JP7748047B2 - 唾液中のうつ病バイオマーカー - Google Patents
唾液中のうつ病バイオマーカーInfo
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Description
[1]被検対象から採取された唾液試料中における、表1及び表2に記載される代謝産物からなる群から選択される1つ以上の代謝産物、及び/又は表3及び表4に記載されるマイクロRNAからなる群から選択される1つ以上のマイクロRNA若しくはそれらのマイクロRNAに相当するヒトでのマイクロRNAの、うつ病の診断のためのバイオマーカーとしての使用。
[2]被検対象におけるうつ病の病状又は重症度を判定及び/又は評価するための方法であって、
前記被検対象から採取された唾液試料における、[1]において定義されるバイオマーカーの量を測定する工程、
前記被検対象由来のバイオマーカーの量を、コントロール対象から採取された唾液試料中におけるバイオマーカーの量と比較する工程、及び
前記被検対象由来のバイオマーカーの量が、前記コントロール対象由来のバイオマーカーの量よりと比較して有意差がある場合に、被検対象がうつ病を有する及び/又は重症であると判定及び/又は評価される工程
を含む、方法。
[3]前記バイオマーカーが、表1に記載されるものであるとき、CE-FTMS解析によって
測定されるものであり、表2に記載されるものであるとき、LC-TOFMS解析によって測定されるものであり、及び/又は表3~表4に記載されるものであるとき、次世代シーケンス解析によって測定されるものである、[2]に記載の方法。
[4]被検対象におけるうつ病の病状又は重症度を判定及び/又は評価するためのプログラムであって、
以下の手順(1)及び(2)をコンピュータに実行させるためのプログラム:
(1)前記被検対象から採取された唾液試料における[1]において定義されるバイオマーカーの量の入力された測定データ、及びコントロール対象から採取された唾液試料におけるバイオマーカーの量の入力された測定データに基づき、被検対象由来の測定データとコントロール対象由来の測定データとの間で有意差があるかどうかを算出する手順、
(2)前記算出した結果、両者の測定データの間で有意差があった場合に、被検対象がうつ病を有する及び/又は重症であるとの判定及び/又は評価を表示する手順。
[5]被検対象におけるうつ病の病状又は重症度を判定及び/又は評価するためのキットであって、前記被検対象から採取された唾液試料における[1]において定義されるバイオマーカーの量を測定するための試薬を含み、
前記試薬が、表3~4に記載される少なくとも1つのマイクロRNA若しくはそれらのマイクロRNAに相当するヒトでのマイクロRNAを特異的に検出する核酸プローブ及び/又は核酸プライマー
を含む、キット。
[6]うつ病の治療薬をスクリーニングする方法及び/又は評価方法であって、
治療薬の候補物質を投与されたうつ病を有する対象から採取された唾液試料における[1]において定義されるバイオマーカーの量を測定する工程、
うつ病を有する対象における前記治療薬の候補物質を投与された後における前記バイオマーカーの量を、前記治療薬の候補物質を投与されていないうつ病を有する対象における前記バイオマーカーの量と比較する、又はうつ病を有する対象における前記治療薬の候補物質を投与された後における前記バイオマーカーの量を、このうつ病を有する対象における前記治療薬の候補物質を投与される前における前記バイオマーカーの量と比較する工程、及び
うつ病を有する対象における前記候補物質を投与された後における前記バイオマーカーの量が、前記治療薬の候補物質を投与されていないうつ病を有する対象における前記バイオマーカーの量と比較して有意差があった場合又はうつ病を有する対象における前記候補物質を投与された後における前記バイオマーカーの量が、このうつ病を有する対象における前記治療薬の候補物質を投与される前における前記バイオマーカーの量と比較して有意差があった場合、前記候補物質がうつ病の治療薬として有効であると評価される工程
を含む、スクリーニングする方法及び/又は評価方法。
本発明の一実施態様は、被検対象から採取された唾液試料中における、表1及び表2に記載される代謝産物からなる群から選択される1つ以上の代謝産物、及び/又は表3~表4に記載されるマイクロRNAからなる群から選択される1つ以上のマイクロRNA若しくはそれらのマイクロRNAに相当するヒトでのマイクロRNAの、うつ病の診断のためのバイオマーカーとしての使用である。
唾液の採取方法は特に限定されず、当業者に既知の方法により行うことができる。バイオマーカーが、1日の間で変動するものである場合は、唾液試料を特定の時間帯に採取することによって、より正確な診断を行うことができる。
またバイオマーカーがマイクロRNAであるとき、マイクロRNAは当業者に既知の方法により試料から単離することができる。例えば、市販の試薬やキット(例えば、miRNeasy Serum/Plasma Kit(キアゲン)をキットに添付されているプロトコルに従って行うことができる。
また、バイオマーカーがマイクロRNAであるとき、例えば、次世代シーケンス解析により行ってもよく、マイクロアレイ法により行ってもよく、定量PCR法により行ってもよい。いずれの測定方法も当業者に既知の方法により行うことができる。例えば、表3~表4に記載されるマイクロRNAであるとき、次世代シーケンス解析によって測定することができる。
などが挙げられる。大うつ病性障害は、気分障害 (mood and anxiety disorder) の一種であり、抑うつ行動や不安行動、意欲行動の低下などにより特徴付けられる。双極性障害や統合失調症などとは区別される。
におけるバイオマーカーの量が有意に増加するか、それとも有意に減少するかは、測定するバイオマーカーに依存する。
コントロール対象とは、うつ病を有しない対象のことである。
有意差検定は、当業者に既知の検定を使用することができ、例えば、Welchのt検定やStudentのt検定によって行うことができる。有意差があるとは、特に限定されないが、例えば、p値が0.05未満としてもよく、p値が0.01未満としてもよく、p値が0.001未満としてもよい。
うつ病の診断は、バイオマーカー1種の測定結果のみに基づくものであってもうつ病を有すると判断することができるが、複数のバイオマーカーの測定結果を組み合わせることによって、うつ病のより正確な診断及び/又は評価を行うことができる。複数のバイオマーカーとは、2種以上、3種以上、4種以上、5種以上、6種以上、7種以上、8種以上、9種以上、10種以上、15種以上、20種以上、25種以上、30種以上、35種以上、40種以上であってもよく、また、例えば、50種以下、40種以下、30種以下、20種以下であってもよい。複数のバイオマーカーを用いるときは、複数のバイオマーカーの測定結果に基づきリスクスコアを算出して、そのリスクスコアによって診断を行ってもよい。
本発明の他の実施態様は、被検対象におけるうつ病の病状又は重症度を判定及び/又は評価するための方法であって、
前記被検対象から採取された唾液試料における、上述の<うつ病の診断のためのバイオマーカー>の項に記載する何れか1つ以上のバイオマーカーの量を測定する工程、
前記被検対象由来のバイオマーカーの量を、コントロール対象から採取された唾液試料中におけるバイオマーカーの量と比較する工程、及び
前記被検対象由来のバイオマーカーの量が、前記コントロール対象由来のバイオマーカーの量よりと比較して有意差がある場合に、被検対象がうつ病を有する及び/又は重症であると判定及び/又は評価される工程
を含む、方法である。
本発明の他の実施態様は、被検対象におけるうつ病の病状又は重症度を判定及び/又は評価するためのプログラムであって、
以下の手順(1)及び(2)をコンピュータに実行させるためのプログラム:
(1)前記被検対象から採取された唾液試料における上述の<うつ病の診断のためのバイオマーカー>の項に記載する何れか1つ以上のバイオマーカーの量の入力された測定データ、及びコントロール対象から採取された唾液試料におけるバイオマーカーの量の入力された測定データに基づき、被検対象由来の測定データとコントロール対象由来の測定データとの間で有意差があるかどうかを算出する手順、
(2)前記算出した結果、両者の測定データの間で有意差があった場合に、被検対象がうつ病を有する及び/又は重症であるとの判定及び/又は評価を表示する手順。
本発明の他の実施態様は、被検対象におけるうつ病の病状又は重症度を判定及び/又は評価するためのキットであって、前記被検対象から採取された唾液試料における上述の<うつ病の診断のためのバイオマーカー>の項に記載する何れか1つ以上のバイオマーカーの量を測定するための試薬を含み、
前記試薬が、表3~6に記載される少なくとも1つのマイクロRNA若しくはそれらのマイクロRNAに相当するヒトでのマイクロRNAを特異的に検出する核酸プローブ及び/又は核酸プライマー
を含む、キットである。
マイクロRNAを特異的に検出する核酸プライマーは、マイクロRNA又はその相補的核酸のヌクレオチド配列の一部又は全部の領域を特異的に増幅し得るように設計されたものである限り、いかなる配列を有するものであってもよい。
本発明の他の実施態様は、うつ病の治療薬をスクリーニングする方法及び/又は評価方法であって、
治療薬の候補物質を投与されたうつ病を有する対象から採取された唾液試料における上述の<うつ病の診断のためのバイオマーカー>の項に記載する何れか1つ以上のバイオマーカーの量を測定する工程、
うつ病を有する対象における前記治療薬の候補物質を投与された後における前記バイオマーカーの量を、前記治療薬の候補物質を投与されていないうつ病を有する対象における前記バイオマーカーの量と比較する、又はうつ病を有する対象における前記治療薬の候補物質を投与された後における前記バイオマーカーの量を、このうつ病を有する対象における前記治療薬の候補物質を投与される前における前記バイオマーカーの量と比較する工程
、及び
うつ病を有する対象における前記候補物質を投与された後における前記バイオマーカーの量が、前記治療薬の候補物質を投与されていないうつ病を有する対象における前記バイオマーカーの量と比較して有意差があった場合、又はうつ病を有する対象における前記候補物質を投与された後における前記バイオマーカーの量が、このうつ病を有する対象における前記治療薬の候補物質を投与される前における前記バイオマーカーの量と比較して有意差があった場合、前記候補物質がうつ病の治療薬として有効であると評価される工程
を含む、スクリーニングする方法及び/又は評価方法である。
うつ病を有する対象を2群に分け、1つの群は治療薬の候補物質を投与する群とし、他方の群は治療薬の候補物質を投与しない群とする。治療薬の候補物質を投与した群の対象由来の唾液試料と治療薬の候補物質を投与しない群由来の唾液試料を採取し、それぞれの群間において上述のうつ病に関するバイオマーカーの量を比較する。比較した結果、治療薬の候補物質を投与した群の測定値が、治療薬の候補物質を投与されていないうつ病を有する対象における前記バイオマーカーの量と比較して有意差があり、またうつ病を有さない健常群の測定値と比較して有意差が無い場合、用いた治療薬の候補物質を、うつ病の治療薬の候補として選択することができる。
また、うつ病を有する対象において、治療薬の候補物質を投与した前と後のそれぞれにおいて唾液試料を採取し、治療薬の候補物質を投与した後の唾液試料における上述のうつ病に関するバイオマーカーの量が、治療薬の候補物質を投与する前の唾液試料における当該バイオマーカーの量と比較する。比較した結果、治療薬の候補物質を投与した後の唾液試料中の当該バイオマーカーの量が、治療薬の候補物質を投与する前の唾液試料中の当該バイオマーカーの量と比較して有意差があり、またうつ病を有さない健常群の測定値と比較して有意差が無い場合、用いた治療薬の候補物質を、うつ病の治療薬の候補として選択することができる。
対象への投与は、経口、静注、塗布などの投与形態を用いることができるが、飼料中又は、給水中に被検物質を添加しておくことが好ましい。
C57BL/6J(B6)系統(B6)のマウス(6週齢、雄性、日本クレア株式会社)を明期12時間、暗期12時間の明暗サイクル下(7:00点灯、19:00消灯)で2週間飼育した(馴化飼育)。飼料は、AIN-93G(オリエンタル酵母工業)を用い、実験の全期間を通して自由摂餌とした。馴化終了後、既報(非特許文献1、2)に従い、ICR系統(ICR)のマウス(リタイア、雄性、日本エスエルシー株式会社)による10日間(Day1~Day10)の社会的敗北ストレスをB6に負荷した社会的敗北ストレスモデルマウスを得た。このようにして得た社会的敗北ストレスモデルマウスは、世界中で使用されている代表的なうつ病の動物モデルである。
上記方法により作製したうつ病モデルマウスと(6匹)を用いて唾液のメタボローム解析を行った。
ストレス暴露期間の翌日(Day11)に、社会行動試験を実施し、ICRに対するB6の社会行
動を評価し、うつ様行動をとることが観察された。Day12にピロカルピン塩酸塩(15 mg/kg、富士フイルム和光純薬株式会社)を腹腔内投与し、口腔内にあふれ出てくる唾液を回収した。この回収した唾液試料は、メタボローム解析までマイナス80℃にて凍結保存した。
メタボローム解析は、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社(HMT)にて、CE-FTMS(キャピラリー電気泳動-フーリエ変換型質量分析計)解析とLC-TOFMS(液体クロマトグラフィ-飛行時間型質量分析計)解析にて行った。
<測定>
うつ病モデルマウス6匹と対照マウス6匹に由来する唾液試料のそれぞれにおいて、当業者に既知の方法であるCE-FTMSのカチオンモード、アニオンモードによる測定を実施した。
唾液試料の前処置として、40 μLの唾液試料に対し、内部標準物質の濃度が100 μMとなるように調製した10 μLの水溶液を加えて撹拌し、限外ろ過チューブ(ウルトラフリーMC PLHCC, HMT, 遠心式フィルターユニット 5 kDa)に移し取った。これを遠心(9,100×g, 4℃, 60分)し、限外ろ過処理を行い、測定に供した。
カチオンモードによる測定では唾液試料を2倍希釈したものを用い、アニオンモードによる測定では唾液試料を5倍希釈したものを用いた。
各マウス由来の唾液試料において、カチオンモード、アニオンモードの測定をそれぞれ以下に示す条件で行い、得られた各データを統合した。その結果、合計で401(カチオン242、アニオン159)のピークが検出された。
・陽イオン性代謝物質(カチオンモード)
装置
CE: Agilent CE system
MS: Q Exactive Plus 2 号機
Capillary: Fused silica capillary i.d. 50 μm × 80 cm
測定条件
Run buffer: Cation Buffer Solution (p/n : H3301-1001)
Rinse buffer: Cation Buffer Solution (p/n : H3301-1001)
Sample injection: Pressure injection 50 mbar, 10 sec
CE voltage: Positive, 30 kV
MS ionization: ESI Positive
MS capillary voltage: 4,000 V
MS scan range: m/z 60-900
Sheath liquid: HMT Sheath Liquid (p/n : I3301-1040)
・陰イオン性代謝物質(アニオンモード)
装置
CE: Agilent CE system
MS: Q Exactive Plus 2 号機
Capillary: Fused silica capillary i.d. 50 μm × 80 cm
測定条件
Run buffer: Anion Buffer Solution (p/n : H3302-1023)
Rinse buffer: Anion Buffer Solution (p/n : H3302-1023)
Sample injection: Pressure injection 50 mbar, 22 sec
CE voltage: Positive, 30 kV
MS ionization: ESI Negative
MS capillary voltage: 3,500 V
MS scan range: m/z 70-1,050
Sheath liquid: HMT Sheath Liquid (p/n : I3301-1040)
CE-FTMSで検出されたピークは、自動積分ソフトウェアのMasterHands ver.2.18.0.1(慶應義塾大学開発)を用いて、シグナル/ノイズ (S/N) 比が3以上のピークを自動抽出し、質量電荷比 (m/z)、ピーク面積値、泳動時間 (Migration time: MT) を得た。得られたピーク面積値は下記の式を用いて相対面積値に変換した。
また、これらのデータにはNa+やK+などのアダクトイオン及び、脱水、脱アンモニウムなどのフラグメントイオンが含まれているので、これらの分子量関連イオンを削除した。しかし、物質特異的なアダクトやフラグメントも存在するため、すべてを精査することはできなかった。精査したピークについて、m/zとMTの値をもとに、各試料間のピークの照合・整列化を行った。
検出されたピークに対してm/zとMTの値をもとにHMTが有する代謝物質のライブラリに登録された全物質との照合、検索を行った。検索のための許容誤差はMTで±0.5min、m/zでは±5ppmとした。ライブラリに登録された物質のm/z及びMTの値から401(カチオン242、アニオン159)ピークに候補化合物が付与された。
対象代謝化合物の一部について解析を行った。検量線は内部標準物質により補正したピーク面積を用い、各物質について10 μMの一点検量(内部標準物質20 μM)として濃度を算出した。定量結果を表5に示す。
N.A.: Not Available. 計算対象であるが、データ不足のため計算不可であった。
¶ 2群間の検出平均値の比は、後者を分母として算出している。
|| Welchのt-検定のp-valueとその範囲を示す。(*<0.05, **<0.01, ***<0.001)
候補化合物が絞り込まれた401ピークについて、各群の相対面積値比の算出及びWelchのt-検定を実施した。その結果、5種類(CE-FTMS)の代謝物の濃度がうつ病によって有意に変化することが示された(表6)。Welchのt-検定のp-valueを示す。(*<0.05, **<0.01, ***<0.001)。
<測定>
うつ病モデルマウス6匹と対照マウス6匹に由来する唾液試料のそれぞれにおいて、当業者に既知の方法であるLC-TOFMSのポジティブモード及びネガティブモードによる測定を実施した。
唾液試料の前処置として、80 μLの試料に対し、内部標準物質の濃度が4 μMとなるように調製した240 μLのメタノール溶液を加えて撹拌し、遠心分離(2,300×g, 4℃, 5分)を行い、上清を回収した。これを乾固させ、再び160 μLの50%イソプロパノール水溶液(v/v)に溶解して測定に供した。
各マウス由来の唾液試料において、ポジティブモード、ネガティブモードの測定をそれぞれ以下に示す条件で行い、得られた各データを統合した。その結果、合計66(ポジティブ40, ネガティブ26)のピークが検出された。
・陽イオン性代謝物質(ポジティブモード)
装置
LC system: Agilent 1200 series RRLC system SL(Agilent Technologies 社)
Column: ODS column, 2×50 mm, 2 μm
MS system: Agilent LC/MSD TOF(Agilent Technologies 社)10 号機
測定条件
Column temp.: 40℃
Mobile phase A: H2O / 0.1% HCOOH
Mobile phase B: Isopropanol: Acetonitrile: H2O (65:30:5) / 0.1% HCOOH, 2 mM HCOONH4
Flow rate: 0.3 mL / min
Run time: 20 min
Post time: 7.5 min
Gradient condition: 0-0.5 min: B 1%, 0.5-13.5 min: B 1-100%, 13.5-20 min: B 100%
MS ionization mode: ESI Positive
MS Nebulizer pressure: 40 psi
MS dry gas flow: 10 L / min
MS dry gas temp: 350℃
MS capillary voltage: 4,000 V
MS scan range: m/z100-1,700
Sample injection: 1 μL
・陰イオン性代謝物質(ネガティブモード)
装置
LC system: Agilent 1200 series RRLC system SL(Agilent Technologies 社)
Column: ODS column, 2×50 mm, 2 μm
MS system: Agilent LC/MSD TOF(Agilent Technologies 社)10 号機
測定条件
Column temp.: 40℃
Mobile phase A: H2O / 0.1% HCOOH
Mobile phase B: Isopropanol: Acetonitrile: H2O (65:30:5) / 0.1% HCOOH, 2 mM HCOONH4
Flow rate: 0.3 mL / min
Run time: 20 min
Post time: 7.5 min
Gradient condition: 0-0.5 min: B 1%, 0.5-13.5 min: B 1-100%, 13.5-20 min: B 100%
MS ionization mode: ESI Negative
MS Nebulizer pressure: 40 psi
MS dry gas flow: 10 L / min
MS dry gas temp: 350℃
MS capillary voltage: 3,500 V
MS scan range: m/z 100-1,700
Sample injection: 1 μL
LC-TOFMSで検出されたピークは、自動積分ソフトウェアの MasterHands ver.2.18.0.1(慶應義塾大学開発)を用いて、シグナル/ノイズ (S/N) 比が3以上のピークを自動抽出し、質量電荷比 (m/z)、ピーク面積値および保持時間 (Retention time: RT)を得た。得られたピーク面積値は下記の式を用いて相対面積値に変換した。さらに、この相対面積値を用いて、各物質についての濃度を算出できる。
また、これらのデータにはNa+やK+などのアダクトイオン及び、脱水、脱アンモニウムなどのフラグメントイオンが含まれているので、これらの分子量関連イオンを削除した。しかし、物質特異的なアダクトやフラグメントも存在するため、すべてを精査することはできなかった。精査したピークについて、m/zとRTの値をもとに、各試料間のピークの照合・整列化を行った。
検出されたピークに対してm/zとRTの値をもとにHMTが有する代謝物質のライブラリに登録された全物質との照合、検索を行った。検索のための許容誤差はRTで±0.3min、m/zで±25ppmとした。ライブラリに登録された物質のm/z及びRTの値から66(ポジティブ40、ネガティブ26)ピークに候補化合物が付与された。
候補化合物が絞り込まれた66ピークについて、各群の相対面積値比の算出及びWelchのt-検定を実施した。その結果、4種類(LC-TOFMS)の代謝物の濃度がうつ病によって有意に変化することが示された(表7)。Welchのt-検定のp-valueを示す。(*<0.05, **<0.01, ***<0.001)。
上記方法により作製したうつ病モデルマウス(6匹)のそれぞれにおいて唾液のマイクロRNA解析を行った。
ストレス暴露期間の翌日(Day11)に、社会行動試験を実施し、ICRに対するB6の社会行動を評価し、うつ様行動をとることが観察された。Day12にピロカルピン塩酸塩(15 mg/kg、富士フイルム和光純薬株式会社)を腹腔内投与し、口腔内にあふれ出てくる唾液を回収した。この回収した唾液試料は、メタボローム解析までマイナス80℃にて凍結保存した。
RNAの抽出は、miRNeasy Serum/Plasma Kit(キアゲン)を用いて、キットに添付されているプロトコル通り行った。マイクロRNAのシーケンス解析は、株式会社DNAチップ研究所にて当業者に既知の方法により実施した。
各マウス由来の唾液試料をそれぞれ分析し、得られた各データを統合した。
Claims (6)
- 被検対象から採取された唾液試料中における、
(1)miRNA-208b-3p (Accession ID:MIMAT0004939)、
(2)miRNA-208b-3p (Accession ID:MIMAT0004939)のマイクロRNAに相当するヒトでのマイクロRNA、
(3)miRNA-7092-5p (Accession ID:MIMAT0028090)、及び
(4)miRNA-6985-3p (Accession ID:MIMAT0027873)
からなる群から選択される1つ以上のマイクロRNAの、
うつ病の診断を補助するためのバイオマーカーとしての使用であって、
前記(1)miRNA-208b-3p (Accession ID:MIMAT0004939)、前記(3)miRNA-7092-5p (Accession ID:MIMAT0028090)、又は前記(4)miRNA-6985-3p (Accession ID:MIMAT0027873)をバイオマーカーとして使用するとき、前記被検対象がマウスであり、
前記(2)miRNA-208b-3p (Accession ID:MIMAT0004939)のマイクロRNAに相当するヒトでのマイクロRNAをバイオマーカーとして使用するとき、前記被検対象がヒトである、使用。 - 被検対象におけるうつ病の病状又は重症度を判定及び/又は評価することを補助するための方法であって、
前記被検対象から採取された唾液試料における、請求項1において定義されるバイオマーカーの量を測定する工程、
前記被検対象由来のバイオマーカーの量を、コントロール対象から採取された唾液試料中におけるバイオマーカーの量と比較する工程、及び
前記被検対象由来のバイオマーカーの量が、前記コントロール対象由来のバイオマーカーの量よりと比較して有意に増加した場合に、被検対象がうつ病を有する及び/又は重症であると判定及び/又は評価される工程
を含み、
前記(1)miRNA-208b-3p (Accession ID:MIMAT0004939)、前記(3)miRNA-7092-5p (Accession ID:MIMAT0028090)、又は前記(4)miRNA-6985-3p (Accession ID:MIMAT0027873)をバイオマーカーとして使用するとき、前記被検対象がマウスであり、
前記(2)miRNA-208b-3p (Accession ID:MIMAT0004939)のマイクロRNAに相当するヒトでのマイクロRNAをバイオマーカーとして使用するとき、前記被検対象がヒトである、方法。 - 前記バイオマーカーが、次世代シーケンス解析によって測定されるものである、請求項2に記載の方法。
- 被検対象におけるうつ病の病状又は重症度を判定及び/又は評価するためのプログラムであって、
以下の手順(1)及び(2):
(1)前記被検対象から採取された唾液試料における請求項1において定義されるバイオマーカーの量の入力された測定データ、及びコントロール対象から採取された唾液試料におけるバイオマーカーの量の入力された測定データに基づき、被検対象由来の測定データとコントロール対象由来の測定データとの間で有意差があるかどうかを算出する手順、及び
(2)前記算出した結果、前記被検対象由来の測定データが前記コントロール対象由来の測定データと比較して有意に増加した場合に、被検対象がうつ病を有する及び/又は重症であるとの判定及び/又は評価を表示する手順
をコンピュータに実行させるためのプログラムであり、
前記(1)miRNA-208b-3p (Accession ID:MIMAT0004939)、前記(3)miRNA-7092-5p (Accession ID:MIMAT0028090)、又は前記(4)miRNA-6985-3p (Accession ID:MIMAT0027873)をバイオマーカーとして使用するとき、前記被検対象がマウスであり、
前記(2)miRNA-208b-3p (Accession ID:MIMAT0004939)のマイクロRNAに相当するヒトでのマイクロRNAをバイオマーカーとして使用するとき、前記被検対象がヒトである、プログラム。 - 被検対象におけるうつ病の病状又は重症度を判定及び/又は評価するためのキットであって、前記被検対象から採取された唾液試料における請求項1において定義されるバイオマーカーの量を測定するための試薬を含み、
前記試薬が、請求項1において定義されるバイオマーカーを特異的に検出する核酸プローブ及び/又は核酸プライマー
を含み、
前記(1)miRNA-208b-3p (Accession ID:MIMAT0004939)、前記(3)miRNA-7092-5p (Accession ID:MIMAT0028090)、又は前記(4)miRNA-6985-3p (Accession ID:MIMAT0027873)をバイオマーカーとして使用するとき、前記被検対象がマウスであり、
前記(2)miRNA-208b-3p (Accession ID:MIMAT0004939)のマイクロRNAに相当するヒトでのマイクロRNAをバイオマーカーとして使用するとき、前記被検対象がヒトである、キット。 - うつ病の治療薬をスクリーニングする方法及び/又は評価する方法であって、
治療薬の候補物質を投与されたうつ病を有する対象から採取された唾液試料における請求項1において定義されるバイオマーカーの量を測定する工程、
うつ病を有する対象における前記治療薬の候補物質を投与された後における前記バイオマーカーの量を、前記治療薬の候補物質を投与されていないうつ病を有する対象における前記バイオマーカーの量と比較する、又はうつ病を有する対象における前記治療薬の候補物質を投与された後における前記バイオマーカーの量を、このうつ病を有する対象における前記治療薬の候補物質を投与される前における前記バイオマーカーの量と比較する工程
、及び
うつ病を有する対象における前記候補物質を投与された後における前記バイオマーカーの量が、前記治療薬の候補物質を投与されていないうつ病を有する対象における前記バイオマーカーの量と比較して有意に減少した場合又はうつ病を有する対象における前記候補物質を投与された後における前記バイオマーカーの量が、このうつ病を有する対象における前記治療薬の候補物質を投与される前における前記バイオマーカーの量と比較して有意に減少した場合、前記候補物質がうつ病の治療薬として有効であると評価される工程
を含み、
前記(1)miRNA-208b-3p (Accession ID:MIMAT0004939)、前記(3)miRNA-7092-5p (Accession ID:MIMAT0028090)、又は前記(4)miRNA-6985-3p (Accession ID:MIMAT0027873)をバイオマーカーとして使用するとき、前記対象がマウスであり、
前記(2)miRNA-208b-3p (Accession ID:MIMAT0004939)のマイクロRNAに相当するヒトでのマイクロRNAをバイオマーカーとして使用するとき、前記対象がヒトである、スクリーニングする方法及び/又は評価する方法。
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