以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
<画像形成装置の説明>
図1は、本実施例に係る画像形成装置の構成概略を示す断面図である。本発明が適用可能な画像形成装置としては、レーザプリンタ、LEDプリンタ、デジタル複写機等の電子
写真方式のプリンタや複写機が挙げられる。本実施例では、本発明をカラーレーザプリンタに適用した場合について説明する。本実施例に係る画像形成装置は、複数色のトナー像(現像剤像)を重ね合わせることで多色トナー像を形成し、これを記録材に転写して定着させることにより、記録材にカラー画像を形成する。
本実施例に係る画像形成装置の画像形成部は、多色トナー像を構成する互いに色の異なる単色トナー像の色ごとに、画像処理部が変換した露光時間に基づいて点灯させる露光光により静電潜像を形成し、この静電潜像を現像して単色トナー像を形成する。そして、互いに色の異なる複数の単色トナー像を互いに重ね合わせて多色トナー像を形成し、この多色トナー像を記録材へ転写する。画像形成装置の定着部は、その記録材上の多色トナー像を定着させる。
本実施例における画像形成部は、互いに色の異なる複数の単色トナー像を形成する画像形成ステーション(以下、ステーション)として、4つのステーションを有する。各ステーションは、第1の像担持体としての感光ドラム22、一次帯電手段としての注入帯電器23、露光手段としてのスキャナ部24、トナー容器としてのトナーカートリッジ25、現像手段26、一次転写ローラ27等を有する。本実施例では、多色トナー像の構成色としてイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの色のトナーを用いて、先ずは各色の単色トナー像を形成する。各ステーションは、トナーの色の違いを除いて、互いに同じ構成を有している。図1では、各ステーションの対応色を区別するため、各ステーションの構成部材に付す符合にY、M、C、Kの添え字を付して示しているが、以下の説明においては、色の区別が特に必要のない場合には、上記添え字を省略して説明する場合がある。
上記ステーションは、中間転写ベルト28に対してインラインに並べて配置されている。また、コピー用紙等の記録材11を供給、搬送する構成として、給紙トレイ12、給紙ローラ13、レジストローラ対14、レジセンサ15、二次転写ローラ29、排紙ローラ61等が配置されている。また、定着部として加熱装置(像加熱装置)40が配置されている。これらの動作制御は、制御部108で行う。
感光ドラム22は、アルミシリンダの外周に有機光導伝層を塗布して構成し、不図示の駆動モータの駆動力が伝達されて回転するもので、駆動モータは感光ドラム22を画像形成動作に応じて時計周り方向に回転させる。感光ドラム22の外径は24mmである。一次帯電手段として、ステーション毎にイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の感光ドラムを帯電させるための4個の注入帯電器23Y、23M、23C、23Kを備える。各注入帯電器23Y、23M、23C、23Kにはスリーブ23YS、23MS、23CS、23KSが備えられている。
感光ドラム22への露光光はスキャナ部24から送られ、感光ドラム22の表面を選択的に露光することにより、静電潜像が形成されるように構成されている。現像手段として、静電潜像を可視化するために、ステーション毎にイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の現像を行う4個の現像手段26Y、26M、26C、26Kを備える。各現像手段26Y、26M、26C、26Kには、スリーブ26YS、26MS、26CS、26KSが設けられている。また、不図示の電源から、スリーブ26YS、26MS、26CS、26KSと、それに対応する感光ドラム22Y、22M、22C、22K間には、現像電圧が印加される。画像形成時において、感光ドラム22は、時計回りに回転し、現像手段26により、感光ドラム22上に形成された静電潜像に各色のトナー像が現像される。
第2の像担持体であり中間転写体としての中間転写ベルト28は、第1の転写部材であ
る一次転写ローラ27の押圧力により感光ドラム22に接触し、第1の転写ニップ部である一次転写部を形成している。また、不図示の電源から、一次転写ローラ27と、それに対応する感光ドラム22との間には一次転写電圧が印加されている。中間転写ベルト28は、無端状に構成された内周長790mmの環状のベルトとした。またポリイミドを主原料とし、厚み65μmとした。画像形成時において、中間転写ベルト28と一次転写ローラ27は、感光ドラム22に対して従動回転し、感光ドラム22上(第1の像担持体上)のトナー像を中間転写ベルト28上へ一次転写する。
給紙トレイ12に収容された記録材11は、給紙ローラ13により搬送されレジストローラ対14に到達し、レジセンサ15によって検出される。画像形成時には、レジセンサ15により検出されたタイミングから、記録材11を中間転写ベルト28上の多色トナー像が二次転写ローラ29に到達するタイミングに合わせて搬送させる。ここで、記録材11は、レジストローラ対14から二次転写ローラ29に到達する。
中間転写ベルト28は、支持ローラ33(33a、33b、33c)により張架されており、支持ローラ33aで張架される部分において、対向部材(第2の転写部材)である二次転写ローラ29と接触し、第2の転写ニップ部である二次転写ニップ部を形成する。二次転写工程では、この二次転写ニップ部において記録材11が狭持搬送され、記録材11に中間転写ベルト28上(第2の像担持体上)の多色トナー像を転写される。ここで、支持ローラ33aは、鉄パイプ(Φ18、厚み1.5mm)により構成した。二次転写ローラ29は、芯金(Φ8)上に、厚み4mmのNBRヒドリンゴムによる弾性層を有する断面構成を有するローラであり、弾性層の面長(軸方向)は220mmである。不図示の当接機構により、二次転写ローラ29は中間転写ベルト28に対して当接し、その時の当接圧は30Nである。ここで、記録材11を搬送していない時の二次転写ローラ29と中間転写ベルト28の接触幅は2.0mmであり、記録材11を搬送している時の中間転写ベルト28と記録材11の接触幅は5.0mmである。二次転写ローラ29と中間転写ベルト28間には、不図示の電源から、二次転写電圧が印加される。
ここで、ベルトサーミスタ30は、中間転写ベルト28の温度を検出するための転写部温度検出手段ある。制御部108は、像担持体又は転写部材の温度を取得する取得部を有しており、ベルトサーミスタ30は、取得部が像担持体としての中間転写ベルト18の温度を取得する際に用いられる温度検知部材の一例である。温度検知部材の具体構成はここで説明する構成に限定されない。搬送ガイド32は、二次転写部から加熱装置40へ記録材11を搬送するためのガイド部材である。
定着工程としての加熱装置40は、記録材11上のトナー像を挟持搬送することで加熱溶融して定着する手段であり、加熱装置40で定着処理された記録材11は、両面フラッパ31まで到達する。本実施例に係る画像形成装置は、片面画像形成動作としての片面印字動作と、両面画像形成動作である両面印字動作と、を実行可能な両面プリント機構を有している。そして、両面フラッパ31は、印字動作に応じて記録材11の搬送方向を切り替えるための可動式のガイド部材である。両面フラッパ31は、制御部108による電磁ソレノイド(不図示)の動作により、ポジションa及びポジションbを切り替えることができる。
記録材11が、片面のみに画像が形成される記録材(第1の記録材)の場合、両面フラッパ31はポジションaにされる。両面フラッパ31がポジションaの場合、記録材11は、排紙ローラ61により画像形成装置外の排紙トレイ62上に排出されて画像形成動作を終了する。記録材11が、両面に画像が形成される記録材(第2の記録材)の場合、両面フラッパ31はポジションbにされる。両面フラッパ31がポジションbの場合、記録材11は、自動両面印刷において、一方の面にのみ現像剤像が転写された状態で1度目の
加熱定着が行われた後、その搬送方向を反転させるために、スイッチバックローラ63へ搬送される。スイッチバックローラ63は、記録材11の後端が両面フラッパ31を通過するまでは正回転(図1における時計回り)で回転し、通過後、逆回転(図1における反時計回り)する。このスイッチバックローラ63の逆回転と同時に両面フラッパ31がポジションaに切り替わることで、記録材11が両面搬送路内の両面ローラ64、及び65の方向に搬送される。両面ローラ64、及び65から両面再給紙ローラ66に搬送し、再度レジストローラ対14に到達する。ここで、他方の面である未印字の記録材面を同様に前述した二次転写工程、定着工程(2度目の加熱定着)を経ることで画像形成を行い、両面フラッパ31をポジションaとして、排紙トレイ62上へ排出して画像形成動作を終了する。後述の説明では、両面印刷において最初に印字した面を1面目、スイッチバックにより反転して2度目に印字した面を2面目とする。
<加熱装置の構成の説明>
図2(a)を用いて、加熱装置40について説明する。加熱装置40は、定着部材としての筒状の定着フィルム41と、定着フィルム41の内部空間に設けられ、内面に接触する加熱部材としてのヒータ42と、を備える。ヒータ42は、保持部材43に保持されており、保持部材43は、定着フィルム41の回転を案内するガイド機能も有する。ステー44は、保持部材43に不図示の加圧バネの圧力を加圧部材としての加圧ローラ45方向に加え、記録材11上のトナーを加熱定着する定着ニップ部Nを形成するための部材であり、高剛性の金属が用いられる。加圧ローラ45の外周面と定着フィルム41の外周面との間に形成される定着ニップ部Nに挟持された記録材11は、ヒータ42の熱を利用してトナー像が定着させる。これらヒータ42、保持部材43、ステー44は、ヒータユニット46を構成する。なお、定着フィルム41とヒータ42との間には、伝熱部材等の他の部材を介在させてもよい。
ここで、加圧バネの総圧は250Nであり、定着ニップ部Nの記録材搬送方向の幅は9.0mmに設定した。加圧ローラ45の端部には駆動ギア(不図示)が取り付けられており、加圧ローラ45は、モータ(不図示)から動力を受けて時計回りに回転する。加圧ローラ45が回転することによって定着フィルム41は反時計回りに従動回転し、トナー像を担持する記録材11は、ニップ部Nにおいて、矢印方向に挟持搬送されながら加熱され定着処理される。
ここで、定着フィルム41は、外径24mmであり、厚み60μmのポリイミド樹脂による基層と、その外側に300μmの熱伝導ゴム層からなる弾性層と、最外層に20μmのPFAチューブからなる離型層と、を有する構成とした。また、加圧ローラ45は、外径25mmであり、外径17mmの鉄芯金と、厚み4mmのシリコーンゴムからなる弾性層と、最外層に40μmのPFAチューブとからなる離型層を有する構成とした。定着サーミスタThは、定着フィルム41の表面温度を非接触で検出するための温度検出手段であり、定着フィルム41の記録材搬送方向に対する直交方向の中央部に設置した。定着サーミスタThは、定着部の温度を検知する温度検知部の一例であり、温度検知部の具体構成はここで説明する構成に限定されない。通常使用においては、加圧ローラ45の回転開始と共にヒータ42への電力投入を開始することで、ヒータ42の温度上昇とともに定着フィルム41の内面温度も上昇していく。
ヒータ42への点灯は、定着処理中の目標温度を制御する定着目標温度制御手段、且つ電力制御手段としての制御部108によりコントロールされる。すなわち、定着フィルム41の表面温度が所定の温度となるように、制御目標温度として定着サーミスタThの検出温度の目標値(定着目標温度)を定め、定着サーミスタThにより検知される検知温度が当該目標値となるように、投入電力が制御される。
図3(a)、(b)の模式図を用いて、ヒータ42の構成を説明する。図3(a)は、ヒータ42の断面図であり、ヒータ42の基板(基材)401は、記録材11の搬送方向と直交する方向が長尺(長手方向)となるように配置されるセラミック基板である板厚0.6mmの窒化アルミ基板で構成する。基板401の長手幅は260mmであり、短手幅(通紙方向)は9mmである。定着フィルム41と接触するヒータ42の表面側には、厚み15μmの摺動ガラス層404を有し、摺動ガラス層404は不図示のフッ素グリスを介在して定着フィルム41に接触し、良好な摺動性を発揮する。また、ヒータ42の裏面側には、厚み10μmの抵抗発熱層402、及び厚み50μmの保護ガラス403を有する。抵抗発熱層402は、銀パラジウム(Ag/Pd)合金を含んだ導電ペーストを窒化アルミ基板401上にスクリーン印刷により塗工、及び焼成したものである。
図3(b)は、ヒータ裏面側から見たときのヒータの平面構成を示す模式図であり、通電により発熱する抵抗発熱体である抵抗発熱層402は、基板401の長手方向に沿って帯状に形成した。保護ガラス403(点線)は、抵抗発熱層402、及び導体部406を覆うことにより、絶縁性を確保している。また、ヒータ42は、電極部405a、405bの間に外部電源から通電することにより、抵抗発熱層402が発熱する。ここで、抵抗発熱層402により加熱する長手方向の加熱領域Aは220mmである。本実施例では外部電源の電源電圧は120Vであり、ヒータ42の抵抗を10Ωに設定した。尚、後述する定着消費電力を測定する為、電極部405a、405bに給電する不図示のケーブルには横河メータ&インスツルメンツ社製の電力計WT310を中継して接続する。
加熱装置は、片面印字時には、片面のみに画像が形成される第1の記録材を加熱する片面定着動作を行い、両面印字時には、両面に画像が形成される第2の記録材を加熱する両面定着動作を行うことになる。両面定着動作では、両面印字される記録材に対して、一方の面にのみ現像剤像が転写された状態で1度目の加熱を行い、その後、他方の面にも現像剤像が転写された状態で2度目の加熱を行う。なお、複数の記録材に対して連続的に両面印字する際においては、先行の記録材の上記2度目の加熱を、後続の記録材の上記1度目の加熱を行った後に行う連続両面定着動作を実行することもできる。
図25は、本実施例に係る画像形成装置の制御構成を模式的に示すブロック図である。
[制御ブロックの構成]
図25は、本実施例における制御ブロック図である。ビデオコントローラ120は、ホストコンピュータ等の外部装置501から送信される画像情報及びプリント指示を受信して処理するものである。ビデオコントローラ120は、外部装置501から送信される画像情報及びプリント指示を受信すると、紙サイズ情報、プリント枚数情報など、画像形成装置がプリント動作を行うために必要な情報を作成し、制御部108に送信する。制御部108は、その情報を元に、温調制御部505、トナー像制御部503などを動作させ、プリントを行う。
画像形成制御部502は、ビデオコントローラ120からの指示に応じて、画像形成動作が指示される前の準備動作指示による準備動作1や、画像形成動作が指示された後の印刷モードに応じた準備動作2、画像形成動作を制御する。準備動作では、加熱装置40とスキャナ部24の駆動を開始する。準備動作2では、準備動作1で実施していない画像形成動作に必要な準備動作を行う。具体的には、準備動作2において、感光ドラム22、一次転写ローラ27、現像手段26、中間転写ベルト28、二次転写ローラ29の駆動を開始する。印刷モードとは、記録材の種類に応じた画像形成条件のことであり、その中には搬送速度や転写条件、定着の目標温度などが含まれる。
トナー像制御部503は、画像形成制御部502の画像形成指示により、画像形成部及び定着部の各種構成の駆動を制御してトナー像を形成する。制御対象としては、例えば、
スキャナ部24のレーザ241、スキャナモータ242、ドラムモータ222、一次転写ローラ27の転写バイアス、現像モータ232、中間転写モータ282、二次転写ローラ29の転写バイアスなどが含まれる。温調制御部505は、画像形成制御部502の準備動作指示や画像形成指示により、発熱体制御部507で制御するヒータ42の制御目標温度を決定する。発熱体制御部507は、外部の交流電源から供給される電力をヒータ42に供給するための電源回路を含み、温調制御部505の指示に従い、ヒータ42に投入する電力を制御する。転写部温度取得部506は、ベルトサーミスタ30を用いて中間転写ベルト28の温度を取得する、あるいは、画像形成装置の稼働状況等の情報から転写部温度予測部508が予測する中間転写ベルト28の予測温度を取得する。記憶部509には、制御に必要な各種情報が格納されており、特に、後述する加熱装置40の温調制御に関わる各種情報が格納される。
<定着目標温度の設定方法>
次に、本実施例の特徴である、定着目標温度の設定方法について説明する。図4は、本実施例におけるフローチャートである。印刷ジョブ(501)が開始されると、まず、基準目標温度としての定着基準温度Taを決定する(502)。本実施例において定着温度Taは紙坪量から決定するパラメータであり、ユーザは使用する記録材11の紙坪量をオペレーションパネル(不図示)に入力し、制御部108は紙坪量に応じた定着基準温度Taを表1に基づいてセットする。
表1.紙坪量と定着基準温度Taの関係
本実施例では、紙坪量を基に定着基準温度を決定しているが、例えば、紙のサイズや平滑性、或いはプリント画像ごとのトナーの載り量に応じて定着基準温度を決定してもよい。
次に、ベルトサーミスタ30による中間転写ベルト28の温度を測定し(503)、中間転写ベルト28の温度に応じた定着目標温度調整量Dを求める(504)。定着目標温度調整量Dは、図5(a)に示すように予め中間転写ベルト28の温度に応じて設定したパラメータであり、中間転写ベルト28の温度が高くなるほど定着目標温度調整量Dが大きくなる関係にある。最終的に、定着目標温度Ttgtは式(1)により算出し、決定する(505)。
Ttgt=Ta-D (1)
502~505を最後の記録材11を印字するまで繰り返し、印刷ジョブを終了する(506)。
ここで、本実施例の中間転写ベルト28の温度に基づいた加熱装置の定着目標温度制御を行った場合の効果を確認するため、以下の比較実験を行い、従来技術と比較した。比較実験の条件は、記録材搬送速度:300mm/sec、印刷速度(スループット):60ppm、記録材:Canon Oce社製RedLabelであり紙坪量80g/m2のA4紙である。表1からRedLabelの定着基準温度Taは180℃である。
図6は、比較実験のための画像パターンを示す模式図であり、低印字ハーフトーン画像(Bk:5%)に加えてパターンBの高印字画像(Y:100%、M:100%)を印字
した。画像作成はAdobe社製Photoshop CS4のYMCKカラーモードを用いて行った。
また、比較実験はエアコンなどの空調により一定の温湿度条件に管理した環境で行うことが望ましく、本実施例では温度:23℃、相対湿度:50%の環境下で比較実験を実施した。また、画像形成装置本体を23℃になるまで放置して冷却した後、片面印刷1枚行う毎に10秒休止する間欠印刷を20枚繰り返し実施した。この片面間欠印刷は、加熱装置を暖機するために実施しており、加熱装置の構成部材として熱容量の大きな加圧ローラや定着フィルム内の内蔵物、及び加熱装置内の雰囲気を暖機する目的で実施している。加熱装置を暖機する一方で、加熱装置以外の中間転写ベルトや感光ドラムなどの機内部品は極力冷えた条件で比較実験を行う。こうすることで、比較実験中における加熱装置の暖機状態の変動による影響を排除し、中間転写ベルトや感光ドラムなどの機内部品の昇温による影響と、それに対応する本実施例の効果を明確に把握することが出来る。
図7(a)は、本実施例の制御を用いた両面連続通紙試験による結果であり、両面で連続500枚通紙(1面目・2面目合わせて1000イメージ)を行った場合の、定着目標温度と中間転写ベルト28の温度推移を示す。図8は、この実験における両面連続印刷時の通紙順と、通紙間隔を説明するための表であり、画像形成装置本体の搬送路内にA4の記録材2枚を待機させた状態で、両面の表面裏面を交互に印刷する通紙方法(2枚待機両面による表裏交互通紙)で行った。また、交互通紙時の記録材搬送方向における記録材同士の間隔は12mmである。
図7(a)に示すように、両面連続通紙開始と同時に中間転写ベルト28が昇温し、中間転写ベルト28の昇温と共に定着目標温度を下げていることが分かる。具体的には両面連続印刷の前後で、中間転写ベルト28は室温(23℃)から43℃まで昇温し、その間に定着目標温度は180℃から170℃まで下げている。これは、前述したように、中間転写ベルト28の暖機状態に応じて定着目標温度調整量Dを大きく設定しているためである。このようにすることで、中間転写ベルト28が昇温した分、定着目標温度を下げることができるので、過定着や定着不良の無い、良好な定着性を維持することが可能となっている。ここで、両面印刷時の中間転写ベルトの昇温は、2面目の画像形成のため、一度加熱装置により暖機された記録材11が再度二次転写工程を通過することによる影響が主原因である。その他に加熱装置からの放熱や、現像手段や1次・2次転写手段などの回転部における摩擦熱による要因も原因として挙げることが出来る。
表2.画像形成装置内の記録材温度
表2は、本実施例の制御を用いた両面連続通紙試験での、490枚通紙時点での通紙画像形成装置内の記録材11の温度を示している。記録材温度は、1面目画像形成における二次転写工程通過直後(B)は室温23℃から30℃に昇温し、定着ニップ部N通過直後(C)は加熱装置40により100℃まで加熱される。さらに、スイッチバックローラ63付近(D)では78℃、両面ローラ65付近(E)では55℃まで下がり、記録材11
は二次転写工程に到達する。さらに、記録材温度は2面目画像形成における二次転写工程通過直後(B)は50℃となり、定着ニップ部N通過直後(C)では加熱装置40により110℃まで加熱され、排紙ローラ61付近(F)で85℃となり、排紙トレイ62上に排出する。記録材温度A~Fは、実験のため記録材搬送路に熱電対を配置して、画像形成動作中の記録材温度を計測したものである。
表2から分かるように、記録材11が2面目の画像形成のため再度二次転写工程を通過するときには約50℃となっており、この暖められた記録材11が主原因となって中間転写ベルト28の温度は室温(23℃)から徐々に上昇する。また、温度が上昇した中間転写ベルト28は、1面目の記録材11を二次転写工程によって暖めることで、加熱装置40が記録材11に加える熱量を抑えることが可能となり、定着目標温度を下げることが出来る。その一方で、定着目標温度を下げないと、記録材11がさらに暖められるため、中間転写ベルト28の昇温を含めた機内昇温を更に悪化させることになる。両面印刷時における中間転写ベルトを含めた機内昇温は、画像形成装置本体の記録材搬送速度や印刷速度(スループット)が速いほど、多くの記録材11が装置内を循環するため悪化しやすい。また、画像形成装置本体が小型化するほど、中間転写ベルト28を始めとした部材の熱容量が小さくなり、装置内の温度も上がりやすくなるため、機内昇温が悪化しやすい。
図7(b)は、本実施例の制御を用いた両面間欠通紙試験による結果である。すなわち、2枚待機の両面印刷を、連続160枚ずつ(1面目・2面目合わせて320イメージ)を、休止を挟んで4セット行った実験での、定着目標温度と中間転写ベルト28の温度推移を示す。休止時間は1セット目と2セット目の間が10秒、2セット目と3セット目の間が10秒、3セット目と4セット目の間が15分とした。4セット目を開始する前に、片面印刷1枚行う毎に10秒休止する間欠印刷を5枚繰り返し実施し、加熱装置40を再び暖機した。1セット目~4セット目の間で断続的に中間転写ベルト28の温度が昇温し、4セット目の終了時点で40℃まで昇温した。その間に定着目標温度は初期180℃から171℃まで下げている。なお、本実施例の制御を用いた実験において、両面連続通紙試験、両面間欠通紙試験の双方とも定着不良の発生は無かった。
図9(a)は、比較例1の制御を用いて両面連続通紙試験を行った時の、定着目標温度と中間転写ベルト28の温度推移を示す。ここでは、定着目標温度を通紙開始初期から一定とした定着目標温度制御とした。図9(a)に示すように、定着目標温度を一定とすると、中間転写ベルト28が48℃まで昇温しており、本実施例よりも大きく昇温していることが分かる。これは、定着目標温度を一定にすると、中間転写ベルト28が昇温した際に両面1面目の記録材11が過剰に熱量を加えられる状態(過定着状態)になり、その記録材11が装置内を循環するため中間転写ベルト28の温度も過剰に昇温してしまった結果である。
図9(b)は、比較例1の制御(定着目標温度一定)を用いた両面間欠通紙試験を行った時の、定着目標温度と中間転写ベルト28の温度推移を示す。1セット目~4セット目の間で断続的に中間転写ベルト28の温度が昇温し、4セット目の終了時点で45℃まで昇温した。なお、定着目標温度一定制御を用いた比較例1の実験において、両面連続通紙試験、両面間欠通紙試験の双方とも定着不良の発生は無かったものの、両面連続通紙試験や両面間欠通紙試験の通紙後半では、過定着による画像不良(ホットオフセット)が発生した。定着目標温度一定制御において両面連続通紙の通紙後半でのホットオフセットを対策するには、定着目標温度を一律に下げる方法があるが、その場合には連続通紙開始初期(1~10枚目)において定着不良が発生する可能性がある。
図10(a)は、比較例2の制御を用いた両面連続通紙試験を行った時の、定着目標温度と中間転写ベルト28の温度推移を示す。ここでは、定着目標温度を通紙開始時を基準
として両面50枚(1面目・2面目合わせて100イメージ)毎に目標温度を段階的に1℃ずつ下げる定着目標温度制御(枚数制御A)について説明する。温度ダウン量は最大で15℃とする。この定着目標温度制御(枚数制御A)では、一旦通紙を停止した場合、次の通紙開始時は枚数制御による温度ダウン分をリセットし、初期値(今回の場合は180℃)に戻している。図10(a)に示すように、定着目標温度を枚数制御にすると、両面連続通紙試験では、定着目標温度を段階的に180℃から170℃まで下げることが可能となる。その結果、中間転写ベルト28の試験後の温度45℃であり本実施例よりは高いものの、定着目標温度一定制御に比べて低く抑えることが出来ている。
図10(b)は、比較例2の制御(枚数制御A)を用いた両面間欠通紙試験を行った時の、定着目標温度と中間転写ベルト28の温度推移を示す。1セット目~4セット目の間で断続的に中間転写ベルト28の温度が昇温し、4セット目の終了時点で42℃まで昇温した。これは、今回の定着目標温度制御は、各セット終了と共に枚数制御による温度ダウン分をリセットするため、両面間欠通紙試験において定着目標温度が180℃から177℃までしか下がらないためである。その結果、4セット目など画像形成装置及び中間転写ベルト28が昇温している状態では、記録材11に対して過定着条件になってしまっている。また、この時に画像不良(ホットオフセット)が発生していた。枚数制御を用いて両面間欠通紙の通紙後半でのホットオフセットを対策するには、定着目標温度を初期から下げる方法があるが、その場合には連続通紙開始初期(1~10枚目)において定着不良が発生する可能性がある。
図11(a)は、比較例3の制御を用いた両面連続通紙試験を行った時の、定着目標温度と中間転写ベルト28の温度推移を示す。ここでは、定着目標温度を通紙開始時を基準として両面50枚(1面目・2面目合わせて100イメージ)毎に目標温度を段階的に1℃ずつ下げる定着目標温度制御(枚数制御B)について説明する。温度ダウン量は最大で15℃とする。図11(a)に示すように、両面連続通紙試験では、比較例2と同様に定着目標温度を段階的に180℃から170℃まで下げることが可能となった。その結果、中間転写ベルト28の試験後の温度45℃であり本実施例よりは高いものの、定着目標温度一定制御に比べて低く抑えることが出来ている。
図11(b)は、比較例3の制御(枚数制御B)を用いた両面間欠通紙試験を行った時の、定着目標温度と中間転写ベルト28の温度推移を示す。1セット目~4セット目の間で断続的に中間転写ベルト28の温度が昇温し、4セット目の終了時点で40℃まで昇温した。この定着目標温度制御(枚数制御B)では、4セット目の通紙開始初期(1~10枚目)において定着不良によるコールドオフセットが発生している。これは、3セット目終了時に定着目標温度を171℃まで下げ、3セット目~4セット目の長い休止時間(15分間)に中間転写ベルト28の温度は44℃から33℃まで下がり、4セット目の通紙を3セット目終了時と同じ定着目標温度(171℃)で行ったためである。
表3は比較実験の結果をまとめた一覧表である。
表3:比較実験の結果一覧
表3において、定着目標温度の推移、中間転写ベルト28の比較実験における昇温後の温度、画像不良の発生有無、比較実験におけるラスト5枚の平均定着消費電力を比較する。定着目標温度の推移、中間転写ベルト28の比較実験における昇温後の温度、画像不良の発生有無の結果については前述のとおりである。定着消費電力については、本実施例では中間転写ベルトの昇温に合わせて定着目標温度を設定しているため、記録材11に過剰に熱量(電力)を加えることないため、低くできている。
以上説明したように、本実施例による中間転写ベルトに応じた定着目標温度設定を行うことにより、機内昇温が伴うような両面連続通紙などの条件において、定着目標温度を適切に設定することが可能となる。その結果、記録材11に対して適切な熱量を加えて定着処理することが可能となり、過定着や定着不良などの画像不良の抑制、中間転写ベルトの昇温の抑制、及び定着消費電力の抑制が可能となる効果を得ることが出来る。中間転写ベルトの温度を基にした定着目標温度の変更に関して、本実施例では両面印刷時のみ変更方法を説明したが両面印刷に限る必要は無い。中間転写ベルトの温度によって記録材を定着するのに必要な最低限の熱量は片面印刷でも変わるため、片面印刷においても中間転写ベルトの温度を基に定着目標温度を変更しても良い。
加熱装置40の構成として、本実施例では、温度検出手段としての定着サーミスタThを、定着フィルム41の表面温度を非接触で測定する位置に配置したが、他の構成としても良い。例えば、図2(b)に示すように、ヒータ42の裏面側に配置し、定着フィルム41の温度を定着目標温度に合わせるように制御しても良い。また、加熱装置40の構成についても、図2(a)に示す構成に限定されず、例えば、図2(c)に示すような構成であってもよい。すなわち、定着部材としての定着ローラ71、加圧部材としての加圧フィルム72、加熱部材としてのハロゲンヒータ73、加圧フィルム72の内面から定着ローラ71に向けて不図示の加圧機構により加圧する保持部材74及びステー75を有する構成である。定着ローラ71の目標温度は、定着サーミスタThにより制御する。すなわち、加熱装置は、画像形成装置のコストやサイズなどの要件に合わせて好適な構成を選択すれば良い。
中間転写ベルト28の温度を、本実施例ではベルトサーミスタ30を用いて実測したが、中間転写ベルト28の温度を直接取得する温度検出手段を設けず、画像形成装置の稼働状況等の情報から中間転写ベルト28の温度を予測して取得する構成としてもよい。例えば、予め印刷時の昇温や待機時の降温などを詳細に把握し、画像形成装置の稼働状況と組み合わせて中間転写ベルト28の予測温度を取得しても良い(転写部温度予測手段)。図
12(a)~(c)は、次の3状態における中間転写ベルトの温度を予め計測したものである。図12(a)は、両面連続印刷時における中間転写ベルトの昇温の様子を示しており、中間転写ベルトは室温(RT):23℃から飽和温度(Tdx):50℃まで昇温する。図12(b)は、片面連続印刷時における中間転写ベルトの昇温の様子を示しており、中間転写ベルトは室温(RT):23℃から飽和温度(Tsx):30℃まで昇温する。図12(c)は、本体停止時における中間転写ベルトの降温の様子を示しており、中間転写ベルトは昇温した状態(50℃)から飽和温度(Twx):23℃(室温)まで降温する。この時、中間転写ベルトの温度は以下の予測式(2)、(3)により予測することが可能である。
Tb(t)=Tb(t-1)+ΔTb (2)
ΔTb=[Tdx-Tb(t-1)]×Kd×Ed
+[Tsx-Tb(t-1)]×Ks×Es
+[Twx-Tb(t-1)]×Kw×Ew (3)
ここで、Tb(t)は時間tにおける中間転写ベルト温度の予測値を示し、時間tは1秒ごとの時間である。式(2)より、Tb(t)は、時間t-1時点での中間転写ベルト温度の予測値Tb(t-1)とΔTbの和により求める。式(3)より、ΔTbは両面連続印刷時の飽和温度(Tdx)、片面連続印刷時の飽和温度(Tdx)、本体停止時の飽和温度(Twx)とTb(t-1)との差分と、定数K(Kd、Ks、Kw)、及び変数E(Ed、Es、Ew)により表すことができる。ここで、変数Eは画像形成装置本体の稼働状況により変動し、両面印刷時はEd=1、Es=0、Ew=0となり、片面印刷時はEd=0、Es=1、Ew=0となり、本体停止時はEd=0、Es=0、Ew=1となる。すなわち、式(3)では、両面印刷時、片面印刷時、及び本体停止時の項に分かれており、どの項が有効になるかは変数Eによって決定する。また各項は、それぞれの飽和温度(Tdx、Tsx、Twx)とTb(t-1)の差分により表現される。例えば、両面印刷が長時間連続すると式(3)におけるTb(t-1)がTdxに近づき、ΔTb≒0となるため、式(2)におけるTb(t)は限りなく両面印刷時の飽和温度Tdxに近づくことになる。これは、片面印刷時、本体停止時も同様に、長時間継続するとそれぞれTsx、Twxに近づく。また、定数K(Kd、Ks、Kw)は、両面印刷、片面印刷、及び本体停止時、それぞれの推測値と実測値が合うように調整するための定数である。
また、式(3)における変数E(Ed、Es、Ew)は、画像形成装置本体の稼働状況を基に図13のフローチャートにより決定する。画像形成装置の電源スイッチ(不図示)がONされると(601)、ベルト温度予測式Tx(t)を待機時の予測式Tw(t)にセットする(602)。印刷ジョブを受信すると(603)、印刷ジョブが両面印刷かどうかを判断し(604)、両面印刷の場合はベルト温度予測式Tx(t)を待機時の予測式Td(t)にセットする(605)。片面印刷の場合はベルト温度予測式Tx(t)を待機時の予測式Ts(t)にセットする(606)。604~606の処理を印刷ジョブが終了するまで繰り返し(607)、印刷ジョブが終了すると、602~607の処理を電源OFFされるまで繰り返すし、(608)、電源がOFFされるとフローが終了する(609)。画像形成装置本体の稼働状態による変数E設定と、式(2)、及び式(3)により、中間転写ベルトの温度を詳細に予測することが可能である。
定着目標温度設定をする上で、必要とする精度に合わせて好適な構成を選択すれば良い。また、本実施例では像担持体としての中間転写ベルトの温度を基にした定着目標温度の設定方法を示したが、像担持体の対向部材としての二次転写ローラの温度を基に定着目標温度を設定しても良い。良好な定着性を得ることのできる定着目標温度を適切に設定する上で、好適な方を選択すれば良い。
(実施例2)
実施例1では、二次転写方式を用いたカラー画像形成装置において、記録材11に接触する像担持体としての中間転写ベルトの温度を基にした、定着目標温度設定方法について説明した。実施例2では、感光ドラムから直接記録材11へ転写する直接転写方式を用いたモノクロ画像形成装置において、記録材11に接触する像担持体としての感光ドラムの温度を基にした、定着目標温度設定方法について説明する。
図14は、本実施例に係るモノクロ画像形成装置の構成概略を示す断面図である。既に実施例1で説明した内容については説明を割愛する。ドラムサーミスタ33は、感光ドラム22の温度を検出するための転写部温度検出手段である。感光ドラム22は、中空のアルミシリンダ(Φ30、厚み1.0mm)の外周に有機光導伝層(厚み60μm)を塗布して構成する。また、転写ローラ34は感光ドラム22に当接する対向部材であり、芯金(Φ6)上に、厚み4mmのNBRヒドリンゴムによる弾性層を有する断面構成であり、弾性層の面長(軸方向)は220mmである。不図示の当接機構により、転写ローラ34は感光ドラム22に対して当接し、その時の当接圧は13Nである。ここで、転写ローラ34と感光ドラム22の接触幅は2.0mmである。
本実施例において、定着目標温度調整量Dは、図5(b)に示すように予め感光ドラム22の温度に応じて予め設定したパラメータであり、感光ドラム22の温度が高くなるほど定着目標温度調整量Dが大きくなる関係にある。本実施例においても、定着目標温度を像担持体である感光ドラムの温度を基にして連動させる。これにより、本実施例においても、実施例1と同様の理由から従来制御としての定着目標温度一定制御や枚数制御と比較して、感光ドラム温度上昇の抑制、消費電力の抑制、及び過定着や定着不良などの画像不良の抑制を図ることが可能となる。感光ドラムの温度を、本実施例ではドラムサーミスタ33を用いて実測したが、例えば、感光ドラムの温度検出手段無しで、予め印刷時の昇温や待機時の放熱などを詳細に把握し、画像形成装置の稼働状況と組み合わせて感光ドラムの温度を予測しても良い。定着目標温度設定をする上で、必要とする精度に合わせて好適な構成を選択すれば良い。
また、本実施例では像担持体としての感光ドラムの温度を基にした定着目標温度の設定方法を示したが、像担持体の対向部材としての転写ローラの温度を基に定着目標温度を設定しても良い。良好な定着性を得ることのできる定着目標温度を適切に設定する上で、好適な方を選択すれば良い。
(実施例3)
続いて、本発明の実施例3について説明する。実施例3の画像形成装置、および加熱装置の基本的な構成および動作は、実施例1のものと同じである。従って、実施例1と同一またはそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。実施例1では、中間転写ベルトや感光ドラムの昇温による影響を明確に把握するために、加熱装置40の暖機状態は固定していた。実施例3では加熱装置40の暖機状態も変化し、その変化に応じて定着目標温度を変更する例である。
実施例3では、表4に示す定着基準温度Taを用いる。表1は間欠印刷20枚後の暖機状態における定着基準温度Taを表していたが、表4は加熱装置40の冷えた状態(室温状態)における定着基準温度Taを表している。
表4.紙坪量と定着基準温度Taの関係(加熱装置40室温状態)
図15のフローチャートを用いて、定着目標温度の設定方法について説明する。印刷ジョブ(701)が開始されると、まず定着基準温度Taを決定する(702)。次に、ベルトサーミスタ30による中間転写ベルト28の温度を測定し(703)、中間転写ベルト28の温度に応じた定着目標温度調整量D1を求める(704)。定着目標温度調整量D1は、図16に示すように予め中間転写ベルト28の温度に応じて設定したパラメータであり、中間転写ベルト28の温度が高くなるほど定着目標温度調整量D1が大きくなる関係にある。なお、中間転写ベルト28の温度に応じた定着目標温度の調整が、第一の温度変更手段であり、定着目標温度調整量D1が第一の温度変更量である。
続いて、加熱装置40の加熱時間(ヒータ42への電力供給時間)に応じた定着目標温度調整量D2を求める(705)。定着目標温度調整量D2について、図17(a)~(c)を用いて説明する。定着目標温度調整量D2は、加熱装置40内の部材の温度が上昇した場合(以後、暖機が進むと表現する)に値が大きくなり、定着目標温度を低く設定する。図17(a)は加熱中かつ加熱装置40内に記録材が存在しない場合の、定着目標温度調整量D2の推移であり、ヒータ42の熱が加圧ローラ45等の部材に伝わり暖機が進むため、加熱装置40の加熱時間の増加とともに定着目標調整温度D2は大きくなる。一方、図17(b)は加熱装置40内を記録材が通過する場合の、定着目標温度調整量D2の推移であり、記録材によって加圧ローラ45等の部材が冷却されるため、定着目標調整温度D2は小さくなる。また、加熱装置40停止時(非加熱時)も放熱により加熱装置40が冷却されるため、図17(c)のように定着目標調整温度D2は小さくなる。なお、加熱装置40の加熱時間に応じた定着目標温度の調整が、第二の温度変更手段であり、定着目標温度調整量D2が第二の温度変更量である。なお、実施例3においては定着目標温度調整量D2の最大値を10℃と設定した。
最終的に、定着目標温度Ttgtは式(4)により算出し、決定する(706)。
Ttgt=Ta-(αD1+βD2) (4)
αとβは係数であり、通紙条件等に応じて任意に設定可能な値である。ただし、α、βともに0以上1以下の値とする。例えば、実施例1のように加熱装置40の暖機状態を固定し、中間転写ベルト28に応じた温度調整のみで定着目標温度Ttgtを決定する場合には、α=1、β=0となり、式(1)と同じ式となる。702~706を最後の記録材11を印字するまで繰り返し、印刷ジョブを終了する(707)。
実施例3の効果を示すために、実施例1と同様の条件で比較実験を行った。ただし、紙坪量80g/m2の記録材を使用した時の定着基準温度Taは、表4より190℃である。また、加熱装置40も含め画像形成装置を室温の23℃になるまで冷却した状態から実験を行った。実施例3に対する比較例として、比較例4および比較例5の条件でも実験を行った。比較例4は、加熱装置40の加熱時間のみで定着目標温度Ttgtを調整する例である。比較例5は、中間転写ベルト28の温度に応じた調整と、加熱装置40の加熱時間に応じた調整を、それぞれ独立に機能させて定着目標温度Ttgtを調整する例である。
図18(a)は実施例3における両面連続通紙試験時の、定着目標温度Ttgtと、定着目標温度調整量D1と、定着目標温度調整量D2を示す。通紙が進むにつれて中間転写
ベルト28の温度が上昇するため、定着目標温度調整量D1は大きくなる。定着目標温度調整量D2は、加熱装置40立ち上げ時に大きくなるが、連続通紙時には加熱装置40内に記録材が存在する時間と比べて、記録材が存在しない時間(紙間時間)が短いため、通紙とともに値が小さくなる。両面連続通紙試験時の係数は、α=0.8、β=0.9とした。連続通紙の最後には、定着目標温度Ttgtを180℃まで下げている。最終的な定着目標温度が実施例1よりも高くなっている理由は、実施例3では加熱装置40の暖機が進んでいないからである。
図18(b)は実施例3における両面間欠通紙試験時の、定着目標温度Ttgtと、定着目標温度調整量D1と、定着目標温度調整量D2を示す。実施例3では2枚待機の両面印刷を、連続160枚ずつ(1面目・2面目合わせて320イメージ)10秒の休止を挟んで3セット行った。連続通紙中および各セット間の休止中には、目標温度調整量D2が下がる。ただし、160枚の連続通紙では目標温度調整量D2はあまり下がらず、また各セットの始めと終わりに記録材が加熱装置40内に存在しない状態での加熱(前回転・後回転)時間があるため、間欠通紙を続けると徐々に定着目標温度調整量D2の値は大きくなる。両面間欠通紙試験時の係数は、α=0.8、β=0.7とした。なお、実施例3の制御を用いた実験において、両面連続通紙試験、両面間欠通紙試験の双方とも画像不良の発生は無かった。また、係数α、βは実施例3の値に限定されず、画像形成動作の動作条件として印刷モードや記録材の種類、画像形成装置を用いる環境(例えば、温度や湿度等の環境情報)等によって変更しても良いし、1つの印刷ジョブの途中で変更しても構わない。
図19(a)は比較例4の制御を用いて両面連続通紙試験を行ったときの、定着目標温度Ttgtと、定着目標温度調整量D2を示す。比較例4は加熱装置40の加熱時間のみに応じて、定着目標温度Ttgtを変更している。つまり、中間転写ベルト28の温度による目標温度の調整は行っていない。図19(a)では通紙が進むほど、図18(a)に示す温度よりも定着目標温度Ttgtが高くなり、通紙終了時には188℃であった(実施例3では180℃)。その結果、通紙後半ではホットオフセットが発生した。実施例1にも記載のとおり、両面連続通紙を続けていくと中間転写ベルト28が暖まり、加熱装置40に突入前の記録材の温度が高くなるため、その分定着目標温度Ttgtを下げないと画像不良が発生する場合がある。図19(b)は比較例4の制御を用いて両面間欠通紙試験を行ったときの、定着目標温度Ttgtと、定着目標温度調整量D2を示す。図19(b)では、間欠通紙3セット目の初期で定着目標温度Ttgtが181℃となり、図18(b)よりも温度が高いものの、画像不良は発生しなかった。
図20(a)は比較例5の制御を用いて両面連続通紙試験を行ったときの、定着目標温度Ttgtと、定着目標温度調整量D1と、定着目標温度調整量D2を示す。比較例5では中間転写ベルト28に応じた定着目標温度調整と、加熱装置40の加熱時間に応じた定着目標温度調整を、それぞれ独立に機能させて定着目標温度Ttgtを変更している。つまり、定着目標温度調整量D1と定着目標温度調整量D2との合計値を用いており、式(4)において係数α=1、β=1として定着目標温度Ttgtを算出している。図20(a)では、通紙終了時の定着目標温度Ttgtは178℃であり、軽微ではあるがコールドオフセットが発生した。
図20(b)は比較例5の制御を用いて両面間欠通紙試験を行ったときの、定着目標温度Ttgtと、定着目標温度調整量D1と、定着目標温度調整量D2を示す。図20(b)では、間欠通紙3セット目の初期の定着目標温度Ttgtは175℃であり、コールドオフセットが発生した。上記のように中間転写ベルト28も加熱装置40も暖機が進んでいる場合には、定着可能な温度以下に定着目標温度を下げてしまい、画像不良が発生する場合があるため、実施例3のように適切な係数を掛けて定着目標温度を変更した方が良い
。
なお、本比較実験においては、比較例5においてコールドオフセットが発生したが、画像形成装置の構成や通紙条件次第では、比較例5の制御方法でも画像不良が発生しない場合もある。よって、画像不良が発生しない場合は、比較例5の方法で定着目標温度Ttgtを決定しても良く、式(4)の係数α、βの値を限定するものではない。
表5は比較実験の結果をまとめた一覧表である。実施例3の効果が顕著に表れた通紙枚数での比較結果をまとめており、両面連続通紙試験においては通紙終了時の結果を記し、両面間欠通紙試験においては3セット目の初期の結果を記した。定着消費電力は5枚通紙時の、平均電力を記す。
表5.実施例3における比較実験の結果
比較実験の結果、画像不良の発生が無かったのは、前述の通り実施例3のみである。また、定着消費電力については、実施例3では過剰に熱量(電力)を加えることがないため、低くできている。
以上説明したように、実施例3では、中間転写ベルト28の温度に応じた定着目標温度調整量D1と、加熱装置40の加熱時間に応じた定着目標温度調整量D2との、双方に応じて定着目標温度Ttgtを変更する。これにより、過定着や定着不良による画像不良の抑制、および定着消費電力の抑制が可能となる。より具体的には、実施例3では、定着目標温度調整量D1と定着目標温度調整量D2にそれぞれ係数を掛け、足し合わせた結果に応じて定着目標温度Ttgtを変更し、上記の効果を得ることができた。実施例3では中間転写ベルト28の温度を、ベルトサーミスタ30を用いて実測したが、実施例1に示すように中間転写ベルト28の温度を予測し、予測温度に応じて定着目標温度調整量D1を決定しても良い。また、実施例2のように、感光ドラムの温度に応じて、定着目標温度調整量D1を決定しても良い。
(実施例4)
続いて、本発明の実施例4について説明する。実施例4の画像形成装置、および加熱装置の基本的な構成および動作は、実施例1および実施例3のものと同じである。従って、実施例1および実施例3と同一またはそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
実施例3では定着目標温度調整量D1と定着目標温度調整量D2に係数α、βを掛け、それらを足し合わせることによって定着目標温度を決定した。実施例4では、定着目標温度調整量D1と定着目標温度調整量D2のうち、温度変更量の大きい方のみを用いて、定着目標温度を決定する例である。係数α、βは通紙条件や記録材の種類によっても変える
べき値であり、すべての条件に最適化するのが難しい場合や、温度制御が煩雑になる場合がある。実施例4では、定着目標温度調整量D1と定着目標温度調整量D2のうち、温度変更量の大きい方のみを用いることで、簡易的な温度制御で画像不良の抑制を行うことができる。
図21は、実施例4における定着目標温度Ttgtを決めるためのフローチャートである。印刷ジョブ(801)が開始されると、まず定着基準温度Taを決定する(802)。定着基準温度Taは実施例3で示した表4の値を用いる。次に、ベルトサーミスタ30による中間転写ベルト28の温度を測定し(803)、中間転写ベルト28の温度に応じた定着目標温度調整量D1を求める(804)。続いて加熱装置40の加熱時間に応じた定着目標温度調整量D2を求める(805)。得られた定着目標温度調整量D1と定着目標温度調整量D2を比較し、D1≧D2の場合、定着目標温度Ttgt=Ta-D1とする(806、807)。D1<D2の場合には、定着目標温度Ttgt=Ta-D2とする(808)。802~708を最後の記録材11を印字するまで繰り返し、印刷ジョブを終了する(809)。
図22は、実施例4の方法で定着目標温度Ttgtを決定したときの、定着目標温度Ttgtと、定着目標温度調整量D1と、定着目標温度調整量D2の推移である。大小関係を比較しやすいように、定着目標温度調整量D1と定着目標温度調整量D2を、同一のグラフ上に記載した。また、比較実験の条件は実施例3と同じとした。図22(a)は両面連続通紙試験時の結果である。通紙開始初期は中間転写ベルト28の温度が低めであり、定着目標温度調整量D1<定着目標温度調整量D2となるため、定着目標温度Ttgt=Ta-D2とした。通紙が進むにつれて、中間転写ベルト28の温度は高くなるが、加熱装置40は徐々に冷えていき、定着目標温度調整量D1≧定着目標温度調整量D2となってからは、定着目標温度Ttgt=Ta-D1とした。図22(b)は両面間欠通紙試験時の結果である。間欠通紙の各セットの初期は、加熱装置40内に記録材が存在しない状態での加熱時間の影響を受けるため、定着目標温度調整量D1<定着目標温度調整量D2となり、定着目標温度Ttgt=Ta-D2とした。各セットの通紙が進むと、両面連続通紙試験のときと同様に、定着目標温度調整量D1≧定着目標温度調整量D2となり、定着目標温度Ttgt=Ta-D1とした。
実施例4の方法で定着目標温度Ttgtを設定した場合には、両面連続通紙試験、両面間欠通紙試験ともに、画像不良は発生しなかった。実施例3における比較例4では、加熱装置40の加熱時間のみに応じて、定着目標温度Ttgtを変更していたため、中間転写ベルト28の温度の影響が大きい場合に、ホットオフセットが発生していた。また、比較例5では、定着目標温度Ttgtを下げすぎてコールドオフセットが発生していた。実施例4では中間転写ベルト28の温度と、加熱装置40の加熱時間の、影響が大きい方を用いて定着目標温度Ttgtを変更することで、過定着および、定着不良による画像不良の発生を抑制できる。
実施例3と実施例4の定着目標温度Ttgtの決定方法を、組み合わせて使用しても良い。例えば、定着目標温度調整量D1と定着目標温度調整量D2が、予め設定した値以下の場合には、実施例4のように中間転写ベルト28の温度と、加熱装置40の加熱時間の、影響が大きい方を用いて定着目標温度Ttgtを変更する。一方、定着目標温度調整量D1と定着目標温度調整量D2がともに、予め設定した値を超えた場合には、実施例3に示す式(4)を用いて、定着目標温度Ttgtを変更する。このように組み合わせた制御としても良い。
(実施例5)
続いて、本発明の実施例5について説明する。実施例5の画像形成装置、および加熱装
置の基本的な構成および動作は、実施例1のものと同じである。従って、実施例1と同一またはそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。実施例1~実施例4では、中間転写ベルトまたは感光ドラムの温度を実測、または予測し、その温度に応じて、定着目標温度を変更した。実施例5では、正確に中間転写ベルトまたは感光ドラムの温度を把握できない場合でも、両面印刷の実行時間に応じて定着目標温度を変更する例である。つまり、両面印刷の実行時間(両面定着動作の動作時間)に応じた定着目標温度の調整が、実施例5における第一の温度変更手段であり、定着目標温度調整量D1xが実施例5における第一の温度変更量であり、本発明における第三の温度変更量である。
図23を用いて、両面印刷の実行時間に応じた定着目標温度調整量D1x(実施例5における第一の温度変更量)について説明する。図23(a)に示すように、定着目標温度調整量D1xは両面印刷を多く実行するほど大きい値となり、定着目標温度Ttgtを低く設定する。その理由は、実施例1で説明した中間転写ベルト28が昇温した場合と同じである。すなわち、一度加熱装置40により暖められた記録材11によって、画像形成装置内の部材(例えば中間転写ベルト28)の温度が高くなり、加熱装置40へ突入前の記録材11の温度も高くなるからである。なお、実施例5における定着目標温度調整量D1xの飽和温度は、15℃とした。
図23(b)は記録材11の片面のみに画像形成を行う、片面印刷時の定着目標温度調整量D1xの推移を表す。また、図23(c)は画像形成装置停止時の、定着目標温度調整量D1xの推移を表す。どちらも両面印刷を実行していないので、時間とともに定着目標温度調整量D1xが小さくなる。ただし、片面印刷の場合には、定着目標温度調整量D1xが0℃までは下がらない点が、画像形成装置停止時とは異なる。実施例1における図12(b)に示したように、片面印刷時にも、加熱装置40の輻射熱などによって、画像形成装置内の部材が暖められるからである。また、厳密には両面印刷時の一面目通紙時は片面印刷時同様に、画像形成装置内の部材を暖めず、むしろ冷やすことがある。しかしながら、一面目通紙による冷却と比べて、二面目通紙による昇温の影響の方が大きいため、図23(a)のように両面印刷実行時間に対して、定着目標温度調整量D1xは単調増加であるとした。
実施例5では上記で説明した定着目標温度調整量D1xと、実施例3で説明した加熱装置40の加熱時間に応じた定着目標温度調整量D2を比較し、値の大きい方を用いて定着目標温度Ttgtを変更する。つまり、実施例4と同様に、D1x≧D2のとき、Ttgt=Ta-D1xであり、D1x<D2のとき、Ttgt=Ta-D2である。
図24は、実施例5の方法で定着目標温度Ttgtを決定したときの、定着目標温度Ttgtと、定着目標温度調整量D1xと、定着目標温度調整量D2の推移である。実験の条件は実施例4と同様である。両面連続通紙試験図24(a)、両面間欠通紙試験図24(b)ともに、実施例4における図23の定着目標温度Ttgtと大差ない推移をしており、画像不良の発生もなかった。
以上のように、中間転写ベルト28の温度を測定または予測しなくても、両面印刷の実行時間に応じて定着目標温度を変更することで、過定着および定着不良による画像不良の発生を抑制することができる。また、実施例3のように定着目標温度調整量D1xと、定着目標温度調整量D2にそれぞれ係数を掛け、足し合わせた結果に応じて定着目標温度Ttgtを変更しても良い。特に、画像形成装置本体や加熱装置40の暖機が進んでいる場合には、定着目標温度調整量D1xと、定着目標温度調整量D2の足し合わせを用いると、効果的に画像不良を抑制できる。
(実施例6)
実施例6では、モノクロプリンタにおいて、感光体としての感光ドラム22が交換可能な画像形成装置における定着目標温度設定の一例を示す。図26は、感光ドラム22が交換可能なモノクロプリンタの断面図である。本実施例では、感光ドラム22、帯電器23、現像手段26、トナー容器25、クリーナ21はCRG(カートリッジ)20としてユニット化されており、CRG20はプリンタ1の本体に対して交換可能になっている。また、CRG20がプリンタ1の本体内に設置されると、プリンタ1の本体内の接点コネクタ35は、CRG20に配置されたメモリチップ36に電気的に接続し、通信可能となる。このメモリチップ36内の情報を制御部108に読み込むことにより、画質やCRG20のメンテナンスをより一層向上させている。CRG20以外の画像形成装置、および加熱装置の基本的な構成および動作は、実施例2のものと同じである。
(目標温度の設定方法)
次に、定着処理時の目標温度の設定方法について説明する。図27は、プリントジョブを処理する時の制御を示すフローチャートである。
まず、定着処理時の基準温度Taを決定する(901)。次に、感光ドラム22の交換の有無、即ちCRG20の交換の有無を検知する(902)。制御部108は、CRG20に取り付けられたメモリチップ36にアクセスし、シリアルナンバーなどの情報を読み出し、制御部108に記憶された情報と比較することでCRG20が交換されたかを検知する。制御部108に記憶された情報とメモリチップ36から新たに取り出した情報が一致する場合、即ち、プリンタ1に新たに装着されたCRG20が、新たに装着する前のCRG20と同一である場合、制御部108に保存された前回ジョブ終了時の両面カウントCdを読み出す(903)。一方、新たに装着されたCRG20が、新たに装着する前のCRG20と異なる場合、即ち、CRG20が交換された場合、両面カウントCdに0をセットする(904)。ここで、両面カウントCdとは、両面プリントを一枚処理する毎に加算される数値であり、感光ドラム22の昇温具合を表す暖機指数である。両面カウントCdは最小値が0で最大値が750の範囲で設定される。
また、前回のジョブ終了時からの経過時間を測定し(905)、経過時間に基づいて表6に示す事前に定められた両面カウントの減算量Ceを決定(906)する。両面カウント減算量Ceは、前回ジョブの終了からの時間経過に伴い低下する感光ドラム22の温度を両面カウントCdに反映させるための数値である。本実施例では前回ジョブから120分経過するといかなる両面カウントCdでもゼロになるように設定されている。
ジョブ開始時の両面カウントCdは、読み出した前回ジョブ終了時の両面カウントCdから両面カウント減算量Ceを減算することで決定する(907)。
次に、ジョブが片面プリントの場合、両面カウントCdに0(908)、両面プリントの場合、両面カウントCdに1を加算する(909)。決定した両面カウントCdに基づ
いて、表7に示す目標温度の調整量Dを決定する(910)。
目標温度の調整量Dは、表7に示すように、予め両面カウントCdに応じて設定したパラメータであり、両面プリントの処理枚数が進むほど目標温度の調整量Dが大きくなる関係にある。また、本実施例では、両面カウント減算量Ceや、両面プリントの枚数に対する目標温度の調整量Dを離散的な設定としたが、連続的な設定でもよく、設定に関して限定するものではない。最終的に、定着処理時の目標温度Ttgtは式(5)に基づき算出し、決定する(911)。
Ttgt=Ta-D (5)
ステップ908~911を最後の記録材11をプリントするまで繰り返し、プリントジョブが終了する時に両面カウントCdを制御部108に記録して(912)、終了する(913)。
次に、CRG20の交換検知と両面カウントCdに基づいて加熱装置(定着器)40の目標温度の設定を行う本実施例と、比較例と、の効果の差異を説明する。実験したプリンタの設定は、記録材の搬送速度が300mm/sec、プリント速度(スループット)が60ppmである。使用した記録材はCanon/Oce社製RedLabelのA4サイズ紙であり、紙の坪量は80g/m2である。RedLabelの基準温度Taは180℃である。また、実験は、エアコンなどの空調によって一定の温湿度条件に管理した環境で行うことが望ましく、温度23℃、相対湿度50%の環境下で実験を実施した。また、プリンタ1の内部の温度が室温と同じ23℃になった状態から実験をスタートしている。
本実験のプリント条件としては、500枚両面プリントを行い、次にCRGアクセス用ドア(CRG20を取り出すためのプリンタ1のドア)を一度開閉し、両面プリントを10枚行う。その後CRGアクセス用ドアを再度開き、CRG20を新品に交換した後、更に両面プリントを10枚行うというものである。
比較例6は、CRG交換検知の情報は使用せず、また両面カウントの情報も使用せず、CRG交換などのイベントに関わらず基準温度Ta180℃を目標温度に設定してプリントを実行し続けるというものである。
比較例7は、両面カウントを使用して、感光ドラム22の温度に応じた目標温度調整を行うが、CRG交換検知の情報は使用しないというものである。そのため、CRG交換の有無に関わらず、CRGアクセス用ドアが開閉されても、両面カウントをリセットせず、前ジョブの両面カウントを引き継いで目標温度を設定し、プリントを行う。
比較例8は、両面カウントを使用して目標温度調整を行うが、CRG交換検知を行わない。CRGアクセス用ドアが開閉される度にCRGが交換されたとみなして両面カウント
Cdを0にセットし、プリントを行うというものである。
表8は、実施例6と比較例6~8における、両面プリントでの画像不良発生状況を示している。表中〇は画像不良が発生していないことを示し、×は画像不良が発生していることを示す。
図28は、上述した実験を行った場合の、本実施例の目標温度Ttgtと感光ドラム温度の時間推移を表す。500枚の両面プリント開始時点では両面カウントCdは0であり、目標温度の調整量Dも0であるため、目標温度Ttgtは基準温度Taである180℃である。このとき、感光ドラム22の温度は室温の23℃であった。両面プリントが進むにつれ両面カウントCdが増加し、表7に従い目標温度の調整量Dが大きくなり、目標温度Ttgtは下がっていく。両面プリント500枚終了時では両面カウントCdは500になり、目標温度の調整量は8であるため、目標温度Ttgtは172℃であった。また、このときの感光ドラムの温度は44℃であった。
本実施例において、500枚の両面プリントの後に、CRGアクセス用ドアを開閉し(但しCRG20は交換していない)、その後両面プリントを10枚行う。この場合、CRG20のメモリ情報によって制御部108はCRG20が交換されていないと判断するため、図5のように、両面プリントを10枚処理する時は前ジョブの最終の目標温度Ttgt172℃を引き続き設定する。この時の感光ドラム22の温度は44℃のままであった。次にCRGアクセス用ドアを開き、温度が室温と同じ温度になっている新品のCRG20に交換し、CRGアクセス用ドアを閉め、両面プリントを再度10枚行った。この場合、制御部108はメモリ情報によってCRG20が新品に交換されたと判断し、両面カウントCdを0にセットし、目標温度Ttgtを180℃に設定する。本実施例では、CRG20の交換を検知し、感光ドラム22の昇温に合わせて目標温度Ttgtを設定するので、一連の両面プリントで画像不良は発生しなかった。
図29は、比較例6の目標温度Tgtと感光ドラム22の温度の時間推移を示す。比較例6では、感光ドラム22の温度に拘わらず、目標温度Ttgtを基準温度Ta180℃に設定して全ての両面プリントを実行している。両面プリント500枚の後半では感光ドラム22の温度が52℃に到達した。このため、両面プリント500枚の後半とCRGアクセス用ドア開閉後の両面プリントでは、記録材11の温度が高くなってしまい二面目のプリントでホットオフセットが発生し続ける。しかし、CRG20が交換された後の両面
プリントでは、感光ドラム22が室温になっているため基準温度Taで定着処理しても画像不良は発生していない。
図30は、比較例7の目標温度Tgtと感光ドラム22の温度の時間推移を示す。比較例7では、実施例1と同様に両面カウントCdを用いて感光ドラム22の昇温に合わせて目標温度Ttgtを調整している。このため、両面プリント500枚およびCRGアクセス用ドア開閉後の両面プリント10枚では画像不良は発生していない。感光ドラム22の温度推移も実施例6と同様である。しかしながら、比較例7ではCRG20の交換を検知する仕組みがないため、CRG20が交換されても両面カウンタCdはリセットされない。そのため、CRG20の交換後の両面プリント10枚では両面カウンタの値が510からスタートし、前ジョブの最終の目標温度Ttgt172℃で定着処理を行う。交換された感光ドラム22の温度は室温と同じ温度になっているため、記録材11が感光ドラム22に暖められることがない。これにより目標温度Ttgt172℃で定着処理すると熱量不足であり、コールドオフセットが発生してしまった。
図31は、比較例8の目標温度Tgtと感光ドラム22の温度の時間推移を示す。比較例8でも実施例1と同様に両面カウントCdを用いて感光ドラム22の昇温に合わせて目標温度Ttgtを調整しているので、両面プリント500枚では画像不良は発生していない。しかしながら、CRGアクセスドア開閉後ではCRG20が交換されたと判断し、両面カウントCdを0にリセットしてしまう。このため、実際には感光ドラム22の温度は高いままだが目標温度Ttgtを基準温度Taの180℃に戻してしまう。そのため、記録材11とトナー像へ与える熱量が過多になってしまい二面目の定着処理時にホットオフセットが発生してしまった。CRG20が新品に交換された後の両面プリント10枚では再度両面カウントCdが0からスタートするが、感光ドラム22も室温になっているため画像不良は発生しなかった。
以上説明したように、制御部108は両面プリントの枚数が増えるに連れて目標温度を低く設定する。更に、CRG20の交換検知の直後のプリントから目標温度を高く設定する。大量の両面プリントでは感光ドラム22の温度に基づいて目標温度を調整することで記録材11とトナー像への過剰な熱供給を防止し、ホットオフセットの防止ができる。しかしながら、CRGアクセス用ドアが開閉された時にCRG交換検知によってCRG20の交換の有無を正しく検知できなければ、適切な目標温度の設定が難しくなる。CRG交換検知の結果を目標温度に反映することが定着不良を防止するうえで非常に重要である。
本実施例では、CRG20として、感光ドラム22、帯電器23、クリーナ21、現像手段26、トナー容器25をユニット化した構成で説明した。しかしながら、CRG20は少なくとも感光ドラム22を有する構成であればよい。また、CRG交換検知手段として、CRG20に搭載したメモリチップをプリンタ1の本体の接点コネクタと接触させ、通信する方法で説明したが、RFタグ(radio frequency tag)をCRG20に取り付け、非接触に通信してもよい。また、バーコードや2次元コードなどシリアルナンバーなどが記載されたシール等をCRG20に張り付け、プリンタ1の本体に設けた光学センサで読み込む方法でも良い。これらの事項は以下に説明する他の実施例でも同様である。
(実施例7)
実施例6では、感光ドラム22から記録材11へトナー像を直接転写する直接転写方式のモノクロプリンタにおいて、感光ドラム22が交換できる場合の定着目標温度設定について説明した。実施例7では、二次転写方式を用いた、中間転写ベルト28が交換可能なカラープリンタ100において、プリンタの稼働状況に応じてプリンタの暖機状態を予測し、定着目標温度を設定する一例を示す。実施例7では、中間転写ベルト28、支持ロー
ラ(33a、33b、33c)、一次転写ローラ(27Y、27M、27C、27K)はITBユニット37(中間転写ユニット)としてユニット化されている。このITBユニット37は、不図示のITBユニットアクセス用ドアを介して交換可能となっている。すなわち、このITBユニット37が、像担持体である感光ドラム22との間に転写ニップ部を形成する転写部材に相当する。
図32は、実施例7の電子写真記録方式のカラープリンタの断面図である。プリンタ100は、交換可能な複数の第1の像担持体としての複数の感光ドラム(22Y、22M、22C、22K)を有するCRG(20Y、20M、20C、20K)と、交換可能な第2の像担持体としての中間転写ベルト(中間転写体)28を有する。
感光ドラム22Y、帯電器23Y、現像手段26Y、クリーナ21YはCRG(カートリッジ)20Yとしてユニット化されており、CRG20Yはプリンタ100の本体に対して交換可能になっている。その他の色も、CRG20M、CRG20C、CRG20K、としてユニット化されており、夫々プリンタ100の本体に対してCRGアクセス用ドア(不図示)を介して交換可能になっている。各CRG20Y、20M、20C、20Kは、夫々、実施例1と同様のメモリチップ(不図示)を搭載している。プリンタ100の本体にはCRG20Y、20M、20C、20K夫々のメモリチップに対応した接点コネクタ(不図示)が配置され、通信可能となっている。
また、上述のように、中間転写ベルト28、支持ローラ(33a、33b、33c)、第1の転写部材である一次転写ローラ(27Y、27M、27C、27K)はITBユニット37としてユニット化されている。このITBユニット37は、不図示のITBユニットアクセス用ドアを介して交換可能となっている。ITBユニット37も記憶手段としてのメモリチップ371を搭載している。プリンタ100の本体にはITBユニット37のメモリチップ371に対応した接点コネクタ(不図示)が配置され、通信可能となっている。ITBユニット37、CRG20Y、20M、20C、20K以外の画像形成装置、および加熱装置の基本的な構成および動作は、実施例1のものと同じであるため説明は割愛する。
なお、中間転写ベルト28に画像濃度検知用のトナーパッチを形成し、これを光学センサで検知する機能を有する場合、中間転写ベルト28の一周分の表面形状を光学センサにて数値化する。そして、前回測定時の結果と比較することでITBユニット37の交換を検知してもよい。また、新品時にプリンタ100に装着され、初めて駆動する時に破壊されるヒューズなどを利用することにより、初回使用時に通常と異なる信号を発する方法でITBユニット37が新品か否かを検知してもよい。また、上記検知手段に関わらず、交換されたかどうかが検知できればよく、交換検知の方式を限定するものではない。
(目標温度の設定方法)
次に、実施例7の目標温度の設定方法について説明する。実施例6では、像担持体である感光ドラムの暖機指数として、両面プリントの枚数をカウントする両面カウンタを用いた。モノクロのプリンタでは枚数カウンタで制御できるが、二次転写方式のカラープリンタでは、記録材11が直接接触する中間転写ベルト28には、記録材11以外に4本の感光ドラム22Y、22M、22C、22Kが接触している。中間転写ベルト28の温度に影響を与える項目が増えるため、枚数カウンタの仕組みが複雑になり、また中間転写ベルト28の温度と枚数カウンタのずれが大きくなる場合があり、目標温度を適切に設定できない可能性がある。よって二次転写方式のカラープリンタでは、予めプリント時の昇温や待機時の降温などを詳細に把握し、プリンタの稼働状況と組み合わせて中間転写ベルト28の温度を予測する必要がある。また、交換可能な中間転写ベルト28の温度を予測する場合、中間転写ベルト28は4つの交換可能な感光ドラム(22Y、22M、22C、2
2K)とも接触している。そのため、感光ドラム(22Y、22M、22C、22K)の温度も併せて予測する必要がある。
実施例7では、交換可能なITBユニット37に含まれる中間転写ベルト28、および交換可能なCRG(20Y、20M、20C、20K)内に含まれる感光ドラム(22Y、22M、22C、22K)の温度をそれぞれ予測して、目標温度の調整量Dを決定する場合について説明する。
中間転写ベルト28の両面連続プリント中における昇温の様子、片面連続プリント中における昇温の様子、及び体停止時における中間転写ベルト28の降温の様子は、実施例1中で示した図12(a)~(c)と同じである。これらは前記の三つの状態における中間転写ベルト28の温度を予め計測したものである。
また図33は、次の二つの状態における一つの感光ドラム(符号は22と表記する)の温度を予め計測したものである。図33(a)は、感光ドラム22が駆動され、クリーニングブレード(符号は21と表記する)との摩擦による自己昇温の様子を示しており、感光ドラム22は室温(RT):23℃から飽和温度(Tex):50℃まで昇温する。図33(b)は、感光ドラム停止時における感光ドラム22の雰囲気への放熱による降温の様子を示しており、感光ドラム22は昇温した状態(50℃)から飽和温度(Tfx):23℃(室温)まで降温する。
この時、中間転写ベルト28の温度Ti、および各感光ドラム22の温度Tjは以下の予測式(6)、(7)、(8)、(9)により予測することが可能である。
Ti(t)=Ti(t-1)+ΔTi
+α[4Ti(t-1)-Ty(t-1)-Tm(t-1)-Tc(t-1)-Tk(t-1)] (6)
Tj(t)=Tj(t-1)+ΔTj+β[Tj(t-1)-Ti(t-1)]
(j=y、m、c、k) (7)
ΔTi=[Tdx-Ti(t-1)]×Kd×Ed
+[Tsx-Ti(t-1)]×Ks×Es
+[Twx-Ti(t-1)]×Kw×Ew (8)
ΔTj=[Tex-Tj(t-1)]×Ke×Ee
+[Tfx-Tj(t-1)]×Kf×Ef (9)
中間転写ベルト28の温度は、プリントモード(片面プリント、両面プリント)、及び停止状態における記録材11や雰囲気との熱のやり取りと、各感光ドラム22との温度差による熱のやり取りで表現できる。
また、感光ドラム22の温度は、駆動状態(駆動時、停止時)における自己発熱や雰囲気への放熱と、中間転写ベルト22との温度差による熱のやり取りで表現できる。
ここで、Ti(t)は時間tにおける中間転写ベルト28温度の予測値を示し、時間tは1秒ごとの時間である。またTj(t)[j=y、MS、k]は時間tにおける感光ドラム22j[j=y、MS、k]の温度の予測値を示している。Ti(t-1)は、時間t-1時点での中間転写ベルト28の温度の予測値である。4Ti(t-1)-Ty(t-1)-Tm(t-1)-Tc(t-1)-Tk(t-1)は、時間t-1時点での各感光ドラム22と中間転写ベルト28の温度の差分の和、αは定数である。ここで、αは中間転写ベルト28と感光ドラム22との熱容量差で決まる定数である。
Tj(t-1)は、時間t-1時点での感光ドラム22の温度の予測値、Tj(t-1
)-Ti(t-1)は、時間T-1時点での中間転写ベルト28と感光ドラム22の温度の差分、βは定数である。ここでβは感光ドラム22と中間転写ベルト28の熱容量差で決まる定数である。
ΔTiは時間tにおける各プリントモードによる記録材や雰囲気との熱のやり取りを表現している。よってΔTiは両面連続プリント時の飽和温度(Tdx)、片面連続プリント時の飽和温度(Tsx)、本体停止時の飽和温度(Twx)とTi(t-1)との差分と、定数K(Kd、Ks、Kw)、及び変数E(Ed、Es、Ew)により表すことができる。
ここで、変数Eはプリンタ100の稼働状況により変動し、両面プリント時はEd=1、Es=0、Ew=0となり、片面プリント時はEd=0、Es=1、Ew=0となり、本体停止時はEd=0、Es=0、Ew=1となる。すなわち、式(8)では、両面プリント時、片面プリント時、及び本体停止時の項に分かれており、どの項が有効になるかは変数Eによって決定する。また各項は、それぞれの飽和温度(Tdx、Tsx、Twx)とTi(t-1)の差分により表現される。
ΔTjは駆動状態(駆動時、停止時)における自己発熱と雰囲気への放熱を表現している。よって駆動時の飽和温度(Tex)と感光ドラム22の停止時の飽和温度(Tfx)とTj(t-1)との差分と、定数(Ke、Kf)、および変数E(Ee、Ef)により表すことができる。ここで、変数Eは感光ドラムの駆動状況により変動し、駆動時はEe=1、Ef=0となり、停止時はEe=0、Ef=1となる。すなわち、式(9)では、感光ドラム22の駆動時、及び感光ドラム22の停止時の項に分かれており、どの項が有効になるかは変数Eによって決定する。また各項は、それぞれの飽和温度(Tex、Tfx)とTi(t-1)の差分により表現される。
例えば、両面プリントが長時間連続すると式(8)におけるTi(t-1)がTdxに近づき、ΔTi≒0となるため、式(6)におけるTi(t)は両面プリント時の飽和温度Tdxに近づくことになる。これは、片面プリント時、本体停止時も同様に、長時間継続するとそれぞれTsx、Twxに近づく。また、定数K(Kd、Ks、Kw)は、両面プリント、片面プリント、及び本体停止時、それぞれの推測値と実測値が合うように調整するための定数である。
また、中間ベルト28の温度、および感光ドラム22の温度は、それぞれ影響しあっており、温度差が縮まる方向に働く項をお互いに持っているため、温度差が大きくなると温度差を縮める項の影響度も強くなる。
実施例7における目標温度Ttgtの設定方法を図34のフローチャートを用いて説明する。プリンタ100の電源スイッチ(不図示)がONされると(1001)、中間転写ベルト28の温度予測式(ベルト温度予測式)Ti(t)、ドラム温度予測式Tj(t)にEd=0、Es=0、Ew=1、Ee=0、Ef=1がそれぞれセットされる。また、ベルト温度予測式Ti(t)は待機時の予測式Tw(t)に、ドラム温度予測式Tj(t)は待機時の予測式Tfに設定される(1002)。また、ベルト温度予測式Ti(t)、及びドラム温度予測式Tj(t)の電源ON時の初期値は室温(RT)に設定される。
ここで室温とは、室温を検知するための温度センサを搭載している場合は検知温度であり、温度センサを搭載していない場合は例えば23℃のような固定値でも良い。また、前回の電源OFF時のベルト温度予測式Ti(t)、及びドラム温度予測式Tj(t)の温度を記憶でき、電源OFF時から電源ON時までの経過時間が計測できる場合には、次のように決定してもよい。即ち、上記の式(6)から式(9)を用いて、経過時間から電源
ON時のベルト温度、及びドラム温度を算出しても良い。
次に、ITBユニット交換検知を行い(1003)、交換された場合はTi(t)に室温(RT)をセットする(1004)。次に、CRG交換検知を行い(1005)、交換を検知した色はTj(t)に室温(RT)をセットする(1006)。プリントジョブを受信すると(1007)、プリントジョブが両面プリントかどうかを判断する(1008)。そして、両面プリントの場合はEd=1、Es=0、Ew=0、Ee=1、Ef=0がそれぞれセットされ、ベルト温度予測式Ti(t)を両面通紙時の予測式Td(t)に、ドラム温度予測式Tj(t)を駆動時の予測式Te(t)にそれぞれ設定する(1009)。片面プリントの場合はEd=0、Es=1、Ew=0、Ee=1、Ef=0がそれぞれセットされ、ベルト温度予測式Ti(t)を片面通紙時の予測式Ts(t)に、ドラム温度予測式Tj(t)を駆動時の予測式Te(t)にそれぞれセットする(1010)。
次に、基準温度Taを決定する(1011)。基準温度Taの決定方法は実施例6と同様である。ベルト温度予測式Ti(t)で算出した中間転写ベルト28の温度に応じた目標温度の調整量Dを求める(1012)。目標温度の調整量Dは、図15に示すように予め中間転写ベルト28の温度に応じて設定したパラメータであり、中間転写ベルト28の温度が高くなるほど目標温度の調整量Dが大きくなる関係にある。具体的には、中間転写ベルト28の温度が室温から1℃上昇するたびに目標温度の調整量Dが1℃ずつ大きくなるように設定されている。最終的に、目標温度Ttgtは式(10)により算出し、決定する(1013)。
Ttgt=Ta-D (10)
ステップ1008~1013の処理をプリントジョブが終了するまで繰り返し(1014)、プリントジョブが終了すると、ステップ1002~1014の処理を電源OFFされるまで繰り返し(1015)、電源がOFFされるとフローが終了する(1016)。
プリンタ100の稼働状態による変数Eの設定と、式(6)、式(7)、式(8)及び式(9)により、中間転写ベルト28の温度、および各色の感光ドラムの温度を詳細に予測することが可能となり、適切な目標温度Tgtを設定することができる。
ここで、本実施例のITBユニット37の交換検知、CRG交換検知、ベルト温度予測式Ti(t)による中間転写ベルト28の温度に基づいた加熱装置の目標温度制御を行った場合の効果を確認するため、以下の実験を行った。実験の条件は、記録材の搬送速度が300mm/sec、プリント速度(スループット)が60ppmである。使用した記録材はCanon/Oce社製RedLabelのA4サイズ紙であり、紙の坪量は80g/m2で、基準温度Taは180℃とした。
また、実験はエアコンなどの空調により一定の温湿度条件に管理した環境で行うことが望ましく、本実施例では温度:23℃、相対湿度:50%の環境下で実験を実施した。
また、プリント条件としては、500枚両面プリントを行い、ITBユニットアクセス用ドアを一度開閉し両面プリントを10枚、更にその後ITBユニットアクセス用ドアを再度開き、ITBユニットを新品に交換した後、さらに両面プリントを10枚行う。また本実験は、機内が室温の23℃になった状態からスタートしている。
図36は、本実験における本実施例の目標温度Ttgtとベルト温度予測式Ti(t)から算出される中間転写ベルト28の温度とドラム温度予測式Tj(t)から算出される各色ドラム温度の時間推移を表す。500枚の両面プリント開始時では中間転写ベルトの
温度は23℃であるため、目標温度の調整量Dも0であるため、目標温度Ttgtは基準温度Taの180℃である。このとき、各色の感光ドラムの温度も室温の23℃であった。両面プリントが進むにつれ中間転写ベルト28の温度が上昇し、図35の関係に従い目標温度の調整量Dが大きくなり、目標温度Ttgtは下がっていく。両面プリント500枚終了時では中間転写ベルト28の温度が37℃になり、目標温度の調整量Dは14であるため、目標温度Ttgtは166℃であった。また、このときの各色の感光ドラムの温度は35℃であった。
次にITBユニットアクセス用ドアを開閉後に両面プリントを10枚行った。この時、ITBユニット交換検知により交換は検知されなかったため、ベルト温度予測式Ti(t)は室温にリセットされることなく37℃のままである。よって、目標温度Ttgtは中間転写ベルト28の温度に応じて166℃のままであった。また、このときの感光ドラムの温度は35℃のままであった。
次にITBユニットアクセス用ドアを開き、室温の新品のITBユニットに交換し、アクセス用ドアを閉め、10枚の両面プリントを再度行った。この時、プリント開始前のITBユニット交換検知により交換が検知されたため、ベルト温度予測式Ti(t)は室温の23℃にリセットされた。プリント開始時に、中間転写ベルト28の温度が23℃になっていたため、目標温度の調整量Dは0になり、目標温度Ttgtは180℃の設定されている。10枚の両面プリント終了時では、各色の感光ドラムのドラム温度予測式Tj(t)では34℃に低下していた。これは中間転写ベルト28が室温になったため、感光ドラムの熱が中間転写ベルト28に奪われたためである。
このように、記録材11と直接接触する中間転写ベルト28の交換をITBユニット交換検知で検出し、ベルト温度予測式Ti(t)に交換を反映することでコールドオフセットを防止することができる。
次の実験では、両面プリントの途中でCRGが交換された場合の目標温度Ttgtの動作について説明する。図37は、300枚の両面プリントの後、CRGアクセス用ドアよりCRG20Kを交換し、そこから200枚の両面プリントを行った場合である。目標温度Ttgtとベルト温度予測式Ti(t)による中間転写ベルト28の温度と、ドラム温度予測式Tj(t)による各色ドラム温度の時間推移を表す。
300枚の両面プリント終了時では中間転写ベルト28の温度が33℃になり、目標温度の調整量Dは10であるため、目標温度Ttgtは170℃であった。また、このときの各色の感光ドラムの温度は33℃であった。この後、CRG20Kを新品に交換し、200枚の両面プリントを開始した。両面プリントが進むにつれ、中間転写ベルト28の温度が31℃まで低下し、その後温度は上昇に転じ、200枚の両面プリントが終了時には中間転写ベルト28は33℃まで上昇した。これは、感光ドラム22Kは新品に交換されているためで、感光ドラム22Kのドラム温度予測式Tk(t)は室温の23℃にリセットされ、中間転写ベルト28と感光ドラム22Kの温度差が大きくなったためである。即ち、中間転写ベルト28の熱が感光ドラム22Kに奪われてしまったためである。感光ドラム22Kの温度が高くなるにつれて、中間転写ベルト28の温度との差も小さくなっていくため、中間転写ベルト28の温度は上昇に転じている。このとき目標温度Ttgtも中間転写ベルト28の温度変化に対応して目標温度の調整量Dが設定されるため、200枚の両面プリントでは170℃から徐々に172℃へ上昇し、再び170℃へ下がっている。
図38は、300枚の両面プリントの後、CRGアクセス用ドアよりCRG20M、20C、20Kの3本を交換し、そこから200枚の両面プリントを行った場合である。目
標温度Ttgtとベルト温度予測式Ti(t)による中間転写ベルトの温度と、ドラム温度予測式Tj(t)による各色ドラム温度の時間推移を表す。
300枚の両面プリント終了時では、先ほどと同様に中間転写ベルト28の温度が33℃になり、目標温度の調整量Dは10であるため、目標温度Ttgtは170℃であった。また、このときの各色の感光ドラムの温度は33℃であった。この後、CRG20M、20C、20Kの3本を新品に交換し、200枚の両面プリントを開始した。両面プリントが進むにつれ、中間転写ベルト28の温度は低下し、200枚の両面プリントが終了時には中間転写ベルト28は27℃まで低下した。CRG20K1本の交換の場合と比べて、中間転写ベルト28の温度が大きく低下してしまったのは、室温の3本の感光ドラム22M、22C、22Kに中間転写ベルト28の熱が奪われてしまったためである。交換していない感光ドラム22Yも、中間転写ベルト28の温度が下がったために、中間転写ベルト28に熱が奪われ33℃から28℃まで低下していた。このとき目標温度Ttgtも中間転写ベルト28の温度変化に対応して目標温度の調整量Dが設定されるため、200枚の両面プリントでは170℃から徐々に176℃へ上昇させている。
以上説明したように、CRGが新品に交換されると、交換した本数に応じて、中間転写ベルト28の温度は徐々に低下し、交換した感光ドラムとの温度差が小さくなってくると再び上昇に転じる。制御部108は、このベルト温度予測式Ti(t)による中間転写ベルト28の温度変化に応じて目標温度の調整量Dも調整するため、CRG交換後は徐々に目標温度Ttgtをあげていく。
このように、中間転写ベルト28を含むITBユニット37の交換検知、及び感光ドラムを含むCRGの交換検知を行い、交換検知結果をベルト温度予測式Ti(t)、及びドラム温度予測式Tj(t)に反映させている。これにより中間転写ベルト28の複雑な温度を計算することができ、適切な目標温度を設定することができるため、コールドオフセットおよびホットオフセットの発生を防止することができる。
(実施例8)
実施例7のように、中間転写ベルト28の温度をベルト温度予測式Ti(t)で予測する場合、電源OFF時やスリープ状態では計算が止まってしまう。例えば電源OFF時/スリープ状態から電源ON/スリープ復帰時の間に周辺の温度が大きく変わる場合があり、そのため現在の室温から予測する予測温度が実際の中間転写ベルトの温度とずれてしまう場合がある。また、ITBユニット37を交換する場合、交換後の中間転写ベルトの予測温度はプリンタ設置環境温度にセットされる。しかしITBユニット37がプリンタ設置場所と異なった温度の環境に保存されていた場合、実際の中間転写ベルト28の温度と予測温度がずれてしまう可能性がある。
実施例8では、予測温度とのずれが生じやすい電源ON直後やITBユニット交換時に温度ずれを補正できる方法の一例を示す。
一次転写ローラ(27Y、27M、27C、27K)の少なくとも1本に、非画像形成時に不図時の高圧回路より一定電流を印加する。あるいは図32に示す転写電圧印加手段109により一定電圧(転写バイアス)を印可し、その時の電圧値を転写電圧検出手段110で検出する、あるいは電流値(転写電流値)を転写電流検出手段111で検出する。これらの検出した結果をモニタし、転写演算処理手段112で1次転写部の抵抗値を算出することで感光ドラム22、中間転写ベルト28、1次転写ローラ27からなる1次転写部の抵抗値を測定することができる。この抵抗測定の結果は、画像形成時に1次転写ローラに印可する最適な電圧を決定するために用いられる。
この1次転写部で測定された抵抗値は、検討の結果、中間転写ベルト28の温度と相関があることがわかっている。図39は1次転写部における抵抗値と中間転写ベルト28の温度との関係を表しており、抵抗値と中間転写ベルト28の温度は強い相関があることがわかる。これは、中間転写ベルト28は温度が高くなるほど抵抗が下がる抵抗温度特性を有しているためである。抵抗温度特性は、導電性を付与する導電材の種類や量、あるいは導電材の分散状態などによって変わる特性であるため、中間転写ベルトの構成により異なっている。この抵抗温度特性は、代表する中間転写ベルトを事前に測定し、制御部108内に抵抗温度変換テーブルとして格納し、抵抗値から中間転写ベルト28の温度を算出することで、温度予測式Ti(t)のベルト予測温度を補正することが可能となる。
実施例8におけるベルト温度予測式Ti(t)の補正方法を図40のフローチャートを用いて説明する。プリンタ100の電源スイッチ(不図示)がONされると(1101)、1次転写部における抵抗を測定する(1102)。測定した抵抗値を制御部108内に格納された抵抗温度変換テーブルと参照し(1103)、抵抗から算出される中間転写ベルトの温度をベルト温度予測式Ti(t)にセットする(1104)。ベルト温度予測式Ti(t)の中身に関しては実施例7と同じであるため、説明は省略する。次にITBユニット交換検知を行い(1105)、交換された場合は1次転写部での抵抗値を測定し(1102)、抵抗値から算出される中間転写ベルトの温度をベルト温度予測式Ti(t)にセットする(1104)。またスリープ動作に入った場合(1106)、スリープ復帰時に1次転写部での抵抗値を測定し(1102)、抵抗値から算出される中間転写ベルトの温度をベルト温度予測式Ti(t)にセットする(1104)。印刷ジョブを受信すると(1108)、定着基準温度Ta(1109)を決定する。抵抗値から算出された温度を起点に計算を開始したベルト温度予測式Ti(t)に応じて温度調整量Dは決定され(1110)、定着目標温度Ttgtが決定する(1111)。ステップ1108~1111の処理をプリントジョブが終了するまで繰り返し(1112)、プリントジョブが終了すると、ステップ1105~1112の処理を電源OFFされるまで繰り返し(1113)、電源がOFFされるとフローが終了する(1114)。
上記で説明したように、実際の中間転写ベルト28の温度とベルト温度予測式Ti(t)の予測温度にずれが生じやすい電源ON後、スリープ復帰時、ITBユニット交換時において、ベルト温度予測式Ti(t)を1次転写部の抵抗値から算出される温度に更新することで温度のずれを解消することができる。このような更新を行うことで、ベルト温度予測式Ti(t)と実際の中間転写ベルトとの温度ずれを抑制でき、適切な定着目標温度Ttgtを設定可能となるため、コールドオフセットやホットオフセットを防止できる。
本実施例では、代表する中間転写ベルト28の抵抗温度特性を制御部108内に抵抗温度変換テーブル(抵抗温度特性情報)として格納し、1次転写部の抵抗値を参照する方法で説明した。しかし、ITBユニット37にメモリチップ371が設けられている場合、ITBユニット内の中間転写ベルト28を個別に測定して得た抵抗温度変換テーブルをメモリチップ371内に書き込んでおいてもよい。この場合単体バラツキの影響を受けずにより精度の高い更新が可能となる。
また1次転写部の抵抗値と中間転写ベルトの温度の関係は、プリンタ設置環境の湿度や、1次転写部を構成する感光ドラム、中間転写ベルトや1次転写ローラの耐久具合に影響を受けて、事前に得られている抵抗温度特性の関係からずれてしまう場合がある。このような場合、代表する中間転写ベルトにおいて耐久や湿度で変化する量を事前に測定し、それぞれの影響度を係数としてテーブル化して制御部108に保持しておく。実際のプリンタの耐久具合や、湿度センサで検知された設置環境の湿度(湿度情報)よりテーブルから求められる係数を抵抗値に加味し、抵抗温度変換テーブルと参照することでより正確な温度の更新が可能となる。
またプリンタがネットワークに繋がっている場合、1次転写部の抵抗測定を行う度に抵抗値、プリンタの設置環境の温湿度、プリンタの稼働状況などをネットワーク上のサーバーに保存する。ネットワークに繋がっている複数のプリンタでデータを保存し、データを平均化や回帰式などで統計処理し、その解析結果により、耐久や湿度の影響を測定した抵抗値から排除することができる。この処理された抵抗値で抵抗温度変換テーブルを参照することで正確な温度の更新が可能である。
また本実施例では、1次転写部での抵抗測定による中間転写ベルトの予測温度の更新は、温度のずれが生じやすい電源ON時、スリープ復帰時、ITBユニット交換時の例で説明した。しかし1次転写部の抵抗測定は、印刷ジョブごとに印刷開始時の画像形成前に行われることが一般的であるため、予測温度の更新は印刷毎に行ってもよい。また累積の印刷枚数が一定数を超える毎や、一定時間を超える度、あるいはベルト温度予測式Ti(t)の温度と抵抗測定から算出される温度のずれ量が一定温度を超えた場合に温度更新を行ってもよい。またCRGの交換時に行ってもよい。
またべルト温度予測式Ti(t)は使わずに、1次転写部の抵抗値から算出される中間転写ベルト28の温度のみを用いて定着目標温度Ttgtを決定することもできる。しかし、大量の連続両面プリント時などで抵抗測定が画像形成前の1回のみの場合、両面連続プリントが進むとプリント初期に測定した温度よりも昇温し、ホットオフセットが発生しやすくなる。また連続プリント中に抵抗測定の頻度を増やすとダウンタイムが多くなり、生産性が低下してしまう。よって、1次転写部の抵抗値から算出される中間転写ベルト28の温度とベルト温度予測式Ti(t)を両方使うことによって、適正な目標温度設定と高い生産性を両立することが可能となる。
また本実施例では二次転写方式を用いたカラープリンタの1次転写部での抵抗測定結果による温度更新の例で説明したが、2次転写部での抵抗測定結果によって補正してもよい。またモノクロプリンタでドラム温度を予測式で算出する場合、転写部での抵抗測定結果でドラム予測温度を補正してもよい。