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JP7578345B1 - 地盤注入工法 - Google Patents

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JP7578345B1
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Abstract

【課題】地下空間を有するコンクリート構造物をミサイルや核兵器による空爆から保護するための地盤注入工法および地盤固結材の開発。
【解決手段】地中に埋設され地下空間を有するコンクリート構造物を空爆から保護するための地盤注入工法である。固結材の浸透性が良好で、長期耐久性、高強度、耐震性、止水性、特には放射線遮蔽機能に優れ、低炭素型の注入工法にも対応できる地盤注入工法および地盤固結材を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、地中コンクリート構造物の補強に用いられる地盤注入工法およびそれに用いる地盤固結材に関する。
近年、国防の観点から、地下鉄や地下街、トンネル等が避難所(シェルター)として検討されている。しかし、これらの地中コンクリート構造物は、建設時にこのような事態を想定して造られたものではなく、また、現在では部分的に劣化が生じていることから、補強工事を行う必要がある。
特に、ミサイル等による攻撃のみならず、核兵器による攻撃を考慮すると、地中コンクリート構造物には、強度だけでなく放射線を遮蔽することが要求される。従来、放射線遮蔽技術として、特許文献1および非特許文献1に記載された技術が挙げられる。また、本出願人が長期耐久性と耐震性を実証したものとして、特許文献2,3および非特許文献2,3に記載された技術がある。
本発明は、このような対策に用いることを目的として、耐久性と強度、止水性、浸透性に優れた本出願人による注入技術をさらに発展させた、地中コンクリート構造物の補強に用いられる地盤注入工法、および、それに用いる強化および放射線遮蔽のための地盤固結材に関する。本発明は、空間部を有する既存の地下構造物の外周部に地盤固結材の注入を行うことで、すでに劣化や漏水が生じているコンクリート構造物を強化して、ミサイル等の攻撃から地下空間を防御し、かつ、放射線を遮断できる地盤注入工法および地盤固結材を提供するものである。
国際公開第2019/031578号 特開2018-193550号公報 特開2022-66686号公報 特開2024-053139号公報 特開2020-083959号公報
国民保護における避難施設の機能に関する検討会報告書,平成20年7月,総務省消防庁国民保護室 角田百合花,島田俊介,小山忠雄,佐々木隆光,米倉亮三著、「超微粒子複合シリカの恒久性と浸透固結性の実証研究」、平成23年土木学会第66回年次学術講演会 佐々木隆光,米倉亮三,島田俊介著、「活性シリカと超微粒子複合シリカによる固結地盤の経年固結性の現場実証試験」、第54回地盤工学研究発表会,0241,2019
本発明者らは、このような目的に適合する地盤注入工法および地盤固結材の条件を、以下のように設定した。
1)地上構造物に適用する放射線遮蔽物を用いる方法に関しては、すでに特許文献1および非特許文献1により知られている。本発明は、地下構造物の強化および防護を注入工法によって実現せんとするものである。
2)長期耐久性に優れ(いつ空爆が起こるかわからないため。)、かつ、高強度(空爆の衝撃に耐えられる必要がある。)および耐震性(空爆の前に地震が起きるかもしれない。)を発現できる。
3)浸透性(高強度の懸濁グラウトの注入可能限界をカバーできる浸透固結性が要求される。)および止水性(既存のコンクリート構造物の劣化を補修する機能が要求される。また、放射線を含む地下水を地下空間に漏水させないために止水効果が要求される。)に優れている。
4)放射線遮蔽機能を有する注入材(放射線遮蔽機能を持つ粒子を含有し、地盤中に浸透固化し、かつ、その固化物が含水固化物であることが望ましい。)であること。
5)低炭素型の注入工法であることが望ましい。(地球温暖化防止の点から、COを低減できる注入材が望ましい。)
そこで、本発明の目的は、地下空間を有するコンクリート構造物をミサイルや核兵器による空爆から保護するための地盤注入工法および地盤固結材であって、固結材の浸透性が良好で、長期耐久性、高強度、耐震性、止水性、特には放射線遮蔽機能に優れ、低炭素型の注入工法にも対応できる地盤注入工法および地盤固結材を提供することにある。
本発明において、上記課題1)を解決する地盤注入工法は、図1(a)~(c)のように行われるものとする。このような注入工法にあって、上記課題2)~5)を解決するために、上記本出願人の技術をベースとして、さらに発展せしめたものである。
A.上記課題2)に関して、長期耐久性および耐震性が、室内試験、大規模野外試験および実際の地震において実証されている先行特許文献2,3および非特許文献2,3をベースとして開発する。
B.上記課題3)に関して、高強度および浸透性について、特許文献3,4をベースとして開発する。
C.上記課題4)に関しては、上記A,Bに特許文献1,5をベースとして開発する。
以上の知見に基づいて、本発明者らは、
(1)地下空間を有する地中構造物を空爆の衝撃に耐えられるよう強化するために、特許文献3,4の技術を基本として、強度、浸透性および止水性を期待できる技術を開発し、かつ、
(2)地下空間を有する地中構造物を核ミサイル等の放射線から守るために、上記(1)を基本にして、さらに非特許文献1および特許文献1をベースにして、含水ゲルを形成する固結材を適用した技術の開発を行ったものである。
すなわち、本発明の地盤注入工法は、地中に埋設され地下空間を有するコンクリート構造物を空爆から保護するための地盤注入工法において、
下記i)~iii)、
i)焼成シリカ、ポゾラン作用を有する天然シリカおよび硬化性シリカ粒子のいずれかまたは複数からなるシリカ粒子、
ii)スラグ、フライアッシュ、セメント、下水焼却灰、植物焼却灰および焼成粘土のいずれかまたは複数からなるシリカ粒子、
iii)ローム土、シラス、火山灰、二和土および三和土のいずれかまたは複数からなるシリカ粒子、
のいずれかのシリカ粒子からなる懸濁粒子を主材とし溶液型シリカを有効成分とする懸濁液からなる地盤固結材を、地盤に設けた複数の注入孔から前記コンクリート構造物の周辺部に注入して、該コンクリート構造物を保護する地盤注入工法であって、
前記シリカ粒子としてブレーン値が4000~20000cm/gのものを用い、前記地盤固結材における該シリカ粒子の配合量を50~150L/400Lとし、前記溶液型シリカとしてシリカコロイドおよび/または水ガラスを用い、前記懸濁液のブリーディング液がゲル化するものであり、
前記地盤固結材は、前記溶液型シリカが水ガラスの場合は、モル比1.0~5.0の水ガラスを用い、該地盤固結材における該水ガラスの配合量を10~150L/400Lとし、前記ブリーディング液のシリカ濃度が0.5w/v%以上であって、該ブリーディング液がゲル化したホモゲルが自立する強度を有するとともに、該ブリーディング液が浸透して固結したサンドゲルが自立する強度を有するものであり、
前記ブリーディング液が、細粒土への浸透性をもって、前記地盤のうち前記懸濁粒子が浸透し得なかった領域まで浸透して、隣接する前記注入孔からの該懸濁粒子による固結体同士を連結し、前記コンクリート構造物の周辺部の地盤に、中心に近い部分から外側に向かって順次、高濃度の懸濁液で固化する領域と、低濃度の懸濁液で固化する領域と、前記ブリーディング液のゲル化により固化した止水性を有する領域とを厚さ1m以上で形成して、空爆の衝撃が直接該コンクリート構造物に作用することを防ぐとともに、劣化した該コンクリート構造物の補修を可能にし、かつ、前記地下空間への地下水の浸入を防ぐことにより放射線を遮断することを特徴とするものである。
本発明の地盤注入工法は、前記地盤固結材として放射線遮蔽粒子を含むものを用いることで、核ミサイルによる空爆から前記コンクリート構造物を保護する用途に好適に用いられる。
本発明の地盤注入工法においては、前記溶液型シリカが、シリカコロイドおよび/または水ガラスを含み、前記地盤固結材のブリーディング液がゲル化することが好ましい。
本発明の地盤注入工法においては、前記シリカ粒子が、焼成シリカ、ポゾラン作用を有する天然シリカおよび硬化性シリカ粒子のいずれかまたは複数を有効成分とすることが好ましい。また、前記焼成シリカは、スラグ、フライアッシュ、セメント、下水焼却灰、植物焼却灰および焼成粘土のいずれかまたは複数からなることが好ましく、前記ポゾラン作用を有する天然シリカは、ローム土、シラス、火山灰、二和土および三和土のいずれかまたは複数からなることが好ましい。
本発明の地盤注入工法においては、前記アルカリ剤が、下記(1)~(3)のいずれかまたは複数からなることが好ましい。
(1)石膏およびMgOのいずれかまたは複数を有効成分とするアルカリ剤。
(2)Ca塩、Ma塩、Al塩、炭酸塩および重炭酸塩のいずれかまたは複数を有効成分とするアルカリ剤。
(3)石灰、セメント、苛性アルカリ、水ガラスおよびシリカコロイドのいずれかまたは複数を有効成分とするアルカリ剤。
本発明の地盤注入工法においては、前記シリカ粒子としてブレーン値が4000~20000cm/gのものを用い、前記地盤固結材における該シリカ粒子の配合量を、50~150L/400Lとすることが好ましい。また、本発明の地盤注入工法においては、前記シリカ粒子がスラグであって、前記地盤固結材における該スラグの配合量が、セメントを併用しない場合は10~25質量%であり、セメントを併用する場合は10~30質量%であることが好ましい。
本発明の地盤注入工法においては、前記水ガラスのモル比が1.0~5.0であり、前記地盤固結材における該水ガラスの配合量を、10~150L/400Lとすることが好ましい。
本発明の地盤注入工法においては、前記地盤固結材として、前記シリカ粒子を主材とし前記溶液型シリカを有効成分とする懸濁液からなるものを用いて、該地盤固結材を、前記複数の注入管から該地盤に注入するにあたり、
前記地盤固結材のブリーディング液がゲル化するとともに、そのホモゲルが自立する強度を有し、該ブリーディング液が浸透して固結したサンドゲルが自立する強度を有し、
前記ブリーディング液が、前記地盤のうち前記懸濁液が浸透し得なかった部分に浸透して固結範囲を拡大し、または、該地盤のうち該懸濁液が浸透した部分と一体化して固結体を形成するものとすることができる。
ここで、上記において、前記ブリーディング液がゲル化してそのホモゲルが自立するとは、該ブリーディング液のシリカ濃度が0.5w/v%以上であって、モールド内において、該ホモゲルを斜めに傾けてもゲルが崩れず自立する状態を意味する。
また、前記サンドゲルが自立するとは、前記ブリーディング液のシリカ濃度が0.5w/v%以上であって、6号珪砂を用い該ブリーディング液を使用して相対密度60%になるように直径5cm×高さ10cmで混合法により作製された該サンドゲルが自立し、該サンドゲルを用いて測定された一軸圧縮試験における強度が2.0kN/m以上であることを意味する。
本発明の地盤注入工法においては、前記地盤固結剤として、軽量、低アルカリかつ低炭素型の地盤改良となる配合処方を設定することができる。
本発明の地盤注入工法においては、前記地盤固結材が、マイクロバブル、空気、分散剤および増粘剤のいずれかまたは複数を有効成分とすることが好ましい。
本発明の地盤注入工法においては、前記硬化剤が多価金属化合物であって、Ca、MgまたはAlの水酸化物、酸化物若しくは塩のうちのいずれか1種または複数種、および/または、石膏であることが好ましい。
本発明の地盤注入工法においては、前記地盤固結材の注入による改良効果を、非破壊試験によって確認することができ、前記非破壊試験としては、弾性波速度検層法、音響トモグラフィーまたは表面波探査を用いることができる。
本発明の地盤固結材は、上記地盤注入工法に用いられ、地中に埋設され地下空間を有するコンクリート構造物を核ミサイルによる空爆から保護するための地盤固結材であって、該地盤固結材が、放射線遮蔽粒子を含むことを特徴とするものである。
本発明の地盤固結材は、pHが1~10である(B)非アルカリシリカグラウトからなり、シリカコロイドおよび水ガラスのいずれか1種または複数種と、反応剤として酸および塩のいずれか1種または複数種を有効成分とし、該(B)非アルカリシリカグラウトがシリカコロイドと水ガラスと酸とからなる場合には、シリカコロイドに起因するシリカ濃度と水ガラスに起因するシリカ濃度との比率が100:0~0:100であって、かつ、シリカ濃度が0.4~40wt%、シリカのモル比が2.0~100、ゲル化時間が瞬結から10000分であることが好ましい。
上記非アルカリシリカ(特許文献2)や粘土グラウト(特許文献5)は、上記懸濁型グラウトの浸透固結領域(図13)のさらに周辺に浸透注入することにより、含水ゲル化物により止水性を向上したり放射線遮蔽効果を上げることができる。
本発明によれば、地下空間を有するコンクリート構造物をミサイルや核兵器による空爆から保護するための地盤注入工法および地盤固結材であって、固結材の浸透性が良好で、長期耐久性、高強度、耐震性、止水性、特には放射線遮蔽機能に優れ、低炭素型の注入工法にも対応できる地盤注入工法および地盤固結材を提供することができた。
(a)~(c)は本発明の地盤注入工法に係る説明図であり、(a)はトンネル周辺部への補強注入の例、(b)は供用中の地下構造物内部からのコンクリートの補修や周辺地盤の補強注入の例、(c)は地中構造物の強化の例を示す。 実施例36のサンプルのブリーディング状態を示す写真図である。 比較例1のサンプルのブリーディング状態を示す写真図である。 実施例36のサンプルの浸透後数日経過後の状態を示す写真図である。 比較例1のサンプルの浸透後数日経過後の状態を示す写真図である。 実施例36および比較例1の長尺浸透試験の結果を示すグラフである。 図6の浸透距離90cm~120cmの部分を拡大したグラフである。 ブリーディング液がゲル化し、斜めにしてもゲルが崩れない(自立している)状態を示す写真図である。 溶液型グラウトによる液状化対策を行った種々の現場砂の粒径加積曲線を示すグラフである。 ブリーディング液を用いた供試体の7日目強度測定状況を示す写真図である。 ブリーディング液を用いた供試体の強度測定後の供試体の状態を示す写真図である。 使用した砂の物性を示すグラフである。 本発明の地盤注入工法における浸透固結の形態を示す説明図である。 本発明の地盤注入工法における浸透固結の他の形態を示す説明図である。 本発明の地盤注入工法における浸透固結のさらに他の形態を示す説明図である。 本発明の地盤注入工法における浸透固結のさらに他の形態を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明の地盤注入工法は、地中に埋設され地下空間を有するコンクリート構造物を空爆から保護するための地盤注入工法であって、下記(A)および/または(B)の地盤固結材を、地盤に挿入した複数の注入管からコンクリート構造物の周辺部に注入して、該コンクリート構造物を補強することを特徴とする。
(A)シリカ粒子を主材とし、硬化剤、アルカリ剤および溶液型シリカのいずれか1種または複数種を有効成分とする懸濁型グラウト。
(B)非アルカリシリカグラウト。
本発明における、課題を解決するための具体的な手段について、以下に記載する。
1)本出願人はすでに、低炭素型の注入材および注入工法として、恒久グラウトとしてスラグやフライアッシュ等のシリカ粒子を用いた高強度恒久グラウト(特許文献3~5)を開発している。
2)また、本出願人はすでに、浸透性および耐久性に優れた非アルカリシリカグラウト(特許文献2)を開発している。これらは低炭素型のグラウトであり、長期耐久性や耐震性が実証されている(特許文献2,3)。
3)本発明者らは、特許文献3をベースとして、シリカ粒子とシリカ溶液からなる超微粒子複合シリカがシリカ粒子による注入可能限界をブリーディング液のゲル化機能によってカバーするとともにブリーディング液がシリカ粒子が浸透し得ない領域まで浸透固化することから、高強度と浸透固結性に優れ、かつ、止水性に優れた対象地盤全体を一体化した懸濁・溶液同時複合注入による地盤改良を実現した(図13)。
4)放射線遮蔽機能は、上述3)により、地中構造物を高強度固結体で覆い、さらに、その周辺を止水性を有する含水シリカゲルや粘土ゲルで覆うことによって得られる。また、放射線遮蔽機能を有する微粒子を加えた材料を上記高強度グラウトに添加することによって、高強度で止水性に優れ、放射線遮蔽機能を有する放射線遮蔽グラウトが可能となり、これをコンクリート構造物の周辺部の地盤に注入することによって、地下構造物の強化を可能にした。
放射線遮蔽機能を有する微粒子は、特許文献1においてすでに知られている。また、放射線の種類および遮蔽物の種類に関しては、非特許文献1において知られている。しかし、これらはいずれも地上構造物の放射線遮蔽効果に関する技術である。本発明は、地中構造物の強化と放射線遮蔽を注入工法によって可能にする技術に関するものである。
5)放射線の透過性は、放射線の種類と、グラウト中に含有する遮蔽材の種類および厚さによる。
地下コンクリート構造物(地下シェルター)の壁の厚さに対する放射線の透過係数に関しては、非特許文献1に記載されている。ここでは、厚さ約80cmの地下シェルターでは透過率が0.0002、コンクリートブロック構造の地下シェルターで壁厚が約61cmでは透過率が0.0001~0.002と記載されている。また、放射線の種類および遮蔽物については、非特許文献1の図15に記載され、放射線の種類および性質については、非特許文献1の図15に記載されている。さらに、特許文献1には、遮蔽粒子として、カーボンナノホーン、ナノグラファイト、タングステン、グラフェンが記載されている。さらにまた、水は遮蔽効果があるため、これらを含む含水ゲルが有効である。粘土グラウトに関しては上記特許文献5に記載されており、粘土を含む含水ゲルは、放射線遮蔽部として有効である。
従って、これらを考慮してコンクリート構造物の外周部に形成する懸濁グラウトによる固結厚さおよび強度を定めればよいのであるが、本発明の施工にあたっては、図1(a)~(c)の例のように行われることから、注入孔からの浸透範囲が連結しうる注入孔距離を1mとし、固結厚さを1m以上とし、細粒土を含む地盤でも、後述する高強度浸透固結性および止水性のある本注入材を注入する。
6)上記において、放射線の遮蔽および放射線の種類と遮蔽物の機能については、特許文献1に記載されている。また、放射線遮蔽機能を有する粒子の製造法については、特許文献2に記載されている。本発明は、浸透性および耐久性に優れた高強度注入材を注入し、または、さらに放射線遮蔽機能を有する微粒子を含む上記高強度浸透性および止水効果を有する本注入材を地盤に注入することによって、地下構造物を強化し止水するとともに放射線を遮蔽する、上記課題を解決した地盤注入工法および地盤固結材を提供するものである。従って、以下に、長期耐久性、浸透固結性、高強度および止水性を実現することが可能な地盤注入工法を用いた地下建造物の強化方法について説明する。
以上より、本発明の技術は、
1.高強度、浸透性のある注入材の注入による地下建造物の強化と、
2.シリカ溶液を含有する懸濁液のブリーディング液のゲル化によってシリカ粒子が浸透しない細粒土も固化し、かつ、ブリーディング液の浸透固化によってシリカ粒子の固結体よりも大きな固結体を形成することにより、強度、浸透性、止水効果および放射線遮蔽効果を有する懸濁・溶液同時複合注入(図13)による地下構造物の補強を可能にした、
3.放射線遮蔽効果のある細粒子を含有する上記注入材の注入による放射線遮蔽注入工法である。
そのうち最も重要な技術である、上記2.の点を中心として、以下に説明する。
従来の注入材としてのセメントを主成分とする懸濁グラウトにおいては、セメントは比重が3.17と大きい反面、比表面積が3,220cm/g程度と小さく、セメント粒子が重いため、また、細粒土への土粒子間浸透が困難で浸透距離が短いために、大きな固結体を形成することが困難であった。
セメントを主体とする高圧噴射工法では、造成直後の改良体は、十分な水和反応などが行えていないため、未固化な状態にある。したがって、構造物の近傍で施工を行う場合、支持力の低下によって、構造物の機能を阻害する場合があった。また、高圧噴射流体のもつエネルギーに頼る従来の高圧噴射工法では、噴射流体の距離によって切削領域が限定され、セメント固結材による改良体の大きさが制約されていた。
さらに、上記高圧噴射工法では、土を排土してセメントと置き換えて固結体を形成するために、その排泥の処理が今日、環境上の大きな問題になってきている。さらにまた、軟弱地盤の改良において、軟弱地盤は支持力が小さいために、セメント固結体の改良体は沈下しやすく、構造物の変位も大きくなりやすいという問題があった。
本発明者らは、ブリーディング液のゲル化に関して研究を続けた結果、溶液型シリカを含有する懸濁液では、ブリーディング率が50%以下でも50%以上でもゲル化することを見出した(図2、図4、図8、表8)。また、硬化剤を加えることにより、ブリーディングのゲル化時間や強度も調整できることがわかった。そして、そのブリーディング液のゲル化に関するホモゲルおよびサンドゲルが自立するために十分なシリカ濃度の関係もわかった(表9、図2、図4、図6~8、図10、図11)。
図13(a)~(d)は、本発明の地盤注入工法の浸透固結の形態を示す。図13は、上記シリカ懸濁液の注入によって、懸濁粒子が土粒子間浸透し、さらにブリーディング液が浸透固化して、一体化した浸透固結領域ができることを示す。図13は、図6、図7に対応する。
従って、複数の注入孔から懸濁液のシリカ粒子、または、さらにブリーディング液が地盤に浸透固化して、地盤全体を一体化した地盤改良が可能になる(図13(c),(d))。
また、本発明は、懸濁グラウトの注入可能限界(図12)を溶液型グラウトまで実質上拡大し(図9)、懸濁・溶液同時複合注入という新たな技術思想からなる地盤改良工法へと発展したものである。
さらに、本発明は、上記地下構造物の周辺の軟弱地盤や液状化地盤を、高強度かつ軽量に地盤改良する地盤注入工法に関し、シリカ粒子やスラグ系などの固結材を周辺部に浸透せしめ、大きな固結体を形成し、低炭素型の地盤改良を可能にしたものである。スラグやフライアッシュ等の焼成シリカを主成分とする懸濁型固結材や、天然のポゾラン作用を有するシリカ粒子を用いることで、非セメント系固結材またはセメントを減量した固結材を用いることによりCOを低減した、材料面から地球環境に優しい地盤改良を提供できる。さらにまた、上記懸濁型シリカ粒子が溶液型シリカを含むことによって、懸濁液のブリーディング液が浸透ゲル化して、浸透固結範囲を拡大し、高強度固結効果および止水効果、並びに、劣化した地中コンクリート構造物を補修できる地盤改良を可能にしたものである。
このため本発明は、シリカ粉体やスラグまたはフライアッシュ等の人工の焼成シリカを主成分とし、または、天然のポゾラン作用を有するシリカ粒子を主成分とし、または、セメントを少ない使用量で用いて固結体を形成することで、全体の改良領域において、改良体としては重量が軽減して、改良体による沈下を解消するという利点が得られる。
これは、セメントは比重3.15であるのに対し、スラグは比重が2.9、フライアッシュは比重2.8、火山灰は一般に比重0.9~2.5であり、普通土とほとんど変わらないためである。
後述する表1は、地盤が砂質土または粘性土の場合の固結材との混合物の固結強度試験の例を示す。
表1~表7は、固結材の固結強度または現場土と混合した強度の例を示している。表8は、ゲル化するブリーディング液によるサンドゲルの一軸圧縮強度を示す。本発明においては、地盤状況に応じて、流動性の良い粒径の小さなシリカ粒子を主材とした軽量懸濁液を選定することにより、周辺地盤に浸透し、懸濁液が溶液型シリカを含有すればブリーディング液がゲル化して固化するため、懸濁液のみでは浸透し得ない領域まで固結範囲が拡がり、しかも止水効果と固結体同士の連続固化が可能となる(図2、図4、図6~11)。図9は、溶液型グラウトで浸透固結効果が得られた粒径分布曲線を示すもので、溶液型シリカを含む上記シリカ粒子による懸濁型固結材は、図9の粒径分布の地盤まで浸透固結が可能となるため、懸濁液注入工法と溶液注入工法の利点を同時に備えた「懸濁・溶液同時複合注入」という新しいコンセプトからなる地盤注入工法が可能になる。図12は、シリカ溶液を含まない懸濁グラウトの浸透可能限界の粒径分布である。
以下に、本発明に用いる地盤固結材について説明する。
本発明の地盤固結材は、本発明の地盤注入工法に用いられ、地中に埋設され地下空間を有するコンクリート構造物を、核ミサイル等による空爆から保護する用途に用いられる。
本発明の地盤固結材は、前述したように、(A)シリカ粒子を主材とし、硬化剤、アルカリ剤および溶液型シリカのいずれか1種または複数種を有効成分とする懸濁型グラウト、および/または、(B)非アルカリシリカグラウトからなり、放射線遮蔽粒子を含むことが好ましい。
(A)懸濁型グラウトは、シリカ粒子を主材として、硬化剤、アルカリ剤および溶液型シリカのいずれか1種または複数種を有効成分とする。シリカ粒子を主材とする懸濁液としてスラグやフライアッシュ等の焼成シリカを水懸濁液とし、これに水ガラスおよび/またはアルカリ剤等の硬化剤を混合して、調整して用いられる。シリカ粒子としては、焼成シリカ、ポゾラン作用を有する天然シリカおよび硬化性シリカ粒子(セメント)のいずれかまたは複数を有効成分とすることが好ましい。
このうち焼成シリカとしては、スラグやフライアッシュの他に、セメント、製紙スラッジ、汚泥焼却灰、下水焼却灰、植物焼却灰および焼成粘土等やシリカを多く含む植物の焼却灰が挙げられ、これらのいずれかまたは複数を用いることができる。また、ポゾラン作用を有する天然シリカとしては、ローム土、シラス、火山灰、二和土および三和土等の天然の焼成土壌が挙げられ、これらのいずれかまたは複数を用いることができる。これらの焼成シリカは、ポゾラン作用を有するシリカ粒子であって、可溶性シリカを含み、消石灰、石膏、水酸化マグネシウム、水ガラス、シリカコロイド、苛性アルカリ、炭酸塩、重炭酸塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリの作用によって、水和反応によりセメントと類似の結晶構造をつくって強固に固結する。また、これらに土砂や粘土等の骨材を増粘剤や増量剤として用いることにより、経済的に地盤改良を行うことが可能になる。さらに、現場土を、上記硬化剤とともにスラリー化して用いることもできる。
上記シリカ粒子として、ブレーン値が4000~20000cm/gのものを用いることで、土粒子間浸透が可能になる。また、シリカ粒子として人工または天然の焼成シリカを用いて、地盤固結材におけるシリカ粒子の配合量を400L当たり50~150Lとすることにより、高強度が得られる。本発明の固結材中のスラグ等の焼成シリカの配合量は、目的とする硬化物の強度によって定められるが、セメントを併用しない場合は10~25質量%、セメントを併用する場合は10~30質量%であることが好ましい。特に、固結材のシリカ粒子としてスラグを用いる場合には、地盤固結材におけるスラグの配合量が、セメントを併用しない場合は10~25質量%、セメントを併用する場合は10~30質量%とすることで、高強度を得られるため好ましい。
本発明における固結材に用いる硬化剤としては、多価金属化合物であって、Ca、MgまたはAlの水酸化物、酸化物若しくは塩のうちのいずれか1種または複数種、および/または、石膏とすることができる。具体的には、セメント、消石灰、石膏等のCa溶融物やアルカリ剤であり、特に、消石灰は、ゲル化時間の短縮や初期強度の向上を図る上で好ましい。また、上記固結材は、スラグ、ベントナイト、炭酸カルシウム、粘土、土砂等のシリカ粉末等を充填材として併用することもできる。可塑状グラウトとしてフライアッシュ、高分子、セメント、アルミニウム塩等の可塑剤、増粘剤、粘土などを充填材として用いることができる。
本発明の固結材に用いるアルカリ剤としては、下記(1)~(3)のいずれかまたは複数とすることができる。
(1)石膏およびMgOのいずれかまたは複数を有効成分とするアルカリ剤。
(2)Ca塩、Ma塩、Al塩、炭酸塩および重炭酸塩のいずれかまたは複数を有効成分とするアルカリ剤。
(3)石灰、セメント、苛性アルカリ、水ガラスおよびシリカコロイドのいずれかまたは複数を有効成分とするアルカリ剤。
本発明の固結材に用いる溶液型シリカとしては、シリカコロイドおよび/または水ガラスを含むことが好ましく、これにより固結材のブリーディング液がゲル化する。この場合、水ガラスのモル比が1.0~5.0であって、地盤固結材における水ガラスの配合量が、10~150L/400Lであることが好ましい。
本発明の固結材に用いる放射線遮蔽粒子としては、粘土、カーボンナノホーン、ナノグラファイト、タングステン、グラフェンなどの、従来公知のものを用いることができる。
本発明において、上記スラグとしては、高炉スラグを微粉砕したものが用いられ、反応性を高めるために粒径が細かい方が好ましく、例えば、比表面積(ブレーン値)が4000cm/g以上、好ましくは6000cm/g~20000cm/gであり、平均粒径が10μm以下のものが適している。
本発明において、上記水ガラスとしては、スラグとの反応性から、アルカリ濃度の高いものが好ましく、特に、SiO/NaOのモル比が2.5以下であるものが好ましい。モル比が低いと、高強度の固結体および長いゲル化時間を得ることができる。また、水ガラスとして、無水オルソ珪酸ソーダと水酸化ナトリウムの混合物、メタ珪酸ソーダを含む結晶性珪酸ソーダ、一部結晶性珪酸ソーダを含む混合物、珪酸ソーダガラス(カレット)、水和ガラス、脱水した珪酸ソーダ、半固体珪酸ソーダ、粘稠珪酸ソーダ、市販の珪酸ソーダの希薄溶液などを用いることができ、モル比が2.0~5.5の水ガラス、水ガラスにシリカコロイドを混合してモル比をさらに高めたシリカ溶液等、粘度やモル比、シリカ濃度に変えて用いてもよく、粉体のまま用いてもよい。水ガラスのアルカリ分は、スラグの水硬性を刺激する作用を呈する。また、モル比の低い水ガラスは、水ガラスと苛性アルカリとを混合したものであってもよい。但し、消石灰、セメント等のCa溶融物を併用する場合には、水ガラス3号および4号のようなSiO/NaOモル比の高い水ガラスを使用することができる。
また、シリカ溶液として、水ガラスの他にシリカコロイドを用いることができ、シリカコロイドとスラグ等の焼成シリカとセメントの混合物を用いることもできる。
本発明に使用される塩としては、硫酸アルミ、ポリ塩化アルミニウム等、アルミニウム化合物やこれらに苛性アルカリを反応させたものであってもよい。さらに、NaO/Alのモル比も特に限定されないが、スラグとの反応性から固結材中のNaO濃度が5質量%以上であることが好ましい。苛性アルカリはスラグの水硬性を刺激するのに効果的であり、アルミニウム分は水ガラスやスラグのシリカ分と反応してアルミニウムシリケートやカルシウムアルミノシリケートを形成する。
固結材中の水ガラスおよびアルミニウム化合物の配合量は、固結材の硬化時間が数時間、通常は1時間以内、好ましくは30分以内となるような配合量であり、NaO、Al、SiOのモル比によっても異なるが、固結材中のNaOが2質量%以上となる量が好ましい。但し、広範囲を固結する場合には、硬化時間が数時間となるような配合量が必要である。
また、本発明の固結材は、発泡剤や起泡剤を加えて流動性を向上し、軽量化を図ることができ、粘土やベントナイト、高分子系増粘剤、すなわち、ポリビニルアルコールやカルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース等を添加することにより、水に対する分散性を抑制し、沈殿を少なくし、ワーカビリティの改善効果、または、保水材として、また、主材となるスラグなどのシリカ粒子のバインダーとして機能させて、擬似ゲル状にして、流動性を保持しながら分散しにくい構造をもつ流動体を形成することができる。この結果、地盤中における拡散や希釈を低減し、固結体の拡大を促進できる。
本発明においては、スラグやフライアッシュ等の上記懸濁液やセメント等の懸濁液に、マイクロバブルまたはマイクロバブルと空気を混入して切削領域に注入することもできる。これにより、懸濁粒子を覆うマイクロバブルまたはマイクロバブルと空気のベアリング作用により、懸濁粒子による広範囲固結体の構築を可能にするとともに、固結体中の気体量の増大に伴う固結体の軽量化および強度の低減を図ることが可能となる。また、固結体中に存在する気泡は、固結体中の懸濁粒子の量が少なく強度が低くても、液状化防止効果を向上させることが分かっている。さらに、本発明の固結材においては、マイクロバブルおよび空気の他、分散剤や増粘剤を用いることができ、これらのいずれかまたは複数を有効成分とすることができる。
また、本発明の地盤固結材は、以下のような実施形態とすることもできる。
本発明の地盤固結材は、pHが1~10である(B)非アルカリシリカグラウトからなり、シリカコロイドおよび水ガラスのいずれか1種または複数種と、反応剤として酸および塩のいずれか1種または複数種を有効成分とし、(B)非アルカリシリカグラウトがシリカコロイドと水ガラスと酸とからなる場合には、シリカコロイドに起因するシリカ濃度と水ガラスに起因するシリカ濃度との比率が100:0~0:100であって、かつ、シリカ濃度が0.4~40wt%、シリカのモル比が2.0~100、ゲル化時間が瞬結から10000分であるものとすることもできる。
本発明においては、地盤固結剤として、軽量、低アルカリかつ低炭素型の地盤改良となる配合処方を設定することができる。
本発明において固結材は、直接混合して1液で注入ロッドに送液してもよく、また、上述の懸濁液(A液)と水ガラスおよび/またはアルカリ剤(B液)とをポンプで移送し、混合して注入してもよい。この場合、これらA液およびB液は、ほぼ1:1(容量)の比率で混合することが好ましいが、通常は、10:1~1:10の範囲内の任意の比率で混合される。
本発明においては、地盤固結材の注入による改良効果を、非破壊試験によって確認することができる。非破壊試験としては、弾性波速度検層法、音響トモグラフィーまたは表面波探査を用いることができる。
(試験)
粘性土および砂質土を用い、これらをそれぞれ混合して、本発明の上記固結材により固結した。この固結体について強度を測定した実施例の試験結果を、表1に示す。
以下より、焼成シリカやポゾラン作用を有する天然シリカを主材とし、セメントを用いない固結材、または、セメント使用量を低減した固結材は、セメントを主材とする固結材よりも比重が小さく、したがってほとんど原地盤と比重が変わらない材料で、あるいはさらに軽量な材料で地盤を固結するため、固結体の軽量の効果が得られることがわかる。
[使用材料]
スラグ:比重2.9、ブレーン値8000cm/g、シリカ系非硬化性粉状体である。
フライアッシュ(FA):火力発電所より排出される石炭灰:シリカ系非硬化性粉状体である。比重1.9~2.3g/cm、粒度分布0.1mm以下が90%以上。
セメント:普通ポルトランドセメント:PC、比重3.15、硬化材。
硫酸バンド:硫酸アルミニウム、Al=17.2%、ゲル化剤、比重1.32。
消石灰:工業用水酸化カルシウム、ゲル化促進剤および硬化材。
石膏または半水石膏:硬化発現材、比重2.6。
ベントナイト:保水材および増粘材、比重2.6。
酸化マグネシウム(ゲル化剤):比重3.65。
塩化カルシウム(ゲル化剤):比重1.85。
重曹:比重2.2。
分散剤:比重1.04。
硫酸:比重1.67、75w/w%。
5号水ガラス:比重1.32、シリカ濃度25.5%、NaO7.03、モル比3.75。
1号水ガラス:比重1,35、シリカ濃度21.59%、NaO10.80%、モル比2.06。
3号水ガラス:比重1.41、シリカ濃度29.16%、NaO9.36、モル比3.22。
ポリ塩化アルミニウムや気泡材を用いることもできる。
[試験方法および試験結果]
表1~表7の一軸圧縮強度試験の供試体の作製は、日本産業規格(案)(JIS A 1216:2020)土の一軸圧縮試験方法に準拠し、高さ100mm、直径50mm、の円柱供試体を用いた。1日目、7日目および28日目、または、28日目の強度を測定した結果をそれぞれ示す。
Figure 0007578345000002
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本発明の固結材は、砂地盤に浸透固結することができる。特に、本固結材が溶液型シリカを含む場合、細粒土へと浸透固化し、固結体同士を連結し、かつ、止水効果を得ることができる。
以下に、シリカ溶液を含む上記シリカ懸濁液におけるブリーディング液のゲル化による効果を示す試験例(図2~図11)について説明する。図8は、図2を傾けた状態を示す。また、表8、図7、図10、図11は、ブリーディング液で固化した砂の供試体の強度試験の状態を示す。
(浸透性試験)
(試験装置および試験方法)
1次元浸透装置(長さ2m)を用いて、6号珪砂に対する浸透試験を行い、浸透長および強度分布を調べた。
試験条件:アクリルモールドh=2m、配合液3L
試料に水を飽和させた後、懸濁液を下部から注入し、排出液が排出されなくなるまで注入した。
供試体の作製は、日本産業規格(案)(JIS A 1216:2020)土の一軸圧縮試験方法に準拠し、高さ100mm、直径50mmの円柱供試体を一軸圧縮試験に用いた。
実施例36および比較例1の配合にて行った(図4~7、図10、図11)。
図6、図7の実線は、実施例36の配合にて行った結果を示す。浸透距離120cmでも強度測定が可能であった。なお、90cm以降サンドゲルの変色はなかったが、強度測定ができたのは、ブリーディング液が90cm以降で固化したためと思われる。90cm以降の部分は、0.5%以上のシリカが含有されていると思われる。
図6、図7の点線は、比較例1の配合にて行った結果を示す。90cmまで強度測定できたが、90cm以降は変色がなく、強度測定できず、ブリーディング液がゲル化していなかったことが分かった。
図5の浸透試験で砂の変色反応がなかった部分は、スラグが浸透していないと思われる。ブリーディング液の自立性はなく、ブリーディング液が浸透している部分も自立性がなく固化していなかった。これに対し図6では、ブリーディング液がゲル化し、ブリーディング液が自立し、かつ、サンドゲルは変色していないが自立して強度を発現していた。
以上より、土の粒径密度および懸濁粒子の粒径分布によっては土粒子間に浸透し得ない条件下では、ブリーディング液のみが浸透することになる(図9、図12)。
図6、図7より、懸濁液の懸濁粒子の浸透距離が90cmでも、120cmまでブリーディング液が浸透し、そのブリーディング液が自立する強度があり、サンドゲルが自立する強度がある。その場合の、シリカ濃度は0.5~2%以上であることが予測できる(表9)。したがって、注入孔間隔を長くとっても、高強度を得る懸濁粒子が浸透している固結体同士をブリーディング液のホモゲルが連結することになる。
このようにして、懸濁粒子が浸透し得ない地盤条件でも一体化した固結体を形成して、また、注入孔間隔を広くとってもその間の固結体同士を自立可能なブリーディング液のゲル化物で連結して、一体化した固結地盤を形成できる。
懸濁型グラウトは、溶液型グラウトに比べて高強度は得られるものの、粒径が大きいため細粒土に対する浸透性が悪いが、溶液型シリカを含有することにより、懸濁粒子が浸透し得ない地盤においても固結効果が得られ、一体化した地盤改良や止水性の実現が可能となる(図13)。
上述したように、本発明者らは、懸濁グラウトのブリーディング液のゲル化にも着目して、ブリーディング液のゲル化、ブリーディング液のホモゲルの自立性、ブリーディング液のサンドゲルの自立性や強度を研究し、それを条件とすることにより、従来は適用不可能と考えられていた細粒土や細粒土を含む地盤の懸濁型グラウトの浸透固結性を改善して、本発明を完成した。また、本発明によれば、掘削地盤でも掘削面の自立と止水が可能な改良効果が得られる。
本発明は特に、シリカ溶液を含む懸濁液を適用した場合、以下のブリーディング液のゲル化による効果を発現する。これらの効果は、従来の高圧噴射工法では得られない。
(1)懸濁粒子の浸透固結が不可能であった細粒土地盤の浸透固結。
(2)切削面の自立効果と止水性。
(3)浸透固結による改良範囲の拡大。
(4)隣接する固結体同士が連結して一体化した地盤改良。
(5)注入管の孔間隔の拡大による工事量の低減。
(6)ブリーディング液の短期固結効果の発現による隣接建造物からの土圧や土留壁背面からの土圧に対する抵抗力の向上による施工の安全性、浸透注入による地中埋設物に対する安全性、空間のある地下構造物の周辺地盤の強化、止水および劣化の補修。
以下に実施例を示す。
(強度試験)
(サンドゲル供試体の作製)
6号珪砂(図12)を用い、ブリーディング液を使用して、相対密度60%になるように直径5cm×高さ10cmの混合法による供試体を作製し、28日目の一軸圧縮強さを測定した。ブリーディング率は水ガラス量が多いほうが多く、スラグ量が少なくなると多くなる。ブリーディング液を用いたサンドゲルでは、水ガラスおよびスラグ量が多い方が強度が発現した。また、石膏を併用したもので、石膏を添加するとブリーディング率が減少し、強度が増加した。
ブリーディング液のゲル化とその自立性やブリーディング液による固結した砂(サンドゲル)の強度や自立性は、懸濁液中のスラグや水ガラスの配合量、水ガラスのシリカ濃度(SiO)とスラグのCaO分の比率(CaO/SiO)、ゲルタイム、ブリーディング液によって固化する砂の粒径や密度によって異なる。そこで、これらのいくつもの要因に総合的に影響する条件として、ブリーディング液のゲル化と自立、その強度の最小値を確認する試験を行った(表9、図6、図7)。その結果、ブリーディング液のゲル化と自立とブリーディング液が浸透したサンドゲルが自立することを条件として、懸濁粒子の浸透固結が困難であった細粒土部分、または、浸透するに至らなかった部分を切削領域の高強度固結体とともに一体化する、懸濁・溶液同時複合注入による地盤改良が可能になった。
ブリーディング率が50%以上でも、また50%以下でもゲル化し、ブリーディング液が浸透してサンドゲルが自立する組成を得られることが分かった。そのサンドゲルが自立する最小強度は2.0kN/mであった。400mL当たりスラグ75gと1号水ガラス100mLのみの配合の自立可能なサンドゲルの強度が28日目で15kN/mであることがわかった。また、1日目と7日目の強度も測定した。1日強度では2.0kN/mの強度が得られた。7日目は10kN/mであった。また、豊浦砂でも同様な傾向が得られた。また、ブリーディング液中にCa、Mg、Al等の塩が含まれれば、サンドゲルの強度はさらに増加するとみてよい(図12、図13)。
本発明において供試体は、土の一軸圧縮試験の供試体サイズに合わせ、直径D0(mm)は、通常、35mmまたは50mmとし、高さH0(mm)は、直径D0(mm)の1.8倍~2.5倍とする自立するサンドゲルであれば、どの材令でも判定ができる。図10に、試験状況を示す。このことより、現場砂でも注入率40%で2.0kN/mの強度が得られれば自立することがわかった。また、注入率40%の注入率とは、改良地盤1m当たりの注入液の注入量で0.4mとなる。
消石灰の添加量が多くなると、ゲルタイムが短縮された。また、スラグ量が多いと強度が増大した。
比較例1では固結部分は固化するが、ブリーディング部分はゲル化しなかった。
実施例36のブリーディング液はゲル化した。シリカコロイドおよび水ガラスのいずれかまたは両者を併用しても、ブリーディング液がゲル化することがわかった。
(シリカ濃度と強度との関係)
底面が外れるアクリルモールドに中性~アルカリ領域の薬液を入れて固化させ、ホモゲルのシリカ濃度別のゲル化の有無、および、ゲルの自立性を確認した。また、サンドゲルでも同様に行い、固化および固結砂の自立性を確認した。その結果を、表9に示す。
シリカ濃度0.5%未満においては、ホモゲルとサンドゲルの自立性が得られなかった。
また、さらに試験を追加して、シリカ濃度0.25%でもゲル化することが分かったが、ゲルの自立性、サンドゲルの固結性および自立性は得られなかった(表9)。
Figure 0007578345000010
ブリーディング液の全量がゲル化しなくても、ブリーディング液中でゲル化し同様に斜めにしてゲルが崩れない状態も、サンドゲルでは自立性があった(図8)。
すなわち、単にブリーディング液がゲル化しても、ホモゲルもサンドゲルも自立性が得られない(表8)。ホモゲルおよびサンドゲルの自立性が得られるための条件が必要であることが分かった。
また、1次元浸透装置(長さ2m)を用いた浸透試験より、水ガラス-スラグ系ではブリーディング液がゲル化しゲルが自立しうる強度を持つが、水ガラスが含まれない場合はブリーディング液がゲル化しないこと、またブリーディング率が50%以上でも50%以下でもブリーディング液がゲル化して、ブリーディング液が浸透したサンドゲルが自立する組成が得られることが分かった。その場合のブリーディング液のシリカ濃度は0.5%以上、0.5~2%であると予測された(表9)。
また、浸透試験より、水ガラス-スラグ系と水ガラスが含まれない懸濁液では、水ガラスが含まれる懸濁液ではブリーディング液による懸濁粒子が浸透し得ない砂にブリーディング液が浸透して固化することが確認された。
このため、このブリーディング液は溶液型の浸透固結の粒径加積曲線の地盤においても浸透が可能であることから、溶液型のシリカグラウトの浸透可能性が得られることが分かった(図9)。
このように懸濁型グラウトは、スラグまたはフライアッシュ等の微粒子シリカと溶液型シリカを用いることにより、懸濁物が浸透し得ない部分にもブリーディング液が浸透固結することから、ブリーディング液のゲル化に着目し、ブリーディング液とサンドゲルが自立する以下の条件を見出した。
以上より、本発明の他の好適形態は、以下の通りである。
地盤に設けた複数の注入孔から、スラグまたはフライアッシュ等のシリカ粒子を主材とし溶液型シリカを有効成分とする懸濁液からなる固結材を地盤に注入して、土粒子間浸透固結させる注入工法であって、固結材のブリーディング液がゲル化するとともに、そのホモゲルが自立する強度を有し、ブリーディング液が浸透して固結したサンドゲルが自立する強度を有し、ブリーディング液が、地盤のうち懸濁液が浸透し得なかった部分に浸透して固結範囲を拡大し、または、地盤のうち懸濁液が浸透した部分と一体化して固結体を形成する注入工法である。これにより、隣接する注入孔からの懸濁粒子による固結体同士を連結して一体化した大きな固結体を形成できる(図13)。また、CMCやMC、ポリアクリルアミドや粘土等を注入液に添加すれば、地盤中で分散されにくく、砂礫地盤でも希釈されにくい効果が得られる。さらに、水ガラスやシリカコロイドなど、溶液型シリカを有効成分とする懸濁液を用いた場合、懸濁粒子が浸透し得ない領域まで浸透固結させることができる。
ここで、上記において、ブリーディング液がゲル化してそのホモゲルが自立するとは、ブリーディング液のシリカ濃度が0.5w/v%以上であって、モールド内において、ホモゲルを斜めに傾けてもゲルが崩れず自立する状態を意味する。
また、サンドゲルが自立するとは、ブリーディング液のシリカ濃度が0.5w/v%以上であって、6号珪砂を用いブリーディング液を使用して相対密度60%になるように直径5cm×高さ10cmで混合法により作製されたサンドゲルが自立し、サンドゲルを用いて測定された一軸圧縮試験における強度が2.0kN/m以上であることを意味する。
上記において、水ガラスとCaを含有するシリカ粒子からなるシリカグラウトのブリーディングによるサンドゲルは、経時的に強度が増加する(表8)。これは、シリカ粒子のCaイオンがゲル化後も長期にわたってブリーディング液のゲル中に溶出してシリカと反応し、珪酸カルシウムを形成して強度増加に寄与するものと思われる。あるいは、添加されたCaやMgを含む硬化剤が、長期にわたってポゾラン作用によりシリカ粒子の可溶性シリカと反応して、水和反応による強度増加が生じるものと思われる。
以上より、本発明においては、地盤状況や地盤改良目的(強度や固結領域の範囲等)に応じて、固結体の大きさや懸濁粒子、ブリーディング液のゲル化によって、浸透固結範囲を設定できる。また、懸濁液のシリカ粒子の種類や粒径、配合量、硬化剤やアルカリ剤、溶液型シリカの種類や添加量、ブリーディング率、ブリーディングの強度やゲル化時間によって、懸濁粒子の浸透固結範囲、ブリーディング液による浸透固結範囲を設定することができる。その結果、図13に示すように、懸濁・溶液同時複合注入という新しいコンセプトを創造し、懸濁型グラウトによる地盤改良が可能になった。
また、本発明によれば、上記固結材として、自然または人工で作られたシリカ粒子や、焼成シリカや天然のポゾラン作用を有するシリカ粒子、現場発生土をスラリー化した流動化土を主材として用いることにより、固結体の重量を低減し、浸透固結範囲を拡大し、かつ、CO低減により地球環境に貢献できる地盤改良工法を可能にした。
以上のように、本発明者らは、溶液型シリカを含有する上記シリカ粒子を主成分とする懸濁液を注入した外周部はシリカ分の多い懸濁液の固結体が形成され、隣接する固結体同士を連結することに着目した。従来、懸濁液におけるブリーディングが多いことは欠点とみなされていたが、本発明においては、懸濁粒子が浸透し得ない土粒子間にブリーディング液が浸透しうることに着目し、ブリーディング液のゲル化の研究を行った。その結果、ブリーディング液そのもののゲル化や強度、ブリーディング液の砂への浸透性とサンドゲルの強度が懸濁型グラウトの浸透固結性の改善に大きく影響することが分かった。これらの知見に基づき、懸濁粒子が浸透し得なかった領域へのブリーディング液の浸透とゲル化、ブリーディング液のホモゲル、サンドゲルの強度の条件を見出し、懸濁・溶液同時複合注入のコンセプトによる新しい地盤改良工法を発明するに至ったものである。
また、本発明は、スラグを主成分とする非セメント系地盤固結材を使用することにより、耐久性に優れた固結体を得ることのできるCO削減効果を期待できる地盤固結工法を提供するものである。
放射線遮蔽グラウトは、上記固結材に上述の放射線遮蔽機能を有する粒子を混合して含水ゲルを形成せしめればよい。また、放射線遮蔽機能を有する粒子を含む固結材の注入は、上記固結材の注入と同様に行うことができる。従って、上記固結材の注入により、空爆に対する高強度と、放射線を含む水の空間内への浸入に対する止水効果と、さらに、放射線遮蔽効果を有する固結物が一体となって、地下空間を有する地中構造物を防護することが可能となる。
本発明の固結材は、特には、以下の特性を持つものである。
(1)粒径の小さな軽量の流動性の良いシリカ粒子を主材とした懸濁液の配合を設定することにより、広範囲に浸透させることができる(図5~7)。
(2)溶液型シリカを含むことによりブリーディング液がゲル化し、シリカ粒子が浸透し得ない細粒子部分にブリーディング液が浸透し(図4、図6~8)、細粒子部分が固結し、自立する。ブリーディング液は溶液型シリカグラウト同様の浸透性を得るところから、図9の細粒土浸透可能範囲が期待できる。図2は、シリカを含有するシリカ懸濁液を静置した場合、懸濁物が固化し、ブリーディング液がゲル化する状況を示す。図3、図5はシリカを含有しないシリカ懸濁液を静置した場合、懸濁物のみ固化し、ブリーディング液はゲル化しない状況を示す。
(3)溶液型グラウトの低シリカ濃度におけるホモゲルの自立性、サンドゲルの固化と固結砂の自立性を示す(表9)。
(4)浸透試験に用いた砂の粒径分布(図12)から、本発明に用いる懸濁粒子が砂地盤に浸透固結することが分かる。
浸透試験(図4~7)に用いた砂の粒径分布は、図12の6号珪砂である。この粒径分布では、懸濁粒子は80cmは土粒子間浸透可能である(図6、図7)。それよりも細粒土である豊浦砂では、その浸透距離はそのほぼ半分以下であった。さらに溶液シリカを含有する上記懸濁液を用いれば、溶液型の浸透可能範囲の粒径と同じ図9の浸透範囲が得られ、土質状況に応じて浸透距離の違いはあるものの、図13のような改良体が形成できることが分かる。図13(c),(d)は、浸透固結体の平面図である。懸濁液のシリカ粒子の種類と大きさは、土質状況に応じて選択すればよい。また、図13(d)のように浸透注入が可能であるがゆえに、地下埋設物に損傷を生ずることなく周辺構造物の安定化を可能にする。さらに、周辺地盤の強化止水を行うことにより、空間のある地中構造物の強化が可能になる。
以上のように、本発明者らは、溶液型シリカを含有する上記シリカ粒子を主成分とする懸濁液を注入すると、中心に近い部分は懸濁粒子の多い高強度領域となり、中心から離れるとともに懸濁粒子の強度が低くなり、低強度領域となることを見出した(図6、図7、図13)。しかし、その外側には、溶液型シリカのブリーディング液のゲル化によるシリカ分の多い固結体が形成され、隣接する固結体同士を連結する。従来、懸濁液におけるブリーディングが多いことは欠点とみなされていたが、本発明においては、懸濁粒子が浸透し得ない土粒子間にブリーディング液が浸透しうることに着目し、ブリーディング液のゲル化の研究を行った。その結果、ブリーディング液そのもののゲル化や強度、ブリーディング液の砂への浸透性とサンドゲルの強度が懸濁型グラウトの浸透固結性の改善に大きく影響することが分かった。これらの知見に基づき、周辺地盤に懸濁液が浸透できるのみならず、さらに、懸濁粒子が浸透し得ない細粒土領域までブリーディング液が浸透してゲル化し、大きな固結体の形成を可能にする条件について検討した。
シリカ溶液を含まない懸濁液ではブリーディング液がゲル化せず、またブリーディング液が浸透した砂も自立せず、強度も得られない(図3、図5)。しかし、ブリーディング液がゲル化するのみでは、充分な強度は得られない(表9)。このような点から、ブリーディング液のホモゲル、サンドゲルの自立の強度条件はブリーディング液のシリカ濃度が0.5w/v%以上であることを見出し(表8)、それをもって溶液型シリカによる浸透固化とみなして、結果として、懸濁粒子が浸透し得なかった領域へのブリーディング液の浸透とゲル化、ブリーディング液のホモゲル、サンドゲルの強度の条件を見出し、懸濁・溶液同時複合注入のコンセプトによる新しい地盤改良工法を発明するに至ったものである。
また、本発明は、スラグやフライアッシュ等の人工焼成シリカやローム土等の可溶性シリカを含む、天然のポゾラン作用を有するシリカ粒子を主成分とする非セメント系地盤固結材を使用することにより、耐久性に優れた固結体を得ることのできるCO削減効果を期待できる地盤固結工法を提供するものである。

Claims (10)

  1. 地中に埋設され地下空間を有するコンクリート構造物を空爆から保護するための地盤注入工法において、
    下記i)~iii)、
    i)焼成シリカ、ポゾラン作用を有する天然シリカおよび硬化性シリカ粒子のいずれかまたは複数からなるシリカ粒子、
    ii)スラグ、フライアッシュ、セメント、下水焼却灰、植物焼却灰および焼成粘土のいずれかまたは複数からなるシリカ粒子、
    iii)ローム土、シラス、火山灰、二和土および三和土のいずれかまたは複数からなるシリカ粒子、
    のいずれかのシリカ粒子からなる懸濁粒子を主材とし溶液型シリカを有効成分とする懸濁液からなる地盤固結材を、地盤に設けた複数の注入孔から前記コンクリート構造物の周辺部に注入して、該コンクリート構造物を保護する地盤注入工法であって、
    前記シリカ粒子としてブレーン値が4000~20000cm /gのものを用い、前記地盤固結材における該シリカ粒子の配合量を50~150L/400Lとし、前記溶液型シリカとしてシリカコロイドおよび/または水ガラスを用い、前記懸濁液のブリーディング液がゲル化するものであり、
    前記地盤固結材は、前記溶液型シリカが水ガラスの場合は、モル比1.0~5.0の水ガラスを用い、該地盤固結材における該水ガラスの配合量を10~150L/400Lとし、前記ブリーディング液のシリカ濃度が0.5w/v%以上であって、該ブリーディング液がゲル化したホモゲルが自立する強度を有するとともに、該ブリーディング液が浸透して固結したサンドゲルが自立する強度を有するものであり、
    前記ブリーディング液が、細粒土への浸透性をもって、前記地盤のうち前記懸濁粒子が浸透し得なかった領域まで浸透して、隣接する前記注入孔からの該懸濁粒子による固結体同士を連結し、前記コンクリート構造物の周辺部の地盤に、中心に近い部分から外側に向かって順次、高濃度の懸濁液で固化する領域と、低濃度の懸濁液で固化する領域と、前記ブリーディング液のゲル化により固化した止水性を有する領域とを厚さ1m以上で形成して、空爆の衝撃が直接該コンクリート構造物に作用することを防ぐとともに、劣化した該コンクリート構造物の補修を可能にし、かつ、前記地下空間への地下水の浸入を防ぐことにより放射線を遮断することを特徴とする地盤注入工法。
  2. 前記ブリーディング液がゲル化したホモゲルが自立するとは、該ブリーディング液のシリカ濃度が0.5w/v%以上であって、モールド内において、該ホモゲルを斜めに傾けてもゲルが崩れず自立する状態を意味し、前記サンドゲルが自立するとは、該ブリーディング液のシリカ濃度が0.5w/v%以上であって、6号珪砂を用い該ブリーディング液を使用して相対密度60%になるように直径5cm×高さ10cmで混合法により作製された該サンドゲルが自立し、該サンドゲルを用いて測定された一軸圧縮試験における最小強度が2.0kN/m 以上であることを意味する請求項1記載の地盤注入工法。
  3. 前記地盤固結材が放射線遮蔽粒子を含み、核ミサイルによる空爆から前記コンクリート構造物を保護する用途に用いられる請求項1記載の地盤注入工法。
  4. 前記地盤固結材が、下記(1)~(3)のいずれかまたは複数からなるアルカリ剤を含む請求項1記載の地盤注入工法。
    (1)石膏およびMgOのいずれかまたは複数を有効成分とするアルカリ剤。
    (2)Ca塩、Mg塩、Al塩、炭酸塩および重炭酸塩のいずれかまたは複数を有効成分とするアルカリ剤。
    (3)石灰、セメント、苛性アルカリ、水ガラスおよびシリカコロイドのいずれかまたは複数を有効成分とするアルカリ剤。
  5. 前記シリカ粒子がスラグであって、前記地盤固結材における該スラグの配合量が、セメントを併用しない場合は10~25質量%であり、セメントを併用する場合は10~30質量%である請求項1記載の地盤注入工法。
  6. 前記地盤固結材として、軽量、低アルカリかつ低炭素型の地盤改良となる配合処方を設定する請求項1記載の地盤注入工法。
  7. 前記地盤固結材が、マイクロバブル、空気、分散剤および増粘剤のいずれかまたは複数を有効成分とする請求項1記載の地盤注入工法。
  8. 前記地盤固結材の注入による改良効果を、非破壊試験によって確認する請求項1記載の地盤注入工法。
  9. 前記非破壊試験が、弾性波速度検層法、音響トモグラフィーまたは表面波探査によるものである請求項記載の地盤注入工法。
  10. 前記懸濁液からなる地盤固結材により前記コンクリート構造物の周辺部を固結した後、その外周部にさらに、以下の溶液型の固結材を注入して固結層を形成する請求項1記載の地盤注入工法。
    pHが1~10である非アルカリシリカグラウトからなり、シリカコロイドおよび水ガラスのいずれか1種または複数種と、反応剤として酸および塩のいずれか1種または複数種を有効成分とし、該非アルカリシリカグラウトがシリカコロイドと水ガラスと酸とからなる場合には、シリカコロイドに起因するシリカ濃度と水ガラスに起因するシリカ濃度との比率が100:0~0:100であって、かつ、シリカ濃度が0.4~40wt%、シリカのモル比が2.0~100、ゲル化時間が瞬結から10000分である固結材。
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