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JP7408005B1 - 高純度1,3-ブチレングリコールの製造方法 - Google Patents

高純度1,3-ブチレングリコールの製造方法 Download PDF

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JP7408005B1 JP2023173259A JP2023173259A JP7408005B1 JP 7408005 B1 JP7408005 B1 JP 7408005B1 JP 2023173259 A JP2023173259 A JP 2023173259A JP 2023173259 A JP2023173259 A JP 2023173259A JP 7408005 B1 JP7408005 B1 JP 7408005B1
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Abstract

1,3-ブチレングリコールを含む仕込み液に加熱処理を施す工程と、前記加熱処理後の処理液及び処理蒸気のいずれか1種以上に含まれる低沸点物を蒸留により除去する工程と、を含み、前記加熱処理を施す工程における前記仕込み液中の塩基の含有量が0.2質量%未満である、高純度1,3-ブチレングリコールの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、化粧品等に用いられる高純度の1,3-ブチレングリコールの製造方法に関する。
1,3-ブチレングリコールは、沸点208℃の粘調な無色透明、低臭の液体で、化学的安定性に優れる。このため、1,3-ブチレングリコールは、各種の合成樹脂、界面活性剤の原料として用いられる。また、1,3-ブチレングリコールは、その優れた吸湿特性、低揮発性、低毒性を活かして化粧品、吸湿剤、高沸点溶剤、不凍液の材料としても利用されている。特に近年、化粧品業界では毒性及び刺激性の低い1,3-ブチレングリコールが保湿剤として優れた性質を有するため、その需要が大きく伸びている。
特許文献1には、無臭の1,3-ブチレングリコールの収率を向上する方法として、脱高沸点物蒸留(高沸点成分を除去する蒸留)を行う際に、苛性ソーダ、苛性カリ、水素化硼素ナトリウム及び水素化硼素カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を添加して蒸留する方法が開示されている。
特許文献2には、高沸点物を予め除去した1,3-ブチレングリコールに、アルカリ金属塩基を添加して加熱処理した後、1,3-ブチレングリコールを留出させてアルカリ金属塩基及び高沸点物を残渣として分離し、続いて1,3-ブチレングリコール留分から低沸点物を留去することにより、臭気物質を効果的に低減し得ることが開示されている。
特開平7-258129号公報 特許4559625号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法で得られる無臭1,3-ブチレングリコールは、長期保存していると経時変化により微臭が発生してくるという難点がある。
また、特許文献2に記載された方法から製造される1,3-ブチレングリコールの蒸気中には、臭気物質が依然として確認でき、製品の臭気にも問題がある。さらに、同文献に記載された製法においては、高沸点物を予め除去した1,3-ブチレングリコールに、アルカリ金属塩基を添加して加熱処理した後、1,3-ブチレングリコールを留出させると同時にアルカリ金属塩基及び高沸点物を残渣として分離している。すなわち、アルカリ金属塩基を臭気原因物質と反応させて高沸点物化した後、生成した高沸点物をアルカリ金属塩基と共に蒸留塔の塔底部から除去している(脱塩基蒸留)。この製法の場合、アルカリ金属塩基の分離は、脱塩基蒸留において熱履歴が小さく加熱時間の短い薄膜蒸留で実施している。しかし、薄膜蒸留は分離能が低いため、生成した高沸点物及びアルカリ金属塩基を残渣として塔底部から分離する際に相当量の1,3-ブチレングリコールが塔底液に混入する。そのため、最終的に得られる製品1,3-ブチレングリコールの歩留まりが悪化するという問題がある。
上記事情に鑑み、本発明は、蒸気中の臭気物質を十分に低減した1,3-ブチレングリコールを歩留まりよく製造することの可能な、高純度1,3-ブチレングリコールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記製法の問題を解決すべき鋭意検討した結果、1,3-ブチレングリコールを含む仕込み液を、仕込み液中の塩基の含有量を特定量未満とした状態で加熱処理し、生成した低沸点物を蒸留塔の塔頂部から除去することで、脱塩基処理が不要であるか、或いは脱塩基処理に伴う1,3-ブチレングリコールの塔底液への混入を最小限に抑えられるため、高純度の1,3-ブチレングリコールを歩留まり良く得ることができ、更に臭気成分の一つであるメチルビニルケトン、及びその発生源を低減させることができるため、臭気の低い1,3-ブチレングリコールを製造できることも見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
1,3-ブチレングリコールを含む仕込み液に加熱処理を施す工程と、
前記加熱処理後の処理液及び処理蒸気のいずれか1種以上に含まれる低沸点物を蒸留により除去する工程と、
を含み、
前記加熱処理を施す工程における前記仕込み液中の塩基の含有量が0.2質量%未満である、高純度1,3-ブチレングリコールの製造方法。
[2]
前記加熱処理を施す工程における加熱温度が90~200℃、加熱滞留時間が20分~9時間である、上記[1]記載の高純度1,3-ブチレングリコールの製造方法。
[3]
前記加熱処理を施す工程に用いる仕込み液が、1,3-ブチレングリコール中の不純物を抽出で除去する工程と、抽出工程後の残存抽出溶剤を蒸留により除去する工程と、を含む処理工程を経て生成されている、上記[1]又は[2]記載の高純度1,3-ブチレングリコールの製造方法。
[4]
下記条件下のにおい嗅ぎGC/MSにおいて、メチルビニルケトンの重トルエン換算濃度が0.25vol ppb以下である、高純度1,3-ブチレングリコール。
[5]
下記条件下のにおい嗅ぎGC/MSにおいて、メチルビニルケトンの重トルエン換算濃度が0.20vol ppb以下である、高純度1,3-ブチレングリコール。

[におい嗅ぎGC/MSの測定条件]

(濃縮装置)
濃縮装置:ENTECH INSTRUMENTS社製 Entech7200自動濃縮装置
試料量:5g
注入量:30℃で20分以上静置した試料気相部200mL
(別途、上記気相部とは別に内部標準物質を100mL注入)
内部標準物質:100mL(重トルエン標準ガス:濃度10vol ppb、希釈ガスは窒素、住友精化株式会社)
濃縮手法:CTDモード(Cold Trap Dehydration)
Dehydration Module1(Empty Trap)の温度条件:Trap Temp.-40℃、Desorption Temp.0℃
Cold Tenax Module2(Tenax Trap)の温度条件:Trap Temp.-30℃、Desorption Temp.200℃
Focusing Module3(Cryo focus)の温度条件:Trap Temp.-165℃、Desorption Temp.100℃
サンプル流量:50mL/min
He Flush Volume:75mL
M1 to M2 Volume:40mL(100mL/min)
M2 to M3 Time:3.0min
Injection time:0.3min

(GC)
測定機器:Agilent Technologies社製 Agilent 7890B ガスクロマトグラフィーSystem
分析カラム:Agilent Technologies社製 DB-1(固定相がジメチルポリシロキサンであるカラム;長さ60m×内径320μm×膜厚1μm)
昇温プログラム:35℃で2分間保持した後、10℃/分で240℃まで昇温し、240℃で7.5分間保持
キャリアガス:ヘリウム
コントロールモード:コンスタントプレッシャー(153.09kPa)
濃縮された試料は、キャピラリーカラムで分離後GESTEL社製ODP3(におい嗅ぎシステム)とMSD5977B(質量分析計)に1/1の比率で送られる。

(MSD:質量分析計)
検出器:Agilent Technologies社製 Agilent 5977B MSD
イオン化モード:EI
測定タイプ:スキャン
イオン源温度:250℃
四重極温度:150℃
電子エネルギー:70.0eV
スキャン開始質量:30
スキャン終了質量:400
検量線:住友精化(株)製の重トルエン標準ガス(濃度:10vol ppb、希釈ガス:窒素)を用いて作成する。
データ解析時は、抽出イオンクロマトグラム(EIC)を用いて重トルエンの相対保持時間を1.0とした時の相対保持時間0.59~0.61に出現するメチルビニルケトンのEICピーク面積(EIC:m/z 55.000)を確認する。重トルエン換算濃度の算出には上記検量線によって導出された式を用いる。
本発明により、蒸気中の臭気物質を十分に低減した高純度1,3―ブチレングリコールを提供できる。
また、本発明の高純度1,3-ブチレングリコールの製造方法により、臭気の低減と歩留まり改善を同時に達成することができる。
本発明の製造方法を実施するための装置のフローシートの一例である。 本発明のにおい嗅ぎGC/MS測定において用いる装置の一例である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
なお、本実施形態においては、最終製品である1,3-ブチレングリコールを「高純度1,3-ブチレングリコール」、原料としての1,3-ブチレングリコールを「原料1,3-ブチレングリコール」もしくは単に「1,3-ブチレングリコール」ともいう。
[高純度1,3-ブチレングリコール]
本実施形態に係る高純度1,3-ブチレングリコールは、特定条件下のにおい嗅ぎGC/MSにおいて、メチルビニルケトンの重トルエン換算濃度が0.25vol ppb以下であることが好ましい。
本実施形態におけるにおい嗅ぎGC/MSの測定条件は以下のとおりである。
[におい嗅ぎGC/MSの測定条件]
におい嗅ぎGC/MSは、図2の装置概略図で示された装置を用いて行う。この装置は、測定サンプルの気相部のサンプル蒸気を濃縮する濃縮装置、濃縮した蒸気をキャピラリーカラムにて分離するGC、分離した成分を直接嗅ぐことのできるにおい嗅ぎシステム及び分離した成分を定性・定量するMSD(質量分析計)で構成されている。
(濃縮装置)
濃縮装置:ENTECH INSTRUMENTS社製 Entech7200自動濃縮装置
試料量:5g
注入量:30℃で20分以上静置した試料気相部200mL
(別途、上記気相部とは別に内部標準物質を100mL注入)
内部標準物質:100mL(重トルエン標準ガス:濃度10vol ppb、希釈ガスは窒素、住友精化株式会社)
濃縮手法:CTDモード(Cold Trap Dehydration)
Dehydration Module1(Empty Trap)の温度条件:Trap Temp.-40℃、Desorption Temp.0℃
Cold Tenax(登録商標)Module2(Tenax Trap)の温度条件:Trap Temp.-30℃、Desorption Temp.200℃
Focusing Module3(Cryo focus)の温度条件:Trap Temp.-165℃、Desorption Temp.100℃
サンプル流量:50mL/min
He Flush Volume:75mL
M1 to M2 Volume:40mL(100mL/min)
M2 to M3 Time:3.0min
Injection time:0.3min

(GC)
測定機器:Agilent Technologies社製 Agilent 7890B ガスクロマトグラフィーSystem
分析カラム:Agilent Technologies社製 DB-1(固定相がジメチルポリシロキサンであるカラム;長さ60m×内径320μm×膜厚1μm)
昇温プログラム:35℃で2分間保持した後、10℃/分で240℃まで昇温し、240℃で7.5分間保持
キャリアガス:ヘリウム
コントロールモード:コンスタントプレッシャー(153.09kPa)
濃縮された試料は、キャピラリーカラムで分離後GESTEL社製ODP3(におい嗅ぎシステム)とMSD5977B(質量分析計)に1/1の比率で送られる。

(MSD:質量分析計)
検出器:Agilent Technologies社製 Agilent 5977B MSD
イオン化モード:EI
測定タイプ:スキャン
イオン源温度:250℃
四重極温度:150℃
電子エネルギー:70.0eV
スキャン開始質量:30
スキャン終了質量:400
検量線:住友精化(株)製の重トルエン標準ガス(濃度:10vol ppb、希釈ガス:窒素)を用いて作成する。
データ解析時は、抽出イオンクロマトグラム(EIC)を用いて重トルエンの相対保持時間を1.0とした時の相対保持時間0.59~0.61に出現するメチルビニルケトンのEICピーク面積(EIC:m/z 55.000)を確認する。重トルエン換算濃度の算出には上記検量線によって導出された式を用いた。
上記メチルビニルケトンの重トルエン換算濃度が0.25vol ppb以下であることにより、高純度1,3-ブチレングリコールの臭気が低減される傾向にある。メチルビニルケトンの重トルエン換算濃度は、本発明の効果がより顕著となる観点から、0.20vol ppb以下がより好ましく、さらに好ましくは0.17vol ppb以下、さらにより好ましくは0.16vol ppb以下、特に好ましくは0.14vol ppb以下である。体積率の下限としては特に限定されないが、製造コストの観点から、例えば、0.01vol ppb以上であってもよい。
本実施形態の高純度1,3-ブチレングリコールにおいて、下記条件でのガスクロマトグラフィー分析における1,3-ブチレングリコールのピークの面積率は特に限定されないが、要求される製品品質に応じて、例えば、99.7%以上であることが好ましく、より好ましくは99.8%以上、特に好ましくは99.9%以上である。
[ガスクロマトグラフィー分析の条件]
分析カラム:DB-WAX(固定相がポリエチレングリコールであるカラム;長さ30m×内径0.25mm×膜厚0.25μm)
昇温条件:5℃/分で80℃から230℃まで昇温した後、230℃で10分間保持
試料導入温度:250℃
キャリアガス:窒素
カラムのガス流量:0.5mL/分
検出器及び検出温度:水素炎イオン化検出器(FID)、250℃
コントロールモード:コンスタントフロー
スプリット比:50:1
試料注入条件:1μL
[高純度1,3-ブチレングリコールの製造方法]
本実施形態の高純度1,3-ブチレングリコールの製造方法は、1,3-ブチレングリコールを含む仕込み液に加熱処理を施す工程と、前記加熱処理後の処理液及び処理蒸気のいずれか1種以上に含まれる低沸点物を蒸留により除去する工程と、を含む方法である。
以下、図1を用いて本実施形態の高純度1,3-ブチレングリコールの製造方法について説明する。図1は、本実施形態の高純度1,3-ブチレングリコールの製造方法を実施するための装置の一例を示すフローシートである。なお、本実施形態の高純度1,3-ブチレングリコールの製造方法を実施するための装置としては、図1に示す態様に限定されることはない。
図1において、1-1が加熱処理装置、1-2がフラッシュ蒸留塔、1-3が製品蒸留塔であり、1-1-1が熱交換器、1-2-1、1-3-1がコンデンサー、1-3-2がリボイラーである。
また、図1において、Aは1,3-ブチレングリコール、Bは高沸点物、Cは低沸点物、HPは高純度1,3-ブチレングリコールである。
本実施形態において、1,3-ブチレングリコールよりも沸点の高い化合物または混合物を「高沸点物」、1,3-ブチレングリコールよりも沸点の低い化合物または混合物を「中沸点物」、中沸点物よりも沸点の低い化合物または混合物を「低沸点物」とそれぞれ称する場合がある。
高沸点物とは、特に限定されないが、沸点が207℃以上のものを示し、例えば、1,3-ブチレングリコールと酢酸のモノエステル体、1,3-ブチレングリコールと酢酸のジエステル体、アセトアルデヒドの3量体の水添体、アセトアルドールと1,3-ブチレングリコールのアセタール体等が挙げられる。
中沸点物についても、特に限定されないが、沸点が207℃未満110℃以上のものを示し、例えば、3-ヒドロキシブタノン、4-ヒドロキシ-2-ブタノン、アセトアルドール等が挙げられる。
低沸点物についても、特に限定されないが、沸点が110℃未満のものを示し、例えば、アセトアルデヒド、メチルビニルケトン、クロトンアルデヒド等が挙げられる。
[1,3-ブチレングリコール]
本実施形態の製造方法において、原料としての仕込み液に含まれる1,3-ブチレングリコール(A)(以下、単に「原料1,3-ブチレングリコール」ともいう。)は特に限定されないが、アセトアルドールの液相水素還元法により製造されたもの、1,3-ブチレンオキサイドの加水分解法により製造されたもの、または微生物や菌類を用いた発酵法により製造されたもの、これらの混合物など、いずれのものを用いてもよい。中でも、本発明の効果がより顕著となる傾向にあるため、アセトアルドールの液相水素還元法によって得られた反応生成物を用いることが好ましい。アセトアルドールの液相水素還元法においては、臭気原因物質と考えられるアセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、アセトン、メチルビニルケトン等の不飽和結合を有する低沸点物やこれらの縮合物が副生し、これらは蒸留によっても完全に取り除くことが難しい。上記臭気原因物質とは、そのもの自体が臭気源であるものや、経時変化、加熱処理、化学処理等により臭気物質となるもの等が含まれる。
また、原料1,3-ブチレングリコールとしては、アセトアルドールの液相水素還元法によって得られた反応生成物からアルコール類、塩、水分等を除去した後のものを用いてもよい。これらの成分を除去する方法としては特に限定されず、蒸留、抽出等の方法を用いることができる。
原料1,3-ブチレングリコールとしては、本願発明の効果がより顕著となる傾向にあるため、上述した条件のガスクロマトグラフィー分析における1,3-ブチレングリコールのピークの面積率は99.5%以上、より好ましくは99.6%以上、さらに好ましくは99.7%以上である。
本実施形態の製造方法において原料として用いられる1,3-ブチレングリコールとしては、高沸点物が除去された1,3-ブチレングリコールを用いることが好ましい。高沸点物の含有量が少ない1,3-ブチレングリコールを原料として用いると、加熱処理工程において高沸点物の分解反応によって生じる低沸点物の生成が無いか、あるいは極めて少なくなるため、臭気原因となる低沸点物をその後の蒸留工程において効率的に除去することが可能となる。その結果、低沸点物の絶対量が限りなく0近くまで低減できると考えられるため、臭気の抑制された、経時変化の少ない極めて高品質の1,3-ブチレングリコールの製造が可能となる。
高沸点物が除去された1,3-ブチレングリコールとしては、特に限定されず、例えば、不純物を抽出除去し、残存抽出溶剤を蒸留により除去(以下、「抽出処理」という。)した後の1,3-ブチレングリコール、脱高沸点物蒸留後の1,3-ブチレングリコール、従来の精製プロセスにおける製品蒸留塔から得られた1,3-ブチレングリコール、低品質の製品1,3-ブチレングリコール、由来の不明な製品1,3-ブチレングリコール、又はこれらの混合物等が挙げられ、好ましくは抽出処理後の1,3-ブチレングリコールが挙げられる。
本実施形態における高沸点物が除去された1,3-ブチレングリコール中の高沸点物の含有率は、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下である。1,3-ブチレングリコール中の高沸点物の含有率が1.0質量%以下であることにより、加熱処理工程における高沸点物の分解による臭気原因物質の発生が更に抑制される傾向にある。
[加熱処理工程]
本実施形態の高純度1,3-ブチレングリコールの製造方法は、1,3-ブチレングリコールを含む仕込み液に加熱処理を施す工程を含む。1,3-ブチレングリコールを含む仕込み液を加熱処理することにより、そこに含まれる中沸点物および/または高沸点物が分解して低沸点物となるため、その後の蒸留工程において臭気原因となる低沸点物が効率的に除去されると推測される。但し、本発明のメカニズムは上記に限定されることはない。
加熱処理工程においては、原料となる1,3-ブチレングリコールを含む仕込み液が加熱処理装置1-1に供給される。加熱処理装置1-1へ仕込む原料1,3-ブチレングリコールはいずれの1,3-ブチレングリコールであってもよいが、中でも、高沸点物が除去されたものであることが好ましい。例えば、高沸点物蒸留塔から留出したものや従来法の製品蒸留塔の塔底部から得られる製品1,3-ブチレングリコールであってもよい。従来法とは、例えば特許文献2に記載の製品蒸留が挙げられるが、本発明は上記に限定されることはない。
加熱処理を施す工程に用いる仕込み液としては、本発明の効果が顕著となる傾向にあるため、特に、1,3-ブチレングリコール中の不純物を抽出で除去する工程と、抽出工程後の残存抽出溶剤を蒸留により除去する工程と、を含む処理工程を経て精製されていることが好ましい。
加熱処理工程における加熱滞留時間としては、特に限定されないが、好ましくは20分~9時間、より好ましくは1~6時間、さらに好ましくは1~2時間である。加熱滞留時間が20分以上であると、中沸点物および/または高沸点物の低沸点物化がより十分に進む傾向にあり、9時間以下であると、加熱処理にかかるコストの増大を更に抑制することができる傾向にある。
また、加熱処理工程における加熱温度としては、特に限定されないが、好ましくは90~200℃、より好ましくは120~190℃、さらに好ましくは120~140℃である。加熱温度が90℃以上であると、中沸点物および/または高沸点物の低沸点物化がより十分に進む傾向にあり、200℃以下であると、1,3-ブチレングリコールの熱分解による臭気原因物質の発生が更に抑制される傾向にある。
加熱処理工程における加熱処理装置としては特に限定されず、例えば、連続式管型、回分式槽型、連続式槽型等の加熱処理装置が挙げられ、中でも、臭気物質低減の観点から、回分式槽型が好ましい。
加熱処理工程においては、加熱処理装置への仕込み液中に塩基が含まれていてもよい。この場合、仕込み液中の塩基の含有量は、0.2質量%未満であり、0.05質量%以下であることが好ましく、0.03質量%以下であることがより好ましい。仕込み液中の塩基の含有量が0.2質量%未満である場合、脱塩基処理が不要であるか、或いは脱塩基処理に伴う1,3-ブチレングリコールの塔底液への混入がより最小限に抑えられるため、高純度1,3-ブチレングリコールの歩留まりを改善することが可能となる。
仕込み液中に含まれる塩基としては、特に限定されず、苛性ソーダ(NaOH)、苛性カリ(KOH)、炭酸ソーダ(Na2CO3)、重炭酸ソーダ(NaHCO3)、炭酸カリ(K2CO3)、重炭酸カリ(KHCO3)等のアルカリ金属化合物が挙げられる。
[高沸点物除去工程]
本実施形態の高純度1,3-ブチレングリコールの製造方法は、後述する低沸点物除去工程の前に、高沸点物除去工程を有してもよい。高沸点物除去工程においては、加熱処理工程によって加熱処理された処理液及び処理蒸気のいずれか1種以上が、フラッシュ蒸留塔1-2に供給されて高沸点物(B)が蒸留塔底部から除去される。除去された高沸点物(B)をフラッシュ蒸留塔1-2へ戻して循環させる操作を行ってもよい。
加熱処理工程において仕込み液中に塩基が含まれている場合、塩基は、フラッシュ蒸留により高沸点物(B)と共に除去されてもよく、別途、脱塩基塔(図示せず)に供給されて除去されてもよい。脱塩基塔に用いられる蒸発器としては特に限定されないが、加熱時間の短い自然流下型薄膜蒸器、又は強制撹拌型薄膜蒸発器を用いることが好ましい。
フラッシュ蒸留塔1-2では、塔頂部において13.3kPa以下、好ましくは0.7~2.7kPaの減圧下で蒸発が行われる。1,3-ブチレングリコールの臭気をより抑制する観点からは、蒸留温度は120℃~190℃であることが好ましく、より好ましくは140~170℃、特に150~170℃が好ましい。滞留時間は20分~9時間が好ましく、より好ましくは1~6時間、さらに好ましくは1~2時間である。フラッシュ蒸留塔1-2の塔頂部からは低沸点物を含む1,3-ブチレングリコールが留出し、次の製品蒸留塔1-3へ送られる。
高沸点物除去工程においては、フラッシュ蒸留以外にも、蒸発器、蒸留塔等のその他の蒸留手段を用いてもよい。
[低沸点物除去工程]
加熱処理装置1-1を出た処理液及び処理蒸気のいずれか1種以上は、必要に応じて高沸点物除去工程を経た後、製品蒸留塔1-3に送られて低沸点物除去工程が行われる。製品蒸留塔1-3においては、高純度1,3-ブチレングリコール(HP)が塔底部から抜き出されると共に、低沸点物(C)が塔頂部から留去される。
製品蒸留塔1-3としては特に限定されず、多孔板塔、泡鐘塔、充填塔等を用いることができ、好ましくは規則充填物あるいは不規則充填物を充填した圧損失の低い充填塔がより適当である。これは1,3-ブチレングリコールが200℃を超える温度では熱分解され、臭気に対して悪影響を及ぼすため、蒸留温度をできるだけ低くするためである。また、1,3-ブチレングリコールにかかる熱履歴(加熱時間)が長い場合も、同様に影響が出る。従って、採用されるリボイラーは、例えば垂直サーモサイフォン型、水平サーモンサイフォン型、溢流管束型(ケトル型)、強制循環型、内挿型でも良いが、好ましくはプロセス側流体の加熱時間の短い、例えば自然流下型薄膜蒸発器、強制撹拌型薄膜蒸発器等の薄膜蒸発器が適当である。
製品蒸留塔1-3は、理論段数が7~40段の充填塔が好ましい。製品蒸留塔1-3は、1塔でもよいし、2塔以上のものを用いてもよい。蒸留の条件としては、製品蒸留塔1―3の塔頂部の圧力が1~20kPaであることが好ましく、製品蒸留塔1-3の塔底部の温度が100~160℃であることが好ましく、110~140℃であることがより好ましい。還流比は0~5.0で運転することが好ましい。低沸点物除去工程の具体的な態様としては、例えば、1,3-ブチレングリコールを多く含む液又は蒸気を蒸留塔へ連続的に供給し、塔頂部より低沸点分を多く含む留出液を連続的に抜き出すと同時に、塔底部より高純度1,3-ブチレングリコールを連続的に抜き出す方法等が挙げられる。
図1の説明ではフラッシュ蒸留塔1-2の塔頂部蒸気をコンデンサー1-2-1で凝縮し、凝縮した液を製品蒸留塔1-3へ供給しているが、製品蒸留塔1-3における加熱用熱量を削減するという観点からは、加熱処理装置1-1からの処理液を直接製品蒸留塔1-3へ供給しても構わない。高純度1,3-ブチレングリコール(HP)は製品蒸留塔1-3の塔底部から得られる。
なお、本実施形態においては、加熱処理装置1-1から出た処理液から、先に製品蒸留塔1-3により低沸点物を留去し、続いて濃縮段の途中ないし塔底部から抜き出した1,3-ブチレングリコールを蒸留ないし蒸発させて塩基及び生成した高沸点物を蒸留残渣として分離し、高純度1,3-ブチレングリコール(HP)を塔頂部ないし濃縮段の途中から得ることもできる。
また、製品蒸留塔1-3により低沸点物(C)を留去して得た高純度1,3-ブチレングリコール(HP)をさらに蒸留して高沸点物を除去したり、低沸点物(C)を留去した後の高純度1,3-ブチレングリコール(HP)の一部をフラッシュ蒸留塔1-2にリサイクルしたり、1,3-ブチレングリコールを含む低沸点物(C)を加熱処理装置1-1にリサイクルしても構わない。
本実施形態においては、塩基の含有量が0.2質量%未満である1,3-ブチレングリコールを含む仕込み液を加熱処理する工程と、加熱処理後の処理液及び処理蒸気のいずれか1種以上に含まれる低沸点物を蒸留により除去する工程と、を少なくとも経ることで、高純度1,3-ブチレングリコールを歩留まり良く製造することが可能となる。ここで、「高純度」とは、高純度1,3-ブチレングリコールの用途によってその範囲が変化し、特定用途に用いられるために十分な純度を有することを意味する。例えば、1,3-ブチレングリコールを化粧品用途に用いる場合、上述した条件のガスクロマトグラフィー分析における高純度1,3-ブチレングリコールのピークの面積率は、好ましくは99.70~100%、より好ましくは99.75~100%、さらに好ましくは99.78~100%である。
以下、実施例及び比較例により本実施形態を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例及び比較例においては、図1のフローシートで示される装置を用いた。
実施例及び比較例において得られた高純度1,3-ブチレングリコールについて、以下に従って各物性の測定を行った。
1.におい嗅ぎGC/MS
実施例1~8および比較例1で得られた1,3-ブチレングリコールに含まれるメチルビニルケトンを、以下の方法に従ってにおい嗅ぎGC/MS分析により測定した。なお、におい嗅ぎGC/MSは、図2の装置概略図で示された装置を用いて行った。この装置は、測定サンプルの気相部のサンプル蒸気を濃縮する濃縮装置、濃縮した蒸気をキャピラリーカラムにて分離するGC、分離した成分を直接嗅ぐことのできるにおい嗅ぎシステム及び分離した成分を定性・定量するMSD(質量分析計)で構成されている。

(濃縮装置)
濃縮装置:ENTECH INSTRUMENTS社製 Entech7200自動濃縮装置
試料量:5g
注入量:30℃で20分以上静置した試料気相部200mL
(別途、上記気相部とは別に内部標準物質を100mL注入)
内部標準物質:100mL(重トルエン標準ガス:濃度10vol ppb、希釈ガスは窒素、住友精化株式会社)
濃縮手法:CTDモード(Cold Trap Dehydration)
Dehydration Module1(Empty Trap)の温度条件:Trap Temp.-40℃、Desorption Temp.0℃
Cold Tenax(登録商標)Module2(Tenax Trap)の温度条件:Trap Temp.-30℃、Desorption Temp.200℃
Focusing Module3(Cryo focus)の温度条件:Trap Temp.-165℃、Desorption Temp.100℃
サンプル流量:50mL/min
He Flush Volume:75mL
M1 to M2 Volume:40mL(100mL/min)
M2 to M3 Time:3.0min
Injection time:0.3min

(GC)
測定機器:Agilent Technologies社製 Agilent 7890B ガスクロマトグラフィーSystem
分析カラム:Agilent Technologies社製 DB-1(固定相がジメチルポリシロキサンであるカラム;長さ60m×内径320μm×膜厚1μm)
昇温プログラム:35℃で2分間保持した後、10℃/分で240℃まで昇温し、240℃で7.5分間保持
キャリアガス:ヘリウム
コントロールモード:コンスタントプレッシャー(153.09kPa)
濃縮された試料は、キャピラリーカラムで分離後GESTEL社製ODP3(におい嗅ぎシステム)とMSD5977B(質量分析計)に1/1の比率で送られる。

(MSD:質量分析計)
検出器:Agilent Technologies社製 Agilent 5977B MSD
イオン化モード:EI
測定タイプ:スキャン
イオン源温度:250℃
四重極温度:150℃
電子エネルギー:70.0eV
スキャン開始質量:30
スキャン終了質量:400
検量線:住友精化(株)製の重トルエン標準ガス(濃度:10vol ppb、希釈ガス:窒素)を用いて作成した。
データ解析時は、抽出イオンクロマトグラム(EIC)を用いて重トルエンの相対保持時間を1.0とした時の相対保持時間0.59~0.61に出現するメチルビニルケトンのEICピーク面積(EIC:m/z 55.000)を確認した。上記検量線によって導出された式である「重トルエン換算濃度(vol ppb)=3.15×10-6×EICピーク面積」を用いて、1,3―ブチレングリコールの蒸気中のメチルビニルケトンの重トルエン換算濃度を算出した。
2.GC測定
実施例2、実施例3及び比較例1のフラッシュ蒸留の塔頂部から得られた留出液の1,3-ブチレングリコール、並びに原料の1,3-ブチレングリコール(A)のGC測定を以下の方法に従って実施し、各ピーク成分の面積率(%)を求めた。

分析装置:Agilent Technologies社製 Agilent Technologies 7890BGCSystem
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)
分析カラム:Agilent Technologies社製 DB-WAX (固定相がポリエチレングリコールであるカラム;30m×250μm×0.25μm)
昇温プログラム:80℃から5℃/分で昇温し、230℃で10分間保持
INJ:250℃
DET:250℃
コントロールモード:コンスタントフロー
スプリット比:50:1
試料注入条件:1μL
保持時間9~15分に出現したピークを低沸点物、保持時間15~17分に出現したピークを中沸点物、保持時間17~19分に出現したピークを1,3-ブチレングリコール、19~25分に出現したピークを高沸点物として、それぞれについてピークの面積率(%)を測定した。
[実施例1]
原料の1,3-ブチレングリコール(A)としては、KHネオケム株式会社製の1,3-ブチレングリコール-P(商品名)を使用した。
1,3-ブチレングリコール(A)100質量部を連続式管型の加熱処理装置1-1に仕込んだ。この際、仕込み液に対して苛性ソーダ濃度が0.03質量%となるように10質量%苛性ソーダ水溶液を添加した。加熱処理装置1-1での温度を120℃に維持して、20分間加熱処理した。
次いで、加熱処理装置1-1から出た処理液をフラッシュ蒸留塔1-2へ供給した。フラッシュ蒸留塔1-2では、温度を130℃、圧力を1.1kPaとして、仕込み液量100質量部に対して苛性ソーダと高沸点物(B)及び1,3-ブチレングリコールの一部を塔底部から2質量部排出した。フラッシュ蒸留塔1-2の塔頂部からは1,3-ブチレングリコールおよび低沸点物を98質量部留出させ、次の製品蒸留塔1-3へ供給した。製品蒸留塔1-3においては、充填高さ425mmになるように3mmサイズのディクソンパッキンを充填した高さ500mmの充填塔(内径22mm)を取り付けた蒸留装置を使用し、温度を110℃、圧力を1.1kPaとして、仕込み液量100質量部に対して塔頂部から低沸点物(C)及び1,3-ブチレングリコールの一部を10質量部留出させ、塔底部からは高純度1,3-ブチレングリコール(HP)を取り出した。
得られた高純度1,3-ブチレングリコール(HP)は、におい嗅ぎGC/MSによる測定から臭気原因物質であるメチルビニルケトンの重トルエン換算濃度が0.24vol ppbであった。結果を表1に示す。
[実施例2]
連続式管型の加熱処理装置1-1での苛性ソーダ濃度を0質量%としたこと以外は実施例1と同様に行った。得られた高純度1,3-ブチレングリコール(HP)は、臭気原因物質であるメチルビニルケトンの重トルエン換算濃度が0.20vol ppbであった。結果を表1に示す。
[実施例3]
連続式管型の加熱処理装置1-1での加熱時間を60分としたこと以外は実施例2と同様に行った。得られた高純度1,3-ブチレングリコール(HP)は、臭気原因物質であるメチルビニルケトンの重トルエン換算濃度が0.17vol ppbであった。結果を表1に示す。
[実施例4]
フラッシュ蒸留塔1-2での蒸留を省略し、連続式管型の加熱処理装置1-1を出た処理液を製品蒸留塔1-3へ直接供給したこと以外は実施例3と同様に行った。得られた高純度1,3-ブチレングリコール(HP)は、臭気原因物質であるメチルビニルケトンの重トルエン換算濃度が0.16vol ppbであった。結果を表1に示す。
[実施例5]
連続式管型の加熱処理装置1-1の代わりに回分式槽型の加熱処理装置を使用して、加熱処理装置での温度を120℃に維持して、60分間加熱処理したこと以外は実施例4と同様に行った。得られた高純度1,3-ブチレングリコール(HP)は、臭気原因物質であるメチルビニルケトンの重トルエン換算濃度が0.14vol ppbであった。結果を表1に示す。
[実施例6]
回分式槽型の加熱処理装置での温度を160℃に維持して、360分間加熱処理したこと、製品蒸留の温度を130℃、圧力を2.9kPaとしたこと以外は実施例5と同様に行った。得られた高純度1,3-ブチレングリコール(HP)は、臭気原因物質であるメチルビニルケトンの重トルエン換算濃度が0.14vol ppbであった。結果を表1に示す。
[実施例7]
回分式槽型の加熱処理装置での温度を190℃に維持して、120分間加熱処理したこと以外は実施例6と同様に行った。得られた高純度1,3-ブチレングリコール(HP)は、臭気原因物質であるメチルビニルケトンの重トルエン換算濃度が0.11vol ppbであった。結果を表1に示す。
[実施例8]
製品蒸留塔1-3において、仕込み液量100部に対して塔頂部から低沸点物(C)及び1,3-ブチレングリコールの一部として3部留出させたこと以外は実施例5と同様に行った。得られた高純度1,3-ブチレングリコール(HP)は、臭気原因物質であるメチルビニルケトンの重トルエン換算濃度が0.10vol ppbであった。結果を表1に示す。
[比較例1]
加熱処理装置での苛性ソーダ濃度を0.2質量%としたこと以外は実施例1と同様に行った。得られた高純度1,3-ブチレングリコール(HP)は、臭気原因物質であるメチルビニルケトンの重トルエン換算濃度が0.38vol ppbであった。結果を表1に示す。
Figure 0007408005000001
[GC測定]
実施例2、実施例3及び比較例1のフラッシュ蒸留の塔頂部から得られた留出液の1,3-ブチレングリコール、並びに原料の1,3-ブチレングリコール(A)のGC測定を実施し、各ピーク成分の面積率(%)を求めた。結果を表2に示す。表中、1,3-BGは、1,3-ブチレングリコールを表す。
Figure 0007408005000002
比較例1の加熱処理工程では、低沸点物が減少し、高沸点物が増加したことが示唆される。一方、実施例2および実施例3の加熱処理工程では、中沸点物と高沸点物が減少し、低沸点物が増加したことが示唆される。
本発明の製造方法により提供される高純度1,3-ブチレングリコールは、合成樹脂の原料、界面活性剤の原料、溶媒、不凍液、化粧品原料等としての産業上利用可能性を有する。

Claims (1)

  1. 下記条件下のにおい嗅ぎGC/MSにおいて、メチルビニルケトンの重トルエン換算濃度が0.20vol ppb以下である、高純度1,3-ブチレングリコール(但し、フルフラール、フルフリルアルコール、及びテトラヒドロフルフリルアルコールを含まない)

    [におい嗅ぎGC/MSの測定条件]

    (濃縮装置)
    濃縮装置:ENTECH INSTRUMENTS社製 Entech7200自動濃縮装置
    試料量:5g
    注入量:30℃で20分以上静置した試料気相部200mL
    (別途、上記気相部とは別に内部標準物質を100mL注入)
    内部標準物質:100mL(重トルエン標準ガス:濃度10vol ppb、希釈ガスは窒素、住友精化株式会社)
    濃縮手法:CTDモード(Cold Trap Dehydration)
    Dehydration Module1(Empty Trap)の温度条件:Trap Temp.-40℃、Desorption Temp.0℃
    Cold Tenax Module2(Tenax Trap)の温度条件:Trap Temp.-30℃、Desorption Temp.200℃
    Focusing Module3(Cryo focus)の温度条件:Trap Temp.-165℃、Desorption Temp.100℃
    サンプル流量:50mL/min
    He Flush Volume:75mL
    M1 to M2 Volume:40mL(100mL/min)
    M2 to M3 Time:3.0min
    Injection time:0.3min

    (GC)
    測定機器:Agilent Technologies社製 Agilent 7890B ガスクロマトグラフィーSystem
    分析カラム:Agilent Technologies社製 DB-1(固定相がジメチルポリシロキサンであるカラム;長さ60m×内径320μm×膜厚1μm)
    昇温プログラム:35℃で2分間保持した後、10℃/分で240℃まで昇温し、240℃で7.5分間保持
    キャリアガス:ヘリウム
    コントロールモード:コンスタントプレッシャー(153.09kPa)
    濃縮された試料は、キャピラリーカラムで分離後GESTEL社製ODP3(におい嗅ぎシステム)とMSD5977B(質量分析計)に1/1の比率で送られる。

    (MSD:質量分析計)
    検出器:Agilent Technologies社製 Agilent 5977B MSD
    イオン化モード:EI
    測定タイプ:スキャン
    イオン源温度:250℃
    四重極温度:150℃
    電子エネルギー:70.0eV
    スキャン開始質量:30
    スキャン終了質量:400
    検量線:住友精化(株)製の重トルエン標準ガス(濃度:10vol ppb、希釈ガス:窒素)を用いて作成する。
    データ解析時は、抽出イオンクロマトグラム(EIC)を用いて重トルエンの相対保持時間を1.0とした時の相対保持時間0.59~0.61に出現するメチルビニルケトンのEICピーク面積(EIC:m/z 55.000)を確認する。重トルエン換算濃度の算出には上記検量線によって導出された式を用いる。

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