以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システム1を概略的に示している。図1に示すように、通信システム1は、基地局10、端末20、及びサーバ30を備える。
基地局10は、無線LANのアクセスポイント(AP)として機能する。基地局10は、インターネットなどのネットワークNWに接続される。基地局10は、1つのチャネル又は複数の異なるチャネルを用いて端末20に接続され得る。本明細書では、基地局10と端末20との間における複数の異なるチャネルを用いた無線接続のことを「マルチリンク」と呼ぶ。基地局10と端末20との間の通信は、例えばIEEE802.11規格に基づいている。
端末20は、無線通信機能を有する無線端末装置である。端末20は、スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどの携帯型の端末であってもよい。端末20は、デスクトップパソコンなどの固定型の端末であってもよい。端末20は、基地局10を介してネットワークNWにアクセスする。例えば、端末20は、基地局10を介してサーバ30とデータを交換する。
基地局10と端末20との間のデータ通信は、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルに基づいている。OSI参照モデルでは、通信機能が7階層(第1層:物理層、第2層:データリンク層、第3層:ネットワーク層、第4層:トランスポート層、第5層:セッション層、第6層:プレゼンテーション層、第7層:アプリケーション層)に分割される。また、データリンク層は、例えばLLC(Logical Link Control)層と、MAC(Media Access Control)層と、を含む。LLC層では、例えば上位のアプリケーションから入力されたデータにDSAP(Destination Service Access Point)ヘッダ及びSSAP(Source Service Access Point)ヘッダなどが付加されてLLCパケットが形成される。MAC層では、例えばLLCパケットにMACヘッダが付加されてMACフレームが形成される。
サーバ30は、様々な情報を保持することが可能であり、例えば端末20を対象としたコンテンツのデータを保持している。サーバ30は、ネットワークNWに接続され、ネットワークNWを介して基地局10と通信するように構成される。基地局10とサーバ30との間の通信は、有線通信、無線通信、又はこれらの組み合わせであってよい。
通信システム1は、基地局12、及び端末22、24、26をさらに備えてよい。端末22、24は基地局10に接続される。端末26は基地局12に接続され、基地局12はネットワークNWに接続される。基地局12は基地局10からの無線信号が届く領域内に位置する。基地局10、12は基本サービスセット(BSS;Basic Service Set)14、16を形成する。BSS14は基地局10及び端末20、22、24を含み、BSS16は基地局12及び端末26を含む。
基地局12は基地局10と同じ構成を有することができる。このため、代表として基地局10について説明し、基地局12についての説明は省略する。端末22、24、26は端末20と同じ構成を有することができる。このため、代表として端末20について説明し、端末22、24、26についての説明は省略する。
図2は、基地局10と端末20との間の通信で使用されるMACフレームのフォーマットの一例を示している。図2に示すように、MACフレームに含まれるフィールドとして、例えばFrame Controlフィールド、Durationフィールド、Address1フィールド、Address2フィールド、Address3フィールド、Sequence Controlフィールド、Address4フィールド、QoS Controlフィールド、HT Controlフィールド、Frame Bodyフィールド、及びFCS(Frame Check Sequence)フィールドがある。これらのフィールドは、無線フレームの種類により含まれるものと含まれないものがある。
Frame ControlフィールドからHT Controlフィールドまでは、MACヘッダに対応する。Frame Bodyフィールドは、MACペイロードに対応する。FCSフィールドは、MACヘッダ及びFrame Bodyフィールドに対する誤り検出に使用される誤り検出符号を格納する。
Frame Controlフィールドは、様々な制御情報、例えば、Type値、Subtype値、To DS(Distribution System)値、及びFrom DS値を含む。
Type値は、MACフレームがマネージメントフレームであるのか、制御フレームであるのか、データフレームであるのかを示す。Subtype値は、Type値と組み合わせて使用されることでMACフレームのフレームタイプを示す。例えば、“00/1000(Type値/Subtype値)”は、MACフレームがビーコン信号であることを示す。また、“00/0100(Type値/Subtype値)”は、MACフレームがプローブリクエストであることを示す。また、“00/0101(Type値/Subtype値)”は、MACフレームがプローブレスポンスであることを示す。
To DS値及びFrom DS値は、その組み合わせにより異なる意味を有する。例えば、MACフレームがデータフレームであるときのTo DS値“0”は受信局が端末であることを示し、“1”は受信局が基地局であることを示す。また、MACフレームがデータフレームであるときのFrom DS値“0”は送信局が端末であることを示し、“1”は送信局が基地局であることを示す。一方、MACフレームがマネージメントフレーム又は制御フレームであるときのTo DS値及びFrom DS値は、例えば“0”に固定される。
Durationフィールドは、無線回線を使用する予定期間を示す。Addressフィールドは、BSSID、送信元MACアドレス、宛先MACアドレス、送信者端末のアドレス、受信者端末のアドレスなどを示す。使用されるAddressフィールドの数は、フレームタイプによって変化する。Sequence Controlフィールドは、MACフレームのシーケンス番号と、フラグメントのためのフラグメント番号と、を示す。QoS Controlフィールドは、MACフレームにおけるQoS(Quality of Service)機能に利用される。QoS Controlフィールドは、トラヒック種別(TID)サブフィールドを含んでいてよい。HT Controlフィールドは、高スループット機能のためのControlフィールドである。Frame Bodyフィールドは、フレームタイプに応じた情報を含む。例えば、フレームタイプがデータフレームである場合のFrame Bodyフィールドには送信データが格納される。
図3は、基地局10のハードウェア構成の一例を示している。図3に示すように、基地局10は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、無線通信モジュール104、及び有線通信モジュール105を備える。
CPU101は、様々なプログラムを実行することが可能な回路であり、基地局10の全体の動作を制御する。ROM102は、不揮発性の半導体メモリであり、基地局10を制御するためのプログラム及び制御データなどを格納している。RAM103は、例えば揮発性の半導体メモリであり、CPU101の作業領域として使用される。無線通信モジュール104は、無線信号によるデータの送受信に使用される回路であり、アンテナに接続される。無線通信モジュール104はアンテナを含んでいてもよい。また、無線通信モジュール104は、複数の周波数帯にそれぞれ対応する複数の通信モジュールを含む。有線通信モジュール105は、有線信号によるデータの送受信に使用される回路であり、ネットワークNWに接続される。
図4は、基地局10の機能構成の一例を示している。図4に示すように、基地局10は、データ処理部100、MACフレーム処理部110、マネジメント部120、及び無線信号処理部130、140、150を備える。データ処理部100、MACフレーム処理部110、及びマネジメント部120をリンクマネジメント部LM1と総称する。データ処理部100、MACフレーム処理部110、マネジメント部120、及び無線信号処理部130、140、150に関して説明する処理は、例えば、CPU101及び無線通信モジュール104によって実現される。
データ処理部100は、入力されたデータに対して、LLC層の処理と上位層の処理とを実行し得る。例えば、データ処理部100は、ネットワークNW上のコンピュータから受信したデータをMACフレーム処理部110に送出する。また、データ処理部100は、MACフレーム処理部110から受け取ったデータをネットワークNW上のコンピュータに送信する。
MACフレーム処理部110は、入力されたデータに対してMAC層の処理を実行する。MACフレーム処理部110は、データ処理部100から入力されたデータからMACフレームを生成する。MACフレーム処理部110は、マネジメント部120から入力されたデータ(例えば後述する応答信号)を含むMACフレームを生成する。また、MACフレーム処理部110は、無線信号処理部130、140、150のそれぞれから入力されたMACフレームからデータを復元する。復元されたデータが制御データ(例えば後述する要求信号)である場合、MACフレーム処理部110は復元されたデータをマネジメント部120に送出する。データからMACフレームを生成する処理及びMACフレームからデータを復元する処理は、IEEE802.11規格に基づいていてよい。
マネジメント部120は、MACフレーム処理部110を介して無線信号処理部130、140、150から受け取った通知に基づいて、各端末とのリンクを管理する。マネジメント部120は、リンク管理情報121を含む。リンク管理情報121は、例えば、RAM103に格納され、基地局10に無線接続されている端末(例えば図1に示した端末20、22、24の各々)に関する情報を含む。
マネジメント部120は、アソシエーション処理部122及び認証処理部123をさらに含む。アソシエーション処理部122は、無線信号処理部130、140、150のいずれかを介して端末から接続要求を受信した場合に、アソシエーションに関するプロトコルを実行する。認証処理部123は、アソシエーション完了後に、認証に関するプロトコルを実行する。
無線信号処理部130、140、150は、異なるチャネルを用いて無線信号を送受信する。例えば、無線信号処理部130は6GHz帯の無線信号を取り扱い、無線信号処理部140は5GHz帯の無線信号を取り扱い、無線信号処理部150は2.4GHz帯の無線信号を取り扱う。無線信号処理部130、140、150は、基地局10のアンテナを共有する。他の実施形態では、無線信号処理部130、140、150は、個々のアンテナを使用してよい。
無線信号処理部130、140、150は、端末との通信に使用される。例えば、無線信号処理部130、140、150の各々は、MACフレーム処理部110から入力されたMACフレームにプリアンブル及びPHYヘッダなどを付加して、無線フレームを生成する。そして、無線信号処理部130、140、150の各々は、無線フレームを無線信号に変換し、基地局10のアンテナを介して無線信号を送信する。また、無線信号処理部130、140、150の各々は、基地局10のアンテナを介して受信した無線信号を無線フレームに変換する。そして、無線信号処理部130、140、150の各々は、無線フレームからMACフレームを抽出し、抽出したMACフレームをMACフレーム処理部110に送出する。
このように、無線信号処理部130、140、150の各々は、入力されたデータ又は無線信号に対してMAC層の処理の一部と第1層の処理とを実行し得る。
無線信号処理部130、140、150の各々には、端末ごとにトラヒック種別(TID)が対応付けられる。例えば、端末20に関して、TID#1が無線信号処理部130に対応付けられている。この場合、無線信号処理部130は、TID#1に関連するデータを端末20と交換するために使用される。例えば、データ処理部100がサーバ30からTID#1に関連する端末20宛てのデータを受信したときに、MACフレーム処理部110は、そのデータを含むMACフレームを生成し、無線信号処理部130を通じて端末20にMACフレームを送信する。また、MACフレーム処理部110は、無線信号処理部130を通じて端末20からTID#1に関連するデータを含むMACフレームを受信する。TIDの対応付けに関する情報は、リンク管理情報121に含まれる。
マネジメント部120は、マルチリンクに関する属性をリンクに設定する。属性の例は、アンカー及びLL(Low Latency)を含む。アンカーに設定されているリンクをアンカーリンクと呼び、LLに設定されているリンクをLLリンクと呼ぶ。アンカーリンクは、割り当てられたデータの送受信の他に、マルチリンクの動作に関連する制御情報を送受信する。LLリンクは、所定のTIDに関連するデータ交換に使用される。所定のTIDは、RTA(Real Time Application)トラヒックのような最優先で処理すべきトラヒックに割り当てられるトラヒック種別を示す。所定のTIDは後述するアクセスカテゴリLLに対応する。言い換えると、所定のTIDに関連するデータはアクセスカテゴリLLに分類される。LLリンクは、所定のTIDであるTID#3に関連するトラヒックがあるときには、TID#3に関連するデータ交換に専用に使用され、TID#3に関連するトラヒックがないときには、他のTIDに関連するデータ交換に使用されてよい。マネジメント部120は、MACフレーム処理部110を用いて、リンクに設定すべき属性を指示する属性情報を端末に送信する。属性情報は、例えば、後述するプローブレスポンスに含まれてよい。
マネジメント部120は、マッピング部124をさらに含む。マッピング部124は、マルチリンクで接続されている端末からの要求に応じてTIDの対応付けを制御する。例えば、マッピング部124は、端末20から、TID#3に関連するデータ交換を要求する要求信号を受信する。具体的には、MACフレーム処理部110が、端末20から要求信号を受信し、受信した要求信号をマッピング部124に送出する。マッピング部124は、端末20から要求信号を受信すると、LLリンクをTID#3に関連するデータ交換に専用に使用するように、TIDの対応付けを変更する。要求信号は、例えば、マネージメントフレームの一種であり得る。
マネジメント部120はビーコン管理部125をさらに含む。ビーコン管理部125はチャネル(リンク)ごとにビーコン信号を送信する。ビーコン管理部125は、各チャネルのためのビーコン信号を生成し、MACフレーム処理部110を介して無線信号処理部130、140、150のうちのそのチャネルに対応する無線信号処理部にビーコン信号を送出する。無線信号処理部は、ビーコン信号を周期的にブロードキャストする。他の実施形態では、ビーコン管理部125は、アンカーリンクとして使用される単一のチャネルでビーコン信号を送信してよい。
マッピング部124及びビーコン管理部125については後に詳細に説明する。
図5は、端末20のハードウェア構成の一例を示している。図5に示すように、端末20は、CPU201、ROM202、RAM203、無線通信モジュール204、ディスプレイ205、及びストレージ206を備える。
CPU201は、様々なプログラムを実行することが可能な回路であり、端末20の全体の動作を制御する。ROM202は、不揮発性の半導体メモリであり、端末20を制御するためのプログラム及び制御データなどを格納している。RAM203は、例えば揮発性の半導体メモリであり、CPU201の作業領域として使用される。無線通信モジュール204は、無線信号によるデータの送受信に使用される回路であり、アンテナに接続される。無線通信モジュール204はアンテナを含んでいてもよい。また、無線通信モジュール204は、例えば複数の周波数帯にそれぞれ対応する複数の通信モジュールを含む。ディスプレイ205は、例えばアプリケーションソフトに対応するGUI(Graphical User Interface)などの画像を表示する。ディスプレイ205は、端末20の入力インタフェースとしての機能を有していてもよい。例えば、タッチパネルがディスプレイ205に設けられていてもよい。端末20はディスプレイを備えていなくてもよい。ストレージ206は、不揮発性の記憶装置であり、例えば端末20のシステムソフトウェアなどを格納する。
図6は、端末20の機能構成の一例を示している。図6に示すように、端末20は、データ処理部200、MACフレーム処理部210、マネジメント部220、無線信号処理部230、240、250、及びアプリケーション実行部260を備える。データ処理部200、MACフレーム処理部210、及びマネジメント部220をリンクマネジメント部LM2と総称する。データ処理部200、MACフレーム処理部210、マネジメント部220、及び無線信号処理部230、240、250に関して説明する処理は、例えばCPU201及び無線通信モジュール204によって実現される。
データ処理部200は、入力されたデータに対して、LLC層の処理と上位層の処理とを実行し得る。例えば、データ処理部200は、アプリケーション実行部260から受け取ったデータをMACフレーム処理部210に送出する。また、データ処理部200は、MACフレーム処理部210から受け取ったデータをアプリケーション実行部260に送出する。
MACフレーム処理部210は、入力されたデータに対してMAC層の処理を実行する。MACフレーム処理部210は、データ処理部200から入力されたデータからMACフレームを生成する。MACフレーム処理部210は、マネジメント部220から入力されたデータ(例えば後述する要求信号)を含むMACフレームを生成する。また、MACフレーム処理部210は、無線信号処理部230、240、250のそれぞれから入力されたMACフレームからデータを復元する。復元されたデータが制御データ(例えば後述する応答信号)である場合、MACフレーム処理部210は、復元されたデータをマネジメント部220に送出する。データからMACフレームを生成する処理及びMACフレームからデータを復元する処理は、IEEE802.11規格に基づいていてよい。
マネジメント部220は、MACフレーム処理部210を介して無線信号処理部230、240、250から受け取った通知に基づいて、基地局とのリンクを管理する。マネジメント部220は、リンク管理情報221を含む。リンク管理情報221は、例えばRAM203に格納され、端末20に無線接続されている基地局(例えば図1に示した基地局10)に関する情報を含む。
マネジメント部220は、アソシエーション処理部222及び認証処理部223をさらに含む。アソシエーション処理部222は、アソシエーションに関するプロトコルを実行する。例えば、アソシエーション処理部222は、無線信号処理部230、240、250のいずれかを介して基地局10に接続要求を送信する。認証処理部223は、アソシエーション完了後に、認証に関するプロトコルを実行する。
無線信号処理部230、240、250は、異なるチャネルを用いて無線信号を送受信する。例えば、無線信号処理部230は6GHz帯の無線信号を取り扱い、無線信号処理部240は5GHz帯の無線信号を取り扱い、無線信号処理部250は2.4GHz帯の無線信号を取り扱う。無線信号処理部230、240、250は、端末20のアンテナを共有する。他の実施形態では、無線信号処理部230、240、250は、個々のアンテナを使用してよい。
無線信号処理部230、240、250は、基地局との通信に使用される。例えば、無線信号処理部230、240、250の各々は、MACフレーム処理部210から入力されたMACフレームにプリアンブル及びPHYヘッダなどを付加して、無線フレームを生成する。そして、無線信号処理部230、240、250の各々は、無線フレームを無線信号に変換し、端末20のアンテナを介して無線信号を送信する。また、無線信号処理部230、240、250の各々は、端末20のアンテナを介して受信した無線信号を無線フレームに変換する。そして、無線信号処理部230、240、250の各々は、無線フレームからMACフレームを抽出し、抽出したMACフレームをMACフレーム処理部210に送出する。
このように、無線信号処理部230、240、250の各々は、入力されたデータ又は無線信号に対してMAC層の処理の一部と第1層の処理とを実行し得る。
無線信号処理部230、240、250の各々には、トラヒック種別(TID)が対応付けられる。例えば、TID#1が無線信号処理部230に対応付けられている。この場合、無線信号処理部230は、TID#1に関連するデータを基地局10と交換するために使用される。具体的には、データ処理部200がアプリケーション実行部260からTID#1に関連するサーバ30宛てのデータを受け取ったときに、MACフレーム処理部210は、そのデータを含むMACフレームを生成し、無線信号処理部230を通じて基地局10にMACフレームを送信する。また、MACフレーム処理部210は、無線信号処理部230を通じて基地局10からTID#1に関連するデータを含むMACフレームを受信する。TIDの対応付けに関する情報は、リンク管理情報221に含まれる。
マネジメント部220は、マッピング部224をさらに含む。マッピング部224は、TIDの対応付けを制御する。例えば、マッピング部224は、データ処理部200を介してアプリケーション実行部260からTID#3に関連するトラヒックが発生することが通知されると、TID#3に関連するデータ交換を要求する要求信号を基地局10に送信する。マッピング部224は、基地局10から要求信号に対する応答信号を受信すると、LLリンクをTID#3に関連するデータ交換に専用に使用するようにTIDの対応付けを変更する。応答信号は、例えば、マネージメントフレームの一種であり得る。マッピング部224については後に詳細に説明する。
アプリケーション実行部260は、データ処理部200から入力されたデータを利用するアプリケーションを実行する。例えば、アプリケーション実行部260は、アプリケーションの情報をディスプレイ205に表示することができる。また、アプリケーション実行部260は、ユーザによる入力インタフェースの操作に基づいて動作し得る。
通信システム1では、基地局10の無線信号処理部130、140、150がそれぞれ端末20の無線信号処理部230、240、250と接続可能に構成される。つまり、無線信号処理部130、230間は6GHz帯を用いて無線接続され得る。無線信号処理部140、240間は5GHz帯を用いて無線接続され得る。無線信号処理部150、250間は2.4GHz帯を用いて無線接続され得る。本明細書において、無線信号処理部を“STA機能”と呼ぶこともある。
図7は、基地局10のリンクマネジメント部LM1のチャネルアクセス機能を示している。端末20のリンクマネジメント部LM2は、基地局10のリンクマネジメント部LM1と同様のチャネルアクセス機能を有することができる。このため、端末20のリンクマネジメント部LM2のチャネルアクセス機能については説明を省略する。
図7に示すように、リンクマネジメント部LM1は、データカテゴライズ部126、送信キュー127A、127B、127C、127D、127E、CSMA/CA実行部128A、128B、128C、128D、128E、及びデータ衝突管理部129をさらに含む。例えば、チャネルアクセス機能はEDCAを用いて実現される。
データカテゴライズ部126は、データ処理部100から入力されたデータをトラヒック種別によりカテゴライズする。カテゴリとしては、例えば“LL(Low Latency)”、“VO(Voice)”、“VI(Video)”、“BE(Best Effort)”、及び“BK(Background)”が設定される。LLは、低遅延が求められるデータ(例えばRTAデータ)に適用される。このため、LLのデータは、VO、VI、BE及びBKのいずれのデータよりも優先して送信されることが好ましい。例えば、データカテゴライズ部126は、所定のTID(例えばTID#3)に関連するデータをカテゴリLLに分類する。
そして、データカテゴライズ部126は、カテゴライズしたデータを含むMACフレームを、送信キュー127A~127Eのいずれかに入力する。具体的には、LLのデータを含むMACフレームが送信キュー127Aに入力される。VOのデータを含むMACフレームが送信キュー127Bに入力される。VIのデータを含むMACフレームが送信キュー127Cに入力される。BEのデータを含むMACフレームが送信キュー127Dに入力される。BKのデータを含むMACフレームが送信キュー127Eに入力される。各カテゴリのデータを含むMACフレームは、送信キュー127A~127Eのうちの対応する送信キューに蓄積される。
CSMA/CA実行部128A~128Eは、CSMA/CAにおいて、キャリアセンスにより他の端末などによる無線信号の送信がないことを確認しつつ、予め設定されたアクセスパラメータにより規定された時間だけ送信を待つ。そして、CSMA/CA実行部128A~128Eは、それぞれ送信キュー127A~127EからMACフレームを取り出し、取り出したMACフレームをデータ衝突管理部129を介して無線信号処理部130、140、150のいずれかに出力する。すると、当該MACフレームを含む無線信号が、CSMA/CAによって送信権が獲得された無線信号処理部(STA機能)によって送信される。
CSMA/CA実行部128Aは、送信キュー127Aに保持されたLLのデータを含むMACフレームに対するCSMA/CAを実行する。CSMA/CA実行部128Bは、送信キュー127Bに保持されたVOのデータを含むMACフレームに対するCSMA/CAを実行する。CSMA/CA実行部128Cは、送信キュー127Cに保持されたVIのデータを含むMACフレームに対するCSMA/CAを実行する。CSMA/CA実行部128Dは、送信キュー127Dに保持されたBEのデータを含むMACフレームに対するCSMA/CAを実行する。CSMA/CA実行部128Eは、送信キュー127Eに保持されたBKのデータを含むMACフレームに対するCSMA/CAを実行する。
なお、EDCAでは、アクセスパラメータは、例えばLL、VO、VI、BE、BKの順に無線信号の送信が優先されるように割り当てられる。アクセスパラメータは、例えばCWmin、CWmax、AIFS、TXOPLimitを含んでいる。CWmin及びCWmaxは、衝突回避のための送信待ちの時間であるコンテンションウインドウCW(Contention Window)の最小値及び最大値をそれぞれ示している。AIFS(Arbitration Inter Frame Space)は、優先制御機能を備える衝突回避制御のためにアクセスカテゴリ毎に設定された固定の送信待ちの時間を示している。TXOPLimitは、チャネルの占有時間に対応するTXOP(Transmission Opportunity)の上限値を示している。例えば、送信キューは、CWmin及びCWmaxが短いほど、送信権を得やすくなる。送信キューの優先度は、AIFSが小さいほど高くなる。一度の送信権で送信されるデータの量は、TXOPLimitの値が大きいほど多くなる。
データ衝突管理部129は、複数のCSMA/CA実行部が同一のSTA機能で送信権を獲得した場合に、データの衝突を防止する。具体的には、データ衝突管理部129は、カテゴリが異なり且つ同一のSTA機能で送信権が獲得されたデータの送信タイミングを調整し、優先度のより高いカテゴリのデータを含むMACフレームをSTA機能に送出する。例えば、LLの送信キュー127AのCSMA/CAによって送信権を獲得したSTA機能が、その他の送信キュー127B~127EのいずれかのCSMA/CAによって送信権を獲得したSTA機能と同時に送信権を獲得する場合がある。この場合、データ衝突管理部129は、送信キュー127Aに格納されたMACフレームを優先してSTA機能に送出する。その他の送信キュー127B~127Eの組み合わせにおいても同様に、カテゴリに設定された優先度に基づいた順番でMACフレームが送信される。これにより、同一のSTA機能に送信が割り当てられたデータ同士の衝突が防止される。
本実施形態では、リンクマネジメント部LM1、LM2がチャネルアクセス機能を実装する形態について記載しているが、各STA機能がチャネルアクセス機能を実装してもよい。リンクマネジメント部LM1、LM2がチャネルアクセス機能を実装する場合、各STA機能が、対応するリンクにおける無線チャネルの状態(アイドル/ビジー)を検出して、リンクマネジメント部LM1、LM2が、データの送信可否を判断する(例えばどのリンクを使って送信するか)。一方で、各STA機能がチャネルアクセス機能を実装する場合、各STA機能が独立してキャリアセンスを実行して、データを送信すればよい。このとき、複数のリンクが同時に使用された場合のチャネルアクセスは、複数のSTA機能間のやりとりによってアクセスパラメータが共通化されることによって実行されてもよく、リンクマネジメント部LM1、LM2によってアクセスパラメータが共通化されることによって実行されてもよい。基地局10及び端末20は、データを複数のSTA機能間で共通のアクセスパラメータに基づいて送信することによって、複数のリンクを同時に使うことができる。
次に、通信システム1のマルチリンクに関連する動作の一例について説明する。以下の説明では、説明を簡潔にするために、基地局10及び端末20は、2つのSTA機能STA1及びSTA2でマルチリンクを確立するものとする。
図8は、通信システム1におけるマルチリンクセットアップの手順を概略的に示している。
まず、端末20は、基地局10にプローブリクエストを送信する(図8のステップS10)。プローブリクエストは、端末20の周辺に基地局10が存在するか否かを確認する信号である。プローブリクエストのFrame Controlフィールドは、例えば“00/0100(Type値/Subtype値)”を含む。
基地局10は、端末20からプローブリクエストを受信すると、端末20にプローブレスポンスを送信する(ステップS11)。プローブレスポンスは、基地局10が端末20からのプローブリクエストに対する応答に使用される信号である。プローブレスポンスのFrame Controlフィールドは、例えば“00/0101(Type値/Subtype値)”を含む。
端末20は、基地局10からプローブレスポンスを受信すると、少なくとも1つのSTA機能を介して、基地局10にマルチリンクアソシエーションリクエストを送信する(ステップS12)。マルチリンクアソシエーションリクエストは、基地局10にマルチリンクの確立を要求するための信号である。例えば、マルチリンクアソシエーションリクエストは、端末20のマネジメント部220及びMACフレーム処理部210によって生成される。マルチリンクアソシエーションリクエストのFrame Controlフィールドは、例えば“00/0000(Type値/Subtype値)”を含む。
基地局10のマネジメント部120は、端末20からマルチリンクアソシエーションリクエストを受信すると、1つのSTA機能を使用したマルチリンクアソシエーション処理を実行する(ステップS13)。具体的には、基地局10は、端末20との間で、1つ目のSTA機能のアソシエーション処理を実行する。そして、1つ目のSTA機能において無線接続(リンク)が確立されると、マネジメント部120は、リンクが確立されている1つ目のSTA機能を用いて、2つ目のSTA機能のアソシエーション処理を実行する。つまり、リンクが確立されていないSTA機能のアソシエーション処理に、リンクが確立されているSTA機能が使用される。少なくとも2つのSTA機能のアソシエーション処理が完了すると、基地局10は、マルチリンクを確立する。
なお、1つ目のSTA機能においてリンクが確立されるときに、マルチリンクが確立されてもよい。例えば、基地局10と端末20とのそれぞれが、アソシエーション処理に先立って、マルチリンクのケーパビリティ、マルチリンクの対象となるリンク及びそれぞれのリンクにおけるオペレーションパラメータなどを通知することにより、マルチリンクのためのアソシエーションが一括で実行され得る。具体的には、マネジメント部120及び220は、1つ目のSTA機能がアソシエーションを開始するときに、マルチリンクの確立を指示し、マルチリンクの対象とするリンクなどを指定する。すると、マネジメント部120及び220が、それぞれリンクのアソシエーションを実行し、これらのリンクをマルチリンクとして管理する。
続いて、基地局10のマネジメント部120は、リンク管理情報121を更新する(ステップS14)。なお、本例では2つのリンクが確立された後にステップS14の処理が実行されているが、リンク管理情報121は、リンク状態が更新する度に更新されてもよいし、マルチリンクが確立された際に更新されてもよい。
基地局10は、端末20にマルチリンク確立レスポンスを送信する(ステップS15)。マルチリンク確立レスポンスは、基地局10が端末20からのマルチリンクリクエストに対する応答に使用される信号である。マルチリンク確立レスポンスのFrame Controlフィールドは、例えば“00/0001(Type値/Subtype値)”を含む。端末20のマネジメント部220は、マルチリンク確立レスポンスを受信したことに基づいて、基地局10との間のマルチリンクが確立されたことを認識する。
端末20のマネジメント部220は、マルチリンク確立レスポンスを受信すると、リンク管理情報221を更新する(ステップS16)。つまり、端末20は、基地局10とのマルチリンクが確立されたことを、リンク管理情報221に記録する。これにより、実施形態に係る通信システム1におけるマルチリンクのセットアップが完了し、マルチリンクを用いたデータ通信が、基地局10と端末20との間において可能となる。
図9、図10、図11を参照して、通信システム1におけるTID-Linkマッピングについて説明する。本実施形態では、基地局と端末との間における6GHz帯のチャネルを用いた無線接続を第1のリンクと呼び、基地局と端末との間における5GHz帯のチャネルを用いた無線接続を第2のリンクと呼び、基地局と端末との間における2.4GHz帯のチャネルを用いた無線接続を第3のリンクと呼ぶ。例えば、第1のリンクは基地局の無線信号処理部130と端末の無線信号処理部230との間のリンクを指し、第2のリンクは基地局の無線信号処理部140と端末の無線信号処理部240との間のリンクを指し、第3のリンクは基地局の無線信号処理部150と端末の無線信号処理部250との間のリンクを指す。
図9は、端末20が保持するリンク管理情報221の一例を示している。図9において、「STA1」は無線信号処理部230を表し、「STA2」は無線信号処理部240を表し、「STA3」は無線信号処理部250を表す。
図9に示すように、リンク管理情報221は、無線信号処理部230、240、250の各々について、リンク情報、チャネル情報、マルチリンク情報、及びTID情報を含む。リンク情報は、基地局とのリンクが確立されているか否かを示す。リンク情報「あり」はリンクが確立されていることを表し、リンク情報「なし」はリンクが確立されていないことを表す。チャネル情報は使用中のチャネルを示す。マルチリンク情報は、リンクがマルチリンクを構成するか否かを示す情報を含む。マルチリンク情報は、リンクの属性を示す情報をさらに含んでよい。TID情報は、リンクに対応付けられているTIDを示す。
図9の上部に示すリンク管理情報221では、第1及び第2のリンクが確立されており、これらのリンクがマルチリンクを構成する。無線信号処理部230と基地局10との間のリンク及び無線信号処理部240と基地局10との間のリンクが確立されている。第1のリンクはアンカーリンクに設定され、第2のリンクはLLリンクに設定されている。無線信号処理部230は、6GHz帯のチャネルである、チャネル番号が1のチャネルを使用する。無線信号処理部240は、5GHz帯のチャネルである、チャネル番号が3のチャネルを使用する。第1のリンクは、TID#1に関連するデータ交換に使用される。TID#1は、LL以外のカテゴリ、例えば、BEに対応する。第2のリンクは、TID#2に関連するデータ交換に使用される。TID#2は、LL以外のカテゴリ、例えば、VIに対応する。第3のリンクは確立されていない。このため、無線信号処理部250に関するチャネル情報、マルチリンク情報、及びTID情報はブランクとなっている。
なお、1つのTIDが複数のリンク(複数の無線信号処理部)に対応付けられていてもよい。例えば、TID#1が第1のリンク及び第2のリンクの両方に対応付けられていてもよい。この場合、第1のリンク及び第2のリンクがTID#1に関連するデータ交換に使用される。
図10は、基地局10が保持するリンク管理情報121の一例を示している。図10において、「STA1」は無線信号処理部130を表し、「STA2」は無線信号処理部140を表し、「STA3」は無線信号処理部150を表す。
図10に示すように、リンク管理情報121は、無線信号処理部130、140、150の各々について、リンク情報、チャネル情報、マルチリンク情報、端末情報、及びTID情報を含む。リンク情報は、少なくとも1つの端末とのリンクが確立されているか否かを示す。チャネル情報は使用中のチャネルを示す。マルチリンク情報は、リンクがマルチリンクを構成するか否かを示す情報を含む。マルチリンク情報は、リンクに設定される属性を示す情報をさらに含んでよい。端末情報は、リンクが確立されている端末を識別する識別情報を含む。図10において、識別情報a、b、cはそれぞれ図1に示した端末20、22、24を表す。TID情報は、リンクに対応付けられているTIDを示す。TID情報は端末の各々について設定される。
図10の上部に示すリンク管理情報121によると、第1及び第2のリンクが確立されており、これらのリンクがマルチリンクを構成する。無線信号処理部130と端末20、22、24との間のリンク及び無線信号処理部140と端末20、22、24との間のリンクが確立されている。第1のリンクはアンカーリンクに設定され、第2のリンクはLLリンクに設定されている。無線信号処理部130は、チャネル番号が1のチャネルを使用する。無線信号処理部140は、チャネル番号が3のチャネルを使用する。第1のリンクは、端末20のTID#1、端末22のTID#1、端末24のTID#1に関連するデータを交換するために使用される。第2のリンクは、端末20のTID#2、端末24のTID#2に関連するデータを交換するために使用される。第3のリンクは確立されていない。具体的には、無線信号処理部150と端末20、22、24との間のリンクはいずれも確立されていない。このため、無線信号処理部150に関するチャネル情報、マルチリンク情報、端末情報、及びTID情報はブランクとなっている。
図11は、TID-Linkマッピングのシーケンスを概略的に示している。図11に示すシーケンスは、TID#3に関連するトラヒックであるLLトラヒックが端末20において発生することにより開始する。LLトラヒックが発生した時点において、基地局10が図10の上部に示されるリンク管理情報121を保持し、端末20が図9の上部に示されるリンク管理情報221を保持しているとする。
図11のステップS1101において、端末20は、LLトラヒックの競合遅延を低減するために、基地局10に対してTID-Linkマッピングネゴシエーションを行う。例えば、端末20は、TID#3に関連するデータ交換を要求する要求信号を基地局10に送信する。
基地局10は、端末20から要求信号を受信すると、LLリンクである第2のリンクをTID#3に関連するデータ交換に専用に使用することを決定する。基地局10は、端末20に関して、第2のリンクにTID#3を対応付ける。さらに、基地局10は、端末20に関して、第2のリンクから第1のリンクへTID#2の対応付けを変更する。すなわち、基地局10は、端末20に関して、第2のリンクとTID#2との対応付けを削除し、第1のリンクにTID#2を対応付ける。
続いて、基地局10は、端末22、24の各々に関して、第2のリンクにTID#3(LLトラヒック)とは異なるTIDが対応付けられているかを確認する。基地局10は、端末22に関しては、第2のリンクにいずれのTIDも対応付けられていないことを認識し、端末24に関しては、第2のリンクにTID#2が対応付けられていることを認識する。
ステップS1104において、基地局10は、端末24に対してTID-Linkマッピングネゴシエーションを行う。具体的には、基地局10は、第1のリンクをTID#2に関連するデータ交換に使用することを要求する要求信号を端末24に送信する。端末24は、基地局10から要求信号を受信すると、第1のリンクをTID#2に関連するデータ交換に使用することを決定する。端末24は、第2のリンクから第1のリンクへTID#2の対応付けを変更する。
ステップS1105において、端末24は、要求信号に対する応答信号を基地局10に送信する。基地局10は、端末24から応答信号を受信すると、端末24に関して、第2のリンクから第1のリンクへTID#2の対応付けを変更する。
ステップS1106において、基地局10は、端末20から受信した要求信号に対する応答信号を端末20に送信する。端末20は、基地局10から応答信号を受信すると、第2のリンクにTID#3を対応付け、第2のリンクから第1のリンクへTID#2の対応付けを変更する。
ここで参照する例では、上述したように、端末22に関しては第2のリンクにいずれのTIDも対応付けられていない。このため、基地局10は、端末22に対するTID-Linkマッピングネゴシエーション(ステップS1102)を省略してよい。端末22に関して第2のリンクにLLトラヒックに対応するTIDとは異なるTIDが対応付けられている例では、基地局10は、端末22に対するTID-Linkマッピングネゴシエーションを行い(ステップS1102)、端末22から応答信号を受信する(ステップS1103)。
図11に示す手順は変更されてよい。例えば、ステップS1106に示す処理は、ステップS1101とステップS1102との間で実行されてよい。
図9の下部に端末20が保持するTID-Linkマッピング後のリンク管理情報221が示されている。図9に示すように、TID#1、#2が第1のリンクに対応付けられ、TID#3が第2のリンクに対応付けられている。第1のリンクはTID#1、#2に関連するデータ交換に使用され、第2のリンクはTID#3に関連するデータ交換に使用される。
図10の下部に基地局10が保持するTID-Linkマッピング後のリンク管理情報121が示されている。図10に示すように、端末20に関して、TID#1、#2が第1のリンクに対応付けられ、TID#3が第2のリンクに対応付けられている。端末22に関して、TID#1が第1のリンクに対応付けられている。端末24に関して、TID#1、#2が第1のリンクに対応付けられている。第1のリンクは、端末20とTID#1、#2に関連するデータを交換するために、端末22とTID#1に関連するデータを交換するために、端末24とTID#1、#2に関連するデータを交換するために、使用される。第2のリンクは、端末20とTID#3に関連するデータを交換するために使用される。
このように、TID#3に関連するトラヒックが端末20において発生すると、BSS14において、第2のリンクがTID#3に関連するデータ交換に専用に使用されるようになる。
図12は、基地局10によりブロードキャストされるビーコンフレーム中のFrame Bodyフィールドを概略的に示している。図12に示すように、ビーコンフレーム中のFrame Bodyフィールドは、マルチリンク(ML)ケーパビリティ情報、運用パラメータ、LLリンク識別子、及びLLトラヒック情報を含む。
MLケーパビリティ情報は、マルチリンク機能をサポートしているか否かを示す。例えば、MLケーパビリティ情報“1”はマルチリンク機能をサポートしていることを表し、MLケーパビリティ情報“0”はマルチリンク機能をサポートしていないことを表す。運用パラメータは、マルチリンクに使用可能なリンクを示す情報及び各リンクに関する情報を含む。LLリンク識別子は、LLリンクとして使用されるチャネルを示す。LLリンク識別子は、TID#3に関連するデータ交換に使用するチャネルを識別する識別情報に相当する。ビーコン信号をチャネルごとに送信する実施形態では、LLリンク識別子は、当該ビーコン信号が送信されるチャネルがLLリンクとして使用されているか否かを示す情報であってよい。LLトラヒック情報は、LLトラヒック(例えばTID#3に関連するトラヒック)が発生しているか否かを示す。LLトラヒック情報は、LLリンク識別子により示されるチャネルをTID#3に関連するデータ交換に使用しているか否かを示すトラヒック情報に相当する。
ビーコン管理部125は、図1に示した基地局12から受信したビーコン信号を分析する。ビーコン管理部125は、受信したビーコン信号からLLリンク識別子及びLLトラヒック情報を抽出する。
ビーコン管理部125は、抽出されたLLリンク識別子に基づいて、基地局12(又はBSS16)においてLLリンクとして使用されるチャネルを特定する。ビーコン管理部125は、基地局12においてLLリンクとして使用されるチャネルが基地局10(又はBSS14)においてアンカーリンクとして使用されるチャネルと同じであるか否かを判定する。基地局12においてLLリンクとして使用されるチャネルが基地局10においてアンカーリンクとして使用されるチャネルと同じである場合、マネジメント部120は、アンカーリンクを他のチャネルに変更する。例えば、基地局12がチャネル1chをLLリンクとして使用している場合、基地局10のマネジメント部120は、3chをアンカーリンクとして使用する。ビーコン信号を単一のアンカーリンクで送信する実施形態において、BSS16においてLLトラヒックが発生した場合に、基地局10からのビーコン信号が当該LLトラヒックの遅延を増大させることを回避することができる。
同様に、基地局12は、基地局10においてLLリンクとして使用されるチャネルと異なるチャネルをアンカーリンクとして使用する。これにより、BSS14においてLLトラヒックが発生した場合に、基地局12からのビーコン信号が当該LLトラヒックの遅延を増大させることを回避することができる。
ビーコン管理部125は、抽出したLLトラヒック情報に基づいて、BSS16においてLLトラヒックが発生しているか否かを判断する。ビーコン管理部125がBSS16においてLLトラヒックが発生していることを検出した場合、マッピング部124は、BSS16においてLLリンクに使用されるチャネルに対応する自局のリンクにLLトラヒックに対応するTIDとは異なるTIDが対応付けられているか否かを判断する。リンクにLLトラヒックに対応するTIDとは異なるTID#2が対応付けられている場合、マッピング部124は、このリンクから他のリンクへTID#2の対応付けを変更する。これにより、競合による遅延の発生がなくなる又は低減する。その結果、BSS16において基地局と端末との間での通信遅延が改善する。
BSS14においてLLトラヒックが発生している場合には、基地局12は基地局10と同様に動作する。その結果、BSS14において基地局と端末との間での通信遅延が改善する。
図13は、端末20におけるTID-Linkマッピングの手順例を概略的に示している。ここでは、図9の上部に示されるリンク管理情報221のように、基地局10と端末20との間でマルチリンクのセットアップが完了しているものとする。
図13のステップS1301において、データ処理部200は、TID#3に関連するトラヒックであるLLトラヒックが発生したことを検出する。例えば、データ処理部200は、アプリケーション実行部260からLLトラヒックが発生することを通知されると、LLトラヒックの発生をマネジメント部220のマッピング部224に通知する。
ステップS1302において、マッピング部224は、LLリンクである第2のリンクをTID#3に関連するデータ交換に専用に使用することを決定する。
ステップS1303において、マッピング部224は、基地局10に対してTID-Linkマッピングネゴシエーションを行う。具体的には、マッピング部224は、TID#3に関連するデータ交換を要求する要求信号を基地局10に送信する。
ステップS1304において、マッピング部224は、基地局10から要求信号に対する応答信号を受信する。
ステップS1305において、マッピング部224は、第2のリンクにTID#3を対応付ける。
ステップS1305において、マッピング部224は、他のTIDが第2のリンクに対応付けられているか否かを判断する。他のTIDが第2のリンクに対応付けられていない場合(ステップS1306;No)、処理は終了となる。
他のTIDが第2のリンクに対応付けられている場合(ステップS1306;Yes)、処理はステップS1307に進む。ステップS1307において、マッピング部224は、他のTIDの対応付けを変更する。例えば、マッピング部224は、TID#2が第2のリンクに対応付けられていることを認識し、第2のリンクから第1のリンクへTID#2の対応付けを変更する。
図14は、基地局10におけるTID-Linkマッピングの手順例を概略的に示している。ここでは、図10の上部に示されるリンク管理情報121のように、基地局10と端末20、22、24との間でマルチリンクのセットアップが完了しているものとする。
図14のステップS1401において、マッピング部124は、端末20から、TID#3に関連するデータ交換を要求する要求信号を受信する。
ステップS1402において、マッピング部124は、LLリンクに設定されている第2のリンクをTID#3に関連するデータ交換に専用に使用することを決定する。例えば、マッピング部124は、端末20に関して、第2のリンクにTID#3を対応付ける。
ステップS1403において、マッピング部124は、端末20に関して、他のTIDが第2のリンクに対応付けられているか否かを判断する。他のTIDが第2のリンクに対応付けられていない場合(ステップS1403;No)、処理はステップS1405に進む。
他のTIDが第2のリンクに対応付けられている場合(ステップS1403;Yes)、処理はステップS1404に進む。ステップS1404において、マッピング部124は、他のTIDの対応付けを変更する。例えば、マッピング部124は、TID#2が第2のリンクに対応付けられていることを認識し、第2のリンクから第1のリンクへTID#2の対応付けを変更する。
ステップS1405において、マッピング部124は、他の端末に関して、他のTIDが第2のリンクに対応付けられているか否かを判断する。他のTIDが第2のリンクに対応付けられていない場合(ステップS1405;No)、処理はステップS1409に進む。
他のTIDが第2のリンクに対応付けられている場合(ステップS1405;Yes)、処理はステップS1406に進む。ステップS1406において、マッピング部124は、他のTIDの対応付けを変更することを要求する要求信号を他の端末に送信する。例えば、マッピング部124は、端末24に関してTID#2が第2のリンクに対応付けられていることを認識し、第1のリンクをTID#2に関連するデータ交換に使用することを要求する要求信号を端末24に送信する。端末24は、基地局10から要求信号を受信すると、第1のリンクをTID#2に関連するデータ交換に使用することを決定し、第2のリンクから第1のリンクへTID#2の対応付けを変更する。続いて、端末24は、要求信号に対する応答信号を基地局10に送信する。
ステップS1407において、マッピング部124は、端末24から応答信号を受信する。
ステップS1408において、マッピング部124は、端末24に関して、第2のリンクから第1のリンクへTID#2の対応付けを変更する。
ステップS1409において、マッピング部124は、端末20から受信した要求信号に対する応答信号を端末20に送信する。
ステップS1410において、ビーコン管理部125は、LLトラヒックがあることを示す情報をLLトラヒックフィールドに格納したビーコン信号を周期的に送信する。
以上のように、通信システム1では、端末20においてTID#3に関連するトラヒックが発生すると、端末20は、TID#3に関連するデータ交換を要求する要求信号を基地局10に送信する。基地局10は、端末20から要求信号を受信すると、LLリンクにTID#3を対応付ける。さらに、他のTID(例えばTID#1)がLLリンクに対応付けられている場合、基地局10は、LLリンクから他のリンクへ他のTIDの対応付けを変更する。基地局10は応答信号を端末20に送信する。端末20は、基地局10から応答信号を受信すると、LLリンクにTID#3を対応付ける。さらに、他のTID(例えばTID#1)がLLリンクに対応付けられている場合、端末20は、LLリンクから他のリンクへ他のTIDの対応付けを変更する。これにより、基地局10と端末20との間において、LLリンクはTID#3に関連するデータを選択的に交換するために使用されるようになる。その結果、TID#3に関連するデータは基地局10と端末20との間で低遅延で送信又は受信される。基地局10と端末20との間のLLトラヒックに関する通信遅延が改善する。
端末22に関してTID#1がLLリンクに対応付けられている場合、基地局10は、他のリンクをTID#1に関するデータ交換に使用することを要求する要求信号を端末22に送信する。端末22は、基地局10から要求信号を受信すると、LLリンクから他のリンクへTID#1の対応付けを変更する。端末22は応答信号を基地局10に送信する。基地局10は、端末22から応答信号を受信すると、LLリンクから他のリンクへTID#1の対応付けを変更する。これにより、基地局10と端末22との間において、LLリンクはTID#1に関連するデータ交換に使用されないようになる。その結果、TID#3に関連するデータは基地局10と端末20との間でより低遅延で送信又は受信される。基地局10と端末20との間のLLトラヒックに関する通信遅延がより改善する。
基地局10は、LLリンクとして使用されるチャネルを示すLLリンク識別子と、LLトラヒックが発生しているか否かを示すLLトラヒック情報と、を含むビーコン信号を送信する。基地局10に隣接する基地局12は、基地局10からのビーコン信号を受信する。
基地局12は、ビーコン信号に含まれるLLリンク識別子により示されるチャネルとは異なるチャネルのリンクをアンカーリンクに設定する。これにより、BSS14においてLLトラヒックが発生した場合に、基地局12からのビーコン信号が当該LLトラヒックの遅延を増大させることを回避することができる。その結果、基地局10と端末20との間のLLトラヒックに関する通信遅延がより改善する。
基地局12は、ビーコン信号に含まれるLLトラヒック情報に基づいて、BSS14においてLLトラヒックが発生しているか否かを判断する。基地局12は、BSS14においてLLトラヒックが発生していることを検出した場合、LLリンク識別子により示されるチャネルに対応する自局のリンクに他のTID(例えばTID#2)が対応付けられているか否かを判断する。基地局12は、TID#2が対応付けられている場合、他のリンクへTID#2の対応付けを変更する。これにより、競合による遅延の発生がなくなる又は低減する。その結果、基地局10と端末20との間のLLトラヒックに関する通信遅延がより改善する。
上記の実施形態では、基地局10及び端末20が各々3つの無線信号処理部を備え、マルチリンクが2つのリンクにより構成される例について説明した。マルチリンクは3つのリンクにより構成されていてもよい。他の実施形態では、基地局10及び端末20が各々4つ又はそれ以上の無線信号処理部を備えてよい。
上述した実施形態では、STA機能は、互いに異なる周波数帯のチャネルを用いて無線信号を送受信するように構成されている。他の実施形態では、STA機能は、同一の周波数帯に属する異なるチャネルを用いて無線信号を送受信するように構成されていてもよい。例えば、無線信号処理部130は、6GHz帯の第1のチャネルを用いて無線信号を送受信するように構成され、無線信号処理部140は、6GHz帯の第2のチャネルを用いて無線信号を送受信するように構成されてよい。この場合の第1のチャネル及び第2のチャネルは重複していなければそれぞれ複数のチャネルを含んでいてもよい。
無線通信に関与する基地局10の機能部はチップなどの独立した無線デバイスにより実施されてよい。例えば、図4に示したMACフレーム処理部110、マネジメント部120、及び無線信号処理部130、140、150が独立した無線デバイス(例えば図3に示した無線通信モジュール104)により実施され、基地局10の製造時に基地局10の基板に無線デバイスが組み込まれてよい。無線装置は、基地局10を指してもよく、無線通信に関与する基地局10の機能部を実現する無線デバイスを指してもよい。
無線通信に関与する端末20の機能部はチップなどの独立した無線デバイスにより実施されてよい。例えば、図6に示したMACフレーム処理部210、マネジメント部220、及び無線信号処理部230、240、250が独立した無線デバイス(例えば図5に示した無線通信モジュール204)により実施され、端末20の製造時に端末20の基板に無線デバイスが組み込まれてよい。無線装置は、端末20を指してもよく、無線通信に関与する端末20の機能部を実現する無線デバイスを指してもよい。
上述した処理の少なくとも一部は、プロセッサがプログラム(コンピュータ実行可能命令)を実行することにより実現されてよい。プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態でコンピュータ(例えば基地局10又は端末20)に提供されてよい。この場合、例えば、コンピュータは、記憶媒体からデータを読み出すドライブ(図示せず)をさらに備え、記憶媒体からプログラムを取得する。記憶媒体の例は、磁気ディスク、光ディスク(CD-ROM、CD-R、DVD-ROM、DVD-Rなど)、光磁気ディスク(MOなど)、半導体メモリを含む。また、プログラムをネットワークNW上のサーバ(図示せず)に格納し、コンピュータがサーバからプログラムをダウンロードするようにしてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要素から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要素が削除された構成が発明として抽出され得る。