JP7659365B1 - 餡の製造方法 - Google Patents
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Abstract
原料豆を水煮処理および/または蒸煮処理して熱処理豆を得る加熱工程と、前記熱処理豆と糖を粉砕して粉砕物を得る粉砕工程と、前記粉砕物を圧力式ホモゲナイザーを用いて処理する圧力式ホモゲナイザー処理工程とをこの順で含む、餡の製造方法。
Description
そして、本発明者らが新たに見出した製造方法により得られた餡は、意外にも、味・風味などが良好であり、従来品に比して商品価値が非常に高くなることが本発明者らの検討により明らかとなった。
[1]
原料豆を水煮処理および/または蒸煮処理して熱処理豆を得る加熱工程と、前記熱処理豆と糖を粉砕して粉砕物を得る粉砕工程と、前記粉砕物を圧力式ホモゲナイザーを用いて処理する圧力式ホモゲナイザー処理工程とをこの順で含む、餡の製造方法。
[2]
前記圧力式ホモゲナイザー処理工程の処理圧力が20MPa以上である、[1]に記載の餡の製造方法。
[3]
前記圧力式ホモゲナイザー処理工程の処理圧力が25MPa以上である、[1]に記載の餡の製造方法。
[4]
前記粉砕物のBrix値が30~75である、[1]~[3]のいずれかに記載の餡の製造方法。
[5]
さらに、浸漬工程を含み、前記浸漬工程と、前記加熱工程と、前記粉砕工程と、前記圧力式ホモゲナイザー処理工程とをこの順で含む、[1]~[4]のいずれかに記載の餡の製造方法。
[6]
前記粉砕工程において、少なくとも水または前記糖以外の調味料のいずれかを添加する、[1]~[5]のいずれかに記載の餡の製造方法。
[7]
前記原料豆が白花豆、金時豆、および小豆からなる群より選ばれる少なくとも1つである、[1]~[6]のいずれかに記載の餡の製造方法。
[8]
さらに、冷凍工程または加熱殺菌工程を含み、前記圧力式ホモゲナイザー処理工程と、前記冷凍工程または前記加熱殺菌工程とをこの順で含む、[1]~[7]のいずれかに記載の餡の製造方法。
また、本明細書において「X~Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り、「X以上Y以下」の意とともに、「好ましくはX超過」または「好ましくはY未満」の意も包含する。
また、本明細書において、段階的に記載されている数値範囲については、ある段階の数値範囲の上限値または下限値を、他の段階の数値範囲の上限値または下限値と任意に組み合わせることができる。また、本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値または下限値は、実施例に示されている値に置き換えることもできる。
本製造方法は、例えば、図1に示すように、少なくとも加熱工程、粉砕工程、および圧力式ホモゲナイザー処理工程をこの順で実施することを含む製造方法である。また、本製造方法の一実施形態としては、図2に示すように、さらに原料豆を浸漬する浸漬工程、加熱殺菌工程、冷凍工程を実施する製造方法が挙げられる。また、図3に示すように、加熱工程において、水煮処理と蒸煮処理を順次実施する製造方法が挙げられる。なお、図1~3に記載の工程は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
本製造方法において原料とする豆(原料豆)としては、特に限定されない。例えば、白小豆、小豆、大納言、ササゲ、緑豆などのササゲ属;白花豆、金時豆、手亡、うずら豆、とら豆、大福豆、紫花豆、キドニービーンなどのインゲン属;ソラマメなどのソラマメ属;赤エンドウ、青エンドウなどのエンドウ属;大豆、青大豆、黒大豆などのダイズ属;落花生などのラッカセイ属;ヒヨコマメなどのヒヨコマメ属;レンズマメなどのヒラマメ属が挙げられる。
本製造方法は、任意に、原料豆の精選工程、洗浄工程を実施してもよい。精選工程は、従来の製法と同様に、一定基準を満たす任意の豆を精選する工程である。洗浄工程は、従来の製法と同様に、原料豆に混入している石などの夾雑物を取り除く工程である。精選工程および洗浄工程の順序としては、通常、精選工程の後に洗浄工程が実施されるが、洗浄工程の後に精選工程を実施してもよい。また、精選工程および洗浄工程は、任意の順番で複数回繰り返してもよい。
本製造方法は、任意に、浸漬工程を実施してもよい。浸漬工程は、従来の製法と同様に、豆を水に浸漬して水戻しさせ、浸漬豆を得る工程である。浸漬工程により得られる浸漬豆は、乾燥状態の豆が少なくとも原料豆100質量部に対して70質量部の水を吸収することによって膨潤した状態となる。本製造方法においては、浸漬工程を実施することによって、後記の加熱工程とあわせて、加熱工程後の豆(熱処理豆(煮熟豆と称される場合もある))の歩留まりを調整することができる。また、浸漬工程を実施することによって、後記の加熱工程において豆を短時間且つムラなく加熱することができる。
本製造方法は、加熱工程を実施する。加熱工程は、従来の製法と同様に、常圧釜、加圧釜、真空釜、蒸煮機などを用いて、水煮処理および/または蒸煮処理を実施し、原料豆の種皮やでんぷん、タンパク質が軟化された熱処理豆を得る工程である。
なお、本製造方法は、粘りが少ない口どけがよい餡を得るなど観点からは、加熱工程において糖を添加しないことが好ましい。
本製造方法における水煮処理としては、特に限定されないが、例えば、釜に水を入れ、原料豆(または浸漬豆)を投入し、任意の熱源(電気・ガス・水蒸気)を用いて加熱する方法により実施される。水煮処理における水の量は、豆の量、豆の種類、豆の大きさ、浸漬工程の有無などの諸条件に応じて適宜設定される。水煮処理における水の量としては、特に限定されないが、原料豆100質量部に対して、200~1000質量部であり、好ましくは300~600質量部である。
また、水煮処理における温度条件(水温)は、通常90~100℃である。また、水煮処理における加熱時間は、豆の量、豆の種類、豆の大きさ、浸漬工程の有無などの諸条件に応じて適宜設定されるものであり、特に限定されないが、前記の温度条件を前提にする場合、例えば、5~120分間、好ましくは10~100分間、より好ましくは15~90分間である。
本製造方法における蒸煮処理は、蒸気により加熱処理を行う方法であり、例えば、蒸し器を用いて、常圧または加圧下で加熱する方法により実施される。蒸煮処理における温度条件(品温)は、特に限定されないが、通常90~120℃である。また、蒸煮処理における加熱時間は、豆の量、豆の種類、豆の大きさなどの諸条件に応じて適宜設定されるものであり、特に限定されないが、前記の温度条件を前提にする場合、例えば、5~120分間、好ましくは10~100分間、より好ましくは15~90分間である。
本製造方法は、任意に、原料豆の皮を除去する工程を実施してもよい。皮除去工程は、特に限定されないが、従来の製法と同様に、手で皮を除去する方法や、篩を用いて水を加えながらすり潰して皮を取り除く方法(「磨砕」、「裏ごし」とも称される)が挙げられる。例えば、加熱工程の後に皮除去工程を行うことができる。但し、本製造方法において餡の味・風味を一層向上させる観点からは、皮除去工程は実施しない方が好ましい場合がある。
本製造方法においては、目的とする餡の品質に応じて、後記の粉砕工程に供する加熱工程後の熱処理豆の歩留まり(質量%)を調整することが好ましい。粉砕工程に供する加熱工程後の熱処理豆の歩留まりは豆の種類に応じて適宜調整される。白花豆の場合、220~300質量%が好ましく、より好ましくは240~280質量%、さらに好ましくは250~270質量%である。大豆の場合、180~280質量%が好ましく、より好ましくは200~270質量%、さらに好ましくは220~260質量%である。前記歩留まりが前記範囲内の場合、餡の柔らかさなどが一層良好になる傾向がある。例えば、ホモミキサーなどの装置に投入する直前の熱処理豆の歩留まりを前記の範囲にまず調整し、次いで粉砕処理を施し、粉砕物を得ることが好ましい。前記歩留まりの調整方法としては、特に限定されないが、笊を用いた液切りを行う方法や加水を行う方法などが挙げられる。
本製造方法は、前記の工程を経て得られた熱処理豆と糖を粉砕して粉砕物を得る粉砕工程を実施する。粉砕工程には、糖を添加する加糖処理が含まれる。なお、加糖処理は粉砕処理の前に、または粉砕処理と同時に行うことができる。前記熱処理豆および糖を粉砕する方法は、熱処理豆および糖を微細化できる方法であれば特に限定されない。例えば、高速せん断ミキサーなどの公知の混合装置ないし撹拌装置を用いて処理する方法が挙げられる。具体的には、例えば、撹拌翼とステータとを備えるホモミキサーを好適に用いることができる。
本製造方法は、前記の粉砕工程を経て得られた粉砕物を圧力式ホモゲナイザーによって処理する工程を実施する点に大きな特徴がある。前述の加熱工程および粉砕工程を経て、さらに圧力式ホモゲナイザーを用いた均質化処理を実施することによって、餡の保水性を向上させることができる。また、本製造方法によれば、更に食感を向上させることができる。
なお、圧力式ホモゲナイザー処理工程における処理圧力は、前記範囲内において適宜設定することができ、例えば、40~200MPa、60~150MPa、80~100MPaなどであってもよい。
前記粒子径および比表面積は、従来公知の方法により測定することができる。具体的には、実施例に記載の方法により測定することができる。
本製造方法は、圧力式ホモゲナイザー処理工程の後の工程として、任意に、包装工程、冷凍工程、加熱殺菌工程などを実施することが好ましい。すなわち、圧力式ホモゲナイザー処理工程の後の工程として、任意の包装体に餡を収容して密封し、公知の方法によって冷凍工程を実施してもよく、また、公知の方法によって加熱殺菌工程を実施してもよい。
本製造方法により得られる餡は、以下の物性を備えることが好ましい。なお、下記の物性は後記する実施例に記載の方法により測定される。
本製造方法により得られる餡の離水率は、特に限定されないが、例えば、2質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下である。
物体の色調を示す方法として、L*a*b*色空間(「CIE LAB色空間」とも称される)が知られている。本製造方法により得られる餡のL*値は、明るさを表し、-100から100までの範囲で数値が大きいほど明るくなり、数値が小さくなるほど暗くなる。
本製造方法により得られる餡の硬さ応力は、特に限定されないが、例えば、2,500~29,000N/m2であり、餡の柔らかさの観点から、10,000~27,500N/m2が好ましく、より好ましくは15,000~26,000N/m2である。
試験方法を下記に示す。
実施例、比較例で得られた餡50gをコニカルチューブに秤量し、遠心分離機(トミー精工社製、微量高速冷却遠心機 MX-305)により、3000×g、60分間、25℃の条件で遠心分離を行い、分離した水を除いた後、餡の質量を秤量して離水率を求めた。
(式)離水率=(遠心分離前の質量-遠心分離後の質量)/遠心分離前の質量×100(質量%)
実施例、比較例で得られた餡のL*値(明度)、a*値およびb*値(色相)を、分光色差計(日本電色工業社製、ZE 6000)を用いて測定した。
なお、L*値(明度)は数値が大きいほど明るい。a*値(赤味度)は、数値が大きいほど赤味が強く、数値が小さいほど緑味が強くなる。また、b*値(黄味度)は、数値が大きいほど黄味が強く、数値が小さいほど青味が強くなる。
実施例、比較例で得られた餡の官能試験を行った。官能試験は、訓練された嗜好性官能評価パネラー10名によって行い、下記の評価基準に従って評価し、その結果を集約して平均値を求めた。品温は室温とした。
(ざらつき)
2点(excellent):ざらつきがなく、良い。
1点(very good):ややざらつくが、良い。
0点(poor) :ざらつきがあり、悪い。
2点(excellent):豆の風味があり、美味しい。
1点(very good):やや豆の風味が弱いが、美味しい。
0点(poor) :豆の風味が弱く、美味しくない。
2点(excellent):褐変が見られず、豆の色が残っており、良い
1点(very good):やや褐変しているが、豆の色が残っており、良い。
0点(poor) :褐変しており、豆の色が残っておらず、悪い。
2点(excellent):餡として適度な柔らかさであり、良い。
1点(very good):やや餡としては固い、または柔らかいが、良い。
0点(poor) :餡としては固い、または柔らかく、悪い。
2点(excellent):口の中に残る時間が短く、口どけが良い。
1点(very good):口の中に残る時間がやや短く、口どけが良い。
0点(poor) :口の中に残る時間が長く、口どけが悪い。
実施例、比較例で得られた餡の粒子径(メジアン径)および比表面積を、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(HORIBA社製、LA-960V2)を用い、水を分散溶媒とした湿式下で測定した。
実施例、比較例で得られた餡の硬さ応力を、直径40mm、深さ20mmの容器に入れ、クリープメータ(山電社製、RE2-33005C)に20N測定ロードセルを装備して測定した。直径8mmの円柱状プランジャーを用いて、圧縮速度1mm/秒、歪率99%、温度15℃で垂直に1度圧縮し、プランジャーが全体の50%移動した時の硬さ応力を測定した。
糖度計(屈折計、ATAGO社製、H-80)を用いて糖度(Brix値)を測定した。
試験例1は、製造条件の相違による保水性や官能評価などへの影響を検討するものである。下記の実施例、比較例に示す各製造方法を実施して餡を製造し、各試験を行って評価した。その結果を表1に示す。なお、表1中、「〇(performed)」は当該工程を実施したことを示し、「-(not performed)」は当該工程を実施していないことを示す。
水5000mLが収容された水槽中に原料豆として白花豆1000gを投入し、18℃(室温)で一晩(16時間)静置した(浸漬工程)。水戻しした白花豆を、水7000mLが収容された鍋に投入し、98℃(水温)で40分間加熱した(加熱工程)。加熱後の白花豆(熱処理豆)を流水下にて20分間冷却し、品温を25℃以下とした(冷却工程)。冷却された白花豆を笊に入れて静置し、歩留まり260質量%(原料対比。すなわち2600g)になるように液切りを行った。
前記液切り後、砂糖1430gを添加し、ホモミキサー(プライミクス社製、ラボ・リューション(登録商標))を用いて、撹拌時間10分間、撹拌速度10,000rpm、品温25℃の条件にて粉砕した(粉砕工程)。
前記により得られた粉砕物(糖度(Brix値)55)を、圧力式ホモゲナイザー(SPX FLОW社製、APV-1000)を用いて、100MPaの条件で処理をした(圧力式ホモゲナイザー処理工程。同処理前の品温40℃、同処理後の品温60℃)。このようにして、実施例1-1に係る餡を製造した。
実施例1-1において、さらに蒸煮処理を実施した以外は、実施例1-1と同様にして、実施例1-2に係る餡を製造した。
すなわち、実施例1-1において液切りを経て得られた白花豆をパンチング容器に入れて蒸し器に投入し、98℃(品温)で20分間加熱した(蒸煮処理)。次に、蒸煮処理後の白花豆を18℃(室温)で20分間静置して放冷し、品温30℃以下、歩留まり260質量%(原料対比。すなわち2600g)に調整した。以降、実施例1-1と同様に、粉砕工程、圧力式ホモゲナイザー処理工程を順次経て、実施例1-2に係る餡を製造した。
実施例1-1において、冷却工程を実施しなかった以外は、実施例1-1と同様にして、実施例1-3に係る餡を製造した。
実施例1-1において、さらに加熱殺菌工程を実施した以外は、実施例1-1と同様にして、実施例1-4に係る餡を製造した。
すなわち、実施例1-1において圧力式ホモゲナイザー処理工程を経て得られた餡400gを耐熱性袋に入れてヒートシーラーで密封した後、90℃の湯に浸漬して30分間加熱した(加熱殺菌工程)。前記工程を経て、実施例1-4に係る餡を製造した。
実施例1-1において、さらに皮除去工程を実施した以外は、実施例1-1と同様にして、実施例1-5に係る餡を製造した。
すなわち、冷却工程で冷却された白花豆を笊に入れて静置し、歩留まり260質量%(原料対比。すなわち2600g)になるように液切りを行った。液切り後の白花豆の皮を手で除去し、60メッシュ(目開き250μm)の篩およびヘラを用いて裏ごしを行った(皮除去工程)。
次に、前記工程を経て得られた豆2340gに対して砂糖1287gを添加し(糖度(Brix値)55)、ホモミキサー(プライミクス社製、ラボ・リューション(登録商標))を用いて、撹拌時間10分間、撹拌速度10,000rpm、品温25℃の条件にて粉砕した(粉砕工程)。
前記により得られた粉砕物を、圧力式ホモゲナイザー(SPX FLОW社製、APV-1000)を用いて、100MPaの条件で処理をした(圧力式ホモゲナイザー処理前の品温40℃、処理後の品温60℃)。このようにして、実施例1-5に係る餡を製造した。
実施例1-1において、さらに餡練り工程(加熱)を実施した以外は、実施例1-1と同様にして、実施例1-6に係る餡を製造した。
すなわち、実施例1-1において圧力式ホモゲナイザー処理工程を経て得られた餡400gと、水150gとを鍋に投入し(糖度(Brix値)40)、98℃(品温)で25分間、ヘラで撹拌しながら加熱した(餡練り工程。当該工程後の糖度(Brix値)は55)。このようにして、実施例1-6に係る餡を製造した。
実施例1-1において、砂糖の添加量を550gに変更した(糖度(Brix値)30)以外は、実施例1-1と同様にして、実施例1-7に係る餡を製造した。
実施例1-1において、圧力式ホモゲナイザー処理工程を実施しなかった以外は、実施例1-1と同様にして、比較例1-1に係る餡を製造した。
一般的な従来の餡の製造方法によって餡を製造した。
すなわち、水5000mLが収容された水槽中に白花豆1000gを投入し、18℃(室温)で一晩(16時間)静置した(浸漬工程)。水戻しした白花豆を、水7000mLが収容された鍋に投入し、98℃(水温)で40分間加熱した(加熱工程)。加熱後の白花豆を流水下にて20分間冷却し、品温を25℃以下とした(冷却工程)。冷却された白花豆を笊に入れて静置し、歩留まり260質量%(原料対比。すなわち2600g)になるように液切りを行った。
液切り後の白花豆の皮を手で除去し、60メッシュ(目開き250μm)の篩およびヘラを用いて裏ごしを行った(皮除去工程)。前記工程を経て得られた豆2340gに砂糖1287gを添加して均一になるようにヘラで混合した。前記で得られた餡400gに水を150g加えて調製し(糖度(Brix値)40)、撹拌しながら加熱(温度98℃、25分間)して(餡練り工程)、比較例1-2に係る餡を製造した(糖度(Brix値)55)。
比較例1-2において、さらに加熱殺菌工程を実施した以外は、比較例1-2と同様にして、比較例1-3に係る餡を製造した。
すなわち、比較例1-2において餡練り工程を経て得られた餡400gを耐熱性袋に入れてヒートシーラーで密封した後、90℃の湯に浸漬して30分間加熱した(加熱殺菌工程)。前記工程を経て、比較例1-3に係る餡を製造した。
表1に示す試験例1の結果より、加熱工程、粉砕工程、および圧力式ホモゲナイザー処理工程をこの順で実施して得られた餡(実施例1-1~1-7)は、保水性、色調、官能評価のいずれにおいても優れるものであることが確認された。
また、圧力式ホモゲナイザー処理工程を実施しないで得られた餡(比較例1-1)は、本発明の製造方法により得られた餡(実施例1-1~1-7)に比して、官能評価の全項目において評価が低いものであった。
また、圧力式ホモゲナイザー処理工程を実施しないで得られた餡(比較例1-1)は、本発明の製造方法により得られた餡(実施例1-1~1-7)に比して、色調評価における明るさ(白さ)が低いものであった。
このように、本発明の製造方法を用いることによって、従来の一般的な製造方法によって得られる餡よりも、飛躍的に保水性を向上させることができ、且つ、各種の官能評価も飛躍的に向上することが確認された。
試験例2は、本発明の製造方法における圧力式ホモゲナイザー処理工程の処理圧力条件を検討するものである。
試験例1における処理圧力は100MPaであるのに対して、試験例2においては、下記のとおり、20MPa、50MPa、75MPa、90MPaの各条件に基づいて餡を製造した。
水2500mLが収容された水槽中に原料豆として白花豆500gを投入し、18℃(室温)で一晩(16時間)静置した(浸漬工程)。水戻しした白花豆を、水3500mLが収容された鍋に投入し、98℃(水温)で40分間加熱した(加熱工程)。加熱後の白花豆(熱処理豆)を流水下にて20分間冷却し、品温を25℃以下とした(冷却工程)。冷却された白花豆を笊に入れて静置し、歩留まり260質量%(原料対比。すなわち1300g)になるように液切りを行った。
前記水切り後、砂糖715gを添加し、ホモミキサー(プライミクス社製、ラボ・リューション(登録商標))を用いて、撹拌時間10分間、撹拌速度10,000rpm、品温25℃の条件にて粉砕した(粉砕工程)。
前記により得られた粉砕物(糖度(Brix値)55)を、圧力式ホモゲナイザー(SPX FLОW社製、APV-1000)を用いて、20MPaの条件で処理をした(圧力式ホモゲナイザー処理工程。同処理前の品温40℃、同処理後の品温60℃)。このようにして、実施例2-1に係る餡を製造した。
実施例2-1において、圧力式ホモゲナイザー処理工程における処理圧力を表2に記載のとおりに変更した以外は、実施例2-1と同様にして、実施例2-2~実施例2-5に係る餡を製造した。
実施例2-1において、圧力式ホモゲナイザー処理工程を実施しなかった以外は、実施例2-1と同様にして、比較例2-1に係る餡を製造した。
表2に示す試験例2の結果より、本発明の製造方法において、圧力式ホモゲナイザー処理工程における処理圧力を20MPa以上とした場合(実施例2-1~実施例2-5)、餡の保水性が有意に高まることが確認された。特に、圧力式ホモゲナイザー処理工程における処理圧力を25MPa以上とした場合(実施例2-2~実施例2-5)、官能評価の全項目が1.0点以上となり、かつ、色調評価における明るさ(白さ)が一層向上することが確認された。
さらに、圧力式ホモゲナイザー処理工程における処理圧力を50MPa以上とした場合(実施例2-3~実施例2-5)、処理圧力が25MPaの場合(実施例2-2)に比して、官能評価がさらに向上すると共に、色調評価における明るさ(白さ)が一層向上することが確認された。
試験例3は、本発明の製造方法において、原料豆の種別を白花豆以外に変更した場合について検討するものである。
水2500mLが収容された水槽中に原料豆として金時豆500gを投入し、18℃(室温)で一晩(16時間)静置した(浸漬工程)。水戻しした金時豆を、水3500mLが収容された鍋に投入し、98℃(水温)で50分間加熱した(加熱工程)。加熱後の金時豆(熱処理豆)を流水下にて20分間冷却し、品温を25℃以下とした(冷却工程)。冷却された金時豆を笊に入れて静置し、歩留まり240質量%(原料対比。すなわち1200g)になるように液切りを行った。
次に、歩留まりが260質量%(原料対比。すなわち1300g)になるように水を加え、砂糖715gを添加し、ホモミキサー(プライミクス社製、ラボ・リューション(登録商標))を用いて、撹拌時間10分間、撹拌速度10,000rpm、品温25℃の条件にて粉砕した(粉砕工程)。
前記により得られた粉砕物(糖度(Brix値)55)を、圧力式ホモゲナイザー(SPX FLОW社製、APV-1000)を用いて、100MPaの条件で処理をした(圧力式ホモゲナイザー処理工程。同処理前の品温40℃、同処理後の品温60℃)。このようにして、実施例3-1に係る餡を製造した。
実施例3-1において、圧力式ホモゲナイザー処理工程を実施しなかった以外は、実施例3-1と同様にして、比較例3-1に係る餡を製造した。
原料豆として小豆500gを水2000mLが収容された鍋に投入し、98℃(水温)で60分間加熱した(加熱工程)。加熱後の小豆(熱処理豆)を笊に入れ、歩留まり240質量%(原料対比。すなわち1200g)になるように放冷し、品温を30℃以下とした(冷却工程)。
次に、歩留まりが260質量%(原料対比。すなわち1300g)になるように水を加え、砂糖715gを添加し、ホモミキサー(プライミクス社製、ラボ・リューション(登録商標))を用いて、撹拌時間10分間、撹拌速度10,000rpm、品温25℃の条件にて粉砕した(粉砕工程)。
前記により得られた粉砕物(糖度(Brix値)55)を、圧力式ホモゲナイザー(SPX FLОW社製、APV-1000)を用いて、100MPaの条件で処理をした(圧力式ホモゲナイザー処理工程。同処理前の品温40℃、同処理後の品温60℃)。このようにして、実施例3-2に係る餡を製造した。
実施例3-2において、圧力式ホモゲナイザー処理工程を実施しなかった以外は、実施例3-2と同様にして、比較例3-2に係る餡を製造した。
水2500mLが収容された水槽中に原料豆として大豆500gを投入し、18℃(室温)で一晩(16時間)静置した(浸漬工程)。水戻しした大豆を、水3500mLが収容された鍋に投入し、98℃(水温)で70分間加熱した(加熱工程)。加熱後の大豆(熱処理豆)を流水下にて20分間冷却し、品温を25℃以下とした(冷却工程)。冷却された大豆を笊に入れて静置し、歩留まり245質量%(原料対比。すなわち1225g)になるように液切りを行った。
次に、歩留まりが260質量%(原料対比。すなわち1300g)になるように水を加え、砂糖715gを添加し、ホモミキサー(プライミクス社製、ラボ・リューション(登録商標))を用いて、撹拌時間10分間、撹拌速度10,000rpm、品温25℃の条件にて粉砕した(粉砕工程)。
前記により得られた粉砕物(糖度(Brix値)55)を、圧力式ホモゲナイザー(SPX FLОW社製、APV-1000)を用いて、100MPaの条件で処理をした(圧力式ホモゲナイザー処理工程。同処理前の品温40℃、同処理後の品温60℃)。このようにして、実施例3-3に係る餡を製造した。
実施例3-3において、圧力式ホモゲナイザー処理工程を実施しなかった以外は、実施例3-3と同様にして、比較例3-3に係る餡を製造した。
表3に示す試験例3の結果より、加熱工程、粉砕工程、および圧力式ホモゲナイザー処理工程をこの順で実施して得られた餡(実施例3-1~3-3)は、保水性、色調、官能評価のいずれにおいても優れるものであることが確認された。
また、圧力式ホモゲナイザー処理工程を実施しないで得られた餡(比較例3-1~3-3)は、本発明の製造方法により得られた餡(実施例3-1~3-3)に比して、ざらつきなどの官能評価の全項目において評価が低いものであった。
さらに、ざらつきがなく、豆の風味があって美味しく、褐色がなく豆の色が残っており、適度な柔らかさがあり、口の中に残る時間が短くなめらかな、商品価値が極めて高い餡を提供することができる。
Claims (7)
- 原料豆を水煮処理および/または蒸煮処理して熱処理豆を得る加熱工程と、前記熱処理豆と糖を粉砕して粉砕物を得る粉砕工程と、前記粉砕物を圧力式ホモゲナイザーを用いて処理する圧力式ホモゲナイザー処理工程とをこの順で含む、餡の製造方法。
- 前記圧力式ホモゲナイザー処理工程の処理圧力が20MPa以上である、請求項1に記載の餡の製造方法。
- 前記圧力式ホモゲナイザー処理工程の処理圧力が25MPa以上である、請求項1に記載の餡の製造方法。
- 前記粉砕物のBrix値が30~75である、請求項1~3のいずれか一項に記載の餡の製造方法。
- さらに、浸漬工程を含み、前記浸漬工程と、前記加熱工程と、前記粉砕工程と、前記圧力式ホモゲナイザー処理工程とをこの順で含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の餡の製造方法。
- 前記原料豆が白花豆、金時豆、および小豆からなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1~3のいずれか一項に記載の餡の製造方法。
- さらに、冷凍工程または加熱殺菌工程を含み、前記圧力式ホモゲナイザー処理工程と、前記冷凍工程または前記加熱殺菌工程とをこの順で含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の餡の製造方法。
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|---|---|---|---|---|
| JPS59183654A (ja) * | 1983-04-05 | 1984-10-18 | Imuraya Seika Kk | 生菓子 |
| JPH10165102A (ja) * | 1996-12-05 | 1998-06-23 | Sanwa Denpun Kogyo Kk | 離水防止性を有する餡製品 |
| JP2010154786A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-07-15 | Kajiwara:Kk | 餡の製造方法及び餡の製造装置 |
-
2024
- 2024-09-27 JP JP2024576350A patent/JP7659365B1/ja active Active
Patent Citations (3)
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