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JP7635621B2 - 改質分散液の製造方法及び分散液 - Google Patents

改質分散液の製造方法及び分散液 Download PDF

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Description

本発明は、テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と所定量の無機粒子とを含む改質分散液及び分散液の製造方法に関する。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のテトラフルオロエチレン系ポリマーは、電気特性、撥水撥油性、耐薬品性、耐熱性等の物性に優れており、プリント基板等の種々の産業用途に利用されている。上記物性を基材表面に付与するために用いるコーティング剤として、テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含む分散液が知られている。
かかる分散液は、高周波帯域の周波数に対応するプリント基板の誘電体層を形成する、低誘電率、低誘電正接等の電気特性に優れた材料として注目されている。
かかる分散液の保存安定性や分散安定性を向上するために、特許文献1には、分散液へのフッ素系界面活性剤とセラミックスとの配合が提案されている。特許文献2、3のそれぞれには、分散液へのフッ素系界面活性剤と所定のポリビニルアルコールとの配合が提案されている。
特開2016-194017号公報 特開2020-186351号公報 特開2017-210549号公報
テトラフルオロエチレン系ポリマーは、電気特性等に優れる反面、その粒子を含む分散液は、分散安定性、他の材料との混合性、成形物を形成した際の接着性が低い。分散液成分としてフッ素系界面活性剤を配合すると、分散液の分散安定性は向上するが、分散液の造膜性が低下しやすい。具体的には、分厚い成形物を形成しにくくなり、その均一性、加工性及び接着性も低下し易くなりやすい。本発明者らは、成形物の物性を向上させる分散液成分として多量の無機粒子を分散液に配合する場合、かかる傾向が顕著であることを知見した。
本発明者らは、鋭意検討した結果、テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と無機粒子とを含む分散液に、非フッ素系レベリング剤を添加して表面張力を低下させて改質すれば、多量の無機粒子を含む分散液においても、分散安定性及び造膜性が優れることを知見した。さらに、かかる改質分散液からは、均一性、加工性、他の材料との接着性及び低線膨張性に優れた分厚い成形物を形成できることを知見した。
本発明の目的は、テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と無機粒子と液状化合物と非フッ素系レベリング剤とを含み均一性、加工性、他の材料との接着性及び低線膨張性に優れた厚い成形物を形成できる改質分散液の製造方法及びかかる分散液の提供である。
本発明は、下記の態様を有する。
<1> テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と無機粒子と液状分散媒とを含み、総量に占める前記無機粒子の割合が20~60質量%である分散液に、非フッ素系レベリング剤を添加し、前記分散液の表面張力を低下させて改質分散液を得る、改質分散液の製造方法。
<2> 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子が、熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と非熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子とを含む、<1>の製造方法。
<3> 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの溶融温度が、200~325℃である、<1>又は<2>の製造方法。
<4> 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、カルボニル基含有基又は水酸基含有基を有するテトラフルオロエチレン系ポリマーである、<1>~<3>のいずれかの製造方法。
<5> 前記無機粒子が、シリカ粒子である、<1>~<4>のいずれかの製造方法。
<6> 前記非フッ素系レベリング剤が、(メタ)アクリル系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤及びアルコールアルコキシレートからなる群から選ばれる少なくとも1種である、<1>~<5>のいずれかの製造方法。
<7> 前記液状分散媒が、水、アミド、ケトン及びエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である、<1>~<6>のいずれかの製造方法。
<8> 前記改質分散液の表面張力と前記分散液の表面張力との差が、1mN/m以下である、<1>~<7>のいずれかの製造方法。
<9> 前記分散液が、さらに芳香族ポリマーを含む、<1>~<8>のいずれかの製造方法。
<10> 前記分散液が、さらにノニオン性界面活性剤を含む、<1>~<9>のいずれかの製造方法。
<11> <1>~<10>のいずれかの製造方法で得られる改質分散液を、基材の表面に塗布し、加熱して、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーと前記無機粒子とを含むポリマー層を形成して、前記基材で構成される基材層と前記ポリマー層とを有する積層体を得る、積層体の製造方法。
<12> 前記ポリマー層の厚さが、25μm以上である、<11>の製造方法。
<13> 前記基材の表面の十点平均粗さが、0.1μm以下である、<11>又は<12>の製造方法。
<14> テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、無機粒子と、液状分散媒と、(メタ)アクリル系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤及びアルコールアルコキシレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の非フッ素系レベリング剤とを含み、総量に占める前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の割合と前記無機粒子の割合とが、この順に5~40質量%、20~60質量%である、改質分散液。
<15> 前記液状分散媒が、水、アミド、ケトン及びエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である、<14>の改質分散液。
本発明によれば、テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と無機粒子と液状分散媒と非フッ素系レベリング剤とを含み、無機粒子の含有量が高い改質分散液が得られる。改質分散液は、分散安定性及び造膜性に優れており、均一性、加工性、他の材料との接着性及び低線膨張性に優れた厚い成形物を形成できる。
以下の用語は、以下の意味を有する。
「テトラフルオロエチレン系ポリマー」とは、テトラフルオロエチレンに基づく単位を含有するポリマーであり、以下、単に「Fポリマー」とも記す。
「平均粒子径(D50)」は、レーザー回折・散乱法によって求められる、対象物(粒子)の体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、対象物の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
対象物のD50は、対象物を水中に分散させ、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA-920測定器)を用いたレーザー回折・散乱法により分析して求められる。
「平均粒子径(D90)」は、対象物の累積体積粒径であり、「D50」と同様にして求められる対象物の体積基準累積90%径である。
「ポリマーの溶融温度」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定したポリマーの融解ピークの最大値に対応する温度である。
「熱溶融性樹脂(ポリマー)」は、荷重49Nの条件下、樹脂(ポリマー)の溶融温度よりも20℃以上高い温度において、溶融流れ速度が1~1000g/10分となる温度が存在する溶融流動性の樹脂(ポリマー)を意味する。
「非熱溶融性樹脂(ポリマー)」は、荷重49Nの条件下、溶融流れ速度が1~1000g/10分となる温度が存在しない非溶融流動性の樹脂(ポリマー)を意味する。
「ポリマーのガラス転移点(Tg)」は、動的粘弾性測定(DMA)法でポリマーを分析して測定される値である。
「粘度」は、B型粘度計を用いて、25℃で回転数が30rpmの条件下で測定される分散液又は液状組成物の粘度である。測定を3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
「チキソ比」とは、回転数が30rpmの条件で測定される分散液又は液状組成物の粘度ηを回転数が60rpmの条件で測定される粘度ηで除して算出される値である。それぞれの粘度の測定は、3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
ポリマーにおける「単位」とは、モノマーの重合により形成された前記モノマーに基づく原子団を意味する。単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって前記単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。以下、モノマーaに基づく単位を、単に「モノマーa単位」とも記す。
本発明の製造方法(以下、「本法」とも記す。)は、テトラフルオロエチレン系ポリマー(Fポリマー)の粒子(以下、「F粒子」とも記す。)と、無機粒子と液状分散媒とを含み、総量に占める無機粒子の割合が20~60質量%である分散液(以下、「原分散液」とも記す。)に、非フッ素系レベリング剤を添加し、原分散液の表面張力を低下させて改質分散液を得る方法である。本法における改質分散液は、F粒子と無機粒子と液状化合物と非フッ素系レベリング剤とを含む分散液である。
本法により得られる改質分散液は、分散安定性及び造膜性に優れており、均一性、加工性、他の材料との接着性及び低線膨張性に優れた厚い成形物を形成できる。その理由は必ずしも明確ではないが、以下の様に考えられる。
分散液の表面張力が高い場合、表面張力が低いFポリマーは、無機粒子及び液状分散媒と相互作用しにくく、F粒子に凝集が生じやすい傾向にある。一方、分散液の表面張力が低いと、成形物を形成するために分散液を基材に塗布する際に薄く濡れ広がりやすく、分厚い均一な成形物を得るのが困難になる傾向にある。これらの傾向は、分散液に占める無機粒子の割合が多くなると顕著になりやすい。
本法においては、F粒子と無機粒子と液状分散媒とを含む原分散液に対して、非フッ素系レベリング剤を添加する。これにより、F粒子の凝集を抑制しつつ、改質分散液の表面張力を適度に低下させることができる。
また、レベリング剤の添加によって、改質分散液のレオロジー(粘度、チキソ比等)が向上し、F粒子及び無機粒子それぞれの沈降が抑制されやすくなる。さらに、非フッ素系レベリング剤がバインダーとしても作用し、改質分散液から形成される成形物の物性を向上させやすくなる。具体的には、非フッ素系レベリング剤が、成形物中でのFポリマーと無機粒子との密着を促し、成形物の低線膨張性が向上しやすくなる。また、非フッ素系レベリング剤が成形物の表面に偏在し、成形物の表面の接着性を向上させ、F粒子及び無機粒子の粉落ちを抑制しやすくもなる。
その結果、本法によれば、分散安定性と造膜性等のハンドリング性に優れた改質分散液が得られ、それから、均一性、加工性、他の材料との接着性及び低線膨張性に優れた厚い成形物が形成できたと考えられる。
本発明におけるFポリマーは、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」とも記す。)に基づく単位(以下、「TFE単位」とも記す。)を含むポリマーである。
Fポリマーは、熱溶融性であってもよく、非熱溶融性であってもよい。
Fポリマーが熱溶融性である場合、その溶融温度は、200℃以上が好ましく、240℃以上がより好ましく、260℃以上がさらに好ましい。Fポリマーの溶融温度は、325℃以下が好ましく、320℃以下がより好ましい。Fポリマーの溶融温度は、200~320℃が特に好ましい。
Fポリマーのガラス転移点は、50℃以上が好ましく、75℃以上がより好ましい。Fポリマーのガラス転移点は、150℃以下が好ましく、125℃以下がより好ましい。
Fポリマーの表面張力は、16~26mN/mが好ましく、16~20mN/mがより好ましい。なお、Fポリマーの表面張力は、Fポリマーで作製された平板上に、濡れ指数試薬(和光純薬社製)の液滴を載置して測定できる。
Fポリマーのフッ素含有量は、70質量%以上が好ましく、72~76質量%がより好ましい。フッ素含有量が高いFポリマーは、電気物性等の物性に優れる反面、表面張力が低く、原分散液中での分散安定性が低下しやすいが、改質分散液では、上述の作用機構により、かかるFポリマーの分散安定性が向上しやすい。
Fポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、TFE単位とエチレンに基づく単位とを含むポリマー、TFE単位とプロピレンに基づく単位とを含むポリマー、TFE単位とペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)に基づく単位(PAVE単位)とを含むポリマー(PFA)、TFE単位とヘキサフルオロプロピレンに基づく単位とを含むポリマー(FEP)、TFE単位とフルオロアルキルエチレンに基づく単位とを含むポリマー、TFE単位とクロロトリフルオロエチレンに基づく単位とを含むポリマーが挙げられ、PFA又はFEPが好ましく、PFAがより好ましい。上記ポリマーは、さらに他のコモノマーに基づく単位を含んでいてもよい。
PAVEとしては、CF=CFOCF、CF=CFOCFCF又はCF=CFOCFCFCF(以下、「PPVE」とも記す。)が好ましく、PPVEがより好ましい。
PTFEは、非熱溶融性PTFEであってもよく、熱溶融性PTFEであってもよい。
Fポリマーは、酸素含有極性基を有するのが好ましい。この場合、分子集合体レベルで微小球晶を形成しやすくなり、F粒子の濡れ性が向上して、上述した本発明の効果が高度に発現しやすい。
酸素含有極性基は、Fポリマー中の単位に含まれていてもよく、Fポリマーの主鎖の末端基に含まれていてもよい。後者の態様としては、重合開始剤、連鎖移動剤等に由来する末端基として酸素含有極性基を有するFポリマー、Fポリマーをプラズマ処理や電離線処理して得られる、酸素含有極性基を有するFポリマーが挙げられる。酸素含有極性基は、水酸基含有基、カルボニル基含有基及びホスホノ基含有基が好ましく、改質分散液の分散安定性の観点から、水酸基含有基及びカルボニル基含有基がより好ましく、カルボニル基含有基がさらに好ましい。
水酸基含有基は、アルコール性水酸基を含有する基が好ましく、-CFCHOH又は-C(CFOHがより好ましい。
カルボニル基含有基は、カルボニル基(>C(O))を含む基であり、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、イソシアネート基、カルバメート基(-OC(O)NH)、酸無水物残基(-C(O)OC(O)-)、イミド残基(-C(O)NHC(O)-等)又はカーボネート基(-OC(O)O-)が好ましく、酸無水物残基がより好ましい。この場合、F粒子と、無機粒子及び液状分散媒とが相互作用しやすく、改質分散液が分散安定性等の液物性に優れやすい。
Fポリマーは、TFE単位及びPAVE単位を含む、カルボニル基含有基を有するポリマーであるのが好ましく、TFE単位、PAVE単位及びカルボニル基含有基を有するモノマーに基づく単位を含むポリマーであるのがより好ましく、全単位に対して、これらの単位をこの順に、90~99モル%、0.5~9.97モル%、0.01~3モル%、含むポリマーであるのがさらに好ましい。カルボニル基含有基が存在すると、Fポリマーの無機粒子や液状分散媒との親和性や、他の材料との密着性を一層向上させる観点から好ましい。
Fポリマーがカルボニル基含有基を有する場合、Fポリマーにおけるカルボニル基含有基の数は、主鎖の炭素数1×10個あたり、10~5000個が好ましく、100~3000個がより好ましく、800~1500個がさらに好ましい。なお、Fポリマーにおけるカルボニル基含有基の数は、ポリマーの組成又は国際公開第2020/145133号に記載の方法によって定量できる。
また、カルボニル基含有基を有するモノマーは、無水イタコン酸、無水シトラコン酸又は5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(以下、「NAH」とも記す。)が好ましい。かかるポリマーの具体例としては、国際公開第2018/16644号に記載されるポリマーが挙げられる。
本発明におけるF粒子のD50は、0.1~25μmであるのが好ましい。F粒子のD50は20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、8μm以下がさらに好ましい。F粒子のD50は0.2μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、1μm以上がさらに好ましい。この範囲のD50において、F粒子の流動性と分散安定性とが良好となりやすい。
分散安定性の観点から、F粒子の比表面積は、1~25m/gが好ましく、1~8m/gがより好ましい。
F粒子は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種のF粒子を用いる場合、F粒子は、熱溶融性Fポリマーの粒子と非熱溶融性Fポリマーの粒子とを含むのが好ましく、溶融温度が200~320℃であるFポリマー(好適には前記したTFE単位及びPAVE単位を含む、酸素含有極性基を有するポリマー)の粒子と非熱溶融性PTFEの粒子とを含むのがより好ましい。
この場合、原分散液への非フッ素系レベリング剤の添加に伴う液物性の改質に際して、非熱溶融性Fポリマーが物性を保ちつつ適度にフィブリル化すると考えられる、その結果、改質分散液から形成される成形物において無機粒子が担持されやすくなり、成形物の強度がさらに向上しやすい。
この場合、前者の粒子と後者の粒子との合計に占める前者の粒子の割合は、50質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。また、この場合の割合は、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。
また、この場合、溶融温度が200~320℃であるFポリマーの粒子のD50が0.1~1μmであり、非熱溶融性PTFEの粒子のD50が0.1~1μmである態様、溶融温度が200~320℃であるFポリマーの粒子のD50が1~4μmであり、非熱溶融性PTFEの粒子のD50が0.1~1μmである態様が好ましい。
F粒子は、Fポリマー以外の樹脂又は無機粒子を含んでいてもよいが、Fポリマーを主成分とするのが好ましい。FパウダーにおけるFポリマーの含有量は80質量%以上が好ましく、100質量%がより好ましい。
Fポリマー以外の樹脂としては、芳香族ポリエステル、ポリアミドイミド、(熱可塑性)ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド、マレイミド等の耐熱性樹脂が挙げられる。無機粒子に含まれる無機物としては、酸化ケイ素(シリカ)、金属酸化物(酸化ベリリウム、酸化セリウム、アルミナ、ソーダアルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン等)、窒化ホウ素、メタ珪酸マグネシウム(ステアタイト)が挙げられる。無機粒子は、その表面の少なくとも一部が表面処理されていてもよい。
Fポリマー以外の樹脂又は無機粒子を含むF粒子は、Fポリマーをコアとし、Fポリマー以外の樹脂又は無機粒子をシェルに有するコア-シェル構造を有するか、Fポリマーをシェルとし、Fポリマー以外の樹脂又は無機粒子をコアに有するコア-シェル構造を有していてもよい。かかるF粒子は、例えば、Fポリマーの粒子と、Fポリマー以外の樹脂の粒子又は無機粒子とを合着(衝突、凝集等)させて得られる。
改質分散液におけるF粒子の含有量は、改質分散液の総量に対して、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。F粒子の含有量は、改質分散液の総量に対して、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
本発明における無機粒子は、無機化合物以外の成分を含んでいてもよいが、無機化合物を主成分とするのが好ましい。無機粒子における無機化合物の含有量は、80質量%以上が好ましく、100質量%がより好ましい。
無機粒子は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
無機粒子の形状は、球状、針状(繊維状)、板状のいずれであってもよく、板状又は球状であるのが好ましく、球状であるのがより好ましく、略真球状であるのがさらに好ましい。なお、略真球状の無機粒子とは、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した際に、長径に対する短径の比が0.7以上である球形の粒子の占める割合が95%以上である無機粒子を意味する。この場合、無機粒子とF粒子とが相互作用しやすく、改質分散液が分散安定性等の物性に優れやすい。また、改質分散液から形成される成形物が電気特性及び低線膨張性に優れやすい。
無機粒子の具体的な形状としては、球状、鱗片状、層状、葉片状、杏仁状、柱状、鶏冠状、等軸状、葉状、雲母状、ブロック状、平板状、楔状、ロゼット状、網目状、角柱状が挙げられる。
無機粒子は、カーボン粒子、窒化物粒子及び無機酸化物粒子が好ましく、炭素繊維粒子、窒化ホウ素粒子、窒化アルミニウム粒子、ベリリア粒子、ケイ酸塩粒子(シリカ粒子、ウォラストナイト粒子、タルク粒子)、及び金属酸化物粒子(酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン等)がより好ましく、改質分散液の分散安定性と、改質分散液から形成される成形物の電気特性及び低線膨張性とを高める観点から、窒化ホウ素粒子及びシリカ粒子がさらに好ましく、シリカ粒子が特に好ましい。
無機粒子のD50は、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。D50は、0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましい。F粒子のD50に対する無機粒子のD50の比は、0.01以上が好ましく、0.1以上がより好ましい。上記比は、20以下が好ましく、10以下がより好ましい。
無機粒子の比表面積は、1~20m/gが好ましい。
無機粒子は、無機粒子の濡れ性を向上する観点から、その表面の少なくとも一部が、シランカップリング剤(3-アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等)で表面処理されていてもよい。
無機粒子の好適な具体例としては、シリカ粒子(アドマテックス社製の「アドマファイン(登録商標)」シリーズ等)、ジカプリン酸プロピレングリコール等のエステルで表面処理された酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製の「FINEX(登録商標)」シリーズ等)、球状溶融シリカ(デンカ社製の「SFP(登録商標)」シリーズ等)、多価アルコール及び無機物で被覆処理された酸化チタン(石原産業社製の「タイペーク(登録商標)」シリーズ等)、アルキルシランで表面処理されたルチル型酸化チタン(テイカ社製の「JMT(登録商標)」シリーズ等)、中空状シリカ粒子(太平洋セメント社製の「E-SPHERES」シリーズ、日鉄鉱業社製の「シリナックス」シリーズ、エマーソン・アンド・カミング社製「エココスフイヤー」シリーズ等)、タルク粒子(日本タルク社製の「SG」シリーズ等)、ステアタイト粒子(日本タルク社製の「BST」シリーズ等)、窒化ホウ素粒子(昭和電工社製の「UHP」シリーズ、デンカ社製の「デンカボロンナイトライド」シリーズ(「GP」、「HGP」グレード)等)が挙げられる。
改質分散液の総量に占める無機粒子の割合は、20~60質量%である。無機粒子の割合は、30質量%以上が好ましい。無機粒子の割合は、50質量%以下が好ましい。
改質分散液において、F粒子の含有量に対する無機粒子の含有量の比は、0.8以上が好ましく、1超がより好ましい。上記比は、3以下が好ましく、2以下がより好ましい。この場合、改質分散液が分散安定性及び造膜性に優れやすく、均一性、接着性、低線膨張性及び電気特性に優れた成形物を形成しやすい。
本発明における液状分散媒は、大気圧下、25℃にて液体である化合物を意味する。液状分散媒としては、炭化水素、水、アルコール、アミド、ケトン及びエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、水、アミド、ケトン及びエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
液状分散媒の沸点は、50~240℃が好ましい。液状分散媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、グリコールが挙げられる。
アミドとしては、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルプロパンアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等が挙げられる。
ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn-ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2-へプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンが挙げられる。
エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトンが挙げられる。
液状分散媒の好適な具体例としては、水、N-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、シクロヘキサノン及びシクロペンタノンが挙げられ、改質分散液の分散安定性、造膜性及び取り扱い性の観点から水が好ましい。
改質分散液における液状分散媒の含有量は、20~70質量%が好ましく、30~50質量%がより好ましい。かかる範囲において、改質分散液の分散安定性等の液物性がより向上しやすい。
本発明における非フッ素系レベリング剤は、フッ素原子を有さないレベリング剤であるであり、(メタ)アクリル系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤又はアルコールアルコキシレートが好ましく、改質分散液の分散安定性及び造膜性の向上効果の観点から、(メタ)アクリル系レベリング剤がより好ましい。
(メタ)アクリル系レベリング剤は、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリレートに由来する構造を有するレベリング剤を意味する。(メタ)アクリル系レベリング剤は、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリレートのポリマーであってもよく、その残基である(メタ)アクリロイルオキシ基を有する非ポリマー状の化合物であってもよい。
シリコーン系レベリング剤は、シロキサン構造を有するレベリング剤を意味する。
シリコーン系レベリング剤は、ポリシロキサン構造を有するポリマーであってもよく、加水分解性シリル基等のシロキサン構造を有する化合物であってもよい。
なお、(メタ)アクリル酸はメタクリル酸及びアクリル酸の総称であり、(メタ)アクリレートはメタクリレート及びアクリレートの総称であり、(メタ)アクリロイルオキシ基はメタクリロイルオキシ基及びアクリロイルオキシ基の総称である。
(メタ)アクリル系レベリング剤は、(メタ)アクリル酸、ポリエーテル変性(メタ)アクリレート、シリコーン変性(メタ)アクリレート及びポリエーテル・シリコーン変性(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の(メタ)アクリレートのポリマーか、上記1種の(メタ)アクリレートの残基を有する非ポリマー状の化合物であるのが好ましい。
なお、ポリエーテル・シリコーン変性(メタ)アクリレートは、ポリエーテルとシリコーンのそれぞれで変性された(メタ)アクリレートを意味する。
シリコーン系レベリング剤は、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン又はエポキシ変性ポリジメチルシロキサンが好ましい。
非フッ素系レベリング剤は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
非フッ素系レベリング剤の平均分子量は、100~200000が好ましい。この場合、改質分散液が分散安定性と造膜性に優れやすい。
非フッ素系レベリング剤の具体例としては、「BYK-325」、「BYK-345」、「BYK-346」、「BYK-347」、「BYK-349」、「BYK-UV3500」、「BYK-380 N」、「BYK-381」、「BYK-399」、「BYK-3440」、「BYK-3550」、「BYK-3560」、「BYK-3565」、「BYK-3566」、「BYK-SILCLEAN 3700」、「BYK-SILCLEAN 3701」、「BYK-SILCLEAN 3720」、「BYK-DYNWET 800 N」、「BYKETOL-AQ」、「BYKETOL-WS」(以上、ビックケミー・ジャパン株式会社社製)、「ポリフローWS」、「ポリフローWS-30」、「ポリフローWS-314」(以上、共栄社化学社製)が挙げられる。
改質分散液の総量に占める非フッ素系レベリング剤の割合は、0.1~15質量%が好ましく、1~5質量%がより好ましい。かかる範囲において、改質分散液の分散安定性等の液物性がより向上しやすい。
本法における原分散液は、F粒子と無機粒子と液状分散媒とを混合して製造できる。
混合方法としては、液状分散媒にF粒子と無機粒子とを一括添加して混合する方法、液状分散媒にF粒子と無機粒子とを順次添加して混合する方法、F粒子と無機粒子とを混合して粉体混合物とし、さらに液状分散媒と混合する方法、F粒子と液状分散媒とを、無機粒子と液状分散媒とをそれぞれ予め混合し、得られた2種の混合物をさらに混合する方法等が挙げられ、F粒子と無機粒子とを混合して粉体混合物とし、さらに液状分散媒と混合する方法が好ましい。
原分散液を調製する際の混合方法としては、バッチ式、連続式のいずれでもよい。
また、混合に使用する装置としては、プロペラブレード、タービンブレード、パドルブレード、シェル状ブレード等のブレード(撹拌翼)を一軸あるいは多軸で備える撹拌装置や、ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー又はプラネタリーミキサーによる撹拌;ボールミル、アトライター、バスケットミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル(ガラスビーズ又は酸化ジルコニウムビーズ等の粉砕媒体を用いたビーズミル)、ディスパーマット、SCミル、スパイクミル又はアジテーターミル等のメディアを使用する分散機による混合;マイクロフルイダイザー、ナノマイザー、アルティマイザー等の高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、デゾルバー、ディスパー、高速インペラー分散機等の、メディアを使用しない分散機を用いた混合が挙げられる。
中でも、混合に使用する装置としては、ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー又はプラネタリーミキサーが好ましく、プラネタリーミキサーがより好ましい。
プラネタリーミキサーは、互いに自転と公転を行う2軸の撹拌羽根を有し、撹拌槽中の被混合物を撹拌混合して混練する構造を有している。そのため、撹拌槽中に撹拌羽根の到達しないデッドスペースが少なく、羽根の負荷を軽減して、高度に内容物を混合できる。
原分散液が、後述する芳香族ポリマー、ノニオン性界面活性剤等の任意の添加成分をさらに含む場合は、任意の段階で混合できる。混合方法及び混合装置としては、上記と同様の混合方法及び混合装置が挙げられる。
本法においては、原分散液に非フッ素系レベリング剤を添加し、その表面張力を低下させることにより改質分散液を得る。
非フッ素系レベリング剤は、原分散液に直接添加してもよく、液状分散媒との混合物として原分散液に添加してもよい。液状分散媒は、原分散液に含まれる液状分散媒と同じでもよく、異なっていてもよい。
原分散液と非フッ素系レベリング剤との混合方法及び混合装置としては、上述の原分散液を調製する混合方法及び混合装置が挙げられる。
本発明における改質分散液の表面張力は、原分散液の表面張力よりも低い。
改質分散液の表面張力と原分散液の表面張力との差は、0.1mN/m以上が好ましく、0.2mN/m以上がより好ましい。上記差は、1mN/m以下が好ましく、0.5mN/m以下がより好ましい。この場合、適度に原分散液の表面張力が低下して、F粒子の凝集が解消されやすく、改質分散液が分散安定性及び造膜性に優れやすい。
改質分散液は、さらに芳香族ポリマーを含むのが好ましい。
芳香族ポリマーは、熱可塑性であっても、熱硬化性であってもよい。また、芳香族ポリマーは、改質分散液中に溶解していてもよく、溶解せず分散していてもよい。芳香族ポリマーは、その前駆体として改質分散液中に含まれていてもよい。
芳香族ポリマーは、芳香族イミド系ポリマーが好ましく、芳香族ポリイミド、芳香族ポリイミド前駆体(ポリアミック酸又はその塩)、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリアミドイミド前駆体、芳香族ポリエーテルイミド又は芳香族ポリエーテルイミド前駆体が好ましく、芳香族ポリイミド前駆体又は芳香族ポリアミドイミドがより好ましい。これらの芳香族ポリマーは、カルボン酸基、フェノール性水酸基等の酸性基がさらに導入された変性芳香族ポリマーであってもよい。
改質分散液が液状分散媒として水を含む場合、芳香族ポリマーは、水溶性であるのが好ましく、水溶性の芳香族ポリアミドイミドの前駆体又は水溶性の芳香族ポリイミドの前駆体であるのがより好ましい。
水溶性の芳香族ポリマーは、その酸価や改質分散液の塩基性度を調整して調製できる。例えば、芳香族ポリマーが芳香族ポリアミック酸の場合、芳香族ポリアミック酸と、アンモニア水又は有機アミンとを反応させてポリアミック酸塩を得ることにより調製できる。
具体的には、この場合の芳香族ポリマーは、酸価が20~100mg/KOHであるのが好ましく、35~70mgKOH/gであるのがより好ましい。また、この場合の改質分散液のpHは、5~10であるのが好ましく、7~9であるのがより好ましい。
芳香族ポリマーの酸価と改質分散液のpHとが、上記範囲にあれば、改質分散液の分散安定性が向上するだけでなく、改質分散液から成形物を形成する際、芳香族ポリマーが高度に分散し、成形物の物性(紫外線吸収性、柔軟性、密着性等)を向上させやすい。
芳香族ポリマーの具体例としては、「Ultem 1000F3SP」(SABIC社製)、「HPC-1000」、「HPC-2100D」(いずれも昭和電工マテリアルズ社製)が挙げられる。
本発明における原分散液は、さらにノニオン性界面活性剤を含むのが好ましい。
ノニオン性界面活性剤の親水部位は、オキシアルキレン基又はアルコール性水酸基を有するのが好ましい。
オキシアルキレン基は、1種から構成されていてもよく、2種以上から構成されていてもよい。後者の場合、種類の違うオキシアルキレン基は、ランダム状に配置されていてもよく、ブロック状に配置されていてもよい。なお、オキシアルキレン基は、オキシエチレン基が好ましい。
ノニオン性界面活性剤の疎水部位は、アセチレン基、ポリシロキサン基、ペルフルオロアルキル基又はペルフルオロアルケニル基を有するのが好ましい。換言すれば、界面活性剤は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤又はフッ素系界面活性剤が好ましく、シリコーン系界面活性剤がより好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、親水基としてポリオキシアルキレン構造を、疎水基としてポリジメチルシロキサン構造を有する、オルガノポリシロキサンが好ましい。シリコーン系界面活性剤を含む場合、改質分散液の長期保管安定性を向上する観点から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとシリコーン系界面活性剤とを併用してもよい。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、「フタージェント」シリーズ(株式会社ネオス社製 フタージェントは登録商標)、「サーフロン」シリーズ(AGCセイミケミカル社製 サーフロンは登録商標)、「メガファック」シリーズ(DIC株式会社製 メガファックは登録商標)、「ユニダイン」シリーズ(ダイキン工業株式会社製 ユニダインは登録商標)、「BYK-347」、「BYK-349」、「BYK-378」、「BYK-3450」、「BYK-3451」、「BYK-3455」、「BYK-3456」(ビックケミー・ジャパン株式会社社製)、「KF-6011」、「KF-6043」(信越化学工業株式会社製)、「Tergitol」シリーズ(ダウケミカル社製。「Tergitol TMN-100X」等。)、「Lutensol T08」、「Lutensol XL70」、「Lutensol XL80」、「Lutensol XL90」、「Lutensol XP80」、「Lutensol M5」(以上、BASF社製)、「ニューコール 1308FA」、「ニューコール 1310」(以上、日本乳化剤社製)、「レオコール TDN-90-80」、「レオコール SC-90」(以上、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)が挙げられる。
改質分散液がノニオン性界面活性剤を含む場合、改質分散液におけるノニオン性界面活性剤の含有量は、0.1~15質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましい。
改質分散液が液状分散媒として水を含む場合、長期保管性の観点から、改質分散液のpHは、5~10が好ましく、7~9がより好ましい。
改質分散液は、さらにpH調整剤又はpH緩衝剤を含んでもよい。。
pH調整剤としては、アミン、アンモニア、クエン酸が挙げられる。
pH緩衝剤としては、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、エチレンジアミン四酢酸、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウムが挙げられる。
pH調整剤又はpH緩衝剤を添加する段階は、混合前であってもよく混合中であってもい。
改質分散液は、脱泡処理に供してもよい。脱泡は、自転公転撹拌機を用いて行うのが好ましい。
改質分散液は、上述した成分以外に、チキソ性付与剤、粘度調節剤、消泡剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、難燃剤、防腐剤、防カビ剤、有機フィラー等の添加剤を、さらに含んでもよい。
改質分散液の粘度は、10mPa・s以上が好ましく、50mPa・s以上がより好ましく、100mPa・s以上がさらに好ましい。改質分散液の粘度は、10000mPa・s以下が好ましく、3000mPa・s以下がより好ましく、1000mPa・s以下がさらに好ましい。この場合、改質分散液が分散安定性、造膜性等に優れやすい。
改質分散液のチキソ比は、1.0以上が好ましい。改質分散液のチキソ比は、3.0以下が好ましく、2.0以下がより好ましい。この場合、改質分散液は、分散安定性等の液物性に優れ、より緻密な成形物を形成しやすい。
改質分散液の分散層率は、60%以上であるのが好ましく、70%以上であるのがより好ましく、80%以上であるのがさらに好ましい。改質分散液は、分散安定性に優れるため、分散層率が上記範囲の値をとりやすい。
ここで、分散層率とは、分散液(18mL)をスクリュー管(内容積:30mL)に入れ、25℃にて14日静置した際、静置前後のスクリュー管中の分散液全体の高さと沈降層(分散層)の高さとから、以下の式により算出される値である。なお、静置後に沈降層が確認されず、状態に変化がない場合には、分散液全体の高さに変化がないとして、分散層率は100%とする。
分散層率(%)=(沈降層の高さ)/(分散液全体の高さ)×100
改質分散液の固形分量は、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。改質分散液の固形分量は、分散安定性の観点から、80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。
なお、改質分散液における固形分量とは、改質分散液から形成される成形物において固形分を形成する物質の総量を意味する。例えば、分散液が、F粒子と無機粒子と、芳香族ポリイミドとを含む場合には、これらの成分の総含有量が改質分散液における固形分量となる。
改質分散液において、固形分量に占めるF粒子の割合は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。固形分量に占めるF粒子の割合は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。
改質分散液において、固形分量に占める無機粒子の割合は、20質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。固形分量に占める無機粒子の割合は、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。
改質分散液は、プリント配線板の絶縁層を形成する用途、車載エンジンにおけるセラミックス部品や金属部品同士を接着する用途、熱交換器や、それを構成するフィン又は管に耐腐蝕性を付与する用途、熱インターフェース材、パワーモジュール用基板、モーター等の動力装置で使用されるコイルに含浸し乾燥して熱伝導性耐熱被覆層を形成する用途、医療用バイアル、シリンジ等のガラス容器内外をコーティングする用途に使用できる。
改質分散液は、分散安定性等の液物性に優れており、上述の作用機構により、Fポリマー及び無機粒子に基づく物性に優れた成形物を形成できる。また、基材に対して強固な接着性を示す成形物を形成できる。
改質分散液を、基材の表面に塗布し、加熱して、Fポリマー及び無機粒子を含む層(以下、「F層」とも記す。)を形成すれば、上記基材で構成される基材層と成形物としてのF層とを有する積層体(以下、「本積層体」とも記す。)が製造できる。
積層体の好適な態様としては、金属箔とその少なくとも一方の表面に形成されたF層とを有する金属張積層体、樹脂フィルムとその少なくとも一方の表面に形成されたF層とを有する多層フィルムが挙げられる。
基材の表面の十点平均粗さは、0.1μm以下が好ましく、0.05μm以下がより好ましい。基材の表面の十点平均粗さは、0.01μm以上が好ましい。改質分散液からは接着性に優れたF層を形成できるため、平滑性に優れた基材を用いた場合にも、本積層体が剥離強度に優れやすい。
上記積層体の製造においては、基材の表面の少なくとも片面にF層が形成されればよく、基材の片面のみにF層が形成されてもよく、基材の両面にF層が形成されてもよい。
基材の表面は、シランカップリング剤等により表面処理されていてもよい。
改質分散液の塗布に際しては、スプレー法、ロールコート法、スピンコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、グラビアオフセット法、ナイフコート法、キスコート法、バーコート法、ダイコート法、ファウンテンメイヤーバー法、スロットダイコート法等の塗布方法を使用できる。
F層は、加熱により液状分散媒を除去した後に、さらに加熱によりFポリマーを焼成して形成するのが好ましい。液状分散媒を除去する工程で空気を吹き付けるのが好ましい。
液状分散媒を除去した後、基材をFポリマーが焼成する温度領域に加熱して形成するのが好ましく、例えば300~400℃の範囲でFポリマーを焼成するのが好ましい。F層は、F粒子の焼成物を含むのが好ましい。
F層は、上述のとおり改質分散液の塗布、乾燥、焼成の工程を経て形成される。
これら工程は、1回でも2回以上でもよく、平滑性に優れた厚い膜を得る観点から、改質分散液の塗布、乾燥、焼成の工程を複数回行ってもよい。
例えば、上記改質分散液を基材に塗布し、加熱により液状分散媒を除去し膜を形成する。形成した膜の上にさらに改質分散液を塗布して加熱により液状分散媒を除去し、さらに加熱によりFポリマーを焼成してF層を形成してもよい。
また、上記改質分散液を基材に塗布し、加熱により液状分散媒を除去し膜を形成し、さらに加熱してFポリマーを焼成して焼成膜を形成する。形成した焼成膜の上にさらに改質分散液を塗布して加熱により液状分散媒を除去し、さらに加熱によりFポリマーを焼成して焼成膜を形成し、F層を形成してもよい。
後者の場合、F層中の焼成膜と焼成膜との境界に、非フッ素系レベリング剤のガス状分解物や改質分散液を塗布する際の雰囲気ガスが存在し、微小空間が形成されやすいと考えられる。この微小空間の存在により、Fポリマーの膨張及び伸縮に伴って生じる焼成膜同士の間における応力の差が緩和され、本積層体が低線膨張性に優れると考えられる。
F層の厚さは、25μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましい。厚さの上限は、200μmである。改質分散液は、造膜性に優れるため、かかる厚い膜を良好に形成できる、また、この範囲において、耐クラック性に優れたF層を容易に形成できる。
F層と基材層との剥離強度は、10N/cm以上が好ましく、15N/cm以上がより好ましい。剥離強度は、100N/cm以下が好ましい。改質分散液を用いれば、F層におけるFポリマーの物性を損なわずに、かかる積層体を容易に形成できる。
F層の空隙率は、5%以下が好ましく、4%以下がより好ましい。空隙率は、0.01%以上が好ましく、0.1%以上がより好ましい。
なお、空隙率は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察される成形物の断面におけるSEM写真から、画像処理にてF層の空隙部分を判定し、空隙部分が占める面積をF層の面積で除した割合(%)である。空隙部分が占める面積は、空隙部分を円形と近似して求められる。
基材としては、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン及びこれらの合金で構成される金属箔等の金属基板、ポリイミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリアリルスルホン、ポリアミド、ポリエーテルアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリルエーテルケトン、ポリアミドイミド、液晶性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミド、テトラフルオロエチレン系ポリマー等の耐熱性樹脂で構成される耐熱フィルム、繊維強化樹脂基板の前駆体であるプリプレグ、ガラス基板が挙げられる。
基材の形状としては、平面状、曲面状、凹凸状が挙げられ、さらに、箔状、板状、膜状、繊維状のいずれであってもよい。
基材が金属箔である場合、基材は、低粗化金属箔であってもよく、無粗化金属箔であってもよい。基材は、無粗化金属箔であるのが好ましく、無粗化銅箔であるのがより好ましい。この場合も、F層は、基材との接着性に優れるため、本積層体は、剥離強度に優れやすい。また、この場合、本積層体から形成されるプリント基板が伝送特性に優れやすい。
基材の表面の十点平均粗さは、0.1μm以下が好ましく、0.05μm以下がより好ましい。前記十点平均粗さは、0.001μm以上が好ましい。かかる無粗化基材であっても、本積層体は剥離強度に優れ伝送特性に優れたプリント基板等を形成できる。なお、基材の表面の十点平均粗さは、JIS B 0601:2013の附属書JAで規定される値である。
基材の厚さは、2~100μmが好ましい。基材が金属箔である場合には、基材の厚さは1~35μmであるのが好ましい。また、基材は、剥離層を介してキャリア銅箔上に積層された極薄銅箔(厚さ2~5μm)であるキャリア付金属箔であってもよい。
本積層体の具体例としては、金属箔と、その金属箔の少なくとも一方の表面にF層を有する金属張積層体、ポリイミドフィルムと、そのポリイミドフィルムの両方の表面にF層を有する多層フィルムが挙げられる。これらの積層体は、電気特性等の諸物性に優れており、プリント基板材料等として好適である。具体的には、かかる積層体は、フレキシブルプリント基板やリジッドプリント基板の製造に使用できる。
本積層体の一態様としては、プリプレグ/F層/金属箔の積層体が挙げられる。基材としては、ガラスクロスに上述の基材に含まれていてもよい耐熱性樹脂を含浸して得られる、ガラスクロスの表面にポリマー層を有するプリプレグが好ましい。ポリマー層は複数のポリマー層から形成されていてもよく、かかる場合、各ポリマー層は互いに異なるポリマーから形成されるのが好ましい。プリプレグと金属箔の間にF層を有すると、プリプレグと金属箔が剥離しにくく好ましい。
本積層体は、アンテナ部品、プリント基板、航空機用部品、自動車用部品、スポーツ用具、食品工業用品、放熱部品、塗料、化粧品等として有用である。プリント基板においては、電子部品が高密度に実装されたプリント基板の温度上昇を防ぐため、従来のガラスエポキシ板に替わる新たなプリント基板材料としても使用できる。
具体的には、本積層体は、航空機用電線等の電線被覆材、電気自動車等のモーター等に使用されるエナメル線被覆材、電気絶縁性テープ、石油掘削用絶縁テープ、プリント基板用材料、精密濾過膜、限外濾過膜、逆浸透膜、イオン交換膜、透析膜及び気体分離膜等の分離膜、リチウム二次電池用、燃料電池用等の電極バインダー、コピーロール、家具、自動車ダッシュボート、家電製品等のカバー、荷重軸受、すべり軸、バルブ、ベアリング、ブッシュ、シール、スラストワッシャ、ウェアリング、ピストン、スライドスイッチ、歯車、カム、ベルトコンベア及び食品搬送用ベルト等の摺動部材、ウェアパッド、ウェアストリップ、チューブランプ、試験ソケット、ウェハーガイド、遠心ポンプの摩耗部品、炭化水素・薬品及び水供給ポンプ、シャベル、やすり、きり、のこぎり等の工具、ボイラー、ホッパー、パイプ、オーブン、焼き型、シュート、ダイス、便器、コンテナ被覆材、パワーデバイス、トランジスタ、サイリスタ、整流器、トランス、パワーMOS FET、CPU、放熱フィン、金属放熱板として有用である。
より具体的には、本積層体は、パソコンやディスプレーの筐体、電子デバイス材料、自動車の内外装等、低酸素下で加熱処理する加工機や真空オーブン、プラズマ処理装置等のシール材や、スパッタや各種ドライエッチング装置等の処理ユニット内の放熱部品として有用である。
本発明の分散液(以下、「本分散液」とも記す。)は、F粒子と、無機粒子と、液状分散媒と、(メタ)アクリル系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤及びアルコールアルコキシレートからなる群から選ばれる少なくとも1種の非フッ素系レベリング剤とを含み、総量に占めるF粒子の割合と無機粒子の割合とが、この順に5~40質量%、20~60質量%である。
本分散液におけるF粒子、無機粒子、液状分散媒及び非フッ素系レベリング剤のそれぞれの定義及び範囲は、その好適な態様も含めて本法における、それらと同様である。
本分散液は、さらに芳香族ポリマー、ノニオン性界面活性剤、pH調整剤、pH緩衝剤、添加剤等を含んでもよい。本分散液における芳香族ポリマー、ノニオン性界面活性剤、pH調整剤、pH緩衝剤、添加剤の定義及び範囲は、その好適な態様も含めて本法における、それらと同様である。
本分散液は、本法によって製造してもよく、他の方法で製造してもよく、本法によって製造するのが好ましい。この場合、F粒子の凝集が解消されやすく、本分散液が分散安定性に優れやすい。
他の方法としては、F粒子と無機粒子と液状分散媒と非フッ素系レベリング剤とを一括添加して混合する方法、液状分散媒に非フッ素系レベリング剤を添加し、さらにF粒子と無機粒子とを順次添加して混合する方法、F粒子と無機粒子とを、液状分散媒と非フッ素系レベリング剤とをそれぞれ予め混合し、得られた2種の混合物をさらに混合する方法等が挙げられる。
混合方法及び混合装置としては、本法と同様の混合方法及び混合装置が挙げられる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1.各成分及び各部材の準備
[F粒子]
F粒子1:TFE単位、NAH単位及びPPVE単位を、この順に97.9モル%、0.1モル%、2.0モル%含み、カルボニル基含有基を主鎖の炭素数1×10個あたり1000個有し、溶融温度が300℃のFポリマー1からなる粒子(D50:2.1μm)
F粒子2:非熱溶融性のPTFEからなる粒子(D50:0.3μm)
[F分散液]
F分散液1:F粒子2を60質量%で含む水分散液(AGC社製、「品番AD-915E」)
[無機粒子]
無機粒子1:フェニルアミノシランで表面処理されているD50が1μmの球状シリカ [非フッ素系レベリング剤]
レベリング剤1:ポリエーテル変性アクリレート(ビックケミー・ジャパン社製、「BYK-381」)
[芳香族樹脂のワニス]
ワニス1:芳香族ポリアミドイミドの前駆体(PAI1、酸価:50mgKOH/g)を含む水ワニス(昭和電工マテリアルズ社製、「HPC-1000」)
[ノニオン性界面活性剤]
界面活性剤1:ノニオン性界面活性剤(ビックケミー・ジャパン社製、「BYK-3450」)
2.改質分散液の製造例
(例1)
まず、ポットに、F粒子1、無機粒子1、ワニス1、界面活性剤1、アンモニア水及び炭酸水素アンモニウムを投入し、ジルコニアボールを投入した。その後、150rpmにて1時間、ポットを転がし、原分散液1(無機粒子1の含有量:45質量%)を調製した。
別のポットに、原分散液1とレベリング剤1を投入し、ジルコニアボールを投入した。その後、150rpmにて1時間、ポットを転がした後、さらにポットにF分散液1を投入し、150rpmにて1時間、ポットを転がし、全体としてF粒子1(18.5質量部)、F粒子2(20質量部)、無機粒子1(60質量部)、PAI1(1.5質量部)、界面活性剤(1質量部)、レベリング剤1(2質量部)、アンモニア水(100質量部)及び炭酸水素アンモニウムを含む改質分散液1(粘度:300mPa・s、pH:8.0)を得た。
改質分散液1の表面張力は原分散液1の表面張力よりも低く、その差は0.1~1mN/mであり、その分散層率は60%以上であった。
3.積層体の製造例
長尺の無粗化銅箔(表面の十点平均粗さ:0.1μm以下、厚さ:18μm)の表面に、バーコーターを用いて、改質分散液1を塗布し、ウェット膜を形成した。次いで、このウェット膜が形成された銅箔を、110℃にて5分間、乾燥炉に通し、加熱により乾燥させて、ドライ膜を得た。その後、窒素ガス雰囲気のオーブン中で、ドライ膜を380℃にて3分間、加熱した。これにより、銅箔と、その表面にFポリマー1、PTFE、無機酸化物粒子1及びPAI1を含む、成形物としてのポリマー層(厚さ:50μm)を有する積層体1を製造した。
改質分散液に変えて原分散液1を用いた以外は、積層体1と同様にして積層体を製造すると、厚さが100μmのポリマー層にクラックが発生していた。
積層体1の銅箔を塩化第二鉄水溶液でエッチングにより除去して、単独のポリマー層を作製し、SPDR(スプリットポスト誘電体共振、測定周波数:10GHz)法にて誘電正接を測定した。その結果、ポリマー層の誘電正接は0.0010以下であった。
積層体1の銅箔を塩化第二鉄水溶液でエッチングにより除去して、単独のポリマー層を作製し、180mm角の四角い試験片を切り出した。切り出した試験片の線膨張係数を、JIS C 6471:1995に規定される測定方法にしたがって、25~260℃の範囲において測定した。試験片の線膨張係数は、30ppm/℃以下であった。
積層体1から長さが100mm、幅が10mmの矩形状の試験片を切り出した。試験片の長さ方向の一端から50mmの位置を固定し、引張り速度50mm/分、長さ方向の片端から試験片に対して90°で、銅箔とポリマー層とを剥離させた。剥離させた時の最大荷重を剥離強度(N/cm)とした。積層体1の剥離強度は、10N/cm以上であった。
また、無機粒子1は、ポリマー層中で強固に担持されており、粉落ちしなかった。
上記結果から明らかなように、本法で作成した改質分散液は、分散安定性及び造膜性に優れており、基材に塗布して得られたF層は、電気特性及び低線膨張性に優れていた。また、F層と基材層とが密着性に優れ、無機粒子は、F層中に強固に担持されていた。したがって、本法により得られた改質分散液から形成した積層体は、成分分布の均一性に優れ、Fポリマー及び無機粒子の性質を高度に発現すると考えられる。また、層の界面で空隙が生じることがなく、耐水性の低下が抑制されると考えられる。

Claims (11)

  1. 溶融温度が200~325℃であるテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と無機粒子と液状分散媒とを含み、総量に占める前記無機粒子の割合が20~60質量%である分散液に、(メタ)アクリル系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤及びアルコールアルコキシレートからなる群から選ばれる少なくとも1種である非フッ素系レベリング剤を添加し、前記分散液の表面張力を低下させて改質分散液を得る、改質分散液の製造方法。
  2. 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子が、熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と非熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子とを含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、カルボニル基含有基又は水酸基含有基を有するテトラフルオロエチレン系ポリマーである、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記無機粒子が、シリカ粒子である、請求項1~のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記液状分散媒が、水、アミド、ケトン及びエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記改質分散液の表面張力と前記分散液の表面張力との差が、1mN/m以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記分散液が、さらに芳香族ポリマーを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記分散液が、さらにノニオン性界面活性剤を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の製造方法で得られる改質分散液を、基材の表面に塗布し、加熱して、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーと前記無機粒子とを含むポリマー層を形成して、前記基材で構成される基材層と前記ポリマー層とを有する積層体を得る、積層体の製造方法。
  10. 前記ポリマー層の厚さが、25μm以上である、請求項に記載の製造方法。
  11. 前記基材の表面の十点平均粗さが、0.1μm以下である、請求項又は10に記載の製造方法。
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