以下に添付図面を参照して、光源装置、画像投射装置および表示装置の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかるプロジェクタ1を示す概略構成図である。
プロジェクタ(画像投射装置)1は、筐体10と、光源装置20と、光均一化素子30と、照明光学系40と、画像形成素子(画像表示素子)50と、投射光学系60と、制御装置80と、カラーホイール90と、を有している。概略的には、プロジェクタ(画像投射装置)1は、光源装置20から射出された光を光均一化素子30でミキシングすることで均一化する。そして、プロジェクタ(画像投射装置)1は、均一化された光を、照明光学系40を用いて画像形成素子(画像表示素子)50を略均一に照明し、画像形成素子(画像表示素子)50で形成された画像を投射光学系60でスクリーン(被照射部材)70に拡大投影する。
筐体10は、光源装置20と光均一化素子30と照明光学系40と画像形成素子50と投射光学系60と制御装置80とカラーホイール90とを収納する。
光源装置20は、例えば、RGBの各色に対応する波長を含んだ光を射出する。光源装置20は、光源部20A、光源部20Bおよび合成部である光路合成素子20Cを有する。光源部20Aおよび光源部20Bは同じ構造のものであって、所定の形状の光束を射出する。なお、光源部20Aおよび光源部20Bの内部構成については、後に詳細に説明する。光源部20Aと光源部20Bから射出された光束は、光路合成素子20Cによりそれぞれ偏向されて光均一化素子30の入射側面に入射する。なお、本実施の形態においては、光路合成素子20Cとしてプリズムを例として示しているが、これに限るものではない。
図1に示すように、プロジェクタ1は、光源部20Aおよび光源部20Bから対向して出力された集光途中の光束を、互いに略90度の角度をなした二つの反射部(図1では光路合成素子20C)に、それぞれの光束を反射させて偏向し、同一方向に反射させ、それぞれの集光光束を隣接あるいは一部重ね合わせて合成し、同時に光均一化素子30に入射させる。
なお、本実施の形態においては、光源装置20は、2つの光源部20A,20Bを用いた例を示しているが、これに限るものではなく、2つ以上例えば4つの光源部を用い、合成する構成としてもよい。
光均一化素子30は、光源装置20から射出された光をミキシングすることで均一化する。より詳細には、光均一化素子30は、入射側面から入射した光束を、反射を繰り返しながら内部を伝搬して射出面から射出する。光均一化素子30は、入射側面から入射した光束を、内部で複数回反射することで、均一な面光源を射出面上に形成する。光均一化素子30としては、例えば、内部を中空にして内面に4枚のミラーを組み合わせたライトトンネル、ガラス等の透明な材料で角柱を形成したロッドインテグレータ、フライアイレンズ等が用いられる。例えば、光均一化素子30としてライトトンネルを適用した場合、画像形成素子50のアスペクト比とほぼ同じにして、ライトトンネルの出口の形を画像形成素子50の面上に投影する形とするので、画像形成素子50の面上に無駄なく効率よく照明することができる。
照明光学系40は、光均一化素子30が均一化した光で画像形成素子50を略均一に照明する。照明光学系40は、例えば、1枚以上のレンズや1面以上の反射面等を有している。
画像形成素子50は、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、透過型液晶パネル、反射型液晶パネル等のライトバルブを有している。画像形成素子50は、照明光学系40により照明される光(光源装置20の光源光学系からの光)を変調することにより画像光を形成する。なお、本実施形態においては、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を用いたプロジェクタ(画像投射装置)1の例を示すが、これに限定されるものではない。
制御装置80は、画像形成素子50の面を画素単位で、画像形成素子50に照射された照明光を入力画像に応じて反射あるいは透過するなどしてスイッチングし、投射光学系60へと導く。
投射光学系60は、画像形成素子50が形成した画像光をスクリーン(被照射部材)70に拡大投射する。投射光学系60は、例えば、1枚以上のレンズを有している。投射光学系60は、画像形成素子50の面の像を、所望のスクリーン(被照射部材)70の位置に拡大像として結像するような共役関係としているので、画像形成素子50の面上に空間変調された画像光を拡大投射して映し出す。
加えて、光均一化素子30の光の出口には、少なくとも青光、緑光、赤光成分を取り出すようにカラーフィルタを切り替える機能を有したカラーホイール90を設けている。カラーホイール90は、蛍光光から所望の色成分を取り出すカラーフィルタを備えている。カラーホイール90は、光源部20Aおよび光源部20Bそれぞれに用いられている波長変換部である波長変換素子26(図3等参照)の回転と、カラーホイール90の回転を同期し、カラーフィルタ切り替えを同期駆動させるとともに、それら切り替えのタイミングに応じて画像形成素子50の面上の画像を表示することで、単色の画像を順次に表示する。このような切り替え時間は目の応答速度より早いため、カラー画像として認識されることになる。
より詳細には、カラーホイール90は、カラーフィルタを順次切り替えることによって、蛍光光から、必要な色成分、例えば緑色成分や赤色成分を時間分割にて取り出す。このようにカラーフィルタを順次切り替えるには、カラーフィルタごとにセグメントを設けて、回転モータによって回転させて、順次所望のカラーフィルタが切り替わるようにすればよい。
ここで、図2はカラーホイール90の構成の一例を示す図である。図2に示すように、カラーホイール90は、青色領域B、黄色領域Y、赤領域R、緑領域Gの4つに別れている。青領域Bは、波長変換素子26の青反射領域A3(図7参照)に対応し、黄色領域Y、赤領域R、緑領域Gは、波長変換素子26の蛍光体領域A1,A2(図7参照)にそれぞれ対応するように、同期される。
青色領域Bは、透過拡散板を配置することにより、レーザ光源のコヒーレンスを低減することが可能となり、スクリーン(被照射部材)70上でのスペックルを低減させることができる。黄色領域Yは、波長変換素子26の蛍光体領域から発光する黄色の波長領域の光をそのまま透過させる。また、赤領域R、緑領域Gは、それぞれダイクロイックミラーを用いることにより、黄色の波長域の光から不要な波長域の光を反射させ、純度の高い色の光を得る。
カラーホイール90において作られた各色は、照明光学系40を通して画像形成素子50に導かれる。画像形成素子50は、各色に対応した画像を形成する。そして、画像形成素子50が形成した画像は、投射光学系60によってスクリーン(被照射部材)70に拡大投影される。
ここで、図3は光源部20Aの構成を示す模式図である。なお、光源部20Bも同様の構成である。
光源部20A(20B)は、光の伝搬方向に順に配置された、レーザ光源(励起光源)21と、レーザ光源(励起光源)21を構成するそれぞれの光源に対応して設けられたコリメータレンズ22と、第1の光学系23と、光路分岐素子である偏光ビームスプリッタ24と、1/4波長板37と、第2の光学系(集光光学系)25と、波長変換プレートである波長変換素子26と、第3の光学系27と、を有している。第1の光学系23を構成しているのは、正レンズ23aと、負レンズ23bと、シリンドリカルレンズアレイ28と、シリンドリカルレンズ29と、である。レーザ光源21の各光源から射出される青色レーザ光(第1の色光)を波長変換素子26へ射出する第2の光学系25を構成しているのは、2つの正レンズ25a,25bである。例えば、光源装置20のうち、レーザ光源21および波長変換素子26を除いた構成要素によって「光源光学系」が構成される。光源部20A(20B)は、上述の各部を、レーザ光源21から射出する励起光である青色レーザ光(第1の色光)の伝搬順に配置する。
レーザ光源21は、複数の光源(発光点)を有している。レーザ光源21としては、発光点が二次元アレイ上に並んだレーザダイオードが用いられる。ここで、図4はレーザ光源21の構成例を示す図、図5はレーザ光源21の各光源から射出される光の発散角を模式的に示す図である。図3では、上下方向に並ぶ4個の光源を描いているが、実際には、図4に示すように、4個の光源が紙面直交方向(奥行方向)に5列に並んでおり、4×5=20個の光源が二次元的に配列されている。レーザ光源21の各光源は、波長変換素子26が備える蛍光体を励起させる励起光として、例えば発光強度の中心波長が455nmの青色帯域の光(青色レーザ光)を射出する。なお、レーザ光源21は、ハニカム状や円環状など、矩形配列でなくてもよい。
図5に示すように、レーザ光源21の各光源は、2つの直交する方向において発散角が異なる。図5に示すように、発散角が最大になる方向をX方向(第1の方向)、最小となる方向をY方向(第2の方向)とし、それぞれの方向の発散角をθx、θyとする。図5に示すように、互いに直交する2方向において発散角が異なる光源、例えば半導体レーザ等を結像させると、スポット形状はニアフィールドパターンを反映し、発散角が大きい方向を短軸とする楕円形もしくは矩形となる。
光源としては、例えば金属ブロックにレーザダイオードが配置されたもの、または、一つの基板上にアレイ状にレーザダイオードチップを並べたマルチチップ品を用いることができる。なお、本実施形態では、光源としてマルチチップ品を用いることができるとしているが、これに限るものではなく、CANタイプのレーザをアレイ状に並べたものなどを用いることも可能である。
レーザ光源21の各光源から射出される青色レーザ光(第1の色光)は、偏光状態が一定の直線偏光であり、偏光ビームスプリッタ24に対してS偏光となるように配置されている。ここで、S偏光となるように入射させるとしたが、P偏光やその他の偏光状態としてもよい。レーザ光源21の各光源から射出される青色レーザ光は、コヒーレント光である。また、レーザ光源21の各光源から射出される励起光は、波長変換素子26が備える蛍光体を励起させることができる波長の光であればよく、青色帯域の光に限定されるものではない。
なお、レーザ光源21は、複数の光源を用いることを例として示しているが、単一のレーザ光源でもよい。また、レーザ光源21としては、基板上にアレイ状に配置した光源ユニットを使用してもよいが、これに限定されるものではない。
コリメータレンズ22は、レーザ光源21の20個の光源に対応して20個設けられている。各コリメータレンズ22は、レーザ光源21の各光源が射出した励起光を略平行光となるように調整する。コリメータレンズ22の数は、レーザ光源21の光源の数に対応していればよく、レーザ光源21の光源の数の増減に応じて増減することができる。
ここで、図6はレーザ光源21の各光源とコリメータレンズ22との関係を示す図である。コリメータレンズ22の入射面までの距離をL、レーザ光源21の各光源の発散角のうち最大となる発散角の方向をX方向としたときに、X方向の発散角をθx、X方向の発光点のピッチをPxとしている。
複数のレーザ光源21より射出された励起光は、レーザ光源21の各光源に対応したコリメータレンズ22により略平行光となる。略平行光となった励起光は、第1の光学系23に入射する。第1の光学系23の光軸は、レーザ光源21のアレイの中心を通るように配置される。つまり、主光線は、第1の光学系23の光軸と一致する。励起光の光束は、第1の光学系23により縮小され、第1の光学系23の光軸に対して45度の角度で配置された偏光ビームスプリッタ24へと導かれる。
なお、本実施形態においては、偏光ビームスプリッタ24を45度の角度で配置した構成を示しているが、他の角度でもよい。
偏光ビームスプリッタ24は、第1の光学系23から射出した励起光(第1の色光)を第2の光学系25に導く。また、偏光ビームスプリッタ24は、波長変換素子26から射出した蛍光光(第2の色光)を透過する。より詳細には、偏光ビームスプリッタ24は、平行平板形状のガラス板である。偏光ビームスプリッタ24は、第1の光学系23から導かれた励起光の波長帯域のS偏光(第1の偏光成分)を反射し、第1の光学系23から導かれた励起光の波長帯域のP偏光(第2の偏光成分)および波長変換素子26からの蛍光光(第2の色光)を透過するようなコートを、入射面側に施している。
偏光ビームスプリッタ24は、その中心を第2の光学系25の光軸に対してシフトさせ、励起光を波長変換素子26の法線に対して傾いて入射する。すなわち、第1の光学系23より射出された励起光は、偏光ビームスプリッタ24で折り返される。
なお、本実施の形態では、反射型光学素子として平板状の偏光ビームスプリッタ24を用いているが、プリズムタイプを用いることも可能である。また、本実施の形態では、偏光ビームスプリッタ24が、励起光の波長帯域のS偏光を反射してP偏光を透過しているが、これとは逆に、励起光の波長帯域のP偏光を反射してS偏光を透過するようにしてもよい。また、反射型光学素子は、単なるミラーであってダイクロイックミラーのような波長特性を持つものでも、DOEのような回折光学素子でもよい。
図3に示すように、偏光ビームスプリッタ24により反射された励起光は、1/4波長板37により円偏光へと変換される。円偏光へと変換された光は、集光光学系である第2の光学系25へと入射する。第2の光学系25を通過した励起光は、波長変換素子26へ導かれる。励起光は、波長変換素子26に対して入射することにより、所望の集光スポットを波長変換素子26上に形成する。波長変換素子26の青反射領域A3(図7参照)で反射された励起光は、再び第2の光学系25を通過した後、1/4波長板37に入射してP偏光に変換される。P偏光に変換された励起光は、偏光ビームスプリッタ26を透過した後、第3の光学系27を透過し、光路合成素子20Cで偏向され、光均一化素子30に入射する。光均一化素子30は、入射した光を均一化する。
また、図3に示すように、波長変換素子26の蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2:図7参照)は、励起光が入射すると、励起光を受けて波長変換された蛍光光を蛍光分子の周辺360度において発する。波長変換素子26の蛍光体領域において発される蛍光光は黄色または緑色の成分を含む。また、波長変換素子26の基板26a(図8参照)の表面(基板面)で反射された励起光は、再び蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)を通過して、蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)の表面側にランバート分布にて蛍光光を発する。波長変換素子26の蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)で発せられた蛍光光は、光路合成素子20C(図3では省略する)を介して光均一化素子30に導かれる。より詳細には、蛍光光は、第2の光学系25により略平行光とされ、1/4波長板37を透過し、第3の光学系27により光均一化素子30近傍に集光するように屈折され、光路合成素子20Cで偏向され、光均一化素子30に入射する。
図7は、波長変換素子26の構成の一例を示す平面図である。本実施の形態にかかる波長変換素子26は、図7に示すように、円盤状である。波長変換素子26は、波長変換部材(蛍光体)26fを備える変換領域である黄蛍光体領域(第1波長変換領域)A1、波長変換部材(蛍光体)26gを備える変換領域である緑蛍光体領域(第2波長変換領域)A2、およびレーザ光源(励起光源)21から射出された光を反射させる青反射領域(言い換えると、レーザ光源(励起光源)21から受光した光の波長を変換することなく射出する無変換領域)A3の3つのセグメントが、所望の角度で円盤状のプレートの周辺に帯状に形成された波長変換プレートである。
黄蛍光体領域A1は、例えば、青色レーザ光を励起光として受けて黄色の波長帯域の蛍光光を発する黄色の蛍光体26fにより形成されている。緑蛍光体領域A2は、例えば、青色レーザ光を励起光として受けて緑色の波長帯域の蛍光光を発する緑色の蛍光体26gにより形成されている。
なお、本実施形態においては、黄蛍光体領域A1と緑蛍光体領域A2との二種の蛍光体を用いたが、これに限るものではない。例えば、黄蛍光体領域A1のみでも構わないし、赤蛍光体領域をさらに追加してもよい。また、波長変換素子26は、青反射領域A3を複数備えるようにしてもよい。
そして、円盤状の波長変換素子26は、制御装置80に制御される駆動部により高速に回転駆動されることで、黄蛍光体領域A1と緑蛍光体領域A2と青反射領域A3とを周期的に順次移動することができる。なお、駆動部は、通常は回転モータMが好ましい。そして、波長変換素子26は、駆動部による回転駆動に伴って、レーザ光源(励起光源)21から光が照射される位置である集光スポットにおいて黄蛍光体領域A1と緑蛍光体領域A2と青反射領域A3とが入れ替わり、波長が異なる光を時分割で射出する。
このように円盤状の波長変換素子26を回転させることで、一箇所に励起光が照射され続けることによる焼け等を防ぎ、かつ、駆動することにより、蛍光体を冷却することができる。
なお、光源部20A(20B)は、波長変換素子26のホイールまたは当該ホイールを支持して回転している部材に、光吸収または反射部材を配置し、フォトカプラーで検出するなどして二つの波長変換素子26の回転速度を同一にする。
図8は、波長変換素子26の断面を示す図である。波長変換素子26の基板26aとしては、透明基板やアルミニウムのような金属基板を用いることができる。ただし、波長変換素子26の基板26aは、金属基板に限定するものではない。
励起光を反射する青反射領域A3においては、例えば励起光により高い反射率を有する反射コート26bを基板26a上に形成してもよく、また、前述の通り金属基板とすることで反射領域とすることができる。
蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)においては、基板26a上に蛍光体26f,26gからの発光光の波長領域の光を反射させる反射コート26bと、蛍光体26f,26gと、蛍光体表面での反射を低減する反射防止コート(ARコート)26cと、を順に備える。ただし、蛍光体領域(黄蛍光体領域A1および緑蛍光体領域A2)の構成は、これに限るものではない。なお、基板26aを金属基板とした場合、反射コート26bを省くことも可能である。
蛍光体26f,26gとしては、蛍光体材料を有機または無機のバインダー内に分散させたものや、蛍光体材料の結晶を直接形成したものでもよい。また、蛍光体材料としては、例えばCe:YAG系のなどの希土類蛍光体を用いることができるが、これに限定したものではなく、燐光体や非線形光学結晶などを用いてもよい。
蛍光体より発光する蛍光光の波長帯域は、例えば黄色や青、緑、赤の波長帯域のものを用いることができるが、本実施形態においては黄色の波長帯域および緑色の波長帯域を有する蛍光光を用いる場合について示している。
続いて、第1の光学系23が備える、シリンドリカルレンズアレイ28と、シリンドリカルレンズ29と、について説明する。
ここで、図9は波長変換素子26の表面に形成されるスポットを例示的に示す図である。図5で説明したように、レーザ光源21において互いに直交する2方向において発散角が異なる光源を複数用いた場合において、発散角が大きい方向に光源を並べた場合、互いの光線、コリメータレンズ22が干渉しないように配置する必要があるため、レーザ光源21の各光源の間隔を広げる必要がある。そのため、図9(a)に示すように、波長変換素子26の表面に形成されるスポットは、飛び飛びのスポットとなってしまう。なお、図1においては、X方向、Y方向にそれぞれ光源を4つずつ配置した一例を示すがこれに限るものではない。
そこで、本実施形態においては、X方向、Y方向それぞれ異なる曲率を有していてX方向にアレイ状に並んだ光学要素(球面レンズ)を有する光学素子であるシリンドリカルレンズアレイ28を、レーザ光源21と第2の光学系25との間に形成することで、図9(b)に示すように、波長変換素子26上のスポットをX方向に広げるようにしたものである。これにより、より均一なスポットを波長変換素子26上に形成することができ、波長変換素子26の波長変換効率の向上や焼け等を防ぐことができる。
ここで、図10はレーザ光源21から波長変換素子26までの光学系における光束を示す模式図である。なお、図10では、直線上に並んだ光学系を記載しているが、図3などに示すように、実際には偏光ビームスプリッタ26を配置して光を折り曲げる構成であることはいうまでもない。
図10に示すように、第1の光学系23は、励起光の入射側から、正レンズ23a、負レンズ23b、シリンドリカルレンズアレイ28、シリンドリカルレンズ29で構成される。シリンドリカルレンズアレイ28は、レーザ光源21の各光源の発散角が大きいX方向(図4参照)に曲率(屈折力)を有していて、X方向に並んだシリンドリカルレンズアレイである。シリンドリカルレンズアレイ28は、X方向の屈折力のほうがY方向の屈折力よりも強い複数の光学要素(球面レンズ)がX方向に配列されたシリンドリカル面を有している。シリンドリカルレンズ29は、レーザ光源21の各光源の発散角が小さいY方向に曲率(屈折力)を有しているシリンドリカルレンズである。シリンドリカルレンズ29を配置することにより、波長変換素子26上のY方向のスポットサイズを調整することが可能となる。
図10に示すように、第2の光学系25は、正のパワー(屈折力)を有する非球面レンズである正レンズ25aと、正のパワー(屈折力)を有する平凸レンズである正レンズ25bとで構成される。
なお、本実施形態においては、第1の光学系23は、正レンズおよび負レンズを1枚ずつ用いた構成としているが、正レンズ1枚での構成でもよく、適宜レンズ枚数を増やしてもよい。
なお、本実施形態においては、第1の光学系23にシリンドリカルレンズアレイ28およびシリンドリカルレンズ29を配置したが、これに限るものではなく、例えばコリメータレンズ22の直後、正レンズ23aと負レンズ23bとの間に、配置してもよい。シリンドリカルレンズアレイ28およびシリンドリカルレンズ29は、第1の光学系23の光軸方向の中心位置よりも波長変換素子26に近い側(レーザ光源21から波長変換素子26への励起光の光路において波長変換素子26側)に、配置してもよい。このようにシリンドリカルレンズアレイ28およびシリンドリカルレンズ29を配置することで、小型化を図ることができる。
なお、本実施形態においては、第1の光学系23内で最も波長変換素子26側にシリンドリカルレンズアレイ28およびシリンドリカルレンズ29を配置した。このようにシリンドリカルレンズアレイ28およびシリンドリカルレンズ29を第1の光学系23内で最も波長変換素子26側とすることにより、シリンドリカルレンズアレイ28の小型化が可能になるため、低コスト化、光学系の小型化を図ることが可能となる。
図10に示すように、第1の光学系23の光軸に平行な光線が第1の光学系23に入射した場合、第1の光学系23からの射出光は、第1の光学系23の光軸に近づくように伝搬し、第2の光学系25に入射する。これにより、波長変換素子26のレーザ光源21側に集光点を形成し、波長変換素子26上のスポットをボケさせることが可能となる。ここで光軸とは、複数のレンズ球心間を結んだ線のことを言う。このように、集光点を波長変換素子26の青色レーザ光(第1の色光)の射出方向上流側に形成することにより、波長変換素子26上で均一なスポット形状を得ることが可能になる。
図11および図12は、レーザ光源21の各光源から射出される光線の光路を示す模式図である。図11はXZ面、図12はYZ面をそれぞれ表している。
図11に示すように、レーザ光源21は、各光源の発散角がX方向に大きいような配置とする。図11に示すように、レーザ光源21の各光源から射出された光線は、第1の光学系23の正レンズ23aおよび負レンズ23bを通過した後、それぞれの光源に対応したアレイ状の正のパワー(屈折力)を有したシリンドリカルレンズアレイ28に入射し、第1の光学系23の光軸に近づく方向に収束させられる。
なお、本実施形態においてはシリンドリカル面を有するシリンドリカルレンズアレイ28としているが、アナモフィック面を有するものであってもよい。
また、本実施形態においては、光学要素(球面レンズ)がX方向に配列されたシリンドリカル面を有しているシリンドリカルレンズアレイ28としているが、光学要素を非球面とすることもできる。その場合は、シリンドリカルレンズアレイ28の光軸付近に比べて、周辺は負のパワー(屈折力)が強い非球面形状とすることで、波長変換素子26上のスポットのエッジを立たせることが可能となる。すなわち、シリンドリカルレンズアレイ28のシリンドリカル面のアレイ状に並んだ光学要素を非球面形状とすることで、中心に比べ周辺のほうが負のパワー(屈折力)を強くすることにより、波長変換素子26上のスポットの周辺部のボケ量を抑えることができるため、後段の光学系でのケラレをなるべくなくすことが可能となり、高効率化、小型化をすることが可能になる。
さらに、本実施形態においてはレンズであるシリンドリカルレンズアレイ28としているが、曲面ミラーとすることも可能である。さらに、本実施形態においてはレンズであるシリンドリカルレンズアレイ28としているが、曲面ミラーとすることも可能である。
シリンドリカルレンズアレイ28によって第1の光学系23の光軸に近づく方向に収束させた光線は、X方向にパワー(屈折力)を有さないシリンドリカルレンズ29を通過し、第2の光学系25に入射する。それぞれの光線は、第2の光学系25内に集光点を形成し、波長変換素子26に入射する。
図12はレーザ光源21の各光源の発散角が小さい側、つまりY方向に関する光路を示している。図12に示すように、レーザ光源21の各光源から射出された光線は、第1の光学系23の正レンズ23aおよび負レンズ23bを通過し、Y方向にはパワー(屈折力)を有さないシリンドリカルレンズアレイ28に入射し、第1の光学系23の光軸に近づく方向に収束させられる。その後、正のパワー(屈折力)を有するシリンドリカルレンズ29を通過し、第2の光学系25に入射する。それぞれの光線は、第2の光学系25内に集光点を形成し、波長変換素子26に入射する。
本実施形態においては、第1の光学系23を構成する正レンズ23aと負レンズ23bとの間隔と、シリンドリカルレンズアレイ28の曲率を最適化することで、波長変換素子26上のスポットサイズを最適化する。
ここで、図13はシリンドリカルレンズアレイ28を例示的に示す図である。図13に示すように、第1の光学系23の光軸に最も近い光学要素(球面レンズ)、つまりシリンドリカルレンズアレイ28のシリンドリカル面の中央の2つの光学要素(球面レンズ)の曲率半径をR1、周辺の光学要素(球面レンズ)の曲率半径をR2とする。そして、R1がR2よりも小さく設定される。また、シリンドリカルレンズアレイ28のシリンドリカル面の中央の2つのシリンドリカル面の頂点間の距離をP1、その周辺のシリンドリカル面の頂点間の距離をP2とする。そして、P1がP2よりも大きく設定される。
第1の光学系23の光軸を含みX方向と垂直な面に最も近い光源以外の光源においては、波長変換素子26上のスポットのボケ量が大きくなる。そこで、本実施形態においては、第1の光学系23の光軸に最も近い光学要素(球面レンズ)の曲率半径を、それ以外の光学要素(球面レンズ)の曲率半径に比べて小さくすることで、第1の光学系23の光軸を含みX方向と垂直な面に最も近い光源のボケ量を大きくし、波長変換素子26上のスポットを均一化する。
また、図14はシリンドリカルレンズアレイ28のシリンドリカル面の頂点間の距離の違いに基づくスポットの例を示す図である。第2の光学系25の収差により、第1の光学系23の光軸を含みX方向と垂直な面に最も近い光源の波長変換素子26上のスポット間距離は短くなる。そこで、本実施形態においては、図14(b)に示すように、シリンドリカルレンズアレイ28のアレイ状に並んだ光学要素(球面レンズ)のピッチを変えることで、スポットの重なりを減らすことができ、よりエネルギー密度を均一化する。
更に、シリンドリカルレンズアレイ28をレーザ光源21の各光源に対して偏心させることにより、励起光を、第1の光学系23の光軸に対して角度をもってシリンドリカルレンズアレイ28のアレイ状に並んだ光学要素(球面レンズ)に入射させる。これにより、スポット形状を偏らせることができるため、波長変換素子26上の各スポットの重なり量を減らすことができ、より均一化することが可能となる。
ここで、図15は波長変換素子26上のスポットの様子を例示的に示す図である。図15(a)はシリンドリカルレンズアレイ28を用いない場合、図15(b)がシリンドリカルレンズアレイ28を用いた場合を示す。図15においては、白い部分は強度が強い部分、黒い部分は強度の弱い部分を示している。なお、図15(a)および図15(b)における強度のレンジは、同じである。
図15(a)に示すように、シリンドリカルレンズアレイ28を用いない場合では、レーザ光源21の各光源の配置を反映したプロファイルを示し、強度の均一化が不十分である。これに対し、図15(b)に示すように、シリンドリカルレンズアレイ28を用いた場合では、レーザ光源21の各光源のプロファイルがボケることにより、全体的に均一なプロファイルを得られており、波長変換素子26の波長変換効率を向上させることが可能になる。
このようにX方向に少なくとも3つの光源を有し、X方向にアレイ状に並んだシリンドリカルレンズアレイ28のシリンドリカル面の頂点のうち、第1の光学系23の光軸に最も近い光学要素(球面レンズ)とそれ以外の光学要素(球面レンズ)のパワー(屈折力)を異ならせる。これにより、X方向に並んだ3つの光源のうち、第1の光学系23の光軸を含みX方向と垂直な面に最も近い光源に対して、それ以外の位置に配置される光源の波長変換素子26上のスポットは、第2の光学系25の収差の影響を受けるため、ボケ量が異なる。曲率半径を異ならせることにより、光軸に近い光源と周辺の光源の波長変換素子26上のボケ量を所望のボケ量にすることができ、より均一化をすることができ、波長変換素子26の波長変換効率向上をすることが可能となる。
また、第1の光学系23の光軸に最も近い光学要素(球面レンズ)のパワー(屈折力)をそれ以外に比べて大きくすることで、第1の光学系23の光軸を含みX方向と垂直な面に最も近い光源のボケ量を大きくすることができ、波長変換素子26上のスポットを均一化することが可能となる。
また、シリンドリカルレンズアレイ28のシリンドリカル面のアレイ状に並んだ光学要素(球面レンズ)のY方向はパワー(屈折力)を有さないことにより、低コスト化が可能となる。
また、X方向に少なくとも4つの光源を有する場合において、シリンドリカルレンズアレイ28のシリンドリカル面のアレイ状に並んだ光学要素(球面レンズ)のうち、光軸に近い光学要素(球面レンズ)間の距離P1よりも、周辺の光学要素(球面レンズ)間の距離P2のほうを短くする。これは、第2の光学系25の収差により、第1の光学系23の光軸を含みX方向と垂直な面に最も近い光源の波長変換素子26上のスポット間距離が短くなるためである。このように、アレイ状に並んだ光学要素(球面レンズ)のピッチを変えることで、スポットの重なりを減らすことができ、よりエネルギー密度を均一化することができる。更に、光源に対して偏心させることにより、スポット形状を偏らせることができるため、各スポットの重なり量を減らすことができ、より均一化することが可能となる。
また、シリンドリカルレンズアレイ28のシリンドリカル面のアレイ状に並んだ光学要素(球面レンズ)は、正のパワー(屈折力)を有する。これにより、第2の光学系25へ収束光として入射させる第1の光学系23に正のパワー(屈折力)をもたせることにより、ボケさせることが可能になる。
このように本実施形態によれば、第2の光学系25へ収束光として励起光を入射させることにより、波長変換素子26上のスポットをボケさせることにより、波長変換素子26において励起光(第1の色光)を蛍光光(第2の色光)に効率的に変換し、光の利用効率を向上させることができる。
次に、いくつか変形例を挙げて説明する。
(変形例1)
まず、変形例1について説明する。図16および図17は、変形例1にかかるレーザ光源21の各光源から射出される光線の光路を示す模式図である。図16はXZ面、図17はYZ面をそれぞれ表している。図16および図17に示すように、変形例1は、レーザ光源21の光源のX方向の配列が3列になっているものである。そして、図16に示すように、レーザ光源21のX方向の光源数が3つになっているため、シリンドリカルレンズアレイ28のアレイ数が3となっている。
図18は、変形例1にかかるシリンドリカルレンズアレイ28を例示的に示す図である。図18に示すように、第1の光学系23の光軸に最も近い光学要素(球面レンズ)、つまりシリンドリカルレンズアレイ28のシリンドリカル面の中央の2つの光学要素(球面レンズ)の曲率半径をR1、周辺の光学要素(球面レンズ)の曲率半径をR2とする。そして、R1がR2よりも小さく設定される。また、シリンドリカルレンズアレイ28のシリンドリカル面のそれぞれの光学要素(球面レンズ)の頂点の距離をP1とする。このようにすることによっても、波長変換素子26上でのプロファイルを均一化することが可能となる。
(変形例2)
次に、変形例2について説明する。図19および図20は、変形例2にかかるレーザ光源21の各光源から射出される光線の光路を示す模式図である。図19はXZ面、図20はYZ面をそれぞれ表している。図19および図20に示すように、変形例2は、レーザ光源21の光源のX方向の配列が2列になっているものである。そして、図19に示すように、レーザ光源21のX方向の光源数が2つになっているため、シリンドリカルレンズアレイ28のアレイ数が2となっている。
図21は、変形例2にかかるシリンドリカルレンズアレイ28を例示的に示す図である。図21に示すように、シリンドリカルレンズアレイ28のシリンドリカル面の2つの光学要素(球面レンズ)の曲率半径はいずれもR1とする。また、シリンドリカルレンズアレイ28のシリンドリカル面のそれぞれの光学要素(球面レンズ)の頂点の距離をP1とする。このようにすることによっても、波長変換素子26上でのプロファイルを均一化することが可能となる。
(変形例3)
次に、変形例3について説明する。図22は変形例3にかかる光源部20Aの構成を示す模式図である。なお、光源部20Bも同様の構成である。図22に示すように、変形例3においては、レーザ光源21の各光源が、射出される励起光(第1の色光)が偏光ビームスプリッタ24に対してP偏光となるように配置されている。そして、偏光ビームスプリッタ24は、蛍光光を反射するとともに、励起光を透過する構成となっている。
図22に示すように、偏光ビームスプリッタ24を透過した励起光は、1/4波長板37および第2の光学系25を介して波長変換素子26に導かれる。波長変換素子26から反射された励起光と励起光により変換された蛍光光は、偏光ビームスプリッタ24により反射されて、第3の光学系27へと導かれる。
(変形例4)
次に、変形例4について説明する。図23は変形例4にかかる波長変換素子26の構成の一例を示す平面図、図24は変形例4にかかる波長変換素子26の断面を示す図である。図23に示すように、変形例の波長変換素子26は、波長変換素子26の領域が分割されておらず、円周方向に単一の蛍光体領域A4を有している。
図24に示すように、波長変換素子26は、基板26a上に蛍光光と励起光の波長領域を反射する反射コート26bと、蛍光体26fと、励起光の一部を反射して蛍光光と励起光の一部を透過する反射コート26dと、が形成されている。蛍光体26fとしては、蛍光体材料を有機または無機のバインダー内に分散させたものや、蛍光体材料の結晶を直接形成したものでもよい。また、蛍光体材料としては、例えばCe:YAG系のなどの希土類蛍光体を用いることができるが、これに限定したものではない。蛍光体より発光する光の波長帯域は、例えば黄色とすることで、励起光の青色と組み合わせることで白色光を得ることができる。本実施形態においては、入射側面を反射コート26dとしているが、拡散面などであってもよい。
波長変換素子26の反射コート26bで反射された励起光は、再び第2の光学系25を通過し、第2の光学系25より射出された励起光は、1/4波長板37に入射し、P偏光に変換される。P偏光に変換された励起光は、偏光ビームスプリッタ24を透過し、後段の照明光学系に入射する。
また、波長変換素子26の蛍光体26fに励起光が入射することにより射出される蛍光光は、第2の光学系25により略平行光とされ、1/4波長板37および偏光ビームスプリッタ24を透過し、後段の照明光学系に入射する。
このように本実施形態によれば、カラーホイール90および第3の光学系27を省略可能である。このように部品数を削減した安価な構成であっても、均一なスポットを波長変換素子26上に結像することができ、波長変換素子26の光変換効率を向上させることが可能になる。
(変形例5)
次に、変形例5について説明する。図25は変形例5にかかる光源部20Aの構成を示す模式図である。なお、光源部20Bも同様の構成である。図25に示すように、変形例5においては、偏光ビームスプリッタ24に代えてダイクロイックミラー31を備えるとともに、固体光源のレーザ光源である光源32および第4の光学系33を備える。なお、光源32は、ここではレーザ光源としているが、発光ダイオードなどを用いることも可能である。
第1の光学系23を通過した励起光は、ダイクロイックミラー31へと導かれる。ダイクロイックミラー31は、励起光の波長帯域の光と光源32の波長域の光とを反射するとともに、波長変換素子26の蛍光体より発生する蛍光光を透過するようなコートが施されている。なお、変形例5においては、励起光を反射、蛍光光を透過としているが、蛍光光を反射、励起光を透過するコートとしてもよい。
ダイクロイックミラー31により反射された励起光は、第2の光学系25により波長変換素子26へ導かれる。
図26は変形例5にかかる波長変換素子26の構成の一例を示す平面図、図27は変形例5にかかる波長変換素子26の断面を示す図である。図26に示すように、変形例の波長変換素子26は、波長変換素子26の領域が分割されておらず、円周方向に単一の蛍光体領域A4を有している。
図27に示すように、波長変換素子26は、基板26a上に蛍光光と励起光の波長領域を反射する反射コート26bと、蛍光体26fと、蛍光体表面での反射を低減する反射防止コート(ARコート)26cと、が形成されている。
波長変換素子26の蛍光体に励起光が入射することにより射出される蛍光光は、第2の光学系25により略平行光とされ、ダイクロイックミラー31を透過し、照明光学系に入射する。
また、励起光とは別に用意された光源32から、例えば青色の波長域の光が射出され、第4の光学系33により略平行光となってダイクロイックミラー31に入射する。そして、光源32から射出された光は、ダイクロイックミラー31により反射され、照明光学系に入射する。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、第1の光学系23内に拡散板を挿入している点が、第1の実施の形態と異なるものとなっている。以下、第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
図28および図29は、第2の実施の形態にかかるレーザ光源21から波長変換素子26までの光学系における光線の光路を示す模式図である。図28はXZ面、図29はYZ面をそれぞれ表している。
図28および図29に示すように、本実施形態においては、第1の光学系23は、負レンズ23bと、シリンドリカルレンズアレイ28との間に、半値幅が1度の拡散部材である拡散板34を備える。本実施形態においては、拡散板34の拡散角を1度としているが、入射させる励起光を強くする場合は拡散角を更に大きくし、3.5度程度とすることで、蛍光体の効率低下と後段の光学系でのケラレのバランスをとることができ、プロジェクタ1全体の効率を向上させることができる。
なお、本件特許出願の発明者は、拡散板34の拡散角の半値幅が3.5度を超えると、均一化により波長変換素子26の波長変換効率は向上するが、後段の光学系でのケラレが大きくなり、プロジェクタ1全体の効率は低下してしまうことを見いだした。また、半値幅が0.5度以下では拡散板34の制作が困難である。
そこで、本実施形態においては、拡散板34の拡散角の半値幅をθdとしたときに以下の条件式(1)を満足するものとする。
0.5 < θd < 3.5 ・・・ (1)
このように拡散板34を配置することにより、ボケ量を増やすことができ、効率を向上させることができる。条件式(1)の上限を上回ると、波長変換素子26上のスポットをより均一化することができるが、スポットのボケ量が大きくなり、後段の光学系でのケラレが発生するため、プロジェクタ全体での効率低下を招く。条件式(1)の下限を下回ると、後段の光学系でのケラレを抑制することが可能になるが、拡散の効果が足りなくなる。
また、本実施形態においては、励起光源の発散角が最大となる方向をX方向としたときに、X方向の発散角をθx、X方向の励起光源の発光点のピッチをPx、コリメータレンズ22とレーザ光源22の射出側面との距離をLとしたときに、以下の条件式(2)を満たすものとする。
0.5 <Px/Ltanθx<2 ・・・ (2)
上記条件式(2)を満たすことにより、各発光点のプロファイル間距離が小さくなるため、全体でのプロファイルが密な状態となり、蛍光体上に縮小したときに均一なプロファイルを得られ、波長変換素子26の波長変換効率を向上させることができる。
なお、条件式(2)の上限を上回ると、各発光点の距離が大きくなるため、各発光点のプロファイル間の距離が大きくなり、波長変換部材26上において所望のスポットサイズとしたい場合に縮小率が大きくなるため、各発光点の像が小さくなり、波長変換部材26上の集光密度が大きくなり、波長変換効率が低下してしまう。一方、条件式(2)の下限を下回ると、波長変換部材26上で均一なプロファイルを得やすいが、隣接するコリメータレンズ22に各発光点からの光が入射し、消耗の方向ではない方向に光線の一部が進んでしまうため、迷光となるばかりか、光学系の効率が低下してしまう。
ここで、図30は波長変換素子26上のスポットの様子を例示的に示す図である。図30(a)はシリンドリカルレンズアレイ28のみを用いた場合、図30(b)が拡散板34およびシリンドリカルレンズアレイ28を用いた場合を示す。図30においては、白い部分は強度が強い部分、黒い部分は強度の弱い部分を示している。なお、図30(a)および図30(b)における強度のレンジは、同じである。
図30(a)に示すように、シリンドリカルレンズアレイ28のみを用いた場合、レーザ光源21の各光源のプロファイルがボケることにより、全体的に均一なプロファイルを得られており、波長変換素子26の波長変換効率を向上させることが可能になる。一方、図30(b)に示すように、拡散板34およびシリンドリカルレンズアレイ28を用いた場合では、さらにボケ量を増やすことができ、波長変換素子26の波長変換効率をさらに向上させることができる。
このように本実施形態によれば、波長変換素子26の波長変換効率をさらに向上させることができる。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、シリンドリカルレンズアレイ28をレーザ光源21の各光源に対して偏心させている点が、第1の実施の形態および第2の実施の形態と異なるものとなっている。以下、第3の実施の形態の説明では、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態および第2の実施の形態と異なる箇所について説明する。
ここで、図31は第3の実施の形態にかかる光源部20Aの構成を示す模式図である。なお、光源部20Bも同様の構成である。また、図32はレーザ光源21から波長変換素子26までの光学系における光束を示す模式図である。なお、図32では、直線上に並んだ光学系を記載しているが、図31に示すように、実際には光を折り曲げる構成である。
第3の実施の形態では、図32に示すように、第1の光学系23の光軸と第2の光学系25の光軸を光軸とを垂直方向に偏心させ、励起光が第2の光学系25の片側から入射するように配置させている。ただし、第3の実施の形態において、第1の光学系23と第2の光学系25の光軸を一致させた場合の光の振る舞いは第1の実施の形態と同じである。
また、本実施形態にかかる光源部20Aは、偏光ビームスプリッタ24に代えて、光路分岐素子であるダイクロイックミラー35を備える。ダイクロイックミラー35は、励起光を反射し、蛍光光を透過させる。
第1の実施の形態においては、1/4波長板37によって光の偏光方向を規定していたが、本実施形態においてはどの方向に配置しても構わない。レーザ光源21より射出した光は、コリメータレンズ22によってそれぞれ平行光束にされた後、第1の光学系23を通過し、ダイクロイックミラー35により反射され、第2の光学系25に導かれる。
本実施形態においては、図32に示すように、第1の光学系23が、第2の光学系25に対して偏心させるように配置される。これにより、励起光は第2の光学系25の片側より入射し、波長変換素子26に対して斜めに入射される。波長変換素子26の蛍光体領域に入射した励起光は、蛍光光に変換され、ダイクロイックミラー35を通らずに、第3の光学系27に入射し、後段の光学系に導かれる。一方、波長変換素子26の反射領域に入射した励起光は、正反射されるため、図31に示すように、第2の光学系25に入射した側と反対側を通って第2の光学系25より射出される。
なお、本実施形態では、波長変換素子26で反射された励起光がダイクロイックミラー35を通らない構成を示したが、ダイクロイックミラー35を大きくし、半分の面のコートは励起光を反射して蛍光光を透過する特性とし、残りの半分を励起光および蛍光光を透過する特性を有するようにすることも可能である。
このように本実施形態によれば、波長変換素子26の波長変換効率をさらに向上させることができる。
次に、第3の実施の形態の変形例を挙げて説明する。
(変形例6)
ここでは、変形例6について説明する。図33は変形例6にかかる光源部20Aの構成を示す模式図である。なお、光源部20Bも同様の構成である。図33に示すように、変形例6の光源部20Aにおいては、レーザ光源21として、複数のレーザ光源21aおよび21bを備える。また、変形例6の光源部20Aにおいては、コリメータレンズ22として、レーザ光源21aおよび21bに対応させて、コリメータレンズ22aおよび22bを備える。さらに、変形例6の光源部20Aにおいては、合成光学系36を備える。合成光学系36は、偏光ビームスプリッタ36aと、ミラー36bと、半波長板36cと、を備える。
図28に示すように、変形例6の光源部20Aにおいては、レーザ光源21aおよび21bの2つの光源から射出される光を、合成光学系36の偏光ビームスプリッタ36aを用いて合成する。レーザ光源21aおよび21bの2つの光源からは、それぞれP偏光の光が射出される。
より詳細には、レーザ光源21bから射出された光は、合成光学系36の半波長板36cを通過することで、S偏光に変換され、合成光学系36のミラー36bで折り返される。S偏光となった光線は、合成光学系36の偏光ビームスプリッタ36aで反射され、第1の光学系23に入射する。また、レーザ光源21aより射出された光は、合成光学系36の偏光ビームスプリッタ36aを透過し、第1の光学系23に入射する。
これにより、より高輝度なプロジェクタにおいても本構成を用いることが可能になる。
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態は、第1の光学系23の正レンズ23aまたは負レンズ23bに、シリンドリカルレンズアレイの機能を有している点が、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態と異なるものとなっている。以下、第3の実施の形態の説明では、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態と異なる箇所について説明する。
図34および図35は、第4の実施の形態にかかるレーザ光源21の各光源から射出される光線の光路を示す模式図である。図34はXZ面、図35はYZ面をそれぞれ表している。なお、図34および図35では、直線上に並んだ光学系を記載しているが、図3などに示すように、実際には偏光ビームスプリッタ26などを配置して光を折り曲げる構成であることはいうまでもない。
図34および図35に示すように、本実施形態の光源部20は、シリンドリカルレンズアレイ28に代えて、シリンドリカルアレイ面39が第1の光学系23の正レンズ23aの入射面側に形成されている。
図34に示すように、第1の光学系23の正レンズ23aは、X方向においてはレンズ面上にX方向にアレイ状に並んだ光学要素(球面レンズ)を有したシリンドリカルアレイ面39を形成している。一方、図35に示すように、第1の光学系23の正レンズ23aは、Y方向においてはシリンドリカルアレイ面39を有さず、集光用の曲率半径を持った曲率となっている。
なお、本実施形態では、第1の光学系23の正レンズ23aの入射面側にシリンドリカルレンズアレイ面39を形成したが、これに限るものではなく、第1の光学系23の負レンズ23bの面にシリンドリカルレンズアレイ面39を形成してもよい。
このように本実施形態によれば、波長変換素子26の波長変換効率をさらに向上させることができる。
また、アレイ状に並んだ光学要素(球面レンズ)であるシリンドリカルアレイ面39は、シリンドリカルレンズ29または拡散板34と一体化してもよい。また、アレイ状に並んだ光学要素(球面レンズ)であるシリンドリカルアレイ面39は、コリメータレンズ22に形成するようにしてもよい。
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態について説明する。
第5の実施の形態は、第1の実施の形態ないし第4の実施の形態で説明した画像投射装置の一例であるプロジェクタ1を、3次元像をユーザに視認させる表示装置に適用した点が、第1の実施の形態ないし第4の実施の形態と異なるものとなっている。以下、第5の実施の形態の説明では、第1の実施の形態ないし第4の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態ないし第4の実施の形態と異なる箇所について説明する。
図36は第5の実施の形態にかかる表示装置100の全体構成の一例を示すブロック図である。表示装置100は、3次元像をユーザに視認させる立体ディスプレイとも言う。ここで、3次元像とは、3次元空間上に表示され、人間が視認可能な体積を持った立体的な像をいう。
図36に示すように、表示装置100は、情報処理部110と、プロジェクタ1と、螺旋スクリーンであるスクリーン70と、モータ140と、モータ制御部141とを有する。
表示装置100は、3次元モデルデータ901を受信して、表示装置100のユーザに3次元像を視認させる。3次元モデルデータ901は、ユーザに3次元像を視認させるための3次元モデルを示すデータであって、例えば、3次元ボクセルごとの画素値を示すデータである。具体的には、3次元モデルデータ901は、情報処理部110に入力される。
情報処理部110は、入力された3次元モデルデータ901に基づく画像情報903を生成する。具体的には、情報処理部110は、モータ制御部141に回転指示信号201を送信し、回転の開始を指示する。指示を受けたモータ制御部141は、例えば規定された略一定の速度でスクリーン70を回転させるように、回転制御信号202を送信してモータ140を駆動させる。
スクリーン70は、螺旋軸に直交する平面で切断した断面が曲線状である螺旋形状を含む被照射部材の一例である。
モータ140は、螺旋軸周りにスクリーン70を回転させる駆動部である。モータ140には、ステッピングモータ、DC(Direct Current)モータ又はAC(Alternating Current)モータ等を適用できる。
モータ140にはロータリエンコーダが取り付けられている。ロータリエンコーダは、モータ140の回転軸の回転角度を示すエンコーダ信号203をモータ制御部141に送信する。モータ制御部141は、受信したエンコーダ信号203に基づいて、スクリーン70の回転角度を示す回転角度情報904を生成し、情報処理部110に送信する。
情報処理部110は、受信した回転角度情報904に基づいて、スクリーン70の回転角度に応じた画像情報903を生成し、プロジェクタ1に送信する。画像情報903は、2次元画像を示す情報である。
プロジェクタ1は、回転されるスクリーン70に画像光Lを照射する。プロジェクタ1は、情報処理部110から出力された画像情報903に基づく画像光Lをスクリーン70に照射できる。換言すると、プロジェクタ1は、回転されるスクリーン70の位置に基づき生成された画像光Lを照射することができる。
表示装置100は、高速に回転されるスクリーン70に照射された画像光Lのうち、スクリーン70により反射された光で、残像効果を利用して、カラーの3次元像をユーザに視認させることができる。
なお、被照射部材としては、スクリーン70に限らず、残像効果を利用して像を表示するものであれば、スクリーンを振動させるものでもよい。
なお、各実施形態における光学要素とは、実質的に光学的なパワー(屈折力)があればいずれの形態でもよい。例えば、シリンドリカルレンズやアナモフィックレンズ、フレネルレンズや回折レンズなども本発明の範囲に適用できるのはいうまでもない。また、シンプルな構成で均一化をすることが可能となるため、光学素子による効率低下や、コスト、光学系の大型化等を防ぐことが可能となる。
このように、本発明は、本実施形態で説明した内容に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することができる。
特に、実施の形態で例示した各部の具体的形状および数値は、本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例にすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。