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JP7706191B2 - ブラウティア属細菌を用いた免疫賦活剤 - Google Patents

ブラウティア属細菌を用いた免疫賦活剤 Download PDF

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Description

NPMD NITE BP-03954
本発明は、ブラウティア属細菌の利用に関し、より詳細にはブラウティア属細菌の免疫賦活剤への利用に関する。
乳酸菌サプリメントの利用によって、からだの免疫力を高めて健康維持を図ることが行われている。例えば、特許文献1には、このような乳酸菌として利用され得る、ナノサイズに微粒子化されてなる乳酸菌の調製物が記載されている。
一方、近年、ヒトを対象にしたデータ解析を行った結果、腸内細菌の1つであるブラウティア属細菌が BMIや糖尿病リスクと逆相関するという知見がある(非特許文献1参照)。
特許4621218号公報
Koji Hosomi1 et al.,「Oral administration of Blautia wexlerae meliorates obesity and type 2 diabetes via etabolic remodeling of the gut microbiota」Nature Communications | ( 2022) 13:4477
従来、ブラウティア属細菌の菌体を用いることについては、あまり研究されてこなかった。
本発明の目的は、ブラウティア属細菌を利用して、免疫賦活素材として優れた性質を有する微生物菌体素材を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため種々研究した結果、ブラウティア属細菌の死菌体は、免疫賦活能に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ブラウティア属細菌の死菌体を有効成分とする免疫賦活剤を提供するものである。
上記免疫賦活剤においては、前記ブラウティア属細菌の死菌体は、酸性条件下に加熱処理して得られたものであることが好ましい。
また、前記ブラウティア属細菌の死菌体は、pH3.0~7.0、温度70~121℃の条件下に加熱処理して得られたものであることが好ましい。
また、前記ブラウティア属細菌の死菌体は、マウス脾臓細胞を用いた方法で測定したIL-12産生誘導能が、同条件におけるブラウティア属細菌の生菌による前記IL-12産生誘導能と比較して10倍以上であることが好ましい。
また、前記ブラウティア属細菌の死菌体は、上記IL-12産生誘導能に加えて、更に、マウス脾臓細胞を用いた方法で測定したIL-10産生誘導能が、同条件におけるブラウティア属細菌の生菌による前記IL-10産生誘導能と比較して2倍以上であることが好ましい。
また、本発明により提供される免疫賦活剤は、腸内IgA産生を促すものであることが好ましい。
本発明によれば、ブラウティア属細菌を利用して、免疫賦活素材として優れた性質を有する微生物菌体素材を提供することができる。
試験例1において、マウス脾臓細胞の培養系における培養培地にブラウティア属細菌(生菌又は死菌体)を添加したことによる影響について調べた結果を示す図表であり、図1(a)は脾臓細胞のIL-12産生誘導能について調べた結果を示す図表であり、図1(b)は脾臓細胞のIL-10産生誘導能について調べた結果を示す図表である。 試験例1において、マウス脾臓細胞の培養系における培養培地にブラウティア属細菌(pH6の環境下又はpH4の環境下での死菌体)を添加したことによる影響について調べた結果を示す図表であり、図2(a)は脾臓細胞のIL-12産生誘導能について調べた結果を示す図表であり、図2(b)は脾臓細胞のIL-10産生誘導能について調べた結果を示す図表である。 試験例2において、マウス脾臓細胞の培養系における培養培地にブラウティア属細菌(生菌又はpH4.0の環境下での死菌体)を添加したことによる影響について調べた結果を示す図表であり、サイトカインの発現量について調べた結果を示す図表である。 試験例3において、飼料にブラウティア属細菌(生菌又はpH4.0の環境下での死菌体)を配合してBALB/cマウスに自由摂取させたことによる影響について調べた結果を示す図表であり、盲腸内容物中短鎖脂肪酸濃度について調べた結果を示す図表である。 試験例3において、飼料にブラウティア属細菌(生菌又はpH4.0の環境下での死菌体)を配合してBALB/cマウスに自由摂取させたことによる影響について調べた結果を示す図表であり、糞便中IgA濃度について調べた結果を示す図表である。
本明細書において「ブラウティア属細菌」とは、ファーミキューテス(Firmicutes)門に分類されるブラウティア(Blautia)属に属する細菌をいう。具体的には、ブラウティア・カエシムリス(Blautia caecimuris)、ブラウティア・グルセラセア(Blautia glucerasea)、ブラウティア・コッコイデス(Blautia coccoides)、ブラウティア・シンキイ(Blautia schinkii)、ブラウティア・スターコリス(Blautia stercoris)、ブラウティア・ヒドロゲノトロフィカ(Blautia hydrogenotrophica)、ブラウティア・フェシス(Blautia faecis)、ブラウティア・プロダクタ(Blautia producta)、ブラウティア・ヘンセンニ(Blautia hansenii)、ブラウティア・ルティ(Blautia luti)、ブラウティア・ワクスレレ(Blautia wexlerae)等が挙げられる。これらは1種を単独に用いてもよく、あるいは2種以上を併用してもよい。このうち、免役賦活効果の観点からは、特にブラウティア・プロダクタが好ましく選択される。
ブラウティア・プロダクタとしては、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(NPMD)に寄託されている、ブラウティア・RD014892株(受託番号:NITE BP-03954)、又はこれと実質的に同一の細菌などが好ましく例示され得る。ここで「実質的に同一」の細菌とは、当業者に理解される意義と同義であり、例えば、細菌の属種を特定するための16SrRNA遺伝子の塩基配列が、ブラウティア・RD014892株の16SrRNA遺伝子の塩基配列と98%以上、好ましくは99%以上の相同性を有しており、なお且つ、ブラウティア・RD014892株と同一の菌学的性質を有するものなどをいう。
ブラウティア属細菌の培養、菌体の維持等は、周知の手段によって行うことが可能である。例えば、培地としては、酵母エキス、ペプトン、肉エキス、アミノ酸類、塩類、ミネラル類など含む液体培地等が挙げられる。市販培地である「変法GAM」(商品名、変法GAMブイヨン、ニッスイ社)などを用いてもよい。培養は、上記培地に菌体を接種したうえ、例えば25~40℃の条件で静置培養したり通気撹拌培養したりすることにより行なうことができる。生きた菌体の保存には、短時間の場合には培地に懸濁させたまま冷蔵したり、あるいは、長期間にわたる場合はグリセロール溶液など不凍液に懸濁させたうえ凍結保存したりすることができる。
ブラウティア属細菌の調製の際には、培養後の培養液の状態から、その培養液をそのまま濃縮したり、あるいは、遠心分離やろ過などの手段によって集菌し、この菌体を更に精製水などによって洗浄したうえ、所定の菌体濃度になるように精製水などに懸濁させたりすることによって、菌体濃縮液を調製することができる。菌体濃縮液の100質量部中のブラウティア属細菌の菌体の含有量は、乾燥菌体換算で0.1~50質量部の範囲であってよく、0.5~25質量部の範囲であってよく、1~10質量部の範囲であってよい。この菌体濃縮液には賦形剤を含有せしめてもよい。これによれば、凍結したり、凍結乾燥したりした後にも、水と再構成した後に菌体の性質が維持されやすくなる。
賦形剤としては、特に限定されず、例えば、デキストリン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、キサンタンガム、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、ラクチトール等の糖アルコール類;グルコース、ショ糖、フルクトース、ラクトース、デキストロース、乳糖等の糖類;アジピン酸、クエン酸、グルタル酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸等の有機酸類等が挙げられる。
また、別の態様として、ブラウティア属細菌の調製の際には、粉砕・分散の処理を施してもよい。粉砕・分散の処理は、例えば、上記した菌体濃縮液を、攪拌、ミキサー、ホモゲナイザー、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル、ジェネレーター等の手段を用いて粉砕・分散するなどして行うことができる。この場合、場合によってあるいは必要に応じて、上記した賦形剤を添加したうえ粉砕・分散の処理を施すことにより、得られる菌末の再凝集を防止することができる。賦形剤を含有せしめる場合、その含有量としては、乾燥物換算で1~99質量%の範囲であってよく、10~95質量%の範囲であってよく、20~90質量%の範囲であってよい。
また、更に別の態様として、ブラウティア属細菌の調製の際には、乾燥粉末化の処理を施してもよい、乾燥粉末化方法としては、凍結乾燥、減圧噴霧乾燥、熱風を用いた噴霧乾燥等の手法が挙げられる。なお、熱風を用いた噴霧乾燥(スプレードライ)を行うことで、通常、生きた細菌の活性は滅失し、その死菌体を得ることができる。
本発明においては、上記したように調製され得るブラウティア属細菌のうち、特に、酸性条件下に加熱処理して得られた調製物が提供される。そのような処理を経て得られた調製物によれば、通常、生きた細菌の活性は滅失し、ブラウティア属細菌の死菌体となっているため、生菌にともなう品質の変化を抑えることができる。また、後述する実施例に示されるように、ブラウティア属細菌の死菌体には、免疫細胞における免疫賦活因子(IL-12、IL-10、TGF-β、IL-6、IFN-γ等)の産生誘導能や、腸内環境を改善して免疫分子であるIgAの産生を誘導する機能性がある。よって、例えば、からだの免疫力を高めて健康維持を図るための機能性組成物の有効成分として好適に利用され得る。特には、健常者の健康維持を図るための機能性食品などに好適に利用され得る。別の観点では、本発明は、健康増進のための健康食品やサプリメントに利用可能な機能性素材や関与成分を提供するものであるということができる。更には、ブラウティア属細菌の死菌体を有効成分とする免疫賦活剤を提供するものであるということができる。
ブラウティア属細菌の加熱処理は、培養後の培養液をそのまま、あるいは、必要に応じて上記した菌体濃縮液に調製したうえ、例えば、ジャケットタンク、恒温槽、オートクレーブにかけるなどの処理により行うことができる。その際、pHは、限定されないが、例えばpH3.0~7.0であってよく、pH3.0~6.0であってよく、pH3.0~5.0であってよい。加熱処理の温度条件としては、限定されないが、例えば70~121℃であってよく、80~110℃であってよく、80~100℃であってよい。加熱処理時間としては、限定されないが、例えば30分間~120時間であってよく、30分間~90分間であってよく、30分間~60分間であってよい。このような環境下での処理が十分でないと、免疫賦活能等の所望の機能性に乏しくなる傾向があるため、好ましくない。
本発明により提供されるブラウティア属細菌が、上記のような環境下での十分な処理がなされたものであるかどうか、判別するには、その調製履歴を確認すればよい。あるいは、場合によっては、機能性の観点からの判別を行うことも可能である。例えば、マウス脾臓細胞を用いた方法で測定したIL-12産生誘導能が、同条件におけるブラウティア属細菌の生菌による前記IL-12産生誘導能と比較して10倍以上であるかどうかや、マウス脾臓細胞を用いた方法で測定したIL-10産生誘導能が、同条件におけるブラウティア属細菌の生菌による前記IL-10産生誘導能と比較して2倍以上であるかどうかなど、そのような機能性の観点からの判別を行うことも可能である。
本発明により提供されるブラウティア属細菌の死菌体は、所望により、飲食品、機能性食品、医薬品、化粧品、動物飼料等、各種の製品形態での利用が可能である。
飲食品としては、配合される食品の種類に特に制限はなく、例えば、コーヒー、果汁、清涼飲料水、ビール等アルコール飲料、牛乳、味噌汁、スープ、紅茶、茶、粉末飲料、栄養剤、シロップ、マーガリン、ペースト、ジャム等の液状(流動状)食品、米飯、パン、じゃがいも製品、もち、ふりかけ、ハム、ソーセージ、飴、チョコレート、ガム、グミ、スナック菓子、焼き菓子などの固形形状食品等の主食、副食、菓子類ならびに調味料に配合することも可能である。用途に応じて、粉末、顆粒、錠剤等の形に成形してもよい。また、必要に応じて、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料等に配合することも可能である。
ヒトの消費に供する食品以外にも、ブラウティア属細菌の死菌体を飼料中に混合して、家畜、ペット等の動物に投与する場合には、予め飼料の原料中に混合して、機能性を付与した飼料として調製することができる。すなわち、ブラウティア属細菌の死菌体を有効成分として、ブタ、ニワトリ、ウシ、ウマ、ヒツジ等の家畜類や、ペット(イヌ、ネコ、鳥類)等や、タイ、ハマチ、マグロ、ウナギ、フグ等の養魚類等の飼料に添加することにより、機能性飼料として用いることができる。
機能性食品としては、サプリメント、健康ドリンク、健康食品、栄養補助食品、保健機能食品、栄養機能食品、特定保健用食品、機能性表示食品、食品添加用素材等が挙げられる。これらの製品形態は、特に限定されないが、例えば、錠剤、カプセル、顆粒剤、粉末、飲料として製品化することができる。
医薬品としては、適宜、薬学的に許容される基材等と組み合わせて、その医薬品製剤となすことができる。例えば、錠剤、チュアブル、カプセル剤、顆粒剤、粉末、丸剤、シロップ、チンキ、煎剤、液剤等の形態とすることができる。
化粧品としては、適宜、薬学的に許容される基材等と組み合わせて、その化粧品製剤となすことができる。例えば、ローション、化粧水、クリーム、乳液、パウダー、ファンデーション、パック剤、ジェル剤、ゼリー剤、エアゾール剤、石鹸、クレンジングフォーム、浴用剤、ボディソープ、サンケア、軟膏、貼付剤、絆創膏等が挙げられる。
上述したように、本発明により提供されるブラウティア属細菌の死菌体は、これをプロバイオティクス素材や機能性素材として各種の形態となすことができる。その場合、かかるブラウティア属細菌以外にも、他の成分を含有せしめることができる。他の成分としては、例えば、ラクトバチルス属、ラクチカゼイバチルス属、ラクチプランチバチルス属、ラクトコッカス属、ビフィドバクテリウム属、ストレプトコッカス属、エンテロコッカス属、アッカーマンシア属、クリステンセネラ属、クロストリジウム属、バクテロイデス属、バチルス属、パラプレボテラ属、フィーカリバクテリウム属、レンチラクトバチルス属、ユウバクテリウム属、ベイロネラ属等の微生物菌体素材、好ましくはその死菌体素材等が挙げられる。
上述したように、本発明により提供されるブラウティア属細菌の死菌体は、これをプロバイオティクス素材や機能性素材として各種の形態となすことができる。そして、後述する実施例の結果によれば、免役賦活能を発揮させる素材(免疫賦活剤の有効成分)として用いて、各種の形態となすことができる。その場合、かかるブラウティア属細菌の死菌体の含有量としては、各種の形態とした場合に、その形態として使用される量と機能性を発揮させるための有効量との関係を勘案して適宜定めればよい。典型的には、ブラウティア属細菌の死菌体の乾燥物換算の含有量にして、0.001~100質量%の範囲であってよく、0.001~50質量%の範囲であってよく、0.001~10質量%の範囲であってよい。また、菌体数に換算した含有量にして、2.0×10~2.0×1012cells/gの範囲であってよく、2.0×10~1.0×1012cells/gの範囲であってよく、2.0×10~2.0×1011cells/gの範囲であってよい。
本発明により提供されるブラウティア属細菌の死菌体をヒトが摂取する場合、その投与量は、対象者の健康状態や年齢あるいはどの程度の機能性を必要としているかなどに応じて、適宜設定すればよい。典型的には、乳酸菌の乾燥物換算での摂取量にして、0.0005mg~500mg/日/kg体重の範囲であってよく、0.005mg~50mg/日/kg体重の範囲であってよく、0.05mg~5mg/日/kg体重の範囲であってよい。また、菌体数に換算した含有量にして、1.0×10~1.0×1012cells/日/kg体重の範囲であってよく、1.0×10~1.0×1011cells/日/kg体重の範囲であってよく、1.0×10~1.0×1010cells/日/kg体重の範囲であってよい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例の範囲に限定されるものではない。
〔試料の調製〕
ブラウティア属細菌としてブラウティア・RD014892株を使用し、MRS培地にて、37℃、嫌気環境下に24時間培養した。培養液を8000×g、10分間遠心し、上清を除去した後に、蒸留水を加えて菌体を懸濁したものを試料(生菌)とした。一方、同じ培養液について、酢酸を添加することによりpH6.0又はpH4.0に調整したうえ、80℃、30分間加熱処理し、あとは同様に菌体を回収して蒸留水で懸濁したものを加熱処理試料(pH6.0又はpH4.0)とした。
[試験例1]
(方法)
常法に従い、BALB/cAマウス(雌性、10週齢)から脾臓を採取した。脾臓の採取は、クリーンベンチ内でできる限り無菌状態で行った。採取した脾臓は、セルストレーナー(ポアサイズ:100μm)にて細胞を回収した後、細胞濃度が2.5×10cells/mLとなるよう液体培地で調製した。使用した液体培地は、RPMI-1640(L-グルタミン、フェノールレッド含有、富士フイルム和光純薬)に、終濃度10%のFBS(Thermo Fisher Scientific)とPenicillin-Streptomycin-Neomycin (PSN) Antibiotic Mixture(Thermo Fisher Scientific)とを適宜配合して調製した。その細胞液にブラウティア属細菌(生菌)、(pH6.0加熱処理)、及び(pH4.0加熱処理)のそれぞれを、乾燥菌体換算の終濃度が1.0μg/mLとなるよう添加し、37℃、5%CO環境下で培養した。そして、IL-12については培養開始から24時間の時点、IL-10については培養開始から96時間の時点、それぞれ培養後の上清に含まれる各サイトカイン濃度をELISAにて測定した。なお、IL-12については6ウェルから、IL-10については5ウェルから、測定の平均値、標準偏差を算出した。また、ブラウティア属細菌を添加しない脾臓細胞のみのウェルをコントロールとした。
(評価)
その結果、図1に示されるように、ブラウティア属細菌の生菌では、IL-12についてもIL-10についても、菌体を添加しないコントロールと同程度の産生量であったのに対して、加熱処理して得られたブラウティア属細菌の死菌体では、それら免疫賦活因子の産生量が顕著に高められた。
また、図2に示されるように、ブラウティア属細菌の死菌体による免疫賦活因子の産生誘導能は、pH4.0の環境下に加熱処理した場合に特に顕著であった。
[試験例2]
(方法)
試験例1と同様にして、BALB/cAマウス(雌性、10週齢)の脾臓細胞液を調製した。その細胞液に各ブラウティア属細菌(生菌)及び(pH4.0、80℃加熱処理)を、乾燥菌体換算の終濃度が1.0μg/mLとなるよう添加し、37℃、5%CO環境下で培養した。培養開始から6時間後に細胞を回収し、RNeasy Mini Kit(QIAGEN)を用いてRNAを抽出した。次に、得られたRNAからReverTra Ace qPCR RT Master Mix(TOYOBO)を用いてcDNAを合成した。合成したcDNAとiTaq Universal SYBR Green Supermix(BIO RAD)とを用い、各種サイトカイン(TGF-β、IL-6、IFN-γ)のmRNA発現量についてリアルタイムPCRにより測定を行い、得られた測定値はβ-アクチンのmRNA発現量により規格化した。一方、別途、ブラウティア属細菌を添加しない脾臓細胞を用いて同様リアルタイムPCRを行い、これを基準として、各種サイトカインのmRNA発現量の相対値を算出した。
(評価)
その結果、図3に示されるように、ブラウティア菌(pH4.0、80℃加熱処理)を添加した場合、ブラウティア菌(生菌)を添加した場合と比較すると、免疫賦活因子として知られる各種サイトカイン(TGF-β、IL-6、IFN-γ)の遺伝子発現量の増加が認められた。
[試験例3]
(方法)
BALB/cマウスを1週間馴化した後、各サンプルを下表に示す投与量になるように配合した精製飼料(AIN-93G)を1週間自由摂取させた。その後、安楽死させたマウスより結腸中の糞便を回収しELISA法にてIgAを測定し、盲腸内容物は短鎖脂肪酸(コハク酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸)濃度を測定した。
Figure 0007706191000001
(評価)
・盲腸内容物中短鎖脂肪酸濃度
図4に示すように、ブラウティア菌(pH4.0、80℃加熱処理)の投与群では、コントロール群やブラウティア菌(生菌)の投与群と比較したとき、腸内環境改善の機能性が知られている酢酸、プロピオン酸、酪酸については、それらの増加が認められ、一方、下痢等を引き起こすことが知られているコハク酸の減少が認められた。
・糞便中IgA濃度
図5に示すように、ブラウティア菌(pH4.0、80℃加熱処理)の投与群では、コントロール群やブラウティア菌(生菌)の投与群と比較したとき、免疫分子であるIgAの増加が認められた。
以上から、ブラウティア菌を酸性条件下に加熱処理することにより、腸内環境を改善する機能性が高められることが明らかとなった。

Claims (4)

  1. ブラウティア属細菌としてブラウティア・RD014892株(受託番号:NITEBP-03954)をpH3.0~5.0、温度70~121℃の酸性条件下に加熱処理して得られた死菌体を有効成分とする免疫賦活剤。
  2. 前記ブラウティア属細菌の死菌体は、マウス脾臓細胞を用いた方法で測定したIL-12産生誘導能が、同条件におけるブラウティア属細菌の生菌による前記IL-12産生誘導能と比較して10倍以上である、請求項1記載の免疫賦活剤。
  3. 前記ブラウティア属細菌の死菌体は、更に、マウス脾臓細胞を用いた方法で測定したIL-10産生誘導能が、同条件におけるブラウティア属細菌の生菌による前記IL-10産生誘導能と比較して2倍以上である、請求項記載の免疫賦活剤。
  4. 前記免疫賦活剤は、腸内IgA産生を促すものである、請求項1~のいずれか1項に記載の免疫賦活剤。
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