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JP7687167B2 - R-t-b系焼結磁石の製造方法 - Google Patents

R-t-b系焼結磁石の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はR-T-B系焼結磁石の製造方法に関する。
R-T-B系焼結磁石(Rは希土類元素であり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択される少なくとも1つを必ず含み、TはFe、Co、Al、Mn、およびSiからなる群から選択された少なくとも1つであり、必ずFeを含む、Bはホウ素である)は、RFe14B型結晶構造を有する化合物の主相と、この主相の粒界部分に位置する粒界相および微量添加元素や不純物の影響により生成する化合物相とから構成されている。R-T-B系焼結磁石は、高い残留磁束密度B(以下、単に「B」と記載する場合がある)と、高い保磁力HcJ(以下、単に「HcJ」と記載する場合がある)を示し、永久磁石の中で最も高性能な磁石として知られている。
このため、R-T-B系焼結磁石は、電気自動車(EV、HV、PHV)等の自動車分野、風力発電等の再生可能エネルギー分野、家電分野、産業分野等のさまざまなモーターに使用されている。R-T-B系焼結磁石は、これらモーターの小型・軽量化、高効率・省エネルギー化(エネルギー効率の改善)に欠かせない材料である。また、R-T-B系焼結磁石は、電気自動車用の駆動モーターに使用されており、内燃機関エンジン自動車から電気自動車へ代替されることで、二酸化炭素等の温室効果ガスの削減(燃料・排ガスの削減)による地球温暖化防止にも寄与している。このように、R-T-B系焼結磁石は、クリーンエネルギー社会の実現に大きく貢献している。
R-T-B系焼結磁石において、R14B化合物中のRに含まれる軽希土類元素RL(例えば、NdやPr)の一部を重希土類元素RH(RHは、TbおよびDyの少なくとも一方)で置換すると、HcJが向上することが知られている。RHの置換量の増加に伴い、HcJは向上する。しかし、R14B化合物中のRLをRHで置換すると、R-T-B系焼結磁石のHcJが向上する一方、残留磁束密度Bが低下する。また重希土類元素は資源リスクの高い原料であることからその使用量を削減し、または使用せずにHcJを向上させることが求められている。
特許文献1には、特定組成のR-T-B系焼結磁石素材表面の少なくとも一部に、R2-Ga合金の少なくとも一部を接触させた状態で熱処理することで、RH、PrおよびGaを拡散させることが記載されている。これにより、RHの含有量を低減しつつ、高いBと高いHcJを得ることができる。
国際公開第2018/143230号
特許文献1に記載されている方法は、重希土類元素の含有量を抑制しつつ高いBと高いHcJを得るR-T-B系焼結磁石が得られる点で注目に値する。しかし、近年、R-T-B系焼結磁石は、特に電気自動車用モーター向けなどで需要が今後大きく拡大することが予想されている。そのため、重希土類元素の含有量だけでなく、それ以外でも資源の有効活用、低コスト化の観点からは、重希土類元素の使用に偏らず、他の希土類元素も含めてバランスよく希土類元素を利用する必要がある。具体的な手段として希土類元素の中で存在量が比較的豊富なCeなどを使用することが挙げられる。特にR-T-B系焼結磁石における主要な元素である、NdやPrの代わりにCeなどを使用することは有効である。しかし、NdやPrの代わりにCeなどを用いると磁気特性が大幅に低下することが知られている。また、R-T-B系焼結磁石は、主たる成分としてNdやFeが含有されているため、錆びやすい。このため耐食性を向上させることも求められている。
本開示の実施形態は、Ceを使用しつつ、高いB及び高いHcJが維持され、耐食性に優れたR-T-B系焼結磁石の製造方法を提供する。
本開示のR-T-B系焼結磁石の製造方法は、例示的な実施形態において、R1-T-B系焼結磁石素材(R1は希土類元素であり、Nd、PrおよびCeを少なくとも含み、TはFeまたはFeとCoである)を準備する工程と、R2-M系合金(R2は希土類元素であり、TbおよびDyの少なくとも一方と、NdおよびPrの少なくとも一方を必ず含み、Mは、Cu、Ga、Fe、Co、Ni、およびAlからなる群から選択された少なくとも1つである)を準備する工程と、前記R1-T-B系焼結磁石素材と前記R2-M系合金を真空又は不活性ガス雰囲気中、700℃以上1100℃以下の温度で加熱し、R2およびMをR1-T-B系焼結磁石素材内部に拡散させる拡散工程と、を含み、前記R1-T-B系焼結磁石素材において、R1中のCeの含有割合は、5mass%以上25mass%以下であり、前記R1-T-B系焼結磁石素材中のNdの含有量(mass%)を[Nd]、Prの含有量(mass%)を[Pr]、Ceの含有量(mass%)を[Ce]、Dyの含有量(mass%)を[Dy]、Tbの含有量(mass%)を[Tb]、Oの含有量(mass%)を[O]、Cの含有量(mass%)を[C]とするとき、25.8mass%≦([Nd]+[Pr]+[Ce]+[Dy]+[Tb]-(9×[O]+12×[C])≦27.3mass%、0.08mass%≦[O]≦0.30mass%の関係を満足する。
ある実施形態において、前記R1-T-B系焼結磁石素材において、Bの含有量はR1-T-B系焼結磁石素材全体の0.88mass%以上0.97mass%以下である。
ある実施形態において、前記R2-M系合金において、R2がR2-M系合金全体の65mass%以上97mass%以下であり、MはR2-M系合金全体の3mass%以上35mass%以下である。
本開示の実施形態によると、Ceを使用しつつ、高いB及び高いHcJが維持され、耐食性に優れたR-T-B系焼結磁石の製造方法を提供することができる。
R-T-B系焼結磁石の一部を拡大して模式的に示す断面図である。 図1Aの破線矩形領域内を更に拡大して模式的に示す断面図である。 本開示によるR-T-B系焼結磁石の製造方法における工程の例を示すフローチャートである。
まず、本開示によるR-T-B系焼結磁石の基本構造について説明をする。R-T-B系焼結磁石は、原料合金の粉末粒子が焼結によって結合した構造を有しており、主としてR14B化合物粒子からなる主相と、この主相の粒界部分に位置する粒界相とから構成されている。
図1Aは、R-T-B系焼結磁石の一部を拡大して模式的に示す断面図であり、図1Bは図1Aの破線矩形領域内を更に拡大して模式的に示す断面図である。図1Aには、一例として長さ5μmの矢印が大きさを示す基準の長さとして参考のために記載されている。図1Aおよび図1Bに示されるように、R-T-B系焼結磁石は、主としてR14B化合物からなる主相12と、主相12の粒界部分に位置する粒界相14とから構成されている。また、粒界相14は、図1Bに示されるように、2つのR14B化合物粒子(グレイン)が隣接する二粒子粒界相14aと、3つのR14B化合物粒子が隣接する粒界三重点14bとを含む。典型的な主相結晶粒径は磁石断面の円相当径の平均値で2.5μm以上10μm以下である。主相12であるR14B化合物は高い飽和磁化と異方性磁界を持つ強磁性材料である。したがって、R-T-B系焼結磁石では、主相12であるR14B化合物の存在比率を高めることによってBを向上させることができる。R14B化合物の存在比率を高めるためには、原料合金中のR量、T量、B量を、R14B化合物の化学量論比(R量:T量:B量=2:14:1)に近づければよい。
また、主相であるR14B化合物のRの一部をDy、Tb、Hoなどの重希土類元素で置換することによって飽和磁化を下げつつ、主相の異方性磁界を高められることが知られている。特に二粒子粒界相と接する主相外殻は磁化反転の起点となりやすいため、主相外殻に優先的に重希土類元素を置換できる重希土類拡散技術は、飽和磁化の低下を抑制しつつ効率的に高いHcJが得られる。
本開示によるR-T-B系焼結磁石の製造方法では、R-T-B系焼結磁石素材表面から粒界を通じて磁石素材内部へ、R2-M系合金に含有されるR2とMを拡散させている。
本発明者らは、R1-T-B系焼結磁石素材と前記R2-M系合金を加熱して、R2およびMをR1-T-B系焼結磁石素材内部に拡散させる方法について詳細に検討した。その結果、Ceを特定範囲含有したR-T-B系焼結磁石素材に対してTbおよびDyの少なくとも一方と、NdおよびPrの少なくとも一方を必ず含むR2-M系合金を拡散させると、耐食性が向上することを見出した。後述する実施例に示すように、拡散を行わなかった場合は、Ceを含有することによる耐食性向上効果はみとめられず、むしろ悪化する場合がある。これに対し、Ceを含有した素材に対してR2-M系合金を拡散することで耐食性が向上した原因としては、拡散により粒界相中に素材中のCeとR2-M系合金のM元素とのCe-M化合物が形成され、何らかの理由により耐食性が向上したと考えられる。
さらに発明者らは検討の結果、拡散による磁石特性改善効果を最適化するには、粒界の厚さや構成を制御する必要があり、そのためにはR、O、およびCの含有量が適切な関係を満足する必要があることが分かった。これは、主相であるR-T14-B化合物中のBと置換していたCが、焼結工程により、粒界中の希土類酸化物と結合することで主相中のC量が変化し、それにより主相比率や粒界の厚さが変化するためだと考えられる。そして、発明者らはさらに検討の結果、Ndの含有量(mass%)を[Nd]、Prの含有量(mass%)を[Pr]、Ceの含有量(mass%)を[Ce]、Dyの含有量(mass%)を[Dy]、Tbの含有量(mass%)を[Tb]、Oの含有量(mass%)を[O]、Cの含有量(mass%)を[C]とするとき、25.8mass%≦([Nd]+[Pr]+[Ce]+[Dy]+[Tb])-(9×[O]+12×[C])≦27.3の範囲に調整したR1-T-B系焼結磁石素材に対して、R2とMを拡散させると、R2およびMの拡散を適切に進行させる(高いBを維持しつつ、HcJを向上させる)ことができることを見出した。これにより、Ceを使用しつつ、高いB及び高いHcJが維持され、耐食性に優れたR-T-B系焼結磁石の製造方法を提供することができる。
<R-T-B系焼結磁石の製造方法>
以下、本開示のR-T-B系焼結磁石の製造方法の実施形態を説明する。
本実施形態における製造方法は、図2に示されるように、R1-T-B系焼結磁石素材を準備する工程S10と、R2-M系合金を準備する工程S20と、拡散工程S30とを含み得る。工程S30は、前記R1-T-B系焼結磁石素材と前記R2-M系合金を真空又は不活性ガス雰囲気中、700℃以上1100℃以下の温度で加熱し、R2およびMをR1-T-B系焼結磁石素材内部に拡散させる拡散工程である。
なお、本開示において、拡散工程前および拡散工程中のR-T-B系焼結磁石を「R-T-B系焼結磁石素材」と称し、拡散工程後のR-T-B系焼結磁石を単に「R-T-B系焼結磁石」と称する。
以下、これらの各工程をより詳細に説明する。
(R1-T-B系焼結磁石素材を準備する工程)
まず、R1-T-B系焼結磁石素材の組成に説明する
本実施形態で用いるR1-T-B系焼結磁石素材において特徴的な点は、R1にCeを含有し、R1中のCeの含有割合を5mass%以上25mass%以下に設定し、かつ、R1-T-B系焼結磁石素材に含有されるR1、酸素量、炭素量などを調整し、25.8mass%≦([Nd]+[Pr]+[Ce]+[Dy]+[Tb]-(9×[O]+12×[C])≦27.3mass%の関係を満足し、0.08mass%≦[O]≦0.30mass%の関係を満足することにある。好ましくは、0.05mass%≦[C]≦0.18mass%の関係を満足するR1-T-B系焼結磁石素材を準備する。このようなR1-T-B系焼結磁石素材に対して、後述する拡散工程を行うことにより、耐食性を向上しつつ、R1-T-B系磁石素材内部にR2およびMの拡散を適切に進行させることが可能になる。
この工程で準備するR1-T-B系焼結磁石素材は、例えば以下の組成を有する。
R1:26.6mass%以上31.5mass%以下(R1は希土類元素であり、Nd、PrおよびCeを少なくとも含む。)、
B:0.8mass%以上1.0mass%以下、
好ましくはR1-T-B系焼結磁石素材全体の0.88mass%以上0.97mass%以下である、Ce含有等の効果が特に顕著になる。
M:0mass%以上1.0mass%以下(Mは、Ga、Cu、ZnおよびSiから
なる群から選択された少なくとも一種である)、
M1:0mass%以上2.0mass%以下(M1は、Al、Ti、V、Cr、Mn
、Ni,Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Hf、Ta、W、Pb、およびBiから
なる群から選択された少なくとも1種)
残部T(TはFe又はFeとCo)、および不可避的不純物からなる。
なお、R1中のCeの含有割合は、5mass%以上25mass%以下である。また、好ましくは、R1中におけるNdの含有割合は、50mass%以上である。
次にR1-T-B系焼結磁石素材の準備方法について説明する。
まず、R-T-B系焼結磁石用合金を準備した後、この合金を例えば水素粉砕法などによって粗く粉砕する。
R-T-B系焼結磁石用合金の製造方法を例示する。上述した組成となるように事前に調整した金属または合金を溶解し、鋳型に入れて凝固させるインゴット鋳造法により合金インゴットを得ることができる。また、上述した組成となるように事前に調整した金属または合金の溶湯を単ロール、双ロール、回転ディスク、または回転円筒鋳型等に接触させて急冷し、急冷凝固合金を作製するストリップキャスト法によって合金を作製してもよい。また、遠心鋳造法など、他の急冷法によってフレーク状の合金を製造してもよい。
本開示の実施形態においては、インゴット法と急冷法のどちらの方法により製造された合金も使用すること可能であるが、ストリップキャスト法などの急冷法により製造された合金を用いることが好ましい。急冷法によって作製した合金の厚さは、通常0.03mm~1mmの範囲にあり、フレーク形状である。得られた合金を水素粉砕することで、水素粉砕粉(粗粉砕粉)のサイズを例えば1.0mm以下とすることができる。このようにして得た粗粉砕粉を、ジェットミルで粉砕する。
ジェットミル粉砕は、窒素等の不活性雰囲気で粉砕する。粉砕は、例えば加湿雰囲気のジェットミルで粉砕してもよい。
R1-T-B系焼結磁石素材の作製に用いる微粉末は、前記の各条件を満たしていれば、一種類の原料合金(単一原料合金)から作製してもよいし、二種類以上の原料合金を用いてそれらを混合する方法(ブレンド法)によって作製してもよい。
好ましい実施形態では、磁場中プレスによって上記の微粉末から粉末成形体を作製した後、この粉末成形体を焼結する。磁場中プレスでは酸化抑制の観点から不活性ガス雰囲気中によるプレスまたは湿式プレスによって粉末成形体を形成する方が好ましい。特に湿式プレスは粉末成形体を構成する粒子の表面が油剤などの分散剤によって被覆され、大気中の酸素や水蒸気との接触が抑制される。このため、プレス工程の前後あるいはプレス工程中に粒子が大気によって酸化されることを防止または抑制することができる。このため、酸素含有量を所定範囲内に制御しやすい。磁場中湿式プレスを行う場合、微粉末に分散媒を混ぜたスラリーを用意し、湿式プレス装置の金型におけるキャビティに供給して磁場中でプレス成形する。
次に、成形体を焼結してR1-T-B系焼結磁石素材を得る。成形体の焼結は、好ましくは、0.13Pa(10-3 Torr)以下、より好ましくは0.07Pa(5.0×10-4 Torr)以下の圧力下で、温度1000℃~1150℃の範囲で行なう。焼結による酸化を防止するために、雰囲気の残留ガスは、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスにより置換され得る。得られた、焼結体(R1-T-B系焼結磁石素材)に対しては、熱処理を行ってもよい。熱処理温度、熱処理時間などの熱処理条件は、公知の条件を採用することができる。
(R2-M系合金を準備する工程)
まず、R2-M系合金の組成について説明する。
R2-M系合金におけるR2は希土類元素であり、TbおよびDyの少なくとも一方と、NdおよびPrの少なくとも一方を必ず含み、Mは、Cu、Ga、Fe、Co、Ni、およびAlからなる群から選択された少なくとも1つである。好ましくは、R2がR2-M系合金全体の65mass%以上97mass%以下であり、MはR2-M系合金全体の3mass%以上35mass%以下である。さらに好ましくは、R2がR2-M系合金全体の85mass%以上95mass%以下であり、MはR2-M系合金全体の5mass%以上15mass%以下である。より高いHcJを得ることができる。R2におけるTbおよびDyの含有量はR2-M系合金全体の3mass%以上24mass以下であることが好ましい。また、R2におけるPrの含有量はR2-M系合金全体の65mass%以上86mass%以下が好ましい。また、Mは、好ましくはGaおよびCuの少なくとも一方を必ず含む。より高いHcJを得ることが出来る。好ましくは、R2-M系合金のPrの含有量は、R2全体の50mass%以上であり、更に好ましくは、R2はPrとTbのみからなる。Prを含有することにより粒界相中の拡散が進みやすくなるため、Tbをさらに効率よく拡散することが可能となり、より高いHcJを得ることができる。
R2-M系合金の形状およびサイズは、特に限定されず、任意である。R2-M系合金は、フィルム、箔、粉末、ブロック、粒子などの形状をとり得る。
次にR2-M系合金の作製方法を説明する。
R2-M系合金は、一般的なR-T-B系焼結磁石の製造方法において採用されている原料合金の作製方法、例えば、金型鋳造法やストリップキャスト法や単ロール超急冷法(メルトスピニング法)やアトマイズ法などを用いて準備することができる。また、R2-M系合金は、前記によって得られた合金をピンミルなどの公知の粉砕手段によって粉砕されたものであってもよい。
(拡散工程)
前述の方法によって準備した前記R1-T-B系焼結磁石素材と前記R2-M系合金を真空又は不活性ガス雰囲気中、700℃以上1100℃以下の温度で加熱し、R2およびMをR1-T-B系焼結磁石素材内部に拡散させる拡散工程を行う。これにより、R2-M系合金からR2およびMを含む液相が生成し、その液相がR1-T-B系焼結磁石素材中の粒界を経由して焼結体表面から内部に拡散導入される。このとき、R1-T-B系焼結磁石素材に含有される重希土類元素RH(好ましくはTb)の含有量を0.05mass%以上0.30mass%以下という極めて微量な範囲で増加させることが好ましい。これにより、重希土類元素RHの消費量を抑制しながら、極めて高いHcJ向上効果を得ることができる。R1-T-B系焼結磁石素材に含有されるRHの含有量を0.05mass%以上0.30mass%以下増加させるためにR2-M系合金の量、処理時の加熱温度、粒子径(R2-M系合金が粒子状の場合)、処理時間等の各種条件を調整してよい。これらのなかでも、R2-M系合金の量および処理時の加熱温度を調整することにより、比較的容易に重希土類元素RHの導入量(増加量)を制御できる。
本明細書において、例えば、「Tbの含有量を0.05mass%以上0.30mass%以下増加させる」とは、mass%で示される含有量において、その数値が0.05以上0.30以下増加することを意味する。例えば、拡散工程前のR1-T-B系焼結磁石素材のTbの含有量が0.50mass%であり拡散工程後のR-T-B系焼結磁石のTbの含有量が0.60mass%であった場合は、拡散工程によりTbの含有量を0.10mass%増加させたことになる。なお、TbおよびDyの少なくとも一方の含有量(RH量)を0.05mass%以上0.30mass%以下増加しているかどうかは、拡散工程前におけるR1-T-B系焼結磁石素材および拡散工程後のR-T-B系焼結磁石(全体におけるRH量をそれぞれ測定して拡散前後でどのくらいRH量が増加したかを求めることにより算出することができる。また、拡散後のR-T-B系焼結磁石表面にR2-M系合金の濃化部が存在する場合は、前記濃化部を切削加工等により取り除いてからRH量を測定することが望ましい。
加熱温度が700℃未満であると、例えばTb、PrおよびMを含む液相量が少なすぎて高いHcJを得ることが出来ない。一方、1100℃を超えるとHcJが低下する可能性がある。好ましくは、850℃以上980℃以下である。より高いHcJを得ることができる。
拡散処理工程は、R1-T-B系焼結磁石素材表面に、任意形状のR2-M系合金を配置し、公知の熱処理装置を用いて行ってもよい。例えば、R1-T-B系焼結磁石素材表面をR2-M系合金の粉末層で覆い、熱処理を行うことができる。例えば、R2-M系合金を分散媒中に分散させたスラリーをR1-T-B系焼結磁石素材表面に塗布した後、分散媒を蒸発させR2-M系合金とR1-T-B系焼結磁石素材とを接触させてもよい。なお、分散媒として、アルコール(エタノール等)、アルデヒドおよびケトンを例示できる。また、重希土類元素RHは、R2-M系合金からだけでなく、R2-M系合金と共に重希土類元素RHのフッ化物、酸化物、酸フッ化物等をR-T-B系焼結磁石表面に配置することにより重希土類元素RHを導入してもよい。すなわち、重希土類元素RHと共に軽希土類元素RLおよびMを同時に拡散させることができればその方法は特に問わない。重希土類元素RHのフッ化物、酸化物、酸フッ化物としては、例えば、TbF、DyF、Tb、Dy、TbOF、DyOFが挙げられる。
(熱処理工程)
拡散処理工程後のR-T-B系焼結磁石に対して、真空又は不活性ガス雰囲気中、450℃以上750℃以下で、かつ、前記拡散処理で実施した温度よりも低い温度で熱処理を行ってもよい。熱処理を行うことにより、高いHcJを得ることができる。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
[R1-T-B系焼結磁石素材を準備する工程]
表1のNo.A~Jに示すR1-T-B系焼結磁石素材の組成になるように各元素を秤量し、ストリップキャスト法により原料合金を作製した。得られた各合金を水素粉砕法により粗粉砕し粗粉砕粉を得た。次に、前記粗粉砕粉に気流式粉砕機(ジェットミル装置)を用いて、窒素気流中で粉砕し、粒径D50:3.3μmの微粉砕粉を得た。得られた微粉砕粉を分散媒と混合しスラリーを作製した。前記スラリーを磁界中で成形して成形体を得た。なお、成形装置には、磁界印加方向と加圧方向とが直交するいわゆる直角磁界成形装置(横磁界成形装置)を用いた。得られた成形体を、真空中で、1020℃以上かつ1060℃以下で焼結(焼結による緻密化が十分起こる温度を選定)した後、急冷しR1-T-B系焼結磁石素材を得た。得られたR1-T-B系焼結磁石素材の密度は7.5Mg/m以上であった。得られたR-T-B系焼結磁石素材の成分の結果を表1に示す。なお、Nd、Pr、Ce、Dy、B、Co、Al、Cu、Ga、Tbの含有量は高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を使用して測定し、C、O、Nの含有量はガス融解-赤外線吸収法によるガス分析装置を使用して測定した。また、R1-T-B系焼結磁石素材における、[Nd]+[Pr]+[Ce]+[Dy]+[Tb])-(9×[O]+12×[C])の値、および、R1中のCeの含有割合([Ce]/[Nd]+[Pr]+[Ce]+[Dy]+[Tb])の値を表1に示す。
Figure 0007687167000001
[R2-M系合金を準備する工程]
表2のNo.aに示す合金の組成になるように、各元素を秤量し、それらの原料を溶解して、ディスクアトマイズ法により合金粉末を得た。得られた合金粉末の組成を表2に示す。なお、表2における各成分は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法を使用して測定した。
Figure 0007687167000002
[拡散工程]
表1のNo.A~JのR1-T-B系焼結磁石素材を切断、切削加工し、7.2mm×7.2mm×7.2mmの立方体とした。次に、前記No.A~JのR1-T-B系焼結磁石素材100mass%に対して全面にR2-M系合金(No.a)を3mass%散布した。
[熱処理工程]
前記拡散工程で加熱したR1-T-B系焼結磁石素材に対し、真空熱処理炉を用いて50Paに制御した減圧アルゴン中にて900℃で4時間の熱処理を行った後、室温まで冷却を行った。これにより、第一の熱処理が実施されたR-T-B系焼結磁石を得た。更に、熱処理が実施されたR-T-B系焼結磁石に対して、50Paに制御した減圧アルゴン中で、480℃以上520℃以下で1時間の熱処理を行った後室温まで冷却を行い、R1-T-B系焼結磁石(No.1~10)を作製した。
熱処理後の各サンプルに対し表面研削盤を用いて、全面を切削加工し、7.0mm×7.0mm×7.0mmの立方体形状のサンプルを得た。得られたサンプルを、B-Hトレーサによって残留磁束密度Bおよび保磁力HcJを測定した。その後、真空熱処理炉を用いて50Paに制御した減圧アルゴン中にて350℃で3時間の熱処理による消磁を行った後、表面研削盤を用いて、全面を切削加工し、6.9mm×6.9mm×6.9mmの立方体形状に加工した。得られたサンプルを高加速寿命試験装置にて温度125℃、相対湿度85%RH、0.2MPaの条件で、0、12、24、48、96、144、216時間経過毎に取り出し、最大となる減耗量を測定した。結果を表3に示す。ここで耐食性向上効果は、同素材B量においてCeの含有により減耗量が絶対値で0.006mg/cm 以上減少した場合を○とし、絶対値で0.006mg/cm 以上増加した場合を×とし、それ以外を△として表した。
Figure 0007687167000003
表3に示すように、本発明例(No. 2、4、6、8、10)は、Ceを含有することで磁気特性は低下しているものの、いずれもBが1.40T以上、HcJが1800kA/m以上であり、Tb量を低く抑えつつ、かつ、NdやPrをCeで置換しても高いB及び高いHcJを維持している。
耐食性については、焼結磁石素材(表3の素材)ではCeを含有している方がCeを含有していないものに比べて、いずれの素材B量においても減耗量はほぼ同じかむしろ大きくなっており、耐食性は低下している。一方で、拡散後では素材に比べて減耗量は小さい結果が得られた。さらに、Ceを含有している方がCeを含有していないものに比べて、減耗量が小さくなっており、特にB量が0.97mass%以下のものにおいて耐食性向上効果が大きい。

Claims (3)

  1. R1-T-B系焼結磁石素材(R1は希土類元素であり、Nd、PrおよびCeを少なくとも含み、TはFeまたはFeとCoである)を準備する工程と、
    R2-M系合金(R2は希土類元素であり、TbおよびDyの少なくとも一方と、NdおよびPrの少なくとも一方を必ず含み、Mは、Cu、Ga、Fe、Co、Ni、およびAlからなる群から選択された少なくとも1つである)を準備する工程と、
    前記R1-T-B系焼結磁石素材と前記R2-M系合金を真空又は不活性ガス雰囲気中、700℃以上1100℃以下の温度で加熱し、R2およびMをR1-T-B系焼結磁石素材内部に拡散させる拡散工程と、を含み、
    前記R1-T-B系焼結磁石素材において、R1中のCeの含有割合は、5mass%以上25mass%以下であり、前記R1-T-B系焼結磁石素材中のNdの含有量(mass%)を[Nd]、Prの含有量(mass%)を[Pr]、Ceの含有量(mass%)を[Ce]、Dyの含有量(mass%)を[Dy]、Tbの含有量(mass%)を[Tb]、Oの含有量(mass%)を[O]、Cの含有量(mass%)を[C]とするとき、25.8mass%≦([Nd]+[Pr]+[Ce]+[Dy]+[Tb]-(9×[O]+12×[C])≦27.3mass%、0.08mass%≦[O]≦0.30mass%の関係を満足する、
    R-T-B系焼結磁石の製造方法。
  2. 前記R1-T-B系焼結磁石素材において、Bの含有量はR1-T-B系焼結磁石素材全体の0.88mass%以上0.97mass%以下である、請求項1に記載のR-T-B系焼結磁石の製造方法。
  3. 前記R2-M系合金において、R2がR2-M系合金全体の65mass%以上97mass%以下であり、MはR2-M系合金全体の3mass%以上35mass%以下である、請求項1に記載のR-T-B系焼結磁石の製造方法。
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