JP7764335B2 - 装飾部材、その製造方法および装飾品 - Google Patents
装飾部材、その製造方法および装飾品Info
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Description
実施形態の装飾部材は、基材と、基材上に形成された装飾被膜とを含む。装飾被膜は、基材側から下地層、調整層および仕上げ層が積層されてなる。調整層は、基材側から少なくとも第1調整層および第2調整層が積層された積層構造を有する。以下では、実施形態の装飾部材についてより具体的に説明する。
図1は、実施形態1の装飾部材を説明するための図である。すなわち、図1は、装飾部材1の断面模式図である。実施形態1の装飾部材は、基材10と、基材10上に形成された装飾被膜20とを含む。装飾被膜20は、基材10側から下地層22、調整層24および仕上げ層26が積層されてなる。
基材10は、たとえば金属、セラミックスまたはプラスチックから形成される。金属(合金を含む)として、具体的にはステンレス鋼、チタン、チタン合金、銅、銅合金、タングステンまたは硬質化処理したステンレス鋼、チタン、チタン合金などが挙げられる。これらの金属は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、基材10の形状については特に限定されない。
下地層22は、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種とTiとを含む金属の窒炭化物を含む。上記特定の金属を含む窒炭化物によれば、Au合金に近い金色を示す下地層22が形成できる。また、Nbおよび/またはTaとTiとを組み合わせると、下地層22の膜硬度が大きくなるため、装飾部材1の耐傷性、耐摩耗性が向上する。このように基材10よりも十分に硬い下地層22があると傷に強くなり、調整層24および仕上げ層26が剥がれにくくなる。さらに、Nbおよび/またはTaとTiとを組み合わせることにより、装飾部材1の耐食性も向上する。
調整層24は、基材10側から第1調整層241および第2調整層242が積層された積層構造を有し、第1調整層241は、Au合金を含み、第2調整層242は、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種とTiとを含む金属の窒炭化物を含む。上記積層構造によれば、Au合金に近い金色を示す調整層24が形成できる。なお、調整層24において、下地層22に接する層は第1調整層241であり、仕上げ層26に接する層は第2調整層242である。
仕上げ層26は、Au合金を含む。上記Au合金によれば、金色の仕上げ層26が形成できる。Au合金としては、Au-Ni合金、Au-Pt合金、Au-Cu合金が挙げられる。Au-Cu合金の中でも、金色の色味の観点から、さらにPd、Pt、Rhなどの銀色を示す金属を混ぜ合わせた合金が好適に用いられる。
図2は、実施形態2の装飾部材を説明するための図である。すなわち、図2は、装飾部材2の断面模式図である。実施形態2の装飾部材は、基材10と、基材10上に形成された装飾被膜20とを含む。装飾被膜20は、基材10側から下地層22、調整層24および仕上げ層26が積層されてなる。装飾部材2において、基材10、下地層22および仕上げ層26については、実施形態1のものと同様であるため、説明を省略する。
さらに装飾部材2の使用を続けると、厚さが薄い第4調整層244および第3調整層243が摩耗し、第2調整層242が露出した深い摩耗部となり得る。第2調整層242の厚さは0.039μm以上であるため、装飾部材2を長期間使用しても、第2調整層242は摩耗され難く、ここで摩耗を食い止められる。また、第2調整層242の厚さは0.065μm以下であるため、上記深い摩耗部でも、第1調整層241の反射を反映でき、第1調整層241の貴金属由来の色味が透けて感じられる。このため、第2調整層242が露出した深い摩耗部は目立たず、深い摩耗部における色調や色感の変化を小さく抑えられる。すなわち、長期間使用しても、装飾部材2は、貴金属由来の色感が保たれ、審美性が低下し難い。
このように、装飾部材2は、第3調整層243および第4調整層244を設けたことにより、装飾部材1よりも、短期間の使用の際に、貴金属由来の色感をより保つことができ、審美性の低下をより抑えられる利点がある。
実施形態1、2の装飾部材に対して、基材10と下地層22との間に、さらに他の層が設けられている装飾部材であってもよい。
金属層からなる密着層は基材との密着性に優れるため、密着層を設けると装飾部材の耐傷性を向上できる。
硬化傾斜層は、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種とTiとを含む金属の窒化物からなる窒化物層であり、硬化傾斜層中の窒素量は、装飾被膜の厚さ方向に基材から離れるにつれて変化している。窒素量の変化の仕方は、膜応力緩和、膜硬度維持の観点から、装飾被膜の厚さ方向に基材から離れるにつれて、硬化傾斜層の上の層である硬化層に含まれる窒素量以下の範囲で増加していることが好ましい。
硬化層は、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種とTiとを含む金属の窒化物からなる窒化物層である。硬化層を設けると、装飾部材全体の硬度(複合硬度)が上昇し耐傷性向上に寄与する。
下地傾斜層は、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種とTiとを含む金属の窒炭化物からなる窒炭化物層であり、窒炭化物中の窒素量、炭素量が、装飾被膜の厚さ方向に基材から離れるにつれて変化している。窒素量、炭素量の変化の仕方は、直線的または曲線的のように連続的であってもよく、また階段状のように不連続的、間欠的であってもよい。窒素量、炭素量の変化の仕方は、膜応力緩和、膜硬度維持の観点から、装飾被膜の厚さ方向に基材から離れるにつれて、下地傾斜層の上の層である下地層に含まれる窒素量、炭素量以下の範囲で増加していることが好ましい。
基材/密着層/硬化層/下地傾斜層/下地層/調整層/仕上げ層
基材/密着層/硬化傾斜層/硬化層/下地層/調整層/仕上げ層
基材/密着層/硬化層/下地層/調整層/仕上げ層
基材/密着層/下地層/調整層/仕上げ層
基材/硬化層/下地傾斜層/下地層/調整層/仕上げ層
基材/硬化層/下地層/調整層/仕上げ層
実施形態の装飾部材の製造方法は、基材と、基材上に形成された装飾被膜とを含む装飾部材の製造方法である。装飾被膜は、基材側から下地層、調整層および仕上げ層が積層されてなる。調整層は、基材側から少なくとも第1調整層および第2調整層が積層された積層構造を有する。以下では、実施形態の装飾部材の製造方法についてより具体的に説明する。
実施形態1の装飾部材の製造方法によれば、上述した実施形態1の装飾部材が得られる。すなわち、基材10と、基材10上に形成された装飾被膜20とを含む装飾部材1の製造方法である。装飾被膜20は、基材10側から下地層22、調整層24および仕上げ層26が積層されてなる。ここで、調整層24は、基材10側から第1調整層241および第2調整層242が積層された積層構造を有する。
実施形態2の装飾部材の製造方法によれば、上述した実施形態2の装飾部材が得られる。すなわち、基材10と、基材10上に形成された装飾被膜20とを含む装飾部材2の製造方法である。装飾被膜20は、基材10側から下地層22、調整層24および仕上げ層26が積層されてなる。ここで、調整層24は、基材10側から第1調整層241および第2調整層242に加え、第3調整層243および第4調整層244が積層された積層構造を有する。下地層積層工程および仕上げ層積層工程については、実施形態1のものと同様であるため、説明を省略する。
その他の実施形態の製造方法によれば、上述したその他の実施形態の装飾部材が得られる。すなわち、基材10と下地層22との間に、さらに上述した他の層が設けられている装飾部材の製造方法である。
実施形態の装飾品は、上述した装飾部材を含む。実施形態の装飾品としては、具体的には、メガネフレーム等の部材を含む眼鏡;ネックレス、イアリング、ピアス、指輪、ペンダント、ブローチ、ブレスレット等のアクセサリー;時計ケース、時計バンド、ベゼル、りゅうず、中留等の部材を含む時計;スポーツ用品などが挙げられる。これら装飾品は、一部が上記装飾部材で構成されていても、全部が上記装飾部材で構成されていてもよく、上記装飾部材を用いて公知の方法で製造できる。
〔1〕 基材と、基材上に形成された装飾被膜とを含む装飾部材であって、上記装飾被膜は、基材側から下地層、調整層および仕上げ層が積層されてなり、上記下地層は、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種とTiとを含む金属の窒炭化物を含み、上記仕上げ層は、Au合金を含み、上記調整層は、上記基材側から少なくとも第1調整層および第2調整層が積層された積層構造を有し、上記第1調整層は、Au合金を含み、上記第2調整層は、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種とTiとを含む金属の窒炭化物を含み、上記第1調整層の厚さは、0.005μm以上0.016μm以下であり、上記第2調整層の厚さは、0.039μm以上0.065μm以下である、装飾部材。
上記装飾部材は、耐摩耗性に優れており、長期間使用しても貴金属由来の色感が保たれる。
〔2〕 上記調整層は、上記基材側から上記第1調整層および上記第2調整層に加え、第3調整層および第4調整層が積層された積層構造を有し、上記第3調整層は、Au合金を含み、上記第4調整層は、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種とTiとを含む金属の窒炭化物を含み、上記第3調整層および上記第4調整層の厚さは、それぞれ0.005μm以上0.016μm以下である、請求項1に記載の装飾部材。
上記装飾部材は、第3調整層および第4調整層を設けたことにより、短期間の使用の際に、貴金属由来の色感をより保つことができ、審美性の低下をより抑えられる利点がある。
〔3〕 上記装飾部材は、L*a*b*表色系において、L*が75以上100以下、a*が0以上20以下、b*が5以上25以下であり、あるいは、L*C*h表色系で表すとL*が75以上100以下、C*が5以上32以下、hが14°以上90°以下である、〔1〕または〔2〕に記載の装飾部材。
L*、a*、b*またはL*、C*、hが上記範囲にあると、装飾部材は好ましい金色を呈する。
〔4〕 上記下地層および上記第2調整層それぞれにおいて、上記金属の窒炭化物は、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種ならびにTiからなる金属と、窒素と、炭素との合計を100質量%としたときに、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種を合計で22質量%以上66質量%以下、Tiを20質量%以上50質量%以下、窒素を7質量%以上19質量%以下、炭素を4質量%以上15質量%以下の量で含む、〔1〕に記載の装飾部材。
〔5〕 上記下地層、上記第2調整層および上記第4調整層それぞれにおいて、上記金属の窒炭化物は、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種ならびにTiからなる金属と、窒素と、炭素との合計を100質量%としたときに、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種を合計で22質量%以上66質量%以下、Tiを20質量%以上50質量%以下、窒素を7質量%以上19質量%以下、炭素を4質量%以上15質量%以下の量で含む、〔2〕に記載の装飾部材。
色調の観点から金属元素および非金属元素の量が上記範囲にあることが好ましい。
〔6〕 上記仕上げ層および上記第1調整層それぞれにおいて、上記Au合金は、Au、CuおよびPdを含む合金であり、Au、PdおよびCuの合計を100質量%としたときに、Auを62.0質量%以上94.5質量%以下、Pdを0.5質量%以上17.0質量%以下、Cuを5.0質量%以上21.0質量%以下の量で含む、〔1〕に記載の装飾部材。
〔7〕 上記仕上げ層、上記第1調整層および上記第3調整層それぞれにおいて、上記Au合金は、Au、PdおよびCuを含む合金であり、Au、PdおよびCuの合計を100質量%としたときに、Auを62.0質量%以上94.5質量%以下、Pdを0.5質量%以上17.0質量%以下、Cuを5.0質量%以上21.0質量%以下の量で含む、〔2〕に記載の装飾部材。
金属元素の量が上記範囲にあると、より好ましい金色を呈する。
〔8〕 上記下地層は、L*a*b*表色系において、L*が67.03以上71.27以下、a*が5.45以上7.39以下、b*が12.57以上16.83以下であり、あるいは、L*C*h表色系で表すと、L*が67.03以上71.27以下、C*が13.70以上18.38以下、hが59.55°以上72.06°以下である、〔1〕または〔2〕に記載の装飾部材。
L*、a*、b*またはL*、C*、hが上記範囲にあると、Au合金に近い金色が実現でき、調整層24および仕上げ層26を設けることでより好ましい金色となる。
〔9〕 基材と、基材上に形成された装飾被膜とを含む装飾部材の製造方法であって、上記装飾被膜は、基材側から下地層、調整層および仕上げ層が積層されてなり、上記調整層は、上記基材側から少なくとも第1調整層および第2調整層が積層された積層構造を有し、上記基材に、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種とTiとを含む金属の窒炭化物を含む上記下地層を積層する下地層積層工程と、上記下地層積層工程で積層した上記下地層上に、Au合金を含み、厚さが0.005μm以上0.016μm以下である上記第1調整層を積層し、上記第1調整層上に、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種とTiとを含む金属の窒炭化物を含み、厚さが0.039μm以上0.065μm以下である上記第2調整層を積層する調整層積層工程と、上記調整層積層工程で積層した上記第2調整層上に、Au合金を含む上記仕上げ層を積層する仕上げ層積層工程とを含む、装飾部材の製造方法。
上記製造方法により、耐摩耗性に優れており、長期間使用しても貴金属由来の色感が保たれる装飾部材が得られる。
〔10〕 上記調整層は、上記基材側から上記第1調整層および上記第2調整層に加え、第3調整層および第4調整層が積層された積層構造を有し、上記調整層積層工程は、下地層積層工程で積層した上記下地層上に、Au合金を含み、厚さが0.005μm以上0.016μm以下である上記第1調整層を積層し、上記第1調整層上に、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種とTiとを含む金属の窒炭化物を含み、厚さが0.039μm以上0.065μm以下である上記第2調整層を積層し、さらに、上記第2調整層上に、Au合金を含み、厚さが0.005μm以上0.016μm以下である上記第3調整層を積層し、上記第3調整層上に、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種とTiとを含む金属の窒炭化物を含み、厚さが0.005μm以上0.016μm以下である上記第4調整層を積層する工程であり、上記仕上げ層積層工程は、上記調整層積層工程で積層した上記第4調整層上に、Au合金を含む上記仕上げ層を積層する工程である、〔9〕に記載の装飾部材の製造方法。
上記製造方法により、短期間の使用の際に、貴金属由来の色感をより保つことができ、審美性の低下をより抑えられる装飾部材が得られる。
〔11〕 〔1〕または〔2〕に記載の装飾部材を含む装飾品。
上記装飾品は、耐摩耗性に優れており、長期間使用しても色調や外観を非常にきれいな状態で維持できる。
以下実施例に基づいて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(色調)
色調は、KONICA MINOLTA製のCM-2600dおよびCM-700d(JIS Z 8722条件C、ISO7724/1、CIE No.15、ASTM E 1164に準拠)を用い測定した。具体的には、光源D65、SCI方式により、L*a*b*表色系のL*、a*、b*を測定した。より具体的には、測定光源にCIE標準光源D65を用い、視野角は10°、正反射光処理はSCI方式に設定したうえで、L*a*b*表色系のL*、a*、b*を測定した。
膜の組成比は、JEOL製のJCM-6000PLUSを用い、エネルギー分散X線分光法(EDS)により測定した。具体的には、Nb,Ti,C,Nは加速電圧15kV、Au,Cu,Pdは加速電圧5kVで測定した。
膜厚は、ZEISS製のGemini300を用い、走査型電子顕微鏡(SEM)によって基板に対して垂直方向の膜断面を観測し、各層の膜厚を測定した。
断面加工はクロスセクションポリッシャー(CP)、および集積イオンビーム加工装置(FIB)によって行った。
下地層の好ましい色調範囲の決定に関して、まず、下地層のみを単層で成膜したサンプル(実験例1-1)と基準色となる仕上げ層まで成膜したサンプル(実験例1-2)とを作製した。
実験例1-1のサンプルは、下記のように作製した。スパッタリングターゲットは、Ti50質量%Nb50質量%の合金組成の焼結体を使用した。基材10には、SUS316L材を使用した。アルゴンガス95mL/min、窒素ガス51.9mL/min、メタンガス50mL/minの雰囲気下で、Ti50質量%Nb50質量%のスパッタリングターゲットを用いて、基材10上にNbTiCNからなる下地層を0.15μm形成した。さらに、下記表1、表2に示すように、窒素ガスまたはメタンガスの量を変更した場合についても、同様に下地層を形成したサンプルを作製した。
また、実験例1-2のサンプルは、下記のように作製した。スパッタリングターゲットは、Au83.7質量%Cu15.6質量%Pd0.7質量%の焼結体を使用した。基材10には、SUS316L材を使用した。アルゴンガス180mL/minの雰囲気下で、Au83.7質量%Cu15.6質量%Pd0.7質量%のスパッタリングターゲットを用いて、実験例1-1のサンプルの下地層上に、仕上げ層を0.1μm形成した。
次に、実験例1-1のサンプルの表面色調と実験例1-2のサンプルの表面色調とを目視で比較し、色が比較的近いものを○、色が異なるものを△、色が大きく異なるものを×で評価した。
その後、下地層(実験例1-1のサンプル)および仕上げ層(実験例1-2のサンプル)それぞれのL*、a*、b*を測定した。実験例1-2のサンプルの色はL*=84.46、a*=9.95、b*=16.14であった。次いで、実験例1-1のサンプルおよび実験例1-2のサンプルについて、どのくらい色調が離れているかをΔL*、Δa*、Δb*で評価し、目視による判定結果の数値的な裏付けを行った。ここで、ΔL*とは、基準色のL*と比較対象のL*の差であり、Δa*、Δb*も同様である。ΔL*が大きいほど明度に差があることを示し、Δa*、Δb*が大きいほど色相、彩度に差があることを表す。
ところで、色差を評価する一般的な値としてΔE*abがあるが、前記のような貴金属色と非貴金属色の色差を評価する場合は、L*の差がa*、b*の差に比べて大きくなってしまい、ΔE*abの値がL*の差に大きく依存してしまうため、下地層の色相、彩度を正しく評価できない。そのため、本明細書では下地層の好ましい色調範囲を調べる場合に限り、ΔE*abではなく、ΔL*、Δa*、Δb*で評価を行った。
目視による結果とΔL*、Δa*、Δb*による結果とを踏まえ、最終的な下地層の好ましいL*a*b*色調範囲を決定した。なお、下地層の好ましい色調範囲をL*C*h表色系で表す場合のC*、hの値については、実測値であるa*、b*を基に決定した色調範囲から求めた計算値として得られる。
下地層の色調範囲を調べた結果を表1、表2に示す。表1は下地層の炭化量の増加に伴う下地層の色調範囲を調べた結果であり、表2は下地層の窒化量の増加に伴う下地層の色調範囲を調べた結果である。なお、表1、表2のL*、a*、b*はCM-700dで測定した値である。
仕上げ層の色調範囲の決定に関して、まず、仕上げ層の膜厚が異なる種々のサンプルを作製した。
実験例2のサンプルは、下記のように作製した。
スパッタリングターゲットは、Ti50質量%Nb50質量%の合金組成の焼結体、およびAu83.7質量%Cu15.6質量%Pd0.7質量%の焼結体を使用した。
実験例2の膜構造は、図2に示した。
基材10には、SUS316L材を使用した。
まず、アルゴンガス95mL/min、窒素ガス51.9mL/min、メタンガス50mL/minの雰囲気下で、Ti50質量%Nb50質量%のスパッタリングターゲットを用いて、基材10上にNbTiCNからなる下地層22を0.15μm形成した。
次に、アルゴンガスを180mL/minの雰囲気下で、Au83.7質量%Cu15.6質量%Pd0.7質量%のスパッタリングターゲットを用いて、下地層22上にAuCuPdからなる第1調整層241を0.01μm形成した。
次に、アルゴンガス95mL/min、窒素ガス51.9mL/min、メタンガス50mL/minの雰囲気下で、Ti50質量%Nb50質量%のスパッタリングターゲットを用いて、第1調整層241上にNbTiCNからなる第2調整層242を0.039μm以上0.065μm以下の範囲で形成した。
次に、アルゴンガスを180mL/minの雰囲気下で、Au83.7質量%Cu15.6質量%Pd0.7質量%のスパッタリングターゲットを用いて、第2調整層242上にAuCuPdからなる第3調整層243を0.01μm形成した。
次に、アルゴンガス95mL/min、窒素ガス51.9mL/min、メタンガス50mL/minの雰囲気下で、Ti50質量%Nb50質量%のスパッタリングターゲットを用いて、第3調整層243上にNbTiCNからなる第4調整層244を0.015μm形成した。
最後に、アルゴンガスを180mL/minの雰囲気下で、Au83.7質量%Cu15.6質量%Pd0.7質量%のスパッタリングターゲットを用いて、第4調整層244上にAuCuPdからなる仕上げ層26を0.015μm形成した。
さらに、下記表3に示すように、仕上げ層26の膜厚を変更した場合についても、同様に下地層、調整層および仕上げ層を形成したサンプルを作製した。
実験例2のサンプルの表面色調を測定した。結果を表3に示す。なお、表3のL*、a*、b*はCM-2600dで測定した値である。
実施例1の製造は反応性スパッタリング法により行った。
スパッタリングターゲットは、Ti50質量%Nb50質量%の合金組成の焼結体、およびAu83.7質量%Cu15.6質量%Pd0.7質量%の焼結体を使用した。
実施例1の膜構造は、図1に示した。
基材10には、SUS316L材を使用した。
まず、アルゴンガス95mL/min、窒素ガス51.9mL/min、メタンガス50mL/minの雰囲気下で、Ti50質量%Nb50質量%のスパッタリングターゲットを用いて、基材10上にNbTiCNからなる下地層22を厚さ0.15μmで形成した。
次に、アルゴンガスを180mL/minの雰囲気下で、Au83.7質量%Cu15.6質量%Pd0.7質量%のスパッタリングターゲットを用いて、下地層22上にAuCuPdからなる第1調整層241を厚さ0.01μmで形成した。
次に、アルゴンガス95mL/min、窒素ガス51.9mL/min、メタンガス50mL/minの雰囲気下で、Ti50質量%Nb50質量%のスパッタリングターゲットを用いて、第1調整層241上にNbTiCNからなる第2調整層242を厚さ0.039μmで形成した。
最後に、アルゴンガスを180mL/minの雰囲気下で、Au83.7質量%Cu15.6質量%Pd0.7質量%のスパッタリングターゲットを用いて、第2調整層242上にAuCuPdからなる仕上げ層26を厚さ0.03μmで形成した。
さらに、下記表4に示すように、第2調整層242を0.042μmの厚さ、0.065μmの厚さに変更した場合についても、同様に実施例1のサンプルを作製した。
実施例2の製造は反応性スパッタリング法により行った。
スパッタリングターゲットは、Ti50質量%Nb50質量%の合金組成の焼結体、およびAu83.7質量%Cu15.6質量%Pd0.7質量%の焼結体を使用した。
実施例2の膜構造は、図2に示した。
基材10には、SUS316L材を使用した。
まず、アルゴンガス95mL/min、窒素ガス51.9mL/min、メタンガス50mL/minの雰囲気下で、Ti50質量%Nb50質量%のスパッタリングターゲットを用いて、基材10上にNbTiCNからなる下地層22を厚さ0.15μmで形成した。
次に、アルゴンガスを180mL/minの雰囲気下で、Au83.7質量%Cu15.6質量%Pd0.7質量%のスパッタリングターゲットを用いて、下地層22上にAuCuPdからなる第1調整層241を厚さ0.01μmで形成した。
次に、アルゴンガス95mL/min、窒素ガス51.9mL/min、メタンガス50mL/minの雰囲気下で、Ti50質量%Nb50質量%のスパッタリングターゲットを用いて、第1調整層241上にNbTiCNからなる第2調整層242を厚さ0.039μm以上0.065μm以下の範囲で形成した。
次に、アルゴンガスを180mL/minの雰囲気下で、Au83.7質量%Cu15.6質量%Pd0.7質量%のスパッタリングターゲットを用いて、第2調整層242上にAuCuPdからなる第3調整層243を厚さ0.01μmで形成した。
次に、アルゴンガス95mL/min、窒素ガス51.9mL/min、メタンガス50mL/minの雰囲気下で、Ti50質量%Nb50質量%のスパッタリングターゲットを用いて、第3調整層243上にNbTiCNからなる第4調整層244を厚さ0.01μmで形成した。
最後に、アルゴンガスを180mL/minの雰囲気下で、Au83.7質量%Cu15.6質量%Pd0.7質量%のスパッタリングターゲットを用いて、第2調整層242上にAuCuPdからなる仕上げ層26を0.03μmで形成した。
比較例1の製造は反応性スパッタリング法により行った。
スパッタリングターゲットは、Ti50質量%Nb50質量%の合金組成の焼結体、およびAu83.7質量%Cu15.6質量%Pd0.7質量%の焼結体を使用した。
比較例1の膜構造は、図1に示した。
基材10には、SUS316L材を使用した。
まず、アルゴンガス95mL/min、窒素ガス51.9mL/min、メタンガス50mL/minの雰囲気下で、Ti50質量%Nb50質量%のスパッタリングターゲットを用いて、基材10上にNbTiCNからなる下地層22を厚さ0.15μmで形成した。
次に、アルゴンガスを180mL/minの雰囲気下で、Au83.7質量%Cu15.6質量%Pd0.7質量%のスパッタリングターゲットを用いて、下地層22上にAuCuPdからなる第1調整層241を厚さ0.01μmで形成した。
次に、アルゴンガス95mL/min、窒素ガス51.9mL/min、メタンガス50mL/minの雰囲気下で、Ti50質量%Nb50質量%のスパッタリングターゲットを用いて、第1調整層241上にNbTiCNからなる第2調整層242を厚さ0.039μm未満で形成した。具体的には、0.013μmの厚さで形成した。
最後に、アルゴンガスを180mL/minの雰囲気下で、Au83.7質量%Cu15.6質量%Pd0.7質量%のスパッタリングターゲットを用いて、第2調整層242上にAuCuPdからなる仕上げ層26を0.03μmで形成した。
さらに、下記表4に示すように、第2調整層242を0.027μmの厚さ、0.036μmの厚さに変更した場合についても、同様に比較例1のサンプルを作製した。
比較例2の製造は反応性スパッタリング法により行った。
スパッタリングターゲットは、Ti50質量%Nb50質量%の合金組成の焼結体、およびAu83.7質量%Cu15.6質量%Pd0.7質量%の焼結体を使用した。
比較例2の膜構造は、図1に示した。
基材10には、SUS316L材を使用した。
まず、アルゴンガス95mL/min、窒素ガス51.9mL/min、メタンガス50mL/minの雰囲気下で、Ti50質量%Nb50質量%のスパッタリングターゲットを用いて、基材10上にNbTiCNからなる下地層22を厚さ0.15μmで形成した。
次に、アルゴンガスを180mL/minの雰囲気下で、Au83.7質量%Cu15.6質量%Pd0.7質量%のスパッタリングターゲットを用いて、下地層22上にAuCuPdからなる第1調整層241を厚さ0.01μmで形成した。
次に、アルゴンガス95mL/min、窒素ガス51.9mL/min、メタンガス50mL/minの雰囲気下で、Ti50質量%Nb50質量%のスパッタリングターゲットを用いて、第1調整層241上にNbTiCNからなる第2調整層242を0.065μmより厚くなるように形成した。具体的には、0.074μmの厚さで形成した。
最後に、アルゴンガスを180mL/minの雰囲気下で、Au83.7質量%Cu15.6質量%Pd0.7質量%のスパッタリングターゲットを用いて、第2調整層242上にAuCuPdからなる仕上げ層26を0.03μmで形成した。
さらに、下記表4に示すように、第2調整層242を0.081μmの厚さに変更した場合についても、同様に比較例1のサンプルを作製した。
第2調整層の膜厚範囲に関して、長期使用に伴う耐摩耗性と、長期使用に伴う貴金属由来の色感の2つの観点に基づいて評価を行い、長期使用に伴う耐摩耗性を有し、かつ長期使用しても貴金属由来の色感を感じることができる膜厚範囲を調べた。
以下、長期使用に伴う耐摩耗性の評価と、長期使用に伴う貴金属由来の色感評価について詳しく説明する。
実施例1、比較例1、比較例2で作製した板状のサンプルに関して、まず、サンプル表面の一部を摩耗させるため、サンプル表面をリューターで布バフ研磨した。具体的には、1つのサンプルにつき、6000rpm、100g荷重、加工時間60秒の条件(軽い摩耗試験)、および30000rpm、100g荷重、加工時間120秒の条件(厳しい摩耗試験)の2つの条件で、サンプル表面の異なる位置を研磨した。
なお、軽い摩耗試験によると、仕上げ層のみを摩滅させることができ、短期使用に伴う摩耗を再現することができる。
また、厳しい耐摩耗試験によると、仕上げ層だけでなく、それ以下の層についても膜厚が薄い層は摩滅させることができるため、実際に長期使用した場合の摩耗を再現することができる。
長期使用に伴う耐摩耗性を評価するため、軽い摩耗試験後のサンプル表面と、厳しい摩耗試験後のサンプル表面について、前記色調測定方法によって、L*、a*、b*を測定し、当該色調間のΔE*abを調べた。
ここで、ΔE*abとは、L*、a*、b*を軸とした3次元直交座標系における2点間の距離を表し、ΔE*abの値が大きいほど、基準となる色調に対して比較対象となる色調が異なることを表す。
第2調整層が薄い場合、厳しい摩耗試験で摩耗させると、仕上げ層、第2調整層および第1調整層が摩耗してしまい、結果として、当該表面色調と軽い摩耗試験で摩耗させたサンプル表面との色差ΔE*abが比較的大きくなる。
逆に、第2調整層が厚い場合、厳しい摩耗試験で摩耗させても、軽い摩耗試験で摩耗したサンプル表面の色調とほぼ変わらないため、ΔE*abの値は小さくなる。すなわち、第2調整層が摩耗に耐えているといえる。
第2調整層の膜厚が異なる種々のサンプルを作製し、ΔE*abの値が小さくなる第2調整層の膜厚を調べ、当該膜厚よりも厚い場合は長期使用に伴う耐摩耗性を有すると判断した。
また、ダブルチェックの意味合いで、前記元素量測定方法によって、厳しい摩耗試験で摩耗させたサンプル表面について、第1調整層の構成元素であるAu,Cu,Pdを測定し、その結果も踏まえて、第2調整層の膜厚が異なる種々のサンプルが、長期使用に伴う摩耗に耐えうるかを判断した。すなわち、第1調整層の構成元素であるAu,Cu,Pdが十分測定できなければ、第1調整層の直上の第2調整層も摩滅したと判断した(なお、第2調整層が薄すぎると、厳しい摩耗試験では、第2調整層と共に第1調整層も摩耗してなくなり、第1調整層を構成するAu等が検出できなくなると考えられる。一方、第2調整層がある程度以上の厚さであると、厳しい摩耗試験でも、第2調整層および第1調整層は摩耗せず残っており、第1調整層を構成するAu等が検出できると考えられる。)。
まず、前記加工条件により、30000rpm、100g荷重、加工時間120秒の条件(厳しい摩耗試験)で摩耗させたサンプルのうち、長期使用に伴う耐摩耗性を有すると判断したサンプルについて、前記色調測定方法によって測定された当該サンプルの摩耗面(第2調整層表面)の色調と、比較対象として、長期使用に伴う耐摩耗性を有さない、下地層が確実に露出したサンプルの摩耗面(下地層表面と、下地層表面に存在した第一調整層由来の貴金属元素の残滓)の色調との色差ΔE*abを計算し、長期使用に伴う貴金属由来の色感を有するかどうかを評価した。なお、比較対象のサンプルは、具体的には、比較例1において第2調整層242を0.027μmの厚さで形成したサンプルである。
すなわち、第2調整層の膜厚が異なる種々のサンプルを作製し、ΔE*abの値が0に収束する第2調整層の膜厚を調べ、ΔE*abの値が0よりも十分大きい場合は、第1調整層(貴金属)由来の色が第2調整層越しに透けて見えていると判断した。
ここで、当該色調の比較対象として、下地層のみを成膜したサンプル表面色調ではなく、厳しい摩耗試験によって確実に下地層が露出したサンプルにおける研磨部分の表面色調を選んだ理由としては、厳しい摩耗試験によって露出した面は、どのサンプルにおいても、その直上にあった貴金属層由来の貴金属元素の残滓が存在し、単純な下地層とはやや異なる色調を呈するため、単純な下地層を比較対象として選んでしまうと、第2調整層をいくら厚くしてもΔE*abの値が0に収束せず、ΔE*abによる正しい判定ができなくなるためである。
次に、実際に目視で貴金属由来の色感を識別できたサンプルについては○、ほぼ識別できないサンプルは△、識別できないサンプルは×で評価した。
最終的に、前記ΔE*abの値と前記目視評価の結果を踏まえ、貴金属由来の色感を識別できるサンプルについては○、ほぼ識別できないサンプルは△、識別できないサンプルは×で評価した(表4、総合判定)。
表4に、第2調整層の膜厚範囲に関して、長期使用に伴う耐摩耗性と、長期使用に伴う貴金属由来の色感の2つの観点に基づいて検討を行った結果を示す。なお、表中の加工条件(0)、(1)、(2)は、(0):未加工、(1):6000rpm、100g荷重、加工時間60秒の条件(軽い摩耗試験)、(2):30000rpm、100g荷重、加工時間120秒の条件(厳しい摩耗試験)を示す。なお、表4のL*、a*、b*はCM-700dで測定した値である。
結果として、前記膜厚範囲で装飾部材を形成すると、長期使用に伴う摩耗による変色感を感じにくい装飾部材を得ることができる。
より好ましい膜構造に関して、実施例1、実施例2で作製したサンプルを基に、短期使用に伴う摩耗による変色感と、長期使用に伴う摩耗による変色感の2つの観点で評価を行い、長期使用に伴う摩耗による変色感を感じにくいだけでなく、短期使用に伴う摩耗による変色感も感じにくい膜構造を検討した。
実施例1、実施例2で作製したサンプルに関して、まず、サンプル表面の一部を6000rpm、100g荷重、加工時間60秒の条件(軽い摩耗試験)で研磨した。
続いて、サンプルの摩耗させた面と未加工面のL*、a*、b*を前記色調測定方法によって測定し、未加工面に対して摩耗させた面がどのくらい色が異なるかをΔE*abによって数値化し、短期使用による摩耗による変色感を評価した。
まず、サンプル表面の一部を摩耗させるため、サンプル表面をリューターで布バフ研磨した。具体的には、30000rpm、100g荷重、加工時間120秒の条件(厳しい摩耗試験)で研磨した。
続いて、サンプルの摩耗させた面と未加工面のL*、a*、b*を前記色調測定方法によって測定し、未加工面に対して摩耗させた面がどのくらい色が異なるかをΔE*abによって数値化し、長期使用による摩耗による変色感を評価した。
表5に、長期使用に伴う摩耗による変色感と、短期使用に伴う摩耗による変色感とを評価した結果を示す。なお、表中の加工条件(0)、(1)、(2)は、(0):未加工、(1):6000rpm、100g荷重、加工時間60秒の条件(軽い摩耗試験)、(2):30000rpm、100g荷重、加工時間120秒の条件(厳しい摩耗試験)を示す。なお、表5のL*、a*、b*はCM-2600dで測定した値である。
よって、より好ましい膜構造は実施例2の膜構造であると決定した。
Claims (11)
- 基材と、基材上に形成された装飾被膜とを含む装飾部材であって、
前記装飾被膜は、基材側から下地層、調整層および仕上げ層が積層されてなり、
前記下地層は、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種とTiとを含む金属の窒炭化物を含み、
前記仕上げ層は、Au合金を含み、
前記調整層は、前記基材側から少なくとも第1調整層および第2調整層が積層された積層構造を有し、前記第1調整層は、Au合金を含み、前記第2調整層は、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種とTiとを含む金属の窒炭化物を含み、
前記第1調整層の厚さは、0.005μm以上0.016μm以下であり、前記第2調整層の厚さは、0.039μm以上0.065μm以下である、
装飾部材。 - 前記調整層は、前記基材側から前記第1調整層および前記第2調整層に加え、第3調整層および第4調整層が積層された積層構造を有し、前記第3調整層は、Au合金を含み、前記第4調整層は、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種とTiとを含む金属の窒炭化物を含み、
前記第3調整層および前記第4調整層の厚さは、それぞれ0.005μm以上0.016μm以下である、
請求項1に記載の装飾部材。 - 前記装飾部材は、L*a*b*表色系において、L*が75以上100以下、a*が0以上20以下、b*が5以上25以下であり、あるいは、L*C*h表色系で表すと、L*が75以上100以下、C*が5以上32以下、hが14°以上90°以下である、
請求項1または2に記載の装飾部材。 - 前記下地層および前記第2調整層それぞれにおいて、前記金属の窒炭化物は、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種ならびにTiからなる金属と、窒素と、炭素との合計を100質量%としたときに、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種を合計で22質量%以上66質量%以下、Tiを20質量%以上50質量%以下、窒素を7質量%以上19質量%以下、炭素を4質量%以上15質量%以下の量で含む、
請求項1に記載の装飾部材。 - 前記下地層、前記第2調整層および前記第4調整層それぞれにおいて、前記金属の窒炭化物は、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種ならびにTiからなる金属と、窒素と、炭素との合計を100質量%としたときに、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種を合計で22質量%以上66質量%以下、Tiを20質量%以上50質量%以下、窒素を7質量%以上19質量%以下、炭素を4質量%以上15質量%以下の量で含む、
請求項2に記載の装飾部材。 - 前記仕上げ層および前記第1調整層それぞれにおいて、前記Au合金は、Au、CuおよびPdを含む合金であり、Au、PdおよびCuの合計を100質量%としたときに、Auを62.0質量%以上94.5質量%以下、Pdを0.5質量%以上17.0質量%以下、Cuを5.0質量%以上21.0質量%以下の量で含む、
請求項1に記載の装飾部材。 - 前記仕上げ層、前記第1調整層および前記第3調整層それぞれにおいて、前記Au合金は、Au、PdおよびCuを含む合金であり、Au、PdおよびCuの合計を100質量%としたときに、Auを62.0質量%以上94.5質量%以下、Pdを0.5質量%以上17.0質量%以下、Cuを5.0質量%以上21.0質量%以下の量で含む、
請求項2に記載の装飾部材。 - 前記下地層は、L*a*b*表色系において、L*が67.03以上71.27以下、a*が5.45以上7.39以下、b*が12.57以上16.83以下であり、あるいは、L*C*h表色系で表すと、L*が67.03以上71.27以下、C*が13.70以上18.38以下、hが59.55°以上72.06°以下である、
請求項1または2に記載の装飾部材。 - 基材と、基材上に形成された装飾被膜とを含む装飾部材の製造方法であって、
前記装飾被膜は、基材側から下地層、調整層および仕上げ層が積層されてなり、
前記調整層は、前記基材側から少なくとも第1調整層および第2調整層が積層された積層構造を有し、
前記基材に、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種とTiとを含む金属の窒炭化物を含む前記下地層を積層する下地層積層工程と、
前記下地層積層工程で積層した前記下地層上に、Au合金を含み、厚さが0.005μm以上0.016μm以下である前記第1調整層を積層し、前記第1調整層上に、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種とTiとを含む金属の窒炭化物を含み、厚さが0.039μm以上0.065μm以下である前記第2調整層を積層する調整層積層工程と、
前記調整層積層工程で積層した前記第2調整層上に、Au合金を含む前記仕上げ層を積層する仕上げ層積層工程とを含む、
装飾部材の製造方法。 - 前記調整層は、前記基材側から前記第1調整層および前記第2調整層に加え、第3調整層および第4調整層が積層された積層構造を有し、
前記調整層積層工程は、下地層積層工程で積層した前記下地層上に、Au合金を含み、厚さが0.005μm以上0.016μm以下である前記第1調整層を積層し、前記第1調整層上に、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種とTiとを含む金属の窒炭化物を含み、厚さが0.039μm以上0.065μm以下である前記第2調整層を積層し、さらに、前記第2調整層上に、Au合金を含み、厚さが0.005μm以上0.016μm以下である前記第3調整層を積層し、前記第3調整層上に、NbおよびTaより選ばれる少なくとも1種とTiとを含む金属の窒炭化物を含み、厚さが0.005μm以上0.016μm以下である前記第4調整層を積層する工程であり、
前記仕上げ層積層工程は、前記調整層積層工程で積層した前記第4調整層上に、Au合金を含む前記仕上げ層を積層する工程である、
請求項9に記載の装飾部材の製造方法。 - 請求項1または2に記載の装飾部材を含む装飾品。
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