5. 発明の詳細な説明
本明細書で提供される方法は、部分的には、生物学的サンプル中にある特定の分子(例、mRNA、cDNAまたはタンパク質)のレベルの変化、例えば、レベルの増加および/またはレベルの減少、あるいはその検出が、治療用化合物に対して奏功的である可能性のある、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)またはCLL/SLLなどの血液がんの対象を同定するか、DLBCLまたはCLL/SLLなどの血液がんである対象、またはその疑いのある対象の、治療用化合物に対する反応性を予測するか、あるいは対象での血液がんを治療するにおいて治療用化合物の効能をモニター観察するのに使用され得るとの知見であって、ここで該化合物は、例えば、化合物1、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;化合物2、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;または化合物3、またはそのエナンチオマー、エナンチオマー混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である、との知見に基づくものである。
5.1 定義
本明細書で使用される場合の「がん」なる語は、充実性がんおよび血液由来がんを含むが、これらに限定されない。「がん」および「がん性」なる語は、典型的には、無秩序な細胞増殖によって特徴付けられる、哺乳動物での生理学的な状態をいうか、またはそれを説明する。がんは造血組織およびリンパ系組織のがんであり得る。血液がんは、血液、骨髄、リンパ、およびリンパ系に影響を及ぼすがんをいう。
本明細書で使用される場合の「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)」なる語は、細胞の核が正常なマクロファージの核と同じ大きさまたはそれよりも大きいか、あるいは正常なリンパ系細胞の核の大きさの2倍以上であり、びまん性増殖パターンを有する、中型または大型Bリンパ系細胞の新生物をいう。DLBCLは、非ホジキンリンパ腫(NHL)の一の型であり、少なくとも3種の既知の亜型:胚芽中心B細胞型(GCB)、活性化B細胞型(ABC)、および原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBL)がある。DLBCL細胞は、頻繁には、MYCおよび/またはBCL2および/またはBCL6の再配置を同時に有する。例えば、いくつかの変異型では、DLBCLは、胚芽中心形成に重要である、3q27遺伝子座でのBCL-6遺伝子の染色体の変化と、BCL6に影響を及ぼすさらなる再配置とを伴い得る。加えて、DLBCLは、例えば、MYC、BCL2、またはBCL6に対応する、t(8;14)(q24;q32)および/またはt(14;18)(q32;q21.3)などの免疫グロブリン(IG)重鎖遺伝子座への遺伝子再配置を有し得る。MYC、BCL6、またはBCL2がIG遺伝子座に転座されると、構成的に活性なIGプロモーターによって活性な転写がなされるため、通常、高レベルのmRNAおよびタンパク質がもたらされる。従って、DLBCL細胞は、しばしば、高レベルのMYC、BCL6、またはBCL2タンパク質を有する。
本明細書で使用される場合の「対象」または「患者」は動物、典型的には、ヒト患者などのヒトを含む、哺乳動物である。本明細書で使用される場合の「健康な対象」なる語は、DLBCLまたはCLL/SLLなどの血液がんでない、個体を意味するものとする。例示的な「健康な対象」には、既存の医学的症状がない。しかしながら、「健康な対象」は、例えば、糖尿病、心血管疾患、あるいはDLBCLまたはCLL/SLL療法などの血液がんの療法の診断、治療、バイオマーカーのレベル、および/または薬力学に影響を及ぼさない他のいずれの疾患または障害などの血液がんと無関係である、医学的症状を有し得ると理解される。
本明細書で使用される場合の「可能性のある」なる語は、一般に、一の事象の確率の高いことをいう。患者の奏功性に関して使用される場合の「可能性のある」なる語は、一般に、患者が治療用化合物に対して奏功性であろう確率の高いことを意図とする。治療用化合物に対する奏功性に関して使用される場合の「可能性のある」なる語は、一般に、化合物が疾患の進行または血液がん細胞の増殖の速度を遅らせるであろう確率が高いことを意図とする。治療用化合物に対する奏功性に関して使用される場合の「可能性のある」なる語は、また、一般に、治療用化合物に対する奏功性の増加を証明し得る、mRNAまたはタンパク質などの指標の増加を意味し得る。
本明細書で使用されるように、治療に関して使用される場合の「奏功的」または「奏功性」なる語は、治療されるべき、疾患、例えば、DLBCLまたはCLL/SLLの徴候を軽減または低下させる際の治療の有効性の程度をいう。例えば、細胞または対象の治療に関して使用される場合の「奏功性の増加」なる語は、当該分野にて公知のいずれかの方法を用いて測定される測定される場合に、該疾患の徴候を減少または低下させる際の有効性の増加をいう。特定の実施態様において、有効性の増加は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、または少なくとも約50%、あるいはそれ以上である。しかしながら、奏功性は疾患の進行を止めることができればよく、必ずしも疾患の徴候を軽減または減少させることを必要としないことも理解される。
本明細書で使用される場合で特に断らない限り、「再発」なる語は、治療に応答し(例えば、完全奏功を達成し)、ついで進行した障害、疾患または症状をいう。治療は1または複数の療法ラインを含み得る。1の実施態様において、障害、疾患または症状は1または複数の療法ラインで以前に治療されている。もう一つ別の実施態様において、障害、疾患または症状は、以前に1、2、3または4つの療法ラインで治療されている。1の実施態様において、障害、疾患または症状は血液がん、例えばDLBCLまたはCLL/SLLである。
本明細書で使用される場合、特に断らない限り、「難治性」なる語は、1または複数の療法ラインを含み得る、先行治療に応答しなかった、障害、疾患、または症状をいう。1の実施態様において、障害、疾患または症状は、以前に1、2、3または4つの療法ラインで治療されている。1の実施態様において、障害、疾患または症状は2またはそれ以上の療法ラインで以前に治療されており、最近の全身性療法を含むレジメンに対して完全奏功(CR)に達していない。1の実施態様において、障害、疾患または症状は血液がん、例えば、DLBCLまたはCLL/SLLである。
1の実施態様において、「再発または難治性」CLL/SLLは、1または複数の療法ラインで以前に治療されているCLL/SLLをいうこともある。1の実施態様において、再発または難治性CLL/SLLは、以前に1、2、3または4つの療法ラインで治療されているCLL/SLLである。1の実施態様において、再発または難治性CLL/SLLは、以前に2またはそれ以上の療法ラインで治療されているCLL/SLLである。1の実施態様において再発または難治性CLL/SLLは、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤で以前に治療されているCLL/SLLである。1の実施態様において、再発または難治性CLL/SLLは、BTK阻害剤に対して再発しているか、または難治性である。1の実施態様において、BTK阻害剤はイブルチニブである。1の実施態様において、BTK阻害剤はアカラブルチニブである。1の実施態様において、BTK阻害剤はザヌブルチニブである。1の実施態様において、BTK阻害剤はチラブルチニブである。
本明細書で使用される場合の「治療用化合物」なる語は、式(I)の化合物をいい、化合物1、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;化合物2、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;あるいは化合物3、またはそのエナンチオマー、エナンチオマー混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩を包含する。本明細書で提供される化合物はキラル中心を含有し得ると理解されるべきである。かかるキラル中心は(R)または(S)配置のいずれであってもよく、またはその混合物であってもよい。本明細書で提供される化合物のキラル中心はインビボにおいてエピマー化を受け得ると認識されるべきである。そのため、当業者であれば、化合物のその(R)形態での投与が、インビボにてエピマー化を受ける化合物については、その(S)形態の化合物の投与と均等であることを認識するであろう。光学活性な(+)および(-)、(R)-および(S)-、または(D)-および(L)-異性体は、キラル合成物またはキラル試薬を用いて製造されてもよく、または、キラル固定相でのクロマトグラフィーなどの従来の技法を用いて分割されてもよい。本明細書の記載において、化学名と化学構造式との間に何らかの矛盾がある場合、構造式が支配する。
本明細書で使用される場合の「互変異性体」なる語は、相互に平衡状態にある化合物の異性体の形態をいう。異性体の形態の濃度は、例えば、化合物が固体であるか、有機溶液または水溶液中にあるかどうかで、化合物が存在する環境に依存するであろうし、それに応じて異なってもよい。例えば、水溶液では、ピラゾールは、以下の異性体の形態を示す可能性があり、それらは互いの互変異性体と称される。
特記されない限り、化合物が代替の互変異性体、位置異性体および/または立体異性体の形態を取り得る場合、すべての代替となる異性体が特許請求の範囲に記載の対象の範囲内に包含されるものとする。例えば、化合物が2つのうちの1つの互変異性体の形態を有し得る場合、両方の互変異性体が本明細書に包含されているものとする。かくして、本明細書で提供される化合物は、エナンチオマー的に純粋であっても、あるいは立体異性体のまたはジアステレオマーの混合物であってもよい。本明細書で使用される場合で特に断らない限り、「エナンチオマー的に純粋な」なる語は、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性的に純粋な組成物を意味する。
本明細書で使用される場合で特に断らない限り、「立体異性体」または「立体異性的に純粋な」なる語は、その化合物の他の立体異性体が実質的に含まれない、化合物の1つの立体異性体を意味する。例えば、1つのキラル中心を有する立体異性的に純粋な化合物は、該化合物の対極にあるエナンチオマーを実質的に含まないであろう。2つのキラル中心を有する立体異性的に純粋な化合物は、その化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まないであろう。典型的な立体異性的に純粋な化合物は、約80重量%以上の該化合物の1の立体異性体と、約20重量%未満の該化合物の他の立体異性体とを、約90重量%以上の該化合物の1の立体異性体と、約10重量%未満の該化合物の他の立体異性体とを、約95重量%以上の該化合物の1の立体異性体と、約5重量%未満の該化合物の他の立体異性体とを、または約97重量%以上の該化合物の1の立体異性体と、約3重量%未満の該化合物の他の立体異性体とを含む。化合物はキラル中心を有することができ、ラセミ体、個々のエナンチオマーまたはジアステレオマー、およびその混合物として存在し得る。かかる異性体の形態はすべて、その混合物を含め、本明細書で提供される実施態様の中に含まれる。
かかる化合物の立体異性的に純粋な形態の使用、ならびにそれらの形態の混合物の使用は、本明細書で提供される実施態様に包含される。例えば、特定の化合物の等量または不等量のエナンチオマーを含む混合物は、本明細書で提供される方法および組成物に使用されてもよい。これらの異性体は、非対称的に合成されても、またはキラルカラムまたはキラル分割剤などの標準的な技術を用いて分割されてもよい。例えば、Jacques, J.ら、Enantiomers, Racemates and Resolutions(Wiley-Interscience, New York, 1981);Wilen, S. H.ら、Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel, E. L.、Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw-Hill, NY, 1962);Wilen, S. H.、Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268(E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN, 1972);Todd, M.、Separation Of Enantiomers:Synthetic Methods(Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim, Germany, 2014);Toda, F.、Enantiomer Separation: Fundamentals and Practical Methods(Springer Science & Business Media, 2007);Subramanian, G.、Chiral Separation Techniques: A Practical Approach(John Wiley & Sons, 2008);Ahuja, S.、Chiral Separation Methods for Pharmaceutical and Biotechnological Products(John Wiley & Sons, 2011)を参照のこと。
本明細書で使用される場合の「アイソトポログ」または「同位体分子種」は、同位体に富む化合物をいう。「同位体に富む」なる語は、その原子または化合物の天然の同位体組成と異なる同位体組成を有する原子または化合物をいう。放射性標識され、同位体に富む化合物は、治療剤、例えば、血液がんおよび炎症の治療剤として、研究試薬、例えば、結合アッセイ試薬として、および診断剤、例えば、インビボ画像化剤として有用である。本明細書で記載される化合物のすべての同位体の変形は、放射性であるか否かにかかわらず、本明細書で提供される実施態様の範囲内に包含されるものとする。例示的なアイソトポログは、重水素、炭素-13、または窒素-15に富む化合物を包含する。例えば、アイソトポログは、キラル中心で重水素化が起こる、化合物1、2、または3などの重水素に富む化合物であり得る。
表示された構造と、その構造に付与された名称との間に矛盾がある場合、表示された構造がより重みがあることに留意すべきである。加えて、構造または構造の一部の立体化学が、例えば、太線または破線で示されていない場合、その構造またはその構造の一部は、それのすべての立体異性体を包含すると解釈されるものとする。
本明細書で使用される場合で特に断らない限り、「医薬的に許容される塩」なる語は、無機酸および塩基、ならびに有機酸および塩基を含む、医薬的に許容される非毒性の酸または塩基より製造される塩をいう。本明細書で提供される化合物の適切な医薬的に許容される塩基付加塩には、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛より製造される金属塩、またはリジン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチル-グルカミン)およびプロカインより製造される有機塩が含まれるが、これらに限定されない。適切な非毒性酸には、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファ-スルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロ酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、サルファニル酸、硫酸、酒石酸、およびp-トルエンスルホン酸などの無機酸および有機酸が含まれるが、これらに限定されない。他も当該分野において周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th eds., Mack Publishing, Easton PA(1990)またはRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th eds., Mack Publishing, Easton PA(1995)を参照のこと。
本明細書で使用される場合の「サンプル」なる語は、必然的というわけではないが、典型的には、1または複数の目的とする成分を含有する、流体の形態の材料または材料の混合物をいう。例示的なサンプルは、インビボまたはインサイチュにて、得られるか、到達するか、または収集される生体組織または流体オリジンのサンプルを含め、生体対象より得られる「生体サンプル」である。生体サンプルには、前がんまたはがん細胞または組織を含有する生体対象の領域から由来のサンプルも含まれる。かかるサンプルは、哺乳動物から単離された器官、組織、および細胞であり得るが、これらに限定されない。例示的な生体サンプルには、細胞溶解液、細胞培養物、細胞株、組織、口腔組織、消化管組織、器官、細胞小器官、生体液、血液サンプル、尿サンプル、皮膚サンプル等が含まれるが、これらに限定されない。好ましい生体サンプルには、全血液、部分精製血液、PBMC、骨髄核生検を含む組織生検、骨髄吸引液、単離骨髄単核細胞、循環腫瘍細胞等が含まれるが、これらに限定されない。
「生物学的マーカー」または「バイオマーカー」は、その検出が、例えば、血液がんの存在などの、特定の生物学的状態を示す物質である。いくつかの実施態様において、バイオマーカーは個別に測定され得る。他の実施態様において、数種のバイオマーカーが同時に測定され得る。
いくつかの実施態様において、「バイオマーカー」は、疾患のリスクまたは進行と、または該疾患の所定の治療に対する感受性と相関し得る、mRNA発現のレベルにおける変化を示す。いくつかの実施態様において、バイオマーカーはmRNAまたはcDNAなどの核酸である。
さらなる実施態様において、「バイオマーカー」は、疾患のリスクまたは進行と、あるいは患者の治療に対する感受性と相関し得るポリペプチドまたはタンパク質の発現のレベルにおける変化を示す。いくつかの実施態様において、バイオマーカーはポリペプチドまたはタンパク質、あるいはそのフラグメントであり得る。特定のタンパク質の相対レベルは当該分野にて公知の方法によって測定され得る。例えば、免疫ブロット、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)などの抗体に基づいた方法、または他の方法が使用され得る。
本明細書にて互換的に使用される場合の「ポリペプチド」および「タンパク質」なる語は、ペプチド結合を介して連結された、連続した配列の3個またはそれ以上のアミノ酸のポリマーをいう。「ポリペプチド」なる語は、タンパク質、タンパク質フラグメント、タンパク質アナログ、オリゴペプチド等を包含する。本明細書で使用される場合の「ポリペプチド」なる語はペプチドをいうこともできる。ポリペプチドを構成するアミノ酸は、天然に由来するものであってもよく、あるいは合成のものであってもよい。ポリペプチドは生体サンプルから精製され得る。ポリペプチド、タンパク質、またはペプチドはまた、修飾されたポリペプチド、タンパク質、およびペプチド、例えば、グリコポリペプチド、糖タンパク質、またはグリコペプチド;あるいはリポポリペプチド、リポタンパク質、またはリポペプチドを包含する。
本明細書で使用される場合の「レベル」なる語は、バイオマーカー分子の量、蓄積、または速度をいう。レベルは、例えば、遺伝子によってコードされるメッセンジャーRNA(mRNA)の量または合成速度、遺伝子によってコードされるポリペプチドまたはタンパク質の量または合成速度、または細胞または生物学的流体中に蓄積される生体分子の量または合成速度をいう。「レベル」なる語は、定常状態または非定常状態の条件下で測定される、サンプル中の分子の絶対量、または該分子の相対量をいう。
「レベルの改変」は、特定の参照と比べて異なる、バイオマーカー分子の量、蓄積または速度をいうものとする。レベルの改変は、特定のバイオマーカーおよび/または比較のために使用される参照に応じて、増加または減少のいずれかとなり得る。例えば、タンパク質レベルなどのバイオマーカーのレベルは、未処理のサンプルと比較して、治療用化合物を投与した後に、そのレベルがサンプル中で減少した場合、それは該レベルが改変していると言える。しかしながら、その同じバイオマーカーは、例えば、その参照となるレベルが処理サンプルのより早期の時点でのレベルである場合、増加したレベルの改変を有し得る。
本明細書で使用される場合の「参照となるレベル」なる語は、個体から由来のサンプル中のバイオマーカーの試験レベルを評価するのに使用されるバイオマーカーの参照レベルを意味するものとする。参照となるレベルは、正常な対象から由来のサンプル中の正常な参照となるレベル、または疾患状態の対象から由来の疾患の参照となるレベルとすることができる。正常な参照となるレベルは、疾患でない対象(すなわち、血液がんでない対象)におけるバイオマーカーの発現量である。疾患状態の参照となるレベルは、該疾患または症状について陽性の診断を受けた対象におけるバイオマーカーの発現量である。参照となるレベルはまた、段階特異的な参照となるレベルでもあり得る。段階特異的な参照となるレベルは、疾患または症状の所定の進行段階に特徴的なバイオマーカーのレベルをいう。参照となるレベルはまた、治療前の、または治療の間の種々の時点でのバイオマーカーの発現量とすることができる。例えば、参照となるレベルは、治療前の骨髄でのバイオマーカーの発現量とすることができる。もう一つ別の例では、参照となるレベルは、治療の間またはその後のいくつかの時点での血液中のバイオマーカーの発現量であってもよい。
本明細書で使用されるように、バイオマーカーに関して使用される場合の「検出可能な」なる語は、免疫化学的または組織学的方法などの、生体分子を検出するための既知の技法を用いることで、バイオマーカーの量が認識閾値を超えていることを意味するものとする。例えば、イムノブロットを用いて検出可能なバイオマーカーのレベルは、バックグラウンドおよび/または陰性対照(例、サンプルなし)のレベルよりも上にあるレベルであり得る。あるいはまた、例えば、定量的RT-PCR(qPCR)を用いて検出可能なバイオマーカーのレベルは、陰性対照(例、水)を用いるqPCR反応で検出されるサイクル数よりも早いサイクル数で検出されるレベルであり得る。検出可能なレベルは、調査中の生体分子の存在または濃度を定性的または定量的に測定するということもでき、上記したアッセイは単なる例示に過ぎないことが、さらに理解される。
本明細書で使用される場合の「予測する」または「予測している」なる語は、一般に、事前に決定すること、または伝えることを意味する。例えば、治療に対する奏功性を「予測する」のに使用される場合、「予測している」なる語は、血液がんの治療に対して奏功的である、または応答しない可能性が、最初に、治療を始める前に、または治療期間が実質的に進行する前に、決定され得ることを意味し得る。
本明細書で使用される場合の「モニター観察する」または「モニター観察している」なる語は、一般に、活動を監督すること、監視すること、調整すること、観察すること、追跡すること、または調査することをいう。例えば、「化合物の有効性をモニター観察する」なる語は、患者または腫瘍細胞培養物において血液がんを治療する際の有効性を追跡することをいう。同様に、「モニター観察している」なる語は、個人的に、または臨床試験のいずれかにて、患者の順守に関して使用される場合に、患者が実際に処方通りに試験中の薬物を服用していることを追跡または確認することをいう。モニター観察は、例えば、mRNAまたはタンパク質のバイオマーカーの発現を追跡ことにより実施され得る。
本明細書で使用される場合の「効能」なる語は、所望のまたは意図する結果をもたらす能力をいう。治療用化合物の効能に関して使用される場合、「効能」は、DLBCLまたはCLL/SLLなどの血液がんの成長、または進行の減少または阻害を意味するものとする。それはまた、DLBCLまたはCLL/SLLなどの血液がんの再燃または再発を防止することをいう。
本明細書で使用される場合の「時点」なる語は、応答が予想される場合に、時間的に十分に間隔を設けてその応答を可能とする、別個の間隔でサンプルを得る時点をいう。時点は、治療前、治療中または治療後とすることができる。治療サイクルの各段階で複数の時点を取ることも可能であると理解される。例えば、サンプルは、治療の1ケ月以上前に取得し、治療の直前に再び取得するか、または治療中に1日に2回取得するか、あるいは治療前、治療中および治療後に取得することができる。上記にて提供される例は単なる例示に過ぎず、限定を意図としないものと理解される。
本明細書で使用される場合であって、特記されない限り、化合物の「治療的に効果的な量」および「効果的な量」なる語は、疾患、例えば、DLBCLまたはCLL/SLLの治療、予防および/または管理において治療上の利益をもたらすのに、あるいは治療されるべき疾患または障害に付随する1または複数の徴候を遅延または最小化するのに十分な量をいう。「治療的に効果的な量」および「効果的な量」なる語は、療法全体を改善し、疾患または障害の徴候または原因を軽減または回避し、あるいはもう一つ別の治療剤の治療効能を強化する量を包含し得る。
本明細書で使用される場合で特に断らない限り、「治療する」、「治療している」および「治療」なる語は、障害、疾患または症状の、または障害、疾患または症状に付随する1または複数の徴候の全体または一部を軽減すること、またはそれらの徴候のさらなる進行または悪化を遅らせるか、または停止させること、あるいは障害、疾患または症状自体の病因、例えばDLBCLまたはCLL/SLLなどの血液がんを軽減または根絶させることをいう。
本明細書で使用される場合で特に断らない限り、「予防する」なる語は、障害、疾患または症状の全体または一部の発症、再発またはまん延を遅延および/または防止するか;対象が障害、疾患または症状を獲得することを妨げるか;あるいは対象が障害、疾患または症状を獲得するリスクを低減する方法を意味する。
本明細書で使用される場合で特に断らない限り、「管理する」なる語は、特定の疾患または障害に罹患したことがある患者においてその疾患または障害の再発を防止すること、該疾患または障害に罹患したことのある患者が、寛解状態を維持することを伸ばすこと、該患者の死亡率を下げること、および/または管理されている疾患または症状に付随する徴候の重篤度の低下または回避を維持することを包含する。
本明細書にて記載される場合の「付近」、「約」または「略」なる語は、参照となるレベルの近い範囲内にある、レベルをいう。参照となるレベルにある、またはその付近にあるバイオマーカーのレベルは、参照となるレベルの50%以上のレベルの範囲内にあるように、参照となるレベルより低くても、高くてもよい。当業者であれば、バイオマーカーのレベルが参照となるバイオマーカーのレベルと等しい必要はなく、その範囲内にあれば参照となるバイオマーカーのレベルである、またはその付近にあると考えると理解するであろう。参照となるサンプルのバイオマーカーのレベルにあるか、またはその付近にある代表的なバイオマーカーのレベルは、参照となるレベルの75-125%の範囲内とすることができる。
本明細書にて記載される場合の「好中球」なる語は、分化した骨髄系細胞をいう。好中球は、表面マーカーCD11bの発現、および表面マーカーCD34およびCD33の不在または不在に近いこと(すなわち、CD11b+、CD34-、およびCD33-)で特徴付けることができる。当業者であれば、マーカーの発現または発現の欠如が絶対である必要のないことを理解するであろう。例えば、好中球はCD34を低レベルで発現し、CD34-と特徴付けられてもよい。同様に、細胞は、中程度であるが、検出可能なレベルのCD11bを発現し、CD11b+として特徴付けることができる。発現レベルは、個人と、マーカーを測定するために使用される装置の両方で経験的に決定され得る。
本明細書にて記載される場合の「第2の活性剤」なる語は、生物学的に活性である、任意のさらなる治療剤をいう。第2の活性剤は、造血成長因子、サイトカイン、抗がん剤、抗生物質、cox-2阻害剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、コルチコステロイド、がん抗原または薬理活性な変異体に特異的に結合する治療抗体、またはそれらの誘導体であり得ることが理解される。例示的な第2の活性剤には、限定されないが、HDAC阻害剤(例、パノビノスタット、ロミデプシン、ボリノスタット、またはシタノスタット)、BCL2阻害剤(例、ベネトクラクス)、BTK阻害剤(例、イブルチニブまたはアカラブルチニブ)、mTOR阻害剤(例、エベロリムス)、PI3K阻害剤(例、イデラリシブ)、PKCβ阻害剤(例、エンザスタウリン)、SYK阻害剤(例、フォスタマチニブ)、JAK2阻害剤(例、フェドラチニブ、パクリチニブ、ルキソリチニブ、バリシチニブ、ガンドチニブ、レスタウルチニブ、またはモメロチニブ)、オーロラAキナーゼ阻害剤(例、アリセルチブ)、EZH2阻害剤(例、タゼメトスタット、GSK126、CPI-1205、3-デアザネプラノシンA、EPZ005687、EI1、UNC1999、またはシネファンギン)、BET阻害剤(例、ビラブレシブまたは4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(メタンスルホニル)フェニル]-2-メチルイソキノリン-1(2H)-オン)、低メチル化剤(例、5-アザシチジンまたはデシタビン)、化学療法剤(例、ベンダムスチン、ドキソルビシン、エトポシド、メトトレキサート、シタラビン、ビンクリスチン、イホスファミド、メルファラン、オキサリプラチン、またはデキサメタゾン)、またはエピジェネティック化合物(例、ピノメトスタットなどのDOT1L阻害剤、C646などのHAT阻害剤、OICR-9429などのWDR5阻害剤、GSK3484862などのDNMT1選択的阻害剤、化合物CまたはセクリデムスタットなどのLSD-1阻害剤、UNC0631などのG9A阻害剤、GSK3326595などのPRMT5阻害剤、ブロモドマイン(BRD)阻害剤(例、LP99などのBRD9/7阻害剤)、A-196などのSUV420H1/H2阻害剤、またはEZM2302などのCARM1阻害剤)が含まれる。
本明細書で使用される場合の「対処療法」なる語は、化合物1、化合物2または化合物3、あるいはそのエナンチオマーまたはエナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログまたは医薬的に許容される塩による治療による副作用を治療、防止または管理する、任意の物質をいう。「サポートケア療法」なる語が、主に患者の体力および/または快適性を維持することに向けられた、任意の治療剤をいうことが理解される。例示的なサポートケア療法には、限定されないが、等張食塩水、グルコース食塩水、または平衡晶質溶液などの疼痛制御、静脈内流体、および電解質支持のための療法が含まれる。
本明細書で使用されるように、参照となるサンプルに関して使用される場合の「供給源」なる語は、サンプルの起源をいう。例えば、血液から採取されたサンプルは、血液から採取された参照となるサンプルをも有するであろう。同様に、骨髄から採取されたサンプルは、骨髄から採取された参照となるサンプルをも有するであろう。
本明細書で使用される場合の「発現した」または「発現」なる語は、遺伝子の2つの核酸鎖の一方の領域に対して少なくとも部分的に相補的であるRNA核酸分子を付与するために遺伝子から転写されることをいう。本明細書で使用される場合の「発現した」または「発現」なる語はまた、タンパク質、ポリペプチド、またはその一部を付与するためにRNA分子から転写されることをいう。
「セレブロン」または「CRBN」なる語、および同様の用語は、ヒトCRBNタンパク質(例、ヒトCRBNアイソフォーム1、GenBank Accession No. NP_057386;またはヒトCRBNアイソフォーム2、GenBank Accession No. NP_001166953、これらの各々は、出典を明示することでその全体が本明細書に組み込まれる)、およびそのSNP変異体を包含する、関連するポリペプチドなどの任意のCRBNのアミノ酸配列を含む、ポリペプチド(「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は本明細書にて互換的に用いられる)をいう。関連するCRBNポリペプチドは、対立遺伝子変異体(例、SNP変異体)、スプライス変異体、フラグメント、誘導体、置換変異体、欠失変異体、挿入変異体、融合ポリペプチド、および種間ホモログを包含し、それは、特定の実施態様において、CRBN活性を保持し、および/または抗-CRBN免疫応答を生成するのに十分である。
本明細書で使用される場合の「セレブロン関連タンパク質」または「CAP」なる語は、セレブロン(CRBN)と直接的または間接的に相互作用するか、または結合するタンパク質をいう。例えば、該用語は、セレブロンと直接結合する任意のタンパク質、ならびにCRBN経路における下流での間接的エフェクターである任意のタンパク質をいう。例示的なCAPは、CRBNの基質、例えば、IKZF1、IKZF3、またはZFP91などのCRBNが関与するE3ユビキチンリガーゼ複合体のタンパク質基質である。
本明細書で使用される場合の「インターフェロン誘導性遺伝子」なる語は、I型インターフェロン介在性シグナル伝達に応答して、その発現が増加する遺伝子をいう。例えば、インターフェロン(IFN)のI型IFN受容体との結合は、インターフェロン誘導性遺伝子の誘導に関与するシグナル伝達カスケードの活性化の引き金となり得る。代表的な遺伝子には、インターフェロン制御7(IRF7)、テトラトリコペプチド反復3を有するインターフェロン誘発性タンパク質3(IFIT3)、およびデッドボックスタンパク質58(DDX58)が含まれる。
本明細書で使用されるように、シグナル伝達経路、細胞プロセス、または細胞機能に関して用いられる場合の「関連して」なる語は、その分子が、例えば、特定のプロセスまたは機能を調整するために、一緒に作用する細胞中の一群の分子のメンバーであることを意味するものとする。分子はインターフェロンシグナル伝達またはサイトカイン/ケモカインシグナル伝達などのシグナルの伝達の推進に直接的または間接的に関与するため、それはシグナル伝達経路と関連付けられ得ると認識される。分子はまた、例えば、細胞接着、細胞-細胞間結合、G-タンパク質結合受容体、細胞外マトリックス、細胞周期、または転写などの細胞プロセスまたは機能と関連付けられ得る。というのも該分子が細胞プロセスまたは機能と直接的または間接的に関与するからである。
本明細書で使用される場合の「T細胞活性化」および「T細胞の活性化」なる語は、休止しているナイーブT細胞を、腫瘍細胞死を誘発する能力を有する、エフェクターT細胞に細胞的に活性化することを意味するものとする。T細胞活性化は、T細胞受容体(TCR)/CD3複合体と抗原との相互作用により開始され得る。例示的なT細胞の活性化は、細胞増殖、サイトカイン分泌、および/またはエフェクター機能を含むが、これらに限定されない、細胞応答を示す。本願の文脈では、T細胞活性化は、化合物1、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;化合物2、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;または化合物3、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩による処理によって誘導されてもよい。
本明細書で使用される場合の「T細胞活性化関連サイトカイン」なる語は、T細胞の活性化によって分泌されるか、または休止しているナイーブなT細胞と比較して、その分泌がT細胞の活性化にて増加する、多数の因子のいずれかをいう。例示的なT細胞活性化関連サイトカインには、インターロイキン-2(IL-2)が含まれる。
本明細書にて互換的に使用される場合の「抗体」、「免疫グロブリン」または「Ig」なる語は、完全に組み立てられた抗体および抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体フラグメントを包含する。本明細書にて提供される抗体には、限定されないが、合成抗体、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、組換え産生抗体、多特異性抗体(二特異性抗体を含む)、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、イントラ体、単鎖Fvs(scFv)(例、一特異性、二特異性等を包含する)、キャメル化抗体、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、ジスルフィド結合Fvs(sdFv)、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、および上記した任意のエピトープ結合フラグメントが含まれる。特に、本明細書にて提供される抗体には、免疫グロブリン分子、および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、CRBN抗原に免疫特異的に結合する抗原結合部位(例えば、抗-CRBN抗体の1または複数の相補性決定領域(CDR))を含有する抗原結合ドメインまたは分子が含まれる。免疫グロブリンは重鎖と軽鎖とから構成され得る。本明細書にて提供される抗体は、免疫グロブリン分子の任意のクラス(例、IgG、IgE、IgM、IgD、およびIgA)または任意のサブクラス(例、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2)のものであってもよい。いくつかの実施態様において、抗CRBN抗体は、完全ヒトモノクローナルCRBN抗体などの完全ヒト抗体である。特定の実施態様において、本明細書にて提供される抗体はIgG抗体、またはそのサブクラス(例、ヒトIgG1またはIgG4)である。他の実施態様において、本明細書にて提供される抗体には、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、例えば、アイオロス、イカロス、c-MYC、IRF4、カスパーゼ-3、または本明細書にて提供される任意のバイオマーカーに免疫特異的に結合する抗原結合部位を含有する抗原結合ドメインまたは分子が含まれる。
本明細書で使用される場合の「免疫特異的に結合する」、「免疫特異的に認識する」、「特異的に結合する」および「特異的に認識する」なる語は、抗体の文脈において類似する用語であり、抗原/エピトープとの結合が当業者によって理解されるように結合する分子をいう。標的構造またはそのサブユニットと特異的に結合する抗体は、標的構造のファミリーの範囲外にある生体分子と交差反応しない。いくつかの実施態様において、抗体または抗体フラグメントは、選択された抗原と、10-7M、10-8M、10-9M、10-10M、または10-11Mより大きい、10-8M-10-11M、10-9M-10-10M、および10-10M-10-11Mの間の特異的親和性で結合する。例えば、抗原に特異的に結合する分子(例えば、抗体)は、例えば、イムノアッセイ、または当該分野にて公知の他のアッセイで測定された場合に、一般に、より低い親和性で他のペプチドまたはポリペプチドと結合し得る。特定の実施態様において、抗原と特異的に結合する分子は他のタンパク質と交差反応することはない。
本明細書で使用される場合の「エピトープ」なる語は、抗体の1または複数の抗原結合領域と結合する能力を有し、哺乳動物(例えば、ヒト)などの動物において抗原性または免疫原性活性を有し、免疫応答の誘発能を有する、抗原の表面上にある局在領域をいう。免疫原性活性を有するエピトープとは、動物において抗体反応を惹起するポリペプチドの部分である。抗原活性を有するエピトープとは、当該分野にて周知の任意の方法により、例えば、本明細書にて記載の免疫アッセイによって測定されるように、そこに抗体が免疫特異的に結合する、ポリペプチドの部分である。抗原性エピトープは必ずしも免疫原性である必要はない。エピトープは、通常、アミノ酸または糖側鎖などの、化学的に活性な一群の分子で表面を構成し、特定の三次元構造特性ならびに特定の電荷特性を有する。エピトープに寄与するポリペプチドの領域は、ポリペプチドの連続したアミノ酸であってもよいし、またはエピトープは2個またはそれ以上のポリペプチドの非連続の領域から一緒になるものであってもよい。エピトープは、抗原の三次元の表面特性があっても、なくてもよい。
本明細書で使用される場合の「決定する」、「測定する」、「評価する」、「アセスする」および「アッセイする」なる語は、一般に、任意の形態の測定をいい、要素があるか、ないかどうかを決定することを包含する。これらの用語は定量的および/または定性的な測定を包含する。アセスするのは、相対的であっても、絶対的であってもよい。「の存在をアセスする」には、存在するものの量を測定すること、ならびにそれが存在するのか、不在であるのかどうかを測定することが含まれ得る。
本明細書にて記載される場合の「検出可能な標識」なる語は、タンパク質の検出または単離/精製にて補助するために特定のタグを抗体に付着させることをいう。標識の型の例として、限定されないが、放射性同位体、蛍光体(例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フィコエリスリン(PE))、化学発光体、酵素レポーター、および元素粒子(例えば、金粒子)が挙げられる。検出は直接的または間接的とすることができる。光学的方法には、顕微鏡法(共焦点または非共焦点の両方)、画像化法および非画像化法が含まれる。電気化学的方法には、ボルトアンメトリーおよびアンペロメトリー法が含まれる。無線周波数法には、多極共鳴分光法が含まれる。
本明細書にて提供される実施態様の実施は、特記されない限り、当該分野における当業者の技術の範囲内にある、分子生物学、微生物学、および免疫学の従来技術を利用するであろう。そのような技術は文献にて十分に説明される。参照に特に適したテキストの例には、以下:Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(2版, 1989);Glover編、DNA Cloning、IおよびII巻(1985);Gait編、Oligonucleotide Synthesis(1984); Hames & Higgins編、Nucleic Acid Hybridization(1984);Hames & Higgins編、Transcription and Translation(1984);Freshney編、Animal Cell Culture: Immobilized Cells and Enzymes(IRL Press, 1986);Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology(Academic Press, London);Scopes, Protein Purification:Principles and Practice(Springer Verlag, N.Y., 2版, 1987);およびWeir & Blackwell編、Handbook of Experimental Immunology、I-IV版(1986)が含まれる。
5.2 化合物
本明細書にて提供される種々の方法のいくつかの実施態様において、化合物は、式(I):
で示される化合物、あるいはそのエナンチオマーまたはエナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログまたは医薬的に許容される塩である。
本明細書にて提供される種々の方法の特定の実施態様において、化合物は、(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物1):
またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。化合物1を製造する方法は、米国特許出願番号16/390,815(その全てを出典明示により本明細書に組み込む)に記載されている。
本明細書にて提供される種々の方法のさらに別の実施態様において、化合物は、(R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物2):
あるいはその互変異性体、アイソトポログまたは医薬的に許容される塩である。
いくつかの実施態様において、化合物は、(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン、および(R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物3):
の混合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、またはその医薬的に許容される塩で構成される。
本明細書にて提供される種々の化合物は、キラル中心を含有してもよく、エナンチオマーの混合物(例えば、ラセミ混合物)またはジアステレオマーの混合物として存在し得る。かかるキラル中心は、(R)または(S)配置のいずれであってもよく、あるいはその混合物であってもよい。本明細書にて提供される化合物のキラル中心は、インビボにてエピマー化を受ける可能性のあることを理解すべきである。そのため、当業者であれば、化合物のその(R)形態での投与が、インビボにてエピマー化を受ける化合物では、化合物のその(S)形態での投与と均等であることを認識するであろう。本明細書にて提供される方法は、そのような化合物の立体的に純粋な形態の使用、ならびにそれらの形態の混合物の使用を包含する。例えば、特定の化合物の等量または非当量のエナンチオマーを含む混合物が、本明細書にて提供される方法にて使用され得る。これらの異性体は不斉合成されてもよく、キラルカラムまたはキラル分割剤などの標準的な技法を用いて分割されてもよい。Jacquesら、Enantiomers, Racemates and Resolutions(Wiley-Interscience, New York, 1981);Wilenら、Tetrahedron 1977, 33:2725-2736;Eliel、Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw-Hill, NY, 1962);Wilen、Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions, p.268(Eliel編, Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN, 1972)を参照のこと。
また、本明細書にて提供される化合物の同位体に富むアナログがここでは提供される。薬物動態学(「PK」)、薬力学(「PD」)、および毒性プロファイルを改善するための医薬品の同位体の豊富化(例えば、重水素化)は、いくつかの種類の薬物でこれまでに実証されている。例えば、Lijinskyら、Food Cosmet. Toxicol., 20:393(1982);Lijinskyら、J. Nat. Cancer Inst., 69:1127(1982);Mangoldら、Mutation Res. 308:33(1994);Gordonら、Drug Metab. Dispos., 15:589(1987);Zelloら、Metabolism, 43:487(1994);Gatelyら、J Nucl. Med., 27:388(1986);Wade D、Chem. Biol. Interact. 117:191(1999)を参照のこと。
特定の理論に限定されることなく、薬物の同位体の豊富化は、例えば、(1)不要な代謝物を減少または除去するか、(2)親化合物の半減期を伸ばすか、(3)所望の効果を達成するのに必要とされる投与の回数を減らすか、(4)所望の効果を達成するのに必要とされる投与量を減らすか、(5)任意の活性代謝物が形成されるならば、その形成を増やすか、および/または(6)特定の組織での有害代謝物の生成を減らし、および/または併用療法が意図的であるか否かにかかわらず、併用療法に用いるためのより効果的な薬物、および/またはより安全な薬物を作製するために使用され得る。
原子がその同位体の1つに置き換えられると、化学反応の反応速度に変化がもたらされることが多い。この現象は、運動学的同位体効果(Kinetic Isotope Effect)(「KIE」)として知られる。例えば、C-H結合が化学反応の律速段階(遷移状態エネルギーが最も高い段階)の間に切断されると、重水素のその水素との置き換えは反応速度の低下を引き起こし、工程は遅くなるであろう。この現象は重水素運動学的同位体効果(Deuterium Kinetic Isotope Effect)(「DKIE」)として知られる。(例えば、Fosterら、Adv. Drug Res., 14巻, 1-36頁(1985);Kushnerら、Can. J. Physiol. Pharmacol., 77巻, 79-88頁(1999)を参照のこと)
DKIEの大きさは、C-H結合が切断される所定の反応の速度と、重水素が水素と置き換えられている同じ反応の速度との間の割合として表すことができる。DKIEは約1(同位体効果なし)から50以上の極めて大きな数値の範囲とすることができ、それは重水素が水素と置き換えられると、反応が50倍以上遅くなり得ることを意味する。特定の理論に限定されることなく、DKIE値が高いのは、不確定な原理の結果である、いくらかはトンネリングとして知られる現象によるものかもしれない。トンネリングは水素原子の質量が小さいことに起因し、必要とされる活性化エネルギーの不在の下でも、プロトンを含む遷移状態が時に形成され得るために生じる。重水素は水素よりも質量が大きいため、この現象が起こる確率は統計的に非常に低い。
トリチウム(「T」)は、研究、核融合反応装置、中性子発生装置、および放射性医薬品において使用される、水素の放射性同位体である。トリチウムは原子核内に2個の中性子を有し、3に近い原子量を有する水素原子である。それは、自然の環境下にて、極めて低い濃度で存在し、最も一般的にはT2Oとして見つかる。トリチウムはゆっくりと崩壊し(半減期=12.3年)、低エネルギーのベータ粒子を放出し、それはヒトの皮膚の外層を突き抜けることができない。内部被ばくがこの同位体に付随する主な危険性であるが、有意な健康リスクを引き起こすには大量に取り込まなければならない。重水素と比べると、危険なレベルに到達するまでに、トリチウムではより少ない量が消費される必要がある。トリチウム(「T」)を水素と置き換えると、重水素よりもさらに強力な結合がもたらされ、数値的にはより大きな同位体効果を付与する。
同様に、限定されないが、炭素の13Cまたは14Cとの、硫黄の33S、34Sまたは36Sとの、窒素の15Nとの、および酸素の17Oまたは18Oとの置き換えを含め、他の元素の同位体との置き換えは、同様の動力学的同位体効果を提供するであろう。
動物の体は、治療剤などの異物をその循環系から排除する目的で、種々の酵素が発現する。かかる酵素の例には、これらの異物と反応し、腎排泄のためにより極性の高い中間体または代謝物に変換する、チトクロムP450(「CYP」)、エステラーゼ、プロテアーゼ、レダクターゼ、デヒドロゲナーゼ、およびモノアミンオキシダーゼが含まれる。医薬化合物の最も一般的な代謝反応のいくつかは、炭素-水素(C-H)結合の炭素-酸素(C-O)または炭素-炭素(C-C)パイ結合のいずれかへの酸化に関与する。得られた代謝物は、生理学的条件下で安定しているか、または不安定であってもよく、親化合物と比べて、実質的に異なる薬物動態学的、薬力学的、および急性で長期にわたる傷害性プロフィールを有し得る。多くの薬物では、かかる酸化は迅速である。その結果、これらの薬物は、一日に複数の、または高用量の投与を必要とすることが多い。
本明細書にて提供される化合物の特定の位置での同位体の豊富化は、天然の同位体組成を有する類似の化合物と比較して、本明細書にて提供される化合物の薬物動態学的、薬理学的、および/または傷害性プロフィールに影響を及ぼす検出可能なKIEを生み出し得る。1の実施態様において、重水素の豊富化は、代謝作用の間のC-H結合の切断の部位で行われる。
標準的な生理学的、薬学的、および生化学的操作が、化合物を試験し、所望の抗増殖活性を有する化合物を同定するのに利用可能である。
かかるアッセイは、例えば、結合アッセイ、放射能取り込みアッセイなどの生化学、ならびに種々の細胞をベースとするアッセイを包含する。
式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体またはラセミ混合物は、当業者に公知の方法によって、例えば、米国特許第8,518,972号B2、または米国特許出願番号16/390,815(その全体が、各々、出典明示により本明細書に組み込まれる)に記載の操作に従って、製造され得る。本明細書にて提供される化合物を製造するための例示的な方法がセクション6の実施例1-3に記載される。
5.3 バイオマーカーおよびその使用方法
本明細書にて提供される方法は、部分的には、化合物での治療で特定のバイオマーカーにて検出可能な増加または減少が、所定の治療剤、例えば、上記のセクション5.2にて記載されるような化合物1、化合物2、または化合物3、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログまたは医薬的に許容される塩などの化合物に対して応答的である、例えば、DLBCLまたはCLL/SLLなどの血液がんの対象にて観察されるという知見に基づく。これらのバイオマーカーのレベルは、対象の治療剤に対する奏功性を同定または測定するのに、ならびに血液がんの対象の治療を促進するのに使用され得る。いくつかの実施態様において、バイオマーカーのレベルは、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩に対する応答を予測するのを可能とする。いくつかの実施態様において、式(I)の化合物は、(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物1)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;(R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物2)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;または2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物3)、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩からなる群より選択される化合物を含む。特定の実施態様において、式(I)の治療用化合物は(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物1)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。いくつかの実施態様において、血液がんは非ホジキンリンパ腫である。具体的な実施態様において、非ホジキンリンパ腫はDLBCLである。さらなる実施態様において、DLBCLは従来の療法に対して再発性、難治性または抵抗性である。いくつかの実施態様において、血液がんはCLL/SLLである。さらなる実施態様において、CLL/SLLは従来の療法に対して再発性、難治性または抵抗性である。
セクション6の実施例にて記載され、図面にて示されるように、特定のタンパク質、分子、mRNAまたは細胞組成物のレベルは、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩での治療に応答して変化する。これらのバイオマーカーには、アポトーシスのマーカー、セレブロン(CRBN)関連タンパク質、およびインターフェロン誘導性遺伝子が含まれる。例えば、本明細書にて提供されるように、化合物1、化合物2、または化合物3などの式(I)の化合物に対して感受性であるDLBCL細胞の処理は、未処理の細胞および非奏功性細胞と比べて、アポトーシスを誘発し、CRBN結合タンパク質の発現を減らし、インターフェロン誘導性遺伝子の発現を増やした。しかしながら、特定の状況では、本明細書に記載のバイオマーカーがレベルの変化する(すなわち、増加または減少する)必要のないことが理解される。例えば、特定の実施態様において、投与量の治療用化合物を対象に投与する前のタンパク質の基底発現で、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩での処理に対する感受性または奏功性を予測し得る。従って、本明細書にて提供されるバイオマーカーは、対象の治療に対する奏功性を同定するか、測定し、治療の有効性をモニター観察するのに有用とすることができ、DLBCLまたはCLL/SLLなどの血液がんの対象の治療を促進することができる。
特定の態様において、本明細書にて提供される方法において有用なバイオマーカーはアポトーシスのマーカーである。本明細書にて提供されるように、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩に感受性である、DLBCLまたはCLL/SLL細胞などの血液がん細胞の治療は、プロアポトーシスタンパク質の発現を増加させ、および/またはその活性を増加させ、アンチアポトーシスタンパク質の発現および/または活性を減少させることができ、アポトーシスの誘発をもたらし得る。従って、いくつかの実施態様では、バイオマーカーのレベルの変化はアポトーシスの誘導を示すものである。具体的な実施態様において、アポトーシスの誘導を示すバイオマーカーは、切断型カスパーゼ3、切断型カスパーゼ7、切断型ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)、BCL2、サバイビン、ホスファチジルセリン(PS)およびDNA、Bcl-2-様タンパク質11(BIM)、インターロイキン27(IL27)、腫瘍壊死因子(TNF)、インターロイキン10(IL10)、またはそれらの組み合わせである。アポトーシスの誘導を示すバイオマーカーはまた、アポトーシス細胞において内因性タンパク質および分子(例えば、各々、ホスファチジルセリン、DNA)に結合する、アネキシン-V、ディープ・レッド・アントラキノン7(DRAQ7)、および/または7-アミノ-アクチノマイシンD(7-AAD)などのプローブまたは代用のマーカーを検出し、その検出が生存、アポトーシス、および後期アポトーシス/死滅細胞を区別することもできる。かくして、いくつかの実施態様において、アポトーシスの誘導を示すバイオマーカーは、アネキシン-V、DRAQ7、7-AAD、またはそれらの組み合わせを包含する。
いくつかの実施態様において、サンプル中にてアポトーシスの誘導を示すバイオマーカーは、該バイオマーカーの参照となるレベルよりも高い。例えば、特定の実施態様において、参照となるレベルは、化合物を投与する前のバイオマーカーのレベルであり、参照となるレベルと比べて、投与した後にアポトーシスの誘導を示すバイオマーカーのレベルが高いことは、その治療が効果的であることを示すものである。具体的な実施態様において、参照となるレベルは、該化合物を投与する前のバイオマーカーのレベルであり、参照となるレベルと比べて、投与した後のサンプル中にて切断型カスパーゼ3、切断型カスパーゼ7、切断型ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)、BCL2、サバイビン、ホスファチジルセリン(PS)およびDNA、Bcl-2-様タンパク質11(BIM)、インターロイキン27(IL27)、腫瘍壊死因子(TNF)、インターロイキン10(IL10)、アネキシン-V、DRAQ7、7-AAD、またはその組み合わせのレベルが高いことは、治療の有効性を示すものである。しかしながら、サンプル中のバイオマーカーが該バイオマーカーの参照となるレベルよりも高い必要のないことが理解される。従って、いくつかの実施態様において、サンプル中のバイオマーカーは該バイオマーカーの参照となるレベルよりも低い。例えば、いくつかの実施態様において、参照となるレベルは化合物の第1の投与後のバイオマーカーのレベルであり、第2の投与の前にアポトーシスの誘導を示すバイオマーカーのレベルが低いことは、血液がんの対象を治療するのに投与量または頻度を調整するための情報となる。1の実施態様において、血液がんはDLBCLである。もう一つ別の実施態様において、血液がんはCLL/SLLである。
いくつかの態様において、本明細書にて提供される方法において有用であるバイオマーカーは、CRBN結合タンパク質またはCRBN結合タンパク質の転写標的である。本明細書にて提供されるように、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩は、CRBNとの結合能を有し、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩での治療の効果を媒介するにはCRBN発現が必要とされる。従って、いくつかの実施態様において、バイオマーカーはセレブロン(CRBN)であり、CRBNがサンプル中にて検出可能であるか、参照となるレベルよりも高い場合、対象は式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩での治療に対して奏功的である可能性があるものと診断される。
CRBNは、イカロス(IKZF1としても知られる)、アイオロス(IKZF3として知られる)およびZFP91(例えば、米国特許第9,857,359号B2;米国特許出願番号15/101,869および15/518,472(各々、米国特許2017-0242014A1および米国特許2016-0313300A1として公開され、その各々のすべてを出典明示により本明細書に組み込む)を参照のこと)を含む、種々の基質の分解を促進すると知られているE3ユビキチンリガーゼである。本明細書にて提供されるように、血液がん細胞の式(I)の化合物による治療は、CRBN関連タンパク質のイカロス、アイオロス、およびZFP91の分解をもたらし、これは式(I)の化合物の強い抗増殖効果と一致した。加えて、血液がん細胞を式(I)の化合物で治療すると、インターフェロン誘導性遺伝子(ISG)、インターフェロン制御因子7(IRF7)、テトラトリコペプチド反復3を含むインターフェロン誘発性タンパク質(IFIT3)、およびDExD/H-ボックスヘリカーゼ(DDX58)、ならびに非常に重要な転写因子c-Myc/MYC、BCL6、およびIRF4の抑制解除をもたらした。かくして、いくつかの実施態様において、バイオマーカーはCRBN結合タンパク質(CAP)またはCRBN結合タンパク質の転写標的である。具体的な実施態様において、CRBN結合タンパク質は、イカロス、アイオロス、またはZFP91である。他の実施態様において、CRBN結合タンパク質の転写標的は、BCL6、c-MYC、またはIRF4である。
いくつかの実施態様において、バイオマーカーはCRBN結合タンパク質(CAP)またはCRBN結合タンパク質の転写標的タンパク質であり、サンプル中のバイオマーカーは、該バイオマーカーの参照となるレベルよりも低い。例えば、特定の実施態様では、参照となるレベルは、化合物を投与する前のバイオマーカーのレベルであり、参照となるレベルと比べて、投与後のCRBN結合タンパク質(CAP)またはCRBN結合タンパク質の転写標的のレベルが低いことは、治療の有効性を示すものである。具体的な実施態様において、参照となるレベルは化合物を投与する前のバイオマーカーのレベルであり、参照となるレベルと比べて、投与した後のサンプル中のイカロス、アイオロス、ZFP91、BCL6、c-MYC、IRF4、またはそれらの組み合わせのレベルが低いことは、治療の有効性を示すものである。しかしながら、サンプル中のバイオマーカーは該バイオマーカーの参照となるレベルよりも低くなくてもよいことが理解される。従って、いくつかの実施態様において、サンプル中のバイオマーカーは該バイオマーカーの参照となるレベルよりも高い。例えば、いくつかの実施態様において、参照となるレベルは、化合物を第1に投与した後のバイオマーカーのレベルであり、該バイオマーカーのレベルが高いことは、血液がんの対象を治療するのに投与量または頻度を調整するための情報となる。1の実施態様において、血液がんはDLBCLである。もう一つ別の実施態様において、血液がんはCLL/SLLである。
いくつかの実施態様において、バイオマーカーはインターフェロン誘導性遺伝子を含む。具体的な実施態様において、インターフェロン誘導性遺伝子には、インターフェロン制御7(IRF7)、テトラトリコペプチド反復3を有するインターフェロン誘導性タンパク質(IFIT3)、DEADボックスタンパク質58(DDX58)、またはそれらの組み合わせが含まれる。特定の実施態様において、バイオマーカーはインターフェロン誘導性遺伝子であり、サンプル中のバイオマーカーは該バイオマーカーの参照となるレベルよりも高い。例えば、特定の実施態様において、参照となるレベルは化合物を投与する前のバイオマーカーのレベルであり、参照となるレベルと比べて、投与した後のインターフェロン誘導性遺伝子のレベルが高いことは、治療の有効性を示すものである。具体的な実施態様において、参照となるレベルは化合物を投与する前のバイオマーカーのレベルであり、参照となるレベルと比べて、投与後に、IRF7、IFIT3、DDX58、またはそれらの組み合わせのサンプル中のレベルが高いことは、治療の有効性を示すものである。しかしながら、サンプル中のバイオマーカーが、該バイオマーカーの参照となるレベルよりも高くなくてもよいことが理解される。従って、いくつかの実施態様において、該サンプル中のバイオマーカーは該バイオマーカーの参照となるレベルよりも低い。例えば、いくつかの実施態様において、参照となるレベルは、化合物を最初に投与した後のバイオマーカーのレベルであり、該バイオマーカーのレベルが低いことは、血液がんの対象を治療するのに投与量または頻度を調整するための情報となる。1の実施態様において、血液がんはDLBCLである。もう一つ別の実施態様において、血液がんはCLL/SLLである。
本明細書にて記載されるように、血液がんの式(I)の化合物を用いての治療は、非処理の細胞と比べて、血液がんの増殖を阻害した。このことは、増殖阻害剤である、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤1(p21)の発現の増加によって確認された。かくして、いくつかの実施態様において、バイオマーカーは増殖のマーカーである。具体的な実施態様において、バイオマーカーはp21である。バイオマーカーは増殖の増加のマーカーであり得、増殖阻害剤である必要のないことが理解される。例として、マーカーは、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩を用いる治療で減少する、増殖のマーカー(例、Brdu、Ki-67、H3pS10または同様のマーカー)であり得る。
いくつかの実施態様において、バイオマーカーは増殖のマーカーであり、サンプル中のバイオマーカーは該バイオマーカーの参照となるレベルよりも低い。例えば、特定の実施態様において、参照となるレベルは化合物を投与する前のバイオマーカーのレベルであり、参照となるレベルと比べて、投与した後の増殖のマーカーのレベルが低いことは、治療の有効性を示すものである。具体的な実施態様において、参照となるレベルは化合物を投与する前のバイオマーカーのレベルであり、参照となるレベルと比べて、投与後に、p21のサンプル中のレベルが低いことは、治療の有効性を示すものである。しかしながら、サンプル中のバイオマーカーが、該バイオマーカーの参照となるレベルよりも低くなくてもよいことが理解される。従って、いくつかの実施態様において、該サンプル中のバイオマーカーは該バイオマーカーの参照となるレベルよりも高い。例えば、いくつかの実施態様において、参照となるレベルは、化合物を最初に投与した後のバイオマーカーのレベルであり、増殖のマーカーのレベルが高いことは、血液がんの対象を治療するのに投与量または頻度を調整するための情報となる。1の実施態様において、血液がんはDLBCLである。もう一つ別の実施態様において、血液がんはCLL/SLLである。
本発明者らは、式(I)の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体またはラセミ混合物が、内皮細胞、TおよびBリンパ球、線維芽細胞、およびマクロファージなどの非がん細胞にも影響を及ぼし得ることを観察した。悪性細胞を取り囲む細胞(すなわち、腫瘍微小環境)は悪性細胞に影響を与え得る。例えば、抗炎症性および免疫調節性シグナルは血液がんを治療するのを支援することもできる。かくして、いくつかの実施態様において、バイオマーカーは非がん細胞内にある。いくつかの実施態様において、バイオマーカーは、IL-8、IL-1a、sPGE2、sTNFα、sIgG、sIL-17A、sIL-17F、sIL-2、sIL-6、コラーゲン-Iおよび-III、PAI-1、CD69、sIL-10、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される。しかしながら、サンプル中のバイオマーカーが該バイオマーカーの参照となるレベルよりも低くなくてもよいことが理解される。従って、いくつかの実施態様において、該サンプル中のバイオマーカーは該バイオマーカーの参照となるレベルよりも高い。いくつかの実施態様において、バイオマーカーは、IL-8、IL-1a、sPGE2、sTNFα、sIgG、sIL-17A、sIL-17F、sIL-2、sIL-6、コラーゲン-Iおよび-III、PAI-1、CD69、sIL-10またはそれらの組み合わせからなる群より選択され、サンプル中のバイオマーカーは該バイオマーカーの参照となるレベルよりも高い。例えば、特定の実施態様において、参照となるレベルは、化合物を投与する前のバイオマーカーのレベルであり、参照となるレベルと比べて、投与した後のIL-8、IL-1a、sPGE2、sTNFα、sIgG、sIL-17A、sIL-17F、CD-69、コラーゲン-Iおよび-III、PAI-1、またはそれらの組み合わせのレベルが低いことは、治療の有効性を示すものである。他の実施態様において、参照となるレベルは化合物を投与する前のバイオマーカーのレベルであり、参照となるレベルと比べて、投与した後のサンプル中のIL-8、sIL-10、sIL-2、sIL-6、またはそれらの組み合わせのレベルが高いことは、治療の有効性を示すものである。
化合物1の治療が、インターフェロンシグナル伝達(例、IL6ST、IFITM3、IFI6、OAS3、インターフェロンα/βシグナル伝達)、サイトカイン/ケモカインシグナル伝達(例、IL23A、CCL1)、アポトーシス(例、IL27、TNF、IL10、カスパーゼ)、細胞接着(例、SELE、SELPLG、TXA2PA)、細胞-細胞間接着(例、CLDN7、CLDN12)、G-タンパク質結合受容体(例、FFAR2)、細胞外マトリックス(例、CD209、SERPINA、SERPINB7)と関連付けられる遺伝子のイカロス/アイオロス駆動のアップレギュレーションを、ならびに細胞周期および転写と関連付けられるグローバルなダウンレギュレーションを生じさせることが観察された。従って、いくつかの実施態様において、バイオマーカーはインターフェロンシグナル伝達と関連付けられる。具体的な実施態様において、インターフェロンシグナル伝達と関連付けられるバイオマーカーは、インターロイキン-6シグナルトランスデューサー(IL6ST)、インターフェロン誘導性膜貫通型タンパク質3(IFITM3)、インターフェロンアルファ誘導性タンパク質6(IFI6)、2’-5’-オリゴアデニレート合成酵素3(OAS3)、インターフェロンα(IFNα)、インターフェロンβ(IFNβ)、またはそれらの組み合わせを包含する。具体的な実施態様において、バイオマーカーはインターフェロンシグナル伝達のマーカーであり、サンプル中のバイオマーカーは式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩で処理した後のバイオマーカーの参照となるレベルよりも高く、ここでその参照となるレベルはDMSO処理のサンプルである。
他の実施態様において、バイオマーカーはサイトカイン/ケモカインシグナル伝達と関連付けられる。いくつかの実施態様において、サイトカイン/ケモカインシグナル伝達と関連付けられるバイオマーカーは、インターロイキン-23サブユニットアルファ(IL23A)、C-Cモチーフケモカイン1(CCL1)、またはそれらの組み合わせを包含する。具体的な実施態様において、バイオマーカーはサイトカイン/ケモカインシグナル伝達と関連付けられ、サンプル中のバイオマーカーは、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩で処理した後のバイオマーカーの参照となるレベルよりも高く、ここでその参照となるレベルはDMSO処理のサンプルである。
さらなる実施態様において、バイオマーカーは細胞接着と関連付けられる。特定の実施態様において、細胞接着と関連付けられるバイオマーカーは、E-セレクチン(SELE)、P-セレクチン糖タンパク質リガンド1(SELPLG)、トロンボキサンA2(TXA2)、またはそれらの組み合わせを包含する。具体的な実施態様において、バイオマーカーは細胞接着と関連付けられ、サンプル中のバイオマーカーは、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩で処理した後のバイオマーカーの参照となるレベルよりも高く、ここでその参照となるレベルはDMSO処理のサンプルである。
他の実施態様において、バイオマーカーは細胞-細胞間結合と関連付けられる。特定の実施態様において、細胞-細胞間結合と関連付けられるバイオマーカーは、ラウジン7(CLDN7)、クラウジン12(CLDN12)、またはそれらの組み合わせを包含する。具体的な実施態様において、バイオマーカーは細胞-細胞間結合と関連付けられ、サンプル中のバイオマーカーは、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩で処理した後のバイオマーカーの参照となるレベルよりも高く、ここでその参照となるレベルはDMSO処理のサンプルである。
いくつかの実施態様において、バイオマーカーはG-タンパク質結合受容体である。特定の実施態様において、G-タンパク質結合受容体は遊離脂肪酸受容体2(FFAR2)を包含する。具体的な実施態様において、バイオマーカーはG-タンパク質結合受容体であり、サンプル中のバイオマーカーは、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩で処理した後のバイオマーカーの参照となるレベルよりも高く、ここでその参照となるレベルはDMSO処理のサンプルである。
特定の実施態様において、バイオマーカーは細胞外マトリックスと関連付けられる。いくつかの実施態様において、細胞外マトリックスと関連付けられるバイオマーカーは、CD209、SERPINA、SERPINB7、またはそれらの組み合わせを包含する。具体的な実施態様において、バイオマーカーは細胞外マトリックスと関連付けられ、サンプル中のバイオマーカーは、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩で処理した後のバイオマーカーの参照となるレベルよりも高く、ここでその参照となるレベルはDMSO処理のサンプルである。
他の実施態様において、バイオマーカーは細胞周期と関連付けられる。具体的な実施態様において、バイオマーカーは細胞周期と関連付けられ、サンプル中のバイオマーカーは、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩で処理した後のバイオマーカーの参照となるレベルよりも低く、ここでその参照となるレベルはDMSO処理のサンプルである。
さらなる実施態様において、バイオマーカーは転写と関連付けられる。具体的な実施態様において、バイオマーカーは転写と関連付けられ、サンプル中のバイオマーカーは、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩で処理した後のバイオマーカーの参照となるレベルよりも低く、ここでその参照となるレベルはDMSO処理のサンプルである。
特定の実施態様において、バイオマーカーは、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩での処理で、発現が変化するタンパク質のタンパク質レベルである。具体的な実施態様において、バイオマーカーは、アイオロス(IKZF3)、イカロス(IKZF1)、E3ユビキチン-タンパク質リガーゼZFP91(ZFP91)、タンパク質C-ets-1(ETS1)、マックス結合タンパク質MNT(MNT)、筋細胞特異的エンハンサー因子2B(MEF2B)、snRNA活性化タンパク質複合体サブユニット1(SNAPC1)、リジン特異的脱メチル化酵素4B(KDM4B)、転写因子AP-4(TFAP4)、核極転写因子1(UBTF)、ブロモ隣接ホモロジードメイン含有1タンパク質(BAHD1)、メチル-CpG-結合ドメインタンパク質4(MBD4)、クロモボックスタンパク質ホモログ2(CBX2)、腫瘍タンパク質63(TP63)、トランスデュシン様エンハンサータンパク質3(TLE3)、フォークヘッドボックスタンパク質P1(FOXP1)、ジンクフィンガーおよびBTBドメイン含有タンパク質11(ZBTB11)、インターフェロン制御因子4(IRF4)、RNAポリメラーゼII転写サブユニットのメディエーター26(MED26)、環状AMP依存性転写因子ATF-7(ATF7)、ジンクフィンガータンパク質644(ZNF644)、リジン特異的脱メチル化酵素5B(KDM5B)、上流刺激因子2(USF2)、転写因子25(TCF25)、リジン特異的脱メチル化酵素4A(KDM4A)、致死(3)悪性脳腫瘍様タンパク質2(L3MBTL2)、nRNA-活性化タンパク質複合体サブユニット4(SNAPC4)、リジン特異的脱メチル化酵素5(KDM5)、転写因子COE1(EBF1)、フォークヘッドボックスタンパク質J2(FOXJ2)、活性化T細胞細胞質の核因子1(NFATC1)、mRNA低下アクチベータータンパク質ZFP36(ZFP36)、肝がん誘発性成長因子(HDGF)、ETS関連性転写因子Elf-1(ELF1)、前骨髄球性白血病タンパク質(PML)、Myb関連性タンパク質B MYBL2、マザー・アゲインスト・デカペンタプレジック・ホモログ2(SMAD2)、クロモドメイン-ヘリカーゼ-DNA-結合タンパク質2(CHD2)、転写1のシグナルトランスデューサーおよび活性化因子(STAT1)、ペアボックスタンパク質Pax-5(PAX5)、転写2のシグナルトランスデューサーおよび活性化因子(STAT2)、ピゴパスホモログ2(PYGO2)、インターフェロン制御因子9(IRF9)、ポリコーム・グループ・RINGフィンガータンパク質2(PCGF2)、および環状AMP依存性転写因子ATF-3(ATF3)からなる群より選択される、1または複数のタンパク質である。
いくつかの実施態様において、バイオマーカーは、インターロイキン-23サブユニットアルファ(IL23A)、C-Cモチーフケモカイン2(CCL2)、およびSLIT-ROBO Rho GTPase-活性化タンパク質1(SRGAP1)からなる群より選択される1または複数の遺伝子を包含する。
特定の態様において、バイオマーカーはT細胞活性化マーカーを包含する。T細胞の活性化は血液がん細胞の細胞傷害性殺傷を促進することができ、従って、血液がんの治療において有益であり得る。特定の実施態様において、T細胞の活性化はT細胞活性化関連サイトカインを包含する。具体的な実施態様において、T細胞活性化関連サイトカインはインターロイキン2(IL-2)を含む。いくつかの実施態様において、バイオマーカーはT細胞活性化マーカーであり、サンプル中のバイオマーカーは該バイオマーカーの参照となるレベルよりも高い。例えば、特定の実施態様において、参照となるレベルは、化合物を投与する前のバイオマーカーのレベルであり、参照となるレベルと比べて、投与した後のT細胞活性化マーカーのレベルが高いことは、治療の有効性を示すものである。具体的な実施態様において、参照となるレベルは化合物を投与する前のバイオマーカーのレベルであり、参照となるレベルと比べて、投与した後のサンプル中のIL-2のレベルが高いことは処理の有効性を示すものである。しかしながら、サンプル中のバイオマーカーはバイオマーカーの参照となるレベルよりも高くなくてもよいことが理解される。従って、いくつかの実施態様において、該サンプル中のバイオマーカーは該バイオマーカーの参照となるレベルよりも低い。例えば、いくつかの実施態様において、参照となるレベルは化合物を最初に投与した後のバイオマーカーのレベルであり、該バイオマーカーのレベルが低いことは、血液がんの対象を治療するのに投与量または頻度を調整するための情報となる。1の実施態様において、血液がんはDLBCLである。もう一つ別の実施態様において、血液がんはCLL/SLLである。
他の実施態様において、バイオマーカーは疲弊T細胞のマーカーである。疲弊T細胞は、プログラムされた細胞死タンパク質1(PD1)およびリンパ球活性化遺伝子3タンパク質(LAG3)を含む、阻害シグナル伝達経路の発現を獲得するため、表現型的には機能性エフェクターT細胞とは異なる。疲弊T細胞は、エフェクターサイトカイン/ケモカイン(例、GM-CSF、TNFαおよびIFNγ)の分化、増殖の減少、産生の減少を示す。従って、いくつかの実施態様において、バイオマーカーは、PD1、LAG3、またはそれらの組み合わせを包含する。さらなる実施態様において、バイオマーカーは、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)、インターフェロンガンマ(IFNγ)、またはそれらの組み合わせを包含する。
いくつかの実施態様において、バイオマーカーは、疲弊T細胞のマーカーであり、サンプル中のバイオマーカーはバイオマーカーの参照となるレベルよりも低い。例えば、特定の実施態様において、参照となるレベルは化合物を投与する前のバイオマーカーのレベルであり、参照となるレベルと比べて、疲弊T細胞のマーカーのレベルが低いことは、治療の有効性を示すものである。具体的な実施態様において、参照となるレベルは化合物を投与する前のバイオマーカーのレベルであり、参照となるレベルと比べて、投与した後のサンプル中のPD1、LAG3またはそれらの組み合わせのレベルが低いことは処理の有効性を示すものである。しかしながら、サンプル中のバイオマーカーはバイオマーカーの参照となるレベルよりも低くなくてもよいことが理解される。従って、いくつかの実施態様において、該サンプル中のバイオマーカーは該バイオマーカーの参照となるレベルよりも高い。例えば、いくつかの実施態様において、参照となるレベルは化合物を最初に投与した後のバイオマーカーのレベルであり、参照となるレベルと比べて、投与した後のサンプル中のGM-CSF、TNFα、IFNγまたはそれらの組み合わせのレベルが高いことは治療の有効性を示すものである。
いくつかの態様において、バイオマーカーは非がん細胞での細胞傷害性のマーカーである。好中球は、炎症応答の最初の細胞成分として、および自然免疫の重要な成分として、感染に対する防御の第一線を表す。好中球減少症は、初期の感染症に対する炎症応答を鈍らせ、静菌の増殖および浸潤を可能とする。好中球減少症による合併症は、がん化学療法の主な線量制限傷害性を残したままであり、かなりの罹患率および死亡率と関連付けられる。従って、好中球のエクスビボ成熟は、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩を用いて、血液がんを治療するのに、ならびに血液がんの対象を治療するのに投与量または頻度を調整するのに有用であり得る。いくつかの実施態様において、バイオマーカーは好中球におけるイカロス発現である。特定の実施態様において、バイオマーカーは白血球で発現される。具体的な実施態様において、白血球細胞は骨髄細胞を含む。さらなる実施態様において、骨髄細胞は好中球を含む。さらにさらなる実施態様において、バイオマーカーはCD11b+、CD34-、およびCD33-の表現型を有する好中球を含む。
いくつかの実施態様において、バイオマーカーは、非がん細胞における細胞傷害性のマーカーであり、サンプル中のバイオマーカーは、該バイオマーカーの参照となるレベルよりも低い。例えば、特定の実施態様において、参照となるレベルは化合物を最初に投与した後のバイオマーカーのレベルであり、好中球中で細胞傷害性のマーカーのレベルが低いことは、血液がんの対象を治療するのに投与量または頻度を調整するための情報となる。具体的な実施態様において、参照となるレベルは化合物を最初に投与した後のバイオマーカーのレベルであり、イカロスおよび/またはCD11b+、CD34-、およびCD33-の表現型を有する好中球のレベルが低いことは、血液がんの対象を治療するのに投与量または頻度を減らすための情報となる。しかしながら、サンプル中のバイオマーカーは、バイオマーカーの参照となるレベルよりも低くなくてもよいことが理解される。従って、いくつかの実施態様において、該サンプル中のバイオマーカーは該バイオマーカーの参照となるレベルよりも高い。例えば、いくつかの実施態様において、参照となるレベルは化合物を最初に投与した後のバイオマーカーのレベルであり、参照となるレベルは化合物を最初に投与した後のバイオマーカーのレベルであり、イカロスおよび/またはCD11b+、CD34-、およびCD33-の表現型を有する好中球のレベルが高いことは、血液がんの対象を治療するのに投与量または頻度を増やすための情報となる。1の実施態様において、血液がんはDLBCLである。もう一つ別の実施態様において、血液がんはCLL/SLLである。
様々な対象となるサンプルが試験サンプルの比較のために使用され得る。例として、非限定的な型の参照となるサンプルは、例えば、未処理のサンプル、治療計画の間のより早い時点で処理したサンプル、標準化の参照となるサンプル、または比較に適する他の任意のサンプルとすることができる。いくつかの実施態様において、参照となるバイオマーカーのレベルは、治療用化合物を対象に投与する前に対象から得られた参照となるサンプル中のバイオマーカーのレベルであり、ここで参照となるサンプルは該サンプルと同じ供給源から得られたものである。他の実施態様において、参照となるバイオマーカーのレベルは、血液がんでない、健康な対象から得られた参照となるサンプル中のバイオマーカーのレベルであり、ここで参照となるサンプルは該サンプルと同じ供給源から得られたものである。さらにさらなる実施態様において、参照となるバイオマーカーのレベルは所定のバイオマーカーのレベルである。
当業者であれば、バイオマーカーのレベルの改変が、特定のバイオマーカー、ならびに比較のために使用される対象なるサンプルに応じて、異なる解釈を有するであろうことを理解するであろう。一例として、例えば、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩で処理した後のアポトーシスマーカーのバイオマーカーのレベルは、任意の治療用化合物を対象に投与する前の対象から由来の参照となるサンプルよりも高いかもしれない。バイオマーカーのレベルの増加は、治療が効果的であると示し得る。あるいはまた、例えば、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩で処理した後のCRBN結合タンパク質のバイオマーカーのレベルは、任意の治療用化合物を対象に投与する前の対象から由来の参照となるサンプルよりも低いかもしれない。かかる環境でのバイオマーカーのレベルの減少は、治療が効果的であると示し得る。
しかしながら、同じバイオマーカーが、異なる参照となるサンプルと比較した場合、同じサンプル中で異なるレベルを有し得る。例として、例えば、CRBN結合タンパク質のバイオマーカーのレベルは、参照となるサンプルが治療計画にて早期の時点で得られるが、同じ対象から由来の参照となるサンプルより高いかもしれず、バイオマーカーのレベルは任意の治療用化合物を対象に投与する前の対象から由来する参照となるサンプルよりもなお低いので、依然として治療の効能を示す。従って、バイオマーカーのレベルおよびバイオマーカーのレベルの意味は参照となるサンプルのその状況に依存するであろう。
かくして、いくつかの実施態様において、該サンプル中のバイオマーカーは該バイオマーカーの参照となるレベルよりも高い。他の実施態様において、該サンプル中のバイオマーカーは該バイオマーカーの参照となるレベルよりも低い。さらに別の実施態様において、バイオマーカーの検出は対象が応答的であることを示し得る。特定の実施態様において、参照となるバイオマーカーのレベルに対してバイオマーカーのレベルが増加したことは、対象にて血液がんを治療するにおいて治療用化合物の効能を示すものである。他の実施態様において、参照となるバイオマーカーのレベルに対してバイオマーカーのレベルが減少したことは、対象にて血液がんを治療するにおいて治療用化合物の効能を示すものである。1の実施態様において、血液がんはDLBCLである。もう一つ別の実施態様において、血液がんはCLL/SLLである。
バイオマーカーの検出は当業者の技術の範囲内である。例えば、特定の実施態様において、バイオマーカーのレベルの決定は、バイオマーカーのタンパク質レベルを決定することを含む。他の実施態様において、バイオマーカーのレベルの決定は、バイオマーカーのmRNAのレベルを決定することを含む。さらなる実施態様において、バイオマーカーのレベルの決定は、RNAレベルを決定するための代替マーカーとしてのバイオマーカーのcDNAを決定することを含む。アイオロス、イカロス、CRBN、c-MYC、IRF4、ZFP91、BCL2、BCL6、MCL1、IRF7、IFIT3、切断型カスパーゼ-3、切断型カスパーゼ-7、切断型PARP、BIM、DDX58、サルビビン、PD1、LAG3、活性化T細胞関連サイトカイン、またはそれらの組み合わせなどのバイオマーカーのタンパク質レベルを検出および定量する方法について、本明細書で提供される例示的なアッセイは、ウェスタンブロット分析、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)(例、サンドイッチELISA)、免疫組織化学(IHC)、および蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)などの免疫アッセイである。アイオロス、イカロス、ZFP91、CRBN、c-MYC、IRF4、活性化T細胞関連サイトカイン、CD142(組織因子)、CD62E(E-セレクチン)、インターロイキン-8(IL8)、インターロイキン-2(IL2)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-17A(IL17A)、インターロイキン-17F(IL17F)、コラーゲン-I、コラーゲン-III、PAI-I、インターロイキン-10(IL-10)、CD69、免疫グロブリン(IgG)腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)、またはそれらの組み合わせなどのバイオマーカーのRNAレベルを検出および定量する方法について、本明細書で提供される例示的なアッセイは、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)、例えば、定量性RT-PCR(qRT-PCR)、およびRNA-Seqである。
バイオマーカーを検出するための上記の技法は限定されるものではなく、当業者であれば、本明細書で提供されるバイオマーカーを検出し、測定するために既知のいずれかの技法を用いることができると理解される。従って、本明細書で提供される実施態様の実施では、特記されない限り、当業者の技術範囲内にある、分子生物学、微生物学、および免疫学の従来技術を利用することとなる。かかる技法は文献にて十分に説明されている。参照に特に適したテキストの例には、以下の:Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 3版, Cold Spring Harbor Laboratory, New York(2001);Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Baltimore, MD(1999);Glover編、DNA Cloning, IおよびII巻(1985);Mullisら、Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 1987, 51:263-273;PCR Technology(Stockton Press, NY, Erlich編, 1989);Gaitら、Oligonucleotide Synthesis(1984);Hames & Higgins編、Nucleic Acid Hybridization(1984);Hames & Higgins編、Transcription and Translation(1984);Freshney編、Animal Cell Culture:Immobilized Cells and Enzymes(IRL Press, 1986);Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology(Academic Press, London);Scopes, Protein Purification:Principles and Practice(Springer Verlag, N.Y., 2版 1987);およびWeir & Blackwell編、Handbook of Experimental Immunology, I-IV巻(1986)が含まれる。
5.4 治療および/または管理方法
本明細書では、血液がんを治療および/または管理する方法であって、治療的に効果的な量の式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩を投与することを含む、方法が提供される。
1の態様において、本明細書では、血液がんの対象において、血液がんを選択的に治療する方法であって、(a)血液がんの対象からサンプルを得;(b)サンプル中のバイオマーカーのレベルを測定し;(c)(i)サンプル中のバイオマーカーのレベルが検出可能であるか;または(ii)バイオマーカーのレベルが参照となるバイオマーカーのレベルと比べて改変されたレベルである場合に、該対象を治療用化合物に対して奏功的である可能性があるものとして診断し;および(d)治療的に効果的な量の治療用化合物を、該治療用化合物に対して奏功的である可能性があるものとして診断された対象に投与することを含み、ここで治療用化合物が、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である、方法が提供される。いくつかの実施態様において、式(I)の化合物は、(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物1)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;(R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物2)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;あるいは2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物3)、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩からなる群より選択される化合物を含む。特定の実施態様において、式(I)の治療用化合物は、(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物1)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。いくつかの実施態様において、血液がんは、非ホジキンリンパ腫を含む。具体的な実施態様において、非ホジキンリンパ腫はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。さらにさらなる実施態様において、DLBCLは従来の療法に対して再発性、難治性または抵抗性である。他の実施態様において、血液がんはCLL/SLLである。さらにさらなる実施態様において、CLL/SLLは従来の療法に対して再発性、難治性または抵抗性である。
本明細書では、また、血液がんを治療する方法であって、(a)血液がんの対象から第1のサンプルを得;(b)該第1のサンプル中のバイオマーカーのレベルを測定し;(c)治療的に効果的な量の治療用化合物を該対象に投与し;(d)治療した後に該対象から少なくとも1つのさらなるサンプルを得;および(e)少なくとも1つのさらなるサンプル中のバイオマーカーのレベルを測定し;その少なくとも1つのさらなるサンプル中のバイオマーカーのレベルが、第1のサンプルのバイオマーカーのレベルであるか、またはその近傍であるならば、その場合、もう一つ別の治療的に効果的な量の治療用化合物を該対象に投与することを含み、ここで、該治療用化合物が、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である、方法が提供される。いくつかの実施態様において、式(I)の化合物は、(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物1)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;(R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物2)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;または2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物3)、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩からなる群より選択される化合物を含む。特定の実施態様において、式(I)の治療用化合物は、(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物1)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。いくつかの実施態様において、血液がんは非ホジキンリンパ腫を含む。具体的な実施態様において、非ホジキンリンパ腫はDLBCLである。さらにさらなる実施態様において、DLBCLは従来の療法に対して再発性、難治性または抵抗性である。他の実施態様において、血液がんはCLL/SLLである。さらにさらなる実施態様において、CLL/SLLは従来の療法に対して再発性、難治性または抵抗性である。
加えて、本明細書では、対象における血液がんの治療において、治療用化合物の有効性をモニター観察する方法であって、(a)治療用化合物を対象に投与し;(b)該対象からサンプルを得;(c)該サンプル中のバイオマーカーのレベルを測定し;および(d)該サンプル中のバイオマーカーのレベルを、参照となるバイオマーカーのレベルと比較し、ここでバイオマーカーのレベルの改変が対象における血液がんの治療での治療用化合物の有効性を示し;ここで治療用化合物が、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である、方法が提供される。いくつかの実施態様において、式(I)の化合物は、(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物1)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;(R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物2)、またはその互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩;または2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物3)、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩からなる群より選択される化合物を含む。特定の実施態様において、式(I)の治療用化合物は(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物1)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。いくつかの実施態様において、血液がんは非ホジキンリンパ腫を含む。具体的な実施態様において、非ホジキンリンパ腫はDLBCLである。さらにさらなる実施態様において、DLBCLは従来の療法に対して再発性、難治性または抵抗性である。他の実施態様において、血液がんはCLL/SLLである。さらにさらなる実施態様において、CLL/SLLは従来の療法に対して再発性、難治性または抵抗性である。
本明細書では、治療用化合物に対して奏功的である可能性のある血液がんの対象を同定するか、または血液がんの対象またはその疑いのある対象の治療用化合物に対する奏功性を予測する方法も提供される。いくつかの実施態様において、治療用化合物に対して奏功的である可能性のある血液がんの対象を同定するか、または血液がんの対象またはその疑いのある対象の治療用化合物に対する奏功性を予測する方法であって、(a)該対象からサンプルを得;(b)該治療用化合物を該サンプルに投与し;(c)該サンプル中のバイオマーカーのレベルを測定し;および(d)該サンプル中のバイオマーカーのレベルが参照となるバイオマーカーのレベルと比べて改変されたレベルである場合に、該対象を該治療用化合物に対して奏功的である可能性があるものとして診断し;ここで治療用化合物が、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である、方法が提供される。いくつかの実施態様において、式(I)の化合物は、(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物1)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;(R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物2)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;または2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物3)、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩からなる群より選択される化合物を含む。特定の実施態様において、式(I)の治療用化合物は、(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物1)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。いくつかの実施態様において、血液がんは非ホジキンリンパ腫を含む。具体的な実施態様において、非ホジキンリンパ腫はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。いくつかの実施態様において、血液がんは非ホジキンリンパ腫を含む。具体的な実施態様において、非ホジキンリンパ腫はDLBCLである。さらにさらなる実施態様において、DLBCLは従来の療法に対して再発性、難治性または抵抗性である。他の実施態様において、血液がんはCLL/SLLである。さらにさらなる実施態様において、CLL/SLLは従来の療法に対して再発性、難治性または抵抗性である。
他の実施態様において、治療用化合物に対して奏功的である可能性のある血液がんの対象を同定するか、または血液がんの対象またはその疑いのある対象の治療用化合物に対する奏功性を予測する方法であって、(a)治療用化合物を対象に投与し;(b)該対象からサンプルを得;(c)該サンプル中のバイオマーカーのレベルを測定し;および(d)該サンプル中のバイオマーカーのレベルが参照となるバイオマーカーのレベルと比べて改変されたレベルである場合に、該対象を該治療用化合物に対して奏功的である可能性があるものとして診断し;ここで治療用化合物が、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩. いくつかの実施態様において、式(I)の化合物は、(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物1)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;(R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物2)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;または2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物3)、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩からなる群より選択される化合物を含む、方法が提供される。特定の実施態様において、式(I)の治療用化合物は(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物1)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。いくつかの実施態様において、血液がんは非ホジキンリンパ腫を含む。具体的な実施態様において、非ホジキンリンパ腫はDLBCLである。さらにさらなる実施態様において、DLBCLは従来の療法に対して再発性、難治性または抵抗性である。他の実施態様において、血液がんはCLL/SLLである。さらにさらなる実施態様において、CLL/SLLは従来の療法に対して再発性、難治性または抵抗性である。
さらにさらなる実施態様において、治療用化合物に対して奏功的である可能性のある血液がんの対象を同定するか、または血液がんの対象またはその疑いのある対象の治療用化合物に対する奏功性を予測する方法であって、(a)該対象からサンプルを得;(b)該サンプル中のバイオマーカーのレベルを測定し;(c)(i)サンプル中のバイオマーカーのレベルが検出可能であるか;または(ii)サンプル中のバイオマーカーのレベルが参照となるバイオマーカーのレベルと比べて改変されたレベルである場合に、該対象を治療用化合物に対して奏功的である可能性があるものとして診断し;該サンプル中のバイオマーカーのレベルが参照となるバイオマーカーのレベルと比べて改変されたレベルである場合に、該対象を該治療用化合物に対して奏功的である可能性があるものとして診断し;ここで治療用化合物が、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である、方法が提供される。いくつかの実施態様において、式(I)の化合物は、(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物1)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;(R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物2)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;または2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物3)、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩からなる群より選択される化合物を含む。特定の実施態様において、式(I)の治療用化合物は、(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物1)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。いくつかの実施態様において、血液がんは非ホジキンリンパ腫を含む。具体的な実施態様において、非ホジキンリンパ腫はDLBCLである。さらにさらなる実施態様において、DLBCLは従来の療法に対して再発性、難治性または抵抗性である。他の実施態様において、血液がんはCLL/SLLである。さらにさらなる実施態様において、CLL/SLLは従来の療法に対して再発性、難治性または抵抗性である。
セクション5.3にて記載されるように、種々のバイオマーカーが本明細書にて提供される方法にて使用され得る。いくつかの実施態様において、本明細書で提供されるバイオマーカーの検出またはレベルの改変は、治療用化合物に対して奏功的である可能性のある血液がんの対象を同定する方法にて使用され得る。一例として、例えば、CRBNの検出は、血液がんの対象は応答的である可能性が高いことを示し得る。例えば、CRBN結合タンパク質(例、IKAROS、AIOLOS、ZFP91)などのもう一つ別の例示的なバイオマーカーは、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩での処理に応答して、未処理のサンプルと比べて減少し、例えば、治療用化合物に対して奏功的である可能性のある血液がんの対象を同定する方法にて、または血液がんの対象または該がんと疑われる対象の治療用化合物に対する奏功性を予測する方法にて使用され得る。他の実施態様において、本明細書で提供されるバイオマーカーの検出またはレベルの改変は、例えば、血液がんを治療する方法、または血液がんの患者にて血液がんを治療する際の治療用化合物の効能をモニター観察する方法にて使用され得る。一例として、式(I)の治療用化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩は、対象に投与され得、その処理された対象からのサンプル中のバイオマーカーのレベルを、任意の処理する前の同じ対象から由来の参照となるサンプルと比べることができる。例えば、アポトーシスタンパク質のバイオマーカーのレベルの増加は、該治療が対象の治療において効果的であると、顧問医を誘導することを示し得る。上記した例は例示であり、該バイオマーカーが本明細書で提供される方法で包括的に使用され得るものではないことが理解される。
5.5 投与量または投与頻度を調整する方法
本明細書では、血液がんの対象を治療用化合物で治療するための投与量または投与頻度を調整する方法であって、(a)投与量の治療用化合物を対象に投与し;(b)1または複数のサンプルを対象から異なる時点で得;(c)1または複数のサンプル中のバイオマーカーのレベルをモニター観察し;および(d)参照となるサンプル中のバイオマーカーの改変レベルに基づいて、その後の治療用化合物の対象への投与のための用量を調整し;ここで、治療用化合物が、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である、方法も提供される。特定の実施態様において、循環スケジュールは、バイオマーカーのレベルに基づいて決定される。いくつかの実施態様において、式(I)の化合物は、(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物1)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;(R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物2)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩;または2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物3)、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩からなる群より選択される化合物を含む。特定の実施態様において、式(I)の治療用化合物は(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物1)、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。いくつかの実施態様において、血液がんは非ホジキンリンパ腫を含む。具体的な実施態様において、非ホジキンリンパ腫はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。さらにさらなる実施態様において、DLBCLは従来の療法に対して再発性、難治性または抵抗性である。他の実施態様において、血液がんはCLL/SLLである。さらにさらなる実施態様において、CLL/SLLは従来の療法に対して再発性、難治性または抵抗性である。
様々なバイオマーカーが、治療の投与の量または頻度を調整する必要があるかどうかを判断するのに使用され得る。特定の実施態様において、投与の量または頻度を調整する方法において使用されるバイオマーカーは、成熟好中球、および好中球中のイカロスタンパク質のレベルからなる群より選択され得る。例えば、好中球のエクスビボ成熟は、例えば、骨髄傷害性を評価するためのバイオマーカーとして使用され得る。特定の実施態様において、骨髄CD34+細胞のエクスビボ培養物は、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩で処理する異なる投与計画に暴露することができ、例えば、幹細胞因子(SCF)、FMS関連のチロシンキナーゼ3リガンド(FLT3-L)、および顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を培養液に用いることで、骨髄分化が誘導され得る。式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩の有無での細胞分化は、細胞の異なる集団(例えば、造血幹細胞(HSC、CD34+/CD33-/CD11b-);段階I細胞(CD34+/CD33+/CD11b-);段階II細胞(CD134-/CD33+/CD11b-);段階III細胞(CD34-/CD33+/CD11b+)および段階IV細胞(CD34-/CD33-/CD11b+)細胞)にて、設定された時点で評価され得る。特定の実施態様において、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩に暴露した後の成熟好中球(段階IV細胞)の回復が、バイオマーカーとして機能し得る。
他の実施態様において、好中球のイカロスタンパク質のレベルは、投与計画および/または細胞傷害性を決定するためのバイオマーカーであり得る。本明細書で提供されるように、好中球中のイカロスのレベルは、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩に暴露される間に減少し、薬物を除去した後に濃度依存的に回復することが判明した。後期好中球の成熟性の完全な回復は、イカロスのレベルの回復によって速やかに先行された。かくして、いくつかの実施態様において、好中球中のイカロスの分解および/またはイカロスの回復は、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩に対する応答についてのバイオマーカーであり、ならびに細胞傷害性についてのバイオマーカーでもあり得る。加えて、好中球中のイカロスタンパク質のレベルおよび/または好中球の成熟度は、サイクル計画を決定するためのバイオマーカーでもあり得る。一例として、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩を投与した後のイカロスタンパク質のレベルが少なくとも約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上に回復することは、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩のその後の投与が行われる前に、バイオマーカーとして使用され得る。
血液がんの対象を治療用化合物で治療するための投与量または投与頻度を調整する方法にて用いるための上記されるバイオマーカーは限定されるものではなく、成熟好中球の量、段階、および/または生存率を示す他のバイオマーカーもバイオマーカーとして有用であり得ることが理解される。
5.6 医薬組成物および投与経路
本明細書で提供されるように、セクション5.2にて記載されるいずれかの化合物などの、式(I)の化合物あるいはその医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体またはラセミ混合物は、対象に、カプセル、マイクロカプセル、錠剤、顆粒、散剤、トローチ、ピル、坐剤、注射液、懸濁液、シロップ、パッチ、クリーム、ローション、軟膏、ゲル、スプレー、液剤およびエマルジョンなどの従来の形態の製剤にて経口的に、局所的に、または非経口的に投与され得る。適切な製剤は、賦形剤(例、シュークロース、澱粉、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、グルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウム)、結合剤(例、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアガム、ポリエチレングリコール、シュークロースまたは澱粉)、崩壊剤(例、澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、重炭酸ナトリウム、リン酸カルシウムまたはクエン酸カルシウム)、滑沢剤(例、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルクまたはラウリル硫酸ナトリウム)、矯味矯臭剤(例、クエン酸、メントール、グリシンまたはオレンジ粉末)、保存剤(例、安息香酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メチルパラベンまたはプロピルパラベン)、安定剤(例、クエン酸、クエン酸ナトリウムまたは酢酸)、沈殿防止剤(例、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンまたはステアリン酸アルミニウム)、分散剤(例、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、希釈剤(例、水)、およびベースワックス(例、ココアバター、白色ペトロラクタムまたはポリエチレングリコール)などの従来の有機または無機添加剤を用いて、一般的に利用される方法によって製造され得る。医薬組成物中の化合物の効果的な量は、経口および非経口投与の両方の単位投与量にて、所望の効果を発揮するであろうレベル;約0.001mg/対象の体重kg~約1mg/対象の体重kgとすることができる。
本明細書で提供される化合物は経口投与され得る。1の実施態様において、経口投与される場合、本明細書で提供される化合物は食事および水と一緒に投与される。もう一つ別の実施態様において、本明細書で提供される化合物は水または果汁(例、リンゴ果汁またはオレンジ果汁)に分散され、溶液または懸濁液として経口投与される。
本明細書で提供される化合物はまた、皮内、筋肉内、腹腔内、皮膚を通して、静脈内、皮下、経鼻、表皮内、舌下、脳内、膣内、経皮、直腸内、粘膜、吸入により、あるいは耳、鼻、眼または皮膚に局所的に投与され得る。投与方法は医療従事者の裁量に委ねられ、病状の部位にいくらかは依存し得る。
1の実施態様において、本明細書で提供されるのは、付加的な担体、賦形剤またはビヒクルなしで本明細書で提供される化合物を含有するカプセルである。もう一つ別の実施態様において、本明細書で提供されるのは、効果的な量の本明細書で提供される化合物および医薬的に許容される担体またはビヒクルを含む組成物であって、ここで医薬的に許容される担体またはビヒクルは賦形剤、希釈剤またはそれらの混合物を含むことができる、組成物である。1の実施態様において、組成物は医薬組成物である。
組成物は、錠剤、咀嚼錠、カプセル、液剤、非経口溶液、トローチ、坐剤および懸濁液等の形態とすることができる。組成物は、一日量を、または一日量の都合のよい分量を、単一の錠剤またはカプセルと、あるいは都合のよい容量の液体とすることができる、投与単位にて含有するように処方され得る。1の実施態様において、液剤は水溶性の塩から製造される。一般に、すべての組成物は医薬化学における既知の方法に従って製造される。カプセルは、本明細書で提供される化合物を適切な担体または希釈剤と混合し、適量の混合物をカプセルに充填することによって製造され得る。通常の担体および希釈剤には、限定されないが、多くの種類の澱粉、粉末セルロース、特に結晶性および微結晶性セルロースなどの不活性な粉末物質、フルクトース、マンニトールおよびシュークロースなどの糖類、穀物および同様の食用粉末が含まれる。
錠剤は、直接圧縮、湿式造粒または乾式造粒によって製造され得る。それらの製剤には、通常、化合物の他に希釈剤、結合剤、滑沢剤および崩壊剤が配合される。典型的な希釈剤には、例えば、種々の型の澱粉、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸または硫酸カルシウム、塩化ナトリウムなどの無機塩および粉末糖が含まれる。粉末状のセルロース誘導体も有用である。典型的な錠剤結合剤は、澱粉、ゼラチンおよびラクトース、フルクトース、グルコース等などの糖類などの物質である。アカシア、アルギン酸塩、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等を含む、天然および合成ガムも便利である。ポリエチレングリコール、エチルセルロースおよびワックスも結合剤として供することができる。
錠剤製剤では、錠剤およびパンチがダイにて粘着するのを防止するために、滑沢剤が必要とされるかもしれない。滑沢剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよびカルシウム、ステアリン酸、および硬化植物油などの滑りやすい固体から選択され得る。錠剤用崩壊剤は、水に濡れると膨潤して錠剤を破壊し、化合物を放出させる物質である。それらは、澱粉、クレイ、セルロース、アルギンおよびガムを包含する。より詳細には、トウモロコシおよびイモ澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、木材セルロース、粉末天然海綿体、カチオン交換樹脂、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ、およびカルボキシメチルセルロースが、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムも同様に、使用され得る。錠剤は、フレーバーおよびシーラントとして糖を用いて、あるいは錠剤の溶解特性を修飾するのにフィルム形成保護剤を用いてコーティングされ得る。該組成物はまた、例えば、マンニトールなどの物質を処方に用いることにより、咀嚼錠として製剤化され得る。
本明細書で提供される化合物を坐剤として投与することが望ましい場合、典型的な基剤が使用され得る。ココアバターは伝統的な坐剤用基剤であり、これはその融点をわずかに上げるためにワックスを添加することにより修飾され得る。特に、様々な分子量のポリエチレングリコールを含む、水混和性坐剤用基剤が広く使用される。
本明細書で提供される化合物の効果は、適切に製剤化することにより遅延または延長させることができる。例えば、本明細書で提供される化合物のゆっくりと可溶化するペレットを製造し、錠剤またはカプセルに配合することができ、あるいは徐放性移植可能装置として製造され得る。この技法はまた、数種の異なる溶解速度のペレットを製造し、カプセルに該ペレットの混合物を充填することを含む。錠剤またはカプセルは予測可能な期間にわたって溶解に抗うフィルムでコーティングされ得る。非経口用製剤でさえ、本明細書で提供される化合物を血清中にゆっくりと分散させる油性または乳化ビヒクルにそれを溶解または懸濁させることにより、長期作用型とすることができる。
本明細書で提供される方法は、患者の年齢に関わりなく、患者を治療することを包含する。いくつかの実施態様において、対象は18歳以上である。他の実施態様において、対象は18、25、35、40、45、50、55、60、65、または70歳より上である。他の実施態様において、対象は65歳未満である。他の実施態様において、対象は65歳より上である。
治療されるべき疾患の状態および対象の状態に応じて、本明細書で提供される化合物1、化合物2または化合物3、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩は、経口、非経口(例、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、睾丸内注射または注入、皮下注射、または移植)、吸入、鼻、膣、直腸、舌下、または局所(例、経皮または局所)の投与経路によって投与されてもよい。本明細書で提供される化合物1、化合物2または化合物3、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩は、単独で、または各投与経路に適する、医薬的に許容される賦形剤、担体、アジュバントおよびビヒクルと一緒に、適切な投与単位にて処方され得る。
1の実施態様において、本明細書で提供される化合物1、化合物2または化合物3、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩は、経口的に投与される。もう一つ別の実施態様において、本明細書で提供される化合物1、化合物2または化合物3の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩は、非経口的に投与される。さらにもう一つ別の実施態様において、化合物1、化合物2または化合物3の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩は、静脈内に投与される。
本明細書で提供される化合物1、化合物2または化合物3、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩は、例えば、単回ボーラス注射、または経口カプセル、錠剤またはピルなどの単一用量として;例えば、経時的な連続注入または経時的に分割したボーラス投与などの経時的投与として送達され得る。本明細書にて記載される化合物は、必要に応じて、例えば、患者が安定した疾患または退行を経験するまで、あるいは患者が疾患の進行もしくは許容できない傷害性を経験するまで、繰り返して投与され得る。
本明細書で提供される化合物1、化合物2または化合物3、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩は、1日1回(QD)投与されるか、あるいは日用量を1日2回(BID)、1日3回(TID)および1日4回(QID)などの複数回に分割され得る。加えて、投与は連続的(すなわち、連日での日々または毎日)、間欠的、例えば、周期的(すなわち、薬物のない休息を数日間、数週間または数か月にわたって含む)であり得る。本明細書で使用される場合の「毎日」なる語は、本明細書で提供される化合物1、化合物2または化合物3、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩などの治療用化合物が、一日に1回または複数回、例えば、一定期間にわたって投与されることを意味するものとする。「連続的」なる語は、本明細書で提供される化合物1、化合物2または化合物3、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩などの治療用化合物が、少なくとも7日間~52週間の中断のない期間にわたって毎日投与されることを意味するものとする。本明細書で使用される場合の「断続的」または「間欠的」なる語は、規則的または不規則のいずれかの間隔で停止と開始を行うことを意味するものとする。例えば、本明細書で提供される化合物1、化合物2または化合物3、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩の間欠的投与は、週に1~6日間の投与、サイクルでの投与(例えば、2~8週間連続して毎日投与し、次に最大1週間にわたって投与しない休息期間を設ける)、または隔日での投与である。本明細書で使用される場合の「サイクル」なる語は、本明細書で提供される化合物1、化合物2または化合物3、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩などの治療用化合物が、毎日または連続的に投与されるが、休息期間を設けて投与されることを意味するものとする。
いくつかの実施態様において、投与の頻度は、およその日用量からおよその月用量までの範囲にある。1の実施態様において、投与は1日に1回、1日に2回、1日に3回、1日に4回、隔日に1回、1週間に2回、毎週1回、2週間に1回、3週間に1回、または4週間に1回である。1の実施態様において、本明細書で提供される化合物1、化合物2または化合物3、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩は、1日に1回投与される。もう一つ別の実施態様において、本明細書で提供される化合物1、化合物2または化合物3、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩は、1日に2回投与される。さらにもう一つ別の実施態様において、本明細書で提供される化合物1、化合物2または化合物3、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩は、1日に3回投与される。さらにもう一つ別の実施態様において、本明細書で提供される化合物1、化合物2または化合物3、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩は、1日に4回投与される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法は、治療的に効果的な量の化合物1、化合物2または化合物3を、1または複数の7日間の治療サイクルにて投与することを含む。もう一つ別の実施態様において、本明細書で提供される方法は、治療的に効果的な量の化合物1、化合物2または化合物3を、7日間のサイクルの初日~5日目まで投与することを含む。1の実施態様において、化合物1、化合物2または化合物3は、1日1回を5日間、つづいて2日間の休息を設けて投与される。もう一つ別の実施態様において、本明細書で提供される方法は、治療的に効果的な量の化合物1、化合物2または化合物3を、28日間のサイクルの初日~5日目、8~12日目、15~19日目、および22~26日目まで投与することを含む。
1の実施態様において、血液がんは慢性リンパ性白血病(CLL)であり、その治療は治療的に効果的な量の第2の活性剤を1または複数の治療サイクルで投与することを含む。1の実施態様において、第2の活性剤は7日毎に2回投与される。1の実施態様において、第2の活性剤は1週間毎に1回投与される。1の実施態様において、第2の活性剤は4週間毎に1回投与される。1の実施態様において、第2の活性剤は最初の28日間のサイクルにて初日、2日目、8日目、および15日目に投与され、2回目~6回目の28日間のサイクルにて初日に投与される。
本明細書で提供される任意の治療サイクルは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26 、27、28、29、30またはそれ以上のサイクルで繰り返され得る。特定の場合では、本明細書にて記載される場合の治療サイクルは、1~約24回のサイクル、約2~約16回のサイクル、または約2~約4回のサイクルを含む。特定の場合には、本明細書にて記載される治療サイクルは、1~約4回のサイクルを含む。いくつかの実施態様において、治療的に効果的な量の化合物1、化合物2または化合物3、および/または第2の活性剤を、28日間のサイクルにて1~24回のサイクル(例えば、約2年間)で投与する。特定の場合には、サイクル療法は、サイクルの数に限定されず、疾患の進行まで該療法は継続される。サイクルは、特定の場合には、本明細書に記載の投与期間および/または休息期間の期間を変更することを含み得る。
5.7 第2の活性剤
式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩は、本明細書で提供される方法および組成物において、他の薬学的に活性な化合物(「第2の活性剤」)と組み合わせることができる。特定の組み合わせは、特定の型の疾患または障害、ならびにかかる疾患または障害に付随する症状および徴候の治療において相乗的に作用する可能性がある。式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩は、特定の第2の活性剤に付随する副作用を緩和するように作用することもでき、またその逆もある。
1または複数の第2の活性成分または剤は本明細書で提供される方法および組成物にて使用され得る。第2の活性剤は、大型分子(例、タンパク質)または小型分子(例、合成無機分子、有機金属分子、または有機分子)であり得る。本願と同日付けで出願された、米国特許出願番号16/390,815、または米国仮特許出願の発明の名称「併用する置換4-アミノイソインドリン-1,3-ジオン化合物および第2の活性剤」(代理人整理番号:14247-390-888)(その各々を出典明示により本明細書の一部とする)に記載される活性剤などの様々な活性剤が使用され得る。例示的な第2の活性剤には、限定されないが、HDAC阻害剤(例、パノビノスタット、ロミデプシン、ボリノスタット、またはシタリノスタット)、BCL2阻害剤(例、ベネトクラクス)、BTK阻害剤(例、イブルチニブまたはアカラブルチニブ)、mTOR阻害剤(例、エベロリムス)、PI3K阻害剤(例、イデラリシブ)、PKCβ阻害剤(例、エンザスタウリン)、SYK阻害剤(例、フォスタマチニブ)、JAK2阻害剤(例、フェドラチニブ、パクリチニブ、ルキソリチニブ、バリシチニブ、ガンドチニブ、レスタウルチニブ、またはモメロチニブ)、オーロラAキナーゼ阻害剤(例、アリセルチブ)、EZH2阻害剤(例、タゼメトスタット、GSK126、CPI-1205、3-デアザネプラノシンA、EPZ005687、EI1、UNC1999、またはシネファンギン)、BET阻害剤(例、ビラブレシブまたは4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(メタンスルホニル)フェニル]-2-メチルイソキノリン-1(2H)-オン)、低メチル化剤(例、5-アザシチジンまたはデシタビン)、化学治療剤(例、ベンダムスチン、ドキソルビシン、エトポシド、メトトレキサート、シタラビン、ビンクリスチン、イホスファミド、メルファラン、オキサリプラチン、またはデキサメタゾン)、またはエピジェネティック化合物(例、ピノメトスタットなどのDOT1L阻害剤、C646などのHAT阻害剤、OICR-9429などのWDR5阻害剤、GSK3484862などのDNMT1選択的阻害剤、化合物CまたはセクリデムスタットなどのLSD-1阻害剤、UNC0631などのG9A阻害剤、GSK3326595などのPRMT5阻害剤、BRD阻害剤(例、LP99などのBRD9/7阻害剤)、A-196などのSUV420H1/H2阻害剤、またはEZM2302などのCARM1阻害剤)が含まれる。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施態様において、該方法はさらに、1または複数のリツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、エトポシド、ベンダムスチン(トレアンダ)、レナリドミド、またはゲムシタビンを投与することを含む。本明細書に記載の方法のいくつかの実施態様において、該治療はさらに、1または複数の幹細胞移植、ベンダムスチン(トレアンダ)+リツキシマブ、リツキシマブ、レナリドミド+リツキシマブ、またはゲムシタビンをベースとする組み合わせでの治療を包含する。特定の実施態様において、第2の活性剤は、米国仮特許出願62/833,432にて提供されるように、リツキシマブである。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤はヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤である。1の実施態様において、HDAC阻害剤は、パノビノスタット、ロミデプシン、ボリノスタット、またはシタリノスタット、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。
1の実施態様において、HDAC阻害剤は、パノビノスタット、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、HDAC阻害剤はパノビノスタットである。1の実施態様において、HDAC阻害剤はパノビノスタットの医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、HDAC阻害剤は乳酸パノビノスタットである。1の実施態様において、HDAC阻害剤はパノビノスタット・一乳酸塩である。パノビノスタットの化学名は(2E)-N-ヒドロキシ-3-[4-({[2-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]アミノ}メチル)フェニル]アクリルアミドであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、HDAC阻害剤は、ロミデプシン、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、HDAC阻害剤はロミデプシンである。ロミデプシンの化学名は、(1S,4S,7Z,10S,16E,21R)-7-エチリデン-4,21-ビス(1-メチルエチル)-2-オキサ-12,13-ジチア-5,8,20,23-テトラアザビシクロ[8.7.6]トリコス-16-エン-3,6,9,19,22-ペントンであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、HDAC阻害剤は、ボリノスタット、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、HDAC阻害剤はボリノスタットである。ボリノスタットの化学名はN-ヒドロキシ-N’-フェニルオクタンジアミドであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、HDAC阻害剤はHDAC6阻害剤である。1の実施態様において、HDAC6阻害剤はシタリノスタット、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、HDAC6阻害剤はシタリノスタットである。シタリノスタット(ACY-241としても知られている)の化学名は2-((2-クロロフェニル)(フェニル)アミノ)-N-(7-(ヒドロキシアミノ)-7-オキソヘプチル)ピリミジン-5-カルボキシアミドであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤はB細胞リンパ腫2(BCL2)阻害剤である。1の実施態様において、BCL2阻害剤はベネトクラクス、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、BCL2阻害剤はベネトクラクスである。ベネトクラクスの化学名は4-(4-{[2-(4-クロロフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)ベンズアミド)であり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤はブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤である。1の実施態様において、BTK阻害剤は、イブルチニブ、またはアカラブルチニブ、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。
1の実施態様において、BTK阻害剤は、イブルチニブ、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、BTK阻害剤はイブルチニブである。イブルチニブの化学名は1-[(3R)-3-[4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]-1-ピペリジニル]-2-プロペン-1-オンであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、BTK阻害剤は、アカラブルチニブ、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、BTK阻害剤はアカラブルチニブである。アカラブルチニブの化学名は(S)-4-(8-アミノ-3-(1-(ブタ-2-イノイル)ピロリジン-2-イル)イミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル)-N-(ピリジン-2-イル)ベンズアミドであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤は哺乳動物のラパマイシン標的タンパク質(mTOR)阻害剤である。1の実施態様において、mTOR阻害剤はラパマイシンまたはそのアナログ(ラパログとも称される).でもある。1の実施態様において、mTOR阻害剤はエベロリムス、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、mTOR阻害剤はエベロリムスである。エベロリムスの化学名は40-O-(2-ヒドロキシエチル)-ラパマイシンであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤はホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)阻害剤である。1の実施態様において、PI3K阻害剤は、イデラリシブ、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、PI3K阻害剤はイデラリシブである。イデラリシブの化学名は5-フルオロ-3-フェニル-2-[(1S)-1-(9H-プリン-6-イルアミノ)プロピル]キナゾリン-4(3H)-オンであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤はタンパク質キナーゼCベータ(PKCβまたはPKC-β)阻害剤である。1の実施態様において、PKCβ阻害剤はエンザスタウリン、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、PKCβ阻害剤はエンザスタウリンである。1の実施態様において、PKCβ阻害剤はエンザスタウリンの医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、PKCβ阻害剤はエンザスタウリンの塩酸塩である。1の実施態様において、PKCβ阻害剤はエンザスタウリンのビス塩酸塩である。エンザスタウリンの化学名は3-(1-メチルインドール-3-イル)-4-[1-[1-(ピリジン-2-イルメチル)ピペリジン-4-イル]インドール-3-イル]ピロール-2,5-ジオンであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤は脾臓チロシンキナーゼ(SYK)阻害剤. 1の実施態様において、SYK阻害剤はフォスタマチニブ、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、SYK阻害剤はフォスタマチニブである。1の実施態様において、SYK阻害剤はフォスタマチニブの医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、SYK阻害剤はフォスタマチニブ・二ナトリウム・六水和物である。フォスタマチニブの化学名はリン酸二水素(6-((5-フルオロ-2-((3,4,5-トリメトキシフェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-2,2-ジメチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-4H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-4-イル)メチルであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤はヤヌスキナーゼ2(JAK2)阻害剤である。1の実施態様において、JAK2阻害剤は、フェドラチニブ、パクリチニブ、ルキソリチニブ、バリシチニブ、ガンドチニブ、レスタウルチニブ、またはモメロチニブ、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。
1の実施態様において、JAK2阻害剤はフェドラチニブ、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、JAK2阻害剤はフェドラチニブである。フェドラチニブの化学名はN-tert-ブチル-3-[(5-メチル-2-{4-[2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ]アニリノ}ピリミジン-4-イル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、JAK2阻害剤ハパクリチニブ、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、JAK2阻害剤ハパクリチニブである。パクリチニブは構造式:
で示される。
1の実施態様において、JAK2阻害剤はルキソリチニブ、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、JAK2阻害剤はルキソリチニブである。1の実施態様において、JAK2阻害剤はルキソリチニブの医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、JAK2阻害剤はリン酸ルキソリチニブである。ルキソリチニブの化学名は(R)-3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-3-シクロペンチルプロパンニトリルであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤はオーロラAキナーゼ阻害剤である。1の実施態様において、オーロラAキナーゼ阻害剤は、アリセルチブ、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、オーロラAキナーゼ阻害剤はアリセルチブである。アリセルチブの化学名は4-((9-クロロ-7-(2-フルオロ-6-メトキシフェニル)-5H-ベンゾ[c]ピリミド[4,5-e]アゼピン-2-イル)アミノ)-2-メトキシ安息香酸であり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤はゼストホモログ2のエンハンサー(EZH2)阻害剤である。1の実施態様において、EZH2阻害剤は、タゼメトスタット、GSK126、CPI-1205、3-デアザネプラノシンA(DZNep)、EPZ005687、EI1、UNC1999、またはシネファンギン、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。
1の実施態様において、EZH2阻害剤はタゼメトスタット、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、EZH2阻害剤はタゼメトスタットである。タゼメトスタット(EPZ-6438としても知られている)の化学名はN-[(1,2-ジヒドロ-4,6-ジメチル-2-オキソ-3-ピリジニル)メチル]-5-[エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ]-4-メチル-4’-(4-モルホリニルメチル)-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキシアミドであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、EZH2阻害剤は、GSK126、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、EZH2阻害剤はGSK126(GSK-2816126としても知られている)である。GSK126の化学名は(S)-1-(sec-ブチル)-N-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-3-メチル-6-(6-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イル)-1H-インドール-4-カルボキシアミドであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、EZH2阻害剤は、CPI-1205、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、EZH2阻害剤はCPI-1205である。CPI-1205の化学名は(R)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-メチル-1-(1-(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピペリジン-4-イル)エチル)-1H-インドール-3-カルボキシアミドであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、EZH2阻害剤は3-デアザネプラノシンAである。1の実施態様において、EZH2阻害剤はEPZ005687である。1の実施態様において、EZH2阻害剤はEI1である。1の実施態様において、EZH2阻害剤はUNC1999である。1の実施態様において、EZH2阻害剤はシネファンギンである。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤はブロモドメインおよびエクストラ末端モチーフタンパク質(BET)阻害剤である。1の実施態様において、BET阻害剤はビラブレシブまたは4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(メタンスルホニル)フェニル]-2-メチルイソキノリン-1(2H)-オン、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。
1の実施態様において、BET阻害剤はビラブレシブ、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、BET阻害剤はビラブレシブである。ビラブレシブ(OTX015またはMK-8628としても知られている)の化学名は(S)-2-(4-(4-クロロフェニル)-2,3,9-トリメチル-6H-チエノ[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4,3-a][1,4]ジアゼピン-6-イル)-N-(4-ヒドロキシフェニル)アセトアミドであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、BET阻害剤は、4-[2-(シクロプロピルメトキシ)-5-(メタンスルホニル)フェニル]-2-メチルイソキノリン-1(2H)-オンであり、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、BET阻害剤は、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤は低メチル化剤である。1の実施態様において、低メチル化剤は5-アザシチジンまたはデシタビン、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。
1の実施態様において、低メチル化剤は5-アザシチジン、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、低メチル化剤は5-アザシチジンである。5-アザシチジンの化学名は4-アミノ-l-β-D-リボフラノシル-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オンであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、低メチル化剤はデシタビン、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、低メチル化剤はデシタビンである。デシタビンの化学名は4-アミノ-1-(2-デオキシ-β-D-エリスロ-ペントフラノシル)-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オンであり、構造式:
で示される。
特定の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤はオビヌツズマブであり、血液がんはCLLである。1の実施態様において、第2の活性剤には、治療的に効果的な量のオビヌツズマブを1または複数の治療サイクルで投与することが含まれる。1の実施態様において、オビヌツズマブは7日毎に2回投与される。1の実施態様において、オビヌツズマブは週毎に1回投与される。1の実施態様において、オビヌツズマブは4週毎に1回投与される。1の実施態様において、オビヌツズマブは、最初の28日間のサイクルの1、2、8、および15日目に投与され、第2~第6の28日間のサイクルの初日に投与される。
1の実施態様において、オビヌツズマブは、最初の28日間のサイクルの初日に約100mgの用量、最初の28日間のサイクルの2日目に約900mgの用量、および最初の28日間のサイクルの8日および15日目の各々に約1000mgの用量で投与される。1の実施態様において、オビヌツズマブは最初の28日間のサイクルの1日および2日目に合わせて約1000mgの用量で、および最初の28日間のサイクルの8日および15日目の各々に約1000mgの用量で投与される。1の実施態様において、オビヌツズマブは第2~第6の28日間のサイクルの初日に約1000mgの用量で投与される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤はオビヌツズマブであり、治療的に効果的な量の式(I)の化合物を、本明細書で提供される第2の活性剤(例、ベネトクラクス)と組み合わせて、さらにはオビヌツズマブと組み合わせて、患者に投与することを含む。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤はDOT1L阻害剤. 1の実施態様において、DOT1L阻害剤はピノメトスタット、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、DOT1L阻害剤はピノメトスタットである。ピノメトスタット(EPZ-5676としても知られている)の化学名は(2R,3R,4S,5R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-5-((((1r,3s)-3-(2-(5-(tert-ブチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)エチル)シクロブチル)(イソプロピル)アミノ)メチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオールであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤は ヒストンアセチル基転移酵素(HAT)阻害剤である。1の実施態様において、HAT阻害剤はC646、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、HAT阻害剤はC646である。C646の化学名は4-(4-((5-(4,5-ジメチル-2-ニトロフェニル)フラン-2-イル)メチレン)-3-メチル-5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-1-イル)安息香酸であり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤はWD反復単位含有のタンパク質5(WDR5)阻害剤である。1の実施態様において、WDR5阻害剤はOICR-9429、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、WDR5阻害剤はOICR-9429である。OICR-9429の化学名はN-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3’-(モルホリノメチル)-[1,1’-ビフェニル]-3-イル)-6-オキソ-4-(トリフルオロメチル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシアミドであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤はDNA(シトシン-5)-メチルトランスフェラーゼ1(DNMT1)阻害剤である。1の実施態様において、DNMT1阻害剤はDNMT1選択的阻害剤である。1の実施態様において、DNMT1選択的阻害剤はGSK3484862、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、DNMT1選択的阻害剤はGSK3484862である。GSK3484862(GSKMI-714としても知られている)の化学名は(R)-2-((3,5-ジシアノ-6-(ジメチルアミノ)-4-エチルピリジン-2-イル)チオ)-2-フェニルアセトアミドであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤はリジン特異的脱メチル化酵素1(LSD-1)阻害剤である。1の実施態様において、LDS-1阻害剤は化合物Cまたはセクリデムスタット、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。
1の実施態様において、LSD-1阻害剤は化合物C、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、LSD-1阻害剤は化合物Cである。1の実施態様において、LSD-1阻害剤は化合物Cの医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、LSD-1阻害剤は化合物C・ベシル酸塩である。1の実施態様において、LSD-1阻害剤は化合物C・モノベシル酸塩である。化合物Cの化学名は4-(2-(4-アミノピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-イル)-2-フルオロベンゾニトリルであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、LSD-1阻害剤はセクリデムスタット、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、LSD-1阻害剤はセクリデムスタットである。1の実施態様において、LSD-1阻害剤はセクリデムスタットの医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、LSD-1阻害剤はセクリデムスタット・メシル酸塩である。セクリデムスタット(SP-2577としても知られている)の化学名は(E)-N’-(1-(5-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)エチリデン)-3-((4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル)ベンゾヒドラジドであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤はG9A(ヒストンH3メチルトランスフェラーゼの一つ)阻害剤である。1の実施態様において、G9A阻害剤はUNC0631、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、G9A阻害剤はUNC0631である。UNC0631の化学名はN-(1-(シクロヘキシルメチル)ピペリジン-4-イル)-2-(4-イソプロピル-1,4-ジアゼパン-1-イル)-6-メトキシ-7-(3-(ピペリジン-1-イル)プロポキシ)キナゾリン-4-アミンであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤はタンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5(PRMT5)阻害剤である。1の実施態様において、PRMT5阻害剤はGSK3326595、またはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、PRMT5阻害剤はGSK3326595である。GSK3326595(EPZ-015938としても知られている)の化学名は(S)-6-((1-アセチルピペリジン-4-イル)アミノ)-N-(3-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)-2-ヒドロキシプロピル)ピリミジン-4-カルボキシアミドであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤はブロモドメイン(BRD)阻害剤である。1の実施態様において、BRD阻害剤はBRD9/7阻害剤である。1の実施態様において、BRD9/7阻害剤はLP99、またはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、BRD9/7阻害剤はLP99である。LP99の化学名はN-((2R,3S)-2-(4-クロロフェニル)-1-(1,4-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-7-イル)-6-オキソピペリジン-3-イル)-2-メチルプロパン-1-スルホンアミドであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤はSUV420H1/H2(ヒストンH4のリシン20をメチル化する2つの相同酵素)阻害剤である。1の実施態様において、SUV420H1/H2阻害剤はA-196、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、SUV420H1/H2阻害剤はA-196である。A-196の化学名は6,7-ジクロロ-N-シクロペンチル-4-(ピリジン-4-イル)フタラジン-1-アミンであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤は、コアクチベーター関連アルギニンメチルトランスフェラーゼ1(CARM1)阻害剤である。1の実施態様において、CARM1阻害剤はEZM2302、またはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、CARM1阻害剤はEZM2302である。EZM2302の化学名はメチル (R)-2-(2-(2-クロロ-5-(2-ヒドロキシ-3-(メチルアミノ)プロポキシ)フェニル)-6-(3,5-ジメチルイソキサゾール-4-イル)-5-メチルピリミジン-4-イル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-7-カルボキシレートであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、本明細書で提供される方法にて使用される第2の活性剤は化学療法である。1の実施態様において、化学療法はベンダムスチン、ドキソルビシン、エトポシド、メトトレキサート、シタラビン、ビンクリスチン、イホスファミド、メルファラン、オキサリプラチン、デキサメタゾンあるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、プロドラッグ、または医薬的に許容される塩である。
1の実施態様において、化学療法はベンダムスチン、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、化学療法はベンダムスチンである。1の実施態様において、化学療法はベンダムスチンの医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、化学療法はベンダムスチン・塩酸塩である。1の実施態様において、化学療法はベンダムスチンの一塩酸塩である。ベンダムスチンの化学名は4-(5-(ビス(2-クロロエチル)アミノ)-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)ブタン酸であり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、化学療法はドキソルビシン、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、化学療法はドキソルビシンである。1の実施態様において、化学療法はドキソルビシンの医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、化学療法はドキソルビシン・塩酸塩である。1の実施態様において、化学療法はドキソルビシンの一塩酸塩である。ドキソルビシンは構造式:
で示される。
1の実施態様において、化学療法はエトポシド、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、プロドラッグ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、化学療法はエトポシドである。エトポシドの化学名は4’-デメチルエピポドフィロトキシン 9-[4,6-O-(R)-エチリデン-β-D-グルコピラノシド]であり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、化学療法はエトポシドのプロドラッグである。1の実施態様において、化学療法はエトポシドのエステルプロドラッグである。1の実施態様において、化学療法はリン酸エトポシドである。リン酸エトポシドの化学名は4’-デメチルエピポドフィロトキシン 9-[4,6-O-(R)-エチリデン-β-D-グルコピラノシド],4’-(リン酸二水素)であり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、化学療法はメトトレキサート、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、化学療法はメトトレキサートである。1の実施態様において、化学療法はメトトレキサートの医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、化学療法はメトトレキサートナトリウムである。メトトレキサートの化学名は(4-(((2,4-ジアミノプテリジン-6-イル)メチル)(メチル)アミノ)ベンゾイル)-L-グルタミン酸であり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、化学療法はシタラビン、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、化学療法はシタラビンである。シタラビンの化学名は4-アミノ-1-β-D-アラビノフラノシル-2(1H)ピリミジノンであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、化学療法はビンクリスチン、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、化学療法はビンクリスチンである。1の実施態様において、化学療法はビンクリスチンの医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、化学療法はビンクリスチン・硫酸塩である。1の実施態様において、化学療法はビンクリスチンの一硫酸塩である。ビンクリスチンは構造式:
で示される。
1の実施態様において、化学療法はイホスファミド、またはその互変異性体、アイソトポログ、もしくは医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、化学療法はイホスファミドである。イホスファミドの化学名は3-(2-クロロエチル)-2-[(2-クロロエチル)アミノ]テトラヒドロ-2H-1,3,2-オキシアザホスホリン 2-オキシドであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、化学療法はメルファラン、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、化学療法はメルファランである。1の実施態様において、化学療法はメルファランの医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、化学療法はメルファラン・塩酸塩である。1の実施態様において、化学療法はメルファランの一塩酸塩である。メルファランの化学名は4-(ビス(2-クロロエチル)アミノ)-L-フェニルアラニンであり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、化学療法はオキサリプラチン、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、化学療法はオキサリプラチンである。オキサリプラチンの化学名はシス-[(1R,2R)-1,2シクロヘキサンジアミン-N,N’][オキサラト(2-)-O,O’]白金であり、構造式:
で示される。
1の実施態様において、化学療法はデキサメタゾン、あるいはその立体異性体、立体異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩である。1の実施態様において、化学療法はデキサメタゾンである。デキサメタゾンの化学名は
(11b,16a)-9-フルオロ-11,17,21-トリヒドロキシ-16-メチルプレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオンであり、構造式:
で示される。
特定の実施態様において、第2の治療剤は、式(I)の化合物の前に、後に、または同時に投与される。式(I)の化合物および第2の治療剤の患者への投与は、同じまたは異なる投与経路によって、同時にまたは連続して起こり得る。特定の第2の薬物または薬剤に対して採用される特定の投与経路の適合性は、第2の治療剤その物(例えば、血流に入る前に分解することなく、経口的にまたは局所的に投与され得るかどうか)および治療される対象に応じて変化するであろう。第2の薬物または薬剤または成分の特定の投与経路は当業者に公知である。例えば、The Merck Manual, 448(第17版, 1999)を参照のこと。
疾患またはその徴候の治療に適する上記の治療剤のいずれの組み合わせも投与され得る。かかる治療剤は、式(I)の化合物、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩と、いずれの組み合わせでも、同時にまたは別個の治療コースとして投与され得る。
本明細書で使用される場合の「組み合わせて」なる語は、疾患または障害の患者に治療剤(例えば、予防剤および/または治療剤)が投与される順番を制限するものではない。1の実施態様において、第1の療法(例えば、本明細書で提供される化合物、例えば、化合物1、化合物2、または化合物3、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩などの予防剤または治療剤)は、第2の療法(例えば、本明細書で提供される第2の活性剤)を投与する前に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間前に)投与される。1の実施態様において、第1の療法(例えば、本明細書で提供される化合物、例えば、化合物1、化合物2、または化合物3、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩)は、第2の療法(例えば、明細書で提供される第2の活性剤)の投与と同時に投与される。1の実施態様において、第1の療法(例えば、本明細書で提供される化合物、例えば、化合物1、化合物2、または化合物3、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩などの予防剤または治療剤)は、第2の療法(例えば、本明細書で提供される第2の活性剤)を投与した後に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間後に)投与される。
化合物1、化合物2、または化合物3、あるいはそのエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、互変異性体、アイソトポログ、または医薬的に許容される塩、ならびに本明細書で提供される第2の活性剤の患者への投与は、同じまたは異なる投与経路によって同時にまたは連続して起こり得る。特定の活性剤に採用される特定の投与経路の適合性は、活性剤その物(例えば、血流に入る前に分解することなく、経口的に投与され得るかどうか)に応じて変化するであろう。
本発明の特定の実施態様は次の限定を意味しない実施例によって説明される。上記の詳細な記載および後記する実施例は、単なる例示であって、発明の内容の範囲を制限するものとして捉えられるものではないと理解される。開示された実施態様に対する様々な変更および修飾は当業者に明らかであろう。かかる変更および修飾(本明細書で提供される化合構造、置換基、誘導体、中間体、合成、製剤および/または使用方法に関するものを含むが、これらに限定されない)は、その精神および範囲を逸脱することなく、行われ得る。本明細書にて引用される米国特許および刊行物は出典明示により組み込まれる。
6. 実施例
以下の実施例は、特に詳細に記載される場合を除き、当業者に周知であり、慣用的である、標準的な技法を用いて実施される。実施例は単に説明的であることを意図とする。
上記の実施態様は単に例示的であることを意図とし、当業者であれば、特定の化合物、材料、および操作の多数の均等物を認識するか、あるいは慣用的な実験を用いるだけで確認するであろう。これらの均等物はすべて、発明の範囲内であると考えられ、添付した特許請求の範囲に含まれるであろう。
実施例1:2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物3)の合成
4-((4-(クロロメチル)-2-フルオロベンジル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(215mg、0.500ミリモル)(本明細書で提供されるように製造される)および4-(アゼチジン-3-イル)モルホリン・塩酸塩(107mg、0.600ミリモル)の乾燥DMSO(1.7mL)中溶液に、DIEA(262μL、1.50ミリモル)を加え、該混合物を外界温度で48時間撹拌した。反応混合物をDMSO中20%ギ酸(2.5mL)で希釈し、膜シリンジフィルター(0.45μmナイロン)を通して濾過した。該溶液を標準的な方法を用いて精製し、2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(173mg、収率64.6%)を得た。LCMS(ESI) m/z 536.2[M+H]+
実施例2:(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物1)の合成
(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン
(S)-4-アミノ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(5.00g、18.3ミリモル)および2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)ベンズアルデヒド(2.82g、18.30ミリモル)の2:1 ジオキサン-MeOH(75mL)中懸濁液を0℃に冷却し、B10H14(4.92g、40.3ミリモル)を5分間にわたって少しづつ添加した。反応フラスコにセプタムおよびニードルベント(圧力)を取り付け、10分間にわたって激しく撹拌した。該混合物を外界温度に到達させ、3時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0-10%MeOH-DCM)に付して精製し、(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(4.23g、56%)を黄色の固体として得た。LCMS(ESI) m/z 411.8[M+H]+
(S)-4-((4-(クロロメチル)-2-フルオロベンジル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン
(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(0.727g、1.77ミリモル)の乾燥NMP(6mL)中溶液を0℃に冷却し、塩化メタンスルホニル(0.275mL、3.35ミリモル)およびDIEA(0.617mL、3.53ミリモル)を連続して添加した。反応混合物を外界温度に到達させ、18時間撹拌した。該反応混合物を、激しく混合しながら、0℃に冷却したH2O(60mL)に、ゆっくりと添加した。得られた懸濁液を濾過し、固体を集め、H2OおよびEt2Oで洗浄した。該固体をEtOAcに溶かし、その溶液をMgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して(S)-4-((4-(クロロメチル)-2-フルオロベンジル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(0.600g、79%)を黄色の固体として得た。LCMS(ESI) m/z 430.0[M+H]+
(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン
(S)-4-((4-(クロロメチル)-2-フルオロベンジル)アミノ)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン(300mg、0.698ミリモル)の乾燥DMSO(1.0mL)中溶液に、4-(アゼチジン-3-イル)モルホリン・塩酸塩(125mg、0.698ミリモル)およびDIEA(0.122mL、0.698ミリモル)を添加した。反応混合物を外界温度で18時間撹拌し、DMSO(1mL)で希釈した。該溶液をキラル逆相クロマトグラフィーに付して精製し、(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(89mg、24%、97%ee)を得た。LCMS(ESI) m/z 536.2[M+H]+
実施例3:(R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(化合物2)の合成
加えて、実施例2に記載のキラル逆相クロマトグラフィーに付し、(R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(16mg、97%ee)を得た。LCMS(ESI) m/z 535.6[M+H]+
実施例4:化合物1は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の細胞株において、アポトーシスを誘発し、増殖を抑制した
化合物1の活性をDLBCLの23種の細胞株のパネルで評価した。該DLBCLパネルは、活性化B細胞(ABC)亜型として分類される7種の細胞株と、胚中心B細胞(GCB)亜型として分類される13種の細胞株と、原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBL)として分類される3種の細胞株を包含する。加えて、これらの細胞株の多くは、同様の細胞遺伝学的特徴(MYCおよび/またはBCL2または/およびBCL6の同時再構成)および高リスクのDLBCL患者にて観察される分子的特徴を示した。かくして、11種の細胞株は、MYCおよびBCL2の免疫グロブリン(IG)重鎖遺伝子座への遺伝子再構成に、ならびにBCL6に影響を及ぼすさらなる再構成に相当する、
t(8;14)(q24;q32)および/またはt(14;18)(q32;q21.3)を有する(表1)。MYC、BCL6、またはBCL2のIG遺伝子座への転座は、通常、構成的に活性なIGプロモーターによって活性な転写が駆動されることにより、高レベルのmRNAおよびタンパク質をもたらすに至る。従って、これらの遺伝子のタンパク質のレベルをウェスタンブロットによってモニター観察し、評価したすべての細胞株にてBCL2、MYC、および/またはBCL6の過剰発現を確認した(図1、パネルA)。CRBNタンパク質および既知の基質、イカロス、アイオロス、およびZFP91の発現も評価した(図1、パネルBおよびC)。
表1:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の細胞株の特徴
ABC=活性化B細胞;DLBCL=びまん性大細胞型B細胞リンパ腫;GCB=胚中心B細胞;PMBL=原発縦隔B細胞リンパ腫;+AMP=遺伝子増幅;ND=染色体再構成は検出されず
表2:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の細胞株における化合物1の抗増殖活性およびアポトーシス効果
AUC=曲線下面積;IC
50=50%阻害剤濃度;Emax=達成される最大効果;NA=達成されず
一連の細胞株を化合物の用量を増やして5日間処理し、その時点でフローサイトメトリーを用いる7-AAD排除およびアネキシンV染色によって、生存細胞の数を測定し、アポトーシスの量を決定した。表2は、評価した23種のうち18種の株が、処理した5日後にインビトロにて化合物1に対してIC50値が0.001~0.4μMと、高い感受性があったことを示す。ABC、GCB、およびPMBL亜型は化合物1に対して感受的であったため、全体として、化合物1に対する感受性は起源細胞(COO)とは独立するものであった(表2)。加えて、化合物1は、MYC、BCL2、およびBCL6の染色体転座を有する株にて、および/またはこれらの遺伝子について高いタンパク質発現レベルを有する株にて強力な抗増殖活性を示し、このことは、化合物1の、一連のDLBCL亜型にわたる広い活性の可能性を示唆した(図1;表2)。
化合物1によって誘発される、一連のDLBCL細胞株を通しての生存細胞の喪失を示す用量応答曲線は、3つの応答のカテゴリーを画定した(表2)。10種の細胞株は、処理後に残存する生存細胞が6%未満(Emax)で、化合物1に対して高い感受性を示し;10種の細胞株は15%~55%の細胞生存率での中程度の感受性を示し;および3種の細胞株は化合物1に対して限定的または応答がなかった(表2)。化合物1の抗増殖性作用をさらに特徴付けるために、アポトーシスの指標として、アネキシンVおよび7-AAD染色を測定した。細胞増殖アッセイにおいて化合物1に対して感受的であると同定されたのと同じ細胞株にて、アポトーシスの劇的な誘発が観察された(表2)。
結果は、化合物1の抗増殖性作用が基線のセレブロン発現の絶対レベルと相関しないことを、さらに示した。数種の細胞株において、セレブロンタンパク質の発現レベルがたとえ異なっていたとしても、細胞増殖の阻害は同じような大きさであった(図1、パネルBおよびC)。
総合すると、これらの結果は、アネキシンVおよび7-AAD染色がアポトーシスの指標として測定され得ること、およびこれらのマーカーが化合物1の活性と相関することを示す。
実施例5:化合物1は薬物耐性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫細胞株において増殖を阻害し、アポトーシスを誘発した
化合物1が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療するのに臨床にて使用される治療剤に対して耐性である、その細胞株において試験された。この目的のために、化合物1に対する感受性または耐性のパターンを、ドキソルビシン、ベネトクラクス、およびイブルチニブ(DLBCLにおいて既知の活性を有する3種の薬物)と比較した。化合物1の活性をドキソルビシンに対する耐性を獲得した細胞株においても評価した。
始めに、化合物1の活性を、23種の同じ一連の細胞株(表1)を、ドキソルビシン、ベネトクラクス、およびイブルチニブに暴露することにより、DLBCLの治療にて現在使用されている薬物の活性と比較した。ほとんどの細胞株は、化合物1、ドキソルビシン、イブルチニブ、およびベネトクラクスに対してはっきりと区別できる応答パターンを示した(表3)。すべてのDLBCL細胞株は、化合物1に対して非感受的である3種の細胞株を含め、ドキソルビシンに対して強い感受性を示した(表3)。化合物1感受的細胞株のうち9種はベネトクラクスに対して耐性であり、化合物1感受的細胞株のうち10種はイブルチニブに対して耐性であり、その一方で4種の化合物1強感受的細胞株(SU-DHL-2、Farage、RIVA、WSU-DLBCL2)はベネトクラクスおよびイブルチニブの両方に対して耐性であった(表3)。このことは、化合物1が、ベネトクラクスおよびイブルチニブなどのDLBCLの治療にて現在使用される薬物に耐性または難治性である細胞株において有効であったことを示すものである。
表3:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫細胞株での化合物1、ドキソルビシン、ベネトクラクスおよびイブルチニブのIC
50濃度
化合物1の活性をドキソルビシンに対して耐性を獲得した細胞株でも評価した(表4)。ドキソルビシン耐性細胞株(DoxoR)は、親細胞株が相対的に高濃度のドキソルビシン(1μM)の存在下で増殖可能となるまで、インビトロにてドキソルビシンの濃度を上げながら長期間(約9~18ヶ月)にわたって該細胞株を培養することにより作製された。親細胞を、処理することなく、同じ期間(約9~18ヶ月)にわたって培養を維持することにより、適合する親(M-親)細胞を作製した。ドキソルビシンの、親細胞および対応する耐性細胞での、増殖阻害効果を、フローサイトメトリーを用いる7-AAD排除およびアネキシンV染色により、生存細胞の数およびアポトーシスの程度を測定することにより評価した。ドキソルビシンについてのIC50値および細胞増殖阻害曲線を表4に示す。DoxoR細胞株では、ドキソルビシンの増殖阻害効果は、適合する親細胞でのその効果と比べて、大きく減少した。DoxoR株におけるドキソルビシンのIC50値のシフトは100倍よりも大きかった(表4)。
ドキソルビシン耐性細胞株vs親細胞株の生存率に関する化合物1の効果を測定した(図2;表5)。耐性のあるOCI-Ly10細胞では親細胞と比べて、化合物1に対して約20倍大きな感受性が測定され(耐性細胞ではIC50が0.3μMであるのと比べて親細胞ではIC50が6μM)、ドキソルビシン耐性のSU-DHL-4細胞株では、化合物1に対して>100倍大きな感受性が観察された(IC50が0.1μMであるのに対して>10μMである)。
OCI-Ly10およびSU-DHL-4の耐性細胞にて化合物1について観察される抗増殖活性の増加は、化合物1のアポトーシス誘発能の増大を伴うものであった。WSU-DLCL2細胞では、M-親細胞株(IC50=0.01μM)と比べてDoxoR株(IC50=0.1μM)にて効能が低いにもかかわらず、化合物1は、M-親株におけるよりもDoxoR細胞株において、特により高い濃度(0.1~1μM)で(高Emaxにて反映されるように)より大きなアポトーシスを誘発した。U2932ドキソルビシン耐性細胞では、M-親細胞株と比べて、化合物1に対して20倍低い感受性、ならびに低いアポトーシスの誘発が観察された(図2;表5)。
ウェスタンブロット実験(図3)は、化合物1の、SU-DHL-4ドキソルビシン耐性細胞における、アポトーシス効果の増大が、この細胞株でのBCL2発現の喪失と相関していることを示した。これらの結果は、BCL2発現が、薬物耐性細胞株にあることを含め、化合物1に対する応答のマーカーとして供し得ることを示す。
要約すれば、化合物1は特定の薬物耐性細胞株において有効であった。化合物1は、試験したすべてのドキソルビシン耐性細胞株において、用量依存的抗増殖応答および細胞死応答を示し、ドキソルビシンに対して耐性を獲得した後の、化合物1に対する交差耐性が一般的でない可能性のあることを示した。化合物1とベネトクラクスまたはイブルチニブとの間の交差耐性の欠如も実証された。さらには、アネキシンVおよび7-AAD染色、Bcl-2のタンパク質発現などのアポトーシスのマーカーは、化合物1に対する奏功性を示すことができる。
表4:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫のドキソルビシン耐性細胞株および親細胞株におけるドキソルビシンの抗増殖活性
DoxoR=ドキソルビシン耐性株;IC
50=50%阻害濃度;M-親株=適合する親株
表5:ドキソルビシンに対して感受性および耐性のあるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫細胞株における化合物1の抗増殖活性
DoxoR=ドキソルビシン耐性株;E
max=DMSOと比較した際の最大阻害応答;IC
50=50%阻害濃度;M-親株=適合する親株
実施例6:化合物1は、初代単培養および共培養系において、選択的抗炎症、免疫調節、および線維化およびマトリックスリモデリング活性を示した
化合物1の活性を、バイオマップシステム(BioMAP System)(DiscoveRx, Fremont, CA)を用い、器官(血管、免疫系、皮膚、肺)の複雑な組織および疾病生物学ならびに一般的な組織生物学をモデル化する、一連のヒト初代細胞ベースのアッセイにてプロファイリングした。
バイオマップシステムは、刺激および非刺激の制御条件下にある、12のヒト初代単培養または共培養系からなる(図4、パネル4)。0.01、0.1、1および10μMで試験した場合、化合物1には主要なバイオマーカー活性の変化が介在した。具体的には、化合物1についてのプロファイルは、単細胞(LPS)およびT細胞依存性B細胞活性化応答(BT)に対する選択的な抗炎症および免疫調節のインパクトを反映したものであった。化合物1での処理は、末梢血単核細胞(PBMC)および内皮細胞からなるLPS系において、インターロイキン8(IL-8)、インターロイキン1a(IL-1a)、分泌型プロスタグランジンE2(sPGE2)、および分泌型腫瘍壊死因子アルファ(sTNFα)の減少をもたらした。さらには、B細胞およびPBMCから構成されるBT系においては、分泌型IgG(sIgG)、分泌型インターロイキン17A(sIL-17A)、分泌型インターロイキン 17F(sIL-17F)、およびsTNFαが減少するのに対して、分泌型インターロイキン2(sIL-2)および分泌型インターロイキン6(sIL-6)は増加した。加えて、化合物1は、線維症およびマトリックスリモデリング関連の生物学をモデル化した肺線維芽細胞からなる、MyoF系において、コラーゲン-Iおよび-III発現を強制的に阻害し、ならびにプラスミノーゲンアクチベータ阻害剤-1(PAI-1)の発現をわずかに阻害することを示した。
結論として、バイオマップ・ディバーシティ・プラス(BioMAP Diversity PLUS)パネルでの化合物1のプロファイルは、該化合物が初代単培養および共培養システムにて抗炎症、免疫調節、および線維化およびマトリックスリモデリング活性を表すことを示した。さらには、このことは、IL-8、IL-1a、sPGE2、sTNFα、sIgG、sIL-17A、sIL-17F、sIL-2、sIL-6、コラーゲン-Iおよび-III、およびPAI-1の発現が化合物1の治療に対して奏功的であるバイオマーカーとして供し得ることを示した。
実施例7:化合物1の抗増殖活性はセレブロンに依存する
セレブロンはCRL4ユビキチンE3リガーゼの基質受容体として働き、セレブロン調節(CM)化合物の結合は、イカロス、アイオロスおよびZFP91などの重要な標的となる基質のリクルート、ユビキチン化、および破壊を誘発し、細胞効果を媒介する。
DLBCL細胞株で示される化合物1の強い抗増殖活性が、セレブロンとの結合に依存するかどうかを測定するために、CRISPR/Cas9遺伝子編集技術を用いてセレブロンの発現を消失させた。活性化B細胞(ABC)およびMYC/BCL2二元発現細胞株SU-DHL-2およびRIVA、胚中心B細胞(GCB)およびMYC/BCL2二元ヒット細胞株(およびBCL6発現の)カルパス-422、SU-DHL-10、WSU-DLCL2、および原発縦隔B細胞リンパ腫(PMBL)細胞株のファラゲ(Farage)に、CAS9発現のレンチウイルス構築物を感染させて参照となるCAS9発現細胞を生成させた。Cas9細胞は野生型セレブロン発現(CRBNWT)を有した。
セレブロンのノックアウト細胞(CRBN-/-)を生成するために、個々の参照となるCAS9細胞に、サブゲノム単一ガイドRNA(sgRNA)を発現する構築物を感染させた。ウェスタンブロット解析により、ハウスキーピングタンパク質であるβ-チューブリンのレベルと比べて、CRBN-/-細胞中にセレブロンタンパク質が存在しないことが確認された。CRBNWTおよびCRBN-/-細胞を化合物1で濃度を増大させながら5日間にわたって処理した。結果は、参照となるCAS9を発現する細胞(CRBNWT)が化合物1に対して感受的であり(IC50は2.5と40nMとの間にある;表6)、それに対してCRBNノックアウトは化合物1の抗増殖活性を遮断し(表6)、このことは化合物1のDLBCL細胞に対する抗増殖作用がセレブロン依存的であることを示す。これらの結果はCRBNが化合物1での処理に関するバイオマーカーとして供し得ることを示す。
表6:化合物1の、CRBN
WTおよびCRBN
-/-びまん性大細胞型B細胞リンパ腫細胞株における細胞増殖の効果
IC
50=50%阻害阻害濃度;E
max=達成可能な最大応答
実施例8:化合物1のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の処理は、アイオロス、イカロス、およびZFP91の迅速な喪失を惹起し、インビトロにてアポトーシスを誘発した。
化合物1の既知のセレブロン基質の細胞内分解に対する効果を、遺伝子操作した細胞株にて試験した。酵素断片相補性(EFC)アッセイを用いて、アイオロス、イカロス、およびZFP91のePLタグを付した標的タンパク質の基質を発現するDF15細胞株を、6pM~10μMの濃度範囲で、1、2、6、および24時間での分解をモニター観察した。イカロス、アイオロス、およびZFP91タンパク質のレベルを測定して評価した(表7)。様々な濃度の化合物1で異なる時間処理した後、細胞内に残っているePLタグ付けの基質をルミネセンスプレートリーダーを用いて測定した。これらのアッセイにおいて、化合物1は、時間および濃度依存的にアイオロスの喪失(表7)、イカロスの喪失(表7)、およびZFP91の喪失(表7)を誘発した。化合物1は、アイオロス、イカロス、およびZFP91の分解について、化合物を培養物に添加した1、2、6および24時間後のすべての時点で高い効力(低ナノモルまたはナノモル以下のEC50値(表7))を示した。しかしながら、化合物1は、処理の6時間後、15nMという低濃度で、3種の基質を分解し、最大の効果(Emax)を達成した(基質の残存率1%~10%)。分解の動態は24時間の時間経過にわたって変化せず、分解に対する最大の効果は最後の時点である24時間まで持続された(表7)。
既知のセレブロン基質のタグ付き組換えタンパク質を用いる細胞をベースとする分解アッセイの結果は、化合物1がイカロス、アイオロス、およびZFP91の強力かつ効率的な「分解剤」であり(表7)、これらの基質が化合物1の活性を評価するための有用なバイオマーカーとして供することを示した。
表7:化合物1誘発の様々な時点での基質の分解に関する濃度応答曲線の解析
EC
50=半最大応答を付与する薬物の濃度;E
max=達成可能な最大応答;ZFP91=ジンクフィンガータンパク質91
実施例9:化合物1は、DLBCL細胞株での内因性基質の分解をセレブロン依存的に促進し、アポトーシスを誘発した
化合物1が、DLBCL細胞株での内因性基質の分解をセレブロン依存的に促進するかどうかを評価し、アポトーシスの誘発の潜在的機構を実証するために、時間および濃度応答研究を、活性化B細胞(ABC)株、SU-DHL-2CRBNWTCAS9対照細胞、およびセレブロンノックアウトSU-DHL2CRBN-/-細胞にて化合物1を用いて行った。
化合物1の1nMという低用量での処理は、SU-DHL-2CRBNWT細胞にて時間および濃度依存的に内因性イカロス、アイオロス、およびZFP91タンパク質の喪失をもたらしたが、SU-DHL2CRBN-/-細胞では喪失されず、そのことはDLBCLにおいて化合物1誘発の内因性基質の分解にセレブロンが必要とされることを示す(図5、パネルA、パネルB、およびパネルC)。時間経過解析は、化合物1への暴露が、すべての濃度で処理した後の4時間で早くもアイオロス、イカロス、およびZFP91の迅速な分解に至り、化合物1の10および100nM濃度への暴露が、処理の全工程を通して、イカロス、アイオロス、およびZFP91タンパク質発現の完全な抑制をもたらすことを明らかにした。これらの2つの濃度で、セレブロン基質の強い抑制と同時に、化合物1の処理は、インターフェロン刺激性遺伝子IRF7およびIFIT3を誘発し、MYCおよびIRF4の発現を減らし、処理した24時間後に早くも、アポトーシスマーカー[切断型カスパーゼ3と7および切断型ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)]の発現を減らした(図5、パネルAおよびB)。しかしながら、化合物1は、SU-DHL-2CRBN-/-細胞にて活性を有さず、そのことはDLBCLでの化合物1によるアポトーシスの誘発にはセレブロンが必要であることを示す(図5C)。
アポトーシスを誘発するタイミングと、そのセレブロン依存性を確認するために、動態、リアルタイムカスパーゼ-3活性化(アポトーシスの指標)データを提供する、生細胞イメージャーを使用した。化合物1で処理したSU-DHL-2CRBNWT細胞を、112時間の時間経過にわたって特定のカスパーゼ-3酵素基質の細胞内での切断を追跡することにより、カスパーゼ-3活性化について解析した。化合物1依存性のカスパーゼ-3活性の誘発は処理の12時間後に始まり、約72時間で最大誘発に達した(図5D)。これらの結果から、セレブロン依存性、および10nM以上の濃度の化合物1によって、DLBCL細胞でアポトーシスの迅速な誘発が確認される。
化合物1による基質の迅速な分解およびアポトーシスの誘発がSU-DHL2細胞に独特でないことを確認するために、TMD8(ABC細胞株)およびカルパス-422(GCB-細胞株)細胞をビヒクル対照(DMSO)または化合物1を用いて指示された時間および濃度で処理した(図6)。時間経過解析は、化合物1への暴露が、すべての濃度の化合物1で処理した4時間後に早くもイカロスおよびZFP91の迅速な分解に至らせたことを明らかにする。10および100nMの化合物1への暴露は、処理の全経過を通して、イカロス、アイオロス、およびZFP91タンパク質の発現の完全な抑制をもたらした(図6、パネルAおよびC)。これらの2つの濃度で、セレブロン基質の強い抑制と同時に、化合物1の処理は、インターフェロン刺激性遺伝子DDX58、IRF7、およびIFIT3を誘発し、MYCおよびIRF4(GCB株のカルパス-442はIRF4を発現しないため、TMD8においてのみ)の発現を減らし、24時間(TMD8)および48時間(カルパス-422)で早くもアポトーシスマーカーの発現を誘発した(図6、パネルAおよびC)。
第2の実験において、本発明者らは、TMD8を化合物1(100nM)で処理すると、24時間の時点でアイオロス、イカロス、およびZFP91の大きな減少がもたらされることを確認した。加えて、化合物1は、BCL6(65%減少)、MYC(75%減少)、およびIRF4(90%減少)の存在量を劇的に減らし、切断型カスパーゼ3を強く誘発させ(図6、パネルB)、このことからTMD8細胞では24時間で早くも細胞死の迅速な誘発が確認された(図6、パネルB)。カルパス-422細胞においても、化合物1は、24時間の時点で、アイオロス、イカロス、およびZFP91を減少させた(図6、パネルD)。48時間の時点で、化合物1は増殖阻害剤p21およびインターフェロン刺激性遺伝子IRF7、IFIT3、およびDDX58の存在量を増やし、MYCの発現を減らした(図6、パネルD)。72時間後、化合物1処理の細胞は、MYC(50%減少)、抗アポトーシスBCL2、およびサバイビンタンパク質のレベルの減少、ならびにアポトーシスマーカーの切断型カスパーゼ3および7、および切断型ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)の強い誘発を示した(図6、パネルD)。
これらのデータを総合すると、化合物1のセレブロンとの結合は、イカロス、アイオロス、およびZFP91の略完全な分解をもたらし、DLBCL細胞にてアポトーシスの強力で迅速な誘発をもたらすことが示される。さらには、これらのデータは、セレブロン、イカロス、アイオロス、およびZFP91、インターフェロン刺激性遺伝子DDX58、IRF7、およびIFIT3、アポトーシス関連タンパク質BCL2、サバイビン、切断型カスパーゼ3および7、および切断型ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)、ならびにBCL6、MYCおよびIRF4の発現が、化合物1の応答のマーカーとして供し得ることを示す。
実施例10:複数のセレブロン基質が化合物1の細胞傷害性効果を媒介した
化合物1はDLBCL細胞での自律的細胞死活性をセレブロン依存的に誘発する。単一のセレブロン基質の喪失の影響を調べるために、セレブロン基質のCRISPR/Cas9介在性ノックアウトをフローサイトメトリーをベースとする細胞競合アッセイと組み合わせて利用し、6つのDLBCL細胞株:KARPAS-422、U-2932、RIVA、SU-DHL-16、HT、およびSU-DHL-4において遺伝子をノックアウトした際の相対的な細胞適応性を評価した(図7、パネルA)。フローサイトメトリーをベースとする競合アッセイを行うために、安定したCas9発現DLBCL細胞に、GFPレポーターを含有する対照の非標的化sgRNA構築物(sgNT-1-GFP)を形質導入するか、RFPレポーターを含有する目的とする遺伝子を標的とするsgRNA構築物(sgRNA-RFP)を形質導入した。各遺伝子の標的とされるノックアウトには、2つのsgRNA配列をイカロス(sgIKZF1-1、sgIKZF1-2)、アイオロス(sgIKZF3-1、sgIKZF3-2)、およびZFP91(sgZFP91-1、sgZFP91-3)をノックアウトするのに用いた。対照には、2つの非標的化sgRNA(sgNT-1、sgNT-2)、ゲノムの非コード領域を標的とするsgRNA(sgNC-1)、および確立した必須遺伝子ETF1を標的とするsgRNA(sgETF1-1)が含まれた。sgRNAを形質導入した後、細胞を洗浄し、1:1の割合で混合し、GFP+と、RFP+細胞のパーセンテージを18日間にわたって3日毎に測定した(図7、パネルB)。GFP+/RFP+割合の経時的な減少は、RFPレポーターを含有する構築物においてsgRNAにより標的とされる遺伝子のノックアウトによる細胞適応性が減少したことを示す。予想通り、6種のすべてのDLBCL株において、必須遺伝子のETF1のノックアウトは、RFP+/GFP+割合の強い減少をもたらした(図7、パネルB)。第2の非標的化対照(sgNT-2)は第1の非標的化対照(sgNT-1)と極めて類似する行動を取り、RFP+/GFP+割合にて変化を示さなかった。加えて、ゲノムの非コード領域を標的とするsgRNA(sgNC-1)を形質導入した6種のすべてのDLBCL株にて、おそらくはDNAにて二本鎖の切断が誘発されたことに起因し、G2細胞周期停止に至る、僅かな細胞適応性の減少が観察された。
イカロス、アイオロス、およびZFP91のノックアウトは、一連のDLBCL細胞株を通して、異なるRFP+/GFP+割合の減少をもたらし、それは異なる細胞株の各遺伝子の必然度が大きく変化することを示す。加えて、イカロス、アイオロス、またはZFP91の単一遺伝子のノックアウトは、いずれの細胞株においてもETF1ノックアウトで観察されるのと同じ程度のRFP+/GFP+割合の減少をもたらさなかった。いくつかの細胞株にて、イカロス、アイオロス、またはZFP91のノックアウトで観察されるRFP+/GFP+割合の減少は、非コードsgRNA(sgNC-1)で観察される減少と同様であり、これは遺伝子ノックアウトが細胞適応性にてDNA損傷応答の誘発と同じ程度の阻害を有することを示唆した。各株での遺伝子ノックアウトをイムノブロット解析で確認し、Cas9を発現するDLBCL細胞が、sgNT-1、sgNT-2、sgNC-1、sgIKZF1-1、sgIKZF1-2、sgIKZF3-1、sgIKZF3-2、sgZFP91-1、sgZFP91-3、およびsgETF1-1細胞のためのガイドRNAを発現する、KARPAS-422-Cas9、U-2932-Cas9、RIVA-Cas9、SU-DHL-16-Cas9、HT-Cas9、およびSU-DHL-4-Cas9細胞株の各々にある、示される標的遺伝子に関して特異的なノックアウトを有することを明らかにした。
全体として、これらのデータは、単一のセレブロン基質の喪失が化合物1の細胞傷害効果を完全に説明するものではなく、抗増殖効果は化合物1を標的とする複数のセレブロン基質が協調して喪失することによる可能性のあることを示す。従って、これらの結果は複数のセレブロン基質の評価が化合物1の応答として使用され得ることを示す。
実施例11:イカロスおよびアイオロスの喪失により、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫細胞株は化合物1に対して感受性となった
化合物1を標的とする複数のセレブロン基質の喪失が、協力して細胞適応性の阻害の強化を惹起し得るかどうかを調べるために、個々の基質をノックアウト処理に付し、化合物1の濃度を上げながら同時に処理した。基質間に化合物1の抗増殖効果を媒介する協力があるならば、関与するいずれかの単一の基質を高度に喪失させることは細胞を化合物に対してより感受性とするはずである。図7、パネルAに示されるのと同様のフローサイトメトリーをベースとする細胞競合アッセイを利用して、基質遺伝子のノックアウトでの、化合物1に対する感受性の強化を評価した。遺伝子ノックアウトを介して単一の基質の喪失が促進したことに起因する化合物1に対する感受性の増加は、DMSOと比べて、化合物1で処理した場合の遺伝子ノックアウト細胞のRFP+/GFP+割合の減少の強化により示された。
予想通り、対照としてのKARPAS-422(図8、パネルA)、およびSU-DHL-4(図8、パネルB)のsgNT-1細胞(左端群)では、ジメチルスルホキシド(DMSO)処理の細胞(各下位群の左端の列)と比べて、0.1nM、1nM、および10nMの化合物1(灰色棒)を添加してもRFP+/GFP+割合にてほとんど変化がない。しかしながら、sgIKZF1(左から2番目の群;sgIKZF1-1、細い右向き角度の線;およびsgIKZF1-2、太い右向き角度の線)およびsgIKZF3(左から3番目;sgIKZF3-1、細い左向き角度の線;およびsgIKZF3-2、太い左向き角度の線)の化合物1で処理したノックアウト細胞では、その個々のDMSOで処理した対照なる細胞(各下位群の左端の列)と比べて、RFP+/GFP+割合にて用量依存的な減少があった。この効果はsgZFP91細胞(右端群;sgZFP91-1、細いチェックのパターン;およびsgZFP91-3、太いチェックのパターン)では観察されず、これはZFP91の喪失が化合物1の抗増殖効果を強化するのに、他の化合物1を標的とするセレブロン基質の喪失と協力する関係にないことを示唆する。加えて、DMSO処理の参照となるsgNT-1細胞(各下位群の左端の黒色の列)と比べて、DMSO処理のノックアウトしたすべてのsgIKZF1、sgIKZF3、およびsgZFP91細胞(各下位群の左端の黒色の列)では、経時的に、RFP+/GFP+割合の減少が観察され、このことは個々の遺伝子をノックアウトしたことに由来する細胞適応性が減少した結果であり、図7、パネルBで示されるデータと一致する。さらには、24時間の化合物1の処理が基質ノックアウト細胞において基質分解を効果的に促進することが、イムノブロット解析によって確認された(図9)。
従って、これらの結果は、イカロス、アイオロス、および程度は小さいが、ZFP91が、化合物1に対する感受性のマーカーとして供し得ることを示す。
実施例12:イカロスおよびアイオロスの喪失を合わせることで、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の細胞適応性を阻害する上で相加的効果があった
イカロスおよびアイオロスは、ホモダイマーまたはヘテロダイマーを形成し得る、高度に相同性のある転写因子である。イカロスおよびアイオロスがDLBCL細胞の生存および増殖を促進するのに何らかの冗長性があるかどうかを調べるのに、イカロスおよびアイオロスの二元的sgRNA介在性ノックアウトを6種のDLBCL細胞株:KARPAS-422、U-2932、RIVA、SU-DHL-16、HT、およびSU-DHL-4にて行った。フローサイトメトリーをベースとする競合アッセイを利用し、細胞適応性を評価した:それでは、細胞にsgNT-1-GFPを、またはRFPレポーターを有する同じベクターから2つのsgRNAを発現する構築物を形質導入した(図10、パネルA)。二元性sgRNAの組み合わせは、sgNT-1+sgNT-2、sgIKZF1-1+sgNT-1、sgIKZF1-1+sgNT-2、sgIKZF3-1+sgNT-1、sgIKZF3-1+sgNT-2、sgIKZF1-1+sgIKZF3-1、およびsgIKZF1-2+sgIKZF3-2であった。もう一度、形質導入した後に、細胞を洗浄し、1:1の割合で混合し、GFP+およびRFP+細胞のパーセンテージを、15日間にわたって3日毎に測定した。
6種のすべての細胞株において、イカロスおよびアイオロスの両方のノックアウトは、イカロスまたはアイオロスのいずれかを単独でノックアウトするよりも、RFP+/GFP+割合においてより大きな減少を惹起した(図10、パネルB)。イカロス、アイオロス、またはその両方のノックアウトに関する特異性をイムノブロット解析により確認し、Cas9を発現するDLBCL細胞が、sgIKZF1-1+sgNT-1、sgIKZF1-1+sgNT-2、sgIKZF3-1+sgNT-1、sgIKZF3-1+sgNT-2、sgIKZF1-1+sgIKZF3-1、およびsgIKZF1-2+sgIKZF3-2についての二元性ガイドRNAを発現する、KARPAS-422-Cas9、U-2932-Cas9、RIVA-Cas9、SU-DHL-16-Cas9、HT-Cas9、およびSU-DHL-4-Cas9細胞株の各々において、遺伝子について関連するgRNAを含有する細胞株にて、IKZF1またはIKZF3に対して特異的ノックアウトを有するのに対して、sgNT-1+sgNT-2はIKZF1またはIKZF3タンパク質のレベルにて変化を示さないことを明らかにした。
これらの結果は、イカロスおよびアイオロスが、DLBCL細胞株にていくつかの冗長的機能を有し、イカロスおよびアイオロスの両方の喪失または分解が化合物1に対する応答のマーカーとして供し得ることを示した。
実施例13:イカロスまたはアイオロスの分解を阻害することで、びまん性大細胞B細胞リンパ腫細胞が化合物1から保護された
イカロスおよびアイオロスがDLBCL細胞株の生存および増殖を促進する上で冗長的であったかどうかを試験するために、イカロス(IKZF1-G151A)、アイオロス(IKZF3-G152A)、およびZFP91(ZFP91-G405A)の分解耐性変異体を、対照としてのNano Lucルシフェラーゼ(Nluc)と一緒に、4種のDLBCL細胞株:KARPAS-422、RIVA、HT、およびSU-DHL-4において異所的に、かつ安定的に発現させた。化合物1との用量応答曲線は、イカロスまたはアイオロスの分解耐性変異体の発現が4種のすべての細胞株において化合物1からの保護を提供したことを示す(図11)。加えて、分解耐性変異体の異所的発現、ならびに化合物1誘発の分解に拮抗するその保護が、イムノブロット解析によって確認された。例えば、イムノブロット解析は、Nlucを異所的に発現する、KARPAS-422、RIVA、HT、およびSU-DHL-4細胞株と比べて、イカロス(IKZF1-G151A)、アイオロス(IKZF3-G152A)、またはZFP91(ZFP91-G405A)の分解耐性変異体を異所的に発現する、その同じ細胞株において、イカロス、アイオロス、およびZFP91タンパク質のレベルが化合物1の処理によって実質的に影響を受けないことを示した。例えば、Nluc発現細胞を5nMまたは50nMの化合物1で処理すると、対照またはDMSO処理細胞と比べた場合に、IKZF1、IKZF3、およびZFP91タンパク質のレベルにおいて顕著な減少がもたらされた。ベータ-アクチンレベルを対照として用いた。IKZF1-G151Aの4種の細胞株での異所的発現により、IKZF1タンパク質のレベルが5nMまたは50nMの化合物1を用いる24時間の処理に応答して減少しなかったが、IKZF3およびZFP91のレベルが化合物1の処理に応答して依然として減少していることが明らかとなった。IKZF3-G152A、およびZFP91-G405Aでも同様のパターンが観察された。しかしながら、4種の細胞株にて観察される保護の程度は様々であった。KARPAS-422、およびSU-DHL-4では、化合物1に対してほとんど完璧な保護が観察され、これはイカロスおよびアイオロスがこれらの株において真に冗長的な機能を有することを示唆する。しかしながら、HTおよびRIVAでは、その保護はそれほど強固ではなかった。これらのデータを総合すると、イカロス、アイオロス、または両方の化合物1に応答してその有用性が強調される。
実施例14:化合物1は、その生存率に有意に影響を及ぼすことなく、T細胞にてイカロスの分解を促進した
エクスビボにて刺激されたPBMCでの化合物1の免疫調節活性を評価した。リンパ腫の患者での疾患の進行は免疫系機能の低下と関連付けられる。疲弊したT細胞は、分化、増殖およびサイトカイン産生における機能の低下を示す。
4人の健康なドナーから由来の精製されたPBMCを、抗CD3被覆のプレートにプレーティングし、T細胞を刺激し、その後でDMSO(対照)または化合物1のいずれかを用いて種々の濃度で処理した。化合物1のイカロスの分解を促進する能力をフローサイトメトリーで経時的に評価した(図12)。化合物1は、PBMCでのイカロスの濃度依存的分解を誘発し、それは経時的にイカロスについて陽性であった細胞のパーセンテージが減少することにより証明された。その上、分解は、化合物1の単一処理の直後から7日まで維持された。
このことが、化合物のイカロス分解を促進する効果によるものであり、CD-3刺激のPBMCの細胞増殖または生存率の欠如によるものでないことを確立するために、化合物1のその生存能に対する効果をフローサイトメトリーで評価した。化合物1で処理した細胞はPBMC生存率に有意な効果を示さず、対照のDMSO処理の細胞の生存率と経時的に同等であった。4人の健康なドナーから由来の末梢血の単核細胞を、0.1、1、10、または100nMの濃度で、3、4、または7日間にわたって化合物1に暴露し、Viobility(登録商標)Fixable Dyeで染色することにより生存率を測定した。結果は、3日目および4日目には、PBMCのおよそ80%が生存しており、化合物1はいずれの濃度でも有意な効果を有しないことを示した。細胞生存率におけるその傾向は7日目まで続き、化合物1の処理はPBMCの生存率に影響を及ぼさなかった。
これらの結果は、T細胞におけるイカロスの発現レベルが化合物1によって分解され得ること、およびイカロスのレベルがT細胞における化合物1に対する応答のマーカーとして供し得ることを実証する。
実施例15:化合物1のエフェクターリンパ球およびサイトカインの産生に対する効果
実施例14からの結果は、化合物1がイカロス分解を促進し、イカロスがIL-2発現および分泌の抑制因子、すなわちT細胞活性化マーカーとして作用することが知られていることを示す。従って、化合物1の、エフェクターT細胞のサイトカイン分泌に対する効果を評価した。
4人の健康なドナーから由来の精製したPBMCを、抗CD3抗体を被覆したプレートにプレーティングしてT細胞を刺激し、その後で、DMSO(対照)または様々な濃度の化合物1のいずれかで、3、4、および7日間にわたって処理した。メソスケール(MSD)アッセイを用いることにより、PBMC培養からの上清液中のサイトカインの分泌を経時的に測定した。インビトロ培養の間にPBMCによるインターロイキン-2分泌は、図13および図14に示されるように、化合物1への暴露で増加した。化合物1は試験したすべての濃度でIL-2分泌を誘発した。IL-2でのこの活性は、DLBCL腫瘍細胞に対して強い抗増殖活性を産生することが分かっている濃度の化合物1(0.1~100nM)で生じた。他のモニター観察されたサイトカイン(TNFα、IFNγ、IL-4、IL-13、IL-10、およびIL-6)では、一過的な効果が観察されるか、または効果は全く観察されなかった。このことは、IL-2の分泌が化合物1に対する応答のマーカーとして、特にT細胞活性化に対するマーカーとして供し得ることを実証する。
実施例16:化合物1は疲弊したT細胞においてサイトカイン/ケモカインの分泌を誘発した
疲弊したT細胞は、それらが、プログラムされた細胞死タンパク質1(PD1)およびリンパ球活性化遺伝子3タンパク質(LAG3)を含め、阻害性シグナル伝達経路の発現を獲得するため、表現型として機能性エフェクターT細胞とは区別される。疲弊したT細胞は、分化、増殖、およびサイトカインの産生の減少を示す。
T細胞の疲弊を誘発するために、3人のドナーからのPBMCを100ng/mLのスタフィロコッカス・エンテロトキシンB(SEB)で72時間処理した(図15、パネルAおよびパネルC)。3日目に、SEBを洗い流し、疲弊マーカー、CD-3陽性T細胞のPD1およびLAG3の発現をFACSによってアッセイした(図15、パネルB)。次に、その後で1人のドナーからの疲弊したT細胞を化合物1で96時間にわたって処理し、2人のさらなるドナーの疲弊したT細胞を、1ng/mLのSEBの存在下にて化合物1で48時間および96時間にわたって処理し、エフェクターサイトカインの培地への放出をMSD解析によって評価した。結果は、化合物1が、48時間または96時間後にメソスケール(MSD)解析によって測定されるように、顆粒マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、インターフェロンガンマ(IFNγ)、および腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)の分泌レベルを濃度および時間依存的に増大させること示した。例えば、約0.001μMの化合物1を96時間では3000pg/mLのGM-CSFがもたらされるのに対して、約0.01μMの化合物1を96時間では10,000pg/mLのGM-CSがもたらされ、分泌量は、0.1μMの化合物1よりも高い濃度で15,000pg/mLの真下で頭打ちするまで、増加し続けた。化合物1に96時間にわたって暴露することは、化合物1での96時間の処理が、48時間の暴露と比べて、より高い量のGM-CSFおよびTNFαの放出、およびより少ない程度でのINFγをもたらすことを示した。
化合物1は、T細胞再刺激アッセイにおいて、エフェクターサイトカイン/ケモカインのGM-CSF、TNFαおよびIFNγ分泌を誘発した。化合物1はまた、0.01~10μMの範囲の濃度で、評価される3種のドナーPBMCにて、3種のエフェクターサイトカイン/ケモカインの分泌を誘発する活性を示した。GM-CSFレベル(EC50=0.006μM)、TNFα(EC50=0.01μM)、およびIFNγ(EC50=0.01μM)のレベルを分泌するのに達成されたEC50は、化合物1の免疫調節活性がインビトロにて強い抗がん作用を有する濃度で起こることを支持する。
総合すると、これらの結果は、化合物1が免疫調節活性を有することを実証した。注目すべきは、免疫調節活性が一連のDLBCL細胞株にて抗腫瘍作用をもたらすのと同様の濃度で生じることである。さらには、これらの結果は、エフェクターサイトカイン/ケモカインのGM-CSF、TNFαおよびIFNγのT細胞からの分泌が化合物1に対する応答のマーカーとして供し得ること、およびPD-1およびLAG3の発現が化合物1の処理に対して応答し得る細胞を同定するマーカーとして使用され得ることを実証する。
実施例17:化合物1およびそのR-エナンチオマーは、同様の抗増殖活性を示し、セレブロンと結合する
化合物1および化合物2の両方のDLBCL細胞での活性を評価するために、セルタイター-グロ(CellTiter-Glo)(CTG)アッセイを行い、抗増殖活性を測定した。DLBCL細胞株のSU-DHL-4にて、化合物2および3の両方で強力な抗増殖活性が観測された(表8)。
表8:エナンチオマーの、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫細胞での、抗増殖能を5日間アッセイにて評価した
DLBCL=びまん性大細胞型B細胞リンパ腫;IC
50=50%阻害濃度
化合物1およびそのエナンチオマーの化合物2がセレブロンと結合し得るかどうかを調べるために、短時間(10~20分間)のリガンド競合アッセイを用いた。キラル純度が99%より大きい化合物1および化合物2のサンプルを、TR-蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)アッセイにてセレブロン結合アフィニティについて評価した(表8)。その結果は、化合物1および化合物2の両方が濃度依存的にCRBNに結合することを明らかにした。具体的には、化合物1(IC50=0.86±0.1μM、n=5)は、化合物2(IC50=10.25±1μM、n=5)と比べて、CRBN結合について11倍高い結合アフィニティを有した。
総合すると、これらの結果は、化合物1および化合物2の両方がDLBCL細胞にて活性を示すこと、およびセレブロンが応答のマーカーとして供し得ることを示した。
実施例18:化合物1および化合物2は、アイオロス、イカロス、およびZFP91の分解を誘発する
各エナンチオマーの純粋なサンプルを短時間の経過で測定される基質タンパク質の細胞内分解について試験した(図16)。SU-DHL-2細胞を1、2、および6時間にわたってビヒクル対照(0.1%DMSO)、化合物1(1、10、100nM)、または化合物2(1、10、100nM)で処理した。ウェスタンブロット解析を用いて、タンパク質基質のアイオロス、イカロス、およびZFP91の分解の程度を評価した。化合物1は、1nMといった少量の処理で、早くも1時間でアイオロス、イカロス、およびZFP91を阻害した。1nMの化合物1で2時間以内に3種のタンパク質が各々59%以上分解され、3種のすべてのタンパク質は同程度の分解速度を示した。化合物2もまた、異なる動態ではあるが、アイオロス、イカロス、およびZFP91の発現を低下させた(図16)。例えば、アイオロス、イカロス、およびZFP91の発現の低下は、化合物2のより高い濃度で、および化合物2へのより長い暴露時間で観察された。
第2のアッセイにて、ePLタグ付きの標的タンパク質基質を発現するDF15細胞株をモデル系として用い、タンパク質分解を1pM~10μMの範囲の濃度にわたって0.75、1、1.5、3、4、および24時間でモニター観察した。評価されたタンパク質はイカロス(図17)、アイオロス、およびZFP91であった。化合物1と化合物2は共に、あらゆる時点で基質タンパク質を分解することができた(表9)。さらなるアッセイにて、化合物1および化合物2での処理の効果をモニター観察するのに、さらなる時点を含めた。その結果、化合物1および化合物2は、強化プロラベル(Enhanced ProLabel)(ePL)-アイオロス、ePL-イカロス、またはePL-ZFP91を発現するDF-15細胞において、1、2、6、または24時間暴露した後、濃度および時間依存的に、アイオロス、イカロス、およびZFP91を分解し、細胞が化合物2に比べて化合物1に対してより感受的であることが確認された。
Y定数によって記載される基質タンパク質の分解の深さもまた、陰性対照のルシフェラーゼ阻害剤(CC1071297、Y-定数=0)に対する、このアッセイにて測定された。エナンチオマーは両方共に同様のY-定数値を示し(表9)、これは薬物応答曲線での同様の低Y漸近線に相当する(図17)。
表9:DF15細胞にて化合物1とそのR-エナンチオマーによって誘発される基質分解の動力学の比較
EC
50=半最大有効濃度;ZFP91=ジンクフィンガータンパク質91
総合すると、これらの結果は、イカロス、アイオロス、およびZFP91のレベルが化合物1および化合物2の両方に対する応答のマーカーとして供し得ることを実証する。
実施例19:化合物1の好中球の前駆体の成熟に対する効果
化合物1の、好中球に至る骨髄の前駆細胞の成熟に対する効果を、健康なドナーから由来の骨髄CD34+細胞のエクスビボ培養において評価し、異なる用量スケジュールを評価してこれらの事象のスケジュール依存性に至るインサイトを得た。
幹細胞因子(SCF)、FMS関連チロシンキナーゼ3リガンド(FLT3-L)および顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を培養液に添加することで骨髄分化を誘発させた。化合物1の有無での細胞分化を所定の時点でフローサイトメトリーにより5つの下位集団(1)造血幹細胞(HSC、CD34+/CD33-/CD11b-);(2)ステージI細胞(CD34+/CD33+/CD11b-);(3)ステージII細胞(CD34-/CD33+/CD11b-);(4)ステージIII細胞(CD34-/CD33+/CD11b+)および(5)ステージIV細胞(CD34-/CD33-/CD11b+)細胞(未熟から成熟まで)の細胞のパーセンテージとして評価した。分化および生存率は、2日または3日毎の完全アッセイの間にモニター観察された。
化合物1の異なる暴露期間(処理が14または5日間)の、骨髄前駆細胞の好中球に至る生存率および成熟に対する、効果を、化合物1の濃度を1、10、および100nMで、連続的に21日までの示される時間(図18;図19)でフローサイトメトリーを用いて評価した。その結果は、後期成熟の好中球の前駆細胞が化合物1により遮断され、14日間(図19A)または5日間(図19B)の暴露の後、高濃度で成熟好中球の数が有意に減少していることを示した。成熟停止は、ステージIII細胞表面免疫表現型の細胞の蓄積およびステージIV細胞表面免疫表現型(成熟好中球)の細胞の集団の減少によって明らかにされるように、主にステージIII好中球前駆細胞の発生で起こるようである。しかしながら、化合物1に暴露された好中球前駆体の生存率は影響を受けなかった(図18)。
化合物1に暴露した後の成熟好中球の回復もまた、この系にて評価された。化合物1なしで1週間経過した後、成熟好中球(ステージIV細胞)の割合は、より低い濃度でさらに迅速かつ完全に回復する傾向を示しながら、その最低の状態から少なくとも約50%回復した(図20;表10)
イカロスタンパク質のレベルを化合物1の暴露および回復の期間にわたってモニター観察した。イカロスのレベルは、化合物1の暴露の間は減少し、薬物の離脱後には、異なる暴露計画との関連で顕著な有意差もなく、濃度依存的に回復した(図21;図22)。イカロスのレベルは、洗浄した後から少なくとも3日後に正常に戻り始め、後期好中球前駆体の成熟が完全に回復するのに先行した(図23)。これらの結果は、後期好中球前駆体のイカロス分解が、化合物1のレシピエントでの好中球減少症の重要なメディエーターであり得ることを実証する。さらには、この知見は、イカロスのレベルの復元が好中球前駆細胞の成熟の回復に先行することを示唆する。従って、好中球中のイカロスのレベルは、化合物1に対する応答についてのマーカーとして供し得る。
この研究にて利用されたインビトロアッセイ系にて、成熟好中球のレベルが未処理対照のレベルの少なくとも50%まで回復することは、患者にて臨床的に有意な好中球減少のないことと相関している。この研究では、薬物なしで1週間経過した後、ステージIV細胞の集団が、評価されたすべての試験条件下で、DMSO対照でのステージIV細胞集団の少なくとも50%のレベルに等しいレベルにまで、濃度依存的に回復することが可能であり(図20)、試験したいくつかの条件下ではDMSO対照のレベルにさえ達成した。
表10:化合物1に連続して14日間または5日間暴露し、治療後に1週間洗浄した後にステージIV細胞が50%にまで回復するのに必要な時間量
イカロスタンパク質のレベルを2日または3日毎にフローサイトメトリーで解析した。図21および図22に示されるように、イカロスタンパク質は両方の化合物1処理の計画(14日間および5日間)の下で分解され、その発現は薬物の洗浄後に濃度依存的に回復した。19日目には、14日間の処理の後、すべての濃度で、イカロスの完全な回復が観察された。イカロスタンパク質の発現の回復は、14日間処理した細胞でよりも、5日間処理した細胞での方が遅く:19日目には、イカロスタンパク質の回復はいずれの濃度の化合物1でも完全ではなく、21日目には、イカロスタンパク質のレベルは、10nMの化合物に暴露した培養液においてのみ完全に回復した。
本研究では、14日間にわたって化合物1に暴露された細胞において、図23に示されるように、好中球前駆体の分化が回復する前に、イカロスのコントロールレベルが復元された。10~1000nMの濃度の化合物1では、好中球前駆体の成熟の回復は、イカロスタンパク質のレベルの回復よりもゆっくりと起こった。
総合すると、これらの結果は、骨髄細胞でのイカロスタンパク質のレベル、ならびにCD34+細胞におけるアポトーシスおよび骨髄分化が、化合物1に対する応答のマーカーとして供し得ることを実証する。
上記の実施態様は単なる例示であるものとし、当業者であれば、慣用的な実験操作を用いるだけで、特定の化合物、材料および操作の多数の均等物を認識するか、確認することができるであろう。そのような均等物はすべて、本発明の範囲内にあり、添付した特許請求の範囲によって包含される。
実施例20:トランスクリプトームおよびプロテオームのプロファイリングの統合的解析から同定される応答マーカー
シグナル伝達および調節経路などの、DLBCLにおける化合物1の処理の細胞傷害的作用と関連するバイオマーカーを、トランスクリプトームおよびプロテオームのプロファイリングを用いる統合的ネットワークによって決定した。この方法は、以前に記載されたもの(Basha、Mauer、Simonovsky、Shpringer、&Yeger-Lotem、2019;Gosline、Spencer、Ursu、&Fraenkel、2012)と同様のタンパク質相互作用および制御関連性のある、知識駆動型骨格ネットワークを用いたネットワークフローの最適化からなる。
簡単に言えば、異なる時点での差分発現解析と差分タンパク質存在量解析とをモデルフレームワークを用いて統合した。このフレームワークは、以下の供給源よりコンパイルされる、タンパク質-タンパク質相互作用(PPi)ネットワーク層、転写調節ネットワーク層、および経路の定義を含む、3部グラフである:
・転写調節ネットワーク(TRN)
-社内IKZF3 & ZFP91遺伝子シグネチャーおよびReMAP(492TFs)(Cheneby、Gheorghe、Artufel、Mathelier & Ballester、2018)
-転写開始部位(TSS)にアノテーションされ、近接性(TSS±2kbp)で濾過された、ChIP-Seqピーク
-436の転写因子と、21,633の遺伝子に基づくTRN(レギュロンサイズ∈[10,7500])
・タンパク質-タンパク質相互作用ネットワーク(PPiN)
-HINT(Das & Yu、2012)、H-II-14(Rollandら、2014)、ヒト可溶性タンパク質複合体(Rueppら、2010) & BioPlex(Huttlinら、2015)を統合し、高信頼性実験のエビデンスで濾過するもの
-13872のタンパク質 x 144344のエッジ(方向性を考慮した後)
・MSIgDB-C2 v6.1からの経路
-8.904の遺伝子 x 1,329の経路(Subramanianら、2005)
エッジのキャパシティーは、相互作用のパートナーの各対についてlog10p値によって正規化される差次発現およびタンパク質存在量の解析からの標準化log2倍数変化として、πスコアを調和平均に付して秤量された(Xiaoら、2014)。評点を標準化し、-1と1との間にスケーリングした。
フラックス計算は、バイオコンダクター(Bioconductor)のグラフマックスフローパッケージにて実装されるように、最大フロー法を用いて行われた。ネットワークを流れるフラックスの相当量を維持しながら、最も関連性に低い相互作用をフィルタリングするのに、反復プロセスを実施した。第5分位値よりも低いフラックスを有するエッジを各反復プロセスで除去し、最適化基準を満足するまで、ソース/シンクから切断されたパスを取り除いた。
始めに、化合物1に対する細胞株の感受性を、DRAQ7およびアネキシンV染色を用い、40の細胞株モデルについてフローサイトメトリーで測定し、化合物処理の5日後の増殖の減少およびアポトーシスの誘発を定量した。各細胞株について用量依存性曲線を作成し、曲線下面積(AUC)を算出した。感受性を(AUCアポトーシス/AUC生細胞)の割合を計算することにより算出し、ここで割合が小さいほど耐性を示し、割合が大きいほど感受性を示す。一連の11種のDLBCL細胞株が、耐性から感受性までの範囲にて、化合物1処理に対して様々な感度のあることが見いだされた。
次に、化合物1に対する感受性について広範囲のスペクトルを網羅する11種のDLBCL細胞株を、0.04μMの化合物1またはDMSO対照に暴露し、プロテオーム(TMT-MS)および遺伝子発現(RNA-seq)のプロファイルをパネルに付き3重重複して得た。サンプルを、暴露した:プロテオームについては6および18時間後;およびトランスクリプトームについては12、24および48時間後の5つの時点でプロファイルに付した。プロテオームとトランスクリプトームの情報を動的に統合したスキームを図24に示す。その統合された機構解析は、化合物1の処理が、インターフェロンシグナル伝達(例、IL6ST、IFITM3、IFI6、OAS3、インターフェロンα/βシグナル伝達)、サイトカイン/ケモカインシグナル伝達(例、IL23A、CCL1)、アポトーシス(例、IL27、TNF、IL10、カスパーゼ)、細胞接着(例、SELE、SELPLG、TXA2)、細胞間結合(例、CLDN7、CLDN12)、G-タンパク質結合受容体(例、FFAR2)、細胞外マトリックス(例、CD209、SERPINA、SERPINB7)と関連付けられる遺伝子のイカロス/アイオロス駆動のアップレギュレーション、および細胞周期と転写に関する遺伝子のグローバルなダウンレギュレーションを生成することを明らかにした。化合物1の感受性に関する異なる経路、およびその経路と関連付けられる遺伝子の概要を図25に示す。特に数個の遺伝子が、化合物1の細胞傷害性作用と関連付けられることが見いだされ、このことはこれらの遺伝子の活性化がDLBCLでの化合物1の応答についてのバイオマーカーとして供し得ることを実証する。このリストには、インターフェロンおよびケモカイン関連遺伝子(例、IL23A、CCL2、IFITM3)、細胞接着遺伝子(例、CLDN7)、GPCRシグナル伝達遺伝子、およびアポトーシス関連遺伝子(例、TNF)が含まれる。例えば、異なる時点および異なる細胞株のモデルを介して、IL23A(図26A)、CCL2(図26B)、およびSRGAP1(図26C)などの例示としての遺伝子の倍数変化を比較して表示することで、細胞傷害性作用が強い、細胞株でのこれらのマーカーの変調の増加が化合物1の処理に対する感受性と関連付けられることを見出したことを示した。加えて、6および18時間で測定されたプロテオームの結果を比較することで、タンパク質の発現の差が、化合物1の処理に対する感受性と関連し得ることが示された(図27)。例えば、IKZF3、IKZF1、ZFP91、ETS1、MNT、MEF2B、SNAPC1、KDM4B、TFAP4、UBTF、BAHD1、MBD4、CBX2、TP63、TLE3、FOXP1、ZBTB11、IRF4、MED26、ATF7、ZNF644、KDM5B、USF2、TCF25、KDM4A、L3MBTL2、SNAPC4、KDM5、EBF1、FOXJ2、NFATC1、ZFP36、HDGF、ELF1、PML、MYBL2、SMAD2、CHD2、STAT1、PAX5、STAT2、PYGO2、IRF9、PCGF2、およびATF3などの遺伝子のタンパク質レベルが、化合物1での処理に応答して変化することが判明し、6時間の処理と比べて、18時間の処理を行った後ではより大きな変化が観察された。
総合すると、これらの結果は、インターフェロンシグナル伝達、サイトカイン/ケモカインシグナル伝達、アポトーシス、および細胞接着と関連付けられる遺伝子のアップレギュレーション、ならびに細胞周期および転写と関連付けられる遺伝子のグローバルなダウンレギュレーションが、化合物1の処理に対する感受性についてのバイオマーカーとして供し得ることを実証する。特に、IL23A、CCL2、IFITM3、CLDN7、TNF、およびSRGAP1などの例示的な遺伝子は、化合物1の処理に対する感受性についてのバイオマーカーとして供し得る。