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JP7537341B2 - 車両用通信システム、中継サーバ、車両用通信機 - Google Patents

車両用通信システム、中継サーバ、車両用通信機 Download PDF

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JP7537341B2 JP2021057770A JP2021057770A JP7537341B2 JP 7537341 B2 JP7537341 B2 JP 7537341B2 JP 2021057770 A JP2021057770 A JP 2021057770A JP 2021057770 A JP2021057770 A JP 2021057770A JP 7537341 B2 JP7537341 B2 JP 7537341B2
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Description

本開示は、車両で使用される通信機とサーバとのデータ通信を中継する技術に関する。
特許文献1には、他車両から車車間通信で取得した通信データを、他の車両からの要求に基づき、当該他車両の代わりに所定のサーバにアップロードする構成が開示されている。便宜上、他車両のデータ通信を当該他車両の代わりに行うことを代行通信と記載する。代行通信は、1つの側面において他車両とサーバとの通信を中継する行為と解することができる。
特許文献2には、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤでのパケット量を観測することで、ユーザ装置ごとの通信量を管理する構成が開示されている。具体的には、ユーザ装置への送達確認が取れたPDCP-SDU(Service Data Unit)のデータ量の総和と、ユーザ装置から受信したPDCP-SDUのデータ量の総和を元に通信量を管理(測定)する構成が開示されている。なお、各先行技術文献の記載内容は、本開示における技術的要素の説明として、参照により援用することができる。
特開2020-162031号公報 国際公開第2017/022388号
車両用通信システムにおいては、ユーザ装置としての各車両がどれくらいデータ通信を行ったのか、換言すれば、車両ごとの通信量を管理したいといった需要がある。一方、例えば特許文献1に開示されているように、任意の車両である第1車両が、第1車両にとっての他車両である第2車両とサーバとのデータ通信を代行可能な構成では、各車両の通信量が不明瞭となりうる。
具体的には、第1車両の通信量は、第2車両の通信を代行した分だけ増大する。また、第2車両の通信量は、第1車両に代行してもらった分だけ少なくなりうる。すなわち、代行通信を導入すると、車両ごとの実質的な通信量が不明瞭となってしまう。
本開示は、上記の検討又は着眼点に基づいて成されたものであり、その目的の1つは、車両ごとの通信量が不明瞭となる恐れを低減可能な車両用通信システム、中継サーバ、車両用通信機を提供することにある。
ここに開示される車両用通信システムは、セルラー基地局を介した無線通信であるセルラー通信と車車間通信とを実施可能に構成された、それぞれ異なる車両で使用される複数の通信機(1)と、通信機とアプリケーションサーバとのデータ通信を中継するとともに、通信機ごとのデータ通信量を管理する中継サーバ(5)と、を含み、
複数の通信機のそれぞれは、他の通信機である他機からの依頼に基づき、代行通信として、他機とアプリケーションサーバとのデータ通信を中継する代行処理部(F35)を備え、代行通信を行う場合には、代行通信のためのポートとして、代行通信の依頼元としての他機または自機が、代行通信ではない通常の通信時には使用していないポートを用いてセルラー通信を実施することと、代行通信のためのポートの番号を中継サーバに通知することと、を実施し、中継サーバは、通信に使用されているポートの番号に基づいて、代行通信のデータ量を代行通信ではないデータ通信の量とは分けて管理するように構成されている。
上記のシステム構成によれば、代行通信時と通常の通信時とで、通信に使用されるポートが異なる。故に、中継サーバは、ポート番号をもとに通信機ごとの実質的な通信量を管理することが可能となる。なお、通常の通信とは、代行通信ではない通信、すなわち他機のためではなく自機のための通信を指す。
ここに開示される中継サーバは、車両で使用される通信機とアプリケーションサーバとのデータ通信を中継するとともに、通信機ごとのデータ通信量を管理する中継サーバであって、通信機が他の通信機である他機とアプリケーションサーバとのデータ通信を代行する場合には、通信機から代行通信のためのポートの番号を取得することと、データ通信に使用されているポートの番号に基づいて、代行通信のデータ量を代行通信ではないデータ通信の量とは分けて管理するように構成されている。
上記の中継サーバによれば、代行通信時と通常の通信時とで通信に使用されるポートが異なるため、当該ポート番号の違いに基づいて、通常の通信量と代行通信に伴う通信量とを区別することが可能となる。
ここに開示される車両用通信機は、セルラー基地局を介した無線通信であるセルラー通信と車車間通信とを実施可能に構成された車両用通信機であって、車両用通信機と任意の外部装置との通信は、車両用通信機の通信量を管理する機能を備えた所定の中継サーバを介して行われるように構成されており、他の車両用通信機である他機からの依頼に基づき、代行通信として、車車間通信とセルラー通信を併用して、他機と外部装置とのデータ通信を中継する代行処理部(F35)を備え、代行処理部は、代行通信を行う場合には、代行通信のためのポートとして、代行通信の依頼元としての他機または自機が、代行通信ではない通常の通信時には使用していないポートを用いて外部装置と通信することと、代行通信のためのポートの番号を中継サーバに通知することと、を実施するように構成されている。
上記の車両用通信機は、通常の通信時と、代行通信時とで、ポート番号を異ならせるとともに、代行通信に用いるポート番号を中継サーバに通知する。当該構成によれば中継サーバは当該ポート番号の違いに基づいて、通常の通信量と代行通信に伴う通信量とを区別することが可能となる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
車両用通信システムの全体像を示す図である。 中継サーバの構成を示すブロック図である。 車載通信機の構成を示すブロック図である。 車載通信機の機能を説明するためのブロック図である。 代行通信を利用しない場合の通信手順を説明するためのシーケンス図である。 代行通信を利用する場合の通信手順を説明するためのシーケンス図である。 代行通信を開始するための手続きを説明するためのシーケンス図である。 データ量の管理態様の一例を示す図である。 データ量の管理態様の一例を示す図である。
以下、本開示の実施形態について図を用いて説明する。図1は、本開示に係る車両用通信システム100の概略的な構成の一例を示す図である。車両用通信システム100は、例えばLTE(Long Term Evolution)に準拠した無線通信を提供する。実施形態で説明を省略している部分は、LTEの規格で定められている方法で行われるものとする。なお、車両用通信システム100は、3G規格や、4G規格、5G規格などに準拠した無線通信を提供するものであってもよい。以降ではLTE、3G、4G、5GなどをまとめてLTE等とも記載する。以下の実施形態は、3GPP(Third Generation Partnership Project)が規定する3Gや4G、5Gなどに準拠するように適宜変更して実施可能である。
<全体構成>
図1に示すように車両用通信システム100は、車載通信機1、セルラー基地局2、コアネットワーク3、アプリサーバ4、及び中継サーバ5を含む。また、車両用通信システム100は、任意の要素としてWi-Fi(登録商標)規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)を提供するWi-Fi基地局6を含みうる。なお、図1にはセルラー基地局2、Wi-Fi基地局6を1つずつしか示していないが、これらは複数存在しうる。
第1車両V1と第2車両V2は、以下に説明する車載通信機1を搭載した車両である。図1には車載通信機1を搭載した車両Vcを、第1車両V1と第2車両V2の2台しか示していないが、システム全体としては3台以上存在しうる。便宜上、第1車両V1に搭載されている車載通信機1のことを第1通信機1Aとも記載する。また、第2車両V2に搭載されている車載通信機1を第2通信機1Bとも記載する。第1通信機1Aと第2通信機1Bは基本的には同じ構成とするが、必ずしも完全に同一仕様である必要はない。第1通信機1Aと第2通信機1Bは、使用されているソフトウェアバージョン、OS、アンテナ数、契約している通信事業者、利用可能な通信回線の数、通信料金プランなどが異なっていても良い。
各車載通信機1は、以下の説明の通り、車両Vcで使用される任意のアプリケーション(以降、アプリ81)に対応するアプリサーバ4と、データ通信を実施する。アプリサーバ4が外部装置に相当する。車載通信機1が車両用通信機に相当する。
各車載通信機1は、セルラー回線を用いた無線通信であるセルラー通信と、車車間通信と、Wi-Fi通信と、をそれぞれ実施可能に構成されている。ここでのセルラー回線とは、セルラー基地局2を介した通信回線、換言すればLTE/4G/5G規格に準拠した通信回線を指す。また、車車間通信とは、車両同士の直接的な通信を指す。車車間通信の規格としては、IEEE802.11p規格に対応するDSRC(Dedicated Short Range Communications)や、IEEE1609等にて開示されているWAVE(Wireless Access in Vehicular Environment)規格等を採用することができる。車車間通信は、ARIB(Association of Radio Industries and Businesses)のSTD-T75規格に準拠していても良い。車車間通信には、LTE等の規格に準拠するセルラーV2Xを含めることができる。Wi-Fi通信とは、Wi-Fi基地局6を経由するデータ通信を指す。Wi-Fi通信は、Wi-Fi基地局6の通信エリア内に車両Vcが存在する場合に実施可能となる。
なお、複数の車載通信機1の中には、それぞれAPN(Access Point Name)が異なる複数のセルラー回線を利用可能に構成されたものがあってもよい。APNは、1つの側面において通信サービスの識別子である。APNには、通信サービスを提供する通信事業者(いわゆるキャリア)が紐付いている。例えば第1通信機は1つのAPNを利用可能に構成されており、第2通信機1Bは2つのAPNを並列的に利用可能に構成されている。第1通信機1Aが使用可能なAPNは、第2通信機1Bが使用可能な2つのAPNのいずれか一方と同一であってもよい。APNが異なれば、仮に通信相手となるアプリサーバ4が同一であっても、当該アプリサーバ4までデータが流れる経路は、実体的、又は、仮想的に相違する。複数のセルラー回線は、それぞれ異なる通信経路を実現する。
セルラー基地局2は、車載通信機1とLTE等の規格に準拠した無線信号を送受信する設備である。セルラー基地局2は、eNB(evolved NodeB)とも称される。セルラー基地局2は、5Gで使用されるgNB(next generation NodeB)であってもよい。
セルラー基地局2は、IP(Internet Protocol)ネットワーク等のアクセス回線を介してコアネットワーク3と接続されている。セルラー基地局2は、車載通信機1とコアネットワーク3との間でトラフィックを中継する。セルラー基地局2は、例えば車載通信機1からの要求に基づいて送信機会の割り当てなどを実施する。送信機会は、データ送信に使用可能な周波数帯や時間、変調方式などによって構成される。
セルラー基地局2は、各種参照信号(RS:Reference Signal)を随時送信する。参照信号としては、CRS(Cell-specific RS)や、SRS(Sounding RS)、CSI-RS(CSI-Reference Signal)、DMRS(DeModulation RS)などがある。CRSはセル選択用の制御信号である。SRSやCSI-RS、DMRSは、上り又は下り方向の伝送路の状態を推定するためのRSである。伝搬路状態を示す情報はCSI(Channel State Information)とも称される。各種RSは、1つの側面において、車載通信機1が、通信回線の状態を評価するための制御信号に相当する。ここでの通信回線の状態とは、例えば通信速度やレイテンシ、パケットロス率などを指す。各種RSの送信は、定期的に実施されてもよいし、所定のイベントが生じたことを受けて実施されても良い。RSの送信は、例えばユーザ装置(UE:User Equipment)からの問い合わせを受けたことや、通信エラーの発生頻度が所定の閾値を超過したことなどをトリガとして実行されても良い。
コアネットワーク3は、いわゆるEPC(Evolved Packet Core)である。コアネットワーク3では、ユーザの認証、契約分析、データパケットの転送経路の設定、QoS(Quality of Service)の制御などの機能を提供する。コアネットワーク3は、例えばIPネットワークや携帯電話網等の、通信事業者によって提供される公衆通信ネットワークを含みうる。コアネットワーク3内においてデータの転送経路はAPN毎に異なるものとなる。コアネットワーク3を構成する種々の設備を以降ではネットワーク側装置とも記載する。前述のセルラー基地局2もネットワーク側装置に含めることができる。
アプリサーバ4は、車両Vcで使用されるアプリ81との連携により、所定のサービス(機能)を提供するための設備である。図1に示す種々のアプリサーバ4は、車両Vcで使用されるアプリ81から受信したデータに対して所定の処理を実行する、アプリケーションサーバに相当する。アプリサーバ4は、提供サービスに応じたデータをアプリ81に送信したり、アプリ81からデータを収集したりする。
中継サーバ5は、車両Vcとアプリサーバ4との通信を中継するサーバである。中継サーバ5は、車両Vcとアプリサーバ4との通信接続制御と、通信状態の監視を統合的に行う。中継サーバ5は、車載通信機1との協働により、オートモーティブ無線通信プラットフォーム(ACP:Automotive Communication Platform)を構成する。ACPは、いつでも、どこでも、アプリサーバ4とアプリ81とのセキュアな通信接続を可能にするための技術である。例えば車両Vcごとに、モデルやリリース年(世代)、グレード等の違いに由来して、駐車中に電源がオフとなるECUと電源がオフにならないECUの組み合わせが相違しうる。また、車両Vcごとに、ECUを含む車載システムの構成が相違しうる。中継サーバ5は、ECUごとの電源状態の違いや車両ごとのシステム構成の違いを、アプリサーバ4側から隠蔽する役割を果たす。その結果、あたかも各ECU8とアプリサーバ4とが常時接続されているような状況、すなわち、ECU8-アプリサーバ4間の擬似的な常時接続が実現される。このように中継サーバ5は、1つの側面においてACPを構成するサーバであるため、ACPサーバと呼ぶこともできる。
中継サーバ5は、車両Vcに搭載された車載通信機1との間で、コアネットワーク3を介した無線通信によって情報をやり取りできる。中継サーバ5は、携帯電話回線だけでなく、Wi-Fiや及びV2X等の無線通信によっても、車載通信機1と通信可能である。中継サーバ5は、アプリサーバ4からの要求に基づき、指定された車両Vcに搭載されるECU8へ向けて、データを送信したり、車両からのデータを取得したりする。
中継サーバ5は、図2に示すように通信装置51、プロセッサ52、RAM53、及びストレージ54を用いて構成されている。通信装置51は、車載通信機1や各種アプリサーバ4と通信を実施するための構成である。プロセッサ52は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算コアである。RAM53は、書き換え可能な揮発性メモリである。ストレージ54は、書き換え可能な不揮発性メモリである。ストレージ54には、車載通信機1とアプリサーバ4とのデータ通信を中継するためのプログラムである中継サーバプログラムが保存されている。中継サーバプログラムはACPクラウドソフトウェアと呼ぶこともできる。
中継サーバ5は、プロセッサ52がストレージ54に保存されている中継サーバプログラムを実行することにより発現される機能モジュールとして、例えば経路管理部G1、中継処理部G2、及び通信量管理部G3を備える。
経路管理部G1は、車載通信機1から各種アプリサーバ4までの通信経路情報を管理する構成である。ここでの通信経路情報には、例えば、送信元IPアドレスや、ソースポート番号、宛先IPアドレス、宛先ポート番号、プロトコル番号など、いわゆる5-tupleを含む。
ソースポート番号は、車載通信機1によってアプリ81毎に固有の番号が割り当てられる。ポート番号は、例えば16ビットの数値によって表現されうる。各ソースポート番号は、アプリ81毎の識別情報であるアプリID(アプリ識別子)と対応付けられて保存される。なお、1つのアプリ81に対して複数のソースポートが割り当てられることもある。車載通信機1は、例えば動的に利用可能とされている49152から65535までの範囲で、ソースポート番号を動的に設定可能に設定するように構成されていても良い。ソースポート番号は、送信元ポート番号と呼ぶこともできる。
経路管理部G1は、車載通信機1やアプリサーバ4と制御信号をやり取りすることで通信経路設定情報を取得する。経路管理部G1としての中継サーバ5は、アプリ81に割り当てられているソースポート番号など、アプリ81とアプリサーバ4とが通信するために必要な情報をアプリサーバ4に通知する。経路管理部G1が経路情報取得部に相当する。
その他、経路管理部G1は、ソースポート番号を、アプリID、ECU-ID、及び通信機IDを互いに紐づけて管理する。アプリIDは、アプリ81を識別する識別情報である。ECU-IDは、ECU8を識別する識別情報である。通信機IDは、車載通信機1(車両Vc)を識別する識別情報である。中継サーバ5が保持するソースポートごとのアプリID、ECU-ID及び通信機IDについての情報は、車載通信機1との通信より、車載通信機1が保持する情報と同期される。
中継処理部G2は、経路管理部G1が取得している通信経路情報を元に、車載通信機1から送信されてきたデータを、ヘッダ等に記載の宛先情報に応じて定まるアプリサーバ4に転送する。また、中継処理部G2はアプリサーバ4から送信されてきたデータを車載通信機1に転送する。
通信量管理部G3は、車載通信機1ごとのデータ通信量を管理する構成である。例えば通信量管理部G3は、IPアドレスを用いて車載通信機1ごとの通信量を管理する。具体的には、通信量管理部G3は、上り通信においてはIPヘッダに示される送信元IPアドレス、下り通信においては宛先IPアドレスを用いて車載通信機1ごとの通信量を管理する。IPヘッダが、送信元IPアドレスや宛先IPアドレスが挿入されるデータフィールドに相当する。また、同一の車載通信機1に関しては、ソースポート番号とアプリIDとの対応関係を用いて、アプリ81毎の通信量を管理する。ソースポートに対して1つのアプリ81が対応付けられているため、或るソースポートを経由するデータ通信の総量は、当該ソースポートに対応付けられているアプリ81の通信量の一部または全部を示す。また、アプリ81の通信量を通信回線毎に区別して管理する構成によれば、別途後述するようにアプリ81毎の通信量も算出可能となる。
なお、通信量管理部G3は、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤでのパケット量を観測することで、ユーザ装置ごとの通信量を管理するように構成されていても良い。すなわち、通信量管理部G3は、PDCPに係るネットワーク側装置より、ユーザ装置への送達確認が取れたPDCP-SDUのデータ量と、ユーザ装置から受信したPDCP-SDUのデータ量とを取得して通信量を管理しても良い。SDUはService Data Unitの略である。
その他、中継サーバ5は、アプリサーバ4や車両Vcを認証する処理を実行するように構成されていても良い。中継サーバ5が提供する機能の一部又は全部は、各アプリサーバ4が有していてもよい。また、中継サーバ5が備える機能の一部又は全部は、ネットワーク側装置が備えていても良い。1つの観点において、中継サーバ5はネットワーク側装置の一種と解することができる。機能配置は適宜変更可能である。
Wi-Fi基地局6は、Wi-Fiに準拠した無線LANを形成するための通信設備である。Wi-Fiの規格としては、IEEE802.11nやIEEE802.11ac、IEEE802.11ax(いわゆるWi-Fi6)など、多様な規格を採用可能である。Wi-Fi基地局6は、インフラ設備として、多様なサービス事業者によって任意の箇所に配置されている。なお、本開示のWi-Fiは、無料のWi-Fiや、ユーザ或いは車両メーカが利用契約済みのWi-Fiなど、車載通信機1が利用可能なWi-Fiを指す。
<アプリサーバ4の一例について>
アプリサーバ4Aは、例えば、車両Vcの制御の参考となる動的又は準動的な交通情報(以降、制御支援情報)を配信するアプリサーバ4である。制御支援情報とは、例えば、車両周辺に存在する他の移動体の現在位置や移動速度、進行方向などを示す情報などである。制御支援情報は、例えば通行規制がなされている区間や、渋滞の末尾位置、路上落下物の位置などといった、走行上の障害物の位置や種別を示す準動的な地図要素についての情報であってもよい。制御支援情報は、車両Vcの前方に存在する信号機の位置とその点灯状態を示す情報や、交差点内における進行方向に応じた走行軌道を示す情報であっても良い。このようなアプリサーバ4Aは、先進運転支援(ADAS:Advanced Driver-Assistance Systems)系アプリケーションに対応するアプリサーバ4に相当する。
アプリサーバ4Bは、車両Vcからアップロードされるプローブデータに基づいて、地図データを生成及び更新するサーバである。アプリサーバ4Bは、所定のデータベースに格納されている静的地図データを、車両Vcからの要求に基づき配信するサーバであってもよい。アプリサーバ4Bが配信する地図データは、高精度地図データでもよいし、ナビ地図データでもよい。高精度地図データは、道路構造、及び、道路沿いに配置されている地物についての位置座標等を、自動運転に利用可能な精度で示す地図データに相当する。ナビ地図データは、ナビゲーション用の地図データであって、高精度地図データよりも相対的に精度の劣る地図データに相当する。このようなアプリサーバ4Bは、地図データを取り扱う地図系アプリに対応するアプリサーバ4に相当する。なお、地図系アプリには、地図データを用いた経路案内等を行うナビゲーションアプリを含めることができる。
アプリサーバ4Cは、例えばクラウド上に保存されている音楽データを車両Vcに送信するアプリサーバ4である。このようなアプリサーバ4Cは、車両Vcにおいて音楽を再生する音楽アプリに対応するアプリサーバ4に相当する。
なお、アプリサーバ4としては、その他、多様なサーバ/センタを採用可能である。車両用通信システム100は、アプリサーバ4として、車両Vcを遠隔制御する遠隔制御サーバを含んでいても良い。遠隔制御サーバは、車両Vcから送信されてきた車載カメラ画像や車速、現在位置などの車両情報を所定のディスプレイに表示するとともに、オペレータが入力装置に行った操作信号を車両Vcに送信する。ここでのオペレータとは、車両Vcの外部から遠隔操作によって車両を制御する権限を有する人物を指す。
もちろん、以上で述べたアプリ81の内容や役務は一例であって適宜変更可能である。車両Vcには、上述した機能以外にも、動画アプリや、緊急通報アプリ、遠隔制御アプリ、音声認識アプリ、プローブアプリ、ソフト更新アプリなど、多様なアプリ81が搭載されうる。動画アプリはクラウド上に保存されている動画をストリーミング再生するためのアプリ81である。緊急通報アプリは事故や乗員の異常などをトリガに所定のセンタに連絡するアプリ81であり、遠隔制御アプリは車両Vcを遠隔制御するためのアプリ81である。音声認識アプリは車載マイクで取得したユーザの発話内容を認識するアプリ81であり、プローブアプリは車載カメラなどで認識した道路形状などのプローブデータをサーバにアップロードするアプリ81である。ソフト更新アプリはアプリサーバ4から取得したデータに基づいて任意のECU8のソフトウェアの更新を行うアプリ81である。
また、ここでは一例として1つのECU8が1つのアプリ81に対応するものとするがこれに限らない。1つのECU8が複数のアプリ81を備えていても良い。さらに、複数のECU8が連携して1つのアプリ81を実行するように構成されていても良い。
<車載通信機1の構成について>
車載通信機1は、上述した無線通信機能を提供する装置であって、コアネットワーク3にとってのUEに相当する。車載通信機1は、図3に示すように車両に搭載されているECU8と接続されて使用される。車両Vcは車載通信機1の搭載により、インターネットに接続可能なコネクテッドカーとなる。車載通信機1は、DCM(Data Communication Module)やTCU(Telematics Control Unit)などと呼ぶこともできる。車載通信機1には固有の識別情報としての通信機IDが割り当てられている。通信機IDは、DCM-IDや、TCU-IDと呼ぶこともできる。車載通信機1は、例えばインストゥルメントパネル内に収容されている。なお、車載通信機1は、ユーザが取り外し可能に構成されていてもよい。また、車載通信機1は、ユーザによって車室内に持ち込まれた、スマートフォン等の携帯端末であってもよい。
車載通信機1は、少なくとも1つの加入者識別モジュール(以降、SIM:Subscriber Identity Module)15を備える。これにより車載通信機1は、当該SIM15に対応する少なくとも1つのAPNを用いたデータ通信を実施可能に構成されている。SIM15に対応するAPNとは、当該SIM15の情報に基づき利用可能なAPNを指す。SIM15は複数のAPNを利用可能なものであってもよいし、1つのAPNを利用可能なものであってもよい。
加えて、車載通信機1は、Wi-Fi通信可能に構成されており、各ECU8での通信トラフィックの発生状況に応じて、複数のセルラー回線及びWi-Fi回線を使い分ける。つまり、車載通信機1は、多様な通信回線を、通信の用途や通信状況に基づいて使い分ける。車載通信機1が利用可能な通信回線あるいは通信経路の概念には、セルラー回線だけでなく、Wi-Fi回線を含めることができる。
図3では車載通信機1に接続するECU8を2つしか図示していないが3つ以上存在しうる。車載通信機1に直接的に又は間接的に接続するECU8は1つであってもよい。例えば車載通信機1は、車両内に構築された通信ネットワークである車両内ネットワークIvNを介して各ECU8と相互通信可能に構成されている。
なお、車載通信機1とECU8は、車両内ネットワークIvNを介することなく直接的に通信可能に構成されていてもよい。車載通信機1は車両全体を統括するECUであるセントラルECUや、車両内と外部とを切り分け、セキュリティを確保するためのゲートウェイECUを介して、他のECUと通信可能に構成されていても良い。車両内ネットワークIvNの規格としては、例えばController Area Network(CANは登録商標)や、イーサネット(登録商標)、FlexRay(登録商標)など、多様な規格を採用可能である。車載通信機1の詳細は別途後述する。
各ECU8は、CPUなどの演算コアとRAMなどのメモリとを備えるコンピュータとして構成されており、各ECU8に割り当てられたプログラムを実行することで、当該プログラムに応じた処理を実行する。以降では車載通信機1に接続するECU8を区別して記載する場合には、ECU8A、ECU8Bとも記載する。各ECU8にはECU-IDが割り当てられている。
また、ECU8はアプリ81と、ACPクライアント82を備える。アプリ81は、CPU等のハードウェアが所定のアプリケーションソフトウェアを実行することで実現される。本開示の「アプリケーション」及び「アプリ」との記載は、アプリケーションを実行する装置/演算コアと読み替えることができる。演算コアは、CPUなどのプロセッサに相当する。
アプリ81は、複数のアプリサーバ4の何れかに対応する。例えばECU8Aが備えるアプリ81Aは、定期的に又は所定のイベントが生じた場合に、アプリサーバ4Aから、制御計画の作成の参考となるリアルタイムな情報(つまり制御支援情報)を取得する。制御支援情報を要求するイベントとは例えば交差点や合流分岐地点までの残り時間/距離が所定値未満となったことを採用することができる。アプリ81Aは、一定時間おきに現在位置に応じた制御支援情報をアプリサーバ4Aに問い合わせるように構成されていても良い。このようなアプリ81Aは、ADAS系のアプリケーションの一例に相当する。アプリ81Aは下り通信が主となるアプリの一例に相当する。
また、ECU8Bが備えるアプリ81Bは、プローブアプリである。アプリ81Bは、定期的に又はアプリサーバ4Bからの要求に基づき、プローブデータをアプリサーバ4Bに送信する。アプリ81Bは上り通信が主となるアプリの一例に相当する。
各アプリ81には固有の識別情報であるアプリIDが割り当てられている。アプリIDは、アプリ81の設計者が割り当てても良いし、車両Vc(実体的にはECU8)へのインストール時に、車両Vcへのソフトウェアのインストール等を統括的に管理する所定のECU8によって割り当てられても良い。アプリIDはApp-IDと記載することができる。
各アプリ81は、当該アプリ81に対応するアプリサーバ4を宛先とする送信用データをACPクライアント82に出力するとともに、対応するアプリサーバ4からのデータを車載通信機1及びACPクライアント82を介して取得する。また、各アプリ81は、アプリサーバ4へ向けた送信用データの発生等に伴って、ACPクライアント82に向けて通信要求を出力する。通信要求は、例えば所定の電気信号、メッセージ、又は通信フレームに相当する。通信要求は、アプリIDを含む。
アプリ81は、送信データを暗号化したり、アプリサーバ4から暗号化されて送信されてきたデータを復号したりする暗号処理部を備える。例えば、アプリ81は、TLS(Transport Layer Security)暗号化通信を実施可能に構成されている。暗号通信の方式としては多様な方式を採用可能である。アプリ81は、より好適な態様として、電子証明書等を用いて、通信相手の認証、通信内容の暗号化及び改竄の検出等を実施可能に構成されている。なお、アプリ81に限らず、ここでは一例としてはアプリサーバ4、中継サーバ5、車載通信機1などの他の装置もTLS通信を実施可能に構成されているものとする。
ACPクライアント82は、アプリ81と車載通信機1との通信を仲介する役割を担う構成である。ACPクライアント82は、車両内中継モジュールと呼ぶこともできる。ACPクライアント82は、アプリ81毎或いはECU8毎に配置されうる。ACPクライアント82もまた、CPU等のハードウェアが、所定のソフトウェアであるACPクライアントソフトウェアを実行することで実現される。ACPクライアント82は、アプリ81からの通信開始要求を車載通信機1に伝達するとともに、当該通信開始要求に対する車載通信機1からの回答をアプリ81に伝達する。
また、ACPクライアント82は、アプリIDやECU-IDを定期的に又は所定のイベントが生じた場合に車載通信機1に通知する。これにより車載通信機1はどのアプリ81がどのECU8に存在するのかを特定可能となる。各種IDの通知は、例えば走行用電源がオンとなったタイミングや、所定の時刻で行われてもよい。なお、走行用電源は、例えばエンジン車においてはイグニッション電源である。電気自動車においてはシステムメインリレーが走行用電源に相当する。
その他、ACPクライアント82は、車載通信機1からの指示信号に基づき、ECU8の電源のオンオフ状態を切り替える。また、ACPクライアント82は、車載通信機1からの信号に基づき、アプリ81の起動状態も制御しうる。例えばACPクライアント82は、車載通信機1を介して、アプリサーバ4から送信されたプッシュ通知を受信した場合にはECU8の電源をオンにして、対応するアプリ81を起動させる。
なお、ACPクライアント82は任意の要素であって省略されても良い。また、ACPクライアント82の機能はアプリ81自身が備えていても良い。ACPクライアント82はアプリ81の一部として構成されていても良い。加えて、ACPクライアント82は車載通信機1の一部として構成されていても良い。また、アプリ81が備える暗号通信機能はACPクライアント82が備えていても良い。各構成の機能配置は適宜変更可能である。
また、図3では、1つのECU8が備えるアプリ81を1つとする例を示しているが、ECU8が備えるアプリ81は複数あっても良い。ECU8が複数存在する場合、当該ECU8のACPクライアント82は各アプリ81のアプリIDや起動状態を管理しうる。
車載通信機1は、車両Vcに搭載される任意のアプリ81の要求に従って当該アプリ81に対応するアプリサーバ4Aにデータ送信を行う。また、アプリサーバ4から送信されたデータを受信してアプリ81に転送する。前述の通り、アプリサーバ4との通信は、中継サーバ5やネットワーク装置を介して行われる。
当該車載通信機1は、処理部11、RAM12、ストレージ13、通信インターフェース14、SIM15、及びこれらを接続するバス等を備えたコンピュータを主体として構成されている。処理部11は、RAM12と結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部11は、CPU等の演算コアを少なくとも一つ含む構成である。処理部11は、RAM12へのアクセスにより、種々の処理を実行する。
ストレージ13は、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体を含む構成である。ストレージ13には、処理部11によって実行されるプログラムとして、通信制御プログラムが格納されている。処理部11が上記プログラムを実行することは、通信制御プログラムに対応する方法である通信制御方法を実行することに相当する。ストレージ13には、車載通信機1が利用可能なAPNについての情報(例えばプロファイル等)が登録されている。
通信インターフェース14は、車両内ネットワークIvNを介してECU8と通信するための回路モジュールである。通信インターフェース14は、アナログ回路素子やIC、車両内ネットワークIvNの通信規格に準拠したPHYチップなどを用いて実現されている。
SIM15は、回線の契約者を識別するための情報が記録されたICモジュールであって、例えばICカードとして構成されている。例えばSIM15には、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)と呼ばれる固有番号が、契約者の電話番号と結びついて記録されている。また、SIM15には、利用可能な周波数や、在圏セルを決定するために観測する周波数の優先順位などといった、無線通信接続に係る設定データも登録されている。SIM15は、図示しないカードスロットに挿入されたものでもよいし、eSIM(Embedded SIM)であってもよい。ここでのSIM15の概念には、着脱可能なカードタイプのものと、組み込み型のもの(つまりeSIM)の両方が含まれる。前述の通り、車載通信機1は複数のSIMを備え、複数のセルラー回線を並列的に使用可能に構成されていても良い。
車載通信機1は、図4に示すように機能ブロックとして、車内通信部F1、無線通信部F2、及び通信制御部F3を備える。無線通信部F2は、セルラー通信部F21、Wi-Fi通信部F22、及び車車間通信部F23を備える。通信制御部F3が通信制御装置に相当する。
車内通信部F1は、各ECU8が出力した送信用データを受け取り、無線通信部F2へ出力するとともに、無線通信部F2が受信したデータを、転送すべきECU8に向けて出力する構成である。例えば車内通信部F1は、各ECU8から多重化されて入力されたデータを、所定の方式で分離することで、本来のデータを取得する。
車内通信部F1は、各ECU8から入力されたデータを無線送信するまで一時的に保持する記憶領域であるバッファを含む。バッファは、RAM等の書き換え可能な記憶媒体を用いて実現されればよい。車内通信部F1は、バッファに滞留しているデータの量やそれらのデータのヘッダに格納された情報を監視する機能も備える。当該バッファは通信制御部F3が備えていても良い。バッファに入っているデータは、順次、無線通信部F2にて取り出され、データの入力元(つまりECU8)に応じた通信経路で宛先となるアプリサーバ4に向けて送信される。ECU8毎の通信経路の割当状態は、通信制御部F3によって制御される。
セルラー通信部F21は、例えばLTE等の無線通信プロトコルにおけるデータリンクレイヤ及び物理レイヤを担当する通信モジュールである。セルラー通信部F21は、LTEで用いられる周波数帯の電波を送受信可能なアンテナを含む。また、セルラー通信部F21は、LTEの通信規格に準拠してベースバンド信号から高周波信号への変換およびその逆変換に相当する信号処理を行うトランシーバと、IPパケットと物理チャネルの信号との変換を行うパケット処理部と、を含む。なお、アンテナは受信ダイバーシティ等のために複数設けられていても良い。
セルラー通信部F21は、車内通信部F1から入力されたIPパケットに対して、PDCP・RLC・MACの各データリンクサブレイヤでの処理を行う。また、符号化や、変調、デジタルアナログ変換等の処理を施すことで、入力されたデータに対応する搬送波信号を生成する。そして、生成した搬送波信号をアンテナに出力することで電波として放射させる。MACはMedia Access Controlの略である。加えて、セルラー通信部F21は、アンテナにて受信した受信信号に対して、アナログデジタル変換処理や復調処理といった所定の処理を施すことでデジタル値によって表現された情報系列(つまりデジタルデータ)に変換する。そして、その受信信号に対応するデータを、車内通信部F1に出力する。
Wi-Fi通信部F22は、Wi-Fi基地局6を介してインターネットに接続し、アプリサーバ4と通信するための通信モジュールである。Wi-Fi通信部F22は、例えば2.4GHz帯や5GHz帯など、Wi-Fi規格で使用される周波数帯の電波を送受信するためのアンテナと、変調回路、復調回路などを用いて構成されている。Wi-Fi通信部F22は、車内通信部F1又は通信制御部F3から入力されたデータに対応する無線信号を放射する。また、Wi-Fi通信部F22は、アンテナにて受信した受信信号に対応するデータを、車内通信部F1又は通信制御部F3に出力する。
なお、Wi-Fi通信部F22は、Wi-Fi基地局6から発せられるビーコンを受信することによって、Wi-Fi基地局6の存在を認識する。Wi-Fi通信部F22とWi-Fi基地局6との通信接続は、通信制御部F3によって制御される。なお、Wi-Fi通信部F22は、必ずしも車載通信機1に内蔵されている必要はない。Wi-Fi通信部F22は車載通信機1がその動作状態を制御可能な態様で車載通信機1の外部に設けられていても良い。
車車間通信部F23は、所定の周波数帯の電波を用いて他車両が備える車載通信機1と直接的な無線通信(つまり車車間通信)を実施するための通信モジュールである。車車間通信部F23は、車車間通信用の周波数帯の電波を送受信するためのアンテナと、変調回路、復調回路などを用いて構成されている。車車間通信部F23は、通信制御部F3から入力されたデータを変調して車車間通信用のアンテナに出力し、無線送信する。また、車車間通信部F23は、アンテナで受信した信号を復調して通信制御部F3に提供する。
なお、本実施形態では一例として、車車間通信はDSRC(WAVE)など、セルラー基地局2との通信方式とは異なる通信方式で実施されるものとするが、これに限らない。車車間通信もまた、LTE等の規格に従って実施されてもよい。それに伴い、車車間通信部F23は、セルラー通信部F21と統合されていても良い。さらに、車車間通信は、Wi-Fi等の規格に従って実施されてもよい。それに伴い、車車間通信部F23は、Wi-Fi通信部F22と統合されていても良い。本開示における車車間通信とは、車載通信機1同士の直接的な通信を指し、その通信方式としては任意のものを採用可能である。
通信制御部F3は、各セルラー回線の通信状態を監視及び制御する。通信制御部F3は、所定の接続イベントが生じたことを受けて、セルラー回線を確立する手続きを実行する。複数のAPNを利用可能に構成されている場合にはAPNごとの回線を確立する。通信接続を確立するための手続きには、アタッチ要求の送信やAPN情報の送信などが含まれる。なお、例えばコアネットワーク3は、車載通信機1から通知されたAPN等の情報などに基づき、契約内容に応じた無線ベアラ及びPDNコネクションを用意する。接続イベントとしては、ソフトウェア更新や、不具合による車載通信機1の再起動が行われた場合、ユーザまたは整備工場等のスタッフによってセルラー通信機能、換言すればモバイルネットワーク接続が有効化された場合などが挙げられる。
また、通信制御部F3は、Wi-Fi通信部F22の動作を制御する。通信制御部F3は、Wi-Fi通信部F22がビーコンを受信したことに基づいて、Wi-Fi基地局6との通信接続を開始する。すなわち、IPアドレスの取得や、セキュリティ設定(暗号鍵の交換など)のための制御信号をWi-Fi基地局6とやり取りする。さらに、通信制御部F3は車車間通信部F23の動作も制御する。
さらに、通信制御部F3は、機能部として、経路特性取得部F31、余力評価部F32、経路設定部F33、ポート管理部F34、及び代行処理部F35を備える。また、通信制御部F3は、例えばRAM12などの書き換え可能な記憶媒体を用いて実現される指標保持部M1を備える。
経路特性取得部F31は、通信回線毎の通信特性を示す種々の情報を取得する構成である。例えば経路特性取得部F31は、ネットワーク側装置からセルラー回線毎の通信速度に関連するパラメータを取得する。セルラー回線毎の通信設定パラメータとしては、割当周波数や、パケット転送の優先順位、目標遅延時間、パケットロス率などが挙げられる。目標遅延時間は、ネットワーク側装置が想定する通信遅延時間の最大値である。目標遅延時間は、ネットワーク側装置によって設定される遅延特性設定値(delayThreshold)に対応する。経路特性取得部F31が取得した通信設定パラメータは、例えば指標保持部M1に保存される。
経路特性取得部F31は、セルラー回線毎の状態情報として、セルラー回線毎のラウンドトリップタイム(RTT:Round-Trip Time)やスループットを逐次評価し、指標保持部M1に保存しても良い。RTTは、通信相手に信号やデータを発信してから、応答が返ってくるまでにかかる時間、すなわち応答遅延時間である。RTTは、往復レイテンシとも称される。スループットは、伝送路を通じて単位時間あたりに送受信できるデータ量を表す。スループットは通信速度を示す指標に相当する。なお、スループットは上り通信と下り通信とで別々に評価されてもよい。また、RTTやレイテンシなどに関し、直近所定時間以内における観測値の平均値を以ってセルラー回線毎の状態を評価しても良い。
その他、経路特性取得部F31は、契約回線に対応するセルラー基地局2の負荷状況や、混雑度、余力を示す情報を取得しても良い。また、経路特性取得部F31は、送信電力の余力であるパワーヘッドルーム(以降、PHR:Power Headroom)を、セルラー回線毎に算出してもよい。PHRは、上りリンク共有チャネル(以降、PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)における現在の送信電力の設定値と最大送信電力との差分を表すパラメータである。また、経路特性取得部F31は、RSRPや、RSSI、RSRQなどを算出してもよい。RSRPは、Reference Signal Received Powerの略である。RSSIはReceived Signal Strength Indicatorの略である。RSRQはReference Signal Received Qualityの略である。RSRPは、単位リソースエレメント当たりのRSの平均受信電力である。RSSIは、RSを収容するOFDMシンボルにおいてLTEシステム帯域全体の電力を測定した値である。RSRQは、セル固有の参照信号の受信電力と、受信帯域幅内の総電力との比である。RSRQは、大きいほどセルラー基地局2からの信号の受信品質が良いことを示す。PHRや、RSRP、RSSI、RSRQの算出方法自体は、3GPPが規定する方法により算出されればよい。
余力評価部F32は、経路特性取得部F31が取得した通信速度や通信帯域の空き状況を直接的又は間接的に示す種々の指標に基づき、自装置(自機)が利用可能なセルラー回線の余力を評価する。余力が大きいほど、大きいデータを収容できることを示す。余力評価部F32は、複数の指標を組み合わせて自装置が利用可能なセルラー回線ごとの余力を算出しうる。余力評価部F32は、通信速度が大きいほど、遅延時間が短いほど、PHRが大きいほど、余力を大きく評価する。余力はスコアとして表現されても良いし、複数のランクで表現されてもよい。例えば、余力は、有/無の2段階で判定されても良いし、無/小/中の3段階で表現されても良い。余力が無い状態は後述する代行通信不能な状態に対応し、余力が小の状態はデータサイズが所定値以下の比較的小さいデータの代行通信のみ可能な状態に対応する。なお、余力は、PHRなど、所定の項目を1つだけ用いて決定されても良い。余力評価部F32の評価結果は、例えば経路設定部F33や代行処理部F35などによって参照される。なお、余力評価部F32は任意の要素である。
経路設定部F33は、セルラー回線の特性に基づいて、各アプリ81のデータ通信に用いる通信経路を設定する構成である。例えばADASアプリなど、リアルタイム性を要求するアプリ81に対してはレイテンシが小さい通信回線を割り当てる。また、地図アプリなど、データサイズが相対的に大きいことが見込まれるアプリ81へは、通信速度や余力が大きい通信回線を優先的に割り当てる。なお、Wi-Fi通信が使える環境下においては、リアルタイム性を要求しないアプリ81に対しては優先的に通信経路としてWi-Fi通信を割り当てる。通信経路を構成する要素には、通信回線の種別のほか、割り当てる通信帯域の大きさ(幅)や、割当周波数、通信プロトコルの種別などを含めることができる。通信プロトコルにはTCP(Transmission Control Protocol)やUDP(User Datagram Protocol)などが含まれる。
経路設定部F33は、アプリ81またはアプリサーバ4からの通信開始要求を受け付けると、当該アプリのためのソースポートを確保するとともに、ルーティング処理を実行し、アプリ81からアプリサーバ4までの通信経路を設定する。これにより、送信元IPアドレスや、ソースポート番号、宛先IPアドレス、宛先ポート番号、プロトコルなどが決定される。なお、ソースポートはアプリ81毎に割り当てられる。つまり、1つのソースポートが複数のアプリ81で共用されないように設定する。なお、1つのアプリに対して複数のソースポート番号が割り当てられても良い。
経路設定部F33としての車載通信機1は、アプリサーバ4までの通信経路の設定が完了すると、ACPクライアント82に対して通信開始要求に対する応答として、通信を許可する旨のメッセージである通信許可応答を返送する。通信許可応答には、少なくともソースポート番号が含まれる。また、車載通信機1は通信許可応答には、送信元IPアドレスや、宛先IPアドレス、宛先ポート番号、プロトコルが含まれていても良い。
通信制御部F3は、ソースポート番号に加えて、トークンを用いて各アプリ81の通信の実施権を制御する。トークンは、いま通信してもよいか否かを示す制御信号に相当する。各アプリ81は、車載通信機1からトークンが入力されている間は、通知されているソースポートを用いてアプリサーバ4と通信可能となる。なお、ソースポートは維持しつつ、トークンの有無は動的に切り替えられても良い。アプリ81は、いったんトークンが入力されたら、その後トークンを取り下げる趣旨の信号が入力されるまでは通信権を保持しているものと判断するように構成されていてもよい。通信制御部F3は、回線の使用状況や他のアプリ81の通信需要を鑑みて、個々のアプリ81のトークンの有無を動的に制御しうる。
ポート管理部F34は、各アプリ81に割り当てているソースポート番号を管理する。また、ポート管理部F34は、各ACPクライアント82からの通知に基づき、アプリ81がどのECU8にあるのかを管理する。ポート管理部F34は、各アプリ81のアプリIDと、各ECU8のECU-IDとを、ソースポート番号と紐付けてRAM12に保存する。ポート管理部F34は、ソースポート番号ごとのアプリID及びECU-IDを、車載通信機1に紐づく通信機IDと共に、中継サーバ5に通知する。こうした処理により、中継サーバ5と車載通信機1が保持するID情報が同期される。
代行処理部F35は、自装置の通信環境に応じて、自装置周辺に存在する他の車載通信機1に対し、自装置の代わりにアプリサーバ4との通信を代行すること(以降、代行通信)を要求する。ここでの代行通信とは、他車両のアプリ81とアプリサーバ4との通信を中継することを指す。代行通信の概念には、他車両から車車間通信で取得したデータをセルラー通信で指定されたアプリサーバ4に送信する上り通信の代行と、セルラー通信でアプリサーバ4からダウンロードしたデータを車車間通信で依頼元に転送する下り通信の代行が含まれる。代行との表現は、多くの場合、転送あるいは中継と言い換えることができる。代行通信を要求することは、自車両のアプリ81とアプリサーバ4との通信を他車両に中継するように要求することに相当する。車両間、換言すれば車載通信機1間の通信は車車間通信によって実施される。車載通信機1-アプリサーバ4間の通信は、Wi-Fi回線又はセルラー通信によって実施される。前述の通り、車載通信機1とアプリサーバ4とのデータ通信は中継サーバ5が介在する。
代行通信を行うための準備処理として、代行処理部F35は定期的に車車間通信により、他装置(他機)と自装置が利用可能な通信回線ごとの通信状態を共有する。通信回線ごとの通信状態には、セルラー回線ごとの通信状態に限らず、Wi-Fiの通信状態を含めることができる。通信状態には、例えば中継サーバ5までの通信速度が含まれる。また、代行処理部F35は、通信状態を示す情報として、使用可能な回線ごとの回線の混雑度や、代行通信可能な通信容量などを他装置と共有してもよい。通信状態を示す情報には、余力評価部F32が算出するセルラー回線ごとの余力を含めることができる。
代行処理部F35は、自装置での通信状態と、他装置での通信状態とを比較して、他装置に代行通信を依頼するか否かを判断する。例えば、自装置が中継サーバ5(ひいてはアプリサーバ4)とデータ通信するよりも、他装置に中継してもらったほうが通信時間を短く抑えられることが期待できる場合に、代行通信を依頼する。より具体的には、他装置での上り通信速度が、自装置での上り通信速度よりも所定の代行利用閾値以上大きい場合に、他装置に代行通信を依頼する。ここで使用される代行利用閾値は例えば車車間通信による遅延時間に対応するパラメータである。代行利用閾値は、予め設定された一定の値であってもよいし、車車間通信でのレイテンシの観測値に応じて動的に変更されても良い。代行処理部F35は、車車間通信による中継を介しても、総合的に通信時間を短く抑えられることが期待できる場合に、他装置に対して代行通信を依頼する。
また、代行処理部F35は他装置から代行通信の依頼を受領した場合には、当該依頼に基づき、代行通信用の通信経路を確保し、依頼元から車車間通信で送信されてきたデータを中継サーバ5に向けて転送する。通信経路の確保には、代行通信用のソースポート番号や、代行通信の依頼元の通信機IDなどを中継サーバ5に通知することを含む。当該代行通信に係る車載通信機1等の作動の詳細については別途後述する。
<全体の処理フローについて>
次に、図5及び図6に示すシーケンス図を用いて、第1通信機1Aが備える任意のアプリ81がアプリサーバ4とデータ通信を開始するための処理フローについて説明する。図5は、第1通信機1Aが代行通信を利用せずに、自装置のセルラー回線又はWi-Fi通信を用いてデータ通信を行う場合のシーケンス図である。図6は、第1通信機1Aが第2通信機1Bが備える代行通信機能を利用してアプリサーバ4とのデータ通信を行う場合のシーケンス図である。
図5及び図6に示すECU8は、第1車両V1が備える任意のECU8とすることができる。また、図5及び図6に示すアプリサーバ4は、図5及び図6に示すECU8が備えるアプリ81に対応するアプリサーバ4である。以下では便宜上、通信要求の出力元であるアプリ81のことを対象アプリとも記載する。
なお、以下の説明の前提として、各車載通信機1は、セルラー回線を用いた中継サーバ5との通信接続が確立している。中継サーバ5及びアプリサーバ4もまた相互通信可能な状態にあって、疎通確認のための通信やデータ通信を随時実施する。また、第1通信機1Aと第2通信機1Bは車車間通信可能な位置関係を維持している。第1通信機1Aと第2通信機1Bは互いに中継サーバ5との通信状態を車車間通信により随時共有している(S01)。
まず、第1通信機1Aが備える対象アプリ81においてアプリサーバ4への送信用データが発生すると、当該アプリ81は、当該アプリ81に対応するACPクライアント82に対して通信要求を出力する(ステップS10)。或るアプリ81に対応するACPクライアント82とは、当該アプリ81を収容しているECU8、つまり同一のECU8が備えるACPクライアント82を指す。
アプリ81からACPクライアント82へと出力される通信要求は、アプリIDを含む。なお、通信要求には、通信条件を含んでいても良い。通信条件を構成する項目としては例えば、許容待ち時間、許容RTT、想定データサイズ、データ欠損可否などを採用することができる。許容待ち時間は通信開始まで許容可能な待ち時間を示す。許容RTTは、許容可能な応答遅延時間を示す。想定データサイズは、アプリ81とアプリサーバ4との間でやり取りされる1つのデータセットのサイズの想定値を示す。想定データサイズは、必要な通信容量を示す。データ欠損可否は、データの部分的な欠損を許容するか否か、換言すれば、通信の信頼性を重視するか否かを示す。通信条件はアプリ81毎に固定であってもよいし、送信用データの量や内容に応じて可変であってもよい。
ACPクライアント82は、アプリ81からの通信要求を受信すると、当該要求を受け付ける(ステップS11)。具体的には、アプリIDと通信条件とを紐付けて所定の記憶領域に一時保存する。通信要求の受付状態を示すデータは、例えばECU8が備えるRAMなどに保存される。通信条件は、事前にACPクライアント82がアプリ81と通信することで取得しておいても良いし、上述の通り通信要求として受信しても良い。ACPクライアント82は通信要求の受付処理が完了すると、アプリIDと通信条件とを含む通信開始要求を第1通信機1Aに送信する(ステップS12)。
第1通信機1Aは、ACPクライアント82からの通信開始要求が入力されたことに基づいて、ACPクライアント82から通知された通信条件を充足する通信経路の割り当てが可能か否かを、通信回線毎の状態に基づき判断する(ステップS13)。その際、第1通信機1Aの通信制御部F3は、自装置が利用可能な通信回線だけでなく、車車間通信で取得している第2通信機1Bでの通信状態をもとに、代行通信の利用を検討する。すなわち、代行処理部F35が、自装置での通信状態と、他装置での通信状態とを比較して、他装置に代行通信を依頼するか否かを判断する。ここでの代行処理部F35にとっての自装置とは第1通信機1Aを指し、他装置とは第2通信機1Bを指す。なお、自装置の周辺に他装置が複数存在する場合には、他装置ごとに代行通信の利用を検討する。
例えば代行処理部F35は、自装置ではアプリ81が要求する通信条件を充足する通信を実施できない一方、他装置によればアプリ81が要求する通信条件を充足させることができる場合に、代行通信を採用することを決定する。また、代行処理部F35は自装置がアプリサーバ4と通信するよりも代行通信を利用したほうが、総合的な通信効率が高まる場合にも代行通信を利用することを決定する。
代行通信を利用したほうが総合的な通信効率が高まる場合としては、上記例示のほか、自装置の在圏セルにおけるPHRが所定値以下である場合、より具体的には最大送信電力に達している場合であって、他装置のPHRが所定値以上である場合がある。また、同様にセルラー基地局2との通信にパケット誤りを生じ再送が頻発している場合なども、代行通信を利用したほうが総合的な通信効率が高まる場合に含めることができる。代行通信を利用する条件である代行依頼条件は適宜設定されうる。
代行通信が利用できない場合や、代行通信を利用せずに自装置がアプリサーバ4と通信したほうが通信効率が高まる場合には、代行通信を利用しないことを決定する。代行通信が利用できない場合とは、例えば車車間通信可能な他装置が存在しない場合などである。
代行通信を利用しないことを決定した場合には(S131 NO)、自装置が利用可能な通信回線の中から、アプリ81とアプリサーバ4との通信に使用する回線を選択する。利用可能な回線が複数存在する場合には、通信回線毎の使用状況や品質などに基づいて、アプリ81の通信条件に最も好適なものを選択する。なお、利用可能な通信回線が1つだけである場合には当該回線を選択する。
そして、選択した通信回線を用いた通信経路の設定処理を実施する(ステップS14)。すなわち、経路設定部F33が対象アプリ用のソースポートを確保するとともに、ルーティング処理を実行し、アプリ81からアプリサーバ4までの通信経路を設定する。これにより、送信元IPアドレスなどが決定される。なお、ルーティング処理は、DNS(Domain Name System)を用いた宛先IPアドレスの取得や、コネクションの確立、ルーティングテーブルの生成などを含む。ルーティング処理自体は、所定のシグナリング手順に従って実施される。
また、ステップS14の経路設定には、第1通信機1Aが中継サーバ5に対して対象アプリのアプリID、通信機IDをソースポート番号と対応付けて通知することが含まれる。第1通信機1Aは、中継サーバ5に対し、ソースポート番号以外の通信経路情報を通知しても良い。ソースポート番号以外の通信経路情報とは例えば送信元及び宛先IPアドレス、宛先ポート番号などである。無線通信に使用する回線種別や通信事業者、APNなどの一部又は全部を経路情報に含めることができる。
第1通信機1Aは、アプリサーバ4までの通信経路の設定が完了すると、ACPクライアント82に対して通信開始要求に対する応答として、通信を許可する旨のメッセージである通信許可応答を返送する(ステップS15)。通信許可応答には、例えばソースポート番号や宛先IPアドレスなどの経路情報が含まれる。また、第1通信機1Aは通信開始要求に対する応答として、経路情報に加えて、通信の実施権の有無を示すトークンを送信しても良い。
ACPクライアント82は、第1通信機1Aからの通信許可応答を受領すると、要求管理処理として、対象アプリに割り当てられているアプリIDと、経路情報と、トークンの有無を紐付けて保存する(ステップS16)。そして、ACPクライアント82は、アプリ81に対して通信開始要求に対する第1通信機1Aからの応答の報告として、ソースポート番号やトークンの有無を通知する(ステップS17)。ACPクライアント82は、第1通信機1Aから宛先IPアドレスなど、ソースポート番号以外の経路情報をアプリ81に通知しても良い。
アプリ81は、ステップS16においてACPクライアント82から通信経路が確保されたことを示す報告を受信すると、当該報告に示されるソースポート番号を用いて、アプリサーバ4と暗号通信を開始する(ステップS18)。例えば、アプリ81とアプリサーバ4とはTLS暗号通信を実施する。この場合、アプリ81が生成した暗号化されたデータは、第1通信機1Aから無線送信され、セルラー基地局2を含むネットワーク側装置、及び中継サーバ5で中継されてアプリサーバ4に到達する。もちろん、下り通信も上り通信と同様に実施されうる。すなわち、アプリケーションサーバ3から転送用のデータを代行通信用のポートを用いたセルラー通信で受信し、当該受信データを車車間通信により依頼元としての他機に転送する。
なお、ステップS13において通信制御部F3は、自装置が利用可能な通信回線の中に、ACPクライアント82から通知された通信条件を充足する通信回線があるか否かを、通信回線毎の使用状況や品質などに基づいて検証してもよい。すなわち、ACPクライアント82から通知された通信条件を充足する通信経路の割り当てが可能かどうかを、通信回線毎の使用状況や品質などに基づいて判断してもよい。自装置が利用可能な通信回線の概念には、自装置が利用可能なセルラー回線やWi-Fiの他、代行通信を含めることができる。
ステップS13において通信制御部F3は、ACPクライアント82から通知された通信条件を充足する通信回線がなかった場合には、割当不可応答をACPクライアント82に返送しても良い。割当不可応答は、割当不可であることを示すメッセージである。割当不可応答は、単に要求された通信条件を充足する通信回線が存在しないことだけを示すメッセージであっても良い。割当不可応答は、通信条件を充足する通信を実施可能となるまでの待機時間の見込み値を含んでいても良い。その他、割当不可応答は、現在の状況において実施可能な通信条件を含んでいても良い。例えば現時点で提供可能な通信サービスのRTTや送信可能なデータサイズなどを通知しても良い。
前述の通り、アプリ81とアプリサーバ4との通信は、中継サーバ5を介して実施される。中継サーバ5は、第1通信機1Aから通知されてきたソースポート番号を用いて、アプリ81毎の通信量を管理する(ステップS20)。すなわち、ソースポートを用いてやり取りされるデータの量を計測する。データ量は別途後述するように、通信に使用された回線毎に区別して管理される。
以上が代行通信を利用しないパターンの作動である。ステップS13において代行通信を利用すると決定した場合には(S131 YES)、図6に示すようにステップS14Aとして、代行通信設定処理を実施する。
代行通信設定処理については図7を用いて説明する。図7に示すフローチャートは、S14Aとして実行される。ここでは一例として代行通信設定処理はステップS41~S48を含む。もちろん、代行通信設定処理が含むステップ数や、処理の順序は適宜変更可能である。なお、本開示では代行通信を依頼する車載通信機1を依頼元通信機、代行通信を引き受けて実施する車載通信機1を代行通信機とも記載する。代行通信機は一時中継機、転送機とも呼ぶ事もできる。以下の例では第1通信機1Aが依頼元通信機に相当し、第2通信機1Bが代行通信機に相当する。
代行通信設定処理では、まず第1通信機1Aが第2通信機1Bに対し、車車間通信にて代行通信の実施を要求する信号である代行通信要求信号を送信する(ステップS41)。代行通信要求信号は、例えば送信元のMACアドレスなど、L2ヘッダ(MACヘッダ)を構成する情報を含みうる。MACヘッダが送信元MACアドレスや宛先MACアドレスを示すデータフィールドに相当する。なお、ここでの送信元とは第1通信機1Aを指す。
上り通信に関する代行通信の依頼である場合、依頼元通信機としての第1通信機1Aは、代行通信で送信してもらいたいデータ量である代行送信量を、依頼先としての第2通信機1Bに通知してもよい。代行送信量は、代行通信要求信号に含まれていても良い。代行通信要求信号には、代行を依頼する通信のタイプが、上り通信が主体的な通信か、下り通信が主体的な通信かを示す情報を含んでいても良い。依頼元通信機は、上り通信の代行を依頼するのか、下り通信の代行を依頼しているのかを示す通信方向フラグを含む代行通信要求信号を送信するように構成されていても良い。
第2通信機1Bは代行通信要求を受信すると、代行処理部F35が自装置の通信状況をもとに、代行通信を引き受けるか否かを判断する(ステップS42)。本ステップにおける自装置とは第2通信機1Bを指す。代行処理部F35は、例えば自装置内の通信需要(トラフィック量)に対して通信速度に余裕がある場合や、RTTが所定値以下に抑えられている場合に、代行通信を許可する。通信速度に余裕がある場合とは、例えば通信速度が所定値以上である場合を含む。
代行処理部F35は、依頼元としての第1通信機1Aから代行送信量が通知されている場合、自機の通信状態をもとに通知された代行送信量を所定時間以内に送信できるか否かを判断し、当該判断結果に基づいて代行通信を引き受けるか否かを判断しても良い。その場合、依頼元から通知されたデータ量を所定時間以内に送信できないと判断した場合には、代行通信を引き受けないことを決定する。
なお、他装置からの代行通信要求を承諾する条件である代行承諾条件は適宜設計されればよい。代行処理部F35は、余力評価部F32が算出している通信回線の余力が所定値以上である場合に代行通信を承諾しても良い。代行処理部F35は、送信電力に余剰のある場合、具体的には自装置のセルラー回線のPHRの値が所定値以上である場合に上り通信の代行を承諾しても良い。代行処理部F35は、自装置が利用可能なセルラー回線の受信品質が良い場合、具体的にはRSRQが所定値以上である場合に、下り通信の代行を承諾しても良い。代行処理部F35は自装置が利用可能なセルラー回線又はWi-Fi通信の状態が所定の代行承諾条件を充足している場合、代行通信を承諾する。代行承諾条件として、下り通信用の条件と上り通信用の条件が別々に設定されていても良い。
第2通信機1Bは、自装置が利用可能なセルラー回線等の状態に基づき代行通信要求を承諾すると判断した場合には、第1通信機1Aに向けて、承諾応答を車車間通信で返送する(ステップS43)。承諾応答は、代行通信を引き受けることを宣言する応答信号である。承諾応答はACKの一種と解することができる。承諾応答は、例えば自装置のMACアドレスや、IPアドレスなど、依頼元通信機が代行通信機を特定するための情報を含んでいれば良い。なお、第2通信機1Bは、転送先IPアドレスとして自装置のIPアドレスを第1通信機1Aに通知してもよい。
なお、第2通信機1Bは、自装置が利用可能なセルラー回線又はWi-Fi通信の状態が代行承諾条件を充足していない場合には、代行通信を拒否する旨の応答信号である拒否応答を返送してもよい。拒否応答はNACKの一種と解することができる。代行通信を要求された車載通信機1は、自装置が利用可能な通信回線の状態をもとに当該依頼を引き受けるか否かを決定し、その決定結果を返送する。
第1通信機1Aは、代行通信要求に対して承諾応答を受信した場合には、代行通信用のソースポートを新たに用意する(ステップS44)。ここで用意するソースポート番号は、第1通信機1Aがセルラー回線又はWi-Fiを用いてアプリサーバ4とデータ通信する際に使用するソースポートとは異なるものとする。便宜上、代行通信用に用意されるソースポートのことを代行通信用ソースポートとも記載する。第1通信機1Aは代行通信用ソースポート番号、及び、最終的な宛先情報を車車間通信で第2通信機1Bに通知する(ステップS45)。最終的な宛先情報とは、対象アプリが通信したいアプリサーバ4のIPアドレスを指す。
なお、宛先情報には最終的な宛先とするアプリサーバ4のMACアドレスなどが含まれていても良い。また、代行通信用のポートは、第2通信機1Bが未使用のポートであってもよい。さらに、代行通信用のソースポート番号は、第1通信機1Aと第2通信機1Bの両方が未使用のポートであってもよい。そのようなポート設定態様によれば、どのレイヤで通信量を計測する場合であっても、代行通信による通信量と、代行通信ではない通信量とを区別可能となる。
第2通信機1Bは、第1通信機1Aから代行通信用のソースポート番号及び宛先情報を取得すると、中継サーバ5に対して、第1通信機1Aから指定されたソースポートを代行通信用に確保するように要求する(ステップS46)。また、第2通信機1Bは、当該ポート番号は、第1通信機1Aとアプリサーバ4との通信のためのポートであることを中継サーバ5に通知する。その際、対象アプリのアプリIDや第1通信機1Aの通信機ID、対象アプリを収容するECU-IDなどを中継サーバ5に通知しても良い。対象アプリのID等は、第1通信機1Aから取得可能である。例えば、対象アプリのID等は、代行通信要求に含まれていても良いし、承諾応答に対するさらなる応答として、第1通信機1Aから第2通信機1Bに送信されても良い。
そして、第2通信機1Bは、第1通信機1Aから通知された宛先IPアドレスをもとにルーティング処理を実施し、指定されたアプリサーバ4までの通信経路を確立する(ステップS47)。通信経路の用意が整うと第2通信機1Bは第1通信機1Aに向けて、経路確立報告を送信する(ステップS48)。経路確立報告は、代理通信可能な状態になったことを通知する無線信号に相当する。
第1通信機1Aは、第2通信機1Bからの経路確立報告を受信すると、対象アプリに対応するACPクライアント82に許可応答を送信する(図6 S15)。ACPクライアント82は、第1通信機1Aからの通信許可応答を受領すると、要求管理処理(ステップS16)を実施し、アプリ81に対してソースポート番号やトークンの有無を通知する(ステップS17)。
アプリ81は、ACPクライアント82から通信経路が確保されたことを示す報告を受信すると、L3ヘッダに送信元を自装置、宛先として所望のアプリサーバ4を指定した、暗号化されたデータを含む通信パケットを生成して、第1通信機1Aに出力する。ここでのL3とは、OSI参照モデルにおけるレイヤ3(ネットワーク層)を指す。L3ヘッダは例えばIPヘッダを指す。すなわち、アプリ81は、IPヘッダとしてのデータフィールドに、宛先とするアプリサーバ4のIPアドレスや、代行通信用のソースポート番号を挿入したIPパケットを第1通信機1Aに出力する。
第1通信機1Aは、転送用のデータとして、アプリ81から入力されたIPパケットに、第2通信機1BのMACアドレスを宛先MACアドレスに設定したL2ヘッダ(いわゆるMACヘッダ)を付加した通信フレームを生成する。そして当該通信フレームを、車車間通信で第2通信機1Bに送信する。ここでのL2は、OSI参照モデルにおけるレイヤ2(データリンク層)を指す。
第2通信機1Bは、第1通信機1Aからのデータを受信すると、事前のルーティング処理にて用意したルーティングテーブルに基づき、L2ヘッダ(MACヘッダ)の書き換えにより、転送処理を行う。1つの態様として第2通信機1Bは代行通信時に、依頼元通信機から提供されたデータのL3ヘッダ(IPヘッダ)は書き換えない。すなわち、代行通信機としての第2通信機1Bは、IPアドレスやポート番号の書き換えは行わずに転送を行う。
上記の構成によれば、第1通信機1Aが送信した通信パケットは、第2通信機1B、ネットワーク側装置、及び中継サーバ5で中継されてアプリサーバ4に到達する。すなわち、代行通信利用時は、第1通信機1Aからのデータは、直接ネットワーク側装置に入るのではなく、第2通信機1Bを経由する。以上では上り通信時の作動について主として述べたが、下り通信も同様の通信経路で実施されうる。ソースポートは車載通信機1のポートを指すものであって、下り通信においてはソースポートとの記載は宛先ポートと置き換えて実施可能である。
中継サーバ5は、代行通信用のポートが使用された通信に関しては、代行通信での通信量として、通常の通信量とは分けて計上する。例えば図8に示すように、代行通信によって行われた通信のデータ量は、ポート番号によって通常の通信で行われたデータ量とは分けて管理される。なお、通常の通信とは、代行されていない通信、すなわち、アプリ81が所属する車載通信機1が自装置で利用可能なセルラー回線又はWi-Fiを用いて行った通信を指す。代行通信機にとっての通常の通信とは、当該車載通信機1自分自身(つまり自機)のための通信を指す。
図8に示すTCU-IDは通信機IDを意味し、一例として「101」は第1通信機1Aの通信機IDを、「102」は第2通信機1Bの通信機IDを表している。また、ポート番号が49152に設定された行の通信量は、通常の通信での通信量を表し、ポート番号が49154に設定された行の通信量は、第2通信機1Bによって代行された通信量を表す。代行機IDは、代行通信を行った車載通信機1のIDを指す。図8に示す例では第2通信機1Bが1.2GB分、第1通信機1Aのデータ通信を代行した場合を示している。通信量及びポート番号は、さらに、通信回線の種別や、回線を提供する通信事業者ごとに区分されて管理されても良い。
なお、代行通信機がMACヘッダの送信先を書き換えて転送する構成では、中継サーバ5が上り通信で受信する通信パケットの送信元IPアドレスは、代行通信で到着した場合も通常の通信で到着した場合もどちらも第1通信機1Aのものとなる。そのため中継サーバ5は、送信元IPアドレス情報からは、観測した通信パケットが、代行通信で到着した通信パケットか通常通信で到着した通信パケットかどうかを識別できない。これに対し、本開示の構成によれば、代行通信時と通常の通信時とで、通信に使用するポートを異ならせることで、中継サーバ5は、代行通信で到着した通信パケットと、通常の通信で到着した通信パケットを区別可能となる。
<効果>
上記の構成によれば、代行通信時と通常の通信時とで、通信に使用するポートを異ならせる。そして、ポート番号ごとに区別して通信量を計上することにより、代行された通信の量と、代行されていない通信の量とを区別して管理することができる。その結果、例えば通信量に応じた課金を適正に実施可能となる。
例えば特許文献2に開示されているように、UEに割り当てられたベアラ情報に基づきUEごとの通信量を管理する構成では、第1通信機1Aの通信を代行した分が、第2通信機1Bの通信量として計上されうる。具体的に、図8に示す例を用いて説明すると、1.2GB分の通信量が第2通信機1Bの通信量として計上されうる。なお、UEごとの無線ベアラの割当量に基づきUEごとの通信量を管理する構成は、コントロールプレーン(Control-plane)の制御情報を用いて、第2通信機1Bの実通信量を特定する構成に相当する。実通信量とは実際に無線ベアラ等のリソースを使用した量に対応する通信量であって、代行通信分が含まれる。
そのような懸念に対し、上記構成によれば、代行通信による通信量を通常の通信量と区別可能であるため、第1通信機1Aの通信を代行した分が第2通信機1Bの通信量として計上されることを回避可能となる。あるいは、第2通信機1Bの実通信量から、第1通信機1Aの通信を代行した分を除外可能となる。
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、以降で述べる種々の変形例も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。例えば下記の種々の補足や変形例などは、技術的な矛盾が生じない範囲において適宜組み合わせて実施することができる。なお、以上で述べた部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略することがある。また、構成の一部のみに言及している場合、他の部分については上記説明を適用することができる。
以上では、代行通信機としての第2通信機1Bは、IPヘッダの中身を書き換えずに、MACヘッダの送信先を書き換えて転送することにより、代行通信を実現する態様お開示したがこれに限らない。例えば代行通信機としての第2通信機1Bは、自装置から所望のアプリサーバ4までの通信経路を確立した上で、送信元IPアドレスを自装置のIPアドレスに書き換えて転送するように構成されていても良い。その場合、第2通信機1Bは、代行通信要求を受け付けたことに基づき、未使用のソースポートの中から、代行通信用のソースポートを設定し、当該代理通信用ソースポートを中継サーバに通知する。代行通信においては当該代行通信用のポートを用いて第1通信機1Aとアプリサーバ4とのデータ通信を中継すれば良い。
上記の変形例においても中継サーバ5はデータ通信に用いられたポート番号から、代行通信によるものか、通常の通信によるものかを識別することができる。なお、図9はIPアドレスの書き換えを行う場合の通信量の管理結果の一例を示す。仮に送信元/宛先IPアドレスに基づいて車載通信機1ごとの通信量を管理する構成においては、いったんは第2通信機1Bの通信量として代行通信分も計上されるが、ソースポート番号を用いて除外可能となる。なお、図9に示す依頼元IDとは、依頼元通信機の通信機IDを意味するものである。ソースポート番号「49158」は、代行通信用に用意したソースポート番号であって、当該番号に紐づく通信量は、第1通信機1Aの通信を代行した分を示している。
なお、前述のPDCPレイヤでのパケット量を観測することで、ユーザ装置ごとの通信量を管理する構成においても、図9に示すように代行通信分の通信量が代行通信機としての第2通信機に計上されうる。本開示の構成によれば、これまでの説明の通り、代行通信量を非代行通信のデータ量と分けて管理可能となるため、どのレイヤで通信量を計上する場合であっても、各車載通信機1での実質的な通信量を最終的に特定可能となる。
ところで、アプリ81ごとに、換言すれば、データ通信の種別ごとに、代行通信を利用可能か否かが予め設定されていても良い。例えば動作視聴や音楽再生、ウェブブラウジングなど、エンターテイメント性の強いアプリ、あるいはプライベート性の高いアプリ、緊急性が低いアプリは代行通信を利用不可に設定されていても良い。一方、車両モデルに関するデータや、公共性が強いデータは代行通信を利用可能に設定されていても良い。車両モデルに関するデータとは、搭載されているECUの情報や、車載通信機1の情報等を指す。ECU/車載通信機1の情報とは、型番や、ID、グレード、リリース年(世代)などの一部又は全部を指す。公共性が強いデータとは、換言すれば、第三者にとっても有益なデータであって、例えば、プローブデータが想定される。プローブデータの概念には、走行軌跡や、交通情報、路面情報などを含めることができる。プローブデータは、事故車両や駐車車両、落下物、交通規制、渋滞区間などの動的な地図要素についての観測データであってもよい。プローブデータは、地点ごとのワイパーの作動速度や、車線変更が行われた地点の情報、急ブレーキが行われた地点の情報といった、車両挙動を示すデータであってもよい。プローブデータは、広く、静的な地図、又は動的な地図を作成するためのデータと解することができる。
上記のようにアプリ/データ種別ごとに代行通信の可否が設定されている構成によれば、緊急性の低い通信が代行通信されることで、車車間通信用の無線リソースが逼迫したり、各車載通信機1での処理負荷が増大したりする恐れを低減できる。なお、代行通信を利用可能なアプリ/データ通信と、代行通信を利用禁止するアプリ/データ通信は、予め設定されていても良いし、中継サーバ5などの外部指示又はユーザ操作に基づき設定変更可能に構成されていても良い。
以上では中継サーバ5を通信の中継及び通信量の管理を行うサーバとする態様を開示したがこれに限らない。中継サーバ5自身も所定のアプリ81に対応する処理を実施する、アプリサーバ4の一種として構成されていても良い。また、中継サーバ5の機能は、任意の1つのアプリサーバ4が代表的に備えていても良いし、各アプリサーバ4が備えていても良い。
<付言(1)>
本開示には以下の構成/方法も含まれる。
[構成(1)]
セルラー通信と車車間通信とを実施可能に構成された、それぞれ異なる車両で使用される複数の通信機と、通信機と任意のアプリケーションサーバとのデータ通信を中継するとともに、通信機ごとのデータ通信量を管理する中継サーバと、を含み、
複数の通信機のそれぞれは、他の通信機である他機から代行通信の要求を受けた場合には、中継サーバとの協働により、代行通信用の経路設定を行い、中継サーバは、経路設定情報をもとに、通信機自身のための通信量と、代行通信のための通信量とを分けて管理するように構成されている車両用通信システム。
[方法(1)]
セルラー通信と車車間通信とを実施可能に構成された、それぞれ異なる車両で使用される複数の通信機(1)と、通信機とアプリケーションサーバとのデータ通信を中継するとともに、通信機ごとのデータ通信量を管理する中継サーバ(5)と、が協働して実施する通信量管理方法であって、
通信機が、他の通信機である他機からの依頼に基づき、代行通信として、他機とアプリケーションサーバとのデータ通信を中継することと、
通信機が、代行通信を行う場合には、代行通信のためのポートとして、代行通信の依頼元としての他機または自機が、代行通信ではない通常の通信時には使用していないポートを用いてセルラー通信を実施することと、
通信機が代行通信のためのポートの番号を中継サーバに通知することと、
中継サーバが、通信に使用されているポートの番号に基づいて、代行通信のデータ量を代行通信ではないデータ通信の量とは分けて管理することと、を含む通信量管理方法。
<付言(2)>
本開示に記載の装置、システム、並びにそれらの手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路を用いて実現されてもよい。さらに、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。つまり、例えば車載通信機1等が提供する手段および/または機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組み合わせによって提供できる。車載通信機1は、CPU、MPU、GPU、及びDFP(Data Flow Processor)のうちの何れか1つを用いて又は複数を組み合わせて用いて実現されていてもよい。
車載通信機1が備える機能の一部は、システムオンチップ(SoC:System-on-Chip)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を用いて実現されていても良い。各種プログラムは、非遷移的実体的記録媒体(non- transitory tangible storage medium)に格納されていればよい。プログラムの保存媒体としては、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、SD(Secure Digital)カード等、多様な記憶媒体を採用可能である。中継サーバ5の構成についても同様である。車両用通信システム100を構成する各装置が実施する通信制御方法や、コンピュータを車載通信機1として機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体等の形態も本開示の範囲に含まれる。コンピュータを中継サーバ5として機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体等の形態も本開示の範囲に含まれる。
1 車載通信機(車両用通信機)、1A 第1通信機、1B 第2通信機、2 セルラー基地局、3 コアネットワーク、4 アプリサーバ、5 中継サーバ、6 Wi-Fi基地局、8 ECU、11 処理部、12 RAM、13 ストレージ、52 プロセッサ、53 RAM、54 ストレージ、81 アプリケーション、82 ACPクライアント、F1 車内通信部、F2 無線通信部、F3 通信制御部、F21 セルラー通信部、F22 Wi-Fi通信部、F23 車車間通信部、F31 経路特性取得部、M1 指標保持部、F32 余力評価部、F33 経路設定部、F34 ポート管理部、F35 代行処理部

Claims (11)

  1. セルラー基地局を介した無線通信であるセルラー通信と車車間通信とを実施可能に構成された、それぞれ異なる車両で使用される複数の通信機(1)と、
    前記通信機とアプリケーションサーバとのデータ通信を中継するとともに、前記通信機ごとのデータ通信量を管理する中継サーバ(5)と、を含み、
    複数の前記通信機のそれぞれは、
    他の前記通信機である他機からの依頼に基づき、代行通信として、前記他機と前記アプリケーションサーバとのデータ通信を中継する代行処理部(F35)を備え、
    前記代行通信を行う場合には、前記代行通信のためのポートとして、前記代行通信の依頼元としての前記他機または自機が、前記代行通信ではない通常の通信時には使用していないポートを用いて前記セルラー通信を実施することと、
    前記代行通信のためのポートの番号を前記中継サーバに通知することと、を実施し、
    前記中継サーバは、
    通信に使用されているポートの番号に基づいて、前記代行通信のデータ量を前記代行通信ではないデータ通信の量とは分けて管理するように構成されている車両用通信システム。
  2. 請求項1に記載の車両用通信システムであって、
    前記代行処理部は、前記他機からの依頼に基づき前記代行通信を行う場合には、
    前記他機から転送用のデータを前記車車間通信で受信することと、
    前記他機から前記車車間通信で受信したデータを、前記代行通信のためのポートを用いた前記セルラー通信により、前記アプリケーションサーバに送信することと、を実施するように構成されている車両用通信システム。
  3. 請求項1又は2に記載の車両用通信システムであって、
    前記代行処理部は、前記他機からの要求に基づき前記代行通信を行う場合には、
    前記アプリケーションサーバから転送用のデータを、前記代行通信のためのポートを用いた前記セルラー通信で受信することと、
    前記セルラー通信で前記アプリケーションサーバから受信したデータを、前記車車間通信により、前記依頼元としての前記他機に転送することと、を実施するように構成されている車両用通信システム。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の車両用通信システムであって、
    前記代行処理部は、前記依頼元が未使用のポートを前記代行通信のためのポートとして使用するように構成されている車両用通信システム。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の車両用通信システムであって、
    前記車車間通信でやり取りされるデータは、送信元及び宛先のMACアドレスを示すデータフィールドであるMACヘッダと、送信元及び宛先のIPアドレスを示すデータフィールドであるIPヘッダを含み、
    前記代行処理部は、IPヘッダを書き換えずに、MACヘッダの書き換えにより、前記代行通信としての転送処理を実施するように構成されている車両用通信システム。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の車両用通信システムであって、
    複数の前記通信機は、前記車車間通信によって、自機が利用可能なセルラー回線での通信状態を互いに共有するように構成されており、
    前記代行処理部は、自機が利用可能なセルラー回線の通信状態と、前記他機が利用可能なセルラー回線の通信状態とを比較することで、当該他機に対して前記代行通信を依頼するか否かを決定するように構成されている車両用通信システム。
  7. 請求項6に記載の車両用通信システムであって、
    前記通信状態には、通信速度が含まれており、
    前記代行処理部は、自機が利用可能なセルラー回線の通信速度よりも、前記他機が利用可能なセルラー回線の通信速度のほうが所定値以上大きい場合に、当該他機に対して前記代行通信を依頼するように構成されている車両用通信システム。
  8. 請求項1から7の何れか1項に記載の車両用通信システムであって、
    前記代行処理部は、他機から前記代行通信の依頼を受け付けた場合、自機が利用可能なセルラー回線での通信状態に基づき、前記代行通信を引き受けるか否かを決定し、
    その決定結果を前記依頼元に無線送信するように構成されている車両用通信システム。
  9. 請求項8に記載の車両用通信システムであって、
    前記依頼元は、前記代行通信で送信したいデータ量を、依頼先に通知し、
    前記代行処理部は、自機が利用可能なセルラー回線の通信状態をもとに、前記依頼元から通知されたデータ量を所定時間以内に送信できるか否かを判断し、
    前記依頼元から通知されたデータ量を前記所定時間以内に送信できないと判断した場合には、前記代行通信を引き受けないことを示す回答を前記依頼元に送信する車両用通信システム。
  10. 車両で使用される通信機とアプリケーションサーバとのデータ通信を中継するとともに、前記通信機ごとのデータ通信量を管理する中継サーバであって、
    前記通信機が他の前記通信機である他機と前記アプリケーションサーバとのデータ通信を代行する場合には、前記通信機から代行通信のためのポートの番号を取得することと、
    データ通信に使用されているポートの番号に基づいて、前記代行通信のデータ量を前記代行通信ではないデータ通信の量とは分けて管理するように構成されている中継サーバ。
  11. セルラー基地局を介した無線通信であるセルラー通信と車車間通信とを実施可能に構成された車両用通信機であって、
    前記車両用通信機と任意の外部装置との通信は、前記車両用通信機の通信量を管理する機能を備えた所定の中継サーバを介して行われるように構成されており、
    他の前記車両用通信機である他機からの依頼に基づき、代行通信として、前記車車間通信と前記セルラー通信を併用して、前記他機と前記外部装置とのデータ通信を中継する代行処理部(F35)を備え、
    前記代行処理部は、前記代行通信を行う場合には、前記代行通信のためのポートとして、前記代行通信の依頼元としての前記他機または自機が、前記代行通信ではない通常の通信時には使用していないポートを用いて前記外部装置と通信することと、
    前記代行通信のためのポートの番号を前記中継サーバに通知することと、を実施するように構成されている車両用通信機。
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