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JP7707921B2 - 精製シアン化水素の製造方法 - Google Patents

精製シアン化水素の製造方法

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JP7707921B2 JP2021563816A JP2021563816A JP7707921B2 JP 7707921 B2 JP7707921 B2 JP 7707921B2 JP 2021563816 A JP2021563816 A JP 2021563816A JP 2021563816 A JP2021563816 A JP 2021563816A JP 7707921 B2 JP7707921 B2 JP 7707921B2
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Description

本発明は、合成原料の未反応残留成分等の不純物を含む粗製シアン化水素を精製して精製シアン化水素を得る、精製シアン化水素の製造方法に関する。
シアン化水素は、各種化合物の原料や殺虫剤等に広く利用されている。
シアン化水素の工業的製法としては、例えば、メタン、アンモニア及び空気の混合物を反応させるアンモ酸化、いわゆるアンドリュッソー(Andrussow)法が知られている。また、プロピレンやプロパンを原料とするアンモ酸化、いわゆるソハイオ(Sohio)法により、アクリロニトリルを製造する際の副生シアン化水素を得る方法も用いられている。
上記のようなメタンのアンモ酸化によって合成されたシアン化水素は、合成原料であるメタンやアンモニア、酸素等の未反応残留成分等の不純物が含まれ得る粗製シアン化水素であり、高純度のシアン化水素を得るためには、粗製シアン化水素は精製される。
シアン化水素は、アルカリ存在下で重合しやすく、発熱によりさらに重合が加速され、反応の暴走により、精製プロセスにおけるラインの閉塞、さらには火災や爆発を引き起こす危険性がある。このため、粗製シアン化水素は、pH調整等により、重合の危険性を低減させた状態で精製される。
例えば、特許文献1には、アクリロニトリル及びシアン化水素を同時製造する方法として、アクリロニトリル製造プロセス及びシアン化水素製造プロセスを並行して操業し、両プロセスからの生成物フローを結合させて、回収及び精製することにより、比較的高濃度のシアン化水素の重合を実質的に防止できることが記載されている。
上記特許文献1に記載の方法の概要フローを図2に示す。図2に示すように、上記特許文献1に記載の方法では、アクリロニトリル合成反応器からのアクリロニトリル生成物22は、クエンチカラム100において、硫酸水溶液23のスプレーにより未反応アンモニアが中和された後、吸収カラム200において、シアン化水素合成反応器からのシアン化水素生成物21及び水25と混合されるとともに、酸26の添加によりpH調整され、混合生成物とされる。前記混合生成物は、吸収カラム200で非吸収化合物がオフガス24として分離除去された後、移された回収カラム300においても、酸26が添加されてpH調整される。そして、デカンター400に移された前記混合生成物は、酸26によりpH調整された後、水層が分離され、回収カラム300に還流される。有機層は、ヘッドカラム500に供給され、酸26によりpH調整された後、分離され、分離粗製シアン化水素31と分離粗製アクリロニトリル32とが得られる。分離粗製シアン化水素31は、さらに蒸留されて、精製シアン化水素が得られる。
特表2011-513425号公報
ところで、シアン化水素と硫酸等との混合によりpH調整された混合物は、プラント配管や容器等に一般的に用いられる材質である炭素鋼を腐食させやすい。このため、精製プロセスの安全な操業の観点から、前記混合物と接触する工程における設備や部材は、交換を頻繁に行うか、あるいはまた、ステンレス鋼等の耐食性が高い材質を使用する必要があった。
上記特許文献1にも、当該文献記載の方法によってシアン化水素の回収及び精製を行う場合、通常のソハイオ法でのアクリロニトリルの製造よりも高濃度のシアン化水素と接触する装置の保護のため、回収及び精製装置は、プラント配管や容器等に一般的に用いられる材質である炭素鋼よりも耐食性が高いステンレス鋼等の構成材料が使用されるべきである旨記載されている。
しかしながら、プラントの設備や部材の頻繁な交換は、設備コストの増大及び交換作業の負担の増大、さらには、精製シアン化水素の製造効率の低下も招くこととなるため好ましくない。
一方、ステンレス鋼等の耐食性が高い材質は、価格が高いため、前記回収及び精製装置の多くの箇所の構成材料として使用する場合や、シアン化水素単独での精製装置等では、精製シアン化水素を得るための設備コストが大きくなる。
したがって、低コストで安全かつ安定的に高品質の精製シアン化水素を得ることができる方法が求められている。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、シアン化水素の精製設備や部材において、耐食性が高い材質の使用が必要となる箇所を少なくし、しかも、安全かつ安定的にシアン化水素を精製することができる精製シアン化水素の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、精製シアン化水素の製造において、アクリロニトリルの精製プロセス中の所定の工程に、粗製シアン化水素の精製プロセスを組み込むことにより、精製設備やその部材の材質として、通常の炭素鋼ではなく、耐食性が高い材質を使用しなければならない箇所を少なくすることができることを見出したことに基づくものである。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[8]を提供するものである。
[1]粗製シアン化水素ガスを、アンモ酸化により得られた粗製アクリロニトリルガスと混合して、粗製混合ガスとする工程(A)と、前記粗製混合ガスと硫酸水溶液とを混合し、前記粗製混合ガスに含まれる未反応アンモニアを中和除去し、脱アンモニア処理ガスを得る工程(B)と、前記脱アンモニア処理ガスを水に吸収させて、粗製混合液を得る工程(C)と、前記粗製混合液から水層を分離し、シアン化水素及びアクリロニトリルを含む有機層を得る工程(D)と、前記有機層を蒸留して、精製シアン化水素を得る工程(E)とを含む、精製シアン化水素の製造方法。
[2]前記粗製混合ガスは、シアン化水素1モルに対してアクリロニトリルを2.5~9.0モル含む、上記[1]に記載の精製シアン化水素の製造方法。
[3]前記粗製混合液中のシアン化水素の濃度が、0.1~20.0質量%である、上記[1]又は[2]に記載の精製シアン化水素の製造方法。
[4]前記工程(B)において、前記硫酸水溶液中に、前記粗製混合ガスを流入させることにより、前記粗製混合ガスと前記硫酸水溶液とを混合する、上記[1]~[3]のいずれか1項に記載の精製シアン化水素の製造方法。
[5]前記工程(C)が、炭素鋼製設備で行われる、上記[1]~[4]のいずれか1項に記載の精製シアン化水素の製造方法。
[6]前記工程(D)が、炭素鋼製設備で行われる、上記[1]~[5]のいずれか1項に記載の精製シアン化水素の製造方法。
[7]前記粗製シアン化水素ガスは、メタノールを含む合成原料のアンモ酸化により得られたものである、上記[1]~[6]のいずれか1項に記載の精製シアン化水素の製造方法。
[8]前記粗製アクリロニトリルガスは、プロピレンを含む合成原料のアンモ酸化により得られたものである、上記[1]~[7]のいずれか1項に記載の精製シアン化水素の製造方法。
本発明の精製シアン化水素の製造方法によれば、シアン化水素の精製設備や部材において、耐食性が高い材質の使用が必要となる箇所を少なくすることにより設備コストを抑制することができ、しかも、安全かつ安定的にシアン化水素を精製することができ、ひいては、精製シアン化水素の製造効率を向上させることが可能となる。
本発明の精製シアン化水素の製造方法の概要フロー図である。 特許文献1に記載のアクリロニトリル及びシアン化水素を同時製造する方法の概要フロー図である。
以下、本発明の精製シアン化水素の製造方法について、図面を参照して説明する。
図1に、本発明の精製シアン化水素の製造方法の概要フローを示す。本発明の精製シアン化水素の製造方法は、粗製シアン化水素ガス1を、アンモ酸化により得られた粗製アクリロニトリルガス2と混合して、粗製混合ガス3とする工程(A)と、粗製混合ガス3と硫酸水溶液4とを混合し、粗製混合ガス3に含まれる未反応アンモニアを中和除去し、脱アンモニア処理ガス5を得る工程(B)と、脱アンモニア処理ガス5を水6に吸収させて、粗製混合液7を得る工程(C)と、粗製混合液7から水層8を分離し、シアン化水素及びアクリロニトリルを含む有機層9を得る工程(D)と、有機層9を蒸留して、精製シアン化水素11を得る工程(E)とを含むことを特徴とする。
すなわち、本発明の精製シアン化水素の製造方法は、図1に示すように、工程(A)~(E)を順に含むものである。
このような工程を経て、粗製シアン化水素の精製を行うことにより、シアン化水素の精製設備や部材において、耐食性が高い材質の使用が必要となる箇所を少なくすることができるため、設備コストを抑制することができる。また、安全かつ安定的にシアン化水素を精製することができる。
以下、工程(A)~(E)を順に説明する。
[工程(A)]
工程(A)は、粗製シアン化水素ガス1を、アンモ酸化により得られた粗製アクリロニトリルガス2と混合して、粗製混合ガス3とする混合工程である。
上述したように、シアン化水素は、アルカリ存在下では、重合の危険性を有しているため、硫酸等の酸で中性~酸性に保持する必要があるが、高濃度のシアン化水素と硫酸等の酸との混在状態は、炭素鋼を腐食させやすい。
このような観点から、本発明においては、シアン化水素の重合抑制のための硫酸水溶液との混合前に、粗製シアン化水素ガス1と粗製アクリロニトリルガス2とを混合して粗製混合ガス3としておく。
<粗製シアン化水素ガス>
粗製シアン化水素ガス1の供給源は、特に限定されるものではなく、公知のシアン化水素の合成方法で製造されたシアン化水素を含む生成ガスでよい。
シアン化水素の工業的な製造方法としては、上述したAndrussow法の他にも、メタンを原料として用いる、いわゆるBMA法(デグサ(Degussa)法とも言う。)や、メタノールのアンモ酸化による方法等が知られている。
Andrussow法は、メタン、アンモニア及び空気(酸素)の混合物を、通常、ロジウム-白金触媒等の触媒存在下、800~1000℃程度の高温下で反応させる方法である。この反応は、メタンのアンモ酸化であり、下記反応式(1)のように進行する。
CH4+NH3+3/2O2 → HCN+3H2O (1)
BMA法は、空気(酸素)の非存在下で、約1300℃の高温下で、白金触媒で内面を被覆された束状のアルミナ管内等で反応させる方法であり、この反応は、下記反応式(2)のように進行する。
CH4+NH3 → HCN+3H2 (2)
また、メタノールのアンモ酸化による方法では、下記反応式(3)のように反応が進行する。この方法では、メタノール、アンモニア及び空気(酸素)の混合物を、モリブテンやビスマス、その他の金属の複合酸化物触媒等の触媒存在下、上記反応式(1)及び(2)よりも低温である300~600℃程度で反応させることができる。
CH3OH+NH+O2 → HCN+3H2O (3)
これらのシアン化水素の製造方法のうち、エネルギー効率等の観点からは、反応温度が比較的低い、メタノールのアンモ酸化による製造方法が好ましい。したがって、粗製シアン化水素ガス1は、メタノールを含む合成原料のアンモ酸化により得られたものであることが好ましい。
なお、反応時の圧力は、好ましくは常圧~1MPaG、より好ましくは常圧~0.5MPaG、さらに好ましくは常圧~0.2MPaである。また、合成反応器内での生成物の滞留時間は、好ましくは0.1~60秒、より好ましくは0.1~50秒、さらに好ましくは0.1~30秒である。
粗製シアン化水素ガス1は、シアン化水素以外に、合成原料の未反応残留成分、製造時の混入成分及び副生成物等の不純物を含むガスである。
粗製シアン化水素ガス1は、シアン化水素の合成反応器から排出される生成ガスを直接供給するものであってよい。前記生成ガスの温度が高い場合には、粗製アクリロニトリルガス2との混合操作を安全に行うことができる程度の温度にまで冷却した後、混合工程に供することが好ましい。前記温度は、250℃以下とすることが好ましく、安全性及びエネルギー効率等の観点から、より好ましくは100~230℃、さらに好ましくは150~200℃である。
<粗製アクリロニトリルガス>
粗製アクリロニトリルガス2は、アンモ酸化により得られたものである。アンモ酸化によるアクリロニトリルの製造方法としては、公知の方法を適用することができる。これらの方法のうち、上述したSohio法が一般的である。通常、プロピレン、アンモニア及び空気の混合物を、モリブテンやビスマス、その他の金属の複合酸化物触媒等の触媒存在下、350~500℃程度の温度で反応させる。アクリロニトリルの製造方法としては、製造効率等の観点から、プロピレンのアンモ酸化による製造方法が好ましい。したがって、粗製アクリロニトリルガス2は、プロピレンを含む合成原料のアンモ酸化により得られたものであることが好ましい。
なお、アクリロニトリルの製造におけるプロピレンを含む合成原料には、メタノールを含んでいてもよい。これにより、粗製アクリロニトリルガス2中のシアン化水素の含有量を増加させることが可能であるが、プロピレンとともにメタノールを含む合成原料のアンモ酸化は、アクリロニトリルの合成反応器に及ぼす負荷やエネルギーコストが大きく、また、触媒が失活しやすくなることもある。したがって、粗製混合ガス3中のシアン化水素を増量させる場合は、アクリロニトリルの合成反応器に、合成原料としてプロピレンとともに供給するメタノールを増量するよりも、上述したように、別途、シアン化水素の合成反応器から排出される生成ガスの供給量の調整によって増量させることが好ましい。
粗製アクリロニトリルガス2は、アクリロニトリル以外に、合成原料の未反応残留成分や製造時の混入成分、また、アセトニトリルやシアン化水素等の副生成物等の不純物を含むガスである。
粗製アクリロニトリルガス2は、アクリロニトリルの合成反応器から排出される生成ガスを直接供給するものであってもよい。前記生成ガスの温度が高い場合には、粗製シアン化水素ガス1との混合操作を安全に行うことができる程度の温度にまで冷却した後、混合工程に供することが好ましい。前記温度は、250℃以下とすることが好ましく、安全性及びエネルギー効率等の観点から、より好ましくは100~240℃、さらに好ましくは150~230℃である。
粗製アクリロニトリルガス2は、アクリロニトリルの変性物や重合物等に起因するタール分や重質分も不純物として含み得ることから、水で洗浄し、これらのタール分や重質分等を分離除去しておくことが好ましい。前記洗浄は、例えば、水を流入させている吸収塔で行うことができる。水で洗浄された粗製アクリロニトリルガス2は、好ましくは100℃以下、より好ましくは95℃以下、さらに好ましくは85℃以下に冷却される。
上記のように、粗製シアン化水素ガス1と粗製アクリロニトリルガス2とは、混合操作の安全性等の観点から、いずれも、合成反応器内の生成ガスの温度よりも低い温度にまで冷却された後に混合して、粗製混合ガス3を得ることが好ましい。
<粗製混合ガス>
粗製混合ガス3は、シアン化水素1モルに対してアクリロニトリルが2.5~9.0モル含まれていることが好ましく、より好ましくは2.6~6.0モル、さらに好ましくは2.8~5.0モルである。
シアン化水素1モルに対してアクリロニトリルが2.5モル以上であれば、シアン化水素がアクリロニトリルによって十分に希釈された状態であり、シアン化水素の重合抑制のために硫酸を混在させた場合においても、炭素鋼の腐食が抑制されやすくなる。
また、精製シアン化水素の製造効率の観点から、シアン化水素1モルに対するアクリロニトリルの量の上限は、9.0モル以下であることが好ましい。
なお、本発明における粗製混合ガス3中のシアン化水素1モルに対するアクリロニトリルのモル量、すなわち、アクリロニトリルとシアン化水素とのモル比は、粗製混合ガス3において実際の分析測定により求めることは困難であるため、アクリロニトリル及びシアン化水素の各製造における合成原料の仕込み量及び想定収率に基づく計算値である。
[工程(B)]
工程(B)は、工程(A)で得られた粗製混合ガス3と硫酸水溶液4とを混合し、粗製混合ガス3に含まれる未反応アンモニアを中和除去し、脱アンモニア処理ガス5を得る脱アンモニア処理工程である。
このように、粗製混合ガス3を硫酸水溶液4によって脱アンモニア処理することにより、後の工程において、シアン化水素の合成原料の未反応アンモニアを除去するための脱アンモニア処理を行うことは要しない。
粗製混合ガス3と硫酸水溶液4との混合は、硫酸水溶液4中に、粗製混合ガス3を流入させることにより行うことが好ましい。例えば、硫酸水溶液4が充填されている硫酸槽に、粗製混合ガス3を導入して、硫酸水溶液4と混合することにより行うことができる。このような方法で、粗製混合ガス3を十分な量の硫酸水溶液4と接触させることにより、粗製混合ガス3に含まれる合成原料の未反応アンモニアが硫酸で中和され、生成した硫酸アンモニウムは、水溶液として除去される。
硫酸水溶液4の硫酸の濃度は、粗製混合ガス3に含まれる未反応アンモニアの量にもよるが、アンモニアの効率的な除去及び操作の安全性の観点から、好ましくは0.1~20.0質量%、より好ましくは1.0~10.0質量%、さらに好ましくは2.0~7.0質量%である。
前記硫酸槽の温度は、粗製混合ガス3の脱アンモニア処理を効率的に行う観点から、好ましくは30~100℃、より好ましくは50~95℃、さらに好ましくは70~90℃である。
[工程(C)]
工程(C)は、工程(B)で得られた脱アンモニア処理ガス5を水6に吸収させて、粗製混合液7を得る吸収工程である。
工程(C)では、十分にアンモニアが除去された脱アンモニア処理ガス5を水6に吸収させるとともに、水に吸収されないガスは、オフガスとして分離除去される。
粗製混合液7は、十分にアンモニアが除去され、pHが7.00以下、好ましくは4.00~6.50、より好ましくは5.00~6.00であり、シアン化水素は重合が抑制された安定な状態にある。このため、工程(C)において、硫酸等の酸性液を再度添加してpH調整を行うことは要しない。
粗製混合液7中のシアン化水素の濃度は、精製シアン化水素の効率的な製造及びシアン化水素の重合の十分な抑制による操作の安全性等の観点から、好ましくは0.1~20.0質量%、より好ましくは0.3~10.0質量%、さらに好ましくは0.5~5.0質量%である。
また、粗製混合液7中にシアン化水素を十分に溶存させ、また、精製シアン化水素を効率的に製造する観点から、粗製混合液7は、50℃以下に冷却することが好ましく、より好ましくは1~35℃、さらに好ましくは5~25℃である。
上記のように、粗製混合液7は、硫酸水溶液で中性~酸性に調整されているが、シアン化水素はアクリロニトリルと混在した状態で希釈されており、炭素鋼が容易に腐食することはない。したがって、工程(C)では、耐食性が高いが、高価である材質、例えば、SUS304やSUS316等のステンレス鋼製の設備を用いることは要さず、炭素鋼製設備を用いて行うことができる。
本発明の方法は、この点において、設備コストを抑制できるという利点を有している。
脱アンモニア処理ガス5を水6に吸収させて得られた粗製混合液7は、シアン化水素及びアクリロニトリル以外に、アクリロニトリルの製造における副生成物であるアセトニトリルも含んでいる。アセトニトリルを分離除去するために、ストリッピング処理を経ることも好ましい。アセトニトリルを分離除去した後のシアン化水素及びアクリロニトリルを含む回収液は戻され、これも合わせて粗製混合液7とし、次の工程(D)に供される。
[工程(D)]
工程(D)は、工程(C)で得られた粗製混合液7から水層8を分離し、シアン化水素及びアクリロニトリルを含む有機層9を得る液液分離工程である。
工程(D)における有機層9は、シアン化水素がアクリロニトリルで希釈された状態であり、かつ、pHが7.00以下に保持されており、シアン化水素の重合抑制のための酸等の添加は要しない。有機層9のpHは、好ましくは4.00~6.50、より好ましくは5.00~6.00である。
工程(D)においても、工程(C)と同様に、シアン化水素はアクリロニトリルと混在した状態で希釈されており、炭素鋼が容易に腐食することはないため、耐食性が高い材質の設備を用いることは要さず、炭素鋼製設備を用いて行うことができる。
本発明の方法は、この点において、設備コストを抑制できるという利点を有している。
分離された水層8には、微量のアクリロニトリルやシアン化水素、アセトニトリル等が溶解している。分離された水層8は、精製シアン化水素の収率向上のため、回収され、これも合わせて粗製混合液7と混合するように循環させることができる。
[工程(E)]
工程(E)は、工程(D)で得られた有機層9を蒸留して、精製シアン化水素11を得る蒸留工程である。
工程(E)では、有機層9を蒸留して、有機層9に含まれるシアン化水素を、アクリロニトリルと分離することにより、精製シアン化水素11を得る。
なお、工程(E)においては、シアン化水素の精製のための蒸留設備等は、高濃度のシアン化水素と接触することから、設備の腐食抑制及び高純度の精製シアン化水素を得るために、ステンレス鋼等の耐食性が高い材質で構成されていることが好ましい。
また、有機層9は、蒸留工程でのシアン化水素の重合を抑制して安定化させるために、蒸留を行う際に、酸等を添加するようにすることが好ましい。シアン化水素の安定化のための添加剤としては、例えば、グリコール酸、酢酸、亜硫酸ガス、リン酸等が挙げられる。酸等を添加する場合、添加後の有機層9のpHは、好ましくは3.50~6.00、より好ましくは4.00~5.50である。
アクリロニトリルを分離除去して回収されたシアン化水素を含む留分は、さらに精留することにより、純度の高い精製シアン化水素11を製造することができる。
また、アクリロニトリルを含む脱シアン化水素処理液12は、例えば、液液分離処理を再度行い、得られた有機層を乾燥し、さらに精留することにより、純度の高い精製アクリロニトリルとすることができる。
以下に、本発明の実施例について述べるが、本発明は該実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示すフローに従って、精製シアン化水素を製造した。
プロピレンのアンモ酸化により得られた230℃の粗製アクリロニトリルガス2を、水で洗浄し、85℃に冷却した後、メタノールのアンモ酸化により得られた200℃の粗製シアン化水素ガス1と混合し、粗製混合ガス3を得た(工程(A))。粗製混合ガス3に含まれるアクリロニトリルとシアン化水素の比率は、シアン化水素1モルに対してアクリロニトリル2.83モルとなるようにした。
粗製混合ガス3を硫酸槽(85℃)内の硫酸濃度5.0質量%の硫酸水溶液4と混合し、85℃の脱アンモニア処理ガス5を得た(工程(B))。
次いで、脱アンモニア処理ガス5を水に吸収させて、約20℃の粗製混合液7を得た(工程(C))。粗製混合液7は、ストリッピング処理によりアセトニトリルを分離除去し、シアン化水素及びアクリロニトリルを含む回収液を戻し、これも合わせたものとした。粗製混合液7のpHは5.95であった。なお、pHは、卓上型pHメータ(「F-71S」、株式会社堀場製作所、温度補正(20℃))にて、3回測定した値の算術平均値とした(以下、同様。)。
次いで、粗製混合液7を有機層9と水層8とに液液分離した(工程(D))。水層8は、回収して戻し、これも粗製混合液7に合わせた。粗製混合液7に含まれるシアン化水素の濃度は、約1.8質量%であった。有機層9のpHは5.63であった。
そして、有機層9に酢酸及び亜硫酸ガスを添加した後(pH4.32)、これを蒸留して精製シアン化水素を得た(工程(E))。なお、有機層9に含まれるシアン化水素の濃度は、約8.3質量%であった。
工程(C)及び工程(D)を行う各設備を炭素鋼製とし、それ以外の工程において、シアン化水素と接触する設備及び部材をステンレス鋼(SUS304)製とした。
工程(C)を行う炭素鋼製の吸収塔を1年間使用(精製シアン化水素を最大10,000t/年製造)した場合でも、腐食の進行は見られず、また、該吸収塔及びその前後のラインにおいて、シアン化水素の重合等に起因する閉塞等の発生は見られなかった。
このことから、粗製シアン化水素ガス及び粗製アクリロニトリルガスを混合した後に、脱アンモニア処理を行うことにより、精製シアン化水素の製造設備において、耐食性が高い高価な材質の使用を必要とする箇所を少なくすることができ、しかも、シアン化水素の重合抑制を効率的に行うことができると言える。したがって、本発明の製造方法によれば、粗製シアン化水素を単独で精製する場合に比べて、設備コストの抑制、また、安全かつ安定的に精製シアン化水素を得ることができる。
1 粗製シアン化水素ガス
2 粗製アクリロニトリルガス
3 粗製混合ガス
4 硫酸水溶液
5 脱アンモニア処理ガス
6 水
7 粗製混合液
8 水層
9 有機層
11 精製シアン化水素
12 脱シアン化水素処理液
21 シアン化水素生成物
22 アクリロニトリル生成物
23 硫酸水溶液
24 オフガス
25 水
26 酸
31 分離粗製シアン化水素
32 分離粗製アクリロニトリル
100 クエンチカラム
200 吸収カラム
300 回収カラム
400 デカンター
500 ヘッドカラム

Claims (7)

  1. メタノールのアンモ酸化により得られた粗製シアン化水素ガスを、アンモ酸化により得られた粗製アクリロニトリルガスと混合して、粗製混合ガスとする工程(A)と、
    前記粗製混合ガスと硫酸水溶液とを混合し、前記粗製混合ガスに含まれる未反応アンモニアを中和除去し、脱アンモニア処理ガスを得る工程(B)と、
    前記脱アンモニア処理ガスを水に吸収させて、粗製混合液を得る工程(C)と、
    前記粗製混合液から水層を分離し、シアン化水素及びアクリロニトリルを含む有機層を得る工程(D)と、
    前記有機層を蒸留して、精製シアン化水素を得る工程(E)とを含む、精製シアン化水素の製造方法。
  2. 前記粗製混合ガスは、シアン化水素1モルに対してアクリロニトリルを2.5~9.0モル含む、請求項1に記載の精製シアン化水素の製造方法。
  3. 前記粗製混合液中のシアン化水素の濃度が、0.1~20.0質量%である、請求項1又は2に記載の精製シアン化水素の製造方法。
  4. 前記工程(B)において、前記硫酸水溶液中に、前記粗製混合ガスを流入させることにより、前記粗製混合ガスと前記硫酸水溶液とを混合する、請求項1~3のいずれか1項に記載の精製シアン化水素の製造方法。
  5. 前記工程(C)が、炭素鋼製設備で行われる、請求項1~4のいずれか1項に記載の精製シアン化水素の製造方法。
  6. 前記工程(D)が、炭素鋼製設備で行われる、請求項1~5のいずれか1項に記載の精製シアン化水素の製造方法。
  7. 前記粗製アクリロニトリルガスは、プロピレンを含む合成原料のアンモ酸化により得られたものである、請求項1~のいずれか1項に記載の精製シアン化水素の製造方法。
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