JP7498645B2 - 電極 - Google Patents
電極 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7498645B2 JP7498645B2 JP2020184025A JP2020184025A JP7498645B2 JP 7498645 B2 JP7498645 B2 JP 7498645B2 JP 2020184025 A JP2020184025 A JP 2020184025A JP 2020184025 A JP2020184025 A JP 2020184025A JP 7498645 B2 JP7498645 B2 JP 7498645B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrode
- particles
- ysccz
- active layer
- electrolyte
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Electrodes For Compound Or Non-Metal Manufacture (AREA)
- Inert Electrodes (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Description
一方、固体酸化物形電解セル(SOEC)は、SOFCと構造は同じであるが、SOFCとは逆の反応を起こさせるものである。すなわち、SOECのカソード(水素極)にCO2やH2Oを供給し、電極間に電流を流すと、COやH2を生成させることができる。
(a)電解質: イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、サマリアドープトセリア(SDC)、ランタンストロンチウムガリウムマグネシウム酸化物(LSGM)など。
(b)酸素極: ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)、ランタンストロンチウムコバルトフェライト(LSCF)、ランタンストロンチウムコバルタイト(LSC)など。
(c)水素極: Ni/YSZ、Ni/SDC、Ni-Fe/SDCなど。
この点は、SOFCも同様である。すなわち、SOFCのアノード(燃料極)においては、電極反応により水が生成する。そのため、特に、高負荷運転条件下において、生成した水蒸気により燃料極中のNiが酸化され、発電特性が低下する場合がある。
(1)前記電極は、
拡散層と、
前記拡散層の電解質層側表面に形成された活性層と
を備えている。
(2)前記活性層は、
Ni含有粒子(B)と、
Y、Sc、及びCeがドープされたZrO2からなるYScCZ粒子と
を含むサーメット(B)からなる。
(a)Ni含有粒子(B)の表面に形成されたNiを含む金属酸化膜(例えば、NiOなど)からスピルオーバーした酸素イオンがYScCZ粒子に固定されるため、
(b)YScCZ粒子の水分解機能により水蒸気が酸素と水素に分解されるため、及び/又は、
(c)Ni含有粒子(B)とYScCZ粒子とが共存することによって、Ni含有粒子(B)に含まれるNiの電子状態が変化するため
と考えられる。
仮に、(b)の水蒸気の分解により生成した酸素がNiを酸化させたとしても、(a)の効果によりNiOはNiに戻る。また、(b)の水蒸気の分解により生成した水素は、直接NiOを還元するだけでなく、酸素イオンが固定されたYScCZを局所的な還元雰囲気下におき、YScCZ粒子から容易に酸素を放出させる。その結果として、YScCZは、永続的にサイクル特性を持つと推測される。
[1. 電極]
本発明に係る電極は、
拡散層と、
前記拡散層の電解質層側表面に形成された活性層と
を備えている。
本発明において、拡散層は、Ni含有粒子(A)と、固体酸化物からなる電解質粒子(A)とを含むサーメット(A)からなる。拡散層は、活性層を支持するためのものである。拡散層と活性層との積層体からなる電極において、電極反応は、主として活性層内で生じる。そのため、拡散層は、必ずしも高いイオン伝導度を有している必要はない。
(a)その電解質層側表面に形成される活性層を支持するための機能、
(b)燃料(電解又は発電の原料)を活性層まで拡散させる機能、
(c)還元反応に必要な電子を集電体から活性層まで輸送し、又は、酸化反応で生じた電子を活性層から集電体まで輸送する機能、及び、
(d)電極反応により活性層で生成した水素又は水蒸気を電極外に排出する機能
を備えている必要がある。
拡散層の組成は、このような機能を奏する限りにおいて、特に限定されない。
「Ni含有粒子(A)」とは、粒子に含まれる金属元素の総質量に対するNiの質量の割合が10mass%以上である金属粒子をいう。Ni含有粒子(A)に含まれるNiの質量割合は、好ましくは、50mass%以上、さらに好ましくは、90mass%以上である。
電解質粒子(A)の組成は、拡散層としての機能を奏する限りにおいて、特に限定されない。電解質粒子(A)は、活性層に含まれる電解質と同一の組成を有するものでも良く、あるいは、異なる組成を有するものでも良い。
電解質粒子(A)としては、例えば、
(a)3~15mol%のY2O3を含むイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、
(b)活性層に含まれる電解質と同一又は類似の組成を持つ材料、
などがある。
これらの中でも、電解質粒子(A)は、YSZが好適である。これは、機械的強度が安定しているためである。
拡散層の気孔率は、電極のガス拡散性、強度、電子伝導性などに影響を与える。一般に、拡散層の気孔率が小さすぎると、ガス拡散性が低下する。従って、拡散層の気孔率は、40%以上が好ましい。気孔率は、好ましくは、45%以上、さらに好ましくは、50%以上である。
一方、拡散層の気孔率が大きくなりすぎると、強度及び電子伝導性が低下する。従って、拡散層の気孔率は、60%以下が好ましい。気孔率は、好ましくは、58%以下、さらに好ましくは、55%以下である。
活性層は、電極反応の反応場となる部分である。本発明において、活性層は、
Ni含有粒子(B)と、
Y、Sc、及びCeがドープされたZrO2からなるYScCZ粒子と
を含むサーメット(B)からなる。
「Ni含有粒子(B)」とは、粒子に含まれる金属元素の総質量に対するNiの質量の割合が90mass%以上である金属粒子をいう。Ni含有粒子(B)に含まれるNiの質量割合は、好ましくは、95mass%以上である。
Ni含有粒子(B)は、活性層中において、電極触媒及び電子伝導体としての機能を有する。Ni含有粒子(B)の組成は、このような機能を奏するものである限りにおいて、特に限定されない。
[A. 酸素吸蔵・放出能]
YScCZ粒子は、Y、Sc、及びCeがドープされたZrO2からなり、活性層中において、酸化物イオン伝導体としての機能、及びNi含有粒子(B)に含まれるNiの酸化を抑制する機能を有する。
そのため、Ni含有粒子(B)を含む電極にYScCZ粒子を添加すると、高い電極活性を維持したまま、Ni含有粒子(B)に含まれるNiの酸化が格段に抑制される。Ni含有粒子(B)がNi以外の金属元素を含む場合であっても、少なくともNiの酸化を抑制することができれば、電極内に三相界面(TPB)を確保することができる。
CeO2-x-ZrO2+(x/2)O2 ⇔ CeO2-ZrO2 …(1)
YScCZ粒子は、特に、次の式(2)で表される組成を有するものが好ましい。
ScxCeyYzZr1-(x+y+z)O2+δ …(2)
但し、
0<x<0.5、0<y<0.5、0<z<0.5、x+y+z<0.5、
δは、電気的中性が保たれる値。
式(2)中、xは、YScCZ粒子に含まれるSc、Ce、Y、及びZrの総モル数に対するScのモル数の比を表す。Scは、その一部がNi含有粒子(B)に拡散し、Ni含有粒子(B)に含まれるNiの酸化状態を変える作用、及び、これによってNiの酸化を抑制する作用があると考えられる。このような効果を得るためには、xは、0超である必要がある。xは、好ましくは、0.01以上である。
式(2)中、yは、YScCZ粒子に含まれるSc、Ce、Y、及びZrの総モル数に対するCeのモル数の比を表す。Ceは、ZrO2に酸素吸蔵・放出能を付与する作用がある。また、Ceを含むZrO2系固溶体は、Ceを含まないZrO2系固溶体に比べて高い水電解特性を示す。このような効果を得るためには、yは、0超である必要がある。yは、好ましくは、0.05以上である。
式(2)中、zは、YScCZ粒子に含まれるSc、Ce、Y、及びZrの総モル数に対するYのモル数の比を表す。Yは、ZrO2のイオン伝導度を向上させる作用、及び、ZrO2の高温相(正方晶、立方晶)を室温において安定化させる作用がある。このような効果を得るためには、zは、0超である必要がある。zは、好ましくは、0.05超、さらに好ましくは、0.1超である。
式(2)中、「x+y+z」は、YScCZ粒子に含まれるSc、Ce、Y、及びZrの総モル数に対する、Sc、Ce、及びYの総モル数の比を表す。上述したように、Sc、Ce及びYの総モル数が過剰になると、かえってイオン伝導度が低下する。従って、x+y+zは、0.5未満が好ましい。x+y+zは、好ましくは、0.3未満、さらに好ましくは、0.2未満である。
YScCZ粒子は、その組成に応じて、蛍石型構造、パイロクロア構造などの結晶構造を取る。これらの中でも、YScCZ粒子は、蛍石型構造を取るものが好ましい。
本発明において、活性層は、所定量のYScCZ粒子を含み、残部がNi含有粒子(B)及び不可避的不純物からなるものが好ましい。YScCZ粒子の含有量が少なくなりすぎると、Ni含有粒子(B)に含まれるNiの酸化を十分に抑制できなくなる。従って、YScCZ粒子の含有量は、30mass%以上が好ましい。
一方、YScCZ粒子の含有量が過剰になると、かえってセル全抵抗が高くなり、電極反応の効率も低下する。従って、YScCZ粒子の含有量は、70mass%以下が好ましい。YScCZ粒子の含有量は、好ましくは、60mass%以下である。
活性層の気孔率は、電解特性又は発電特性に影響を与える。活性層の気孔率が小さすぎると、ガスの拡散性が低下し、電極反応の効率が低下する。従って、活性層の気孔率は、15%以上が好ましい。気孔率は、好ましくは、20%以上、さらに好ましくは、25%以上である。
一方、活性層の気孔率が大きくなりすぎると、三相界面が相対的に少なくなり、かえって電極反応の効率が低下する。従って、活性層の気孔率は、40%以下が好ましい。気孔率は、好ましくは、35%以下、さらに好ましくは、30%以下である。
本実施の形態に係る電極は、固体酸化物形電解セルの水素極、又は、固体酸化物形燃料電池の燃料極に用いることができる。
本発明に係る電極は、
(a)Ni含有粒子(A)の原料、及び、電解質粒子(A)の原料を含む原料混合物(A)を用いて拡散層成形体を作製し、
(b)拡散層成形体の表面に、Ni含有粒子(B)の原料、YScCZ粒子の原料を含む原料混合物(B)を用いて活性層成形体を形成し、
(c)得られた積層体を焼結し、
(d)得られた焼結体を還元処理する
ことにより製造することができる。
まず、Ni含有粒子(A)の原料、及び、電解質粒子(A)の原料を含む原料混合物(A)を用いて拡散層成形体を作製する(拡散層成形体作製工程)。
例えば、電解質粒子(A)がYSZである場合、その原料としては、
(a)目的とする組成を有するYSZ粉末、
(b)目的とする組成となるように配合されたZrO2粉末と、Y2O3粉末との混合物
などがある。
(a)原料混合物(A)を含むスラリーをテープ成形し、得られたグリーンシートを複数枚積層し、積層体を静水圧プレスして圧着させる方法、
(b)原料混合物(A)を金型でプレス成形する方法、
などがある。
次に、拡散層成形体の表面に、Ni含有粒子(B)の原料、YScCZ粒子の原料を含む原料混合物(B)を用いて活性層成形体を形成する(活性層成形体作製工程)。
(a)目的とする組成を有するYScCZ粉末、
(b)目的とする組成となるように配合されたSc2O3粉末と、CeO2粉末と、YSZ粉末との混合物、
(c)目的とする組成となるように配合された、Sc、Ce、Zr、及び/又はYを含む塩(例えば、硝酸塩)の混合物、
などがある。
さらに、原料混合物(A)と同様の理由から、原料混合物(B)中には、造孔材(例えば、カーボン粉末)が含まれていても良い。
なお、Ni含有粒子(B)の原料の詳細については、Ni含有粒子(A)の原料と同様であるので、説明を省略する。
(a)原料混合物(B)を含むスラリーをテープ成形し、得られたグリーンシートを拡散層成形体の上に積層し、積層体を静水圧プレスして圧着させる方法、
(b)原料混合物(B)を含むスラリーを作製し、拡散層成形体の表面にスラリーをスクリーン印刷する方法、
などがある。
次に、得られた積層体を焼結させる(焼結工程)。焼結条件は、原料組成に応じて最適な条件を選択するのが好ましい。焼結は、通常、大気雰囲気下において、1000℃~1500℃で1時間~5時間行うのが好ましい。
原料混合物中に2種以上の酸化物が含まれている場合、焼結中に固相反応が進行し、所定の組成を有する固溶体が生成する場合がある。また、原料混合物中に造孔材が含まれている場合、焼結時に造孔材が消失し、焼結体内に気孔が形成される。
次に、得られた焼結体を還元処理する(還元工程)。これにより、本発明に係る電極が得られる。還元処理は、焼結体中に含まれるNiO等の金属酸化物を還元し、Ni含有粒子(A)及びNi含有粒子(B)を生成させるために行われる。還元条件は、特に限定されるものではなく、電極の組成に応じて最適な条件を選択するのが好ましい。
なお、固体酸化物形電解セルは、後述するように、水素極(カソード)/電解質層/反応防止層/酸素極(アノード)の接合体からなる。水素極の還元は、通常、各層を接合した後に行われる。この点は、固体酸化物形燃料電池セルも同様である。
図2に、Ni/YScCZを活性層に用いた固体酸化物形電解セルの模式図を示す。図2において、固体酸化物形電解セル(SOEC)10は、
電解質12と、
電解質12の一方の面に接合された水素極14と、
電解質12の他方の面に接合された酸素極16と、
電解質12と酸素極16との間に挿入された中間層18と
を備えている。
電解質12、酸素極16、及び中間層18の材料は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な材料を選択することができる。
酸素極16には、(La,Sr)CoO3(LSC)、(La,Sr)(Co,Fe)O3(LSCF)、(La,Sr)MnO3(LSM)などを用いることができる。
中間層18は、電解質12と酸素極16とが直接、接触することにより生じる反応を防止するための層であり、必要に応じて挿入される。例えば、電解質12がYSZであり、酸素極16がLSCである場合、中間層18には、GdドープCeO2(GDC)を用いるのが好ましい。
図3に、Ni/YSZを活性層に用いた従来の固体酸化物形電解セルの模式図を示す。従来のSOEC10’は、電解質12と、電解質12の一方の面に接合された水素極14’と、電解質12の他方の面に接合された酸素極16と、電解質12と酸素極16との間に挿入された中間層18とを備えている。従来のSOEC10’は、水素極14’として、Ni-YSZサーメットが用いられている。
H2O+2e- → H2+O2- …(3)
この点は、SOFCも同様である。すなわち、SOFCのアノード(燃料極)においては、電極反応により水が生成する。そのため、特に、高負荷運転条件下において、生成した水により燃料極中のNiが酸化され、発電特性が低下する場合がある。
しかしながら、Ni、YSZ、及びCZの混合物を焼成して電極を作製する場合、CZが高温に曝されるために、CZの一部が分解し、別の相が生成する場合がある。CZの分解が進行すると、酸素吸蔵・放出能力が低下し、Niの酸化を抑制する効果が低下する。
さらに、YScCZは、LaCZに比べてNiの酸化を抑制する効果が格段に高い。そのため、Ni及びYScCZを含む電極を用いて水蒸気電解又は発電を行うと、Niの酸化が格段に抑制される。
NiとYScCZを含む水素極が高温の水蒸気に曝されると、Niが酸化され、Ni粒子の表面がNiOで被覆された状態となる(ステップ1)。この時、Ni粒子の近傍にYScCZ粒子があると、NiOから酸素原子又は酸素イオンがスピルオーバーする(ステップ2)。そのトリガーとなるのは、YScCZの酸素吸蔵能力と考えられる。
NiOからスピルオーバーした酸素は、YScCZに一時的にトラップされる(ステップ3)。水素極は、Ni触媒から生成したH2によって還元雰囲気になっている。YScCZ自身も水分解能を持ち、そこから水素が生成するので、YScCZもH2源として機能する。さらに、還元雰囲気下では、YScCZはトラップした酸素原子又は酸素イオンを酸素分子として容易に放出する。YScCZから放出された酸素分子は、Niを再酸化させる前に、拡散層を通って系外に排出される(ステップ4)。以下、このようなステップ1~4が繰り返されることにより、Ni酸化が抑制されると考えられる。
後述するように、Ni/YSZサーメット中に存在するNiの電子状態は、Niが単独で存在する時の電子状態とほとんど変わらない。一方、Ni/YScCZサーメット中に存在するNiの電子状態は、Niが単独で存在する時の電子状態とは異なっている。Ni/YScCZサーメットがNi/YSZサーメットやNi/LaCZサーメットよりも各段に優れた耐酸化性を示すのは、NiとYScCZとが共存することによって、Niの電子状態が変化するためと考えられる。
[1. 試料の作製]
[1.1. XAFSスペクトル測定用試料の作製]
電解質源には、
(a)Y0.158Zr0.842O2固溶体からなるYSZ粉末(比較例1)、
(b)Sc0.135Ce0.1Zr0.765O2固溶体からなるScCZ粉末(比較例2)、又は
(c)Y0.143Sc0.012Ce0.01Zr0.835O2固溶体からなるYScCZ粉末(実施例1)
を用いた。
また、Ni源には、NiO粉末を用いた。
0.8mgの電極材と、40mgのθアルミナ粉末とを混合し、加圧してφ10mm、厚さ0.5mmの圧粉成形体を作製した。
テープ成形法を用いて、拡散層シートを作製した。拡散層シートの組成は、焼結後の組成が30~60mass%Ni-8YSZとなる組成とした。次に、拡散層シートの表面にスクリーン印刷法を用いて、上記の電極材を含む活性層シート、8YSZを含む電解質シート、及びGDCを含む中間層シートをこの順で形成した。積層体を乾燥させた後、大気雰囲気中において、1400℃で15時間焼成した。次に、中間層の表面にさらにLSCを含む酸素極シートを形成した。積層体を乾燥させた後、大気雰囲気中において、1100℃で15時間焼成した。さらに、得られた焼結体を、800℃×2時間の条件下で還元処理した。
[2.1. 電極材の評価(Ni酸化率、及びXAFSスペクトルの測定)]
電極材を含む圧粉成形体を石英製のX線吸収微構造(XAFS)測定用セルにセットした。4%H2/Heバランスガス(総量100cc/min)をセル内に導入し、780℃まで温度を上昇させた(60℃/min)。その後、700℃に降温し、1分間、Heガスでパージした。次に、セル内の雰囲気を、2%O2/Heガス(加湿無)の酸化雰囲気に切り替えた。
さらに、XAFSスペクトルから、Ni酸化率を算出した。Ni及びNiOのXAFSスペクトルを用いて、線形最小二乗フィッティングによりNiO/Ni比を求め、これをNi酸化率とした。
得られた電解セルを用いて、水蒸気電解試験を行った。電解条件は以下の通りである。
温度: 700℃
水素極: H2O/H2比=9(90%H2O-10%H2)のガス雰囲気
酸素極: 80%H2-20%O2のガス雰囲気
CV: 2mV/s(0.8~1.4V)
[3.1. 電極材の評価]
[3.1.1. Ni酸化率]
図4に、温度700℃、酸化雰囲気(2%O2)下における各種電極のNi酸化率を示す。図4より、以下のことが分かる。
(2)Ni/ScCZ(比較例2)は、Ni/YSZに比べてNi酸化が著しく抑制された。酸化雰囲気下で50分保持後のNi/ScCZのNi酸化率は、1%未満であった。
図5に、Ni/YSZ(Y0.158Zr0.842O2)のXAFSスペクトルを示す。図6に、Ni/ScCZ(Sc0.135Ce0.1Zr0.765O2)のXAFSスペクトルを示す。なお、図5及び図6には、リファレンスNi及びNiOのスペクトルも併せて示した。図5及び図6より、以下のことが分かる。
(1)Ni/YSZ中のNi(0分)のXAFSスペクトルは、リファレンスのNi金属と同じスペクトルを示した。
(2)Ni/ScCZ中のNi(0分)のXAFSスペクトルは、明らかにNi金属とは異なるスペクトルを示した。ScCZによりNi酸化が抑制されるのは、NiとScCZとを共存させることによりNiの電子状態が変わり、酸化雰囲気でもNiOになりにくくなったため(すなわち、Niの酸化還元電位が変化したため)と考えられる。
(3)YScCZについては、図示はしないが、ScCZと同等の傾向を示した。
図7に、実施例1及び比較例1で得られた電極のH2O/H2比=9におけるCV特性を示す。図8に、実施例1及び比較例1で得られた電極の電流密度@1.3VのH2O/H2比依存性を示す。図7及び図8より、以下のことが分かる。
(2)通常、H2O/H2比を上昇させると、実施例1のように電解特性は向上する。しかしながら、Ni/YSZ(比較例1)の場合、H2O/H2比を上昇させても電解特性はほとんど向上しなかった。これは、高加湿条件下ではNiが酸化され、セル抵抗が増加したためと考えられる。
(4)YSZだけでなく、ScZ(Sc置換ZrO2)、及びScC(Sc置換CeO2)もまた、Ce3+⇔Ce4+による酸素吸蔵効果は認められない。すなわち、これらの材料の酸素吸蔵能力はゼロである。そのため、これらを水素極用の電解質として用いても、Niの酸化を抑制することはできないと考えられる。
Claims (5)
- 以下の構成を備えた電極。
(1)前記電極は、
拡散層と、
前記拡散層の電解質層側表面に形成された活性層と
を備えている。
(2)前記活性層は、
Ni含有粒子(B)と、
Y、Sc、及びCeがドープされたZrO2からなるYScCZ粒子と
を含むサーメット(B)からなる。
(3)前記YScCZ粒子は、次の式(2)で表される組成を有する。
Sc x Ce y Y z Zr 1-(x+y+z) O 2+δ …(2)
但し、
0<x<0.02、0<y<0.02、0.1<z<0.2、
δは、電気的中性が保たれる値。 - 前記YScCZ粒子は、蛍石型構造を取る請求項1に記載の電極。
- 前記Ni含有粒子(B)は、Ni又はNi-Fe合金からなる請求項1又は2に記載の電極。
- 前記活性層に含まれる前記YScCZ粒子の含有量は、30mass%以上70mass%以下である請求項1から3までのいずれか1項に記載の電極。
- 固体酸化物形電解セルの水素極、又は、固体酸化物形燃料電池の燃料極に用いられる請求項1から4までのいずれか1項に記載の電極。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2020184025A JP7498645B2 (ja) | 2020-11-03 | 2020-11-03 | 電極 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2020184025A JP7498645B2 (ja) | 2020-11-03 | 2020-11-03 | 電極 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2022074189A JP2022074189A (ja) | 2022-05-18 |
| JP7498645B2 true JP7498645B2 (ja) | 2024-06-12 |
Family
ID=81606301
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2020184025A Active JP7498645B2 (ja) | 2020-11-03 | 2020-11-03 | 電極 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP7498645B2 (ja) |
Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012214904A (ja) | 2012-06-25 | 2012-11-08 | Toshiba Corp | 水蒸気電解装置及び水蒸気電解方法 |
| JP2013518389A (ja) | 2010-01-26 | 2013-05-20 | ブルーム エナジー コーポレーション | 燃料電池の構成物、特に固形酸化物型燃料電池の電解質材料 |
| JP2014067488A (ja) | 2012-09-24 | 2014-04-17 | Kyushu Univ | 固体酸化物形燃料電池用アノード支持体、アノード支持型ハーフセル及びアノード支持型固体酸化物形燃料電池単セル並びにアノード支持型ハーフセルの製造方法 |
| JP2020071987A (ja) | 2018-10-31 | 2020-05-07 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | 固体酸化物形燃料電池とこれに用いる集電部形成用材料 |
| JP2020155349A (ja) | 2019-03-21 | 2020-09-24 | 株式会社豊田中央研究所 | 固体酸化物形燃料電池用アノード |
-
2020
- 2020-11-03 JP JP2020184025A patent/JP7498645B2/ja active Active
Patent Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013518389A (ja) | 2010-01-26 | 2013-05-20 | ブルーム エナジー コーポレーション | 燃料電池の構成物、特に固形酸化物型燃料電池の電解質材料 |
| JP2012214904A (ja) | 2012-06-25 | 2012-11-08 | Toshiba Corp | 水蒸気電解装置及び水蒸気電解方法 |
| JP2014067488A (ja) | 2012-09-24 | 2014-04-17 | Kyushu Univ | 固体酸化物形燃料電池用アノード支持体、アノード支持型ハーフセル及びアノード支持型固体酸化物形燃料電池単セル並びにアノード支持型ハーフセルの製造方法 |
| JP2020071987A (ja) | 2018-10-31 | 2020-05-07 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | 固体酸化物形燃料電池とこれに用いる集電部形成用材料 |
| JP2020155349A (ja) | 2019-03-21 | 2020-09-24 | 株式会社豊田中央研究所 | 固体酸化物形燃料電池用アノード |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2022074189A (ja) | 2022-05-18 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP5260052B2 (ja) | 固体酸化物型燃料電池 | |
| JP7225113B2 (ja) | プロトン伝導体、プロトン伝導型セル構造体、水蒸気電解セルおよび水素極-固体電解質層複合体の製造方法 | |
| JP2011507161A (ja) | 酸素含有ガス中で使用するための高性能多層電極 | |
| JP7139273B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池用アノード | |
| JP6573243B2 (ja) | 空気極組成物、空気極およびこれを含む燃料電池 | |
| JP4928642B1 (ja) | 固体酸化物型燃料電池 | |
| Pesaran et al. | Bilayer electrolytes for low temperature and intermediate temperature solid oxide fuel cells–a review | |
| JP7755535B2 (ja) | サーメット層、及び、水蒸気電解用水素極 | |
| JP7016615B2 (ja) | プロトン伝導体、固体電解質層、セル構造体、およびそれを備える水蒸気電解セルならびに燃料電池 | |
| EP2882020A1 (en) | Fuel cell | |
| JP7324168B2 (ja) | 電極 | |
| Osinkin et al. | Structural stability and features of electrical and electrochemical behavior under reducing conditions of Pr 0.4 Sr 0.6 Co 0.2 Fe 0.7 Nb 0.1 O 3–δ material for the symmetrical SOFCs | |
| JP7498645B2 (ja) | 電極 | |
| JP7719638B2 (ja) | 固体酸化物形電気化学セル及びその利用 | |
| JP2008234915A (ja) | 固体酸化物形燃料電池の集電体材料、空気極集電体及び固体酸化物形燃料電池 | |
| JP7355047B2 (ja) | 燃料極および電気化学セル | |
| JP7301768B2 (ja) | 電気化学セル、電気化学セルスタックおよび電気化学セル用電解質 | |
| JP7114555B2 (ja) | 水蒸気電解用電極 | |
| JP2024137341A (ja) | 固体酸化物形水電解セル用燃料極及び固体酸化物形水電解セル | |
| Gilev et al. | Anode-supported fuel cell with promising Co-free (La, Pr) 2 (Ni, Cu) O4-based cathode | |
| CA3161426C (en) | DUAL-LAYER HYDROGEN ELECTRODE FOR A SOLID OXIDE ELECTROCHEMICAL CELL | |
| JP7038235B2 (ja) | プロトン伝導体、固体電解質層、セル構造体、およびそれを備える水蒸気電解セルならびに燃料電池 | |
| US20250132366A1 (en) | Solid oxide fuel cell and method for manufacturing the same | |
| JP2025141790A (ja) | 電極 | |
| JP7075368B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池用アノード |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20230322 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20240131 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20240206 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20240301 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20240521 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20240531 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7498645 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |