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JPH06341030A - ノンコートエアバッグ用基布 - Google Patents

ノンコートエアバッグ用基布

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Publication number
JPH06341030A
JPH06341030A JP5127226A JP12722693A JPH06341030A JP H06341030 A JPH06341030 A JP H06341030A JP 5127226 A JP5127226 A JP 5127226A JP 12722693 A JP12722693 A JP 12722693A JP H06341030 A JPH06341030 A JP H06341030A
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JP
Japan
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weight
nylon
base fabric
molecular weight
fabric
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Application number
JP5127226A
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English (en)
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Hatsuo Matsuzaki
初雄 松崎
Isoo Saito
磯雄 斎藤
Hideo Nagahara
秀夫 長原
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP12722693A priority Critical patent/JP3334252B2/ja
Publication of JPH06341030A publication Critical patent/JPH06341030A/ja
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
  • Air Bags (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 ノンコートエアバッグ用基布の高密度織物で
あり、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン46または
ポリエチレンテレフタレート繊維からなる。油剤として
は、分子量600〜1000のエチレンオキサイドを2
0〜50重量%含有する二価脂肪酸エステル化合物
(A)、分子量が1000〜5000のポリエーテル系
高分子活性剤(B)、および分子量600〜1000ジ
エチレンオキサイドを25〜55重量%含有するポリア
ルキレングリコールエステル化合物(C)からなり、前
記(A)を50〜65重量%、前記(B)を5〜20重
量%、前記(C)を20〜40重量%の割合で混合した
混合物が使用される。 【効果】 従来技術と同様の軽量、柔軟、収納性、機械
的特性および非通気性などを満足すると共に、難燃性に
すぐれ、かつ製織効率にすぐれたウォータージェットル
ームで製織できるため、低価格化が達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ノンコートエアバッグ
用基布に関するものであり、さらに詳しくは、軽量、柔
軟で収納性にすぐれ、かつ非通気性および難燃性にすぐ
れたノンコートエアバッグ用基布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の乗員保護安全装置として
エアバッグの装着が急速に進みつつある。
【0003】そして、エアバッグは、通常ステアリング
ホイールやインストルメントパネルなどの狭い場所に収
納されることから、収納容積を小さくすることが要求性
能の一つとされている。
【0004】そこで、エアバッグ用基布について、機械
的特性を満足する範囲で、可能な限り折り畳み性が良
く、収納容積を最小にする努力が、従来からなされてき
た。
【0005】例えば、ゴムコート基布においては、コー
トゴムがポリクロロプレン系ゴムからシリコーン系ゴム
への移行が進みつつあり、これはシリコーン系ゴムを用
いた方がゴムコートの塗布量を少なくでき、かつ柔軟な
ゴムコート基布ができあがるからである。
【0006】一方、自動車の乗員の安全を確保するため
に、エアバッグの装着率を高めることが望まれている
が、そのドライビングフォースの一つとしてエアバッグ
システム全体を低価格化することも、エアバックに対す
る要求性能の一つである。
【0007】そこで、エアバッグ用基布を更に低価格化
することが課題として取上げられ、低コスト化の可能性
の高いノンコート基布の開発が進められつつある。
【0008】また、上記ノンコート基布は、エアバッグ
用基布の柔軟化、収納性および軽量性の点からも有利で
あり、次世代エアバッグ用基布として早期技術確立が求
められている。
【0009】従来のノンコートエアバッグ用基布に関す
る既提案技術としては、例えば特開平3−137245
号公報、特開昭64−70247号公報および特開平3
−134245号公報などに記載のものが知られてい
る。
【0010】すなわち、特開平1−122752号公報
に記載の技術は、ノンコートエアバッグ用基布として重
要な特性であるガスの通気性を制御するために、高密度
織物とし、更に収縮加工、熱固定カレンダ−加工などを
適用して製造したノンコートエアバッグ用基布を開示す
るものである。
【0011】また、特開昭64−70247号公報に記
載の技術は、目付250g/m2 以下の基布に対し、カ
レンダー加工を施こすことにより、通気性が5cc/c
2/sec以下のノンコートエアバッグ用基布を開示
するものである。
【0012】さらに、特開平3−134245号公報に
記載の技術は、カレンダ−加工を施した対称組織の織物
からなり、300〜400dtexの繊度で、高収縮糸
からなるノンコート基布について開示するものである。
【0013】しかしながら、上記従来技術は、いずれも
ノンコートエアバッグ用基布として、軽量、柔軟、収納
性にすぐれ、かつ機械的特性および非通気性などを十分
満足するものであることを示しているが、ノンコートエ
アバッグ用基布の性能として重要な耐熱性および低価格
化については配慮された技術とはいえず、これら耐熱性
および低価格化についてはさらに改良が望まれるもので
あった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点を解決するためになされたもので
あり、ノンコートエアバッグ基布として従来技術と同様
の軽量、柔軟、収納性、機械的特性および非通気性など
を満足することは勿論、更に難燃性にすぐれ、かつ低価
格化を達成するため、製織効率にすぐれたウォータージ
ェットルーム(以下WJLと呼ぶ)で製織された織物か
らなるノンコートエアバッグ用基布の提供を目的とする
ものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のノンコートエアバッグ用基布は、カバー
ファクターが2000以上、通気量0.5cc/cm2
/sec未満の高密度織物であって、この高密度織物に
付着している油分が0.1重量%未満であることを特徴
とする。
【0016】また、本発明のノンコートエアバッグ用基
布は、高密度織物が、ナイロン66、ナイロン6、ナイ
ロン46またはポリエチレンテレフタレート繊維からな
ることを特徴とする。
【0017】さらに、本発明のノンコートエアバッグ用
基布は、高密度織物に付着している油剤の成分が、分子
量600〜1000のエチレンオキサイドを20〜50
重量%含有する二価脂肪酸エステル化合物(A)、分子
量が1000〜5000のポリエーテル系高分子活性剤
(B)、および分子量600〜1000ジエチレンオキ
サイドを25〜55重量%含有するポリアルキレングリ
コールエステル化合物(C)からなり、前記(A)を5
0〜65重量%、前記(B)を5〜20重量%、前記
(C)を20〜40重量%の割合で混合した混合物から
なることを特徴とする。
【0018】本発明ノンコートエアバッグ用基布に用ら
れる繊維はナイロン66、ナイロン6、ナイロン46お
よびポリエチレンテレフタレート繊維である。通常はそ
れぞれ単一のポリマから構成される繊維が好ましいが、
10重量%以下の共重合成分を含んでいてもよい。特に
ナイロン46繊維の場合は、高融点、高結晶性の特性か
らホモポリマのままでは製糸しにくいため、5重量%程
度の共重合成分を含む繊維の方がむしろ好ましい。
【0019】本発明に用いられる繊維は、リンコートエ
アバック用基布の機械的特性、すなわちガスの瞬間的な
膨張に耐えられる基布の強度、特に衝撃強度、破裂強
度、引裂き強度などおよび膨張したエアバッグが乗員に
当った時の衝撃を吸収するエネルギーなどを満足させる
ため、高重合度のポリマを用いることが必要であり、例
えばナイロン66、ナイロン6、ナイロン46繊維の場
合は硫酸相対粘度(ηr)で3.0以上、ポリエチレン
テレフタレートの場合は固有粘度(〔η〕)で0.8以
上のポリマーが望ましく使用される。
【0020】また、本発明に係るノンコートエアバッグ
用基布は、糸条製造中における熱履歴、および製品とし
て保管、使用される間の熱劣化、光劣化および酸化劣化
や加水分解などを防ぐ目的で、ナイロン66、ナイロン
6およびナイロン46繊維の場合には、酸化防止剤を含
有させることが好ましい。
【0021】酸化防止剤としては沃化銅、臭化銅、塩化
銅、酢酸銅、ピロリン酸銅、ステアリン酸銅などの無機
または有機酸銅を、銅として10〜3000ppm、好
ましくは20〜150ppm添加し、さらに沃化カリウ
ム、臭化カリウム、塩化カリウム、沃化ナトリウム、臭
化ナトリウム、塩化ナトリウム、沃化リチウム、臭化リ
チウム、塩化リチウムなどのハロゲン化アルカリ金属、
またはハロゲン化土類金属、或いは第4級ハロゲン化ア
ンモニウム塩などを0.05〜0.5重量%併用含有せ
しめる。更に必要に応じて有機、無機の燐化合物を燐と
して10〜500ppm含有せしめる。
【0022】また、ポリエチレンテレフタレート繊維の
場合には、加水分解を防ぐ目的で、カルボキシル末端基
を30eq/106 以下、好ましくは20eq/106
以下とすることが好ましい。カルボキシル末端基の少な
いポリエチレンテレフタレート繊維は、低温重合法の採
用や、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物およびオ
キサゾリン化合物などの末端封鎖剤を紡糸工程で添加す
る方法などによって得ることができる。
【0023】本発明で用いられる繊維の繊度は、通常6
00デニール以下、好ましくは500デニール以下であ
る。これは本発明のノンコートエアバッグ用基布の製織
に適したWJLで効率よく製織できる繊度に特定される
からである。
【0024】本発明のノンコートエアバッグ用基布は、
その通気性を0.5cc/cm2 /sec以下とするた
め、織物のカバーファクターを2000以上、好ましく
は2100以上とした高密度織物からなる。
【0025】本発明でいうカバーファクターとは、織物
構成密度と繊維糸条の繊度の平方根の積から下記式によ
って求められる値である。 K=Nw ×Dw 1/2 +NF ×DF 1/2 Nw :経糸密度(本/インチ) Dw :経糸デニール NF :緯糸密度(本/インチ) DF :緯糸デニール また、本発明ノンコートエアバッグ用基布は、油剤が
0.1重量%未満しか残留付着していないことが重要で
ある。
【0026】一般に、合繊繊維用油剤は、その発火点、
着火点が合成繊維自身よりも低いため、0.1重量%以
上の残留油剤が付着していると、ノンコート基布の難燃
性を確保できないことがある。
【0027】特に本発明のノンコートエアバッグ用基布
は、上述した通り通気性を一定値以下に保持させた高密
度織物であるため、一旦油剤が付着したまま織り込まれ
ると、織物中の油剤を、その後の精練工程を経ても十分
に洗浄除去することができない。したがって、本発明の
ノンコートエアバッグ用基布は、製織時に油剤が洗浄で
きるWJLで製織したものであることが好ましい。ま
た、原糸に付着している油剤としては、WJL製織中に
十分洗浄され易いものを選択することが重要である。
【0028】本発明のノンコートエアバッグ用基布に対
し適用される油剤に要求される条件としては、糸切れ
や毛羽の発生が少なく製糸できるよう、糸と金属ロール
との摩擦が小さく、糸条と金属とが高張力で接する際の
油膜が十分強いこと、加熱ロール上に堆積した油剤が
熱酸化分解しにくいこと、フィラメントを集束させる
ためのインターレースがかかり易いよう、糸と糸との摩
擦は適度に高いこと、およびWJL製織工程で洗浄し
易いことなどの特徴を兼備していることが挙げられる。
【0029】本発明のノンコートエアバッグ用基布に
は、上記の条件を満足する油剤として、下記油剤が適用
される。
【0030】すなわち、分子量600〜1000のエチ
レンオキサイドを20〜50重量%含有する二価脂肪酸
エステル化合物(A)、分子量が1000〜5000の
ポリエーテル系高分子活性剤(B)、および分子量60
0〜1000のジエチレンオキサイドを25〜55重量
%含有するポリアルキレングリコール(以下、PEGと
略称する)エステル化合物(C)からなり、前記(A)
を50〜65重量%、前記(B)を5〜重量%、前記
(C)を20〜40重量%の割合で混合してなる混合物
からなる油剤である。
【0031】さらに詳述すると、二価エステル化合物
(A)とは、分子量が600〜10000のエチレンオ
キサイドを20〜50重量%含み、具体的にはジオクチ
ルアルコールEO3 アジペート、ジラウリルアルコール
EO3 アジペートおよびオレイルアルコールEO3 アジ
ペートなどのアジピン酸エステル、ならびにセバチン酸
エステル、ジオクチルアルコールEO3 チオジプロピオ
ネートおよびジオレイルアルコールEO3 チオジプロピ
オネートなどのチオジプロピオン酸エステルなどであ
る。
【0032】ポリエーテル系高分子活性剤(B)とは、
分子量が1000〜5000、好ましくは2000〜3
000の、例えば高級アルコールアルキレンオキサイド
付加物および多価アルコールアルキレンオキサイド付加
物から選ばれた化合物に、モノカルボン酸および/また
はジカルボン酸を反応して得られる非イオン活性剤であ
る。
【0033】また、上記多価アルコールのアルキレンオ
キサイド付加物とは、例えば多価アルコールにエチレン
オキサイド、プロヒレンオキサイド、ブチレンオキサイ
ドなどのアルキレンオキサイドを付加したものであっ
て、例えば硬化ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、ヒ
マシ油エチレンオキサイド付加物、ソルビトールエチレ
ンオキサイド付加物およびトリメチロールプロパンエチ
レンオキサイド付加物、などが挙げられる。なかでも硬
化ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、ソルビトールエ
チレンオキサイド付加物または高級アルコールアルキレ
ンオキサイド付加物が好ましい。
【0034】さらに、上記モノカルボン酸の具体例とし
ては、カプロン酸、カプレル酸、ラウリン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、オレイン酸およびイソステアリン
酸などであり、好ましくはパルミチン酸、ステアリン
酸、オレイン酸およびイソステアリン酸などが挙げられ
る。
【0035】上記ジカルボン酸の具体例としては、マレ
イン酸、アジピン酸、チオジプロピオン酸、セバチン
酸、ドデカン酸およびブラシル酸などが挙げられるが、
なかでもマレイン酸、アジピン酸およびプロピオン酸が
好ましい。
【0036】PEGエステル化合物(C)とは、分子量
が600〜1000であり、ジエチレングリコールとエ
ステル化するモノカルボン酸としては、カプロン酸、カ
プレル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
オレイン酸およびイソステアリン酸などが挙げられ、好
ましくはパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸およ
びイソステアリン酸などである。
【0037】本発明に係る油剤成分である二価脂肪酸エ
ステル化合物(A)、ポリエーテル系高分子活性剤
(B)、およびPEGエステル化合物(C)の混合比率
は、製糸収率、毛羽の生成量、整経および製織工程通過
性、布帛の品質にとって重要な影響を有する。
【0038】次に、本発明のノンコートエアバッグ用基
布の製造方法について説明する。
【0039】本発明のノンコートエアバッグ用基布に係
る原糸は、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン6な
どのポリアミドおよびポリエチレンテレフタレートポリ
マを溶融紡糸延伸して製造される。
【0040】溶融紡糸工程において、上記ポリマを溶融
紡糸し、冷却固化した糸条に、上記油剤を付与する。上
記油剤成分は、通常低分子量鉱物油または水で希釈した
溶液として付与する。繊維への油剤付着量は0.3〜
1.5重量%、通常は0.5〜1.0重量%である。
【0041】上記油剤を付与された糸条は、好ましくは
連続して延伸工程に送られ、延伸熱処理される。延伸は
通常2段以上の多段熱延伸法が採用される。延伸された
糸条は熱セットされ捲上げられるが、捲上げ直前に糸条
にインターレースをかけ、フィラメント相互を集束させ
る。
【0042】インターレースは高圧の流体、例えば高圧
空気またはスチームを糸条の外周からノズルを通して噴
きつけることによって行なわれる。
【0043】以上の方法で製造された原糸の一部は、整
経工程に送られ、経糸用として整経ビームに捲返され、
また一部は緯糸として準備され、WJLで製織される。
【0044】本発明のノンコートエアバッグ用基布は、
通気量が0.5CC/cm2 /sec未満となるよう、
カバーファクターが2000以上の高密度織物とする。
例えば、420デニールのナイロン66原糸を用いて平
織で製織する場合、打込み本数は経糸、緯糸共1インチ
当り50本以上とする。さらに好ましくはカバーファク
ター2100以上の高密度織物である。
【0045】WJLは、約1000m/分以上、好まし
くは1200m/分以上の緯糸打込速度で効率良く製織
される。通常、原糸に付着している油剤の大部分はこの
製織中に洗浄除去され、残留油分量は0.1重量%未満
となる。本発明に係る原糸に付与された油剤は、前記し
た特定の油剤成分からなるため、WJL製織中の水によ
って洗浄除去され易く、加水粘性も低く、スカムなどを
生成しないことが特徴である。
【0046】製織された生機は、通常精練工程を経るこ
となくそのままヒートセット工程に送られ、ヒートセッ
トされる。ヒートセツト工程では、ノンコートエアバッ
グ用基布としての通気性を制御するため、あるいは風合
や柔軟性を制御するために、片面または両面にカレンダ
ー加工してもよい。
【0047】以上の方法で製造された本発明エアバッグ
用基布は、以下の基布特性を有する。 (1)カバーファクター(K) K≧2000 (2)引張強度(S) S≧160kg/3cm (JIS K6328 5.3.5) (3)破断伸度(E) 15≧E≧35% (JIS K6328 5.3.5) (4)引裂強力(TS) TS≧15kg (JIS K6328 5.3.6) (5)通気量(P) P≦0.5cc/cm2 /sec (JIS L1096 6.27A法) (6)燃焼性(B) B≦50mm/分 (FMVSS No.302)。
【0048】かかる特性を有する本発明のノンコートエ
アバッグ用基布は、軽量、柔軟で収納性および機械的特
性にすぐれ、かつ非通気性および難燃性についても実用
的に十分な性能を有する。
【0049】特に、従来のクロロプレンゴムコートおよ
びシリコーンゴムをコートしたエアバック用基布に比
べ、軽量、柔軟で収納性の点で有利であるが、さらに安
価に製造できるというメリットを有する。
【0050】以上のメリットを有する本発明のノンコー
トエアバッグ用基布は、運転席および乗員席いづれにも
採用することができる。
【0051】次に、実施例より、本発明の実施態様につ
いてを具体的に説明する。
【0052】
【実施例1〜3】硫酸相対粘度(試料濃度1重量%、2
5℃)が3.5で、酸化防止剤として燐を100pp
m、銅を80ppm、および沃化カリウムを0.1重量
%含有するナイロン66チップをエクストルーダー型紡
糸機で溶融した。溶融ポリマを紡糸パック中で濾過した
後口金細孔より紡出した。口金は直径0.25mmの細
孔を72ホール有するものを用いた。
【0053】紡出糸は口金直下の徐冷ゾーンを通過した
後、冷風で冷却固化された。
【0054】次いで、上記糸条に対し、ジオクチルアル
コールEO2 アジーートを55重量部、硬化ヒマシ油E
OA分子量2000チオジプロピオン酸エステルを10
重量部、およびPEG200ジオレートを30重量部の
割合で混合した混合物(油剤No. 1とする)を、炭素数
C13の高級炭化水素で20重量%に希釈した油剤を付与
した後、引取りロールで900m/分の速度で引取っ
た。
【0055】続いて、引取りロールと給糸ロールとの間
で、上記糸条に5%のストレッチをかけながら、上記と
同様の油剤を原液のまま付与した。油剤は原糸に対し約
1重量%となるよう付与したが、引取りロール前で約
0.2重量%、残りを引取りロールと給糸ロール間で付
与した。
【0056】次に、上記糸条を延伸工程に送り、連続し
て延伸した。延伸熱処理は2段熱延伸したのち1段弛緩
処理法で行なった。引取りロールは非加熱、給糸ロール
は60℃、第1延伸ロール温度を120℃、第2延伸ロ
ール温度を240℃とした。延伸後の弛緩ロールは12
0℃とした。
【0057】さらに、引取りロールと給糸ロール間で、
5%のストレッチをかけながら、平滑剤、活性剤および
微量の極圧剤、制電剤および酸化防止剤などの添加剤な
どからなる混合非水系油剤を、延伸後の繊維に約1%付
着するように付与した。
【0058】延伸倍率は1段目を3.56倍、2段目を
1.25とし、弛緩率は8%とした。捲取り直前にイン
ターレースを、交絡数で1m当り約40ケとなるように
かけて捲取った。
【0059】上記の方法で得られた原糸は、420D−
72filで、強度が9.6g/d 、伸度が22%、沸騰
水収縮率が6.0%で、毛羽は1千万m当り2.2ケで
あった。
【0060】この原糸の一部を、経糸本数2100本の
整経ビームとした。製織は津田駒(株)製WJLを用
い、緯糸打込み速度1000m/分で製織した。
【0061】生機を、精練工程を経ることなくそのまま
180℃でヒートセットし、ノンコートエアバッグ用機
布を得た(実施例−1)。
【0062】また、製織条件を表1に示したように変更
することにより、さらに2種類のノンコートエアバッグ
用機布を得た(実施例−2、−3)。
【0063】得られた各ノンコートエアバック用基布に
ついて、エアバッグ用基布としての性能を評価した結果
を表2に示した。
【0064】
【比較例1〜4】実施例−1の製織条件を表1のごとく
変更した場合(比較例−1)、実施例−2と同様の方法
で原糸を製糸し、織機タイプをレピアに変更した場合
(比較例−2)、実施例−2の油剤成分を、ジオレイル
アジペート:60重量部、ソルビトールEOA分子量8
50:20重量部、およびPEG200ジオレート:2
0重量部の割合からなる混合物(油剤No. 2とする)に
変更すると共に、整経工程で整経用油剤を付与した場
合、(比較例−3)、および比較例−3と同様の油剤を
用いると共に、レピア織機で製織した場合(比較例−
4)に得られた各エアバッグ用基布の特性を評価した結
果を表2に併せて示した。
【0065】なお、実施例−3、比較例−2および比較
例−3では、油剤を除去するため精練工程を通した。な
お、精練は精練剤を含む70℃の温浴中を2分間通過さ
せることにより行なった。
【0066】
【表1】
【表2】 表1および表2の結果から明らかなように、通気量が
0.5cc/cm2 /sec未満の高密度織物の場合
は、本発明で特定した油剤が付与され、WJLで製織さ
れた場合限って、残留油剤が0.1重量%以下となり、
難燃性もすぐれたノンコートエアバッグ用基布が得られ
る。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のノンコー
トエアバッグ用基布は、従来のポリクロロプレンゴムコ
ート基布およびシリコーンゴムコート基布と同等の機械
的特性を有し、かつエアバッグ用基布として実用上十分
な非通気性および難燃性を有するので、従来のゴムコー
ト基布に替えて好ましく採用することができる。
【0068】本発明のノンコートエアバッグ用基布は、
特に従来のゴムコート基布に比較して、軽量、柔軟で収
納性などの点ですぐれており、さらに効率的なWJLで
製織され、ゴムコートを必要としないため、基布製造コ
ストが低いなどのメリットを有する。
【0069】すなわち、本発明のノンコートエアバッグ
用基布は、上記すぐれた性能および低い製造コストの両
面で有利であるため、自動車の乗員保護のため望まれて
いるエアバッグ装着率の向上にとって、好適に寄与する
ことができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カバーファクターが2000以上、通気
    量0.5cc/cm2/sec未満の高密度織物であっ
    て、この高密度織物に付着している油分が0.1重量%
    未満であることを特徴とするノンコートエアバッグ用基
    布。
  2. 【請求項2】 高密度織物が、ナイロン66、ナイロン
    6、ナイロン46またはポリエチレンテレフタレート繊
    維からなることを特徴とする請求項1記載のエアバッグ
    用基布。
  3. 【請求項3】 高密度織物に付着している油剤の成分
    が、分子量600〜1000のエチレンオキサイドを2
    0〜50重量%含有する二価脂肪酸エステル化合物
    (A)、分子量が1000〜5000のポリエーテル系
    高分子活性剤(B)、および分子量600〜1000ジ
    エチレンオキサイドを25〜55重量%含有するポリア
    ルキレングリコールエステル化合物(C)からなり、前
    記(A)を50〜65重量%、前記(B)を5〜20重
    量%、前記(C)を20〜40重量%の割合で混合した
    混合物からなることを特徴とする請求項1または2記載
    のノンコートエアバッグ用基布。
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