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JP7668169B2 - 板状成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、板状成形体に関する。
液晶ポリマーを形成材料として用いた成形体は、高強度であり耐熱性が高く、また寸法精度が高い。そのため、液晶ポリマーは、コネクターやリレー部品など、比較的小型の電子部品の形成材料として用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開平07-126383号公報
近年では、上述したような特徴を生かし、液晶ポリマーは、上述のような小型電子部品の材料の他、板状の成形体の材料として用いられている。以下の説明において、「板状」の成形体とは、平面視形状に対して正面視の高さが低い成形体を指す。例えば、a(高さ),b(縦),c(横)の3種の長さの辺を有する直方体(a<b<c)に内接する成形体において、bがaの10倍以上となる成形体は、上記定義において「板状成形体」に該当する。
液晶ポリマーは、溶融時において流動方向に配向しやすいことが知られている。液晶ポリマーを材料とする成形体は、樹脂の配向に起因して硬化収縮の量が異なり、反りを生じることがある。そのため、液晶ポリマーを材料とする板状成形体においては、反りを抑制する工夫が必要とされる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、反りが抑制された板状成形体を提供することを目的とする。
板状成形体は、軽量化のため薄型化することがある。一方で、板状成形体を薄型化すると、剛性や強度が低下しやすい。そのため、板状成形体の強度を補うために、板状成形体に「リブ」を設けることがある。このようなリブは、例えば、板状成形体の一面において、一方向に配列させて複数設けることがある。
発明者が検討したところ、液晶ポリマーを材料とする板状成形体にリブを設けた場合、反りが生じやすく、対策が必要であることが分かった。また、発明者の検討により、このような反りは、他の熱可塑性樹脂を用いて板状成形体を形成した場合よりも顕著に大きく生じることが分かった。これらより、上記成形体の反りは、液晶ポリマーを材料に特有の課題であると思われる。
発明者が鋭意検討した結果、液晶ポリマーの性質を考慮して、次のような発明を完成させた。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、以下の態様を包含する。
[1]液晶ポリエステルを材料とし、板状の基部と、前記基部のおもて面に設けられた複数の表リブと、前記基部の裏面に設けられた複数の裏リブと、を備え、前記基部は、一方向に延びる帯状であり、前記複数の表リブは、前記おもて面から突出する第1リブと、前記第1リブを挟む位置において前記おもて面から突出する一対のリブと、を含み、前記複数の裏リブは、前記裏面から突出する第2リブを含み、前記第2リブは、平面視において、前記第1リブと前記一対のリブの一方との中央から、前記第1リブと前記一対のリブの他方との中央までの範囲に位置し、前記第1リブと平行ではなく、前記第1リブの体積は、前記第2リブの体積の70%以上130%以下であり、前記複数の表リブ及び前記複数の裏リブは、前記基部の延びる方向と交差しており、以下の式(1)を満たす板状成形体。
|(sinA+sinA+…+sinA)-(sinB+sinB+…+sinB)|≦1…(1)(式中、xは前記表リブの数、yは前記裏リブの数、Aは平面視で前記延びる方向と直交する仮想線と前記表リブとの角度、Bは前記仮想線と前記裏リブとの角度を示す)
[2]平面視において、前記第1リブと前記第2リブとが成す角は、0°を超え4°以下である[1]に記載の板状成形体。
[3]液晶ポリエステルを材料とし、板状の基部と、前記基部のおもて面に設けられた複数の表リブと、前記基部の裏面に設けられた複数の裏リブと、を備え、前記複数の表リブは、前記おもて面から突出する第1リブと、前記第1リブを挟む位置において前記おもて面から突出する一対のリブと、を含み、前記複数の裏リブは、前記裏面から突出する第2リブを含み、前記第2リブは、平面視において、前記第1リブと前記一対のリブの一方との中央から、前記第1リブと前記一対のリブの他方との中央までの範囲に位置し、前記第1リブの体積は、前記第2リブの体積の70%以上130%以下であり、平面視において、前記第1リブと前記第2リブとが成す角は、0°以上4°以下である板状成形体。
[4]前記基部は、一方向に延びる帯状であり、前記複数の表リブ及び前記複数の裏リブは、前記基部の延びる方向と交差して設けられている[3]に記載の板状成形体。
[5]以下の式(1)を満たす[4]に記載の板状成形体。
|(sinA+sinA+…+sinA)-(sinB+sinB+…+sinB)|≦1…(1)
(式中、xは前記表リブの数、yは前記裏リブの数、Aは平面視で前記延びる方向と直交する仮想線と前記表リブとの角度、Bは前記仮想線と前記裏リブとの角度を示す)
[6]前記前記第1リブと前記第2リブとは、平面視で平行である[3]から[5]のいずれか1項に記載の板状成形体。
[7]前記第1リブと前記第2リブとは、平面視で重なる[1]から[6]のいずれか1項に記載の板状成形体。
本発明によれば、反りが抑制された板状成形体を提供できる。
図1は、板状成形体1の概略斜視図である。 図2は図1の線分II-IIにおける矢視断面図である。 図3は、液晶ポリエステルを材料とし、表面にリブを有する板状成形体を成形する場合の課題を説明する説明図である。 図4は、式(1)を説明する説明図である。 図5は、実施例のシミュレーションで用いた流動解析モデルを示す図である。 図6は、No.11~18のサンプルについて|xsinA-ysinB|と平面度との対応関係を示す散布図である。
本実施形態の板状成形体は、液晶ポリエステルを材料とし、以下のような特徴を有する。
(i)板状の基部と、基部のおもて面に設けられた複数の表リブと、基部の裏面に設けられた複数の裏リブと、を備える。
(ii)複数の表リブは、おもて面から突出する第1リブと、第1リブを挟む位置においておもて面から突出する一対のリブと、を含む。
(iii)複数の裏リブは、裏面から突出する第2リブを含む。
(iv)第2リブは、平面視において、第1リブと一対のリブの一方との中央から、第1リブと一対のリブの他方との中央までの範囲に位置する。
さらに、上記(i)~(iv)に加え、本実施形態の板状成形体は、以下の(v)又は(vi)の特徴を有する。
(v)基部は、一方向に延びる帯状であり、複数の表リブ及び複数の裏リブは、基部の延びる方向と交差して設けられており、以下の式(1)を満たす。
|(sinA+sinA+…+sinA)-(sinB+sinB+…+sinB)|≦1…(1)
(式中、xは前記表リブの数、yは前記裏リブの数、Aは平面視で前記延びる方向と直交する仮想線と前記表リブとの角度、Bは前記仮想線と前記裏リブとの角度を示す)
(vi)平面視において、第1リブと第2リブとが成す角は、0°以上4°以下である。
以下順に説明する。
以下、図1~図4を参照しながら、本発明の実施形態に係る板状成形体について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
図1,2は、本実施形態の板状成形体を示す説明図である、図1は、板状成形体1の概略斜視図であり、図2は図1の線分II-IIにおける矢視断面図である。
図1,2に示すように、板状成形体1は、帯状の基部10と、複数の表リブ20と、複数の裏リブ30とを備える。
以下の説明においては、xyz直交座標系を設定し、このxyz直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。ここでは、水平面内の基部10の延びる方向をx軸方向、水平面内においてx軸方向と直交する方向をy軸方向、x軸方向及びy軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をz軸方向とする。
図1に示す板状成形体1は、本発明の説明を容易にするために単純化した形状としている。
板状成形体1は、液晶ポリエステルを材料とする射出成形体である。板状成形体1は、基部10の長手方向の一端10cに、射出成型時のゲート痕Gを有する。
板状成形体1が適用される具体的な部材としては、例えば、公知のレーザープリンタのガイド板が挙げられる。ガイド板の表面には、紙送り方向に沿って、プリント用紙との接触面積を減らすための複数のリブを有する。
(液晶ポリエステル)
本実施形態で用いられる液晶ポリエステルは、サーモトロピック液晶ポリマーの一つであり、光学的異方性を示す溶融体を450℃以下の温度で形成し得るものである。
液晶ポリエステルは、下記一般式(1)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(1)」ということがある。)を有することが好ましく、繰返し単位(1)と、下記一般式(2)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(2)」ということがある。)と、下記一般式(3)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(3)」ということがある。)と、を有することがより好ましい。
(1)-O-Ar-CO-
(2)-CO-Ar-CO-
(3)-X-Ar-Y-
(式中、Arは、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表す。Ar及びArは、それぞれ独立に、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記一般式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基(-NH-)を表す。Ar、Ar又はArで表される前記基中の1個以上の水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)-Ar-Z-Ar
(式中、Ar及びArは、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。
Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
本実施形態で用いられる液晶ポリエステルとしては、具体的には、
(1)芳香族ヒドロキシカルボン酸と芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとの組み合わせを重合して得られるもの、
(2)複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合して得られるもの、
(3)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとの組み合わせを重合して得られるもの、
(4)ポリエチレンテレフタレートなどの結晶性ポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させて得られるもの、などを挙げることができる。
なお、液晶ポリエステルの製造において、原料モノマーとして使用する芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールの一部または全部を、予めエステル形成性誘導体にして重合に供することもできる。このようなエステル形成性誘導体を用いることにより、液晶ポリエステルをより容易に製造できるという利点がある。
エステル形成性誘導体としては次のようなものが例示される。
分子内にカルボキシル基を有する芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体の例としては、当該カルボキシル基が、ハロホルミル基(酸ハロゲン化物)やアシルオキシカルボニル基(酸無水物)などの高反応性の基に転化したものや、当該カルボキシル基が、エステル交換反応によりポリエステルを生成するように、一価のアルコール類やエチレングリコール等の多価アルコール類、フェノール類などとエステルを形成したものが挙げられる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸および芳香族ジオールのようなフェノール性水酸基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、該フェノール性水酸基が、エステル交換反応によりポリエステルを生成するように、低級カルボン酸類とエステルを形成したものが挙げられる。
さらに、エステル形成性を阻害しない程度であれば、上述の芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸または芳香族ジオールは、その芳香環に、塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、ブチル基などの炭素数1~10のアルキル基;フェニル基などの炭素数6~20のアリール基を置換基として有していてもよい。
芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、p-ヒドロキシ安息香酸、m-ヒドロキシ安息香酸、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、5-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸、4-ヒドロキシ-4’-カルボキシジフェニルエーテルが挙げられる。また、これらの芳香族ヒドロキシカルボン酸の芳香環にある水素原子の一部が、アルキル基、アリール基およびハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以上の置換基で置換されてなる芳香族ヒドロキシカルボン酸が挙げられる。
p-ヒドロキシ安息香酸は、後述の(A)を誘導する芳香族ヒドロキシカルボン酸である。
6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸は、後述の(A)を誘導する芳香族ヒドロキシカルボン酸である。
該芳香族ヒドロキシカルボン酸は、液晶ポリエステルの製造において、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上述した繰返し単位(1)は、所定の芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位である。芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位としては、例えば、以下に示すものが挙げられる。なお、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位は、その芳香環にある水素原子の一部が、ハロゲン原子、アルキル基およびアリール基からなる群より選ばれる1種以上の置換基で置換されていてもよい。
なお、本明細書において「由来」とは、原料モノマーが重合するために化学構造が変化し、その他の構造変化を生じないことを意味する。
Figure 0007668169000001
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ビフェニル-4,4’-ジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテル-4,4’-ジカルボン酸、ジフェニルチオエーテル-4,4’-ジカルボン酸が挙げられる。また、これらの芳香族ジカルボン酸の芳香環にある水素原子の一部が、アルキル基、アリール基およびハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以上の置換基で置換されてなる芳香族ジカルボン酸が挙げられる。
テレフタル酸は、後述の(B)を誘導する芳香族ジカルボン酸である。
イソフタル酸は、後述の(B)を誘導する芳香族ジカルボン酸である。
2,6-ナフタレンジカルボン酸は、後述の(B)を誘導する芳香族ジカルボン酸である。
該芳香族ジカルボン酸は、液晶ポリエステルの製造において、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上述した繰返し単位(2)は、所定の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位である。芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位としては、例えば、以下に示すものが挙げられる。なお、芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位は、その芳香環にある水素原子の一部が、ハロゲン原子、アルキル基およびアリール基からなる群より選ばれる1種以上の置換基で置換されていてもよい。
Figure 0007668169000002
芳香族ジオールとしては、例えば、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、2,6-ジヒドロキシナフタレン、1,5-ジヒドロキシナフタレンが挙げられる。また、これらの芳香族ジオールの芳香環にある水素原子の一部が、アルキル基、アリール基およびハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以上の置換基で置換されてなる芳香族ジオールが挙げられる。
4,4’-ジヒドロキシビフェニルは、後述の(C)を誘導する芳香族ジオールである。
ハイドロキノンは、後述の(C)を誘導する芳香族ジオールである。
レゾルシノールは、後述の(C)を誘導する芳香族ジオールである。
該芳香族ジオールは、液晶ポリエステルの製造において、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上述した繰返し単位(3)は、所定の芳香族ジオールに由来する繰返し単位を含む。芳香族ジオールに由来する繰返し単位としては、例えば、以下に示すものが挙げられる。なお、芳香族ジオールに由来する繰返し単位は、その芳香環にある水素原子の一部が、ハロゲン原子、アルキル基およびアリール基からなる群より選ばれる1種以上の置換基で置換されていてもよい。
Figure 0007668169000003
前記繰返し単位(芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位、芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位、芳香族ジオールに由来する繰返し単位)が任意に有していてもよい置換基において、ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられ、アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、ブチル基などの炭素数1~4程度の低級アルキル基が挙げられ、アリール基の例としては、フェニル基が挙げられる。
特に好適な液晶ポリエステルに関し説明する。
芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位としては、パラヒドロキシ安息香酸に由来する繰返し単位((A))または2-ヒドロキシ-6-ナフトエ酸もしくはその両方に由来する繰返し単位((A))を有していると好ましい。
芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位としては、テレフタル酸に由来する繰返し単位((B))、イソフタル酸に由来する繰返し単位((B))および2,6-ナフタレンジカルボン酸((B))に由来する繰返し単位からなる群より選ばれるものを有していると好ましい。
芳香族ジオールに由来する繰返し単位としては、ヒドロキノンに由来する繰返し単位((C))または4,4’-ジヒドロキシビフェニルもしくはその両方に由来する繰返し単位((C))を有していると好ましい。
そして、これらの組み合わせとしては、下記(a)~(h)で表されるものが好ましい。これら(a)~(h)の繰返し単位の組み合わせであれば、良好な電気絶縁性を有する液晶ポリエステルが得られる。
(a):(A)、(B)および(C)からなる組み合わせ、または、(A)、(B)、(B)および(C)からなる組み合わせ。
(b):(A)、(B)および(C)からなる組み合わせ、または(A)、(B)、(B)および(C)からなる組み合わせ。
(c):(A)および(A)からなる組み合わせ。
(d):(a)の繰返し単位の組み合わせにおいて、(A)の一部または全部を(A)で置きかえたもの。
(e):(a)の繰返し単位の組み合わせにおいて、(B)の一部または全部を(B)で置きかえたもの。
(f):(a)の繰返し単位の組み合わせにおいて、(C)の一部または全部を(C)で置きかえたもの。
(g):(b)の繰返し単位の組み合わせにおいて、(A)の一部または全部を(A)で置きかえたもの。
(h):(c)の繰返し単位の組み合わせに、(B)と(C)を加えたもの。
特に好ましい液晶ポリエステルとしては、全繰返し単位の合計単位数を100%として、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位の合計が30~80%、芳香族ジオールに由来する繰返し単位の合計が10~35%、芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位の合計が10~35%、である液晶ポリエステルを挙げることができる。
前記液晶ポリエステルの製造方法としては、例えば、特開2002-146003号公報に記載の方法などの公知の方法が適用できる。すなわち、上述の原料モノマー(芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールまたはこれらのエステル形成用誘導体)を溶融重合(重縮合)させて、比較的低分子量の芳香族ポリエステル(以下、「プレポリマー」と略記する。)を得、次いで、このプレポリマーを粉末とし、加熱することにより固相重合する方法が挙げられる。このように固相重合させることにより、重合がより進行して、より高分子量の液晶ポリエステルを得ることができる。
その他、最も基本的な構造となる前記(a)、(b)の繰返し単位の組み合わせを有する液晶ポリエステルの製造方法については、特公昭47-47870号公報、特公昭63-3888号公報などにも記載されている。
溶融重合は、触媒の存在下で行ってもよく、この場合の触媒の例としては、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモンなどの金属化合物や、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、1-メチルイミダゾールなどの含窒素複素環式化合物が挙げられ、含窒素複素環式化合物が好ましく用いられる。
板状成形体に使用する液晶ポリエステルとしては、下記の方法で求められる流動開始温度が280℃以上の液晶ポリエステルであることが好ましい。上述のように、液晶ポリエステルの製造において固相重合を用いた場合には、液晶ポリエステルの流動開始温度を280℃以上にすることが比較的短時間で可能である。そして、このような流動開始温度の液晶ポリエステルを用いることにより、得られる成形体は高度の耐熱性を有するものとなる。一方、成形体を実用的な温度範囲で成形する面では、板状成形体に使用する液晶ポリエステルの流動開始温度は420℃以下が好ましく、390℃以下であればさらに好ましい。
ここで、流動開始温度とは、内径1mm、長さ10mmのダイスを取付けた毛細管型レオメーターを用い、9.8MPa(100kg/cm)の荷重下において昇温速度4℃/分で液晶ポリエステルをノズルから押出すときに、溶融粘度が4800Pa・s(48000ポイズ)を示す温度である。流動開始温度は、当技術分野で周知の液晶ポリエステルの分子量を表す指標である(小出直之編、「液晶性ポリマー合成・成形・応用-」、95~105頁、シーエムシー、1987年6月5日発行を参照)。流動開始温度を測定する装置としては、例えば、(株)島津製作所製の流動特性評価装置「フローテスターCFT-500D」を用いることができる。
[充填材]
本実施形態の板状成形体1は、充填材を含有してもよい。本実施形態では、板状成形体1が充填材を含有することで、板状成形体1に十分な強度を付与できる。
本実施形態で用いられる充填材は、無機充填材であってもよいし、有機充填材であってもよい。また、繊維状充填材であってもよく、板状充填材であってもよく、粒状充填材であってもよい。
繊維状充填材の例としては、ガラス繊維;パン系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維などの炭素繊維;シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維などのセラミック繊維;およびステンレス繊維などの金属繊維が挙げられる。また、チタン酸カリウムウイスカー、チタン酸バリウムウイスカー、ウォラストナイトウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、窒化ケイ素ウイスカー、炭化ケイ素ウイスカーなどのウイスカーも挙げられる。
板状充填材の例としては、タルク、マイカ、グラファイト、ウォラストナイト、硫酸バリウムおよび炭酸カルシウムなどが挙げられる。マイカは、白雲母であってもよいし、金雲母であってもよいし、フッ素金雲母であってもよいし、四ケイ素雲母であってもよい。
粒状充填材の例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、窒化ホウ素、炭化ケイ素および炭酸カルシウムなどが挙げられる。
板状成形体1の一用途であるレーザープリンタは、粉状のトナーを静電的にプリント用紙の表面に付着させた後、トナーを高温、高圧で用紙に押し付けることで用紙に融着させ、印刷する。ガイド板は、高温に加熱されたプリント用紙に接する。そのため、高強度(高剛性)且つ耐熱性という特性を有する液晶ポリエステルは、ガイド板の材料として適している。
一方、液晶ポリエステルは、溶融時において流動方向に配向しやすいことが知られている。液晶ポリエステルを材料とする成形体は、樹脂の配向に起因して硬化収縮の量が異なる。詳細には、液晶ポリエステルは、配向方向よりも、配向方向と交差する方向に大きく収縮する。そのため、液晶ポリエステルを材料とし、表面にリブを有する板状成形体を成形しようとすると、次のような不具合が生じる。
図3は、液晶ポリエステルを材料とし、表面にリブを有する板状成形体を成形する場合の課題を説明する説明図であり、板状成形体を製造する様子を示す一部拡大図である。図3に示す板状成形体1Xは、図1の板状成形体1から裏リブ30を除去した形状であり、基部10の一面にリブ29を有することとする。リブ29は、基部10から突出して設けられ、基部10の幅方向に伸びている。
このような板状成形体1Xを射出成形にて成形する場合、溶融樹脂Rは、基部10の一端に対応するゲートから金型MのキャビティC1に注入される。金型Mにおいて、溶融樹脂Rは、まず基部10の延在方向に沿って流動する。図3では、このように流動する溶融樹脂を符号R1で示す。
次いで、溶融樹脂Rは、金型Mにおいてリブ29に対応する凹部C2に流入する。その際、溶融樹脂Rは、基部10と交差する方向(基部10から遠ざかる方向)に流動する。図3では、このように流動する溶融樹脂を符号R2で示す。
次いで、溶融樹脂Rは、リブ29の頂面に対応する凹部C2における底部C3に達する。底部C3に達した溶融樹脂Rは、底部C3に沿って、すなわちリブ29の延びる方向に沿って流動する。図3では、このように流動する溶融樹脂を符号R3で示す。
このように成形する板状成形体1Xにおいては、溶融樹脂R1がx軸方向に配向するのに対し、溶融樹脂R2はz軸方向に配向する。そのため、x軸方向において、溶融樹脂R1が固化して得られる基部10の収縮が小さいのに対し、溶融樹脂R2が固化して得られるリブ29の収縮は大きい。
その結果、板状成形体1Xにおいては、リブ29に起因した収縮が生じると考えられる。具体的には、板状成形体1Xは、長手方向において-z軸方向に凸となる反りが生じると考えられる。
また、板状成形体1Xにおいては、溶融樹脂R1がx軸方向に配向するのに対し、溶融樹脂R3はy軸方向に配向する。そのため、y軸方向において、溶融樹脂R3が固化して得られるリブ29の先端の収縮は小さいのに対し、溶融樹脂R1が固化して得られる基部10の収縮が大きい。
その結果、板状成形体1Xにおいては、基部10に起因した収縮が生じると考えられる。具体的には、板状成形体1Xには、短手方向において+z軸方向に凸の反りが生じると考えられる。
上述したような溶融樹脂の配向に起因する反りは、液晶ポリエステルを材料とし、射出成形により板状成形体を形成する場合に特に際立って現れる。そのため、相対的に液晶ポリエステルよりも配向しにくい材料を用いて板状成形体を製造する際には、問題とならなくても、液晶ポリエステルを材料とすることにより、より詳細に構造の設計を行う必要が生じる。
発明者は、鋭意検討した結果、本実施形態の板状成形体1のような構造とすることにより反りが軽減されることを見出した。
図1,2に示す板状成形体1は、板状の基部10と、基部10のおもて面10aに設けられた複数の表リブ20と、基部10の裏面10bに設けられた複数の裏リブ30と、を備える。
基部10は、板状成形体1の大半を占める。基部10は、一方向に延びる帯状であり、平面視矩形を呈する。基部10の一端10cには、ゲート痕Gを有する。「平面視」とは、+z軸側から見た視野のことを指す。
ここで、「帯状」とは、一方向に長く伸びる様子を示す表現である。この意味において、「帯状」の基部10の平面視形状は、数学的な矩形に限らない。また、平面視において、基部10の辺は、直線状でなくてもよい。
上述のような位置のゲート痕Gは、板状成形体1が、長手方向の一端10cにゲートが設定された金型を用いて射出成形したことを意味する。このように成形すると、射出成形時に、液晶ポリエステルの溶融樹脂が長手方向に配向しやすく、得られる成形体の長手方向の寸法精度を高く保つことができる。
板状成形体1の射出成形に用いる金型は、板状成形体1と相補的に重なる内部空間(キャビティ)を有する。金型は、キャビティの長手方向において、一端側に偏った位置にゲートを有する。ゲートは、キャビティの長手方向において、キャビティの長手方向の端部からゲートまでの距離が、キャビティの長手方向の長さLの10%以下となる位置(端部から0.1L以下の位置)に設けられている。このような金型を用いて成形した板状成形体1は、長手方向の長さの10%以下となる位置にゲート痕Gを有する。
ゲートの中心からからキャビティの長手方向端部までの距離は、キャビティの長手方向の長さの8%以下であることが好ましく、6%以下であることがより好ましく、4%以下であることがさらに好ましい。
なお、図1では、ゲート痕Gを円形としたがこれに限定されない。ゲート痕Gの形状は、用いる金型のゲートの断面形状に対応するが、ゲートの断面形状は円形状、半円形状、楕円形状、正方形、長方形(矩形状)、台形並びにこれらに似た形状などの公知の形状でよい。例えば、ゲートは、キャビティの一方の短辺に沿って延びるフィルムゲートであってもよい。
基部10の厚みTは、0.1mm以上であることが好ましく、0.3mm以上であることがより好ましい。また、基部10の厚みTは、5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましい。
厚みTの上限値と下限値とは、任意に組み合わせることができる。
複数の表リブ20は、基部10の延びる方向(x軸方向)と交差して設けられている。表リブ20は、y軸方向に伸びている。図1では、複数の表リブ20が、平面視で互いに平行であるがこれに限らない。
隣り合う表リブ20同士の間隔は、等間隔であってもよく、異なっていてもよい。表リブ20同士の間隔は、1mm以上であることが好ましく、2mm以上であることがより好ましい。また表リブ20同士の間隔は、100mm以下であることが好ましく、50mm以下であることがより好ましい。
表リブ20同士の間隔の上限値と下限値とは、任意に組み合わせることができる。
複数の表リブ20は、おもて面10aから突出する第1リブ21と、第1リブ21を挟む位置において、おもて面10aから突出する一対のリブ(リブ22,23)と、を含む。第1リブ21は、複数の表リブ20のうちの任意の一つである。一対のリブ22,23は、第1リブ21と隣り合うリブである。
複数の裏リブ30は、基部10の延びる方向(x軸方向)と交差して設けられている。裏リブ30は、y軸方向に伸びている。図1では、複数の裏リブ30が、平面視で互いに平行であるがこれに限らない。
隣り合う裏リブ30同士の間隔は、等間隔であってもよく、異なっていてもよい。裏リブ30同士の間隔は、1mm以上であることが好ましく、2mm以上であることがより好ましい。また裏リブ30同士の間隔は、100mm以下であることが好ましく、50mm以下であることがより好ましい。
裏リブ30同士の間隔の上限値と下限値とは、任意に組み合わせることができる。
複数の裏リブ30は、裏面10bから突出する第2リブ31を含む。第2リブ31は、平面視において、第1リブ21とリブ22との中央位置から、第1リブ21とリブ23との中央位置までの範囲ARに位置する。
なお、「第1リブ21とリブ22との中央位置」は、平面視における第1リブ21の中心線から、リブ22の中心線までの間の中央を意味する。また、「第1リブ21とリブ23との中央位置」は、平面視における第1リブ21の中心線から、リブ23の中心線までの間の中央を意味する。
表リブ20では、図3において説明したように溶融樹脂の流動方向に応じた収縮量の違いにより、反りや歪みが生じ得る。一方、裏リブ30においても、表リブ20と同様に、溶融樹脂の流動方向に応じた収縮量の違いにより、反りや歪みが生じ得る。板状成形体1では、表リブ20と裏リブ30とを有することにより、表リブ20と裏リブ30とでそれぞれ生じる歪みが互いに打ち消し合う。その結果、板状成形体1は、成形体全体として反りを軽減することができる。
さらに詳細には、上述した位置に第2リブ31(裏リブ30)を設けることにより、第2リブ31は、第1リブ21に起因する歪みを効果的に打ち消し、成形体の反りを軽減することができる。
図1,2に示す第1リブ21と第2リブ31とは、平面視で重なる位置に設けられている。
また、表リブ20に含まれる複数のリブと、裏リブ30に含まれる複数のリブとは、平面視で平行ではない組み合わせの第1リブ21と第2リブ31とを含んでいる。このような第1リブ21と第2リブ31とは、平面視において両者の成す角が0°を超え4°以下であると好ましい。上述の「成す角」は、3°以下であってもよく、2°以下であってもよい。
なお、表リブ20に含まれる第1リブ21以外のリブと、裏リブ30に含まれる第2リブ31以外のリブとは、平面視で平行であってもよい。
ここで、図1,2に示す板状成形体1においては、表リブ20及び裏リブ30は、基部10の延びる方向(x軸方向)に対して直交する方向(y軸方向)に延びている。基部10の延びる方向に対する表リブ20及び裏リブ30の延びる方向は、図に示す関係には限らない。ただし、基部10に対する表リブ20及び裏リブ30の角度によっては、かえって板状成形体1の反りを大きくしてしまうことがある。
発明者が検討したところ、本実施形態の板状成形体においては、表リブ20と裏リブ30とは以下の式(1)を満たすことにより、適切に反りを軽減することができることが分かった。
|(sinA+sinA+…+sinA)-(sinB+sinB+…+sinB)|≦1 …(1)
(式中、xは表リブの数、yは裏リブの数、Aは平面視で基部の延びる方向と直交する仮想線と表リブとの角度、Bは平面視で基部の延びる方向と直交する仮想線と裏リブとの角度を示す)
が全て同じ角度Aであり、Bが全て同じ角度Bである場合、上記式(1)は、次のように変形できる。
|xsinA-ysinB|≦1 …(1)-1
(式中、xは表リブの数、yは裏リブの数、Aは平面視で基部の延びる方向と直交する仮想線と表リブとの角度、Bは平面視で基部の延びる方向と直交する仮想線と裏リブとの角度を示す)
図4は、上記(1)を説明する説明図であり、板状成形体1Aの概略平面図である。板状成形体1Aは、基部10、表リブ20、裏リブ30を有し、基部10に対する表リブ20及び裏リブ30の角度が図1,2の板状成形体1とは異なる構成のものである。
図4において示す角度Aは、平面視で基部10の延びる方向(x軸方向)と直交する仮想線Lと、表リブ20とのなす角である。角度Aは、平面視において、仮想線Lと基部10の一辺10xとの交点Pを中心に、仮想線Lが反時計回り(左回り)に回転する角度を+(正)の角度とする。
同様に、角度Bは、平面視で基部10の延びる方向(x軸方向)と直交する仮想線Lと、裏リブ30とのなす角である。角度Bは、平面視において、仮想線Lと基部10の一辺10xとの交点Pを中心に、仮想線Lが反時計回り(左回り)に回転する角度を+(正)の角度とする。
なお、図4では説明を容易にするために、基部10がx軸方向に延びる矩形であり、表リブ20、裏リブ30は平面視においてx軸に交差する方向に伸びる両辺が平行であることとして示している。
実際に設計において、基部10が矩形でない場合には、平面視で基部10に外接する最小の矩形を想定し、当該矩形の長辺の延びる方向として「基部10の延びる方向」を規定する。
表リブ20の両辺が平行ではない場合には、表リブ20の両辺の中点の集合として表リブ20の中心線を求め、当該中心線と基部10の一辺10xとの交点を交点Pとする。また、交点Pにおける中心線との接線を求め、当該接線と仮想線Lとの角度を角度Aとする。
裏リブ30の両辺が平行ではない場合には、裏リブ30の両辺の中点の集合として裏リブ30の中心線を求め、当該中心線と基部10の一辺10xとの交点を交点Pとする。また、交点Pにおける中心線との接線を求め、当該接線と仮想線Lとの角度を角度Bとする。
上述したように板状成形体に生じる反りは、基部10の硬化収縮と、リブ(表リブ、裏リブ)の硬化収縮とを合わせた結果である。そのため、リブの数(表リブの数x、裏リブの数y)は、板状成形体の反りに密接に関係する。
また、上述したように、板状成形体の反りは、溶融樹脂の流動方向、すなわち液晶ポリエステルの配向方向に起因している。そのため、溶融樹脂の流動方向を規定するリブの延びる方向は、板状成形体の反りに密接に関係する。
本発明においては、基部10の延びる方向(x軸方向)に対する、リブの延びる方向との関係を、基部の延びる方向と直交する仮想線Lとリブとの角度の正弦で表している。後述するシミュレーションにより、仮想線Lとリブとの角度の正弦は、板状成形体の反りと相関があることが分かった。
また、別の観点から本実施形態の板状成形体を特定すると、本実施形態の板状成形体においては、平面視において第1リブ21と第2リブ31との成す角が0°以上4°以下である。第1リブ21と第2リブ31との成す角がこのような角度であると、適切に反りを軽減することができることが分かった。
上述の「成す角」は、3°以下であってもよく、2°以下であってもよい。また、「成す角」は、0°、すなわち第1リブ21と第2リブ31とが平面視で平行であってもよい。
板状成形体の反りは、シミュレーションで求めてもよく、成形体を実測して以下の方法で求めてもよい。
板状成形体について、下方に凸となるように載置し、成形体の上方から三次元測定機を使用して板状成形体の立体形状を求める。板状成形体を載置した面を基準面として、板状成形体の上面の複数点において座標を求める。具体的には、板状成形体の長尺方向の両辺のそれぞれにおいて、両端の2点と、両端の間で等間隔の3点との計5点(両辺の合計10点)の高さを求める。次いで、求めた10点の高さについて、最小二乗法により最小二乗平面を算出し、求めた最小二乗平面の基準面からの高さを求める平面度とする。
高さの測定点は、板状成形体の長尺方向の両辺のそれぞれにおいて、少なくとも両端の2点と、中央の計6点を求めることで、平面度を求めることができる。
測定対象となる板状成形体の形状に応じて、高さの測定点を増やしてもよい。その場合、測定点は同じとし、評価する成形体間で測定点の数、位置が異ならないようにする。
さらに、表リブ、裏リブのそれぞれの体積は、リブの硬化収縮量に密接に関係する。そのため、表リブと裏リブとの体積差、詳しくは第1リブと第2リブとの体積差は小さい方が好ましい。第1リブ21の体積は、第2リブ31の体積の70%以上130%以下であると好ましい。第1リブ21の体積は、第2リブ31の体積の80%以上120%以下であるとより好ましく、第2リブ31の体積の90%以上110%以下であるとさらに好ましい。
以上のような構成の板状成形体によれば、反りが抑制された板状成形体となる。
なお、本実施形態においては、説明を容易にするために構成を単純化した板状成形体1を用いて説明したが、本発明が適用される部材(板状成形体)においては他の形状も採用できる。
例えば、板状成形体1では、第1リブ21と第2リブ31とは、平面視で重なる位置に設けられていることとしたが、第2リブ31は平面視で第1リブ21と重ならなくてもよい。
なお、本発明が適用される部材(板状成形体)では、上述した板状成形体1の構造を部材の一部に有する。これにより、本発明が適用される部材においては、表リブが形成された部分の歪みが裏リブにより緩和され、部材全体の反りが抑制される。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例においては、図5に示すような流動解析モデルを用いた射出成形シミュレーションにより、得られる板状成形体の反りを評価した。評価条件は下記のとおりである。
(評価条件)
解析ソフト:Moldflow Insight 2019(Autodesk社製)
樹脂材料 :Sumikasuper LCP E6808LHF
流動解析条件:充填+保圧+そり(配向、収縮)
成形条件 :下表1
Figure 0007668169000004
(板状成形体)
長手方向寸法:300mm 短手方向寸法:50mm(金型設定値)
表リブ 高さ:1.0mm 幅:1.0mm 間隔:20mm
まず、液晶ポリマーを材料として用い、長手方向の端部に設けられたゲートから溶融樹脂を射出して、このような板状成形体を射出成形することをシミュレーションすると、得られる成形体の長手方向の寸法は298.2mmとなった。金型の設定値から1.8mmだけ縮小するという結果となり、長手方向の寸法精度が高いことが確かめられた。
図5に示すモデルは、上述した基部と、基部のおもて面に設けられた複数の表リブと、基部の裏面に設けられた複数の裏リブと、を備えている。複数の表リブは、上述した第1リブ及び一対のリブに該当するリブを含み、複数の裏リブは、上述した第2リブを含む。第2リブは、平面視において第1リブと重なっている。
(サンプルNo.1~20)
下記表2、3に記載のように成形する板状成形体のリブの条件を変更し、シミュレーションを行った。
Figure 0007668169000005
Figure 0007668169000006
表2,3中、「-」はデータ無しであることを示す。
表2中、「等間隔交互配置」とは、平面視において表リブと裏リブとが等間隔で且つ交互に配置していることを指す。
No.19のサンプルは、基部の長手方向一端側の表リブから順に、裏リブ、表リブ…と配列し、基部の長手方向他端側の裏リブまで等間隔に設けられている。
No.20のサンプルは、基部の長手方向一端側の裏リブから順に、表リブ、裏リブ…と配列し、基部の長手方向他端側の裏リブまで等間隔に設けられている。そのため、No.20のサンプルでは、裏リブが表リブよりも1本多い。
また、表3中、|A-B|は、第1リブと第2リブとが成す角に該当する。
各サンプルについて、下記のように平面度を算出して評価した。
(平面度の算出)
得られた板状成形体の片面において、板状成形体を基準面に載置した場合の基準面からの高さを用いて平面度(単位:mm)を算出した。
まず、板状成形体の長尺方向の両辺のそれぞれにおいて、両端の2点と、両端の間で等間隔の3点との計5点(両辺の合計10点)の高さを求めた。次いで、求めた10点の高さについて、最小二乗法により最小二乗平面を算出し、求めた最小二乗平面の基準面からの高さを求める平面度とした。
平面度が小さい板状成形体は、変形(反り)が小さいと判断できる。算出した平面度の結果を、表4に示す。裏リブを有していないNo.1のサンプルを基準(参考例)とし、No.1のサンプルの平面度(7.03mm)よりも平面度が小さいサンプルを実施例、No.1のサンプルの平面度よりも平面度が大きいサンプルを比較例とした。No.12,15,16のサンプルは比較例である。
Figure 0007668169000007
No.2,11のサンプルは、完全に変形が相殺されており、表と裏とのどちらにも凸になっていなかった。
No.2~11、13,14,17~20の各サンプルについては、|xsinA-ysinB|が1以下、又は第1リブと第2リブとが成す角(|A-B|)が0°以上4°以下を満たす。これらのサンプルについては、反りが抑制されることが分かった。
図6は、No.11~18のサンプルについて|xsinA-ysinB|と平面度との対応関係を示す散布図である。図6は、横軸が平面度、縦軸が|xsinA-ysinB|を示す。
図6に示すように、|xsinA-ysinB|が大きいほど平面度が大きく反りが大きいことが分かった。
これらより、本発明が有用であることが確かめられた。
1,1A,1X…板状成形体、10…基部、10a…おもて面、10b…裏面、20…表リブ、21…第1リブ、22,23…リブ(一対のリブ)、30…裏リブ、31…第2リブ、AR…範囲、L…仮想線

Claims (6)

  1. 液晶ポリエステルを材料とし、
    板状の基部と、
    前記基部のおもて面に設けられた複数の表リブと、
    前記基部の裏面に設けられた複数の裏リブと、を備え、
    前記基部は、一方向に延びる帯状であり、
    前記複数の表リブは、前記おもて面から突出する第1リブと、前記第1リブを挟む位置において前記おもて面から突出する一対のリブと、を含み、
    前記複数の裏リブは、前記裏面から突出する第2リブを含み、
    前記第2リブは、平面視において、前記第1リブと前記一対のリブの一方との中央から、前記第1リブと前記一対のリブの他方との中央までの範囲に位置し、前記第1リブと平行ではなく、
    前記第1リブの体積は、前記第2リブの体積の70%以上130%以下であり、
    前記複数の表リブ及び前記複数の裏リブは、前記基部の延びる方向と交差しており、以下の式(1)を満たす板状成形体。
    |(sinA+sinA+…+sinA)-(sinB+sinB+…+sinB)|≦1…(1)
    (式中、xは前記表リブの数、yは前記裏リブの数、Aは平面視で前記延びる方向と直交する仮想線と前記表リブとの角度、Bは前記仮想線と前記裏リブとの角度を示す)
  2. 平面視において、前記第1リブと前記第2リブとが成す角は、0°を超え4°以下である請求項1に記載の板状成形体。
  3. 液晶ポリエステルを材料とし、
    板状の基部と、
    前記基部のおもて面に設けられた複数の表リブと、
    前記基部の裏面に設けられた複数の裏リブと、を備え、
    前記複数の表リブは、前記おもて面から突出する第1リブと、前記第1リブを挟む位置において前記おもて面から突出する一対のリブと、を含み、
    前記複数の裏リブは、前記裏面から突出する第2リブを含み、
    前記第2リブは、平面視において、前記第1リブと前記一対のリブの一方との中央から、前記第1リブと前記一対のリブの他方との中央までの範囲に位置し、
    前記第1リブの体積は、前記第2リブの体積の70%以上130%以下であり、
    平面視において、前記第1リブと前記第2リブとが成す角は、0°以上4°以下であり、
    前記第1リブと前記第2リブとは、平面視で平行である板状成形体。
  4. 前記基部は、一方向に延びる帯状であり、
    前記複数の表リブ及び前記複数の裏リブは、前記基部の延びる方向と交差して設けられている請求項3に記載の板状成形体。
  5. 以下の式(1)を満たす請求項4に記載の板状成形体。
    |(sinA+sinA+…+sinA)-(sinB+sinB+…+sinB)|≦1…(1)
    (式中、xは前記表リブの数、yは前記裏リブの数、Aは平面視で前記延びる方向と直交する仮想線と前記表リブとの角度、Bは前記仮想線と前記裏リブとの角度を示す)
  6. 前記第1リブと前記第2リブとは、平面視で重なる請求項1からのいずれか1項に記載の板状成形体。
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