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JP7726421B1 - 水性インクジェットインキ及び印刷物 - Google Patents

水性インクジェットインキ及び印刷物

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JP7726421B1
JP7726421B1 JP2025042897A JP2025042897A JP7726421B1 JP 7726421 B1 JP7726421 B1 JP 7726421B1 JP 2025042897 A JP2025042897 A JP 2025042897A JP 2025042897 A JP2025042897 A JP 2025042897A JP 7726421 B1 JP7726421 B1 JP 7726421B1
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Abstract

【課題】低吸収性印刷基材に対して印刷した場合であっても、ビーディングやピンホールがなく、耐マイグレーション性にも優れる印刷物を得ることができ、待機吐出性も良好である、水性インクジェットインキを提供する。
【解決手段】顔料、バインダー樹脂、アセチレンジオール系界面活性剤(A)、及び、グリコールモノエーテル類(B1)を含有する水性インクジェットインキであって、前記アセチレンジオール系界面活性剤(A)が、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)を2~600ppmと、HLB値が6~12であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)とを含み、前記アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の含有量に対する、前記グリコールモノエーテル類(B1)の含有量の質量比が、0.5~50である、水性インクジェットインキ。
【選択図】なし

Description

本発明の実施形態は、水性インクジェットインキ、及び、当該水性インクジェットインキを用いて製造される印刷物に関する。
印刷の小ロット化及び市場ニーズの多様化に伴い、デジタル印刷方式の普及が急速に進んでいる。デジタル印刷方式は、版を必要としないことから、小ロット印刷に対応可能であり、更に、印刷に関するコストの削減、及び、印刷装置の小型化が実現可能である。
デジタル印刷方式の一種であるインクジェット印刷方式とは、印刷基材(本明細書では、単に「基材」とも称する)に対して、インクジェットヘッドからインキの微小液滴を飛翔及び着弾させ、当該印刷基材上に画像や文字を印刷する方式である。上記「画像」には、ベタ画像(印刷基材表面を覆い尽くすように印字率100%で印刷される画像)及び市松模様画像等のシームレス画像も含まれる。インクジェット印刷方式は、他のデジタル印刷方式と比べて、印刷装置のサイズ及びコスト、フルカラー化の容易性等の面で優れており、近年では産業印刷用途においても利用が進んでいる。
インクジェット印刷方式で使用されるインキは、油系、溶剤系、活性エネルギー線硬化系、水系など多岐に渡る。これまで、産業印刷用途では、溶剤系又は活性エネルギー線硬化系のインキが使用されてきた。しかし近年の、環境や人に対する有害性への配慮及び対応等の点から、水系のインキの需要が高まっている。
また近年では、インクジェット印刷方式に使用される水系のインキ(本明細書では、「水性インクジェットインキ」と称する。また以下では、単に「インキ」とも記載する)の展開先として、パッケージ(包装)市場を要望する声が高まっている。当該パッケージ市場では、紙器、ラベル、軟包装等が製造、販売及び使用される。また、パッケージ市場で印刷に使用される印刷基材として、コート紙及びアート紙のような低吸収性のもの、ならびに、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、及び、ナイロンフィルムのような、非吸収性のものが存在する。したがって、パッケージ市場に対して水性インクジェットインキの展開を進めるために、低吸収性の基材、及び、非吸収性の基材に対しても、印刷画質に優れ、更には実使用に耐えられる特性を有する印刷物を作製できる水性インクジェットインキが求められる。
それに対し、これまでに存在した代表的な水性インクジェットインキは、普通紙及び専用紙のような吸収性の高い基材に対して印刷を行うためのものであった。そのような水性インクジェットインキを、特に非吸収性の基材に用いた場合、当該水性インクジェットインキが基材内部に浸透吸収されることがない。そのため、基材上に着弾した、上記水性インクジェットインキの液滴の乾燥が不十分となり、当該液滴同士が引き合い合一する現象(ビーディング)が発生する。ビーディングが発生すると、ベタ埋まりの悪化(印字率100%の印刷物における、インキが乗らない箇所の発生)、濃度のムラ、混色滲み等が起こるため、印刷画質が著しく低下する。
上記ビーディングを抑制する方法として、水性インクジェットインキの表面張力を低下させる方法が知られている。また、上記表面張力を低下させる材料として、界面活性剤が使用されることが多い。特に、印刷基材上に着弾した直後の水性インクジェットインキの表面張力を、十分に低下した状態にするためには、上記界面活性剤として、分子量が小さく、かつ、液滴表面(界面)への配向速度が大きい化合物を選択することが好適である。しかしながら、このような界面活性剤を使用した場合、例えば、インクジェットヘッド中の、一時的に吐出動作が行われていないノズルにおいて、吐出口付近に存在する水性インクジェットインキ中の界面活性剤が、気液界面に急激かつ過度に配向することで、当該水性インクジェットインキが上記吐出口から外部に溢れ出てしまう現象が発生する恐れがある。このような現象は、吐出動作の再開直後において、ノズル抜けや飛翔偏向といった吐出不良(待機吐出性の悪化)を起こす要因になる。
また、分子量が小さく、かつ、液滴表面への配向速度が大きい界面活性剤は、一般に、水と相溶し難い。その結果、そのような界面活性剤を含む水性インクジェットインキが、印刷基材上で乾燥する過程において、液体成分の構成の変化に伴う上記界面活性剤の溶解度変化、及び、液体成分の総量(合計質量)に対する上記界面活性剤の量の(相対的な)増加により、上記界面活性剤分子同士が会合しやすくなる。そして、会合した界面活性剤は、印刷物におけるピンホールの原因となる恐れがある。上記ピンホールとは、印刷物において、インキが乗らなかった箇所が、点状の印刷基材の露出となって現れる現象である。
更に、層内部にインキ層が含まれる積層体を製造し、パウチ(袋)等のパッケージとして使用した際、上記インキ層の表面に存在する、及び/または、当該インキ層の表面にブリード(ある成分が、時間経過とともに層表面に滲み出す現象)してきた、低分子量かつ配向速度が大きい界面活性剤のマイグレーションの恐れがある。上記マイグレーションとは、低分子量かつ配向速度が大きい界面活性剤が上記積層体を構成する各層を通過し、当該積層体の表面にまで到達してしまう現象という。特に、内容物と接触する面において上記界面活性剤のマイグレーションが起こると、当該内容物の安全性に悪影響を与える恐れがある。そのため、例えば、食品包装用途あるいは化粧品包装用途で上記積層体を使用する場合、致命的な問題となる恐れがある。
以上のように、従来は、耐ブリード性、待機吐出性、耐ピンホール性、耐マイグレーション性の全てを同時に解消することは、極めて困難な状況であった。
界面活性剤の種類及び量を制御することで、低吸収性の基材又は非吸収性の基材に印刷した際のビーディングの抑制を図った例として、特許文献1には、特定の構造を有するシリコン系界面活性剤と、HLB値が6.0以上12.0未満であるノニオン性界面活性剤(例えば、BASF社製「Lutensol XL40」、クラリアント社製「GENAPOL EP2564」等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤)とを併用したインク組成物(のセット)が開示されている。また、特許文献2には、特定の構造を有し、実測により求めたHLB値が5.0~13.0であるポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤を含むインクが開示されている。更に、特許文献3には、シリコーン(シリコン)系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を、グリコールエーテル系有機溶剤と併用したインクが開示されている。一方、上記特許文献1~3において、具体的にビーディングの評価に使用されているのは、コート紙等の低吸収性の基材である。上述した通り、樹脂フィルム等の非吸収性の基材に水性インクジェットインキを印刷した場合、当該水性インクジェットインキが基材内部にまったく浸透しないため、低吸収性の基材に印刷した場合よりもビーディングが起きやすい。上記特許文献1~3に具体的に開示された水性インクジェットインキに関しても、非吸収性基材に印刷した際のビーディング改善の点では、十分とはいえないものであった。
また、特許文献4には、特定のアセチレングリコール(アセチレンジオール系界面活性剤)と、ノニオン系界面活性剤とを含み、各成分の配合量及び配合比を規定した水系インクを用いる、インクジェット記録方法が開示されている。特許文献4に具体的に開示された水系インクの主たる例では、上記アセチレングリコールとして、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールが使用され、また、上記ノニオン系界面活性剤として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキシド基の付加モル数12)等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤が使用されている。ここで、上記2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールは、上記「分子量が小さく、かつ、液滴表面(気液界面)への配向速度が大きい化合物」に相当するため、上記水系インクは、ビーディングの抑制の点では有効であると考えられる。その一方で、特許文献4において、特に耐ピンホール性に関しては十分に検討されているとはいえず、また、実際に上記水系インクの耐ピンホール性及び耐マイグレーション性は、印刷条件によっては良好といえるものではなかった。
特開2022-151398号公報 特開2021-147400号公報 特開2018-70730号公報 特開2014-139004号公報
本発明は、上述した課題を解決すべくなされたものであり、その主たる目的は、低吸収性の印刷基材に対して印刷した場合であっても、ビーディングやピンホールがなく、耐マイグレーション性にも優れる印刷物を得ることができ、待機吐出性も良好である、水性インクジェットインキを提供することにある。
本発明者らが鋭意検討を行った結果、下記構成を有する水性インクジェットインキによって、上述した課題の全てが、同時かつ高いレベルで解決できることを見出した。
すなわち、本発明の一実施形態は、顔料、バインダー樹脂、アセチレンジオール系界面活性剤(A)、及び、水溶性有機溶剤(B)を含有する水性インクジェットインキであって、
前記アセチレンジオール系界面活性剤(A)が、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)と、HLB値が6~12であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)とを含み、
前記無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の含有量が、前記水性インクジェットインキの全質量に対して2~600ppmであり、
前記水溶性有機溶剤(B)が、グリコールモノエーテル類(B1)を含み、
前記HLB値が6~12であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の含有量に対する、前記グリコールモノエーテル類(B1)の含有量の比(質量基準)が、0.5~50である、水性インクジェットインキに関する。
本発明の他の実施形態は、上記実施形態の水性インクジェットインキを、印刷基材に印刷してなる印刷物に関する。
本発明の実施形態によれば、低吸収性の印刷基材に対して印刷した場合であっても、ビーディングやピンホールがなく、耐マイグレーション性にも優れる印刷物を得ることができ、待機吐出性も良好である、水性インクジェットインキを提供できる。
以下に、本発明の実施形態として、水性インクジェットインキ(以下では、単に「本実施形態のインキ」とも記載する)、及び、当該水性インクジェットインキを印刷してなる印刷物について説明する。ただし、本発明の実施形態は、以下の説明内容に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で実施される各種の変形例も含む。
<水性インクジェットインキ>
一般に、水性インクジェットインキの主溶媒である水は、表面張力が高く、印刷基材に対して濡れ広がりにくい特性を有している。また、印刷基材に着弾した水性インクジェットインキの液滴が、表面張力が高く、かつ、未乾燥の状態で、隣接する未乾燥の液滴と接触すると、それぞれの液滴に対して、表面積を小さくする方向に力が働くため、当該液滴同士が引き合い、ビーディングが発生する。ビーディングが発生すると、濃度のムラ、混色滲み等が起こり、印刷物の品質が著しく低下する。
ビーディングを抑制する方法として、分子量が小さく、かつ、液滴表面(界面)への配向速度が大きい界面活性剤を使用することが好適である。しかしながら、そのような界面活性剤は、一般に水と相溶し難いため、種々の不具合が発生する恐れがある。
例えば上述したように、インクジェットヘッド中の、吐出口付近に存在する水性インクジェットインキにおいて、低分子量かつ配向速度が大きい界面活性剤が、気液界面に急激かつ過度に配向する結果、待機吐出性が悪化する恐れがある。また、水性インクジェットインキが印刷基材上で乾燥する過程において、上記低分子量かつ配向速度が大きい界面活性剤同士が会合する結果、印刷物においてピンホールが発生する可能性もある。更に、上記低分子量かつ配向速度が大きい界面活性剤は、乾燥後の水性インクジェットインキの層(インキ層)の表面に多く存在する。すると、上記界面活性剤が、インキ層を含む積層体の表面にブリードし、マイグレーションを起こす恐れもある。
一方で、待機吐出性の悪化、ピンホールの発生、及び、マイグレーションの発生を抑制するため、低分子量かつ配向速度が大きい界面活性剤の使用量を減らしてしまうと、今度は上述したビーディングの発生を抑制することができず、濃度のムラ、混色滲み等の発生につながってしまう。
以上のように、低分子量かつ配向速度が大きい界面活性剤は、ビーディングの抑制に有効である反面、待機吐出性、耐ピンホール性、耐マイグレーション性といった特性との間にトレードオフが発生してしまう。
そこで上記トレードオフを解決すべく、本発明者らが鋭意検討を続けた結果、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)と、特定のHLB値を有するアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)と、グリコールモノエーテル類(B1)とを併用し、更に、上記無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の配合量、ならびに、上記アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の配合量とグリコールモノエーテル類(B1)の配合量との比を規定することが有効であることを見出し、本発明に至った。上記構成の水性インクジェットインキによって、上述した課題が好適に解決できるメカニズムの詳細は不明であるものの、本発明者らは以下のように推測している。
まず、本実施形態のインキは、アセチレンジオール系界面活性剤を含む。一般に、アセチレンジオール系界面活性剤に含まれるアセチレン基では、結合の回転が起こらないため、分子構造が変形しにくく、少量の添加であっても、想定している通りの効果が発揮される。
また、本実施形態のインキは、アセチレンジオール系界面活性剤として、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)と、HLB値が6~12であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)とを含む。このうち無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)が、上述した「低分子量かつ配向速度が大きい界面活性剤」に相当する。上述した通り、低分子量かつ配向速度が大きい界面活性剤は、ピンホールやマイグレーションの発生に直接影響を及ぼす材料であるため、その量は少ないことが好ましい。そこで本実施形態のインキでは、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の含有量を、水性インクジェットインキの全質量を基準として2~600ppmの範囲に調整することが好ましい。なお、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)を全く使用しないと、後述する所作を施したとしても、印刷条件や使用する印刷基材によっては、ビーディングの発生を抑え切ることができない。また、含まれるとはいっても、本実施形態のインキに含まれる無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の含有量は、水性インクジェットインキの全質量に対して2~600ppmという非常に少ない量であるため、やはり、印刷条件等によってはビーディングが発生する恐れがある。その一方で、界面への急激な配向や乾燥時の会合は、少量であっても発生し得るため、待機吐出性の悪化、及び、ピンホールの発生のリスクは残存したままとなっている。
そこで、本実施形態のインキでは、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)とともに、HLB値が6~12であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)と、グリコールモノエーテル類(B1)とを使用する。上記アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)、及び、上記グリコールモノエーテル類(B1)は、ともに無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)を乳化及び相溶化させることができる。また、アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)及びグリコールモノエーテル類(B1)は、ともに、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)よりも親水性が高い。その結果、これらの成分によって無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)を、水性インクジェットインキの主成分である水に好適に親和させることが容易となる。そして、印刷基材上で乾燥する過程においても、界面活性剤同士が互いに会合しにくくなり、印刷物におけるピンホールを抑制することが可能となる。また、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)を含むこれらの界面活性剤が、界面に急激かつ過度に配向することがないため、待機吐出性が向上する。
一方で、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の乳化及び相溶化により、配合量が少ない当該無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の配向が更に抑制されることになるため、ビーディングが発生しやすくなってしまうというリスクが考えられる。しかしながら、アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)自身も界面活性剤であり、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)ほど高速ではないものの界面への配向が起こること、及び、グリコールモノエーテル類(B1)は水溶性有機溶剤としては表面張力が小さく、印刷基材上において水性インクジェットインキの表面張力の低下に寄与することから、ビーディングを抑制することができると考えられる。
更に、本発明者らが検討したところでは、アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の配合量と、グリコールモノエーテル類(B1)の配合量との比を調整することで、ビーディング抑制性、耐ピンホール性、及び、待機吐出性の全てが、同時に向上することを見出した。
具体的には、本実施形態のインキでは、アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の配合量に対する、グリコールモノエーテル類(B1)の配合量の比(質量基準)を、0.5~50としている。一定量のグリコールモノエーテル類(B1)の存在により、水性インクジェットインキの全体に渡って、均一に表面張力が低下し、ビーディング及びピンホールが好適に抑制できると考えられる。また、詳細な原理は不明ながら、インクジェットヘッドの吐出口付近に存在する水性インクジェットインキにおいて、界面活性剤の、急激かつ過度な気液界面への配向が好適に抑制されるため、当該水性インクジェットインキの待機吐出性も良化する。
以上のように、本実施形態の構成を有する水性インクジェットインキによれば、上述した課題を同時、かつ、高いレベルで解決することが可能である。
本実施形態のインキは、上述したアセチレンジオール系界面活性剤に加えて、更に、アセチレンジオール系界面活性剤以外のノニオン性界面活性剤(C)を使用することができる。一般にアセチレンジオール系界面活性剤以外のノニオン性界面活性剤(C)は、アセチレンジオール系界面活性剤(A)が主として機能する時間領域よりも後の時間領域で有効に機能すると考えられる。この時間領域での挙動は、主に濡れ広がり性や画像濃度の向上に影響することから、ノニオン性界面活性剤(C)の併用により、ビーディング及びピンホールのない印刷物を得ることが容易になる。また、インクジェットヘッドの吐出口付近に存在する水性インクジェットインキでは、ノニオン性界面活性剤(C)が、気液界面への急激かつ過度な配向に寄与しにくいため、待機吐出性の悪化も抑制できると考えられる。更に、ノニオン性界面活性剤(C)と、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)及びアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)との間に、相互作用が働くことで、これらの界面活性剤がひとまとまりとなって振る舞うことができると考えられる。その結果、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)が比較的大量に配合されたとしても、印刷後に当該無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)が積層体表面にブリードすることを防止でき、マイグレーションの向上にもつながると考えられる。
なお、上記特許文献1~3に具体的に開示された水性インクジェットインキは、アセチレンジオール系界面活性剤を全く含まない点で、本実施形態のインキと相違する(特許文献1の具体例では、グリコールモノエーテル類(B1)も使用されていない)。また、上記特許文献4に具体的に開示された水性インクジェットインキは、グリコールモノエーテル類(B1)が含まれておらず、更に、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)(特許文献4の実施例における「(A)成分」)の含有量が600ppmを大幅に上回る点、または、上記無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)を全く含まない点でも、本実施形態のインキと相違している。
続いて以下に、本実施形態のインキを構成する、主要成分について述べる。
<無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)>
上述した通り、無変性アセチレングリコール系界面活性剤(A1)は、「低分子量かつ配向速度が大きい界面活性剤」に相当するものであり、印刷条件等によらずビーディングを抑制するために必要な材料である。
本実施形態のインキにおいて、無変性アセチレングリコール系界面活性剤(A1)の含有量は、インキの全質量に対して2ppm以上、3ppm以上、5ppm以上、6ppm以上、10ppm以上、15ppm以上、または20ppm以上の範囲であってよい。また、無変性アセチレングリコール系界面活性剤(A1)の含有量は、600ppm以下、450ppm以下、400ppm以下、200ppm以下、100ppm以下、65ppm以下、45ppm以下、30ppm以下、または25ppm以下の範囲であってよい。
いくつかの実施形態において、無変性アセチレングリコール系界面活性剤(A1)は、インキの全質量に対して2~600ppm含まれる。いくつかの実施形態において、上記無変性アセチレングリコール系界面活性剤(A1)の含有量は、好ましくは2~400ppmであってよく、好ましくは3~400ppmであり、より好ましくは5~200ppmである。無変性アセチレングリコール系界面活性剤(A1)を上記の範囲で使用し、更に後述する界面活性剤やグリコールモノエーテル類(B1)と併用することで、ビーディングの更なる抑制、待機吐出性及び耐ピンホール性の良化が可能となる。また、無変性アセチレングリコール系界面活性剤(A1)は、そもそもの配合量が少ないこともあり、印刷物におけるマイグレーションの発生も容易に抑制できる。更に、一実施形態において、上記無変性アセチレングリコール系界面活性剤(A1)の含有量を、6~45ppmにした場合、ビーディング抑制性、耐ピンホール性、及び耐マイグレーション性の両立が一層容易となる。
本実施形態において使用できる無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の具体例として、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、2,5,8,11-テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール、ヘキサデカ-8-イン-7,10-ジオール、4,7-ジプロピル-デカ-5-イン-4,7-ジオール、6,9-ジメチル-テトラデカ-7-イン-6,9-ジオール、3,6-ジイソプロピル-2,7-ジメチルオクタ-4-イン-3,6-ジオール、オクタデカ-9-イン-8,11-ジオール、7,10-ジメチルヘキサデカ-8-イン-7,10-ジオール、5,8-ジブチルドデカ-6-イン-5,8-ジオール、4,7-ジイソブチル-2,9-ジメチル-デカ-5-イン-4,7-ジオール、5,14-ジエチル-8,11-ジメチルオクタデカ-9-イン-8,11-ジオール等を挙げることができる。なかでも、本実施形態のインキに含まれる他の材料との相溶性の観点から、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、及び/または、2,5,8,11-テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオールを用いることが好ましい。なお、上記の化合物は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また上記の化合物は、従来既知の方法により合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品の例として、エボニック社製のサーフィノール104、サーフィノールDF110D、サーフィノール82、川研ファインケミカル社製のアセチレノールE00等が挙げられる。
<アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)>
本実施形態のインキでは、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)とともに、アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)を使用する。上述した通り、アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)は、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)を乳化及び相溶化させるとともに、自身も界面活性能を発現する。このことにより、ビーディングがなく、耐ピンホール性にも優れた印刷物を製造することができ、更には待機吐出性にも優れたインキを得ることができる。この観点から、アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)のHLB値は6~12であり、好ましくは7~11.5であり、更に好ましくは7~11である。
HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)値とは、材料の親水性の程度を表すパラメータの一つである。HLB値は小さいほど材料の疎水性が高く、大きいほど材料の親水性が高い。HLB値の求め方として、実験により実測する方法、及び、分子構造から計算する方法が知られており、当該分子構造から計算する方法として、グリフィン法、デイビス法、川上法等がある。本明細書では後述するシリコン系界面活性剤の場合を除き、HLB値として、グリフィン法を用いて算出された値を用いる。
グリフィン法は、一般に非イオン性の材料に対して用いられる方法であり、対象の材料の分子量を用いて、下記式(1)によって求められる。

式(1):
HLB値=20×(親水性部分の分子量の総和)÷(材料の分子量)
一方、後述するシリコン系界面活性剤の場合、一般には多くの化合物を含む混合物であることから、HLB値として、「界面活性剤便覧」(西一郎ら編、産業図書株式会社、1960年)の324ページに記載されている方法により実測される値を用いる。
具体的な実測方法を説明すると、対象となる材料0.5gをエタノール5mLに溶解させたのち、溶液を攪拌しながら、2質量%フェノール水溶液を使用して、25℃環境下で滴定する。そして、上記溶液が混濁したところを終点とし、当該終点までに滴下したフェノール水溶液の量(A(mL)とする)を使用して、下記式(2)によってHLB値を算出する。

式(2):
HLB値=0.89×A+1.11
HLB値が6~12であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の添加量は、本実施形態のインキの全質量に対して、0.1~5質量%であることが好ましい。また、待機吐出性の向上、ならびに、印刷物におけるビーディング及びピンホール抑制の観点から、上記添加量は、より好ましくは0.3~2.5質量%であり、更に好ましくは0.5~2.0質量%である。また、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の含有量を1としたときの、アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の含有量は、質量基準で10~5000であることが好ましく、より好ましくは20~5000であり、更に好ましくは50~2000であり、特に好ましくは100~1000である。上記(A2)の含有量を上記範囲に調整した場合、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)との間に好適な乳化状態が形成されるとともに、界面活性剤としての機能が好適に発現することで、待機吐出性が向上し、更には、印刷物におけるビーディングやピンホールを容易に防止できる。また、べた埋まり性の向上及びピンホールの防止が、好適かつ容易に実現できるという観点から、上記アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の含有量は、160~800であることが極めて好ましい。
上記アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の具体例として、下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。

一般式(3):
一般式(3)中、R1及びR2は、それぞれ、分岐を有していてもよい、炭素数1~5のアルキル基を表し、EOはエチレンオキシド基を表し、POはプロピレンオキシド基を表す。また、m1、m2、n1、n2は、それぞれ、0~30の整数を表し、m1+n1+m2+n2は、1~120の整数である。ただし、[ ]内のエチレンオキシド基及びプロピレンオキシド基の付加様式は、ブロックでもランダムでもよい。
上記一般式(3)で表される構造を有するアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の分子量は、300~1,200であることが好ましく、350~900であることがより好ましく、400~700であることが更に好ましい。分子量が上記範囲であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)は、好適な速度で気液界面に配向するため、ビーディングの抑制が容易となる。なお、上記アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の分子量とは式量を指し、計算により求めることができる。
上記一般式(3)で示したアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤は、従来既知の方法により合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。一般式(3)で表される化合物の市販品の例として、エボニック社製のサーフィノール440、サーフィノール2502、ダイノール604、ダイノール607;日信化学工業社製のオルフィンE1004;川研ファインケミカル社製のアセチレノールE40、アセチレノールE60等が挙げられる。
<その他アセチレンジオール系界面活性剤>
本実施形態のインキは、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)及びアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)以外のアセチレンジオール系界面活性剤(本明細書では、単に「その他アセチレンジオール系界面活性剤」とも記載する)を含むことができる。その他アセチレンジオール系界面活性剤の例として、HLB値が6未満であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤、HLB値が12超であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤等が挙げられる。また市販品の例として、エボニック社製のサーフィノール420、サーフィノール465、サーフィノール485;日信化学工業社製のオルフィンE1010;川研ファインケミカル社製のアセチレノールE13T、アセチレノールE100、アセチレノールE200等が挙げられる。これらの中でも、水、アセチレンジオール系界面活性剤(A)、グリコールモノエーテル類(B1)といった、本実施形態のインキに必須となる材料の相溶性を向上させることができ、ビーディング抑制、待機吐出性の更なる向上が実現できる観点、及び、ゆっくりかつ緩やかに界面に配向することで耐ピンホール性が向上できる観点から、HLB値が14以上であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤が好適に使用できる。
いくつかの実施形態において、アセチレンジオール系界面活性剤(A)のHLB値の加重平均値は、6.0~13.0であることが好ましく、6.5~12.0であることがより好ましく、6.8~11.8であることが特に好ましい。HLB値の加重平均値が上記範囲内となるように、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)、及びアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)(更に必要に応じて、その他アセチレンジオール系界面活性剤)を組み合わせて使用することで、これらのアセチレンジオール系界面活性剤が好適に乳化及び相溶化するため、印刷物におけるピンホールの抑制、及び、待機吐出性の向上が容易となる。また、これらのアセチレンジオール系界面活性剤の界面への配向速度が好適な状態となるため、印刷物におけるべた埋まりも良化する。
HLB値の加重平均値とは、対象となる化合物の含有量に応じた重みづけを行って算出される、HLB値の平均値である。例えば、インキが3種のアセチレンジオール系界面活性剤を含み、当該3種のアセチレンジオール系界面活性剤のHLB値が、それぞれA、B、Cであり、当該3種のアセチレンジオール系界面活性剤の、上記インキの全質量に対する含有量が、それぞれP(質量%)、Q(質量%)、R(質量%)であるとき、上記インキにおける、アセチレンジオール系界面活性剤(A)のHLB値の加重平均値の算出式は、(A×P+B×Q+C×R)÷(P+Q+R)となる。
<水溶性有機溶剤(B)>
本実施形態のインキは、水溶性有機溶剤(B)を含む。また当該水溶性有機溶剤(B)として、少なくともグリコールモノエーテル類(B1)を使用する。上述した通り、グリコールモノエーテル類(B1)は、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)を乳化及び相溶化させることができるため、本実施形態のインキによれば待機吐出性が向上する。また、印刷基材上において水性インクジェットインキの表面張力の低下に寄与し、ビーディングの抑制が容易となる。
本明細書において「水溶性有機溶剤」とは、25℃の水に対する溶解度が1質量%以上であり、かつ、25℃において液体であるものを指す。
(グリコールモノエーテル類(B1))
上記グリコールモノエーテル類(B1)の具体例として、下記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。

一般式(4):
3-O-(AO)u-H
上記一般式(4)において、R3は、分岐があってもよい炭素数1~4の鎖状アルキル基を表し、AOはエチレンオキシド基及び/またはプロピレンオキシド基を表し、uは1~3の整数を表す。
上記一般式(4)で表される化合物を具体的に例示すると、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ(n/iso)プロピルエーテル、エチレングリコールモノ(n/iso)ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ(n/iso)プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ(n/iso/tert)ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ(n/iso)プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ(n/iso/tert)ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ(n/iso)プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ(n/iso/tert)ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ(n/iso/tert)ブチルエーテル等が挙げられる。特に、水に対する親和性が良好であり、更に上述した効果が好適に発現することで、耐ピンホール性、及び、ビーディング抑制性が向上する観点から、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ(n/iso)プロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ(n/iso)プロピルエーテル、ならびに、ジプロピレングリコールモノ(n/iso)プロピルエーテルからなる群から選択される1種以上の化合物が好適に使用できる。
なお、上記「(n/iso)」とは、ノルマル体及び/またはイソ体を表し、「(n/iso/tert)」とは、ノルマル体、イソ体、及び、ターシャリー体からなる群から選択される1種以上を表す。
これらの中でも、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)を乳化及び相溶化する能力に優れ、表面張力の小ささと1気圧下における沸点の低さとのバランスが良好であり、更には親水性も高いため、ビーディング抑制、待機吐出性の良化、耐ピンホール性の向上が同時に実現できるという点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ(n/iso)プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ(n/iso)プロピルエーテル、及び、ジプロピレングリコールモノ(n/iso)プロピルエーテルからなる群から選択される1種以上の化合物が特に好適に使用できる。
なお、上記グリコールモノエーテル類(B1)は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
待機吐出性、ビーディング抑制性、及び、耐ピンホール性の全てが向上するという観点、更には、非吸収性基材上での水性インクジェットインキの乾燥性が向上する観点から、グリコールモノエーテル類(B1)の含有量は、本実施形態のインキの全質量に対して0.5~20質量%であることが好ましく、より好ましくは1~15質量%であり、更に好ましくは2~10質量%である。
また、本実施形態のインキでは、アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の配合量に対する、グリコールモノエーテル類(B1)の配合量の比(質量基準)が、0.5~50である。当該比は、好ましくは1.5~35であり、より好ましくは3~25である。このように、両者の配合比を規定することで、水性インクジェットインキの全体に渡って、均一に表面張力が低下し、ビーディング及びピンホールが好適に抑制できると考えられる。また、当該水性インクジェットインキの待機吐出性も良化する。
更に、本実施形態において、アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の含有量と、前記グリコールモノエーテル類(B1)の含有量との総和は、前記水性インクジェットインキの全質量に対して2~20質量%であることが好ましく、より好ましくは3~15質量%であり、より好ましくは4~12質量%である。両者の配合量の比を上述した範囲内に抑えながら、配合量の総和を上記範囲内とすることで、ビーディングを抑制しながら、待機吐出性及び耐ピンホール性を向上させることが可能となる。
(その他水溶性有機溶剤)
本実施形態のインキは、水溶性有機溶剤(B)として、グリコールモノエーテル類(B1)以外の水溶性有機溶剤(本明細書では「その他水溶性有機溶剤」とも記載する)が含まれていてもよい。
上記その他水溶性有機溶剤として、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、イソペンタノール、ジメチルブタノール等の炭素数1~6の1価アルコール類;
1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、イソプレングリコール(3-メチル-1,3-ブタンジオール)、1,2-ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール(2-メチル-2,4-ペンタンジオール)等の炭素数2~6のアルカンジオール類;
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;
3-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール等のメトキシブタノール類;
2-ピロリドン、N-メチルピロリドン、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド等の含窒素溶剤;
γ-ブチロラクトン、ε-カプロラクトン等のラクトン系溶剤;等が使用できる。上記列挙した化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態のインキがその他水溶性有機溶剤を含む場合、上記その他水溶性有機溶剤として、上述した炭素数2~6のアルカンジオール類を使用することが好ましい。炭素数2~6のアルカンジオール類を使用した場合、水、アセチレンジオール系界面活性剤(A)、グリコールモノエーテル類(B1)といった、インキの主要成分の相溶性を向上させることができる。また、ビーディング抑制、待機吐出性の更なる向上が実現できる。
炭素数2~6のアルカンジオール類のなかでも、上述した効果が特段に発現し、ビーディング及び待機吐出性が向上する観点から、1-ヒドロキシエチル基(CH3-CH(OH)-)を有している、炭素数2~6のアルカンジオール類を特に好ましく使用できる。1-ヒドロキシエチル基を有している、炭素数2~6のアルカンジオール類として、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2,4-ペンタンジオール、ヘキシレングリコール(2-メチル-2,4-ペンタンジオール)が挙げられる。これらの化合物の中でも、アセチレンジオール系界面活性剤(A)、及び、グリコールモノエーテル類(B1)との相溶性に優れ、ビーディング抑制性が高い観点から、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、及び、ヘキシレングリコールからなる群から選択される1種以上の化合物が好適に使用できる。いくつかの実施形態において、1,3-ブタンジオール、及び/または、ヘキシレングリコールを使用することが特に好適である。
その他水溶性有機溶剤として、炭素数2~6のアルカンジオール類を使用する場合、その含有量は、本実施形態のインキの全質量に対して1~40質量%であることが好ましく、より好ましくは5~35質量%であり、更に好ましくは10~30質量%であってよい。炭素数2~6のアルカンジオール類の含有量を10質量%以上とすることで、上述したアセチレンジオール系界面活性剤(A)の効果を十分引き出すことができ、ビーディングの抑制が容易となるとともに、インクジェットヘッド上での保湿性が向上し、待機吐出性を良化することができる。
非吸収性基材上においても優れた乾燥性を有しながら、ビーディング抑制性、待機吐出性、及び、耐ピンホール性にも優れた水性インクジェットインキが得られる点から、当該水性インクジェットインキ中に含まれる、沸点が235℃以上である水溶性有機溶剤の量は、5質量%以下(0~5質量%)であることが好ましく、より好ましくは2質量%以下(0~2質量%)であってよい。また、いくつかの実施形態では、沸点が235℃以上である水溶性有機溶剤の量は2質量%以下(0~2質量%)であり、かつ、沸点が210℃以上である水溶性有機溶剤の量が5質量%(0~5質量%)であることが更に好ましい。特に好ましくは、沸点が235℃以上である水溶性有機溶剤の量が1質量%以下(0~1質量%)であり、かつ、沸点が210℃以上である水溶性有機溶剤の量が2質量%以下(0~2質量%)である。
なお、本明細書における「沸点」とは、1気圧下における値であり、例えば熱分析装置を用い測定することができる。また、「含有量(配合量)が0質量%である」という記載は、対象となる化合物が含まれていないことを表す。
本実施形態の水性インクジェットインキに含まれる水溶性有機溶剤の含有量の総量は、上記水性インクジェットインキの全質量に対して5~40質量%であることが好ましい。なかでも、非吸収性基材上であっても十分な乾燥性が確保できながら、ビーディング抑制性、待機吐出性、及び、耐ピンホール性にも優れた水性インクジェットインキが得られる観点から、含有量の総量が10~35質量%であることがより好ましい。
<ノニオン性界面活性剤(C)>
上述した通り、本実施形態では、アセチレンジオール系界面活性剤(A)に加え、アセチレンジオール系界面活性剤以外のノニオン性界面活性剤(C)を併用することができる。ノニオン性界面活性剤(C)を使用することで、アセチレンジオール系界面活性剤(A)との間に相互作用が働き、上記ノニオン性界面活性剤(C)及びアセチレンジオール系界面活性剤(A)が、ひとまとまりの界面活性剤のように振る舞うと考えられる。その結果、待機吐出性の更なる向上、ならびに、印刷物におけるピンホール及びマイグレーションの防止が可能となる。また、ノニオン性界面活性剤(C)は、アセチレンジオール系界面活性剤(A)と比較して気液界面に徐々に配向するため、印刷基材上でのインキの液滴の濡れ広がりを促進することができ、また、均一に上記インキの液滴を濡れ広げることが可能となるため、ビーディングがない印刷物を得ることが容易となる。
上記ノニオン性界面活性剤(C)のHLB値は、6~14であることが好ましく、より好ましくは8~11である。HLB値が上記範囲であれば、特にアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)との間に強い相互作用が働き、待機吐出性が向上するうえ、ピンホール及びマイグレーションが発生しない印刷物が得られる。
本実施形態のインキがノニオン性界面活性剤(C)を含む場合、当該ノニオン性界面活性剤(C)のHLB値(の加重平均値)で、アセチレンジオール系界面活性剤(A)のHLB値の加重平均値を除した値は、0.5~1.8であることが好ましく、より好ましくは0.7~1.3である。アセチレンジオール系界面活性剤(A)のHLB値の加重平均値を、ノニオン性界面活性剤(C)のHLB値(の加重平均値)で除した値が上記範囲内であると、べた埋まり、待機吐出性、耐ピンホール性、及び耐マイグレーション性が全て良好なものとなる。
なお、上記「ノニオン性界面活性剤(C)のHLB値(の加重平均値)」という記載は、インキ中に含まれるノニオン性界面活性剤(C)が1種の場合は、当該ノニオン性界面活性剤(C)のHLB値を使用することを表す。また、上記インキ中に含まれるノニオン性界面活性剤(C)が2種以上である場合は、上述した方法によって算出される、ノニオン性界面活性剤(C)のHLB値の加重平均値を使用することを表す。
上記ノニオン性界面活性剤(C)の含有量は、インキの全質量に対して0.1~5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.3~2.5質量%、更に好ましくは0.5~2.0質量%である。
更に、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の含有量とアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の含有量との総量に対する、上記ノニオン性界面活性剤(C)の含有量の質量比は、0.3~2.0であることが好ましく、より好ましくは0.5~1.5である。上記質量比は、より具体的には、「ノニオン性界面活性剤(C)の含有量/{無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の含有量+アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の含有量}」で表される値である。
ノニオン性界面活性剤(C)の含有量、及び、上記含有量の質量比が上記範囲にあることで、界面活性剤同士がひとまとまりの界面活性剤として機能しやすくなるため、待機吐出性が良好となるうえ、ピンホール及びマイグレーションが発生しない印刷物が得られやすくなる。
上記ノニオン性界面活性剤(C)は従来既知の方法により合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。また、ノニオン性界面活性剤(C)として使用できる界面活性剤として、例えば、アセチレンモノオール系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤、ポリオキシアルキレンアリールエーテル系界面活性剤、ポリアルキレングリコールアルキラート系界面活性剤等が挙げられる。これらの化合物は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なかでも、本実施形態のインキは、ノニオン性界面活性剤(C)として、シリコン系界面活性剤、及び/またはポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤を含むことが特に好ましい。これらの界面活性剤の少なくとも一方を使用した場合、アセチレングリコール系界面活性剤(A)と相互作用しやすく、上述した、待機吐出性の向上、ならびに、ピンホール及びマイグレーションの防止が容易となる。更には、インキ層の表面エネルギーが低下しブロッキングの低減も可能になる。
本実施形態において好適に用いられるシリコン系界面活性剤は、下記一般式(5)で表される化合物である。

一般式(5):
一般式(5)中、pは0以上の整数であり、qは1以上の整数である。またR4は炭素数1~6のアルキル基、または、下記一般式(6)で示される構造であり、R5はメチル基、または、下記一般式(6)で示される構造である。ただし、R5がメチル基の場合、pは0である。

一般式(6):
一般式(6)中、rは1~6の整数、sは0~50の整数、tは0~50の整数である。ただし、s+tは1以上である。また、R6は水素原子、炭素数1~6のアルキル基、(メタ)アクリロイル基、または、2-ヒドロキシ-3-((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル基である。なお、[ ]内のエチレンオキシド基及びプロピレンオキシド基の付加様式は、ブロックでもランダムでもよい。
上記シリコン系界面活性剤は、従来既知の方法により合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品の例として、東レ・ダウコーニング社製のSF8428、FZ-2162、8032ADDITIVE、SH3749、FZ-77、L-7001、L-7002、FZ-2104、FZ-2110、F-2123、SH8400、SH3773M;ビックケミー社製のBYK-345、BYK-346、BYK-347、BYK-348、BYK-349、BYK-3420;エボニック社製のTEGO Wet250、TEGO Wet260、TEGO Wet270、TEGO Wet280、TEGO Glide100、TEGO Glide410、TEGO Glide432、TEGO Glide435、TEGO Glide440、TEGO Glide450、TEGO Rad2200、TEGO Rad2250、TEGO Rad2300、TEGO Twin 4000、TEGO Twin 4100、TEGO Twin 4200;信越化学工業社製のKF-351A、KF-352A、KF-353、KF-354L、KF-355A、KF-615A、KF-640、KF-642、KF-643;日信化学工業社のシルフェイスSAGシリーズ等が挙げられる。これらの市販品は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ノニオン性界面活性剤(C)が、アセチレンジオール系界面活性剤(A)とひとまとまりの界面活性剤のように振る舞うためには、当該アセチレンジオール系界面活性剤(A)との間に相互作用が発生することが好ましい。一方で、待機吐出性の更なる向上、及び、印刷物におけるピンホールの抑制の観点からは、上記アセチレンジオール系界面活性剤(A)とノニオン性界面活性剤(C)とが、ある程度は相溶化することが好適である。以上の観点、すなわち、待機吐出性の向上、ならびに、ピンホール及びマイグレーションの防止が容易となる観点から、ノニオン性界面活性剤(C)として、2種以上のシリコン系界面活性剤を併用することが好ましい。また、上記2種以上のシリコン系界面活性剤のHLB値の差が2以上となるように、組み合わせて使用することが特に好ましい。
一方、本実施形態では、ノニオン性界面活性剤(C)として、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤を使用することも好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤は、水及びアセチレンジオール系界面活性剤との相溶性がよく、これらの材料に影響を与えることなく、ビーディング及びピンホールの抑制等が可能である。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤としては、例えば、下記一般式(7)で表される化合物が使用できる。

一般式(7):
7-O-(EO)v-H
上記一般式(7)において、R7は、分岐があってもよい炭素数6~22の鎖状アルキル基、分岐構造を有してもよい鎖状アルケニル基、1個以上のアルキル基が付加していてもよい脂環式アルキル基、及び、1個以上のアルキル基が付加していてもよい芳香族基からなる群から選択されるいずれか1種を表し、EOはエチレンオキシド基を表し、vは2~100の整数を表す。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤の市販品の例として、
エマルゲン 104P、105、106,108、109P、120、123P、150、210、220、306P、320P、350等のエマルゲンシリーズ(花王社製)、
ブラウノン EL-1502.2、1505、1507、1509、1515、1521、1530、1540P、CH-302L、305、310L、315L、320L、325L、330L,340、SR-702L、705、707、711、715、720、730、750F、BE-5、10、20、30、BN-3等のブラウノンシリーズ(青木油脂工業社製)、
ノニオン K-204、220、230、2100W、P-208、210、213、E-202、205、212,215,230、S-202、207、215、220、EH-204、208、ID-203、206、209等のノニオンシリーズ(日油社製)、
Lutensol XL40、50、60、70、80、90、XP30、40、50、60、70、80、90、100等のLutensolシリーズ(BASF社製)、
ニューコール2302、2303、2305、2308、2310、2320、2360等のニューコールシリーズ(日本乳化剤社製)、
エマルミン LS-80、LS-90、NL-70、NL-80、NL-90、NL-100、NL-110、サンノニックSS-30、SS-50、SS-70、SS-90、SS-120(三洋化成工業社製)、
アデカトールLA-675B、LA-775、LA-875、LA-975、LA-1275、SO-80,SO-105、SO-120、SO-135、SO-145、SO-160(ADEKA社製)等が挙げられる。
また、上述した市販品以外にも、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノヘキシルエーテル等も使用可能である。上記列挙した製品は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。更に、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤は、従来既知の合成方法により合成したものを用いてもよい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤の場合も、上述したシリコン系界面活性剤の場合と同様に、待機吐出性の向上、ならびに、ピンホール及びマイグレーションの防止が容易となる点から、2種以上のポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤を併用し、かつ、当該2種以上のポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤のHLB値の差が2以上となるように、組み合わせて使用することが好ましい。
また、同様の理由、すなわち、待機吐出性の向上、ならびに、ピンホール及びマイグレーションの防止が容易となる点から、本実施形態のインキでは、シリコン系界面活性剤とポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤とを併用し、かつ、上記シリコン系界面活性剤のHLB値と上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤のHLB値との差が2以上であることも好適である。
<その他界面活性剤>
更に本実施形態の水性インクジェットインキには、上述した界面活性剤以外の界面活性剤が含まれてもよく、例えば、イオン性(アニオン性またはカチオン性)界面活性剤、両性界面活性剤等が使用できる。
<バインダー樹脂>
本実施形態のインキでは、印刷物の耐擦過性、及び、耐マイグレーション性を特段に向上させることができる点から、バインダー樹脂を使用してもよい。
一般に、水性インクジェットインキに使用されるバインダー樹脂として、水溶性樹脂、ならびに、それぞれ非水溶性樹脂の一種である、ハイドロゾル及びエマルジョンが知られている。ここで「水溶性樹脂」とは、対象となる顔料分散樹脂の1質量%水混合液が、25℃条件下において、肉眼で見て透明であるものを指す。また「ハイドロゾル」とは、「非水溶性樹脂」(水溶性樹脂ではない樹脂)のうち、樹脂構造中に酸性及び/または塩基性の官能基が存在し、界面活性剤やポリマー等の乳化剤を使用することなく、分散媒中に分散させた形態を指す。一方「エマルジョン」とは、上記乳化剤を樹脂表面に吸着及び/または結合させることで、強制的に分散媒中に分散させた形態を指す。本明細書では、上記ハイドロゾル及び上記エマルジョンを総称して、「樹脂微粒子」とも記載する。
(水溶性樹脂)
いくつかの実施形態において、インキを構成するために、バインダー樹脂として水溶性樹脂及び/またはハイドロゾルを使用することが好ましい。これらの樹脂は、乳化剤を使用せずとも水性媒体(少なくとも水を含む液体からなる媒体)と親和し、また、上記樹脂の少なくとも一部が、上記水性媒体に対して膨潤及び/または溶解する。そのため、インクジェットヘッドのノズル近傍において、上記樹脂の析出等による目詰まりが起きにくく、待機吐出性に優れるインキを容易に提供できる。またこれらの樹脂は、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の相溶化剤として機能し得るため、印刷物におけるピンホールの発生も抑制できる。
水溶性樹脂及びハイドロゾルとして使用できる樹脂の種類として、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂が挙げられる。なかでも、インキの保存安定性及び待機吐出性、ならびに、印刷物の耐擦過性の面も考慮すると、アクリル系樹脂が好ましく使用される。
なお、本明細書における「アクリル系樹脂」とは、重合性単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及び、メタクリル酸エステルからなる群から選択される1種以上を用いた樹脂(更にスチレン系単量体を用いてもよい)を表す。
本実施形態では、水溶性樹脂として、従来既知の方法によって合成した樹脂を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。その構成についても特に制限はなく、例えばランダム構造、ブロック構造、櫛形構造、星型構造等を有する樹脂を任意に用いることができる。
バインダー樹脂として水溶性樹脂を使用する場合、水溶性樹脂の重量平均分子量は、5,000以上50,000以下の範囲内であることが好ましく、10,000以上40,000以下の範囲内であることがより好ましい。水溶性樹脂の重量平均分子量が5,000以上である場合、印刷物の耐擦過性が良化するとともに、ビーディングの抑制も容易となる。また、水溶性樹脂の重量平均分子量が50,000以下である場合、インクジェットヘッドからの待機吐出性が良好なインキが容易に得られる。
なお、樹脂の重量平均分子量は常法によって測定することができる。例えば、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC-8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量として測定される値である。
水溶性樹脂を選択する際には酸価も重要である。バインダー樹脂として水溶性樹脂を使用する場合、その酸価が5~80mgKOH/gであることが好ましく、15~50mgKOH/gであることがより好ましい。酸価を5mgKOH/g以上とすることで、仮にインクジェットヘッドのノズル近傍で、樹脂が固化してしまった後でも、再度インキ中に溶解させることが可能となるため、当該ノズルの目詰まりが抑制されやすく、待機吐出性が向上する。また酸価が80mgKOH/g以下であれば、耐水性及び耐擦過性に優れた印刷物が得られるうえ、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の相溶化剤として機能しやすくなるため、ピンホールのない印刷物を得ることが容易となる。
「樹脂の酸価」とは、当該樹脂1g中に含まれる酸基を中和するのに必要な水酸化カリウム(KOH)のmg数である。本明細書では、酸価として、以下方法により算出される値を使用する。例えば、樹脂が、1分子中にva価の酸基をna個有し、分子量がMaである重合性単量体を、当該樹脂を構成する重合性単量体中Wa質量%含む場合、その酸価(mgKOH/g)は、下記式(8)によって求められる。

式(8):
(酸価)={(va×na×Wa)÷(100×Ma)}×56.11×1000
上記式(8)において、数値「56.11」は、水酸化カリウムの分子量である。
本実施形態のインキにおいて、水溶性樹脂の含有量は、インキの全質量に対して0.5~10質量%であることが好ましく、より好ましくは1~8質量%、更に好ましくは2~6質量%である。水溶性樹脂の含有量が0.5質量%以上であれば、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)を十分に相溶化させることができ、インキの保存安定性が向上するうえ、印刷物におけるピンホールも抑制できる。また水溶性樹脂の含有量が10質量%以下であれば、インキの粘度を好適な範囲内に抑えることができるとともに、待機吐出性に優れたインキを容易に得ることができる。
(樹脂微粒子)
一方、一般に、ハイドロゾルやエマルジョンといった樹脂微粒子は、水溶性樹脂と比較して高分子量である。また、同量の樹脂を配合した場合、樹脂微粒子は、水溶性樹脂の場合と比べて、インキの粘度を低くすることができる。したがって、樹脂微粒子を使用することで、より多量の樹脂をインキ中に含有することができ、印刷物の耐擦過性、耐ブロッキング性、及び、耐マイグレーション性を高めることが容易となる。
樹脂微粒子として使用される樹脂のうち、エマルジョンとして使用できる樹脂の種類として、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。なかでも、インキの保存安定性の維持、ならびに、印刷物の耐擦過性及び耐ブロッキング性の向上が容易であるという点を考慮すると、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、及び、ポリオレフィン系からなる群から選択される1種以上の樹脂のエマルジョンが好ましく使用できる。
また、樹脂微粒子としてハイドロゾルを使用する際に関しても、印刷物の耐擦過性の向上という観点から、アクリル系、ウレタン系、及び、ポリエステル系からなる群から選択される1種以上の樹脂を使用することが好ましい。また、上述した待機吐出性の向上という観点も更に考慮すると、アクリル系樹脂を使用することが特に好ましい。
ただし、インキ中のバインダー樹脂が樹脂微粒子である場合、特にエマルジョンを使用する場合は、当該樹脂微粒子の最低造膜温度(MFT)を考慮する必要がある。MFTの低い樹脂微粒子を使用した場合、インキ中に添加される水溶性有機溶剤によっては、樹脂微粒子のMFTが更に低下し、室温であっても、インクジェットヘッドのノズル近傍において樹脂微粒子が固着し、目詰まりが発生することがある。特にエマルジョンの場合は、一度成膜してしまうと、インキ中に再溶解させることが難しいため、固着したエマルジョンによって待機吐出性が損なわれてしまう恐れがある。このような問題を回避するために、エマルジョンを構成する重合性単量体の種類及び量を調整することにより、当該エマルジョンのMFTを60℃以上にすることが好ましい。
また、樹脂微粒子としてハイドロゾルを使用する場合は、エマルジョンの場合ほど待機吐出性が悪化する可能性は高くない。一方で、MFTが60℃以上であるハイドロゾルを使用することで、待機吐出性が悪化し得る要因を減らすことが可能であるため、ハイドロゾルの場合に関しても、MFTを60℃以上とすることが好適である。
なお上記MFTは、例えばテスター産業社製MFTテスターによって測定することができる。
本実施形態のインキにおいて、エマルジョンを使用する場合、その含有量は、インキ全質量に対して2~15質量%であることが好ましく、より好ましくは4~10質量%である。エマルジョンの含有量が2質量%以上であれば、耐擦過性や耐ブロッキング性が向上し、15質量%以下であれば、インキの粘度を好適な範囲内に抑えることができるとともに、待機吐出性に優れるインキとなる。
<顔料>
本実施形態のインキは、顔料を含む。当該顔料として、無機顔料及び/または有機顔料が任意に使用できる。また、これらの顔料は1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。顔料の含有量はインキの全質量に対して0.1~20質量%であることが好ましく、より好ましくは1~10質量%、更に好ましくは2~7質量%である。
顔料として無機顔料を使用する場合、具体例として、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、カーボンブラック、黒色酸化鉄、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、モリブデートオレンジ、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等が使用できる。
上記列挙したうちのカーボンブラックとして、ファーネス法またはチャネル法で製造されたものが使用できる。なかでも、ファーネス法またはチャネル法で製造されたカーボンブラックであって、一次粒子径が11~40nm、BET法による比表面積が50~400m2/g、揮発分が0.5~10%、pHが2~10、等の特性を有するものが好適である。このようなスペックを有する市販品として、例えばNo.33、40、45、52、900、2200B、2300、MA7、MA8、MCF88(三菱化学社製)、RAVEN1255(ビルラカーボン社製)、REGAL330R、400R、660R、MOGUL L、ELFTEX415(キャボット社製)、NIPex90、NIPex150T、NIPex160IQ、NIPex170IQ、NIPex75、PrinteX35、PrinteX85、PrinteX90、PrinteX95、PrinteXU(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)等が挙げられ、これらの全てを好ましく使用することができる。
一方、有機顔料の例として、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、染料レーキ顔料、蛍光顔料等が挙げられる。
具体的にカラーインデックスで例示すると、シアン顔料として、C.I.Pigment Blue 1、2、3、15:1、15:3、15:4、15:6、16、21、22、60、64等が挙げられる。
またマゼンタ顔料として、C.I.Pigment Red 5、7、9、12、31、48、49、52、53、57、97、112、120、122、146、147、149、150、168、170、176、177、178、179、184、185、188、202、206、207、209、238、242、254、255、264、269、282、C.I.Pigment Violet 19、23、29、30、32、36、37、38、40、50等が挙げられる。
またイエロー顔料として、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14、16、17、20、24、74、83、86、93、94、95、109、110、117、120、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、154、155、166、168、180、185、213等が挙げられる。
また、ブラック顔料として、アニリンブラック(C.I.Pigment Black 1)、ペリレンブラック(C.I.Pigment Black 31、32)、アゾメチンアゾブラック等が挙げられる。また、上記シアン顔料、マゼンタ顔料、イエロー顔料や、下記ブラウン顔料、オレンジ顔料等の有彩色顔料を複数混合し、ブラック顔料とすることもできる。
また上記以外の顔料として、C.I.Pigment Green 7、10、36、C.I.Pigment Brown 3、5、25、26、C.I.Pigment Orange 2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38、40、43、62、63、64、71等が挙げられる。
<顔料分散樹脂>
インキの保存安定性及び待機吐出性を長期間維持するため、上記顔料は、インキ中に分散して使用されることが好ましい。顔料をインキ中で安定的に分散保持する方法として、(1)顔料表面の少なくとも一部を顔料分散樹脂によって被覆する方法、(2)水溶性及び/または水分散性の界面活性剤を顔料表面に吸着させる方法、(3)顔料表面に親水性官能基を化学的及び/または物理的に導入し、顔料分散樹脂や界面活性剤なしでインキ中に分散する方法(自己分散顔料)等を挙げることができる。
本実施形態のインキは、上記のうち(1)の方法、すなわち、顔料分散樹脂を用いる方法が好適に選択される。これは、樹脂を構成する重合性単量体の組成、重量平均分子量等を選定及び検討することにより、顔料分散樹脂の顔料被覆能や電荷を容易に調整できるため、微細な顔料に対しても、安定的に保存安定性を付与することが可能となり、更には待機吐出性、発色性、及び色再現性に優れた印刷物が得られるためである。
上記顔料分散樹脂として、アクリル系樹脂、スチレン-(無水)マレイン酸系樹脂、α-オレフィン-(無水)マレイン酸系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。なかでも、顔料との吸着が強固になり、保存安定性及び待機吐出性が良化するという観点から、アクリル系樹脂、スチレン-(無水)マレイン酸系樹脂、及び、α-オレフィン-(無水)マレイン酸系樹脂から選択される1種以上の樹脂を使用することが好ましい。なお本明細書において「(無水)マレイン酸」とは、マレイン酸及び/または無水マレイン酸を表す。
顔料分散樹脂として水溶性樹脂を用いる場合、その酸価は60~400mgKOH/gであることが好ましい。酸価を上記範囲内とすることで、顔料の分散安定性、ならびに、インキの保存安定性及び待機吐出性を好適なものとすることができる。また上記酸価として、より好ましくは100~350mgKOH/gであり、更に好ましくは120~300mgKOH/gである。一方、顔料分散樹脂として非水溶性樹脂を用いる場合、その酸価は0~100mgKOH/gであることが好ましく、5~90mgKOH/gであることがより好ましく、10~80mgKOH/gであることが更に好ましい。酸価が上記範囲内であれば、乾燥性及び耐水性に優れた印刷物が得られるうえ、顔料の分散安定性及びインキの待機吐出性も向上する。なお、顔料分散樹脂の酸価は、上記のバインダー樹脂の場合と同様に測定することができる。
顔料分散樹脂の重量平均分子量は5,000~100,000であることが好ましい。重量平均分子量を5,000以上とすることで、顔料の分散安定性、及び、インキの保存安定性を好適なものとすることができる。また、重量平均分子量を100,000以下とすることで、待機吐出性を良好なものとすることができる。上記重量平均分子量は、より好ましくは10,000~50,000の範囲内であり、更に好ましくは15,000~30,000の範囲内である。なお、顔料分散樹脂の重量平均分子量は、上述したバインダー樹脂の場合と同様に測定することができる。
顔料の配合量に対する顔料分散樹脂の配合量は、1~120質量%とすることが好ましい。顔料分散樹脂の比率を、顔料の配合量に対して1質量%以上にすることで、インキの粘度を、インクジェット印刷用途で好適に使用できる範囲内に抑えることができ、待機吐出性が向上する。また、120質量%以下にすることで、顔料の分散安定性、及び、インキの保存安定性を良好なものにできる。顔料の配合量に対する顔料分散樹脂の配合量として、より好ましくは2~100質量%、更に好ましくは5~50質量%である。
<水>
本実施形態のインキは、上述の成分に加えて、更に水を含む。本実施形態のインキに含まれる水は、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。上記インキに含まれる水の含有量は、水溶性有機溶剤(B)等の水以外の液体媒体の含有量を考慮して調整されることが好ましい。
いくつかの実施形態において、上記インキに含まれる水の量は、当該インキの全質量に対して20~90質量%の範囲であることが好ましく、30~80質量%であってよい。いくつかの実施形態において、上記インキの全質量中、水と水溶性有機溶剤(B)とを含む水系媒体の含有量は、25~95質量%の範囲であってよい。上記水系媒体の含有量は、好ましくは35~92質量%であってよく、より好ましくは50~88質量%であってよい。いくつかの実施形態において、上記水系媒体における水/水溶性有機溶剤(B)との割合(質量比)は、好ましくは50/50~95/5であってよく、より好ましくは55/45~90/10、更に好ましくは60/40~85/15であってよい。
<その他成分>
また、本発明のインキは、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を付与するために、pH調整剤、紫外線吸収剤、防腐剤等の添加剤を適宜使用することができる。これらの添加剤の添加量は、インキの全質量に対して、0.01質量%以上10質量%以下であることが好適である。
<インキの製造方法>
本発明の一実施形態は、上述した成分を含む本実施形態のインキを製造する方法に関する。本実施形態のインキの製造方法の例として、下記の方法が挙げられる。下記の方法では、顔料分散液を調製し、次いで界面活性剤及び水等の溶剤を加えて混合することを含む。ただし、本実施形態のインキの製造方法は、下記の方法に限定されるものではない。
代表的な製造方法として、まず、顔料分散樹脂と、水とが混合された、顔料分散樹脂水性化溶液を製造する。次いで、当該顔料分散樹脂水性化溶液に、顔料と、必要に応じて水溶性有機溶剤等とを添加し、混合攪拌(プレミキシング)した後、後述する分散手段を用いて分散処理を行う。更に、必要に応じて遠心分離処理等を行って粗大粒子を除去し、顔料分散液を得る。
その後、当該顔料分散液に、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)、アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)、バインダー樹脂、グリコールモノエーテル類(B1)、水、ならびに、必要に応じて、ノニオン性界面活性剤(C)、及び、その他成分等を加え、よく混合攪拌する。そして、得られた混合物を濾過し、粗大粒子を除去することで、所望とするインキを得ることができる。
なお、本明細書において「水性化溶液」とは、水性溶媒(少なくとも水を含む液体媒体)と、当該水性溶媒に分散及び/または溶解した成分とを含む溶液を表す。
上記インキの製造方法で記載したように、分散処理を行う前に、プレミキシング処理を行うことが効果的である。プレミキシング処理により、顔料表面の濡れ広がり性が改善され、当該顔料表面への顔料分散樹脂の吸着が促進されるため、好ましく実施できる。
また顔料の分散処理に使用できる分散機は、一般に使用される分散機であればいかなるものでもよい。例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル、ビーズミル及びナノマイザー等が挙げられ、なかでも、ビーズミルが好ましく使用される。ビーズミルとしては、例えばスーパーミル、サンドグラインダー、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル、及び、コボルミル(全て商品名)等が挙げられる。
本実施形態のインキは、インクジェット印刷方式による印刷の用途に向けたものであるため、ノズルでの目詰り防止等の観点から、顔料として、最適な粒度分布を有するものを用いることが好ましい。所望の粒度分布を有する顔料を得る方法としては、先に挙げた分散機の粉砕メディアのサイズを小さくする方法、粉砕メディアの充填率を大きくする方法、分散処理時間を長くする方法、分散処理後フィルタや遠心分離機等で分級する方法、及びこれら方法の組み合わせ等が挙げられる。なおインキの粒度分布は、例えばマイクロトラック・ベル社製ナノトラックUPA-EX150を用いて測定することができる。
<インキセット>
本実施形態のインキは、単色で使用してもよいが、用途に合わせて複数の色を組み合わせたインキセットとして使用することもできる。組み合わせは特に限定されないが、シアン、イエロー、マゼンタの3色を使用することでフルカラーの画像を得ることができる。また、ブラックインキを追加することで黒色感を向上させ、文字等の視認性を上げることができる。更にオレンジ、グリーン等の色を追加することで色再現性を向上させることも可能である。白色以外の印刷基材へ印刷を行う際にはホワイトインキを併用することで鮮明な画像を得ることができる。また、本実施形態のインキの構成成分から顔料を除外した、実質的に着色剤成分を含まないインキ(クリアインキ)を構成色として含むインキセットであってもよい。
<インキ-前処理液セット>
本実施形態の水性インクジェットインキは、凝集剤を含む前処理液と組み合わせ、インキ-前処理液セットの形態で使用することもできる。凝集剤を含む前処理液を印刷基材上に付与することで、インキ中に含まれる固体成分を意図的に凝集させる層(インキ凝集層)を形成することができる。そして、前記インキ凝集層上に本実施形態のインキを着弾させることで、インキ液滴間の滲みや濃度のムラを防止し、印刷物の印刷画質を著しく向上させることができる。更に、前処理液に使用する材料によっては、印刷物の密着性、耐ブロッキング性もまた向上できる。
本明細書における「凝集剤」とは、水性インクジェットインキに含まれる、顔料の分散状態を破壊し凝集させる、及び/または、上記水性インクジェットインキ中に含まれる樹脂を不溶化し、当該水性インクジェットインキを増粘させることができる成分を意味する。本実施形態のインキと組み合わせる前処理液に使用する凝集剤としては、印刷画質を著しく向上できる観点から、金属塩及びカチオン性高分子化合物から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。なかでも、優れた印刷画質を得るという観点から、前記凝集剤として金属塩を使用することが好ましく、Ca2+、Mg2+、Zn2+、及び、Al3+からなる群から選択される1種以上の多価金属イオンの塩を含むことが特に好ましい。なお、凝集剤として金属塩を使用する場合、その含有量は、前処理液の全質量に対して、2~30質量%であることが好ましく、3~25質量%であることが特に好ましい。
その他の前処理液には、水溶性有機溶剤、界面活性剤、pH調整剤、消泡剤、増粘剤、防腐剤等を適宜に添加することができる。なお、前処理液に使用できる水溶性有機溶剤や界面活性剤は、上記インキの場合と同様である。また前処理液が界面活性剤を含む場合、耐ブロッキング性、耐マイグレーション性に優れた印刷物が得られる観点から、上記前処理液は、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)、及び、HLB値が6~12であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)を含むことが好適である。
<2>印刷物
本発明の一実施形態は、本実施形態の水性インクジェットインキを印刷基材に印刷してなる印刷物に関する。印刷物は、印刷基材と、上記印刷基材上に本実施形態の水性インクジェットインキを用いた印刷によって形成された印刷層(インキ層)とを有する。
<印刷基材>
上記の通り、本実施形態のインキは、フィルム等の非吸収性基材に対する印刷に特に好適に用いることができる。印刷基材として上記非吸収性基材を使用する場合、具体的には、ポリエチレン、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、無軸延伸ポリプロピレン(CPP)などのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂;ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのポリスチレン系樹脂;ナイロンなどのポリアミド系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの含塩素系樹脂;セロハン;もしくは、これらの複合材料からなるフィルム状またはシート状の基材が利用できる。これらの印刷基材は、コロナ処理やプラズマ処理などの表面処理が施されていてもよい。また、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、及び、オレフィン系樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂を含むプレコーティング用組成物(ただし、上述した前処理液とは異なる)によってプレコーティング処理が施されていてもよい。
<印刷物の製造方法>
本実施形態のインキは、インクジェットヘッドのノズルから吐出させ、基材上に当該インキの液滴を付着させる印刷方法で用いられる。また、このような印刷方法によって製造される、画像及び/または文字が印刷された印刷基材を、本明細書では「印刷物」と称する。すなわち、本実施形態のインキは、印刷物の製造に使用することができる。
また、印刷物の製造において、本実施形態のインキを基材上に付与した後、乾燥機構によって前記基材上のインキを乾燥させることが好ましい。前記乾燥機構で用いられる乾燥方法として、加熱乾燥法、熱風乾燥法、赤外線(例えば波長700~2500nmの赤外線)乾燥法、マイクロ波乾燥法、ドラム乾燥法などが挙げられる。また上記乾燥方法は、単独で用いてもよいし、複数を続けて使用してもよいし、同時に併用してもよい。例えば加熱乾燥法と熱風乾燥法を併用することで、それぞれを単独で使用したときよりも素早く、インキを乾燥させることができる。
<ポストコーティング処理>
本実施形態の印刷物は、必要に応じて、印刷物の表面にポストコーティング処理が施されていてもよい。ポストコーティング処理の具体例として、ポストコーティング用組成物の塗工または印刷や、ドライラミネート法、無溶剤ラミネート法、押出しラミネート法などによるラミネート加工等が挙げられる。これらの方法のいずれかを選択してもよいし、複数を組み合わせてもよい。
ポストコーティング用組成物を塗工及び印刷することによって印刷物にポストコーティング処理を施す場合、上記塗工及び印刷方法として、インクジェット印刷のように印刷基材に対して非接触で印刷する方式と、印刷基材に対し上記ポストコーティング用組成物を当接させて印刷する方式のいずれを採用してもよい。また、ポストコーティング用組成物を印刷基材に対して非接触で印刷する方式を選択する場合、上記ポストコーティング用組成物として、本発明のインキから顔料を除外した、実質的に着色剤成分を含まないインキ(クリアインキ)を使用することが好適である。
また印刷物にラミネート加工を施す場合、シーラント基材をラミネートするために使用する接着剤は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分の混合物により構成されることが好ましい。
上記ポリオール成分とは、水酸基を複数有する樹脂成分であり、塗工性や印刷物界面への濡れ広がり性及び浸透性、エージング後に発現するラミネート強度を鑑み、ポリウレタン樹脂やポリエステル樹脂が好ましく用いられる。なかでも、本実施形態のインキによって得られる印刷物の界面、例えば印刷層(印字部)や前処理液層(非印字部)に対する濡れ広がり性が良好であり、更にラミネート加工された印刷物(積層体)のラミネート強度にも優れる点から、ポリオール成分がポリエステルポリオールを含有することが好ましい。なお、上記ポリオール成分は単一成分でも構わないし、複数成分を併用してもよい。
またポリイソシアネート成分は、上記ポリオール成分と反応しウレタン結合を形成することで、接着剤層を高分子量化させ、ラミネート強度を向上させる。なかでも、ポリオール成分との相溶性、本発明のインキによって得られる印刷物の界面に対する濡れ広がり性、及び、ラミネート加工された印刷物(積層体)のラミネート強度の観点から、上記ポリイソシアネート成分が、イソシアネート基末端のポリエーテル系ウレタン樹脂を含有することが好ましい。また上記と同様の観点から、上記ポリイソシアネート成分の配合量は、ポリオール成分に対して50~80質量%であることが好ましい。なお、上記ポリイソシアネート成分は単一成分でも構わないし、複数成分を併用してもよい。
なお、上記ラミネート加工に使用するシーラント基材として、CPPフィルムや直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(LLDPE)フィルム等の、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルム、が例示できる。また酸化アルミニウム等の金属(酸化物)蒸着層を形成したフィルムを使用してもよい。
以下、本発明の代表的な実施形態を例示する。
<1>顔料、バインダー樹脂、アセチレンジオール系界面活性剤(A)、及び、水溶性有機溶剤(B)を含有する水性インクジェットインキであって、
前記アセチレンジオール系界面活性剤(A)が、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)と、HLB値が6~12であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)とを含み、
前記無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の含有量が、前記水性インクジェットインキの全質量に対して2~600ppmであり、
前記水溶性有機溶剤(B)が、グリコールモノエーテル類(B1)を含み、
前記HLB値が6~12であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の含有量に対する、前記グリコールモノエーテル類(B1)の含有量の比(質量基準)が、0.5~50である、水性インクジェットインキ。
<2>前記HLB値が6~12であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の含有量と、前記グリコールモノエーテル類(B1)の含有量との総和が、前記水性インクジェットインキの全質量に対して2~20質量%である、上記<1>に記載の水性インクジェットインキ。
<3>更に、アセチレンジオール系界面活性剤以外のノニオン性界面活性剤(C)を含む、上記<1>または<2>に記載の水性インクジェットインキ。
<4>前記無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の含有量が、前記水性インクジェットインキ全量に対して2~400ppmである、上記<1>~<3>のいずれか1つに記載の水性インクジェットインキ。
<5>前記無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の含有量に対する、前記HLB値が6~12であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の含有量の比(質量基準)が10~5000である、上記<1>~<4>のいずれか1つに記載の水性インクジェットインキ。
<6>前記無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の含有量に対する、前記HLB値が6~12であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の含有量の比(質量基準)が20~5000である、上記<5>に記載の水性インクジェットインキ。
<7>印刷基材と、前記印刷基材上に上記<1>~<6>のいずれか1つに記載の水性インクジェットインキを用いて形成した印刷層とを有する印刷物。
本発明は、2024年3月28日に出願された特願2024-053810号に記載の主題と関連しており、その開示内容は、参照によりここに援用される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、以下の記載において、「部」及び「%」とあるものは、特に断らない限り質量基準である。
<顔料分散樹脂水性化溶液1の製造例>
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ブタノールを90部仕込み、当該反応容器内を窒素ガスで置換した。次いで、反応容器内が110℃になるまで加熱したのち、重合性単量体である、アクリル酸30部、ベヘニルアクリレート35部、及び、スチレン35部;ならびに、重合開始剤であるV-601(富士フイルム和光純薬社製)4部の混合物を、上記反応容器内に2時間かけて滴下した。滴下終了後は、内温を110℃に保持したまま3時間重合反応を継続させた。その後、V-601を0.4部添加し、反応容器の内温を110℃に保持したまま1時間重合反応を続けることで、顔料分散樹脂1の溶液を得た。
次いで、反応容器内の内容物を常温まで冷却したのち、ジメチルアミノエタノールを38部添加し、顔料分散樹脂1を中和したのち、更に、イオン交換水を100部添加した。その後、内容物を100℃以上に加熱し、ブタノールをイオン交換水と共沸させて当該ブタノールを留去し、次いで、イオン交換水を加えて固形分濃度が50%になるように調整することで、固形分濃度50%の顔料分散樹脂水性化溶液1を得た。なお、得られた顔料分散樹脂1の重量平均分子量は16,000、酸価は234mgKOH/gであった。
<顔料分散樹脂水性化溶液2の製造例>
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌器を備えた反応容器に、2-ブタノンを56部仕込んだ。次いで、重合性単量体であるメタクリル酸ベンジルを56部と、重合開始剤である2,2’-アゾビスイソブチロニトリルを0.3部と、2-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)-イソ酪酸を2.2部とを、それぞれ投入した。反応容器内を窒素ガスで置換し、次いで、当該反応容器内の内容物が75℃になるまで加熱したのち、内温を75℃に保持したまま3時間重合反応を行うことで、メタクリル酸ベンジルからなる重合体(Aブロック)を得た。
上記重合反応の終了後、内容物を常温まで冷却したのち、反応容器に、2-ブタノンを44部、メタクリル酸ブチルを28部、及び、メタクリル酸を16部、をそれぞれ投入した。再度、反応容器内を窒素ガスで置換し、次いで、当該反応容器内の内容物が75℃になるまで加熱したのち、内温を75℃に保持したまま3時間にわたって重合反応を行った。このようにして、上記Aブロックに、メタクリル酸ブチル及びメタクリル酸からなる共重合体(ブロックB)が付加したA-Bブロック構造を有する、顔料分散樹脂2を得た。
その後、反応容器内の内容物を常温まで冷却し、次いで、ジメチルアミノエタノールを17部添加し、顔料分散樹脂2を中和したのち、更に、イオン交換水を150部添加した。その後、内容物を加熱し、2-ブタノンをイオン交換水と共沸させて当該2-ブタノンを留去したのち、イオン交換水を加えて固形分濃度が50%になるように調整することで、固形分濃度50%の顔料分散樹脂水性化溶液2を得た。なお、得られた顔料分散樹脂の重量平均分子量は23,000、酸価は104mgKOH/gであった。
<シアン顔料分散液1の製造例>
LIONOGEN BLUE FG-7358G(C.I.Pigment Blue15:3、トーヨーカラー社製)を20部、顔料分散樹脂水性化溶液1を15部、イオン交換水を65部、を混合し、ディスパーで予備分散した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1,800gを充填した容積0.6Lのダイノーミルを用いて本分散を行い、シアン顔料分散液1を得た。
<シアン顔料分散液2の製造例>
顔料分散樹脂水性化溶液1の代わりに、顔料分散樹脂水性化溶液2を使用した以外は、上記シアン顔料分散液1と同様の原料及び方法によりシアン顔料分散液2を製造した。
<バインダー樹脂1の製造例>
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、2-ブタノンを72.4部仕込み、当該反応容器内を窒素ガスで置換した。次いで、反応容器内が80℃になるまで加熱したのち、重合性単量体である、スチレン15部、メタクリル酸4.5部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート5.0部、ステアリルメタクリレート20部、メチルメタクリレート55.5部;ならびに、重合開始剤であるV-601(富士フイルム和光純薬社製)4部の混合物を、上記反応容器内に2時間かけて滴下した。滴下終了後は、内温を80℃に保持したまま3時間重合反応を継続させた。その後、V-601を0.6部を添加し、内温を80℃に保持したまま2時間重合反応を続けることで、バインダー樹脂1の溶液を得た。
次に、反応容器内の内容物を50℃まで冷却し、次いで、ジメチルアミノエタノールを4.7部添加し、バインダー樹脂1を中和したのち、更に、水を140部添加した。その後、内容物を78℃以上に加熱し、2-ブタノンを水と共沸させて当該2-ブタノンを留去したのち、水を加えて固形分濃度が30%になるように調整することで、固形分濃度30%のバインダー樹脂1水性化溶液を得た。なお、得られたバインダー樹脂1の重量平均分子量は17,000であった。
<無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の合成>
特開2002-356451号公報の、実施例1記載の方法を利用し、かつ、原料ケトンとしてメチルイソブチルケトンを用いることで、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール(無変性アセチレンジオール化合物1、HLB値=3.0)を合成した。また同様にして、原料ケトンとしてメチルイソアミルケトンを用いることで、2,5,8,11-テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール(無変性アセチレンジオール化合物2、HLB値=2.7)を合成した。
<アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の合成>
米国特許第3268593号明細書の実施例1に記載の方法を利用し、上記無変性アセチレンジオール化合物1(2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール)を出発物質とし、エチレンオキシドの量、及び、合成条件(圧力、温度、時間)を調整することで、エチレンオキシド変性量が異なる、アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(変性アセチレンジオール化合物1~6)を合成した。また、無変性アセチレンジオール化合物2(2,5,8,11-テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール)を出発物質とし、エチレンオキシドの量、及び、合成条件(圧力、温度、時間)を調整することで、エチレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(変性アセチレンジオール化合物7~14)を合成した。更に、特開2001-215690号公報の、実施例1記載の方法を利用し、変性アセチレンジオール化合物5、6、10、11を出発物質とすることで、上記変性アセチレンジオール化合物5、6、10、11にプロピレンオキシド基が付加した、エチレンオキシド-プロピレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(変性アセチレンジオール化合物15~18)を合成した。
なお、上記で製造した、変性アセチレンジオール化合物1~18の詳細(出発物質、エチレンオキシド基及びプロピレンオキシド基の付加モル数、ならびに、HLB値)は、表1に示した通りであった。
<水性インクジェットインキ1~114の製造例>
イオン交換水を25部、1,2-プロパンジオールを20部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを5部、変性アセチレンジオール化合物11を1部、BYK-349(ビックケミー社製シリコン系界面活性剤、HLB値=10.2)を1.0部、TEGO Glide100(エボニック社製シリコン系界面活性剤、HLB値=6.8)を0.2部、バインダー樹脂1水性化溶液を16.7部、シアン顔料分散液1を25部、を混合容器に順次投入したのち、投入量の総量が100部になるようにイオン交換水を追加投入した。その後、ディスパーで混合物が十分に均一になるまで攪拌したのち、孔径1μmのメンブランフィルターで濾過を行い、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去し、水性インクジェットインキ1を製造した。
また、表2に記載の原料を用いた以外は、水性インクジェットインキ1の製造例と同様にして、水性インクジェットインキ2~114を製造した。
表2に記載した、「Nv」とは固形分濃度を表し、「HLB」とはHLB値を表し、「Mw」とは分子量を表し、「bp」とは1気圧下における沸点を表す。また表2に記載した「残量」とは、混合物の合計質量が100部となるまでに必要な量を表す。
表2に記載された商品名の詳細は、以下に示した通りである。
・NeoCryl A-1127(DSM社製アクリルエマルジョン、固形分濃度=44%、MFT=7℃)
・NeoRez R-600(DSM社製ウレタンエマルジョン、固形分濃度=33%、MFT0℃未満)
・TEGO Wet280(エボニック社製シリコン系界面活性剤、HLB値=9.8)
・BYK 349(ビックケミー社製シリコン系界面活性剤、HLB値=10.2)
・BYK 3420(ビックケミー社製シリコン系界面活性剤、HLB値=13.8)
・BYK 3451(ビックケミー社製シリコン系界面活性剤、HLB値=10.8)
・TEGO Glide100(エボニック社製シリコン系界面活性剤、HLB値=6.8)
・TEGO Glide440(エボニック社製シリコン系界面活性剤、HLB値=12.7)
・TEGO Twin 4200(エボニック社製シリコン系界面活性剤、HLB値=8.2)
・ブラウノン EL-1502.2(青木油脂社製ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB値=6.3)
・ブラウノン EL-1505(青木油脂社製ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB値=10.5)
・ブラウノン EL-1515(青木油脂社製ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB値=14.9)
・ブラウノン EL-1530(青木油脂社製ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB値=17.4)
・ブラウノン BN-3(青木油脂社製ポリオキシエチレン-β-ナフトールエーテル、HLB値=9.6)
・Lutensol XP30(BASF社製ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、HLB値=9.1)
・Lutensol XP40(BASF社製ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、HLB値=10.5)
・Lutensol XP100(BASF社製ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、HLB値=14.7)
[実施例1~107、比較例1~7]
上記で作製した水性インクジェットインキについて、下記の評価を行った。評価結果は、表3に示した通りである。
<評価1:ベタ埋まり(ビーディング)>
25℃、50%RHの環境下に設置された、京セラ社製ヘッド(KJ4B-1200)を搭載したインクジェット吐出装置に、上記で作製した水性インクジェットインキをそれぞれ充填した。ノズルチェックパターンを印刷し、全てのノズルから正常に水性インクジェットインキが吐出されていることを確認してから、1分間放置した。その後、周波数40kHz、1200×1200dpiの印字条件で、フタムラ化学社製のPETフィルム(FE2001、厚さ12μm)に、印字率100%のベタ印刷を行った後、印刷後の上記PETフィルムを85℃エアオーブン内で1分間乾燥させ、ベタ印刷物を得た。そして、得られたベタ印刷物に存在するスジ(インキが印刷基材上に乗らずスジ状に見える部分)の数を目視で確認することで、ベタ埋まりの評価を行った。なお上述した通り、ビーディングが発生するとベタ埋まりの悪化となって現れるため、当該ベタ埋まりの評価を行うことで、ビーディングの程度を確認することができる。評価基準は下記の通りである。「A+」「A」、「B」、「C」の評価を実用可能領域とした。
(評価基準)
A+:目視で確認できるスジが2本以下であった。
A:目視で確認できるスジが3~5本であった。
B:目視で確認できるスジが6~10本であった。
C:目視で確認できるスジが11~20本であった。
D:目視で確認できるスジが21本以上であった。
<評価2:待機吐出性>
25℃、50%RHの環境下に設置された、京セラ社製ヘッド(KJ4B-1200)を搭載したインクジェット吐出装置に、上記で作製した水性インクジェットインキをそれぞれ充填した。ノズルチェックパターンを印刷し、全てのノズルから正常に水性インクジェットインキが吐出されていることを確認した後、そのまま30分静置した。その後、再度ノズルチェックパターンを印刷し、水性インクジェットインキが吐出されなかったノズルの数(ノズル抜けの数)を確認することで、待機吐出性の評価を行った。評価基準は下記の通りである。「A」、「B」、「C」の評価を実用可能領域とした。
(評価基準)
A:ノズル抜けの数が0本であった
B:ノズル抜けの数が1~5本であった
C:ノズル抜けの数が6~10本であった
D:ノズル抜けの数が10本以上であった
<評価3:耐ピンホール性>
上記評価1と同様の印刷条件及び印刷基材を用いて、印字率100%のベタ印刷物を10枚作製した。そして、得られたベタ印刷物に存在するピンホールの数を目視で確認し、印刷物10枚中に存在するピンホールの数の総和を確認することで、耐ピンホール性の評価を行った。評価基準は下記の通りである。「A」、「B」、「C」の評価を実用可能領域とした。
(評価基準)
A:ピンホールが全くなかった
B:ピンホールの数の総和が1~2個であった
C:ピンホールの数の総和が3~5個であった
D:ピンホールの数の総和が6個以上であった
また、上記耐ピンホール性の評価が「A」であった水性インクジェットインキについては、以下に示す方法で追加評価を実施した。具体的には、上記評価1と同様の印刷条件及び印刷基材を用いて、ベタ印刷物を30枚作製し、当該30枚のベタ印刷物中に存在するピンホールの数を目視で確認した。そして、上記30枚のベタ印刷物中にピンホールが全く存在しなかった、あるいは、当該30枚のベタ印刷物中に存在するピンホールの数の総和が1個であった場合、耐ピンホール性の評価を「A+」とした。なお当然ながら、「A+」評価の水性インクジェットインキは実用可能である。
<評価4:耐マイグレーション性>
上記評価1と同様の印刷条件を用いて、フタムラ化学社製のOPPフィルム(FOS-AQ、厚さ40μm)に、印字率100%のベタ印刷を行った。
次いで、マイグレーションセル(Gassner Glastechnik社製「MigraCell(登録商標)MC60」)に、得られた印刷物の非印刷面(OPPフィルム面)が上側になるようにセットしたのち、95%エタノールを50mL添加した。なお、上記ベタ印刷物の非印刷面と95%エタノールとの接触面積は0.5dm2であった。その後、上記マイグレーションセルを、40℃オーブン中に10日間静置した後、95%エタノール溶液を取り出し、40℃、50mmHgの条件下で、2mL以下になるまで濃縮した。また、濃縮後のエタノール溶液の量が2mL未満になった場合は、容量2mLのメスフラスコに投入し、95%エタノールでフィルアップした。そして、濃縮及びフィルアップ後のエタノール溶液を試料として、ガスクロマトグラフ質量分析計(Agilet Technologies社製「Agilent 7890A/5975C」)を用いて、上記濃縮及びフィルアップ後のエタノール溶液1mLあたりに含まれるアセチレンジオール系界面活性剤(A)の量(総量)を定量することで、耐マイグレーション性の評価を行った。評価基準は以下の通りである。「A」、「B」、「C」の評価を実使用上可能領域とした。
(評価基準)
A:アセチレンジオール系界面活性剤(A)の溶出量が0.1μg/mL以下であった
B:アセチレンジオール系界面活性剤(A)の溶出量が0.1μg/mL超1.0μg/mL以下であった
C:アセチレンジオール系界面活性剤(A)の溶出量が1.0μg/mL超3.0μg/mL以下であった
D:アセチレンジオール系界面活性剤(A)の溶出量が3.0μg/mL超であった
実施例1~107から明らかなように、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)を2~600ppm含み、更に、HLB値が6~12であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)とグリコールモノエーテル類(B1)とを、所定の配合比(質量比)で含む、本実施形態である水性インクジェットインキは、ビーディングがなくベタ埋まりが良好であり、耐ピンホール性及び耐マイグレーション性にも優れ、待機吐出性も良好であった。
一方で、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)を全く含まない水性インクジェットインキ1では、アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)及びグリコールモノエーテル類(B1)を好適な質量比の範囲で使用したとしても、ビーディングが発生してしまい、ベタ埋まりが悪化する結果となった(比較例1)。逆に、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)を2~600ppm含む一方で、アルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)及びグリコールモノエーテル類(B1)の少なくとも一方を含まない、水性インクジェットインキ43~45、48では、ベタ埋まりの悪化、待機吐出性の悪化、ピンホールの発生といった不具合が発生した(比較例4~7)。

Claims (4)

  1. 顔料、バインダー樹脂、アセチレンジオール系界面活性剤(A)、及び、水溶性有機溶剤(B)を含有する水性インクジェットインキであって、
    前記アセチレンジオール系界面活性剤(A)が、無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)と、HLB値が6~12であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)とを含み、
    前記無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の含有量が、前記水性インクジェットインキの全質量に対して3~400ppmであり、
    前記水溶性有機溶剤(B)が、グリコールモノエーテル類(B1)を含み、
    前記無変性アセチレンジオール系界面活性剤(A1)の含有量に対する、前記HLB値が6~12であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の含有量の質量比が、50~2000であり、
    前記HLB値が6~12であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の含有量に対する、前記グリコールモノエーテル類(B1)の含有量の質量比が、0.5~50である、水性インクジェットインキ。
  2. 前記HLB値が6~12であるアルキレンオキシド変性アセチレンジオール系界面活性剤(A2)の含有量と、前記グリコールモノエーテル類(B1)の含有量との総和が、前記水性インクジェットインキの全質量に対して2~20質量%である、請求項1に記載の水性インクジェットインキ。
  3. 更に、アセチレンジオール系界面活性剤以外のノニオン性界面活性剤(C)を含む、請求項1または2に記載の水性インクジェットインキ。
  4. 印刷基材と、前記印刷基材上に請求項1または2に記載の水性インクジェットインキを用いて形成した印刷層とを有する印刷物。

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