本開示は、少なくとも部分的に、in vivo送達のためのフソソーム方法及び組成物を提供する。幾つかの実施形態では、フソソームは、標的細胞に対する特異性を促進する要素の組み合わせ、例えば、1つ以上の再標的化されたフソゲン、正の標的細胞特異的調節エレメント、及び非標的細胞特異的調節エレメントを含む。幾つかの実施形態では、フソソーム組成物は、フソソームに対する免疫応答を低下させる1つ以上の改変を含む。
I.定義
請求項及び明細書で使用される用語は、特に明記しない限り、以下に記載されるように定義される。
本明細書で使用される場合、「検出可能に存在する」は、外因性作用物質が検出可能に存在するという文脈で使用される場合、外因性作用物質自体が検出可能に存在することを意味する。例えば、外因性作用物質がタンパク質である場合、それをコードする核酸が検出可能に存在するかどうかに関わらず、外因性タンパク質作用物質は検出可能に存在することができる。
本明細書で使用される場合、「フソソーム」は、内腔又は空洞を取り囲む両親媒性脂質の二重層、及び両親媒性脂質二重層と相互作用するフソゲンを指す。実施形態では、フソソームは核酸を含む。幾つかの実施形態では、フソソームは、膜で囲まれた調製物である。幾つかの実施形態では、フソソームは、ソース細胞に由来する。
本明細書で使用される場合、「フソソーム組成物」は、1つ以上のフソソームを含む組成物を指す。
本明細書で使用される場合、「フソゲン」は、2つの膜で囲まれた内腔の間に相互作用を作り出す作用物質又は分子を指す。実施形態では、フソゲンは、膜の融合を促進する。他の実施形態では、フソゲンは、2つの内腔(例えば、レトロウイルスベクターの内腔と標的細胞の細胞質)の間に接続、例えば、細孔を作り出す。幾つかの実施形態では、フソゲンは、2つ以上のタンパク質の複合体を含み、例えば、いずれのタンパク質も、融合活性のみを有するものではない。幾つかの実施形態では、フソゲンは、標的化ドメインを含む。
本明細書で使用される場合、「インスレーター配列」は、エンハンサーを遮断するか、又はヘテロクロマチンの拡散を防ぐヌクレオチド配列を指す。インスレーター配列は、野生型又は変異体であり得る。
本明細書で使用される「有効量」という用語は、治療される症状及び/又は状態を有意かつ積極的に修正するのに十分な(例えば、陽性の臨床反応を提供する)医薬組成物の量を意味する。医薬組成物に使用するための有効成分の有効量は、治療される特定の状態、状態の重症度、治療の期間、併用療法の性質、使用される特定の有効成分(複数の場合がある)、利用される特定の薬学的に許容可能な賦形剤及び/又は担体、並びに主治医の知識及び専門知識による同様の要因に応じて変化する。
ウイルス、VLP又はフソソームに関して本明細書で使用される「外因性作用物質」は、対応する野生型ウイルス又は対応する野生型ソース細胞から作製されたフソゲンに含まれず、コード化されない作用物質を指す。幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、天然に存在するタンパク質と比較して(例えば、挿入、欠失、又は置換によって)変更される配列を有するタンパク質又は核酸等、天然には存在しない。幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、ソース細胞に自然に存在しない。幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、ソース細胞に自然に存在するが、ウイルスに対して外因性である。幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、レシピエント細胞に自然に存在しない。幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、レシピエント細胞に自然に存在するが、所望のレベル又は所望の時間には存在しない。幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、RNA又はタンパク質を含む。
本明細書で使用される「薬学的に許容可能な」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又はその他の問題若しくは合併症を伴わず、合理的な利益/リスク比に見合う、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適した賦形剤、組成物及び/又は剤形を指す。
本明細書で使用される場合、「プロモーター」は、遺伝子コード配列に作動可能に連結された場合に、遺伝子の転写を駆動するシス調節DNA配列を指す。プロモーターは、転写因子結合部位を含み得る。幾つかの実施形態では、プロモーターは、遺伝子の遠位にある1つ以上のエンハンサーと協調して機能する。
本明細書で使用される場合、「正の標的細胞特異的調節エレメント」(又は正のTCSRE)は、非標的細胞と比較して標的細胞における外因性作用物質のレベルを増加させる核酸配列を指し、ここで、外因性作用物質をコードする核酸は、正のTCSREに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、正のTCSREは、機能的核酸配列であり、例えば、正のTCSREは、プロモーター又はエンハンサーを含むことができる。幾つかの実施形態では、正のTCSREは、機能的RNA配列をコードし、例えば、正のTCSREは、標的細胞におけるRNAの正しいスプライシングを促進するスプライス部位をコードし得る。幾つかの実施形態では、正のTCSREは、機能的なタンパク質配列をコードする、又は正のTCSREは、タンパク質の正しい翻訳後修飾を促進するタンパク質配列をコードすることができる。幾つかの実施形態では、正のTCSREは、外因性作用物質のダウンレギュレーター又は阻害剤のレベル又は活性を減少させる。
本明細書で使用される場合、「負の標的細胞特異的調節エレメント」(又は負のTCSRE)は、標的細胞と比較して非標的細胞における外因性作用物質のレベルを減少させる核酸配列を指し、外因性作用物質をコードする核酸は、負のTCSREに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、負のTCSREは、機能的核酸配列、例えば、非標的細胞においてレトロウイルス核酸の分解又は阻害を引き起こすmiRNA認識部位である。幾つかの実施形態では、核酸配列は、機能的RNA配列をコードし、例えば、核酸は、外因性タンパク質作用物質をコードするmRNAに存在するmiRNA配列をコードし、その結果、mRNAは、非標的細胞において分解又は阻害される。幾つかの実施形態では、負のTCSREは、外因性作用物質のダウンレギュレーター又は阻害剤のレベル又は活性を増加させる。
本明細書で使用される場合、「非標的細胞特異的調節エレメント」(又はNTCSRE)は、標的細胞と比較して非標的細胞における外因性作用物質のレベルを低下させる核酸配列を指し、外因性作用物質をコードする核酸は、NTCSREに作動可能に連結されている。幾つかの実施形態では、NTCSREは、機能的核酸配列、例えば、非標的細胞においてレトロウイルス核酸の分解又は阻害を引き起こすmiRNA認識部位である。幾つかの実施形態では、核酸配列は、機能的RNA配列をコードし、例えば、核酸は、外因性タンパク質作用物質をコードするmRNAに存在するmiRNA配列をコードし、その結果、mRNAは、非標的細胞において分解又は阻害される。幾つかの実施形態において、NTCSREは、外因性薬剤のダウンレギュレーター又は阻害剤のレベル又は活性を増加させる。「負のTCSRE」及び「NTCSRE」という用語は、本明細書では同じ意味で使用される。
本明細書で使用される場合、「非CNS細胞特異的調節エレメント」は、非標的細胞特異的調節エレメント(NTCSRE)を指し、標的細胞はCNS細胞である。したがって、非CNS細胞特異的調節エレメントは、CNS細胞と比較して、非CNS細胞における外因性作用物質のレベルを低下させる核酸配列を指し、外因性作用物質をコードする核酸は、非CNS細胞特異的調節エレメントに作動可能に連結されている。
本明細書で使用される場合、「再標的化されたフソゲン」は、天然に存在する形態のフソゲンの一部ではない配列を有する標的化部分を含むフソゲンを指す。実施形態では、フソゲンは、天然に存在する形態のフソゲンの標的化部分と比較して、異なる標的化部分を含む。実施形態では、天然に存在する形態のフソゲンは標的化ドメインを欠き、再標的化されたフソゲンは、天然に存在する形態のフソゲンには存在しない標的化部分を含む。実施形態では、フソゲンは、標的化部分を含むように改変される。実施形態では、フソゲンは、例えば、膜貫通ドメイン、融合形成に(fusogenically)活性なドメイン、又は細胞質ドメインにおいて、フソゲンの天然に存在する形態と比較して、標的化部分の外側の1つ以上の配列変化を含む。
本明細書で使用される場合、「レトロウイルス核酸」は、単独で、又はヘルパー細胞、ヘルパーウイルス、又はヘルパープラスミドと組み合わせて、レトロウイルス又はレトロウイルスベクターにパッケージングするための少なくとも最小配列要件を含む核酸を指す。幾つかの実施形態では、レトロウイルス核酸は、外因性作用物質、正の標的細胞特異的調節エレメント、非標的細胞特異的調節エレメント、又は負のTCSREを更に含むか、又はコードする。幾つかの実施形態では、レトロウイルス核酸は、5’LTR(例えば、統合を促進するため)、U3(例えば、ウイルスゲノムRNA転写を活性化するため)、R(例えば、Tat結合領域)、U5、3’LTR(例えば、統合を促進するため)、パッケージング部位(例えば、psi(Ψ))、RRE(例えば、Revに結合し、核外エクスポートを促進するため)の1つ以上を含む。レトロウイルス核酸は、RNA(例えば、ビリオンの一部である場合)又はDNA(例えば、ソース細胞に導入される場合、又はレシピエント細胞での逆転写後)を含み得る。幾つかの実施形態では、レトロウイルス核酸は、ヘルパー細胞、ヘルパーウイルス、又はgag、pol、及びenvの1つ以上(例えば、全て)を含むヘルパープラスミドを使用してパッケージングされる。
本明細書で使用される場合、「標的細胞」は、フソソーム(例えば、レンチウイルスベクター)が外因性作用物質を送達することが望まれるタイプの細胞を指す。実施形態では、標的細胞は、特定の組織型又はクラスの細胞、例えば、CNS細胞、例えばニューロン又はグリア細胞である。幾つかの実施形態では、標的細胞は、疾患細胞、例えば、癌細胞である。幾つかの実施形態では、フソゲン、例えば、再標的化されたフソゲン(単独で、又は正のTCSRE、NTCSRE、負のTCSREと組み合わせて、又はそれらの任意の組み合わせ)は、非標的細胞と比較して、標的細胞への外因性作用物質の優先的な送達を導く。
本明細書で使用される場合、「非標的細胞」は、レンチウイルスベクターが外因性作用物質を送達することが望ましくないタイプの細胞を指す。幾つかの実施形態では、非標的細胞は、特定の組織タイプ又はクラスの細胞である。幾つかの実施形態では、非標的細胞は、非疾患細胞、例えば、非癌性細胞である。幾つかの実施形態では、フソゲン、例えば、再標的化されたフソゲン(単独で、又は正のTCSRE、NTCSRE、負のTCSREと組み合わせて、又はそれらの任意の組み合わせ)は、標的細胞と比較して、非標的細胞への外因性作用物質のより低い送達を導く。
本明細書で使用される場合、「治療/処置する」、「治療/処置すること」、又は「治療/処置」という用語は、疾患又は障害、例えば、障害の根本原因又はその臨床症状の少なくとも1つを改善すること、例えば、疾患又は障害の発症を遅らせるか、阻止するか、又は低減することを指す。
本明細書で使用される場合、「細胞生物学的物質」は、内腔及び細胞膜を含む細胞の一部、又は部分的若しくは完全な核不活化を有する細胞を指す。幾つかの実施形態では、細胞生物学的物質は、細胞骨格成分、細胞小器官、及びリボソームの1つ以上を含む。実施形態では、細胞生物学的物質は、除核された細胞、微小胞、又は細胞ゴーストである。
II.フソソーム、例えば、細胞由来のフソソーム
フソソームは様々な形をとることができる。例えば、幾つかの実施形態では、本明細書に記載のフソソームは、ソース細胞に由来する。フソソームは、例えば、細胞外小胞、微小胞、ナノベシクル、エクソソーム、アポトーシス小体(アポトーシス細胞由来)、微粒子(例えば、血小板から誘導され得る)、エクトソーム(例えば、血清中の好中球及び単球から誘導可能)、プロスタトソーム(前立腺癌細胞から得られる)、カーディオソーム(cardiosome)(心臓細胞から得られる)、又はそれらの任意の組み合わせであり得るか、又はそれらを含み得る。幾つかの実施形態では、フソソームはソース細胞から自然に放出され、幾つかの実施形態では、ソース細胞は、フソソームの形成を増強するように処理される。幾つかの実施形態では、フソソームは、直径が約10~10,000nm、例えば、直径が約30~100nmである。幾つかの実施形態では、フソソームは、1つ以上の合成脂質を含む。
幾つかの実施形態では、フソソームは、ウイルス、例えば、レトロウイルス、例えば、レンチウイルスであるか、又はそれを含む。例えば、幾つかの実施形態では、両親媒性脂質のフソソームの二重層は、ウイルスエンベロープであり、又はそれらを含む。ウイルスエンベロープは、フソゲン、例えば、ウイルスに内因性であるフソゲン又はシュードタイプ化されたフソゲンを含み得る。幾つかの実施形態では、フソソームの内腔又は空洞は、ウイルス核酸、例えば、レトロウイルス核酸、例えば、レンチウイルス核酸を含む。ウイルス核酸はウイルスゲノムであり得る。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、その空洞又は内腔に、1つ以上のウイルス非構造タンパク質を更に含む。
フソソームは、標的細胞へのペイロードの送達を促進する様々な特性を有し得る。例えば、幾つかの実施形態では、フソソームとソース細胞は共に、標的細胞と融合することができる粒子を作るのに十分な核酸(複数可)を含む。実施形態では、これらの核酸(複数可)は、次の活性:gagポリタンパク質活性、ポリメラーゼ活性、インテグラーゼ活性、プロテアーゼ活性、及びフソゲン活性、の1つ以上(例えば、全て)を有するタンパク質をコードする。
フソソームはまた、標的細胞へのペイロードの送達を容易にする様々な構造を含み得る。例えば、幾つかの実施形態では、フソソームとソース細胞は共に、標的細胞と融合することができる粒子を作るのに十分な核酸(複数可)を含む。実施形態では、これらの核酸(複数可)は、次の活性:gagポリタンパク質活性、ポリメラーゼ活性、インテグラーゼ活性、プロテアーゼ活性、及びフソゲン活性、の1つ以上(例えば、全て)を有するタンパク質をコードする。
フソソームはまた、標的細胞へのペイロードの送達を容易にする様々な構造を含み得る。例えば、幾つかの実施形態では、フソソーム(例えば、ウイルス、例えば、レトロウイルス、例えば、レンチウイルス)は、次タンパク質:gagポリタンパク質、ポリメラーゼ(例えば、pol)、インテグラーゼ(例えば、機能的又は非機能的バリアント)、プロテアーゼ、及びフソゲン、の1つ以上(例えば、全て)を含む。幾つかの実施形態では、フソソームは更にrevを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の前述のタンパク質は、レトロウイルスゲノムにコードされ、幾つかの実施形態では、1つ以上の前述のタンパク質は、例えば、ヘルパー細胞、ヘルパーウイルス、又はヘルパープラスミドによってトランスで提供される。幾つかの実施形態では、フソソーム核酸(例えば、レトロウイルス核酸)は、次の核酸配列:5’LTR(例えば、U5を含み、機能的U3ドメインを欠く)、Psiパッケージングエレメント(Psi)、ペイロード遺伝子に作動可能に連結された中央ポリプリン管(cPPT)プロモーター、ペイロード遺伝子(任意に、オープンリーディングフレームの前にイントロンを含む)、ポリAテール配列、WPRE、及び3’LTR(例えば、U5及び機能的なU3を欠いている)、の1つ以上(例えば、全て)を含む。幾つかの実施形態では、フソソーム核酸(例えば、レトロウイルス核酸)は、1つ以上のインスレーター配列を更に含む。幾つかの実施形態では、フソソーム核酸(例えば、レトロウイルス核酸)は、1つ以上のmiRNA認識部位を更に含む。幾つかの実施形態では、1つ以上のmiRNA認識部位は、ポリAテール配列の下流、例えば、ポリAテール配列とWPREとの間に位置する。
幾つかの実施形態では、本明細書で提供されるフソソームは、被験体、例えば、哺乳動物、例えば、ヒトに投与される。かかる実施形態では、被験体は、特定の疾患又は状態(例えば、本明細書に記載の疾患又は状態)のリスクがあるか、症状があるか、又は診断され得るか、又はそうであると識別され得る。一実施形態では、被験体は、表5又は表6に列挙されているもの等の遺伝子欠損を有する。幾つかの実施形態では、フソソームは、遺伝子欠損を処置するため等、疾患又は状態を処置するための外因性作用物質をコードする核酸配列を含む。
A.ウイルスから生成されたフソソーム。
例えば、幾つかの実施形態では、フソソーム(例えば、ウイルス、例えば、レトロウイルス、例えば、レンチウイルス)は、次タンパク質:gagポリタンパク質、ポリメラーゼ(例えば、pol)、インテグラーゼ(例えば、機能的又は非機能的バリアント)、プロテアーゼ、及びフソゲン、の1つ以上(例えば、全て)を含む。幾つかの実施形態では、フソソームは更にrevを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の前述のタンパク質は、レトロウイルスゲノムにコードされ、幾つかの実施形態では、1つ以上の前述のタンパク質は、例えば、ヘルパー細胞、ヘルパーウイルス、又はヘルパープラスミドによってトランスで提供される。幾つかの実施形態では、フソソーム核酸(例えば、レトロウイルス核酸)は、次の核酸配列:5’LTR(例えば、U5を含み、機能的U3ドメインを欠く)、Psiパッケージングエレメント(Psi)、ペイロード遺伝子に作動可能に連結された中央ポリプリン管(cPPT)プロモーター、ペイロード遺伝子(任意に、オープンリーディングフレームの前にイントロンを含む)、ポリAテール配列、WPRE、及び3’LTR(例えば、U5及び機能的なU3を欠いている)、の1つ以上(例えば、全て)を含む。幾つかの実施形態では、フソソーム核酸(例えば、レトロウイルス核酸)は、1つ以上のインスレーター配列を更に含む。幾つかの実施形態では、フソソーム核酸(例えば、レトロウイルス核酸)は、1つ以上のmiRNA認識部位を更に含む。幾つかの実施形態では、1つ以上のmiRNA認識部位は、ポリAテール配列の下流、例えば、ポリAテール配列とWPREとの間に位置する。
i)レンチウイルス成分及びヘルパー細胞
幾つかの実施形態では、レトロウイルス核酸は、次の1つ以上(例えば、全て)を含む:5’プロモーター(例えば、パッケージされたRNA全体の発現を制御するため)、5’LTR(例えば、R(ポリアデニル化テールシグナルを含む)及び/又はプライマー活性化シグナルを含むU5)、プライマー結合部位、psiパッケージングシグナル、核エクスポート用のRREエレメント、導入遺伝子の発現を制御するための導入遺伝子のすぐ上流のプロモーター、導入遺伝子(又は他の外因性作用物質エレメント)、ポリプリントラクト、及び3’LTR(例えば、変異したU3、R、及びU5を含む)。幾つかの実施形態では、レトロウイルス核酸は、cPPT、WPRE、及び/又はインスレーター配列の1つ以上を更に含む。
レトロウイルスは通常、そのゲノムRNAを逆転写によって線形二本鎖DNAコピーに変換し、続いてそのゲノムDNAを宿主ゲノムに共有結合で統合することにより複製する。特定の実施形態での使用に適した例示的なレトロウイルスとしては、限定されるものではないが、モロニーマウス白血病ウイルス(M-MuLV)、モロニーマウス肉腫ウイルス(MoMSV)、ハーベイマウス肉腫ウイルス(HaMuSV)、マウス乳癌ウイルス(MuMTV)、テナガザル白血病ウイルス(GaLV)、ネコ白血病ウイルス(FLV)、スプマウイルス、フレンドマウス白血病ウイルス、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)及びラウス肉腫ウイルス(RSV))、並びにレンチウイルスが挙げられる。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスは、ガンマレトロウイルスである。幾つかの実施形態では、レトロウイルスはイプシロンレトロウイルスである。幾つかの実施形態では、レトロウイルスはアルファレトロウイルスである。幾つかの実施形態では、レトロウイルスはベータレトロウイルスである。幾つかの実施形態では、レトロウイルスはデルタレトロウイルスである。幾つかの実施形態では、レトロウイルスはレンチウイルスである。幾つかの実施形態では、レトロウイルスは、スプーマレトロウイルスである。幾つかの実施形態では、レトロウイルスは内在性レトロウイルスである。
例示的なレンチウイルスとしては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:HIV(ヒト免疫不全ウイルス;HIV1型及びHIV2型を含む);ビスナ・マエディウイルス(VMV:visna-maedi virus)ウイルス;ヤギ関節炎脳炎ウイルス(CAEV:caprine arthritis-encephalitis virus);ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV:equine infectious anemia virus);ネコ免疫不全ウイルス(FIV:feline immunodeficiency virus);ウシ免疫不全ウイルス(BIV:bovine immune deficiency virus);及びサル免疫不全ウイルス(SIV:simian immunodeficiency virus。幾つかの実施形態では、HIVベースのベクター骨格(すなわち、HIVシス作用性配列エレメント)が使用される。
幾つかの実施形態では、本明細書のベクターは、別の核酸分子を移入又は輸送することができる核酸分子である。移入された核酸は、一般に、ベクター核酸分子に連結、例えば挿入されている。ベクターは、細胞内で自律複製を指示する配列を含み得るか、又は宿主細胞DNAへの統合能にするのに十分な配列を含み得る。有用なベクターとしては、プラスミド(例えば、DNAプラスミド又はRNAプラスミド)、トランスポゾン、コスミド、細菌人工染色体、及びウイルスベクターが挙げられる。有用なウイルスベクターとしては、複製欠陥レトロウイルス及びレンチウイルスが挙げられる。
ウイルスベクターは、例えば、通常、核酸分子のトランスファー、又は細胞のゲノム若しくは核酸トランスファーを媒介するウイルス粒子への統合を促進する、ウイルス由来核酸エレメントを含む、核酸分子(例えばトランスファープラスミド)を含むことができる。ウイルス粒子は、通常、核酸(複数の場合がある)に加えて、様々なウイルス成分を含み、時には宿主細胞成分も含む。ウイルスベクターは、例えば、核酸を細胞に移入することができる、又は移入された核酸に(例えば、ネイキッドDNAとして)移すことができるウイルス又はウイルス粒子を含むことができる。ウイルスベクター及びトランスファープラスミドは、主にウイルスに由来する構造及び/又は機能的遺伝子エレメントを含むことができる。レトロウイルスベクターは、主にレトロウイルスに由来する構造的及び機能的遺伝的要素、又はその一部を含むウイルスベクター若しくはプラスミドを含むことができる。レンチウイルスベクターは、主にレンチウイルスに由来する構造的及び機能的遺伝的要素、又はLTRを含むその一部を含むウイルスベクター若しくはプラスミドを含むことができる。
実施形態では、レンチウイルスベクター(例えば、レンチウイルス発現ベクター)は、レンチウイルス転移プラスミド(例えば、ネイキッドDNAとして)又は感染性レンチウイルス粒子を含み得る。クローニング部位、プロモーター、調節エレメント、異種核酸等のようなエレメントに関して、これらのエレメントの配列は、レンチウイルス粒子中にRNAの形態で存在することができ、DNAプラスミド中にDNAの形態で存在することができることが理解されるべきである。
本明細書に記載の幾つかのベクターでは、複製に寄与する、又は複製に必須である1つ以上のタンパク質コード領域の少なくとも一部が、対応する野生型ウイルスと比較して存在しない可能性がある。これにより、ウイルスベクターの複製に欠陥が生じる。幾つかの実施形態では、ベクターは、標的の非分裂宿主細胞を形質導入すること、及び/又はそのゲノムを宿主ゲノムに統合することができる。
野生型レトロウイルスゲノムの構造は、多くの場合、5’末端反復配列(LTR)及び3’LTRを含み、その間又は内部に、ゲノムのパッケージングを可能にするパッケージングシグナル、プライマー結合部位、宿主細胞ゲノムへの統合を可能にするための統合部位、並びにウイルス粒子のアッセンブリを促進するパッケージング成分をコードするgag、pol及びenv遺伝子がある。より複雑なレトロウイルスには、HIVのrev及びRRE配列等の付加機能があり、統合されたプロウイルスのRNA転写産物を核から感染した標的細胞の細胞質に効率的にエクスポートできる。プロウイルスでは、ウイルス遺伝子の両端に末端反復配列(LTR)と呼ばれる領域が隣接している。LTRは、プロウイルスの統合及び転写に関与している。LTRはエンハンサー-プロモーター配列としても機能し、ウイルス遺伝子の発現を制御することができる。レトロウイルスRNAのキャプシド形成は、ウイルスゲノムの5’末端に位置するpsi配列によって起こる。
LTR自体は通常、類似した(例えば、同一の)配列であり、U3、R、及びU5と呼ばれる3つの要素に分割できる。U3は、RNAの3’末端に固有の配列に由来する。RはRNAの両端で繰り返される配列に由来し、U5はRNAの5’末端に固有の配列に由来する。3つの要素のサイズは、レトロウイルスによって大きく異なる。
ウイルスゲノムの場合、転写開始部位は通常、一方のLTRのU3とRの境界にあり、ポリ(a)の付加(終了)部位はもう一方のLTRのRとU5の境界にある。U3には、プロウイルスの転写制御エレメントのほとんどが含まれ、これには、細胞、及び場合によってはウイルスの転写活性化タンパク質に応答するプロモーター及び複数のエンハンサー配列が含まれる。幾つかのレトロウイルスは、遺伝子発現の調節に関与するタンパク質をコードする次の遺伝子:tot、rev、tax及びrexのいずれか1つ以上を含む。
構造遺伝子gag、pol、及びenv自体に関しては、gagはウイルスの内部構造タンパク質をコードしている。gagタンパク質は、タンパク質分解によって成熟タンパク質MA(マトリックス)、CA(キャプシド)、及びNC(ヌクレオキャプシド)にプロセッシングされる。pol遺伝子は、ゲノムの複製を媒介するDNAポリメラーゼ、関連するRNase H、及びインテグラーゼ(IN)を含む逆転写酵素(RT)をコードする。env遺伝子は、細胞受容体タンパク質と特異的に相互作用する複合体を形成する、ビリオンの表面(SU)糖タンパク質と膜貫通(TM)タンパク質をコードする。この相互作用は、例えばウイルス膜と細胞膜の融合によって感染を促進する。
複製欠損レトロウイルスベクターゲノムgagでは、pol及びenvが存在しないか、機能していない可能性がある。RNAの両端のR領域は、通常、反復配列である。U5及びU3は、それぞれRNAゲノムの5’及び3’の末端にある固有の配列を表している。
レトロウイルスには、gag、pol、env以外のタンパク質をコードする追加の遺伝子が含まれている場合もある。追加の遺伝子の例としては、(HIVでは)vif、vpr、vpx、vpu、tat、rev及びnefの1つ以上が挙げられる。EIAVには(とりわけ)追加の遺伝子S2がある。追加の遺伝子によってコードされるタンパク質は様々な機能を果たし、その幾つかは細胞タンパク質によって提供される機能と重複している可能性がある。例えば、EIAVでは、tatはウイルスLTRの転写活性化因子として機能する(Derse and Newbold 1993 Virology 194:530-6;Maury et al.1994 Virology 200:632-42)。tatは、TARと呼ばれる安定したステムループRNA二次構造に結合する。Revは、Rev応答配列(RRE)を介してウイルス遺伝子の発現を調節及び調整する(Martarano et al.1994 J.Virol.68:3102-11)。これら2つのタンパク質の作用機序は、霊長類ウイルスの類似の機構とおおむね同じであると考えられている。加えて、膜貫通タンパク質の開始時にenvコード配列にスプライシングされたtatの最初のエクソンによってコードされるEIAVタンパク質Ttmが同定されている。
プロテアーゼ、逆転写酵素、インテグラーゼに加えて、非霊長類レンチウイルスには、dUTPaseをコードする4番目のpol遺伝子産物が含まれている。これは、これらのレンチウイルスが特定の非分裂細胞又はゆっくりと分裂する細胞型に感染する能力において役割を果たす可能性がある。
実施形態では、組換えレンチウイルスベクター(RLV)は、パッケージング成分の存在下で、標的細胞に感染することができるウイルス粒子へのRNAゲノムのパッケージングを可能にするのに十分なレトロウイルス遺伝情報を有するベクターである。標的細胞の感染は、逆転写及び標的細胞ゲノムへの統合を含み得る。RLVは通常、ベクターによって標的細胞に送達される非ウイルスコード配列を保有する。実施形態では、RLVは、標的細胞内で感染性レトロウイルス粒子を産生するための独立した複製ができない。通常、RLVは機能的なgag-pol及び/又はenv遺伝子及び/又は複製に関与する他の遺伝子を欠いている。ベクターは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT特許出願の国際公開第99/15683号に記載されているように、スプリットイントロンベクターとして構成され得る。
幾つかの実施形態では、レンチウイルスベクターは、最小のウイルスゲノムを含み、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、国際公開第98/17815号に記載されるように、例えば、ウイルスベクターは、感染して、形質導入を行い、標的宿主細胞に目的のヌクレオチド配列を送達するのに必要な機能を提供するために、非必須要素を除去し、必須要素を保持するように操作されている。
最小のレンチウイルスゲノムは、例えば、(5’)R-U5-1つ以上の第1ヌクレオチド配列-U3-R(3’)を含み得る。しかしながら、ソース細胞内でレンチウイルスゲノムを産生するために使用されるプラスミドベクターはまた、ソース細胞内のゲノムの転写を指示するためにレンチウイルスゲノムに作動可能に連結された転写調節制御配列を含み得る。これらの調節配列は、転写されたレトロウイルス配列、例えば5’U3領域に関連する天然配列を含み得るか、又は別のウイルスプロモーター、例えばCMVプロモーター等の異種プロモーターを含み得る。一部のレンチウイルスゲノムは、効率的なウイルス産生を促進するための追加の配列を含む。例えば、HIVの場合、rev及びRRE配列が含まれる場合がある。代替的に又は組み合わせて、コドン最適化を使用することができ、例えば、外因性作用物質をコードする遺伝子は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第01/79518号に記載されるように、コドン最適化され得る。rev/RREシステムと同様又は同じ機能を実行する代替配列を使用することもできる。例えば、rev/RREシステムの機能的アナログは、マソン・ファイザー・サルウイルス(Mason Pfizer monkey virus)に見られる。これはCTEとして知られており、感染細胞の因子と相互作用すると考えられているゲノム内のRREタイプの配列を含む。細胞因子は、rev類縁体と考えることができる。したがって、CTEはrev/RREシステムの代替として使用できる。加えて、HTLV-IのRexタンパク質は、HIV-IのRevタンパク質を機能的に置き換えることができる。Rev及びRexにはIRE-BPと同様の効果がある。
幾つかの実施形態では、レトロウイルス核酸(例えば、レンチウイルス核酸、例えば、霊長類又は非霊長類レンチウイルス核酸)は、(1)、gagにおける欠失が、gagコーディング配列の約350又は354ヌクレオチドの下流の1つ以上のヌクレオチドを除去する、欠失したgag遺伝子を含む;(2)レトロウイルス核酸に存在しない1つ以上のアクセサリー遺伝子を有する;(3)tat遺伝子を欠いているが、5’LTRの終わりとgagのATGの間にリーダー配列を含む;(4)(1)、(2)、(3)の組み合わせである。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、特徴(1)及び(2)及び(3)の全てを含む。この戦略は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第99/32646号に更に詳細に記載されている。
幾つかの実施形態では、霊長類レンチウイルス最小システムは、ベクター産生、又は分裂細胞及び非分裂細胞の形質導入のいずれかのために、HIV/SIV追加遺伝子vif、vpr、vpx、vpu、tat、rev及びnefのいずれも必要としない。幾つかの実施形態では、EIAV最小ベクターシステムは、ベクター産生又は分裂細胞及び非分裂細胞の形質導入のいずれにもS2を必要としない。
追加の遺伝子の欠失により、レンチウイルス(HIV等)感染症の疾患に関連する遺伝子なしでベクターを作製できる可能性がある。特に、tatは疾患と関連している。第2に、追加の遺伝子の欠失により、ベクターはより異種のDNAをパッケージングすることができる。第3に、S2のように機能が不明な遺伝子を省略して、望ましくない影響を与えるリスクを減らすことができる。最小レンチウイルスベクターの例は、国際公開第99/32646号及び国際公開第98/17815号に開示されている。
幾つかの実施形態では、レトロウイルス核酸は、少なくともtat及びS2(EIAVベクターシステムである場合)、及びおそらくvif、vpr、vpx、vpu及びnefも欠いている。幾つかの実施形態では、レトロウイルス核酸はまた、rev、RRE、又はその両方を欠いている。
幾つかの実施形態では、レトロウイルス核酸は、vpxを含む。Vpxポリペプチドは、SAMHD1制限因子に結合してその分解を誘導し、細胞質内の遊離dNTPを分解する。したがって、VpxがSAMHD1を分解し、逆転写活性が増加すると、細胞質内の遊離dNTPの濃度が増加し、レトロウイルスゲノムの逆転写及び標的細胞ゲノムへの統合が促進される。
細胞が異なれば、特定のコドンの使用法も異なる。このコドンバイアスは、細胞型における特定のtRNAの相対的な存在量のバイアスに対応する。対応するtRNAの相対的な存在量と一致するように調整されるように配列内のコドンを変更することにより、発現を増加させることが可能である。同様に、対応するtRNAが特定の細胞型でまれであることが知られているコドンを意図的に選択することにより、発現を減少させることが可能である。したがって、追加の翻訳制御が利用可能である。コドン最適化の追加の説明は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第99/41397号に見られる。
HIV及び他のレンチウイルスを含む多くのウイルスは、多数のまれなコドンを使用し、これらを一般的に使用される哺乳動物のコドンに対応するように変更することにより、哺乳動物のプロデューサー細胞におけるパッケージング成分の発現を増加させることができる。
コドン最適化には他にも多くの利点がある。それらの配列の変化のおかげで、パッケージング成分をコードするヌクレオチド配列は、それらから減少又は排除されたRNA不安定性配列(INS)を有する可能性がある。同時に、パッケージング成分のアミノ酸配列コード配列は、配列によってコードされるウイルス成分が同じままであるか、又は少なくともパッケージング成分の機能が損なわれないように十分に類似しているように保持される。幾つかの実施形態では、コドン最適化はまた、エクスポートのためのRev/RRE要件を克服し、最適化された配列をRevに依存しないようにする。幾つかの実施形態では、コドン最適化はまた、ベクターシステム内の異なるコンストラクト間(例えば、gag-pol及びenvオープンリーディングフレームにおける重複領域間)の相同組換えを減少させる。幾つかの実施形態では、コドン最適化は、ウイルス力価の増加及び/又は改善された安全性をもたらす。
幾つかの実施形態では、INSに関連するコドンのみがコドン最適化される。他の実施形態では、配列は、gag-polのフレームシフト部位を含む配列を除いて、全体としてコドン最適化されている。
gag-pol遺伝子は、gag-polタンパク質をコードする2つの重複するリーディングフレームを含む。両方のタンパク質の発現は、翻訳中のフレームシフトに依存する。このフレームシフトは、翻訳中のリボソームの「スリッページ(slippage)」の結果として発生する。このスリッページは、少なくとも部分的にはリボソームを失速させるRNAの二次構造によって引き起こされると考えられている。このような二次構造は、gag-pol遺伝子のフレームシフト部位の下流に存在する。HIVの場合、重複領域は、gagの始まりの下流のヌクレオチド1222(ヌクレオチド1はgag ATGのA)からgagの終わり(nt 1503)まで広がる。結果として、フレームシフト部位及び2つのリーディングフレームの重複領域にまたがる281bpフラグメントは、好ましくは、コドン最適化されていない。幾つかの実施形態では、このフラグメントを保持することは、gag-polタンパク質のより効率的な発現を可能にするであろう。EIAVの場合、重複の始まりはnt 1262にある(ヌクレオチド1はgag ATGのAである)。重複の終わりはnt 1461にある。フレームシフト部位及びgag-polの重複が確実に維持されるようにするために、野生型配列をnt 1156~1465まで保持することができる。
例えば、便利な制限部位に対応するために、最適なコドン使用法からの導出を行うことができ、保存的アミノ酸変化をgag-polタンパク質に導入することができる。
幾つかの実施形態では、コドン最適化は、哺乳動物系におけるコドン使用頻度が低いコドンに基づく。第3及び時には第2と第3の塩基を変更してもよい。
遺伝暗号の分解性質のために当業者が多数のgag-pol配列を達成できることが理解されよう。また、コドン最適化されたgag-pol配列を生成するための開始点として使用できる多くのレトロウイルスバリアントが記載されている。レンチウイルスのゲノムはかなり変動する可能性がある。例えば、HIV-Iにはまだ機能している擬似種が多くある。これはEIAVにも当てはまる。これらのバリアントは、形質導入プロセスの特定の部分を強化するために使用することができる。HIV-Iバリアントの例は、ロスアラモス国立研究所が管理しているHIVデータベースにある。EIAVクローンの詳細は、国立衛生研究所が管理しているNCBIデータベースにある。
コドン最適化gag-pol配列の戦略は、EIAV、FIV、BIV、CAEV、VMR、SIV、HIV-I、HIV-2等のレトロウイルスに関連して使用できる。更に、この方法は、HTLV-I、HTLV-2、HFV、HSRV、及びヒト内在性レトロウイルス(HERV)、MLV、及びその他のレトロウイルスからの遺伝子の発現を増加させるために使用できる。
上記のように、レトロウイルスベクターのパッケージング成分は、gag、pol及びenv遺伝子の発現産物を含み得る。更に、パッケージングでは、4つのステムループの短い配列と、それに続くgag及びenvからの部分配列をパッケージングシグナルとして利用できる。したがって、(パッケージングコンストラクト上の完全なgag配列に加えて)レトロウイルスベクターゲノムに欠失されたgag配列を含めることができる。実施形態では、レトロウイルスベクターは、依然としてenv配列を保持するベクター中の255~360ヌクレオチドのgag、又はスプライスドナー突然変異であるgag及びenv欠失の特定の組み合わせにおける約40ヌクレオチドのgagを含むパッケージングシグナルを含む。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターは、1つ以上の欠失を含むgag配列を含み、例えば、gag配列は、N末端に由来する約360ヌクレオチドを含む。
レトロウイルスベクター、ヘルパー細胞、ヘルパーウイルス、又はヘルパープラスミドは、レトロウイルスの構造及びアクセサリータンパク質、例えば、gag、pol、env、tat、rev、vif、vpr、vpu、vpx若しくはnefタンパク質、又は他のレトロウイルスタンパク質を含み得る。幾つかの実施形態では、レトロウイルスタンパク質は、同じレトロウイルスに由来する。幾つかの実施形態では、レトロウイルスタンパク質は、2つ以上のレトロウイルス、例えば、2、3、4、又はそれ以上のレトロウイルスに由来する。
gag及びpolコード配列は、一般に、天然レンチウイルスのGag-Pol前駆体として編成されている。gag配列は、p55とも呼ばれる55kD Gag前駆体タンパク質をコードする。p55は、MA(マトリックス[p17])、CA(キャプシド[p24])、NC(ヌクレオキャプシド[p9])、及びp6と呼ばれる4つの小さなタンパク質に成熟する過程で、ウイルスにコードされたプロテアーゼ4(pol遺伝子の産物)によって切断される。pol前駆体タンパク質は、ウイルスにコードされたプロテアーゼによってGagから切断され、更に消化されて、プロテアーゼ(p10)、RT(p50)、RNase H(p15)、及びインテグラーゼ(p31)の活性を分離する。
ネイティブGag-Pol配列は、ヘルパーベクター(ヘルパープラスミドやヘルパーウイルス等)で利用することも、変更を加えることもできる。これらの改変にはキメラGag-Polが含まれ、ここで、Gag及びPol配列は異なるウイルス(例えば、異なる種、亜種、株、クレード等)から得られる、及び/又は転写及び/又は翻訳を改善するため及び/又は組換えを減らすために配列が改変されている。
様々な例において、レトロウイルス核酸は、(i)野生型INS1と比較してRNAの核外輸送の制限を低減する変異INS1阻害配列を含む、gagタンパク質の150~250(例えば、168)ヌクレオチド部分をコードするポリヌクレオチドを含み、(ii)フレームシフト及び早期終了をもたらす2つのヌクレオチド挿入を含み、及び/又は(iii)gagのINS2、INS3、及びINS4阻害配列を含まない。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のベクターは、レトロウイルス(例えば、レンチウイルス)配列及び非レンチウイルスウイルス配列の両方を含むハイブリッドベクターである。幾つかの実施形態では、ハイブリッドベクターは、逆転写、複製、組み込み、及び/又はパッケージングのためのレトロウイルス、例えばレンチウイルスの配列を含む。
ある特定の実施形態によれば、ウイルスベクター骨格配列のほとんど又は全ては、レンチウイルス、例えば、HIV-1に由来する。しかしながら、レトロウイルス及び/又はレンチウイルス配列の多くの異なる供給源を使用することができ、又は特定のレンチウイルス配列における組み合わされた及び多数の置換及び変更が、本明細書に記載されている機能を実行するトランスファーベクターの能力を損なうことなく適応できることを理解されたい。様々なレンチウイルスベクターがNaldini et al.,(1996a、1996b、及び1998)、Zufferey et al.,(1997)、Dull et al.,1998、米国特許第6,013,516号、及び米国特許第5,994,136号に記載されており、それらの多くはレトロウイルス核酸を産生するように適合され得る。
プロウイルスの両端には、通常、長い末端反復(LTR)が見られる。LTRは通常、レトロウイルス核酸の末端に位置するドメインを含み、このドメインは、自然の配列のコンテキストでは、直接反復であり、U3、R、及びU5領域を含む。LTRは一般に、レトロウイルス遺伝子の発現(例えば、遺伝子転写産物の促進、開始、及びポリアデニル化)及びウイルス複製を促進する。LTRは、転写制御エレメント、ポリアデニル化シグナル、及びウイルスゲノムの複製と統合のための配列を含む多数の調節シグナルを含むことができる。ウイルスのLTRは通常、U3、R、U5と呼ばれる3つの領域に分けられる。U3領域には通常、エンハンサー及びプロモーターの要素が含まれている。U5領域は通常、プライマー結合部位とR領域の間の配列であり、ポリアデニル化配列を含むことができる。R(リピート)領域は、U3及びU5領域に隣接することができる。LTRは、典型的には、U3、R、及びU5領域で構成され、ウイルスゲノムの5’及び3’末端の両方に現れる可能性がある。幾つかの実施形態では、5’LTRに隣接して、ゲノムの逆転写(tRNAプライマー結合部位)及びウイルスRNAの粒子への効率的なパッケージング(Psi部位)のための配列がある。
パッケージングシグナルは、ウイルスキャプシド又は粒子へのウイルスRNAの挿入を媒介するレトロウイルスゲノム内に位置する配列を含むことができる。例えば、Clever et al.,1995.J.of Virology,Vol.69,No.4;pp.2101-2109を参照。幾つかのレトロウイルスベクターは、ウイルスゲノムのキャプシド形成に最小限のパッケージングシグナル(psi[Ψ]配列)を使用する。
様々な実施形態では、レトロウイルス核酸は、改変された5’LTR及び/又は3’LTRを含む。LTRのいずれか又は両方は、1つ以上の欠失、挿入、又は置換を含むがこれらに限定されない1つ以上の改変を含み得る。3’LTRの改変は、ウイルスを複製欠陥にすることによって(例えば、感染性ビリオンが産生されないように完全で効果的な複製ができないウイルス(例えば、複製欠陥レンチウイルスの子孫))、レンチウイルス又はレトロウイルスシステムの安全性を改善するためにしばしば行われる。
幾つかの実施形態では、ベクターは、自己不活化(SIN)ベクター、例えば、複製欠損ベクター、例えば、レトロウイルス又はレンチウイルスベクターであり、ここで、U3領域として知られる右(3’)LTRエンハンサー-プロモーター領域は、ウイルス複製の最初のラウンドを超えてウイルス転写を防ぐために(例えば、欠失又は置換によって)改変されている。これは、ウイルス複製中に右の(3’)LTR U3領域を左の(5’)LTR U3領域のテンプレートとして使用できるため、U3エンハンサープロモーターがないとウイルス複製が阻害されるためである。実施形態では、3’LTRは、U5領域が、例えば、外因性ポリ(A)配列で除去、変更、又は置換されるように改変される。3’LTR、5’LTR、又は3’及び5’の両方のLTRは改変されたLTRであり得る。
幾つかの実施形態では、5’LTRのU3領域は、ウイルス粒子の産生中にウイルスゲノムの転写を駆動するために異種プロモーターで置き換えられる。使用できる異種プロモーターの例としては、例えば、ウイルス性シミアンウイルス40(SV40)(例えば、初期又は後期)、サイトメガロウイルス(CMV)(例えば、即時初期)、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、及び単純ヘルペスウイルス(HSV)(チミジンキナーゼ)プロモーターが挙げられる。幾つかの実施形態では、プロモーターは、Tat非依存的な方法で高レベルの転写を駆動することができる。特定の実施形態では、異種プロモーターは、ウイルスゲノムが転写される方法を制御することにおいて追加の利点を有する。例えば、ウイルスゲノムの全部又は一部の転写が誘導因子が存在する場合にのみ起こるように、異種プロモーターは誘導性であり得る。誘導因子には、宿主細胞が培養される1つ以上の化合物、又は温度又はpH等の生理学的条件が含まれるが、これらに限定されない。
幾つかの実施形態では、ウイルスベクターは、例えば、レンチウイルス(例えば、HIV)LTRのR領域に位置するTAR(トランス活性化応答)エレメントを含む。この要素は、レンチウイルストランスアクチベーター(tat)遺伝子エレメントと相互作用して、ウイルス複製を強化する。しかしながら、このエレメントは、例えば、5’LTRのU3領域が異種プロモーターによって置き換えられている実施形態では必要とされない。
R領域、例えば、キャッピンググループの開始(すなわち、転写の開始)で始まり、ポリAトラクトの開始の直前に終了するレトロウイルスLTR内の領域は、U3及びU5領域に隣接することができる。R領域は、ゲノムの一方の端からもう一方の端への新生DNAの転送において、逆転写中に役割を果たす。
レトロウイルス核酸はまた、FLAPエレメント、例えば、その配列が、レトロウイルス、例えば、HIV-1又はHIV-2の中央ポリプリン取らくと及び中央終結配列(cPPT及びCTS)を含む核酸を含み得る。適切なFLAP要素は、米国特許第6,682,907号及びZennou,et al.,2000,Cell,101:173,に記載されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。HIV-1逆転写中、中央ポリプリン取らくと(cPPT)でのプラス鎖DNAの中央開始と、中央終結配列(CTS)での中央終結は、3本鎖DNA構造、すなわち1つの中央DNAフラップの形成につながる可能性がある。幾つかの実施形態では、レトロウイルス又はレンチウイルスベクター骨格は、外因性作用物質をコードする遺伝子の上流又は下流に1つ以上のFLAPエレメントを含む。例えば、幾つかの実施形態では、転移プラスミドは、FLAPエレメント、例えば、HIV-1に由来する又はそれから単離されたFLAPエレメントを含む。
実施形態では、レトロウイルス又はレンチウイルス核酸は、1つ以上のエクスポートエレメント、例えば、核から細胞の細胞質へのRNA転写産物の輸送を調節するシス作用性転写後調節エレメントを含む。RNAエクスポートエレメントの例としては、限定されるものではないが、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)rev応答エレメント(RRE)(例えば、Cullen et al.,1991.J.Virol.65:1053;及びCullen et al.,1991.Cell 58:423を参照)、及びB型肝炎ウイルスの転写後調節エレメント(HPRE)が挙げられ、これらは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。一般に、RNAエクスポートエレメントは遺伝子の3’UTR内に配置され、1つ以上のコピーとして挿入できる。
幾つかの実施形態では、ウイルスベクターにおける異種配列の発現は、例えば、転写後調節エレメント、ポリアデニル化部位、及び転写終結シグナルの1つ以上をベクターに組み込むことによって増加する。様々な転写後調節エレメントは、例えば、ウッドチャック肝炎ウイルスの転写後調節エレメント(WPRE;Zufferey et al.,1999,J.Virol.,73:2886);B型肝炎ウイルス(HPRE)に存在する転写後調節エレメント(Huang et al.,Mol.Cell.Biol.,5:3864)等(Liu et al.,1995,Genes Dev.,9:1766)のタンパク質での異種核酸の発現を増加させることができ、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。幾つかの実施形態では、本明細書に記載のレトロウイルス核酸は、WPRE又はHPRE等の転写後調節エレメントを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるレトロウイルス核酸は、WPRE又はHPRE等の転写後調節エレメントを欠くか、又は含まない。
異種核酸転写産物の終結及びポリアデニル化を指示すエレメントは、例えば、外因性作用物質の発現を増加させるために含まれ得る。転写終結シグナルは、ポリアデニル化シグナルの下流に見られる場合がある。幾つかの実施形態では、ベクターは、外因性作用物質をコードするポリヌクレオチドの3’側のポリアデニル化配列を含む。ポリA部位は、RNAポリメラーゼIIによる新生RNA転写産物の終結及びポリアデニル化の両方を指示するDNA配列を含み得る。ポリアデニル化配列は、コード配列の3’末端にポリAテールを付加することによりmRNAの安定性を促進し、翻訳効率の向上に貢献する。レトロウイルス核酸で使用できるポリAシグナルの実例には、AATAAA、ATTAAA、AGTAAA、ウシ成長ホルモンポリA配列(BGHpA)、ウサギβ-グロビンポリA配列(rβgpA)、又は別の適切な異種又は内因性ポリA配列が含まれる。
幾つかの実施形態では、レトロウイルス又はレンチウイルスベクターは、1つ以上のインスレーター配列、例えば、本明細書に記載のインスレーター配列を更に含む。
様々な実施形態では、ベクターは、外因性作用物質をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む。ベクターは、1つ以上のLTRを有し得て、ここで、いずれかのLTRは、1つ以上のヌクレオチド置換、付加、又は欠失等の1つ以上の改変を含む。ベクターは、形質導入効率を高めるための1つ以上のアクセサリーエレメント(例えば、cPPT/FLAP)、ウイルスパッケージング(例えば、Psi(Ψ)パッケージングシグナル、RRE)、及び/又は外因性遺伝子発現を増加させる他の要素(例えば、ポリ(A)配列)であり、任意に、WPRE又はHPREを含み得る。
幾つかの実施形態では、レンチウイルス核酸は、プロモーター(例えば、CMV)、R配列(例えば、TARを含む)、U5配列(例えば、統合のため)、PBS配列(例えば、逆転写用)、DIS配列(例えば、ゲノム二量体化用)、psiパッケージングシグナル、部分的gag配列、RRE配列(例えば、核エクスポートのため)、cPPT配列(例えば、核インポートのため)、外因性作用物質の発現を駆動するプロモーター、外因性作用物質をコードする遺伝子、WPRE配列(例えば、効率的な導入遺伝子発現のため)、PPT配列(例えば、逆転写のため)、R配列(例えば、ポリアデニル化及び終結のため)、及びU5シグナル(例えば、統合のため)の1つ以上を、その全て、例えば、5’から3’を含む。
ii)スプライス部位を除去するために操作されたベクター
幾つかのレンチウイルスベクターは、活性遺伝子の内部に統合され、異常な、場合によってはトランケートな転写産物の形成につながる可能性のある強力なスプライシング及びポリアデニル化シグナルを持っている。
プロトオンコジーン活性化のメカニズムは、挿入変異原のゲノムに含まれるプロモーターエレメント又はスプライス部位と、統合の標的となる細胞転写ユニットとの相互作用に由来するキメラ転写産物の生成を伴う可能性がある(Gabriel et al.2009.Nat Med 15:1431-1436;Bokhoven,et al.J Virol 83:283-29)。ベクター配列と細胞mRNAを含むキメラ融合転写産物は、ベクター配列から始まり隣接する細胞遺伝子に進むリードスルー転写によって、又はその逆によって生成することができる。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のレンチウイルス核酸は、例えば、レンチウイルスベクターの安全性プロファイルを改善するために、スプライス部位の少なくとも2つが除去されたレンチウイルス骨格を含む。かかるスプライス部位の種及び同定の方法は、国際公開第2012156839号A2に記載され、これらは全て参照により含まれている。
iii)レトロウイルスの生産方法
大規模なウイルス粒子の産生は、所望のウイルス力価を達成するためにしばしば有用である。ウイルス粒子は、ウイルスの構造及び/又はアクセサリー遺伝子、例えば、gag、pol、env、tat、rev、vif、vpr、vpu、vpx若しくはnef遺伝子、又はその他のレトロウイルス遺伝子を含むパッケージング細胞株にトランスファーベクターをトランスフェクトすることによって産生することができる。
実施形態では、パッケージングベクターは、パッケージングシグナルを欠き、そして1、2、3、4、又はそれ以上のウイルス構造及び/又はアクセサリー遺伝子をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクター又はウイルスベクターである。通常、パッケージングベクターはパッケージング細胞に含まれ、トランスフェクション、形質導入、又は感染を介して細胞に導入される。レトロウイルス、例えばレンチウイルスのトランスファーベクターを、トランスフェクション、形質導入、又は感染を介してパッケージング細胞株に導入して、ソース細胞又は細胞株を生成することができる。パッケージングベクターは、例えば、リン酸カルシウムトランスフェクション、リポフェクション又はエレクトロポレーションを含む標準的な方法によって、ヒト細胞又は細胞株に導入することができる。幾つかの実施形態では、パッケージングベクターは、ネオマイシン、ハイグロマイシン、ピューロマイシン、ブラストシジン、ゼオシン、チミジンキナーゼ、DHFR、Gln合成酵素又はADA等の主要な選択可能マーカーと共に細胞に導入され、続いて、適切な薬物の存在下で選択されてクローンが分離される。選択可能なマーカー遺伝子は、パッケージングベクターによって、例えば、IRES又は自己切断ウイルスペプチドによってコードする遺伝子に物理的に連結することができる。
パッケージング細胞株には、パッケージングシグナルを含まないが、ウイルス粒子をパッケージングできるウイルス構造タンパク質及び複製酵素(例えば、gag、pol及びenv)を安定的又は一時的に発現する細胞株が含まれる。任意の適切な細胞株、例えば、哺乳動物細胞、例えば、ヒト細胞を使用することができる。使用できる適切な細胞株としては、例えば、CHO細胞、BHK細胞、MDCK細胞、C3H 10T1/2細胞、FLY細胞、Psi-2細胞、BOSC 23細胞、PA317細胞、WEHI細胞、COS細胞、BSC 1細胞、BSC 40細胞、BMT 10細胞、VERO細胞、W138細胞、MRC5細胞、A549細胞、HT1080細胞、293細胞、293T細胞、B-50細胞、3T3細胞、NIH3T3細胞、HepG2細胞、Saos-2細胞、Huh7細胞、HeLa細胞、W163細胞、211細胞、及び211A細胞が挙げられる。実施形態では、パッケージング細胞は、293細胞、293T細胞、又はA549細胞である。
ソース細胞株としては、パッケージング細胞株及びパッケージングシグナルを含むトランスファーベクターコンストラクトを含む、組換えレトロウイルス粒子を産生することができる細胞株が挙げられる。ウイルスストック溶液を調製する方法は、例えば、Y.Soneoka et al.(1995)Nucl.Acids Res.23:628-633、及びN.R.Landau et al.(1992)J.Virol.66:5110-5113によって解説されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。感染性ウイルス粒子は、例えば、細胞溶解、又は細胞培養物の上清の収集によって、パッケージング細胞から収集され得る。必要に応じて、収集されたウイルス粒子は、濃縮又は精製され得る。
iv)プラスミド及び細胞株のパッケージング
幾つかの実施形態では、ソース細胞は、ウイルス構造タンパク質、及びウイルス粒子をパッケージングできる複製酵素(例えば、gag、pol、及びenv)をコードする1つ以上のプラスミドを含む。幾つかの実施形態では、gag、pol、及びenv前駆体のうちの少なくとも2つをコードする配列は、同じプラスミド上にある。幾つかの実施形態では、gag、pol、及びenv前駆体をコードする配列は、異なるプラスミド上にある。幾つかの実施形態では、gag、pol、及びenv前駆体をコードする配列は、同じ発現シグナル、例えば、プロモーターを有する。幾つかの実施形態では、gag、pol、及びenv前駆体をコードする配列は、異なる発現シグナル、例えば、異なるプロモーターを有する。幾つかの実施形態では、gag、pol、及びenv前駆体の発現は誘導可能である。幾つかの実施形態では、ウイルス構造タンパク質及び複製酵素をコードするプラスミドを同時に又は異なる時間にトランスフェクトする。幾つかの実施形態では、パッケージングベクターからウイルス構造タンパク質及び複製酵素をコードするプラスミドを同時に又は異なる時間にトランスフェクトする。
幾つかの実施形態では、ソース細胞株は、1つ以上の安定して組み込まれたウイルス構造遺伝子を含む。幾つかの実施形態では、安定して組み込まれたウイルス構造遺伝子の発現は誘導可能である。
幾つかの実施形態では、ウイルス構造遺伝子の発現は、転写レベルで調節される。幾つかの実施形態では、ウイルス構造遺伝子の発現は、翻訳レベルで調節される。幾つかの実施形態では、ウイルス構造遺伝子の発現は、翻訳後レベルで調節される。
幾つかの実施形態では、ウイルス構造遺伝子の発現は、テトラサイクリン(Tet)依存性システムによって調節され、ここで、Tet調節転写リプレッサー(Tet-R)は、プロモーターに含まれるDNA配列に結合し、立体障害によって転写を抑制する(Yao et al,1998;Jones et al,2005)。ドキシサイクリン(dox)を添加すると、Tet-Rが放出され、転写が可能になる。複数の他の適切な転写調節プロモーター、転写因子、及び小分子誘導因子は、ウイルス構造遺伝子の転写を調節するのに適している。
幾つかの実施形態では、第3世代レンチウイルス成分、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV)Rev、Gag/Pol、及びTet調節プロモーターの制御下にあり、抗生物質耐性カセットと結合したエンベロープが、ソース細胞ゲノムに別々に組み込まれる。幾つかの実施形態では、ソース細胞は、Rev、Gag/Polのそれぞれの1つのコピー、及びゲノムに組み込まれたエンベロープタンパク質のみを有する。
幾つかの実施形態では、外因性作用物質をコードする核酸(例えば、外因性作用物質をコードするレトロウイルス核酸)もまた、ソース細胞ゲノムに組み込まれる。幾つかの実施形態では、外因性作用物質をコードする核酸は、エピソーム的に維持される。幾つかの実施形態では、外因性作用物質をコードする核酸は、ゲノム内に安定して組み込まれたRev、Gag/Pol、及びエンベロープタンパク質を有するソース細胞にトランスフェクトされる。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるMilani et al.EMBO Molecular Medicine,2017を参照。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のレトロウイルス核酸は、逆転写を受けることができない。かかる核酸は、実施形態では、外因性作用物質を一時的に発現することができる。レトロウイルス又はVLPは、無効化された逆転写酵素タンパク質を含み得るか、又は逆転写酵素タンパク質を含まない場合がある。実施形態では、レトロウイルス核酸は、無効化されたプライマー結合部位(PBS)及び/又はatt部位を含む。実施形態では、rev、tat、vif、nef、vpr、vpu、vpx及びS2又はそれらの機能的等価物を含む1つ以上のウイルスアクセサリー遺伝子は、無効化されるか、又はレトロウイルス核酸に存在しない。実施形態では、S2、rev及びtatから選択される1つ以上のアクセサリー遺伝子は、無効化されるか、又はレトロウイルス核酸に存在しない。
v)レトロウイルス核酸をパッケージングするための戦略
通常、最新のレトロウイルスベクターシステムは、ウイルスRNAのウイルス粒子への転写、逆転写、組み込み、翻訳、及びパッケージングのためのシス作用性ベクター配列を有するウイルスゲノム、及び(2)ウイルス粒子の産生に必要なトランス作用性レトロウイルス遺伝子配列(例えば、gag、pol、及びenv)を発現するプロデューサー細胞株からなる。シス及びトランス作用のベクター配列を完全に分離することにより、ウイルスは感染の2回以上のサイクルで複製を維持することができない。生きたウイルスの生成は、幾つかの戦略によって、例えば、組換えを回避するためにシス及びトランス作用配列間の重複を最小限に抑えることによって、回避され得る。
ウイルスRNAを欠くか又は欠く配列を含むウイルスベクター粒子は、配列からウイルスRNAを除去又は排除した結果である可能性がある。一実施形態では、これは、gag上の内因性パッケージングシグナル結合部位を使用することによって達成することができる。或いは、内因性パッケージングシグナル結合部位はpol上にある。この実施形態では、送達されるRNAは、同族のパッケージングシグナルを含むであろう。別の実施形態では、送達されるRNA上に位置する異種結合ドメイン(gagに対して異種である)、及びgag又はpol上に位置する同族結合部位を使用して、送達されるRNAのパッケージングを確実にすることができる。異種配列は非ウイルス性であってもよく、又はウイルス性であってもよく、その場合、異なるウイルスに由来する可能性がある。ベクター粒子を使用して治療用RNAを送達することができ、その場合、機能的インテグラーゼ及び/又は逆転写酵素は必要とされない。これらのベクター粒子はまた、目的の治療遺伝子を送達するために使用することができ、その場合、通常、polが含まれる。
一実施形態では、gag-polが変更され、パッケージングシグナルが対応するパッケージングシグナルに置き換えられる。この実施形態では、粒子は、新しいパッケージング信号でRNAをパッケージングすることができる。このアプローチの利点は、ウイルス配列を欠くRNA配列、例えばRNAiをパッケージングできることである。
別のアプローチは、パッケージ化されるRNAの過剰発現に依存することである。一実施形態では、パッケージングされるRNAは、パッケージングシグナルを含むRNAの不在下で過剰発現される。これにより、かなりのレベルの治療用RNAがパッケージングされる可能性があり、この量は細胞に形質導入して生物学的効果をもたらすのに十分である。
幾つかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、ウイルスgagタンパク質又はレトロウイルスgag及びpolタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、gagタンパク質又はpolタンパク質は、RNA配列中の対応する配列を認識して、ウイルスベクター粒子へのRNA配列のパッケージングを容易にすることができる異種RNA結合ドメインを含む。
幾つかの実施形態では、異種RNA結合ドメインは、バクテリオファージコートタンパク質、Revタンパク質、U1小核リボヌクレオタンパク質粒子のタンパク質、Novaタンパク質、TF111Aタンパク質、TIS11タンパク質、trp RNA結合減衰タンパク質(TRAP)又はプソイドウリジン合成酵素に由来するRNA結合ドメインを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書の方法は、複製能力のあるレトロウイルスの不在を検出又は確認することを含む。この方法は、ガンマレトロウイルス又はレンチウイルス等の複製能力のあるレトロウイルスに感染した特定の細胞において遺伝子産物が発現されるが、異種核酸で細胞を形質導入するために使用されるウイルスベクターには存在せず、複製能力のあるレトロウイルスを含まない細胞には存在及び/又は発現されない、又は存在及び/又は発現されるとは予想されていない、ウイルス遺伝子、例えば構造遺伝子又はパッケージング遺伝子等の1つ以上の標的遺伝子のRNAレベルを評価することを含み得る。複製能力のあるレトロウイルスは、1つ以上の標的遺伝子のRNAレベルが、例えば標的遺伝子を含む陽性対照サンプルから直接的又は間接的に測定できる参照値よりも高い場合に存在すると決定され得る。詳細な開示については、国際公開第2018023094号A1を参照。
vi)ソース細胞内の外因性作用物質をコードする遺伝子の抑制
ソース細胞で(過剰)発現されたタンパク質は、ベクタービリオンの集合及び/又は感染力に間接的又は直接的な影響を与える可能性がある。外因性作用物質のベクタービリオンへの取り込みも、ベクター粒子の下流プロセシングに影響を与える可能性がある。
幾つかの実施形態では、組織特異的プロモーターを使用して、ソース細胞における外因性作用物質の発現を制限する。幾つかの実施形態では、異種翻訳制御システムは、真核細胞培養において使用されて、ソース細胞における外因性作用物質の翻訳を抑制する。より具体的には、レトロウイルス核酸は、外因性作用物質をコードする遺伝子に作動可能に連結された結合部位を含み得て、ここで、結合部位は、外因性作用物質の翻訳がソース細胞において抑制又は防止されるように、RNA結合タンパク質と相互作用することができる。
幾つかの実施形態では、RNA結合タンパク質は、トリプトファンRNA結合弱毒化タンパク質(TRAP)、例えば、細菌のトリプトファンRNA結合弱毒化タンパク質である。RNA結合タンパク質(例えば、細菌のtrpオペロンレギュレータータンパク質、トリプトファンRNA結合減衰タンパク質、TRAP)、及びそれが結合するRNA標的の使用は、ソース細胞内の導入遺伝子の翻訳を抑制又は防止する。このシステムは、ベクター生産細胞系における導入遺伝子抑制(Transgene Repression In vector Production cell system)又はTRIPシステムと呼ばれる。
実施形態では、NOI翻訳開始コドンの上流にRNA結合タンパク質(例えば、TRAP結合配列、tbs)の結合部位を配置することにより、ベクターRNAの産生又は安定性への悪影響を伴わずに、内部発現カセットに由来するmRNAの翻訳の特異的抑制が可能になる。外因性作用物質をコードする遺伝子のtbsと翻訳開始コドンとの間のヌクレオチドの数は、0~12ヌクレオチドで変化し得る。tbsは、内部リボソーム侵入部位(IRES)の下流に配置して、マルチシストロン性mRNAの外因性作用物質をコードする遺伝子の翻訳を抑制することができる。
vii)キルスイッチ(kill switch)システム及び増幅
幾つかの実施形態では、外因性作用物質をコードする遺伝子を保有するポリヌクレオチド又は細胞は、自殺遺伝子、例えば、誘導性自殺遺伝子を利用して、直接毒性の及び/又は制御されない増殖のリスクを低減する。特定の態様において、自殺遺伝子は、外因性作用物質を宿す宿主細胞に対して免疫原性ではない。自殺遺伝子の例には、カスパーゼ-9、カスパーゼ-8、又はシトシンデアミナーゼが含まれる。カスパーゼ-9は、特定の二量体化化学誘導物質(CID)を使用して活性化され得る。
特定の実施形態では、ベクターは、標的細胞、例えば、免疫エフェクター細胞、例えば、T細胞をin vivoでネガティブ選択に感受性にする遺伝子セグメントを含む。例えば、形質導入された細胞は、個体のin vivo状態の変化の結果として排除され得る。ネガティブ選択可能な表現型は、投与された作用物質、例えば化合物に感受性を与える遺伝子の挿入に起因し得る。ネガティブ選択可能な遺伝子は当技術分野で知られており、とりわけ以下を含む:ガンシクロビル感受性を付与する単純ヘルペスウイルスI型チミジンキナーゼ(HSV-I TK)遺伝子(Wigler et al.,Cell 11:223,1977);細胞ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)遺伝子、細胞アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(APRT)遺伝子、及び細菌シトシンデアミナーゼ(Mullen et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.89:33(1992))。
幾つかの実施形態では、形質導入された細胞、例えば、T細胞等の免疫エフェクター細胞は、in vitroでネガティブ選択可能な表現型の細胞の選択を可能にするポジティブマーカーを更に含むポリヌクレオチドを含む。ポジティブ選択マーカーは、標的細胞に導入されると、遺伝子を保有する細胞のポジティブ選択を可能にする優性表現型を発現する遺伝子であり得る。このタイプの遺伝子としては、とりわけ、ハイグロマイシンBに対する耐性を付与するハイグロマイシン-Bホスホトランスフェラーゼ遺伝子(hph)、抗生物質G418、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)に対する耐性をコードするTn5由来のアミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子(neo又はaph)、アデノシンデアミナーゼ遺伝子(ADA)、及び多剤耐性(MDR)遺伝子が挙げられる。
幾つかの実施形態では、ポジティブ選択可能マーカー及びネガティブ選択可能エレメントは、ネガティブの選択可能エレメントの喪失が必然的にポジティブの選択可能マーカーの喪失も伴うように連結される。例えば、一方を失うともう一方を失うことになるように、ポジティブ及びネガティブの選択可能なマーカーを融合することができる。上記の所望のポジティブ及びネガティブの選択機能の両方を与えるポリペプチドを発現産物としてもたらす融合ポリヌクレオチドの例は、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼチミジンキナーゼ融合遺伝子(HyTK)である。この遺伝子の発現は、in vitroでのポジティブの選択に対してハイグロマイシンB耐性、及びin vivoでのネガティブの選択に対してガンシクロビル感受性を与えるポリペプチドを生成する。Lupton S.D.,et al,Mol.及びCell.Biology 1 1:3374-3378,1991を参照されたい。更に、実施形態では、キメラ受容体をコードするポリヌクレオチドは、融合遺伝子、特にin vitroでのポジティブの選択に対するハイグロマイシンB耐性、及びin vivoでのネガティブの選択に対するガンシクロビル感受性を与える融合遺伝子を含む、レトロウイルスベクター、例えば、前出のLupton S.D.,et al,(1991)に記載されるHyTKレトロウイルスベクターに存在する。ドミナントポジティブ選択マーカーとネガティブ選択マーカーの融合に由来する二機能性選択融合遺伝子の使用について説明しているPCT U591/08442及びPCT/U594/05601の公報も参照。
適切なポジティブ選択マーカーは、hph、nco、及びgptからなる群から選択される遺伝子に由来し、適切なネガティブ選択マーカーは、シトシンデアミナーゼ、HSV-I TK、VZV TK、HPRT、APRT、及びgptからなる群から選択される遺伝子に由来し得る。他の適切なマーカーは、ポジティブ選択可能マーカーがhph又はneoに由来し、ネガティブ選択可能マーカーがシトシンデアミナーゼ若しくはTK遺伝子、又は選択可能マーカーに由来する、二機能性選択可能融合遺伝子である。
viii)レンチウイルスの統合を調節するための戦略
レトロウイルス又はレンチウイルスゲノムの標的細胞ゲノムへの統合を防ぐために、重要なタンパク質/配列が欠如しているか又は無効にされているレトロウイルス及びレンチウイルス核酸が開示されている。例えば、レトロウイルスインテグラーゼの高度に保存されたDDEモチーフ(Engelman and Craigie(1992)J.Virol.66:6361-6369;Johnson et al.(1986)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:7648-7652;Khan et al.(1991)Nucleic Acids Res.19:851-860)は、統合欠損レトロウイルス核酸の生産を可能にする。
例えば、幾つかの実施形態では、本明細書のレトロウイルス核酸は、当該インテグラーゼがウイルスゲノムの細胞ゲノムへの統合を触媒することができないようにする突然変異を含むレンチウイルスインテグラーゼを含む。幾つかの実施形態では、当該突然変異は、統合に直接影響を与えるI型突然変異、又はビリオン形態形成及び/又は逆転写に影響を与える多面発現欠陥を誘発するII型突然変異である。I型突然変異の実例の非限定的な例は、インテグラーゼの触媒コアドメインに関与する3つの残基のいずれかに影響を与える突然変異である:DX39-58DX35E(HIV-1のインテグラーゼのD64、D116及びE152残基)。特定の実施形態では、当該インテグラーゼがウイルスゲノムの細胞ゲノムへの統合を触媒することができないようにする突然変異は、インテグラーゼの触媒コアドメインのDDEモチーフの1つ以上のアミノ酸残基の置換であり、好ましくは当該DEEモチーフの1つ目のアスパラギン酸残基のアスパラギン残基による置換である。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターは、インテグラーゼタンパク質を含まない。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスは、活性な転写ユニットに統合される。幾つかの実施形態では、レトロウイルスは、転写開始部位、遺伝子の5’末端、又はDNAse1切断部位の近くに統合されない。幾つかの実施形態では、レトロウイルスの統合は、癌原遺伝子を活性化せず、又は腫瘍抑制遺伝子を不活化しない。幾つかの実施形態では、レトロウイルスは遺伝毒性ではない。幾つかの実施形態では、レンチウイルスはイントロンに統合する。
幾つかの実施形態では、レトロウイルス核酸は、特定のコピー数で標的細胞のゲノムに統合する。平均コピー数は、単一の細胞、細胞の集団、又は個々の細胞コロニーから決定することができる。コピー数を決定するための例示的な方法には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及びフローサイトメトリーが含まれる。
幾つかの実施形態では、外因性作用物質をコードするDNAは、ゲノム統合される。幾つかの実施形態では、外因性作用物質をコードするDNAは、エピソーム的に維持される。幾つかの実施形態では、外因性作用物質をコードするエピソームDNAに統合される比は、少なくとも0.01、0.1、0.5、1.0、2、5、10、100である。
幾つかの実施形態では、外因性作用物質をコードするDNAは線形である。幾つかの実施形態では、外因性作用物質をコードするDNAは環状である。幾つかの実施形態では、外因性作用物質をコードするDNAの線形コピーと環状コピーの比は、少なくとも0.01、0.1、0.5、1.0、2、5、10、100である。
実施形態では、外因性作用物質をコードするDNAは、1つのLTRを含む環状である。幾つかの実施形態では、外因性作用物質をコードするDNAは、2つのLTRを含む環状である。幾つかの実施形態では、外因性作用物質をコードする環状の1つのLTRを含むDNA、及び外因性作用物質をコードする環状の2つのLTRを含むDNAとの比は、少なくとも0.1、0.5、1.0、2、5、10、20、50、100である。
ix)エピソームウイルスの維持
統合が不十分なレトロウイルスでは、逆転写の環状cDNA副産物(例えば、1-LTR及び2-LTR)は、宿主ゲノムに統合されることなく細胞核に蓄積する可能性がある(Yanez-Munoz R J et al.,Nat.Med.2006,12:348-353)。次に、他の外因性DNAのように、これらの中間体を、同じ周波数(例えば、103~105/細胞)で細胞DNAに統合することができる。
幾つかの実施形態では、エピソームレトロウイルス核酸は複製しない。エピソームウイルスDNAは、真核生物の複製起点及び足場/核マトリックスと会合するためのマトリックス結合領域(S/MAR)を含めることにより、複製細胞で維持されるように改変することができる。
したがって、幾つかの実施形態では、本明細書に記載のレトロウイルス核酸は、真核生物の複製起点又はそのバリアントを含む。対象となる真核生物の複製起点の例は、Aladjem et al(Science,1995,270:815-819)によって記載されているβ-グロビン遺伝子の複製起点、Price et al Journal of Biological Chemistry,2003,278(22):19649-59に記載されたような、以前にサルCV-1細胞及びヒト皮膚線維芽細胞から単離されたアルファ-サテライト配列と関連する自立複製配列に由来するコンセンサス配列であり、ヒトc-mycプロモーター領域の複製起点はMcWinney and Leffak(McWinney C.and Leffak M.,Nucleic Acid Research 1990,18(5):1233-42)によって記載されている。実施形態では、バリアントは、真核生物において複製を開始する能力を実質的に維持する。複製を開始する特定の配列の能力は、任意の適切な方法、例えば、ブロモデオキシウリジンの取り込み及び密度シフトに基づく自律複製アッセイによって決定することができる(Araujo F.D.et al.,前出;Frappier L.et al.)
幾つかの実施形態では、レトロウイルス核酸は、足場/マトリックス付着領域(S/MAR)又はそのバリアント、例えば、長さが数百塩基対の非コンセンサス様ATリッチDNAエレメントを含み、これは、タンパク質の足場又は細胞核のマトリックスへの周期的な付着によって、真核生物のゲノムの核DNAをクロマチンドメインへと組織化する。それらは典型的には、隣接領域、クロマチン境界領域、イントロン等の非コード領域に見られる。S/MAR領域の例は、Bode et al(Bode J.et al.,Science,1992,255:195-7)によって記載されるヒトIFN-γ遺伝子(hIFN-γlarge)の1.8kbp S/MAR、Ramezani(Ramezani A.et al.,Blood 2003,101:4717-24)によって記載されているヒトIFN-γ遺伝子のS/MAR 0.7Kbp最小領域(hIFN-γshort)、Mesner L.D.et al.,Proc Natl Acad Sci USA,2003,100:3281-86)によって記載されているヒトヒトデヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子(hDHFR)のS/MARの0.2Kbp最小領域である。実施形態では、S/MARの機能的に同等のバリアントは、S/MAR機能に寄与することが一緒に又は単独で示唆されている6つの規則のセットに基づいて選択された配列である(Kramer et al(1996)Genomics33,305;Singh et al(1997)Nucl.これらのルールを、genomecluster.secs.oakland.edu/MAR-Wizで無料で入手できるMAR-Wizコンピュータープログラムにマージした。実施形態では、バリアントは、それが由来するS/MARの同じ機能、特に、核マトリックスに特異的に結合する能力を実質的に維持する。当業者は、例えば、Mesner et al.(Mesner L.D.et al,前出)に記載されたin vitro又はin vivoのMARアッセイによって、特定のバリアントが核マトリックスに特異的に結合することができるかどうかを決定することができる。幾つかの実施形態では、特定のバリアントがDNA鎖分離の傾向を示す場合、特定の配列はS/MARのバリアントである。この特性は、平衡統計力学の方法に基づく特定のプログラムを使用して決定できる。応力誘起二重不安定化(SIDD)分析手法は、Bode et al(2005)J.Mol.Biol.358,597に定義されるように、「[...]課せられたレベルの超らせん応力が、DNA配列に沿った各位置で二重鎖を開くために必要な自由エネルギーを減少させる程度を計算する。結果は、強い不安定化の部位が深部最小値として現れ、SIDDプロファイルとして表示される[...]」。SIDDアルゴリズム及び数学的基礎(Bi and Benham(2004)Bioinformatics 20,1477)、並びにSIDDプロファイルの分析は、WebSIDD(www.genomecenter.ucdavis.edu/benham)において無料で入手できるインターネットリソースを使用して実行できる。したがって、幾つかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、それがS/MARと同様のSIDDプロファイルを示す場合、S/MAR配列のバリアントと見なされる。
B.細胞由来のフソソーム
フソソームの組成物は、培養中の細胞、例えば、培養された哺乳動物細胞、例えば、培養されたヒト細胞から生成され得る。細胞は、始原細胞又は非始原(例えば、分化した)細胞であり得る。細胞は、初代細胞又は細胞株(例えば、哺乳動物、例えば、ヒト、本明細書に記載の細胞株)であり得る。実施形態では、培養細胞は、始原細胞、例えば、骨髄間質細胞、骨髄由来成体前駆細胞(MAPC)、内皮前駆細胞(EPC)、芽細胞、脳室下帯に形成された中間前駆細胞、神経幹細胞、筋肉幹細胞、衛星細胞、肝臓幹細胞、造血幹細胞、骨髄間質細胞、表皮幹細胞、胚性幹細胞、間葉系幹細胞、臍帯幹細胞、前駆細胞、筋肉前駆細胞、筋芽細胞、心筋芽球、神経前駆細胞、グリア前駆細胞、神経前駆細胞、肝芽球である。
幾つかの実施形態では、ソース細胞は、内皮細胞、線維芽球、血液細胞(例えば、マクロファージ、好中球、顆粒球、白血球)、幹細胞(例えば、間葉系幹細胞、臍帯幹細胞、骨髄幹細胞、造血幹細胞、誘導多能性幹細胞、例えば、被験体の細胞に由来する誘導多能性幹細胞)、胚性幹細胞(例えば、胚性卵黄嚢、胎盤、臍帯からの幹細胞、胎児の皮膚、思春期の皮膚、血液、骨髄、脂肪組織、赤血球産生組織、造血組織)、筋芽細胞、実質細胞(例えば、肝細胞)、肺胞細胞、ニューロン(例えば、網膜神経細胞)、前駆細胞(例えば、網膜前駆細胞、骨髄芽球、骨髄前駆細胞、胸腺細胞、減数母細胞、巨核芽球、前巨核芽球、メラニン形成芽細胞、リンパ芽球、骨髄前駆細胞、正赤芽球、又は血管芽球)、始原細胞(例えば、心臓始原細胞、衛星細胞、放射状グリア細胞、骨髄間質細胞、膵臓始原細胞、内皮始原細胞、芽球細胞)、又は不死化細胞(例えば、HeLa、HEK293、HFF-1、MRC-5、WI-38、IMR90、IMR91、PER.C6、HT-1080、又はBJ細胞)である。
培養細胞は、上皮、結合、筋肉、又は神経の組織又は細胞、並びにそれらの組み合わせに由来する細胞であり得る。フソソームは、任意の真核生物の(例えば哺乳動物)器官系に由来する培養細胞から、例えば、心臓血管系(心臓、血管系);消化器系(食道、胃、肝臓、胆嚢、膵臓、腸、結腸、直腸及び肛門);内分泌系(視床下部、下垂体、松果体又は松果体、甲状腺、副甲状腺、副腎);排泄システム(腎臓、尿管、膀胱);リンパ系(リンパ、リンパ節、リンパ管、扁桃腺、咽頭扁桃、胸腺、脾臓);外皮系(皮膚、髪、爪);筋肉系(例えば、骨格筋);神経系(脳、脊髄、神経);生殖器系(卵巣、子宮、乳腺、精巣、精管、精嚢、前立腺);呼吸器系(咽頭、喉頭、気管、気管支、肺、横隔膜);骨格系(骨、軟骨)、及びそれらの組み合わせから生成され得る。実施形態では、細胞は、高度に有糸分裂する組織(例えば、上皮、胚組織、骨髄、腸陰窩等の高度に有糸分裂する健康な組織)に由来する。実施形態では、組織サンプルは、代謝性の高い組織(例えば、骨格組織、神経組織、心筋細胞)である。
幾つかの実施形態では、細胞は、若いドナー、例えば、25歳、20歳、18歳、16歳、12歳、10歳、8歳、5歳、1歳以下のドナーに由来する。幾つかの実施形態では、細胞は胎児組織に由来する。
幾つかの実施形態では、細胞は、被験体に由来し、同じ被験体又は類似の遺伝的特徴(例えば、MHC適合)を有する被験体に投与される。
特定の実施形態では、細胞は、長さが3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、又は10000ヌクレオチドを超える(例えば、長さが4,000~10,000ヌクレオチド、長さが6,000~10,000ヌクレオチド)平均サイズのテロメアを有する。
幾つかの実施形態では、フソソームは、本明細書に記載のフソソーム組成物の供給源として使用するための望ましい表現型又は遺伝子型に基づいて同定、選択、又は選択された細胞クローンから生成される。例えば、細胞クローンは、低いミトコンドリア突然変異負荷、長いテロメア長、分化状態、又は特定の遺伝的特徴(例えば、レシピエントに一致する遺伝的特徴)に基づいて識別、選択、又は選択される。
本明細書に記載のフソソーム組成物は、1つの細胞又は組織源からの、又は供給源の組み合わせからのフソソームで構成され得る。例えば、フソソーム組成物は、異種供給源(例えば、動物、前述の種の細胞の組織培養物)、同種異系、自己由来、異なるタンパク質濃度及び分布をもたらす特定の組織(肝臓、骨格、神経、脂肪など)由来、異なる代謝状態の細胞由来(例えば、解糖系、呼吸系)のフソソームを含み得る。組成物はまた、本明細書の他の場所に記載されているように、異なる代謝状態、例えば、結合された又は非結合のフソソームを含み得る。
幾つかの実施形態では、フソソームは、フソゲン、例えば、本明細書に記載のフソゲンを発現するソース細胞から生成される。幾つかの実施形態では、フソゲンは、ソース細胞の膜、例えば、脂質二重層膜、例えば、細胞表面膜、又は細胞内膜(例えば、リソソーム膜)に配置される。幾つかの実施形態では、フソソームは、細胞表面膜に配置されたフソゲンを有するソース細胞から生成される。
幾つかの実施形態では、フソソームは、エクソソーム、マイクロベシクル、膜ベシクル、細胞外膜ベシクル、原形質膜ベシクル、巨大原形質膜ベシクル、アポトーシス小体、マイト粒子(mitoparticle)、ピレノサイト、リソソーム、又は他の膜封入ベシクルの出芽を誘導することによって生成される。
幾つかの実施形態では、フソソームは、細胞除核を誘導することによって生成される。除核は、遺伝的、化学的(例えば、アクチノマイシンDを使用、Actinomycin D,see Bayona-Bafaluyet al.,「A chemical enucleation method for the transfer of mitochondrial DNA to ρ cells」 Nucleic Acids Res.2003 Aug 15;31(16):e98を参照)、機械的な方法(例えば、Lee et al.,「A comparative study on the efficiency of two enucleation methods in pig somatic cell nuclear transfer:effects of the squeezing and the aspiration methods.」Anim Biotechnol.2008;19(2):71-9を参照)などのアッセイ、又はそれらの組み合わせを使用して行われ得る。除核とは、核を完全に除去するだけでなく、細胞が核を含むが機能しないように、その典型的な位置から核を移動させることも指す。
実施形態では、フソソームを作製することは、細胞ゴースト、巨大原形質膜小胞、又はアポトーシス小体を産生することを含む。実施形態では、フソソーム組成物は、1つ以上細胞ゴースト、巨大原形質膜小胞及びアポトーシス小体を含む。
幾つかの実施形態では、フソソームは、細胞断片化を誘導することによって生成される。幾つかの実施形態では、細胞断片化は、化学的方法、機械的方法(例えば、遠心分離(例えば、超遠心分離、又は密度遠心分離)、凍結融解、又は超音波処理)、又はそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない以下の方法を使用して実施することができる。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、本明細書に記載されるように、以下の方法のいずれか1つ、全て、又は組み合わせによって、フソゲンを発現するソース細胞から生成され得る。
i)マイト粒子、エクソソーム、又は他の膜で囲まれた小胞の出芽を誘発する;
ii)以下の方法のいずれか又はそれらの組み合わせによって、核の不活性化、例えば、除核を誘発する:
a)遺伝的方法;
b)例えばアクチノマイシンDを使用する化学的方法;又は
c)機械的方法、例えば、圧搾又は吸引;又は
iii)例えば、以下の方法のいずれか又はそれらの組み合わせによって、細胞断片化を誘導する:
a)化学的方法;
b)機械的方法、例えば、遠心分離(例えば、超遠心分離又は密度遠心分離);凍結融解;又は超音波処理。
i)フソソーム生成前の細胞への改変
幾つかの態様では、改変は、フソソーム生成の前に、被験体、組織又は細胞の改変などの細胞に対して行われる。そのような改変は、例えば、融合、フソゲンの発現又は活性、カーゴの構造若しくは機能、又は標的細胞の構造若しくは機能を改善するのに効果的であり得る。
a)物理的な改変
幾つかの実施形態では、細胞は、フソソームを生成する前に物理的に改変される。例えば、本明細書の他の場所に記載されているように、フソゲンは、細胞の表面に連結され得る。
幾つかの実施形態では、細胞は、フソソームを生成する前に化学薬剤で処理される。例えば、細胞は、化学的又は脂質フソゲンが、細胞の表面と非共有結合的又は共有結合的に相互作用するか、又は細胞の表面内に埋め込まれるように、化学的又は脂質フソゲンで処理され得る。幾つかの実施形態では、細胞は、細胞膜中の脂質の融合特性を増強するために薬剤で処理される。
幾つかの態様では、細胞は、器官、組織又は細胞型に対するフソソームの標的化を増強する合成又は内因性の小分子又は脂質のための1つ以上の共有結合性又は非共有結合性の付着部位を細胞表面に有するフソソームを生成する前に物理的に改変される。
実施形態では、フソソームは、内因性分子のレベルの増加又は減少を含む。例えば、フソソームは、天然に存在するソース細胞にも自然に存在するが、フソソームよりも高い又はより低いレベルで存在する内因性分子を含み得る。幾つかの実施形態では、ポリペプチドは、ソース細胞又はフソソームにおける外因性核酸から発現される。幾つかの実施形態では、ポリペプチドは、供給源から単離され、そしてソース細胞又はフソソームにロードされるか、又は結合される。
幾つかの実施形態では、細胞は、細胞内の内因性フソゲン(例えば、幾つかの実施形態では、ソース細胞に対して内因性である、また、幾つかの実施形態では、標的細胞に対して内因性である)の発現又は活性を増加させるためにフソソームを生成する前に、化学薬剤、例えば、小分子で処理される。幾つかの実施形態では、小分子は、内因性フソゲンの転写活性化因子の発現又は活性を増加させ得る。幾つかの実施形態では、小分子は、内因性フソゲンの転写抑制因子の発現又は活性を低下させ得る。幾つかの実施形態では、小分子は、内因性フソゲンの発現を増加させるエピジェネティック修飾因子である。
幾つかの実施形態では、フソソームは、融合停止化合物、例えば、リゾホスファチジルコリンで処理された細胞から生成される。幾つかの実施形態では、フソソームは、フソゲン、例えば、アキュターゼ(Accutase)を切断しない解離試薬で処理された細胞から生成される。
幾つかの実施形態では、ソース細胞は、フソソームを生成してフソゲンの濃度を追加又は増加させる前に、例えば、CRISPRアクチベーターで物理的に修飾される。
幾つかの実施形態では、細胞は、量を増加又は減少させるか、又はオルガネラ、例えば、ミトコンドリア、ゴルジ装置、小胞体、細胞内小胞(リソソーム、オートファゴソームなど)の構造又は機能を増強するように物理的に改変される。
b)遺伝子組換え
幾つかの実施形態では、細胞は、細胞内の内因性フソゲン(例えば、幾つかの実施形態では、ソース細胞に対して内因性である、また、幾つかの実施形態では、標的細胞に対して内因性である)の発現を増加させるためにフソソームを生成する前に、遺伝子改変される。幾つかの実施形態では、遺伝子改変は、内因性フソゲンの転写活性化因子の発現又は活性を増加させ得る。幾つかの実施形態では、遺伝子改変は、内因性フソゲンの転写抑制因子の発現又は活性を減少させ得る。幾つかの態様では、活性化因子又はリプレッサーは、ガイドRNAによって内因性フソゲンを標的とする転写活性化因子又はリプレッサーに連結されたヌクレアーゼ不活性Cas9(dCas9)である。幾つかの実施形態では、遺伝子改変は、内因性フソゲン遺伝子をエピジェネティックに改変して、その発現を増加させる。幾つかの態様では、エピジェネティック活性化因子は、ガイドRNAによって内因性フソゲンを標的とするエピジェネティック修飾因子に連結されたヌクレアーゼ不活性cas9(dCas9)である。
幾つかの実施形態では、細胞は、細胞内の外因性フソゲンの発現、例えば導入遺伝子の送達を増加させるために、フソソームを生成する前に遺伝子改変される。幾つかの態様では、核酸、例えばDNA、mRNA又はsiRNAは、例えば器官、組織又は細胞標的化に使用される細胞表面分子(タンパク質、グリカン、脂質又は低分子量分子)の発現を増加又は減少させるために、フソソームを生成する前に細胞に移入される。幾つかの実施形態では、核酸は、フソゲン子のリプレッサー、例えば、shRNA、siRNAの構築物を標的とする。幾つかの実施形態では、核酸は、フソゲンリプレッサーの阻害因子をコードする。
幾つかの実施形態では、この方法は、フソゲンをコードするソース細胞に対して外因性である核酸をソース細胞に導入することを含む。外因性核酸は、例えば、DNA又はRNAであり得る。幾つかの実施形態では、外因性核酸は、例えば、DNA、gDNA、cDNA、RNA、pre-mRNA、mRNA、miRNA、siRNAなどであり得る。幾つかの実施形態では、外因性DNAは、線状DNA、環状DNA、又は人工染色体であり得る。幾つかの実施形態では、DNAはエピソーム的に維持される。幾つかの実施形態では、DNAはゲノムに組み込まれる。外因性RNAは、化学的に修飾されたRNAであり得て、例えば、1つ以上の骨格修飾、糖修飾、非カノニカル塩基、又はキャップを含み得る。骨格修飾としては、例えば、ホスホロチオエート、N3’ホスホルアミダイト、ボラノホスフェート、ホスホノアセテート、チオ-PACE、モルフォリノホスホルアミダイト、又はPNAが挙げられる。糖修飾としては、例えば、2’-O-Me、2’F、2’F-ANA、LNA、UNA、及び2’-O-MOEが挙げられる。非カノニカル塩基としては、例えば、5-ブロモ-U、及び5-ヨード-U、2,6-ジアミノプリン、C-5プロピニルピリミジン、ジフルオロトルエン、ジフルオロベンゼン、ジクロロベンゼン、2-チオウリジン、シュードウリジン、及びジヒドロウリジンが挙げられる。キャップとしては、例えば、ARCAが挙げられる。追加の修飾は、例えば、Deleavey et al.,「Designing Chemically Modified Oligonucleotides for Targeted Gene Silencing」Chemistry&Biology Volume 19,Issue 8,24 August 2012,Pages 937-954で議論されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
幾つかの態様では、細胞は、細胞内のソース細胞と比較して外因性であるフソゲンの発現又は活性を増加させるために、フソソームを生成する前に化学薬剤、例えば小分子で処理される。幾つかの実施形態では、小分子は、外因性フソゲンの転写活性化因子の発現又は活性を増加させ得る。幾つかの実施形態では、小分子は、外因性フソゲンの転写抑制因子の発現又は活性を低下させ得る。幾つかの実施形態では、小分子は、外因性フソゲンの発現を増加させるエピジェネティック修飾因子である。
幾つかの実施形態では、核酸は、改変されたフソゲンをコードする。例えば、調節可能な融合活性、例えば、特定の細胞型、組織型、又は局所的な微小環境活性を有するフソゲン。そのような調節可能な融合活性には、低pH、高pH、熱、赤外光、細胞外酵素活性(真核生物又は原核生物)、又は小分子、タンパク質若しくは脂質の曝露によるフソゲン活性の活性化及び/又は開始が含まれ得る。幾つかの実施形態では、小分子、タンパク質、又は脂質は、標的細胞上に表示される。
幾つかの態様では、細胞は、シグナル伝達経路(例えば、Wnt/ベータ-カテニン経路)の発現を変化させる(すなわち、アップレギュレート又はダウンレギュレートする)ために、フソソームを生成する前に遺伝子改変される。幾つかの態様では、細胞は、目的の1つ以上の遺伝子の発現を変化させる(例えば、アップレギュレート又はダウンレギュレートする)ために、フソソームを生成する前に遺伝子改変される。幾つかの実施形態では、細胞は、核酸(例えば、miRNA又はmRNA)又は目的の核酸の発現を変更する(例えば、アップレギュレート又はダウンレギュレートする)ために、フソソームを生成する前に遺伝子改変される。幾つかの実施形態では、核酸、例えばDNA、mRNA又はsiRNAは、例えばシグナル伝達経路、遺伝子又は核酸の発現を増加又は減少させるために、フソソームを生成する前に細胞に移入される。幾つかの実施形態では、核酸は、シグナル伝達経路、遺伝子若しくは核酸のリプレッサーを標的とするか、又はシグナル伝達経路、遺伝子若しくは核酸を抑制する。幾つかの実施形態では、核酸は、シグナル伝達経路、遺伝子、又は核酸をアップレギュレート又はダウンレギュレートする転写因子をコードする。幾つかの実施形態では、アクチベーター又はリプレッサーは、ガイドRNAによってシグナル伝達経路、遺伝子、又は核酸を標的とする転写アクチベーター又はリプレッサーに連結されたヌクレアーゼ不活性cas9(dCas9)である。幾つかの実施形態では、遺伝子改変は、内因性シグナル伝達経路、遺伝子、又は核酸をその発現に対してエピジェネティックに改変する。幾つかの実施形態では、エピジェネティック活性化因子は、ガイドRNAによってシグナル伝達経路、遺伝子又は核酸を標的とするエピジェネティック修飾因子に連結されたヌクレアーゼ不活性cas9(dCas9)である。幾つかの態様では、細胞のDNAは、フソソームを生成する前に編集されて、シグナル伝達経路(例えば、Wnt/ベータ-カテニン経路)、遺伝子、又は核酸の発現を変化させる(例えば、アップレギュレート又はダウンレギュレートする)。幾つかの実施形態では、DNAは、ガイドRNA及びCRISPR-Cas9/Cpf1又は他の遺伝子編集技術を使用して編集される。
細胞は、組換え法を使用して遺伝子改変され得る。所望の遺伝子をコードする核酸配列は、組換え法を使用して、例えば、遺伝子を発現する細胞からライブラリをスクリーニングすることによって、それを含むことが公知のベクターから遺伝子を誘導することによって、又は標準的な技術を使用して、それを含む細胞及び組織から直接単離することによって得ることができる。或いは、目的の遺伝子は、クローニングするのではなく、合成的に作製することができる。
天然又は合成核酸の発現は、典型的には、目的の遺伝子をコードする核酸をプロモーターに作動可能に連結し、構築物を発現ベクターに組み込むことによって達成される。ベクターは、真核生物における複製及び組込みに適し得る。典型的なクローニングベクターは、転写ターミネーター及び翻訳ターミネーター、開始配列、並びに所望の核酸配列の発現に有用なプロモーターを含む。
幾つかの態様では、細胞は、1つ以上の発現領域、例えば遺伝子で遺伝子改変され得る。幾つかの実施形態では、細胞は、外因性遺伝子(例えば、RNA又はポリペプチド産物などの外因性遺伝子産物を発現することができる)及び/又は外因性調節核酸で遺伝子改変され得る。幾つかの実施形態では、細胞は、標的細胞に対して内因性である遺伝子産物をコードする外因性配列及び/又は内因性遺伝子の発現を調節することができる外因性調節核酸で遺伝子改変され得る。幾つかの実施形態では、細胞は、外因性遺伝子及び/又は外因性遺伝子の発現を調節する調節核酸で遺伝子改変され得る。幾つかの実施形態では、細胞は、外因性遺伝子及び/又は内因性遺伝子の発現を調節する調節核酸で遺伝子改変され得る。本明細書に記載の細胞は、例えば標的細胞の内因性又は外因性ゲノムの遺伝子産物に作用し得るタンパク質又は調節因子をコードする様々な外因性遺伝子を発現するように遺伝子改変され得ることが当業者によって理解されよう。幾つかの実施形態では、そのような遺伝子は、フソソームに特徴を付与し、例えば、標的細胞との融合を調節する。幾つかの実施形態では、細胞は、内因性遺伝子及び/又は調節核酸を発現するように遺伝子改変され得る。幾つかの実施形態では、内因性遺伝子又は調節核酸は、他の内因性遺伝子の発現を調節する。幾つかの実施形態では、細胞は、他の染色体上の内因性遺伝子及び/又は調節核酸のバージョンとは異なって(例えば、誘導的に、組織特異的に、構成的に、又はより高いレベル若しくはより低いレベルで)発現される内因性遺伝子及び/又は調節核酸を発現するように遺伝子改変され得る。
プロモーターエレメント、例えばエンハンサーは、転写開始の頻度を調節する。典型的には、これらは、開始部位の30~110bp上流の領域に位置するが、幾つかのプロモーターは、最近、開始部位の下流にも機能的要素を含有することが示されている。プロモーターエレメント間の間隔はしばしば柔軟であり、その結果、エレメントが互いに反転又は移動した場合にプロモーター機能が保存される。チミジンキナーゼ(tk)プロモーターでは、活性が低下し始める前に、プロモーターエレメント間の間隔を50bpまで広げることができる。プロモーターに応じて、個々のエレメントは、転写を活性化するために協調的又は独立して機能し得るようである。
適切なプロモーターの一例は、前初期サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター配列である。このプロモーター配列は、それに作動可能に連結された任意のポリヌクレオチド配列の高レベルの発現を駆動することができる強力な構成的プロモーター配列である。適切なプロモーターの別の例は、伸長成長因子-1α(EF-1α)である。しかしながら、限定されないが、シミアンウイルス40(SV40)初期プロモーター、マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)ロングターミナルリピート(LTR)プロモーター、MoMuLVプロモーター、鳥類白血病ウイルスプロモーター、エプスタインバーウイルス前初期プロモーター、ルース肉腫ウイルスプロモーターと並んで、限定されないがアクチンプロモーター、ミオシンプロモーター、ヘモグロビンプロモーター、及びクレアチンキナーゼプロモーターなどのヒト遺伝子プロモーターを含む、他の構成的プロモーター配列も使用され得る。
更に、本発明は、構成的プロモーターの使用に限定されるべきではない。誘導性プロモーターも本発明の一部として企図される。誘導性プロモーターの使用は、そのような発現が望まれる場合に作動可能に連結されるポリヌクレオチド配列の発現をオンにすることができるか、又は発現が望まれない場合に発現をオフにすることができる分子スイッチを提供する。誘導性プロモーターの例としては、組織特異的プロモーター、メタロチオニンプロモーター、グルココルチコイドプロモーター、プロゲステロンプロモーター及びテトラサイクリンプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、フソソームが生成される前、例えば、フソソームが生成される3、6、9、12、24、26、48、60又は72時間前に、フソゲンの発現がアップレギュレートされる。
供給源に導入される発現ベクターはまた、ウイルスベクターを介してトランスフェクト又は感染されることが求められる細胞の集団からの発現細胞の同定及び選択を容易にするために、選択マーカー遺伝子若しくはレポーター遺伝子のいずれか又は両方を含有することができる。他の態様では、選択マーカーは、別個のDNA片に担持され、同時トランスフェクションの手順で使用され得る。選択マーカー及びレポーター遺伝子の両方を、宿主細胞における発現を可能にするための適切な調節配列に隣接させることができる。有用な選択マーカーとしては、例えば、neoなどの抗生物質耐性遺伝子が挙げられる。
レポーター遺伝子は、潜在的にトランスフェクトされた細胞を同定し、調節配列の機能性を評価するために使用され得る。一般に、レポーター遺伝子は、レシピエント供給源に存在しないか又はレシピエント供給源によって発現されず、その発現が何らかの容易に検出可能な特性、例えば酵素活性によって明らかにされるポリペプチドをコードする遺伝子である。レポーター遺伝子の発現は、DNAがレシピエント細胞に導入された後の適切な時点でアッセイされる。適切なレポーター遺伝子には、ルシフェラーゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、分泌型アルカリホスファターゼ、又は緑色蛍光タンパク質遺伝子(例えば、Ui-Tei et al.,2000 FEBS Letters 479:79-82)をコードする遺伝子が含まれ得る。適切な発現系は周知であり、公知の技術を用いて調製され得るか、又は商業的に入手され得る。一般に、レポーター遺伝子の最高レベルの発現を示す最小5’隣接領域を有する構築物がプロモーターとして同定される。このようなプロモーター領域は、レポーター遺伝子に連結され、プロモーター駆動型転写を調節する能力について作用物質を評価するために使用され得る。
幾つかの実施形態では、細胞は、1つ以上のタンパク質の発現を変化させるように遺伝子改変され得る。1つ以上のタンパク質の発現は、特定の時間、例えば、供給源の発生又は分化状態のために改変され得る。幾つかの実施形態では、融合活性、構造又は機能に影響を及ぼす1つ以上のタンパク質、例えば、フソゲンタンパク質又は非フソゲンタンパク質の発現を変化させるように遺伝子改変された細胞の供給源から、フソソームが生成される。1つ以上のタンパク質の発現は、特定の位置(複数可)に制限されてもよく、又は供給源全体に広がっていてもよい。
幾つかの実施形態では、フソゲンタンパク質の発現は改変される。幾つかの実施形態では、フソソームは、フソゲンタンパク質の発現が改変された、例えば、少なくとも10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、75%、80%、90%又はそれ以上のフソゲンの発現の増加又は減少を有する細胞から生成される。
幾つかの実施形態では、細胞は、フソゲンタンパク質を標的とする細胞質酵素(例えば、プロテアーゼ、ホスファターゼ、キナーゼ、デメチラーゼ、メチルトランスフェラーゼ、アセチラーゼ)を発現するように操作され得る。幾つかの態様では、細胞質酵素は、翻訳後修飾を変化させることによって1つ以上のフソゲンに影響を及ぼす。タンパク質の翻訳後タンパク質修飾は、栄養素の利用可能性及び酸化還元条件に対する応答性、並びにタンパク質-タンパク質相互作用に影響を及ぼし得る。幾つかの実施形態では、フソソームは、変更された翻訳後修飾、例えば、少なくとも10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、75%、80%、90%又はそれ以上の翻訳後修飾の増加又は減少を有するフソゲンを含む。
改変を細胞に導入する方法には、物理的、生物学的及び化学的な方法が含まれる。例えば、Geng.&Lu,Microfluidic electroporation for cellular analysis and delivery.Lab on a Chip.13(19):3803-21.2013;Sharei,A.et al.A vector-free microfluidic platform for intracellular delivery.PNAS vol.110 no.6.2013;Yin,H.et al.,Non-viral vectors for gene-based therapy.Nature Reviews Genetics.15:541-555.2014を参照。本明細書に記載のフソソームの生成に使用するために細胞を改変するための適切な方法としては、例えば、拡散、浸透圧、浸透圧パルス、浸透圧ショック、低張溶解、低張透析、イオノフォレシス、エレクトロポレーション、超音波処理、マイクロインジェクション、カルシウム沈殿、膜挿入、脂質媒介トランスフェクション、洗浄剤処理、ウイルス感染、受容体媒介エンドサイトーシス、タンパク質伝達ドメインの使用、粒子発火、膜融合、凍結融解、機械的破壊、及び濾過が挙げられる。
遺伝子改変の存在の確認には、様々なアッセイが含まれる。そのようなアッセイとしては、例えば、サザンブロッティング及びノーザンブロッティング、RT-PCR及びPCRなどの分子生物学的アッセイ;例えば、免疫学的手段(ELISA及びウエスタンブロット)又は本明細書に記載のアッセイにより、特定のペプチドの存在若しくは不在を検出するなどの生化学的アッセイが挙げられる。
本開示は、幾つかの態様では、(a)脂質二重層、(b)脂質二重層によって取り囲まれた内腔(例えば、細胞質ゾルを含む)、(c)外因性又は過剰発現されたフソゲン(例えば、フソゲン脂質二重層に配置され、フソソームがソース細胞に由来する)を含み、フソソームは、部分的又は完全な核不活性化(例えば、核除去)を有するフソソームを提供する。
本開示は、幾つかの態様では、ソース細胞に由来する複数のフソソームを含むフソソーム組成物であって、複数のフソソームは、(a)脂質二重層;(b)細胞質ゾルを含む内腔であって、脂質二重層に囲まれている内腔;(c)脂質二重層内に配置された外因性又は過剰発現されたフソゲン;(d)カーゴ、例えば、ペイロード遺伝子を含む核酸を含み;フソソームは核を含まず;フソソーム組成物中のウイルスキャプシドタンパク質の量は総タンパク質の1%未満であり、(i)複数のフソソームは、標的細胞及び非標的細胞を含む細胞集団と接触される場合、カーゴは、非標的細胞又は参照細胞よりも少なくとも10倍多く標的細胞に存在するか、又は(ii)複数のフソソームは標的細胞よりも、少なくとも少なくとも50%の非標的細胞又は参照細胞とより速い速度で融合し、標的細胞が、汎ニューロン細胞、GABA作動性ニューロン、グルタミン酸作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、グリア細胞、星状膠細胞、ミクログリア細胞、乏突起膠細胞、又は脈絡叢細胞から選択される、フソソームを提供する。
本開示は、幾つかの態様では、ソース細胞に由来する複数のフソソームを含むフソソーム組成物を提供し、該複数のフソソームが、(a)脂質二重層と、(b)細胞質ゾルを含む内腔であって、脂質二重層に囲まれた内腔と、(c)脂質二重層に配置された外因性又は過剰発現されたフソゲンと、(d)表5又は表6の外因性作用物質をコードするペイロード遺伝子を含む核酸とを含み、フソソームは核を含まず、フソソーム組成物中のウイルスキャプシドタンパク質の量は、総タンパク質の1%未満である、フソソーム組成物を提供する。
本開示は、幾つかの態様では、ソース細胞に由来する複数のフソソームを含むフソソーム組成物であって、該複数のフソソームが、(a)脂質二重層と、(b)細胞質ゾルを含む内腔であって、脂質二重層に囲まれた内腔と、(c)脂質二重層に配置された外因性又は過剰発現されたフソゲンと、(d)ペイロード遺伝子を含む核酸とを含み、該核酸は、ペイロード遺伝子に作動可能に連結されたNTCSREを含み、該NTCSREは、非標的細胞特異的miRNA認識配列、例えば、標的細胞よりも高いレベルで非標的細胞に存在するmiRNAによって結合された非標的細胞特異的miRNA認識配列、例えば、表4のmiRNAによって結合された非標的細胞特異的miRNA認識配列を含み、該標的細胞は、第1のタイプのCNS細胞であり、任意に、該非標的細胞は、第2の異なるタイプのCNS細胞又は非CNS細胞であり、該フソソームは核を含まず、該フソソーム組成物中のウイルスキャプシドタンパク質の量は、総タンパク質の1%未満である、フソソーム組成物を提供する。
幾つかの態様では、miRNAは、非標的細胞(例えば、本明細書に記載の非標的細胞)において、標的細胞(例えば、CNS細胞)に存在するmiRNAのレベルよりも少なくとも10、100、1,000又は1万倍高いレベルで存在する。幾つかの実施形態では、miRNAは、標的細胞(例えばCNS細胞、例えば本明細書に記載のCNS細胞)において検出可能には存在しない。幾つかの態様では、miRNAは標的細胞(例えばCNS細胞、例えば本明細書に記載のCNS細胞)には存在しない。
本開示は、幾つかの態様では、ソース細胞に由来する複数のフソソームを含むフソソーム組成物であって、該複数のフソソームが、(a)脂質二重層と、(b)細胞質ゾルを含む内腔であって、脂質二重層に囲まれた内腔と、(c)脂質二重層に配置された外因性又は過剰発現されたフソゲンと、(d)ペイロード遺伝子を含む核酸とを含み、該核酸は、ペイロード遺伝子に作動可能に連結されたプロモーターを含み、該プロモーターはCNS細胞特異的プロモーターであり、例えば、CNS細胞、汎ニューロン細胞、GABA作動性ニューロン、グルタミン酸作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、グリア細胞、星状膠細胞、ミクログリア細胞、乏突起膠細胞、又は脈絡叢細胞に特異的なプロモーターであり、該フソソームは核を含まず、該フソソーム組成物中のウイルスキャプシドタンパク質の量は、総タンパク質の1%未満である、フソソーム組成物を提供する。
本開示は、幾つかの態様では、ソース細胞に由来する複数のフソソームを含むフソソーム組成物を提供し、該複数のフソソームが、(a)脂質二重層と、(b)細胞質ゾルを含む内腔であって、脂質二重層に囲まれた内腔と、(c)脂質二重層に配置された外因性又は過剰発現されたフソゲンと、(d)ペイロード遺伝子を含む核酸とを含み、該核酸は、表3のプロモーターの配列、又はそれに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%の同一性を有する配列を有するプロモーターを含み、フソソームは核を含まず、フソソーム組成物中のウイルスキャプシドタンパク質の量は、総タンパク質の1%未満である、フソソーム組成物を提供する。
本開示は、幾つかの態様では、ソース細胞に由来する複数のフソソームを含むフソソーム組成物を提供し、該複数のフソソームが、(a)脂質二重層と、(b)細胞質ゾルを含む内腔であって、脂質二重層に囲まれた内腔と、(c)脂質二重層に配置された外因性又は過剰発現されたフソゲンと、(d)核酸であって、(i)ペイロード遺伝子、(ii)該ペイロード遺伝子に作動可能に連結されたNTCSREであって、例えば、非標的細胞特異的miRNA認識配列、例えば、表4のmiRNAによって結合された非標的細胞特異的miRNA認識配列を含むNTCSRE、
(iii)任意に、正の標的細胞特異的調節エレメント、例えば、ペイロード遺伝子に作動可能に連結された正の標的細胞特異的調節エレメント(例えば、標的細胞特異的プロモーター)を含む核酸と、を含み、該正の標的細胞特異的調節エレメントが、該正の標的細胞特異的調節エレメントを欠く他は同様のフソソームと比較して、標的細胞における該ペイロード遺伝子の発現を増加させ、該標的細胞が第1のタイプのCNS細胞であり、任意に、該非標的細胞が、第2の異なるタイプのCNS細胞又は非CNS細胞であり、任意に、該標的細胞がニューロンであり、該非標的細胞がグリア細胞(例えば、乏突起膠細胞、星状膠細胞又はミクログリア細胞)であるか、又は該標的細胞がグリア細胞(例えば、乏突起膠細胞、星状膠細胞又はミクログリア細胞)であり、該非標的細胞がニューロンであり、該フソソームが核を含まず、該フソソーム組成物中のウイルスキャプシドタンパク質の量は、総タンパク質の1%未満である、フソソーム組成物を提供する。
幾つかの実施形態では、以下の1つ以上が存在する:i)フソソームは、細胞生物学的製剤を含むか、又はそれによって含まれる;ii)フソソームは除核細胞を含む;iii)フソソームは不活性化された核を含む;iv)フソソームは、例えば、実施例42のアッセイにおいて、非標的細胞よりも標的細胞とより高い割合、例えば、少なくとも少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、50倍、又は100倍で融合する;v)フソソームは、例えば、実施例42のアッセイにおいて、他のフソソームよりも標的細胞とより高い割合、例えば、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、50倍、又は100倍で融合する;vi)フソソーム内の薬剤が、実施例42のアッセイにおいて、フソソーム内の薬剤が、24、48、又は72時間後に少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%の標的細胞に送達されるような割合で、標的細胞と融合する;vii)フソゲンが、実施例26のアッセイによって測定した場合、少なくとも10、50、100、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、5,000,000、10,000,000、50,000,000、100,000,000、500,000,000、若しくは1,000,000,000コピー、又はこれ以下のコピー数で存在する;viii)フソソームが、実施例88のアッセイによって測定した場合、少なくとも10、50、100、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、5,000,000、10,000,000、50,000,000、100,000,000、500,000,000、若しくは1,000,000,000コピー、又はこれ以下のコピー数の治療剤を含む;ix)治療剤のコピー数に対するフソゲンのコピー数の比が、1,000,000:1~100,000:1、100,000:1~10,000:1、10,000:1~1,000:1、1,000:1~100:1、100:1~50:1、50:1~20:1、20:1~10:1、10:1~5:1、5:1~2:1、2:1~1:1、1:1~1:2、1:2~1:5、1:5~1:10、1:10~1:20、1:20~1:50、1:50~1:100、1:100~1:1,000、1:1,000~1:10,000、1:10,000~1:100,000、又は1:100,000~1:1,000,000である;x)フソソームが、ソース細胞のものと実質的に類似する脂質組成物を含むか、又は1種以上のCL、Cer、DAG、HexCer、LPA、LPC、LPE、LPG、LPI、LPS、PA、PC、PE、PG、PI、PS、CE、SM及びTAGが、ソース細胞の対応する脂質レベルの10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、又は75%以内である;xi)フソソームが、例えば、実施例87のアッセイを使用して、ソース細胞のプロテオミクス組成物と同様のプロテオミクス組成物を含む;xii)フソソームが、例えば、実施例40のアッセイを使用して測定した場合、ソース細胞における対応する比率の10%、20%、30%、40%、又は50%以内のタンパク質に対する脂質の比を含む;xiii)フソソームが、実施例41のアッセイを使用して測定した場合、ソース細胞における対応する比率の10%、20%、30%、40%、又は50%以内の核酸(例えば、DNA)に対するタンパク質の比を含む;xiv)フソソームが、実施例91のアッセイを使用して測定した場合、ソース細胞における対応する比率の10%、20%、30%、40%、又は50%以内の核酸(例えば、DNA)に対する脂質の比を含む;xv)フソソームは、例えば、実施例60のアッセイにより、被験体、例えばマウスにおいて、参照細胞、例えばソース細胞の1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%以内の半減期を有する;xvi)フソソームは、例えば、実施例50のアッセイを使用して測定した場合、グルコース(例えば、標識されたグルコース、例えば、2-NBDG)を膜を介して、グルコースの不在下、陰性対照、例えばその他は同様のフソソームよりも、例えば、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%(例えば、約11.6%多く)輸送する;xvii)フソソームは、例えば、実施例51のアッセイを使用して、参照細胞、例えば、ソース細胞又はマウス胚線維芽細胞におけるエステラーゼ活性の1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%以内のエステラーゼ活性を内腔に含む;xviii)フソソームは、例えば、実施例53に記載されるように、参照細胞、例えば、ソース細胞におけるクエン酸合成酵素活性の1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%以内の代謝活性レベルを含む;xix)フソソームは、例えば、実施例54に記載されるように、参照細胞、例えばソース細胞に置ける呼吸レベルの1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%以内の呼吸レベル(例えば、酸素消費率)を含む;xx)フソソームは、例えば、実施例55のアッセイを使用して、最大で18,000、17,000、16,000、15,000、14,000、13,000、12,000、11,000、又は10,000のアネキシンV染色レベルを含むか、又はフソソームは、実施例55のアッセイにおいてメナジオンで処理された、その他は同様のフソソームのアネキシン-V染色レベルよりも少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、又は50%低いアネキシン-V染色レベルを含むか、又はフソソームは、実施例55のアッセイにおいてメナジオンで処理された、マクロファージのアネキシン-V染色レベルよりも少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、又は50%低いアネキシン-V染色レベルを含む;xxi)フソソームは、例えば、実施例33のアッセイにより、ソース細胞の少なくとも少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれより高いmiRNA含有量レベルを有する;xxii)フソソームは、例えば、実施例38のアッセイにより、ソース細胞の1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以内かそれより大きい、例えばソース細胞の1%~2%、2~3%、3%~4%、4%~5%、5%~10%、10%~20%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、50%~60%、60%~70%、70%~80%、又は80%~90%以内の可溶性:不溶性タンパク質比を有する;xxiii)フソソームは、例えば実施例39において、例えば質量分析法により測定される場合、ソース細胞のLPS含有量の5%、1%、0.5%、0.01%、0.005%、0.0001%、0.00001%未満、又はそれより低いLPSレベルを有する;xxiv)フソソームは、例えば、実施例49のアッセイを使用して、インスリンの不在下で、陰性対照、例えば、その他は同様のフソソームよりも少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%多いシグナル伝達、例えば、インスリンに応答した細胞外シグナル、例えば、AKTリン酸化、又はインスリンに応答したグルコース(例えば、標識グルコース、例えば、2-NBDG)の取り込みが可能である;xxv)フソソームは、組織、例えば、肝臓、肺、心臓、脾臓、膵臓、消化管、腎臓、精巣、卵巣、脳、生殖器官、中枢神経系、末梢神経系、骨格筋、内皮、内耳、又は眼を標的都市、被験体、例えばマウスに投与された場合、例えば、実施例64のアッセイにより、フソソームが投与された集団において少なくとも0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%のフソソームが、24、48、又は72時間後に標的組織に存在する;xxvi)フソソームは、例えば、実施例56のアッセイにより、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%高い参照細胞、例えばソース細胞又は骨髄間葉系細胞(BMSC)によって誘導されるジュクスタクリンシグナル伝達レベル有する;xxvii)フソソームは、例えば、実施例57のアッセイにより、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%より高いパラクリンシグナル伝達レベルを有する;xxviii)フソソームは、例えば、実施例58のアッセイにより、参照細胞、例えばソース細胞又はC2C12細胞における重合アクチンのレベルと比べて、1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%以内のレベルでアクチンを重合する;xxix)フソソームは、例えば、実施例59のアッセイにより、参照細胞、例えばソース細胞又はC2C12細胞の膜電位の約1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%以内の膜電位を有するか、又はフソソームは、約-20~150mV、-20~-50mV、-50~-100mV、又は-100~-150mVの膜電位を有する;xxx)フソソームは、例えば実施例44のアッセイ(例えば、ソース細胞は好中球、リンパ球、B細部、マクロファージ又はNK細胞である)を使用して、例えば、ソース細胞の又はソース細胞と同じタイプの細胞の少なくとも1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%の血管外漏出率で血管からの血管外漏出が可能である;xxxi)フソソームは、細胞膜、例えば、内皮細胞膜又は血液脳関門を通過することができる;xxxii)フソソームは、例えば、実施例48のアッセイを使用して、例えば、参照細胞よりも、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%大きい割合でタンパク質を分泌することができる;xxxiii)フソソームは、医薬品又は適正製造基準(GMP)の基準を満たしている;xxxiv)フソソームは適正製造基準(GMP)に従って製造された;xxxv)フソソームは、所定の基準値未満の病原菌レベルを有し、例えば、病原菌を実質的に含まない;xxxiv)フソソームは、所定の基準値未満の汚染物質レベルを有し、例えば、実質的に汚染物質を含まない;xxxvii)フソソームは、例えば、本明細書に記載されるように、低い免疫原性を有する;xxxviii)ソース細胞は、好中球、顆粒球、間葉系幹細胞、骨髄幹細胞、人工多能性幹細胞、胚性幹細胞、骨髄芽細胞、筋芽細胞、肝細胞、又はニューロン、例えば、網膜神経細胞から選択される;又はxxxix)ソース細胞は、293細胞、HEK細胞、ヒト内皮細胞若しくはヒト上皮細胞、単球、マクロファージ、樹状細胞、又は幹細胞以外である。
本開示はまた、幾つかの態様では、以下を含むフソソームを提供する:a)脂質二重層及び水溶液、例えば、水と混和性である内腔(フソソームはソース細胞に由来する);b)外因性又は過剰発現された脂質二重層に配置されたフソゲン;並びにc)内腔に配置されたオルガネラ、例えば、治療上有効な数のオルガネラ。
幾つかの実施形態では、以下の1つ以上が存在する:i)ソース細胞は、内皮細胞、マクロファージ、好中球、顆粒球、白血球、幹細胞(例えば、間葉幹細胞、骨骨髄幹細胞、誘導多能性幹細胞、胚幹細胞)、骨髄芽細胞、筋芽細胞、肝細胞、又はニューロン、例えば網膜神経細胞から選択される;ii)オルガネラは、ゴルジ装置、リソソーム、小胞体、ミトコンドリア、空胞、エンドソーム、先体、オートファゴソーム、中心小体、グリコソーム、グリオキシソーム、ヒドロゲノソーム、メラノソーム、マイトソーム、クニドシスト、ペルオキシソーム、プロテアソーム、小胞、及びストレス顆粒から選択される;iii)フソソームは、5um、10um、20um、50um、又は100umより大きいサイズを有する;iv)フソソーム、又は複数のフソソームを含む組成物若しくは調製物は、1.08g/ml~1.12g/ml以外の密度を有し、例えば、フソソームは、例えば実施例30のアッセイによって測定した場合、1.25g/ml±0.05の密度を有する;v)フソソームは、循環中のスカベンジャー系又は肝臓洞のクッパー細胞によって捕獲されない;vi)ソース細胞が293細胞以外である;vii)ソース細胞が形質転換又は不死化されていない;viii)アデノウイルス媒介の不死化以外の方法を使用してソース細胞を形質転換又は不死化する、例えば、自然突然変異又はテロメラーゼ発現によって不死化する;ix)フソゲンは、VSVG、SNAREタンパク質、又は分泌顆粒タンパク質以外である;x)フソソームは、Cre又はGFP、例えばEGFPを含まない;xi)フソソームは、Cre又はGFP以外の外因性タンパク質、例えばEGFPを更に含む;xii)フソソームは、外因性核酸(例えば、RNA、例えば、mRNA、miRNA、又はsiRNA)若しくは外因性タンパク質(例えば、抗体、例えば、抗体)を、例えば内腔に更に含む;又はxiii)フソソームはミトコンドリアを含まない。
本開示はまた、幾つかの態様では、(a)脂質二重層と、(b)脂質二重層によって取り囲まれた内腔(例えば、細胞質ゾルを含む)と、(c)外因性又は過剰発現されたフソゲン(例えば、フソゲンは脂質二重層に配置される)と、(d)機能性核とを含み、フソソームはソース細胞に由来する、フソソームを提供する。
幾つかの実施形態では、以下の1つ以上が存在する:i)ソース細胞は、樹状細胞又は腫瘍細胞以外であり、例えば、ソース細胞は、内皮細胞、マクロファージ、好中球、顆粒球、白血球、幹細胞(例えば、間葉幹細胞、骨髄幹細胞、誘導多能性幹細胞、胚幹細胞)、骨髄芽細胞、筋芽細胞、肝細胞、又はニューロン、例えば網膜神経細胞である;ii)フソゲンは融合糖タンパク質以外である;iii)フソゲンは、ファーテリンベータ以外の哺乳動物タンパク質である、iv)フソソームは、例えば、本明細書に記載されるように、低い免疫原性を有する;v)フソソームは、医薬品又は適正製造基準(GMP)の基準を満たしている;vi)フソソームは、適正製造基準(GMP)に従って製造された;vii)フソソームは、所定の基準値未満の病原菌レベルを有し、例えば、病原菌を実質的に含まない;又はviii)フソソームは、所定の基準値未満の汚染物質レベルを有し、例えば、実質的に汚染物質を含まない。
本開示はまた、幾つかの態様では、ソース細胞に由来する複数のフソソームを含むフソソーム組成物であって、複数のフソソームは、(a)脂質二重層と、(b)細胞質ゾルを含む内腔であって、脂質二重層に囲まれた内腔と、(c)脂質二重層に配置された外因性又は過剰発現されたフソゲンと、(d)カーゴとを含み、フソソームは核を含まず、フソソーム組成物中のウイルスキャプシドタンパク質の量は、総タンパク質の1%未満であり、複数のフソソームは、エンドサイトーシスの阻害剤の存在下で標的細胞集団と接触した場合、及びエンドサイトーシスの阻害剤で処理されていない参照標的細胞集団と接触した場合、参照標的細胞集団と比較して、標的細胞集団中の少なくとも30%の数の細胞にカーゴを送達する、フソソーム組成物を提供する。
本開示はまた、幾つかの態様では、ソース細胞に由来する複数のフソソームを含むフソソーム組成物であって、複数のフソソームは、(a)脂質二重層と、(b)サイトゾルを含む内腔であって、脂質二重層に囲まれた内腔と、(c)脂質二重層に配置された外因性又は過剰発現された再標的化フソゲンと、(d)カーゴとを含み、フソソームは核を含まず、フソソーム組成物中のウイルスキャプシドタンパク質の量は、総タンパク質の1%未満であり、(i)複数のフソソームが標的細胞及び非標的細胞を含む細胞集団と接触する場合、カーゴは非標的細胞よりも少なくとも2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍多い標的細胞に存在し、又は(ii)複数のフソソームが、非標的細胞よりも少なくとも50%高い割合で標的細胞と融合する、フソソーム組成物を提供する。
本開示はまた、幾つかの態様では、ソース細胞に由来する複数のフソソームを含むフソソーム組成物であって、複数のフソソームは、(a)脂質二重層と、(b)脂質二重層によって囲まれた内腔と、(c)外因性又は過剰発現されたフソゲンであって、脂質二重層中に配置されているフソゲンと、(d)カーゴとを含み、フソソームは核を含まず、以下の1つ以上(例えば、少なくとも2、3、4、又は5つ)を含む:i)フソゲンは、少なくとも1,000コピーのコピー数で存在する;ii)フソソームは、少なくとも1,000コピーのコピー数で治療剤を含む;iii)フソソームは脂質を含み、CL、Cer、DAG、HexCer、LPA、LPC、LPE、LPG、LPI、LPS、PA、PC、PE、PG、PI、PS、CE、SM及びTAGのうちの1つ又は複数がソース細胞の対応する脂質レベルの75%以内である;iv)フソソームは、ソース細胞のプロテオミクス組成物と同様のプロテオミクス組成物を含む;v)フソソームは、例えばインスリン非存在下において、陰性対照、例えばその他は同様のフソソームよりも少なくとも10%多い、シグナル伝達、例えば、細胞外シグナル、例えば、インスリンに応答したAKTリン酸化、又はインスリンに応答したグルコース(例えば、標識グルコース、例えば、2-NBDG)の取り込みを伝達することができる;vi)フソソームは、組織、例えば、肝臓、肺、心臓、脾臓、膵臓、消化管、腎臓、精巣、卵巣、脳、生殖器官、中枢神経系、末梢神経系、骨格筋、内皮、内耳、若しくは眼を標的とし、例えばマウスなどの被験体に投与された場合、投与されたフソソームの集団中のフソソームの少なくとも0.1%、若しくは10%が24時間後に標的組織に存在する;又はソース細胞は、好中球、顆粒球、間葉系幹細胞、骨髄幹細胞、人工多能性幹細胞、胚性幹細胞、骨髄芽細胞、筋芽細胞、肝細胞、若しくはニューロン、例えば網膜神経細胞から選択される、フソソーム組成物を提供する。
実施形態では、以下の1つ以上:i)ソース細胞が293細胞以外である;ii)ソース細胞が形質転換又は不死化されていない;iii)アデノウイルス媒介の不死化以外の方法、例えば、自然突然変異又はテロメラーゼ発現によって不死化する方法を使用して、ソース細胞を形質転換又は不死化する;iv)フソゲンが、VSVG、SNAREタンパク質、又は分泌顆粒タンパク質以外のものである;v)治療剤はCre又はEGFP以外である;vi)治療剤は、例えば内腔内の核酸(例えば、RNA、例えば、mRNA、miRNA、又はsiRNA)又は外因性タンパク質(例えば抗体、例えば抗体)である;又はvii)フソソームはミトコンドリアを含まない。
実施形態では、以下の1つ以上:i)ソース細胞が293細胞又はHEK細胞以外である;ii)ソース細胞が形質転換又は不死化されていない;iii)アデノウイルス媒介の不死化以外の方法、例えば、自然突然変異又はテロメラーゼ発現によって不死化する方法を使用して、ソース細胞を形質転換又は不死化する;iv)フソゲンはウイルス性フソゲンではない;又はv)フソソームが40~150nm以外のサイズ、例えば、150nm、200nm、300nm、400nm、又は500nmを超えるサイズを有する。
実施形態では、以下の1つ以上:i)治療剤は、ソース細胞によって発現される可溶性タンパク質である;ii)フソゲンは、TAT、TAT-HA2、HA-2、gp41、アルツハイマー病のベータアミロイドペプチド、センダイウイルスタンパク質、又は両親媒性ネットネガティブペプチド(WAE 11)以外のものである;iii)フソゲンは哺乳類のフソゲンである;iv)フソソームは、その内腔に、酵素、抗体、又は抗ウイルスポリペプチドから選択されるポリペプチドを含む;v)フソソームは外因性の治療用膜貫通タンパク質を含まない;又はvi)フソソームはCD63若しくはGLUT4を含まない、又はフソソームは、例えば、実施例89に記載の方法に従って決定される場合、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、又は10%以下(例えば、約0.048%以下)のCD63を含む。
実施形態では、フソソームは、i)ウイルスを含まない、感染性ではない、又は宿主細胞内で増殖しない;ii)ウイルスベクターではないiii)VLP(ウイルス様粒子)ではない;iv)ウイルス構造タンパク質、例えばgagに由来するタンパク質、例えばウイルスキャプシドタンパク質、例えばウイルスカプセルタンパク質、例えばウイルスヌクレオカプシドタンパク質を含まない、又はウイルスキャプシドタンパク質の量が、例えば質量分析により、例えば実施例93のアッセイを使用して、総タンパク質の10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.2%、又は0.1%未満である;v)ウイルスマトリックスタンパク質を含まない;vi)ウイルスの非構造タンパク質;例えば、pol又はその断片若しくはバリアント、ウイルス逆転写酵素タンパク質、ウイルスインテグラーゼタンパク質、又はウイルスプロテアーゼタンパク質を含まない;vii)ウイルス核酸;例えば、ウイルスRNA又はウイルスDNAを含まない;viii)1ベシクルあたり10、50、100、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、5,000,000、10,000,000、50,000,000、100,000,000、500,000,000、又は1,000,000,000コピー未満のウイルス構造タンパク質を含む;又はix)フソソームはビロソームではない。
幾つかの実施形態では、フソソームは、約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%未満のウイルスキャプシドタンパク質(例えば、約0.05%のウイルスキャプシドタンパク質)を含む(又は含むと識別される)。実施形態では、ウイルスキャプシドタンパク質は、ウサギ内因性レンチウイルス(RELIK)キャプシドとシクロフィリンAとの複合体である。実施形態では、ウイルスキャプシドタンパク質:総タンパク質比は、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、又は0.1である(又はそうであると識別される)。
幾つかの実施形態では、フソソームは、gagタンパク質、又はそのフラグメント若しくはバリアントを含まない(又は含まないものとして識別される)か、又はgagタンパク質、又はそのフラグメント若しくはバリアントの量が、例えば実施例93のアッセイにより、総タンパク質の10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.2%、又は0.1%未満である。
実施形態では、フソソーム上のウイルス構造タンパク質のコピー数に対するフソゲンのコピー数の比は、少なくとも1,000,000:1、100,000:1、10,000:1、1,000:1、100:1、50:1、20:1、10:1、5:1、又は1:1であるか、又は100:1~50:1、50:1~20:1、20:1~10:1、10:1~5:1の間、又は1:1である。実施形態では、フソソーム上のウイルスマトリックスタンパク質のコピー数に対するフソゲンのコピー数の比は、少なくとも1,000,000:1、100.000:1、10,000:1、1,000:1、100:1、50:1、20:1、10:1、5:1、又は1:1である。
実施形態では、以下の1つ以上:i)フソソームは、水と混和しない液滴を含まない;ii)フソソームは、水性内腔及び親水性外部を含む;iii)フソゲンはタンパク質フソゲンである;又はiv)オルガネラは、ミトコンドリア、ゴルジ装置、リソソーム、小胞体、空胞、エンドソーム、先体、オートファゴソーム、中心小体、グリコソーム、グリオキシソーム、ヒドロメノソーム、メラノソーム、ミトソーム、クニドシスト、ペルオキシソーム、プロテアソーム、ベシクル、及び顆粒から選択される。
実施形態では、以下の1つ以上:i)フソゲンは、哺乳動物フソゲン又はウイルスフソゲンである;ii)フソソームは、治療物質又は診断物質をフソソームにロードすることによって作製されたものではない;iii)ソース細胞に治療物質又は診断物質がロードされていない;iv)フソソームは、ドキソルビシン、デキサメタゾン、シクロデキストリン、ポリエチレングリコール、マイクロRNA、例えばmiR125、VEGF受容体、ICAM-1、E-セレクチン、酸化鉄、蛍光タンパク質、例えばGFP又はRFP、ナノ粒子、若しくはRNaseを含まないか、又は前述のいずれかの外因性形態を含まない;又はv)フソソームは、1つ以上の翻訳後修飾、例えばグリコシル化を有する外因性治療剤を更に含む。
実施形態では、フソソームは単層又は多層である。
実施形態では、以下の1つ以上:i)フソソームはエクソソームではない;ii)フソソームは微小胞である;iii)フソソームは非哺乳動物のフソゲンを含むiv)フソソームは、フソゲンを組み込むように設計されている;v)フソソームは外因性フソゲンを含む;vi)フソソームが少なくとも80nm、100nm、200nm、500nm、1000nm、1200nm、1400nm、又は1500nmのサイズを有するか、又はフソソームの集団が少なくとも80nm、100nm、200nm、500nm、1000nm、1200nm、1400nm、又は1500nmの平均サイズを有する;vii)フソソームは、1つ以上のオルガネラ、例えば、ミトコンドリア、ゴルジ装置、リソソーム、小胞体、液胞、エンドソーム、アクロソーム、オートファゴソーム、中心小体、グリコソーム、グリオキシソーム、ヒドロゲノソーム、メラノソーム、ミトソーム、クニドソーム、ペルオキシソーム、プロテアソーム、小胞及びストレス顆粒を含む;viii)フソソームは、細胞骨格又はその成分、例えば、アクチン、Arp2/3、フォルミン、コロニン、ジストロフィン、ケラチン、ミオシン、又はチューブリンを含む;ix)フソソーム、又は複数のフソソームを含む組成物若しくは調製物が、例えば、Thery et al.,「Isolation and characterization of exosomes from cell culture supernatants and biological fluids.」Curr Protoc Cell Biol.2006 Apr;Chapter 3:Unit 3.22に記載される、スクロース勾配遠心分離アッセイにおいて、1.08~1.22g/mlの浮遊密度を持たないか、少なくとも1.18~1.25g/ml、又は1.05~1.12g/mlの密度を有する;x)脂質二重層は、ソース細胞と比較して、セラミド又はスフィンゴミエリン又はそれらの組み合わせについて濃縮されている、又は脂質二重層は、ソース細胞と比較して、糖脂質、遊離脂肪酸、又はホスファチジルセリン、又はそれらの組み合わせについて濃縮されていない(例えば、枯渇している);xi)フソソームは、例えば、実施例92のアッセイで測定した場合、ホスファチジルセリン(PS)又はCD40リガンド、又はPSとCD40リガンドの両方を含む;xii)フソソームは、ソース細胞と比較して、PSについて濃縮されており、例えば、Kanada M,et al.(2015)Differential fates of biomolecules delivered to target cells via extracellular vesicles.Proc Natl Acad Sci USA 112:E1433-E1442のアッセイによって、例えば、フソソームの集団において、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%がPSに陽性である。xiii)フソソームは、実質的にアセチルコリンエステラーゼ(AChE)を含まないか、又は例えば実施例52のアッセイにより、0.001、0.002、0.005、0.01,0.02、0.05、0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、500、又は1000未満のAChE活性単位/μgタンパク質を含む;xiv)フソソームは、テトラスパニンファミリータンパク質(例えば、CD63、CD9、又はCD81)、ESCRT関連タンパク質(例えば、TSG101、CHMP4A-B、又はVPS4B)、Alix、TSG101、MHCI、MHCII、GP96、アクチニン-4、ミトフィリン、シンテニン-1、TSG101、ADAM10、EHD4、シンテニン-1、TSG101、EHD1、フロチリン-1、ヒートショック70-kDaタンパク質(HSC70/HSP73、HSP70/HSP72)、若しくはそれらの任意の組み合わせを実質的に含まないか、又は0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、5%若しくは10%未満の個々のエクソソームマーカータンパク質及び/又は0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%若しくは25%上記のいずれかのタンパク質の総エクソソームマーカータンパク質を含むか、又は例えば、実施例89のアッセイによって、ソース細胞と比較してこれらのタンパク質のいずれか1つ以上が濃縮されていないか、又はこれらのタンパク質のいずれか1つ以上が濃縮されていない;xv)フソソームは、500、250、100、50、20、10、5、又は1ng GAPDH/μg総タンパク質未満のグリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)のレベル、又は例えば、実施例36のアッセイを使用して、ng/ugの単位で総タンパク質あたり1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%未満のソース細胞中のGAPDHのレベルを含む;xvi)フソソームは、1つ以上の小胞体タンパク質(例えば、カルネキシン)、1つ以上のプロテアソームタンパク質、又は1つ以上のミトコンドリアタンパク質、又はそれらの任意の組み合わせに富んでいる、例えば、カルネキシンの量が500、250、100、50、20、10、5、又は1ng カルネキシン/μg総タンパク質未満であるか、又はフソソームは、例えば、実施例37又は90のアッセイを使用すると、ソース細胞と比べて、ng/ugの単位で1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%少ない総タンパク質あたりのカルネキシンを含むか、又は、フソソーム内のカルネキシンの平均含有量が約1×10-4、1.5×10-4、2×10-4、2.1×10-4、2.2×10-4、2.3×10-4、2.4×10-4、2.43×10-4、2.5×10-4、2.6×10-4、2.7×10-4、2.8×10-4、2.9×10-4、3×10-4、3.5×10-4、又は4×10-4未満であるか、又は、フソソームが、親細胞よりも約70%、75%、80%、85%、88%、90%、95%、99%、又はそれ以上少ない総タンパク質あたりのカルネキシンの量を含む;xvii)フソソームは、例えば、実施例34のアッセイを使用して測定される、外因性作用物質(例えば、外因性タンパク質、mRNA、又はsiRNA)を含む;又はxviii)フソソームは、原子間力顕微鏡検査によって、例えば、Kanada M,et al.(2015)Differential fates of biomolecules delivered to target cells via extracellular vesicles.Proc Natl Acad Sci USA 112:E1433-E1442のアッセイによって、少なくとも30分間、マイカ表面に固定化することができる。
実施形態では、以下の1つ以上:i)フソソームはエクソソームである;ii)フソソームは微小胞ではない;iii)フソソームのサイズは80nm、100nm、200nm、500nm、1000nm、1200nm、1400nm、又は1500nm未満であるか、又はフソソームの集団の平均サイズは80nm、100nm、200nm、500nm、1000nm、1200nm、1400nm、又は1500nm未満である;iv)フソソームは細胞小器官を含まない;v)フソソームは、細胞骨格又はその成分、例えば、アクチン、Arp2/3、フォルミン、コロニン、ジストロフィン、ケラチン、ミオシン、又はチューブリンを含まない;vi)フソソーム、又は複数のフソソームを含む組成物若しくは調製物は、例えばThery et al.,「Isolation and characterization of exosomes from cell culture supernatants and biological fluids.」Curr Protoc Cell Biol.2006 Apr;Chapter 3:Unit 3.22に記載される、スクロース勾配遠心分離アッセイにおいて、1.08~1.22g/mlの浮遊密度を持つ;vii)脂質二重層は、ソース細胞と比較して、セラミド又はスフィンゴミエリン又はそれらの組み合わせについて濃縮されていない(例えば、枯渇している)か、又は、脂質二重層は、ソース細胞と比較して、糖脂質、遊離脂肪酸、又はホスファチジルセリン、又はそれらの組み合わせが濃縮されている;viii)フソソームは、例えば、実施例92のアッセイで測定した場合、ホスファチジルセリン(PS)若しくはCD40リガンド、又はPS及びCD40 リガンドの両方を含まないか、又はソース細胞に対して枯渇している;ix)フソソームは、ソース細胞と比較してPSが濃縮されておらず(例えば、枯渇している)、例えば、Kanada M,et al.(2015)Differential fates of biomolecules delivered to target cells via extracellular vesicles.Proc Natl Acad Sci USA 112:E1433-E1442のアッセイにより、例えば、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%未満のフソソームの集団においてPSに陽性である。x)フソソームは、実質的にアセチルコリンエステラーゼ(AChE)を含み、例えば、実施例52のアッセイにより、例えば、少なくとも0.001、0.002、0.005、0.01,0.02、0.05、0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100、200、500、又は1000未満のAChE活性単位/μgタンパク質を含む;xi)フソソームは、テトラスパニンファミリータンパク質(例えば、CD63、CD9、又はCD81)、ESCRT関連タンパク質(例えば、TSG101、CHMP4A-B、又はVPS4B)、Alix、TSG101、MHCI、MHCII、GP96、アクチニン-4、ミトフィリン、シンテニン-1、TSG101、ADAM10、EHD4、シンテニン-1、TSG101、EHD1、フロチリン-1、ヒートショック70-kDaタンパク質(HSC70/HSP73、HSP70/HSP72)、又はそれらの任意の組み合わせを含み、例えば、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、5%若しくは10%未満の個々のエクソソームマーカータンパク質及び/又は0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%若しくは25%上記のいずれかのタンパク質の総エクソソームマーカータンパク質を含むか、又は、例えば、実施例89のアッセイによって、ソース細胞と比べてこれらのタンパク質のいずれか1つ以上が濃縮されている;xii)フソソームは、500、250、100、50、20、10、5、又は1ng GAPDH/μg総タンパク質未満のグリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)のレベル、又は、例えば、実施例36のアッセイを使用して、ng/ugの単位で総タンパク質あたりのGAPDHのレベルを少なくとも1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%を超える、ソース細胞中のGAPDHレベル未満のGAPDHのレベルを含む;xiii)フソソームは、1つ以上の小胞体タンパク質(例えば、カルネキシン)、1つ以上のプロテアソームタンパク質、又は1つ以上のミトコンドリアタンパク質、又はそれらの任意の組み合わせに富んでいない(例えば、枯渇している)、例えば、カルネキシンの量が500、250、100、50、20、10、5、又は1ng カルネキシン/μg総タンパク質未満であるか、又はフソソームは、例えば、実施例90のアッセイを使用して、ソース細胞と比べて、ng/ugの単位で1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%少ない総タンパク質あたりのカルネキシンを含むか、又はフソソーム内のカルネキシンの平均含有量が約1×10-4、1.5×10-4、2×10-4、2.1×10-4、2.2×10-4、2.3×10-4、2.4×10-4、2.43×10-4、2.5×10-4、2.6×10-4、2.7×10-4、2.8×10-4、2.9×10-4、3×10-4、3.5×10-4、又は4×10-4未満であるか、又はフソソームが、親細胞よりも約70%、75%、80%、85%、88%、90%、95%、99%、又はそれ以上少ない総タンパク質あたりのカルネキシンの量を含むか、又はxiv)原子間力顕微鏡検査によって、例えば、Kanada M,et al.(2015)Differential fates of biomolecules delivered to target cells via extracellular vesicles.Proc Natl Acad Sci USA 112:E1433-E1442のアッセイによって、少なくとも30分間、フソソームを雲母表面に固定化できない。
実施形態では、以下の1つ以上:i)フソソームはVLPを含まない;ii)フソソームはウイルスを含まない;iii)フソソームは複製能力のあるウイルスを含まない;iv)フソソームは、ウイルスタンパク質、例えばウイルス構造タンパク質、例えばカプシドタンパク質又はウイルス基質タンパク質を含まない;v)フソソームは、エンベロープウイルス由来のカプシドタンパク質を含まない;vi)フソソームはヌクレオカプシドタンパク質を含まない;又はvii)フソゲンがウイルスフソゲンではない。
実施形態では、フソソームは細胞質ゾルを含む。
実施形態では、以下の1つ以上:i)フソソーム又はソース細胞は、例えば、実施例65のアッセイにより、被験体に移植された場合、奇形腫を形成しない;ii)フソソームは、例えば、実施例45のアッセイを使用して、参照細胞、例えばマクロファージよりも、例えば、1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%以上の走化性が可能である;iii)フソソームは、例えば損傷部位にホーミングすることができ、例えば、実施例46のアッセイを使用して、フソソーム又は細胞生物学的物質はヒト細胞からのものであり、例えば、ソース細胞は好中球である;iv)フソソームは食作用が可能であり、例えば、フソソームによる食作用は、実施例47のアッセイを使用して0.5、1、2、3、4、5、又は6時間以内に検出可能であり、例えば、ソース細胞はマクロファージである。
実施形態では、フソソーム又はフソソーム組成物は、被験体、例えばヒト被験体に投与後、5日以下、例えば、4日以下、3日以下、2日以下、1日以下の間、例えば約12~72時間にわたり、上記いずれかの特徴の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれ以上を保持する。
実施形態では、フソソームは、以下の特徴の1つ以上を有する;a)ソース細胞からの1つ以上の内因性タンパク質、例えば、膜タンパク質又は細胞質ゾルタンパク質を含む;b)少なくとも10、20、50、100、200、500、1000、2000、若しくは5000種の異なるタンパク質を含む;c)少なくとも1、2、5、10、20、50、又は100種の異なる糖タンパク質を含む;d)フソソーム内のタンパク質の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、若しくは90%が天然に存在するタンパク質である;e)少なくとも10、20、50、100、200、500、1000、2000、若しくは5000の異なるRNAを含む;又はf)少なくとも2、3、4、5、10、若しくは20種の例えば、CL、Cer、DAG、HexCer、LPA、LPC、LPE、LPG、LPI、LPS、PA、PC、PE、PG、PI、PS、CE、SM、及びTAGから選択される、異なる脂質を含む。
実施形態では、フソソームは、以下の特性のうちの1、2、3、4、5以上を有するように操作されているか、又はフソソームが天然に存在する細胞ではなく、又は核が天然に以下の特性の1、2、3、4、5以上を有していないフソソームである:a)部分的な核不活性化は、核機能の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上の減少、例えば、転写が実施例24のアッセイ及びDNA複製は実施例25のアッセイによって測定される場合、例えば、転写又はDNA複製の減少、又はその両方をもたらす;b)フソソームが転写できないか、転写活性が、例えば実施例24のアッセイを使用して、参照細胞、例えばソース細胞の転写活性の1%、2.5%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%未満である;c)フソソームは核DNA複製ができないか、核DNA複製が、例えば実施例25のアッセイを使用して、参照細胞、例えばソース細胞の核DNA複製の1%、2.5%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%未満である;d)フソソームはクロマチンを欠いているか、実施例32のアッセイを使用して、参照細胞、例えばソース細胞のクロマチン含有量の1%、2.5%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%未満である;e)フソソームが核膜を欠いているか、例えば、実施例31のアッセイによって、参照細胞、例えばソース細胞又はジャーカット細胞の核膜の量の50%、40%、30%、20%、10%、5%、4%、3%、2%、又は1%未満である;f)フソソームは、機能的な核膜孔複合体を欠いているか、実施例31のアッセイにより、核移行又は核外輸送の活性が、少なくとも50%、40%、30%、20%、10%、5%、4%、3%、2%、若しくは1%減少しているか、又は核膜孔タンパク質、例えば、NUP98又はインポーチン7を1つ以上欠いている;g)フソソームはヒストンを含まないか、又はヒストンレベルが、例えば、実施例32のアッセイにより、ソース細胞のヒストンレベルの(例えば、H1、H2a、H2b、H3、又はH4の)1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、若しくは90%未満である;h)フソソームは、20、10、5、4、3、2、又は1未満の染色体を含む;i)核機能が排除されている;j)フソソームは、除核された哺乳動物細胞である;k)核が、例えば、機械的な力で押し出されて、放射線によって、若しくは化学的アブレーションによって、除去又は不活性化されている;又はl)フソソームは、間期又は有糸分裂中に完全に又は部分的に除去されたDNAを有する哺乳動物細胞に由来する。
実施形態では、フソソームは、mtDNA又はベクターDNAを含む。実施形態では、フソソームはDNAを含まない。
実施形態では、ソース細胞は、初代細胞、不死化細胞又は細胞株(例えば、骨髄芽球細胞株、例えば、C2C12)である。実施形態では、フソソームは、例えば、(例えば、MHCタンパク質又はMHC複合体を除去するため、例えばゲノム編集によって)免疫原性が低下した、改変されたゲノムを有するソース細胞に由来する。実施形態では、ソース細胞は、抗炎症シグナルで処理された細胞培養物に由来する。実施形態では、ソース細胞は、免疫抑制物質で処理された細胞培養物に由来する。実施形態では、ソース細胞は、例えば、本明細書に記載のアッセイを使用して、実質的に非免疫原性である。実施形態では、ソース細胞は、外因性作用物質、例えば、治療薬を含む。実施形態では、ソース細胞は組換え細胞である。
実施形態では、フソソームは、外因性作用物質、例えば、治療薬、例えば、タンパク質又は核酸(例えば、DNA、染色体(例えば、ヒト人工染色体)、RNA、例えば、mRNA又はmiRNA)を更に含む。実施形態では、外因性作用物質は、少なくとも10、20、50、100、200、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、5,000,000、10,000,000、50,000,000、100,000,000、500,000,000、又は1,000,000,000コピーが、例えば、フソソームによって含まれるか、又はフソソームあたり10、20、50、100、200、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000又は1,000,000コピーの平均レベルで存在する。実施形態では、フソソームは、例えば、哺乳動物細胞をsiRNA又は遺伝子編集酵素で処理することにより、レベルが変化した、例えば、増加又は減少した、1つ以上の内因性分子、例えば、タンパク質又は核酸を有する。実施形態では、内因性作用物質は、例えば、少なくとも10、20、50、100、200、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、5,000,000、10,000,000、50,000,000、100,000,000、500,000,000、又は1,000,000,000コピーの平均レベルで存在するか(例えば、フソソームによって含まれる)、又はフソソームあたり10、20、50、100、200、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000又は1,000,000コピーの平均レベルで存在する。実施形態では、内因性分子(例えば、RNA又はタンパク質)は、ソース細胞におけるその濃度よりも、少なくとも1、2、3、4、5、10、20、50、100、500、103、5.0×103、104、5.0×104、105、5.0×105、106、5.0×106、1.0×107、5.0×107、又は1.0×108高い濃度で存在する。
実施形態では、活性物質は、タンパク質、タンパク質複合体(例えば、少なくとも2、3、4、5、10、20、又は50個のタンパク質、例えば、少なくとも2、3、4、5、10、20、又は50の異なるタンパク質)ポリペプチド、核酸(例えば、DNA、染色体、又はRNA、例えば、mRNA、siRNA、又はmiRNA)又は小分子から選択される。実施形態では、外因性作用物質は、部位特異的ヌクレアーゼ、例えば、Cas9分子、TALEN、又はZFNを含む。
実施形態では、フソゲンは、ウイルスフソゲン、例えば、HA、HIV-1 ENV、HHV-4、gp120、又はVSV-Gである。実施形態では、フソゲンは、哺乳動物のフソゲン、例えば、SNARE、Syncytin、myomaker、myomixer、myomerger、又はFGFRL1である。実施形態では、フソゲンは、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、又は9~10のpHで活性である。実施形態では、フソゲンは、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、又は9~10のpHでは活性ではない。実施形態では、フソソームは、標的細胞の表面で標的細胞に融合する。実施形態では、フソゲンは、リソソームに依存しない方法で融合を促進する。実施形態では、フソゲンはタンパク質フソゲンである。実施形態では、フソゲンは、脂質フソゲン、例えば、オレイン酸、モノオレイン酸グリセロール、グリセリド、ジアシルグリセロール、又は修飾された不飽和脂肪酸である。実施形態では、フソゲンは、化学フソゲン、例えば、PEGである。実施形態では、フソゲンは、小分子フソゲン、例えば、ハロタン、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、及びクロルプロマジン等のNSAIDである。実施形態では、フソゲンは組換え体である。実施形態では、フソゲンは、生化学的に組み込まれ、例えば、フソゲンは、精製されたタンパク質として提供され、フソゲンと脂質二重層との会合を可能にする条件下で脂質二重層と接触される。実施形態では、フソゲンは、生合成的に組み込まれ、例えば、フソゲンが脂質二重層と結合することを可能にする条件下で、ソース細胞において発現される。
実施形態では、フソソームは標的細胞に結合する。実施形態では、標的細胞は、HeLa細胞以外であるか、又は標的細胞は、形質転換又は不死化されていない。
フソソーム組成物を含む幾つかの実施形態では、複数のフソソームは同じである。幾つかの実施形態では、複数のフソソームは異なる。幾つかの実施形態では、複数のフソソームは、1つ以上のソース細胞に由来する。幾つかの実施形態では、複数のフソソームの少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%は、フソソーム組成物中のフソソームの平均径の10%、20%、30%、40%、又は50%以内の直径を有する。幾つかの実施形態では、複数のフソソームの少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%は、フソソーム組成物中のフソソームの平均体積の10%、20%、30%、40%、又は50%以内の体積を有する。幾つかの実施形態では、フソソーム組成物は、例えば、実施例28に基づいて、サイズ分布におけるソース細胞集団の変動10%、50%、又は90%以内で、約90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%未満のサイズ分布における変動を有する。幾つかの実施形態では、複数のフソソームの少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%は、フソソーム組成物におけるフソソーム中の平均フソゲンコピー数の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%以内のコピー数のフソゲンを有する。幾つかの実施形態では、複数のフソソームの少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%は、フソソーム組成物におけるフソソーム中の治療薬の平均コピー数の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%以内のコピー数の治療薬を有する。幾つかの実施形態では、フソソーム組成物は、少なくとも105、106、107、108、109、1010、1011、1012、1013、1014、又は1015又はそれ以上のフソソームを含む。幾つかの実施形態では、フソソーム組成物は、少なくとも1μl、2μl、5μl、10μl、20μl、50μl、100μl、200μl、500μl、1ml、2ml、5ml、又は10mlの容量である。
幾つかの実施形態では、フソソーム組成物は、参照標的細胞集団と比較して、標的細胞集団の細胞数の少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%にカーゴを送達する。
幾つかの実施形態では、フソソーム組成物は、参照標的細胞集団又は非標的細胞集団と比較して、少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%のカーゴを標的細胞集団に送達する。幾つかの実施形態では、フソソーム組成物は、参照標的細胞集団又は非標的細胞集団と比較して、少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%多いカーゴを標的細胞集団に送達する。
幾つかの実施形態では、カーゴの10%未満がエンドサイトーシスによって細胞に入る。
幾つかの実施形態では、エンドサイトーシスの阻害剤は、リソソーム酸性化阻害剤、例えば、バフィロマイシンA1である。幾つかの実施形態では、エンドサイトーシスの阻害剤は、ダイナミン阻害剤、例えば、ダイナソアである。
幾つかの実施形態では、標的細胞集団は、生理学的pH(例えば、7.3~7.5、例えば、7.38~7.42)にある。
幾つかの実施形態では、送達されるカーゴは、エンドサイトーシス阻害アッセイ、例えば、実施例80のアッセイを使用して決定される。
幾つかの実施形態では、カーゴは、ダイナミン非依存性経路又はリソソーム酸性化非依存性経路、マクロピノサイトーシス非依存性経路(例えば、エンドサイトーシスの阻害剤が、例えば、25μMの濃度のマクロピノサイトーシス阻害剤、例えば、5-(N-エチル-N-イソプロピル)アミロリド(EIPA))、又はアクチン非依存性経路(例えば、エンドサイトーシスの阻害剤が、例えば、6μMの濃度のアクチン重合の阻害剤、例えば、ラトランクリンB)を介して細胞に入る。
幾つかの実施形態では、複数のフソソームは、標的化部分を更に含む。実施形態では、標的化部分は、フソゲンによって含まれる、又は別個の分子によって含まれる。
幾つかの実施形態では、複数のフソソームが標的細胞及び非標的細胞を含む細胞集団と接触する場合、カーゴは、標的細胞において非標的細胞よりも少なくとも10倍多く存在する。
幾つかの実施形態では、複数のフソソームが標的細胞及び非標的細胞を含む細胞集団と接触する場合、カーゴは、標的細胞において非標的細胞よりも少なくとも2倍、5倍、10倍、20倍、若しくは50倍多く存在する、及び/又はカーゴは、標的細胞において参照細胞よりも2倍、5倍、10倍、20倍若しくは50倍多く存在する。
幾つかの実施形態では、複数のフソソームが、非標的細胞よりも標的細胞と50%高い割合で融合する。
幾つかの実施形態では、フソソームは、標的細胞集団と接触すると、エンドソーム又はリソソーム以外の標的細胞位置、例えば、細胞質ゾルにカーゴを送達する。実施形態では、カーゴの50%、40%、30%、20%、又は10%未満がエンドソーム又はリソソームに送達される。
幾つかの実施形態では、複数のフソソームは、エクソソーム、微小胞、又はそれらの組み合わせを含む。
幾つかの実施形態では、複数のフソソームは、少なくとも50nm、100nm、200nm、500nm、1000nm、1200nm、1400nm、又は1500nmの平均サイズを有する。他の実施形態では、複数のフソソームは、100nm、80nm、60nm、40nm、又は30nm未満の平均サイズを有する。
幾つかの実施形態では、フソゲン(例えば、再標的化されたフソゲン)は、哺乳動物のフソゲンを含む。幾つかの実施形態では、フソゲン(例えば、再標的化されたフソゲン)は、ウイルス性フソゲンを含む幾つかの実施形態では、フソゲン(例えば、再標的化されたフソゲン)は、タンパク質フソゲンである。幾つかの実施形態では、フソゲン(例えば、再標的化されたフソゲン)は、ニパウイルスタンパク質F、麻疹ウイルスFタンパク質、ツパイアパラミクソウイルスFタンパク質、パラミクソウイルスFタンパク質、ヘンドラウイルスFタンパク質、ヘニパウイルスFタンパク質、モルビリウイルスFタンパク質、レスピロウイルスFタンパク質であり、センダイウイルスFタンパク質、ルブラウイルスFタンパク質、若しくはアブラウイルスFタンパク質、又はそれらの誘導体から選択される配列を含む。
幾つかの実施形態では、フソゲン(例えば、再標的化されたフソゲン)は、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、又は9~10のpHで活性である。幾つかの実施形態では、フソゲン(例えば、再標的化されたフソゲン)は、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、又は9~10のpHでは活性ではない。
幾つかの実施形態では、フソゲンは、フソソームあたり少なくとも1、2、5、又は10コピーのコピー数で存在する。
幾つかの実施形態では、フソゲン(例えば、再標的化されたフソゲン)は、ニパウイルスタンパク質G、麻疹タンパク質H、ツパイアパラミクソウイルスHタンパク質、パラミクソウイルスGタンパク質、パラミクソウイルスHタンパク質、パラミクソウイルスHNタンパク質、モルビリウイルスHタンパク質、レスピロウイルスHNタンパク質であり、センダイウイルスHNタンパク質、ルブラウイルスHNタンパク質、アブラウイルスHNタンパク質、又はそれらの誘導体を含む。幾つかの実施形態では、フソゲン(例えば、再標的化されたフソゲン)は、ニパウイルスF及びGタンパク質、麻疹ウイルスF及びHタンパク質、ツパイアパラミクソウイルスF及びHタンパク質、パラミクソウイルスF及びGタンパク質若しくはF及びHタンパク質若しくはF及びHNタンパク質、ヘンドラウイルスF及びGタンパク質、ヘニパウイルスF及びGタンパク質、モルビリウイルスF及びHタンパク質、レスピロウイルスF及びHNタンパク質、センダイウイルスF及びHNタンパク質、ルブラウイルスF及びHNタンパク質、又はアブラウイルスF及びHNタンパク質、又はそれらの誘導体、又はそれらの任意の組み合わせから選択される配列を含む。
幾つかの実施形態では、カーゴは、外因性タンパク質又は外因性核酸を含む。幾つかの実施形態では、カーゴは、細胞質ゾルタンパク質を含むか、又はそれをコードする。幾つかの実施形態では、カーゴは、膜タンパク質を含むか、又はそれをコードする。幾つかの実施形態では、カーゴは治療剤を含む。幾つかの実施形態では、カーゴは、フソソームあたり、少なくとも1、2、5、10、20、50、100、又は200コピーのコピー数(例えば、フソソームあたり最大約1,000コピー)で存在する。幾つかの実施形態では、カーゴのコピー数に対するフソゲン(例えば、再標的化されたフソゲン)のコピー数の比は、1000:1~1:1、又は500:1~1:1、又は250:1~1:1、又は150:1~1:1、又は100:1~1:1、又は75:1~1:1、50:1~1:1、25:1~1:1、20:1~1:1、又は15:1~1:1、又は10:1~1:1、又は5:1~1:1、又は2:1~1:1、又は1:1~1:2である。
幾つかの実施形態では、フソソーム組成物は、ウイルスキャプシドタンパク質又はDNA組み込みポリペプチドを含む。幾つかの実施形態では、カーゴはウイルスゲノムを含む。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、遺伝子治療のために、例えば、標的細胞のゲノムを安定に改変するために、核酸を標的細胞に送達することができる。
幾つかの実施形態では、フソソーム組成物はウイルスヌクレオキャプシドタンパク質を含まず、例えば、質量分析によれば、例えば、実施例93のアッセイを使用すると、ウイルスヌクレオキャプシドタンパク質の量は、総タンパク質の10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.2%、又は0.1%未満である。
実施形態では、フソソーム組成物は、少なくとも105、106、107、108、109、1010、1011、1012、1013、1014、又は1015のフソソームを含む。実施形態では、フソソーム組成物は、少なくとも10ml、20ml、50ml、100ml、200ml、500ml、1L、2L、5L、10L、20L、又は50Lを含む。
実施形態では、フソソームは、例えば、(例えば、MHCタンパク質又はMHC複合体を除去するため、例えばゲノム編集によって)免疫原性を低下させるために改変されたゲノムを有する哺乳動物細胞に由来する。実施形態では、ソース細胞は、抗炎症シグナルで処理された細胞培養物に由来する。実施形態では、上記方法は、例えば、核を不活化する、例えば、細胞を除核する前又は後に、工程a)のソース細胞を免疫抑制物質又は抗炎症シグナルと接触させることを更に含む。
一態様では、本明細書で提供されるのは、ソース細胞に由来する複数のフソソームを含むフソソーム組成物であって、複数のフソソームは以下:(a)脂質二重層;(b)細胞質ゾルを含む内腔であって、脂質二重層に囲まれている内腔;(c)脂質二重層内に配置された外因性又は過剰発現されたフソゲン;(d)カーゴを含み;フソソームは核を含まず;フソソーム組成物中のウイルスキャプシドタンパク質の量は、総タンパク質の1%未満であり;複数のフソソームは、エンドサイトーシスの阻害剤の存在下で標的細胞集団と接触した場合、及びエンドサイトーシスの阻害剤で処理されていない参照標的細胞集団と接触した場合、参照標的細胞集団と比較して、標的細胞集団において少なくとも30%の数の細胞にカーゴを送達する。
実施形態では、フソソーム組成物は、参照標的細胞集団若しくは非標的細胞集団と比較して、標的細胞集団中の細胞数の少なくとも40%、50%、60%、70%若しくは80%にカーゴを送達する、又は参照標的細胞集団若しくは非標的細胞集団と比較して、例えば、カーゴの少なくとも40%、50%、60%、70%若しくは80%を標的細胞集団に送達する。幾つかの実施形態では、カーゴの10%未満がエンドサイトーシスによって細胞に入る。幾つかの実施形態では、エンドサイトーシスの阻害剤は、リソソーム酸性化阻害剤、例えば、バフィロマイシンA1である。実施形態では、送達されるカーゴは、エンドサイトーシス阻害アッセイ、例えば、実施例80のアッセイを使用して決定される。実施形態では、カーゴは、ダイナミン非依存性経路又はリソソーム酸性化非依存性経路、マクロピノサイトーシス非依存性経路(例えば、エンドサイトーシスの阻害剤が、例えば、25μMの濃度のマクロピノサイトーシス阻害剤、例えば、5-(N-エチル-N-イソプロピル)アミロリド(EIPA))、又はアクチン非依存性経路(例えば、エンドサイトーシスの阻害剤が、例えば、6μMの濃度のアクチン重合の阻害剤、例えば、ラトランクリンB)を介して細胞に入る。
C.フソゲン及びシュードタイピング
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のフソソーム(例えば、小胞又は細胞の一部を含む)は、例えば膜、例えば細胞膜へのフソソームの融合を促進するために、1つ以上のフソゲンを含む。また、これらの組成物は、合成中又は合成後に、1つ以上のフソゲンを含むように行われる表面修飾を含み得る。表面修飾は、膜への修飾、例えば脂質又はタンパク質の膜への挿入を含み得る。
幾つかの実施形態では、フソソームは、特定の細胞又は組織タイプ(例えばCNS細胞)を標的とするために、それらの外面上に(例えば、細胞膜に組み込まれた)1つ以上のフソゲンを含む。幾つかの態様では、1つ以上のフソゲンによって標的とされる特定の細胞型は、CNS細胞、汎ニューロン細胞、GABA作動性ニューロン、グルタミン酸作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、グリア細胞、星状膠細胞、ミクログリア細胞、乏突起膠細胞、又は脈絡叢細胞である。フソソームは、標的化ドメインを含み得る。フソゲンには、タンパク質ベース、脂質ベース、及び化学ベースのフソゲンが含まれるが、これらに限定されない。フソゲンは、パートナー、例えば標的細胞の表面上の特徴に結合し得る。幾つかの実施形態では、標的細胞の表面上のパートナーは、標的細胞部分である。特定の実施形態では、フソゲンは、CNS細胞、汎ニューロン細胞、GABA作動性ニューロン、グルタミン酸作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、グリア細胞、星状膠細胞、ミクログリア細胞、乏突起膠細胞、又は脈絡叢細胞のうちからの標的細胞に結合するフソゲン又は再標的化フソゲンである。幾つかの実施形態では、フソゲンを含むフソソームは、膜を標的細胞の脂質二重層に統合するであろう。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上のフソゲンは、フソソームに含まれ得る。
本明細書に記載のフソソーム(例えば、レトロウイルスベクター)は、フソゲン、例えば、内因性フソゲン又はシュードタイプ化されたフソゲンを含むことができる。
i)タンパク質フソゲン
幾つかの実施形態では、フソゲンは、タンパク質(例えば、糖タンパク質)、脂質、又は小分子を含む。フソゲンは、例えば、哺乳動物のフソゲン又はウイルスのフソゲンであり得る。幾つかの実施形態では、フソゲンは、タンパク質フソゲン、例えば、哺乳動物タンパク質又は哺乳動物タンパク質のホモログ(例えば、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上の同一性)、ウイルスタンパク質又はウイルスタンパク質のホモログ等の非哺乳動物タンパク質(例えば、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上の同一性)、天然タンパク質又は天然タンパク質の誘導体、合成タンパク質、そのフラグメント、そのバリアント、タンパク質融合1つ以上のフソゲン又はフラグメント、及びそれらの任意の組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、ウイルスフソゲンは、クラスIウイルス膜融合タンパク質、クラスIIウイルス膜タンパク質、クラスIIIウイルス膜融合タンパク質、ウイルス膜糖タンパク質、又は他のウイルス融合タンパク質、又はそれらのホモログ、それらのフラグメント、それらのバリアント、又は1つ以上のタンパク質若しくはそのフラグメントを含むタンパク質融合である。
実施形態では、フソゲンは、ウイルスフソゲン、例えば、HA、HIV-1 ENV、HHV-4、gp120、又はVSV-Gである。実施形態では、フソゲンは、哺乳動物のフソゲン、例えば、SNARE、Syncytin、myomaker、myomixer、myomerger、又はFGFRL1である。実施形態では、フソゲンは、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、又は9~10のpHで活性である。実施形態では、フソゲンは、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、又は9~10のpHでは活性ではない。実施形態では、フソソームは、標的細胞の表面で標的細胞に融合する。実施形態では、フソゲンは、リソソームに依存しない方法で融合を促進する。実施形態では、フソゲンはタンパク質フソゲンである。実施形態では、フソゲンは、脂質フソゲン、例えば、オレイン酸、モノオレイン酸グリセロール、グリセリド、ジアシルグリセロール、又は修飾された不飽和脂肪酸である。実施形態では、フソゲンは、化学フソゲン、例えば、PEGである。実施形態では、フソゲンは、小分子フソゲン、例えば、ハロタン、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、及びクロルプロマジン等のNSAIDである。実施形態では、フソゲンは組換え体である。実施形態では、フソゲンは、生化学的に組み込まれ、例えば、フソゲンは、精製されたタンパク質として提供され、フソゲンと脂質二重層との会合を可能にする条件下で脂質二重層と接触される。実施形態では、フソゲンは、生合成的に組み込まれ、例えば、フソゲンが脂質二重層と結合することを可能にする条件下で、ソース細胞において発現される。
幾つかの実施形態では、フソゲン(例えば、再標的化されたフソゲン)は、哺乳動物のフソゲンを含む。幾つかの実施形態では、フソゲン(例えば、再標的化されたフソゲン)は、ウイルス性フソゲンを含む幾つかの実施形態では、フソゲン(例えば、再標的化されたフソゲン)は、タンパク質フソゲンである。幾つかの実施形態では、フソゲン(例えば、再標的化されたフソゲン)は、ニパウイルスタンパク質F、麻疹ウイルスFタンパク質、ツパイアパラミクソウイルスFタンパク質、パラミクソウイルスFタンパク質、ヘンドラウイルスFタンパク質、ヘニパウイルスFタンパク質、モルビリウイルスFタンパク質、レスピロウイルスFタンパク質であり、センダイウイルスFタンパク質、ルブラウイルスFタンパク質、若しくはアブラウイルスFタンパク質、又はそれらの誘導体から選択される配列を含む。
幾つかの実施形態では、フソゲン(例えば、再標的化されたフソゲン)は、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、又は9~10のpHで活性である。幾つかの実施形態では、フソゲン(例えば、再標的化されたフソゲン)は、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、又は9~10のpHでは活性ではない。
幾つかの実施形態では、フソゲンは、フソソームあたり少なくとも1、2、5、又は10コピーのコピー数で存在する。
幾つかの実施形態では、フソゲン(例えば、再標的化されたフソゲン)は、ニパウイルスタンパク質G、麻疹タンパク質H、ツパイアパラミクソウイルスHタンパク質、パラミクソウイルスGタンパク質、パラミクソウイルスHタンパク質、パラミクソウイルスHNタンパク質、モルビリウイルスHタンパク質、レスピロウイルスHNタンパク質であり、センダイウイルスHNタンパク質、ルブラウイルスHNタンパク質、アブラウイルスHNタンパク質、又はそれらの誘導体を含む。幾つかの実施形態では、フソゲン(例えば、再標的化されたフソゲン)は、ニパウイルスF及びGタンパク質、麻疹ウイルスF及びHタンパク質、ツパイアパラミクソウイルスF及びHタンパク質、パラミクソウイルスF及びGタンパク質若しくはF及びHタンパク質若しくはF及びHNタンパク質、ヘンドラウイルスF及びGタンパク質、ヘニパウイルスF及びGタンパク質、モルビリウイルスF及びHタンパク質、レスピロウイルスF及びHNタンパク質、センダイウイルスF及びHNタンパク質、ルブラウイルスF及びHNタンパク質、又はアブラウイルスF及びHNタンパク質、又はそれらの誘導体、又はそれらの任意の組み合わせから選択される配列を含む。
非哺乳動物フソゲンには、ウイルスフソゲン、その相同体、そのフラグメント、及び1つ以上のタンパク質又はそのフラグメントを含む融合タンパク質が含まれる。ウイルス性フソゲンには、クラスIフソゲン、クラスIIフソゲン、クラスIIIフソゲン、及びクラスIVフソゲンが含まれる。実施形態では、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)gp41等のクラスIフソゲンは、中央のコイルドコイル構造を有するαヘリックスヘアピンの特徴的な三量体との特徴的な融合後コンフォメーションを有する。クラスIウイルス融合タンパク質には、中央の融合後6ヘリックスバンドルを有するタンパク質が含まれる。クラスIウイルス融合タンパク質としては、インフルエンザHA、パラインフルエンザF、HIV Env、エボラGP、オルトミクソウイルス由来ヘマグルチニン、パラミクソウイルス由来Fタンパク質(例えば、麻疹(Katoh et al.BMC Biotechnology 2010,10:37))、レトロウイルス由来ENVタンパク質、及びフィロウイルス及びコロナウイルスのフソゲンが挙げられる。実施形態では、デング熱E糖タンパク質等のクラスIIウイルスフソゲンは、リフォールディングしてヘアピンの三量体をもたらす細長い外部ドメインを形成するβシートの構造的特徴を有する。実施形態では、クラスIIウイルスフソゲンは、中央のコイルドコイルを欠いている。クラスIIウイルスフソゲンは、アルファウイルス(例えば、E1タンパク質)及びフラビウイルス(例えば、E糖タンパク質)に見られる。クラスIIウイルス性フソゲンには、セムリキ森林ウイルス、シンビス、風疹ウイルス、及びデング熱ウイルスに由来するフソゲンが含まれる。実施形態では、水疱性口内炎ウイルスG糖タンパク質等のクラスIIIウイルスフソゲンは、クラスI及びIIに見られる構造的特徴を併せ持つ。実施形態では、クラスIIIウイルスフソゲンは、αヘリックス(例えば、クラスIウイルスフソゲンと同様に6ヘリックスバンドルを形成してタンパク質を折り返す)、及びその末端に両親媒性融合ペプチドを有するβシートを含み、クラスIIウイルスフソゲンを連想させる。クラスIIIウイルスフソゲンは、ラブドウイルス及びヘルペスウイルスに見られる。実施形態では、クラスIVウイルスフソゲンは、無エンベロープレオウイルスによってコードされる、融合関連小膜貫通(FAST)タンパク質である(doi:10.1038/sj.emboj.7600767,Nesbitt,Rae L.,「Targeted Intracellular Therapeutic Delivery Using Liposomes Formulated with Multifunctional FAST proteins」(2012).Electronic Thesis and Dissertation Repository.Paper 388)。実施形態では、クラスIVウイルスフソゲンは、ヘアピンを形成しないほど十分に小さい(doi:10.1146/annurev-cellbio-101512-122422,doi:10.1016/j.devcel.2007.12.008)。
ウイルスエンベロープタンパク質(env)を含むフソゲンは、一般に、フソソームに感染して形質転換できる宿主細胞の範囲を決定する。HIV-1、HIV-2、SIV、FIV、EIV等のレンチウイルスの場合、天然envタンパク質にはgp41とgp120が含まれる。幾つかの実施形態では、本明細書に記載のソース細胞によって発現されるウイルスenvタンパク質は、以前に記載されているように、ウイルスのgag及びpol遺伝子とは別のベクターにコードされている。
使用できるレトロウイルス由来のenv遺伝子の実例としては、限定されるものではないが、MLVエンベロープ、10A1エンベロープ、BAEV、FeLV-B、RD114、SSAV、エボラ、センダイ、FPV(家禽疫病ウイルス)、及びインフルエンザウイルスエンベロープが挙げられる。同様に、RNAウイルス(例えば、ピコルナウイルス科(Picornaviridae)、カリシウイルス科(Calciviridae)、アストロウイルス科(Astroviridae)、トガウイルス科(Togaviridae)、フラビウイルス科(Flaviviridae)、コロナウイルス科(Coronaviridae)、パラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)、ラブドウイルス科(Rhabdoviridae)、フィロウイルス科(Filoviridae)、オルトミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)、ブニヤウイルス科(Bunyaviridae)、アレナウイルス科(Arenaviridae)、レオウイルス科(Reoviridae)のRNAウイルスファミリー)と並んで、DNAウイルス(ヘパドナウイルス科(Hepadnaviridae)、サーコウイルス科(Circoviridae)、パルボウイルス科(Parvoviridae)、パポバウイルス科(Papovaviridae)、アデノウイルス科(Adenoviridae)、ヘルペスウイルス科(Herpesviridae)、ポックスウイルス科(Poxyiridae)、及びイリドウイルス科(Iridoviridae)のウイルスファミリー)に由来するエンベロープをコードする遺伝子を利用することができる。代表的な例としては、FeLV、VEE、HFVW、WDSV、SFV、狂犬病、ALV、BIV、BLV、EBV、CAEV、SNV、ChTLV、STLV、MPMV、SMRV、RAV、FuSV、MH2、AEV、AMV、CT10、EIAV等が挙げられる。
幾つかの実施形態では、フソソーム上に表示するためのエンベロープタンパク質としては、限定されるものではないが、以下の供給源のいずれかが挙げられる:H1N1、H1N2、H3N2及びH5N1(鳥インフルエンザ)等のインフルエンザA、インフルエンザB、インフルエンザCウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型ウイルス、E型肝炎ウイルス、ロタウイルス、ノーウォークウイルス群の任意のウイルス、腸内アデノウイルス、パルボウイルス、デング熱ウイルス、サル痘、モノネガウイルス、狂犬病ウイルス等のリッサウイルス、ラゴスコウモリウイルス、モコラウイルス、デュベンヘイジウイルス、ヨーロッパコウモリウイルス1及び2、オーストラリアコウモリウイルス、エフェメロウイルス、ベシキュロウイルス、小胞性口内炎ウイルス(VSV)、単純ヘルペスウイルス1型及び2型等のヘルペスウイルス、バリセラ帯状疱疹、サイトメガロウイルス、エプスタインバーウイルス(EBV)、ヒトヘルペスウイルス(HHV)、ヒトヘルペスウイルス6型及び8型、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、パピローマウイルス、ネズミガンマヘルペスウイルス、アルゼンチン出血熱ウイルス等のアリーナウイルス、ボリビア出血熱ウイルス、サビア関連出血熱ウイルス、ベネズエラ出血熱ウイルス、ラッサ熱ウイルス、マチュポウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス等のブニヤウイルス科、ハンタウイルス、出血性腎症候群を引き起こすウイルス、リフトバレー熱ウイルス、エボラ出血熱及びマールブルグ出血熱を含むフィロウイルス科(フィロウイルス)、キャサヌール森林病ウイルスを含むフラビウイルス科、オムスク出血熱ウイルス、ダニ媒介性脳炎を引き起こすウイルス及びヘンドラウイルス及びニパウイルス等のパラミクソウイルス科、variola major及びvariola minor(天然痘)ベネズエラウマ脳炎ウイルス等のアルファウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、SARS関連コロナウイルス(SARS-CoV)、西ナイルウイルス、任意の脳炎を引き起こすウイルス。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のソース細胞は、VSV-G糖タンパク質でシュードタイプ化されたフソソーム、例えば、組換えレトロウイルス、例えば、レンチウイルスを産生する。
フソソーム又はシュードタイプ化されたウイルスは、一般に、そのエンベロープタンパク質の1つ以上に改変があり、例えば、エンベロープタンパク質は、別のウイルスからのエンベロープタンパク質で置換されている。例えば、HIVは、ラブドウイルスからの融合タンパク質、例えば、水疱性口内炎ウイルスGタンパク質(VSV-G)エンベロープタンパク質でシュードタイプ化することができ、HIVエンベロープタンパク質(env遺伝子によってコードされる)は通常、ウイルスをCD4+提示細胞に標的化するため、HIVはより広範囲の細胞に感染する。幾つかの実施形態では、レンチウイルスエンベロープタンパク質は、VSV-Gでシュードタイプ化される。一実施形態では、ソース細胞は、VSV-Gエンベロープ糖タンパク質でシュードタイプ化された組換えレトロウイルス、例えばレンチウイルスを産生する。
更に、フソゲン又はウイルスエンベロープタンパク質を、形質導入ベクターがその正常範囲外の宿主細胞を標的にして感染することを可能にする、又はより具体的には細胞又は組織型への形質導入を制限することを可能にするポリペプチド配列を含むように改変又は操作することができる。例えば、フソゲン又はエンベロープタンパク質は、受容体リガンド、抗体(抗体の抗原結合部分又は一本鎖抗体等の組換え抗体型分子を使用する)等の標的配列、及び形質導入ベクターコート上に表示されると、目的の標的細胞へのビリオン粒子の直接送達を容易にするポリペプチド部分又はその改変物(例えば、グリコシル化部位が標的配列に存在する場合)とインフレームで結合することができる。更に、エンベロープタンパク質は、細胞機能を調節する配列を更に含むことができる。形質導入ベクターで細胞機能を調節すると、混合細胞集団における特定の細胞型の形質導入効率が増加又は減少する可能性がある。例えば、幹細胞は、血液又は骨髄に見られる他の細胞型ではなく、幹細胞に特異的に結合するリガンド又は結合パートナーを含むエンベロープ配列でより特異的に形質導入することができる。非限定的な例は、幹細胞因子(SCF)及びFlt-3リガンドである。他の例としては、例えば、抗体(例えば、細胞型に特異的な一本鎖抗体)、及び肺癌、肝臓、膵臓、心臓、内皮、平滑、乳房、前立腺、上皮、血管の癌等の組織に結合する本質的に任意の抗原(受容体を含む)が挙げられる。
タンパク質フソゲン又はウイルスエンベロープタンパク質は、フソゲンタンパク質又はターゲッティングタンパク質(例えば、ヘマグルチニンタンパク質)のアミノ酸残基を変異させることによって再標的化され得る。幾つかの実施形態では、フソゲンはランダムに変異している。幾つかの実施形態では、フソゲンは合理的に変異している。幾つかの実施形態では、フソゲンは定向進化にさらされる。幾つかの実施形態では、フソゲンはトランケートされ、ペプチドのサブセットのみがレトロウイルスベクター又はVLPで使用される。例えば、麻疹ヘマグルチニンタンパク質のアミノ酸残基を変異させてタンパク質の結合特性を変化させ、融合をリダイレクトすることができる(doi:10.1038/nbt942,Molecular Therapy vol.16 no.8,1427-1436 Aug.2008,doi:10.1038/nbt1060,DOI:10.1128/JVI.76.7.3558-3563.2002,DOI:10.1128/JVI.75.17.8016-8020.2001,doi:10.1073pnas.0604993103)。
幾つかの実施形態では、タンパク質フソゲン又はウイルスエンベロープタンパク質は、i)天然のフソゲンタンパク質配列若しくはウイルスエンベロープタンパク質配列中のアミノ酸を変異させること、及び/又はii)フソゲン若しくはウイルスエンベロープタンパク質がその正常範囲外の宿主細胞を標的とし、融合若しくは感染することを可能にするポリペプチド配列を含むように、フソゲンタンパク質若しくはウイルスエンベロープタンパク質を操作することによって再標的化される。
幾つかの実施形態では、フソソームは、特定の細胞又は組織タイプを標的とするために、それらの外面上に(例えば、細胞膜に組み込まれた)1つ以上のフソゲンを含む。フソゲンには、タンパク質ベース、脂質ベース、及び化学ベースのフソゲンが含まれるが、これらに限定されない。フソゲンは、標的細胞の表面上のパートナーに結合する可能性がある。幾つかの実施形態では、フソゲンを含むフソソームは、膜を標的細胞の脂質二重層に統合するであろう。
幾つかの実施形態では、フソゲンは、パラミクソウイルスフソゲンである。幾つかの実施形態では、フソゲンは、ニパウイルスタンパク質F、麻疹ウイルスFタンパク質、ツパイアパラミクソウイルスFタンパク質、パラミクソウイルスFタンパク質、ヘンドラウイルスFタンパク質、ヘニパウイルスFタンパク質、モルビリウイルスFタンパク質、レスピロウイルスFタンパク質であり、センダイウイルスFタンパク質、ルブラウイルスFタンパク質、又はアブラウイルスFタンパク質である。
幾つかの実施形態では、フソゲンは、ポックスウイルス科のフソゲンである。
追加の例示的なフソゲンは、米国特許第9,695,446号、米国特許出願公開第2004/0028687号、米国特許第6,416,997号、米国特許第7,329,807号、米国特許出願公開第2017/0112773号、米国特許出願公開第2009/0202622号、国際公開第2006/027202号、及び米国特許出願公開第2004/0009604号に開示されており、これら全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のフソゲンは、表1のアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は該配列の一部、例えば100、200、300、400、500、又は600アミノ酸長に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。例えば、幾つかの実施形態では、本明細書に記載のフソゲンは、表1の任意のアミノ酸配列に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の核酸配列は、表1のアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は該配列の一部、例えば40、50、60、80、100、200、300、400、500、又は600アミノ酸長に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のフソゲンは、配列番号1~57のいずれか1つに示されるアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は該配列の一部、例えば100、200、300、400、500、又は600アミノ酸長に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。例えば、幾つかの実施形態では、本明細書に記載のフソゲンは、配列番号1~57のいずれか1つに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の核酸配列は、配列番号1~57のいずれか1つに示されるアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は該配列の一部、例えば40、50、60、80、100、200、300、400、500、又は600アミノ酸長に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のフソゲンは、表2のアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は該配列の一部、例えば100、200、300、400、500、又は600アミノ酸長に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。例えば、幾つかの実施形態では、本明細書に記載のフソゲンは、表2の任意のアミノ酸配列に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の核酸配列は、表2のアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は該配列の一部、例えば40、50、60、80、100、200、300、400、500、又は600アミノ酸長に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のフソゲンは、配列番号58~133のいずれか1つに示されるアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は該配列の一部、例えば100、200、300、400、500、又は600アミノ酸長に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。例えば、幾つかの実施形態では、本明細書に記載のフソゲンは、配列番号58~133のいずれか1つに示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の核酸配列は、配列番号58~133のいずれか1つに示されるアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列、又は該配列の一部、例えば40、50、60、80、100、200、300、400、500、又は600アミノ酸長に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする。
ii)脂質フソゲン
幾つかの実施形態では、フソソームは、飽和脂肪酸などの融合性脂質で処理され得る。幾つかの実施形態では、飽和脂肪酸は、10~14個の炭素を有する。幾つかの実施形態では、飽和脂肪酸は、より長鎖のカルボン酸を有する。幾つかの実施形態では、飽和脂肪酸はモノエステルである。
幾つかの実施形態では、フソソームを不飽和脂肪酸で処理することができる。幾つかの実施形態では、不飽和脂肪酸は、C16~C18の不飽和脂肪酸を有する。幾つかの実施形態では、不飽和脂肪酸には、オレイン酸、モノオレイン酸グリセロール、グリセリド、ジアシルグリセロール、修飾不飽和脂肪酸、及びそれらの任意の組み合わせが含まれる。
理論に拘束されることを望まないが、幾つかの実施形態では、負の湾曲脂質は膜融合を促進する。幾つかの態様では、フソソームは、膜中に、1つ以上の負の湾曲脂質、例えばソース細胞に対して外因性の負の湾曲脂質を含む。実施形態では、負の湾曲脂質又はその前駆体は、ソース細胞又はフソソームを含む培地に添加される。実施形態では、ソース細胞は、1つ以上の脂質合成遺伝子を発現又は過剰発現するように操作される。負の湾曲脂質は、例えば、ジアシルグリセロール(DAG)、コレステロール、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、又は脂肪酸(FA)であり得る。
理論に拘束されることを望まないが、幾つかの実施形態では、正の湾曲脂質は膜融合を阻害する。幾つかの実施形態では、フソソームは、膜において、1つ以上の正の湾曲脂質、例えば、外因性の正の湾曲脂質のレベルの低下を含む。実施形態では、レベルは、例えば、ソース細胞における脂質合成遺伝子のノックアウト又はノックダウンによって、脂質の合成を阻害することによって減少する。正の湾曲脂質は、例えば、リゾホスファチジルコリン(LPC)、ホスファチジルイノシトール(PtdIns)、リゾホスファチジン酸(LPA)、リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)、又はモノアシルグリセロール(MAG)であり得る。
iii)化学フソゲン
幾つかの実施形態では、フソソームは、融合性化学物質で処理され得る。幾つかの実施形態では、融合性化学物質は、ポリエチレングリコール(PEG)又はその誘導体である。
幾つかの実施形態では、化学フソゲンは、2つの膜の間に局所的な脱水を誘発し、それは、二重層の好ましくない分子パッキングにつながる。幾つかの実施形態では、化学フソゲンは、脂質二重層の近くの領域の脱水を誘発し、細胞間の水性分子の置換を引き起こし、2つの膜間の相互作用を可能にする。
幾つかの実施形態では、化学フソゲンは陽イオンである。陽イオンの幾つかの非限定的な例としては、Ca2+、Mg2+、Mn2+、Zn2+、La3+、Sr3+、及びH+が挙げられる。
幾つかの実施形態では、化学フソゲンは、表面極性を改変することによって標的膜に結合し、これは、水和依存性の膜間反発を変化させる。
幾つかの実施形態では、化学フソゲンは、可溶性で脂溶性である。幾つかの非限定的な例には、オレオイルグリセロール、ジオレオイルグリセロール、トリオレオイルグリセロール、並びにそれらのバリアント及び誘導体が含まれる。
幾つかの実施形態では、化学フソゲンは水溶性化学物質である。幾つかの非限定的な例には、ポリエチレングリコール、ジメチルスルホキシド、並びにそれらのバリアント及び誘導体が含まれる。
幾つかの実施形態では、化学フソゲンは小さな有機分子である。非限定的な例には、n-ヘキシルブロミドが含まれる。
幾つかの実施形態では、化学フソゲンは、フソゲン又は標的膜の構成、細胞生存率、又はイオン輸送特性を変化させない。
幾つかの実施形態では、化学フソゲンは、ホルモン又はビタミンである。幾つかの非限定的な例には、アブシジン酸、レチノール(ビタミンA1)、トコフェロール(ビタミンE)、並びにそれらのバリアント及び誘導体が含まれる。
幾つかの実施形態では、フソソームは、アクチン及び重合されたアクチンを安定化する薬剤を含む。理論に拘束されることを望まないが、フソソーム内の安定化されたアクチンは、標的細胞との融合を促進することができる。実施形態では、重合アクチンを安定化する薬剤は、アクチン、ミオシン、ビオチン-ストレプトアビジン、ATP、神経性ウィスコット-アルドリッチ症候群タンパク質(N-WASP)、又はフォルミンから選択される。例えば、Langmuir.2011 Aug 16;27(16):10061-71及びWen et al.,Nat Commun.2016 Aug 31;7を参照されたい。実施形態では、フソソームは、ソース細胞に対して外因性又は過剰発現されるアクチン、例えば野生型アクチン又は重合を促進する突然変異を含むアクチンを含む。実施形態では、フソソームは、ATP又はホスホクレアチン、例えば、外因性ATP又はホスホクレアチンを含む。
iv)小分子フソゲン
幾つかの実施形態では、フソソームは、融合性小分子で処理され得る。幾つかの非限定的な例としては、ハロタン、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、及びクロルプロマジン等の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)が挙げられる。
幾つかの実施形態では、小分子フソゲンは、ミセル様凝集体中に存在するか、又は凝集体を含まない場合がある。
v)フソゲン修飾
幾つかの実施形態では、フソゲンは、切断可能なタンパク質に連結される。幾つかの場合、切断可能なタンパク質は、プロテアーゼへの曝露によって切断され得る。操作された融合タンパク質は、膜貫通タンパク質の任意のドメインに結合し得る。操作された融合タンパク質は、膜間空間内に位置するタンパク質ドメインに、切断ペプチドによって連結され得る。切断ペプチドは、膜間プロテアーゼ(例えば、位置P1の非極性脂肪族アミノ酸(バリン、イソロイシン又はメチオニンが好ましい)、及びP2位及びP3位の親水性残基(アルギニンが好ましい)を必要とするHTRA2/OMI)の1つ又は組み合わせによって切断され得る。
幾つかの実施形態では、フソゲンは、親和性タグに連結されている。幾つかの実施形態では、親和性タグは、フソソームの分離及び単離を助ける。幾つかの実施形態では、親和性タグは切断可能である。幾つかの実施形態では、親和性タグは、フソゲンに非共有結合的に連結されている。幾つかの実施形態では、親和性タグは、フソソーム上に存在し、フソゲンとは別である。
幾つかの実施形態では、フソゲンタンパク質は、タンパク質分解配列、例えばミトコンドリア又はサイトゾル分解配列を含むように、当技術分野で公知の任意の方法又は本明細書に記載の任意の方法によって操作される。フソゲンは、タンパク質分解配列、例えば、カスパーゼ2タンパク質配列(例えば、Val-Asp-Val-Ala-Asp-|-(配列番号155))又は他のタンパク質分解配列(例えば、Gasteiger et al.,The Proteomics Protocols Handbook;2005:571-607を参照)、野生型タンパク質分解配列に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、95%以上の同一性を有する改変タンパク質分解配列、細胞質タンパク質分解配列(例えばユビキチン)、又は野生型タンパク質分解物に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、95%以上の同一性を有する改変細胞質タンパク質分解配列を含むように操作され得るが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、組成物は、タンパク質分解配列、例えば野生型タンパク質分解配列に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、95%以上の同一性、細胞質ゾルのタンパク質分解配列(例えばユビキチン)、又は野生型タンパク質分解配列に対して少なくとも75%、80%、85%、90%、95%以上の同一性を有する改変された細胞質ゾルのタンパク質分解配列で改変されたタンパク質を含むソース細胞又はコンドリソーム中のミトコンドリアを含む。
幾つかの実施形態では、フソゲンは、特定のタンパク質を認識するプロテアーゼドメイン、例えばプロテアーゼの過剰発現、例えばプロテアーゼ活性を有する操作された融合タンパク質で改変され得る。例えば、プロテアーゼ又はプロテアーゼ由来のプロテアーゼドメイン、例えばMMP、ミトコンドリアプロセシングペプチダーゼ、ミトコンドリア中間体ペプチダーゼ、内膜ペプチダーゼ。
Alfonzo,J.D.&Soll,D.Mitochondrial tRNA import-the challenge to understand has just begun.Biological Chemistry 390:717-722.2009;Langer,T.et al.Characterization of Peptides Released from Mitochondria.THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY.Vol.280,No.4.2691-2699,2005;Vliegh,P.et al.Synthetic therapeutic peptides:science and market.Drug Discovery Today.15(1/2).2010;Quiros P.M.m et al.,New roles for mitochondrial proteases in health,ageing and disease.Nature Reviews Molecular Cell Biology.V16,2015;Weber-Lotfi,F.et al.DNA import competence and mitochondrial genetics.Biopolymers and Cell.Vol.30.N 1.71-73,2014を参照。
III.正の標的細胞特異的調節エレメント
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のフソソーム、例えばウイルス、例えばレトロウイルスは、組織特異的プロモーター、組織特異的エンハンサー、組織特異的スプライス部位、RNA若しくはタンパク質の半減期を延長する組織特異的部位、組織特異的mRNA核外輸送促進部位、組織特異的翻訳増強部位、又は組織特異的翻訳後修飾部位などの、正の標的細胞特異的調節エレメントを含む核酸(例えば、外因性作用物質をコードする遺伝子)、例えばレトロウイルス核酸を含む。
幾つかの態様では、本明細書に記載のフソソーム、例えばウイルス、例えばレトロウイルスは、領域、例えば複製起点、選択カセット、プロモーター、エンハンサー、翻訳開始シグナル(シャインダルガノ配列又はコザック配列)、イントロン、ポリアデニル化配列、5’及び3’非翻訳領域などの非翻訳領域を含み得る核酸、例えばレトロウイルス核酸を含み、これらは宿主細胞タンパク質と相互作用して転写及び翻訳を行い、作動可能に連結されたポリヌクレオチドの転写又は発現を指示、増加、調節、又は制御することができる。かかるエレメントは、その強度及び特異性が異なる場合がある。利用されるベクターシステム及び宿主に応じて、ユビキタスプロモーター及び誘導性プロモーターを含む、任意の数の適切な転写及び翻訳エレメントを使用することができる。
特定の実施形態では、制御エレメントは、細胞特異的な方法で、作動可能に連結されたポリヌクレオチドの転写又は発現を指示、増加、調節、又は制御することができる。特定の実施形態では、核酸、例えばレトロウイルス核酸は、特定の細胞、細胞型、又は細胞系統、例えば標的細胞に特異的な1つ以上の発現制御配列を含み、すなわち、特定の細胞、細胞型、又は細胞系統に特異的な発現制御配列に作動可能に連結されたポリヌクレオチドの発現が、標的細胞では発現されるが、非標的細胞では発現されない(又はより低いレベルで発現される)。
特定の実施形態では、核酸、例えばレトロウイルス核酸は、プロモーター及び/又はエンハンサー等の外因性、内因性、又は異種の制御配列を含み得る。
実施形態では、プロモーターは、RNAポリメラーゼが結合する認識部位を含む。RNAポリメラーゼは、プロモーターに作動可能に連結されたポリヌクレオチドを開始及び転写する。特定の実施形態では、哺乳動物細胞において作動するプロモーターは、転写が開始される部位から約25~30塩基上流に位置するATリッチ領域及び/又は転写開始から70~80塩基上流に見出される別の配列、CNCAAT領域を含み、ここでNは任意のヌクレオチドであり得る。
実施形態では、エンハンサーは、増強された転写を提供することができ、場合によっては、別の制御配列に対する配向とは無関係に機能することができる配列を含むDNAのセグメントを含む。エンハンサーは、プロモーター及び/又は他のエンハンサーエレメントと協調的又は相加的に機能することができる。幾つかの実施形態では、DNAのプロモーター/エンハンサーセグメントは、プロモーター及びエンハンサー機能の両方を提供することができる配列を含む。
例示的なユビキタス発現制御配列としては、サイトメガロウイルス(CMV)即時初期プロモーター、ウイルスシミアンウイルス40(SV40)(例えば、初期又は後期)、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)LTRプロモーター、ラウス肉腫ウイルス(RSV)LTR、単純ヘルペスウイルス(HSV)(チミジンキナーゼ)プロモーター、ワクシニアウイルス由来のH5、P7.5、及びP11プロモーター、伸長因子1-アルファ(EF1a)プロモーター、初期増殖応答1(EGR1)、フェリチンH(FerH)、フェリチンL(FerL)、グリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)、真核生物翻訳開始因子4A1(EIF4A1)、熱ショック70kDaタンパク質5(HSPA5)、熱ショックタンパク質90kDaベータ、メンバー1(HSP90B1)、熱ショックタンパク質70kDa(HSP70)、β-キネシン(β-KIN)、ヒトROSA 26遺伝子座(Orions et al.,Nature Biotechnology 25,1477-1482(2007))、ユビキチンCプロモーター(UBC)、ホスホグリセリン酸キナーゼ-1(PGK)プロモーター、サイトメガロウイルスエンハンサー/ニワトリβ-アクチン(CAG)プロモーター、β-アクチンプロモーター及び骨髄増殖肉腫ウイルスエンハンサー、陰性対照領域欠失、d1587revプライマー結合部位置換(MND)プロモーター(Challita et al.,J Virol.69(2):748-55(1995))が挙げられる。
幾つかの実施形態では、プロモーターは、異種遺伝子と対にされて、異種遺伝子に対するそのプロモーターの調節機能を付与し得る。幾つかの実施形態では、第1の遺伝子のプロモーターからのシス調節エレメントは、異なる遺伝子のプロモーターのセグメントに連結されて、両方のプロモーターの特性を有するキメラプロモーターを作製し得る。
幾つかの態様では、プロモーターは、組織特異的プロモーター、例えばCNS細胞、例えば汎ニューロン細胞、GABA作動性ニューロン、グルタミン酸作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、星状膠細胞、ミクログリア、乏突起膠細胞、又は脈絡叢細胞における発現を駆動するプロモーターである。様々な適切なCNS細胞特異的プロモーターを以下の表3 に記載する。幾つかの実施形態では、本明細書に記載のフソソーム(例えば、ウイルスベクター)は、その核酸中に、表3のプロモーターの配列を有するプロモーター、又はその転写活性フラグメント、又はそれに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するバリアントを含む。幾つかの実施形態では、本明細書に記載のフソソーム(例えば、ウイルスベクター)は、その核酸中に、表3に列挙される遺伝子の転写開始部位の3kb以内の領域に由来する転写因子結合部位を有するプロモーターを含む。幾つかの実施形態では、本明細書に記載のフソソーム(例えば、ウイルスベクター)は、その核酸中に、表3に列挙される遺伝子の転写開始部位のすぐ上流の2.5kb、2kb、1.5kb、1kb、又は0.5kb以内の領域、又はその転写活性フラグメント、又はそれに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するバリアントを含む。
幾つかの実施形態では、CNS細胞特異的プロモーターは、Hioki et al.,Ther.2007 Jun;14(11):872-82(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載され、例えば、CNS細胞特異的プロモーターは、SYN、NSE、CaMKII、チューブリン又はPDGFプロモーターである。幾つかの態様では、CNS細胞特異的プロモーターは、Nathanson et al.,Front.Neural Circuits,2009,3:19.doi:10.3389/neuro.04.019.2009(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるプロモーターであり、例えば、CNS細胞特異的プロモーターは、fSST又はfNPYプロモーターである。幾つかの態様では、CNS細胞特異的プロモーターは、Delzor et al.,Hum Gene Ther Methods.2012 Aug;23(4):242-54(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるプロモーターであり、例えば、CNS細胞特異的プロモーターはGAD67又はDLX5/6プロモーターである。幾つかの態様では、CNS細胞特異的プロモーターは、Egashira et al.,Sci Rep.2018 Oct 11;8(1):15156(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるプロモーターであり、例えば、CNS細胞特異的プロモーターは、VGLUT1又はDock10プロモーターである。幾つかの実施形態では、CNS細胞特異的プロモーターは、Naciff et al.,J.Neurochem.,1999 Jan;72(1):17-28(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるプロモーターであり、例えば、CNS細胞特異的プロモーターはChATプロモーターである。幾つかの態様では、CNS細胞特異的プロモーターはVAChTプロモーターである。幾つかの態様では、CNS細胞特異的プロモーターは、Delzor et al.,Hum Gene Ther Methods.2012 Aug;23(4):242-254(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるプロモーターであり、例えば、CNS細胞特異的プロモーターはDrd1aプロモーターである。幾つかの実施形態では、CNS細胞特異的プロモーターは、Benzekhroufa et al.,Gene Ther.2009 May;16(5):681-8(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるプロモーターであり、例えば、CNS細胞特異的プロモーターはTPH-2プロモーターである。一部の実施形態では、該CNS細胞特異的プロモーターは、Merienne et al.,Gene Ther.2015 Oct;22(10):830-9(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるプロモーターであり、例えば、CNS細胞特異的プロモーターは、GFAP、EAAT1、又はGSプロモーターである。幾つかの態様では、CNS細胞特異的プロモーターは、Immgen consortium(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるプロモーターであり、例えばCNS細胞特異的プロモーターはCX3CR1プロモーターである。幾つかの実施形態では、CNS細胞特異的プロモーターはTMEM119プロモーターである。幾つかの態様では、CNS細胞特異的プロモーターは、McIver et al.,J Neurosci Res.2005 Nov 1;82(3):397-403(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるプロモーターであり、例えば、CNS細胞特異的プロモーターはMBPプロモーターである。一部の実施形態では、該CNS細胞特異的プロモーターは、Kagiava et al.,J Gene Med.2014 Nov-Dec;16(11-12):364-73(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるプロモーターであり、例えば、CNS細胞特異的プロモーターはMBP又はCNPプロモーターである。幾つかの態様では、CNS細胞特異的プロモーターは、Regev et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.2010 Mar 2;107(9):4424-9(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるプロモーターであり、例えば、CNS細胞特異的プロモーターはCRFR2βプロモーターである。幾つかの態様では、CNS細胞特異的プロモーターは、前述のいずれかの転写活性断片である。幾つかの態様では、CNS細胞特異的プロモーターは、前述のいずれかと少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するバリアントである。
内部リボソーム侵入部位(IRES)は通常、シストロン(タンパク質をコードする領域)の開始コドン(ATG等)への直接の内部リボソーム侵入を促進し、それによって遺伝子のキャップに依存しない翻訳をもたらす。例えば、Jackson et al,(1990)Trends Biochem Sci 15(12):477-83)、及びJackson and Kaminski.(1995)RNA 1(10):985-1000を参照。特定の実施形態では、ベクターは、1つ以上の外因性作用物質をコードする1つ以上の外因性遺伝子を含む。特定の実施形態では、複数の外因性タンパク質作用物質のそれぞれの効率的な翻訳を達成するために、ポリヌクレオチド配列は、1つ以上のIRES配列又は自己切断ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列によって分離され得る。
本明細書において、核酸、例えばレトロウイルス核酸はまた、1つ以上のコザック配列、例えば、リボソームの小サブユニットへのmRNAの最初の結合を容易にし、翻訳を増加させる短いヌクレオチド配列を含み得る。コンセンサスコザック配列は(GCC)RCCATGGであり、Rはプリン(A又はG)である(Kozak,(1986)Cell.44(2):283-92、及びKozak,(1987)Nucleic Acids Res.15(20):8125-48)。
異種転写因子及びインデューサーに応答するプロモーター
幾つかの実施形態では、核酸、レトロウイルス核酸は、外因性作用物質の条件付き発現、例えば、誘導性発現、抑制可能な発現、細胞型特異的発現、又は組織特異的発現を含むがこれに限定されない任意のタイプの条件付き発現を可能にするエレメントを含む。幾つかの実施形態では、外因性作用物質の条件付き発現を達成するために、細胞、組織、又は生物を、外因性作用物質を発現させる、又は外因性作用物質の発現の増加若しくは減少を引き起こす処理又は条件に供することによって発現を制御する。
誘導性プロモーター/システムの実例としては、限定されるものではないが、グルココルチコイド又はエストロゲン受容体をコードする遺伝子のプロモーター(対応するホルモンを用いる処理によって誘導可能)等のステロイド誘導性プロモーター、メタロチオニンプロモーター(様々な重金属を用いる処理によって誘導可能)、MX-1プロモーター(インターフェロンによって誘導可能)、「GeneSwitch」ミフェプリストン調節可能システム(Sirin et al.,2003,Gene,323:67)、クメート誘導性遺伝子スイッチ(国際公開第2002/088346号公報)、テトラサイクリン依存性調節システム等が挙げられる。
導入遺伝子の発現は、インデューサー分子の存在又は不在によって活性化又は抑制され得る。場合によっては、インデューサー分子は段階的に遺伝子発現を活性化又は抑制し、場合によっては、インデューサー分子は全か無か(all-or-nothing)の方法で遺伝子発現を活性化又は抑制する。
一般的に使用される誘導性プロモーター/システムはテトラサイクリン(Tet)調節システムである。Tetシステムは、それぞれの標的細胞における2つの要素の共発現に基づいている:(i)最小プロモーターに融合され、目的の遺伝子に接続されたTetオペレーター配列(TetO)の繰り返しを含むテトラサイクリン応答エレメント(例えば、外因性作用物質をコードする遺伝子)及び(ii)転写トランスアクチベーター(tTA)、Tetリプレッサー(TetR)の融合タンパク質、及び単純ヘルペスウイルス由来VP16タンパク質のトランス活性化ドメイン。最初に記載されたバージョンでは、導入遺伝子の発現はテトラサイクリン又はその強力な類縁体であるドキシサイクリン(Do)の不在下で活性であったが(Tet-OFFシステムと呼ばれる)、トランスアクチベータータンパク質内の4つのアミノ酸の改変は、Dox(Tet-ONシステム)の存在下でのみTetOに結合する逆tTA(rtTA)をもたらした。幾つかの実施形態では、トランス活性化因子において、VP16ドメインは最小の活性化ドメインによって置き換えられ、潜在的なスプライスドナー及びスプライスアクセプター部位が除去され、タンパク質はコドン最適化されており、Doxに対して感受性が高く、ベースライン活性が低下している、改善されたトランス活性化因子バリアントrtTA2S-M2をもたらした。更に、調節を強化するために隣接するオペレーターから36ヌクレオチド間隔でTetOを改変することを含む、様々なTet応答性プロモーターエレメントが生成されている。追加の改変は、基礎活性を更に低下させ、発現ダイナミックレンジを増加させるのに役立つ場合がある。例として、pTet-T11(略称:TII)バリアントは、高いダイナミックレンジと低いバックグラウンド活性を示す。
条件付き発現は、部位特異的DNAリコンビナーゼを使用することによっても達成できる。特定の実施形態によれば、核酸、例えばレトロウイルス核酸は、部位特異的リコンビナーゼ、例えば、野生型タンパク質である可能性のある1つ以上の組換え部位(例えば、2、3、4、5、7、10、12、15、20、30、50等)(Landy,Current Opinion in Biotechnology 3:699-707(1993)を参照)、又は変異体、誘導体(例えば、組換えタンパク質配列又はそのフラグメントを含む融合タンパク質)、フラグメント、及びそれらのバリアントを含む、組換え反応に関与する切除又は統合タンパク質、酵素、補因子又は関連タンパク質によって媒介される組換えのための少なくとも1つ(典型的には2つ)の部位(複数可)を含む。リコンビナーゼの実例としては、限定されるものではないが、Cre、Int、IHF、Xis、Flp、Fis、Hin、Gin、ΦC31、Cin、Tn3リゾルバーゼ、TndX、XerC、XerD、TnpX、Hjc、Gin、SpCCE1及びParAが挙げられる。
外因性作用物質の発現を調節するリボスイッチ
本明細書で提供される組成物及び方法の幾つかは、1つ以上のリボスイッチ、又は1つ以上のリボスイッチを含むポリヌクレオチドを含む。リボスイッチは、遺伝子発現を調節する細菌の一般的な機能であり、生物学的機能のRNA制御を実現する手段である。リボスイッチは、mRNAの5’非翻訳領域に存在する可能性があり、リボスイッチ活性を誘導又は抑制する小分子リガンドの結合を通じて遺伝子発現の調節制御を可能にすることができる。幾つかの実施形態では、リボスイッチは、小分子リガンドの生成に関与する遺伝子産物を制御する。リボスイッチは通常、シス方式で動作するが、トランス方式で動作するリボスイッチが特定されている。天然のリボスイッチは、3次元の折りたたまれたRNA構造を介してリガンドに結合するアプタマードメイン、及びリガンドの有無に基づいてリボスイッチの活性を誘導又は抑制する機能スイッチングドメインである、2つのドメインで構成されている。したがって、リボスイッチによって達成される2つのリガンド感受性コンフォメーションがあり、オン状態とオフ状態を表す(Garst et al.,2011)。機能スイッチングドメインは、内部リボソーム侵入部位、レトロウイルス遺伝子コンストラクトにおけるプレmRNAスプライスドナーのアクセシビリティ、翻訳、転写の終了、転写産物分解、miRNA発現、又はshRNA発現を調節することによってポリヌクレオチドの発現に影響を与える可能性がある(Dambach and Winkler 2009)。アプタマー及び機能スイッチングドメインをモジュラーコンポーネントとして使用でき、合成RNAデバイスが、ネイティブアプタマー、変異/進化したネイティブアプタマー、又はランダムRNAライブラリのスクリーニングから特定される完全合成アプタマーとして遺伝子発現を制御できるようにする(McKeague et al 2016)。
プリンリボスイッチファミリーは、500を超える配列が見つかった最大のファミリーの1つである(Mandal et al 2003;米国特許出願公開第20080269258号;及び国際公開第2006055351号公報)。プリンリボスイッチは、3つの保存されたらせん構造/ステム構造(PI、P2、P3)と介在するループ/接合エレメント(Jl-2、L2、J2-3、L3、J3-1)からなる同様の構造を共有している。リボスイッチのプリンファミリーのアプタマードメインは、配列の変化により、アデニン、グアニン、アデノシン、グアノシン、デオキシアデノシン、デオキシグアノシン等の様々なプリン化合物による親和性/調節が自然に変化する(Kim et al.2007)。
幾つかの実施形態では、核酸、例えば本明細書に記載のレトロウイルス核酸は、プロモーター及びリボスイッチに作動可能に連結された外因性作用物質をコードするポリヌクレオチドを含む。リボスイッチは、1つ以上、例えば、以下の全てを含む:a.)アプタマードメイン、例えば、ヌクレオシド類縁体抗ウイルス薬に結合することができ、ヌクレオシド類縁体抗ウイルス薬と比較してグアニン又は2’-デオキシグアノシンへの結合が減少しているアプタマードメイン;b.)機能スイッチングドメイン、例えば、外因性作用物質の発現を調節することができる機能スイッチングドメインであって、アプタマードメインによるヌクレオシド類似体の結合が、機能スイッチングドメインの発現調節活性を誘導又は抑制し、それによって外因性作用物質の発現を調節する。幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、ポリペプチド、miRNA、又はshRNAであり得る。例えば、一実施形態では、リボスイッチは、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸に作動可能に連結されている。本明細書で提供される非限定的な実例では、外因性遺伝子は、1つ以上の操作されたシグナル伝達ポリペプチドをコードする。例えば、リボスイッチ及び1つ以上の操作されたシグナル伝達ポリヌクレオチドをコードする標的ポリヌクレオチドは、ソース細胞のゲノム、複製能力のない組換えレトロウイルス粒子、T細胞及び/又はNK細胞に見出すことができる。
アプタマードメインは、例えば、モジュラーコンポーネントとして使用でき、RNA転写産物に影響を与えるために機能スイッチングドメインのいずれかと組み合わせることができる。本明細書に開示される実施形態のいずれにおいても、リボスイッチは、以下の活性のいずれかを調節することによってRNA転写産物に影響を及ぼし得る:内部リボソーム侵入部位(IRES)、プレmRNAスプライスドナーのアクセシビリティ、翻訳、転写の終結、転写産物分解、miRNA発現、又はshRNA発現。幾つかの実施形態では、機能スイッチングドメインは、抗IRESのIRESへの結合を制御することができる(例えば、Ogawa,RNA(2011),17:478-488を参照、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、小分子リガンドの存在又は不在が、RNA転写産物にリボスイッチが影響を与える可能性をもたらす。幾つかの実施形態では、リボスイッチは、リボザイムを含み得る。リボザイムを有するリボスイッチは、小分子リガンドの存在下で標的ポリヌクレオチドの転写産物分解を阻害又は増強することができる。幾つかの実施形態では、リボザイムは、リボザイムのピストルクラス、リボザイムのハンマーヘッドクラス、リボザイムのツイストクラス、リボザイムのハチェットクラス、又はHDV(デルタ肝炎ウイルス)であり得る。
IV.非標的細胞特異的調節エレメント
幾つかの実施形態では、非標的細胞特異的調節エレメント又は負のTCSREは、組織特異的miRNA認識配列、組織特異的プロテアーゼ認識部位、組織特異的ユビキチンリガーゼ部位、組織特異的転写抑制部位、又は組織特異的エピジェネティック抑制部位を含む。
幾つかの実施形態では、非標的細胞は、内因性miRNAを含む。幾つかの実施形態では、本明細書中に記載されるフソソーム、例えばウイルス、例えばレトロウイルスは、そのmiRNAに対する認識配列を含み得る核酸、例えばレトロウイルス核酸(例えば、外因性作用物質をコードする遺伝子)を含む。したがって、核酸、レトロウイルスの核酸が非標的細胞に入ると、miRNAは外因性作用物質の発現をダウンレギュレートする可能性がある。これは、標的細胞と非標的細胞の特異性を高めるのに役立つ。
幾つかの実施形態では、miRNAは、20~22ヌクレオチドの小さな非コードRNAであり、典型的には、プレmiRNAとして知られる約70ヌクレオチドのフォールドバックRNA前駆体構造から切り出される。一般に、miRNAは、miRNAと標的の間の相補性の程度に応じて、2つの方法のいずれかでターゲットを負に調節する。まず、タンパク質をコードするmRNA配列に完全又はほぼ完全な相補性で結合するmiRNAは、通常、RNAを介した干渉(RNAi)経路を誘導する。mRNA標的の3’非翻訳領域(UTR)内の不完全な相補部位に結合することによって調節効果を発揮するmiRNAは、通常、RNAi経路に使用されるものに類似するか又はおそらく同じRISC複合体を介して、転写後、明らかに翻訳レベルで標的遺伝子の発現を抑制する。翻訳制御と一致して、このメカニズムを使用するmiRNAは、標的遺伝子のタンパク質レベルを低下させるが、これらの遺伝子のmRNAレベルは最小限の影響しか受けない。miRNA(例えば、天然に存在するmiRNA又は人工的に設計されたmiRNA)は、任意のmRNA配列を特異的に標的にすることができる。例えば、一実施形態では、当業者は、ヒトmiRNA(例えば、miR-30又はmiR-21)一次転写産物として発現される短いヘアピンRNAコンストラクトを設計することができる。この設計は、ヘアピン構造にDroshaプロセシング部位を追加し、ノックダウン効率を大幅に向上させることが示されている(Pusch et al.,2004)。ヘアピンステムは、22ntのdsRNA(例えば、アンチセンスは目的の標的に対して完全な相補性を持つ)とヒトmiRに由来する15~19ntのループで構成されている。ヘアピンの片側又は両側にmiRループ及びmiR30隣接配列を追加すると、マイクロRNAを使用しない従来のshRNAデザインと比較して、発現したヘアピンのDrosha及びDicerプロセッシングが10倍超増加する。Drosha及びDicerプロセッシングが増えると、siRNA/miRNAの生成が増え、発現したヘアピンの効力が高まる。
何百もの異なるmiRNA遺伝子が、発生の間及び組織タイプ間で差次的に発現している。幾つかの研究は、発生のタイミング、細胞分化、増殖、アポトーシス、発癌、インスリン分泌、及びコレステロール生合成等、幅広い生物学的プロセスにおけるmiRNAの重要な調節的役割を示唆している。(Bartel 2004 Cell 116:281-97;Ambros 2004 Nature 431:350-55;Du et al.2005 Development 132:4645-52;Chen 2005 N.Engl.J.Med.353:1768-71;Krutzfeldt et al.2005 Nature 438:685-89を参照)。分子分析は、miRNAが異なる組織で異なる発現プロファイルを持っていることを示している。算出手法を使用して、約7,000の予測されるヒトmiRNA標的の発現を分析した。データは、miRNAの発現が多くのヒト組織におけるmRNA発現の組織特異性に広く寄与することを示唆している。(Sood et al.2006 PNAS USA 103(8):2746-51を参照)
したがって、miRNAベースのアプローチは、内因性マイクロRNA種を使用して非標的細胞型での外因性作用物質の発現をサイレンシングすることにより、外因性作用物質の発現を標的細胞集団に制限するために使用できる。マイクロRNAは、メッセンジャーRNA(mRNA)の翻訳を阻害するか、mRNAの分解を引き起こすことにより、多くの生物で配列特異的な転写後遺伝子サイレンシングを誘導する。例えば、Brown et al.2006 Nature Med.12(5):585-91.、及び国際公開第2007/000668号公報を参照、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。幾つかの実施形態では、核酸、例えばレトロウイルス核酸は、1つ以上(例えば、複数)の組織特異的なmiRNA認識配列を含む。幾つかの実施形態では、組織特異的miRNA認識配列は、長さが約20~25、21~24、又は23ヌクレオチドである。実施形態では、組織特異的miRNA認識配列は、非標的細胞に存在するmiRNAに対して完全な相補性を有する。幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、GFPを含まず、例えば、蛍光タンパク質を含まず、例えば、レポータータンパク質を含まない。幾つかの実施形態では、オフターゲット細胞は造血細胞ではなく、及び/又はmiRNAは造血細胞には存在しない。
幾つかの実施形態では、本明細書において方法は、標的細胞における外因性作用物質の組織特異的発現を含み、外因性作用物質をコードするヌクレオチドを及び少なくとも1つの組織特異的マイクロRNA(miRNA)を含む複数のフソソーム、例えばウイルス、例えばレトロウイルスベクターを、標的細胞及び非標的細胞を含む複数の細胞と接触させることを含み、外因性作用物質は、標的細胞に対して優先的に、例えば限定されて発現される。
例えば、核酸、例えば、レトロウイルス核酸は、非標的細胞、例えば、造血始原細胞(HSPC)、造血幹細胞(HSC)において、対応するmiRNAを有するヌクレオチド配列に作動可能に連結された少なくとも1つのmiRNA認識配列を含み得て、これは、非標的細胞ではヌクレオチド配列の発現を防止又は低減するが、標的細胞、例えば分化細胞では発現を防止又は低減しない。幾つかの実施形態では、核酸、例えばレトロウイルス核酸は、非標的細胞において有効量で存在する(例えば、内因性miRNAの濃度が導入遺伝子の発現を低減又は防止するのに十分である)miRNAに対する少なくとも1つのmiRNA配列標的を含み、また導入遺伝子を含む。実施形態では、このシステムで使用されるmiRNAは、HSPC及びHSC等の非標的細胞で強く発現されるが、例えば骨髄及びリンパ系統の分化した子孫では発現されず、標的細胞での発現と治療効果を維持しながら、感受性幹細胞集団における導入遺伝子の発現を防止又は低減する。
幾つかの実施形態では、負のTSCRE又はNTSCREは、miRNA認識部位を含む。例示的なmiRNAを表4に提供する。幾つかの実施形態では、核酸(例えば、フソソーム核酸又はレトロウイルス核酸)は、表4のmiRNAに相補的であるか、又はそれに対して少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の相補性を有する配列を含む。幾つかの実施形態では、核酸(例えば、フソソーム核酸又はレトロウイルス核酸)は、内因性miRNA、例えば、表4のmiRNA内のシード配列に完全に相補的である配列を含む。幾つかの実施形態では、miRNAは、配列番号156~162のいずれか1つに記載の配列を含む。実施形態では、シード配列は、少なくとも6、7、8、9、又は10ヌクレオチド長である。
幾つかの実施形態では、負のTSCRE又はNTSCREは、本明細書に記載のmiRNAに対するmiRNA認識部位を含む。例示的なmiRNAとしては、Butovsky et al.,Nat Neurosci.2014 Jan;17(1):131-43(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に見られるもの、例えば、miR-338-3p、miR-9、miR-125b-5p、又はmiR-342-3pなどが挙げられる。更なる例示的なmiRNAは、Delzor et al.,Curr.Drug Targets,2013 Oct;14(11):1336-46(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)において、例えば、miR-124が見出される。
幾つかの実施形態では、本明細書中に記載されるフソソームは、ペイロード遺伝子及び正の標的細胞特異的調節エレメントを含む核酸を含み、例えば、標的細胞は、ニューロン、例えば、汎ニューロン細胞、GABA作動性ニューロン、グルタミン酸作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン又はセロトニン作動性ニューロンである。幾つかの態様では、核酸は、非標的細胞特異的調節エレメント(NTCSRE)を更に含み、例えば、NTSCREは、グリア細胞(例えば、星状膠細胞、ミクログリア細胞又は乏突起膠細胞)において発現されるmiRNAに対するmiRNA認識部位を含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるフソソームは、ペイロード遺伝子及び 正の標的細胞特異的調節エレメントを含む核酸を含み、例えば標的細胞はグリア細胞、例えば星状膠細胞、ミクログリア細胞又は乏突起膠細胞である。幾つかの態様では、核酸は、非標的細胞特異的調節エレメント(NTCSRE)を更に含み、例えば、NTSCREは、ニューロン、例えば、汎ニューロン細胞、GABA作動性ニューロン、グルタミン酸作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン又はセロトニン作動性ニューロンにおいて発現されるmiRNAに対するmiRNA認識部位を含む。
幾つかの実施形態では、負のTSCRE又はNTSCREは、本明細書に記載のmiRNAに対するmiRNA認識部位を含む。例示的なmiRNAとしては、Griffiths-Jones et al.Nucleic Acids Res.2006 Jan 1,34;Chen and Lodish,Semin Immunol.2005 Apr;17(2):155-65;Chen et al.Science.2004 Jan 2;303(5654):83-6;Barad et al.Genome Res.2004 Dec;14(12):2486-2494;Krichevsky et al.,RNA.2003 Oct;9(10):1274-81;Kasashima et al.Biochem Biophys Res Commun.2004 Sep 17;322(2):403-10;Houbaviy et al.,Dev Cell.2003 Aug;5(2):351-8;Lagos-Quintana et al.,Curr Biol.2002 Apr 30;12(9):735-9;Calin et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.2004 Mar 2;101(9):2999-3004;Sempere et al.Genome Biol.2004;5(3):R13;Metzler et al.,Genes Chromosomes Cancer.2004 Feb;39(2):167-9;Calin et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.2002 Nov 26;99(24):15524-9;Mansfield et al.Nat Genet.2004 Oct;36(10):1079-83;Michael et al.Mol Cancer Res.2003 Oct;1(12):882-91;及びwww.miRNA.orgに見られるものが挙げられる。2004 Oct;36(10):1079-83;Michael et al.Mol Cancer Res.2003 Oct;1(12):882-91;and at www.miRNA.org.に見られるものが挙げられる。
幾つかの実施形態では、負のTSCRE又はNTSCREは、miR-1b、miR-189b、miR-93、miR-125b、miR-130、miR-32、miR-128、miR-22、miR124a、miR-296、miR-143、miR-15、miR-141、miR-143、miR-16、miR-127、miR99a、miR-183、miR-19b、miR-92、miR-9、miR-130b、miR-21、miR-30b、miR-16、miR-99a、miR-212、miR-30c、miR-213、miR-20、miR-155、miR-152、miR-139、miR-30b、miR-7、miR-30c、miR-18、miR-137、miR-219、miR-1d、miR-178、miR-24、miR-122a、miR-215、miR-124a、miR-190、miR-149、miR-193、let-7a、miR-132、miR-27a、miR-9*、miR-200b、miR-266、miR-153、miR-135、miR-206、miR-24、miR-19a、miR-199、miR-26a、miR-194、miR-125a、miR-15a、miR-145、miR-133、miR-96、miR-131、miR-124b、miR-151、miR-7b、miR-103、及びmiR-208から選択されるmiRNAに対するmiRNA認識部位を含む。
幾つかの実施形態では、核酸(例えば、レトロウイルス核酸)は、2つ以上のmiRNA認識部位を含む。幾つかの実施形態では、第1のmiRNA認識部位及び第2のmiRNA認識部位は、同じmiRNAによって認識され、幾つかの実施形態では、第1のmiRNA認識部位及び第2のmiRNA認識部位は、異なるmiRNAによって認識される。幾つかの実施形態では、第1のmiRNA認識部位及び第2のmiRNA認識部位は、同じ非標的細胞に存在するmiRNAによって認識され、幾つかの実施形態では、第1のmiRNA認識部位及び第2のmiRNA認識部位は、異なる非標的細胞に存在するmiRNAによって認識される。幾つかの実施形態では、第1のmiRNA認識部位及び第2のmiRNA認識部位のうちの一方又は両方は、表4のmiRNAによって認識される。幾つかの実施形態では、フソソーム核酸(例えば、レトロウイルス核酸)上の1つ以上のmiRNA認識部位は、外因性作用物質と共にシスで転写される。幾つかの実施形態では、フソソーム核酸(例えば、レトロウイルス核酸)上の1つ以上のmiRNA認識部位は、ポリAテール配列の下流、例えば、ポリAテール配列とWPREとの間に位置する。幾つかの実施形態では、フソソーム核酸(例えば、レトロウイルス核酸)上の1つ以上のmiRNA認識部位は、WPREの下流に位置する。
V.免疫調節
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のフソソーム、例えばレトロウイルスベクター又はVLPは、CD47の上昇を含む。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第9,050,269号を参照。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるフソソーム、例えばレトロウイルスベクター又はVLPは、補体調節タンパク質の上昇を含む。例えば、スペイン国特許第2627445号T3及び米国特許第6790641号を参照、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。幾つかの実施形態では、本明細書に記載のフソソーム、例えばレトロウイルスベクター又はVLPは、MHCタンパク質、例えば、MHC-1クラス1又はクラスIIを欠くか、又はレベルの低下を含む。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20170165348号を参照。
フソソーム、例えばレトロウイルスベクター又はVLPが被験体の免疫系によって認識されることがある。エンベロープウイルスベクター粒子(例えば、レトロウイルスベクター粒子)の場合、ウイルスエンベロープの表面に提示される膜結合タンパク質が認識され得て、ウイルス粒子自体が中和され得る。更に、標的細胞に感染すると、ウイルスエンベロープは細胞膜と統合され、その結果、ウイルスエンベロープタンパク質が細胞の表面に提示されるか、又は細胞の表面と密接に会合したままになる可能性がある。したがって、免疫系は、ウイルスベクター粒子が感染した細胞も標的にする可能性がある。両方の効果は、ウイルスベクターによる外因性作用物質送達の有効性の低下につながる可能性がある。
ウイルス粒子エンベロープは通常、ソース細胞の膜に由来する。したがって、そこからウイルス粒子が出芽する細胞膜に発現される膜タンパク質は、ウイルスエンベロープに組み込まれる可能性がある。
免疫調節タンパク質CD47
細胞外物質の細胞への内在化は、一般にエンドサイトーシスと呼ばれるプロセスによって実行される(Rabinovitch,1995,Trends Cell Biol.5(3):85-7;Silverstein,1995,Trends Cell Biol.5(3):141-2;Swanson et al.,1995,Trends Cell Biol.5(3):89-93;Allen et al.,1996,J.Exp.Med.184(2):627-37)。エンドサイトーシスは、粒子の取り込みを伴う食作用と、体液及び溶質の取り込みを伴う飲作用の2つの一般的なカテゴリーに分類される。
膜受容体CD47を欠くノックアウトマウスを用いた研究に基づいて、プロフェッショナル食細胞は非自己及び自己と区別することが示されている(Oldenborg et al.,2000,Science 288(5473):2051-4)。CD47は、マクロファージに見られる免疫抑制性受容体SIRPアルファ(シグナル調節タンパク質)と相互作用するIgスーパーファミリーのユビキタスなメンバーである(Fujioka et al.,1996,Mol.Cell.Biol.16(12):6887-99;Veillette et al.,1998,J.Biol.Chem.273(35):22719-28;Jiang et al.,1999,J.Biol.Chem.274(2):559-62)。CD47-SIRPα相互作用はマウスの自己マクロファージを不活化するように見えるが、CD47の重度の減少(おそらく90%)は、貧血の証拠をほとんど又は全く示さない幾つかのRh遺伝子型に由来するヒト血液細胞で見られ(Mouro-Chanteloup et al.,2003,Blood 101(1):338-344)、食作用性単球との細胞相互作用の増強の証拠もほとんど又は全くない(Arndt et al.,2004,Br.J.Haematol.125(3):412-4)。
幾つかの実施形態では、フソソーム、例えばレトロウイルスベクター又はVLP(例えば、半径が約1μm、約400nm、又は約150nm未満のウイルス粒子は、例えば、フソソーム、例えばレトロウイルスベクター又はVLPの露出表面上に、CD47の少なくとも生物学的に活性な部分を含む。幾つかの態様では、フソソーム、例えばレトロウイルスベクター(例えば、レンチウイルス)又はVLPは脂質コートを含む。実施形態では、フソソーム、例えばレトロウイルスベクター又はVLPにおいて生物学的に活性なCD47の量は、約20~250、20~50、50~100、100~150、150~200、又は200~250分子/μm2である。幾つかの実施形態では、CD47はヒトCD47である。
本明細書に記載の方法は、食細胞による粒子の食作用を回避することを含めることができる。該方法は、CD47を含むフソソーム、例えばレトロウイルスベクター又はVLPが食細胞に曝露され、フソソーム、例えばウイルス粒子が食細胞による食作用を回避するか、又は他の点では同様の未改変のフソソーム、例えばレトロウイルスベクター若しくはVLPと比較して、食作用の低下を示すように、フソソーム、例えばレトロウイルスベクター又はVLPにおけるCD47の少なくとも生物学的に活性な部分を含む少なくとも1つのペプチドを発現させることを含み得る。幾つかの実施形態では、被験体におけるフソソーム、例えばレトロウイルスベクター又はVLPの半減期は、未改変である他は同様であるフソソーム、例えばレトロウイルスベクター又はVLPと比べて延長される。
MHCの欠失
主要組織適合遺伝子複合体クラスI(MHC-I)は、ウイルスエンベロープに組み込むことができる宿主細胞膜タンパク質であり、本質的に多型性が高いため、身体の免疫応答の主要な標的である(McDevitt H.O.(2000)Annu.Rev.Immunol.18:1-17 ソース細胞の原形質膜に露出したMHC-I分子は、ベクターの出芽の過程でウイルス粒子エンベロープに組み込まれる可能性がある。ソース細胞に由来し、ウイルス粒子に組み込まれたこれらのMHC-I分子を、次に、標的細胞の原形質膜に移すことができる。或いは、MHC-I分子は、ウイルス粒子が標的細胞膜を吸収して結合したままになる傾向の結果として、標的細胞膜と密接に関連したままである可能性がある。
形質導入された細胞の原形質膜上又はその近くに外因性MHC-I分子が存在すると、被験体にアロ反応性免疫応答が誘発される可能性がある。これは、ex vivo遺伝子導入とそれに続く被験体への形質導入細胞の投与、又はウイルス粒子の直接in vivo投与のいずれかで、形質導入細胞の免疫媒介性の死滅又は食作用をもたらす可能性がある。更に、ウイルス粒子を有するMHC-Iを血流にin vivoで投与する場合、ウイルス粒子は、それらの標的細胞に到達する前に、既存のMHC-I特異的抗体によって中和され得る。
したがって、幾つかの実施形態では、ソース細胞は、細胞の表面でのMHC-Iの発現を減少させるように改変される(例えば、遺伝子操作される)。実施形態では、供給源は、β2-ミクログロブリン(β2M)をコードする遺伝子の遺伝子操作された破壊を含む。実施形態では、ソース細胞は、MHC-I α鎖をコードする1つ以上の遺伝子の遺伝子操作された破壊を含む。細胞は、β2-ミクログロブリンをコードする遺伝子の全てのコピーに遺伝子操作された破壊を含む可能性がある。細胞は、MHC-I α鎖をコードする遺伝子の全てのコピーに遺伝子操作された破壊を含む可能性がある。細胞は、β2-ミクログロブリンをコードする遺伝子の遺伝子操作された破壊と、MHC-I α鎖をコードする遺伝子の遺伝子操作された破壊の両方を含み得る。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、減少した数の表面に露出されたMHC-I分子を含む。表面に露出したMHC-I分子の数を、MHC-Iに対する免疫応答が治療的に適切な程度まで減少するように減少することができる。幾つかの実施形態では、エンベロープウイルスベクター粒子は、表面に露出されたMHC-I分子を実質的に欠いている。
HLA-G/Eの過剰発現
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、そのエンベロープ上に、免疫寛容原性タンパク質、例えば、ILT-2又はILT-4アゴニスト、例えば、HLA-E若しくはHLA-G、又は任意の他のILT-2又はILT-4アゴニストを表示する。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、参照レトロウイルス、例えば、他の点ではレトロウイルスと同様の未改変のレトロウイルスと比較して、HLA-E、HLA-G、ILT-2又はILT-4の発現が増加している。
幾つかの実施形態では、レトロウイルス組成物は、未改変のレトロウイルスと比較してMHCクラスIを減少させ、未改変のレトロウイルスと比較してHLA-Gを増加させた。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、HLA-G又はHLA-Eの発現の増加、例えば、参照細胞レトロウイルス、例えば、他の点ではレトロウイルスと同様の未改変のレトロウイルスと比較して、例えば、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上のHLA-G又はHLA-Eの発現の増加をもたらし、HLA-G又はHLA-Eの発現は、フローサイトメトリー、例えばFACSを用いてin vitroでアッセイされる。
幾つかの実施形態では、HLA-G発現が増加したレトロウイルスは、例えば、奇形腫形成アッセイにおいて、免疫細胞浸潤の減少によって測定されるように、免疫原性の減少を示す。
補体調節タンパク質
補体活性は通常、幾つかの補体調節タンパク質(CRP)によって制御される。これらのタンパク質は、偽炎症及び宿主組織の損傷を防ぐ。CD55/崩壊促進因子(DAF)及びCD46/膜補因子タンパク質(MCP)を含むタンパク質の1つのグループは、古典的及び代替経路のC3/C5転換酵素を阻害する。CD59を含む別のタンパク質セットはMACアッセンブリを調節する。CRPは、異種移植組織の拒絶反応を防ぐために使用されており、ウイルス及びウイルスベクターを補体の不活化から保護することも示されている。
膜に存在する補体制御因子としては、例えば、崩壊促進因子(DAF)又はCD55、H因子(FH)様タンパク質-1(FHL-1)、C4b結合タンパク質(C4BP)、補体受容体1(CD35)、膜補因子タンパク質(MCP)又はCD46、及びCD59(プロテクチン)(例えば、膜侵襲複合体(MAC)の形成を防ぎ、細胞を溶解から保護するため)が挙げられる。
アルブミン結合タンパク質
幾つかの実施形態では、レンチウイルスは、アルブミンに結合する。幾つかの実施形態では、レンチウイルスは、その表面上に、アルブミンに結合するタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、レンチウイルスは、その表面にアルブミン結合タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、アルブミン結合タンパク質は、連鎖球菌のアルブミン結合タンパク質である。幾つかの実施形態では、アルブミン結合タンパク質は、連鎖球菌のアルブミン結合ドメインである。
レンチウイルスエンベロープでの非フソゲンタンパク質の発現
幾つかの実施形態では、レンチウイルスは、その表面上に1つ以上のタンパク質を含むように操作される。幾つかの実施形態では、タンパク質は、被験体との免疫相互作用に影響を与える。幾つかの実施形態では、タンパク質は、被験体におけるレンチウイルスの薬理学に影響を与える。幾つかの実施形態では、タンパク質は受容体である。幾つかの実施形態では、タンパク質はアゴニストである。幾つかの実施形態では、タンパク質はシグナル伝達分子である。幾つかの実施形態では、レンチウイルス表面上のタンパク質は、OKT3又はIL7を含む。
幾つかの実施形態では、マイトジェン膜貫通タンパク質及び/又はサイトカインベースの膜貫通タンパク質は、ソース細胞に存在することを含み、これは、ソース細胞膜から出芽するときにレトロウイルスに組み込まれ得る。マイトジェン膜貫通タンパク質及び/又はサイトカインベースの膜貫通タンパク質は、ウイルスエンベロープ糖タンパク質の一部ではなく、ソース細胞上の別個の細胞表面分子として発現させることができる。
例示的な特徴
本明細書に記載の態様のいずれかの幾つかの実施形態では、フソソーム、例えばレトロウイルスベクター、VLP、又は医薬組成物は、実質的に非免疫原性である。免疫原性は、例えば、本明細書に記載されるように定量化することができる。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、標的細胞と融合して、レシピエント細胞を産生する。幾つかの実施形態では、1つ以上のレトロウイルスベクター又はVLPに融合したレシピエント細胞は、免疫原性について評価される。実施形態では、レシピエント細胞は、例えば、抗IgM抗体で染色することによって、細胞表面上の抗体の存在について分析される。他の実施形態では、免疫原性は、PBMC細胞溶解アッセイによって評価される。実施形態では、レシピエント細胞は、末梢血単核細胞(PBMC)と共にインキュベートされ、次いで、PBMCによる細胞の溶解について評価される。他の実施形態では、免疫原性は、ナチュラルキラー(NK)細胞溶解アッセイによって評価される。実施形態では、レシピエント細胞は、NK細胞と共にインキュベートされ、次いで、NK細胞による細胞の溶解について評価される。他の実施形態では、免疫原性は、CD8+T細胞溶解アッセイによって評価される。実施形態では、レシピエント細胞は、CD8+T細胞と共にインキュベートされ、次いで、CD8+T細胞による細胞の溶解について評価される。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、他の点ではソース細胞と同様の未改変のソース細胞、又はHEK293細胞から産生されるものと比較して、高レベルの免疫抑制物質(例えば、免疫抑制タンパク質)を含む。幾つかの実施形態では、レベルの上昇、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、又は100倍である。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、参照細胞に存在しない免疫抑制物質を含む。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、他の点ではソース細胞に類似する未改変のソース細胞、又はHEK293細胞から産生されるものと比較して、減少したレベルの免疫賦活物質(例えば、免疫賦活タンパク質)を含む。幾つかの実施形態では、低下したレベルは、参照レトロウイルスベクター又はVLPと比較して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、又は99%である。幾つかの実施形態では、免疫賦活物質は、レトロウイルスベクター又はVLPには実質的に存在しない。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター若しくはVLP、又はレトロウイルスベクター若しくはVLPが由来するソース細胞は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10つ、11つ、12つ、又はそれより多い以下の特徴を有する:
a.参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば未改変レトロウイルスベクター又は他の点ではソース細胞と同様のソース細胞、HeLa細胞若しくはHEK293細胞に由来するVLPと比較して、MHCクラスI又はMHCクラスIIの発現が50%未満、40%、30%、20%、15%、10%、若しくは5%以下;
b.参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば未改変レトロウイルスベクター、又は他の点ではソース細胞と同様の細胞、又はHEK細胞、又は本明細書に記載される参照細胞に由来するVLPと比較して、限定されるものではないが、LAG3、ICOS-L、ICOS、Ox40L、OX40、CD28、B7、CD30、CD30L4-1BB、4-1BBL、SLAM、CD27、CD70、HVEM、LIGHT、B7-H3又はB7-H4を含む1つ以上の共刺激タンパク質の発現が50%未満、40%、30%、20%、15%、10%、又は5%以下;
c.マクロファージ貪食を抑制する表面タンパク質、例えばCD47の発現、例えば、本明細書に記載の方法によって検出可能な発現、例えば、参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、未改変のレトロウイルスベクター、又は他の点ではソース細胞と同様の細胞、Jurkat細胞若しくはHEK293細胞に由来するVLPと比較して、1.5倍超、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、又はそれ以上のマクロファージ貪食を抑制する表面タンパク質、例えばCD47の発現;
d.可溶性免疫抑制性サイトカイン、例えばIL-10の発現、例えば、本明細書に記載の方法によって検出可能な発現、例えば、参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、未改変のレトロウイルスベクター、又は他の点ではソース細胞と同様の細胞若しくはHEK293細胞に由来するVLPと比較して、1.5倍超、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、又はそれ以上の可溶性免疫抑制性サイトカイン、例えばIL-10の発現;
e.可溶性免疫抑制タンパク質、例えばPD-L1の発現、例えば、本明細書に記載の方法によって検出可能な発現、例えば、参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、未改変のレトロウイルスベクター、又は他の点ではソース細胞と同様の細胞若しくはHEK293細胞に由来するVLPと比較して、1.5倍超、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、又はそれ以上の可溶性免疫抑制タンパク質、例えばPD-L1の発現;
f.参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば未改変レトロウイルスベクター、又は他の点ではソース細胞と同様の細胞、若しくはHEK293細胞、若しくはU-266細胞に由来するVLPと比較して、可溶性免疫賦活サイトカイン、例えばIFN-ガンマ又はTNF-aの発現が50%未満、40%、30%、20%、15%、10%、若しくは5%以下;
g.参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば未改変レトロウイルスベクター、又は他の点ではソース細胞と同様の細胞、若しくはHEK293細胞、若しくはA549細胞、若しくはSK-BR-3細胞に由来するVLPと比較して、内因性免疫賦活抗原、例えばZg16又はHormad1の発現が50%未満、40%、30%、20%、15%、10%、若しくは5%以下;
h.参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば未改変のレトロウイルスベクター、又は他の点ではソース細胞と同様の細胞、若しくはHEK293細胞、若しくはJurkat細胞に由来するVLPと比較した、例えば、本明細書に記載の方法による検出可能な、HLA-E又はHLA-Gの発現;
i.例えば、NK細胞の活性化を抑制するように作用するシアル酸を含む、表面のグリコシル化プロファイル;
j.参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば未改変レトロウイルスベクター又は他の点ではソース細胞と同様の細胞、HEK293細胞若しくはJurkat細胞に由来するVLPと比較して、TCRα/βの発現が50%未満、40%、30%、20%、15%、10%、若しくは5%以下;
k.参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば未改変レトロウイルスベクター、又は他の点ではソース細胞と同様の細胞、HEK293細胞若しくはHeLa細胞に由来するVLPと比較して、ABO血液型の発現が50%未満、40%、30%、20%、15%、10%、若しくは5%以下;
l.参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば未改変レトロウイルスベクター、又は他の点ではソース細胞と同様の細胞、HEK293細胞若しくはJurkat細胞に由来するVLPと比較して、マイナー組織適合抗原(MHA)の発現が50%未満、40%、30%、20%、15%、10%、若しくは5%以下;又は
m.参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、未改変レトロウイルスベクター、又はそ他の点ではソース細胞と同様の細胞、HEK293細胞若しくはJurkat細胞に由来するVLPと比較して、ミトコンドリアMHAが10%未満、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下であるか、又は検出可能なミトコンドリアMHAを有していない。
実施形態では、共刺激タンパク質は4-1BB、B7、SLAM、LAG3、HVEM、又はLIGHTであり、参照細胞はHDLM-2である。幾つかの実施形態では、共刺激タンパク質はBY-H3であり、参照細胞はHeLaである。幾つかの実施形態では、共刺激タンパク質は、ICOSL又はB7-H4であり、参照細胞は、SK-BR-3である。幾つかの実施形態では、共刺激タンパク質はICOS又はOX40であり、参照細胞はMOLT-4である。幾つかの実施形態では、共刺激タンパク質はCD28であり、参照細胞はU-266である。幾つかの実施形態では、共刺激タンパク質はCD30L又はCD27であり、参照細胞はDaudiである。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター、VLP、又は医薬組成物は、免疫系、例えば、自然免疫系による免疫原性応答を実質的に誘発しない。実施形態では、免疫原性応答は、例えば、本明細書に記載されるように、定量化することができる。幾つかの実施形態では、自然免疫系による免疫原性応答は、限定されるものではないが、NK細胞、マクロファージ、好中球、好塩基球、好酸球、樹状細胞、肥満細胞、又はガンマ/デルタT細胞を含む、自然免疫細胞による応答を含む。幾つかの実施形態では、自然免疫系による免疫原性応答は、可溶性血液成分及び膜結合成分を含む補体系による応答を含む。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター、VLP、又は医薬組成物は、免疫系、例えば、適応免疫系による免疫原性応答を実質的に誘発しない。幾つかの実施形態では、適応免疫系による免疫原性応答は、限定されるものではないが、Tリンパ球(例えば、CD4 T細胞、CD8 T細胞、及び/又はガンマデルタT細胞)、又はBリンパ球の数又は活性の変化、例えば、増加を含む、適応免疫細胞による免疫原性応答を含む。幾つかの実施形態では、適応免疫系による免疫原性応答は、限定されるものではないが、サイトカイン又は抗体(例えば、IgG、IgM、IgE、IgA、又はIgD)の数又は活性の変化、例えば、増加を含む、可溶性血液成分のレベルの増加を含む。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター、VLP、又は医薬組成物は、免疫原性が低下するように改変される。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター、VLP、又は医薬組成物は、参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、未改変のレトロウイルスベクター、又はその他の点ではソース細胞と同様の細胞、HEK293細胞、又はJurkat細胞に由来するVLPの免疫原性よりも5%未満、10%、20%、30%、40%、又は50%よりも低い免疫原性を有する。
本明細書に記載の態様のいずれかの幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター、VLP、又は医薬組成物は、改変されたゲノムを有する、例えば、本明細書に記載の方法を使用して、例えば免疫原性を低下させるように改変された、ソース細胞、哺乳動物細胞に由来する。免疫原性は、例えば、本明細書に記載されるように定量化することができる。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター、VLP、又は医薬組成物は、例えば、以下のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又はそれ以上のノックアウトを伴う枯渇した哺乳動物細胞に由来する:
a.MHCクラスI、MHCクラスII又はMHA;
b.LAG3、ICOS-L、ICOS、Ox40L、OX40、CD28、B7、CD30、CD30L 4-1BB、4-1BBL、SLAM、CD27、CD70、HVEM、LIGHT、B7-H3、又はB7-H4を含むがこれらに限定されない1つ以上の共刺激タンパク質;
c.可溶性免疫刺激サイトカイン、例えば、IFN-γ又はTNF-α;
d.内因性免疫刺激抗原、例えば、Zg16又はHormad1;
e.T細胞受容体(TCR);
f.ABO式血液型をコードする遺伝子、例えばABO遺伝子;
g.免疫活性化を促進する転写因子、例えばNFkB;
h.MHC発現を制御する転写因子、例えば、クラスIIトランスアクチベーター(CIITA)、Xbox 5の調節因子(RFX5)、RFX関連タンパク質(RFXAP)、又はRFXアンキリンリピート(RFXANK;RFXBとしても知られる);又は
i.MHCクラスIの発現を低下させるTAPタンパク質(TAP2、TAP1、TAPBP等)。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、免疫抑制物質、例えば、以下のうちの1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の発現の増加をもたらす遺伝子改変を伴うソース細胞に由来する(例えば、遺伝子改変の前に、細胞はその因子を発現しなかった):
a.マクロファージの貪食を抑制する表面タンパク質、例えばCD47;参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、未改変レトロウイルスベクター、又は他の点ではソース細胞と同様の細胞、HEK293細胞若しくはJurkat細胞に由来するVLPと比較したCD47の発現の増加;
b.可溶性免疫抑制性サイトカイン、例えば、IL-10、参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、未改変のレトロウイルスベクター、又は他の点ではソース細胞と同様の細胞、HEK293細胞若しくはJurkat細胞に由来するVLPと比較した、IL-10の発現の増加;
c.可溶性免疫抑制タンパク質、例えば、PD-1、PD-L1、CTLA4、又はBTLA;参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、未改変のレトロウイルスベクター、又は他の点ではソース細胞と同様の細胞、HEK293細胞若しくはJurkat細胞に由来するVLPと比較した、免疫抑制タンパク質の発現の増加;
d.免疫寛容原性タンパク質、例えば、ILT-2又はILT-4アゴニスト、例えば、HLA-E又はHLA-G又は他の内因性ILT-2又はILT-4アゴニスト、例えば、参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、未改変のレトロウイルスベクター、又は他の点ではソース細胞と同様の細胞、HEK293細胞若しくはJurkat細胞に由来するVLPと比較した、HLA-E、HLA-G、ILT-2又はILT-4の発現の増加;又は
e.補体活性を抑制する表面タンパク質、例えば補体調節タンパク質、例えば崩壊促進因子(DAF、CD55)に結合するタンパク質、例えば因子H(FH)様タンパク質-1(FHL-1)、例えばC4b結合タンパク質(C4BP)、例えば補体受容体1(CD35)、例えば膜補体タンパク質(MCP、CD46)、例えばプロフェクチン(CD59)、例えば、古典的及び代替の補体経路CD/C5コンバターゼ酵素を阻害するタンパク質、例えばMACアッセンブリを調節するタンパク質;例えば、参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば未改変のレトロウイルスベクター、又は他の点ではソース細胞と同様の細胞、HEK293細胞若しくはJurkat細胞に由来するVLPと比較して、補体調節タンパク質の発現が増加している。
幾つかの実施形態では、発現レベルの増加は、参照レトロウイルスベクター又はVLPと比較して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、若しくは100倍、又はそれ以上である。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、免疫賦活物質の発現が減少するように改変されたソース細胞、例えば、以下のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、又はそれ以上に由来する:
a.参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば未改変レトロウイルスベクター又は他の点ではソース細胞と同様の細胞、HEK293細胞若しくはHeLa細胞に由来するVLPと比較して、MHCクラスI又はMHCクラスIIの発現が50%未満、40%、30%、20%、15%、10%、若しくは5%以下;
b.参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば未改変レトロウイルスベクター又はそれ以外はソース細胞であるHEK293細胞に類似する細胞、若しくは本明細書に記載される参照細胞に由来するVLPと比較して、限定されるものではないが、LAG3、ICOS-L、ICOS、Ox40L、OX40、CD28、B7、CD30、CD30L 4-1BB、4-1BBL、SLAM、CD27、CD70、HVEM、LIGHT、B7-H3、又はB7-H4を含む1つ以上の共刺激タンパク質の発現が50%未満、40%、30%、20%、15%、10%、又は5%以下;
c.参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば未改変レトロウイルスベクター又はそれ以外はソース細胞であるHEK293細胞に類似する細胞、若しくはU-266細胞に由来するVLPと比較して、可溶性免疫賦活サイトカイン、例えばIFN-ガンマ又はTNF-aの発現が50%未満、40%、30%、20%、15%、10%、若しくは5%以下;
d.参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば未改変レトロウイルスベクター又はそれ以外はソース細胞であるHEK293細胞に類似する細胞、又はA549細胞若しくはSK-BR-3細胞に由来するVLPと比較して、内因性免疫賦活抗原、例えばZg16又はHormad1の発現が50%未満、40%、30%、20%、15%、10%、若しくは5%以下;
e.参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば未改変レトロウイルスベクター又はそれ以外はソース細胞であるHEK293細胞に類似する細胞、若しくはJurkat細胞に由来するVLPと比較して、T細胞受容体(TCR)の発現が50%未満、40%、30%、20%、15%、10%、若しくは5%以下;
f.参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば未改変レトロウイルスベクター、又は他の点ではソース細胞と同様の細胞、HEK293細胞若しくはHeLa細胞に由来するVLPと比較して、ABO血液型の発現が50%未満、40%、30%、20%、15%、10%、若しくは5%以下;
g.参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば未改変レトロウイルスベクター、又は他の点ではソース細胞と同様の細胞、HEK293細胞若しくはJurkat細胞に由来するVLPと比較して、免疫活性化を駆動する転写因子、例えばNFkBの発現が50%未満、40%、30%、20%、15%、10%、若しくは5%以下;
h.参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば未改変レトロウイルスベクター、又は他の点ではソース細胞と同様の細胞、HEK293細胞若しくはJurkat細胞に由来するVLPと比較して、MHC発現を制御する転写因子、例えば、クラスIIトランスアクチベーター(CIITA)、Xbox 5の調節因子(RFX5)、RFX関連タンパク質(RFXAP)、又はRFXアンキリンリピート(RFXANK;RFXBとしても知られる)の発現が50%未満、40%、30%、20%、15%、10%、又は5%以下;
i.参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば未改変レトロウイルスベクター、又は他の点ではソース細胞と同様の細胞、HEK293細胞若しくはHeLa細胞に由来するVLPと比較して、TAPタンパク質、例えば、MHCクラスI発現を減少させるTAP2、TAP1、又はTAPBPの発現が50%未満、40%、30%、20%、15%、10%、若しくは5%以下。
幾つかの実施形態では、MHCクラスI発現を減少させるためにshRNA発現レンチウイルスを使用して改変された哺乳動物細胞、例えばHEK293に由来するレトロウイルスベクター、VLP、又は医薬組成物は、未改レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、改変されていない細胞(例えば、間葉系幹細胞)に由来するレトロウイルスベクター又はVLPと比較して、MHCクラスIの発現が少ない。幾つかの実施形態では、HLA-Gの発現を増加させるためにHLA-Gを発現するレンチウイルスを使用して改変された哺乳動物細胞、例えばHEK293に由来するレトロウイルスベクター又はVLPは、例えば、改変されていない細胞(例えば、HEK293)に由来する未改変レトロウイルスベクター又はVLPと比較してHLA-Gの発現が増加している。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター、VLP、又は医薬組成物は、ソース細胞、例えば、実質的に免疫原性ではない哺乳動物細胞に由来し、ソース細胞は、IFN-ガンマELISPOTアッセイによってin vitroでアッセイした場合に0pg/mL~0pg/mL超のレベルのT細胞IFN-ガンマ分泌を刺激する、例えば誘導する。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター、VLP、又は医薬組成物は、ソース細胞、例えば、哺乳動物細胞に由来し、哺乳動物細胞は、免疫抑制物質、例えば、糖質コルチコイド(例えば、デキサメタゾン)、細胞増殖抑制物質(例えば、メトトレキサート)、抗体(例えば、ムロモナブ-CD3)、又はイムノフィリンモジュレーター(例、シクロスポリン又はラパマイシン)で処理された細胞培養物に由来する。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター、VLP、又は医薬組成物は、ソース細胞、例えば、哺乳動物細胞に由来し、哺乳動物細胞は、外因性作用物質、例えば、治療薬を含む。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター、VLP、又は医薬組成物は、ソース細胞、例えば、哺乳動物細胞に由来し、哺乳動物細胞は、組換え細胞である。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター、VLP、又は医薬品は、ウイルスイムノエバシン、例えば、hCMV US2、又はUS11を発現するように遺伝子改変された哺乳動物細胞に由来する。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター若しくはVLPの表面、又はソース細胞の表面は、ポリマー、例えば、免疫原性及び免疫媒介性クリアランスを低下させる生体適合性ポリマー、例えばPEGで共有結合又は非共有結合的に修飾される。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター若しくはVLPの表面、又はソース細胞の表面は、シアル酸、例えば、NK抑制グリカンエピトープを含む糖ポリマーを含むシアル酸で共有結合又は非共有結合的に修飾される。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター若しくはVLPの表面、又はソース細胞の表面は、ABO血液型を取り除くために、例えば、グリコシダーゼ酵素、例えば、α-N-アセチルガラクトサミニダーゼで酵素的に処理される。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター若しくはVLPの表面、又はソース細胞の表面は、酵素的に処理されて、レシピエントの血液型に一致するABO血液型の発現を生じさせる、例えば誘導する。
免疫原性を評価するためのパラメーター
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、実質的に免疫原性ではない、又は免疫原性の低下を有するように改変された、例えば、本明細書に記載の方法を使用して改変されたソース細胞、例えば哺乳動物細胞に由来する。ソース細胞及びレトロウイルスベクター又はVLPの免疫原性は、本明細書に記載のアッセイのいずれかによって決定することができる。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、in vivo移植片生着において、参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば未改変レトロウイルスベクター又は他の点ではソース細胞と同様の細胞に由来するVLPと比較して、増加、例えば、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上の増加を有する。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、未改変レトロウイルスベクター又は他の点ではソース細胞と同様の細胞に由来するVLPを適切な動物モデル、例えば本明細書に記載の動物モデルへの1回以上の移植後の体液性応答と比較して、適切な動物モデル、例えば、本明細書に記載の動物モデルへのレトロウイルスベクター又はVLPの1回以上の移植後の体液性応答の低下によって測定される免疫原性の低下を有する。幾つかの実施形態では、体液性応答の低下は、血清サンプルにおいて、抗細胞抗体力価、例えば、抗レトロウイルス又は抗VLP抗体力価によって、例えば、ELISAによって測定される。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPを投与された動物からの血清サンプルは、未変性レトロウイルスベクター又はVLPを投与された動物からの血清サンプルと比較して、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上抗ウイルス又は抗VLP抗体力価の減少を有する。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPを投与された動物からの血清サンプルは、例えば、ベースラインから1%、2%、5%、10%、20%、30%、又は40%増加した、抗レトロウイルス又は抗VLP抗体力価を有し、例えば、ベースラインは、レトロウイルスベクター又はVLPの投与前の同じ動物からの血清サンプルを指す。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、参照レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、未改変レトロウイルスベクター又は他の点ではソース細胞と同様の細胞に由来するVLPと比較して、マクロファージ食作用において、例えば、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上のマクロファージ食作用の減少を有し、マクロファージ食作用の減少は、実施例8に記載されるように、in vitro食作用指数をアッセイすることによって決定される。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、例えば、マクロファージ食作用のin vitroアッセイにおいてマクロファージと共にインキュベートされた場合、実施例8のアッセイによって測定されるように、0、1、10、100、又はそれ以上の食作用指数を有する。
幾つかの実施形態では、ソース細胞又はレシピエント細胞はPBMCによる細胞毒性媒介細胞溶解が減少しており、例えば、実施例17のアッセイを使用して、参照細胞、例えば、他の点ではソース細胞と同様の未改変細胞、又は未改変レトロウイルスベクター若しくはVLPを受けたレシピエント細胞、又は間葉系幹細胞と比較して、細胞毒性媒介細胞溶解が、例えば、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上減少している。実施形態では、ソース細胞は、外因性HLA-Gを発現する。
幾つかの実施形態では、ソース細胞又はレシピエント細胞はNK媒介細胞が減少しており、参照細胞、例えば、他の点ではソース細胞と同様の未改変細胞、又は未改変レトロウイルスベクター若しくはVLPを受けたレシピエント細胞比較して、NK媒介細胞溶解が、例えば、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上減少しており、ここで、NK媒介細胞溶解はクロミウム放出アッセイ又はユーロピウム放出アッセイによって、例えば、実施例18のアッセイを使用してin vitroでアッセイされる。
幾つかの実施形態では、ソース細胞又はレシピエント細胞はCD8+T細胞媒介細胞が減少しており、参照細胞、例えば、他の点ではソース細胞と同様の未改変細胞、又は未改変レトロウイルスベクター若しくはVLPを受けたレシピエント細胞比較して、CD8 T細胞媒介細胞溶解が、例えば、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上減少しており、ここで、CD8 T細胞媒介細胞溶解は実施例19により使用してin vitroでアッセイされる。
幾つかの実施形態では、ソース細胞又はレシピエント細胞はCD4+T細胞増殖及び/又は活性化が減少しており、参照細胞、例えば、他の点ではソース細胞と同様の未改変細胞、又は未改変レトロウイルスベクター若しくはVLPを受けたレシピエント細胞比較して、例えば、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上減少しており、ここで、CD4 T細胞増殖はin vitroでアッセイ(例えば、変性又は未変性の哺乳動物ソース細胞、及びCD4+T細胞のCD3/CD28 Dynabeadsとの共培養アッセイ)される。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、T細胞IFN-ガンマ分泌の減少、例えば、参照細胞レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、未改変レトロウイルスベクター又は他の点ではソース細胞と同様の細胞に由来するVLPと比較して、例えば、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上のT細胞IFN-ガンマ分泌の減少を引き起こし、T細胞IFN-ガンマ分泌は、例えば、IFN-ガンマELISPOTによってin vitroでアッセイされる。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、免疫原性サイトカイン分泌の減少、例えば、参照細胞レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、未改変レトロウイルスベクター又は他の点ではソース細胞と同様の細胞に由来するVLPと比較して、例えば、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上の免疫原性サイトカイン分泌の減少を引き起こし、免疫原性サイトカイン分泌は、ELISA又はELISPOTを用いてin vitroでアッセイされる。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、免疫抑制性サイトカイン分泌の増加、例えば、参照細胞レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、未改変レトロウイルスベクター又は他の点ではソース細胞と同様の細胞に由来するVLPと比較して、例えば、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上の免疫抑制性サイトカイン分泌の増加をもたらし、免疫抑制性サイトカイン分泌は、ELISA又はELISPOTを用いてin vitroでアッセイされる。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、HLA-G又はHLA-Eの発現の増加、例えば、参照細胞レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、未改変レトロウイルスベクター又は他の点ではソース細胞と同様の細胞に由来するVLPと比較して、例えば、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上のHLA-G又はHLA-Eの発現の増加をもたらし、HLA-G又はHLA-Eの発現は、フローサイトメトリー、例えばFACSを用いてin vitroでアッセイされる。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、HLA-G又はHLA-Eの発現が増加するように、例えば、HLA-G又はHLA-Eの発現が1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上増加するように改変されているソース細胞に由来し、HLA-G又はHLA-Eの発現は、フローサイトメトリー、例えばFACSを用いてin vitroでアッセイされる。幾つかの実施形態では、HLA-G発現が増加した改変細胞に由来するレトロウイルスベクター又はVLPは、免疫原性の低下を示す。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、T細胞阻害物質リガンド(例えば、CTLA4、PD1、PD-L1)の発現の増加、例えば、参照細胞レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、未改変レトロウイルスベクター又は他の点ではソース細胞と同様の細胞に由来するVLPと比較して、例えば、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上のT細胞阻害物質リガンドの発現の増加を有する又はそれをもたらし、T細胞阻害物質リガンドの発現は、フローサイトメトリー、例えばFACSを用いてin vitroでアッセイされる。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、共刺激リガンドの発現が減少しており、例えば、参照細胞レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、未改変レトロウイルスベクター又は他の点ではソース細胞と同様の細胞に由来するVLPと比較して、共刺激リガンドの発現が、例えば、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上の減少しており、共刺激リガンドの発現は、フローサイトメトリー、例えばFACSを用いてin vitroでアッセイされる。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、MHCクラスI又はMHCクラスIIの発現が減少しており、例えば、参照細胞レトロウイルスベクター又はVLP、例えば、未改変レトロウイルスベクター又は他の点ではソース細胞と同様の細胞、又はHeLa細胞に由来するVLPと比較して、MHCクラスI又はMHCクラスIIの発現が、例えば、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上減少しており、MHCクラスI又はIIの発現は、フローサイトメトリー、例えばFACSを用いてin vitroでアッセイされる。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPは、実質的に非免疫原性である細胞供給源、例えば、哺乳動物細胞供給源に由来する。幾つかの実施形態では、免疫原性は、例えば、本明細書に記載されるように、定量化することができる。幾つかの実施形態では、哺乳動物細胞源は、以下の特徴のいずれか1つ、全て、又は組み合わせを含む:
a.ソース細胞は自家細胞供給源、例えば、レトロウイルスベクター又はVLPを受ける、例えば投与されたレシピエントから得られた細胞から得られる;
b.ソース細胞は、レシピエント、例えば、レトロウイルスベクター又はVLPを受ける、例えば投与される本明細書に記載のレシピエントに一致した、例えば、同様の性別の同種異形細胞供給源から得られる;
c.ソース細胞は、例えば1つ以上の対立遺伝子において、レシピエントのHLAとHLAが一致する同種異系細胞供給源から得られる;
d.ソース細胞は、HLAホモ接合体である同種異系細胞供給源から得られる;
e.ソース細胞は、MHCクラスI及びIIを欠いている(又は参照細胞と比較してレベルが低下している)同種異系細胞ソースから得られる;又は
f.ソース細胞は、限定されるものではないが、幹細胞、間葉系幹細胞、人工多能性幹細胞、胚性幹細胞、セルトリ細胞又は網膜色素上皮細胞を含む、実質的に非免疫原性であることが知られている細胞供給源から得られる。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPを投与される被験体は、レトロウイルスベクター又はVLPと反応する既存の抗体(例えば、IgG又はIgM)を有するか、又は有することが知られているか、又はそれらについて試験される。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPを投与される被験体は、レトロウイルスベクター又はVLPと反応する検出可能なレベルの既存の抗体を有さない。抗体の試験は、例えば、実施例13に記載されている。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLPを受けた被験体は、レトロウイルスベクター又はVLPと反応する抗体(例えば、IgG又はIgM)を有するか、又は有することが知られているか、又はそれらについて試験される。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター又はVLP(例えば、少なくとも1回、2回、3回、4回、5回、又はそれ以上)を受けた被験体は、レトロウイルスベクター又はVLPと反応する検出可能なレベルの抗体を有していない。実施形態では、抗体のレベルは、2つの時点の間で1%、2%、5%、10%、20%、又は50%を超えて上昇せず、第1の時点は、レトロウイルスベクター又はVLPの最初の投与の前であり、第2の時点は、レトロウイルスベクター又はVLPの1回以上の投与後である。抗体の試験は、例えば、実施例14に記載されている。
VI.外因性作用物質
幾つかの実施形態では、フソソーム、例えば、レトロウイルスベクター、VLP、又は本明細書に記載の医薬組成物は、外因性作用物質を含む。幾つかの実施形態では、フソソーム、例えばレトロウイルスベクター、VLP、又は本明細書に記載の医薬組成物は、外因性作用物質をコードする核酸を含む。
A.外因性タンパク質剤
幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、細胞質ゾルタンパク質、例えば、レシピエント細胞で産生され、レシピエント細胞の細胞質に局在するタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、分泌されたタンパク質、例えば、レシピエント細胞によって産生及び分泌されるタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、核タンパク質、例えば、レシピエント細胞で産生され、レシピエント細胞の核に移入されるタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、オルガネラタンパク質(例えば、ミトコンドリアタンパク質)、例えば、レシピエント細胞で産生され、レシピエント細胞のオルガネラ(例えば、ミトコンドリア)に移入されるタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、タンパク質は、野生型タンパク質又は変異体タンパク質である。幾つかの実施形態では、タンパク質は、融合タンパク質又はキメラタンパク質である。
幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、SYNE1、SETX、FMR1、SLC6A8、UBE3A、SOD1、TDP43、C9orf72、FXN、MECP2、ASPA、ALDH7A1、TPP1、FUCA1、GALC、HEXA、HEXB、MANBA、ARSA、GNPTAB、又はMCOLN1の中からの遺伝子によってコードされる。幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、中からの遺伝子によってコードされる。幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、SYNE1、SETX、FMR1、SLC6A8、UBE3A、SOD1、TDP43、C9orf72、FXN、MECP2、ASPA、又はALDH7A1の中からの遺伝子によってコードされる。幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、TPP1、FUCA1、GALC、HEXA、HEXB、MANBA、ARSA、GNPTAB、又はMCOLN1の中からの遺伝子によってコードされる。
幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、下記表5のタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、表5のタンパク質のいずれかの野生型ヒト配列、その機能的フラグメント(例えば、その酵素的に活性なフラグメント)、又はその機能的バリアントを含む。幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、表5のアミノ酸配列、例えば、表5の列2のUniprotタンパク質アクセッション番号配列又は表5の列3のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、ペイロード遺伝子は、表5のアミノ酸配列に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする。
幾つかの実施形態では、標的細胞は、例えば外因性作用物質がSYNE1である場合、例えば脊髄小脳失調症、常染色体劣性、1型の処置のための小脳内の細胞である。幾つかの実施形態では、標的細胞は、例えば外因性作用物質がSETXである場合、例えば、眼球運動失行を伴う運動失調2型の処置のための脳、脊髄、及び/又は筋肉の細胞である。幾つかの実施形態では、標的細胞は、例えば外因性作用物質がFMR1である場合、例えば脆弱X症候群の処置のためのニューロン又は星状膠細胞である。幾つかの実施形態では、標的細胞は、例えば外因性作用物質がSOD1、TDP43、又はC9orf72である場合、例えば筋萎縮性側索硬化症の処置のための運動ニューロンである。幾つかの実施形態では、標的細胞は、例えば外因性作用物質が FXNである場合、例えばフリードライヒ運動失調症の処置のための神経系、心臓、肝臓、及び/又は骨格筋の細胞である。幾つかの実施形態では、標的細胞は、例えば外因性作用物質が MECP2である場合、例えば レット症候群の処置のための脳内のニューロンである。幾つかの実施形態では、標的細胞は、例えば外因性作用物質がASPAである場合、例えばカナバン病の処置のための乏突起膠細胞又はニューロンである。
幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、下記表6のタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、表6のタンパク質のいずれかの野生型ヒト配列、その機能的フラグメント(例えば、その酵素的に活性なフラグメント)、又はその機能的バリアントを含む。幾つかの実施形態では、外因性作用物質は、表6のアミノ酸配列、例えば、表6の列2のUniprotタンパク質アクセッション番号配列又は表6の列3のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。幾つかの実施形態では、ペイロード遺伝子は、表6のアミノ酸配列に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする。
幾つかの実施形態では、標的細胞は、例えば外因性作用物質がGALCである場合、例えばクラッベ病の処置のための乏突起膠細胞である。幾つかの実施形態では、標的細胞は、例えば外因性作用物質がHEXAである場合、例えばテイ・サックス病の処置のためのニューロンである。幾つかの実施形態では、標的細胞は、例えば外因性作用物質がHEXBである場合、例えばサンドホフ病の処置のためのニューロンである。
幾つかの実施形態では、タンパク質作用物質は、凝固因子以外、例えば、第VII因子又は第IX因子以外のものである。幾つかの実施形態では、タンパク質作用物質、レポータータンパク質、例えば、蛍光タンパク質、例えば、GFP又はルシフェラーゼ以外のものである。幾つかのタンパク質作用物質は、細胞表面受容体、NGF受容体、ガラクトセレブロシダーゼ、gp91 phox、IFN-アルファ、TK、GCV、及び自己免疫抗原、サイトカイン、血管新生阻害剤、又は抗癌剤、或いはそのフラグメント又はバリアント以外のものである。
VII.インスレーター配列
幾つかの実施形態では、フソソームレトロウイルス若しくはレンチウイルスベクター又はVLPは更に、1つ以上のインスレーター配列、例えば、本明細書で説明されるインスレーター配列を含む。インスレーター配列は、ゲノムDNAに存在するシス作用エレメントによって媒介されて転移配列の脱調節発現(例えば、位置効果;例えば、Burgess-Beusse et al,2002,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,99:16433、及びZhan et al,2001,Hum.Genet.,109:471を参照)又はトランスファーされた配列に隣接する内因性配列の脱調節発現につながる可能性がある組み込み部位効果から、レンチウイルス発現配列、例えば治療用ポリペプチドを保護することに寄与する可能性がある。幾つかの実施形態では、トランスファーベクターが、1つ以上のインスレーター配列3’LTRを含み、プロウイルスが宿主ゲノムに組み込まれると、プロウイルスは、3’LTRを複製することによって、5’LTR及び/又は3’LTRにおいて、1つ以上のインスレーターを含む。適切なインスレーターしては、限定されるものではないが、ニワトリのβ-グロビンインスレーター(Chung et al,1993.Cell 74:505、Chung et al,1997.N4S 94:575、及びBell et al.,1999.Cell 98:387、参照により本明細書に組み込まれる)、又はニワトリHS4等のヒトβ-グロビン遺伝子座に由来するインスレーターが挙げられる。幾つかの実施形態では、インスレーターは、CCCTC結合因子(CTCF)に結合する。幾つかの実施形態では、インスレーターはバリアインスレーターである。幾つかの実施形態では、インスレーターは、エンハンサー遮断インスレーターである。例えば、Emery et al.,Human Gene Therapy,2011及びBrowning and Trobridge,Biomedicines,2016を参照、これらはいずれも参照によりそれらの全体が含まれる。
幾つかの実施形態では、レトロウイルス核酸中のインスレーターは、レシピエント細胞における遺伝毒性を低減する。遺伝毒性は、例えば、Cesana et al,「Uncovering and dissecting the genotoxicity of self-inactivating lentiviral vectors in vivo」Mol Ther.2014 Apr;22(4):774-85.doi:10.1038/mt.2014.3.Epub 2014 Jan 20に記載されるように測定され得る。
VIII.標的細胞のフソソーム含有量の評価
本開示はまた、幾つかの態様では、被験体における標的細胞のフソソーム含有量(例えば、標的細胞へのフソソーム融合)を評価する方法を提供し、フソソーム組成物(例えば、本明細書に記載のフソソーム組成物)を受けた被験体からの生物学的サンプルを提供すること、及び生物学的サンプル中の標的細胞と、本明細書に記載のフソソームとの融合から生じる生物学的サンプルの1つ以上の特性を決定するためにアッセイを実施することを含む。幾つかの態様では、本開示は、例えば、実施例71に記載されるように、標的細胞との融合を測定する方法を提供する。幾つかの実施形態では、生物学的サンプルの1つ以上の特性を決定することは、フソゲンの存在、カーゴ又はペイロードのレベル、又はカーゴ又はペイロードに関連する活性を決定することを含む。
幾つかの態様では、本開示は、標的細胞のフソソーム含有量(例えば、被験体における標的細胞へのフソソーム融合)を評価する方法を提供し、例えば、本明細書に記載されるように、フソソーム組成物を受けた被験体からの生物学的サンプルを提供すること、及びフソゲン、例えば本明細書に記載されるフソゲンの存在について生物学的サンプルを試験することを含む。幾つかの例では、検出されたフソゲンのレベルは、例えば、フソソーム組成物を受けていない被験体からの対応する生物学的サンプルにおいて観察されるものより、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、1000%、2000%、3000%、4000%、5000%、10,000%、50,000%、又は100,000%大きい。幾つかの実施形態では、被験体は、フソソーム組成物の投与前の同じ被験体であり、幾つかの実施形態では、被験体は、異なる被験体である。
幾つかの態様では、本開示は、標的細胞のフソソーム含有量(例えば、被験体における標的細胞へのフソソーム融合)を評価する方法を提供し、例えば、本明細書に記載されるように、フソソーム組成物を受けた被験体からの生物学的サンプルを提供すること、及び、例えば、本明細書に記載されるフソソームによって送達されるカーゴ又はペイロードの存在について生物学的サンプルを試験することを含む。幾つかの例では、検出されたカーゴ又はペイロードのレベルは、例えば、フソソーム組成物を受けていない被験体からの対応する生物学的サンプルにおいて観察されるものより、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、1000%、2000%、3000%、4000%、5000%、10,000%、50,000%、又は100,000%大きい。幾つかの実施形態では、被験体は、フソソーム組成物の投与前の同じ被験体であり、幾つかの実施形態では、被験体は、異なる被験体である。
幾つかの態様では、本開示は、標的細胞のフソソーム含有量(例えば、被験体における標的細胞へのフソソーム融合)を評価する方法を提供し、例えば、本明細書に記載されるように、フソソーム組成物を受けた被験体からの生物学的サンプルを提供すること、及びフソソーム組成物に関連する活性、例えば、フソソーム組成物によって送達されるカーゴ又はペイロードに関連する活性の変化について生物学的サンプルを試験することを含む。幾つかの例では、検出された活性のレベルは、例えば、フソソーム組成物を受けていない被験体(例えば、フソソーム組成物の投与前の同じ被験体)からの対応する生物学的サンプルのそれと比較して、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、1000%、2000%、3000%、4000%、5000%、10,000%、50,000%、又は100,000%増加する。幾つかの例では、検出された活性のレベルは、例えば、フソソーム組成物を受けていない被験体からの対応する生物学的サンプルのそれと比較して、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、1000%、2000%、3000%、4000%、5000%、10,000%、50,000%、又は100,000%減少する。幾つかの実施形態では、被験体は、フソソーム組成物の投与前の同じ被験体であり、幾つかの実施形態では、被験体は、異なる被験体である。
一態様では、本開示は、例えば本明細書に記載のように、被験体における標的細胞へのフソソームの融合を評価する方法を提供し、フソソーム組成物を受けた被験体からの生物学的サンプルを提供すること、及び生物学的サンプルにおいて融合していないフソソームのレベルを評価することを含む。
被験体において、レシピエント細胞の形成をもたらす標的細胞のフソソーム含有量を評価する方法(例えば、標的細胞へのフソソーム融合)の幾つかの実施形態では、該方法は、被験体から生物学的サンプルを収集することを更に含む。実施形態では、生物学的サンプルは、1つ以上のレシピエント細胞を含む。
被験体における標的細胞のフソソーム含有量(例えば、標的細胞へのフソソーム融合)を評価する方法の幾つかの実施形態では、該方法は、生物学的サンプル中の融合していないフソソームから、例えば、遠心分離によって、生物学的サンプル中のレシピエント細胞を分離することを更に含む。幾つかの実施形態では、この方法は、例えば遠心分離によって、生物学的サンプル中の融合していないフソソームと比較してレシピエント細胞を濃縮することを更に含む。幾つかの実施形態では、この方法は、例えばFACSによって、生物学的サンプル中の非標的細胞と比較して標的細胞を濃縮することを更に含む。
被験体における標的細胞のフソソーム含有量(例えば、標的細胞へのフソソーム融合)を評価する方法の幾つかの実施形態では、フソソーム組成物に関連する活性は、代謝産物の存在又はレベル、バイオマーカーの存在又はレベル(例えば、タンパク質レベル又は翻訳後修飾、例えば、リン酸化若しくは切断)から選択される。
被験体における標的細胞のフソソーム含有量(例えば、標的細胞へのフソソーム融合)を評価する方法の幾つかの実施形態では、フソソーム組成物に関連する活性は免疫原性である。実施形態では、標的細胞はCD3+細胞であり、生物学的サンプルは被験体から収集された血液サンプルである。実施形態では、血球は、例えば、緩衝塩化アンモニウム溶液を使用して、血液サンプルから濃縮される。実施形態では、濃縮された血球は、抗CD3抗体(例えば、マウス抗CD3-FITC抗体)と共にインキュベートされ、CD3+細胞は、例えば、蛍光活性化細胞ソーティングによって選択される。実施形態では、細胞、例えば選別された細胞、例えばCD3+細胞は、抗IgM抗体で染色することによって、細胞表面上の抗体の存在について分析される。幾つかの実施形態では、抗体が参照レベルを超えるレベルで存在する場合、被験体は、レシピエント細胞に対して免疫応答を有すると識別される。
実施形態では、免疫原性は、細胞溶解アッセイによってアッセイされる。実施形態では、生物学的サンプルからのレシピエント細胞は、他の細胞を溶解することができる免疫エフェクター細胞と共インキュベートされる。実施形態では、免疫エフェクター細胞は、被験体由来、又はフソソーム組成物を投与されていない被験体由来ものである。例えば、実施形態では、免疫原性は、PBMC細胞溶解アッセイによって評価される。実施形態では、生物学的サンプルからのレシピエント細胞は、被験体に由来する末梢血単核細胞(PBMC)又はフソソーム組成物を投与されていない被験体に由来する対照PBMCと共インキュベートされ、次いで、PBMCによるレシピエント細胞の溶解について評価される。実施形態では、免疫原性は、ナチュラルキラー(NK)細胞溶解アッセイによって評価される。実施形態では、レシピエント細胞は、被験体に由来するNK細胞又はフソソーム組成物を投与されていない被験体に由来する対照NK細胞と共インキュベートされ、次いで、NK細胞によるレシピエント細胞の溶解について評価される。実施形態では、免疫原性は、CD8+T細胞溶解アッセイによって評価される。実施形態では、レシピエント細胞は、被験体に由来するCD8+T細胞又はフソソーム組成物を投与されていない被験体に由来する対照CD8+T細胞と共インキュベートされ、次いで、CD8+T細胞によるレシピエント細胞の溶解について評価される。幾つかの実施形態では、細胞溶解が参照レベルを超えるレベルで起こる場合、被験体は、レシピエント細胞に対して免疫応答を有すると識別される。
幾つかの実施形態では、免疫原性は、例えばマクロファージによる、レシピエント細胞の食作用によってアッセイされる。実施形態では、レシピエント細胞は、マクロファージによって食作用の標的とされない。実施形態では、生物学的サンプルは、被験体から収集された血液サンプルである。実施形態では、血球は、例えば、緩衝塩化アンモニウム溶液を使用して、血液サンプルから濃縮される。実施形態では、濃縮された血球は、抗CD3抗体(例えば、マウス抗CD3-FITC抗体)と共にインキュベートされ、CD3+細胞は、例えば、蛍光活性化細胞ソーティングによって選択される。実施形態では、蛍光標識されたCD3+細胞は、マクロファージと共にインキュベートされ、次いで、例えば、フローサイトメトリーによって、マクロファージ内の細胞内蛍光について試験される。幾つかの実施形態では、マクロファージ食作用が参照レベルを超えるレベルで起こる場合、被験体は、レシピエント細胞に対して免疫応答を有すると識別される。
IX.フソソームの物理的及び機能的特徴
幾つかの実施形態では、フソソームは、作用物質、例えば、タンパク質、核酸(例えば、mRNA)、細胞小器官、又は代謝産物を、標的細胞の細胞質ゾルに送達する(例えば、送達する)ことができる。同様に、幾つかの実施形態では、本明細書の方法は、標的細胞の細胞質ゾルに作用物質を送達することを含む。幾つかの実施形態では、作用物質は、標的細胞に存在しないか、変異体であるか、又は野生型よりも低いレベルであるタンパク質(又はタンパク質をコードする核酸、例えば、タンパク質をコードするmRNA)である。幾つかの実施形態では、標的細胞は、遺伝性疾患、例えば、単一遺伝子性疾患、例えば、単一遺伝子性細胞内タンパク質疾患を有する被験体に由来する。幾つかの実施形態では、作用物質は、転写因子、例えば、外因性転写因子又は内因性転写因子を含む。幾つかの実施形態では、フソソームは又は方法は、1つ以上(例えば、少なくとも2、3、4、5、10、20、又は50)の追加の転写因子、例えば、外因性転写因子、内因性転写因子、又はそれらの組み合わせを更に含む、又はそれを送達することを更に含む。
幾つかの実施形態では、フソソームは、複数の作用物質(例えば、少なくとも2、3、4、5、10、20、又は50の作用物質)を含み(例えば、標的細胞に送達することができる)、ここで、複数の作用物質はそれぞれ、例えば、経路が生合成経路、異化経路、又はシグナル伝達カスケードである、標的細胞内の経路の段階に作用する。実施形態では、複数の各作用物質は、経路をアップレギュレートするか、又は経路をダウンレギュレートする。幾つかの実施形態では、フソソームは、経路の段階に作用しない、例えば、第2の経路の段階に作用する1つ以上の追加の作用物質(例えば、第2の複数の作用物質を含む)を更に含む、又は送達することを更に含む。幾つかの実施形態では、フソソームは、又は方法は、複数の作用物質(例えば、少なくとも2、3、4、5、10、20、又は50の作用物質)を含む(例えば、標的細胞に送達することができる)又はそれを送達することを更に含み、ここで、複数の作用物質はそれぞれ単一の経路の一部であり、経路は生合成経路、異化経路、又はシグナル伝達カスケードである、シグナル経路である。幾つかの実施形態では、フソソームは、シグナル経路の一部である、例えば、第2の経路の一部である、1つ以上の追加の作用物質(例えば、第2の複数の作用物質を含む)を更に含む、又は送達することを更に含む。
幾つかの実施形態では、標的細胞は、凝集した又は誤って折りたたまれたタンパク質を含む。幾つかの実施形態では、フソソームは、標的細胞における凝集した若しくは誤って折りたたまれたタンパク質のレベルを低下させることができる(例えば、レベルを低下させる)か、又は本明細書の方法は、標的細胞における凝集した若しくは誤って折りたたまれたタンパク質のレベルを低下させることを含む。
幾つかの実施形態では、作用物質は、転写因子、酵素(例えば、核酵素又はサイトゾル酵素)、DNA(例えば、Cas9、ZFN、又はTALEN)、mRNA(例えば、細胞内タンパク質をコードするmRNA)、細胞小器官、又は代謝産物への配列特異的修飾を媒介する試薬から選択される。
幾つかの実施形態では、フソソームは、標的細胞の細胞膜に作用物質、例えば、タンパク質を送達することができる(例えば、送達する)。同様に、幾つかの実施形態では、本明細書の方法は、標的細胞の細胞膜に作用物質を送達することを含む。幾つかの実施形態では、タンパク質を送達することは、標的細胞がタンパク質を産生し、それを膜に局在化するように、タンパク質をコードする核酸(例えば、mRNA)を標的細胞に送達することを含む。幾つかの実施形態では、フソソームはタンパク質を含み、又は方法はタンパク質を送達することを含み、標的細胞とのフソソームの融合が標的細胞の細胞膜に該タンパク質を運ぶ。幾つかの実施形態では、作用物質は、細胞表面リガンド又は細胞表面受容体に結合する抗体を含む。幾つかの実施形態では、フソソームは細胞表面受容体に結合する第2の細胞表面リガンド若しくは抗体を含む若しくはコードし、任意に、細胞表面受容体に結合する1つ以上の追加の細胞表面リガンド若しくは抗体(例えば、1、2、3、4、5、10、20、50、又はそれ以上)を更に含む若しくはコードする第2の作用物質を更に含む、又は方法は、該第2の作用物質を送達することを更に含む。幾つかの実施形態では、第1の作用物質及び第2の作用物質は複合体を形成し、任意に、複合体は、1つ以上の追加の細胞表面リガンドを更に含む。幾つかの実施形態では、作用物質は、細胞表面受容体、例えば、外因性細胞表面受容体を含むか、又はコードする。幾つかの実施形態では、フソソームは、第2の受容体を含む若しくはコードし、任意に、1つ以上の追加の細胞表面受容体(例えば、1、2、3、4、5、10、20、50、又はそれ以上の細胞表面受容体)を更に含む若しくはコードする第2の作用物質を更に含む、又は方法は、該第2の作用物質を送達することを更に含む。
幾つかの実施形態では、第1の作用物質及び第2の作用物質は複合体を形成し、任意に、複合体は、1つ以上の追加の細胞表面受容体を更に含む。幾つかの実施形態では、作用物質は、抗原又は抗原提示タンパク質を含む又はコードする。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、標的細胞がタンパク質を産生及び分泌することを可能にする条件下で、標的細胞に対してタンパク質をコードする核酸(例えば、mRNA)を送達することによって、分泌物質、例えば、分泌タンパク質を標的部位(例えば、細胞外領域)に送達することができる(例えば、送達する)。同様に、幾つかの実施形態では、本明細書の方法は、本明細書に記載のように分泌された作用物質を送達することを含む。実施形態では、分泌されたタンパク質は、内因性又は外因性である。実施形態では、分泌されたタンパク質は、タンパク質治療薬、例えば、抗体分子、サイトカイン、又は酵素を含む。実施形態では、分泌されたタンパク質は、オートクリンシグナル伝達分子又はパラクリンシグナル伝達分子を含む。実施形態では、分泌される作用物は、分泌顆粒を含む。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、転写因子若しくはmRNAから選択される作用物質、又は複数の当該作用物質を送達することによって、標的細胞(例えば、免疫細胞)をリプログラミングすることができる(例えば、リプログラムする)。同様に、幾つかの実施形態では、本明細書の方法は、標的細胞をリプログラミングすることを含む。実施形態では、リプログラミングは、非ドーパミン作動性ニューロンを誘導してドーパミン作動性ニューロンの1つ以上の特性を引き継ぐことによって、又は疲弊T細胞を誘導して、疲弊していないT細胞、例えばキラーT細胞の1つ以上の特徴を引き継ぐことによって、膵臓内分泌細胞を誘導して膵臓ベータ細胞の1つ以上の特性を引き継ぐことを含む。幾つかの実施形態では、作用物質は抗原を含む。幾つかの実施形態では、フソソームは、抗原を含む第1の薬剤及び抗原提示タンパク質を含む第2の薬剤を含む。
幾つかの実施形態では、フソソームは、1つ以上の細胞表面受容体を標的細胞(例えば、免疫細胞)に供与することができる(例えば、供与する)。同様に、幾つかの実施形態では、本明細書の方法は、1つ以上の細胞表面受容体を供与することを含む。
幾つかの実施形態では、フソソームは、標的腫瘍細胞を改変することができる、例えば改変する。同様に、幾つかの実施形態では、本明細書の方法は、標的腫瘍細胞を改変することを含む。実施形態では、フソソームは、免疫賦活リガンド、抗原提示タンパク質、腫瘍抑制タンパク質、又はアポトーシス促進タンパク質をコードするmRNAを含む。幾つかの実施形態では、フソソームは、免疫抑制リガンド、マイトジェンシグナル、又は成長因子の標的細胞におけるレベルを低下させることができるmiRNAを含む。
幾つかの実施形態では、フソソームは、免疫調節性である、例えば、免疫賦活性である薬剤を含む。
幾つかの実施形態では、フソソームは、標的細胞に抗原を提示させることができる(例えば、提示させる)。同様に、幾つかの実施形態では、本明細書の方法は、標的細胞上に抗原を提示することを含む。
幾つかの実施形態では、フソソームは、標的組織における再生を促進する。同様に、幾つかの実施形態では、本明細書の方法は、標的組織における再生を促進することを含む。実施形態では、標的細胞は、心筋細胞、例えば、心筋細胞(例えば、静止心筋細胞)、肝芽細胞(例えば、胆管肝芽細胞)、上皮細胞、ナイーブT細胞、マクロファージ(例えば、腫瘍)浸潤性マクロファージ)、又は線維芽細胞(例えば、心臓線維芽細胞)である。実施形態では、ソース細胞は、T細胞(例えば、Treg)、マクロファージ、又は心筋細胞である。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、遺伝子治療のために、例えば、標的細胞のゲノムを安定に改変するために、核酸を標的細胞に送達することができる(例えば、送達する)。同様に、幾つかの実施形態では、本明細書の方法は、核酸を標的細胞に送達することを含む。幾つかの実施形態では、標的細胞は、酵素欠損を有し、例えば、酵素の活性の低下(例えば、活性なし)をもたらす酵素の突然変異を含む。
幾つかの実施形態では、フソソームは、標的細胞におけるDNA(例えば、Cas9、ZFN、又はTALEN)への配列特異的修飾を媒介する試薬を送達することができる(例えば、送達する)。同様に、幾つかの実施形態では、本明細書の方法は、試薬を標的細胞に送達することを含む。実施形態では、標的細胞は、CNS細胞である。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、標的細胞における遺伝子発現を一時的に改変するために、核酸を標的細胞に送達することができる(例えば、送達する)。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、タンパク質欠損を一時的に救済するために、タンパク質を標的細胞に送達することができる(例えば、送達する)。同様に、幾つかの実施形態では、本明細書の方法は、タンパク質を標的細胞に送達することを含む。実施形態では、タンパク質は、膜タンパク質(例えば、膜輸送体タンパク質)、細胞質タンパク質(例えば、酵素)、又は分泌タンパク質(例えば、免疫抑制タンパク質)である。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、標的細胞が欠陥のある細胞小器官ネットワークを有する場合に、細胞小器官を標的細胞に送達することができる(例えば、送達する)。同様に、幾つかの実施形態では、本明細書の方法は、細胞小器官を標的細胞に送達することを含む。実施形態では、ソース細胞は、肝細胞、骨格筋細胞、又はニューロンである。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、標的細胞が遺伝子突然変異を有する場合に、核を標的細胞に送達することができる(例えば、送達する)。同様に、幾つかの実施形態では、本明細書の方法は、核を標的細胞に送達することを含む。幾つかの実施形態では、核は自己由来であり、標的細胞と比較して1つ以上の遺伝的変化を含み、例えば、DNA(例えば、Cas9、ZFN、又はTALEN)に対する配列特異的修飾、又は人工染色体、ゲノムに組み込まれた追加の遺伝的変化、欠失、又はそれらの任意の組み合わせを含む。実施形態では、自家核の供給源は、幹細胞、例えば、造血幹細胞である。実施形態では、標的細胞は、筋細胞(例えば、骨格筋細胞又は心筋細胞)、肝細胞、又はニューロンである。
幾つかの実施形態では、フソソームは、細胞内分子送達が可能であり、例えば、タンパク質作用物質を標的細胞に送達することができる。同様に、幾つかの実施形態では、本明細書の方法は、標的細胞の細胞内領域に分子を送達することを含む。実施形態では、タンパク質作用物質は阻害剤である。実施形態では、タンパク質作用物質は、ナノボディ、scFv、ラクダ抗体、ペプチド、大環状分子、又は小分子を含む。
幾つかの実施形態では、フソソームは、標的細胞にタンパク質、例えば、治療用タンパク質を分泌させる(例えば、その分泌を引き起こす)ことができる。同様に、幾つかの実施形態では、本明細書の方法は、標的細胞にタンパク質を分泌させることを含む。
幾つかの実施形態では、フソソームは、作用物質、例えば、タンパク質を分泌することができる(例えば、分泌する)。幾つかの実施形態では、作用物質、例えば、分泌された作用物質は、被験体の標的部位に送達される。幾つかの実施形態では、作用物質は、組換え的に作製することができないか、又は組換え的に作製することが困難なタンパク質である。幾つかの実施形態では、タンパク質を分泌するフソソームは、MSC又は軟骨細胞から選択されたソース細胞に由来する。
幾つかの実施形態では、フソソームは、その膜上に1つ以上の細胞表面リガンド(例えば、1、2、3、4、5、10、20、50、又はそれ以上の細胞表面リガンド)を含む。同様に、幾つかの実施形態では、本明細書の方法は、1つ以上の細胞表面リガンドを標的細胞に提示することを含む。幾つかの実施形態では、細胞表面リガンドを有するフソソームは、好中球(例えば、標的細胞が腫瘍浸潤リンパ球である)、樹状細胞(例えば、標的細胞がナイーブT細胞である)、又は好中球(例えば、標的は腫瘍細胞又はウイルス感染細胞である)から選択されるソース細胞に由来する。幾つかの実施形態では、フソソームは、膜複合体、例えば、少なくとも2、3、4、又は5つのタンパク質を含む複合体、例えば、ホモ三量体、ヘテロ三量体、ホモ三量体、ヘテロ三量体、ホモ四量体、又はヘテロ四量体を含む。幾つかの実施形態では、フソソームは、抗体、例えば、毒性抗体を含み、例えば、フソソームは、例えば、標的部位にホーミングすることによって、抗体を標的部位に送達することができる。幾つかの実施形態では、ソース細胞は、NK細胞又は好中球である。
幾つかの実施形態では、本明細書の方法は、標的細胞からのタンパク質の分泌又は標的細胞の表面上のリガンド提示を引き起こすことを含む。幾つかの実施形態では、フソソームは、標的細胞の細胞死を引き起こすことができる。幾つかの実施形態では、フソソームは、NKソース細胞に由来する。
幾つかの実施形態では、フソソーム又は標的細胞は、(例えば、病原体の)食作用が可能である。同様に、幾つかの実施形態では、本明細書の方法は、食作用を引き起こすことを含む。
幾つかの実施形態では、フソソームは、その局所環境を感知し、それに応答する。幾つかの実施形態では、フソソームは、代謝産物、インターロイキン、又は抗原のレベルを感知することができる。
実施形態では、フソソームは、走化性、血管外漏出、又は1つ以上の代謝活性が可能である。実施形態では、代謝活性は、キヌレニン、糖新生、プロスタグランジン脂肪酸酸化、アデノシン代謝、尿素回路、及び発熱呼吸から選択される。幾つかの実施形態では、ソース細胞は好中球であり、フソソームは傷害部位にホーミングすることができる。幾つかの実施形態では、ソース細胞はマクロファージであり、フソソームは食作用が可能である。幾つかの実施形態では、ソース細胞は褐色脂肪組織細胞であり、フソソームは脂肪分解が可能である。
幾つかの実施形態では、フソソームは、複数の作用物質(例えば、少なくとも2、3、4、5、10、20、又は50の作用物質)を含む(例えば、標的細胞に送達することができる)。実施形態では、フソソームは、阻害性核酸(例えば、siRNA又はmiRNA)及びmRNAを含む。
幾つかの実施形態では、フソソームは、膜タンパク質又は膜タンパク質をコードする核酸を含む(例えば、標的細胞に送達することができる)。実施形態では、フソソームは、標的細胞を再プログラミング又は分化転換することができ、例えば、フソソームは、標的細胞の再プログラミング又は分化転換を誘導する1つ以上の作用物質を含む。
幾つかの実施形態では、被験体は再生を必要としている。幾つかの実施形態では、被験体は、癌、自己免疫疾患、感染症、代謝性疾患、神経変性疾患、又は遺伝性疾患(例えば、酵素欠損症)に罹患している。
幾つかの実施形態(例えば、カーゴの非エンドサイトーシス送達をアッセイするための実施形態)では、カーゴ送達は、以下の工程の1つ以上(例えば、全て)を使用してアッセイされる:(a)30,000個のHEK-293T標的細胞を100nMバフィロマイシンA1を含む第1の96ウェルプレートに入れ、同数の同様の細胞をバフィロマイシンA1を欠く96ウェルプレートの第2のウェルに入れる工程、(b)標的細胞をDMEM培地で37℃及び5%CO2で4時間培養する工程、(c)カーゴを含む10ugのフソソームと標的細胞を接触させる工程、(d)標的細胞及びフソソームを37℃及び5%CO2で24時間インキュベートする工程、及び(e)カーゴを含む第1のウェル及び第2のウェルの細胞の割合を決定する工程。工程(e)は、顕微鏡法を使用して、例えば免疫蛍光法を使用してカーゴを検出することを含み得る。工程(e)は、カーゴを間接的に検出すること、例えば、カーゴの下流効果、例えば、レポータータンパク質の存在を検出することを含み得る。幾つかの実施形態では、上記の工程(a)~(e)の1つ以上は、実施例80に記載されるように実行される。
幾つかの実施形態では、エンドサイトーシスの阻害剤(例えば、クロロキン又はバフィロマイシンA1)は、エンドソームの酸性化を阻害する。幾つかの実施形態では、カーゴ輸送は、リソソーム酸性化とは無関係である。幾つかの実施形態では、エンドサイトーシスの阻害剤(例えば、ダイナソアル)は、ダイナミンを阻害する。幾つかの実施形態では、カーゴ輸送は、ダイナミン活性とは無関係である。
幾つかの実施形態(例えば、標的細胞対非標的細胞へのカーゴの特異的送達のための実施形態)では、カーゴ送達は、以下の工程の1つ以上(例えば、全て)を使用してアッセイされる:(a)30,000個のCD8a及びCD8bを過剰発現するHEK-293T標的細胞を第1の96ウェルプレートに入れ、30,000個のCD8a及びCD8bを過剰発現しないHEK-293T非標的細胞を96ウェルプレートの第2のウェルに入れる工程、(b)細胞をDMEM培地で37℃及び5%CO2で4時間培養する工程、(c)カーゴを含む10ugのフソソームと標的細胞を接触させる工程、(d)標的細胞及びフソソームを37℃及び5%CO2で24時間インキュベートする工程、及び(e)カーゴを含む第1のウェル及び第2のウェルの細胞の割合を決定する工程。工程(e)は、顕微鏡法を使用して、例えば免疫蛍光法を使用してカーゴを検出することを含み得る。工程(e)は、カーゴを間接的に検出すること、例えば、カーゴの下流効果、例えば、レポータータンパク質の存在を検出することを含み得る。幾つかの実施形態では、上記の工程(a)~(e)の1つ以上は、実施例71に記載されるように実行される。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例42のアッセイにおいて、非標的細胞よりも標的細胞と、例えば、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、50倍、又は100倍速い速度で融合する。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例42のアッセイにおいて、他のフソソームよりも、例えば、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%速い速度で標的細胞と融合する。フソソームが、例えば、実施例42のアッセイにおいて、フソソーム内の作用物質が、24、48、又は72時間後に、標的細胞の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、若しくは90%まで送達されるような速度で標的細胞と融合する。実施形態では、標的化融合の量は、例えば、実施例42のアッセイにおいて、約30%~70%、35%~65%、40%~60%、45%~55%、又は45%~50%、例えば、約48.8%である。実施形態では、標的化融合の量は、例えば、実施例43のアッセイにおいて、約20%~40%、25%~35%、又は30%~35%、例えば、約32.2%である。
幾つかの実施形態では、フソゲンは、例えば、実施例26のアッセイによって測定した場合、少なくとも10、50、100、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、5,000,000、10,000,000、50,000,000、100,000,000、500,000,000、若しくは1,000,000,000コピー、又はそれ以下のコピー数で存在する。幾つかの実施形態では、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%のフソソームに含まれるフソゲンは細胞膜内に配置されている。実施形態では、フソソームはまた、内部に、例えば、細胞質又は細胞小器官にフソゲンを含む。幾つかの実施形態では、フソゲンは、例えば、実施例94に記載される方法及び/又は質量分析アッセイに従って決定した場合、フソソームにおいて約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、5%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、20%若しくはそれ以上、又は約1~30%、5~20%、10~15%、12~15%、13~14%、又は13.6%の総タンパク質を含む(又は含むと識別される)。実施形態では、フソゲンは、フソソーム中の総タンパク質の約13.6%を含む(又は含むと同定される)。幾つかの実施形態では、フソゲンは、例えば、実施例94に記載の方法に従って決定されるように、1つ以上の目的の追加のタンパク質よりも多かれ少なかれ豊富である(又はそうであると識別される)。一実施形態では、フソゲンは、約140、145、150、151、152、153、154、155、156、157(例えば、156.9)、158、159、160、165、又は170のEGFPに対する比を有する(又は有すると識別される)。別の実施形態では、フソゲンは、例えば、質量分析アッセイによれば、約2700、2800、2900、2910(例えば、2912)、2920、2930、2940、2950、2960、2970、2980、2990若しくは3000、又は約1000~5000、2000~4000、2500~3500、2900~2930、2910~2915、又は2912.0のCD63に対する比を有する(又は有すると識別される)。一実施形態では、フソゲンは、約600、610、620、630、640、650、660(例えば、664.9)、670、680、690、又は700のARRDC1に対する比率を有する(又は有すると識別される)。別の実施形態では、フソゲンは、約50、55、60、65、70(例えば、69)、75、80若しくは85、又は約1~30%、5~20%、10~15%、12~15%、13~14%、又は13.6%のGAPDHに対する比を有する(又は有すると識別される)。別の実施形態では、フソゲンは、例えば、質量分析アッセイによれば、約500、510、520、530、540、550、560(例えば、558.4)、570、580、590若しくは600、又は約300~800、400~700、500~600、520~590、530~580、540~570、550~560若しくは558.4のCNXに対する比を有する(又は有すると識別される)。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例88のアッセイによって測定した場合、少なくとも10、50、100、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、5,000,000、10,000,000、50,000,000、100,000,000、500,000,000、若しくは1,000,000,000コピー又はそれ以下のコピー数で治療剤を含む。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例88のアッセイによって測定した場合、少なくとも10、50、100、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、5,000,000、10,000,000、50,000,000、100,000,000、500,000,000、若しくは1,000,000,000コピーのコピー数でタンパク質治療剤を含む。幾つかの実施形態では、フソソームは、少なくとも10、50、100、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、5,000,000、10,000,000、50,000,000、100,000,000、500,000,000、若しくは1,000,000,000コピーのコピー数で核酸を含む。幾つかの実施形態では、フソソームは、少なくとも10、50、100、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、5,000,000、10,000,000、50,000,000、100,000,000、500,000,000、若しくは1,000,000,000コピーのコピー数でDNAを含む。幾つかの実施形態では、フソソームは、少なくとも10、50、100、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、5,000,000、10,000,000、50,000,000、100,000,000、500,000,000、若しくは1,000,000,000コピーのコピー数でRNAを含む。幾つかの実施形態では、フソソームは、少なくとも10、50、100、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、5,000,000、10,000,000、50,000,000、100,000,000、500,000,000、若しくは1,000,000,000コピーのコピー数で外因性治療薬を含む。幾つかの実施形態では、フソソームは、少なくとも10、50、100、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、5,000,000、10,000,000、50,000,000、100,000,000、500,000,000、又は1,000,000,000コピーのコピー数の外因性タンパク質治療薬を含む。幾つかの実施形態では、フソソームは、少なくとも10、50、100、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、5,000,000、10,000,000、50,000,000、100,000,000、500,000,000、若しくは1,000,000,000コピーのコピー数で核酸(例えば、DNA又はRNA)を含む。幾つかの実施形態では、フソゲンのコピー数と治療薬のコピー数の比は、1,000,000:1~100,000:1、100,000:1~10,000:1、10,000:1~1,000:1、1,000:1~100:1、100:1~50:1、50:1~20:1、20:1~10:1、10:1~5:1、5:1~2:1、2:1~1:1、1:1~1:2、1:2~1:5、1:5~1:10、1:10~1:20、1:20~1:50、1:50~1:100、1:100~1:1,000、1:1,000~1:10,000、1:10,000~1:100,000、又は1:100,000~1:1,000,000である。
幾つかの実施形態では、フソソームは、治療薬を少なくとも10、50、100、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、5,000,000、10,000,000、50,000,000、100,000,000、500,000,000、又は1,000,000,000コピーで標的細胞に送達する。幾つかの実施形態では、フソソームは、タンパク質を少なくとも10、50、100、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、5,000,000、10,000,000、50,000,000、100,000,000、500,000,000、又は1,000,000,000コピーで標的細胞に送達する。幾つかの実施形態では、フソソームは、核酸を少なくとも10、50、100、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、5,000,000、10,000,000、50,000,000、100,000,000、500,000,000、又は1,000,000,000コピーで標的細胞に送達する。幾つかの実施形態では、フソソームは、RNAを少なくとも10、50、100、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、5,000,000、10,000,000、50,000,000、100,000,000、500,000,000、又は1,000,000,000コピーで標的細胞に送達する。幾つかの実施形態では、フソソームは、DNAを少なくとも10、50、100、500、1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、5,000,000、10,000,000、50,000,000、100,000,000、500,000,000、又は1,000,000,000コピーで標的細胞に送達する。
幾つかの実施形態では、フソソームは、フソソームによって含まれるカーゴ(例えば、治療薬、例えば、内因性治療薬又は外因性治療薬)の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%を標的細胞に送達する。幾つかの実施形態では、標的細胞(複数の場合がある)と融合するフソソームは、標的細胞(複数の場合がある)と融合するフソソームによって含まれるカーゴ(例えば、治療薬、例えば、内因性治療薬又は外因性治療薬)の平均で少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%を標的細胞に送達する。幾つかの実施形態では、フソソーム組成物は、フソソーム組成物によって含まれるカーゴ(例えば、治療薬、例えば、内因性治療薬又は外因性治療薬)の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%を標的組織に送達する。
幾つかの実施形態では、フソソームは、フソソーム中の総タンパク質1mgあたり0.00000001mgのフソゲン~1mgのフソゲンを含み、例えば、フソソーム中の総タンパク質1mgあたり0.00000001~0.0000001、0.0000001~0.000001、0.000001~0.00001、0.00001~0.0001、0.0001~0.001、0.001~0.01、0.01~0.1、又は0.1~1mgのフソゲンを含む。幾つかの実施形態では、フソソームは、フソソーム中の脂質1mgあたり0.00000001mgのフソゲン~5mgのフソゲンを含み、例えば、フソソーム中の脂質1mgあたり0.00000001~0.0000001、0.0000001~0.000001、0.000001~0.00001、0.00001~0.0001、0.0001~0.001、0.001~0.01、0.01~0.1、0.1~1、又は1~5mgのフソゲンを含む。
幾つかの実施形態では、カーゴはタンパク質カーゴである。実施形態では、カーゴは、内因性又は合成タンパク質カーゴである。幾つかの実施形態では、フソソームは、フソソームあたり、少なくとも1、2、3、4、5、10、20、50、100、又はそれ以上のタンパク質カーゴを有する(又は有すると識別される)。一実施形態では、フソソームは、例えば、実施例88に記載される方法に従って定量化した場合、フソソームあたり約100、110、120、130、140、150、160、166、170、180、190、又は200のタンパク質作用物質分子を有する(又は有すると同定される)。幾つかの実施形態では、内因性又は合成タンパク質カーゴは、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、1%、5%、10%、15%、20%、25%以上のフソソーム中の総タンパク質を含む(又は含むと識別される)。一実施形態では、合成タンパク質カーゴは、フソソーム中の総タンパク質の約13.6%を含む(又は含むと識別される)。幾つかの実施形態では、合成タンパク質カーゴは、4×10-3、5×10-3、6×10-3(例えば、6.37×10-3)、7×10-3、又は8×10-3のVSV-Gに対する比を有する(又は有すると識別される)。実施形態では、合成タンパク質カーゴは、約10、15、16、17、18(例えば、18.6)、19、20、25若しくは30、又は約10~30、15~25、16~19、18~19若しくは18.6のCD63に対する比を有する(又は有すると識別される)実施形態では、合成タンパク質カーゴは、約2、3、4(例えば、4.24)、5、6、又は7のARRDC1に対する比を有する(又は有すると識別される)。実施形態では、合成タンパク質カーゴは、約0.1、0.2、0.3、0.4(例えば、0.44)、0.5、0.6、又は0.7のGAPDHに対する比を有する(又は有すると識別される)。実施形態では、合成タンパク質カーゴは、約1、2、3(例えば、3.56)、4、5、又は6のCNXに対する比を有する(又は有すると識別される)。実施形態では、合成タンパク質カーゴは、約10、15、16、17、18、19(例えば、19.52)、20、21、22、23、24、25、又は30のTSG101に対する比を有する(又は有すると識別される)。
幾つかの実施形態では、フソゲンは、例えば、質量分析アッセイによれば、フソソーム中の総タンパク質の少なくとも0.5%、1%、5%、10%、又はそれ以上を含む(又は含むと識別される)。一実施形態では、フソゲンは、例えば、質量分析アッセイによれば、フソソーム中の総タンパク質の約1~30%、5~20%、10~15%、12~15%、13~14%、又は13.6%を含む(又は含むと識別される)。幾つかの実施形態では、フソゲンは、目的の他のタンパク質よりも豊富である。実施形態では、フソゲンは、例えば、質量分析アッセイによれば、ペイロードタンパク質、例えば、EGFPに対する比が約145~170、150~165、155~160、156.9である(又は有すると識別される)。実施形態では、フソゲンは、例えば、質量分析アッセイによれば、約1000~5000、2000~4000、2500~3500、2900~2930、2910~2915、又は2912.0のCD63に対する比を有する(又は有すると同定される)。実施形態では、フソゲンは、例えば、質量分析アッセイによれば、約300~1000、400~900、500~800、600~700、640~690、650~680、660~670、又は664.9のARRDC1に対する比を有する。実施形態では、フソゲンは、例えば、質量分析アッセイによれば、約20~120、40~100、50~90、60~80、65~75、68~70、又は69.0のGAPDHに対する比を有する(又は有すると同定される)。実施形態では、フソゲンは、例えば、質量分析アッセイによれば、約200~900、300~800、400~700、500~600、520~590、530~580、540~570、550~560、又は558.4のCNXに対する比を有する。実施形態では、質量分析エッセイは、実施例94のアッセイである。
幾つかの実施形態では、フソソームとソース細胞の両方に存在する(例えば、それらの間で共有される)脂質種の数は、例えば質量分析アッセイを使用すると、少なくとも300、400、500、550、560若しくは569である(又はそうであると識別される)、又は500~700、550~600若しくは560~580である。実施形態では、ソース細胞における対応する脂質レベルの少なくとも25%のレベルでフソソームに存在する脂質種の数(両方ともサンプル内の総脂質レベルに対して正規化される)は、例えば、質量分析アッセイを使用すると、少なくとも300、400、500、530、540若しくは548である、又は400~700、500~600、520~570、530~560、又は540~550である(又はそうであると識別される)。幾つかの実施形態では、ソース細胞中の総脂質種に対する、フソソーム及びソース細胞の両方に存在する(例えば、それらの間で共有される)脂質種の分率は、例えば質量分析アッセイを使用すると、約0.4~1.0、0.5~0.9、0.6~0.8若しくは0.7である、又は少なくとも0.4、0.5、0.6若しくは0.7である(又はそうであると識別される)。実施形態では、質量分析アッセイは、実施例86のアッセイである。
幾つかの実施形態では、ソース細胞とフソソームの両方に存在する(例えば、それらの間で共有される)タンパク質種の数は、例えば、質量分析アッセイを使用すると、少なくとも500、1000、1100、1200、1300、1400、1487、1500若しくは1600である、又は1200~1700、1300~1600、1400~1500、1450~1500若しくは1480~1490である(又はそうであると識別される)。実施形態では、ソース細胞の対応するタンパク質レベルの少なくとも25%のレベルでフソソームに存在するタンパク質種の数(両方ともサンプル内の総タンパク質レベルに正規化される)は、例えば質量分析アッセイを使用すると、少なくとも500、600、700、800、900、950、957、1000、又は1200である(又はそうであると識別される)。幾つかの実施形態では、ソース細胞中の総タンパク質種に対する、フソソーム及びソース細胞の両方に存在する(例えば、それらの間で共有される)タンパク質種の分率は、例えば、質量分析アッセイを使用すると、約0.1~0.6、0.2~0.5、0.3~0.4若しくは0.333である、又は少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.333若しくは0.4である(又はそうであると識別される)。実施形態では、質量分析アッセイは、実施例87のアッセイである。
幾つかの実施形態では、CD63は、例えば、質量分析アッセイ、例えば、実施例89のアッセイによれば、フソソーム中の総タンパク質の0.048%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、又は10%未満の量で存在する(又は存在すると識別される)。
幾つかの実施形態では、フソソームは、フィルター、例えば、約1~10、2~8、3~7、4~6、又は5umのフィルターを通して押し出すことによって生産される。幾つかの実施形態では、フソソームは、約1~5、2~5、3~5、4~5、又は5umの平均径を有する(又は有すると識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、少なくとも1、2、3、4、又は5umの平均径を有する(又は有すると識別される)。
幾つかの実施形態では、フソソームは、ソース細胞と比較して、以下の脂質の1つ以上(例えば、少なくとも2、3、4、5、又は全て)が濃縮されている(又は濃縮されていると識別される):コレステリルエステル、遊離コレステロール、エーテル結合リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルセリン、ホスファチデート、エーテル結合ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、及びスフィンゴミエリン。幾つかの実施形態では、フソソームは、ソース細胞と比較して、以下の脂質の1つ以上(例えば、少なくとも2、3、4、5、又は全て)が枯渇している(又は枯渇していると識別される):セラミド、カルジオリピン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルイノシトール、エーテル結合ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、及びトリアシルグリセロール。幾つかの実施形態では、フソソームは、1つ以上の前述の濃縮された脂質について濃縮されている(又は濃縮されていると識別される)、又は、前述の枯渇脂質の1つ以上について枯渇している。幾つかの実施形態では、フソソームは、ソース細胞における対応するレベルよりも、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、5倍、又は10倍高い総脂肪の割合として濃縮された脂肪を含む(又は含むと識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、ソース細胞における対応するレベルの90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、又は10%未満であるレベルの総脂肪の割合として枯渇された脂肪を含む(又は含むと識別される)。実施形態では、脂質濃縮は、質量分析アッセイ、例えば、実施例96のアッセイによって測定される。
幾つかの実施形態では、CE脂質レベルは、フソソームにおいてエクソソームよりも約2倍、及び/又はフソソームにおいて親細胞よりも(サンプル中の総脂質と比較して)約5、6、7、8、9、又は10倍高い(又はそうであると識別される)。幾つかの実施形態では、セラミド脂質レベルは、(サンプル中の総脂質と比較して)親細胞においてフソソームよりも約2、3、4、又は5倍高い(又はそうであると識別される)。幾つかの実施形態では、コレステロールレベルは、エクソソームにおいて、フソソームよりも約1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9若しくは2倍、及び/又はフソソームにおいて(サンプル中の総脂質と比較して)親細胞よりも約2倍大きい(又はそうであると識別される)。幾つかの実施形態では、CL脂質レベルは、(サンプル中の総脂質と比較して)親細胞において、フソソームよりも少なくとも約5、10、20、30、又は40倍大きい(又はそうであると識別される)。幾つかの実施形態では、DAG脂質レベルは、エクソソームにおいてフソソームよりも約2倍若しくは3倍高く、及び/又は親細胞においてフソソームよりも約1.5倍又は2倍高い(サンプル中の総脂質と比較して)。幾つかの実施形態では、PC脂質レベルは、エクソソームとフソソームとの間でほぼ等しい(又はそうであると識別される)、及び/又は親細胞において、フソソームよりも約1.3、1.4、1.5、1.6、1.7若しくは1.8倍高い(サンプル中の総脂質と比較して)。幾つかの実施形態では、PC O脂質レベルは、エクソソームとフソソームとの間でほぼ等しい(又はそうであると識別される)、及び/又は親細胞において、フソソームよりも約2倍高い(サンプル中の総脂質と比較して)。幾つかの実施形態では、PE脂質レベルは、フソソームにおいてエクソソームよりも約1.3、1.4、1.5、1.6、1.7若しくは1.8倍高い(又はそうであると識別される)、及び/又は親細胞においてフソソームよりも約1.3、1.4、1.5、1.6、1.7若しくは1.8倍高い(サンプルの総脂質と比較して)。幾つかの実施形態では、PE O-脂質レベルは、エクソソームとフソソームとの間でほぼ等しい(又はそうであると識別される)、及び/又は親細胞においてフソソームよりも約1.5、1.6、1.7、1.8、1.9若しくは2倍高い(相対的)サンプル中の総脂質に)。幾つかの実施形態では、PG脂質レベルは、エクソソームとフソソームとの間でほぼ等しい(又はそうであると識別される)、及び/又はフソソームでは親細胞よりも約2、3、4、5、6、7、8、9、又は10倍高い(サンプル中の総脂質と比較して)。幾つかの実施形態では、PI脂質レベルは、エクソソームとフソソームとの間でほぼ等しい(又はそうであると識別される)、及び/又はフソソームでは親細胞よりも約3、4、5、6、又は7倍高い(サンプル中の総脂質と比較して)。幾つかの実施形態では、PS脂質レベルは、エクソソームとフソソームとの間でほぼ等しい、及び/又はフソソームでは親細胞よりも約2倍高い(サンプル中の総脂質と比較して)。幾つかの実施形態では、SM脂質レベルは、エクソソームとフソソームとの間でほぼ等しい(又はそうであると識別される)、及び/又はフソソームでは親細胞よりも約2、2.5、又は3倍高い(サンプル中の総脂質と比較して)。幾つかの実施形態では、TAG脂質レベルは、エクソソームとフソソームとの間でほぼ等しい(又はそうであると識別される)、及び/又はフソソームでは親細胞よりも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100倍高い(サンプル中の総脂質と比較して)。
幾つかの実施形態では、フソソームは、エクソソームと比較して、以下の脂質の1つ以上(例えば、少なくとも2、3、4、5、又は全て)が濃縮されている(又は濃縮されていると識別される):コレステリルエステル、セラミド、ジアシルグリセロール、リゾホスファチデート、及びホスファチジルエタノールアミン、及びトリアシルグリセロール。幾つかの実施形態では、フソソームは、エクソソームと比較して(サンプル中の総脂質と比較して)、以下の脂質の1つ以上(例えば、少なくとも2、3、4、5、又は全て)が枯渇している(又は枯渇していると識別される):遊離コレステロール、ヘキソシルセラミド、リゾホスファチジルコリン、エーテル結合リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、エーテル結合リゾホスファチジルエタノールアミン、及びリゾホスファチジルセリン。幾つかの実施形態では、フソソームは、1つ以上の前述の濃縮された脂質について濃縮され又は、前述の枯渇脂質の1つ以上について枯渇している(又はそのように識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、エクソソームにおける対応するレベルよりも、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、5倍、又は10倍高い総脂肪の割合として濃縮された脂肪を含む(又は含むと識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、エクソソームにおける対応するレベルの90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、又は10%未満であるレベルの総脂肪の割合として枯渇された脂肪を含む(又は含むと識別される)。実施形態では、脂質濃縮は、質量分析アッセイ、例えば、実施例96のアッセイによって測定される。
幾つかの実施形態では、セラミド脂質レベルは、フソソームではエクソソームよりも約2倍高く(又はそうであると識別される)、及び/又はフソソームでは親細胞よりも約2倍高い(サンプル中の総脂質と比較して)。幾つかの実施形態では、HexCer脂質レベルは、エクソソームではフソソームよりも約1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、又は2倍高い(又はそうであると識別される)、及び/又はフソソームと親細胞でほぼ等しい(サンプル中の総脂質と比較して)。幾つかの実施形態では、LPA脂質レベルは、フソソームではエクソソームよりも約3倍若しくは4倍高く(又はそうであると識別される)、及び/又はフソソームでは親細胞よりも約1.3、1.4、1.5、1.6、1.7若しくは1.8倍高い(サンプル中の総脂質と比較して)。幾つかの実施形態では、LPC脂質レベルは、エクソソームではフソソームよりも約2倍高く(又はそうであると識別される)、及び/又はフソソームでは親細胞よりも約1.5.1.6、1.7、1.8、1.9若しくは2倍高い(サンプル中の総脂質と比較して)。幾つかの実施形態では、LPC O脂質レベルは、エクソソームではフソソームよりも約3倍若しくは4倍高い(又はそうであると識別される)、及び/又はフソソームと親細胞との間でほぼ等しい(サンプル中の総脂質と比較して)。幾つかの実施形態では、LPE脂質レベルは、エクソソームではフソソームよりも約1.5、1.6、1.7、1.8、1.9若しくは2倍高く(又はそうであると識別される)、及び/又はフソソームでは親細胞よりも約1.5.1.6、1.7、1.8、1.9若しくは2倍高い(サンプル中の総脂質と比較して)。幾つかの実施形態では、LPE O脂質レベルは、エクソソームではフソソームよりも約2倍若しくは3倍高い(又はそうであると識別される)、及び/又はフソソームと親細胞との間でほぼ等しい(サンプル中の総脂質と比較して)。幾つかの実施形態では、LPS脂質レベルは、エクソソームではフソソームよりも(サンプル中の総脂質と比較して)約3倍高い(又はそうであると識別される)。幾つかの実施形態では、PA脂質レベルは、フソソームではエクソソームよりも約1.5、1.6、1.7、1.8、1.9若しくは2倍高く(又はそうであると識別される)、及び/又はフソソームでは親細胞よりも約2倍高い(サンプル中の総脂質と比較して)。幾つかの実施形態では、PG脂質レベルは、フソソソームとエクソソームとの間でほぼ等しい(又はそうであると識別される)、及び/又はフソソームでは親細胞よりも約10、11、12、13、14若しくは15倍高い(サンプル中の総脂質と比較して)。
幾つかの実施形態では、フソソームは、ソース細胞の脂質組成物と実質的に同様の脂質組成物を含むか、又はCL、Cer、DAG、HexCer、LPA、LPC、LPE、LPG、LPI、LPS、PA、PC、PE、PG、PI、PS、CE、SM及びTAGの1つ以上が、ソース細胞内の対応する脂質レベルの10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は50%以内である。実施形態では、フソソームの脂質組成は、それらが由来する細胞に類似している。実施形態では、フソソーム及び親細胞は、例えば、実施例86に従って決定した場合、親細胞の任意の複製サンプルにおいて識別される脂質種の約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、又は90%以上が、フソソームの任意の複製サンプルに存在する(又は存在すると識別される)場合、同様の脂質組成を有する(又は有すると識別される)。実施形態では、識別された脂質のうち、フソソームの平均レベルは、親細胞の対応する平均脂質種レベルの約10%、15%、20%、25%、30%、35%、又は40%よりも大きい(サンプル中の総脂質と比較して)。一実施形態では、フソソームの脂質組成物は、親細胞と比較して特定の脂質について濃縮及び/又は枯渇している(サンプル中の総脂質と比較して)。
幾つかの実施形態では、フソソームの脂質組成は、例えば、実施例96に記載の方法に従って決定する場合、親細胞と比較して特定の脂質が濃縮及び/又は枯渇している(又はそうであると識別される)。
幾つかの実施形態では、フソソームは、親細胞よりも大きい総脂質に対するホスファチジルセリンの比を有する(又は有すると同定される)。実施形態では、フソソームは、親細胞に対して約110%、115%、120%、121%、122%、123%、124%、125%、130%、135%、140%、又はそれ以上のホスファチジルセリンの総脂質に対する比を有する(又は有すると識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、親細胞と比較して、コレステリルエステル、遊離コレステロール、エーテル結合リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルセリン、ホスファチデート、エーテル結合ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、及び/又はスフィンゴミエリンが濃縮されている(又はそうであると識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、親細胞と比較して、セラミド、カルジオリピン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルイノシトール、エーテル結合ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、及び/又はトリアシルグリセロールが枯渇している(又はそうであると識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、エクソソームと比較して、コレステリルエステル、セラミド、ジアシルグリセロール、リゾホスファチデート、ホスファチジルエタノールアミン、及び/又はトリアシルグリセロールが濃縮されている(又はそうであると識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、エクソソームと比較して、遊離コレステロール、ヘキソシルセラミド、リゾホスファチジルコリン、エーテル結合リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、エーテル結合リゾホスファチジルエタノールアミン、及び/又はリゾホスファチジルセリンが枯渇している(又はそうであると識別される)。
幾つかの実施形態では、フソソームは、ソース細胞内のカルジオリピン:セラミドの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のカルジオリピン:セラミドの比を有する;又は、ソース細胞内のカルジオリピン:ジアシルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のカルジオリピン:ジアシルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のカルジオリピン:ヘキソシルセラミドの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のカルジオリピン:ヘキソシルセラミドの比を有する;又は、ソース細胞内のカルジオリピン:リゾホスファチジン酸の比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のカルジオリピン:リゾホスファチジン酸の比を有する;又は、ソース細胞内のカルジオリピン:リゾホスファチジルコリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のカルジオリピン:リゾホスファチジルコリンの比を有する;又は、ソース細胞内のカルジオリピン:リゾホスファチジルエタノールアミンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のカルジオリピン:リゾホスファチジルエタノールアミンの比を有する;又は、ソース細胞内のカルジオリピン:リゾホスファチジルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のカルジオリピン:リゾホスファチジルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のカルジオリピン:リゾホスファチジルイノシトールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のカルジオリピン:リゾホスファチジルイノシトールの比を有する;又は、ソース細胞内のカルジオリピン:リゾホスファチジルセリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のカルジオリピン:リゾホスファチジルセリンの比を有する;又は、ソース細胞内のカルジオリピン:ホスファチジン酸の比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のカルジオリピン:ホスファチジン酸の比を有する;又は、ソース細胞内のカルジオリピン:ホスファチジルコリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のカルジオリピン:ホスファチジルコリンの比を有する;又は、ソース細胞内のカルジオリピン:ホスファチジルエタノールアミンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のカルジオリピン:ホスファチジルエタノールアミンの比を有する;又は、ソース細胞内のカルジオリピン:ホスファチジルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のカルジオリピン:ホスファチジルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のカルジオリピン:ホスファチジルイノシトールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のカルジオリピン:ホスファチジルイノシトールの比を有する;又は、ソース細胞内のカルジオリピン:ホスファチジルセリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のカルジオリピン:ホスファチジルセリンの比を有する;又は、ソース細胞内のカルジオリピン:コレステロールエステルの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のカルジオリピン:コレステロールエステルの比を有する;又は、ソース細胞内のカルジオリピン:スフィンゴミエリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のカルジオリピン:スフィンゴミエリンの比を有する;又は、ソース細胞内のカルジオリピン:トリアシルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のカルジオリピン:トリアシルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルコリン:セラミドの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルコリン:セラミドの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルコリン:ジアシルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルコリン:ジアシルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルコリン:ヘキソシルセラミドの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルコリン:ヘキソシルセラミドの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルコリン:リゾホスファチジン酸塩の比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルコリン:リゾホスファチジン酸塩の比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルコリン:リゾホスファチジルコリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルコリン:リゾホスファチジルコリンの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルコリン:リゾホスファチジルエタノールアミンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルコリン:リゾホスファチジルエタノールアミンの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルコリン:リゾホスファチジルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルコリン:リゾホスファチジルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルコリン:リゾホスファチジルイノシトールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルコリン:リゾホスファチジルイノシトールの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルコリン:リゾホスファチジルセリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルコリン:リゾホスファチジルセリンの比を有する;又は、ソース細胞内のカルジオリピン:ホスファチジル酸の比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルコリン:ホスファチジル酸の比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルコリン:ホスファチジルエタノールアミンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルコリン:ホスファチジルエタノールアミンの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルコリン:ホスファチジルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のカルジオリピン:ホスファチジルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルコリン:ホスファチジルイノシトールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルコリン:ホスファチジルイノシトールの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルコリン:ホスファチジルセリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルコリン:ホスファチジルセリンの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルコリン:コレステロールエステルの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルコリン:コレステロールエステルの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルコリン:スフィンゴミエリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルコリン:スフィンゴミエリンの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルコリン:トリアシルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルコリン:トリアシルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルエタノールアミン:セラミドの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルエタノールアミン:セラミドの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルエタノールアミン:ジアシルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルエタノールアミン:ジアシルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルエタノールアミン:ヘキソシルセラミドの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルエタノールアミン:ヘキソシルセラミドの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルエタノールアミン:リゾホスファチジン酸塩の比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルエタノールアミン:リゾホスファチジン酸塩の比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルエタノールアミン:リゾホスファチジルコリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルエタノールアミン:リゾホスファチジルコリンの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルエタノールアミン:リゾホスファチジルエタノールアミンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルエタノールアミン:リゾホスファチジルエタノールアミンの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルエタノールアミン:リゾホスファチジルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルエタノールアミン:リゾホスファチジルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルエタノールアミン:リゾホスファチジルイノシトールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルエタノールアミン:リゾホスファチジルイノシトールの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルエタノールアミン:リゾホスファチジルセリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルエタノールアミン:リゾホスファチジルセリンの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルエタノールアミン:ホスファチジルの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルエタノールアミン:ホスファチジルの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルエタノールアミン:ホスファチジルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルエタノールアミン:ホスファチジルグリセロールの比を有する;ソース細胞内のホスファチジルエタノールアミン:ホスファチジルイノシトールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルエタノールアミン:ホスファチジルイノシトールの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルエタノールアミン:ホスファチジルセリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルエタノールアミン:ホスファチジルセリンの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルエタノールアミン:コレステロールエステルの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルエタノールアミン:コレステロールエステルの比を有する;又はソース細胞内のホスファチジルエタノールアミン:スフィンゴミエリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内の、ホスファチジルエタノールアミン:スフィンゴミエリンの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルエタノールアミン:トリアシルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルエタノールアミン:トリアシルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルセリン:セラミドの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルセリン:セラミドの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルセリン:ジアシルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルセリン:ジアシルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルセリン:ヘキソシルセラミドの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルセリン:ヘキソシルセラミドの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルセリン:リゾホスファチジン酸塩の比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルセリン:リゾホスファチジン酸塩の比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルセリン:リゾホスファチジルコリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルセリン:リゾホスファチジルコリンの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルセリン:リゾホスファチジルエタノールアミンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50
%以内のホスファチジルセリン:リゾホスファチジルエタノールアミンの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルセリン:リゾホスファチジルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルセリン:リゾホスファチジルグリセロールの比を有する;又はソース細胞内のホスファチジルセリン:リゾホスファチジルイノシトールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内の、ホスファチジルセリン:リゾホスファチジルイノシトールの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルセリン:リゾホスファチジルセリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルセリン:リゾホスファチジルセリンの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルセリン:ホスファチジルセリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルセリン:ホスファチジルセリンの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルセリン:ホスファチジルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルセリン:ホスファチジルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルセリン:ホスファチジルイノシトールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルセリン:ホスファチジルイノシトールの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルセリン:コレステロールエステルの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルセリン:コレステロールエステルの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルセリン:スフィンゴミエリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルセリン:スフィンゴミエリンの比を有する;又は、ソース細胞内のホスファチジルセリン:トリアシルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のホスファチジルセリン:トリアシルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のスフィンゴミエリン:セラミドの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のスフィンゴミエリン:セラミドの比を有する;又は、ソース細胞内のスフィンゴミエリン:ジアシルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のスフィンゴミエリン:ジアシルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のスフィンゴミエリン:ヘキソシルセラミドの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のスフィンゴミエリン:ヘキソシルセラミドの比を有する;又は、ソース細胞内のスフィンゴミエリン:リゾホスファチジン酸塩の比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のスフィンゴミエリン:リゾホスファチジン酸塩の比を有する;又は、ソース細胞内のスフィンゴミエリン:リゾホスファチジルコリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のスフィンゴミエリン:リゾホスファチジルコリンの比を有する;又は、ソース細胞内のスフィンゴミエリン:リゾホスファチジルエタノールアミンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のスフィンゴミエリン:リゾホスファチジルエタノールアミンの比を有する;又は、ソース細胞内のスフィンゴミエリン:リゾホスファチジルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のスフィンゴミエリン:リゾホスファチジルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のスフィンゴミエリン:リゾホスファチジルイノシトールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のスフィンゴミエリン:リゾホスファチジルイノシトールの比を有する;又は、ソース細胞内のスフィンゴミエリン:リゾホスファチジルセリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のスフィンゴミエリン:リゾホスファチジルセリンの比を有する;又は、ソース細胞内のスフィンゴミエリン:ホスファチジン酸塩の比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のスフィンゴミエリン:ホスファチジン酸塩の比を有する;又は、ソース細胞内のスフィンゴミエリン:ホスファチジルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のスフィンゴミエリン:ホスファチジルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のスフィンゴミエリン:ホスファチジルイノシトールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のスフィンゴミエリン:ホスファチジルイノシトールの比を有する;又は、ソース細胞内のスフィンゴミエリン:コレステロールエステルの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のスフィンゴミエリン:コレステロールエステルの比を有する;又は、ソース細胞内のスフィンゴミエリン:トリアシルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のスフィンゴミエリン:トリアシルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のコレステロールエステル:セラミドの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のコレステロールエステル:セラミドの比を有する;又は、ソース細胞内のコレステロールエステル:ジアシルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のコレステロールエステル:ジアシルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のコレステロールエステル:ヘキソシルセラミドの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のコレステロールエステル:ヘキソシルセラミドの比を有する;又は、ソース細胞内のコレステロールエステル:リゾホスファチジン酸塩の比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のコレステロールエステル:リゾホスファチジン酸塩の比を有する;又は、ソース細胞内のコレステロールエステル:リゾホスファチジルコリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のコレステロールエステル:リゾホスファチジルコリンの比を有する;又は、ソース細胞内のコレステロールエステル:リゾホスファチジルエタノールアミンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のコレステロールエステル:リゾホスファチジルエタノールアミンの比を有する;又は、ソース細胞内のコレステロールエステル:リゾホスファチジルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のコレステロールエステル:リゾホスファチジルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のコレステロールエステル:リゾホスファチジルイノシトールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のコレステロールエステル:リゾホスファチジルイノシトールの比を有する;又は、ソース細胞内のコレステロールエステル:リゾホスファチジルセリンの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のコレステロールエステル:リゾホスファチジルセリンの比を有する;又は、ソース細胞内のコレステロールエステル:ホスファチジン酸塩の比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のコレステロールエステル:ホスファチジン酸塩の比を有する;又は、ソース細胞内のコレステロールエステル:ホスファチジルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のコレステロールエステル:ホスファチジルグリセロールの比を有する;又は、ソース細胞内のコレステロールエステル:ホスファチジルイノシトールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のコレステロールエステル:ホスファチジルイノシトールの比を有する;又は、ソース細胞内のコレステロールエステル:トリアシルグリセロールの比の10%、20%、30%、40%若しくは50%以内のコレステロールエステル:トリアシルグリセロールの比を有する。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例87のアッセイを使用して、ソース細胞のものと同様のプロテオミクス組成物を含む。幾つかの実施形態では、フソソームのタンパク質組成は、それらが由来する親細胞に類似している。幾つかの実施形態では、タンパク質の複数のカテゴリーのそれぞれの分画含有量は、例えば、実施例87に記載されるように、各カテゴリーからの強度シグナルの合計をサンプル中の全ての同定されたタンパク質の強度シグナルの合計で割ったものとして決定される。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例97に記載される方法に従って決定した場合、親細胞及び/又はエクソソームと比較したコンパートメント特異的タンパク質の量の変化を含む(又は含むと識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、親細胞及びエクソソームと比較して、小胞体タンパク質が枯渇している(又は枯渇していると識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、エクソソームと比較して、エクソソームタンパク質が枯渇している(又は枯渇していると識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、エクソソームタンパク質であるとして、フソソーム中のタンパク質の15%、20%、又は25%未満のタンパク質をフソソーム中に有する。幾つかの実施形態では、フソソームは、親細胞と比較して、ミトコンドリアタンパク質が枯渇している(又は枯渇していると識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、親細胞と比較して、核タンパク質が濃縮されている(又は濃縮していると識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、親細胞及びエクソソームと比較して、リボソームタンパク質が濃縮されている(又は濃縮していると識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームにおいて少なくとも0.025%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%又は10%のタンパク質がリボソームタンパク質である、又はフソソームにおいて約0.025~0.2%、0.05~0.15%、0.06~1.4%、0.07%~1.3%、0.08%~1.2%、0.09%~1.1%、1%~20%、3%~15%、5%~12.5%、7.5%~11%、又は8.5%~10.5%、又は9%~10%がリボソームタンパク質である。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例40のアッセイを使用して測定した場合、ソース細胞における対応する比率の10%、20%、30%、40%、又は50%以内であるタンパク質に対する脂質の比率を含む;実施形態では、フソソームは、有核細胞の脂質質量対タンパク質比にほぼ等しい脂質質量対タンパク質の比を含む(又は含むと識別される)。実施形態では、フソソームは、親細胞よりも大きい脂質:タンパク質比を含む(又は含むと識別される)。実施形態では、フソソームは、親細胞の脂質:タンパク質比の約110%、115%、120%、125%、130%、131%、132%、132.5%、133%、134%、135%、140%、145%、又は150%の脂質:タンパク質比を含む(又は含むと識別される)。幾つかの実施形態では、フソソーム又はフソソーム組成物は、例えば、実施例83のアッセイにおいて、約100~180、110~170、120~160、130~150、135~145、140~142、又は141μmol/gのリン脂質:タンパク質比を有する(又は有すると同定される)。幾つかの実施形態では、フソソーム又はフソソーム組成物は、例えば、実施例83のアッセイにおいて、ソース細胞における対応する比の約60~90%、70~80%、又は75%であるリン脂質:タンパク質比を有する(又は有すると同定される)。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例41のアッセイを使用して測定した場合、ソース細胞における対応する比の10%、20%、30%、40%、又は50%以内である核酸(例えば、DNA又はRNA)に対するタンパク質の比を含む。実施形態では、フソソームは、親細胞のものと同様のタンパク質質量対DNA質量の比を含む(又は含むと識別される)。実施形態では、フソソームは、親細胞の約85%、90%、95%、96%、97%、98%、98.2%、99%、100%、101%、102%、103%、104%、105%、又は110%であるタンパク質:DNAの比を含む(又は含むと識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例41のアッセイを使用して測定した場合、例えば、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%超のソース細胞における対応する比よりも大きいタンパク質対DNAの比を含む。幾つかの実施形態では、フソソーム又はフソソーム組成物は、例えば、実施例84のアッセイにより、約20~35、25~30、26~29、27~28、又は27.8g/gであるタンパク質:DNAの比を含む(又は含むと識別される)。幾つかの実施形態では、フソソーム又はフソソーム組成物は、例えば、実施例84のアッセイにより、ソース細胞における対応する比の約1%、2%、5%、10%、又は20%以内であるタンパク質:DNAの比を含む(又は含むと識別される)。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例91のアッセイを使用して測定した場合、ソース細胞における対応する比の10%、20%、30%、40%、又は50%以内である核酸(例えば、DNA)に対する脂質の比を含む。幾つかの実施形態では、フソソーム又はフソソーム組成物は、例えば、実施例85のアッセイにより、約2.0~6.0、3.0~5.0、3.5~4.5、3.8~4.0、又は3.92μmol/mgである脂質:DNAの比を含む(又は含むと識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例91のアッセイを使用して測定した場合、例えば、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%超のソース細胞における対応する比よりも大きい核酸(例えば、DNA)に対する脂質の比を含む。実施形態では、フソソームは、親細胞よりも大きい脂質:DNA比を含む(又は含むと識別される)。実施形態では、フソソームは、親細胞と比較して、約105%、110%、115%、120%、125%、130%、135%、140%、145%、150%、又はそれよりも大きい脂質:DNA比を含む。
幾つかの実施形態では、フソソーム組成物は、被験体、例えばマウスにおいて、例えば、実施例60のアッセイにより、参照細胞組成物、例えば、ソース細胞の半減期の1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%以内の半減期を有する。幾つかの実施形態では、フソソーム組成物は、例えば、実施例60のアッセイによれば例えば、ヒト被験体又はマウスにおいて、例えば、マウスにおいて、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、又は24時間の被験体における半減期を有する。実施形態では、フソソーム組成物は、被験体において、例えば、実施例79のアッセイにおいて、少なくとも1、2、4、6、12、又は24時間の半減期を有する。幾つかの実施形態では、治療剤は、フソソーム組成物の半減期よりも長い、例えば、少なくとも10%、20%、50%、2倍、5倍、又は10倍の被験体における半減期を有する。例えば、フソソームは、治療剤を標的細胞に送達することができ、治療剤は、フソソームがもはや存在しないか、又は検出可能でなくなった後に存在することができる。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例50のアッセイを使用して測定した場合、グルコースの不在下で、陰性対照、例えば、他の点では同様のフソソームよりも、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%多くグルコース(例えば、標識グルコース、例えば、2-NBDG)を、膜を横切って、輸送する。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例72のアッセイにおいて、フロレチンで処理された他は同様のフソソームよりも高いレベルで、膜を横切ってグルコース(例えば、標識グルコース、例えば、2-NBDG)を輸送する(又は輸送するものとして識別される)。実施形態では、フロレチンで処理されていないフソソームは、例えば、実施例72のアッセイにおいて、フロレチンで処理された他は同様のフソソームよりも、グルコースを少なくとも1%、2%、3%、5%、又は10%高い(及び、任意に、最大15%高い)レベルで輸送する(又は輸送しないと識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例51のアッセイを使用して、参照細胞、例えば、ソース細胞又はマウス胚線維芽細胞におけるエステラーゼ活性の1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%以内の内腔におけるエステラーゼ活性を含む;幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例73のアッセイによれば、未染色の対照よりも少なくとも10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、2000倍、又は5000倍である内腔内のエステラーゼ活性を含む(又は含むと識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例73のアッセイによれば、ソース細胞よりも約10~100倍低い内腔内のエステラーゼ活性を含む(又は含むと同定される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例74のアッセイによれば、1E5~1E6、6E5~8E5、6.5E5~7E5、又は6.83E5のエクソソーム等価物のアセチルコリンエステラーゼ活性を含む(又は、含むと識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例53に記載されるように、参照細胞、例えばソース細胞における代謝活性レベルの1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%以内の代謝活性(例えば、クエン酸合成酵素活性)レベルを含む;幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例53に記載されるように、参照細胞、例えばソース細胞における代謝活性レベルの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%の代謝活性(例えば、クエン酸合成酵素活性)レベルを含む;幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例75のアッセイによれば、約1E-2~2E-2、1.3E-2~1.8E-2、1.4E-2~1.7E-2、1.5E-2~1.6E-2、又は1.57E-2umol/ugフソソーム/分であるクエン酸合成酵素活性を含む(又は含むと識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例54に記載されるように、参照細胞、例えばソース細胞における呼吸レベルの1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%以内の呼吸レベル(例えば、酸素消費率)、例えば、基礎呼吸レベル、結合呼吸レベル又は最大呼吸レベルを含む。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例54に記載されるように、参照細胞、例えばソース細胞における呼吸レベルの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%の呼吸レベル(例えば、酸素消費率)、例えば、基礎呼吸レベル、非結合呼吸レベル又は最大呼吸レベルを含む。実施形態では、フソソームは、例えば、実施例76のアッセイによれば、約8~15、9~14、10~13、11~12、又は11.3pmol/分/20μgのフソソームの基礎呼吸数を含む(又は含むと識別される)。実施形態では、フソソームは、例えば、実施例76のアッセイによれば、約8~13、9~12、10~11、10~10.2、又は10.1pmol/分/20μgのフソソームの非結合呼吸数を含む(又は含むと識別される)。実施形態では、フソソームは、例えば、実施例76のアッセイによれば、約15~25、16~24、17~23、18~22、19~21、又は20pmol/分/20μgのフソソームの最大呼吸数を含む(又は含むと識別される)。実施形態では、フソソームは、例えば、実施例76のアッセイによれば、非結合呼吸数よりも、例えば、約1%、2%、5%、又は10%、例えば、最大約15%より高い基礎呼吸数を有する(又は有すると識別される)。実施形態では、フソソームは、例えば、実施例76のアッセイによれば、基礎呼吸数よりも、例えば、約1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%高い最大呼吸数を有する(又は有すると識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例55のアッセイを使用して、最大で18,000、17,000、16,000、15,000、14,000、13,000、12,000、11,000、若しくは10,000MFIのアネキシンV染色レベルを含むか、又はフソソームは、実施例55のアッセイにおいてメナジオンで処理された他の点では同様のフソソームのアネキシンV染色レベルよりも少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、若しくは90%低いアネキシンV染色レベルを含むか、又はフソソームは、実施例55のアッセイにおいてメナジオンで処理されたマクロファージのアネキシンV染色レベルよりも少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、若しくは90%低いアネキシンV染色レベルを含む。実施形態では、フソソームは、例えば、実施例77のアッセイによれば、アンチマイシンAで処理された他は同様のフソソームのアネキシンV染色レベルよりも少なくとも約1%、2%、5%、又は10%低いアネキシンV染色レベルを含む(又は含むと識別される)。実施形態では、フソソームは、例えば、実施例77のアッセイによれば、アンチマイシンAで処理された他は同様のフソソームのアネキシンV染色レベルの約1%、2%、5%、又は10%のアネキシンV染色レベルを含む(又は含むと識別される)。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例33のアッセイにより、ソース細胞のものよりも少なくとも少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上のmiRNA含有量レベルを有する。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例33のアッセイによれば、ソース細胞のmiRNA含有レベルの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上(例えば、ソース細胞のmiRNA含有量レベルの最大100%)のmiRNA含有レベルを有する。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例66のアッセイによれば、ソース細胞の全RNA含有レベルの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上(例えば、ソース細胞の全RNA含有量レベルの最大100%)の全RNA含有レベルを有する。
幾つかの実施形態では、フソソームは可溶性:不溶性タンパク質比は、例えば、実施例38のアッセイによれば、ソース細胞のものの1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以内若しくはそれよりも大きいか、又は、例えば、ソース細胞のものの1%~2%、2%~3%、3%~4%、4%~5%、5%~10%、10%~20%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、50%~60%、60%~70%、70%~80%、若しくは80%~90%以内若しくはそれよりも大きい。実施形態では、フソソームは、例えば、実施例38のアッセイによれば、約0.3~0.8、0.4~0.7、又は0.5~0.6、例えば、約0.563の可溶性:不溶性タンパク質比を有する。幾つかの実施形態では、フソソームの集団は、約0.3~0.8、0.4~0.7、0.5~0.6、又は0.563、又は約0.1、0.2、0.3、0.4、又は0.5を超える可溶性:不溶性タンパク質の質量比を有する(又は有すると同定される)。幾つかの実施形態では、フソソームの集団は、ソース細胞よりも、例えば、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、又は20倍高い可溶性:不溶性タンパク質質量比を有する(又は有すると同定される)。実施形態では、可溶性:不溶性タンパク質の質量比は、実施例70のアッセイによって決定される。実施形態では、可溶性:不溶性タンパク質の質量比は、親細胞よりもフソソーム集団においてより低い(又はそうであると識別される)。実施形態では、親細胞に対するフソソームの比率が約3%、4%、5%、6%、7%、又は8%である(又はそうであると識別される)場合、フソソームの集団の可溶性:不溶性の比率は、親細胞の可溶性:不溶性の比率にほぼ等しい(又はそうであると識別される)。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例39のアッセイにおいて、例えば質量分析により測定した場合、ソース細胞のLPS含有量の5%未満、1%、0.5%、0.01%、0.005%、0.0001%、0.00001%以下のLPSレベルを有する。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例49のアッセイを使用してインスリンの不在下で陰性対照、例えば他の点では同様のフソソームよりも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%多い、シグナル伝達、例えば、インスリンに応答した細胞外シグナルの送達、例えば、AKTリン酸化、又はインスリンに応答したグルコース(例えば、標識グルコース、例えば、2-NBDG)取り込みが可能である;幾つかの実施形態では、フソソームは、組織、例えば、肝臓、肺、心臓、脾臓、膵臓、胃腸管、腎臓、精巣、卵巣、脳、生殖器官、中枢神経系、末梢神経系、骨格筋、内皮、内耳、又は眼等を標的とし、被験体、例えばマウスに投与された場合、例えば、実施例64のアッセイによって24、48又は72時間後、例えば、投与されたフソソームの集団の少なくとも0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%のフソソームが標的組織に存在する。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例56のアッセイにより、参照細胞、例えばソース細胞又は骨髄間質細胞(BMSC)によって誘導されるジャクスタクリンシグナル伝達よりも、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%大きいジャクスタクリンシグナル伝達レベルを有する。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例56のアッセイにより、参照細胞、例えばソース細胞又は骨髄間質細胞(BMSC)によって誘導されるジャクスタクリンシグナル伝達よりも、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%(例えば、最大100%)のジャクスタクリンシグナル伝達レベルを有する。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例57のアッセイにより、参照細胞、例えばソース細胞又はマクロファージによって誘導されるパラクリンシグナル伝達のレベルよりも、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%大きいパラクリンシグナル伝達レベルを有する。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例57のアッセイにより、参照細胞、例えばソース細胞又はマクロファージによって誘導されるパラクリンシグナル伝達のレベルの、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%(例えば、最大100%)のパラクリンシグナル伝達レベルを有する。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例58のアッセイにより、参照細胞、例えばソース細胞又はC2C12細胞において重合されるアクチンレベルと比較して、1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%以内のレベルでアクチンを重合する。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例81のアッセイによれば、例えば、少なくとも3、5、又は24時間にわたって、経時的に一定であるレベルでアクチンを重合する(又は、アクチンを重合していると識別される)。実施形態では、アクチン重合のレベルは、例えば実施例81のアッセイによれば、5時間にわたって1%、2%、5%、10%、又は20%未満変化する。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例59のアッセイによって、参照細胞、例えば、ソース細胞又はC2C12細胞の膜電位の約1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%以内の膜電位を有するか、又はフソソームは、約-20~-150mV、-20~-50mV、-50~-100mV若しくは-100~-150mVの膜電位を有するか、又はフソソームは-1mv、-5mv、-10mv、-20mv、-30mv、-40mv、-50mv、-60mv、-70mv、-80mv、-90mv、-100mv未満の膜電位を有する。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例78のアッセイでは、約-25~-~35、-27~-32、-28~-31、-29~-30、又は-29.6ミリボルトの膜電位を有する(又は有すると識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例44のアッセイを使用して、ソース細胞の割合の、例えば、少なくとも1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%の割合で、血管からの血管外漏出が可能であり、ソース細胞は、好中球、リンパ球、B細胞、マクロファージ、又はNK細胞である;幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例45のアッセイを使用して、参照細胞と比較して、例えば、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%(例えば、最大100%)の走化性が可能である。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例47のアッセイを使用して、参照細胞と比較して、例えば、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%(例えば、最大100%)の食作用が可能である。幾つかの実施形態では、フソソームは、細胞膜、例えば、内皮細胞膜又は血液脳関門を通過することができる。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例48のアッセイを使用して、参照細胞、例えば、マウス胚性線維芽細胞よりも、例えば、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%より大きい割合でタンパク質を分泌することができる。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例48のアッセイを使用して、参照細胞、例えば、マウス胚性線維芽細胞よりも、例えば、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%(例えば、最大100%)の割合でタンパク質を分泌することができる。
幾つかの実施形態では、フソソームは転写能力がないか、例えば、実施例24のアッセイを使用して、参照細胞、例えばソース細胞の転写活性の1%、2.5%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%未満の転写活性を有する。幾つかの実施形態では、フソソームは核DNA複製ができないか、例えば、実施例25のアッセイを使用して、参照細胞、例えばソース細胞の核DNA複製の1%、2.5%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%未満の核DNA複製を有する;幾つかの実施形態では、フソソームはクロマチンを欠いているか、例えば、実施例32のアッセイを使用して、参照細胞、例えばソース細胞のクロマチン含有量の1%、2.5%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%未満のクロマチン含有量を有する。
幾つかの実施形態では、フソソームの特徴は、参照細胞と比較することによって説明される。実施形態では、参照細胞はソース細胞である。実施形態では、参照細胞は、HeLa、HEK293、HFF-1、MRC-5、WI-38、IMR90、IMR91、PER.C6、HT-1080、又はBJ細胞である。幾つかの実施形態では、フソソームの集団の特徴は、参照細胞の集団、例えば、ソース細胞の集団、又はHeLa、HEK293、HFF-1、MRC-5、WI-38、IMR90、IMR91、PER.C6、HT-1080若しくはBJ細胞の集団と比較することによって説明される。
幾つかの実施形態では、フソソームは、医薬品又は適正製造基準(GMP)基準を満たしている。幾つかの実施形態では、フソソームは適正製造基準(GMP)に従って製造された。幾つかの実施形態では、フソソームは、所定の基準値を下回る病原体レベルを有し、例えば、病原体を実質的に含まない。幾つかの実施形態では、フソソームは、所定の基準値を下回る汚染物質レベルを有し、例えば、汚染物質を実質的に含まない。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、本明細書に記載されるように、免疫原性が低い。
幾つかの実施形態では、フソソーム組成物の免疫原性は、血清不活化アッセイ(例えば、抗体媒介中和又は補体媒介分解を検出するアッセイ)によってアッセイされる。幾つかの実施形態では、フソソームは、血清によって不活化されないか、又は所定の値より低いレベルで不活化される。幾つかの実施形態では、フソソームナイーブ被験体(例えば、ヒト又はマウス)の血清を、試験フソソーム組成物と接触させる。幾つかの実施形態では、1回以上のフソソームの投与を受けた、例えば、少なくとも2回のフソソームの投与を受けた被験体の血清を、試験フソソーム組成物と接触させる。次に、実施形態では、血清に曝露されたフソソームを、標的細胞にカーゴを送達する能力について試験する。幾つかの実施形態では、血清インキュベートされたフソソームでの処理後にカーゴを検出可能に含む細胞のパーセントは、血清と接触していない陽性対照フソソームでの処理後のカーゴを検出可能に含む細胞のパーセントの少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、又は95%である。幾つかの実施形態では、血清不活化は、実施例99のアッセイを使用して測定される。
幾つかの実施形態では、フソソーム組成物の免疫原性は、フソソームに応答して補体活性化を検出することによってアッセイされる。幾つかの実施形態では、フソソームは、補体を活性化しないか、又は所定の値より低いレベルで補体を活性化する。幾つかの実施形態では、フソソームナイーブ被験体(例えば、ヒト又はマウス)の血清を、試験フソソーム組成物と接触させる。幾つかの実施形態では、1回以上のフソソームの投与を受けた、例えば、少なくとも2回のフソソームの投与を受けた被験体の血清を、試験フソソーム組成物と接触させる。
次に、実施形態では、血清及びフソソームを含む組成物を、例えば、ELISAによって、活性化された補体因子(例えば、C3a)について試験する。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の改変を含むフソソーム(例えば、参照細胞と比較して高レベルの補体調節タンパク質)は、改変がない以外は同様のフソソームと比較して、例えば、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、又は99%減少した補体活性化を経る。幾つかの実施形態では、補体活化は、実施例100のアッセイを使用して測定される。
幾つかの実施形態では、フソソーム又はフソソームの集団は、血清によって実質的に不活化されないであろう。幾つかの実施形態では、フソソーム又はフソソームの集団は、例えば、実施例99に記載の方法に従って定量化されるように、血清不活化に耐性がある。実施形態では、フソソーム又はフソソームの集団は、血清によって実質的に不活化されないか、又は、例えば、本明細書に記載の方法に従って、被験体へのフソソーム若しくはフソソームの集団の複数回投与後の血清不活化に耐性がある。幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例99に記載の方法に従って定量化されるように、例えば、改変フソソームの複数回投与後、対応する未改変フソソームと比較して、血清不活化が減少するように改変される。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例100に記載される方法に従って測定されるように、補体活性を実質的に誘導しない。幾つかの実施形態では、フソソームは、対応する未改変フソソームと比較して、補体活性の低下を誘発するように改変される。実施形態では、補体活性は、補体タンパク質(例えば、DAF、崩壊促進因子(DAF、CD55)に結合するタンパク質、例えばH因子(FH)様タンパク質-1(FHL-1)、C4b結合タンパク質(C4BP)、補体受容体1(CD35)、メンブレンコファクタータンパク質(MCP、CD46)、プロフェクチン(CD59)、古典的及び代替補体経路CD/C5コンバターゼ酵素を阻害するタンパク質、又は細胞においてMACアッセンブリを調節するタンパク質等の他の補体調節タンパク質)の発現又は活性を決定することによって測定される。
幾つかの実施形態では、ソース細胞は、内皮細胞、線維芽球、血液細胞(例えば、マクロファージ、好中球、顆粒球、白血球)、幹細胞(例えば、間葉系幹細胞、臍帯幹細胞、骨髄幹細胞、造血幹細胞、誘導多能性幹細胞、例えば、被験体の細胞に由来する誘導多能性幹細胞)、胚性幹細胞(例えば、胚性卵黄嚢、胎盤、臍帯からの幹細胞、胎児の皮膚、思春期の皮膚、血液、骨髄、脂肪組織、赤血球産生組織、造血組織)、筋芽細胞、実質細胞(例えば、肝細胞)、肺胞細胞、ニューロン(例えば、網膜神経細胞)、前駆細胞(例えば、網膜前駆細胞、骨髄芽球、骨髄前駆細胞、胸腺細胞、減数母細胞、巨核芽球、前巨核芽球、メラニン形成芽細胞、リンパ芽球、骨髄前駆細胞、正赤芽球、又は血管芽球)、前駆細胞(例えば、心臓始原細胞、衛星細胞、放射状グリア細胞、骨髄間質細胞、膵臓始原細胞、内皮始原細胞、芽球細胞)、又は不死化細胞(例えば、HeLa、HEK293、HFF-1、MRC-5、WI-38、IMR90、IMR91、PER.C6、HT-1080、又はBJ細胞)である。幾つかの実施形態では、ソース細胞は、293細胞、HEK細胞、ヒト内皮細胞、又はヒト上皮細胞、単球、マクロファージ、樹状細胞、又は幹細胞以外のものである。
幾つかの実施形態では、ソース細胞は、ARRDC1、又はその活性フラグメント若しくはバリアントを発現する(例えば、過剰発現する)。幾つかの実施形態では、フソソーム又はフソソーム組成物は、例えば、質量分析アッセイによれば、1~3、1~10、1~100、3~10、4~9、5~8、6~7、15~100、60~200、80~180、100~160、120~140、3~100、4~100、5~100、6~100、15~100、80~100、3~200、4~200、5~200、6~200、15~200、80~200、100~200、120~200、300~1000、400~900、500~800、600~700、640~690、650~680、660~670、100~10,000、又は約664.9のARRDC1に対するフソゲンの比率を有する。幾つかの実施形態では、例えば、質量分析、例えば、実施例98に記載される方法に従って測定した場合、総タンパク質含有量の割合としてのARRDC1のレベルは、少なくとも約0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%である。0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%である、又は総タンパク質含有量の割合としてのARRDC1のレベルは約0.05~1.5%、0.1%~0.3%、0.05~0.2%、0.1~0.2%、0.25~7.5%、0.5%~1.5%、0.25~1%である、0.5~1%、0.05~1.5%、10%~30%、5~20%、又は10~20%である。幾つかの実施形態では、フソソーム又はフソソーム組成物は、例えば質量分析アッセイ、例えば、実施例94のアッセイを使用すると、約100~1,000、100~400、100~500、200~400、200~500、200~1,000、300~400、1,000~10,000、2,000~5,000、3,000~4,000、3,050~3,100、3,060~3,070、又は約3,064、10,000~100,000、10,000~200,000、10,000~500,000、20,000~500,000、30,000~400,000のTSG101に対するフソゲンの比を有する。幾つかの実施形態では、フソソーム又はフソソーム組成物は、例えば、質量分析アッセイ、例えば、実施例95のアッセイを使用すると、約1~3、1~30、1~20、1~25、1.5~30、10~30、15~25、18~21、19~20、10~300、10~200、15~300、15~200、100~300、100~200、150~300、又は約19.5のtsg101に対するカーゴの比を有する。幾つかの実施形態では、例えば、質量分析により、例えば、実施例98に記載の方法に従って測定した場合、総タンパク質含有量の割合としてのTSG101のレベルは、少なくとも約0.0001%、0.0002%、0.0003%、0.0004%、0.0005%、0.0006%、0.0007%、0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%;0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%である、又は総タンパク質含有量の割合としてのTSG101のレベルは、約0.0001~0.001、0.0001~0.002、0.0001~0.01、0.0001~0.1、0.001~0.01、0.002~0.006、0.003~0.005、0.001~0.1、0.01~0.1、0.02~0.06、0.03~0.05、又は0.004である。
幾つかの実施形態では、フソソームは、カーゴ、例えば、治療剤、例えば、内因性治療剤又は外因性治療剤を含む。幾つかの実施形態では、治療薬は、タンパク質、例えば、酵素、膜貫通タンパク質、受容体、抗体、核酸、例えば、DNA、染色体(例えば、ヒト人工染色体)、RNA、mRNA、siRNA、miRNA、又は小分子の1つ以上から選択される。幾つかの実施形態では、治療薬は、ミトコンドリア以外の細胞小器官、例えば、核、ゴルジ装置、リゾソーム、小胞体、液胞、エンドソーム、アクロソーム、オートファゴソーム、中心小体、グリコソーム、グリオキシソーム、ハイドロジェノソーム、メラノソーム、マイトソーム、刺胞細胞、ペルオキシソーム、プロテアソーム、小胞、及びストレス顆粒から選択される細胞小器官である。幾つかの実施形態では、細胞小器官はミトコンドリアである。
幾つかの実施形態では、フソソームは、エンドサイトーシスによって標的細胞に入り、例えば、エンドサイトーシス経路を介して送達される治療剤のレベルは、例えば、実施例62のアッセイを使用すると、0.01~0.6、0.01~0.1、0.1~0.3若しくは0.3~0.6であり、又は同様のフソソームと接触したクロロキン処理参照細胞よりも、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%大きい。幾つかの実施形態では、標的細胞に入るフソソーム組成物中のフソソームの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%のフソソームが、非エンドサイトーシス経路を介して入り、例えば、フソソームは、細胞表面との融合を介して標的細胞に入る。幾つかの実施形態では、所与のフソソームについて、非エンドサイトーシス経路を介して送達される治療薬のレベルは、例えば、実施例62のアッセイを使用すると、0.1~0.95、0.1~0.2、0.2~0.3、0.3~0.4、0.4~0.5、0.5~0.6、0.6~0.7、0.7~0.8、0.8~0.9、0.9~0.95であるか、又はクロロキンで処理された参照細胞よりも少なくとも少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%より大きい若しくはそれ以上である。幾つかの実施形態では、標的細胞に入るフソソーム組成物中のフソソームの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%のフソソームが、細胞質に入る(例えば、エンドソーム又はリソソームに入らない)。幾つかの実施形態では、標的細胞に入るフソソーム組成物中のフソソームの90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、4%、3%、2%未満、又は1%が、エンドソーム又はリソソームに入る。幾つかの実施形態では、フソソームは、非エンドサイトーシス経路によって標的細胞に入り、例えば、送達される治療剤のレベルは、例えば、実施例62のアッセイを使用すると、クロロキンで処理された参照細胞のレベルの少なくとも90%、95%、98%、又は99%である。一実施形態では、フソソームは、ダイナミン媒介経路を介して作用物質を標的細胞に送達する。一実施形態では、ダイナミン媒介経路を介して送達される作用物質のレベルは、0.01~0.6の範囲であるか、又は例えば、実施例63のアッセイで測定した場合、同様のフソソームと接触させたダイナソア処理標的細胞よりも少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%若しくはそれ以上大きい。一実施形態では、フソソームは、マクロピノサイトーシスを介して作用物質を標的細胞に送達する。一実施形態では、マクロピノサイトーシスを介して送達される作用物質のレベルは、0.01~0.6の範囲であるか、又は例えば、実施例63のアッセイで測定した場合、同様のフソソームと接触させたEIPA処理標的細胞よりも少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%若しくはそれ以上大きい。一実施形態では、フソソームは、アクチン媒介経路を介して作用物質を標的細胞に送達する。一実施形態では、アクチン媒介経路を介して送達される作用物質のレベルは、0.01~0.6の範囲となるか、又は例えば、実施例63のアッセイで測定した場合、同様のフソソームと接触させたラトランクリンB処理標的細胞よりも少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%若しくはそれ以上大きくなる。
幾つかの実施形態では、フソソームは、例えば、実施例30のアッセイによると、1未満、1~1.1、1.05~1.15、1.1~1.2、1.15~1.25、1.2~1.3、1.25~1.35、又は1.35g/ml超の密度を有する。
幾つかの実施形態では、フソソーム組成物は、タンパク質質量で0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、4%、5%、又は10%未満のソース細胞を含むか、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、4%、5%、又は10%未満の細胞は機能的な核を有する細胞を含む。幾つかの実施形態では、フソソーム組成物中のフソソームの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%が、細胞小器官、例えばミトコンドリアを含む。
幾つかの実施形態では、フソソームは、外因性治療薬を更に含む。幾つかの実施形態では、外因性治療薬は、タンパク質、例えば、酵素、膜貫通タンパク質、受容体、抗体、核酸、例えば、DNA、染色体(例えば、ヒト人工染色体)、RNA、mRNA、siRNA、miRNA、又は小分子の1つ以上から選択される。
実施形態では、フソソームは、エンドサイトーシス又は非エンドサイトーシス経路によって細胞に入る。
実施形態では、フソソーム組成物は、4℃未満の温度で少なくとも1、2、3、6若しくは12時間;1、2、3、4、5若しくは6日;1、2、3若しくは4週間;1、2、3若しくは6か月;又は1、2、3、4若しくは5年安定である。実施形態では、フソソーム組成物は、-20℃未満の温度で少なくとも1、2、3、6若しくは12時間;1、2、3、4、5若しくは6日;1、2、3若しくは4週間;1、2、3若しくは6か月;又は1、2、3、4若しくは5年安定である。実施形態では、フソソーム組成物は、-80C未満の温度で少なくとも1、2、3、6若しくは12時間;1、2、3、4、5若しくは6日;1、2、3若しくは4週間;1、2、3若しくは6か月;又は1、2、3、4若しくは5年安定である。
実施形態では、フソソームは、例えば、実施例27のアッセイによって測定した場合、ソース細胞の約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以内のサイズを有するか、又はフソソームの集団はそのような平均サイズを有する。実施形態では、フソソームは、例えば、実施例27のアッセイによって測定した場合、ソース細胞の約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%未満のサイズを有するか、又はフソソームの集団はそのような平均サイズを有する。実施形態では、フソソームは、親細胞よりも小さいサイズを有する(又は有すると識別される)。実施形態では、フソソームは、親細胞の約50%、60%、65%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、80%、又は90%以内のサイズを有する(又は有すると識別される)。一実施形態では、フソソームは、例えばサンプルの90%以内で、親細胞のサイズ分布の変動の約70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、1%又はそれ未満を有する(又は有すると識別される)。一実施形態では、フソソームは、例えばサンプルの90%以内で、親細胞のサイズ分布の変動の約40%、45%、50%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、65%又は70%少ない(又は少ないと識別される)。幾つかの実施形態では、フソソームは、直径が30、35、40、45、50、55、60、65、又は70nmを超える平均サイズを有する(又は有すると識別される)。実施形態では、フソソームは、直径が約100、110、120、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、140、又は150nmの平均サイズを有する。実施形態では、フソソームは、例えば、実施例27のアッセイによって測定した場合、ソース細胞の約0.01%~0.05%、0.05%~0.1%、0.1%~0.5%、0.5%~1%、1%~2%、2%~3%、3%~4%、4%~5%、5%~10%、10%~20%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、50%~60%、60%~70%、70%~80%、又は80%~90%内のサイズを有するか、又はフソソームの集団はそのような平均サイズを有する。実施形態では、フソソームは、例えば、実施例27のアッセイによって測定した場合、ソース細胞の約0.01%~0.05%、0.05%~0.1%、0.1%~0.5%、0.5%~1%、1%~2%、2%~3%、3%~4%、4%~5%、5%~10%、10%~20%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、50%~60%、60%~70%、70%~80%、又は80%~90%未満サイズを有するか、又はフソソームの集団はそのような平均サイズを有する。実施形態では、フソソームは、例えば、実施例69のアッセイによって測定した場合、約500nm未満(例えば、約10、50、100、150、200、250、300、350、400、又は450nm)の直径を有するか、又はフソソームの集団はそのような平均直径を有する。実施形態では、フソソームは、例えば、実施例69のアッセイよって測定した場合、約80~180、90~170、100~160、110~150、120~140、若しくは130nmの直径を有するか、又はフソソームの集団はそのような平均直径を有する。実施形態では、フソソームは、例えば、実施例69のアッセイよって測定した場合、約11,000nm~21,000nmの直径を有するか、又はフソソームの集団はそのような平均直径を有する。実施形態では、フソソームは、例えば、実施例69のアッセイよって測定した場合、10~22,000、12~20,000、14~18,720nm、20~16,000nmの直径を有するか、又はフソソームの集団はそのような平均直径を有する。実施形態では、フソソームは、例えば、実施例69のアッセイによって測定した場合、約0.01~0.1μm3、0.02~1μm3、0.03~1μm3、0.04~1μm3、0.05~0.09μm3、0.06~0.08μm3、0.07μm3の体積を有するか、又はフソソームの集団はそのような平均体積を有する。実施形態では、フソソームは直径を有し、又はフソソームの集団は平均径を有し、実施例29のアッセイによって測定した場合、少なくとも約10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、150nm、200nm、又は250nmである。実施形態では、フソソームは直径を有し、又はフソソームの集団は平均径を有し、実施例29のアッセイによって測定した場合、約10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、150nm、200nm、又は250nm(例えば、±20%)である。実施形態では、フソソームは直径を有し、又はフソソームの集団は平均径を有し、実施例29のアッセイによって測定した場合、少なくとも約500nm、750nm、1,000nm、1,500nm、2,000nm、2,500nm、3,000nm、5,000nm、10,000nm、又は20,000nmである。実施形態では、フソソームは直径を有し、又はフソソームの集団は平均径を有し、実施例29のアッセイによって測定した場合、約500nm、750nm、1,000nm、1,500nm、2,000nm、2,500nm、3,000nm、5,000nm、10,000nm、又は20,000nm(例えば、±20%)である。実施形態では、フソソームの集団は、以下の1つ以上を有する(又は有すると識別される):例えば、実施例68のアッセイによって、約40~90nm、45~60nm、50~55nm又は53nmの10%分位数直径;約70~100nm、80~95nm、85~90nm、又は88nmの25%分位数の直径;約200~250nm、210~240nm、220~230nm、又は226nmの75%分位数の直径;又は約4000~5000nm、4300~4600nm、4400~4500nm、4450nmの90%分位数。
実施形態では、フソソーム組成物は、例えば、実施例82のアッセイにおいて、約35~40、36~39、37~38、又は37.2ng/mLのGAPDH濃度を含む(又は含むと同定される)。実施形態では、フソソーム組成物のGAPDH濃度は、例えば、実施例82のアッセイにおいて、ソース細胞のGAPDH濃度の約1%、2%、5%、10%、又は20%以内である(又はそうであると識別される)。実施形態では、フソソーム組成物のGAPDH濃度は、例えば、実施例82のアッセイにおいて、ソース細胞のGAPDH濃度の少なくとも約1%、2%、5%、10%、又は20%より少ない(又はそうであると識別される)。実施形態では、フソソーム組成物は、総タンパク質グラムあたり約30、35、40、45、46、47、48、49、50、55、60、65、又は70μg未満のGAPDHを含む(又は含むと識別される)。実施形態では、フソソーム組成物は、総タンパク質1グラムあたり約500、250、100、又は50μg未満のGAPDHを含む(又は含むと識別される)。実施形態では、親細胞は、フソソーム組成物よりも、総タンパク質あたり少なくとも1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、30%、30%、50%、又はそれ以上のGAPDHを含む(又は含むと識別される)。
実施形態では、フソソームにおけるカルネキシンの平均分画含有量は、1×10-4、1.5×10-4、2×10-4、2.1×10-4、2.2×10-4、2.3×10-4、;2.4×10-4、2.43×10-4、2.5×10-4、2.6×10-4、2.7×10-4、2.8×10-4、2.9×10-4、3×10-4、3.5×10-4、又は4×10-4未満である(又はそうであると識別される)。実施形態では、フソソームは、総タンパク質あたりのカルネキシンの量を含み、これは、親細胞の量よりも約70%、75%、80%、85%、88%、90%、95%、99%、又はそれ以上少ない。
幾つかの実施形態では、フソソームは、膜の曲率に影響を与える脂質を含むか、又はその脂質が濃縮されている(例えば、Thiam et al.,Nature Reviews Molecular Cell Biology,14(12):775-785,2013)。一部の脂質は、小さな親水性のヘッドグループ及び大きな疎水性のテールを持っており、局所領域に集中することで融合細孔の形成を促進する。幾つかの実施形態では、フソソームは、コレステロール、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ジグリセリド(DAG)、ホスファチジン酸(PA)、脂肪酸(FA)等の負の湾曲脂質を含むか、又はそれらが濃縮されている。幾つかの実施形態では、フソソームは、以下のような正の湾曲脂質を含まないか、枯渇しているか、又はほとんど持っていない;リゾホスファチジルコリン(LPC)、ホスファチジルイノシトール(Ptdlns)、リゾホスファチジン酸(LPA)、リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)、モノアシルグリセロール(MAG)。
幾つかの実施形態では、脂質がフソソームに加えられる。幾つかの実施形態では、脂質は、フソソームの形成の前又は形成中に脂質をそれらの膜に組み込む培養中のソース細胞に添加される。幾つかの実施形態では、脂質は、リポソームの形態で細胞又はフソソームに添加される。幾つかの実施形態では、メチル-ベータシクロデキスタン(mβ-CD)は、脂質を濃縮又は枯渇させるために使用される(例えば、Kainu et al,Journal of Lipid Research,51(12):3533-3541,2010を参照)。
X.医薬組成物及びそれらを製造する方法
本開示はまた、幾つかの態様では、本明細書に記載のフソソーム組成物及び薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、記載されるいずれかのフソソーム、例えばレトロウイルスベクター、又はVLPを含むことができる。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターの1つ以上の形質導入ユニットが被験体に投与される。幾つかの実施形態では、1kgあたり少なくとも1、10、100、1000、104、105、106、107、108、109、1010、1011、1012、1013、又は1014の形質導入単位を被験体に投与する。幾つかの実施形態では、血液1mlあたり標的細胞あたり少なくとも1、10、100、1000、104、105、106、107、108、109、1010、1011、1012、1013、又は1014の形質導入単位を被験体に投与する。
レトロウイルスウイルス、例えばレンチウイルスの濃縮及び精製
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のレトロウイルスベクター製剤は、例えば、時系列で、以下の工程(i)~(vi)の1つ以上、例えば、全てを含むプロセスによって産生され得る:
(i)レトロウイルスベクターを産生する細胞を培養する工程;
(ii)レトロウイルスベクターを含む上清を回収する工程;
(iii)必要に応じて上清を清澄化する工程;
(iv)レトロウイルスベクターを精製してレトロウイルスベクター調製物を得る工程;
(v)任意に、レトロウイルスベクター調製物をフィルター滅菌する工程;及び
(vi)レトロウイルスベクター調製物を濃縮して最終的なバルク産物を産生する工程。
幾つかの実施形態では、プロセスは、清澄化工程(iii)を含まない。他の実施形態では、プロセスは、清澄化工程(iii)を含む。幾つかの実施形態では、工程(vi)は、限外濾過、又はタンジェント流濾過、より好ましくは中空繊維限外濾過を使用して実行される。幾つかの実施形態では、工程(iv)の精製方法は、イオン交換クロマトグラフィー、より好ましくは陰イオン交換クロマトグラフィーである。幾つかの実施形態では、工程(v)のフィルター滅菌は、0.22μm又は0.2μmの滅菌フィルターを使用して実行される。幾つかの実施形態では、工程(iii)は、フィルターの清澄化によって実行される。幾つかの実施形態では、工程(iv)は、クロマトグラフィー、限外濾過/ダイアフィルトレーション、又は遠心分離から選択される方法又は方法の組み合わせを使用して実行される。幾つかの実施形態では、クロマトグラフィー法又は方法の組み合わせは、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、及び固定化金属イオンアフィニティークロマトグラフィーから選択される。幾つかの実施形態では、遠心分離方法は、ゾーン遠心分離、等密度遠心分離、及びペレット遠心分離から選択される。幾つかの実施形態では、限外濾過/ダイアフィルトレーション法は、タンジェンシャルフローダイアフィルトレーション、撹拌セルダイアフィルトレーション及び透析から選択される。幾つかの実施形態では、精製を向上させるために核酸を分解するプロセスに少なくとも1つの工程が含まれる。幾つかの実施形態では、当該工程はヌクレアーゼ処理である。
幾つかの実施形態では、ベクターの濃縮は、濾過の前に行われる。幾つかの実施形態では、ベクターの濃縮は、濾過後に行われる。幾つかの実施形態では、濃縮及び濾過の工程が繰り返される。
幾つかの実施形態では、最終濃縮工程は、フィルター滅菌工程の後に実行される。幾つかの実施形態では、プロセスは、治療薬としてヒトへの投与に適した臨床グレードの製剤を製造するための大規模プロセスである。幾つかの実施形態では、フィルター滅菌工程は、濃縮工程の前に行われる。幾つかの実施形態では、濃縮工程はプロセスの最後の工程であり、フィルター滅菌工程はプロセスの最後から2番目の工程である。幾つかの実施形態では、濃縮工程は、限外濾過、好ましくはタンジェント流濾過、より好ましくは中空繊維限外濾過を使用して実行される。幾つかの実施形態では、フィルター滅菌工程は、約0.22μmの最大孔径を有する滅菌フィルターを使用して実行される。別の好ましい実施形態では、最大孔径は0.2μmである。
幾つかの実施形態では、ベクター濃度は、フィルター滅菌前の調製物1mlあたり約4.6×1011のRNAゲノムコピー以下である。適切な濃度レベルは、適切な場合、例えば希釈工程を使用してベクター濃度を制御することによって達成することができる。したがって、幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクター調製物は、フィルター滅菌の前に希釈される。
清澄化は、細胞破片やその他の不純物を除去する濾過工程によって行うことができる。効果的な除去及び許容可能な回収率を達成するために、適切なフィルターは、セルロースフィルター、再生セルロース繊維、無機濾過助剤(例えば、珪藻土、パーライト、ヒュームドシリカ)と組み合わせたセルロース繊維、無機濾過助剤及び有機樹脂と組み合わせたセルロースフィルター、又はそれらの任意の組み合わせ、及びポリマーフィルター(例として、限定されないが、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエーテルスルホンが挙げられる)を利用する。多段階プロセスを使用することができる。例示的な2段階又は3段階のプロセスは、大きな沈殿物及び細胞破片を除去するための粗いフィルター(複数の場合がある)と、それに続く0.2ミクロンより大きく1ミクロン未満の公称孔径を有する第2段階フィルター(複数の場合がある)のポリッシングからなり得る。最適な組み合わせは、沈殿物のサイズ分布と並んで、その他の変数の関数である可能性がある。更に、比較的小さな孔径のフィルター又は遠心分離を使用する単一段階の操作は、清澄化にも使用され得る。より一般的には、限定されるものではないが、後続の工程で膜及び/又は樹脂を汚さないように適切な清澄度の濾液を提供する、全量濾過、精密濾過、遠心分離、又は全量若しくは深層濾過と組み合わせた濾過助剤(珪藻土等)のボディフィードを含む任意の清澄化アプローチが本発明の清澄化工程における使用に許容可能となるであろう。
幾つかの実施形態では、深層濾過及び膜濾過が使用される。この点で有用な市販の製品は、例えば、国際公開第03/097797号の20~21頁に言及されている。使用できる膜は、異なる材料で構成されていてもよく、細孔サイズが異なっていてもよく、組み合わせて使用されてもよい。それらは、幾つかのベンダーから商業的に入手できる。幾つかの実施形態では、清澄化に使用されるフィルターは、1.2~0.22μmの範囲にある。幾つかの実施形態では、清澄化に使用されるフィルターは、1.2/0.45μmフィルター又は0.22μmの最小公称孔径を有する非対称フィルターのいずれかである。
幾つかの実施形態では、上記方法は、ヌクレアーゼを用いて、汚染しているDNA/RNA、すなわち主に宿主細胞の核酸を分解する。本発明での使用に適した例示的なヌクレアーゼとしては、あらゆる形態のDNA及びRNA(一本鎖、二本鎖線状又は環状)又は当技術分野において調製物から不要又は汚染されたDNA及び/又はRNAを除去する目的で一般的に使用される他の任意のDNase及び/又はRNaseを攻撃し分解するBenzonase(登録商標)ヌクレアーゼ(欧州特許第0229866号)が挙げられる。好ましい実施形態では、ヌクレアーゼは、特定のヌクレオチド間の内部ホスホジエステル結合を加水分解することによって核酸を迅速に加水分解し、それによって上清を含むベクター中のポリヌクレオチドのサイズを減少させるBenzonase(登録商標)ヌクレアーゼである。Benzonase(登録商標)ヌクレアーゼは、Merck KGaA(コードW214950)から市販されている。ヌクレアーゼが使用される濃度は、好ましくは1~100ユニット/mlの範囲内である。
幾つかの実施形態では、ベクター懸濁液は、例えば、ベクター濃縮及び/又はバッファー交換をするために、プロセス中に少なくとも1回の限外濾過(バッファー交換に使用される場合、ダイアフィルトレーションと呼ばれることもある)に供される。ベクターを濃縮するために使用されるプロセスは、希釈剤がベクター調製物から除去されるように希釈剤をフィルターに強制的に通過させるが、ベクターはフィルターを通過できないため、濃縮された形でベクター調製物に残ることによってベクターの濃度が増加する任意の濾過プロセス(例えば、限外濾過(UF))を含み得る。UFは、例えば、Microfiltration and Ultrafiltration:Principles and Applications,L.Zeman and A.Zydney(Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,1996);及びUltrafiltration Handbook,Munir Cheryan(Technomic Publishing,1986;ISBN No.87762-456-9)に詳述されている。適切な濾過プロセスは、例えば、MILLIPORE catalogue entitled「Pharmaceutical Process Filtration Catalogue」pp.177-202(Bedford,Mass.,1995/96)に記載されているタンジェント流濾過(「TFF」)である。TFFは、ウイルスを含む生成物の細胞採取、浄化、精製、及び濃縮のためにバイオプロセシング業界で広く使用されている。このシステムは、フィード溶液、透過液、及び保持液の3つの異なるプロセスストリームで構成されている。用途に応じて、異なる孔径のフィルターを使用できる。幾つかの実施形態では、保持液は、生成物(レンチウイルスベクター)を含む。選択された特定の限外濾過膜は、ベクターを保持するのに十分小さいが、不純物を効果的に除去するのに十分大きい孔径を有し得る。製造業者及び膜の種類に応じて、レトロウイルスベクターの場合、100~1000kDaの公称分子量カットオフ(NMWC)、例えば、300kDa又は500kDaのNMWCの膜が適切な場合がある。膜組成物は、再生セルロース、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、又はそれらの誘導体であり得るが、これらに限定されない。膜はフラットシート(フラットスクリーンとも呼ばれる)又は中空繊維にすることができる。適切なUFは、中空繊維UF、例えば、0.1μm未満の孔径を有するフィルターを使用する濾過である。生成物は一般に保持されるが、透過によって体積を減らすことができる(又は、バッファー及び不純物を含む透過液が透過側で除去される速度と同じ速度でバッファーを添加することにより、ダイアフィルトレーション中に一定に保つことができる)。
バイオ医薬品業界でTFFに最も広く使用されている2つの形状は、プレート&フレーム(フラットスクリーン)、及び中空糸モジュールである。限外濾過及び精密濾過用の中空糸ユニットは、1970年代初頭にAmicon及びRamiconによって開発されたが(Cheryan,M.Ultrafiltration Handbook)、現在はSpectrum及びGE Healthcareを含む複数のベンダーが存在する。中空糸モジュールは、高密度のスキン層を備えた一連の自立型繊維で構成されている。繊維径は0.5mm~3mmの範囲である。特定の実施形態では、中空繊維がTFFに使用される。特定の実施形態では、500kDa(0.05μm)の孔径の中空繊維が使用される。限外濾過は、ダイアフィルトレーション(DF)を含み得る。微量溶質は、限外濾過される溶液にUF速度に等しい速度で溶媒を加えることによって除去できる。これにより、溶液から微小種が一定の量で洗い流され、保持されたベクターが精製される。
UF/DFを、精製プロセスの様々な段階でベクター懸濁液を濃縮及び/又はバッファー交換するために使用できる。この方法は、クロマトグラフィー又は他の精製工程の後に上清のバッファーを交換するためにDF工程を利用することができるが、クロマトグラフィーの前に使用することもできる。
幾つかの実施形態では、クロマトグラフィー工程からの溶出液は、濃縮され、限外濾過-ダイアフィルトレーションによって更に精製される。このプロセス中に、ベクターは製剤バッファーに交換される。最終的な所望の濃度への濃縮は、フィルター滅菌工程の後に行うことができる。当該滅菌濾過後、フィルター滅菌された物質は無菌UFによって濃縮されて、バルクベクター産生物を産生する。
実施形態では、限外濾過/ダイアフィルトレーションは、タンジェント流ダイアフィルトレーション、撹拌セルダイアフィルトレーション及び透析であり得る。
精製技術は、細胞環境からのベクター粒子の分離、及び必要に応じて、ベクター粒子の更なる精製を伴う傾向がある。この精製には、様々なクロマトグラフィー法の1つ以上を使用できる。イオン交換、より具体的には陰イオン交換、クロマトグラフィーが適切な方法であり、他の方法を使用することができる。幾つかのクロマトグラフィー技術の説明を以下に示す。
イオン交換クロマトグラフィーは、生体分子及びウイルスベクター等の荷電種が、その表面に固定された反対の電荷を有する基を持つ固定相(膜、又は代わりにカラム内のパッキング等)に可逆的に結合できるという事実を利用している。イオン交換体には2つのタイプがある。陰イオン交換体は、正電荷を有する基を持つ固定相であるため、負電荷を持つ化学種を結合できる。陽イオン交換体は負の電荷を有する基を持っているため、正の電荷を持つ化学種を結合できる。媒質のpHは、化学種の電荷を変える可能性があるため、これに影響を及ぼす。そのため、タンパク質等の種の場合、pHがpIを超えると正味電荷は負になり、pIを下回ると正味電荷は正になる。
結合種の置換(溶出)は、適切なバッファーを使用することで行うことができる。そのため、一般に、固定相のイオン部位に対するバッファーイオンの競合によって化学種が置換されるまで、バッファーのイオン濃度を増加する。代替的な溶出方法では、化学種の正味電荷が固定相への結合に有利でなくなるまで、バッファーのpHを変更する必要がある。例としては、化学種が正味の正電荷を帯びたと想定され、陰イオン交換体に結合しなくなるまでpHを下げることが挙げられる。
不純物が帯電していない場合、又は不純物が所望の化学種とは反対の符号の電荷を持っているが、イオン交換体の電荷と同じ符号である場合は、ある程度の精製を行うことができる。これは、非荷電種及びイオン交換体と同じ符号の電荷を持つ種は、通常結合しないためである。結合種が異なれば、結合の強さは、電荷密度及び様々な化学種の電荷の分布等の要因によって異なる。したがって、イオン勾配又はpH勾配を(連続勾配として、又は一連の工程として)適用することにより、目的の化学種が不純物とは別に溶出され得る。
サイズ排除クロマトグラフィーは、サイズに応じて化学種を分離する手法である。典型的には、これは、明確なサイズの孔を有する粒子が充填されたカラムを使用して実行される。クロマトグラフィー分離では、分離する混合物中の化学種のサイズに関して適切な孔径を持つ粒子を選択する。混合物を溶液(又はウイルスの場合は懸濁液)としてカラムに適用し、バッファーで溶出すると、細孔へのアクセスが制限されている(又は全くない)ため、最大の粒子が最初に溶出する。小さい粒子は細孔に入る可能性があるため、後で溶出し、カラムを通過する経路が長くなる。したがって、ウイルスベクターの精製にサイズ排除クロマトグラフィーを使用することを検討する場合、タンパク質等のより小さな不純物の前にベクターが溶出されることが予想される。
タンパク質等の化学種の表面には、固定相の弱い疎水性部位に可逆的に結合できる疎水性領域がある。塩濃度が比較的高い媒質では、この結合が促進される。典型的には、HICでは、精製するサンプルは高塩濃度環境で固定相に結合する。次に、塩濃度を減少させる勾配(連続的又は一連の工程として)を適用することにより、溶出を達成する。一般的に使用される塩は硫酸アンモニウムである。疎水性のレベルが異なる種は、異なる塩濃度で溶出される傾向があるため、標的の化学種を不純物から精製できる。pH、温度、並びに界面活性剤、カオトロピック塩及び有機物等の溶出媒質への添加剤等の他の要因も、HIC固定相への化学種の結合の強さに影響を与える可能性がある。これらの要因の1つ以上を調整又は利用して、生成物の溶出及び精製を最適化できる。
ウイルスベクターはそれらの表面にタンパク質等の疎水性部分を持っているため、HICを精製手段として使用できる可能性がある。
HICと同様に、RPCは疎水性の違いに応じて化学種を分離する。HICで採用されているものよりも疎水性の高い固定相が採用される。固定相は、多くの場合、アルキル基やフェニル基等の疎水性部分が結合した材料、通常はシリカからなる。或いは、固定相は、結合基のない有機ポリマーである可能性がある。分離される化学種の混合物を含むサンプルは、結合を促進する比較的高い極性の水性媒質において固定相に適用される。次に、イソプロパノール又はアセトニトリル等の有機溶媒を添加して水性媒質の極性を下げることにより、溶出を達成する。一般に、有機溶媒濃度を増加させる勾配(連続的又は一連の工程として)が使用され、化学種はそれぞれの疎水性の順に溶出される。
溶出媒体のpH、及び添加剤の使用等の他の要因も、RPC固定相への化学種の結合の強さに影響を与える可能性がある。これらの要因の1つ以上を調整又は利用して、生成物の溶出及び精製を最適化できる。一般的な添加剤はトリフルオロ酢酸(TFA)である。これにより、サンプル中のカルボキシル部分等の酸性基のイオン化が抑制される。また、溶出媒体のpHを低下させ、シリカマトリックスを持つ固定相の表面に存在する可能性のある遊離シラノール基のイオン化を抑制する。TFAは、イオン対形成剤として知られる添加剤のクラスの1つである。これらは、サンプル内の化学種に存在する、反対の電荷を持つイオン基と相互作用する。相互作用は電荷をマスクする傾向があり、化学種の疎水性を高める。TFA及びペンタフルオロプロピオン酸等の陰イオン対形成剤は、化学種にある正に帯電した基と相互作用する。トリエチルアミン等のカチオン性イオン対形成剤は、負に帯電した基と相互作用する。
ウイルスベクターはそれらの表面にタンパク質等の疎水性部分を持っているため、RPCを精製手段として使用できる可能性がある。
アフィニティークロマトグラフィーは、タンパク質又はヌクレオチド等の生体分子と特異的に結合する特定のリガンドを固定相に固定化できるという事実を利用している。次に、修飾された固定相を使用して、関連する生体分子を混合物から分離することができる。特異性の高いリガンドの例は、標的抗原を精製するための抗体及び酵素を精製するための酵素阻害剤である。広範囲の抗体を単離するためのプロテインAリガンドの使用等、より一般的な相互作用も利用できる。
通常、アフィニティークロマトグラフィーは、目的の化学種を含む混合物を、関連するリガンドが付着した固定相に適用することによって実行される。適切な条件下では、これにより化学種が固定相に結合する。次に、未結合の成分は、溶出媒質が適用される前に洗い流される。溶出媒質は、標的種へのリガンドの結合を破壊するように選択される。これは通常、適切なイオン強度、pHを選択するか、又はリガンド部位について標的種と競合する物質を使用することによって達成される。一部の結合種では、尿素等のカオトロピック試薬を使用して、リガンドからの置換を行う。ただし、これにより、化学種が不可逆的に変性する可能性がある。
ウイルスベクターは、それらの表面に、適切なリガンドに特異的に結合できる可能性のあるタンパク質等の部分を有する。これは、潜在的に、アフィニティークロマトグラフィーがそれらの分離に使用できることを意味する。
タンパク質等の生体分子は、金属イオンと配位結合を形成できる電子供与部分を表面に持つことができる。これは、Ni2+、Cu2+、Zn2+又はFe3+等の固定化金属イオンを担持する固定相への結合を容易にすることができる。IMACで使用される固定相には、キレート剤、典型的には、ニトリロ酢酸又はイミノ二酢酸が共有結合によって付着しており、また金属イオンを保持するのはキレート剤である。キレート化された金属イオンは、生体分子への配位結合を形成するために、少なくとも1つの配位部位を利用できるようにしておく必要がある。生体分子の表面には、固定化された金属イオンに結合できる可能性のある幾つかの部分が存在する可能性がある。これらには、ヒスチジン、トリプトファン、システイン残基、及びリン酸基が含まれる。ただし、タンパク質の場合、主なドナーはヒスチジン残基のイミダゾール基のようである。天然タンパク質を、表面に適切なドナー部分を示す場合、IMACを使用して分離できる。それ以外の場合、IMACは、幾つかの連結されたヒスチジン残基の鎖を持つ組換えタンパク質の分離に使用できる。
通常、IMACは、目的の化学種を含む混合物を固定相に適用することによって実行される。適切な条件下では、これにより化学種が固定相に配位結合する。次に、未結合の成分は、溶出媒質が適用される前に洗い流される。溶出には、塩濃度を上げる又はpHを下げる勾配(連続的又は一連の工程として)を使用できる。また、一般的に使用される手順は、イミダゾール濃度を増加させる勾配の適用である。異なるドナー特性を有する生体分子、例えば、異なる環境にヒスチジン残基を有する生体分子は、勾配溶出を使用することによって分離することができる。
ウイルスベクターは、それらの表面に、IMAC固定相に結合できる可能性のあるタンパク質等の部分を有する。これは、潜在的に、IMACをそれらの分離に使用できることを意味する。
適切な遠心分離技術としては、ゾーン遠心分離、等密度超遠心分離、及びペレット遠心分離が含まれる。
フィルター滅菌は、医薬品グレードの材料のプロセスに適している。フィルター滅菌により、得られた製剤に汚染物質が実質的に含まれなくなる。フィルター滅菌後の汚染物質のレベルは、製剤が臨床使用に適しているようなものである。フィルター滅菌工程後の更なる濃縮(例えば限外濾過による)を、無菌状態で行うことができる。幾つかの実施形態では、滅菌フィルターは、0.22μmの最大孔径を有する。
本明細書のレトロウイルスベクターはまた、フロースルー超遠心分離及び高速遠心分離、並びにタンジェント流濾過を使用してレンチウイルスベクターを濃縮及び精製する方法に供することができる。フロースルー超遠心分離は、RNA腫瘍ウイルスの精製に使用できる(Toplin et al,Applied Microbiology 15:582-589,1967;Burger et al.,Journal of the National Cancer Institute 45:499-503,1970)。フロースルー超遠心分離は、レンチウイルスベクターの精製に使用できる。この方法は、以下の工程の1つ以上を含むことができる。例えば、レンチウイルスベクターは、細胞工場又はバイオリアクターシステムを使用して細胞から産生することができる。一過性トランスフェクションシステムを使用することができ、パッケージング又はプロデューサー細胞株も同様に使用することができる。必要に応じて、材料を超遠心分離機にロードする前の事前浄化工程を使用できる。フロースルー超遠心分離は、連続フロー又はバッチ沈降を使用して実行できる。沈降に使用される材料は、例えば、塩化セシウム、酒石酸カリウム、臭化カリウムであり、これらは全て腐食性であるが、低粘度で高密度をもたらす。CsClは、作成できる密度勾配が広いことから(1.0~1.9g/cm3)、高純度を実現できるため、プロセスの開発に頻繁に使用される。臭化カリウムは、高密度で、例えば、25℃等の高温で使用することができ、これは、幾つかのタンパク質の安定性と適合しない可能性がある。ショ糖は安価で毒性がないため広く使用されており、ほとんどのタンパク質、細胞内画分、細胞全体の分離に適した勾配を形成できる。典型的には最大密度は約1.3g/cm3である。ショ糖の浸透ポテンシャルは細胞に有毒である可能性があり、その場合、複雑な勾配材料、例えばナイコデンツ(Nycodenz)を使用することができる。勾配は、勾配の1つ以上の工程で使用できる。一実施形態は、段階的なショ糖勾配を使用することである。材料の量は、1回の実行で0.5リットル~200リットルを超える場合がある。流速は1時間あたり5~25リットル超にすることができる。適切な動作速度は25,000~40,500rpmで、最大122,000×gの力が発生する。ローターは、必要な体積分率で静的にアンロードできる。一実施形態は、遠心分離された材料を100mlの画分でアンロードすることである。次に、精製及び濃縮されたレンチウイルスベクターを含む単離された画分を、ゲル濾過又はサイズ排除クロマトグラフィーを使用して、所望のバッファー中で交換することができる。陰イオン又は陽イオン交換クロマトグラフィーは、バッファー交換又は更なる精製のための代替又は追加の方法としても使用できる。加えて、タンジェント流濾過は、必要に応じてバッファー交換や最終配合にも使用できる。タンジェント流濾過(TFF)は、2工程のTFF手順が実施される超高速又は高速遠心分離の代替工程としても使用できる。第1の工程はベクター上清の量を減らし、第2の工程はバッファー交換、最終製剤、及び材料の更なる濃縮に使用され得る。TFF膜の膜サイズは100~500キロダルトンであり、第1のTFF工程の膜サイズは500キロダルトンであり、第2のTFFの膜サイズは300~500キロダルトンである。最終バッファーには、ベクターを長期間保存できるようにする材料が含まれていなければならない。
実施形態では、この方法は、接着細胞を含む細胞工場、又はベクター及びヘルパーコンストラクトでトランスフェクト又は形質導入されてレンチウイルスベクターを産生する懸濁細胞を含むバイオリアクターのいずれかを使用する。非限定的な例又はバイオリアクターとしては、Waveバイオリアクターシステム及びXcellerexバイオリアクターが挙げられる。いずれも使い捨てシステムである。ただし、使い捨てではないシステムを使用することもできる。コンストラクトは、本明細書に記載されるもの、並びに他のレンチウイルス形質導入ベクターであり得る。或いは、細胞株を、形質導入又はトランスフェクションを必要とせずにレンチウイルスベクターを産生するように操作することができる。トランスフェクション後、レンチウイルスベクターを採取及び濾過して粒子を除去した後、連続フロー高速遠心分離又は超遠心分離を使用して遠心分離する。好ましい実施形態は、高速遠心分離機を備えたJCF-Aゾーン及び連続フローローターのような高速連続フロー装置を使用することである。また、中規模のレンチウイルスベクター生産のためのContifuge Stratus遠心分離機の使用も好ましい。また、遠心分離の速度が5,000×g RCFより大きく26,000×g RCF未満の任意の連続フロー遠心分離機も適している。好ましくは、連続流遠心力は、20時間~4時間のスピン時間で約10,500×g~23,500×gのRCFであり、より遅い遠心力でより長い遠心時間を使用する。レンチウイルスベクターが、ウイルスベクターペレットを生じるベクターの直接遠心分離で時々発生するような濾過できない凝集体を形成しないように、レンチウイルスベクターを、より密度の高い材料のクッション上で遠心分離してもよい(非限定的な例はスクロースであるが、他の試薬を使用してクッションを形成することができ、これらは当該技術分野でよく知られている)。クッション上での連続フロー遠心分離により、ベクターは大きな凝集体の形成を回避しながら、レンチウイルスベクターを産生する大量のトランスフェクトされた材料からベクターを高レベルに濃縮することができる。更に、スクロースの2番目に密度の低い層を使用して、レンチウイルスベクター調製物をバンドすることができる。連続フロー遠心分離機の流量は、1分あたり1~100mlであるが、より高い流量及びより低い流量を使用することもできる。流量は、高流量のために大量のベクターが失われることなく、ベクターが遠心分離機のコアに入るのに十分な時間を提供するように調整される。より高い流量が望ましい場合は、連続フロー遠心分離機から流出する材料を再循環させて、もう一度遠心分離機を通過させることができる。連続フロー遠心分離を使用してウイルスを濃縮した後、タンジェント流濾過(TFF)を使用してベクターを更に濃縮するか、TFFシステムをバッファー交換に使用することができる。TFFシステムの非限定的な例は、GB-Healthcareによって製造されたXamplerカートリッジシステムである。推奨されるカートリッジは、MWカットオフが500,000MW以下のカートリッジである。好ましくは、カートリッジは、300,000MWのMWカットオフで使用される。100,000MWカットオフのカートリッジも使用できる。より大きな容量の場合、より大きなカートリッジを使用することができ、ベクター調製物の最終充填の前に、この最終バッファー交換及び/又は濃縮工程に適したTFFシステムを見つけることは当業者にとって容易である。最終的な充填調製物は、ベクターを安定化する因子(糖が一般的に使用され、当該技術分野で知られている)を含み得る。
タンパク質含有量
幾つかの実施形態では、レトロウイルス粒子は、様々なソース細胞ゲノム由来タンパク質、外因性タンパク質、及びウイルスゲノム由来タンパク質を含む。幾つかの実施形態では、レトロウイルス粒子は、ソース細胞ゲノム由来タンパク質対ウイルスゲノム由来タンパク質、ソース細胞ゲノム由来タンパク質対外因性タンパク質、及び外因性タンパク質対ウイルスゲノム由来タンパク質の様々な比率を含む。
幾つかの実施形態では、ウイルスゲノム由来のタンパク質は、GAGポリプロテイン前駆体、HIV-1インテグラーゼ、POLポリプロテイン前駆体、キャプシド、ヌクレオキャプシド、p17マトリックス、p6、p2、VPR、Vifである。
幾つかの実施形態では、ソース細胞由来タンパク質は、シクロフィリンA、熱ショック70kD、ヒト伸長因子-1アルファ(EF-1R)、ヒストンH1、H2A、H3、H4、ベータグロビン、トリプシン前駆体、パルブリン、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、Lck、ユビキチン、SUMO-1、CD48、シンテニン-1、ヌクレオホスミン、異種核リボヌクレオプロテインC1/C2、ヌクレオリン、プロバブルATP依存性ヘリカーゼDDX48、マトリン-3、移行性ER ATPアーゼ、GTP結合核タンパク質Ran、異種核リボヌクレオプロテインU、インターロイキンエンハンサー結合因子2、オクタマー結合タンパク質を含む非POUドメイン、RuvB様2、HSP 90-b、HSP 90-a、伸長因子2、D-3-ホスホグリセリン酸デヒドロゲナーゼ、a-エノラーゼ、C-1-テトラヒドロ葉酸合成酵素、細胞質、ピルビン酸キナーゼ、アイソザイムM1/M2、ユビキチン活性化酵素E1、26Sプロテアーゼ調節サブユニットS10B、60S酸性リボソームタンパク質P2、60S酸性リボソームタンパク質P0、40Sリボソームタンパク質SA、40Sリボソームタンパク質S2、40Sリボソームタンパク質S3、60Sリボソームタンパク質L4、60Sリボソームタンパク質L3、40Sリボソームタンパク質S3a、40Sリボソームタンパク質S7、60Sリボソームタンパク質L7a、60S酸性リボソームタンパク質L31、60Sリボソームタンパク質L10a、60Sリボソームタンパク質L6、26Sプロテアソーム非ATPアーゼ調節サブユニット1、チューブリンb-2鎖、アクチン、細胞質1、アクチン、大動脈平滑筋、チューブリンa-ユビキタス鎖、クラスリン重鎖1、ヒストンH2B.b、ヒストンH4、ヒストンH3.1、ヒストンH3.3、ヒストンH2Aタイプ8、26Sプロテアーゼ調節サブユニット6A、ユビキチン-4、RuvB様1、26Sプロテアーゼ調節サブユニット7、ロイシル-tRNA合成酵素、細胞質、60Sリボソームタンパク質L19、26Sプロテアソーム非ATPアーゼ調節サブユニット13、ヒストンH2B.F、U5小核リボヌクレオプロテイン200kDaヘリカーゼ、ポリ[ADP-リボース]ポリメラーゼ-1、ATP依存性DNAヘリカーゼII、DNA複製ライセンス因子MCM5、ヌクレアーゼ感受性エレメント結合タンパク質1、ATP依存性RNAヘリカーゼA、インターロイキンエンハンサー結合因子3、転写伸長因子Bポリペプチド1、Pre-mRNAプロセシングスプライシング因子8、タンパク質を含むブドウ球菌ヌクレアーゼドメイン1、プログラム化細胞死6-相互作用タンパク質、RNAポリメラーゼII転写サブユニット8ホモログのメディエーター、核RNAヘリカーゼII、エンドプラスミン、DnaJホモログサブファミリーAメンバー1、熱ショック70kDaタンパク質1L、T-複合タンパク質1 eサブユニット、GCN1様タンパク質1、セロトランスフェリン、フルクトース二リン酸アルドラーゼA、イノシン-5’一リン酸デヒドロゲナーゼ2、26Sプロテアーゼ調節サブユニット6B、脂肪酸合成酵素、DNA依存性プロテインキナーゼ触媒サブユニット、40Sリボソームタンパク質S17、60Sリボソームタンパク質L7、60Sリボソームタンパク質L12、60Sリボソームタンパク質L9、40Sリボソームタンパク質S8、40Sリボソームタンパク質S4 Xアイソフォーム、60Sリボソームタンパク質L11、26Sプロテアソーム非ATPase調節サブユニット2、コートマーaサブユニット、ヒストンH2A.z、ヒストンH1.2、ダイニン重鎖細胞質ゾルである。Saphire et al.,Journal of Proteome Research,2005、及びWheeler et al.,Proteomics Clinical Applications,2007を参照。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターはペグ化されている。
粒径
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターの直径の中央値は、10~1000nM、25~500nm、40~300nm、50~250nm、60~225nm、70~200nm、80~175nm、又は90~150nmである。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターの90%は、レトロウイルスの直径の中央値の50%以内に入る。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターの90%は、レトロウイルスの直径の中央値の25%以内に入る。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターの90%は、レトロウイルスの直径の中央値の20%以内に入る。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターの90%は、レトロウイルスの直径の中央値の15%以内に入る。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターの90%は、レトロウイルスの直径の中央値の10%以内に入る。
XI.適応症及び使用法
本明細書に記載のフソソーム、レトロウイルスベクター、VLP、又は医薬組成物を、被験体、例えば、哺乳動物、例えば、ヒトに投与することができる。かかる実施形態では、被験体は、特定の疾患又は状態(例えば、本明細書に記載の疾患又は状態)のリスクがあるか、症状があるか、又は診断され得るか、又はそうであると識別され得る。幾つかの実施形態では、疾患は、遺伝子欠損症、例えば、表5又は表6に列挙される遺伝子欠損症である。
本開示はまた、特定の態様では、被験体(例えば、ヒト被験体)、標的組織、又は細胞にフソソーム組成物を投与する方法であって、本明細書に記載の複数のフソソームを含むフソソーム組成物、本明細書に記載のフソソーム組成物、又は本明細書に記載の医薬組成物を被験体に投与すること、又はそれと標的組織若しくは細胞を接触させることを含み、それによって被験体にフソソーム組成物を投与する、方法を提供する。
本開示はまた、特定の態様では、治療剤(例えば、ポリペプチド、核酸、代謝産物、細胞小器官、又は細胞内構造物)を被験体、標的組織、又は細胞に送達する方法であって、本明細書に記載の複数のフソソーム、本明細書に記載の複数のフソソームを含むフソソーム組成物、本明細書に記載のフソソーム組成物、又は本明細書に記載の医薬組成物を、被験体に投与すること、又はそれを標的組織若しくは細胞と接触させることを含み、治療剤が送達されるような量及び/又は時間でフソソーム組成物が投与される、方法を提供する。
本開示はまた、特定の態様では、機能を被験体、標的組織、又は細胞に送達する方法であって、本明細書に記載の複数のフソソーム、本明細書に記載の複数のフソソームを含むフソソーム組成物、本明細書に記載のフソソーム組成物、又は本明細書に記載の医薬組成物を、被験体に投与すること、又はそれを標的組織若しくは細胞と接触させることを含み、機能が送達されるような量及び/又は時間でフソソーム組成物が投与される、方法を提供する。
哺乳動物(例えば、ヒト)組織に由来する標的細胞としては、上皮、結合、筋肉、又は神経の組織又は細胞、並びにそれらの組み合わせに由来する細胞が挙げられる。標的となる哺乳類(例、ヒト)の細胞及び臓器系には、心臓血管系(心臓、血管系)、消化器系(食道、胃、肝臓、胆嚢、膵臓、腸、結腸、直腸、肛門)、内分泌系(視床下部、下垂体、松果体又は松果腺、甲状腺、副甲状腺、副腎)、排泄系(腎臓、尿管、膀胱)、リンパ系(リンパ、リンパ節、リンパ管、扁桃腺、アデノイド、胸腺、脾臓)、外皮系(皮膚、髪、爪)、筋肉系(例えば、骨格筋)、神経系(脳、脊髄、神経)’、生殖器系(卵巣、子宮、乳腺、精巣、精管、精嚢、前立腺)、呼吸器系(咽頭、喉頭、気管、気管支、肺、横隔膜)、骨格系(骨、軟骨)、及びそれらの組み合わせが含まれる。幾つかの実施形態では、非標的細胞又は臓器系は、心臓血管系(心臓、血管系);消化器系(食道、胃、肝臓、胆嚢、膵臓、腸、結腸、直腸及び肛門);内分泌系(視床下部、下垂体、松果体又は松果体、甲状腺、副甲状腺、副腎);排泄システム(腎臓、尿管、膀胱);リンパ系(リンパ、リンパ節、リンパ管、扁桃腺、咽頭扁桃、胸腺、脾臓);外皮系(皮膚、髪、爪);筋肉系(例えば、骨格筋);神経系(脳、脊髄、神経);生殖器系(卵巣、子宮、乳腺、精巣、精管、精嚢、前立腺);呼吸器系(咽頭、喉頭、気管、気管支、肺、横隔膜);骨格系(骨、軟骨)、及びそれらの組み合わせから選択される。
本明細書に記載の医薬組成物の投与は、経口、吸入、経皮又は非経口(静脈内、腫瘍内、腹腔内、筋肉内、腔内、及び皮下を含む)投与によるものであり得る。フソソームは、単独で投与することも、医薬組成物として製剤化することもできる。
実施形態では、フソソーム組成物は、標的細胞に対する効果を媒介し、効果は、少なくとも1、2、3、4、5、6若しくは7日、2、3若しくは4週間、又は1、2、3、6若しくは12か月の間持続する。幾つかの実施形態(例えば、フソソーム組成物が外因性タンパク質を含む場合)では、効果は、1、2、3、4、5、6若しくは7日未満、2、3若しくは4週間、又は1、2、3、6若しくは12か月の間持続する。
実施形態では、本明細書に記載のフソソーム組成物は、細胞又は組織、例えば、ヒトの細胞又は組織にex-vivoで送達される。
本明細書に記載のフソソーム組成物を、被験体、例えば、哺乳動物、例えば、ヒトに投与することができる。かかる実施形態では、被験体は、特定の疾患又は状態(例えば、本明細書に記載の疾患又は状態)のリスクがあるか、症状があるか、又は診断され得るか、又はそうであると識別され得る。
幾つかの実施形態では、フソソームの供給源は、フソソーム組成物が投与されるのと同じ被験体に由来するものである。他の実施形態では、供給源と被験体は異なる。例えば、フソソーム及びレシピエント組織の供給源は、自家(同じ被験体に由来)又は異種(異なる被験体に由来)であり得る。いずれの場合も、本明細書に記載のフソソーム組成物のドナー組織は、レシピエント組織とは異なる組織タイプであり得る。例えば、ドナー組織は筋肉組織であり得て、レシピエント組織は結合組織(例えば、脂肪組織)であり得る。他の実施形態では、ドナー組織及びレシピエント組織は、同じ又は異なるタイプであり得るが、異なる器官系からのものであり得る。
幾つかの実施形態では、フソソームは、膜融合を阻害するタンパク質の阻害物質と同時投与される。例えば、Suppressynは細胞間融合を阻害するヒトタンパク質である(Sugimoto et al.,「A novel human endogenous retroviral protein inhibits cell-cell fusion」Scientific Reports 3:1462 DOI:10.1038/srep01462)。したがって、幾つかの実施形態では、フソソームは、サプレッシン(sypressyn)の阻害剤、例えば、siRNA又は阻害性抗体と同時投与される。
本明細書に記載の組成物はまた、限定されるものではないが、以下を含む様々な他の生物の細胞又は組織の機能又は生理学を同様に調節するために使用され得る:家畜又は使役動物(ウマ、ウシ、ブタ、ニワトリ等)、ペット又は動物園の動物(ネコ、イヌ、トカゲ、トリ、ライオン、トラ、クマ等)、水産養殖動物(魚、カニ、エビ、カキ等)、植物種(樹木、作物、観賞用花等)、発酵種(サッカロミセス等)。本明細書に記載のフソソーム組成物は、かかる非ヒト供給源から作製され、非ヒト標的細胞若しくは組織、又は被験体に投与され得る。
フソソーム組成物は、標的に対して自家、同種異系、又は異種である可能性がある。
XII.追加の治療剤
幾つかの実施形態では、フソソーム組成物は、追加の作用物質、例えば、治療剤と共に、被験体、例えば、レシピエント、例えば、本明細書に記載のレシピエントに同時投与される。幾つかの実施形態では、同時投与される治療薬は、免疫抑制物質、例えば、糖質コルチコイド(例えば、デキサメタゾン)、細胞増殖抑制物質(例えば、メトトレキサート)、抗体(例えば、ムロモナブ-CD3)、又はイムノフィリンモジュレーター(例えば、シクロスポリン又はラパマイシン)である。実施形態では、免疫抑制物質は、フソソームの免疫介在性クリアランスを減少させる。幾つかの実施形態では、フソソーム組成物は、免疫賦活物質、例えば、アジュバント、インターロイキン、サイトカイン、又はケモカインと同時投与される。
幾つかの実施形態では、フソソーム組成物及び免疫抑制物質は、同じ時に投与され、例えば、同時に投与される。幾つかの実施形態では、フソソーム組成物は、免疫抑制物質の投与の前に投与される。幾つかの実施形態では、フソソーム組成物は、免疫抑制物質の投与後に投与される。
幾つかの実施形態では、免疫抑制物質は、イブプロフェン、アセトアミノフェン、シクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、ミコフェノール酸、シクロホスファミド、グルココルチコイド、シロリムス、アザスリオピン、又はメトトレキサート等の小分子である。
幾つかの実施形態では、免疫抑制物質は、ムロノマブ(抗CD3)、ダクリズマブ(抗IL12)、バシリキシマブ、インフリキシマブ(抗TNFa)、又はリツキシマブ(抗CD20)を含むがこれらに限定されない抗体分子である。
幾つかの実施形態では、免疫抑制物質とのフソソーム組成物の同時投与は、フソソーム組成物のみの投与と比較して、被験体におけるフソソーム組成物の持続性の増強をもたらす。幾つかの実施形態では、同時投与におけるフソソーム組成物の増強された持続性は、単独で投与された場合のフソソーム組成物の持続性と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上である。幾つかの実施形態では、同時投与におけるフソソーム組成物の増強された持続性は、単独で投与されたときのフソソーム組成物の生存と比較して、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、10、15、20、25、又は30日以上である。
以下の実施例は、本発明の理解を助けるために記載されているが、いかなる方法でもその範囲を制限することを意図しておらず、またそのように解釈されるべきではない。
実施例1.レトロウイルス核酸送達の特異性を検出するためのオフターゲット細胞のアッセイ
この実施例では、単一細胞のベクターコピー数を測定することにより、オフターゲットレシピエント細胞の核酸を定量する方法について説明する。
一実施形態では、処理されたマウスは、オフターゲット細胞において、未処理のマウスからのものと同様のベクターコピー数、例えば、ベクターがないか、又は陰性対照レベルと同様のベクター数を有する。一実施形態では、処理されたマウスは、未処理のマウスからのものと同様の割合のベクターを含むオフターゲット細胞を有し、例えば、細胞がないか、又は陰性対照レベルと同様の細胞数を有する。
この実施例では、オフターゲットのレシピエント細胞はCD11c+細胞である。ただし、このプロトコルは、適切な表面マーカーが存在し、被験体から分離できる任意の細胞タイプに適合させることができる。特に、本明細書に記載の方法は、プロトコルに最適化されたヒト、ラット、サルに等しく適用可能である可能性がある。
マウスは、本明細書に記載されるように産生されたレトロウイルスベクター又はPBS(陰性対照)で処理される。処理の28日後、レトロウイルスベクターを受けたマウス及びPBS処理を受けたマウスから末梢血を採取する。血液を5μMのEDTAを含む1mlのPBSに集め、凝固を防ぐためにすぐに混合する。チューブを氷上に保持し、赤血球を緩衝塩化アンモニウム(ACK)溶液を使用して除去する。細胞を、細胞染色バッファー(Biolegendカタログ番号:420201)中で10分間、Fcブロック(Biolegend カタログ番号#:101319)した後、マウスCD11c:APC-Cy7抗体(Biolegend カタログ番号:117323)又はアイソタイプ対照APC-Cy7抗体(Biolegend カタログ番号:400230)により、4℃、暗所で30分間染色する。PBSで2回洗浄した後、細胞をFACSDiva(商標)ソフトウェア(BD Biosciences、カリフォルニア州サンノゼ)を実行して640nmレーザー励起及び780-/+60nmで収集される発光を用いて、FACS Aria(BD Biosciences、カリフォルニア州サンノゼ)で分析し、アイソタイプ対照APC-Cy7抗体標識細胞を使用してネガティブゲートを設定する。APC-Cy7陽性細胞を、ベクターコピー数解析のためにプレートの単一ウェルに分類した。
ベクターのコピー数を、シングルセルネステッドPCRを使用して評価する。PCRは、ベクター及び内因性対照遺伝子に特異的なプライマー及びプローブを使用したqPCRで実行される。ベクターのコピー数は、ベクターのqPCRシグナルの量を内因性対照遺伝子のqPCRシグナルの量で割ることによって決定される。ベクターを受け取った細胞は、少なくとも1.0のベクターコピー数を持つ。ベクターコピー数は、複数の細胞のベクターコピー数を平均することにより、集団全体で評価される。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターで処理されたマウスは、ビヒクルで処理されたマウスからのものと同様のオフターゲット細胞における平均ベクターコピー数を有する。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターで処理されたマウスは、ビヒクルで処理されたマウスからのものと同様の割合のベクターを受け取ったオフターゲット細胞を有する。
実施例2.外因性タンパク質作用物質の送達の特異性を検出するためのオフターゲット細胞のアッセイ
この実施例は、単一細胞における外因性作用物質の発現による、オフターゲットレシピエント細胞における外因性作用物質の発現の定量化を説明する。
一実施形態では、処理されたマウスは、オフターゲット細胞において、未処理のマウスからのものと同様の外因性作用物質の発現を有する。一実施形態では、処理されたマウスは、未処理のマウスからのものと同様の外因性作用物質を発現するオフターゲット細胞の割合を有する。
この実施例では、オフターゲットのレシピエント細胞はCD11c+細胞である。ただし、このプロトコルは、適切な表面マーカーが存在し、被験体から分離できる任意の細胞タイプに適合させることができる。特に、本明細書に記載の方法は、プロトコルに最適化されたヒト、ラット、サルに等しく適用可能である可能性がある。この実施例では、外因性作用物質は蛍光タンパク質であり、発現はフローサイトメトリーによって測定される。他の実施形態では、外因性タンパク質作用物質の発現は、タンパク質の免疫染色で測定することができる。他の実施形態では、外因性タンパク質作用物質の発現は、顕微鏡検査又はウエスタンブロットを介して測定することができる。
マウスを、本出願に記載されている方法のいずれかを介して産生されたtdtomato蛍光タンパク質作用物質を含むレトロウイルスベクター又はPBS(陰性対照)で処理する。処理の28日後、レトロウイルスベクターを受けたマウス及びPBS処理を受けたマウスから末梢血を採取する。血液を5μMのEDTAを含む1mlのPBSに集め、凝固を防ぐためにすぐに混合する。チューブを氷上に保持し、赤血球を緩衝塩化アンモニウム(ACK)溶液を使用して除去する。細胞を、細胞染色バッファー(Biolegendカタログ番号:420201)中で10分間、Fcブロック(Biolegend カタログ番号#:101319)した後、マウスCD11c:APC-Cy7抗体(Biolgend カタログ番号:117323)又はアイソタイプ対照APC-Cy7抗体(Biolegend カタログ番号:400230)により、4℃、暗所で30分間染色する。PBSで2回洗浄した後、FACSDiva(商標)ソフトウェア(BD Biosciences、カリフォルニア州サンノゼ)を実行してFACS Aria(BD Biosciences、カリフォルニア州サンノゼ)で細胞を分析する。CD11cのネガティブゲートは、アイソタイプ対照APC-Cy7抗体標識細胞を使用し、640nmのレーザー励起及び780-/+60で収集された発光で設定される。tdtomato発現のネガティブゲートは、ビヒクルで処理されたマウスから単離された細胞、並びに552nmレーザー励起及び585-/+42nmで収集された発光で設定される。
tdtomato陽性のCD11c+細胞の割合を測定する。幾つかの実施形態では、tdtomato陽性であるCD11c+細胞の割合は、処理されたマウス及び未処理のマウスからの細胞において類似している。tdtomato蛍光レベルの中央値をCD11c+細胞で測定する。幾つかの実施形態では、CD11c+細胞における中央値tdtomato蛍光レベルは、処理されたマウス及び未処理のマウスからの細胞において類似している。
実施例3.レトロウイルス核酸送達の特異性を検出するための標的細胞のアッセイ
この実施例では、単一細胞のベクターコピー数を測定することにより、標的レシピエント細胞の核酸を定量する方法について説明する。
一実施形態では、処理されたマウスは、未処理のマウスからのものよりも、標的細胞においてより多いベクターコピー数を有する。一実施形態では、処理されたマウスは、未処理のマウスからのものよりも、ベクターを含む標的細胞の割合が大きい。
この実施例では、標的レシピエント細胞はCD3+細胞である。ただし、このプロトコルは、適切な表面マーカーが存在し、被験体から分離できる任意の細胞タイプに適合させることができる。特に、本明細書に記載の方法は、プロトコルに最適化されたヒト、ラット、サルに等しく適用可能である可能性がある。
マウスをレトロウイルスベクターで処理し、上記の実施例1に記載したように血液サンプルを収集する。細胞を、マウスCD3:APC-Cy7抗体(Biolegendカタログ番号:100330)又は上記の実施例1で説明したプロトコルを使用したアイソタイプ対照で染色する。ベクターコピー数は、実施例1に記載されているように、単一細胞ネステッドPCRを使用して評価される。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターで処理されたマウスは、ビヒクルで処理されたマウスからのものよりも標的細胞においてより大きな平均ベクターコピー数を有する。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターで処理されたマウスは、ビヒクルで処理されたマウスからのものよりも、ベクターを受け取った標的細胞の割合が高い。
実施例4.外因性タンパク質作用物質の送達の特異性を検出するための標的細胞のアッセイ
この実施例は、単一細胞における外因性タンパク質作用物質の発現による、標的レシピエント細胞における外因性タンパク質作用物質の発現の定量化を説明する。
一実施形態では、処理されたマウスは、未処理のマウスからのものよりも、標的細胞においてより大きな外因性タンパク質作用物質の発現を有する。一実施形態では、処理されたマウスは、未処理のマウスからのものよりも、外因性タンパク質作用物質を発現する標的細胞の割合が高い。
この実施例では、標的レシピエント細胞はCD3+細胞である。ただし、このプロトコルは、適切な表面マーカーが存在し、被験体から分離できる任意の細胞タイプに適合させることができる。特に、本明細書に記載の方法は、プロトコルに最適化されたヒト、ラット、サルに等しく適用可能である可能性がある。この実施例では、外因性タンパク質作用物質は蛍光タンパク質であり、発現はフローサイトメトリーによって測定される。他の実施形態では、外因性タンパク質作用物質の発現は、タンパク質の免疫染色で測定することができる。他の実施形態では、外因性タンパク質作用物質の発現は、顕微鏡検査又はウエスタンブロットを介して測定することができる。
マウスをレトロウイルスベクターで処理し、上記の実施例2に記載のように血液サンプルを収集する。細胞をマウスCD3:APC-Cy7抗体(Biolegendカタログ番号:100330)又はアイソタイプ対照で染色し、実施例2に記載されているプロトコルを使用してフローサイトメトリーで分析する。
tdtomato陽性のCD3+細胞の割合を測定する。幾つかの実施形態では、tdtomato陽性であるCD3+細胞の割合は、未処理のマウスよりも処理されたマウスからの細胞においてより大きい。tdtomato蛍光レベルの中央値をCD3+細胞で測定する。幾つかの実施形態では、CD3+細胞における中央値tdtomato蛍光レベルは、未処理のマウスよりも処理されたマウスからの細胞においてより大きい。
実施例5.PBMC細胞溶解によって媒介される細胞毒性の低下のためのHLA-G又はHLA-Eによるレトロウイルスベクターの修飾
この実施例は、末梢血単核細胞(PBMC)による細胞溶解に起因して細胞毒性が低下するように改変された細胞に由来するレトロウイルスベクターを記載している。
一実施形態では、PBMCによるレトロウイルスベクターの細胞毒性媒介細胞溶解は、溶解がレトロウイルスベクターの活性を低下させる、例えば、阻害又は停止することから、レトロウイルスベクターの免疫原性の尺度である。
レトロウイルスベクターを、未修飾細胞(以下、NMC、陽性対照)、HLA-G又はHLA-E cDNAをトランスフェクトした細胞(以下、NMC-HLA-G)、及び空ベクター対照をトランスフェクトした細胞(以下、NMC-空ベクター、陰性対照)から作製する。
レトロウイルスベクターのPBMCを介した溶解は、Bouma,et al.Hum.Immunol.35(2):85-92;1992&van Besouw et al.Transplantation 70(1):136-143;2000に記載されている。PBMC(以下、エフェクター細胞)を適切なドナーから分離し、同種異系ガンマ線照射PMBC及び200IU/mL IL-2(プロロイキン、Chiron BV、オランダ国アムステルダム)を用いて丸底96ウェルプレートで37℃で7日間刺激する。レトロウイルスベクターは、ユーロピウム-ジエチレントリアミンペンタアセテート(DTPA)(Sigma、ミズーリ州セントルイス)で標識されている。
7日目に、細胞毒性媒介溶解アッセイを、1000:1~1:1及び1:1.25~1:1000の範囲のエフェクター/ターゲット比でプレーティングしてから1、2、3、4、5、6、8、10、15、20、24、又は48時間後に、63Eu標識レトロウイルスベクターをエフェクター細胞と共に96ウェルプレートでインキュベートすることにより行う。インキュベーション後、プレートを遠心分離し、上清のサンプルをバックグラウンド蛍光の低い96ウェルプレート(フルオロイムノプレート、Nunc、デンマーク国ロスキレ)に移す。
続いて、エンハンスメントソリューション(PerkinElmer、オランダ国フローニンゲン)を各ウェルに加える。放出されたユーロピウムを、時間分解蛍光光度計(Victor 1420マルチラベルカウンター、LKB-Wallac、フィンランド国)で測定する。蛍光は1秒あたりのカウント数(CPS)で表される。標的レトロウイルスベクターによるユーロピウムの最大放出パーセントは、適切な数(1×102~1×108)のレトロウイルスベクターを1%triton(sigma-aldrich)と適切な時間インキュベートすることによって決定される。標的レトロウイルスベクターによるユーロピウムの自発的放出は、エフェクター細胞を含まない標識された標的レトロウイルスベクターのインキュベーションによって測定される。次に、漏れ率は次のように計算される:(自然放出/最大放出)×100%。細胞毒性を介した溶解の割合は、%溶解=[(測定された溶解-自発的溶解-自発的放出)/(最大放出-自発的放出)]×100%として計算される。データを様々なエフェクターターゲット比の関数として溶解の割合を調べることによって分析する。
一実施形態では、NMC-HLA-G細胞から生成されたレトロウイルスベクターは、NMC又はNMC-空ベクターから生成されたレトロウイルスベクターと比較して、特定の時点での標的細胞による溶解の割合が減少する。
実施例6.NK溶解活性を低下させるためのHLA-G又はHLA-Eによるレトロウイルスベクターの改変
この実施例は、NK細胞による細胞毒性媒介性細胞溶解を減少させるように改変された細胞源に由来するレトロウイルスベクター組成物の生成を説明する。一実施形態では、NK細胞によるレトロウイルスベクターの細胞毒性媒介細胞溶解は、レトロウイルスベクターの免疫原性の尺度である。
レトロウイルスベクターを、未修飾細胞(以下、NMC、陽性対照)、HLA-G又はHLA-E cDNAをトランスフェクトした細胞(以下、NMC-HLA-G)、及び空ベクター対照をトランスフェクトした細胞(以下、NMC-空ベクター、陰性対照)から作製する。
レトロウイルスベクターのNK細胞を介した溶解は、Bouma,et al.Hum.Immunol.35(2):85-92;1992&van Besouw et al.Transplantation 70(1):136-143;2000に記載されている。Crop et al.Cell transplantation(20):1547-1559;2011に従って、NK細胞(以下、エフェクター細胞)を適切なドナーから分離し、同種異系ガンマ線照射PMBC及び200IU/mL IL-2(プロロイキン、Chiron BV、オランダ国アムステルダム)を用いて丸底96ウェルプレートで37℃で7日間刺激する。レトロウイルスベクターは、ユーロピウム-ジエチレントリアミンペンタアセテート(DTPA)(Sigma、ミズーリ州セントルイス)で標識されている。細胞毒性を介した溶解アッセイ及びデータ分析を、上記の実施例5に記載されているように実施する。
一実施形態では、NMC-HLA-G細胞から生成されたレトロウイルスベクターは、NMC又はNMC-空ベクターから生成されたレトロウイルスベクターと比較して、特定の時点での標的細胞による溶解の割合が減少する。
実施例7.CD8キラーT細胞溶解を減少させるためのHLA-G又はHLA-Eによるレトロウイルスベクターの改変
この実施例は、CD8+細胞による細胞毒性媒介性細胞溶解を減少させるように改変された細胞源に由来するレトロウイルスベクター組成物の生成を説明する。一実施形態では、CD8+細胞によるレトロウイルスベクターの細胞毒性媒介細胞溶解は、レトロウイルスベクターの免疫原性の尺度である。
レトロウイルスベクターを、未修飾細胞(以下、NMC、陽性対照)、HLA-G又はHLA-E cDNAをトランスフェクトした細胞(以下、NMC-HLA-G)、及び空ベクター対照をトランスフェクトした細胞(以下、NMC-空ベクター、陰性対照)から作製する。
レトロウイルスベクターのCD8+細胞を介した溶解は、Bouma,et al.Hum.Immunol.35(2):85-92;1992&van Besouw et al.Transplantation 70(1):136-143;2000に記載されている。Crop et al.Cell transplantation(20):1547-1559;2011に従って、CD8+細胞(以下、エフェクター細胞)を適切なドナーから分離し、同種異系ガンマ線照射PMBC及び200IU/mL IL-2(プロロイキン、Chiron BV、オランダ国アムステルダム)を用いて丸底96ウェルプレートで37℃で7日間刺激する。レトロウイルスベクターは、ユーロピウム-ジエチレントリアミンペンタアセテート(DTPA)(Sigma、ミズーリ州セントルイス)で標識されている。細胞毒性を介した溶解アッセイ及びデータ分析を、上記の実施例5に記載されているように実施する。
一実施形態では、NMC-HLA-G細胞から生成されたレトロウイルスベクターは、NMC又はNMC-空ベクターから生成されたレトロウイルスベクターと比較して、特定の時点での標的細胞による溶解の割合が減少する。
実施例8:マクロファージ食作用を回避するためのCD47によるレトロウイルスベクターの改変
この実施例は、改変レトロウイルスベクターによる食作用の回避の定量化を説明する。一実施形態では、改変されたレトロウイルスベクターは、マクロファージによる食作用を回避するであろう。
細胞は食作用に関与し、粒子を貪食し、バクテリア又は死細胞等の外来侵入者の隔離及び破壊を可能にする。幾つかの実施形態では、マクロファージによるレンチウイルスベクターの食作用は、それらの活性を低下し得る。幾つかの実施形態では、レンチウイルスベクターの食作用は、レトロウイルスベクターの免疫原性の尺度である。
レトロウイルスベクターは、CD47を欠く細胞(以下、NMC、陽性対照)、CD47 cDNAをトランスフェクトした細胞(以下、NMC-CD47)、及び空ベクター対照をトランスフェクトした細胞(以下、NMC-空ベクター、陰性対照)から産生される。レトロウイルスベクターを作製する前に、細胞をCSFEで標識する。
マクロファージを介した免疫クリアランスの低下は、以下のプロトコルに従った食作用アッセイで決定される。マクロファージを、採取後すぐに共焦点ガラス底皿に蒔く。マクロファージをDMEM+10%FBS+1%P/Sで1時間インキュベートして付着させる。NMC、NMC-CD47、NMC-空ベクターから産生された適切な数のレトロウイルスベクターを、プロトコルに示されているようにtools.thermofisher.com/content/sfs/manuals/mp06694.pdf、マクロファージに加え、2時間インキュベートする。
2時間後、ディッシュを穏やかに洗浄し、細胞内蛍光を調べる。貪食されたレトロウイルス粒子によって放出された細胞内蛍光を、488励起で共焦点顕微鏡によって画像化する。食作用陽性マクロファージの数を、イメージングソフトウェアを使用して定量化する。データは、食作用指数=(貪食された細胞の総数/カウントされたマクロファージの総数)×(貪食された細胞を含むマクロファージの数/カウントされたマクロファージの総数)×100として表される。
一実施形態では、マクロファージが、NMCに由来するベクター又はNMC空ベクターと比較して、NMC-CD47に由来するレトロウイルスベクターと共にインキュベートされると、食作用指数が低下する。
実施例9:補体を回避するための補体調節タンパク質によるレトロウイルスベクターの改変
この実施例は、in vitroアッセイを使用したレトロウイルスベクターに対する補体活性の定量化を説明する。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の改変レトロウイルスベクターは、改変されていないレトロウイルスベクターと比較して、補体活性が低下している。
この実施例では、マウスからの血清を、レトロウイルスベクターに対する補体活性について評価する。この実施例では、全ての補体経路の中心ノードである補体C3aのレベルを測定する。本明細書に記載の方法は、プロトコルに最適化されたヒト、ラット、サルに等しく適用可能である可能性がある。
この実施例では、レトロウイルスベクターは、補体調節タンパク質DAFをコードするcDNAでトランスフェクトされたHEK293細胞(HEK293-DAFレトロウイルスベクター)又は相補的(complementary)調節タンパク質を発現しないHEK293細胞(HEK293レトロウイルスベクター)から生成される。他の実施形態では、崩壊促進因子(DAF、CD55)に結合するタンパク質、例えばH因子(FH)様タンパク質-1(FHL-1)、例えばC4b結合タンパク質(C4BP)、例えば、補体受容体1(CD35)、例えば、メンブレンコファクタータンパク質(MCP、CD46)、例えば、プロフェクチン(CD59)、例えば古典的及び代替補体経路CD/C5コンバターゼ酵素を阻害するタンパク質、例えばMACアッセンブリを調節するタンパク質等の他の補体調節タンパク質を使用することができる。
血清を、ナイーブマウス、HEK293-DAFレトロウイルスベクターを投与されたマウス、又はHEK293レトロウイルスベクターを投与されたマウスから回収する。血清を、新鮮な全血を採取し、数時間完全に凝固させることによって、マウスから収集する。遠心分離により血餅をペレット化し、血清上清を除去する。陰性対照は、熱不活化マウス血清である。陰性対照サンプルを、摂氏56度で1時間加熱する。血清をアリコートで冷凍することができる。
標的細胞集団の細胞の50%がレトロウイルスベクターの外因性作用物質を受ける用量について、異なるレトロウイルスベクターを試験する。レトロウイルスベクターは、本明細書に記載の外因性作用物質のいずれかを含み得る。レシピエント細胞への外因性作用物質のレトロウイルス送達をアッセイするための多くの方法もまた、本明細書に記載されている。この特定の例では、外因性作用物質はCreタンパク質(レトロウイルス核酸によってコードされる)であり、標的細胞は、CMVプロモーターの下で「LoxP-GFP-stop-LoxP-RFP」カセットを安定して発現するRPMI8226細胞であり、Creによる組換えにより送達のマーカーとして、GFPからRFP発現に切り替わる。レシピエント細胞の50%がRFP陽性であると特定された用量を、更なる実験に使用する。幾つかの実施形態では、レシピエント細胞の50%が外因性作用物質を受けることが特定された用量は、レトロウイルスベクター全体で類似しているであろう。
標的細胞の50%が外因性作用物質を受けるレトロウイルスベクターの用量で開始する、レトロウイルスベクターのリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)での2倍希釈物を、同じレトロウイルスベクター又はナイーブマウス(アッセイ容量、20μL)で処理したマウスからの血清の1:10希釈液と混合し、37℃で1時間インキュベートする。サンプルを更に1:500に希釈し、C3aに特異的な酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)で使用する。ELISAは、LifeSpan BioSciences Incが販売しているマウス補体C3a ELISAキット製品LS-F4210であり、サンプル中のC3aの濃度を測定する。200pg/mlのC3aが存在するレトロウイルスベクターの用量を、マウスから単離された血清全体で比較する。
幾つかの実施形態では、200pg/mlのC3aが存在するレトロウイルスベクターの用量は、HEK293マウス血清とインキュベートしたHEK293レトロウイルスベクターよりもHEK-293 DAFマウス血清とインキュベートしたHEK293-DAFレトロウイルスベクターの方が多く、レトロウイルスベクターを標的とする補体活性はHEK293-DAFレトロウイルスベクターよりもHEK293レトロウイルスベクターで処理されたマウスにおいて大きいことを示す。幾つかの実施形態では、200pg/mlのC3aが存在するレトロウイルスベクターの用量は、ナイーブマウス血清とインキュベートしたHEK293レトロウイルスベクターよりもナイーブマウス血清とインキュベートしたHEK293-DAFレトロウイルスベクターの方が多く、レトロウイルスベクターを標的とする補体活性はHEK293-DAFレトロウイルスベクターよりもHEK293レトロウイルスベクターで処理されたマウスにおいて大きいことを示す。
実施例10:免疫原性を低下させるための免疫原性タンパク質をノックダウンするためのレトロウイルスベクターの改変
この実施例は、免疫原性である分子の発現を減少させるように改変された細胞源に由来するレトロウイルスベクター組成物の生成、及び発現現象の定量化を説明する。一実施形態では、レトロウイルスベクターは、免疫原性である分子の発現を低下させるように改変された細胞源に由来し得る。
免疫反応を賦活する治療法は、治療効果を低下させるか、又はレシピエントに毒性を引き起こす可能性がある。そのため、免疫原性は、安全で効果的な治療用レトロウイルスベクターにとって重要な特性である。特定の免疫活性化剤の発現は、免疫反応を引き起こす可能性がある。MHCクラスIは、免疫活性化剤の一例である。
レトロウイルスベクターは、正常にMHC-1を発現する未改変細胞(以下、NMC、陽性対照)、MHCクラスIを標的とするshRNAをコードするDNAをトランスフェクトした細胞(以下、NMC-shMHCクラスI)、及び非標的スクランブルshRNAベクター対照(以下、NMC-ベクター対照、陰性対照)をコードするDNAでトランスフェクトされた細胞から産生される。レトロウイルス産生の前に、細胞をCSFEで標識する。
レトロウイルスベクターを、フローサイトメトリーを使用してMHCクラスIの発現についてアッセイする。適切な数のレトロウイルスベクターを洗浄し、PBSに再懸濁し、MHCクラスIに対する蛍光標識モノクローナル抗体(Harlan Sera-Lab、英国ベルトン)の1:10=1:4000希釈液と共に氷上で30分間保持する。レトロウイルスベクターをPBSで3回洗浄し、PBSに再懸濁する。非特異的蛍光は、同等の希釈率で適切な蛍光標識アイソタイプ対照抗体とインキュベートしたレトロウイルスベクター調製物の等量を使用して決定される。レトロウイルスベクターをフローサイトメーター(FACSort、Becton-Dickinson)でアッセイし、データをフロー分析ソフトウェア(Becton-Dickinson)で分析する。
NMC、NMC-shMHCクラスI、及びNMC-ベクター対照に由来するレトロウイルスベクターの平均蛍光データを比較する。一実施形態では、NMC-shMHCクラスIに由来するレトロウイルスベクターは、NMC及びNMC-ベクター対照と比較して、MHCクラスIの発現が低いであろう。
実施例11:レトロウイルスベクターの既存の血清不活化の測定
この実施例は、in vitro送達アッセイを使用したレトロウイルスベクターの既存の血清不活化の定量化を説明する。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターの免疫原性の尺度は、血清不活化である。レトロウイルスベクターの血清不活化は、抗体を介した中和又は補体を介した分解が原因である可能性がある。一実施形態では、本明細書に記載のレトロウイルスベクターの一部のレシピエントは、それらの血清中にレトロウイルスベクターに結合して不活化する因子を有するであろう。
この実施例では、レトロウイルスベクターナイーブマウスを、血清中のレトロウイルスベクターを不活化する因子の存在について評価する。特に、本明細書に記載の方法は、プロトコルに最適化されたヒト、ラット、サルに等しく適用可能である可能性がある。
陰性対照は熱不活化マウス血清であり、陽性対照は異種ソース細胞から生成されたレトロウイルスベクターの複数回の注射を受けたマウスに由来する血清である。血清を、新鮮な全血を採取し、数時間完全に凝固させることによって、マウスから収集する。遠心分離により血餅をペレット化し、血清上清を除去する。陰性対照サンプルを、摂氏56度で1時間加熱する。血清をアリコートで冷凍することができる。
実施例9に記載されるように、標的細胞集団の細胞の50%がレトロウイルスベクターの外因性作用物質を受ける用量について、レトロウイルスベクターを試験する。
レトロウイルスベクターの血清不活化を評価するために、レトロウイルスベクターを正常又は熱不活化血清(又は非血清対照として10%熱不活化FBSを含む培地)に1:5に希釈し、混合物を37℃で1時間インキュベートする。インキュベーション後、培地を反応液に加えて更に1:5に希釈し、1:10の比率で2回段階希釈する。この工程に続いて、レトロウイルスベクターは、レシピエント細胞の50%が外因性作用物質を受け取った(例えば、RFP陽性である)以前に特定された用量で存在するはずである。
次に、血清に曝露されたレトロウイルスベクターを標的細胞とインキュベートする。外因性作用物質を受け取り、したがってRFP陽性である細胞の割合を計算する。幾つかの実施形態では、外因性作用物質を受ける細胞の割合は、レトロウイルスベクターナイーブマウスからの血清及び熱不活化血清と共にインキュベートされたレトロウイルスベクターサンプル間で異ならず、レトロウイルスベクターの血清不活化がないことを示す。幾つかの実施形態では、外因性作用物質を受ける細胞の割合は、レトロウイルスベクターナイーブマウスからの血清と共にインキュベートされたレトロウイルスベクターサンプルと無血清対照インキュベーションの間で異ならず、レトロウイルスベクターの血清不活化がないことを示す。幾つかの実施形態では、外因性作用物質を受ける細胞の割合は、レトロウイルスベクターナイーブマウスからの血清と共にインキュベートされたレトロウイルスベクターサンプルよりも、陽性対照血清と共にインキュベートされたレトロウイルスベクターサンプルにおいてより少なく、レトロウイルスベクターの血清不活化がないことを示す。
実施例12:複数回投与後のレトロウイルスベクターの血清不活化の測定
この実施例は、レトロウイルスベクターの複数回投与後のin vitro送達アッセイを使用したレトロウイルスベクターの血清不活化の定量化を説明する。一実施形態では、改変ウイルスベクター、例えば、本明細書に記載の方法によって改変されたものは、複数回(例えば、1より多い、例えば、2回以上)の改変レトロウイルスベクターの投与に続いて、血清不活化の減少を有する(例えば、未改変レトロウイルスベクターの投与と比較して減少する)であろうと考えられる。一実施形態では、本明細書に記載のレトロウイルスベクターは、複数回の投与後に血清によって不活化されないであろう。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターの免疫原性の尺度は、血清不活化である。一実施形態では、レトロウイルスベクターの反復注射は、抗レトロウイルスベクター抗体、例えば、レトロウイルスベクターを認識する抗体の開発につながる可能性がある。一実施形態では、レトロウイルスベクターを認識する抗体は、レトロウイルスベクターの活性又は寿命を制限し、補体分解を媒介できる方法で結合することができる。
この実施例では、レトロウイルスベクターの1回以上の投与後に血清不活化を調べる。レトロウイルスベクターは、前の実施例のいずれかによって産生される。この例では、レトロウイルスは、HLA-G又はHLA-E cDNAでトランスフェクトされた細胞(以下、NMC-HLA-G)、及び空ベクター対照(以下、NMC-空ベクター、陰性対照)でトランスフェクトされた細胞から作製される。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターは、他の免疫調節タンパク質を発現している細胞に由来する。
血清を、様々なコホートから採取する:ビヒクル(レトロウイルスベクターナイーブ群)、HEK293-HLA-Gレトロウイルスベクター、又はHEK293レトロウイルスベクターを1、2、3、5、10回全身及び/又は局所注射したマウス。血清を、新鮮な全血を採取し、数時間完全に凝固させることによって、マウスから収集する。遠心分離により血餅をペレット化し、血清上清を除去する。陰性対照は、熱不活化マウス血清である。陰性対照サンプルを、摂氏56度で1時間加熱する。血清をアリコートで冷凍することができる。
実施例9に記載されるように、標的細胞集団の細胞の50%がレトロウイルスベクターの外因性作用物質を受ける用量について、レトロウイルスベクターを試験する。
レトロウイルスベクターの血清不活化を評価するために、レトロウイルスベクターを血清に曝露し、上記の実施例11に記載されているように標的細胞とインキュベートする。
外因性作用物質を受け取り、したがってRFP陽性である細胞の割合を計算する。幾つかの実施形態では、外因性作用物質を受ける細胞の割合は、HEK293-HLA-Gレトロウイルスベクターで処理されたマウスからの血清及び熱不活化血清と共にインキュベートされたレトロウイルスベクターサンプル間で異ならない可能性があり、レトロウイルスベクターの血清不活化又は適応免疫応答がないことを示す。幾つかの実施形態では、外因性作用物質を受ける細胞の割合は、HEK293-HLA-Gレトロウイルスベクターで1、2、3、5又は10回処理されたマウスからインキュベートされたレトロウイルスベクターサンプル間で異ならならず、レトロウイルスベクターの血清不活化又は適応免疫応答がないことを示す。幾つかの実施形態では、外因性作用物質を受ける細胞の割合は、ビヒクルで処理されたマウスからの血清及びHEK293-HLA-Gレトロウイルスベクターで処理されたマウスからの血清とインキュベートされたレトロウイルスベクターサンプル間で異ならない可能性があり、レトロウイルスベクターの血清不活化又は適応免疫応答がないことを示す。幾つかの実施形態では、外因性作用物質を受ける細胞の割合は、HEK293-HLA-GレトロウイルスベクターよりもHEK293由来のレトロウイルスベクターの方が少なく、HEK293-HLA-Gレトロウイルスベクター血清不活化又は適応免疫応答のがないことを示している。
実施例13:レトロウイルスベクターに対して反応性のある既存のIgG及びIgM抗体の測定
この実施例では、フローサイトメトリーを使用して測定された既存の抗レトロウイルスベクター抗体価の定量化について説明する。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターの免疫原性の尺度は、抗体応答である。レトロウイルスベクターを認識する抗体は、レトロウイルスベクターの活性又は寿命を制限できる方法で結合することができる。一実施形態では、本明細書に記載のレトロウイルスベクターの一部のレシピエントは、レトロウイルスベクターに結合して認識する既存の抗体を有するであろう。
この実施例では、抗レトロウイルスベクター抗体力価は、異種ソース細胞を使用して産生されたレトロウイルスベクターを使用して試験される。この実施例では、レトロウイルスベクターナイーブマウスを、抗レトロウイルスベクター抗体の存在について評価する。特に、本明細書に記載の方法は、プロトコルに最適化されたヒト、ラット、サルに等しく適用可能である可能性がある。
陰性対照は、IgM及びIgGが枯渇したマウス血清であり、陽性対照は、異種ソース細胞から生成されたレトロウイルスベクターの注射を複数回受けたマウスに由来する血清である。
レトロウイルスベクターに結合する既存の抗体の存在を評価するために、レトロウイルスベクターナイーブマウスの血清を最初に56℃で30分間加熱して分解し、続いて3%FCS及び0.1%NaN3を含むPBSで33%に希釈する。等量の血清及びレトロウイルスベクター(1mLあたり1×102~1×108レトロウイルスベクター)懸濁液を4℃で30分間インキュベートし、仔ウシ血清クッション(cushion)を介してPBSで洗浄する。
IgM異種反応性抗体は、レトロウイルスベクターをマウスIgMのFc部分に特異的なPE複合ヤギ抗体(BD Bioscience)と4℃で45分間インキュベートすることにより染色される。特に、抗マウスIgG1又はIgG2二次抗体も使用することができる。全ての群のレトロウイルスベクターを2%FCSを含むPBSで2回洗浄し、FACSシステム(BD Bioscience)で分析する。蛍光データは、対数増幅を使用して収集され、平均蛍光強度として表される。
一実施形態では、陰性対照血清は、無血清又は二次単独対照に匹敵する無視できる蛍光を示すであろう。一実施形態では、陽性対照は、陰性対照よりも多く、無血清又は二次単独対照よりも多い蛍光を示すであろう。一実施形態では、免疫原性が生じる場合、レトロウイルスベクターナイーブマウスからの血清は、陰性対照よりも多くの蛍光を示すであろう。一実施形態では、免疫原性が生じない場合、レトロウイルスベクターナイーブマウスからの血清は、陰性対照と比較して同様の蛍光を示すであろう。
実施例14:レトロウイルスベクターの複数回投与後のIgG及びIgM抗体応答の測定
この実施例は、改変レトロウイルスベクターの複数回投与後の改変レトロウイルスベクターの体液性応答の定量化を説明する。一実施形態では、改変ウイルスベクター、例えば、本明細書に記載の方法によって改変されたものは、複数回(例えば、1より多い、例えば、2回以上)の改変レトロウイルスベクターの投与に続いて、体液性応答の減少を有する(例えば、未改変レトロウイルスベクターの投与と比較して減少する)であろうと考えられる。
幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターの免疫原性の尺度は、抗体応答である。一実施形態では、レトロウイルスベクターの反復注射は、抗レトロウイルスベクター抗体、例えば、レトロウイルスベクターを認識する抗体の開発につながる可能性がある。一実施形態では、レトロウイルスベクターを認識する抗体は、レトロウイルスベクターの活性又は寿命を制限できる方法で結合することができる。
この実施例では、抗レトロウイルスベクター抗体力価は、レトロウイルスベクターの1回以上の投与後に検査される。レトロウイルスベクターは、前の実施例のいずれかによって産生される。この例では、レトロウイルスは、免疫調節タンパク質(NMC)でトランスフェクトされていない細胞、HLA-G又はHLA-E cDNAでトランスフェクトされた細胞(以下、NMC-HLA-G)、及び空ベクター対照(以下、NMC-空ベクター、陰性対照)でトランスフェクトされた細胞から作製される。幾つかの実施形態では、レトロウイルスベクターは、他の免疫調節タンパク質を発現している細胞に由来する。
血清を、様々なコホートから採取する:ビヒクル(レトロウイルスベクターナイーブ群)、NMCレトロウイルスベクター、NMC-HLA-Gレトロウイルスベクター又はNMC空ベクターレトロウイルスベクターを1、2、3、5、10回全身及び/又は局所注射したマウス。
抗レトロウイルスベクター抗体の存在及び存在量を評価するために、マウスの血清を最初に56℃で30分間加熱して分解し、続いて3%FCS及び0.1%NaN3を含むPBSで33%に希釈する。等量の血清及びレトロウイルスベクター(1mLあたり1×102~1×108レトロウイルスベクター)を4℃で30分間インキュベートし、仔ウシ血清クッション(cushion)を介してPBSで洗浄する。
レトロウイルスベクター反応性IgM抗体は、レトロウイルスベクターをマウスIgMのFc部分に特異的なPE複合ヤギ抗体(BD Bioscience)と4℃で45分間インキュベートすることにより染色される。特に、抗マウスIgG1又はIgG2二次抗体も使用することができる。全ての群のレトロウイルスベクターを2%FCSを含むPBSで2回洗浄し、FACSシステム(BD Bioscience)で分析する。蛍光データは、対数増幅を使用して収集され、平均蛍光強度として表される。
一実施形態では、NMC-HLA-Gレトロウイルスベクターは、NMCレトロウイルスベクター又はNMC空レトロウイルスベクターと比較して、注射後の抗ウイルスIgM(又はIgG1/2)抗体力価(FACSの蛍光強度によって測定される)が減少する。
実施例15:レトロウイルスベクターレシピエント細胞に対するIgG及びIgM力価抗体応答の測定
この実施例では、フローサイトメトリーを使用したレシピエント細胞(レトロウイルスベクターと融合した細胞)に対する抗体価の定量化について説明する。幾つかの実施形態では、レシピエント細胞の免疫原性の尺度は、抗体応答である。レシピエント細胞を認識する抗体は、細胞の活性又は寿命を制限できる方法で結合することができる。一実施形態では、レシピエント細胞は、抗体応答の標的とならないか、又は抗体応答が参照レベルを下回るであろう。
この実施例では、被験体(例えば、ヒト、ラット、又はサル)における抗レシピエント細胞抗体力価を試験する。更に、プロトコルを、適切な表面マーカーが存在する任意の細胞型に適合させることができる。この実施例では、標的レシピエント細胞はCD3+細胞である。
マウスを、本出願に記載されている方法のいずれかを介して産生されたレトロウイルスベクター又はPBS(陰性対照)で5日間毎日処理する。最終処理の28日後、レトロウイルスベクターを受けたマウス及びPBS処理を受けたマウスから末梢血を採取する。血液を5μMのEDTAを含む1mlのPBSに集め、凝固を防ぐためにすぐに混合する。チューブを氷上に保持し、赤血球を緩衝塩化アンモニウム(ACK)溶液を使用して除去する。ウシ血清アルブミンで10分間ブロックした後、細胞をマウスCD3-FITC抗体(Thermo Fisher カタログ番号:11-0032-82)で、暗所で4℃で30分間染色する。PBSで2回洗浄した後、FACSDiva(商標)ソフトウェア(BD Biosciences、カリフォルニア州サンノゼ)を実行して488nmのレーザー励起及び530+/-30nmで発光収集により、細胞をLSR II(BD Biosciences、カリフォルニア州サンノゼ)で分析する。CD3+細胞を選別する。
次に、選別したCD3+細胞を、反応混合物とマウスIgMのFc部分に特異的なPE複合ヤギ抗体(BD Bioscience)との4℃で45分間のインキュベーションによりIgM抗体で染色する。特に、抗マウスIgG1又はIgG2二次抗体も使用することができる。全ての群の細胞を2%FCSを含むPBSで2回洗浄し、FACSシステム(BD Bioscience)で分析する。蛍光データは、対数増幅を使用して収集され、平均蛍光強度として表される。レトロウイルスベクターで処理されたマウス及びPBSで処理されたマウスからの選別されたCD3細胞について平均蛍光強度を計算する。
低い平均蛍光強度は、レシピエント細胞に対する体液性応答が低いことを示している。PBSで処理されたマウスは、平均蛍光強度が低いと予想される。一実施形態では、平均蛍光強度は、レトロウイルスベクターで処理されたマウス及びPBSで処理されたマウスからのレシピエント細胞について類似している。
実施例16:レトロウイルスベクターレシピエント細胞に対する食細胞応答の測定
この実施例は、食作用アッセイを用いたレシピエント細胞に対するマクロファージ応答の定量化を説明する。
幾つかの実施形態では、レシピエント細胞の免疫原性の尺度は、マクロファージ応答である。マクロファージは食作用に関与し、細胞を貪食し、細菌又は死細胞等の外来侵入者の隔離及び破壊を可能にする。幾つかの実施形態では、マクロファージによるレシピエント細胞の食作用は、それらの活性を低下し得る。
一実施形態では、レシピエント細胞はマクロファージの標的とされない。この実施例では、被験体のレシピエント細胞に対するマクロファージ応答を試験する。更に、プロトコルを、適切な表面マーカーが存在する任意の細胞型に適合させることができる。この実施例では、標的レシピエント細胞はCD3+細胞である。
マウスを、本出願に記載されている方法のいずれかを介して産生されたレトロウイルスベクター又はPBS(陰性対照)で5日間毎日処理する。最終処理の28日後、レトロウイルスベクターを受けたマウス及びPBS処理を受けたマウスから末梢血を採取する。血液を5μMのEDTAを含む1mlのPBSに集め、凝固を防ぐためにすぐに混合する。チューブを氷上に保持し、赤血球を緩衝塩化アンモニウム(ACK)溶液を使用して除去する。
ウシ血清アルブミンで10分間ブロックした後、細胞をマウスCD3-FITC抗体(Thermo Fisher カタログ番号:11-0032-82)で、暗所で4℃で30分間染色する。PBSで2回洗浄した後、FACSDiva(商標)ソフトウェア(BD Biosciences、カリフォルニア州サンノゼ)を実行して488nmのレーザー励起及び530+/-30nmで発光収集により、細胞をLSR II(BD Biosciences、カリフォルニア州サンノゼ)で分析する。次に、CD3+細胞を選別する。
食作用アッセイは、以下のプロトコルに従ってマクロファージ媒介免疫クリアランスを評価するために実行される。マクロファージを、採取後すぐに共焦点ガラス底皿に蒔く。マクロファージをDMEM+10%FBS+1%P/Sで1時間インキュベートして付着させる。レトロウイルスベクター及びPBSを受けたマウスに由来する選別されてFITC染色された適切な数のCD3+細胞を、例えば、Vybrant(商標)食作用アッセイキット製品情報挿入(Molecular Probes、2001年3月18日改訂、tools.thermofisher.com/content/sfs/manuals/mp06694.pdfに見られる)に記載されるように、プロトコルに指示されるマクロファージに加え、2時間インキュベートする。
2時間後、ディッシュを穏やかに洗浄し、細胞内蛍光を調べる。マクロファージを識別するために、細胞を最初にFc受容体ブロッキング抗体(eBioscence カタログ番号14-0161-86、クローン93)と氷上で15分間インキュベートして、マクロファージ上に豊富に発現されるFc受容体への標識化mAbの結合を遮断する。この工程に続いて、抗F4/80-PE(ThermoFisher カタログ番号12-4801-82、クローンBM8)及び抗CD11b-PerCP-Cy5.5(BD Biosciences カタログ番号550993、クローンM1/70)複合抗体を、マクロファージ表面抗原を染色するために添加する。細胞を暗所で4℃で30分間インキュベートした後、遠心分離してPBSで洗浄する。次に、細胞をPBSに再懸濁する。次に、サンプルのフローサイトメトリーを実行し、マクロファージは、それぞれ533nm及び647nmのレーザー励起を使用して、F4/80-PE及びCD11b-PerCP-Cy5.5に対する陽性蛍光シグナルを介して識別される。マクロファージをゲーティングした後、貪食されたレシピエント細胞によって放出される細胞内蛍光を、488nmレーザー励起によって評価する。食作用陽性マクロファージの数を、イメージングソフトウェアを使用して定量化する。データは、食作用指数=(貪食された細胞の総数/カウントされたマクロファージの総数)×(貪食された細胞を含むマクロファージの数/カウントされたマクロファージの総数)×100として表される。
低い食作用指数は、低い食作用及びマクロファージによる標的化を示している。PBSで処理されたマウスは、食作用指数が低いと予想される。一実施形態では、食作用指数は、レトロウイルスベクターで処理されたマウス及びPBSで処理されたマウスに由来するレシピエント細胞について類似している。
実施例17:レトロウイルスベクターレシピエント細胞に対するPBMC応答の測定
この実施例は、細胞溶解アッセイを用いたレシピエント細胞に対するPBMC応答の定量化を説明する。
幾つかの実施形態では、レシピエント細胞の免疫原性の尺度は、PBMC応答である。一実施形態では、PBMCによるレシピエント細胞の細胞毒性媒介細胞溶解は、溶解がレトロウイルスベクターの活性を低下させる、例えば、阻害又は停止することから、免疫原性の尺度である。
一実施形態では、レシピエント細胞は、PBMC応答を誘発しない。この実施例では、被験体のレシピエント細胞に対するPBMC応答を試験する。
更に、プロトコルを、適切な表面マーカーが存在する任意の細胞型に適合させることができる。この実施例では、標的レシピエント細胞はCD3+細胞である。
マウスを、本出願に記載されている方法のいずれかを介して産生されたレトロウイルスベクター又はPBS(陰性対照)で5日間毎日処理する。最終処理の28日後、レトロウイルスベクターを受けたマウス及びPBS処理を受けたマウスから末梢血を採取する。血液を5μMのEDTAを含む1mlのPBSに集め、凝固を防ぐためにすぐに混合する。チューブを氷上に保持し、赤血球を緩衝塩化アンモニウム(ACK)溶液を使用して除去する。細胞を、細胞染色バッファー(Biolegend カタログ番号:420201)中で10分間、Fcブロック(Biolegend カタログ番号#:101319)した後、マウスCD3:APC-Cy7抗体(Biolegend カタログ番号:100330)又はアイソタイプ対照APC-Cy7抗体(IC:APC-Cy7)(Biolegend カタログ番号:400230)により、4℃、暗所で30分間染色する。PBSで2回洗浄した後、細胞をFACSDiva(商標)ソフトウェア(BD Biosciences、カリフォルニア州サンノゼ)を実行して640nmレーザー励起及び780-/+60nmで収集される発光を用いて、FACS Aria(BD Biosciences、カリフォルニア州サンノゼ)で分析し、アイソタイプ対照APC-Cy7抗体標識細胞を使用してネガティブゲートを設定した後、APC-Cy7陽性細胞を選別及び収集する。選別したCD3+細胞を、CellMask(商標)Green Plasmaメンブレン染色(CMG、ThermoFisher カタログ番号:C37608)又は陰性対照としてのDMSOのいずれかで標識する。
レトロウイルスベクター又はPBSで処理したマウスからCD3+細胞を単離する7日前に、Crop et al.Cell transplantation(20):1547-1559;2011の方法に従ってレトロウイルスベクター又はPBSで処理したマウスから単離し、丸底96ウェルプレートにおいてIL-2組換えマウスタンパク質(R&D Systems カタログ番号:402-ML-020)及びCD3/CD28ビーズ(ThermoFisher カタログ番号:11456D)の存在下で37℃で7日間プレーティングする。7日目に、刺激されたPBMCをCD3+/CMG+又はCD3+/DMSO対細胞と1000:1~1:1及び1:1.25~1:1000のPBMC:CD3+/CMG+又はPBMC:CD3+/DMSO対照細胞の範囲のプレーティング比で1、2、3、4、5、6、8、10、15、20、24、48時間共培養する。陰性対照として、ウェルのセットはCD3+/CMG+及びCD3+/DMSO対照細胞のみを受け、PBMCは受けない。インキュベーション後、プレートを遠心分離して処理し、上記のようにマウスCD3:APC-Cy7抗体又はIC:APC-Cy7抗体のいずれかで標識する。PBSで2回洗浄した後、細胞をPBSに再懸濁し、FACSDiva(商標)ソフトウェア(BD Biosciences、サンノゼ、カリフォルニア州)を実行して、FACS Aria(APC-Cy7:640nmレーザー励起/780-/+60nmで収集された発光、及びCMG561nmレーザー励起/585-/+16nmで収集された発光)で分析する。次に、FSC/SSCイベントデータを最初に使用して、「セル」というラベルの付いたイベントのゲートを設定する。次に、この「セル」ゲートを使用してイベントを表示し、IC:APC-Cy7/DMSOのみで標識したサンプルを分析する640nm及び561nmのレーザーに対してPMT電圧を設定する。このサンプルを、APC-Cy7とCMGの両方の陰性細胞のゲートを設定するためにも使用する。次に、PBMCを受けなかったCD3+/CMG+細胞を使用して、CD3+及びCMG+細胞のポジティブゲートを設定する。
全細胞集団におけるCD3+/CMG+細胞の割合を調べることにより、データを分析する。治療群を比較した場合に、PBMC:CD3+/CMG+細胞の任意の所与のアッセイ比でのCD3+/CMG+細胞の割合が比較的低いことは、レシピエント細胞の溶解を示している。一実施形態では、CD3+/CMG+の割合は、レトロウイルスベクターで処理されたマウス及びPBSで処理されたマウスに由来するレシピエント細胞について類似している。
実施例18:レトロウイルスベクターレシピエント細胞に対するNK細胞胞応答の測定
この実施例は、細胞溶解アッセイを用いたレシピエント細胞に対するナチュラルキラー細胞応答の定量化を説明する。
幾つかの実施形態では、レシピエント細胞の免疫原性の尺度は、ナチュラルキラー細胞応答である。一実施形態では、ナチュラルキラー細胞によるレシピエント細胞の細胞毒性媒介細胞溶解は、溶解がレトロウイルスベクターの活性を低下させる、例えば、阻害又は停止することから、免疫原性の尺度である。
一実施形態では、レシピエント細胞は、ナチュラルキラー細胞応答を誘発しない。この実施例では、被験体のレシピエント細胞に対するナチュラルキラー細胞応答を試験する。更に、プロトコルを、適切な表面マーカーが存在する任意の細胞型に適合させることができる。この実施例では、標的レシピエント細胞はCD3+細胞である。
マウスをレトロウイルスベクターで処理し、血液サンプルを採取し、CD3+細胞を上記の実施例17に記載したように選別する。NK細胞を単離し、CD3+細胞と共に培養し、実施例17で使用したPBMC細胞の代わりにNK細胞を使用することを除いて、実施例17で上記のプロトコルに従ってFACSによって分析する。
全細胞集団におけるCD3+/CMG+細胞の割合を調べることにより、データを分析する。治療群を比較した場合に、NK細胞:CD3+/CMG+細胞の任意の所与のアッセイ比でのCD3+/CMG+細胞の割合が比較的低いことは、レシピエント細胞の溶解を示している。一実施形態では、CD3+/CMG+の割合は、レトロウイルスベクターで処理されたマウス及びPBSで処理されたマウスに由来するレシピエント細胞について類似している。
実施例19:レトロウイルスベクターレシピエント細胞に対するCD8 T細胞応答の測定
この実施例では、細胞溶解アッセイによるレシピエント細胞(レトロウイルスベクターと融合した細胞)に対するCD8+T細胞応答の定量化について説明する。
幾つかの実施形態では、レシピエント細胞の免疫原性の尺度は、CD8+T細胞応答である。一実施形態では、CD8+T細胞によるレシピエント細胞の細胞毒性媒介細胞溶解は、溶解がレトロウイルスベクターの活性を低下させる、例えば、阻害又は停止することから、免疫原性の尺度である。
一実施形態では、レシピエント細胞は、CD8+T細胞応答を誘発しない。この実施例では、被験体のレシピエント細胞に対するCD8+T細胞応答を試験する。更に、プロトコルを、適切な表面マーカーが存在する任意の細胞型に適合させることができる。この実施例では、標的レシピエント細胞はCD3+細胞である。
マウスをレトロウイルスベクターで処理し、血液サンプルを採取し、CD3+細胞を上記の実施例17に記載したように選別する。CD8+T細胞を単離し、CD3+細胞と共に培養し、実施例17で使用したPBMC細胞の代わりにCD8+T細胞を使用することを除いて、実施例17で上記のプロトコルに従ってFACSによって分析する。
全細胞集団におけるCD3+/CMG+細胞の割合を調べることにより、データを分析する。治療群を比較した場合に、CD8+細胞:CD3+/CMG+細胞の任意の所与のアッセイ比でのCD3+/CMG+細胞の割合が比較的低いことは、レシピエント細胞の溶解を示している。一実施形態では、CD3+/CMG+の割合は、レトロウイルスベクターで処理されたマウス及びPBSで処理されたマウスに由来するレシピエント細胞について類似している。
実施例20:CNS特異的プロモーター活性の測定
この実施例では、非標的細胞と比較したCNS細胞におけるCNS細胞特異的プロモーター(正のTCSRE)の活性の測定について説明する。
2つの細胞型を別々に培養し、本明細書に記載されるように産生されたレトロウイルスベクターで処理する。レトロウイルスベクターはVSV-Gでシュードタイプ化され、CNS細胞特異的プロモーター、例えば表3のCNS細胞特異的プロモーターの制御下のtdtomato蛍光タンパク質レポーターをコードする。
形質導入の2日後、細胞内の遺伝子発現をフローサイトメトリーで測定し、細胞内の平均ベクターコピー数を定量的PCRで測定する。細胞集団における細胞あたりのtdtomato遺伝子発現の中央値は、集団ベクターのコピー数に正規化されている。
幾つかの実施形態では、CNS細胞の集団は、非標的細胞の集団よりも、ベクターコピー数に対するtdtomato発現の比率がより大きいであろう。これは、CNS細胞特異的プロモーターがCNS細胞でより活性であることを示している。
実施例21:制限的なマイクロRNAからの発現の変化の測定
この実施例は、非標的細胞と比較したCNS細胞における非標的細胞制限マイクロRNA(NTCSRE)の活性の測定を記載する。
2つの細胞型を別々に培養し、本明細書に記載されるように産生されたレトロウイルスベクターで処理する。レトロウイルスベクターはVSV-Gでシュードタイプ化され、ユビキタスに活性なプロモーター及び非標的細胞制限マイクロRNA、例えば表4のマイクロRNAの制御下のtdtomato蛍光タンパク質レポーターをコードする。
形質導入の2日後、細胞内の遺伝子発現をフローサイトメトリーで測定し、細胞内の平均ベクターコピー数を定量的PCRで測定する。細胞集団における細胞あたりのtdtomato遺伝子発現の中央値は、集団ベクターのコピー数に正規化されている。
幾つかの実施形態では、CNS細胞の集団は、非標的細胞の集団よりも、ベクターコピー数に対するtdtomato発現の比率がより大きいであろう。これは、非標的細胞制限マイクロRNAが非標的細胞における発現を減少させることを実証するであろう。
実施例22:in vitroでのVSV-G偽型によるフリードライヒ運動失調症の処置
この実施例は、in vitroでの細胞への治療用導入遺伝子の送達について説明する。この例では、治療導入遺伝子はフラタキシン(fxn)である。
ニューロンをYG8Rマウスの脳から培養し、本明細書に記載のように産生されたレトロウイルスベクター又はPBSで形質導入する。レトロウイルスベクターは、VSV-Gでシュードタイプ化され、ニューロン特異的プロモーター(陽性TCSRE)及びミクログリア細胞制限マイクロRNA配列(NTCSRE)の制御下でfxn遺伝子を保有する。
Fxn発現に十分な時間が経過した後、細胞を画像化のため調製する。細胞を固定して透過処理し、ブロックして、抗Fxn抗体(例えば、abcam カタログ番号ab175402)で免疫染色する。免疫染色後、細胞をAlexa Fluor 488に結合した二次抗体(例えば、abcam カタログ番号ab150077)で対比染色する。細胞を、37C及び5%CO2に維持した状態で、63倍の油浸対物レンズを備えたZeiss LSM 710共焦点顕微鏡で画像化する。Alexa Fluorを、488nmレーザー励起及び510±15nmでの発光に供する。細胞あたりのAlexa Flourの平均強度を計算して、細胞あたりのFxn発現レベルを決定する。各群について、少なくとも30~40個の細胞を画像化及び分析する。
幾つかの態様では、細胞あたりのFxn発現のレベルは、PBSで処置したニューロンよりも、Fxn遺伝子をコードするレトロウイルスベクターで処置したニューロンでより高くなる。
実施例23:in vivoでのVSV-Gシュードタイプ化レトロウイルスによるフリードライヒ運動失調の処置
この実施例は、in vivoでの細胞への治療用導入遺伝子の送達について説明する。この例では、治療導入遺伝子はフラタキシン(fxn)である。
VSV-Gでシュードタイプ化され、ニューロン特異的プロモーター(陽性TCSRE)及びミクログリア細胞制限マイクロRNA配列(NTCSRE)の制御下でfxn遺伝子作用物質を保有するレトロウイルスベクターをYG8Rマウスの小脳内に注射する。レトロウイルスベクターは、本出願に記載されている方法のいずれかを介して産生される。陰性対照マウスをPBSで処理する。
処置の28日後、脳切片を、レトロウイルス又はPBSにより処置されるマウスから得て、先の実施例に記載されるようにFxn発現について染色する。幾つかの態様では、細胞あたりのFxn発現のレベルは、PBSにより処置されるマウスからの脳におけるよりも、Fxn遺伝子をコードするレトロウイルスベクターにより処置されるマウスからの脳における方が高くなる。
別の群のマウスでは、レトロウイルス又はPBSによる処置の28日後、マウスを、Rocca et al.,2017,Sci.Transl.Med.9(413),doi:10.1126/scitranslmed.aaj2347に記載される神経行動試験に供した。幾つかの態様では、レトロウイルスで処置したマウスは、PBSで処置したマウスと比較して、神経行動試験において有意な改善を示す。
実施例24:フソソームにおける転写活性の欠如
この実施例は、フソソーム生成に使用される親細胞、例えば、ソース細胞と比較したフソソームにおける転写活性を定量化する。一実施形態では、転写活性は、親細胞、例えば、ソース細胞と比較して、フソソームでは低いか、又は存在しないであろう。
フソソームは、治療薬を送達するためのシャーシ(chassis)である。細胞又は局所組織環境に高効率で送達できるmiRNA、mRNA、タンパク質、及び/又は細胞小器官等の治療薬を使用して、通常は活性ではない、又はレシピエント組織の病理学的低レベル若しくは高レベルで活性ではない経路を調節することができる。一実施形態では、フソソームが転写することができない、又はフソソームがそれらの親細胞よりも低い転写活性を有するという観察は、核物質の除去が十分に起こったことを実証するであろう。
フソソームは、前の実施例に記載された方法のいずれかによって調製される。次に、フソソームを生成するために使用される十分な数のフソソーム及び親細胞を、20%ウシ胎児血清、1×ペニシリン/ストレプトマイシン及び蛍光タグ付可能なアルキン-ヌクレオシドEUを含むDMEMの6ウェル低付着マルチウェルプレートに37℃及び5%CO2で1時間プレーティングする。陰性対照のため、十分な数のフソソーム及び親細胞を、20%ウシ胎児血清、1×ペニシリン/ストレプトマイシンを含むがアルキン-ヌクレオシドEUを含まないDMEMのマルチウェルプレートにも蒔く。
1時間のインキュベーション後、イメージングキット(ThermoFisher Scientific)の製造元の指示に従ってサンプルを処理する。陰性対照を含む細胞及びフソソームサンプルを1×PBSバッファーで3回洗浄し、1×PBSバッファーに再懸濁し、励起用の488nmアルゴンレーザー及び530+/-30nm発光を使用してフローサイトメトリー(Becton Dickinson、米国カリフォルニア州サンノゼ)で分析する。取得及び分析にはBD FACSDivaソフトウェアを使用した。光散乱チャネルを線形ゲインに設定し、蛍光チャネルを対数スケールで設定し、各条件で最低10,000個の細胞を分析する。
一実施形態では、陰性対照において530+/-30nmの発光によって測定される転写活性は、アルキン-ヌクレオシドEUの省略のためにヌルになる。幾つかの実施形態では、フソソームは、親細胞よりも約70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、4%、3%、2%、1%以下の転写活性を有するであろう。
Proc Natl Acad Sci U S A,2008,Oct 14;105(41):15779-84.doi:10.1073/pnas.0808480105.Epub 2008 Oct 7.も参照。
実施例25:DNA複製又は複製活性の欠如
この実施例では、フソソームでのDNA複製を定量化する。一実施形態では、フソソームは、細胞と比較して低い速度でDNAを複製する。
フソソームは、前の実施例に記載された方法のいずれかによって調製される。フソソーム及び親細胞のDNA複製活性を、蛍光標識可能なヌクレオチド(ThermoFisher Scientific 番号C10632)の組み込みによって評価する。ジメチルスルホキシドを含むEdU原液を調製した後、フソソームと同数の細胞を最終濃度10μMのEdUと共に2時間インキュベートする。次に、サンプルを3.7%PFAを使用して15分間固定し、1×PBSバッファー(pH7.4)で洗浄し、1×PBSバッファー(pH7.4)中の0.5%界面活性剤溶液で15分間透過処理する。
透過処理後、0.5%界面活性剤を含むPBSバッファーに懸濁したフソソームと細胞を、1×PBSバッファー、pH7.4で洗浄し、1×PBSバッファー、CuSO4(成分F)、azide-fluor 488、1×反応バッファー添加剤の反応カクテル中、21℃で30分間インキュベートする。
フソソーム及び細胞DNA複製活性の陰性対照を、上記と同じように処理されたサンプルで作製するが、1×反応カクテルにアジド-fluor 488は含まれていない。
次に、細胞及びフソソームのサンプルを洗浄し、1×PBSバッファーに再懸濁し、フローサイトメトリーで分析する。フローサイトメトリーは、FACSサイトメーター(Becton Dickinson、米国カリフォルニア州サンノゼ)を使用して488nmのアルゴンレーザー励起で行い、530+/-30nmの発光スペクトルを収集する。取得及び分析にはFACS分析ソフトウェアを使用する。光散乱チャネルを線形ゲインに設定し、蛍光チャネルを対数スケールで設定し、各条件で最低10,000個の細胞を分析する。相対的なDNA複製活性を、各サンプルのazide-fluor 488の強度の中央値に基づいて計算する。全ての事象を、前方及び側方散乱チャネルでキャプチャする(或いは、ゲートを適用して、フソソーム集団のみを選択することもできる)。フソソームの正規化された蛍光強度値は、フソソームの中央値蛍光強度値から、それぞれの陰性対照サンプルの中央値蛍光強度値を差し引くことによって決定される。次に、フソソームサンプルの正規化された相対的なDNA複製活性は、DNA複製活性の定量的測定値を生成するために、それぞれの有核細胞サンプルに対して正規化される。
一実施形態では、フソソームは、親細胞よりも少ないDNA複製活性を有する。
Salic,2415-2420,doi:10.1073/pnas.0712168105も参照。
実施例26:フソゲンの定量
この例では、フソソームあたりのフソゲンの絶対数の定量化について説明する。
フソソーム組成物を、前の実施例に記載のように操作してGFPでタグ付けされたフソゲン(VSV-G)を発現することを除いて、前の実施例に記載の方法のいずれかによって産生する。更に、陰性対照のフソソームは、フソゲン(VSV-G)又はGFPが存在しない状態で操作される。
次に、GFPタグ付きフソゲンを含むフソソーム及び陰性対照を以下のようにフソゲンの絶対数についてアッセイする。市販の組換えGFPを段階希釈して、タンパク質濃度の検量線を作成する。次に、検量線のGFP蛍光と既知量のフソソームのサンプルを、GFPライトキューブ(469/35励起フィルター及び525/39発光フィルター)を使用して蛍光光度計で測定しフソソーム調製物中のGFP分子の平均モル濃度を計算する。次に、モル濃度をGFP分子の数に変換し、サンプルあたりのフソソームの数で割って、フソソームあたりのGFPタグ付きフソゲン分子の平均数を求め、これにより、フソソームあたりのフソゲンの数の相対的な推定値が得られる。
一実施形態では、GFP蛍光は、フソゲン又はGFPが存在しない陰性対照と比較して、GFPタグを有するフソソームで高くなる。一実施形態では、GFP蛍光は、存在するフソゲンの数に関連している。
或いは個々のフソソームは、製造元の指示に従って単一細胞分取システム(Fluidigm)を使用して単離され、qRT-PCRは、Ct値に基づいてフソゲン又はGFPのcDNAレベルを定量化するように設計された市販のプローブセット(Taqman)及びマスターミックスを使用して実行される。フソゲン遺伝子又はGFP遺伝子のクローン化されたフラグメントと同じ配列のRNA標準を合成(Amsbio)により生成した後、段階希釈で単一細胞分取システムqRT-PCR実験反応に添加して、フソゲン又はGFPのRNAの濃度に対するCtの標準曲線を確立する。
フソソームからのCt値を、フソソームあたりのフソゲン又はGFP RNAの量を決定するために、標準曲線と比較する。
一実施形態では、フソゲン及びGFP RNAは、フソゲン又はGFPが存在しない陰性対照と比較して、フソゲンを発現するように操作されたフソソームで高くなる。
フソゲンは、前述のように脂質二重層構造を分析し、本明細書の他の実施例に記載されるようにLC-MSによって脂質二重層中のフソゲンを定量化することによって、脂質二重層内で更に定量化され得る。
実施例27:フソソームの平均サイズの測定
この例では、フソソームの平均サイズの測定について説明する。
フソソームは、前の実施例に記載された方法のいずれかによって調製される。市販のシステム(iZON Science)を使用して平均サイズを決定するためにフソソームを測定した。このシステムは、製造元の指示に従って、ソフトウェア及び40nm~10μmのサイズ範囲内の粒子を分析するように設計されたナノポアと共に使用される。フソソーム及び親細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に再懸濁し、最終濃度範囲を0.01~0.1μgタンパク質/mLにする。その他の機器設定を以下の表に示すように調整する:
全てのフソソームを単離から2時間以内に分析する。一実施形態では、フソソームは、約1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以内のサイズを有するか、又は親細胞よりも大きいであろう。
実施例28:フソソームの平均サイズ分布の測定
この実施例では、フソソームの粒度分布の測定について説明する。
フソソームを、前の実施例に記載された方法のいずれかによって生成し、前の実施例に記載されたような市販のシステムを使用して粒子の平均サイズを決定するために試験する。一実施形態では、中央値を中心とするフソソームの10%、50%、及び90%のサイズしきい値を親細胞と比較して、フソソームの粒度分布を評価する。
一実施形態では、フソソームは、サンプルの10%、50%、又は90%以内で、親細胞のサイズ分布の変動の約90%未満、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、又はそれ未満を有し得る。
実施例29:フソソームの平均体積
この実施例はフソソームの平均量の測定について説明する。理論に拘束されることを望まないが、フソソームのサイズ(例えば、体積)を変えることは、それらを別個のカーゴ積載、治療計画又は適用に関して用途の広いものにすることができる。
フソソームを、前の実施例に記載されているように調製する。陽性対照は、既知のサイズのHEK293細胞又はポリスチレンビーズである。陰性対照は、36ゲージの針を約50回通過するHEK293細胞である。
前の実施例で説明したように、透過型電子顕微鏡による分析を使用して、フソソームのサイズを決定する。フソソームの直径を測定し、次に体積を計算する。
一実施形態では、フソソームは、直径が約50nm以上の平均サイズを有するであろう。
実施例30:フソソームの平均密度
フソソーム密度を、Thery et al.,Curr Protoc Cell Biol.2006 Apr;Chapter 3:Unit 3.22.に記載されているように連続ショ糖勾配遠心分離アッセイを介して測定する。フソソームは、前の実施例に記載されているように得られる。
最初に、ショ糖勾配を調製する。2M及び0.25スクロース溶液は、HEPES/スクロース原液4mlとHEPES原液1ml又はHEPES/スクロース原液0.5mlとHEPES原液4.5mlをそれぞれ混合することによって生成される。これらの2つの画分は、全てのシャッターを閉じた状態でグラジエントメーカーにロードされ、マグネチックスターラーを備えた近位コンパートメントの2Mスクロース溶液、及び遠位コンパートメントの0.25Mスクロース溶液である。グラジエントメーカーをマグネチックスターラープレートに置き、近位コンパートメントと遠位コンパートメントの間のシャッターを開き、マグネチックスターラープレートをオンにする。HEPES原液を次のように作製する:2.4g N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸(HEPES;最終20mM)、300 H2Oを、10N NaOHでpH7.4に調整し、最後にH2Oで容量を500mlに調整する。HEPES/スクロース原液を次の用に作成する:2.4gヒドロキシエチルピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸(HEPES;最終20mM)、428gプロテアーゼフリースクロース(ICN;最終2.5M)、150ml H2O、pHを10N NaOHで7.4に調整し、最後にH2Oで容量を500mlに調整する。
フソソームを2mlのHEPES/スクロース原液に再懸濁し、SW 41遠心分離管の底に注ぐ。外側のチューブを、2mlのフソソームのすぐ上にあるSW 41チューブに配置する。外側のシャッターを開き、2M(下)から0.25M(上)の連続しスクロース勾配をフソソームの上にゆっくりと注ぐ。SW 41チューブは、勾配が注がれるときに下げられるため、チューブは常に液体の上部よりわずかに上になる。
勾配のある全てのチューブは、互いに、又は同じ重量のスクロース溶液を有する他のチューブとバランスが取れている。勾配を、ブレーキを低く設定したSW 41スイングバケットローターで、210,000×g、4℃で一晩(14時間以上)遠心分離する。
マイクロピペッターを使用して、上から下に11個の1ml画分を収集し、TLA-100.3ローター用の3mlチューブに入れる。サンプルを取っておき、96ウェルプレートの別々のウェルで、各画分50μLを使用して屈折率を測定する。プレートを蒸発を防ぐために粘着ホイルで覆い、室温で1時間以内で保管する。屈折計を使用して、96ウェルプレートに保存された材料からの各画分の10~20μLの屈折率(したがって、スクロース濃度、及び密度)を測定する。
屈折率をg/mlに変換するための表は、Beckmanのウェブサイトからダウンロードできる超遠心分離カタログにある。
次に、各画分をタンパク質含有量分析のために調製する。2ミリリットルの20mM HEPES、pH7.4を各1ml勾配画分に加え、2~3回ピペッティングして混合する。各チューブの片側に油性ペンでマークを付け、チューブをTLA-100.3ローターにマークされた側を上にして配置する。
希釈画分を含む3mlチューブを、110,000×g、4℃で1時間遠心分離する。TLA-100.3ローターは6本のチューブを保持するため、他のチューブを遠心分離できるようになるまで4℃に保ったまま、勾配ごとに2回の遠心分離を行う。
上澄みを3mlチューブのそれぞれから吸引し、ペレットの上に滴が残る。ペレットはおそらく見えないが、その位置はチューブのマークから推測できる。目に見えないペレットを再懸濁し、マイクロ遠心管に移す。各再懸濁画分の半分を、別の実施例に記載されているビシンコニン酸アッセイによるタンパク質含有量分析に使用する。これにより、フソソーム調製物の様々な勾配画分にわたり分布が得られる。この分布を、フソソームの平均密度を決定するために使用する。後半の体積分率は-80℃で保存され、タンパク質分析で画分全体のフソソーム分布が明らかになると、他の目的(機能分析や免疫分離による更なる精製等)に使用される。
一実施形態では、このアッセイを使用すると、フソソームの平均密度は、1.25g/ml+/-0.05標準偏差となる。一実施形態では、フソソームの平均密度は、1~1.1、1.05~1.15、1.1~1.2、1.15~1.25、1.2~1.3、又は1.25~1.35の範囲にあるであろう。一実施形態では、フソソームの平均密度は、1未満又は1.35を超えるであろう。
実施例31:核エンベロープ含有量の測定
この例では、除核されたフソソームの核膜含有量の測定について説明する。核膜は、細胞の細胞質からDNAを分離する。
一実施形態では、精製されたフソソーム組成物は、本明細書に記載のように除核されたHEK-293T(293[HEK-293](ATCC(登録商標)CRL-1573(商標))等の哺乳動物細胞を含む。この実施例では、フソソーム生成後に残っている無傷の核膜の量を測定するためのプロキシとして、様々な核膜タンパク質の定量化について説明する。
この実施例では、10×106 HEK-293T及び10×106 HEK-293Tから調製されたフソソームの当量を、3.7%PFAを用いて15分間固定し、1×PBSバッファー、pH7.4で洗浄し、同時に透過処理した後、1%ウシ血清アルブミン及び0.5%Triton(登録商標)X-100、pH7.4を含む1×PBSバッファーを使用して15分間ブロックする。透過処理後、フソソーム及び細胞を、様々な一次抗体、例えば、1%ウシ血清アルブミン及び0.5%Triton(登録商標)X-100、pH7.4を含む1×PBSバッファーで希釈した製造業者推奨濃度の(抗RanGAP1抗体[EPR3295](Abcam-ab92360)、抗NUP98抗体[EPR6678]-核膜孔マーカー(Abcam-ab124980)、抗核膜孔複合タンパク質抗体[Mab414]-(Abcam-ab24609)、抗インポート7抗体(Abcam-ab213670)と共に、4℃で12時間インキュベートする。次に、フソソーム及び細胞を1×PBSバッファー、pH7.4で洗浄し、1%ウシ血清アルブミン及び0.5%界面活性剤、pH7.4を含む1×PBSバッファーで希釈した製造業者推奨濃度の先に指定した一次抗体を検出する適切な蛍光二次抗体と共に、21℃で2時間インキュベートする。次に、フソソーム及び細胞を1×PBSバッファーで洗浄し、1μg/mlのヘキスト33342を含む300μLの1×PBSバッファー、pH7.4に再懸濁して、20μmのFACSチューブで濾過し、フローサイトメトリーで分析する。
陰性対照は、同じ染色手順を使用して生成されるが、一次抗体は追加されない。フローサイトメトリーは、FACSサイトメーター(Becton Dickinson、米国カリフォルニア州サンノゼ)を使用して488nmのアルゴンレーザー励起で実施し、530+/-30nmの発光スペクトルを収集する。取得及び分析には、FACS取得ソフトウェアを使用する。光散乱チャネルを線形ゲインに設定し、蛍光チャネルを対数スケールで設定し、各条件で最低10,000個の細胞を分析する。相対的な無傷の核膜含有量を、各サンプルの蛍光強度の中央値に基づいて計算する。全てのイベントを、前方及び側方散乱チャネルでキャプチャする。
フソソームの正規化された蛍光強度値は、フソソームの中央値蛍光強度値から、それぞれの陰性対照サンプルの中央値蛍光強度値を差し引くことによって決定される。次に、無傷の核膜含有量の定量的測定値を生成するために、フソソームサンプルの正規化された蛍光をそれぞれの有核細胞サンプルに対して正規化する。
一実施形態では、除核されたフソソームは、有核親細胞と比較して1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%未満の蛍光強度又は核膜含有量を含むであろう。
実施例32:クロマチンレベルの測定
この例では、除核されたフソソームのクロマチンの測定について説明する。
DNAを凝縮してクロマチンにし、核内に収めることができる。一実施形態では、本明細書に記載の方法のいずれか1つによって産生される精製フソソーム組成物は、低レベルのクロマチンを含むであろう。
前述の方法のいずれかによって調製された除核フソソーム及び陽性対照細胞(例えば、親細胞)を、ヒストンタンパク質H3又はヒストンタンパク質H4に特異的な抗体を用いたELISAを使用してクロマチン含有量についてアッセイする。ヒストンはクロマチンの主要なタンパク質成分であり、H3及びH4が主要なヒストンタンパク質である。
ヒストンは、市販のキット(例えば、Abcam抽出キット(ab113476))又は当技術分野で知られている他の方法を使用して、フソソーム調製物及び細胞調製物から抽出される。これらのアリコートを、使用するまで-80℃で保存する。標準液の段階希釈は、精製ヒストンタンパク質(H3又はH4)をアッセイバッファーの溶液で1~50ng/μlに希釈することによって調製する。アッセイバッファーは、製造業者が提供するキット(例えば、Abcam Histone H4 Total Quantification Kit(ab156909)又はAbcam Histone H3 total Quantification Kit(ab115091))から入手できる。アッセイバッファーを、抗ヒストンH3又は抗H4抗体でコーティングされた48ウェル又は96ウェルプレートの各ウェルに加え、サンプル又は標準対照をウェルに加えてえ、各ウェルの総量50μlにする。次にプレートを覆い、37度で90~120分間インキュベートする。
インキュベーション後、プレートに付着した抗ヒストン抗体に結合したヒストンを検出用に調製する。上清を吸引し、プレートを150μlの洗浄バッファーで洗浄する。次に、抗ヒストンH3又は抗H4捕捉抗体を含む捕捉バッファーを、50μlの容量で1μg/mLの濃度でプレートに添加する。次に、プレートをオービタルシェーカー上で室温で60分間インキュベートする。
次に、プレートを吸引し、洗浄バッファーを使用して6回洗浄する。次に、捕捉抗体によって活性化可能なシグナルレポーター分子を各ウェルに添加する。プレートを覆い、室温で30分間インキュベートする。次に、プレートを吸引し、洗浄バッファーを使用して4回洗浄する。停止液を加えることにより反応を停止させる。プレートの各ウェルの吸光度を450nmで読み取り、各サンプルのヒストン濃度を、450nmでの吸光度vs.標準サンプルのヒストン濃度の標準曲線に従って計算する。
一実施形態では、フソソームサンプルは、有核親細胞のヒストン濃度の1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%未満を含むであろう。
実施例33:フソソーム中のmiRNA含有量の測定
この例では、フソソーム中のマイクロRNA(miRNA)の定量について説明する。一実施形態では、フソソームはmiRNAを含む。
miRNAは、他の活性の中でも、メッセンジャーRNA(mRNA)がタンパク質に翻訳される速度を制御する調節エレメントである。一実施形態では、miRNAを運ぶフソソームを使用して、miRNAを標的部位に送達することができる。
フソソームは、前の実施例に記載された方法のいずれかによって調製される。フソソーム又は親細胞からのRNAは前述のように調製される。少なくとも一つのmiRNA遺伝子は、www.sanger.ac.uk/Software/Rfam/mirna/index.shtmlにあるSanger Center miRNA Registryから選択される。miRNAはChen et al,Nucleic Acids Research,33(20),2005に記載されているように調製される。全てのTaqMan miRNAアッセイは、Thermo Fisher(A25576、マサチューセッツ州ウォルサム)から入手できる。
qPCRはmiRNA cDNAに関する製造業者の仕様に従って実行され、CT値は、本明細書に記載されているように、リアルタイムPCRシステムを用いて生成及び分析される。
一実施形態では、フソソームのmiRNA含有量は、それらの親細胞の少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又はそれ以上である。
実施例34:フソソームにおける内因性RNA又は合成RNAの発現の定量
この実施例では、発現が変化した内因性RNA、又はフソソームで発現する合成RNAのレベルの定量化について説明する。
フソソーム又は親細胞は、フソソームへの細胞機能を媒介する内因性又は合成RNAの発現を変化させるように操作されている。
トランスポザーゼベクター(System Biosciences,Inc.)には、ピューロマイシン耐性遺伝子のオープンリーディングフレーム、及びタンパク質作用物質のクローン化フラグメントのオープンリーディングフレームが含まれている。ベクターエレクトロポレーター(Amaxa)及び293T細胞株特異的核トランスフェクションキット(Lonza)を使用して293Tにエレクトロポレーションする。
20%ウシ胎児血清及び1×ペニシリン/ストレプトマイシンを含むDMEMで3~5日間ピューロマイシンで選択した後、前の実施例に記載される方法のいずれかにより、安定して発現する細胞株からフソソームを調製する。
個々のフソソームを単離し、フソソームあたりのタンパク質作用物質又はRNAを、前の実施例で説明したように定量化する。
実施形態では、フソソームは、少なくとも1、2、3、4、5、10、20、50、100、500、103、5.0×103、104、5.0×104、105、5.0×105、106、5.0×106、又はそれ以上のフソソームあたりのRNAを有するであろう。
実施例35:フソソーム中のプロテオーム組成の測定
この実施例では、フソソームのタンパク質組成の定量化について説明する。一実施形態では、フソソームのタンパク質組成は、それらが由来する細胞に類似している。
フソソームは、前の実施例に記載された方法のいずれかによって調製される。フソソームを溶解バッファー(7M尿素、2Mチオ尿素、50mM Tris pH8.0中の4%(w/v))に再懸濁し、時々ボルテックスしながら室温で15分間インキュベートする。次に、混合物を氷浴中で5分間超音波処理して溶解し、13,000RPMで5分間スピンダウンする。タンパク質含有量を比色分析(Pierce)によって決定し、各サンプルのタンパク質を新しいチューブに移し、容量を50mM Tris pH8で均等化する。
タンパク質を、10mM DTTを使用して65℃で15分間還元し、15mMヨードアセトアミドを使用して室温、暗所で30分間アルキル化する。6倍量の冷(-20℃)アセトンを徐々に加えてタンパク質を沈殿させ、-80℃で一晩インキュベートする。タンパク質ペレットを冷(-20℃)メタノールで3回洗浄する。タンパク質を50mM Tris pH8.3に再懸濁する。
次に、37℃で撹拌しながら消化の最初の4時間にトリプシン/lysCをタンパク質に添加する。サンプルを50mM Tris pH8で希釈し、0.1%デオキシコール酸ナトリウムに更にトリプシン/lysCを加えて、37℃で一晩撹拌しながら消化する。消化を停止し、2%v/vギ酸を添加してデオキシコール酸ナトリウムを除去する。サンプルをボルテックスし、13,000RPMで1分間遠心分離して清澄化する。ペプチドを逆相固相抽出(SPE)によって精製し、乾燥する。サンプルを20μLの3%DMSO、0.2%ギ酸水溶液で再構成し、LC-MSで分析する。
定量測定を行うために、タンパク質標準も機器で実行する。標準ペプチド(Pierce、等モル、LC-MSグレード、88342番)を4、8、20、40、及び100 fmol/ulに希釈し、LC-MS/MSで分析する。タンパク質あたり5つの最良のペプチド(3 MS/MS遷移/ペプチド)の平均AUC(曲線下面積)を濃度ごとに計算して、標準曲線を作成する。
取得は、25μm iDキャピラリーを備えたエレクトロスプレーインターフェースを装備し、マイクロ超高速液体クロマトグラフィー(μUHPLC)(Eksigent、米国カリフォルニア州レッドウッドシティー)と連結した高分解能質量分析計(ABSciex、米国カリフォルニア州フォスターシティー)により実施する。分析ソフトウェアを、機器の制御、並びにデータ処理及び取得に使用する。ソース電圧は5.2kVに設定され、225℃に維持され、カーテンガスは27psiに設定され、ガス1は12psi及びガス2は10psiに設定される。取得は、タンパク質データベースの場合は情報依存取得(IDA)モードで、サンプルの場合はSWATH取得モードで実行される。分離は、60℃に維持された逆相カラム内径0.3μm、2.7μm粒子、長さ150mm(Advance Materials Technology、デラウェア州ウィルミントン)で実行される。サンプルを、5μLループにループを過剰充填することによって注入する。120分の(サンプル)LC勾配では、移動相は、3μL/分の流速で、次の溶媒A(水中の0.2%v/vギ酸及び3%DMSO v/v)及び溶媒B(EtOH中の0.2%v/vギ酸及び3%DMSO水溶液)を含む。
タンパク質の絶対定量では、タンパク質あたり5つの最良のペプチド(ペプチドあたり3 MS/MSイオン)のAUCの合計を使用して、標準曲線(5点、R2>0.99)を生成する。サンプル分析用のデータベースを生成するために、DIAUmpireアルゴリズムが12個のサンプルのそれぞれで実行され、出力MGFファイルと組み合わされて1つのデータベースになる。このデータベースは、ソフトウェア(ABSciex)と共に使用され、5つの遷移/ペプチドと5つのペプチド/タンパク質の最大値を使用して、各サンプルのタンパク質を定量化する。計算されたスコアが1.5を超えるか、FDRが1%未満の場合、ペプチドは適切に測定されたと見なされる。適切に測定された各ペプチドのAUCの合計を検量線にマッピングし、fmolとして報告する。
次に、得られたタンパク質定量データを分析して、既知のクラスのタンパク質のタンパク質レベル及び割合を次のように決定する:酵素は、酵素委員会(EC)番号で注釈が付けられたタンパク質として識別される;ER関連タンパク質は、ミトコンドリアではなく、ERの遺伝子オントロジー(GO;http://www.geneontology.org)細胞内コンパートメント分類を持つタンパク質として識別される;エクソソーム関連タンパク質は、ミトコンドリアではなく、エクソソームの遺伝子オントロジー細胞内コンパートメント分類を持つタンパク質として識別される;及びミトコンドリアタンパク質は、MitoCartaデータベース(Calvo et al.,NAR 2015l doi:10.1093/nar/gkv1003)でミトコンドリアとして識別されるタンパク質として識別される。これらの各カテゴリーのモル比は、各クラスの全てのタンパク質のモル量の合計を、各サンプルで特定された全てのタンパク質のモル量の合計で割ったものとして決定される。
フソソームプロテオミクス組成を、親細胞のプロテオミクス組成と比較する。特定されたタンパク質の50%超がフソソームに存在する場合、フソソームと親細胞の間で同様のプロテオミクス組成が観察され、それらの特定されたタンパク質のうち、そのレベルは、親細胞において対応するタンパク質レベルの25%超である。
実施例36:フソソーム中のGAPDHの測定
このアッセイでは、フソソーム内のグリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)のレベル、及び親細胞と比較したフソソーム内のGAPDHの相対レベルの定量化について説明する。
GAPDHを、GAPDH用の標準的な市販のELISA(ab176642、Abcam)を製造元の指示に従って使用して、親細胞及びフソソームで測定する。
総タンパク質レベルは、GAPDHの測定に使用されたのと同じ量のサンプルで前述したように、ビシンコニン酸アッセイを介して同様に測定される。実施形態では、このアッセイを使用すると、フソソーム中の総タンパク質あたりのGAPDHのレベルは、100ng GAPDH/μg総タンパク質未満となるであろう。同様に、実施形態では、親細胞からフソソームへの総タンパク質と比較したGAPDHレベルの減少は、10%の減少よりも大きいであろう。
一実施形態では、ng GAPDH/μg総タンパク質単位の調製物中のGAPDH含有量は、500未満、250未満、100未満、50未満、20未満、10未満、5未満、又は1未満となる。
一実施形態では、親細胞から調製物までの総タンパク質あたりのGAPDH(ng/μg)の減少は、1%超、2.5%超、5%超、10%超、15%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、又は90%超となる。
実施例37:フソソームにおけるカルネキシンの測定
このアッセイでは、フソソーム内のカルネキシン(CNX)のレベル、及び親細胞と比較したフソソーム内のCNXの相対レベルの定量化について説明する。
カルネキシンを、製造元の指示に従って、カルネキシン用の標準的な市販のELISA(MBS721668、MyBioSource)を使用して、開始細胞及び調製物で測定する。
総タンパク質レベルは、カルネキシンの測定に使用されたのと同じ量のサンプルで前述したように、ビシンコニン酸アッセイを介して同様に測定される。実施形態では、このアッセイを使用すると、フソソーム中の総タンパク質あたりのカルネキシンのレベルは、100ngカルネキシン/μg総タンパク質未満となるであろう。同様に、実施形態では、親細胞からフソソームへの総タンパク質と比較したカルネキシンレベルの増加は、10%の増加よりも大きいであろう。
一実施形態では、ngカルネキシン/μg総タンパク質単位の調製物中のカルネキシン含有量は、500、250、100、50、20、10、5、又は1未満となる。
一実施形態では、ng/μg単位の親細胞から調製物までの総タンパク質あたりのカルネキシンの減少は、1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%超となる。
実施例38:可溶性タンパク質質量と不溶性タンパク質質量との比較
この実施例では、フソソーム中のタンパク質質量の可溶性:不溶性比の定量化について説明する。一実施形態では、フソソーム中のタンパク質質量の可溶性:不溶性の比は、有核細胞と同様である。
フソソームは、前の実施例に記載された方法のいずれかによって調製される。フソソーム調製物を、標準的なビシンコニン酸アッセイ(BCA)を使用して(例えば、市販のPierce(商標)BCAタンパク質アッセイキット、Thermo Fischer製品番号23225を使用)試験し、可溶性:不溶性タンパク質比を決定する。可溶性タンパク質サンプルは、調製したフソソーム又は親細胞を1×10^7細胞又はフソソーム/mlの濃度でPBSに懸濁し、1600gで遠心分離してフソソーム又は細胞をペレット化することにより調製する。上清を可溶性タンパク質画分として収集する。
ペレット中のフソソーム又は細胞を、2%Triton-X-100を含むPBSで激しくピペッティング及びボルテックスすることにより溶解する。溶解画分は不溶性タンパク質画分を表す。
付属のBSAを使用して、ウェルあたり0~20μgのBSAの検量線を作成する(3回行う)。フソソーム又は細胞調製物を、測定量が標準の範囲内になるように希釈する。フソソーム調製物を3回分析し、平均値を使用する。可溶性タンパク質濃度を不溶性タンパク質濃度で割って、可溶性:不溶性タンパク質比を算出する。
一実施形態では、フソソーム可溶性:不溶性タンパク質比は、親細胞と比較して1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又はそれ以上に含まれる。
実施例39:フソソーム中のLPSの測定
この例では、親細胞と比較したフソソーム中のリポ多糖(LPS)のレベルの定量化について説明する。一実施形態では、フソソームは、親細胞と比較してより低いレベルのLPSを有するであろう。
LPSは細菌膜の成分であり、自然免疫応答の強力な誘導因子である。
LPS測定は、前の例で説明した質量分析に基づいている。
一実施形態では、フソソームの脂質含有量の5%未満、1%、0.5%、0.01%、0.005%、0.0001%、0.00001%以下がLPSとなる。
実施例40:フソソーム中の脂質対タンパク質の比
この実施例では、フソソームの脂質質量とタンパク質質量の比率の定量化について説明する。一実施形態では、フソソームは、有核細胞と同様の脂質質量対タンパク質質量の比を有するであろう。
総脂質含有量は、前の実施例で概説したリピドミクスデータセットで特定された全ての脂質のモル含有量の合計として計算される。フソソームの総タンパク質含有量を、本明細書に記載されているようにビシンコニン酸アッセイを介して測定する。
或いは、脂質とタンパク質の比率は、特定の脂質種と特定のタンパク質の比率として説明することができる。特定の脂質種は、前の実施例で産生されたリピドミクスデータから選択される。特定のタンパク質は、前の実施例で作成されたプロテオミクスデータから選択される。選択した脂質種とタンパク質の様々な組み合わせを使用して、特定の脂質:タンパク質の比率を定義する。
実施例41:フソソーム中のDNAに対するタンパク質の比
この実施例では、フソソームのタンパク質質量とDNAの比率の定量化について説明する。一実施形態では、フソソームは、細胞よりもはるかに大きいタンパク質質量対DNA質量の比を有するであろう。
フソソーム及び細胞の総タンパク質含有量は、前の実施例に記載されているように測定される。フソソーム及び細胞のDNA質量は、前の実施例に記載されているように測定される。次に、総核酸に対するタンパク質の比率を、総タンパク質含有量を総DNA含有量で割って、典型的なフソソーム調製物の所与の範囲内の比率をもたらすことによって決定する。
或いは、タンパク質と核酸の比率は、半定量的リアルタイムPCR(RT-PCR)を使用して、GAPDH等の特定のハウスキーピング遺伝子のレベルとして核酸レベルを定義することによって決定される。
次に、GAPDH核酸に対するタンパク質の比率は、総タンパク質含有量を総GAPDH DNA含有量で割って、典型的なフソソーム調製物のタンパク質:核酸比の特定の範囲を定義することによって決定される。
実施例42:標的細胞との融合の測定
この実施例では、非標的細胞と比較した標的細胞とのフソソーム融合の定量化について説明する。
一実施形態では、標的細胞とのフソソーム融合は、フソソームの内腔内で運ばれるカーゴの、レシピエント細胞の細胞質ゾルへの細胞特異的送達を可能にする。本明細書に記載の方法によって産生されたフソソームを、以下のように標的細胞との融合速度についてアッセイする。
この実施例では、フソソームは、原形質膜上にMyomakerを発現するHEK293T細胞を含む。更に、フソソームはmTagBFP2蛍光タンパク質及びCreリコンビナーゼを発現する。標的細胞は、MyomakerとMyomixerの両方を発現する筋芽細胞であり、非標的細胞は、MyomakerもMyomixerも発現しない線維芽細胞である。Myomakerを発現するフソソームは、MyomakerとMyomixerの両方を発現する標的細胞と融合するが、非標的細胞とは融合しないと予測されている(Quinn et al.,2017,Nature Communications,8,15665.doi.org/10.1038/ncomms15665) (Millay et al.,2013,Nature,499(7458),301-305.doi.org/10.1038/nature12343)。標的細胞型と非標的細胞型の両方をマウスから単離し、CMVプロモーターの下でCreによる組換えによりtdTomato発現をオンにして、融合を示す、「LoxP-stop-Loxp-tdTomato」カセットを安定して発現する。
標的又は非標的レシピエント細胞を、黒色の透明な底の96ウェルプレートに蒔く。標的細胞と非標的細胞の両方を、異なる融合群に対してプレーティングする。次に、レシピエント細胞をプレーティングしてから24時間後、Creリコンビナーゼタンパク質及びMyomakerを発現するフソソームをDMEM培地の標的又は非標的レシピエント細胞に適用する。フソソームの用量は、ウェルに蒔いたレシピエント細胞の数と相関している。フソソームを適用した後、細胞プレートを400gで5分間遠心分離して、フソソームとレシピエント細胞との間の接触を開始するのを助ける。
フソソーム適用の4時間後に開始し、細胞ウェルを画像化して、フィールド又はウェル内のRFP陽性細胞及びGFP陽性細胞を明確に識別する。
個の実施例では、自動顕微鏡(www.biotek.com/products/imaging-microscopy-automated-cell-imagers/lionheart-fx-automated-live-cell-imager/)を使用して細胞プレートを画像化する。所与のウェルの総細胞集団を、最初にDMEM培地中のヘキスト33342で10分間細胞を染色することによって決定する。ヘキスト33342は、DNAにインターカレートすることで細胞核を染色するため、個々の細胞を識別するためにこれを使用する。染色後、ヘキスト培地を通常のDMEM培地に交換する。
ヘキストを、405nm LED及びDAPIフィルターキューブを使用して画像化する。GFPを、465nm LED及びGFPフィルターキューブを使用して画像化し、RFPを523nm LED及びRFPフィルターキューブを使用して画像化する。標的細胞及び非標的細胞のウェルの画像を、最初に陽性対照ウェル、すなわち、フソソームの代わりにCreリコンビナーゼをコードするアデノウイルスで処理されたレシピエント細胞のLED強度及び積分時間を確立することによって取得する。
取得設定は、ヘキスト、RFP、及びGFPの強度が最大ピクセル強度値になるが、飽和しないように設定される。次に、確立された設定を使用して、対象のウェルを画像化する。融合活性の経時的データを取得するために、ウェルを4時間ごとに画像化する。
GFP及びRFP陽性ウェルの分析を、蛍光顕微鏡又はその他のソフトウェア(Rasband,W.S.、ImageJ、米国国立衛生研究所、ベセスダ、メリーランド、米国、rsb.info.nih.gov/ij/、1997-2007)を備えたソフトウェアを用いて実行する。
画像を、幅60μmのローリングボールバック背景減算アルゴリズムを使用して前処理する。総細胞マスクは、ヘキスト陽性細胞に設定されている。バックグラウンド強度を大幅に超えるヘキスト強度の細胞をしきい値処理し、ヘキスト陽性細胞には小さすぎる又は大きすぎる領域を除外する。
全細胞マスク内で、GFP及びRFP陽性細胞を、バックグラウンドを大幅に超える細胞に再度しきい値設定を行い、細胞領域全体のヘキスト(核)マスクを拡張して、GFP及びRFP細胞の蛍光全体を含めることによって識別する。標的又は非標的レシピエント細胞を含む対照ウェルで同定されたRFP陽性細胞の数を使用して、フソソームを含むウェルのRFP陽性細胞の数から差し引く(非特異的LoxP組換えを差し引くため)。次に、RFP陽性細胞(融合したレシピエント細胞)の数を、各時点でのGFP陽性細胞(融合していないレシピエント細胞)とRFP陽性細胞の合計で割って、レシピエント細胞集団内のフソソーム融合の速度を定量化する。速度は、レシピエント細胞に適用されたフソソームの所与の用量に対して正規化されている。標的融合(標的細胞へのフソソーム融合)の速度については、的融合の速度を定量化するため、非標的細胞への融合速度を標的細胞への融合速度から差し引く。
一実施形態では、標的細胞とのフソソームの平均融合速度は、標的細胞融合の場合、1時間あたり0.01~4.0 RFP/GFP細胞の範囲、又はフソソームを含む非標的レシピエント細胞よりも、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上多くなる。一実施形態では、フソソームが適用されていない群は、1時間あたり0.01 RFP/GFP細胞未満のバックグラウンド率を示すであろう。
実施例43:膜タンパク質を送達するためのin vitro融合
この実施例では、in vitroでの細胞とのフソソーム融合について説明する。一実施形態では、in vitroでの細胞とのフソソーム融合は、レシピエント細胞への活性膜タンパク質の送達をもたらす。
この実施例では、センダイウイルスHVJ-Eタンパク質を発現するHEK293T細胞(Tanaka et al.,2015,Gene Therapy,22(October 2014),1-8.doi.org/10.1038/gt.2014.12)からフソソームが生成される。一実施形態では、フソソームは、主に筋肉及び脂肪組織に見られ、細胞へのグルコースのインスリン調節輸送に関与する膜タンパク質である、GLUT4を発現するように生成される。GLUT4を含む場合と含まない場合のフソソームは、前の実施例に記載される方法のいずれかによって説明したように、HEK293T細胞から調製される。
次に、C2C12細胞等の筋肉細胞を、GLUT4を発現するフソソーム、GLUT4を発現しないフソソーム、PBS(陰性対照)、又はインスリン(陽性対照)で処理する。C2C12細胞に対するGLUT4の活性は、蛍光2-デオキシグルコース類縁体である2-[N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジオキサール-4-イル)アミノ]-2-デオキシグルコース(2-NBDG)の取り込みによって測定される。C2C12細胞の蛍光を、前の実施例に記載された方法を使用する顕微鏡法によって評価する。
一実施形態では、GLUT4及びインスリンを発現するフソソームで処理されたC2C12細胞は、PBS又はGLUT4を発現しないフソソームで処理されたC2C12細胞と比較して増加した蛍光を示すと予想される。
また、Yang et al.,Advanced Materials 29,1605604,2017も参照。
実施例44:血管からの血管外漏出の測定
この実施例では、in vitroマイクロ流体システム(J.S Joen et al.2013,journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0056910)で試験した内皮単層全体のフソソーム血管外漏出の定量化について説明する。
細胞は血管系から周囲の組織に血管外漏出する。理論に拘束されることを望まないが、血管外漏出は、フソソームが血管外組織に到達するための1つの方法である。
このシステムには、ECM模倣ゲルを注入できるチャンバーによって分離された3つの独立してアドレス指定可能なメディアチャネルが含まれる。簡単に言えば、マイクロ流体システムは、成形されたPDMS(ポリジメチルシロキサン;Silgard 184;Dow Chemical、ミシガン州)を有し、これを介してアクセスポートが開けられ、カバーガラスに結合されてマイクロ流体チャネルが形成される。チャネルの断面寸法は、1mm(幅)×120μm(高さ)である。マトリックスの接着を強化するために、PDMSチャネルをPDL(ポリ-D-リジンヒドロブロミド;1mg/mL;Sigma-Aldrich、ミズーリ州セントルイス)溶液でコーティングする。
次に、リン酸緩衝生理食塩水(PBS;Gibco)及びNaOHを含むI型コラーゲン(BD Bioscience、米国カリフォルニア州サンノ)溶液(2.0mg/mL)を、4つの別々の充填ポートを介してデバイスのゲル領域に注入し、30分間インキュベートしてヒドロゲルを形成する。ゲルが重合すると、内皮細胞培地(Lonza又はSigma等の供給業者から入手)をすぐにチャネルにピペットで移し、ゲルの脱水を防ぐ。培地を吸引すると、希釈されたヒドロゲル(BD science)溶液(3.0mg/mL)を細胞チャネルに導入し、過剰なヒドロゲル溶液を冷培地を使用して洗い流す。
内皮細胞を中央チャネルに導入し、沈降させて内皮を形成させる。内皮細胞の播種から2日後、内皮細胞が完全な単層を形成した同じチャネルにフソソーム又はマクロファージ細胞(陽性対照)を導入する。フソソームは、単層に付着し、単層を越えてゲル領域に移動するように導入される。培養物を、37℃、5%CO2の加湿インキュベーターで維持する。フソソームのGFP発現バージョンを、蛍光顕微鏡による生細胞の画像化を可能にするために使用する。翌日、細胞を固定し、チャンバー内でDAPI染色を使用して核を染色し、共焦点顕微鏡を使用して複数の関心領域を画像化して、内皮単層を通過したフソソームの数を決定する。
一実施形態では、DAPI染色は、フソソーム及び陽性対照細胞が、播種後に内皮バリアを通過できることを示すであろう。
実施例45:走化性細胞移動度の測定
この実施例では、フソソーム走化性の定量化について説明する。細胞は、走化性を介して化学勾配に向かって、又は化学勾配から離れて移動することができる。一実施形態では、走化性は、フソソームが傷害部位にホーミングすること、又は病原体を追跡することを可能にする。前の実施例に記載された方法のいずれかによって産生された精製フソソーム組成物を、その走化性について以下のとおりアッセイする。
十分な数のフソソーム又はマクロファージ細胞(陽性対照)を、DMEM培地中、製造業者が提供するプロトコル(ibidi.com/img/cms/products/labware/channel_slides/S_8032X_Chemotaxis/IN_8032X_Chemotaxis.pdf)に従ってマイクロスライドウェルにロードする。フソソームを37℃、5%CO2で1時間放置して付着させる。細胞接着に続いて、DMEM(陰性対照)又はMCP1走化性物質を含むDMEMを中央チャネルの隣接するリザーバーにロードし、Zeiss倒立広視野顕微鏡を使用してフソソームを2時間連続して画像化する。画像を、ImageJソフトウェア(Rasband,W.S.、ImageJ、米国国立衛生研究所、ベセスダ、メリーランド、米国、rsb.info.nih.gov/ij/、1997~2007)を使用して分析する。観察された各フソソーム又は細胞の移動調整データを、手動追跡プラグイン(Fabrice Cordelieres,Institut Curie、フランス国オルセー)を使用して取得する。走化性プロット及び移動速度を、Chemotaxis and Migration Tool(ibidi)を使用して決定する。
一実施形態では、フソソームの平均累積距離及び移動速度は、ケモカインに対する陽性対照細胞の応答よりも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%範囲内又はそれ以上となる。ケモカインに対する細胞の応答は、例えば、Howard E.Gendelman et al.,Journal of Neuroimmune Pharmacology,4(1):47-59,2009に記載されている。
実施例46:ホーミング電位の測定
この実施例では、傷害の部位へのフソソームのホーミングを説明する。細胞は、遠位部位から移動することができる、及び/又は特定の部位、例えば、ホーミングするある部位に蓄積し得る。通常、その部位は傷害部位である。一実施形態では、フソソームは、例えば、傷害部位に移動するか、又は傷害部位に蓄積する。
8週齢のC57BL/6Jマウス(Jackson Laboratories)に、滅菌生理食塩水中の筋毒素であるノテキシン(NTX)(Accurate Chemical&Scientific Corp)を、右前脛骨筋(TA)に30G針を使用して2μg/mLの濃度で筋肉内(IM)注射することにより投与する。前脛骨筋(TA)の皮膚を、化学脱毛剤を使用して45秒間脱毛した後、水で3回すすいで準備する。この濃度を、筋線維の最大の変性、並びにそれらの衛星細胞、運動軸索及び血管への最小の損傷を確保するように選択する。
NTX注射後1日目に、マウスはホタルルシフェラーゼを発現するフソソーム又は細胞のIV注射を受ける。フソソームは、前の実施例に記載された方法のいずれかによってホタルルシフェラーゼを安定して発現する細胞から産生される。生物発光画像化システム(Perkin Elmer)を使用して、注射後0、1、3、7、21、及び28での動物全体の生物発光画像を取得する。
画像化の5分前に、ルシフェラーゼを可視化するために、マウスに生物発光基質(Perkin Elmer)を150mg/kgの用量で腹腔内注射する。画像化システムは、全てのデバイス設定を補正するように調整されている。生物発光シグナルは、放射輝度光子を使用して測定され、測定値として総フラックスが使用される。光子/秒で値を与えるため、ROIのシグナルを囲むことによって関心領域(ROI)を生成する。ROIは、NTXで処理されたTA筋肉と反対側のTA筋肉の両方で評価され、NTX処理とNTX未処理のTA筋肉間の光子/秒の比率は、NTX処理筋肉へのホーミングの尺度として計算される。
一実施形態では、フソソーム及び細胞におけるNTX処理及びNTX未処理のTA筋肉間の光子/秒の比は、1より大きく、傷害時のルシフェラーゼ発現フソソームの部位特異的蓄積を示す。
例えば、Plant et al.,Muscle Nerve 34(5)L 577-85,2006を参照。
実施例47:食作用活性の測定
この実施例は、フソソームの食作用を実証する。一実施形態では、フソソームは、食作用活性を有し、例えば、食作用が可能である。細胞は食作用に関与し、粒子を貪食し、バクテリア又は死細胞等の外来侵入者の隔離及び破壊を可能にする。
部分的又は完全な核不活化を有する哺乳動物マクロファージからのフソソームを含む、前の実施例に記載の方法のいずれか1つによって産生される精製フソソーム組成物は、病原体生体粒子を介してアッセイされる食作用が可能であった。この推定は、以下のプロトコルに従って蛍光食作用アッセイを使用することによって行われた。
マクロファージ(陽性対照)及びフソソームを、採取直後に別々の共焦点ガラス底皿に蒔いた。マクロファージ及びフソソームをDMEM+10%FBS+1%P/Sで1時間インキュベートして付着させた。フルオレセイン標識大腸菌(E.coli)K12及び非フルオレセイン標識大腸菌K-12(陰性対照)を、製造元のプロトコルに示されているようにマクロファージ/フソソームに添加し、2時間インキュベートした。tools.thermofisher.com/content/sfs/manuals/mp06694.pdf.2時間後、トリパンブルーを加えることにより遊離蛍光粒子を消光させた。貪食された粒子によって放出された細胞内蛍光を、488励起で共焦点顕微鏡によって画像化した。食作用陽性フソソームの数をImage Jソフトウェアを使用して定量化した。
食作用性フソソームの平均数は、生体粒子導入後2時間で少なくとも30%であり、陽性対照マクロファージでは30%を超えていた。
実施例48:タンパク質分泌の可能性の測定
この実施例では、フソソームによる分泌の定量化について説明する。一実施形態では、フソソームは、分泌、例えば、タンパク質分泌が可能である。細胞は分泌物を介して物質を処分又は排出することができる。一実施形態では、フソソームは、分泌を介してそれらの環境において化学的に相互作用し、通信する。
所定の速度でタンパク質を分泌するフソソームの能力を、ThermoFisher Scientificのガウシアルシフェラーゼフラッシュアッセイ(カタログ番号16158)を使用して決定する。前の実施例に記載される方法のいずれかによって産生されたマウス胚性線維芽細胞(陽性対照)又はフソソームを増殖培地でインキュベートし、最初にフソソームを1600gで5分間ペレット化し、次に上清を収集することにより、培地のサンプルを収集することによって15分ごとに培地のサンプルを収集する。収集したサンプルを、ピペットで底が透明な96ウェルプレートに入れる。次に、製造元の指示に従って、アッセイバッファーの希釈標準溶液を調製する。
簡単に説明すると、ルシフェリン又は発光分子であるセレンテラジンをフラッシュアッセイバッファーと混合し、サンプルを含む96ウェルプレートの各ウェルに混合物をピペットで移す。細胞又はフソソームを欠く陰性対照ウェルには、バックグラウンドのガウシアルシフェラーゼシグナルを測定するための増殖培地又はアッセイバッファーが含まれる。更に、発光シグナルを1時間あたりのガウシアルシフェラーゼ分泌分子に変換するために、精製されたガウシアルシフェラーゼの標準曲線(Athena Enzyme Systems、カタログ番号0308)を準備する。
500ミリ秒の積算時間を使用して、プレートの発光をアッセイする。バックグラウンドがウシアルシフェラーゼシグナルを全てのサンプルから差し引いた後、ガウシアルシフェラーゼ標準曲線を計算する。サンプルの測定値が検量線に収まらない場合は、適切に希釈して再分析する。このアッセイを使用して、フソソームがガウシアルシフェラーゼを所定の範囲内の速度(分子/時間)で分泌する能力を決定する。
一実施形態では、フソソームは、陽性対照細胞よりも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%又はそれ以上の速度でタンパク質を分泌することができるであろう。
実施例49:シグナル伝達電位の測定
この実施例では、フソソームにおけるシグナル伝達の定量化について説明する。一実施形態では、フソソームはシグナル伝達が可能である。細胞は、シグナル伝達として知られるプロセスで、リン酸化等のシグナル伝達カスケードを介して細胞外環境から分子シグナルを送受信できる。部分的又は完全な核不活化を有する哺乳動物細胞からのフソソームを含む、前の実施例に記載の方法のいずれか1つによって産生される精製フソソーム組成物は、インスリンによって誘導されるシグナル伝達が可能である。インスリンによって誘発されるシグナル伝達は、AKTリン酸化レベル、インスリン受容体シグナル伝達カスケードの重要な経路、及びインスリンに応答したグルコース取り込みを測定することによって評価される。
AKTリン酸化を測定するために、細胞、例えば、マウス胚性線維芽細胞(MEF)(陽性対照)、及びフソソームを48ウェルプレートに蒔き、37℃、5%CO2の加湿インキュベーターに2時間放置する。細胞接着に続いて、インスリン(例えば、10nM)、又はインスリンを含まない陰性対照溶液を、細胞又はフソソームを含むウェルに30分間添加する。30分後、タンパク質溶解物がフソソーム又は細胞から作られ、リン酸化AKTレベルをインスリン刺激及び対照非刺激サンプルでのウエスタンブロッティングによって測定する。
インスリン又は陰性対照溶液に応答したグルコース取り込みは、標識グルコース(2-NBDG)を使用して、グルコース取り込みの欄で説明されているように測定される。(S.Galic et al.,Molecular Cell Biology 25(2):819-829,2005).
一実施形態では、フソソームは、インスリンに応答して、AKTリン酸化及びグルコース取り込みを陰性対照に対して少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%以上増強するであろう。
実施例50:細胞膜を横切ってグルコースを輸送する能力の測定
この実施例では、生細胞でのグルコース取り込みを監視し、脂質二重層を通過する能動輸送を測定するために使用できる蛍光グルコース類似体である、2-NBDG(2-(N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ)-2-デオキシグルコース)のレベルの定量化について説明する。一実施形態では、このアッセイを使用して、フソソームの脂質二重層を横切るグルコース取り込み及び能動輸送のレベルを測定することができる。
フソソーム組成物は、前の実施例に記載された方法のいずれかによって産生される。次に、十分な数のフソソームを、グルコースを含まず、20%ウシ胎児血清、及び1×ペニシリン/ストレプトマイシンを含むDMEM中で37℃及び5%CO2で2時間インキュベートする。2時間のグルコース飢餓期間の後、培地を、グルコースを含ないDMEM、20%ウシ胎児血清、1×ペニシリン/ストレプトマイシン及び20uM 2-NBDG(ThermoFisher)を含むように交換し、更に37℃で5%CO2で2時間インキュベートする。
陰性対照のフソソームを、2-NBDGの代わりに同量のDMSOを加えることを除いて、同じように処理する。
次に、フソソームを1×PBSで3回洗浄し、適切なバッファーに再懸濁し、96ウェルの画像化プレートに移す。次に、GFPライトキューブ(469/35励起フィルター及び525/39発光フィルター)を使用して蛍光光度計で2-NBDG蛍光を測定し、1時間のロード期間で、フソソーム膜を通過してフソソームに蓄積された2-NBDGの量を定量化する。
一実施形態では、2-NBDG蛍光は、陰性(DMSO)対照と比較して、2-NBDG処理したフソソームで高くなる。525/39発光フィルターを使用した蛍光測定は、存在する2-NBDG分子の数と相関する。
実施例51:細胞質ゾル中のエステラーゼ活性の測定
この実施例は、フソソームにおける代謝活性の代用としてのエステラーゼ活性の定量化を説明している。フソソームの細胞質ゾルエステラーゼ活性は、カルセイン-AM染色の定量的評価によって決定される(Bratosin et al.,Cytometry 66(1):78-84,2005)。
膜透過性色素であるカルセイン-AM(Molecular Probes、米国オレゴン州ユージーン)をジメチルスルホキシド中の10mMの原液、及びPBSバッファー(pH7.4)中の100mMの希釈標準溶液として調製する。前の実施例に記載される方法のいずれかによって産生されたフソソーム又は陽性対照の親マウス胚性線維芽細胞をPBSバッファーに懸濁し、カルセイン-AM希釈標準溶液(カルセイン-AM中の最終濃度:5mM)と共に暗所で37℃で30分間インキュベートし、次にPBSバッファーで希釈して、カルセイン蛍光保持の即時フローサイトメトリー分析を行う。
フソソーム及び対照の親マウス胚性線維芽細胞を(Jacob et al.,Cytometry 12(6):550-558,1991)に記載されているように、サポニンによるゼロエステラーゼ活性の陰性対照として実験的に透過処理する。フソソーム及び細胞を、0.05%アジ化ナトリウムを含むPBSバッファー(pH7.4)中の1%サポニン溶液中で15分間インキュベートする。原形質膜透過性の可逆性により、サポニンを更なる染色及び洗浄工程に使用される全てのバッファーに含める。サポニン透過処理後、フソソームと細胞を0.1%サポニン及び0.05%アジ化ナトリウムを含むPBSバッファーに懸濁し、カルセイン-AMと共に最終濃度5mMまでインキュベートし(37℃、暗所で45分間)、0.1%サポニン及び0.05%アジ化ナトリウムを含む同じPBSで3回洗浄して、フローサイトメトリーで分析する。フローサイトメトリー分析は、FACSサイトメーター(Becton Dickinson、米国カリフォルニア州サンノゼ)で、488nmのアルゴンレーザー励起を使用して実行され、発光は530+/-30nmで収集される。取得及び分析にはFACSソフトウェアを使用する。光散乱チャネルを線形ゲインに設定し、蛍光チャネルを対数スケールで設定し、各条件で最低10,000個の細胞を分析する。相対的なエステラーゼ活性を、各サンプルのカルセイン-AMの強度に基づいて計算する。全ての事象を、前方及び側方散乱チャネルでキャプチャする(或いは、ゲートを適用して、フソソーム集団のみを選択することもできる)。フソソームの蛍光強度(FI)値は、それぞれの陰性対照のサポニン処理サンプルのFI値を差し引くことによって決定される。フソソームサンプルの正規化されたエステラーゼ活性は、細胞質ゾルのエステラーゼ活性の定量的測定値を生成するために、それぞれの陽性対照細胞サンプルに対して正規化されている。
一実施形態では、フソソーム調製物は、陽性対照細胞と比較して、1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%以内又はそれ以上のエステラーゼ活性を有するであろう。
Bratosin D,Mitrofan L,Palii C,Estaquier J,Montreuil J.Novel fluorescence assay using calcein-AM for the determination of human erythrocyte viability and aging.Cytometry A.2005 Jul;66(1):78-84、及びJacob BC,Favre M,Bensa JC.Membrane cell permeabilisation with saponin and multiparametric analysis by flow cytometry.Cytometry 1991;12:550-558も参照。
実施例52:フソソーム中のアセチルコリンエステラーゼ活性の測定
アセチルコリンエステラーゼ活性を、以前に記載された手順(Ellman,et al.,Biochem.Pharmacol.7,88,1961)及び製造業者の推奨事項に従うキット(MAK119、SIGMA)を使用して測定する。
簡単に説明すると、フソソームを、PBS、pH8中の1.25mMアセチルチオコリンに懸濁し、PBS、pH7中の0.1mM 5,5-ジチオ-ビス(2-ニトロ安息香酸)と混合する。インキュベーションは室温で行うが、光学密度の読み取りを開始する前に、フソソームと基質溶液を37℃で10分間予熱する。
吸光度の変化を、プレートリーダー分光光度計(ELX808、BIO-TEK機器、米国バーモント州ウィヌースキー)を使用して450nmで10分間モニターする。これとは別に、サンプルを、正規化のためのビシンコニン酸アッセイを介してフソソームのタンパク質含有量を決定するために使用する。このアッセイを使用して、フソソームは100 AChE活性単位/μgタンパク質未満を有すると決定される。
一実施形態では、AChE活性単位/タンパク質値μgは、0.001、0.01、0.1、1、10、100、又は1000未満となる。
実施例53:代謝活性レベルの測定
この実施例は、フソソームにおけるクエン酸合成酵素活性の測定の定量化を説明する。
クエン酸合成酵素は、トリカルボン酸(TCA)回路内の酵素であり、オキサロ酢酸(OAA)とアセチルCoAの間の反応を触媒してクエン酸を生成する。アセチルCoAが加水分解されると、チオール基を持つCoA(CoA-SH)が放出される。チオール基は化学試薬5,5-ジチオビス-(2-ニトロ安息香酸)(DTNB)と反応して、5-チオ-2-ニトロ安息香酸(TNB)を形成し、これは、412nmで分光光度的に測定できる黄色の生成物(Green2008)である。Abcamヒトクエン酸合成酵素活性アッセイキット(製品番号ab119692)等の市販のキットには、この測定を実行するために必要な全ての試薬が含まれている。
アッセイを製造業者の推奨に従って実行する。フソソームサンプル溶解物を、前の実施例に記載される方法のいずれかによって産生されたフソソームを収集し、それらを抽出バッファー(Abcam)に氷上で20分間可溶化することによって調製する。遠心分離後に上清を収集し、タンパク質含有量をビシンコニン酸アッセイ(BCA、ThermoFisher Scientific)で評価し、次の定量プロトコルが開始されるまで調製物を氷上に置く。
簡単に説明すると、フソソーム溶解物サンプルを、提供されたマイクロプレートウェル内の1×インキュベーションバッファー(Abcam)で希釈し、1セットのウェルは1×インキュベーションバッファーのみを受ける。プレートを密封し、300rpmで振とうしながら室温で4時間インキュベートする。次に、バッファーをウェルから吸引し、1×洗浄バッファーを追加する。この洗浄工程をもう一度繰り返す。次に、1×活性溶液を各ウェルに添加し、プレートをマイクロプレートリーダーで20秒ごとに30分間振とうしながら、412nmでの吸光度を測定することにより分析する。
バックグラウンド値(1×インキュベーションバッファーのみのウェル)を全てのウェルから差し引き、クエン酸合成酵素活性を、ロードしたフソソーム用海産物サンプル1μgあたりの1分あたりの吸光度の変化として表す(ΔmOD@412nm/分/ugタンパク質)。運動測定の100~400秒の線形部分のみを活性の計算に使用する。
一実施形態では、フソソーム調製物は、対照細胞と比較して、1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%以内又はそれ以上の合成酵素活性を有するであろう。
例えば、Green HJ et al.Metabolic,enzymatic,and transporter response in human muscle during three consecutive days of exercise and recovery.Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol 295:R1238-R1250,2008を参照。
実施例54:呼吸レベルの測定
この例では、フソソームの呼吸レベルの測定の定量化について説明する。細胞内の呼吸レベルは、代謝を促進する酸素消費量の尺度になり得る。Seahorse細胞外フラックスアナライザー(Agilent)により、酸素消費率のフソソーム呼吸を測定する(Zhang 2012)。
前の実施例に記載された方法又は細胞のいずれかによって産生されたフソソームを、96ウェルのSeahorseマイクロプレート(Agilent)に播種する。マイクロプレートを短時間遠心分離して、ウェルの底にあるフソソーム及び細胞をペレット化する。酸素消費量アッセイを、増殖培地を除去し、25mMグルコース及び2mMグルタミン(Agilent)を含む低緩衝DMEM最小培地で交換して、マイクロプレートを37℃で60分間インキュベートして、温度及びpHの平衡を可能にすることによって開始する。
次に、マイクロプレートを細胞外フラックスアナライザー(Agilent)で分析し、付着したフソソーム及び細胞のすぐ周囲の培地中の細胞外酸素及びpHの変化を測定する。定常状態の酸素消費量(基礎呼吸数)及び細胞外酸性化率を取得した後、ATP合成酵素を阻害するオリゴマイシン(5μM)及びミトコンドリアを脱共役するプロトンイオノフォアFCCP(カルボニルシアニド4-(トリフルオロメトキシ)フェニルヒドラゾン;2μM)をマイクロプレートの各ウェルに添加し、最大酸素消費率の値を取得する。
最後に、5μMのアンチマイシンA(ミトコンドリア複合体IIIの阻害剤)を添加して、呼吸の変化が主にミトコンドリアの呼吸によるものであることを確認する。アンチマイシンA添加後の最小酸素消費率を、全ての酸素消費測定値から差し引いて、ミトコンドリア以外の呼吸成分を除去する。オリゴマイシン(基礎からの酸素消費率の少なくとも25%の減少)又はFCCP(オリゴマイシン後の酸素消費率の少なくとも50%の増加)に適切に応答しない細胞サンプルを分析から除外する。次に、フソソームの呼吸レベルをO2/分/1e4フソソームとして測定する。
次に、この呼吸レベルを、それぞれの細胞呼吸レベルに正規化する。一実施形態では、フソソームは、それぞれの細胞サンプルと比較して、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%以上の呼吸レベルを有するであろう。
例えば、Zhang J,Nuebel E,Wisidagama DRR,et al.Measuring energy metabolism in cultured cells,including human pluripotent stem cells and differentiated cells.Nature protocols.2012;7(6):10.1038/nprot.2012.048.doi:10.1038/nprot.2012.048を参照。
実施例55:フソソームのホスファチジルセリンレベルの測定
この実施例は、フソソームの表面に結合するアネキシンVのレベルの定量化について説明する。
死にかけている細胞は、プログラムされた細胞死経路におけるアポトーシスのマーカーであるホスファチジルセリンを細胞表面に表示し得る。アネキシンVはホスファチジルセリンに結合するため、アネキシンV結合は細胞内での生存能力の代用となる。
フソソームを、本明細書に記載されるように産生した。アポトーシスシグナルを検出するために、フソソーム又は陽性対照細胞を5%アネキシンV蛍光594(A13203、Thermo Fisher、マサチューセッツ州ウォルサム)で染色した。各群(下記表に詳述)には、アポトーシス誘導物質であるメナジオンで処理した実験群を含めた。メナジオンを100μMで4時間添加した。全てのサンプルをフローサイトメーター(Thermo Fisher、マサチューセッツ州ウォルサム)で実行し、蛍光強度を波長561nmのYL1レーザー及び585/16nmの発光フィルターで測定した。細胞外ホスファチジルセリンの存在を、全ての群でアネキシンVの蛍光強度を比較することによって定量化した。
陰性対照の未染色フソソームは、アネキシンV染色に対して陽性ではなかった。
一実施形態では、フソソームは、メナジオンに応答して細胞表面上のホスファチジルセリン表示をアップレギュレートすることができ、非メナジオン刺激フソソームがアポトーシスを受けていないことを示している。一実施形態では、メナジオンで刺激された陽性対照細胞は、メナジオンで刺激されなかったフソソームよりも高レベルのアネキシンV染色を示した。
実施例56:ジャクスタクラインシグナル伝達レベルの測定
この実施例では、フソソームにおけるジャクスタクリンシグナル伝達の定量化について説明する。
細胞は、ジャクスタクラインシグナル伝達を介して細胞接触依存性シグナル伝達を形成することができる。一実施形態では、フソソームにおけるジャクスタクリンシグナル伝達の存在は、フソソームがそれらのすぐ近くの細胞を刺激し、抑制し、及び一般には通信することができることを示すであろう。
部分的又は完全な核不活化を有する哺乳動物骨髄間質細胞(BMSC)から前の実施例に記載された方法のいずれかによって産生されたフソソームは、マクロファージにおけるジャクスタクリンシグナル伝達を介してIL-6分泌を誘発する。一次マクロファージ及びBMSCを共培養する。骨髄由来マクロファージを最初に6ウェルプレートに播種し、24時間インキュベートした後、初代マウスBMSC由来フソソーム又はBMSC細胞(陽性対照親細胞)を10%FBSを含むDMEM培地のマクロファージに置く。上清を様々な時点(2、4、6、24時間)で収集し、ELISAアッセイによってIL-6分泌について分析する。(Chang J.et al.,2015)。
一実施形態では、BMSCフソソームによって誘導されるジャクスタクリンシグナル伝達のレベルは、培地中のマクロファージ分泌IL-6レベルの増加によって測定される。一実施形態では、ジャクスタクリンシグナル伝達のレベルは、陽性対照の骨髄間質細胞(BMSC)によって誘発されるレベルよりも少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%又はそれ以上大きくなる。
実施例57:パラクリンシグナリングレベルの測定
この例では、フソソームにおけるパラクリンシグナル伝達の定量化について説明する。
細胞は、パラクリンシグナル伝達を介して局所微小環境内の他の細胞と通信することができる。一実施形態では、フソソームは、パラクリンシグナル伝達が可能であり、例えば、それらの局所環境内の細胞と通信することができる。一実施形態では、パラクリン由来の分泌を介して内皮細胞においてCa2+シグナル伝達を誘発するフソソームの能力は、以下のプロトコルにより、カルシウムインジケーター、fluo-4 AMを介したCa2+シグナル伝達を測定する。
実験プレートを調製するため、マウス肺微小血管内皮細胞(MPMVEC)を0.2%ゼラチンコーティング25mmガラス底共焦点皿(80%コンフルエンス)に蒔く。MPMVECを、2%BSA及び0.003%プルロン酸を含むECM中で、最終濃度5μM fluo-4 AM(Invitrogen)と共に室温で30分間インキュベートし、fluo-4 AMのローディングを可能にする。ロード後、MPMVECは、色素の損失を最小限に抑えるために、スルフィンピラゾンを含む実験用画像化溶液(0.25%BSAを含むECM)で洗浄する。fluo-4をロードした後、500μLの予熱した実験用画像化溶液をプレートに加え、プレートをZeiss共焦点イメージングシステムで画像化する。
別のチューブで、新たに単離したマウスマクロファージを培地中の1μg/ml LPS(DMEM+10%FBS)で処理するか、LPSで処理しない(陰性対照)。刺激後、前の実施例に記載された方法のいずれかによってマクロファージからフソソームが生成される。
次に、フソソーム又は親マクロファージ(陽性対照)を、2%BSA及び0.003%プルロン酸を含むECM中のcell tracker red、CMTPX(Invitrogen)で標識する。次に、フソソームとマクロファージを洗浄し、実験用イメージング溶液に再懸濁する。標識されたフソソームとマクロファージを、共焦点プレートのfluo-4 AMをロードしたMPMVECに加える。
緑色及び赤色の蛍光シグナルは、Fluo-4 AM及びcell tracker redの蛍光に対してそれぞれ488及び561nmで励起される、アルゴンイオンレーザー光源を備えたZeiss共焦点イメージングシステムを使用して、3秒ごとに10~20分間記録される。Fluo-4の蛍光強度の変化を、イメージングソフトウェアを使用して分析する(Mallilankaraman,K.et al.,J Vis Exp.(58):3511,2011)。陰性対照のフソソーム及び細胞群で測定されたFluo-4強度のレベルを、LPSで刺激されたフソソーム及び細胞群から差し引く。
一実施形態では、フソソーム、例えば、活性化フソソームは、陽性対照細胞群よりも少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%又はそれ以上のFluo-4蛍光強度の増加を誘導する。
実施例58:移動度についてアクチンを重合する能力の測定
この実施例では、フソソームにおけるアクチン等の細胞骨格成分の定量について説明する。一実施形態では、フソソームは、アクチン等の細胞骨格成分を含み、アクチン重合が可能である。
細胞は、細胞骨格成分であるアクチンを運動性及びその他の細胞質プロセスに使用する。細胞骨格は、運動駆動力を生み出し、運動のプロセスを調整するために不可欠である
C2C12細胞を、本明細書に記載されるように除核した。12.5%及び15%のフィコール層から得られたフソソームをプールして「軽」とラベル付けし、16~17%の層から得られたフソソームをプールして「中」とラベル付けした。フソソーム又は細胞(親C2C12細胞、陽性対照)をDMEM+Glutamax+10%ウシ胎児血清(FBS)に再懸濁し、24ウェル超低付着プレート(3473番、Corning Inc、ニューヨーク州コーニング)に蒔き、37℃+5%CO2でインキュベートした。サンプルを定期的に採取し(5.25時間、8.75時間、26.5時間)、165μMローダミンファロイジンで染色し(陰性対照は染色されなかった)、F-アクチン細胞骨格含有量を測定するために、FCレーザーYL1(585/16フィルターで561nm)を使用してフローサイトメーター(A24858番、Thermo Fisher、マサチューセッツ州ウォルサム)で測定する。フソソーム中のローダミンファロイジンの蛍光強度を、未染色のフソソーム及び染色された親C2C12細胞と共に測定した。
フソソームの蛍光強度は、全ての時点で陰性対照よりも大きく(図1)、フソソームは、親のC2C12細胞と同様の速度でアクチンを重合することができた。
下記表に列挙される追加の細胞骨格成分を、製造業者の指示に従って、市販のELISAシステム(Cell Signaling Technology及びMyBioSource)を介して測定する。
次に、マイクロウェルストリップから100uLの適切に希釈された溶解物を適切なウェルに追加する。マイクロウェルをテープで密封し、37℃で2時間インキュベートする。インキュベーション後、密封テープを剥がし、内容物を廃棄する。各マイクロウェルを200uLの1×洗浄バッファーで4回洗浄する。個々に洗浄した後、プレートを吸収性の布に打ち付けて、残りの洗浄液を各ウェルから除去する。ただし、実験中はいつでもウェルが完全に乾燥しているわけではない。
次に、陰性対照ウェルを除いて、100ulの再構成された検出抗体(緑色)を個々のウェルに追加する。次にウェルを密閉し、37℃で1時間インキュベートする。インキュベーションが完了した後、洗浄手順を繰り返す。100uLの再構成されたHRP結合二次抗体(赤色)を各ウェルに加える。ウェルをテープで密封し、37℃で30分間インキュベートする。次に、密封テープを剥がし、洗浄手順を繰り返す。次に、100uLのTMB基質を各ウェルに加える。ウェルをC.37℃で10分間インキュベートし、次いで、テープで密封する。この最後のインキュベーションが完了したら、100uLの停止溶液を各ウェルに加え、プレートを数秒間穏やかに振とうする。
アッセイの分光光度分析を、停止溶液を添加してから30分以内に実施する。ウェルの下側をリントフリーティッシュで拭き、450nmで吸光度を読み取る。一実施形態では、検出抗体で染色されたフソソームサンプルは、陰性対照のフソソームサンプルよりも450nmでより多くの光を吸収し、検出抗体で染色された細胞サンプルよりも少ない光を吸収する。
実施例59:平均膜電位の測定
この実施例では、フソソームのミトコンドリア膜電位の定量化について説明する。一実施形態では、ミトコンドリア膜を含むフソソームは、ミトコンドリア膜電位を維持するであろう。
ミトコンドリアの代謝活性を、ミトコンドリアの膜電位によって測定することができる。フソソーム調製物の膜電位を、ミトコンドリア膜電位を評価するための市販の色素、TMRE(TMRE:テトラメチルローダミン、エチルエステル、過塩素酸塩、Abcam、カタログ番号T669)を使用して定量化する。
フソソームは、前の実施例で説明した方法のいずれかによって生成される。フソソーム又は親細胞を増殖培地(10%ウシ胎児血清を含むフェノールレッドフリーのDMEM)で6アリコート(未処理及びFCCP処理で3連)で希釈する。サンプルの1つのアリコートを、ミトコンドリア膜電位を排除し、TMRE染色を防ぐ脱共役剤であるFCCPと共にインキュベートする。FCCPで処理したサンプルの場合、2μMのFCCPをサンプルに添加し、分析前に5分間インキュベートする。次に、フソソームと親細胞を30nM TMREで染色する。各サンプルについて、未染色(TMREなし)のサンプルも並行して調製する。サンプルを37℃で30分間インキュベートする。次に、サンプルを488nmアルゴンレーザーを備えたフローサイトメーターで分析し、励起及び発光を530+/-30nmで収集する。
膜電位値(ミリボルト、mV)は、TMREの強度に基づいて計算される。全ての事象を、前方及び側方散乱チャネルでキャプチャする(或いは、ゲートを適用して、小さな破片を排除することもできる)。未処理サンプルとFCCP処理サンプルの両方の蛍光強度(FI)値は、未処理サンプル及びFCCP処理サンプルの幾何平均から未染色サンプルの蛍光強度の幾何平均を差し引くことによって正規化される。各調製物に関する膜電位状態は、TMRE蛍光に基づいてフソソーム又は細胞のミトコンドリア膜電位を決定するために使用できる修正ネルンスト方程式(以下を参照)で正規化された蛍光強度値を使用して計算される(TMREはネルンスト様式でミトコンドリアに蓄積するため)。
フソソーム又は細胞膜電位を次の式で計算する:(mV)=-61.5*log(FI未処理-正規化/FIFCCP-処理-正規化)。一実施形態では、C2C12マウス筋芽細胞からのフソソーム調製物に対してこのアッセイを使用すると、フソソーム調製物の膜電位状態は、親細胞よりも約1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%以内又はそれよりも大きくなる。一実施形態では、膜電位の範囲は、約-20~-150mVである。
実施例60:被験体における持続性半減期の測定
この実施例では、フソソーム半減期の測定について説明する。
フソソームは、前の実施例に記載された方法のいずれかによって産生されたガウシアルシフェラーゼを発現する細胞に由来し、純粋、1:2、1:5、及び1:10の希釈をバッファー中で行う。フソソームを欠くバッファーを陰性対照として使用する。
各用量を、3匹の8週齢の雄性C57BL/6Jマウス(Jackson Laboratories)に静脈内投与する。フソソームの静脈内投与の1、2、3、4、5、6、12、24、48、及び72時間後に、眼窩後静脈から血液を採取する。動物を実験の終わりにCO2吸入によって犠牲にする。
血液を室温で20分間遠心分離する。血清サンプルを、バイオアナリシスまで-80℃で直ちに凍結する。次に、各血液サンプルを使用して、サンプルをガウシアルシフェラーゼ基質(Nanolight、アリゾナ州パイントップ)と混合した後、ガウシアルシフェラーゼ活性アッセイを実行する。簡単に説明すると、ルシフェリン又は発光分子であるセレンテラジンをフラッシュアッセイバッファーと混合し、96ウェルプレートの血液サンプルを含むウェルに混合物をピペットで移す。血液を欠く陰性対照ウェルは、バックグラウンドのガウシアルシフェラーゼシグナルを測定するための増殖培地又はアッセイバッファーを含む。
更に、発光シグナルを1時間あたりのガウシアルシフェラーゼ分泌分子に変換するために、陽性対照の精製されたガウシアルシフェラーゼの標準曲線(Athena Enzyme Systems、カタログ番号0308)を準備する。500ミリ秒の積算時間を使用して、プレートの発光をアッセイする。バックグラウンドがウシアルシフェラーゼシグナルを全てのサンプルから差し引いた後、ガウシアルシフェラーゼ標準曲線を計算する。サンプルの測定値が検量線に収まらない場合は、適切に希釈して再分析する。1、2、3、4、5、6、12、24、48、及び72時間に採取したサンプルからのルシフェラーゼシグナルを、検量線に内挿する。消失速度定数ke(h-1)は次の1コンパートメントモデルの等式を用いて計算される:C(t)=C0×e-kext、式中、C(t)(ng/mL)は、時間t(h)のフソソームの濃度であり、C0は時間=0(ng/mL)のフソソームの濃度である。消失半減期T1/2、E(h)を、ln(2)/keとして計算する。
一実施形態では、フソソームは、陰性対照細胞より少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%又はそれ以の半減期を有するであろう。
実施例61:非エンドサイトーシス経路によるフソソームの送達
この実施例では、非エンドサイトーシス経路を介したレシピエント細胞へのCreのフソソーム送達の定量化について説明する。
一実施形態では、フソソームは、フソソーム媒介性の非エンドサイトーシス経路を介して作用物質を送達する。理論に拘束されることを望まないが、エンドサイトーシス媒介フソソーム取り込みを全く必要とせずに、フソソームの内腔内で運ばれる作用物質、例えばCreのレシピエント細胞の細胞質ゾルへの直接の送達は、フソソーム媒介非エンドサイトーシス経路送達により起こる。
この実施例では、フソソームは、その原形質膜上にセンダイウイルスH及びFタンパク質タンパク質を発現するHEK293T細胞(Tanaka et al.,2015,Gene Therapy,22(October 2014),1-8.https://doi.org/10.1038/gt.2014.123)を含む。更に、フソソームはmTagBFP2蛍光タンパク質及びCreリコンビナーゼを発現する。標的細胞は、CMVプロモーター下で「Loxp-GFP-stop-Loxp-RFP」カセットを安定して発現するRPMI8226細胞であり、Creによる組換えによりGFPからRFP発現に切り替わり、融合及びCreをマーカーとして送達を示す。
本明細書に記載の方法によって産生されたフソソームを、以下のように非エンドサイトーシス経路を介したCreの送達についてアッセイする。レシピエント細胞を、黒色の透明な底の96ウェルプレートに蒔く。次に、レシピエント細胞をプレーティングしてから24時間後、Creリコンビナーゼタンパク質を発現し、特定のフソゲンタンパク質を保有するフソソームを、DMEM培地でレシピエント細胞に適用する。非エンドサイトーシス経路を介したCre送達のレベルを決定するために、フソソームを受けるレシピエント細胞の並行群を、エンドソーム酸性化の阻害剤であるクロロキン(30μg/mL)で処理する。フソソームの用量は、ウェルに蒔いたレシピエント細胞の数と相関している。フソソームを適用した後、細胞プレートを400gで5分間遠心分離して、フソソームとレシピエント細胞との間の接触を開始するのを助ける。次に、細胞を16時間インキュベートし、作用物質の送達、Creを画像化によって評価する。
細胞を、フィールド又はウェル内のRFP陽性細胞とGFP陽性細胞を明確に識別するために画像化する。この実施例では、自動蛍光顕微鏡を使用して細胞プレートを画像化している。所与のウェルの総細胞集団を、最初にDMEM培地中のヘキスト33342で10分間細胞を染色することによって決定する。ヘキスト33342は、DNAにインターカレートすることで細胞核を染色するため、個々の細胞を識別するためにこれを使用する。染色後、ヘキスト培地を通常のDMEM培地に交換する。
ヘキストを、405nm LED及びDAPIフィルターキューブを使用して画像化する。GFPを、465nm LED及びGFPフィルターキューブを使用して画像化し、RFPを523nm LED及びRFPフィルターキューブを使用して画像化する。様々な細胞群の画像を、最初に陽性対照ウェル、すなわち、フソソームの代わりにCreリコンビナーゼをコードするアデノウイルスで処理されたレシピエント細胞のLED強度及び積分時間を確立することによって取得する。
取得設定は、ヘキスト、RFP、及びGFPの強度が最大ピクセル強度値になるが、飽和しないように設定される。次に、確立された設定を使用して、対象のウェルを画像化する。
GFP及びRFP陽性ウェルの分析を、蛍光顕微鏡又はその他のソフトウェア(Rasband,W.S.、ImageJ、米国国立衛生研究所、ベセスダ、メリーランド、米国、1997~2007)を備えたソフトウェアを用いて実行する。画像を、幅60μmのローリングボールバック背景減算アルゴリズムを使用して前処理する。総細胞マスクは、ヘキスト陽性細胞に設定されている。バックグラウンド強度を大幅に超えるヘキスト強度の細胞を用いてしきい値を設定し、ヘキスト陽性細胞には小さすぎる又は大きすぎる領域を除外する。
全細胞マスク内で、GFP及びRFP陽性細胞を、バックグラウンドを大幅に超える細胞に再度しきい値を設定し、細胞領域全体のヘキスト(核)マスクを拡張して、GFP及びRFP細胞の蛍光全体を含めることによって識別する。
レシピエント細胞を含む対照ウェルで同定されたRFP陽性細胞の数を使用して、フソソームを含むウェルのRFP陽性細胞の数から差し引く(非特異的LoxP組換えを差し引くため)。次に、RFP陽性細胞(Creを受け取ったレシピエント細胞)の数をGFP陽性細胞(Creを受け取っていないレシピエント細胞)とRFP陽性細胞の合計で割って、レシピエント細胞集団に送達されたフソソームCreの割合を定量化する。レベルは、レシピエント細胞に適用されたフソソームの所与の用量に対して正規化されている。非エンドサイトーシス経路を介して送達されるフソソームCreの値を計算するために、クロロキンの存在下でのフソソームCre送達のレベル(FusL+CQ)と並んで、クロロキンの不在下でのフソソームCre送達のレベル(FusL-CQ)を決定する。非エンドサイトーシス経路を介して送達されるフソソームCreの正規化された値を決定するために、次の式を使用する:[(FusL-CQ)-(FusL+CQ)]/(FusL-CQ)。
一実施形態では、所与のフソソームについて非エンドサイトーシス経路を介して送達されるフソソームCreの平均レベルは、0.1~0.95の範囲、又はクロロキンで処理されたレシピエント細胞少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上となる。
実施例62:エンドサイトーシス経路によるフソソームの送達
この実施例では、エンドサイトーシス経路を介したレシピエント細胞へのCreのフソソーム送達について説明する。
一実施形態では、フソソームは、フソソーム媒介性のエンドサイトーシス経路を介して作用物質を送達する。理論に拘束されることを望まないが、エンドサイトーシスに依存する取り込み経路を有するレシピエント細胞への、フソソームの内腔で運ばれる作用物質、例えばカーゴの送達は、フソソーム媒介エンドサイトーシス経路送達を介して起こる。
この実施例では、フソソームは、その原形質膜上にフソゲンタンパク質を発現するHEK293T細胞を2μmフィルターを通して押し出すことによって産生された微小胞を含む(Lin et al.,2016,Biomedical Microdevices,18(3).doi.org/10.1007/s10544-016-0066-y)(Riedel,Kondor-Koch,&Garoff,1984,The EMBO Journal,3(7),1477-83.www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/6086326から取得)。更に、フソソームはmTagBFP2蛍光タンパク質及びCreリコンビナーゼを発現する。標的細胞は、CMVプロモーター下で「LoxP-GFP-stop-LoxP-RFP」カセットを安定して発現するPC3細胞であり、Creによる組換えによりGFPからRFP発現に切り替わり、融合及びCreをマーカーとして送達を示す。
本明細書に記載の方法によって産生されたフソソームを、以下のようにエンドサイトーシス経路を介したCreの送達についてアッセイする。レシピエント細胞を、使用するイメージングシステムと互換性のある細胞培養マルチウェルプレートに蒔く(この実施例では、細胞を黒色の透明な底の96ウェルプレートに蒔く)。次に、レシピエント細胞をプレーティングしてから24時間後、Creリコンビナーゼタンパク質を発現し、特定のフソゲンタンパク質を保有するフソソームを、DMEM培地でレシピエント細胞に適用する。エンドサイトーシス経路を介したCre送達のレベルを決定するために、フソソームを受けるレシピエント細胞の並行群を、エンドソーム酸性化の阻害剤であるクロロキン(30μg/mL)で処理する。フソソームの用量は、ウェルに蒔いたレシピエント細胞の数と相関している。フソソームを適用した後、細胞プレートを400gで5分間遠心分離して、フソソームとレシピエント細胞との間の接触を開始するのを助ける。次に、細胞を16時間インキュベートし、作用物質の送達、Creを画像化によって評価する。
細胞を、フィールド又はウェル内のRFP陽性細胞とGFP陽性細胞を明確に識別するために画像化する。この実施例では、自動蛍光顕微鏡を使用して細胞プレートを画像化している。所与のウェルの総細胞集団を、最初にDMEM培地中のヘキスト33342で10分間細胞を染色することによって決定する。ヘキスト33342は、DNAにインターカレートすることで細胞核を染色するため、個々の細胞を識別するためにこれを使用する。染色後、ヘキスト培地を通常のDMEM培地に交換する。
ヘキストを、405nm LED及びDAPIフィルターキューブを使用して画像化する。GFPを、465nm LED及びGFPフィルターキューブを使用して画像化し、RFPを523nm LED及びRFPフィルターキューブを使用して画像化する。様々な細胞群の画像を、最初に陽性対照ウェル、すなわち、フソソームの代わりにCreリコンビナーゼをコードするアデノウイルスで処理されたレシピエント細胞のLED強度及び積分時間を確立することによって取得する。
取得設定は、ヘキスト、RFP、及びGFPの強度が最大ピクセル強度値になるが、飽和しないように設定される。次に、確立された設定を使用して、対象のウェルを画像化する。
GFP及びRFP陽性ウェルの分析を、蛍光顕微鏡又はその他のソフトウェア(Rasband,W.S.、ImageJ、米国国立衛生研究所、ベセスダ、メリーランド、米国、1997~2007)を備えたソフトウェアを用いて実行する。画像を、幅60μmのローリングボールバック背景減算アルゴリズムを使用して前処理する。総細胞マスクは、ヘキスト陽性細胞に設定されている。バックグラウンド強度を大幅に超えるヘキスト強度の細胞をしきい値処理し、ヘキスト陽性細胞には小さすぎる又は大きすぎる領域を除外する。
全細胞マスク内で、GFP及びRFP陽性細胞を、バックグラウンドを大幅に超える細胞に再度しきい値設定を行い、細胞領域全体のヘキスト(核)マスクを拡張して、GFP及びRFP細胞の蛍光全体を含めることによって識別する。
レシピエント細胞を含む対照ウェルで同定されたRFP陽性細胞の数を使用して、フソソームを含むウェルのRFP陽性細胞の数から差し引く(非特異的LoxP組換えを差し引くため)。次に、RFP陽性細胞(Creを受け取ったレシピエント細胞)の数をGFP陽性細胞(Creを受け取っていないレシピエント細胞)とRFP陽性細胞の合計で割って、レシピエント細胞集団に送達されたフソソームCreの割合を定量化する。レベルは、レシピエント細胞に適用されたフソソームの所与の用量に対して正規化されている。エンドサイトーシス経路を介して送達されるフソソームCreの値を計算するために、クロロキンの存在下でのフソソームCre送達のレベル(FusL+CQ)と並んで、クロロキンの不在下でのフソソームCre送達のレベル(FusL-CQ)を決定する。エンドサイトーシス経路を介して送達されるフソソームCreの正規化された値を決定するために、次の式を使用する:(FusL+CQ)/(FusL-CQ)。
一実施形態では、所与のフソソームについてエンドサイトーシス経路を介して送達されるフソソームCreの平均レベルは、0.01~0.6の範囲、又はクロロキンで処理されたレシピエント細胞少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上となる。
実施例63:ダイナミン媒介経路、マクロピノサイトーシス経路又はアクチン媒介経路によるフソソームの送達
この実施例では、ダイナミン媒介経路を介したレシピエント細胞へのCreのフソソーム送達について説明する。微小胞を含むフソソームを、前の実施例で説明したように産生することができる。フソソームを受けるレシピエント細胞の群をダイナミンの阻害剤であるダイナソア(120μM)で処理することを除いて、フソソームを、前の実施例に従って、ダイナミン媒介経路を介したCreの送達についてアッセイする。ダイナミン媒介経路を介して送達されるフソソームCreの値を計算するために、ダイナソアの存在下でのフソソームCre送達のレベル(FusL+DS)と並んで、ダイナソアの不在下でのフソソームCre送達のレベル(FusL-DS)を決定する。送達されたフソソームCreの正規化された値を、前の実施例で説明したように計算することができる。
この実施例では、マクロピノサイトーシスによるレシピエント細胞へのCreの送達について説明する。微小胞を含むフソソームを、前の実施例で説明したように産生することができる。フソソームを受けるレシピエント細胞の群をマクロピノサイトーシスの阻害剤である5-(N-エチル-N-イソプロピル)アミロライド(EIPA)(25μM)で処理する以外は、前述の実施例に従ってマクロピノサイトーシス介してCreの送達についてフソソームをアッセイする。マクロピノサイトーシスを介して送達されるフソソームCreの値を計算するために、EIPAの存在下でのフソソームCre送達のレベル(FusL+EPIA)と並んで、EPIAの不在下でのフソソームCre送達のレベル(FusL-EIPA)を決定する。送達されたフソソームCreの正規化された値を、前の実施例で説明したように計算することができる。
この実施例では、アクチン媒介経路を介したレシピエント細胞へのCreのフソソーム送達についても説明する。微小胞を含むフソソームを、前の実施例で説明したように産生することができる。フソソームを受けるレシピエント細胞の群がアクチン重合の阻害剤であるラトランクリンB(6μM)で処理されることを除いて、フソソームを前の実施例に従ってマクロピノサイトーシスによるCreの送達についてアッセイする。アクチン媒介経路を介して送達されるフソソームCreの値を計算するために、ラトランクリンBの存在下でのフソソームCre送達のレベル(FusL+LatB)と並んで、ラトランクリンBの不在下でのフソソームCre送達のレベル(FusL-LatB)を決定する。送達されたフソソームCreの正規化された値を、前の実施例で説明したように計算することができる。
実施例64:タンパク質のin vivo送達
この実施例では、フソソームによる眼への治療剤の送達について説明する。
フソソームは、前の実施例に記載された方法のいずれかを使用して造血幹細胞及び始原細胞に由来し、マウスノックアウトが不足しているタンパク質がロードされている。
フソソームを、タンパク質が不足しているマウスの右眼の網膜下に注射し、ビヒクル対照を、マウスの左眼に注射する。マウスのサブセットは、生後2か月に達したときに安楽死させる。
採取した網膜組織の組織学及びH&E染色を実施して、マウスの各網膜で救出された細胞の数を数える(Sanges et al.,The Journal of Clinical Investigation,126(8):3104-3116,2016に記載)。
注入されたタンパク質のレベルを、PDE6Bタンパク質に特異的な抗体を用いたウエスタンブロットを介して、2か月齢で安楽死させたマウスから採取した網膜で測定する。
一実施形態では、フソソームを投与されるマウスの左眼は、ビヒクルで処理されるマウスの右眼と比較して、網膜の外顆粒レベルに存在する核の数が増加するであろう。タンパク質の増加は、変異したPBE6Bタンパク質の相補性を示唆している。
実施例65:フソソーム投与後の奇形腫形成の評価
この実施例は、フソソームによる奇形腫形成がないことを説明する。一実施形態では、フソソームを被験体に投与されたときに奇形腫の形成をもたらさないであろう。
フソソームは、前の実施例で説明した方法のいずれかによって産生される。フソソーム、腫瘍細胞(陽性対照)又はビヒクル(陰性対照)をPBSでマウスの左側腹部(12~20週齢)に皮下注射する。奇形腫、例えば腫瘍の成長を、フソソーム、腫瘍細胞、又はビヒクル注射後8週間のキャリパー測定による腫瘍体積の決定によって週に2~3回分析する。
一実施形態では、フソソーム又はビヒクルを投与されたマウスは、キャリパー測定を介して、測定可能な腫瘍形成、例えば奇形腫を有さないであろう。一実施形態では、腫瘍細胞で処理された陽性対照動物は、8週間の観察にわたってキャリパーによって測定されるように、かなりの腫瘍、例えば奇形腫のサイズを示すであろう。
実施例66:フソソーム及びソース細胞における全RNAの測定
この実施例は、ソース細胞と比較したフソソーム中のRNAの量を定量化する方法を説明する。一実施形態では、フソソームは、ソース細胞と同様のRNAレベルを有するであろう。このアッセイでは、RNAレベルはトータルRNAを測定することによって決定される。
フソソームは、前の実施例に記載された方法のいずれかによって調製される。フソソーム及びソース細胞のタンパク質によって測定されたものと同じ質量の調製物を使用して、全RNAを単離し(例えば、Qiagen RNeasyカタログ番号74104等のキットを使用)、続いて標準的な分光法を使用してRNA濃度を決定し、RNA(例えば、Thermo Scientific NanoDropを使用)による吸光度を評価する。
一実施形態では、フソソーム中のRNAの濃度は、タンパク質の質量あたりソース細胞の濃度の5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%となる。
実施例67:細胞から自由に放出される融合性微小胞の単離
この実施例では、細胞から自由に放出される融合性微小胞の分離について説明する。融合性微小胞を以下のように単離した。9.2×106HEK-293T(ATCC、カタログ番号CRL-3216)を、100mmコラーゲンコーティングディッシュ(Corning)において、完全培地GlutaMAX(ThermoFisher)、10%胎児子牛血清(ThermoFisher)、及びペニシリン/ストレプトマイシン抗生物質(ThermoFisher)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM))7.5mL中、VSVgに対するオープンリーディングフレームを含むpcDNA3.1発現プラスミド10μg及びSV40核局在化配列を有するバクテリオファージP1 Creリコンビナーゼのオープンリーディングフレームを含むpcDNA3.1発現プラスミド15ugを含むXfectトランスフェクション試薬(Takara、カタログ番号631317)を使用して逆トランスフェクトした。播種の12時間後、7.5mLの完全培地を注意深く加えた。200×gで10分間遠心分離することにより、細胞を培地から分離した。上清を収集し、500×gで10分間を2回、2,000×gで15分間を1回、10,000×gで30分間を1回、70,000×gで60分間を1回を順次遠心分離した。自由に放出されたフソソームを、最後の遠心分離工程中にペレット化し、PBSに再懸濁し、70,000×gで再ペレット化した。最終ペレットをPBSに再懸濁した。
Wubbolts R et al.Proteomic and Biochemical Analyses of Human B Cell-derived Exosomes:Potential Implications for their Function and Multivesicular Body Formation.J.Biol.Chem.278:10963-10972 2003も参照。
実施例68:フソソームの平均サイズ分布の測定
この実施例では、フソソームの粒度分布の測定について説明する。
フソソームを、VSV-GによるHEK293Tの一過性トランスフェクション、除核、及びその後のフィコールによる分画によって、本明細書に記載されているように調製した。図3に示すように、実施例27の方法を使用して、フソソームを測定してサイズ分布を決定した。フソソームは、サンプルの90%以内で、親細胞のサイズ分布の変動の約50%未満、40%、30%、20%、10%、5%、又はそれ未満を有し得る。フソソームは、サンプルの90%以内で、親細胞のサイズ分布の変動の58%未満を有し得る。
実施例69:フソソームの平均体積
この実施例はフソソームの平均量の測定について説明する。フソソームのサイズ(例えば、体積)を変えることは、それらを別個のカーゴ積載、治療計画又は適用に関して用途の広いものにすることができる。
フソソームを、VSV-GによるHEK293Tの一過性トランスフェクション、除核、及びその後のフィコールによる分画によって、本明細書に記載されているように調製した。陽性対照はHEK293T細胞であった。
実施例27に記載されているようなNTA及び共焦点顕微鏡法の組み合わせによる分析を使用して、フソソームのサイズを決定した。図4に示すように、フソソームの直径を測定し、体積を計算した。フソソームは、直径が50nmを超える平均サイズを有することができると考えられる。フソソームは、直径129nmの平均サイズを有し得ると考えられる。
実施例70:可溶性タンパク質質量と不溶性タンパク質質量との比較
この実施例では、フソソーム中のタンパク質質量の可溶性:不溶性比の定量化について説明する。フソソームにおけるタンパク質質量の可溶性:不溶性の比率は、場合によっては、有核細胞のそれと類似し得る。
フソソームを、VSV-GによるHEK293Tの一過性トランスフェクション、除核、及びその後のフィコールによる分画によって、本明細書に記載されているように調製した。フソソーム調製物を、標準的なビシンコニン酸アッセイ(BCA)を使用して(例えば、Pierce(商標)BCAタンパク質アッセイキット、Thermo Fischer製品番号23225)試験し、可溶性:不溶性タンパク質比を決定した。可溶性タンパク質サンプルを、1×107細胞又はPBS中約1mg/mLの総フソソームの濃度で調製フソソーム又は親細胞を懸濁し、1,500×gで遠心分離して細胞をペレット化し、16,000×gでフソソームをペレット化することによって調製した。上清を可溶性タンパク質画分として収集した。
次に、フソソーム又は細胞をPBSに再懸濁した。この懸濁液は、不溶性タンパク質画分を表す。
付属のBSAを使用して、ウェルあたり0~15μgのBSAの検量線を作成した(2回行う)。フソソーム又は細胞調製物を、測定量が標準の範囲内になるように希釈した。フソソーム調製物を2回分析し、平均値を使用した。可溶性タンパク質濃度を不溶性タンパク質濃度で割って、可溶性:不溶性タンパク質比を算出した(図5)。
実施例71:標的細胞との融合の測定
麻疹ウイルス(MvH)の操作されたヘマグルチニン糖タンパク質及び融合タンパク質(F)を細胞表面に発現するHEK-293T細胞に由来するフソソーム、並びにCreリコンビナーゼタンパク質を、本明細書に記載するように生成した。MvHは、その天然の受容体結合が除去され、細胞表面抗原を認識する一本鎖抗体(scFv)を介して標的細胞の特異性が提供されるように設計されており、この場合、scFvは、T細胞受容体に対する供受容体、CD8を標的とするように設計されている。表面にフソゲンVSV-Gを発現し、Creリコンビナーゼタンパク質を含むHEK-293T細胞に由来する対照フソソームを使用した。標的細胞を、CMVプロモーター下で「Loxp-GFP-stop-Loxp-RFP」カセットを発現するように設計されたHEK-293T細胞であり、共受容体CD8a及びCD8bを過剰発現するように設計した。非標的細胞は、「Loxp-GFP-stop-Loxp-RFP」カセットを発現しているがCD8a/bの過剰発現がない同じHEK-293T細胞であった。標的又は非標的レシピエント細胞を30,000細胞/ウェルで黒色の透明底96ウェルプレートに蒔き、37℃及び5%CO2で10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地で培養した。レシピエント細胞をプレーティングしてから4~6時間後、Creリコンビナーゼタンパク質を発現するフソソーム及びMvH+Fを、DMEM培地の標的又は非標的レシピエント細胞に適用した。レシピエント細胞を10μgのフソソームで処理し、37℃及び5%CO2で24時間インキュベートした。
自動顕微鏡(www.biotek.com/products/imaging-microscopy-automated-cell-imagers/lionheart-fx-automated-live-cell-imager/)を使用して細胞プレートを画像化した。所与のウェルの総細胞集団は、DMEM培地中のヘキスト33342で10分間細胞を染色することによって決定された。ヘキスト33342は、DNAにインターカレートすることで細胞核を染色するため、個々の細胞を識別するためにこれを使用する。ヘキストを、405nm LED及びDAPIフィルターキューブを使用して画像化した。GFPを、465nm LED及びGFPフィルターキューブを使用して画像化し、RFPを523nm LED及びRFPフィルターキューブを使用して画像化した。標的細胞及び非標的細胞のウェルの画像を、最初に陽性対照ウェル、すなわち、フソソームの代わりにCreリコンビナーゼをコードするアデノウイルスで処理されたレシピエント細胞のLED強度及び積分時間を確立することによって取得した。
取得設定を、ヘキスト、RFP、及びGFPの強度が最大ピクセル強度値になるが、飽和しないように設定する。次に、確立された設定を使用して、対象のウェルを画像化した。ヘキストチャネルにオートフォーカスした後、GFP及びRFPチャネルに確立された焦点面を使用することにより、各ウェルにフォーカスを設定した。GFP及びRFP陽性細胞の分析は、自動蛍光顕微鏡を備えたGen5ソフトウェア(https://www.biotek.com/products/software-robotics-software/gen5-microplate-reader-and-imager-software/)を使用して実行した。
画像を、幅60μmのローリングボールバック背景減算アルゴリズムを使用して前処理した。バックグラウンド強度を大幅に超えるGFP強度を持つ細胞をしきい値処理し、GFP陽性細胞には小さすぎる又は大きすぎる領域を除外した。同じ分析手順をRFPチャネルに適用した。次に、RFP陽性細胞(Creを投与されたレシピエント細胞)の数をGFP陽性細胞(送達を示さなかったレシピエント細胞)とRFP陽性細胞の合計で割って、標的及び批評的レシピエント細胞集団とのフソソーム融合の量を示説明する、パーセントRFP変換を定量化した。標的融合(標的レシピエント細胞へのフソソーム融合)の量について、パーセントRFP変換値は、標的レシピエント細胞である(すなわち、CD8を発現する)レシピエント細胞の割合に正規化され、これは、フィコエリトリン(PE)に複合化された抗CD8抗体で染色し、フローサイトメトリーで分析することによって評価された。最後に、標的融合の絶対量を、標的細胞融合量から非標的細胞融合の量を差し引くことによって決定した(0未満の任意の値は0であると見なした)。
このアッセイでは、操作されたMvH(CD8)+Fを表面に発現し、Creリコンビナーゼタンパク質を含むHEK-293T細胞に由来するフソソームは、レシピエント細胞が、「Loxp-GFP-stop-Loxp-RFP」カセットを発現する標的HEK-293T細胞の場合、25.2+/-6.4%のRFP変換率を示、これらのレシピエント細胞の51.1%がCD8陽性であることが観察された。これらの結果から、RFP変換の正規化された割合又は標的融合の量を、標的融合について49.3+/-12.7%であると決定した。同じフソソームは、レシピエントが「Loxp-GFP-stop-Loxp-RFP」を発現しているがCD8を発現していない非標的HEK-293T細胞である場合、0.5+/-0.1%のRFP変換割合を示した。上記に基づいて、MvH(CD8)+Fフソソームの標的融合の絶対量は48.8%であると決定され、対照VSV-Gフソソームの標的融合の絶対量を0%であると決定した(図6)。
実施例72:細胞膜を横切ってグルコースを輸送する能力の測定
水疱性口内炎ウイルス(VSV-G)由来のエンベロープ糖タンパク質Gを細胞表面に発現し、Creリコンビナーゼタンパク質を発現するHEK-293T細胞からのフソソームを、フィコール勾配による超遠心分離の標準的な手順に従って生成し、本明細書に記載される小さな粒子のフソソームを得た。細胞膜を横切ってグルコースを輸送するフソソームの能力を測定するために、生細胞におけるグルコース取り込みをモニターするために使用できる蛍光グルコース類似体である2-NBDG(2-(N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ)-2-デオキシグルコース)のレベルを定量化して、脂質二重層を横切る能動輸送を評価した。Biovision Inc.から市販されているキット(カタログ番号K682)を、製造業者の指示に従ってアッセイに使用した。
簡単に説明すると、フソソームサンプルを、最初に、製造業者の指示に従って、ビシンコニン酸アッセイ(BCA,ThermoFisher、カタログ番号23225)によって総タンパク質含有量について測定した。次に、卓上遠心分離機で3000gで5分間遠心分離して40ugのフソソーム総タンパク質をペレット化し、続いて0.5%ウシ胎児血清を添加した400uLのDMEMに再懸濁した。これをサンプルごとに2回ずつ行い、複製の1つを、グルコース取り込み阻害の対照として、グルコース取り込みを阻害する天然フェノールである4uLのフロレチン(キットに付属)で処理した。次に、サンプルを室温で1時間インキュベートした。インキュベーション後、フソソームサンプルをペレット化し、あらかじめ調製した400uLのグルコース取り込みミックスに再懸濁した(配合については下記表10を参照)。フロレチンで前処理したサンプルを、フロレチンとのグルコース取り込みミックスに再懸濁し、前処理していないサンプルを、フロレチンの代わりに20uLのPBSを含むグルコース取り込みミックスに再懸濁した。また、フローサイトメトリー分析の陰性対照として0.5%FBSのみを含むDMEM培地にフソソームサンプルの並行セットを再懸濁した。
次いで、試料を37℃、5%CO2で30分間インキュベートした。インキュベーション後、細胞をペレット化し、1mLの1×分析バッファー(キットに付属)で1回洗浄し、再度ペレット化し、400uLの1×分析バッファーに再懸濁した。
次に、Invitrogen Attune NxTアコースティックフォーカシングサイトメーターを使用するフローサイトメトリー分析により、サンプルの2-NBDG取り込みを測定した。2-NBDGを488nmレーザーで励起し、発光を513±26nmで捕捉した。前方及び側方散乱ゲーティングを、当初はフソソームサイズのイベントをキャプチャし、小さな破片を廃棄するために使用した。2-NBDG陽性のイベントを、2-NBDG陰性対照サンプルが2-NBDG染色陽性のイベントの0.5%未満を示した最小レベルでゲーティングすることによって決定した。次に、2-NBDG蛍光陽性のゲート細胞を、フロレチン処理ありとなしのフソソームのグルコース取り込みの値を計算するために、2-NBDGの平均蛍光強度(F.I.)について評価した。
このアッセイでは、VSV-G及びCreを発現するHEK-293T細胞に由来するフソソームは、フロレチン処理なしで631.0+/-1.4の2-NBDG平均F.I.、及びフロレチン処理ありで565.5+/-4.9の平均F.I.を示した(図7)。
実施例73:細胞質ゾル中のエステラーゼ活性の測定
C2C12細胞からのフソソームは、フィコール勾配による超遠心分離の標準的な手順に従って生成され、本明細書に記載されるような小粒子フソソームを得た。フソソームの細胞質ゾルにおけるエステラーゼ活性を測定するために、生細胞の細胞膜を受動的に通過し、細胞質ゾルエステラーゼによって緑色の蛍光カルセインへと変換されるフルオレセイン誘導体及び非蛍光性の生体色素であって、無傷の膜及び不活性な多剤耐性タンパク質を持つ細胞によって保持されるカルセインAM(BD Pharmigen、カタログ番号564061)でサンプルを染色した。
簡単に説明すると、フソソームサンプルを、最初に、製造業者の指示に従って、ビシンコニン酸アッセイ(BCA,ThermoFisher、カタログ番号23225)によって総タンパク質含有量について測定した。次に、卓上遠心分離機で3000gで5分間遠心分離して20ugのフソソーム総タンパク質をペレット化し、続いて0.5%ウシ胎児血清を添加した400uLのDMEMに再懸濁した。膜透過性色素であるカルセイン-AMをジメチルスルホキシド中の10mMの原液、及びPBSバッファー(pH7.4)中の1mMの希釈標準溶液として調製した。VSV-Gフソソームは、DMEM培地で希釈したカルセイン-AMの1μM溶液で染色した。サンプルを37℃、暗所で30分間インキュベートした後、遠心分離によりペレット化した。PBSバッファーで2回洗浄した後、フソソームをPBSに再懸濁し、フローサイトメトリーで分析した。
Invitrogen Attune NxTアコースティックフォーカシングイトメーターを使用して、サンプルのカルセイン蛍光保持を測定した。カルセインAMを488nmレーザーで励起し、発光を513±26nmで捕捉した。前方及び側方散乱ゲーティングを、当初はフソソームサイズのイベントをキャプチャし、小さな破片を廃棄するために使用した。カルセイン陽性のイベントを、カルセイン陰性対照サンプルがカルセイン染色陽性のイベントの0.5%未満を示した最小レベルでゲーティングすることによって決定した。次に、カルセイン蛍光陽性のゲート細胞を、フソソームの細胞質ゾル中のエステラーゼ活性の値を計算するために、カルセインの平均蛍光強度(F.I.)について評価した。
このアッセイにより、C2C12細胞に由来するフソソームは、631.0+/-1.4のエステラーゼ活性(平均カルセインF.I.)を示した(図8)。
実施例74:フソソーム中のアセチルコリンエステラーゼ活性の測定
細胞表面に胎盤細胞間融合タンパク質シンシチン-1(Syn1)を発現し、Creリコンビナーゼタンパク質を発現するHEK-293T細胞からのフソソームを本明細書に記載のように生成した。アセチルコリンエステラーゼ活性をFluoroCet Quantitation Kit(System Biosciences、カタログ番号FCET96A-1)を使用して、製造業者の推奨に従って測定した。
簡単に説明すると、フソソームを120,000gで90分間の超遠心分離によりペレット化し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に注意深く再懸濁した。次のフソソームを、製造業者の指示に従って、ビシンコニン酸アッセイ(BCA、ThermoFisher、カタログ番号23225)によって総タンパク質含有量について定量化した。タンパク質濃度のBCA定量後、1000ngの総フソソームタンパク質をPBSで60uLの容量に希釈し、続いて60uLの溶解バッファーを添加して粒子を溶解した。氷上で30分間インキュベートした後、サンプルをFluoroCetアッセイで実行する準備を整えた。
96ウェルプレートの複製ウェルで、50uLの溶解フソソームサンプルを50uLのバッファーAの希釈標準原液及び50uLのバッファーBの希釈標準原液と混合した。並行して、126uLの1×反応バッファーに提供された2uLの標準曲線をピペッティングして標準曲線を作成した。次に、この標準溶液を5倍段階希釈して、2.0E+08、1.0E+08、5.0E+07、2.5E+07、1.25E+07、及び6.25E+06のアセチルコリンエステラーゼ活性のエクソソーム等価物からなる6点の検量線を作成した。次に、各標準液50uLを、96ウェルプレートの複製ウェルでバッファーAの希釈標準原液50uL及びバッファーBの希釈標準原液50uLと混合した。50uLの1×反応バッファーをブランクとして使用した。プレートの側面を軽くたたいて混合し、続いて暗所において室温で20分間インキュベートした。次に、励起:530~570nm及び発光:590~600nmに設定された蛍光プレートリーダーを使用して、プレートを直ちに測定した。プレートを30秒間振とうしてから読み取った。
次に、ブランクウェルからRFU値を差し引いた後、相対蛍光単位(RFU)を、アセチルコリンエステラーゼ活性の既知のエクソソーム当量に対してプロットした。次に、線形回帰直線を計算し、その式を使用して、測定されたRFU値からフソソームサンプルのアセチルコリンエステラーゼ活性(エクソソーム同等物)を決定した。Syn1フソソームについて測定されたアセチルコリンエステラーゼ活性を表11に示す。
実施例75:代謝活性レベルの測定
水疱性口内炎ウイルス(VSV-G)由来のエンベロープ糖タンパク質Gを細胞表面に発現し、Creリコンビナーゼタンパク質を発現するHEK-293T細胞からのフソソームを本明細書に記載されるように生成した。フソソーム調製物の代謝活性レベルを決定するために、クエン酸合成酵素活性を、必要な全ての試薬を提供するSigmaから市販されているキット(カタログ番号CS0720)を使用して評価した。クエン酸合成酵素は、トリカルボン酸(TCA)回路内の酵素であり、オキサロ酢酸(OAA)とアセチルCoAの間の反応を触媒してクエン酸を生成する。アセチルCoAが加水分解されると、チオール基を持つCoA(CoA-SH)が放出される。チオール基は化学試薬5,5-ジチオビス-(2-ニトロ安息香酸)(DTNB)と反応して、5-チオ-2-ニトロ安息香酸(TNB)を形成し、これは、412nmで分光光度的に測定できる黄色の生成物を有する。
アッセイを製造業者の推奨に従って実行した。簡単に説明すると、フソソームサンプルを、最初に、製造業者の指示に従って、ビシンコニン酸アッセイ(BCA,ThermoFisher、カタログ番号23225)によって総タンパク質含有量について測定した。次に、400ugのフソソーム総タンパク質を、卓上遠心分離機で3000gで5分間遠心分離することによりペレット化した。再度ペレット化し、氷冷PBSに再懸濁することにより、フソソームを1回洗浄した。フソソームを再びペレット化し、上清を除去した。ペレットを、1×プロテアーゼ阻害剤を含む100uLのCellLytic Mバッファーで溶解した。ピペッティングにより混合した後、溶解したサンプルを室温で15分間インキュベートして溶解を完了した。次に、サンプルを12,000gで10分間遠心分離し、上清を新しいマイクロ遠心チューブに移し、次のアッセイが行われるまで-80℃で保存した。
クエン酸合成酵素活性アッセイを開始するために、全てのアッセイ溶液を使用前に室温まで温めた。溶解したフソソームサンプルを、以下の表12に従ってアッセイ溶液と混合した。
表12の容量は、96ウェルプレートの単一ウェルの容量を表している。サンプルを2回測定した。反応の全ての成分を混合し、96ウェルプレートの単一ウェルにピペットで移した。次に、412nmでの吸光度をマイクロプレートリーダーで1.5分間分析し、ベースライン反応を測定した。次に、10uLの10mM OAA溶液を各ウェルに添加して、反応を開始した。プレートをマイクロプレートリーダーで10秒間振とうした後、412nmでの吸光度を1.5分間読み取り、10秒ごとに測定した。
クエン酸合成酵素活性を計算するために、412nmでの吸光度を各反応の時間に対してプロットした。1分あたりの吸光度の変化を、OAA添加前(内因性活性)と後(総活性)のプロットの線形範囲に対して計算した。次に、サンプルの総活性から内因性活性を差し引くことにより、正味のクエン酸合成酵素活性を計算した。次に、この値を使用して、製造元から提供された式と定数値に基づいてクエン酸合成酵素活性を計算した。VSV-Gフソソームの測定されたクエン酸合成酵素活性は1.57E-02+/-1.86E-03umol/ugフソソーム/分であった。
実施例76:呼吸レベルの測定
水疱性口内炎ウイルス(VSV-G)由来のエンベロープ糖タンパク質Gを細胞表面に発現するHEK-293T細胞からのフソソームを、フィコール勾配による超遠心分離の標準的な手順に従って生成し、本明細書に記載される小さな粒子のフソソームを得た。Seahorse細胞外フラックスアナライザー(Agilent)でミトコンドリアの酸素消費率を測定することにより、フソソーム調製物の呼吸レベルを決定した。
簡単に説明すると、フソソームサンプルを、最初に、製造業者の指示に従って、ビシンコニン酸アッセイ(BCA,ThermoFisher、カタログ番号23225)によって総タンパク質含有量について測定した。次に、卓上遠心分離機で3000gで5分間遠心分離により20μgのフソソーム総タンパク質をペレット化し、続いて、25mMグルコース及び2mMグルタミン(pH7.4)を添加したXFアッセイ培地(Agilent カタログ番号103575-100)150μLに再懸濁した(4重)。次に、再懸濁したサンプルを96ウェルSeahorseプレート(Agilent)の1つのウェルに加えた。
酸素消費アッセイを、サンプルを含む96ウェルのSeahorseプレートを37℃で60分間インキュベートして、温度及びpHが平衡に達するようにすることで開始した。次に、マイクロプレートをXF96細胞外フラックスアナライザー(Agilent)でアッセイして、フソソームのすぐ周囲の培地における酸素及びpHの細胞外フラックス変化を測定した。定常状態の酸素消費量及び細胞外酸性化率を取得した後、ATP合成酵素を阻害するオリゴマイシン(5μM)及びミトコンドリアを脱共役するプロトンイオノフォアFCCP(カルボニルシアニド4-(トリフルオロメトキシ)フェニルヒドラゾン;2μM)を、試薬送達チャンバーを通してマイクロプレートの各ウェルに順次注入して、最大酸素消費率の値を取得した。最後に、5μMのアンチマイシンA(ミトコンドリア複合体IIIの阻害剤)を注入して、呼吸の変化が主にミトコンドリアの呼吸によるものであることを確認した。アンチマイシンA呼吸数を、他の3つの呼吸数から差し引いて、基底、非結合(オリゴマイシン耐性)、及び最大(FCCP誘導)ミトコンドリア呼吸数を決定した。
このアッセイを使用して、ドナーVSV-Gフソソームが、下記表13に従って、基礎、非結合、及び最大の酸素消費(呼吸)数を示すことが決定された。
実施例77:フソソームのホスファチジルセリンレベルの測定
水疱性口内炎ウイルス(VSV-G)由来のエンベロープ糖タンパク質Gを細胞表面に発現し、Creリコンビナーゼタンパク質を発現するHEK-293T細胞からのフソソームを、フィコール勾配による超遠心分離の標準的な手順に従って生成し、本明細書に記載される小さな粒子のフソソームを得た。フソソームのホスファチジルセリンレベルを測定するために、Alexa Fluor 647色素(カタログ番号A23204)と複合化された市販のアネキシンVを製造業者の指示に従って使用して、アネキシンV染色を行った。アネキシンVは、原形質膜の外側の小葉に露出したときにホスファチジルセリンに結合できる細胞タンパク質であるため、サンプルに結合するアネキシンVの読み取りは、サンプル中のホスファチジルセリンレベルの評価を提供できる。
簡単に説明すると、フソソームサンプルを、最初に、製造業者の指示に従って、ビシンコニン酸アッセイ(BCA,ThermoFisher,カタログ番号23225)によって総タンパク質含有量について測定した。次に、卓上遠心分離機で3000gで5分間遠心分離(3連のサンプル)して40μgのフソソーム総タンパク質をペレット化し、続いて2%ウシ胎児血清を添加した400uLのDMEMに再懸濁した。1つのサンプルを40μMのアンチマイシンAで処理した。次に、サンプルを37℃で1時間インキュベートした。インキュベーション後、サンプルを再度遠心分離によりペレット化し、100μLのアネキシン結合バッファー(ABB;10mM HEPES、140mM NaCl、2.5mM CaCl2、pH7.4)に再懸濁した。次に、Alexa Fluor 647と複合化された5μLのアネキシンVを各サンプルに添加した(アネキシンV染色のない陰性対照を除く)。サンプルを室温で15分間インキュベートした後、400μLのABBを添加した。
次に、Invitrogen Attune NxTアコースティックフォーカシングサイトメーターを使用するフローサイトメトリー分析により、サンプルのアネキシンV染色を測定した。Alexa Fluor 647と複合化されたアネキシンVを638nmレーザーで励起し、670±14nmで発光を捕捉した。前方及び側方散乱ゲーティングを、当初はフソソームサイズのイベントをキャプチャし、小さな破片を廃棄するために使用した。Alexa Fluor 647(アネキシンV)染色に陽性イベントを、未染色のアネキシンV陰性対照サンプルがAlexa Fluor 647染色に陽性のイベントの0.5%未満を示した最小レベルでゲーティングすることによって決定した。次に、Alexa Fluor 647染色に陽性のゲートイベントを、親集団全体のアネキシンV陽性イベント(前方/側方散乱ゲートのフソソームサイズイベント)の割合について評価し、この値をフソソームサンプルでホスファチジルセリンレベルの定量化として使用した。
このアッセイでは、VSV-G及びCreを発現するHEK-293T細胞に由来するフソソームは、アンチマイシンA処理なしで63.3±2.3%の%アネキシンV陽性フソソームを示し、アンチマイシンA処理により67.6±5.7%のアネキシンV陽性フソソームの割合を示した。
実施例78:平均ミトコンドリア膜電位の測定
水疱性口内炎ウイルス(VSV-G)由来のエンベロープ糖タンパク質Gを細胞表面に発現し、Creリコンビナーゼタンパク質を発現するHEK-293T細胞からのフソソームを、フィコール勾配による超遠心分離の標準的な手順に従って生成し、本明細書に記載される小さな粒子のフソソームを得た。フソソームの平均ミトコンドリア膜電位レベルを測定するために、ミトコンドリア膜電位に感受性の市販の色素、テトラメチルローダミン、エチルエステル、過塩素酸塩(TMRE;Abcam、カタログ番号T669)を使用して、ミトコンドリア膜電位を評価した。TMRE蛍光強度(FI)をサンプル中のミトコンドリアの量に正規化するために、MitoTracker Green FM色素(MTG;ThermoFisher、カタログ番号M7514)を使用してサンプルを共染色し、TMRE FIをMTG FI、たがってサンプル中のミトコンドリアの量に正規化した。更に、カルボニルシアニド-p-トリフルオロメトキシフェニルヒドラゾン(FCCP;Sigma カタログ番号C2920)を使用して、ミトコンドリア膜電位を完全に脱分極させ、TMRE FIの減少に基づいたミリボルト単位の定量化を可能にするために、サンプルの並列セットを処理した。
簡単に説明すると、フソソームサンプルを、最初に、製造業者の指示に従って、ビシンコニン酸アッセイ(BCA,ThermoFisher,カタログ番号23225)によって総タンパク質含有量について測定した。次に、40μgのフソソーム総タンパク質を卓上遠心分離機で3000gで5分間遠心分離(未処理及びFCCP処理の複製のサンプルについて4重のサンプル)してペレット化し、続いて2%ウシ胎児血清を添加し、それぞれ30nM及び200nMの最終濃度でTMRE及びMTG色素を含む、100uLのDMEMに再懸濁した。フソソームサンプルの並行セットを、陰性対照として染色せずに残した。サンプルを37℃で45分間インキュベートした。インキュベーション後、サンプルを遠心分離によりペレット化し、30nm TMREを含むフェノールレッドフリーの400μLのDMEM培地に再懸濁した。フローサイトメトリーによる評価の前に、1セットの複製を20μM FCCPで5分間処理した。
次に、Invitrogen Attune NxTアコースティックフォーカシングサイトメーターを使用するフローサイトメトリー分析により、サンプルのアネキシンV染色を測定した。MTGを488nmレーザーで励起し、発光を530±30nmで捕捉した。TMREを561nmレーザーで励起し、発光を585±16nmで捕捉した。前方及び側方散乱ゲーティングを、当初はフソソームサイズのイベントをキャプチャし、小さな破片を廃棄するために使用した。MTG及びTMREに陽性のイベントを、未染色陰性対照サンプルがMTG又はTMRE染色陽性のイベントの0.5%未満を示した最小レベルでゲーティングすることによって決定した。次に、MTG及びTMRE染色に陽性のゲートイベントを、MTG及びTMREの平均FIについて評価した。
膜電位値(ミリボルト、mV)を、TMRE FI値をMTG FI値に正規化した後のTMREの強度に基づいて計算する。このTMRE/MTG比の値により、TMRE強度をサンプル中のミトコンドリアの量に正規化できる。未処理サンプルとFCCP処理サンプルの両方のTMRE/MTG比の値を計算し、TMRE蛍光に基づいてミトコンドリア膜電位を決定できる修正ネルンスト方程式(以下を参照)を使用して、ミリボルト単位の膜電位を決定するために使用する(TMREはネルンスト様式でミトコンドリアに蓄積するため)。フソソーム膜電位を次の式で計算する:(mV)=-61.5*log(FI未処理/FI(FCCP-処理))。この式を使用することにより、VSV-Gフソソームサンプルの計算されたミトコンドリア膜電位は-29.6±1.5ミリボルトであった。
実施例79:被験体における標的化能の測定(BiVs-Cre Gesicles)
この実施例は、特定の身体部位を標的とするフソソームの能力を評価する。フソソームは、本明細書に記載の方法を使用して誘導され、cre-リコンビナーゼタンパク質がロードされていた。
2用量のフソソーム(1×及び3×)をLoxPルシフェラーゼ(Jackson Laboratory、005125)に送達し、マウスに尾静脈から静脈内(I.V.)注射した。マウスをヒートランプ(250W(赤外線)ヒートランプ電球を使用)の下に約5分間(又はマウスがひげを過度に手入れし始めるまで)置いて、尾静脈を拡張させた。マウスを拘束具の上に置き、静脈をよりよく視覚化するために尾を70%エタノールで拭き取った。
ツベルクリンシリンジを使用して、200μLのフソソーム1×溶液(8.5e8±1.4e8粒子/μL、平均(SEM))又は3×溶液(2.55e9±1.4e8粒子/μL、平均(SEM))を静脈内注射した。注射が完了したら、注射器を取り外し、注射部位に圧力をかけた。
融合後、CREタンパク質は核に転座して組換えを行い、ルシフェラーゼの構成的発現をもたらした。処理から3日後、被験体の腹側領域を、その領域を脱毛することによって準備した(Nair除毛クリームを45秒間、続いて70%エタノールでその領域を洗浄した)。次に、被験体を腹腔内投与によりD-ルシフェリン(Perkin Elmer、150mg/kg)で処理した。これにより、in vivo生物発光イメージングによるルシフェラーゼ発現の検出が可能になった。動物が動かないようにコーン麻酔器(イソフルラン)を収容するin vivo生物発光イメージングチャンバー(Perkin Elmer)に動物を入れた。D-ルシフェリンの薬物動態クリアランスによる最大生物発光シグナルを観察するために、注射後3~15分の間に光子収集を行った。最大放射輝度は、光子/秒/cm2/ラジアンで記録された。領域全体の放射輝度を統合する総フラックスは、Living Image Software(Perkin Elmer)内の関心領域(ROI)ツールを使用して定量化し、光子/秒で報告された。
フソソームによるタンパク質(Creリコンビナーゼ)送達の証拠は、図9A~9Bに示すように、動物のレシピエント組織における生物発光イメージングによって検出された。シグナルは主に脾臓と肝臓で見られ、3×群が最も高いシグナルを示した。
全身イメージングに続いて、マウスを頸椎脱臼し、肝臓、心臓、肺、腎臓、小腸、膵臓、及び脾臓を収集し、安楽死から5分以内にイメージングした。フソソームによる肝臓及び脾臓へのタンパク質(Creリコンビナーゼ)送達の証拠は、動物の抽出されたレシピエント組織における生物発光イメージングによって検出された。これは、図10A~10Bからわかる。シグナルは脾臓で最も高く、心臓で最も低く、3×群が最も高い有意なシグナルを示した(心臓と比較してp=0.0004)。
実施例80:リソソーム酸性化とは独立した経路を介するフソソームの送達
多くの場合、標的細胞への複雑な生物学的カーゴの侵入は、エンドサイトーシスによって達成される。エンドサイトーシスでは、カーゴがエンドソームに入る必要があり、エンドソームは成熟して酸性化したリソソームになる。不利なことに、エンドサイトーシスを介して細胞に入るカーゴは、エンドソーム又はリソソームに捕捉され、細胞質に到達できなくなる場合がある。カーゴはまた、リソソームの酸性条件によって損傷を受ける可能性がある。一部のウイルスは、標的細胞への非エンドサイトーシス侵入が可能であるが、このプロセスは完全には理解されていない。この実施例は、ウイルスのフソゲンを残りのウイルスから分離し、他のウイルスタンパク質を欠くフソソームに非エンドサイトーシスの侵入を与えることができることを示している。
細胞表面にニパウイルス受容体結合Gタンパク質及び融合Fタンパク質(NivG+F)を発現し、Creリコンビナーゼタンパク質を発現するHEK-293T細胞からのフソソームを、フィコール勾配による超遠心分離の標準的な手順に従って生成し、本明細書に記載される小さな粒子のフソソームを得た。非エンドサイトーシス経路を介したレシピエント細胞へのフソソームの送達を実証するために、NivG+Fフソソームを使用してレシピエントCMVプロモーター下で「Loxp-GFP-stop-Loxp-RFP」カセットを発現するように設計されたHEK-293T細胞を処理した。NivFタンパク質は、pH非依存性エンベロープ糖タンパク質であり、活性化とその後の融合活性のために環境酸性化を必要としないことが示されている(Tamin,2002)。
レシピエント細胞を30,000細胞/ウェルで黒色の透明底96ウェルプレートに蒔いた。レシピエント細胞をプレーティングしてから4~6時間後、Creリコンビナーゼタンパク質を発現するNivG+Fフソソームを、DMEM培地の標的又は非標的レシピエント細胞に適用した。フソソームサンプルを、最初に、製造業者の指示に従って、ビシンコニン酸アッセイ(BCA,ThermoFisher,カタログ番号23225)によって総タンパク質含有量について測定した。レシピエント細胞を10μgのフソソームで処理し、37℃及び5%CO2で24時間インキュベートした。NivG+Fフソソームを介したCre送達が非エンドサイトーシス経路を介したことを実証するために、NivG+Fフソソーム処理を受けたレシピエント細胞の平行ウェルを、エンドソーム/リソソーム酸性化の阻害剤であるバフィロマイシンA1(Baf;100nM;Sigma,カタログ番号B1793)で同時処理した。
自動顕微鏡(www.biotek.com/products/imaging-microscopy-automated-cell-imagers/lionheart-fx-automated-live-cell-imager/)を使用して細胞プレートを画像化した。所与のウェルの総細胞集団は、DMEM培地中のヘキスト33342で10分間細胞を染色することによって決定された。ヘキスト33342は、DNAにインターカレートすることで細胞核を染色するため、個々の細胞を識別するためにこれを使用した。ヘキスト染色を、405nm LED及びDAPIフィルターキューブを使用して画像化した。GFPを、465nm LED及びGFPフィルターキューブを使用して画像化し、RFPを523nm LED及びRFPフィルターキューブを使用して画像化した。標的細胞及び非標的細胞のウェルの画像を、最初に、フソソームの代わりにCreリコンビナーゼをコードするアデノウイルスで処理されたレシピエント細胞を含む陽性対照ウェルのLED強度及び積分時間を確立することによって取得した。
取得設定は、ヘキスト、RFP、及びGFPの強度が最大ピクセル強度値になるが、飽和しないように設定された。次に、確立された設定を使用して、対象のウェルを画像化した。ヘキストチャネルにオートフォーカスした後、GFP及びRFPチャネルに確立された焦点面を使用することにより、各ウェルにフォーカスを設定した。GFP及びRFP陽性細胞の分析は、自動蛍光顕微鏡を備えたGen5ソフトウェア(https://www.biotek.com/products/software-robotics-software/gen5-microplate-reader-and-imager-software/)を使用して実行した。
画像を、幅60μmのローリングボールバック背景減算アルゴリズムを使用して前処理した。バックグラウンド強度を大幅に超えるGFP強度を持つ細胞をしきい値処理し、GFP陽性細胞には小さすぎる又は大きすぎる領域を除外した。同じ分析手順をRFPチャネルに適用した。次に、RFP陽性細胞(Creを投与されたレシピエント細胞)の数をGFP陽性細胞(送達を示さなかったレシピエント細胞)とRFP陽性細胞の合計で割って、レシピエント細胞とのフソソーム融合の量を示す、RFP変換の割合を定量化した。
このアッセイでは、表面にNivG+Fを発現し、Creリコンビナーゼタンパク質を含むHEK-293T細胞に由来するフソソームは、リソソーム非依存性経路を介した有意な送達を示し、これは、エンドサイトーシスを介した取り込みを阻害するためにレシピエント細胞をBafで同時処理した場合でも、NivG+FフソソームによるCreカーゴの有意な送達によって証明されるように、非エンドサイトーシス経路を介した侵入と一致している(図11)。この場合、Baf同時処理によるカーゴ送達の抑制は23.4%であった。
実施例81:移動度についてアクチンを重合する能力の測定
フソソームは、本明細書に記載されているように、細胞表面に水疱性口内炎ウイルス(VSV-G)からのエンベロープ糖タンパク質Gを発現するHEK-293T細胞から産生されたフソソームを収集及び調製する標準的な手順によって産生された。対照粒子(非融合性フソソーム)は、pcDNA3.1空ベクターで一過性に逆トランスフェクトされたHEK-293T細胞から産生された。次に、フソソーム及び親細胞を、ローダミンファロイジンフローサイトメトリーアッセイ及びチューブリンELISAを用いて、アクチンを重合する能力について(時間の経過と共に)アッセイした。簡単に言えば、標準VSV-Gのフソソーム調製物60μLに対応するおよそ1×106のフソソーム及びフソソームを生成するために使用される1×105親細胞を、完全な96ウェル低付着マルチウェルプレートで完全培地1mLに播種し、37℃、5%CO2でインキュベートした。プレーティング後3時間、5時間、24時間に定期的にサンプルを採取した。サンプルを21,000×gで10分間遠心分離し、リン酸緩衝生理食塩水中の200uL4%(v/v)PFAに10分間再懸濁し、1mLのリン酸緩衝生理食塩水で洗浄し、21,000×gで10分間遠心分離し、再度洗浄して、更に使用するまで4℃で保存した。
ロアミン-ファロイジン染色では、サンプルを21,000×gで10分間遠心分離し、リン酸緩衝生理食塩水中の0.1%(v/v)Triton X-100 100uLで20分間インキュベートした。20分間のインキュベーション後、165μMローダミン-ファロイジンを含むリン酸緩衝生理食塩水中の0.1%(v/v)Triton X-100を更に100uLサンプルに加え、ピペットで混合し、陰性対照を受け取り、リン酸緩衝生理食塩水のみに溶解した100uLの0.1%(v/v)Triton X-100を更に100uL加えた。サンプルを45分間インキュベートした後、1mLのリン酸緩衝生理食塩水で洗浄し、21,000×gで10分間遠心分離し、再度洗浄し、300uLのリン酸緩衝生理食塩水に再懸濁し、下記表に示すように、励起に561nmレーザー及び585+/-16nmフィルター発光を使用するフローサイトメトリー(Attune,ThermoFisher)で分析した:
取得にはAttune NxTソフトウェアを使用し、分析にはFlowJoを使用した。データ収集のため、FSC及びSSCチャネルを直線軸上に設定して、細胞又はフソソームを代表する集団を決定した。その後、この集団をゲートして、このゲート内のイベントのみを使用して、585+/-16nm発光チャネルのイベントを対数スケールで表示した。細胞又はフソソームゲート内の最低10,000のイベントを、各条件で収集した。データ分析のため、FSC及びSSCチャネルを直線軸上に設定して、細胞又はフソソームを代表する集団を決定した。その後、この集団をゲートして、このゲート内のイベントのみを使用して、585+/-16nm発光チャネルのイベントを対数スケールで表示した。陰性対照585+/-16nmの発光を使用して、ヒストグラムのどこにゲートを配置するかを決定し、ゲートに含まれる正の値が1%未満になるようにした。上記の分析基準を使用すると、親細胞は、3時間、5時間、及び24時間の時点で、それぞれ19.9%、24.8%、及び82.5%のローダミン-ファロイジン陽性イベントを示した。フソソームは、3時間、5時間、及び24時間の時点で、それぞれ44.6%、41.9%、及び34.9%のローダミン-ファロイジンであった(図2)。この例は、親細胞が増加するのに対し、フソソームは時間の経過と共にアクチンの量が増加しないことを示している。
実施例82:フソソーム中のGAPDHの測定
この実施例では、フソソーム内のグリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)のレベル、及び親細胞と比較したフソソーム内のGAPDHの相対レベルの定量化について説明する。フソソームを、実施例67及び86に記載されているように調製した。
GAPDHを、GAPDH用の標準的な市販のELISA(ab176642、Abcam)を製造元の指示に従って使用して、親細胞及びフソソームで測定した。総タンパク質レベルを、ビシンコニン酸アッセイを介して同様に測定した。測定されたGAPDH及びタンパク質レベルを以下の表に示す。
GAPDH:総タンパク質比も図12に示す。
実施例83:フソソーム中の脂質対タンパク質の比
この実施例では、フソソームの脂質質量とタンパク質質量の比率の定量化について説明する。フソソームは、有核細胞のそれと同様の脂質質量対タンパク質質量の比を有することができると考えられる。フソソーム及び親細胞を、本明細書の実施例67及び86に記載されているように調製した。
脂質含有量は、市販のリン脂質アッセイキット(MAK122 Sigma、ミズーリ州セントルイス)を製造元の指示に従って使用して、総脂質のサブセットとしてコリン含有リン脂質を使用して計算した。フソソームの総タンパク質含有量を、本明細書に記載されているようにビシンコニン酸アッセイを介して測定した。測定されたリン脂質レベル、タンパク質レベル、及びタンパク質に対するリン脂質の比率を図13及び下記表に示す:
実施例84:フソソーム中のDNAに対するタンパク質の比
この実施例では、フソソームのタンパク質質量とDNAの比率の定量化について説明する。フソソームは、細胞のそれよりもはるかに大きいタンパク質質量対DNA質量の比を有することができると考えられる。フソソームを、実施例67及び86に記載されているように調製した。
フソソーム及び細胞の総タンパク質含有量を、本明細書に記載されているようにビシンコニン酸を介して測定した。フソソーム及び細胞のDNA質量は、市販の分離キット(#69504 Qiagen、ドイツ国ヒルデン)を製造元の指示に従って使用して、全DNAを抽出した後、280nmでの吸収によって測定した。総核酸に対するタンパク質の比率を、総タンパク質含有量を総DNA含有量で割って、典型的なフソソーム調製物の所与の範囲内の比率をもたらすことによって決定した。測定されたタンパク質レベル、DNAレベル、及びタンパク質対DNAの比を図14及び下記表に示す:
実施例85:フソソーム中のDNAに対する脂質の比
この実施例では、親細胞と比較したフソソームの脂質とDNAの比率の定量化について説明する。一実施形態では、フソソームは、親細胞と比較して、DNAに対する脂質のより大きな比率を有するであろう。フソソームを、実施例67及び86に以前に記載されたように調製した。
この比率は、実施例40に概説されている脂質含有量として定義され、核酸含有量は、実施例41に記載されているように決定される。測定された脂質レベル、DNAレベル、及び脂質対DNAの比を図15及び下記表に示す:
実施例86:フソソーム中の脂質組成の測定
この実施例では、フソソームの脂質組成の定量化について説明する。フソソームの脂質組成は、それらが由来する細胞に類似している可能性があると考えられる。脂質組成は、サイズ、静電相互作用、及びコロイド挙動等、フソソーム及び細胞の重要な生物物理学的パラメーターに影響を与える。
脂質測定は質量分析に基づいていた。フソソームを、10cmディッシュでのVSV-G及びGFPの一過性トランスフェクションによって本明細書に記載されるように調製し、続いてトランスフェクションの48時間後の馴化培地の濾過及び超遠心分離によってフソソームを得た。トランスフェクトされた細胞を、馴化培地と並行して採取し、分析のために提出した。エクソソームを、VSV-G又はGFPでトランスフェクトされていない細胞からも採取した。
質量分析に基づく脂質分析は、記載されているように(Sampaio et al.2011)、Lipotype GmbH(ドイツ国ドレスデン)によって実施された。脂質を、2段階のクロロホルム/メタノール手順を使用して抽出した(Ejsing et al.2009)。サンプルを、カルジオリピン16:1/15:0/15:0/15:0(CL)、セラミド18:1;2/17:0(Cer)、ジアシルグリセロール17:0/17:0(DAG)、ヘキソシルセラミド18:1;2/12:0(HexCer)、リゾホスファチジル酸17:0(LPA)、リゾホスファチジルコリン12:0(LPC)、リゾホスファチジルエタノールアミン17:1(LPE)、リゾホスファチジルグリセロール17:1(LPG)、リゾホスファチジルイノシトール17:1(LPI)、リゾホスファチジルセリン17:1(LPS)、ホスファチデート17:0/17:0(PA)、ホスファチジルコリン17:0/17:0(PC)、ホスファチジルエタノールアミン17:0/17:0(PE)、ホスファチジルグリセロール17:0/17:0(PG)、ホスファチジルイノシトール16:0/16:0(PI)、ホスファチジルセリン17:0/17:0(PS)、コレステロールエステル20:0(CE)、スフィンゴミエリン18:1;2/12:0;0(SM)、トリアシルグリセロール17:0/17:0/17:0(TAG)及びコレステロールD6(Chol)を含む内部脂質標準混合物でスパイクした。
抽出後、有機相を注入プレートに移し、高速真空濃縮器で乾燥させた。第1段階の乾燥抽出物をクロロホルム/メタノール/プロパノール(1:2:4、V:V:V)中の7.5mM酢酸アンモニウムに再懸濁し、第2段階の乾燥抽出物をクロロホルム/メタノール中のメチルアミンの33%エタノール溶液(0.003:5:1;V:V:V)に再懸濁した。全ての液体処理工程を、有機溶媒ピペッティング用のAnti Droplet Control機能を備えたHamilton Robotics STARletロボットプラットフォームを使用して行った。
サンプルを、TriVersa NanoMateイオン源(Advion Biosciences)を備えたQExactive質量分析計(Thermo Scientific)に直接注入して分析した。サンプルを、MSの場合はRm/z=200=280000、MSMS実験の場合はRm/z=200=17500の分解能で、正イオンモードと負イオンモードの両方で1回の取得で分析した。MSMSを、1Daの増分でスキャンされた対応するMS質量範囲を含むインクルージョンリストによってトリガーした(Surma et al.2015)。MSとMSMSの両方のデータを組み合わせて、CE、DAG、及びTAGイオンをアンモニウム付加物として、PC、PC O-を酢酸付加物として、CL、PA、PE、PE O-、PG、PI及びPSを脱プロトン化陰イオンとして監視した。MSを、LPA、LPE、LPE O-、LPI、及びLPSを脱プロトン化陰イオンとして、Cer、HexCer、SM、LPC及びLPC O-をアセチル化誘導体の酢酸付加物として、並びにコレステロールをアセチル化誘導体のアンモニウム付加物として監視するためだけに使用した(Liebisch et al.2006)。
データを、LipidXplorerに基づく社内開発の脂質識別ソフトウェアを使用して分析した(Herzog et al.2011;Herzog et al.2012)。データの後処理及び正規化は、社内で開発されたデータ管理システムを使用して実行された。更なるデータ分析のため、シグナル対ノイズ比が5を超え、シグナル強度が対応するブランクサンプルよりも5倍高い脂質同定のみを検討した。
フソソーム脂質組成を親細胞の脂質組成と比較し、検出されなかった脂質種にゼロの値を割り当てた。フソソーム及び親細胞で同定された脂質種を以下の表に示す。
フソソーム及び親細胞は、≧親細胞の複製サンプルで同定された脂質種の70%が、任意のフソソームの複製サンプルに存在し、同定された脂質のうち、フソソームの平均レベルが、親細胞における対応する平均脂質種レベルの25%を超える可能性がある場合、同様の脂質組成を有し得ると考えられる。
実施例87:フソソーム中のプロテオーム組成の測定
この実施例では、フソソームのタンパク質組成の定量化について説明する。フソソームのタンパク質組成は、それらが由来する親細胞に類似している可能性があると考えられる。
フソソーム及び親細胞を、実施例67及び86の方法により、本明細書に記載されるように調製した。
各サンプルを溶解バッファー(6M尿素、2Mチオ尿素、4%CHAPS、50mM Tris pH8.0)に再懸濁し、氷浴で超音波処理し、小さなゲージのシリンジに通した。タンパク質を65℃で15分間10mM DTTで還元させ、15mMヨードアセトアミド(IAA)を用いて暗所、室温で30分間アルキル化した。過剰なIAAを、追加の10mM DTTでクエンチした。次に、8倍量の氷冷アセトン+1倍量の氷冷メタノールを加えてタンパク質を沈殿させ、-80℃に一晩置いた。沈殿したタンパク質を遠心分離によりペレット化した。残りの溶解バッファーを200μlの氷冷メタノールで3回洗浄した。タンパク質を0.75M尿素+50mM Tris pH8.0+1μgトリプシン/LysCに再懸濁し、撹拌しながら37℃で4時間前消化した。更に1μgのトリプシン/LysCをタンパク質に加え、消化を一晩続けました。ペプチドを逆相SPEで精製し、LC-MSで分析した。
各条件の複製サンプルを溶解し、1つのチューブにまとめた。次に、このプールをサンプルと同じ調製プロトコルにかけ、情報依存型取得でLC-MSによって分析するか、又は以下に説明するようにゲル上で分離した。
合計100μgのプールされたタンパク質を2×Laemmliローディングバッファーに入れ、12.5%SDS PAGEで分離した。タンパク質をクマシーブルーで簡単に染色し、タンパク質レーンを12の画分に分けた。次に、各画分を50%アセトニトリルで脱水し、還元のために10mM DTTで再水和した。ゲル片を65℃で15分間置き、暗所で15mM IAA用いて室温で30分間アルキル化した。ゲルを更に50%アセトニトリルで脱水し、1μgのトリプシン/LysCを含む50mM Tris pH8で37℃で一晩再水和した。ペプチドを、脱水及び超音波処理によってゲルから抽出した。ペプチドを逆相SPEで精製し、LC-MS/MS(画分あたり1×IDA)で分析した。
取得は、25μm iDキャピラリーを備えたエレクトロスプレーインターフェースを装備し、Eksigent μUHPLC(Eksigent、米国カリフォルニア州レッドウッドシティ)に連結されたABSciex TripleTOF 5600(ABSciex、米国カリフォルニア州フォスターシティ)を使用して行った。Analyst TF 1.7ソフトウェアを使用して、機器を制御し、データの処理及び取得を行った。ゲル又は未分画プールからの12の画分に対して、情報依存型取得(IDA)モードで取得を実行した。サンプルをSWATH取得モードで分析した。IDAモードの場合、電源電圧は5.2kVに設定され、225℃に維持され、カーテンガス(curtain gas)は27psi、ガス1は12psi、ガス2は10psiに設定された。SWATHモードの場合、電源電圧は5.5kVに設定され、225℃に維持され、カーテンガスは25psi、ガス1は16psi、ガス2は15psiに設定され。分離は、60℃に維持された逆相HALO C18-ESカラム、内径0.3mm、粒子2.7μm、長さ150mm(Advance Materials Technology、デラウェア州ウィルミントン)で行った。サンプルを、5μLのループにループオーバーフィルすることによって注入した。60分のLC勾配では、移動相は、3μL/分の流速で、次の溶媒A(水中の0.2%v/vギ酸及び3%DMSO v/v)及び溶媒B(EtOH中の0.2%v/vギ酸及び3%DMSO)で構成されていた。
サンプル分析用のイオンライブラリを生成するために、IDAの実行によって生成されたwiffファイルに対してProteinPilotソフトウェアを実行した。このデータベースは、Peakviewソフトウェア(ABSciex)で使用され、3つのトランジション/ペプチド及び15のペプチド/タンパク質を使用して、各サンプルのタンパク質を定量化した。定量化されたタンパク質の数を最大化するために、サンプルを、同じパラメーターを使用して、公開されているヒトSWATHデータベース(Atlas)で定量化した。Peakviewによって計算されたスコアが1.5よりも優れており、FDRが1%未満の場合、ペプチドは適切に測定されたと見なされた。各データベースからの定量化を、両方のデータベースからのタンパク質名を使用して1つの最終的な定量化に結合した。全てのサンプルの総シグナルの平均と比較したときに、そのサンプル内の全てのタンパク質の総シグナルを考慮に入れて、全てのサンプルの補正係数を算出した。
フソソームプロテオミクス組成物を親細胞プロテオミクス組成物と比較した。同定されたタンパク質の33%超がフソソームに存在する場合、フソソームと親細胞の間で同様のプロテオミクス組成が観察され、それらの同定されたタンパク質のうち、下記表に示すように、そのレベルは、親細胞において対応するタンパク質レベルの25%超であった。
実施例88:フソソームあたりの内因性タンパク質又は合成タンパク質のレベルの定量
この実施例では、フソソームの内因性又は合成タンパク質カーゴの定量について説明する。フソソームは、場合によっては、内因性又は合成タンパク質カーゴを含むことができる。この実施例に記載されているフソソーム又は親細胞は、内因性タンパク質の発現を変更するか、又は治療的な若しくは新規の細胞機能を媒介する合成カーゴを発現するように設計された。
GFPを発現するフソソーム及び親細胞を、実施例67及び86の方法により、本明細書に記載されるように調製した。フソソーム中のGFPの定量化を、市販のELISAキット(ab171581 Abcam、英国ケンブリッジ)を製造元の指示に従って使用して行った。フソソームの定量化を、NanoSight NS300(Malvern Instruments、英国ウスターシャー、マルバーン)を使用したナノ粒子追跡分析によって実行した。結果を下記の表に示す。
フソソームは、フソソームあたり、少なくとも1、2、3、4、5、10、20、50、100、又はそれ以上のタンパク質作用物質分子を有することができると考えられる。一実施形態では、フソソームは、フソソームあたり166個のタンパク質作用物質分子を有するであろう。
実施例89:フソソーム中のエキソソソームタンパク質のマーカーの測定
このアッセイは、エクソソームの特異的マーカーであることが知られているタンパク質の割合の定量化について説明している。
フソソームを、実施例67及び86の方法により、本明細書に記載されるように調製した。親細胞がVSV-G又はGFPでトランスフェクトされなかったことを除いて、エクソソームを、実施例67及び86の方法によって、フソソームについて本明細書に記載されるように調製した。フソソーム及びエクソソームの質量分析によるタンパク質の定量化は、本明細書の実施例35に記載されているように実施した。
得られたタンパク質定量データを分析して、既知のエクソソームマーカーCD63のタンパク質レベル及び割合を決定した。群あたりの平均対数強度を、質量分析からの強度値に1を加算し、log10で変換し、反復全体の平均を計算することによって計算した。結果を図16に示す。
実施例90:フソソームにおけるカルネキシンの測定
このアッセイでは、フソソーム内のカルネキシン(CNX)のレベル、及び親細胞と比較したフソソーム内のCNXの相対レベルの定量化について説明する。
フソソーム及び親細胞を、本明細書の実施例67及び86に記載されているように調製した。カルネキシン及び総タンパク質を、実施例35の方法に従って実施された質量分析を使用して測定した。親細胞及びフソソームについて決定されたカルネキシンシグナル強度を図17に示す。
実施形態では、このアッセイを使用すると、フソソーム中のCNXの平均分画含有量(実施例35で本明細書に記載されるように計算される)は、2.43×10-4未満となであろう。
一実施形態では、親細胞から調製物までの総タンパク質あたりのカルネキシンの減少は、ng/μgで、88%を超えるであろう。
実施例91:フソソーム中のDNAに対する脂質の比
この実施例では、親細胞と比較したフソソームの脂質とDNAの比率の定量化について説明する。一実施形態では、フソソームは、親細胞と比較して、DNAに対する脂質のより大きな比率を有するであろう。フソソームを、実施例67及び86に以前に記載されたように調製した。
この比率は、実施例40に概説されている脂質含有量として定義され、核酸含有量は、実施例41に記載されているように決定される。図18及び下記表に示すように、フソソームは親細胞よりも高い脂質:DNA比を示すことがわかった。
実施例92:フソソーム上の表面マーカーの分析
このアッセイでは、フソソームの表面マーカーの同定について説明する。
フソソームを、本明細書で実施例67及び86に記載されているように調製した。ホスファチジルセリンを、本明細書の実施例67及び86に記載されているように、質量分析によって測定した。下記表に示すように、フソソームの総脂質に対するホスファチジルセリンの量は、親細胞の総脂質に対するホスファチジルセリンの量よりも121%多いと決定された。
実施例93:フソソーム中のウイルスキャプシドタンパク質の分析
この実施例では、サンプル調製物の構成を分析し、ウイルスキャプシド源に由来するタンパク質の割合を評価した。
フソソームを、実施例67及び86の方法により、本明細書に記載されるように調製した。フソソーム質量分析によるタンパク質の定量化は、本明細書の実施例35に記載されているように実施した。ウイルスキャプシドタンパク質の分画含有量を、本明細書の実施例35に記載されているように計算し、フソソームサンプルに対して平均し、パーセントとして表した。
このアプローチを使用すると、下記表に示すように、サンプルに0.05%のウイルスキャプシドタンパク質が含まれていることがわかった。検出された唯一のウイルスキャプシドタンパク質は、ウサギ内因性レンチウイルス(RELIK)キャプシドとシクロフィリンA(PDB 2XGY|B)の複合体であった。
実施例94:フソソーム中のフソゲンタンパク質比の定量
この実施例では、総タンパク質又はフソソーム内の他の目的のタンパク質に対するフソゲンタンパク質の比率の定量化について説明する。対象となる他のタンパク質としては、限定されるものではないが、EGFP、CD63、ARRDC1、GAPDH、カルネキシン(CNX)、及びTSG101が挙げられる。フソソームを、実施例67及び86の方法により、本明細書に記載されるように調製した。フソソーム質量分析によるタンパク質の定量化は、本明細書の実施例35に記載されているように実施した。全タンパク質の定量化を、本明細書の実施例35に記載されているように計算し、フソソームサンプルに対して平均し、分率として表した。
下記表に示すように、フソゲンは、EGFPに対する比率が156.9、CD63に対する比率が2912.0、ARRDC1に対する比率が664.9、GAPDHに対する比率が69.0、CNXに対する比率が558.4、及びTSG101に対する比率が3064.1であることがわかった。
実施例95:フソソームにおける内因性及び合成タンパク質比の定量化
この実施例では、総タンパク質又はフソソーム内の他の目的のタンパク質と比較した、内因性又は合成タンパク質カーゴの定量化について説明する。対象となる他のタンパク質としては、限定されるものではないが、VSV-G、CD63、ARRDC1、GAPDH、カルネキシン(CNX)、又はTSG101が挙げられる。フソソームを、実施例67及び86の方法により、本明細書に記載されるように調製した。フソソーム質量分析によるタンパク質の定量化は、本明細書の実施例35に記載されているように実施した。全タンパク質の定量化を、本明細書の実施例35に記載されているように計算し、フソソームサンプルに対して平均し、分率として表した。
下記表に示すように、合成タンパク質カーゴは、VSV-Gに対する比率が6.37×10
-3、CD63に対する比率が18.6、ARRDC1に対する比率が4.24、GAPDHに対する比率が0.44、CNXに対する比率が3.56、及びTSG101に対する比率が19.52であることがわかった。
実施例96:フソソーム中の濃縮脂質組成
この実施例では、フソソーム、親細胞、及びエクソソームの脂質組成の定量化について説明する。フソソームの脂質組成は、それらが由来する細胞と比較して、特定の脂質について濃縮及び/又は枯渇させることができると考えられる。脂質組成は、サイズ、静電相互作用、及びコロイド挙動等、フソソーム及び細胞の重要な生物物理学的パラメーターに影響を与える。
脂質組成を、実施例67及び86に記載されるとおりに測定した。フソソームを、10cmディッシュでのVSV-G及びGFPの一過性トランスフェクションによって本明細書に記載されるように調製し、続いてトランスフェクションの48時間後の馴化培地の濾過及び超遠心分離によってフソソームを得た。トランスフェクトされた細胞を、馴化培地と並行して採取し、分析のために提出した。親細胞がVSV-G又はGFPでトランスフェクトされなかったことを除いて、エクソソームを、フソソームについて本明細書に記載されるように調製した。
フソソーム、エクソソーム、及び親細胞の脂質組成を図19A~19Bに示す。親細胞と比較して、フソソームは、コレステリルエステル、遊離コレステロール、エーテル結合リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルセリン、ホスファチデート、エーテル結合ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、及びスフィンゴミエリンが豊富であった。親細胞と比較して、フソソームは、セラミド、カルジオリピン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルイノシトール、エーテル結合ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、及びトリアシルグリセロールが枯渇している。エクソソームと比較して、フソソームは、コレステリルエステル、セラミド、ジアシルグリセロール、リゾホスファチデート、及びホスファチジルエタノールアミン、トリアシルグリセロールが豊富であった。エクソソームと比較して、フソソームは遊離コレステロール、ヘキソシルセラミド、リゾホスファチジルコリン、エーテル結合リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、エーテル結合リゾホスファチジルエタノールアミン、及びリゾホスファチジルセリンが枯渇している。
実施例97:フソソームのコンパートメント特異的プロテオミクス含有量の測定
この実施例では、フソソーム、フソソーム親細胞、及びエクソソームの特定の細胞内コンパートメントに由来することが知られているタンパク質の割合の定量化について説明する。
フソソーム及び親細胞を、実施例67及び86の方法により、本明細書に記載されるように調製した。親細胞がVSV-G又はGFPでトランスフェクトされなかったことを除いて、エクソソームを、実施例67及び86の方法によって、フソソームについて本明細書に記載されるように調製した。フソソーム及びエクソソームの質量分析によるタンパク質の定量化は、本明細書の実施例35に記載されているように実施した。得られたタンパク質定量化データを分析して、証拠コードIDA(直接アッセイにより推定)で遺伝子オントロジー細胞コンパートメントアノテーション用語(エクソソーム:GO:0070062、小胞体:GO:0005783、リボソーム:GO:0005840、GO:0022625、GO:0022626、GO:0022627、GO:0044391、GO:0042788、GO:0000313)により注釈が付けられた既知のエクソソーム、小胞体、リボソーム、核、及びミトコンドリアタンパク質のタンパク質レベル及び割合を決定した。各サンプルの総タンパク質に対するコンパートメント固有のタンパク質の分率を、フソソームサンプル、エクソソームサンプル、及び親細胞について決定した。
図20に示すように、フソソームは、親細胞及びエクソソームと比較して、小胞体タンパク質が枯渇していることがわかった。フソソームはまた、エクソソームと比較してエクソソームタンパク質が枯渇していることがわかった。フソソームは、親細胞と比較してミトコンドリアタンパク質が枯渇していた。フソソームは、親細胞と比較して核タンパク質が豊富であった。フソソームは、親細胞及びエクソソームと比較して、リボソームタンパク質が豊富であった。
実施例98:フソソーム中のTSG101及びARRDC1含有量の測定
この実施例では、細胞からのフソソーム放出に重要であることが知られているタンパク質の割合の定量化について説明する。
フソソーム及び親細胞を、実施例67及び86の方法により、本明細書に記載されるように調製した。親細胞がVSV-G又はGFPでトランスフェクトされなかったことを除いて、エクソソームを、実施例67及び86の方法によって、フソソームについて本明細書に記載されるように調製した。フソソーム及びエクソソームの質量分析によるタンパク質の定量化は、本明細書の実施例35に記載されているように実施した。得られたタンパク質定量データを分析して、タンパク質TSG101及びARRDC1のタンパク質レベル及び割合を決定した。群あたりの平均対数強度を、質量分析からの強度値に1を加算し、log10で変換し、反復全体の平均を計算することによって計算した。エクソソーム又は親細胞に対するフソソーム中のTSG101又はARRDC1の総タンパク質含有量の割合を、同じサンプル内の全てのタンパク質の強度の合計で割って、複製物に対して平均し、パーセントで表される、各サンプルのTSG101又はARRDC1の平均対数強度として決定した。
図21に示すように、ARRDC1は、親細胞又はエクソソームよりもフソソームの総タンパク質含有量の割合としてより高いレベルで存在することがわかった。総タンパク質含有量の割合としてのARRDC1のレベルは、フソソームで少なくとも0.02%であった。TSG101は、親細胞又はエクソソームよりもフソソームの総タンパク質含有量の割合としてより高いレベルで存在することがわかった。総タンパク質含有量の割合としてのTSG101のレベルは、フソソームで少なくとも0.004%であった。
実施例99:複数回投与後のフソソームの血清不活化の測定
この実施例は、フソソームの複数回投与後のin vitro送達アッセイを使用したフソソームの血清不活化の定量化を説明する。改変されたフソソーム、例えば、本明細書に記載の方法によって改変されたものは、複数回(例えば、1回より多い、例えば、2回以上)の改変フソソームの投与に続いて、血清不活化の減少を有し得る(例えば、未改変フソソームの投与と比較して減少する)と考えられる。場合によっては、本明細書に記載のフソソームは、複数回の投与後に血清によって不活化されないであろう。
フソソームの免疫原性の尺度は血清不活化である。一実施形態では、フソソームの反復注射は、抗フソソーム抗体、例えば、フソソームを認識する抗体の開発につながる可能性がある。一実施形態では、フソソームを認識する抗体は、フソソームの活性又は寿命を制限し、補体分解を媒介できる方法で結合することができる。
この実施例では、フソソームを1回以上投与した後、血清不活化を調べる。フソソームを、先の実施例のいずれか1つによって産生する。この実施例では、フソソームは以下から生成される:HLA-Gのレンチウイルス媒介発現で改変されたHEK293細胞(以下、HEK293-HLA-G)、及び空ベクターのレンチウイルス媒介発現で改変されたHEK293(以下、HEK293)。幾つかの実施形態では、フソソームは、他の免疫調節タンパク質を発現している細胞に由来する。
血清を、様々なコホートから採取する:ビヒクル(フソソームナイーブ群)、HEK293-HLA-Gフソソーム、又はHEK293フソソームを1、2、3、5、10回全身及び/又は局所注射したマウス。血清を、新鮮な全血を採取し、数時間完全に凝固させることによって、マウスから収集する。遠心分離により血餅をペレット化し、血清上清を除去する。陰性対照は、熱不活化マウス血清である。陰性対照サンプルを、摂氏56度で1時間加熱する。血清をアリコートで冷凍することができる。
フソソームを、レシピエント集団の細胞の50%がフソソームにおいてペイロードを受ける用量について試験する。フソソームは、本明細書に記載されている他の実施例のいずれかを介して産生され得て、本明細書に記載されているペイロードのいずれかを含み得る。レシピエント細胞へのペイロードのフソソーム送達をアッセイするための多くの方法もまた、本明細書に記載されている。この特定の例では、ペイロードはCreタンパク質であり、レシピエント細胞はCMVプロモーター下で「LoxP-GFP-stop-LoxP-RFP」カセットを安定して発現するRPMI8226細胞であり、これは、Creによる組換えによりGFPからRFPに発現が切り替わり、融合及びCreをマーカーとして送達を示す。レシピエント細胞の50%がRFP陽性であると特定された用量を、更なる実験に使用する。他の実施形態では、レシピエント細胞の50%がペイロードを受けることが特定された用量を、更なる実験に使用する。
フソソームの血清不活化を評価するために、フソソームを正常又は熱不活化血清(又は非血清対照として10%熱不活化FBSを含む培地)に1:5に希釈し、混合物を37Cで1時間インキュベートする。インキュベーション後、培地を反応液に加えて更に1:5に希釈し、1:10の比率で2回段階希釈する。この工程に続いて、フソソームは、レシピエント細胞の50%がペイロードを受け取った(例えば、RFP陽性である)以前に特定された用量で存在するはずである。レシピエント細胞の50%がペイロードを受けることが特定された用量は、フソソーム全体で類似している可能性があると考えられる。
次に、血清に曝露されたフソソームをレシピエント細胞とインキュベートする。ペイロードを受け取り、したがってRFP陽性である細胞の割合を計算する。ペイロードを受ける細胞の割合は、HEK293-HLA-Gフソソームで処理されたマウスの血清及び熱不活化血清でインキュベートされたフソソームサンプル間で異ならない可能性があり、フソソームの血清不活化又は適応免疫応答がないことを示す。ペイロードを受ける細胞の割合は、HEK293-HLA-Gフソソームで1、2、3、5、又は10回処理されたマウスからのインキュベートされたフソソームサンプル間で異ならない可能性があり、これは、フソソームの血清不活化又は適応免疫応答がなかったことを示す。場合によっては、ペイロードを受ける細胞の割合は、ビヒクルで処理したマウス及びHEK293-HLA-Gフソソームで処理したマウスからの血清とインキュベートしたフソソームサンプル間で差がなく、フソソームの血清不活化又は適応免疫応答がないことを示す。場合によっては、ペイロードを受ける細胞の割合は、HEK293-HLA-GフソソームよりもHEK293に由来するフソソームの方が少なく、HEK293-HLA-Gフソソームの血清不活化又は適応免疫応答がないことを示している。
実施例100:フソソームの補体ターゲティングの測定
この実施例は、in vitroアッセイを使用したフソソームに対する補体活性の定量化を説明する。本明細書に記載の改変フソソームは、対応する未改変フソソームと比較して、補体活性の低下を誘発し得ると考えられる。
この実施例では、マウスからの血清を、フソソームに対する補体活性について評価する。この実施例では、全ての補体経路の中心ノードである補体C3aのレベルを測定する。特に、本明細書に記載の方法は、プロトコルに最適化されたヒト、ラット、サルに等しく適用可能である可能性がある。
この実施例では、フソソームは、前の例のいずれかによって産生される。フソソームは、レンチウイルスを介した相補的調節タンパク質DAFの発現で改変されたHEK293細胞(HEK293-DAFフソソーム)又は相補的調節タンパク質を発現しないHEK293細胞(HEK293フソソーム)から生成される。崩壊促進因子(DAF、CD55)に結合するタンパク質、例えばH因子(FH)様タンパク質-1(FHL-1)、例えばC4b結合タンパク質(C4BP)、例えば、補体受容体1(CD35)、例えば、メンブレンコファクタータンパク質(MCP、CD46)、例えば、プロフェクチン(CD59)、例えば古典的及び代替補体経路CD/C5コンバターゼ酵素を阻害するタンパク質、例えばMACアッセンブリを調節するタンパク質等の他の補体調節タンパク質も使用することができる。
血清を、ナイーブマウス、HEK293-DAFフソソームを投与されたマウス、又はHEK293フソソームを投与されたマウスから回収する。血清を、新鮮な全血を採取し、数時間完全に凝固させることによって、マウスから収集する。遠心分離により血餅をペレット化し、血清上清を除去する。陰性対照は、熱不活化マウス血清である。陰性対照サンプルを、摂氏56度で1時間加熱する。血清をアリコートで冷凍することができる。
異なるフソソームを、レシピエント集団の細胞の50%がフソソームにおいてペイロードを受ける用量について試験する。フソソームは、本明細書に記載されている他の実施例のいずれかを介して産生され得て、本明細書に記載されているペイロードのいずれかを含み得る。レシピエント細胞へのペイロードのフソソーム送達をアッセイするための多くの方法もまた、本明細書に記載されている。この特定の例では、ペイロードはCreタンパク質であり、レシピエント細胞はCMVプロモーター下で「LoxP-GFP-stop-LoxP-RFP」カセットを安定して発現するRPMI8226細胞であり、これは、Creによる組換えによりGFPからRFPに発現が切り替わり、融合及びCreをマーカーとして送達を示す。レシピエント細胞の50%がRFP陽性であると特定された用量を、更なる実験に使用する。他の実施形態では、レシピエント細胞の50%がペイロードを受けることが特定された用量を、更なる実験に使用する。好ましい実施形態では、レシピエント細胞の50%がペイロードを受けることが特定された用量は、フソソーム全体で類似している。
リン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)中でレシピエント細胞の50%がペイロードを受けるフソソームの用量で開始するフソソームの2倍希釈液を、同じフソソーム又はナイーブマウス(アッセイ容量、20μL)で処理したマウスの血清の1:10希釈液と混合して、37℃で1時間インキュベートした。サンプルを更に1:500に希釈し、C3aに特異的な酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)で使用する。ELISAは、LifeSpan BioSciences Incが販売しているマウス補体C3a ELISAキット製品LS-F4210であり、サンプル中のC3aの濃度を測定する。200pg/mlのC3aが存在するフソソームの用量を、マウスから単離された血清全体で比較する。
場合によっては、200pg/mlのC3aが存在するフソソームの用量は、HEK293マウス血清とインキュベートしたHEK293フソソームよりもHEK-293 DAFマウス血清とインキュベートしたHEK293-DAFフソソームの方が多く、フソソームを標的とする補体活性はHEK293-DAFフソソームよりもHEK293フソソームで処理されたマウスにおいて大きいことを示す。場合によっては、200pg/mlのC3aが存在するフソソームの用量は、ナイーブマウス血清とインキュベートしたHEK293フソソームよりもナイーブマウス血清とインキュベートしたHEK293-DAFフソソームの方が多く、フソソームを標的とする補体活性はHEK293-DAFフソソームよりもHEK293フソソームで処理されたマウスにおいて大きいことを示す。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
以下:
a)フソゲンを含む脂質二重層、並びに
b)以下:
(i)外因性作用物質をコードするペイロード遺伝子と、
(ii)前記ペイロード遺伝子に作動可能に連結された正の標的細胞特異的調節エレメントとを含む核酸、を含むフソソームであって、前記正の標的細胞特異的調節エレメントが、前記正の標的細胞特異的調節エレメントを欠く他は同様のフソソームと比較して、標的細胞におけるペイロード遺伝子の発現を増加させ、前記標的細胞が、CNS細胞である、フソソーム。
(項目2)
前記核酸が、前記ペイロード遺伝子に作動可能に連結された非標的細胞特異的調節エレメント(NTCSRE)を更に含み、前記NTCSREが、NTCSREを欠く他は同様のフソソームと比較して、非標的細胞において前記ペイロード遺伝子の発現を減少させ、前記標的細胞が第1のタイプのCNS細胞であり、前記非標的細胞が第2の異なるタイプのCNS細胞又は非CNS細胞であり、任意に、
前記標的細胞がニューロンであり、前記非標的細胞がグリア細胞であり、任意に、前記グリア細胞が乏突起膠細胞、星状膠細胞若しくはミクログリア細胞であるか、又は
前記標的細胞がグリア細胞であり、任意に、前記グリア細胞が乏突起膠細胞、星状膠細胞又はミクログリア細胞であり、前記非標的細胞がニューロンである、項目1に記載のフソソーム。
(項目3)
以下:
a)フソゲンを含む脂質二重層;並びに
b)以下:
(i)外因性作用物質をコードするペイロード遺伝子と、
(ii)前記ペイロード遺伝子に作動可能に連結されたプロモーターとを含む核酸、を含むフソソームであって、前記プロモーターが、SYN、NSE、CaMKII、aチューブリン、PDGF、fSST、fNPY、GAD67、DLX5/6、VGLUT1、Dock10、ChAT、VAChT、Drd1a、TPH-2、GFAP、EAAT1、GS、CX3CR1、TMEM119、MBP、CNP、又はCRFR2βプロモーターから選択される、フソソーム。
(項目4)
以下:
a)フソゲンを含む脂質二重層;並びに
b)以下:
(i)外因性作用物質をコードするペイロード遺伝子と、
(ii)前記ペイロード遺伝子に作動可能に連結された非標的細胞特異的調節エレメント(NTCSRE)とを含む核酸、を含むフソソームであって、
前記NTCSREが、前記NTCSREを欠く他は同様のフソソームと比較して、非標的細胞又は組織において前記ペイロード遺伝子の発現を減少させ、標的細胞が第1のタイプのCNS細胞であり、前記非標的細胞が第2の異なるタイプのCNS細胞又は非CNS細胞であり、
前記NTCSREが、非標的細胞特異的miRNA認識配列、非標的細胞特異的プロテアーゼ認識部位、非標的細胞特異的ユビキチンリガーゼ部位、非標的細胞特異的転写抑制部位、又は非標的細胞特異的エピジェネティック抑制部位を含む、フソソーム。
(項目5)
前記核酸が、前記ペイロード遺伝子に作動可能に連結された正の標的細胞特異的調節エレメントを更に含み、前記正の標的細胞特異的調節エレメントが、前記正の標的細胞特異的調節エレメントを欠く他は同様のフソソームと比較して、標的細胞における前記ペイロード遺伝子の発現を増加させ、前記標的細胞がCNS細胞である、項目4に記載のフソソーム。
(項目6)
以下:
(i)前記脂質二重層上の第1の外因性若しくは過剰発現された免疫抑制タンパク質、又は
(ii)存在しないか若しくは低下したレベルで存在する第1の免疫賦活タンパク質、のいずれか又は両方を更に含み、任意に、前記低下したレベルが、他の点は同様の未改変ソース細胞から生成されたフソソームと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は、90%の低下である、項目1~5のいずれかに記載のフソソーム。
(項目7)
前記ペイロード遺伝子が、リソソーム蓄積症若しくは障害、又はCNSの疾患若しくは障害を処置する遺伝子であり、任意に、前記疾患又は障害が遺伝的欠損である、項目1~6のいずれかに記載のフソソーム。
(項目8)
フソソームであって、
a)フソゲンを含む脂質二重層と、
b)リソソーム蓄積症若しくは障害、又はCNSの疾患若しくは障害を処置するための外因性作用物質をコードするペイロード遺伝子を含む核酸と、
c)以下のうちの1つ又は両方:
(i)脂質二重層上の第1の外因性の若しくは過剰発現された免疫抑制タンパク質;又は
(ii)存在しないか若しくは他の点では同様の未改変ソース細胞から生成されたフソソームと比較して、低下したレベル(例えば、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%まで低下)で存在する第1の免疫賦活タンパク質とを含む、フソソーム。
(項目9)
(i)及び(ii)を含む、項目6~8のいずれかに記載のフソソーム。
(項目10)
(i)を含み、前記脂質二重層上に第2の外因性又は過剰発現された免疫抑制タンパク質を更に含む、項目6~8のいずれかに記載のフソソーム。
(項目11)
(ii)を含み、更に、存在しないか若しくは低下したレベルで存在する第2の免疫賦活タンパク質を含み、任意に、前記低下したレベルが、他の点では同様の未改変ソース細胞から生成されたフソソームと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は、90%の低下である、項目6~10のいずれかに記載のフソソーム。
(項目12)
前記核酸が、前記ペイロード遺伝子に作動可能に連結された正の標的細胞特異的調節エレメントを更に含み、前記正の標的細胞特異的調節エレメントが、前記正の標的細胞特異的調節エレメントを欠く他は同様のフソソームと比較して、標的細胞における前記ペイロード遺伝子の発現を増加させ、前記標的細胞がCNS細胞である、項目8~11のいずれかに記載のフソソーム。
(項目13)
前記核酸が、前記ペイロード遺伝子に作動可能に連結された非標的細胞特異的調節エレメント(NTCSRE)を更に含み、前記NTCSREが、前記NTCSREを欠く他は同様のフソソームと比較して、非標的細胞又は組織において前記ペイロード遺伝子の発現を減少させ、前記標的細胞が第1のタイプのCNS細胞であり、前記非標的細胞が第2の異なるタイプのCNS細胞又は非CNS細胞であり、任意に、
前記標的細胞がニューロンであり、前記非標的細胞がグリア細胞であり、任意に、前記グリア細胞が乏突起膠細胞、星状膠細胞若しくはミクログリア細胞であるか、又は
前記標的細胞がグリア細胞であり、任意に、前記グリア細胞が乏突起膠細胞、星状膠細胞又はミクログリア細胞であり、前記非標的細胞がニューロンである、項目8~12のいずれかに記載のフソソーム。
(項目14)
被験体に投与される場合、以下:
i)前記フソソームが検出可能な抗体応答を生じないか、又は前記フソソームに対する抗体がバックグラウンドレベルより10%未満、5%、4%、3%、2%、若しくは1%超のレベルで存在する、
ii)前記フソソームが、検出可能な細胞性免疫応答を生じないか、又は前記フソソームに対する細胞性免疫応答がバックグラウンドレベルの10%未満、5%、4%、3%、2%、若しくは1%超のレベルで存在する、
iii)前記フソソームが、検出可能な先天性免疫応答を生じないか)、又は前記フソソームに対する先天性免疫応答がバックグラウンドレベルの10%未満、5%、4%、3%、2%、若しくは1%超のレベルで存在する、
iv)フソソームの10%、5%、4%、3%、2%、若しくは1%未満が血清によって不活化される、
v)前記フソソームから前記外因性薬剤を受容した標的細胞が検出可能な抗体応答を生じず、又は前記標的細胞に対する抗体がバックグラウンドレベルより10%、5%、4%、3%、2%、若しくは1%未満高いレベルで存在する、或いは
vi)前記フソソームから前記外因性作用物質を受容した標的細胞が検出可能な細胞性免疫応答を生じないか、又は前記標的細胞に対する細胞性応答がバックグラウンドレベルの10%未満、5%、4%、3%、2%、若しくは1%超のレベルで存在する、の1つ又は複数である、項目6~13のいずれかに記載のフソソーム。
(項目15)
前記バックグラウンドレベルが、前記フソソームの投与前の同じ被験体における対応するレベルである、項目14に記載のフソソーム。
(項目16)
前記免疫抑制タンパク質が補体調節タンパク質又はCD47である、項目6~15のいずれかに記載のフソソーム。
(項目17)
前記免疫賦活タンパク質がMHC I又はMHC IIタンパク質である、項目6~16のいずれかに記載のフソソーム。
(項目18)
以下:
i)前記フソソームが非標的細胞とよりも前記CNS標的細胞と高い割合で融合し、任意に、前記高い割合が、少なくとも少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、50倍、又は100倍である、
ii)前記フソソームが、別のフソソームとよりもCNS標的細胞と高い割合で融合し、任意に、前記高い割合は少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、50倍、又は100倍である、
iii)前記フソソームが、前記フソソームにおける前記外因性作用物質が24、48、又は72時間後にCNS標的細胞の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%に送達されるような割合でCNS標的細胞と融合する、
iv)前記フソソームが、前記核酸を前記CNS標的細胞に非標的細胞よりも高い割合で送達し、任意に、前記高い割合が少なくとも少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、50倍、又は100倍である、
v)前記フソソームが、前記核酸を前記CNS標的細胞に別のフソソームよりも高い割合で送達し、任意に、前記高い割合が、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、50倍、又は100倍である、或いは
vi)前記フソソームが前記核酸を前記CNS標的細胞に、前記フソソームにおける前記外因性作用物質が24、48、又は72時間に標的細胞の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%に送達されるような割合で送達する、の1つ以上である、項目1~17のいずれかに記載のフソソーム。
(項目19)
前記外因性作用物質が、SYNE1、SETX、FMR1、SLC6A8、UBE3A、SOD1、TDP43、C9orf72、FXN、MECP2、ASPA、若しくはALDH7A1から選択されるか、又は前記外因性作用物質が、TPP1、FUCA1、GALC、HEXA、HEXB、MANBA、ARSA、GNPTAB、若しくはMCOLN1から選択される、項目1~18のいずれかに記載のフソソーム。
(項目20)
前記ペイロード遺伝子が、SYNE1、SETX、FMR1、SLC6A8、UBE3A、SOD1、TDP43、C9orf72、FXN、MECP2、ASPA、及びALDH7A1の中より選択される、項目1~19のいずれかに記載のフソソーム。
(項目21)
前記ペイロード遺伝子が、配列番号134~145のいずれか1つに記載の配列を含む外因性作用物質、又はその機能的フラグメント、又は配列番号134~145のいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含むその機能性バリアントをコードする、項目1~20のいずれかに記載のフソソーム。
(項目22)
前記ペイロード遺伝子が、TPP1、FUCA1、GALC、HEXA、HEXB、MANBA、ARSA、GNPTAB及びMCOLN1から選択される、項目1~19のいずれかに記載のフソソーム。
(項目23)
前記ペイロード遺伝子が、配列番号146~154のいずれか1つに記載の配列を含む外因性作用物質、又はその機能的フラグメント、又は配列番号146~154のいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、若しくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含むその機能性バリアントをコードする、項目1~19及び22のいずれかに記載のフソソーム。
(項目24)
前記フソゲンがCNS細胞を標的とし、任意に、前記CNS細胞が、ニューロン又はグリア細胞であり、任意に、前記CNS細胞が、汎ニューロン細胞、GABA作動性ニューロン、グルタミン酸作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、グリア細胞、星状膠細胞、ミクログリア細胞、乏突起膠細胞、又は脈絡叢細胞である、項目1~23のいずれかに記載のフソソーム。
(項目25)
前記フソゲンが、ウイルスエンベロープタンパク質である、項目1~24のいずれかに記載のフソソーム。
(項目26)
前記フソゲンがVSV-Gを含む、項目1~25のいずれか一項に記載のフソソーム。
(項目27)
前記フソゲンが、ニパウイルスF及びGタンパク質、麻疹ウイルスF及びHタンパク質、ツパイアパラミクソウイルスF及びHタンパク質、パラミクソウイルスF及びGタンパク質若しくはF及びHタンパク質若しくはF及びHNタンパク質、ヘンドラウイルスF及びGタンパク質、ヘニパウイルスF及びGタンパク質、モルビリウイルスF及びHタンパク質、レスピロウイルスF及びHNタンパク質、センダイウイルスF及びHNタンパク質、ルブラウイルスF及びHNタンパク質、又はアブラウイルスF及びHNタンパク質、又はそれらの誘導体、又はそれらの任意の組み合わせから選択される配列を含む、項目1~26のいずれかに記載のフソソーム。
(項目28)
前記フソゲンが、野生型パラミクソウイルスフソゲンに対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有する、少なくとも100アミノ酸長のドメインを含み、任意に、前記野生型パラミクソウイルスフソゲンが、配列番号1~133のいずれか1つに記載されている、項目1~24及び27のいずれかに記載のフソソーム。
(項目29)
前記野生型パラミクソウイルスがニパウイルスであり、任意に、前記ニパウイルスがヘニパウイルスである、項目27に記載のフソソーム。
(項目30)
前記フソゲンがCNS細胞への送達のため再標的化され、任意に、前記CNS細胞が、ニューロン又はグリア細胞であり、任意に、前記CNS細胞が、汎ニューロン細胞、GABA作動性ニューロン、グルタミン酸作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、グリア細胞、星状膠細胞、ミクログリア細胞、乏突起膠細胞、又は脈絡叢細胞である、項目1~29のいずれかに記載のフソソーム。
(項目31)
前記正の標的細胞特異的調節エレメントが、CNS細胞特異的プロモーター、CNS細胞特異的エンハンサー、CNS細胞特異的スプライス部位、RNA若しくはタンパク質の半減期を延長するCNS細胞特異的部位、CNS細胞特異的mRNA核外輸送促進部位、CNS細胞特異的翻訳増強部位、又はCNS細胞特異的翻訳後修飾部位を含む、項目1、2、5、6、7及び12~30のいずれかに記載のフソソーム。
(項目32)
前記正の標的細胞特異的調節エレメントがCNS細胞特異的プロモーターを含む、項目1、2、5、6、7、又は12~31のいずれかに記載のフソソーム。
(項目33)
前記正のCNS細胞特異的調節エレメントが、SYN、NSE、CaMKII、aチューブリン、PDGF、fSST、fNPY、GAD67、DLX5/6、VGLUT1、Dock10、ChAT、VAChT、Drd1a、TPH-2、GFAP、EAAT1、GS、CX3CR1、TMEM119、MBP、CNP、又はCRFR2βプロモーターから選択されるプロモーターを含む、項目32に記載のフソソーム。
(項目34)
前記NTCSREが、非標的細胞特異的miRNA認識配列、非標的細胞特異的プロテアーゼ認識部位、非標的細胞特異的ユビキチンリガーゼ部位、非標的細胞特異的転写抑制部位、又は非標的細胞特異的エピジェネティック抑制部位を含む、項目2、4~7、及び13~33のいずれかに記載のフソソーム。
(項目35)
前記NTCSREが、組織特異的miRNA認識配列、組織特異的プロテアーゼ認識部位、組織特異的ユビキチンリガーゼ部位、組織特異的転写抑制部位、又は組織特異的エピジェネティック抑制部位を含む、項目2、4~7、及び13~34のいずれかに記載のフソソーム。
(項目36)
前記NTCSREが、非標的細胞特異的miRNA認識配列、非標的細胞特異的プロテアーゼ認識部位、非標的細胞特異的ユビキチンリガーゼ部位、非標的細胞特異的転写抑制部位、又は非標的細胞特異的エピジェネティック抑制部位を含む、項目2、4~7、及び13~35のいずれかに記載のフソソーム。
(項目37)
前記NTCSREが、非標的細胞特異的miRNA認識配列を含み、前記miRNA認識配列が、1つ以上のmiR-338-3p、miR-9、miR-125b-5p、miR-342-3p、又はmiR-124によって結合され得て、任意に、前記miRNAが、配列番号156~162のいずれか1つに記載される配列を含む、項目2、4~7、及び13~35のいずれかに記載のフソソーム。
(項目38)
前記NTCSREが外因性作用物質をコードする転写領域内に位置するか又はコードされており、任意に、前記転写領域によって産生されるRNAが、UTR又はコード領域内のmiRNA認識配列を含む、項目34~37のいずれかに記載のフソソーム。
(項目39)
前記核酸が1つ以上のインスレーター配列を含む、項目1~38のいずれかに記載のフソソーム。
(項目40)
前記核酸が2つのインスレーター配列を含み、任意に、前記2つのインスレーター配列が前記ペイロード遺伝子の上流の第1のインスレーター配列及び前記ペイロード遺伝子の下流の第2のインスレーター配列を含み、任意に、前記第1のインスレーター配列及び第2のインスレーター配列が、同一又は異なる配列を含む、項目39に記載のフソソーム。
(項目41)
前記フソソームがレトロウイルスベクター粒子である、項目1~40のいずれかに記載のフソソーム。
(項目42)
前記核酸がCNS細胞のゲノムに組み込まれることができる、項目1~41のいずれかに記載のフソソーム。
(項目43)
前記標的細胞がCNS細胞から選択され、任意に、前記CNS細胞が、ニューロン又はグリア細胞であり、任意に、前記CNS細胞が、汎ニューロン細胞、GABA作動性ニューロン、グルタミン酸作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、グリア細胞、星状膠細胞、ミクログリア細胞、乏突起膠細胞、又は脈絡叢細胞である、項目1~42のいずれかに記載のフソソーム。
(項目44)
項目1~43のいずれかにいずれかに記載のフソソームと、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、又は賦形剤とを含む、医薬組成物。
(項目45)
項目1~43のいずれかに記載のフソソーム又は項目44に記載の医薬組成物を被験体に投与し、それにより外因性作用物質を前記被験体に送達することを含む、外因性作用物質を被験体に送達する方法。
(項目46)
被験体において、CNS組織又はCNS細胞の機能を調節する方法であって、前記被験体のCNS組織又はCNS細胞を、項目1~43のいずれかに記載のフソソーム又は項目45に記載の医薬組成物と接触させることを含む、方法。
(項目47)
前記CNS細胞が、ニューロン又はグリア細胞であり、任意に、前記CNS細胞が、汎ニューロン細胞、GABA作動性ニューロン、グルタミン酸作動性ニューロン、コリン作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、グリア細胞、星状膠細胞、ミクログリア細胞、乏突起膠細胞、又は脈絡叢細胞である、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記CNS組織又は前記CNS細胞が被験体に存在する、項目46又は項目47に記載の方法。
(項目49)
CNS疾患若しくは障害、又はリソソーム疾患若しくは障害を処置する方法であって、項目1~43のいずれか一項に記載のフソソーム又は項目44に記載の医薬組成物を被験体に投与することを含む、方法。
(項目50)
前記CNS疾患若しくは障害又は前記リソソーム疾患若しくは障害が遺伝的欠損によって引き起こされる、項目49に記載の方法。
(項目51)
被験体において遺伝子欠損を処置する方法であって、項目1~43のいずれかに記載のフソソーム又は項目44に記載の医薬組成物を前記被験体に投与することを含む、方法。
(項目52)
前記遺伝子欠損が、前記外因性作用物質をコードするペイロード遺伝子によって処置することができる遺伝子欠損である、項目50又は項目51に記載の方法。
(項目53)
前記疾患又は障害が、脊髄小脳失調症;常染色体劣性、1型;眼球運動失行を伴う運動失調、2型;脆弱X症候群;脳クレアチン欠乏症候群1;アンジェルマン症候群;筋萎縮性側索硬化症;フリードライヒ運動失調;レット症候群;カナバン病;ピリドキシン依存性てんかん;バッテン病、フコシドーシス;クラッベ病;テイ・サックス病;サンドホフ病;ベータマンノース症;異染性白質ジストロフィー;ムコリピドーシスIIIa型;ムコリピドーシスIIIb型;又はムコリピドーシスIV型から選択される、項目49、項目50又は項目52に記載の方法。
(項目54)
前記被験体がヒト被験体である、項目49~53のいずれかに記載の方法。
(項目55)
CNS疾患若しくは障害又はリソソーム疾患若しくは障害を有する被験体の処置において使用するための、項目1~43のいずれか一項に記載のフソソーム又は項目44に記載の医薬組成物。
(項目56)
CNS疾患若しくは障害又はリソソーム疾患若しくは障害を有する被験体を処置する際に使用するための医薬を製造するための、項目1~43のいずれか一項に記載のフソソーム又は項目44に記載の医薬組成物の使用。
(項目57)
前記CNS疾患若しくは障害又はリソソーム疾患若しくは障害が遺伝的欠損によって引き起こされる、項目55に記載の使用のためのフソソーム若しくは医薬組成物、又は項目56に記載の使用。
(項目58)
前記疾患又は障害が、脊髄小脳失調症;常染色体劣性、1型;眼球運動失行を伴う運動失調、2型;脆弱X症候群;脳クレアチン欠乏症候群1;アンジェルマン症候群;筋萎縮性側索硬化症;フリードライヒ運動失調;レット症候群;カナバン病;ピリドキシン依存性てんかん;バッテン病、フコシドーシス;クラッベ病;テイ・サックス病;サンドホフ病;ベータマンノース症;異染性白質ジストロフィー;ムコリピドーシスIIIa型;ムコリピドーシスIIIb型;又はムコリピドーシスIV型から選択される、項目55若しくは項目57に記載の使用のためのフソソーム若しくは医薬組成物、又は項目56若しくは項目57に記載の使用。
(項目59)
遺伝子欠損を処置する際に使用するための、項目1~43のいずれかに記載のフソソーム又は項目44に記載の医薬組成物。
(項目60)
遺伝子欠損を処置する際に使用するための薬剤を製造するための、項目1~43のいずれかに記載のフソソーム又は項目44に記載の医薬組成物の使用。
(項目61)
前記遺伝子欠損が、前記外因性作用物質をコードするペイロード遺伝子によって処置することができる遺伝子欠損である、項目57~59のいずれかに記載の使用のためのフソソーム若しくは医薬組成物、又は項目57、58及び60に記載の使用。
(項目62)
以下:
a)前記核酸及び前記フソゲンを含む細胞を提供すること、
b)フソソームの産生を可能にする条件下で上記細胞を培養すること、並びに
c)上記細胞からフソソームを分離、濃縮、又は精製し、それによってフソソームを作製することを含む、項目1~43のいずれかに記載のフソソームを作製する方法。