以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(第1の実施の形態)
図1は、PBSSモードを用いた車両間通信の一例を説明する図である。図1には、車両10A、10B、10C、10Dが示してある。車両10A、10B、10C、10Dは、自動車、自動二輪車、自転車、又は路面電車といった、道路又は道路付近を走行する車両であってもよい。なお、以後の図面は、左側通行を例にして、説明しているが、右側通行であっても同様に適用できる。
車両10Aは、通信装置1000aを搭載している。車両10Bは、通信装置1000bを搭載している。車両10Cは、通信装置1000cを搭載している。車両10Dは、通信装置1000dを搭載している。
通信装置1000a~1000dは、PBSSモードに基づいた通信を行う。以下では、同一進行方向において、前後に並んで走行する車列間で行われる通信を、車列間通信と称することがある。
車両10A及び車両10Bは、一例として、道路上を同一進行方向に走行する。通信装置1000a及び通信装置1000bは、車列間通信を行う。
例えば、通信装置1000aは、通信装置1000bを発見(検知)し、PBSSに基づいて、通信装置1000bと無線リンクを確立(接続)する。通信装置1000aと通信装置1000bとは、非特許文献1に記載される方法に基づいて、いずれかの通信装置をPCPに決定する。一例として、通信装置1000aと通信装置1000bとは、通信装置1000bをPCP、通信装置1000aを非PCPと決定する。この場合、非PCPの通信装置1000aは、PCPの通信装置1000bのPBSSに参加しているという。
車両10C及び車両10Dは、一例として、道路上を同一進行方向に走行する。通信装置1000c及び通信装置1000dは、車列間通信を行う。
例えば、通信装置1000cは、通信装置1000dを発見し、PBSSに基づいて、通信装置1000dと無線リンクを確立する。通信装置1000cと通信装置1000dとは、非特許文献1に記載される方法に基づいて、いずれかの通信装置をPCPに決定する。一例として、通信装置1000cと通信装置1000dとは、通信装置1000cをPCP、通信装置1000dを非PCPと決定する。この場合、非PCPの通信装置1000dは、PCPの通信装置1000cのPBSSに参加しているという。
ここで、交差点といった車両の往来が交わる場所では、出会った車両間で車両間通信を行うことにより、安全性を向上できる場合がある。例えば、車両10Cに搭載されたカメラ(図示せず)の映像を、通信装置1000cから通信装置1000aへ送信することにより、車両10Aは、右折する場合、右折先の歩行者(図示せず)を発見でき、右折時の安全性を向上できる場合がある。
交差点における通信確立の一例として、交差点に進入する車両10Aの通信装置1000aは、交差点に進入する車両10Cの通信装置1000cを発見する。通信装置1000aは、発見した通信装置1000cと通信を開始するため、通信装置1000bのPBSSから離脱(切断)し、通信装置1000cのPBSSに参加する。
これにより、車両10Aの通信装置1000aは、交差点で出会った車両10Cの通信装置1000cと通信し、車両10Cに搭載されたカメラの映像を受信できる。また、PCPの通信装置1000cと車列間通信を行っている非PCPの通信装置1000dは、通信装置1000cに対し、中継要求を行うことで、通信装置1000aと通信が可能となる。
しかしながら、通信装置1000aは、通信装置1000bのPBSSから離脱したため、通信装置1000bと車列間通信を行っていない。このため、車両10Aは、例えば、後方から接近する車両を発見することが困難となり、安全性が低下する場合がある。
例えば、車両10Bに搭載されたカメラ(図示せず)が、後方から接近する二輪車10Hを発見した場合に、通信装置1000bは、カメラの二輪車10Hの映像を通信装置1000aに送信しなくてよいため、車両10Aの右折時の安全性が低下する。
また、通信装置1000aは、通信装置1000cと無線リンクを確立する前に、通信装置1000bとの通信を中断し、PBSSから離脱した後、通信装置1000cにおけるPBSSへの参加手続き手順を実行する。このため、通信装置1000aと通信装置1000cとの無線リンクの確立が完了するまで時間がかかり、車両10Cのカメラ映像の通信装置1000aへの送信開始が遅れ、車両10Aの右折時の安全性が低下する場合がある。
図2は、PBSSモードを用いた車両間通信の別例を説明する図である。図2において、図1と同じ構成要素には同じ符号が付してある。
車両10A及び車両10Bは、一例として、道路上を同一進行方向に走行する。通信装置1000a及び通信装置1000bは、PBSSに基づいて無線リンクを確立し、車列間通信を行う。一例として、通信装置1000aは非PCPを決定し、通信装置1000bはPCPを決定する。
車両10C及び車両10Dは、一例として、道路上を同一進行方向に走行する。通信装置1000c及び通信装置1000dは、PBSSに基づいて無線リンクを確立し、車列間通信を行う。一例として、通信装置1000cはPCPを決定し、通信装置1000dは非PCPを決定する。
ここで、車両10Cが交差点を通過した後、車両10Dが交差点に進入し、右折する場合、対向車線の二輪車10Gは、車両10Dの運転手に対して車両10Eの後方に隠れ、死角に位置する。
一方、車両10Bに搭載されたレーダ又はカメラといったセンサ(図示せず)は、二輪車10Gの検出が可能である。車両10Bのセンサが検出した二輪車10Gの情報を、通信装置1000bが、車両10Dの通信装置1000dに通知できれば、車両10Dの右折時における安全性を向上できる。
しかしながら、通信装置1000dは、通信装置1000cのPBSSに参加しているため、通信装置1000bと無線リンクを確立するまでには時間がかかる。例えば、通信装置1000dは、通信装置1000cとの通信を中断して、通信装置1000cのPBSSから離脱した後、通信装置1000bにおけるPBSSへの参加手続き手順を実行するため、通信装置1000bと無線リンクを確立するまでに時間がかかる。無線リンクの確立に時間がかかった場合、車両10Dは、例えば、前方から接近する二輪車10Gといった車両の発見が遅れ、安全性が低下する場合がある。
本開示による通信装置は、車両間の無線通信において、例えば、交差点といった場所における車両間での無線リンクの確立を容易にする。
図3は、第1の実施の形態に係る通信装置100のブロック構成例を示した図である。図3に示すように、通信装置100は、AP無線機101、非AP無線機102、非AP無線機103と、制御装置104、105と、接続回路106と、アンテナ111、112、113と、を有する。
アンテナ111、112は、車両前方の一定範囲において指向性を変更する。アンテナ113は、車両後方の一定範囲において指向性を変更する。アンテナ111、112、113は、複数のアンテナ素子を備えるアレイアンテナ又はフェーズドアレイアンテナであってもよい。
AP無線機101、非AP無線機102、及びAP無線機103は、IEEE802.11シリーズ規格に準拠したインフラストラクチャモードにおいて動作する。インフラストラクチャモードは、インフラストラクチャBSSモードと称されてもよい。
AP無線機101は、APモードに基づいて動作する。AP無線機101は、アンテナ111と接続され、車両前方の一定範囲において通信する。AP無線機101は、例えば、ミリ波を用いて通信する。
非AP無線機102は、非APモードに基づいて動作する。非AP無線機102は、アンテナ112と接続され、車両前方の一定範囲において通信する。非AP無線機102は、例えば、ミリ波を用いて通信する。
非AP無線機103は、非APモードに基づいて動作する。非AP無線機103は、アンテナ113と接続され、車両後方の一定範囲において通信する。非AP無線機103は、例えば、ミリ波を用いて通信する。
なお、APは、基地局又は親機と称されてもよい。非APは、STA、端末、クライアント、又は子機と称されてもよい。
AP無線機101と非AP無線機102とは、物理的に分かれてもよい。また、AP無線機101と非AP無線機102とは、物理的に1つの無線機であって、1つの無線機がAP無線機101と非AP無線機102との機能を備えてもよい。
非AP無線機102、103は、物理的に分かれてもよい。また、非AP無線機102、103は、物理的に1つの無線機であって、1つの無線機が非AP無線機102、103の機能を備えてもよい。
制御装置104、105は、AP無線機101、非AP無線機102、及び非AP無線機103が参加するサブネット(BSS)間のルーティング制御を行う。また、制御装置104は、AP無線機101がサービス提供するBSSのネットワークアドレスを決定する。制御装置104、105は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)といったプロセッサによって構成されてもよい。
制御装置104は、USB(Universal Serial Bus)、PCIe(Peripheral Component Interconnect Express)、又はイーサネットといったインターフェースを介して、AP無線機101及び非AP無線機102と接続される。制御装置105は、USB、PCIe、又はイーサネットといったインターフェースを介して、非AP無線機103と接続される。
制御装置104と制御装置105とは、イーサネット又はCAN(Controller Area Network)といったインターフェースを介して、接続回路106に接続される。接続回路106は、制御装置104と制御装置105とを接続する。接続回路106は、ハブ、スイッチ、ルータ、ワイヤハーネス、又はスイッチボックスといった装置又は回路であってもよい。また、接続回路106は、無線LAN(Local Area Network)、WiGig(Wireless Gigabit)、又はBluetoothといった無線通信方式に基づくアクセスポイント、子機、USBドングル、又は拡張ボードであってもよい。
なお、通信装置100には、通信装置100を搭載する車両の位置を検出する位置検出装置200が接続される。位置検出装置200は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)を利用したナビゲーションシステムを用いて車両の位置を検出してもよい。位置検出装置200は、通信装置100に組み込まれてもよい。また、通信装置100は、歩行者(図示せず)が所持してもよい。
図4は、アンテナ111、112、113の指向性の一例を説明する図である。車両の前方に電波を放射するアンテナ111、112は、一例として、扇形201に示すように、半値角5°の指向性を有してもよい。アンテナ111、112は、一例として、扇形202に示すように、車両の正面方向120°(車両前方正面に対し、左右60°ずつ)の範囲において、指向性の方向(ビーム又はセクタ)を変更してもよい。
車両の後方に電波を放射するアンテナ113は、一例として、扇形203に示すように、半値角5°の指向性を有してもよい。アンテナ113は、一例として、扇形204に示すように、車両の後方120°(車両後方正面に対し、左右60°ずつ)の範囲において、指向性の方向を変更してもよい。
なお、扇形202、204に示す指向性の方向の可動範囲は、120°に限られない。指向性の方向の可動範囲は、90°又は180°であってもよい。ミリ波通信では、多数のアンテナ素子が基板又はモジュール上に配置され、高指向性の小型アレイアンテナが形成される。このため、1つのアンテナモジュールの通信範囲は、180°以内であることが多い。
図5は、第1の実施の形態に係る車両間通信の一例を説明する図である。図5に示す車両10A、10B、10C、10Dは、図3に示した通信装置100を搭載している。
以下では、車両10A、10B、10C、10Dに搭載される通信装置100を区別するため、車両10Aに搭載される通信装置を通信装置100a、車両10Bに搭載される通信装置を通信装置100b、車両10Cに搭載される通信装置を通信装置100c、車両10Dに搭載される通信装置を通信装置100d、と記載することがある。
また、通信装置100a、100b、100c、100dの各々が有する各部を区別するため、通信装置100a、100b、100c、100dの各々が有する各部の符号には、a、b、c、dを付すことがある。例えば、通信装置100aのAP無線機101は、AP無線機101aと記載することがある。通信装置100bのAP無線機101は、AP無線機101bと記載することがある。
車両10A及び車両10Bは、一例として、道路上を同一進行方向に走行する。車両10Aの非AP無線機103aは、後続の車両10BのAP無線機101bに接続(無線リンクを確立)し、車列間通信を行う。例えば、車両10Aの非AP無線機103aと、車両10BのAP無線機101bとは、非特許文献1に記載されるディストリビューションサービスを利用し、AP-非AP間通信を行う。これにより、車両10Aの通信装置100aと、車両10Bの通信装置100bとは、例えば、IP(Internet Protocol)プロトコルに基づくデータ通信を行う。
なお、通信装置100は、非AP無線機の組み合わせにおいて通信しない。別言すれば、通信装置100は、端末同士(非AP無線機102と非AP無線機103との間)の通信を行わない。
また、AP無線機101がビーコンフレームを送信し、非AP無線機103はビーコンフレームを送信しない。これにより、通信装置100は、ビーコンフレームの総数を削減でき、通信装置間の干渉及び無線帯域の占有によるデータ通信のスループットを向上できる。ビーコンフレームは、ビーコン信号と称されてもよい。
また、AP無線機101は、1つのBSSのサービスを提供し、1つのサブネット(IP通信におけるローカルエリアネットワークの単位)を設定してもよい。
また、制御装置104は、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)のサーバ機能を有してもよい。例えば、非AP無線機103がAP無線機101に接続した場合、制御装置104は、AP無線機101のサブネットに属するIPアドレスの1つを、非AP無線機103に付与してもよい。
車両10C及び車両10Dは、一例として、道路上を同一進行方向に走行する。車両10Cの非AP無線機103c及び後続の車両10DのAP無線機101dも、上述した車両10Aの非AP無線機103a及び後続の車両10BのAP無線機101bと同様に、車列間通信を行う。
ここで、車両10Dの非AP無線機102dは、ビーコンフレームをスキャンしながら交差点に進入する。車両10Dの非AP無線機102dは、APである車両10BのAP無線機101bを発見し、AP無線機101bに接続する。なお、車両10BのAP無線機101bは、複数の非AP(車両10Aの非AP無線機103a及び車両10Dの非AP無線機102d)と無線リンクの確立が可能である。
これにより、車両10Dの通信装置100dは、車両10Cの通信装置100cとの無線リンクを切断せずに(車列間通信を切断せずに)、非AP無線機102dを介して、車両10Bの通信装置100bと通信できる。また、車両10Dの通信装置100dは、車両10Bの通信装置100b(AP無線機101b)を介して、車両10Aの通信装置100aと通信できる。
車両10Dの制御装置104dは、ルータとして動作してもよい。例えば、車両10Dの制御装置104dは、AP無線機101dのBSSに対応するサブネットと、非AP無線機102dの接続先である車両10Bの無線機101bのBSSに対応するサブネットとの間のルーティングを行ってもよい。
これにより、車両10Cの通信装置100cは、車両10Dの通信装置100d(ルータ)を介して、車両10Bの通信装置100bと通信できる。さらに、車両10Cの通信装置100cは、車両10Bの通信装置100bを介して、車両10Aの通信装置100aと通信できる。別言すれば、車両10Cの通信装置100cは、後続の車両10Dの通信装置100dとの車列間通信とは別の車列間通信のネットワークに接続できる。
なお、制御装置104は、RIP(Routing Information Protocol)、OSPF(Open Shortest Path First)、又はBGP(Border Gateway Protocol)といったルーティングプロトコルを利用して、通信経路(ルーティング経路)を決定してもよい。
また、制御装置104は、AP無線機101と非AP無線機103との間でルーティングを行ってもよい。制御装置104は、非AP無線機102と非AP無線機103との間でルーティングを行ってもよい。
また、通信装置100は、インフラストラクチャモードにおける、既存のルーティングプロトコルを利用して、メッシュネットワークを構成してもよい。
また、制御装置104は、AP無線機101が使用するサブネットのネットワークアドレスを、ランダムに設定してもよい。一例として、制御装置104は、ネットワークアドレス10.0.0.0/28、10.0.0.16/28、10.0.0.32/28、・・・、10.0.0.240/28、10.0.1.0/28、・・・、10.0.0.240/28、・・・、10.0.255.0/28、10.1.0.0/28、・・・、10.255.0.0/28、・・・、10.255.255.0/28、・・・10.255.255.240/28の中から(256x256x16通り)、1つのネットワークアドレスをランダムに選択してもよい。
これにより、AP無線機101のサブネットのネットワークアドレスが、非AP無線機102、103と接続されたサブネットのネットワークアドレスと重複する確率を低減できる。また、AP無線機101のサブネットのネットワークアドレスが、非AP無線機102、103と他の車両の制御装置104のルーティングにより接続されたサブネットのネットワークアドレスと重複する確率を低減できる。車両10に搭載されたAP無線機101、非AP無線機102、及び非AP無線機103の間のルーティングを介して、多数の車両間における通信が可能となる。
また、制御装置104は、AP無線機101と、非AP無線機102、103とのネットワークアドレスが重複する場合、ルーティングの代わりに、ブリッジを行ってもよい。制御装置104は、AP無線機101と、非AP無線機102、103とのネットワークアドレスが重複し、サブネットマスクが異なる場合、Proxy ARP(ARP:Address Resolution Protocol)に基づいてサブネットを接続してもよい。制御装置104は、AP無線機101(AP)と、非AP無線機102、103のネットワークアドレスとが重複するか否か、又は、サブネットマスクが一致するか否かに応じ、ルーティング、ブリッジ、又はProxy ARPのいずれかを選択してもよい。
また、制御装置104は、IPv6(IPバージョン6)のサイトローカルアドレスを使用し、BSS毎にサブネットを設定してもよい。また、制御装置104は、AP無線機101毎にあらかじめ定められた固有のIPv6ネットワークアドレスを用いてもよい。
また、第1車両の非AP無線機102が、第2車両のAP無線機101に接続した場合、第1車両の非AP無線機102は、第1車両のAP無線機101のBSSID(BSS IDentifier)、MACアドレス、又はSSID(Service Set Identifier)といった情報を、第2車両のAP無線機101に通知してもよい。第2車両の非AP無線機102は、第1車両のAP無線機101に関する情報を、第2車両のAP無線機101より取得し、第1車両のAP無線機101を接続対象から除外してもよい。
例えば、図5において、車両10Dの非AP無線機102dが、車両10BのAP無線機101bに接続する。車両10Dの非AP無線機101dは、車両10DのAP無線機101dのSSIDを、車両10BのAP無線機101bに通知する。車両10Bの非AP無線機102bは、AP無線機101bが受信した車両10DのAP無線機101dのSSIDを、スキャン対象及びアソシエーション対象から除外する。また、車両10Bの非AP無線機102bは、車両10DのAP無線機101dのBSSIDを、スキャン対象及びアソシエーション対象から除外してもよい。
図6は、第1の実施の形態に係る車両間通信の別例を説明する図である。図6において、図5と同じ構成要素には同じ符号が付してある。
図6では、交差点に路側機400a、400b、400c、400dが設置されている。路側機400a、400b、400c、400dは、インフラストラクチャモードに基づいて動作するAPである。路側機400a、400b、400c、400dは、バックホール回線(図示せず)により相互に接続され、リレー、ブリッジ、又はルーティングにより、非AP無線機間の通信を中継する。バックホール回線は、有線又は無線回線によって構成されてもよい。以下では、路側機400a、400b、400c、400dを区別しない場合、路側機400と記載することがある。
非AP無線機102a、102b、102c、102dは、路側機400a、400b、400c、400dに接続した場合、非AP無線機102a、102b、102c、102d間において相互通信が可能になる。
一例として、交差点に進入する車両10Bの非AP無線機102bと、交差点に進入する車両10Dの非AP無線機102dとが、路側機400に接続する。車両10Bの非AP無線機102bと、車両10Dの非AP無線機102dとは、路側機400を介して、通信する。
通信装置100の非AP無線機102は、車両が交差点に進入した場合であって、路側機400に接続していない場合に、AP無線機101のスキャンを開始してもよい。すなわち、通信装置100は、車両が交差点に進入した場合に、路側機400と無線リンクを確立している場合、図5で説明した無線リンクの確立処理を実行しなくてもよい。別言すれば、非AP無線機102は、車両のAP無線機との無線リンクの確立より、路側機との無線リンクの確立を優先してもよい。
なお、車両10Bの後続車両X(図示せず)の非AP無線機102x(図示せず)が路側機400に接続しない場合(一例として、非AP無線機102xが路側機400の圏外にある場合)、車両10Bの非AP無線機103bは、後続車両XのAP無線機101に接続してもよい。そして、車両10Bの非AP無線機102b、103bは、ルーティングを行ってもよい。
これにより、車両10Bの後続車両Xの非AP無線機102xは、路側機400の無線通信圏外にある場合でも、車両10Bの通信装置100bを介して、路側機400と通信できる。すなわち、車両10Bの通信装置100bは、路側機400の通信エリアを拡大する。
図7は、第1の実施の形態に係る車両間通信の別例を説明する図である。図7において、図5と同じ構成要素には同じ符号が付してある。図7では、車両10Cは、車両10A、10Bが走行している車線の対向車線を走行している。
車両10Aの非AP無線機103aは、後続の車両10BのAP無線機101bと車列間通信しているとする。車両10Bの非AP無線機102bは、対向車線を走行する車両10CのAP無線機101cと通信しているとする。車両10Cの非AP無線機102cは、他の車両10のAP無線機101と無線リンクを確立していないとする。車両10DのAP無線機101d及び非AP無線機102dは、他の車両10のAP無線機101及び非AP無線機103と無線リンクを確立していないとする。
非AP無線機102は、車両10が交差点に進入する前に、他の車両10のAP無線機101と無線リンクを確立している場合、他の車両10のAP無線機101との無線リンクを切断してもよい。
例えば、図7に示す車両10Bの非AP無線機102bは、対向車線を走行する車両10CのAP無線機101cと無線リンクを確立している。車両10Bの非AP無線機102bは、交差点に進入する前に、車両10CのAP無線機101cとの無線リンクを切断してもよい。
車両10CのAP無線機101cとの無線リンクを切断した車両10Bの非AP無線機102bは、ビーコンフレームのスキャンを開始する。車両10Bの非AP無線機102bは、ビーコンフレームのスキャンに基づいて、車両10CのAP無線機101cと、車両10DのAP無線機101dとを発見する。
車両10Bの非AP無線機102bは、発見したAP無線機101c,101dのうち、ビーコンフレームの無線品質が良いAP無線機101と無線リンクを確立する。なお、無線品質は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)であってもよい。
ここで、車両10Cは、車両10Bの対向車であり、車両10Bに対し反対方向に走行する。車両10Dは、車両10Bの走行方向に対し、横方向に走行する。このため、車両10Bと車両10Cとの相対速度は、車両10Bと車両10Dとの相対速度より大きく、車両10DのAP無線機101dの無線品質の方が、車両10CのAP無線機101cの無線品質より良い。従って、車両10Bの非AP無線機102bは、発見したAP無線機101c,101dのうち、車両10DのAP無線機101dと無線リンクを確立する。
すなわち、車両10Bの非AP無線機102bは、交差点において出会い頭となる(初めて対面する)車両10DのAP無線機101dと無線リンクを確立する。別言すれば、車両10Bの非AP無線機102bは、対向車線を走行する車両10CのAP無線機101cとの無線リンクを切断して、車両10Bが走行する道路とは別の道路から交差点に進入する車両10DのAP無線機101dとの無線リンクの確立を優先する。
なお、無線リンクを確立していなかった車両10Cの非AP無線機102cは、車両10BのAP無線機101bと、車両10DのAP無線機101dとを発見する。また、無線リンクを確立していなかった車両10Dの非AP無線機102dは、車両10BのAP無線機101bと、車両10CのAP無線機101cとを発見する。
車両10Dの非AP無線機102dは、発見した車両10BのAP無線機101bと、車両10CのAP無線機101cとのうち、車両10CのAP無線機101cに接続してもよい。車両10Bの非AP無線機102bと、車両10DのAP無線機101dとが無線リンクを確立しているためである。車両10Dの非AP無線機102dは、無線リンクを確立した車両10CのAP無線機101cに、AP無線機101dのBSSIDを通知してもよい。
車両10Cの非AP無線機102cは、車両10DのAP無線機101dのBSSIを取得した場合、車両10DのAP無線機101dに接続せず、車両10BのAP無線機101bに接続してもよい。
また、車両10Cの非AP無線機102cは、車両10Dの通信装置100dのルーティングにより、車両10Bの通信装置100bとの通信が可能な場合、車両10BのAP無線機101bに接続しなくてもよい。車両10Cの非AP無線機102cは、車両10Cの前を走行する先行車両のAP無線機(図示せず)に接続してもよい。
図8は、第1の実施の形態に係る車両間通信の動作例を示したフローチャートである。図8では、車両10Bに搭載された通信装置100bの動作例について説明する。通信装置100bは、例えば、図8に示すフローチャートの処理を定期的に実行する。
制御装置104bは、位置検出装置200bの位置検出に基づいて、車両10Bの交差点への進入(予定)を検知する(S1001)。例えば、制御装置104bは、位置検出装置200bによって検出された車両10Bの現在位置と、地図情報とに基づいて、車両10Bが交差点を含む所定の領域内(例えば、交差点を中心とした半径50mの円内)に進入したことを検知する。
なお、制御装置104bは、方向指示器のONをトリガーとして、車両10Bの交差点への進入を検知してもよい。
制御装置104bは、非AP無線機102bの接続先が路側機400であるか否かを判定する(S1002)。制御装置104bは、非AP無線機102bの接続先が路側機400であると判定した場合(S1002の「Yes」)、処理をS1009に移行する。
制御装置104bは、非AP無線機102bの接続先が路側機400でないと判定した場合(S1002の「No」)、非AP無線機102bを制御し、ビーコンフレームのスキャンを開始する(S1003)。
なお、制御装置104bは、S1003にてビーコンフレームのスキャンを開始する前に、非AP無線機102bが、他の車両10のAP無線機101に接続していた場合、他の車両10のAP無線機101との通信を切断してもよい。別言すれば、制御装置104bは、車両10Bの前方において、他の車両10のAP無線機101と無線通信する非AP無線機102bを、一旦フリーの状態(AP無線機101に接続していない状態)にしてもよい。これにより、車両10Bの非AP無線機102bは、例えば、対向車線を走行する車両10CのAP無線機101cとの接続を切断し、車両10Bが走行する道路とは別の道路から進入する車両10C(交差点において出会い頭となる車両10C)のAP無線機101cに接続できる。
制御装置104bは、S1003のビーコンフレームのスキャン開始に基づいて、他の車両10のAP無線機101を検出したか否かを判定する(S1004)。
制御装置104bは、他の車両10のAP無線機101を検出しない場合(S1004の「No」)、処理をS1003に移行する。
制御装置104bは、他の車両10のAP無線機101を検出した場合(S1004の「Yes」)、接続先のAP無線機101を選択する(S1005)。例えば、制御装置104bは、ビーコンフレームの無線品質が最も良いAP無線機101を選択する。
制御装置104bは、S1005にて選択したAP無線機101とアソシエーションを行い、IPアドレスを決定する(S1006)。
制御装置104bは、非AP無線機102bを介して、AP無線機101bのBSSIDを、S1006にてアソシエーションを行ったAP無線機101に送信する(S1007)。なお、制御装置104bは、IPv4に基づいて通信する場合、DHCPに基づいてIPアドレスを決定してもよい。制御装置104bは、IPv6に基づいて通信する場合、SLAAC(StateLess Address Auto Configuration)、又は、DHCPv6に基づいてIPアドレスを決定してもよい。
制御装置104bは、AP無線機101b及び非AP無線機102b間のルーティングを設定し、設定したルーティング情報を、AP無線機101bを介して送信する(S1008)。
制御装置104bは、AP無線機101bを介して、無線リンクを確立しているネットワークのIPアドレスを、接続済みネットワーク内に通知する(S1009)。
なお、制御装置104bは、S1008、S1009の処理において、例えば、mDNS(multicast Domain Name System)又はBonjourを用いて、他の車両10のAP無線機101を発見してもよい。
また、制御装置104bは、mDNS又はBonjourを用いて、IPアドレス及びサービスの情報を報知してもよい。サービス情報には、例えば、衝突回避情報、経路情報、ダイナミックマップ、及びインターネット接続ゲートウェイといったアプリケーション情報が含まれてもよい。また、サービス情報には、MQTT(Message Queuing Telemetry Transport)、WebSocket、又はROS(Robot OS) messageといったプロトコル情報が含まれてもよい。
制御装置104bは、AP無線機101b及び非AP無線機102bを介して、他の車両10の通信装置100のIPアドレス情報を受信する(S1010)。
制御装置104bは、データの送信先IPアドレスを決定し、AP無線機101b及び非AP無線機102b、103bを介して、データ通信を行う(S1011)。なお、制御装置104bは、経路設定したサブネットに対して、データをブロードキャストしてもよいし、マルチキャストしてもよい
以上説明したように、通信装置100は、インフラストラクチャモードのAPとして動作し、車両10の前方に向けて電波を送信及び受信するAP無線機101及びアンテナ111と、インフラストラクチャモードのステーションとして動作し、車両10の前方に向けて電波を送信及び受信する非AP無線機102及びアンテナ112と、を有する。これにより、通信装置100は、道路が交わる交差点といった場所での無線リンクの確立を容易にできる。
例えば、通信装置100は、AP無線機101によって、前方を走行する車両10の通信装置と車列間通信を維持させ、さらに、非AP無線機102によって、交差点に進入する車両の通信装置と通信を確立できる。すなわち、通信装置100は、AP無線機101の車列間通信の切断処理をすることなく、非AP無線機102によって、交差点に進入する車両の通信装置と容易に通信を確立できる。
また、制御装置104は、非AP無線機102を制御し、無線品質の良いAP無線機101(相対速度が小さい車両のAP無線機101)を選択する。相対速度が小さい車両10との無線リンクは、早期に切断されるリスクが小さいため、通信装置100は、多くのデータ通信を行うことができる。
また、通信装置100は、車両10の前方において通信するAP無線機101と非AP無線機102との2つの無線機を備えるため、低遅延の車両間通信を行うことができる。
また、通信装置100は、車両10の位置及び方向が時々刻々変化するモビリティ環境においても、指向性を有するミリ波通信を用いてメッシュネットワークを形成でき、多数の車両と相互に通信を行うことができる。
なお、位置検出装置200は、ADASを用いて、車両の交差点への進入を検知してもよい。ADASは、例えば、カメラ、LiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)、又はレーダといったセンサを少なくとも1つ用いて、車両10の交差点への進入を検出してもよい。
また、制御装置104は、図8のS1001において、交差点の進入を検知した場合、S1002の処理を実行したが、これに限られない。制御装置104は、ADAS(Advanced driver-assistance systems)に基づく車両10前方の所定角度(例えば120°)内において、死角が存在する場合にも、S1002の処理を実行してもよい。車両前方の死角は、例えば、カメラ、LiDAR、又はレーダといったセンサによって検出されてもよい。
また、通信装置100は、ネットワークアドレスのリスト又はルーティング情報を、AP無線機101及び非AP無線機102、103が使用する無線方式とは異なる無線方式で送信してもよい。例えば、通信装置100は、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、LTE(Long Term Evolution)-V2X(Vehicle-to-Everything)、又はWi-Fi(登録商標)といった無線方式を用いて、ネットワークアドレスのリスト又はルーティング情報を送信してもよい。
また、図3に示した通信装置100は、2つの制御装置104、105と、接続回路106と、を備えたがこれに限られない。通信装置100は、1つの制御装置を有してもよい。
図9は、通信装置100の別のブロック構成例を示した図である。図9において、図3と同じ構成要素には同じ符号が付してある。図9に示すように、通信装置100は、1つの制御装置114を有する。
制御装置114は、AP無線機101、非AP無線機102、及び非AP無線機103が参加するサブネット(BSS)間のルーティング制御を行う。また、制御装置114は、AP無線機101がサービス提供するBSSのネットワークアドレスを決定する。制御装置114は、例えば、CPU又はDSPといったプロセッサによって構成されてもよい。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、制御装置104は、他の車両10のAP無線機101を検出した場合、無線品質が最も良いAP無線機101を選択する。第2の実施の形態では、制御装置104は、通信可能となるサブネット数の増加数が大きいAP無線機101を選択する。別言すれば、制御装置104は、既にルーティングにより到達可能なAP無線機101を、選択候補から除く。以下では、第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図10A及び図10Bは、第2の実施の形態に係る車両間通信の動作例を示したフローチャートである。図10Aに示す丸で囲ったA及びBは、図10Bに示す丸で囲ったA及びBに繋がる。図10A及び図10Bにおいて、図8で説明した処理と同じ処理には同じ符号を付し、その説明を省略する。通信装置100bは、例えば、図10A及び図10Bに示すフローチャートの処理を定期的に実行する。
制御装置104bは、非AP無線機102bを制御し、車両10CのAP無線機101cから送信されるDMG(Directional Multi Gigabit)ビーコンフレームを受信する(S1101-1)。
制御装置104bは、DMGビーコンフレームを受信した後、非AP無線機102bを制御し、車両10CのAP無線機101cにプローブリクエストを送信する(S1102-1)。
制御装置104bは、非AP無線機102bを制御し、車両10CのAP無線機101cから、ネイバーレポートを含むプローブレスポンスを受信する(S1103-1)。ネイバーレポートとは、後述するが、直接又はルーティング(例えば、マルチホップ)により接続可能な他の通信装置100のAP無線機101に関する情報(例えば、接続可能なAP無線機101のBSSIDのリスト)である。
制御装置104bは、非AP無線機102bを制御し、車両10DのAP無線機101dから送信されるDMGビーコンフレームを受信する(S1101-2)。
制御装置104bは、DMGビーコンフレームを受信した後、非AP無線機102bを制御し、車両10DのAP無線機101dにプローブリクエストを送信する(S1102-2)。
制御装置104bは、非AP無線機102bを制御し、車両10DのAP無線機101dから、ネイバーレポートを含むプローブレスポンスを受信する(S1103-2)。
制御装置104bは、ビーコンフレームのスキャン時間の満了後、接続先のAP無線機101を選択する(S1105)。
例えば、制御装置104bは、S1101-1にてDMGビーコンフレームを受信した車両10CのAP無線機101cと、S1101-2にてDMGビーコンフレームを受信した車両10DのAP無線機101dと、の一方を選択する。
ここで、制御装置104bは、仮にAP無線機101cとアソシエーションを行った場合、AP無線機101cと、S1103-1にて受信したリストに載っているBSSIDのAP無線機101と、通信できる。従って、制御装置104bは、S1103-1にて受信したリストから、AP無線機101cとアソシエーションを行った場合の接続可能なサブネット数を取得できる。同様に、制御装置104bは、S1103-2にて受信したリストから、AP無線機101dとアソシエーションを行った場合の接続可能なサブネット数を取得できる。
制御装置104bは、後述するS1112にて、現在の通信可能なBSSID数(接続可能なサブネット数)を取得する。制御装置104bは、S1112にて取得した(例えば、前回のフローチャート処理で取得した)BSSID数と、S1103-1にて取得したAP無線機101cに接続した場合の接続可能なサブネット数とを比較する。制御装置104bは、S1112にて取得したBSSID数と、S1103-2にて取得したAP無線機101dに接続した場合の接続可能なサブネット数とを比較する。制御装置104bは、新たに接続可能になるサブネット数(新たに接続可能になるAP無線機の数)の増加数が大きい方の(増加数が最も大きい)AP無線機101c又はAP無線機101dを選択する。
制御装置104bは、AP無線機101bを制御し、車両10A、10C、10Dの通信装置100a、100c、100dから、直接又はルーティングにより接続可能なAP無線機101のリスト(BSSIDのリスト)を取得する(S1112)。
制御装置104bは、S1112にてBSSIDのリストを取得した場合、ネイバーレポートを含むプローブレスポンスを送信する(S1113)。ネイバーレポートには、S1112にて取得したBSSIDのリストが含まれる。ネイバーレポートは、例えば、プローブレスポンスを用いて送信されてもよい。
図11は、プローブレスポンスのフレームの一例を説明する図である。図11には、車両10BのAP無線機101bが送信するプローブレスポンスのフレーム(プローブレスポンス信号)が示してある。図11に示す空白のフィールドエレメントにおいては、説明を省略する。図11に示すように、プローブレスポンスには、フレームボディのフィールドが含まれる。
フレームボディのフィールドに、ネイバーレポートのエレメントが含まれる。図11の例では、フレームボディのフィールドに、AP無線機101a、101c、101dのネイバーレポートのエレメントが含まれる。AP無線機101a、101c、101dのネイバーレポートのエレメントには、AP無線機101a、101c、101dのBSSIDが含まれる。
以上説明したように、制御装置104は、サブネット数の増加数に基づいて、AP無線機102が接続するAP無線機を選択してもよい。これにより、通信装置100は、交差点に進入する他の車両のAP無線機と無線リンクを確立できる。
また、AP無線機101が、ルーティング情報を予め送信した場合、非AP無線機102bは、接続処理を開始した後、低遅延でルーティング設定ができる。
なお、制御装置104は、インターネットまでルーティングが通る(路側機までのルーティングが通り、結果としてインターネットまでのルーティングが通る)場合、インターネットのゲートウェイである路側機(又は、ITS(Intelligent Transport Systems)サーバ)までのホップ数が少ない非AP無線機102を選択してもよい。AP無線機101は、ホップ数を、プローブレスポンスのネイバーレポートを用いて通知してもよい。
また、制御装置104は、例えば、交差点に進入した場合、他の車両の相対速度を取得し、取得した相対速度が所定の閾値より小さい車両のAP無線機101を選択してもよい。車両の相対速度は、ビーコンフレーム又はプローブ応答フレームを用いて取得されてもよい。また、車両の相対速度は、他の通信方式にて、車両の絶対速度及び方位角といった情報が通知され、通知された情報から取得(算出)されてもよい。
また、制御装置104は、相対速度が大きいAP無線機101に接続し、一定量の通信を行った後、切断して別のAP無線機に接続してもよい
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、AP無線機101は、車両の前方において通信する。第3の実施の形態では、AP無線機が車両の後方においても通信する。
図12は、第3の実施の形態に係る通信装置300のブロック構成例を示した図である。図12に示すように、通信装置300は、AP無線機301と、非AP無線機102、303、323と、制御装置314と、アンテナ111、311、321、112、313、333と、を有する。通信装置300には、位置検出装置200が接続される。
AP無線機301は、アンテナ111、311、321と接続される。非AP無線機102、303、323はそれぞれ、アンテナ112、313、333と接続される。
制御装置314は、AP無線機301及び非AP無線機102、303、323が参加するサブネット(BSS)のルーティング制御を行う。また、制御装置314は、AP無線機301がサービス提供するBSSのネットワークアドレスを決定する。制御装置314は、例えば、CPU又はDSPといったプロセッサによって構成されてもよい。
なお、通信装置300は、複数の制御装置を備えてもよい。例えば、複数の制御装置は、AP無線機301及び非AP無線機102、303、323の各々に対し、1つずつ対応して設けられてもよい。複数の制御装置は、図3で説明した接続回路106によって接続されてもよい。
また、非AP無線機102、303、323は、物理的に分かれていてもよい。また、非AP無線機102、303、323は、物理的に1つの無線機であって、1つの無線機が非AP無線機102、303、323の機能を備えてもよい。
また、AP無線機301と、非AP無線機102、303、323とは、物理的に分かれていてもよい。AP無線機301と、非AP無線機102、303、323とは、物理的に1つの無線機であって、1つの無線機がAP無線機101と、非AP無線機102、303、323との機能を備えてもよい。
図13は、アンテナ111、112、311、313、321、333の指向性の一例を説明する図である。車両の前方に電波を放射するアンテナ111、112は、一例として、扇形201に示すように、半値角5°の指向性を有してもよい。アンテナ111、112は、一例として、扇形202に示すように、車両の正面方向120°(車両前方正面に対し、左右60°ずつ)の範囲において、指向性の方向を変更してもよい。
AP無線機301に接続されたアンテナ311及び非AP無線機303に接続されたアンテナ313は、一例として、扇形205に示すように、半値角5°の指向性を有してもよい。アンテナ311、313は、一例として、扇形206に示すように、車両左後方120°の範囲において、指向性の方向を変更してもよい。
AP無線機301に接続されたアンテナ321及び非AP無線機323に接続されたアンテナ333は、一例として、扇形207に示すように、半値角5°の指向性を有してもよい。アンテナ321、333は、一例として、扇形208に示すように、車両左後方120°の範囲において、指向性の方向を変更してもよい。
AP無線機301は、アンテナ111、311、321を切り替えて、又は、同時に用いることで、車両10の周囲360°方向の車両(非AP無線機)と通信する。また、通信装置300は、アンテナ112、313、333のそれぞれに接続された非AP無線機102、303、323を備えることで、車両10の周囲360°方向の車両(AP無線機)と通信する。通信装置300は、図13に示す扇形202、206、208のそれぞれの方向において、少なくとも1台の通信装置(AP無線機)と通信する。
なお、アンテナ111、112、311、313、321、333は、120°以上の角度範囲をカバーし(一例として、140°)、カバー範囲に重複があってもよい。
また、AP無線機301には、例えば、4つのアンテナが接続され、各アンテナが車両10の4隅において、90°の角度範囲をカバーしてもよい。通信装置300は、4つの非AP無線機を備え、それぞれの非AP無線機が車両10の4隅において、90°の角度範囲をカバーしてもよい。
図14は、第3の実施の形態に係る車両間通信の一例を説明する図である。図14に示す車両10A、10B、10C、10Dは、図13に示した通信装置300を搭載している。
以下では、車両10A、10B、10C、10Dに搭載される通信装置300を区別するため、車両10Aに搭載される通信装置を通信装置300a、車両10Bに搭載される通信装置を通信装置300b、車両10Cに搭載される通信装置を通信装置300c、車両10Dに搭載される通信装置を通信装置300d、と記載することがある。
また、通信装置300a、300b、300c、300dの各々が有する各部を区別するため、通信装置300a、300b、300c、300dの各々が有する各部の符号には、a、b、c、dを付すことがある。
車両10A、10B、10C、10Dに搭載された通信装置300a、300b、300c、300dは、インフラストラクチャモードに基づいて通信を行う。
両10A及び車両10Bは、一例として、道路上を同一進行方向に走行する。車両10Aの非AP無線機303aは、後続の車両10BのAP無線機301bに接続し、車列間通信を行う。
車両10Aの非AP無線機303a、323aはそれぞれ、車両10Aの右後方及び左後方の通信をカバーする。車両10Aの非AP無線機323aは、例えば、対向車線を走行する車両10CのAP無線機301cと通信を行う。
車両10CのAP無線機301cは、車両10Cの前方、右後方及び左後方の通信をカバーする。車両10CのAP無線機301cは、例えば、対向車線を走行する車両10Aの非AP無線機323aと通信を行う。また、車両10CのAP無線機301cは、例えば、対向車線を走行する車両10Bの非AP無線機102bと通信を行う。
通信装置300の動作は、図8のフローチャートで説明した動作と同様であり、その説明を省略する。
以上説明したように、AP無線機301及びアンテナ111、311、321は、車両10の前方、右後方、及び左後方に向け電波を送信及び受信してもよい。これにより、通信装置100は、前方、後方、及び側方を走行する車両10の通信装置と通信できる。
上述の実施の形態においては、各構成要素に用いる「・・・部」又は「・・・機」といった表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・アッセンブリ」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
以上、図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかである。そのような変更例又は修正例についても、本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態における各構成要素は任意に組み合わされてよい。
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部又は全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置は無線送受信機(トランシーバー)と処理/制御回路を含んでもよい。無線送受信機は受信部と送信部、又はそれらを機能として、含んでもよい。無線送受信機(送信部、受信部)は、RF(Radio Frequency)モジュールと1又は複数のアンテナを含んでもよい。RFモジュールは、増幅器、RF変調器/復調器、又はそれらに類するものを含んでもよい。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサ等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサが含まれる。
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
(本開示のまとめ)
本開示に係る通信装置は、車両に搭載される通信装置であって、インフラストラクチャモードのアクセスポイントとして動作し、前記車両の前方に向けて電波を送信及び受信する第1通信回路と、インフラストラクチャモードのステーションとして動作し、前記車両の前方に向けて電波を送信及び受信する第2通信回路と、を有する。
本開示に係る通信装置において、前記第2通信回路は、前記車両が交差点を含む所定の領域内に進入した場合に第1車両の通信装置と無線リンクを確立している場合、前記第1車両の通信装置との無線リンクを切断する。
本開示に係る通信装置において、前記第2通信回路は、前記第1車両の通信装置とは異なる第2車両の通信装置と無線リンクを確立する。
本開示に係る通信装置において、前記第2通信回路は、ビーコン信号の品質に基づいて、無線リンクを確立する第2車両の通信装置を選択する。
本開示に係る通信装置において、前記第2通信回路は、サブネット数の増加数に基づいて、無線リンクを確立する第2車両の通信装置を選択する。
本開示に係る通信装置において、前記第2通信回路は、他車両の通信装置との無線リンクの確立より、路側機との無線リンクの確立を優先する。
本開示に係る通信装置において、前記第1通信回路は、他車両の通信装置のアクセスポイントに関する情報を含むプローブ応答信号を送信する。
本開示に係る通信装置において、前記第1通信回路は、前記車両の後方に向けて電波を送信及び受信する。
本開示に係る通信装置において、前記第2通信回路は、前記車両の後方に向けて電波を送信及び受信する。
本開示に係る通信方法は、車両に搭載される通信装置の通信方法であって、第1通信回路が、インフラストラクチャモードのアクセスポイントとして動作し、前記第1通信回路が、前記車両の前方に向けて電波を送信及び受信し、第2通信回路が、インフラストラクチャモードのステーションとして動作し、前記第2通信回路が、前記車両の前方に向けて電波を送信及び受信する。