に緩慢であるため、試料に蛍光標識試薬を加えた
後、長い反応時間を必要とする。ところが、蛍光偏光法
はすでに記したように短時間で測定できることが特徴で
あるため、長い反応時間を必要とする場合、測定に必要
な時間が必然的に長くなるので、この特徴が有効に発揮
されないという問題があった。すなわち蛍光偏光度の測
定は短時間で済むが、測定を行うまでの反応の待ち時間
が長いという問題があった。本発明の目的は、上記従来
の測定法が有する問題点を解消し、蛍光偏光法によりD
NAまたはRNAを短時間で測定する方法を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は試料に
蛍光標識試薬を加えて混合し、試料中のDNAまたはR
NAと蛍光標識試薬とのハイブリダイゼーション反応を
行った後、蛍光標識に起因して発生する信号による蛍光
偏光度を計測することによる、DNAまたはRNAを測
定する方法において、試料中のDNAまたはRNAと蛍
光標識試薬とのハイブリダイゼーション反応を行わせる
に際し、蛍光標識試薬の混合前あるいは混合後に、無機
酸塩または有機酸塩を添加することを特徴とする蛍光偏
光法によるDNAまたはRNAの測定方法である。
【0009】DNAまたはRNAを測定する方法として
は、下記具体例がある。 A.(1)蛍光標識された1本鎖DNAまたはRNAプ
ローブを(2)試料と混合し、2本鎖形成前の蛍光偏光
度と該2本鎖形成後の蛍光偏光度との変化を測定するこ
とにより、試料中のDNAまたはRNAに存在する、上
記1本鎖DNAまたはRNAプローブに相補的に対応す
る塩基配列を測定する方法。
【0010】B.(1)蛍光標識された1本鎖DNAま
たはRNAプローブおよび(2)試料中のDNAまたは
RNAを、(3)該1本鎖DNAまたはRNAと相補的
な塩基配列を含むDNAまたはRNAを固定化担体に結
合させた固定化試薬と競合させて、2本鎖DNAまたは
DNA−RNAを形成させ、該2本鎖形成前の蛍光偏光
度と該2本鎖形成後の蛍光偏光度との変化を測定するこ
とにより、試料中のDNAまたはRNAに存在する、上
記1本鎖DNAまたはRNAプローブに対応する塩基配
列を測定する方法。
【0011】C.(1)試料中のDNAまたはRNAお
よび(2)試料中のDNAまたはRNAと相同な塩基配
列を有するDNAまたはRNAを固定化担体に結合させ
た固定化試薬を、(3)検体中のDNAまたはRNAと
相補的な塩基配列を有する蛍光標識されたDNAまたは
RNAプローブと競合させて、2本鎖DNAまたはRN
A−DNAを形成させ、2本鎖形成前の蛍光偏光度と2
本鎖形成後の蛍光偏光度の変化を測定して、試料中のD
NAまたはRNAに存在する、該DNAまたはRNAプ
ローブに相補的に対応する塩基配列を測定する方法。
【0012】本発明では試料中のDNAまたはRNAと
蛍光標識試薬とのハイブリダイゼーション反応を行わせ
るに際し、蛍光標識試薬の混合前あるいは混合後に、無
機酸塩または有機酸塩を添加し、ハイブリダイゼーショ
ンを、0.01〜5 mol/l以上、好ましくは0.05〜
3mol/l の濃度の無機酸塩または有機酸塩を含む溶液中
で行なう。0.01 mol/l未満であると、ハイブリダイ
ゼーションが飽和に達するのにおよそ30分以上必要と
し、実用に適さない。また無機酸塩または有機酸塩は5
mol/l を越えて溶解させることは難しい。
【0013】本発明における無機酸塩としては、塩酸、
炭酸またはリン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩またはアンモニウム塩などがあり、例えば塩化ナトリ
ウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛等の
塩化物または炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムまたはリ
ン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0014】本発明における有機酸塩としては、酢酸、
クエン酸、安息香酸またはフェノールのアルカリ金属
塩、アルカリ金土類金属塩又はアンモニウム塩などがあ
る。
【0015】上記塩は溶液中の塩濃度が0.01〜5mo
l/l となるように添加する。そのためには、測定試薬ま
たは測定試料のいずれかあるいは両方に予め上記塩を添
加してもよい。また測定試薬または測定試料を塩を含む
緩衝液等によって希釈して用いてもよい。また測定試薬
と測定試料を混合した後、塩を含む溶液等を添加しても
よい。なお一般に塩の解離定数は非常に大きいので、こ
れらの塩を溶液に添加した場合、ほとんどが陽イオン、
陰イオンに解離した状態で存在する。
【0016】本発明において使用する蛍光標識として
は、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネー
ト、テトラメチルローダミンイソチオシアネートなどが
ある。DNAまたはRNAに蛍光物質を結合させる方法
としては、例えばチオカルバミド結合などの共有結合に
よるものがある。例えばDNA(24塩基)をホスホアミ
ダイト法によって合成し、蛍光標識、例えばフルオレセ
インを標識する。
【0017】本発明に使用する蛍光標識試薬としては、
塩基数は20ないし30塩基程度あれば、ある特定の遺
伝子を特異的に検出できる(たとえば、Eur. J. Clin.
Microbiol. Infect. Dis., 10 (1991) 1048-1055参
照)。
【0018】本発明における試料中のDNAまたはRN
Aとしては、例えば血清、尿、各種培養液などの測定試
料における細菌、ウイスルなどのDNAまたはRNA、
または組織細胞やそれらの遊離DNAまたはRNAなど
がある。
【0019】試料中のDNAまたはRNAと蛍光標識試
薬とのハイブリダイゼーション反応を行う緩衝液として
は、Tris緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液な
どがある。該緩衝液には無機酸塩または有機酸塩のほか
に、アジ化ナトリウムやEDTA等を含んでいてもよ
い。
【0020】本発明に使用する担体としては、ポリスチ
レン、ナイロンなどの合成樹脂のビーズ、ラテックス粒
子、ガラスビーズやAu、Agなどの金属粒子などが挙
げられる。またタンパク質などの高分子物質を用いるこ
ともできる。固体担体の分子量は、蛍光偏光法の原理に
基づき、相補DNAまたはRNAの分子量が蛍光標識D
NAまたはRNAの分子量に対して十分に大きくなるよ
うに選択される。固定化担体の分子量は蛍光標識DNA
またはRNAの分子量よりも5倍以上であることが好ま
しい。
【0021】DNAまたはRNAを固定化担体に結合さ
せる方法としては、吸着法、共有結合法、アビジンとビ
オチンとの特異的結合を利用する方法などがある。
【0022】以下に蛍光偏光測定の原理について簡単に
説明すると、光源から出る光はフィルターによって試薬
に含まれる蛍光物質の励起波長に濾過され、偏光板によ
って偏光される。この励起波長の偏光は測定物質(サン
プル)を入れたセルに投射され、サンプル中の蛍光物質
を励起する。励起された蛍光物質は、物質に応じた波長
の蛍光を発するが、この際ブラウン運動の激しさに対応
して、該蛍光は偏光の分散を起こす。該蛍光はその波長
を透過するフィルターを透過し、偏光板を透過し、光検
知器によって電気信号に変換される。偏光板を回転する
ことにより、サンプルの蛍光に対して励起偏光と同じ向
きの偏光成分Iaとこれと垂直の偏光成分Ibを求め
る。これらの値を用いて、次に示す測定物質の蛍光偏光
度Pが求められる。
【0023】
【数1】 Iaは励起偏光と同じ向きの偏光を示す。Ibは上記I
aに垂直な偏光成分を示す。
【0024】この場合、蛍光物質または蛍光物質を結合
する物質のブラウン運動が激しいほど、励起偏光と垂直
な向きの偏光成分Ibは、これと平行の偏光成分Iaに
比べて大きくなり、すなわちPは小さくなる。
【0025】本発明では、サンプルセルに蛍光標識(蛍
光標識相補)DNAまたはRNAを含む溶液を入れ、測
定対象DNAまたはRNAを含む溶液を加え、続いて固
定化相補(固定化)DNAまたはRNA断片を含む溶液
を加える。ただし、これらの3種の溶液を加える順序は
限定しない。しかし試料中のDNAまたはRNAと蛍光
標識試薬とのハイブリダイゼーション反応を行わせるに
際し、蛍光標識試薬の混合前あるいは混合後に、無機酸
塩または有機酸塩を添加する。加える蛍光標識DNAま
たはRNAおよび固定化相補DNAまたはRNAの濃度
は、測定対象DNAまたはRNAの測定濃度範囲に応じ
て適切に選択される。
【0026】本発明では蛍光標識DNAまたはRNA
は、無機塩または有機塩の存在下に測定対象DNAまた
はRNAと競合しつつ、相補的結合反応により固定化酵
素DNAまたはRNAと結合する。蛍光標識DNAまた
はRNAが固定化相補DNAまたはRNAと結合する
際、見掛け上大きな分子量変化が生じるので、結合した
量に対応して上述した蛍光偏光度Pの値が求められる。
測定対象DNAの濃度に対応して固定化DNAまたはR
NAと結合する蛍光標識DNAまたはRNAの量が決定
される。したがって、偏光度Pが求められれば、測定対
象DNAまたはRNAの濃度が求められる。
【0027】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて説明する。 参考例1 以下に示すDNA(24塩基)をホスホアミダイト法によ
って合成し、フルオレセインで標識して測定試薬とし
た。これは上記文献(Eur. J. Clin. Microbiol.Infect.
Dis., 10 (1991) 1048-1055 )で報告されている毒素
原性大腸菌の易熱性腸管毒素の遺伝子を構成するDNA
の塩基配列の一部である。さらに、これと相補的なDN
A(24塩基)を同様にして合成した。また対照実験用と
して、ランダム配列DNA(30塩基)を同様に合成し
た。ランダムな配列は乱数表を用いて決定した。これら
のDNAの塩基配列をそれぞれ順に示す(便宜的にこれ
らを順にDNA1、DNA2、DNA3とよぶ)。なお
A, C, G, T はそれぞれアデニン、シトシン、グアニ
ン、チミンを表す。F は標識として用いたフルオレセイ
ンを示す。数字はDNA末端の符号を示す。
【0028】 5'-F AAC AGG GAA TAC AGA GAC CGG TAT -3' (DNA1) 3'-TTG TCC CTT ATG TCT CTG GCC ATA -5' (DNA2) 3'-GGA TTA CGT ATC TAC GCG ATG ACG GCC ACC-5' (DNA3)
【0029】実施例1 DNA1を含む溶液にDNA2を加え、加えた直後から
1分または2分間隔で蛍光偏光度を測定した。光検出器
として光電子増倍管を使用して測定した。その結果を図
1に示す。ここでDNA2は標的DNAのモデルとして
用いられる。なお溶液は36℃に維持した。DNA1、
DNA2、DNA3の混合後の溶液中の濃度はそれぞ
れ、9×10-9、7×10-8、6×10-8 mol/lである。希釈
用緩衝液としてはTris(pH8.0)を用いた。図
1より、DNA1とDNA2とは互いに相補的なのでハ
イブリダイゼーションにより会合し、蛍光偏光度が徐々
に大きくなっていることが分かる。しかし、反応は4時
間程度経過しても飽和に達していない。すなわち溶液中
に無機酸塩あるいは有機酸塩を含まない条件では上記D
NAのハイブリダイゼーションの速度は非常に小さい。
ここで図1中に、DNA1とDNA3とを混合し同様に
測定した結果を示す。DNA1とDNA3とは互いに相
補的でないので会合反応は起こらず、蛍光偏光度は増加
しない。
【0030】これに対して、DNA1とDNA2または
DNA3を予め0.8mol/lの塩化ナトリウムを含むTri
s緩衝液に溶解し、図1の場合と同様の実験を行った。
実験条件は、溶液中に該濃度の塩を含む以外は、すべて
図1の場合と同じである。その結果を図2に示す。DN
A1またはDNA2とのハイブリダイゼーションは非常
に早く進行し、およそ10分未満で飽和に達することが
分かる。すなわちハイブリダイゼーションの速度は、溶
液中の塩イオンの存在によって大きく変化することが分
かる。
【0031】同様に、溶液中に0.05mol/l の塩化ナトリ
ウムを含む場合の実験例を図3に示す。実験条件は、溶
液中の塩濃度以外はすべて図2の場合と同じである。図
2の場合と同様に、溶液中に塩化ナトリウムを含まない
場合(図1の場合)に比べてハイブリダイゼーションは
非常に早く進行し飽和に達することが分かる。
【0032】なお、実施例で用いた易熱性腸管毒素の遺
伝子の塩基配列はモデルとして用いたにすぎないのであ
り、本発明の測定法を限定するものではない。また実施
例ではDNAの測定を例として示すが、用いたDNAそ
れぞれについてRNAと置き換えても基本的に同様であ
る。
【0033】
【発明の効果】本発明では、溶液中に0.01〜5mol/
l の無機酸塩または有機酸塩を含むことにより、ハイブ
リダイゼーションは充分に早く進行し飽和に達する。該
条件においてはハイブリダイゼーションは10〜20分
未満で飽和に達する。したがってハイブリダイズした蛍
光標識試薬を蛍光偏光法によってモニターすれば、ハイ
ブリダイゼーションの反応時間を含めて20〜30分以
内に測定を完了することが可能である。本発明に基づく
測定法によれば、DNAまたはRNAを短時間で測定す
ることが可能となり、遺伝子の診断やウイルス、細菌の
検出等の作業の短時間化およびコストの低減等が可能と
なる。
【0034】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 他の特徴:毒素原性大腸菌の易熱性腸管毒素の遺伝子を
構成するDNAの塩基配列の一部 配列 AACAGGGAAT ACAGAGACCG GTAT 24
【0035】配列番号:2 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 他の特徴:毒素原性大腸菌の易熱性腸管毒素の遺伝子を
構成するDNAの塩基配列の一部 配列 ATACCGGTCT CTGTATTCCC TGTT 24
【0036】配列番号:3 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CCACCGGCAG TAGCGCATCT ATGCATTAGG 30
【図面の簡単な説明】
【図1】DNA1とDNA2またはDNA3を無機塩が
存在しない条件下にハイブリダイズさせた結果を示す。
【図2】DNA1とDNA2またはDNA3を塩化ナト
リウムを含むTris緩衝液中でハイブリダイズさせた
結果を示す。
【図3】DNA1とDNA2またはDNA3を塩化ナト
リウムを含むTris緩衝液中でハイブリダイズさせた
結果を示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に蛍光標識試薬を加えて混合し、試
    料中のDNAまたはRNAと蛍光標識試薬とのハイブリ
    ダイゼーション反応を行った後、蛍光標識に起因して発
    生する信号による蛍光偏光度を計測することによる、D
    NAまたはRNAを測定する方法において、試料中のD
    NAまたはRNAと蛍光標識試薬とのハイブリダイゼー
    ション反応を行わせるに際し、蛍光標識試薬の混合前あ
    るいは混合後に、無機酸塩または有機酸塩を添加するこ
    とを特徴とする蛍光偏光法によるDNAまたはRNAの
    測定方法。
  2. 【請求項2】 試料中のDNAまたはRNAと蛍光標識
    試薬とのハイブリダイゼーションを、0.01〜5 mol
    /lの濃度の無機酸塩または有機酸塩を含む溶液中で行な
    うことを特徴とする請求項1に記載される蛍光偏光法に
    よるDNAまたはRNAの測定方法。
  3. 【請求項3】 試料中のDNAまたはRNAと蛍光標識
    試薬とのハイブリダイゼーションを、0.05〜3 mol
    /lの濃度の無機酸塩または有機酸塩を含む溶液中で行な
    うことを特徴とする請求項1に記載される蛍光偏光法に
    よるDNAまたはRNAの測定方法。
  4. 【請求項4】 無機酸塩が塩酸、炭酸またはリン酸のア
    ルカリ金属塩、アルカリ土類金属またはアンモニウム塩
    であることを特徴とする請求項1記載の蛍光偏光法によ
    るDNAまたはRNAの測定方法。
  5. 【請求項5】 無機酸塩が塩化ナトリウムであることを
    特徴とする請求項1記載の蛍光偏光法によるDNAまた
    はRNAの測定方法。
  6. 【請求項6】 有機酸塩が酢酸、クエン酸、安息香酸ま
    たはフェノールのアルカリ金属、アルカリ土類金属また
    はアンモニウム塩であることを特徴とする請求項1記載
    の蛍光偏光法によるDNAまたはRNAの測定方法。
  7. 【請求項7】 蛍光標識試薬が蛍光標識を結合したDN
    AまたはRNAであることを特徴とする請求項1に記載
    される蛍光偏光法によるDNAまたはRNAの測定方
    法。
JP3471994A 1994-03-04 1994-03-04 蛍光偏光法によるdnaまたはrnaの測定方法 Pending JPH07243971A (ja)

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JP (1) JPH07243971A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008505321A (ja) * 2004-07-02 2008-02-21 ブルーシフト・バイオテクノロジーズ・インコーポレーテッド 蛍光体微小環境の探索

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008505321A (ja) * 2004-07-02 2008-02-21 ブルーシフト・バイオテクノロジーズ・インコーポレーテッド 蛍光体微小環境の探索

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