以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。尚、以下の説明において同じであることは、厳密に同じである場合の他、発明の主旨を逸脱しない範囲で異なるものことも含む。同様に、以下の説明において一致することは、厳密に一致する場合の他、発明の主旨を逸脱しない範囲で一致しないことも含む。例えば、以下の説明において同じであることは、設計時に定められる公差の範囲内(例えば±5%以内)で異なるものも含む。また、以下の説明では、トランスバース方式の誘導加熱装置を必要に応じて誘導加熱装置と称する。また、以下の説明では、加熱対象の導電体板が帯状鋼板である場合を例示する(ただし、加熱対象の導電体板は帯状鋼板に限定されない)。また、表記および説明の都合上、各図において、一部の構成を省略または簡略化して示す。また、各図に示すx-y-z座標は、各図における向きの関係を示すものである。白丸(〇)の中に黒丸(●)が付された記号は、紙面の奥側から手前側に向かう方向を示す。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、誘導加熱装置の外観構成の一例を示す図である。具体的に図1は、誘導加熱装置を斜め上方から俯瞰した図である。図1では、帯状鋼板100の先端に付している矢印の方向(y軸の正の方向)に帯状鋼板100が搬送される場合を例示する。即ち、図1では、帯状鋼板100の搬送方向が、y軸の正の方向である場合を例示する。また、図1では、帯状鋼板100の長手方向がy軸方向であり、帯状鋼板100の幅方向がx軸方向であり、帯状鋼板100の厚さ方向がz軸方向である場合を例示する。尚、帯状鋼板100の厚さは限定されない。ただし、各実施形態の誘導加熱装置は、厚さが薄い導電体板を加熱することができる。従って、各実施形態の誘導加熱装置の加熱対象の帯状鋼板100の厚さは、例えば、1mm以下であるのが好ましい。ただし、各実施形態の誘導加熱装置の加熱対象の帯状鋼板100の厚さは1mmを上回っていてもよい。
図1に示す誘導加熱装置は、上側誘導器200と下側誘導器300とを備える。上側誘導器200と下側誘導器300は、帯状鋼板100を介して互いに対向する位置に配置される(図2~図5を参照)。上側誘導器200と下側誘導器300は同じ構成を有する。従って、ここでは、上側誘導器200について詳細に説明し、下側誘導器300の詳細な説明を必要に応じて省略する。帯状鋼板100は、z軸方向およびx軸方向に移動することがあり、帯状鋼板100は、誘導加熱装置の中央から少し外れた位置にあることもある。このような帯状鋼板100の位置の移動(例えば、蛇行など)があっても、公知の技術(例えば、国際公開公報WO2019/181653)により、帯状鋼板100が、出来るだけ誘導加熱装置の中央に位置するように制御されることが多い。図1を含め以下の図では、原則として、帯状鋼板100の上面側と下面側の加熱量と、帯状鋼板100の搬送方向の左側と右側の加熱量と、が等しくなる理想的な位置(例えば、誘導加熱装置の中央に位置)に帯状鋼板100がある場合の状態が、図示されている。以下の説明では、帯状鋼板100が前記の理想的な位置にある場合において、帯状鋼板100の厚さ方向の中心の位置を通り、且つ、当該帯状鋼板100の厚さ方向に垂直な面を必要に応じて搬送予定面CPと称する。尚、帯状鋼板100の厚さ方向の中心の位置を通り、且つ、当該帯状鋼板100の厚さ方向に垂直な面は、帯状鋼板100の厚さ方向の中心の位置を通り、且つ、当該帯状鋼板100の板面に平行な面でもある。誘導加熱装置の設計時に搬送予定面CPは決定されているため、誘導加熱装置自体に搬送予定面CPが内在している。搬送予定面CPは、誘導加熱装置の中央に位置している場合が多い。このため、上側誘導器200と下側誘導器300との間隔の中央がなす面を、搬送予定面CPとしてもよい。また、以下の説明では、帯状鋼板100の搬送方向を必要に応じて搬送方向と称する。また、以下の説明では、上側誘導器200と下側誘導器300とが対向する方向を必要に応じてコイルの対向方向または単に対向方向と称する。図1では、搬送予定面CPの表側がz軸の正の方向側であり、搬送予定面CPの裏側がz軸の負の方向側である場合を例示する。また、図1では、上側誘導器200が、搬送予定面CPの表側に配置され、且つ、下側誘導器300が、搬送予定面CPの裏側に配置される場合を例示する。
以上のように図1では、コイルの対向方向がz軸方向であり、帯状鋼板100の搬送方向がy軸の正の方向である場合を例示する。従って、図1では、コイルの対向方向および帯状鋼板100の搬送方向と垂直な方向である幅方向がx軸方向である場合を例示する。
尚、上側誘導器200および搬送予定面CPの間隔(z軸方向の距離)と、下側誘導器300および搬送予定面CPの間隔は通常等しくなるが、互いに異なってもよい。本実施形態では、誘導加熱装置のx軸方向の中心におけるy-z平面を対称面とする鏡面対称の関係となる形状を誘導加熱装置が有する場合を例示する。上側誘導器200および搬送予定面CPの間隔と、下側誘導器300および搬送予定面CPの間隔とが同じ場合、誘導加熱装置は、搬送予定面CPを対称面とする鏡面対称の関係となる形状を有する。尚、y-z平面は、y軸およびz軸に平行な仮想面である。
図2は、誘導加熱装置の第1断面の一例を示す図である。具体的に図2は、図1のI-I断面図である。図3は、誘導加熱装置の第2断面の一例を示す図である。具体的に図3は、図1のII-II断面図である。図4は、誘導加熱装置の第3断面の一例を示す図である。具体的に図4は、図1のIII-III断面図である。図5は、誘導加熱装置の第4断面の一例を示す図である。具体的に図5は、図1のIV-IV断面図である。
図2において、上側誘導器200は、上側コア210と、コイル220と、シールド板230a、230bと、を備える。以下の説明では、誘導加熱装置および帯状鋼板100の幅方向を、必要に応じてx軸方向と称する。また、以下の説明では、帯状鋼板100の搬送方向に平行な方向(帯状鋼板100の長手方向)を、必要に応じてy軸方向と称する。また、以下の説明では、上側誘導器200と下側誘導器300との対向方向(帯状鋼板100の厚さ方向)を、必要に応じてz軸方向と称して説明する。
コイル220は周回部を有する導電体である。尚、図1では、厚さがある部分(交流電源400から延びる直線以外の部分)がコイル220の周回部である場合を例示する。コイル220の周回部は、x-y平面において、上側コア210のスロットを通って上側コア210をレーストラック状に周回するように配置される。本実施形態では、搬送予定面CPに対してコイル220、320が対向するように配置される。尚、一対のコイルを構成するコイルのうち、搬送予定面CPの表側に配置されたコイル220と、当該一対のコイルを構成するコイルのうち、搬送予定面CPの裏側に配置されたコイル320とが対向する方向は前述したコイルの対向方向である。また、x-y平面は、x軸およびy軸に平行な仮想面である。コイル220は、搬送予定面CPに対して垂直な方向とコイル220の軸心の方向とが平行になるように配置されるのが好ましい。コイル220の軸心は、コイル220を周回させる際の軸である。図1に示す例では、コイル220の軸心はz軸に平行である。
尚、コイル220は、導電体の周囲に配置される絶縁体を有していてもよい。また、ここでは、コイル220の巻き回数が1である場合を例示する。しかしながら、コイル220の巻き回数は2以上でもよい。コイル220、320の巻き回数は同じであるのが好ましい。
また、図2~図5では、コイル220の搬送予定面CP側の端部(コイル220の搬送予定面CP側に最も近いz軸方向の端部)が、上側コア210の搬送予定面CP側の端部(上側コア210の搬送予定面CP側に最も近いz軸方向の端部)よりも搬送予定面CP側にある場合を例示する。しかしながら、例えば、コイル220の搬送予定面CP側の端部のz軸方向の位置と、上側コア210の搬送予定面CP側の端部のz軸方向の位置とは同じでもよい。
上側コア210は強磁性体を用いて構成される。図2および図3に示すように、上側コア210は、非エッジコア211と、2つのエッジコア212~213とを有する。
エッジコア212~213は、x軸方向において非エッジコア211の両側(x軸の正の方向側およびx軸の負の方向側)に配置される。本実施形態では、非エッジコア211のx軸方向の位置の中に上側コア210におけるx軸方向の中心の位置が含まれる場合を例示する。
また、本実施形態では、非エッジコア211と2つのエッジコア212~213とが一体化されている場合を例示する。従って、非エッジコア211とエッジコア212~213との境界線は存在しない。
また、本実施形態では、x軸方向に積層された複数の電磁鋼板であって、同一の厚さおよび同一の平面形状の複数の電磁鋼板により非エッジコア211が構成される場合を例示する。同様に、本実施形態では、x軸方向に積層された複数の電磁鋼板であって、同一の厚さおよび同一の平面形状の複数の電磁鋼板によりエッジコア212~213が構成される場合を例示する。また、本実施形態では、エッジコア212~213を構成する電磁鋼板の厚さ、平面形状、および積層枚数が同じである場合を例示する。また、本実施形態では、非エッジコア211を構成する電磁鋼板の厚さと、エッジコア212~213を構成する電磁鋼板の厚さとが同じである場合を例示する。また、本実施形態では、非エッジコア211を構成する電磁鋼板の平面形状および積層枚数と、エッジコア212~213を構成する電磁鋼板の平面形状および積層枚数とが異なる場合を例示する。例えば、非エッジコア211のx軸方向の長さと、エッジコア212~213のx軸方向の長さとが違う場合、当該違いに対応して、非エッジコア211を構成する電磁鋼板の積層枚数と、エッジコア212~213を構成する電磁鋼板の積層枚数とが異なることになる。
非エッジコア211およびエッジコア212~213のそれぞれを構成する複数の電磁鋼板は、互いに分離しないように固定される。複数の電磁鋼板の固定の方法は限定されない。例えば、接着剤による固定、溶接による固定、カシメによる固定、および固定部材を用いた固定など、公知の種々の方法が、複数の電磁鋼板の固定の方法として採用される。尚、非エッジコア211を構成する電磁鋼板の厚さと、エッジコア212~213を構成する電磁鋼板の厚さは、同じである必要はない。また、表記の都合上、図2および図3では個々の電磁鋼板の境界線の図示を省略する。
図4において、非エッジコア211、311は、中央脚部2111、3111と、胴部2112、3112とを有する。尚、説明の都合上、図4において、中央脚部2111、3111および胴部2112、3112を二点鎖線(仮想線)で示す(各図において二点鎖線は仮想線である)。図4では、中央脚部2111、3111および胴部2112、3112が一体化されている場合を例示する。従って、中央脚部2111、3111および胴部2112、3112の境界線は存在しない。
尚、本実施形態だけでなく、第2実施形態、第3実施形態および第4実施形態においても、エッジコアでないという意味を強調するために、非エッジコアという名称を使用している。非エッジコアという名称でなく、センターコアなど他の任意の名称としてもよい。
胴部2112、3112は、それぞれ、コイル220、320の背面側において、コイル220、320よりも搬送方向の上流側(y軸の負の方向側)の領域から、コイル220、320よりも搬送方向の下流側(y軸の正の方向側)の領域まで、搬送方向に平行な方向(y軸方向)に延設される。コイル220、320の背面側とは、搬送予定面CP側の反対側である。図4および図5に示す例では、コイル220の背面側はz軸の正の方向側であり、コイル320の背面側はz軸の負の方向側である。以下の説明では、搬送方向の上流側を、必要に応じて上流側と称する。また、搬送方向の下流側を、必要に応じて下流側と称する。また、搬送予定面CP側の反対側を、必要に応じて背面側と称する。
中央脚部2111、3111は、それぞれ、コイル220、320の中空部分を通るように、胴部2112、3112から搬送予定面CPの方向に延設される。ここで、中空部分とは、レーストラック状に周回しているコイル220、320をひとつの輪と見做した場合において、輪の(外側でなく)内側を意味する。中央脚部2111、3111のy軸方向における位置の中に、コイル220、320の軸心のy軸方向における位置が含まれるのが好ましい。即ち、中央脚部2111、3111のy座標の中に、コイル220、320の軸心のy座標と重複する座標が存在するのが好ましい。本実施形態では、中央脚部2111、3111の重心のx-y平面における位置(x-y座標)と、コイル220、320の軸心のx-y平面における位置(x-y座標)とが一致する場合を例示する。
中央脚部2111、3111は、コアのティースである。本実施形態では、中央脚部2111、3111の先端面が非エッジコア211、311の磁極面である場合を例示する。胴部2112、3112は、コアのヨークである。尚、中央脚部2111、3111の先端面は、搬送予定面CPと対向する面である。
図4に示すように、非エッジコア211、311のy-z平面に平行な面の形状はT形である。即ち、非エッジコア211、311は、いわゆるT形コアである。尚、中央脚部2111、3111の先端側の形状は先細りの形状でもよい。以下の説明では、y-z平面に沿って切った断面を、必要に応じてy-z断面と称する。
図5において、エッジコア212、313は、中央脚部2121、3121と、上流側脚部2122、3122と、下流側脚部2123、3123と、胴部2124、3124とを有する。
胴部2124、3124は、それぞれ、コイル220、320の背面側において、コイル220、320よりも搬送方向の上流側(y軸の正の方向側)の領域から、コイル220、320よりも搬送方向の下流側(y軸の負の方向側)の領域まで、搬送方向に平行な方向(y軸方向)に延設される。
中央脚部2121、3121は、それぞれ、コイル220、320の中空部分を通るように、胴部2124、3124から搬送予定面CPの方向に延設される。
上流側脚部2122、3122は、それぞれ、コイル220、320よりも上流側(y軸の負の方向側)において、胴部2124、3124から搬送予定面CPの方向に延設される。
下流側脚部2123、3123は、それぞれ、コイル220、320よりも下流側(y軸の正の方向側)において、胴部2124、3124から搬送予定面CPの方向に延設される。
中央脚部2121、上流側脚部2122、および下流側脚部2123は、y軸方向において間隔を有する状態で配置される。中央脚部3121、上流側脚部3122、および下流側脚部3123も、y軸方向において間隔を有する状態で配置される。
中央脚部2121、3121、上流側脚部2122、3122、および下流側脚部2123、3123は、コアのティースである。本実施形態では、中央脚部2121、3121の先端面、上流側脚部2122、3122の先端面、および下流側脚部2123、3123の先端面がエッジコア212、312の磁極面である場合を例示する。胴部2124、3124は、コアのヨークである。尚、中央脚部2121、3121の先端面、上流側脚部2122、3122の先端面、および下流側脚部2123、3123の先端面は、搬送予定面CPと対向する面である。
図4および図5に示すように本実施形態では、非エッジコア211、311が有する中央脚部2111、3111と搬送予定面CPとの間隔(z軸方向の長さ)D11と、エッジコア212、312が有する中央脚部2121、3121と搬送予定面CPとの間隔D1とが同じである場合を例示する(この場合、上側誘導器200側の間隔D11は下側誘導器300側の間隔D11と等しく、かつ、上側誘導器200側の間隔D1は下側誘導器300側の間隔D1と等しいことが好ましいが、必須ではない。)。従って、非エッジコア211、311が有する中央脚部2111、3111のz軸方向の長さD12と、エッジコア212、312が有する中央脚部2121、3121のz軸方向の長さD5も同じになる。
また、図5に示すように本実施形態では、上流側脚部2122、3122と搬送予定面CPとの間隔D2と、下流側脚部2123、3123と搬送予定面CPとの間隔D3とが同じである場合を例示する(この場合、上側誘導器200側の間隔D2は下側誘導器300側の間隔D2と等しく、かつ、上側誘導器200側の間隔D3は下側誘導器300側の間隔D3と等しいことが好ましいが、必須ではない。)。従って、上流側脚部2122、3122のz軸方向の長さD6と、下流側脚部2123、3123のz軸方向の長さD7も同じになる。
また、本実施形態では、エッジコア212、312が有する脚部(中央脚部2121、3121、上流側脚部2122、3122、下流側脚部2123、3123)と搬送予定面CPとの間隔D1~D3が同じである場合を例示する(この場合、上側誘導器200側の間隔D1は下側誘導器300側の間隔D1と等しく、かつ、上側誘導器200側の間隔D2は下側誘導器300側の間隔D2と等しく、かつ、上側誘導器200側の間隔D3は下側誘導器300側の間隔D3と等しいことが好ましいが、必須ではない。)。従って、エッジコア212、312が有する脚部と搬送予定面CPとの間隔D1~D3と、非エッジコア211、311が有する中央脚部と搬送予定面CPとの間隔D11も同じになる。
本実施形態だけでなく、第2実施形態、第3実施形態および第4実施形態においても、エッジコアの中央脚部と搬送予定面との間隔D1と、エッジコアが有する上流側脚部および下流側脚部と搬送予定面との間隔D2およびD3とは、同じであることが好ましい。同様に、本実施形態だけでなく、第2実施形態、第3実施形態、および第4実施形態においても、エッジコアの中央脚部と搬送予定面との間隔D1と、非エッジコアの中央脚部と搬送予定面との間隔D11とは、同じであることが好ましい。更には、本実施形態だけでなく、第2実施形態、第3実施形態、および第4実施形態においても、非エッジコアの中央脚部のz軸方向の長さD12と、エッジコアの中央脚部のz軸方向の長さD5は同じであってもよく、この長さD12とD5とが、エッジコアの上流側脚部および下流脚部のz軸方向の長さD6とD7と同じであってもよい。
しかしながら、必ずしも、以上のようにして脚部の長さを定める必要はない。例えば、非エッジコア211、311が有する中央脚部2111、3111と搬送予定面CPとの間隔D11は、エッジコア212~213、312~313が有する脚部と搬送予定面CPとの間隔D1~D3より長くても短くてもよい。また、エッジコア212~213、312~313が有する中央脚部2121、3121と搬送予定面CPとの間隔D1は、エッジコア212~213、312~313が有する上流側脚部2122、3122と搬送予定面CPとの間隔D2およびエッジコア212~213、312~313が有する下流側脚部2123、3123と搬送予定面CPとの間隔D3より長くても短くてもよい。さらに、エッジコア212~213、312~313が有する上流側脚部2122、3122と搬送予定面CPとの間隔D2およびエッジコア212~213、312~313が有する下流側脚部2123、3123と搬送予定面CPとの間隔D3は同じでなくてもよい。
また、図4よび図5に示すように、エッジコア212~213、312~313が有する上流側脚部2122、3122と搬送予定面CPとの間隔D2およびエッジコア212~213、312~313が有する下流側脚部2123、3123と搬送予定面CPとの間隔D3は、非エッジコア211の部分のうち中央脚部2111以外の部分と搬送予定面CPとの間隔よりも短い(尚、この短さの程度の例については図6を参照しながら後述する)。即ち、エッジコア212~213、312~313が有する上流側脚部2122、3122の先端面は、非エッジコア211の領域のうち中央脚部2111以外の領域よりも、搬送予定面CP側に位置する。
図5に示すように、エッジコア212、312のy-z断面の形状はE形である。即ち、エッジコア212、312は、いわゆるE形コアである(ただし、図5に示す例では、Eの3つの横線の長さはすべて同じである)。
尚、エッジコア213、313のy-z断面も図5に示すエッジコア212、312のy-z断面と同じになる。図5において、212、2121、2122、2123、230a、312、3121、3122、3123、330aの後に付している(213)、(2131)、(2132)、(2133)、(230b)、(313)、(3131)、(3132)、(3133)、(330b)はこのことを示す。また、前述したように図5において、中央脚部2121、3121、上流側脚部2122、3122、下流側脚部2123、3123、および胴部2124、3124を示す二点鎖線は仮想線である。
図1~図3に示すように、コイル220、320の周回部のx軸方向の長さは、帯状鋼板100の幅よりも長い。具体的には、コイル220、320の周回部のx軸方向の長さは、誘導加熱装置の最大処理可能幅よりも長い。その結果、z軸方向から見た場合において、コイル220、320は、誘導加熱装置の最大処理可能幅を覆うだけのx軸方向の長さを有する。ここで、誘導加熱装置の最大処理可能幅とは、誘導加熱装置が加熱可能な最大幅の帯状鋼板100が(蛇行などにより)x軸の正または負の方向に移動しても、当該帯状鋼板100が存在する可能性があるx軸方向の範囲である。また、コイル220、320の周回部のx軸方向の両端は、帯状鋼板100のx軸方向の両端(つまり、前記の誘導加熱装置の最大処理可能幅の両端)よりも、外側に存在する。即ち、コイル220、320の周回部のx軸の正の方向側の端は、帯状鋼板100(つまり、前記の誘導加熱装置の最大処理可能幅)のx軸の正の方向側の端よりも、x軸の正の方向側に存在する。また、コイル220、320の周回部のx軸の負の方向側の端は、帯状鋼板100(つまり、前記の誘導加熱装置の最大処理可能幅)のx軸の負の方向側の端よりも、x軸の負の方向側に存在する。
図1に示すように、コイル220、320には、交流電源400が電気的に接続される。図1に示すように、本実施形態では、コイル220の周回部の一端部221は、交流電源400の2つの出力端子の一方の端子401に電気的に接続される。また、コイル220の周回部の他端部222は、交流電源400の2つの出力端子の他方の端子402に電気的に接続される。
また、コイル320の周回部の2つの端部のうち、コイル220の周回部の一端部221とz軸方向において互いに対向する位置にある一端部321は、交流電源400の2つの出力端子の一方の端子401に電気的に接続される。また、コイル320の周回部の2つの端部のうち、コイル220の周回部の他端部222とz軸方向において互いに対向する位置にある他端部322は、交流電源400の2つの出力端子の他方の端子402に電気的に接続される。
このように本実施形態では、コイル220およびコイル320は、交流電源400から見た場合に、コイル220およびコイル320の巻き方向が互いに同じ向きになるように、交流電源400に並列に接続される。
従って、図1に示すように、同時刻における同一の視点から見た場合に、コイル220およびコイル320の互いに対向する領域に流れる交流電流の向きは、互いに同じ向きになる(図1のコイル220およびコイル320の内に示す矢印線を参照)。
図1のコイル220およびコイル320の内に示す矢印線は、誘導加熱装置を、その上方から俯瞰した場合に、コイル220に流れる交流電流の向きが時計回り(右回り)であり、コイル320に流れる交流電流の向きが時計回り(右周り)であることを示す。
ここで、交流電源400からコイル220およびコイル320に流れる交流電流の瞬時値は、それぞれ同じである。尚、交流電流の波形は、例えば、正弦波である。ただし、交流電流の波形は、正弦波に限定されない。交流電流の波形は、一般的な誘導加熱装置で使用され得る波形と同じ波形でもよい。
以上のように、コイル220、320は、互いに同じ向きの交流電流の通電により生じる交番磁界が、帯状鋼板100の搬送予定面CPと交差するように、搬送予定面CPの表側と裏側とに配置される。本実施形態では、2つのコイル220、320により一対のコイルが構成される場合を例示する。一対のコイルを構成するコイルの1つはコイル220であり、一対のコイルを構成するもう1つのコイルはコイル320である。
尚、コイル220およびコイル320に、以上のような交流電流が流れれば、図1に示すようにコイル220、320にひとつの交流電源が接続される必要はない。例えば、コイル220に接続される交流電源とコイル320に接続される交流電源とは、それらの交流電源から流れる電流の周波数の同期が取れていれば、別の交流電源でもよい。
また、本実施形態では、誘導加熱装置が備える一対のコイルを構成するコイルのうち、搬送予定面CPの表側に配置されるコイルの数と、当該一対のコイルを構成するコイルのうち、搬送予定面CPの裏側に配置されるコイルとの数がそれぞれ1である場合を例示する。しかしながら、誘導加熱装置が備える一対のコイルを構成するコイルのうち、搬送予定面CPの表側に配置されるコイルの数と、当該一対のコイルを構成するコイルのうち、搬送予定面CPの裏側に配置されるコイルとの数は、それぞれ2以上でもよい。例えば、搬送予定面CPの表側において、2以上のコイルが、y軸方向で互いに間隔を有する状態で配置されてもよい。同様に、例えば、搬送予定面CPの裏側において、2以上のコイルが、y軸方向で互いに間隔を有する状態で配置されてもよい。誘導加熱装置が備える一対のコイルを構成するコイルのうち、搬送予定面CPの表側に配置される2以上のコイルには、例えば、コイル220に流れる電流と同じ向きの交流電流が流れる。この場合、一対のコイルを構成するコイルのうち、搬送予定面CPの裏側に配置される2以上のコイルには、例えば、コイル320に流れる電流と同じ向きの交流電流が流れる。
シールド板230a、230bは、コイル220と帯状鋼板100との電磁的結合度を調整(低減)することにより、帯状鋼板100のエッジ部の過加熱を防止するためのシールド部材の一例である。具体的にシールド板230a、230bは、帯状鋼板100のエッジ部と、上側コア210のエッジコア212、213との間に、これらと間隔を有する状態で配置される非磁性の導電体板である。シールド板230a、230bのy軸方向の長さは、上側コア210(エッジコア212、213)のy軸方向の長さよりも長いのが好ましい。また、シールド板230a、230bの上流側の端部が、上側コア210の上流側の端よりも上流側にあるのが好ましい。同様に、シールド板230a、230bの下流側の端部が、上側コア210の下流側の端よりも下流側にあるのが好ましい(図5を参照)。
シールド板230a~230bは、その可動範囲内でx軸方向に移動してもよい。シールド板230a、230bは、帯状鋼板100のエッジ部と、上側コア210のエッジコア212、213との間にシールド板230a、230bが位置するように、帯状鋼板100の幅に応じて移動する。また、シールド板230a、230bは、帯状鋼板100が蛇行するとx軸方向に移動してもよい。例えば、シールド板230a、230bは、帯状鋼板100の蛇行量と同じ量だけ、x軸方向(帯状鋼板100が蛇行する方向)に移動してもよい。
尚、シールド板230a~230bをx軸方向に移動させるための構成は、例えば、シールド板230a~230bをx軸方向に移動させるためのアクチュエータを用いた公知の技術で実現される。従って、ここでは、当該構成の詳細な説明を省略する。また、板の蛇行量の検出するための構成も、板のx軸方向の端部の位置を検出するセンサを用いた公知の技術で実現される。従って、ここでは、当該構成の詳細な説明を省略する。これらの公知の技術として、例えば、特許第6658977号公報に記載の技術がある。
また、帯状鋼板100の蛇行量がcmのオーダー(例えば10cm未満)であるときに、シールド板230a、230bのみをx軸方向に移動させるのが好ましい。帯状鋼板100の蛇行量がcmのオーダーを上回る場合(例えば10cm以上である場合)、誘導加熱装置の全体(上側誘導器200および下側誘導器300)をx軸方向に移動させるのが好ましい。例えば、誘導加熱装置の全体(上側誘導器200および下側誘導器300)は、帯状鋼板100の蛇行量と同じ量だけ、x軸方向(帯状鋼板100が蛇行する方向)に移動してもよい。
シールド板230a~230bは、上側コア210に近い位置に配置される。従って、発明が解決しようとする課題の欄で説明したように、上側コア210(エッジコア212、213)からの交番磁界によって、シールド板230a、230bには大きな渦電流が発生する。この渦電流によってできる交番磁界の向きと、上側コア210(エッジコア212、213)からの交番磁界の向きとは逆向きになる。従って、シールド板230a、230bにおいて上側コア210(エッジコア212、213)からの交番磁界は跳ね返され易くなる。
そこで、本実施形態では、非エッジコア211およびエッジコア212~213のx軸方向の位置が以下のようにして定められる場合を例示する。即ち、シールド板230a、230bが、シールド板230a、230bのx軸方向の可動範囲内で、誘導加熱装置のx軸方向の中心の位置に最も近づく位置まで移動したときに、エッジコア212、213の板中心側の端部のx軸方向の位置(x座標)と、シールド板230a、230bの板中心側の端部のx軸方向の位置とが同じになるように、非エッジコア211およびエッジコア212~213のx軸方向の位置が定められてもよい。ここで、板中心側とは、誘導加熱装置のx軸方向の中心の位置に近い側を指す。誘導加熱装置のx軸方向の中心よりもx軸の正の方向側においては、板中心側はx軸の負の方向側である。一方、誘導加熱装置のx軸方向の中心よりもx軸の負の方向側においては、板中心側はx軸の正の方向側である。
例えば、図3において、シールド板230aが、シールド板230aの可動範囲内で最もx軸の負の方向側に移動したときに、シールド板230aのx軸の負の方向側の端部のx軸方向の位置xs1と、エッジコア212のx軸の負の方向側の端部のx軸方向の位置xe1とが同じになるように、非エッジコア211およびエッジコア212のx軸方向の位置が定められてもよい。
図3では、エッジコア212、213の板中心側の端部のx軸方向の位置x
e1
、x
e2 と、シールド板230a、230bの板中心側の端部のx軸方向の位置x
s1
、x
s2 とがそれぞれ同じである場合を例示する(xs1=xe1、xs2=xe2)。従って、図3では、シールド板230a、230bが、シールド板230a、230bのx軸方向の可動範囲内で、誘導加熱装置のx軸方向の中心の位置に最も近づく位置まで移動したときの状態を示している。
即ち、図3では、シールド板230aのx軸の負の方向側の端部のx軸方向の位置xs1と、エッジコア212のx軸の負の方向側の端部のx軸方向の位置xe1とが同じある場合を例示する。同様に、図3では、シールド板230bのx軸の正の方向側の端部のx軸方向の位置xs2と、エッジコア213のx軸の正の方向側の端部のx軸方向の位置xe2とが同じある場合を例示する。従って、図3では、シールド板230aが、シールド板230aの可動範囲内で最もx軸の負の方向側に移動しており、且つ、シールド板230bが、シールド板230bの可動範囲内で最もx軸の正の方向側に移動したときの状態を示している。
前述したようにエッジコア212~213は、いわゆるE形コアである。従って、以上のように非エッジコア211およびエッジコア212~213のx軸方向の位置を定めることにより、エッジコア212、213の3つの磁極面からの交番磁界(磁束)は、シールド板230a、230bで跳ね返されたとしても、当該3つの磁極面のいずれかの磁極面から上側コア210に戻る。従って、シールド板230a、230bで跳ね返された交番磁界(磁束)が誘導加熱装置の周囲にノイズとして拡散することを抑制することができる。ここで、エッジコア212の3つの磁極面は、中央脚部2121の先端面、上流側脚部2122の先端面、および下流側脚部2123の先端面である。エッジコア213の3つの磁極面は、中央脚部2131の先端面、上流側脚部2132の先端面、および下流側脚部2133の先端面である。
一方、以上のように非エッジコア211およびエッジコア212~213のx軸方向の位置を定めることにより、非エッジコア211は、シールド板230a~230bと対向しない。従って、非エッジコア211を、いわゆるT形コアとすることにより、非エッジコア211の磁極面(中央脚部2111の先端面)からの交番磁界を帯状鋼板100に到達させ易くすることができる。従って、誘導加熱装置のx軸方向の中心側の領域を効率よく加熱することができる。
尚、例えば、シールド板230a、230bで跳ね返された交番磁界(磁束)による影響が低い場合には、エッジコア212、213の板中心側の端部のx軸方向の位置x
e1
、x
e2 と、シールド板230a、230bの板中心側の端部のx軸方向の位置x
s1
、x
s2 との関係を前述したようにして定めなくてもよい。シールド板230a、230bで跳ね返された交番磁界(磁束)による影響が低い場合には、例えば、交番磁界(磁束)による影響を受ける物体(例えば電子機器)が誘導加熱装置の近傍に存在しない場合と、加熱対象の帯状鋼板100が低品質の場合と、のうち少なくとも一方の場合が含まれる。
シールド板230a,230bのx軸方向の可動範囲は、主に誘導加熱装置の最大処理可能幅と最小処理可能幅を考慮して、誘導加熱装置の設計時に決定される。ここで、誘導加熱装置の最小処理可能幅とは、誘導加熱装置が加熱可能な最小幅の帯状鋼板100が(蛇行などにより)x軸の正または負の方向に移動しても、当該帯状鋼板100が存在する可能性があるx軸方向の範囲である。また、前述したように誘導加熱装置の最大処理可能幅とは、誘導加熱装置が加熱可能な最大幅の帯状鋼板100が(蛇行などにより)x軸の正または負の方向に移動しても、当該帯状鋼板100が存在する可能性があるx軸方向の範囲である。エッジコア212、213の板中心側の端部のx軸方向の位置x
e1
、x
e2 (非エッジコア211とエッジコア212,213のx軸方向の境界位置)は、シールド板230a、230bのように、誘導加熱装置の使用中に移動することはできない。このため、エッジコア212、213の板中心側の端部のx軸方向の位置x
e1
、x
e2 は、前述のシールド板230a,230bのx軸方向の可動範囲以外の種々の因子を考慮して決定されることが好ましい。種々の要因には、例えば、誘導加熱装置の近傍にある電子機器の配置状況、帯状鋼板100の加熱効率の設計目標、および誘導加熱装置が処理する帯状鋼板100の板幅の分布等が含まれる。誘導加熱装置の設置後に、誘導加熱装置の近傍に電子機器が新たに配置された場合等、前記の因子に変化がある場合、エッジコア212、213の板中心側の端部のx軸方向の位置x
e1
、x
e2 が当該変化に応じた位置に修正されるように、誘導加熱装置は改造されてもよい。
下側誘導器300も、上側誘導器200と同様に、下側コア310と、コイル320と、シールド板330a、330bと、を備え、上側誘導器200と同じ構成を有する。下側コア310は、非エッジコア311と、エッジコア312、313とを有する。非エッジコア311は、中央脚部3111および胴部3112を有する。エッジコア312、313は、中央脚部3121、3131、上流側脚部3122~3132、下流側脚部3123~3133、および胴部3124、3134を有する。尚、図4および図5において下側コア310に対して示す二点鎖線の表記の意味と、図5において下側コア310に対して括弧つきで示す符号の表記の意味は、上側コア210に対する表記の意味と同じである。また、図3に示すxs3、xs4、xe3、xe4の意味は、それぞれ、xs1、xs2、xe1、xe2の意味と同じである。
本実施形態では、上側コア210および下側コア310により、一対のコイルを構成する1つのコイル毎に一組ずつ配置されたコアが構成される場合を例示する。一対のコアを構成するコアの1つは、上側コア210であり、一対のコアを構成するもう1つのコアは下側コア310である。
以上のように本実施形態では、非エッジコア211、311をいわゆるT形コアとする。また、非エッジコア211、311に対しx軸方向の両側にそれぞれ配置された2つのエッジコア212~213、312~313をいわゆるE形コアとする。また、エッジコア212、313が有する上流側脚部2122、3122および下流側脚部2123、3123と、搬送予定面CPと、の間隔を、非エッジコア211、311の部分のうち中央脚部2111、3111以外の部分と、搬送予定面CPと、の間隔よりも短くする。従って、トランスバース方式の誘導加熱装置において過加熱が懸念される帯状鋼板100のエッジ部においては、帯状鋼板100に与えられる交番磁界の大きさの低下の抑制(帯状鋼板100の加熱効率)よりもコアからの交番磁界(磁束)の拡散を抑制することを優先的に実現することができる。一方、帯状鋼板100のエッジ部よりも板中心側の領域においては、コアからの交番磁界(磁束)の拡散の抑制よりも帯状鋼板100に与えられる交番磁界の大きさの低下の抑制を優先的に実現することができる。従って、所望の大きさの交番磁界を発生させることと、交番磁界が意図しない加熱やノイズとして周囲に拡散することを抑制することとを両立させることができる。よって、帯状鋼板100に与えられる交番磁界の大きさの低下の抑制と、交番磁界の拡散の抑制との両立を指向した誘導加熱装置を実現することができる。このような効果は、誘導加熱装置の容量が大きくなるにつれて顕著になる。本実施形態の誘導加熱装置の容量は限定されないが、このような観点から、誘導加熱装置の容量が十kWオーダー以上(例えば10kW以上)である場合に、かかる効果が顕著になるので好ましい。
また、本実施形態では、シールド板230a、230bが、シールド板230a、230bのx軸方向の可動範囲内で、誘導加熱装置のx軸方向の中心の位置に最も近づく位置まで移動したときに、エッジコア212、213の板中心側の端部のx軸方向の位置xe1、xe2と、シールド板230a、230bの端部の板中心側の端部のx軸方向の位置xs1、xs2とが同じになるように、非エッジコア211およびエッジコア212~213のx軸方向の位置を定められてもよい。従って、帯状鋼板100のエッジ部の過加熱を抑制するためにシールド板230a、230bを用いた場合でも、コアからの交番磁界が誘導加熱装置から拡散することにより、周囲の物体(例えば電子機器)が加熱されることと、周囲の物体においてノイズが発生することとを抑制することができる。
<変形例>
本実施形態では、シールド板230a、230bが、シールド板230a、230bのx軸方向の可動範囲内で、誘導加熱装置のx軸方向の中心の位置に最も近づく位置まで移動したときに、エッジコア212、213の板中心側の端部のx軸方向の位置xe1、xe2と、シールド板230a、230bの端部の板中心側の端部のx軸方向の位置xs1、xs2とが同じになる場合を例示した。前述したようにこのようにすれば、コアからの交番磁界が誘導加熱装置から拡散することの抑制効果を高めることができるので好ましい。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、シールド板230a、230bが、シールド板230a、230bのx軸方向の可動範囲内で、誘導加熱装置のx軸方向の中心の位置に最も近づく位置まで移動したときに、エッジコア212、213の板中心側の端部のx軸方向の位置xe1、xe2が、シールド板230a、230bの板中心側の端部のx軸方向の位置xs1、xs2よりも、板中心側に位置してもよいし、板中心側とは反対側に位置してもよい。尚、以下の説明では、板中心側とは反対側を、必要に応じて板端側と称する。ここで、誘導加熱装置のx軸方向の中心よりもx軸の正の方向側においては、板端側はx軸の正の方向側である。一方、誘導加熱装置のx軸方向の中心よりもx軸の負の方向側においては、板端側はx軸の負の方向側である。
また、本実施形態では、非エッジコア211、311をいわゆるT形コアとする場合を例示した。しかしながら、エッジコア212~213、312~313が有する上流側脚部2122、3122の先端面と帯状鋼板100との(z軸方向の)距離が、非エッジコア211の領域のうち中央脚部2111以外の領域と帯状鋼板100との(z軸方向の)距離よりも短くなるようにしていれば、非エッジコア211、311は、T形コアに限定されない。例えば、図6に示すように非エッジコア211、311を構成してもよい(図6は、図4に対応する断面図である)。
図6に示す例では、非エッジコア211は、中央脚部2111および胴部2112に加えて、上流側脚部2113および下流側脚部2114を有する。図6に示す例では、上流側脚部2113は、コイル220よりも上流側(y軸の負の方向側)において、胴部2112から搬送予定面CPの方向に延設される。下流側脚部2114は、コイル220よりも下流側(y軸の正の方向側)において、胴部2112から搬送予定面CPの方向に延設される。
上流側脚部2113および下流側脚部2114は、y軸方向において中央脚部2111の両側に中央脚部2111と間隔を有する状態で配置される。図6に示す例では、中央脚部2111の先端面に加えて、上流側脚部2113の先端面および下流側脚部2114の先端面も磁極面である。
図6において、非エッジコア211、311が有する中央脚部2111、3111のz軸方向の長さD12は、非エッジコア211、311が有する上流側脚部2113、3113、下流側脚部2114、3114のz軸方向の長さD14、D16よりも長い。例えば、コアからの交番磁界の拡散の抑制の観点から、非エッジコア211、311が有する中央脚部2111、3111のz軸方向の長さD12に対する、非エッジコア211、311が有する上流側脚部2113、3113、下流側脚部2114、3114のz軸方向の長さD14、D16の比は、それぞれ0.95以下でもよい(D14/D12≦0.95、D16/D12≦0.95)。また、D13≧D11+D12×0.05およびD15≧D11+D12×0.05でもよい。また、例えば、帯状鋼板100の加熱効率の低下の抑制の観点から、非エッジコア211、311が有する中央脚部2111、3111のz軸方向の長さD12に対する、非エッジコア211、311が有する上流側脚部2113、3113、下流側脚部2114、3114のz軸方向の長さD14、D16の比は、それぞれ0.90以下でもよい(D14/D12≦0.90、D16/D12≦0.90)。また、D13≧D11+D12×0.10およびD15≧D11+D12×0.10でもよい。
また、図5および図6では、非エッジコア211、311が有する上流側脚部2113、3113と搬送予定面CPとの間隔D13が、エッジコア212~213、312~313が有する上流側脚部2122、3122と搬送予定面CPとの間隔D2よりも長い場合を例示する。従って、非エッジコア211、311が有する上流側脚部2113、3113のz軸方向の長さD14は、エッジコア212~213、312~313が有する上流側脚部2122、3122のz軸方向の長さD6よりも短い。同様に図5および図6では、非エッジコア211、311が有する下流側脚部2114、3114と搬送予定面CPとの間隔D15が、エッジコア212~213、312~313が有する下流側脚部2123、3123と搬送予定面CPとの間隔D3よりも長い場合を例示する。従って、非エッジコア211、311が有する下流側脚部2114、3114のz軸方向の長さD16は、エッジコア212~213、312~313が有する下流側脚部2123、3123のz軸方向の長さD 7 よりも短い。よって、図6に示すように非エッジコア211、311を構成しても、エッジコア212~213、312~313が有する上流側脚部2122、3122と搬送予定面CPとの間隔D2およびエッジコア212~213、312~313が有する下流側脚部2123、3123と搬送予定面CPとの間隔D3は、非エッジコア211の部分のうち中央脚部2111以外の部分と搬送予定面CPとの間隔よりも短い。
例えば、コアからの交番磁界の拡散の抑制の観点から、エッジコア212~213、312~313が有する上流側脚部2122、3122と搬送予定面CPとの間隔D2は、非エッジコア211、311の部分のうち中央脚部2111、3111以外の部分と搬送予定面CPとの間隔よりも、上流側脚部2122、3122のz軸方向の長さD6の0.05倍以上短くてもよい。同様に、エッジコア212~213、312~313が有する下流側脚部2123、3123と搬送予定面CPとの間隔D3は、非エッジコア211、311の部分のうち中央脚部2111、3111以外の部分と搬送予定面CPとの間隔よりも、下流側脚部2123、3123のz軸方向の長さD7の0.05倍以上短くてもよい。
また、例えば、帯状鋼板100の加熱効率の低下の抑制の観点から、エッジコア212~213、312~313が有する上流側脚部2122、3122と搬送予定面CPとの間隔D2は、非エッジコア211、311の部分のうち中央脚部2111、3111以外の部分と搬送予定面CPとの間隔よりも、上流側脚部2122、3122のz軸方向の長さD6の0.10倍以上または0.20倍以上短くてもよい。同様に、エッジコア212~213、312~313が有する下流側脚部2123、3123と搬送予定面CPとの間隔D3は、非エッジコア211、311の部分のうち中央脚部2111、3111以外の部分と、搬送予定面CPとの間隔よりも、下流側脚部2123、3123のz軸方向の長さD7の0.10倍または0.20倍以上短くてもよい。
尚、本実施形態だけでなく、第2実施形態、第3実施形態および第4実施形態においても、前述と同じ短さの程度(すなわち、0.05倍以上、0.10倍以上または0.20倍以上)としてもよい。
図6に示す非エッジコア211、311を用いる方が図1~図5に示す非エッジコア211、311を用いるよりも、帯状鋼板100の加熱効率は低下するが、コアからの交番磁界の拡散を抑制することができる。従って、例えば、帯状鋼板100の加熱効率の低下の抑制と、コアからの交番磁界の拡散の抑制との兼ね合いで、中央脚部2111を有し上流側脚部および下流側脚部を有さない非エッジコア211、311(図4を参照)を採用するか、それとも中央脚部2111、上流側脚部2113、および下流側脚部2114を有する非エッジコア211、311(図6を参照)を採用するかを決定すればよい。
下側コア310の非エッジコア311も、上側コア210の非エッジコア211と同様に、中央脚部3111および胴部3112に加えて、上流側脚部3113および下流側脚部3114を有する。上流側脚部3113および下流側脚部3114は、y軸方向において中央脚部3111の両側に中央脚部3111と間隔を有する状態で配置される。
また、本実施形態では、エッジコア212、213のy-z断面がx軸方向の位置に関わらず同じである場合を例示した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、エッジコア212、213は、板端側に配置されるE形コアと板中心側に配置されるE形コアとが、必ずしも合同である必要はなく、異なる形状であってもよい。例えば、板端側に配置されるE形コアの3つの脚部(中央脚部、上流側脚部、および下流側脚部)と搬送予定面CPとの間隔は、板中央側に配置されるE形コアの3つの脚部(中央脚部、上流側脚部、および下流側脚部)と搬送予定面CPとの間隔よりも長くても短くてもよい。
また、本実施形態では、非エッジコア211、311とエッジコア212~213、312~313とが同じ材料(電磁鋼板)で構成される場合を例示した。しかしながら、非エッジコア211、311とエッジコア212~213、312~313とが同じ材料で構成されている必要はない。例えば、非エッジコア211、311とエッジコア212~213、312~313との少なくともいずれか一方を軟磁性フェライトで構成してもよい。
また、本実施形態では、誘導加熱装置がシールド板230a、230bを備える場合を例示した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、シールド板230a、230bが配置される位置に、帯状鋼板100のエッジ部の過加熱を防止するために、コイル220と帯状鋼板100との電磁的結合度を調整(低減)するための2次コイルがシールド部材の一例として配置されてもよい。
以上、本実施形態の各種の変形例を説明した。<変形例>の項の説明の前に説明した本実施形態の変形例を含め、これらの各変形例の少なくとも2つを組み合わせた変形例が、本実施形態の誘導加熱装置に採用されてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。前述した第1実施形態では、上側コア210および下側コア310がそれぞれ1つのコアである場合を例示した。従って、上側コア210および下側コア310にはx軸方向において隙間が存在しない。
トランスバース方式の誘導加熱装置では、鉄損が発生してコアが発熱し、昇温する。また、トランスバース方式の誘導加熱装置では、大きな磁界を発生させるために、帯状鋼板100を加熱するためのコイルがコアに対して巻き回される。従って、コアの発熱が顕著になる。また、コアの発熱は、電源が大容量の誘導加熱装置において顕著になる。この点について、特許文献5、6に記載の技術では、コアの発熱は考慮されていないものの、コアは複数に分割される。複数に分割されたコア全体の断面積は、分割されていないコアの表面積に比べて大きくなる。コアの表面積が大きいほどコアからの熱放散は促進される。従って、複数に分割されたコアの発熱は、分割されていないコアの発熱に比べて抑制される。
x軸方向においてコアが複数に分割されると、コアの温度は下がる。しかしながら、コア内の交番磁界が分断される。従って、x軸方向においてコアが複数に分割されると、所望の大きさの交番磁界を帯状鋼板100に与えることができない虞がある。これにより帯状鋼板100の加熱効率が落ちると共に、帯状鋼板100のx軸方向の温度分布に偏りが生じる。本発明者らは、一般的なトランスバース方式の誘導加熱装置のコアを、x軸方向において複数に分割すると、帯状鋼板100のエッジ部の温度が、帯状鋼板100の他の部分の温度よりも100℃以上低下する場合があることを確認した。
このような帯状鋼板100の温度の低下を抑制するために(即ち、所望の大きさの交番磁界が帯状の導電体板を交差させるために)コアの分割数を減らすと、コアの温度を所望の温度に低下させることができなくなる。一方、コアの温度を所望の温度に低下させるようにコアの分割数を増やすと、帯状鋼板100の温度の低下を抑制することができなくなる(即ち、所望の大きさの交番磁界が帯状の導電体板を交差させることができなくなる)。特許文献5、6に記載の技術では、帯状鋼板100のエッジ部の過加熱を抑制するためにコアを分割する。従って、コアの分割数は、帯状鋼板100のエッジ部の過加熱とコアの発熱とを抑制することができるように定められる。よって、特許文献5、6に記載の技術には、コアの温度の上昇と、導電体に与えられる交番磁界の大きさの低下とを抑制するという課題の認識すらない。このように、従来の技術では、コアの温度の上昇の抑制と、帯状の導電体に与えられる交番磁界の大きさの低下の抑制との双方を同時に満足させることができないという問題点がある。
そこで、本実施形態では、第1実施形態のように帯状鋼板100に与えられる交番磁界の大きさの低下の抑制と、交番磁界の拡散の抑制との両立を指向することに加え、コアの温度の上昇の抑制と、交番磁界の大きさの低下の抑制との双方を同時に満足させることができる誘導加熱装置の一例を説明する。このように本実施形態では、第1実施形態に対し、コアの温度の上昇の抑制と、交番磁界の大きさの低下の抑制との双方を同時に満足させるための構成が付加される。従って、本実施形態の説明において第1実施形態と同一の部分については、図1~図6に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図7は、誘導加熱装置の外観構成の一例を示す図である。図7は、図1に対応する図である。
図7に示す誘導加熱装置は、上側誘導器600と下側誘導器700とを備える。上側誘導器600と下側誘導器700は、搬送予定面CPを介して互いに対向する位置に配置される。上側誘導器600と下側誘導器700とは同じ構成を有する。従って、ここでは、上側誘導器600について詳細に説明し、下側誘導器700の詳細な説明を必要に応じて省略する。尚、上側誘導器600および帯状鋼板100の間隔と、下側誘導器700および帯状鋼板100の間隔は同じでも同じでなくてもよい。本実施形態でも第1実施形態と同様に、誘導加熱装置のx軸方向の中心におけるy-z平面を対称面とする鏡面対称の関係となる形状を誘導加熱装置が有する場合を例示する。上側誘導器600および搬送予定面CPの間隔と、下側誘導器700および搬送予定面CPの間隔とが同じ場合、誘導加熱装置は、搬送予定面CPを対称面とする鏡面対称の関係となる形状を有する。
図8は、誘導加熱装置の第1断面の一例を示す図である。具体的に図8は、図7のI-I断面図である。図9は、誘導加熱装置の第2断面の一例を示す図である。具体的に図9は、図7のII-II断面図である。図10は、誘導加熱装置の第3断面の一例を示す図である。具体的に図10は、図7のIII-III断面図である。図11は、誘導加熱装置の第4断面の一例を示す図である。具体的に図11は、図7のIV-IV断面図である。
図8および図9において、上側誘導器600は、上側コア610と、ブリッジコア620a~620bと、コイル220と、シールド板230a~230bと、冷却フィン630a~630hと、冷却小管640a~640hとを備える。
上側コア610は、強磁性体を用いて構成される。図8および図9に示すように、上側コア610は、非エッジコア611と、2つのエッジコア612~613とを有する。
エッジコア612、613は、x軸方向において非エッジコア611の両側に配置される。本実施形態でも第1実施形態と同様に、非エッジコア611のx軸方向の位置の中に上側コア610におけるx軸方向の中心の位置が含まれる場合を例示する。
また、本実施形態でも第1実施形態と同様に、非エッジコア611と2つのエッジコア612~613とが一体化されている場合を例示する。従って、非エッジコア611とエッジコア612~613との境界線は存在しない。
非エッジコア611は、x軸方向において間隔を有する状態で配置された複数の部分非エッジコア611a~611cを有する。また、エッジコア612、613は、それぞれ、x軸方向において間隔を有する状態で配置された複数の部分エッジコア612a~612c、613a~613cを有する。
ここで、2つの部分エッジコアが間隔を有する状態とは、当該2つの部分エッジコアが物理的に互いに接していない状態だけを意味しない。例えば、2つの部分エッジコアの一部が互いに接していても、当該2つの部分エッジコアが磁気的に十分に結合していないために、当該2つの部分コアの間に当該部分コアと同じ材質の強磁性体が存在する場合よりも、各部分エッジコア内の磁束密度が低下している状態(例えば、50%以上低下または80%以上低下している状態など)がある。このような状態も、2つの部分エッジコアが間隔を有する状態と見做すことができる。つまり、このような状態においても、後述のブリッジコアにより、部分エッジコア内の磁束密度を主コア内の磁束密度と同程度に回復させることができる。
本実施形態では、x軸方向に積層された複数の電磁鋼板であって、厚さおよび平面形状が第1実施形態の非エッジコア211を構成する電磁鋼板と同じである複数の電磁鋼板により部分非エッジコア611a~611cが構成される場合を例示する。また、x軸方向に積層された複数の電磁鋼板であって、厚さおよび平面形状が第1実施形態のエッジコア212、213を構成する電磁鋼板と同じである複数の電磁鋼板により部分エッジコア612a~612c、613a~613cが構成される場合を例示する。従って、部分非エッジコア611a~611cのy-z断面は、図4に示す非エッジコア211のy-z断面と同じである。従って、部分非エッジコア611a~611cはそれぞれ、非エッジコア211、311が有する中央脚部2111、3111および胴部2112、3112と同様の中央脚部および胴部を有する。また、部分エッジコア612a~612c、613a~613cのy-z断面は、図5に示すエッジコア212のy-z断面と同じである。従って、部分エッジコア612a~612c、613a~613cはそれぞれ、エッジコア212が有する中央脚部2121、上流側脚部2122、下流側脚部2123、および胴部2124と同様の中央脚部、上流側脚部、下流側脚部、および胴部を有する。
部分非エッジコア611a~611cのそれぞれを構成する複数の電磁鋼板は、互いに分離しないように固定される。また、部分エッジコア612a~612c、613a~613cのそれぞれを構成する複数の電磁鋼板も、互いに分離しないように固定される。複数の電磁鋼板の固定の方法は限定されない。例えば、接着剤による固定、溶接による固定、カシメによる固定、および固定部材を用いた固定など、公知の種々の方法が、複数の電磁鋼板の固定の方法として採用される。尚、表記の都合上、図8および図9では個々の電磁鋼板の境界線の図示を省略する。
図8および図9において、部分エッジコア612a、612bの間、部分エッジコア612b、612cの間、部分エッジコア612cと部分非エッジコア611aとの間、部分非エッジコア611a、611bの間には、それぞれ、冷却フィン630a、630b、630c、630dが配置される。同様に、部分エッジコア613a、613bの間、部分エッジコア613b、613cの間、部分エッジコア613cと部分非エッジコア611cとの間、部分非エッジコア611c、611bの間には、それぞれ、冷却フィン630e、630f、630g、630hが配置される。尚、本実施形態では、これらの間の間隔が固定されている(変更されない)場合を例示する。しかしながら、これらの間の間隔は変更可能でもよい。また、各部分エッジコア612a~612c、613a~613cのx軸方向の長さは同一でもそれぞれ異なっていてもよい。
冷却フィン630a~630hは、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cを冷却するための冷却用部材の一例である。本実施形態では、冷却フィン630a~630hがフィン状の非磁性の導電体板である場合を例示する。冷却フィン630a~630hは、例えば銅板により構成される。
冷却フィン630a~630hの上には、冷却小管640a~640hが取り付けられる。冷却小管640a~640hは、部分非エッジコア611a~611c、部分エッジコア612a~612c、613a~613c、およびブリッジコア620a、620bを冷却するための冷却用部材の一例である。本実施形態では、冷却小管640a~640hが非磁性の導電体管である場合を例示する。
冷却フィン630a~630hと、その上に取り付けられる冷却小管640a~640hとは互いに接触している。また、図10では、冷却フィン630a~630c、630e~630gと、冷却小管640a~640c、640e~640gとを合われた領域のy-z断面全体の外形が、図5に示すエッジコア212のy-z断面の外形と同じである場合を例示する。即ち、図10では、冷却フィン630aおよび冷却小管640aの領域全体の形状および大きさが、図5におけるエッジコア212の領域の形状および大きさと同じである場合を例示する。尚、部分エッジコア612a~612c、613a~613cのy-z断面が、図5に示すエッジコア212y-z断面と同じであることは前述した通りである。従って、冷却フィン630a~630c、630e~630gと、冷却小管640a~640c、640e~640gとを合われた領域のy-z断面全体の外形は、部分エッジコア612a~612c、613a~613cのy-z断面の外形と同じである。
また、図11では、冷却フィン630d、630hと、冷却小管640d、640hとを合わせた領域のy-z断面全体の外形が、図4に示す非エッジコア211のy-z断面の外形と同じである場合を例示する。即ち、図11では、冷却フィン630dおよび冷却小管640dの領域全体の形状および大きさが、図4における非エッジコア211の領域の形状および大きさと同じである場合を例示する。尚、部分非エッジコア611a~611cのy-z断面が、図4に示す非エッジコア211のy-z断面と同じであることは前述した通りである。従って、冷却フィン630d、630hと冷却小管640d、640hとを合わせた領域のy-z断面全体の外形は、部分非エッジコア611a~611cのy-z断面の外形と同じである。
図10および図11に示すように、冷却フィン630a~630c、630e~630gのy-z断面の形状はE形であるのに対し、冷却フィン630d、630hのy-z断面の形状はT形である。冷却フィン630a~630c、630e~630gと冷却フィン630d、630hとはこの点が異なる。
冷却小管640a~640hの内部には冷却水等の冷却媒体が供給される。部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613c等から、冷却小管640a~640hおよび冷却フィン630a~630hを介して、この冷却媒体に熱伝導が行われる。従って、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613c等の冷却が促進される。
本実施形態では、部分非エッジコア611a~611c、冷却フィン630d、630h、および冷却小管640d、640hが図8および図9に示すようにして組み合わせられたときの形状および大きさが、第1実施形態の非エッジコア211の形状および大きさと同じである場合を例示する。また、部分エッジコア612a~612c、冷却フィン630a~630c、および冷却小管640a~640cが図8および図9に示すようにして組み合わせられたときの形状および大きさが、第1実施形態のエッジコア212の形状および大きさと同じである場合を例示する。同様に、部分エッジコア613a~613c、冷却フィン630e~630g、および冷却小管640e~640gが図8および図9に示すようにして組み合わせられたときの形状および大きさが、第1実施形態のエッジコア213の形状および大きさと同じである場合を例示する。ただし、必ずしもこのようにする必要はない。
シールド板230a、230bに流れる渦電流に基づく磁界によって、上側コア610の温度は、シールド板230a、230bの板中心側の端部の上方付近において最も高くなる。そこで、本実施形態では、非エッジコア611のx軸方向の位置(x座標)およびエッジコア612、613のx軸方向の位置が以下のようにして定められる場合を例示する。
非エッジコア611およびエッジコア612、613に形成されるx軸方向の隙間の領域を、コア隙間領域と称することとする。本実施形態では、コア隙間領域が、冷却フィン630a~630hおよび冷却小管640a~640hが配置される領域である場合を例示する。本実施形態では、シールド板230a、230bが、シールド板230a、230bのx軸方向の可動範囲内で、誘導加熱装置のx軸方向の中心の位置に最も近づく位置まで移動したときに、ブリッジコア620a、620bと対向する位置に存在するコア隙間領域のうち最も板中心側のコア隙間領域の板中心側の端部が、シールド板230a、230bの板中心側の端部よりも内側(板中心側)に配置されるように、部分非エッジコア611a~611cのx軸方向の位置および部分エッジコア612a~612c、613a~613cのx軸方向の位置が定められる場合を例示する。図8および図9では、ブリッジコア620a、620bと対向する位置に存在するコア隙間領域のうち最も板中心側のコア隙間領域の板中心側の端部が、それぞれ冷却フィン630d、630hの板中心側の端部である場合を例示する。
このようにして部分非エッジコア611a~611cのx軸方向の位置および部分エッジコア612a~612c、613a~613cのx軸方向の位置が定められることにより、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cの間の領域を、前述した上側コア610の温度が高くなる領域の近くに位置させることができる。従って、前述した上側コア610の温度が高くなる領域の温度を低減させることができる。また、本実施形態のように、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cの間の領域に、冷却フィン630a~630hおよび冷却小管640a~640hが配置されれば、前述した上側コア610の温度が高くなる領域の温度をより低減させることができる。
例えば、図8および図9において、シールド板230aが、シールド板230aの可動範囲内で最もx軸の負の方向側に移動したときに、冷却フィン630dのx軸の負の方向側の端部が、シールド板230aのx軸の負の方向側の端部よりも、x軸の負の方向側に位置するように、部分非エッジコア611a~611cのx軸方向の位置および部分エッジコア612a~612c、613a~613cのx軸方向の位置が定められる。尚、図8および図9でも図2および図3と同様に、シールド板230a、230bが、シールド板230a、230bのx軸方向の可動範囲内で、誘導加熱装置のx軸方向の中心の位置に最も近づく位置まで移動したときの状態を示している。
ブリッジコア620a、620bは、部分非エッジコア611a~611cと部分エッジコア612a~612c、613a~613cとのうちの少なくとも1つのコアと磁気的に結合できる強磁性体である。尚、部分非エッジコア611a~611cと部分エッジコア612a~612c、613a~613cとのうちの少なくとも1つのコアとは、1つ以上の部分非エッジコアのみ、部分エッジコアのみ、または、1つ以上の部分非エッジコアと1つ以上の部分エッジコアである。
ここで、2つのコアが磁気的に結合できるとは、誘導加熱装置が備えるコイルに交流電流が流れることにより当該2つのコアが励磁された場合に、当該2つのコアが磁気的に結合されることを指す。誘導加熱装置が備えるコイルに交流電流が流れていない場合、当該2つのコアは磁気的に結合されない。2つのコアが磁気的に結合されるとは、当該2つのコアのうち一方のコアの構成原子と、他方のコアの構成原子とのスピン-スピン結合が生じることである。2つのコアが磁気的に結合されているか否かを簡便に確認するために、以下の場合に、当該2つのコアは磁気的に結合されているとしてもよい。即ち、当該2つのコアのうち、コア内に発生する磁束密度が高い方のコアの磁束密度に対する、コア内に発生する磁束密度が低い方のコアの磁束密度の比が0.2以上である場合に、当該2つのコアは磁気的に結合されているとしてもよい。前記比は、誘導加熱装置の設計時に設計者により決定される装置の設計目標である。前記比は、前記のように0.2としてもよいが、必要に応じて、0.3以上、0.4以上、0.5以上または0.6以上としてもよい。
ブリッジコア620a、620bは、部分非エッジコア611a~611cの背面側と、部分エッジコア612a~612c、613a~613cの背面側とに配置される必要がある。以下にその理由を説明する。
ブリッジコア620a、620bが、部分非エッジコア611a~611cと部分エッジコア612a~612c、613a~613cの搬送予定面CPが存在する側に配置されても、ブリッジコア620a、620bと部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cとは、磁気的に結合できる。しかしながら、このようにしてブリッジコア620a、620bと部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cとが配置されると、帯状鋼板100を貫通すべき磁束の少なくとも一部がブリッジコア620a、620bを貫通する。その結果、帯状鋼板100を十分に加熱できなくなる。また、ブリッジコア620a、620bが、部分非エッジコア611a~611cの側面(上流側または下流側の側面、若しくは、x軸方向の側面)と部分エッジコア612a~612c、613a~613cの側面(上流側または下流側の側面、若しくは、x軸方向の側面)とに配置された場合、ブリッジコア620a、620bと、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cとが磁気的に結合する度合いが比較的小さくなる。その結果、部分非エッジコア611a、611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cがx軸方向に離散されることにより小さくなった部分非エッジコア611a、611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613c内の磁束密度を、ブリッジコア620a、620bにより、部分非エッジコア611b内の磁束密度と同程度に回復させる効果も小さくなる。さらに、ブリッジコア620a、620bが、部分非エッジコア611a~611cの側面と部分エッジコア612a~612c、613a~613cの側面とに配置された場合、帯状鋼板100を貫通すべき磁束の少なくとも一部がブリッジコア620a、620bを貫通するようになる。その結果、帯状鋼板100を十分に加熱できなくなることや、幅方向(x軸方向)において帯状鋼板100に温度勾配が生じ易くなることがある。
以上のことから、ブリッジコア620a、620bは、部分非エッジコア611a~611cの背面側と、部分エッジコア612a~612c、613a~613cの背面側とに配置される必要がある。
本実施形態では、ブリッジコア620a、620bが、磁化方向の異方性がない強磁性体の一例である軟磁性フェライトを有する場合を例示する。また、本実施形態では、ブリッジコア620aが、部分非エッジコア611a~611bおよび部分エッジコア612a~612cと磁気的に結合でき、且つ、ブリッジコア620bが、部分非エッジコア611b、611cおよび部分エッジコア613a~613cと磁気的に結合できる場合を例示する。この場合、部分非エッジコア611aおよび部分エッジコア612a~612cと、部分非エッジコア611cおよび部分エッジコア613a~613cも、ブリッジコア620a、620bおよび部分非エッジコア611bを介して磁気的に結合できる。即ち、上側コア610を構成する全ての部分(部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613c)は、ブリッジコア620a、620bを介して磁気的に結合できる。
ブリッジコア620a、620bを介して部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア、612a~612c、613a~613cが磁気的に結合されることにより、ブリッジコア620a、620bが存在しない場合の誘導加熱装置のインダクタンスよりも、ブリッジコア620a、620bが存在する場合の誘導加熱装置のインダクタンスの方が大きくなる。このように、ブリッジコア620a、620b、部分非エッジコア611a~611b、およびエッジコア612a~612c、613a~613cは磁気的に結合できる。
ブリッジコア620a、620bが存在しなければ、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cの間の領域(本実施形態では冷却フィン630a~630h)によって部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cは分断される。従って、各部分エッジコア612a~612c、613a~613c内の磁束密度は小さくなる。これに対し本実施形態では、ブリッジコア620a、620bを用いることにより、このような小さな磁束密度を大きくすることができる。例えば、ブリッジコア620a、620bを用いることにより、各部分エッジコア612a~612c、613a~613cの磁束密度を、部分非エッジコア611a~611b内の磁束密度と同程度まで回復させることができる。例えば、各部分エッジコア612a~612c、613a~613c内の磁束密度は、非エッジコア611a~611b内の磁束密度の0.75倍以上であるのが好ましく、0.9倍以上であるのがより好ましい。ただし、前述したように部分エッジコア612a~612c、613a~613cと部分非エッジコア611a~611bとは磁気的に結合できればよい。
図8および図9に示すようにブリッジコア620a、620bは、互いに間隔を有する状態でx軸方向の両側に配置される。また、図8および図9では、z軸方向から見た場合に、ブリッジコア620a、620bが、非エッジコア611の一部と重なり合うように配置される場合を例示する。また、図8および図9では、z軸方向から見た場合に、ブリッジコア620a、620bが、それぞれ、部分エッジコア612a~612c、613a~613cのそれぞれの少なくとも一部と重なり合うように配置される場合を例示する。
ここで、図8および図9を参照しながら、本実施形態におけるブリッジコア620a、620bの配置の一例をより具体的に説明する。ブリッジコア620aの搬送予定面CP側の端面(下面)は、部分非エッジコア611bの背面側(上面)の一部と、部分非エッジコア611bよりもx軸の正の方向側(一方側)に配置された部分非エッジコア611aの背面側の端面(上面)の全体と、部分エッジコア612a~612cの背面側の端面(上面)の全体と、冷却小管640a~640dの背面側の端部(上端部)とに接触している。また、ブリッジコア620bの搬送予定面CP側の端面(下面)は、部分非エッジコア611bの背面側の端面(上面)の一部と、部分非エッジコア611bよりもx軸の負の方向側(他方側)に配置された部分非エッジコア611cの背面側の端面(上面)の全体と、部分エッジコア613a~613cの背面側の端面(上面)の全体と、冷却小管640e~640hの背面側の端部(上端部)とに接触している。
しかしながら、ブリッジコア620a、620bと、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cとが磁気的に結合できれば、ブリッジコア620a、620bと、非エッジコア611、エッジコア612、613、および冷却小管640a~640hとは接触していなくてもよい。例えば、ブリッジコア620a、620bは、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cと間隔を有する状態で配置されてもよい。また、ブリッジコア620a、620bは、非エッジコア611およびエッジコア612、613のうちの一方のみと接触または間隔を有して対向してもよい。また、ブリッジコア620a、620bは、部分エッジコア612a~612c、613a~613cのうちの少なくとも1つの部分エッジコアの一部の領域と接触または間隔を有して対向してもよい。
ブリッジコア620a、620bは、以下のように配置されるのが好ましい。
図8および図9において、ブリッジコア620a、620bの板中心側ラップ長Lは、z軸方向から見た場合に、ブリッジコア620a、620bと対向する位置に存在するコア隙間領域のうち最も板中心側のコア隙間領域よりも板中心側の領域において、非エッジコア611およびエッジコア612、613と、当該ブリッジコア620a、620bと、が重なり合う部分のx軸方向の長さである。図8および図9では、ブリッジコア620a、620bと対向する位置に存在するコア隙間領域のうち最も板中心側のコア隙間領域よりも板中心側の領域が部分非エッジコア611bの領域である場合を例示する。
ブリッジコア620a、620bの板中心側ラップ長Lは、長さα以上とすることが好ましく、長さβ以上であることがより好ましい。部分エッジコア612a~612c、613a~613cと、部分非エッジコア611a~611cとが、ブリッジコア620a、620bを介して磁気的に結合されることを確実に実現することができるからである。
例えば、図8および図9において、ブリッジコア620aのラップ長Lが長さα以上になるように、ブリッジコア620aのx軸の負の方向側の端部が、冷却フィン630dのx軸の負の方向側の端部よりもx軸の負の方向側の位置に配置されるのが好ましい。また、ブリッジコア620aのラップ長Lが長さβ以上になるように、ブリッジコア620aのx軸の負の方向側の端部が、冷却フィン630dのx軸の負の方向側の端部よりもx軸の負の方向側の位置に配置されるのがより好ましい。
長さαおよび長さβは、例えば、数式や有限要素法等を用いた公知の電磁界解析(数値解析)の結果から得られる。ただし、以下のように長さαおよび長さβを簡易的に定めてもよい。即ち、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612cのうち、最も板中心側に配置される部分非エッジコア611bを除くコア(つまり部分非エッジコア611a、611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613c)のx軸方向の長さの最小値を長さα、最大値を長さβとしてよい。図8および図9において、z軸方向から見た場合にブリッジコア620aと重なり合うコアは、部分非エッジコア611a~611bおよび部分エッジコア612a~612cである。部分非エッジコア611a~611bおよび部分エッジコア612a~612cのうち最も板中心側に配置される部分非エッジコア611bを除く部分非エッジコア611aおよび部分エッジコア612a~612cのx軸方向の長さL1~L4の最小値は、部分非エッジコア611aおよび部分エッジコア612b~612cのx軸方向の長さL3(=L2=L1)であり、その最大値は、部分エッジコア612aのx軸方向の長さL4である。従って、ブリッジコア620aの板中心側ラップ長Lは、部分非エッジコア611aおよび部分エッジコア612a~612cのx軸方向の長さL1~L4の最小値(即ち、部分非エッジコア611aおよび部分エッジコア612b~612cのx軸方向の長さL3(=L2=L1))以上とすることが好ましく、部分非エッジコア611aおよび部分エッジコア612a~612cのx軸方向の長さL1~L4の最大値(即ち、部分エッジコア612aのx軸方向の長さL4)以上とするのがより好ましい。同様に、ブリッジコア620bの板中心側ラップ長Lは、部分非エッジコア611cおよび部分エッジコア613a~613cのx軸方向の長さL1~L4の最小値(即ち、部分非エッジコア611cおよび部分エッジコア613b~613cのx軸方向の長さL3(=L2=L1))以上とすることが好ましく、部分非エッジコア611cおよび部分エッジコア613a~613cのx軸方向の長さの最大値(即ち、部分エッジコア613aのx軸方向の長さL4)以上とすることがより好ましい。
長さαは、ブリッジコア620a、620bの板中心側ラップ長Lなどの好ましい範囲の下限となる長さである。長さαを簡易的に定める方法として、部分非エッジコア611aを除くコア(つまり部分非エッジコア611b~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613c)のx軸方向の長さの最小値をαとしてもよい旨を既に説明した。しかしながら、部分非エッジコア611aのx軸方向の長さは、部分非エッジコア611b~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cのx軸方向の長さより大きいため、長さαを簡易的に決める場合においては、部分非エッジコア611aを除く必要はない。このため、後述の図14のような実施形態の場合において、長さαを簡易的に決める場合、x軸方向に離散した部分コア(つまり、図14の部分非エッジコア611d~611eおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613c)のx軸方向の長さの最小値をαとしてよい。
一方、ブリッジコア620a、620bの板中心側ラップ長Lの上限値は特に規定する必要はない。
また、図8および図9において、ブリッジコア620a、620bの板端側ラップ長L’は、z軸方向から見た場合に、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cのうちの最も板端側に配置される部分エッジコア612a、613aと、当該ブリッジコア620a、620bと、が重なり合う部分のx軸方向の長さである。ブリッジコア620a、620bの板端側ラップ長L’は、長さα以上とすることが好ましい。。ブリッジコア620a、620bの板端側ラップ長L’は、例えば、長さβ以上でもよい。
また、ブリッジコア620aまたは620bの板端側の端部が、部分エッジコア612a、613aの板端側の端部より、板端側(外側)に突き出すことを禁止する必要はない。しかしながら、基本的に、ブリッジコア620aまたは620bの板端側の端部が、部分エッジコア612a、613aの板端側の端部より、板端側(外側)に突き出す必要はない。何故なら、当該板端側に突き出した部分によるコアの磁束密度の向上効果(部分非エッジコア611a、611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cがx軸方向に離散されることにより小さくなった部分非エッジコア611a、611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613c内の磁束密度を、ブリッジコア620a、620bにより、部分非エッジコア611b内の磁束密度と同程度に回復させる効果)は、比較的小さいためである。ここで、板端側は板中心側の反対側である。ブリッジコア620aの板端側の端部、およびエッジコア612aの板端側の端部は、x軸の正の方向側の端部である。ブリッジコア620bの板端側の端部、およびエッジコア613aの板端側の端部は、x軸の負の方向側の端部である。誘導加熱装置のx軸方向の中心よりもx軸の正の方向側においては、板端側はx軸の正の方向側である。一方、誘導加熱装置のx軸方向の中心よりもx軸の負の方向側においては、板端側はx軸の負の方向側である。
また、ブリッジコア620a、620bの高さ(z軸方向の長さ)Hは、長さh、αのうち小さい方の長さの0.5倍以上(0.5×hと0.5×αのうち小さい方の値以上)であるのが好ましい。部分エッジコア612a~612c、613a~613cと、部分非エッジコア611a~611cとが、ブリッジコア620a、620bを介して磁気的に結合されることを確実に実現することができるからである。また、ブリッジコア620a、620bの厚さ(z軸方向の長さ)Hは、長さh、αのうち小さい方の長さの1.0倍以上(hとαのうち小さい方の値以上)であるのがより好ましい。部分エッジコア612a~612c、613a~613cと、部分非エッジコア611a~611cとが、ブリッジコア620a、620bを介してより強固に磁気的に結合されるからである。ブリッジコア620a、620bの厚さ(z軸方向の長さ)Hの上限を特に定める必要はないが、長さh、αのうち大きい方の長さ2.0倍(2.0×hと2.0×αのうち大きい方の値)または長さh、αのうち小さい方の長さの1.0倍(hとαのうち小さい方の値)としてもよい。
ここで、長さhは、図8~図11に示すように、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cの領域のうち、当該部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cに配置されているコイル220よりも、コイル220の背面側の領域のz軸方向の長さである。
また、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cのy軸方向の長さCLに対する、ブリッジコア620a、620bのy軸方向の長さBLの比(=BL/CL)は0.2以上であるのが好ましい。部分エッジコア612a~612c、613a~613cと、部分非エッジコア611a~611cとが、ブリッジコア620a、620bを介して磁気的に結合されることを確実に実現することができるからである。また、部分エッジコア612a~612c、613a~613cと、部分非エッジコア611a~611cとが、ブリッジコア620a、620bを介して強固に磁気的に結合されるようにする観点から、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cのy軸方向の長さBLの比(=BL/CL)は0.5超または0.6以上であるのが好ましい。比(=BL/CL)の上限を特に定める必要はないが、1.0または0.8としてもよい。
また、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cの上流側の端部のy軸方向の位置は、ブリッジコア620a、620bの上流側(y軸の負の方向側)の端部のy軸方向の位置と一致していてもよい。また、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cの上流側の端部は、ブリッジコア620a、620bの上流側の端部より上流側に位置するか、同じ位置であることが好ましい。部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cの上流側の端部は、ブリッジコア620a、620bの上流側の端部より上流側に位置してもよい。しかしながら、コアの磁束密度の向上効果(部分非エッジコア611a、611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cがx軸方向に離散されることにより小さくなった部分非エッジコア611a、611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613c内の磁束密度を、ブリッジコア620a、620bにより、部分非エッジコア611b内の磁束密度と同程度に回復させる効果)は比較的小さい。このため、ブリッジコア620a、620bの上流側の端部が、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cの上流側の端部より、上流側に突き出す必要はない。同様に、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cの下流側(y軸の正の方向側)の端部のy軸方向の位置は、ブリッジコア620a、620bの下流側の端部のy軸方向の位置と一致していてもよい。また、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cの下流側の端部は、ブリッジコア620a、620bの下流側の端部より下流側に位置してもよい。部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cの下流側の端部は、ブリッジコア620a、620bの下流側の端部より上流側に位置してもよい。しかしながら、コアの磁束密度の向上効果(部分非エッジコア611a、611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cがx軸方向に離散されることにより小さくなった部分非エッジコア611a、611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613c内の磁束密度を、ブリッジコア620a、620bにより、部分非エッジコア611b内の磁束密度と同程度に回復させる効果)は比較的小さい。このため、ブリッジコア620a、620bの下流側の端部が、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cの下流側の端部より、下流側に突き出す必要はない。
また、ブリッジコア620a、620bの上流側の端部が、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cの上流側の端部よりも上流側に位置せず、且つ、ブリッジコア620a、620bの下流側の端部が、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cの下流側の端部よりも下流側に位置しない場合、ブリッジコア620a、620bのy軸方向の中心の位置と、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cのy軸方向の中心の位置とは一致してもよい。
誘導加熱装置をz軸方向から見た場合、ブリッジコア620a、620bは、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cのx軸方向の両側の端部(板端側の端部)およびy軸方向の上流側と下流側との両側の端部を結ぶ領域よりも、外側に突き出すことを禁止する必要はない。しかしながら、基本的に、ブリッジコア620a、620bは、これらの端部を結ぶ領域よりも外側に突き出す必要はない。何故なら、ブリッジコア620a、620bの突き出した部分によるコアの磁束密度の向上効果(部分非エッジコア611a、611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cがx軸方向に離散されることにより小さくなった部分非エッジコア611a、611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613c内の磁束密度を、ブリッジコア620a、620bにより、部分非エッジコア611b内の磁束密度と同程度に回復させる効果)は、比較的小さいためである。
尚、長さh、L1~L4、BL、CLを含む誘導加熱装置の各部の長さの値そのものは、例えば、以下のようにして定められる。即ち、誘導加熱装置の各部の長さの値が異なる複数の条件で、誘導加熱装置で帯状鋼板100を誘導加熱することを模擬する模擬試験または電磁界解析を行う。そして、模擬試験または電磁界解析の結果のうち、帯状鋼板100のx軸方向の温度分布として所望の温度分布が得られた結果から、誘導加熱装置の各部の長さの値を決定する。尚、設置スペース等により長さの制約受ける部分が誘導加熱装置にある場合、当該部分の長さの値は、当該制約を満たすように定められる。例えば、ブリッジコア620a、620bの大きさ、形状、および位置は、コイル220やシールド板230a、230b等の他の部材の可動に影響がでないように決定される。
以上のように本実施形態は、ブリッジコア620a、620bが、上側コア610(非エッジコア611およびエッジコア612、613)と別々のコアである場合を例示する。従って、図7~図9に示すように、ブリッジコア620a、620bは、上側コア610(非エッジコア611およびエッジコア612、613)との境界に境界線が存在する。
尚、以上の説明において上側誘導器600の各部のうち、シールド板230a、230b以外の各部の位置は固定されるのが好ましい。
下側誘導器700も、上側誘導器600と同様に、非エッジコア711(部分非エッジコア711a~711c)およびエッジコア712~713(部分エッジコア712a~712c、713a~713c)を備える下側コア710と、ブリッジコア720a、720bと、コイル320と、シールド板330a~330bと、冷却フィン730a~730hと、冷却小管740a~740hと、を備え、上側誘導器600と同じ構成を有する。本実施形態では、上側コア610および下側コア710により、一対のコイルを構成する1つのコイル毎に一組ずつ配置されたコアが構成される場合を例示する。また、本実施形態では、一組のコアを構成するコアが、上側コア610と、下側コア710とを有する場合を例示する。
以上のように本実施形態では、ブリッジコア620a、620b、720a、720bにより、部分非エッジコア611a~611c、711a~711c、部分エッジコア612a~612c、613a~613c、712a~712c、713a~713cを通る主磁束の範囲と主磁束の量とを、ブリッジコア620a、620b、720a、720bがない場合に比べて増やすことができる。従って、部分非エッジコア611a~611c、711a~711c、部分エッジコア612a~612c、613a~613c、712a~712c、713a~713cを効率よく磁気的に結合させることができる。
以上のようにブリッジコア620a、620bによって、非エッジコア611およびエッジコア612、613(部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613c)が磁気的に結合できる。従って、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cと、ブリッジコア620a、620bとの間において、部分非エッジコア611a~611c、部分エッジコア612a~612c、613a~613c、およびブリッジコア620a、620bの三者の磁気的な結合(スピン-スピン結合)を増大させることができる。これにより、部分非エッジコア611a~611cにおける磁束密度と、部分エッジコア612a~612c、613a~613cにおける磁束密度とを、ブリッジコア620a、620bを設けない場合に比べて高くすることができる。以上のことは、下側誘導器700においても同じである。
尚、特許文献6において、screen14は、導電体で構成される。magnetic pad16は、screen14を支持するarmature15に配置される。従って、仮にmagnetic pad16が強磁性体であるとしても、magnetic bars8と、magnetic pad16との間にscreen14(導電体)が存在する。よって、magnetic bars8と、magnetic pad16とは磁気的に結合されない。即ち、magnetic pad16は、本実施形態で説明したブリッジコアとしての機能を有さない。また、magnetic pad16は、コアの背面側に位置していないため、本実施形態で説明したブリッジコアとしての機能を有さない。
また、armature12は、magnetic bar8の位置決めを行うためのものであり、magnetic bar8と磁気的に結合するコアではない。仮にarmature12が強磁性体であるとしても、armature12の厚さは薄いため、armature12の磁気抵抗は極めて高くなる。即ち、magnetic bar8を通る主磁束がarmature12を通過しようとしてもarmature12は磁気飽和するため非磁性体と等価になる。このように、armature12は、仮に強磁性体であるとしても非磁性体と等価になり、magnetic bar8と磁気的に結合されない。即ち、armature12は、本実施形態で説明したブリッジコアとしての機能を有さない。また、armature12は、コアの背面側に位置していないため、本実施形態で説明したブリッジコアとしての機能を有さない。
また、特許文献6の技術では、複数のmagnetic bar8は、間隔を有する状態で配置される。このため、複数のmagnetic bar8によって大きくなった交番磁界が、複数のmagnetic bar8の間の領域から漏れて周囲に拡散する。複数のmagnetic bar8から拡散された交番磁界によって、周囲の物体(例えば電子機器)が加熱される虞がある。また、複数のmagnetic bar8から拡散された交番磁界によって、周囲の物体でノイズが発生する虞がある。また、複数のmagnetic bar8から拡散された交番磁界によって、帯状鋼板100が意図しない加熱を起こす虞がある。この場合、帯状鋼板100のx軸方向の温度分布が不均一になる虞がある。誘導加熱装置を設置する場所は同一条件とはならないため、帯状鋼板100が意図しない加熱を起こすか否かを予測することは実質的に不可能である。意図しない帯状鋼板100の加熱のために、誘導加熱装置の総電力が大きくなると、誘導加熱装置全体の加熱効率の低下を招く虞がある。この場合、帯状鋼板100を所望の温度まで加熱するために、誘導加熱装置に対する電力供給の方法を見直さなければならなくなる虞がある。
これに対し本実施形態では、ブリッジコア620a、620bによって、部分非エッジコア611a~611cと部分エッジコア612a~612c、613a~613cとが磁気的に結合できる。従って、コア(部分非エッジコア611a~611cと部分エッジコア612a~612c、613a~613c)によって大きくなった交番磁界が周囲に拡散することを抑制することができる。よって、前述した種々の弊害を抑制することができる。
さらに本実施形態では、ブリッジコア620a、620bは、軟磁性フェライト(磁化方向の異方性がない強磁性体)により構成される。従って、部分非エッジコア611a~611cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613cと、ブリッジコア620a、620bとの間における構成原子のスピン同士の結合をより一層促進させることができる。よって、非エッジコア611およびエッジコア612~613における磁束密度を増すことができる。
また、本実施形態では、冷却フィン630a~630hと、冷却小管640a~640hとにより、部分非エッジコア611a~611cの温度の上昇と、部分エッジコア612a~612c、613a~613cの温度の上昇とを抑制することができる。
また、本実施形態では、ブリッジコア620a、620bは、上側コア610とは別のコアである。従って、誘導加熱装置の組み立て作業やメンテナンス作業を容易にすることができる。また、全体の形状および大きさが同じであれば、異なる仕様の誘導加熱装置(例えば、部分非エッジコアおよび/または部分エッジコアの数が異なる誘導加熱装置)に対して同一のブリッジコア620a、620bを適用することができる。
以上のことは、下側誘導器700についても同じである。
<変形例>
本実施形態では、ブリッジコア620a、620bが軟磁性フェライトにより構成される場合を例示した。しかしながら、ブリッジコア620a、620bを構成する軟磁性材料は軟磁性フェライトに限定されない。例えば、ブリッジコア620a、620bは、ブリッジコア620a、620bのx-y平面に平行な面の形状と同一の平面形状(本実施形態の例では長方形状)を有する複数の電磁鋼板であって、z軸方向に積層された複数の電磁鋼板により構成されてもよい。また、ブリッジコア620a、620bは、ブリッジコア620a、620bのy-z平面に平行な面の形状と同一の平面形状を有する複数の電磁鋼板であって、x軸方向に積層された複数の電磁鋼板により構成されてもよい。
また、本実施形態では、冷却フィン630a~630hの数と、冷却小管640a~640hの数とがそれぞれ8個である場合を例示した。しかしながら、これらの数は8個に限定されない。また、冷却フィン630a~630hの間隔および冷却小管640a~640hの間隔はそれぞれ同一である必要はない。非エッジコア611(部分非エッジコア611a~611cの間)の領域と、エッジコア612、613(部分エッジコア612a~612c、613a~613cの間)の領域と、非エッジコア611およびエッジコア612、613の間(部分非エッジコア611aおよび部分エッジコア612cの間と、部分非エッジコア611cおよび部分エッジコア612cの間)の領域とに配置される冷却フィン630a~630hおよび冷却小管640a~640hの数を多くすることにより、非エッジコア611およびエッジコア612、613の冷却効果が高くなる。即ち、冷却フィン630a~630hの数と、冷却小管640a~640hの数は、図7~図9に示した数に限定されず、誘導加熱装置に要求される温度に応じて適宜決定される。
また、本実施形態では、上側誘導器600が備えるブリッジコア620a、620bの数が2つである場合を例示した。しかしながら、上側誘導器600が備えるブリッジコアの数は2つに限定されない。上側誘導器600が備えるブリッジコアは1つでもよいし、3つ以上でもよい。
例えば、図12に示すように、部分非エッジコア611a~611cのそれぞれの背面側の端面(上面)の少なくとも一部の領域と、部分エッジコア612a~612c、613a~613cのそれぞれの背面側の端面(上面)のそれぞれの少なくとも一部の領域とが、ブリッジコア620cの搬送予定面CP側の端面(下面)の少なくとも一部の領域とが対向するように1つのブリッジコア620cが配置されてもよい。下側誘導器700においても、部分非エッジコア711a~711cのそれぞれの背面側の端面(下面)の少なくとも一部の領域と、部分エッジコア712a~712c、713a~713cのそれぞれの背面側の端面(下面)のそれぞれの少なくとも一部の領域とが、ブリッジコア720cの搬送予定面CP側の端面(上面)の少なくとも一部の領域と対向するように1つのブリッジコア720cが配置されてもよい。
尚、図12は、図9に対応する図である。図12では、ブリッジコア620cの搬送予定面CP側の端面(下面)が、部分非エッジコア611a~611cの背面側の端面(上面)の全ての領域と、部分エッジコア612a~612c、613a~613cの背面側の端面(上面)の全ての領域と接触する場合を例示する。同様に図12では、ブリッジコア720cの搬送予定面CP側の端面(上面)が、部分非エッジコア711a~711cの背面側の端面(下面)の全ての領域と、部分エッジコア712a~712c、713a~713cの背面側の端面(下面)の全ての領域と接触する場合を例示する。ブリッジコア620c、720cは、部分非エッジコア611a~611c、711a~711cおよび部分エッジコア612a~612c、613a~613c、712a~712c、713a~713cと磁気的に結合できれば、これらの部分非エッジコアと接触している必要はないことは前述した通りである。
また、本実施形態では、シールド板230a、230bが、シールド板230a、230bのx軸方向の可動範囲内で、誘導加熱装置のx軸方向の中心の位置に最も近づく位置まで移動したときに、ブリッジコア620a、620bと対向する位置に存在するコア隙間領域のうち最も板中心側のコア隙間領域の板中心側の端部(図8および図9に示す例では冷却フィン630d、630hの板中心側の端部)が、シールド板230a、230bの板中心側の端部よりも内側(板中心側)に配置される場合を例示した。しかしながら、シールド板230a、230bが、シールド板230a、230bのx軸方向の可動範囲内で、誘導加熱装置のx軸方向の中心の位置に最も近づく位置まで移動したときのシールド板230a、230bと、非エッジコア611およびエッジコア612、613の位置関係は、このような関係に限定されない。
例えば、シールド板230a、230bが、シールド板230a、230bのx軸方向の可動範囲内で、誘導加熱装置のx軸方向の中心の位置に最も近づく位置まで移動したときに、部分エッジコア612a~612c、613a~613cのうちの少なくとも1つの部分エッジコアの板中心側の端部がそれぞれシールド板230a、230bの板中心側の端部よりも内側(板中心側)に配置されてもよい。例えば、部分エッジコア612a~612c、613a~613cが、それぞれシールド板230a、230bの板中心側の端部よりも内側(板中心側)に配置されてもよい。
シールド板230a、230bが、シールド板230a、230bのx軸方向の可動範囲内で、誘導加熱装置のx軸方向の中心の位置に最も近づく位置まで移動したときに、冷却フィン630a~630dの少なくとも1つの板中心側の端部と、冷却フィン630e~630hの少なくとも1つの板中心側の端部とが、シールド板230a、230bの板中心側の端部よりも内側(板中心側)に配置されてもよい。
例えば、シールド板230a、230bが、シールド板230a、230bのx軸方向の可動範囲内で、誘導加熱装置のx軸方向の中心の位置に最も近づく位置まで移動したときに、冷却フィン630d、630hの板中心側の端部が、シールド板230a、230bの板中心側の端部よりも内側(板中心側)に配置されてもよい。また、冷却フィン630a~630d、630e~630hの板中心側の端部が、それぞれシールド板230a、230bの板中心側の端部よりも内側(板中心側)に配置されてもよい。また、冷却フィン630b~630d、630f~630hの板中心側の端部が、それぞれシールド板230a、230bの板中心側の端部よりも内側(板中心側)に配置されてもよい。また、シールド板230a、230bが、シールド板230a、230bのx軸方向の可動範囲内で、誘導加熱装置のx軸方向の中心の位置に最も近づく位置まで移動したときに、冷却フィン630a~630dの少なくとも1つの板中心側の端部と、冷却フィン630e~630hの少なくとも1つの板中心側の端部が、それぞれシールド板230a、230bの板中心側の端部よりも外側(板端側)に配置されてもよい。
また、部分非エッジコア611a~611cの間に配置される冷却用部材と、部分エッジコア612a~612c、613a~613cの間に配置される冷却用部材と、部分エッジコア612c、613cと部分非エッジコア611a、611cとの間に配置される冷却用部材は、冷却可能に構成された非磁性の導電体を用いていれば、冷却フィン630a~630hおよび冷却小管640a~640hである必要はない。例えば、冷却フィン630a~630hおよび冷却小管640a~640hが配置される領域に、非磁性の導電体からなる中空直方体形状のパイプが配置されてもよい。このようにする場合、当該パイプの中空部分に冷却水が供給されてもよい。
また、部分非エッジコア611a~611cの間の領域と、部分エッジコア612a~612c、613a~613cの間の領域と、部分エッジコア612c、613cと部分非エッジコア611a、611cとの間の領域に、冷却用部材が配置されなくてもよい。部分非エッジコア611a~611cの間の領域と、部分エッジコア612a~612c、613a~613cの間の領域と、部分エッジコア612c、613cと部分非エッジコア611a、611cとの間の領域は、空隙でもよい。このようにする場合、当該空隙に冷却媒体として冷却ガスが供給されてもよい。また、当該空隙の領域のx軸方向の長さを、図8および図9に示す長さよりも長くすることにより、空冷による冷却効果を高めてもよい。
尚、部分非エッジコアの数は2以上であればよく、限定されない。ただし、部分非エッジコアの全てがブリッジコアの少なくとも1つと磁気的に結合できるのが好ましい。また、全ての部分非エッジコアが互いに磁気的に結合できるのがより好ましい。また、複数の部分非エッジコアの形状および大きさは限定されない。複数の部分非エッジコアの形状および大きさは同じでも異なっていてもよい。複数の部分エッジコアについても、形状および大きさは同じでも異なっていてもよい。
例えば、誘導加熱装置は、図13~図17に示すように構成されてもよい。図13は、当該誘導加熱装置の外観構成の一例を示す図である。図13は、図7に対応する図である。図14は、当該誘導加熱装置の第1断面の一例を示す図である。具体的に図14は、図13のI-I断面図であり、図8に対応する図である。図15は、当該誘導加熱装置の第2断面の一例を示す図である。具体的に図15は、図13のII-II断面図であり、図9に対応する図である。図16は、当該誘導加熱装置の第3断面の一例を示す図である。具体的に図16は、図13のIII-III断面図である。図17は、当該誘導加熱装置の第4断面の一例を示す図である。具体的に図17は、図13のIV-IV断面図である。
図13~図17において、上側誘導器600は、上側コア610と、ブリッジコア620cと、コイル220と、シールド板230a、230bと、を備える。
図13~図17に示す例では、非エッジコア611は、x軸方向において間隔を有する状態で配置された複数の部分非エッジコア611d~611eを有する。また、エッジコア612、613は、それぞれ、x軸方向において間隔を有する状態で配置された複数の部分エッジコア612d~612e、613d~613eを有する。
部分非エッジコア611d~611eと、図8および図9に示した部分非エッジコア611a~611cとの相違点は、x軸方向の長さのみである。非エッジコア611d~611eは、例えば、x軸方向に積層された複数の電磁鋼板であって、同一の厚さおよび同一の平面形状の複数の電磁鋼板により構成される。このようにする場合、部分非エッジコア611d~611eを構成する電磁鋼板の積層枚数と、部分非エッジコア611a~611cを構成する電磁鋼板の積層枚数とは異なる。また、図13に示す例では、部分非エッジコア611d~611eが同一の厚さおよび同一の平面形状の複数の電磁鋼板により構成される場合、それぞれにおける電磁鋼板の積層枚数は同じになる。
図16に示すように、部分非エッジコア611d~611eのy-z断面は、図4に示す非エッジコア211のy-z断面と同じになる。また、図16に示すように部分非エッジコア611d~611eは、中央脚部6111と、胴部6112とを有する。部分非エッジコア611d~611eが有する中央脚部6111と、部分非エッジコア611a~611cが有する中央脚部2111との相違点は、x軸方向の長さのみである。同様に部分非エッジコア611d~611eが有する胴部6112と、部分非エッジコア611a~611cが有する胴部2112との相違点は、x軸方向の長さのみである。尚、前述したように部分非エッジコア611a~611cが有する中央脚部2111および胴部2112の一例は、図4に示される。また、図12~図16では、複数の部分非エッジコア611d~611eの形状および大きさが同じである場合を例示する。
部分エッジコア612d~612e、613d~613eと、図8および図9に示した部分エッジコア612a~612c、613a~613cとの相違点は、x軸方向の長さのみである。部分エッジコア612d~612e、613d~613eは、例えば、x軸方向に積層された複数の電磁鋼板であって、同一の厚さおよび同一の平面形状の複数の電磁鋼板により構成される。このようにする場合、部分エッジコア612d~612e、613d~613eを構成する電磁鋼板の積層枚数と、部分エッジコア612a~612c、613a~613cを構成する電磁鋼板の積層枚数とは異なる。また、図13に示す例では、部分エッジコア612d~612eが同一の厚さおよび同一の平面形状の複数の電磁鋼板により構成される場合、それぞれにおける電磁鋼板の積層枚数は同じになる。
図17に示すように、部分エッジコア612d~612e、613d~613eのy-z断面は、図5に示すエッジコア212のy-z断面と同じになる。また、図17に示すように部分エッジコア612d~612eは、中央脚部6121と、上流側脚部6122と、下流側脚部6123と、胴部6124とを有する。部分エッジコア612d~612eが有する中央脚部6121、上流側脚部6122、および下流側脚部6123と、部分エッジコア612a~612cが有する中央脚部2121、上流側脚部2122、および下流側脚部2123との相違点は、それぞれx軸方向の長さのみである。同様に部分エッジコア612d~612eが有する胴部6124と、部分エッジコア612a~612cが有する胴部2124との相違点は、x軸方向の長さのみである。尚、前述したように部分エッジコア612a~612cが有する中央脚部2121、上流側脚部2122、および下流側脚部2123、胴部2124の一例は、図5に示される。また、図12~図15、図17では、複数の部分エッジコア612d~612e、613d~613eの形状および大きさが同じである場合を例示する。
また、図13~図17では、全ての部分非エッジコア611d~611eおよび全ての部分エッジコア612d~612e、613d~613eのx軸方向の長さおよび間隔が同じである場合を例示する。
ブリッジコア620cは、部分非エッジコア611d~611eおよび部分エッジコア612d~612e、613d~613eのうち、少なくとも1つのコアを磁気的に結合できるようにするための強磁性体である。尚、ブリッジコア620c自体は、図12に示したブリッジコア620cと同じである。図13~図17では、ブリッジコア620cの搬送予定面CP側の端面(下面)と、全ての部分非エッジコア611d~611eの背面側の端面(上面)の全体および全ての部分エッジコア612d~612e、613d~613eの背面側の端面(上面)の全体とが互いに間隔を有する状態で対向する場合を例示する。ブリッジコア620cと、部分非エッジコア611d~611eおよび部分エッジコア612d~612e、613d~613eとの間隔は、ブリッジコア620cが部分非エッジコア611d~611eの少なくとも1つのコアと磁気的に結合できるように定められる。
下側誘導器700は、上側誘導器600と同様に、非エッジコア711(部分非エッジコア711d~711e)と2つのエッジコア712、713(部分エッジコア712d~712e、713d~713e)とを有する下側コア710と、ブリッジコア720cと、コイル320と、シールド板330a、330bと、を備え、上側誘導器600と同じ構成を有する。従って、図16に示すように部分非エッジコア711d~711eは、中央脚部7111と、胴部7112とを有する。また、図17に示すように、部分エッジコア712d~712eは、中央脚部7121と、上流側脚部7122と、下流側脚部7123と、胴部7124とを有する。
尚、図13~図17において、x軸方向において間隔を有する状態で隣接する2つの部分非エッジコアの間、x軸方向において間隔を有する状態で隣接する2つの部分エッジコアの間、および、x軸方向において間隔を有する状態で隣接する部分非エッジコアと部分エッジコアとの間に、冷却用部材(例えば、冷却フィンおよび冷却小管)が配置されてもよいことは本実施形態で説明した通りである。その他、上側コア610および下側コア710とブリッジコア620c、720cとが接触してもよいこと等も本実施形態で説明した通りである。
その他、第1実施形態で説明した種々の変形例が、本実施形態の誘導加熱装置に採用されてもよい。また、第1実施形態で説明した変形例を含め、以上の各変形例の少なくとも2つを組み合わせた変形例が、本実施形態の誘導加熱装置に採用されてもよい。
尚、以上の各変形例は、下側誘導器700に採用されてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第2実施形態では、上側コア610(非エッジコア611およびエッジコア612、613)とブリッジコア620a、620bとが別々のコアである場合を例示した。同様に、下側コア710(非エッジコア711およびエッジコア712、713)とブリッジコア720a、720bとが別々のコアである場合を例示した。これに対し本実施形態では、上側コアおよびブリッジコアと、下側コアおよびブリッジコアとが一体化された1つのコアである場合を例示する。このように本実施形態と第1実施形態では、コアの構成が主として異なる。従って、本実施形態の説明において第1実施形態および第2実施形態と同一の部分については、図1~図17に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図18は、誘導加熱装置の外観構成の一例を示す図である。図18は、図1および図7に対応する図である。
図18に示す誘導加熱装置は、上側誘導器1300と下側誘導器1400とを備える。上側誘導器1300と下側誘導器1400は、帯状鋼板100の搬送予定面CPを介して互いに対向する位置に配置される(図19~図25を参照)。上側誘導器1300と下側誘導器1400は同じ構成を有する。従って、ここでは、上側誘導器1300について詳細に説明し、下側誘導器1400の詳細な説明を必要に応じて省略する。尚、上側誘導器1300および搬送予定面CPの間隔と、下側誘導器1400および搬送予定面CPの間隔とは同じでも同じでなくてもよい。本実施形態でも第1実施形態および第2実施形態と同様に、誘導加熱装置のx軸方向の中心におけるy-z平面を対称面とする鏡面対称の関係となる形状を誘導加熱装置が有する場合を例示する。また、上側誘導器1300および帯状鋼板100の間隔と、下側誘導器1400および帯状鋼板100の間隔とが同じ場合、誘導加熱装置は、誘導加熱装置のz軸方向の中心におけるx-y平面を対称面とする鏡面対称の関係となる形状を有する。
図19は、誘導加熱装置の第1断面の一例を示す図である。具体的に図19は、図18のI-I断面図であり、図8に対応する図である。図20は、誘導加熱装置の第2断面の一例を示す図である。具体的に図20は、図18のII-II断面図であり、図9に対応する図である。図21は、誘導加熱装置の第3断面の一例を示す図である。具体的に図21は、図18のIII-III断面図であり、図10に対応する図である。図22は、誘導加熱装置の第4断面の一例を示す図である。具体的に図22は、図18のVI-VI断面図である。図23は、誘導加熱装置の第5断面の一例を示す図である。具体的に図23は、図18のV-V断面図であり、図11に対応する図である。図24は、誘導加熱装置の第6断面の一例を示す図である。具体的に図24は、図18のVI-VI断面図である。図25は、誘導加熱装置の第7断面の一例を示す図である。具体的に図25は、図18のVII-VII断面図である。
図18~図20において、上側誘導器1300は、上側コア1310と、コイル220と、シールド板230a~230bと、冷却フィン630a~630hと、冷却小管640a~640hとを備える。
上側コア1310は、第2実施形態で説明した部分非エッジコア611a~611cと部分エッジコア612a~612c、613a~613cとが一体化され、1つのコアとして構成されたものである。
本実施形態では、x軸方向に積層された複数の電磁鋼板であって、同一の厚さの複数の電磁鋼板により上側コア1310が構成される場合を例示する。
図19~図20において、上側コア1310の領域1311a、1311bは、上側コア1310の領域のうち、第2実施形態のブリッジコア620a、620bに相当する領域を含む領域である。本実施形態では、上側コア1310の領域1311a、1311bに配置される電磁鋼板の平面形状は、例えば、図21~図25に示す上側コア1310の領域のようになる。
図21に示すように、上側コア1310の領域1311a、1311bのうち、冷却フィン630a~630c、630e~630gおよび冷却小管640a~640c、640e~640gが配置される領域にz軸方向で隣接する領域には、例えば、当該領域に対応する平面形状の電磁鋼板がx軸方向に積層される。当該領域のy-z断面は、例えば、図21に示す上側コア1310のy-z断面のようになる。図21では、当該領域のy-z断面全体の外形形状が長方形である場合を例示する。また、図21では、当該長方形のz軸方向の長さが、第2実施形態のブリッジコア620a、620bのz軸方向の長さと同じである場合を例示する。ただし、当該長方形のz軸方向の長さは、例えば、冷却小管640a~640c、640e~640gの曲率に応じてx軸方向の位置ごとに(僅かに)異なっていてもよい。
また、図22に示すように、上側コア1310の領域1311a、1311bのうち、第2実施形態の部分エッジコア612a~612c、613a~613cが配置される領域には、例えば、当該領域に対応する平面形状の電磁鋼板がx軸方向に積層される。当該領域のy-z断面は、例えば、図22に示す上側コア1310のy-z断面のようになる。図22では、当該領域のy-z断面全体の外形形状がE形である場合を例示する(ただし、Eの横線の長さは全て同じ長さである)。また、図22では、当該領域のz軸方向の長さ(Eの横線に平行な方向の長さ)が、第2実施形態のブリッジコア620a、620bのz軸方向の長さと第2実施形態の部分エッジコア612a~612c、613a~613cのz軸方向の長さとを加算した長さである場合を例示する。
図22には、第2実施形態の部分エッジコア612cが有する中央脚部2121に相当する領域13121と、上流側脚部2122に相当する領域13122と、下流側脚部2123に相当する領域13123と、胴部2124に相当する領域13124と、第2実施形態のブリッジコア620aに相当する領域13120との一例を示す。同様に図22には、第2実施形態の部分エッジコア712cが有する中央脚部3121に相当する領域14121と、上流側脚部3122に相当する領域14122と、下流側脚部3123に相当する領域14123と、胴部3124に相当する領域14124と、第2実施形態のブリッジコア720aに相当する領域14120との一例を示す。
また、図23に示すように、上側コア1310の領域1311a、1311bのうち、冷却フィン630d、630hおよび冷却小管640d、640hが配置される領域にz軸方向で隣接する領域には、例えば、当該領域に対応する平面形状の電磁鋼板がx軸方向に積層される。当該領域のy-z断面は、例えば、図23に示す上側コア1310のy-z断面のようになる。図23では、当該領域のy-z断面全体の外形形状が長方形である場合を例示する。図23では、当該長方形のz軸方向の長さが、第2実施形態のブリッジコア620a、620bのz軸方向の長さと同じである場合を例示する。ただし、当該長方形のz軸方向の長さは、例えば、冷却小管640d、640hの曲率に応じてx軸方向の位置ごとに(僅かに)異なっていてもよい。
また、図24に示すように、上側コア1310の領域1311a、1311bのうち、第2実施形態の部分非エッジコア611a~611cが配置される領域には、例えば、当該領域に対応する平面形状の電磁鋼板がx軸方向に積層される。当該領域は、例えば、図24に示す上側コア1310の領域である。図24では、当該領域のy-z断面全体の外形形状がT形である場合を例示する。図24では、当該領域のz軸方向の長さ(Tの縦線に平行な方向の長さ)が、第2実施形態のブリッジコア620a、620bのz軸方向の長さと第2実施形態の部分エッジコア612a~612c、613a~613cのz軸方向の長さとを加算した長さである場合を例示する。
図24には、第2実施形態の部分非エッジコア611bが有する中央脚部2111に相当する領域13111と、胴部2112に相当する領域13112と、第2実施形態のブリッジコア620aに相当する領域13120との一例を示す。同様に図24には、第2実施形態の部分非エッジコア711bが有する中央脚部3111に相当する領域14111と、胴部3112に相当する領域14112と、第2実施形態のブリッジコア720aに相当する領域14120との一例を示す。
一方、図19~図20において、上側コア1310の領域1312は、上側コア1310の領域のうち、z軸方向において第2実施形態のブリッジコア620a、620bに相当する領域を含まない領域である。上側コア1310の領域1312には、例えば、当該領域1312に対応する同一の平面形状の電磁鋼板がx軸方向に積層される。上側コア1310の領域1312のy-z断面は、例えば、図25に示す上側コア1310のy-z断面のようになる。図25では、上側コア1310の領域1312のy-z断面全体の外形形状がT形である場合を例示する。また、図25では、上側コア1310の領域1312のz軸方向の長さ(Tの縦線に平行な方向の長さ)が、第2実施形態の部分非エッジコア611a~611cのz軸方向の長さと同じである場合を例示する。
図25には、第2実施形態の部分非エッジコア611bが有する中央脚部2111に相当する領域13111と、胴部2112に相当する領域13112と、第2実施形態のブリッジコア620aに相当する領域13120との一例を示す。同様に図25には、第2実施形態の部分非エッジコア711bが有する中央脚部3111に相当する領域14111と、胴部3112に相当する領域14112と、第2実施形態のブリッジコア720aに相当する領域14120との一例を示す。尚、図24は、第2実施形態の部分非エッジコア611bに相当する領域のうち、ブリッジコア620a、620bに相当する領域とz軸方向で隣接する領域のy-z断面である。一方、図25は、図24は、第2実施形態の部分非エッジコア611bに相当する領域のうち、ブリッジコア620a、620bに相当する領域とz軸方向で隣接しない領域のy-z断面である。
上側コア1310を構成する複数の電磁鋼板は、互いに分離しないように固定される。複数の電磁鋼板の固定の方法は限定されない。例えば、接着剤による固定、溶接による固定、カシメによる固定、および固定部材を用いた固定など、公知の種々の方法が、複数の電磁鋼板の固定の方法として採用される。以上のように本実施形態では、上側コア(非エッジコアおよびエッジコア)およびブリッジコアは、一体化された1つのコアである。従って、図18~図20に示すように、ブリッジコア(ブリッジコア620a、620bに相当する領域)と、非エッジコアおよびエッジコア(非エッジコア611およびエッジコア612、613に相当する領域)との境界に境界線は存在しない。尚、表記の都合上、図18~図20では個々の電磁鋼板の境界線の図示を省略する。
本実施形態では、上側コア1310、下側コア1410の領域のうち、ブリッジコア620a、620b、720a、720bに相当する領域によりブリッジコアが構成される場合を例示する。
下側誘導器1400も、上側誘導器1300と同様に、下側コア1410と、コイル320と、シールド板330a、330bと、冷却フィン730a~730hと、冷却小管740a~740hと、を備え、上側誘導器1300と同じ構成を有する。なお、図19~図20において、下側コア1410の領域1411a、1411bは、下側コア1410の領域のうち、第2実施形態のブリッジコア720a、720bに相当する領域を含む領域である。一方、図19~図20において、下側コア1410の領域1412は、下側コア1410の領域のうち、第2実施形態のブリッジコア720a、720bに相当する領域を含まない領域である。
以上のように本実施形態では、ブリッジコア620a~620b、720a~720bに相当する領域と、非エッジコア611、711およびエッジコア612~613、712~713に相当する領域とを分離せずに一体化する。即ち、本実施形態では、非エッジコア、エッジコア、およびブリッジコアを、1つのコア(1つの上側コア1310、1つの下側コア1410)とする。このようにすることによっても第1実施形態および第2実施形態で説明した効果を有する誘導加熱装置が実現される。また、ブリッジコア620a、620bに相当する領域の構成原子のスピンと、非エッジコア611およびエッジコア612、613に相当する領域の構成原子のスピンとのスピン同士の結合(スピン-スピン結合)をより増大させることができる。これにより、コイル220に交流電流を流すことによりこれらの領域に生じる磁束密度を、非エッジコア611およびエッジコア612、613とブリッジコア620a、620bとが別々のコアである場合に比べて高くすることができる。
そして、第2実施形態と同様に本実施形態でも、冷却フィン630a~630hと、冷却小管640a~640hとにより、上側コア1310の温度の上昇を抑制することができる。
以上のことは、下側誘導器1400についても同じである。
以上のように本実施形態においても第2実施形態と同様に、コアの温度を所望の温度以下に抑制することと、所望の大きさの交番磁界を発生させることとの双方を同時に実現することができる誘導加熱装置を提供することができる。
尚、以上の説明から明らかなように、本実施形態の構成は、第2実施形態で説明したエッジコア、非エッジコア、ブリッジコア、部分エッジコア、部分非エッジコアを、それぞれ、エッジコアに相当する領域、非エッジコアに相当する領域、ブリッジコアに相当する領域、部分エッジコアに相当する領域、部分非エッジコアに相当する領域に置き替えたものとなる。従って、このような置き替えを行って第2実施形態の説明を読み替えることにより、以下の好ましい範囲が定められる。
・ ブリッジコア620a、620bに相当する領域の板中心側ラップ長Lの好ましい範囲(L≧α等)
・ ブリッジコア620a、620bに相当する領域の板端側ラップ長L’の好ましい範囲(L’≧α等)
・ ブリッジコア620a、620bに相当する領域の高さHの好ましい範囲(H≧Min(0.5×h、0.5×α)等)
・ 部分非エッジコア611a~611cに相当する領域および部分エッジコア612a~612c、613a~613cに相当する領域のy軸方向の長さCLに対する、ブリッジコア620a、620bに相当する領域のy軸方向の長さBLの比の好ましい範囲(BL/CL≧0.2等)
<変形例>
本実施形態では、上側コア1310の領域1312が直方体の形状である場合を例示した。しかしながら、上側コア1310の領域1312の形状は直方体の形状に限定されない。例えば、図26に示すように、上側コア1310の領域1312の搬送予定面CP側の端面(下面)に1つ以上の窪み部が形成されてもよい(尚、図26は、図19に対応する断面図である)。図26では、x軸方向に間隔を有する状態で2つの窪み部が上側コア1310の領域1312に形成される場合を例示する。また、図26に示すように、当該窪み部に、冷却フィン630a~630hおよび冷却小管640a~640hと同様の冷却フィン630i~630jおよび冷却小管640i~640jが配置されてもよい。図26では、冷却小管640i~640jが領域1312の背面側の端面(上面)に達しないように、冷却フィン630i~630jの高さ(z軸方向の長さ)が、冷却フィン630a~630d、630e~630hよりも低い場合を例示する。このようにすれば、冷却フィン630i~630jおよび冷却小管640i~640jが上側コア1310の領域1312に配置されることと、領域1311a、1311b、1312が一体化された1つのコアであることと、の双方が実現される。
また、図26に示すように、下側コア1410についても、冷却フィン730a~730hおよび冷却小管740a~740hと同様の冷却フィン730i~730jおよび冷却小管740i~740jが配置されてもよい。図26では、冷却フィン630i~630jと同様に冷却フィン730i~730jの高さ(z軸方向の長さ)が、冷却フィン730a~730d、730e~730hの高さよりも低い場合を例示する。
尚、冷却フィン630i~630j、730i~730jおよび冷却小管640i~640j、740i~740jが配置されている位置におけるy-z断面は、図23における冷却フィン630d、730d、上側コア1310、下側コア1410のz軸方向の長さを、冷却フィン630i~630j、730i~730jおよび冷却小管640i~640j、740i~740jが配置されている位置における、冷却フィン630i~630j、730i~730j、上側コア1310、下側コア1410のz軸方向の長さにそれぞれ変更した断面になる。
また、本実施形態では、上側コア1310の領域1312の高さ(z軸方向の長さ)が上側コア1310のその他の領域の高さよりも低い場合を例示した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、上側コア1310の領域1312の高さ(z軸方向の長さ)は、x軸方向の位置に関わらず同じでもよい。図27では、上側コア1310のx軸方向の領域1311c全体に、ブリッジコアに相当する領域が含まれる場合を例示する(尚、図27は、図19に対応する断面図である)。
以上の変形例は、下側誘導器1400に採用されてもよい。
その他、第1実施形態および第2実施形態で説明した種々の変形例が本実施形態の誘導加熱装置に採用されてもよい。また、第1実施形態および第2実施形態で説明した変形例を含め、以上の各変形例の少なくとも2つを組み合わせた変形例が本実施形態の誘導加熱装置に採用されてもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を説明する。第2実施形態では、部分非エッジコア611a~611cの間と、部分エッジコア612a~612c、613a~613cの間と、部分エッジコア612c、613cと部分非エッジコア611a、611cとの間に、冷却可能に構成された非磁性の導電体が配置される場合を例示した。本実施形態では、これに加えて、ブリッジコア620a~620b、720a~720bの背面側の端面(上面、下面)に、冷却可能に構成された非磁性の導電体が配置される場合を例示する。このようにすれば、ブリッジコア620a~620b、720a~720bの温度をより一層低下させることができる。このように本実施形態では、第2実施形態の誘導加熱装置に対して、ブリッジコア620a~620b、720a~720bの温度を低下させるための構成が付加される。従って、本実施形態の説明において第1実施形態、第2実施形態、および第3実施形態と同一の部分については、図1~図27に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図28は、誘導加熱装置の第1断面の一例を示す図であり、図8に対応する図である。図29は、誘導加熱装置の第2断面の一例を示す図であり、図10に対応する図である。本実施形態でも第2実施形態と同様に、誘導加熱装置のx軸方向の中心におけるy-z平面を対称面とする鏡面対称の関係となる形状を誘導加熱装置が有する場合を例示する。
図28および図29では、上側誘導器2200のブリッジコア620a、620bの背面側の端面(上面)に、冷却管2210a、2210bが配置される場合を例示する。同様に、図28および図29では、下側誘導器2300のブリッジコア720a、720bの背面側の端面(下面)に、冷却管2310a、2310bが配置される場合を例示する。また、本実施形態では、冷却管2210a、2210b、2310a、2310bの外観形状がつづら折り形状である場合を例示する。
冷却管2210a、2210bは、ブリッジコア620a、620bの背面側の端面(上面)においてつづら折りになるように配置される。また、冷却管2210a、2210bは、ブリッジコア620a、620bに接触している。冷却管2210a、2210bは、例えば、銅等の非磁性の導電体により構成される。
同様に、冷却管2310a、2310bは、ブリッジコア720a、720bの背面側の端面(下面)においてつづら折りになるように配置される。冷却管2310a、2310bは、ブリッジコア720a、720bに接触している。冷却管2310a、2310bも、例えば、銅等の非磁性の導電体により構成される。
第2実施形態の構成では、例えば、冷却小管640a~640hと、空冷とによってブリッジコア620a、620bの温度の上昇を抑えることができる。しかしながら、このような構成では、例えば、誘導加熱装置の周囲の温度が高い場合、ブリッジコア620a、620bの温度を所望の温度に低下させることができない虞がある。これに対し本実施形態では、ブリッジコア620a、620bの背面側の端面(上面)に、冷却管2210a、2210bが配置される。従って、第2実施形態の構成よりも、ブリッジコア620a、620bの温度を低下させることができる。このように本実施形態では、第2実施形態で説明した効果に加えて、ブリッジコア620a、620bの温度を確実に低下させることができるという効果を奏する。
以上のことは、下側誘導器2300についても同じである。
<変形例>
本実施形態では、ブリッジコア620a、620bを冷却するための冷却用部材の一例として、冷却管2210a、2210bを用いる場合を例示した。しかしながら、ブリッジコア620a、620bを冷却するための冷却用部材は、このような冷却用部材に限定されない。例えば、ブリッジコア620a、620bを冷却するための冷却用部材は、板状の非磁性の導電体でもよい。このようにする場合、当該板状の非磁性の導電体が熱伝導により冷却されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、第2実施形態の誘導加熱装置に対して冷却管2210a、2210bが付加される場合を例示した。しかしながら、第3実施形態の誘導加熱装置に対して冷却管2210a、2210bが付加されてもよい。
以上の変形例は、下側誘導器2300に採用されてもよい。
また、第1実施形態、第2実施形態、および第3実施形態で説明した種々の変形例が本実施形態の誘導加熱装置に採用されてもよい。また、第1実施形態、第2実施形態、および第3実施形態で説明した変形例を含め、以上の各変形例の少なくとも2つを組み合わせた変形例が本実施形態の誘導加熱装置に採用されてもよい。
この他、第2実施形態および第4実施形態のように、上側コア610および下側コア710と、ブリッジコア620a~620b、720a~720bとが別々のコアである場合、ブリッジコア620a、620b、720a、720bを、シールド板230a、230b、330a、330bのx軸方向の移動に合わせて、x軸方向に移動させてもよい。シールド板230a、230b、330a、330bのx軸方向の移動は、第2実施形態で説明したようにして実行される。例えば、帯状鋼板100が蛇行している場合に、シールド板230a、230b、330a、330bをx軸方向(帯状鋼板100が蛇行する方向)に移動させる場合、帯状鋼板100の蛇行量と同じ量だけ、ブリッジコア620a、620b、720a、720bと、シールド板230a、230b、330a、330bとをx軸方向(帯状鋼板100が蛇行する方向)に移動させてもよい。
尚、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。