以下、本発明の例示的態様である実施形態にかかる太陽電池モジュール及びその製造方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
[太陽電池モジュール]
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態にかかる太陽電池モジュール10の平面図であり、図2は、図1におけるA-A断面にかかる部分拡大断面図である。図2においては、図1におけるA-A断面のうちの一部(太陽電池セル11に付された括弧書きの番号が(3)~(6)の領域)のみが表されている。なお、後述する通り、本実施形態にかかる太陽電池モジュール10は、フレキシブル性を有し、折り曲げられて屈曲した状態あるいは湾曲した状態で保管乃至使用され得るが、以下、折り曲げられていない略平板状の状態を定常状態として、これを中心に説明する。これは、第2の実施形態~第8の実施形態、及び、太陽電池モジュールの製造方法における各平面図おいても同様である。
図1及び図2に示されるように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール10は、長方形状の平板であり、主として、複数(本実施形態では12枚)の太陽電池セル11と、タブ線12と、透明の一対のカバーフィルム13F,13Bと、封止材14と、からなる。太陽電池セル11は、受光面11Fを同方向(矢印Z方向)に向け、受光面11Fと平行方向(矢印X方向)に間隔を置いて一列に並べられている。
本実施形態において、太陽電池セル全般について説明するとき、あるいは、全ての太陽電池セルを指すときには、ハイフン以下の枝番を省略して「太陽電池セル11」と表記する。一方、特定の太陽電池セルを表す際、あるいは、個々の太陽電池セルを表す際には、ハイフン以下の枝番を付してそれぞれ「太陽電池セル11-(1)」「太陽電池セル11-(12)」等と表記する(以上、第2及び第3の実施形態においても同様)。なお、ハイフン以下の枝番は、図1(第2の実施形態では図9、第3の実施形態では図13)において各太陽電池セル11(第3の実施形態では符号31)に付された括弧書きの番号に対応する。
なお、図1及び図2において、矢印X方向及びその逆方向が太陽電池セル11が並んでいる方向(以下、「並び方向X」と表記する。)であり、矢印Y方向及びその逆方向が太陽電池セル11の並び方向と垂直方向(以下、「垂直方向Y」と表記する。)であり、矢印Z方向及びその逆方向が太陽電池モジュール10の厚み方向(以下、「厚み方向Z」と表記する。)である。図1において、太陽電池セル11及びタブ線12は、カバーフィルム13F及び封止材14の下に位置する部材であるが、カバーフィルム13F及び封止材14は透明の部材であり視認可能なので、実線で描いている。
太陽電池セル11は、受光面に光が当たることで起電力を生ずる電気素子であり、シリコン系と、化合物系と、有機系とに大別され、本実施形態においては何れも用いることができる。シリコン系のセルは、結晶シリコン系とアモルファスシリコン系とに分けられ、結晶シリコン系についてはさらに単結晶シリコン系と多結晶シリコン系とに分けられる。また、化合物系は単結晶化合物系と薄膜多結晶系に分けられる。本実施形態においては、特に結晶シリコン系と単結晶化合物系のセルを好適に用いることができる。
また、本実施形態においては、フレキシビリティのない太陽電池セルに対して適用することでフレキシブルな太陽電池モジュールを製造することができる。その観点では、例えばフレキシブルでない太陽電池セルとして、単結晶シリコン系、多結晶シリコン系、ヘテロ接合(HIT)型系、III-V族多接合(GaAs等)系、ガラス基板のCIS系、ガラス基板のCdTe系、ペロブスカイト/結晶シリコンタンデム型等の太陽電池セルを好適に用いることができる。
太陽電池セル11の厚みとしては、特に制限はないが、コスト的にはあまり厚過ぎないことが好ましく、0.5mm以下程度であることが好ましく、0.3mm以下であることがより好ましく、0.2mm以下であることがさらに好ましい。薄くて高性能なセルを入手できればそれに越したことは無いため、厚みの好ましい下限はないが、薄くし過ぎると脆くなりやすく、また光吸収量が減って、性能を確保することが困難になる。
太陽電池セル11の並び方向Xの長さとしては、短くして太陽電池セル11の数を増やせば増やすほど太陽電池モジュール10全体としての曲率半径を小さくすることができるが、太陽電池モジュール10における受光面11Fの面積割合が小さくなりやすいことと、製造が煩雑になりコスト増を招くこと等から、目的や所望とする性能、さらにコスト等の観点から総合的に判断して決めればよい。具体的には10mm~250mm程度の範囲から選択すればよく、15mm~150mm程度の範囲が好ましい。
一方、太陽電池セル11の垂直方向Yの長さとしては、特に制限はなく、上記観点に加えて、太陽電池モジュール10の設置場所や取り扱い性等の観点をも踏まえて総合的に判断して決めればよい。具体的には20mm~300mm程度の範囲から選択すればよく、30mm~210mm程度の範囲が好ましい。
タブ線12は、隣合う太陽電池セル11同士を電気的に接続する部材であり、導電性の線材である。図1及び図2に示されるように、個々のタブ線12は、隣合う太陽電池セル11の間にあって、一端(図面上の矢印X方向とは逆方向側の端部)が太陽電池セル11の受光面11F側に設けられた第1の電極端子(不図示)に、他端(図面上の矢印X方向側の端部)が受光面11Fとは裏側の面(以下、「裏面11B」と表記する。)に設けられた第2の電極端子(不図示)に、それぞれ接続されている。これら受光面11F及び裏面11Bに設けられた各電極端子は、正負逆極になっていて、光により生じた起電力が両電極端子間から取り出せるようになっている。
タブ線12は、並び方向Xに並ぶ全ての太陽電池セル11同士の間において、同様に接続されており、並び方向Xの両末端のタブ線12′は、一方の端部が太陽電池セル11と電気的に接続し、他方の端部はフリーとなって外部と接続する出力端子の機能を備えている。
したがって、本実施形態にかかる太陽電池モジュール10においては、並び方向Xの両末端のタブ線12′の間で、タブ線12による太陽電池セル11同士の電気的な接続が直列接続になっている。そのため、全ての太陽電池セル11で発生した起電力の合計の電圧が並び方向Xの両末端のタブ線12′の間に生ずる。
なお、後述する通り、直列接続された太陽電池セル11の一部が他に比して発電量が著しく少なくなった場合に、当該一部の太陽電池セル11によって全体の電流が大幅に制限されてしまうことがあるが、これを防ぐために、各太陽電池セル11、あるいは直列接続された複数個の太陽電池セル11には、並列にバイパスダイオードを設けておいてもよい。
タブ線12には、一般に配線やリードに用いられる金属(例えば、銅、アルミニウム、銀等)製のリードやフィルム及びこれらにスズ等のはんだメッキを施したものを好適に用いることができる。
タブ線12は、隣り合う太陽電池セル11間の後述するリンク部15F,15Bを通り、当該部位で屈曲されるため、耐久性に優れたものが好ましい。タブ線12の厚みとしては、1mm以下程度であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましく、0.2mm以下であることがさらに好ましい。薄くて高性能なタブ線を入手できればそれに越したことは無いため、厚みの好ましい下限はないが、薄くし過ぎると脆くなりやすく、また、セル出力に応じた電流を流すことが困難になる。
カバーフィルム13F,13Bは、太陽電池セル11を受光面11F及び裏面11Bから挟み込む一対の透明樹脂フィルムである。なお、本実施形態の如く片面(受光面11F)のみを受光面とする場合、他方の面(裏面11B)の側のカバーフィルム13Bは、透明ではなくても構わない。
カバーフィルム13F,13Bの材質としては、特に制限されるものではなく、使用環境に応じて、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリビニルブチラート(PVB)、ポリビニルフルオドライド(PVF)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、及びナイロン及びそれらの積層体等を挙げることができる。受光面11F側のカバーフィルム13Fと裏面11B側のカバーフィルム13Bとで、異なる材質のものを用いても構わない。
カバーフィルム13F,13Bの厚みとしては、1mm以下程度であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、200μm以下であることがさらに好ましい。受光面11F側のカバーフィルム13Fと裏面11B側のカバーフィルム13Bとで厚みが異なっていても構わない。
封止材14は、一対のカバーフィルム13F,13B間に充填されて、カバーフィルム13F,13Bと太陽電池セル11との間、及び、カバーフィルム13F,13Bとタブ線12との間に介在している。封止材14としては、柔軟性と接着性および使用条件に応じた耐環境性を有する透明な材料であれば特に制限はなく、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、アイオノマー系樹脂、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリルコポリマー系樹脂等を挙げることができる。これらの中でも、シート化が容易で低コストなエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)が特に好適に用いられる。
図1及び図2に示されるように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール10においては、隣合う太陽電池セル11の間に、受光面11F側の面及び裏面11B側の面が何れも厚み方向に陥没し、当該陥没が垂直方向Yに延びた溝状のリンク部15F,15Bが形成されている(図2参照。図1においては、二点鎖線でリンク部15Fを模式的に表している。)。
図2に示されるように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール10は、リンク部15F,15Bにおける封止材14の厚みT1が、リンク部15F,15B以外の部位における封止材14の厚み(T2+T3+T4)に比して小さい。本実施形態によれば、このように略垂直方向Yに延びた溝状の薄肉部であるリンク部15F,15Bを設けることで、当該リンク部15F,15Bで折り曲げることができるようになっている。
なお、本発明(本実施形態に限らず、全ての実施形態を含む本発明の全ての態様)において、「封止材の厚み」とは、封止材によって封止された内容物(本実施形態においては太陽電池セル11及びタブ線12)を含んだ封止材部分全体の厚みを意味する。また、本発明(同上)において、「リンク部以外の部位」とは、太陽電池セル(本実施形態においては符号11)が位置する部位と、その近傍であってリンク部に当たらない部位と、を指し、例えば、本実施形態では、太陽電池セル11が並び方向Xに並んだ領域の外側の領域に当たる額縁状の部分(図1参照)は含まない。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール10は、薄肉部であるリンク部15F,15Bにおいても封止材14が存在しており、カバーフィルム13F,13Bとタブ線12との間に介在している。そのため、リンク部15F,15Bにおいて折り曲げられても、あるいはさらに折り曲げが繰り返されても、カバーフィルム13F,13Bと封止材14との接着が強固であり、剥がれにくい。また、タブ線12は、リンク部15F,15Bにおいても封止材14により取り囲まれた状態になっており、折り曲げ時にも封止材14で保護された状態なので、折り曲げに対する耐久性に優れている。
図3は、リンク部15F,15Bの寸法を説明するための説明図であり、図2におけるリンク部15F,15B及びその周辺部の封止材14が存在する領域のみを抜き出して封止材14の輪郭を示すものである。なお、図3においては、封止材14以外の構成要素は図示を省略している。
リンク部15F,15Bの寸法としては、太陽電池セル11の並び方向Xにおいて、封止材14の厚みT1が0.05~0.6mmである領域(以下、「領域0.05-0.6」と表記する。)の長さが、1mm以上であることが好ましい。
図3を用いて説明すると、両矢印aで示される領域における最大厚みTaが0.6mmであり、最小厚みTbが0.05~0.6mmの範囲内であれば、両矢印aで示される領域が領域0.05-0.6に相当する。したがって、この場合においては、両矢印aの線分の長さが1mm以上であることが好ましい。また、図3において、最小厚みTbが0.6mmであったとすれば、最小厚みTbとなる両矢印bで示される領域が領域0.05-0.6に相当する。したがって、この場合においては、両矢印bの線分の長さが1mm以上であることが好ましい。
リンク部15F,15Bにおける封止材14の厚みの下限値0.05mmは、リンク部15F,15Bにおける折り曲げに対する封止材14とカバーフィルム13F,13Bとの接着性や、タブ線12の保護機能の確保に十分な厚みである。一方、リンク部15F,15Bにおける封止材14の厚みの上限値0.6mmは、リンク部15F,15Bでの折り曲げ性を確保するのに十分な薄さである。
リンク部15F,15Bにおける領域0.05-0.6の長さを1mm以上にすることで、当該リンク部15F,15Bにおける優れた屈曲性を備えた太陽電池モジュール10とすることができる。リンク部15F,15Bにおける領域0.05-0.6の長さとしては、屈曲性の観点からは1.5mm以上にすることがより好ましい。
リンク部15F,15Bにおける領域0.05-0.6の長さの上限としては、太陽電池モジュール10にフレキシブル性を持たせる観点からは特に制限はないが、領域0.05-0.6の長さが大きくなると、必然的に太陽電池セル11間の距離が大きくなり、延いては、太陽電池モジュール10における受光面11Fの面積割合が小さくなり、太陽電池モジュール10全体としての発電効率が低下してしまう。
したがって、所望とする発電効率に照らして、太陽電池モジュール10における単位面積当たりの受光面11Fの面積を一定以上に確保できる範囲に領域0.05-0.6の長さを抑えることが望まれる。太陽電池モジュール10における受光面11Fの面積割合としては、目的や用途に応じて適宜設計すればよいが、具体的には例えば、50%以上とすることが好ましく、70%以上とすることがより好ましく、90%以上とすることがさらに好ましい。
ここでいう太陽電池モジュール10における受光面11Fの面積割合とは、太陽電池セル11が並び方向Xに並んだ全領域(受光面11Fの全面積と隣り合う太陽電池セル11との間の領域の全面積)に対する受光面11Fの全面積の割合である。図1により説明すれば、個々の太陽電池セル11の受光面11Fの面積をSF、隣り合う太陽電池セル11との間のそれぞれの領域の面積をSIとすると、太陽電池セル11が12枚並び、太陽電池セル11との間が11カ所あることから、太陽電池モジュール10における受光面11Fの面積割合SR(%)は、下記式で表すことができる。
なお、上記定義からわかる通り、太陽電池セル11が並び方向Xに並んだ領域の外側の領域に当たる額縁状の部分(図1参照)の面積は、太陽電池モジュール10における受光面11Fの面積割合SR(%)の計算において考慮しない。
リンク部15F,15Bの寸法としては、太陽電池セル11の並び方向Xにおいて、封止材14の厚みT1が0.05~0.4mmである領域(以下、「領域0.05-0.4」と表記する。)の長さが1mm以上であることがより好ましく、封止材14の厚みT1が0.05~0.3mmである領域(以下、「領域0.05-0.3」と表記する。)の長さが1mm以上であることがより好ましい。
リンク部15F,15B以外の部位における封止材14の厚み(T2+T3+T4)としては、特に制限はないが、下限はおおよそ0.7mm以上であり、1.0mm以上であることが好ましい。当該厚み(T2+T3+T4)を適切な値に設定することにより封止される太陽電池セルの保護と性能保持を両立することができる。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール10は、リンク部15F,15Bが折り曲げに対する耐久性があるため、リンク部15F,15Bで折り曲げることができる。そのため、リンク部15F,15Bで同方向に折り曲げることで太陽電池モジュール10を全体として並び方向Xに巻き取り、ロール状にすることができる。
さらに、本実施形態にかかる太陽電池モジュール10は、例えば、リンク部15F,15Bにおける領域0.05-0.6の長さを十分に大きくすること等により屈曲性を高めることで、隣り合うリンク部15F,15Bで山折り谷折りに交互に折り曲げて、蛇腹状(アコーディオン状)に折り畳むことができる。
したがって、本実施形態にかかる太陽電池モジュール10によれば、折り曲げ時(ロール状に巻き取った時及び蛇腹状に折り畳んだ時)の面積を折り曲げ前に比して大幅に縮小することができるため、未使用時等における運搬性、収納性に優れている。また、リンク部15F,15Bでの折り曲げに対する耐久性も高いので、繰り返しの運搬や収納に対しても有利である。
一方、本実施形態にかかる太陽電池モジュール10は、リンク部15F,15Bで同方向に折り曲げることで太陽電池モジュール10を全体として並び方向Xに湾曲させて、湾曲表面に取り付けることができる。したがって、本実施形態にかかる太陽電池モジュール10によれば、平らでない湾曲表面に取り付けて、太陽電池として使用することができる。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール10を湾曲表面に取り付けた一態様として、図4に示す例を挙げる。図4は、本実施形態にかかる太陽電池モジュール10を湾曲面を有する構造物16の当該湾曲面に取り付けた状態を模式的に示す模式横断面図である。図4の横断面は、構造物16の湾曲面が曲線として描かれる方向の断面である。構造物16における湾曲面としては、例えば、円筒形状のビルや灯台、ドーム状の建造物の外壁面等が挙げられる。
なお、図4の模式横断面図においては、太陽電池モジュール10におけるカバーフィルム13F,13B等の図示は省略して太陽電池セル11-(1)~11-(12)のみを描き、太陽電池セル11-(1)~11-(12)と構造物16の湾曲面との関係がわかるようにしている。
図4に示されるように、太陽電池モジュール10が構造物16の湾曲面に取り付けられることで、12枚の太陽電池セル11-(1)~11-(12)が周方向R1に並んで構造物16に取り付けられた状態になっている。太陽電池セル11は、受光面11Fを径方向の外方に向けて、構造物16の湾曲面のうち、中心角が約60°の円弧に相当する領域に5°ずつ角度を変えて、並んで取り付けられた状態になっている。
このように本実施形態にかかる太陽電池モジュール10によれば、例えば構造物16の湾曲面に沿って取り付けることができ、そのまま太陽電池として使用することができる。湾曲面に取り付けられた太陽電池モジュール10は、太陽電池セル11の個々の受光面11Fが放射状に外方を向いているため、太陽等の光源の位置が多少変わっても、効率的に光を受け止めて発電することができる。
図4の例においては、構造物16の湾曲面に取り付けられた太陽電池セル11のうち太陽電池セル11-(7)の受光面11Fに対して垂直に(90°の入射角で)照射されるように光Lが照射された状態が表されている。このとき、太陽電池セル11-(7)が最も発電量が多くなり、次いでその両隣の、光Lが85°の入射角で照射される太陽電池セル11-(6),11-(8)の発電量が多くなる。
一般に、直列接続された複数の太陽電池セル中で、発電量に大きな隔たりがあると、発電量の最も少ない太陽電池セルの電流量に抑えられてしまい、全体としての発電効率が低下してしまう。特に、発電量が著しく少なくなった太陽電池セルがあると、当該一部の太陽電池セルによって全体の電流値が制限され、発電量が大幅に減少してしまう。
本例のように中心角が約60°の円弧に相当する領域に太陽電池モジュール10を湾曲させて配置した場合には、太陽電池セル11-(7)から最も離れた太陽電池セル11-(1)でも光Lの入射角は60°であり、発電量の差は14%程度である。そのため、タブ線12により太陽電池セル11-(1)~11-(12)を直列に接続している本実施形態にかかる太陽電池モジュール10においても発電効率が大きく低下してしまう懸念はほとんどない。
以上は、本実施形態にかかる太陽電池モジュール10について、リンク部15F,15Bを積極的に曲げることによるメリットを中心に本実施形態による効果を説明してきたが、本実施形態にかかる太陽電池モジュール10の効果はこれに制限されない。例えば、本実施形態にかかる太陽電池モジュール10によれば、リンク部15F,15Bを有することで、例えば何らかの外力が働いた際にもリンク部15F,15Bが曲がることで当該外力の作用が逃がされ、封止材14に囲まれた太陽電池セル11への影響が及びにくい。そのため、太陽電池モジュール10に外力が働いても太陽電池セル11の破損や外力の影響を抑制することができる。
特に、太陽電池セル11として、フレキシビリティがなく割れなどの破損が生じやすい材料系のセルを用いた場合にも、本実施形態にかかる太陽電池モジュール10によれば、リンク部15F,15Bにより外力が逃がされるとともに、封止材14で囲まれて保護されているため、太陽電池セル11の破損や外力の影響から遠ざけることができる。
太陽電池セルは、程度の差はあれ、一般に破損しやすい性質を有する。そのため、通常は、当該太陽電池セルをの少なくとも受光面を硬質のガラス板で覆い、他方の面を硬質または軟質の層で覆うことで太陽電池セルをサンドイッチ状に挟み込んで保護している。用いるガラス板や硬質の層は、太陽電池セルを破損や外力の影響から保護する目的から、どうしてもある程度の重量物になってしまう。そのため、従来の太陽電池モジュールは、面積が大きくなってくると重量が重くなってしまい、運搬、移動、設置に大変な労力を要してしまう。また、重量物である太陽電池モジュールを設置できる場所や対象は、その重量物を安定的に受け止められることが求められることから、かなり限定的になってしまう。
しかし、本実施形態にかかる太陽電池モジュール10は、太陽電池セル11を保護するためのガラス板や硬質の層を必要とせず、軽量のプラスチック素材で構成することが可能な封止材14及びカバーフィルム13F,13Bで太陽電池セル11を保護しているため、全体としての軽量化を実現することができる。そのため、本実施形態にかかる太陽電池モジュール10によれば、全体としての軽量化を実現することができるので、運搬、移動、設置が容易であるとともに、設置できる場所や対象の制限が緩和される。
次に、リンク部15F,15Bの形状の変形例について説明する。
本実施形態においてリンク部15F,15Bは、図2~図3に示すように、並び方向Xの断面における溝(陥没)の形状が、溝の底が短辺となる台形状となっているが、これに限定されない。リンク部の形状は溝(陥没)である限り、特に制限はない。以下、リンク部の形状の変形例を示す。図5~図7は、それぞれリンク部の変形例を示す模式図であり、リンク部及びその周辺部の封止材の輪郭を示すものである。
図5は、リンク部15Fa,15Baにおいて、並び方向Xの断面における溝(陥没)の形状が矩形(パルス状)となっている例である。図5に示す変形例のリンク部15Fa,15Baでは、並び方向Xにおいて、溝になっているリンク部15Fa,15Baの全域にわたって封止材14の厚みTbが最小となっている。そのため、この厚みTbが0.05~0.6mmの範囲内であれば、両矢印aで示されるリンク部15Fa,15Baの全域が領域0.05-0.6に相当する。したがって、この場合においては、両矢印aの線分の長さが1mm以上であることが好ましい。
図6は、リンク部15Fb,15Bbにおいて、並び方向Xの断面における溝(陥没)の底の形状が半円形となっている例である。図6に示す変形例のリンク部15Fb,15Bbでは、並び方向Xの断面において、溝の壁面が厚み方向Zに切り立っており、溝の底は半円形になっている。本変形例においては、溝の壁面が厚み方向Zに切り立った直線領域から曲線領域に切り替わる点Cにおける厚みTc及び最小厚みTbが0.05~0.6mmの範囲内であれば、両矢印cで示される領域が領域0.05-0.6に相当する。したがって、この場合においては、両矢印cの線分の長さが1mm以上であることが好ましい。
また、図6において、両矢印aで示される領域における最大厚みTaが0.6mmであり、最小厚みTbが0.05~0.6mmの範囲内であれば、両矢印aで示される領域が領域0.05-0.6に相当する。したがって、この場合においては、両矢印aの線分の長さが1mm以上であることが好ましい。
図7は、リンク部15Fc,15Bcにおいて、並び方向Xの断面における溝(陥没)の形状が、溝の窪み始めと底に至る辺りが緩やかになっている例である。両矢印aで示される領域における最大厚みTaが0.6mmであり、最小厚みTbが0.05~0.6mmの範囲内であれば、両矢印aで示される領域が領域0.05-0.6に相当する。したがって、この場合においては、両矢印aの線分の長さが1mm以上であることが好ましい。
第1の実施形態並びに上記3つの変形例では、受光面11Fと裏面11Bの両方の面にリンク部15F(a~c),15B(a~c)が形成された例を挙げているが、リンク部は、受光面とその裏面のいずれか一方の面にのみ形成されていても構わない。図8は、受光面にのみリンク部15Fdが形成された変形例を示す模式図であり、リンク部15Fd及びその周辺部の封止材14の輪郭を示すものである。
図8に示す変形例のリンク部15Fdは、並び方向Xの断面における溝(陥没)の形状が、溝の底が短辺となる台形状となっている。本変形例のように片面にのみリンク部15Fdが形成されている場合であっても、第1の実施形態におけるリンク部15F,15Bと同様である。
即ち、両矢印aで示される領域における最大厚みTaが0.6mmであり、最小厚みTbが0.05~0.6mmの範囲内であれば、両矢印aで示される領域が領域0.05-0.6に相当する。したがって、この場合においては、両矢印aの線分の長さが1mm以上であることが好ましい。また、図8において、最小厚みTbが0.6mmであったとすれば、最小厚みTbとなる両矢印bで示される領域が領域0.05-0.6に相当する。したがって、この場合においては、両矢印bの線分の長さが1mm以上であることが好ましい。
なお、本実施形態においては、各太陽電池セル11に一対のタブ線12を接続する例を挙げているが、電流の大きさに応じて複数対のタブ線を接続してもよい。また、本実施形態においては、太陽電池セル11の受光面11Fと裏面11Bの両面に電極端子を備えた例を挙げているが、例えば、受光面とは裏側の面のみに2つの電極端子とを備えた裏面電極型の太陽電池セルを用いてもよく、その場合には、一対のタブ線またはフレキシブルな配線が太陽電池セルの裏面にのみ接続される。さらに、本実施形態においては、太陽電池セル11の片面のみを受光面11Fとする片面受光型の太陽電池を用いる構成としたが、裏表両面で受光する両面受光型の太陽電池セルを用いてもよい。これらは、以下説明する他の実施形態においても同様である。
<第2の実施形態>
図9は、第2の実施形態にかかる太陽電池モジュール20の平面図であり、図10は、図9におけるB-B断面にかかる部分拡大断面図である。図10においては、図9におけるB-B断面のうちの一部(太陽電池セル11に付された括弧書きの番号が(3)~(6)の領域)のみが表されている。図9及び図10において、第1の実施形態にかかる太陽電池モジュール10と同様の構成及び機能の部材には、図1及び図2における符号と同じ符号を付してその説明は省略する。
図9及び図10に示されるように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール20において、太陽電池セル11の垂直方向Yの両端近傍には、並び方向Xのほぼ全域に延びる2つのタブ線22a,22bが配されている。タブ線22a,22bは、第1の実施形態におけるタブ線12と同様、隣合う太陽電池セル11同士を電気的に接続する部材であり、導電性の線材である。
それぞれの太陽電池セル11には、受光面11F側であって、矢印Y方向側の端部近傍に第1の電極端子(不図示)が設けられ、裏面11B側であって、矢印Y方向側とは逆側の端部近傍に第2の電極端子(不図示)が設けられている。受光面11Fに設けられた第1の電極端子及び裏面11Bに設けられた第2の電極端子は、正負逆極になっていて、光により生じた起電力が両電極端子間から取り出せるようになっている。
タブ線22aは、太陽電池セル11の矢印Y方向側で、並び方向Xにおける、全ての太陽電池セル11の範囲に延びている。タブ線22aからは、矢印Y方向とは逆方向に延びる枝線部材22a′が枝分かれして、当該枝線部材22a′が、それぞれの太陽電池セル11における第1の電極端子(不図示)に接続されている。タブ線22aは、矢印X方向側にさらに延びて、カバーフィルム13Fの縁から突出し、当該突出した端部が外部と接続する出力端子22atとなっている。
一方、タブ線22bは、太陽電池セル11の矢印Y方向とは逆側で、並び方向Xにおける、全ての太陽電池セル11の範囲に延びている。タブ線22bからは、矢印Y方向に延びる枝線部材22b′が枝分かれして、当該枝線部材22b′が、それぞれの太陽電池セル11における第2の電極端子(不図示)に接続されている。タブ線22bは、矢印X方向側にさらに延びて、カバーフィルム13F,13Bの縁から突出し、当該突出した端部が外部と接続する出力端子22btとなっている。
本実施形態において、タブ線22a,22bによる太陽電池セル11同士の電気的な接続は並列接続になっている。そのため、全ての太陽電池セル11で発生した起電力の合計の電流が出力端子22atと出力端子22btとの間に生ずる。
図9及び図10に示されるように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール20においては、隣合う太陽電池セル11の間に、受光面11F側の面及び裏面11B側の面が何れも厚み方向に陥没し、当該陥没が太陽電池セル11の並び方向Xに延びた溝状のリンク部15F,15Bが形成されている(図10参照。図9においては、二点鎖線でリンク部15Fを模式的に表している。)。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール20は、太陽電池セル11同士の電気的な接続が並列接続になっていることを除けば、第1の実施形態にかかる太陽電池モジュール10とほぼ同様の構成である。そのため、本実施形態にかかる太陽電池モジュール20は、第1の実施形態にかかる太陽電池モジュール10と同様のフレキシブル性と耐久性とを兼ね備えており、未使用時等における運搬性、収納性に優れているとともに、湾曲表面に取り付けて、太陽電池として使用することができる。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール20を湾曲表面に取り付けた一態様として、図11に示す例を挙げる。図11は、本実施形態にかかる太陽電池モジュール20を円柱体26の外周面に取り付けた状態を模式的に示す模式横断面図である。図11の横断面は、円柱体26の軸方向と垂直方向の断面である。円柱体26としては、例えば、電信柱、煙突、街灯の支柱等が挙げられる。
図11の模式横断面図においては、図4と同様、太陽電池モジュール20におけるカバーフィルム13F,13B等の図示は省略して太陽電池セル11-(1)~11-(12)のみを描き、太陽電池セル11-(1)~11-(12)と円柱体26の外周面との関係がわかるようにしている。なお、太陽電池セル11におけるハイフン以下の括弧書きの枝番は、図9において各太陽電池セル11に付された括弧書きの番号に対応するものである。
図11に示されるように、太陽電池モジュール20が円柱体26の湾曲した外周面に取り付けられることで、12枚の太陽電池セル11-(1)~11-(12)が周方向R2に並んで円柱体26に取り付けられた状態になっている。太陽電池セル11は、受光面11Fを径方向(矢印I方向及びO方向)の外側(矢印O方向側)に向けて、円柱体26の外周面のうち、中心角が約180°の円弧に相当する領域に15°ずつ角度を変えて、並んで取り付けられた状態になっている。
このように本実施形態にかかる太陽電池モジュール10によれば、例えば円柱体26の外周面の如き湾曲した表面に沿って取り付けることができ、そのまま太陽電池として使用することができる。湾曲した表面に取り付けられた太陽電池モジュール10は、太陽電池セル11の個々の受光面11Fが放射状に外方を向いているため、太陽等の光源の位置が変わっても、何れか1または2以上の太陽電池セル11が効率的に光を受け止めて発電することができる。
図11の例においては、円柱体26の外周面に取り付けられた太陽電池セル11のうち太陽電池セル11-(7)の受光面11Fに対して垂直に(90°の入射角で)照射されるように光Lが照射された状態が表されている。このとき、太陽電池セル11-(7)が最も発電量が多くなり、次いでその両隣の、光Lが75°の入射角で照射される太陽電池セル11-(6),11-(8)の発電量が多くなる。
そして、太陽電池セル11-(5),11-(9)、太陽電池セル11-(4),11-(10)、太陽電池セル11-(3),11-(11)、太陽電池セル11-(2),11-(12)と順次入射角が15°ずつ小さくなって行き、発電量が順次低下する。太陽電池セル11-(7)から最も離れた太陽電池セル11-(1)は受光面11Fが光Lの照射方向と平行であり、入射角が0°になって、ほとんど発電されない。
太陽電池の性質として、直列に繋いだ太陽電池セル中に発電量に大きな差があると、最も発電量の少ないセルによって電流が制限され、全体としての発電効率が大幅に低下してしまう。そのため、図11の例において、太陽電池セル11を直列に接続している第1の実施形態にかかる太陽電池モジュール10を用いた場合には、発電効率の大幅な低下を招いてしまう。勿論、原理的には各太陽電池セル11-(1)~11-(12)に対して並列にバイパスダイオードを設けておくことで、電流の制限を緩和できるが、ある程度の発電効率の低下は免れない。
しかし、本実施形態にかかる太陽電池モジュール20では、太陽電池セル11を並列に接続しているため、各太陽電池セル11-(1)~11-(12)で発電された電力が全て加算されることから無駄がない。そのため、本実施形態にかかる太陽電池モジュール20を用いた本例においては、太陽電池セル11を直列に接続した場合に比して得られる電圧は小さくなるものの、発電量の低下を抑制することができる。
図12は、図11の状態から太陽光等の光源の向きが15°傾いて、太陽電池セル11-(6)の受光面11Fに対して垂直に(90°の入射角で)照射されるように光Lが照射された状態が表されている。このとき、太陽電池セル11-(6)が最も発電量が多くなり、図11の状態における太陽電池セル11-(7)と同等となる。次いでその両隣の、光Lが75°の入射角で照射される太陽電池セル11-(5),11-(7)の発電量が多く、図11の状態における太陽電池セル11-(6),11-(8)と同等となる。さらに順次、図11の状態から隣にずれた太陽電池セル11が同程度の発電量となり、受光面11Fが光Lの照射方向と平行で、入射角が0°になるセルは、図11の状態における太陽電池セル11-(1)から、図12の状態では太陽電池セル11-(12)になる。
つまり、図11の状態から図12の状態になっても、太陽電池モジュール20全体としての発電効率に変化がない。これは、図12の状態とは逆方向に図11の状態から光源の向きを15°傾けて太陽電池セル11-(8)の受光面11Fに対して垂直に(90°の入射角で)照射されるように光Lが照射された場合も同様である。即ち、太陽電池セル11-(6)、太陽電池セル11-(7)あるいは太陽電池セル11-(8)への入射角が90°になる何れの光Lの照射方向の場合においても、発電効率に違いがない。
さらに同方向あるいは逆方向に光の照射角度が傾いて行くことで、光が入射しなくなるセルの数が増えて行くので、太陽電池モジュール20全体としての発電効率は低下して行く。しかし、光の入射角が90°あるいはその前後になる太陽電池セル11の発電量が多いので、図11に示す例による太陽電池モジュール20の使用態様は、例えば、日の出から日の入りまでの長い時間において、高い発電効率で発電することができる。日中の発電効率を最も高めるために、並び方向Xにおいて、太陽電池モジュール20は、その全体の中央が真南に位置するように設置することが好ましい。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール20によれば、以上説明した積極的に曲げることによるメリットの他、第1の実施形態と同様、全体としての軽量化を実現することができるため、運搬、移動、設置が容易であるとともに、設置できる場所や対象の制限が緩和される。
<第3の実施形態>
図13は、第3の実施形態にかかる太陽電池モジュール30の平面図であり、図14は、図13におけるC-C断面にかかる部分拡大断面図であり、図15は、図13におけるD-D断面にかかる部分拡大断面図である。図14においては、図13におけるC-C断面のうちの一部(太陽電池セル31に付された括弧書きの番号が(31)、(41)、(51)及び(61)の領域)のみが表されている。また、図15においては、図13におけるD-D断面のうちの一部(太陽電池セル31に付された括弧書きの番号が(72)~(74)の領域)のみが表されている。
図13~図15に示されるように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール30は、長方形状の平板であり、主として、複数(本実施形態では72枚)の太陽電池セル31と、第1のタブ線32a,32bと、第2のタブ線37と、透明の一対のカバーフィルム33F,33Bと、封止材44と、からなる。太陽電池セル31は、受光面31Fを同方向(矢印Z方向)に向け、受光面11Fと平行方向(矢印XY方向)に間隔を置いて碁盤目状に並べられている。
なお、図13~図15において、矢印X方向及びその逆方向が、太陽電池セル31が並んでいる一の方向(以下、「一方の並び方向X」と表記する。)であり、矢印Y方向及びその逆方向が、太陽電池セル31が並んでいるもう一方の方向(以下、「他方の並び方向Y」と表記する。)であり、矢印Z方向及びその逆方向が太陽電池モジュール30の厚み方向(以下、「厚み方向Z」と表記する。)である(後述する第4~第8の実施形態においても同様)。
図13において、太陽電池セル31、第1のタブ線32a,32b及び第2のタブ線37は、カバーフィルム33F及び封止材34の下に位置する部材であるが、カバーフィルム33F及び封止材34は透明の部材であり視認可能なので、実線で描いている(後述する第4~第8の実施形態においても同様)。
太陽電池セル31は第1の実施形態における太陽電池セル11と、第1のタブ線32a,32b及び第2のタブ線37は第1の実施形態におけるタブ線12と、一対のカバーフィルム33F,33Bは第1の実施形態における一対のカバーフィルム13F,13Bと、封止材34は第1の実施形態における封止材14と、それぞれ、形状、大きさ、数、配置、取り回し等が異なるものの部材としては同様の物であるため、その詳細な説明は省略する。
太陽電池セル31は、一方の並び方向Xに12枚、他方の並び方向Yに6枚の計72枚が間隔を置いて碁盤目状に並べられている。
それぞれの太陽電池セル31には、受光面31F側であって、矢印Y方向側の端部近傍に第1の電極端子(不図示)が設けられ、裏面31B側であって、矢印Y方向側とは逆側の端部近傍に第2の電極端子(不図示)が設けられている。受光面31Fに設けられた第1の電極端子及び裏面31Bに設けられた第2の電極端子は、正負逆極になっていて、光により生じた起電力が両電極端子間から取り出せるようになっている。
第1のタブ線32a,32bは、一方の並び方向Xに隣合う太陽電池セル31同士を電気的に接続する。第1のタブ線32aは、最も矢印Y方向側において一方の並び方向Xに並ぶ12枚の太陽電池セル31-(11)~31-(U1)の全ての範囲に延びている。第1のタブ線32aは、一方の並び方向Xに延びる長尺部32asと、長尺部32asから矢印Y方向とは逆方向に枝分かれした枝線部32a′と、長尺部32asの矢印X方向側に延びて、カバーフィルム33F,33Bの縁から突出した先で外部と接続する出力端子32atと、を備える。枝線部32a′は、それぞれの太陽電池セル31の第1の電極端子(不図示)に接続されている。
一方、第1のタブ線32bは、矢印Y方向側とは最も逆側において一方の並び方向Xに並ぶ12枚の太陽電池セル31-(16)~31-(U6)の全ての範囲に延びている。第1のタブ線32bは、一方の並び方向Xに延びる長尺部32bsと、長尺部32bsから矢印Y方向に枝分かれした枝線部32b′と、長尺部32bsの矢印X方向側に延びて、カバーフィルム33F,33Bの縁から突出した先で外部と接続する出力端子32btと、を備える。枝線部枝線部材32b′は、それぞれの太陽電池セル31の第2の電極端子(不図示)に接続されている。
第2のタブ線37は、他方の並び方向Yに隣合う太陽電池セル31同士を電気的に接続する。詳しくは、個々の第2のタブ線37は、隣合う太陽電池セル31の間にあって、一端(図面上の矢印Y方向側の端部)が裏面31Bに設けられた第2の電極端子(不図示)に、他端(図面上の矢印Y方向とは逆方向側の端部)が受光面11F側に設けられた第1の電極端子(不図示)に、それぞれ接続されている。第2のタブ線37は、他方の並び方向Yに並ぶ全ての太陽電池セル11同士の間において、同様に接続されている。
したがって、本実施形態にかかる太陽電池モジュール30においては、第2のタブ線37による太陽電池セル31同士の電気的な接続が直列接続になっている。一方、本実施形態にかかる太陽電池モジュール30においては、第1のタブ線32a,32bによる太陽電池セル31同士の電気的な接続が並列接続になっている。
即ち、本実施形態にかかる太陽電池モジュール30においては、他方の並び方向Yに並んで直列接続された6枚の太陽電池セル31の群(以下、「直列接続群」と称する場合がある。)が、一方の並び方向Xに12列並んでおり、これら12列の直列接続群の全てが並列接続された状態になっている。出力端子32at,32btからは、6枚の太陽電池セル31で発生した起電力の合計の電圧で、12列の直列接続群の合計の電流が出力される。
なお、各直列接続群には、それぞれさらに直列に逆流防止ダイオードを設けておいてもよい。また、各太陽電池セル31には、並列にバイパスダイオードを設けておいてもよい。
封止材34は、一対のカバーフィルム33F,33B間に充填されて、カバーフィルム33F,33Bと太陽電池セル31との間、カバーフィルム33F,33Bと第1のタブ線32a,32bとの間、及び、カバーフィルム33F,33Bと第2のタブ線37との間に介在している。
図13及び図14に示されるように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール30においては、一方の並び方向Xに隣合う太陽電池セル31の間に、受光面31F側の面及び裏面31B側の面が何れも厚み方向に陥没し、当該陥没が他方の並び方向Yに延びた溝状のリンク部35F,35Bが形成されている(図14参照。図13においては、二点鎖線でリンク部35Fを模式的に表している。)。
図14に示されるように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール30は、リンク部35F,35Bにおける封止材34の厚みT11が、リンク部35F,35B以外の部位における封止材34の厚み(T12+T13+T14)に比して小さい。本実施形態によれば、このように他方の並び方向Yに延びた溝状の薄肉部であるリンク部35F,35Bを設けることで、当該リンク部35F,35Bで折り曲げることができるようになっている。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール30は、薄肉部であるリンク部35F,35Bにおいても封止材34が存在しており、カバーフィルム33F,33Bと第1のタブ線32a,32bとの間に介在している。そのため、リンク部35F,35Bにおいて折り曲げられても、あるいはさらに折り曲げが繰り返されても、カバーフィルム33F,33Bと封止材34との接着が強固であり、剥がれにくい。また、第1のタブ線32a,32bは、リンク部35F,35Bにおいても封止材34により取り囲まれた状態になっており、折り曲げ時にも封止材34で保護された状態なので、折り曲げに対する耐久性に優れている。
リンク部35F,35Bの寸法としては、太陽電池セル31の一方の並び方向Xにおいて、封止材34の厚みが0.05~0.6mmである領域(第1の実施形態におけるリンク部15F,15Bの寸法と同様、「領域0.05-0.6」と表記する。)が、1mm以上であることが好ましい。領域0.05-0.6の定義や考え方、好ましい範囲等は、第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態におけるリンク部15F,15Bの説明を参照されたい。領域0.05-0.4や領域0.05-0.3についても同様である。
その他、本実施形態におけるリンク部35F,35Bは、第1の実施形態におけるリンク部15F,15Bと同様の構成であり、機能も同様である。また、変形例等についても同様である。したがって、これら詳細についても、第1の実施形態におけるリンク部15F,15Bの説明を参照されたい。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール30は、リンク部35F,35Bが折り曲げに対する耐久性があるため、リンク部35F,35Bで折り曲げることができる。そのため、リンク部35F,35Bで同方向に折り曲げることで太陽電池モジュール30を全体として一方の並び方向Xに巻き取り、ロール状にすることができる。
さらに、本実施形態にかかる太陽電池モジュール30は、例えば、リンク部35F,35Bにおける領域0.05-0.6の長さを十分に大きくすること等により屈曲性を高めることで、隣り合うリンク部35F,35Bで山折り谷折りに交互に折り曲げて、蛇腹状(アコーディオン状)に折り畳むことができる。
したがって、本実施形態にかかる太陽電池モジュール30によれば、折り畳んだ際の面積を広げた状態(折り畳む前の状態)に比して大幅に縮小することができるため、未使用時等における運搬性、収納性に優れている。また、リンク部35F,35Bでの折り曲げに対する耐久性も高いので、繰り返しの運搬や収納に対しても有利である。
一方、本実施形態にかかる太陽電池モジュール30は、リンク部35F,35Bで同方向に折り曲げることで太陽電池モジュール30を全体として一方の並び方向Xに湾曲させて、湾曲表面に取り付けることができる。したがって、本実施形態にかかる太陽電池モジュール30によれば、平らでない湾曲表面に取り付けて、太陽電池として使用することができる。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール30は、第1の実施形態において図4を用いて説明した構造物16の湾曲面に取り付けられるのは勿論のこと、第2の実施形態において図11を用いて説明した円柱体26の外周面にも好適に取り付けて使用することができる。図16は、本実施形態にかかる太陽電池モジュール30を図11に示す円柱体26と同様の円柱体36の外周面に取り付けた状態を模式的に示す模式横断面図である。図16の横断面は、円柱体36の軸方向と垂直方向の断面である。
図16の模式横断面図においては、図11と同様、太陽電池モジュール30におけるカバーフィルム33F,33B等の図示は省略して太陽電池セル31のみを描き、太陽電池セル31と円柱体36の外周面との関係がわかるようにしている。太陽電池セル31におけるハイフン以下の枝番は、図13において各太陽電池セル31に付された括弧書きの番号に対応するものである。
また、図16において、図13に示される最も矢印Y方向側において一方の並び方向Xに並ぶ12枚の太陽電池セル31-(11)~31-(U1)のみが、図16では最も手前側に当たるので描かれているが、それぞれの太陽電池セル31-(11)~31-(U1)には、その背後に5つの太陽電池セル31が直列に接続されて、それぞれ直列接続群を構成している。以下、それぞれの直列接続群を指す際に、図16に現れている最も手前側の太陽電池セル31の符号を用いて、直列接続群31-(11)~31-(U1)と表記する。
図16に示されるように、太陽電池モジュール30が円柱体36の湾曲した外周面に取り付けられることで、72枚の太陽電池セル31が直列接続群ごとに周方向R2に並んで円柱体36に取り付けられた状態になっている。太陽電池セル31は、受光面31Fを径方向(矢印I方向及びO方向)の外側(矢印O方向側)に向けて、円柱体36の外周面のうち、中心角が約180°の円弧に相当する領域に15°ずつ角度を変えて、並んで取り付けられた状態になっている。
このように本実施形態にかかる太陽電池モジュール30によれば、例えば円柱体36の外周面の如き湾曲した表面に沿って取り付けることができ、そのまま太陽電池として使用することができる。湾曲した表面に取り付けられた太陽電池モジュール30は、太陽電池セル31の個々の受光面31Fが放射状に外方を向いているため、太陽等の光源の位置が変わっても、何れか1または2以上の直列接続群に属する太陽電池セル31が効率的に光を受け止めて発電することができる。
図16の例においては、円柱体36の外周面に取り付けられた太陽電池セル31のうち直列接続群31-(71)に属する太陽電池セル31の受光面31Fに対して垂直に(90°の入射角で)照射されるように光Lが照射された状態が表されている。このとき、直列接続群31-(71)に属する太陽電池セル31が最も発電量が多くなり、次いでその両隣の、光Lが75°の入射角で照射される直列接続群31-(61)に属する太陽電池セル31、及び、直列接続群31-(81)に属する太陽電池セル31の発電量が多くなる。
そして、直列接続群31-(51),31-(91)、直列接続群31-(41),31-(S1)、直列接続群31-(31),31-(T1)、直列接続群31-(21),31-(U1)と順次、属する太陽電池セル31における入射角が15°ずつ小さくなって行き、発電量が順次低下する。太陽電池セル31-(71)から最も離れた太陽電池セル31-(1)は受光面31Fが光Lの照射方向と平行であり、入射角が0°になって、ほとんど発電されない。以上のように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール30においては、直列接続群ごとに太陽電池セル31における光の入射角が異なり、発電量に差が生じる。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール30によれば、以上説明した積極的に曲げることによるメリットの他、第1の実施形態と同様、全体としての軽量化を実現することができるため、運搬、移動、設置が容易であるとともに、設置できる場所や対象の制限が緩和される。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール30では、各直列接続群を並列に接続しているため、直列接続群ごとに発電された電力が全て加算されることから無駄がない。しかも、本実施形態にかかる太陽電池モジュール30では、各直列接続群で6つの太陽電池セル31を直列接続しているので、出力される電圧が6つの太陽電池セル31により発電された電圧の合計となり、高い電圧も確保することができる。
<第4の実施形態>
図17は、第4の実施形態にかかる太陽電池モジュール40の平面図であり、図18は、図17におけるE-E断面にかかる部分拡大断面図であり、図19は、図17におけるF-F断面にかかる部分拡大断面図である。図18においては、図17におけるE-E断面のうちの一部(太陽電池セル41に付された括弧書きの番号が(31)、(41)、(51)及び(61)の領域)のみが表されている。また、図19においては、図17におけるF-F断面のうちの一部(太陽電池セル31に付された括弧書きの番号が(72)~(74)の領域)のみが表されている。図17~図19において、第3の実施形態にかかる太陽電池モジュール30と同様の構成及び機能の部材には、図13~図15における符号と同じ符号を付してその説明は省略する。
図17及び図18に示されるように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール40においては、一方の並び方向Xに隣合う太陽電池セル31の間に、受光面31F側の面及び裏面31B側の面が何れも厚み方向に陥没し、当該陥没が他方の並び方向Yに延びた溝状のリンク部(後述する第2のリンク部と区別するため、当該リンク部を「第1のリンク部」と表記する。)45F,45Bが形成されている(図18参照。図17においては、二点鎖線で第1のリンク部45Fを模式的に表している。)。
図18に示されるように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール40は、第1のリンク部45F,45Bにおける封止材44の厚みT21が、第1のリンク部45F,45B以外の部位における封止材44の厚み(T22+T23+T24)に比して小さい。本実施形態によれば、このように他方の並び方向Yに延びた溝状の薄肉部である第1のリンク部45F,45Bを設けることで、当該第1のリンク部45F,45Bで折り曲げることができるようになっている。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール40は、薄肉部である第1のリンク部45F,45Bにおいても封止材44が存在しており、カバーフィルム43F,43Bと第1のタブ線42a,42bとの間に介在している。そのため、リンク部45F,45Bにおいて折り曲げられても、あるいはさらに折り曲げが繰り返されても、カバーフィルム43F,43Bと封止材44との接着が強固であり、剥がれにくい。また、第1のタブ線42a,42bは、第1のリンク部45F,45Bにおいても封止材44により取り囲まれた状態になっており、折り曲げ時にも封止材44で保護された状態なので、折り曲げに対する耐久性に優れている。
第1のリンク部45F,45Bの寸法としては、太陽電池セル41の一方の並び方向Xにおいて、封止材44の厚みが0.05~0.6mmである領域(第1の実施形態におけるリンク部15F,15Bの寸法と同様、「領域0.05-0.6」と表記する。)が、1mm以上であることが好ましい。領域0.05-0.6の定義や考え方、好ましい範囲等は、第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態におけるリンク部15F,15Bの説明を参照されたい。領域0.05-0.4や領域0.05-0.3についても同様である。
その他、本実施形態における第1のリンク部45F,45Bは、第1の実施形態におけるリンク部15F,15Bと同様の構成であり、機能も同様である。また、変形例等についても同様である。したがって、これら詳細についても、第1の実施形態におけるリンク部15F,15Bの説明を参照されたい。
一方、本実施形態にかかる太陽電池モジュール40においては、図17及び図19に示されるように、他方の並び方向Yに隣合う太陽電池セル41の間に、受光面41F側の面及び裏面41B側の面が何れも厚み方向に陥没し、当該陥没が一方の並び方向Xに延びた溝状の第2のリンク部48F,48Bが形成されている(図19参照。図17においては、二点鎖線で第2のリンク部48Fを模式的に表している。)。
図19に示されるように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール40は、第2のリンク部48F,48Bにおける封止材44の厚みT21が、第2のリンク部48F,48B以外の部位における封止材44の厚み(T32+T33+T34)に比して小さい。本実施形態によれば、このように一方の並び方向Xに延びた溝状の薄肉部である第2のリンク部48F,48Bを設けることで、当該第2のリンク部48F,48Bで折り曲げることができるようになっている。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール40は、薄肉部である第2のリンク部48F,48Bにおいても封止材44が存在しており、カバーフィルム43F,43Bと第2のタブ線37との間に介在している。そのため、第2のリンク部48F,48Bにおいて折り曲げられても、あるいはさらに折り曲げが繰り返されても、カバーフィルム43F,43Bと封止材44との接着が強固であり、剥がれにくい。また、第2のタブ線37は、第2のリンク部48F,48Bにおいても封止材44により取り囲まれた状態になっており、折り曲げ時にも封止材44で保護された状態なので、折り曲げに対する耐久性に優れている。
第2のリンク部48F,48Bの寸法としては、太陽電池セル41の他方の並び方向Yにおいて、封止材44の厚みが0.05~0.6mmである領域(第1の実施形態におけるリンク部15F,15Bの寸法と同様、「領域0.05-0.6」と表記する。)が、1mm以上であることが好ましい。領域0.05-0.6の定義や考え方、好ましい範囲等は、第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態におけるリンク部15F,15Bの説明を参照されたい。領域0.05-0.4や領域0.05-0.3についても同様である。
その他、本実施形態における第2のリンク部48F,48Bは、第1の実施形態におけるリンク部15F,15Bと同様の構成であり、機能も同様である。また、変形例等についても同様である。したがって、これら詳細についても、第1の実施形態におけるリンク部15F,15Bの説明を参照されたい。
以上のように、本実施形態においては、碁盤目状に並ぶ太陽電池セル41の間に、略直角に交差(略直交)する2方向のリンク部(第1のリンク部45F,45B及び第2のリンク部48F,48B)が設けられている。そのため、本実施形態にかかる太陽電池モジュール40は、一方の並び方向Xにも他方の並び方向Yにも折り曲げることができるようになっている。
即ち、まず、一方の並び方向Xに隣合う太陽電池セル31の間にリンク部35F,35Bが形成された第3の実施形態と同様、第1のリンク部45F,45Bで折り曲げられることによる未使用時等における運搬性、収納性に優れる効果と、湾曲表面に取り付けて、太陽電池として使用することができる効果を備えている。
本実施形態においては、さらに他方の並び方向Yに隣合う太陽電池セル31の間に形成された第2のリンク部48F,48Bでも折り曲げられるようになっている。そのため、例えば、収納時の折り曲げ方向と設置時の湾曲方向とを独立に設定することができる。例えば、Y方向がX方向に比べて長い形状の太陽電池モジュール(図示せず)を一方の並び方向Xで折り曲げ、湾曲した表面に取り付けて使用する場合であっても、未使用時等においては、他方の並び方向Yで折り曲げて、太陽電池モジュールの長手方向をコンパクト化することができる。したがって、未使用時にも太陽電池としての使用時にも形状の自由度がより一層高く、取り扱い性や設計の自由度に優れている。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール40は、第1のリンク部45F,45Bと、それと直交する第2のリンク部48F,48Bを有しており、これら2方向に曲がるようになっている。即ち、本実施形態にかかる太陽電池モジュール40は、例えば何らかの外力が働いた際にも第1のリンク部45F,45Bや第2のリンク部48F,48Bが曲がることで当該外力の作用が効率的に逃がされる。したがって、本実施形態にかかる太陽電池モジュール40は、大面積でありながら、封止材34に囲まれた太陽電池セル31への影響が及びにくい。そのため、太陽電池モジュール40に外力が働いても太陽電池セル31の破損や外力の影響を抑制することができる。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール40は、太陽電池セル31を保護するためのガラス板や硬質の層を必要とせず、軽量のプラスチック素材で構成することが可能な封止材34及びカバーフィルム33F,33Bで太陽電池セル31を保護しているため、全体としての軽量化を実現することができる。そのため、本実施形態にかかる太陽電池モジュール40によれば、全体としての軽量化を実現することができるので、運搬、移動、設置が容易であるとともに、設置できる場所や対象の制限が緩和される。
なお、本実施形態では、碁盤目状に並ぶ太陽電池セル41の間に、略直角に交差(略直交)する2方向のリンク部(第1のリンク部45F,45B及び第2のリンク部48F,48B)が設けられているが、これらの内何れか一方のみが設けられた構成であっても本発明の範疇に含まれる。
一方の並び方向Xに隣合う太陽電池セル31の間に形成された第1のリンク部45F,45Bのみが設けられた構成は、同様の箇所にリンク部35F,35Bが形成された第3の実施形態にかかる太陽電池モジュール30と同一の構成であるため、既述の通りである。
これに対して、矢印Y方向に隣合う太陽電池セル31の間に形成された第2のリンク部48F,48Bのみが設けられた構成であっても本発明の範疇に含まれる。ただし、この場合には、矢印Y方向が本発明(請求項4)に云う「一方の並び方向」に相当し、矢印X方向が本発明(同)に云う「他方の並び方向」に相当するとともに、符号48F,48Bで示される第2のリンク部が本発明(同)に云う「リンク部」に相当する。
[太陽電池モジュールの製造方法]
以上説明した実施形態にかかる太陽電池モジュールを製造する「太陽電池モジュールの製造方法」について説明する。以下の説明においては、第1~第3の実施形態のように一方向にのみ折れ曲がる太陽電池モジュールと、第4の実施形態のように直交する二方向に折れ曲がる太陽電池モジュールの2種類について、その製造方法をそれぞれ第1の製造方法及び第2の製造方法として説明する。
<第1の製造方法…一方向にのみ折れ曲がる太陽電池モジュールの製造方法>
以下、第1の製造方法として、第1の実施形態にかかる太陽電池モジュール10に類似した太陽電池モジュールを製造する方法を中心に説明する。なお、以下の説明においては、図1及び図2における符号を用いて説明するが、製造される太陽電池モジュールは、第1の実施形態にかかる太陽電池モジュール10と厳密には形状が異なる。
(1)準備工程(配線までの工程)
まず、必要枚数の太陽電池セル11と、必要個数のタブ線12と、完成時にカバーフィルム13F,13Bになる例えばポリエチレンテレフタレート(PET)製の一対の樹脂フィルム(後述する符号13′)と、完成時に封止材14になる例えばシート状のエチレン-酢酸ビニル共重合体である封止材材料のシート(後述する符号14′)を2枚と、を用意する。用意した各々の太陽電池セル11の受光面11F側の配線部分(第1の実施形態における不図示の第1の電極端子部分)にタブ線12の一端をはんだ付けする。
次いで、平らな台の上に、太陽電池セル11を受光面11Fが下に全て揃うように向け、間隔を置いて一列に並べて、一端が第1の電極端子部分にはんだ付けされたタブ線12の他端を隣の太陽電池セル11の裏面11B側の配線部分(第1の実施形態における不図示の第2の電極端子部分)にはんだ付けして繋ぐことで、隣合う太陽電池セル11間を電気的に接続する。
(2)積層配置工程
本工程以降は、図20及び図21を用いて説明する。なお、図20は、本発明の例示的態様である実施形態にかかる太陽電池モジュールの製造方法における製造途中の状態を示す平面図であり、詳しくは、次工程のラミネート準備工程が完了しラミネート処理に供される直前の状態(以下、当該状態のものを「ラミネート前積層体」と称する。)を示している。図21は、図20におけるG-G断面にかかる部分拡大断面図である。図20及び図21中の矢印X~Zは、太陽電池モジュールにかかる第1の実施形態における各図面に示された各矢印と同一である。
ただし、図20においては、後述する最上層のシリコーンシート(符号99F)の図示を省略している。また、図21においては、図20におけるG-G断面のうちの一部(太陽電池セル11に付された括弧書きの番号が(3)~(6)の領域)のみが表されている。
平らな台の上に、1枚の樹脂フィルム13′を置き、1枚の封止材材料のシート14′を重ね、その上にタブ線12による配線済みの太陽電池セル11を並べて置いた。さらにもう1枚の封止材材料のシート14′を重ね、その上にもう1枚の樹脂フィルム13′を置いた。以上のようにして、タブ線12による配線済みの太陽電池セル11を太陽電池セル11の両面(符号11F及び11B)から封止材材料(シート14′)を介して一対の樹脂フィルム13′で挟み込んだ。
(3)ラミネート準備工程
平らな台の上にシリコーンシート99Bを敷いて、その上に治具としてのピアノ線91Bを、図1及び図2におけるリンク部15Bの間隔と同じ間隔になるように並べて配置した。治具は円柱状かつ棒状の部品であり、本例では適切な径のピアノ線91F,91Bを用いている。
シリコーンシート99B上に配置されたピアノ線91Bの上に、(2)積層配置工程の操作が完了した状態の積層体を載せた。このとき、隣合う太陽電池セル11の間の中心にピアノ線91Bが矢印Y方向に延在するように、必要に応じて微調整した。この状態で、位置が動かないように何らかの方法(例えば粘着テープ)によって、ピアノ線91Bと積層体とを固定することが好ましい。
そして、積層体における上側の樹脂フィルム13′上における、シリコーンシート99B上に並べたピアノ線91Bと平面視で一致する位置に、同じ本数のピアノ線91Fを並べて配置した。この状態でまた、位置が動かないように、上記同様、ピアノ線91Fと積層体とを固定することが好ましい。さらに、上側の樹脂フィルム13′上に配置されたピアノ線91Fの上に、シリコーンシート99Fを載せて、ラミネート前積層体を得た。
(4)ラミネート処理工程
図20及び図21に示される、ラミネート前積層体に対して、真空ラミネータによって厚み方向Zから加熱圧着してラミネート処理を行った。加熱圧着の条件は、用いる封止材材料や樹脂フィルムの材質等によって適宜設定すればよいが、本実施形態においては、3分間真空引き後大気加圧し、150℃で15分間の条件で真空ラミネータ装置を用いてラミネート処理を行った。
ラミネート処理により図21に示すラミネート前積層体を厚さ方向Zから加熱しながら加圧すると、封止材材料のシート14′が溶融して樹脂フィルム13′と共にピアノ線91F,91Bが埋まり込む。加熱により溶融したシート14′は、液状になって圧し潰され、一対の樹脂フィルム13′間の空隙(例えば、太陽電池セル11やタブ線12の周辺)に周り込んで充填される。
ラミネート処理後の状態を図22に示す。ここで、図22は、本発明の例示的態様である実施形態にかかる太陽電池モジュールの製造方法における製造途中の、ラミネート処理後の状態を示す部分拡大断面図であり、図21と同一箇所の断面図である。図22中には、ラミネート処理前のシリコーンシート99F,99B及びピアノ線91F,91Bの位置にこれらが点線で描かれている。
図22に示されるように、ラミネート前積層体は、全体が薄膜化しつつ、一対の樹脂フィルム13′間がシート14′だった封止材材料で満たされて空隙が無くなるとともに、樹脂フィルム13′と共にピアノ線91F,91Bが埋まり込んだ状態になって、樹脂フィルム13′はカバーフィルム13F,13Bになり、シート14′は封止材14になる。また、ピアノ線91F,91Bによってカバーフィルム13F,13Bの面が陥没した溝はリンク部15F′,15B′になる。
そして、ラミネート処理後、両面のシリコーンシート99F,99Bとピアノ線91F,91Bを除し、常温下に置いて冷却した。冷却後、はみ出した封止材材料や余分な樹脂フィルム13′があればカットして、太陽電池モジュール10を完成させた。得られた太陽電池モジュール10には、ピアノ線91F,91Bの断面形状(本製造方法の説明において、「断面形状」とは、並び方向Xの断面における形状を指す。)が転写されたリンク部15F′,15B′が形成されている。当該リンク部15F′,15B′における封止材14の断面形状は、図6に示されるリンク部15Fb,15Bbの形状になっている。
以上説明した第1の製造方法において、治具として用いたピアノ線91F,91Bを断面形状の異なる他の棒状の部品とすることにより、形成されるリンク部の断面形状を制御することができる。例えば、断面形状が矩形状の治具を用いれば、封止材14の断面形状が図5に示される形状のリンク部15Fa,15Baを形成することができる。
また、例えば、断面形状が台形状の治具を用い、当該治具の断面における長辺側の面をシリコーンシート99F,99Bに接するように治具を配置してラミネート処理すれば、第1の実施形態にかかる太陽電池モジュール10のリンク部15F,15Bの断面形状とすることができる。
以上説明した第1の製造方法においては、積層体における上下両側の樹脂フィルム13′とシリコーンシート99F,99Bとの間に治具(ピアノ線91F,91B)を配置したが、上下の何れか一方にのみ治具を配することにより、受光面11F側または裏面11B側のいずれか一方にのみリンク部が形成された太陽電池モジュールとすることができる。
例えば、断面形状が台形状の治具を用い、当該治具の断面における長辺側の面を上側のシリコーンシート99Fに接するように治具を配置し、下側の樹脂フィルム13′とシリコーンシート99F,99Bとの間に治具を配置しなければ、封止材14の断面形状が図8に示される形状のリンク部15Fdを形成することができる。
以上説明した第1の製造方法においては、棒状の部品からなる治具(ピアノ線91F,91B)を複数用いたが、これら複数の部品の形状を部位(部分)として有する一体形状の治具としても構わない。図23は、第1の製造方法に用いることが可能な一体形状の治具93の一例を示す平面図である。
治具93は、形成しようとするリンク部の溝の断面形状に対応する断面形状を有する棒状の部位92が、形成すべきリンク部の数(本実施形態では12)だけ並び、それぞれの両端が連結部94で連結された梯子状のものである。棒状の部位92の間隔は、形成しようとするリンク部の間隔になっている。
以上説明した第1の製造方法において、ピアノ線91F,91Bに代えてこの治具93を用いて、(3)ラミネート準備工程の操作を行えば、ピアノ線91F,91Bを所定の間隔に配置する手間が省けるとともに、(4)ラミネート処理工程における処理後の治具93の除去も一度にできるため、作業効率に優れている。
なお、これら治具の材質として、以上説明した第1の製造方法ではピアノ線を用いているが、勿論これに限定されるものではなく、ラミネート処理時の加熱に対する耐熱性と加圧に対する剛性とを備えていれば、金属、各種樹脂、各種ゴム、木材、セラミックス等何れを用いても構わない。治具の材質としては、封止材材料と接着しにくいか、あるいは接着しても剥がしやすい材料を用いることが好ましい。総合的に勘案すると、治具の材質としては、鉄、ステンレス、真鍮、シリコーンゴム、あるいはフッ素樹脂が好ましい。
<第2の製造方法…直交する二方向に折れ曲がる太陽電池モジュールの製造方法>
次に、第2の製造方法として、第4の実施形態にかかる太陽電池モジュール40に類似した太陽電池モジュールを製造する方法を中心に説明する。なお、以下の説明においては、図17~図19における符号を用いて説明するが、製造される太陽電池モジュールは、第4の実施形態にかかる太陽電池モジュール40と厳密には形状が異なる。また、以下の説明において、第3の実施形態で詳細な説明が為され、第4の実施形態では説明が省略された内容については、第4の実施形態における説明として扱うものとする。
(1)準備工程(配線までの工程)
まず、必要枚数(72枚)の太陽電池セル31と、2種類の必要数のタブ線32a,32b,37と、完成時にカバーフィルム33F,33Bになる一対の樹脂フィルム(後述する符号33′)と、完成時に封止材34になる封止材材料のシート(後述する符号34′)を2枚と、を用意する。樹脂フィルムや封止材材料の具体的な材料例は、前記第1の製造方法の項で説明したものと同様である。
なお、第1のタブ線32a,32bは、枝線部32a′,32b′、長尺部32as,32bs及び出力端子32at,32btの全体でそれぞれ1つのタブ線として説明してきたが、本製造方法においては、枝線部32a′,32b′とそれ以外の部分は別の部材になっている。そのため、以下、枝線部32a′,32b′となる部材は符号をそのまま活かして枝線部材32a′,32b′と表記し、それ以外の部分は、符号32at,32btを省略して、長尺線部材32as,32bsと表記する。
用意した太陽電池セル31のうち60枚について、受光面31F側の配線部分(第4の実施形態における不図示の第1の電極端子部分)に第2のタブ線37の一端をはんだ付けする。太陽電池セル31の残りの12枚について、受光面31F側の配線部分(同、第1の電極端子部分)にそれぞれ枝線部材32a′をはんだ付けする。また、第2のタブ線37の一端がはんだ付けされた太陽電池セル31のうち12枚について、裏面31B側の配線部分(第4の実施形態における不図示の第2の電極端子部分)にそれぞれ枝線部材32b′をはんだ付けする。
次いで、平らな台の上に、直列接続する一列分の6枚の太陽電池セル31を受光面31Fを全て下に向け、間隔を置いて縦方向(他方の並び方向Y)に等間隔で並べる。このとき、枝線部材32a′がはんだ付けされた太陽電池セル31を最上部(最も矢印Y方向側)に配置し、第2のタブ線37及び枝線部材32b′を最下部(最も矢印Y方向とは逆側)に配置する。そして、最上部と最下部の間の4枚は、第2のタブ線37のみがはんだ付けされた太陽電池セル31を配置する。
そして、一端が第1の電極端子部分にはんだ付けされた第2のタブ線37の他端を、他方の並び方向Yにおける隣の太陽電池セル31の裏面31B側の配線部分(第4の実施形態における不図示の第2の電極端子部分)にはんだ付けして繋ぐことで、他方の並び方向Yに隣合う太陽電池セル31間を電気的に接続する。
残りの66枚の太陽電池セル11についても同様に6枚ずつ接続し、計12列分の直列接続群を作製する。このように直列接続された直列接続群を12列、一方の並び方向Xに等間隔で並べることで、全72枚の碁盤目状とする。
碁盤目状に配置した太陽電池セル11の最上部(最も矢印Y方向側)に位置する太陽電池セル11にそれぞれはんだ付けされた12個の枝線部材32a′と接触するように、一方の並び方向Xに延びた長尺線部材32asを配置し、それぞれをはんだ付けする。同様に、最下部(最も矢印Y方向とは逆側)に位置する太陽電池セル11にそれぞれはんだ付けされた12個の枝線部材32b′と接触するように、一方の並び方向Xに延びた長尺線部材32bsを配置し、それぞれをはんだ付けする。以上のようにして、太陽電池セル31とタブ線32a,32b,37を図17に示されるように配線する。
(2)積層配置工程
本工程以降は、図24~図26を用いて説明する。なお、図24は、本発明の例示的態様である実施形態にかかる太陽電池モジュールの第2の製造方法における製造途中の状態を示す平面図であり、詳しくは、次工程のラミネート準備工程が完了しラミネート処理に供される直前の状態(前記<第1の製造方法>と同様、「ラミネート前積層体」と称する。)を示している。図25は、図24におけるH-H断面にかかる部分拡大断面図であり、図26は、図24におけるI-I断面にかかる部分拡大断面図である。
ただし、図24においては、後述する最上層のシリコーンシート(符号99F)の図示を省略している。また、図25においては、図24におけるH-H断面のうちの一部(太陽電池セル31に付された括弧書きの番号が(31)~(61)の領域)のみが表されている。さらに、図26においては、図24におけるI-I断面のうちの一部(太陽電池セル31に付された括弧書きの番号が(71)~(73)の領域)のみが表されている。図24~図26中の矢印X~Zは、太陽電池モジュールにかかる第4の実施形態における各図面に示された各矢印と同一である。
平らな台の上に、1枚の樹脂フィルム33′を置き、1枚の封止材材料のシート34′を重ね、その上にタブ線32a,32b,37による配線済みの太陽電池セル31を並べて置いた。さらにもう1枚の封止材材料のシート34′を重ね、その上にもう1枚の樹脂フィルム33′を置いた。以上のようにして、タブ線32a,32b,37による配線済みの太陽電池セル31を太陽電池セル31の両面(符号31F及び31B)から封止材材料(シート34′)を介して一対の樹脂フィルム33′で挟み込んだ。
(3)ラミネート準備工程
平らな台の上にシリコーンシート99Bを敷いて、その上に治具95を置いた。治具95は、一方の並び方向Xに延びた棒状の部位97を5本と、これとは交差(直交)する他方の並び方向Yに延びた棒状の部位96を11本と、を含む。
なお、治具95は、(2)積層配置工程の操作が完了した状態の積層体を挟んで上側(矢印Z方向側)と下側(矢印Z方向の逆側)に一対配されるが、特に棒状の部位96,97について、上側に配される部位には符号の末尾にFを付して「棒状の部位96F,97F」と表記し、下側に配される部位には符号の末尾にBを付して「棒状の部位96B,97B」と表記する。
治具95において、棒状の部位96と棒状の部位97が交差する点では一体化しており、治具95全体として格子状になっている。そして、これら棒状の部位96及び棒状の部位97の全ての端部は、枠98に固定されている。この枠98は、無くても構わない。なお、治具95の材質としては、前記第1の製造方法の項で説明した通り、耐熱性と剛性を備えていれば、特に制限はない。
シリコーンシート99B上に置いた治具95の上に、(2)積層配置工程の操作が完了した状態の積層体を載せた。このとき、一方の並び方向Xに隣合う太陽電池セル31の間の中心に棒状の部位96Bが矢印Y方向に延在するように、かつ、他方の並び方向Yに隣合う太陽電池セル31の間の中心に棒状の部位97Bが矢印X方向に延在するように、調整した。この状態で、位置が動かないように何らかの方法(例えば粘着テープ)によって、治具95と積層体とを固定することが好ましい。
そして、積層体における上側の樹脂フィルム33′上における、シリコーンシート99B上に並べた治具95と平面視で一致する位置に、もう1つの治具95を配置した。この状態でまた、位置が動かないように、上記同様、治具95と積層体とを固定することが好ましい。さらに、上側の樹脂フィルム33′上に配置された治具95の上に、シリコーンシート99Fを載せて、ラミネート前積層体を得た。
(4)ラミネート処理工程
図24~図26に示される、ラミネート前積層体に対して、真空ラミネータによって厚み方向Zから加熱圧着してラミネート処理を行った。加熱圧着の条件は、用いる封止材材料や樹脂フィルムの材質等によって適宜設定すればよいが、本実施形態においては、3分間真空引き後大気加圧し、150℃で15分間の条件で真空ラミネータ装置を用いてラミネート処理を行った。
ラミネート処理により図25及び図26に示すラミネート前積層体を厚さ方向Zから加熱しながら加圧すると、封止材材料のシート34′が溶融して樹脂フィルム33′と共に棒状の部位96,97が埋まり込む。加熱により溶融したシート34′は、液状になって圧し潰され、一対の樹脂フィルム33′間の空隙(例えば、太陽電池セル31やタブ線32a,32b,37の周辺)に周り込んで充填される。
ラミネート処理後の状態を図27及び図28に示す。ここで、図27及び図28は、本発明の例示的態様である実施形態にかかる太陽電池モジュールの第2の製造方法における製造途中の、ラミネート処理後の状態を示す部分拡大断面図であり、図27は図25と同一箇所の断面図であり、図28は図26と同一箇所の断面図である。図27及び図28中には、ラミネート処理前のシリコーンシート99F,99B及び棒状の部位96F,96B,97F,97Bの位置にこれらが点線で描かれている。
図27及び図28に示されるように、ラミネート前積層体は、全体が薄膜化しつつ、一対の樹脂フィルム33′間がシート34′だった封止材材料で満たされて空隙が無くなるとともに、樹脂フィルム33′と共に棒状の部位96F,96B,97F,97Bが埋まり込んだ状態になって、樹脂フィルム33′はカバーフィルム33F,33Bになり、シート34′は封止材34になる。また、棒状の部位96F,96Bによってカバーフィルム33F,33Bの面が陥没した溝は第1のリンク部45F′,45B′になる。さらに、棒状の部位97F,97Bによってカバーフィルム33F,33Bの面が陥没した溝は第2のリンク部48F′,48B′になる。
そして、ラミネート処理後、両面のシリコーンシート99F,99Bと治具95を除し、常温下に置いて冷却した。冷却後、はみ出した封止材材料や余分な樹脂フィルム33′があればカットして、太陽電池モジュール40を完成させた。得られた太陽電池モジュール40には、棒状の部位96F,96Bの断面形状(本製造方法の説明において、棒状の部位96F,96Bの「断面形状」とは、一方の並び方向Xの断面における形状を指す。)が転写された第1のリンク部45F′,45B′が形成されている。また、太陽電池モジュール40には、棒状の部位97F,97B(本製造方法の説明において、棒状の部位97F,97Bの「断面形状」とは、他方の並び方向Yの断面における形状を指す。)が転写された第2のリンク部48F′,48B′が形成されている。第1のリンク部45F′,45B′及び第2のリンク部48F′,48B′における封止材44の断面形状は、何れも、図6に示されるリンク部15Fb,15Bbの形状になっている。
以上説明した第2の製造方法において、治具95における棒状の部位96,97を断面形状の異なる他の形状とすることにより、形成される第1のリンク部及び第2のリンク部の断面形状を制御することができる。この点は、前記第1の製造方法の項で説明した治具としてのピアノ線の場合と同様である。
また、以上説明した製造方法においては、積層体における上下両側の樹脂フィルム13′とシリコーンシート99F,99Bとの間に治具95を配置したが、上下の何れか一方にのみ治具を配することにより、受光面11F側または裏面11B側のいずれか一方にのみ第1のリンク部及び第2のリンク部が形成された太陽電池モジュールとすることができる。この点も、前記第1の製造方法の項で説明した治具としてのピアノ線の場合と同様である。
以上説明した太陽電池モジュールにかかる実施形態、及び、太陽電池モジュールの製造方法にかかる実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、これら実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、折り曲げる方向の太陽電池セルの数を最大でも12枚とした例を挙げているが、この枚数には特に制限はなく、折り曲げる方向の太陽電池セルの数を多くしリンク部を増やすことで、全体としてより折り曲げやすい(曲率半径が小さい)、及び/あるいは、大面積で出力の大きい太陽電池モジュールとすることができる。
また、太陽電池セルを碁盤目状に並べた第3及び第4の実施形態において、他方の並び方向Yに並ぶ全ての太陽電池セルが直列接続された配線例を挙げているが、太陽電池セル同士の接続は任意であり、目的に応じて種々の接続回路を選択することができる。
以下、太陽電池セルを縦横に多数並べた大面積の太陽電池モジュールの適用例として、第5~第8の4つの実施形態について説明する。なお、以下の実施形態においては、主として外形上の特徴を説明し、個々の構成の詳細については説明を省略するが、第1~第4の実施形態において説明した通りである。
<第5の実施形態>
図29は、第5の実施形態にかかる太陽電池モジュール50の平面図であり、図30は、図29におけるK-K断面にかかる部分拡大断面図であり、図31は、図29におけるM-M断面にかかる部分拡大断面図である。図30においては、図29におけるK-K断面のうちの矩形の一点鎖線で囲まれた領域(太陽電池セル51に付された括弧書きの番号が(1-2)、(1-3)、(1-4)及び(1-5)の領域)のみが表されている。また、図31においては、図29におけるM-M断面のうちの一部(太陽電池セル51に付された括弧書きの番号が(1-11)及び(1-12)の領域)のみが表されている。図29~図31において、第3の実施形態にかかる太陽電池モジュール30と同様の構成及び機能の部材には、図13~図15における30番台の符号を50番台に変えた符号を付してその説明は省略する。
図30に示されるように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール50においては、他方の並び方向Yに隣合う太陽電池セル51の間に、受光面51F側の面及び裏面51B側の面が何れも厚み方向に陥没し、当該陥没が一方の並び方向Xに延びた溝状のリンク部55F,55Bが形成されている。なお、図29においては、リンク部55Fの図示を省略している。
また、本実施形態にかかる太陽電池モジュール50においては、図31に示されるように、一方の並び方向Xに隣合う太陽電池セル51の間に、受光面51F側の面及び裏面51B側の面が何れも厚み方向に陥没し、当該陥没が他方の並び方向Yに延びた溝状のリンク部58F,58Bも形成されている。当該リンク部58F,58Bは、第4の実施形態における「第2のリンク部58F,58B」に相当するため、本実施形態においても「第2のリンク部」と称し、リンク部55F,55Bについても「第1のリンク部55F,55B」と称する。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール50において、太陽電池セル51は、細長の矩形で、一方の並び方向Xに4枚(4行)、他方の並び方向Yに20枚(20列)の4行20列で計80枚、間隔を置いて碁盤目状に並べられている。一方の並び方向Xに隣合う太陽電池セル51の間隔を例えば5mm、他方の並び方向Yに隣合う太陽電池セル51の間隔を例えば6mmとしている。
図29においては、各太陽電池セル51に、一方の並び方向Xの上からの行数と、他方の並び方向Yの左からの列数とをハイフン(-)で結んだ番号を括弧書きで付している。本実施形態で用いた太陽電池セル51は、約160mm角の太陽電池セルの四分の一の大きさ、即ち約160mm×40mmである。これを碁盤目状に並べることで、約700mm×1000mmの大面積の太陽電池モジュール50となっている。
それぞれの太陽電池セル51には、受光面31F側に第1の電極端子(不図示)が設けられ、裏面31B側に第2の電極端子(不図示)が設けられている。受光面31Fに設けられた第1の電極端子及び裏面31Bに設けられた第2の電極端子は、正負逆極になっていて、光により生じた起電力が両電極端子間から取り出せるようになっている。
第1のタブ線52a,52bは、一方の並び方向Xに隣合う太陽電池セル51同士を電気的に接続する。第1のタブ線52aは、矢印Y方向とは最も逆側において一方の並び方向Xに並ぶ上側2枚の太陽電池セル(1-1)及び(2-1)との間、並びに、下側2枚の太陽電池セル(3-1)及び(4-1)との間に延びている。第1のタブ線52bは、最も矢印Y方向側において一方の並び方向Xに並ぶ中側2枚の太陽電池セル(2-20)及び(3-20)との間に延びている。
第1のタブ線52a,52bは、一方の並び方向Xに延びる長尺部52as,52bsと、長尺部52as,52bsから矢印Y方向またはその逆方向に枝分かれした枝線部52a′,52b′と、を備える。枝線部52a′,52b′は、それぞれの太陽電池セル51の第1の電極端子(不図示)または第2の電極端子(不図示)に接続されている。
図30に示されるように、第2のタブ線57は、他方の並び方向Yに隣合う太陽電池セル51同士を電気的に接続する。詳しくは、個々の第2のタブ線57は、隣合う太陽電池セル51の間にあって、裏面51Bに設けられた第2の電極端子(不図示)に、他端(図面上の矢印Y方向とは逆方向側の端部)が受光面51F側に設けられた第1の電極端子(不図示)に、それぞれ接続されている。第2のタブ線57は、他方の並び方向Yに並ぶ全ての太陽電池セル11同士の間において、同様に接続されている。
図29及び図31に示されるように、第2のタブ線57は、他方の並び方向Yに隣合う太陽電池セル51の相互間に合計3本並列に配されている。これら3本の第2のタブ線57は、同じ形状・材質で、同じように取り回されて、同じように太陽電池セル51と接続されている。個々の第2のタブ線57はごく細い導線であり、細くすることで受光面51Fに入射する光の妨げにならず、かつ、柔軟性を持たせながら、本数を増やすことで大きな電気容量と接続強度とを確保している。なお、本実施形態において、第1のタブ線52a,52b及び第2のタブ線57の幅は、共に例えば1.8mmである。
一方の並び方向Xにおける最上段の行の太陽電池セル(1-1)~(1-20)の相互間において、第2のタブ線57は、図30に示されるように、矢印Y方向側(図30における右側)が裏面51Bに設けられた第2の電極端子(不図示)に、矢印Y方向とは逆側(図30における左側)が受光面51F側に設けられた第1の電極端子(不図示)に、それぞれ接続されている。第2のタブ線57と電極端子との接続は、一方の並び方向Xにおける3段目の行の太陽電池セル(3-1)~(3-20)の相互間においても同様である。
これに対して、一方の並び方向Xにおける2段目の行の太陽電池セル(2-1)~(2-20)の相互間において、第2のタブ線57は、矢印Y方向とは逆側(図30における左側)が裏面51Bに設けられた第2の電極端子(不図示)に、矢印Y方向側(図30における右側)が受光面51F側に設けられた第1の電極端子(不図示)に、それぞれ接続されている。第2のタブ線57と電極端子との接続は、一方の並び方向Xにおける最下段の行の太陽電池セル(4-1)~(4-20)の相互間においても同様である。つまり、一方の並び方向Xにおける最上段及び3段目の行と、2段目及び最下段の行とでは、第2のタブ線57と電極端子との接続関係が逆になっている。
他方の並び方向Yの両端の太陽電池セル(1-1)~(4-1),(1-20)~(4-20)からは、ぞれぞれ外側に3本の枝線部52a′,52b′が延び、長尺部52as,52bsによって1本にまとめられている。そして、長尺部52as,52bsは適宜一方の並び方向Xに延びて、一方の並び方向Xに隣合う太陽電池セル51同士を電気的に接続している。
詳しくは、矢印Y方向とは最も逆側において、一方の並び方向Xにおける最上段の太陽電池セル(1-1)の裏面51Bに設けられた第2の電極端子(不図示)と2段目の太陽電池セル(2-1)の受光面51F側に設けられた第1の電極端子(不図示)との間、及び、3段目の太陽電池セル(3-1)の裏面51Bに設けられた第2の電極端子(不図示)と最下段の太陽電池セル(4-1)の受光面51F側に設けられた第1の電極端子(不図示)との間が、それぞれ第1のタブ線52aにより電気的に接続されている。
また、最も矢印Y方向側において、一方の並び方向Xにおける2段目の太陽電池セル(2-20)の裏面51Bに設けられた第2の電極端子(不図示)と3段目の太陽電池セル(3-20)の受光面51F側に設けられた第1の電極端子(不図示)との間が、第1のタブ線52bにより電気的に接続されている。
したがって、本実施形態にかかる太陽電池モジュール50においては、太陽電池セル51に付された個別の符号で示すと、(1-20)~(1-1),(2-1)~(2-20),(3-20)~(3-1),(4-1)~(4-20)の順に、太陽電池セル51が80枚直列接続された状態になっている。
この直列接続の両端に位置する太陽電池セル(1-20),(4-20)からそれぞれ、矢印Y方向側に3本の枝線部52bt′が延び、一対の出力配線52btによって1本にまとめられている。太陽電池セル(1-20)から延びる枝線部52bt′は受光面51F側に設けられた第1の電極端子(不図示)と電気的に接続され、太陽電池セル(4-20)から延びる枝線部52bt′は裏面51Bに設けられた第2の電極端子(不図示)と電気的に接続されている。
太陽電池モジュール50には、一方の並び方向Xにおけるおよそ中央に、受光面11F側のカバーフィルム53Fに切り込みを設けた配線取出部58が設けられている。一対の出力配線52btは、配線取出部58で一対の外部出力ケーブル59に接続され、一対の外部出力ケーブル59から電力が出力されるようになっている。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール50は、大面積かつ高出力でありながら、個々の太陽電池セル51が小さいため、第1のリンク部55F,55Bで折り曲げて、全体として他方の並び方向Yに丸めたり、蛇腹状に折り畳んだりすることで大幅に縮小することができ、未使用時等における運搬性、収納性に優れている。また、第1のリンク部55F,55Bで折り曲げ、他方の並び方向Yに湾曲する湾曲表面に取り付けて太陽電池として使用することができる。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール50は、第1のリンク部55F,55Bのみならず第2のリンク部58F,58Bにおいても折り曲げができるため、第2のリンク部58F,58Bで折り曲げ、未使用時等において一方の並び方向Xの長さを縮小させたり、一方の並び方向Xに湾曲する湾曲表面に取り付けたりすることもできる。また、本実施形態にかかる太陽電池モジュール50は、大面積かつ高出力でありながら、全体としての軽量化を実現することができるので、運搬、移動、設置が容易であるとともに、設置できる場所や対象の制限が緩和される。
<第6の実施形態>
図32は、第6の実施形態にかかる太陽電池モジュール60の平面図であり、図33は、図32におけるL-L断面にかかる部分拡大断面図である。図33においては、図30におけるL-L断面のうちの矩形の一点鎖線で囲まれた領域(太陽電池セル61に付された括弧書きの番号が(1-2)、(1-3)及び(1-4)の領域)のみが表されている。図32及び図33において、第5の実施形態にかかる太陽電池モジュール50と同様の構成及び機能の部材には、図29~図31における50番台の符号を60番台に変えた符号を付してその説明は省略する。
図33に示されるように、本実施形態にかかる太陽電池モジュール60においては、一方の並び方向Xに隣合う太陽電池セル61の間に、受光面61F側の面及び裏面61B側の面が何れも厚み方向に陥没し、当該陥没が他方の並び方向Yに延びた溝状のリンク部65F,65Bが形成されている。なお、図32においては、リンク部65Fの図示を省略している。
一方、本実施形態にかかる太陽電池モジュール60において、他方の並び方向Yに隣合う太陽電池セル61の間には、受光面61F側の面及び裏面61B側の面が何れも厚み方向に陥没しておらず、リンク部65F,65Bの如きリンク部は形成されていない。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール60において、太陽電池セル61は、四隅の角が面取りされた正方形で、一方の並び方向Xに5枚(5列)、他方の並び方向Yに4枚(4行)の4行5列で計20枚、間隔を置いて碁盤目状に並べられている。一方の並び方向Xに隣合う太陽電池セル61の間隔を例えば5mm、他方の並び方向Yに隣合う太陽電池セル61の間隔を例えば5mmとしている。
図32においては、各太陽電池セル61に、一方の並び方向Xの左からの列数と、他方の並び方向Yの上からの行数とをハイフン(-)で行-列の順に結んだ番号を括弧書きで付している。本実施形態で用いた太陽電池セル61は、約160mm角である。これを碁盤目状に並べることで、約700mm×900mmの大面積の太陽電池モジュール60となっている。
本実施形態において、第1のタブ線62a,62b及び第2のタブ線67と太陽電池セル61との電気的な接続は、第5の実施形態における第1のタブ線52a,52b及び第2のタブ線57と太陽電池セル51との電気的な接続と同様である。また、本実施形態において、第2のタブ線67は、第5の実施形態における第2のタブ線57と同様、一方の並び方向X(第5の実施形態の図29では「他方の並び方向Y」)に隣合う太陽電池セル61の相互間に合計3本並列に配されている。
したがって、本実施形態にかかる太陽電池モジュール60においては、太陽電池セル61に付された個別の符号で示すと、(1-5)~(1-1),(2-1)~(2-5),(3-5)~(3-1),(4-1)~(4-5)の順に、太陽電池セル61が20枚直列接続された状態になっている。
この直列接続の両端に位置する太陽電池セル(1-5),(4-5)からそれぞれ、矢印Y方向側に延びる3本の枝線部62bt′、一対の出力配線62bt及び配線取出部68を経由して一対の外部出力ケーブル69に繋げられ、電力が出力されるように配線されている点は第5の実施形態にかかる太陽電池モジュール50と同様である。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール60は、大面積かつ高出力でありながら、太陽電池セル61が複数に分かれているため、リンク部65F,65Bで折り曲げて、全体として一方の並び方向Xに丸めたり、蛇腹状に折り畳んだりすることで大幅に縮小することができ、未使用時等における運搬性、収納性に優れている。また、リンク部65F,65Bで折り曲げ、一方の並び方向Xに湾曲する湾曲表面に取り付けて太陽電池として使用することができる。
また、本実施形態にかかる太陽電池モジュール60は、大面積かつ高出力でありながら、全体としての軽量化を実現することができるので、運搬、移動、設置が容易であるとともに、設置できる場所や対象の制限が緩和される。
<第7の実施形態>
図34は、第7の実施形態にかかる太陽電池モジュール70の平面図である。なお、本実施形態では、第1のタブ線72a,72b及び第2のタブ線77と太陽電池セル71との電気的な接続、太陽電池セル71の直列接続、両端に位置する太陽電池セル(1-5),(4-5)から一対の外部出力ケーブル79までの配線は、第6の実施形態にかかる太陽電池モジュール60と同様である。そのため、これらの説明や断面図の掲載は省略する。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール70においては、一方の並び方向Xに隣合う太陽電池セル71の間に、受光面71F側の面及び裏面(不図示)側の面が何れも厚み方向に陥没し、当該陥没が他方の並び方向Yに延びた溝状のリンク部(不図示)が形成されている。
一方、本実施形態にかかる太陽電池モジュール70において、他方の並び方向Yに隣合う太陽電池セル71の間には、受光面71F側の面及び裏面(不図示)側の面が何れも厚み方向に陥没しておらず、即ちリンク部は形成されていない。
本実施形態で用いた太陽電池セル71は、四隅の角が面取りされた約180mm角の正方形で、一方の並び方向Xに4枚(4行)、他方の並び方向Yに5枚(5列)の4行5列で計20枚、間隔を置いて碁盤目状に並べられている。一方の並び方向Xに隣合う太陽電池セル71の間隔を例えば5mm、他方の並び方向Yに隣合う太陽電池セル71の間隔を例えば6mmとしている。このように碁盤目状に並べることで、約760mm×1000mmの大面積の太陽電池モジュール70となっている。
また、図34に示されるように、第2のタブ線77は、他方の並び方向Yに隣合う太陽電池セル71の相互間に合計16本並列に配されている。これら16本の第2のタブ線77は、同じ形状・材質で、同じように取り回されて、同じように太陽電池セル71と接続されている。個々の第2のタブ線77はごく細い断面が円形の導線であり、細くすることで受光面71Fに入射する光の妨げにならず、かつ、柔軟性を持たせながら、本数を増やすことで大きな電気容量と接続強度とを確保している。なお、本実施形態において、第1のタブ線72a,72b及び第2のタブ線77の直径は、共に例えば0.2mmである。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール70は、大面積かつ高出力でありながら、太陽電池セル71が複数に分かれているため、他方の並び方向Yに延びたリンク部で折り曲げて、全体として一方の並び方向Xに丸めたり、蛇腹状に折り畳んだりすることで大幅に縮小することができ、未使用時等における運搬性、収納性に優れている。また、リンク部で折り曲げ、一方の並び方向Xに湾曲する湾曲表面に取り付けて太陽電池として使用することができる。
また、本実施形態にかかる太陽電池モジュール70は、大面積かつ高出力でありながら、全体としての軽量化を実現することができるので、運搬、移動、設置が容易であるとともに、設置できる場所や対象の制限が緩和される。
<第8の実施形態>
図35は、第8の実施形態にかかる太陽電池モジュール80の平面図である。なお、本実施形態では、第1のタブ線82a,82b及び第2のタブ線87と太陽電池セル81との電気的な接続、太陽電池セル81の直列接続、両端に位置する太陽電池セル(1-5),(4-5)から一対の外部出力ケーブル89までの配線は、第6の実施形態にかかる太陽電池モジュール60と同様である。そのため、これらの説明や断面図の掲載は省略する。
また、本実施形態では、図35に示されるように、第2のタブ線77が、他方の並び方向Yに隣合う太陽電池セル81の相互間に合計16本並列に配されている点が、第7の実施形態と同様である。16本の第2のタブ線87の構成や意義は、第7の実施形態における第2のタブ線77と同様である。
さらに、一方の並び方向Xに隣合う太陽電池セル81の間で陥没し、当該陥没が他方の並び方向Yに延びた溝状のリンク部(不図示)が形成されるが、他方の並び方向Yに隣合う太陽電池セル81の間は陥没しておらず、即ちリンク部が形成されていない点が、第7の実施形態と同様である。
本実施形態で用いた太陽電池セル81は、第7の実施形態における約180mm角の太陽電池セル71のおよそ半分の大きさ、即ち約180mm×90mmで、一方の並び方向Xに4枚(4行)、他方の並び方向Yに10枚(10列)の4行10列で計40枚、間隔を置いて碁盤目状に並べられている。一方の並び方向Xに隣合う太陽電池セル81の間隔を例えば5mm、他方の並び方向Yに隣合う太陽電池セル81の間隔を例えば6mmとしている。このように碁盤目状に並べることで、約760mm×1200mmの大面積の太陽電池モジュール80となっている。
本実施形態にかかる太陽電池モジュール80は、大面積かつ高出力でありながら、個々の太陽電池セル81が小さいため、他方の並び方向Yに延びたリンク部で折り曲げて、全体として一方の並び方向Xに丸めたり、蛇腹状に折り畳んだりすることで大幅に縮小することができ、未使用時等における運搬性、収納性に優れている。また、リンク部で折り曲げ、他方の並び方向Yに湾曲する湾曲表面に取り付けて太陽電池として使用することができる。
また、本実施形態にかかる太陽電池モジュール80は、大面積かつ高出力でありながら、全体としての軽量化を実現することができるので、運搬、移動、設置が容易であるとともに、設置できる場所や対象の制限が緩和される。
その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の太陽電池モジュール及びその製造方法の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例及び比較例]
実施例で作製した太陽電池モジュール100の平面図を図36に示し、図36におけるJ-J断面にかかる断面図を図37に示す。比較例についても一部を除いて同様である。なお、図36及び図37中の矢印X~Zは、太陽電池モジュールにかかる第1の実施形態における各図面に示された各矢印と同一である。
図36及び図37に示す通り、実施例で作製した太陽電池モジュール100は、2枚の太陽電池セル111と、タブ線112と、透明の一対のカバーフィルム113F,113Bと、封止材114と、からなる。図36及び図37に示す通り、実施例で作製した太陽電池モジュール100は、太陽電池セル111が2枚のみの基本的な構造のモジュールである。太陽電池モジュール100は、図1~図3に示す第1の実施形態にかかる太陽電池モジュール10と、太陽電池セル111の枚数が異なり、それに応じてタブ線112の個数やその他の構成が異なる他、基本的な構造は同一である。
太陽電池セル111には、並び方向Xの長さが26mm、垂直方向Yの長さが78mm、厚さが0.2mmの単結晶シリコン系のセルを用いた。太陽電池セル111間はリンク(陥没)部115F,115Bの幅+4mmの間隔を開けて配置した。タブ線112には、幅1.2mm、厚さが100μmのはんだメッキ銅箔を用いた。
カバーフィルム113F,113Bを形成するための樹脂フィルムには、並び方向Xの長さが70mm、垂直方向Yの長さが90mm、厚さが0.1mmの耐熱性ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。封止材14を形成するための封止材材料のシートには、並び方向Xと垂直方向Yの長さが樹脂フィルムと同一で厚さが0.45mmのエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)のシートを用いた。
図36及び図37に示す太陽電池モジュール100を前記第1の製造方法の項で説明した方法に準じて製造した。具体的には、まず、用意した太陽電池セル111にタブ線112をはんだ付けして電気的に接続し配線を行った。その後、太陽電池セル111の受光面111F及び裏面111Bから封止材材料のシート、PETフィルム及びシリコーンシートで挟み込んだ。
さらに、シリコーンゴム製で断面形状が各種サイズの矩形であって、かつ長尺状の治具を、図36及び図37に示すリンク部115F,115Bが形成される位置及び並び方向Xの両端に配置し、シリコーンシートで挟み込んで積層体を得た。得られた積層体に対して、真空ラミネート処理を行った。
真空ラミネート処理は、真空引き3分の後、大気圧印加で150℃、15分の条件で行った。その後常温で冷却し、シリコーンシート及び治具を除して、リンク部115F,115Bの形状が異なる各実施例及び比較例の太陽電池モジュールを得た。このとき、リンク部115F,115B以外の部位における封止材114の厚み(T2+T3+T4)は1.1mmであった。また、カバーフィルム113F,113Bからはみ出した封止材材料(EVA)は、はさみにより除去した。
実施例の各太陽電池モジュールは、リンク部115F,115Bの形状が、結果と共に示す後記表1に示す「封止材の厚みT1」及び「領域0.05-0.6の長さ」となるように、治具の形状を制御することで作製した。比較例1の太陽電池モジュールは、並び方向Xの中央の治具を配しないで積層体を作製してラミネート処理を行った。また、比較例2の太陽電池モジュールは、リンク部115F,115Bに相当する部位に封止材材料のシートを配しないように積層体を作製してラミネート処理を行った。
[評価試験]
得られた実施例及び比較例の各太陽電池モジュールについて、以下の試験を実施して評価した。
<発電確認試験>
各太陽電池モジュール100の受光面111Fに向けて1000ルクスの白色LED光を照射して、開放電流と短絡電圧を測定した。測定は、平板上に平らに置いて行った。何れの太陽電池モジュールについても、短絡電流は2.1mA±0.2mAで、電圧は1.0V±0.1Vの範囲内の測定値だった。また、後述する折り曲げ耐久試験の実施後の各太陽電池モジュール100についても同様に、平板上に平らに置いて発電確認試験を行った。その結果、折り曲げ耐久試験前後の光電流の変化は、比較例1及び2を除き何れも5%以内であった。
<折り曲げ性試験>
図38に折り曲げ性試験の概要を説明するための模式図を示す。図38は、太陽電池モジュール100に対して折り曲げ性試験を実施している状態を側面から見た模式図である。
まず、太陽電池モジュール100を並び方向Xが鉛直方向となるように保持し、並び方向Xにおける何れかの端部が台はかり170の計量台171上に載るようにした。この状態で、太陽電池モジュール100の並び方向Xにおける他方の端部に対して重力方向に荷重Pをかけた。図38に示すように、荷重をかけた際に、リンク部115F,115Bで何れかの方向に折れ曲がるようにした。
台はかり170の計測値(即ち荷重P)が最大500g重になるまで、または、折り曲がったリンク部115F,115Bの曲げ角θが最大90度になるまで荷重Pを増加させた。台はかり170の計測値が最大500g重になる前に曲げ角θが90度になった場合は、折り曲げ性試験の結果を90度とし、台はかり170の計測値が最大500g重になるまで荷重Pを増加させた場合には、荷重Pが500g重になった時点における曲げ角θの値を折り曲げ性試験の結果とした。結果を下記表1にまとめて示す。
<折り曲げ耐久試験>
折り曲げ性試験の結果得られた曲げ角θの角度になるまで、各太陽電池モジュール100のリンク部115F,115Bを一方に曲げ、次に逆方向に曲げて元の状態(平らな状態)に戻す折り曲げ操作を1サイクルとする。このサイクルを50回繰り返す操作を折り曲げ耐久試験とした。
折り曲げ耐久試験後のリンク部115F,115B周辺の状態を観察し、何ら異常が見られない場合を〇、少しでもカバーフィルム113F,113Bと封止材114との間に剥離が見られた場合、またはその前兆が見られた場合を×として評価した。結果を下記表1にまとめて示す。
[結果の考察]
治具を配しない積層体をラミネート処理したためリンク部が形成されなかった(セルに陥没がない)比較例1の太陽電池モジュールは、リンク部に相当する部位でほとんど曲がらず、太陽電池モジュールの全体でたわんだ状態であった。比較例1の折り曲げ性試験結果における曲げ角θ=3度はそのたわみ量を実質的に示すものである。したがって、その後の耐久性試験を行っていない。
また、リンク部に相当する部位に封止材材料のシートを配さず、封止材が存在しない比較例2の太陽電池モジュールは、荷重Pが100g重で曲げ角θが90度に達したが、耐久性試験において、僅か20サイクルの耐久操作でカバーフィルム113F,113Bから封止材114が剥離してしまった。
これに対して、領域0.05-0.6の長さが1mm以上となっている実施例では、封止材の厚みT1が0.55mmの実施例10でも曲げ角θ=20度を実現できた。さらに、領域0.05-0.3(封止材の厚みT1が0.05~0.3mmである領域)の長さが1mm以上となっている実施例1~8では、少なくとも80度以上の曲げ角θを実現でき、一例を除いては90度以上の曲げ角θを得た。
上記実施例では、検証を目的として、太陽電池セル111が2枚だけの太陽電池モジュール100を作製しているが、より多数枚の太陽電池セルを並べた太陽電池モジュールでは、この曲げ角θの値がコンパクト化に大きく寄与する。曲げ角θ=90度であれば、例えば、太陽電池モジュールを巻いた場合、太陽電池セルの並び方向Xの長さの0.7倍程度の曲率半径で巻き取ることができるため、未使用時等における運搬性、収納性に優れている。