以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[協調通信]
11beでは、例えば、複数のアクセスポイント(「基地局」とも呼ばれる、以下、「AP(Access Point)」と呼ぶ)と端末(例えば、non-AP STA(station)とも呼ばれる、以下「STA」と呼ぶ)との間においてデータを送受信するMulti-AP (MAP) coordination(以下「協調通信」と呼ぶ)の適用が検討されている。
通信の形態には、APからSTAへの通信(以下、「DL通信」という)と、STAからAPへの通信(以下、「UL通信」という)とがある。協調通信の形態には、例えば、2つのAPが協調して共にDL通信を行う形態(以下、「DL-DL通信」という)と、2つのAPが協調して共にUL通信を行う形態(以下、「UL-UL通信」という)と、が検討されている(例えば、非特許文献1を参照)。
図1は、DL-DL通信の動作例を示す図である。図1に示すように、協調通信を制御するmaster APであるAP1は、slave APであるAP2及びAP3に、協調通信の開始を指示するトリガーフレーム(例えば、Slave TF)を送信する。そして、AP1とAP2とAP3とが協調し、それぞれ、下りリンクのデータであるData 1、Data 2及びData 3とを送信する。
図2は、UL-UL通信の動作例を示す図である。図2に示すように、master APであるAP1は、図1と同様に、協調通信の開始を指示するトリガーフレーム(例えば、Slave TF)を送信する。そして、AP1、AP2及びAP3は、それぞれ、上りリンク送信を指示するトリガーフレーム(例えば、Basic TF)を送信する。そして、AP1とAP2とAP3とが協調し、それぞれ、上りリンクのデータであるData 1、Data 2及びData 3を受信する。
協調する方式として、例えば、複数のAPが、互いに同じ周波数帯域を用いて信号を受信するCoordinated spatial reuse(以下、「C-SR」と呼ぶ)が挙げられる(例えば、非特許文献2を参照)。
図3は、UL-UL通信の動作例を示す図である。図3には、例示的に、C-SRを適用した動作例が示される(例えば、非特許文献2を参照)。
図3には、例えば、AP1、AP2、STA1-1、STA1-2、STA2-1、及び、STA2-2の動作例が示される。なお、STA1-1及びSTA1-2は、AP1に接続するSTA(又は、AP1のBasic Service Set(BSS)の構成要素とも呼ぶ)である。また、STA2-1及びSTA2-2は、AP2に接続するSTA(又は、AP2のBSSの構成要素)である。例えば、AP1及びAP2は、協調通信を行うAP候補のグループである協調セット(例えば、AP candidate set)に含まれてよい。
なお、BSS(Basic Service Set)は、或るAPと複数のSTAで構成される基本サービスセットである。また、BSS内でSTAがAPに接続する動作を「アソシエート」と呼ぶ。
図3の「Preparation Phase」では、例えば、各装置のcapabilityを示す情報、各装置の受信電力(例えば、受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator))を示す情報、measurement reportの情報(例えば、パスロスに関する情報)が協調通信を制御するAP1(例えば、Master AP又はSharing APと呼ぶ)に集約される。例えば、図3に示すように、C-SRでは、協調セット(AP candidate set)に含まれるSTAとAPとの間(STA-AP間)のパスロスが、協調通信を制御されるSlave AP(又は、Shared APと呼ぶ)であるAP2から、Master AP(又は、Sharing APと呼ぶ)であるAP1へ通知されてよい。
また、図3の「Announcement Phase」では、例えば、AP1が、C-SR announcement(C-SR-A)フレームをAP2へ送信する。
そして、図3の「Transmission Phase」では、データの送受信が行われる。例えば、図3では、AP1及びAP2は、それぞれ、アソシエートするSTAに対してトリガーフレーム(Trigger frame)を送信する。そして、AP1とAP2とが協調し、それぞれ、STA1-1、STA1-2及びSTA2-1、STA2-2からの上りリンクのデータを受信する。
上述の例のように、各協調通信の形態では、例えば、送信制御情報及び送信タイミングをSTAへ通知するトリガーフレームが送受信される。例えば、図1及び図2に示した、Slave TF、Basic TF、及び、図3に示したC-SR-Aは、トリガーフレームの一つである。
図4は、11axにおけるMedium Access Control(MAC)フレームの種別の例を示す図である。図4には、11axにおいて変更された値の変更内容が示される。なお、図4に示す内容は、非特許文献3のTable9-1に示される内容である。
11axにおけるUL通信を指示するトリガーフレームは、トリガ対象となるSTA宛ての共通の情報が含まれるフィールド(以下、「Common info field」と呼ぶ)、及び、個別のSTA宛ての情報が含まれるフィールド(以下、「User info field」と呼ぶ)を含む。
図5は、Common info fieldのフォーマットの例を示す図である。図5に示すフォーマットは、例えば、非特許文献3のFigure 9-64bに示されるフォーマットと同様である。図5には、Common info fieldのフォーマットに含まれる複数のsubfieldが示される。Common info fieldには、送信電力制御に関する情報として、例えば、AP TX Power(APからSTAへの送信電力値を示す情報)が含まれる。
図6は、User info fieldのフォーマットの例を示す図である。図6に示すフォーマットは、非特許文献3のFigure 9-64dに示されるフォーマットと同様である。図6には、User info fieldのフォーマットに含まれる複数のsubfieldが示される。User info fieldには、送信電力制御に関する情報として、例えば、UL Target RSSI(上りリンクにおけるAPの目標受信信号強度に関する情報;UL Target Receive Powerとも呼ばれる)が含まれる。
図7は、Common info fieldの「Trigger Type」と示されるsubfield(以下、単に、Trigger Typeと記載)に含まれる値の例を示す。なお、図7に示すテーブルは、例えば、非特許文献3のTable 9-31bと同様である。
また、11axでは、例えば、Parameterized spatial reuse (PSR)-based spatial reuseが検討されている(例えば、非特許文献3を参照)。図8は、PSR-based spatial reuseの動作例を示す図である。なお、図8に示す内容は、非特許文献3のFigure 26-13に示される内容である。
例えば、図8に示すように、或るAPは、Trigger frameであるPSR Reception Physical layer convergence procedure Protocol Data Unit (PSRR PPDU)を送信してよい。例えば、PSRR PPDU内のCommon Infoフィールド(例えば、複数のSTAに共通のフィールド)には、UL spatial reuseによって指定される値が含まれてよい。
例えば、図8において、BSS配下のSTAと異なるSTA(例えば、Overlapping BSS(OBSS)配下のSTA、又は、OBSS STAとも呼ぶ)は、PSRR PPDUに含まれるUL spatial reuseによって指定される値、及び、PSRR PPDUを用いて測定したパスロスに基づいて、上りリンクの送信電力を算出してよい。そして、OBSS配下のSTAは、算出した送信電力に基づいて、上りリンク信号(例えば、PSR Transmission PPDU(PSRT PPDU))を送信してよい。
なお、図8において、例えば、当該APにアソシエートするSTA(例えば、BSS配下のSTA、又は、BSS STAとも呼ぶ)は、Trigger frameであるPSRR PPDUによって指定される上り送信電力に関する情報に基づいて、上りリンク信号(例えば、High Efficiency Trigger-based PPDU(HE TB PPDU))を送信してよい。
以上、協調通信の例について説明した。
しかしながら、例えば、UL-UL通信における送信電力制御については十分に検討されていない。例えば、図3に示すUL-UL通信では、協調セットに含まれるSTA-AP間のパスロスに関する情報が、Master APであるAP1へ通知されるため、AP間通信の情報量が増加し得る。
そこで、本開示の非限定的な実施例では、例えば、AP間通信の情報量を削減し、UL-UL通信における送信電力制御の効率を向上させる方法について説明する。
(実施の形態1)
[無線通信システムの構成例]
本開示の一実施例に関わる無線通信システムは、少なくとも2つのAPと1つのSTAとを含む。
図9は、STA10の一部の構成例を示すブロック図である。図9に示すSTA10は、制御部11と、送信部12とを備える。制御部11(例えば、制御回路に対応)は、上りリンクの協調通信を行う複数の送信元(例えば、AP)から受信した複数の信号(例えば、Trigger frame)に基づいて、上りリンクの送信電力を決定する。送信部12(例えば、送信回路に対応)は、決定された送信電力によって上りリンク送信を行う。
以下、一例として、少なくとも2つのAPが協調してUL-UL通信を行う例を説明する。なお、以降の説明において、「パケット」および「フレーム」は、「信号」の非限定的な一例である。
[APの構成例]
図10は、本実施の形態に係るAPの一例を示すブロック図である。図10に示すAP100は、送信パケット生成部101と、無線送受信部102と、受信パケット復号部103と、制御信号生成部104と、を有する。
送信パケット生成部101は、例えば、図示しない上位レイヤの処理部から送信データ、及び、制御信号生成部104によって生成されたデータ(例えば、制御情報)から送信パケットを生成し、生成したパケットを無線送受信部102に出力する。
無線送受信部102は、送信パケット生成部101から入力される送信パケットを無線送信信号に変換し、アンテナを介して、無線送信信号を送信する。
無線送受信部102は、無線受信信号を受信し、無線受信信号を受信パケットに変換し、受信パケットを受信パケット復号部103へ出力する。
受信パケット復号部103は、受信パケットを復号し、無線送受信部102から入力される受信データを、図示しない上位レイヤの処理部へ出力する。あるいは、受信パケット復号部103は、受信パケットを復号し、制御情報を制御信号生成部104に出力する。
制御信号生成部104は、送信データ、受信パケット復号部103から入力される制御情報、及び、内部状態の少なくとも1つに基づいて、制御情報を生成し、生成した制御情報を送信パケット生成部101に出力する。例えば、制御信号生成部104は、トリガ、アソシエーション、又は、データ通信に関する制御情報を生成してよい。
[STAの構成例]
図11は、本実施の形態に係るSTAの一例を示すブロック図である。図11に示すSTA200は、送信パケット生成部201と、無線送受信部202と、受信パケット復号部203と、パスロス測定部204と、制御信号生成部205と、送信電力制御部206と、を有する。
例えば、図9に示す制御部11は、図11に示す送信パケット生成部201、受信パケット復号部203、パスロス測定部204、制御信号生成部205、及び、送信電力制御部206の少なくとも一つを含んでよい。また、例えば、図9に示す送信部12は、図11に示す無線送受信部202を含んでよい。
送信パケット生成部201は、例えば、図示しない上位レイヤの処理部から送信データ、及び、制御信号生成部205によって生成されたデータ(例えば、制御情報)から送信パケットを生成し、生成したパケットを無線送受信部202に出力する。
無線送受信部202は、送信パケット生成部201から入力される送信パケットを無線送信信号に変換し、アンテナを介して、無線送信信号を送信する。
無線送受信部202は、無線受信信号を受信し、無線受信信号を受信パケットに変換し、受信パケットを受信パケット復号部203及びパスロス測定部204へ出力する。
受信パケット復号部203は、受信パケットを復号し、無線送受信部202から入力される受信データを、図示しない上位レイヤの処理部へ出力する。あるいは、受信パケット復号部203は、受信パケットを復号し、制御情報を、パスロス測定部204、制御信号生成部205、及び、送信電力制御部206に出力する。
パスロス測定部204は、例えば、無線送受信部202から入力される受信パケットの受信電力測定値、及び、受信パケット復号部203から入力される制御情報に含まれるAP100の送信電力に関する情報に基づいて、AP100とSTA200との間のパスロスを測定し、パスロスに関する情報を、制御信号生成部205及び送信電力制御部206に出力する。
制御信号生成部205は、送信データ、受信パケット復号部203から入力される制御情報、パスロス測定部204から入力されるパスロスに関する情報、及び、内部状態の少なくとも1つに基づいて、制御情報を生成し、生成した制御情報を送信パケット生成部201に出力する。
送信電力制御部206は、受信パケット復号部203から入力される制御情報に含まれる送信電力に関する情報、及び、パスロス測定部204から入力されるパスロスに関する情報に基づいて、無線送受信部202における上りリンクの送信電力を制御する。
[UL-UL通信の動作例]
以下では、一例として、AP100及びSTA200によるUL-UL通信での協調の例について説明する。図12は、C-SR方式に基づいて協調するUL-UL通信の例を示す図である。
図12には、例えば、AP1と、AP2と、STA1と、STA2とを含むセット(協調セット)が示される。STA1は、AP1のカバーエリア内に存在し、AP1とアソシエートしている。STA2は、AP2のカバーエリア内に存在し、AP2とアソシエートしている。換言すると、図12において、STA1のassociated APはAP1であり、STA2のassociated APはAP2である。
図12では、例えば、STA1からAP1へのUL通信と、STA2からAP2へのUL通信が、C-SR方式によって協調される。図12では、例えば、AP1は、協調セット内に配置され、協調セット(又は、協調通信)を制御するAP(例えば、Master AP又はSharing AP)である。AP2は、協調セット内に配置され、Master APによって制御されるAP(例えば、Slave AP又はShared AP)である。
また、図12では、例えば、STA2の送信電力が低く設定(換言すると、制限)されるほど、AP1に対するSTA2からの干渉の影響は低減され得る。また、図12では、例えば、AP2は、STA1からの干渉の影響を受けにくい位置に存在する。
図12において、STA1は、例えば、AP1からのパケットを受信可能であるのに対して、AP2からのパケットを受信しない可能性が高い位置に存在する。この場合、STA1では、AP2からのパケットの受信電力は低くなりやすい。
その一方で、図12において、STA2は、例えば、AP1及びAP2の双方からのパケットを受信可能である位置に存在する。この場合、STA2では、AP1からのパケットの受信電力は高くなりやすい。
例えば、図12に示す協調セットの初期設定、及び、STA1がAP1とアソシエートし、STA2がAP2とアソシエートした後、協調セットにおいて、UL-UL通信が実行されてよい。
図13は、図12に示す協調セットにおけるUL-UL通信のシーケンスの一例を示す図である。
図13において、AP1及びAP2は、例えば、ビーコンを送信する。ビーコンは、例えば、一定周期で送信されてよい。また、ビーコンには、例えば、AP1及びAP2それぞれの送信電力値に関する情報が含まれてよい。STA1及びSTA2は、各APからのビーコンを受信した後、当該ビーコンに含まれるAPの送信電力値、及び、当該ビーコンを用いて測定した受信電力に基づいて、STA-AP間のパスロスを測定してよい。
STA1は、例えば、測定したパスロスに関する情報を含むReportパケットをassociated APであるAP1へ通知する。同様に、STA2は、例えば、測定したパスロスに関する情報を含むReportパケットをassociated APであるAP2へ通知する。例えば、STA2は、Reportパケットによって、STA2-AP1間のパスロス、及び、STA2-AP2間のパスロスをAP2に通知してよい。
AP1は、例えば、協調送信の開始を指示するMulti-AP Trigger frame(MAP TF)によって、AP2に対して、AP2が受信する周波数帯域を指定する。
AP2は、例えば、STA2からのReportパケットに含まれるSTA2-AP1間のパスロス及びSTA2-AP2間のパスロスに基づいてSTA2の送信電力値(UL送信電力)を計算する。AP2は、例えば、計算したSTA2の送信電力値に関する情報を含むTrigger frameをSTA2に通知する。
STA2は、例えば、AP2からのTrigger frameによって指定された送信電力値に基づいて、DATAパケットを送信する。
このように、図13において、STA2の送信電力値は、STA2のassociated APであるAP2によって計算される。また、例えば、STA2の送信電力値の計算に使用されるパスロス値は、STA2が受信する各AP100(例えば、AP1及びAP2)からのビーコンに基づいて測定され、STA2のassociated APであるAP2へ送信される。換言すると、STA2によって測定されるパスロス値は、STA2のassociated APではないAP1へ送信されなくてよい。
これにより、例えば、協調通信におけるShared APであるAP2は、Sharing APであるAP1に対して、STA2に関するパスロス(例えば、STA2-AP1間のパスロス及びSTA2-AP2間のパスロス)を通知しなくてよい。
よって、本実施の形態によれば、UL通信の送信電力制御において、AP間通信の情報量を削減できるので、協調通信における送信電力制御の効率を向上できる。
なお、図13において、AP1は、STA1からのReportパケットに含まれるパスロスに関する情報(例えば、STA1-AP1間のパスロス及びSTA1-AP2間のパスロス)に基づいてSTA1の送信電力値(UL送信電力値)を計算し、計算したSTA2の送信電力値に関する情報を含むTrigger frameをSTA1に通知してよい。STA1は、例えば、AP1からのTrigger frameによって指定された送信電力値に基づいて、DATAパケットを送信してよい。
また、STA200は、例えば、Reportパケットを自発的に送信してもよい。例えば、STA200は、最新のビーコンに基づいてReportパケットを送信してもよい。または、STA200は、例えば、AP100のReportパケット要求に対して応答(例えば、Reportパケットを送信)してもよい。また、STA200がReportパケットを自発的に送信する場合、STA200は、例えば、AP100の識別子(例えば、AP-ID)と当該AP100に対応するパスロス値とのセットを送信してもよく、AP100のReportパケット要求において指定されたAP-IDに対応するAP100との間のパスロス値をReportパケットにおいて送信してもよい。
また、上記の例では、STA200がビーコンに基づいてパスロスを測定する方法について説明したが、パスロスの測定に使用される信号は、ビーコンに限定されず、例えば、ヌデータパケット(NDP:Null Data Packet)でもよい。
また、上記の例では、ReportパケットによってパスロスがAP100へ通知される場合について説明したが、AP100へ通知される情報はパスロスに限定されない。例えば、STA200は、受信電力をAP100へ通知し、AP100は、通知された受信電力に基づいて、STA200におけるパスロスを計算してもよい。
また、例えば、STA200は、各AP100からのビーコンを受信しない場合、当該AP100とSTA200との間のパスロスを、パスロスの最大値又は受信電力の最小値に設定して、associated APへ通知してもよい。
また、図13に示す例では、AP2からSTA2へTrigger frameによって送信電力値が通知される場合について説明したが、Trigger frameによって通知される情報は、送信電力値に限定されない。例えば、AP2は、STA2に対して、算出した送信電力値からSTA2-AP2間のパスロスを減算した値(以下、例えば、期待受信電力(Expected receive power)と称する)を通知(又は、指定)してもよい。この場合、STA2は、期待受信電力を図6のUL Target RSSIと同様に扱って送信電力を決定できる。例えば、STA2は、AP2から送信されたTrigger frameに含まれるAP2の送信電力情報(図6のAP TX Powerに相当)と、STA2におけるTrigger frameの受信電力とに基づいてAP2-STA2間のパスロスを算出し、算出したパスロスと期待受信電力から送信電力を決定できる。それゆえ、図6のTrigger frameのフォーマットを使用して期待受信電力を通知する場合は、UL Target RSSIフィールドに期待受信電力の値を設定するのが好ましい。または、協調通信に使用する場合は、UL Target RSSIフィールドを転用して、例えば、UL Expected Receive Power fieldとし、期待受信電力を示してもよい。これにより、フィールドを追加することなく図6のフォーマットのTrigger frameを協調通信、及び、協調通知と異なる通信の両方で使用可能になる。
また、例えば、図13において、AP1は、STA1の送信電力を予め設定(又は、制限)した値に指定してもよい。
また、Sharing AP(例えば、図13ではAP1)は、例えば、MAP TFによって、許容干渉電力(Acceptable Maximum Interference Levelとも呼ぶ)を、Shared AP(例えば、図13のAP2)に通知してもよい。Shared APは、例えば、通知された許容干渉電力に基づいて、STA200の送信電力を設定してよい。許容干渉電力を用いる送信電力制御により、例えば、Shared APは、Sharing APに対する干渉を考慮して、Shared APにアソシエートするSTA200の送信電力を設定できるので、送信電力制御の精度を向上できる。
なお、例えば、許容干渉電力は、MAP TFのCommon info field(共通情報フィールド)において通知されてもよい。図14は、MAP TFのCommon info fieldに許容干渉電力のフィールドを追加したフォーマットの例を示す図である。図14の場合、Sharing APは、MAP TFによって1つの許容干渉電力をShared APへ通知する。このため、例えば、MAP TFに後続するTrigger frameによって複数のSTA200に対する設定を指定する場合には、MAP TFによって指定される許容干渉電力は、STA200に対する許容干渉電力のうち何れか一つの値(例えば、最小値)に設定されてもよい。
また、例えば、許容干渉電力は、MAP TFのUser info field(ユーザ情報フィールド)において通知されてもよい。例えば、許容干渉電力は、AP100に個別に指定されてもよく、周波数帯域に個別に指定されてもよく、STA200に個別に指定されてもよい。図15は、AP100又は周波数帯域に個別に許容干渉電力を指定するフォーマットの例を示す図である。例えば、図15に示す「AP-ID」はAP100を指定する識別子である。AP-IDは、例えば、図6に示すSTA200の識別子であるAID12に含めてもよく、AID12の代わりにAP-IDを用いてもよい。また、図16は、STA200に個別に許容干渉電力を指定するフォーマットの例を示す図である。図16に示すように、許容干渉電力に関する情報は、User info field内のSTA info field(STAに個別の情報フィールド)に含まれてよい。
(実施の形態2)
本実施の形態に係る基地局及び端末の構成例は、例えば、一部の機能が実施の形態1と異なり、他の機能は実施の形態1と同様でよい。
実施の形態1では、例えば、AP100が、STA200において測定されたパスロスに基づいてSTA200の送信電力を決定する例について説明した。本実施の形態では、STA200がパスロスに基づいて送信電力を決定する場合について説明する。
なお、以下では、一例として、実施の形態1と同様、図12に示す、AP100(例えば、AP1及びAP2)及びSTA200(例えば、STA1及びSTA2)による、C-SR方式に基づいて協調するUL-UL通信の例について説明する。
図17は、図12に示す協調セットにおけるUL-UL通信のシーケンスの一例を示す図である。
図17において、Sharing APであるAP1は、例えば、MAP TFによって、Shared APであるAP2に対して、AP2が受信する周波数帯域を指定する。MAP TFには、例えば、図5に示すUL spatial reuse情報、又は、実施の形態1で説明した許容干渉電力が含まれてよい。なお、図17では、例えば、STA1及びSTA2もMAP TFを受信可能である。
AP1及びAP2は、例えば、送信電力制御に関する情報を含むTrigger frameをSTA1及びSTA2へ送信する。送信電力制御に関する情報には、例えば、図5に示すAP TX Power(APからSTAへの送信電力値を示す情報)、及び、図6に示すUL Target RSSI(上りリンクにおけるAP100の目標受信信号強度に関する情報)が含まれてよい。
STA2は、例えば、AP1からの協調通信の開始を指示するMAP TF(例えば、associated APと異なるAPからの信号)を受信した場合、MAP TFを用いてパスロスを測定し、測定したパスロスに基づいて、送信電力候補(以下、「TxPowerOBSS」と呼ぶ)を算出してよい。STA2は、例えば、図8に示すPSR-based spatial reuseと同様の処理によって、MAP TFに基づく送信電力候補の算出を行ってよい。例えば、STA2は、MAP TFに含まれるUL spatial reuseによって指定される値、及び、MAP TFを用いて測定したパスロスに基づいて、上りリンクの送信電力候補TxPowerOBSSを算出してよい。
また、STA2は、例えば、AP2からの上りリンク送信を指示するTrigger frame(例えば、associated APからのTrigger frame)を受信した場合、Trigger frameに含まれる送信電力制御に関する情報(例えば、上述したAP TX Power及びUL Target RSSIを含む)、及び、Trigger frameを用いて測定した受信電力(例えば、「RxPower」と呼ぶ)に基づいて、送信電力候補(以下、「TxPowerBSS」と呼ぶ)を算出してよい。STA2は、例えば、次式(1)に従って、送信電力候補TxPowerBSSを算出してよい。例えば、式(1)の(AP TX power - RxPower)は、STA2-AP2間のパスロスに相当する。
TxPowerBSS = (AP TX Power - RxPower) + UL Target RSSI (1)
そして、STA2は、複数の送信電力候補TxPowerOBSS及びTxPowerBSSに基づいて、次式(2)に従って、上りリンク信号(例えば、DATAパケット)の送信電力(以下、「TxPow」と呼ぶ)を決定してよい。
TxPow=min(TxPowerOBSS, TxPowerBSS) (2)
このように、STA200は、上りリンクの協調通信を行う複数の送信元(例えば、AP1及びAP2)から受信した複数の信号(例えば、MAP TF及びTrigger frame)に基づいて、上りリンクの送信電力を決定し、決定した送信電力によって上りリンク送信を行う。
例えば、図17において、STA2の送信電力値は、STA2によって計算される。また、例えば、STA2の送信電力値の計算に使用されるパスロス値は、STA2が受信する複数のAP100(例えば、AP1及びAP2)から送信されるトリガーフレームに基づいて測定される。よって、例えば、STA2によって測定されるパスロス値は、AP100(例えば、AP1及びAP2)へ送信されなくてよい。
これにより、例えば、図17において、Shared APであるAP2(例えば、協調通信を制御するAP1と異なるAP100)は、Sharing APであるAP1に対して、STA2に関するパスロス(例えば、STA2-AP1間のパスロス及びSTA2-AP2間のパスロス)を通知しなくてよい。また、STA2は、AP2に対してSTA2に関するパスロスを通知しなくてよい。
よって、本実施の形態によれば、UL通信の送信電力制御において、AP間通信の情報量を削減できるので、協調通信における送信電力制御の効率を向上できる。
また、本実施の形態では、例えば、図17に示すように、STA200は、DATAパケットの送信タイミングにより近いタイミング(例えば、直前のタイミング)に受信したパケット(例えば、図17では、AP1からのMAP TF、及び、AP2からのTrigger frame)に基づいて測定されたパスロスを用いて送信電力を設定する。この送信電力の設定により、パスロス測定からパケット送信までの期間がより短くなるので、例えば、遮蔽物又はSTA200の移動等によるパスロスの変動に追従しやすくなり、送信電力制御の精度を向上できる。
また、ここで、TxPowerBSSは、STA2とSTA2のassociated APであるAP2との間のパスロス、及び、AP2からのTrigger frameによって通知されるパラメータに基づいて設定される送信電力値である。換言すると、TxPowerBSSは、STA2-AP2間の通信に期待される送信電力値(例えば、所望の送信電力値)である。その一方で、TxPowerOBSSは、例えば、STA2のassociated APと異なるAP1からのMAP TFに含まれるUL spatial reuseに基づいて設定される送信電力値である。例えば、UL spatial reuseによって指定されるパラメータには許容干渉電力に関する値が含まれてよい。この場合、TxPowerOBSSは、例えば、STA2におけるUL送信に対して許容可能な送信電力である。換言すると、STA2がTxPowerOBSSを超える送信電力によって送信する信号は、AP1に対して干渉を与え得る。
以上より、式(2)によって、STA2は、例えば、TxPowerOBSSを上限値として、上りリンクの送信電力の設定が可能になるので、上りリンクにおける送信電力制御の精度を向上できる。このように、例えば、複数のAP100からのパケットを受信可能である位置に存在するSTA200は、複数のAP100それぞれからの受信パケットに基づいて、協調通信を行う複数のAP100に対する干渉を抑制した上りリンクの送信電力制御を適切に行うことができる。
なお、図17において、STA2がMAP TFを受信しない場合、STA2は、例えば、TxPowerBSSをDATAパケットの送信電力に設定してもよい。STA2がMAP TFを受信しない場合、MAP TFに基づくパスロス、例えば、STA2-AP1間のパスロスは、STA2がMAP TFを受信する場合と比較して、大きいことが想定されるので、STA2の送信電力がTxPowerBSSに設定されても、STA2からの上りリンク送信がAP1へ与える干渉の影響は少ないことが想定される。このように、協調通信を行う複数のAP100のうち一部のAP100(例えば、associated AP)からのパケットを受信可能である位置に存在するSTA200は、当該一部のAP100からのパケットに基づいて、上りリンク通信を行うAP100を考慮した上りリンクの送信電力制御を適切に行うことができる。
また、例えば、図12において、STA1は、AP1のパケットを受信可能であるのに対して、AP2のパケットを受信しない可能性が高い。そこで、図17において、STA1は、AP1からのTrigger frameに基づいて、送信電力(例えば、TxPowerBSSと同様の値)を設定してもよい。
また、本実施の形態では、STA2は、AP1(例えば、OBSS)からのMAP TFを受信した場合にTxPowerOBSSを算出する。換言すると、STA2は、AP1(例えば、OBSS)からのMAP TFを受信しない場合にはTxPowerOBSSを算出しなくてよい。そこで、例えば、STA200は、Sharing AP(例えば、図17のAP1)から、MAP TFによって通知される許容干渉電力(Acceptable Maximum Interference Levelとも呼ぶ)を受信してもよい。なお、許容干渉電力に関する情報は、図14に示すように、MAP TF(又は、Trigger frame)のCommon info fieldに含まれてもよく、図15に示すように、MAP TF(又は、Trigger frame)のUser info fieldに含まれてもよく、図16に示すように、User info field内のSTA info fieldに含まれてもよい。
許容干渉電力の通知により、STA2は、例えば、MAP TFを受信した場合には、当該MAP TFに含まれる許容干渉電力に基づいて、STA2の送信電力を設定してよい。許容干渉電力を用いる送信電力制御により、例えば、Shared APは、Sharing APに対する干渉を考慮して、Shared APにアソシエートするSTA200の送信電力を設定できるので、送信電力制御の精度を向上できる。
なお、STA200において、associated APからのTrigger frameに基づく送信電力候補TxPowerBSSの算出方法は、例えば、式(1)に基づく方法に限定されず、他の方法でもよい。また、STA200において、associated APと異なるAPからのTrigger frame(例えば、MAP TF)に基づく送信電力候補TxPowerOBSSの算出方法は、例えば、PSR-based spatial reuseに基づく方法に限定されず、他の方法でもよい。例えば、TxPowerBSS及びTxPowerOBSSの算出方法は、共通でもよく、異なってもよい。
(実施の形態3)
本実施の形態に係る基地局及び端末の構成例は、例えば、一部の機能が実施の形態1と異なり、他の機能は実施の形態1と同様でよい。
実施の形態2では、2つのAP100による協調通信について説明したが、協調通信を行うAP100の数は3個以上でもよい。本実施の形態では、一例として、AP100が3個の場合について説明する。
図18は、C-SR方式に基づいて協調するUL-UL通信の例を示す図である。
図18には、例えば、AP1と、AP2と、AP3と、STA1と、STA2と、STA3とを含むセット(協調セット)が示される。STA1は、AP1のカバーエリア内に存在し、AP1とアソシエートしている。STA2は、AP2のカバーエリア内に存在し、AP2とアソシエートしている。STA3は、AP3のカバーエリア内に存在し、AP3とアソシエートしている。換言すると、図18において、STA1のassociated APはAP1であり、STA2のassociated APはAP2であり、STA3のassociated APはAP3である。
図18では、例えば、STA1からAP1へのUL通信と、STA2からAP2へのUL通信と、STA3からAP3へのUL通信とがC-SR方式によって協調される。図18では、例えば、AP1は、協調セット内に配置され、協調セット(又は、協調通信)を制御するAP(例えば、Master AP又はSharing APと呼ぶ)である。AP2及びAP3は、協調セット内に配置され、Master APによって制御されるAP(例えば、Slave AP又はShared APと呼ぶ)である。換言すると、図18は、複数のShared AP(又は、Slave AP)を含む協調送信の例を示す。
また、図18では、例えば、STA2及びSTA3の送信電力が低く設定(換言すると、制限)されるほど、AP1に対するSTA2及びSTA3からの干渉の影響は低減され得る。また、図18では、例えば、STA1及びSTA3の送信電力が低く設定(換言すると、制限)されるほど、AP2に対するSTA1及びSTA3からの干渉の影響は低減され得る。また、図18では、例えば、AP3は、STA1及びSTA2からの干渉の影響を受けにくい位置に存在する。
図18において、STA1は、例えば、AP1からのパケットを受信可能であるのに対して、AP2又はAP3からのパケットを受信しない可能性が高い位置に存在する。この場合、STA1では、AP2又はAP3からのパケットの受信電力は低くなりやすい。
その一方で、図18において、STA2は、例えば、AP1及びAP2の双方からのパケットを受信可能である位置に存在する。この場合、STA2では、AP1からのパケットの受信電力は高くなりやすい。また、図18において、STA3は、例えば、AP1、AP2及びAP3のそれぞれのパケットを受信可能である位置に存在する。この場合、STA3では、AP1及びAP2からのパケットの受信電力は高くなりやすい。
例えば、図18に示す協調セットの初期設定、及び、STA1がAP1とアソシエートし、STA2がAP2とアソシエートし、STA3がAP3とアソシエートした後、協調セットにおいて、UL-UL通信が実行されてよい。
図19は、図18に示す協調セットにおけるUL-UL通信のシーケンスの一例を示す図である。
図19において、Sharing APであるAP1は、例えば、実施の形態2と同様、MAP TFによって、Shared APであるAP2及びAP3に対して、AP2及びAP3それぞれが受信する周波数帯域を指定する。MAP TFには、例えば、図5に示すUL spatial reuse情報、又は、実施の形態1で説明した許容干渉電力が含まれてよい。なお、図19では、例えば、STA1、STA2及びSTA3もMAP TFを受信可能である。
AP1及びAP2は、例えば、実施の形態2と同様、送信電力制御に関する情報を含むTrigger frameをSTA1及びSTA2へ送信する。送信電力制御に関する情報には、例えば、実施の形態2と同様、図5に示すAP TX Power(APからSTAへの送信電力値を示す情報)、及び、図6に示すUL Target RSSI(上りリンクにおけるAP100の目標受信信号強度に関する情報)が含まれてよい。
本実施の形態では、STA1及びSTA2は、例えば、実施の形態2と同様の動作によって、送信電力を設定してよい。
また、図19において、AP3は、例えば、AP2のTrigger frameの送信タイミングと異なる送信タイミングにおいてTrigger frameをSTA3へ送信する。例えば、AP3は、AP2のTrigger frameから一定間隔(例えば、Short Inter Frame Space(SIFS))後にTrigger frameを送信してもよい。または、例えば、MAP TFによってAP2のTrigger frameのパケット長(例えば、Trigger Lengthと呼ぶ)が通知され、AP3は、MAP TFから(SIFS+Trigger Length+SIFS)後にTrigger frameを送信してもよい。
このように、複数のShared APから送信されるTrigger frameの時間領域のリソースは互いに異なってよい。
STA3は、例えば、AP1からの協調通信の開始を指示するMAP TF(例えば、associated APと異なるAPからの信号)を受信した場合、MAP TFに基づいて送信電力候補(以下、「TxPowerOBSS1」と呼ぶ)を算出する。STA3は、例えば、MAP TFを用いてパスロスを測定し、測定したパスロス及びUL spatial reuseによって指定される値に基づいてTxPowerOBSS1を算出してよい。STA3は、例えば、図8に示すPSR-based spatial reuseと同様の処理によって、MAP TFに基づく送信電力候補の算出を行ってよい。
同様に、STA3は、AP2からのTrigger frame(例えば、associated APと異なるAPからの信号)を受信した場合、当該Trigger frameに基づいて送信電力候補(以下、「TxPowerOBSS2」と呼ぶ)を算出する。STA3は、例えば、Trigger frameを用いてパスロスを測定し、測定したパスロス及びUL spatial reuseによって指定される値に基づいてTxPowerOBSS2を算出してよい。STA3は、例えば、図8に示すPSR-based spatial reuseと同様の処理によって、associated APと異なるAP2からのTrigger frameに基づく送信電力候補の算出を行ってよい。
また、STA3は、AP3からの上りリンク送信を指示するTrigger frame(例えば、associated APからのTrigger frame)を受信した場合、当該Trigger frameに基づいて送信電力候補(以下、「TxPowerBSS」と呼ぶ)を算出する。STA3は、例えば、Trigger frameに含まれる送信電力制御に関する情報(例えば、AP TX Power及びUL Target RSSIを含む)、及び、Trigger frameを用いて測定した受信電力(例えば、「RxPower」と呼ぶ)に基づいて、TxPowerBSSを算出してよい。STA3は、例えば、上述した式(1)に従って、送信電力候補TxPowerBSSを算出してよい。
そして、STA3は、複数の送信電力候補TxPowerOBSS1、TxPowerOBSS2及びTxPowerBSSに基づいて、次式(3)に従って、上りリンク信号(例えば、DATAパケット)の送信電力(以下、「TxPow」と呼ぶ)を設定してよい。
TxPow=min(TxPowerOBSS1, TxPowerOBSS2, TxPowerBSS) (3)
このように、STA200は、上りリンクの協調通信を行う複数の送信元(例えば、AP1、AP2及びAP3)から受信した複数の信号(例えば、MAP TF及びTrigger frame)に基づいて、上りリンクの送信電力を決定し、決定した送信電力によって上りリンク送信を行う。
例えば、図19において、STA3の送信電力値は、STA3によって計算される。また、例えば、STA3の送信電力値の計算に使用されるパスロス値は、STA3が受信する複数のAP100(例えば、AP1、AP2及びAP3)から送信されるトリガーフレームに基づいて測定される。よって、例えば、STA3によって測定されるパスロス値は、AP100(例えば、AP1、AP2及びAP3)へ送信されなくてよい。
これにより、例えば、図19において、Shared APであるAP2及びAP3(例えば、協調通信を制御するAPと異なるAP100)は、Sharing APであるAP1に対して、STA2及びSTA3に関するパスロスを通知しなくてよい。また、STA2及びSTA3は、AP2及びAP3に対してSTA2及びSTA3に関するパスロスを通知しなくてよい。
よって、本実施の形態によれば、UL通信の送信電力制御において、AP間通信の情報量を削減できるので、AP数が3個以上の場合でも、協調通信における送信電力制御の効率を向上できる。
なお、例えば、STA3がAP2のTrigger frameを受信しない場合、STA3は、TxPowerOBSS1及びTxPowerBSSに基づく送信電力制御(例えば、実施の形態2の図17に示すSTA2と同様の動作)を行ってもよい。また、例えば、STA3がAP1のMAP TFを受信しない場合、STA3は、TxPowerOBSS2及びTxPowerBSSに基づく送信電力制御を行ってもよい。また、例えば、図19において、STA3がAP1からのMAP TF及びAP2からのTrigger frameを受信しない場合、STA3は、例えば、TxPowerBSSをDATAパケットの送信電力に設定してもよい。
また、例えば、Shared APにおけるTrigger frameの送信順は、MAP TFのUser info fieldによって指定される順序でもよい。例えば、User info fieldによってAP2,AP3の順に指定された場合には、図19に示すTrigger frameの送信順が設定されてもよい。
また、図19では、AP2及びAP3のTrigger frameが異なるタイミング(換言すると、異なる時間領域のリソース)で送信される場合について説明したが、AP2及びAP3のTrigger frameは、或る領域における異なるリソースで送信されてもよい。例えば、AP2及びAP3のTrigger frameは、異なる周波数帯域(異なる周波数領域のリソース)において送信されてもよい。この場合、AP2及びAP3のTrigger frameが送信される時間リソース(又は、タイミング)は同一でもよく、異なってもよい。これにより、STA3は、例えば、AP2からのTrigger frameに基づいて、STA3-AP2間のパスロスを測定できる。
また、図19に示す例では、Shared APが2個(AP2及びAP3)の場合について説明したが、Shared APの数は、3個以上でもよい。この場合、3個以上のShared APのTrigger frameが送信されるリソースは、例えば、時間領域及び周波数領域の少なくとも一方において互いに異なってよい。これにより、STA200は、例えば、複数のShared APからのTrigger frameに基づいて、各Shared APとの間のパスロスを測定できる。
また、例えば、図19において、AP3のTrigger frameの割当周波数帯域は、STA1及びSTA2のDATAの割当周波数帯域と異なってもよい。この周波数帯域の設定により、例えば、図19に示すように、AP3のTrigger frameの送信タイミングと、STA1及びSTA2のDATAの送信タイミングとが衝突(又は、重複)する場合でも、AP3は、DATAへの干渉を抑制して、Trigger frameを送信できる。
また、例えば、図19において、AP3のTrigger frameの送信電力は、MAP TFによるAP1-AP3間のバスロス、及び、AP2が送信するTrigger frameによるAP2-AP3間のバスロスに基づいて制御されてもよい。この送信電力制御により、AP3のTrigger frameに対して、AP1及びAP2のDATA受信への干渉を抑制した送信電力制御が可能になる。
また、本実施の形態では、STA3は、AP1(例えば、OBSS)からのMAP TFを受信した場合にTxPowerOBSS1を算出する。換言すると、STA3は、AP1(例えば、OBSS)からのMAP TFを受信しない場合にはTxPowerOBSS1を算出しなくてよい。そこで、例えば、STA200は、Sharing AP(例えば、図19のAP1)から、MAP TFによって通知される許容干渉電力(Acceptable Maximum Interference Levelとも呼ぶ)を受信してもよい。なお、許容干渉電力に関する情報は、図14に示すように、MAP TF(又は、Trigger frame)のCommon info fieldに含まれてもよく、図15に示すように、MAP TF(又は、Trigger frame)のUser info fieldに含まれてもよく、図16に示すように、User info field内のSTA info fieldに含まれてもよい。
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
(バリエーション1)
実施の形態2及び実施の形態3では、STA200が、複数のAP100からの信号に基づいて、上りリンクの送信電力制御を行う場合について説明した。バリエーション1では、例えば、複数の信号に基づく送信電力制御の動作の有効及び無効をAP100が指示してもよい。
例えば、複数の信号に基づく送信電力制御の動作の有効及び無効に関する情報(例えば、「TX Power Select」と呼ぶ)は、Trigger frameによってSTA200へ通知されてもよい。例えば、Tx Power Selectは、図5に示すCommon info fieldのReserved(B63)で指示されてもよい。
STA200は、例えば、Trigger frameに含まれるTX Power Selectに基づいて、複数の信号に基づく送信電力の決定を行うか否かを判断してよい。例えば、TX Power Select=0の場合には、STA200は、associated APのTrigger frameに基づく送信電力制御を行ってよい(複数の信号に基づく送信電力制御:無効)。その一方で、TX Power Select=1の場合には、STA200は、例えば、実施の形態2又は実施の形態3において説明した送信電力制御を行ってよい(複数の信号に基づく送信電力制御:有効)。
また、TX Power Selectの指定は、例えば、パスロスに基づいてもよい。例えば、実施の形態2において、STA2-AP1間のパスロスがSTA2-AP2間のパスロスより十分に大きい場合(例えば、差分が閾値以上の場合)、TX Power Select=0(無効)が設定されてもよい。
また、STA200は、例えば、TX Power Selectの代わりに、受信したパケットのタイプ(例えば、図5に示すCommon info fieldのTrigger Type)に基づいて、複数の信号に基づく送信電力制御の有効及び無効を判定してもよい。例えば、STA200は、associated APと異なるAPから、Trigger TypeがMAP TFのパケットを受信した場合、図5に示すUL Length又はMAP TFのプリアンブルにおいて指定されたTXOP期間において、複数の信号に基づく送信電力制御を有効に設定してもよい。これにより、複数の信号に基づく送信電力制御の動作期間を設定(又は、制限)できる。
(バリエーション2)
実施の形態1、実施の形態2及び実施の形態3において、MAP TFのCommon info fieldのフォーマットは、図5に示すフォーマットの代わりに、図20に示すフォーマットでもよい。また、MAP TFのUser info fieldのフォーマットは、図6に示すフォーマットの代わりに、図21に示すフォーマットでもよい。また、MAP TFにおいて図20及び図21に示すフォーマットが適用される場合、図7に示すTrigger Typeに関する情報(例えば、テーブル)の代わりに、図22に示すTrigger frameに関する情報が設定されてもよい。
図22では、図7と比較して、Trigger Type=Multi-APが追加される。
例えば、図20に示すUL/DL Flagは、図5に示すTrigger Dependent Common Infoに追加されてもよい。また、例えば、図6に示すAID12は、図21に示すAP ID(例えば、通知先Shared APを示す識別子)に変更されてもよい。また、例えば、図6に示すMAP TFにおいてC-SRの際に未使用となる値(例えば、UL HE-MCS等)又はTrigger Dependent User Infoに、MAP Type及びMAP Type Dependent Infoが割り当てられてもよい。
また、例えば、MAP TFのフォーマットは、Trigger frameのフォーマットと異なってもよい。例えば、図23は、MAP Triggerフレームのフォーマットの一例を示す図である。図23において、フレームの種別が「MAP Trigger」であることは、例えば、「Frame Control」フィールドに含まれる「Type」及び「Subtype」によって指定されてもよい。図24は、Type及びSubtypeによって指定されるMACフレームの種別の例を示す図である。図24は、例えば、図4に示すMACフレームの種別に「MAP Trigger」を追加したテーブルである。
図23において、例えば、「Common Info」フィールドは、協調通信するShared AP間に共通の情報を示し、「Per AP info」フィールドは、協調通信するShared APに個別の情報を示してよい。
また、図20及び図23のCommon Infoフィールドにおいて、「Length」はSharing APのAck送受信を含むDATA送受信期間を示してよく、「BW」はSharing AP及びShared APが送受信する周波数帯域を示してよく、「TX Power」はMAP TFの送信電力値を示してよく、「UL/DL Flag」はSharing APのDATAの送信方向(UL通信又はDL通信)を示すフラグを示してよい。
また、図21に示すUser infoフィールド及び図23に示すPer AP Infoフィールドにおいて、「AP ID」は通知先Shared APを示す識別子を示してよく、「Resource Allocation」は該当するShared APが使用可能な周波数帯域を示してよく、「MAP Type」は協調方式を示してよく、「MAP Type Dependent Info」はMAP Typeで示した協調方式に対応する情報を示してよい。
なお、MAP Typeの例として、例えば、C-SR、Joint Transmissions(JT)、Coordinated Beamforming(CBF)、及び、Coordinated Orthogonal Frequency Division Multiple Access(C-OFDMA)が挙げられる。
例えば、MAP TypeがC-SRを示す場合、AP Type Dependent Infoには、UL/DL FlagがUL通信の場合には実施の形態1において説明した許容干渉電力が設定されてもよく、UL/DL FlagがDL通信の場合にはShared APの最大送信電力が設定されてもよい。また、一例として、UL/DL Flagに基づいて、C-SR時のMAP Type Dependent Infoが許容干渉電力と最大送信電力とで切り替わる例について説明したが、これに限定されず、許容干渉電力及び最大送信電力の両方を通知するフォーマットでもよい。
また、例えば、MAP TypeがC-OFDMAを示す場合のMAP Type Dependent Infoを情報無しに設定してもよい。
また、例えば、実施の形態2及び実施の形態3において説明した、複数の送信電力候補に基づく送信電力制御の有効及び無効は、MAP Typeに基づいて切り替えられてもよい。例えば、MAP TypeがC-SRの場合に、複数の送信電力候補に基づく送信電力制御の動作が有効に設定され、MAP TypeがC-SRと異なる場合に、複数の送信電力候補に基づく送信電力制御の動作が無効に設定されてもよい。
また、MAP TypeがC-SRの場合のMAP Type Dependent Infoにおいて、Shared APの最大送信電力が通知される場合について説明したが、これに限定されず、許容干渉電力(例えば、「最大送信電力-Sharing APとShared AP間のパスロス」)が通知されてもよい。
以上、バリエーション2について説明した。
なお、上述した各実施の形態では、STA200がアソシエートするAP100(associated AP)が一つの場合について説明したが、これに限定されず、STA200が複数のAP100へアソシエートしてもよい。例えば、上述した実施の形態1と同様、STA200は、複数のassociated APへ、複数のassociated APを含む複数のAP100からの信号に基づくパスロスを通知し、複数のassociated APがSTA200の送信電力を制御してもよい。または、例えば、上述した実施の形態2及び実施の形態3と同様、STA200は、複数のassociated APを含む複数のAP100からの信号に基づいて上りリンクの送信電力を制御してもよい。
上述した実施の形態では、複数のAPがSTAに対して協調通信を行う例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、実施の形態2及び3においてSTAの送信電力制御に使用される複数の信号の送信元は、APに限定されない。例えば、複数のAPのうち、一部がSTAに置き換わってもよい。例えば、本開示は、1以上のAPと1以上のSTAが、別のSTAに対して協調通信を行う場合に適用されてもよい。あるいは、本開示は、2以上のSTAが、別のSTAに対して協調通信を行う場合に適用されてもよい。
また、上述した実施の形態における、各信号(各パケット)を表す用語は、一例であり、本開示はこれに限定されない。
また、上述した実施の形態における「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置は無線送受信機(トランシーバー)と処理/制御回路を含んでもよい。無線送受信機は受信部と送信部、またはそれらを機能として、含んでもよい。無線送受信機(送信部、受信部)は、RF(Radio Frequency)モジュールと1または複数のアンテナを含んでもよい。RFモジュールは、増幅器、RF変調器/復調器、またはそれらに類するものを含んでもよい。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
本開示の一実施例に係る端末は、上りリンクの協調通信を行う複数の送信元から受信した複数の信号に基づいて、前記上りリンクの送信電力を決定する制御回路と、前記決定された送信電力によって上りリンク送信を行う送信回路と、を具備する。
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記複数の信号それぞれに基づく複数の送信電力候補に基づいて、前記上りリンクの送信電力を決定する。
本開示の一実施例において、前記複数の信号には、前記上りリンク送信を指示するトリガーフレームが含まれる。
本開示の一実施例において、前記複数の信号には、前記協調通信の開始を指示するトリガーフレームが含まれる。
本開示の一実施例において、前記端末が接続する送信元のアクセスポイントは、前記複数の送信元であるアクセスポイントのうち、前記協調通信を制御する第1のアクセスポイントと異なる第2のアクセスポイントである。
本開示の一実施例において、複数の前記第2のアクセスポイントから送信される前記信号であるトリガーフレームの時間領域及び周波数領域の少なくとも一方のリソースは互いに異なる。
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記複数の信号のうち少なくとも一つの信号に含まれる情報に基づいて、前記複数の信号に基づく前記送信電力の決定を行うか否かを判断する。
本開示の一実施例において、前記情報は、前記少なくとも一つの信号であるトリガーフレームの共通情報フィールドに含まれる。
本開示の一実施例において、前記情報は、前記少なくとも一つの信号であるトリガーフレームのタイプである。
本開示の一実施例において、許容干渉電力に関する情報を受信する受信回路、をさらに具備し、前記制御回路は、前記許容干渉電力に基づいて、前記送信電力を決定する。
本開示の一実施例において、前記許容干渉電力に関する情報は、前記複数の信号のうち少なくとも一つの信号であるトリガーフレームの共通情報フィールドに含まれる。
本開示の一実施例において、前記許容干渉電力に関する情報は、前記複数の信号のうち少なくとも一つの信号であるトリガーフレームのユーザ情報フィールドに含まれる。
本開示の一実施例において、前記許容干渉電力に関する情報は、前記ユーザ情報フィールド内の端末に個別のフィールドに含まれる。
本開示の一実施例に係る通信装置は、協調通信に関する情報を送信する、送信回路と、前記協調通信に関する情報に基づいて送信された、上りリンク送信を受信する、受信回路と、を具備し、前記上りリンク送信の送信電力は、前記協調通信に関する情報に基づいて決定される。
本開示の一実施例に係る通信方法において、端末は、上りリンクの協調通信を行う複数の送信元から受信した複数の信号に基づいて、前記上りリンクの送信電力を決定し、前記決定された送信電力によって上りリンク送信を行う。
本開示の一実施例に係る通信方法において、通信装置は、協調通信に関する情報を送信し、前記協調通信に関する情報に基づいて送信された、上りリンク送信を受信し、前記上りリンク送信の送信電力は、前記協調通信に関する情報に基づいて決定される。
2020年10月15日出願の特願2020-174019の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。