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JP7620751B1 - 老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法 - Google Patents

老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法を提供すること。
【解決手段】老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法であって、(A-1)老視を発症している対象の脳に反復経頭蓋磁気刺激(rTMS:repetitive Transcranial Magnetic Stimulation)又は(A-2)経頭蓋電気刺激を与える工程を含む、方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法に関する。
老視は、加齢に伴う目のピント調節機能の衰えにより、近くのピントが合いにくくなる症状である。老視は、網膜像における高空間周波数のコントラストを弱め、近見視力(NVA)及びコントラスト感度(CS)を低下させる(非特許文献1~3)。コントラストは、神経応答を引き起こす上で重要であるため、老視による低コントラストのぼやけた網膜像は、視覚皮質の反応を弱く、かつ遅くする。これが老視で観察されるNVA及びCS低下の原因であると考えられている(非特許文献4)。
老視に対しては、眼鏡及びコンタクトレンズによる矯正を行うことしか対処方法がないのが現状である。
国際公開第2009/063435号
Vision Research,1983年,23(7),689-699 Vision Research,2009年,49(21),2566-2573 Journal of Vision,2009年,9(7):18,1-15 Frontiers in Aging Neuroscience,2014年,Volume6,Article163 Curr.Biol.,2007年,17(6),R196-199 Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2008年,105(10),4068-4073 Scientific Reports,2012年,2,364 Perception & Psychophysics,1983年,33(2),113-120 J.Neurosci,,2019年,39(28),5551-5561
本発明の目的は、老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法を提供することである。
本発明者らは、老視の症状を有するヒト対象の脳に対して、経頭蓋電気刺激又は経頭蓋磁気刺激を与えることで、老視の症状を改善できるという新規な知見を得た。非侵襲的脳刺激(NIBS)としての経頭蓋電気刺激又は経頭蓋磁気刺激は、頭部に取り付けられた電極又は磁気誘導を使用して、脳の特定の部位に刺激を行い、基底皮質の神経活動を変化させるものである(非特許文献5)。弱視のヒト対象試験において、非侵襲的脳刺激と知覚学習とを組み合わせることで、視覚機能を改善したことが報告されている(特許文献1)。一方、老視は、加齢に伴う目のピント調節機能の衰えにより、近くのピントが合いにくくなる症状であり、非侵襲的脳刺激により老視の症状が改善するという知見は、意外である。
上述の新規知見に基づく本発明は、一側面において、老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法であって、(A-1)老視を発症している対象の脳に反復経頭蓋磁気刺激(rTMS:repetitive Transcranial Magnetic Stimulation)を与える工程を含む、方法に関する。
本発明は、他の一側面において、老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法であって、(A-2)老視を発症している対象の脳に経頭蓋電気刺激を与える工程を含む、方法に関する。
上述した各方法は、(B)対象がコントラスト検出タスクを行う工程を更に含むものであってよい。
本発明は、以下を包含する。
[1]
老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法であって、
(A-1)老視を発症している対象の脳に反復経頭蓋磁気刺激(rTMS:repetitive Transcranial Magnetic Stimulation)を与える工程を含む、方法。
[2]
前記反復経頭蓋磁気刺激が、連続シータバースト刺激(cTBS:continuous Theta Burst Stimulation)である、[1]に記載の方法。
[3]
前記反復経頭蓋磁気刺激を与える部位が、ホスフェンを知覚可能な部位であるか、又は前記対象がホスフェンを知覚できない場合はイニオンの上の部位である、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]
前記反復経頭蓋磁気刺激の磁場強度が、0.05T以上4.5T以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]
前記反復経頭蓋磁気刺激が、200m秒毎に1回以上5回以下のパルスとして与えられる、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]
前記反復経頭蓋磁気刺激の周波数が1Hz以上100Hz以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7]
前記反復経頭蓋磁気刺激を与える時間が、1秒以上20分以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8]
前記反復経頭蓋磁気刺激の合計が、100パルス以上1000パルス以下である、[1]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9]
前記反復経頭蓋磁気刺激を与えるためのコイルは、装置本体から当該コイルに向かって流れる電流が、前記対象の反復経頭蓋磁気刺激を与える部位の接面と並行になり、かつ当該部位で頭蓋方向から尾骨方向へと流れるように配置される、[1]~[8]のいずれかに記載の方法。
[10]
(B)対象がコントラスト検出タスクを行う工程を更に含む、[1]~[9]のいずれかに記載の方法。
[11]
前記コントラスト検出タスクが、ガボールパッチを用いるトレーニングである、[10]に記載の方法。
[12]
(B)工程の前又は後に(A-1)工程を行う、[10]又は[11]に記載の方法。
[13]
老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法であって、
(A-2)老視を発症している対象の脳に経頭蓋電気刺激を与える工程を含む、方法。
[14]
経頭蓋電気刺激が、経頭蓋ランダムノイズ刺激(tRNS:transcranial Random Noise Stimulation)である、[13]に記載の方法。
[15]
前記経頭蓋電気刺激を与える部位が、後頭部を含む、[13]又は[14]に記載の方法。
[16]
前記経頭蓋電気刺激を与える部位が、後頭極を含む、[13]~[15]のいずれかに記載の方法。
[17]
前記経頭蓋電気刺激を与える部位が、左脳及び右脳の後頭極を含む、[13]~[15]のいずれかに記載の方法。
[18]
前記経頭蓋電気刺激に用いられる電流が、0.1mA以上5mA以下の電流である、[13]~[17]のいずれかに記載の方法。
[19]
前記経頭蓋電気刺激に用いられる電流が、1Hz以上1000Hz以下の範囲で変化する、[13]~[18]のいずれかに記載の方法。
[20]
電気抵抗が、0Ω以上50kΩ以下である、[13]~[19]のいずれかに記載の方法。
[21]
電極のサイズが、直径0.5cm以上10cm以下である、[13]~[20]のいずれかに記載の方法。
[22]
電極が導電性の材料で構成される、[13]~[21]のいずれかに記載の方法。
[23]
(B)対象がコントラスト検出タスクを行う工程を更に含む、[13]~[22]のいずれかに記載の方法。
[24]
(B)工程と同時に(A-2)工程を行う、[23]に記載の方法。
[25]
老視を発症している対象の視覚感受性を向上させる方法である、[1]~[24]のいずれかに記載の方法。
本発明は更に、以下も包含する。
[A1]
反復経頭蓋磁気刺激治療装置を備える、老視による視覚機能低下の治療、改善、緩和又は予防用システム。
[A2]
経頭蓋電気刺激治療装置を備える、老視による視覚機能低下の治療、改善、緩和又は予防用システム。
[A3]
コントラスト検出タスク提供装置を更に備える、[A1]又は[A2]に記載のシステム。
[A4]
老視を発症している対象の視覚感受性の向上用である、[A1]~[A3]のいずれかに記載のシステム。
[B1]
老視による視覚機能低下の治療、改善、緩和又は予防用システムの製造における、反復経頭蓋磁気刺激治療装置の使用。
[B2]
老視による視覚機能低下の治療、改善、緩和又は予防用システムの製造における、経頭蓋電気刺激治療装置の使用。
[C1]
[1]~[11]及び[24]のいずれかに記載の、老視による視覚機能低下の治療、改善、緩和又は予防方法に使用するための、反復経頭蓋磁気刺激治療装置。
[C2]
[12]~[24]のいずれかに記載の、老視による視覚機能低下の治療、改善、緩和又は予防方法に使用するための、経頭蓋電気刺激治療装置。
本発明によれば、老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
〔老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法〕
本実施形態に係る老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法(以下、単に「方法」ともいう。)は、下記(A-1)工程及び(A-2)工程の少なくとも1つを含む。
(A-1)老視を発症している対象の脳に反復経頭蓋磁気刺激(rTMS:repetitive Transcranial Magnetic Stimulation)を与える工程
(A-2)老視を発症している対象の脳に経頭蓋電気刺激を与える工程
本実施形態に係る方法は、老視を発症している対象において、老視による視覚機能低下を改善することができる。視覚機能低下の改善には、例えば、視覚感受性の向上、近見視力(NVA)の向上、遠見矯正下近見視力(DCNVA)の向上、コントラスト感度(CS)の向上、読書視力の向上、読書速度の向上、臨界活字サイズ(最大の読書速度を維持できる最小の活字サイズ)の低下、日常生活における老眼鏡使用率の低下、近見視力の満足度の向上等が含まれる。
(A-1)工程は、老視を発症している対象の脳に反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)を与える工程である。反復経頭蓋磁気刺激は、既存の反復経頭蓋磁気刺激治療(例えば、うつ病の治療)又は研究に使用されている反復経頭蓋磁気刺激治療装置を使用して、対象の脳に与えることができる。
反復経頭蓋磁気刺激治療装置は、対象の頭部に配置するコイルと、当該コイルに所定の電流を供給する電流供給部とを少なくとも備える。コイルに供給された電流によりコイルで磁場が発生し、当該磁場により対象の脳において電流が発生する。この電流により非侵襲的に脳を刺激することができる。反復経頭蓋磁気刺激治療装置の具体例としては、例えば、MagPro X100 with magoption(MagVenture A/S製、MagPro Compact(MagVenture A/S社製)、Rapid(Magstim社製)、MEGA-TMS(Soterix Medical社製)、DuoMAG XT(Deymed Diagnostic社製)等が挙げられる。
反復経頭蓋磁気刺激を与える部位は、対象がホスフェンを知覚可能な部位であることが好ましい。ホスフェンとは、外部からの光刺激がない状態で、光を知覚する現象を指す。対象がホスフェンを知覚可能な部位は、例えば、対象のイニオンより上(頭頂部に向かう方向)の部位にシングルパルス又はダブルパルスの磁気刺激を与えたときに、対象が最も低い強度でホスフェンを知覚する部位として特定することができる。このとき、磁気刺激を与える部位及び磁気刺激の強度を体系的に変えてスクリーニングすることで、対象がホスフェンを知覚可能な部位を特定することができる。
上述の方法によりスクリーニングを行っても対象がホスフェンを知覚できない場合、当該対象については、イニオンより上の任意の部位を採用する。当該任意の部位は、イニオンの1cm上~10cm上、かつイニオンの左5cm~右5cmの範囲内の部位であることが好ましく、イニオンの1cm上~5cm上、かつイニオンの左3cm~右3cmの範囲内の部位であることがより好ましく、イニオンの3cm上の部位であることが更に好ましい。当該任意の部位は、上述した部位からわずかに上下又は左右にずらした部位であってもよい。
(A-1)工程における反復経頭蓋磁気刺激は、例えば、規則的なパルスを連続して与える経頭蓋磁気刺激であってもよく、パルスを不規則に変化させて連続して与える経頭蓋磁気刺激であってもよい。(A-1)工程における反復経頭蓋磁気刺激は、視覚機能低下の改善がより顕著になるという観点から、パルスを不規則に変化させて連続して与える経頭蓋磁気刺激であることが好ましく、連続シータバースト刺激(cTBS:continuous Theta Burst Stimulation)であることがより好ましい。刺激は、シングルパルス又はダブルパルスで与えることができ、シングルパルスが好ましい。
(A-1)工程における反復経頭蓋磁気刺激の強度は、シングルパルス又はダブルパルスで、対象がホスフェンを知覚可能な閾値以下であることが好ましい。当該観点から、(A-1)工程における反復経頭蓋磁気刺激は、例えば、磁場強度が、0.05T以上4.5T以下であってよい。(A-1)工程における反復経頭蓋磁気刺激の磁場強度は、使用する反復経頭蓋磁気刺激治療装置の出力%に基づいて設定することができる。視覚機能低下の改善がより顕著になるという観点から、例えば、反復経頭蓋磁気刺激治療装置として、MagPro Compact(MagVenture A/S製)を使用した場合には、反復経頭蓋磁気刺激の磁場強度は、当該装置の出力の10%以上100%以下であることが好ましく、30%以上80%以下であることがより好ましく、45%以上65%以下であることが更に好ましく、50%であることが更により好ましい。
反復経頭蓋磁気刺激を与えるためのコイルは、装置本体から当該コイルに向かって流れる電流が、対象の反復経頭蓋磁気刺激を与える部位の接面と略並行になり、かつ当該部位で頭蓋方向から尾骨方向へと流れるように配置されることが好ましい。これにより、老視による視覚機能低下の改善効果がより顕著になり、また刺激時における被験者の快適性を高めることができる。ここで、「略並行」とは、対象の反復経頭蓋磁気刺激を与える部位の接面と、コイルを流れる電流を含む面とのなす角が、-10°以上10°以下であることをいい、当該なす角は、-5°以上5°以下であることが好ましく、-3°以上3°以下であることがより好ましく、-2°以上2°以下であることが更に好ましく、-1°以上1°以下であることが更により好ましく、0°(すなわち、並行)であることが特に好ましい。また、反復経頭蓋磁気刺激を与える部位で、装置本体からコイルに向かって頭蓋方向から尾骨方向へと流れる電流の向きは、老視による視覚機能低下の改善効果がより顕著になる観点及び刺激時における被験者の快適性を高める観点から、対象の正中線と平行になることがより好ましい。またコイルがハンドル部を有している場合は、後頭極に対してハンドル部が略12時方向を指す向きとなるように配置することがより好ましい。
(A-1)工程における反復経頭蓋磁気刺激は、その構成最小単位が、例えば、200m秒毎に1回以上5回以下のパルスとして与えられるものであってよい。当該構成最小単位は、200m秒毎に2回以上4回以下のパルスとして与えられるものであることが好ましく、200m秒毎に3回のパルスとして与えられるものであることがより好ましい。
(A-1)工程における反復経頭蓋磁気刺激の周波数(パルスの周波数)は、例えば、1Hz以上100Hz以下であってよい。(A-1)工程における反復経頭蓋磁気刺激の周波数(パルスの周波数)は、視覚機能低下の改善がより顕著になるという観点から、10Hz以上90Hz以下、20Hz以上80Hz以下、30Hz以上70Hz以下、40Hz以上60Hz以下、又は50Hzであることが好ましい。
(A-1)工程における反復経頭蓋磁気刺激を与える時間は、例えば、1秒以上20分以下であってよい。(A-1)工程における反復経頭蓋磁気刺激を与える時間は、視覚機能低下の改善がより顕著になるという観点から、5秒以上15分以下、10秒以上10分以下、15秒以上5分以下、20秒以上3分以下、25秒以上2分以下、30秒以上1分以下、35秒以上50秒以下、又は40秒であることが好ましい。
(A-1)工程における反復経頭蓋磁気刺激の合計は、例えば、100パルス以上1000パルス以下であってよい。(A-1)工程における反復経頭蓋磁気刺激の合計は、視覚機能低下の改善がより顕著になるという観点から、200パルス以上900パルス以下、300パルス以上800パルス以下、400パルス以上700パルス以下、500パルス以上600パルス以下、又は600パルスであることが好ましい。
本実施形態に係る方法においては、視覚機能低下の改善がより顕著になるという観点から、(A-1)工程を繰り返し行うことが好ましい。(A-1)工程を繰り返す場合、(A-1)工程間のインターバルは、例えば、1日以上1か月以下であってよく、1日以上1週間以下であってよく、1日以上3日以下であってよく、2日であることが好ましい。(A-1)工程を繰り返す回数は、例えば、2回以上10回以下、3回上8回以下、4回以上6回以下、又は5回であってよい。
(A-2)工程は、老視を発症している対象の脳に経頭蓋電気刺激を与える工程である。経頭蓋電気刺激は、既存の経頭蓋電気刺激治療又は研究に使用されている経頭蓋電気刺激治療装置を使用して、対象の脳に与えることができる。
経頭蓋電気刺激治療装置は、対象の外頭部に当てる1対の電極と、当該電極に所定の電圧を供給する電圧供給部とを少なくとも備える。1対の電極を対象の外頭部に設置し、電圧供給部から供給される電圧により対象の脳に通電する。この電流により非侵襲的に脳を刺激することができる。経頭蓋電気刺激治療装置の具体例としては、例えば、StarSstim8(Neuroelectrics社製)、neuroConn DC-stimulator Plus(neuroConn社製)、1×1 transcranial Electrical Stimulation(1×1-tES)device(Soterix Medical社製)等が挙げられる。
(A-2)工程で使用する経頭蓋電気刺激治療装置は、電極のサイズが、例えば、直径0.5cm以上10cm以下であってよい。ここでいう直径は、対象の頭部に配置する面の直径である。直径が小さいほど、強い刺激を与えることができる。電極のサイズは、視覚機能低下の改善がより顕著になるという観点から、直径0.5cm以上3cm以下であることが好ましく、直径0.5cm以上2cm以下であることがより好ましく、直径1cm以上1.5cm以下であることが更に好ましい。電極は、例えば、金属製等の導電性の材料で構成されるものであってもよく、スポンジ製であってもよい。電極は、焦点性が高まるという観点から、金属製であることが好ましく、銀/塩化銀の焼結体(銀・塩化銀焼結板電極)であることがより好ましい。
経頭蓋電気刺激を与える部位は、視覚機能低下の改善がより顕著になるという観点から、対象の後頭部を含むことが好ましく、対象の後頭極を含むことがより好ましく、対象の左脳及び右脳の後頭極を含むことが更に好ましい。経頭蓋電気刺激を与える部位が、対象の左脳及び右脳の後頭極を含む場合、1対の電極の一方を左脳の後頭極に配置し、他方を右脳の後頭極に配置すればよい。
(A-2)工程における経頭蓋電気刺激は、例えば、直流電流を通電する経頭蓋直流電気刺激(tDCS)であってもよく、交流電流を通電する経頭蓋交流電気刺激(tACS)であってもよく、経頭蓋ランダムノイズ刺激(tRNS)であってもよい。(A-2)工程における経頭蓋電気刺激は、視覚機能低下の改善がより顕著になるという観点から、経頭蓋ランダムノイズ刺激(tRNS)であることが好ましい。
(A-2)工程における経頭蓋電気刺激に用いられる電流は、例えば、0.1mA以上5.0mA以下の電流であってよい。(A-2)工程における経頭蓋電気刺激に用いられる電流は、視覚機能低下の改善がより顕著になるという観点から、0.2mA以上4.5mA以下の電流、0.3mA以上4.0mA以下の電流、0.4mA以上3.5mA以下の電流、0.5mA以上3.0mA以下の電流、0.6mA以上2.5mA以下の電流、0.7mA以上2.0mA以下の電流、0.8mA以上1.5mA以下の電流、0.9mA以上1.0mA以下の電流、又は1.0mAの電流であることが好ましい。
(A-2)工程における経頭蓋電気刺激に用いられる電流は、例えば、1Hz以上1000Hz以下の範囲で変化するものであってよい。すなわち、周波数が1Hz以上1000Hz以下であってよい。(A-2)工程における経頭蓋電気刺激に用いられる電流は、視覚機能低下の改善がより顕著になるという観点から、周波数が20Hz以上950Hz以下、40Hz以上900Hz以下、60Hz以上850Hz以下、70Hz以上800Hz以下、80Hz以上750Hz以下、90Hz以上700Hz以下、100Hz以上650Hz以下、又は101Hz以上640Hz以下であることが好ましい。
(A-2)工程における経頭蓋電気刺激は、電気抵抗が、例えば、0Ω以上50kΩ以下であってよい。(A-2)工程における経頭蓋電気刺激は、視覚機能低下の改善がより顕著になるという観点から、電気抵抗が、0Ω以上20kΩ以下であることが好ましく、1kΩ以上20kΩ以下であることがより好ましく、1kΩ以上15kΩ以下であることが更に好ましく、1kΩ以上10kΩ以下であることが更により好ましく、1kΩ以上5kΩ以下であることが特に好ましい。
(A-2)工程における経頭蓋電気刺激を与える時間は、例えば、1分以上60分以下であってよい。(A-2)工程における経頭蓋電気刺激を与える時間は、視覚機能低下の改善がより顕著になるという観点から、5分以上50分以下、10分以上40分以下、15分以上30分以下、又は20分であることが好ましい。
本実施形態に係る方法においては、視覚機能低下の改善がより顕著になるという観点から、(A-2)工程を繰り返し行うことが好ましい。(A-2)工程を繰り返す場合、(A-2)工程間のインターバルは、例えば、1日以上1か月以下であってよく、1日以上1週間以下であってよく1日以上3日以下であってよく、2日であることが好ましい。(A-2)工程を繰り返す回数は、例えば、2回以上10回以下、3回上8回以下、4回以上6回以下、又は5回であってよい。
本実施形態に係る老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法は、(A-1)工程及び/又は(A-2)工程に加えて、下記(B)工程を更に含むことが好ましい。(B)工程を含むことにより、視覚機能低下の改善がより顕著になる。
(B)対象がコントラスト検出タスクを行う工程
コントラスト検出タスクは、例えば、正常及び斜視のヒト集団において視覚性能を改善することが示されている非特許文献6及び7に記載されたプロトコールに従うものであってよい。コントラスト検出タスクは、例えば、対象に線条(grating)を提示することが含まれる。コントラスト検出タスクは、例えば、ガボールパッチを用いるトレーニングであってよい。視覚機能低下の改善がより顕著になるという観点から、コントラスト検出タスクは、対象のカットオフ空間周波数近くで線条(grating)を提示することを含んでいてよい。対象のカットオフ空間周波数は、例えば、後述の実施例に記載の方法により決定することができる。
本実施形態に係る方法が、(A-1)工程及び(B)工程を含む場合、(A-1)工程は、(B)工程と同時に実施してもよく、(B)工程の前又は後に実施してもよい。(A-1)工程で使用する磁気刺激による影響を避け、(B)工程をコンピュータを使用して実施することができるようになるという観点から、(A-1)工程は、(B)工程の前又は後に実施するのが好ましい。
本実施形態に係る方法が、(A-2)工程及び(B)工程を含む場合、(A-2)工程は、(B)工程と同時に実施してもよく、(B)工程の前又は後に実施してもよい。工程効率化の観点から、(A-2)工程と(B)工程とを同時に実施することが好ましい。
本実施形態に係る老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法は、例えば、以下の(1)~(3)のように捉え直すこともできる。
〔(1)老視による視覚機能低下の治療、改善、緩和又は予防用システム〕
本実施形態に係る老視による視覚機能低下の治療、改善、緩和又は予防用システム(以下、単に「システム」ともいう。)は、少なくとも反復経頭蓋磁気刺激治療装置、又は経頭蓋電気刺激治療装置を備える。
本実施形態に係るシステムが備える反復経頭蓋磁気刺激治療装置及び経頭蓋電気刺激治療装置は、老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法で説明したものと同様の態様を適用できる。また、これらの反復経頭蓋磁気刺激治療装置及び経頭蓋電気刺激治療装置の具体的な作動方法としても、老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法で説明したものと同様の態様を適用できる。
本実施形態に係るシステムは、反復経頭蓋磁気刺激治療装置、又は経頭蓋電気刺激治療装置と組み合わせて、コントラスト検出タスク提供装置を更に備えるものであってよい。コントラスト検出タスク提供装置は、対象からの入力に応じて、又は予め設定されたプログラムに従って、対象にコントラスト検出タスクを提示(例えば、線条(grating)の提示)するものであってよい。コントラスト検出タスク提供装置は、例えば、通常のコンピュータ及びモニタの組み合わせ、タブレット等で構成される。コントラスト検出タスク提供装置が対象に提示するコントラスト検出タスクは、老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法で説明したものと同様の態様を適用できる。
本実施形態に係るシステムは、反復経頭蓋磁気刺激治療装置、又は経頭蓋電気刺激治療装置と、コントラスト検出タスク提供装置とが協働して作動するものであってよい。具体的には、例えば、反復経頭蓋磁気刺激治療装置による対象への反復経頭蓋磁気刺激が終了したタイミングでコントラスト検出タスク提供装置が対象へコントラスト検出タスクを提示するように作動してもよく、コントラスト検出タスク提供装置による対象へコントラスト検出タスクの提示が終了したタイミングで反復経頭蓋磁気刺激治療装置が対象への反復経頭蓋磁気刺激を与えるように作動してもよく、経頭蓋電気刺激治療装置による対象への経頭蓋電気刺激が開始されたタイミングでコントラスト検出タスク提供装置が対象へコントラスト検出タスクを提示するように作動してもよい。
本実施形態に係るシステムのその他具体的な態様は、老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法で説明したものと同様の態様を適用できる。
〔(2)反復経頭蓋磁気刺激治療装置又は経頭蓋電気刺激治療装置の使用(方法)〕
本実施形態に係る反復経頭蓋磁気刺激治療装置又は経頭蓋電気刺激治療装置の使用は、老視による視覚機能低下の治療、改善、緩和又は予防用システムの製造における、反復経頭蓋磁気刺激治療装置又は経頭蓋電気刺激治療装置の使用である。
老視による視覚機能低下の治療、改善、緩和又は予防用システムは、(1)で説明したものと同様である。
〔(3)老視による視覚機能低下の治療、改善、緩和又は予防方法に使用するための、反復経頭蓋磁気刺激治療装置又は経頭蓋電気刺激治療装置〕
本発明に係る老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法は、従来老視の改善には使用されていなかった反復経頭蓋磁気刺激、及び経頭蓋電気刺激を使用するものであることから、当該反復経頭蓋磁気刺激、及び経頭蓋電気刺激を与える反復経頭蓋磁気刺激治療装置及び経頭蓋電気刺激治療装置の新たな使用方法を提供するものといえる。したがって、本発明は、老視による視覚機能低下の治療、改善、緩和又は予防方法に使用するための、反復経頭蓋磁気刺激治療装置又は経頭蓋電気刺激治療装置とも捉えられる。老視による視覚機能低下の治療、改善、緩和又は予防方法の具体的態様、反復経頭蓋磁気刺激治療装置又は経頭蓋電気刺激治療装置の具体的態様は、老視による視覚機能低下を治療、改善、緩和又は予防する方法で説明したものと同様の態様を適用できる。
以下、実施例に基づき本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔試験方法〕
(被験者)
老視の症状を有するヒト成人を対象とし、以下の採用基準及び除外基準に従って被験者30名を選別した。
<採用基準>
(1)40歳以上55歳以下の成人であること
(2)老視の症状(近加算の処方が40cmの距離で+0.75DS以上として定義される)を有すると診断されたこと
(3)両眼の遠見視力(logMAR)が0.10以下であること(分散視力(6m表記)が6/7.5以下であること)
(4)両眼の遠見最高矯正視力(BCVA)の差がlogMARで1ラインを超えないこと
<除外基準>
(5)視力に影響を及ぼす眼病変を有すること
(6)屈折矯正、白内障摘出術及び眼内レンズ埋め込み等の眼科手術の既往があること
(7)視覚又は視覚機能に影響を及ぼすあらゆる神経学的状態であること
(8)非侵襲的脳刺激療法が禁忌であること
(試験デザイン)
被験者を以下の3群に分けた(各群被験者10名)。
群1:経頭蓋ランダムノイズ刺激(tRNS)と知覚学習(PL)の組み合わせ
群2:反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)と知覚学習(PL)の組み合わせ
群3:シャム(tDCS)と知覚学習(PL)の組み合わせ
なお、知覚学習(PL)は、コントラスト検出タスクである。
被験者は、1日目(訪問1)、3日目(訪問2)、5日目(訪問3)、7日目(訪問4)、9日目(訪問5)、11日目(訪問6)、13日目(訪問7)及び41日目(訪問8)にCentre for Eye and Vision Researchを訪れ、所定の測定及び訓練を実施した。各訪問時に実施した事項の詳細は以下のとおりである。
(訪問1):1日目[所要時間:2時間]
・適格性評価を実施した(上記の採用基準及び除外基準を参照)。群1~群3への割り当てを実施した。
・訓練前の測定(ベースラインの測定)を実施した。測定項目には、遠見矯正下近見視力(DCNVA)、及びコントラスト感度関数(CSF)が含まれた。
(訪問2-6):3日目、5日目、7日目、9日目及び11日目[所要時間:各2時間]
・非侵襲的脳刺激(tRNS、rTMS又はシャム(tDCS))を実施した。各被験者に対して全ての訪問で一定の刺激であった。
・個々の被験者のカットオフ空間周波数を使用したコントラスト検出タスクを実施した。
・遠見矯正下近見視力(DCNVA)の測定を実施した。
(訪問7):13日目[所要時間:2時間]
・訓練後の測定を実施した。測定項目には、遠見矯正下近見視力(DCNVA)が含まれた。
(訪問8):41日目[所要時間:2時間]
・訓練後1か月の測定を実施し、介入効果の維持を調査した。測定項目には、遠見矯正下近見視力(DCNVA)が含まれた。
なお、訪問1~訪問8のいずれも、スケジューリングのために±1日の誤差を許容した。また、訪問中の全ての測定と訓練は両眼で行われ、訪問1で決定された遠見矯正を使用し、追加の近見矯正は行わなかった。
(コントラスト検出タスク)
コントラスト検出タスクは、非特許文献6及び7に記載されたプロトコールに従った。当該プロトコールは、正常及び斜視のヒト集団において、視覚性能を改善することが示されている。コントラスト検出タスクには、各被験者のカットオフ空間周波数近くで線条(grating)を提示することが含まれた。カットオフ空間周波数は、ベースライン測定時のコントラスト感度関数(CSF)のコントラスト閾値が0.50である空間周波数として定義された。
(コントラスト感度関数)
対数スケールで均一に配置された5つの空間周波数(例えば、0.5、1、5、10、15サイクル/度)でのコントラスト検出閾値を、ベイズ法を使用して決定した(非特許文献8参照)。これらの閾値は、空間周波数の関数としてコントラスト感度関数(CSF)にフィッティングさせた。
(非侵襲的脳刺激)
経頭蓋ランダムノイズ刺激(tRNS)は、経頭蓋電気刺激治療装置(StarSstim8,Neuroelectrics社製、電極のサイズ:直径1.2cmの円筒状、電極:銀・塩化銀焼結板電極)を使用して実施した。非特許文献9に記載の条件を参考にして、被験者の両側の後頭極に電極をそれぞれ配置し、101Hz~640Hzの周波数で1.0mAの電流を通電した。刺激の印加は、刺激開始の0mAから1.0mAに達するまでの(Ramp up)20秒間、1.0mAで通電される20分間、1mAから0mAに達するまでの(Ramp down)20秒間で構成される。経頭蓋ランダムノイズ刺激は、コントラスト検出タスクを実施している最中の被験者に与えられた。
反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)は、経頭蓋磁気刺激治療装置(MagPro X100 with magoption,MagVenture A/S製)を使用して実施した。反復経頭蓋磁気刺激は、連続シータバースト刺激(cTBS)の形で一次視覚皮質に送られた。
各被験者に対してcTBSを与える部位は、以下のようにして決定した。
格子の下端がイニオンの中心になる5cm×5cmの格子状の点にシングルパルスの経頭蓋磁気刺激を与えた。磁気刺激の強度を体系的に変えて、最適な刺激部位と、ホスフェンを10回のパルスのうち5回誘発するために必要な最低磁気刺激強度とを特定した。
被験者がホスフェンを知覚しない場合は、ダブルパルスの経頭蓋磁気刺激で同様の特定手順を実施した。装置の最大出力の45%の磁気強度から始めて、格子の下端がイニオンの中心になる5cm×5cmの格子状の点にダブルパルスの経頭蓋磁気刺激を与えた。ホスフェンを引き起こす位置がない場合、磁気強度が装置の最大出力の65%に達するまで10%づつ増加させて、同様の手順を繰り返した。ダブルパルスは、最小刺激間隔3秒、刺激開始非同期40msで与えられた。装置の最大出力の65%の磁気強度でホスフェンがまだ知覚されない場合、被験者がホスフェンを知覚すると報告するまで5%づつ磁気強度を増加させた。最大で装置の最大出力の80%の磁気強度までこれを繰り返した。ホスフェンの知覚がまだ起こらない場合、cTBSを与える部位は、イニオンの3cm上の部位に設定した。また、磁気刺激を与える際のコイルの配置と方向は、頭部への接面に対してコイルの平板面が並行にあたるように設置し、ハンドルがコイルよりも上側であり、かつ正中線に対してほぼ平行(後頭極に対して12時の方向)に、頭蓋-尾骨方向に、装置本体からコイルに向かって電流が流れるように設置した。
cTBSの強度は、ホスフェンを知覚する閾値の80%、又はホスフェンが知覚されない場合は装置の最大出力の50%とした。被験者がこれらの強度に耐えられない場合は、強度を減少した。
cTBSは、200ms毎に3つの50Hzパルスで40秒間の刺激を与えるように構成された(合計600パルス)。使用した経頭蓋磁気刺激治療装置は、神経ナビゲーションを備えており、各訪問でcTBSが同じ視覚皮質の位置に送られることが保証されていた。cTBSは、コントラスト検出タスクを実施する直前の被験者に与えられた。
シャム(tDCS)刺激は、経頭蓋ランダムノイズ刺激(tRNS)と同じセットアップを行い、1.0mAでの20分間の通電を行わないこと以外は、tRNSと同じ条件で(すなわち、Ramp upとRamp downのみ)通電を行った。シャム(tDCS)刺激は、コントラスト検出タスクを実施している最中の被験者に与えられた。
(データ分析)
各群の統計的有意差は、対応のあるt検定を使用して、検証した。
(結果)
訓練前(訪問1)、訓練後(訪問7)、及び訓練後1か月(訪問8)の被験者の遠見矯正下近見視力(DCNVA)の平均値を表1及び表2に示す。
Figure 0007620751000001

Figure 0007620751000002
表1に示すとおり、群1(tRNS)で、訓練前(訪問1)と比べて、訓練後(訪問7)に、遠見矯正下近見視力(DCNVA)の改善が認められた。また、表2に示すとおり、群1(tRNS)及び群2(TMS)の両群で、訓練後1か月(訪問8)において、遠見矯正下近見視力(DCNVA)の改善が認められた。

Claims (12)

  1. 反復経頭蓋磁気刺激治療装置を備える、老視による視覚機能低下の治療、改善、緩和又は予防用システム。
  2. コントラスト検出タスク提供装置を更に備え
    (A)前記反復経頭蓋磁気刺激治療装置による対象への反復経頭蓋磁気刺激が終了したタイミングで前記コントラスト検出タスク提供装置が前記対象へコントラスト検出タスクを提示するように作動するか、(B)前記コントラスト検出タスク提供装置による対象へのコントラスト検出タスクの提示が終了したタイミングで前記反復経頭蓋磁気刺激治療装置が前記対象への反復経頭蓋磁気刺激を与えるように作動するか、又は(C)前記反復経頭蓋電気刺激治療装置による対象への経頭蓋電気刺激が開始されたタイミングで前記コントラスト検出タスク提供装置が前記対象へコントラスト検出タスクを提示するように作動し、
    前記コントラスト検出タスクが、ガボールパッチを用いるトレーニングである、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記反復経頭蓋磁気刺激が、連続シータバースト刺激(cTBS:continuous Theta Burst Stimulation)である、請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 前記反復経頭蓋磁気刺激を与える部位が、対象のホスフェンを知覚可能な部位であるか、又は前記対象がホスフェンを知覚できない場合はイニオンの上の部位である、請求項1又は2に記載のシステム。
  5. 前記反復経頭蓋磁気刺激の磁場強度が、0.05T以上4.5T以下である、請求項1又は2に記載のシステム。
  6. 前記反復経頭蓋磁気刺激が、200m秒毎に1回以上5回以下のパルスとして与えられる、請求項1又は2に記載のシステム。
  7. 前記反復経頭蓋磁気刺激の周波数が1Hz以上100Hz以下である、請求項1又は2に記載のシステム。
  8. 前記反復経頭蓋磁気刺激を与える時間が、1秒以上20分以下である、請求項1又は2に記載のシステム。
  9. 前記反復経頭蓋磁気刺激の合計が、100パルス以上1000パルス以下である、請求項1又は2に記載のシステム。
  10. 前記反復経頭蓋磁気刺激を与えるためのコイルは、装置本体から当該コイルに向かって流れる電流が、前記対象の反復経頭蓋磁気刺激を与える部位の接面と並行になり、かつ当該部位で頭蓋方向から尾骨方向へと流れるように配置される、請求項1又は2に記載のシステム。
  11. 前記反復経頭蓋磁気刺激治療装置による対象への反復経頭蓋磁気刺激が終了したタイミングで前記コントラスト検出タスク提供装置が対象へコントラスト検出タスクを提示するように作動するか、又は前記コントラスト検出タスク提供装置による対象へのコントラスト検出タスクの提示が終了したタイミングで前記反復経頭蓋磁気刺激治療装置が対象への反復経頭蓋磁気刺激を与えるように作動する、請求項2に記載のシステム。
  12. 老視による視覚機能低下の治療、改善、緩和又は予防用システムの製造における、反復経頭蓋磁気刺激治療装置の使用。
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