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JP7542221B2 - イオン透過膜およびその製造方法 - Google Patents

イオン透過膜およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明はイオン透過膜およびその製造方法に関する。
レアメタルは、携帯電話・スマートフォン、家電品、および自動車部品など数多くのハイテク機器において必要不可欠であるものの、安定的な資源確保が難しいことから、レアメタル回収技術に注目が集まりつつある。また、今まで産業廃棄していた廃液に処理工程を加えることで、廃棄することなく再利用する技術も重要視されている。レアメタル回収技術および廃液の再利用技術には、イオン交換樹脂及び/又は吸着剤を用いることが主流であるが、近年、循環型社会構築のために環境に配慮した回収・再利用プロセスとして様々な機能膜を用いる分離技術活用が有効的と考えられつつある。
近年、リチウムイオン電池の原材料として、リチウム(Li)の産業上における重要性が高まっている。特に電気自動車(EV)用途でLiイオン電池が採用されるようになり、その原材料として大量のLiが必要とされつつある。このLiは鉱石、または水分蒸発量の多い乾燥した地域の塩湖などから採取することも可能であるが、海水中に非常に多く含まれていることも知られており、地球上の全海水中に含まれるLiの総量は、地上埋蔵量よりはるかに多いことが知られている。また、他のレアメタルと同様に、安定的な資源確保の目的で、産業廃棄していたLiイオン電池からLiを回収する検討も進められつつある。
しかしながら、Liは、海水1リットル当たり約0.2mgしか含まれていない。また、産業廃棄していたLiイオン電池には、Li以外にニッケル(Ni)またはコバルト(Co)などの化合物も多く含まれている。そのため、Liは、海水およびLiイオン電池から効率よく回収することが難しい金属材料といえる。
こうした背景の下、特許文献1では、Liを選択的に透過させる選択透過膜を用いて、Liイオンを含む原液から効率的にLiのみ回収することを試みている。特許文献1では、Liイオンを選択的に透過させる選択透過膜が、Liを含む無機化合物の焼結体であり、焼結体の大きさとして5cm角程度のものを面内方向で接合して一体化し、実質的に大面積とした選択透過膜が開示されている。
WO2015/020121
しかしながら、特許文献1に開示されるような従来技術では、焼結体が非常にもろいために、大量の原液を高速に処理する場合、高い圧力がかかって割れてしまうなど、機械的強度が不十分であり、また、イオン透過機能も不十分であることもわかった。
本発明は、上記問題を解決するものであって、十分な機械的強度およびイオン透過機能を示すイオン透過膜およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の態様1は、イオン伝導体粒子と、繊維基材と、空隙とを含むイオン透過膜であって、
前記イオン伝導体粒子は、前記繊維基材内部に埋め込まれた部分と、前記繊維基材表面に露出した部分を有し、
前記繊維基材は、膨潤性高分子を含み、
前記空隙の最大寸法は5μm未満であり、
前記イオン透過膜の厚さ方向において前記露出した部分によって上面から下面まで連続した接続部を有する、イオン透過膜である。
本発明の態様2は、前記イオン伝導体粒子がリチウム(Li)を含む無機化合物である態様1に記載のイオン透過膜である。
本発明の態様3は、前記繊維基材が疎水性である態様1または2に記載のイオン透過膜である。
本発明の態様4は、前記繊維基材が含フッ素ポリマーを含み、
前記含フッ素ポリマーが、モノマー単位としてフッ化ビニリデン単位、テトラフルオロエチレン単位およびクロロトリフルオロエチレン単位からなる群より選択されるいずれか1つ以上を含む、態様1~3のいずれか1つに記載のイオン透過膜である。
本発明の態様5は、
少なくともイオン伝導体粒子と膨潤性高分子とを、共に紡糸処理して紡糸膜を得ることと、
前記紡糸膜を極性溶媒に含浸させてから乾燥させることと、
乾燥させた前記紡糸膜をプレス処理することと、を含む態様1~4のいずれか1つに記載のイオン透過膜の製造方法である。
本発明の実施形態によれば、十分な機械的強度およびイオン透過機能を示すイオン透過膜およびその製造方法を提供することが可能である。
図1Aは、本発明の実施形態に係るイオン透過膜の模式図である。 図1Bは、図1Aのうち、破線で囲ったA部分の拡大図である。 図1Cは、図1Bに示すIC-IC線断面図である。 図1Dは、図1Aのうち、点線で囲ったB部分の拡大図である。 図2Aは、本発明の実施形態に係るイオン透過膜1を製造する過程における紡糸膜5の模式図である。 図2Bは、図2Aのうち、破線で囲ったA部分の拡大図である。 図2Cは、図2Aのうち、破線で囲ったB部分の拡大図である。 図3Aは、本発明の実施形態に係るイオン透過膜1表面の走査型電子顕微鏡による観察結果の一例である。 図3Bは、本発明の実施形態に係るイオン透過膜1の厚さ方向(Z方向)を含む断面の走査型電子顕微鏡写真による観察結果の一例である。 図4Aは、紡糸膜5表面の走査型電子顕微鏡による観察結果の一例である。 図4Bは、紡糸膜5の厚さ方向(Z方向)を含む断面の走査型電子顕微鏡写真による観察結果の一例である。 図5Aは、本発明の実施形態に係るイオン透過膜1において、繊維基材3の平均繊維径がイオン伝導体粒子2の平均粒子径の0.8倍である場合の、繊維1本を拡大した模式図である。 図5Bは、図4Aに示す繊維のVB-VB線断面図である。 図5Cは、本発明の実施形態に係るイオン透過膜1において、繊維基材3の平均繊維径がイオン伝導体粒子2の平均粒子径よりも大きい場合の、繊維1本を拡大した模式図である。 図5Dは、図5Cに示す繊維のVD-VD線断面図である。 図5Eは、本発明の実施形態に係るイオン透過膜1において、繊維基材3の平均繊維径がイオン伝導体粒子2の平均粒子径の0.2倍以下である場合の、繊維1本を拡大した模式図である。 図5Fは、図5Eに示す繊維のVF-VF線断面図である。 図6Aは、イオン透過機能の評価方法を示す模式図である。 図6Bは、イオン透過機能の評価方法を示す模式図である。 図7は、実施例の結果をまとめた表である。
以下本発明の実施形態に係るイオン透過膜について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、同じ構成部分には同じ符号を付して、適宜説明を省略している。また、本明細書において、「平均繊維径」および「平均粒子径」は、それぞれメジアン径を意味する。
図1Aは、本発明の実施形態に係るイオン透過膜1の模式図を示しており、図1Bは、図1Aのうち、破線で囲ったA部分の拡大図を示しており、図1Cは、図1Bに示すIC-IC線断面図を示しており、図1Dは、図1Aのうち、破線で囲ったB部分の拡大図を示している。
イオン透過膜1は、図1Bに示すように、イオン伝導体粒子2と膨潤性高分子を含む繊維基材3(ドットパターンで示される)と、空隙4とを含んでいる。イオン透過膜1は、イオン伝導体粒子の焼結体である従来技術と比較して、イオン伝導体粒子2のみではなく繊維基材3を含むことにより柔軟性を示すようになり、割れることなく大量の原液を高速に処理できる。図1Cに示すように、イオン伝導体粒子2は、繊維基材3の内部に埋め込まれた部分(以下、「埋込部」と称することがある)2a(図1Cの破線で囲まれた部分)と、表面に露出した部分(以下、「露出部」と称することがある)2bとを有する。図1Cに示すように、繊維基材3は、イオン伝導体粒子2との接合部分において、埋込部2aの分だけ凹んだ形状をとる。露出部2bによりイオン透過膜1のイオン透過機能を付与しつつ、埋込部2aによりイオン伝導体粒子2を繊維基材3に固定することができ、例えば大量の原液を高速に処理する場合でもイオン伝導体粒子2の脱落を抑制できる。
イオン透過膜1は、図1Dに示すように、イオン透過膜1の厚さ方向Zにおいて、イオン透過膜1の上面1aから下面1bまで、複数のイオン伝導体粒子2の露出部2b同士が互いに接触しながら連続した接続部1cが形成されている。この接続部1cが、図1Dの一点鎖線で示すようなイオン伝導パスとなり、イオン透過膜1がイオン透過機能を有するようになる。また、イオン透過膜1は繊維基材3を含むことにより、イオン透過膜1の上面1aおよび下面1bに凹凸を効果的に形成でき、イオン透過膜で処理する対象との接触面積(当該対象が海水等の液体であれば接液面積)を向上させることができ、イオンの移動を促進できる。
また、図1Bおよび1Dに示すように、イオン透過膜1は、後述する方法で製造することにより、空隙4が非常に小さく制御されており、具体的には、イオン透過膜1の任意の断面における空隙4の最大寸法が5μm未満となっている。これにより、イオン透過膜1の上面1aから下面1bまで空隙4が連通しにくくなり、処理の対象、例えば海水などが、そのままイオン透過膜を透過してしまう現象(以下、「クロスオーバー現象」ともいう)が発生しにくくなる。
以上のような構成をとることにより、イオン透過膜1は十分な機械的強度およびイオン透過機能を示すようになる。
図1Bおよび1Dに示すように、複数の繊維基材3は、繊維基材3同士互いに接触していることが好ましく、この接触部分において、繊維基材3同士が融着していることがより好ましい。これにより、イオン透過膜1の機械的強度、特に破断伸び率が向上し、割れ等を効果的に抑制できる。
図2Aは、本発明の実施形態に係るイオン透過膜1の製造過程における紡糸膜5の模式図を示しており、図2Bは、図2Aのうち、破線で囲ったA部分の拡大図を示しており、図2Cは、図2Aのうち、破線で囲ったB部分の拡大図を示している。
図2Bおよび図2Cに示すように、後述する紡糸膜5の状態(後述するイオン透過膜1の製造方法における(a)後、(b)前の状態)では、空隙4が大きく、さらにその空隙4が多数存在する。このような状態では、紡糸膜5の上面5aから下面5bまで空隙4が連通しやすくなり、クロスオーバー現象が発生しやすくなる。
図3Aは、イオン透過膜1表面の走査型電子顕微鏡による観察結果の一例である。図3Aに示すように、イオン透過膜1の空隙4の最大寸法が5μm未満に制御されている。
図3Bはイオン透過膜1の厚さ方向(Z方向)を含む断面の走査型電子顕微鏡による観察結果の一例である。図3Bに示すように、イオン透過膜1は、厚さ方向においても空隙4の最大寸法が5μm未満に制御されている。
それに対して、図4Aは、イオン透過膜1の製造過程における紡糸膜5表面の走査型電子顕微鏡による観察結果の一例である。図4Aに示すように、紡糸膜5においては空隙4が大きく、最大寸法が5μm以上の空隙4が多数存在している。
図4Bはイオン透過膜1の製造過程における紡糸膜5の厚さ方向(Z方向)における断面の走査型電子顕微鏡による観察結果の一例である。図4Bに示すように紡糸膜5においては厚さ方向Zにおいても空隙4が大きく、最大寸法が5μm以上の空隙4が多数存在している。
イオン伝導体粒子2は、例えば、リチウムイオン伝導体である窒化リチウム(LiN)、Li10GeP12、(La,Li)TiO、(ここで、x=2/3-a、y=3a―2b、z=3-b、0<a≦1/6、0≦b≦0.06、y>0)、Li置換型NASICON(Na Super Ionic Conductor)型結晶であるLi1+x+yAl(Ti,Ge)2-xSi3-y12(ここで、0≦x≦0.6、0≦y≦0.6)などLiを含む無機化合物を用いることができる。これらの材料は、いずれも10-4~10-3Scm-1以上の高いLiイオン伝導率を示す。なお、イオン伝導体粒子2は、イオン伝導性を有していれば上記の材料に限定されるものではない。なお、イオン伝導率が10-7Scm-1以上の場合、イオン伝導性を有すると判断する。
イオン伝導体粒子2の平均粒子径は、50nm以上500μm以下とすることが、イオン伝導体粒子2が埋込部2aと露出部2bとを有する構成を実現する上で好ましい。
イオン伝導体粒子2の、イオン伝導体粒子2および繊維基材3の合計体積に対する割合は、30体積%以上にしておくことが好ましい。この範囲にしておくことで、イオン透過膜において、イオン伝導体粒子2が互いに接触しやすくなり、接続部1cが形成されやすくなる。より好ましくは35体積%以上であり、さらに好ましくは40体積%以上である。
また、上記割合は、95体積%以下にしておくことが好ましい。これにより、繊維基材3が一定以上の体積を占めることとなり、十分な破断伸び率を確保しやすくなるとともに、イオン伝導体粒子の埋込部2aを確保しやすくなり、イオン伝導体粒子の脱落を抑制できる。より好ましくは90体積%以下であり、さらに好ましくは85体積%以下である。
繊維基材3は、極性溶媒により膨潤する膨潤性高分子を含む。繊維基材3は、その他の材料を含んでもよいが、膨潤性高分子を50質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは75質量%以上含むことであり、膨潤性高分子からなることがさらに好ましい。膨潤性高分子は、非プロトン性の極性溶媒により膨潤することが好ましく、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、およびN-メチルピロリドン(NMP)などにより膨潤することが好ましい。膨潤性高分子としては、任意の極性溶媒により膨潤させたとき、1.2倍以上の膨潤度(膨潤後の体積/膨潤前の体積)を有することが好ましい。繊維基材3は、膨潤性高分子として、例えば、モノマー単位としてフッ化ビニリデン単位、テトラフルオロエチレン単位、およびクロロトリフルオロエチレン単位からなる群より選択されるいずれか1つ以上を含む含フッ素ポリマーを含んでいることが好ましい。
繊維基材3は膨潤性高分子を含むことにより柔軟性を有し、その結果イオン透過膜1が十分な破断伸び率を有するようになる。なお、JIS K7161の試験方法により測定される破断伸び率が1%以上の場合、材料が柔軟性を有すると判断する。
繊維基材3は疎水性を有することが好ましい。疎水性を有することで、イオン透過膜による処理の対象、例えば海水などが、そのままイオン透過膜を透過してしまう現象(以下、「クロスオーバー現象」ともいう)を効果的に抑制することができる。例えば、ASTM D-570の試験方法により測定される吸水率が0.1%以下の場合、材料が疎水性を有すると判断する。
図5Aは、本発明の実施形態に係るイオン透過膜1において、繊維基材3の平均繊維径がイオン伝導体粒子2の平均粒子径の0.8倍である場合の、繊維1本を拡大した模式図であり、図5Bは、図5Aに示す繊維のVB-VB線断面図である。図5Bに示すように、イオン伝導体粒子2の埋込部2aが十分に確保できているため、イオン伝導体粒子2が繊維基材3にしっかりと固定でき、かつ、イオン伝導体粒子2の露出部2bも十分に大きく確保できている。そのことから、イオン伝導体粒子2が繊維基材3の表面にも十分露出した状態で担持できているため、イオン伝導体粒子2の脱落を抑制しつつ、イオンの移動を促進させることができる。なお、イオン伝導体粒子2のうち埋込部2aが体積比で5%以上であれば、埋込部2aが十分に確保できているといえる。また、イオン伝導体粒子2のうち露出部2bが体積比で50%以上であれば、露出部2bが十分に確保できているといえる。
図5Cは、本発明の実施形態に係るイオン透過膜1において、繊維基材3の平均繊維径がイオン伝導体粒子2の平均粒子径よりも大きい場合の、繊維1本を拡大した模式図であり、図5Dは、図5Cに示す繊維のVD-VD線断面図である。図5Dに示すように、イオン伝導体粒子2の埋込部2aが十分に確保できているため、イオン伝導体粒子2が繊維基材3にしっかりと固定でき、その結果イオン伝導体粒子2の脱落を抑制できる。しかしながら、イオン伝導体粒子2の露出部2bが小さいため、イオン透過機能としては図5Aおよび図5Bの場合と比較してイオンの移動を促進することはできない。
図5Eは、本発明の実施形態に係るイオン透過膜1において、繊維基材3の平均繊維径がイオン伝導体粒子2の平均粒子径の0.2倍以下である場合の、繊維基材の繊維1本を拡大した模式図であり、図5Fは、図5Eに示す繊維のVF-VF線断面図である。図5Fに示すように、イオン伝導体粒子2の埋込部2aが、ほとんど確保できていないため、図5A~図5Dの場合と比較してイオン伝導体粒子2が脱落しやすくなる。
以上より、繊維基材3の平均繊維径をAナノメートル(nm)、イオン伝導体粒子2の平均粒子径をBナノメートル(nm)としたとき、B×0.2<A<Bを満たすことが好ましい。より好ましくは、B×0.2<A<B×0.75、さらに好ましくは、B×0.2<A<B×0.5を満たすことである。
繊維基材3の平均長さは、繊維基材の平均繊維径の100倍以上であることが好ましい。これにより、イオン透過膜1の機械的強度、特に破断伸び率をより向上させることができる。
本発明の実施形態に係るイオン透過膜1の膜厚は薄い程、イオンの移動を促進できるが、一方で耐久性は低下するため、イオン透過膜1の使用条件によって最適な範囲に設計され得る。また、イオン透過膜1は、本発明の目的が達成される範囲内で、イオン伝導体粒子2および繊維基材3以外の他の部材を含んでいてもよい。
本発明の実施形態に係るイオン透過膜の空隙率は、10%以上30%以下が好ましい。10%以上とすることで、イオン透過膜の上面1aおよび下面1bに凹凸をより効果的に形成でき、イオン透過膜で処理する対象との接触面積(当該対象が海水等の液体であれば接液面積)をより向上させることができ、イオンの移動をより促進できる。また30%以下とすることで、クロスオーバー現象を効果的に抑制することができる。また、イオン伝導パスである接続部1cを形成しやすくなる。より好ましくは20%以下である。なお、空隙率は、イオン透過膜1がイオン伝導体粒子2および繊維基材3からなる場合、以下の式(1)により算出できる。

空隙率(%) = 1-Wa/(Va×(Dip×rip+D×r))×100 ・・・(1)

ここで、Waは、イオン透過膜1の重量(g)であり、Vaはイオン透過膜1の体積(cm)であり、Dipはイオン伝導体粒子2の密度(g/cm)であり、ripはイオン伝導体粒子2と繊維基材3との合計体積に対するイオン伝導体粒子2の体積比(%)であり、Dは繊維基材3の密度(g/cm)であり、rはイオン伝導体粒子2と繊維基材3との合計体積に対する繊維基材3の体積比(%)である。
本発明の実施形態に係るイオン透過膜1は、十分な機械的強度を示し、大量の原液の高速処理が可能である。具体的には、後述する粒子脱落率が0重量%、破断伸び率が15%以上という機械的強度を示し、これにより、大量の原液を高速に処理したとしても耐久することができ、例えば膜が圧力によって破壊したり、イオン透過機能が消失するといった不具合も抑制することができる。
本発明の実施形態に係るイオン透過膜1は、十分なイオン透過機能を有する。具体的には、例えば、Liイオン伝導体粒子を用いたイオン透過膜1の場合、後述するイオン回収率、イオン移動速度およびクロスオーバー率について、Liイオンのイオン回収率を10.0%以上、Liイオンのイオン移動速度を0.2mg/hr以上且つクロスオーバー率を0.01%未満にすることができる。
上記は、Liイオン伝導体粒子を用いたイオン透過膜の場合を例示しているが、Liイオン以外のイオン伝導体粒子を用いた場合も同様である。例えば、Naイオン伝導体粒子を用いたイオン透過膜の場合、Naイオンのイオン回収率を10.0%以上、Naイオンのイオン移動速度を0.2mg/hr以上且つクロスオーバー率を0.01%未満にすることができる。
本発明の実施形態に係るイオン透過膜1は、単体でイオン透過に使用されてもよいし、電気透析装置などのイオン透過装置に組み込まれても良い。イオン透過膜1がイオン透過装置に組み込まれていると、大量の原液を高速に処理する場合に、高い圧力がかかっても破壊されにくく、かつ、イオン伝導体粒子2の脱落が大幅に抑制された、イオン透過装置およびイオン透過方法を実現することができる。
イオン透過方法については、所望のイオンを含む水などの溶媒、土壌、および、産業廃棄物などにイオン透過膜1を接触させることができればよい。
イオン透過膜1が接触させられる土壌および産業廃棄物などは、水などの溶媒で濡れていることが望ましい。イオン透過膜が水などの溶媒を介して接触させられると、イオン透過が効率的に行われる。そして、水などの溶媒、土壌、および産業廃棄物などに含まれる所望のイオンを脱離するために、超音波処理、またはマイクロ/ナノバブル発生装置によるバブリング処理などが必要に応じて併用されると、イオン透過がより効率的に行われる。
次に、本発明の実施形態に係るイオン透過膜1の製造方法について説明する。
本発明の実施形態に係るイオン透過膜1の製造方法は、
(a)少なくともイオン伝導体粒子と膨潤性高分子とを、共に紡糸処理して紡糸膜を得ることと、
(b)前記紡糸膜を極性溶媒に含浸させてから乾燥させることと、
(c)乾燥させた前記紡糸膜をプレス処理することと、を含む。
上記(a)~(c)について、以下に説明する。
(a)紡糸膜を得ること
まず、イオン伝導体粒子2と繊維基材3の原料(少なくとも膨潤性高分子)を混合する。この際、混錬機を用いて溶媒に分散することもできるが、熱可塑性樹脂の場合には、粉体混合機によるドライブレンドを行うこともできる。
上記のように混合した後、繊維基材3の原料が液体の場合には、通常の電界紡糸法のような湿式紡糸法によって、イオン伝導体粒子2と繊維基材3の原料(少なくとも膨潤性高分子)を共に紡糸処理することができる。
電界紡糸法により紡糸する場合、繊維基材3の原料の重量固形分濃度により、繊維基材3の繊維径を調整することができる。すなわち、繊維基材3の原料の重量固形分率を増大させることにより繊維基材3の繊維径を太くすることができ、繊維基材3の原料の重量固形分率を減少させることにより、繊維基材3の繊維径を細くすることができる。
ここで、イオン伝導体粒子2の埋込部2aおよび露出部2bを十分に確保するために、イオン伝導体粒子2の平均粒子径との関係において、繊維基材3の原料の重量固形分率により繊維基材3の繊維径を適宜調整すればよい。
また、繊維基材3の原料が粉体のドライブレンドの場合には、通常の溶融紡糸法、または、溶融紡糸法と電界紡糸法とを組み合わせた紡糸法によって、イオン伝導体粒子2と繊維基材3の原料(少なくとも膨潤性高分子)を共に紡糸処理することができる。
紡糸処理することにより図2A~図2Cに示すような紡糸膜5を得ることができる。
(b)紡糸膜を極性溶媒に含浸させてから乾燥させること
図2A~図2Cに示すような紡糸膜5を極性溶媒に含浸させる。親水性の高い極性溶媒に含侵させることで、膨潤度を高くすることができる。また極性溶媒とすることで、後に実施し得るアルコール類での洗浄(溶媒置換)も容易となる。含侵方法として、例えば、極性溶媒を充填した液槽に、上記のようにして得た紡糸膜5を入れることで極性溶媒を含侵させることができる。これにより、紡糸膜5中の繊維基材3に含まれる膨潤性高分子が、極性溶媒を吸収して膨潤する。通常のディップコーティング装置などを用いることにより、ディップ速度及び/又は時間を制御できるため、極性溶媒による膨潤度合いを制御することもできる。好ましい膨潤度(膨潤後の体積/膨潤前の体積)としては、1.2倍以上である。これにより、空隙の最大寸法を小さくしやすくなる。
ここで、使用する極性溶媒としては、非プロトン性のものが望ましく、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチルピロリドン(NMP)からなる群より選択されるいずれか1つを含むことが好ましいが、非プロトン性極性溶媒であれば、これに限らない。非プロトン性極性溶媒とすることで、膨潤度をより高くすることができる。
その後、通常の乾燥炉によって紡糸膜5を乾燥させることができる。乾燥速度が速すぎると反り及び/又は割れなどが発生しやすくなるため、できるだけ遅く乾燥させる方が好ましい。
また、極性溶媒は乾燥しにくいため、乾燥前にエタノールなどのアルコール類で洗浄して溶媒置換を行ってもよい。
乾燥の程度としては、極性溶媒(及び/又は溶媒置換後のアルコール類)を全て揮発等により除去させてもよく、あるいは多少極性溶媒(及び/又は溶媒置換後のアルコール類)が残存していてもよく、例えば乾燥前後の重量変化が、含侵前後の重量変化の80%以上であることが好ましい。
乾燥後の紡糸膜5は収縮し、紡糸膜5の寸法(面積、厚さ)は小さくなる。
(c)乾燥させた前記紡糸膜をプレス処理すること
乾燥させた紡糸膜5を通常の平板プレスまたはロールプレス装置によってプレス処理する。この際、イオン伝導体粒子2および繊維基材3の原料(例えば膨潤性高分子)が溶融または変質しない程度に温度をかけてプレス処理してもよい。例えばプレス線圧0.1kN/cm以上で、3回以上プレス処理を繰り返すことによって、空隙4の最大寸法が5μm未満であるイオン透過膜1を作製することができる。
接続部1cの形成方法については、例えば、イオン伝導体粒子2および繊維基材3の合計体積に対するイオン伝導体粒子2の割合を30体積%以上となるように調整し、且つ通常の平板プレスまたはロールプレス装置によって、乾燥させた紡糸膜5をプレス処理して空隙率を30%以下にすることで、接続部1cを形成することができる。
なお、上記(b)の前に、紡糸膜5をプレス処理することをさらに含んでもよい。上記(b)の前のプレス処理することにおいても、上記(c)と同様にプレス処理することができる。上記(b)の前にプレス処理することを追加することにより、イオン透過膜1の空隙率を調整しやすくなる。
以下、実施例を挙げて本発明の実施形態をより具体的に説明する。本発明の実施形態は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前述および後述する趣旨に合致し得る範囲で、適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の実施形態の技術的範囲に包含される。
(実施例1)
以下の製造方法によってイオン透過膜を製造した。
イオン伝導体粒子として、リチウムイオン伝導性ガラスセラミックス粉末(オハラ社製、LICGC粉末材)が、ポリフッ化ビニリデン樹脂(スリーエム社製、ダイニオンフッ素ポリマーTHV221)との合計に対して重量比で72%(体積比で60%)となるように秤量し、これらをジメチルアセトアミド(DMA)に重量固形分率が50%となるようにホモミキサーを用いてポリフッ化ビニリデンを溶解させつつイオン伝導体粒子を分散させた。このようにして作製した分散液を気温23℃、湿度50%の恒温恒湿下で、内径φ720μmの金属ニードルノズルに20kVの高電圧を印加し、電界紡糸法によって紡糸処理して、紡糸膜を作製した。上記以外の送液圧力および紡糸距離などの条件については、液滴などが発生せず、完全に繊維化できるように調整を行っている。そして、作製した紡糸膜をロールプレス装置によって、プレス線圧0.18kN/cmで1回のプレス処理を行うことで空隙率を調整し、80mm角サイズに切り出した。
次に、ガラス製シャーレに上記紡糸膜を入れた。当該紡糸膜が完全に含侵するまで、極性溶媒としてN-メチルピロリドン(NMP)を当該シャーレに加え、膨潤度が1.2倍以上となるよう1時間保持した。その後、別のガラス製シャーレに紡糸膜を取り出し、溶媒置換を目的として、当該紡糸膜が完全に含侵するまでエタノールを加え、1時間保持した。その後、当該紡糸膜を取り出し、エタノールが全て揮発するよう24時間の自然乾燥を行った。この際、紡糸膜が収縮し、具体的には、面内寸法が約15%収縮し68mm角サイズとなったことを確認した。
乾燥後の紡糸膜に対して、ロールプレス装置によって、プレス線圧0.18kN/cmで5回のプレス処理を行い、50mm角サイズに切り出して実施例1のイオン透過膜を得た。
次に、評価項目について具体的に説明する。
(イオン伝導体粒子の平均粒子径)
イオン伝導体粒子(リチウムイオン伝導性ガラスセラミックス粉末)を水に分散させたものに対して、平均粒子径を測定した。具体的には、粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、MT―3300EXII)を用いて、JIS Z8825(2013)に準拠して、レーザー回折・散乱法による粒子径分布測定により得られた体積基準の積算分率における50%粒子径(D50)を測定した。その結果、実施例1のイオン伝導体粒子の平均粒子径は400nmであった。
(繊維基材の平均繊維径および平均長さ)
SEM(PHENOM-World社製 走査型電子顕微鏡 Phenom G2Pro)を用いて、紡糸処理直後の紡糸膜の表面像を、繊維が数10本表示される程度の倍率で10枚取得した。1枚のSEM像から10本の繊維をランダムに選択し、10枚のSEM像から選択した合計100本の繊維について、イオン伝導体粒子が埋め込まれていない箇所の繊維径および繊維長さを測定した。計測した繊維径から繊維基材の平均繊維径(メジアン繊維径)を算出し、390nmであった。また、計測した繊維長さから繊維基材の平均長さを算出し、平均繊維径の100倍以上であった。
(イオン透過膜の膜厚および空隙率)
50mm角サイズに切り出したイオン透過膜の密度および内部構造が変化しないよう潰さずにデジタルマイクロメータで膜厚を測定し、重量および原材料の密度を求めた上で、上記式(1)から空隙率を算出した。測定の結果、膜厚175μmであり、リチウムイオン伝導性ガラスセラミック粉末およびポリフッ化ビニリデン樹脂の密度は、それぞれ3.05g/cmおよび1.78g/cmであり、イオン透過膜の重量は0.91gであったことから、空隙率18.1%という結果を得た。
(イオン透過膜中の空隙の最大寸法)
SEM(KEYENCE社製 走査型電子顕微鏡VE-9800)を用いて、作製したイオン透過膜の表面像を、空隙が測定可能な倍率で10枚取得した。1枚のSEM像から最大寸法となる空隙を選択し、10枚のSEM像から選択した合計10個の空隙について最大寸法を求めた。また、イオン透過膜の厚さ方向(Z方向)を含む断面像においても同様の計測を行い、計測した合計20個の空隙から最大寸法を求め、2.2μmの結果を得た。
(破断伸び率)
作製したイオン透過膜を幅10mm、長さ50mmの短冊状試験片に切り出し、引張試験機(AND社製 RTF-1310)にて破断伸び率を測定した。破断伸び率は23%という結果を得た。
(イオン回収率、イオン移動速度、クロスオーバー率、粒子脱落率)
図6Aおよび図6Bは、イオン透過機能の評価方法を説明する模式図であり、図6Aはイオン透過前の模式図であり、図6Bはイオン透過後の模式図である。図6Aに示すような貯留槽6を、作製した50mm角のイオン透過膜1で原液側6aと回収側6bに間仕切りし、原液側6aには、イオン7を投入し、回収側6bには、純水のみを投入した。イオン7として、Liイオン、NiイオンおよびCoイオンをそれぞれ、純水に対して100ppmの濃度で投入した。原液側6aをマグネットスターラーで攪拌しながら、24時間後まで1時間毎に、誘導結合プラズマ発光分析装置(サーモフィッシャー・サイエンティフィック社製 iCAP7400)にて、図6Bに示すように回収側6bに移動したイオン7の移動量(mg)を測定した。24時間後の各イオン移動量(mg)を、初期の原液側各イオン量(mg)で除した比(百分率)を各イオン回収率(%)として算出した。イオン移動速度については、1時間毎に測定した各イオン移動量(mg)のうち最大の値を採用して、それを1時間で除した値(mg/hr)とした。クロスオーバー率は、全イオン(Li、NiおよびCo)回収率の和に対するNiイオン回収率およびCoイオン回収率の和の比(百分率)として計算した。Liイオン回収率は11.1%、Liイオン移動速度は0.75mg/hrとの結果を得た。一方、NiイオンおよびCoイオンについては、イオン回収率は0.0%、イオン移動速度は0.00mg/hrとの結果を得たため、クロスオーバー率は0.00%の結果を得た。また、この測定の前後において、イオン透過膜の重量変化を計測し、([測定前のイオン透過膜の重量(g)]-[測定後のイオン透過膜の重量(g)])/[測定前のイオン透過膜の重量(g)]を粒子脱落率として算出した結果、0重量%という結果を得た。なお、測定後のイオン透過膜については、十分に乾燥を行い、水分を除去した状態で重量を測定している。
(比較例1)
比較例1では、実施例1と同様の条件で紡糸膜を作製し、極性溶媒に含浸させてから乾燥させること以降を省略した。評価については実施例1と同様の評価を実施した。
(比較例2)
比較例2では、実施例1と同様の条件で紡糸膜を作製し、極性溶媒に含浸させてから乾燥させることは実施したが、その後のプレス処理することを省略した。評価については実施例1と同様の評価を実施した。
(比較例3)
比較例3では、イオン透過膜として、リチウムイオン伝導性ガラスセラミックス焼結体(オハラ社製、LICGC焼結体、50mm角サイズ)を用いた。評価については実施例1と同様の評価を実施した。
実施例1および各比較例1~3における測定結果を図7の表に示す。なお、機械的強度(粒子脱落率および破断伸び率)ならびに、イオン透過機能(イオン回収率、イオン移動速度およびクロスオーバー率)の判定として、「〇」を十分な性能であるとし、「×」は不良であるとして、以下のようにした。
粒子脱落率について、0重量%を「〇」、0重量%超を「×」とした。
破断伸び率について、15%以上を「〇」、15%未満を「×」とした。
Liイオンのイオン回収率について、10.0%以上を「〇」、10.0%未満を「×」とした。Liイオンのイオン移動速度について、0.2mg/hr以上を「〇」、0.2mg/hr未満を「×」とした。クロスオーバー率について、0.01%未満を「〇」、0.01%以上を「×」とした。
総合判定については、5性能(すなわち、粒子脱落率、破断伸び率、Liイオン回収率、Liイオン移動速度、クロスオーバー率)のうち、すべて「〇」判定のものをA、「×」が1個のものをB、「×」が2個以上のものをC判定として記載した。
表1に示すように、実施例1は、総合判定がAであり、十分な機械的強度およびイオン透過機能を示した。また、実施例1は十分なイオン透過機能を示すことから、実施例1においてイオン伝導パスが形成されている(すなわち、イオン透過膜の厚さ方向において、上面から下面まで、露出部が連続した接続部を有する)ことが判断できる。
一方、比較例1~2は総合判定がBであり、クロスオーバー率が不良であった。これは、空隙4の最大寸法が5μm以上であったためであると考えられる。
比較例3は総合判定がCであり、破断伸び率、Liイオン回収率およびLiイオン移動速度が不良であった。比較例3は、繊維基材を含まないために、破断伸び率が不良であったと考えられ、さらにイオン透過膜表面の接液面積が小さくなり、Liイオン回収率およびLiイオン移動速度が不良であったと考えられる。
以上の評価から、イオン伝導体粒子と、繊維基材と、空隙とを含むイオン透過膜であって、前記イオン伝導体粒子は、前記繊維基材内部に埋め込まれた部分と、前記繊維基材表面に露出した部分を有し、前記繊維基材は、膨潤性高分子を含み、前記空隙の最大寸法は5μm未満であり、前記イオン透過膜の厚さ方向において前記露出した部分によって上面から下面まで連続した接続部を有することにより、十分な機械的強度およびイオン透過機能を示すイオン透過膜を提供できることが分かった。
本発明の実施形態に係るイオン透過膜は、従来の焼結体によるイオン透過膜よりも柔軟性が高く、高い比表面積を実現できるため、レアメタル、特にリチウムを廃液、廃材、および低濃度原液などから選択的にイオン透過させて効率的に回収することに利用することができる。
1 イオン透過膜
1a イオン透過膜の上面
1b イオン透過膜の下面
1c イオン透過膜の接続部
2 イオン伝導体粒子
2a イオン伝導体粒子の埋込部
2b イオン伝導体粒子の露出部
3 繊維基材
4 空隙
5 紡糸膜
5a 紡糸膜の上面
5b 紡糸膜の下面
6 貯留槽
6a 貯留槽の原液側
6b 貯留槽の回収側
7 イオン

Claims (5)

  1. イオン伝導体粒子と、繊維基材と、空隙とを含むイオン透過膜であって、
    前記イオン伝導体粒子は、前記繊維基材内部に埋め込まれた部分と、前記繊維基材表面に露出した部分を有し、
    前記繊維基材は、膨潤性高分子を含み、
    前記空隙の最大寸法は5μm未満であり、
    前記イオン透過膜の厚さ方向において前記露出した部分によって上面から下面まで連続した接続部を有する、イオン透過膜。
  2. 前記イオン伝導体粒子がリチウム(Li)を含む無機化合物である請求項1に記載のイオン透過膜。
  3. 前記繊維基材が疎水性である請求項1または2に記載のイオン透過膜。
  4. 前記繊維基材が含フッ素ポリマーを含み、
    前記含フッ素ポリマーが、モノマー単位としてフッ化ビニリデン単位、テトラフルオロエチレン単位およびクロロトリフルオロエチレン単位からなる群より選択されるいずれか1つ以上を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のイオン透過膜。
  5. 少なくともイオン伝導体粒子と膨潤性高分子とを、共に紡糸処理して紡糸膜を得ることと、
    前記紡糸膜を極性溶媒に含浸させてから乾燥させることと、
    乾燥させた前記紡糸膜をプレス処理することと、を含む請求項1~4のいずれか一項に記載のイオン透過膜の製造方法。
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