本発明の効果性組成物は、(A)(メタ)アクリロイル基含有ポリイソブチレン系重合体、(B)不飽和基を含有するモノマー、(C)ラジカル重合開始剤、(D)融点が30℃以上であって、重合性官能基を有しない有機化合物を含有する硬化性組成物であって、(A)100重量部に対して、(B)0.01~300重量部、(C)0.001~20重量部、(D)0.001~20重量部の割合で含有することを特徴とする硬化性組成物である。
<(A)(メタ)アクリロイル基含有ポリイソブチレン系重合体>
(A)成分のポリイソブチレン系重合体の主鎖を構成するモノマーとしてはイソブチレンを主として用いる他には、本発明の効果を損なわない範囲であれば他のカチオン重合性モノマーを共重合してもよい。
そのようなモノマーとしては例えば炭素数4~12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類などが挙げられる。具体的には、イソプレン、アミレン、1,3-ブタジエン、1ーブテン、2ーブテン、2ーメチルー1ーブテン、3ーメチルー1ーブテン、ペンテン、4ーメチルー1ーペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、α―ピネン、β―ピネン、リモネン、スチレン、インデン、α―メチルスチレン、メトキシスチレン、メチルスチレン(o-体、m-体又はp-体のいずれでも良い)、ビニルトルエン、トリメチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン等を挙げることができる。
これらの中でも、イソプレン、アミレン、1,3-ブタジエン、1-ブテン、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、スチレン、インデン、α-メチルスチレン、メチルスチレン(o-体、m-体、p-体を含む)、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルが共重合性の観点から好ましい。
イソブチレンと共重合が可能な他のモノマーを使用する場合は、本発明の効果を維持する観点から、ポリイソブチレン系重合体中の好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下、更に好ましくは10重量%以下の範囲で含有してもよい。
(A)成分の分子量は、特に制限は無いが、取り扱いやすさや硬化物の物性などの観点から、SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算数平均分子量として、500~500,000が好ましい。1,000~200,000であることがより好ましく、2,000~100,000であることが更に好ましい。
500未満の分子量では、ポリイソブチレン系重合体に特徴的な物性が発現しにくくなる場合がある為に好ましくない。逆に、500,000超では、流動性、加工性に欠け、取り扱いにくくなる場合があるために好ましくない。
(A)成分の分子量分布は、特に制限は無いが、SEC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの値を用いて、(重量平均分子量Mw)/(数平均分子量Mn)で表される値として、1.0~2.0の範囲にあることが好ましく、1.0~1.8の範囲にあることがより好ましく、1.0~1.6の範囲にあることが更に好ましい。
分子量分布の値が2.0を超える場合、加工性、取り扱やすさや物性が損なわれる場合があるため好ましくない。
(A)成分の(メタ)アクリロイル基の数は特に制限は無いが、得られる硬化物の物性や、速硬化性、生産性の観点から、ポリイソブチレン系重合体一分子中に平均して0.5個以上有していることが好ましく、平均して1.0個以上有していることがより好ましく、1.5個以上有していることが更に好ましい。(メタ)アクリロイル基は、平均して10.0個以下であることが好ましく、5.0個以下であることが好ましい。
(メタ)アクリロイル基の数が一分子当たり平均して0.5個以下の場合、タックが悪化したり、得られる硬化物の物性が不十分な場合があるために好ましくない。逆に、(メタ)アクリロイル基の数が一分子当たり平均して10.0個超の場合は、得られる硬化物が硬くなりすぎる場合があるため好ましくない。
(A)成分の(メタ)アクリロイル基がポリイソブチレン系重合体の主鎖に結合する様式には特に制限は無いが、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、ウレタン結合、チオエーテル結合、カーボネート結合、ウレア結合、ヘテロ原子を有しない2価以上の炭化水素基からなる結合等が挙げられる。
この中でも、合成、入手の容易さから、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、ウレタン結合が好ましい。
(A)成分の(メタ)アクリロイル基の結合位置には特に制限は無く、主鎖中の任意の位置に結合していてよいが、得られる硬化物のエラストマー材料としての物性が好適であるという理由から、主鎖の末端の少なくとも1つ以上に結合していることが好ましい。主鎖の末端に結合していることで、硬化後のポリマーネットワークにおける架橋点間分子量が最大となり、伸びや強度といった物性が好ましいものとなる。
(A)成分の(メタ)アクリロイル基の構造には特に制限は無いが、原料の入手性、製造のしやすさの観点から、下記一般式(1)で表される構造であることが好ましい。
(R1は、水素またはメチル基を表す。R2は、炭素数2~6の2価の飽和炭化水素基であって、ヘテロ原子を有しない基を表す。R3~R6はそれぞれ水素または炭素数1~20の1価の炭化水素基またはアルコキシ基を表す。)
得られる硬化物のエラストマー材料としての物性が好適であるという理由から、ポリイソブチレン系重合体主鎖の末端に一分子当たりに少なくとも0.5個有していることが好ましく、0.8個以上有していることが更に好ましい。
上記一般式(1)におけるR1は水素またはメチル基を表す。R1が水素の場合はアクリロイル基となり、R1がメチル基の場合はメタクリロイル基となる。
本発明の硬化性組成物に配合される他の配合剤との組合せに応じて、アクリロイル基またはメタクリロイル基は任意に選択することができる。
例えば、本発明の硬化性組成物の諸物性を調整するためにアクリル酸エステル系モノマーを添加するときは、R1として水素を選ぶと、各成分の反応性が等しくなり、均一な組成を有する硬化物が得られるため好ましい。
一方、耐熱性などの硬化物物性を向上させる目的等でメタクリル酸エステル系モノマーを添加する時には、R1としてメチル基を選ぶことが、同様な理由から好ましい。
ただし、これらの組合せは任意であるため、特定の目的を達するために構成成分が異なる反応性をもつことが好ましい場合は上記の限りではない。すなわち、上記一般式(1)のR1として水素を選びつつ、(B)成分としてメタクリル系モノマーを組み合わせても良いし、上記一般式(1)のR1としてメチル基を選びつつ、(B)成分としてアクリル系モノマーを組み合わせても良い。
上記一般式(1)におけるR2は、炭素数2~6の2価の飽和炭化水素基であって、ヘテロ原子を含有しない基である。具体例としては、例えば、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2CH2CH2-などが挙げられる。この中でも、-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2-が原料の入手性および反応性の観点から好ましい。
上記一般式(1)および(2)におけるR3~R6はそれぞれ水素、炭素数1~20の1価炭化水素基、またはアルコキシ基である。炭素数1~20の1価炭化水素基、またはアルコキシ基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デカニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
この中でも、反応性の点からは水素またはメチル基が好ましく、原料の入手性も考慮に入れると、水素が更に好ましい。
(A)成分を製造する方法としては特に制限は無いが、同一出願人による特許文献WO2013/047314号公報、特開2013-216782号公報、WO2017/099043号公報等に記載の製造方法を参照することができる。
具体的には、一官能性および/または多官能性重合開始剤の存在下で、TiCl4等のルイス酸触媒および、含窒素化合物等の電子供与体成分を共存させ、イソブチレンのリビングカチオン重合によってポリイソブチレン系重合体の骨格を製造後、重合体の末端を(メタ)アクリル酸フェノキシアルキル系化合物等を用いて官能化する方法が挙げられる。これらの反応は例えば-70℃等の低温で行われる。これらの方法が好ましい理由は、原料の入手性や生産性が高く、工業的にも好適に使用できるためである。
<(B)不飽和基を含有するモノマー>
(B)成分は、本発明の(C)から生じるラジカル種により重合する化合物であり、単官能性、二官能以上の多官能性のいずれであってもよい。当該成分は、反応性希釈剤として用いられる成分である。
そのような成分の例としては、同一出願人による特許文献WO2013/047314号公報、特開2013-216782号公報等に記載の化合物を参照することができる。
具体例としては、鎖状または環状の(メタ)アクリレート系モノマー、スチレン系モノマー、共役ジエン系モノマー、アクリロニトリル、N-ビニルピロリドン、アクリルアミド系モノマー、ビニルケトン系モノマー、ビニルエステル系モノマーなどが挙げられる。
これらの中でも、(A)成分と相溶し、光硬化性に優れるという点から、炭素数5~30のアルキル基または脂環式基を有する(メタ)アクリレート系モノマーが好ましい。
これらの中でも、得られる硬化物のゴム物性が良好であり、硬化性組成物の粘度を調整しやすいという点から、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル(異性体でもよい)、(メタ)アクリル酸ノニル(異性体でもよい)、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル(異性体でもよい)、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、1,6-へキサンジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが好ましく、入手性の観点から、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが更に好ましい。
(B)成分の数平均分子量は特に制限はないが、500未満が好ましく、400未満がより好ましい。
(B)成分の使用量としては特に制限は無いが、(A)100重量部に対し、0.01~300重量部用いることが好ましい。
0.01重量部以下では、物性改良の効果が乏しい場合があるため好ましくない。また、300重量部超では、硬度が高くなりすぎたり、逆に機械物性や耐熱性が低下したりする場合があるため好ましくない。
上記の(B)成分は、単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いても良い。
<(C)ラジカル重合開始剤>
本発明の(C)成分は、光や熱などの外部刺激によってラジカル種を発生する化合物である。このような化合物としては特に制限はないが、公知の光ラジカル重合開始剤や熱ラジカル重合開始剤が好適に使用できる。
本発明の(C)成分は、活性エネルギー線の照射によりラジカル種などの単量体の重合を開始しうる活性種を生じる物質が好ましい。ここでいう活性エネルギー線とは、α線、β線などの放射線、γ線、X線などの電磁波、電子線(EB)、波長が100~400nmの紫外線、400~800nmの可視光線等の広義の光を全て含むものであり、好ましくは紫外線である。
(C)成分としては特に制限は無く、同一出願人によるWO2013/047314号公報や、特開2013-216782号公報に記載のあるもの等が好適に使用することができる。
これらの中でも、ヒドロキシル基およびフェニルケトン構造を有する化合物、ベンゾフェノン構造を有する化合物、ならびに、アシルフォスフィンオキシド構造を有する化合物が好ましく、具体的には、ベンゾフェノン、3-メトキシベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4-クロロベンゾフェノン、4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、4-クロロ-4’-ベンジルンゾフェノン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキシドが好ましい。
これらの中でも、硬化性と貯蔵安定性が良好であるという点でベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オンが特に好ましい。
これらの開始剤は単独で使用しても良く、これらの群から選ばれる2種以上の化合物を組合せて使用しても良い。更には、上記の化合物と他の化合物とを組み合わせても良い。具体的には、ジエタノールメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミンとの組み合わせ、さらにこれにジフェニルヨードニウムクロリドなどのヨードニウム塩と組み合わせたもの、メチレンブルーなどの色素及びアミンと組み合わせたものが挙げられる。
前記光ラジカル重合開始剤を使用する場合、必要に応じて、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、p-tert-ブチルカテコール等の重合禁止剤類を添加することもできる。これらを共存させることにより、硬化性組成物の意図しない硬化を防ぎ、取り扱いやすくする効果が期待できる。
光ラジカル開始剤の使用量としては特に制限は無く、(A)成分100重量部に対し、0.001~20重量部用いることが好ましい。0.001重量部未満の場合、十分な硬化性が得られない場合があるため好ましくない。一方、20重量部超の場合、光が深部まで届かなくなることで硬化物底面に未硬化層が発生したり、硬化物の耐熱性が低下する場合があるため好ましくない。
上記の光ラジカル開始剤は、単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いても良い。
また、硬化に際して組成物を加熱できる場合は、熱によりラジカル種を発生する化合物(熱重合開始剤とも言う)、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物、過硫酸酸、及びレドックス開始剤等を(C)成分として併用しても良い。
好ましい熱重合開始剤としては、アゾ系開始剤及び過酸化物系開始剤からなる群から選ばれ、具体的には、2,2′-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、t-ブチルパーオキシピバレート、及びジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、ジクミルパーオキシド、過酸化ベンゾイル並びにこれらの混合物が挙げられる。
熱重合開始剤の使用量には特に制限は無いが、(A)成分100重量部に対し、0.001~20重量部用いればよい。
<(D)融点が30℃以上であって、重合性官能基を有しない有機化合物>
本発明の(D)成分は、本発明の組成物を硬化させた後で、表面タックを改善する効果を有する化合物である。
当該効果は、(D)成分が組成物の内部から表面近傍に移動することで得られるものと推測される(ブリードアウトとも言う)。その点では、硬化性組成物の主成分(本発明の(A)成分)との相溶性が良い場合、(D)成分は内部に留まることが容易になるため、タック改善効果が得にくくなると考えられる。逆に、主成分との相溶性が悪い場合、硬化反応によって生じたポリマーネットワークから弾き出されやすいことが期待できるため、(D)成分が硬化物内部から表面へと移行しやすく、その結果、タック改善効果が得やすいと想定される。
このメカニズムから言えば、本発明の(A)成分と(D)成分は相反する極性を有していることが好ましいように思われるが、本発明者が鋭意検討した結果、ポリイソブチレン系重合体という低極性な重合体に対して、同様に低極性の炭化水素系化合物を添加してもタック改善効果が得られるという予想外の効果を見出して、本発明を完成するに至った。
本発明の(D)成分は、融点が30℃以上の有機化合物である。融点が30℃以下では、タック改善効果が得られない。より好ましい融点は42℃以上であり、54℃以上が更に好ましく、60℃以上が更に好ましく、68℃以上が更に好ましい。
本発明の(D)成分は、炭素炭素二重結合のような重合性官能基を有しない有機化合物である。このような重合性官能基を有すると、タック改善効果が得られにくくなるため好ましくない。ここでの重合性官能基とは、(メタ)アクリル基や、芳香族ビニル基等のように、ラジカル重合に活性な官能基を意味する。一方、ラジカル重合に関与しないその他の官能基、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、エステル結合、エーテル基、アミノ基、アミド基、ウレタン基、カーボネート基、ウレア基、ハロゲン基、アリール基、アルコキシ基などの官能基は含有していてもよい。
本発明の(D)成分は、下記に記載の酸化防止剤以外の化合物である。
本発明の(D)成分は、タック改善効果の観点から、融点が30℃以上300℃以下の炭化水素系化合物であることが好ましく、パラフィン(パラフィンワックスとも言う)であることが入手性の観点から更に好ましい。
パラフィンとは、炭化水素系化合物であり、一般的には炭素数20以上の脂肪族飽和炭化水素を意味する。
上記のパラフィンとしては、単一成分でもよいが、炭素数20以上の混合物が入手の容易さの観点から好ましい。一方、室温で液体である流動パラフィンはタック改善効果が無いために、好ましくない。
(D)成分の使用量は特に制限は無いが、タック改善効果および経済性の観点から(A)成分100重量部に対して0.001~20重量部であることが好ましく、0.01~10重量部であることがより好ましい。0.001重量部以下では十分なタック改善効果が得られない場合があるため好ましくない。逆に、20重量部超では、硬化性組成物が硬くなりすぎるなどの物性低下が起こる場合があるため好ましくない。
本発明の(D)成分は、単一成分を加えることでも所望の効果を得ることができるが、融点の異なる2種以上の成分を併用しても良い。
<その他の任意成分>
本発明の硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、充填剤、保存安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料等の各種添加剤を併用することもできる。
充填剤と可塑剤の使用量は特に制限は無いが、(A)成分100重量部に対して、0.1~500重量部が好ましい。保存安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料の使用量は特に制限は無いが、(A)成分100重量部に対して、0.01~20重量部が好ましい。
これら添加剤のとしては特に制限は無いが、具体例としては、同一出願人による特許文献WO2013/047314号公報、特開2013-216782号公報等に記載の化合物を参照することができる。
また、本発明の硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(本発明の(A)成分および(B)成分を含まない)、スチレン系ブロック共重合体等の各種エラストマーを併用することができる。前記オリゴマーは、ポリイソブチレン系骨格を有さない方が好ましい。これらは硬化物の種々のゴム物性を調整する目的で使用することができる。
(メタ)アクリロイル基含有オリゴマーの具体例としては、特に限定されないが、例えば、ポリブタジエン骨格の(メタ)アクリレート、水添ポリブタジエン骨格の(メタ)アクリレート、ポリカーボネート骨格の(メタ)アクリレート、ポリエーテル骨格の(メタ)アクリレート、ポリエステル骨格の(メタ)アクリレート、ひまし油骨格の(メタ)アクリレート、ポリイソプレン骨格の(メタ)アクリレート、水添ポリイソプレン骨格の(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル基含有アクリルポリマーなどが挙げられる。
これらの中でも、本発明の(A)成分や(B)成分と相溶性に優れることから、ポリブタジエン骨格の(メタ)アクリレート、水添ポリブタジエン骨格の(メタ)アクリレート、ひまし油骨格の(メタ)アクリレート、ポリイソプレン骨格の(メタ)アクリレート、水添ポリイソプレン骨格の(メタ)アクリレートが好ましい。
なお、前記オリゴマーとは、主鎖にモノマーの繰り返し単位を伴う構造で、2~1,000の繰り返し単位からなる化合物を指す。数平均分子量は特に制限はないが、200~500,000が好ましく、1,000~100,000がより好ましい。
スチレン系ブロック共重合体等の各種エラストマーの具体例としては、スチレン系共重合体としては特に限定されないが、例えば、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体(SIP)、スチレン-ブタジエン共重合体(SB)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体(SEBS)、スチレン-イソブチレン-スチレン共重合体(SIBS)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS)、スチレン-ブタジエン-アクリロニトリル共重合体(ABS)などが挙げられる。
これらの中でも、相溶性やゴム物性の観点から、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体(SIP)、スチレン-ブタジエン共重合体(SB)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体(SEBS)、スチレン-イソブチレン-スチレン共重合体(SIBS)等が好ましい。
前記オリゴマーの使用量は特に制限は無いが、(A)成分100重量部に対して、0.1~1,000重量部が好ましい。
また、本発明の硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、チオール化合物を併用してもよい。
これらチオール系化合物の具体例としては特に限定されないが、例えば、デカンチオール、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3-メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトグリコレート)、ブタンジオール ビス(3-メルカプトグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトグリコレート)、トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート、ペンタエリスリトール テトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコール ビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトール ヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトール テトラキス(3-メルカプトブチレート)、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5-トリス(3-メルカブトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン等が挙げられ、これらの化合物は、それぞれ単独で用いることも、また二種以上を混合して用いても良い。
本発明に対して光硬化性を向上させる目的で、3級アミン化合物を配合してもよい。3級アミン化合物としては特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N’-ジエタノールアミン、N,N’-ジメチル-P-トルイジン、N,N’-ジメチル-アニリン、N-メチル-ジエタノールアミン、N-メチル-ジメタノールアミン、N,N’-ジメチルアミノ-アセトフェノン、N,N’-ジメチルアミノベンゾフェノン、N,N’-ジエチルアミノ-ベンゾフェノン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。前記チオール化合物の使用量は特に制限は無いが、(A)成分100重量部に対して、0.1~100重量部が好ましい。
また、本発明の硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、接着性および/または密着性付与剤を用いることができる。
そのような接着性および/または密着性付与剤の具体例としては、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル-トリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-ユレイドプロピルトリエトキシシラン、ヒドロキシエチルメタクリレートリン酸エステル、メタクリロキシオキシエチルアシッドフォスフェート、メタクリロキシオキシエチルアシッドフォスフェートモノエチルアミンハーフソルト、2-ヒドロキシエチルメタクリル酸フォスフェート等が挙げられる。これらの中では、ヒドロキシエチルメタクリレートリン酸エステル、メタクリロキシオキシエチルアシッドフォスフェート、メタクリロキシオキシエチルアシッドフォスフェートモノエチルアミンハーフソルト、2-ヒドロキシエチルメタクリル酸フォスフェート等が挙げられる。
当該密着性付与剤の含有量は、(A)成分100重量部に対し、0.01~20重量部が好ましく、更に好ましくは0.1~10重量部である。
<硬化性組成物の製造方法>
本発明の硬化性組成物の製造方法としては特に限定されないが、すべての配合成分を1成分型として調製しても良いし、組成物の貯蔵安定性等を考慮して配合成分を分けて配合しておき、使用前に混合する2成分型として調整しても良い。
1成分型の場合は、施工の際に混合・混練する手間が不要となり、同時にその際に生じる計量誤差もなくなるため、硬化不良等の品質上の欠陥を防ぐことができる最も好ましい形態である。
2成分型の場合は、各配合成分を任意に二液に分割して、該配合成分を使用前に混合する2成分型として調整することもできる。A液とB液の二液への分割方法は、硬化性組成物の混合比、貯蔵安定性、混合方法、ポットライフ等を考慮し、種々の組合せが可能である。
また、必要に応じて、A液、B液以外に第三成分を用意して三液型硬化性組成物とすること可能であり、それ以上の分割も必要に応じて調整することが可能である。
(D)成分は常温では固体であるため、30~300℃で加熱し、溶かしてから、(A)成分や、(A)成分と(B)成分の混合物に添加してもよいし、下記に記載の温度で混合中に(D)成分が溶解する場合は、固体または粉体のまま他の成分と混合してもよい。
本発明の組成物の混合法としては、特に限定はなく、例えば上記した成分を配合し、必要であれば遮光して、ハンドミキサー、スタティックミキサー、プラネタリーミキサー、ディスパー、ロール、ニーダー、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、高剪断型ミキサー等を用いて混練することで製造することができる。混練時の温度としては、常温又は加熱下で混練したり、適した溶剤を少量使用して成分を溶解させ、混合したりするなどの通常の方法が挙げられる。
混合温度としては、10~100℃の温度が好ましく、20~80℃であることがより好ましい。
混合時間としては、0.1~5時間程度であることが好ましく、30分~3時程度であることがより好ましい。
<塗布方法>
本発明の硬化性組成物を被着体への塗布する方法としては、公知のシール剤や接着剤の方法が用いられる。例えば、自動塗布機を用いたディスペンシング、スプレー、インクジェット、スクリーン印刷、グラビア印刷、ディッピング、スピンコートなどの方法を用いることができる。
なお、本発明の硬化性組成物は、取り扱いやすさの観点から25℃で液状であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物の粘度は特に制限は無いが、種々の塗布方法に対応できるという点で、室温での粘度が0.0001~10,000Pa・secであることが好ましく、0.001~5,000Pa・secであることが取り扱いのしやすさの観点からより好ましい。
スプレー、インクジェット、スクリーン印刷などの低粘度であることが好ましい用途に用いる場合は、0.0001~5,000Pa・secであることが好ましく、0.0001~3,000Pa・secであることがより好ましい。粘度が低粘度であるほど取り扱いがしやすく、逆に、5,000Pa・sec以上では意図した吐出が困難な場合があるため好ましくない。
一方、FIPG(フォームインプレイスガスケット)、CIPG(キュア―ドインプレイスガスケット)、MIPG(モールドインプレイスガスケット)、LIM(液体射出成形)やその他のディスペンシング等の用途に用いる場合は、0.001~10,000Pa・secであることが好ましく、0.001~5,000Pa・secであることがより好ましい。0.001Pa・sec以下では、チクソ性が不足して意図した形状に成形できない場合があるため好ましくない。逆に、10,000Pa・sec以上では、高い吐出速度が得られずに生産性を下げてしまうことがあるため好ましくない。
25℃での粘度が高く、取り扱いが困難な場合は、任意の粘度になるように本発明の組成物を加熱してもよい。その際の温度としては、100℃以下が好ましく、80℃以下が更に好ましい。
<硬化方法>
本発明の硬化性組成物に前述したような活性エネルギー線、例えば紫外線、可視光等の光を照射することにより硬化させるに際しての光源は特に限定されず、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、LED、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置、レーザー等を用いることができる。
光照射の照射量は硬化物の特性の観点から積算光量1kJ/m2以上であることが好ましく、より好ましくは10kJ/m2以上である。積算光量が1kJ/m2未満であると、十分に硬化しない場合があるため好ましくない。
また、上記の各光源から放たれる光の波長と、(C)成分の吸収波長(および/またはその最大吸収波長)とを出来る限り一致させることで、効率の良い硬化が達成できる。
<硬化物>
本発明の硬化物は、本発明の硬化脂組成物に対し、上記硬化方法によって紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより硬化させて得られるものである。
本発明の硬化物は、本発明の硬化性組成物が硬化したものであれば、その硬化方法の如何は問わない。
本発明の硬化物は表面のタックが少ないため、埃が付着したり、取り扱いが困難であるといった従来の課題を改善するものである。また、タックが改善されることで、硬化物の取り扱いが容易になり、例えば、製品の組み立てが容易になったり、作り直したりする際に作業が容易になる利点がある。
本発明の硬化物のタックを定量的に測定する方法には制限は無いが、一例としては、ASTM D 3121に準拠し、7/16インチ(11.1mm)の鋼球を用いたローリングボールタック試験により測定することができる。当該試験での鋼球の移動距離は、60mm以上であることが好ましく、100mm以上であることがより好ましく、150mm以上であることが更に好ましい。
本発明の硬化物は、(D)成分の含有量によっては濁度を低く抑えることができる。そのような硬化物はタックが改善されるとともに、濁り(白濁度)の度合いも低く、透明に近い外観を有する為、透明性が要求される用途、部位で好適に使用することができる。
本発明の硬化物の濁度は、JIS K 7136に準拠して測定することができ、その値として、100以下であることが好ましく、80以下であることがより好ましい。
<用途>
本発明の硬化性組成物および硬化物は以下の用途に使用可能である。すなわち、電気・電子部品、医薬・医療用品のシール材・コーティング材・接着剤・封止材・成形部品、電解コンデンサ用シール材、レジスト材、現場成形ガスケット、防振・制振材、複層ガラス用シール材、電線・ケーブル・光ファイバー類の被覆材・シール材、ローラ、シート、シール材、接着剤、粘着剤、成形体、塗料、インク、発泡体等の用途に好適に利用可能である。
ここで、シール剤とは、接着剤、コーティング剤、注型剤、ポッティング剤等の用途も含まれるものである。
電気・電子用途では、例えば、LED材料、各種電池周辺材料、センサー類、半導体周辺材料、回路基板周辺材料、液晶等のディスプレイ周辺材料、照明材料、光通信・光回路周辺材料、光記録周辺材料、磁気記録材料等に利用可能である。
LED材料としては、LED素子のモールド材、封止材、封止フィルム、ダイボンド材、コーティング材、シール材、接着剤、粘着剤、レンズ用材料としての使用や、LED電球、LED表示灯、LED表示板、LED表示機等のシール材、接着剤、粘着剤、コーティング材等に利用可能である。
電池周辺材料としては、リチウムイオン電池、ナトリウム・硫黄電池、ナトリウム溶融塩電池、有機ラジカル電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、レドックスフロー電池、リチウム硫黄電池、空気電池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、燃料電池、太陽電池、色素増感型太陽電池等のシール材、裏面封止材、各素子のモールド材、接着剤、粘着剤、封止材、封止フィルム、コーティング材、ポッティング材、充填材、セパレーター、触媒固定用皮膜、保護フィルム、電極の結着剤、冷媒油用シール材、ホース材等に利用可能である。
センサー類としては、力・荷重・圧力・回転・振動・接触・流量・日射・光・におい・時間・温度・湿度・風速・距離・位置・慣性・傾斜・速度・加速度・角速度・硬度・歪・音・磁気・電流・電圧・電力・電子・放射線・赤外線・X線・紫外線・液量・重量・ガス量・イオン量・金属量・色彩等各種センサーの封止材、封止フィルム、レンズ用材料、接着剤、粘着剤、コーティング剤、フィルム等として利用可能である。
回路基板周辺材料としては、IC、LSI、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ、コンデンサ、抵抗体、コイル等の各種素子が搭載されたリジッドまたはフレキシブル配線基板やMEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)のシール材、コーティング材、ポッティング材、上記各素子のモールド材、アンダーフィル材、ダイボンド材、ダイボンディングフィルム、接着剤、粘着剤、封止材、封止フィルムとして利用可能である。
ディスプレイ周辺材料としては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、LED表示装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、電子ペーパー、フレキシブルディスプレイ、3Dホログラム、有機薄膜トランジスタディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ等の各素子のモールド材、各種フィルター、保護フィルム、反射防止フィルム、視野角補正フィルム、偏光子保護フィルム、光学補正フィルムなどのフィルム類、シール材、接着剤、粘着剤、封止材、封止フィルム、基板や部材のコーティング材、ポッティング材、充填材、視認性改良材、レンズ用材料、導光板、プリズムシート、偏光板、位相差板、液晶ダム材として利用可能である。
照明材料としては、照明用LED、照明用有機EL、照明用無機ELのシール材・コーティング材・接着剤・封止材・成形部品として利用可能である。
光通信・光回路周辺材料としては、有機フォトリフラクティブ素子、光ファイバー、光スイッチ、レンズ、光導波路、発光素子、フォトダイオード、光増幅素子、光電子集積回路、光コネクタ、光カプラ、光演算素子、光電変換装置、レーザー素子等の各素子のモールド材、シール材、接着剤、粘着剤、封止材、封止フィルム、コーティング材、ポッティング材、充填材、保護膜、レンズ用材料、導光板、プリズムシート、偏光板、フェルールとして利用可能である。
光記録材料としては、VD(ビデオディスク)、CD、CD-ROM、CD-R、CD-RW、DVD、DVD-ROM、DVD-R、DVD-RW、BD、BD-ROM、BD-R、BD-RE、MO、MD、PD(相変化ディスク)、ホログラム、光カード用のディスク基板材料、ピックアップレンズ等の保護フィルム、シール材、接着剤、粘着剤、封止材、封止フィルム、コーティング材、防振材、制振材として利用可能である。
磁気記録材料としては、ハードディスク、磁気テープ、クレジットカード等の磁気カードの防振材、制振材、シール材、接着剤、粘着剤、封止材、コーティング材、カバーガスケット、カード材料として利用可能である。
その他に、タッチパネルの防汚膜、潤滑膜、ICチップのモールド材、ペルチェ素子のモールド材、電解コンデンサの封口体、ケーブルジョイントポッティング材、IGBT(車両推進制御装置)のポッティング材、半導体ウェハ加工用ダイシングテープ、ダイボンド剤、ダイボンドフィルム、アンダーフィル、異方導電性接着剤、異方導電性フィルム、導電性接着剤、導電性ペースト、熱伝導性接着剤、熱伝導性ペースト、仮止め用フィルム、固定用フィルム、封止用フィルム等に利用可能である。
自動車用途では、ボディ部品として、気密保持のためのシール材、ガラスの振動防止材、車体部位の防振材、特にウインドシールガスケット、ドアガラス用ガスケットに利用可能である。シャーシ部品として、防振、防音用のエンジンおよびサスペンジョンゴム、特にエンジンマウントラバーや防振マウント用シール材に利用可能である。エンジン部品としては、冷却用、燃料供給用、排気制御用などのホース類、エンジンカバーやオイルパン用のガスケット、エンジンオイル用シール材等に利用可能である。また、タイヤ部品としては、ビード部位、サイドウォール部位、ショルダー部位、トレッド部位のほか、インナーライナー用の樹脂や空気圧センサー・パンクセンサーのシール材として利用可能である。また、各種電子部品・制御部品のシール材、封止材、ガスケット、コーティング材、モールド部材、接着剤、粘着剤として利用可能である。また、銅製・アルミ製ワイヤーハーネスの被覆材やコネクタ部のシール材としても利用可能である。その他、ランプ、バッテリー、ウィンドウォッシャー液ユニットやエアコンディショナーユニット、クーラントユニット、ブレーキオイルユニット、電装部品、各種内外装品、オイルフィルター等のシール材、接着剤、粘着剤、ガスケット、Oリングやパッキン、ベルト等の成形部品、イグナイタHICもしくは自動車用ハイブリッドICのポッティング材等としても利用可能である。
工業用途では、永久レジスト用途やソルダーレジスト用途、ドライフィルムレジスト用途、電着レジスト用途等のレジスト用途に利用可能である。
情報電気機器として、携帯電話、メディアプレーヤー、タブレット端末、スマートフォン、携帯ゲーム機、コンピュータ、プリンタ、スキャナ、プロジェクタ、インクジェットタンク等のシール材、封止材、接着剤、粘着剤、パッキン、Oリング、ベルト、防振材、制振材防音材などに利用可能である。
家電分野におけるテレビ、ブルーレイレコーダーやHDDレコーダー等の各種レレコーダー類、プロジェクタ、ゲーム機、デジタルカメラ、ホームビデオ、アンテナ、スピーカー、電子辞書、ICレコーダー、FAX、コピー機、電話機、ドアホン、炊飯器、電子レンジ、オーブンレンジ、冷蔵庫、食器洗い機、食器乾燥機、IHクッキングヒーター、ホットプレート、掃除機、洗濯機、充電器、ミシン、アイロン、乾燥機、電動自転車、空気清浄機、浄水器、電動歯ブラシ、照明器具、エアコン、エアコンの室外機、除湿機、加湿機等の各種電気製品では、シール材、接着剤、粘着剤、パッキン、Oリング、ベルト、防振材、制振材、防音材などに利用可能である。
成形体として、パッキン、Oリング、ベルト、チューブ、ホース、弁、シート等に利用可能である。
また、配線コネクタ用反応性ホットメルト剤、反応性ホットメルト接着剤、OCA(光学用透明接着剤)、弾性接着剤、コンタクト接着剤、嫌気性接着剤、紫外線硬化性接着剤、電子線硬化性接着剤、タッチパネルやタッチセンサー用接着剤等の各種接着剤として利用可能である。ブチル系粘着剤の改質や、マスキングテープ、パイプ防食テープ、建築止水テープ、電気用自己融着テープ、再剥離用粘着剤、電線用融着テープ等の各種粘着剤として利用可能である。
電線、ケーブルの被覆材またはその補修材、結線部の絶縁シール材、ガス管、水道管等の管内ライニング材、無機フィラー、有機フィラーのコーティング材、エポキシ型内成形用離型材等の各種コーティング用途に利用可能である。
熱伝導シート、放熱シート、電磁波吸収シート、導電性シート、防水シート、自動車用保護シート、パネル用衝撃吸収シート等の各種シートとして利用可能である。
その他、衝撃吸収ゲル、ベッド、靴等の衝撃吸収材、合わせガラスの中間層膜、弾性塗料、水性エマルジョン等の塗料、プリプレグ、OA機器用や搬送用の各種ローラ、キャップライナー、撥インク剤、インキ、各種冷媒用シール材、工業用缶・食品用缶のシール材・ガスケット、発泡ガスケット、複層ガラスの一次シール、二次シールとして利用可能である。
医療用途では、経皮吸収製剤や貼付用の粘着剤、医薬・医療用シール材、医療用粘着剤、医療用ゴム栓、印象材、歯科充填材、シリンジガスケット、および減圧血管用ゴム栓、人工透析装置用のOリング又は平形ガスケット、医薬品・医療器具の包装材料、キャップ、キャップライナー、真空採血管のキャップ、カテーテルのシール材や接着剤、体内埋め込み型医療機器のシール材や接着剤等に利用可能である。
制振材・防振材用途では、ステッピングモーター、磁気ディスク、ハードディスク、食器洗浄機、乾燥機、洗濯機、ファンヒーター、ミシン、自動販売機、スピーカフレーム、BSアンテナ、VTRカバー用制振材等の電気・電子機器用途;ルーフ、フロア、シャッタ、カーテンレール、床、配管ダクト、デッキプレート、カーテンウォール、階段、ドア、免振アイソレーター、構造材用制振材、粘弾性ダンパー、耐震マット等の建築用途;エンジンルーム、計測ルーム用制振材等の船舶用途;エンジン(オイルパン、フロントカバー、ロッカーカバー)、車体(ダッシュ、フロア、ドア、ルーフ、パネル、ホイルハウス)、トランスミッション、パーキングブレーキカバー、シートバック用制振材等の自動車用途;TVカメラ、複写機、電算機、プリンタ、レジスタ、キャビネット用制振材等のカメラ・事務機器用途;シュータ、エレベータ、エスカレータ、コンベア、トラクタ、ブルドーザ、発電機、コンプレッサ、コンテナ、ホッパ、防音ボックス、草刈り機のモータカバー用制振材等の産業機械関係用途;鉄道車両ルーフ、側板、ドア、アンダーフロア、各種補機カバー、橋梁用制振材等の鉄道用途;半導体用途等の精密除振装置用制振材;可聴域しきい値近傍の低周波音及び高周波音に対応する等の防音用制振材として利用可能である。
本発明の硬化性組成物またはその硬化物は、低気体透過性、低透湿性、耐熱性、耐酸性、可とう性、低タック性に優れる弾性体であることから、燃料電池、太陽電池、色素増感型太陽電池、リチウムイオン電池、電解コンデンサ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、LED、ハードディスク装置、フォトダイオード、光通信・回路、電線・ケーブル・光ファイバー、光アイソレータ、ICカード等の積層体、センサー、基板、医薬・医療用器具・機器等の用途でより好適に使用可能である。
更に、本発明の硬化脂組成物は、紫外線等の活性エネルギー線の照射により速やかに硬化する特徴があるため、燃料電池、リチウムイオン電池、電解コンデンサ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、LED、ハードディスク装置などの高い生産性が求められる用途でより一層好適に使用可能である。
以下の実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(分子量測定)
「重量平均分子量Mw」、「数平均分子量Mn」および「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn))」は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。
測定装置としてWaters社製GPCシステムを用いて、クロロホルムを移動相とし、カラム温度35℃の条件にて、ポリマー濃度が4mg/mlである試料溶液を用いて測定した。カラム(固定相)としては、ポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(Shodex GPC K-804および、K-802.5;いずれも昭和電工製)を用いた。
(粘度)
東機産業製コーンプレート型粘度計TVE-25Hを用いて測定した。
(濁度)
濁度は、スガ試験機製ヘーズメーターHZ-V3を用いて積分球式光電光度法(JIS K 7136)を用いて、本発明の硬化性組成物の硬化物について測定した。
(引張物性)
硬化性組成物を0.5mm厚みになるようにポリエチレンシート上に塗布し、UV照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン社製、型式:LH6)を用いて、UV光を照射(照射条件:照度500mW/cm2、光量5,000mJ/cm2)することにより、各シート状硬化物を得た。
JIS K 6251に準拠し、シートから7号ダンベル形状のサンプル片を打抜いて得た。200mm/分の引張速度の条件下に引張試験を行い、モジュラス、引張強度、破断伸びを評価した。
(硬度)
JIS K 6253に準拠し、2mm厚みに硬化させた試験片を3枚重ねてタイプAデュロメータを用いて測定した。
(表面のタック性)
幅50mm、長さ400mm、厚み0.5mmの硬化物を用いて、ASTM D 3121に準拠し、7/16インチ(11.1mm)の鋼球を用いたローリングボールタック試験を行い、タック性を評価した。硬化物のタックが少なく良好な場合、鋼球はシート状硬化物の上で長い距離を転がることができる。逆にタックが酷く悪い場合は、鋼球は短い距離しか転がることができない。
(製造例1)(メタ)アクリロイル基含有ポリイソブチレン系重合体(A-1)の合成
1Lのセパラブルフラスコの容器内を窒素置換した後、n-ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)30mL及び塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)350mLを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら-70℃まで冷却した。次いで、イソブチレン150mL、p-ジクミルクロライド1.76g及び2,6-ルチジン0.29gを加えた。反応混合物が-70℃まで冷却された後で、四塩化チタン0.84mLを加えた。
重合開始後、ガスクロマトグラフィーで残存イソブチレン濃度を測定して、投入したイソブチレンの99.9%以上が消費された段階で、イソブチレンの重合を終了とした。次に、アクリル酸フェノキシブチル3.70mlと、四塩化チタン5.00mLを加え、-70~-80℃で更に3時間攪拌を続けた。
反応終了後、反応混合物を大量のメタノールに注ぐことで触媒を失活させた。メタノール、塩化ブチル、ヘキサンを主成分とする溶媒を除去し、粘ちょうな生成物を得た。この生成物を塩化ブチル650gに溶解させ、粉末活性炭10g(フタムラ化学株式会社製、製品名「太閤A」)を加えて、室温で一晩攪拌した。活性炭をろ過し、得られたろ液に4-メトキシフェノール0.0160gを加えて、溶媒を減圧下に留去することで、アクリロイル基含有ポリイソブチレン系重合体(A-1)を得た。A-1の数平均分子量Mn(ポリスチレン換算)は12,600、分子量分布Mw/Mnは1.20、一分子当たりのアクリロイル基数は1.85個であった。
(製造例2)重合開始剤(C)の作成
DAROCURE1173(チバ・ジャパン製、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン)を20重量部、IRGACURE819(チバ・ジャパン製、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド)を10重量部計り取り、スパチュラで5分間良く混合して、光重合開始剤混合物(C)を作成した。
(比較例1)
表1に記載の割合で、(メタ)アクリロイル基含有ポリイソブチレン系重合体(A-1)、アクリル酸イソノニル、光重合開始剤組成物、AO-50を室温で混合し、硬化性組成物を得た。
この硬化性組成物を0.5mm厚みおよび2mm厚みになるようにポリエチレンシート上に塗布し、UV照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン社製、型式:LH6)を用いて、UV光を照射(照射条件:照度500mW/cm2、光量5,000mJ/cm2)することにより、0.5mm厚みおよび2mm厚みのシート状硬化物をそれぞれ得た。硬化物の各種物性は表1に記載した通りであった。
(比較例2~5)
特許文献1~2に記載の空気酸化硬化性物質の効果を調べる為に、桐油を表1に記載の割合で加えたこと以外は比較例1とそれぞれ同様にして硬化性組成物を得た。次に、比較例1と同様にして硬化物を得るためにUV照射を行ったが、いずれも硬化しなかったため、硬化物の各種物性は測定できなかった。
このように、従来技術を組み合わせても、本願発明が課題とする表面タックの改善は困難な場合があった。
(比較例6~9)
次に、融点が30℃であるアクリル酸ステアリルのタック改善効果について調べた。表1に記載の割合でアクリル酸ステアリルをそれぞれ加えたこと以外は比較例1とそれぞれ同様にして硬化性組成物およびその硬化物を得た。硬化物の各種物性は表1に記載した通りであった。
比較例6~9のタック性は35~49mmであることから、比較例1と同等かそれより悪いことがわかる。従って、融点が30℃以上であっても、重合性官能基を有する有機化合物の場合は、タック改善効果が得られないことがわかる。
(比較例10~13)
次に、流動パラフィンのタック改善効果について調べた。表1に記載の割合で流動パラフィンをそれぞれ加えたこと以外は比較例1とそれぞれ同様にして硬化性組成物およびその硬化物を得た。硬化物の各種物性は表1に記載した通りであった。
比較例10~13のタック性は32~48mmであることから、比較例1と同等かそれより悪いことがわかる。従って、炭化水素系化合物であっても室温で液状の化合物の場合、タック改善効果が得られないことがわかる。
(実施例1~5)
次に、本発明の(D)成分として、ステアリン酸(融点70℃)のタック改善効果を検討した。表1に記載の割合でステアリン酸をそれぞれ加えたこと以外は比較例1とそれぞれ同様にして硬化性組成物およびその硬化物を得た。硬化物の各種物性は表2に記載した通りであった。
実施例1のタック性は115mmであり、比較例1よりもタックが低くなっており、改善効果があることがわかる。実施例2~5では、鋼球は200mm以上移動したことから、更にタックが改善できていることがわかる。
(実施例6~14)
次に、本発明の(D)成分として、各融点を有するパラフィンワックスのタック改善効果を検討した。実施例6~9では融点42~44℃のパラフィン、実施例10~14では融点54~56℃のパラフィンを、表2に記載の割合でそれぞれ加えたこと以外は比較例1とそれぞれ同様にして硬化性組成物およびその硬化物を得た。硬化物の各種物性は表2に記載した通りであった。
いずれの例においても比較例1に比べてタックが低くなっており、改善効果があることがわかる。
(実施例15~26)
次に、本発明の(D)成分として、実施例15~21では融点60~62℃のパラフィン、実施例22~26では融点68~70℃のパラフィンを、表3に記載の割合でそれぞれ加えたこと以外は比較例1とそれぞれ同様にして硬化性組成物およびその硬化物を得た。硬化物の各種物性は表3に記載した通りであった。
いずれの例においても比較例1に比べてタックが低くなっており、改善効果があることがわかる。
(実施例27~31)
次に、本発明の(D)成分として、長鎖アルカンとしては構造明確なドトリアコンタンのタック改善効果を検討した。表3に記載の割合でドトリアコンタンをそれぞれ加えたこと以外は比較例1とそれぞれ同様にして硬化性組成物およびその硬化物を得た。硬化物の各種物性は表3に記載した通りであった。
いずれの例においても比較例1に比べてタックが低くなっており、改善効果があることがわかる。
次に、種々の原料を変更して、更に検討を行った。
(実施例32~36)
表4の配合表に記載の通り、原料を変更して更に検討を行った。実施例32ではアクリル酸ジシクロペンタニルを20重量部用い、実施例33ではアクリル酸ジシクロペンタニルを50重量部用い、実施例34ではメタクリル酸ジシクロペンタニルを50重量部用い、実施例35ではメタクリル酸ジシクロペンタニルを100重量部用い、実施例36ではメタクリル酸ジシクロペンタニルを50重量部用い、更に光重合開始剤成分としてIrgacure184を0.3重量部用いた以外は、実施例11と同様にして硬化性組成物およびその硬化物を得た。硬化物の各種物性は表4に記載した通りであった。
いずれの例においてもタックが低くなっており、改善効果があることがわかる。
(製造例2)(メタ)アクリロイル基含有ポリイソブチレン系重合体(A-2)の合成
2Lのセパラブルフラスコの容器内を窒素置換した後、n-ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)100mL及び塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)1150mLを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら-70℃まで冷却した。次いで、イソブチレン280mL、p-ジクミルクロライド8.10g及び2,6-ルチジン1.13gを加えた。反応混合物が-70℃まで冷却された後で、四塩化チタン2.70mLを加えた。
重合開始後、ガスクロマトグラフィーで残存イソブチレン濃度を測定して、投入したイソブチレンの99.9%以上が消費された段階で、イソブチレンの重合を終了とした。次に、アクリル酸フェノキシブチル16.9mlと、四塩化チタン23mLを加え、-70~-80℃で更に3時間攪拌を続けた。
反応終了後、反応混合物を大量のメタノールに注ぐことで触媒を失活させた。メタノール、塩化ブチル、ヘキサンを主成分とする溶媒を除去し、粘ちょうな生成物を得た。この生成物を塩化ブチル1300gに溶解させ、粉末活性炭20g(フタムラ化学株式会社製、製品名「太閤A」)を加えて、室温で一晩攪拌した。活性炭をろ過し、得られたろ液に4-メトキシフェノール0.0190gを加えて、溶媒を減圧下に留去することで、アクリロイル基含有ポリイソブチレン系重合体(A-2)を得た。A-1の数平均分子量Mn(ポリスチレン換算)は6,711、分子量分布Mw/Mnは1.35、一分子当たりのアクリロイル基数は1.83個であった。
(製造例3)(メタ)アクリロイル基含有ポリイソブチレン系重合体(A-3)の合成
2Lのセパラブルフラスコの容器内を窒素置換した後、n-ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)90mL及び塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)1100mLを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら-70℃まで冷却した。次いで、イソブチレン450mL、p-ジクミルクロライド2.60g及び2,6-ルチジン0.844gを加えた。反応混合物が-70℃まで冷却された後で、四塩化チタン3.20mLを加えた。
重合開始後、ガスクロマトグラフィーで残存イソブチレン濃度を測定して、投入したイソブチレンの99.9%以上が消費された段階で、イソブチレンの重合を終了とした。次に、アクリル酸フェノキシブチル5.90mlと、四塩化チタン10.0mLを加え、-70~-80℃で更に3時間攪拌を続けた。
反応終了後、反応混合物を大量のメタノールに注ぐことで触媒を失活させた。メタノール、塩化ブチル、ヘキサンを主成分とする溶媒を除去し、粘ちょうな生成物を得た。この生成物を塩化ブチル2000gに溶解させ、粉末活性炭20g(フタムラ化学株式会社製、製品名「太閤A」)を加えて、室温で一晩攪拌した。活性炭をろ過し、得られたろ液に4-メトキシフェノール0.0282gを加えて、溶媒を減圧下に留去することで、アクリロイル基含有ポリイソブチレン系重合体(A-3)を得た。A-3の数平均分子量Mn(ポリスチレン換算)は24,941、分子量分布Mw/Mnは1.22、一分子当たりのアクリロイル基数は1.85個であった。
(実施例37~38)
実施例37では、(A)成分として(メタ)アクリロイル基含有ポリイソブチレン系重合体(A-2)を用いたこと以外は実施例11と同様にして硬化性組成物およびその硬化物を得た。硬化物の各種物性は表4に記載した通りであった。
実施例38では、(A)成分として(メタ)アクリロイル基含有ポリイソブチレン系重合体(A-3)を用いたこと以外は実施例11と同様にして硬化性組成物およびその硬化物を得た。硬化物の各種物性は表4に記載した通りであった。
いずれの例においてもタックが低くなっており、改善効果があることがわかる。