JP7653001B1 - 磁石式義歯アタッチメントとその磁石構造体の製造方法 - Google Patents
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磁石式義歯としては、図11に示す磁石式入れ歯と図12に示す磁石式ブリッジとがある。
特許文献3においては、厚み0.3~1mmの薄板形状タイプが開発されているが、これは小さな磁石複数個をキャップ底面に設置(図3)し、複数個のステンレス鋼と非磁性部の複合磁性プレートを組み合わせて溶接する構造(図4)である。ただし、複雑な構造で製造性やコストの点で難点があった。
従って、特許文献4の発明は製造方法に難点があり、実用的ではないと思われる。実際のところ本発明は具体的な開示はなく単なるアイデアにとどまり、加えて実際の商品として提供されたという事実はない。
また、薄型の磁石式義歯アタッチメントは、シールドプレートも薄くなり、十分な強度を確保するためには、シールドプレートとキャップ先端部との接合部の溶接深さをシールドプレートの厚みと同じ程度に大きくする必要があり、そのことは溶接熱による希土類焼結磁石への損傷の危険が増すので、その対策が必要になる。
しかし、特許文献5の図3に開示されているステンレス磁石と非磁性の複合磁性材料製のシールドプレートの利用を検討したが、加熱量を微妙に調整してリングの内周部をわずかな部分を非磁性改質することは非常に困難であった。そこで、周辺部を非磁性に改質した複合磁性材料に替えて、ステンレス磁石だけのシールドプレートを利用する方法を検討して、構造の簡素化を図ることにした。
そして磁石構造体を試作した。試作品の断面図を図6に、シールドプレートを図7に示す。直径4mmの試作品の吸着力と厚みの関係を調査した。その結果、図8に示すように、丸形タイプの場合、高さを0.6mmまで小さくすると吸着力は40%も低減するが、リングタイプの場合、厚みを0.6mmまで小さくしても吸着力は10%程度減少するだけであることを確認した。
また、磁石構造体組立時の溶接熱による損傷対策として、リング磁石のシールドプレート側のコーナー部はR形状にしてコーナー部とシールドプレートとの間に所定の空隙を設けることにした。
磁石式義歯アタッチメントは、義歯に配設される磁石構造体と支台歯の上に配設される軟磁性材料よりなるキーパーとからなり、磁石構造体の吸着面とキーパーの被吸着面とを当接させることにより両者が磁力による自己吸引力によって互いに吸着するように構成されている。
磁石構造体は、キャップと希土類焼結磁石とシールドプレートとを備え、
キャップは、Cr系磁性ステンレス鋼よりなる円板形状で、中央部には円柱と円柱の外周部には開口部を有するリング形状のホール部とを備え、
希土類焼結磁石は、薄型のリング形状で、リングの下面の内外のコーナー部はR形状からなり、キャップのホール部に収納され、
かつ、希土類焼結磁石のコーナー部とシールドプレートとの間には希土類焼結磁石の高さ方向に10μm以上、径方向に100μm以上からなる空隙を有してなり、
シールドプレートは、薄型リング形状で、コア部と、コア部およびキャップとの境界部とからなり、
コア部は、60%以上のマルテンサイト組織と40%以下のオーステナイト組織との2相組織よりなるCr-Ni系ステンレス磁石からなり、
境界部は、レーザー溶接による溶融凝固部とレーザー溶接の熱影響による改質非磁性部とからなり、
かつ、溶融凝固部の深さはシールドプレートの厚さと同一にし、
溶融凝固部を含む磁石構造体の吸着面は平滑化されており、
400gf以上の吸着力を有する。
(1)まず、磁石構造体を構成する3つの部品であるCr系磁性ステンレス鋼よりなるホール中央部に突起を持つキャップ、リング形状の希土類焼結磁石およびリング形状のステンレス磁石製のシールドプレートの母材であるシールド板を製作する。その工程は、
工程a)キャップは、Cr系磁性ステンレス鋼板を冷鍛プレスで打ち抜き・絞り加工によりホール中央部に突起を持つ凹形状に形成する。
工程b)シールド板は、Cr-Ni系非磁性ステンレス棒鋼を母材にして、冷間加工率50%以上の冷間加工を加えて、60%以上のオーステナイト組織をマルテンサイトに誘起変態させた後、張力熱処理を施したのち、機械加工によりリング形状に形成する。
また、Cr-Ni系非磁性ステンレス鋼板を母材にして、冷間加工によりマルテンサイト誘起変態し、張力熱処理後に板を打ち抜き加工によりリング状のシールド板を作製してもよい。
工程c)希土類焼結磁石は、厚みは0.2mm~0.49mm、外径は1.6mm~4mmの円板状磁石の中央部に放電加工により内径0.5mm~2mmの穴あけ加工を行った後に、ドリルにより仕上げ穴加工をし、リング磁石の内外周のコーナー部は研磨加工によるR部からなるリング形状に形成する。
(2)次に、キャップとシールド板と希土類焼結磁石の3つの部品からなる磁石構造体を組み立てる。その工程は、
工程d)キャップのホール部に希土類焼結磁石を挿入し、シールド板で蓋をして3部品を組み立て、
工程e)キャップとシールド板との2か所の篏合部をレーザー溶接して、レーザー溶接の際に生じる溶融凝固部は微量のδフェライトを含む微磁性部を形成し、シールドプレート側のレーザー溶接の熱影響部は改質非磁性部を形成し、
工程f)レーザー溶接部を含む吸着面を研磨して平滑にし、
(3)そして、組み立てた前記磁石構造体の着磁において、
工程g)2T~4Tの磁界を印加して磁石構造体を着磁する、
工程からなることを特徴とする磁石構造体の製造方法である。
本発明の磁石式義歯アタッチメントは、
義歯に配設される磁石構造体と支台歯の上に配設される軟磁性材料よりなるキーパーとからなり、前記磁石構造体の吸着面と前記キーパーの被吸着面とを当接させることにより両者が磁力による自己吸引力によって互いに吸着するように構成された磁石式義歯アタッチメントにおいて、
前記磁石構造体は、キャップと希土類焼結磁石とシールドプレートとを備え、
前記キャップは、Cr系磁性ステンレス鋼よりなる円板形状で、中央部には円柱と前記円柱の外周部には開口部を有するリング形状のホール部とを備え、
前記希土類焼結磁石は、薄型のリング形状で、リングの下面の内外のコーナー部はR形状からなり、前記キャップの前記ホール部に収納され、
かつ、前記希土類焼結磁石の前記コーナー部と前記シールドプレートとの間には前記希土類焼結磁石の高さ方向に10μm以上、径方向に100μm以上の空隙を有してなり、
前記シールドプレートは、薄型リング形状で、コア部と、前記コア部と前記キャップとの境界部とからなり、
前記コア部は、60%以上のマルテンサイト組織と40%以下のオーステナイト組織との2相組織よりなるCr-Ni系ステンレス磁石からなり、
前記境界部は、レーザー溶接による溶融凝固部とレーザー溶接の熱影響による改質非磁性部とからなり、
かつ、前記溶融凝固部の深さは、前記シールドプレートの厚さと同一にし、
前記溶融凝固部を含む前記磁石構造体の吸着面は平滑化されており、
前記キーパーは、Cr系ステンレス鋼よりなり、その吸着面は平滑化されており、
400gf以上の吸着力を有することを特徴とする。
磁石構造体は、直径2.0mm~4.5mm、厚み0.3mm~0.8mmの薄板形状からなることを特徴とする。
Cr-Ni系ステンレス磁石は、組成としては少なくともCr量は18~20%、Ni量は8%~10%を含有し、好ましくはMo量を0.1%~3%含有する。磁石特性としては12kG以上の飽和磁化、50Oe~200Oeの保磁力、かつ6kG以上の残留磁気を有することを特徴とする。
キャップは、被吸着面の硬さHv200以上を有し、キーパーは、厚み0.05mm~0.4mm、直径2.0mm~4.5mm、被吸着面の硬さHv200以上を有することを特徴とする。
(1)まず、磁石構造体を構成する3つの部品であるCr系磁性ステンレス鋼よりなるホール中央部に突起を持つキャップ、リング形状の希土類焼結磁石よりなる希土類焼結磁石およびリング形状のステンレス磁石製のシールドプレートの母材であるシールド板の製作において、
工程a)前記キャップは、Cr系磁性ステンレス鋼板を冷鍛プレスで打ち抜き・絞り加工によりホール中央部に突起を持つ凹形状に形成し、
工程b)前記シールド板は、Cr-Ni系非磁性ステンレス鋼を母材にして、冷間加工率50%以上の冷間加工を加えて、60%以上のオーステナイト組織をマルテンサイトに誘起変態させた後、張力熱処理を施したのち、機械加工によりリング形状に形成し、
工程c)前記希土類焼結磁石は、厚みは0.2mm~0.49mm、外径は1.6mm~4mmの円板状磁石の中央部に放電加工により内径0.5mm~2mmの穴あけ加工を行った後に、ドリルにより仕上げ穴加工をし、リング磁石の内外周のコーナー部は研磨加工によるR部からなるリング形状に形成し、
(2)次に、前記キャップと前記シールド板と前記希土類焼結磁石の3つの部品からなる前記磁石構造体の組み立てにおいて、
工程d)前記キャップのホール部に前記希土類焼結磁石を挿入し、前記シールド板で蓋をして3部品を組み立て、
工程e)前記キャップと前記シールド板との2か所の篏合部をレーザー溶接して、レーザー溶接の際に生じる溶融凝固部は微量のδフェライトを含む微磁性部を形成し、シールドプレート側のレーザー溶接の熱影響部は改質非磁性部を形成し、
工程f)レーザー溶接部を含む吸着面を研磨して平滑にし、
(3)そして、組み立てた前記磁石構造体の着磁において、
工程g)2T~4Tの磁界を印加して磁石構造体を着磁する、
工程からなることを特徴とする。
<磁石式義歯アタッチメントの構造と機能>
磁石式義歯アタッチメント1は、図6に示すように、磁石構造体1aとキーパー1bとから構成されている。磁石構造体1aは義歯床に配設されて磁気吸引力を発揮している。一方、キーパー1bは支台に配設される軟磁性材料からなる。両者の関係は、一方は磁石構造体1aに吸着面130が設けられ、他方はキーパー1bには被吸着面140が設けられており、吸着面130と被吸着面140とは当接されることにより両者が磁気吸引力によって互いに吸着し、吸着されるように構成されている。
磁石構造体1aは、図6および拡大図である図11に示すように、Cr系磁性ステンレス鋼よりなるキャップ11と、希土類焼結磁石12と、並びにシールド板131が着磁されたステンレス磁石132、溶接凝固部である微磁性部131aおよび溶接の熱影響部である改質非磁性部131bよりなるシールドプレート13と、からなる。
キャップ11は、図5に示すように、Cr系磁性ステンレス鋼からなる。形状は円形の浅いホールを持つ小型の容器よりなるカップ形状(円筒形状)にて、カップ底面には中央部に円柱111があり、円柱111の外周部はリング形状のホール部11Hがあり、円柱の外周部とカップの内周面との間はリング状の開口部となっている(以下、所定の形状という。)。
また、磁石構造体が使用中に義歯から脱落しないようにキャップ側面に0.1mm~0.2mmのフランジをつけてもよい。
なお、円形状のキャップおよびリング状のホール、希土類焼結磁石、シールドプレートは楕円状、扁平状、あるいは矩形状でもよい。
希土類焼結磁石12は、Nd-Fe-B系焼結磁石(Nd磁石)などの希土類焼結磁石が好ましい。形状は、薄板のリング形状からなり、コーナー部はR形状とする。外形は、厚み0.2mm~0.49mmで、外径1.6mm~4mmの円板状磁石の中央部に内径0.5mm~2mmのホールを放電加工による穴あけ加工を行った後に、ドリルによる研削・研磨加工で仕上げ穴加工をし、リングの下面、すなわちシールドプレートと接する面のコーナー部は所定のR形状からなるリング磁石を形成する。
キャップ11のホール部11Hへの収納が容易となるからである。
シールドプレート13は、図7に示すように薄型のリング形状にて、コア部(132)と、コア部およびキャップとの境界部(131a+131b)とからなる。
コア部は60%以上のマルテンサイト組織と40%以下のオーステナイト組織との2相組織よりなるCr-Ni系ステンレス磁石132からなる。
Cr-Ni系ステンレス磁石132は厚み方向に着磁されており、その性能は、13kG以上の飽和磁化、50~200Oeの保磁力、かつ6kG以上の残留磁気を有している(図8)。特に残留磁気を大きくするほど、磁気吸引力は増加するので、6kG以上確保することが重要である。
これにより、Cr-Ni系ステンレス磁石132は、キャップ11のホール部11Hに収容されている希土類焼結磁石12と複合磁石を形成して大きな吸着力を実現している。
さらに溶融凝固部の深さはシールドプレートの厚さと同じになっているためキャップ11とシールドプレート13との接合強度は十分にある。
ステンレス磁石の製造方法は、オーステナイト相のCr-Ni系ステンレス鋼薄板を冷間加工により50%以上のマルテンサイト変態を生ぜしめ、そこから、図10に示すように、所定のリング形状に打ち抜いてシールド板13aを作製する。またはオーステナイト相のCr-Ni系ステンレス鋼棒を冷間加工により50%以上のマルテンサイト変態を生ぜしめ、棒の中央部に穴あけ加工を施し、それを切断して、図10に示すように、所定のリング形状に打ち抜いてシールド板13aを作製する。
次に、キャップ11の円柱111の外周部とシールド板13aのリング内周部との篏合部をレーザー溶接し、次いでキャップ11の先端内周部とリング外周部との篏合部をレーザー溶接する。これらのレーザー溶接の際に、レーザー熱により溶融した篏合部の溶融凝固部は微磁性部131aとなり、また溶融凝固部周辺のシールド側は熱影響を受け、シールド板13aの熱影響部はマルテンサイト組織から相変態によりオーステナイト組織となり非磁性となり、改質非磁性部131bが形成される。
なお、溶融凝固部131aのサイズは、幅0.08~0.18mmが好ましい。深さはシールドプレートの厚さと同じで、0.03mm~0.10mmが好ましい。
その後、溶接部131aは研磨されて平坦面となる。平坦面の凹凸度は1μm以下にすることが好ましい。
こうして磁石構造体は出来上がる。
磁石構造体1に組み込まれた希土類焼結磁石2、例えばNd磁石の保磁力は10kOe~20kOeを有している。このNd磁石を着磁するためには少なくとも保磁力以上の磁界を印加する必要があり、高すぎる磁界による印加は不要であり設備的にも困難である。そこで通常はその保磁力10kOeの場合は、1.0T~3.0Tの磁界を印加して行っている。歯科用義歯アタッチメントの磁石構造体に使用するNd磁石の保磁力iHcは、10kOe~20kOeであるので、着磁においては2T~4Tの磁界とすれば十分である。しかし設備の制約上4T以下とすべきである。
したがって、この構造体について、2T~4Tの磁力で磁性アタッチメントの厚み方向にNd磁石と一緒にシールド板131(131a、131bは除く)も着磁して、Nd磁石12とステンレス磁石132の複合磁石として、歯科用義歯アタッチメントの所定の吸着力を得る。
キーパー1bは、Cr系軟磁性ステンレス鋼板を所定の形状・サイズに打ち抜いて作製する。サイズ的には厚み0.05mm~0.4mm、直径2.0mm~4.5mmにて吸着面積は磁石構造体の吸着面と同じか、やや広い1.7~24mm2とすることが好ましい。キーパーとしては、磁石構造体との吸着面である上面は研磨により平滑にして、凹凸度は1μm以下にすることが好ましい。キーパーの硬さは、冷間成形状態で使用する場合は、硬さHv200以上、熱処理を施す場合は硬さHv200以下とする。
磁石構造体のサイズは、直径2.0mm~4.5mm、厚み0.3mm~1.0mmの薄板形状からなる。これらの寸法と形状は有髄歯を支台歯としたブリッジに適用できるものである。
Cr-Ni系ステンレス磁石の特性は、13kG以上の飽和磁化、50~200Oeの保磁力、かつ6kG以上の残留磁気よりなる特性を有している。特に残留磁気を6kG以上とすることで、磁気吸引力(吸着力)を強くすることができる。
キーパーの硬さは、Hv200以上となるように、冷間成形して硬くして、耐摩耗性を改善する。
吸着力は、冷間成形により硬くして素材の透磁率を熱処理状態の2000から200程度に低下させても、吸着力は低下しないことを確認した。この理由としては、キーパーの吸着面の磁極S極とN極は非常に近くて反磁界係数が大きいので、素材の透磁率が2000から200に低下しても、有効透磁率は20程度とあまり変わらない為と考えられる。または、Cr-Ni系ステンレス磁石を採用する本発明の磁石構造体の場合、起磁力が大きくなって、キーパー部の磁気抵抗が少し大きくなっても吸着力に影響しないとも考えられる。
本発明にかかる磁石式義歯アタッチメントおよびその製造方法について、図5、図6、図9および図10を用いて説明する。
本例の磁石式義歯アタッチメント1は、磁石構造体1aとキーパー1bとから構成され、磁石構造体1aはリング状の希土類焼結磁石12と、それを収納する中央部に突起部を有するホール部11Hを有する容器であるキャップ11と、キャップ11の凹所開口部の蓋となるリング状のシールドプレート13とからなる。
希土類焼結磁石12は、組成はNd系磁石にて、そのBHmaxは52MGOe、Msは1.33T、保磁力は12kOeである。サイズは直径3.6mm、内径0.8mm、厚み0.35mmにて、コーナーにはR部が形成されている。
キャップ11は、18Cr-2Moステンレス鋼にて、その透磁率は2000Oe、飽和磁束密度Bsは16kGである。サイズは円筒形状にて直径4mm、高さ0.6mmである。
その製造方法は、厚さ0.2mmの18Cr-2Moステンレス鋼板から冷間プレス加工法によ
り直径4mmで、深さ0.4mmのホール(ホール部11H)を有する容器として形成したものであ
る。なお、ホールの中央部の円柱111は直径0.8mm、高さ0.35mmである。
この組み立てた磁石構造体を3Tの磁界で着磁した。
その結果、磁石構造体の吸着面は12.5mm2にて、吸着力820gを得ることができた。
実施例1において、キャップの硬さをHv270にし、同時にキーパー1bの硬さをHv270にし、厚みは、0.10mm、吸着面積は磁石構造体の吸着面と同じ12.5mm2、磁石構造体とキーパーの吸着面の両方を研磨により平滑にして、凹凸度は1μm以下とした。
その結果、実施例1の磁石式義歯アタッチメントと同じ吸着力820gを得ることができた。
1a;磁石構造体
11;キャップ
11H;ホール部(希土類焼結磁石の収納部)
12;希土類焼結磁石
13;シールドプレート(複合磁性材料)
13a;シールド板
130;吸着面
131;シールド板
131a;溶融凝固部からなる微磁性部
131b;熱影響部からなる改質非磁性部
131a+131b;境界部
132;Cr-Ni系ステンレス磁石(コア部)
1b;キーパー
140;被吸着面
2;磁石式義歯アタッチメント(従来)
2a;磁石構造体
2b;キーパー
3;薄型の磁石式義歯アタッチメント(従来)
3a;磁石構造体
31;キャップ
31H;複数のホール部
32;複数の希土類焼結磁石
33;シールドプレート
330;吸着面
3b;キーパー
340;被吸着面
40;磁石式義歯アタッチメント(従来)
44;磁石式アタッチメント
45;キーパー
50;磁石式ブリッジ
51;磁石式アタッチメント
52;有髄歯
Claims (5)
- 義歯に配設される磁石構造体と支台歯の上に配設される軟磁性材料よりなるキーパーとからなり、前記磁石構造体の吸着面と前記キーパーの被吸着面とを当接させることにより両者が磁力による自己吸引力によって互いに吸着するように構成された磁石式義歯アタッチメントにおいて、
前記磁石構造体は、キャップと希土類焼結磁石とシールドプレートとを備え、
前記キャップは、Cr系磁性ステンレス鋼よりなる円板形状で、その中央部には円柱と前記円柱の外周部には開口部を有するリング形状のホール部とを備え、
前記希土類焼結磁石は、薄型のリング形状で、リングの下面の内外のコーナー部はR形状からなり、前記キャップの前記ホール部に収納され、
かつ、前記希土類焼結磁石の前記コーナー部と前記シールドプレートとの間には前記希土類焼結磁石のR形状によって生じる空隙を有し、空隙の大きさは、高さ方向に10μm以上、径方向に100μm以上で、
前記シールドプレートは、薄型リング形状で、コア部と、前記コア部と前記キャップとの境界部とからなり、
前記コア部は、60%以上のマルテンサイト組織と40%以下のオーステナイト組織の2相組織よりなるCr-Ni系ステンレス磁石からなり、
前記境界部は、レーザー溶接による溶融凝固部とレーザー溶接の熱影響による改質非磁性部とからなり、
かつ、前記溶融凝固部の深さは、前記シールドプレートの厚さと同一にし、
前記溶融凝固部を含む前記磁石構造体の吸着面は平滑化されており、
前記キーパーは、Cr系ステンレス鋼よりなり、その吸着面は平滑化されており、
400gf以上の吸着力を有することを特徴とする磁石式義歯アタッチメント。 - 請求項1において、
前記磁石構造体は、直径は2.0mm~4.5mm、厚みは0.3mm~0.8mmの薄板形状からなることを特徴とする薄型の磁石式義歯アタッチメント。 - 請求項1または2において、
前記Cr-Ni系ステンレス磁石は、組成としては少なくともCr量は18~20%、Ni量は8%~10%を含有し、磁石特性としては12kG以上の飽和磁化、50Oe~200Oeの保磁力、かつ6kG以上の残留磁気を有することを特徴とする磁石式義歯アタッチメント。 - 請求項1または2において、
前記キャップは、被吸着面の硬さHv200以上を有し、
前記キーパーは、厚み0.05mm~0.4mm、直径2.0mm~4.5mmとし、被吸着面の硬さHv200以上を有することを特徴とする磁石式義歯アタッチメント。 - 磁石式義歯アタッチメントの磁石構造体の製造方法において、
(1)まず、磁石構造体を構成する3つの部品であるCr系磁性ステンレス鋼よりなるホール中央部に突起を持つキャップ、リング形状の希土類焼結磁石およびリング形状のステンレス磁石製のシールドプレートの母材であるシールド板の製作において、
工程a)前記キャップは、Cr系磁性ステンレス鋼板を冷鍛プレスで打ち抜き・絞り加工により前記ホール中央部に突起を持つ凹形状に形成し、
工程b)前記シールド板は、Cr-Ni系非磁性ステンレス鋼を母材にして、冷間加工率50%以上の冷間加工を加えて、60%以上のオーステナイト組織をマルテンサイトに誘起変態させた後、張力熱処理を施したのち、機械加工によりリング形状に形成し、
工程c)前記希土類焼結磁石は、厚みは0.2mm~0.49mm、外径は1.6mm~4mmの円板状磁石の中央部に放電加工により内径0.5mm~2mmの穴あけ加工を行った後に、ドリルにより仕上げ穴加工をし、希土類焼結磁石の内外周のコーナー部は研磨加工によるR部からなるリング形状に形成し、
(2)次に、前記キャップと前記シールド板と前記希土類焼結磁石の3つの部品からなる前記磁石構造体の組み立てにおいて、
工程d)前記キャップのホール部に前記希土類焼結磁石を挿入し、前記シールド板で蓋をして3部品を組み立て、
工程e)前記キャップと前記シールド板との2か所の篏合部をレーザー溶接して、レーザー溶接の際に生じる溶融凝固部は微量のδフェライトを含む微磁性部を形成し、シールドプレート側のレーザー溶接の熱影響部は改質非磁性部を形成し、
工程f)レーザー溶接部を含む吸着面を研磨して平滑にし、
(3)そして、組み立てた前記磁石構造体の着磁において、
工程g)2T~4Tの磁界を印加して磁石構造体を着磁する、
工程からなることを特徴とする磁石構造体の製造方法。
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