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JP7724565B2 - 腫瘍を治療する方法及び薬剤 - Google Patents

腫瘍を治療する方法及び薬剤

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JP7724565B2
JP7724565B2 JP2023512785A JP2023512785A JP7724565B2 JP 7724565 B2 JP7724565 B2 JP 7724565B2 JP 2023512785 A JP2023512785 A JP 2023512785A JP 2023512785 A JP2023512785 A JP 2023512785A JP 7724565 B2 JP7724565 B2 JP 7724565B2
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Description

本発明は、腫瘍の予防及び治療におけるプラスミノーゲンなどのプラスミノーゲン活性化経路の成分の役割に関し、それによって腫瘍の予防及び/または治療のための新しい治療戦略を提供する。
悪性腫瘍は、ヒトの健康を深刻に脅かす疾患である。アメリカがん協会の統計によると、がんは先進国における死亡原因の第1位であり、死亡者の21.6%を占めている。WHOの統計によると、ここ数年、世界でがんで亡くなった患者の数は毎年700万人以上に達しており、すでに心血管疾患の数に非常に近づいており、心血管疾患の数を上回り、世界の死亡原因の第1位になると予想されている。腫瘍の発生率は依然として高く、増加傾向にあり、生命と健康を深刻に脅かしている。しかし、腫瘍の病因は複雑であり、腫瘍治療の効果は低く、再発率と転移率が高く、腫瘍治療の副作用が大きいため、腫瘍の予防と治療を研究することも困難である。本発明は、プラスミノーゲンなどのプラスミノーゲン活性化経路の成分が、腫瘍の増殖を有意に阻害することができることを発見し、これは腫瘍の予防及び治療のための新しいアプローチになり得る。
一態様では、本願は、プラスミノーゲン活性化経路の成分、プラスミノーゲンを直接活性化し得るか、またはプラスミノーゲン活性化経路の上流成分を活性化することによって間接的にプラスミノーゲンを活性化し得る化合物、プラスミノーゲンまたはプラスミンの活性を模倣する化合物、プラスミノーゲンまたはプラスミノーゲン活性化剤の発現をアップレギュレートすることができる化合物、プラスミノーゲン類縁体、プラスミン類縁体、tPAまたはuPA類縁体及び線維素溶解阻害剤の拮抗剤から選択される1つ以上の有効量の化合物を被験者に投与することを含む、腫瘍を治療する方法に関する。
一態様では、本願はまた、腫瘍を治療する薬剤の調製における、プラスミノーゲン活性化経路の成分、プラスミノーゲンを直接活性化し得るか、またはプラスミノーゲン活性化経路の上流成分を活性化することによって間接的にプラスミノーゲンを活性化し得る化合物、プラスミノーゲンまたはプラスミンの活性を模倣する化合物、プラスミノーゲンまたはプラスミノーゲン活性化剤の発現をアップレギュレートすることができる化合物、プラスミノーゲン類縁体、プラスミン類縁体、tPAまたはuPA類縁体及び線維素溶解阻害剤の拮抗剤から選択される1つ以上の化合物の使用に関する。
一態様では、本願はまた、腫瘍の治療における、プラスミノーゲン活性化経路の成分、プラスミノーゲンを直接活性化し得るか、またはプラスミノーゲン活性化経路の上流成分を活性化することによって間接的にプラスミノーゲンを活性化し得る化合物、プラスミノーゲンまたはプラスミンの活性を模倣する化合物、プラスミノーゲンまたはプラスミノーゲン活性化剤の発現をアップレギュレートすることができる化合物、プラスミノーゲン類縁体、プラスミン類縁体、tPAまたはuPA類縁体及び線維素溶解阻害剤の拮抗剤から選択される1つ以上の化合物、またはそれらから選択される1つ以上の化合物を含む医薬組成物の使用に関する。
いくつかの実施形態では、前記プラスミノーゲン活性化経路の成分が、プラスミノーゲン、組換えヒトプラスミノーゲン、Lys-プラスミノーゲン、Glu-プラスミノーゲン、プラスミン、プラスミノーゲンとプラスミンの1つ以上のkringleドメイン及びプロテアーゼドメインを含むプラスミノーゲン及びプラスミン変異体並びに類縁体、ミニプラスミノーゲン(mini-plasminogen)、ミニプラスミン(mini-plasmin)、マイクロプラスミノーゲン(micro-plasminogen)、マイクロプラスミン(micro-plasmin)、delta-プラスミノーゲン、delta-プラスミン(delta-plasmin)、プラスミノーゲン活性化剤、tPA、及びuPAから選択されるものである。
いくつかの実施形態では、前記線維素溶解阻害剤の拮抗剤は、PAI-1、補体C1阻害剤、α2抗プラスミンまたはα2マクログロブリンの拮抗剤、例えば、抗体である。
いくつかの実施形態では、前記化合物はプラスミノーゲンである。
いくつかの実施形態では、本願は、腫瘍の被験者に有効量のプラスミノーゲンを投与することを含む、腫瘍を治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、前記腫瘍は悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、前記腫瘍はがんである。いくつかの実施形態では、前記腫瘍は固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、前記腫瘍は、消化器系の腫瘍または呼吸器系の腫瘍である。いくつかの実施形態では、前記腫瘍は、口腔癌、食道癌、胃癌、小腸癌、結腸癌、直腸癌、肺癌、肝臓癌、肝細胞癌、膵臓癌、胆嚢癌、非小細胞肺(NSCL)癌、気管支肺胞細胞肺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、卵管癌、子宮内膜癌、膣癌、前立腺癌、尿道癌、陰茎癌、腎臓癌、尿管癌、腎細胞癌、腎盂癌、膀胱癌、頭頸部癌、皮膚癌、黒色腫、中皮腫、骨癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟部肉腫、神経膠腫、多形性膠芽腫、星状細胞腫、シュワン細胞腫瘍、上衣腫、髄芽腫、髄膜腫、扁平上皮癌、及び下垂体腺腫からなる群より選択される1つ以上のものである。
いくつかの実施形態では、本願に記載されるプラスミノーゲンは、腫瘍の体積を減少する効果、腫瘍の被験者の一般的な生存状態を改善する効果、腫瘍の進行を遅延する効果、腫瘍細胞の増殖を阻害する効果、生存率を増加する効果、腫瘍の被験者の生存期間を延長する効果、がんの痛みを緩和する効果、腫瘍の血管新生を阻害する効果、腫瘍細胞の壊死またはアポトーシスを促進する効果、抗腫瘍免疫応答を促進する効果、腫瘍関連抗原またはリンパ球表面分子の発現を調節する効果、がん細胞による組織及び器官への損傷を軽減する効果、及び腫瘍が損傷した組織構造または機能の回復を促進する効果からなる群より選択される1つ以上の効果を有する。
いくつかの実施形態では、健康な被験者の血中プラスミノーゲンレベルまたは腫瘍に罹患していない対応組織におけるプラスミノーゲンレベルより、前記被験者の血中プラスミノーゲンレベル、あるいは腫瘍組織または腫瘍に罹患していない組織におけるプラスミノーゲンレベルは高い、または低い、またはそれに等しい。いくつかの実施形態では、健康な被験者の血中フィブリンレベルまたは腫瘍に罹患していない対応組織におけるフィブリンレベルより、前記被験者の血中フィブリンレベル、あるいは腫瘍組織または腫瘍に罹患していない組織におけるフィブリンンレベルは高い、または低い、またはそれに等しい。
いくつかの実施形態では、前記プラスミノーゲンは、化学療法、放射線療法、外科療法、細胞療法及び免疫療法からなる群から選択される1つ以上と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、前記化学療法剤は、例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤(葉酸類似体など)、ピリミジン類似体、プリン類似体、有糸分裂阻害剤、抗生物質、サイトカイン、白金錯体、置換尿素、ホルモン、副腎コルチコステロイド拮抗薬、抗エストロゲン剤、抗アンドロゲン剤などを含む。
いくつかの実施形態では、前記プラスミノーゲンは、Glu-プラスミノーゲン、Lys-プラスミノーゲン、ミニプラスミノーゲン、マイクロプラスミノーゲン、delta-プラスミノーゲン、またはそれらの保存的置換変異体から選択される。いくつかの実施形態では、前記プラスミノーゲンは、セリンプロテアーゼドメイン及び/またはリジン結合ドメインを含むプラスミノーゲンタンパク質である。いくつかの実施形態では、前記プラスミノーゲンは、配列14と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有し、且つタンパク質レベルの活性を有するプラスミノーゲンタンパク質である。いくつかの実施形態では、前記プラスミノーゲンは、配列2、6、8、10または12と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有し、且つ依然としてプラスミノーゲン活性を有する。
いくつかの実施形態では、本願に記載される前記プラスミノーゲンは、Glu-プラスミノーゲン、Lys-プラスミノーゲン、ミニプラスミノーゲン、マイクロプラスミノーゲン、delta-プラスミノーゲン、またはそれらのプラスミノーゲン活性を保持した変異体である。いくつかの実施形態では、前記プラスミノーゲンは、配列2、6、8、10または12に基づいて、1~100、1~90、1~80、1~70、1~60、1~50、1~45、1~40、1~35、1~30、1~25、1~20、1~15、1~10、1~5、1~4、1~3、1~2、1個のアミノ酸を追加、削除、及び/または置換し、かつ依然としてプラスミノーゲンの活性を有するタンパク質である。
いくつかの実施形態において、前記プラスミノーゲンは、天然または合成のヒトプラスミノーゲン、または依然としてプラスミノーゲン活性を保持した変異体若しくはそのフラグメントである。いくつかの実施形態において、前記プラスミノーゲンは、霊長類動物またはげっ歯類動物に由来するヒトプラスミノーゲンのオルソログ、または依然としてプラスミノーゲン活性を保持した変異体若しくはそのフラグメントである。いくつかの実施形態において、前記プラスミノーゲンのアミノ酸配列は、配列2、6、8、10または12に示される。いくつかの実施形態において、前記プラスミノーゲンはヒト天然プラスミノーゲンである。
一部の実施形態において、前記被験者はヒトである。一部の実施形態において、前記被験者はプラスミノーゲンが低下、不足、または欠乏している。一部の実施形態において、前記低下、不足、または欠乏は、先天的、継発的及び/または局所的である。
いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は、薬学的に許容される担体と、前述の方法で使用するプラスミノーゲンとを含む。いくつかの実施形態では、前記キットは、(i)前述の方法で使用するプラスミノーゲン、及び(ii)前記プラスミノーゲンを前記被験者に送達するための部材(means)を含む、予防または治療キットであり得る。いくつかの実施形態では、前記部材は注射器またはバイアルである。いくつかの実施形態では、前記キットは、前述の方法のいずれかを実施するために前記プラスミノーゲンを前記被験者に投与することを指示するためのラベルまたはプロトコルをさらに含む。
いくつかの実施形態では、前記製品は、ラベルを含む容器と、(i)前述の方法で使用するためのプラスミノーゲンまたはプラスミノーゲンを含む医薬組成物とを含み、前記ラベルは、前述の方法のいずれかを実施するために前記プラスミノーゲンまたは組成物を前記被験者に投与することを指示する。
いくつかの実施形態では、前記キットまたは製品は、他の薬剤を含む1つまたは複数の追加の部材または容器をさらに含む。いくつかの実施形態では、他の薬剤は抗腫瘍薬である。
前記方法の一部の実施形態において、前記プラスミノーゲンは全身または局所にて投与され得、好ましくは、静脈内、筋肉内、皮下投与によってプラスミノーゲンを投与することで治療する。前記方法のいくつかの実施形態では、前記プラスミノーゲンは、適切なポリペプチド担体または安定剤と組み合わせて投与される。前記方法の一部の実施形態において、前記プラスミノーゲンは毎日0.0001~2000mg/kg、0.001~800mg/kg、0.01~600mg/kg、0.1~400mg/kg、1~200mg/kg、1~100mg/kg、10~100mg/kg(体重1キロあたりで計算)または0.0001~2000mg/cm2、0.001~800mg/cm2、0.01~600mg/cm2、0.1~400mg/cm2、1~200mg/cm2、1~100mg/cm2、10~100mg/cm2(体表面積平方センチメートルあたりで計算)の用量で投与し、好ましくは一回以上繰り返し、好ましくは少なくとも毎日投与する。
本発明は、本発明の実施形態に属する技術的特徴のすべての組み合わせを明確にカバーし、これらの組み合わせ後の技術構成は、上記の技術構成が別個に明確に開示されたのと同様に、本出願において明確に開示された。さらに、本発明はまた、各実施形態とそれらの要素との間の組み合わせを明確にカバーし、組み合わせ後の技術構成は、本明細書に明確に開示されている。
図1は、プラスミノーゲンを尾静脈から23日間投与した結腸癌モデルマウスの腫瘍体積の測定結果を示す図である。その結果、投与期間中、プラスミノーゲン投与群の結腸腫瘍の増殖速度は、溶媒PBS対照群よりも有意に低く、20日目と24日目には、2つの群のマウス間の腫瘍サイズの統計学的な差が有意に近く(P=0.06);PBS対照群と比較して、プラスミノーゲン投与群の腫瘍体積は17日目に40%減少し、20日目に26%減少し、24日目に32%減少したことを示している。 図2は、プラスミノーゲンを尾静脈から投与した結腸癌モデルマウスの腫瘍体積の変化の計算結果を示す図である。20日目の腫瘍体積と10日目、13日目の腫瘍体積との差、及び24日目の腫瘍体積と10日目の腫瘍体積との差を算出した。その結果、プラスミノーゲン投与群の腫瘍体積の増加は溶媒PBS対照群よりも有意に小さく、統計学的な差は有意であった(*はP<0.05を表す)。 図3A~Bは、プラスミノーゲンを尾静脈から29日間投与した結腸癌モデルマウスの腫瘍塊のCD31免疫組織化学染色の代表的な写真を示す図である。図3Aは溶媒PBS投与対照群であり、図3Bはプラスミノーゲン投与群である。その結果、プラスミノーゲン投与群の腫瘍組織におけるCD31の発現(矢印でマーク)が、溶媒PBS対照群の発現よりも有意に少ないことを示した。これは、プラスミノーゲンが腫瘍組織の血管内皮細胞マーカーCD31の発現を阻害できることを示しており、プラスミノーゲンが結腸癌腫瘍組織における新しい血管の形成を阻害できることを示唆している。 図4A~Bは、プラスミノーゲンを尾静脈から29日間投与した結腸癌モデルマウスの腫瘍組織のLYVE-1免疫組織化学染色の代表的な写真を示す図である。図4Aは溶媒PBS投与対照群であり、図4Bはプラスミノーゲン投与群である。その結果、プラスミノーゲン投与群の腫瘍組織におけるLYVE-1の発現(矢印でマーク)が、溶媒PBS対照群の発現よりも有意に少ないことを示した。これは、プラスミノーゲンが結腸癌におけるリンパ管の形成及びがん組織の転移を阻害できることを示唆している。 図5A~Dは、プラスミノーゲンを尾静脈から29日間投与した結腸癌モデルマウスの腫瘍塊のH&E染色の代表的な写真を示す図である。図5A及びCは溶媒PBS投与対照群であり、図5B及びDはプラスミノーゲン投与群である。その結果、プラスミノーゲン投与群と溶媒PBS対照群の結腸癌皮下腫瘍は異なる程度の壊死を有し、プラスミノーゲン投与群の壊死は溶媒PBS対照群よりも深刻であり、壊死の範囲も広いことを示した。さらに、プラスミノーゲン投与群の非壊死領域における腫瘍細胞の数は、溶媒PBS対照群よりも有意に少なかった。 図6A~Bは、結腸癌モデルマウスにプラスミノーゲンまたは溶媒を投与した後の腫瘍体積の測定結果、及び13日目と4日目の2群のマウスの腫瘍体積差の結果を示す図である。Aは腫瘍体積の測定結果であり、Bは13日目と4日目の2群のマウスの腫瘍体積の差の結果である。その結果、溶媒群のマウスの腫瘍体積は、7、10、13日目にプラスミノーゲン群マウスよりも大きく、13日目には統計的差が有意に近かった(P=0.05)。13日目と4日目の、溶媒群とプラスミノーゲン投与群の腫瘍体積の差を比較・解析した結果、溶媒群のマウスの腫瘍体積の増加が、プラスミノーゲン投与群のマウスよりも有意に大きく、その差は統計的に有意であった(P=0.01)。以上より、プラスミノーゲンが結腸癌モデルマウスの腫瘍増殖を抑制できることが示されている。 図7は、肺癌モデルマウスにプラスミノーゲンを尾静脈から投与して7日目の機械的接触誘発性アロディニアの試験結果を示す図である。その結果、ブランク対照群のマウスの疼痛閾値は正常であり、溶媒群の疼痛閾値は上昇し、溶媒群と比較して、プラスミノーゲン投与群のマウスの疼痛閾値は有意に低く、2つの群の統計的P値は0.003であり、投与群の痛覚閾値は、ブランク対照群に近かった。この結果は、プラスミノーゲンが肺癌モデルマウスの疼痛感受性を有意に改善できることを示している。 図8A~Bは、肺癌モデルマウスにプラスミノーゲンを尾静脈から投与して20日目の代表的な写真を示す図である。図Aは溶媒対照群であり、図Bはプラスミノーゲン投与群である。写真は、20日目に、溶媒PBS投与対照群のマウスが毛を直立させ、動きが遅く、無気力であり、腫瘍がひどく破裂し、腫瘍の傷が明らかに化膿して出血している(矢印でマーク)に対して、プラスミノーゲン投与群のマウスが自由に動き、精神状態が良好であり、腫瘍には明らかな潰瘍化現象がなく、腫瘍の表皮に少量のかさぶたがあることを示している。この結果は、プラスミノーゲンが肺癌モデルマウスの全身状態及び精神状態を改善できることを示している。 図9は、プラスミノーゲンを尾静脈から24日間投与した肺癌モデルマウスの生存曲線を示す図である。生存曲線から、溶媒対照群のマウスの生存率は、観察期間中、プラスミノーゲン投与群よりも有意に低く、統計学的に有意な差があったことがわかる(P=0.03)。この結果は、プラスミノーゲンが肺癌モデルマウスの生存率を向上させ、マウスの生存期間を延長できることを示している。 図10は、プラスミノーゲンまたは溶媒を14日間投与した肺癌モデルマウスの腫瘍係数の結果を示す図である。その結果、プラスミノーゲン投与群の腫瘍係数は溶媒群よりも有意に小さく、統計的差が有意に近かった(P=0.09)。 図11は、プラスミノーゲンまたは溶媒を14日間投与した肺癌モデルマウスの腫瘍体積の結果を示す図である。その結果、プラスミノーゲン投与群のマウスの腫瘍体積は溶媒群よりも有意に小さく、統計的差は4日目に非常に有意であった(**はP<0.01を表す)。 図12は、プラスミノーゲンまたは溶媒を7日間投与した肺癌モデルマウスのオープンフィールド試験の境界ゾーンにおける休憩時間率の結果を示す図である。その結果、ブランク対照群のマウスは境界ゾーンで一定の休憩時間の割合を有し、溶媒群のマウスの境界ゾーンにおける休憩時間の割合はブランク対照群よりも有意に高く、プラスミノーゲン投与群のマウスの境界ゾーンでの休憩時間の割合は溶媒対照群より有意に低く、統計学的な差は有意であった(*はP<0.05を表す)。この結果は、プラスミノーゲンが肺癌モデルマウスの活動及び行動の回復を促進できることを示している。 図13は、プラスミノーゲンまたは溶媒の投与後の肺癌モデルマウスにおける腫瘍体積の測定結果を示す図である。その結果、プラスミノーゲン投与群のマウスの腫瘍体積は、各測定時点で溶媒群のマウスの腫瘍体積に比べて有意に小さく、投与4日目の統計P値は0.22であり、投与7日目の統計P値は0.003であり、投与10日目のP値は0.07であった。これは、プラスミノーゲンが肺癌モデルマウスの腫瘍増殖を有意に抑制できることを示している。 図14A~Bは、がん疼痛モデルマウスにおけるホットプレート及びコールドプレートの疼痛検出結果を示す図である。Aは検出中の後足収縮と持ち上げ時の温度の統計結果であり、Bは検出中の後足収縮と持ち上げ時の時間の統計結果である。その結果、溶媒群のマウスの後足収縮と持ち上げ時の温度は、ブランク対照群のマウスよりも有意に高く、投与群のマウスの後足収縮と持ち上げ時の温度は、溶媒群のマウスよりも有意に低く、ブランク対照群のマウスに近かった。統計解析の結果、メス投与群と溶媒群のマウスの比較はP=0.007、オス投与群と溶媒群のマウスの比較はP=0.043であった。溶媒群のマウスの後足の収縮と持ち上げ時の時間は、ブランク対照群のマウスよりも有意に早く、投与群のマウスの後足の収縮と持ち上げ時の時間は、溶媒群のマウスよりも有意に遅く、ブランク対照群のマウスに近かった。統計解析の結果、メス投与群と溶媒群のマウスの比較はP=0.004、オス投与群と溶媒群のマウスの比較はP=0.023であった。以上の結果は、プラスミノーゲンががん疼痛モデルマウスの痛覚を緩和できることを示している。 図15は、プラスミノーゲン投与後のがん疼痛モデルマウスにおけるクランプ式圧痛計の試験結果を示す図である。その結果、投与群のマウスの疼痛閾値は溶媒群より有意に高く、統計解析P値は0.006であった。これは、プラスミノーゲンが、がん疼痛モデルマウスの痛覚を緩和できることを示唆している。 図16は、プラスミノーゲン投与後の肺癌モデルマウスにおける腫瘍体積の測定結果を示す図である。その結果、0日目では投与群のマウスの腫瘍体積は溶媒群とは差がなく、4日目、7日目、及び10日目では投与群の腫瘍体積が溶媒群よりも有意に小さく、かつ統計解析P値は、それぞれ0.22、0.003、及び0.07であった。これは、プラスミノーゲンが肺癌腫瘍の増殖を有意に阻害できることを示している。 図17は、食道癌患者におけるプラスミノーゲン及び化学療法による治療後の食道電子胃鏡検査結果を示す図である。治療の最初のコースの投与前と3番目の治療コースの終了から4週間後、患者は電子胃鏡検査を受けた。その結果、投与前に、患者は切歯から20cm~30cm離れたところに食道腫れ物(矢印でマーク)が見られ、3/4週間食道に影響を与え、腫れ物はもろく出血しやすく、食道は狭く、鏡体はギリギリ通過した。3番目の治療コースの終了から4週間後の電子胃内視鏡検査の結果、切歯から21cm離れたところに0.8cmの隆起性病変(矢印でマーク)が見られ、粘膜は滑らかであり、22~24cmのところに2cmの潰瘍性隆起性病変が見られ、2/5週持続した;27cmのところに約0.3cmのポリープが見られ、粘膜は滑らかであり、3つの病巣は互いにつながっていなかった。患者の食道癌腫れ物の体積は、プラスミノーゲンと化学療法による治療後に大幅に減少した。
発明の詳細な説明
線維素溶解系(Fibrinolytic system)は、線溶系とも呼ばれ、線維素溶解(線溶)の過程に関与する一連の化学物質からなる系であり、主にプラスミノーゲン(PLGとも呼ばれる)、プラスミン、プラスミノーゲン活性化因子、及び線維素溶解阻害剤を含む。プラスミノーゲン活性化因子には、組織型プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)、及びウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(u-PA)が含まれる。t-PAはセリンプロテアーゼであり、血管内皮細胞によって合成される。t-PAはプラスミノーゲンを活性化し、このプロセスは主にフィブリンで行われる。ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(u-PA)は、尿細管上皮細胞と血管内皮細胞によって産生され、補因子としてフィブリンを必要とすることなくプラスミノーゲンを直接活性化することができる。プラスミノーゲン(PLG)は肝臓で合成される。血液が凝固すると、PLGはフィブリンネットに大量に吸着され、t-PAまたはu-PAの作用によりプラスミンに活性化されて線維素溶解を促進する。プラスミナーゼ(PL)はセリンプロテアーゼであり、フィブリンとフィブリノーゲンを分解し、様々な凝固因子V、VIII、X、VII、XI、IIなどを加水分解し、プラスミノーゲンをプラスミンに変換し、補体を加水分解するなどの作用がある。線維素溶解阻害剤には、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤(PAI)、及びα2-抗チプラスミン(α2-AP)が含まれる。PAIには主にPAI-1とPAI-2の2つの形態があり、t-PAに1:1の比率で特異的に結合することによってt-PAを不活性化すると同時にPLGを活性化することができる。α2-APは肝臓で合成され、PLと1:1の比率で結合して複合体を形成し、それによってPL活性を阻害する。FXIIIはα2-APをフィブリンと共有結合させ、それによってPLに対するフィブリンの感受性を弱める。インビボでの線維素溶解系の活性を阻害する物質は、PAI-1、補体C1阻害剤、α2抗プラスミン、及びα2-マクログロブリンを含む。
本明細書で使用される「プラスミノーゲン活性化経路の成分」という用語は、
1、プラスミノーゲン、Lys-プラスミノーゲン、Glu-プラスミノーゲン、マイクロプラスミノーゲン(micro-plasminogen)、delta-プラスミノーゲン、それらの変異体または類縁体;
2、プラスミン(PLMとも呼ばれる)及びそれらの変異体または類縁体;及び
3、プラスミノーゲン活性化剤、例えば、tPA及びuPA、ならびにtPAまたはuPAの1つ以上のドメイン(1つ以上のkringleドメイン及びセリンプロテアーゼドメインなど)を含むtPAまたはuPA変異体及び類縁体をカバーする。
上記プラスミノーゲン、プラスミン、tPA及びuPAの「変異体」は、すべての天然に存在するヒトの遺伝的変異体及びこれらのタンパク質の他の哺乳動物型、並びに、例えば、1~100、1~90、1~80、1~70、1~60、1~50、1~45、1~40、1~35、1~30、1~25、1~20、1~15、1~10、1~5、1~4、1~3、1~2、1個のアミノ酸を追加、削除、及び/または置換されてかつ依然としてプラスミノーゲン活性、プラスミン活性、tPAまたはuPA活性を有するタンパク質を含む。例えば、プラスミノーゲン、プラスミン、tPAまたはuPAの「変異体」は、例えば、1~100、1~90、1~80、1~70、1~60、1~50、1~45、1~40、1~35、1~30、1~25、1~20、1~15、1~10、1~5、1~4、1~3、1~2、1個の保存的アミノ酸によって置換されて得られるこれらのタンパク質の突然変異体を含む。
本発明の「プラスミノーゲン変異体」は、配列2、6、8、10または12と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有し、且つ依然としてプラスミノーゲン活性を有するタンパク質をカバーする。例えば、本発明の「プラスミノーゲン変異体」は、配列2、6、8、10または12に基づいて、1~100、1~90、1~80、1~70、1~60、1~50、1~45、1~40、1~35、1~30、1~25、1~20、1~15、1~10、1~5、1~4、1~3、1~2、1個のアミノ酸を追加、削除、及び/または置換し、且つ依然としてプラスミノーゲン活性を有するタンパク質であり得る。具体的には、本発明のプラスミノーゲン変異体は、すべての天然に存在するヒトの遺伝的変異体及びこれらのタンパク質の他の哺乳動物型、並びに、例えば、1~100、1~90、1~80、1~70、1~60、1~50、1~45、1~40、1~35、1~30、1~25、1~20、1~15、1~10、1~5、1~4、1~3、1~2、1個のアミノ酸を保存的置換によって得られるこれらのタンパク質の突然変異体を含む。
本発明のプラスミノーゲンは、霊長類動物またはげっ歯類動物に由来するヒトプラスミノーゲンのオルソログ、または依然としてプラスミノーゲン活性を保持した変異体、例えば、配列2、6、8、10または12に示されるプラスミノーゲン、例えば、配列2に示されるヒト天然プラスミノーゲンであり得る。
上記プラスミノーゲン、プラスミン、tPA及びuPAの「類縁体」はそれぞれ、プラスミノーゲン、プラスミン、tPAまたはuPAと実質的に同様の効果を与える化合物を含む。
上記プラスミノーゲン、プラスミン、tPA及びuPAの「変異体」及び「類縁体」は、1つ以上のドメイン(例えば、1つ以上のkringleドメイン及びセリンプロテアーゼドメイン)を含むプラスミノーゲン、プラスミン、tPA及びuPAの「変異体」及び「類縁体」をカバーする。例えば、プラスミノーゲンの「変異体」及び「類縁体」は、1つ以上のプラスミノーゲンドメイン(例えば、1つ以上のkringleドメイン及びセリンプロテアーゼドメイン)を含むプラスミノーゲン変異体及び類縁体、例えば、ミニプラスミノーゲン(mini-plasminogen)をカバーする。プラスミンの「変異体」及び「類縁体」は、1つ以上のプラスミンドメイン(例えば、1つまたは複数のkringleドメイン及びセリンプロテアーゼドメイン)を含むミニプラスミン(mini-plasmin)やδ-プラスミン(delta-plasmin)などのプラスミンの「変異体」及び「類縁体」をカバーする。
上記プラスミノーゲン、プラスミン、tPAまたはuPAの「変異体」または「類縁体」がそれぞれプラスミノーゲン、プラスミン、tPAまたはuPAの活性を有するかどうか、またはそれらがプラスミノーゲン、プラスミン、tPAまたはuPAと実質的に同様の効果をそれぞれ与えるかどうかは、当技術分野で知られている方法、例えば、ザイモグラフィー(enzymography)、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)及びFACS(蛍光活性化細胞ソーティング法)を使用して、活性化されたプラスミン活性のレベルによって測定できる。例えば、次の文献に記載されている方法を参照して測定することができる。Ny,A.,Leonardsson,G.,Hagglund,A.C,Hagglof,P.,Ploplis,V.A.,Carmeliet,P. and Ny,T. (1999). Ovulation inplasminogen-deficient mice. Endocrinology 140,5030-5035;Silverstein RL, Leung LL, Harpel PC, Nachman RL (November 1984). “Complex formation of platelet thrombospondin with plasminogen. Modulation of activation by tissue activator”. J. Clin. Invest. 74 (5): 1625-33;Gravanis I, Tsirka SE (February 2008). “Tissue-type plasminogen activator as a therapeutic target in stroke”. Expert Opinion on Therapeutic Targets. 12 (2): 159-70;Geiger M, Huber K, Wojta J, Stingl L, Espana F, Griffin JH, Binder BR (Aug 1989). “Complex formation between urokinase and plasma protein C inhibitor in vitro and in vivo”. Blood. 74 (2): 722-8。
本発明の一部の実施形態において、本発明の「プラスミノーゲン活性化経路の成分」はプラスミノーゲンである。一部の実施形態において、前記プラスミノーゲンは、Glu-プラスミノーゲン、Lys-プラスミノーゲン、ミニプラスミノーゲン、マイクロプラスミノーゲン、delta-プラスミノーゲンから選択される。一部の実施形態において、前記プラスミノーゲンは、1つ以上のkringleドメインを含むプラスミノーゲンタンパク質である。いくつかの実施形態では、前記プラスミノーゲンは、セリンプロテアーゼドメインを含むプラスミノーゲンタンパク質である。一部の実施形態において、前記プラスミノーゲンは、配列番号14に示されるセリンプロテアーゼドメインを含むプラスミノーゲンタンパク質である。いくつかの実施形態では、前記プラスミノーゲンは、配列番号14に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の同一性を有するセリンプロテアーゼドメインを含むプラスミノーゲンタンパク質である。いくつかの実施形態では、前記プラスミノーゲンは、天然または合成のヒト全長プラスミノーゲンである。いくつかの実施形態では、前記プラスミノーゲンのアミノ酸は、配列2、6、8、10または12で示される。いくつかの実施形態では、前記プラスミノーゲンはヒト天然プラスミノーゲンである。いくつかの実施形態では、前記プラスミノーゲンは、配列番号2に示されるヒト天然プラスミノーゲンである。
いくつかの実施形態では、前記プラスミノーゲンは、配列2、6、8、10または12と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有し、且つ依然としてプラスミノーゲン活性を有するタンパク質である。いくつかの実施形態では、プラスミノーゲンは、配列2、6、8、10または12の保存的置換変異体である。
本出願における「プラスミノーゲン活性」とは、その受容体または基質に対するプラスミノーゲンのリジン結合活性及びタンパク質加水分解活性を指す。
プラスミンはプラスミノーゲン活性化系(PA系)の重要な成分である。それは広スペクトルのプロテアーゼであり、細胞外マトリックス(ECM)の幾つかの成分を加水分解することができ、これらの成分はフィブリン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン及びプロテオグリカンを含む[1]。また、プラスミンは一部のプロマトリックスメタロプロテアーゼ(pro-MMPs)を活性化させて活性のあるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)にすることができる。そのためプラスミンは細胞外タンパク加水分解作用の一つの重要な上流調節因子である[23]。プラスミンはプラスミノーゲンが二種類の生理性のPAs:組織型プラスミノーゲン活性化剤(tPA)またはウロキナーゼプラスミノゲン活性化剤(uPA)のタンパク質を加水分解することで形成されるものである。プラスミノーゲンは血漿及び他の体液中において、相対的レベルが比較的高く、従来的にはPA系の調節は主にPAsの合成及び活性レベルよって実現されると考えられている。PA系成分の合成は異なる要素によって厳格な調節を受け、例えばホルモン、成長因子及びサイトカインである。また、この他に、プラスミンとPAsの特定の生理的阻害剤が存在する。プラスミンの主な阻害剤はα2-抗プラスミンである。PAsの活性は、uPAとtPAのプラスミノーゲン活性化剤阻害剤-1(PAI-1)に同時に阻害され、uPAを主に阻害するプラスミノーゲン活性化剤阻害剤-2(PAI-2)によって調節される。一部の細胞表面には直接加水分解する活性のあるuPA特異性細胞表面受容体(uPAR)がある[45]
プラスミノーゲンは単一鎖の糖タンパクであり、791個のアミノ酸からなり、分子量は約92kDaである[67]。プラスミノーゲンは主に肝臓で合成され、大量に細胞外液に存在している。血漿中に含まれるプラスミノーゲンの含有量は約2μMである。そのためプラスミノーゲンは組織及び体液中のタンパク質加水分解活性の大きな潜在的な由来である[89]。プラスミノーゲンには二種類の分子の形が存在する:グルタミン酸-プラスミノーゲン(Glu-plasminogen)及びリジン-プラスミノーゲン(Lys-plasminogen)である。天然的に分泌され及び分解していない形のプラスミノーゲンは一つのアミノ基末端(N-末端)グルタミン酸を有し、そのためグルタミン酸-プラスミノーゲンと称される。しかし、プラスミンが存在する場合、グルタミン酸-プラスミノーゲンはLys76-Lys77においてリジン-プラスミノーゲンに加水分解される。グルタミン酸-プラスミノーゲンと比較して、リジン-プラスミノーゲンはフィブリンとより高い親和力を有し、さらにより高い速度でPAsによって活性化されることができる。この二種類の形のプラスミノーゲンのArg560-Val561ペプチド結合はuPAまたはtPAによって切断され、これによりジスルフィド結合によって連結された二重鎖プロテアーゼプラスミンの形成をもたらす[10]。プラスミノーゲンのアミノ基末端部分は五つの相同三環を含み、即ちいわゆるkringlesドメイン(kringle 1、kringle 2、kringle 3、kringle 4、kringle 5)であり、カルボキシル基末端部分はプロテアーゼドメインを含む。一部のkringlesはプラスミノーゲンとフィブリン及びその阻害剤α2-APの特異的相互作用を介在するリジン結合部位を含むため、リジン結合ドメインとも呼ばれる。本願において、リジン結合ドメインとは、kringle 1、kringle 2、kringle 3、kringle 4、及びkringle 5から選択されるいずれか1つ、2つ、3つ、4つ、または5つのkringleの構造領域を指す。最も新しく発見されたプラスミノーゲンは38kDaのフラグメントであり、kringlel-4を含み、血管生成の有効的な阻害剤である。このフラグメントはアンギオスタチンと命名され、幾つかのプロテアーゼによりプラスミノーゲンを加水分解ことによって生成される。
プラスミンの主な基質はフィブリンであり、フィブリンの溶解は病理性血栓の形成を予防するキーポイントである[11]。プラスミンはさらにECMの幾つかの成分に対する基質特異性を有し、これらの成分はラミニン、フィブロネクチン、プロテオグリカン及びゼラチンを含み、これはプラスミンがECM再建において重要な作用を有することを示している[7、1213]。間接的に、プラスミンはさらにMMP-1、MMP-2、MMP-3及びMMP-9を含むいくつかのプロテアーゼ前駆体を活性プロテアーゼに変換することによりECMのその他の成分を分解する。そのため、プラスミンは細胞外タンパク加水分解の重要な上流調節因子であることを提唱することがある[14]。また、プラスミンはいくつかの潜在的な形の成長因子を活性化させる能力を有する[1517]。インビトロで、プラスミンはさらに補体系の成分を加水分解させて走化性の補体フラグメントを放出することができる。
「プラスミン」は血液中に存在する非常に重要な酵素であり、フィブリン凝塊をフィブリン分解生成物及びD-二量体に加水分解することができる。
「プラスミノーゲン」はプラスミンの酵素前駆体の形であり、swiss prot中の配列に基づいて、シグナルペプチドを含む天然ヒトプラスミノーゲンのアミノ酸配列(配列4)として計算すれば810個のアミノ酸からなり、分子量は約90kDであり、主に肝臓において合成され且つ血液中で循環できる糖タンパク質であり、該アミノ酸配列をコードするcDNA配列は配列3に示される通りである。フルサイズのプラスミノーゲンは七つのドメインを含む:C末端に位置するセリンプロテアーゼドメイン(またはプロテアーゼドメインと略称)、N末端に位置するPan Apple(PAp)ドメイン及び5つのKringleドメイン(Kringle 1~5)を含む。swiss prot中の配列を参照すれば、そのシグナルペプチドは残基Met1-Gly19を含み、PApは残基Glu20-Val98を含み、Kringle 1は残基Cys103-Cys181を含み、Kringle 2は残基Glu184-Cys262を含み、Kringle 3は残基Cys275-Cys352を含み、Kringle 4は残基Cys377-Cys454を含み、Kringle 5は残基Cys481-Cys560を含む。NCBIデータによれば、セリンプロテアーゼドメインは残基Val581-Arg804を含む。
Glu-プラスミノーゲンは天然のフルサイズのプラスミノーゲンであり、791個のアミノ酸からなり(19個のアミノ酸からなるシグナルペプチドを含まない)、そのアミノ酸配列は配列2に示される通りであり、該配列をコードするcDNA配列は配列1に示される通りである。生体内において、さらにGlu-プラスミノーゲンの76-77番目のアミノ酸の位置で加水分解することにより形成されたLys-プラスミノーゲンが存在し、そのアミノ酸配列は配列6に示され、該アミノ酸配列をコードするcDNA配列は配列5が示す通りである。Delta-プラスミノーゲンはフルサイズのプラスミノーゲンにKringle2~Kringle5構造が欠損しているフラグメントであり、Kringle1及びセリンプロテアーゼドメインしか含有せず[1819]、delta-プラスミノーゲンのアミノ酸配列(配列8)を報告している文献があり[19]、該アミノ酸配列をコードするcDNA配列は例えば配列7に示される。ミニプラスミノーゲン(Mini-plasminogen)はKringle5及びセリンプロテアーゼドメインからなり、残基Val443-Asn791(シグナルペプチドを含まないGlu-プラスミノーゲン配列のGlu残基を開始アミノ酸とする)について文献が報告しており[20]、そのアミノ酸配列は配列10に示される通りであり、該アミノ酸配列をコードするcDNA配列は配列9が示す通りである。しかしマイクロプラスミノーゲン(Micro-plasminogen)はセリンプロテアーゼドメインのみ含有し、そのアミノ酸配列は残基Ala543-Asn791(シグナルペプチドを含まないGlu-プラスミノーゲン配列のGlu残基は開始アミノ酸である)と文献が報告し[21]、特許文献CN102154253Aはそれが残基Lys531-Asn791を含むと開示し(シグナルペプチドを含まないGlu-プラスミノーゲン配列のGlu残基を開始アミノ酸とする)、本特許における配列は特許文献CN102154253Aを参照でき、そのアミノ酸配列は配列12に示される通りであり、該アミノ酸配列をコードするcDNA配列は配列11に示される通りである。本出願におけるセリンプロテアーゼドメインのアミノ酸配列は配列14に示され、該アミノ酸配列をコードするcDNA配列は配列13に示される。
循環プロセスにおいて、プラスミノーゲンは閉鎖した非活性コンフォメーションをとるが、血栓または細胞表面に結合した際、プラスミノーゲン活性化剤(plasminogen activator,PA)の介在下において、開放性のコンフォメーションを有する活性プラスミンとなる。活性を有するプラスミンはさらにフィブリン凝塊をフィブリン分解生成物及びD-二量体に加水分解させ、これにより血栓を溶解させる。そのうちプラスミノーゲンのPApドメインはプラスミノーゲンを非活性閉鎖コンフォメーションに維持する重要なエピトープを含み、しかしKringleドメインは受容体及び基質上のリジン残基と結合できるものである。本願のプラスミノーゲンは、Kringle 1、Kringle 2、Kringle 3、Kringle 4、及びKringle 5から選択される1つ以上のKringleドメインを含むプラスミノーゲンを包含する。
プロテアーゼドメインとしても知られる「セリンプロテアーゼドメイン」は、プラスミノーゲンがタンパク質加水分解機能を果たすドメインである。本発明のプラスミノーゲンに関する技術案は、セリンプロテアーゼドメインを含むプラスミノーゲンのすべての技術案を包含する。本発明に記載のセリンプロテアーゼドメインを含むプラスミノーゲンフラグメントは、プラスミノーゲンのセリンプロテアーゼドメインを含むタンパク質である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のセリンプロテアーゼドメインを含むプラスミノーゲンフラグメントは、配列14に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のセリンプロテアーゼドメイン含有プラスミノーゲンフラグメントは、配列14と少なくとも80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質である。いくつかの実施形態では、プラスミノーゲンは、配列14の保存的置換変異体を含む。
現在、プラスミノーゲン及びその活性(例えば、タンパク質加水分解活性)の測定方法は組織プラスミノーゲン活性化剤の活性に対する測定(t-PAA)、血漿組織プラスミノーゲン活性化剤抗原に対する測定(t-PAAg)、血漿組織プラスミノーゲン活性に対する測定(plgA)、血漿組織プラスミノーゲン抗原に対する測定(plgAg)、血漿組織プラスミノーゲン活性化剤の阻害物活性に対する測定、血漿組織プラスミノーゲン活性化剤の阻害物抗原に対する測定、血漿プラスミン-抗プラスミン複合物に対する測定(PAP)を含む。最もよく見られる測定方法は発色基質法である:測定対象(被験者)の血漿中にストレプトキナーゼ(SK)と発光基質を添加し、測定対象の血漿中のプラスミノーゲンはSKの作用下においてプラスミンとなり、後者は発光基質に作用し、それから分光光度計で測定し、吸光度の増加はプラスミノーゲンの活性と正比例の関係となる。この他にも免疫化学法、ゲル電気泳動法、免疫比濁法、放射免疫拡散法などを用いてプラスミノーゲン活性(例えば、タンパク質加水分解活性)に対して測定を行うことができる。
分子量38KDのアンギオスタチン(Angiostatin)はプラスミノーゲンの一部であり[2223]、そのアミノ酸配列は、プラスミノーゲンの5つのKringleのうち、Kringle 1~Kringle 4との相同性が98%にも高い。アンギオスタチンは、エラスターゼ、異なるマトリックスメタロプロテイナーゼ、及び他のタンパク質分解酵素によるプラスミノーゲンの切断により、インビボで形成される[2425]。アンギオスタチンは、アンギオモチン(angiomotin)、アネキシン II(annexin II)、tPA、及びCD26などのさまざまなタンパク質に結合することができ[26]、研究では、アンギオスタチンがこれらのタンパク質と相互作用して血管新生を阻害できることが示されている。
アンギオスタチンが血管内皮細胞の増殖と転移を特異的に阻害し、アポトーシスを誘導することができることは研究により判明しており、そのメカニズムはアンギオスタチンのkringleのリジン結合(lysine-binding)活性に密接に関連している可能性がある。プラスミノーゲンKringle 5(K5)も内皮細胞の増殖を大幅に阻害することができ、その活性はアンギオスタチンよりもかなり高くなっている。しかし、K5にもリジン結合活性はあるものの、血管新生に対するその阻害効果はリジン結合活性に依存せず、K5ドメインには独自の作用メカニズムがあることが研究によって示されている[27]。さまざまな形態のプラスミノーゲンのKringleドメインがさまざまな血管阻害活性を示していることが多数の後続研究で示されているため、アンギオスタチンの概念は単一のタンパク質からタンパク質のクラス(アンギオスタチンアイソフォームまたはアンギオスタチン関連タンパク質;angiostatin isoforms or angiostatin related protein)に拡張されており、プラスミノーゲンの一連の異なるKringleドメイン及び類似した生物学的活性フラグメントを含む[2829]
1971年に、ハーバード大学のJudah Folkman教授は、腫瘍の血管を切断し、がん細胞を餓死させる理論を初めて提唱し[30]、1994年には、内因性プラスミノーゲンがMMPsの酵素加水分解によって生成する、血管新生を阻害する分子であるアンギオスタチンを発見した[23]。その後、複数の研究データにより、アンギオスタチンが血管新生を阻害することにより、腫瘍の成長と転移を阻害できることが示された。しかし、Folkman教授らの研究では、これらの効果があるのはアンギオスタチンまたはkringle 5のみであり、完全なプラスミノーゲンには血管を阻害し、腫瘍を阻害する効果がないことが明確に指摘されている[23、31、32]。したがって、Folkman教授らは、アンギオスタチンを臨床的に使用して腫瘍の血管新生を阻害し、それによってがんを抑制することができると提案した。しかし、約20年間の努力の結果、アンギオスタチンとその類似体は、人々が想像していたように、腫瘍の血管新生を阻害する効果的な薬剤のクラスにはなっていない[3334]。そのかわり、VEGF抗体などの阻害剤は、2000年頃から腫瘍血管新生を阻害するための薬物開発戦略の主流になり、結腸癌などの臨床で広く使用されている[35]。以上のことから、血管新生を阻害して腫瘍を阻害するという考えは正しいが、アンギオステインとその類似体を直接使用して腫瘍を阻害する方法には欠陥がある可能性があることがわかる。
しかし、われわれの研究では、完全なプラスミノーゲンが血管新生阻害、腫瘍の成長及び転移阻害の役割を有することを明確に確認した。特に、Folkman教授らが1994年に「CELL」、1996年に「NATURE MEDICINE」で発表した実験[23、36]を基本的に繰り返したところ、プラスミノーゲンの注入量を増やしただけで、明らかにフFolkman教授らとは異なる結果が得られた。ヒトプラスミノーゲンを注射した後、血管新生を大幅に減少させるだけでなく、腸癌の腫瘍体積の成長を阻害し、LLC腫瘍の条件下でマウスの生存期間を有意に延長し、生存率を大幅に高めることができる。なお、これらの実験でプラスミノーゲンの注入量を増やした。なぜなら、「CELL」や他の記事では、アンギオスタチンの対照が同じ質量のプラスミノーゲンを使用したことに疑問があると考えているからである。アンギオスタチンはプラスミノーゲンプロテアーゼの加水分解の産物である以上、アンギオスタチンの対照は、同じ質量のプラスミノーゲンではなく、少なくとも同じモル量のプラスミノーゲンを使用する必要がある。とにかく、これらの結果は、プラスミノーゲン自体の直接投与が血管新生を阻害できることを示唆している。この効果は、体内の余分なプラスミノーゲンが、腫瘍微小環境に蓄積されたMMPやエラスターゼなどのタンパク質分解酵素によって分解され、それによって大量のアンギオスタチン及び/またはその類似体の産生が促進され、その後腫瘍血管新生が阻害されることである可能性がある。すなわち、血管新生の阻害は、体内のアンギオスタチン及び/またはその類似体を直接増加させることによってではなく、体内のプラスミノーゲンを調節することによって直接達成することができる。これにより、腫瘍抑制のためのまったく新しい治療戦略が開かれる。
本願のプラスミノーゲンは、プラスミノーゲン活性を有するプラスミノーゲンのフラグメント、例えば、1つ以上の異なるkringleドメインを含むプラスミノーゲンのフラグメント、または1つ以上のkringleドメインに類似した生物的活性を有する変異体を含むプラスミノーゲンのフラグメントを包含する。
「オーソログまたはオルソログ(ortholog)」とは異なる種どうしのホモログであり、タンパク質の相同物もDNAの相同物も含み、直系遺伝子ともいう。それは具体的に異なる種どうしの同じ祖先の遺伝子から進化して得られるタンパク質または遺伝子を言う。本発明のプラスミノーゲンはヒト天然プラスミノーゲンを含み、さらには異なる種に由来する、プラスミノーゲン活性を有するプラスミノーゲンのオーソログまたはオルソログを含む。
「保存的置換バリアント」とはそのうちの一つの所定のアミノ酸残基が改変されたがタンパク質または酵素の全体のコンフォメーション及び機能を変えないものであり、これは類似の特性(例えば酸性、アルカリ性、疎水性など)のアミノ酸で親タンパク質中のアミノ酸配列中のアミノ酸を置換するものを含むがこれらに限られない。類似の性質を有するアミノ酸は知られている通りである。例えば、アルギニン、ヒスチジン及びリジンは親水性のアルカリ性アミノ酸であり且つ互いに置き換えることができる。同じように、イソロイシンは疎水アミノ酸であり、ロイシン、メチオニンまたはバリンによって置換されることができる。そのため、機能の類似する二つのタンパク質またはアミノ酸配列の類似性は異なる可能性もある。例えば、MEGALIGNアルゴリズムに基づいて70%~99%の類似性(同一性)を有する。「保存的置換バリアント」はさらにBLASTまたはFASTAアルゴリズムに基づいて60%以上のアミノ酸同一性を有するポリペプチドまたは酵素を含み、75%以上に達すればさらによく、最も好ましくは85%以上に達し、さらには90%以上に達するのが最も好ましく、そして天然または親タンパク質または酵素と比較して同じまたは基本的に類似する性質または機能を有する。
本発明の「プラスミン」と「フィブリンプラスミン」、「繊維タンパクプラスミン」は互いに置き換えて使用でき、その意味は同じである。「プラスミノーゲン」と「フィブリンプラスミノーゲン」、「繊維タンパクプラスミノーゲン」は互いに置き換えて使用でき、その意味は同じである。当業者は、本発明におけるプラスミノーゲンのすべての技術案がプラスミンに適用可能であることを理解することができ、したがって、本発明に記載される技術案はプラスミノーゲン及びプラスミンをカバーする。
「プラスミノーゲンを直接活性化できる、若しくはプラスミノーゲン活性化経路の上流成分を活性化することによってプラスミノーゲンを間接に活性化できる化合物」とは、プラスミノーゲンを直接活性化できる、若しくはプラスミノーゲン活性化経路の上流成分を活性化することによってプラスミノーゲンを間接に活性化できる任意の化合物を指し、例えば、tPA、uPA、ストレプトキナーゼ、サルプラーゼ、アルテプラーゼ、レテプラーゼ、テネクテプラーゼ、アニストレプラーゼ、モンテプラーゼ、ラノテプラーゼ、パミテプラーゼ、及びスタフィロキナーゼが挙げられる。
本発明の「線維素溶解阻害剤の拮抗薬」は、線維素溶解阻害剤の作用に拮抗し、その作用を弱め、遮断し、阻止する化合物である。前記線維素溶解阻害剤は、例えば、PAI-1、補体C1阻害剤、α2-抗プラスミン、及びα2-マクログロブリンである。前記拮抗剤は、PAI-1、補体C1阻害剤、α2-抗プラスミンもしくはα2-マクログロブリンの抗体、または、例えばPAI-1、補体C1阻害剤、α2-抗プラスミンもしくはα2-マクログロブリンの発現を遮断またはダウンレギュレートするアンチセンスRNAもしくはスモールRNA、または、PAI-1、補体C1阻害剤、α2-抗プラスミンまたはα2-マクログロブリンの結合部位を占めるが、PAI-1、補体C1阻害剤、α2-抗プラスミンまたはα2-マクログロブリンの機能を持たない化合物、または、PAI-1、補体C1阻害剤、α2-抗プラスミンもしくはα2-マクログロブリンの結合ドメイン及び/または活性ドメインをブロックする化合物である。
本願において、前記プラスミノーゲンの「不足」とは、被験者体内のプラスミノーゲンの含有量または活性が正常な人より低く、被験者の正常な生理学的機能に影響を及ぼすのに十分に低いことをいう。前記プラスミノーゲンの「欠乏」の意味は、被験者体内のプラスミノーゲンの含有量または活性が正常な人より明らかに低く、活性または発現が極微量であり、外部供給によってのみ正常な生理学的機能を維持できることである。
「分離された」プラスミノーゲンとは天然環境から分離及び/または回収されたプラスミノーゲンタンパク質である。いくつかの実施形態において、前記プラスミノーゲンは(1)90%を超える、95%を超える、または98%を超える純度(重量で計算した場合)になるまで精製し、例えばLowry法によって決まるもので、例えば99%(重量で計算した場合)を超えるまで精製する、(2)少なくともスピニングカップ配列分析装置によりN末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15個の残基が得られる程度になるまで精製する、または(3)同質性になるまで精製する。該同質性はクマシーブリリアントブルーまたは銀染色により還元性または非還元性条件下のドデシル硫酸ナトリウムーポリアクリルアミノゲル電気泳動(SDS-PAGE)によって決まるものである。分離されたプラスミノーゲンはバイオエンジニアリング技術により組み換え細胞から製造され、さらに少なくとも一つの精製ステップで分離されたプラスミノーゲンを含む。
用語の「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は本明細書において互いに置き換えて使用でき、いかなる長さのアミノ酸の重合体を指し、遺伝的にコードされた及び非遺伝的にコードされたアミノ酸、化学的または生化学的に修飾されまたは派生したアミノ酸、及び修飾されたペプチド主鎖を有するポリペプチドを含む。該用語は融合タンパク質を含み、異種性アミノ酸配列を有する融合タンパク質を含むがこれに限られず、異種性と同種性のリーダー配列(N端メチオニン残基を有するあるいは有しない)を含む融合物;等々である。
参照ペプチド配列の「アミノ酸配列同一性パーセンテージ(%)」の定義は、必要に応じてギャップを導入することで最大のパーセンテージ配列の同一性を実現した後、如何なる保存的な置換も配列同一性の一部として見なさない場合、候補配列中における参照ポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同じアミノ酸残基のパーセンテージである。パーセンテージのアミノ酸配列の同一性を測定することを目的としたアライメントは本分野の技術範囲における複数種類の方式によって実現でき、例えば公衆が入手できるコンピュータソフトウエア、例えばBLAST、BLAST-2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウエアによって実現できる。当業者は配列をアライメントするための適切なパラメータを決めることができ、該パラメータが比較対象の配列のフルサイズに対して最大比較の要求を実現するための如何なるアルゴリズムも含む。しかし、本発明の目的のために、アミノ酸配列の同一性パーセンテージは配列比較コンピュータソフトウエアALIGN-2により得られるものである。
ALIGN-2を用いることによりアミノ酸配列を比較する場合、所定のアミノ酸配列Aの所定のアミノ酸配列Bに対するアミノ酸配列同一性%(または所定のアミノ酸配列Bに対して、と、またはについてのある%のアミノ酸配列同一性を有する又は含む所定のアミノ酸配列Aともいう)は以下のように計算される:
分数X/Y×100
ここで、Xは配列アライメントプログラムALIGN-2において該プログラムのA及びBのアライメントにおいて同一でマッチングすると評価したアミノ酸残基の数であり、且つYはBにおけるアミノ酸残基の総数である。以下のように理解するべきである:アミノ酸配列Aの長さとアミノ酸配列Bの長さが等しくない場合、AのBに対するアミノ酸配列の同一性%は、BのAに対するアミノ酸配列同一性%とは異なる。特に断りのない限り、本文中において使用するすべてのアミノ酸配列同一性値%は前記の段落に記載の通りであり、ALIGN-2コンピュータプログラムによって得られるものである。
本明細書で使用される「治療」及び「処理」という用語は、所望の薬理学的及び/または生理学的効果を得ることを指す。前記効果は、疾患またはその症状の完全または部分的な予防、及び/または疾患及び/またはその症状の部分的または完全な治癒であり得、かつ(a)疾患の素因を有する可能性があるが、疾患と診断されていない被験者における疾患の発生を予防すること;(b)疾患を阻害すること、すなわち、その形成を阻止すること;及び(c)疾患及び/またはその症状を軽減すること、すなわち疾患及び/またはその症状を解消することを含む。
用語の「個体」、「被験者」及び「患者」は本明細書中において互いに置き換えて使用でき、哺乳動物を指し、ネズミ(ラット、マウス)、ヒト以外の霊長類、ヒト、イヌ、ネコ、有蹄動物(例えばウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ)などを含むがこれらに限られない。
「治療有効量」または「有効量」とは、哺乳動物またはその他の被験者に投与して疾患の治療に用いられる際に疾患の前記予防及び/または治療を実現できるプラスミノーゲンの量である。「治療有効量」は使用するプラスミノーゲン、治療しようとする被験者の疾患及び/または症状の重症度及び年齢、体重などに従って変化するものである。
本発明のプラスミノーゲンの調製
プラスミノーゲンは治療の用途に用いられるために、自然界から分離及び精製されるものでもよく、標準的な化学ペプチド合成技術によって合成することでもよい。化学的手法によりポリペプチドを合成する際、液相または固相で合成を行うことができる。固相ポリペプチド合成(SPPS)(配列のC末端アミノ酸を不溶性支持体に附着させ、順番に配列中の残りのアミノ酸を添加する)はプラスミノーゲンの化学的合成に適したものである。各種形式のSPPS、例えばFmoc及びBocは、プラスミノーゲンの合成に用いることができる。固相合成に用いられる技術は以下に記載されている:Barany及びSolid-Phase Peptide Synthesis;3-284ページ、The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology.第二巻:Special Methods in Peptide Synthesis,Part A.,Merrifield,tら J.Am.Chem.Soc.,85:2149-2156(1963);Stewartら,Solid Phase Peptide Synthesis,2nd ed.Pierce Chem.Co.,Rockford,Ill.(1984);及びGanesan A.2006Mini Rev.Med Chem.6:3-10及びCamarero JAら 2005Protein Pept Lett.12:723-8。簡単に言えば、その上にペプチド鎖が構築されている機能性ユニットにより小さい不溶性の多孔ビーズを処理する。カップリング/脱保護の繰り返し循環後に、附着した固相の遊離N末端アミンとN保護を受けている単一のアミノ酸ユニットをカップリングさせる。それから、該ユニットを脱保護し、他のアミノ酸と連結する新しいN末端アミンを露出させる。ペプチドを固相上に固定したままにし、その後それを切除する。
標準的な組み換え方法により本発明のプラスミノーゲンを生産する。例えば、プラスミノーゲンをコードする核酸を発現ベクター中に挿入し、それと発現ベクター中の制御配列を操作可能に連結させる。発現制御配列はプロモーター(例えば天然に関連されているプロモーター、または異種由来のプロモーター)、シグナル配列、エンハンサーエレメント及び転写終了配列を含むが、これらに限られない。発現の制御はベクター中の真核プロモーターシステムとすることができ、前記ベクターは真核宿主細胞(例えばCOSまたはCHO細胞)を形質転換またはトランスフェクションさせる。一旦ベクターを適切な宿主に導入すれば、ヌクレオチド配列の高レベル発現及びプラスミノーゲンの収集及び精製に適した条件下において宿主を維持する。
適切な発現ベクターは通常宿主体内において遊離体または宿主染色体DNAの組み込む部分として複製される。通常、発現ベクターは選択マーカー(例えばアンピシリン耐性、ハイグロマイシン耐性、テトラサイクリン耐性、カナマイシン耐性またはネオマイシン耐性)を含み、インビトロで所望のDNA配列によって形質転換されたそれらの細胞に対して測定を行うことに有用である。
大腸菌(Escherichia coli)は主題のタンパク質をコードするポリヌクレオチドをクローンするための原核宿主細胞の例である。その他の使用に適した微生物宿主は桿菌を含み、例えばバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)及びその他の腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、例えばサルモネラ属(Salmonella)、セラチア属(Serratia)、及び各種シュードモナス属(Pseudomonas)種である。これらの原核宿主において、発現ベクターを生成でき、通常は宿主細胞と相容する発現制御配列(例えば複製開始点)を含むものである。また、多くの公知のプロモーターが存在し、例えば乳糖プロモーターシステム、トリプトファン(trp)プロモーターシステム、β-ラクタマーゼプロモーターシステム、またはファージλ由来のプロモーターシステムである。プロモーターは一般的に発現を制御し、必要に応じて遺伝子配列を制御する場合に、転写及び翻訳を起動するために、さらにリボソームの結合位置配列などを有してもよい。
その他の微生物、例えば酵母も発現に用いることができる。酵母(例えばサッカロミセス(S.cerevisiae))及びピキア(Pichia)が適した酵母宿主細胞の例であり、そのうちの適切な担体は必要に応じて発現制御配列(例えばプロモーター)、複製開始点、終止配列など含む。典型的なプロモーターは3-ホスホグリセリン酸キナーゼ及びその他の糖分解酵素を含む。誘導型酵母プロモーターには特にアルコール脱水素酵素、イソチトクロムC、及びマルトースとガラクトースの利用のための酵素由来のプロモーターを含む。
微生物以外に、哺乳動物細胞(例えばインビトロ細胞培養物中において培養された哺乳動物細胞)も本発明の化合物(例えばプラスミノーゲン)の発現及び生成に用いることができる。例えばWinnacker,From Genes to Clones,VCH Publishers,N.Y.,N.Y.(1987)参照。適した哺乳動物宿主細胞はCHO細胞系、各種Cos細胞系、HeLa細胞、骨髄腫細胞系、及び形質転換されたB細胞またはハイブリドーマを含む。これらの細胞に用いられる発現ベクターは発現制御配列、例えば複製開始点、プロモーター、及びエンハンサー(Queenら,Immunol.Rev.89:49(1986))、及び必要とされる加工情報サイト、例えばリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位、及び転写ターミネーター配列を含むことができる。適切な発現制御配列の例はウサギ免疫グロブリン遺伝子、SV40、アデノウイルス、ウシ乳頭腫ウィルス、サイトメガロウイルスなど由来のプロモーターである。Coら、J.Immunol.148:1149(1992)を参照すること。
一旦(化学または組み換え的に)合成されれば、本分野の標準的な手順、例えば硫酸アンモニウム沈殿、アフィニテイカラム、カラムクロマトグラフィー、高速液相クロマトグラフィー(HPLC)、ゲル電気泳動などにより本発明に記載のプラスミノーゲンを精製することができる。該プラスミノーゲンは基本的に純粋なものであり、例えば少なくとも約80%~85%の純度で、少なくとも約85%~90%の純度で、少なくとも約90%~95%の純度で、または98%~99%の純度またはさらに純度が高いものであり、例えば汚染物を含まず、前記汚染物は例えば細胞砕片、本発明の化合物(例えば、プラスミノーゲン)以外の大分子などである。
薬物配合剤
所望の純度のプラスミノーゲンと必要に応じた薬用担体、賦形剤、または安定化剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences,第16版,Osol,A.ed.(1980))を混合して凍結乾燥製剤または水溶液を形成して治療用の配合剤を得る。許容可能な担体、賦形剤、安定化剤は、所要の用量及び濃度下において被験者に対して毒性がなく、そして例えばリン酸塩、クエン酸塩及びその他の有機酸などの緩衝剤、アスコルビン酸和メチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(例えばオクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;塩化ヘキサメチレンジアミン;塩化ベンザルコニウム(benzalkonium chloride)、ベンゼトニウムクロリド;フェノール、ブタノールまたはベンジルアルコール;アルキルパラヒドロキシ安息香酸エステル、例えばメチルまたはプロピルパラヒドロキシ安息香酸エステル;ピロカテコール;レソルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;m-クレゾール);低分子量ポリペプチド(約10個より少ない残基を有するもの);タンパク質例えば血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン;親水性重合体、例えばポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン酸、ヒスチジン、アルギニンまたはリシン;グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む単糖、二糖及びその他の炭水化物;キレート剤例えばEDTA;糖類例えばショ糖、マンニトール、フコースまたはソルビトール;塩形成対イオン、例えばナトリウム;金属複合体(例えば亜鉛-タンパク複合体);及び/または非イオン界面活性剤、例えばTWEEN(登録商標)、PLURONICS(登録商標)またはポリエチレングリコール(PEG)を含む。
本発明の配合剤は治療を必要とする具体的な症状の必要とする一種類以上の活性化合物を含有してもよく、好ましくは活性が相補的で互いに副作用を有しないものである。例えば、抗悪性腫瘍剤、肝保護剤、ホルモン剤などが挙げられる。
本発明のプラスミノーゲンは例えば凝集技術または界面重合によって作られるマイクロカプセル中に内包ことができ、例えば、膠質薬物輸送系(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン剤、ナノ粒子及びナノカプセル)中に入れまたは粗エマルジョン状液中のヒドロキシメチルセルロースまたはゲルーマイクロカプセル及びポリ―(メタアクリル酸メチル)マイクロカプセル中に入れることができる。これらの技術はRemington′s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)に開示されている。
体内に投与することに用いられる本発明のプラスミノーゲンは必ず無菌である必要がある。これは凍結乾燥及び再度配合する前または後に除菌濾過膜で濾過することで容易に実現できる。
本発明のプラスミノーゲンは徐放製剤を調製できる。徐放製剤の適切な実例は一定の形状を有し且つ糖タンパクを含む固体の疎水性重合体の半透過マトリックスを含み、例えば膜またはマイクロカプセルである。徐放性マトリックスの実例はポリエステル、水性ゲル(例えばポリ(2-ヒドロキシエチル-メタアクリル酸エステル)(Langerら,J.Biomed.Mater.Res.,15:167-277(1981);Langer,Chem.Tech.,12:98-105(1982))またはポリ(ビニールアルコール)、ポリラクチド(米国特許3773919,EP 58,481)、L-グルタミン酸とγエチル-L-グルタミン酸の共重合体(Sidman,ら,Biopolymers 22:547(1983)),分解できないエチレン-ビニルアセテート(ethylene-vinyl acetate)(Langer,ら,出所は前記と同じ)、または分解可能な乳酸-ヒドロキシ酢酸共重合体、例えばLupron DepotTM(乳酸-ヒドロキシ酢酸共重合体及びリュープロレリン(leuprolide)酢酸エステルからなる注射可能なミクロスフェア体)、及びポリD-(-)-3-ヒドロキシ酪酸を含む。重合体、例えばエチレン-酢酸エチル及び乳酸-ヒドロキシ酢酸は、持続的に分子を100日間以上放出することができ、しかしいくつかの水性ゲルがタンパク質を放出する時間は比較的短い。関連のメカニズムに応じてタンパク質を安定化させる合理的なストラテジーにより設計できる。例えば、凝集のメカニズムが硫化ジスルフィド結合の交換によって分子間S-S結合を形成することであれば、メルカプト基残基を修飾することにより、酸性溶液中から凍結乾燥させ、湿度を制御し、適切な添加剤を用いて、及び特定の重合体基質組成物を開発することで安定化を実現できる。
投与及び使用量
異なる方式、例えば、静脈内、腹腔内、皮下、頭蓋内、髄腔内、動脈内(例えば、頸動脈を介して)、及び筋肉内投与により本発明の医薬組成物の投与を実現できる。
胃腸外での投与に用いられる製造物は無菌水性または非水性溶液、懸濁液及び乳剤を含む。非水性溶媒の例はプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、例えばオリーブオイルのような植物油、及び注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルである。水性担体は水、アルコール性/水性溶液、乳剤または懸濁液を含み、食塩水及び緩衝媒介を含む。胃腸外媒介物は塩化ナトリウム溶液、リンガ―デキストロース、デキストロース及び塩化ナトリウム、または固定油である。静脈内媒介物は液体及び栄養補充物、電気分解補充物などを含む。されには防腐剤及びその他の添加剤、例えば抗微生物製剤、抗酸化剤、キレート剤、不活性ガスなども存在してもよい。
医療関係者は各種臨床的要素により用量案を決めることができる。例えば医学分野で公知のように、任意の患者の用量は複数の要素によって決められ、これらの要素は患者の体型、体表面積、年齢、投与される具体的な化合物、性別、投与回数及び経路、全体の健康度、及び同時に投与するその他の薬物を含む。本発明のプラスミノーゲンを含有する薬物組成物の用量の範囲は、例えば、被験者体重に対して毎日約0.0001~2000mg/kgであり、または約0.001~500mg/kg(例えば0.02mg/kg,0.25mg/kg,0.5mg/kg,0.75mg/kg,10mg/kg,50mg/kgなど)とすることができる。例えば、用量は1mg/kg体重または50mg/kg体重または1-50mg/kgの範囲とすることができ、または少なくとも1mg/kgである。この例示性の範囲より高いまたは低い用量もカバーされ、特に前記の要素を考慮した場合である。前記範囲中の中間用量も本発明の範囲内に含まれるものである。被験者は毎日、隔日、毎週または経験分析によって決められた任意のスケジュール表に従ってこのような用量を投与できる。例示的な用量のスケジュール表は連続数日1~10mg/kg投与することである。本発明の薬物の投与過程において治療効果及び安全性をリアルタイムに評価する必要がある。
製品または薬物キット
本発明の一つの実施形態は、腫瘍の治療に使用できる本発明のプラスミノーゲンまたはプラスミンを含む製品または薬物キットに係るものである。前記製品は好ましくひとつの容器、ラベルまたはプロトコールを含む。適切な容器はボトル、バイアル、注射器などである。容器は各種材料例えばガラスまたはプラスチックから作られることができる。前記容器は組成物を含有し、前記組成物は本発明の疾患または症状を有効に治療し且つ無菌の入口を有する(例えば前記容器は静脈輸液用パックまたはバイアルであり、皮下注射針によって貫通される栓を含む)。前記組成物中の少なくとも一種類の活性化剤がプラスミノーゲン/プラスミンである。前記容器上にあるまたは添付されているラベルは、前記組成物を本発明の腫瘍の治療に用いられると説明するものである。前記製品はさらに薬用緩衝液を含有する第二容器を含み、前記薬用緩衝液は例えばリン酸塩緩衝の食塩水、リンガー溶液及びグルコース溶液を含む。さらには商業及び使用者の角度から見ると必要とされるその他の物質、即ちその他の緩衝液、希釈剤、濾過物、針及び注射器を含むことができる。また、前記製品は使用説明を有するプロトコルを含み、これには例えば前記組成物の使用者にプラスミノーゲンの組成物及び疾患の治療に伴うその他の薬物を患者に投与することを指示することを含む。
以下の実施例で使用されるプラスミノーゲンはヒトプラスミノーゲンであり、ドナーの血漿に由来し、文献に記載された精製方法に基づき[3739]、部分的なプロセスを最適化し、ヒト血漿から精製して得られた。ここでヒトLys-プラスミノーゲン(Lys-プラスミノーゲン)及びGlu-プラスミノーゲン(Glu-プラスミノーゲン)は98%を上回った。
実施例1 プラスミノーゲンは結腸癌の増殖を阻害する
CT26.WTマウス結腸癌細胞は、N-ニトロソ-N-メチルウレタン-(N-nitroso-N-methylurethane,NNMU)によって誘導された未分化結腸癌細胞株である。クローン化した細胞株はCT26.WT(ATCC CRL-2638)と名付けられた。
CT26.WT(ATCC CRL-2638)マウス結腸癌細胞は、中国科学院の上海生物科学研究所から購入した(以下において単にCT26と呼ぶ)。10%ウシ胎児血清を含むPRIM-1640(GIBCO、カタログ番号31800022)培地に、CT26細胞を入れ、37℃、5%二酸化炭素インキュベーターで培養した。培養フラスコ内の細胞が90%まで増殖した後、トリプシン(0.05%トリプシンに0.02%EDTAを添加)(Sigma、74799)で消化し、生理食塩水で3回洗浄し、生理食塩水に再懸濁し、濃度は107細胞/mlであった。
7~9週齢のオスBalb/cマウスを14匹取り、50mg/kg体重でペントバルビタールナトリウムの腹腔内注射によりマウスを麻酔した。麻酔後、マウスの背中に106/100μlのCT26再懸濁液を27ゲージの針で皮下接種し、マウスの皮下腫瘍の体積(長さx幅2x0.52)をノギスで7日間連続して毎日測定した[4041]。7日目の腫瘍の体積に応じて、マウスをランダムにプラスミノーゲン投与群とPBS投与対照群の2群に分け、各群7匹とした。CT26接種の8日目から投与を開始し、それを1日目とし、プラスミノーゲン投与群のマウスにヒトプラスミノーゲン1mg/0.1mL/匹/日で尾静脈注射により投与し、溶媒PBS(20mMクエン酸-クエン酸ナトリウム、2%塩酸アルギニン、3%マンニトール、pH7.4、以下同じ)投与対照群には同量のPBSを尾静脈注射により投与し、23日間連続して投与した。1、4、7、10、13、17、20、及び24日目に、腫瘍の長さと幅を測定し、腫瘍体積を計算した。
腫瘍体積
その結果、投与期間中、プラスミノーゲン投与群の結腸腫瘍の増殖速度は、溶媒PBS対照群よりも有意に低く、20日目と24日目には、2つの群のマウス間の腫瘍サイズの統計学的な差が有意に近く(P=0.06);PBS投与対照群と比較して、プラスミノーゲン投与群の腫瘍体積は17日目に40%減少し、20日目に26%減少し、24日目に32%減少した(図1)。
腫瘍体積の差
20日目の腫瘍体積と10日目、13日目の腫瘍体積との差、及び24日目の腫瘍体積と10日目の腫瘍体積との差を算出した。その結果、プラスミノーゲン投与群の腫瘍体積の増加値は溶媒PBS投与対照群よりも有意に小さく、統計学的な差は有意であった(*はP<0.05を表す)(図2)。
上記の結果は、プラスミノーゲンが結腸癌細胞の増殖を阻害できることを示している。
実施例2 プラスミノーゲンは結腸癌組織における微小血管の形成を阻害する
7~9週齢のオスBalb/cマウスを14匹取り、50mg/kg体重でペントバルビタールナトリウムの腹腔内注射によりマウスを麻酔した。麻酔後、マウスの背中に106/100μlのCT26再懸濁液を27ゲージの針で皮下接種し、マウスの皮下腫瘍の体積(長さx幅2x0.52)をノギスで7日間連続して毎日測定した[4041]。7日目の腫瘍の体積に応じて、マウスをランダムにプラスミノーゲン投与群とPBS投与対照群の2群に分け、各群7匹とした。CT26接種の8日目から投与を開始し、それを1日目とし、プラスミノーゲン投与群のマウスにヒトプラスミノーゲンを1mg/0.1mL/匹/日で尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群には同量のPBSを尾静脈注射により投与し、29日間連続して投与した。30日目にマウスを殺処分し、腫瘍組織を採取して10%中性ホルムアルデヒドで24~48時間固定し、脱水して包埋した。固定した組織サンプルをアルコール勾配で脱水させ、キシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋した。腫瘍組織切片の厚さは4μmであり、切片を脱パラフィンさせ再水和してから1回水で洗った。クエン酸で30分間修復した後、室温で10分冷やし、水でやさしく洗い流した。3%過酸化水素で15分間インキュベートし、PAPマーカーで組織を丸で囲んだ。10%ヤギ血清(Vector Laboratories,Inc.,USA)で1時間ブロッキングした後、ヤギ血清を捨てた。ウサギ由来抗CD31抗体(Abcam、ab28364)で4℃で一晩インキュベートし、PBSで2回洗浄し、毎回5分間であった。ヤギ抗ウサギIgG(HRP)抗体(Abcam)二次抗体を室温で1時間インキュベートし、PBSで2回洗浄し、毎回5分間であった。DABキット(Vector laboratories,Inc.,USA)で呈色させ、水で3回洗浄した後にヘマトキシリンで30秒対比染色して、流水で5分間ブルーイングさせ、PBSで1回洗浄した。勾配で脱水させて透徹にし、封入させ、切片を光学顕微鏡下で200倍にて観察した。
CD31は通常、血管内皮細胞、血小板、マクロファージ、クファー(kuffer)細胞、顆粒球、T/NK細胞、リンパ球、巨核球、破骨細胞、好中球に存在する。免疫組織化学では、CD31は血管内皮細胞のマーカーであり、腫瘍血管新生の評価に使用できる[4243]
その結果、プラスミノーゲン投与群(図3B)の腫瘍塊におけるCD31の発現(矢印でマーク)が、溶媒PBS投与対照群(図3A)の発現よりも有意に少なかった。これは、プラスミノーゲンが腫瘍組織の血管内皮細胞マーカーCD31の発現を阻害できることを示しており、プラスミノーゲンが結腸癌腫瘍組織における新しい血管の形成を阻害できることを示唆している。
実施例3 プラスミノーゲンは結腸癌のリンパ管新生を阻害する
7~9週齢のオスBalb/cマウスを14匹取り、50mg/kg体重でペントバルビタールナトリウムの腹腔内注射によりマウスを麻酔した。麻酔後、マウスの背中に106/100μlのCT26再懸濁液を27ゲージの針で皮下接種し、マウスの皮下腫瘍の体積(長さx幅2x0.52)をノギスで7日間連続して毎日測定した[4041]。7日目の腫瘍の体積に応じて、マウスをランダムにプラスミノーゲン投与群とPBS投与対照群の2群に分け、各群7匹とした。CT26接種の8日目から投与を開始し、それを1日目とし、プラスミノーゲン投与群のマウスにヒトプラスミノーゲンを1mg/0.1mL/匹/日で尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群には同量のPBSを尾静脈注射により投与し、29日間連続して投与した。30日目にマウスを殺処分し、腫瘍組織を採取して10%中性ホルムアルデヒドで24~48時間固定し、脱水して包埋した。固定した組織サンプルをアルコール勾配で脱水させ、キシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋した。腫瘍組織切片の厚さは4μmであり、切片を脱パラフィンさせ再水和してから1回水で洗った。クエン酸で30分間修復した後、室温で10分冷やし、水でやさしく洗い流した。3%過酸化水素で15分間インキュベートし、PAPマーカーで組織を丸で囲んだ。10%ヤギ血清(Vector Laboratories,Inc.,USA)で1時間ブロッキングした後、ヤギ血清を捨てた。ウサギ由来抗LYVE-1抗体(Abcam、ab14917)で4℃で一晩インキュベートし、PBSで2回洗浄し、毎回5分間であった。ヤギ抗ウサギIgG(HRP)抗体(Abcam)二次抗体を室温で1時間インキュベートし、PBSで2回洗浄し、毎回5分間であった。DABキット(Vector laboratories,Inc.,USA)で呈色させ、水で3回洗浄した後にヘマトキシリンで30秒対比染色して、流水で5分間ブルーイングさせ、PBSで1回洗浄した。勾配で脱水させて透徹にし、封入させ、切片を光学顕微鏡下で400倍にて観察した。
リンパ管内皮ヒアルロン酸受容体1(Lymphatic vessel endothelial hyaluronan receptor 1,LYVE-1)は、リンパ管内皮細胞の表面にある受容体であり、リンパ管内皮細胞のマーカーとして使用できる[4445]
その結果、プラスミノーゲン投与群(図4B)の腫瘍塊におけるLYVE-1の発現(矢印でマーク)が、溶媒PBS投与対照群(図4A)の発現よりも有意に少なかった。この実験結果は、プラスミノーゲンが腫瘍内のリンパ管内皮細胞マーカーLYVE-1の発現を阻害できることを示しており、プラスミノーゲンが結腸癌組織のリンパ管の形成を阻害できることを示唆している。
実施例4 プラスミノーゲンは結腸癌細胞の壊死を促進する
7~9週齢のオスBalb/cマウスを14匹取り、50mg/kg体重でペントバルビタールナトリウムの腹腔内注射によりマウスを麻酔した。麻酔後、マウスの背中に106/100μlのCT26再懸濁液を27ゲージの針で皮下接種し、マウスの皮下腫瘍の体積(長さx幅2x0.52)をノギスで7日間連続して毎日測定した[4041]。7日目の腫瘍の体積に応じて、マウスをランダムにプラスミノーゲン投与群とPBS投与対照群の2群に分け、各群7匹とした。CT26接種の8日目から投与を開始し、それを1日目とし、プラスミノーゲン投与群のマウスにヒトプラスミノーゲンを1mg/0.1mL/匹/日で尾静脈注射により投与し、溶媒PBS投与対照群には同量のPBSを尾静脈注射により投与し、29日間連続して投与した。30日目にマウスを殺処分し、腫瘍組織を採取して10%中性ホルムアルデヒドで24~48時間固定した。固定した腫瘍組織をアルコール勾配で脱水させ、キシレンで透徹化処理した後にパラフィンで包埋した。組織切片の厚さは3μmであり、切片を脱パラフィンさせ再水和してからヘマトキシリン及びエオジンで染色し(H&E染色)、1%塩酸エタノールで分別させ、アンモニア水でブルーイングさせ、さらにアルコール勾配で脱水させて封入させ、切片を光学顕微鏡下で200倍にて観察した。図5C及び図5Dは、それぞれ図5A及び図5Bの枠で囲まれた領域の拡大写真である。
その結果、プラスミノーゲン投与群(図5B)と溶媒PBS投与対照群(図5A)の結腸癌皮下腫瘍は異なる程度の壊死を有し(矢印でマーク)、プラスミノーゲン投与群の壊死は溶媒PBS投与対照群よりも深刻であり、壊死の範囲も広かった。さらに、プラスミノーゲン投与群(図5D)の非壊死領域における腫瘍細胞の数は、溶媒PBS対照群(図5C)よりも有意に少なかった。これは、プラスミノーゲンが結腸癌細胞の壊死を促進できることを示している。
実施例5 プラスミノーゲンは結腸癌モデルマウスの腫瘍増殖を阻害する
9週齢のBalb/cメスマウス27匹を取り、体重を測定してからランダムに2つの群に分け、ブランク対照群に9匹、モデル群に18匹とした。群分け後、モデル群の全てのマウスを2%イソフルランで麻酔し、片側の脇の下を消毒し、1×106個のCT-26細胞懸濁液を皮下注射し、7日間観察した。腫瘍細胞接種後8日目に、すべてのマウスの腫瘍体積を測定し、マウスの腫瘍体積が100mm3以上に達した後、すべてのマウスの体重を測定し、体重と腫瘍体積の結果に従ってランダムに群を分け、溶媒群で9匹、投与群で9匹とした。群分け後、投与群のマウスにヒトプラスミノーゲンを1mg/0.1mL/匹/日で尾静脈注射により投与し、溶媒群のマウス及びブランク対照群のマウスには同量のPBSを尾静脈注射により投与し、投与初日を1日目とし、13日間連続して投与した。投与0日目(投与前)、4日目、7日目、10日目、及び13日目にマウスの皮下腫瘍の体積(長さx幅2x0.52)をノギスで測定した[4041]
その結果、溶媒群のマウスの腫瘍体積は、7、10、13日目にプラスミノーゲン投与群マウスよりも大きく、13日目には統計的差が有意に近かった(P=0.05)(図6A)。13日目と4日目の、溶媒群とプラスミノーゲン投与群の腫瘍体積の差を比較・解析した結果、溶媒群のマウスの腫瘍体積の増加が、プラスミノーゲン投与群のマウスよりも有意に大きく、その差は統計的に有意であった(P=0.01)(図6B)。以上の結果より、プラスミノーゲンが結腸癌の腫瘍増殖を抑制できることが示されている。
実施例6 プラスミノーゲンは肺癌モデルマウスの疼痛感受性を改善する
マウスルイス肺癌細胞(Lewis lung cancer cells、LLC;以下においてLLCと略称する)は、中国科学院上海生物科学研究所から購入した。LLCを10%ウシ胎児血清含有DMEM(GIBCO、カタログ番号15140122)培養液に入れ、37℃、5%二酸化炭素インキュベーターで培養した。培養フラスコ内の細胞の増殖が90%に達した後、トリプシン(0.05%トリプシンに0.02%EDTAを添加)(Sigma、74799)で消化し、生理食塩水で3回洗浄した。細胞を生理食塩水に再懸濁し、顕微鏡下で計数し、細胞が単一の懸濁液であることを確認した。最後に、細胞を生理食塩水で再懸濁して細胞濃度を107細胞/mlにし、後で使用するために氷上に置いた。
8~9週齢のC57マウス30匹を取り、体重を測定してからランダムに2つの群に分け、ブランク対照群で6匹とし、モデル群で24匹とした。群分け後、マウスを呼吸麻酔器で2%イソフルランで麻酔し、左足の毛を脱毛し、大腿骨遠位顆の皮膚をヨウ素溶液で消毒した後、0.5cmの浅い切開を行った;次に膝蓋靭帯を鈍的切開して、外傷を最小限に抑えて大腿骨遠位顆を露出させた;モデル群のマウスに、左大腿骨遠位部の骨髄腔に10μl LLC細胞懸濁液(2×105細胞/μl)を50ul滅菌マイクロインジェクターでゆっくりと注射した。対照群のマウスの骨腔に10μlの無菌生理食塩水を注射した;注射後、注射器を90秒間置いて、細胞が骨腔を満たすようにし、注射器を取り外した後の細胞の漏れを防ぐために注入口を無菌のボーンワックスで密封し、そして傷を0.5シルク縫合糸で閉じた;手術後のマウスを温熱パッドの上に置いて保温し、目覚めた後にマウスをケージに戻した。外科的モデリングの8日目に、すべてのマウスの重量を測定し、電子的に痛みを検出した。モデル群のマウスは、痛みと体重の結果に従って群に分け、溶媒群で12匹とし、投与群で12匹とした。群分け後、投与群のマウスにはヒトプラスミノーゲンを尾静脈注射により50mg/kg/匹/日で投与し、溶媒群及びブランク対照群のマウスには5ml/kg/匹/日で溶媒を尾静脈注射により投与した。投与の初日を投与の1日目とした。7日目に、Von-Frey繊維フィラメント(Stoelting、米国)を使用して、機械的損傷に対する動物の感受性を検出した。2.0gの力を初期の力として、まず左足を検出した。5回の刺激のうち4回が足を引っ込める反応を示した場合、それは正と見なされ、動物の機械的損傷の閾値として記録した。2.0gの力刺激応答が負の場合、より高い力で右足を刺激し、正の場合、それを閾値として記録し、負の場合、さらにより高い力で左足を刺激し続け、正の反応が出るまでマウスの右足を交互に刺激した[48]。Von-Frey繊維フィラメント電子疼痛測定試験は、前臨床研究及び臨床研究におけるがん疼痛の一般的な評価方法である。
その結果、ブランク対照群のマウスの疼痛閾値は正常であり、溶媒群の疼痛閾値は上昇し、溶媒群と比較して、プラスミノーゲン投与群のマウスの疼痛閾値は有意に低く、2つの群の統計的P値は0.003であり、投与群の痛覚閾値は、ブランク対照群に近かった(図7)。この結果は、プラスミノーゲンが肺癌モデルマウスの疼痛感受性を有意に改善できることを示している。
実施例7 プラスミノーゲンは肺癌モデルマウスの全身状態と精神状態を改善する
6~7週齢のメスC57マウスを11匹取り、体重によってランダムに2つの群に分け、プラスミノーゲン投与群で5匹とし、溶媒投与対照群で6匹とした。50mg/kg体重でペントバルビタールナトリウムの腹腔内注射により2つの群のマウスを麻酔した。麻酔後、マウスの背中に2×106/200μlのLLC再懸濁液を皮下接種した[46、47]。細胞接種の当日から投与を開始し、それを1日目とし、プラスミノーゲン投与群のマウスにヒトプラスミノーゲンを1mg/0.1mL/匹/日で尾静脈注射により投与し、溶媒投与対照群には同量の溶媒PBSを尾静脈注射により毎日投与し、マウスの腫瘍の状況と精神状態を毎日観察し、写真を撮った。
その結果、20日目に、溶媒PBS投与対照群(図8A)のマウスが毛を直立させ、動きが遅く、無気力であり、腫瘍がひどく破裂し、腫瘍の傷が明らかに化膿して出血している(矢印でマーク)に対して、プラスミノーゲン投与群(図8B)のマウスが自由に動き、精神状態が良好であり、腫瘍には明らかな潰瘍化現象がなく、腫瘍の表皮に少量のかさぶたがあった。この観察結果は、プラスミノーゲンが肺癌モデルマウスの全身状態及び精神状態を改善できることを示している。
実施例8 プラスミノーゲンは肺癌モデルマウスの生存率を高める
6~7週齢のメスC57マウスを11匹取り、体重によってランダムに2つの群に分け、プラスミノーゲン投与群で5匹とし、溶媒対照群で6匹とした。50mg/kg体重でペントバルビタールナトリウムの腹腔内注射により2つの群のマウスを麻酔した。麻酔後、マウスの背中に2×106/200μlのLLC再懸濁液を皮下接種した[46、47]。細胞接種の当日から投与を開始し、それを1日目とし、プラスミノーゲン(PLG)投与群のマウスにヒトプラスミノーゲンを1mg/0.1mL/匹/日で尾静脈注射により投与し、溶媒投与対照群には同量の溶媒PBSを尾静脈注射により毎日投与し、マウスの生存を毎日観察して記録し、24日間連続して観察し、観察期間中、プロトコルに従って動物に投与した。
生存曲線から、溶媒対照群のマウスの生存率は、24日間の観察期間中、プラスミノーゲン投与群よりも有意に低く、統計学的に有意な差があったことがわかる(図9)。この結果は、プラスミノーゲンが肺癌モデルマウスの生存率を向上させ、生存期間を延長できることを示している。
実施例9 プラスミノーゲンは肺癌の増殖を阻害する
13~14週齢のオスC57マウスを30匹取り、体重によってランダムに2つの群に分け、ブランク対照群で6匹とし、モデル群で24匹とした。2つの群のマウスを2%イソフルランで麻酔した。麻酔後、マウスの腰椎の背中の皮膚の4~6箇所を消毒し、1×106個のLLC再懸濁液を皮下接種した[46、47]。細胞注入後、マウスの腫瘍増殖状態をよく観察した。腫瘍細胞接種の7日後、すべてのマウスの体重及び腫瘍体積を測定し、オープンフィールド試験を行なった。モデル群のマウスを試験の結果に応じてランダムに2つ群に分け、溶媒対照群とプラスミノーゲン投与群でそれぞれ12匹とし、投与を開始し、それを1日目とし、プラスミノーゲン投与群のマウスにヒトプラスミノーゲン1mg/0.1mL/匹/日で尾静脈注射により投与し、溶媒対照群には同量の溶媒PBSを尾静脈注射により投与し、14日間連続して投与した。1、4、8、11、及び15日目に、腫瘍体積を測定し、体重を測った。15日目にマウスを殺処分し、腫瘍組織を採取して秤量した。腫瘍係数=腫瘍組織重量/体重*100。
腫瘍係数
その結果、プラスミノーゲン投与群の腫瘍係数は溶媒群よりも有意に小さく、統計的差が有意に近かった(P=0.09)(図10)。
腫瘍体積
その結果、プラスミノーゲン投与群のマウスの腫瘍体積は溶媒群よりも有意に小さく、統計的差は4日目に非常に有意であった(**はP<0.01を表す)(図11)。
上記の結果は、プラスミノーゲンが肺癌細胞の増殖を阻害できることを示している。
実施例10 プラスミノーゲンは肺癌モデルマウスの活動能力の回復を促進する
13~14週齢のオスC57マウスを30匹取り、体重によってランダムに2つの群に分け、ブランク対照群で6匹とし、モデル群で24匹とした。2つの群のマウスを2%イソフルランで麻酔した。麻酔後、マウスの腰椎の背中の皮膚の4~6箇所を消毒し、1×106個のLLC再懸濁液を皮下接種した[46、47]。細胞注入後、マウスの腫瘍増殖状態をよく観察した。腫瘍細胞接種の7日後、すべてのマウスの体重及び腫瘍体積を測定し、オープンフィールド試験を行なった。モデル群のマウスを試験の結果に応じてランダムに2つ群に分け、溶媒対照群とプラスミノーゲン投与群でそれぞれ12匹とし、投与を開始し、それを1日目とし、プラスミノーゲン投与群のマウスにヒトプラスミノーゲン1mg/0.1mL/匹/日で尾静脈注射により投与し、溶媒対照群には同量の溶媒PBSを尾静脈注射により投与し、7日間連続して投与した。投与の8日目にオープンフィールド試験を行なった。
オープンフィールド試験
実験時、オープンフィールド(40×40×40cm)の底面中央にマウスを置き、撮影と計時を同時に行い、持続して5分間観察し、各マウスは3回の実験を行った。Smart Systemは、実験動物の行動を評価するための完全な使いやすいビデオ追跡システムである。移動軌跡、アクティビティ、特定の動作(回転、ストレッチ、摂食など)及びイベントを記録し、さまざまな分析パラメーターの計算を実行できる。この実験では、Smart3.0システムを使用して、マウスの動きを記録及び分析し、マウスの境界ゾーン休憩時間率を記録した。各実験後、匂いの好みを防ぐために70%のアルコールを使用してボックスを拭いた。
その結果、ブランク対照群のマウスは境界ゾーンで一定の休憩時間の割合を有し、溶媒群のマウスの境界ゾーンにおける休憩時間の割合はブランク対照群よりも有意に高く、プラスミノーゲン投与群のマウスの境界ゾーンでの休憩時間の割合は溶媒対照群より有意に低く、統計学的な差は有意であった(*はP<0.05を表す)(図12)。この結果は、プラスミノーゲンが肺癌モデルマウスの活動及び行動の回復を促進できることを示している。
実施例11 プラスミノーゲンは肺癌モデルマウスの腫瘍増殖を阻害する
7~10週齢のSCID(重症複合免疫不全)マウス(NOD.CB17-Prkdcscid/NcrCrl、略してNOD SCID、Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.から購入、系統コード40624)を24匹取り、体重を量った後、ランダムに2つの群に分け、ブランク対照群で8匹とし、モデル群で16匹とした。群分け後、モデル群の全てのマウスを2%イソフルランで麻酔し、背中を消毒し、1×106個のルイス肺癌細胞-GFP細胞(緑色蛍光タンパク質GFPを安定的にトランスフェクトしたマウス肺癌細胞、LLC-GFP細胞と略称)(Shanghai Meixuan Biological Science and Technology Ltd.から購入)懸濁液を皮下に接種し、7日間観察した。腫瘍細胞接種後8日目に、すべてのマウスの体重を測定し、モデル群のマウスの腫瘍体積をテストし、テスト結果に従って、モデル群をランダムに2つの群に分け、溶媒群で8匹とし、投与群で8匹とし、ブランク対照群のマウスには何の処置もしなかった。群分け後、投与群のマウスにヒトプラスミノーゲン1mg/0.1mL/匹/日で尾静脈注射により投与し、溶媒群のマウスには同量の溶媒PBSを尾静脈注射により投与し、ブランク対照群のマウスには投与しなかった。10日間連続して投与した。投与0日目(投与前)、4日目、7日目、及び10日目にマウスの皮下腫瘍の体積(長さx幅2x0.52)をノギスで測定した[4041]
その結果、プラスミノーゲン投与群のマウスの腫瘍体積は、各測定時点で溶媒群のマウスの腫瘍体積に比べて有意に小さく、投与4日目の統計P値は0.22であり、投与7日目の統計P値は0.003であり、投与10日目のP値は0.07であった(図13)。これは、プラスミノーゲンが肺癌モデルマウスの腫瘍増殖を有意に抑制できることを示している。
実施例12 プラスミノーゲンはがん疼痛モデルマウスの痛覚を改善する
8~9週齢のBalb/cメスマウス18匹及びオスマウス18匹を取り、体重を測定してからランダムに2つの群に分け、ブランク対照群で12匹とし、モデル群で24匹とした。群分け後、マウスを呼吸麻酔器で2%イソフルランで麻酔し、左足の毛を脱毛し、大腿骨遠位顆の皮膚をヨウ素溶液で消毒した後、0.5cmの浅い切開を行った;次に膝蓋靭帯を鈍的切開して、外傷を最小限に抑えて大腿骨遠位顆を露出させた;モデル群のマウスに、左大腿骨遠位部の骨髄腔に5μl CT-26細胞懸濁液(2×104細胞/μl)を50ul滅菌マイクロインジェクターでゆっくりと注射した。対照群のマウスの骨腔に5μlの無菌生理食塩水を注射した;注射後、注射器を90秒間置いて、細胞が骨腔を満たすようにし、注射器を取り外した後の細胞の漏れを防ぐために注入口を無菌のボーンワックスで密封し、そして傷を0.5シルク縫合糸で閉じた;手術後のマウスを温熱パッドの上に置いて保温し、目覚めた後にマウスをケージに戻した。外科的モデリングの8日目に、すべてのマウスの重量を測定し、モデル群のマウスは、体重の結果に従ってランダムに群に分け、溶媒群で12匹とし、投与群で12匹とした。群分け後、投与群のマウスにはヒトプラスミノーゲンを尾静脈注射により50mg/kg/匹/日で投与し、溶媒群及びブランク対照群のマウスには5ml/kg/匹/日で溶媒PBSを尾静脈注射により投与した。投与の初日を1日目とし、7日間連続して投与した。8日目に、ホット及びコールドプレートの疼痛検出を行い、マウスの痛みの反応が出始めたことを記録した。検出前日、機器の温度を20℃の一定温度に設定し、マウスを1匹ずつ機器に入れて5分間順応させた。検出当日、ホット及びコールドプレートのRAMPモードを選択し、初期温度を20℃、最終温度を4℃に設定し、初期温度から最終温度までの時間を5分間に設定した。機器の温度が初期温度に達したら、テストするマウスをコールドプレートに置き、[開始]をクリックしてタイミングすると共に冷却を開始し、マウスの後足が収縮して持ち上げることを観察した時に停止し、マウスの後足収縮と持ち上げ時の時間及び表示温度を記録し、最長検出時間は6分間であり、3回連続して測定した。なお、各マウスの実験後、相互干渉を避けるために、次のマウスの実験を開始する前に、ホット及びコールドプレートを洗浄して消毒剤で拭く必要がある。
マウスの後足収縮と持ち上げ時の温度
その結果、溶媒群のマウスの後足収縮と持ち上げ時の温度は、ブランク対照群のマウスよりも有意に高く、投与群のマウスの後足収縮と持ち上げ時の温度は、溶媒群のマウスよりも有意に低く、ブランク対照群のマウスに近かった。統計解析の結果、メス投与群と溶媒群のマウスの比較はP=0.007、オス投与群と溶媒群のマウスの比較はP=0.043であった(図14A)。
マウスの後足の収縮と持ち上げ時の時間
その結果、溶媒群のマウスの後足の収縮と持ち上げ時の時間は、ブランク対照群のマウスよりも有意に早く、投与群のマウスの後足の収縮と持ち上げ時の時間は、溶媒群のマウスよりも有意に遅く、ブランク対照群のマウスに近かった。統計解析の結果、メス投与群と溶媒群のマウスの比較はP=0.004、オス投与群と溶媒群のマウスの比較はP=0.023であった(図14B)。
以上の結果は、プラスミノーゲンががん疼痛モデルマウスの痛覚を緩和できることを示している。
実施例13 プラスミノーゲンはがん疼痛モデルマウスの痛覚を改善及び阻害する
8~9週齢のC57マウス30匹を取り、体重を測定してからランダムに2つの群に分け、ブランク対照群で6匹とし、モデル群で24匹とした。群分け後、マウスを呼吸麻酔器で2%イソフルランで麻酔し、左足の毛を脱毛し、大腿骨遠位顆の皮膚をヨウ素溶液で消毒した後、0.5cmの浅い切開を行った;次に膝蓋靭帯を鈍的切開して、外傷を最小限に抑えて大腿骨遠位顆を露出させた;モデル群のマウスに、左大腿骨遠位部の骨髄腔に10μl LLC細胞懸濁液(2×105細胞/μl)を50ul滅菌マイクロインジェクターでゆっくりと注射した。対照群のマウスの骨腔に10μlの無菌生理食塩水を注射した;注射後、注射器を90秒間置いて、細胞が骨腔を満たすようにし、注射器を取り外した後の細胞の漏れを防ぐために注入口を無菌のボーンワックスで密封し、そして傷を0.5シルク縫合糸で閉じた;手術後のマウスを温熱パッドの上に置いて保温し、目覚めた後にマウスをケージに戻した。外科的モデリングの8日目に、すべてのマウスの重量を測定し、電子的に痛みを検出した。モデル群のマウスは、痛みと体重の結果に従って群に分け、溶媒群で12匹とし、投与群で12匹とした。群分け後、投与群のマウスにはヒトプラスミノーゲンを尾静脈注射により50mg/kg/匹/日で投与し、溶媒群及びブランク対照群のマウスには5ml/kg/匹/日で溶媒を尾静脈注射により投与した。投与の初日を投与の1日目とし、20日間連続して投与した。20日目にクランプ式圧痛計試験を行った。具体的な手順は次のとおりである:テストする動物を固定棚に置き、左右の足を露出させる。ペンチでマウスの後足をクランプし、受けられた最大圧力を測定する。必要な測定圧力値を記録する。各マウスの左右の後足を4回測定した。
その結果、投与群のマウスの疼痛閾値は溶媒群より有意に高く、統計解析P値は0.006であった(図15)。これは、プラスミノーゲンが、がん疼痛モデルマウスの痛覚を緩和できることを示唆している。
実施例14 プラスミノーゲンは肺癌モデルマウスの腫瘍増殖を阻害できる
7~10週齢のSCID(重症複合免疫不全)マウス(NOD.CB17-Prkdcscid/NcrCrl、略してNOD SCID、Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.から購入、系統コード40624)を21匹取り、体重を量った後、ランダムに2つの群に分け、ブランク対照群で7匹とし、モデル群で14匹とした。群分け後、モデル群の全てのマウスを2%イソフルラン(Lunan Beit Pharmaceutical Co., Ltd.から購入)で麻酔し、背中を消毒し、1×106個のルイス肺癌細胞-GFP細胞(緑色蛍光タンパク質GFPを安定的にトランスフェクトしたマウス肺癌細胞、LLC-GFP細胞と略称)(Shanghai Meixuan Biological Science and Technology Ltd.から購入)懸濁液を皮下に接種し、7日間観察した。腫瘍細胞接種後8日目に、すべてのマウスの体重を測定し、モデル群のマウスの腫瘍体積をテストし、テスト結果に従って、モデル群をランダムに2つの群に分け、溶媒群で7匹とし、投与群で7匹とし、ブランク対照群のマウスには何の処置もしなかった。群分け後、投与群のマウスにヒトプラスミノーゲン1mg/0.1mL/匹/日で尾静脈注射により投与し、溶媒群のマウスには同量の溶媒PBSを尾静脈注射により投与し、ブランク対照群のマウスには投与しなかった。10日間連続して投与した。投与し始めた1日目を0日目とし、0日目、4日目、7日目、及び10日目に腫瘍の体積を測定した。
その結果、0日目では投与群のマウスの腫瘍体積は溶媒群とは差がなく、4日目、7日目、及び10日目では投与群の腫瘍体積が溶媒群よりも有意に小さく、かつ統計解析P値は、それぞれ0.22、0.003、及び0.07であった(図16)。これは、プラスミノーゲンが肺癌腫瘍の増殖を有意に阻害できることを示している。
実施例15 食道癌患者に対するプラスミノーゲンの治療効果
患者は72歳の男性であり、意識ははっきりしており、糖尿病や心臓病の既往はないが、高血圧の既往がある。半年前に食道癌と診断され、化学療法を開始した。患者は、ヒトプラスミノーゲンの治療を受けるためのインフォームドコンセントフォームに署名し、病院倫理委員会の承認を得た。4回目の化学療法の後にヒトプラスミノーゲンを使用し初め、5回目、6回目、及び7回目の化学療法の後にもヒトプラスミノーゲンを使用した。
初回治療コース
化学療法の後、患者は疲労感と吐き気の症状を示した。下唇は2か所潰瘍し、両手の手のひらは赤くなっていた。毎日服用している他の薬:Xuesusheng(血速昇)顆粒、Shengxuetiaoyuan(昇血調元)顆粒、オンダンセトロン塩酸塩の錠剤。
ヒトプラスミノーゲンの投与計画:投与方法は静脈内注射であった。21日間の投与が1コースであり、投与頻度は最初の5日間は1日2回、その後は1日1回であった。1日あたりの投与量:1日目は40mgであり、その後徐々に増量し、21日目の用量は190mgであった。
投与後の患者の治癒効果を1~10評点のスケールで記録し、1日目に投与がなかった場合の状況を10とする。症状が悪化するとスコアが増加し、症状が緩和するとスコアが減少し、1が最も軽度である。
投与3日目で、患者の状態が改善し、総合印象スコアは7点であり、精神状態スコアは8点であり、食欲スコアは7点であり、吐き気がおさまったのでスコアは0点となり、下唇の潰瘍がかさぶたになっており、髪の毛は基本的に抜けていなかった。投与6日目には患者の状態はさらに改善し、総合印象スコアは4点であり、精神状態スコアは5点であり、食欲スコアは6点であり、左右掌色スコア8点、潰瘍下唇の腫れはほぼ治り、毛も基本的に抜けませんでした。21日目は、全体の印象スコアが1点、精神状態スコアが0点、食欲スコアが0点、左と右の手のひらの色スコアはそれぞれ3点と4点であった。
2番目の治療コース
ヒトプラスミノーゲンによる初回の治療が終わってから10日後に5回目の化学療法が行われ、化学療法が1日に完了した。その後には体が弱く感じた。同時に服用している他の薬:ランソプラゾール腸溶錠。
ヒトプラスミノーゲンの2番目の治療コースの投与計画:投与方法は静脈内注射であった。投与期間は21日間であり、投与頻度は1日1回であり、投与量は100~120mgであった。
治療効果:患者の精神状態が良好であり、食欲が良好であり、睡眠が良好であり、体の弱さが改善され、その他の不快感はなかった。
3番目の治療コース
2番目の治療コースが終わってから5日後に6回目の化学療法が行われ、化学療法後、患者は不快感がないと訴えた。同時に服用している他の薬:サイモシン腸溶錠。
ヒトプラスミノーゲンの3番目の治療コースの投与計画:投与方法は静脈内注射であった。投与期間は7日間であり、投与頻度は1日1回であり、投与量は100~115mgであった。
治療効果:患者の状態は改善されており、総合印象スコアは本投与前と比較して6ポイントであった。
治療の最初のコースの前と3番目の治療コースの終了から4週間後、患者は電子胃鏡検査を受けた。その結果、投与前に、患者は切歯から20cm~30cm離れたところに食道腫瘍(矢印でマーク)が見られ、3/4週間食道に影響を与え、腫瘍はもろく出血しやすく、食道は狭く、鏡体はギリギリ通過した。3番目の治療コースの終了から4週間後の電子胃内視鏡検査の結果、切歯から21cm離れたところに0.8cmの隆起性病変(矢印でマーク)が見られ、粘膜は滑らかであり、22~24cmのところに2cmの潰瘍性隆起性病変が見られ、2/5週持続した;27cmのところに約0.3cmのポリープが見られ、粘膜は滑らかであり、3つの病巣は互いにつながっていなかった(図17)。患者の食道癌腫瘍の体積は、ヒトプラスミノーゲンと化学療法による治療後に大幅に減少した。
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Claims (6)

  1. 効量のプラスミノーゲンを含む、腫瘍を患う対象における腫瘍治療に使用するための医薬組成物であって、
    前記プラスミノーゲンは、配列2と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有し、且つ依然としてプラスミノーゲン活性を有する、医薬組成物
  2. 前記プラスミノーゲンが、Lys-プラスミノーゲン及びGlu-プラスミノーゲンかなる群から選択されるものである、請求項1に記載の医薬組成物
  3. 前記腫瘍ががんである、請求項1または2に記載の医薬組成物
  4. 前記腫瘍は、口腔癌、食道癌、胃癌、小腸癌、結腸癌、直腸癌、肺癌、肝臓癌、肝細胞癌、膵臓癌、胆嚢癌、非小細胞肺(NSCL)癌、気管支肺胞細胞肺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、卵管癌、子宮内膜癌、膣癌、前立腺癌、尿道癌、陰茎癌、腎臓癌、尿管癌、腎細胞癌、腎盂癌、膀胱癌、頭頸部癌、皮膚癌、黒色腫、中皮腫、骨癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟部肉腫、神経膠腫、多形性膠芽腫、星状細胞腫、シュワン細胞腫瘍、上衣腫、髄芽腫、髄膜腫、扁平上皮癌、及び下垂体腺腫からなる群より選択される1つ以上のものである、請求項1または2に記載の医薬組成物
  5. 前記プラスミノーゲンが、腫瘍の体積を減少する効果、腫瘍を患う対象の一般的な生存状態を改善する効果、腫瘍の進行を遅延する効果、腫瘍細胞の増殖を阻害する効果、生存率を増加させる効果、腫瘍を患う対象の生存期間を延長する効果、がんの痛みを緩和する効果、腫瘍の血管新生を阻害する効果、腫瘍細胞の壊死またはアポトーシスを促進する効果、抗腫瘍免疫応答を促進する効果、腫瘍関連抗原またはリンパ球表面分子の発現を調節する効果、がん細胞による組織及び器官への損傷を軽減する効果、及び腫瘍が損傷した組織構造または機能の回復を促進する効果からなる群より選択される1つ以上の効果を有する、請求項1または2に記載の医薬組成物
  6. 前記プラスミノーゲンは、化学療法、放射線療法、手術療法、細胞療法及び免疫療法からなる群から選択される1つ以上と組み合わせて投与される、請求項1または2に記載の医薬組成物
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