JP7660843B2 - 化成液、アルミニウム基材の化成処理方法、化成処理済み基材、アルミニウム電解コンデンサ用電極材、及びコンデンサ - Google Patents
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[1]
少なくとも、
(A)スメクタイト
(B)水
を含有する化成液。
[2]
前記スメクタイトが合成スメクタイトである、[1]に記載の化成液。
[3]
化成液中のスメクタイトの含有率が0.1~20質量%である、[1]又は[2]に記載の化成液。
[4]
[1]~[3]のいずれか1項に記載の化成液を用いてアルミニウム基材を陽極酸化により化成処理し、その表面に酸化アルミニウム膜が形成された化成処理済基材を得る工程を含む、アルミニウム基材の化成処理方法。
[5]
[4]に記載の化成処理方法によって得られる化成処理済基材。
[6]
[5]に記載の化成処理済基材を含むアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
[7]
[6]に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材を備えたコンデンサ。
本明細書における「アルミニウム基材」(以下、単に「基材」とも記す)の材質はアルミニウム主体の金属であれば特に限定されない。好適な基材の材質としては、例えば、アルミニウム単体の場合は純アルミニウム(純度99%以上のアルミニウム)であり、更に好ましくは純度99.9%以上、最も好ましくは純度99.99%以上である。また、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金等も使用できる。アルミニウムコンデンサとする場合、基材の形状は、例えば、箔、板、金属線、及びこれらを用いた成形体等を挙げることができる。また、化成処理済基材の表面に形成される酸化アルミニウム膜の厚さは特に限定されないが、好ましくは1nm~2μmの範囲である。
本実施形態での化成液は、スメクタイト、及び水を必須成分として含有する組成物である。スメクタイト成分は化成処理により形成される酸化物被膜の耐電圧を維持した上で、静電容量を高める成分と推定される。また、水は溶媒成分である。例えば、アルミニウム基材を、本実施形態の化成液を用いて電気化学的に陽極酸化することにより、基材の表面に酸化物被膜である酸化アルミニウム膜が形成され、アルミニウム電解コンデンサ用電極材として好適な、静電容量の大きい化成処理済基材を製造することができる。
本実施形態での化成液に含まれるスメクタイトの種類は特に限定されず、目的に応じて適宜に設定することができる。スメクタイトには天然品と合成品とがあるが、不純物含有を極力抑えた材料であることが好ましいため、合成スメクタイトであることが特に好ましい。
当該スメクタイトはモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、及びスチブンサイトから選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイトから選ばれる1種又は2種以上であることがより好ましい。
本発明の化成液は水を必須成分として含む。使用する水には特に制限はないが、化成処理中に伴う酸化物被膜にスメクタイト以外の成分が含まれない方が良い観点より、蒸留水、イオン交換水等の水中のイオン成分を除去したものが好ましい。イオン除去度合としては、水のイオン伝導度が10μS/m以下が好ましく、5μS/m以下がより好ましく、1μS/m以下が更に好ましい。
本発明で用いる化成液のpHは特に制限がない。層間金属がナトリウムやリチウムであるスメクタイトのみを水に分散させた場合、pHは一般に弱アルカリ領域の10~11程度になることが多い。化成液としてはこのまま用いても良いし、酸成分を共存させてpHを中性~酸性領域に調整しても良いし、アルカリ成分を併用することでpH領域を高アルカリ領域に調整しても良い。ただし、スメクタイトが水中で膨潤している状態を維持できる範囲であることが好ましい。
本発明で用いる化成液中のスメクタイト成分の濃度には特に制限がない。化成処理の効果を出し、且つ化成体としての流動性をたもち化成処理をしやすくする観点より、化成液中のスメクタイトの含有率は0.1~20質量%であることが好ましく、更に好ましくは0.5~15質量%であり、最も好ましくは1~10質量%である。
本発明の化成液は本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を含んでもよい。例えば、化成処理をより進行させやすくするため、公知のアルミニウム化成処理で用いられる電解液の支持電解質であるホウ酸アンモニウムやアジピン酸アンモニウムを含んでも良い。また、支持電解質として機能する他の塩類を含有しても良い。その他添加材としては安定化剤、消泡剤、pH調整剤、比重調整剤、粘度調整剤、濡れ性改善剤、キレート剤、酸化剤、還元剤、有機溶剤、及び界面活性剤等を含有しても良い。その他の添加剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。化成液中の添加剤の含有量は、スメクタイトによる化成処理への効果を妨げないように、添加剤1種類あたり、0.01~10質量%であることが好ましい。
(実施例1~4に用いる化成液)
表1に示す配合の通り、各種スメクタイトを1~5質量%になるように蒸留水(導電率0.2μS/cm以下)に分散させ粘性を持つ略透明液体を得た。実施例1、2、4の化成液ではpH10~11のアルカリ性を呈した。尚、実施例3ではスチブンサイト2質量%水溶液100gに対し、0.2M硫酸水溶液11gをスターラー攪拌しながら滴下することにより粘土分散液をpH7に調整した化成液を得た。
表1に示す配合の通り、スメクタイトを含まない化成液を蒸留水(導電率0.2μS/cm以下)に所定の支持電解質を溶解することで得た。
以上、各実施例、比較例用に得た化成液のpHをpHメーター(株式会社堀場製作所製、型番:LAQUAtwin-PH-33B)により測定した。
化成処理を行うアルミニウム基材としては4Nの高純度アルミニウム箔を用いた。これを電極面積が1cm2(片面1×0.5cm)で、この電極への給電としてアルミ箔を切断しない状態で繋げた旗型電極を作製し、化成処理用のアルミニウム基材とした。また、下記の化成処理を行う前に電極表面を清浄にするため、1M水酸化ナトリウム水溶液によるアルカリ脱脂によって、表面の油分などを除去した。その後、純水中での洗浄を3回繰り返した後、1M硝酸水溶液中で中和処理をし、再び純水中での洗浄を3回繰り返した後、速やかに、下記の化成処理を行った。
内径30mmのステンレス容器(Sus304)に各実施例、比較例用に作製した化成液を満たし、上記のアルミニウム基材の電極部のみを液中に浸漬した。アルミニウム基材と対向電極に相当するステンレス容器とを化成処理用の高電圧電源(高砂製作所製、HV-1.5-03)と電流電圧測定用のデジタルマルチテスタ(株式会社三和電気計器製作所製、型番:RD701)に接続し、25℃、電流密度1mA/cm2の条件下で電圧10Vに到達するまで化成処理を行った。
各実施例、比較例の化成液の組成で、上記の化成処理により設置した酸化被膜を持つアルミニウム基材の静電容量評価を行った。予め電解液として調整した15質量%のアジピン酸アンモニウム水溶液を用い、低圧用化成箔の静電容量試験法に基づきLCRメーター(株式会社エヌエフ回路設計ブロック製、型番:ZM2355)を用いて、周波数120Hz、測定電圧0.5Vrms、バイアス電圧1.5Vの条件で、各種化成膜の1cm2当たりの静電容量Cを測定した。測定結果を表1下段のコンデンサ評価欄に記した。
各実施例、比較例で用いた化成液、装置を用いて得た化成膜を再度同様の操作、条件により再化成処理を行った。この処理工程での、再化成処理開始直後の電圧値を被膜耐電圧/Vとして、コンデンサの耐電圧の指標とした。
各実施例、比較例で用いた化成液の組成でのコンデンサ評価結果よりCV積を算出した。CV積の算出方法は、上記の(化成膜の静電容量の評価結果)と、(化成膜の皮膜耐電圧の評価結果)との積である。この値をコンデンサの蓄電能力の指標とした。
(スメクタイト類)
鉱物名ヘクトライト:品名スメクトン-SWN、陽イオン交換容量43meq/100g
鉱物名サポナイト:品名スメクトン-SA、陽イオン交換容量66meq/100g
鉱物名スチブンサイト:品名スメクトン-ST、陽イオン交換容量25meq/100g
いずれも相関イオンはナトリウムイオン、クニミネ工業株式会社製
(その他)
アジピン酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硝酸1.38:いずれも富士フィルム和光純薬試薬、特級。
Claims (6)
- 少なくとも、
(A)スメクタイト
(B)水
を含有し、
pHが7~11である、アルミニウム基材の陽極酸化用化成液。 - 前記スメクタイトが合成スメクタイトである、請求項1に記載の化成液。
- 前記化成液中のスメクタイトの含有率が0.1~20質量%である、請求項1又は2に記載の化成液。
- 少なくともスメクタイト及び水を含有するアルミニウム基材の陽極酸化用化成液中でアルミニウム基材を陽極酸化により化成処理し、その表面に酸化アルミニウム膜が形成された化成処理済アルミニウム基材を得る工程を含む、アルミニウム基材の化成処理方法。
- 少なくともスメクタイト及び水を含有するアルミニウム基材の陽極酸化用化成液中でアルミニウム基材を陽極酸化により化成処理し、その表面に酸化アルミニウム膜が形成された化成処理済アルミニウム基材を得る工程を含む、化成処理済アルミニウム基材の製造方法。
- 請求項5に記載の化成処理済アルミニウム基材の製造方法により得られた化成処理済アルミニウム基材を含むアルミニウム電解コンデンサ用電極材を、コンデンサに組み込む工程を含む、コンデンサの製造方法。
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