本開示は、向上した脂質ベースの組成物、具体的には送達脂質ナノ粒子(LNP)を提供するものであり、該LNPは、脂質を含み、標的細胞送達増強脂質を含まないLNPと比較したときに、標的細胞、例えば、肝細胞または脾細胞への薬剤(複数可)の増大された送達を呈する。様々な態様では、本開示は、標的細胞送達増強脂質を含む向上したLNPであって、標的細胞または標的細胞の集団に送達するための薬剤(複数可)を含むLNP、標的細胞または標的細胞の集団への薬剤(例えば、核酸分子)の送達を強化するための方法、標的細胞活性の調節から利益を得るであろう対象にそのようなLNPを送達する方法、及びそのような対象を治療する方法を提供する。本開示は、LNPのある特定の脂質成分がLNPに存在するとき、例えば、標的細胞による核酸分子の発現によって実証されるように、該脂質成分がLNPの標的細胞との会合及び標的細胞内への薬剤の送達を強化するという発見に少なくとも部分的に基づいている。本開示のLNPは、前記標的細胞における増大されたmRNAの発現を測定することによって標的細胞(例えば、肝細胞または脾細胞)への強化された送達が実証されたが、送達される核酸分子に応じて、既存の発現のノックダウン(すなわち、その減少)を使用して同じアプローチを実証することができる。
加えて、当業者であれば、mRNAを使用するこのモデル系で肝細胞及び/または脾細胞などの標的細胞への強化された送達が実証されたことによって、今や主題の標的細胞への標的細胞送達LNPを使用して他の薬剤を標的細胞に送達することができることを認識するであろう。そのような薬剤は当技術分野で公知であり、一実施形態では、薬剤は核酸分子を含むか、または核酸分子からなる。特に、ある特定の潜在的な治療用核酸分子が公知であり、ある場合には、そのような核酸分子によってコードされたタンパク質または核酸分子それ自体が現在治療的に使用されている。対象標的細胞(例えば、肝細胞または脾細胞)を強化するLNPによってもたらされる進歩を考慮すると、向上した療法が可能である。幾つかの態様では、薬剤は、mRNA、RNAi、dsRNA、siRNA、miR、アンタゴmir、アンチセンスRNA、リボザイム、CRISPR/Cas9、ssDNA、及びDNAからなる群から選択される核酸分子である。
特定の実施形態では、標的細胞送達LNPは、標的細胞送達増強脂質、例えば、式I-XIIのアミノ脂質を含むLNPを含まないLNPと比べて、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞)などの標的細胞への薬剤(例えば、核酸分子)の送達を強化する。一実施形態では、mRNAが標的細胞送達増強脂質を含む標的細胞送達LNPによって送達されるとき、標的細胞送達増強脂質、例えば、式I-XIIのアミノ脂質を含むLNPを含まないLNPと比べて、目的のタンパク質をコードするmRNAの発現が標的細胞において強化されることが実証された。標的細胞送達を強化するLNPに会合された(例えば、その中にカプセル化された)薬剤の標的細胞(例えば、肝細胞または脾細胞)への送達は、in vitro及びin vivoで実証された。
本明細書で実証されたように、標的細胞送達を強化するLNPは、標的細胞(例えば、肝細胞または脾細胞)においてタンパク質の発現を少なくとも約2倍増大させることが示された。標的細胞への送達は、in vivoでも実証された。カプセル化されたmRNAのin vivoでの送達は、本開示のLNPの単回静脈注射の後に少なくとも約30%の肝細胞へ送達されることが実証された。カプセル化されたmRNAが脾細胞の20%超へ送達されることも実証されている。標的細胞送達増強脂質を含むLNPを使用して本明細書で実証された送達のレベルによって、in vivo療法が可能になる。本開示は、がん、感染性疾患、ワクチン接種、及び自己免疫疾患を含めた多種多様な臨床的状況において、種々のタンパク質を調節する(タンパク質の発現及び/または活性の上方制御及び下方制御が含まれる)ための方法を提供する。
本開示のLNPは、肝細胞または脾細胞を標的とするのに特に有用である。LNPは、細胞内または分泌タンパク質であるタンパク質をコードする核酸分子(例えば、mRNA)を含むことができる。
何らかの特定の機序または理論に拘束されることを意図するものではないが、本開示のLNPによる標的細胞(例えば、肝細胞または脾細胞)への核酸分子の送達の強化は、有効量の標的細胞送達増強脂質、例えば、コレステロール類似体もしくはアミノ脂質またはそれらの組み合わせが存在することに起因すると考えられる。該標的細胞送達増強脂質は、LNPに存在すると、標的細胞送達増強脂質を含まないLNPと比べて、細胞会合及び/または取り込み、内部移行、細胞内輸送及び/またはプロセシング、及び/またはエンドソーム脱出を強化することによって機能することができ、及び/または標的細胞による認識及び/または標的細胞との結合を強化することができる。
したがって、何らかの特定の機序または理論に拘束されることを意図するものではないが、一実施形態では、本開示の標的細胞送達増強脂質は、参照LNPと比較して、肝細胞、脾細胞、卵巣細胞、肺細胞、腸細胞、心臓細胞、皮膚細胞、眼細胞もしくは脳細胞、または骨格筋細胞によって優先的に取り込まれる。ある実施形態では、参照LNPは、標的細胞送達増強脂質を含まず、及び/または肝細胞、脾細胞、卵巣細胞、肺細胞、腸細胞、心臓細胞、皮膚細胞、眼細胞もしくは脳細胞、または骨格筋細胞によって優先的に取り込まれない。
薬剤(例えば、mRNAを含めた核酸分子)を標的細胞に効率的に送達する能力は、標的細胞におけるタンパク質発現及び/または活性を調節するのに有用である。さらに、LNPが送達された細胞において、またはそのような細胞と相互作用する及び/またはそのような細胞によって影響を受ける細胞において(例えば、自己分泌または傍分泌様式で)、細胞の活性及び/または機能を改変することができる。
標的細胞送達LNPは、例えば、天然に存在するまたは操作された分子の発現を調節する核酸分子の送達に有用である。一実施形態では、可溶性/分泌タンパク質(例えば、天然に存在する可溶性分子、または機能/半減期/及び/または安定性の向上を促進するように修飾もしくは操作されたもの)の発現が調節される。別の実施形態では、細胞内タンパク質の発現(例えば、天然に存在する細胞内タンパク質、または改変された機能を持つ操作もしくは修飾された細胞内タンパク質)が調節される。別の実施形態では、膜貫通タンパク質の発現(例えば、天然に存在する可溶性分子、または改変された機能を持つように修飾または操作されたもの)が調節される。
一実施形態では、核酸分子は、標的細胞において天然に発現されないタンパク質(例えば、異種タンパク質または修飾タンパク質)をコードすることができる。一実施形態では、核酸分子は、標的細胞において天然に発現されるタンパク質をコードまたはノックダウンすることができる。
例えば、幾つかの態様では、本開示のLNPは、可溶性/分泌タンパク質、膜貫通タンパク質、または細胞内タンパク質をコードするmRNAの標的細胞内への送達及び標的細胞における発現を強化するのに有用である。例示的な膜貫通タンパク質は、標的細胞に新たな結合特異性を付与することができる。例示的な細胞内分子は、細胞シグナル伝達または細胞運命を調節することができる。
本開示はまた、同じ(例えば、異なるLNP内での)薬剤または異なる(例えば、核酸分子を標的細胞または異なる細胞集団に送達するための同じLNP内でのまたは異なるLNP(例えば、標的細胞送達を強化するLNPであるもの及びそうでないもの)内での)薬剤、例えば、核酸分子を送達するために、複数のLNPを組み合わせて使用するための方法を提供する。
標的細胞送達LNP
標的細胞送達LNPは、参照LNP(例えば、標的細胞送達増強脂質を含まないLNP)と比較したときに、標的細胞(例えば、肝細胞または脾細胞)への薬剤の送達の増大をもたらすことを特徴とすることができる。特に、一実施形態では、標的細胞送達LNPは、参照LNP(例えば、式I XIIのアミノ脂質を含むLNP)と比較したときに、標的細胞に会合したLNPの百分率の増大(例えば、2倍以上の増大)をもたらす。別の実施形態では、標的細胞送達LNPは、参照LNP(例えば、式I XIIのアミノ脂質を含むLNP)と比較したときに、LNPによって運搬される薬剤を発現する(例えば、LNPに会合された/カプセル化されたmRNAによってコードされるタンパク質を発現する)標的細胞の百分率の増大(例えば、2倍以上の増大)をもたらす。別の実施形態では、標的細胞送達LNPは、参照LNPと比較して、肝細胞、脾細胞、卵巣細胞、肺細胞、腸細胞、心臓細胞、皮膚細胞、眼細胞もしくは脳細胞、または骨格筋細胞による優先的な取り込みをもたらす。ある実施形態では、参照LNPは、標的細胞送達増強脂質を含まず、及び/または肝細胞、脾細胞、卵巣細胞、肺細胞、腸細胞、心臓細胞、皮膚細胞、眼細胞もしくは脳細胞、または骨格筋細胞によって優先的に取り込まれない。
別の実施形態では、標的細胞送達LNPは、参照LNP(例えば、式I XIIのアミノ脂質を含むLNP)と比較したときに、標的細胞への薬剤(例えば、核酸分子)の送達の増大をもたらす。一実施形態では、標的細胞送達LNPは、参照LNPと比較したときに、肝細胞への核酸分子剤の送達の増大をもたらす。一実施形態では、標的細胞送達LNPは、参照LNPと比較したときに、肝実質細胞への核酸分子剤の送達の増大をもたらす。一実施形態では、標的細胞送達LNPは、参照LNPと比較したときに、肝星細胞への核酸分子剤の送達の増大をもたらす。一実施形態では、標的細胞送達LNPは、参照LNPと比較したときに、クッパー細胞への核酸分子剤の送達の増大をもたらす。一実施形態では、標的細胞送達LNPは、参照LNPと比較したときに、肝類洞細胞への核酸分子剤の送達の増大をもたらす。
一実施形態では、核酸分子がmRNAであるとき、標的細胞への核酸剤の送達の増大は、参照LNPと比較したときに、標的細胞(例えば、肝細胞または脾細胞)においてmRNAによってコードされるタンパク質分子の少なくとも約2倍多い発現をもたらすLNPの能力によって測定することができる。
標的細胞送達LNPは、(i)イオン性脂質;(ii)ステロールまたは他の構造脂質;(iii)非カチオン性ヘルパー脂質またはリン脂質;(iv)PEG脂質、及び(v)該LNPにカプセル化された及び/または会合された薬剤(例えば、核酸分子)を含み、標的細胞送達LNPにおける(i)イオン性脂質または(ii)構造脂質もしくはステロールの1つ以上は、有効量の標的細胞送達増強脂質を含む。
別の実施形態では、本開示の標的細胞送達脂質ナノ粒子は、
(i)イオン性脂質;
(ii)ステロールまたは他の構造脂質;
(iii)非カチオン性ヘルパー脂質またはリン脂質;
(iv)標的細胞に送達するための薬剤、及び
(v)任意選択で、PEG脂質
を含み、(i)イオン化可能な脂質または(ii)ステロールもしくは他の構造脂質の1つ以上は、標的細胞への該脂質ナノ粒子の送達を強化するのに有効な量で標的細胞送達増強脂質を含む。一実施形態では、強化された送達は、標的細胞送達増強脂質を含まない脂質ナノ粒子と比べたものである。別の実施形態では、強化された送達は、適切な対照、例えば、参照LNPと比べたものである。
別の実施形態では、本開示の標的細胞送達脂質ナノ粒子は、
(i)イオン性脂質;
(ii)ステロールまたは他の構造脂質;
(iii)非カチオン性ヘルパー脂質またはリン脂質;
(iv)標的細胞に送達するための薬剤、及び
(v)任意選択で、PEG脂質
を含み、(i)イオン性脂質、または(ii)ステロールもしくは他の構造脂質、または(iii)非カチオン性ヘルパー脂質もしくはリン脂質、または(v)PEG脂質の1つ以上は、参照LNPと比較したときに、標的細胞(例えば、肝細胞または脾細胞)によって優先的に取り込まれる。
別の実施形態では、本開示の標的細胞送達脂質ナノ粒子は、
(i)イオン性脂質;
(ii)ステロールまたは他の構造脂質;
(iii)非カチオン性ヘルパー脂質またはリン脂質;
(iv)標的細胞に送達するための薬剤、及び
(v)任意選択で、PEG脂質
を含み、(i)イオン性脂質、または(ii)ステロールもしくは他の構造脂質の1つ以上は、参照LNPと比較したときに、標的細胞(例えば、肝細胞または脾細胞)によって優先的に取り込まれる。
LNPの脂質内容物
上述のように、脂質に関して、標的細胞送達LNPは、(i)イオン性脂質;(ii)ステロールまたは他の構造脂質;(iii)非カチオン性ヘルパー脂質またはリン脂質;(iv)PEG脂質を含み、標的細胞送達LNPにおける(i)イオン性脂質または(ii)構造脂質もしくはステロールの1つ以上は、有効量の標的細胞送達増強脂質を含む。これらのカテゴリーの脂質を、以降により詳細に述べる。
(i)イオン性脂質
本開示の脂質ナノ粒子は、1つ以上のイオン性脂質を含む。ある特定の実施形態では、本開示のイオン性脂質は、中心のアミン部分と、少なくとも1つの生分解性の基とを含む。本明細書に記載のイオン性脂質は、哺乳動物の細胞または臓器へ核酸分子を送達するために、本開示の脂質ナノ粒子に有利に使用することができる。後述するイオン性脂質の構造は、それらを本発明の他の脂質から区別するために接頭語Iを含む。
本発明の第1の態様では、本明細書に記載の化合物は、式(I I)のもの:
もしくはそれらのN-オキシド、またはそれらの塩もしくは異性体であり、式中:
R1は、C5-30アルキル、C5-20アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R”M’R’からなる群から選択され、
R2及びR3は、独立して、H、C1-14アルキル、C2-14アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R*OR”からなる群から選択されるか、またはR2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、ヘテロ環もしくは炭素環を形成し、
R4は、水素、C3-6炭素環、-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-(CH2)oC(R10)2(CH2)n-oQ、-CHQR、-CQ(R)2、及び非置換C1-6アルキルからなる群から選択され、ここで、Qは、炭素環、ヘテロ環、-OR、-O(CH2)nN(R)2、-C(O)OR、-OC(O)R、-CX3、-CX2H、-CXH2、-CN、-N(R)2、-C(O)N(R)2、-N(R)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(R)C(S)N(R)2、-N(R)R8、-N(R)S(O)2R8、-O(CH2)nOR、-N(R)C(=NR9)N(R)2、-N(R)C(=CHR9)N(R)2、-OC(O)N(R)2、-N(R)C(O)OR、-N(OR)C(O)R、-N(OR)S(O)2R、-N(OR)C(O)OR、-N(OR)C(O)N(R)2、-N(OR)C(S)N(R)2、-N(OR)C(=NR9)N(R)2、-N(OR)C(=CHR9)N(R)2、-C(=NR9)N(R)2、-C(=NR9)R、-C(O)N(R)OR、及び-C(R)N(R)2C(O)ORから選択され、各oは、独立して、1、2、3、及び4から選択され、各nは、独立して、1、2、3、4、及び5から選択され、
各R5は、独立して、OH、C1-3アルキル、C2-3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各R6は、独立して、OH、C1-3アルキル、C2-3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
M及びM’は、独立して、-C(O)O-、-OC(O)-、OC(O)-M”-C(O)O-、-C(O)N(R’)-、
-N(R’)C(O)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-CH(OH)-、-P(O)(OR’)O-、-S(O)2-、-S-S-、アリール基、及びヘテロアリール基から選択され、ここで、M”は、結合、C1-13アルキル、またはC2-13アルケニルであり、
R7は、C1-3アルキル、C2-3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
R8は、C3-6炭素環及びヘテロ環からなる群から選択され、
R9は、H、CN、NO2、C1-6アルキル、-OR、-S(O)2R、-S(O)2N(R)2、C2-6アルケニル、C3-6炭素環及びヘテロ環からなる群から選択され、
R10は、H、OH、C1-3アルキル、及びC2-3アルケニルからなる群から選択され、
各Rは、独立して、C1-3アルキル、C2-3アルケニル、(CH2)qOR*、及びHからなる群から選択され、
各qは、独立して、1、2、及び3から選択され、
各R’は、独立して、C1-18アルキル、C2-18アルケニル、-R*YR”、-YR”、及びHからなる群から選択され、
各R”は、独立して、C3-15アルキル及びC3-15アルケニルからなる群から選択され、
各R*は、独立して、C1-12アルキル及びC2-12アルケニルからなる群から選択され、
各Yは、独立して、C3-6炭素環であり、
各Xは、独立して、F、Cl、Br、及びIからなる群から選択され、
mは、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13から選択され、ここで、R4が-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-CHQR、もしくは-CQ(R)2ならば、(i)nが1、2、3、4、もしくは5であるとき、Qは-N(R)2ではなく、または(ii)nが1もしくは2であるとき、Qは5、6、もしくは7員ヘテロシクロアルキルではない。
本開示の別の態様は、式(III)の化合物:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体に関し、式中、
R1は、C5-30アルキル、C5-20アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R”M’R’からなる群から選択され、
R2及びR3は、独立して、H、C1-14アルキル、C2-14アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R*OR”からなる群から選択されるか、またはR2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、ヘテロ環もしくは炭素環を形成し、
R4は、水素、C3-6炭素環、-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-(CH2)oC(R10)2(CH2)n-oQ、-CHQR、-CQ(R)2、及び非置換C1-6アルキルからなる群から選択され、ここで、Qは、炭素環、ヘテロ環、-OR、-O(CH2)nN(R)2、-C(O)OR、-OC(O)R、-CX3、-CX2H、-CXH2、-CN、-N(R)2、-C(O)N(R)2、-N(R)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(R)C(S)N(R)2、N(R)R8、-N(R)S(O)2R8、-O(CH2)nOR、-N(R)C(=NR9)N(R)2、-N(R)C(=CHR9)N(R)2、-OC(O)N(R)2、-N(R)C(O)OR、-N(OR)C(O)R、-N(OR)S(O)2R、-N(OR)C(O)OR、-N(OR)C(O)N(R)2、-N(OR)C(S)N(R)2、-N(OR)C(=NR9)N(R)2、-N(OR)C(=CHR9)N(R)2、-C(=NR9)N(R)2、-C(=NR9)R、-C(O)N(R)OR、及び-C(R)N(R)2C(O)ORから選択され、各oは、独立して、1、2、3、及び4から選択され、各nは、独立して、1、2、3、4、及び5から選択され、
Rxは、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、-(CH2)vOH、及び-(CH2)vN(R)2からなる群から選択され、
ここで、vは、1、2、3、4、5、及び6から選択され、
各R5は、独立して、OH、C1-3アルキル、C2-3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各R6は、独立して、OH、C1-3アルキル、C2-3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
M及びM’は、独立して、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)-M”-C(O)O-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)-、-C(O)-、-C(S)、-C(S)S-、-SC(S)-、-CH(OH)-、-P(O)(OR’)O-、-S(O)2-、-S-S-、アルキル基、及びヘテロアリール基から選択され、ここで、M”は、結合、C1-13アルキル、またはC2-13アルケニルであり、
R7は、C1-3アルキル、C2-3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
R8は、C3-6炭素環及びヘテロ環からなる群から選択され、
R9は、H、CN、NO2、C1-6アルキル、-OR、-S(O)2R、-S(O)2N(R)2、C2-6アルケニル、C3-6炭素環及びヘテロ環からなる群から選択され、
R10は、H、OH、C1-3アルキル、及びC2-3アルケニルからなる群から選択され、
各Rは、独立して、C1-3アルキル、C2-3アルケニル、(CH2)qOR*、及びHからなる群から選択され、
各qは、独立して、1、2、及び3から選択され、
各R’は、独立して、C1-18アルキル、C2-18アルケニル、-R*YR”、-YR”、及びHからなる群から選択され、
各R”は、独立して、C3-15アルキル及びC3-15アルケニルからなる群から選択され、
各R*は、独立して、C1-12アルキル及びC2-12アルケニルからなる群から選択され、
各Yは、独立して、C3-6炭素環であり、
各Xは、独立して、F、Cl、Br、及びIからなる群から選択され、
mは、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13から選択される。
ある特定の実施形態では、式(I)の化合物のサブセットには、式(IA)のもの:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体が含まれ、式中、lは、1、2、3、4、及び5から選択され、mは、5、6、7、8、及び9から選択され、M1は、結合またはM’であり、R4は、水素、非置換C1-3アルキル、-(CH2)oC(R10)2(CH2)n-oQ、または-(CH2)nQであり、ここで、Qは、OH、-NHC(S)N(R)2、-NHC(O)N(R)2、-N(R)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(R)R8、-NHC(=NR9)N(R)2、-NHC(=CHR9)N(R)2、-OC(O)N(R)2、-N(R)C(O)OR、ヘテロアリール、またはヘテロシクロアルキルであり、M及びM’は、独立して、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)-M”-C(O)O-、-C(O)N(R’)-、-P(O)(OR’)O-、-S-S-、アリール基、及びヘテロアリール基から選択され、R2及びR3は、独立して、H、C1-14アルキル、及びC2-14アルケニルからなる群から選択される。例えば、mは、5、7、または9である。例えば、Qは、OH、-NHC(S)N(R)2、または-NHC(O)N(R)2である。例えば、Qは、-N(R)C(O)R、または-N(R)S(O)2Rである。
ある特定の実施形態では、式(I)の化合物のサブセットには、式(IB)のもの:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体が含まれ、ここで、すべての変数は本明細書で定義される通りである。例えば、mは、5、6、7、8、及び9から選択され、M及びM’は、独立して、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)-M”-C(O)O-、-C(O)N(R’)-、-P(O)(OR’)O-、-S-S-、アリール基、及びヘテロアリール基から選択され、R2及びR3は、独立して、H、C1-14アルキル、及びC2-14アルケニルからなる群から選択される。例えば、mは、5、7、または9である。ある特定の実施形態では、式(I)の化合物のサブセットには、式(II)のもの:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体が含まれ、式中、lは、1、2、3、4、及び5から選択され、M1は、結合またはM’であり、R4は、水素、非置換C1-3アルキル、-(CH2)oC(R10)2(CH2)n-oQ、または-(CH2)nQであり、ここで、nは、2、3、または4であり、Qは、OH、-NHC(S)N(R)2、-NHC(O)N(R)2、-N(R)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(R)R8、-NHC(=NR9)N(R)2、-NHC(=CHR9)N(R)2、-OC(O)N(R)2、-N(R)C(O)OR、
ヘテロアリール、またはヘテロシクロアルキルであり、M及びM’は、独立して、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)-M”-C(O)O-、-C(O)N(R’)-、-P(O)(OR’)O-、-S-S-、アリール基、及びヘテロアリール基から選択され、R2及びR3は、独立して、H、C1-14アルキル、及びC2-14アルケニルからなる群から選択される。
本開示の別の態様は、式(I VI)の化合物:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体に関し、式中、
R1は、C5-30アルキル、C5-20アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R”M’R’からなる群から選択され、
R2及びR3は、独立して、H、C1-14アルキル、C2-14アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R*OR”からなる群から選択されるか、またはR2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、ヘテロ環もしくは炭素環を形成し、
各R5は、独立して、OH、C1-3アルキル、C2-3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各R6は、独立して、OH、C1-3アルキル、C2-3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
M及びM’は、独立して、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)-M”-C(O)O-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)-、-C(O)-、-C(S)、-C(S)S-、-SC(S)-、-CH(OH)-、-P(O)(OR’)O-、-S(O)2-、-S-S-、アルキル基、及びヘテロアリール基から選択され、ここで、M”は、結合、C1-13アルキル、またはC2-13アルケニルであり、
R7は、C1-3アルキル、C2-3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各Rは、独立して、H、C1-3アルキル、及びC2-3アルケニルからなる群から選択され、
RNは、H、またはC1-3アルキルであり、
各R’は、独立して、C1-18アルキル、C2-18アルケニル、-R*YR”、-YR”、及びHからなる群から選択され、
各R”は、独立して、C3-15アルキル及びC3-15アルケニルからなる群から選択され、
各R*は、独立して、C1-12アルキル及びC2-12アルケニルからなる群から選択され、
各Yは、独立して、C3-6炭素環であり、
各Xは、独立して、F、Cl、Br、及びIからなる群から選択され、
Xa及びXbは、各々独立して、OまたはSであり、
R10は、H、ハロ、-OH、R、-N(R)2、-CN、-N3、-C(O)OH、-C(O)OR、-OC(O)R、-OR、-SR、-S(O)R、-S(O)OR、-S(O)2OR、-NO2、-S(O)2N(R)2、-N(R)S(O)2R、-NH(CH2)t1N(R)2、-NH(CH2)p1O(CH2)q1N(R)2、-NH(CH2)s1OR、-N((CH2)s1OR)2、炭素環、ヘテロ環、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され、
mは、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13から選択され、
nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10から選択され、
rは、0または1であり、
t1は、1、2、3、4、及び5から選択され、
p1は、1、2、3、4、及び5から選択され、
q1は、1、2、3、4、及び5から選択され、
s1は、1、2、3、4、及び5から選択される。
一実施形態では、式(VI)の化合物のサブセットには、式(VI-a)のもの:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体が含まれ、式中、
R1a及びR1bは、独立して、C1-14アルキル及びC2-14アルケニルからなる群から選択され、
R2及びR3は、独立して、H、C1-14アルキル、C2-14アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R*OR”からなる群から選択されるか、またはR2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、ヘテロ環もしくは炭素環を形成する。
別の実施形態では、式(VI)の化合物のサブセットには、式(VII)のもの:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体が含まれ、式中、
lは、1、2、3、4、及び5から選択され、
M1は、結合またはM’であり、
R2及びR3は、独立して、H、C1-14アルキル、及びC2-14アルケニルからなる群から選択される。
別の実施形態では、式(I VI)の化合物のサブセットには、式(I VIII)のもの:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体が含まれ、式中、
lは、1、2、3、4、及び5から選択され、
M1は、結合またはM’であり、
Ra’及びRb’は、独立して、C1-14アルキル及びC2-14アルケニルからなる群から選択され、
R2及びR3は、独立して、C1-14アルキル、及びC2-14アルケニルからなる群から選択される。
式(I I)、(I IA)、(I VI)、(I VI-a)、(I VII)、または(I VIII)のいずれか1つの化合物は、適用可能な場合、以下の特徴の1つ以上を含む。
幾つかの実施形態では、M1はM’である。
幾つかの実施形態では、M及びM’は、独立して、-C(O)O-または-OC(O)-である。
幾つかの実施形態では、M及びM’の少なくとも一方は、-C(O)O-または-OC(O)-である。
ある特定の実施形態では、M及びM’の少なくとも一方は、-C(O)O-である。
ある特定の実施形態では、Mは-OC(O)-であり、M’は-C(O)O-である。幾つかの実施形態では、Mは-C(O)O-であり、M’は-OC(O)-である。ある特定の実施形態では、M及びM’は各々、-OC(O)-である。幾つかの実施形態では、M及びM’は各々、-C(O)O-である。
ある特定の実施形態では、M及びM’の少なくとも一方は、-OC(O)-M”-C(O)O-である。
幾つかの実施形態では、M及びM’は、独立して、-S-S-である。
幾つかの実施形態では、M及びM’の少なくとも一方は、-S-S-である。
幾つかの実施形態では、M及びM’の一方は-C(O)O-または-OC(O)-であり、他方は-S-S-である。例えば、Mは-C(O)O-または-OC(O)-でM’は-S-S-であるか、またはM’は-C(O)O-または-OC(O)-でMは-S-S-である。
幾つかの実施形態では、M及びM’の一方は-OC(O)-M”-C(O)O-であり、ここで、M”は、結合、C1-13アルキル、またはC2-13アルケニルである。他の実施形態では、M”は、C1-6アルキルまたはC2-6アルケニルである。ある特定の実施形態では、M”は、C1-4アルキルまたはC2-4アルケニルである。例えば、幾つかの実施形態では、M”はC1アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、M”はC2アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、M”はC3アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、M”はC4アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、M”はC2アルケニルである。例えば、幾つかの実施形態では、M”はC3アルケニルである。例えば、幾つかの実施形態では、M”はC4アルケニルである。
幾つかの実施形態では、lは、1、3、または5である。
幾つかの実施形態では、R4は水素である。
幾つかの実施形態では、R4は水素ではない。
幾つかの実施形態では、R4は、非置換メチルまたは-(CH2)nQであり、ここで、Qは、OH、-NHC(S)N(R)2、-NHC(O)N(R)2、-N(R)C(O)R、または-N(R)S(O)2Rである。
幾つかの実施形態では、QはOHである。
幾つかの実施形態では、Qは-NHC(S)N(R)2である。
幾つかの実施形態では、Qは-NHC(O)N(R)2である。
幾つかの実施形態では、Qは-N(R)C(O)Rである。
幾つかの実施形態では、Qは-N(R)S(O)2Rである。
幾つかの実施形態では、Qは-O(CH2)nN(R)2である。
幾つかの実施形態では、Qは-O(CH2)nORである。
幾つかの実施形態では、Qは-N(R)R8である。
幾つかの実施形態では、Qは-NHC(=NR9)N(R)2である。
幾つかの実施形態では、Qは-NHC(=CHR9)N(R)2である。
幾つかの実施形態では、Qは-OC(O)N(R)2である。
幾つかの実施形態では、Qは-N(R)C(O)ORである。
幾つかの実施形態では、nは2である。
幾つかの実施形態では、nは3である。
幾つかの実施形態では、nは4である。
幾つかの実施形態では、M1は存在しない。
幾つかの実施形態では、少なくとも1つのR5はヒドロキシルである。例えば、1つのR5はヒドロキシルである。
幾つかの実施形態では、少なくとも1つのR6はヒドロキシルである。例えば、1つのR6はヒドロキシルである。
幾つかの実施形態では、R5及びR6の一方はヒドロキシルである。例えば、1つのR5はヒドロキシルであり、各R6は水素である。例えば、1つのR6はヒドロキシルであり、各R5は水素である。
幾つかの実施形態では、RxはC1-6アルキルである。幾つかの実施形態では、RxはC1-3アルキルである。例えば、Rxはメチルである。例えば、Rxはエチルである。例えば、Rxはプロピルである。
幾つかの実施形態では、Rxは-(CH2)vOHであり、vは1、2、または3である。例えば、Rxはメタノイルである。例えば、Rxはエタノイルである。例えば、Rxはプロパノイルである。
幾つかの実施形態では、Rxは-(CH2)vN(R)2であり、vは1、2、または3であり、各RはHまたはメチルである。例えば、Rxは、メタンアミノ、メチルメタンアミノ、またはジメチルメタンアミノである。例えば、Rxは、アミノメタニル、メチルアミノメタニル、またはジメチルアミノメタニルである。例えば、Rxは、アミノエタニル、メチルアミノエタニル、またはジメチルアミノエタニルである。例えば、Rxは、アミノプロパニル、メチルアミノプロパニル、またはジメチルアミノプロパニルである。
幾つかの実施形態では、R’は、C1-18アルキル、C2-18アルケニル、-R*YR”、または-YR”である。
幾つかの実施形態では、R2及びR3は、独立して、C3-14アルキルまたはC3-14アルケニルである。
幾つかの実施形態では、R1bはC1-14アルキルである。幾つかの実施形態では、R1bはC2-14アルキルである。幾つかの実施形態では、R1bはC3-14アルキルである。幾つかの実施形態では、R1bはC1-8アルキルである。幾つかの実施形態では、R1bはC1-5アルキルである。幾つかの実施形態では、R1bはC1-3アルキルである。幾つかの実施形態では、R1bは、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、及びC5アルキルから選択される。例えば、幾つかの実施形態では、R1bはC1アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、R1bはC2アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、R1bはC3アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、R1bはC4アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、R1bはC5アルキルである。
幾つかの実施形態では、R1は、-(CHR5R6)m-M-CR2R3R7とは異なる。
幾つかの実施形態では、-CHR1aR1b-は、-(CHR5R6)m-M-CR2R3R7とは異なる。
幾つかの実施形態では、R7はHである。幾つかの実施形態では、R7は、C1-3アルキルから選択される。例えば、幾つかの実施形態では、R7はC1アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、R7はC2アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、R7はC3アルキルである。幾つかの実施形態では、R7は、C4アルキル、C4アルケニル、C5アルキル、C5アルケニル、C6アルキル、C6アルケニル、C7アルキル、C7アルケニル、C9アルキル、C9アルケニル、C11アルキル、C11アルケニル、C17アルキル、C17アルケニル、C18アルキル、及びC18アルケニルから選択される。
幾つかの実施形態では、Rb’はC1-14アルキルである。幾つかの実施形態では、Rb’はC2-14アルキルである。幾つかの実施形態では、Rb’はC3-14アルキルである。幾つかの実施形態では、Rb’はC1-8アルキルである。幾つかの実施形態では、Rb’はC1-5アルキルである。幾つかの実施形態では、Rb’はC1-3アルキルである。幾つかの実施形態では、Rb’は、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、及びC5アルキルから選択される。例えば、幾つかの実施形態では、Rb’はC1アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、Rb’はC2アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、Rb’はC3アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、Rb’はC4アルキルである。
本開示の別の態様は、式(I XI)の化合物:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体に関し、式中、
Qは、-OR、-OC(O)R、または-OC(O)N(R)2から選択され、
R1は、C5-30アルキル、C5-20アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R”M’R’からなる群から選択され、
R2及びR3は、独立して、H、C1-14アルキル、C2-14アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R*OR”からなる群から選択されるか、またはR2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、ヘテロ環もしくは炭素環を形成し、
各R5は、独立して、OH、C1-3アルキル、C2-3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各R6は、独立して、OH、C1-3アルキル、C2-3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
M及びM’は、独立して、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)-M”-C(O)O-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)-、-C(O)-、-C(S)、-C(S)S-、-SC(S)-、-CH(OH)-、-P(O)(OR’)O-、-S(O)2-、-S-S-、アルキル基、及びヘテロアリール基から選択され、ここで、M”は、結合、C1-13アルキル、またはC2-13アルケニルであり、
R7は、C1-3アルキル、C2-3アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各Rは、独立して、H、C1-3アルキル、及びC2-3アルケニルからなる群から選択され、
各R’は、独立して、C1-18アルキル、C2-18アルケニル、-R*YR”、-YR”、及びHからなる群から選択され、
各R”は、独立して、C3-15アルキル及びC3-15アルケニルからなる群から選択され、
各R*は、独立して、C1-12アルキル及びC2-12アルケニルからなる群から選択され、
各Yは、独立して、C3-6炭素環であり、
mは、5、6、7、8、9、10、11、12、及び13から選択され、
nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10から選択される。
別の実施形態では、式(I XI)の化合物のサブセットには、式(I XI-a)のもの:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体が含まれ、式中、
Qは-ORであり、
lは、1、2、3、4、及び5から選択され、
M1は、結合またはM’であり、
R2及びR3は、独立して、H、C1-14アルキル、及びC2-14アルケニルからなる群から選択され、
nは、1、2、及び3から選択される。
別の実施形態では、式(I XI)の化合物のサブセットには、式(I XI-b)のもの:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体が含まれ、式中、
lは、1、2、3、4、及び5から選択され、
M1は、結合またはM’であり、
Ra’及びRb’は、独立して、C1-14アルキル及びC2-14アルケニルからなる群から選択され、
R2及びR3は、独立して、C1-14アルキル及びC2-14アルケニルからなる群から選択される。
式(I XI)、(I XI-a)、または(I XI-b)のいずれか1つの化合物は、適用可能な場合、以下の特徴の1つ以上を含む。
幾つかの実施形態では、M1はM’である。
幾つかの実施形態では、M及びM’は、独立して、-C(O)O-または-OC(O)-である。
幾つかの実施形態では、M及びM’の少なくとも一方は、-C(O)O-または-OC(O)-である。
ある特定の実施形態では、M及びM’の少なくとも一方は、-OC(O)-である。
ある特定の実施形態では、Mは-OC(O)-であり、M’は-C(O)O-である。幾つかの実施形態では、Mは-C(O)O-であり、M’は-OC(O)-である。ある特定の実施形態では、M及びM’は各々、-OC(O)-である。幾つかの実施形態では、M及びM’は各々、-C(O)O-である。
ある特定の実施形態では、M及びM’の少なくとも一方は、-OC(O)-M”-C(O)O-である。
幾つかの実施形態では、M及びM’は、独立して、-S-S-である。
幾つかの実施形態では、M及びM’の少なくとも一方は、-S-S-である。
幾つかの実施形態では、M及びM’の一方は-C(O)O-または-OC(O)-であり、他方は-S-S-である。例えば、Mは-C(O)O-または-OC(O)-でM’は-S-S-であるか、またはM’は-C(O)O-または-OC(O)-でMは-S-S-である。
幾つかの実施形態では、M及びM’の一方は-OC(O)-M”-C(O)O-であり、ここで、M”は、結合、C1-13アルキル、またはC2-13アルケニルである。他の実施形態では、M”は、C1-6アルキルまたはC2-6アルケニルである。ある特定の実施形態では、M”は、C1-4アルキルまたはC2-4アルケニルである。例えば、幾つかの実施形態では、M”はC1アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、M”はC2アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、M”はC3アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、M”はC4アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、M”はC2アルケニルである。例えば、幾つかの実施形態では、M”はC3アルケニルである。例えば、幾つかの実施形態では、M”はC4アルケニルである。
幾つかの実施形態では、lは、1、3、または5である。
幾つかの実施形態では、Qは-ORである。
幾つかの実施形態では、nは2である。
幾つかの実施形態では、nは3である。
幾つかの実施形態では、nは4である。
幾つかの実施形態では、M1は存在しない。
幾つかの実施形態では、RはHである。
幾つかの実施形態では、少なくとも1つのR5はヒドロキシルである。例えば、1つのR5はヒドロキシルである。
幾つかの実施形態では、少なくとも1つのR6はヒドロキシルである。例えば、1つのR6はヒドロキシルである。
幾つかの実施形態では、R5及びR6の一方はヒドロキシルである。例えば、1つのR5はヒドロキシルであり、各R6は水素である。例えば、1つのR6はヒドロキシルであり、各R5は水素である。幾つかの実施形態では、R5及びR6の各々は水素である。
幾つかの実施形態では、R’は、C1-18アルキル、C2-18アルケニル、-R*YR”、または-YR”である。
幾つかの実施形態では、R2及びR3は、独立して、C3-14アルキルまたはC3-14アルケニルである。
幾つかの実施形態では、R7はHである。幾つかの実施形態では、R7は、C1-3アルキルから選択される。例えば、幾つかの実施形態では、R7はC1アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、R7はC2アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、R7はC3アルキルである。幾つかの実施形態では、R7は、C4アルキル、C4アルケニル、C5アルキル、C5アルケニル、C6アルキル、C6アルケニル、C7アルキル、C7アルケニル、C9アルキル、C9アルケニル、C11アルキル、C11アルケニル、C17アルキル、C17アルケニル、C18アルキル、及びC18アルケニルから選択される。
幾つかの実施形態では、Rb’はC1-14アルキルである。幾つかの実施形態では、Rb’はC2-14アルキルである。幾つかの実施形態では、Rb’はC3-14アルキルである。幾つかの実施形態では、Rb’はC1-8アルキルである。幾つかの実施形態では、Rb’はC1-5アルキルである。幾つかの実施形態では、Rb’はC1-3アルキルである。幾つかの実施形態では、Rb’は、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、及びC5アルキルから選択される。例えば、幾つかの実施形態では、Rb’はC1アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、Rb’はC2アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、Rb’はC3アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、Rb’はC4アルキルである。
幾つかの実施形態では、M1はM’である。幾つかの実施形態では、M及びM’は各々、-C(O)O-である。幾つかの実施形態では、lは5である。幾つかの実施形態では、Qは-OHである。幾つかの実施形態では、nは2である。幾つかの実施形態では、R5及びR6の各々は水素である。幾つかの実施形態では、R’はC1-18アルキルである。幾つかの実施形態では、R’はC11アルキルである。幾つかの実施形態では、R2及びR3は、独立して、C3-14アルキルである。幾つかの実施形態では、R2及びR3は、独立して、C8アルキルである。幾つかの実施形態では、R7はHである。幾つかの実施形態では、Ra’はC1-14アルキルである。幾つかの実施形態では、Ra’はC8アルキルである。幾つかの実施形態では、Rb’はC1-3アルキルである。幾つかの実施形態では、Rb’はC2アルキルである。
一実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIa)のもの:
もしくはそれらのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体であり、式中、R4は、本明細書に記載される通りである。
別の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIb)のもの:
もしくはそれらのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体であり、式中、R4は、本明細書に記載される通りである。
別の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIc)もしくは(IIe)のもの:
またはそれらのN-オキシド、あるいはその塩もしくは異性体であり、式中、R4は、本明細書に記載される通りである。
別の実施形態では、式(I)の化合物は、式(I IIh)のもの:
もしくはそれらのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体であり、式中、R4は、本明細書に記載される通りである。
別の実施形態では、式(I)の化合物は、式(I IIj)のもの:
もしくはそれらのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体であり、式中、R4は、本明細書に記載される通りである。
別の実施形態では、式(I)の化合物は、式(I IIk)のもの:
もしくはそれらのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体であり、式中、R4は、本明細書に記載される通りである。
別の実施形態では、式(I I)の化合物は、式(I IIf)のもの:
もしくはそれらのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体であり、
式中、Mは、-C(O)O-または-OC(O)-であり、M”は、C1-6アルキルまたはC2-6アルケニルであり、R2及びR3は、独立して、C5-14アルキル及びC5-14アルケニルからなる群から選択され、nは、2、3、及び4から選択される。
さらなる実施形態では、式(I I)の化合物は、式(IId)のもの:
もしくはそれらのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体であり、式中、nは、2、3、または4であり、m、R’、R”、及びR2~R6は、本明細書に記載される通りである。例えば、R2及びR3の各々は、独立して、C5-14アルキル及びC5-14アルケニルからなる群から選択されてもよい。
さらなる実施形態では、式(I)の化合物は、式(IIg)のもの:
もしくはそれらのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体であり、式中、lは、1、2、3、4、及び5から選択され、mは、5、6、7、8、及び9から選択され、M1は、結合またはM’であり、M及びM’は、独立して、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)-M”-C(O)O-、-C(O)N(R’)-、-P(O)(OR’)O-、-S-S-、アリール基、及びヘテロアリール基から選択され、R2及びR3は、独立して、H、C1-14アルキル、及びC2-14アルケニルからなる群から選択される。例えば、M”は、C1-6アルキル(例えば、C1-4アルキル)またはC2-6アルケニル(例えば、C2-4アルケニル)である。例えば、R2及びR3は、独立して、C5-14アルキル及びC5-14アルケニルからなる群から選択される。
別の実施形態では、式(I VI)の化合物のサブセットには、式(I VIIa)のもの:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体が含まれる。
別の実施形態では、式(I VI)の化合物のサブセットには、式(I VIIIa)のもの:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体が含まれる。
別の実施形態では、式(I VI)の化合物のサブセットには、式(I VIIIb)のもの:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体が含まれる。
別の実施形態では、式(I VI)の化合物のサブセットには、式(I VIIb-1)のもの:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体が含まれる。
別の実施形態では、式(I VI)の化合物のサブセットには、式(I VIIb-2)のもの:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体が含まれる。
別の実施形態では、式(I VI)の化合物のサブセットには、式(I VIIb-3)のもの:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体が含まれる。別の実施形態では、式(VI)の化合物のサブセットは、式(VIIc)のもの:
が含まれる。
別の実施形態では、式(I VI)の化合物のサブセットには、式(VIId)のもの:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体が含まれる。
別の実施形態では、式(I VI)の化合物のサブセットには、式(I VIIIc)のもの:
が含まれる。
別の実施形態では、式(I VI)の化合物のサブセットには、式(I VIIId)のもの:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体が含まれる。
別の実施形態では、式(I VI)の化合物のサブセットには、式(I VIIb-4)のもの:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体が含まれる。
別の実施形態では、式(I VI)の化合物のサブセットには、式(I VIIb-5)のもの:
もしくはそのN-オキシド、またはその塩もしくは異性体が含まれる。
式(I I)、(I IA)、(I IB)、(I II)、(I IIa)、(I IIb)、(I IIc)、(I IId)、(I IIe)、(I IIf)、(I IIg)、(I IIh)、(I IIj)、(I IIk)、(I III)、(I VI)、(I VI-a)、(I VII)、(I VIII)、(I VIIa)、(I VIIIa)、(I VIIIb)、(I VIIb-1)、(I VIIb-2)、(I VIIb-3)、(I VIIb-4)、(I VIIb-5)、(I VIIc)、(I VIId)、(I VIIIc)、(I VIIId)、(I XI)、(I XI-a)、または(I XI-b)のいずれか1つの化合物は、適用可能な場合、以下の特徴の1つ以上を含む。
幾つかの実施形態では、R4は、C3-6炭素環、-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-(CH2)oC(R10)2(CH2)n-oQ、-CHQR、及び-CQ(R)2からなる群から選択され、ここで、Qは、C3-6炭素環、N、O、S、及びPから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5~14員の芳香族または非芳香族ヘテロ環、-OR、-O(CH2)nN(R)2、-C(O)OR、-OC(O)R、-CX3、-CX2H、-CXH2、-CN、-N(R)2、-N(R)S(O)2R8、-C(O)N(R)2、-N(R)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(R)C(S)N(R)2、及び-C(R)N(R)2C(O)ORから選択され、各oは、独立して、1、2、3、及び4から選択され、各nは、独立して、1、2、3、4、及び5から選択される。
別の実施形態では、R4は、C3-6炭素環、-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-(CH2)oC(R10)2(CH2)n-oQ、-CHQR、及び-CQ(R)2からなる群から選択され、ここで、Qは、C3-6炭素環、N、O、及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5~14員のヘテロアリール、-OR、-O(CH2)nN(R)2、-C(O)OR、-OC(O)R、-CX3、-CX2H、-CXH2、-CN、-C(O)N(R)2、-N(R)S(O)2R8、-N(R)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(R)C(S)N(R)2、-C(R)N(R)2C(O)OR、ならびにN、O、及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5~14員のヘテロシクロアルキルであって、オキソ(=O)、OH、アミノ、及びC1-3アルキルから選択される1つ以上の置換基で置換された5~14員のヘテロシクロアルキルから選択され、各oは、独立して、1、2、3、及び4から選択され、各nは、独立して、1、2、3、4、及び5から選択される。
別の実施形態では、R4は、C3-6炭素環、-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-(CH2)oC(R10)2(CH2)n-oQ、-CHQR、及び-CQ(R)2からなる群から選択され、ここで、Qは、C3-6炭素環、N、O、及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5~14員のヘテロ環、-OR、-O(CH2)nN(R)2、-C(O)OR、-OC(O)R、-CX3、-CX2H、-CXH2、-CN、-C(O)N(R)2、-N(R)S(O)2R8、-N(R)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(R)C(S)N(R)2、-C(R)N(R)2C(O)ORから選択され、各oは、独立して、1、2、3、及び4から選択され、各nは、独立して、1、2、3、4、及び5から選択され、Qが5~14員のヘテロ環であり、かつ(i)R4が-(CH2)nQ(式中、nは1または2)であるか、または(ii)R4が-(CH2)nCHQR(式中、nは1)であるか、または(iii)R4が-CHQR及び-CQ(R)2であるならば、Qは、5~14員のヘテロ環であるか、または8~14員のヘテロシクロアルキルのいずれかである。
別の実施形態では、R4は、C3-6炭素環、-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-(CH2)oC(R10)2(CH2)n-oQ、-CHQR、及び-CQ(R)2からなる群から選択され、ここで、Qは、C3-6炭素環、N、O、及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5~14員のヘテロアリール、-OR、-O(CH2)nN(R)2、-C(O)OR、-OC(O)R、-CX3、-CX2H、-CXH2、-CN、-C(O)N(R)2、-N(R)S(O)2R8、-N(R)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(R)C(S)N(R)2、-C(R)N(R)2C(O)ORから選択され、各oは、独立して、1、2、3、及び4から選択され、各nは、独立して、1、2、3、4、及び5から選択される。
別の実施形態では、R4は-(CH2)nQであり、ここで、Qは-N(R)S(O)2R8であり、nは、1、2、3、4、及び5から選択される。さらなる実施形態では、R4は-(CH2)nQであり、ここで、Qは-N(R)S(O)2R8であり、ここで、R8はC3-6炭素環、例えばC3-6シクロアルキルであり、nは、1、2、3、4、及び5から選択される。例えば、R4は-(CH2)3NHS(O)2R8であり、R8はシクロプロピルである。
別の実施形態では、R4は-(CH2)oC(R10)2(CH2)n-oQであり、ここで、Qは-N(R)C(O)Rであり、nは、1、2、3、4、及び5から選択され、oは、1、2、3、及び4から選択される。さらなる実施形態では、R4は-(CH2)oC(R10)2(CH2)n-oQであり、ここで、Qは-N(R)C(O)Rであり、ここで、RはC1-C3アルキルであり、nは、1、2、3、4、及び5から選択され、oは、1、2、3、及び4から選択される。別の実施形態では、R4は-(CH2)oC(R10)2(CH2)n-oQであり、ここで、Qは-N(R)C(O)Rであり、ここで、RはC1-C3アルキルであり、nは3であり、oは1である。幾つかの実施形態では、R10は、H、OH、C1-3アルキル、またはC2-3アルケニルである。例えば、R4は3-アセトアミド-2,2-ジメチルプロピルである。
幾つかの実施形態では、1つのR10はHであり、1つのR10はC1-3アルキルまたはC2-3アルケニルである。別の実施形態では、各R10は、C1-3アルキルまたはC2-3アルケニルである。別の実施形態では、各R10は、C1-3アルキル(例えば、メチル、エチル、またはプロピルである)。例えば、1つのR10はメチルであり、1つのR10はエチルまたはプロピルである。例えば、1つのR10はエチルであり、1つのR10はメチルまたはプロピルである。例えば、1つのR10はプロピルであり、1つのR10はメチルまたはエチルである。例えば、各R10はメチルである。例えば、各R10はエチルである。例えば、各R10はプロピルである。
幾つかの実施形態では、1つのR10はHであり、1つのR10はOHである。別の実施形態では、各R10はOHである。
別の実施形態では、R4は-(CH2)nQであり、ここで、Qは-ORであり、nは、1、2、3、4、及び5から選択される。さらなる実施形態では、R4は-(CH2)nQであり、ここで、Qは-ORであり、ここで、RはHであり、nは1、2、及び3から選択される。例えば、R4は-(CH2)2OHである。
別の実施形態では、R4は、非置換C1-4アルキル、例えば、非置換メチルである。
別の実施形態では、R4は水素である。
ある特定の実施形態では、本開示は、式(I)を有する化合物を提供し、式中、R4は-(CH2)nQまたは-(CH2)nCHQRであり、ここで、Qは-N(R)2であり、nは、3、4、及び5から選択される。
ある特定の実施形態では、本開示は、式(I)を有する化合物を提供し、式中、R4は、-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-CHQR、及び-CQ(R)2からなる群から選択され、ここで、Qは-N(R)2であり、nは、1、2、3、4、及び5から選択される。
ある特定の実施形態では、本開示は、式(I)を有する化合物を提供し、式中、R2及びR3は、独立して、C2-14アルキル、C2-14アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R*OR”からなる群から選択されるか、またはR2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、ヘテロ環もしくは炭素環を形成し、R4は-(CH2)nQまたは-(CH2)nCHQRであり、ここで、Qは-N(R)2であり、nは、3、4、及び5から選択される。
ある特定の実施形態では、R2及びR3は、独立して、C2-14アルキル、C2-14アルケニル、-R*YR”、-YR”、及び-R*OR”からなる群から選択されるか、またはR2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、ヘテロ環もしくは炭素環を形成する。幾つかの実施形態では、R2及びR3は、独立して、C2-14アルキル及びC2-14アルケニルからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、R2及びR3は、独立して、-R*YR”、-YR”、及び-R*OR”からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、R2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、ヘテロ環もしくは炭素環を形成する。
幾つかの実施形態では、R1は、C5-20アルキル及びC5-20アルケニルからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、R1は、ヒドロキシルで置換されたC5-20である。
他の実施形態では、R1は、-R*YR”、-YR”、及び-R”M’R’からなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、R1は、-R*YR”及び-YR”から選択される。幾つかの実施形態では、Yはシクロプロピル基である。幾つかの実施形態では、R*は、C8アルキルまたはC8アルケニルである。ある特定の実施形態では、R”はC3-12アルキルである。例えば、R”は、C3アルキルであってもよい。例えば、R”は、C4-8アルキル(例えば、C4、C5、C6、C7、またはC8アルキル)であってもよい。
幾つかの実施形態では、Rは(CH2)qOR*であり、qは、1、2、及び3から選択され、R*は、アミノ、C1-C6アルキルアミノ、及びC1-C6ジアルキルアミノからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されたC1-12アルキルである。例えば、Rは(CH2)qOR*であり、qは、1、2、及び3から選択され、R*は、C1-C6ジアルキルアミノで置換されたC1-12アルキルである。例えば、Rは(CH2)qOR*であり、qは、1、2、及び3から選択され、R*は、C1-C6ジアルキルアミノで置換されたC1-3アルキルである。例えば、Rは(CH2)qOR*であり、qは、1、2、及び3から選択され、R*は、ジメチルアミノ(例えば、ジメチルアミノエタニル)で置換されたC1-3アルキルである。
幾つかの実施形態では、R1はC5-20アルキルである。幾つかの実施形態では、R1はC6アルキルである。幾つかの実施形態では、R1はC8アルキルである。他の実施形態では、R1はC9アルキルである。ある特定の実施形態では、R1はC14アルキルである。他の実施形態では、R1はC18アルキルである。
幾つかの実施形態では、R1はC21-30アルキルである。幾つかの実施形態では、R1はC26アルキルである。幾つかの実施形態では、R1はC28アルキルである。ある特定の実施形態では、R1は
である。
幾つかの実施形態では、R1はC5-20アルケニルである。ある特定の実施形態では、R1はC18アルケニルである。幾つかの実施形態では、R1はリノレイルである。
ある特定の実施形態では、R1は、分岐している(例えば、デカン-2-イル、ウンデカン-3-イル、ドデカン-4-イル、トリデカン-5-イル、テトラデカン-6-イル、2-メチルウンデカン-3-イル、2-メチルデカン-2-イル、3-メチルウンデカン-3-イル、4-メチルドデカン-4-イル、またはヘプタデカ-9-イル)である。ある特定の実施形態では、R1は
である。
ある特定の実施形態では、R1は、非置換のC5-20アルキルまたはC5-20アルケニルである。ある特定の実施形態では、R’は、置換されたC5-20アルキルまたはC5-20アルケニル(例えば、C3-6炭素環で置換されたもの、例えば、1-シクロプロピルノニル、またはOHもしくはアルコキシで置換されたもの)である。例えば、R1は
である。
他の実施形態では、R1は-R”M’R’である。ある特定の実施形態では、M’は-OC(O)-M”-C(O)O-である。例えば、R1は
であり、式中、x1は、1~13の間の整数であり(例えば、3、4、5、及び6から選択され)、x2は、1~13の間の整数であり(例えば、1、2、及び3から選択され)、x3は、2~14の間の整数である(例えば、4、5、及び6から選択される)。例えば、x1は、3、4、5、及び6から選択され、x2は、1、2、及びび3から選択され、x3は、4、5、及び6から選択される。
他の実施形態では、R1は、-(CHR5R6)m-M-CR2R3R7とは異なる。
幾つかの実施形態では、R’は、-R*YR”及び-YR”から選択される。幾つかの実施形態では、YはC3-8シクロアルキルである。幾つかの実施形態では、YはC6-10アリールである。幾つかの実施形態では、Yはシクロプロピル基である。幾つかの実施形態では、Yはシクロヘキシル基である。ある特定の実施形態では、R*はC1アルキルである。
幾つかの実施形態では、R”は、C3-12アルキル及びC3-12アルケニルからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、R”はC8アルキルである。幾つかの実施形態では、Yに隣接するR”はC1アルキルである。幾つかの実施形態では、Yに隣接するR”は、C4-9アルキル(例えば、C4、C5、C6、C7、もしくはC8、またはC9アルキル)である。
幾つかの実施形態では、R”は、置換されたC3-12(例えば、例えば、ヒドロキシルで置換されたC3-12アルキル)である。例えば、R”は
である。
幾つかの実施形態では、R’は、C4アルキル及びC4アルケニルから選択される。ある特定の実施形態では、R’は、C5アルキル及びC5アルケニルから選択される。幾つかの実施形態では、R’は、C6アルキル及びC6アルケニルから選択される。幾つかの実施形態では、R’は、C7アルキル及びC7アルケニルから選択される。幾つかの実施形態では、R’は、C9アルキル及びC9アルケニルから選択される。
幾つかの実施形態では、R’は、C4アルキル、C4アルケニル、C5アルキル、C5アルケニル、C6アルキル、C6アルケニル、C7アルキル、C7アルケニル、C9アルキル、C9アルケニル、C11アルキル、C11アルケニル、C17アルキル、C17アルケニル、C18アルキル、及びC18アルケニルから選択され、それらの各々は線状または分岐している。
幾つかの実施形態では、R’は線状である。幾つかの実施形態では、R’は分岐している。
幾つかの実施形態では、R’は
である。幾つかの実施形態では、R’は
であり、M’は-OC(O)-である。他の実施形態では、R’は
であり、M’は-C(O)O-である。
他の実施形態では、R’は、C11アルキル及びC11アルケニルから選択される。他の実施形態では、R’は、C12アルキル、C12アルケニル、C13アルキル、C13アルケニル、C14アルキル、C14アルケニル、C15アルキル、C15アルケニル、C16アルキル、C16アルケニル、C17アルキル、C17アルケニル、C18アルキル、及びC18アルケニルから選択される。ある特定の実施形態では、R’は、線状C4-18アルキルまたはC4-18アルケニルである。ある特定の実施形態では、R’は、分岐している(例えば、デカン-2-イル、ウンデカン-3-イル、ドデカン-4-イル、トリデカン-5-イル、テトラデカン-6-イル、2-メチルウンデカン-3-イル、2-メチルデカン-2-イル、3-メチルウンデカン-3-イル、4-メチルドデカン-4-イル、またはヘプタデカ-9-イル)である。ある特定の実施形態では、R’は
である。
ある特定の実施形態では、R’は、非置換のC1-18アルキルである。ある特定の実施形態では、R’は、置換されたC1-18アルキル(例えば、置換されたC1-15アルキルであって、例えば、アルコキシ、例えばメトキシ、またはC3-6炭素環、例えば、1-シクロプロピルノニル、またはC(O)O-アルキルもしくはOC(O)-アルキル、例えば、C(O)OCH3もしくはOC(O)CH3で置換されたもの)である。例えば、R’は、
である。
ある特定の実施形態では、R’は、分岐しているC1-18アルキルである。例えば、R’は、
である。
幾つかの実施形態では、R”は、C3-15アルキル及びC3-15アルケニルからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、R”は、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、C6アルキル、C7アルキル、またはC8アルキルである。幾つかの実施形態では、R”は、C9アルキル、C10アルキル、C11アルキル、C12アルキル、C13アルキル、C14アルキル、またはC15アルキルである。
幾つかの実施形態では、M’は-C(O)O-である。幾つかの実施形態では、M’は-OC(O)-である。幾つかの実施形態では、M’は-OC(O)-M”-C(O)O-である。
幾つかの実施形態では、M’は、-C(O)O-、-OC(O)-、または-OC(O)-M”-C(O)O-である。M’が-OC(O)-M”-C(O)O-である幾つかの実施形態では、M”は、C1-4アルキルまたはC2-4アルケニルである。
他の実施形態では、M’は、アリール基またはヘテロアリール基である。例えば、M’は、フェニル、オキサゾール、及びチアゾールからなる群から選択されてもよい。
幾つかの実施形態では、Mは-C(O)O-である。幾つかの実施形態では、Mは-OC(O)-である。幾つかの実施形態では、Mは-C(O)N(R’)-である。幾つかの実施形態では、Mは-P(O)(OR’)O-である。幾つかの実施形態では、Mは-OC(O)-M”-C(O)O-である。
幾つかの実施形態では、Mは-C(O)である。幾つかの実施形態では、Mは-OC(O)-であり、M’は-C(O)O-である。幾つかの実施形態では、Mは-C(O)O-であり、M’は-OC(O)-である。幾つかの実施形態では、M及びM’は各々、-OC(O)-である。幾つかの実施形態では、M及びM’は各々、-C(O)O-である。
他の実施形態では、Mは、アリール基またはヘテロアリール基である。例えば、Mは、フェニル、オキサゾール、及びチアゾールからなる群から選択されてもよい。
幾つかの実施形態では、MはM’と同じである。他の実施形態では、MはM’とは異なる。
幾つかの実施形態では、M”は結合である。幾つかの実施形態では、M”は、C1-13アルキルまたはC2-13アルケニルである。幾つかの実施形態では、M”は、C1-6アルキルまたはC2-6アルケニルである。ある特定の実施形態では、M”は、線状アルキルまたはアルケニルである。ある特定の実施形態では、M”は分岐しており、例えば、-CH(CH3)CH2-である。
幾つかの実施形態では、各R5はHである。幾つかの実施形態では、各R6はHである。ある特定のそのような実施形態では、各R5及び各R6はHである。
幾つかの実施形態では、R7はHである。他の実施形態では、R7は、C1-3アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、またはI-プロピル)である。
幾つかの実施形態では、R2及びR3は、独立して、C5-14アルキルまたはC5-14アルケニルである。
幾つかの実施形態では、R2とR3は同じである。幾つかの実施形態では、R2及びR3は、C8アルキルである。ある特定の実施形態では、R2及びR3は、C2アルキルである。他の実施形態では、R2及びR3は、C3アルキルである。幾つかの実施形態では、R2及びR3は、C4アルキルである。ある特定の実施形態では、R2及びR3は、C5アルキルである。他の実施形態では、R2及びR3は、C6アルキルである。幾つかの実施形態では、R2及びR3は、C7アルキルである。
他の実施形態では、R2とR3は異なる。ある特定の実施形態では、R2はC8アルキルである。幾つかの実施形態では、R3は、C1-7(例えば、C1、C2、C3、C4、C5、C6、またはC7アルキル)またはC9アルキルである。
幾つかの実施形態では、R3はC1アルキルである。幾つかの実施形態では、R3はC2アルキルである。幾つかの実施形態では、R3はC3アルキルである。幾つかの実施形態では、R3はC4アルキルである。幾つかの実施形態では、R3はC5アルキルである。幾つかの実施形態では、R3はC6アルキルである。幾つかの実施形態では、R3はC7アルキルである。幾つかの実施形態では、R3はC9アルキルである。
幾つかの実施形態では、R7及びR3はHである。
ある特定の実施形態では、R2はHである。
幾つかの実施形態では、mは、5、6、7、8、または9である。幾つかの実施形態では、mは、5、7、または9である。例えば、幾つかの実施形態では、mは5である。例えば、幾つかの実施形態では、mは7である。例えば、幾つかの実施形態では、mは9である。
幾つかの実施形態では、R4は、-(CH2)nQ及び-(CH2)nCHQRから選択される。
幾つかの実施形態では、Qは、-OR、-OH、-O(CH2)nN(R)2、-OC(O)R、-CX3、-CN、-N(R)C(O)R、-N(H)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(H)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(H)C(O)N(R)2、-N(H)C(O)N(H)(R)、-N(R)C(S)N(R)2、-N(H)C(S)N(R)2、-N(H)C(S)N(H)(R)、-C(R)N(R)2C(O)OR、-N(R)S(O)2R8、炭素環、及びヘテロ環からなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、Qは、-N(R)R8、-N(R)S(O)2R8、-O(CH2)nOR、-N(R)C(=NR9)N(R)2、-N(R)C(=CHR9)N(R)2、-OC(O)N(R)2、または-N(R)C(O)ORである。
ある特定の実施形態では、Qは、-N(OR)C(O)R、-N(OR)S(O)2R、-N(OR)C(O)OR、-N(OR)C(O)N(R)2、-N(OR)C(S)N(R)2、-N(OR)C(=NR9)N(R)2、または-N(OR)C(=CHR9)N(R)2である。
ある特定の実施形態では、Qは、チオ尿素またはそのアイソスター、例えば、
または-NHC(=NR9)N(R)2である。
ある特定の実施形態では、Qは-C(=NR9)N(R)2である。例えば、Qが-C(=NR9)N(R)2であるとき、nは4または5である。例えば、R9は-S(O)2N(R)2である。
ある特定の実施形態では、Qは、-C(=NR9)Rまたは-C(O)N(R)ORであり、例えば、-CH(=N-OCH3)、-C(O)NH-OH、-C(O)NH-OCH3、-C(O)N(CH3)-OH、または-C(O)N(CH3)-OCH3である。
ある特定の実施形態では、Qは-OHである。
ある特定の実施形態では、Qは、置換または非置換の5~10員のヘテロアリールであり、例えば、Qは、トリアゾール、イミダゾール、ピリミジン、プリン、2-アミノ-1,9-ジヒドロ-6H-プリン-6-オン-9-イル(またはグアニン-9-イル)、アデニン-9-イル、シトシン-1-イル、またはウラシル-1-イルであり、それらの各々は、任意選択で、アルキル、OH、アルコキシ、-アルキル-OH、-アルキル-O-アルキルから選択される1つ以上の置換基で置換されており、該置換基は、さらに置換されていてもよい。ある特定の実施形態では、Qは、5~14員のヘテロシクロアルキルで置換されており、例えば、オキソ(=O)、OH、アミノ、モノ-またはジ-アルキルアミノ、及びC1-3アルキルから選択される1つ以上の置換基で置換されている。例えば、Qは、4-メチルピペラジニル、4-(4-メトキシベンジル)ピペラジニル、イソインドリン-2-イル-1,3-ジオン、ピロリジン-1-イル-2,5-ジオン、またはイミダゾリジン-3-イル-2,4-ジオンである。
ある特定の実施形態では、Qは-NHR8であり、ここで、R8は、オキソ(=O)、アミノ(NH2)、モノ-またはジ-アルキルアミノ、C1-3アルキル、及びハロから選択される1つ以上の置換基で任意選択で置換されたC3-6シクロアルキルである。例えば、R8は、シクロブテニル、例えば、3-(ジメチルアミノ)-シクロブタ-3-エン-4-イル-1,2-ジオンである。さらなる実施形態では、R8は、オキソ(=O)、チオ(=S)、アミノ(NH2)、モノ-またはジ-アルキルアミノ、C1-3アルキル、ヘテロシクロアルキル、及びハロから選択される1つ以上の置換基で任意選択で置換されたC3-6シクロアルキルであり、ここで、モノ-またはジ-アルキルアミノ、C1-3アルキル、及びヘテロシクロアルキルはさらに置換されている。例えば、R8は、オキソ、アミノ、及びアルキルアミノの1つ以上で置換されたシクロブテニルであり、ここで、アルキルアミノは、例えば、C1-3アルコキシ、アミノ、モノまたはジ-アルキルアミノ、及びハロの1つ以上でさらに置換されている。例えば、R8は、3-(((ジメチルアミノ)エチル)アミノ)シクロブタ-3-エニル-1,2-ジオンである。例えば、R8は、オキソ及びアルキルアミノの1つ以上で置換されたシクロブテニルである。例えば、R8は、3-(エチルアミノ)シクロブタ-3-エン-1,2-ジオンである。例えば、R8は、オキソ、チオ、及びアルキルアミノの1つ以上で置換されたシクロブテニルである。例えば、R8は、3-(エチルアミノ)-4-チオキソシクロブタ-2-エン-1-オンまたは2-(エチルアミノ)-4-チオキソシクロブタ-2-エン-1-オンである。例えば、R8は、チオ及びアルキルアミノの1つ以上で置換されたシクロブテニルである。例えば、R8は、3-(エチルアミノ)シクロブタ-3-エン-1,2-ジチオンである。例えば、R8は、オキソ及びジアルキルアミノの1つ以上で置換されたシクロブテニルである。例えば、R8は、3-(ジエチルアミノ)シクロブタ-3-エン-1,2-ジオンである。例えば、R8は、オキソ、チオ、及びジアルキルアミノの1つ以上で置換されたシクロブテニルである。例えば、R8は、2-(ジエチルアミノ)-4-チオキソシクロブタ-2-エン-1-オンまたは3-(ジエチルアミノ)-4-チオキソシクロブタ-2-エン-1-オンである。例えば、R8は、チオ及びジアルキルアミノの1つ以上で置換されたシクロブテニルである。例えば、R8は、3-(ジエチルアミノ)シクロブタ-3-エン-1,2-ジチオンである。例えば、R8は、オキソ、及びアルキルアミノまたはジアルキルアミノの1つ以上で置換されたシクロブテニルであり、ここで、アルキルアミノまたはジアルキルアミノは、例えば1つ以上のアルコキシでさらに置換されている。例えば、R8は、3-(ビス(2-メトキシエチル)アミノ)シクロブタ-3-エン-1,2-ジオンである。例えば、R8は、オキソ及びヘテロシクロアルキルの1つ以上で置換されたシクロブテニルである。例えば、R8は、オキソ、及びピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニルの1つ以上で置換されたシクロブテニルである。例えば、R8は、オキソ及びヘテロシクロアルキルの1つ以上で置換されたシクロブテニルであり、ここで、ヘテロシクロアルキルは、例えば1つ以上のC1-3アルキルでさらに置換されている。例えば、R8は、オキソ及びヘテロシクロアルキルの1つ以上で置換されたシクロブテニルであり、ここで、ヘテロシクロアルキル(例えば、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニル)は、メチルでさらに置換されている。
ある特定の実施形態では、Qは-NHR8であり、ここで、R8は、アミノ(NH2)、モノ-またはジ-アルキルアミノ、C1-3アルキル、及びハロから選択される1つ以上の置換基で任意選択で置換されたヘテロアリールである。例えば、R8は、チアゾールまたはイミダゾールである。
ある特定の実施形態では、Qは-NHC(=NR9)N(R)2であり、ここで、R9は、CN、C1-6アルキル、NO2、-S(O)2N(R)2、-OR、-S(O)2R、またはHである。例えば、Qは、-NHC(=NR9)N(CH3)2、-NHC(=NR9)NHCH3、-NHC(=NR9)NH2である。幾つかの実施形態では、Qは-NHC(=NR9)N(R)2であり、ここで、R9はCNであり、Rは、モノ-またはジ-アルキルアミノで置換されたC1-3アルキルであり、例えば、Rは((ジメチルアミノ)エチル)アミノである。幾つかの実施形態では、Qは-NHC(=NR9)N(R)2であり、ここで、R9は、C1-6アルキル、NO2、-S(O)2N(R)2、-OR、-S(O)2R、またはHであり、Rは、モノ-またはジ-アルキルアミノで置換されたC1-3アルキルであり、例えば、Rは((ジメチルアミノ)エチル)アミノである。
ある特定の実施形態では、Qは-NHC(=CHR9)N(R)2であり、ここで、R9は、NO2、CN、C1-6アルキル、-S(O)2N(R)2、-OR、-S(O)2R、またはHである。例えば、Qは、-NHC(=CHR9)N(CH3)2、-NHC(=CHR9)NHCH3、または-NHC(=CHR9)NH2である。
ある特定の実施形態では、Qは、-OC(O)N(R)2、-N(R)C(O)OR、-N(OR)C(O)OR、例えば、-OC(O)NHCH3、-N(OH)C(O)OCH3、-N(OH)C(O)CH3、-N(OCH3)C(O)OCH3、-N(OCH3)C(O)CH3、-N(OH)S(O)2CH3、または-NHC(O)OCH3である。
ある特定の実施形態では、Qは-N(R)C(O)Rであり、ここで、Rは、C1-3アルコキシまたはS(O)zC1-3アルキルで任意選択で置換されたアルキルであり、ここで、zは、0、1、または2である。
ある特定の実施形態では、Qは、非置換または置換されたC6-10アリール(フェニルなど)またはC3-6シクロアルキルである。
幾つかの実施形態では、nは1である。他の実施形態では、nは2である。さらなる実施形態では、nは3である。ある特定の実施形態では、nは4である。例えば、R4は-(CH2)2OHであってもよい。例えば、R4は-(CH2)3OHであってもよい。例えば、R4は-(CH2)4OHであってもよい。例えば、R4はベンジルであってもよい。例えば、R4は4-メトキシベンジルであってもよい。
幾つかの実施形態では、R4はC3-6炭素環である。幾つかの実施形態では、R4はC3-6シクロアルキルである。例えば、R4は、例えば、OH、ハロ、C1-6アルキルなどで任意選択で置換されたシクロヘキシルであってもよい。例えば、R4は2-ヒドロキシシクロヘキシルであってもよい。
幾つかの実施形態では、RはHである。
幾つかの実施形態では、Rは、モノ-またはジ-アルキルアミノで置換されたC1-3アルキルであり、例えば、Rは((ジメチルアミノ)エチル)アミノである。
幾つかの実施形態では、Rは、C1-3アルコキシ、アミノ、及びC1-C3ジアルキルアミノからなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されたC1-6アルキルである。
幾つかの実施形態では、Rは、非置換のC1-3アルキルまたは非置換のC2-3アルケニルである。例えば、R4は、-CH2CH(OH)CH3、-CH(CH3)CH2OH、または-CH2CH(OH)CH2CH3であってもよい。
幾つかの実施形態では、Rは、置換されたC1-3アルキル、例えば、CH2OHである。例えば、R4は、-CH2CH(OH)CH2OH、-(CH2)3NHC(O)CH2OH、-(CH2)3NHC(O)CH2OBn、-(CH2)2O(CH2)2OH、-(CH2)3NHCH2OCH3、-(CH2)3NHCH2OCH2CH3、CH2SCH3、CH2S(O)CH3、CH2S(O)2CH3、または-CH(CH2OH)2であってもよい。
幾つかの実施形態では、R4は、以下の基のいずれかから選択される:
幾つかの実施形態では、
は、以下の基のいずれかから選択される:
幾つかの実施形態では、R4は、以下の基のいずれかから選択される:
幾つかの実施形態では、
は、以下の基のいずれかから選択される:
幾つかの実施形態では、式(III)の化合物は、陰イオンをさらに含む。本明細書に記載されるように、陰イオンは、アミンと反応してアンモニウム塩を形成することが可能な任意の陰イオンであり得る。例として、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、フッ化物イオン、酢酸イオン、ギ酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、ジフルオロ酢酸イオン、トリクロロ酢酸イオン、及びリン酸イオンが挙げられるが、これらに限定されない。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載の式のいずれかの化合物は、筋肉内投与用のナノ粒子組成物を作製するのに適している。
幾つかの実施形態では、R2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、ヘテロ環もしくは炭素環を形成する。幾つかの実施形態では、R2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、N、O、S、及びPから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5~14員の芳香族または非芳香族ヘテロ環を形成する。幾つかの実施形態では、R2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、芳香族または非芳香族のいずれかの、任意選択で置換されたC3-20炭素環(例えば、C3-18炭素環、C3-15炭素環、C3-12炭素環、またはC3-10炭素環)を形成する。幾つかの実施形態では、R2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、C3-6炭素環を形成する。他の実施形態では、R2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、シクロヘキシルまたはフェニル基などのC6炭素環を形成する。ある特定の実施形態では、ヘテロ環またはC3-6炭素環は、(例えば、同じ環原子で、または隣接したもしくは隣接していない環原子で)1つ以上のアルキル基で置換されている。例えば、R2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、1つ以上のC5アルキル置換を有するシクロヘキシルまたはフェニル基を形成してもよい。ある特定の実施形態では、R2及びR3によって形成されたヘテロ環またはC3-6炭素環は、炭素環基で置換されている。例えば、R2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、シクロヘキシルで置換されたシクロヘキシルまたはフェニル基を形成してもよい。幾つかの実施形態では、R2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、シクロへプチル、シクロペンタデカニル、またはナフチル基などのC7-15炭素環を形成する。
幾つかの実施形態では、R4は、-(CH2)nQ及び-(CH2)nCHQRから選択される。幾つかの実施形態では、Qは、-OR、-OH、-O(CH2)nN(R)2、-OC(O)R、-CX3、-CN、-N(R)C(O)R、-N(H)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(H)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(H)C(O)N(R)2、-N(R)S(O)2R8、-N(H)C(O)N(H)(R)、-N(R)C(S)N(R)2、-N(H)C(S)N(R)2、-N(H)C(S)N(H)(R)、及びヘテロ環からなる群から選択される。他の実施形態では、Qは、イミダゾール、ピリミジン、及びプリンからなる群から選択される。
幾つかの実施形態では、R2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、ヘテロ環もしくは炭素環を形成する。幾つかの実施形態では、R2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、C3-6炭素環を形成する。幾つかの実施形態では、R2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、C6炭素環を形成する。幾つかの実施形態では、R2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、フェニル基を形成する。幾つかの実施形態では、R2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、シクロヘキシル基を形成する。幾つかの実施形態では、R2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、ヘテロ環を形成する。ある特定の実施形態では、ヘテロ環またはC3-6炭素環は、(例えば、同じ環原子で、または隣接したもしくは隣接していない環原子で)1つ以上のアルキル基で置換されている。例えば、R2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、1つ以上のC5アルキル置換を有するフェニル基を形成してもよい。
幾つかの実施形態では、R5及びR6の少なくとも1回の出現は、C1-3アルキル、例えばメチルである。幾つかの実施形態では、Mに隣接するR5及びR6の一方はC1-3アルキル、例えばメチルであり、他方はHである。幾つかの実施形態では、Mに隣接するR5及びR6の一方はC1-3アルキル、例えばメチルであり、他方はHであり、Mは-OC(O)-または-C(O)O-である。
幾つかの実施形態では、R5及びR6の多くとも1回の出現は、C1-3アルキル、例えばメチルである。幾つかの実施形態では、Mに隣接するR5及びR6の一方はC1-3アルキル、例えばメチルであり、他方はHである。幾つかの実施形態では、Mに隣接するR5及びR6の一方はC1-3アルキル、例えばメチルであり、他方はHであり、Mは-OC(O)-または-C(O)O-である。
幾つかの実施形態では、R5及びR6の少なくとも1回の出現は、メチルである。
式(VI)、(VI-a)、(VII)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIb-1)、(VIIb-2)、(VIIb-3)、(VIIb-4)、(VIIb-5)、(VIIc)、(VIId)、(VIII)、(VIIIa)、(VIIIb)、(VIIIc)、または(VIIId)のいずれか1つの化合物は、適用可能な場合、以下の特徴の1つ以上を含む。
幾つかの実施形態では、rは0である。幾つかの実施形態では、rは1である。
幾つかの実施形態では、nは、2、3、または4である。幾つかの実施形態では、nは2である。幾つかの実施形態では、nは4である。幾つかの実施形態では、nは3ではない。
幾つかの実施形態では、RNはHである。幾つかの実施形態では、RNはC1-3アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、RNはC1アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、RNはC2アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、RNはC2アルキルである。
幾つかの実施形態では、XaはOである。幾つかの実施形態では、XaはSである。幾つかの実施形態では、XbはOである。幾つかの実施形態では、XbはSである。
幾つかの実施形態では、R10は、N(R)2、-NH(CH2)t1N(R)2、-NH(CH2)p1O(CH2)q1N(R)2、-NH(CH2)s1OR、-N((CH2)s1OR)2、及びヘテロ環からなる群から選択される。
幾つかの実施形態では、R10は、-NH(CH2)t1N(R)2、-NH(CH2)p1O(CH2)q1N(R)2、-NH(CH2)s1OR、-N((CH2)s1OR)2、及びヘテロ環からなる群から選択される。
R10が-NH(CH2)oN(R)2である幾つかの実施形態では、oは、2、3、または4である。
-NH(CH2)p1O(CH2)q1N(R)2である幾つかの実施形態では、p1は2である。-NH(CH2)p1O(CH2)q1N(R)2である幾つかの実施形態では、q1は2である。
R10が-N((CH2)s1OR)2である幾つかの実施形態では、s1は2である。
R10が-NH(CH2)oN(R)2、-NH(CH2)pO(CH2)qN(R)2、-NH(CH2)sOR、または-N((CH2)sOR)2である幾つかの実施形態では、RはHまたはC1-C3アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、RはC1アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、RはC2アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、RはHである。例えば、幾つかの実施形態では、RはHであり、1つのRはC1-C3アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、RはHであり、1つのRはC1アルキルである。例えば、幾つかの実施形態では、RはHであり、1つのRはC2アルキルである。R10が-NH(CH2)t1N(R)2、-NH(CH2)p1O(CH2)q1N(R)2、-NH(CH2)s1OR、または-N((CH2)s1OR)2である幾つかの実施形態では、各RはC2-C4アルキルである。
例えば、幾つかの実施形態では、1つのRはHであり、1つのRはC2-C4アルキルである。幾つかの実施形態では、R10はヘテロ環である。例えば、幾つかの実施形態では、R10はモルホリニルである。例えば、幾つかの実施形態では、R10はメチルピペラジニルである。
幾つかの実施形態では、R
5及びR
6の各出現はHである。幾つかの実施形態では、式(I)の化合物は、以下からなる群から選択される:
さらなる実施形態では、式(I I) の化合物は、以下からなる群から選択される:
幾つかの実施形態では、式(I I) または式(I IV)の化合物は、以下からなる群から選択される:
幾つかの実施形態では、本開示の脂質は、I-340Aを含む:
式(I I)、(I IA)、I (IB)、I (II)、(I IIa)、(I IIb)、(I IIc)、(I IId)、(I IIe)、(I IIf)、(I IIg)、(I IIh)、(I IIj)、(I IIk)、(I III)、(I VI)、(I VI-a)、(I VII)、(I VIIa)、(I VIIb-1)、(I VIIb-2)、(I VIIb-3)、(I VIIb-4)、(I VIIb-5)、(I VIIc)、(I VIId)、(I VIII)、(I VIIIa)、(I VIIIb)、(I VIIIc)、(I VIIId)、(I XI)、(I XI-a)、または(I XI-b)による脂質の中心のアミン部分は、生理学的pHでプロトン化され得る。よって、脂質は、生理学的pHで正のまたは部分的に正の電荷を有し得る。そのような脂質は、カチオン性またはイオン性(アミノ)脂質と呼ぶことができる。脂質は、双性イオン、すなわち、正電荷も負電荷も有する中性分子でもあり得る。
イオン性脂質は、単一の鏡像異性体、または特定の比率での鏡像異性体の混合物を含み得る。幾つかの実施形態では、イオン性脂質は、実質的に純粋な鏡像異性体を含む。幾つかの実施形態では、実質的に純粋な鏡像異性体は、化合物の他の鏡像異性体または立体異性体を実質的に含まない(すなわち、鏡像異性的過剰である)。幾つかの実施形態では、イオン性脂質の「S」型は、イオン性脂質の「R」型を実質的に含まず、よって、「R」型に対して鏡像異性的過剰である。幾つかの実施形態では、イオン性脂質の「R」型は、イオン性脂質の「S」型を実質的に含まず、よって、「S」型に対して鏡像異性的過剰である。幾つかの実施形態では、「実質的に含まない」とは、(i)2%未満の「S」型を含有する一定分量の「R」型化合物、または(ii)2%未満の「R」型を含有する一定分量の「S」型化合物を指す。幾つかの実施形態では、実質的に純粋な鏡像異性体は、90重量%超、91重量%超、92重量%超、93重量%超、94重量%超、95重量%超、96重量%超、97重量%超、98重量%超、99重量%超、99.5重量%超、または99.9重量%超の単一の鏡像異性体を含む。ある特定の実施形態では、重量は、化合物のすべての鏡像異性体または立体異性体の総重量に基づく。一実施形態では、イオン性脂質は、「S」型と「R」型とのラセミ混合物を含む。
幾つかの実施形態では、イオン性脂質は、アミノ脂質のラセミ混合物を含む。幾つかの実施形態では、イオン性脂質は、アミノ脂質の実質的に純粋な鏡像異性体を含む。幾つかの実施形態では、イオン性脂質は、アミノ脂質の実質的に純粋な(R)鏡像異性体を含む。幾つかの実施形態では、イオン性脂質は、アミノ脂質の実質的に純粋な(S)鏡像異性体を含む。幾つかの実施形態では、イオン性脂質は、式(I I)、(I IA)、(I IB)、(I II)、(I IIa)、(I IIb)、(I IIc)、(I IId)、(I IIe)、(I IIf)、(I IIg)、(I IIh)、(I IIj)、(I IIk)、(I III)、(I VI)、(I VI-a)、(I VII)、(I VIII)、(I VIIa)、(I VIIIa)、(I VIIIb)、(I VIIb-1)、(I VIIb-2)、(I VIIb-3)、(I VIIb-4)、(I VIIb-5)、(I VIIc)、(I VIId)、(I VIIIc)、(I VIIId)、(I XI)、(I XI-a)、もしくは(I XI-b)のいずれかの化合物及び/または化合物I-49及び化合物I-301からなる群から選択される化合物の実質的に純粋な鏡像異性体を含む。
幾つかの実施形態では、イオン性脂質は、化合物I-49の実質的に純粋な鏡像異性体を含む。幾つかの実施形態では、イオン性脂質は、実質的に純粋な化合物(S)I-49を含む。
幾つかの実施形態では、イオン性脂質は、実質的に純粋な化合物(R)I-49を含む。
幾つかの実施形態では、イオン性脂質は、化合物I-301の実質的に純粋な鏡像異性体を含む。幾つかの実施形態では、イオン性脂質は、実質的に純粋な化合物(S)I-301を含む。
幾つかの実施形態では、イオン性脂質は、実質的に純粋な化合物(R)I-301を含む。
幾つかの態様では、本開示のイオン性脂質は、式(I XII)の化合物の1つ以上
またはそのN-オキシド、あるいはその塩または異性体であってもよく、式中、
R40は、スクアラミドで置換された基ではなく、水素、-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-(CH2)oC(R10)2(CH2)n-oQ、-CHQR、-CQ(R)2、及び非置換のC1-6アルキルからなる群から選択され、ここで、Qは、-OR、-O(CH2)nN(R)2、-C(O)OR、-OC(O)R、-CX3、-CX2H、-CXH2、-CN、-N(R)2、-C(O)N(R)2、-N(R)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(R)C(S)N(R)2、-O(CH2)nOR、-N(R)C(=NR9)N(R)2、-N(R)C(=CHR9)N(R)2、-OC(O)N(R)2、-N(R)C(O)OR、-N(OR)C(O)R、-N(OR)S(O)2R、-N(OR)C(O)OR、-N(OR)C(O)N(R)2、-N(OR)C(S)N(R)2、-N(OR)C(=NR9)N(R)2、-N(OR)C(=CHR9)N(R)2、-C(=NR9)N(R)2、-C(=NR9)R、-C(O)N(R)OR、及び-C(R)N(R)2C(O)ORから選択され、各oは、独立して、1、2、3、及び4から選択され、各nは、独立して、1、2、3、4、及び5から選択され、
各Rは、独立して、C1-3アルキル、C2-3アルケニル、(CH2)qOR*、及びHからなる群から選択され、ここで、qは、独立して、1、2、及び3から選択され、R*は、独立して、C1-12アルキル、及びC2-12アルケニルからなる群から選択され、
各R9は、独立して、H、CN、NO2、C1-6アルキル、-OR、-S(O)2R、-S(O)2N(R)2、またはC2-6アルキルからなる群から選択され、
R10は、H、OH、C1-3アルキル、及びC2-3アルケニルからなる群から選択され、
Xは、独立して、F、Cl、Br、及びIからなる群から選択される。
幾つかの実施形態では、R40は、スクアラミドで置換された基ではない。幾つかの実施形態では、R40は、水素、-(CH2)nQ、-(CH2)nCHQR、-(CH2)oC(R10)2(CH2)n-oQ、-CHQR、-CQ(R)2、及び非置換のC1-6アルキルからなる群から選択され、ここで、Qは、-OR、-O(CH2)nN(R)2、-C(O)OR、-OC(O)R、-CX3、-CX2H、-CXH2、-CN、-N(R)2、-C(O)N(R)2、-N(R)C(O)R、-N(R)S(O)2R、-N(R)C(O)N(R)2、-N(R)C(S)N(R)2、-O(CH2)nOR、-N(R)C(=NR9)N(R)2、-N(R)C(=CHR9)N(R)2、-OC(O)N(R)2、-N(R)C(O)OR、-N(OR)C(O)R、-N(OR)S(O)2R、-N(OR)C(O)OR、-N(OR)C(O)N(R)2、-N(OR)C(S)N(R)2、-N(OR)C(=NR9)N(R)2、-N(OR)C(=CHR9)N(R)2、-C(=NR9)N(R)2、-C(=NR9)R、-C(O)N(R)OR、及び-C(R)N(R)2C(O)ORから選択され、各oは、独立して、1、2、3、及び4から選択され、各nは、独立して、1、2、3、4、及び5から選択される。
幾つかの態様では、本開示のイオン性脂質は、式(I IX)の化合物の1つ以上
またはその塩もしくは異性体であってもよく、式中、
Wは、
であり、
環Aは、
であり、
tは、1または2であり、
A1及びA2は、各々独立して、CHまたはNから選択され、
Zは、CH2であるか、または存在せず、ここで、ZがCH2のとき、破線(1)及び(2)は、各々単結合を表し、Zが存在しないとき、破線(1)及び(2)は両方とも存在せず、
R1、R2、R3、R4、及びR5は、独立して、C5-20アルキル、C5-20アルケニル、-R”MR’、-R*YR”、-YR”、及び-R*OR”からなる群から選択され、
RX1及びRX2は、各々独立して、HまたはC1-3アルキルであり、
各Mは、独立して、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)O-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(S)S-、-SC(S)-、-CH(OH)-、-P(O)(OR’)O-、-S(O)2-、-C(O)S-、-SC(O)-、アリール基、及びヘテロアリール基からなる群から選択され、
M*は、C1-C6アルキルであり、
W1及びW2は、各々独立して、-O-及び-N(R6)-からなる群から選択され、
各R6は、独立して、H及びC1-5アルキルからなる群から選択され、
X1、X2、及びX3は、独立して、結合、-CH2-、-(CH2)2-、-CHR-、-CHY-、-C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-(CH2)n-C(O)-、-C(O)-(CH2)n-、-(CH2)n-C(O)O-、-OC(O)-(CH2)n-、-(CH2)n-OC(O)-、-C(O)O-(CH2)n-、-CH(OH)-、-C(S)-、及び-CH(SH)-からなる群から選択され、
各Yは、独立して、C3-6炭素環であり、
各R*は、独立して、C1-12アルキル及びC2-12アルケニルからなる群から選択され、
各Rは、独立して、C1-3アルキル及びC3-6炭素環からなる群から選択され、
各R’は、独立して、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、及びHからなる群から選択され、
各R”は、独立して、C3-12アルキル、C3-12アルケニル、及び-R*MR’からなる群から選択され、
nは、1~6の整数であり、
ここで、環Aが
であるとき、
i)X1、X2、及びX3の少なくとも1つは-CH2-ではなく、及び/または
ii)R1、R2、R3、R4、及びR5の少なくとも1つは-R”MR’である。
幾つかの実施形態では、化合物は、式(I IXa1)~(I IXa8)のいずれかである:
である。
幾つかの実施形態では、イオン性脂質は、米国出願第62/271,146号、第62/338,474号、第62/413,345号、及び第62/519,826号、ならびにPCT出願第PCT/US2016/068300号に記載される化合物の1つ以上である。
幾つかの実施形態では、イオン性脂質は、米国出願第62/519,826号に記載される化合物1~156から選択される。
幾つかの実施形態では、イオン性脂質は、米国出願第62/519,826号に記載される化合物1~16、42~66、68~76、及び78~156から選択される。
幾つかの実施形態では、イオン性脂質は
(化合物I-356(本明細書では化合物Mとも呼ばれる)、またはその塩である。
幾つかの実施形態では、イオン性脂質は
[化合物I-N]、またはその塩である。
幾つかの実施形態では、イオン性脂質は
[化合物I-O]、またはその塩である。
幾つかの実施形態では、イオン性脂質は
[化合物I-P]、またはその塩である。
幾つかの実施形態では、イオン性脂質は
[化合物I-Q]、またはその塩である。
本明細書の式のいずれかによる脂質、例えば、式(I I)、(I IA)、(I IB)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIf)、(IIg)、(IIh)、(IIj)、(IIk)、(III)、(VI)、(VI-a)、(VII)、(VIII)、(VIIa)、(VIIIa)、(VIIIb)、(VIIb-1)、(VIIb-2)、(VIIb-3)、(VIIb-4)、(VIIb-5)、(VIIc)、(VIId)、(VIIIc)、(VIIId)、(XI)、(XI-a)、または(XI-b)(明確にするためにこれらの各々前にIという文字が付く)のいずれかを有する化合物の中心のアミン部分は、生理学的pHでプロトン化され得る。よって、脂質は、生理学的pHで正のまたは部分的に正の電荷を有し得る。そのような脂質は、カチオン性またはイオン性(アミノ)脂質と呼ぶことができる。脂質は、双性イオン、すなわち、正電荷も負電荷も有する中性分子でもあり得る。
幾つかの実施形態では、本発明のイオン性アミノ脂質、例えば、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIf)、(IIg)、(IIh)、(IIj)、(IIk)、(III)、(VI)、(VI-a)、(VII)、(VIII)、(VIIa)、(VIIIa)、(VIIIb)、(VIIb-1)、(VIIb-2)、(VIIb-3)、(VIIb-4)、(VIIb-5)、(VIIc)、(VIId)、(VIIIc)、(VIIId)、(XI)、(XI-a)、または(XI-b)(明確にするためにこれらの各々の前にIという文字が付く)のいずれかを有する化合物の量は、脂質組成物中で約1mol%~99mol%の範囲である。
一実施形態では、本発明のイオン性アミノ脂質、例えば、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIf)、(IIg)、(IIh)、(IIj)、(IIk)、(III)、(VI)、(VI-a)、(VII)、(VIII)、(VIIa)、(VIIIa)、(VIIIb)、(VIIb-1)、(VIIb-2)、(VIIb-3)、(VIIb-4)、(VIIb-5)、(VIIc)、(VIId)、(VIIIc)、(VIIId)、(XI)、(XI-a)、または(XI-b)(明確にするためにこれらの各々の前にIという文字が付く)のいずれかを有する化合物の量は、脂質組成物中で少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99mol%である。
一実施形態では、本発明のイオン性アミノ脂質、例えば、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIf)、(IIg)、(IIh)、(IIj)、(IIk)、(III)、(VI)、(VI-a)、(VII)、(VIII)、(VIIa)、(VIIIa)、(VIIIb)、(VIIb-1)、(VIIb-2)、(VIIb-3)、(VIIb-4)、(VIIb-5)、(VIIc)、(VIId)、(VIIIc)、(VIIId)、(XI)、(XI-a)、または(XI-b)(明確にするためにこれらの各々の前にIという文字が付く)のいずれかを有する化合物の量は、脂質組成物中で約30mol%~約70mol%、約35mol%~約65mol%、約40モル%~約60mol%、及び約45mol%~約55mol%の範囲である。
一実施形態では、本発明のイオン性アミノ脂質、例えば、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIf)、(IIg)、(IIh)、(IIj)、(IIk)、(III)、(VI)、(VI-a)、(VII)、(VIII)、(VIIa)、(VIIIa)、(VIIIb)、(VIIb-1)、(VIIb-2)、(VIIb-3)、(I VIIb-4)、(I VIIb-5)、(VIIc)、(VIId)、(VIIIc)、(VIIId)、(XI)、(XI-a)、または(XI-b)(明確にするためにこれらの各々の前にIという文字が付く)のいずれかを有する化合物の量は、脂質化合物中で約45mol%である。
一実施形態では、本発明のイオン性アミノ脂質、例えば、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIf)、(IIg)、(IIh)、(IIj)、(IIk)、(III)、(VI)、(VI-a)、(VII)、(VIII)、(VIIa)、(VIIIa)、(VIIIb)、(VIIb-1)、(VIIb-2)、(VIIb-3)、(VIIb-4)、(VIIb-5)、(VIIc)、(VIId)、(VIIIc)、(VIIId)、(XI)、(XI-a)、または(XI-b)(明確にするためにこれらの各々の前にIという文字が付く)のいずれかを有する化合物の量は、脂質化合物中で約40mol%である。
一実施形態では、本発明のイオン性アミノ脂質、例えば、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIf)、(IIg)、(IIh)、(IIj)、(IIk)、(III)、(VI)、(VI-a)、(VII)、(VIII)、(VIIa)、(VIIIa)、(VIIIb)、(VIIb-1)、(VIIb-2)、(VIIb-3)、(VIIb-4)、(VIIb-5)、(VIIc)、(VIId)、(VIIIc)、(VIIId)、(XI)、(XI-a)、または(XI-b)(明確にするためにこれらの各々の前にIという文字が付く)のいずれかを有する化合物の量は、脂質化合物中で約50mol%である。
本明細書に開示するイオン性アミノ脂質、例えば、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIf)、(IIg)、(IIh)、(IIj)、(IIk)、(III)、(VI)、(VI-a)、(VII)、(VIII)、(VIIa)、(VIIIa)、(VIIIb)、(VIIb-1)、(VIIb-2)、(VIIb-3)、(VIIb-4)、(VIIb-5)、(VIIc)、(VIId)、(VIIIc)、(VIIId)、(XI)、(XI-a)、または(XI-b)(明確にするためにこれらの各々の前にIという文字が付く)のいずれかを有する化合物に加えて、本明細書に開示する脂質ベースの組成物(例えば、脂質ナノ粒子)は、コレステロール及び/またはコレステロール類似体、非カチオン性ヘルパー脂質、構造脂質、PEG脂質、ならびにそれらの任意の組み合わせなどの追加成分を含むことができる。
本発明の追加のイオン性脂質は、3-(ジドデシルアミノ)-N1,N1,4-トリドデシル-1-ピペラジンエタンアミン(KL10)、N1-[2-(ジドデシルアミノ)エチル]-N1,N4,N4-トリドデシル-1,4-ピペラジンジエタンアミン(KL22)、14,25-ジトリデシル-15,18,21,24-テトラアザ-オクタトリアコンタン(KL25)、1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLin-DMA)、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノメチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-K-DMA)、へプタトリアコンタ-6,9,28,31-テトラエン-19-イル4-(ジメチルアミノ)ブタノエート(DLin-MC3-DMA)、2,2-ジリノレイル-4-(2-ジメチルアミノエチル)-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、1,2-ジオレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DODMA)、(13Z,165Z)-N,N-ジメチル-3-ノニドコサ-13-16-ジエン-1-アミン(L608)、2-({8-[(3β)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]オクチル}オキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-1-アミン(Octyl-CLinDMA)、(2R)-2-({8-[(3β)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]オクチル}オキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-1-アミン(Octyl-CLinDMA(2R))、及び(2S)-2-({8-[(3β)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]オクチル}オキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-1-アミン(Octyl-CLinDMA(2S))からなる非限定的な群から選択することができる。これらに加えて、イオン性アミノ脂質は、環状アミン基を含む脂質でもあり得る。
本発明のイオン性アミノ脂質は、国際公開第WO2017/075531A1号に開示される化合物でもあり得、該文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、イオン性アミノ脂質には以下が含まれるが、これらに限定されない:
及びそれらの任意の組み合わせ。
本発明のイオン性アミノ脂質は、国際公開第WO2017/199952A1号に開示される化合物でもあり得、該文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、イオン性アミノ脂質には以下が含まれるが、これらに限定されない:
及びそれらの任意の組み合わせ。
前述の態様または関連する態様のいずれかでは、本開示のLNPのイオン性脂質は、例えば、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIf)、(IIg)、(IIh)、(IIj)、(IIk)、(III)、(VI)、(VI-a)、(VII)、(VIII)、(VIIa)、(VIIIa)、(VIIIb)、(VIIb-1)、(VIIb-2)、(VIIb-3)、(VIIb-4)、(VIIb-5)、(VIIc)、(VIId)、(VIIIc)、(VIIId)、(XI)、(XI-a)、または(XI-b)(明確にするためにこれらの各々の前にIという文字が付く)のいずれかを有する任意の化合物に含まれる。
前述の態様または関連する態様のいずれかでは、本開示のLNPのイオン性脂質には、化合物番号I 1-356のいずれかを含む化合物が含まれる。
前述の態様または関連する態様のいずれかでは、本開示のLNPのイオン性脂質は、化合物番号I 18(化合物Xとも呼ばれる)、I 48、I 49、I 50、I 182、I 184、I 292、I 301、I 309、I 317、I 321、I 326、I 347、I 348、I 349、I 350、及びI 352からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む。別の実施形態では、本開示のLNPのイオン性脂質は、化合物番号I 18(化合物Xとも呼ばれる)、I 49、I 182、I 184、I 301、及びI 321からなる群から選択される化合物を含む。別の実施形態では、本開示のLNPのイオン性脂質は、化合物番号I 49及びI 301からなる群から選択される化合物を含む。
前述の態様または関連する態様のいずれかでは、本発明の化合物、例えば、化合物番号1~356のいずれかを含む化合物の合成は、2018年9月19日に出願された米国仮特許出願第62/733,315号の合成の説明に従う。幾つかの実施形態では、式(I I)、(I IA)、(I IB)、(I II)、(I IIa)、(I IIb)、(I IIc)、(I IId)、(I IIe)、(I IIf)、(I IIg)、(I IIh)、(I IIj)、(I IIk)、(I III)、(I VI)、(I VI-a)、(I VII)、(I VIIa)、(I VIIb-1)、(I VIIb-2)、(I VIIb-3)、(I VIIb-4)、(I VIIb-5)、(I VIIc)、(I VIId)、(I VIII)、(I VIIIa)、(I VIIIb)、(I VIIIc)、(I VIIId)、(I XI)、(I XI-a)、または(I XI-b)(例えば、化合物I-49または化合物I-301)のいずれかの化合物の合成は、PCT/US2018/022717の181、190、及び191ページに記載されている一般的な手順に従って調製されてもよく、該文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
代表的な合成経路:
化合物I-182:ヘプタデカン-9-イル8-((3-((2-(メチルアミノ)-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ)プロピル)(8-(ノニルオキシ)-8-オキソオクチル)アミノ)オクタノエート3-メトキシ-4-(メチルアミノ)シクロブタ-3-エン-1,2-ジオン
3,4-ジメトキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン(1g、7mmol)を含む100mLのジエチルエーテル溶液に、THF中2Mメチルアミン溶液(3.8mL、7.6mmol)を添加すると、ほぼ瞬時に沈殿物が形成された。混合物を室温で24時間撹拌し、次いでろ過し、フィルターの固体をジエチルエーテルで洗浄し、風乾した。フィルターの固体を温EtOAcに溶解し、ろ過し、ろ液を室温まで放冷し、次いで0oCまで冷却して沈殿物を得た。これをろ過によって単離し、冷EtOAcで洗浄し、風乾し、次いで真空下で乾燥させて、3-メトキシ-4-(メチルアミノ)シクロブタ-3-エン-1,2-ジオン(0.70g、5mmol、73%)を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ: ppm 8.50 (br. d, 1H, J = 69 Hz);4.27 (s, 3H);3.02 (sdd, 3H, J = 42 Hz, 4.5 Hz)。
ヘプタデカン-9-イル8-((3-((2-(メチルアミノ)-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ)プロピル)(8-(ノニルオキシ)-8-オキソオクチル)アミノ)オクタノエート
ヘプタデカン-9-イル8-((3-アミノプロピル)(8-(ノニルオキシ)-8-オキソオクチル)アミノ)オクタノエート(200mg、0.28mmol)を含む10mLのエタノール溶液に、3-メトキシ-4-(メチルアミノ)シクロブタ-3-エン-1,2-ジオン(39mg、0.28mmol)を添加し、得られた無色溶液を室温で20時間撹拌した。その後LC/MSによると出発アミンは残留していなかった。溶液を真空で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0-100%(ジクロロメタン中1%NH4OH、20%MeOHの混合物))によって精製して、ヘプタデカン-9-イル8-((3-((2-(メチルアミノ)-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ)プロピル)(8-(ノニルオキシ)-8-オキソオクチル)アミノ)オクタノエート(138mg、0.17mmol、60%)を粘着性の白色固体として得た。UPLC/ELSD: RT=3分。MS (ES): C51H95N3O6に対するm/z (MH+) 833.4。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ: ppm 7.86 (br. s., 1H);4.86 (五重線, 1H, J = 6 Hz);4.05 (t, 2H, J = 6 Hz);3.92 (d, 2H, J = 3 Hz);3.20 (s, 6H);2.63 (br. s, 2H);2.42 (br. s, 3H);2.28 (m, 4H);1.74 (br. s, 2H);1.61 (m, 8H);1.50 (m, 5H);1.41 (m, 3H);1.25 (br. m, 47H);0.88 (t, 9H, J = 7.5 Hz)。
化合物I-301:へプタデカン-9-イル8-((3-((2-(メチルアミノ)-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ)プロピル)(8-オキソ-8-(ウンデカン-3-イルオキシ)オクチル)アミノ)オクタノエート
ヘプタデカン-9-イル8-((3-アミノプロピル)(8-オキソ-8-(ウンデカン-3-イルオキシ)オクチル)アミノ)オクタノエート(500mg、0.66mmol)をヘプタデカン-9-イル8-((3-アミノプロピル)(8-(ノニルオキシ)-8-オキソオクチル)アミノ)オクタノエートの代わりに使用したことを除いて、化合物I-301を化合物182と同様に調製した。水性後処理後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0-50%(ジクロロメタン中1%NH4OH、20%MeOHの混合物))によって精製して、ヘプタデカン-9-イル8-((3-((2-(メチルアミノ)-3,4-ジオキソシクロブト-1-エン-1-イル)アミノ)プロピル)(8-オキソ-8-(ウンデカン-3-イルオキシ)オクチル)アミノ)オクタノエート(180mg、32%)をワックス状の白色固体として得た。HPLC/UV (254 nm): RT = 6.77分。MS (CI): C52H97N3O6に対してm/z (MH+) 860.7。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ ppm 4.86-4.79 (m, 2H);3.66 (bs, 2H);3.25 (d, 3H, J = 4.9 Hz);2.56-2.52 (m, 2H);2.42-2.37 (m, 4H);2.28 (dd, 4H, J = 2.7 Hz, 7.4 Hz);1.78-1.68 (m, 3H);1.64-1.50 (m, 16H);1.48-1.38 (m, 6H);1.32-1.18 (m, 43H);0.88-0.84 (m, 12H)。
化合物I-49:ヘプタデカン-9-イル8-((2-ヒドロキシエチル)(8-オキソ-8-(ウンデカン-3-イルオキシ)オクチル)アミノ)オクタノエート
化合物I-49は、PCT/US2018/022717の181、190、及び191ページに記載されている一般的な手順に従って調製されてもよく、該文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。UPLC/ELSD: RT = 3.68分。MS (ES): C46H91NO5に対してm/z (MH+) 739.21。1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ ppm 4.89 (m, 2H);3.56 (br. m, 2H);2.68-2.39 (br. m, 5H);2.30 (m, 4H);1.71-1.19 (m, 66H);0.90 (m, 12H)。
(ii)コレステロール/構造脂質
本明細書に記載の標的細胞送達LNPは、1つ以上の構造脂質を含む。
本明細書で使用される場合、「構造脂質」という用語は、ステロールを指し、そしてステロール部分を含有する脂質も指す。脂質ナノ粒子に構造脂質を組み込むと、粒子内の他の脂質の凝集の軽減を支援することができる。構造脂質として、コレステロール、フェコステロール、エルゴステロール、ブラシカステロール、トマチジン、トマチン、ウルソール酸、アルファ-トコフェロール、及びそれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、構造脂質は、コレステロールである。ある特定の実施形態では、構造脂質には、コレステロール及びコルチコステロイド(例えば、プレドニゾロン、デキサメタゾン、プレドニゾン、及びヒドロコルチゾンなど)、またはそれらの組み合わせが含まれる。
幾つかの実施形態では、構造脂質は、ステロールである。本明細書で定義される場合、「ステロール」は、ステロイドアルコールからなるステロイドのサブグループである。ある特定の実施形態では、構造脂質は、ステロイドである。ある特定の実施形態では、構造脂質は、コレステロールである。ある特定の実施形態では、構造脂質は、コレステロールの類似体である。ある特定の実施形態では、構造脂質は、アルファ-トコフェロールである。構造脂質の例として、これらに限定するものではないが、以下が挙げられる:
本明細書に記載の標的細胞送達LNPは、1つ以上の構造脂質を含む。
本明細書で使用される場合、「構造脂質」という用語は、ステロールを指し、そしてステロール部分を含有する脂質も指す。脂質ナノ粒子に構造脂質を組み込むと、粒子内の他の脂質の凝集の軽減を支援することができる。ある特定の実施形態では、構造脂質は、コレステロール及びコルチコステロイド(例えば、プレドニゾロン、デキサメタゾン、プレドニゾン、及びヒドロコルチゾンなど)、またはそれらの組み合わせを含む。
幾つかの実施形態では、構造脂質は、ステロールである。本明細書で定義される場合、「ステロール」は、ステロイドアルコールからなるステロイドのサブグループである。構造脂質として、ステロール(例えば、フィトステロールまたはズーステロール)を挙げることができるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、構造脂質は、ステロイドである。例えば、ステロールとして、コレステロール、β-シトステロール、フェコステロール、エルゴステロール、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、エルゴステロール、トマチジン、トマチン、ウルソール酸、アルファ-トコフェロール、または本明細書の表1-16中の化合物S1~148のいずれか1つを挙げることができるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、構造脂質は、コレステロールである。ある特定の実施形態では、構造脂質は、コレステロールの類似体である。
ある特定の実施形態では、構造脂質は、アルファ-トコフェロールである。
ある態様では、本発明の構造脂質は、式SI:
の構造を有する化合物またはその医薬的に許容される塩を特徴とし、式中、
R1aは、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、任意選択で置換されたC2-C6アルケニル、または任意選択で置換されたC2-C6アルキニルであり、
Xは、OまたはSであり、
R1bは、H、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、または
であり、
Rb1、Rb2及びRb3の各々は、独立して、任意選択で置換されたC1-C6アルキルまたは任意選択で置換されたC6-C10アリールであり、
R2は、HまたはORAであり、ここで、RAは、Hまたは任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R3は、Hまたは
であり、
各
は、独立して、単結合または二重結合を表し、
Wは、CR4aまたはCR4aR4bであり、ここで、Wと隣接する炭素との間に二重結合が存在するならば、WはCR4aであり、Wと隣接する炭素との間に単結合が存在するならば、WはCR4aR4bであり、
R4a及びR4bの各々は、独立して、H、ハロ、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R5a及びR5bの各々は、独立して、HもしくはORAであるか、またはR5a及びR5bは、各々が結合している原子と一緒になって、合わせて
を形成し、
L1aは、存在しないか、
であるか、または
であり、
L1bは、存在しないか、
であるか、または
であり、
mは、1、2、または3であり、
L1cは、存在しないか、
であるか、または
であり、
R6は、任意選択で置換されたC3-C10シクロアルキル、任意選択で置換されたC3-C10シクロアルケニル、任意選択で置換されたC6-C10アリール、任意選択で置換されたC2-C9ヘテロシクリル、または任意選択で置換されたC2-C9ヘテロアリールである。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SIa:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SIb:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SIc:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SId:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、L1aは、存在しない。幾つかの実施形態では、L1aは、
である。幾つかの実施形態では、L1aは、
である。
幾つかの実施形態では、L1bは、存在しない。幾つかの実施形態では、L1bは、
である。幾つかの実施形態では、L1bは、
である。
幾つかの実施形態では、mは、1または2である。幾つかの実施形態では、mは1である。幾つかの実施形態では、mは2である。
幾つかの実施形態では、L1cは、存在しない。幾つかの実施形態では、L1cは、
である。幾つかの実施形態では、L1cは、
である。
幾つかの実施形態では、R6は、任意選択で置換されたC6-C10アリールである。
幾つかの実施形態では、R6は、
であり、ここで、
n1は、0、1、2、3、4、または5であり、
各々のR7は、独立して、ハロ、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルである。
幾つかの実施形態では、各々のR7は、独立して、
である。
幾つかの実施形態では、n1は、0、1、または2である。幾つかの実施形態では、nは、0である。幾つかの実施形態では、n1は、1である。幾つかの実施形態では、n1は、2である。
幾つかの実施形態では、R6は、任意選択で置換されたC3-C10シクロアルキルである。
幾つかの実施形態では、R6は、任意選択で置換されたC3-C10モノシクロアルキルである。
幾つかの実施形態では、R6は、
であり、ここで、
n2は、0、1、2、3、4、または5であり、
n3は、0、1、2、3、4、5、6、または7であり、
n4は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、または9であり、
n5は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11であり、
n6は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13であり、
各々のR8は、独立して、ハロ、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルである。
幾つかの実施形態では、各々のR8は、独立して、
である。
幾つかの実施形態では、R6は、任意選択で置換されたC3-C10ポリシクロアルキルである。
幾つかの実施形態では、R6は、
である。
幾つかの実施形態では、R6は、任意選択で置換されたC3-C10シクロアルケニルである。
幾つかの実施形態では、R6は、
であり、ここで、
n7は、0、1、2、3、4、5、6、または7であり、
n8は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、または9であり、
n9は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11であり、
各々のR9は、独立して、ハロ、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルである。
幾つかの実施形態では、R6は、
である。
幾つかの実施形態では、各々のR9は、独立して、
である。
幾つかの実施形態では、R6は、任意選択で置換されたC2-C9ヘテロシクリルである。
幾つかの実施形態では、R6は、
であり、ここで、
n10は、0、1、2、3、4、または5であり、
n11は、0、1、2、3、4、または5であり、
n12は、0、1、2、3、4、5、6、または7であり、
n13は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、または9であり、
各々のR10は、独立して、ハロ、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
Y1及びY2の各々は、独立して、O、S、NRB、またはCR11aR11bであり、
ここで、RBは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R11a及びR11bの各々は、独立して、H、ハロ、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
Y2がCR11aR11bであるならば、Y1は、O、S、またはNRBである。
幾つかの実施形態では、Y1は、Oである。
幾つかの実施形態では、Y2は、Oである。幾つかの実施形態では、Y2は、CR11aR11bである。
幾つかの実施形態では、各々のR10は、独立して、
幾つかの実施形態では、R6は、任意選択で置換されたC2-C9ヘテロアリールである。
幾つかの実施形態では、R6は、
であり、ここで、
Y3は、NRC、O、またはSであり、
n14は、0、1、2、3、または4であり、
RCは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
各々のR12は、独立して、ハロ、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルである。
幾つかの実施形態では、R6は、
である。幾つかの実施形態では、R6は、
である。
ある態様では、本発明の構造脂質は、式SII:
の構造を有する化合物またはその医薬的に許容される塩を特徴とし、式中、
R1aは、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、任意選択で置換されたC2-C6アルケニル、または任意選択で置換されたC2-C6アルキニルであり、
Xは、OまたはSであり、
R1bは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R2は、HまたはORAであり、ここで、RAは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R3は、Hまたは
であり、
は、単結合または二重結合を表し、
Wは、CR4aまたはCR4aR4bであり、ここで、Wと隣接する炭素との間に二重結合が存在するならば、WはCR4aであり、Wと隣接する炭素との間に単結合が存在するならば、WはCR4aR4bであり、
R4a及びR4bの各々は、独立して、H、ハロ、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R5a及びR5bの各々は、独立して、HもしくはORAであるか、またはR5a及びR5bは、各々が結合している原子と一緒になって、合わせて
を形成し、
L1は、任意選択で置換されたC1-C6アルキレンであり、
R13a、R13b、及びR13cの各々は、独立して、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、または任意選択で置換されたC6-C10アリールである。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SIIa:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SIIb:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、L1は、
である。
幾つかの実施形態では、R13a、R13b、及びR13cの各々は、独立して、
である。
ある態様では、本発明の構造脂質は、式SIII:
の構造を有する化合物またはその医薬的に許容される塩を特徴とし、式中、
R1aは、H、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、任意選択で置換されたC2-C6アルケニル、または任意選択で置換されたC2-C6アルキニルであり、
Xは、OまたはSであり、
R1bは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R2は、HまたはORAであり、ここで、RAは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R3は、H、または
であり、
各
は、独立して、単結合または二重結合を表し、
Wは、CR4aまたはCR4aR4bであり、ここで、Wと隣接する炭素との間に二重結合が存在するならば、WはCR4aであり、Wと隣接する炭素との間に単結合が存在するならば、WはCR4aR4bであり、
R4a及びR4bの各々は、独立して、H、ハロ、ヒドロキシル、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、-OS(O)2R4cであり、ここで、R4cは、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、または任意選択で置換されたC6-C10アリールであり、
R5a及びR5bの各々は、独立して、HもしくはORAであるか、またはR5a及びR5bは、各々が結合している原子と一緒になって、合わせて
を形成し、
R14は、H、またはC1-C6アルキルであり、
R15は、
であり、ここで、
R16は、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R17bは、H、OR17c、任意選択で置換されたC6-C10アリール、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R17cは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
o1は、0、1、2、3、4、5、6、7、または8であり、
p1は、0、1、または2であり、
p2は、0、1、または2であり、
Zは、CH2O、S、またはNRDであり、ここで、RDは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
各々のR18は、独立して、ハロ、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルである。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SIIIa:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SIIIb:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、R14は、H、
である。
幾つかの実施形態では、R14は、
である。
幾つかの実施形態では、R15は、
である。幾つかの実施形態では、R15は、
である。
幾つかの実施形態では、R16は、Hである。幾つかの実施形態では、R16は、
である。
幾つかの実施形態では、R17aは、Hである。幾つかの実施形態では、R17aは、任意選択で置換されたC1-C6アルキルである。
幾つかの実施形態では、R17bは、Hである。幾つかの実施形態では、R17bは、任意選択で置換されたC1-C6アルキルである。幾つかの実施形態では、R17bは、OR17cである。
幾つかの実施形態では、R17cは、H、
または
である。幾つかの実施形態では、R17cは、Hである。幾つかの実施形態では、R17cは、
である。
幾つかの実施形態では、R15は、
である。
幾つかの実施形態では、各々のR18は、独立して、
である。
幾つかの実施形態では、Zは、CH2である。幾つかの実施形態では、Zは、Oである。幾つかの実施形態では、Zは、NRDである。
幾つかの実施形態では、o1は、0、1、2、3、4、5、または6である。
幾つかの実施形態では、o1は、0である。幾つかの実施形態では、o1は、1である。幾つかの実施形態では、o1は、2である。幾つかの実施形態では、o1は、3である。幾つかの実施形態では、o1は、4である。幾つかの実施形態では、o1は、5である。幾つかの実施形態では、o1は、6である。
幾つかの実施形態では、p1は、0または1である。幾つかの実施形態では、p1は、0である。幾つかの実施形態では、p1は、1である。
幾つかの実施形態では、p2は、0または1である。幾つかの実施形態では、p2は、0である。幾つかの実施形態では、p2は、1である。
ある態様では、本発明の構造脂質は、式SIV:
の構造を有する化合物またはその医薬的に許容される塩を特徴とし、式中、
R1aは、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、任意選択で置換されたC2-C6アルケニル、または任意選択で置換されたC2-C6アルキニルであり、
Xは、OまたはSであり、
R1bは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R2は、HまたはORAであり、ここで、RAは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R3は、Hまたは
であり、
は、単結合または二重結合を表し、
Wは、CR4aまたはCR4aR4bであり、ここで、Wと隣接する炭素との間に二重結合が存在するならば、WはCR4aであり、Wと隣接する炭素との間に単結合が存在するならば、WはCR4aR4bであり、
R4a及びR4bの各々は、独立して、H、ハロ、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R5a及びR5bの各々は、独立して、HもしくはORAであるか、またはR5a及びR5bは、各々が結合している原子と一緒になって、合わせて
を形成し、
sは、0または1であり、
R19は、HまたはC1-C6アルキルであり、
R20は、C1-C6アルキルであり、
R21は、HまたはC1-C6アルキルである。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SIVa:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SIVb:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、R19は、H、
である。
幾つかの実施形態では、R19は、
である。
幾つかの実施形態では、R20は、
である。
幾つかの実施形態では、R21は、H、
である。
ある態様では、本発明の構造脂質は、式SV:
の構造を有する化合物またはその医薬的に許容される塩を特徴とし、式中、
R1aは、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、任意選択で置換されたC2-C6アルケニル、または任意選択で置換されたC2-C6アルキニルであり、
Xは、OまたはSであり、
R1bは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R2は、HまたはORAであり、ここで、RAは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R3は、Hまたは
であり、
は、単結合または二重結合を表し、
Wは、CR4aまたはCR4aR4bであり、ここで、Wと隣接する炭素との間に二重結合が存在するならば、WはCR4aであり、Wと隣接する炭素との間に単結合が存在するならば、WはCR4aR4bであり、
R4a及びR4bの各々は、独立して、H、ハロ、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R5a及びR5bの各々は、独立して、HもしくはORAであるか、またはR5a及びR5bは、各々が結合している原子と一緒になって、合わせて
を形成し、
R22は、H、またはC1-C6アルキルであり、
R23は、ハロ、ヒドロキシル、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、または任意選択で置換されたC1-C6ヘテロアルキルである。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SVa:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SVb:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、R22は、H、
である。
幾つかの実施形態では、R22は、
である。
幾つかの実施形態では、R23は、
である。
ある態様では、本発明の構造脂質は、式SVI:
の構造を有する化合物またはその医薬的に許容される塩を特徴とし、式中、
R1aは、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、任意選択で置換されたC2-C6アルケニル、または任意選択で置換されたC2-C6アルキニルであり、
Xは、OまたはSであり、
R1bは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R2は、HまたはORAであり、ここで、RAは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R3は、Hまたは
であり、
は、単結合または二重結合を表し、
Wは、CR4aまたはCR4aR4bであり、ここで、Wと隣接する炭素との間に二重結合が存在するならば、WはCR4aであり、Wと隣接する炭素との間に単結合が存在するならば、WはCR4aR4bであり、
R4a及びR4bの各々は、独立して、H、ハロ、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R5a及びR5bの各々は、独立して、HもしくはORAであるか、またはR5a及びR5bは、各々が結合している原子と一緒になって、合わせて
を形成し、
R24は、H、またはC1-C6アルキルであり、
R25a及びR25bの各々は、C1-C6アルキルである。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SVIa:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SVIb:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、R24は、H、
である。
幾つかの実施形態では、R24は、
である。
幾つかの実施形態では、R25a 及びR25bの各々は、独立して、
である。
ある態様では、本発明の構造脂質は、式SVII:
の構造を有する化合物またはその医薬的に許容される塩を特徴とし、式中、
R1aは、H、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、任意選択で置換されたC2-C6アルケニル、任意選択で置換されたC2-C6アルキニル、または
であり、ここで、R1c、R1d、及びR1eの各々は、独立して、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、または任意選択で置換されたC6-C10アリールであり、
Xは、OまたはSであり、
R1bは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R2は、HまたはORAであり、ここで、RAは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R3は、Hまたは
であり、
は、単結合または二重結合を表し、
Wは、CR4aまたはCR4aR4bであり、ここで、Wと隣接する炭素との間に二重結合が存在するならば、WはCR4aであり、Wと隣接する炭素との間に単結合が存在するならば、WはCR4aR4bであり、
R4a及びR4bの各々は、独立して、H、ハロ、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R5a及びR5bの各々は、独立して、HもしくはORAであるか、またはR5a及びR5bは、各々が結合している原子と一緒になって、合わせて
を形成し、
qは、0または1であり、
R26a及びR26bの各々は、独立して、Hもしくは任意選択で置換されたC1-C6アルキルであるか、またはR26a及びR26bは、各々が結合している原子と一緒になって、合わせて
を形成し、ここで、R26c及びR26の各々は、独立して、Hまたは任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R27a及びR27bの各々は、H、ヒドロキシル、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルである。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SVIIa:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SVIIb:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、R26a及びR26bは、独立して、H、
である。
幾つかの実施形態では、R26a及びR26bは、各々が結合している原子と一緒になって、合わせて
を形成する。
幾つかの実施形態では、R26a及びR26bは、各々が結合している原子と一緒になって、合わせて
を形成する。幾つかの実施形態では、R26a及びR26bは、各々が結合している原子と一緒になって、合わせて
を形成する。
幾つかの実施形態では、R26c及びR26は、独立して、H、
である。
幾つかの実施形態では、R27a及びR27bの各々は、H、ヒドロキシル、または任意選択で置換されたC1-C3アルキルである。
幾つかの実施形態では、R27a及びR27bの各々は、独立して、H、ヒドロキシル、
である。
ある態様では、本発明の構造脂質は、式SVIII:
の構造を有する化合物またはその医薬的に許容される塩を特徴とし、式中、
R1aは、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、任意選択で置換されたC2-C6アルケニル、または任意選択で置換されたC2-C6アルキニルであり、
Xは、OまたはSであり、
R1bは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R2は、HまたはORAであり、ここで、RAは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R3は、Hまたは
であり、
は、単結合または二重結合を表し、
Wは、CR4aまたはCR4aR4bであり、ここで、Wと隣接する炭素との間に二重結合が存在するならば、WはCR4aであり、Wと隣接する炭素との間に単結合が存在するならば、WはCR4aR4bであり、
R4a及びR4bの各々は、独立して、H、ハロ、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R5a及びR5bの各々は、独立して、HもしくはORAであるか、またはR5a及びR5bは、各々が結合している原子と一緒になって、合わせて
を形成し、
R28は、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
rは、1、2、または3であり、
各々のR29は、独立して、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R30a、R30b、及びR30cの各々は、C1-C6アルキルである。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SVIIIa:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SVIIIb:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、R28は、H、
である。
幾つかの実施形態では、R28は、
である。
幾つかの実施形態では、R30a、R30b、及びR30cの各々は、独立して、
である。
幾つかの実施形態では、rは、1である。幾つかの実施形態では、rは、2である。幾つかの実施形態では、rは、3である。
幾つかの実施形態では、各々のR29は、独立して、H、
である。
幾つかの実施形態では、各々のR29は、独立して、Hまたは
である。
ある態様では、本発明の構造脂質は、式SIX:
の構造を有する化合物またはその医薬的に許容される塩を特徴とし、式中、
R1aは、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、任意選択で置換されたC2-C6アルケニル、または任意選択で置換されたC2-C6アルキニルであり、
Xは、OまたはSであり、
R1bは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R2は、HまたはORAであり、ここで、RAは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R3は、Hまたは
であり、
は、単結合または二重結合を表し、
Wは、CR4aまたはCR4aR4bであり、ここで、Wと隣接する炭素との間に二重結合が存在するならば、WはCR4aであり、Wと隣接する炭素との間に単結合が存在するならば、WはCR4aR4bであり、
R4a及びR4bの各々は、独立して、H、ハロ、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R5a及びR5bの各々は、独立して、HもしくはORAであるか、またはR5a及びR5bは、各々が結合している原子と一緒になって、合わせて
を形成し、
R31は、H、またはC1-C6アルキルであり、
R32a及びR32bの各々は、C1-C6アルキルである。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SIXa:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SIXb:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、R31は、H、
である。
幾つかの実施形態では、R31は、
である。
幾つかの実施形態では、R32a及びR32bの各々は、独立して、
である。
ある態様では、本発明の構造脂質は、式SX:
の構造を有する化合物またはその医薬的に許容される塩を特徴とし、式中、
R1aは、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、任意選択で置換されたC2-C6アルケニル、または任意選択で置換されたC2-C6アルキニルであり、
Xは、OまたはSであり、
R2は、HまたはORAであり、ここで、RAは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R3は、Hまたは
であり、
は、単結合または二重結合を表し、
Wは、CR4aまたはCR4aR4bであり、ここで、Wと隣接する炭素との間に二重結合が存在するならば、WはCR4aであり、Wと隣接する炭素との間に単結合が存在するならば、WはCR4aR4bであり、
R4a及びR4bの各々は、独立して、H、ハロ、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R5a及びR5bの各々は、独立して、HもしくはORAであるか、またはR5a及びR5bは、各々が結合している原子と一緒になって、合わせて
を形成し、
R33aは、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、または
であり、ここで、R35は、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、または任意選択で置換されたC6-C10アリールであり、
R33bは、H、もしくは任意選択で置換されたC1-C6アルキルであるか、または
R35及びR33bは、各々が結合している原子と一緒になって、任意選択で置換されたC3-C9ヘテロシクリルを形成し、
R34は、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、または任意選択で置換されたC1-C6ヘテロアルキルである。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SXa:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SXb:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、R33aは、
である。
幾つかの実施形態では、R35は、
である。
幾つかの実施形態では、R35は、
であり、ここで、
tは、0、1、2、3、4、または5であり、
R36は、独立して、ハロ、ヒドロキシル、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、または任意選択で置換されたC1-C6ヘテロアルキルである。
幾つかの実施形態では、R34は、
であり、ここで、uは、0、1、2、3、または4である。
幾つかの実施形態では、uは、3または4である。
ある態様では、本発明の構造脂質は、式SXI:
の構造を有する化合物またはその医薬的に許容される塩を特徴とし、式中、
R1aは、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、任意選択で置換されたC2-C6アルケニル、または任意選択で置換されたC2-C6アルキニルであり、
Xは、OまたはSであり、
R2は、HまたはORAであり、ここで、RAは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R3は、Hまたは
であり、
は、単結合または二重結合を表し、
Wは、CR4aまたはCR4aR4bであり、ここで、Wと隣接する炭素との間に二重結合が存在するならば、WはCR4aであり、Wと隣接する炭素との間に単結合が存在するならば、WはCR4aR4bであり、
R4a及びR4bの各々は、独立して、H、ハロ、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R5a及びR5bの各々は、独立して、HもしくはORAであるか、またはR5a及びR5bは、各々が結合している原子と一緒になって、合わせて
を形成し、
R37a及びR37bの各々は、独立して、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、任意選択で置換されたC1-C6ヘテロアルキル、ハロ、またはヒドロキシルである。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SXIa:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SXIb:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、R37aは、ヒドロキシルである。
幾つかの実施形態では、R37bは、
である。
ある態様では、本発明の構造脂質は、式SXII:
の構造を有する化合物またはその医薬的に許容される塩を特徴とし、式中、
R1aは、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、任意選択で置換されたC2-C6アルケニル、または任意選択で置換されたC2-C6アルキニルであり、
Xは、OまたはSであり、
R2は、HまたはORAであり、ここで、RAは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R3は、Hまたは
であり、
は、単結合または二重結合を表し、
Wは、CR4aまたはCR4aR4bであり、ここで、Wと隣接する炭素との間に二重結合が存在するならば、WはCR4aであり、Wと隣接する炭素との間に単結合が存在するならば、WはCR4aR4bであり、
R4a及びR4bの各々は、独立して、H、ハロ、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R5a及びR5bの各々は、独立して、HもしくはORAであるか、またはR5a及びR5bは、各々が結合している原子と一緒になって、合わせて
を形成し、
Qは、O、S、またはNREであり、ここで、REは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルであり、
R38は、任意選択で置換されたC1-C6アルキルである。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SXIIa:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、化合物は、式SXIIb:
の構造を有するか、またはその医薬的に許容される塩である。
幾つかの実施形態では、Qは、NREである。
幾つかの実施形態では、REは、H、または
である。
幾つかの実施形態では、REは、Hである。幾つかの実施形態では、REは、
である。
幾つかの実施形態では、R38は、
であり、ここで、uは、0、1、2、3、または4である。
幾つかの実施形態では、Xは、Oである。
幾つかの実施形態では、R1aは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルである。
幾つかの実施形態では、R1aは、Hである。
幾つかの実施形態では、R1bは、H、または任意選択で置換されたC1-C6アルキルである。
幾つかの実施形態では、R1bは、Hである。
幾つかの実施形態では、R2は、Hである。
幾つかの実施形態では、R4aは、Hである。
幾つかの実施形態では、R4bは、Hである。
幾つかの実施形態では、
は、二重結合を表す。
幾つかの実施形態では、R3は、Hである。幾つかの実施形態では、R3は、
である。
幾つかの実施形態では、R5aは、Hである。
幾つかの実施形態では、R5bは、Hである。
一態様では、本発明は、表1中の化合物S-1~42、S-150、S-154、S-162~165、S-169~172及びS-184のいずれか1つの構造を有する化合物、または任意のその医薬的に許容される塩を特徴とする。本明細書で使用される場合、「CMPD」は「化合物」を指す。
一態様では、本発明は、表2中の化合物S-43~50及びS-175~178のいずれか1つの構造を有する化合物、または任意のその医薬的に許容される塩を特徴とする。
一態様では、本発明は、表3中の化合物S-51~67、S-149、及びS-153のいずれか1つの構造を有する化合物、または任意のその医薬的に許容される塩を特徴とする。
一態様では、本発明は、表4中の化合物S-68~73のいずれか1つの構造を有する化合物、または任意のその医薬的に許容される塩を特徴とする。
一態様では、本発明は、表5中の化合物S-74~78のいずれか1つの構造を有する化合物、または任意のその医薬的に許容される塩を特徴とする。
一態様では、本発明は、表6中の化合物S-79またはS-80のいずれか1つの構造を有する化合物、または任意のその医薬的に許容される塩を特徴とする。
一態様では、本発明は、表7中の化合物S-81~87、S-152、及びS-157のいずれか1つの構造を有する化合物、または任意のその医薬的に許容される塩を特徴とする。
一態様では、本発明は、表8中の化合物S-88~97のいずれか1つの構造を有する化合物、または任意のその医薬的に許容される塩を特徴とする。
一態様では、本発明は、表9中の化合物S-98~105及びS-180~182のいずれか1つの構造を有する化合物、または任意のその医薬的に許容される塩を特徴とする。
一態様では、本発明は、表10中の化合物S-106の構造を有する化合物、または任意のその医薬的に許容される塩を特徴とする。
一態様では、本発明は、表11中の化合物S-107またはS-108の構造を有する化合物、または任意のその医薬的に許容される塩を特徴とする。
一態様では、本発明は、表12中の化合物S-109の構造を有する化合物、または任意のその医薬的に許容される塩を特徴とする。
一態様では、本発明は、表13中の化合物S-110~130、S-155、S-156、S-158、S-160、S-161、S-166~168、S-173、S-174、及びS-179のいずれか1つの構造を有する化合物、または任意のその医薬的に許容される塩を特徴とする。
一態様では、本発明は、表14中の化合物S-131~133のいずれか1つの構造を有する化合物、または任意のその医薬的に許容される塩を特徴とする。
一態様では、本発明は、表15中の化合物S-134~148、S-151、及びS-159のいずれか1つの構造を有する化合物、または任意のその医薬的に許容される塩を特徴とする。
本発明の脂質ナノ粒子の1つ以上の構造脂質は、構造脂質の組成物(例えば、2つ以上の構造脂質の混合物、3つ以上の構造脂質の混合物、4つ以上の構造脂質の混合物、または5つ以上の構造脂質の混合物)であり得る。構造脂質の組成物として、ステロール(例えば、コレステロール、β-シトステロール、フェコステロール、エルゴステロール、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、エルゴステロール、トマチジン、トマチン、ウルソール酸、アルファ-トコフェロール、または表15中の化合物134~148、151、及び159のいずれか1つ)の任意の組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。例えば、本発明の脂質ナノ粒子の1つ以上の構造脂質は、表16中の組成物183であり得る。
組成物S-183は、化合物S-141、S-140、S-143、及びS-148の混合物である。幾つかの実施形態では、組成物S-183は、約35%~約45%の化合物S-141、約20%~約30%の化合物S-140、約20%~約30%の化合物S-143、及び約5%~約15%の化合物S-148を含む。幾つかの実施形態では、組成物S-183は、約40%の化合物S-141、約25%の化合物S-140、約25%の化合物S-143、及び約10%の化合物S-148を含む。
幾つかの実施形態では、構造脂質は、フィトステロールである。幾つかの実施形態では、フィトステロールは、単独のまたは組み合わせた、シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、シトスタノール、カンペスタノール、ブラシカステロール、フコステロール、ベータ-シトステロール、スチグマスタノール、ベータ-シトスタノール、エルゴステロール、ルペオール、シクロアルテノール、Δ5-アベナステロール(avenaserol)、Δ7-アベナステロール(avenaserol)、またはΔ7-スチグマステロール(それらの類似体、塩、またはエステルを含む)である。幾つかの実施形態では、本開示のLNPのフィトステロール成分は、単一のフィトステロールである。幾つかの実施形態では、本開示のLNPのフィトステロール成分は、異なるフィトステロール(例えば、2、3、4、5、または6つの異なるフィトステロール)の混合物である。幾つかの実施形態では、本開示のLNPのフィトステロール成分は、1つ以上のフィトステロールと、1つ以上のズーステロールとのブレンド、例えば、フィトステロール(例えば、ベータ-シトステロールなどのシトステロール)とコレステロールとのブレンドである。
化合物の比率
本発明の脂質ナノ粒子は、本明細書に記載される通りの構造成分を含むことができる。脂質ナノ粒子の構造成分は、化合物S-1~148のいずれか1つ、本発明の1つ以上の構造化合物の混合物、及び/または化合物S-1~148のいずれか1つをコレステロール及び/またはフィトステロールと組み合わせたものであり得る。
例えば、脂質ナノ粒子の構造成分は、本発明の1つ以上の構造化合物(例えば、化合物S-1~148のいずれか)のコレステロールとの混合物であり得る。脂質ナノ粒子に存在する構造化合物のmol%は、コレステロールに対して0~99mol%であり得る。脂質ナノ粒子に存在する構造化合物のmol%は、コレステロールに対して約10mol%、20mol%、30mol%、40mol%、50mol%、60mol%、70mol%、80mol%、または90mol%であり得る。
一態様では、本発明は、2つ以上のステロールを含む組成物を特徴とし、2つ以上のステロールは、β-シトステロール、シトスタノール、カンペステロール(camesterol)、スチグマステロール、及びブラシカステロールの少なくとも2つを含む。組成物は、コレステロールを追加的に含んでもよい。一実施形態では、β-シトステロールは、組成物中に非コレステロールであるステロールを約35~99%、例えば、約40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上より多く含む。
別の態様では、本発明は、2つ以上のステロールを含む組成物を特徴とし、2つ以上のステロールは、β-シトステロール及びカンペステロールを含み、β-シトステロールは、組成物中のステロールの95~99.9%を含み、カンペステロールは、組成物中のステロールの0.1~5%を含む。
幾つかの実施形態では、組成物は、シトスタノールをさらに含む。幾つかの実施形態では、β-シトステロールは組成物中のステロールの95~99.9%を含み、カンペステロールは0.05~4.95%を含み、シトスタノールは0.05~4.95%を含む。
別の態様では、本発明は、2つ以上のステロールを含む組成物を特徴とし、2つ以上のステロールは、β-シトステロール及びシトスタノールを含み、β-シトステロールは、組成物中のステロールの95~99.9%を含み、シトスタノールは、組成物中のステロールの0.1~5%を含む。
幾つかの実施形態では、組成物は、カンペステロールをさらに含む。幾つかの実施形態では、β-シトステロールは組成物中のステロールの95~99.9%を含み、カンペステロールは0.05~4.95%を含み、シトスタノールは0.05~4.95%を含む。
幾つかの実施形態では、組成物は、カンペステロールをさらに含む。幾つかの実施形態では、β-シトステロールは組成物中のステロールの75~80%を含み、カンペステロールは5~10%を含み、シトスタノールは10~15%を含む。
幾つかの実施形態では、組成物は、追加のステロールをさらに含む。幾つかの実施形態では、β-シトステロールは組成物中のステロールの35~45%を含み、スチグマステロールは20~30%を含み、カンペスタノールは20~30%を含み、ブラシカステロールは1~5%を含む。
別の態様では、本発明は、複数の脂質ナノ粒子を含む組成物を特徴とし、複数の脂質ナノ粒子は、イオン性脂質及び2つ以上のステロールを含み、ここで、2つ以上のステロールは、β-シトステロール及びカンペステロールを含み、β-シトステロールは、組成物中のステロールの95~99.9%を含み、カンペステロールは、組成物中のステロールの0.1~5%を含む。
幾つかの実施形態では、2つ以上のステロールは、シトスタノールをさらに含む。幾つかの実施形態では、β-シトステロールは組成物中のステロールの95~99.9%を含み、カンペステロールは0.05~4.95%を含み、シトスタノールは0.05~4.95%を含む。
別の態様では、本発明は、複数の脂質ナノ粒子を含む組成物を特徴とし、複数の脂質ナノ粒子は、イオン性脂質及び2つ以上のステロールを含み、2つ以上のステロールは、β-シトステロール及びシトスタノールを含み、β-シトステロールは、組成物中のステロールの95~99.9%を含み、シトスタノールは、組成物中のステロールの0.1~5%を含む。
幾つかの実施形態では、2つ以上のステロールは、カンペステロールをさらに含む。幾つかの実施形態では、β-シトステロールは組成物中のステロールの95~99.9%を含み、カンペステロールは0.05~4.95%を含み、シトスタノールは0.05~4.95%を含む。
(iii)非カチオン性ヘルパー脂質/リン脂質
幾つかの実施形態では、本明細書に記載の脂質ベースの組成物(例えば、LNP)は、1つ以上の非カチオン性ヘルパー脂質を含む。ある特定の実施形態では、非カチオン性ヘルパー脂質は、リン脂質である。幾つかの実施形態では、非カチオン性ヘルパー脂質は、リン脂質の代用物または代替物である。
本明細書で使用される場合、「非カチオン性ヘルパー脂質」という用語は、少なくとも8炭素長の少なくとも1つの脂肪酸鎖と少なくとも1つの極性頭部基部分とを含む脂質を指す。一実施形態では、ヘルパー脂質はホスファチジルコリン(PC)ではない。一実施形態では、非カチオン性ヘルパー脂質は、リン脂質またはリン脂質代用物である。幾つかの実施形態では、リン脂質またはリン脂質代用物は、例えば、1つ以上の飽和もしくは(ポリ)不飽和リン脂質、またはリン脂質代用物、あるいはそれらの組み合わせであり得る。一般に、リン脂質は、リン脂質部分と1つ以上の脂肪酸部分とを含む。
リン脂質部分は、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、2-リゾホスファチジルコリン、及びスフィンゴミエリンからなる非限定的な群から選択され得る。
脂肪酸部分は、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アルファ-リノレン酸、エルカ酸、フィタン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、ドコサペンタエン酸、及びドコサヘキサエン酸からなる非限定的な群から選択され得る。
リン脂質として、グリセロリン脂質、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、及びホスファチジン酸が挙げられるが、これらに限定されない。リン脂質として、スフィンゴミエリンなどのスフィンゴリン脂質も挙げられる。
幾つかの実施形態では、非カチオン性ヘルパー脂質は、DSPC類似体、DSPC代用物、オレイン酸、またはオレイン酸類似体である。
幾つかの実施形態では、非カチオン性ヘルパー脂質は、非ホスファチジルコリン(PC)双性イオン脂質、DSPC類似体、オレイン酸、オレイン酸類似体、または1,2-ジステアロイル-i77-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)代用物である。
リン脂質
本明細書に開示の医薬組成物の脂質組成物は、1つ以上の非カチオン性ヘルパー脂質を含み得る。幾つかの実施形態では、非カチオン性ヘルパー脂質は、リン脂質、例えば、1つ以上の飽和もしくは(ポリ)不飽和リン脂質、またはリン脂質代用物、あるいはそれらの組み合わせである。一般に、リン脂質は、リン脂質部分と1つ以上の脂肪酸部分とを含む。本明細書で使用される場合、「リン脂質」とは、リン酸部分と、不飽和脂肪酸鎖などの1つ以上の炭素鎖とを含む脂質である。リン脂質は、1つ以上の多重(例えば、二重または三重)結合(例えば、1つ以上の不飽和)を含んでもよい。リン脂質またはその類似体もしくは誘導体は、コリンを含んでもよい。リン脂質またはその類似体もしくは誘導体は、コリンを含まなくてもよい。特定のリン脂質は、膜に融合しやすくすることができる。例えば、カチオン性リン脂質は、膜(例えば、細胞膜または細胞内膜)の1つ以上の負に帯電したリン脂質と相互作用し得る。リン脂質が膜に融合すると、脂質含有組成物の1つ以上の要素を膜通過させることができ、それによって、例えば、1つ以上の要素を細胞へ送達することが可能になる。
リン脂質部分は、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、2-リゾホスファチジルコリン、及びスフィンゴミエリンからなる非限定的な群から選択され得る。
脂肪酸部分は、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アルファ-リノレン酸、エルカ酸、フィタン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、ドコサペンタエン酸、及びドコサヘキサエン酸からなる非限定的な群から選択され得る。
特定のリン脂質は、膜に融合しやすくすることができる。例えば、カチオン性リン脂質は、膜(例えば、細胞膜または細胞内膜)の1つ以上の負に帯電したリン脂質と相互作用することができる。リン脂質が膜に融合すると、脂質含有組成物(例えば、LNP)の1つ以上の要素(例えば、治療剤)を膜通過させることができ、それによって、例えば、1つ以上の要素を標的組織へ送達することが可能になる。
本開示の脂質ナノ粒子の脂質成分は、1つ以上のリン脂質、例えば、1つ以上の(ポリ)不飽和脂質を含み得る。リン脂質は、1つ以上の脂質二重層内に集合し得る。一般に、リン脂質は、リン脂質部分と1つ以上の脂肪酸部分とを含み得る。例えば、リン脂質は、(H III):
による脂質であってもよく、式中、Rpはリン脂質部分を表し、R1及びR2は、同じでも異なっていてもよい不飽和を有するまたは有さない脂肪酸部分を表す。リン脂質部分は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、2-リゾホスファチジルコリン、及びスフィンゴミエリンからなる非限定的な群から選択され得る。脂肪酸部分は、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アルファ-リノレン酸、エルカ酸、フィタン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、ドコサペンタエン酸、及びドコサヘキサエン酸からなる非限定的な群から選択され得る。分岐、酸化、環化、及びアルキンを含めた修飾及び置換を有する天然種を含めた、非天然種も企図される。例えば、リン脂質は、1つ以上のアルキン(例えば、1つ以上の二重結合が三重結合で置き換えられているアルケニル基)で官能化または架橋され得る。適切な反応条件下で、アルキン基は、アジドへの曝露時に銅触媒による付加環化を起こすことができる。そのような反応は、LNPの脂質二重層を機能化して膜透過または細胞認識しやすくするのに、またはLNPを標的化もしくは画像化部分(例えば、色素)などの有用な成分にコンジュゲートさせるのに有用であり得る。各可能性は、本発明の別々の実施形態を表す。
本明細書に記載の組成物及び方法に有用なリン脂質は、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)、1,2-ジリノレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DLPC)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-ホスホコリン(DMPC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC)、1,2-ジウンデカノイル-sn-グリセロ-ホスホコリン(DUPC)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(POPC)、1,2-ジ-O-オクタデセニル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:0 Diether PC)、1-オレオイル-2-コレステリルヘミスクシノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(OChemsPC)、1-ヘキサデシル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(C16 Lyso PC)、1,2-ジリノレノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:3(cis)PC)、1,2-ジアラキドノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DAPC)、1,2-ジドコサヘキサエノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(22:6(cis)PC)、1,2-ジフィタノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(4ME 16.0 PE)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DSPE)、1,2-ジリノレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(PE(18:2/18:2)、1,2-ジリノレノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(PE 18:3(9Z,12Z,15Z)、1,2-ジアラキドノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DAPE 18:3(9Z,12Z,15Z)、1,2-ジドコサヘキサエノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(22:6(cis)PE)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-rac-(1-グリセロール)ナトリウム塩(DOPG)、及びスフィンゴミエリンからなる非限定的な群から選択され得る。各可能性は、本発明の別々の実施形態を表す。
幾つかの実施形態では、LNPは、DSPCを含む。ある特定の実施形態では、LNPは、DOPEを含む。幾つかの実施形態では、LNPは、DMPEを含む。幾つかの実施形態では、LNPは、DSPCとDOPEを両方とも含む。
一実施形態では、標的細胞送達LNPに使用するための非カチオン性ヘルパー脂質は、DSPC、DMPE、及びDOPC、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。
リン脂質として、グリセロリン脂質、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、及びホスファチジン酸が挙げられるが、これらに限定されない。リン脂質として、スフィンゴミエリンなどのスフィンゴリン脂質も挙げられる。
構造脂質の例として、限定するものではないが、以下が挙げられる:
ある特定の実施形態では、本発明に有用なまたは潜在的に有用なリン脂質は、DSPC(1,2-ジオクタデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)の類似体またはバリアントである。ある特定の実施形態では、本発明において有用なまたは潜在的に有用なリン脂質は、式(H IX)の化合物:
またはその塩であり、式中、
各R1は、独立して、任意選択で置換されたアルキルであるか、または任意選択で2つのR1が介在原子と一緒に結合して、任意選択で置換された単環式カルボシクリルもしくは任意選択で置換された単環式ヘテロシクリルを形成するか、または、任意選択で3つのR1が介在原子と一緒に結合して、任意選択で置換された二環式カルボシクリルもしくは任意選択で置換された二環式ヘテロシクリルを形成し、
nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、
Aは、式:
のものであり、
L2の各場合は、独立して、結合または任意選択で置換されたC1-6アルキレンであり、ここで、任意選択で置換されたC1-6アルキレンの1つのメチレン単位は、任意選択で、-O-、-N(RN)-、-S-、-C(O)-、-C(O)N(RN)-、-NRNC(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)O-、-OC(O)N(RN)-、-NRNC(O)O-、または-NRNC(O)N(RN)-で置き換えられており、
R2の各場合は、独立して、任意に置換されたC1-30アルキル、任意選択で置換されたC1-30アルケニル、または任意選択で置換されたC1-30アルキニルであり、ここで、任意選択で、R2の1つ以上のメチレン単位は、独立して、任意選択で置換されたカルボシクリレン、任意選択で置換されたヘテロシクリレン、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、-N(RN)-、-O-、-S-、-C(O)-、-C(O)N(RN)-、-NRNC(O)-、-NRNC(O)N(RN)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)O-、-OC(O)N(RN)-、-NRNC(O)O-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(=NRN)-、-C(=NRN)N(RN)-、-NRNC(=NRN)-、-NRNC(=NRN)N(RN)-、-C(S)-、-C(S)N(RN)-、-NRNC(S)-、-NRNC(S)N(RN)-、-S(O)-、-OS(O)-、-S(O)O-、-OS(O)O-、-OS(O)2-、-S(O)2O-、-OS(O)2O-、-N(RN)S(O)-、-S(O)N(RN)-、-N(RN)S(O)N(RN)-、-OS(O)N(RN)-、-N(RN)S(O)O-、-S(O)2-、-N(RN)S(O)2-、-S(O)2N(RN)-、-N(RN)S(O)2N(RN)-、-OS(O)2N(RN)-、または-N(RN)S(O)2O-で置き換えられており、
RNの各場合は、独立して、水素、任意選択で置換されたアルキル、または窒素保護基であり、
環Bは、任意選択で置換されたカルボシクリル、任意選択で置換されたヘテロシクリル、任意選択で置換されたアリール、または任意選択で置換されたヘテロアリールであり、
pは、1または2であり、
但し、該化合物は、以下の式:
のものではないことを条件とし、式中、R2の各場合は、独立して、非置換のアルキル、非置換のアルケニル、または非置換のアルキニルである。
i)リン脂質頭部の修飾
ある特定の実施形態では、本発明に有用なまたは潜在的に有用なリン脂質は、修飾されたリン脂質頭部(例えば、修飾されたコリン基)を含む。ある特定の実施形態では、修飾された頭部を有するリン脂質は、修飾された第四級アミンを有するDSPCまたはその類似体である。例えば、式(IX)の実施形態では、R1の少なくとも1つは、メチルではない。ある特定の実施形態では、R1の少なくとも1つは、水素またはメチルではない。ある特定の実施形態では、式(IX)の化合物は、以下の式:
の1つのものまたはその塩であり、式中、
各tは、独立して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、
各uは、独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、
各vは、独立して、1、2、または3である。
ある特定の実施形態では、式(H IX)の化合物は、以下の式:
の1つのものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(H IX)の化合物は、以下:
の1つまたはその塩である。
一実施形態では、標的細胞送達LNPは、非カチオン性ヘルパー脂質として化合物H-409を含む。
(ii)リン脂質尾部の修飾
ある特定の実施形態では、本発明に有用なまたは潜在的に有用なリン脂質は、修飾された尾部を含む。ある特定の実施形態では、本発明に有用なまたは潜在的に有用なリン脂質は、修飾された尾部を有するDSPC(1,2-ジオクタデカノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)またはその類似体である。本明細書に記載される場合、「修飾された尾部」は、より短いもしくはより長い脂肪族鎖、分岐が導入された脂肪族鎖、置換基が導入された脂肪族鎖、1つ以上のメチレンが環状もしくはヘテロ原子基によって置き換えられた脂肪族鎖、またはそれらの任意の組み合わせを有する尾部であり得る。例えば、ある特定の実施形態では、(H IX)の化合物は、式(H IX-a)のものまたはその塩であり、ここで、R2の各場合は、任意選択で置換されたC1-30アルキルであり、ここで、R2の1つ以上のメチレン単位は、独立して、任意選択で置換されたカルボシクリレン、任意選択で置換されたヘテロシクリレン、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、-N(RN)-、-O-、-S-、-C(O)-、-C(O)N(RN)-、-NRNC(O)-、-NRNC(O)N(RN)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)O-、-OC(O)N(RN)-、-NRNC(O)O-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(=NRN)-、-C(=NRN)N(RN)-、-NRNC(=NRN)-、-NRNC(=NRN)N(RN)-、-C(S)-、-C(S)N(RN)-、-NRNC(S)-、-NRNC(S)N(RN)-、-S(O)-、-OS(O)-、-S(O)O-、-OS(O)O-、-OS(O)2-、-S(O)2O-、-OS(O)2O-、-N(RN)S(O)-、-S(O)N(RN)-、-N(RN)S(O)N(RN)-、-OS(O)N(RN)-、-N(RN)S(O)O-、-S(O)2-、-N(RN)S(O)2-、-S(O)2N(RN)-、-N(RN)S(O)2N(RN)-、-OS(O)2N(RN)-、または-N(RN)S(O)2O-で置き換えられている。
ある特定の実施形態では、式(H IX)の化合物は、式(H IX-c):
のものまたはその塩であり、式中、
各xは、独立して、0~30の間(両端値を含む)の整数であり、
Gの各場合は、独立して、任意選択で置換されたカルボシクリレン、任意に置換されたヘテロシクリレン、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、-N(RN)-、-O-、-S-、-C(O)-、-C(O)N(RN)-、-NRNC(O)-、-NRNC(O)N(RN)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)O-、-OC(O)N(RN)-、-NRNC(O)O-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(=NRN)-、-C(=NRN)N(RN)-、-NRNC(=NRN)-、-NRNC(=NRN)N(RN)-、-C(S)-、-C(S)N(RN)-、-NRNC(S)-、-NRNC(S)N(RN)-、-S(O)-、-OS(O)-、-S(O)O-、-OS(O)O-、-OS(O)2-、-S(O)2O-、-OS(O)2O-、-N(RN)S(O)-、-S(O)N(RN)-、-N(RN)S(O)N(RN)-、-OS(O)N(RN)-、-N(RN)S(O)O-、-S(O)2-、-N(RN)S(O)2-、-S(O)2N(RN)-、-N(RN)S(O)2N(RN)-、-OS(O)2N(RN)-、または-N(RN)S(O)2O-からなる群から選択される。各可能性は、本発明の別々の実施形態を表す。
ある特定の実施形態では、式(H IX-c)の化合物は、式(H IX-c-1):
のものまたはその塩であり、式中、
vの各場合は、独立して、1、2、または3である。
ある特定の実施形態では、式(H IX-c)の化合物は、式(H IX-c-2):
のものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(IX-c)の化合物は、以下の式:
のものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(H IX-c)の化合物は、以下:
またはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(H IX-c)の化合物は、式(H IX-c-3):
のものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(H IX-c)の化合物は、以下の式:
のものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(H IX-c)の化合物は、以下:
またはその塩である。
ある特定の実施形態では、本発明に有用なまたは潜在的に有用なリン脂質は、修飾されたホスホコリン部分を含み、ここで、第四級アミンをホスホリル基に連結するアルキル鎖はエチレンではない(例えば、nは2ではない)。したがって、ある特定の実施形態において、本発明に有用なまたは潜在的に有用なリン脂質は、式(H IX)の化合物であり、ここで、nは、1、3、4、5、6、7、8、9、または10である。例えば、ある特定の実施形態では、式(H IX)の化合物は、以下の式:
の1つのものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(H IX)の化合物は、以下:
の1つのものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、本発明のリン脂質の代わりに代替脂質が使用される。そのような代替脂質の非限定的な例として、以下が挙げられる:
リン脂質尾部の修飾
ある特定の実施形態では、本発明に有用なリン脂質は、修飾された尾部を含む。ある特定の実施形態では、本発明に有用なリン脂質は、修飾された尾部を有するDSPCまたはその類似体である。本明細書に記載される場合、「修飾された尾部」は、より短いもしくはより長い脂肪族鎖、分岐が導入された脂肪族鎖、置換基が導入された脂肪族鎖、1つ以上のメチレンが環状もしくはヘテロ原子基によって置き換えられた脂肪族鎖、またはそれらの任意の組み合わせを有する尾部であり得る。例えば、ある特定の実施形態では、(H I)の化合物は、式(H I-a)のものまたはその塩であり、ここで、R2の各場合は、任意選択で置換されたC1-30アルキルであり、ここで、R2のメチレン単位の1つ以上は、独立して、任意選択で置換されたカルボシクリレン、任意選択で置換されたヘテロシクリレン、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、-N(RN)-、-O-、-S-、-C(O)-、-C(O)N(RN)-、-NRNC(O)-、-NRNC(O)N(RN)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)O-、-OC(O)N(RN)-、-NRNC(O)O-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(=NRN)-、-C(=NRN)N(RN)-、-NRNC(=NRN)-、-NRNC(=NRN)N(RN)-、-C(S)-、-C(S)N(RN)-、-NRNC(S)-、-NRNC(S)N(RN)-、-S(O)-、-OS(O)-、-S(O)O-、-OS(O)O-、-OS(O)2-、-S(O)2O-、-OS(O)2O-、-N(RN)S(O)-、-S(O)N(RN)-、-N(RN)S(O)N(RN)-、-OS(O)N(RN)-、-N(RN)S(O)O-、-S(O)2-、-N(RN)S(O)2-、-S(O)2N(RN)-、-N(RN)S(O)2N(RN)-、-OS(O)2N(RN)-、または-N(RN)S(O)2O-で置き換えられている。
ある特定の実施形態では、式(H I-a)の化合物は、式(H I-c):
のものまたはその塩であり、式中、
各xは、独立して、0~30の間(両端値を含む)の整数であり、
Gの各場合は、独立して、任意選択で置換されたカルボシクリレン、任意に置換されたヘテロシクリレン、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、-N(RN)-、-O-、-S-、-C(O)-、-C(O)N(RN)-、-NRNC(O)-、-NRNC(O)N(RN)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)O-、-OC(O)N(RN)-、-NRNC(O)O-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(=NRN)-、-C(=NRN)N(RN)-、-NRNC(=NRN)-、-NRNC(=NRN)N(RN)-、-C(S)-、-C(S)N(RN)-、-NRNC(S)-、-NRNC(S)N(RN)-、-S(O)-、-OS(O)-、-S(O)O-、-OS(O)O-、-OS(O)2-、-S(O)2O-、-OS(O)2O-、-N(RN)S(O)-、-S(O)N(RN)-、-N(RN)S(O)N(RN)-、-OS(O)N(RN)-、-N(RN)S(O)O-、-S(O)2-、-N(RN)S(O)2-、-S(O)2N(RN)-、-N(RN)S(O)2N(RN)-、-OS(O)2N(RN)-、または-N(RN)S(O)2O-からなる群から選択される。各可能性は、本発明の別々の実施形態を表す。
ある特定の実施形態では、式(H I-c)の化合物は、式(H I-c-1):
のものまたはその塩であり、式中、
vの各場合は、独立して、1、2、または3である。
ある特定の実施形態では、式(H I-c)の化合物は、式(H I-c-2):
のものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(I-c)の化合物は、以下の式:
のものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(H I-c)の化合物は、以下:
またはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(H I-c)の化合物は、式(H I-c-3):
のものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(H I-c)の化合物は、以下の式:
のものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(H I-c)の化合物は、以下:
またはその塩である。
ホスホコリンリンカーの修飾
ある特定の実施形態では、本発明に有用なリン脂質は、修飾されたホスホコリン部分を含み、第四級アミンをホスホリル基に連結するアルキル鎖はエチレンではない(例えば、nは2ではない)。したがって、ある特定の実施形態において、本発明に有用なリン脂質は、式(H I)の化合物であり、式中、nは、1、3、4、5、6、7、8、9、または10である。例えば、ある特定の実施形態では、式(H I)の化合物は、以下の式:
の1つのものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(H I)の化合物は、以下:
の1つのものまたはその塩である。
以降の実施例で実証するように、DSPC以外のリン脂質を有する多数のLNP製剤を調製し、活性について試験した。
リン脂質代用物または代替物
幾つかの実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、脂質ナノ粒子)は、リン脂質の代わりにオレイン酸またはオレイン酸類似体を含む。幾つかの実施形態では、オレイン酸類似体は、修飾されたオレイン酸尾部、修飾されたカルボン酸部分、またはこれらの両方を含む。幾つかの実施形態では、オレイン酸類似体は、オレイン酸のカルボン酸部分が異なる基によって置き換えられている化合物である。
幾つかの実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、脂質ナノ粒子)は、リン脂質の代わりに異なる双性イオン基を含む。
例示的なリン脂質代用物及び/または代替物は、公開PCT出願第WO2017/099823号に提供されており、該文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
例示的なリン脂質代用物及び/または代替物は、公開PCT出願第WO2017/099823号に提供されており、該文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
(iv)PEG脂質
PEG脂質の非限定的な例として、PEG修飾ホスファチジルエタノールアミン及びホスファチジン酸、PEG-セラミドコンジュゲート(例えば、PEG-CerC14またはPEG-CerC20)、PEG修飾ジアルキルアミン、ならびにPEG修飾1,2-ジアシルオキシプロパン-3-アミンが挙げられる。そのような脂質は、PEG化脂質とも呼ばれる。例えば、PEG脂質は、PEG-c-DOMG、PEG-DMG、PEG-DLPE、PEG-DMPE、PEG-DPPC、またはPEG-DSPE脂質であり得る。
幾つかの実施形態では、PEG脂質として、限定するものではないが、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロールメトキシポリエチレングリコール(PEG-DMG)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[アミノ(ポリエチレングリコール)](PEG-DSPE)、PEG-ジステリルグリセロール(PEG-DSG)、PEG-ジパルメトレイル、PEG-ジオレイル、PEG-ジステアリル、PEG-ジアシルグリカミド(PEG-DAG)、PEG-ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(PEG-DPPE)、またはPEG-1,2-ジミリスチルオキシルプロピル(dimyristyloxlpropyl)-3-アミン(PEG-c-DMA)が挙げられる。
一実施形態では、PEG脂質は、PEG修飾ホスファチジルエタノールアミン、PEG修飾ホスファチジン酸、PEG修飾セラミド、PEG修飾ジアルキルアミン、PEG修飾ジアシルグリセロール、PEG修飾ジアルキルグリセロール、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
幾つかの実施形態では、PEG脂質の脂質部分には、約C14~約C22、好ましくは約C14~約C16の長さを有するものが含まれる。幾つかの実施形態では、PEG部分、例えば、mPEG-NH2は、約1000、2000、5000、10,000、15,000、または20,000ダルトンのサイズを有する。一実施形態では、PEG脂質は、PEG2k-DMGである。
一実施形態では、本明細書に記載の脂質ナノ粒子は、非拡散性PEGであるPEG脂質を含むことができる。非拡散性PEGの非限定的な例として、PEG-DSG及びPEG-DSPEが挙げられる。
PEG脂質は、米国特許第8158601号及び国際公開第WO2015/130584A2号に記載されるものなど、当技術分野で公知であり、該文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
概して、本明細書に記載の様々な式の他の脂質成分(例えば、PEG脂質)の幾つかは、2016年12月10日に出願された「Compositions and Methods for Delivery of Therapeutic Agents」と題される国際特許出願第PCT/US2016/000129号に記載されるように合成されてもよく、該文献は、参照によりその全体が組み込まれる。
脂質ナノ粒子組成物の脂質成分は、PEGまたはPEG修飾脂質などのポリエチレングリコールを含む1つ以上の分子を含んでもよい。そのような種は、代替的にPEG化脂質と呼ばれることがある。PEG脂質とは、ポリエチレングリコールで修飾された脂質である。PEG脂質は、PEG修飾ホスファチジルエタノールアミン、PEG修飾ホスファチジン酸、PEG修飾セラミド、PEG修飾ジアルキルアミン、PEG修飾ジアシルグリセロール、PEG修飾ジアルキルグリセロール、及びそれらの混合物を含む非限定的な群から選択され得る。例えば、PEG脂質は、PEG-c-DOMG、PEG-DMG、PEG-DLPE、PEG-DMPE、PEG-DPPC、またはPEG-DSPE脂質であってもよい。
幾つかの実施形態では、PEG修飾脂質は、PEG DMGの修飾形態である。PEG-DMGは、以下の構造を有する:
一実施形態では、本発明で有用なPEG脂質は、国際公開第WO2012099755号に記載されるPEG化脂質であり得、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に記載のこれらの例示的なPEG脂質のいずれかは、PEG鎖上にヒドロキシル基を含むように修飾されてもよい。ある特定の実施形態では、PEG脂質は、PEG-OH脂質である。本明細書で一般的に定義されるように、「PEG-OH脂質」(本明細書では「ヒドロキシ-PEG化脂質」とも呼ばれる)は、脂質上に1つ以上のヒドロキシル(-OH)基を有するPEG化脂質である。ある特定の実施形態では、PEG-OH脂質は、PEG鎖上に1つ以上のヒドロキシル基を含む。ある特定の実施形態では、PEG-OHまたはヒドロキシ-PEG化脂質は、PEG鎖の末端に-OH基を含む。各可能性は、本発明の別々の実施形態を表す。
幾つかの実施形態では、PEG脂質は、式(PI)の化合物:
またはその塩もしくは異性体であり、式中、
rは、1~100の間の整数であり、
R5PEGは、C10-40アルキル、C10-40アルケニル、またはC10-40アルキニルであり、任意選択で、R5PEGの1つ以上のメチレン基は、独立して、C3-10カルボシクリレン、4~10員のヘテロシクリレン、C6-10アリーレン、4~10員のヘテロアリーレン、-N(RN)-、-O-、-S-、-C(O)-、-C(O)N(RN)-、-NRNC(O)-、-NRNC(O)N(RN)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)O-, -OC(O)N(RN)-、-NRNC(O)O-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(=NRN)-、-C(=NRN)N(RN)-、-NRNC(=NRN)-、-NRNC(=NRN)N(RN)-、-C(S)-、-C(S)N(RN)-、-NRNC(S)-、-NRNC(S)N(RN)-、-S(O)-、-OS(O)-、-S(O)O-、-OS(O)O-、-OS(O)2-、-S(O)2O-、-OS(O)2O-、-N(RN)S(O)-、-S(O)N(RN)-、-N(RN)S(O)N(RN)-、-OS(O)N(RN)-、-N(RN)S(O)O-、-S(O)2-、-N(RN)S(O)2-、-S(O)2N(RN)-、-N(RN)S(O)2N(RN)-、-OS(O)2N(RN)-、または-N(RN)S(O)2O-で置き換えられており、
RNの各場合は、独立して、水素、C1-6アルキル、または窒素保護基である。
例えば、R5PEGは、C17アルキルである。例えば、PEG脂質は、式(PI-a):
の化合物またはその塩もしくは異性体であり、式中、rは、1~100の間の整数である。
例えば、PEG脂質は、以下の式:
の化合物またはその塩もしくは異性体である。
PEG脂質は、式(PII):
の化合物またはその塩もしくは異性体であってもよく、式中、
sは、1~100の間の整数であり、
R”は、水素、C1-10アルキル、または酸素保護基であり、
R7PEGは、C10-40アルキル、C10-40アルケニル、またはC10-40アルキニルであり、任意選択で、R5PEGの1つ以上のメチレン基は、独立して、C3-10カルボシクリレン、4~10員のヘテロシクリレン、C6-10アリーレン、4~10員のヘテロアリーレン、-N(RN)-、-O-、-S-、-C(O)-、-C(O)N(RN)-、-NRNC(O)-、-NRNC(O)N(RN)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)O-, -OC(O)N(RN)-、-NRNC(O)O-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(=NRN)-、-C(=NRN)N(RN)-、-NRNC(=NRN)-、-NRNC(=NRN)N(RN)-、-C(S)-、-C(S)N(RN)-、-NRNC(S)-、-NRNC(S)N(RN)-、-S(O)-、-OS(O)-、-S(O)O-、-OS(O)O-、-OS(O)2-、-S(O)2O-、-OS(O)2O-、-N(RN)S(O)-、-S(O)N(RN)-、-N(RN)S(O)N(RN)-、-OS(O)N(RN)-、-N(RN)S(O)O-、-S(O)2-、-N(RN)S(O)2-、-S(O)2N(RN)-、-N(RN)S(O)2N(RN)-、-OS(O)2N(RN)-、または-N(RN)S(O)2O-で置き換えられており、
RNの各場合は、独立して、水素、C1-6アルキル、または窒素保護基である。
幾つかの実施形態では、R7PEGはC10-60アルキルであり、R7PEGのメチレン基の1つ以上は-C(O)-で置き換えられている。例えば、R7PEGはC31アルキルであり、R7PEGのメチレン基の2つは-C(O)-で置き換えられている。
幾つかの実施形態では、R”は、メチルである。
幾つかの実施形態では、PEG脂質は、式(PII-a):
の化合物またはその塩もしくは異性体であり、式中、sは、1~100の間の整数である。
例えば、PEG脂質は、以下の式:
の化合物またはその塩もしくは異性体である。
ある特定の実施形態では、本発明に有用なPEG脂質は、式(PIII)の化合物である。本明細書に提供するのは、式(PIII)の化合物:
またはそれらの塩であり、式中、
R3は、-OROであり、
ROは、水素、任意選択で置換されたアルキル、または酸素保護基であり、
rは、1~100の間(両端値を含む)の整数であり、
L1は、任意選択で置換されたC1-10アルキレンであり、ここで、任意選択で置換されたC1-10アルキレンの少なくとも1つのメチレンは、独立して、任意選択で置換されたカルボシクリレン、任意選択で置換されたヘテロシクリレン、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、O、N(RN)、S、C(O)、C(O)N(RN)、NRNC(O)、C(O)O、OC(O)、OC(O)O、OC(O)N(RN)、NRNC(O)O、またはNRNC(O)N(RN)で置き換えられており、
Dは、クリックケミストリーによって得られた部分、または生理的条件下で切断可能な部分であり、
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり、
Aは、式:
のものであり、
L2の各場合は、独立して、結合または任意選択で置換されたC1-6アルキレンであり、ここで、任意選択で置換されたC1-6アルキレンの1つのメチレン単位は、任意選択で、O、N(RN)、S、C(O)、C(O)N(RN)、NRNC(O)、C(O)O、OC(O)、OC(O)O、OC(O)N(RN)、NRNC(O)O、またはNRNC(O)N(RN)で置き換えられており、
R2の各場合は、独立して、任意選択で置換されたC1-30アルキル、任意選択で置換されたC1-30アルケニル、または任意選択で置換されたC1-30アルキニルであり、任意選択で、ここで、R2の1つ以上のメチレン単位は、独立して、任意選択で置換されたカルボシクリレン、任意選択で置換されたヘテロシクリレン、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、N(RN)、O、S、C(O)、C(O)N(RN)、NRNC(O)、NRNC(O)N(RN)、C(O)O、OC(O)、OC(O)O、OC(O)N(RN)、NRNC(O)O、C(O)S、SC(O)、C(=NRN)、C(=NRN)N(RN)、NRNC(=NRN)、NRNC(=NRN)N(RN)、C(S)、C(S)N(RN)、NRNC(S)、NRNC(S)N(RN)、S(O)、OS(O)、S(O)O、OS(O)O、OS(O)2、S(O)2O、OS(O)2O、N(RN)S(O)、S(O)N(RN)、N(RN)S(O)N(RN)、OS(O)N(RN)、N(RN)S(O)O、S(O)2、N(RN)S(O)2、S(O)2N(RN)、N(RN)S(O)2N(RN)、OS(O)2N(RN)、またはN(RN)S(O)2Oで置き換えられており、
RNの各場合は、独立して、水素、任意選択で置換されたアルキル、または窒素保護基であり、
環Bは、任意選択で置換されたカルボシクリル、任意選択で置換されたヘテロシクリル、任意選択で置換されたアリール、または任意選択で置換されたヘテロアリールであり、
pは、1または2である。
ある特定の実施形態では、式(PIII)の化合物は、PEG-OH脂質である(すなわち、R3は-OROであり、ROは水素である)。ある特定の実施形態では、式(PIII)の化合物は、式(PIII-OH):
のものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、Dは、クリックケミストリーによって得られる部分(例えば、トリアゾール)である。ある特定の実施形態では、式(PIII)の化合物は、式(PIII-a-1)もしくは(PIII-a-2):
のものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(PIII)の化合物は、以下の式:
の1つのものまたはその塩であり、式中、
sは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
ある特定の実施形態では、式(PIII)の化合物は、以下の式:
の1つのものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(PIII)の化合物は、以下の式:
の1つのものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(PIII)の化合物は、以下の式:
の1つのものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、Dは、生理的条件下で切断可能な部分(例えば、エステル、アミド、カーボネート、カルバメート、尿素)である。ある特定の実施形態では、式(PIII)の化合物は、式(PIII-b-1)もしくは(PIII-b-2):
のものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(PIII)の化合物は、式(PIII-b-1-OH)もしくは(PIII-b-2-OH):
のものまたはその塩を有する。
ある特定の実施形態では、式(PIII)の化合物は、以下の式:
の1つのものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(PIII)の化合物は、以下の式:
の1つのものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(PIII)の化合物は、以下の式:
の1つのものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、式(PIII)の化合物は、以下の式:
の1つのものまたはその塩である。
ある特定の実施形態では、本発明に有用なPEG脂質は、PEG化脂肪酸である。ある特定の実施形態では、本発明に有用なPEG脂質は、式(PIV)の化合物である。本明細書に提供するのは、式(PIV):
の化合物またはその塩であり、式中、
R3は、-OROであり、
ROは、水素、任意選択で置換されたアルキル、または酸素保護基であり、
rは、1~100の間(両端値を含む)の整数であり、
R5は、任意選択で置換されたC10-40アルキル、任意選択で置換されたC10-40アルケニル、または任意選択で置換されたC10-40アルキニルであり、任意選択で、R5の1つ以上のメチレン基は、任意選択で置換されたカルボシクリレン、任意選択で置換されたヘテロシクリレン、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、N(RN)、O、S、C(O)、C(O)N(RN)、NRNC(O)、NRNC(O)N(RN)、C(O)O、OC(O)、OC(O)O、OC(O)N(RN)、NRNC(O)O、C(O)S、SC(O)、C(=NRN)、C(=NRN)N(RN)、NRNC(=NRN)、NRNC(=NRN)N(RN)、C(S)、C(S)N(RN)、NRNC(S)、NRNC(S)N(RN)、S(O)、OS(O)、S(O)O、OS(O)O、OS(O)2、S(O)2O、OS(O)2O、N(RN)S(O)、S(O)N(RN)、N(RN)S(O)N(RN)、OS(O)N(RN)、N(RN)S(O)O、S(O)2、N(RN)S(O)2、S(O)2N(RN)、N(RN)S(O)2N(RN)、OS(O)2N(RN)、またはN(RN)S(O)2Oで置き換えられており、
RNの各場合は、独立して、水素、任意選択で置換されたアルキル、または窒素保護基である。
ある特定の実施形態では、式(PIV)の化合物は、式(PIV-OH):
のものまたはその塩である。幾つかの実施形態では、rは40~50である。幾つかの実施形態では、rは45である。
ある特定の実施形態では、式(PIV)の化合物は、以下の式:
の1つのものまたはその塩である。幾つかの実施形態では、rは40~50である。幾つかの実施形態では、rは45である。
さらに他の実施形態では、式(PIV)の化合物は、
またはその塩である。
一実施形態では、式(PIV)の化合物は、以下である:
一態様では、本明細書で提供されるのは、式(PV):
のPEG脂質またはその医薬的に許容される塩を含む脂質ナノ粒子(LNP)であり、式中、
L1は、結合、任意選択で置換されたC1-3アルキレン、任意選択で置換されたC1-3ヘテロアルキレン、任意選択で置換されたC2-3アルケニレン、任意選択で置換されたC2-3アルキニレンであり、
R1は、任意選択で置換されたC5-30アルキル、任意選択で置換されたC5-30アルケニル、または任意選択で置換されたC5-30アルキニルであり、
ROは、水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアシル、または酸素保護基であり、
rは、2~100の間(両端値を含む)の整数である。
ある特定の実施形態では、式(PV)のPEG脂質は、以下の式:
のものまたはその医薬的に許容される塩であり、式中、
Y1は、結合、-CR2-、-O-、-NRN-、または-S-であり、
Rの各場合は、独立して、水素、ハロゲン、または任意選択で置換されたアルキルであり、
RNは、水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアシル、または窒素保護基である。
ある特定の実施形態では、式(PV)のPEG脂質は、以下の式:
の1つのものまたはその医薬的に許容される塩であり、式中、
Rの各場合は、独立して、水素、ハロゲン、または任意選択で置換されたアルキルである。
ある特定の実施形態では、式(PV)のPEG脂質は、以下の式:
の1つのものまたはその医薬的に許容される塩であり、式中、
sは、5~25(両端値を含む)の整数である。
ある特定の実施形態では、式(PV)のPEG脂質は、以下の式:
の1つのものまたはその医薬的に許容される塩である。
ある特定の実施形態では、式(PV)のPEG脂質は、以下:
ならびにその医薬的に許容される塩からなる群から選択される。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、式(PVI):
のPEG脂質またはその医薬的に許容される塩を含む脂質ナノ粒子(LNP)であり、式中、
ROは、水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアシル、または酸素保護基であり、
rは、2~100(両端値を含む)の整数である。
mは、5~15(両端値を含む)の整数、または19~30(両端値を含む)の整数である。
ある特定の実施形態では、式(PVI)のPEG脂質は、以下の式:
の1つのものまたはその医薬的に許容される塩である。
ある特定の実施形態では、式(PVI)のPEG脂質は、以下の式:
の1つのものまたはその医薬的に許容される塩である。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、式(PVII):
のPEG脂質またはその医薬的に許容される塩を含む脂質ナノ粒子(LNP)であり、式中、
Y2は、-O-、-NRN-、または-S-であり、
R1の各場合は、独立して、任意選択で置換されたC5-30アルキル、任意選択で置換されたC5-30アルケニル、または任意選択で置換されたC5-30アルキニルであり、
ROは、水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアシル、または酸素保護基であり、
RNは、水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアシル、または窒素保護基であり、
rは、2~100の間(両端値を含む)の整数である。
ある特定の実施形態では、式(PVII)のPEG脂質は、以下の式:
の1つのものまたはその医薬的に許容される塩である。
ある特定の実施形態では、式(PVII)のPEG脂質は、以下の式:
の1つのものまたはその医薬的に許容される塩であり、式中、
sの各場合は、5~25(両端値を含む)の整数である。
ある特定の実施形態では、式(PVII)のPEG脂質は、以下の式:
の1つのものまたはその医薬的に許容される塩である。
ある特定の実施形態では、式(PVII)のPEG脂質は、以下:
ならびにその医薬的に許容される塩からなる群から選択される。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、式(PVIII):
のPEG脂質またはその医薬的に許容される塩を含む脂質ナノ粒子(LNP)であり、式中、
L1は、結合、任意選択で置換されたC1-3アルキレン、任意選択で置換されたC1-3ヘテロアルキレン、任意選択で置換されたC2-3アルケニレン、任意選択で置換されたC2-3アルキニレンであり、
R1の各場合は、独立して、任意選択で置換されたC5-30アルキル、任意選択で置換されたC3-30アルケニル、または任意選択で置換されたC5-30アルキニルであり、
ROは、水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアシル、または酸素保護基であり、
rは、2~100(両端値を含む)の整数であり、
但し、L1が-CH2CH2-または-CH2CH2CH2-であるとき、ROはメチルではないことを条件とする。
ある特定の実施形態では、L1が任意選択で置換されたC2またはC3アルキレンであるとき、ROは任意選択で置換されたアルキルではない。ある特定の実施形態では、L1が任意選択で置換されたC2またはC3アルキレンであるとき、ROは水素である。ある特定の実施形態では、L1が-CH2CH2-または-CH2CH2CH2-であるとき、ROは任意選択で置換されたアルキルではない。ある特定の実施形態では、L1が-CH2CH2-または-CH2CH2CH2-であるとき、ROは水素である。
ある特定の実施形態では、式(PVIII)のPEG脂質は、以下の式:
のものまたはその医薬的に許容される塩であり、式中、
Y1は、結合、-CR2-、-O-、-NRN-、または-S-であり、
Rの各場合は、独立して、水素、ハロゲン、または任意選択で置換されたアルキルであり、
RNは、水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアシル、または窒素保護基であり、
但し、Y1が結合または-CH2-であるとき、ROはメチルではないことを条件とする。
ある特定の実施形態では、L1が-CR2-であるとき、ROは任意選択で置換されたアルキルではない。ある特定の実施形態では、L1が-CR2-であるとき、ROは水素である。ある特定の実施形態では、L1が-CH2-であるとき、ROは任意選択で置換されたアルキルではない。ある特定の実施形態では、L1が-CH2-であるとき、ROは水素である。
ある特定の実施形態では、式(PVIII)のPEG脂質は、以下の式:
の1つのものまたはその医薬的に許容される塩であり、式中、
Rの各場合は、独立して、水素、ハロゲン、または任意選択で置換されたアルキルである。
ある特定の実施形態では、式(PVIII)のPEG脂質は、以下の式:
の1つのものまたはその医薬的に許容される塩であり、式中、
Rの各場合は、独立して、水素、ハロゲン、または任意選択で置換されたアルキルであり、
各sは、独立して、5~25(両端値を含む)の整数である。
ある特定の実施形態では、式(PVIII)のPEG脂質は、以下の式:
の1つのものまたはその医薬的に許容される塩である。
ある特定の実施形態では、式(PVIII)のPEG脂質は、以下:
及びその医薬的に許容される塩からなる群から選択される。
前述の態様または関連する態様のいずれかでは、本発明のPEG脂質は、rが40~50であることを特徴とする。
本明細書で提供されるLNPは、ある特定の実施形態では、PEG脂質を含む既存のLNP製剤と比較して、増大されたPEG放出を呈する。「PEG放出」とは、本明細書で使用される場合、PEG脂質からPEG基が切断されることを指す。多くの場合、PEG脂質からのPEG基の切断は、血清によって駆動されるエステラーゼ切断または加水分解によって起こる。本明細書で提供されるPEG脂質は、ある特定の実施形態では、PEG放出の速度を制御するように設計されている。ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるLNPは、ヒト血清中で約6時間後に5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または98%超のPEG放出を呈する。特定の実施形態では、本明細書で提供されるLNPは、ヒト血清中で約6時間後に50%超のPEG放出を呈する。ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるLNPは、ヒト血清中で約6時間後に60%超のPEG放出を呈する。ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるLNPは、ヒト血清中で約6時間後に70%超のPEG放出を示す。ある特定の実施形態では、LNPは、ヒト血清中で約6時間後に80%超のPEG放出を呈する。ある特定の実施形態では、LNPは、ヒト血清中で約6時間後に90%超のPEG放出を呈する。ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるLNPは、ヒト血清中で約6時間後に90%超のPEG放出を呈する。
他の実施形態では、本明細書で提供されるLNPは、ヒト血清中で約6時間後に5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または98%未満のPEG放出を呈する。ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるLNPは、ヒト血清中で約6時間後に60%未満のPEG放出を呈する。ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるLNPは、ヒト血清中で約6時間後に70%未満のPEG放出を呈する。ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるLNPは、ヒト血清中で約6時間後に80%未満のPEG放出を呈する。
本明細書で提供されるPEG脂質に加えて、LNPは、1つ以上の追加の脂質成分を含んでもよい。ある特定の実施形態では、PEG脂質は、他の脂質に対して0.15~15%のモル比でLNP中に存在する。ある特定の実施形態では、PEG脂質は、他の脂質に対して0.15~5%のモル比で存在する。ある特定の実施形態では、PEG脂質は、他の脂質に対して1~5%のモル比で存在する。ある特定の実施形態では、PEG脂質は、他の脂質に対して0.15~2%のモル比で存在する。ある特定の実施形態では、PEG脂質は、他の脂質に対して1~2%のモル比で存在する。ある特定の実施形態では、PEG脂質は、他の脂質に対しておよそ1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、または2%のモル比で存在する。ある特定の実施形態では、PEG脂質は、他の脂質に対しておよそ1.5%のモル比で存在する。
一実施形態では、本明細書に開示の医薬組成物の脂質組成物中のPEG脂質の量は、約0.1mol%~約5mol%、約0.5mol%~約5mol%、約1mol%~約5mol%、約1.5mol%~約5mol%、約2mol%~約5mol%、約0.1mol%~約4mol%、約0.5mol%~約4mol%、約1mol%~約4mol%、約1.5mol%~約4mol%、約2mol%~約4mol%、約0.1mol%~約3mol%、約0.5mol%~約3mol%、約1mol%~約3mol%、約1.5mol%~約3mol%、約2mol%~約3mol%、約0.1mol%~約2mol%、約0.5mol%~約2mol%、約1mol%~約2mol%、約1.5mol%~約2mol%、約0.1mol%~約1.5mol%、約0.5mol%~約1.5mol%、または約1mol%~約1.5mol%の範囲である。
一実施形態では、本明細書に開示の脂質組成物中のPEG脂質の量は、約2mol%である。一実施形態では、本明細書に開示の脂質組成物中のPEG脂質の量は、約1.5mol%である。
一実施形態では、本明細書に開示の脂質組成物中のPEG脂質の量は、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、または5mol%である。
合成例
化合物:HO-PEG2000-エステル-C18
パラジウム炭素(10wt.%、74mg、0.070mmol)を含有する窒素充填フラスコに、ベンジル-PEG2000-エステル-C18(822mg、0.35mmol)及びMeOH(20mL)を添加した。フラスコの排気及びH2での再充填を3回行い、室温及び1気圧のH2下で12時間撹拌した。この混合物をセライトでろ過し、DCMですすぎ、ろ液を真空で濃縮して、所望の生成物(692mg、88%)を得た。この方法論を使用すると、n=40~50となる。一実施形態では、得られた多分散混合物のnは、平均である45で表される。
例えば、rの値は、PEG脂質中のPEG部分の分子量に基づいて決定することができる。たとえば、分子量2,000(たとえば、PEG2000)のnの値は、およそ45に相当する。ポリマーは、異なるポリマー鎖長の分布として見出されることが多いため、所与の組成物について、nの値は当技術分野で許容される範囲内の値の分布を意味し得る。例えば、そのようなポリマー組成物の多分散性を理解する当業者であれば、45というnの値(例えば、構造式における)が、実際のPEG含有組成物、例えば、DMG PEG200ペグ脂質組成物において、40~50の間の値の分布を表し得ることを理解するであろう。
幾つかの態様では、本明細書に開示される医薬組成物の標的細胞送達脂質は、PEG脂質を含まない。
一実施形態では、本開示の標的細胞送達LNPは、PEG脂質を含む。一実施形態では、PEG脂質は、PEG DMGではない。幾つかの態様では、PEG脂質は、PEG修飾ホスファチジルエタノールアミン、PEG修飾ホスファチジン酸、PEG修飾セラミド、PEG修飾ジアルキルアミン、PEG修飾ジアシルグリセロール、PEG修飾ジアルキルグリセロール、及びそれらの混合物からなる群から選択される。幾つかの態様では、PEG脂質は、PEG-c-DOMG、PEG-DMG、PEG-DLPE、PEG-DMPE、PEG-DPPC、及びPEG-DSPE脂質からなる群から選択される。他の態様では、PEG脂質は、PEG-DMGである。
一実施形態では、本開示の標的細胞送達LNPは、約14、または分岐している場合、約10より長い鎖長を有するPEG脂質を含む。
一実施形態では、PEG脂質は、化合物番号P415、P416、P417、P 419、P 420、P 423、P 424、P 428、P L1、P L2、P L16、P L17、P L18、P L19、P L22、及びP L23のいずれかからなる群から選択される化合物である。一実施形態では、PEG脂質は、化合物番号P415、P417、P 420、P 423、P 424、P 428、P L1、P L2、P L16、P L17、P L18、P L19、P L22、及びP L23のいずれかからなる群から選択される化合物である。
一実施形態では、PEG脂質は、化合物428、PL16、PL17、PL 18、PL19、PL 1、及びPL 2からなる群から選択される。
標的細胞送達増強脂質
LNPに有効量の標的細胞送達増強脂質があると、標的細胞送達増強脂質を含まないLNPと比べて標的細胞(例えば、ヒトまたは霊長類の標的細胞、例えば、肝細胞または脾細胞)への薬剤の送達が強化され、それによって標的細胞送達LNPが作出される。標的細胞送達増強脂質は、LNPに存在すると、送達増強脂質を含まない参照LNPと比較したときに、LNPに存在する薬剤の標的細胞への送達を促進することを特徴とすることができる。
一実施形態では、LNPに少なくとも1つの標的細胞送達増強脂質が存在すると、少なくとも1つの標的細胞送達増強脂質を含まない参照LNPと比較したときに、標的細胞に会合するLNPの百分率が増大する。別の実施形態では、LNPに少なくとも1つの標的細胞送達増強脂質が存在すると、標的細胞送達増強脂質を含まない参照LNPと比較したときに、標的細胞への核酸分子剤の送達が増大する。一実施形態では、LNPに少なくとも1つの標的細胞送達増強脂質が存在すると、標的細胞送達増強脂質を含まない参照LNPと比較したときに、肝細胞への核酸分子剤の送達が増大する。特に、一実施形態では、LNPに少なくとも1つの標的細胞送達増強脂質が存在すると、標的細胞送達増強脂質を含まない参照LNPと比較したときに、肝実質細胞への核酸分子剤の送達が増大する。一実施形態では、LNPに少なくとも1つの標的細胞送達増強脂質が存在すると、標的細胞送達増強脂質を含まない参照LNPと比較したときに、クッパー細胞への核酸分子剤の送達が増大する。一実施形態では、LNPに少なくとも1つの標的細胞送達増強脂質が存在すると、標的細胞送達増強脂質を含まない参照LNPと比較したときに、肝類洞細胞への核酸分子剤の送達が増大する。一実施形態では、LNPに少なくとも1つの標的細胞送達増強脂質が存在すると、標的細胞送達増強脂質を含まない参照LNPと比較したときに、肝星細胞への核酸分子剤の送達が増大する。
一実施形態では、LNPに少なくとも1つの標的細胞送達増強脂質が存在すると、少なくとも1つの標的細胞送達増強脂質を含まない参照LNPと比較したときに、標的細胞内への優先的な取り込みが増大する。一実施形態では、LNPに少なくとも1つの標的細胞送達増強脂質が存在すると、少なくとも1つの標的細胞送達増強脂質を含まない参照LNPと比較したときに、標的細胞によって取り込まれる(例えば、標的細胞によってオプソニン化される)LNPの百分率が増大する。
一実施形態では、核酸分子がmRNAであるとき、少なくとも1つの標的細胞送達増強脂質が存在すると、標的細胞送達増強脂質を含まない参照LNPと比較したときに、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、または肝類洞細胞)または脾実質細胞))において該mRNAによってコードされるタンパク質分子が少なくとも約2倍多く発現する。
一実施形態では、標的細胞送達増強脂質は、イオン性脂質である。前述の態様または関連する態様のいずれかでは、本開示のLNPのイオン性脂質(Iで示される)は、任意の、例えば、式(I I)、(I IA)、(I IB)、(I II)、(I IIa)、(I IIb)、(I IIc)、(I IId)、(I IIe)、(I IIf)、(I IIg)、(I IIh)、(I IIj)、(I IIk)、(I III)、(I VI)、(I VI-a)、(I VII)、(I VIII)、(I VIIa)、(I VIIIa)、(I VIIIb)、(I VIIb-1)、(I VIIb-2)、(I VIIb-3)、(I VIIb-4)、(I VIIb-5)、(I VIIc)、(I VIId)、(I VIIIc)、(I VIIId)、(I XI)、(I XI-a)、もしくは(I XI-b)、(I IX)、(I IXa1)、(I IXa2)、(I IXa3)、(I IXa4)、(I IXa5)、(I IXa6)、(I IXa7)、もしくは(I IXa8)のいずれかを有する化合物、及び/または化合物X、Y、I 48、I 49、I 50、I 109、I 111、I 113、I 181、I 182、I 244、I 292、I 301、I 321、I 322、I 326、I 328、I 330、I 331、I 332、もしくはI Mのいずれかに含まれる化合物を含む。
一実施形態では、標的細胞送達増強脂質は、イオン性脂質である。前述の態様または関連する態様のいずれかでは、本開示のLNPのイオン性脂質は、化合物Y、化合物I-321、化合物I-292、化合物I-326、化合物I-182、化合物I-301、化合物I-48、化合物I-49、化合物I-50、化合物I-328、化合物I-330、化合物I-109、化合物I-111、または化合物I-181として本明細書に記載の化合物を含む。
前述の態様または関連する態様のいずれかでは、本開示のLNPのイオン性脂質は、I 25(化合物Yとも呼ばれる)、I 48、I 49、I 50、I 109、I 111、I 113、I 181、I 182、I 244、I 292、I 301、I 309、I 317、I 321、I 322、I 326、I 328、I 330、I 331、I 332、I 347、I 348、I 349、I 350、I 351、及びI 352からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む。別の実施形態では、本開示のLNPのイオン性脂質は、I 25(化合物Yとも呼ばれる)、I 48、I 49、I 50、I 109、I 111、I 181、I 182、I 292、I 301、I 321、I 326、I 328、及びI 330からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む。別の実施形態では、本開示のLNPのイオン性脂質は、化合物番号 I 49、I 182、I 301、I 321、及びI 326からなる群から選択される化合物を含む。
標的細胞送達増強脂質がイオン性脂質を含む実施形態では、該イオン性脂質は、LNPに存在する唯一のイオン性脂質であってもよく、または少なくとも1つの追加のイオン性脂質とのブレンドとして存在してもよいことが理解されよう。すなわち、イオン性脂質のブレンド(例えば、複数の標的細胞送達強化効果を有するもの、または1つの標的細胞送達強化効果を有するもの及び少なくとも1つの標的細胞送達強化効果を有さないもの)を用いてもよい。
一実施形態では、標的細胞送達増強脂質は、ステロールを含む。別の実施形態では、標的細胞送達増強脂質は、天然に存在するステロールを含む。別の実施形態では、標的細胞送達増強脂質は、修飾されたステロールを含む。一実施形態では、標的細胞送達増強脂質は、1つ以上のフィトステロールを含む。一実施形態では、標的細胞送達増強脂質は、フィトステロール/コレステロールのブレンドを含む。
一実施形態では、標的細胞送達増強脂質は、有効量のフィトステロールを含む。
「フィトステロール」という用語は、フィトステロイド(それらの塩またはエステルを含む)である植物ベースのステロール及びスタノールの群を指す。
「ステロール」という用語は、ステロイドアルコールとしても公知であるステロイドの部分群を指す。ステロールは、通常、(1)「フィトステロール」としても公知である植物ステロール、及び(2)「ズーステロール」としても公知である動物ステロール(コレステロールなど)の2つのクラスに分けられる。「スタノール」という用語は、ステロール環構造に二重結合を持たない飽和ステロールのクラスを指す。
「有効量のフィトステロール」という用語は、所望の活性(例えば、強化された送達、強化された標的細胞取り込み、強化された核酸活性)を誘発することとなる、LNPを含めた脂質ベースの組成物中の1つ以上のフィトステロールの量を意味することが意図される。幾つかの実施形態では、有効量のフィトステロールは、脂質ナノ粒子中のステロールのすべてまたは実質的にすべてである(すなわち、約99~100%)。幾つかの実施形態では、有効量のフィトステロールは、脂質ナノ粒子中のステロールのすべてまたは実質的にすべてより少ないが(約99~100%未満)、脂質ナノ粒子中の非フィトステロールのステロールの量より多い。幾つかの実施形態では、有効量のフィトステロールは、脂質ナノ粒子中のステロールの総量の50%超、60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、または95%超である。幾つかの実施形態では、有効量のフィトステロールは、脂質ナノ粒子中のステロールの総量の95~100%、75~100%、または50~100%である。
幾つかの実施形態では、フィトステロールは、単独のまたは組み合わせた、シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、シトスタノール、カンペスタノール、ブラシカステロール、フコステロール、ベータ-シトステロール、スチグマスタノール、ベータ-シトスタノール、エルゴステロール、ルペオール、シクロアルテノール、Δ5-アベナステロール、Δ7-アベナステロール、またはΔ7-スチグマステロール(それらの類似体、塩、またはエステルを含む)である。幾つかの実施形態では、本開示のLNPのフィトステロール成分は、単一のフィトステロールである。幾つかの実施形態では、本開示のLNPのフィトステロール成分は、異なるフィトステロール(例えば、2、3、4、5、または6つの異なるフィトステロール)の混合物である。幾つかの実施形態では、本開示のLNPのフィトステロール成分は、1つ以上のフィトステロールと、1つ以上のズーステロールとのブレンド、例えば、フィトステロール(例えば、ベータ-シトステロールなどのシトステロール)とコレステロールとのブレンドである。
幾つかの実施形態では、シトステロールは、ベータ-シトステロールである。
幾つかの実施形態では、ベータ-シトステロールは、式:
を有する(その類似体、塩、またはエステルを含む)。
幾つかの実施形態では、シトステロールは、スチグマステロールである。
幾つかの実施形態では、スチグマステロールは、式:
を有する(その類似体、塩、またはエステルを含む)。
幾つかの実施形態では、シトステロールは、カンペステロールである。
幾つかの実施形態では、カンペステロールは、式:
を有する(その類似体、塩、またはエステルを含む)。
幾つかの実施形態では、シトステロールは、シトスタノールである。
幾つかの実施形態では、シトスタノールは、式:
を有する(その類似体、塩、またはエステルを含む)。
幾つかの実施形態では、シトステロールは、カンペスタノールである。
幾つかの実施形態では、カンペスタノールは、式:
を有する(その類似体、塩、またはエステルを含む)。
幾つかの実施形態では、シトステロールは、ブラシカステロールである。
幾つかの実施形態では、ブラシカステロールは、式:
を有する(その類似体、塩、またはエステルを含む)。
幾つかの実施形態では、シトステロールは、フコステロールである。
幾つかの実施形態では、フコステロールは、式:
を有する(その類似体、塩、またはエステルを含む)。
幾つかの実施形態では、フィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)は、70%超の純度を有する。幾つかの実施形態では、フィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)は、80%超の純度を有する。幾つかの実施形態では、フィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)は、90%超の純度を有する。幾つかの実施形態では、フィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)は、95%超の純度を有する。幾つかの実施形態では、フィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)は、97%、98%、または99%超の純度を有する。
一実施形態では、標的細胞送達を強化するLNPは、複数のタイプの構造脂質を含む。
例えば、一実施形態では、標的細胞送達を強化するLNPは、フィトステロールである少なくとも1つの標的細胞送達増強脂質を含む。一実施形態では、フィトステロールは、LNPに存在する唯一の構造脂質である。別の実施形態では、標的細胞送達LNPは、構造脂質のブレンドを含む。
一実施形態では、本明細書に開示の医薬組成物の脂質組成物中のフィトステロールと構造脂質(例えば、ベータ-シトステロールとコレステロール)とを合わせた量は、約20mol%~約60mol%、約25mol%~約55mol%、約30mol%~約50mol%、または約35mol%~約45mol%範囲である。
一実施形態では、本明細書に開示の脂質組成物中のフィトステロールと構造脂質(例えば、ベータ-シトステロールとコレステロール)とを合わせた量は、約25mol%~約30mol%、約30mol%~約35mol%、または約35mol%~約40mol%範囲である。
一実施形態では、本明細書に開示の脂質組成物中のフィトステロール及び構造脂質(例えば、ベータ-シトステロール及びコレステロール)の量は、約24mol%、約29mol%、約34mol%、または約39mol%である。
幾つかの実施形態では、本明細書に開示の脂質組成物中のフィトステロールと構造脂質(例えば、ベータ-シトステロールとコレステロール)とを合わせた量は、少なくとも約20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、または60mol%である。
幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、1つ以上のフィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)と1つ以上の構造脂質(例えば、コレステロール)とを含む。幾つかの実施形態では、構造脂質のmol%は、脂質ナノ粒子中に存在するフィトステロールのmol%の約1%~50%の間である。幾つかの実施形態では、構造脂質のmol%は、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)中に存在するフィトステロールのmol%の約10%~40%の間である。幾つかの実施形態では、構造脂質のmol%は、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)中に存在するフィトステロールのmol%の約20%~30%の間である。幾つかの実施形態では、構造脂質のmol%は、脂質ベースの組成物(例えば、脂質ナノ粒子)中に存在するフィトステロールのmol%の約30%である。
幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、15~40mol%のフィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)を含む。幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、30、または40mol%のフィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)と、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25mol%の構造脂質(例えば、コレステロール)とを含む。幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、フィトステロールと構造脂質との総mol%が30~40mol%の間になるように、20mol%超のフィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)と20mol%未満の構造脂質(例えば、コレステロール)とを含む。幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、約20mol%、約21mol%、約22mol%、約23mol%、約24mol%、約25mol%、約26mol%、約27mol%、約28mol%、約29mol%、約30mol%、約31mol%、約32mol%、約33mol%、約34mol%、約35mol%、約37mol%、約38mol%、約39mol%、または約40mol%のフィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)と、約19mol%、約18mol%、約17mol%、約16mol%、約15mol%、約14mol%、約13mol%、約12mol%、約11mol%、約10mol%、約9mol%、約8mol%、約7mol%、約6mol%、約5mol%、約4mol%、約3mol%、約2mol%、約1mol%、または約0mol%の構造脂質(例えば、コレステロール)とをそれぞれ含む。幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、約28mol%のフィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)と、約10mol%の構造脂質(例えば、コレステロール)とを含む。幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、38.5%の総mol%のフィトステロールと構造脂質(例えば、コレステロール)とを含む。幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、28.5mol%のフィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)と、10mol%の構造脂質(例えば、コレステロール)とを含む。幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、18.5mol%のフィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)と、20mol%の構造脂質(例えば、コレステロール)とを含む。
ある特定の実施形態では、LNPは、50%のイオン性脂質、10%のヘルパー脂質(例えば、リン脂質)、38.5%の構造脂質、及び1.5%のPEG脂質を含む。ある特定の実施形態では、LNPは、50%のイオン性脂質、10%のヘルパー脂質(例えば、リン脂質)、38%の構造脂質、及び2%のPEG脂質を含む。ある特定の実施形態では、LNPは、50%のイオン性脂質、20%のヘルパー脂質(例えば、リン脂質)、28.5%の構造脂質、及び1.5%のPEG脂質を含む。ある特定の実施形態では、LNPは、50%のイオン性脂質、20%のヘルパー脂質(例えば、リン脂質)、28%の構造脂質、及び2%のPEG脂質を含む。ある特定の実施形態では、LNPは、40%のイオン性脂質、30%のヘルパー脂質(例えば、リン脂質)、28.5%の構造脂質、及び1.5%のPEG脂質を含む。ある特定の実施形態では、LNPは、40%のイオン性脂質、30%のヘルパー脂質(例えば、リン脂質)、28%の構造脂質、及び2%のPEG脂質を含む。ある特定の実施形態では、LNPは、45%のイオン性脂質、20%のヘルパー脂質(例えば、リン脂質)、33.5%の構造脂質、及び1.5%のPEG脂質を含む。ある特定の実施形態では、LNPは、45%のイオン性脂質、20%のヘルパー脂質(例えば、リン脂質)、33%の構造脂質、及び2%のPEG脂質を含む。
一態様では、標的細胞送達を強化するLNPはフィトステロールを含み、該LNPは追加の構造脂質を含まない。したがって、LNPの構造脂質(ステロール)成分は、フィトステロールからなる。一態様では、標的細胞送達を強化するLNPは、フィトステロール及び追加の構造脂質を含む。したがって、LNPのステロール成分は、フィトステロール及び1つ以上の追加のステロールまたは構造脂質を含む。
前述の態様または関連する態様のいずれかでは、本開示のLNPの構造脂質(例えば、ステロール、例えば、フィトステロールまたはフィトステロールコレステロールのブレンド)は、コレステロール、β-シトステロール(本明細書では化合物S 141とも呼ばれる)、カンペステロール(本明細書では化合物S 143とも呼ばれる)、β-シトスタノール(本明細書では化合物S 144とも呼ばれる)、ブラシカステロール、もしくはスチグマステロール、またはそれらの組み合わせもしくはブレンドとして本明細書に記載の化合物を含む。別の実施形態では、本開示のLNPの構造脂質(例えば、ステロール、例えば、フィトステロールまたはフィトステロールコレステロールのブレンド)は、コレステロール、β-シトステロール、カンペステロール、β-シトスタノール、ブラシカステロール、スチグマステロール、β-シトスタノール-d7、化合物S-30、化合物S-31、化合物S-32、またはそれらの組み合わせもしくはブレンドから選択される化合物を含む。別の実施形態では、本開示のLNPの構造脂質(例えば、ステロール、例えば、フィトステロールまたはフィトステロールコレステロールのブレンド)は、コレステロール、β-シトステロール(本明細書では化合物S 141とも呼ばれる)、カンペステロール(本明細書では化合物S 143とも呼ばれる)、β-シトスタノール(本明細書では化合物S 144とも呼ばれる)、化合物S-140、化合物S-144、ブラシカステロール(本明細書では化合物S 148とも呼ばれる)、または化合物S-183(約40%の化合物S-141、約25%の化合物S-140、約25%の化合物S-143、及び約10%のブラシカステロール)として本明細書に記載の化合物を含む。幾つかの実施形態では、本開示のLNPの構造脂質は、化合物S-159、化合物S-160、化合物S-164、化合物S-165、化合物S-167、化合物S-170、化合物S-173、または化合物S-175として本明細書に記載の化合物を含む。
一実施形態では、標的細胞送達を強化するLNPは、非カチオン性ヘルパー脂質、例えば、リン脂質を含む。前述の態様または関連する態様のいずれかでは、本開示のLNPの非カチオン性ヘルパー脂質(例えば、リン脂質)は、DSPC、DMPE、DOPCまたはH-409として本明細書に記載の化合物を含む。一実施形態では、非カチオン性ヘルパー脂質、例えば、リン脂質は、DSPCである。他の実施形態では、本開示のLNPの非カチオン性ヘルパー脂質(例えば、リン脂質)は、DSPC、DMPE、DOPC、DPPC、PMPC、H-409、H-418、H-420、H-421、またはH-422として本明細書に記載の化合物を含む。
前述の態様または関連する態様のいずれかでは、本開示のLNPのPEG脂質は、本明細書に記載の化合物を含み、該化合物は、PEG修飾ホスファチジルエタノールアミン、PEG修飾ホスファチジン酸、PEG修飾セラミド、PEG修飾ジアルキルアミン、PEG修飾ジアシルグリセロール、PEG修飾ジアルキルグリセロール、及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。別の実施形態では、PEG脂質は、化合物番号P415、P416、P417、P 419、P 420、P 423、P 424、P 428、P L5、P L1、P L2、P L16、P L17、P L18、P L19、P L22、P L23、DMG、DPG、及びDSGからなる群から選択される。別の実施形態では、PEG脂質は、化合物428、PL16、PL17、PL 18、PL19、P L5、PL 1、及びPL 2からなる群から選択される。
一実施形態では、標的細胞送達増強脂質は、イオン性脂質とフィトステロールとの有効量の組み合わせを含む。
他の実施形態では、本開示は、1つ以上の標的細胞送達増強脂質を含む脂質ナノ粒子を提供し、LNPは、イオン性脂質としての化合物Y、リン脂質としてのDSPC、構造脂質としてのコレステロールまたはコレステロール/β-シトステロールのブレンド、及びPEG脂質としての化合物428を含む。これらの化合物Y含有組成物の様々な実施形態では、イオン性脂質:リン脂質:構造脂質:PEG脂質の比率は、例えば、次の通りであり得る:(i)50:10:38:2;(ii)50:20:28:2;(iii)40:20:38:2;(iv)40:30:28:2。構造脂質成分に関して、一実施形態では、構造脂質は完全にコレステロールであり、38%または28%である。別の実施形態では、構造脂質は、総百分率が38%または28%であるコレステロール/β-シトステロールであり、該ブレンドは、例えば、(i)20%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール;(ii)10%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール、または(iii)10%のコレステロール及び28%のβ-シトステロールを含むことができる。
他の実施形態では、本開示は、1つ以上の標的細胞送達増強脂質を含む脂質ナノ粒子を提供し、LNPは、イオン性脂質としての化合物I-182、リン脂質としてのDSPC、構造脂質としてのコレステロールまたはコレステロール/β-シトステロールのブレンド、及びPEG脂質としての化合物428を含む。これらの化合物I-182含有組成物の様々な実施形態では、イオン性脂質:リン脂質:構造脂質:PEG脂質の比率は、例えば、次の通りであり得る:(i)50:10:38:2;(ii)50:20:28:2;(iii)40:20:38:2;(iv)40:30:28:2。構造脂質成分に関して、一実施形態では、構造脂質は完全にコレステロールであり、38%または28%である。別の実施形態では、構造脂質は、総百分率が38%または28%であるコレステロール/β-シトステロールであり、該ブレンドは、例えば、(i)20%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール;(ii)10%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール、または(iii)10%のコレステロール及び28%のβ-シトステロールを含むことができる。
他の実施形態では、本開示は、1つ以上の標的細胞送達増強脂質を含む脂質ナノ粒子を提供し、LNPは、イオン性脂質としての化合物I-321、リン脂質としてのDSPC、構造脂質としてのコレステロールまたはコレステロール/β-シトステロールのブレンド、及びPEG脂質としての化合物428を含む。これらの化合物I-321含有組成物の様々な実施形態では、イオン性脂質:リン脂質:構造脂質:PEG脂質の比率は、例えば、次の通りであり得る:(i)50:10:38:2;(ii)50:20:28:2;(iii)40:20:38:2;(iv)40:30:28:2。構造脂質成分に関して、一実施形態では、構造脂質は完全にコレステロールであり、38%または28%である。別の実施形態では、構造脂質は、総百分率が38%または28%であるコレステロール/β-シトステロールであり、該ブレンドは、例えば、(i)20%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール;(ii)10%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール、または(iii)10%のコレステロール及び28%のβ-シトステロールを含むことができる。
他の実施形態では、本開示は、1つ以上の標的細胞送達増強脂質を含む脂質ナノ粒子を提供し、LNPは、イオン性脂質としての化合物I-292、リン脂質としてのDSPC、構造脂質としてのコレステロールまたはコレステロール/β-シトステロールのブレンド、及びPEG脂質としての化合物428を含む。これらの化合物I-292含有組成物の様々な実施形態では、イオン性脂質:リン脂質:構造脂質:PEG脂質の比率は、例えば、次の通りであり得る:(i)50:10:38:2;(ii)50:20:28:2;(iii)40:20:38:2;(iv)40:30:28:2。構造脂質成分に関して、一実施形態では、構造脂質は完全にコレステロールであり、38%または28%である。別の実施形態では、構造脂質は、総百分率が38%または28%であるコレステロール/β-シトステロールであり、該ブレンドは、例えば、(i)20%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール;(ii)10%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール、または(iii)10%のコレステロール及び28%のβ-シトステロールを含むことができる。
他の実施形態では、本開示は、1つ以上の標的細胞送達増強脂質を含む脂質ナノ粒子を提供し、LNPは、イオン性脂質としての化合物I-326、リン脂質としてのDSPC、構造脂質としてのコレステロールまたはコレステロール/β-シトステロールのブレンド、及びPEG脂質としての化合物428を含む。これらの化合物I-326含有組成物の様々な実施形態では、イオン性脂質:リン脂質:構造脂質:PEG脂質の比率は、例えば、次の通りであり得る:(i)50:10:38:2;(ii)50:20:28:2;(iii)40:20:38:2;(iv)40:30:28:2。構造脂質成分に関して、一実施形態では、構造脂質は完全にコレステロールであり、38%または28%である。別の実施形態では、構造脂質は、総百分率が38%または28%であるコレステロール/β-シトステロールであり、該ブレンドは、例えば、(i)20%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール;(ii)10%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール、または(iii)10%のコレステロール及び28%のβ-シトステロールを含むことができる。
他の実施形態では、本開示は、1つ以上の標的細胞送達増強脂質を含む脂質ナノ粒子を提供し、LNPは、イオン性脂質としての化合物I-301、リン脂質としてのDSPC、構造脂質としてのコレステロールまたはコレステロール/β-シトステロールのブレンド、及びPEG脂質としての化合物428を含む。これらの化合物I-301含有組成物の様々な実施形態では、イオン性脂質:リン脂質:構造脂質:PEG脂質の比率は、例えば、次の通りであり得る:(i)50:10:38:2;(ii)50:20:28:2;(iii)40:20:38:2;(iv)40:30:28:2。構造脂質成分に関して、一実施形態では、構造脂質は完全にコレステロールであり、38%または28%である。別の実施形態では、構造脂質は、総百分率が38%または28%であるコレステロール/β-シトステロールであり、該ブレンドは、例えば、(i)20%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール;(ii)10%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール、または(iii)10%のコレステロール及び28%のβ-シトステロールを含むことができる。
他の実施形態では、本開示は、1つ以上の標的細胞送達増強脂質を含む脂質ナノ粒子を提供し、LNPは、イオン性脂質としての化合物I-48、リン脂質としてのDSPC、構造脂質としてのコレステロールまたはコレステロール/β-シトステロールのブレンド、及びPEG脂質としての化合物428を含む。これらの化合物I-48含有組成物の様々な実施形態では、イオン性脂質:リン脂質:構造脂質:PEG脂質の比率は、例えば、次の通りであり得る:(i)50:10:38:2;(ii)50:20:28:2;(iii)40:20:38:2;(iv)40:30:28:2。構造脂質成分に関して、一実施形態では、構造脂質は完全にコレステロールであり、38%または28%である。別の実施形態では、構造脂質は、総百分率が38%または28%であるコレステロール/β-シトステロールであり、該ブレンドは、例えば、(i)20%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール;(ii)10%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール、または(iii)10%のコレステロール及び28%のβ-シトステロールを含むことができる。
他の実施形態では、本開示は、1つ以上の標的細胞送達増強脂質を含む脂質ナノ粒子を提供し、LNPは、イオン性脂質としての化合物I-49、リン脂質としてのDSPC、構造脂質としてのコレステロールまたはコレステロール/β-シトステロールのブレンド、及びPEG脂質としての化合物428を含む。これらの化合物I-49含有組成物の様々な実施形態では、イオン性脂質:リン脂質:構造脂質:PEG脂質の比率は、例えば、次の通りであり得る:(i)50:10:38:2;(ii)50:20:28:2;(iii)40:20:38:2;(iv)40:30:28:2。構造脂質成分に関して、一実施形態では、構造脂質は完全にコレステロールであり、38%または28%である。別の実施形態では、構造脂質は、総百分率が38%または28%であるコレステロール/β-シトステロールであり、該ブレンドは、例えば、(i)20%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール;(ii)10%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール、または(iii)10%のコレステロール及び28%のβ-シトステロールを含むことができる。
他の実施形態では、本開示は、1つ以上の標的細胞送達増強脂質を含む脂質ナノ粒子を提供し、LNPは、イオン性脂質としての化合物I-50、リン脂質としてのDSPC、構造脂質としてのコレステロールまたはコレステロール/β-シトステロールのブレンド、及びPEG脂質としての化合物428を含む。これらの化合物I-50含有組成物の様々な実施形態では、イオン性脂質:リン脂質:構造脂質:PEG脂質の比率は、例えば、次の通りであり得る:(i)50:10:38:2;(ii)50:20:28:2;(iii)40:20:38:2;(iv)40:30:28:2。構造脂質成分に関して、一実施形態では、構造脂質は完全にコレステロールであり、38%または28%である。別の実施形態では、構造脂質は、総百分率が38%または28%であるコレステロール/β-シトステロールであり、該ブレンドは、例えば、(i)20%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール;(ii)10%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール、または(iii)10%のコレステロール及び28%のβ-シトステロールを含むことができる。
他の実施形態では、本開示は、1つ以上の標的細胞送達増強脂質を含む脂質ナノ粒子を提供し、LNPは、イオン性脂質としての化合物I-328、リン脂質としてのDSPC、構造脂質としてのコレステロールまたはコレステロール/β-シトステロールのブレンド、及びPEG脂質としての化合物428を含む。これらの化合物I-328含有組成物の様々な実施形態では、イオン性脂質:リン脂質:構造脂質:PEG脂質の比率は、例えば、次の通りであり得る:(i)50:10:38:2;(ii)50:20:28:2;(iii)40:20:38:2;(iv)40:30:28:2。構造脂質成分に関して、一実施形態では、構造脂質は完全にコレステロールであり、38%または28%である。別の実施形態では、構造脂質は、総百分率が38%または28%であるコレステロール/β-シトステロールであり、該ブレンドは、例えば、(i)20%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール;(ii)10%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール、または(iii)10%のコレステロール及び28%のβ-シトステロールを含むことができる。
他の実施形態では、本開示は、1つ以上の標的細胞送達増強脂質を含む脂質ナノ粒子を提供し、LNPは、イオン性脂質としての化合物I-330、リン脂質としてのDSPC、構造脂質としてのコレステロールまたはコレステロール/β-シトステロールのブレンド、及びPEG脂質としての化合物428を含む。これらの化合物I-330含有組成物の様々な実施形態では、イオン性脂質:リン脂質:構造脂質:PEG脂質の比率は、例えば、次の通りであり得る:(i)50:10:38:2;(ii)50:20:28:2;(iii)40:20:38:2;(iv)40:30:28:2。構造脂質成分に関して、一実施形態では、構造脂質は完全にコレステロールであり、38%または28%である。別の実施形態では、構造脂質は、総百分率が38%または28%であるコレステロール/β-シトステロールであり、該ブレンドは、例えば、(i)20%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール;(ii)10%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール、または(iii)10%のコレステロール及び28%のβ-シトステロールを含むことができる。
他の実施形態では、本開示は、1つ以上の標的細胞送達増強脂質を含む脂質ナノ粒子を提供し、LNPは、イオン性脂質としての化合物I-109、リン脂質としてのDSPC、構造脂質としてのコレステロールまたはコレステロール/β-シトステロールのブレンド、及びPEG脂質としての化合物428を含む。これらの化合物I-109含有組成物の様々な実施形態では、イオン性脂質:リン脂質:構造脂質:PEG脂質の比率は、例えば、次の通りであり得る:(i)50:10:38:2;(ii)50:20:28:2;(iii)40:20:38:2;(iv)40:30:28:2。構造脂質成分に関して、一実施形態では、構造脂質は完全にコレステロールであり、38%または28%である。別の実施形態では、構造脂質は、総百分率が38%または28%であるコレステロール/β-シトステロールであり、該ブレンドは、例えば、(i)20%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール;(ii)10%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール、または(iii)10%のコレステロール及び28%のβ-シトステロールを含むことができる。
他の実施形態では、本開示は、1つ以上の標的細胞送達増強脂質を含む脂質ナノ粒子を提供し、LNPは、イオン性脂質としての化合物I-111、リン脂質としてのDSPC、構造脂質としてのコレステロールまたはコレステロール/β-シトステロールのブレンド、及びPEG脂質としての化合物428を含む。これらの化合物I-111含有組成物の様々な実施形態では、イオン性脂質:リン脂質:構造脂質:PEG脂質の比率は、例えば、次の通りであり得る:(i)50:10:38:2;(ii)50:20:28:2;(iii)40:20:38:2;(iv)40:30:28:2。構造脂質成分に関して、一実施形態では、構造脂質は完全にコレステロールであり、38%または28%である。別の実施形態では、構造脂質は、総百分率が38%または28%であるコレステロール/β-シトステロールであり、該ブレンドは、例えば、(i)20%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール;(ii)10%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール、または(iii)10%のコレステロール及び28%のβ-シトステロールを含むことができる。
他の実施形態では、本開示は、1つ以上の標的細胞送達増強脂質を含む脂質ナノ粒子を提供し、LNPは、イオン性脂質としての化合物I-181、リン脂質としてのDSPC、構造脂質としてのコレステロールまたはコレステロール/β-シトステロールのブレンド、及びPEG脂質としての化合物428を含む。これらの化合物I-181含有組成物の様々な実施形態では、イオン性脂質:リン脂質:構造脂質:PEG脂質の比率は、例えば、次の通りであり得る:(i)50:10:38:2;(ii)50:20:28:2;(iii)40:20:38:2;(iv)40:30:28:2。構造脂質成分に関して、一実施形態では、構造脂質は完全にコレステロールであり、38%または28%である。別の実施形態では、構造脂質は、総百分率が38%または28%であるコレステロール/β-シトステロールであり、該ブレンドは、例えば、(i)20%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール;(ii)10%のコレステロール及び18%のβ-シトステロール、または(iii)10%のコレステロール及び28%のβ-シトステロールを含むことができる。
他の実施形態において、本開示は、1つ以上の標的細胞送達増強脂質を含む脂質ナノ粒子を提供し、LNPは、イオン性脂質としての化合物X、Y、I-321、I-292、I-326、I-182、I-301、I-48、I-49、I-50、I-328、I-330、I-109、I-111、またはI-181;リン脂質としてのDSPC;構造脂質としてのコレステロール、コレステロール/β-シトステロールのブレンド、β-シトステロール/β-シトスタノールのブレンド、β-シトステロール/カンペステロールのブレンド、β-シトステロール/β-シトスタノール/カンペステロールブレンド、コレステロール/カンペステロールブレンド、コレステロール/β-シトスタノールのブレンド、コレステロール/β-シトスタノール/カンペステロールのブレンド、またはコレステロール/β-シトステロール/β-シトスタノール/カンペステロールのブレンド;及びPEG脂質としての化合物428を含む。これらの化合物の様々な実施形態では、イオン性脂質:リン脂質:構造脂質:PEG脂質の比率は、例えば、次の通りであり得る:(i)50:10:38:2;(ii)50:20:28:2;(iii)40:20:38:2;(iv)40:30:28:2;(v)40:18.5:40:1.5;または(vi)45:20:33.5:1.5。一実施形態では、構造脂質成分に関して、LNPは、例えば、(i)10%のコレステロール及び30%のβ-シトステロール;(ii)10%のコレステロール及び30%のカンペステロール;(iii)10%のコレステロール及び30%のβ-シトスタノール;(iv)10%のコレステロール、20%のβ-シトステロール及び10%のカンペステロール;(v)10%のコレステロール、20%のβ-シトステロール、及び10%のβ-シトスタノール;(vi)10%のコレステロール、10%のβ-シトステロール、及び20%のカンペステロール;(vii)10%のコレステロール、10%のβ-シトステロール、及び20%のカンペステロール;(viii)10%のコレステロール、20%のカンペステロール、及び10%のβ-シトスタノール;(ix)10%のコレステロール、10%のカンペステロール、及び20%のβ-シトスタノール;または(x)10%のコレステロール、10%のβ-シトステロール、10%のカンペステロール、及び10%のβ-シトスタノール、からなる40%の構造脂質を含む。別の実施形態では、構造脂質成分に関して、LNPは、例えば、(i)33.5%のコレステロール;(ii)18.5%のコレステロール、15%のβ-シトステロール;(iii)18.5%のコレステロール、15%のカンペステロール;または(iv)18.5%のコレステロール、15%のカンペステロール、からなる33.5%の構造脂質を含む。
他の実施形態では、本開示は、1つ以上の標的細胞送達増強脂質を含む脂質ナノ粒子を提供し、LNPは、イオン性脂質としての化合物I-49、化合物I-301、化合物I-321、または化合物I-326、リン脂質としてのDSPC、構造脂質としてのコレステロールまたはコレステロール/β-シトステロールのブレンド、及びPEG脂質としての化合物428を含む。一実施形態では、LNPは、標的細胞、例えば、肝細胞または脾細胞への送達を強化する。
他の実施形態では、本開示は、1つ以上の標的細胞送達増強脂質を含む脂質ナノ粒子を提供し、LNPは、化合物I-109、化合物I-111、化合物I-181、化合物I-182、または化合物I-244を含み、LNPは単球への送達を促進強化する。LNPの他の成分は、本明細書に開示されるものから選択することができ、例えば、リン脂質としてDSPC、構造脂質としてコレステロールまたはコレステロール/β-シトステロールのブレンド、及びPEG脂質として化合物428を選択することができる。
他の実施形態では、本開示は、1つ以上の標的細胞送達増強脂質を含む脂質ナノ粒子を提供し、LNPは、構造脂質としてカンペステロール、β-シトスタノール、またはスチグマステロールを含み、LNPは単球への送達を強化する。LNPの他の成分は、本明細書に開示されるものから選択することができ、例えば、イオン化性脂質として、化合物I-109、化合物I-111、化合物I-181、化合物I-182または化合物I-244、リン脂質としてDSPC、及びPEG脂質として化合物428を選択することができる。
他の実施形態では、本開示は、1つ以上の標的細胞送達増強脂質を含む脂質ナノ粒子を提供し、LNPは、ヘルパー脂質(例えば、リン脂質)としてDOPC、DMPEまたはH-409を含み、LNPは単球への送達を強化する。LNPの他の成分は、本明細書に開示されるものから選択することができ、例えば、イオン性脂質として、化合物I-109、化合物I-111、化合物I-181、化合物I-182、または化合物I-244、構造脂質として、コレステロール、コレステロール/β-シトステロールのブレンド、カンペステロール、β-シトスタノール、またはスチグマステロール、及びPEG脂質として化合物428を選択することができる。
例示的な追加のLNP成分
界面活性剤
ある特定の実施形態では、本開示の脂質ナノ粒子は、任意選択で1つ以上の界面活性剤を含む。
ある特定の実施形態では、界面活性剤は両親媒性ポリマーである。本明細書で使用される場合、両親媒性「ポリマー」は、オリゴマーまたはポリマーを含む両親媒性化合物である。例えば、両親媒性ポリマーは、2つ以上のPEGモノマー単位などのオリゴマーフラグメントを含むことができる。例えば、本明細書に記載の両親媒性ポリマーは、PS20であり得る。
例えば、両親媒性ポリマーは、ブロックコポリマーである。
例えば、両親媒性ポリマーは、凍結乾燥保護剤である。
例えば、両親媒性ポリマーは、約30℃及び大気圧で、水中で2×10-4Mの臨界ミセル濃度(CMC)を有する。
例えば、両親媒性ポリマーは、約30℃及び大気圧で、水中で約0.1×10-4M~約1.3×10-4Mの間の範囲の臨界ミセル濃度(CMC)を有する。
例えば、両親媒性ポリマーの濃度は、製剤中で、例えば凍結または凍結乾燥前に、そのCMC~CMCの約30倍(例えば、そのCMCの最大約25倍、約20倍、約15倍、約10倍、約5倍、または約3倍)の間の範囲である。
例えば、両親媒性ポリマーは、ポロキサマー(Pluronic(登録商標))、ポロキサミン(Tetronic(登録商標))、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル(ポリソルベート)、及びポリビニルピロリドン(PVP)から選択される。
例えば、両親媒性ポリマーは、ポロキサマーである。例えば、両親媒性ポリマーは、以下の構造:
であり、式中、aは、10~150の間の整数であり、bは、20~60の間の整数である。例えば、aは約12かつbは約20であり、またはaは約80かつbは約27、またはaは約64かつbは約37、またはaは約141かつbは約44、またはaは約101かつbは約56である。
例えば、両親媒性ポリマーは、P124、P188、P237、P338、またはP407である。
例えば、両親媒性ポリマーは、P188である(例えば、Poloxamer 188、CAS番号9003-11-6、Kolliphor P188としても公知である)。
例えば、両親媒性ポリマーは、ポロキサミン、例えば、テトロニック304またはテトロニック904である。
例えば、両親媒性ポリマーは、分子量が3kDa、10kDa、または29kDaのPVPなどの、ポリビニルピロリドン(PVP)である。
例えば、両親媒性ポリマーは、PS20などのポリソルベートである。
ある特定の実施形態では、界面活性剤は非イオン性界面活性剤である。
幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、界面活性剤を含む。幾つかの実施形態では、界面活性剤は、両親媒性ポリマーである。幾つかの実施形態では、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤である。
例えば、非イオン性界面活性剤は、ポリエチレングリコールエーテル(Brij)、ポロキサマー、ポリソルベート、ソルビタン、及びそれらの誘導体からなる群から選択される。
例えば、ポリエチレングリコールエーテルは、式(VIII):
の化合物またはその塩もしくは異性体であり、式中、
tは、1~100の間の整数であり、
R1BRIJは、独立して、C10-40アルキル、C10-40アルケニル、またはC10-40アルキニルであり、任意選択で、R5PEGの1つ以上のメチレン基は、独立して、C3-10カルボシクリレン、4~10員のヘテロシクリレン、C6-10アリーレン、4~10員のヘテロアリーレン、-N(RN)-、-O-、-S-、-C(O)-、-C(O)N(RN)-、-NRNC(O)-、-NRNC(O)N(RN)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-OC(O)O-、-OC(O)N(RN)-、-NRNC(O)O-、-C(O)S-、-SC(O)-、-C(=NRN)-、-C(=NRN)N(RN)-、-NRNC(=NRN)-、-NRNC(=NRN)N(RN)-、-C(S)-、-C(S)N(RN)-、-NRNC(S)-、-NRNC(S)N(RN)-、-S(O)-、-OS(O)-、-S(O)O-、-OS(O)O-、-OS(O)2-、-S(O)2O-、-OS(O)2O-、-N(RN)S(O)-、-S(O)N(RN)-、-N(RN)S(O)N(RN)-、-OS(O)N(RN)-、-N(RN)S(O)O-、-S(O)2-、-N(RN)S(O)2-、-S(O)2N(RN)-、-N(RN)S(O)2N(RN)-、-OS(O)2N(RN)-、または-N(RN)S(O)2O-で置き換えられており、
RNの各場合は、独立して、水素、C1-6アルキル、または窒素保護基である。
幾つかの実施形態では、R1BRIJは、C18アルキルである。例えば、ポリエチレングリコールエーテルは、式(VIII-a):
の化合物またはその塩もしくは異性体である。
幾つかの実施形態では、R1BRIJは、C18アルケニルである。例えば、ポリエチレングリコールエーテルは、式(VIII-b):
の化合物またはその塩もしくは異性体である。
幾つかの実施形態では、ポロキサマーは、ポロキサマー101、ポロキサマー105、ポロキサマー108、ポロキサマー122、ポロキサマー123、ポロキサマー124、ポロキサマー181、ポロキサマー182、ポロキサマー183、ポロキサマー184、ポロキサマー185、ポロキサマー188、ポロキサマー212、ポロキサマー215、ポロキサマー217、ポロキサマー231、ポロキサマー234、ポロキサマー235、ポロキサマー237、ポロキサマー238、ポロキサマー282、ポロキサマー284、ポロキサマー288、ポロキサマー331、ポロキサマー333、ポロキサマー334、ポロキサマー335、ポロキサマー338、ポロキサマー401、ポロキサマー402、ポロキサマー403、及びポロキサマー407からなる群から選択される。
幾つかの実施形態では、ポリソルベートは、Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)40、Tween(登録商標)、60、またはTween(登録商標)80である。
幾つかの実施形態では、ソルビタンの誘導体は、Span(登録商標)20、Span(登録商標)60、Span(登録商標)65、Span(登録商標)80、またはSpan(登録商標)85である。
幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子中の非イオン性界面活性剤の濃度は、約0.00001%w/v~約1%w/v、例えば、約0.00005%w/v~約0.5%w/v、または約0.0001%w/v~約0.1%w/vの範囲である。
幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子中の非イオン性界面活性剤の濃度は、約0.000001wt%~約1wt%、例えば、約0.000002wt%~約0.8wt%、または約0.000005wt%~約0.5wt%の範囲である。
幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子中のPEG脂質の濃度は、約0.01mol%~約50mol%、例えば、約0.05mol%~約20mol%、約0.07mol%~約10mol%、約0.1mol%~約8mol%、約0.2mol%~約5mol%、または約0.25mol%~約3mol%の範囲である。
アジュバント
幾つかの実施形態では、本発明のLNPは、任意選択で、1つ以上のアジュバント、例えば、グルコピラノシル脂質アジュバント(GLA)、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(例えば、クラスAまたはB)、ポリ(I:C)、水酸化アルミニウム、及びPam3CSK4を含む。
他の成分
本発明のLNPは、先行するセクションで説明したものに加えて、1つ以上の成分を任意選択で含んでもよい。例えば、脂質ナノ粒子は、ビタミン(例えば、ビタミンAまたはビタミンE)またはステロールなどの1つ以上の疎水性小分子を含んでもよい。
脂質ナノ粒子は、1つ以上の透過性強化剤分子、炭水化物、ポリマー、表面改変剤(例えば、界面活性剤)、または他の成分を含んでもよい。透過性強化剤分子は、例えば、米国特許出願公開第2005/0222064号に記載される分子であってもよい。炭水化物には、単糖(例えば、グルコース)及び多糖(例えば、グリコーゲンならびにその誘導体及び類似体)が含まれてもよい。
ポリマーは、脂質ナノ粒子をカプセル化するまたは部分的にカプセル化するために含まれても及び/または使用されてもよい。ポリマーは生分解性及び/または生体適合性であってもよい。ポリマーは、ポリアミン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカルバメート、ポリ尿素、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリアセチレン、ポリエチレン、ポリエチレンイミン、ポリイソシアネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル、及びポリアリレートからなる群から選択されてもよいが、これらに限定されない。例えば、ポリマーとして、ポリ(カプロラクトン)(PCL)、エチレン酢酸ビニルポリマー(EVA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、ポリ(L-乳酸-co-グリコール酸)(PLLGA)、ポリ(D,L-ラクチド)(PDLA)、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L-ラクチド-co-カプロラクトン)、ポリ(D,L-ラクチド-co-カプロラクトン-co-グリコリド)、ポリ(D,L-ラクチド-co-PEO-co-D,L-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド-co-PPO-co-D,L-ラクチド)、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリウレタン、ポリ-L-リジン(PLL)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、ポリエチレングリコール、ポリ-L-グルタミン酸、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ酸無水物、ポリオルトエステル、ポリ(エステルアミド)、ポリアミド、ポリ(エステルエーテル)、ポリカーボネート、ポリアルキレン、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン、ポリアルキレングリコール、例えば、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリアルキレンオキシド(PEO)、ポリアルキレンテレフタレート、例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、例えば、ポリ(酢酸ビニル)、ポリハロゲン化ビニル、例えば、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリシロキサン、ポリスチレン、ポリウレタン、誘導体化セルロース、例えば、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸のポリマー、例えば、ポリ(メチル(メタ)アクリレート)(PMMA)、ポリ(エチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ヘキシル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソデシル(メタ)アクリレート)、ポリ(ラウリル(メタ)アクリレート)、ポリ(フェニル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)、ならびにそれらのコポリマー及び混合物、ポリジオキサノン及びそのコポリマー、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリプロピレンフマレート、ポリオキシメチレン、ポロキサマー、ポロキサミン、ポリ(オルト)エステル、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)、トリメチレンカーボネート、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)(PAcM)、ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン)(PMOX)、ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)(PEOZ)、ならびにポリグリセロールを挙げることができる。
表面改変剤として、アニオン性タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン)、界面活性剤(例えば、カチオン性界面活性剤、例えば、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド)、糖または糖誘導体(例えば、シクロデキストリン)、核酸、ポリマー(例えば、ヘパリン、ポリエチレングリコール、及びポロキサマー)、粘液溶解薬(例えば、アセチルシステイン、ヨモギ、ブロメライン、パパイン、クレロデンドラム、ブロムヘキシン、カルボシステイン、エプラジノン、メスナ、アンブロキソール、ソブレロール、ドミオドール、レトステイン、ステプロニン、チオプロニン、ゲルゾリン、チモシンβ4、ドルナーゼアルファ、ネルテネキシン、及びエルドステイン)、及びDNアーゼ(例えば、rhDNアーゼ)を挙げることができるが、これらに限定されない。表面改変剤は、ナノ粒子内に配置されても、及び/またはLNPの表面上に配置されてもよい(例えば、コーティング、吸着、共有結合、または他のプロセスによる)。
脂質ナノ粒子はまた、1つ以上の機能化脂質を含んでもよい。例えば、脂質は、適切な反応条件下でアジドに曝露されると付加環化反応を起こすことができるアルキン基で機能化されてもよい。特に、脂質二重層は、膜透過、細胞認識、または画像化しやすくするのに有用な1つ以上の基を用いてこのように機能化されてもよい。LNPの表面はまた、1つ以上の有用な抗体にコンジュゲートされてもよい。標的細胞送達、画像化、及び膜透過に有用な官能基及びコンジュゲートは、当技術分野で周知である。
これらの成分に加えて、脂質ナノ粒子は、医薬組成物に有用な任意の物質を含んでもよい。例えば、脂質ナノ粒子は、1つ以上の医薬的に許容される賦形剤または副成分、例えば、1つ以上の溶媒、分散媒、希釈剤、分散助剤、懸濁助剤、造粒助剤、崩壊剤、充填剤、流動促進剤、液体ビヒクル、結合剤、界面活性剤、等張化剤、増粘剤または乳化剤、緩衝剤、潤滑剤、油、保存剤、及び他の種(これらに限定されない)を含んでもよい。賦形剤、例えば、ワックス、バター、着色剤、コーティング剤、香味剤、及び芳香剤も含まれてもよい。医薬的に許容される不経済は当技術分野で周知である(例えば、Remington’s The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition,A.R.Gennaro;Lippincott,Williams&Wilkins,Baltimore,MD,2006を参照されたい)。
希釈剤の例として、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウムラクトース、スクロース、セルロース、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉糖、及び/またはそれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。造粒剤及び分散剤は、ジャガイモテンプン、コーンスターチ、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クレイ、アルギン酸、グアーガム、柑橘パルプ、寒天、ベントナイト、セルロース及び木製品、海綿、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、シリケート、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニル-ピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルデンプンナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化デンプン(デンプン1500)、微結晶デンプン、水不溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミウニムマグネシウム(VEEGUM(登録商標))、ラウリル硫酸ナトリウム、第四級アンモニウム化合物、及び/またはそれらの組み合わせからなる非限定的なリストから選択されてもよい。
界面活性剤及び/または乳化剤として、天然乳化剤(例えば、アラビアガム、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス、及びレシチン)、コロイドクレイ(例えば、ベントナイト[ケイ酸アルミニウム]及びVEEGUM(登録商標)[ケイ酸アルミウニムマグネシウム])、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリン酸トリアセチン、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリン、及びモノステアリン酸プロピレングリコール、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えば、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、及びカルボキシビニルポリマー)、カラギナン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン[TWEEN(登録商標)20]、ポリオキシエチレンソルビタン[TWEEN(登録商標)60]、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン[TWEEN(登録商標)80]、モノパルミチン酸ソルビタン[SPAN(登録商標)40]、モノステアリン酸ソルビタン[SPAN(登録商標)60]、トリステアリン酸ソルビタン[SPAN(登録商標)65]、モノオレイン酸グリセリル、モノオレイン酸ソルビタン[SPAN(登録商標)80])、ポリオキシエチレンエステル(例えば、モノステアリン酸ポリオキシエチレン[MYRJ(登録商標)45]、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ステアリン酸ポリオキシメチレン、及びSOLUTOL(登録商標))、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、CREMOPHOR(登録商標))、ポリオキシエチレンエーテル、(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル[BRIJ(登録商標)30])、ポリ(ビニル-ピロリドン)、モノラウリン酸ジエチレングリコール、オレイン酸トリエタノールアミン、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、PLURONIC(登録商標)F 68、POLOXAMER(登録商標)188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドキュセートナトリウム、及び/またはそれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
結合剤は、デンプン(例えば、コーンスターチ及びデンプン糊);ゼラチン;糖(例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトール);天然及び合成ガム(例えば、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、トチャカの抽出物、パンワーガム、ガッチガム、イサポール殻の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニル-ピロリドン)、ケイ酸アルミウニムマグネシウム(VEEGUM(登録商標))、及びカラマツのアラビノガラクタン(arabogalactan));アルギネート;ポリエチレンオキシド;ポリエチレングリコール;無機カルシウム塩;ケイ酸;ポリメタクリレート;ワックス;水;アルコール;ならびにそれらの組み合わせ、または任意の他の適切な結合剤であってもよい。
保存剤の例として、酸化防止剤、キレート剤、抗菌性保存剤、抗真菌性保存剤、アルコール保存剤、酸性保存剤、及び/または他の保存剤を挙げることができるが、これらに限定されない。抗酸化剤の例として、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、及び/または亜硫酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。キレート剤の例として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸一水和物、エデト酸ジナトリウム、エデト酸ジカリウム、エデト酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、エデト酸ナトリウム、酒石酸、及び/またはエデト酸トリナトリウムが挙げられる。抗菌性保存剤の例として、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、及び/またはチメロサールが挙げられるが、これらに限定されない。抗真菌性保存剤の例として、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、及び/またはソルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。アルコール保存剤の例として、エタノール、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾエート、及び/またはフェニルエチルアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。酸性保存剤の例として、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータ-カロチン、クエン酸、酢酸、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、及び/またはフィチン酸が挙げられるが、これらに限定されない。他の保存剤として、トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム、セトリミド、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、GLYDANT PLUS(登録商標)、PHENONIP(登録商標)、メチルパラベン、GERMALL(登録商標)115、GERMABEN(登録商標)II、NEOLONE(商標)、KATHON(商標)、及び/またはEUXYL(登録商標)が挙げられるが、これらに限定されない。
緩衝剤の例として、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、d-グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ラクトビオン酸カルシウム、プロピオン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、水酸化リン酸カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、アミノ-スルホネート緩衝液(例えば、HEPES)、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱性物質除去蒸留水、等張生理食塩水、リンゲル液、エチルアルコール、及び/またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル、水添植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる非限定的群から選択されてもよい。
油の例として、アーモンド、杏仁、アボカド、ババス、ベルガモット、クロフサスグリ(black current)種子、ルリジサ、カデ、カミツレ、キャノーラ、キャラウェイ、カルナウバ、ヒマシ、シナモン、カカオバター、ココナツ、タラ肝、コーヒー、トウモロコシ、綿実、エミュー、ユーカリ、月見草、魚、アマニ、ゲラニオール、ゴード、グレープシード、ヘーゼルナッツ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイナッツ、ラバンディン、ラベンダー、レモン、リツェアクベバ、マカデミアナッツ、ゼニアオイ、マンゴー種子、メドウフォームシード、ミンク、ナツメグ、オリーブ、オレンジ、オレンジラッフィー、パーム、パーム核、桃仁、ピーナッツ、ケシの実、パンプキンシード、菜種、米ぬか、ローズマリー、ベニバナ、サンダルウッド、サザンカ、セイボリー、シーバックソーン、ゴマ、シアバター、シリコーン、ダイズ、ヒマワリ、ティーツリー、アザミ、ツバキ、ベチバー、クルミ、及び小麦胚種油、ならびにステアリン酸ブチル、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、シメチコン、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、及び/またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
LNP組成物
本明細書に記載の脂質ナノ粒子(LNP)は、1つ以上の特定の用途または標的のために設計することができる。脂質ナノ粒子の要素及びそれらの相対量は、特定の用途または標的に基づいて選択されても、及び/または1つ以上の要素の有効性、毒性、費用、使いやすさ、可用性、またはその他の特徴に基づいて選択されてもよい。同様に、脂質ナノ粒子の特定の製剤は、例えば、要素の特定の組み合わせの有効性及び毒性に従って、特定の用途または標的のために選択されてもよい。脂質ナノ粒子製剤の有効性及び忍容性は、製剤の安定性によって影響される場合がある。
本発明のLNPは、少なくとも1つの標的細胞送達増強脂質を含む。主題のLNPは、LNPの成分として有効量の標的細胞送達増強脂質を含み、該LNPは、(i)イオン性脂質、(ii)コレステロールまたは他の構造脂質、(iii)非カチオン性ヘルパー脂質またはリン脂質、(iv)PEG脂質、及び(v)LNPにカプセル化された及び/または会合された薬剤(例えば、核酸分子)を含み、有効量の標的細胞送達増強脂質は、標的細胞送達増強脂質を含まないLNPと比べて、標的細胞(例えば、ヒトまたは霊長類の標的細胞、例えば、肝細胞または脾細胞)への薬剤の送達を強化する。
様々な成分の要素は、特定の分率、例えば、モル百分率で提供することができる。
例えば、前述の態様または関連する態様のいずれかでは、本開示のLNPは、構造脂質またはその塩を含む。幾つかの態様では、構造脂質は、コレステロールまたはその塩である。さらなる態様では、コレステロールのmol%は、LNPに存在するフィトステロールのmol%の約1%~50%の間である。他の態様では、コレステロールのmol%は、LNPに存在するフィトステロールのmol%の約10%~40%の間である。幾つかの態様では、コレステロールのmol%は、LNPに存在するフィトステロールのmol%の約20%~30%の間である。さらなる態様では、コレステロールのmol%は、LNPに存在するフィトステロールのmol%の約30%である。
前述の態様または関連する態様のいずれかでは、本開示のLNPは、約30mol%~約60mol%のイオン性脂質、約0mol%~約30mol%のリン脂質、約18.5mol%~約48.5mol%のステロール、及び約0mol%~約10mol%のPEG脂質を含む。
前述の態様または関連する態様のいずれかでは、本開示のLNPは、約35mol%~約55mol%のイオン性脂質、約5mol%~約25mol%のリン脂質、約30mol%~約40mol%のステロール、及び約0mol%~約10mol%のPEG脂質を含む。
前述の態様または関連する態様のいずれかでは、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約10mol%のリン脂質、約38.5mol%のステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。
ある特定の実施形態では、脂質ナノ粒子のイオン性脂質成分は、約30mol%~約60mol%のイオン性脂質、約0mol%~約30mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、任意選択で1つ以上の構造脂質を含めて約18.5mol%~約48.5mol%のフィトステロール、及び約0mol%~約10mol%のPEG脂質を含むが、但し、総mol%が100%を超えないことを条件とする。幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子のイオン性脂質成分は、約35mol%~約55mol%のイオン性脂質、約5mol%~約25mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、任意選択で1つ以上の構造脂質を含めて約30mol%~約40mol%のフィトステロール、及び約0mol%~約10mol%のPEG脂質を含む。特定の実施形態では、脂質成分は、約50mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、任意選択で1つ以上の構造脂質を含めて約38.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。別の実施形態では、脂質成分は、約40mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、任意選択で1つ以上の構造脂質を含めて約38.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの実施形態では、フィトステロールはベータ-シトステロールであってもよく、非カチオン性ヘルパー脂質はリン脂質、例えば、DOPE、DSPC、またはリン脂質代用物、例えばオレイン酸であってもよい。他の実施形態では、PEG脂質はPEG-DMGであってもよく、及び/または構造脂質はコレステロールであってもよい。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約30mol%~約60mol%のイオン性脂質、約0mol%~約30mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約18.5mol%~約48.5mol%のフィトステロール、及び約0mol%~約10mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約30mol%~約60mol%のイオン性脂質、約0mol%~約30mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約18.5mol%~約48.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約0mol%~約10mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約30mol%~約60mol%のイオン性脂質、約0mol%~約30mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約18.5mol%~約48.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約0mol%~約10mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約35mol%~約55mol%のイオン性脂質、約5mol%~約25mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約30mol%~約40mol%のフィトステロール、及び約0mol%~約10mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約35mol%~約55mol%のイオン性脂質、約5mol%~約25mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約30mol%~約40mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約0mol%~約10mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約35mol%~約55mol%のイオン性脂質、約5mol%~約25mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約30mol%~約40mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約0mol%~約10mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約38.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約38.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約38.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約38.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約38.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約38.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約38.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約38.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約38.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約5mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約38.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約5mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約38.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約5mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約38.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約5mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約33.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約5mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約33.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約5mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約33.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約33.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約33.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約33.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約28.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約28.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約28.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約23.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約23.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約23.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約18.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約18.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約18.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約43.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約43.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約43.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約33.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約33.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約33.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約28.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約28.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約28.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約23.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約23.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約23.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約48.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約48.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約48.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約43.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約43.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約43.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約33.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約33.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約33.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約28.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約28.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約28.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約5mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約53.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約5mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約53.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約5mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約53.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約5mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約48.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約5mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約48.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約5mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約48.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約5mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約43.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約5mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約43.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約5mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約43.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約40mol%のフィトステロール、及び約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約40mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約40mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約35mol%のフィトステロール、及び約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約35mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約35mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約30mol%のフィトステロール、及び約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約30mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約30mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約25mol%のフィトステロール、及び約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約25mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約25mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約20mol%のフィトステロール、及び約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約20mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約20mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約20mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約45mol%のフィトステロール、及び約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約45mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約45mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約40mol%のフィトステロール、及び約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約40mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約40mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約35mol%のフィトステロール、及び約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約35mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約35mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約30mol%のフィトステロール、及び約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約30mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約30mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約25mol%のフィトステロール、及び約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約25mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約15mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約25mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約50mol%のフィトステロール、及び約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約50mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約40mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約50mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約45mol%のフィトステロール、及び約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約45mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約45mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約45mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約0mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約48.5mol%のフィトステロール、及び約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約0mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約48.5mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約0mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約48.5mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約1.5mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約40mol%のフィトステロール、及び約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約40mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約50mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約40mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約35mol%のフィトステロール、及び約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約35mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約55mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約35mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。
幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約30mol%のフィトステロール、及び約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約30mol%のフィトステロール及び構造脂質、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。幾つかの態様では、本開示のLNPは、約60mol%のイオン性脂質、約10mol%の非カチオン性ヘルパー脂質、約30mol%のフィトステロール及びコレステロール、ならびに約0mol%のPEG脂質を含む。
本明細書における実施形態に関する幾つかの態様では、本開示のLNPのフィトステロール及び構造脂質成分は、フィトステロールを構造脂質に対して約10:1~1:10の間で含み、例えば、フィトステロールを構造脂質に対して(例えば、ベータ-シトステロールをコレステロールに対して)約10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、及び1:10で含む。
幾つかの実施形態では、LNPのフィトステロール成分は、フィトステロールとコレステロールなどの構造脂質とのブレンドであり、ここで、フィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)及び構造脂質(例えば、コレステロール)は、各々特定のmol%で存在する。例えば、幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、15~40mol%の間のフィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)を含む。幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、30、または40mol%のフィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)と、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25mol%の構造脂質(例えば、コレステロール)とを含む。幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、フィトステロールと構造脂質との総mol%が30~40mol%の間になるように、20mol%超のフィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)と20mol%未満の構造脂質(例えば、コレステロール)とを含む。幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、約20mol%、約21mol%、約22mol%、約23mol%、約24mol%、約25mol%、約26mol%、約27mol%、約28mol%、約29mol%、約30mol%、約31mol%、約32mol%、約33mol%、約34mol%、約35mol%、約37mol%、約38mol%、約39mol%、または約40mol%のフィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)と、約19mol%、約18mol%、約17mol%、約16mol%、約15mol%、約14mol%、約13mol%、約12mol%、約11mol%、約10mol%、約9mol%、約8mol%、約7mol%、約6mol%、約5mol%、約4mol%、約3mol%、約2mol%、約1mol%、または約0mol%の構造脂質(例えば、コレステロール)とをそれぞれ含む。幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、約28mol%のフィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)と、約10mol%の構造脂質(例えば、コレステロール)とを含む。幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、38.5%の総mol%のフィトステロールと構造脂質(例えば、コレステロール)とを含む。幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、28.5mol%のフィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)と、10mol%の構造脂質(例えば、コレステロール)とを含む。幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、18.5mol%のフィトステロール(例えば、ベータ-シトステロール)と、20mol%の構造脂質(例えば、コレステロール)とを含む。
本開示の脂質ナノ粒子は、1つ以上の特定の用途または標的のために設計することができる。例えば、主題の脂質ナノ粒子は、任意選択で、哺乳動物の、例えば、ヒトの体内の特定の標的細胞(例えば、肝細胞または脾細胞)、組織、臓器、またはその系もしくは群への核酸分子、例えばRNAの送達をさらに強化するように設計されてもよい。脂質ナノ粒子の生理化学的特性は、特定の身体標的に対する選択性を上げるために改変されてもよい。例えば、粒径は、標的細胞の取り込みを促進するように調整されてもよい。上述のように、脂質ナノ粒子に含まれる核酸分子はまた、標的細胞への所望の送達に基づいて選択されてもよい。例えば、核酸分子は、特定の適応症、状態、疾患、もしくは障害に対して、及び/または特定の細胞、組織、臓器、またはその系もしくは群への送達(例えば、局所または特異的送達)に対して選択されてもよい。
ある特定の実施形態では、脂質ナノ粒子は、細胞内で翻訳されて目的のポリペプチドを産生することができる、目的のポリペプチドをコードするmRNAを含んでもよい。他の実施形態では、脂質ナノ粒子は、他のタイプの薬剤、例えば他の核酸剤を含むことができ、それには、本明細書に記載されるようなDNA及び/またはRNA剤、例えば、後でさらに詳しく記載されるようなsiRNA、miRNA、アンチセンス核酸などが含まれる。
脂質ナノ粒子中の核酸分子の量は、脂質ナノ粒子のサイズ、組成、所望の標的、及び/または用途、あるいは他の特性、ならびに治療薬及び/または予防薬の性質に依存し得る。例えば、脂質ナノ粒子に有用なRNAの量は、RNAのサイズ、配列、及び他の特性に依存し得る。脂質ナノ粒子中の核酸分子及び他の要素(例えば、脂質)の相対量も変動し得る。幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子中のイオン性脂質成分の核酸分子に対するwt/wt比は、約5:1~約60:1、例えば、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1、50:1、及び60:1であってもよい。例えば、イオン性脂質成分の核酸分子に対するwt/wt比は、約10:1~約40:1であってもよい。ある特定の実施形態では、wt/wt比率は、約20:1である。LNP中の核酸分子の量は、例えば、吸収分光法(例えば、紫外可視分光法)を使用して測定されてもよい。
幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、1つ以上のRNA、及び1つ以上のイオン性脂質を含み、それらの量は、特定のN:P比をもたらすように選択され得る。組成物のN:P比とは、1つ以上の脂質中の窒素原子の、RNA中のリン酸基の数に対するモル比を指す。一般的に、N:P比率が低い方が好ましい。1つ以上のRNA、脂質、及びそれらの量は、約2:1~約30:1、例えば、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、12:1、14:1、16:1、18:1、20:1、22:1、24:1、26:1、28:1、または30:1のN:P比をもたらすように選択されてもよい。ある特定の実施形態では、N:P比は、約2:1~約8:1であってもよい。他の実施形態では、N:P比は、約5:1~約8:1である。例えば、N:P比は、約5.0:1、約5.5:1、約5.67:1、約5.7:1、約5.8:1、約5.9:1、約6.0:1、約6.5:1、または約7.0:1であってもよい。例えば、N:P比は、約5.67:1であってもよい。別の実施形態では、N:P比は、約5.8:1であってもよい。
ある実施形態では、N:P比は、約3:1であってもよい。ある実施形態では、N:P比は、約4:1であってもよい。ある実施形態では、N:P比は、約5:1であってもよい。ある実施形態では、N:P比は、約6:1であってもよい。ある実施形態では、N:P比は、約7:1であってもよい。ある実施形態では、N:P比は、約8:1であってもよい。
ある実施形態では、N:P比は、約3~8:1であってもよい。ある実施形態では、N:P比は、約3~7:1であってもよい。ある実施形態では、N:P比は、約3~6:1であってもよい。ある実施形態では、N:P比は、約3~5:1であってもよい。ある実施形態では、N:P比は、約3~4:1であってもよい。ある実施形態では、N:P比は、約4~8:1であってもよい。ある実施形態では、N:P比は、約5~8:1であってもよい。ある実施形態では、N:P比は、約6~8:1であってもよい。ある実施形態では、N:P比は、約7~8:1であってもよい。
幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子を含む製剤は、塩化物塩などの塩をさらに含んでもよい。
幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子を含む製剤は、二糖などの糖をさらに含んでもよい。幾つかの実施形態では、製剤は、糖をさらに含むが、塩化物塩などの塩は含まない。
物理的特性
脂質ナノ粒子の性質は、その成分に依存し得る。例えば、構造脂質としてコレステロールを含む脂質ナノ粒子は、異なる構造脂質を含む脂質ナノ粒子とは異なる性質を有し得る。同様に、脂質ナノ粒子の特性は、その成分の絶対量または相対量に依存し得る。例えば、高いリン脂質モル分率を含む脂質ナノ粒子は、それより低いリン脂質モル分率を含む脂質ナノ粒子とは異なる性質を有し得る。性質は、脂質ナノ粒子を調製する方法及び条件によっても変動し得る。
ナノ粒子組成物は、様々な方法で特徴付けることができる。例えば、顕微鏡法(例えば、透過型電子顕微鏡法または走査型電子顕微鏡法)を使用して、脂質ナノ粒子の形態及び粒度分布を調べることができる。動的光散乱法または電位差測定(例えば、電位差滴定)を使用して、ゼータ電位を測定することができる。動的光散乱法は、粒径を決定するために利用することもできる。Zetasizer Nano ZS(Malvern Instruments Ltd、Malvern、Worcestershire、UK)などの機器を使用して、粒径、多分散性指数、及びゼータ電位などの脂質ナノ粒子の複数の性質を測定することもできる。
脂質ナノ粒子の平均サイズは、例えば、動的光散乱法(DLS)によって測定される、数十nm~数百nmの間であってもよい。例えば、平均サイズは、約40nm~約150nm、例えば、約40nm、45nm、50nm、55nm、60nm、65nm、70nm、75nm、80nm、85nm、90nm、95nm、100nm、105nm、110nm、115nm、120nm、125nm、130nm、135nm、140nm、145nm、または150nmであってもよい。幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子の平均サイズは、約50nm~約100nm、約50nm~約90nm、約50nm~約80nm、約50nm~約70nm、約50nm~約60nm、約60nm~約100nm、約60nm~約90nm、約60nm~約80nm、約60nm~約70nm、約70nm~約100nm、約70nm~約90nm、約70nm~約80nm、約80nm~約100nm、約80nm~約90nm、または約90nm~約100nmであってもよい。ある特定の実施形態では、脂質ナノ粒子の平均サイズは、約70nm~約100nmであってもよい。特定の実施形態では、平均サイズは、約80nmであってもよい。他の実施形態では、平均サイズは、約100nmであってもよい。
ナノ粒子組成物は、比較的均一であってもよい。多分散性指数を使用して、LNPの均一性、例えば、該脂質ナノ粒子組成物の粒度分布を示してもよい。本明細書で使用される場合、「多分散性指数」は、系の粒度分布の均一性を表す比率である。小さい(例えば、0.3未満の)値は、狭い粒度分布を示す。小さい(例えば、0.3未満の)多分散性指数は、一般に、狭い粒度分布を示す。脂質ナノ粒子は、約0~約0.25、例えば、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、または0.25の多分散性指数を有してもよい。幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子の多分散性指数は、約0.10~約0.20であってもよい。
脂質ナノ粒子のゼータ電位を使用して、該組成物の界面動電位を示すことができる。本明細書で使用される場合、「ゼータ電位」は、脂質の、例えば粒子組成物中の脂質の界面動電位である。
例えば、ゼータ電位は、脂質ナノ粒子の表面電荷を表すことができる。より高い電荷を有する種は、細胞、組織、及び体内の他の要素と望ましくない相互作用するおそれがあるため、比較的低い正または負の電荷を有する脂質ナノ粒子が一般に望ましい。幾つかの実施形態では、脂質ナノ粒子のゼータ電位は、約-10mV~約+20mV、約-10mV~約+15mV、約-10mV~約+10mV、約-10mV~約+5mV、約-10mV~約0mV、約-10mV~約-5mV、約-5mV~約+20mV、約-5mV~約+15mV、約-5mV~約+10mV、約-5mV~約+5mV、約-5mV~約0mV、約0mV~約+20mV、約0mV~約+15mV、約0mV~約+10mV、約0mV~約+5mV、約+5mV~約+20mV、約+5mV~約+15mV、または約+5mV~約+10mVであってもよい。
核酸分子のカプセル化効率は、調製後に脂質ナノ粒子にカプセル化されたまたはこれに会合された核酸分子の量を、最初に提供された量と比較して表す。カプセル化効率は、高い(例えば、100%に近い)ことが望ましい。カプセル化効率は、例えば、脂質ナノ粒子を含有する溶液中の核酸分子の量を、1つ以上の有機溶媒または界面活性剤で該脂質ナノ粒子を破壊する前後で比較することによって測定することができる。蛍光を使用して、溶液中の遊離核酸分子(例えば、RNA)の量を測定することができる。本明細書に記載の脂質ナノ粒子の場合、核酸分子のカプセル化効率は、少なくとも50%、例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%であってもよい。幾つかの実施形態では、カプセル化効率は、少なくとも80%であってもよい。ある特定の実施形態では、カプセル化効率は、少なくとも90%であってもよい。
脂質ナノ粒子は、任意選択で、1つ以上のコーティングを含んでもよい。例えば、脂質ナノ粒子は、コーティングを有するカプセル、フィルム、または錠剤に製剤化されてもよい。本明細書に記載の組成物を含むカプセル、フィルム、または錠剤は、任意の有用なサイズ、引張強度、硬度、または密度を有してもよい。
例示的な薬剤
送達される薬剤
本開示の標的細胞送達脂質及びそれを含有するLNPは、薬剤との会合、例えば薬剤のカプセル化を通して、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))に多種多様な異なる薬剤を送達するために使用することができる。典型的には、LNPによって送達される薬剤は核酸であるが、小分子、化学療法薬、ペプチド、タンパク質、及び他の生物学的分子などの非核酸薬剤もまた、本開示に包含される。送達することができる核酸には、DNAベースの分子(すなわち、デオキシリボヌクレオチドを含む)及びRNAベースの分子(すなわち、リボヌレオチドを含む)が含まれる。さらに、核酸は、分子の天然に存在する形態であるか、または分子の化学的に修飾された形態(すなわち、1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む)であり得る。
タンパク質発現を強化するための薬剤
一実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)に会合される/カプセル化される薬剤は、タンパク質発現を強化する(すなわち、増大させる、刺激する、上方制御する)薬剤である。一実施形態では、薬剤は、脂肪ベースの組成物が送達される標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))におけるタンパク質発現を増大させる。追加的または代替的に、別の実施形態では、薬剤は、脂質ベースの組成物が送達される標的細胞以外の他の細胞、例えば、バイスタンダー細胞におけるタンパク質発現の増大をもたらす。タンパク質発現を強化するために使用することができる薬剤のタイプの非限定的な例として、RNA、mRNA、dsRNA、CRISPR/Cas9技術、ssDNA、及びDNA(例えば、発現ベクター)が挙げられる。
DNA剤
一実施形態では、LNPに会合される/カプセル化される薬剤は、DNA剤である。DNA分子は、二本鎖DNA、一本鎖DNA(ssDNA)、または部分的に二本鎖DNAである分子、すなわち、二本鎖である部分と一本鎖である部分とを有する分子であり得る。ある場合には、DNA分子は、三本鎖であるか、または部分的に三本鎖である、すなわち、三本鎖である部分と二本鎖である部分とを有する。DNA分子は、環状DNA分子または線状DNA分子であり得る。
LNPに会合される/カプセル化されるDNA剤は、遺伝子を細胞に導入することができる、例えば、転写物をコードし、発現することができるDNA分子であり得る。例えば、DNA剤は、目的のタンパク質をコードすることができ、それにより、LNPによって標的細胞に送達されたときに、標的細胞における目的のタンパク質の発現を増大させる。幾つかの実施形態では、DNA分子は、天然由来のものであり得、例えば、天然源から単離されたものであり得る。他の実施形態では、DNA分子は、合成分子であり、例えば、in vitroで生成された合成DNA分子である。幾つかの実施形態では、DNA分子は、組換え分子である。非限定的な例示的なDNA剤として、プラスミド発現ベクター及びウイルス発現ベクターが挙げられる。
本明細書に記載のDNA剤、例えば、DNAベクターは、種々の異なる特徴を含むことができる。本明細書に記載のDNA剤、例えば、DNAベクターは、非コードDNA配列を含むことができる。例えば、DNA配列は、遺伝子の少なくとも1つの調節エレメント、例えば、プロモーター、エンハンサー、終結エレメント、ポリアデニル化シグナルエレメント、スプライシングシグナルエレメントなどを含むことができる。幾つかの実施形態では、非コードDNA配列はイントロンである。幾つかの実施形態では、非コードDNA配列はトランスポゾンである。幾つかの実施形態では、本明細書に記載のDNA配列は、転写的に活性である遺伝子に作動可能に連結されている非コードDNA配列を有することができる。他の実施形態では、本明細書に記載のDNA配列は、遺伝子に連結されていない非コードDNA配列を有することができ、すなわち、非コードDNAは、DNA配列上の遺伝子を調節しない。
RNA剤
一実施形態では、LNPに会合される/カプセル化される薬剤は、RNA剤である。RNA分子は、一本鎖RNA、二本鎖DNA(dsRNA)、または部分的に二本鎖RNAである分子、すなわち、二本鎖である部分と一本鎖である部分とを有する分子であり得る。RNA分子は、環状RNA分子または線状RNA分子であり得る。
LNPに会合される/カプセル化されるRNA剤は、遺伝子を細胞に導入することができるRNA剤であって、例えば、目的のタンパク質をコードすることができ、それにより、LNPによって標的細胞に送達されたときに、標的細胞における目的のタンパク質の発現を増大させるものであり得る。幾つかの実施形態では、RNA分子は、天然由来のものであり得、例えば、天然源から単離されたものであり得る。他の実施形態では、RNA分子は、合成分子であり、例えば、in vitroで生成された合成RNA分子である。
RNA剤の非限定的な例として、メッセンジャーRNA(mRNA)(例えば、目的のタンパク質をコードするもの)、修飾mRNA(mmRNA)、マイクロRNA結合部位(複数可)(miR結合部位(複数可))を組み込んだmRNA、機能性RNAエレメントを含む修飾RNA、マイクロRNA(miRNA)、アンタゴmir、低分子(短鎖)干渉RNA(siRNA)(ショートマー及びダイサー基質RNAが含まれる)、RNA干渉(RNAi)分子、アンチセンスRNA、リボザイム、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)、ロックド核酸(LNA)、及びCRISPR/Cas9技術が挙げられ、これらの各々は、以降のサブセクションにさらに記載される。
メッセンジャーRNA(mRNA)
幾つかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載の方法で使用するための、少なくとも1つのmRNAを含む脂質組成物(例えば、脂質ナノ粒子)を提供する。
mRNAは、天然に存在するmRNAであっても、または天然に存在しないmRNAであってもよい。mRNAは、以降に記載されるように、1つ以上の修飾された核酸塩基、ヌクレオシド、またはヌクレオチドを含んでもよく、その場合、それは「修飾mRNA」または「mmRNA」と呼ばれることがある。本明細書に記載される場合、「ヌクレオシド」は、糖分子(例えば、ペントースもしくはリボース)またはその誘導体を、有機塩基(例えば、プリンもしくはピリミジン)またはその誘導体(本明細書では「核酸塩基」とも呼ばれる)と組み合わせて含む化合物として定義される。本明細書に記載される場合、「ヌクレオチド」は、リン酸基を含むヌクレオシドとして定義される。
mRNAは、5’非翻訳領域(5’-UTR)、3’非翻訳領域(3’-UTR)、及び/またはコーディング領域(例えば、オープンリーディングフレーム)を含んでもよい。構築物で使用するための例示的な5’UTRは、配列番号60に示されている。構築物で使用するための例示的な3’UTRは、配列番号61に示されている。構築物で使用するための、miR-122及び/またmiR-142-3p結合部位を含む例示的な3’UTRは、配列番号62に示されている。一実施形態では、肝実質細胞での発現は、miR122結合部位を含むことによって減少する。mRNAは、数十(例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100)、数百(例えば、200、300、400、500、600、700、800、または900)、または数千(例えば、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000)の塩基対を含めた、任意の適切な数の塩基対を含んでもよい。任意の数(例えば、すべて、一部、またはなし)の核酸塩基、ヌクレオシド、またはヌクレオチドは、置換されているか、修飾されているか、またはその他の方法で天然に存在しない、古典的な種の類似体であってもよい。ある特定の実施形態では、特定の核酸塩基タイプのすべてが修飾されていてもよい。
配列番号60(5’UTR)
TCAAGCTTTTGGACCCTCGTACAGAAGCTAATACGACTCACTATAGGGAAATAAGAGAGAAAAGAAGAGTAAGAAGAAATATAAGAGCCACC
配列番号61(3’UTR)
TGATAATAGGCTGGAGCCTCGGTGGCCATGCTTCTTGCCCCTTGGGCCTCCCCCCAGCCCCTCCTCCCCTTCCTGCACCCGTACCCCCGTGGTCTTTGAATAAAGTCTGAGTGGGCGGC
配列番号62(miR-122及びmiR-142-3p部位を有する3’UTR)
TGATAATAGGCTGGAGCCTCGGTGGCCATGCTTCTTGCCCCTTGGGCCCAAACACCATTGTCACACTCCATCCCCCCAGCCCCTCCTCCCCTTCCTCCATAAAGTAGGAAACACTACATGCACCCGTACCCCCGTGGTCTTTGAATAAAGTCTGAGTGGGCGGC
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のmRNAは、5’キャップ構造、鎖終結ヌクレオチド、任意選択でコザック配列(コザックコンセンサス配列としても公知である)、ステムループ、ポリA配列、及び/またはポリアデニル化シグナルを含んでもよい。
5’キャップ構造またはキャップ種は、リンカーによって結合された2つのヌクレオシド部分を含む化合物であり、天然に存在するキャップ、天然に存在しないキャップもしくはキャップ類似体、または抗リバースキャップ類似体(ARCA)(antI-reverse cap analog)から選択されてもよい。キャップ種は、1つ以上の修飾ヌクレオシド及び/またはリンカー部分を含んでもよい。例えば、天然のmRNAキャップは、グアニンヌクレオチドと7位でメチル化されたグアニン(G)ヌクレオチドとがそれらの5’位で三リン酸結合によって結合されたもの(例えば、m7G(5’)ppp(5’)G、通常、m7GpppGと書かれる)を含んでもよい。キャップ種はまた、抗リバースキャップ類似体であってもよい。可能なキャップ種の非限定的なリストには、m7GpppG、m7Gpppm7G、m73’dGpppG、m27,O3’GpppG、m27,O3’GppppG、m27,O2’GppppG、m7Gpppm7G、m73’dGpppG、m27,O3’GpppG、m27,O3’GppppG、及びm27,O2’GppppGが含まれる。
mRNAは、代わりにまたは追加的に、鎖終結ヌクレオシドを含んでもよい。例えば、鎖終結ヌクレオシドには、それらの糖基の2’位及び/または3’位で脱酸素化されたヌクレオシドが含まれてもよい。そのような種には、3’-デオキシアデノシン(コルジセピン)、3’-デオキシウリジン、3’-デオキシシトシン、3’-デオキシグアノシン、3’-デオキシチミン、ならびに2’、3’-ジデオキシヌクレオシド、例えば、2’,3’-ジデオキシアデノシン、2’,3’-ジデオキシウリジン、2’,3’-ジデオキシシトシン、2’,3’-ジデオキシグアノシン、及び2’,3’-ジデオキシチミンが含まれてもよい。幾つかの実施形態では、例えば国際特許公開第WO2013/103659号に記載されるように、mRNAに鎖終結ヌクレオチドを組み込むと、例えば3’末端で組み込むと、mRNAを安定化することができる。
別の例示的なキャップはmCAPであり、これはARCAに類似しているが、グアノシン上に2’-O-メチル基を有する(すなわち、N7,2’-O-ジメチル-グアノシン-5’-三リン酸-5’-グアノシン、m7Gm-ppp-G)。
幾つかの実施形態では、キャップは、ジヌクレオチドキャップ類似体である。非限定的な例として、ジヌクレオチドキャップ類似体は、米国特許第US8,519,110号(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているジヌクレオチドキャップ類似体のように、異なるリン酸位でボラノホスフェート基またはホスホロセレノエート基で修飾されていてもよい。
別の実施形態では、キャップは、当技術分野で公知の及び/または本明細書に記載のN7-(4-クロロフェノキシエチル)置換ジヌクレオチドの形態のキャップ類似体である。N7-(4-クロロフェノキシエチル)置換ジクヌレオチドの形態のキャップ類似体の非限定的な例として、N7-(4-クロロフェノキシエチル)-G(5’)ppp(5’)G及びN7-(4-クロロフェノキシエチル)-m3’-OG(5’)ppp(5’)Gキャップ類似体が挙げられる(例えば、Kore et al.Bioorganic&Medicinal Chemistry 2013 21:4570-4574(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている様々なキャップ類似体及びキャップ類似体を合成する方法を参照されたい)。別の実施形態では、本開示のキャップ類似体は、4-クロロ/ブロモフェノキシエチル類似体である。
キャップ類似体は、ポリヌクレオチドまたはその領域のキャッピングを同時に行うことができるが、in vitro転写反応では、転写物の最大20%がキャップされないまま残ることがある。これによって、キャップ類似体が内因性の細胞転写機構によって産生される核酸の内因性5’キャップ構造とは構造的に異なるだけでなく、翻訳能力の低減、細胞の安定性の低減に至ることがある。
本発明のポリヌクレオチド(例えば、治療用ペイロードもしくは予防用ペイロード、エフェクター分子、及び/またはテザー分子をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド)は、酵素を使用して、製造後(IVTであるか化学合成であるかに関係なく)にキャップしてより真正な5’キャップ構造を生成することもできる。本明細書で使用される場合、「より真正な」という語句は、構造的または機能的に、内因性または野生型の特徴を厳密に反映または模倣する特徴を指す。すなわち、「より真正な」特徴は、先行技術の合成の特徴または類似体などと比較したときに、内因性、野生型、天然、または生理的細胞機能及び/または構造をより良好に表しているか、あるいは1つ以上の点において対応する内因性、野生型、天然、または生理的特徴よりも性能が優れている。本開示のより真正な5’キャップ構造の非限定的な例は、とりわけ、当技術分野で公知の合成5’キャップ構造(または野生型、天然、もしくは生理的な5’キャップ構造)と比較したときに、キャップ結合タンパク質の結合が強化され、半減期が増大され、5’エンドヌクレアーゼに対する感受性が低減され、及び/または5’キャップ除去が低減されたものである。例えば、組換えワクシニアウイルスキャッピング酵素及び組換え2’-O-メチルトランスフェラーゼ酵素は、ポリヌクレオチドの5’末端ヌクレオチドとグアニンキャップヌクレオチドとの間に古典的な5’-5’-三リン酸結合を作出することができ、ここで、該キャップグアニンは、N7メチル化を含有し、mRNAの5’末端ヌクレオチドは、2’-O-メチルを含有する。そのような構造は、キャップ1構造と呼ばれる。このキャップは、例えば当技術分野で公知の他の5’キャップ類似体構造と比較したときに、高い翻訳能力及び細胞の安定性、ならびに細胞の炎症誘発性サイトカインの活性化の低減をもたらす。キャップ構造として、7mG(5’)ppp(5’)N,pN2p(キャップ0)、7mG(5’)ppp(5’)NlmpNp(キャップ1)、及び7mG(5’)-ppp(5’)NlmpN2mp(キャップ2)が挙げられるが、これらに限定されない。
非限定的な例として、製造後のキメラポリヌクレオチドをキャッピングすると、キメラポリヌクレオチドのほぼ100%をキャッピングすることができるので、より効率的であり得る。これは、キャップ類似体をin vitro転写反応中にキメラポリヌクレオチドに連結させたときに約80%の効率であるのとは対照的である。
本発明によれば、5’末端キャップは、内因性キャップまたはキャップ類似体を含むことができる。本発明によれば、5’末端キャップは、グアニン類似体を含むことができる。有用なグアニン類似体として、イノシン、N1-メチル-グアノシン、2’フルオロ-グアノシン、7-デアザ-グアノシン、8-オキソ-グアノシン、2-アミノ-グアノシン、LNA-グアノシン、及び2-アジド-グアノシンが挙げられるが、これらに限定されない。
mRNAは、代わりにまたは追加的に、ヒストンステムループなどのステムループを含んでもよい。ステムループは、2、3、4、5、6、7、8個、またはそれ以上のヌクレオチド塩基対を含んでもよい。例えば、ステムループは、4、5、6、7、または8個のヌクレオチド塩基対を含んでもよい。ステムループは、mRNAのいかなる領域に位置してもよい。例えば、ステムループは、非翻訳領域(5’非翻訳領域または3’非翻訳領域)、コード領域、またはポリA配列もしくはテールの中、前、または後に位置してもよい。幾つかの実施形態では、ステムループは、翻訳の開始、翻訳効率、及び/または転写終結などの、mRNAの1つ以上の機能(複数可)に影響を与え得る。
mRNAは、代わりにまたは追加的に、ポリA配列及び/またはポリアデニル化シグナルを含んでもよい。ポリA配列は、全体または大部分がアデニンヌクレオチドまたはその類似体もしくは誘導体から構成されてもよい。ポリA配列は、mRNAの3’非翻訳領域に隣接して位置するテールであってもよい。幾つかの実施形態では、ポリA配列は、mRNAの核外輸送、翻訳、及び/または安定性に影響を与え得る。さらなる実施形態では、ポリAテール上の末端基は、安定化のために組み込まれてもよい。他の実施形態では、ポリAテールは、デス-3’ヒドロキシルテールを含む。
RNAプロセシングの間に、アデニンヌクレオチドの長鎖(ポリ-Aテール)をmRNA分子などのポリヌクレオチドに付加して安定性を増大させることができる。転写直後に、転写物の3’末端を切断して3’ヒドロキシルを遊離させることができる。次いで、ポリ-Aポリメラーゼが、RNAにアデニンヌクレオチドの鎖を付加する。ポリアデニル化と呼ばれるこのプロセスは、例えば、およそ80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、または250の残基長を含めた、およそ80~およそ250の間の残基長であり得るポリ-Aテールを付加する。一実施形態では、ポリ-Aテールは、100ヌクレオチド長である。
ポリAテールは、構築物が核から輸送された後に付加することもできる。
本発明によれば、ポリAテール上の末端基は、安定化のために組み込まれてもよい。本発明のポリヌクレオチドは、デス-3’ヒドロキシルテールを含むことができる。これらは、Junjie Li et al.(Current Biology,Vol.15,1501-1507,August 23,2005、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)によって教示されるような構造的部分または2’-Oメチル修飾も含むことができる。
本発明のポリヌクレオチドは、ヒストンmRNAを含む代替のポリAテール構造を有する転写物をコードするように設計することができる。Norburyによれば、「末端ウリジル化は、ヒト複製依存性ヒストンmRNAでも検出されている。これらのmRNAの代謝回転は、染色体DNA複製の完了または阻害後の潜在的に毒性であるヒストン蓄積の防止に重要であると考えられる。これらのmRNAは、3’ポリ(A)テールがないことで区別され、その機能は、安定したステムループ構造及びその同族ステムループ結合タンパク質(SLBP)が代わりに引き継ぎ、後者は、ポリアデニル化mRNAのPABPのものと同じ機能を行う」(Norbury,“Cytoplasmic RNA:a case of the tail wagging the dog,”Nature Reviews Molecular Cell Biology;AOP,published online 29 August 2013;doi:10.1038/nrm3645(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))。
固有のポリ-Aテール長は、本発明のポリヌクレオチドにある特定の利点を提供する。一般に、ポリ-Aテールの長さは、存在する場合、30ヌクレオチド長より大きい。別の実施形態では、ポリ-Aテールは、35ヌクレオチド長より大きい(例えば、少なくとも約35、40、45、50、55、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、1,100、1,200、1,300、1,400、1,500、1,600、1,700、1,800、1,900、2,000、2,500、または3,000ヌクレオチド、またはそれらより大きい)。
幾つかの実施形態では、ポリヌクレオチドまたはその領域は、約30~約3,000ヌクレオチド(例えば、30~50、30~100、30~250、30~500、30~750、30~1,000、30~1,500、30~2,000、30~2,500、50~100、50~250、50~500、50~750、50~1,000、50~1,500、50~2,000、50~2,500、50~3,000、100~500、100~750、100~1,000、100~1,500、100~2,000、100~2,500、100~3,000、500~750、500~1,000、500~1,500、500~2,000、500~2,500、500~3,000、1,000~1,500、1,000~2,000、1,000~2,500、1,000~3,000、1,500~2,000、1,500~2,500、1,500~3,000、2,000~3,000、2,000~2,500、及び2,500~3,000)である。
幾つかの実施形態では、ポリ-Aテールは、ポリヌクレオチド全体の長さまたはポリヌクレオチドの特定の領域の長さに対して設計される。この設計は、コード領域の長さ、特定の特徴物または領域の長さ、またはそのポリヌクレオチドから発現される最終産物の長さに基づくことができる。
これに関連して、ポリ-Aテールは、ヌクレオチドまたはその特徴物よりも長さが10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100%大きくてもよい。ポリ-Aテールは、それが属するポリヌクレオチドの一部分として設計することもできる。これに関連して、ポリ-Aテールは、構築物の全長、構築物の領域、または構築物の全長からポリ-Aテールを差し引いたものの10、20、30、40、50、60、70、80、または90%またはそれ以上であってもよい。さらに、ポリ-A結合タンパク質のために結合部位を操作し、ポリヌクレオチドをコンジュゲートすると、発現を強化することができる。
加えて、ポリ-Aテールの3’末端において修飾ヌクレオチドを使用して、複数の別個のポリヌクレオチドを、PABP(ポリ-A結合タンパク質)を介して3’末端を通して一緒に連結することができる。トランスフェクション実験を関連する細胞株で行うことができ、タンパク質産生を、トランスフェクションの12時間後、24時間後、48時間後、72時間後、及び7日後にELISAによってアッセイすることができる。
幾つかの実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、ポリA-Gカルテット領域を含むように設計される。Gカルテットは、DNA及びRNAの両方でGリッチな配列によって形成され得る、4つのグアニンヌクレオチドの環状水素結合アレイである。この実施形態では、Gカルテットは、ポリAテールの端部に組み込まれる。得られたポリヌクレオチドは、様々な時点で、安定性、タンパク質産生、及び半減期を含めた他のパラメータについてアッセイされる。ポリA-Gカルテットは、120ヌクレオチドのポリ-Aテールを単独で使用した場合に見られるタンパク質産生の少なくとも75%に相当するmRNAからのタンパク質産生をもたらすことが見出されている。
開始コドン領域
本発明はまた、開始コドン領域及び本明細書に記載のポリヌクレオチド(例えば、治療用ペイロードもしくは予防用ペイロード、エフェクター分子、及び/またはテザー分子をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド)の両方を含むポリヌクレオチドもまた含む。幾つかの実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、開始コドン領域に類似しているか、またはそれと同様に機能する領域を有することができる。
幾つかの実施形態では、ポリヌクレオチドの翻訳は、開始コドンAUGではないコドンで開始することができる。ポリヌクレオチドの翻訳は、代替の開始コドン、例えば、限定するものではないが、ACG、AGG、AAG、CTG/CUG、GTG/GUG、ATA/AUA、ATT/AUU、TTG/UUGで開始することができる(Touriol et al.Biology of the Cell 95(2003)169-178ならびにMatsuda and Mauro PLoS ONE,2010 5:11(その各々の内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
非限定的な例として、ポリヌクレオチドの翻訳は、代替の開始コドンACGで始まる。別の非限定的な例として、ポリヌクレオチドの翻訳は、代替の開始コドンCTGまたはCUGで始まる。別の非限定的な例として、核酸翻訳は、代替の開始コドンCTGまたはCUGで始まる。
翻訳を開始するコドン、例えば、限定するものではないが、開始コドンまたは代替の開始コドン、に隣接するヌクレオチドは、ポリヌクレオチドの翻訳効率、長さ、及び/または構造に影響を与えることが公知である。(例えば、Matsuda and Mauro PLoS ONE,2010 5:11(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。翻訳を開始するコドンに隣接するヌクレオチドのいずれかのマスキングを使用して、ポリヌクレオチドの翻訳開始位置、翻訳効率、長さ、及び/または構造を改変することができる。
幾つかの実施形態では、開始コドンまたは代替の開始コドンの付近でマスキング剤を使用してコドンをマスクまたは遮蔽して、マスクされた開始コドンまたは代替の開始コドンでの翻訳開始の確率を低減することができる。マスキング剤の非限定的な例として、アンチセンスロックド核酸(LNA)ポリヌクレオチド及びエクソン-ジャンクション複合体(EJC)が挙げられる(例えばマスキング剤LNAポリヌクレオチド及びEJCについて記載しているMatsuda and Mauro(PLoS ONE,2010 5:11)(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
別の実施形態では、マスキング剤を使用してポリヌクレオチドの開始コドンをマスクして、翻訳が代替の開始コドンで開始する可能性を増大させることができる。幾つかの実施形態では、マスキング剤を使用して最初の開始コドンまたは代替の開始コドンをマスクして、マスクされた開始コドンまたは代替の開始コドンの下流の開始コドンまたは代替の開始コドンで翻訳が開始される機会を増大させることができる。
幾つかの実施形態では、開始コドンまたは代替の開始コドンは、miR結合部位の完全な相補体の中に位置することができる。miR結合部位の完全な相補体は、マスキング剤と同様に、ポリヌクレオチドの翻訳、長さ、及び/または構造の制御を助けることができる。非限定的な例として、開始コドンまたは代替の開始コドンは、miRNA結合部位の完全な相補体の中央に位置することができる。開始コドンまたは代替の開始コドンは、1番目のヌクレオチド、2番目のヌクレオチド、3番目のヌクレオチド、4番目のヌクレオチド、5番目のヌクレオチド、6番目のヌクレオチド、7番目のヌクレオチド、8番目のヌクレオチド、9番目のヌクレオチド、10番目のヌクレオチド、11番目のヌクレオチド、12番目のヌクレオチド、13番目のヌクレオチド、14番目のヌクレオチド、15番目のヌクレオチド、16番目のヌクレオチド、17番目のヌクレオチド、18番目のヌクレオチド、19番目のヌクレオチド、20番目のヌクレオチド、または21番目のヌクレオチドの後に位置することができる。
別の実施形態では、ポリヌクレオチドの翻訳を、開始コドンではないコドンで始めるために、ポリヌクレオチドの開始コドンをポリヌクレオチド配列から除去することができる。ポリヌクレオチドの翻訳は、除去された開始コドンに続くコドン、または下流の開始コドンもしくは代替の開始コドンで始めることができる。非限定的な例では、下流の開始コドンまたは代替の開始コドンで翻訳を開始させるために、開始コドンATGまたはAUGがポリヌクレオチド配列の最初の3つのヌクレオチドとして除去される。開始コドンが除去されたポリヌクレオチド配列は、下流の開始コドン及び/または代替の開始コドンのための少なくとも1つのマスキング剤をさらに含んで、翻訳の開始、ポリヌクレオチドの長さ、及び/またはポリヌクレオチドの構造を制御するまたは制御を試みることができる。
終止コドン領域
本発明はまた、終止コドン領域及び本明細書に記載のポリヌクレオチド(例えば、治療用ペイロードもしくは予防用ペイロード、エフェクター分子、及び/またはテザー分子をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド)の両方を含むポリヌクレオチドもまた含む。幾つかの実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、3’非翻訳領域(UTR)の前に少なくとも2つの終止コドンを含むことができる。終止コドンは、DNAの場合はTGA、TAA、及びTAGから、またはRNAの場合はUGA、UAA、及びUAGから選択することができる。幾つかの実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、DNAの場合は終止コドンTGA、またはRNAの場合は終止コドンUGAと、1つの追加の終止コドンとを含む。さらなる実施形態では、追加の終止コドンは、TAAまたはUAAであり得る。別の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、3つの連続する終止コドン、4つの終止コドン、またはそれ以上の終止コドンを含む。
mRNAは、代わりにまたは追加的に、マイクロRNA結合部位を含んでもよい。
幾つかの実施形態では、mRNAは、第1のコード領域と第2のコード領域とを含むバイシストロン性mRNAであり、該mRNAは、第1の第1のコード領域と第2のコード領域の間に内部翻訳の開始を可能にする配列内リボソーム侵入部位(IRES)配列を含む介在配列を有するか、または2Aペプチドなどの自己切断ペプチドをコードする介在配列を有する。IRES配列及び2Aペプチドは、通常、同じベクターからの複数のタンパク質の発現を強化するために使用される。例えば、脳心筋炎ウイルスのIRESを含めて、種々のIRES配列が当技術分野で公知かつ利用可能であり、それらを使用することができる。
一実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、自己切断ペプチドをコードする配列を含んでもよい。自己切断ペプチドは、限定するものではないが、2Aペプチドであってもよい。口蹄疫ウイルス(FMDV)の2Aペプチド、ウマ鼻炎Aウイルスの2Aペプチド、Thosea asignaウイルスの2Aペプチド、及びブタテスコウイルス-1の2Aペプチドを含めて、種々の2Aペプチドが当技術分野で公知かつ利用可能であり、それらを使用することができる。2Aペプチドは、幾つかのウイルスによって使用されて、リボソームスキッピングによって1つの転写産物から2つのタンパク質を生成する。リボソームスキッピングは、正常なペプチド結合が2Aペプチドで損なわれるように行われ、それによって1つの翻訳イベントから2つの不連続なタンパク質が産生される。非限定的な例として、2Aペプチドは、タンパク質配列:GSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号63)、そのフラグメントまたはバリアントを有してもよい。一実施形態では、2Aペプチドは、最後のグリシンと最後のプロリンの間で切断する。別の非限定的な例として、本開示のポリヌクレオチドは、タンパク質配列GSGATNFSLLKQAGDVEENPGP(配列番号63)、そのフラグメントまたはバリアントを有する2Aペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含んでもよい。2Aペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の一例は、GGAAGCGGAGCTACTAACTTCAGCCTGCTGAAGCAGGCTGGAGACGTGGAGGAGAACCCTGGACCT(配列番号64)である。例示的な一実施形態では、2Aペプチドは、以下の配列によってコードされる:5’-TCCGGACTCAGATCCGGGGATCTCAAAATTGTCGCTCCTGTCAAACAAACTCTTAACTTTGATTTACTCAAACTGGCTGGGGATGTAGAAAGCAATCCAGGTCCACTC-3’(配列番号65)。2Aペプチドのポリヌクレオチド配列は、本明細書に記載の方法及び/または当技術分野で公知の方法によって修飾またはコドン最適化されてもよい。
一実施形態では、この配列を使用して、目的の2つ以上のポリペプチドのコード領域を分離してもよい。非限定的な例として、F2Aペプチドをコードする配列は、第1のコード領域Aと第2のコード領域Bの間にあってもよい(A-F2ApeP-B)。F2Aペプチドが存在すると、F2Aペプチド配列の末端のグリシンとプロリンの間で1つの長いタンパク質が切断され(NPGP(配列番号179)は切断されてNPG及びPとなる)、それによって分離タンパク質A(F2Aペプチドの21個のアミノ酸が結合されており、NPGで終わる)及び分離プタンパク質B(F2Aペプチドの1個のアミノ酸Pが結合されている)が作出される。同様に、他の2Aペプチド(P2A、T2A、及びE2A)についても、長いタンパク質に該ペプチドが存在すると、2Aペプチド配列の末端のグリシンとプロリンの間で切断される(NPGPは切断されてNPG及びPになる)。タンパク質A及びタンパク質Bは、同じ目的のペプチドもしくはポリペプチドであっても、または異なる目的のペプチドもしくはポリペプチドであってもよい。
修飾mRNA
幾つかの実施形態では、本開示のmRNAは、1つ以上の修飾された核酸塩基、ヌクレオシド、またはヌクレオチド(「修飾mRNA」または「mmRNA」と呼ばれる)を含む。幾つかの実施形態では、修飾mRNAは、参照の非修飾mRNAと比較したときに、強化された安定性、細胞内保持、強化された翻訳、及び/または該mRNAが導入された細胞の自然免疫応答が実質的に誘導されないことを含めた、有用な特性を有することができる。したがって、修飾mRNAを使用すると、タンパク質産生の効率、核酸の細胞内保持を強化することができるだけでなく、免疫原性が低減する。
幾つかの実施形態では、mRNAは、1つ以上(例えば、1、2、3または4つ)の異なる修飾された核酸塩基、ヌクレオシド、またはヌクレオチドを含む。幾つかの実施形態では、mRNAは、1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100個、またはそれ以上)の異なる修飾核酸塩基、ヌクレオシド、またはヌクレオチドを含む。幾つかの実施形態では、修飾mRNAは、対応する非修飾mRNAと比べて、該mRNAが導入された細胞での分解が低減し得る。
幾つかの実施形態では、修飾核酸塩基は、修飾ウラシルである。修飾ウラシルを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドとして、プソイドウリジン(ψ)、ピリジン-4-オンリボヌクレオシド、5-アザウリジン、6-アザ-ウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオ-ウリジン(s2U)、4-チオ-ウリジン(s4U)、4-チオ-プソイドウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、5-ヒドロキシ-ウリジン(ho5U)、5-アミノアリル-ウリジン、5-ハロ-ウリジン(例えば、5-ヨード-ウリジンまたは5-ブロモ-ウリジン)、3-メチル-ウリジン(m3U)、5-メトキシ-ウリジン(mo5U)、ウリジン5-オキシ酢酸(cmo5U)、ウリジン5-オキシ酢酸メチルエステル(mcmo5U)、5-カルボキシメチル-ウリジン(cm5U)、1-カルボキシメチル-プソイドウリジン、5-カルボキシヒドロキシメチル-ウリジン(chm5U)、5-カルボキシヒドロキシメチル-ウリジンメチルエステル(mchm5U)、5-メトキシカルボニルメチル-ウリジン(mcm5U)、5-メトキシカルボニルメチル-2-チオ-ウリジン(mcm5s2U)、5-アミノメチル-2-チオ-ウリジン(nm5s2U)、5-メチルアミノメチル-ウリジン(mnm5U)、5-メチルアミノメチル-2-チオ-ウリジン(mnm5s2U)、5-メチルアミノメチル-2-セレノ-ウリジン(mnm5se2U)、5-カルバモイルメチル-ウリジン(ncm5U)、5-カルボキシメチルアミノメチル-ウリジン(cmnm5U)、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオ-ウリジン(cmnm5s2U)、5-プロピニル-ウリジン、1-プロピニル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-ウリジン(τm5U)、1-タウリノメチル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-2-チオ-ウリジン(τm5s2U)、1-タウリノメチル-4-チオ-プソイドウリジン、5-メチル-ウリジン(m5U、すなわち、核酸塩基デオキシチミンを有する)、1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)、5-メチル-2-チオ-ウリジン(m5s2U)、1-メチル-4-チオ-プソイドウリジン(m1s4ψ)、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、3-メチル-プソイドウリジン(m3ψ)、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、ジヒドロウリジン(D)、ジヒドロプソイドウリジン、5,6-ジヒドロウリジン、5-メチル-ジヒドロウリジン(m5D)、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-メトキシ-ウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、N1-メチル-プソイドウリジン、3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)ウリジン(acp3U)、1-メチル-3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)プソイドウリジン(acp3ψ)、5-(イソペンテニルアミノメチル)ウリジン(inm5U)、5-(イソペンテニルアミノメチル)-2-チオ-ウリジン(inm5s2U)、α-チオ-ウリジン、2’-O-メチル-ウリジン(Um)、5,2’-O-ジメチル-ウリジン(m5Um)、2’-O-メチル-プソイドウリジン(ψm)、2-チオ-2’-O-メチル-ウリジン(s2Um)、5-メトキシカルボニルメチル-2’-O-メチル-ウリジン(mcm5Um)、5-カルバモイルメチル-2’-O-メチル-ウリジン(ncm5Um)、5-カルボキシメチルアミノメチル-2’-O-メチル-ウリジン(cmnm5Um)、3,2’-O-ジメチル-ウリジン(m3Um)、及び5-(イソペンテニルアミノメチル)-2’-O-メチル-ウリジン(inm5Um)、1-チオ-ウリジン、デオキシチミジン、2’-F-ara-ウリジン、2’-F-ウリジン、2’-OH-アラ-ウリジン、5-(2-カルボメトキシビニル)ウリジン、ならびに5-[3-(1-E-プロペニルアミノ)]ウリジンが挙げられる。
幾つかの実施形態では、修飾核酸塩基は、修飾シトシンである。修飾シトシンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドとして、5-アザ-シチジン、6-アザ-シチジン、プソイドイソシチジン、3-メチル-シチジン(m3C)、N4-アセチル-シチジン(ac4C)、5-ホルミル-シチジン(f5C)、N4-メチル-シチジン(m4C)、5-メチル-シチジン(m5C)、5-ハロ-シチジン(例えば、5-ヨード-シチジン)、5-ヒドロキシメチル-シチジン(hm5C)、1-メチル-プソイドイソシチジン、ピロロ-シチジン、ピロロ-プソイドイソシチジン、2-チオ-シチジン(s2C)、2-チオ-5-メチル-シチジン、4-チオ-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、ゼブラリン、5-アザ-ゼブラリン、5-メチル-ゼブラリン、5-アザ-2-チオ-ゼブラリン、2-チオ-ゼブラリン、2-メトキシ-シチジン、2-メトキシ-5-メチル-シチジン、4-メトキシ-プソイドイソシチジン、4-メトキシ-1-メチル-プソイドイソシチジン、リシジン(k2C)、α-チオ-シチジン、2’-O-メチル-シチジン(Cm)、5,2’-O-ジメチル-シチジン(m5Cm)、N4-アセチル-2’-O-メチル-シチジン(ac4Cm)、N4,2’-O-ジメチル-シチジン(m4Cm)、5-ホルミル-2’-O-メチル-シチジン(f5Cm)、N4,N4,2’-O-トリメチル-シチジン(m42Cm)、1-チオ-シチジン、2’-F-アラ-シチジン、2’-F-シチジン、及び2’-OH-アラ-シチジンが挙げられる。
幾つかの実施形態では、修飾核酸塩基は、修飾アデニンである。修飾アデニンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドとして、α-チオ-アデノシン、2-アミノ-プリン、2,6-ジアミノプリン、2-アミノ-6-ハロ-プリン(例えば、2-アミノ-6-クロロ-プリン)、6-ハロ-プリン(例えば、6-クロロ-プリン)、2-アミノ-6-メチル-プリン、8-アジド-アデノシン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザ-アデニン、7-デアザ-2-アミノ-プリン、7-デアザ-8-アザ-2-アミノ-プリン、7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2,6-ジアミノプリン、1-メチル-アデノシン(m1A)、2-メチル-アデニン(m2A)、N6-メチル-アデノシン(m6A)、2-メチルチオ-N6-メチル-アデノシン(ms2m6A)、N6-イソペンテニル-アデノシン(i6A)、2-メチルチオ-N6-イソペンテニル-アデノシン(ms2i6A)、N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン(io6A)、2-メチルチオ-N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン(ms2io6A)、N6-グリシニルカルバモイル-アデノシン(g6A)、N6-スレオニルカルバモイル-アデノシン(t6A)、N6-メチル-N6-スレオニルカルバモイル-アデノシン(m6t6A)、2-メチルチオ-N6-スレオニルカルバモイル-アデノシン(ms2g6A)、N6,N6-ジメチル-アデノシン(m62A)、N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイル-アデノシン(hn6A)、2-メチルチオ-N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイル-アデノシン(ms2hn6A)、N6-アセチル-アデノシン(ac6A)、7-メチル-アデニン、2-メチルチオ-アデニン、2-メトキシ-アデニン、α-チオ-アデノシン、2’-O-メチル-アデノシン(Am)、N6,2’-O-ジメチル-アデノシン(m6Am)、N6,N6,2’-O-トリメチル-アデノシン(m62Am)、1,2’-O-ジメチル-アデノシン(m1Am)、2’-O-リボシルアデノシン(ホスフェート)(Ar(p))、2-アミノ-N6-メチル-プリン、1-チオ-アデノシン、8-アジド-アデノシン、2’-F-アラ-アデノシン、2’-F-アデノシン、2’-OH-アラ-アデノシン、及びN6-(19-アミノ-ペンタオキサノナデシル)-アデノシンが挙げられる。
幾つかの実施形態では、修飾核酸塩基は、修飾グアニンである。修飾グアニンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドとして、a-チオ-グアノシン、イノシン(I)、1-メチル-イノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、4-デメチル-ワイオシン(imG-14)、イソワイオシン(imG2)、ワイブトシン(yW)、ペルオキシワイブトシン(o2yW)、ヒドロキシワイブトシン(OhyW)、非修飾ヒドロキシワイブトシン(OhyW*)、7-デアザ-グアノシン、キューオシン(Q)、エポキシキューオシン(oQ)、ガラクトシル-キューオシン(galQ)、マンノシル-キューオシン(manQ)、7-シアノ-7-デアザ-グアノシン(preQ0)、7-アミノメチル-7-デアザ-グアノシン(preQ1)、アルカエオシン(G+)、7-デアザ-8-アザ-グアノシン、6-チオ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-8-アザ-グアノシン、7-メチル-グアノシン(m7G)、6-チオ-7-メチル-グアノシン、7-メチル-イノシン、6-メトキシ-グアノシン、1-メチル-グアノシン(m1G)、N2-メチル-グアノシン(m2G)、N2,N2-ジメチル-グアノシン(m22G)、N2,7-ジメチル-グアノシン(m2,7G)、N2,N2,7-ジメチル-グアノシン(m2,2,7G)、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、1-メチル-6-チオ-グアノシン、N2-メチル-6-チオ-グアノシン、N2,N2-ジメチル-6-チオ-グアノシン、α-チオ-グアノシン、2’-O-メチル-グアノシン(Gm)、N2-メチル-2’-O-メチル-グアノシン(m2Gm)、N2,N2-ジメチル-2’-O-メチル-グアノシン(m22Gm)、1-メチル-2’-O-メチル-グアノシン(m1Gm)、N2,7-ジメチル-2’-O-メチル-グアノシン(m2,7Gm)、2’-O-メチル-イノシン(Im)、1,2’-O-ジメチル-イノシン(m1Im)、2’-O-リボシルグアノシン(ホスフェート)(Gr(p))、1-チオ-グアノシン、O6-メチル-グアノシン、2’-F-アラ-グアノシン、及び2’-F-グアノシンが挙げられる。
幾つかの実施形態では、本開示のmRNAは、前述の修飾核酸塩基の1つ以上の組み合わせ(例えば、前述の修飾核酸塩基の2、3、または4つの組み合わせ)を含む。
幾つかの実施形態では、修飾核酸塩基は、プソイドウリジン(ψ)、N1-メチルプソイドウリジン(m1ψ)、2-チオウリジン、4’-チオウリジン、5-メチルシトシン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、4-チオ-プソイドウリジン、5-アザ-ウリジン、ジヒドロプソイドウリジン、5-メトキシウリジン、または2’-O-メチルウリジンである。幾つかの実施形態では、本開示のmRNAは、前述の修飾核酸塩基の1つ以上の組み合わせ(例えば、前述の修飾核酸塩基の2、3、または4つの組み合わせ)を含む。一実施形態では、修飾核酸塩基はN1-メチルプソイドウリジン(m1ψ)であり、本開示のmRNAは、N1-メチルプソイドウリジン(m1ψ)で完全に修飾されている。幾つかの実施形態では、N1-メチルプソイドウリジン(m1ψ)は、mRNA中のウラシルの75~100%を占める。幾つかの実施形態では、N1-メチルプソイドウリジン(m1ψ)は、mRNA中のウラシルの100%を占める。
幾つかの実施形態では、修飾核酸塩基は、修飾シトシンである。修飾シトシンを有する核酸塩基及びヌクレオシドの例として、N4-アセチル-シチジン(ac4C)、5-メチル-シチジン(m5C)、5-ハロ-シチジン(例えば、5-ヨード-シチジン)、5-ヒドロキシメチル-シチジン(hm5C)、1-メチル-プソイドイソシチジン、2-チオ-シチジン(s2C)、2-チオ-5-メチル-シチジンが挙げられる。幾つかの実施形態では、本開示のmRNAは、前述の修飾核酸塩基の1つ以上の組み合わせ(例えば、前述の修飾核酸塩基の2、3、または4つの組み合わせ)を含む。
幾つかの実施形態では、修飾核酸塩基は、修飾アデニンである。修飾アデニンを有する核酸塩基及びヌクレオシドの例として、7-デアザ-アデニン、1-メチル-アデノシン(m1A)、2-メチル-アデニン(m2A)、N6-メチル-アデノシン(m6A)が挙げられる。幾つかの実施形態では、本開示のmRNAは、前述の修飾核酸塩基の1つ以上の組み合わせ(例えば、前述の修飾核酸塩基の2、3、または4つの組み合わせ)を含む。
幾つかの実施形態では、修飾核酸塩基は、修飾グアニンである。修飾グアニンを有する核酸塩基及びヌクレオシドの例として、イノシン(I)、1-メチル-イノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、7-デアザ-グアノシン、7-シアノ-7-デアザ-グアノシン(preQ0)、7-アミノメチル-7-デアザ-グアノシン(preQ1)、7-メチル-グアノシン(m7G)、1-メチル-グアノシン(m1G)、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシンが挙げられる。幾つかの実施形態では、本開示のmRNAは、前述の修飾核酸塩基の1つ以上の組み合わせ(例えば、前述の修飾核酸塩基の2、3、または4つの組み合わせ)を含む。
幾つかの実施形態では、修飾核酸塩基は、1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)、5-メトキシ-ウリジン(mo5U)、5-メチル-シチジン(m5C)、プソイドウリジン(ψ)、α-チオ-グアノシン、またはα-チオ-アデノシンである。幾つかの実施形態では、本開示のmRNAは、前述の修飾核酸塩基の1つ以上の組み合わせ(例えば、前述の修飾核酸塩基の2、3、または4つの組み合わせ)を含む。
幾つかの実施形態では、mRNAは、プソイドウリジン(ψ)を含む。幾つかの実施形態では、mRNAは、プソイドウリジン(ψ)及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。幾つかの実施形態では、mRNAは、1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)を含む。幾つかの実施形態では、mRNAは、1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。幾つかの実施形態では、mRNAは、2-チオウリジン(s2U)を含む。幾つかの実施形態では、mRNAは、2-チオウリジン及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。幾つかの実施形態では、mRNAは、5-メトキシウリジン(mo5U)を含む。幾つかの実施形態では、mRNAは、5-メトキシ-ウリジン(mo5U)及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。幾つかの実施形態では、mRNAは、2’-O-メチルウリジンを含む。幾つかの実施形態では、mRNAは、2’-O-メチルウリジン及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。幾つかの実施形態では、mRNAは、N6-メチル-アデノシン(m6A)を含む。幾つかの実施形態では、mRNAは、N6-メチル-アデノシン(m6A)及び5-メチル-シチジン(m5C)を含む。
ある特定の実施形態では、本開示のmRNAは、特定の修飾のために均一に修飾される(すなわち、完全に修飾され、配列全体を通して修飾される)。例えば、mRNAは、N1-メチルプソイドウリジン(m1ψ)または5-メチル-シチジン(m5C)で均一に修飾することができ、これは、mRNA配列におけるすべてのウリジンまたはすべてのシトシンヌクレオシドがN1-メチルプソイドウリジン(m1ψ)または5-メチル-シチジン(m5C)で置き換えられることを意味する。同様に、本開示のmRNAは、配列に存在する任意のタイプのヌクレオシド残基に関して、上述のものなどの修飾残基で置き換えることによって均一に修飾することができる。
幾つかの実施形態では、本開示のmRNAは、コード領域(例えば、ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム)において修飾されてもよい。他の実施形態では、mRNAは、コード領域以外の領域において修飾されてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、5’-UTR及び/または3’-UTRが提供され、ここで、一方または両方が、独立して、1つ以上の異なるヌクレオシド修飾を含有してもよい。そのような実施形態では、ヌクレオシド修飾は、コード領域にも存在してもよい。
本開示のmmRNAに存在し得るヌクレオシド修飾及びそれらの組み合わせの例として、PCT特許出願公開:第WO2012045075号、第WO2014081507号、第WO2014093924号、第WO2014164253号、及び第WO2014159813号に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
本開示のmmRNAは、糖、核酸塩基、及び/またはヌクレオシド間結合への修飾の組み合わせを含むことができる。これらの組み合わせは、本明細書に記載の任意の1つ以上の修飾を含むことができる。
修飾ヌクレオシド及び修飾ヌクレオシドの組み合わせの例を以下の表17及び表18に示す。修飾ヌクレオチドのこれらの組み合わせを使用して、本開示のmmRNAを形成することができる。ある特定の実施形態では、修飾ヌクレオシドによって、本開示のmRNAの天然ヌクレオチドが部分的にまたは完全に置換されてもよい。非限定的な例として、天然のヌクレオチドウリジンは、本明細書に記載の修飾ヌクレオシドで置換されてもよい。別の非限定的な例では、天然のヌクレオシドウリジンは、本明細書に開示のヌクレオシドの少なくとも1つで部分的に置換されてもよい(例えば、天然のウリジンの約0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99.9%)。
本開示によれば、本開示のポリヌクレオチドは、表17または表18の組み合わせまたは単一の修飾を含むように合成することができる。
単一の修飾が記載されている場合、記載されたヌクレオシドまたはヌクレオチドは、修飾されているそのA、U、GまたはCヌクレオチドまたはヌクレオシドの100パーセントを占める。百分率が記載されている場合、これらは、存在するA、U、G、またはC三リン酸の総量に対するその特定のA、U、G、またはC核酸塩基三リン酸の百分率を表す。例えば、25%5-アミノアリル-CTP+75%CTP/25%5-メトキシ-UTP+75%UTPという組み合わせは、シトシン三リン酸の25%が5-アミノアリル-CTPであり、かつシトシンの75%がCTPであり、その一方で、ウラシルの25%が5-メトキシUTPであり、かつウラシルの75%がUTPであるポリヌクレオチドを指す。修飾されるUTPが記載されていない場合は、ポリヌクレオチドに見出されるヌクレオチドの部位の100%に天然に存在するATP、UTP、GTP、及び/またはCTPが使用される。この例では、GTP及びATPヌクレオチドはすべて修飾されないままである。
本開示のmRNAまたはその領域は、コドン最適化されてもよい。コドン最適化法は、当技術分野で公知であり、以下の種々の目的に有用であり得る:宿主生物におけるコドン頻度を一致させて適切な折り畳みを確保すること、GC含量を偏らせてmRNAの安定性を増大させるか、もしくは二次構造を低減させること、遺伝子構築もしくは発現を損なうおそれがあるタンデムリピートコドンもしくは塩基ランを最小化すること、転写及び翻訳制御領域をカスタマイズすること、タンパク質輸送配列を挿入もしくは除去すること、コードされたタンパク質中の翻訳後修飾部位(例えば、グリコシル化部位)を除去/付加すること、タンパク質ドメインを付加、除去もしくはシャッフルすること、制限部位を挿入するかもしくは欠失させること、リボソーム結合部位及びmRNA分解部位を修飾すること、翻訳速度を調整してタンパク質の様々なドメインの適切な折り畳みを可能にすること、またはポリヌクレオチド内の問題の二次構造を低減するかもしくは排除すること。コドン最適化ツール、アルゴリズム、及びサービスは、当技術分野で公知であり、非限定的な例としては、GeneArt(Life Technologies)、DNA2.0(Menlo Park,CA)からのサービス、及び/または独自方法が挙げられる。一実施形態では、mRNA配列は、例えば、哺乳動物細胞における発現を最適化するため、またはmRNAの安定性を強化するために、最適化アルゴリズムを使用して最適化される。
ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載のポリヌクレオチド配列のいずれかに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するポリヌクレオチドを含む。
本開示のmRNAは、当技術分野で利用可能な手段によって生成されてもよく、こうしたものとして、in vitro転写(IVT)及び合成法が挙げられるが、これらに限定されない。酵素(IVT)合成法、固相合成法、液相合成法、組み合わせた合成法、小領域合成法、及びライゲーション法が利用されてもよい。一実施形態では、mRNAは、IVT酵素合成法を使用して作製される。IVTによってポリヌクレオチドを作製する方法は当技術分野で公知であり、国際出願第PCT/US2013/30062号(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。したがって、本開示はまた、本明細書に記載のmRNAをin vitroで転写するのに使用することができるポリヌクレオチド、例えば、DNA、構築物、及びベクターを含む。
非天然の修飾核酸塩基は、ポリヌクレオチド、例えば、mRNAに、合成中または合成後に導入されてもよい。ある種の実施形態では、修飾は、ヌクレオチド間結合、プリンもしくはピリミジン塩基、または糖に存在してもよい。特定の実施形態では、修飾は、またはポリヌクレオチド鎖の末端または鎖の他のいずれかの場所で、化学合成またはポリメラーゼ酵素で導入されてもよい。修飾核酸及びそれらの合成の例は、PCT出願第PCT/US2012/058519号に開示されている。修飾ポリヌクレオチドの合成は、Verma and Eckstein,Annual Review of Biochemistry,vol.76,99-134(1998)にも記載されている。
酵素的ライゲーション法または化学的ライゲーション法のいずれかを使用して、ポリヌクレオチドまたはその領域を、標的化剤または送達剤、蛍光標識、液体、ナノ粒子などの異なる機能部分にコンジュゲートさせてもよい。ポリヌクレオチド及び修飾ポリヌクレオチドのコンジュゲートは、Goodchild,Bioconjugate Chemistry,vol.1(3),165-187(1990)に概説されている。
マイクロRNA(miRNA)結合部位
本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、調節エレメント、例えば、マイクロRNA(miRNA)結合部位、転写因子結合部位、構造化mRNA配列及び/またはモチーフ、内因性核酸結合分子の疑似受容体として作用するように操作された人工結合部位、ならびにそれらの組み合わせを含むことができる。幾つかの実施形態では、そのような調節エレメントを含む核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、「センサー配列」を含むと呼ばれる。センサー配列の非限定的な例は、米国公開第2014/0200261号(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
幾つかの実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、目的のポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含み、1つ以上のmiRNA結合部位(複数可)をさらに含む。miRNA結合部位(複数可)を含むまたは組み込むと、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)が、結果的にはそれらからコードされるポリペプチドが、天然に存在するmiRNAの組織特異的及び/または細胞型特異的な発現に基づいて調節される。
miRNA、例えば、天然に存在するmiRNAは、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に結合し、ポリヌクレオチドの安定性を低減させるか、またその翻訳を阻害することによって遺伝子発現を下方制御する、19~25ヌクレオチド長の非コードRNAである。miRNA配列は、「シード」領域、すなわち、成熟miRNAの2~8位の領域内の配列を含む。miRNAシードは、成熟miRNAの2~8位または2~7位を含むことができる。幾つかの実施形態では、miRNAシードは、7ヌクレオチド(例えば、成熟miRNAのヌクレオチド2~8)を含むことができ、対応するmiRNA結合部位におけるシード相補的部位は、miRNAの1位に対向するアデノシン(A)に隣接する。幾つかの実施形態では、miRNAシードは、6ヌクレオチド(例えば、成熟miRNAのヌクレオチド2~7)を含むことができ、対応するmiRNA結合部位におけるシード相補的部位は、miRNAの1位に対向するアデノシン(A)に隣接する。例えば、Grimson A,Farh KK,Johnston WK,Garrett-Engele P,Lim LP,Bartel DP;mol Cell.2007 Jul 6;27(1):91-105を参照されたい。標的細胞または組織のmiRNAプロファイリングを行って、細胞または組織中のmiRNAの存在または非存在を判断することができる。幾つかの実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、1つ以上のマイクロRNA結合部位、マイクロRNA標的配列、マイクロRNA相補的配列、またはマイクロRNAシード相補的配列を含む。そのような配列は、例えば、米国特許公開第US2005/0261218号及び米国特許公開第US2005/0059005号(それらの各々の内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に教示されているものなどの任意の公知のマイクロRNAに対応することができ、例えば、それらに対する相補性を有することができる。
本明細書中で使用される場合、「マイクロRNA(miRNAまたはmiR)結合部位」という用語は、核酸分子内、例えば、DNA内あるいは5’UTR及び/または3’UTRを含めたRNA転写物内の配列であって、miRNAのすべてのまたはある領域に対して、miRNAと相互作用する、会合する、または結合するのに十分な相補性を有する配列を指す。幾つかの実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、目的のポリペプチドをコードするORFを含み、1つ以上のmiRNA結合部位(複数可)をさらに含む。例示的な実施形態では、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR及び/または3’UTRは、1つ以上のmiRNA結合部位(複数可)を含む。
miRNAに対して十分な相補性を有するmiRNA結合部位とは、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)のmiRNA媒介性調節、例えば、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)のmiRNA媒介性の翻訳抑制または分解を容易にするのに十分な程度の相補性を指す。本開示の例示的な態様では、miRNAに対して十分な相補性を有するmiRNA結合部位とは、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)のmiRNA媒介性分解、例えば、mRNAのmiRNA誘導性RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)媒介性の切断を容易にするのに十分な程度の相補性を指す。miRNA結合部位は、例えば、19~25ヌクレオチドのmiRNA配列、19~23ヌクレオチドのmiRNA配列、または22ヌクレオチドのmiRNA配列に対して相補性を有することができる。miRNA結合部位は、miRNAの一部分のみ、例えば、天然に存在するmiRNA配列の全長の1、2、3、または4ヌクレオチド未満の部分に対して相補的であり得る。所望される調節がmRNAの分解である場合、十分なまたは完全な相補性(例えば、天然に存在するmiRNAの長さのすべてまたは相当な部分にわたる十分な相補性または完全な相補性)が好ましい。
幾つかの実施形態では、miRNA結合部位は、miRNAシード配列と相補性(例えば、部分的または完全な相補性)を有する配列を含む。幾つかの実施形態では、miRNA結合部位は、miRNAシード配列と完全な相補性を有する配列を含む。幾つかの実施形態では、miRNA結合部位は、miRNA配列と相補性(例えば、部分的または完全な相補性)を有する配列を含む。幾つかの実施形態では、miRNA結合部位は、miRNA配列と完全な相補性を有する配列を含む。幾つかの実施形態において、miRNA結合部位は、1、2、または3つのヌクレオチド置換、末端付加、及び/または切断を別にすれば、miRNA配列と完全な相補性を有する。
幾つかの実施形態では、miRNA結合部位は、対応するmiRNAと同じ長さである。他の実施形態では、miRNA結合部位は、5’末端、3’末端、またはその両方で、対応するmiRNAよりも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12ヌクレオチド短い。さらに他の実施形態では、マイクロRNA結合部位は、5’末端、3’末端、またはその両方で、対応するマイクロRNAより2ヌクレオチド短い。対応するmiRNAよりも短いmiRNA結合部位は、それでも、1つ以上の該miRNA結合部位を組み込んだmRNAを分解したり、またはmRNAの翻訳を妨げたりすることが可能である。
幾つかの実施形態では、miRNA結合部位は、ダイサーを含有する活性RISCの一部である対応する成熟miRNAに結合する。別の実施形態では、RISC内の対応するmiRNAへ該miRNA結合部位が結合すると、該miRNA結合部位を含むmRNAが分解され、または該mRNAの翻訳が妨げられる。幾つかの実施形態では、miRNA結合部位は、miRNAに対して十分な相補性を有するので、該miRNAを含むRISC複合体は、該miRNA結合部位を含む核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を切断する。他の実施形態では、miRNA結合部位は不完全な相補性を有するので、該miRNAを含むRISC複合体は、該miRNA結合部位を含む核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に不安定性を誘導する。幾つかの実施形態では、miRNA結合部位は、miRNAに対して不十分な相補性を有するので、該miRNAを含むRISC複合体は、該miRNA結合部位を含む核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の転写を抑制する。
幾つかの実施形態では、miRNA結合部位は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12個の、対応するmiRNAからのミスマッチを有する。
幾つかの実施形態では、miRNA結合部位は、対応するmiRNAの少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、少なくとも約20、または少なくとも約21個の連続したヌクレオチドに対して相補的な、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、少なくとも約20、または少なくとも約21個の連続したヌクレオチドをそれぞれ有する。
1つ以上のmiRNA結合部位を本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に操作導入することによって、問題のmiRNAが利用可能であれば、該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を、分解のための、または翻訳の低減のための標的とすることができる。これによって、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を送達したときのオフターゲット作用を低減させることができる。例えば、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)が組織または細胞に送達されるように意図されていないが、最終的には前記組織または細胞に行き着く場合、その組織または細胞内で豊富に存在するmiRNAは、該miRNAの1つ以上の結合部位が該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR及び/または3’UTRに操作導入されているならば、目的の遺伝子の発現を阻害することができる。
例えば、当業者であれば、1つ以上のmiRを核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に含めることで、リンパ系細胞以外の細胞型での発現を最小化できることを理解するであろう。一実施形態では、miR122を使用することができる。別の実施形態では、miR126を使用することができる。さらに別の実施形態では、これらのmiRまたは組み合わせの複数のコピーを使用することができる。
逆に、特定の組織でのタンパク質発現を増大させるために、miRNA結合部位を、それらが天然に存在する核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)配列から除去することができる。例えば、特定のmiRNAの結合部位を核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)から除去して、該miRNAを含有する組織または細胞におけるタンパク質発現を向上させることができる。
一実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、特定の細胞、例えば、限定するものではないが、正常細胞及び/またはがん細胞に対して細胞障害性または細胞保護性mRNA治療薬を調節するために、5’UTR及び/または3’UTRに少なくとも1つのmiRNA結合部位を含むことができる。別の実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、特定の細胞、例えば、限定するものではないが、正常細胞及び/またはがん細胞に対して細胞障害性または細胞保護性mRNA治療薬を調節するために、5’UTR及び/または3’UTRに2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ以上のmiRNA結合部位を含むことができる。
複数の組織における発現の調節は、1つ以上のmiRNA結合部位、例えば、1つ以上の別個のmiRNA結合部位の導入または除去によって達成することができる。miRNA結合部位を除去するか挿入するかの判断は、発生及び/または疾患における組織及び/または細胞におけるmiRNAの発現パターン及び/またはそれらのプロファイリングに基づいて行うことができる。miRNA、miRNA結合部位、ならびにそれらの発現パターン及び生物学における役割の特定が報告されている(例えば、Bonauer et al.,Curr Drug Targets 2010 11:943-949;Anand and Cheresh Curr Opin Hematol 2011 18:171-176;Contreras and Rao Leukemia 2012 26:404-413(2011 Dec 20.doi:10.1038/leu.2011.356);Bartel Cell 2009 136:215-233;Landgraf et al,Cell,2007 129:1401-1414;Gentner and Naldini,Tissue Antigens.2012 80:393-403、及びそれらの中のすべての参考文献(これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))。
miRNA及びmiRNA結合部位は、米国公開第2014/0200261号、第2005/0261218号、及び第2005/0059005号(それらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている非限定的な例を含めて、任意の公知の配列に対応することができる。miRNAがmRNAを調節し、それによってタンパク質発現を調節することが公知である組織の例として、肝臓(miR-122)、筋肉(miR-133、miR-206、miR-208)、内皮細胞(miR-17-92、miR-126)、骨髄細胞(miR-142-3p、miR-142-5p、miR-16、miR-21、miR-223、miR-24、miR-27)、脂肪組織(let-7、miR-30c)、心臓(miR-1d、miR-149)、腎臓(miR-192、miR-194、miR-204)、及び肺上皮細胞(let-7、miR-133、miR-126)が挙げられるが、これらに限定されない。具体的には、miRNAは、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、または肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ))または脾細胞(例えば、脾実質細胞)において差次的に発現されることが公知である。標的細胞特異的miRNAは、免疫原性、自己免疫、感染に対する免疫応答、炎症、ならびに遺伝子療法及び組織/臓器移植後の望ましくない免疫応答に関与している。標的細胞特異的miRNAは、造血細胞(標的細胞)の発生、増殖、分化、及びアポトーシスの多くの側面も調節する。
一実施形態では、特に、標的細胞で発現することが公知であるmiRNAの結合部位を、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に操作導入して、miRNA媒介性のRNA分解を通して標的細胞における核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の発現を抑制することができる。核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の発現は、標的細胞特異的miRNAが発現されない非標的細胞において維持される。例えば、幾つかの実施形態では、肝臓特異的タンパク質に対する免疫原性反応を防ぐために、任意のmiR-122結合部位を除去することができ、miR-142(及び/またはmirR-146)結合部位を本開示の核酸分子の5’UTR及び/または3’UTRに操作導入することができる。
標的細胞における選択的分解ならびに抑制をさらに促進するために、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、5’UTR及び/または3’UTRにさらなる負の調節エレメントを単独でまたはmiR結合部位と組み合わせて含むことができる。非限定的な例として、さらなる負の調節エレメントは、Constitutive Decay Element(CDE)である。
肝臓で発現することが公知である肝臓標的細胞特異的miRNAとして、miR-107、miR-122-3p、miR-122-5p、miR-1228-3p、miR-1228-5p、miR-1249、miR-129-5p、miR-1303、miR-151a-3p、miR-151a-5p、miR-152、miR-194-3p、miR-194-5p、miR-199a-3p、miR-199a-5p、miR-199b-3p、miR-199b-5p、miR-296-5p、miR-557、miR-581、miR-939-3p、及びmiR-939-5pが挙げられるが、これらに限定されない。任意の肝臓特異的miRNAからのmiRNA結合部位を本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に導入してまたはそこから除去して、肝臓での核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の発現を調節することができる。一実施形態では、肝実質細胞によるmRNAの分解を促進するmiRNA結合部位がmRNA分子剤に存在する。
肺で発現することが公知であるmiRNAとして、let-7a-2-3p、let-7a-3p、let-7a-5p、miR-126-3p、miR-126-5p、miR-127-3p、miR-127-5p、miR-130a-3p、miR-130a-5p、miR-130b-3p、miR-130b-5p、miR-133a、miR-133b、miR-134、miR-18a-3p、miR-18a-5p、miR-18b-3p、miR-18b-5p、miR-24-1-5p、miR-24-2-5p、miR-24-3p、miR-296-3p、miR-296-5p、miR-32-3p、miR-337-3p、miR-337-5p、miR-381-3p、及びmiR-381-5pが挙げられるが、これらに限定されない。任意の肺特異的miRNAからのmiRNA結合部位を本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に導入してまたはそこから除去して、肺での核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の発現を調節することができる。肺特異的miRNA結合部位は、単独でまたは標的細胞(例えば、肝細胞または脾細胞)miRNA結合部位とさらに組み合わせて、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に操作導入することができる。
心臓で発現することが公知であるmiRNAには、miR-1、miR-133a、miR-133b、miR-149-3p、miR-149-5p、miR-186-3p、miR-186-5p、miR-208a、miR-208b、miR-210、miR-296-3p、miR-320、miR-451a、miR-451b、miR-499a-3p、miR-499a-5p、miR-499b-3p、miR-499b-5p、miR-744-3p、miR-744-5p、miR-92b-3p、及びmiR-92b-5pが挙げられるが、これらに限定されない。任意の心臓特異的マイクロRNAからのmiRNA結合部位を本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に導入してまたはそこから除去して、心臓での核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の発現を調節することができる。心臓特異的miRNA結合部位は、単独でまたは標的細胞(例えば、肝細胞または脾細胞)miRNA結合部位とさらに組み合わせて、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に操作導入することができる。
神経系で発現することが公知であるmiRNAとして、miR-124-5p、miR-125a-3p、miR-125a-5p、miR-125b-1-3p、miR-125b-2-3p、miR-125b-5p、miR-1271-3p、miR-1271-5p、miR-128、miR-132-5p、miR-135a-3p、miR-135a-5p、miR-135b-3p、miR-135b-5p、miR-137、miR-139-5p、miR-139-3p、miR-149-3p、miR-149-5p、miR-153、miR-181c-3p、miR-181c-5p、miR-183-3p、miR-183-5p、miR-190a、miR-190b、miR-212-3p、miR-212-5p、miR-219-1-3p、miR-219-2-3p、miR-23a-3p、miR-23a-5p、miR-30a-5p、miR-30b-3p、miR-30b-5p、miR-30c-1-3p、miR-30c-2-3p、miR-30c-5p、miR-30d-3p、miR-30d-5p、miR-329、miR-342-3p、miR-3665、miR-3666、miR-380-3p、miR-380-5p、miR-383、miR-410、miR-425-3p、miR-425-5p、miR-454-3p、miR-454-5p、miR-483、miR-510、miR-516a-3p、miR-548b-5p、miR-548c-5p、miR-571、miR-7-1-3p、miR-7-2-3p、miR-7-5p、miR-802、miR-922、miR-9-3p、及びmiR-9-5pが挙げられるが、これらに限定されない。神経系に豊富なmiRNAには、ニューロンに特異的に発現するもの(miR-132-3p、miR-132-3p、miR-148b-3p、miR-148b-5p、miR-151a-3p、miR-151a-5p、miR-212-3p、miR-212-5p、miR-320b、miR-320e、miR-323a-3p、miR-323a-5p、miR-324-5p、miR-325、miR-326、miR-328、miR-922が挙げられるが、これらに限定されない)、及びグリア細胞に特異的に発現するもの(miR-1250、miR-219-1-3p、miR-219-2-3p、miR-219-5p、miR-23a-3p、miR-23a-5p、miR-3065-3p、miR-3065-5p、miR-30e-3p、miR-30e-5p、miR-32-5p、miR-338-5p、及びmiR-657が挙げられるが、これらに限定されない)がさらに含まれる。任意のCNS特異的miRNAからのmiRNA結合部位を本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に導入してまたはそこから除去して、神経系での核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の発現を調節することができる。神経系特異的miRNA結合部位は、単独でまたは標的細胞(例えば、肝細胞または脾細胞)miRNA結合部位とさらに組み合わせて、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に操作導入することができる。
膵臓で発現することが公知であるmiRNAとして、miR-105-3p、miR-105-5p、miR-184、miR-195-3p、miR-195-5p、miR-196a-3p、miR-196a-5p、miR-214-3p、miR-214-5p、miR-216a-3p、miR-216a-5p、miR-30a-3p、miR-33a-3p、miR-33a-5p、miR-375、miR-7-1-3p、miR-7-2-3p、miR-493-3p、miR-493-5p、及びmiR-944が挙げられるが、これらに限定されない。任意の脾臓特異的miRNAからのmiRNA結合部位を本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に導入してまたはそこから除去して、脾臓での核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の発現を調節することができる。脾臓特異的miRNA結合部位は、単独でまたは標的細胞(例えば、肝細胞または脾細胞)miRNA結合部位とさらに組み合わせて、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に操作導入することができる。
腎臓で発現することが公知であるmiRNAとして、miR-122-3p、miR-145-5p、miR-17-5p、miR-192-3p、miR-192-5p、miR-194-3p、miR-194-5p、miR-20a-3p、miR-20a-5p、miR-204-3p、miR-204-5p、miR-210、miR-216a-3p、miR-216a-5p、miR-296-3p、miR-30a-3p、miR-30a-5p、miR-30b-3p、miR-30b-5p、miR-30c-1-3p、miR-30c-2-3p、miR30c-5p、miR-324-3p、miR-335-3p、miR-335-5p、miR-363-3p、miR-363-5p、及びmiR-562が挙げられるが、これらに限定されない。任意の腎臓特異的miRNAからのmiRNA結合部位を本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に導入してまたはそこから除去して、腎臓での核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の発現を調節することができる。腎臓特異的miRNA結合部位は、単独でまたは標的細胞(例えば、肝細胞または脾細胞)miRNA結合部位とさらに組み合わせて、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に操作導入することができる。
筋肉で発現することが公知であるmiRNAとして、let-7g-3p、let-7g-5p、miR-1、miR-1286、miR-133a、miR-133b、miR-140-3p、miR-143-3p、miR-143-5p、miR-145-3p、miR-145-5p、miR-188-3p、miR-188-5p、miR-206、miR-208a、miR-208b、miR-25-3p、及びmiR-25-5pが挙げられるが、これらに限定されない。任意の筋肉特異的miRNAからのmiRNA結合部位を本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に導入してまたはそこから除去して、筋肉での核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の発現を調節することができる。筋肉特異的miRNA結合部位は、単独でまたは標的細胞(例えば、肝細胞または脾細胞)miRNA結合部位とさらに組み合わせて、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に操作導入することができる。
miRNAは、限定するものではないが、内皮細胞、上皮細胞、及び脂肪細胞などの、異なる型の細胞でも差次的に発現する。
内皮細胞で発現することが公知であるmiRNAとして、let-7b-3p、let-7b-5p、miR-100-3p、miR-100-5p、miR-101-3p、miR-101-5p、miR-126-3p、miR-126-5p、miR-1236-3p、miR-1236-5p、miR-130a-3p、miR-130a-5p、miR-17-5p、miR-17-3p、miR-18a-3p、miR-18a-5p、miR-19a-3p、miR-19a-5p、miR-19b-1-5p、miR-19b-2-5p、miR-19b-3p、miR-20a-3p、miR-20a-5p、miR-217、miR-210、miR-21-3p、miR-21-5p、miR-221-3p、miR-221-5p、miR-222-3p、miR-222-5p、miR-23a-3p、miR-23a-5p、miR-296-5p、miR-361-3p、miR-361-5p、miR-421、miR-424-3p、miR-424-5p、miR-513a-5p、miR-92a-1-5p、miR-92a-2-5p、miR-92a-3p、miR-92b-3p、及びmiR-92b-5pが挙げられるが、これらに限定されない。内皮細胞では多くの新規なmiRNAがディープシーケンシング分析から発見されている(例えば、Voellenkle C et al.,RNA,2012,18,472-484(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))。任意の内皮細胞特異的miRNAからのmiRNA結合部位を本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に導入してまたはそこから除去して、内皮細胞での核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の発現を調節することができる。
上皮細胞で発現することが公知であるmiRNAとして、l呼吸器線毛上皮細胞に特異的なlet-7b-3p、let-7b-5p、miR-1246、miR-200a-3p、miR-200a-5p、miR-200b-3p、miR-200b-5p、miR-200c-3p、miR-200c-5p、miR-338-3p、miR-429、miR-451a、miR-451b、miR-494、miR-802、及びmiR-34a、miR-34b-5p、miR-34c-5p、miR-449a、miR-449b-3p、miR-449b-5p、肺上皮細胞に特異的なlet-7ファミリー、miR-133a、miR-133b、miR-126、腎上皮細胞に特異的なmiR-382-3p、miR-382-5p、ならびに角膜上皮細胞に特異的なmiR-762が挙げられるが、これらに限定されない。任意の上皮細胞特異的miRNAからのmiRNA結合部位を本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に導入してまたはそこから除去して、上皮細胞での核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の発現を調節することができる。
加えて、大きな群のmiRNAが胚性幹細胞に豊富であり、幹細胞の自己再生ならびに様々な細胞系統、例えば、神経細胞、心臓、造血細胞、皮膚細胞、骨形成細胞、及び筋細胞の発生及び/または分化を制御している(例えば、Kuppusamy KT et al.,Curr.mol Med,2013,13(5),757-764;Vidigal JA and Ventura A,Semin Cancer Biol.2012,22(5-6),428-436;Goff LA et al.,PLoS One,2009, 4:e7192;Morin RD et al.,Genome Res,2008,18,610-621;Yoo JK et al.,Stem Cells Dev.2012, 21(11),2049-2057(それらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))。胚性幹細胞に豊富に存在するmiRNAとして、let-7a-2-3p、let-a-3p、let-7a-5p、let7d-3p、let-7d-5p、miR-103a-2-3p、miR-103a-5p、miR-106b-3p、miR-106b-5p、miR-1246、miR-1275、miR-138-1-3p、miR-138-2-3p、miR-138-5p、miR-154-3p、miR-154-5p、miR-200c-3p、miR-200c-5p、miR-290、miR-301a-3p、miR-301a-5p、miR-302a-3p、miR-302a-5p、miR-302b-3p、miR-302b-5p、miR-302c-3p、miR-302c-5p、miR-302d-3p、miR-302d-5p、miR-302e、miR-367-3p、miR-367-5p、miR-369-3p、miR-369-5p、miR-370、miR-371、miR-373、miR-380-5p、miR-423-3p、miR-423-5p、miR-486-5p、miR-520c-3p、miR-548e、miR-548f、miR-548g-3p、miR-548g-5p、miR-548i、miR-548k、miR-548l、miR-548m、miR-548n、miR-548o-3p、miR-548o-5p、miR-548p、miR-664a-3p、miR-664a-5p、miR-664b-3p、miR-664b-5p、miR-766-3p、miR-766-5p、miR-885-3p、miR-885-5p,miR-93-3p、miR-93-5p、miR-941,miR-96-3p、miR-96-5p、miR-99b-3p、及びmiR-99b-5pが挙げられるが、これらに限定されない。多くの予測される新規なmiRNAは、ヒト胚性幹細胞のディープシーケンシングによって発見されている(例えば、Morin RD et al.,Genome Res,2008,18,610-621;Goff LA et al.,PLoS One,2009,4:e7192;Bar M et al.,Stem cells,2008,26,2496-2505(それらの各々の内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))。
幾つかの実施形態では、胚性幹細胞特異的miRNAの結合部位は、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の3’UTRに含めてまたはそこから除去して、胚性幹細胞の発生及び/または分化を調節するか、変性状態(例えば、変性疾患)での幹細胞の老化を阻害するか、あるいは疾患状態(例えば、がん幹細胞)での幹細胞の老化及びアポトーシスを刺激することができる。
様々ながん細胞/組織及び他の疾患におけるmiRNAの差次的発現をプロファイルするために、多くのmiRNA発現研究が行われている。あるmiRNAはある特定のがん細胞で異常に過剰発現されており、他のものは過少発現されている。例えば、miRNAは、がん細胞(WO2008/154098、US2013/0059015、US2013/0042333、WO2011/157294);がん幹細胞(US2012/0053224);膵臓のがん及び疾患(US2009/0131348、US2011/0171646、US2010/0286232、US8389210);喘息及び炎症(US8415096);前立腺癌(US2013/0053264);肝細胞癌(WO2012/151212、US2012/0329672、WO2008/054828、US8252538);肺癌細胞(WO2011/076143、WO2013/033640、WO2009/070653、US2010/0323357);皮膚T細胞リンパ腫(WO2013/011378);結腸直腸癌細胞(WO2011/0281756、WO2011/076142);がん陽性リンパ節(WO2009/100430、US2009/0263803);上咽頭癌(EP2112235);慢性閉塞性肺疾患(US2012/0264626、US2013/0053263);甲状腺癌(WO2013/066678);卵巣癌細胞(US2012/0309645、WO2011/095623);乳癌細胞(WO2008/154098、WO2007/081740、US2012/0214699)、白血病及びリンパ腫(WO2008/073915、US2009/0092974、US2012/0316081、US2012/0283310、WO2010/018563)(それらの各々の内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)において差次的に発現される。
非限定的な例として、特定のがん及び/または腫瘍細胞において過剰発現されるmiRNAのmiRNA結合部位を、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の3’UTRから除去して、がん細胞において過剰発現されたmiRNAによって抑制された発現を回復させ、これによって、対応する生物学的機能、例えば、転写刺激及び/または抑制、細胞周期停止、アポトーシスならびに細胞死を改善する。miRNAの発現が上方制御されていない正常な細胞及び組織は影響を受けないままである。
miRNAは、血管新生などの複雑な生物学的プロセスを制御することもできる(例えば、miR-132)(Anand and Cheresh Curr Opin Hematol 2011 18:171-176)。本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)において、そのようなプロセスに関与するmiRNA結合部位は、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の発現を生物学的に関連する細胞型または関連する生物学的プロセスに合わせるために除去されても、または導入されてもよい。これに関連して、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、栄養要求性ポリヌクレオチドとして定義される。
幾つかの実施形態では、本開示のポリペプチドの治療ウィンドウ及び/または差次的発現(例えば、組織特異的発現)は、該ポリペプチドをコードするmRNAにmiRNA結合部位を組み込むことによって改変されてもよい。一例では、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、ある組織型において別の組織型と比較したときに高く発現するmiRNAによって結合される1つ以上のmiRNA結合部位を含んでもよい。別の例では、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、がん細胞において、同じ組織を起源とする非がん性細胞と比較したときに低く発現するmiRNAによって結合される1つ以上のmiRNA結合部位を含んでもよい。そのような低レベルのmiRNAを発現するがん細胞に存在する場合、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)によってコードされるポリペプチドは、典型的には、増大された発現を示すこととなる。
肝癌細胞(例えば、肝細胞癌細胞)は、典型的には、正常な肝細胞と比較したときに、低レベルのmiR-122を発現する。したがって、少なくとも1つのmiR-122結合部位を含むポリペプチド(例えば、mRNAの3’-UTR内)をコードする核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、典型的には、正常な肝細胞では比較的低レベルのポリペプチドを発現し、肝癌細胞では比較的高レベルのポリペプチドを発現することとなる。ポリペプチドが免疫原性細胞死を誘導することが可能であるならば、これは、正常な肝細胞と比較したときに、肝臓癌細胞(例えば、肝細胞癌細胞)の優先的な免疫原性細胞死滅を誘導することができる。
幾つかの実施形態では、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、少なくとも1つのmiR-122結合部位、少なくとも2つのmiR-122結合部位、少なくとも3つのmiR-122結合部位、少なくとも4つのmiR-122結合部位、または少なくとも5つのmiR-122結合部位を含む。一態様では、miRNA結合部位は、miR-122に結合するか、またはmiR-122に相補的である。別の態様では、miRNA結合部位は、miR-122-3pまたはmiR-122-5pに結合する。特定の態様では、miRNA結合部位は、配列番号75と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一なヌクレオチド配列を含み、miRNA結合部位は、miR-122に結合する。別の特定の態様では、miRNA結合部位は、配列番号73と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一なヌクレオチド配列を含み、miRNA結合部位は、miR-122に結合する。これらの配列は、以降の表19に示す。
幾つかの実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、miRNA結合部位を含み、miRNA結合部位は、表19から選択される1つ以上のヌクレオチド配列を含み、これには、該miRNA結合部位配列の任意の1つ以上の1つ以上のコピーが含まれる。幾つかの実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、表19から選択される同じまたは異なるmiRNA結合部位の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ以上を、それらの任意の組み合わせを含めてさらに含む。一態様では、miRNA結合部位は、miR-142に結合するか、またはmiR-142に相補的である。幾つかの実施形態では、miR-142は、配列番号66を含む。幾つかの実施形態では、miRNA結合部位は、miR-142-3pまたはmiR-142-5pに結合する。幾つかの実施形態では、miR-142-3pは、配列番号68を含む。幾つかの実施形態では、miR-142-5pは、配列番号70を含む。幾つかの実施形態では、miRNA結合部位は、配列番号68または配列番号70と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%同一なヌクレオチド配列を含む。
幾つかの実施形態では、miRNA結合部位は、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に、該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の任意の位置(例えば、5’及び/または3’UTR)に挿入される。幾つかの実施形態では、5’UTRは、miRNA結合部位を含む。幾つかの実施形態では、3’UTRは、miRNA結合部位を含む。幾つかの実施形態では、5’UTR及び3’UTRは、miRNA結合部位を含む。核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の挿入部位は、該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)へのmiRNA結合部位の挿入が、対応するmiRNAの非存在下で機能的ポリペプチドの翻訳を妨害しない限り、また、miRNAの存在下では、該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)へのmiRNA結合部位の挿入及び対応するmiRNAへmiRNA結合部位の結合が、ポリヌクレオチドを分解することまたは該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の翻訳を妨げることが可能な限り、該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)内のどこであってもよい。
幾つかの実施形態では、miRNA結合部位は、ORFを含む本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)における該ORFの終止コドンから少なくとも約30ヌクレオチド下流に挿入される。幾つかの実施形態では、miRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチドにおけるORFの終止コドンから少なくとも約10ヌクレオチド、少なくとも約15ヌクレオチド、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約25ヌクレオチド、少なくとも約30ヌクレオチド、少なくとも約35ヌクレオチド、少なくとも約40ヌクレオチド、少なくとも約45ヌクレオチド、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約55ヌクレオチド、少なくとも約60ヌクレオチド、少なくとも約65ヌクレオチド、少なくとも約70ヌクレオチド、少なくとも約75ヌクレオチド、少なくとも約80ヌクレオチド、少なくとも約85ヌクレオチド、少なくとも約90ヌクレオチド、少なくとも約95ヌクレオチド、または少なくとも約100ヌクレオチド下流に挿入される。幾つかの実施形態では、miRNA結合部位は、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)におけるORFの終止コドンから約10ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約50ヌクレオチド~約60ヌクレオチド、約45ヌクレオチド~約65ヌクレオチド下流に挿入される。
miRNA遺伝子の調節は、miRNAの周囲の配列によって影響を受けることがあり、そうしたものには、限定するものではないが、周囲の配列の種、配列の型(例えば、異種、同種、外因性、内因性、または人工)、周囲の配列における調節エレメント及び/または該周囲の配列における構造エレメントなどがある。miRNAは、5’UTR及び/または3’UTRの影響を受けることがある。非限定的な例として、非ヒト3’UTRは、同じ配列型のヒト3’UTRと比較して、目的のポリペプチドの発現に及ぼすmiRNA配列の調節効果を増大させることができる。
一実施形態では、5’UTRの他の調節エレメント及び/または構造エレメントは、miRNA媒介性の遺伝子調節に影響を与えることがある。調節エレメント及び/または構造エレメントの一例は、5’UTR内の構造化IRES(配列内リボソーム進入部位)であり、これは、翻訳伸長因子が結合してタンパク質翻訳を開始するのに必要である。5’UTR内のこの二次的構造化エレメントにEIF4A2が結合することがmiRNA媒介性の遺伝子発現に必要である(Meijer HA et al.,Science,2013,340,82-85(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))。本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、マイクロRNA媒介性の遺伝子調節を強化するために、この構造化5’UTRをさらに含むことができる。
少なくとも1つのmiRNA結合部位は、本開示のポリヌクレオチドの3’UTRに操作導入されてもよい。これに関して、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10個、またはそれ以上のmiRNA結合部位を、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の3’UTRに操作導入することができる。例えば、1~10、1~9、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、2、または1個のmiRNA結合部位を、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の3’UTRに操作導入することができる。一実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に組み込まれるmiRNA結合部位は、同じmiRNA部位であっても、または異なるmiRNA部位であってもよい。本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に組み込まれる異なるmiRNA結合部位の組み合わせは、異なるmiRNA部位のいずれかの複数のコピーが組み込まれる組み合わせを含むことができる。別の実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に組み込まれるmiRNA結合部位は、体内の同じ組織を標的にしても、または異なる組織を標的にしてもよい。非限定的な例として、組織特異的、細胞型特異的、または疾患特異的なmiRNA結合部位を本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を3’UTRに導入することを通して、特定の細胞型(例えば、肝実質細胞、骨髄細胞、内皮細胞、がん細胞など)での発現の程度を低減させることができる。
一実施形態では、miRNA結合部位は、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の3’UTRの5’末端付近、3’UTRの5’末端と3’末端との間のほぼ中間、及び/または3’UTRの3’末端付近に操作導入することができる。非限定的な例として、miRNA結合部位は、3’UTRの5’末端付近、及び3’UTRの5’末端と3’末端との間のほぼ中間に操作導入することができる。別の非限定的な例として、miRNA結合部位は、3’UTRの3’末端付近、及び3’UTRの5’末端と3’末端との間のほぼ中間に操作導入することができる。さらに別の非限定的な例として、miRNA結合部位は、3’UTRの5’末端付近、及び3’UTRの3’末端付近に操作導入することができる。
別の実施形態では、3’UTRは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のmiRNA結合部位を含むことができる。miRNA結合部位は、miRNA、miRNAのシード配列、及び/または該シード配列に隣接するmiRNA配列に相補的であり得る。
一実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、対象の異なる組織または異なる細胞型で発現される複数のmiRNA部位を含むように操作することができる。非限定的な例として、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、miR-192及びmiR-122を含むように操作して、対象の肝臓及び腎臓における該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の発現を調節することができる。別の実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、同じ組織に対する複数のmiRNA部位を含むように操作することができる。
幾つかの実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)によってコードされるポリペプチドに関連する治療ウィンドウ及び/または差次的発現を、miRNA結合部位で改変することができる。例えば、死のシグナルを提供するポリペプチドをコードする核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、それらの細胞のmiRNA調節(miRNA signature)によって、がん細胞においてより高度に発現されるように設計することができる。がん細胞が特定のmiRNAをより低いレベルで発現する場合、そのmiRNA(または複数のmiRNA)の結合部位をコードする核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、より高度に発現されることになる。したがって、死のシグナルを提供するポリペプチドは、がん細胞の細胞死を誘因または誘導する。同じmiRNAをより多く発現している近隣の非がん細胞は、3’UTRにコードされた結合部位へのmiRNAの結合または「センサー」の効果によってポリヌクレオチドがより低いレベルで発現することになるために、コードされた死のシグナルの影響が少なくなることとなる。逆に、がん細胞の方がmiRNAを高く発現している場合、がん細胞及び非がん細胞を含有する組織に細胞生存または細胞保護シグナルを送達することができ、結果的に、がん細胞への生存シグナルは低くなり、正常細胞への生存シグナルは大きくなる。本明細書に記載されるようなmiRNA結合部位の使用に基づいて、異なるシグナルを有するように複数の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を設計し、投与してもよい。
幾つかの実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の発現は、該ポリヌクレオチドに少なくとも1つのセンサー配列を組み込み、該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を投与用に製剤化することによって制御することができる。非限定的な例として、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、miRNA結合部位を組み込み、該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を、本明細書に記載の脂質のいずれかを含めたカチオン性脂質を含む脂質ナノ粒子中に製剤化することによって、組織または細胞を標的とすることができる。
本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、異なる組織、細胞型、または生物学的条件におけるmiRNAの発現パターンに基づいて、特定の組織、細胞型、または生物学的条件における、より標的化された発現のために操作することができる。組織特異的なmiRNA結合部位の導入を通して、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、組織または細胞において、または生物学的条件に関連して最適なタンパク質発現のために設計することができる。
幾つかの実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、公知のmiRNAのシード配列に対して100%の同一性を有するか、またはmiRNAのシード配列に対して100%未満の同一性を有するmiRNA結合部位を組み込むように設計することができる。幾つかの実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、公知のmiRNAのシード配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するmiRNA結合部位を組み込むように設計することができる。miRNAシード配列は、miRNA結合親和性を減少させるように、したがって核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の抑制的調節の低減をもたらすように部分的に変異させることができる。本質的に、miRNA結合部位とmiRNAのシードとの間のマッチまたはミスマッチの程度は、miRNAがタンパク質発現を調節する能力をより細かく調整するためのレオスタットとしての機能を果たすことができる。加えて、miRNA結合部位の非シード領域の変異も、タンパク質発現を調節するmiRNAの能力に影響を与え得る。
一実施形態では、miRNA配列をステムループのループに組み込むことができる。別の実施形態では、miRNAシード配列をステムループのループに組み込むことができ、miRNA結合部位を該ステムループの5’または3’ステムに組み込むことができる。
一実施形態では、翻訳エンハンサーエレメント(TEE)をステムループのステムの5’末端に組み込むことができ、miRNAシードをステムループのステムに組み込むことができる。別の実施形態では、TEEをステムループのステムの5’末端に組み込むことができ、miRNAシードをステムループのステムに組み込むことができ、miRNA結合部位をステムの3’末端またはステムループの後の配列に組み込むことができる。miRNAシード及びmiRNA結合部位は、同じ及び/または異なるmiRNA配列に対するものであり得る。
一実施形態では、miRNA配列及び/またはTEE配列を組み込むと、ステムループ領域の形状が変化し、それによって翻訳が増大及び/または減少し得る。(例えば、Kedde et al.,“A Pumilio-induced RNA structure switch in p27-3’UTR controls miR-221 and miR-22 accessibility.”Nature Cell Biology.2010(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
一実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’-UTRは、少なくとも1つのmiRNA配列を含むことができる。miRNA配列は、限定するものではないが、19または22ヌクレオチド配列及び/またはシードを含まないmiRNA配列であり得る。
一実施形態では、5’UTR内のmiRNA配列を使用して、本明細書に記載の本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を安定化することができる。
別の実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のmiRNA配列を使用して、開始翻訳部位、例えば、限定するものではないが、開始コドンのアクセシビリティを減少させることができる。例えば、Matsuda et al., PLoS One. 2010 11(5):e15057(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい。これは、最初の開始コドン(AUG)へのアクセシビリティを減少させるために、アンチセンスロックド核酸(LNA)オリゴヌクレオチド及びエキソン接合複合体(EJC)を開始コドン(-4~+37、ここでは、AUGコドンのAが+1)の周りに使用した。Matsudaは、開始コドンの周りの配列をLNAまたはEJCで改変すると、ポリヌクレオチドの効率、長さ、及び構造安定性が影響を受けることを示した。本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、翻訳開始部位へのアクセシビリティを減少させるために、Matsudaらによって記載されたLNAまたはEJC配列の代わりに、翻訳開始部位付近にmiRNA配列を含むことができる。翻訳開始部位は、miRNA配列の前、後、または中にあり得る。非限定的な例として、翻訳開始部位は、miRNA配列内、例えば、シード配列または結合部位に位置し得る。別の非限定的な例として、翻訳開始部位は、miR-122配列内、例えば、シード配列またはmir-122結合部位に位置し得る。幾つかの実施形態において、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、抗原提示細胞による抗原提示を減弱させるために、少なくとも1つのmiRNAを含むことができる。miRNAは、完全なmiRNA配列、miRNAシード配列、シードを含まないmiRNA配列、またはそれらの組み合わせであり得る。非限定的な例として、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に組み込まれるmiRNAは、造血系に特異的であり得る。別の非限定的な例として、抗原提示を減弱させるために本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に組み込まれるmiRNAは、miR-142-3pである。
幾つかの実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、目的の組織または細胞におけるコードされたポリペプチドの発現を減弱させるために、少なくとも1つのmiRNAを含むことができる。非限定的な例として、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、肝臓における目的のコードされたポリペプチドの発現を減弱させるために、少なくとも1つのmiR-122結合部位を含むことができる。別の非限定的な例として、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、少なくとも1つのmiR-142-3p結合部位、miR-142-3pシード配列、シードを含まないmiR-142-3p結合部位、miR-142-5p結合部位、miR-142-5pシード配列、シードを含まないmiR-142-5p結合部位、miR-146結合部位、miR-146シード配列、及び/またはシード配列を含まないmiR-146結合部位を含むことができる。
幾つかの実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、標的細胞におけるmRNA治療薬を選択的に分解して治療的送達によって引き起こされる望ましくない免疫原性反応を抑えるために、3’UTRに少なくとも1つのmiRNA結合部位を含むことができる。非限定的な例として、miRNA結合部位は、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を、抗原提示細胞においてより不安定にすることができる。これらのmiRNAの非限定的な例として、mir-142-5p、mir-142-3p、mir-146a-5p、及びmir-146-3pが挙げられる。
一実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、RNA結合タンパク質と相互作用することができる該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の領域内の少なくとも1つのmiRNA配列を含む。
幾つかの実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、(i)配列最適化ヌクレオチド配列(例えば、ORF)及び(ii)miRNA結合部位(例えば、miR-142に結合するmiRNA結合部位)を含む。
幾つかの実施形態では、本開示の核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、本明細書に開示のポリペプチドをコードするウラシル修飾配列、及び本明細書に開示のmiRNA結合部位、例えば、miR-142に結合するmiRNA結合部位を含む。幾つかの実施形態では、ポリペプチドをコードするウラシル修飾配列は、少なくとも1つの化学的に修飾された核酸塩基、例えば、5-メトキシウラシルを含む。幾つかの実施形態では、本開示のポリペプチドをコードするウラシル修飾配列におけるある型の核酸塩基(例えば、ウラシル)の少なくとも95%は、修飾核酸塩基である。幾つかの実施形態では、ポリペプチドをコードするウラシル修飾配列中のウラシルの少なくとも95%は、5-メトキシウリジンである。幾つかの実施形態において、本明細書に開示のポリペプチド及びmiRNA結合部位をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、送達剤、例えば、式(I)を有する化合物、例えば、化合物1~147のいずれかと共に製剤化される。
機能性RNAエレメントを含む修飾RNA分子
本開示は、修飾(例えば、RNAエレメント)を含む合成核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を提供し、修飾は、所望の翻訳調節活性を与える。幾つかの実施形態では、本開示は、5’非翻訳領域(UTR)、開始コドン、ポリペプチドをコードする完全なオープンリーディングフレーム、3’UTR、及び少なくとも1つの修飾を含む核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を提供し、少なくとも1つの修飾は、所望の翻訳調節活性を与え、例えば、mRNA翻訳の翻訳忠実度を促進及び/または強化する修飾を与える。幾つかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、シス作用性調節活性である。幾つかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、開始コドンでの、または開始コドンの近位での、43S前開始複合体(PIC)またはリボソームの滞留時間の延長である。幾つかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、開始コドンでの、または開始コドンからのポリペプチド合成の開始の増大である。幾つかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、完全なオープンリーディングフレームから翻訳されるポリペプチドの量の増大である。幾つかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、PICまたはリボソームによる開始コドン解読の忠実度の増大である。幾つかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、PICまたはリボソームによる読み漏らしの阻害または低減である。幾つかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、PICまたはリボソームによる開始コドンの解読速度の減少である。幾つかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、開始コドン以外のmRNA内の任意のコドンでのポリペプチド合成の開始の阻害または低減である。幾つかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、完全なオープンリーディングフレーム以外の、mRNA内の任意のオープンリーディングフレームから翻訳されるポリペプチドの量の阻害または低減である。幾つかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、異常な翻訳産物の産生の阻害または低減である。幾つかの実施形態では、所望の翻訳調節活性は、前述の翻訳調節活性の1つ以上の組み合わせである。
したがって、本開示は、本明細書に記載されるような所望の翻訳調節活性を与える配列及び/またはRNA二次構造(複数可)を含むRNAエレメントを含む、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を提供する。幾つかの態様では、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、翻訳の翻訳忠実度を促進及び/または強化する配列及び/またはRNA二次構造(複数可)を含むRNAエレメントを含む、幾つかの態様では、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)は、読み漏らしの阻害及び/または低減などの所望の翻訳調節活性を与える配列及び/またはRNA二次構造(複数可)を含むRNAエレメントを含む。幾つかの態様では、本開示は、読み漏らしを阻害及び/または低減し、それによって核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の翻訳忠実度を促進する配列及び/またはRNA二次構造(複数可)を含むRNAエレメントを含む、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を提供する。
幾つかの実施形態では、RNAエレメントは、天然及び/または修飾ヌクレオチドを含む。幾つかの実施形態では、RNAエレメントは、本明細書に記載されるような所望の翻訳調節活性を与える、連結されたヌクレオチドの配列またはその誘導体もしくは類似体からなる。幾つかの実施形態では、RNAエレメントは、安定なRNA二次構造を形成するかまたは折り畳まれて安定なRNA二次構造となる、連結されたヌクレオチドの配列またはその誘導体もしくは類似体を含み、該RNA二次構造は、本明細書に記載されるような所望の翻訳調節活性を与える。RNAエレメントは、該エレメントの一次配列(例えば、GCリッチなエレメント)に基づいて、該エレメントによって形成されるRNA二次構造(例えば、ステムループ)によって、RNA分子内の該エレメントの位置(例えば、mRNAの5’UTR内に位置する)によって、該エレメントの生物学的機能及び/または活性(例えば、「翻訳エンハンサーエレメント」)によって、ならびにそれらの任意の組み合わせによって、特定及び/または特徴付けることができる。
幾つかの態様では、本開示は、開始コドンの読み漏らしを阻害する及び/または翻訳の翻訳忠実度を促進する1つ以上の構造的修飾を有する核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を提供し、該構造的修飾の少なくとも1つは、GCリッチなRNAエレメントである。幾つかの態様では、本開示は、少なくとも1つの修飾を含む修飾核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を提供し、少なくとも1つの修飾は、該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列に先行する、連結されたヌクレオチドの配列またはその誘導体もしくは類似体を含むGCリッチなRNAエレメントである。一実施形態では、GCリッチなRNAエレメントは、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列の約30、約25、約20、約15、約10、約5、約4、約3、約2、または約1ヌクレオチド上流に位置する。別の実施形態では、GCリッチなRNAエレメントは、コザックコンセンサス配列の15~30、15~20、15~25、10~15、または5~10ヌクレオチド上流に位置する。別の実施形態では、GCリッチなRNAエレメントは、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列に直接隣接して位置する。
幾つかの実施形態では、GCリッチなRNAエレメントは、任意の順序で連結された3~30、5~25、10~20、15~20、約20、約15、約12、約10、約7、約6、または約3個のヌクレオチドの配列またはその誘導体もしくは類似体を含み、該配列組成は、70~80%のシトシン、60~70%のシトシン、50%~60%のシトシン、40~50%のシトシン、30~40%のシトシン塩基である。幾つかの実施形態では、GCリッチなRNAエレメントは、任意の順序で連結された3~30、5~25、10~20、15~20、約20、約15、約12、約10、約7、約6、または約3個のヌクレオチドの配列またはその誘導体もしくは類似体を含み、該配列組成は、約80%のシトシン、約70%のシトシン、約60%のシトシン、約50%のシトシン、約40%のシトシン、または約30%のシトシンである。
幾つかの実施形態では、GCリッチなRNAエレメントは、任意の順序で連結された20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、または3個のヌクレオチドの配列またはその誘導体もしくは類似体を含み、該配列組成は、70~80%のシトシン、60~70%のシトシン、50%~60%のシトシン、40~50%のシトシン、30~40%のシトシン塩基である。幾つかの実施形態では、GCリッチなRNAエレメントは、任意の順序で連結された20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、または3個のヌクレオチドの配列またはその誘導体もしくは類似体を含み、該配列組成は、約80%のシトシン、約70%のシトシン、約60%のシトシン、約50%のシトシン、約40%のシトシン、または約30%のシトシンである。
幾つかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つの修飾を含む修飾核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を提供し、少なくとも1つの修飾は、該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列に先行する、連結されたヌクレオチドの配列またはその誘導体もしくは類似体を含むGCリッチなRNAエレメントであり、該GCリッチなRNAエレメントは、該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列の約30、約25、約20、約15、約10、約5、約4、約3、約2、または約1ヌクレオチド上流に位置し、該GCリッチなRNAエレメントは、任意の順序で連結された3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個のヌクレオチドの配列またはその誘導体もしくは類似体を含み、該配列組成は、>50%のシトシンである。幾つかの実施形態では、配列組成は、>55%のシトシン、>60%のシトシン、>65%のシトシン、>70%のシトシン、>75%のシトシン、>80%のシトシン、>85%のシトシン、または>90%のシトシンである。
幾つかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つの修飾を含む修飾核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を提供し、少なくとも1つの修飾は、該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列に先行する、連結されたヌクレオチドの配列またはその誘導体もしくは類似体を含むGCリッチなRNAエレメントであり、該GCリッチなRNAエレメントは、該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列の約30、約25、約20、約15、約10、約5、約4、約3、約2、または約1ヌクレオチド上流に位置し、該GCリッチなRNAエレメントは、約3~30、5~25、10~20、15~20、または約20、約15、約12、約10、約6、または約3個のヌクレオチドの配列またはその誘導体もしくは類似体を含み、反復するGCモチーフは[CCG]nであり、式中、n=1~10、n=2~8、n=3~6、またはn=4~5(配列番号180)である。幾つかの実施形態では、配列は、反復するGCモチーフ[CCG]nを含み、式中、n=1、2、3、4または5(配列番号181)である。幾つかの実施形態では、配列は、反復するGCモチーフ[CCG]nを含み、式中、n=1、2、または3である。幾つかの実施形態では、配列は、反復するGCモチーフ[CCG]nを含み、式中、n=1である。幾つかの実施形態では、配列は、反復するGCモチーフ[CCG]nを含み、式中、n=2である。幾つかの実施形態では、配列は、反復するGCモチーフ[CCG]nを含み、式中、n=3である。幾つかの実施形態では、配列は、反復するGCモチーフ[CCG]nを含み、式中、n=4である(配列番号177)。幾つかの実施形態では、配列は、反復するGCモチーフ[CCG]nを含み、式中、n=5である(配列番号178)。
幾つかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つの修飾を含む修飾核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を提供し、少なくとも1つの修飾は、該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列に先行する、連結されたヌクレオチドの配列またはその誘導体もしくは類似体を含むGCリッチなRNAエレメントであり、該GCリッチなエレメントは、表20に記載の配列のいずれか1つを含む。一実施形態では、GCリッチなRNAエレメントは、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列の約30、約25、約20、約15、約10、約5、約4、約3、約2、または約1ヌクレオチド上流に位置する。別の実施形態では、GCリッチなRNAエレメントは、コザックコンセンサス配列の約15~30、15~20、15~25、10~15、または5~10ヌクレオチド上流に位置する。別の実施形態では、GCリッチなRNAエレメントは、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列に直接隣接して位置する。
幾つかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つの修飾を含む修飾核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を提供し、少なくとも1つの修飾は、該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列に先行する、表20に記載の配列V1[CCCCGGCGCC](配列番号80)またはその誘導体もしくは類似体を含むGCリッチなRNAエレメントである。幾つかの実施形態では、GCリッチなエレメントは、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列の上流に直接隣接して位置する、表20に記載の配列V1を含む。幾つかの実施形態では、GCリッチなエレメントは、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列の1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10塩基上流に位置する、表5に記載の配列V1を含む。他の実施形態では、GCリッチなエレメントは、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列の1~3、3~5、5~7、7~9、9~12、または12~15塩基上流に位置する、表20に記載の配列V1を含む。
幾つかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つの修飾を含む修飾核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を提供し、少なくとも1つの修飾は、該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列に先行する、表20に記載の配列V2[CCCCGGC](配列番号80)またはその誘導体もしくは類似体を含むGCリッチなRNAエレメントである。幾つかの実施形態では、GCリッチなエレメントは、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列の上流に直接隣接して位置する、表20に記載の配列V2を含む。幾つかの実施形態では、GCリッチなエレメントは、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列の1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10塩基上流に位置する、表20に記載の配列V2を含む。他の実施形態では、GCリッチなエレメントは、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列の1~3、3~5、5~7、7~9、9~12、または12~15塩基上流に位置する、表20に記載の配列V2を含む。
幾つかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つの修飾を含む修飾核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を提供し、少なくとも1つの修飾は、該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列に先行する、表20に記載の配列EK[GCCGCC]またはその誘導体もしくは類似体を含むGCリッチなRNAエレメントである。幾つかの実施形態では、GCリッチなエレメントは、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列の上流に直接隣接して位置する、表20に記載の配列EKを含む。幾つかの実施形態では、GCリッチなエレメントは、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列の1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10塩基上流に位置する、表20に記載の配列EKを含む。他の実施形態では、GCリッチなエレメントは、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列の1~3、3~5、5~7、7~9、9~12、または12~15塩基上流に位置する、表20に記載の配列EKを含む。
幾つかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つの修飾を含む修飾核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を提供し、少なくとも1つの修飾は、該核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列に先行する、表20に記載の配列V1[CCCCGGCGCC](配列番号80)またはその誘導体もしくは類似体を含むGCリッチなRNAエレメントであり、該5’UTRは、表20に示す以下の配列を含む:
GGGAAATAAGAGAGAAAAGAAGAGTAAGAAGAAATATAAGA(配列番号77)。
幾つかの実施形態では、GCリッチなエレメントは、表20に示す5’UTR配列内のコザックコンセンサス配列の上流に直接隣接して位置する、表20に記載の配列V1を含む。幾つかの実施形態では、GCリッチなエレメントは、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列の1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10塩基上流に位置する、表20に記載の配列V1を含み、該5’UTRは、表20に示す以下の配列を含む:
GGGAAATAAGAGAGAAAAGAAGAGTAAGAAGAAATATAAGA(配列番号77)。
他の実施形態では、GCリッチなエレメントは、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の5’UTR内のコザックコンセンサス配列の1~3、3~5、5~7、7~9、9~12、または12~15塩基上流に位置する、表20に記載の配列V1を含み、該5’UTRは、表20に示す以下の配列を含む:
GGGAAATAAGAGAGAAAAGAAGAGTAAGAAGAAATATAAGA(配列番号77)。
幾つかの実施形態では、5’UTRは、表20に示す以下の配列を含む:
GGGAAATAAGAGAGAAAAGAAGAGTAAGAAGAAATATAAGACCCCGGCGCCGCCACC(配列番号78)
幾つかの実施形態では、5’UTRは、表20に示す以下の配列を含む:
GGGAAATAAGAGAGAAAAGAAGAGTAAGAAGAAATATAAGA(配列番号79)
幾つかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つの修飾を含む修飾核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)を提供し、少なくとも1つの修飾は、ヘアピンまたはステムループを形成する順序で連結されたヌクレオチドの配列またはその誘導体もしくは類似体を含む安定なRNA二次構造を含む、GCリッチなRNAエレメントである。幾つかの実施形態では、安定なRNA二次構造は、コザックコンセンサス配列の上流にある。幾つかの実施形態では、安定なRNA二次構造は、コザックコンセンサス配列の約30、約25、約20、約15、約10、または約5ヌクレオチド上流に位置する。幾つかの実施形態では、安定なRNA二次構造は、コザックコンセンサス配列の約20、約15、約10、または約5ヌクレオチド上流に位置する。幾つかの実施形態では、安定なRNA二次構造は、コザックコンセンサス配列の約5、約4、約3、約2、約1ヌクレオチド上流に位置する。別の実施形態では、安定なRNA二次構造は、コザックコンセンサス配列の約15~30、約15~20、約15~25、約10~15、または約5~10ヌクレオチド上流に位置する。別の実施形態では、安定なRNA二次構造は、コザックコンセンサス配列の12~15ヌクレオチド上流に位置する。別の実施形態では、安定なRNA二次構造は、約-30kcal/mol、約-20~-30kcal/mol、約-20kcal/mol、約-10~-20kcal/mol、約-10kcal/mol、約-5~10kcal/molのデルタGを有する。
幾つかの実施形態では、修飾は、ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームに作動可能に連結されており、修飾とオープンリーディングフレームは異種である。
幾つかの実施形態では、GCリッチなRNAエレメントの配列は、グアニン(G)及びシトシン(C)核酸塩基のみからなる。
本明細書に記載されるような所望の翻訳調節活性を与えるRNAエレメントは、リボソームプロファイリングなどの公知の技術を使用して同定し、特徴付けることができる。リボソームプロファイリングは、mRNAに結合したPIC及び/またはリボソームの位置を決定することができる技術である(例えば、Ingolia et al.,(2009)Science 324(5924):218-23(参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。この技術は、核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)の領域またはセグメントが、PIC及び/またはリボソームによってヌクレアーゼ消化から保護されることに基づいている。保護により、「フットプリント」と呼ばれる30bpのRNAフラグメントが生じる。RNAフットプリントの配列及び頻度は、当技術分野で公知の方法(例えば、RNA-seq)によって分析することができる。フットプリントは、大体、リボソームのAサイトの中央に位置する。PICまたはリボソームが核酸分子(例えば、RNA、例えば、mRNA)に沿った特定の位置または位置で留まるならば、これらの位置で生じるフットプリントは比較的一般的であろう。研究によって、PIC及び/またはリボソームが処理能力の減少を呈する位置でより多くのフットプリントが生じ、PIC及び/またはリボソームが処理能力の増大を呈する場所でより少ないフットプリントが生じることが示されている(Gardin et al.,(2014)eLife 3:e03735)。幾つかの実施形態では、本明細書に記載のRNAエレメントのいずれか1つ以上を含むポリヌクレオチドに沿った別個の位置または場所でのPICまたはリボソームの滞留時間または占有時間は、リボソームプロファイリングによって決定される。
タンパク質発現を低減させるための薬剤
一実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)に会合される/カプセル化される薬剤は、タンパク質発現を低減させる(すなわち、減少させる、阻害する、下方制御する)薬剤である。一実施形態では、薬剤は、脂肪ベースの組成物が送達される標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))におけるタンパク質発現を低減させる。追加的または代替的に、別の実施形態では、薬剤は、脂質ベースの組成物が送達される標的細胞以外の他の細胞、例えば、バイスタンダー細胞におけるタンパク質発現の低減をもたらす。タンパク質発現を低減させるために使用することができる薬剤のタイプの非限定的な例として、マイクロRNA結合部位(複数可)(miR結合部位)を組み込んだmRNA、マイクロRNA(miRNA)、アンタゴmir、低分子(短鎖)干渉RNA(siRNA)(ショートマー及びダイサー基質RNAが含まれる)、RNA干渉(RNAi)分子、アンチセンスRNA、リボザイム、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)、ロックド核酸(LNA)、及びCRISPR/Cas9技術が挙げられる。
RNA干渉分子
RNA干渉(RNAi)とは、RNA分子が標的mRNA分子を中和することによって遺伝子発現または翻訳を阻害する生物学的プロセスを指す。RNAiは、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)によって制御され、細胞の細胞質内の短い二本鎖RNA分子(dsRNA)によって開始される遺伝子サイレンシングプロセスである。2つのタイプの低分子リボ核酸分子、低分子干渉RNA(siRNA)及びマイクロRNA(miRNA)がRNA干渉の中心となる。RNAiは天然の細胞プロセスであるが、in vitro及びin vivoでの目的の標的遺伝子/mRNAの発現を阻害するためにRNAiの成分を合成し、利用することもなされている。
天然のプロセスとして、dsRNAは、リボヌクレアーゼタンパク質であるダイサーを活性化することによってRNAiを開始する。ダイサーは、dsRNA及び低分子ヘアピン型RNAに結合し、切断して、20~25塩基対の二本鎖フラグメントを産生する。これらの短い二本鎖フラグメントは、低分子干渉RNA(siRNA)と呼ばれる。次に、これらのsiRNAは、RISCローディング複合体(RLC)によって一本鎖に分離され、活性なRISCに統合される。RISCに統合された後、siRNAはその標的mRNAと塩基対を形成してそれを切断することによって、標的mRNAを翻訳テンプレートとして使用させないようにする。
RNAiの現象は、広義には、miRNAの遺伝子サイレンシング効果も含む。マイクロRNAは、遺伝子的にコードされる非コードRNAであり、例えば発生の途中で遺伝子発現の調節を支援する。天然に存在する成熟miRNAは、外因性dsRNAから産生されるsiRNAと構造的に類似しているが、成熟に至る前にmiRNAは広範な転写後修飾を受け、そうした転写後修飾には、プレmiRNAのdsRNA部分がダイサーによって切断されてRISC複合体に統合することができる成熟miRNA分子を産生することが含まれる。
したがって、一実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)に会合される/カプセル化される薬剤は、siRNA及びmiRNAを含めたRNAi分子(すなわち、RNA干渉を媒介するか、またはRNA干渉に関与する分子)であり、それらの各々については以降でさらに詳細に説明する。
低分子干渉RNA
低分子干渉RNA(siRNA)は、短鎖干渉RNAまたはサイレンシングRNAとも呼ばれ、RNAi経路内で機能して相補的なヌクレオチド配列を有する特定の標的配列の発現に干渉する、典型的には20~25塩基対の長さの二本鎖RNA分子の一群である。siRNAは、転写後にmRNAを分解することにより遺伝子発現を阻害し、それによって翻訳を妨げる。本明細書で使用される場合、「siRNA」という用語は、限定するものではないが、ショートマー、ロングマー、2’5’-異性体、及びダイサー基質RNAを含めた、当技術分野で公知のすべての形態のsiRNAを包含する。天然に存在するsiRNA及び人工的に合成されたsiRNA、ならびに療法におけるそれらの使用(例えば、ナノ粒子によって送達される)は、当技術分野において説明されている(例えば、Hamilton and Balcombe(1999)Science 286:950-952;Elbashir et al.(2001)Nature 411:494-498;Shen et al.(2012)Cancer Gene Therap.19:367-373;Wittrup et al.(2015)Nat. Rev. Genet.16:543-552を参照されたい)。
したがって、一実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)に会合される/カプセル化される薬剤は、siRNAである。一実施形態では、siRNAは、標的細胞で発現される標的配列の発現を阻害する。一実施形態では、siRNAは、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)で発現される標的配列の発現を阻害する。一実施形態では、siRNAは、脾細胞(例えば、脾実質細胞)で発現される標的配列の発現を阻害する。
別の実施形態では、siRNAは、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))での転写因子の発現を阻害する。一実施形態では、siRNAは、標的(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))での細胞質タンパク質の発現を阻害する。別の実施形態では、siRNAは、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))での膜貫通タンパク質(例えば、細胞表面受容体)の発現を阻害する。別の実施形態では、siRNAは、標的(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))での分泌タンパク質の発現を阻害する。別の実施形態では、siRNAは、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))での細胞内シグナル伝達タンパク質の発現を阻害する。別の実施形態では、siRNAは、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))での酵素(例えば、AMPKa1、AMPKa2、HDAC10、またはCAMKK2)の発現を阻害する。
マイクロRNA
マイクロRNA(miRNA)は、遺伝子発現のRNAサイレンシング及び転写後調節で機能する非コードRNA低分子(典型的には約22ヌクレオチドを含有する)である。miRNAは、mRNA分子内の相補的配列と塩基対を形成して、mRNAの切断、ポリAテールの短縮によるmRNAの不安定化、及び/またはリボソームによるmRNAのタンパク質への翻訳効率の低下を引き起こすことによって、遺伝子発現を阻害する。mRNAの切断に関しては、miRNAと標的mRNA配列との間に完全な相補性がもたらされると、タンパク質Ago2がmRNAを切断し、直接的なmRNA分解を引き起こすことができることが実証されている。miRNA及びその機能は、当技術分野で説明されている(例えば、Ambros(2004)Nature 431:350-355;Bartel(2004)Cell 116:281-297;Bartel(2009)Cell 136:215-233;Fabian et al.(2010)Ann.Rev.Biochem.79:351-379を参照されたい)。
したがって、一実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)に会合される/カプセル化される薬剤は、miRNAである。一実施形態では、miRNAは、標的細胞で発現される標的配列の発現を阻害する。一実施形態では、miRNAは、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)で発現される標的配列の発現を阻害する。一実施形態では、miRNAは、脾細胞(例えば、脾実質細胞)で発現される標的配列の発現を阻害する。
別の実施形態では、miRNAは、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))での転写因子の発現を阻害する。一実施形態では、siRNAは、標的(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))での細胞質タンパク質の発現を阻害する。別の実施形態では、siRNAは、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))での膜貫通タンパク質(例えば、細胞表面受容体)の発現を阻害する。別の実施形態では、siRNAは、標的(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))での分泌タンパク質の発現を阻害する。別の実施形態では、siRNAは、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))での細胞内シグナル伝達タンパク質の発現を阻害する。別の実施形態では、siRNAは、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))での酵素(例えば、AMPKa1、AMPKa2、HDAC10、またはCAMKK2)の発現を阻害する。
標的細胞活性の調節及び/または標的細胞応答の調節に適切なmiRNAの非限定的な例として、Let-7d-5p、miR-7、miR-10a、miR-10b、miR-15、miR-18a、miR-20a、miR-20b、miR-21、miR-26a、miR-34a、miR-96、miR-99a、miR-100、miR-124、miR-125a、miR-126、miR-142-3p、miR-146、miR-150、miR-155、miR-181a、及びmiR-210が挙げられる。
アンタゴmir
アンタゴmirは、抗mirまたはブロックmirとしても当技術分野で公知であり、他の分子がmRNA分子の所望の部位に結合するのを妨げる化学的に操作されたオリゴヌクレオチドの一群である。アンタゴmirは、内因性miRNAをサイレンシングするために使用される。アンタゴmirは、Ago2の切断部位での誤対合またはAgo2切断を阻害するようなある種の塩基修飾を有する、特定のmiRNA標的に完全に相補的な低分子合成RNAである。典型的には、アンタゴmirは、分解されにくくなるように、2’-メトキシ基及び/またはホスホロチオエートなどの1つ以上の修飾を有する。アンタゴmir及びその機能は、当技術分野において説明されている(例えば、Krutzfeldt et al.(2005)Nature 438:685-689;Czech(2006)New Eng.J.Med.354:1194-1195を参照されたい)。
したがって、一実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)に会合される/カプセル化される薬剤は、アンタゴmirである。アンタゴmirは、遺伝子発現を下方制御する内因性miRNAの活性をブロック(阻害)するため、アンタゴmirの効果は、目的の遺伝子の発現を強化する(すなわち、増大させる、刺激する、上方制御する)ことであり得る。したがって、一実施形態では、アンタゴmirは、標的細胞で発現される標的配列の発現を強化する。一実施形態では、アンタゴmirは、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)で発現される標的配列の発現を強化する。一実施形態では、アンタゴmirは、脾細胞(例えば、脾実質細胞)で発現される標的配列の発現を強化する。
別の実施形態では、アンタゴmirは、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))での転写因子の発現を強化する。一実施形態では、siRNAは、標的(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))での細胞質タンパク質の発現を阻害する。別の実施形態では、siRNAは、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))での膜貫通タンパク質(例えば、細胞表面受容体)の発現を阻害する。別の実施形態では、siRNAは、標的(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))での分泌タンパク質の発現を阻害する。別の実施形態では、siRNAは、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))での細胞内シグナル伝達タンパク質の発現を阻害する。別の実施形態では、siRNAは、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))での酵素(例えば、AMPKa1、AMPKa2、HDAC10、またはCAMKK2)の発現を阻害する。
標的細胞活性の調節及び/または標的細胞応答の調節に適切なアンタゴmirの非限定的な例として、miR-7、miR-15a、miR-16、miR-17、miR-21、miR-22、miR-23、miR-24、miR-25、miR-27、miR-31、miR-92、miR-106b、miR-146b、miR-148a、miR-155、及びmiR-210から選択されるmiRNAを特異的に標的とするものが挙げられる。
アンチセンスRNA
アンチセンスRNA(asRNA)は、当技術分野ではアンチセンス転写物とも呼ばれ、タンパク質をコードするメッセンジャーRNA(mRNA)と相補的であり、それとハイブリダイズすることによってmRNAがタンパク質へ翻訳されるのをブロックする、天然に存在するかまたは合成的に生成された一本鎖RNA分子である。アンチセンス転写物は、短鎖(200ヌクレオチド未満)及び長鎖(200ヌクレオチド超)非コードRNA(ncRNA)に分類される。asRNAの主な天然の機能は遺伝子発現の調節にあり、合成バージョンは遺伝子ノックダウン及び治療用途の研究ツールとして広く使用されている。アンチセンスRNA及びその機能は、当技術分野において説明されている(例えば、Weiss et al.(1999)Cell.molec.Life Sci.55:334-358;Wahlstedt(2013)Nat.Rev.Drug Disc.12:433-446;Pelechano and Steinmetz(2013)Nat.Rev.Genet.14:880-893を参照されたい)。したがって、一実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)に会合される/カプセル化される薬剤は、アンチセンスRNAをコードするか、またはアンチセンスRNAである核酸(例えば、RNAまたはDNA)である。
リボザイム
リボザイム(リボ核酸酵素)は、タンパク質酵素の作用と同様に生化学反応を触媒することが可能なRNA分子である。天然またはin vitroで進化させたリボザイムの最も一般的な活性は、RNA及びDNAの切断またはライゲーションならびにペプチド結合の形成である。さらに、良好な酵素活性を有する自己切断RNAが当技術分野において説明されている。リボザイムの治療的使用、特に、RNAベースのウイルスの切断のための治療的使用は、開発が進められている。リボザイム及びその機能は、当技術分野において説明されている(例えば、Kruger et al.(1982)Cell 31:147-157;Tang and Baker(2000)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:84-89;Fedor and Williamson(2005)Nat.Rev.mol.Cell.Biol.6:399-412を参照されたい)。したがって、一実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)に会合される/カプセル化される薬剤は、リボザイムをコードするか、またはリボザイムである核酸(例えば、RNAまたはDNA)である。
低分子ヘアピン型RNA
低分子(または短鎖)ヘアピン型RNA(shRNA)は、RNA干渉を介して標的遺伝子発現のサイレンシングに使用することができる、急なヘアピンカーブを有する合成RNA分子の一種である。shRNAは、分解及び代謝回転の速度が比較的遅いという点において有利なRNA干渉媒介物である。細胞でのshRNAの発現は、典型的には、shRNAをコードするプラスミドを送達することによって達成されるか、あるいはshRNAをコードするウイルスベクター(例えば、アデノ随伴ウイルスベクター、アデノウイルスベクター、またはレンチウイルスベクター)または細菌ベクターを通して達成される。shRNA及び遺伝子療法におけるその使用は、当技術分野において説明されている(例えば、Paddison et al.(2002)Genes Dev.16:948-958;Xiang et al.(2006)Nat. Biotech.24:697-702;Burnett et al.(2012)Biotech.Journal 6:1130-1146を参照されたい)。したがって、一実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)に会合される/カプセル化される薬剤は、shRNAをコードするか、またはshRNAである核酸(例えば、RNAまたはDNA)である。
ロックド核酸
ロックド核酸は、インアクセシブル(inaccessible)RNAとも呼ばれ、2’位の酸素と4’位の炭素とを連結する追加の架橋でそのリボース部分が修飾された修飾RNAヌクレオチド分子である。この架橋によって、リボースが3’-endo(North)立体配座に「ロック」される。LNAヌクレオチドは、必要に応じてオリゴヌクレオチドのDNAまたはRNA残基と混合し、Watson-Crickの塩基対合則に従ってDNAまたはRNAとハイブリダイズさせることができる。ロックされたリボース立体配座は、塩基のスタッキング及び骨格の事前形成を強化する。これにより、LNAヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション特性(例えば、融解温度)が有意に増大する。LNA分子及びその特性は、当技術分野において説明されている(例えば、Obika et al.(1997)Tetrahedron Lett.38:8735-8738;Koshkin et al.(1998)Tetrahedron 54:3607-3630;Elmen et al.(2005)Nucl.Acids Res.33:439-447を参照されたい)。したがって、一実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)に会合される/カプセル化される薬剤は、1つ以上のロックド(LNA)核酸を含む核酸(例えば、RNAまたはDNA)である。
CRISPR/Cas9剤
幾つかの実施形態では、本明細書に記載の脂質ベースの組成物(例えば、脂質ナノ粒子)は、CRISPR(規則的な間隔でクラスター化した短鎖反復回文配列)-Cas9系が関与する方法に有用である。CRISPR/Cas9は、ゲノムの編集に使用されており、Cas9酵素がDNAを切断し、新たな遺伝子配列を挿入できるようにする。切断が所望される特定のDNA箇所へのCas9の誘導には一本鎖ガイドRNAが使用される。
CRISPR/Cas9をin vivoで標的細胞(例えば、肝細胞及び/または脾細胞)に導入する必要性は依然として存在している。したがって、本開示は、本明細書に記載の送達脂質を含む脂質ベースの組成物を使用することによって、CRISPR/Cas9系で標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))のゲノムを編集する方法を提供する。したがって、幾つかの実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)に会合される/カプセル化される薬剤(複数可)は、CRISPR/Cas9系の1つ以上の成分である。例えば、Cas9酵素及び一本鎖ガイドガイドRNAを、本明細書に記載の脂質ベースの組成物に会合させる/カプセル化することができる。任意選択で、修飾しようとする目的の遺伝物質(例えば、DNA)も脂質ベースの組成物にカプセル化することができ、または代替的に、脂質ベースの組成物によって送達されるCRISPR/Cas9系が、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))内の内在性の目的の遺伝物質に作用することもできる。
例示的な標的タンパク質
標的とされる分子(例えば、LNP内の核酸によってコードされるか、またはノックダウンの標的とされるもの)は、所望のアウトカムに基づいて選択することができる。本発明のLNPが標的細胞によって優先的に取り込まれることが今回見出されたことを考慮すると、当業者は、当技術分野で認知されている数多くのタンパク質を標的細胞に送達することができる。送達することができる例示的なタンパク質(例えば、DNA、RNA、mRNA、RNAiなどの核酸分子)は当技術分野で周知であり、そのような分子の例示的な標的も当技術分野で周知であり、例示的なそのような分子は本明細書に開示される。タンパク質を(例えばmRNAを使用して)発現させる場合、そのようなタンパク質は、完全長タンパク質であるか、または代替的には、その機能性フラグメント(例えば、完全長タンパク質の機能活性が保持されるように1つ以上の機能性ドメインを含む、該完全長タンパク質のフラグメント)であり得る。さらに、ある特定の実施形態では、LNP内の核酸によってコードされるタンパク質は、修飾タンパク質であってもよく、例えば、1つ以上の異種ドメインを含んでもよく、例えば、該タンパク質は、該タンパク質の機能が改変されるように、該タンパク質に天然に存在しない1つ以上のドメインを含有する融合タンパク質であってもよい。異種ドメインを含むタンパク質の例は、キメラ抗原受容体である(以降でさらに説明する)。
標的細胞内へのまたは標的細胞での目的のタンパク質の誘導または低減は、免疫蛍光、ELISA、免疫組織化学的検査、またはフローサイトメトリーなどの当技術分野で公知の標準的な方法によって測定することができる。
天然に存在する標的
一実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)に会合される/カプセル化される薬剤は、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))の天然に存在する標的を調節する(例えば、天然に存在する標的の活性を上方または下方制御する)。薬剤は、それ自体が天然に存在する標的をコードしてもよく、または天然に存在する標的を調節するように機能してもよい(例えば、in vivoでの細胞内で、例えば、対象における細胞内で)。天然に存在する標的は、完全長タンパク質などの完全長標的であり得るか、またはタンパク質のフラグメントまたは部分などの天然に存在する標的のフラグメントまたは一部分であり得る。天然に存在する標的を調節する(例えば、標的自体をコードすることによって調節するか、または標的の活性を調節するように機能することによって調節する)薬剤は、オートクリン様式で作用することができ、すなわち、薬剤は、該薬剤が送達された細胞に直接的に効果を発揮する。追加的または代替的に、天然に存在する標的を調節する薬剤は、パラクリン様式で機能することができ、すなわち、薬剤は、該薬剤が送達された細胞以外の細胞に間接的に効果を発揮する(例えば、ある型の細胞に薬剤が送達されると、バイスタンダー細胞などの別の型の細胞に効果を発揮する分子が分泌される)。天然に存在する標的を調節する薬剤には、タンパク質発現を誘導する(例えば、強化する、刺激する、上方制御する)核酸分子、例えば、mRNA及びDNAが含まれる。天然に存在する標的を調節する薬剤には、タンパク質発現を低減させる(例えば、阻害する、減少させる、下方制御する)核酸分子、例えば、siRNA、miRNA、及びアンタゴmirも含まれる。天然に存在する標的の非限定的な例として、可溶性タンパク質(例えば、分泌タンパク質)、細胞内タンパク質(例えば、細胞内シグナル伝達タンパク質、転写因子)、及び膜結合タンパク質または膜貫通タンパク質(例えば、受容体)が挙げられる。
可溶性標的
一実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)に会合される/カプセル化される薬剤は、例えば、可溶性標的自体をコードすることによって、または標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))における可溶性標的の発現(例えば、転写または翻訳)を調節することによって、天然に存在する可溶性標的の活性を調節する。一実施形態では、該細胞は、肝実質細胞である。天然に存在する可溶性標的の非限定的な例として、分泌タンパク質が挙げられる。実施例6で実証されるように、本開示の脂質ベースの組成物は、可溶性標的が標的細胞によって発現されるように、可溶性標的をコードするmRNAを標的細胞に送達するのに有効である。一実施形態では、可溶性標的は、標的細胞によって分泌され、血漿中で検出することができる。
可溶性標的の追加の例として、抗体分子、例えば、天然に存在する抗体、操作された抗体、及びそれらの抗原結合部分が挙げられる。抗体分子として、例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fvフラグメント、scFv抗体フラグメント、ジスルフィド結合Fvs(sdFv)、VH及びCH1ドメインからなるFdフラグメント、線形抗体、単一ドメイン抗体、例えば、sdAb(VLまたはVH)、ナノボディ、またはラクダVHHドメイン)、抗原結合フィブロネクチンIII型(Fn3)足場、例えば、フィブロネクチンポリペプチドミニボディ、リガンド、サイトカイン、ケモカイン、またはT細胞受容体(TCR)が挙げられる。例示的な抗体分子として、ヒト化抗体分子、インタクトなIgA、IgG、IgE、またはIgM抗体;二重もしくは多重特異的抗体(例えば、Zybodies(登録商標)など);抗体フラグメント、例えば、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fd’フラグメント、Fdフラグメント、及び単離されたCDR、またはそれらのセット;一本鎖Fvs;ポリペプチド-Fc融合物;単一ドメイン抗体(例えば、サメ単一ドメイン抗体、例えば、IgNARまたはそのフラグメント);ラクダ科抗体;マスクされた抗体(例えば、Probody(登録商標));Small Modular ImmunoPharmaceutical(「SMIP(商標)」);一本鎖またはタンデムダイアボディ(TandAb(登録商標));VHH;Anticalin(登録商標);Nanobody(登録商標);ミニボディ;BiTE(登録商標);アンキリン反復タンパク質またはDARPIN(登録商標);Avimer(登録商標);DART;TCR様抗体;Adnectin(登録商標);Affilin(登録商標);TranS-body(登録商標);Affibody(登録商標);TrimerX(登録商標);MicroProtein;Fynomer(登録商標)、Centyrin(登録商標);及びKALBITOR(登録商標)が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態では、本明細書に開示の標的細胞送達LNPは、抗体分子が標的細胞によって発現されるように、抗体分子をコードするmRNAを標的細胞に送達するのに有効である。一実施形態では、抗体分子は、標的細胞によって分泌され、血漿中で検出することができる。
ある実施形態では、本明細書に開示の標的細胞送達LNPは、参照LNPと比較して約10~90倍の抗体分子産生の増大をもたらす。ある実施形態では、本明細書に開示の標的細胞送達LNPは、参照LNPと比較して約10~80倍、10~70倍、10~60倍、10~50倍、10~40倍、10~30倍、10~20倍、20~80倍、20~70倍、20~60倍、20~50倍、20~40倍、または20~30倍多くの抗体分子産生をもたらす。ある実施形態では、本明細書に開示の標的細胞送達LNPは、参照LNPと比較して約30~50倍多くの抗体分子産生をもたらす。
一実施形態では、脂質ベースの組成物、例えばLNPを使用する方法は、標的細胞の活性化または活性を刺激する(上方制御する、強化する)ために使用される。別の実施形態では、脂質ベースの組成物、例えば、LNPを使用する方法は、標的細胞の活性化または活性を阻害する(下方制御する、低減させる)ために使用される。
標的細胞を活性化または活性を刺激する一実施形態では、タンパク質は、動員因子である。本明細書で使用される場合、「動員因子」は、所望の位置(例えば、腫瘍部位または炎症部位)への標的細胞の動員を促進する任意のタンパク質を指す。例えば、ある特定のケモカイン、ケモカイン受容体、及びサイトカインは、リンパ球の動員に関与することが示されている(例えば、Oelkrug,C. and Ramage,J.M.(2014)Clin.Exp.Immunol.178:1-8を参照されたい)。動員因子の非限定的な例として、CXCR3、CXCR5、CCR5、CCL5、CXCL10、CXCL12、及びCXCL16が挙げられる。
細胞内標的
一実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)に会合される/カプセル化される薬剤は、例えば、細胞内標的自体をコードすることによって、または標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))における細胞内標的の発現(例えば、転写または翻訳)を調節することによって、天然に存在する細胞内標的の活性を調節する。一実施形態では、該細胞は、肝実質細胞である。天然に存在する細胞内標的の非限定的な例として、転写因子、及び酵素を含めた細胞シグナル伝達カスケード分子が挙げられる。
標的細胞の活性化または活性を刺激する一実施形態では、タンパク質標的は、転写因子である。本明細書で使用される場合、「転写因子」は、遺伝子の転写を調節するDNA結合タンパク質を指す。
膜結合/膜貫通標的
一実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)に会合される/カプセル化される薬剤は、例えば、膜結合/膜貫通標的自体をコードすることによって、または標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))における膜結合/膜貫通標的の発現(例えば、転写または翻訳)を調節することによって、天然に存在する膜結合/膜貫通標的の活性を調節する。
修飾標的
一実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)に会合される/カプセル化される薬剤は、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))の修飾標的を調節する(例えば、天然に存在しない標的の活性を上方または下方制御する)。典型的には、薬剤は、それ自体が修飾標的であるか、または修飾標的をコードする。あるいは、細胞が修飾標的を発現するならば、薬剤は、細胞内のこの修飾標的の活性を調節するように機能することができる。天然に存在しない標的は、完全長修飾タンパク質などの完全長標的であり得るか、または修飾タンパク質のフラグメントまたは部分などの天然に存在しない標的のフラグメントまたは一部分であり得る。修飾標的を調節する薬剤は、オートクリン様式で作用することができ、すなわち、薬剤は、該薬剤が送達された細胞に直接的に効果を発揮する。追加的または代替的に、修飾標的を調節する薬剤は、パラクリン様式で機能することができ、すなわち、薬剤は、該薬剤が送達された細胞以外の細胞に間接的に効果を発揮する(例えば、ある型の細胞に薬剤が送達されると、バイスタンダー細胞などの別の型の細胞に効果を発揮する分子が分泌される)。それ自体が修飾標的である薬剤として、修飾タンパク質をコードする、mRNAまたはDNAなどの核酸分子が挙げられる。修飾標的の非限定的な例として、修飾可溶性タンパク質(例えば、分泌タンパク質)、修飾細胞内タンパク質(例えば、細胞内シグナル伝達タンパク質、転写因子)、及び修飾膜結合タンパク質または膜貫通タンパク質(例えば、受容体)が挙げられる。
修飾可溶性標的
一実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)に会合される/カプセル化される薬剤は、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))の修飾可溶性標的を調節する(例えば、天然に存在しない可溶性標的の活性を上方または下方制御する)。一実施形態では、薬剤(例えば、mRNA)は、修飾可溶性標的をコードする。一実施形態では、修飾可溶性標的は、タンパク質の半減期(例えば、血清半減期)を改変する(例えば、増大させるまたは減少させる)ように修飾された可溶性タンパク質である。改変された半減期を有する修飾可溶性タンパク質として、修飾サイトカイン及びケモカインが挙げられる。別の実施形態では、修飾可溶性標的は、可溶性タンパク質が細胞表面に繋留された状態になるように、テザーを組み込むように修飾された可溶性タンパク質である。テザーを組み込んだ修飾可溶性タンパク質として、繋留されたサイトカイン及びケモカインが挙げられる。
一実施形態では、薬剤(例えば、mRNA)は、修飾可溶性標的、例えば、本明細書に記載されるような抗体分子をコードする。ある実施形態では、抗体分子は、天然に存在する抗体分子、操作された抗体分子、またはそれらの抗原結合部分であり得る。
修飾細胞内標的
一実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)に会合される/カプセル化される薬剤は、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))の修飾細胞内標的を調節する(例えば、天然に存在しない細胞内標的の活性を上方または下方制御する)。一実施形態では、細胞は、リンパ系細胞である。一実施形態では、薬剤(例えば、mRNA)は、修飾細胞内標的をコードする。一実施形態では、修飾細胞内標的は、細胞内タンパク質の構成的に活性な変異体、例えば、構成的に活性な転写因子または細胞内シグナル伝達分子である。別の実施形態では、修飾細胞内標的は、細胞内タンパク質のドミナントネガティブ変異体、例えば、転写因子または細胞内シグナル伝達分子のドミナントネガティブ変異体である。別の実施形態では、修飾細胞内標的は、修飾(例えば、変異)酵素、例えば、細胞内シグナル伝達カスケード内の活性が増大または減少された変異酵素である。
修飾膜結合/膜貫通標的
一実施形態では、脂質ベースの組成物(例えば、LNP)に会合される/カプセル化される薬剤は、標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))の修飾膜結合/膜貫通標的を調節する(例えば、天然に存在しない膜結合/膜貫通標的の活性を上方または下方制御する)。一実施形態では、薬剤(例えば、mRNA)は、修飾膜結合/膜貫通標的をコードする。一実施形態では、修飾膜結合/膜貫通標的は、膜結合/膜貫通タンパク質の構成的に活性な変異体、例えば、構成的に活性な細胞表面受容体(すなわち、リガンド結合を必要とせずに受容体を通して細胞内シグナル伝達を活性化する)である。別の実施形態では、修飾膜結合/膜貫通標的は、膜結合/膜貫通タンパク質のドミナントネガティブ変異体、例えば、細胞表面受容体のドミナントネガティブ変異体である。
脂質ベースの組成物の使用
本開示は、標的細胞への核酸の送達が強化された、向上した脂質ベースの組成物、特にLNP組成物を提供する。本開示は、LNPの成分が、カプセル化された核酸分子(例えば、mRNA)の標的細胞、例えば、肝細胞及び脾細胞への送達を強化する標的細胞送達増強脂質として作用するという発見に少なくとも部分的に基づいている。
本開示の向上した脂質ベースの組成物、特にLNPは、標的細胞への核酸送達、標的細胞内もしくは標的細胞上でのタンパク質発現、及び/または標的細胞(例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞))の活性化または活性の調節など、in vitroとin vivoの両方で種々の目的に有用である。
in vitroでのタンパク質発現については、LNP及び標的細胞をex vivoでインキュベートすることによって、標的細胞をLNPと接触させる。そのような標的細胞は、その後in vivoで導入されてもよい。
in vivoでのタンパク質発現については、LNPを対象に投与することによって標的細胞をLNPと接触させ、それにより対象内の標的細胞内または標的細胞上でタンパク質発現を増大させるかまたは誘導する。例えば、一実施形態では、LNPは、静脈内投与される。別の実施形態では、LNPは、筋肉内投与される。さらに他の実施形態では、LNPは、皮下、結節内、及び腫瘍内からなる群から選択される経路によって投与される。
in vitroでの送達については、一実施形態では、LNP及び標的細胞をex vivoでインキュベートすることによって、標的細胞をLNPと接触させる。幾つかの実施形態では、標的細胞は、ヒトの標的細胞である。別の実施形態では、標的細胞は、霊長類の標的細胞である。別の実施形態では、標的細胞は、ヒトまたは非ヒト霊長類の標的細胞である。LNPによって様々な型の標的細胞へトランスフェクトできることが実証されている。
一実施形態では、標的細胞は、肝細胞である。一実施形態では、標的細胞は、肝実質細胞である。一実施形態では、標的細胞は、クッパー細胞である。一実施形態では、標的細胞は、肝星細胞である。一実施形態では、標的細胞は、肝類洞細胞である。
一実施形態では、標的細胞は、脾細胞である。一実施形態では、標的細胞は、脾実質細胞である。
別の実施形態では、標的細胞を、例えば、少なくとも30分、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、または少なくとも24時間、LNPと接触させる。
一実施形態では、単回の処置/トランスフェクションのために標的細胞をLNPと接触させる。別の実施形態では、多回の処置/トランスフェクション(例えば、同じ細胞の2回、3回、4回、またはそれ以上の処置/トランスフェクション)のために標的細胞をLNPと接触させる。
別の実施形態では、in vivoで送達する場合、LNPを対象に投与することによって標的細胞をLNPと接触させ、それによって対象内の標的細胞に核酸を送達する。例えば、一実施形態では、LNPは、静脈内投与される。別の実施形態では、LNPは、筋肉内投与される。さらに他の実施形態では、LNPは、皮下、結節内、及び腫瘍内からなる群から選択される経路によって投与される。
一実施形態では、標的細胞における核酸分子の細胞内濃度が強化される。一実施形態では、標的細胞における核酸分子の活性が強化される。一実施形態では、標的細胞における核酸分子の発現が強化される。一実施形態では、核酸分子は、標的細胞の活性化または活性を調節する。一実施形態では、核酸分子は、標的細胞の活性化または活性を増大させる。一実施形態では、核酸分子は、標的細胞の活性化または活性を減少させる。
ある特定の実施形態では、標的細胞送達増強脂質を含有するLNPによって標的細胞へ核酸を送達すると、例えばin vivoで対象へ投与した後に、検出可能な量が標的細胞へ送達される(例えば、ある特定の百分率の標的細胞へ送達される)。幾つかの実施形態では、標的細胞送達増強脂質を含有するLNPは、標的細胞に対する標的化部分を含まない(例えば、標的細胞マーカーに対する特異性を有する抗体、またはLNPを標的細胞に標的化する受容体リガンドを含まない)。例えば、一実施形態では、標的細胞送達増強脂質を含有するLNPを投与すると、単回の静脈内注射後に、in vivoで少なくとも約30%の肝細胞へ核酸が送達される(例えば、実施例5に記載されるように非ヒト霊長類において)。別の実施形態では、標的細胞送達増強脂質を含有するLNPを投与すると、単回の静脈内注射後に、in vivoで少なくとも約20%の脾細胞へ核酸が送達される(例えば、実施例5に記載されるように非ヒト霊長類において)。ここで実証された送達のレベルによって、in vivoでの療法が可能となる。
一実施形態では、標的細胞による核酸分子の取り込みが強化される。取り込みは、当業者に公知の方法によって決定することができる。例えば、会合/結合、及び/または取り込み/内部移行は、蛍光標識など検出可能に標識されたLNPを使用し、様々なインキュベーション期間後に標的細胞内または標的細胞上のそのようなLNPの位置を追跡することによって評価することができる。加えて、Radu Mihailaらによって記載される常微分方程式(ODE)ベースのモデルなどの数学的モデル(molecular Therapy:Nucleic Acids,Vol.7:246-255,2017(参照により本明細書に組み込まれる))によって、送達及び取り込みの定量化が可能となる。
別の実施形態では、核酸分子の機能または活性を、核酸分子の送達の指標として使用することができる。例えば、siRNAの場合、ある特定の割合の標的細胞におけるタンパク質発現の低減を測定して、その割合の細胞へのsiRNAの送達を示すことができる。同様に、mRNAの場合、ある特定の割合の標的細胞におけるタンパク質発現の増大を測定して、その割合の細胞へのsiRNAの送達を示すことができる。当業者であれば、標的細胞への他の核酸分子の送達を測定するための様々な方法がわかるであろう。
ある特定の実施形態では、標的細胞に送達される核酸は、目的のタンパク質をコードする。したがって、一実施形態では、標的細胞における核酸分子によってコードされる目的のタンパク質の活性が強化される。一実施形態では、標的細胞における核酸分子によってコードされるタンパク質の発現が強化される。一実施形態では、タンパク質は、標的細胞の活性化または活性を調節する。一実施形態では、タンパク質は、標的細胞の活性化または活性を増大させる。一実施形態では、タンパク質は、標的細胞の活性化または活性を減少させる。
一実施形態では、様々な薬剤を使用して細胞を標識して、その特定の標的細胞集団への送達を測定することができる。例えば、LNPは、レポーター核酸(例えば、検出可能なレポータータンパク質をコードするmRNA)をカプセル化することができ、レポーター核酸が発現すると、レポーター核酸が送達された細胞集団が標識される。検出可能なレポータータンパク質の非限定的な例として、高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)、及びルシフェラーゼが挙げられる。
標的細胞送達増強脂質を含有するLNPによる標的細胞への核酸の送達は、例えば、LNPに会合された/カプセル化された核酸によってコードされるタンパク質の発現を検出することによって、またはLNPに会合された/カプセル化された核酸によって媒介される効果(例えば、生物学的効果)を検出することによって、in vitroまたはin vivoで測定することができる。タンパク質検出の場合、タンパク質は、例えば、細胞表面タンパク質であり得、こうした細胞表面タンパク質は、例えば、細胞表面タンパク質に特異的に結合する抗体を使用する免疫蛍光法またはフローサイトメトリーによって検出可能である。あるいは、検出可能なレポータータンパク質をコードするレポーター核酸を使用することができ、レポータータンパク質の発現を、当技術分野で公知の標準的な方法によって測定することができる。
本開示の方法は、正常な標的細胞及び悪性の標的細胞を含めた種々の標的細胞型に核酸分子を送達するのに有用である。
この方法を使用して、例えば肝臓または脾臓に位置する標的細胞に核酸を送達することができる。
一実施形態では、標的細胞は、悪性細胞、がん細胞であり、例えば、G1期の進行の制御が解除されていることによって実証されるものである。一実施形態では、標的細胞は、悪性、がん性であるか、またはG1期の進行の制御が解除されていることを呈する肝細胞である。一実施形態では、標的細胞は、白血病細胞またはリンパ腫細胞である。一実施形態では、標的細胞は、肝癌細胞である。一実施形態では、標的細胞は、肝細胞癌細胞である。一実施形態では、標的細胞は、胆管癌細胞である。一実施形態では、標的細胞は、肝血管肉腫細胞である。一実施形態では、標的細胞は、肝芽腫細胞である。
本開示のLNPを含めた向上した脂質ベースの組成物は、例えば、複数の異なるLNPの投与によって、標的細胞または標的細胞の異なる集団に2つ以上の核酸分子を送達するのに有用である。一実施形態では、本開示の方法は、標的細胞を第1のLNP及び第2のLNPに同時にまたは連続して接触させる(または対象に投与する)ことを含み、該第1及び第2のLNPは、同じまたは異なる核酸分子をカプセル化し、該第1及び第2のLNPは、フィトステロールを成分として含む。他の実施形態では、本開示の方法は、標的細胞を第1のLNP及び第2のLNPに同時にまたは連続して接触させる(または対象に投与する)ことを含み、該第1及び第2のLNPは、同じまたは異なる核酸分子をカプセル化し、該第1のLNPはフィトステロールを成分として含み、該第2のLNPはフィトステロールを含まない。
(i)酵素補充療法
別の実施形態では、本開示のLNPは、疾患または障害に関連する酵素をコードする核酸を提供する。一実施形態では、疾患または障害に関連する酵素は、疾患または障害を有する対象において十分なレベルで発現されていない。ある実施形態では、疾患または障害に関連する酵素をコードする本開示のLNPは、対象に投与して、例えば、酵素補充療法として、対象における酵素の発現及び/または活性を増大させる(例えば、強化する)及び/または回復させることができる。ある実施形態では、疾患または障害に関連する酵素をコードする本開示のLNPは、例えば、対象において、酵素の発現及び/または活性の増大をもたらす。ある実施形態では、疾患または障害に関連する酵素をコードするLNPを投与すると、疾患または障害に関連する1つ以上の症状が改善する。
ある実施形態では、疾患または障害は、奇病(例えば、リソソーム蓄積症)、又は代謝障害(例えば、本明細書に記載されるようなもの)である。
ある実施形態では、疾患は、代謝障害である。ある実施形態では、酵素は、尿素回路酵素である。
医薬組成物
本発明の脂質ナノ粒子を含む製剤は、全体的または部分的に医薬組成物として製剤化されてもよい。医薬組成物は、1つ以上の脂質ナノ粒子を含んでもよい。例えば、医薬組成物は、1つ以上の異なる治療薬及び/または予防薬を含む1つ以上の脂質ナノ粒子を含んでもよい。医薬組成物は、本明細書に記載されるものなどの1つ以上の医薬的に許容される賦形剤または副成分をさらに含んでもよい。医薬組成物及び薬剤の製剤及び製造のための一般的なガイドラインは、例えば、Remington’s The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,A.R.Gennaro;Lippincott,Williams&Wilkins,Baltimore,MD,2006におけるものが利用可能である。任意の従来の賦形剤または副成分が本開示の製剤中のLNPの1つ以上の成分と適合しない場合を除いて、従来の賦形剤及び副成分を任意の医薬組成物に使用することができる。賦形剤または副成分は、成分またはLNPとの組み合わせにより、望ましくない生物学的効果またはさもなくば有害な効果が生じるおそれがあるならば、製剤のLNPの成分と不適合であり得る。
医薬組成物に製剤化された本開示の脂質ナノ粒子は、単一の核酸または複数の核酸をカプセル化することができる。複数の核酸をカプセル化するとき、核酸は同じタイプ(例えば、すべてmRNA)であってもよく、または異なるタイプ(例えば、mRNA及びDNA)であってもよい。さらに、複数のLNPが同じまたは別々の医薬組成物に製剤化されてもよい。例えば、同じまたは別々の医薬組成物は、第1のLNP及び第2のLNPを含むことができ、第1及び第2のLNPは、同じまたは異なる核酸分子をカプセル化し、第1及び第2のLNPは、標的細胞送達増強脂質を成分として含む。他の実施形態では、同じまたは別々の医薬組成物は、第1のLNP及び第2のLNPを含むことができ、第1及び第2のLNPは、同じまたは異なる核酸分子をカプセル化し、第1のLNPは、標的細胞送達増強脂質を成分として含み、第2のLNPは、標的細胞送達増強脂質を含まない。
幾つかの実施形態では、1つ以上の賦形剤または副成分は、LNPを含む医薬組成物の総質量または体積の50%超を構成してもよい。例えば、1つ以上の賦形剤または副成分は、医薬組成物の50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上を構成してもよい。幾つかの実施形態では、医薬的に許容される賦形剤は、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%純粋である。幾つかの実施形態において、賦形剤は、ヒトでの使用及び獣医学での使用が認可されている。幾つかの実施形態において、賦形剤は、米国食品医薬品局によって認可されている。幾つかの実施形態では、賦形剤は、医薬品グレードである。幾つかの実施形態では、賦形剤は、米国薬局方(USP)、欧州薬局方(EP)、英国薬局方、及び/または国際薬局方の基準を満たしている。
本発明による医薬組成物における1つ以上の脂質ナノ粒子、1つ以上の医薬的に許容される賦形剤、及び/または追加成分の相対量は、治療される対象の個性、大きさ、及び/または状態に応じて、ならびに該組成物を投与しようとする経路に応じて変動することとなる。例として、医薬組成物は、0.1%~100%(wt/wt)の間の1つ以上の脂質ナノ粒子を含んでもよい。別の例として、医薬組成物は、0.1%~15%(wt/vol)の1つ以上の両親媒性ポリマー(例えば、0.5%、1%、2.5%、5%、10%、または12.5%w/v)を含んでもよい。
ある特定の実施形態では、本開示の脂質ナノ粒子及び/または医薬組成物は、保管及び/または運送のために冷蔵または冷凍される貯蔵のために冷蔵または冷凍される(例えば、4℃以下の温度、例えば、約-150℃~約0℃の間、または約-80℃~約-20℃の間の温度(例えば、約-5℃、-10℃、-15℃、-20℃、-25℃、-30℃、-40℃、-50℃、-60℃、-70℃、-80℃、-90℃、-130℃、または-150℃)で保管される)。例えば、1つ以上の脂質ナノ粒子を含む医薬組成物は、例えば約-20°C、-30℃、-40℃、-50℃、-60℃、-70℃、または-80℃での保管及び/または運送のために冷蔵される溶液または固体(例えば、凍結乾燥によるもの)である。ある特定の実施形態では、本開示はまた、脂質ナノ粒子の安定性を増大させる方法であって、脂質ナノ粒子及び/またはその医薬組成物を、4℃以下の温度、例えば、約-150℃~約0℃、または約-80℃~約-20℃、例えば、約-5℃、-10℃、-15℃、-20℃、-25℃、-30℃、-40℃、-50℃、-60℃、-70℃、-80℃、-90℃、-130℃、または-150℃で保管することによる方法に関する。
脂質ナノ粒子及び/または1つ以上の脂質ナノ粒子を含む医薬組成物は、1つ以上の特定の細胞、組織、臓器、またそれらの系もしくは群、例えば腎臓系への治療薬及び/または予防薬の送達によってもたらされる治療効果から利益を得る可能性がある患者または対象を含めた、任意の患者または対象に投与されてもよい。脂質ナノ粒子及び脂質ナノ粒子を含む医薬組成物についての本明細書で提供される説明は、ヒトへの投与に適した組成物を主に対象としているが、このような組成物は一般に任意の他の哺乳動物への投与に適していることを、当業者であれば理解するであろう。ヒトへの投与に適した組成物を様々な動物への投与に適したものにするために修正することはよく理解されており、獣医薬理学の当業者であれば、必要に応じて通常の実験を行うだけで、そのような修正を設計及び/または実施することができる。組成物の投与が企図される対象として、ヒト、他の霊長類、ならびに、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、イヌ、マウス、及び/またはラットなどの商業的に関連する哺乳動物を含めた他の哺乳動物が挙げられるが、これらに限定されない。
1つ以上の脂質ナノ粒子を含む医薬組成物は、薬理学の分野で公知の、または今後開発される任意の方法によって調製されてもよい。一般に、そのような調製方法には、活性成分を賦形剤及び/または1つ以上の他の副成分と合わせ、その後、所望であればまたは必要であれば、製品を所望の単回用量単位または複数回用量単位に分割、成形、及び/または包装することが含まれる。
本開示による医薬組成物は、単回単位用量として、及び/または複数の単回単位用量として、大量に調製、包装、及び/または販売されてもよい。本明細書で使用される場合、「単位用量」とは、所定量の活性成分(例えば、脂質ナノ粒子)を含む医薬組成物の個別量である。活性成分の量は、一般に、対象に投与されることとなる活性成分の投与量、及び/または例えばそのような投与量の半分もしくは3分の1などのそのような投与量の好都合な部分量に等しい。
医薬組成物は、種々の投与経路及び投与方法に適した種々の形態で調製されてもよい。一実施形態では、そのような組成物は、液体形態で調製されるか、または凍結乾燥される(例えば、4℃未満で凍結して保管される)。例えば、医薬組成物は、液体剤形(例えば、乳剤、マイクロ乳剤、ナノ乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、及びエリキシル剤)、注射用形態、固体剤形(例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、及び顆粒剤)、局所及び/または経皮投与用の剤形(例えば、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、液剤、スプレー剤、吸入剤、及び貼付剤)、懸濁剤、散剤、ならびに他の形態で調製されてもよい。
経口投与及び非経口投与用の液体剤形として、医薬的に許容される乳剤、マイクロ乳剤、ナノ乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、及び/またはエリキシル剤が挙げられるが、これらに限定されない。活性成分に加えて、液体剤形は、当技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒など、可溶化剤、ならびに乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステルなどの乳化剤、ならびにこれらの混合物を含んでもよい。不活性希釈剤以外に、経口組成物は、追加の治療薬及び/または予防薬、追加の薬剤、例えば、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、香味剤、及び/または芳香剤を含むことができる。非経口投与のためのある特定の実施形態では、組成物は、可溶化剤、例えば、Cremophor(登録商標)、アルコール、油、改質油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、及び/またはそれらの組み合わせと混合される。
注射用調製物、例えば、滅菌注射用水性または油性懸濁剤は、適切な分散剤または湿潤剤、及び/または懸濁化剤を使用して公知の技術に従って製剤化されてもよい。滅菌注射用調製物は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤及び/または溶媒中の、例えば1,3-ブタンジオール中の液剤としての、滅菌注射用液剤、懸濁剤、及び/または乳剤であってもよい。使用可能な許容されるビヒクル及び溶媒の中には、水、リンゲル液、U.S.P.、及び等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌不揮発性油が、溶媒または懸濁媒として慣習的に用いられる。この目的のために、合成モノ-またはジグリセリドを含めた任意の無刺激性の不揮発性油を用いることができる。オレイン酸などの脂肪酸を注射剤の調製に使用することができる。
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターを通してろ過することによって、及び/または使用前に滅菌水もしくは他の滅菌注射用媒体に溶解もしくは分散させることができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって滅菌することができる。
活性成分の効果を長引かせるために、皮下または筋肉内注射からの活性成分の吸収を遅延させることが往々にして望ましい。これは、難水溶性を有する結晶質または非晶質材料の懸濁液の使用によって達成することができる。その場合の薬物の吸収速度はその溶解速度に依存し、溶解速度は結晶サイズ及び結晶形に依存し得る。代替的に、非経口投与された薬物形態の遅延吸収は、薬物を油性ビヒクルに溶解または懸濁させることにより達成される。注射用デポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中にマイクロカプセル化された薬物のマトリックスを形成することによって作製される。ポリマーに対する薬物の比率及び用いられる特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出の速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例として、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射用製剤は、体組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロ乳剤に薬物を閉じ込めることによって調製される。
直腸または膣投与用の組成物は、典型的には、周囲温度では固体であるが体温では液体であり、したがって直腸または膣腔内で溶解して活性成分を放出する、カカオバター、ポリエチレングリコール、または坐薬ワックスなどの適切な非刺激性賦形剤と組成物を混合することによって調製することができる坐薬である。
本発明の化合物の局所及び/または経皮投与用の剤形として、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、液剤、スプレー剤、吸入剤、及び/または貼付剤を挙げることができる。一般に、活性成分は、医薬に許容される担体、及び必要に応じて任意の必要とされる保存剤及び/または緩衝剤と滅菌条件下で混合される。加えて、本開示は、経皮貼付剤の使用を企図しており、これは、多くの場合、身体への化合物の制御送達をもたらすという追加の利点を有する。そのような剤形は、適切な媒体中に化合物を溶解させるまたは分配することによって調製されてもよい。代替的にまたは追加的に、速度制御膜を提供することによって、及び/または化合物をポリマーマトリックス及び/またはゲル中に分散させることによって、速度を制御してもよい。
本明細書に記載の皮内医薬組成物の送達に使用するのに適したデバイスとして、短針デバイス、例えば、米国特許第4,886,499号、第5,190,521号、第5,328,483号、第5,527,288号、第4,270,537号、第5,015,235号、第5,141,496号、及び第5,417,662号に記載されるものが挙げられる。皮内組成物は、PCT公開第WO99/34850号に記載されるもの及びこれらと機能的同等物などの、針の皮膚への有効な貫通長さを限定するデバイスによって投与されてもよい。角質層を突き通し、真皮に達するジェットを生成する液体ジェット式注射器及び/または針を介して液体組成物を真皮に送達するジェット式注射デバイスが適切である。ジェット式注射デバイスは、例えば、米国特許第5,480,381号、第5,599,302号、第5,334,144号、第5,993,412号、第5,649,912号、第5,569,189号、第5,704,911号、第5,383,851号、第5,893,397号、第5,466,220号、第5,339,163号、第5,312,335号、第5,503,627号、第5,064,413号、第5,520,639号、第4,596,556号、第4,790,824号、第4,941,880号、第4,940,460号、ならびにPCT公開第WO97/37705号及び第WO97/13537号に記載されている。圧縮ガスを使用して粉末形態のワクチンを皮膚の外層から真皮まで加速する弾道粉末/粒子送達デバイスは適切である。代替的にまたは追加的に、従来の注射器を皮内投与の古典的なマントー法で使用してもよい。
局所投与に適した製剤として、液体及び/または半液体製剤、例えば、リニメント剤、ローション剤、水中油型及び/または油中水型乳剤、例えば、クリーム剤、軟膏剤、及び/またはペースト剤、及び/または液剤、及び/または懸濁剤が挙げられるが、これらに限定されない。局所投与可能な製剤は、例えば、約1%~約10%(wt/wt)の活性成分を含んでもよいが、活性成分の濃度は、溶媒中の活性成分の溶解限度と同程度に高くてもよい。局所投与用製剤は、本明細書に記載の追加成分の1つ以上をさらに含んでもよい。
医薬組成物は、口腔を介した肺投与に適した製剤で調製、包装、及び/または販売されてもよい。そのような製剤は、活性成分を含む乾燥粒子を含んでもよい。そのような組成物は、好都合には、散剤を分散するように噴射剤の流れを向けることができる乾燥粉末リザーバーを含むデバイスを使用するか、及び/または密封容器内の低沸点噴射剤に溶解及び/または懸濁された活性成分を含むデバイスなどの自己噴射性溶媒/粉末分配容器を使用する投与用の乾燥粉末の形態である。乾燥粉末組成物は、糖などの固体微粉末希釈剤を含んでもよく、好都合には単位用量形態で提供される。
低沸点噴射剤には、一般に、大気圧で65°F未満の沸点を有する液体推進剤が含まれる。一般に、噴射剤は組成物の50%~99.9%(wt/wt)を構成してもよく、活性成分は組成物の0.1%~20%(wt/wt)を構成してもよい。噴射剤は、液体非イオン性及び/または固体アニオン性界面活性剤及び/または固体希釈剤(活性成分を含む粒子と同程度の粒径を有し得る)などの追加成分をさらに含んでもよい。
肺送達用に製剤化された医薬組成物は、液剤及び/または懸濁剤の液滴の形態で活性成分を提供してもよい。そのような製剤は、活性成分を含む、任意選択で滅菌された水性及び/または希釈アルコール液剤及び/または懸濁剤として調製、包装、及び/または販売されてもよく、任意の噴霧化及び/または微粒化デバイスを使用して好都合に投与されてもよい。そのような製剤は、限定するものではないが、サッカリンナトリウムなどの香味剤、揮発性油、緩衝剤、界面活性剤、及び/またはメチルヒドロキシベンゾエートなどの保存剤を含めた1つ以上の追加成分をさらに含んでもよい。この投与経路によってもたらされる液滴は、約1nm~約200nmの範囲内の平均直径を有してもよい。
肺送達に有用であると本明細書に記載される製剤は、医薬組成物の鼻腔内送達に有用である。鼻腔内投与に適した別の製剤は、活性成分を含み、平均粒子が約0.2μm~500μmの平均粒子を有する粗い散剤である。そのような製剤は、嗅ぎタバコを摂取する方法で、すなわち鼻の近くに保持された散剤の容器から鼻道を介して急速に吸入することにより投与される。
経鼻投与に適した製剤は、例えば、約0.1%(wt/wt)という少量から100%(wt/wt)という多量まで活性成分を含んでもよく、本明細書に記載の追加成分の1つ以上を含んでもよい。医薬組成物は、口腔投与に適した製剤で調製、包装、及び/または販売することができる。そのような製剤は、例えば、従来の方法を使用して作製された錠剤及び/または舐剤の形態であってよく、例えば、活性成分は0.1%~20%(wt/wt)であり、残部は経口溶解性及び/または分解性組成物、ならびに任意選択で本明細書に記載の追加成分の1つ以上を含んでもよい。あるいは、口腔投与に適した製剤は、活性成分を含む散剤及び/またはエアロゾル化及び/または微粒化された液剤及び/または懸濁剤を含んでもよい。そのような粉末化、エアロゾル化、及び/またはエアロゾル化製剤は、分散されたときに、約0.1nm~約200nmの範囲内の平均粒子及び/または液滴サイズを有してもよく、さらに本明細書に記載の任意の追加成分の1つ以上を含んでもよい。
医薬組成物は、眼への投与に適した製剤で調製、包装、及び/または販売することができる。そのような製剤は、例えば、水性または油性液体賦形剤中に活性成分が0.1/1.0%(wt/wt)の液剤及び/または懸濁剤を含めた点眼薬の形態であってもよい。そのような液滴は、緩衝剤、塩、及び/または本明細書に記載の他の任意の追加成分の1つ以上をさらに含んでもよい。有用である眼に投与可能な他の製剤として、微結晶形態及び/またはリポソーム製剤中に活性成分を含むものが挙げられる。点耳薬及び/または点眼薬は、本開示の範囲内であることが企図される。
定義
投与すること:本明細書で使用される場合、「投与すること」は、対象または患者に組成物を送達する方法を指す。投与方法は、身体の特定の領域または系への送達を標的とする(例えば、特異的に送達する)ように選択することができる。例えば、投与は、非経口のもの(例えば、皮下、皮内(intracutaneous)、静脈内、腹腔内、筋肉内、関節内、動脈内、滑液内、胸骨内、髄腔内、病巣内、または頭蓋内注射、ならびに任意の適切な注入技術)、経口、経皮、もしくは皮内(intra-dermal)、皮内(interdermal)、直腸内、膣内、局所(例えば、散剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤、及び/または液滴剤による)、粘膜、鼻腔、口腔、経腸、硝子体、腫瘍内、舌下、鼻腔内のもの;気管内注入、気管支注入、及び/または吸入によるもの;経口スプレー剤及び/または散剤、鼻腔スプレー、及び/またはエアロゾルとしてのもの、及び/または門脈カテーテルを通したものであってもよい。
およそ、約:本明細書で使用される場合、1つ以上の目的の値に適用される場合、用語「およそ」または「約」は、述べられた参照値と類似する値を指す。ある特定の実施形態では、「およそ」または「約」という用語は、特に明記されていない限り、または文脈から明らかでない限り(そのような数が可能な値の100%を超える場合を除いて)、述べられた参照値のいずれかの方向(それを超えるまたはそれ未満)において、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ未満に含まれる値の範囲を指す。例えば、LNPの脂質成分中の所与の化合物の量の文脈で使用されるとき、「約」は、記載された値の+/-5%を意味し得る。例えば、約40%の所与の化合物を有する脂質成分を含むLNPは、30~50%の化合物を含み得る。別の例では、少なくとも約30%の肝細胞への送達は、25~35%の肝細胞への送達を含み得る。
がん:本明細書で使用される場合、「がん」は、異常な及び/または制御されていない細胞増殖を伴う状態であり、例えば、細胞のG1期の進行の制御が解除されている状態である。例示的な非限定的ながんとして、副腎皮質癌、進行癌、肛門癌、再生不良性貧血、胆管癌、膀胱癌、骨癌、骨転移、脳腫瘍、脳癌、乳癌、小児癌、原発不明癌、キャッスルマン病、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、ユーイングファミリー腫瘍、眼癌、胆嚢癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、妊娠性絨毛性疾患、ホジキン病、カポジ肉腫、腎細胞癌、喉頭癌及び下咽頭癌、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、骨髄異形成症候群(難治性貧血及び難治性血球減少が含まれる)、骨髄増殖性の新生物または疾患(真性赤血球増加症、本態性血小板増加症、及び原発性骨髄線維症が含まれる)、肝癌(例えば、肝細胞癌)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肺カルチノイド腫、皮膚のリンパ腫、悪性中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、鼻腔癌及び副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、口腔癌及び中咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、膵癌、陰茎癌、下垂体腫瘍、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、成人軟部組織における肉腫、皮膚の基底細胞癌及び扁平上皮細胞癌、メラノーマ、小腸癌、胃癌、精巣癌、咽喉癌、胸腺癌、甲状腺癌、子宮肉腫、腟癌、外陰癌、ワルデンストレームマクログロブリン血症、ウイルムス腫瘍、ならびにがん治療によって生じる二次がんが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、がんは、肝癌(例えば、肝細胞癌)または結腸直腸癌である。他の実施形態では、がんは、血液ベースのがんまたは造血と関連するがんである。
コンジュゲートされた:本明細書で使用される場合、「コンジュゲートされた」という用語は、2つ以上の部分に関して使用されるとき、それらの部分が、直接、または連結作用物質として働く1つ以上の追加部分を介して互いに物理的に会合または連結されて十分に安定な構造が形成され、その結果、それらの部分が、該構造が使用される条件(例えば、生理学的条件)下で物理的に会合された状態を保持することを意味する。幾つかの実施形態では、2つ以上の部分は、直接共有化学結合によってコンジュゲートされてもよい。他の実施形態では、2つ以上の部分は、イオン結合または水素結合によってコンジュゲートされてもよい。
接触させること:本明細書で使用される場合、「接触させる」という用語は、2つ以上の実体の間で物理的な連結が確立されることを意味する。例えば、細胞をmRNAまたは脂質ナノ粒子組成物と接触させることは、細胞とmRNAまたは脂質ナノ粒子とが物理的な連結を共有するようにされること意味する。in vivo、in vitro、及びex vivoのいずれにおいても、細胞を外部の実体と接触させる方法は、生物学的分野で周知である。本開示の例示的な実施形態では、哺乳動物細胞を組成物(例えば、本開示のナノ粒子または医薬組成物)と接触させるステップは、in vivoで実施される。例えば、脂質ナノ粒子組成物と、(生物(例えば、哺乳動物)内に配置され得る細胞(例えば、哺乳動物細胞)とを接触させることは、任意の適切な投与経路(例えば、静脈内、筋肉内、皮内、及び皮下投与を含めた、生物への非経口投与)によって実施されてもよい。in vitroに存在する細胞については、組成物(例えば、脂質ナノ粒子)及び細胞は、例えば、細胞の培養培地に組成物を添加することによって接触させてもよく、トランスフェクションを伴うか、またはトランスフェクションをもたらしてもよい。さらに、複数の細胞をナノ粒子組成物に接触させてもよい。
送達すること:本明細書で使用される場合、「送達すること」という用語は、実体を目的地に提供することを意味する。例えば、治療薬及び/または予防薬を対象に送達することは、治療薬及び/または予防薬を含むLNPを対象に投与すること(例えば、静脈内、筋肉内、皮内、または皮下経路による)を含んでもよい。哺乳動物または哺乳動物細胞へのLNPの投与は、1つ以上の細胞を脂質ナノ粒子と接触させることを含んでもよい。
カプセル化する:本明細書で使用される場合、「カプセル化する」という用語は、封入する、囲い込む、または包み込むことを意味する。幾つかの実施形態では、化合物、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)、または他の組成物は、完全にカプセル化されても、部分的にカプセル化されても、または実質的にカプセル化されてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、本開示のmRNAは、脂質ナノ粒子、例えば、リポソームにカプセル化されてもよい。
カプセル化効率:本明細書で使用される場合、「カプセル化効率」は、LNPの調製に使用される治療薬及び/または予防薬の初期総量に対する、LNPの一部となる治療薬及び/または予防薬の量を指す。例えば、組成物に最初に提供された合計100mgの治療薬及び/または予防薬のうち97mgの治療薬及び/または予防薬がLNPにカプセル化されるならば、カプセル化効率は97%として得ることができる。本明細書で使用される場合、「カプセル化」は、完全な、実質的な、または部分的な封入、閉じ込め、囲い込み、または包み込みを指すことができる。
強化された送達:本明細書で使用される場合、「強化された送達」という用語は、対照ナノ粒子による目的の標的細胞(例えば、標的細胞)への核酸(例えば、治療薬用及び/または予防用mRNA)の送達レベルと比較して、より多く(例えば、少なくとも10%多く、少なくとも20%多く、少なくとも30%多く、少なくとも40%多く、少なくとも50%多く、少なくとも1.5倍多く、少なくとも2倍多く、少なくとも3倍多く、少なくとも4倍多く、少なくとも5倍多く、少なくとも6倍多く、少なくとも7倍多く、少なくとも8倍多く、少なくとも9倍多く、少なくとも10倍多く)の核酸(例えば、治療薬用及び/または予防用mRNA)がナノ粒子によって目的の標的細胞へ送達されることを意味する。例えば、本開示の標的細胞送達増強脂質を含有するLNPによる「強化された送達」は、標的細胞送達増強脂質を含まない同じLNPと比較することによって評価することができる。標的細胞送達増強脂質を含有するLNPの特定の細胞(例えば、標的細胞)への送達のレベルは、フィトセロール含有LNPを使用して標的細胞で産生されるタンパク質の量を、標的細胞送達増強脂質を含まない同じLNPに対して比較することによって(例えば、フローサイトメトリーを使用した平均蛍光強度によって)、標的細胞送達増強脂質を使用してトランスフェクトされた標的細胞の百分率(%)を標的細胞送達増強脂質を含まない同じLNPに対して比較することによって(例えば、定量的フローサイトメトリーによって)、あるいは標的細胞送達増強脂質を使用したときのin vivoでの標的細胞における治療薬及び/または予防薬の量を標的細胞送達増強脂質を含まない同じLNPに対して比較することによって、測定することができる。標的細胞へのナノ粒子の強化された送達は、治療されている対象において決定される必要はなく、動物モデルなどの代用物(例えば、マウスモデルまたは非ヒト霊長類モデル)において決定されてもよいことが理解されよう。例えば、標的細胞への強化された送達を決定する場合、マウスまたはNHPモデル(例えば、実施例に記載されるようなもの)を使用することができ、標的細胞送達増強脂質を含有するLNPによる、目的のタンパク質をコードするmRNAの送達は、標的細胞(例えば、肝臓及び/または脾臓からのもの)において、標的細胞送達増強脂質を含まない同じLNPと比較して評価することができる(例えば、フローサイトメトリー、蛍光顕微鏡法など)。
有効量:本明細書で使用される場合、薬剤の「有効量」という用語は、有益なまたは所望の結果、例えば、臨床結果をもたらすのに十分な量であり、したがって、「有効量」は、それが適用される文脈に依存する。例えば、本開示の脂質組成物(例えば、LNP)中の標的細胞送達増強脂質の量の文脈において、標的細胞送達増強脂質の有効量は、標的細胞送達増強脂質を含まない脂質組成物(例えば、LNP)と比較したときに、有益なまたは所望の結果をもたらすのに十分な量である。脂質組成物(例えば、LNP)によって有益なまたは所望の結果がもたらされる非限定的な例として、トランスフェクトされた細胞の百分率が増大すること、及び/または脂質組成物(例えば、LNP)に会合された/カプセル化された核酸によってコードされるタンパク質の発現のレベルが増大することが挙げられる。有効量の脂質ナノ粒子が対象における標的細胞によって取り込まれるように、標的細胞送達増強脂質を含有する脂質ナノ粒子を投与する文脈において、標的細胞送達増強脂質を含有するLNPの有効量は、標的細胞送達増強脂質を含まないLNPと比較したときに、有益なまたは所望の結果をもたらすのに十分な量である。対象における有益なまたは所望の結果の非限定的な例として、標的細胞送達増強脂質を含まないLNPと比較したときに、トランスフェクトされた細胞の百分率が増大すること、標的細胞送達増強脂質を含有するLNPに会合された/カプセル化された核酸によってコードされるタンパク質の発現のレベルが増大すること、及び/または標的細胞送達増強脂質を含有するLNPに会合された/カプセル化された核酸、またはそのコードされたタンパク質のin vivoでの予防または治療効果が増大することが挙げられる。幾つかの実施形態では、標的細胞送達増強脂質を含有するLNPの治療的有効量は、感染症、疾患、障害、及び/または状態を患うかまたはそれに罹患しやすい対象に投与されたときに、そうした感染症、疾患、障害、及び/または状態を治療する、それらの症状を改善する、診断する、予防する、及び/またはそれらの発症を遅延させるのに十分である。別の実施形態では、脂質ナノ粒子の有効量は、標的細胞の少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、またはそれ以上において所望のタンパク質の発現をもたらすのに十分である。例えば、標的細胞送達増強脂質を含有するLNPの有効量は、単回の静脈内注射後に、肝細胞の少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、または35%にトランスフェクションをもたらす量であり得る(例えば、実施例5に記載される通り)。
発現:本明細書で使用される場合、核酸配列の「発現」は、以下の事象の1つ以上を指す:(1)DNA配列からのRNAテンプレートの産生(例えば、転写による)、(2)RNA転写物のプロセシング(例えば、スプライシング、編集、5’キャップの形成、及び/または3’末端プロセシングによる)、(3)ポリペプチドまたはタンパク質へのRNAの翻訳、ならびに(4)ポリペプチドまたはタンパク質の翻訳後修飾。
ex vivo:本明細書で使用される場合、「ex vivo」という用語は、生物(例えば、動物、植物、もしくは微生物、またはそれらの細胞もしくは組織)の外で起こる事象を指す。ex vivo事象は、天然(例えば、in vivo)環境から最小限に改変された環境で起こり得る。
フラグメント:「フラグメント」は、本明細書で使用される場合、一部分を指す。例えば、タンパク質のフラグメントとして、培養細胞から単離された完全長タンパク質を消化することによって得られるポリペプチド、または組換えDNA技術を通して得られるポリペプチドが挙げられてもよい。タンパク質のフラグメントは、例えば、タンパク質のフラグメントがタンパク質の機能活性を保持するように1つ以上の機能性ドメインを含む、タンパク質の一部分であり得る。
GCリッチ:本明細書で使用される場合、「GCリッチ」という用語は、グアニン(G)核酸塩基及び/またはシトシン(C)核酸塩基、あるいはその誘導体または類似体を含むポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその任意の部分(例えば、RNAエレメント)の核酸塩基組成物であって、GC含量が約50%超であるものを指す。「GCリッチ」という用語は、限定するものではないが、遺伝子、非コード領域、5’UTR、3’UTR、オープンリーディングフレーム、RNAエレメント、配列モチーフ、またはその任意の個別の配列、フラグメント、もしくはセグメントを含めたポリヌクレオチドのすべてまたは一部分であって、約50%のGC含量を含むものを指す。本開示の幾つかの実施形態では、GCリッチなポリヌクレオチドまたはその任意の一部分は、グアニン(G)及び/またはシトシン(C)核酸塩基のみから構成される。
GC含量:本明細書で使用される場合、「GC含量」という用語は、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)またはその一部分(例えば、RNAエレメント)における、グアニン(G)核酸塩基及びシトシン(C)核酸塩基またはその誘導体もしくは類似体である核酸塩基の(DNA及びRNAにおける、アデニン(A)及びチミン(T)またはウラシル(U)ならびにその誘導体または類似体を含めた、可能な核酸塩基の総数からの)百分率を指す。「GC含量」という用語は、限定するものではないが、遺伝子、非コード領域、5’もしくは3’UTR、オープンリーディングフレーム、RNAエレメント、配列モチーフ、またはその任意の個別の配列、フラグメント、もしくはセグメントを含めたポリヌクレオチドのすべてまたは一部分を指す。
異種:本明細書で使用される場合、「異種」は、配列(例えば、アミノ酸配列またはアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド)が、所与のポリペプチドまたはポリヌクレオチドに通常は存在しないことを示す。例えば、あるタンパク質のドメインまたはモチーフに対応するアミノ酸配列は、第2のタンパク質に対して異種であり得る。
単離された:本明細書で使用される場合、「単離された」という用語は、会合していた成分の少なくとも幾つかから分離された(天然または実験的状況であるかにかかわらず)、物質または実体を指す。分離された物質は、それらが会合していた物質に対して様々なレベルの純度を有し得る。単離された物質及び/または実体は、それらが最初に会合していた他の成分の少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、またはそれ以上から分離されてもよい。幾つかの実施形態では、単離された薬剤は、約80%超、約85%超、約90%超、約91%超、約92%超、約93%超、約94%超、約95%超、約96%超、約97%超、約98%超、約99%超、または約99%超純粋である。本明細書で使用される場合、物質が実質的に他の成分を含まない場合、それは「純粋」である。
コザック配列:「コザック配列」(「コザックコンセンサス配列」とも呼ばれる)という用語は、遺伝子またはオープンリーディングフレームの発現を強化するための翻訳開始エンハンサーエレメントを指し、真核生物では5’UTRに位置する。コザックコンセンサス配列は、開始コドン(AUG)周囲の単一変異がプレプロインスリン遺伝子の翻訳に及ぼす影響が解析された後、元々は配列GCCRCC(式中、R=プリン)として定義されていた(Kozak(1986)Cell 44:283-292)。本明細書に開示のポリヌクレオチドは、コザックコンセンサス配列、またはその誘導体もしくは修飾を含む。(翻訳エンハンサーの組成及びその使用方法の例については、Andrews et al.の米国特許第5,807,707号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、Chernajovskyの米国特許第5,723,332号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、Wilsonの米国特許第5,891,665号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
読み漏らし:「読み漏らし」として公知の現象は、PICが開始コドンを読み飛ばし、代わりに、代替のまたは代わりの開始コドンが認識されるまで下流へとスキャニングを継続することによって起こり得る。発生頻度によっては、PICによる開始コドンの読み飛ばしによって翻訳効率が減少することがある。さらに、この下流AUGコドンからの翻訳が起こる可能性があり、これによって、所望の治療応答を誘発できない可能性がある望ましくない異常な翻訳産物が産生されることとなる。場合によっては、異常な翻訳産物が実際に有害な応答を引き起こす可能性がある(Kracht et al.,(2017)Nat Med 23(4):501-507)。
リポソーム:本明細書で使用される場合、「リポソーム」とは、水性内部を封入する脂質含有膜を含む構造を意味する。リポソームは、1つ以上の脂質膜を有してもよい。リポソームには、単層リポソーム(当技術分野では単層膜リポソームとしても公知である)及び多層リポソーム(当技術分野では多重膜リポソームとしても公知である)が含まれる。
転移:本明細書で使用される場合、「転移」という用語は、がんが原発腫瘍として最初に発生した場所から体内の離れた場所に広がるプロセスを意味する。このプロセスの結果として発生した二次腫瘍は、「転移物」と呼ばれることがある。
修飾された:本明細書で使用される場合、「修飾された」または「修飾」は、ポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の変化した状態、または組成もしくは構造の変化を指す。ポリヌクレオチドは、化学的、構造的、及び/または機能的な方法を含めた様々な方法で修飾されてもよい。例えば、ポリヌクレオチドは、1つ以上のRNAエレメントの組み込みによって構造的に改変されてもよく、ここで、RNAエレメントは、1つ以上の機能(例えば、翻訳調節活性)をもたらす配列及び/またはRNA二次構造(複数可)を含む。したがって、本開示のポリヌクレオチドは、1つ以上の修飾から構成されてもよい(例えば、1つ以上の化学的、構造的、または機能的修飾を、それらの任意の組み合わせを含めて、含んでもよい。)
修飾された:本明細書で使用される場合、「修飾された」は、本開示の分子の変化した状態または構造を指す。分子は、化学的、構造的、及び機能的な方法を含めた多くの方法で修飾されてもよい。一実施形態では、本開示のmRNA分子は、例えば、天然のリボヌクレオチドであるA、U、G、及びCに関する場合、非天然ヌクレオシド及び/またはヌクレオチドの導入によって修飾される。キャップ構造などの非古典的なヌクレオチドは、A、C、G、Uリボヌクレオチドの化学構造とは異なるが、「修飾された」とは見なされない。
mRNA:本明細書で使用される場合、「mRNA」は、メッセンジャーリボ核酸を指す。mRNAは、天然に存在するものであっても、または天然に存在しないものであってもよい。例えば、mRNAは、修飾された及び/または天然に存在しない成分、例えば、1つ以上の核酸塩基、ヌクレオシド、ヌクレオチド、またはリンカーを含んでもよい。mRNAは、キャップ構造、鎖終結ヌクレオシド、ステムループ、ポリA配列、及び/またはポリアデニル化シグナルを含んでもよい。mRNAは、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有してもよい。mRNAが翻訳されると、例えば、哺乳動物細胞内でmRNAがin vivoで翻訳されると、ポリペプチドが産生され得る。従来より、mRNA分子の基本成分には、少なくとも1つのコード領域、5’非翻訳領域(5’UTR)、3’UTR、5’キャップ、及びポリA配列が含まれる。
ナノ粒子:本明細書で使用される場合、「ナノ粒子」は、約1000nm未満のスケールで、同じ材料のバルク試料と比較したときに新規な特性を示す、任意の1つの構造的特徴を有する粒子を指す。通常、ナノ粒子は、約500nm未満、約200nm未満、または約100nmのスケールで、任意の1つの構造的特徴を有する。また、通常、ナノ粒子は、約50nm~約500nm、約50nmから約200nm、または約70~約120nmのスケールで任意の1つの構造的特徴を有する。例示的な実施形態では、ナノ粒子は、約1~1000nmのオーダーの1つ以上の寸法を有する粒子である。例示的な実施形態では、ナノ粒子は、約10~500nmのオーダーの1つ以上の寸法を有する粒子である。例示的な実施形態では、ナノ粒子は、約50~200nmのオーダーの1つ以上の寸法を有する粒子である。球状ナノ粒子であれば、例えば、約50~100または70~120ナノメートルの直径を有するであろう。ナノ粒子は、ほとんどの場合、その輸送及び特性に関して、一単位としての挙動を示す。ナノ粒子を対応するバルク材料と差別化する新規な特性は、典型的には、1000nm未満のサイズ尺度または約100nmのサイズで生じるものであるが、ナノ粒子のサイズは、例えば、楕円形、管状などでは、より大きいものであってもよいことに留意されたい。ほとんどの分子のサイズが上記の概要に当てはまることになるが、通常、個々の分子はナノ粒子とは呼ばれない。
核酸:本明細書で使用する場合、「核酸」という用語は、その最も広い意味で使用され、ヌクレオチドのポリマーを含む任意の化合物及び/または物質を包含する。これらのポリマーは、ポリヌクレオチドと呼ばれることが多い。本開示の例示的な核酸またはポリヌクレオチドとして、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、DNA-RNAハイブリッド、RNAi誘導剤、RNAi剤、siRNA、shRNA、miRNA、アンチセンスRNA、リボザイム、触媒DNA、三重らせん形成を誘導するRNA、トレオース核酸(TNA)、グリコール核酸(GNA)、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA(β-D-リボ立体配置を有するLNA、α-L-リボ立体配置を有するα-LNA(LNAのジアステレオマー)、2’-アミノ官能基を有する2’-アミノ-LNA、及び2’-アミノ官能基を有する2’-アミノ-α-LNAが挙げられる))、またはそれらのハイブリッドが挙げられるが、これらに限定されない。
核酸構造:本明細書で使用される場合、「核酸構造」という用語(「ポリヌクレオチド構造」と互換的に使用される)は、核酸(例えば、mRNA)を構成する原子、化学的成分、エレメント、モチーフ、及び/または連結されたヌクレオチドの配列もしくはその誘導体もしくは類似体が、配置または構造化されたものを指す。この用語はまた、核酸の二次元または三次元状態を指す。したがって、「RNA構造」という用語は、RNA分子(例えば、mRNA)を構成する原子、化学的成分、エレメント、モチーフ、及び/または連結されたヌクレオチドの配列もしくはその誘導体もしくは類似体が配置または構造化されたもの、及び/またはRNA分子の二次元及び/または三次元の状態を指す。核酸構造は、構造化の複雑さの増大に基づいて、「分子構造」、「一次構造」、「二次構造」、及び「三次構造」と本明細書で呼ばれる4つの構造化カテゴリーにさらに区別することができる。
核酸塩基:本明細書で使用される場合、「核酸塩基」(あるいは「ヌクレオチド塩基」または「窒素塩基」)という用語は、核酸に見られるプリンまたはピリミジン複素環式化合物を指し、それらには、核酸またはその一部分もしくはセグメントに向上した特性(例えば、結合親和性、ヌクレアーゼ抵抗性、化学的安定性)を付与する、天然に存在するプリン及びピリミジンの任意の誘導体または類似体が含まれる。アデニン、シトシン、グアニン、チミン、及びウラシルは、主に天然の核酸に見られる核酸塩基である。当該技術分野で公知であるような及び/または本明細書に記載されるような、他の天然、非天然、及び/または合成の核酸塩基を核酸に組み込むことができる。
ヌクレオシド/ヌクレオチド:本明細書で使用される場合、「ヌクレオシド」という用語は、核酸塩基(例えば、プリンまたはピリミジン)またはその誘導体もしくは類似体(これらも本明細書では「核酸塩基」と呼ばれる)に共有結合した糖分子(例えば、RNA中のリボースまたはDNA中のデオキシリボース)またはその誘導体もしくは類似体を含有するが、ヌクレオシド間連結基(例えば、リン酸基)を含まない化合物を指す。本明細書で使用される場合、「ヌクレオチド」という用語は、ヌクレオシド間連結基(例えば、リン酸基)に共有結合されたヌクレオシド、または核酸またはその一部分もしくはセグメントに向上した化学的及び/または機能的特性(例えば、結合親和性、ヌクレアーゼ抵抗性、化学的安定性)を付与するそれらの任意の誘導体、類似体、または修飾体を指す。
オープンリーディングフレーム:本明細書で使用される場合、「ORF」と略される「オープンリーディングフレーム」という用語は、ポリペプチドをコードするmRNA分子のセグメントまたは領域を指す。ORFは、開始コドンで始まって終止コドンで終了する連続した一続きの非重複インフレームコドンを含み、リボソームによって翻訳される。
患者:本明細書で使用される場合、「患者」は、治療を求めるかもしくは治療を必要としている対象、治療を要求する対象、治療を受けている対象、治療を受けようとする対象、または訓練を受けた専門家によって特定の疾患もしくは状態について治療を受けている対象を指す。特定の実施形態では、患者は、ヒトの患者である。幾つかの実施形態では、患者は、がん(例えば、肝癌または結腸直腸癌)を患う患者である。
医薬的に許容される:「医薬的に許容される」という語句は、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を有することなくヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに適した、安全な医学的判断の範囲内にあり、妥当な利益/リスク比に見合う、化合物、材料、組成物及び/または剤形を指すために本明細書で用いられる。
医薬的に許容される賦形剤:「医薬的に容認可能な賦形剤」という語句は、本明細書で使用される場合、患者において実質的に非毒性かつ非炎症性であるという特性を有する、本明細書に記載の化合物以外の任意の成分(例えば、活性化合物を懸濁または溶解させることが可能なビヒクル)を指す。賦形剤として、例えば、付着防止剤、酸化防止剤、結合剤、コーティング、圧縮補助剤、崩壊剤、染料(着色剤)、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤(希釈剤)、皮膜形成剤またはコーティング剤、香味剤、香料、流動促進剤(流動向上剤)、潤滑剤、保存剤、印刷インク、吸着剤、懸濁化剤または分散剤、甘味料、及び水和水が挙げられてもよい。例示的な賦形剤として、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基性)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、アルファデンプン、プロピルパラベン、レチニルパルミテート、シェラック、二酸化ケイ素、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、クエン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ソルビトール、デンプン(トウモロコシ)、ステアリン酸、スクロース、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、及びキシリトールが挙げられるが、それらに限定されない。
医薬的に許容される塩:本明細書で使用される場合、「医薬的に許容される塩」は、開示される化合物の誘導体であって、既存の酸または塩基部分がその塩形態に変換されることによって(例えば、遊離塩基基を適切な有機酸と反応させることによって)親化合物が修飾されたものを指す。医薬的に許容される塩の例として、アミンなどの塩基性残基の無機または有機酸性塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩;などが挙げられるが、これらに限定されない。代表的な酸付加塩として、酢酸塩、酢酸、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ性土類金属塩として、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、ならびに非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、及びアミンカチオン、例えば、限定するものではないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどが挙げられる。本開示の医薬的に許容される塩には、例えば、非毒性の無機酸または有機酸から形成される、親化合物の従来の非毒性の塩が含まれる。本開示の医薬的に許容される塩は、従来の化学的方法によって、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形態を、水中もしくは有機溶媒中または2つの混合物中で化学量論的な量の適切な塩基または酸と反応させることによって調製することができ、一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418,Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,P.H. Stahl and C.G.Wermuth(eds.),Wiley-VCH,2008、及びBerge et al.,Journal of Pharmaceutical Science,66,1-19(1977)に見出され、それらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
ポリペプチド:本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」または「目的のポリペプチド」という用語は、天然に(例えば、単離または精製されて)または合成的に生成することができる、典型的にはペプチド結合によって結合されたアミノ酸残基のポリマーを指す。
前開始複合体(PIC):本明細書で使用される場合、「前開始複合体」(あるいは「43S前開始複合体」;「PIC」と略される)という用語は、40Sリボソームサブユニット、真核生物開始因子(eIF1、eIF1A、eIF3、eIF5)、及びeIF2-GTP-Met-tRNAi
Met三元複合体を含み、mRNA分子の5’キャップに結合し、結合後に5’UTRのリボソームスキャニングを実施するという固有の能力を有するリボ核タンパク質複合体を指す。
RNA:本明細書で使用される場合、「RNA」は、天然に存在しても、または天然に存在しなくてもよいリボ核酸を指す。例えば、RNAは、修飾された及び/または天然に存在しない成分、例えば、1つ以上の核酸塩基、ヌクレオシド、ヌクレオチド、またはリンカーを含んでもよい。RNAは、キャップ構造、鎖終結ヌクレオシド、ステムループ、ポリA配列、及び/またはポリアデニル化シグナルを含んでもよい。RNAは、目的のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有してもよい。例えば、RNAはメッセンジャーRNA(mRNA)であってもよい。特定のポリペプチドをコードするmRNAの翻訳、例えば、哺乳動物細胞内のmRNAのin vivoでの翻訳は、コードされたポリペプチドを産生し得る。RNAは、低分子干渉RNA(siRNA)、非対称干渉RNA(aiRNA)、マイクロRNA(miRNA)、ダイサー基質RNA(dsRNA)、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)、mRNA、長鎖非コードRNA(lncRNA)、及びそれらの混合物からなる非制限的な群から選択されてもよい。
RNAエレメント:本明細書で使用される場合、「RNAエレメント」という用語は、生物学的機能をもたらし、及び/または生物学的活性(例えば、翻訳調節活性)を有する、RNA分子の一部分、フラグメント、またはセグメントを指す。本明細書に記載されるものなどの1つ以上のRNAエレメントを組み込むことによってポリヌクレオチドを修飾すると、1つ以上の望ましい機能的特性が修飾されたポリヌクレオチドにもたらされる。本明細書に記載されるようなRNAエレメントは、天然に存在するものであっても、天然に存在しないものであっても、合成されたものであっても、操作されたものであっても、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。例えば、調節活性をもたらす天然に存在するRNAエレメントには、ウイルス、原核生物、及び真核生物(例えば、ヒト)のトランスクリプトーム全体に見られるエレメントが含まれる。特定の真核生物のmRNA及び翻訳されたウイルスRNAにおけるRNAエレメントは、細胞における多くの機能の媒介に関与していることが示されている。例示的な天然のRNAエレメントとして、翻訳開始エレメント(例えば、配列内リボソーム進入部位(IRES)Kieft et al.,(2001)RNA 7(2):194-206を参照されたい)、翻訳エンハンサーエレメント(例えば、APP mRNA翻訳エンハンサーエレメント、Rogers et al.,(1999)J Biol Chem 274(10):6421-6431を参照されたい)、mRNA安定性エレメント(例えば、AUリッチエレメント(ARE)、Garneau et al.,(2007)Nat Rev Mol Cell Biol 8(2):113-126を参照されたい)、翻訳抑制エレメント(例えば、Blumer et al.,(2002)Mech Dev 110(1-2):97-112を参照されたい)、タンパク質結合RNAエレメント(例えば、鉄応答性エレメント、Selezneva et al.,(2013)J Mol Biol 425(18):3301-3310を参照されたい)、細胞質ポリアデニル化エレメント(Villalba et al.,(2011)Curr Opin Genet Dev 21(4):452-457)、及び触媒RNAエレメント(例えば、リボザイム、Scott et al.,(2009)Biochim Biophys Acta 1789(9-10):634-641を参照されたい)が挙げられるが、これらに限定されない。
滞留時間:本明細書で使用される場合、「滞留時間」という用語は、前開始複合体(PIC)またはリボソームが、mRNA分子に沿って個別の位置または場所を占有する時間を指す。
特異的送達:本明細書で使用される場合、「特異的送達」、「特異的に送達する」、または「特異的に送達すること」という用語は、オフターゲット細胞(例えば、非標的細胞)と比較して、より多く(例えば、少なくとも10%多く、少なくとも20%多く、少なくとも30%多く、少なくとも40%多く、少なくとも50%多く、少なくとも1.5倍多く、少なくとも2倍多く、少なくとも3倍多く、少なくとも4倍多く、少なくとも5倍多く、少なくとも6倍多く、少なくとも7倍多く、少なくとも8倍多く、少なくとも9倍多く、少なくとも10倍多く)の治療薬及び/または予防薬がナノ粒子によって目的の標的細胞(例えば、哺乳動物の標的細胞、例えば、肝細胞または脾細胞)へ送達されることを意味する。特定の細胞へのナノ粒子の送達のレベルは、標的細胞で産生されるタンパク質の量を非標的細胞に対して比較することによって(例えば、フローサイトメトリーを使用した平均蛍光強度によって)、タンパク質を産生する標的細胞の百分率(%)を非標的細胞に対して比較することによって(例えば、定量的フローサイトメトリーによって)、
非標的細胞で産生されたタンパク質の量に対する標的細胞で産生されたタンパク質の量を、非標的細胞で産生された総タンパク質の量に対する前記標的細胞で産生された総タンパク質の量と比較することによって、
あるいは非標的細胞における治療薬及び/または予防薬の量に対する標的細胞における治療薬及び/または予防薬の量を、非標的細胞における治療薬及び/または予防薬全体の量に対する前記標的細胞における治療薬及び/または予防薬全体の量と比較することによって測定することができる。標的細胞へ特異的に送達するナノ粒子の能力は、治療されている対象において決定される必要はなく、動物モデルなどの代用物(例えば、マウスモデルまたはNHPモデル)において決定されてもよいことが理解されよう。例えば、標的細胞への特異的送達を決定するために、マウスまたはNHPモデル(例えば、実施例に記載されるようなもの)を使用することができ、目的のタンパク質をコードするmRNAの送達は、標的細胞(例えば、肝臓及び/または脾臓からのもの)において、標準的な方法(例えば、フローサイトメトリー、蛍光顕微鏡法など)によって非標的細胞と比較して評価することができる。
実質的に:本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、目的の性質または特性を完全またはほぼ完全な程度または度合いに呈する定性的な状態を指す。生物学分野の当業者であれば、生物学的及び化学的現象が、皆無ではないにせよ、完了に至り、及び/または完全な状態まで進行するか、あるいは絶対的な結果を達成または回避することは稀であることを理解するであろう。したがって、「実質的に」という用語は、多くの生物学的及び化学的現象に内在する完全性の潜在的な欠如を捕捉するために本明細書で使用される。
患う:疾患、障害、及び/または状態を「患う」個人は、疾患、障害、及び/または状態の1つ以上の症状があると診断されているか、またはそれを示している。
標的細胞:本明細書で使用される場合、「標的細胞」は、目的の任意の1つ以上の細胞を指す。細胞は、in vitro、in vivo、in situ、または生物の組織もしくは臓器に見出すことができる。生物は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト、最も好ましくは患者であり得る。標的細胞として、例えば、肝細胞(例えば、肝実質細胞、肝星細胞、クッパー細胞、もしくは肝類洞細胞、またはそれらの組み合わせ)または脾細胞(例えば、脾実質細胞)が挙げられる。
標的化部分:本明細書で使用される場合、「標的化部分」は、特定の細胞型、組織型、及び/または臓器型へとナノ粒子を標的化し得る化合物または薬剤である。
治療剤:「治療剤」は、対象に投与されたときに、治療的、診断的、及び/または予防的効果を有し、及び/または所望の生物学的及び/または薬理学的効果を誘発する任意の薬剤を指す。
トランスフェクション:本明細書で使用される場合、「トランスフェクション」という用語は、種(例えば、mRNAなどのポリヌクレオチド)を細胞に導入する方法を指す。
翻訳調節活性:本明細書で使用される場合、「翻訳調節活性」(「翻訳調節機能」と互換的に使用される)という用語は、翻訳装置の活性を調節する(modulate)(例えば、調節する(regulate)、影響を与える、制御する、変える)生物学的な機能、機構、またはプロセスを指し、それらには、PIC及び/またはリボソームの活性が含まれる。幾つかの態様では、所望の翻訳調節活性は、mRNA翻訳の翻訳忠実度を促進する及び/または強化する。幾つかの態様では、所望の翻訳調節活性は、読み漏らしを低減させる及び/または阻害する。対象:本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、実験、診断、予防、及び/または治療目的で、本開示による組成物を投与し得る任意の生物を指す。典型的な対象には、動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、及びヒトなどの哺乳動物)、及び/または植物が含まれる。幾つかの実施形態では、対象は、患者であり得る。
治療すること:本明細書で使用される場合、「治療すること」という用語は、特定の感染症、疾患、障害、及び/または状態の1つ以上の症状または特徴を、部分的もしくは完全に軽減させる、改善する、好転させる、緩和する、その発症を遅延させる、その進行を阻害する、その重症度を低減させる、及び/またはその発生率を低減させることを指す。例えば、がんを「治療すること」は、腫瘍の生存、増殖、及び/または広がりを阻害することを指してもよい。治療は、疾患、障害、及び/または状態に関連する病態の発生のリスクを減少させる目的で、疾患、障害、及び/または状態の兆候を呈さない対象に、及び/または疾患、障害、及び/または状態の初期兆候のみを呈する対象に投与されてもよい。
予防すること:本明細書で使用される場合、「予防すること」という用語は、特定の感染症、疾患、障害、及び/または状態の1つ以上症状または特徴の発症を部分的または完全に阻害することを指す。
腫瘍:本明細書で使用される場合、「腫瘍」は、良性または悪性を問わず、組織の異常な増殖である。
非修飾:本明細書で使用される場合、「非修飾」は、何らかの方法で修飾される前の任意の物質、化合物、または分子を指す。非修飾は、常にとは限らないが、野生型または天然型の生体分子を指し得る。分子は、各々の修飾分子が後続の修飾のための「非修飾」出発分子として働き得る一連の修飾を受け得る。
ウリジン含量:「ウリジン含量」または「ウラシル含量」という用語は互換的であり、ある特定の核酸配列に存在するウラシルまたはウリジンの量を指す。ウリジン含量またはウラシル含量は、絶対値(配列中のウリジンまたはウラシルの総数)として表すことも、または相対値(核酸配列中の核酸塩基の総数に対するウリジンまたはウラシルの百分率)として表すこともできる。
ウリジン修飾配列:「ウリジン修飾配列」という用語は、ウリジン含量が全体的または局所的に異なる(ウリジン含量を高くするか、または低くする)ように配列が最適化された核酸(例えば、合成mRNA配列)を指すか、あるいは候補核酸配列のウリジン含量及び/またはウリジンパターンに対して異なるウリジンパターン(例えば、傾斜分布またはクラスター化)を有するように配列が最適化された核酸を指す。本開示の文脈では、「ウリジン修飾配列」及び「ウラシル修飾配列」という用語は、同義かつ互換的であると見なされる。
「高ウリジンコドン」は2つまたは3つのウリジンを含むコドンとして定義され、「低ウリジンコドン」は1つのウリジンを含むコドンとして定義され、「無ウリジンコドン」はウリジンを含まないコドンである。幾つか実施形態では、ウリジン修飾配列は、高ウリジンコドンの低ウリジンコドンでの置換、高ウリジンコドンの無ウリジンコドンでの置換、低ウリジンコドンの高ウリジンコドンでの置換、低ウリジンコドンの無ウリジンコドンでの置換、無ウリジンコドンの低ウリジンコドンでの置換、無ウリジンコドンの高ウリジンコドンでの置換、及びそれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、高ウリジンコドンは、別の高ウリジンコドンで置き換えることができる。幾つかの実施形態では、低ウリジンコドンは、別の低ウリジンコドンで置き換えることができる。幾つかの実施形態では、無ウリジンコドンは、別の無ウリジンコドンで置き換えることができる。ウリジン修飾配列は、ウリジン富化またはウリジン希薄化されたものであり得る。
ウリジン富化:本明細書で使用される場合、「ウリジン富化」及び文法上の変形は、配列が最適化された核酸(例えば、合成mRNA配列)のウリジン含量(絶対値で表現されるか、または百分率の値として表現される)の、対応する候補核酸配列のウリジン含量に対する増大を指す。ウリジン富化は、候補核酸配列のコドンを、より少ないウリジン核酸塩基を含有する同義コドンで置換することによって実施することができる。ウリジン富化は、全体的に(すなわち、候補核酸配列の全長に対して)または局所的に(すなわち、候補核酸配列の部分配列または領域に対して)行うことができる。
ウリジン希薄化:本明細書で使用される場合、「ウリジン希薄化」及び文法上の変形は、配列が最適化された核酸(例えば、合成mRNA配列)のウリジン含量(絶対値で表現されるか、または百分率の値として表現される)の、対応する候補核酸配列のウリジン含量に対する減少を指す。ウリジン希薄化は、候補核酸配列のコドンを、より少ないウリジン核酸塩基を含有する同義コドンで置換することによって実施することができる。ウリジン希薄化は、全体的に(すなわち、候補核酸配列の全長に対して)または局所的に(すなわち、候補核酸配列の部分配列または領域に対して)行うことができる。
均等物及び範囲
当業者であれば、通常の実験のみを用いて、本明細書に記載の本開示による特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するか、または確認することができるであろう。本開示の範囲は、上記の説明に限定されることを意図するものではなく、むしろ添付の特許請求の範囲に記載される通りである。
特許請求の範囲では、「a」、「an」、及び「the」などの冠詞は、それとは反対の指示がない限り、または文脈から明らかでない限り、1つまたは複数を意味し得る。群の1つ以上の成員間に「または」を含む請求項または説明は、それとは反対の指示がない限り、または文脈が明らかでない限り、該群の成員の1つ、複数、またはすべてが、所与の生成物もしくはプロセスに存在し、用いられ、または関連する場合、満たされていると見なされる。本開示は、該群の正確に1つの成員が所与の生成物もしくはプロセスに存在し、使用され、または関連する実施形態を含む。本開示は、該群の複数の、またはすべての成員が所与の生成物もしくはプロセスに存在し、使用され、または関連する実施形態を含む。
「含む」という用語は、オープンであることが意図され、追加の要素またはステップの包含を許容するが必要とはされないことが意図されることを留意されたい。「含む」という用語が本明細書で使用されるとき、「からなる」という用語もまた、包含され、開示される。
範囲が与えられている場合、端点が含まれる。さらに、特に明記しない限り、または文脈及び当業者の理解から明らかでない限り、範囲として表される値は、本開示の異なる実施形態で述べられた範囲内の任意の特定の値または部分範囲を、文脈が明らかにそうではないことを示さない限り、該範囲の下限の単位の10分の1までと見なすことができることを理解されたい。
引用されたすべての情報源、例えば、本明細書で引用された参考文献、出版物、データベース、データベースエントリ、及び技術は、引用に明示的に述べられていない場合でも、参照により本出願に組み込まれる。引用された出典と本出願の記述が矛盾する場合、本出願の記述が優先するものとする。
本開示は、以下の実施例を参照することによって十分に理解されるであろう。しかしながら、これらは、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書に記載の実施例及び実施形態が例証のみを目的とするものであり、それを考慮すれば様々な修正または変更が当業者に示唆され、そうした様々な修正または変更が本出願の趣旨及び範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれるべきであることが理解される。
本実施例は、標的細胞送達LNPの生理学的効果を実証するものであり、標的細胞による対象LNPの取り込みをさらに試験するように設計された。これらの実験は、in vivoでの患者における標的細胞またはex vivoでの患者からの標的細胞で発現させるための治療分子を送達するためのLNPの開発を支援するものである。
実施例1:化合物の合成
本発明の代表的なイオン性脂質、例えば、式(II)、(I IA)、(I IB)、(I II)、(I IIa)、(I IIb)、(I IIc)、( I IId)、(I IIe)、(I IIf)、(I IIg)、(I IIh)、(I IIj)、(I IIk)、(I III)、(I VI)、(I VI-a) 、(I VII)、(I VIII)、(I VIIa)、(I VIIIa)、(I VIIIb)、(I VIIb-1)、(I VIIb-2)、(I VIIb-3)、(I VIIb -4)、(I VIIb-5)、(I VIIc)、(I VIId)、(I VIIIc)、(I VIIId)、(I XI)、(I XI-a)、または(I XI-b)の合成は、同時係属中の出願、PCT/US2016/052352及びPCT/US2018/022717(それらの各々の内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
実施例2:ナノ粒子組成物の生成
A.ナノ粒子組成物の生成
細胞への治療薬及び/または予防薬の送達に使用するための安全で有効なナノ粒子組成物を調べるために、一連の薬剤を調製し、試験した。具体的には、ナノ粒子組成物の脂質成分中の特定の要素及びその比率を最適化する。
ナノ粒子は、マイクロフルイディクス及び2つの流体流れ(そのうち一方は治療薬及び/または予防薬を含有し、他方が脂質成分を含有する)を混合するTジャンクション合流などの混合プロセス用いて作製することができる。
脂質組成物は、式(I)、(IA)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(III)、及び(IIIa1~8)による脂質、及び/または化合物X、Y、Z、Q、もしくはMのいずれか、または非カチオン性ヘルパー脂質(Avanti Polar Lipids,Alabaster,ALから入手可能なDOPE、DSPC、またはオレイン酸など)、PEG脂質(例えば、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロールメトキシポリエチレングリコール、PEG-DMGとしても公知であり、Avanti Polar Lipids,Alabaster,ALから入手可能である)、ならびにフィトステロール(任意選択でコレステロールなどの構造脂質を含む)を、溶媒中、例えばエタノール中、約、例えば、50mMの濃度で合わせることによって調製する。溶液は、保管する場合、例えば、-20℃で冷蔵するべきである。脂質は、所望のモル比(例えば、以降の表21を参照されたい)が得られるように合わせ、水及びエタノールで希釈して、最終脂質濃度が、例えば、約5.5mM~約25mMの間になるようにする。表21のフィトステロール*は、フィトステロール、または任意選択でフィトステロールをベータ-フィトステロール及びコレステロールなどの構造脂質と組み合わせたものを指す。
治療薬及び/または予防薬と脂質成分とを含むナノ粒子組成物は、脂質溶液と治療薬及び/または予防薬を含む溶液とを、脂質成分と治療薬及び/または予防薬との比(wt:wt)が約5:1~約50:1の間となるように合わせることによって調製する。マイクロ流体ベースのシステムであるNanoAssemblrを使用して、約10ml/分~約18ml/分の間の流速で脂質溶液を治療薬及び/または予防薬溶液に迅速に注入して、水とエタノールとの比が約1:1~約4:1の懸濁液を生成する。
RNAを含むナノ粒子組成物については、0.1mg/mlの濃度のRNAの脱イオン水中溶液をpH3~4の緩衝液(例えば、50mMのクエン酸ナトリウム緩衝液)で希釈して、ストック溶液を形成する。
ナノ粒子は、透析によって処理して、エタノールを除去し、緩衝液交換を達成することができる。カットオフ分子量が10kDaのSlide-A-Lyzerカセット(Thermo Fisher Scientific Inc.,Rockford,IL)を使用して、製剤を、一次生成物の体積の200倍の体積のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(pH7.4)に対して2回透析する。最初の透析は、室温で3時間行う。次いで、製剤を4℃で一晩透析する。得られたナノ粒子懸濁液を0.2μm滅菌フィルター(Sarstedt,Numbrecht,Germany)でろ過してガラスバイアルに入れ、クリンプクロージャーで密封する。0.01mg/ml~0.10mg/mlのナノ粒子組成溶液が概ね得られる。
上記の方法によって、ナノ沈殿及び粒子形成が誘導される。限定するものではないが、Tジャンクション及び直接注入を含めた代替プロセスを使用して、同じナノ沈殿を達成してもよい。
B.ナノ粒子組成物の性質評価
Zetasizer Nano ZS(Malvern Instruments Ltd,Malvern,Worcestershire,UK)を使用して、ナノ粒子組成物の粒径、多分散性指数(PDI)、及びゼータ電位を決定することができる(粒径の決定は1×PBS中で行われ、ゼータ電位の決定は15mMのPBS中で行われる)。
ナノ粒子組成物中の治療薬及び/または予防薬(例えば、RNA)の濃度を決定するには、紫外・可視分光法を使用することができる。1×PBSで希釈した100μLの製剤を、メタノールとクロロホルムとの4:1(v/v)混合物900μLに添加する。混合後、溶液の吸光度スペクトルを、例えば、230nm~330nmの間で、DU800分光光度計(Beckman Coulter,Beckman Coulter,Inc.,Brea,CA)で記録する。ナノ粒子組成物中の治療薬及び/または予防薬の濃度は、組成物に使用される治療薬及び/または予防薬の吸光係数、ならびにある波長(例えば、260nm)での吸光度とある波長(例えば、330nm)でのベースライン値との差に基づいて算出することができる。
RNAを含むナノ粒子組成物については、QUANT-IT(商標)RIBOGREEN(登録商標)RNAアッセイ(Invitrogen Corporation Carlsbad,CA)を使用して、ナノ粒子組成物によるRNAのカプセル化を評価することができる。試料を、TE緩衝液(10mMのトリス-HCl、1mMのEDTA、pH7.5)で約5μg/mL濃度に希釈する。50μLの希釈試料をポリスチレンの96ウェルプレートに移し、50μLのTEバッファーまたは50μLの2%TritonX-100溶液をウェルに添加する。プレートを37℃の温度で15分間インキュベートする。RIBOGREEN(登録商標)試薬をTE緩衝液で1:100に希釈し、この溶液100μLを各ウェルに添加する。蛍光強度は、蛍光プレートリーダ(Wallac Victor 1420 Multilablel Counter;Perkin Elmer,Waltham,MA)を使用して、励起波長(例えば約480nm)及び発光波長(例えば約520nm)で測定することができる。試料の各々の蛍光値から試料ブランクの蛍光値を差し引き、インタクトな試料(TritonX-100を添加しないもの)の蛍光強度を破壊された試料(TritonX-100の添加によって引き起こされたもの)の蛍光値で割ることによって遊離RNAの百分率を決定する。
C.in vivoでの製剤試験
様々なナノ粒子組成物が治療薬及び/または予防薬をどのくらい効率的に標的細胞に送達するかを監視するために、特定の治療薬及び/または予防薬(例えば、修飾RNA、または天然に存在するRNA、例えばmRNA)を含む異なるナノ粒子組成物を調製し、げっ歯類集団に投与する。マウスに、ナノ粒子組成物を含む単回用量を、脂質ナノ粒子製剤で静脈内、筋肉内、動脈内、または腫瘍内に投与する。場合によっては、マウスに用量を吸入させてもよい。用量サイズは、0.001mg/kg~10mg/kgの範囲であってもよく、10mg/kgは、マウスの体重1kgにつき10mgの治療薬及び/または予防薬がナノ粒子組成物に含まれる用量であることを表す。PBSを含む対照組成物も用いてもよい。
ナノ粒子組成物をマウスに投与すると、特定の製剤及びその用量の用量送達プロファイル、用量応答、及び毒性を、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、生物発光イメージング、または他の方法によって測定することができる。mRNAを含むナノ粒子組成物については、タンパク質発現の時間経過を評価することもできる。評価用にげっ歯動物から採取される試料には、血液、血清、及び組織(例えば、筋肉内注射部位からの筋肉組織及び内部組織)が含まれ得る。試料採取は、動物の屠殺を伴うことがある。
mRNAを含むナノ粒子組成物は、治療薬及び/または予防薬を送達するための様々な製剤の有効性及び有用性の評価に有用である。mRNAを含む組成物の投与によって誘導されるよりタンパク質発現のレベルの上昇は、mRNA翻訳及び/またはナノ粒子組成物のmRNA送達効率の上昇の指標となるであろう。非RNA成分は翻訳機構自体には影響を与えないと考えられるため、タンパク質発現のレベルの上昇は、所与のナノ粒子組成物による治療薬及び/または予防薬の送達効率が他のナノ粒子組成物または当該ナノ粒子組成物が非存在の場合と比べて上昇していることの指標であり得ると思われる。
実施例3:化合物301含有LNPの生体内分布及び薬理学的プロファイル
この実施例では、化合物301含有LNPを使用して、ルシフェラーゼをコードするmRNA(NPI-Luc)をラットへin vivoで送達し、血漿中及び様々な組織における様々な時点でのLNPの生体内分布及び薬理学的プロファイルを評価した。
ラットに、NPI-Luc mRNAをカプセル化したLNPを1日目(群2~8)、または1日目、8日目、及び15日目(群9~16)に2mg/kgで静脈内投与し、群1は非処置のままとした。表22に、処置及び投与パラメータを要約する。
血漿試料及び組織は、投与された動物から0時間、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、及び168時間目に採取した。血漿中及び様々な組織中のLNPレベルは、LC-MS/MSによって決定した。血漿中のmRNAレベルはAtlasによって決定し、様々な組織中のmRNAレベルは当技術分野で公知の方法によって決定した。
LNPレベルの分析結果を図1に示す。図1は、1日目及び15日目の示した時点での様々な組織及び血漿中の化合物301含有脂質の濃度を示している。投与されたラットの肝臓及び卵巣から得られた試料は、化合物301含有脂質の最高濃度を示した。mRNAレベルの分析結果を図2に示す。図2は、1日目及び15日目の示した時点での様々な組織及び血漿中のNPI Luc mRNA濃度を示している。最高のNPI Luc mRNA濃度は、1日目に血漿で観察され、脾臓、肝臓、及び卵巣が続いた。15日目に、NPI Luc mRNAの発現は血漿で最も高く、脾臓、肝臓、及び肺が続いた。
LNPの薬物動態特性も、血漿及び様々な組織で評価した。その結果を表23に示す。Cmax及び曲線下面積(AUC)は、血漿から得られた試料で最も高かった。
実施例4:化合物301含有LNPの追加の薬理学的プロファイル
この実施例では、化合物301、化合物18、または化合物50含有LNPを使用して、ヒトEPOならびにマイクロRNA 126(miR 126)及びmiR 142をコードするmRNAをマウスに送達し、脂質代謝を評価した。
マウスに、ヒトEPO及びmiR mRNAをカプセル化したLNPを0.5mg/kgで静脈内投与した。肝臓及び脾臓におけるヒトEPOの代謝を、2時間目、6時間目、24時間目、48時間目、72時間目、及び96時間目、及び192時間目に評価した。
その結果を図3に示す。図3は、化合物301含有LNPが、化合物50含有LNP及び化合物18含有LNPと比較して、より遅い肝臓代謝を示すことを実証している。化合物18含有LNPは、投与後数時間以内で検出できなくなった。
実施例5:肝臓における化合物301含有LNPの送達の強化
この実施例では、化合物301含有LNPまたは化合物18含有LNPを使用して、ルシフェラーゼをコードするmRNA(NPI-Luc)を非ヒト霊長類(NHP)に送達し、血漿及び様々な組織におけるLNPの細胞生体内分布を評価した。
NHPには、いずれかのLNPを2mg/kgで1回静脈内投与した。表24に、処置及び投与パラメータ及びLNP製剤を要約する。この実施例に使用されるPEG脂質は、化合物428(PEG1とも呼ばれる)に相当する。
投与された動物から肝臓試料を採取し、NPI-Lucタンパク質の定量及びNPI-Luc免疫組織化学的検査(IHC)のために処理した。NPI-Lucタンパク質定量は、Meso Scale Discovery (MSD)からのELISAを製造業者のプロトコルに従って使用して実施した。簡単に説明すると、MSDプレートを捕捉抗体で一晩プレコートした。次いで残留抗体を除去し、プレートをSuper Block試薬でブロックした。次いでホモジナイズした試料をプレートに添加し、室温で1時間インキュベートした。次いでプレートを洗浄し、二次抗体を添加した。洗浄ステップを繰り返し、次いで抗ウサギSulfotag抗体を試料に添加した。最後の洗浄ステップの後、MSD読み取り緩衝液を添加し、試料をMSDリーダで分析した。
その結果を図4A~4B及び図5に示す。図4Aは、NPI-Luc mRNAカプセル化化合物301LNPを投与された動物において、NPI-Luc mRNAカプセル化化合物18LNPを投与された動物と比較したときに、平均約3倍の肝細胞(例えば、肝実質細胞)発現の増大を示している。図4Bは、NPI-Luc mRNAカプセル化化合物301LNPを投与された動物の脾実質細胞において、NPI-Luc mRNAカプセル化化合物18LNPを投与された動物と比較したときに、平均約2倍のNPI-Luc発現の増大を示している。NPI-Luc mRNAの非肝実質細胞発現は、10%未満であると推定した。投与された動物の肝臓試料からの例示的なIHC染色を図5に示す。
肝臓試料中のNPI-Lucタンパク質レベルを図6に示す。図6は、NPI-Luc mRNAカプセル化化合物301LNPを投与された動物からの試料において、NPI-Luc mRNAカプセル化化合物18LNPを投与された動物と比較したときにおよそ6.5倍高いNPI-Lucタンパク質が発現されたことを示している。
実施例6:非ヒト霊長類(NHP)におけるヒトEPOタンパク質の血漿中薬物動態
この実施例では、化合物301または化合物I-18含有LNPを使用して、ヒトEPOならびにマイクロRNA126(miR126)及びmiR142をコードするmRNAをNHPに送達した。様々なLNPによって送達されるヒトEPOの薬物動態を評価した。
NHPに、示したLNPを0.1mg/kgで1日目、15日目、及び29日目に静脈内投与した。表25に、処置及び投与パラメータを要約する。示した時点で、ELISAベースのタンパク質分析のために試料を採取した。この実施例に使用されるPEG脂質は、化合物428(PEG1とも呼ばれる)に相当する。
その結果を図7A~7Bに示す。図7A~7Bは、1日目、15日目、及び29日目に、化合物301含有LNPを投与されたNHPの血漿中で化合物18含有LNPを投与されたNHPと比較して高いヒトEPOタンパク質レベルを示している。表26に示すように、Cmax及び曲線下面積(AUC)は、化合物18含有LNPと比較して、化合物301含有LNPの方が高かった。ヒトEPOの半減期は、すべての群で同等であった。この実施例に使用されるPEG脂質は、化合物428(PEG1とも呼ばれる)に相当する。
化合物301含有LNPを投与した15日目及び29日目からの結果は、1日目の投与と比較して、血漿中のヒトEPOのレベルが同様であることを示している。これは、化合物301含有LNPの反復投与がペイロードの血漿レベル(発現)の低減をもたらさないことを示しており、化合物301含有LNPが血中クリアランスの加速を促進しないことを示唆している。
実施例7:化合物301含有LNPのモル組成が肝実質細胞におけるmRNA発現に及ぼす効果
この実施例では、化合物301含有LNPを使用して、ヒトEPOならびにマイクロRNA126(miR126)及びmiR142をコードするmRNAを送達し、血漿中のヒトEPOレベルを測定した。
化合物301含有LNPは、以下のイオン性脂質とリン脂質(DSPC)との比、50:10、40:20、または30:30で製剤化した。その結果を図8A~8Cに示す。図8A~8Cは、50:10のイオン性脂質:DSPC比で製剤化された化合物301含有LNPからのヒトEPOの肝実質細胞送達の増大を示している。化合物141含有LNPを添加しても、肝実質細胞にトランスフェクションする能力は元に戻らなかった。
図9は、示したイオン性脂質:DSPC比を有する化合物301含有LNPを投与されたマウスにおける、ヒトEPOの経時的な発現を示している。50:10のイオン性脂質:DSPC比で製剤化された化合物301含有LNPは、他の製剤及び化合物141含有LNPの共投与と比較したときにAUC比の増大を示した。表27に、様々なLNP製剤で観察されたAUC比を要約する。
実施例8:化合物301含有LNPのモル組成がLNPの物理的特性に及ぼす効果
この実施例では、化合物301含有LNPを使用して、ルシフェラーゼをコードするmRNA(NPI-Luc)をラットにin vivoで送達し、LNPの生体内分布及び安定性を評価した。
ラットに、NPI-Luc mRNAをカプセル化したLNPを0.5mg/kgで静脈内投与した。LNPは、表28及び29に示す通りの異なるイオン性脂質:DSPC比で製剤化した。この実施例に使用されるPEG脂質は、化合物428(PEG1とも呼ばれる)に相当する。
その結果を図10A~10Bに示す。図10A~10Bは、50:10:37のイオン性脂質:DSPC:コレステロールモル比が、LNPの粒子径及び表面極性に効果を及ぼすことを示している。試験したLNP製剤は、加工性に影響を与えなかった。表30に、LNP製剤の物理的性質の要約を示す。化合物301のmol%が高くなると、典型的には粒径が大きくなった。DSPCのmol%が低くなり、コレステロールのmol%が高くなると、典型的には粒径が大きくなった。
実施例9:化合物301含有LNPのモル組成がmRNA発現に及ぼす効果
この実施例では、化合物301含有LNPを使用して、ルシフェラーゼをコードするmRNA(NPI-Luc)をin vivoでラットに送達し、動物におけるNPI-Lucの発現を評価した。
ラットに、NPI-Luc mRNAをカプセル化したLNPを0.5mg/kgで静脈内投与した。LNPは、表28及び29に示すような異なるイオン性脂質:DSPC比で製剤化した。動物の全身画像化は、化合物の投与の6時間後に実施した。
その結果の概要を図11に示す。図11は、in vivoでの発現に最適なイオン性脂質:DSPC:コレステロールの組成比を示している。
他の実施形態
本開示をその詳細な説明と併せて説明してきたが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲を説明することを意図しており、限定するものではないことを理解されたい。他の態様、利点、及び改変は、添付の特許請求の範囲内である。本明細書に記載されるすべての参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。