[go: up one dir, main page]

JP7615595B2 - 接着剤組成物、発泡性接着シートおよび物品の製造方法 - Google Patents

接着剤組成物、発泡性接着シートおよび物品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7615595B2
JP7615595B2 JP2020166182A JP2020166182A JP7615595B2 JP 7615595 B2 JP7615595 B2 JP 7615595B2 JP 2020166182 A JP2020166182 A JP 2020166182A JP 2020166182 A JP2020166182 A JP 2020166182A JP 7615595 B2 JP7615595 B2 JP 7615595B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
borate
nitrogen atom
compound containing
based compounds
curing agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020166182A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022057769A (ja
Inventor
信哉 島田
健太郎 星
敏一 瀬川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2020166182A priority Critical patent/JP7615595B2/ja
Publication of JP2022057769A publication Critical patent/JP2022057769A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7615595B2 publication Critical patent/JP7615595B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)

Description

本開示は、接着剤組成物、発泡性接着シートおよびそれを用いた物品の製造方法に関する。
部材同士を接着する接着剤は、様々な分野で用いられており、その接着方法も、多くの方法が知られている。
近年では、液状接着剤に代えて、発泡剤を含有する接着シート(発泡性接着シート)を使用することが提案されている。例えば特許文献1には、基材の両面または片面に、多官能エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂と、硬化剤としてのフェノール樹脂と、硬化触媒としてのイミダゾール系化合物と、感温性発泡剤とを含有してなる膨張性接着剤層を有する接着シートが開示されている。
国際公開第2016/163514号 特開2004-277458号公報
発泡性接着シートの使用方法として、例えば、部材間に発泡性接着シートを配置し、その後、発泡性接着シートを発泡硬化させることで、部材同士を接着する方法が知られている。このような発泡性接着シートにおいては、接着層に硬化性樹脂および硬化剤が含まれることから保存安定性が高く、また発泡硬化後の接着性が良好であることが望まれる。さらに、夏場でも冷蔵せずに輸送可能とするため、また作業環境が高温高湿環境である場合の発泡性や発泡硬化後の接着性等の劣化を抑制するために、高温高湿下での保存安定性が高いことも求められる。しかしながら、高温高湿下で保管すると、発泡性が低下することがあった。この場合、部材間の隙間の大きさによっては、部材間の隙間を充填することができず、発泡硬化後の接着性が低下してしまう。
なお、発泡性接着シートに用いられる接着剤組成物ではないが、保存安定性を良くするために、一液型エポキシ樹脂系接着剤に安定化剤を添加することが提案されている。例えば特許文献2には、エポキシ樹脂、潜在性硬化剤、結晶性アルコールの微細化物、およびホウ酸エステルが配合されている1液型エポキシ樹脂組成物が開示されている。
一般に、接着剤の保存安定性は、接着剤が一定の条件で保存されたときの接着強度や粘度の変化を見るものであり、発泡性接着シートに用いられる発泡性接着剤の保存安定性、中でも発泡性接着剤の高温高湿下での保存安定性、特に発泡性接着剤の高温高湿後の接着性や発泡性については十分に検討されていないのが実情である。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、高温高湿保存後における発泡性の低下を抑制することができる接着剤組成物および発泡性接着シートを提供することを主目的とする。
本開示の一実施形態は、硬化性樹脂と、硬化剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤と、を含有し、上記硬化剤が窒素原子を含有する化合物を含む、接着剤組成物を提供する。
本開示の他の実施形態は、硬化性樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤と、を含有し、上記硬化剤および上記硬化促進剤の少なくとも一方が窒素原子を含有する化合物を含む、接着剤組成物を提供する。
本開示の他の実施形態は、硬化性樹脂と、硬化剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤と、を含有し、上記硬化剤が窒素原子を含有する化合物を含む接着層を有する、発泡性接着シートを提供する。
本開示の他の実施形態は、硬化性樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤と、を含有し、上記硬化剤および上記硬化促進剤の少なくとも一方が窒素原子を含有する化合物を含む接着層を有する、発泡性接着シートを提供する。
本開示の他の実施形態は、第一部材および第二部材の間に、上述の発泡性接着シートを配置する配置工程と、上記発泡性接着シートを発泡硬化させ、上記第一部材および上記第二部材を接着する接着工程と、を有する物品の製造方法を提供する。
本開示における接着剤組成物および発泡性接着シートは、高温高湿保存後における発泡性の低下を抑制することができるという効果を奏する。
本開示における発泡性接着シートの一例を示す概略断面図である。 本開示における発泡性接着シートの他の例を示す概略断面図である。 本開示における発泡性接着シートの他の例を示す概略断面図である。 本開示における発泡性接着シートの他の例を示す概略断面図である。 本開示における発泡性接着シートの他の例を示す概略断面図である。 本開示における物品の製造方法の一例を示す概略断面図である。 接着性の試験方法を説明する概略断面図である。
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
また、本明細書において、「シート」には、「フィルム」と呼ばれる部材も含まれる。また、「フィルム」には、「シート」と呼ばれる部材も含まれる。
以下、本開示における接着剤組成物、発泡性接着シートおよびそれを用いた物品の製造方法について、詳細に説明する。
A.接着剤組成物
本開示における接着剤組成物は、2つの実施態様を有する。以下、各実施態様に分けて説明する。
I.接着剤組成物の第1実施態様
本開示における接着剤組成物の第1実施態様は、硬化性樹脂と、硬化剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤と、を含有し、上記硬化剤が窒素原子を含有する化合物を含む。
本実施態様においては、窒素原子を含有する化合物を含む硬化剤と、ホウ酸エステルとが含有されていることにより、高温高湿下での保存安定性を良くし、高温高湿保存後における発泡性の低下を抑制することができる。この理由は明らかではないが次のように考えられる。
例えば、接着剤組成物が、硬化性樹脂と、硬化剤と、発泡剤とを含有する場合に、高温高湿下での保存安定性が悪く、高温高湿保存時に硬化性樹脂の硬化反応が進行すると、この接着剤組成物から構成される接着層において、発泡硬化時に、硬化性樹脂の硬化反応が進行した部分によって発泡剤の発泡が抑制され、発泡硬化後の接着層での気泡が小さくなり、接着層の発泡倍率が低下すると考えられる。
これに対し、接着剤組成物が、硬化性樹脂と、窒素原子を含有する化合物を含む硬化剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤とを含有する場合には、硬化剤である窒素原子を含有する化合物の窒素原子に、ホウ酸エステルが配位することにより、窒素原子を含有する化合物の活性が抑制され、その結果、硬化性樹脂の硬化反応が抑制されると推量される。これにより、高温高湿下での保存安定性を良好にすることができる。よって、このような接着剤組成物から構成される接着層においては、高温高湿保存時の硬化性樹脂の硬化反応が抑制されるため、発泡硬化時に、硬化性樹脂の硬化反応が進行した部分によって発泡剤の発泡が抑制されることがなく、接着層の発泡倍率の低下を抑制することができると考えられる。
また、本実施態様においては、窒素原子を含有する化合物を含む硬化剤と、ホウ酸エステルとが含有されていることにより、高温高湿下での保存安定性を良くし、高温高湿保存後における接着強度の低下も抑制することができる。この理由は明らかではないが次のように考えられる。
例えば、接着剤組成物において、硬化速度が比較的速く、硬化温度が比較的低い場合には、高温高湿保存時に硬化性樹脂の硬化反応が進行しやすくなるため、接着剤組成物から構成される接着層において、高温高湿保存後における発泡硬化後の接着強度が低下する場合もある。
これに対し、接着剤組成物が、硬化性樹脂と、窒素原子を含有する化合物を含む硬化剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤とを含有する場合には、上述したように、高温高湿下での保存安定性を良好にすることができる。そのため、このような接着剤組成物から構成される接着層においては、硬化性樹脂および硬化剤の組み合わせが硬化速度が比較的速く、硬化温度が比較的低くなる組み合わせである場合、高温高湿保存時の硬化性樹脂の硬化反応が抑制されるため、高温高湿保存後における発泡硬化後の接着強度の低下も抑制することができると考えられる。
以下、本実施態様の接着剤組成物の各成分について説明する。
1.ホウ酸エステル
本実施態様において、ホウ酸エステルとしては、硬化剤に含まれる窒素原子を含有する化合物の活性を抑制することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリイソプロピル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリペンチル、ホウ酸トリアリル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリオクチル、ホウ酸トリイソオクチル、ホウ酸トリノニル、ホウ酸トリデシル、ホウ酸トリドデシル、ホウ酸トリヘキサデシル、ホウ酸トリオクタデシル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリシクロヘキシル、ホウ酸トリベンジル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸トリエタノールアミン、トリス-o-フェニレンビスボレート、ビス-o-フェニレンピロボレート、ビス-2,3-ジメチルエチレンフェニレンピロボレート、ビス-2,2-ジメチルトリメチレンピロボレート、トリス(2-エチルヘキシロキシ)ボラン、ビス(1,4,7,10-テトラオキサウンデシル)(1,4,7,10,13-ペンタオキサテトラデシル)(1,4,7-トリオキサウンデシル)ボラン、2-(β-ジメチルアミノイソプロポキシ)-4,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、2-(β-ジエチルアミノエトキシ)-4,4,6-トリメチル-1,3,2-ジオキサボリナン、2-(β-ジメチルアミノエトキシ)-4,4,6-トリメチル-1,3,2-ジオキサボリナン、2-(β-ジイソプロピルアミノエトキシ)-1,3,2-ジオキサボリナン、2-(β-ジイソプロピルアミノエトキシ)-4-メチル-1,3,2-ジオキサボリナン、2-(γ-ジメチルアミノプロポキシ)-1,3,6,9-テトラプキサ-2-ボラシクロウンデカン、および2-(β-ジメチルアミノエトキシ)-4,4-(4-ヒドロキシブチル)-1,3,2-ジオキサボリナン、2,2-オキシビス(5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサボナリン)等が挙げられる。ホウ酸エステルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ホウ酸エステルの含有量は、接着剤組成物に含まれる樹脂成分100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上であり、0.1質量部以上であってもよく、0.2質量部以上であってもよい。ホウ酸エステルの含有量が少なすぎると、高温高湿下での保存安定性を良好にする効果が十分に得られない場合がある。一方、ホウ酸エステルの含有量は、接着剤組成物に含まれる樹脂成分100質量部に対して、例えば、9質量部以下であり、7質量部以下であってもよく、5質量部以下であってもよい。ホウ酸エステルの含有量が多すぎると、例えばホウ酸エステルが常温で液体である場合、耐ブロッキング性が低下するおそれがある。
2.硬化剤
本実施態様における硬化剤は、窒素原子を含有する化合物を含む。
硬化剤としては、潜在性硬化剤であることが好ましい。ここで、本実施態様において、「潜在性硬化剤」とは、熱、光、湿気等の外部刺激により活性化し、硬化性樹脂と硬化反応を生じる、あるいは硬化性樹脂の硬化反応を誘発および/または促進させることができるが、特定の外部刺激が付与されない状態では硬化性樹脂と混合した場合に一定の期間は実質的に安定な成分である。
潜在性硬化剤であれば、接着剤組成物の保管中に、硬化性樹脂の硬化反応は一定期間は実質的に生じないので、長期保管が可能である。潜在性硬化剤が、特定の外部刺激が付与されない状態において少なくとも実質的に安定である温度範囲(以下、「潜在性硬化剤の安定温度範囲」という。)の一部または全部は、接着剤組成物を保管し易くする観点より、マイナス40℃以上80℃以下に含まれていてもよく、マイナス10℃以上30℃以下に含まれていてもよい。接着剤組成物は、必要に応じて、温度や湿度、光等の環境を制御しながら保管してもよい。接着剤組成物においては、潜在性硬化剤の安定温度範囲が常温を含むことで、保管時に加熱や冷却を行わなくてもよいようにできるので、接着剤組成物の利便性が向上する。なお、常温とは23℃±2℃をいう。
潜在性硬化剤としては、例えば、熱潜在性硬化剤、光潜在性硬化剤、湿気潜在性硬化剤等が挙げられる。「熱潜在性硬化剤」は、熱により活性化し、硬化性樹脂と硬化反応を生じる、あるいは硬化性樹脂の硬化反応を誘発および/または促進させることができるが、常温では硬化性樹脂と混合した場合に一定の期間は実質的に安定な成分である。また、「光潜在性硬化剤」は、紫外線等の特定の光の照射により活性化し、硬化性樹脂の硬化反応を誘発することができるが、特定の光が照射されない状態では硬化性樹脂と混合した場合に一定の期間は実質的に安定な成分である。「湿気潜在性硬化剤」は、加水分解によりアミン等の活性成分を生成し、硬化性樹脂と硬化反応を生じることができるが、水が存在しない状態では硬化性樹脂と混合した場合に一定の期間は実質的に安定な成分である。
硬化剤の潜在化の方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、活性成分を他の化合物と反応させることによってアダクト化する方法、活性成分の官能基をブロック剤でマスクする方法等が挙げられる。また、潜在性硬化剤として、硬化剤そのものが常温で固体かつ硬化性樹脂に不溶または難溶である硬化剤を用いることができる。
中でも、熱潜在性硬化剤が好ましい。発泡剤は、熱により発泡反応を生じるものが多いため、熱潜在性硬化剤であれば、加熱によって発泡剤の発泡反応および硬化剤による硬化性樹脂の硬化反応を生じさせることができ、効率的である。また、熱潜在性硬化剤を用いることにより、接着剤組成物の発泡硬化後の耐熱性を向上させることができる。
硬化剤は、例えば、硬化性樹脂と硬化反応を生じることができる重付加型硬化剤であってもよく、硬化性樹脂の硬化反応を誘発および/または促進させることができる触媒型硬化剤であってもよい。
硬化剤の反応開始温度は、例えば90℃であり、110℃以上であってもよく、130℃以上であってもよい。反応開始温度が低すぎると、反応が早期に開始され、樹脂成分の柔軟性や流動性が低い状態で硬化が生じ、均一な硬化が生じにくい可能性がある。一方、硬化剤の反応開始温度は、例えば200℃以下である。反応開始温度が高すぎると、樹脂成分が劣化する可能性がある。なお、硬化剤として、窒素原子を含有する化合物の他に、例えばフェノール系硬化剤等の硬化物の耐熱性を高くすることができる硬化剤を併用する場合には、樹脂成分の劣化が少ないため、硬化剤の反応開始温度は、例えば300℃以下であってもよい。硬化剤の反応開始温度は、示差走査熱量測定(DSC)により求めることができる。
硬化剤は、23℃で固体であることが好ましい。23℃で固体である硬化剤は、23℃で液体である硬化剤と比較して、保存安定性(ポットライフ)を長くすることができる。
このような硬化剤として用いられる窒素原子を含有する化合物としては、一般に接着剤に使用される硬化剤を用いることができ、硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択される。
(1)硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合
硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、硬化剤に含まれる窒素原子を含有する化合物の具体例としては、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、ジシアンジアミド系化合物、ヒドラジド系化合物、イソシアネート系化合物、グアニジン系化合物、ビグアニド系化合物、ウレア系化合物、メラミン系化合物、ケチミン系化合物、ジアゾニウム塩等が挙げられる。
これらのうち、熱潜在性硬化剤としては、例えば、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、ジシアンジアミド系化合物、ヒドラジド系化合物、イソシアネート系化合物、グアニジン系化合物、ビグアニド系化合物、ウレア系化合物、メラミン系化合物、ケチミン系化合物、ジアゾニウム塩等を挙げることができる。熱潜在性硬化剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。例えば、イミダゾール系化合物およびジシアンジアミド系化合物を併用してもよい。この場合、イミダゾール系化合物は、触媒型硬化剤およびジシアンジアミド系化合物の硬化促進剤として機能することができる。
また、光潜在性硬化剤としては、例えば、ジアゾニウム塩等を挙げることができる。光潜在性硬化剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、湿気潜在性硬化剤としては、例えば、ケチミン系化合物等を挙げることができる。湿気潜在性硬化剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イミダゾール系化合物としては、例えば、イミダゾール化合物の他、イミダゾール化合物のカルボン酸塩、イミダゾール化合物とエポキシ化合物との反応生成物等のイミダゾールアダクト系化合物等を挙げることができる。
また、イミダゾール系化合物は、ヒドロキシ基を有することが好ましい。ヒドロキシ基同士の水素結合で結晶化するため、反応開始温度が高くなる傾向にある。
アミン系化合物としては、例えば、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンのいずれも用いることができる。また、アミン系化合物としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、脂環式アミン、変性アミン、アミドアミン、ポリアミド等が挙げられる。変性アミンとしては、例えば、アミンアダクト系化合物等が挙げられ、具体的には、アミン化合物とエポキシ化合物との反応生成物、アミン化合物とカルボン酸化合物との反応生成物、アミン化合物とスルホン酸化合物との反応生成物、アミン化合物とイソシアネート化合物との反応生成物、アミン化合物とウレア化合物との反応生成物等を挙げることができる。アミンアダクト系化合物において、アミン化合物には、脂肪族アミン、芳香族アミン、脂環式アミン、複素環式アミン等を用いることができる。
ヒドラジド系化合物としては、例えば、有機酸ヒドラジド系化合物が挙げられる。
イソシアネート系化合物としては、例えば、ブロックイソシアネート系化合物が挙げられる。
ウレア系化合物としては、例えば、脂肪族ジメチルウレア、芳香族ジメチルウレア等が挙げられる。
ジアゾニウム塩としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩等が挙げられる。
中でも、硬化剤は、イミダゾール系化合物またはジシアンジアミド系化合物であることが好ましく、イミダゾール系化合物およびジシアンジアミド系化合物を併用することがより好ましい。
硬化剤として用いられる窒素原子を含有する化合物の含有量は、接着剤組成物に含まれる樹脂成分100質量部に対して、例えば、1質量部以上、40質量部以下である。例えば、硬化剤としてイミダゾール系化合物を主成分として用いる場合、窒素原子を含有する化合物の含有量は、接着剤組成物に含まれる樹脂成分100質量部に対して、例えば、1質量部以上、15質量部以下であることが好ましい。なお、硬化剤としてイミダゾール系化合物を主成分として用いるとは、硬化剤において、イミダゾール系化合物の質量割合が最も多いことをいう。
(2)硬化性樹脂がポリエステル樹脂またはポリオールである場合
硬化性樹脂がポリエステル樹脂またはポリオールである場合、硬化剤に含まれる窒素原子を含有する化合物の具体例としては、イソシアネート系化合物が挙げられる。イソシアネート系化合物としては、硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合に用いられるイソシアネート系化合物と同様とすることができる。
(3)その他の成分
硬化剤は、窒素原子を含有する化合物を含んでいればよく、窒素原子を含有する化合物以外の化合物を含んでいてもよい。窒素原子を含有する化合物以外の化合物としては、一般に接着剤に使用される硬化剤を用いることができ、硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択される。
3.硬化性樹脂
本実施態様における硬化性樹脂としては、一般に硬化性接着剤の主剤として使用される硬化性樹脂を用いることができる。硬化性樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。中でも、熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂は、例えば金属製の部材のように部材が透明性を有さない場合でも適用可能である。
硬化性樹脂としては、上記の硬化剤により硬化可能な硬化性樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール等が挙げられる。
中でも、硬化性樹脂はエポキシ樹脂であることが好ましい。一般に、主剤としてエポキシ樹脂を含有する接着剤組成物は、機械的強度、耐熱性、絶縁性、耐薬品性等に優れており、硬化収縮が小さく、幅広い用途に用いることができる。
本実施態様におけるエポキシ樹脂は、1つ以上のエポキシ基またはグリシジル基を有し、硬化剤との併用により架橋重合反応を起こして硬化する化合物である。エポキシ樹脂には、少なくとも1つ以上のエポキシ基またはグリシジル基を有する単量体も含まれる。
エポキシ樹脂としては、例えば、芳香族系エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環系エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂やゴム変性エポキシ樹脂等の変性エポキシ樹脂が挙げられる。また、他の具体例としては、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリコール型エポキシ樹脂、ペンタエリスリトール型エポキシ樹脂が挙げられる。また、エポキシ樹脂として、エポキシ基を含有する変性シリコーン樹脂を用いてもよい。エポキシ樹脂は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノール骨格の繰り返し単位の数によって、常温で液体の状態、または常温で固体の状態で存在することができる。主鎖のビスフェノール骨格が、例えば2以上10以下であるビスフェノールA型エポキシ樹脂は、常温で固体である。特に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、耐熱性向上を図ることができる点で好ましい。
エポキシ樹脂は、1官能のエポキシ樹脂であってもよく、2官能のエポキシ樹脂であってもよく、3官能のエポキシ樹脂であってもよく、4官能以上のエポキシ樹脂であってもよい。
また、ポリオールは、2つ以上のヒドロキシ基を有する化合物である。ポリオールとしては、例えば、ポリエチレンポリオールやポリプロピレンポリオール等のポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。
4.発泡剤
本実施態様における発泡剤としては、一般に発泡性接着シートの接着層に使用される発泡剤を用いることができる。また、発泡剤は、熱により発泡反応が生じる発泡剤であってもよく、光により発泡反応が生じる発泡剤であってもよい。
発泡剤の発泡開始温度は、硬化性樹脂の軟化温度以上であり、かつ、硬化性樹脂の硬化反応の活性化温度以下であることが好ましい。発泡剤の発泡開始温度は、例えば、70℃以上であり、100℃以上であってもよい。発泡開始温度が低すぎると、発泡が早期に開始され、樹脂成分の柔軟性や流動性が低い状態で発泡が生じ、均一な発泡が生じにくい可能性がある。一方、発泡剤の発泡開始温度は、例えば、210℃以下である。発泡開始温度が高すぎると、樹脂成分が劣化する可能性がある。
なお、硬化性樹脂の軟化温度は、JIS K 2207に規定される環球式軟化温度試験法を用いて測定できる。
発泡剤としては、例えば、マイクロカプセル型発泡剤が挙げられる。マイクロカプセル型発泡剤は、炭化水素等の熱膨張剤をコアとし、アクリロニトリルコポリマー等の樹脂をシェルとすることが好ましい。
また、発泡剤として、例えば、有機系発泡剤や無機系発泡剤等を用いてもよい。有機系発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系発泡剤、トリクロロモノフルオロメタン等のフッ化アルカン系発泡剤、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン系発泡剤、p-トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド系発泡剤、5-モルホリル-1,2,3,4-チアトリアゾール等のトリアゾール系発泡剤、N,N-ジニトロソテレフタルアミド等のN-ニトロソ系発泡剤が挙げられる。一方、無機系発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素アンモニウム、アジド類が挙げられる。
発泡剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、発泡剤は、マイクロカプセル型発泡剤であることが好ましい。
発泡剤の含有量としては、目的とする発泡倍率や、発泡硬化後の接着層に要求される強度、接着力等に応じて適宜設定される。発泡剤の含有量は、接着剤組成物に含まれる樹脂成分100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上であり、2質量部以上であってもよい。一方、発泡剤の含有量は、接着剤組成物に含まれる樹脂成分100質量部に対して、例えば、25質量部以下であり、20質量部以下であってもよく、15質量部以下であってもよい。
5.その他の成分
(1)アクリル樹脂
本実施態様の接着剤組成物は、例えば上記硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、樹脂成分として、エポキシ樹脂と相溶するアクリル樹脂をさらに含有してもよい。アクリル樹脂は、エポキシ樹脂と相溶することから、接着層の靭性を向上させやすい。その結果、発泡硬化後の接着性を向上させることができる。さらに、アクリル樹脂が、発泡剤(例えば、シェル部がアクリロニトリルコポリマーの樹脂である発泡剤)の相溶化剤として働き、均一に分散、発泡することで、発泡硬化後の接着性が向上すると考えられる。また、アクリル樹脂がエポキシ樹脂と相溶することで、接着層表面の硬度を高く保つことができる。一方、アクリル樹脂がエポキシ樹脂と非相溶であると、接着剤組成物を用いて接着層を形成した際に、接着層表面に柔軟な部位が形成されるため、被着体との界面が滑りにくくなり、作業性が低下することがある。
本実施態様におけるアクリル樹脂は、エポキシ樹脂と相溶している。ここで、アクリル樹脂がエポキシ樹脂と相溶していることは、例えば、接着剤組成物用いて接着層を形成し、接着層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したときに、ミクロンサイズの島が発生していないことから確認することができる。より具体的には、島の平均粒径が1μm以下であることが好ましい。中でも、島の平均粒径は、0.5μm以下であってもよく、0.3μm以下であってもよい。サンプル数は多いことが好ましく、例えば100以上である。観察するエリア面積は、100μm×100μmの範囲、もしくは、接着層の平均厚さが100μm以下の場合は、平均厚さ×100μmの範囲で行う。
アクリル樹脂は、極性基を有していてもよい。極性基としては、例えば、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、ニトリル基、アミド基が挙げられる。
アクリル樹脂は、アクリル酸エステル単量体の単独重合体であり、上記単独重合体を2種以上含む混合成分であってもよく、2種以上のアクリル酸エステル単量体の共重合体であり、共重合体を1以上含む成分であってもよい。また、アクリル樹脂は、上記単独重合体と上記共重合体との混合成分であってもよい。アクリル酸エステル単量体の「アクリル酸」には、メタクリル酸の概念も含まれる。具体的には、アクリル樹脂は、メタクリレートの重合体とアクリレートの重合体との混合物であってもよく、アクリレート-アクリレート、メタクリレート-メタクリレート、メタクリレート-アクリレート等のアクリル酸エステル重合体であってもよい。中でも、アクリル樹脂は、2種以上のアクリル酸エステル単量体の共重合体((メタ)アクリル酸エステル共重合体)を含むことが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体を構成する単量体成分としては、例えば、特開2014-065889号公報に記載の単量体成分が挙げられる。上記単量体成分は、上述した極性基を有していてもよい。上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、例えば、エチルアクリレート-ブチルアクリレート-アクリロニトリル共重合体、エチルアクリレート-アクリロニトリル共重合体、ブチルアクリレート-アクリロニトリル共重合体が挙げられる。なお、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等の「アクリル酸」には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の「メタクリル酸」も含まれる。
上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、ブロック共重合体が好ましく、さらにメタクリレート-アクリレート共重合体等のアクリル系ブロック共重合体が好ましい。アクリル系ブロック共重合体を構成する(メタ)アクリレートとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジジルが挙げられる。これらの「アクリル酸」には、「メタクリル酸」も含まれる。
メタクリレート-アクリレート共重合体の具体例としては、メチルメタクリレート-ブチルアクリレート-メチルメタクリレート(MMA-BA-MMA)共重合体等のアクリル系共重合体が挙げられる。MMA-BA-MMA共重合体には、ポリメチルメタクリレート-ポリブチルアクリレート-ポリメチルメタクリレート(PMMA-PBA-PMMA)のブロック共重合体も含まれる。
アクリル系共重合体は、極性基を有していなくてもよく、また一部に上述した極性基を導入した変性物であってもよい。上記変性物は、エポキシ樹脂と相溶しやすいため、接着性がより向上する。
中でも、アクリル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が10℃以下である第一重合体部分と、ガラス転移温度(Tg)が20℃以上である第二重合体部分とを有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体であることが好ましい。このような(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、柔らかいセグメントとなる第一重合体部分と、硬いセグメントとなる第二重合体部分とを有する。
上記の効果の発現は、以下のように推定できる。上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体のような、柔らかいセグメントと、硬いセグメントとを併せ持つアクリル樹脂を用いることで、硬いセグメントが耐熱性に寄与し、柔らかいセグメントが靱性ないし柔軟性に寄与するため、耐熱性、靱性、柔軟性が良好な接着層が得られる。
上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体に含まれる第一重合体部分および第二重合体部分の少なくとも一方は、エポキシ樹脂に対して相溶性を有する。第一重合体部分がエポキシ樹脂に対して相溶性を有する場合には、柔軟性を高めることができる。また、第二重合体部分がエポキシ樹脂に対して相溶性を有する場合には、凝集性や靱性を高めることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、中でもブロック共重合体であることが好ましく、特に、相溶部位を重合体ブロックA、非相溶部位を重合体ブロックBとするA-B-Aブロック共重合体であることが好ましい。さらには、第一重合体部分が非相溶部位、第二重合体部分が相溶部位であり、第一重合体部分を重合体ブロックB、第二重合体部分を重合体ブロックAとするA-B-Aブロック共重合体であることが好ましい。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、第一重合体部分または第二重合体部分の一部に上述の極性基を導入した変性物であってもよい。
上記の第一重合体部分および第二重合体部分を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体の具体例としては、上記のMMA-BA-MMA共重合体が挙げられる。
アクリル樹脂の含有量は、接着剤組成物に含まれる樹脂成分を100質量部とした場合に、例えば、1質量部以上であり、3質量部以上であってもよく、5質量部以上であってもよく、7質量部以上であってもよく、10質量部以上であってもよい。一方、アクリル樹脂の含有量は、接着剤組成物に含まれる樹脂成分を100質量部とした場合に、例えば、60質量部以下であり、50質量部以下であってもよく、40質量部以下であってもよく、35質量部以下であってもよく、30質量部以下であってもよい。
接着剤組成物に含まれる樹脂成分に対する、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂の合計の割合は、例えば、70質量%以上であり、80質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。
(2)その他
本実施態様の接着剤組成物は、例えば上記硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、樹脂成分として、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂以外に、他の樹脂をさらに含有していてもよい。他の樹脂としては、例えばウレタン樹脂が挙げられる。
接着剤組成物の固形分における樹脂成分の割合は、例えば60質量%以上であり、70質量%以上であってもよく、80質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよい。
接着剤組成物は、必要に応じて、例えばシランカップリング剤、充填剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、架橋剤、着色剤を含有していてもよい。シランカップリング剤としては、例えば、エポキシ系シランカップリング剤が挙げられる。充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物、二酸化チタン等の無機充填剤が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤が挙げられる。
接着剤組成物は、溶媒を含有していてもよく、溶媒を含有していなくてもよい。なお、本明細書における溶媒は、厳密な溶媒(溶質を溶解させる溶媒)のみならず、分散媒も含む広義の意味である。また、接着剤組成物に含まれる溶媒は、接着剤組成物を塗布乾燥して接着層を形成する際に揮発して除去される。
6.接着剤組成物
本実施態様の接着剤組成物は、上述した各成分を混合し、必要に応じて混練、分散することにより、得ることができる。混合および分散方法としては、一般的な混練分散機、例えば、二本ロールミル、三本ロールミル、ペブルミル、トロンミル、ツェグバリ(Szegvari)アトライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、デスパー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コニーダー、インテンシブミキサー、タンブラー、ブレンダー、デスパーザー、ホモジナイザー、超音波分散機が適用できる。
本実施態様の接着剤組成物の用途は、特に限定されないが、発泡性接着シートの接着層に用いられることが好ましい。また、本実施態様の接着剤組成物を、そのまま接着剤として用いてもよい。
II.接着剤組成物の第2実施態様
本開示における接着剤組成物の第2実施態様は、硬化性樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤と、を含有し、上記硬化剤および上記硬化促進剤の少なくとも一方が窒素原子を含有する化合物を含む。
本実施態様においては、硬化剤および硬化促進剤の少なくとも一方が窒素原子を含有する化合物を含み、接着剤組成物にホウ酸エステルが含有されていることにより、高温高湿下での保存安定性を良くし、高温高湿保存後における発泡性の低下を抑制することができる。この理由は明らかではないが次のように考えられる。
例えば、接着剤組成物が、硬化性樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、発泡剤とを含有する場合に、高温高湿下での保存安定性が悪く、高温高湿保存時に硬化性樹脂の硬化反応が進行すると、この接着剤組成物から構成される接着層において、発泡硬化時に、硬化性樹脂の硬化反応が進行した部分によって発泡剤の発泡が抑制され、発泡硬化後の接着層での気泡が小さくなり、接着層の発泡倍率が低下すると考えられる。
これに対し、接着剤組成物が、硬化性樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤とを含有し、硬化剤および硬化促進剤の少なくとも一方が窒素原子を含有する化合物を含む場合には、硬化剤および硬化促進剤の少なくとも一方である窒素原子を含有する化合物の窒素原子に、ホウ酸エステルが配位することにより、窒素原子を含有する化合物の活性が抑制され、その結果、硬化性樹脂の硬化反応が抑制されると推量される。これにより、高温高湿下での保存安定性を良好にすることができる。よって、このような接着剤組成物から構成される接着層においては、高温高湿保存時の硬化性樹脂の硬化反応が抑制されるため、発泡硬化時に、硬化性樹脂の硬化反応が進行した部分によって発泡剤の発泡が抑制されることがなく、接着層の発泡倍率の低下を抑制することができると考えられる。
また、本実施態様においては、硬化剤および硬化促進剤の少なくとも一方が窒素原子を含有する化合物を含み、接着剤組成物にホウ酸エステルが含有されていることにより、高温高湿下での保存安定性を良くし、高温高湿保存後における接着強度の低下も抑制することができる。この理由は明らかではないが次のように考えられる。
例えば、接着剤組成物において、硬化剤と硬化促進剤とが含有されている場合には、硬化速度が比較的速くなる、硬化温度が比較的低くなる等により、硬化反応を促進することができるが、そのような場合には、高温高湿保存時に硬化性樹脂の硬化反応が進行しやすくなることがあるため、接着剤組成物から構成される接着層において、高温高湿保存後における発泡硬化後の接着強度が低下する場合がある。
これに対し、接着剤組成物が、硬化性樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤とを含有し、硬化剤および硬化促進剤の少なくとも一方が窒素原子を含有する化合物を含む場合には、上述したように、高温高湿下での保存安定性を良好にすることができる。そのため、このような接着剤組成物から構成される接着層においては、硬化性樹脂、硬化剤および硬化促進剤の組み合わせが硬化速度が比較的速くなる、硬化温度が比較的低くなる等の組み合わせである場合、高温高湿保存時の硬化性樹脂の硬化反応が抑制されるため、高温高湿保存後における発泡硬化後の接着強度の低下も抑制することができると考えられる。
以下、本実施態様の接着剤組成物の各成分について説明する。
1.ホウ酸エステル
本実施態様において、ホウ酸エステルとしては、硬化剤および硬化促進剤の少なくとも一方に含まれる窒素原子を含有する化合物の活性を抑制することができるものであれば特に限定されるものではない。ホウ酸エステルの具体例としては、上記第1実施態様におけるホウ酸エステルと同様とすることができる。ホウ酸エステルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ホウ酸エステルの含有量についても、上記第1実施態様におけるホウ酸エステルの含有量と同様とすることができる。
2.硬化剤および硬化促進剤
本実施態様において、硬化剤および硬化促進剤の少なくとも一方は窒素原子を含有する化合物を含む。硬化剤および硬化促進剤のうち、硬化剤のみが窒素原子を含有する化合物を含んでいてもよく、硬化促進剤のみが窒素原子を含有する化合物を含んでいてもよく、硬化剤および硬化促進剤の両方が窒素原子を含有する化合物を含んでいてもよい。以下、それぞれの場合について説明する。
(1)第1態様
硬化剤および硬化促進剤の第1態様は、硬化剤のみが窒素原子を含有する化合物を含む場合である。
本態様においては、硬化剤が潜在性硬化剤である、あるいは、硬化剤が潜在性硬化剤であり、かつ、硬化促進剤が潜在性硬化促進剤である、あるいは、硬化性樹脂と硬化剤との反応が潜在性を示し、かつ、硬化促進剤が潜在性硬化剤である、あるいは、硬化剤が潜在性を示さず、硬化促進剤が潜在性硬化促進剤であることが好ましい。
潜在性硬化剤としては、例えば、熱潜在性硬化剤、光潜在性硬化剤、湿気潜在性硬化剤等が挙げられる。
また、潜在性硬化促進剤としては、例えば、熱潜在性硬化促進剤、光潜在性硬化促進剤、湿気潜在性硬化促進剤等が挙げられる。「熱潜在性硬化促進剤」は、熱により活性化し、硬化性樹脂の硬化反応を促進させることができるが、常温では硬化性樹脂および硬化剤と混合した場合に一定の期間は実質的に安定な成分である。また、「光潜在性硬化促進剤」は、紫外線等の特定の光の照射により活性化し、硬化性樹脂の硬化反応を促進することができるが、特定の光が照射されない状態では硬化性樹脂および硬化剤と混合した場合に一定の期間は実質的に安定な成分である。「湿気潜在性硬化促進剤」は、加水分解によりアミン等の活性成分を生成し、硬化性樹脂の硬化反応を促進させることができるが、水が存在しない状態では硬化性樹脂および硬化剤と混合した場合に一定の期間は実質的に安定な成分である。
また、本態様において、「硬化性樹脂と硬化剤との反応が潜在性を示す」とは、硬化性促進剤が存在する状態では硬化性樹脂と硬化剤との硬化反応が生じ得るが、硬化促進剤が存在しない状態では硬化性樹脂と硬化剤とを混合した場合に一定の期間は実質的に安定であることをいう。
硬化剤が潜在性硬化剤である、あるいは、硬化剤が潜在性硬化剤であり、かつ、硬化促進剤が潜在性硬化促進剤である、あるいは、硬化性樹脂と硬化剤との反応が潜在性を示し、かつ、硬化促進剤が潜在性硬化剤である、あるいは、硬化剤が潜在性を示さず、硬化促進剤が潜在性硬化促進剤である場合には、接着剤組成物の保管中に、硬化性樹脂の硬化反応は一定期間は実質的に生じないので、長期保管が可能である。
潜在性硬化剤が、少なくとも実質的に安定である温度範囲(以下、「潜在性硬化促進剤の安定温度範囲」という。)の一部または全部は、接着剤組成物を保管し易くする観点より、マイナス40℃以上80℃以下に含まれていてもよく、マイナス10℃以上30℃以下に含まれていてもよい。接着剤組成物においては、潜在性硬化剤の安定温度範囲が常温を含むことで、保管時に加熱や冷却を行わなくてもよいようにできるので、接着剤組成物の利便性が向上する。
また、潜在性硬化促進剤が、少なくとも実質的に安定である温度範囲(以下、「潜在性硬化促進剤の安定温度範囲」という。)の一部または全部は、接着剤組成物を保管し易くする観点より、マイナス40℃以上80℃以下に含まれていてもよく、マイナス10℃以上30℃以下に含まれていてもよい。接着剤組成物においては、潜在性硬化促進剤の安定温度範囲が常温を含むことで、保管時に加熱や冷却を行わなくてもよいようにできるので、接着剤組成物の利便性が向上する。
硬化剤の潜在化の方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、活性成分を他の化合物と反応させることによってアダクト化する方法、活性成分をマイクロカプセル化する方法、活性成分をゲストとしてホストにより包接する方法、活性成分の官能基をブロック剤でマスクする方法等が挙げられる。また、潜在性硬化剤として、硬化剤そのものが常温で固体かつ硬化性樹脂に不溶または難溶である硬化剤を用いることができる。
硬化促進剤の潜在化の方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、活性成分を他の化合物と反応させることによってアダクト化する方法、活性成分をマイクロカプセル化する方法、活性成分をゲストとしてホストにより包接する方法、活性成分の官能基をブロック剤でマスクする方法等が挙げられる。また、潜在性硬化促進剤として、硬化促進剤そのものが常温で固体かつ硬化性樹脂に不溶または難溶である硬化促進剤を用いることができる。
中でも、潜在性硬化剤は、熱潜在性硬化剤であることが好ましい。また、潜在性硬化促進剤は、熱潜在性硬化促進剤であることが好ましい。
(a)硬化剤
本態様において、硬化剤は窒素原子を含有する化合物を含む。
本態様において、硬化剤としては、窒素原子を含有する化合物を含み、後述の硬化促進剤と組み合わせて用いることができる硬化剤であれば特に限定されるものではなく、一般に接着剤に使用される硬化剤を用いることができ、硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択される。
なお、硬化剤の特性、具体例、含有量等については、上記第1実施態様における硬化剤と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合であって、硬化剤が、窒素原子を含有する化合物として、イミダゾール系化合物とイミダゾール系化合物以外の化合物とを含む場合には、イミダゾール系化合物として、イミダゾール化合物をゲストとする包接化合物や、イミダゾール化合物をマイクロカプセル化したマイクロカプセル化イミダゾール化合物等を用いることもできる。また、硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合であって、硬化剤が、窒素原子を含有する化合物として、アミン系化合物とアミン系化合物以外の化合物とを含む場合には、アミン系化合物として、アミン化合物をゲストとする包接化合物や、アミン化合物をマイクロカプセル化したマイクロカプセル化アミン化合物を用いることもできる。
例えば、硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、耐熱性および潜在性の観点から、硬化剤は、イミダゾール系化合物、アミン系化合物またはジシアンジアミド系化合物であることが好ましく、ジシアンジアミド系化合物であることがより好ましい。
(b)硬化促進剤
本態様において、硬化促進剤は窒素原子を含有する化合物を含まない。
硬化促進剤の反応開始温度は、例えば90℃以上であり、110℃以上であってもよく、130℃以上であってもよい。反応開始温度が低すぎると、反応が早期に開始され、樹脂成分の柔軟性や流動性が低い状態で硬化が生じ、均一な硬化が生じにくい可能性がある。一方、硬化促進剤の反応開始温度は、例えば200℃以下である。反応開始温度が高すぎると、樹脂成分が劣化する可能性がある。なお、硬化剤として、窒素原子を含有する化合物の他に、例えばフェノール系硬化剤等の硬化物の耐熱性を高くすることができる硬化剤を併用する場合には、樹脂成分の劣化が少ないため、硬化促進剤の反応開始温度は、例えば300℃以下であってもよい。硬化促進剤の反応開始温度は、示差走査熱量測定(DSC)により求めることができる。
硬化促進剤は、23℃で固体であることが好ましい。23℃で固体である硬化促進剤は、23℃で液体である硬化剤と比較して、保存安定性(ポットライフ)を長くすることができる。
このような硬化促進剤としては、上記硬化剤と組み合わせて用いることができる硬化促進剤であれば特に限定されるものではなく、一般に接着剤に使用される硬化促進剤を用いることができ、硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択される。
硬化性樹脂がエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、またはポリオールである場合、硬化促進剤としては、窒素原子を含有する化合物以外の化合物であればよく、例えば、リン系化合物、チオール系化合物、金属キレート系化合物等が挙げられる。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤の含有量は、接着剤組成物に含まれる樹脂成分100質量部に対して、例えば、1質量部以上、40質量部以下である。
(2)第2態様
硬化剤および硬化促進剤の第2態様は、硬化促進剤のみが窒素原子を含有する化合物を含む場合である。
本態様においては、硬化剤が潜在性硬化剤である、あるいは、硬化剤が潜在性硬化剤であり、かつ、硬化促進剤が潜在性硬化促進剤である、あるいは、硬化性樹脂と硬化剤との反応が潜在性を示し、かつ、硬化促進剤が潜在性硬化剤であることが好ましい。
(a)硬化剤
本態様において、硬化剤は窒素原子を含有する化合物を含まない。
本態様において、硬化剤としては、窒素原子を含有する化合物を含まず、後述の硬化促進剤と組み合わせて用いることができる硬化剤であれば特に限定されるものではなく、一般に接着剤に使用される硬化剤を用いることができ、硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択される。
硬化剤の反応開始温度は、例えば90℃以上であり、110℃以上であってもよく、130℃以上であってもよい。反応開始温度が低すぎると、反応が早期に開始され、樹脂成分の柔軟性や流動性が低い状態で硬化が生じ、均一な硬化が生じにくい可能性がある。一方、硬化剤の反応開始温度は、例えば200℃以下である。反応開始温度が高すぎると、樹脂成分が劣化する可能性がある。なお、例えばフェノール系硬化剤等の硬化物の耐熱性を高くすることができる硬化剤を使用する場合には、樹脂成分の劣化が少ないため、硬化剤の反応開始温度は、例えば300℃以下であってもよい。硬化剤の反応開始温度は、示差走査熱量測定(DSC)により求めることができる。
硬化剤は、23℃で固体であることが好ましい。23℃で固体である硬化剤は、23℃で液体である硬化剤と比較して、保存安定性(ポットライフ)を長くすることができる。
(i)硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合
硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、硬化剤としては、窒素原子を含有する化合物以外の化合物であればよく、例えば、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、チオール系硬化剤等が挙げられる。硬化剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フェノール系硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂が挙げられる。さらに、フェノール樹脂としては、例えば、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂が挙げられる。
フェノール樹脂は、耐熱性の点からビフェニル型が好ましい。また、フェノール樹脂は、フェノール核を変性した樹脂であってもよい。フェノール核を変性することで、例えば、耐熱性をより向上させることができる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、脂環式酸無水物、芳香族酸無水物が挙げられる。
チオール系硬化剤としては、例えば、エステル結合型チオール化合物、脂肪族エーテル結合型チオール化合物、芳香族エーテル結合型チオール化合物が挙げられる。
中でも、硬化剤は、フェノール系硬化剤であることが好ましい。耐熱性の向上を図ることができる。
硬化剤の含有量は、接着剤組成物に含まれる樹脂成分を100質量部とした場合に、例えば、1質量部以上、40質量部以下である。例えば、硬化剤としてフェノール系硬化剤を主成分として用いる場合、硬化剤の含有量は、接着剤組成物に含まれる樹脂成分を100質量部とした場合に、例えば、3質量部以上、40質量部以下であることが好ましい。なお、硬化剤としてフェノール系硬化剤を主成分として用いるとは、硬化剤において、フェノール系硬化剤の質量割合が最も多いことをいう。
(ii)硬化性樹脂がポリエステル樹脂またはポリオールである場合
硬化性樹脂がポリエステル樹脂またはポリオールである場合、硬化剤としては、窒素原子を含有する化合物以外の化合物であればよく、例えば、有機過酸化物が挙げられる。硬化剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(b)硬化促進剤
本態様において、硬化促進剤は窒素原子を含有する化合物を含む。
硬化促進剤の反応開始温度は、例えば90℃以上であり、110℃以上であってもよく、130℃以上であってもよい。反応開始温度が低すぎると、反応が早期に開始され、樹脂成分の柔軟性や流動性が低い状態で硬化が生じ、均一な硬化が生じにくい可能性がある。一方、硬化促進剤の反応開始温度は、例えば200℃以下である。反応開始温度が高すぎると、樹脂成分が劣化する可能性がある。なお、例えばフェノール系硬化剤等の硬化物の耐熱性を高くすることができる硬化剤を使用する場合には、樹脂成分の劣化が少ないため、硬化促進剤の反応開始温度は、例えば300℃以下であってもよい。硬化促進剤の反応開始温度は、示差走査熱量測定(DSC)により求めることができる。
硬化促進剤は、23℃で固体であることが好ましい。23℃で固体である硬化促進剤は、23℃で液体である硬化剤と比較して、保存安定性(ポットライフ)を長くすることができる。
このような硬化促進剤として用いられる窒素原子を含有する化合物としては、上記硬化剤と組み合わせて用いることができる硬化促進剤であれば特に限定されるものではなく、一般に接着剤に使用される硬化促進剤を用いることができ、硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択される。
(i)硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合
硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、硬化促進剤に含まれる窒素原子を含有する化合物の具体例としては、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、ウレア系化合物等が挙げられる。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イミダゾール系化合物としては、例えば、イミダゾール化合物の他、イミダゾール化合物のカルボン酸塩、イミダゾール化合物とエポキシ化合物との反応生成物等のイミダゾールアダクト系化合物等を挙げることができる。また、硬化促進剤が、窒素原子を含有する化合物として、イミダゾール系化合物とイミダゾール系化合物以外の化合物とを含む場合には、イミダゾール系化合物として、イミダゾール化合物をゲストとする包接化合物や、イミダゾール化合物をマイクロカプセル化したマイクロカプセル化イミダゾール化合物を用いてもよい。
また、イミダゾール系化合物は、ヒドロキシ基を有することが好ましい。ヒドロキシ基同士の水素結合で結晶化するため、反応開始温度が高くなる傾向にある。
アミン系化合物としては、例えば、第三級アミンを用いることができる。また、アミン系化合物としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、脂環式アミン、アミドアミン等が挙げられる。また、硬化促進剤が、窒素原子を含有する化合物として、アミン系化合物とアミン系化合物以外の化合物とを含む場合には、アミン系化合物として、アミン化合物をゲストとする包接化合物や、アミン化合物をマイクロカプセル化したマイクロカプセル化アミン化合物を用いてもよい。
ウレア系化合物としては、例えば、脂肪族ジメチルウレア、芳香族ジメチルウレア等が挙げられる。
中でも、硬化促進剤は、イミダゾール系化合物であることが好ましい。
硬化促進剤として用いられる窒素原子を含有する化合物の含有量は、接着剤組成物に含まれる樹脂成分100質量部に対して、例えば、1質量部以上、40質量部以下である。例えば、硬化促進剤としてイミダゾール系化合物を主成分として用いる場合、窒素原子を含有する化合物の含有量は、接着剤組成物に含まれる樹脂成分100質量部に対して、例えば、1質量部以上、15質量部以下であることが好ましい。なお、硬化促進剤としてイミダゾール系化合物を主成分として用いるとは、硬化促進剤において、イミダゾール系硬化剤の質量割合が最も多いことをいう。
(ii)硬化性樹脂がポリエステル樹脂またはポリオールである場合
硬化性樹脂がポリエステル樹脂またはポリオールである場合、硬化促進剤に含まれる窒素原子を含有する化合物の具体例としては、アミン系化合物が挙げられる。アミン系化合物としては、硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合に用いられるアミン系化合物と同様とすることができる。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(iii)その他の成分
硬化促進剤は、窒素原子を含有する化合物を含んでいればよく、窒素原子を含有する化合物以外の化合物を含んでいてもよい。窒素原子を含有する化合物以外の化合物としては、一般に接着剤に使用される硬化促進剤を用いることができ、硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択される。
(3)第3態様
硬化剤および硬化促進剤の第3態様は、硬化剤および硬化促進剤の両方が窒素原子を含有する化合物を含む場合である。
本態様においては、上記第1態様と同様に、硬化剤が潜在性硬化剤である、あるいは、硬化剤が潜在性硬化剤であり、かつ、硬化促進剤が潜在性硬化促進剤である、あるいは、硬化性樹脂と硬化剤との反応が潜在性を示し、かつ、硬化促進剤が潜在性硬化剤である、あるいは、硬化剤が潜在性を示さず、硬化促進剤が潜在性硬化促進剤であることが好ましい。
(a)硬化剤
本態様において、硬化剤は窒素原子を含有する化合物を含む。
本態様において、硬化剤としては、窒素原子を含有する化合物を含み、後述の硬化促進剤と組み合わせて用いることができる硬化剤であれば特に限定されるものではなく、一般に接着剤に使用される硬化剤を用いることができ、硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択される。
なお、硬化剤の特性、具体例、含有量等については、上記第1態様における硬化剤と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
例えば、硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、耐熱性および潜在性の観点から、硬化剤は、ジシアンジアミド系化合物であることが好ましい。
(b)硬化促進剤
本態様において、硬化促進剤は窒素原子を含有する化合物を含む。
本態様において、硬化促進剤としては、窒素原子を含有する化合物を含み、上記硬化剤と組み合わせて用いることができる硬化促進剤であれば特に限定されるものではなく、一般に接着剤に使用される硬化促進剤を用いることができ、硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択される。
なお、硬化促進剤の特性、具体例、含有量等については、上記第2態様における硬化促進剤と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
例えば、硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、硬化促進剤は、イミダゾール系化合物であることが好ましい。
また、例えば硬化性樹脂がポリエステル樹脂またはポリオールである場合、硬化剤としては、例えばイソシアネート系化合物を用いることができ、硬化促進剤としては、例えば第三級アミンであるアミン系化合物を用いることができる。
4.硬化性樹脂
本実施態様における硬化性樹脂としては、上記第1実施態様における硬化性樹脂と同様とすることができる。
5.発泡剤
本実施態様における発泡剤としては、上記第1実施態様における発泡剤と同様とすることができる。
6.その他の成分
本実施態様におけるその他の成分についても、上記第1実施態様と同様とすることができる。
7.接着剤組成物
本実施態様における接着剤組成物の調製方法および用途については、上記第1実施態様と同様とすることができる。
B.発泡性接着シート
本開示における発泡性接着シートは、2つの実施態様を有する。以下、各実施態様に分けて説明する。
I.発泡性接着シートの第1実施態様
本開示における発泡性接着シートの第1実施態様は、硬化性樹脂と、硬化剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤と、を含有し、上記硬化剤が窒素原子を含有する化合物を含む接着層を有する。
図1~図3は、本実施態様の発泡性接着シートを例示する概略断面図である。図1における発泡性接着シート10は、接着層1のみを有する。図2における発泡性接着シート10は、基材2と、基材2の一方の面に配置された接着層1とを有する。図3における発泡性接着シート10は、基材2と、基材2の一方の面に配置された第一接着層1aと、基材2の他方の面に配置された第二接着層1bとを有する。接着層1、第一接着層1aおよび第二接着層1bは、硬化性樹脂と硬化剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤と、を含有しており、硬化剤は窒素原子を含有する化合物を含んでいる。
本実施態様においては、接着層が、窒素原子を含有する化合物を含む硬化剤と、ホウ酸エステルとを含有することにより、高温高湿下での保存安定性を良くし、高温高湿保存後における発泡性の低下を抑制することができる。さらには、高温高湿保存後における接着性の低下も抑制することができる。
以下、本実施態様の発泡性接着シートの各構成について説明する。
1.接着層
本実施態様における接着層は、硬化性樹脂と、硬化剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤と、を含有し、上記硬化剤が窒素原子を含有する化合物を含む。なお、これらの材料については、上記「A.接着剤組成物 I.接着剤組成物の第1実施態様」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
接着層は、例えば、1.5倍以上、15倍以下の発泡倍率で発泡可能である。上記発泡倍率は、例えば、3以上であってもよく、また10倍以下であってもよい。
ここで、発泡倍率は、下記式により求めることができる。
発泡倍率(倍)=発泡硬化後の接着層の厚さ/発泡硬化前の接着層の厚さ
接着層の厚さは、特に限定されないが、例えば10μm以上であり、20μm以上であってもよい。接着層が薄すぎると、発泡硬化後の接着性を十分に得ることができない可能性がある。一方、接着層の厚さは、例えば200μm以下である。
ここで、接着層の厚さは、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)又は走査透過型電子顕微鏡(STEM)により観察される発泡性接着シートの厚さ方向の断面から測定して得られた任意の10箇所の厚さの平均値とすることができる。なお、発泡性接着シートが有する他の層の平均厚さの測定方法についても同様とすることができる。
接着層は、実質的に非粘着性(タックフリー)であることが好ましい。この場合、接着層が最表面に配置されていることが好ましい。接着層が実質的に非粘着性(タックフリー)であることにより、滑り性および耐ブロッキング性が良好な発泡性接着シートとすることができる。よって、発泡性接着シートの取扱性および作業性を向上させることができる。
ここで、非粘着性は、主に粘着力が低いという意味で一般に使用されており、本開示において、「非粘着性である」とは、発泡性接着シートをロール状に巻き取り、その後、抵抗なく容易に巻き出せる状態のことをいう。
接着層が実質的に非粘着性である場合、具体的には、接着層の粘着力は、0N/25mm以上、0.1N/25mm以下であることが好ましい。接着層の粘着力が上記範囲内であることにより、接着層を実質的に非粘着性とすることができ、滑り性および耐ブロッキング性の良好な発泡性接着シートとすることができる。
基材の両面に接着層が配置されている場合には、少なくとも一方の接着層の粘着力が上記範囲であればよい。例えば、部材間に発泡性接着シートを配置して部材同士を接着する場合において、まず、一方の部材に発泡性接着シートを配置し、次いで、一方の部材に発泡性接着シートを配置した後の隙間に他方の部材を挿入することがある。このような場合には、一方の部材に発泡性接着シートを配置した後の隙間に他方の部材を挿入する際に、発泡性接着シートの他方の部材と接する側の面の滑り性が良好であればよい。そのため、少なくとも一方の接着層の粘着力が上記範囲であればよい。
基材の両面に接着層が配置されている場合、例えば、いずれか一方の接着層の粘着力が上記範囲であってもよく、両方の接着層の粘着力が上記範囲であってもよいが、中でも、両方の接着層の粘着力が上記範囲であることが好ましい。
接着層の粘着力は、JIS Z0237:2009(粘着テープ・粘着シート試験方法)および粘着力の試験法の方法1(温度23℃湿度50%、テープおよびシートをステンレス試験板に対して180°に引きはがす試験方法)に準拠し、測定することができる。
本開示において、接着層の粘着力は、例えば、接着層の組成を調整することにより、所定の値以下とすることができる。具体的には、常温で固体の硬化性樹脂を用いたり、常温で固体の硬化剤を用いたりすることにより、接着層の粘着性を低下させることができる。また、軟化温度の高い硬化性樹脂を含有させる、あるいは重量平均分子量の小さい硬化性樹脂を含有させることにより、接着層の粘着性を低下させることができる。また、硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合において、エポキシ樹脂と相溶するアクリル樹脂を含有させることにより、接着層の粘着性を低下させることができる。
接着層は、連続層であってもよく、不連続層であってもよい。不連続層としては、例えば、ストライプ、ドット等のパターンが挙げられる。また、接着層の表面が、エンボス等の凹凸形状を有していてもよい。
接着層は、例えば、上述の接着剤組成物を塗布し、溶剤を除去することで形成することができる。塗布方法としては、例えば、ロールコート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、ロッドコ-ト、ブレードコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ダイコート、リップコート、ディップコート等が挙げられる。
2.基材
本実施態様における基材としては、例えば、上記接着層を支持する支持基材であってもよく、上記接着層を保護するセパレータであってもよい。
(1)支持基材
本実施態様における支持基材は、絶縁性を有することが好ましい。また、支持基材は、シート状であることが好ましい。支持基材は、単層構造を有していてもよく、複層構造を有していてもよい。また、支持基材は、内部に多孔構造を有していてもよく、有していなくてもよい。
支持基材としては、例えば、樹脂基材、不織布が挙げられる。
樹脂基材に含まれる樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、芳香族ポリエステル等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート;ポリアリレート;ポリウレタン;ポリアミド、ポリエーテルアミド等のポリアミド樹脂;ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド樹脂;ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のポリスルホン樹脂;ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等のポリエーテルケトン樹脂;ポリフェニレンサルファイド(PPS);変性ポリフェニレンオキシド等が挙げられる。樹脂のガラス転移温度は、例えば80℃以上であり、140℃以上であってもよく、200℃以上であってもよい。また、樹脂として、液晶ポリマー(LCP)を用いてもよい。
不織布としては、例えば、セルロース繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、液晶ポリマー繊維、ガラス繊維、金属繊維、カーボン繊維等の繊維を含む不織布が挙げられる。
支持基材は、接着層との密着性を高めるため、接着層が配置される面に表面処理が施されていてもよい。
支持基材の厚さは、特に限定されないが、例えば2μm以上であり、5μm以上であってもよく、9μm以上であってもよい。また、支持基材の厚さは、例えば200μm以下であり、100μm以下であってもよく、50μm以下であってもよい。
(2)セパレータ
本実施態様におけるセパレータは、接着層から剥離可能であれば特に限定されず、接着層を保護することが可能な程度の強度を有することができる。このようなセパレータとしては、例えば、離型フィルム、剥離紙等を挙げることができる。また、セパレータは、単層構造を有していてもよく、複層構造を有していてもよい。
単層構造のセパレータとしては、例えば、フッ素樹脂系フィルム等が挙げられる。
また、複層構造のセパレータとしては、例えば、基材層の片面または両面に離型層を有する積層体が挙げられる。基材層としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムや、上質紙、コート紙、含浸紙等の紙が挙げられる。離型層の材料としては、離型性を有する材料であれば特に限定されず、例えば、シリコーン化合物、有機化合物変性シリコーン化合物、フッ素化合物、アミノアルキド化合物、メラミン化合物、アクリル化合物、ポリエステル化合物、長鎖アルキル化合物等が挙げられる。これらの化合物は、エマルジョン型、溶剤型または無溶剤型のいずれもが使用できる。
3.中間層
本実施態様の発泡性接着シートは、上記基材が支持基材である場合、基材および接着層の間に中間層を有することができる。中間層が配置されていることにより、接着層の基材に対する密着性をさらに向上させることができる。さらには、中間層が配置されていることで、例えば、発泡性接着シートを折り曲げた際に屈曲部にかかる応力を緩和したり、発泡性接着シートを切断した際に切断部にかかる応力を緩和したりすることができる。その結果、発泡性接着シートの屈曲時だけでなく切断時においても基材からの接着層の浮きや剥がれを効果的に抑制することができる。
例えば、図4に示す発泡性接着シート10においては、基材2と、中間層3と、接着層1とが、厚さ方向においてこの順に配置されている。また、図5に示す発泡性接着シート10においては、基材2の一方の面に第一接着層1aが配置され、基材2の他方の面に第二接着層1bが配置されており、基材2および第一接着層1aの間に第一中間層3aが配置され、基材2および第二接着層1bの間に第二中間層3bが配置されている。なお、図5においては、発泡性接着シート10は、第一中間層3aおよび第二中間層3bの両方を有するが、いずれか一方のみを有していてもよい。
基材の両面に接着層が配置されている場合には、基材と少なくとも一方の接着層との間に中間層が配置されていればよく、例えば、基材と一方の接着層との間のみに中間層が配置されていてもよく、基材と両方の接着層との間に中間層が配置されていてもよい。中でも、基材と両方の接着層との間に中間層が配置されていることが好ましい。
中間層に含まれる材料としては、基材および接着層の密着性を高めることができ、かつ、応力を緩和することができる材料であれば特に限定されず、基材および接着層の材料等に応じて適宜選択される。例えば、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、それらの少なくとも2種以上を共重合させた重合体、それらの架橋体、およびそれらの混合物等が挙げられる。
架橋体は、上記の樹脂を硬化剤により架橋した架橋体である。硬化剤としては、例えば、イソシアネート系硬化剤が挙げられる。また、例えば、反応基/NCO当量を1とした場合、樹脂に対してイソシアネート系硬化剤を、0.5質量%以上、20質量%以下の割合で添加することが好ましい。
中でも、中間層は、架橋された樹脂を含有することが好ましい。なお、架橋された樹脂とは、高温にしても溶融しないものをいう。これにより、高温下での接着力、つまり耐熱性を向上させることができる。また、架橋された樹脂が、例えばイソシアネート系硬化剤により架橋されている場合には、中間層の柔軟性が良好になり、発泡性接着シートの屈曲時における接着層の割れや基材からの接着層の浮きおよび剥がれを抑制することができる。
架橋された樹脂としては、例えば、上記の架橋体を挙げることができる。中でも、中間層は、架橋ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。中間層が架橋ポリエステル樹脂を含有すると、基材および接着層の密着性が高くなる傾向にある。
架橋ポリエステル樹脂は、ポリエステル、ポリエステルを含む共重合体、またはポリエステルを含む混合物の架橋体であり、具体的には、ポリエステル、ポリエステルを含む共重合体、またはポリエステルを含む混合物を硬化剤により架橋した架橋体である。ポリエステルとしては、例えばポリエステルポリオール等が挙げられる。硬化剤としては、例えば、イソシアネート系硬化剤が挙げられる。なお、硬化剤の添加量については上述した通りである。
中間層の厚さは、特に限定されないが、例えば0.1μm以上であり、0.2μm以上であってもよく、0.5μm以上であってもよい。中間層が薄すぎると、発泡性接着シートの屈曲時および切断時の基材からの接着層の剥がれを抑制する効果が十分に得られない可能性がある。一方、中間層の平均厚さは、例えば10μm以下である。中間層自体は、通常、耐熱性が高くないため、中間層が厚すぎると、耐熱性(高温下での接着力)が低下する可能性がある。
中間層は、例えば、樹脂組成物を塗布し、溶剤を除去することで形成することができる。塗布方法としては、例えば、ロールコート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、ロッドコ-ト、ブレードコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ダイコート、リップコート、ディップコートが挙げられる。
4.発泡性接着シート
本実施態様の発泡性接着シートの厚さは、例えば10μm以上であり、20μm以上であってもよい。一方、発泡性接着シートの厚さは、例えば1000μm以下であり、200μm以下であってもよい。
本実施態様の発泡性接着シートは、形状保持性が良好であることが好ましい。JIS P 8125に基づく曲げモーメントは、例えば40gf・cm以上であり、50gf・cm以上であってもよい。一方、上記曲げモーメントは、例えば600gf・cm以下であり、150gf・cm以下であってもよい。
本実施態様の発泡性接着シートは、発泡硬化後の接着性が高いことが好ましい。JIS K6850に基づくせん断強度(接着強度)は、23℃において、例えば2.10MPa以上であってもよく、2.40MPa以上であってもよく、3.0MPa以上であってもよい。また、上記せん断強度(接着強度)は、200℃において、例えば0.30MPa以上であってもよく、0.40MPa以上であってもよい。
本実施態様の発泡性接着シートは、発泡硬化後の電気絶縁性が高いことが好ましい。JIS C 2107に基づく絶縁破壊電圧は、例えば3kV以上であることが好ましく、5kV以上であることがより好ましい。また、発泡硬化後の発泡性接着シートは、熱伝導率が、例えば0.1W/mK以上であることが好ましく、0.15W/mK以上であることがより好ましい。
本実施態様の発泡性接着シートの用途は、特に限定されない。本実施態様の発泡性接着シートは、例えば、部材間に発泡性接着シートを配置し、その後、発泡性接着シートを発泡硬化させることで、部材同士を接着する場合に用いることができる。具体的には、本実施態様の発泡性接着シートは、モーターにおけるコイルおよびステーターの接着に用いることができる。
本実施態様の発泡性接着シートの製造方法は、特に限定されない。例えば、基材の一方の面側に、上述の接着剤組成物を塗布および乾燥することによって、接着層を形成する方法を挙げることができる。基材の一方の面側に第一接着層を形成し、基材のもう一方の面側に第二接着層を形成する場合には、第一接着層および第二接着層は、順次形成してもよく、同時に形成してもよい。
II.発泡性接着シートの第2実施態様
本開示における発泡性接着シートの第2実施態様は、硬化性樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤と、を含有し、上記硬化剤および上記硬化促進剤の少なくとも一方が窒素原子を含有する化合物を含む接着層を有する。
図1~図3は、本実施態様の発泡性接着シートを例示する概略断面図である。なお、図1~図3における発泡性接着シート10については、上記第1実施態様に記載したので、ここでの説明は省略する。接着層1、第一接着層1aおよび第二接着層1bは、硬化性樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤と、を含有しており、硬化剤および硬化促進剤の少なくとも一方が窒素原子を含有する化合物を含んでいる。
本実施態様においては、接着層が、硬化剤と、硬化促進剤と、ホウ酸エステルとを含有し、硬化剤および硬化促進剤の少なくとも一方が窒素原子を含有する化合物を含むことにより、高温高湿下での保存安定性を良くし、高温高湿保存後における発泡性の低下を抑制することができる。さらには、高温高湿保存後における接着性の低下も抑制することができる。
以下、本実施態様の発泡性接着シートの各構成について説明する。
1.接着層
本実施態様における接着層は、硬化性樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤と、を含有し、上記硬化剤および上記硬化促進剤の少なくとも一方が窒素原子を含有する化合物を含む。なお、これらの材料については、上記「A.接着剤組成物 II.接着剤組成物の第2実施態様」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
接着層のその他の点については、上記第1実施態様における接着層と同様とすることができる。
2.基材
本実施態様における基材としては、上記第1実施態様における基材と同様とすることができる。
3.中間層
本実施態様の発泡性接着シートは、上記基材が支持基材である場合、基材および接着層の間に中間層を有することができる。本実施態様における中間層としては、上記第1実施態様における中間層と同様とすることができる。
4.発泡性接着シート
本実施態様の発泡性接着シートの厚さ、特性、用途、製造方法等については、上記第1実施態様の発泡性接着シートと同様とすることができる。
C.物品の製造方法
本開示における物品の製造方法は、第一部材および第二部材の間に、上述の発泡性接着シートを配置する配置工程と、上記発泡性接着シートを発泡硬化させ、上記第一部材および上記第二部材を接着する接着工程と、を有する。
図6は、本開示における物品の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図6(a)に示すように、第一部材20aおよび第二部材20bの間に、発泡性接着シート10を配置する。次に、図6(b)に示すように、例えば加熱により、発泡性接着シート10を発泡硬化させる。発泡硬化後の接着シート11により、第一部材20aおよび第二部材20bは接着(接合)される。これにより、第一部材20aおよび第二部材20bの間に接着シート11が配置された物品100が得られる。
本開示における物品の製造方法においては、上述の発泡性接着シートを用いるため、高温高湿下での保存安定性が良好であり、高温高湿保存後における発泡性の低下を抑制することができる。さらには、高温高湿保存後における接着性の低下も抑制することができる。よって、第一部材および第二部材の接着性が良好な物品を得ることができる。
以下、本開示における物品の製造方法について説明する。
1.発泡性接着シート
本開示における物品の製造方法において、発泡性接着シートとしては、上述の発泡性接着シートが用いられる。
発泡性接着シートにおける基材が支持基材である場合には、発泡性接着シートとしては、接着層と基材とがこの順に配置されているものを用いることができる。また、発泡性接着シートとして、接着層として第一接着層および第二接着層を有し、第一接着層、基材、および第二接着層が厚さ方向にこの順に配置されているものを用いることができる。
一方、発泡性接着シートにおける基材がセパレータである場合には、発泡性接着シートを第一部材および第二部材の間に配置する際、発泡性接着シートから基材を剥がして用いる。
なお、発泡性接着シートの詳細については、上記「A.発泡性接着シート」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
2.配置工程
本開示における配置工程において、第一部材および第二部材の間に発泡性接着シートを配置する方法としては、特に限定されず、例えば、第一部材および第二部材の間の隙間に発泡性接着シートを挿入する方法や、第一部材に発泡性接着シートを配置した後、第一部材に発泡性接着シートを配置した後の隙間に第二部材を挿入する方法等を挙げることができる。
3.接着工程
本開示における接着工程において、発泡性接着シートを発泡硬化させる方法としては、例えば、加熱または光照射を挙げることができる。中でも、加熱により発泡性接着シートを発泡硬化させることが好ましい。加熱による方法は、例えば金属製の部材のように第一部材および第二部材が透明性を有さない場合でも適用可能である。
加熱条件としては、接着層に含有される硬化性の接着剤や発泡剤の種類、基材の種類等に応じて適宜設定される。加熱温度は、例えば、130℃以上、200℃以下とすることができる。また、加熱時間は、例えば、3分間以上、3時間以下とすることができる。
また、硬化剤が湿気潜在性硬化剤である場合には、例えば、加熱により接着層を発泡させた後、湿気存在下で接着層を硬化させることができる。
ここで、湿気存在下とは、接着層が吸湿により硬化することが可能な量の湿気が存在する環境下をいう。例えば、温度23℃における湿度が30%RH以上である環境であることが好ましく、中でも温度23℃における湿度が50%RH以上である環境であることが好ましい。
また、硬化剤が光潜在性硬化剤である場合には、例えば、加熱により接着層を発泡させた後、光照射により接着層を硬化させてもよい。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
[実施例1~9、比較例1~5]
まず、下記表1に示す組成(質量%)の接着剤組成物を準備した。また、表1に記載した各材料の詳細を下記に示す。
・アクリル樹脂:PMMA-PBuA-PMMA(一部にアクリルアミド基)、Tg:-20℃、120℃、Mw:150,000
・エポキシ樹脂A:ビスフェノールAノボラック型、常温固形、軟化温度:70℃、エポキシ当量:210g/eq、Mw:1300、150℃での溶融粘度:0.5Pa・s
・エポキシ樹脂B:BPAフェノキシ型、常温固形、軟化温度:110℃、エポキシ当量:8000g/eq、Mw:50,000
・硬化剤1:フェノール系硬化剤、α-(ヒドロキシ(又はジヒドロキシ)フェニルメチル)-ω-ヒドロポリ[ビフェニル-4,4’-ジイルメチレン(ヒドロキシ(又はジヒドロキシ)フェニレンメチレン)]
・硬化剤2:イミダゾール系化合物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、平均粒子径3μm、融点230℃、反応開始温度145℃~155℃、活性領域155℃~173℃(四国化成工業社製、2PHZ-PW)
・硬化剤3:イミダゾール系化合物、2,4-ジアミノ-6-[2'-メチルイミダゾリル-(1')]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、平均粒子径2μm、融点260℃、反応開始温度120℃~130℃、活性領域130℃~150℃(四国化成工業社製、2MAOK-PW)
・硬化剤4:ジシアンジアミド、粒子径10μm以下、融点209℃(エボニックデグサ社製、DYHARD100SH)
(なお、硬化剤2~3は硬化促進剤としても機能するものである。)
・熱発泡剤1:熱膨張性マイクロカプセル、平均粒径10~16μm、膨張開始温度123~133℃、最大膨張温度168~178℃、コア:炭化水素、シェル:熱可塑性高分子
・熱発泡剤3:熱膨張性マイクロカプセル、平均粒径14~20μm、膨張開始温度120~130℃、最大膨張温度160~170℃、コア:炭化水素、シェル:アクリロニトリルコポリマー
・ホウ酸エステルを含有する組成物:エポキシ-フェノール-ホウ酸エステル配合物(ホウ酸エステルを1~10質量%含有する組成物)(四国化成工業社製、L-07E)
・溶剤:メチルエチルケトン
基材として、絶縁性の高いポリエチレンナフタレートフィルム(PENフィルム、厚さ100μm)を準備した。また、ポリエステル重合体100質量部に対して、硬化剤(ポリイソシアネート)を15質量部および触媒(トリスジメチルアミノメチルフェノール)を0.3質量部の割合で配合し、さらに固形分が15質量%になるようにメチルエチルケトン(MEK)で希釈し、樹脂組成物を調製した。上記基材の一方の面に、上記樹脂組成物をバーコーターにて塗布し、オーブンにて100℃で1分間乾燥させ、厚さ2μmの第一中間層を形成した。さらに、上記基材の他方の面に、上記第一中間層と同様にして、第二中間層を形成した。
次に、上記第一中間層の基材とは反対の面に、上記接着剤組成物を、塗工後の厚さが45μmとなるようにアプリケーターを用いて塗布した。その後、オーブンにて100℃で3分間乾燥させて第一接着層を形成した。さらに、上記第二中間層の基材とは反対の面に、上記第一接着層と同様にして、第二接着層を形成した。これにより、第一接着層、第一中間層、基材、第二中間層、および、第二接着層がこの順に配置された発泡性接着シートを得た。
[評価]
(発泡倍率)
発泡性接着シートを50mm×50mmの大きさに切り出し、熱風乾燥機に縦方向につるして、150℃で30分の条件で発泡硬化させた後、室温で2時間冷却し、発泡硬化後の接着シートを得た。そして、発泡硬化後の接着シートの厚さを、JIS Z0237に準拠する方法で、シックネスゲージを用いて測定した。発泡倍率は、下記式により求めた。なお、このときの発泡倍率を初期の発泡倍率とする。
発泡倍率(倍)={発泡硬化後の接着シートの厚さ-(基材の厚さ+第一中間層の厚さ+第二中間層の厚さ)}/(発泡硬化前の発泡性接着シートの第一接着層および第二接着層の合計厚さ)
また、発泡性接着シートを50mm×50mmの大きさに切り出した後、40℃、95%RHの条件にて10日間保管した。その後、上記と同様にして、発泡硬化後の接着シートを得て、発泡硬化後の接着シートの厚さを測定し、発泡倍率を求めた。なお、このときの発泡倍率を高温高湿保存後の発泡倍率とする。
(接着性)
図6(a)、(b)に示すように、厚さ1.6mm、幅25mm、長さ100mmの金属板31(冷間圧延鋼板SPCC-SD)を2枚用意した。そのうちの1枚の金属板31の一方の先端にスペーサ32(カプトンテープ)を所定の間隔を設けて配置した。スペーサの厚さは、約350μm(日東電工社製のカプトンテープP-221を5枚重ねた厚さ)とした。スペーサ32の間に、12.5mm×25mmの大きさに切り出した発泡性接着シート10を配置し、もう1枚の金属板31を一方の先端が重なるように配置した。次に、図6(a)に示すように、金属板31およびスペーサ32の合計厚さと同じ厚さの支え33を、2枚の金属板31の他方の先端にそれぞれ配置し、試験片を得た。その後、試験片を熱プレス機に入れ、プレス荷重500kgfにて150℃7分加熱することで、発泡性接着シート10を硬化させた。
加熱後の試験片を、JIS K6850に準拠し、引張試験機テンシロンRTF1350(エーアンドデイ社製)にて、せん断強度(接着強度)を測定した。測定条件は、引張速度10mm/min、温度200℃とした。なお、このときの接着強度を初期の接着強度とする。
また、発泡性接着シートを12.5mm×25mmの大きさに切り出した後、40℃、95%RHの条件にて10日間保管した。その後、上記と同様にして、発泡性接着シートを硬化させて、せん断強度(接着強度)を測定した。なお、このときの発泡倍率を高温高湿保存後の発泡倍率とする。
(耐ブロッキング性)
発泡性接着シートを5cm×5cmの大きさに2枚切り出し、一方の発泡性接着シートの第一接着層と他方の発泡性接着シートの第二接着層とが重なるように、2枚の発泡性接着シートを重ね合わせた。ブロッキングテスターにて3kg/cm、40℃、95%RHの条件にて10日間保管し、ブロッキング性を確認した。
A:接着層の転移や剥離がなく、シート同士が自然と剥離する。
B:接着層の転移や剥離がなく、シート同士が自然には剥離しないが、ごく軽い力で剥離する。
C:接着層の転移や剥離がある、あるいはシート同士が自然に剥離せず、剥離音が出るほど密着している。
(粘着力)
発泡性接着シートを幅24mm、長さ300mmに断裁し、この発泡性接着シートの第一接着層の面をステンレス板(SUS304)に手動ローラーを用いて貼り合せた。その後、引張試験機(エーアンドデイ社製、テンシロンRTF1150)を用いて、JIS Z0237:2009(粘着テープ・粘着シート試験方法)および粘着力の試験法の方法1(温度23℃湿度50%、テープおよびシートをステンレス試験板に対して180°に引きはがす試験方法)に準拠した条件(引張速度:300mm/分、剥離距離:150mm、剥離角:180°)で、ステンレス板面に対する粘着力(N/25mm)を測定した。
表1に示されるように、ホウ酸エステルが含有されている実施例1~9では、ホウ酸エステルが含有されていない比較例1~5と比較して、高温高湿保存後の発泡倍率の低下が抑制されることが確認された。また、フェノール系硬化剤、ジシアンジアミド、イミダゾール系化合物が含有されている実施例1~5では、フェノール系硬化剤、イミダゾール系化合物が含有されている実施例6~9と比較して、硬化速度が速く、硬化温度が低くなるため、高温高湿保存後の接着強度の低下が懸念されるが、ホウ酸エステルが含有されていることにより、高温高湿保存後の接着強度の低下も抑制されることが確認された。
1 … 接着層
2 … 基材
3 … 中間層
10 … 発泡性接着シート
11 … 発泡硬化後の接着シート
20a … 第一部材
20b … 第二部材
100 … 物品

Claims (32)

  1. 発泡性接着シートの接着層に用いられる接着剤組成物であって、
    硬化性樹脂と、
    硬化剤と、
    ホウ酸エステルと、
    発泡剤と、
    を含有し、前記硬化剤が窒素原子を含有する化合物を含み、
    前記ホウ酸エステルが、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリイソプロピル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリペンチル、ホウ酸トリアリル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリオクチル、ホウ酸トリイソオクチル、ホウ酸トリノニル、ホウ酸トリデシル、ホウ酸トリドデシル、ホウ酸トリヘキサデシル、ホウ酸トリオクタデシル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリシクロヘキシル、ホウ酸トリベンジル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸トリエタノールアミン、トリス-o-フェニレンビスボレート、ビス-o-フェニレンピロボレート、ビス-2,3-ジメチルエチレンフェニレンピロボレート、ビス-2,2-ジメチルトリメチレンピロボレート、トリス(2-エチルヘキシロキシ)ボラン、およびビス(1,4,7,10-テトラオキサウンデシル)(1,4,7,10,13-ペンタオキサテトラデシル)(1,4,7-トリオキサウンデシル)ボランからなる群から選択される少なくとも1種である、接着剤組成物。
  2. 発泡性接着シートの接着層に用いられる接着剤組成物であって、
    硬化性樹脂と、
    硬化剤と、
    ホウ酸エステルと、
    発泡剤と、
    を含有し、前記硬化剤が窒素原子を含有する化合物を含み、
    前記硬化性樹脂がポリエステル樹脂またはポリオールである、接着剤組成物。
  3. 発泡性接着シートの接着層に用いられる接着剤組成物であって、
    硬化性樹脂と、
    硬化剤と、
    硬化促進剤と、
    ホウ酸エステルと、
    発泡剤と、
    を含有し、前記硬化剤および前記硬化促進剤の少なくとも一方が窒素原子を含有する化合物を含み、
    前記ホウ酸エステルが、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリイソプロピル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリペンチル、ホウ酸トリアリル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリオクチル、ホウ酸トリイソオクチル、ホウ酸トリノニル、ホウ酸トリデシル、ホウ酸トリドデシル、ホウ酸トリヘキサデシル、ホウ酸トリオクタデシル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリシクロヘキシル、ホウ酸トリベンジル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸トリエタノールアミン、トリス-o-フェニレンビスボレート、ビス-o-フェニレンピロボレート、ビス-2,3-ジメチルエチレンフェニレンピロボレート、ビス-2,2-ジメチルトリメチレンピロボレート、トリス(2-エチルヘキシロキシ)ボラン、およびビス(1,4,7,10-テトラオキサウンデシル)(1,4,7,10,13-ペンタオキサテトラデシル)(1,4,7-トリオキサウンデシル)ボランからなる群から選択される少なくとも1種である、接着剤組成物。
  4. 発泡性接着シートの接着層に用いられる接着剤組成物であって、
    硬化性樹脂と、
    硬化剤と、
    硬化促進剤と、
    ホウ酸エステルと、
    発泡剤と、
    を含有し、前記硬化剤および前記硬化促進剤の少なくとも一方が窒素原子を含有する化合物を含み、
    前記硬化性樹脂がポリエステル樹脂またはポリオールである、接着剤組成物。
  5. 前記硬化性樹脂がエポキシ樹脂であり、
    前記窒素原子を含有する化合物が、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、ジシアンジアミド系化合物、ヒドラジド系化合物、イソシアネート系化合物、グアニジン系化合物、ビグアニド系化合物、ウレア系化合物、メラミン系化合物、ケチミン系化合物、およびジアゾニウム塩からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の接着剤組成物。
  6. 前記硬化性樹脂がポリエステル樹脂またはポリオールであり、
    前記窒素原子を含有する化合物がイソシアネート系化合物である、請求項1に記載の接着剤組成物。
  7. 前記窒素原子を含有する化合物がイソシアネート系化合物である、請求項2に記載の接着剤組成物。
  8. 前記硬化性樹脂がエポキシ樹脂であり、
    前記硬化剤のみが前記窒素原子を含有する化合物を含み、前記窒素原子を含有する化合物が、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、ジシアンジアミド系化合物、ヒドラジド系化合物、イソシアネート系化合物、グアニジン系化合物、ビグアニド系化合物、ウレア系化合物、メラミン系化合物、ケチミン系化合物、およびジアゾニウム塩からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項に記載の接着剤組成物。
  9. 前記硬化性樹脂がエポキシ樹脂であり、
    前記硬化促進剤のみが前記窒素原子を含有する化合物を含み、前記窒素原子を含有する化合物が、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、およびウレア系化合物からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項に記載の接着剤組成物。
  10. 前記硬化性樹脂がポリエステル樹脂またはポリオールであり、
    前記硬化剤が前記窒素原子を含有する化合物を含み、前記窒素原子を含有する化合物がイソシアネート系化合物である、請求項に記載の接着剤組成物。
  11. 前記硬化性樹脂がポリエステル樹脂またはポリオールであり、
    前記硬化促進剤が前記窒素原子を含有する化合物を含み、前記窒素原子を含有する化合物がアミン系化合物である、請求項に記載の接着剤組成物。
  12. 前記硬化剤が前記窒素原子を含有する化合物を含み、前記窒素原子を含有する化合物がイソシアネート系化合物である、請求項4に記載の接着剤組成物。
  13. 前記硬化促進剤が前記窒素原子を含有する化合物を含み、前記窒素原子を含有する化合物がアミン系化合物である、請求項4に記載の接着剤組成物。
  14. 前記ホウ酸エステルの含有量が、前記接着剤組成物に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.01質量部以上、9質量部以下である、請求項1から請求項13までのいずれかの請求項に記載の接着剤組成物。
  15. 硬化性樹脂と、硬化剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤と、を含有し、前記硬化剤が窒素原子を含有する化合物を含む接着層を有し、
    前記ホウ酸エステルが、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリイソプロピル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリペンチル、ホウ酸トリアリル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリオクチル、ホウ酸トリイソオクチル、ホウ酸トリノニル、ホウ酸トリデシル、ホウ酸トリドデシル、ホウ酸トリヘキサデシル、ホウ酸トリオクタデシル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリシクロヘキシル、ホウ酸トリベンジル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸トリエタノールアミン、トリス-o-フェニレンビスボレート、ビス-o-フェニレンピロボレート、ビス-2,3-ジメチルエチレンフェニレンピロボレート、ビス-2,2-ジメチルトリメチレンピロボレート、トリス(2-エチルヘキシロキシ)ボラン、およびビス(1,4,7,10-テトラオキサウンデシル)(1,4,7,10,13-ペンタオキサテトラデシル)(1,4,7-トリオキサウンデシル)ボランからなる群から選択される少なくとも1種である、発泡性接着シート。
  16. 硬化性樹脂と、硬化剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤と、を含有し、前記硬化剤が窒素原子を含有する化合物を含む接着層を有し、
    前記硬化性樹脂がポリエステル樹脂またはポリオールである、発泡性接着シート。
  17. 硬化性樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤と、を含有し、前記硬化剤および前記硬化促進剤の少なくとも一方が窒素原子を含有する化合物を含む接着層を有し、
    前記ホウ酸エステルが、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリイソプロピル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリペンチル、ホウ酸トリアリル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリオクチル、ホウ酸トリイソオクチル、ホウ酸トリノニル、ホウ酸トリデシル、ホウ酸トリドデシル、ホウ酸トリヘキサデシル、ホウ酸トリオクタデシル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリシクロヘキシル、ホウ酸トリベンジル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸トリエタノールアミン、トリス-o-フェニレンビスボレート、ビス-o-フェニレンピロボレート、ビス-2,3-ジメチルエチレンフェニレンピロボレート、ビス-2,2-ジメチルトリメチレンピロボレート、トリス(2-エチルヘキシロキシ)ボラン、およびビス(1,4,7,10-テトラオキサウンデシル)(1,4,7,10,13-ペンタオキサテトラデシル)(1,4,7-トリオキサウンデシル)ボランからなる群から選択される少なくとも1種である、発泡性接着シート。
  18. 硬化性樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、ホウ酸エステルと、発泡剤と、を含有し、前記硬化剤および前記硬化促進剤の少なくとも一方が窒素原子を含有する化合物を含む接着層を有し、
    前記硬化性樹脂がポリエステル樹脂またはポリオールである、発泡性接着シート。
  19. 前記硬化性樹脂がエポキシ樹脂である、請求項15または請求項17に記載の発泡性接着シート。
  20. 前記硬化性樹脂がエポキシ樹脂であり、
    前記窒素原子を含有する化合物が、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、ジシアンジアミド系化合物、ヒドラジド系化合物、イソシアネート系化合物、グアニジン系化合物、ビグアニド系化合物、ウレア系化合物、メラミン系化合物、ケチミン系化合物、およびジアゾニウム塩からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項15に記載の発泡性接着シート。
  21. 前記硬化性樹脂がポリエステル樹脂またはポリオールであり、
    前記窒素原子を含有する化合物がイソシアネート系化合物である、請求項15に記載の発泡性接着シート。
  22. 前記窒素原子を含有する化合物がイソシアネート系化合物である、請求項16に記載の発泡性接着シート。
  23. 前記硬化性樹脂がエポキシ樹脂であり、
    前記硬化剤のみが前記窒素原子を含有する化合物を含み、前記窒素原子を含有する化合物が、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、ジシアンジアミド系化合物、ヒドラジド系化合物、イソシアネート系化合物、グアニジン系化合物、ビグアニド系化合物、ウレア系化合物、メラミン系化合物、ケチミン系化合物、およびジアゾニウム塩からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項17に記載の発泡性接着シート。
  24. 前記硬化性樹脂がエポキシ樹脂であり、
    前記硬化促進剤のみが前記窒素原子を含有する化合物を含み、前記窒素原子を含有する化合物が、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、およびウレア系化合物からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項17に記載の発泡性接着シート。
  25. 前記硬化性樹脂がポリエステル樹脂またはポリオールであり、
    前記硬化剤が前記窒素原子を含有する化合物を含み、前記窒素原子を含有する化合物がイソシアネート系化合物である、請求項17に記載の発泡性接着シート。
  26. 前記硬化性樹脂がポリエステル樹脂またはポリオールであり、
    前記硬化促進剤が前記窒素原子を含有する化合物を含み、前記窒素原子を含有する化合物がアミン系化合物である、請求項17に記載の発泡性接着シート。
  27. 前記硬化剤が前記窒素原子を含有する化合物を含み、前記窒素原子を含有する化合物がイソシアネート系化合物である、請求項18に記載の発泡性接着シート。
  28. 前記硬化促進剤が前記窒素原子を含有する化合物を含み、前記窒素原子を含有する化合物がアミン系化合物である、請求項18に記載の発泡性接着シート。
  29. 前記接着層中の前記ホウ酸エステルの含有量が、前記接着層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.01質量部以上、9質量部以下である、請求項15から請求項28までのいずれかの請求項に記載の発泡性接着シート。
  30. 前記接着層の一方の面に基材が配置されている、請求項15から請求項29までのいずれかの請求項に記載の発泡性接着シート。
  31. 前記基材および前記接着層の間に、中間層が配置されている、請求項30に記載の発泡性接着シート。
  32. 第一部材および第二部材の間に、請求項15から請求項31までのいずれかの請求項に記載の発泡性接着シートを配置する配置工程と、
    前記発泡性接着シートを発泡硬化させ、前記第一部材および前記第二部材を接着する接着工程と、
    を有する物品の製造方法。
JP2020166182A 2020-09-30 2020-09-30 接着剤組成物、発泡性接着シートおよび物品の製造方法 Active JP7615595B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020166182A JP7615595B2 (ja) 2020-09-30 2020-09-30 接着剤組成物、発泡性接着シートおよび物品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020166182A JP7615595B2 (ja) 2020-09-30 2020-09-30 接着剤組成物、発泡性接着シートおよび物品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022057769A JP2022057769A (ja) 2022-04-11
JP7615595B2 true JP7615595B2 (ja) 2025-01-17

Family

ID=81110367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020166182A Active JP7615595B2 (ja) 2020-09-30 2020-09-30 接着剤組成物、発泡性接着シートおよび物品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7615595B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003518177A (ja) 1999-12-20 2003-06-03 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 周囲温度安定一液性硬化性エポキシ接着剤
JP2004115729A (ja) 2002-09-27 2004-04-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd 一液型エポキシ樹脂組成物
US20050159531A1 (en) 2004-01-20 2005-07-21 L&L Products, Inc. Adhesive material and use therefor
JP2013014638A (ja) 2011-06-30 2013-01-24 Dainippon Printing Co Ltd 粘接着剤組成物、粘接着シート、及び積層体
WO2016163514A1 (ja) 2015-04-10 2016-10-13 株式会社寺岡製作所 接着シート
WO2019155896A1 (ja) 2018-02-09 2019-08-15 Dic株式会社 接着テープ、物品及び物品の製造方法
JP2022052937A (ja) 2020-09-24 2022-04-05 東レ株式会社 プリプレグ積層体、繊維強化複合材料および繊維強化複合材料の製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2709882B2 (ja) * 1992-06-24 1998-02-04 四国化成工業株式会社 潜在性エポキシ硬化剤及びその製造方法並びにエポキシ樹脂組成物

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003518177A (ja) 1999-12-20 2003-06-03 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 周囲温度安定一液性硬化性エポキシ接着剤
JP2004115729A (ja) 2002-09-27 2004-04-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd 一液型エポキシ樹脂組成物
US20050159531A1 (en) 2004-01-20 2005-07-21 L&L Products, Inc. Adhesive material and use therefor
JP2013014638A (ja) 2011-06-30 2013-01-24 Dainippon Printing Co Ltd 粘接着剤組成物、粘接着シート、及び積層体
WO2016163514A1 (ja) 2015-04-10 2016-10-13 株式会社寺岡製作所 接着シート
WO2019155896A1 (ja) 2018-02-09 2019-08-15 Dic株式会社 接着テープ、物品及び物品の製造方法
JP2022052937A (ja) 2020-09-24 2022-04-05 東レ株式会社 プリプレグ積層体、繊維強化複合材料および繊維強化複合材料の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022057769A (ja) 2022-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7414164B2 (ja) 発泡性接着シートおよび物品の製造方法
JP7064636B2 (ja) 接着シート
JP7766062B2 (ja) 接着剤組成物および発泡性接着シート
JP7722357B2 (ja) 発泡性接着シートおよび物品の製造方法
JP7077324B2 (ja) 接着シート及びその製造方法
TW202244231A (zh) 熱膨脹性接著劑及熱膨脹性接著薄片
JP7615595B2 (ja) 接着剤組成物、発泡性接着シートおよび物品の製造方法
JP7396335B2 (ja) 発泡性接着シートおよび物品の製造方法
WO2023176134A1 (ja) 物品、物品の製造方法、発泡性接着シートおよび接着剤組成物
JP7578128B2 (ja) 発泡性接着シートおよび構造体の製造方法
JP7556489B1 (ja) 接着シート、接着シートの製造方法、および物品の製造方法
JP7578160B1 (ja) 物品、物品の製造方法、発泡性接着シートおよび接着剤組成物
WO2024236618A1 (ja) 物品の製造方法、接着剤組成物および発泡性接着シート
JP2023108493A (ja) 発泡性接着シートおよび物品の製造方法
JP2025171371A (ja) 物品の製造方法および、発泡性接着シートおよび接着剤組成物
WO2025022774A1 (ja) 回転電機用ステータ、回転電機用ロータ、発泡性接着シート、回転電機用ステータの製造方法、および回転電機用ロータの製造方法
JP2024080433A (ja) 発泡性接着シートおよび物品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230727

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240604

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240805

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20241203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20241216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7615595

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150