危険な化学物質を塗布するペン型塗布器は、多くの場合、化学処理を行う特定の業界に特有の作業環境で使用される。例えば、航空機の部品に補修作業を行う場合には、ペン型塗布器は、多くの場合、化学物質との物理的な接触を避け、対象の処理部分の位置以外の表面や位置に誤って材料をディスペンスすることなく、ディスペンス作業を安全に、完全に、かつ正確に行わなければならない技術者によって使用される。また、技術者は、航空機などの部品を扱うのに十分な高さの足場やはしごの上など、危険な環境でディスペンサーを使用することも多い。処理を必要とする表面は、実際上、技術者に対してどのような位置や方向にもあり得るため、技術者は化学物質を塗布するためにあらゆる方向(真上を含む)に手を届けることが可能でなければならない。
従来のペン型塗布器100を図1に示す。塗布器100は、近位端104から遠位端106まで長手方向Lに延びるハウジング102を有する。ハウジングは、流動性材料を保持するチャンバ108を形成する。近位端104は、チャンバ108から外部環境への流体通路を形成する吐出口110を有する。ウィック(芯)112は、吐出口110内に配置され、吐出口110から突出している。ウィック112は、好ましくは、ポリエステル又はポリエチレンなどの有孔材料で構成され、チャンバ108から処理される表面に流動性材料を導く。ハウジング102は、ハウジング102から径方向に延びてディスク状の突起を形成するカラー114を含む。カラー114は、塗布器100が技術者の衣服の典型的なポケットに入れられないようなサイズになっている。
ウィック112は、協働する摺動形状又は摺動表面でパーツを形成するなどして、吐出口110内に移動可能に支持される。バルブ116がウィック112の遠位端に取り付けられ、スプリング118が、バルブ116及びウィック112を近位方向に付勢するためにハウジング102に設けられている。スプリング118は、ウィック112及びバルブ116が、図1の左側に示すような閉位置と、図1の右側に示すような開位置との間を移動することを可能にする。閉位置では、バルブ116は、チャンバ108の対応する壁に接触して、流動性材料がチャンバ108からウィック112に移動するのを防ぐシールを形成する。開位置では、バルブ116は、壁に対して封止しておらず、流動性材料は重力によってウィック112へ、そしてそこから処理される表面へと自由に移動する。
図1及び図2は、チャンバ108及びスプリング118の2つの異なる構成を示している。図1では、スプリング118は、遠位側の支持壁120とバルブ116との間に配置されており、支持壁120は、チャンバ108の近位端と遠位端との間に配置されている。図1の支持壁120は、流動性材料がチャンバ108全体を移動できるようにするために1つ又は複数の開口部122を含む。図1の構造により、チャンバ108の遠位端は、スプリング118に干渉したりスプリング118を外したりすることなく流動性材料を替えるために、ねじキャップ124などによって開閉可能である。図2では、遠位側の支持壁120がチャンバ108の遠位端として形成されており、これは開閉不能に密閉されたハウジング102により適している。
図1や図2に示すような従来のペン型ディスペンサーは、ある種の欠陥を有することが判明している。例えば、ディスペンサーの先端のサイズが大きすぎて、特定の穴にフィットしなかったり、特定の開口部内に完全に届かなかったりすることがある。また、細長いペン型の構成では、比較的狭いスペースに入らなかったり、隅に届かなかったりする。また、衣服のポケットに入れられないようにペン本体から径方向に延びた安全カラーが、特定の面へのアクセスを妨げることもある。さらに、ウィックが隅や狭い場所に合わないことにより、処理される表面上の化学物質の被覆範囲が十分に得られないという欠点もある。これらの欠点により、ペン型塗布器のウィックでは届かない表面の部分を完全に処理するために、綿棒などの補助的な器具を使用する必要があった。
既存の器具に対する可能性のある1つの改良点は、ウィックの直径や断面を小さくして、隅や狭い場所にも届くようにすることである。しかし、ウィックを小さくすると、バルブを開くためのスプリングの動作に支障が出ることが判明している。従来技術の器具の典型的な使用方法では、操作者がウィックを表面に押し付けるだけで材料をディスペンスさせる。これは単純で、便利で、かつ片手で操作できるので、ユーザのもう片方の手で支えることができる場所では、より安全に、かつより簡単に操作を行うことができる。ウィックの直径を小さくすると、ウィックの剛性が低下し、バルブの閉じ力に対して曲がったり折れたりせずに押し付けることに適さなくなる。ウィックを長くした場合にも同様の問題が生じる。
一実施形態においては、より小さいウィックの低下した強度を考慮に入れて、バルブ及びスプリングの抵抗力又は剛性が下げられる。これにより、一部の塗布の問題を解決することができるが、スプリングが弱くなると有害物質が漏れる可能性があり、また、ペンの本体がより狭い塗布エリアへのアクセスを妨げる可能性がある。
他の実施形態においては、より硬いウィック素材を使用することもできるが、流動性材料の移動が妨げられ、ウィックが詰まりやすくなるという欠点がある。
図3から図5を参照すると、本発明者らは、ユーザがウィックを使ってスプリングを押し下げることを損なうことなく、ウィックの直径を小さくし、かつ/又は、ウィックの長さを長くすることを可能にする様々な他の実施形態を明らかにしている。
図3は、流動性材料を保持するチャンバ308を備えた、近位端304から遠位端306まで延びるハウジング302を有する塗布器300の一例を示す。カラー(不図示)又は他の形体をハウジング302に設けてもよい。吐出口310はチャンバ308を外部環境に繋ぐ。ウィック312は、吐出口310内に配置され、吐出口310から突出している。バルブ314は、ウィック312と一緒に動くように、ウィック312の遠位端に直接又は介在物を介して動作可能に取り付けられている。ウィック312は、吐出口310内を長手方向Lに沿って、伸展位置(図3の左側)と後退位置(図3の右側)との間で摺動可能である。ウィック312が伸展位置にあるとき、バルブ314は、対応する第1の壁316(例えば、チャンバ308の壁又は塗布器300内に設置されたバルブサブアセンブリの表面)に対して当接して封止し、流動性材料がチャンバ308からウィック312に移動するのを防止する。ウィック312が後退位置にあるとき、バルブ314は、第1の壁316から封止を解除して、流動性材料がチャンバ308からウィック312へ移動することを可能にする。スプリング318が、バルブ314と第2の壁320(例えば、チャンバ308の壁又は塗布器300内に設置されたバルブアセンブリの表面)との間に配置されている。スプリング318は、ウィック312を伸展位置に付勢するためにバルブ314を押す弾力性のある付勢力を発生させるために、圧縮されている。ウィック312に沿って反対の力を加えると、スプリングの付勢力を押し切って、ウィック312を後退位置に移動させる。
図3の実施形態は、好ましくは、ウィック312を伸展位置から後退位置に繰り返し移動させるのに必要な力の量に比較してサイズが小さいウィック312を備えている。これは、ウィック312の材料及び/又は寸法が、使用の間にわたって、ここで説明される追加の条件が無い限り、ウィック312が、バルブを開いた状態で後退位置に移動するのではなく、長手方向Lに沿ってウィック312の遠位側に加えられる引込み力の下で座屈する傾向があるように選択されることを意味する。サイズの小さいウィックは、最初の作動時には壊れないかもしれないが、ある程度使用した後であって塗布器の内容物が使い果たされる前に、材料を無駄にし、塗布器300の残りの内容物を漏出させ得るという結果をもたらす。スプリング318の付勢力と比較してウィック312のサイズを小さくするウィック312のサイズ及び材料の選択は、従来の力学に関する事項であり、必要以上の実験を行わずに数学的又は経験的に決定することができ、本明細書で詳細に説明する必要はない。引込み力を伝達するためのウィック312の耐久性の欠如は、ウィック312を囲み、ウィックを支持してウィックの剛性を増加させ、ウィック312の長さに沿って少なくとも部分的に長手方向に延びる、管腔326を画定する外側支持チューブ322を追加することによって改善される。
外側支持チューブ322は、バルブ314に接触するために遠位方向に延びていてもよく、バルブ314と一体的に形成されてもよく、ウィック312が後退位置にあるときに吐出口310から延びるか、吐出口310と同一平面となるように近位方向に延びていてもよいが、他の構成も可能である。支持チューブ322及びウィック312は、共同で、ウィック312からスプリング318に引込み力を伝えるのに十分な強度を有する。したがって、長手方向Lに沿ってウィック312に遠位方向の引込み力を加えると、ウィック312、チューブ322及びバルブ314が引き込まれ、それにより、流動性材料がチャンバ308からウィック312へと移動することが可能になる。チューブ322は、流動性材料による腐食に耐性のある熱可塑性樹脂、ポリマー、ゴムなどの任意の適切な硬質材料で構成されていてもよく、好ましくはウィック312に締り嵌めされている。ただし、部品の共同の剛性が引込み力をスプリング318に伝達するのに十分であれば、チューブ322がウィック312よりも剛性が高いことは厳密には要求されない。さらに、ウィック312及びチューブ322は、狭い空間や隅を処理するためにウィック312が歪むことができるように、組み立てられた状態では多少の柔軟性を有していてもよい。チューブ322は、例えば、ウィック312上の所定の位置に成形すること、ウィック312の周りに巻き付けて自身を封止すること(例えば、超音波接着、熱接着又は接着剤による接着)、ウィック312への収縮嵌め(例えば、熱を加えると収縮する感熱性の熱可塑性樹脂を用いる、ウィック312をチューブ322に引き込むか圧入する、又は、チューブ322を管状のマンドレルの上で伸ばし、チューブ322がウィック312を囲んでいるときにマンドレルを取り外す)などによって、ウィック312上に取り付けることが可能である。
ウィック312の近位端は、流動性材料の所望の付着特性をもたらすのに十分な距離だけ、支持チューブ322から突出する。例えば、塗布器300が、主に、凹んだ開口部の底面上に材料を導くために使用されることが望まれる場合、チューブ322は、ウィック312の近位端の近くで終端するように延びていてもよい。対照的に、塗布器300が、凹部の底面及び側面に材料をコーティングするために使用されることが意図される場合、ウィック312の近位端とチューブ322の近位端との間に延びるウィックの長さがより長くてもよい。チューブ322はまた、流動性材料が長手方向Lに垂直に(すなわち、横方向に)移動するための追加の出口を形成するために管腔326と連通する横方向の開口部324を有してもよく、これにより、横方向の流れを許容して材料を凹部の側面に塗布するのを補助しつつ、ウィック312により高い剛性を与えることが期待される。横方向へのディスペンスは、横方向の開口部324を介してチューブ322の管腔326から外方に延びるようにウィック312を形成することによっても増進される可能性がある。例えば、ウィック312は、ウィック312がチューブ322の管腔326に配置されたときに、横方向の開口部324を通って突出するのに十分なコンプライアント性を有する、軟質材料、又は軟質の外層材料(例えば、織布又は不織布のフェルト状材料の層)で構成されてもよい。
図4は、流動性材料を保持するチャンバ408を備えた、近位端404から遠位端406まで延びるハウジング402を有する塗布器400の他の例を示す。カラー(不図示)又は他の形体をハウジング402に設けてもよい。吐出口410はチャンバ408を外部環境に繋ぐ。ウィック412は、吐出口410内に配置され、吐出口410から突出している。バルブ414は、ウィック412と一緒に動くように、ウィック412の遠位端に直接又は介在物を介して動作可能に取り付けられている。ウィック412は、吐出口410内を長手方向Lに沿って、伸展位置(図4の左側)と後退位置(図4の右側)との間で摺動可能である。ウィック412が伸展位置にあるとき、バルブ414は、対応する第1の壁416(例えば、チャンバ408の壁又は塗布器400内に設置されたバルブサブアセンブリの表面)に対して当接して封止し、流動性材料がチャンバ408からウィック412に移動するのを防止する。ウィック412が後退位置にあるとき、バルブ414は、第1の壁416から封止を解除して、流動性材料がチャンバ408からウィック412へ移動することを可能にする。スプリング418が、バルブ414と第2の壁420(例えば、チャンバ408の壁又は塗布器400内に設置されたバルブアセンブリの表面)との間に配置されている。スプリング418は、ウィック412を伸展位置に付勢するためにバルブ414を押す弾力性のある付勢力を発生させるために、圧縮されている。ウィック412に沿って反対の力を加えると、スプリングの付勢力を押し切って、ウィック412を後退位置に移動させる。
図4の実施形態はまた、好ましくは、ウィック412を伸展位置から後退位置に移動させるのに必要な力の量と比較してサイズが小さいウィック412を備えている。塗布器400の耐用年数にわたるウィック412の引込み力の伝達能力の低下は、ウィック412に囲まれるか又は部分的に囲まれ、ウィック412の長さに沿って少なくとも部分的に長手方向に延びる内部支持体422を追加することによりウィックを補強することによって改善される。内部支持体422は、バルブ414に接触するように遠位方向に延びていてもよく、バルブ414と一体的に形成されていてもよく、近位方向に延びていて、ウィック412が後退位置にあるときに吐出口410から延びるか、又は吐出口410と同一平面になるようになっていてもよいが、他の構成も可能である。内部支持体422及びウィック412は、共同で、ウィック412からスプリング418に引込み力を伝えるのに十分な強度を有する。したがって、長手方向Lに沿ってウィック412に遠位方向の引込み力を加えると、ウィック412、内部支持体422及びバルブ414が引き込まれ、それにより、流動性材料がチャンバ408からウィック412へと移動することが可能となる。
内部支持体422は、金属、熱可塑性樹脂、ポリマー、ゴムなどの任意の適切な硬質材料で構成されてもよい。部品の共同の剛性が引込み力をスプリング418に伝達するのに十分であれば、内部支持体422がウィック412よりも剛性が高いことは厳密には要求されない。さらに、ウィック412及び内部支持体422は、狭い空間や隅を処理するためにウィック412が歪むことができるように、組み立てられた状態では多少の柔軟性を有していてもよい。この目的のために、内部支持体422は、ウィック素材を隅に押し込むのを促進するために、ウィック412の近位端又はその近くで終端するように延びてもよい。内部支持体422は、例えば、ウィック412の空洞内の所定の位置に成形する、ウィック素材内に押し込むなどの方法で、ウィック412に取り付けることが可能である。
内部支持体422は、ウィック412にかかる座屈又は非弾性変形荷重に耐えるのに役立つ任意の形状を有してもよい。例えば、内部支持体422は、バルブ414からの1つ又は複数の円筒形の突出部で構成されてもよい。また、内部支持体422は、オープンスペースであるかウィック素材が内部に配置された中空であってもよい。内部にウィック素材がない中空の内部支持体422は、ウィック412の近位端へより高い流量の流動性材料を伝えるのに特に役立ち得る。同様に、内部支持体422、特に中空の内部支持体422は、図3の実施形態に関連して説明した横方向の開口部324のような横方向の開口部を有し、流動性材料のための追加の横方向の流路を形成してもよい。他の代替案及び変形例は、本開示を考慮すれば当業者に明らかであろう。
図5は、流動性材料を保持するチャンバ508を備えた、近位端504から遠位端506まで延びるハウジング502を有する塗布器500の他の例を示す。カラー(不図示)又は他の形体をハウジング502に設けてもよい。吐出口510はチャンバ508を外部環境に繋ぐ。ウィック512は、吐出口510内に配置され、吐出口510から突出している。バルブ514は、以下に説明するようにウィック512と一緒に2段階の動作で移動するように、ウィック512の遠位端に直接又は介在物を介して動作可能に取り付けられている。ウィック512は、吐出口510内を長手方向Lに沿って、伸展位置(図5の左側)と後退位置(図5の右側)との間で摺動可能である。ウィック512が伸展位置にあるとき、バルブ514は、対応する第1の壁516(例えば、チャンバ508の壁又は塗布器500内に設置されたバルブサブアセンブリの表面)に対して当接して封止し、流動性材料がチャンバ508からウィック512へ移動するのを防止する。ウィック512が後退位置にあるとき、バルブ514は、第1の壁516から封止を解除して、流動性材料がチャンバ508からウィック512へ移動することを可能にする。第1のスプリング518が、バルブ514と第2の壁520(例えば、チャンバ508の壁又は塗布器500内に設置されたバルブアセンブリの表面)との間に配置されている。第1のスプリング518は、ウィック512を伸展位置に付勢するためにバルブ514を押す弾力性のある付勢力を発生させるために、圧縮されている。ウィック512に沿って反対の力を加えると、スプリングの付勢力を押し切って、ウィック512を後退位置に移動させる。
この例では、ウィック512は支持体522内に摺動可能に保持され、支持体522は吐出口510内に摺動可能に保持されている。支持体522は、円筒形であってもよいし、ウィック512及び吐出口510の断面形状に適応した他の形状(例えば、長方形、正方形、楕円形など)を有していてもよい。支持体522は、ウィック512が長手方向Lに沿って摺動可能な支持室524を含む。第2のスプリング526が、支持室524内のウィック512の遠位端と支持体522の対面する内壁528との間に配置されている。
図5の実施形態は、好ましくは、バルブ514の封止を解除するために第1のスプリング518を動かすのに必要な力の量と比較してサイズが小さいウィック512を備えている。しかしながら、ウィック512は、第2のスプリング526を圧縮するために必要な力の量と比較してサイズが小さくない。したがって、第2のスプリング526は、第1のスプリング518よりも低いばね定数を有する。
本実施形態は、2段階の引込み動作を提供する。長手方向Lに沿ってウィック512の近位端に加えられた遠位方向の力は、まず、ウィック512が支持室524内に引き込まれるまで第2のスプリング526を圧縮し、次に、支持部522及びウィック512を後退位置まで圧縮して、バルブ514の封止を解除する。本実施形態は、ウィック512を剛性の高い(又は比較的剛性の高い)支持体522内に引き込み、ウィックの剛性を効果的に高めることにより、バルブ開放力を伝えるにはウィック512が小さすぎるという問題を克服する。支持体522は、引込み力を伝えてバルブ514を開くのに十分な横方向の支持を生じさせる。ウィック512は、(図5に示すように)ウィック512が支持部522内に完全に引き込まれたときに支持部522から突出してもよく、あるいは、支持部522の近位端と同一平面に押し付けられてもよい。また、支持体522は、流動性材料をウィック512まで移動させるのに十分な開口部を含む。例えば、支持体522は、バルブ514の封止が解除されたときにチャンバ508に露出される横方向の開口部530を含んでもよい。必要に応じて、Oリング532などのシールを、支持体522と吐出口510との間に設けて、そこを通って流動性材料が漏れることを防止してもよい。
ここで図6を参照すると、他の実施形態は、サイズが小さいウィックの使用を可能にするが、バルブの封止を解除するために必要な力を伝えるためにウィックを支持又は補強することを必要としない特徴を含むことができる。図6において、塗布器600は、流動性材料を保持するチャンバ608を備えた、近位端604から遠位端606まで延びるハウジング602を有する。また、カラー(不図示)又は他の形体をハウジング602に設けてもよい。吐出口610は、チャンバ608を外部環境に繋ぐ。ウィック612は、吐出口610内に配置され、吐出口610から突出している。バルブ614は、ウィック612と一緒に動くように、ウィック612の遠位端に直接又は介在物を介して動作可能に取り付けられている。ウィック612は、吐出口610内を長手方向Lに沿って、伸展位置(図6の左側)と後退位置(図6の右側)との間で摺動可能である。ウィック612が伸展位置にあるとき、バルブ614は、対応する第1の壁616(例えば、チャンバ608の壁又は塗布器600内に設置されたバルブサブアセンブリの表面)に対して当接して封止し、流動性剤料がチャンバ608からウィック612へ移動するのを防止する。ウィック612が後退位置にあるとき、バルブ614は、第1の壁616から封止を解除して、流動性剤料がチャンバ608からウィック612に移動することを可能にする。スプリング618が、バルブ614と第2の壁620(例えば、チャンバ608の壁又は塗布器600内に設置されたバルブアセンブリの表面)との間に配置されている。スプリング618は、ウィック612を伸展位置に付勢するためにバルブ614を押す弾力性のある付勢力を発生させるために、圧縮されている。
図6の実施形態は、好ましくは、バルブ614の封止を解除するために第1のスプリング618を動かすのに必要な力の量と比較してサイズが小さいウィック612を備えている。しかしながら、ウィック612は支持体622内に固定化されており、支持体622は吐出口610内に摺動可能に保持されている。支持体622は、円筒形であってもよいし、ウィック612及び吐出口610の断面形状に適応した他の形状(例えば、長方形、正方形、楕円形など)を有していてもよい。支持体622は、バルブ614の封止を解除するために(ウィック612に加えて、又はウィック612に代えて)支持体622に引込み力を加えることができるように、バルブ614に動作可能に結合されている。この目的のため、支持体622は、操作者が引込力を加えるのを補助するために、ハウジング602の外側に位置するトリガー624を含んでもよい。また、支持体622は、バルブ614の封止が解除されたときに流動性剤料がチャンバ608からウィック612に移動することを可能にする1つ又は複数の開口部626を含んでもよい。
トリガー624の形状及びサイズは、操作者の予想されるニーズに基づいて選択することが可能である。例えば、トリガー624は、ウィック612を取り囲む(図示のような)環状プレート、もしくは、操作者が指を使って、又はアセンブリ全体を固定面に押し付けることによって(例えば、トリガー624を処理される表面の剛性のある部分に当て、塗布器600を前方に押し出すことによって)トリガーを押すことができるような他の形状を有していてもよい。トリガー624はまた、操作者がトリガー624をグリップ面628に向かって握り、バルブ614を片手だけで開くことができるように、対向するグリップ面628(例えば、操作者の親指を受けるのに適したリング又は掌を受けるプレート)を備えていてもよい。あるいは、Oリング630やグランドシールなどの複数のシールを支持部622と吐出口610との間に設けて、そこからの漏出可能性を低減してもよい。
図6の実施形態は、ユーザの裁量でバルブの便利で安全な操作を実現しつつ、より小さなウィックを使用することを可能にする。図6の実施形態の一変形例は、ウィック612を、低いばね定数を有し、ウィック612を伸展位置に付勢する第2のスプリングを備えた支持体内のチャンバに摺動可能に取り付けることである。この変更により、図5の実施形態の追加機能を提供することができる。他の実施形態では、図6のトリガーの特徴を、図3及び図4のウィックを支持する特徴に組み合わせてもよい。他の代替案及び変形例は、本開示を考慮すれば当業者に明らかであろう。
従来のペン型の塗布器の他の問題は、塗布器のフェルトを狭い場所や隅に合わせることができないことである。これは、凹んだ穴、変わった形の穴、及び元のコーティングが深い傷で損傷している場合に特に問題となる。この問題は、締結具と支持構造表面との接合部に小さな開口や狭い隙間がある、リベットや他の締結具の周りにコーティング剤を塗布する際にも見受けられている。図7及び図8は、そのような状況に対応するために適応された実施形態を示している。
図7は、近位端704から遠位端706まで延び、流動性剤料を保持するチャンバ708を備えたハウジング702を有する塗布器700を示す。カラー(不図示)又は他の形体をハウジング702に設けてもよい。吐出口710は、チャンバ708を外部環境に繋ぐ。ウィック712が、吐出口710内に配置され、吐出口710から突出している。バルブ714は、ウィック712と一緒に動くように、ウィック712の遠位端に直接又は介在物を介して動作可能に取り付けられている。ウィック712は、吐出口710内を長手方向Lに沿って、伸展位置(図7の左側)と後退位置(図7の右側)との間で摺動可能である。ウィック712が伸展位置にあるとき、バルブ714は、対応する第1の壁716(例えば、チャンバ708の壁又は塗布器700内に設置されたバルブサブアセンブリの表面)に対して当接して封止し、流動性材料がチャンバ708からウィック712へ移動するのを防止する。ウィック712が後退位置にあるとき、バルブ714は、第1の壁716から封止を解除して、流動性材料がチャンバ708からウィック712に移動することを可能にする。スプリング718が、バルブ714と第2の壁720(例えば、チャンバ708の壁又は塗布器700内に設置されたバルブアセンブリの表面)との間に配置されている。スプリング718は、ウィック712を伸展位置に付勢するためにバルブ714を押す弾力性のある付勢力を発生させるために、圧縮されている。
ウィック712は、バルブ714を後退位置に動かすためにスプリング718を押すのに必要な力と比較して、サイズが小さくても、小さくなくてもよい。ウィック712のサイズが小さい場合、バルブ714の動作に適応させたり、バルブ714の動作を支援したりするために、上述したような他の特徴を組み込んでもよい。
ウィック712は、吐出口710の中に延びる中央支持部722と、中央部722を囲むか、又は中央部722に取り付けられた柔軟な外層724とを含む。外側層724は、中央支持部722よりも柔軟であり、任意に結合された天然繊維又は合成繊維、好ましくはポリエステル、ポリウレタン、アクリル、ナイロン及びそれらの組み合わせで構成されてもよい。例えば、中央部722は、円筒形を形成するように接合された比較的硬いポリエステル繊維の束で構成されていてもよく、外層724は、例えばフェルト、スポンジ、ウール、綿などの、合成原料及び/又は天然原料である、柔らかい多孔質及び/又は繊維質の原材料で形成された別個のカバー又はコーティングで構成されていてもよい。そのようなカバーは、ウィック712の残りの部分に取り外し可能又は固定して取り付けられてもよい。他の例として、ウィック712は、硬い中央支持部722内に集められた内側の繊維と、より柔らかい外層724とするために化学的又は機械的に処理(例えば、粗面化又はチョップ)された外側の繊維とを備えた、硬い繊維の束で構成されていてもよい。あるいは、本明細書に開示されているようなチューブ又は中空の内部支持体が、ウィック712を支持して強化するために、中央支持部分722に置き換えられてもよく、この場合、チューブの近位端の開口部及び/又はチューブ又は支持体の長さに沿った横方向の開口部が、ウィック712の柔らかい外層724に流動性材料を供給してもよい。
比較的柔らかい外層724は、隙間や隅のような場所へ広範囲に届かせることを可能にすることによって隙間や隅を処理する塗布器の能力を向上させるために、表面の凹凸に適合し得る。より柔らかい外層724はまた、流動性材料を横方向に分配することを促進することができ、これは、狭い穴の内壁をコーティングするのに役立つことができる。このような横方向の塗布は、より柔らかい外層724の直径D1を、中央支持部722の隣接部分の直径D2よりも大きく、かつ、ハウジング702の隣接部分の直径D3よりも大きくすることによって増進することができる。これにより、ウィック712の近位端を狭い穴の中に延ばし、さらに、柔軟な外層724が流動性材料を穴の側面に塗布することが可能となる。
図8は、狭い領域又は奇異な形状の領域に流動性材料を塗布するように適合された塗布器800の他の実施形態を示す。この例では、塗布器800は、流動性材料を保持するチャンバ808を備えた、近位端804から遠位端806まで延びるハウジング802を有する。また、カラー(不図示)又は他の形体をハウジング802に設けてもよい。吐出口810は、チャンバ808を外部環境に繋ぐ。いくつかのウィック812のうちの1つが、吐出口810から突出するように取り付けられ得る。バルブ814が、ウィック812と一緒に動くように、取り付けられたウィック812の遠位端に直接又は介在物を介して動作可能に取り付けられている。取り付けられたウィック812は、吐出口810内を長手方向Lに沿って、伸展位置と後退位置との間で摺動可能である。取り付けられたウィック812が伸展位置にあるとき、バルブ814は、対応する第1の壁816(例えば、チャンバ808の壁又は塗布器800内に設置されたバルブサブアセンブリの表面)に対して当接して封止し、流動性材料がチャンバ808から設置されたウィック812に移動するのを防止する。取り付けられたウィック812が後退位置にあるとき、バルブ814は、第1の壁816から封止を解除して、流動性材料がチャンバ808からウィック812に移動することを可能にする。スプリング818が、バルブ814と第2の壁820(例えば、チャンバ808の壁又は塗布器800内に設置されたバルブアセンブリの表面)との間に配置されている。スプリング818は、取り付けられたウィック812を伸展位置に付勢するためにバルブ814を押す弾力性のある付勢力を発生させるために、圧縮されている。
ウィック812は、バルブ814を後退位置に動かすためにスプリング818を押すのに必要な力と比較して、サイズが小さくても、小さくなくてもよい。ウィック812のサイズが小さい場合、バルブ814の動作に適応させるために、上述したような他の特徴を組み込んでもよい。
図8の実施形態では、種々のウィック812のコレクションが、選択的に吐出口810に取り付けられるようになっている。各々のウィック812は、特定の表面を処理するように構成されたユニークな形状を有していてもよい。例えば、ウィック812は、テーパ状の近位端を有するチゼルポイントウィック812’、球状の近位端を有するウィック812’’、逆テーパ状の近位端を有するウィック812’’’、拡大された円筒状の端部を有するウィック812’’’’、面取りされた先端又は「チゼル」先端を有するウィック812’’’’’を含んでもよい。他の代替案及び変形例は、本開示を考慮すれば当業者に明らかであろうし、これらの代替的なウィック形状の実施形態が他の実施形態で用いられ得ることも理解されるであろう。
各ウィック812は、吐出口810内に摺動可能に取り付けられた支持キャリア824内に着脱自在に固定するように構成されたそれぞれの軸822を有している。Oリングなどのシール(不図示)が、キャリア824と吐出口810の間に設けられていてもよい。キャリア824が、長手方向Lに沿ってハウジング802に対して摺動可能であり、かつバルブ814に動作可能に結合されている。ウィック812とキャリア824とは、摩擦嵌めによって、又は、デテント(戻り止め)やバヨネット取付具などの機構によって、一緒に保持されてもよい。キャリア824は、図5の実施形態に関連して説明した開口部のような1つ又は複数の開口部を含み、バルブ814の封止が解除されたときに流動性材料がチャンバ802からウィック812に移動することを可能にする。
使用するとき、ユーザは、所望のウィック812を選択し、それを吐出口810内に配置されたキャリア824内に挿入し、塗布器800を通常通り使用するが、塗布器800は、バルブ814を作動させる先端部にかかる力を分散させるキャリア824を支持することで強化されたウィック812を用いて他の方法では届きにくい表面を処理するためにカスタマイズされた能力を備えている。
上述の実施形態は、本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせて使用することができることが理解されるであろう。非限定的な一例として、柔軟な外層724又は交換可能なウィック812を有する実施形態は、図16及び図17の調量バルブシステムのような特徴と共に使用することが可能である。
従来のペン型塗布器本体の他の根強い問題は、それらは保護具を着用したユーザが容易に扱え、十分な量の流動性材料を収容するようなサイズになっているが、その結果として、狭い空間に適合することには向いていないことである。特に、ペン型塗布器は、狭い隙間に適合するには長すぎることがあり、カラー114は、塗布器を低角度に傾けて突起物などの下に届かせるには大きすぎることがある。図9~図12は、限られた空間内で表面を処理するためにより高い操作性を提供することを意図した様々な代替的な塗布器を示す。
図9は、近位端904から遠位端906まで延びるハウジング902と、近位端904から延びるウィック912とを有する塗布器900を示す。塗布器900はまた、流動性材料を保持するチャンバ、バルブなどの他の特徴を含む。一実施形態では、ウィック912は、図3の実施形態に関連して上述したような、横方向に延びる穴924によって穿孔された支持チューブ922の管腔内に配置されている。しかしながら、本明細書に記載されたそれらの他のウィックを非限定的な例として含む他のウィックが、他の実施形態で使用されてもよい。
ハウジング902は、細長い概ね円筒形の形状を有し、手に手袋をはめたユーザが塗布器900を操作できるように、リブ、ローレット等の特徴を含む。記載されたハウジングの特徴は、本明細書に開示された他の実施形態に含まれてもよい。具体的には、ハウジング902は、複数の長手方向のリブ926及び複数の周方向のリブ928を含んでいる。長手方向のリブ926は、ハウジング902の隣接する外面から突出し、かつ長手方向Lに沿って(すなわち、ハウジング近位端904からハウジング遠位端906に向かう方向に沿って)延びている。長手方向のリブ926は、長手方向L周りにハウジング902を回転させるための把持性と操作性を向上させる。周方向のリブ928は、長手方向軸から径方向に延びて、ハウジング902の周方向周囲を取り囲んでいる。周方向のリブ928は、ハウジング902を長手方向Lに沿って動かすための把持性と操作性を向上させる。また、一部又は全ての周方向のリブ928は、遠位方向に外向きに傾斜した近位面を有し、近位方向に押すときの把持性を向上させるのに役立つ「ノコギリ歯」状の構成を形成してもよい。特に塗布器900が、既存の従来の装置よりも小さくされている場合、及び/又は、厄介な位置にある表面とウィック912との間の十分な接触を確保するために操作される場合、長手方向のリブ926と周方向のリブ928とが共同で塗布器900の把持性と操作性を向上させることが期待される。図9の実施形態は長手方向のリブ926と周方向のリブ928との両方を有するが、他の実施形態は、1種類のリブのみを有していてもよく、あるいはどちらのリブも有していなくてもよい。
図9はまた、カラー930の代替的な配置を示している。具体的には、カラー930は、ウィック912を覆って保護するようにハウジング902に選択的に固定されるキャップ932上に配置されている。また、キャップ932は、手袋をはめたユーザがキャップ932を取り付けたり取り外したりする助けとなるリブ(例えば、長手方向のリブ934)を有していてもよい。図9に示す上述のキャップ及びカラーの特徴は、本明細書に開示される他の実施形態に含まれてもよい。
図10A及び10Bは、狭い空間内で使用するように構成された塗布器1000の他の実施形態を示す。この例では、塗布器1000は、近位端を画定する先端部分1004と、遠位端を画定するハンドル部分1006とを有するハウジング1002を有している。一方又は両方の部分1004,1006は、流動性材料を保持するチャンバ1008を有する。カラー(不図示)又は他の形体をハウジング1002に設けてもよい。吐出口1010は、チャンバ1008を外部環境に繋ぐ。図6の実施形態と同様に、ウィック1012は支持体1021内に配置され、支持体1021は、吐出口1010内に摺動可能に保持され、かつ吐出口1010から突出している。バルブ1014が、ウィック1012と一緒に動くように、支持体1021の遠位端に直接又は介在物を介して動作可能に取り付けられている。ウィック1012を保持する支持体1021は、吐出口1010内を長手方向Lに沿って、伸展位置と後退位置との間で摺動可能である。ウィック1012が伸展位置にあるとき、バルブ1014は、対応する第1の壁1016(例えば、チャンバ1008の壁又は塗布器1000内に設置されたバルブサブアセンブリの表面)に対して当接して封止し、流動性材料がチャンバ1008からウィック1012へ移動するのを防止する。ウィック1012が後退位置にあるとき、バルブ1014は、第1の壁1016から封止を解除して、流動性材料がチャンバ1008からウィック1012に移動することを可能にする。スプリング1018が、バルブ1014と第2の壁1020(例えば、チャンバ1008の壁又は塗布器1000内に設置されたバルブアセンブリの表面)との間に配置されている。スプリング1018は、ウィック1012を伸展位置に付勢するためにバルブ1014を押す弾力性のある付勢力を発生させるために、圧縮されている。
ハウジング1002は、図10Aに示すような第1の形態と、図10Bに示すような第2の形態との間で移動可能である。特に、先端部分1004は、回転式結合部1022のような関節継手によってハンドル部分1006に連結されている。回転式結合部1022は、ピボットジョイントやスイベルジョイントのような任意の可動式ジョイントで構成されてもよい。図示の例では、回転接続部1022は、先端部分1004から延びる円筒形のボス1024と、ハンドル部分1006に設けられた円筒形のレセプタクル1026とによって形成されるスイベルジョイントで構成されている。ボス1024は、レセプタクル1026に嵌り、先端部分1004とハンドル部分1006との間の相対回動を可能にする。ボス1024は、リップ1028又は両部品を一緒に保持するファスナー(例えば、スプリングクリップ、Dリングなど)を含む。この例では、チャンバ1008は、先端部分1004及びハンドル部分1006の両方に形成されており、回転式結合部1022は、先端部分1004とハンドル部分1006との間の流体連通も形成する開口部1030を有している。回転式結合部1022通る漏れを防止するために、1つ又は複数のロータリシール(不図示)を設けてもよい。
使用中、操作者は、ハンドル部分1006に対して先端部分1004を回転させて、ウィック1012の向きを種々の角度に合わせることができる。これは、狭い空間内に届かせるのに役立ち、また、通常の使用状況下で塗布器1000を使用する際に種々の手先位置を取ることを可能にできる。構成を簡素化するために、スプリング1018及びバルブ1014は、好ましくは先端部分1004内に配置されるが、これは厳密に必要とされるものではない。
図11は、狭い空間内で使用するように構成された塗布器1100の他の実施形態を示す。塗布器1100は、近位端1104から遠位端1106まで延びるハウジング1102と、流動性材料を保持するチャンバ1108とを有する。また、カラー(不図示)又は他の形体をハウジング1102に設けてもよい。吐出口1110は、チャンバ1108を外部環境に繋ぐ。ウィック1112は、吐出口1110内に配置され、吐出口1110から突出している。バルブ1114は、ウィック1112と一緒に動くように、ウィック1112の遠位端に直接又は介在物を介して動作可能に取り付けられている。ウィック1112は、吐出口1110内を長手方向Lに沿って、伸展位置と後退位置との間で摺動可能である。ウィック1112が伸展位置にあるとき、バルブ1114は、対応する第1の壁1116(例えば、チャンバ1108の壁又は塗布器1100内に設置されたバルブサブアセンブリの表面)に対して当接して封止し、流動性材料がチャンバ1108からウィック1112へ移動するのを防止する。ウィック1112が後退位置にあるとき、バルブ1114は、第1の壁1116から封止を解除して、流動性材料がチャンバ1108からウィック1112に移動することを可能にする。スプリング1118が、バルブ1114と第2の壁1120(例えば、チャンバ1108の壁又は塗布器1100内に設置されたバルブアセンブリの表面)との間に配置されている。スプリング1118は、ウィック1112を伸展位置に付勢するためにバルブ1114を押す弾力性のある付勢力を発生させるために、圧縮されている。
本実施形態におけるウィック1112は、狭い空間やオーバーハングの下及び隅などに横方向に届くように、曲がった形に構成されている。例えば、ウィック1112は、横方向に延びるL字型の足部1122を持続的に有するように加熱されて曲げられた小孔のある繊維の束で構成されていてもよい。足部1122は、ウィック1112に沿って延びるプラスチックロッドなどの内部(又は外部)支持体1124によって支持されてもよい。支持体は、ウィック1112の足部1122の部分がその形状を維持するのに役立ち、足部1122を狭い空間内に横方向に深く押し込んだり、穴の底を処理するために足部1122の底部を押し付けたりするのに有用であり得る。本実施形態ではL字型の足部が望ましいが、他の実施形態では他の形状のウィックを使用してもよい。例えば、ウィック1112の近位端は、J字型フック(これは、周囲に障害物の無い縁のようなフランジ又は金属の圧延縁の下に届かせるのに特に有用であり得る)として構成されてもよいし、他の形状を有してもよい。さらに、支持体1124は他の実施形態では省略されてもよい。
図12は、狭い空間で使用するように構成された塗布器1200の他の実施形態を示す。塗布器1200は、近位端1204から遠位端1206まで延びるハウジング1202と、流動性材料を保持するチャンバ1208とを有する。また、カラー(不図示)又は他の形体をハウジング1202に設けてもよい。吐出口1210は、チャンバ1208を外部環境に繋ぐ。ウィック1212が、吐出口1210内に配置され、吐出口1210から突出している。バルブ1214が、ウィック1212と一緒に動くように、ウィック1212の遠位端に直接又は介在物を介して動作可能に取り付けられている。ウィック1212は、吐出口1210内で、伸展位置と後退位置との間で摺動可能である。ウィック1212が伸展位置にあるとき、バルブ1214は、対応する第1の壁1216(例えば、チャンバ1208の壁又は塗布器1200内に設置されたバルブサブアセンブリの表面)に対して当接して封止し、流動性材料がチャンバ1208からウィック1212へ移動するのを防止する。ウィック1212が後退位置にあるとき、バルブ1214は、第1の壁1216から封止を解除して、流動性材料がチャンバ1208からウィック1212に移動することを可能にする。スプリング1218が、バルブ1214と第2の壁1220(例えば、チャンバ1208の壁又は塗布器1200内に設置されたバルブアセンブリの表面)との間に配置されている。スプリング1218は、ウィック1212を伸展位置に付勢するためにバルブ1214を押す弾力性のある付勢力を発生させるために、圧縮されている。
この例では、吐出口1210及びウィック1212は、長手方向Lに対して角度のついた軸Aに沿って向けられている。簡素化のため、バルブ1214及びスプリング1218も軸Aに沿って向けられているが、これはすべての実施形態において必須とされるものではない。軸Aは、長手方向Lに対して任意の望ましい角度に向けられていてもよく、45°はほとんどの用途において概ね便利な角度であると予想される。他のケースでは、角度は45°未満又は45°より大きくてもよい。90°に等しい又はそれを超える角度は、物品の裏面を処理する際に使用するのが望ましい場合があり、ウィック1212は、塗布器1200の残りの部分に対して180°程度の角度に向けられ得ることが想定される。他の代替案及び変形例は、本開示を考慮すれば当業者に明らかであろう。
従来のペン型塗布器の他の欠点は、チャンバからウィックへの流動性材料の流量を制御することが難しいことである。図1及び図2に示すような従来のシステムでは、操作者がバルブを開閉することはできるが、塗布器を傾けたり振ったりして重力を利用する以外に、流動性媒体を強制的にウィックに流入させる仕組みが無い。これは、コーティングされるべき表面がウィックの上に位置する場合に特に問題となる。流量制御に関連する別の問題は、従来の塗布器は、流動性媒体の正確な量を調量することができず、バルブが開いているときにはウィックに浸み込んだ後でも流動性媒体が流れ続け、滴下、液溜まり、材料の無駄が発生する可能性があることである。図13~図17は、これらの欠点の1つ又は複数に対処する塗布器の実施形態を示している。
図13は、バルブが開いているときに操作者がチャンバからウィックへの流体媒体の付着を強制的に行うことができるように構成された塗布器1300の一実施形態を示す。塗布器1300は、近位端1304から遠位端1306まで延びるハウジング1302と、流動性材料を保持するチャンバ1308とを有する。また、カラー(不図示)又は他の形体をハウジング1302に設けてもよい。吐出口1310は、チャンバ1308を外部環境に繋ぐ。ウィック1312は、吐出口1310内に配置され、吐出口1310から突出している。バルブ1314は、ウィック1312と一緒に動くように、ウィック1312の遠位端に直接又は介在物を介して動作可能に取り付けられている。ウィック1312は、吐出口1310内で、伸展位置と後退位置との間で摺動可能である。ウィック1312が伸展位置にあるとき、バルブ1314は、対応する第1の壁1316(例えば、チャンバ1308の壁又は塗布器1300内に設置されたバルブサブアセンブリの表面)に対して当接して封止し、流動性材料がチャンバ1308からウィック1312に移動するのを防止する。ウィック1312が後退位置にあるとき、バルブ1314は、第1の壁1316から封止を解除して、流動性材料がチャンバ1308からウィック1312に移動することを可能にする。スプリング1318が、バルブ1314と第2の壁1320(例えば、チャンバ1308の壁又は塗布器1300内に設置されたバルブアセンブリの表面)との間に配置されている。スプリング1318は、ウィック1312を伸展位置に付勢するためにバルブ1314を押す弾力性のある付勢力を発生させるために、圧縮されている。
この例では、ハウジング1302及びチャンバ1308の一部は可撓性壁部で構成されており、この可撓性壁部は図13では可撓性ボトル1322によって形成されているように示されているが、他の形態をとることができる。図13を参照すると、可撓性ボトル1322は、バルブ1314を開くと、流動性材料をウィック1312に向けて押し出す内部圧力を発生させるために絞ることができ、これによりウィックの浸み込みをより速くする効果がもたらされる。例えば、可撓性ボトル1322は、柔軟なプラスチック材料で作られてもよい。また、可撓性ボトル1322は、チャンバ1308の内容物を見るために透明であってもよい。可撓性ボトル1322は、ハウジング1302の残りの部分に対して取り外せないように又は取り外し可能に取り付けられてもよい。この例では、ボトル1322の近位端が、ハウジング1302の剛性部分に配置されたカラー1324にねじ込まれており、ボトル1322を再充填するために取り外すことができる。他の実施形態では、可撓性ボトル1322は、取り外しできない結合によってハウジング1302の残りの部分に固定されてもよい。
可撓性ボトル1322とハウジング1302の残りの部分は長手方向Lに沿って一直線になっているが、これは厳密には必要ではない。他の例では、可撓性ボトル1322は、ハウジング1302の残りの部分から横方向に突出するように、又はハウジング1302の残りの部分に対して斜めに突出するように、ねじ込まれるか、又は他の方法で取り付けられてもよい。また、可撓性ボトル1322は、ユーザがボトルの壁を曲げて流動性材料をウィックに向けて押し出すことができるようにボトル1322の一部が露出した状態で、ハウジング1302に部分的に囲まれていてもよい。また、可撓性ボトル1322は、ハウジング1302に完全に包囲され、ハウジング1302の側部の端部に配置されたプランジャーなどの媒介部品による力の印加によって絞られるようになっていてもよい。円筒形の形状を有するものとして示されているが、可撓性ボトル1322は、代替の形状を有していてもよい。
図示された可撓性ボトル1322は、ユーザが握ることができるハンドルとして機能するように、変形させる力を加えた後に自身の元の形状に戻るように意図されている。しかし、他の代替案では、可撓性ボトル1322は、使用中にしぼむ袋状の構造(例えば、ブラダー)で構成されてもよい。他の代替案及び変形例は、本開示を考慮すれば当業者に明らかであろう。
図14は、操作者がチャンバからウィックへの流体媒体の付着を強制的に行うことができるように構成された塗布器1400の一実施形態を示す。塗布器1400は、近位端1404から遠位端1406まで延びるハウジング1402と、流動性材料を保持するチャンバ1408とを有する。また、カラー(図示せず)又は他の形体をハウジング1402に設けてもよい。吐出口1410は、チャンバ1408を外部環境に繋ぐ。ウィック1412は、吐出口1410内に配置され、吐出口1410から突出している。バルブ1414は、ウィック1412と一緒に動くように、ウィック1412の遠位端に直接又は介在物を介して動作可能に取り付けられている。ウィック1412は、吐出口1410内で、伸展位置と後退位置との間で摺動可能である。ウィック1412が伸展位置にあるとき、バルブ1414は、対応する第1の壁1416(例えば、チャンバ1408の壁又は塗布器1400内に設置されたバルブサブアセンブリの表面)に対して当接して封止し、流動性材料がチャンバ1408からウィック1412に移動するのを防止する。ウィック1412が後退位置にあるとき、バルブ1414は、第1の壁1416から封止を解除して、流動性材料がチャンバ1408からウィック1412に移動することを可能にする。スプリング1418が、バルブ1414と第2の壁1420(例えば、チャンバ1408の壁又は塗布器1400内に設置されたバルブアセンブリの表面)との間に配置されている。スプリング1418は、ウィック1412を伸展位置に付勢するためにバルブ1414を押す弾力性のある付勢力を発生させるために、圧縮されている。
この例では、チャンバ1408の一部が、ユーザがアクセス可能な可撓性膜1422として形成されている。ユーザは、可撓性膜1422を押し下げて、チャンバ1408内に内圧を発生させ、バルブ1414が開いているときに流動性材料をウィック1412に押し出すことができる。あるいは、ウィックで操作されるバルブ1414を省略し、図24に関連して説明するような、流動性材料をチャンバ1402からウィック1412に移動させるのに十分な圧力を可撓性膜1422に印加すると自動的に開くバルブに置き換えてもよい。
可撓性膜1422は、任意の適切な可撓性材料で構成されていてもよく、チャンバ1408内を見ることができるように透明であってもよい。また、可撓性膜1422は、不用意な操作を防ぐために、可動式のカバーの下に配置されてもよい。また、可撓性膜1422は、ハウジング1402の内部に配置され、ハウジング1402の壁を通る押しボタンやプランジャーなどの媒介装置によって操作されてもよい。他の代替案及び変形例は、本開示を考慮すれば当業者に明らかであろう。
図15は、ウィックが後退位置に完全に移動したときに、流動性材料の過剰な付着を防止するように構成された塗布器1500の一実施形態を示す。塗布器1500は、近位端1504から遠位端1506まで延びるハウジング1502と、流動性材料を保持するチャンバ1508とを有する。また、カラー(不図示)又は他の形体をハウジング1502に設けてもよい。吐出口1510は、チャンバ1508を外部環境に繋ぐ。ウィック1512は、吐出口1510内に配置され、吐出口1510から突出している。バルブ1514は、ウィック1512と一緒に動くように、ウィック1512の遠位端に直接又は介在物を介して動作可能に取り付けられている。ウィック1512は、吐出口1510内で、伸展位置と後退位置との間で摺動可能である。ウィック1512が伸展位置にあるとき、バルブ1514は、対応する第1の壁1516(例えば、チャンバ1508の壁又は塗布器1500内に設置されたバルブサブアセンブリの表面)に対して当接して封止し、流動性材料がチャンバ1508からウィック1512に移動するのを防止する。ウィック1512が後退位置にあるとき、バルブ1514は、第1の壁1516から封止を解除して、流動性材料がチャンバ1508からウィック1512に移動することを可能にする。スプリング1518が、バルブ1514と第2の壁1520(例えば、チャンバ1508の壁又は塗布器1500内に設置されたバルブアセンブリの表面)との間に配置されている。スプリング1518は、ウィック1512を伸展位置に付勢するためにバルブ1514を押す弾力性のある付勢力を発生させるために、圧縮されている。
この例では、バルブ1514は、チャンバ1508の主容積部とウィック1512との間に位置するサブチャンバ1522内に配置されている。サブチャンバ1522は、通路1524によってチャンバ1508の主容積部に流体結合されており、スプリング1518は、図示されているようにサブチャンバ1522内に配置されていてもよいし、開口部1524を通って延びていてもよい。バルブ1514は、ウィック1512及びバルブ1514が後退位置に完全に移動したときに、通路1524に当接して通路1524を閉じる二次シール1526を有している。どのようなタイプのシール面を使用してもよい(例えば、面シール、テーパ状のシール(図示)、調量ニードルなど)。この構成により、ウィックが完全に引き込まれたときに流動性材料がウィックに移動し続けることを防止し、材料を過剰にディスペンスすることに対してある程度の予防を行うことができる。
図16は、ウィックが引き込まれているときに流動性材料の過剰なディスペンスを防止し、ウィックが後退位置から伸展位置に戻ったときに流動性材料の一定量の正確な調量を可能にする塗布器1600の一例を示す。塗布器1600は、近位端1604から遠位端1606まで延びるハウジング1602と、流動性材料を保持するチャンバ1608とを有する。カラー(不図示)又は他の形体がハウジング1602に設けられてよい。吐出口1610は、チャンバ1608を外部環境に繋ぐ。ウィック1612は、吐出口1610内に配置され、吐出口1610から突出している。バルブ1614は、ウィック1612と一緒に動くように、ウィック1612の遠位端に直接又は介在物を介して動作可能に取り付けられている。ウィック1612は、吐出口1610内で、伸展位置と後退位置との間で摺動可能である。ウィック1612が伸展位置(図16の左側に示す)にあるとき、バルブ1614は、対応する第1の壁1616(例えば、チャンバ1608の壁又は塗布器1600内に設置されたバルブサブアセンブリの表面)に対して当接して封止し、流動性材料がチャンバ1608からウィック1612に移動するのを防止する。ウィック1612が後退位置(図16の右側に示す)にあるとき、バルブ1614は、第1の壁1616から封止を解除して、流動性材料がチャンバ1608からウィック1612に移動することを可能にする。スプリング1618が、バルブ1614と第2の壁1620(例えば、チャンバ1608の壁又は塗布器1600内に設置されたバルブアセンブリの表面)との間に配置されている。スプリング1618は、ウィック1612を伸展位置に付勢するためにバルブ1614を押す弾力性のある付勢力を発生させるために、圧縮されている。
この例では、バルブ1614は、ウィック1612と一緒に動くように結合され、かつシリンダ1624内を摺動するピストン1622を有するアセンブリで構成されている。ピストン1622の外周には、この摺動相貫部分における流動性材料の流れを抑制するためにシリンダ1624に接触する1つ又は複数のシール1626(例えば、Oリング又はワイパーシール)が設けられている。また、バルブ1614又は第1の壁1616は、ウィック1612が伸展位置にあるときにウィック1612を密閉する面シール1628(例えば、Oリング又はパッキン)を有していてもよい。ピストン1622は、ウィック1612及びピストン1622が伸展位置から後退位置に移動しているときに、流動性材料がピストン1622を通過できるように開き、ウィック1612及びピストン1622が後退位置から伸展位置に移動しているときに、流動性材料がピストン1622を通過できないように閉じるように構成された、1つ又は複数の一方向弁1630を含んでいる。
一方向弁1630は、一方向への流れを許容し、他方向への流れを阻止する任意の適切な機構で構成されてもよい。図示した弁1630はポペット弁であるが、他の例としてはボール弁、フラッパ弁及びリード弁がある。このような装置は、通常は、弁を閉位置に保持するための別個又は一体のばねを含み、弁と弁座とは、弁の一方の側の過剰な水圧が弁を弁座に押し込んで封止を維持し、弁の他方の側の過剰な水圧が弁をスプリングの付勢力に抗して弁座から離して封止を解くような形状を有している。このような装置は従来のものであり、本明細書で詳細に説明する必要はない。
周囲シール1626及び一方向弁1630は、協働して、ピストン1622とウィック1612との間に可変サイズのチャンバ1634を形成する。チャンバ1634は、ウィック1612が後退位置に移動すると広がって流動性材料で満たされ、チャンバ1634は、ウィック1612が伸展位置に移動すると小さくなる。この伸展の間、シール1626及び一方向弁1636は、流動性材料に圧力を発生させて、流動性材料をウィック1612中に押しやる。力の大きさは、ばね1618のばね定数に依存する。チャンバ1634のサイズは、伸展位置に向かう各ストロークの間に流動性材料の所望の体積を供給するように選択することができる。所望であれば、チャンバ1634はまた、操作者がディスペンス量を調節できるように、チャンバ1634の体積を変更するための仕組み(例えば、可動壁)を含んでもよい。塗布器1600はまた、操作者がウィック1612をどれだけ後退させたかに応じてどれだけの体積がディスペンスされるかを示す目盛り尺を含んでもよい。他の代替案及び変形例は、本開示を考慮すれば当業者に明らかであろう。
この実施形態では、シリンダ1624は、オプションで、第2の壁1620等の中間壁によってチャンバ1608の残りの部分から分離されてもよく、一方向弁1632は、チャンバ1608をピストンに流体結合する通路に設けられてもよい。一方向弁1632は、ウィック1612が後退位置に移動する際に流動性材料がシリンダ1624から出ることを防止する。これは、流動性材料が、可変サイズのチャンバ1636を満たすようにピストン1622内の一方向弁1630を通って押し出されることを確実にするのに役立つ。
図17は、流動性材料の過剰なディスペンスを防止し、流動性材料の一定量の正確な調量を可能にする塗布器1700の他の例を示す。塗布器1700は、近位端1704から遠位端1706まで延びるハウジング1702と、流動性材料を保持するチャンバ1708とを有する。カラー(不図示)又は他の形体がハウジング1702に設けられてもよい。吐出口1710は、チャンバ1708を外部環境に繋ぐ。ウィック1712は、吐出口1710内に配置され、吐出口1710から突出している。この例では、ウィック1712は吐出口1710にしっかりと固定されていてもよく、バルブはチャンバ1708内を摺動する可動式のピストン1722に置き換えられている。ピストン1722はバルブとして機能する。図16の実施形態と同様に、ピストン1722は、チャンバの壁に対して封止する周囲シール1726と、ピストンがウィック1712に向かって移動しているときに流動性材料がピストン1722を通るのを防止するが、ピストンがウィック1712から離れて引き込まれているときに流動性材料がピストン1722を通るのを許容する1つ又は複数の一方向弁1730とを有している。この例における一方向弁1730は、フラッパ弁又はリード弁(すなわち、穴を覆う柔軟な片持ち式フラップ)として示されている。スプリング1718が、ピストン1722とウィック1712との間に配置され、ピストン1722をウィック1712から離れるように付勢するように構成されている。
ピストン1722は、スプリング1718の付勢力に抗してピストン1722を動かすように、ユーザによって手動で操作される。このような操作を行うために、任意の適切な仕組みを用いることができる。例えば、ピストン1722は、ハウジング1702の遠位端1706の開口部1734を通って延びるロッド1732に連結されてもよい。シール1736(例えば、スライディングシール又はグランドシール)が、流動性材料が摺動交わり部で外に出ることを防止する。ロッド1723は、その遠位端で拡大されたボタン1738で終端してもよい。また、可撓性膜1740が、ロッド1723の端部を封止し、流動性材料がこの位置でハウジング1702から外に出ることに対する追加の対策を提供するために設けられてもよい。使用するとき、操作者はボタン1738を押して、ピストンを後退位置(図17の右に示す)から伸展位置(図17の左に示す)に移動させる。この動作の間、一方向弁1730は閉じ、ピストン1722とウィック1712との間の流動性媒体がウィック1712の中に送り込まれる。所望であれば、ボタン1738とピストン1722との間に追加の流路及び逆止弁を設けて、ピストンが後退位置に移動する際に、図16の実施形態に関連して説明したように、ピストン1722内の一方向弁1730を通して流動性材料を押し出してもよい。他の代替案及び変形例は、本開示を考慮すれば当業者に明らかであろう。
現在のペン型塗布器の他の問題点は、塗布器をひっくり返してウィックを押し下げる以外に、流動性材料をウィックからチャンバに向かって逆に移動させることができないことである。その場合にも、ウィックは毛細管現象によって流動性材料を保持する傾向があり、ウィックの露出した側の大気圧は、この毛細管現象に打ち勝つには不十分である。この問題は、図18A及び図18Bの実施形態によって少なくとも部分的に対処される。
塗布器1800は、近位端1804から遠位端1806まで延びるハウジング1802と、流動性材料を保持するチャンバ1808とを有する。カラー(不図示)又は他の形体がハウジング1802に設けられてもよい。吐出口1810は、チャンバ1808を外部環境に繋ぐ。ウィック1812は、吐出口1810内に配置され、吐出口1810から突出している。この例では、ウィック1812は吐出口1810にしっかりと固定されていてもよく、バルブはチャンバ1808内を摺動する可動式のピストン1822に置き換えられている。図16の実施形態と同様に、ピストン1822は、チャンバの壁に対して封止する周囲シール1826と、ピストンがウィック1812に向かって移動しているときに流動性材料がピストン1822を通るのを防止するが、ピストンがウィック1812から離れて引き込まれているときに流動性材料がピストン1822を通るのを許容する1つ又は複数の第1の一方向弁1830とを有する。ピストン1822は、操作ロッド1832によって移動可能であり、スプリング1818が、ピストン1822をウィック1812から離れるように付勢するために設けられている。したがって、図17の実施形態と同様に、ピストン1822は、スプリング1818の付勢力に抗して操作ロッド1832を押すことによって動かされる。
また、ピストン1822は、第1の一方向弁1830とは逆の方向に構成された1つ又は複数の第2の一方向弁1834を有する(すなわち、第2の一方向弁1834は、ピストン1822がウィック1812に向かって移動しているときには、流動性材料がピストン1822を通ることを可能にするが、ピストン1822がウィック1812から離れるように移動しているときには、流動性材料がピストン1822を通ることを防止する)。第1の一方向弁1830又は第2の一方向弁1834のいずれかを選択的に機能させるために、バルブコントローラ1836が設けられている。この例では、バルブコントローラ1836は、ピストン操作ロッド1832に枢動可能に取り付けられたカバーで構成され、ピストン操作ロッド1832を囲むチューブ1840によってハウジング1802の外側に配置されたノブ1838に連結されている。ピストン1822の位置は、ノブ1838を押し下げたり、引き上げたりすることによって操作され、バルブコントローラ1836は、ノブ1838を回転させることによって操作される。図18Aに示すように、バルブコントローラ1836が第1の一方向弁1830を覆うように向けられると、第1の一方向弁1830は機能しなくなり、第2の一方向弁1834は機能する。図18Bに示すように、バルブコントローラ1836が第2の一方向バルブ1834を覆うように向けられると、第1の一方向バルブ1830は機能し、第2の一方向バルブ1834は機能しなくなる。(図18Bは、第1の一方向弁1830の開位置を示すために、スプリング1818無しで示されている)。使用するとき、操作者は、ノブ1838を押したり引いたりして、ピストンをウィック1812に向かって、又はウィック1812から離すように動かすことができ、さらに、ノブ1838を回転させて、バルブコントローラ1836を操作することができる。
他の実施形態と同様に、流動性材料がノブ1838の周りから漏れるのを防ぐために、様々なシールやカバーを設けてもよい。ピストン1822が所望よりも遠くに後退するのを防止するために、チャンバ1802の内部に固定されたトラベルストップ(不図示)を設けてもよい。また、ピストンの移動範囲を選択的に規制するために、ねじ1842及び1844のような1つ又は複数の調節可能なトラベルストップを設けてもよい。この例では、第1のねじ1842は、(例えば、ピストン1822に当接することにより)ピストン1822がウィック1812から後退させることができる距離を規制するために調節することができ、第2のねじ1844は、(例えば、ノブ1838に当接することにより)ピストン1822がウィック1812に向かって移動することができる距離を規制するために調節することができる。他の代替案及び変形例は、本開示を考慮すれば当業者に明らかであろう。
図18A及び図18Bの実施形態は、操作者がバルブコントローラ1836を操作し、それによってピストン1822が流動性材料をウィック1812に向けてポンピングするか、又はウィック1812から離れるようにポンピングするかを操作することができるという点で、ユニークな利点を提供する。したがって、操作者は、ウィック1812が過度に浸み込んだ状態になったとき、又は準備操作が完了したときに、ウィック1812から流動性材料を引き戻すことができる。他の実施形態では、代替の流量制御機構を使用できることが理解されるであろう。例えば、回転板型流量コントローラ1836は、どちらか一方の一方向弁をロックするために伸びるカム操作ピンのような任意の適切な代替機構に置き換えることができる。
従来のペン型塗布器の他の問題は、狭くて深い開口部に届くように使用することができないことであり、たとえ塗布器を比較的小さくしても、材料を特定の領域に塗布するために特定の隅又は他の障害物の周りに届かない場合がある。このような問題は、図19~図23の実施形態によって少なくとも部分的に対処することができる。
図19は、近位端1904から遠位端1906まで延びるハウジング1902と、近位端1904から延びる延長ロッド1922とを有する塗布器1900を示す。ウィック1912は、延長ロッド1922の近位端から延びている。塗布器1900はまた、流動性材料を保持するチャンバ、バルブなどの他の特徴を含んでいる。延長ロッド1922は、ハウジング1902の物理的な延長部を構成しており、ユーザがウィック1912を狭い空間内に正確に向けることができるように、剛性であってもよいし、ある程度の柔軟性を有していてもよい。ハウジング1902は、塗布器1900のユーザの操作性を向上させるために、図9に関連して説明したような1つ又は複数のタイプのリブを含んでもよい。流動性材料をディスペンスするために内部バルブを作動させるために、任意の適切なトリガー機構が設けられてもよい。例えば、ウィック1912は、延長ロッド1922の全長にわたって延び、かつハウジング1902内に配置されたバルブを作動させるために移動可能であってもよい。他の例として、ウィック1912は、延長ロッド1922の端部でだけ摺動可能に保持され、ハウジング1902内に配置されたバルブを作動させるためのプッシュロッドを備えてもよい。さらに他の例として、バルブは、ウィック1912による局所的な操作を可能にするために、ウィック1912に隣接する、延長ハウジングの近位端に配置されてもよい。あるいは、延長ロッド1922は、ウィック1912がチューブ管腔に固定された中空のチューブであってもよく、バルブは、ハウジング内又は先端付近のチューブ内に配置されてもよく、バルブは、ハウジング上又はチューブ上のトリガーによって作動されるようになっている。他の実施形態と同様に、装置が使用されていないときにウィック1912を覆うためのキャップ1924を設けてもよい。
図19の実施形態は、深い凹部にある表面を処理する際に有利である。この操作性は、延長ロッド1922をハウジング1902と比べて比較的狭くし、ウィック1912よりも著しく大きくない(好ましくは、ウィック1912とほぼ同じ直径である)ようにすることによって向上する。この例では、延長ロッド1922の直径は、ウィック1912の最大直径よりも約20%を超えて大きくなく、より好ましくは10%を超えて大きくない。あるいは、ウィック1912は、図7のものと同様に、ロッドの直径を1~50%以上超えて、より好ましくは10%未満まで超えて延びていてもよい。
図19はまた、ウィック1912の代替的な実施形態を示しており、ウィック1912は段差形状を有している。ウィック1912の近位先端部1926は、比較的小さく、狭い空間内や隅内に適合するように折り曲げられる柔軟性を有する一方、ウィック1912の遠位端部1928は、比較的大きく、流動性材料を付着させるためにバルブを作動させるように、ある程度の力で表面に押し付けられるのに十分な剛性を有する。近位先端部1926と遠位端部1928との間のウィック1912の遷移部分1930は、オプションで、塗布器1900の使用中に遭遇する可能性のある特定の形に対処するような形状を有し得る。例えば、遷移部分1930は、締結具ヘッドが同一平面上に取り付けられるように対応する円錐形の締結具ヘッドを受け入れる面取りされた開口部に流動性材料を塗布することを容易にするために、先細になっていてもよい。他の実施形態では、複数の近位先端部1926が用いられてもよい。例えば、ウィック1912は、ウィック1912から1つ又は複数の方向に延びる複数の柔軟な「フィンガー」を有してもよい。他の代替案及び変形例は、本開示を考慮すれば当業者に明らかであろう。そのようなウィックは、本明細書に記載された他の実施形態のいずれにおいても用いることができる。
図20は、遠く離れた表面あるいは比較的届きにくい表面を処理することを意図した塗布器2000の他の実施形態を示す。ここでは、塗布器2000は、流動性材料を保持するチャンバ2008を備えた、近位端2004から遠位端2006まで延びるハウジング2002を有する。また、カラー(不図示)又は他の形体をハウジング2002に設けてもよい。吐出口2010は、チャンバ2008を外部環境に繋ぐ。可撓性の中空管2022が吐出口2010から延び、ウィック2012が可撓性管の管腔に配置され、そこから突出している。バルブ2014が、ハウジング2002の近位端2004に動作可能に取り付けられており、ハウジング2002の近位端2004は、ハウジング2002の遠位端2006に対して相対的に移動可能である。例えば、近位端2004は、遠位端2006に形成されたシリンダ状の構造に嵌るピストン状の構造を有していてもよい。シール2024が、この摺動結合部での漏れを防止するために設けられてもよい。遠位端2002が伸展位置にあるとき、バルブ2014は、対応する第1の壁2016(例えば、チャンバ2008の壁又は塗布器2000内に設置されたバルブサブアセンブリの表面)に対して当接して封止し、流動性材料がチャンバ2008からウィック2012に移動することを防止する。近位端2004が後退位置にあるとき、バルブ2014は、第1の壁2016から封止を解除して、流動性材料がチャンバ2008からウィック2012に移動することを可能にする。スプリング2018が、バルブ2014と第2の壁2020(例えば、チャンバ2008の壁又は塗布器2000内に設置されたバルブアセンブリの表面)との間に配置されている。スプリング2018は、近位端2004を伸展位置に付勢するためにバルブ2014を押す弾力性のある付勢力を発生させるために、圧縮されている。
使用するとき、操作者は、片手でハウジング2002を握って、近位端2004を遠位端2006に向かって移動させることができる。この動きにより、スプリング2018の付勢力に抗してバルブ2014の封止を解除し、流動性材料がチャンバ2008からウィック2012に移動することを可能にし、それによってウィック2012を濡らす。ユーザが圧力を解放すると、スプリング2018は、バルブを再び着座させて塗布器2000を封止するように、近位端2004と遠位端2006とを離間させるように移動させる。その後、ユーザは、塗布器2000全体を動かすことによって、又はウィック2012の近傍のチューブを把持して操作することによって、コーティングする表面に接触するようにウィック2012を向けることができる。
本実施形態は、曲げやすく取り付けられたウィック2012を有する塗布器2000の比較的簡単な構造を提供する。管腔2022は、柔軟なポリマーやゴム等の任意の適切な材料で構成されてもよい。また、管腔2022は、ウィック素材で満たされていてもよいし、装置が使用されていないときにウィック2012から流動性材料が自由に流れるのを抑制するために毛細管で満たされていてもよい。他の実施形態と同様に、柔軟なカバー2026がウィック2012上に設けられてもよく、柔軟なカバー2026は、ウィック2012を操作できない可能性がある狭い割れ目や穴又は凸凹した表面を有する他の狭い空間において処理するのに有用であり、また、表面の凹凸に適合するのに十分な可撓性を有し得る。
図21A及び図21Bは、遠く離れた表面あるいは比較的届きにくい表面を処理することを意図した塗布器2100の他の実施形態を示す。ここでは、塗布器2100は、流動性材料を保持するためのチャンバ2108を備えた、近位端2104から遠位端2106まで延びるハウジング2102を有する。また、カラー(不図示)又は他の形体をハウジング2102に設けてもよい。吐出口2110は、チャンバ2108を外部環境に繋ぐ。可撓性の管腔2122が吐出口2110から延び、ウィック2112が可撓性の管腔2122に配置され、そこから突出している。バルブ2114が、チャンバ2108からウィック2112への流動性材料の流れを選択的に遮断するためにハウジング2102内に設けられている。この例では、バルブ2114は、ハウジング2102の側面に設けられたトリガー2124によって操作される。バルブ2114は、第1の位置(図21A)と第2の位置(図21B)との間で移動可能である。第1の位置では、バルブ2114は、対応する第1の壁2116(例えば、チャンバ2108の壁又は塗布器2100内に設置されたバルブサブアセンブリの表面)に対して当接して封止し、流動性材料がチャンバ2108からウィック2112に移動することを防止する。第2の位置では、バルブ2114は、第1の壁2116から封止が解除され、流動性材料がチャンバ2108からウィック2112へ移動することを可能にする。スプリング2118が、バルブ2114と第2の壁2120(例えば、チャンバ2108の壁又は塗布器2100内に設置されたバルブアセンブリの表面)との間に配置されている。スプリング2118は、バルブ2114を第1の位置に付勢するためにバルブ2114を押す弾力性のある付勢力を発生させるために、圧縮されている。
トリガー2124は、任意の適切な機構で構成されてもよい。例えば、図示した実施形態では、トリガー2124は、バルブ2114に結合されたカム2126と、ハウジング2102に対して移動可能に取り付けられたカムドライバ2128とを備えている。カムドライバ2128は、カム2126に当接する構造体である。カムドライバ2128は、カムドライバ2128がバルブ2114を第1の(すなわち、閉じた)位置に移動させる第1の位置(図21A)と、カムドライバ2128がカム2126を押してバルブ2114を第2の(すなわち、閉じた)位置に保持する第2の位置(図21B)との間で移動可能である。カムドライバ2128は、ハウジング2102に対して、枢動可能に、摺動可能に、回転可能に、又はその他の方法で移動可能に取り付けられてもよい。この例では、カムドライバ2128は、ハウジングに枢動可能に取り付けられ、カムドライバ2128を第1の位置に付勢するために、リターンスプリング2130が設けられてもよい。トリガー部品の周りでの流動性材料の漏れを防ぐために、任意の適切なシールを用いてもよい。この例では、シールが、カムドライバ2128を覆う可撓性カバー2132によって構成されている。使用するときには、操作者がカムドライバ2128を押してバルブ2114を開き、流動性材料をウィック2112にディスペンスさせる。
図22A及び図22Bは、遠く離れた表面あるいは比較的届きにくい表面を処理することを意図した塗布器2200の他の実施形態を示す。ここでは、塗布器2200は、流動性材料を保持するチャンバ2208を備えた、近位端2204から遠位端2206まで延びるハウジング2202を有する。また、カラー(不図示)又は他の形体がハウジング2202に設けられていてもよい。吐出口2210は、チャンバ2208を外部環境に繋ぐ。可撓性チューブ2222が、吐出口2210からバルブアセンブリ2224まで延びている。ウィック2212が、バルブアセンブリ2224から突出している。バルブアセンブリ2224は、チューブ2222からウィック2212への流動性材料の流れを選択的に遮断するように構成されている。この例では、バルブアセンブリ2224は、第1の位置(図22A)と第2の位置(図22B)との間で移動可能なバルブ2214を含んでいる。第1の位置では、バルブ2214は、対応する第1の壁2216に対して当接して封止し、流動性材料がウィック2212に移動することを防止する。第2の位置では、バルブ2214は、第1の壁2216から封止が解除され、流動性材料がウィック2212に移動することを可能にする。スプリング2218が、バルブ2214と第2の壁2220との間に配置されている。スプリング2218は、バルブ2214を第1の位置に付勢するためにバルブ2214を押す弾力性のある付勢力を発生させるために、圧縮されている。
バルブアセンブリ2224は、バルブ2214を操作するのに適した任意の機構を含む。例えば、図示した実施形態では、バルブアセンブリ2224は、バルブ2214に結合されたカム2226と、トリガーアセンブリ2224に移動可能に取り付けられたカムドライバ2228とを備えている。カムドライバ2228は、カム2226に当接する構造体である。カムドライバ2228は、カムドライバ2228がバルブ2214を第1の(すなわち、閉じた)位置に移動させることができる第1の位置(図22A)と、カムドライバ2228がカム2226を押してバルブ2214を第2の(すなわち、閉じた)位置に保持する第2の位置(図22B)との間で移動可能である。カムドライバ2228は、バルブアセンブリ2224に対して、枢動可能に、摺動可能に、回転可能に、又はその他の方法で移動可能に取り付けられてもよい。この例では、カムドライバ2228は、バルブアセンブリ2224に枢動可能に取り付けられる。カムドライバ2228を第1の位置に付勢するためにリターンスプリング(不図示)を設けてもよいし、カム2226に作用するスプリング2218の付勢力によってそのような戻し動作を生じさせてもよい。トリガーアセンブリ部品の周りで流動性材料の漏れを防ぐために、任意の適切なシールを用いてもよい。
図22A及び図22Bの塗布器2200は、塗布器2200の片手操作を可能にするのに特に有用であると期待される。例えば、トリガーアセンブリ2224は、操作者が作動させてウィック2212を流動性材料で濡らし、次いでチューブ2222を操作してウィック2212を所望の処置位置に向け、次いでバルブ2214を操作して必要に応じてより多くの流動性材料をディスペンスさせることができる小型で剛性を有するハウジングとして構成されてもよい。その後、ハウジング2202は、好ましくは流動性材料の自重送りを促進するために、近くの構造物(例えば、足場又ははしご)、又は運搬装置、又は(例えば、手首カフなどを介して)操作者の身体に取り付けることができる。所望であれば、ハウジング2202での流れ遮断を可能にするために第2のバルブをハウジング2202に設けてもよい。
また、図22A及び図22Bに示されている側面操作型のトリガーは、バルブ2214を操作するための他のトリガー機構に置き換えてもよいことが理解されるであろう。例えば、バルブアセンブリ2224は、ピストル型のグリップ及びトリガーで構成されてもよい。他の代替例及び変形例は、本開示を考慮すれば当業者に明らかであろう。
図23は、遠く離れた表面あるいは比較的届きにくい表面を処理することを意図した塗布器2300の他の実施形態を示す。ここでは、塗布器2300は、流動性材料を保持するチャンバ2308を備えた、近位端2304から遠位端2306まで延びるハウジング2302を有する。また、カラー(不図示)又は他の形体がハウジング2302に設けられていてもよい。吐出口2310は、チャンバ2308を外部環境に繋ぐ。可撓性の管腔2322が、吐出口2310からバルブアセンブリ2324まで延びている。ウィック2312が、バルブアセンブリ2324から突出している。バルブアセンブリ2324は、管腔2322からウィック2312への流動性材料の流れを選択的に遮断するように構成されている。この例では、バルブアセンブリ2324は、シリンダ2328内を摺動するピストン2326を含んでいる。ピストン2326は、周囲シール(不図示)によってシリンダ2328に対してシールされており、流動性材料が管腔2322からウィック2312に向かって移動することは許容するが、流動性材料が他の方向に行くことを防止する1つ又は複数の一方向弁2330を有している。スプリング2318が、シリンダ2328内に配置され、ピストン2326がウィック2312から離れるようにピストン2326を付勢するように構成されている。逆止弁2332が、管腔2322をシリンダ2328に結合し、流動性材料が管腔2322からシリンダ2328へ移動することは許容するが、逆方向への流れを防止するように構成されている。
また、トリガーアセンブリ2324はプッシュロッド2334を含み、このプッシュロッドは、ピストン2326から、操作者が利用しやすい位置に配置されたプランジャー2336まで延びている。1つ又は複数のトリガー2338が、プランジャー2336に隣接するトリガーアセンブリ2324上に配置されてもよい。ピストン2326は、プランジャー2336及びトリガー2338を片手で把持し、スプリング2318の付勢力を押し切るようにそれらを一緒に握ることによって操作される。これにより、一方向弁2330は閉じたままの状態でピストン2326をウィック2312に向けて移動させて、流動性材料をウィック2312に向けて押し出す。プランジャー2336及びトリガー2338が解放されると、スプリング2318がピストン2326をウィック2312から遠ざけ、一方向弁2330が開いて、流動性材料が一方向弁2330を通過できるようになる。戻りストローク中は、逆止弁2332が閉じて、流動性材料がシリンダ2328から流れ出て管腔2322に流入することを防止する。
管腔2322の端部にこのようなトリガーアセンブリ2324を用いることで、バルブとウィック2312との間に残る流動性材料の量を最小限に抑えつつ、流動性材料の流量を調節するという利点を提供することが期待される。これにより、塗布器2300が使用されていないときに、塗布器2300から漏れ出る可能性のある流動性材料の量を減少させる。
所望であれば、トリガーアセンブリ2324は、ウィック2312の遠隔操作及び操作を可能にする延長ロッド2340で構成されるか、又はそのように形成されてもよい。例えば、図23の実施形態では、操作者は、ウィック2312を狭い空間内やオーバーハングの下に向けるように、プランジャー2336及びトリガー2338を保持して使用することができる。
図24は、遠く離れた表面あるいは比較的届きにくい表面を処理することを意図した塗布器2400の他の実施形態を示す。ここでは、塗布器2400は、流動性材料を保持するためのチャンバ2408を備えた、近位端2404から遠位端2406まで延びるハウジング2402を有する。また、カラー(不図示)又は他の形体をハウジング2402に設けてもよい。吐出口2410は、チャンバ2408を外部環境に繋ぐ。可撓性の管腔2422が、吐出口2410からバルブアセンブリ2424まで延びている。ウィック2412が、バルブアセンブリ2424から突出している。バルブアセンブリ2424は、管腔2422からウィック2412への流動性材料の流れを選択的に遮断するように構成されている。この例では、バルブアセンブリ2424は、上流側の逆止弁2428と下流側の逆止弁2430との間に位置する可撓性のチャンバ2426を備えている。チャンバは、その内容物を下流側の逆止弁2430を通過させてウィック2412に押し出すために、操作者によって握られることができる。このように握っている間、上流側の逆止弁2428は、流動性材料が通過して可撓性の管腔2422に戻るのを防止する。チャンバ2426が解放されると、チャンバ2426は元の形状に戻り、上流側の逆止弁2428を通して流動性材料を引き込むことによって再充填される。逆止弁2428,2430は、任意の適切な一方向弁で構成されてもよい。下流側の逆止弁2430は、好ましくは、チャンバ2426に握り圧力が加えられていないときに流体を漏出させないように、スプリング2432などによって通常は閉位置に付勢されている一方向弁で構成される。図示されたチャンバ2426は、全周にわたって可撓性を有する電球型のチャンバで構成されている。代替のチャンバ2426は、本明細書の図14に関連して説明したチャンバのように、部分的にだけ可撓性であってもよい。
図22A~図24に示すように、柔軟な管腔の端部にバルブを用いることで、バルブとウィックとの間に残る流動性材料の量を最小限に抑えつつ、流動性材料の流量を調節するという利点を提供することが期待される。これにより、塗布器が使用されていないときに、塗布器から漏れ出る可能性のある流動性材料の量を減少させる。しかしながら、それぞれの例において、塗布器は、冗長な流量調節機構を備えるために、図20~図21Bに示すようなバルブをハウジングに含むように変更されてもよい。また、図22A~図24に示すバルブ機構は、柔軟な管腔を有さない実施形態でも使用できることが理解されるであろう。例えば、図24のバルブ型チャンバ2426及び関連するバルブは、介在する可撓性の管腔無しで、ハウジングの近位端に直接取り付けられてもよい。
図25は、狭い空間内で使用するように構成された塗布器2500の他の実施形態を示す。塗布器2500は、近位端2504から遠位端2506まで延びるハウジング2502と、流動性材料を保持するチャンバ2508とを有する。また、カラー(不図示)又は他の形体をハウジング2502に設けてもよい。吐出口2510は、チャンバ2508を外部環境に繋ぐ。ウィック2512が、吐出口2510内に配置され、吐出口2510から突出している。バルブ2514が、ウィック2512と一緒に動くように、ウィック2512の遠位端に直接又は介在物を介して動作可能に取り付けられている。ウィック2512は、吐出口2510内で、伸展位置と後退位置との間で摺動可能である。ウィック2512が伸展位置にあるとき、バルブ2514は、対応する第1の壁2516(例えば、チャンバ2508の壁又は塗布器2500内に設置されたバルブサブアセンブリの表面)に対して当接して封止し、流動性材料がチャンバ2508からウィック2512に移動することを防止する。ウィック2512が後退位置にあるとき、バルブ2514は、第1の壁2516から封止を解除して、流動性材料がチャンバ2508からウィック2512に移動することを可能にする。スプリング2518が、バルブ2514と第2の壁2520(例えば、チャンバ2508の壁又は塗布器2500内に設置されたバルブアセンブリの表面)との間に配置されている。スプリング2518は、ウィック2512を伸展位置に付勢するためにバルブ2514を押す弾力性のある付勢力を発生させるために、圧縮されている。
この例では、吐出ハウジング2502は、ハウジング2502の遠位端2506とハウジング2502の近位端2504との間に位置する可撓部2522を備えている。可撓部2522は、近位端2504、ひいてはウィック2512が遠位端2506に対して向きを変えることができるように、ハウジング2502が十分に可撓性を有する領域を有する。可撓部2522は、例えば、バルブ2514と遠位端2506との間に位置するハウジング2502のベローズ状の円筒部分で構成されていてもよい。この例では、ベローズを曲げることで、ウィック2512及びバルブ2514の向きを変えることが可能である。ベローズは、ハウジング2502の一体的形成部分で構成されてもよく、曲げやすいように壁の厚さが薄くなっていてもよい。ベローズ又は他の可撓性部2522は、代替的に、ハウジングの残りの部分に取り付けられる可撓性ブーツのような別個の部品で構成されてもよい。他の代替案及び変形例は、本開示を考慮すれば当業者に明らかであろう。
前述の全ての実施形態は、サイズの小さいウィックが一緒に使用されてもされなくてもよく、この特徴がどの実施形態にも特に必須とされていないことが理解されるであろう。
また、本明細書に記載されている特徴は、例示的な概略構成で説明されており、各実施形態は、より精巧な機構や、異なる形状やサイズを有する機構を含み得ることも理解されるであろう。例えば、本明細書に示されているバルブ機構は、一般的に概略的な形態で示されているが、任意の数の動作部品を有する任意の適切な対応する機構又はサブアセンブリで置き換えることができる。代替的なバルブ機構の非限定的な例は、米国特許第5,702,753号明細書、同第5,702,759号明細書、同第4,848,947号明細書、同第4,685,820号明細書及び同第4,792,252号明細書に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。他の例として、部品を互いに取り付けるために、様々な締結具や接続部品を備えることができる。例えば、部品が一体となって動くことが必要な場合に、バルブをウィックに固定するために、リテーナクリップ、ピン、接着剤などを備えてもよく、また、ウィックや他の可動部品は、所望の移動制限を超えて伸びたり縮んだりすることを防ぐために、他の特徴を有していてもよい。他の例として、様々な実施形態で説明されたスプリングは、任意の適切なスプリングで構成されていてもよく、例示的なオプションとしては、テーパ無し及びテーパ付きのヘリカルスプリング、ベルビルワッシャー型スプリング、片持ち式リーフスプリング、弾性ブロックなどがある。また、スプリングは、圧縮又は引張で作用するように取り付けてもよい。他の代替案や変形例は、本開示を考慮すれば当業者に明らかであろう。
本開示には、単独で使用しても、互いに組み合わせて使用しても、あるいは他の技術と組み合わせて使用してもよい、多数の独創的な特徴及び/又は複数の特徴の組み合わせが記載されている。本明細書に記載されている各実施形態は、全て例示的なものであり、特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。また、本明細書に記載された発明は、様々な方法で変更及び適応することができ、そのような変更及び適応は全て本開示の範囲に含まれることが意図されていることが理解されるであろう。