JP7556335B2 - 二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び物品 - Google Patents
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Description
一方で、脱オキシム型の硬化剤が硬化時に発生する2-ブタノンオキシムなどのオキシム化合物は発がん性のおそれを疑われており好ましくなく、脱アルコール型の硬化剤が硬化時に発生するメタノール等は人体に対して有毒で、劇物に指定されていることから、人体の健康の観点から好ましくない。更に、これらの組成物では、硬化触媒として、環境負荷物質として規制が強化されている錫触媒を使用するケースもあり、環境保護の観点から好ましくない。
[1]
(A)下記一般式(1)、(2)又は(3)で示されるオルガノポリシロキサン:10~90質量部(ただし、(A)成分及び(A’)成分の合計は100質量部である)、
(B)下記一般式(4)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:(A)成分及び(A’)成分の合計100質量部に対して0.1~30質量部、
及び、
(C)硬化触媒:(A)成分及び(A’)成分の合計100質量部に対して0.001~10質量部
を含有してなる第一剤と、
(A’)下記一般式(1)又は(2)で示されるオルガノポリシロキサン:10~90質量部(ただし、(A)成分及び(A’)成分の合計は100質量部である)
を含有してなる第二剤からなり、分子内にアルケノキシシリル基を3個以上有するシラン及び/又はシロキサンを含有しないものである二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[2]
更に、(D)硬化促進剤として一級アミノ基を有するアミン化合物を、(A)成分及び(A’)成分の合計100質量部に対して第一剤及び第二剤中にそれぞれ0~20質量部含有する(ただし、少なくとも第一剤、第二剤のいずれか一方に0.1質量部以上含有する)ものである[1]に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[3]
(B)成分の加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物が、加水分解によってβ-ケトエステル化合物を脱離するものである[1]又は[2]に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[4]
脱離するβ-ケトエステル化合物が、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸アリル、アセト酢酸フェニル、アセト酢酸ベンジル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸ジペンチル、マロン酸ジアリル、マロン酸ジフェニル又はマロン酸ジベンジルである[3]に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[5]
更に、(E)無機質充填剤を、(A)成分及び(A’)成分の合計100質量部に対して、第一剤及び第二剤中にそれぞれ0~1,000質量部含有する(ただし、少なくとも第一剤、第二剤のいずれか一方に0.1質量部以上含有する)ものである[1]~[4]のいずれかに記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[6]
(E)成分が、炭酸カルシウム、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボンブラック及び酸化アルミニウムから選ばれる1種又は2種以上の無機質充填剤である[5]に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[7]
更に、(F)接着促進剤を、(A)成分及び(A’)成分の合計100質量部に対して、第一剤及び第二剤中にそれぞれ0~10質量部含有する(ただし、少なくとも第一剤、第二剤のいずれか一方に0.001質量部以上含有する)ものである[1]~[6]のいずれかに記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[8]
第一剤と第二剤との配合割合が質量比で1:1~10:1である[1]~[7]のいずれかに記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[9]
(B)成分の一般式(4)におけるR 2 がエーテル結合酸素原子を有する炭素数1~10の一価脂肪族炭化水素基、エーテル結合酸素原子を有する炭素数6~10のアリール基又はエーテル結合酸素原子を有する炭素数7~10のアラルキル基である[1]~[8]のいずれかに記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[10]
[1]~[9]のいずれかに記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する自動車用部品。
[11]
[1]~[9]のいずれかに記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する自動車用オイルシール。
[12]
[1]~[9]のいずれかに記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する電気・電子用部品。
[13]
[1]~[9]のいずれかに記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する建築用構造物。
[14]
[1]~[9]のいずれかに記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する土木工事用構造物。
[15]
[1]~[9]のいずれかに記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有する接着剤。
[16]
[1]~[9]のいずれかに記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有するシーリング剤。
[17]
[1]~[9]のいずれかに記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有するポッティング剤。
[18]
[1]~[9]のいずれかに記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有するコーティング剤。
<二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物>
本発明の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、後述する(A)成分、(B)成分及び(C)成分の特定量を含有してなる第一剤と、(A’)成分を含有してなる第二剤とからなるものである。なお、第二剤には(B)成分、(C)成分を含まないものである。
以下に、各成分について詳述する。なお、本発明において、粘度は、23℃において、JIS Z-8803に規定する方法に順じた回転粘度計による測定値である。特に記述がない限り、「室温」とは温度23℃±15℃、湿度50%RH±5%RHの状態をいう。
(A)成分は、後述する一般式(1)、(2)もしくは(3)で示されるオルガノポリシロキサンで、第一剤に配合するものであり、(A’)成分は、後述する一般式(1)もしくは(2)で示されるオルガノポリシロキサンで、第二剤に配合するものであり、これら(A)成分及び(A’)成分は、本発明の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物において主剤(ベースポリマー)として作用するものである。
kは結合するケイ素原子毎に独立に0又は1である。
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に用いられる(B)成分は、下記一般式(4)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物で、架橋剤(硬化剤)として用いられるものであり、加水分解によってアセト酢酸エステル、マロン酸エステル等のβ-ケトエステル化合物を脱離基(脱離物質)として放出するものであることを特徴とする。
なお、本発明において「部分加水分解縮合物」とは、該加水分解性オルガノシラン化合物を部分的に加水分解・縮合して生成する、分子中に残存加水分解性基を3個以上、好ましくは4個以上有するオルガノシロキサンオリゴマーを意味する。
塩基性物質の添加量としては、クロロシラン中の塩素原子数1モルに対して0.95~2.0モルが好ましく、0.99~1.5モルがより好ましく、1.0~1.2モルが更に好ましい。塩基性物質の添加量が少ないと反応が終結しないおそれがあり、塩基性物質の添加量が多すぎると経済的に不利である。
溶剤の使用量としては特に限定されないが、通常、使用するβ-ケトエステル化合物100質量部に対して、10~500質量部、好ましくは30~300質量部、より好ましくは50~200質量部の範囲で使用される。
(B)成分は第一剤に配合するものであり、その配合量は、(A)成分及び(A’)成分の合計100質量部に対して0.1~30質量部であり、好ましくは0.5~25質量部である。(B)成分の配合量が少なすぎると組成物を硬化させる際に十分な架橋が得られず、多すぎると得られる硬化物(シリコーンゴム)の機械特性(ゴム物性)が低下し、経済的に不利となるという問題が発生する場合がある。
(C)成分の硬化触媒は、加水分解縮合反応を促進させるために使用され、一般的に硬化触媒と呼ばれるものである。これは湿分の存在下で硬化する室温硬化性シリコーン樹脂組成物に通常使用されている公知のものを使用することができる。
(D)成分は1級アミノ基(即ち、-NH2構造を有するアミノ基、ただし、グアニジル基を除く)を有するアミン化合物であり、(B)成分が加水分解して生成するβ-ケトエステル化合物と反応して水を生成し、組成物の深部硬化性を著しく向上させるものである。(D)成分としては、1級アミノ基を有するものであれば特に制限されないが、具体的にはメチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、ドデシルアミン等の脂肪族アミン;エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミン;アニリン等の芳香族アミン;シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、2-エチルシクロヘキシルアミン等の環状脂肪族アミン類;γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-2-(アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン[別名:N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン]等のアミノシランなどの1級アミノ基含有シランカップリング剤(1級アミノ官能性基含有1価炭化水素基を有する加水分解性オルガノシラン化合物);及び1級アミノ基含有ポリシロキサン等の1級アミノ基含有有機ケイ素化合物等が例示される。これらは1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
本発明の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物には、必要に応じて(E)成分の無機質充填剤を任意成分として配合することができる。(E)成分の無機質充填剤は、本発明の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物にゴム物性を付与するための補強性、非補強性充填剤である。(E)成分の無機質充填剤としては、表面疎水化処理又は無処理の、焼成シリカ、溶融シリカ、破砕シリカ、煙霧質シリカ(ヒュームドシリカ)等の乾式シリカ、沈降性シリカ、ゾル-ゲル法シリカ等の湿式シリカ、結晶性シリカ(微粉末石英)などのシリカ系充填剤、珪藻土、カーボンブラック、タルク、ベントナイト、表面処理又は無処理の炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、表面処理又は無処理の酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等が例示され、その中でも炭酸カルシウム、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボンブラック、酸化アルミニウムが好ましく、より好ましくは表面が疎水化処理された、炭酸カルシウム、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボンブラック、酸化アルミニウムである。この場合、これら無機質充填剤は、水分量が少ないことが好ましい。
なお、該表面処理剤(疎水化処理剤)の種類、量や処理方法等については特に制限はないが、代表的には、クロロシラン、アルコキシシラン、オルガノシラザン等の有機ケイ素化合物や、脂肪酸、パラフィン、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の処理剤が適用できる。
(E)成分の無機質充填剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(F)成分は接着促進剤であり、必要に応じて配合できる任意成分であり、本発明の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物から形成される硬化物に十分な接着性を与えるために使用される。接着促進剤としては公知のものが好適に使用され、官能性基含有加水分解性シラン等のシランカップリング剤(ただし、前記(B)成分、及び硬化促進剤(D)に記載の一級アミノ基を有するアミノシラン類を除く)、具体的には、ビニルシランカップリング剤、(メタ)アクリルシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤、メルカプトシランカップリング剤、イソシアネートシランカップリング剤などが例示され、具体的には、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が例示される。
これらの中でも、特にγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン類、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートシラン類が好ましい。
また、本発明の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、(A)、(A’)、(B)、(C)成分を必須成分とし、更に、(D)、(E)及び(F)成分を配合することが好ましい。その他、添加剤として、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、酸化アンチモン、塩化パラフィン等の難燃剤など公知の添加剤を配合することができる。更に、チクソ性向上剤としてのポリエーテル、防かび剤、抗菌剤を配合することもできる。
本発明の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有してなる第一剤と、(A’)成分を含有してなり、(B)成分、(C)成分を含有しない第二剤とからなるものである。上記第一剤と第二剤とからなる二成分型の組成物とすることにより、速硬化性、深部硬化性に優れる。これは第一剤と第二剤を混合した際に、第一剤中のベースポリマーである(A)成分の分子鎖末端が加水分解性シリル基で封鎖された特定構造のオルガノポリシロキサン、あるいは、(A)成分の分子鎖末端がシラノール基で封鎖されたオルガノポリシロキサンと(B)成分の特定の加水分解性シラン化合物を(C)成分の硬化触媒と共存させて生成する分子鎖末端が前記(B)成分の特定の加水分解性シラン化合物由来の加水分解性シリル基で封鎖されたオルガノポリシロキサンにおける加水分解性シリル基と、第二剤中のベースポリマーである(A’)成分の分子鎖末端がシラノール基で封鎖されたオルガノポリシロキサンにおけるシラノール基が直接加水分解・縮合反応(架橋反応)することによるものと推定される。
ここで、(D)成分を第一剤と第二剤に配合する場合、この割合としては、第一剤と第二剤に質量比で1:99~99:1、特に30:70~70:30となるように配合することが、組成物の保存安定性の点から好ましい。
また、(E)成分を第一剤と第二剤に配合する場合、この割合としては、第一剤と第二剤に質量比で80:20~20:80、特に60:40~40:60となるように配合することが、混合する際の組成物の均一性(混ざり易さ)の点から好ましい。
また、本発明の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、保存安定性を備えるため、上記のようにして製造された第一剤及び第二剤を、湿分を避けた雰囲気下で保存することができる。
本発明の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、これらを適する比率、具体的には第一剤と第二剤との割合が質量比で1:1~10:1、特には1:1~4:1で混合することにより、通常、室温にて10分~5日で硬化する。
本発明の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、速硬化性を有するものであって、23℃、50%RHで厚み2mmのシート状に成型する条件の場合、通常は3日~5日で硬化するものが、10分~3日と短時間で硬化するものである。
また、本発明の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、深部硬化性を有するものであって、23℃、50%RHで内径が10mm、深さが20mmのガラスシャーレで硬化させる条件の場合、通常は2時間で深部(測定可能な厚さ)まで硬化するものが、30分と短時間で深部まで硬化するものである。
機械攪拌機、温度計及び滴下ロートを備えた2,000mLの四つ口セパラブルフラスコに、アセト酢酸エチル390g(3.0mol)、トリエチルアミン304g(3.0mol)、ヘキサン800mlを仕込み、氷浴下でビニルトリクロロシラン160.6g(0.995mol)を約2時間かけて滴下した。その後、40℃で4時間撹拌後、生成したトリエチルアミン塩酸塩を濾過して取り除き、ろ液を90℃、300Paの条件でヘキサンと過剰のトリエチルアミン、アセト酢酸エチルを留去することで、加水分解性オルガノシラン化合物1を得た(収量348g、収率78%)。この反応式は、下記式[2]で表される。
機械攪拌機、温度計及び滴下ロートを備えた2,000mLの四つ口セパラブルフラスコに、マロン酸ジエチル480g(3.0mol)、トリエチルアミン304g(3.0mol)、ヘキサン800mlを仕込み、氷浴下でメチルトリクロロシラン148.7g(0.995mol)を約2時間かけて滴下した。その後、40℃で4時間撹拌後、生成したトリエチルアミン塩酸塩を濾過して取り除き、ろ液を120℃、300Paの条件でヘキサンと過剰のトリエチルアミン、マロン酸ジエチルを留去することで、加水分解性オルガノシラン化合物2を得た(収量280g、収率54%)。この反応式は、下記式[3]で表される。
第一剤aの調製
((A)成分)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖されたジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)50質量部と、((E)成分)BET比表面積が130m2/gの表面ジメチルジクロロシラン処理ヒュームドシリカ(煙霧質シリカ)5質量部と、((B)成分)合成例1で得られた加水分解性オルガノシラン化合物1を3.5質量部と、((C)成分)γ-(N,N,N’,N’-テトラメチルグアニジル)プロピルトリメトキシシラン0.4質量部と、((D)成分)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン0.5質量部を減圧下にて均一に混合して第一剤aを調製した。
((A’)成分)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖されたジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)50質量部と、((E)成分)BET比表面積が130m2/gの表面ジメチルジクロロシラン処理ヒュームドシリカ(煙霧質シリカ)5質量部を減圧下にて均一に混合して第二剤aを調製した。
第二剤bの調製
((A’)成分)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖されたジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)50質量部と、((E)成分)BET比表面積が130m2/gの表面ジメチルジクロロシラン処理ヒュームドシリカ(煙霧質シリカ)5質量部と、((D)成分)オクチルアミン2質量を減圧下にて均一に混合して第二剤bを調製した。
第一剤bの調製
((A)成分)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖されたジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)50質量部と、((E)成分)BET比表面積が130m2/gの表面ジメチルジクロロシラン処理ヒュームドシリカ(煙霧質シリカ)5質量部と、((B)成分)合成例1で得られた加水分解性オルガノシラン化合物1を3.5質量部と、((C)成分)γ-(N,N,N’,N’-テトラメチルグアニジル)プロピルトリメトキシシラン0.4質量部と、((D)成分)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン0.5質量部と、((F)成分)γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5質量部を減圧下にて均一に混合して第一剤bを調製した。
第一剤cの調製
((A)成分)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖されたジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)50質量部と、((E)成分)BET比表面積が130m2/gの表面ジメチルジクロロシラン処理ヒュームドシリカ(煙霧質シリカ)5質量部と、((B)成分)合成例2で得られた加水分解性オルガノシラン化合物2を3.5質量部と、((C)成分)γ-(N,N,N’,N’-テトラメチルグアニジル)プロピルトリメトキシシラン0.4質量部と、((D)成分)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン0.5質量部と、((F)成分)γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5質量部を減圧下にて均一に混合して第一剤cを調製した。
第一剤dの調製
((A)成分)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖されたジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)50質量部と、((E)成分)BET比表面積が130m2/gの表面ジメチルジクロロシラン処理ヒュームドシリカ(煙霧質シリカ)5質量部と、ビニルトリメトキシシラン2.5質量部と、((C)成分)ジオクチル錫ジラウレート0.05質量部と、((D)成分)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン0.5質量部と、((F)成分)γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5質量部を減圧下にて均一に混合して第一剤dを調製した。
第一剤eの調製
((A)成分)23℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖されたジメチルポリシロキサン(前記一般式(1)において、R=メチル基、a=約620に該当するジメチルポリシロキサン)50質量部と、((E)成分)BET比表面積が130m2/gの表面ジメチルジクロロシラン処理ヒュームドシリカ(煙霧質シリカ)5質量部と、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン3.5質量部と、((C)成分)ジオクチル錫ジラウレート0.05質量部と、((D)成分)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン0.5質量部と、((F)成分)γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5質量部を減圧下にて均一に混合して第一剤eを調製した。
上記実施例1~4及び比較例1、2で調製した各組成物を用いて、下記に示す方法により、硬化性、ゴム物性、接着性を評価した。
タックフリータイム:
実施例1~4及び比較例1、2で調製した各組成物を用いて、JIS A-5758に規定する方法に準じてタックフリータイム(指触乾燥時間)を測定した。
内径が10mm、深さが20mmのガラスシャーレに実施例1~4及び比較例1、2で調製した各組成物を充填し、23℃,50%RHで20分後に空気に触れた表面部分から硬化した部分までの厚さを測定し、深部硬化性を評価した。
硬化性を比較するため、初期シール性を測定した。初期シール性の試験方法は、試験装置としてJIS K-6820に規定されている耐圧試験用フランジ圧力容器に類似する圧力容器を用い、耐圧試験を行った。該圧力容器は、内径58mm、外径80mm、厚さ10mmの上側フランジを有する上側容器と、上側フランジと同寸法の下側フランジを有する下側容器からなり、下側フランジのシール面のインナー側縁部には、幅3mm、深さ3mmの環状の切り欠きが円周に沿って設けられている。この下側のフランジのシール面をトルエンにより洗浄した。その後、上記組成物をシール面が十分に満たされるだけの塗布量で、下側のシール面中央部にビード状に塗布した。塗布後直ちに、上側容器を、上側フランジと下側フランジのシール面とが当接するように、下側容器に載せ、上下フランジのシール面間の距離を規定するための(上記フランジの厚さ方向の)高さ21mmの鉄製スペーサーを設置して4本の締め付けボルトを組み付けた。当該スペーサーによりシール面間は1mmの間隔が生じているが、これはシール材に対する耐圧試験をより過酷にする、いわゆる促進試験とするためである。その後、23℃、50%RHで30分間硬化させた後、上側の加圧口から気体を挿入し、上記組成物の硬化物であるシール材が耐えうる気体圧を測定し、400kPa以上のものを合格と判定した。
実施例1~4及び比較例1、2で調製した調製直後の各組成物を厚さ2mmのシート状に押し出し、23℃,50%RHの空気に曝し、次いで、該シートを同じ雰囲気下に1日間又は3日間放置して得た硬化物のゴム物性(硬さ、切断時伸び、引張強さ)を、JIS K-6249に準拠して測定した。なお、硬さは、JIS K-6249のデュロメーターA硬度計を用いて測定した。
実施例1~4及び比較例1,2で調製した組成物より、幅25mm、長さ100mmのアルミニウム又はガラスを被着体として、それぞれ同材の被着体同士を、上記組成物を用いて、各試験片の接着面積2.5mm2、接着厚さ1mmで接着したせん断(シア)接着試験体を作製し、23℃,50%RHで1日間又は3日間養生した後、これらの試験体を用いてアルミニウム又はガラスに対するせん断接着力をJIS K-6249に規定する方法に準じて測定した。
また、実施例の組成物が硬化中に放出する化合物は、アセト酢酸エチルもしくはマロン酸ジエチルであり、人体に対しての発がん性や生殖毒性など健康有害性、水生生物毒性など環境有害性の報告例がなく安全性の高い化合物である。一方で、比較例の組成物が硬化中に放出する化合物はいずれもSDS(安全データシート)等で健康有害性が表示されており、劇物に指定され、人体に強い有害性を有しているメタノール、発がん性のおそれ、水生生物への毒性を有する2-ブタノンオキシムである。また、メタノールは、β-ケトエステル化合物と比較して引火点や沸点が低いことからも、本発明の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、人体の健康、環境保護の観点からより優れていることが分かる。
Claims (18)
- (A)下記一般式(1)、(2)又は(3)で示されるオルガノポリシロキサン:10~90質量部(ただし、(A)成分及び(A’)成分の合計は100質量部である)、
(式中、Rは同一又は異種の炭素数1~10の非置換もしくはハロゲン原子置換の一価炭化水素基であり、nは5以上の整数である。)
(式中、Rは上記の通りであり、n1は3以上の整数、n2は1以上の整数、mは1~10の整数で、n1+m+(m×n2)は5以上の整数である。)
(式中、R及びnは上記の通りであり、Xは酸素原子又は炭素数2~5のアルキレン基であり、kは結合するケイ素原子毎に独立に0又は1である。)
(B)下記一般式(4)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:(A)成分及び(A’)成分の合計100質量部に対して0.1~30質量部、
(式中、R1及びR3はそれぞれ独立に炭素数1~10の一価炭化水素基であり、R2はそれぞれ独立にエーテル結合酸素原子を有していてもよい炭素数1~10の一価脂肪族炭化水素基、エーテル結合酸素原子を有していてもよい炭素数6~10のアリール基又はエーテル結合酸素原子を有していてもよい炭素数7~10のアラルキル基である。aは3又は4である。)
及び、
(C)硬化触媒:(A)成分及び(A’)成分の合計100質量部に対して0.001~10質量部
を含有してなる第一剤と、
(A’)下記一般式(1)又は(2)で示されるオルガノポリシロキサン:10~90質量部(ただし、(A)成分及び(A’)成分の合計は100質量部である)
(式中、Rは同一又は異種の炭素数1~10の非置換もしくはハロゲン原子置換の一価炭化水素基であり、nは5以上の整数である。)
(式中、Rは上記の通りであり、n1は3以上の整数、n2は1以上の整数、mは1~10の整数で、n1+m+(m×n2)は5以上の整数である。)
を含有してなる第二剤からなり、分子内にアルケノキシシリル基を3個以上有するシラン及び/又はシロキサンを含有しないものである二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物。 - 更に、(D)硬化促進剤として一級アミノ基を有するアミン化合物を、(A)成分及び(A’)成分の合計100質量部に対して第一剤及び第二剤中にそれぞれ0~20質量部含有する(ただし、少なくとも第一剤、第二剤のいずれか一方に0.1質量部以上含有する)ものである請求項1に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- (B)成分の加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物が、加水分解によってβ-ケトエステル化合物を脱離するものである請求項1又は2に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 脱離するβ-ケトエステル化合物が、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸アリル、アセト酢酸フェニル、アセト酢酸ベンジル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸ジペンチル、マロン酸ジアリル、マロン酸ジフェニル又はマロン酸ジベンジルである請求項3に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 更に、(E)無機質充填剤を、(A)成分及び(A’)成分の合計100質量部に対して、第一剤及び第二剤中にそれぞれ0~1,000質量部含有する(ただし、少なくとも第一剤、第二剤のいずれか一方に0.1質量部以上含有する)ものである請求項1~4のいずれか1項に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- (E)成分が、炭酸カルシウム、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボンブラック及び酸化アルミニウムから選ばれる1種又は2種以上の無機質充填剤である請求項5に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 更に、(F)接着促進剤を、(A)成分及び(A’)成分の合計100質量部に対して、第一剤及び第二剤中にそれぞれ0~10質量部含有する(ただし、少なくとも第一剤、第二剤のいずれか一方に0.001質量部以上含有する)ものである請求項1~6のいずれか1項に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 第一剤と第二剤との配合割合が質量比で1:1~10:1である請求項1~7のいずれか1項に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- (B)成分の一般式(4)におけるR 2 がエーテル結合酸素原子を有する炭素数1~10の一価脂肪族炭化水素基、エーテル結合酸素原子を有する炭素数6~10のアリール基又はエーテル結合酸素原子を有する炭素数7~10のアラルキル基である請求項1~8のいずれか1項に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する自動車用部品。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する自動車用オイルシール。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する電気・電子用部品。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する建築用構造物。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する土木工事用構造物。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有する接着剤。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有するシーリング剤。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有するポッティング剤。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の二成分型室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有するコーティング剤。
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