JP7711340B1 - 酸化物半導体膜並びにその製造方法、トランジスタ、半導体デバイス、電子回路、電気機器、電子機器、車両、及び動力機関 - Google Patents
酸化物半導体膜並びにその製造方法、トランジスタ、半導体デバイス、電子回路、電気機器、電子機器、車両、及び動力機関Info
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Abstract
Description
[1]
インジウムを主成分として含む酸化物半導体膜であって、
前記酸化物半導体膜の下層面のラフネス1と、前記下層面とは反対側の上層面のラフネス2との差が、0.06nm以下である、
酸化物半導体膜。
[2]
前記酸化物半導体膜の膜厚が、20.0mm以下である、
[1]に記載の酸化物半導体膜。
[3]
前記酸化物半導体膜の膜厚が、10.0mm未満である、
[1]又は[2]に記載の酸化物半導体膜。
[4]
下層面のラフネス1が0.2nm未満である、
[1]~[3]のいずれかに記載の酸化物半導体膜。
[5]
前記酸化物半導体膜に含まれる全金属元素に対するインジウムの原子比率が、62.0at%以上である、
[1]~[4]のいずれかに記載の酸化物半導体膜。
[6]
前記酸化物半導体膜に含まれる全金属元素に対するインジウムの原子比率が、100.0at%以下である、
[1]~[5]のいずれかに記載の酸化物半導体膜。
[7]
さらにガリウムを含む、
[1]~[6]のいずれかに記載の酸化物半導体膜。
[8]
前記酸化物半導体膜に含まれる全金属元素に対するガリウムの原子比率が20.0at%以下である、
[1]~[7]のいずれかに記載の酸化物半導体膜。
[9]
前記酸化物半導体膜に含まれる全金属元素に対するガリウムの原子比率が、0.1at%以上である、
[1]~[8]のいずれかに記載の酸化物半導体膜。
[10]
電子線回折における電子線回折スポットもしくは断面が、ビックスバイト構造を示す、
[1]~[9]のいずれかに記載の酸化物半導体膜。
[11]
移動度が、70.0cm2/Vs以上である、
[1]~[10]のいずれかに記載の酸化物半導体膜。
[12]
原子層堆積法で成膜された、
[1]~[11]のいずれかに記載の酸化物半導体膜。
[13]
インジウムを主成分として含む酸化物半導体膜であって、
前記酸化物半導体膜の下層面のラフネス1と、前記下層面とは反対側の上層面のラフネス2との差が、0.06nm以下であり、
前記酸化物半導体膜の膜厚が、10.0mm未満であり、
下層面のラフネス1が0.2nm未満である、
酸化物半導体膜。
[14]
前記酸化物半導体膜に含まれる全金属元素に対するガリウムの原子比率が、0.1at%以上である、
[13]に記載の酸化物半導体膜。
[15]
移動度が、50.0cm2/Vs以上である、
[14]に記載の酸化物半導体膜。
[16]
原子層堆積法で成膜された、
[15]に記載の酸化物半導体膜。
[17]
基板上に、[1]~[16]のいずれかに記載の酸化物半導体膜からなる層と、絶縁層と、電極と、を備えた、
トランジスタ。
[18]
ボトムゲート・トップコンタクト型、又はトップゲート・トップコンタクト型である、
[17]に記載のトランジスタ。
[19]
三次元垂直チャネル型である、
[17]に記載のトランジスタ。
[20]
前記絶縁層が、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、及び酸化タンタルからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[17]~[19]のいずれかに記載のトランジスタ。
[21]
第1絶縁膜と、第2絶縁膜とを更に備え、
前記電極がゲート電極であり、
前記第1絶縁膜が、前記ゲート電極と前記酸化物半導体膜からなる層との間に位置し、
前記第2絶縁膜が、前記第1絶縁膜に対して前記酸化物半導体膜からなる層の反対側に位置して、前記酸化物半導体膜からなる層と接し、
前記第2絶縁膜が、酸化ガリウムを含む、
[17]~[20]のいずれかに記載のトランジスタ。
[22]
前記電極が、酸化インジウムスズ(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)、アルミニウム・亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム・亜鉛酸化物(GZO)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、タンタル(Ta)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、タングステン(W)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、金(Au)、亜鉛(Zn)、ニオブ(Nb)、マンガン(Mn)、及び窒化チタン(TiN)からなる群より選択される少なくとも1種を含む、
[17]~[21]のいずれかに記載のトランジスタ。
[23]
[17]~[22]のいずれかに記載のトランジスタを含む、半導体デバイス。
[24]
半導体記憶装置である、[23]に記載の半導体デバイス。
[25]
[23]又は[24]に記載の半導体デバイスを含む、電子回路。
[26]
[25]に記載の電子回路を含む、電気機器、電子機器、車両、又は動力機関。
[27]
[1]~[16]のいずれかに記載の酸化物半導体膜の製造方法であって、インジウム含有前駆体を使用して原子層堆積法により成膜する成膜工程を含む、製造方法。
[28]
前記インジウム含有前駆体としてトリエチルインジウムを用いる、
[27]に記載の酸化物半導体膜の製造方法。
[29]
前記成膜工程において更にガリウム含有前駆体を用いる、
[27]又は[28]に記載の酸化物半導体膜の製造方法。
[30]
インジウムを主成分として含む酸化物半導体膜の品質の分析方法であって、
前記酸化物半導体膜の下層面のラフネス1と、前記下層面とは反対側の上層面のラフネス2との差が、0.06nm以下であるかを判断することを含む、
方法。
[31]
前記酸化物半導体膜の下層面のラフネス1と、前記下層面とは反対側の上層面のラフネス2との差が、0.06nm以下であると判断した場合に、前記酸化物半導体膜の品質が良いと評価することをさらに含む、
[30]に記載の方法。
本実施形態の酸化物半導体膜は、インジウムを主成分として含む酸化物半導体膜であって、前記酸化物半導体膜の下層面のラフネス1と、前記下層面とは反対側の上層面のラフネス2との差が、0.06nm以下である。
取得した画像に基づきラフネスを算出する方法は、以下の方法により得られる。
まず、上層面と下層面の界面の輪郭線(界面プロファイル)を、それぞれデジタル画像処理ソフトを用いてx-z座標データとして数値化した上、平均高さである基準線に対する高さの絶対値の平均としてラフネスRaを求めることができる。具体的には以下の式(1)により算出できる。
式(1)中、xは基準線上の位置であり、z(x)は位置xにおける基準線に対する垂直高さ、Lは界面の基準線の全長を意味する。尚、基準線の高さはz(x)の平均高さとする。
本実施形態の酸化物半導体膜がガリウムを含む場合、酸化物半導体膜中に含まれる全金属元素に対するガリウムの原子比率([Ga]/([Ga]+[Ga以外の全金属元素])×100)は、酸化物半導体膜をより好適に結晶化できる点から、好ましくは0.1at%以上20.0at%以下であり、0.5at%以上15.0at%以下であり1.0at%以上10.0at%以下である。
本実施形態の酸化物半導体膜がアルミニウムを含む場合、酸化物半導体膜中に含まれる全金属元素に対するアルミニウムの原子比率([Al]/([Al]+[Al以外の全金属元素])×100)は、酸化物半導体膜をより好適に結晶化できる点から、好ましくは0.1at%以上20.0at%以下であり、0.5at%以上15.0at%以下であり1.0at%以上10.0at%以下である。
0.1at%≦[Ga]/([In]+[Ga])≦20at% …(11)
ここで、不可避不純物、及びO(酸素原子)以外に、C(炭素原子)、N(窒素原子)、F(フッ素原子)、又はH(水素原子)を含んでもよい。上記組成範囲にすることで、Inの比率が大きくなり、300℃程度のアニール温度でInサイトへGaが置換しビックスバイト構造へと結晶化することができる傾向にある。更に酸素との結合力の強いGaを添加することによって、アニール後の酸素欠損を抑制し、半導体として安定な膜が形成できる傾向にある。
[X]/([In]+[X])<15at% …(12)
ここで、不可避不純物、及びO以外に、C、N、F、又はHを含んでもよい。上記組成範囲にすることで、Inの比率が大きくなり、300℃程度のアニール温度でInサイトへXが置換したビックスバイト構造へと結晶化することができる。更に酸素との結合力の強い元素Xを添加することによって、アニール後の酸素欠損を抑制し、半導体として安定な膜が形成できる。
[Ga]/([In]+[Ga]+[X])<22.5at% …(13)
[X]/([In]+[Ga]+[X])<8.0at% …(14)
ここで、不可避不純物、及びO以外に、C、N、F、又はHを含んでもよい。上記組成範囲にすることで、Inの比率が大きくなり、300℃程度のアニール温度でInサイトへGaが置換したビックスバイト構造へと結晶化することができる。また、酸素との結合力の強い添加元素Xを添加することによって、更にアニール後の酸素欠損を抑制し、半導体として安定な膜が形成できる。
[Sn]/([In]+[Sn]+[X])<20at% …(15)
[X]/([In]+[Sn]+[X])<8.0at% …(16)
ここで、不可避不純物、及びO以外に、C、N、F、又はHを含んでもよい。このような組成範囲にすることで、Inの比率が大きくなり、300℃の様な低温のアニールでもInサイトへSnが置換したビックスバイト構造へと結晶化することができる。Snはイオン半径が大きく、Inとの軌道の重なりが大きいため、高移動度を保つことができる。また酸素との結合力の強い元素Xを添加することによって、更にアニール後の酸素欠損を抑制し、半導体として安定な膜が形成できる。
[Zn]/([In]+[Zn]+[X])<12at% …(17)
[X]/([In]+[Zn]+[X])<8.0at% …(18)
ここで、不可避不純物、及びO以外に、C、N、F、又はHを含んでもよい。上記組成範囲にすることで、Inの比率が大きくなり、300℃程度のアニール温度でInサイトへZnが置換したビックスバイト構造へと結晶化することができる。Znを添加することで成膜直後の膜をアモルファス状態にすることができ、トランジスタ等の半導体デバイス作製時の酸による半導体パターニング時に、残渣なく加工することができる。更に酸素との結合力の強い元素Xを添加することによって、アニール後の酸素欠損を抑制し、半導体として安定な膜が形成できる。
本実施形態の酸化物半導体膜の製造方法は、特に限定されないが、従来公知の方法を用いることができる。そのような方法としては、例えば、DCスパッタリング、ACスパッタリング、RFスパッタリング、ICPスパッタリング、反応性スパッタリング、イオンプレーティング、ALD(原子層堆積法)、PLD、MO-CVD、ICP-CVD、ゾルゲル法、塗布法、及びミストCVDが挙げられる。それらの中でも、酸化物半導体膜を、スパッタリング法、又は原子層堆積法(ALD)により成膜する工程を用いることが好ましく、原子層堆積法(ALD)により成膜する工程を用いることがより好ましい。即ち、本実施形態においては、原子層堆積法(ALD)で成膜された酸化物半導体膜であることがより好ましい。また、本実施形態の酸化物半導体膜の製造方法は、インジウム含有前駆体を使用して原子層堆積法により酸化物半導体膜を成膜する成膜工程を含むことが好ましい。
まず、ALDによる酸化物半導体膜の製造方法について説明し、スパッタリング法については、後述する。
原子層堆積法(ALD)とは、酸化物半導体膜を構成する金属元素を含む原料(前駆体、又はプリカーサということがある)と酸化剤とを交互に基板表面に暴露させる工程を1サイクルとし、1サイクルで1層の原子層を形成し、所望の膜厚になるまでこのサイクルを繰り返すことで酸化物半導体膜を成膜する薄膜形成方法である。ALDの具体的な工程については後述する。
(1)原料である前駆体(プリカーサ)を収容した容器で前駆体を気化させてチャンバーに導入し、所定の系圧をかけて所定時間、基板表面又は膜表面のOH基と反応させ、単分子を吸着させる。前駆体の蒸気圧が低い場合には、前駆体を収容した容器を加熱して気化を促進してもよく、前駆体の蒸気圧が高い場合には、前駆体を収容した容器を冷却して気化を抑制して調整してもよい。
(2)不活性ガスによるパージにより、未反応原料や副生したガスをチャンバーから除去させ、1層の原子層を堆積させる。
(3)反応性ガスを、チャンバーに導入し、熱やプラズマ等を用いて前駆体の金属を酸化する。
(4)不活性ガスによるパージにより、未反応の酸化剤や副生したガスを除去する。
ステップ(4)の後、ステップ(1)に戻り、ステップ(1)~(4)を所望の膜厚となるまで繰り返す。
ALDプリカーサとして用いられる金属化合物は、各種のものが市販されており、目的とする酸化物半導体膜を形成できるプリカーサ及び酸化剤を選択すればよい。目的の酸化物半導体膜を形成可能なプリカーサが市販されていない場合、新規合成してもよい。
これらのALDプリカーサは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのALDプリカーサは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化物半導体薄膜の電気特性及び機能性の観点から、本実施形態においては、インジウム含有前駆体に加え、ガリウム含有前駆体を用いることが好ましく、トリエチルインジウムに加え、ガリウム含有前駆体を用いることがより好ましい。
それ故、上記サイクル回数は、用いる前駆体及び酸化剤の種類並びにその組合せ、基板の種類、成膜時の基板温度、所望の膜厚等の多数の因子に依存して変化するため、これらの因子を勘案して適宜設定することができる。
本実施形態に係る酸化物半導体膜の製造方法の一例としては、スパッタリングターゲットを用い、スパッタリングにより酸化物半導体膜を成膜する工程を有する製造方法が挙げられる。スパッタリングによる成膜工程では、不純物ガスを実質的に含まないアルゴン、酸素、水素、水蒸気、及び窒素からなる群より選ばれる少なくとも1種のガスをスパッタガスとして用いる。スパッタガス中に含まれる「不純物」は、意図的に添加しない元素であって、スパッタ性能に実質的な影響を与えない微量元素を意味する。
高純度アルゴン及び高純度酸素の純度は、99.00体積%以上が好ましく、99.90体積%以上がより好ましく、99.99体積%以上であることが更に好ましい。
スパッタ中の磁束密度が700G以未満あってもスパッタ時の出力密度を2.5kW/cm2以上にすることでスパッタ成膜時のプラズマの密度を高めることができ、結果として良好な酸化物半導体膜が得られる。
本実施形態のトランジスタは、基板上に、本実施形態の酸化物半導体膜からなる層(以下、単に「酸化物半導体層」とも称する)と、絶縁膜と、電極とを、備える。本実施形態の酸化物半導体層は、トランジスタにおけるチャネル層として機能する。
第2絶縁膜7は、ソース電極4とドレイン電極5との間に位置する。ここでは、ソース電極4及びドレイン電極5は、第2絶縁膜7を介して積層されている。これにより、ソース電極4とドレイン電極5とが、第2絶縁膜7によって電気的に絶縁される。ここで、第2絶縁膜7は層間絶縁膜として機能する。
ゲート電極2は、酸化物半導体層6と接触せずに隣り合うように設けられている。具体的には、ゲート電極2は、第1絶縁膜3を介して、酸化物半導体層6と隣り合う。第1絶縁膜3は、ゲート電極2と酸化物半導体層6との間に設けられることで、ゲート電極2と酸化物半導体層6とを絶縁してよい。
ここでは、酸化物半導体層6は、ソース電極4、第2絶縁膜7をこの順で貫通して柱状に設けられている。柱状の酸化物半導体層6には、その一端側(図3A及び3Bにおける上側)から他端側(図3A及び3Bにおける下側)に向けて凹部が形成されており、該凹部の内周面及び底面に第1絶縁膜3が形成されている。ゲート電極2は、第1絶縁膜3が形成された該凹部を充填するように設けられている。
ソース電極4及びドレイン電極5は、少なくとも第2絶縁膜7a(ここでは、第2絶縁膜7a及び第3絶縁膜7b)を介して積層されている。ゲート電極2は、ソース電極4とドレイン電極5との間に位置する。これらのトランジスタでは、ソース電極4をドレイン電極5として、ドレイン電極5をソース電極4としてもよい。
また、第3絶縁膜7bは、ドレイン電極5とゲート電極2との間に位置する。これにより、ドレイン電極5とゲート電極2とが、第3絶縁膜7bによって電気的に絶縁される。
すなわち、第2絶縁膜7a及び第3絶縁膜7bは層間絶縁膜として機能する。
ここでは、酸化物半導体層6は、第2絶縁膜7a、ゲート電極2及び第3絶縁膜7bをこの順で貫通して柱状に設けられている。この場合、ゲート電極2は、後述の第1絶縁膜3を介して、酸化物半導体層6の長さ方向の一部分(図4Bの例では中央部分)において、該酸化物半導体層6の側方(長さ方向に垂直な方向の周囲)をその全周にわたって取り囲んでいることが好ましい。これにより、酸化物半導体層6の後述のチャネル長が短くなってもリーク電流を防止しやすくなる。同時に微細化の点でも有利である。
第1絶縁膜3は、柱状の酸化物半導体層6の側面を全周にわたって取り囲むように設けられている。
基材1としては、例えば、ガラス基板、及びシリコン基板が挙げられる。
絶縁膜の主成分が酸化ハフニウムであることにより、絶縁膜の誘電率を高くできるという利点がある。
本実施形態のトランジスタは、酸化物半導体層を構成する酸化物半導体膜をALD法又はスパッタリング法で成膜すること以外は、通常のトランジスタと同様にして製造することができる。
トランジスタ製造における酸化物半導体層、即ち、酸化物半導体膜の形成は、実施例に記載の方法で行うことができる。トランジスタにおけるチャネル層以外の構成要素及びそれらの作製方法については特に限定されず、公知の材料、構成、作製方法を用いることができる。
例えば、まず、熱酸化膜付きシリコン基板を準備する。シリコン基板はゲート電極として機能し、熱酸化膜はゲート絶縁層として機能する。その上にALD法により酸化物半導体層を形成し、パターニングする。酸化物半導体層はチャネル層として機能する。次に、酸化物半導体層の上にソース・ドレイン電極を形成するための金属膜を形成する。その後、リフトオフプロセス等を用い、ソース電極及びドレイン電極を形成して、トランジスタを得る。必要に応じて、更に保護膜を形成してもよい。
酸化物半導体層を有するトランジスタ基板の製造方法として、ボトムゲート型のトランジスタを例に挙げて説明する。図2Bに示すボトムゲート-トップコンタクト型トランジスタは、例えば、次のようにして製造することができる。まず、ガラス等からなる基板1上にゲート電極2をパターン形成する。次に、ゲート電極2上にゲート絶縁層3を形成する。ゲート絶縁層3は、例えば、PE-CVD法により形成される。ゲート絶縁層3の厚さは、通常10nm以上300nm以下である。熱酸化膜付きシリコン基板(基板抵抗0.1Ωcm以下)をゲート電極付ゲート絶縁層3基板とみなしてもよい。次いで、ゲート絶縁層3上に酸化物半導体層6を形成する。酸化物半導体層6の形成方法としては、例えば、酸化物半導体膜と同じ組成のスパッタリングターゲットをDCスパッタリング又はRFスパッタリングで成膜するスパッタリング法、有機金属等を前駆体として膜を形成するALD法、金属アルコキシド、金属有機酸塩及び塩化物等のプレカーサー溶液や酸化物半導体ナノ粒子の分散液を塗布して焼成することよって酸化物半導体層を形成する液相法が挙げられる。図2Bに示すボトムゲート-トップコンタクト型トランジスタ結晶では、酸化物半導体層6を形成した後、ソース電極4及びドレイン電極5のパターンを形成する。ソース電極及びドレイン電極を形成後、それらを覆うようにして保護膜又は第2絶縁膜を形成してもよい。保護膜には、例えば、ALD法やCVD法で形成したSiO2や酸化アルミニウムを用いてもよいし、RFスパッタリング法で成膜した酸化アルミニウムを用いてもよいし、DCスパッタ中に酸素導入して形成した酸化アルミニウムを用いてもよい。
図2Dに示すトップゲート-トップコンタクト型トランジスタは、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、ガラス又はシリコン等からなる基板1上に第2絶縁膜を成膜する。基板1は、予め洗浄してもよい。濃硫酸の1体積に対して、過酸化水素水0.25体積以上1.00体積以下を混合した液(Sulfuric acid-Hydrogen Peroxide Mixture、略してSPM液)を用い、130℃前後に加熱した状態で基板とSPM液を接触して基板から有機物等を除去した後、続けて1%濃度のフッ酸水溶液にて基板を洗浄して、基板表面の酸化膜の除去することができる。その後、例えば、基板を250℃に加熱した後、ALDにて第2絶縁膜を成膜できる。例えば、ALD装置により第2絶縁膜として酸化ハフニウム膜を形成する場合、溶媒とハフニウム前駆体化合物(ハフニウムアルコキシドや、テトラキスジメチルアミドハフニウム(TDMAHf)等のハフニウムアミド)とを含む液体を気化させた第1の原料ガスと、酸化剤としてオゾン(O3)及び酸素(O2)のような第2の原料ガスとを用いる。第1の原料ガスにおけるハフニウム前駆体化合物としてTDMAHfを使用する場合、原料供給部から第1の原料ガスを供給し、更に第2の原料ガスとして酸化剤である酸素を原料供給部から供給してもよい。酸素を酸化剤として用いる場合、プラズマ励起した酸素によって第1の原料ガスを酸化してもよい。TDMAHfを用いて酸化ハフニウムを成膜する場合の基板温度は、好ましくは100℃以上600℃以下であり、より好ましくは150℃以上500℃以下であり、デバイスへのダメージの観点から、更に好ましくは200℃以上400℃以下であり、更により好ましくは250℃付近(例えば、250℃±5℃)である。
続いて、第1絶縁膜3に対してコンタクトホールをドライエッチングにて形成できる。第1絶縁膜3が酸化ハフニウムである場合、塩素ガスとアルゴンガスとの混合ガスにてドライエッチングが可能である。
図3A及び3Bに示す三次元垂直チャネルオールアラウンド型のトランジスタの製造方法は、後述の図4A及び4Bに示す三次元垂直ゲートオールアラウンド型のトランジスタの製造方法を参照しながら、既知の方法により製造できる。
例えば、以下のようにして三次元垂直チャネルオールアラウンド型のトランジスタを製造してよい。ゲート電極2、第2絶縁膜7、及びソース電極4の積層体を形成した後、ソース電極4及び第2絶縁膜7を貫通するようスルーホールを形成する。酸化物半導体層6を形成した後、第1絶縁膜3とゲート電極2を形成する。
これに対して、ALD法により成膜した酸化物半導体層を用いたトランジスタの製造方法によれば、酸化物半導体層(チャネル層)をALD法で成膜するため、下地層の開口部が狭く、垂直方向に長い円筒形であっても、図3Dに示すように、下地層の内面全体を酸化物半導体層で均一に被覆することができる。そのため、図3Dに示すように、その上にゲート絶縁層及びゲート電極を容易に形成することができ、信頼性の高いトランジスタメモリが得やすい傾向にある。
絶縁膜8及びドレイン電極5は、既知の方法により形成できる。
酸化物半導体層6は、非晶質の酸化物半導体を形成した後に、後述のポストアニールを実施することにより、酸化物半導体として形成してもよい。非晶質の酸化物半導体の形成後にポストアニールを実施することにより酸化物半導体が形成されてもよく、酸化物半導体が結晶化し酸化物半導体が形成された後に更にポストアニールを実施してもよい。あるいは、ポストアニールなしで酸化物半導体を形成してもよく、酸化物半導体を形成した後にポストアニールを行い酸化物半導体の結晶性を調整してもよい。
アニール雰囲気は、窒素又は酸素を含んでいてよく、真空下又は大気下であってよい。アニール温度は、好ましくは250℃以上600℃以下、より好ましくは300℃以上500℃以下、更に好ましくは350℃以上450℃以下である。アニール時間は5分以上2時間以内、好ましくは30分以上1時間以内である。
酸化物半導体層6は、原子層堆積法(ALD)により形成することにより結晶粒界を少なくすることができる。また、ポストアニールを実施することにより多結晶又は単結晶の酸化物半導体を形成することができる。
上記したアニール処理に関し、酸化物半導体層を形成した直後に対してアニールをしてもよいし、形成した酸化物半導体層のアニールをおこない結晶酸化物半導体層としてもよいし、トランジスタに対してアニール処理を行ってもよい。アニールの回数は単数であってもよいし、複数であってもよい。複数回実施する場合、温度やアニール雰囲気が異なってもよい。結晶酸化物半導体層6を具備した素子において、保護膜を形成する場合、その形成は、例えば、PVDやCVDによる膜形成、ドライエッチングやウエットエッチングによるパターン加工、レジストの剥離工程を含む。この際、トランジスタ性能の劣化が発生することがあるため、アニール処理によって性能を回復し、キャリア濃度を調節することが望ましい。本実施形態において、例えば、250℃以上でアニール処理を行うことにより、パターニングの際にトランジスタの性能が一旦低下した場合でも、その性能を回復させることができる。特に、本実施形態においては、トランジスタの特性が著しく低下した場合であっても、酸素含有存在下でのアニールによって大幅な性能回復が起こり得る。また、結晶酸化物半導体層6の劣化の度合いによっては、アニール温度を高くしたり、アニール時間を長くすることによりトランジスタの性能回復と素子の信頼性を向上させることができる。アニール温度は、好ましくは250℃以上500℃以下、より好ましくは300℃以上450℃以下である。アニール時間は、通常30分以上であり、好ましくは60分以上である。アニールは、酸素の存在下で行うことが好ましい。ただし、酸素存在下でのアニールは、電極の酸化や本実施形態の保護膜の酸化による着色等の影響を考慮して、400℃以下で行うことが好ましい。窒素中雰囲気でアニール処理をしてもよい。
上述の酸化物半導体層、電極及び保護膜をパターニングする際は、フォトレジストを塗布し、その表面に光照射を行ってよい。光照射に用いる光源は、パターン形成方法に従来使用されている任意のものを用いることができる。このような光源としては、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライド、キセノン等のランプやレーザーダイオード、LED等が挙げられる。照射光としては、g線、h線、及びi線等の紫外線を用いてもよい。
一態様に係る半導体デバイスは、本実施態様のトランジスタを含む。一態様に係る半導体デバイスは、本実施態様の半導体記憶装置であることが好ましい。本実施形態の半導体デバイス及び半導体記憶装置は、本実施形態のトランジスタを含むことで、電気特性に優れ、信頼性が高いものとなる。
また、一態様に係るトランジスタは、チャネルとして酸化物半導体膜を用いるため、リーク電流が小さい傾向にある。したがって、半導体記憶装置に用いることで、キャパシタの容量を小さくしたり、キャパシタを省略したりすることができる。その結果、本発明の一態様に係るトランジスタを用いることにより、半導体記憶装置を微細化することができる。
本実施形態の電子回路は、本実施形態の半導体デバイスを含む。本実施形態の電子回路は、本実施形態の半導体デバイスを含むことで、電気特性に記載の優れ、信頼性が高いものとなる。本実施形態の電子回路は、本実施形態の半導体デバイスを含む他は、公知の電子回路と同様の構成であってもよい。
本実施形態の電気機器、電子機器、車両、又は動力機関は、本実施形態の電子回路を含む。本実施形態の電気機器、電子機器、車両、又は動力機関は、本実施形態の電子回路を含むことで、電気特性に記載の優れ、信頼性が高いものとなる。本実施形態の電気機器、電子機器、車両、又は動力機関は、本実施形態の電子回路を含む他は、公知の電気機器、電子機器、車両、又は動力機関と同様の構成であってもよい。
本実施形態の酸化物半導体膜の品質の分析方法は、インジウムを主成分として含む、酸化物半導体膜の品質の分析方法であって、酸化物半導体膜の下層面のラフネス1と、下層面とは反対側の上層面のラフネス2との差が、0.06nm以下であるかを判断することと、を含み、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の工程を含んでいてもよい。
以下のようにして、スパッタリング法又はALD法により、酸化物半導体膜を成膜した。成膜した酸化物半導体膜を大気中で450℃、2時間でアニール処理を実施し、結晶酸化物半導体膜を得た。アニール後にすべての薄膜が結晶化していることを確認した。なお、エリプソメトリによる膜厚の測定を除き、実施例及び比較例における各評価は、上記のようにして得られた結晶酸化物半導体膜を用いて実施した。
InGaO(Ga:7.2at%)をスパッタリングターゲットとして用いたスパッタリング法により、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)を形成した。具体的には、スパッタリングターゲットを用いて、厚さ100nmの熱酸化膜(ゲート絶縁膜)付きのシリコンウエハ(ゲート電極)上に、下記の成膜条件に従って、スパッタリングによって比較例1の酸化物半導体膜(酸化物半導体層)を形成した。
また、比較例2では、スパッタリングターゲットとして酸化インジウムを用いた以外は、上記と同様の方法により、酸化物半導体膜(酸化物半導体層)を形成した。
尚、成膜装置としては、ターゲットサイズが直径100mmの公転式スパッタリング装置を用いた。
(成膜条件)
・雰囲気ガス:アルゴン雰囲気に2%の水蒸気を添加
・成膜前の背圧(Pa):3×10-4Pa以下となったところで成膜開始
・成膜時の圧力(Pa):0.5Pa
・成膜時の酸素流量比(%):0%
・成膜時の水分圧(%):2%
・出力(W):DC400W
ALD装置(装置名:FijiF200;Veeco社製)を用いて、以下の工程によるALD法により厚さ80~85nmの熱酸化膜(ゲート絶縁膜)付きのシリコンウエハ(ゲート電極)上に対して実施例1の酸化物半導体膜(酸化物半導体層)を製造した。
具体的には、プリカーサとしてトリエチルインジウム(TEI)を用いて、以下の(インジウム成膜工程)に記載の工程(1)~(4)を5回繰り返し、膜1を得た。その膜1上に、プリカーサとしてトリメチルガリウム(TMG)を用い、以下の(ガリウム成膜工程)に記載の工程(1)~(4)を1回行って、膜2を得た。その膜2上に、プリカーサとしてトリエチルインジウム(TEI)を用い、以下の(インジウム成膜工程)に記載の工程(1)~(4)を5回行って、膜3を得た。さらに、その膜1~膜3の成膜に関する各工程をサブサイクルとし、膜1~膜3を一連で成膜する操作を1サイクルとするスーパーサイクルを計8回繰り返すことで、酸化物半導体膜を得た。この成膜は、インジウム含有前駆体を原料として用いた原子層堆積法によりインジウムを含む層を成膜する第1工程と、ガリウム含有前駆体を原料として用いた原子層堆積法によりガリウムを含む層を成膜する第2工程について、サブサイクル回数1が5回となる第1工程とサブサイクル回数2が1回となる第2工程とからなる一連のサイクルを1回実施し、その後サブサイクル回数1が10(5×2)回となる第1工程とサブサイクル回数2が1回となる第2工程とからなる一連のサイクルを7回実施し、最後にサブサイクル回数1が5回となる追加の第1工程実施したことに対応したといえる。なお、製造条件として表1に示す条件を採用した。
下記(1)~(4)からなる一連の工程を1サイクルとして、所定のサイクル数になるように繰り返した。
(1)原料容器加熱温度85℃の条件で気化させたプリカーサの蒸気を、0.06秒間バルブを開いてチャンバーに導入し、系圧100Paで基板表面又は膜表面に暴露し、反応及び吸着させた。
(2)15秒間のアルゴンパージにより、未反応原料を除去した。
(3)酸素(O2)ガスを、バルブを開き流量50sccmでチャンバーに導入しこれを酸化剤として用いた。成膜室導入口部より酸素ガスは成膜室に送り込まれるが、リモートプラズマ放電可能な石英管を通過し成膜室に導入されるようにした。その後、成膜室に導入した酸素ガスを10秒間待ち安定化させた後、上記リモートプラズマ放電可能な石英管部のコイルに対してRF電源を用い300Wの出力を印加し20秒間プラズマを発生させた。発生したプラズマは成膜室に広がった。その後、RF電源をオフにし、ガス供給バルブを閉めた。
(4)30秒間のアルゴンパージにより、未反応原料を除去した。
尚、(1)~(4)成膜期間中は、アルゴンガス100sccmを成膜室導入口部よりプラズマ室を経由して成膜室へフローさせつつ、さらにキャリアーガスとしてアルゴンガス30sccmを成膜室の側面から成膜室に常に供給した。加えて、成膜室のガス排気のAPCバルブの開度を11%とした。
下記(1)~(4)からなる一連の工程を1サイクルとして、所定のサイクル数になるように繰り返した。
(1)原料容器を室温25℃として、気化させたプリカーサの蒸気を、0.02秒間バルブを開いてチャンバーに導入し、系圧100Paで基板表面又は膜表面に暴露し、反応及び吸着させた。
(2)15秒間のアルゴンパージにより、未反応原料を除去した。
(3)酸素(O2)ガスを、バルブを開き流量50sccmでチャンバーに導入しこれを酸化剤として用いた。成膜室導入口部より酸素ガスは成膜室に送り込まれるが、リモートプラズマ放電可能な石英管を通過し成膜室に導入されるようにした。その後、成膜室に導入した酸素ガスを10秒間待ち安定化させた後、上記リモートプラズマ放電可能な石英管部のコイルに対してRF電源を用い300Wの出力を印加し20秒間プラズマを発生させた。発生したプラズマは成膜室に広がった。その後、RF電源をオフにし、ガス供給バルブを閉めた。
(4)30秒間のアルゴンパージにより、未反応原料を除去した。
尚、(1)~(4)成膜期間中は、アルゴンガス100sccmを成膜室導入口部よりプラズマ室を経由して成膜室へフローさせつつ、さらにキャリアーガスとしてアルゴンガス30sccmを成膜室の側面から成膜室に常に供給した。加えて、成膜室のガス排気のAPCバルブの開度を11%とした。
ALD装置(装置名:FijiF200;Veeco社製)を用いて、以下の工程によるALD法により厚さ80~85nmの熱酸化膜(ゲート絶縁膜)付きのシリコンウエハ(ゲート電極)上に対して実施例2及び3の酸化物半導体膜(酸化物半導体層)を製造した。プリカーサとして表1に示すトリエチルインジウム(TEI)を用い、製造条件として表1に示す条件を採用した。
下記(1)~(4)からなる一連の工程を1サイクルとして、所定のサイクル数になるように繰り返した。
(1)原料容器加熱温度85℃の条件で気化させたプリカーサの蒸気を、0.06秒間バルブを開いてチャンバーに導入し、系圧100Paで基板表面又は膜表面に暴露し、反応及び吸着させた。
(2)15秒間のアルゴンパージにより、未反応原料を除去した。
(3)酸素(O2)ガスを、バルブを開き流量50sccmでチャンバーに導入しこれを酸化剤として用いた。成膜室導入口部より酸素ガスは成膜室に送り込まれるが、リモートプラズマ放電可能な石英管を通過し成膜室に導入されるようにした。その後、成膜室に導入した酸素ガスを10秒間待ち安定化させた後、上記リモートプラズマ放電可能な石英管部のコイルに対してRF電源を用い300Wの出力を印加し20秒間プラズマを発生させた。発生したプラズマは成膜室に広がった。その後、RF電源をオフにし、ガス供給バルブを閉めた。
(4)30秒間のアルゴンパージにより、未反応原料を除去した。
尚、(1)~(4)成膜期間中は、アルゴンガス100sccmを成膜室導入口部よりプラズマ室を経由して成膜室へフローさせつつ、さらにキャリアーガスとしてアルゴンガス30sccmを成膜室の側面から成膜室に常に供給した。加えて、成膜室のガス排気のAPCバルブの開度を11%とした。
以下のようにして、実施例及び比較例における結晶酸化物半導体膜を評価した。結果を表1に示す。表1中、「-」は測定を行わなかったことを意味する。
(ガリウム濃度の測定)
得られた薄膜をRBS(Rutherford Back-Scattering Spectroscopy)にて測定し、Ga濃度を求めた。
なお、RBSの測定条件は、下記のとおりである。
<RBSの測定条件>
(使用装置)
National Electrostatics Corporation製 Pelletron。
(分析条件)
入射イオン:4He++、入射エネルギー:2300keV、入射角:102deg、散乱角:0deg、試料電流:12nA、ビーム径:2mmφ、面内回転:無、照射量:140μC。
電子顕微鏡(日本電子製「JEM-2800型」)を用いて、実施例及び比較例の酸化物半導体膜における、それぞれの断面TEM像を観察した。それらのTEM像により、それぞれの酸化物半導体層の膜厚(nm)を測定した。
算術平均粗さ(Ra)については、以下のTEM画像解析に基づき算出した。
本実施例におけるラフネス解析は以下の方法により行った。
1.画像の二値化と界面情報の抽出
1.1.画像の二値化
得られたTEM画像を以下の閾値で二値化した。この際、画像のコントラストによる影響が見受けられる場合は、コントラストによって閾値を適宜調整した。
・保護膜/酸化物半導体界面:40
・酸化物半導体/SiO2界面:130
・SiO2/Si基板界面:130
1.2.界面情報の抽出
上記にて二値化した画像から、横方向の1ピクセルに対して縦方向のピクセル情報を各界面で抽出した。横方向については、TEM画像の左端を基準にして左端から右端まで1ピクセルずつ抽出した。縦方向については、TEM画像の上端を基準にして上端から各界面までのピクセル数を抽出した。
(1)ラフネス値の計算に用いる界面位置は、上記で求めた縦方向のピクセル情報から横方向の界面毎に下記の規格化界面位置として算出した。ただし、規格化界面位置は単位をピクセル数からnmオーダーに変換した値として算出した。
保護膜/酸化物半導体界面の場合、当該界面のピクセル数から、SiO2/Si基板界面のピクセル数を差し引いた規格化界面位置を計算した。
同様に、酸化物半導体/SiO2界面の場合、当該界面のピクセル数から、SiO2/Si基板界面のピクセル数を差し引いた規格化界面位置を計算した。
(2)上記(1)で導いた縦方向規格化膜厚の横方向に対する平均値を算出した。
(3)式(1)を用い、保護膜/酸化物半導体界面および酸化物半導体/SiO2界面の
算術平均粗さ(Ra)を算出した。
実施例3及び比較例2についてのTEM画像解析によるラフネスの算出結果を図5に示す。
(ボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタの製造)
基板として熱酸化膜付きの導電性n型シリコン基板を使用した。なお、熱酸化膜の膜厚は上記の実施例の記載に対応する膜厚(80~100nm)であり、この熱酸化膜はゲート絶縁膜として機能し、導電性シリコン部がゲート電極として機能する。
まず、ゲート絶縁膜(熱酸化膜)の表面をSPM液処理及びUV/O3処理することで、清浄化表面を得た。ゲート絶縁膜上に、上記の<結晶酸化物半導体膜の製造>に記載した成膜方法により各実施例及び各比較例における結晶酸化物半導体層をそれぞれ成膜した。なお、結晶酸化物半導体層とポジ型フォトレジストと間の密着性を高めるために、結晶酸化物半導体層表面にヘキサメチルジシラザン(HMDS)を塗布した。結晶酸化物半導体層のパターニングを行うために、ポジ型フォトレジストを使用し、塗布、プレベーク(90℃、1分30秒間)して、露光した。露光後、加熱を110℃で1分30秒間行った。現像後、ポストベーク(110℃、1分30秒間)し、500mMのシュウ酸水溶液にてエッチングし、所望の形状にパターニングした。なお、シュウ酸水溶液を用いた際にエッチングが進行しない場合や残渣が発生する場合は、50℃に加熱した希塩酸をエッチャントとして用いた。その後、フォトレジストを剥離し、結晶酸化物半導体層の表面を清浄化するため、115℃かつ10分のUV/O3処理を実施した。パターニングした酸化物半導体膜を熱風加熱炉内にて450℃で120分間加熱処理(アニール処理)した。
上記で得られたトランジスタについて、閾値電圧、S値、及び信頼性を評価した。それらの結果を表1に示す。
具体的には、上記の実施例1~3、並びに比較例1及び2で得られたトランジスタについて半導体デバイスアナライザー(アジレント株式会社製「B1500A」)を用い、室温、遮光環境下(シールドボックス内)で測定した。なお、ドレイン電圧(Vd)は、0.1Vとした。各Vd印加に対して、一定Vd印加に対して、ゲート電圧(Vg)を-20Vから20Vもしくは-0.5V/nmから0.5V/nmまで0.05Vもしくは0.002V/nmステップで電流値Idを測定することでId-Vg特性を得た。ここで、印加電圧の単位V/nmは印加電圧をゲート絶縁膜のEOT(等価酸化膜厚)で割った値とした。なお、EOTは高誘電率膜厚をSiO2膜と等価な電気的膜厚に換算した値のことで、EOT=[対象絶縁膜の膜厚]×[SiO2膜の比誘電率]/[対象絶縁膜の膜厚]で表される。すなわち、物理的な高誘電率膜厚でなく、容量値が等しくなるSiO2膜厚に換算した場合の等価な膜厚表示である。例えば、酸化ハフニウム膜は比誘電率が20であるので、SiO2膜(比誘電率3.9)の5.1倍の厚さで等価膜厚となる。
Id-Vg特性から算出した各種パラメータを表1に示す。なお、各パラメータの算出方法は、次に記載のとおりである。
Vd=0.1V印加時の線形移動度の最大値は、Id-Vg特性のグラフを作成し、各Vgのトランスコンダクタンス(Gm)を算出し、線形領域の式を用いて線形移動度(μlin)を導いた。
具体的には、Gmは、∂(Id)/∂(Vg)によって算出した。
更に線形領域の下記式(a)によってμlinを算出した。
μlin=(Gm・L)/(W・Ci・Vd)…(a)
式(a)のCiは、ゲート絶縁膜のキャパシタンスであり、ゲート絶縁膜膜厚、SiO2の比誘電率3.9、真空の誘電率8.85×10-14[F/cm]に基づいて算出したCi[F/cm2]の値を用いた。
式(a)中のLは、チャネル長(L長)であり、Wは、チャネル幅(W長)である。
更に各Vg-μlinのグラフから、Vg=-20Vから20Vもしくは-0.5V/nmから0.5V/nmにおけるμlin(線形移動度)の最大値を算出し、「μlin-Max[cm2/Vs](Av./Dev)」とした。また、表1では、Vg-Vth=18Vとなるゲート電圧における移動度を「μlin-Max[cm2/Vs] at Vg-Vth=18V(Av./Dev)」と定義した。ここで、「Av.」は平均値を意味し、「Dev」は標準偏差を意味する。なお、閾値電圧Vthは以下にて定義した。ここで、「Av.」は平均値を意味し、「Dev」は標準偏差を意味する。
各々のId-Vg特性のグラフから、S値(SS[mV/decade](Av./Dev)及び閾値電圧(Nomarized Vth[V](Av./Dev))を評価した。
具体的には、電流値Id=100pA~10nAもしくは5×10-7~5×10-6[mA/mm]領域において、下記式(b)によって求められる値をS値として算出した。更に、電流値Id=1nAもしくは5×10-6[mA/mm]におけるVgの値を閾値電圧(Vth)として算出した。ここで、電流値Idの単位は、測定された電流値をチャネル幅Wにて割って規格化した値である。
トランジスタの信頼性をストレス試験により評価した。正バイアスストレス試験(PBS)と、負バイアスストレス試験(NBS)を実施した。
PBSは25℃でVg=+20V印加し、1万秒経過後の閾値電圧(Vth)を試験前と比較してその差分をΔVthとした。
NBSは25℃でVg=-20V印加し、1万秒経過後の閾値電圧(Vth)を試験前と比較してその差分をΔVthとした。
なお、閾値電圧(Vth)は電流値Id=1nAとなるゲート電圧値とした。
上記について表1では、それぞれ「PBS shift ΔVth[V] Vg at Id=1nA」、及び「NBS shift ΔVth[V] Vg at Id=1nA」と記載した。
次いで、<結晶酸化物半導体膜を備えるトランジスタの製造及び評価>と同様にして、複数のチャネル長を設けたボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタを作製した。このトランジスタを用いて、TLM(transfer length method)法より算出した電極の接触抵抗等を除外した半導体チャネル起因の移動度である真性移動度[cm2/Vs]を測定した。
TLM法を行うために、複数のチャネル長を設けた上記実施例及び比較例に記載のボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタを用意した。各FET素子におけるドレイン電圧Vdは、0.1Vとした。各Vd印加に対して一定の電圧を印加し、ゲート電圧Vgを-20Vから40Vまで0.1Vステップで掃引しながら電流値Idを測定することでId-Vg特性を得た。次に得られた各素子のId-Vg特性のVgを各素子の閾値電圧Vthによって規格化し、Id-(Vg-Vth)特性のグラフを作成した。その後、各Vg-Vth印加時に得られた電流値IdとVdの値からソース・ドレイン端の全抵抗Rtotalを算出した。次に複数のチャネル長を設けたボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタのチャネル長を横軸、各Vg-Vth印加時の全抵抗Rtotalを縦軸としたグラフ(TLMプロット)を作成した。このTLMプロットは以下の式(c)で線形近似できる。
Rtotal=rch・L+Rs/d・・・(c)
式(c)のrchはチャネル抵抗率、Rs/dはソース・ドレイン領域における寄生抵抗/接触抵抗である。式(c)に基づきTLMプロットの傾きからチャネル抵抗率rchが得られる。rchは以下の式(d)で与えられる。
rch=1/(μFEi・Ci・W・(Vg-Vth)) ・・・(d)
ここでμFEiは真性移動度であり、チャネル長Lの偏差とトランジスタにおける寄生抵抗によるドレイン電圧Vdの電圧降下成分を補正した値が得られる。次にrchの逆数をとり、縦軸1/rch、横軸をVg-Vthとしたグラフを作成した。式(d)に基づき、高Vg-Vthを印加した際の(1/rch)-(Vg-Vth)特性は線形近似することができ、その傾きはμFEi・Ci・Wに対応する。従って、算出した傾きをCiとWで除することでμFEiを導出した。なお、移動度の絶対値の大きな結晶性酸化物半導体の場合、寄生抵抗やチャネル長の偏差によって電界効果線形移動度μlinが大きく過小/過大評価される可能性があるため、本手法において導出した真性移動度μFEiを用いた評価が好ましい。
また、各Vg-Vth印加時寄生抵抗はTLMプロット及び式(c)から導出することができる。本実施例ではチャネル幅Wによって規格化した値であるRs/d・Wを寄生抵抗と定義し、Vg-Vth=+40V印加時の値を用いて算出した。
Claims (31)
- インジウムを主成分として含む酸化物半導体膜であって、
前記酸化物半導体膜の下層面のラフネス1と、前記下層面とは反対側の上層面のラフネス2との差が、0.06nm以下である、
酸化物半導体膜。 - 前記酸化物半導体膜の膜厚が、20.0mm以下である、
請求項1に記載の酸化物半導体膜。 - 前記酸化物半導体膜の膜厚が、10.0mm未満である、
請求項1に記載の酸化物半導体膜。 - 下層面のラフネス1が0.2nm未満である、
請求項1に記載の酸化物半導体膜。 - 前記酸化物半導体膜に含まれる全金属元素に対するインジウムの原子比率が、62.0at%以上である、
請求項1に記載の酸化物半導体膜。 - 前記酸化物半導体膜に含まれる全金属元素に対するインジウムの原子比率が、100.0at%以下である、
請求項1に記載の酸化物半導体膜。 - さらにガリウムを含む、
請求項1に記載の酸化物半導体膜。 - 前記酸化物半導体膜に含まれる全金属元素に対するガリウムの原子比率が20.0at%以下である、
請求項1に記載の酸化物半導体膜。 - 前記酸化物半導体膜に含まれる全金属元素に対するガリウムの原子比率が、0.1at%以上である、
請求項1に記載の酸化物半導体膜。 - 電子線回折における電子線回折スポットもしくは断面が、ビックスバイト構造を示す、
請求項1に記載の酸化物半導体膜。 - 移動度が、70.0cm2/Vs以上である、
請求項1に記載の酸化物半導体膜。 - 原子層堆積法で成膜された、
請求項1に記載の酸化物半導体膜。 - インジウムを主成分として含む酸化物半導体膜であって、
前記酸化物半導体膜の下層面のラフネス1と、前記下層面とは反対側の上層面のラフネス2との差が、0.06nm以下であり、
前記酸化物半導体膜の膜厚が、10.0mm未満であり、
下層面のラフネス1が0.2nm未満である、
酸化物半導体膜。 - 前記酸化物半導体膜に含まれる全金属元素に対するガリウムの原子比率が、0.1at%以上である、
請求項13に記載の酸化物半導体膜。 - 移動度が、50.0cm2/Vs以上である、
請求項14に記載の酸化物半導体膜。 - 原子層堆積法で成膜された、
請求項15に記載の酸化物半導体膜。 - 基板上に、請求項1~16のいずれか一項に記載の酸化物半導体膜からなる層と、絶縁層と、電極と、を備えた、
トランジスタ。 - ボトムゲート・トップコンタクト型、又はトップゲート・トップコンタクト型である、
請求項17に記載のトランジスタ。 - 三次元垂直チャネル型である、
請求項17に記載のトランジスタ。 - 前記絶縁層が、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、及び酸化タンタルからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項17に記載のトランジスタ。
- 第1絶縁膜と、第2絶縁膜とを更に備え、
前記電極がゲート電極であり、
前記第1絶縁膜が、前記ゲート電極と前記酸化物半導体膜からなる層との間に位置し、
前記第2絶縁膜が、前記第1絶縁膜に対して前記酸化物半導体膜からなる層の反対側に位置して、前記酸化物半導体膜からなる層と接し、
前記第2絶縁膜が、酸化ガリウムを含む、
請求項17に記載のトランジスタ。 - 前記電極が、酸化インジウムスズ(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)、アルミニウム・亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム・亜鉛酸化物(GZO)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、タンタル(Ta)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、タングステン(W)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、金(Au)、亜鉛(Zn)、ニオブ(Nb)、マンガン(Mn)、及び窒化チタン(TiN)からなる群より選択される少なくとも1種を含む、
請求項17に記載のトランジスタ。 - 請求項17に記載のトランジスタを含む、半導体デバイス。
- 半導体記憶装置である、請求項23に記載の半導体デバイス。
- 請求項23に記載の半導体デバイスを含む、電子回路。
- 請求項25に記載の電子回路を含む、電気機器、電子機器、車両、又は動力機関。
- 請求項1~16のいずれか一項に記載の酸化物半導体膜の製造方法であって、インジウム含有前駆体を使用して原子層堆積法により成膜する成膜工程を含む、製造方法。
- 前記インジウム含有前駆体としてトリエチルインジウムを用いる、
請求項27に記載の酸化物半導体膜の製造方法。 - 前記成膜工程において更にガリウム含有前駆体を用いる、
請求項27に記載の酸化物半導体膜の製造方法。 - インジウムを主成分として含む酸化物半導体膜の品質の分析方法であって、
前記酸化物半導体膜の下層面のラフネス1と、前記下層面とは反対側の上層面のラフネス2との差が、0.06nm以下であるかを判断することを含む、
方法。 - 前記酸化物半導体膜の下層面のラフネス1と、前記下層面とは反対側の上層面のラフネス2との差が、0.06nm以下であると判断した場合に、前記酸化物半導体膜の品質が良いと評価することをさらに含む、
請求項30に記載の方法。
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2025005066 | 2025-02-14 |
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| JP2025529854A Active JP7711340B1 (ja) | 2025-02-14 | 2025-02-14 | 酸化物半導体膜並びにその製造方法、トランジスタ、半導体デバイス、電子回路、電気機器、電子機器、車両、及び動力機関 |
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Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2002299665A (ja) * | 2001-03-29 | 2002-10-11 | Toshiba Corp | 色素増感型太陽電池の製造方法 |
| JP2005039257A (ja) * | 2003-07-02 | 2005-02-10 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 半導体装置及びその製造方法 |
| JP2013051390A (ja) * | 2011-08-02 | 2013-03-14 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 電界効果素子 |
| JP2017011704A (ja) * | 2015-06-25 | 2017-01-12 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 回路、その駆動方法、および半導体装置 |
| JP2017034243A (ja) * | 2015-07-30 | 2017-02-09 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 半導体装置及び電子機器 |
-
2025
- 2025-02-14 JP JP2025529854A patent/JP7711340B1/ja active Active
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