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JP7767818B2 - 粗硫酸ニッケル水溶液の脱鉄設備 - Google Patents

粗硫酸ニッケル水溶液の脱鉄設備

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JP7767818B2
JP7767818B2 JP2021164515A JP2021164515A JP7767818B2 JP 7767818 B2 JP7767818 B2 JP 7767818B2 JP 2021164515 A JP2021164515 A JP 2021164515A JP 2021164515 A JP2021164515 A JP 2021164515A JP 7767818 B2 JP7767818 B2 JP 7767818B2
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Description

本発明は、粗硫酸ニッケル水溶液の脱鉄設備に関する。さらに詳しくは、本発明は、粗硫酸ニッケル水溶液から鉄を除去する設備に関する。
ニッケルマット、ニッケル水酸化物などのニッケル原料を浸出して得られる粗硫酸ニッケル水溶液には、鉄、砒素などの不純物元素が含まれている。粗硫酸ニッケル水溶液から鉄を除去する方法として、粗硫酸ニッケル水溶液に圧縮空気を吹き込んで酸化しつつ中和剤を添加することによって鉄を沈澱させて除去する酸化中和法が知られている。
粗硫酸ニッケル水溶液から鉄を除去した後、残存する不純物を溶媒抽出法により除去することで、高純度の硫酸ニッケル水溶液が得られる。溶媒抽出の前に鉄を除去するのは、不純物元素である鉄が溶媒抽出工程において水酸化物を主体とするクラッドを生成し、配管などを閉塞させる恐れがあるからである。また、有機溶媒に抽出された鉄を逆抽出して除去するために多量の酸が必要となり製造コストが高くなるからである。さらに、クラッドが生成すると、クラッドに妨害されて油水分離性が悪化する恐れもあるからである。そのため、溶媒抽出工程の前に粗硫酸ニッケル水溶液から鉄を充分に除去しておくことが望まれる。
酸化中和法による脱鉄工程では、粗硫酸ニッケル水溶液に圧縮空気を吹き込むことで水溶液に含まれるFe2+をFe3+に酸化させ、中和剤を添加して中和反応を生じさせることにより水酸化第二鉄(Fe(OH))を生成して一次残渣として除去する。特許文献1には、鉄の酸化を促進して水酸化第二鉄を生成しやすくするために、圧縮空気の吹き込みに加えて、過酸化水素を添加すること、事前に予備酸化を行なうことが開示されている。
酸化中和処理を行なうと水酸化鉄の沈澱物が生じるとともに、微量ながらニッケルも共沈する。そのため、一次残渣にはニッケルが含まれる。そこで、一次残渣からニッケルを回収する処理が行なわれる。例えば、一次残渣に水または低ニッケル濃度の粗硫酸ニッケル水溶液を添加してレパルプし、昇温した後に、硫酸を添加する。そうすると、一次残渣に含まれる水酸化ニッケルが溶解され粗硫酸ニッケル水溶液として回収できる。
溶解後に残った二次残渣は系外に払い出されるから、二次残渣のニッケル品位が高いほどニッケルロスが大きくなる。また、二次残渣に残留する水酸化ニッケルが多いほどスラリーの濾過性が悪くなり、二次残渣の水分率が高くなる。その結果、二次残渣に付着して払い出されるニッケルが多くなり、ニッケルロスが増大する。そのため、一次残渣に含まれる水酸化ニッケルをなるべく多く溶解することが望まれる。
この点について、特許文献2には、一次残渣を含むスラリーに硫酸を添加した後、一定時間撹拌することで、設備容量を維持したままニッケル浸出率を高めることが開示されている。しかし、この方法では処理サイクルの観点から撹拌時間が限られる。また、鉄の浸出は抑制する必要があり、ニッケルの水溶液中への溶解量にも限界があることから、二次残渣のニッケル品位を一定以下に下げることは困難である。
二次残渣のニッケル品位をより低減するには、一次残渣の段階でニッケル品位を低減しておくことが考えられる。すなわち、酸化中和工程においてニッケルの沈澱量を低減すればよい。特許文献3には、粗硫酸ニッケル水溶液の鉄濃度が0.5g/L以下である場合に、pHを4.2~5.0に調整することで、ニッケルロスを低減できることが開示されている。
特開2020-158381号公報 特開2013-253273号公報 特開2018-177547号公報
しかし、粗硫酸ニッケル水溶液に中和剤を添加すると、局所的にpHが高い領域が生じ、水酸化ニッケルが生成される。これを抑制するために中和剤の添加量を少なくすると、粗硫酸ニッケル水溶液全体の平均的なpHが下がり本来の目的である水酸化鉄が生じにくくなる。そのため、鉄を充分に除去しつつニッケルロスを低減することは、pHの管理だけでは困難である。
本発明は上記事情に鑑み、鉄を充分に除去しつつニッケルロスを低減できる粗硫酸ニッケル水溶液の脱鉄設備を提供することを目的とする。
第1発明の脱鉄設備は、鉄を含む粗硫酸ニッケル水溶液に対して酸化中和処理を行ない、水酸化鉄を沈澱物として含む中和スラリーを排出する中和槽と、前記中和槽に中和剤を供給する中和剤供給管と、を備え、前記中和剤供給管は、前記中和剤を排出する添加口が、一の前記中和槽に対して複数設けられており、前記中和槽に設けられた撹拌装置の撹拌軸を中心軸とし、前記中心軸からの距離を半径rとし、前記中心軸周りの方向を角度θとし、前記撹拌装置の回転方向を前記角度θの正方向とし、前記撹拌軸から前記中和スラリーの排出口に向かう方向をθ=0°とした円筒座標系において、複数の前記添加口は30°≦θ≦210°の範囲に配置されていることを特徴とする。
第2発明の脱鉄設備は、第1発明において、複数の前記添加口は0.3R≦r≦0.7R(Rは前記中和槽の半径である)の範囲に配置されていることを特徴とする。
第3発明の脱鉄設備は、第1または第2発明において、前記中和スラリーを一次残渣と脱鉄終液とに固液分離する第1固液分離装置と、前記一次残渣に硫酸を添加して前記一次残渣に含まれる水酸化ニッケルを溶解し、溶解後スラリーを得る溶解槽と、前記溶解後スラリーを二次残渣とニッケル回収液とに固液分離する第2固液分離装置と、を備えることを特徴とする
第1発明によれば、中和剤を複数の添加口から分散して添加するので、局所的にpHが高い領域が生じにくい。そのため、水酸化ニッケルの生成を抑制でき、ニッケルロスを低減できる。また、粗硫酸ニッケル水溶液の旋回流に沿った経路でみて添加口が排出口から離れた領域に配置されているので、添加口から添加された中和剤や局所的に生成した水酸化ニッケルが短時間で排出口から排出されるショートパスを抑制できる。そのため、中和剤が充分に作用し、鉄を充分に除去できる。
第2発明によれば、粗硫酸ニッケル水溶液の旋回流の流速が速い領域に中和剤を添加するので、局所的にpHが高い領域が生じにくい。そのため、水酸化ニッケルの生成を抑制でき、ニッケルロスを低減できる。
第3発明によれば、一次残渣に含まれる水酸化ニッケルを溶解してニッケル回収液として回収するので、ニッケルロスをより低減できる
一実施形態に係る脱鉄設備の説明図である。 一実施形態に係る中和槽の縦断面図である。 一実施形態に係る中和槽の平面図である。 中和剤の高濃度領域を示す模式図である。 図(A)は交換系の一次残渣の不溶性ニッケル品位の推移を示すグラフである。図(B)は交換系の二次残渣の不溶性ニッケル品位を比較したグラフである。 図(A)は抽出系の一次残渣の不溶性ニッケル品位の推移を示すグラフである。図(B)は抽出系の二次残渣の不溶性ニッケル品位を比較したグラフである。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の一実施形態に係る脱鉄設備は粗硫酸ニッケル水溶液から鉄を除去する設備である。処理対象の粗硫酸ニッケル水溶液には不純物として少なくとも鉄が含まれている。粗硫酸ニッケル水溶液はさらに鉄以外の不純物が含まれてもよい。
粗硫酸ニッケル水溶液は、例えば、(1)電気ニッケルの製造プロセスにおいて、ニッケルおよびコバルトを含有する混合硫化物の塩素浸出液を浄液して得たニッケルおよびコバルトの水酸化物を原料とし、これを硫酸で溶解することにより得られた水溶液、(2)ニッケルマットを硫黄および酸素とともに加圧浸出することにより得られた水溶液、(3)(1)と(2)の2種を混合した水溶液、(4)電気銅の製造プロセスにおいて、銅電解液中に濃縮したニッケルを結晶化して除去する工程で産出される粗硫酸ニッケル結晶を溶解し、結晶中に含まれる銅、亜鉛などの不純物を、硫化水素ガスを用いて硫化沈澱除去して得られる水溶液である。
本明細書では(1)、(2)および(3)の水溶液を「交換系粗硫酸ニッケル水溶液」と称し、(4)の水溶液を「抽出系粗硫酸ニッケル水溶液」と称する。交換系粗硫酸ニッケル水溶液は、ニッケル濃度が100~120g/L、鉄濃度が0.1~0.5g/Lである。抽出系粗硫酸ニッケル水溶液は、ニッケル濃度が100~120g/L、鉄濃度が0.4~0.8g/Lである。これらの粗硫酸ニッケル水溶液には、鉄のほか、アルミニウム、クロム、銅、亜鉛、砒素などの不純物が含まれる。
図1に示すように、本実施形態の脱鉄設備AAは、直列に接続された複数段の中和槽10A、10B、10C(以下、配置順を区別しない場合には符号10を用いる)を有する。粗硫酸ニッケル水溶液は最前段の中和槽10Aに連続的に供給された後、最後段の中和槽10Cに向かって順に流れる。各中和槽10には酸化剤として圧縮空気が導入される。また、各中和槽10には中和剤が添加される。なお、中和槽10の段数は特に限定されない。中和槽10の段数を1段としてもよい。
粗硫酸ニッケル水溶液に空気を吹き込むと水溶液に含まれるFe2+がFe3+に酸化される。ここに中和剤を添加して中和反応を生じさせると水酸化第二鉄(Fe(OH))が生じる。このように、中和槽10では、粗硫酸ニッケル水溶液に対して酸化中和処理を行ない、水酸化鉄を含む沈澱物を生成する。以下、この沈澱物を含むスラリーを中和スラリーと称する。
中和剤として消石灰、水酸化ナトリウムなどを用いることができる。中和剤の添加量は、中和槽10内の粗硫酸ニッケル水溶液のpHが2.6~5.9となる量とすることが好ましく、pHが4.6~5.9となる量がより好ましい。そうすれば、水酸化鉄を生成しつつ、水酸化ニッケルの生成を抑制できる。
酸化中和処理を複数段の中和槽10A、10B、10Cを用いて行なう場合には、最前段の中和槽10Aから最後段の中和槽10CにかけてpHを段階的に上昇させることが好ましい。脱鉄終液の不純物濃度の高低は主に最後段の中和槽10CのpHに依存することから、最後段の中和槽10Cにおける粗硫酸ニッケル水溶液のpHを4.6~5.9にすることが好ましい。
最後段の中和槽10Cから排出された中和スラリーは第1固液分離装置20に導入される。第1固液分離装置20は中和スラリーを一次残渣と脱鉄終液とに固液分離する。第1固液分離装置20としてフィルタープレスを好適に用いることができる。
脱鉄終液は粗硫酸ニッケル水溶液から鉄が除去された溶液である。例えば、交換系粗硫酸ニッケル水溶液を用いた場合の脱鉄終液はニッケル濃度100~120g/L、鉄濃度5mg/L未満である。抽出系粗硫酸ニッケル水溶液を用いた場合の脱鉄終液はニッケル濃度100~120g/L、鉄濃度15mg/L未満である。脱鉄終液は溶媒抽出工程に送られる。溶媒抽出工程では溶媒抽出により脱鉄終液に残留する不純物を除去して、高純度の硫酸ニッケル水溶液を得る。
酸化中和処理を行なうと水酸化鉄の沈澱物が生じるとともに、微量ながらニッケルも共沈する。そのため、一次残渣にはニッケルが含まれる。例えば、交換系粗硫酸ニッケル水溶液を用いた場合、一次残渣のニッケル品位は2~6重量%である。抽出系粗硫酸ニッケル水溶液を用いた場合、一次残渣のニッケル品位は10~20重量%である。
一次残渣をそのまま系外に排出するとニッケルロスが大きいため、一次残渣からニッケルを回収する処理が行なわれる。一次残渣は溶解槽30に排出される。溶解槽30では一次残渣に水または低ニッケル濃度の粗硫酸ニッケル水溶液を添加してレパルプし、昇温した後に、硫酸を添加する。硫酸により一次残渣に含まれる水酸化ニッケルが溶解する。
硫酸の添加量は、溶解槽30内のスラリー(溶解後スラリー)の液相のpHが3.0~4.1となる量であることが好ましい。溶解槽30のpHを3.0~4.1に調整することで、一次残渣に含まれる水酸化ニッケルを充分に溶解できる。
溶解槽30から排出された溶解後スラリーは第2固液分離装置40に導入される。第2固液分離装置40は溶解後スラリーを二次残渣とニッケル回収液とに固液分離する。第2固液分離装置40としてフィルタープレスを好適に用いることができる。
二次残渣は系外に払い出される。例えば、交換系粗硫酸ニッケル水溶液を用いた場合、二次残渣のニッケル品位は0.7~1.4重量%である。抽出系粗硫酸ニッケル水溶液を用いた場合、二次残渣のニッケル品位は0.6~1.3重量%である。
ニッケル回収液は系内に繰り返される。ニッケル回収液は、例えば、ニッケルおよびコバルトの水酸化物を原料とし、これを硫酸で溶解する際のレパルプ水溶液や、粗硫酸ニッケル結晶を溶解する際の溶解用水溶液として用いられるほか、一次残渣をレパルプする低ニッケル濃度の粗硫酸ニッケル水溶液として用いられる。このように、一次残渣に含まれる水酸化ニッケルを溶解してニッケル回収液として回収するので、ニッケルロスをより低減できる。
ところで、酸化中和処理では、水酸化ニッケルの生成を抑制するため、粗硫酸ニッケル水溶液のpHをNi2+の安定領域に設定する。しかし、中和槽10内の粗硫酸ニッケル水溶液に中和剤を添加してpHをNi2+の安定領域に設定したとしても、水酸化ニッケルが生成される。中和槽10に中和剤を添加すると、中和槽10内の粗硫酸ニッケル水溶液のうち特に中和剤の添加口の近傍において中和剤の濃度が局所的に高くなる。このような高濃度領域では粗硫酸ニッケル水溶液のpHが高くなる。その結果、局所的に水酸化第一ニッケル(Ni(OH))の安定領域となることがあり、これが生成され、水酸化鉄とともに共沈する。粗硫酸ニッケル水溶液のpHはNi2+の安定領域に設定されているから、生成した水酸化第一ニッケルは、完全に平衡状態に戻れば、再溶解する。しかしながら、完全な平衡状態に戻るには長時間を要するため、中和槽10内の滞留時間では水酸化第一ニッケルが残留することになる。そこで、本実施形態の脱鉄設備AAは、中和剤の高濃度領域の発生を抑制するため、中和槽10への中和剤の添加を工夫している。
図2に示すように、中和槽10には粗硫酸ニッケル水溶液(二段目以降の中和槽10B、10Cの場合は中和スラリー)の供給口11が設けられている。また、中和槽10には中和スラリーの排出口12が設けられている。中和槽10内の中和スラリーはオーバーフローにより排出口12から排出される。供給口11および排出口12の配置は特に限定されないが、通常、中和槽10内の対向する位置、すなわち最も離れた位置に配置される。
排出口12は静水筒13の内部に配置されることが好ましい。静水筒13は中和槽10の内壁面に沿って底部近傍から液面より上方に至るまで上下方向に延在する筒形の部材である。中和スラリーは静水筒13の下端から静水筒13の内部に流入して排出口12から排出される。静水筒13が存在することにより、供給口11から供給された粗硫酸ニッケル水溶液が短時間で排出口12から排出されるショートパスを抑制できる。
中和槽10にはその内部(粗硫酸ニッケル水溶液)に空気を吹き込む空気吹込管14が設けられている。また、中和槽10にはその内部に中和剤を供給する中和剤供給管15が設けられている。中和剤供給管15の末端であって中和剤を排出する開口端を添加口15aと称する。
中和槽10には撹拌装置16が設けられている。撹拌装置16の駆動により中和槽10内の粗硫酸ニッケル水溶液が撹拌される。通常、中和槽10として円筒状の槽が用いられる。撹拌装置16の撹拌軸16aは中和槽10の中心に配置されている。
図3に示すように、中和剤供給管15は複数に分岐しており、複数の添加口15aを有する。添加口15aは一の中和槽10に対して複数設けられている。このように、中和剤を複数の添加口15aから分散して添加するので、局所的にpHが高い領域が生じにくい。すなわち、中和槽10の全体において、平衡状態に近い酸化中和反応を生じさせることができる。そのため、水酸化ニッケルの生成を抑制でき、ニッケルロスを低減できる。
図4に中和剤の高濃度領域HDが発生した状態を示す。図4における右方向に粗硫酸ニッケル水溶液が流れている。粗硫酸ニッケル水溶液に中和剤を添加すると、添加口15aの近傍において中和剤の濃度が局所的に高くなる。中和剤の高濃度領域HDはpHが高く、水酸化ニッケルの核発生領域となると考えられる。乱流拡散の考え方によれば、高濃度領域HDの体積Vは、中和剤流量q[mol/s]の二乗に比例し、粗硫酸ニッケル水溶液の流速u[m/s]に反比例すると考えられる。
したがって、添加口15aの数が多いほど、すなわち中和剤流量qが小さいほど、高濃度領域HDの体積Vを小さくできる。例えば、添加口を3ヶ所に分散させれば、中和剤の総流量が同じでも、(1/3)×3=(1/3)なので、高濃度領域HDの体積Vの合計は(1/3)になる。その結果、水酸化ニッケルの生成が抑制されると考えられる。
なお、中和槽10に添加する中和剤の総流量を少なくする必要がない。そのため、中和槽10の粗硫酸ニッケル水溶液全体の平均的なpHが低くならないので水酸化鉄が生成されやすく、鉄を充分に除去できる。
以下、図2および図3に示すように、中和槽10を基準にして円筒座標系を定義する。撹拌装置16の撹拌軸16aを中心軸(z軸)とする。中心軸からの添加口15aの距離を半径rとする。中心軸周りの方向を角度θとする。角度θは撹拌装置16の回転方向を正方向とする。図3に示す例では角度θの正方向を時計回りとしている。また、撹拌軸16aから排出口12に向かう方向をθ=0°とする。
図3に示すように、複数の添加口15aは30°≦θ≦210°の範囲に配置することが好ましい。そうすれば、粗硫酸ニッケル水溶液の旋回流に沿った経路でみて、いずれの添加口15aも排出口12から離れた領域に配置されることになる。そのため、添加口15aから添加された中和剤が短時間で排出口12から排出されるショートパスを抑制できる。そのため、中和剤が充分に作用し、鉄を充分に除去できる。
中和槽10内に中和剤を添加するには、添加口15aが中和槽10の範囲内に位置していればよい。中和槽10が半径Rの円筒形であり、その中心に撹拌軸16aが配置されているとすれば、複数の添加口15aは0≦r≦Rの範囲に配置されていればよい。
ただし、複数の添加口15aは0.3R≦r≦0.7Rの範囲に配置することが好ましい。図2に示すように、円筒撹拌槽内の旋回流の角速度は固体的回転半径rの内側では撹拌翼の回転角速度と同程度となる。すなわち、半径rが大きいほど流速が速くなる。一方、固体的回転半径rの外側では半径rが大きいほど流速が遅くなる。したがって、流速は中和槽10の半径Rの中央付近が最も速い。この流速が速い領域に添加口15aを配置することが好ましい。
前述の通り、粗硫酸ニッケル水溶液の流速uが速いほど高濃度領域HDの体積Vが小さくなる。粗硫酸ニッケル水溶液の流速uが速い領域に中和剤を添加すれば、局所的にpHが高い領域が生じにくい。そのため、水酸化ニッケルの生成を抑制でき、ニッケルロスを低減できる。
添加口15aのz方向の位置は特に限定されない。通常、添加口15aは粗硫酸ニッケル水溶液の液面より上方に配置される。
つぎに、実施例を説明する。
1.交換系
図1に示す脱鉄設備AAを用いて粗硫酸ニッケル水溶液の脱鉄を行なった。粗硫酸ニッケル水溶液として、(1)電気ニッケルの製造プロセスにおいて、ニッケルおよびコバルトを含有する混合硫化物の塩素浸出液を浄液して得たニッケルおよびコバルトの水酸化物を原料とし、これを硫酸で溶解することにより得られた水溶液、および、(2)ニッケルマットを硫黄および酸素とともに加圧浸出することにより得られた水溶液、の2種を混合した水溶液(3)を用いた。最前段中和槽10Aへの供給時点における粗硫酸ニッケル水溶液は、ニッケル濃度が100~120g/L、鉄濃度が0.1~0.5g/L、pHが1~2である。
脱鉄設備AAは3段の中和槽10A、10B、10Cを有する。各中和槽10A、10B、10Cに消石灰スラリーを添加してpH調整を行なった。具体的には、最前段中和槽10AのpHを2.7±0.1、中段中和槽10BのpHを4.6±0.1、最後段中和槽10CのpHを4.7±0.1に調整した。また、溶解槽30に硫酸を添加し、pHを3.3±0.1に調整した。
各中和槽10A、10B、10Cの中和剤の添加口15aを1つとして操業を行なった(以下、1点添加という。)。その後、最前段中和槽10Aおよび中段中和槽10Bの添加口15aを3つに増やして操業を行なった(以下、多点添加という)。操業期間中、所定時間間隔で一次残渣および二次残渣のサンプルを採取し、不溶性ニッケル品位を測定した。
一次残渣および二次残渣に含まれるニッケルには、付着液から持ち込まれた硫酸ニッケル由来の水溶性ニッケルと、中和反応により生成した水酸化第一ニッケル由来の不溶性ニッケルの2種類が存在する。このうち不溶性ニッケルの品位をつぎの手順で測定した。まず、1gの一次残渣を硝酸で溶解して溶解液中のニッケル濃度を分析した。この分析値は不溶性ニッケル品位と水溶性ニッケル品位とを合わせた全ニッケル品位に相当する。つぎに、1gの一次残渣を150mLの沸騰水で10分間水洗することで水溶性ニッケルを溶出させ、溶出液中のニッケル濃度を分析して水溶性ニッケル品位を求めた。そして、全ニッケル品位から水溶性ニッケル品位を差し引くことで一次残渣の不溶性ニッケル品位を求めた。なお、ニッケル濃度の分析はICP発光分光分析法により行った。また、同様の手順で二次残渣の不溶性ニッケル品位を求めた。
図5(A)に一次残渣の不溶性ニッケル品位の推移を示す。図5(B)に二次残渣の不溶性ニッケル品位を比較したグラフを示す。一次残渣の不溶性ニッケル品位は、1点添加の場合には平均5.67重量%(標準偏差2.08重量%)であったが、多点添加にすると平均4.02重量%(標準偏差0.75重量%)に低下した。二次残渣の不溶性ニッケル品位は、1点添加の場合には平均1.91重量%(標準偏差0.54重量%)であったが、多点添加にすると平均0.93重量%(標準偏差0.12重量%)に低下した。
2.抽出系
図1に示す脱鉄設備AAを用いて粗硫酸ニッケル水溶液の脱鉄を行なった。粗硫酸ニッケル水溶液として、(4)電気銅の製造プロセスにおいて、銅電解液中に濃縮したニッケルを結晶化して除去する工程で産出される粗硫酸ニッケル結晶を溶解し、結晶中に含まれる銅、亜鉛などの不純物を、硫化水素ガスを用いて硫化沈澱除去して得られる水溶液を用いた。最前段中和槽10Aへの供給時点における粗硫酸ニッケル水溶液は、ニッケル濃度が100~120g/L、鉄濃度が0.4~0.8g/L、pHが1~2である。
脱鉄設備AAは3段の中和槽10A、10B、10Cを有する。各中和槽10A、10B、10Cに消石灰スラリーを添加してpH調整を行なった。具体的には、最前段中和槽10AのpHを3.5±0.1、中段中和槽10BのpHを5.7±0.1、最後段中和槽10CのpHを5.8±0.1に調整した。また、溶解槽30に硫酸を添加し、pHを4.0±0.1に調整した。
各中和槽10A、10B、10Cの中和剤の添加口15aを1つとして操業を行なった(1点添加)。その後、最前段中和槽10Aおよび最後段中和槽10Cの添加口15aを2つに増やすとともに、中段中和槽10Bの添加口15aを3つに増やして操業を行なった(多点添加)。操業期間中、所定時間間隔で一次残渣および二次残渣のサンプルを採取し、交換系と同様の手順で不溶性ニッケル品位を測定した。
図6(A)に一次残渣の不溶性ニッケル品位の推移を示す。図6(B)に二次残渣の不溶性ニッケル品位を比較したグラフを示す。一次残渣の不溶性ニッケル品位は、1点添加の場合には平均17.75重量%(標準偏差2.64重量%)であったが、多点添加にすると平均13.89重量%(標準偏差2.24重量%)に低下した。二次残渣の不溶性ニッケル品位は、1点添加した場合には平均1.67重量%(標準偏差0.94重量%)であったが、多点添加にすると平均0.94重量%(標準偏差0.14重量%)に低下した。
以上より、中和剤の添加口15aの数を増やすことで、一次残渣も二次残渣も不溶性ニッケル品位が低くなることが確認された。
AA 脱鉄設備
10(10A、10B、10C) 中和槽
11 供給口
12 排出口
13 静水筒
14 空気吹込管
15 中和剤供給管
15a 添加口
16 撹拌装置
16a 撹拌軸
20 第1固液分離装置
30 溶解槽
40 第2固液分離装置

Claims (3)

  1. 鉄を含む粗硫酸ニッケル水溶液に対して酸化中和処理を行ない、水酸化鉄を沈澱物として含む中和スラリーを排出する中和槽と、
    前記中和槽に中和剤を供給する中和剤供給管と、を備え、
    前記中和剤供給管は、前記中和剤を排出する添加口が、一の前記中和槽に対して複数設けられており、
    前記中和槽に設けられた撹拌装置の撹拌軸を中心軸とし、前記中心軸からの距離を半径rとし、前記中心軸周りの方向を角度θとし、前記撹拌装置の回転方向を前記角度θの正方向とし、前記撹拌軸から前記中和スラリーの排出口に向かう方向をθ=0°とした円筒座標系において、複数の前記添加口は30°≦θ≦210°の範囲に配置されている
    ことを特徴とする脱鉄設備。
  2. 複数の前記添加口は0.3R≦r≦0.7R(Rは前記中和槽の半径である)の範囲に配置されている
    ことを特徴とする請求項記載の脱鉄設備。
  3. 前記中和スラリーを一次残渣と脱鉄終液とに固液分離する第1固液分離装置と、
    前記一次残渣に硫酸を添加して前記一次残渣に含まれる水酸化ニッケルを溶解し、溶解後スラリーを得る溶解槽と、
    前記溶解後スラリーを二次残渣とニッケル回収液とに固液分離する第2固液分離装置と、を備える
    ことを特徴とする請求項1または2記載の脱鉄設備。
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