JP7694819B1 - 超硬合金 - Google Patents
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Abstract
前記超硬合金は、前記炭化タングステン粒子および前記結合相を合計で89体積%以上含み、
前記超硬合金は、前記結合相を1.8体積%以上20.0体積%以下含み、
前記結合相は、コバルトを含み、
前記超硬合金は、コバルトを1.0質量%以上含み、
前記結合相のナノインデンター法で測定される25℃での硬度は、7.0GPa以上である、超硬合金。
Description
複数の炭化タングステン粒子と、結合相と、を備える超硬合金であって、
該超硬合金は、該炭化タングステン粒子および該結合相を合計で89体積%以上含み、
該超硬合金は、該結合相を1.8体積%以上20.0体積%以下含み、
該結合相は、コバルトを含み、
該超硬合金は、コバルトを1.0質量%以上含み、
該結合相のナノインデンター法で測定される25℃での硬度は、7.0GPa以上である。
近年、切削加工において被削材の難削化が進み、切削工具の使用条件は過酷になっている。このため、切削工具の基材として用いられる超硬合金に対しても種々の特性の向上が求められている。特に高硬度材の切削加工用の切削工具の材料として用いられた場合においても、工具の長寿命化を可能とする超硬合金が求められている。
本開示によれば、特に高硬度材の切削加工用の切削工具の材料として用いられた場合においても、工具の長寿命化を可能とする超硬合金を提供することが可能である。
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の超硬合金は、
複数の炭化タングステン粒子と、結合相と、を備える超硬合金であって、
前記超硬合金は、前記炭化タングステン粒子および前記結合相を合計で89体積%以上含み、
前記超硬合金は、前記結合相を1.8体積%以上20.0体積%以下含み、
前記結合相は、コバルトを含み、
前記超硬合金は、コバルトを1.0質量%以上含み、
前記結合相のナノインデンター法で測定される25℃での硬度は、7.0GPa以上である。
前記第1元素は、珪素、リン、ゲルマニウム、スズ、レニウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、および白金からなる群より選択される少なくとも1種の元素であってもよい。これによって、特に高硬度材の切削加工においても、切削工具の工具寿命をより延長することを可能とする超硬合金を提供することができる。
本開示の一実施形態(以下、「本実施形態」とも記す。)の切削工具の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。本開示の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、必ずしも実際の寸法関係を表すものではない。
本開示の一実施形態に係る超硬合金について、図1を用いて説明する。
本開示の一実施形態(以下、「本実施形態」とも記す。)は、
複数の炭化タングステン粒子1と、結合相2と、を備える超硬合金3であって、
該超硬合金3は、該炭化タングステン粒子1および該結合相2を合計で89体積%以上含み、
該超硬合金3は、該結合相2を1.8体積%以上20.0体積%以下含み、
該結合相2は、コバルトを含み、
該超硬合金3は、コバルトを1.0質量%以上含み、
該結合相2のナノインデンター法で測定される25℃での硬度は、7.0GPa以上である。
超硬合金3は、炭化タングステン粒子1および結合相2を合計で89体積%以上含む。これによって、超硬合金3の硬度を高めることができる。超硬合金3は、炭化タングステン粒子1および結合相2を合計で90体積%以上含んでもよく、91体積%以上含んでもよく、92体積%以上含んでもよい。超硬合金3において、炭化タングステン粒子1および結合相2の合計含有率の上限は、例えば100体積%以下であってもよく、99体積%以下であってもよく、98体積%以下であってもよい。超硬合金3は、炭化タングステン粒子1および結合相2を合計で90体積%以上100体積%以下含んでもよく、91体積%以上100体積%以下含んでもよく、92体積%以上100体積%以下含んでもよい。
結合相2は、コバルトを含み、超硬合金3は、コバルトを1.0質量%以上含む。これによって、超硬合金3に優れた靱性を付与することができる。なお、結合相2は、コバルトを50質量%以上含んでもよく、60質量%以上含んでもよく、70質量%以上含んでもよく、80質量%以上含んでもよく、90質量%以上含んでもよく、95質量%以上含んでもよい。結合相2は、コバルトからなってもよい。また、結合相2は、コバルトおよび後述する第1元素からなってもよい。また、超硬合金3におけるコバルトは、結合相2にのみ存在してもよい。超硬合金3におけるコバルトの含有率の下限は、2.0質量%以上であってもよく、3.0質量%以上であってもよく、4.0質量%以上であってもよい。超硬合金3におけるコバルトの含有率の上限は、20質量%以下であってもよく、15質量%以下であってもよく、12質量%以下であってもよく、10質量%以下であってもよい。超硬合金3は、コバルトを1.0質量%以上20質量%以下含んでもよく、コバルトを2.0質量%以上15質量%以下含んでもよく、コバルトを3.0質量%以上12質量%以下含んでもよい。
結合相2のナノインデンター法で測定される25℃での硬度は、7.0GPa以上である。これによって、結合相2は、25℃の条件下(言い換えれば、室温条件下)において、優れた硬度を有することができる。該硬度の下限は、7.1GPa以上であってもよく、7.2GPa以上であってもよく、7.4GPa以上であってもよい。該硬度の上限は、9GPa以下であってもよく、8.5GPa以下であってもよく、8GPa以下であってもよい。該硬度は、7.0GPa以上9GPa以下であってもよく、7.1GPa以上8.5GPa以下であってもよく、7.2GPa以上8GPa以下であってもよい。
実施形態1において、炭化タングステン粒子1は、「純粋なWC粒子(不純物元素が一切含有されないWC、不純物元素の含有量が検出限界未満であるWCも含む。)」および「本開示の効果を損なわない限りにおいて、その内部に不純物元素が意図的あるいは不可避的に含有されるWC粒子」の少なくともいずれかを含む。炭化タングステン粒子の不純物の含有率(不純物を構成する元素が2種類以上の場合は、それらの合計含有率)は、0.1質量%未満である。炭化タングステン粒子の不純物元素の含有率は、ICP発光分析(Inductively Coupled Plasma Emission Spectroscopy、測定装置:株式会社島津製作所製の「ICPS-8100」(商標))により測定される。
本実施形態の超硬合金3は、切削工具に用いられ得る。該切削工具としては、例えば、汎用加工用の切削工具が挙げられる。より具体的には、ドリル、エンドミル、ドリル用刃先交換型切削チップ、エンドミル用刃先交換型切削チップ、フライス加工用刃先交換型切削チップ、旋削加工用刃先交換型切削チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、タップ等の切削工具が挙げられる。
本実施形態の超硬合金は、原料粉末の準備工程、混合工程、成型工程、焼結工程、冷却工程およびHIP(Hot Isostatic Pressing:熱間等方圧加圧法)工程を前記の順で行うことにより製造することができる。以下、各工程について説明する。
準備工程は、超硬合金を構成する材料の原料粉末を準備する工程である。原料粉末としては、炭化タングステン粉末(以下、「WC粉末」とも記す)およびコバルト(Co)粉末が挙げられる。これらの原料粉末に加えて、第1元素粉末、炭化ニオブ(NbC)粉末、炭化タンタル(TaC)粉末、炭窒化チタン(TiCN)粉末、および炭化ジルコニウム(ZrC)粉末などを準備することができる。これらの原料粉末は、市販のものを用いることができる。これらの原料粉末の平均粒径は特に制限されず、例えば、0.5~2μmとすることができる。原料粉末の平均粒径とは、FSSS(Fisher Sub-Sieve Sizer)法により測定される平均粒径を意味する。該平均粒径は、Fisher Scientific社製の「Sub-Sieve Sizer モデル95」(商標)を用いて測定される。
混合工程は、準備工程で準備した各原料粉末を所定の割合で混合する工程である。混合工程により、各原料粉末が混合された混合粉末が得られる。各原料粉末の混合割合は、狙いとする超硬合金の組成に応じて適宜調整する。原料粉末として第1元素粉末を用いてもよい。これによって、第1元素が結合相中に十分に固溶される関係で、超硬合金に対し、所望の「結合相のナノインデンター法で測定される25℃での硬度」をより備えさせ易くなる。炭化タングステン粒子の含有率と結合相の含有率との合計を所望の範囲内とする観点で、混合粉末において、WC粉末、Co粉末、および第1元素粉末以外の粉末の合計含有率は、5質量%未満であってもよい。各原料粉末の仕込量を適宜調整することにより、結合相の含有率とWC粒子の含有率とのそれぞれを所望の範囲内とすることができる。
成形工程は、混合工程で得られた混合粉末を切削工具用の形状に成形して、成形体を得る工程である。成形工程における成形方法および成形条件は、一般的な方法および条件を採用すればよく、特に制限されない。
焼結工程は、成形工程で得られた成形体を焼結して、超硬合金中間体を得る工程である。本実施形態における焼結条件は、以下の通りである。成形体を1360℃まで加熱して、1360℃で1時間保持する。
冷却工程は、焼結工程後の超硬合金中間体を冷却する工程である。より具体的には、超硬合金中間体を800℃まで冷却する(以下、「第1冷却」とも記す)。第1冷却の冷却速度は、例えば20℃/分である。
HIP工程は、冷却工程後の超硬合金中間体に対して、HIP処理を行う工程である。本実施形態におけるHIP工程の条件は、以下の通りである。超硬合金中間体を、圧力が100MPaである条件下で、2時間保持する。これによって、実施形態1の超硬合金を得ることができる。
本実施形態において焼結工程は、成形体を1360℃まで加熱して、1360℃で1時間保持することにより実行される。さらに、冷却工程は、800℃までの冷却速度を20℃/分とすることにより実行される。さらに、HIP工程は、圧力が100MPaであり、且つ時間が2時間である条件下で実行される。これらの工程によって、該結合相のナノインデンター法で測定される25℃での硬度は、7.0GPa以上である、超硬合金を製造することができる。このような焼結条件、冷却工程、およびHIP工程によって、本開示の超硬合金を実現できることは、本発明者らが鋭意検討の結果、新たに見いだしたものである。
実施形態1の超硬合金において、ナノインデンター法は、ISO14577に準拠した方法で、測定荷重は0.5mNであり、負荷時間は0.1秒であり、荷重保持時間は0.1秒であり、除荷時間は0.1秒である条件下で実行され得る。
以下の様にして、試料1~19、101~114に係る超硬合金を作製した。
原料粉末として、WC粉末(平均粒径:1μm)、Co粉末(平均粒径:1μm)、第1元素粉末、およびTiCN粉末(平均粒径:1μm)を準備した。第1元素粉末としては、Si粉末(平均粒径:1μm)、Ge粉末(平均粒径:1μm)、Sn粉末(平均粒径:1μm)、Os粉末(平均粒径:1μm)、Ir粉末(平均粒径:1μm)、Pt粉末(平均粒径:1μm)、P粉末(平均粒径:1μm)、Re粉末(平均粒径:1μm)、およびRu粉末(平均粒径:1μm)を準備した。
各原料粉末を表1および表2に記載の割合で、アトライターを用いて10時間混合することにより、混合粉末を得た。
混合粉末をプレス成形あるいは押出成形することにより、丸棒形状の成形体を得た。
成形体を、表1および表2に記載の温度まで加熱して、該温度の状態で表1および表2に記載の保持時間の間保持することにより、超硬合金中間体を得た。
超硬合金中間体を、表1および表2に記載の冷却速度で800℃まで冷却した。
冷却工程後の超硬合金中間体に対して、表1および表2に記載の条件でHIP処理を実行することにより、超硬合金を得た。
<炭化タングステン粒子の含有率>
各試料に係る超硬合金について、炭化タングステン粒子の含有率を実施形態1に記載の方法により求めた。得られた結果を、表3および表4の「WC粒子の含有率[体積%]」の欄に記す。なお、表3および表4の「WC粒子の含有率[体積%]」の欄に「残」と記載されていることは、炭化タングステン粒子の含有率が、表3および表4の「合計[体積%]」の欄に記載された数値から、表3および表4の「結合相の含有率[体積%]」の欄に記載された数値を減ずることによって求められる数値と等しい数値であることを意味する。
各試料に係る超硬合金について、結合相の含有率を実施形態1に記載の方法により求めた。得られた結果を、表3および表4の「結合相の含有率[体積%]」の欄に記す。
各試料に係る超硬合金について、結合相の硬度を実施形態1に記載の方法により求めた。得られた結果を、表3および表4の「結合相の硬度[GPa]」の欄に記す。
各試料に係る超硬合金について、超硬合金におけるコバルトの含有率を実施形態1に記載の方法により求めた。得られた結果を、表3および表4の「Co含有率[質量%]」の欄に記す。なお、各試料に係る超硬合金について、「超硬合金3におけるコバルトは、結合相2にのみ存在すること」が、実施形態1に記載の方法により確認された。
各試料に係る超硬合金について、超硬合金における第1元素の含有率を実施形態1に記載の方法により求めた。得られた結果を、表3および表4の「第1元素含有率[質量%]」の欄に記す。なお、各試料に係る超硬合金について、「第1元素含有率[質量%]」が0質量%でない場合において、「超硬合金3における第1元素は、結合相2にのみ存在すること」が、実施形態1に記載の方法により確認された。
各試料に係る超硬合金について、{M1/(M1+M2)}×100を実施形態1に記載の方法により求めた。得られた結果を、表3および表4の「{M1/(M1+M2)}×100[%]」の欄に記す。
先ず、各試料に係る超硬合金からなる丸棒を加工することによって、各試料に係る切削工具として、刃径φ6mmのエンドミル(GSXB20000型)を3つずつ作製した。次に、各試料のエンドミルを用いて、以下の切削条件にて切削を行い、該エンドミルに0.05mmの摩耗が生じるまでの切削距離を測定した。各試料に関し、3つのエンドミルのそれぞれの切削距離の平均値を算出することによって、切削長を得た。得られた結果をそれぞれ表3および表4の「切削長[m]」の欄に記す。なお、切削長が長いもの程、工具寿命が長いことを示す。
<切削条件>
被削材:SKD51(高硬度材)
切削速度Vc:180m/分
1刃当たりの送りFz:0.15mm/t
切込み深さAp:0.5mm
切削液:あり(Wet)
上記の切削条件は、高硬度材の切削加工に該当する。
Claims (3)
- 複数の炭化タングステン粒子と、結合相と、を備える超硬合金であって、
前記超硬合金は、前記炭化タングステン粒子および前記結合相を合計で89体積%以上含み、
前記超硬合金は、前記結合相を1.8体積%以上20.0体積%以下含み、
前記結合相は、コバルトを含み、
前記超硬合金は、コバルトを1.0質量%以上含み、
前記結合相のナノインデンター法で測定される25℃での硬度は、7.1GPa以上8GPa以下である、超硬合金。 - 前記結合相は、第1元素を更に含み、
前記第1元素は、珪素、リン、ゲルマニウム、スズ、レニウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウム、および白金からなる群より選択される少なくとも1種の元素である、請求項1に記載の超硬合金。 - 前記結合相において、前記第1元素の質量M1およびコバルトの質量M2の合計M1+M2に対する、前記第1元素の質量M1の百分率{M1/(M1+M2)}×100は、1%以上6%以下である、請求項2に記載の超硬合金。
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|---|---|---|---|
| PCT/JP2023/035009 WO2025069213A1 (ja) | 2023-09-26 | 2023-09-26 | 超硬合金 |
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