JP7670251B1 - 導電ビア付ガラス基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] 孔が設けられているガラス基板を用意し、前記孔の内部を埋めつつ前記ガラス基板の少なくとも前記孔の周辺の表面を被覆するように、金属粒子と揮発性溶剤とが含まれる金属ペースト部を設ける工程aと、前記金属ペースト部を加熱して、前記揮発性溶剤の一部を除去する工程bと、前記表面が露出するように加熱後の前記金属ペースト部の一部を除去して、前記孔の内部に、平坦化された露出面を有する、前記金属粒子と前記揮発性溶剤の残部とが含まれる導電ビア前駆体を形成する工程cと、前記導電ビア前駆体を焼成する工程dと、を備え、前記金属粒子が、体積平均粒径が0.8μm以上の第1の金属粒子と、体積平均粒径が0.5μm以下の第2の金属粒子と、を含み、前記工程aで設けられる前記金属ペースト部の金属粒子濃度が95.0質量%以上であり、前記工程aで設けられる前記金属ペースト部における前記第2の金属粒子の含有量が、前記金属粒子全量を基準として50質量%以下である、導電ビア付ガラス基板の製造方法。
参考文献:精密3点曲げ法による電子デバイス用薄膜のヤング率測定、日本機械学会論文集(A編)、77巻773号(2011-1)P190
上記[1]の製造方法によれば、上記特定の導電ビア前駆体を焼成することにより、ヤング率が銅めっき皮膜の半分以下である焼結体を形成することができ、ガラス貫通電極による応力が緩和されたと考えられる。これにより、ガラス貫通電極の周辺部のガラス基板のクラックを抑制することができ、低い接続抵抗値と優れた接続信頼性との両立が可能になったと本発明者らは推察する。
[3] 前記第1の金属粒子がフレーク状銅粒子を含む、[1]又は[2]に記載の導電ビア付基板の製造方法。
[4] ガラス貫通電極を形成するために用いられる金属ペーストであって、金属粒子と、揮発性溶剤と、を含有する金属ペーストであって、前記金属粒子の含有量が、前記金属ペースト全量を基準として95.0質量%以上であり、前記金属粒子が、体積平均粒径が0.8μm以上の第1の金属粒子と、体積平均粒径が0.5μm以下の第2の金属粒子と、を含み、前記第2の金属粒子の含有量が、前記金属粒子全量を基準として50質量%以下である、ガラス貫通電極形成用金属ペースト。
[5] 前記第1の金属粒子及び前記第2の金属粒子が銅粒子である、[4]に記載のガラス貫通電極形成用金属ペースト。
[6] 前記第1の金属粒子がフレーク状銅粒子を含む、[4]又は[5]に記載のガラス貫通電極形成用金属ペースト。
[7] 貫通孔を有するガラス基板と、前記貫通孔内に設けられた導電ビアと、を備え、前記導電ビアが、[4]~[6]のいずれかに記載の金属ペーストの焼結体を含む、導電ビア付ガラス基板。
本実施形態の金属ペーストは、金属粒子と、揮発性溶剤と、を含有し、金属粒子の含有量が、金属ペースト全量を基準として95.0質量%以上である。本実施形態の金属ペーストは、後述する導電ビア付ガラス基板の製造方法における金属ペースト部の形成に用いることができ、ガラス貫通電極を形成することができる。
金属粒子は、例えば、ニッケル、銀、銅、金、パラジウム、白金、はんだ等の粒子が挙げられる。金属ペーストが、銅粒子を含む場合、充分な導電性を有するとともに、温度変化を受けた場合であっても抵抗値が上昇しにくい導電体、充分な導電性を有すると共に接続信頼性に優れた貫通電極を有する基体を得ることが容易となる。本実施形態においては、金属粒子が、体積平均粒径が0.8μm以上の第1の金属粒子と、体積平均粒径が0.5μm以下の第2の金属粒子と、を含む。
第1の銅粒子の平均粒径は、基板の孔(例えば貫通孔又は非貫通孔)内での焼結密度を向上させて、孔内に発生するボイド及びクラックを抑制する観点から、0.8μm以上、1.0μm以上、2.0μm以上、又は3.0μm以上であってよく、例えば内径100μm以下の微小ビアにおける粒子のつまりを抑制して、充填性を向上させる観点から、10μm以下、8.0μm以下、5.0μm以下、又は4.0μm以下であってよく、ボイド及びクラックを抑制し、微小ビアにおける粒子のつまりを抑制する観点から、0.8μm~4.0μm、1.0μm~3.5μm、又は1.2μm~3.0μmであってもよい。第1の銅粒子の平均粒径DC1と孔の内径DHとの比(DC1/DH)は、微小ビアにおける粒子のつまりを抑制して、充填性を向上させる観点から、0.01以上であってもよく、0.03以上であってもよく、0.04以上であってもよく、焼成による収縮を少なくすることで、ボイド及びクラックを抑制する観点から、0.15以下であってもよく、0.1以下であってもよく、0.05以下であってもよい。また、上述の観点から、比(DC1/DH)は、0.01~0.15、又は0.03~0.1であってもよい。
第2の銅粒子の平均粒径は、焼結性の観点から、0.5μm以下、0.4μm以下、0.3μm以下又は0.2μm以下であってよく、合成コストの抑制、良好な分散性、表面処理剤の使用量の抑制などの観点から、0.01μm以上、0.03μm以上、0.05μm以上、0.08μm以上又は0.1μm以上であってよく、低温での焼結性と、ペーストにおける良好な分散性を得る観点から、0.1μm~0.3μm、0.12μm~0.28μm、又は0.15μm~0.25μmであってもよい。
揮発性溶剤としては、例えば、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール(1,3-ブタンジオールなど)、α-テルピネオール、イソボルニルシクロヘキサノール(MTPH)等の一価及び多価アルコール類;エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル(エチルカルビトール)、ジエチレングリコールブチルエーテル(ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルなど)、ジエチレングリコールイソブチルエーテル、ジエチレングリコールヘキシルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;フタル酸ジメチル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(DPMA)、乳酸エチル、乳酸ブチル、γ-ブチロラクトン、炭酸プロピレン等のエステル類;N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等の酸アミド;シクロヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;炭素数1~18のアルキル基を有するメルカプタン類;炭素数5~7のシクロアルキル基を有するメルカプタン類が挙げられる。炭素数1~18のアルキル基を有するメルカプタン類としては、例えば、エチルメルカプタン、n-プロピルメルカプタン、i-プロピルメルカプタン、n-ブチルメルカプタン、i-ブチルメルカプタン、t-ブチルメルカプタン、ペンチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン及びドデシルメルカプタンが挙げられる。炭素数5~7のシクロアルキル基を有するメルカプタン類としては、例えば、シクロペンチルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン及びシクロヘプチルメルカプタンが挙げられる。揮発性溶剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[ヤング率の測定]
ガラス基板上に、金属ペーストを乾燥後の大きさが40mm×10mm×0.22mmとなるように塗工した。次に、金属ペーストの塗膜を以下の手順で焼成した。
(a)金属ペーストの塗膜が設けられたガラス基板を、チューブ炉(株式会社エイブイシー製)内に配置し、アルゴンガスを1L/分で流してチューブ炉内の空気をアルゴンガスにより置換した。
(b)次に、水素ガスを300mL/分で流しながら、10分間で300℃まで昇温し、300℃で60分間の焼結処理を施した。
(c)その後、アルゴンガスを0.3L/分の流量で流して冷却し、焼結体が形成されたガラス基板を50℃以下で空気中に取り出した。
(d)得られた焼結体のヤング率を、日本テクノプラス(株)製のJE2-RT型を用い、共振法により、温度:23℃、共振周波数:278.4Hzの条件で測定する。
本実施形態の導電ビア付ガラス基板の製造方法は、孔が設けられているガラス基板を用意し、孔の内部を埋めつつガラス基板の少なくとも孔の周辺の表面を被覆するように、金属粒子と揮発性溶剤とが含まれる金属ペースト部を設ける工程aと、金属ペースト部を加熱して、揮発性溶剤の一部を除去する工程bと、上記表面が露出するように加熱後の金属ペースト部の一部を除去して、孔の内部に、平坦化された露出面を有する、金属粒子と揮発性溶剤の残部とが含まれる導電ビア前駆体を形成する工程cと、導電ビア前駆体を焼成して導電ビアを形成する工程dと、を備え、金属粒子が、体積平均粒径が0.8μm以上の第1の金属粒子と、体積平均粒径が0.5μm以下の第2の金属粒子と、を含み、工程aで設けられる金属ペースト部の金属粒子濃度が95.0質量%以上であり、工程aで設けられる金属ペースト部における第2の金属粒子の含有量が、金属粒子全量を基準として50質量%以下である。
この工程で用意する孔が設けられているガラス基板の材質としては、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス等が挙げられる。ガラス基板の材質は、導電ビア周辺部のクラックの発生を抑制して、配線基板の接続信頼性をさらに向上させる観点から、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスであってもよい。
この工程では、金属ペースト部を加熱して、揮発性溶剤の一部を除去する、換言すれば、揮発性溶剤の一部が残るように金属ペースト部を加熱する。なお、上記の金属粒子フィルムを用いる場合は、支持フィルムを剥がした後に金属ペースト部を加熱することができる。
この工程では、図3の(a)~(d)に示されるように、工程bで得られる加熱後の金属ペースト部3aに対して、基板の表面を被覆している金属ペーストを除去しつつ、孔に充填された金属ペーストの平坦化(又は平滑化)を行う。これにより、平坦化された露出面VP1を有し、金属粒子と揮発性溶剤の残部とが含まれる導電ビア前駆体3bを孔(貫通孔30)の内部に形成することができる(図3の(d))。
(平均段差)
孔(ビア)の中心を通る断面の画像を取得し、断面画像を2値化することで、孔(ビア)の内壁、導電ビア前駆体の露出面、及び孔(ビア)の開口面で囲まれた断面積Saを求め、これを孔の内壁の間隔Waで割ることにより平均段差を算出する。
この工程では、工程cで形成した導電ビア前駆体3bを焼成する。これにより、金属体からなる導電ビア3cを形成することができる。金属体は、ポーラス構造を有する銅焼結体を含むことができる。導電ビアにおける空孔率は、後工程において、レジスト剥離液やめっき前処理等の薬液に浸漬した際に、銅焼結体への薬液の染み込みを抑制し、信頼性を向上させる観点から、7%以下であってもよく、1.0~6.5%であってもよく、1.5~5.0%であってもよい。導電ビアが銅焼結体からなる場合は、銅焼結体の空孔率が上記の範囲であってもよい。空孔率は、実施例に記載の方法によって求めることができる。
(平均段差)
孔(ビア)の中心を通る断面の画像を取得し、断面画像を2値化することで、孔(ビア)の内壁、導電ビアの露出面、及び孔(ビア)の開口面で囲まれた断面積Sbを求め、これを孔の内壁の間隔Wbで割ることにより平均段差を算出する。
この工程は、以下で説明するレジスト形成工程、めっき工程、レジスト除去工程及びエッチング工程を有することができる。
レジスト形成工程では、例えば、図4の(a)及び(b)に示すように、ガラス基板40の主面及び導電ビア3c上にエッチングレジスト用ネガ型感光性ドライフィルム8をラミネートし、その後、配線形状に光を透過するフォトマスクを重ね、紫外線で露光して、露光しなかった箇所を現像液で除去することにより、エッチングレジスト8aを形成することができる。
めっき工程では、例えば、図4の(c)に示すように、エッチングレジスト8aの開口部に電解めっき、無電解めっき等の方法によって配線9を形成することができる。
レジスト除去工程では、例えば、図4の(d)に示すように、アルカリ水溶液、又は、TMAH等の有機アミン系及びアセトン等のケトン系などの有機溶剤系の薬液を使用したウェットプロセスによる剥離、プラズマやオゾン等のドライプロセスによる剥離等の方法によってエッチングレジスト8aを除去することができる。
エッチング工程では、配線9により被覆されていない部分の金属被膜2をエッチングにより除去することができる。本実施形態においては、ガラス基材1の両主面上に設けられた金属被膜2の一部がエッチングにより除去されている。
(調製例A~J及び比較調製例A)
下記に示す原料を表1~2に示す割合(質量部)で、3本ロールを用いて混合することにより、金属ペーストをそれぞれ調製した。
(湿式銅紛)
球状銅粒子W1:1050Y(三井金属社製、平均粒径(D50):0.81μm、球形)
球状銅粒子W2:1100Y(三井金属社製、平均粒径(D50):1.1μm、球形)
球状銅粒子W3:1200Y(三井金属社製、平均粒径(D50):2.1μm、球形)
球状銅粒子W4:1300Y(三井金属社製、平均粒径(D50):3.5μm、球形)
扁平銅粒子W1:1100YP(三井金属社製、平均粒径(D50):1.4μm、扁平)
扁平銅粒子W2:1200YP(三井金属社製、平均粒径(D50):3.1μm、扁平)
(アトマイズ銅紛)
球状銅粒子A1:MA-C02K(三井金属社製、平均粒径(D50):1.8μm、球形)
球状銅粒子A2:MA-C025K(三井金属社製、平均粒径(D50):2.4μm、球形)
球状銅粒子A3:MA-C03K(三井金属社製、平均粒径(D50):3.4μm、球形)
球状銅粒子W5:CH0200L1(三井金属社製、平均粒径(D50):200nm、球形)
樹脂R1:有機バインダーとして「KFA―2000」(互応化学工業株式会社製、アクリル系バインダー)と、有機溶剤としてカルビトール及びテレピネオールの混合物(混合物におけるカルビトールとテレピネオールとの質量比[カルビトール:テレピネオール]=1:1)とを、1:2の質量比で混合したもの
(高蒸気圧溶剤:20℃における蒸気圧が4Pa以上30Pa以下)
α-テルピネオール:富士フイルム和光純薬株式会社製、20℃における蒸気圧6.5Pa
(低蒸気圧溶剤:20℃における蒸気圧が4Pa未満)
ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル:昭和化学株式会社製、20℃における蒸気圧1.3Pa
金属ペーストの粘度を、微量スパイラル粘度計PCU-02V(株式会社マルコム製、製品名)を用いて測定した。なお、測定条件は、回転速度:10rpm、温度:25℃とした。
後述する<金属粒子フィルムの作製>において、スクリーン印刷機により、厚さ100μmのPETフィルム上に印刷したときに、PETフィルム側に塗工できずに、ピンホールになった箇所の数を測定した。ピンホールの箇所数に基づき、下記の判定基準により印刷性を評価した。なお、評価がA~Dのものを良好と判断することができる。
(判定基準)
A:ピンホールの箇所数が0
B:ピンホールの箇所数が1以上3未満
C:ピンホールの箇所数が3以上5未満
D:ピンホールの箇所数が5以上10未満
E:ピンホールの箇所数が10以上20未満
F:ピンホールの箇所数が20以上
以下の方法にしたがって、シェア強度試験用接合サンプルの作製及びダイシェア強度の測定を行い、下記の判定基準により接合性を評価した。なお、評価がA~Cのものを良好と判断することができる。
3×3mm2の正方形の開口を有する厚さ100μmのステンレスマスクとスキージを用いて、金属ペーストを、サイズ25×20×厚さ3mmの銅板上にステンシル印刷した。ホットプレートを用いて、90℃で10分間乾燥後、チューブ炉(株式会社エイブイシー製)内に配置し、アルゴンガスを1L/分の流量で流してチューブ炉内の空気をアルゴンガスにより置換した。その後、水素ガスを300mL/分で流しながら、10分間で225℃まで昇温し、225℃で60分間の焼結処理を施すことにより金属ペーストを焼結させた。その後、アルゴンガスを0.3L/分の流量で流して冷却し、50℃以下で空気中に取り出し、銅板上に金属体が形成された基板をシェア強度試験用接合サンプルとして得た。
シェア強度試験用接合サンプルについて、DS-100ロードセルを装着した万能型ボンドテスタ(4000シリーズ、デイジ・ジャパン株式会社製)を用い、測定スピード:5mm/min、測定高さ:50μmの測定条件で、金属体又はCu板を水平方向に押し、ダイシェア強度を測定した。10箇所の平均値を算出し、これを接合強度の平均値とした。
(判定基準)
A:接合強度の平均値が50N以上
B:接合強度の平均値が40N以上50N未満
C:接合強度の平均値が20N以上40N未満
D:接合強度の平均値が10N以上20N未満
E:接合強度の平均値が10N未満
上記で調製した金属ペーストを、厚さ1mmのガラスウエハ上に、自動フィルムアプリケータ(オールグッド株式会社製)を用いて、塗布厚みが約150μmになるように塗布をした。なお、塗布面積は約5cm×約10cmとした。次に、塗布膜が設けられたウェハを、ホットプレートを用いて、90℃で10分間乾燥後、チューブ炉(株式会社エイブイシー製)内に配置し、アルゴンガスを1L/分で流してチューブ炉内の空気をアルゴンガスにより置換した。その後、水素ガスを300mL/分で流しながら、10分間で225℃まで昇温し、225℃で60分間の焼結処理を施すことにより金属ペーストを焼結させた。その後、アルゴンガスを0.3L/分の流量で流して冷却し、50℃以下で空気中に取り出し、ウェハ上に金属体が形成されたサンプルを得た。
(実施例1~13及び比較例1~4)
以下の手順で導電ビア付ガラス基板を作製した。
ガラス基板A:貫通孔を備え、両主面上及び貫通孔の壁面に、チタン層(厚み100nm)及び銅層(厚み300nm)がこの順に形成されたガラス基板「D263Teco」(SCHOTT社製、商品名、材質:ホウケイ酸ガラス、平均線形熱膨張係数α:7.2×10-6 K-1)を準備した。なお、ガラス基板は、直径が6インチ、厚みが300μmであり、上記のチタン層及び銅層はスパッタにより順次形成されたものであり、孔径(ビア径)90μmの貫通孔が設けられている。
ガラス基板B:貫通孔を備え、両主面上及び貫通孔の壁面に、チタン層(厚み100nm)及び銅層(厚み300nm)がこの順に形成されたガラス基板「OA-10G」(日本電気硝子製、材質:無アルカリガラス、平均線形熱膨張係数α:3.8×10-6 K-1)を準備した。なお、ガラス基板は、直径が6インチ、厚みが300μmであり、上記のチタン層及び銅層はスパッタにより順次形成されたものであり、孔径(ビア径)90μmの貫通孔が設けられている。
スクリーン印刷機により、上記で調製した金属ペーストを、厚さ100μmのPETフィルム上に8インチφサイズ(直径20cmの円形状)で、スクリーン印刷版(線径:23μm、メッシュ数:400本、目開き41μm、空間率41μm)を用いて印刷し、金属粒子含有層が設けられた金属粒子フィルムを得た。
貼り合せ装置VJ-35(アユミ工業株式会社製)を用いて、ガラス基板に金属粒子フィルムを金属粒子含有層側から貼り合わせ、更にこの積層体を、常温、3MPaの圧力で真空プレスし、金属ペーストを貫通孔に充填した。このとき、ガラス基板の金属粒子フィルムを貼り合わせた側とは反対側に金属ペーストを突出させた。なお、実施例1~11並びに比較例1~2では、ガラス基板Aを用い、実施例12~13並びに比較例3~4ではガラス基板Bを用いた。
上記で得られた導電ビア付ガラス基板について、以下の方法にしたがって、導電ビアにおけるクラック及びボイドの有無、導電ビアの空孔率、並びに焼結後の凹みを評価した。
導電ビア付ガラス基板の導電ビアの断面を、断面研磨により露出させ、デジタルマイクロスコープ(VHX-6000、キーエンス社製)を用いて30個の導電ビアについて観察し、クラック(長さ10μm以上)の有無を確認した。
導電ビア付ガラス基板の導電ビアの断面を、断面研磨により露出させ、デジタルマイクロスコープ(VHX-6000、キーエンス社製)を用いて30個の導電ビアについて観察し、ボイド(直径5μm以上)の有無を確認した。
導電ビア付ガラス基板の導電ビアの断面を、断面研磨により露出させ、デジタルマイクロスコープ(VHX-6000、キーエンス社製)を用いて30個の導電ビアについて観察し、以下の方法で平均段差を算出した。
[平均段差]
ビアの中心を通る断面の画像を取得し、断面画像を2値化することで、ビアの内壁、導電ビアの露出面、及びビアの開口面で囲まれた断面積Sbを求め、これを孔の内壁の間隔Wbで割ることにより平均段差(=Sb/Wb)を算出した。
30箇所の平均段差の平均値を算出し、下記判定基準に従って焼結後の凹みを評価した。なお、評価がC以上のものを良好と判断することができる。
(判定基準)
A:平均段差の平均値が1μm未満
B:平均段差の平均値が1μm以上3μm未満
C:平均段差の平均値が3μm以上5μm未満
D:平均段差の平均値が5μm以上10μm未満
E:平均段差の平均値が10μm以上
機械的研磨処理を行った導電ビア付ガラス基板を厚さ方向に切断し、ガラス基板の導電ビアの中央部の断面を集束イオンビームによって露出させ、この断面を観察した。ガラス基板の貫通孔の中央部の断面を観察する際には、貫通孔の中央部から、ガラス基板の厚み方向に±5μm及びガラス基板の厚み方向と直交する方向に±5μmの範囲を観察した。集束イオンビーム加工観察装置は、MI4050(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いた。観察には、走査型電子顕微鏡S-3700N(日立ハイテクノロジーズ社製)を用い、倍率は5000倍とし、導電体の断面画像(約10μm角)を撮影した。観察箇所は5箇所とした。得られた断面画像を、画像解析ソフト(Adobe Photoshop(登録商標)Elements)を用いて、焼結銅部分と、ポーラス(空孔)部分とが分かれるように2値化処理した。5箇所の観察箇所それぞれについて、導電ビア断面の全面積に対するポーラス(空孔)部分の面積の比率を求め、これを空孔率とした。5箇所の観察の空孔率の平均値を導電ビアの空孔率とした。
(実施例1~13及び比較例1~4)
上記と同様にして作製した導電ビア付ガラス基板に、以下の手順で配線を形成して配線基板を得て、その評価を行った。
試験片55(又は樹脂層付試験片)の初期抵抗値として、90μmφのビアが1000個連結した抵抗値を測定した。この連結接続抵抗値に基づき、下記の判定基準により初期抵抗値を評価した。評価がB以上のものを良好と判断することができる。
(ビア数)
90μmφ:1000個
(判定基準)
A:抵抗値が6Ω未満
B:抵抗値が6Ω以上10Ω未満
C:抵抗値が10Ω以上20Ω未満
D:抵抗値が20Ω以上50Ω未満
E:抵抗値が50Ω以上
試験片55(又は樹脂層付試験片)を温度サイクル試験機(TSA-72SE-W、エスペック株式会社製)にセットし、低温側:-55℃、15分、室温:2分、高温側:125℃、15分、除霜サイクル:自動、サイクル数:50、100、300、500、1000サイクルの条件で温度サイクル接続信頼性試験を実施した。各サイクル数を経た試験片について、上記の数のビアが連結した抵抗値を測定した。この連結接続抵抗値に基づき、下記の判定基準により接続信頼性を評価した。
(判定基準)
A:抵抗変化率が初期抵抗値に対して1%未満
B:抵抗変化率が初期抵抗値に対して1%以上3%未満
C:抵抗変化率が初期抵抗値に対して3%以上5%未満
D:抵抗変化率が初期抵抗値に対して5%以上10%未満
E:抵抗変化率が初期抵抗値に対して10%以上20%未満
F:抵抗変化率が初期抵抗値に対して20%以上
G:導通不良が発生
試験片55(又は樹脂層付試験片)を目視で確認し、ガラス基板の割れの有無を確認した。
試験片55(又は樹脂層付試験片)の作製において、レジストを剥離した後、導電ビアの断面を断面研磨により露出させ、デジタルマイクロスコープ(VHX-6000、キーエンス社製)を用いて30個の導電ビアについて観察し、上記焼結後の凹みの評価と同様の方法で平均段差の平均値を算出した。そして、下記判定基準に従ってレジスト剥離後の凹みを評価した。なお、評価がC以上のものを良好と判断することができる。
(判定基準)
A:平均段差の平均値が1μm未満
B:平均段差の平均値が1μm以上3μm未満
C:平均段差の平均値が3μm以上5μm未満
D:平均段差の平均値が5μm以上10μm未満
E:平均段差の平均値が10μm以上
(観察1)
実施例1で作製した導電ビア付ガラス基板について、集束イオンビーム加工観察装置(日立ハイテクノロジーズ社製、商品名:MI4050)を用い、集束イオンビームによって導電ビア付ガラス基板の導電ビアの中央部の断面を露出させ、該断面を観察した。観察には、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、商品名:S-3700N)を用い、倍率は5千倍及び2万倍とし、銅焼結体の断面画像を撮影した(図6を参照)。図6に示される画像は、(a)が倍率5千倍の画像であり、(b)が倍率2万倍の画像である。図6の(b)に示されるように、銅焼結体は、第2の銅粒子の間に第1の銅粒子が充填され、粒子同士が接合された構造を有している。このような緻密な銅焼結体の形成と、焼結時の収縮が抑制されることによるボイドやクラックの発生の抑制並びに凹みの抑制によって、配線形成後であっても充分に低い接続抵抗値を示すことができるとともに、得られる配線基板が優れた接続信頼性を有することができたと考えられる。
実施例1で作製した配線基板について、配線基板の外観と断面を、光学顕微鏡にて観察した。図7に示される画像は、(a)が配線基板の外観、(b)が(a)の一部を拡大したもの、(c)が配線基板の断面を示す。図7に示されるように、ガラス基板のビア部分には銅焼結体がボイド無く充填されており、銅焼結体が充填された導電ビア部分には銅配線が良好に形成されている。
(比較例5~8)
以下の手順で導電ビア付ガラス基板を作製した。
上記と同様のガラス基板A及びガラス基板Bを用意した。
ガラス基板を硫酸銅めっき液に浸漬し、電解銅めっきを行うことで、ビア径90μmのビア部分を穴埋めした。次に、CMPスラリーを用いて、ガラス基板の両面の析出した銅めっき皮膜を研磨することで、ガラス基板上の銅の厚みを約1μmになるように仕上げた。
実施例12及び比較例7で作製した配線基板について、温度サイクル試験(50回)後の基板表面を光学顕微鏡にて観察した。実施例12で作製した配線基板は、図8の(a)に示されるように、温度サイクル試験後においてもクラックの発生が抑制されている。なお、図8の(b)は、図8の(a)の一部を拡大した図である。一方、比較例7で作製した配線基板は、図9の(a)に示されるように、導電ビアの周辺部のガラス基板にクラックが発生した。なお、図9の(b)は、図9の(a)の一部を拡大した図である。
調製例Aの金属ペーストについて、焼結体のヤング率を以下の方法で測定した。
(ヤング率の測定)
ガラス基板上に、金属ペーストを乾燥後の大きさが40mm×10mm×0.22mmとなるように塗工した。次に、金属ペーストの塗膜を以下の手順で焼成した。
(a)金属ペーストの塗膜が設けられたガラス基板を、チューブ炉(株式会社エイブイシー製)内に配置し、アルゴンガスを1L/分で流してチューブ炉内の空気をアルゴンガスにより置換した。
(b)次に、水素ガスを300mL/分で流しながら、10分間で300℃まで昇温し、300℃で60分間の焼結処理を施した。
(c)その後、アルゴンガスを0.3L/分の流量で流して冷却し、焼結体が形成されたガラス基板を50℃以下で空気中に取り出した。
(d)得られた焼結体のヤング率を、日本テクノプラス(株)製のJE2-RT型を用い、共振法により、温度:23℃、共振周波数:278.4Hzの条件で測定する。
Claims (3)
- 孔が設けられているガラス基板を用意し、前記孔の内部を埋めつつ前記ガラス基板の少なくとも前記孔の周辺の表面を被覆するように、金属粒子と揮発性溶剤とが含まれる金属ペースト部を設ける工程aと、
前記金属ペースト部を加熱して、前記揮発性溶剤の一部を除去する工程bと、
前記表面が露出するように加熱後の前記金属ペースト部の一部を除去して、前記孔の内部に、平坦化された露出面を有する、前記金属粒子と前記揮発性溶剤の残部とが含まれる導電ビア前駆体を形成する工程cと、
前記導電ビア前駆体を焼成する工程dと、を備え、
前記金属粒子が、体積平均粒径が0.8μm以上の第1の金属粒子と、体積平均粒径が0.5μm以下の第2の金属粒子と、を含み、
前記工程aで設けられる前記金属ペースト部の金属粒子濃度が95.0質量%以上であり、
前記工程aで設けられる前記金属ペースト部における前記第2の金属粒子の含有量が、前記金属粒子全量を基準として50質量%以下である、導電ビア付ガラス基板の製造方法。 - 前記第1の金属粒子及び前記第2の金属粒子が銅粒子である、請求項1に記載の導電ビア付ガラス基板の製造方法。
- 前記第1の金属粒子がフレーク状銅粒子を含む、請求項1又は2に記載の導電ビア付ガラス基板の製造方法。
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