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JP7469051B2 - 窒化物結晶基板の製造方法、窒化物結晶基板および積層構造体 - Google Patents

窒化物結晶基板の製造方法、窒化物結晶基板および積層構造体 Download PDF

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JP7469051B2 JP2020004252A JP2020004252A JP7469051B2 JP 7469051 B2 JP7469051 B2 JP 7469051B2 JP 2020004252 A JP2020004252 A JP 2020004252A JP 2020004252 A JP2020004252 A JP 2020004252A JP 7469051 B2 JP7469051 B2 JP 7469051B2
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Description

本発明は、窒化物結晶基板の製造方法、窒化物結晶基板および積層構造体に関する。
高周波の半導体装置を製造する用途などでは、高抵抗を有する半絶縁性の窒化物結晶基板が求められている。半絶縁性の窒化物結晶基板として、例えば、鉄(Fe)などの遷移金属を含む基板が開示されている(例えば特許文献1および2)。
特開2006-24597号公報 特開2007-184379号公報
本発明の目的は、高抵抗な窒化物結晶基板を安定的に得ることにある。
本発明の一態様によれば、
下地基板を準備する工程と、
ハイドライド気相成長法により、前記下地基板の上方に、マンガンを含むIII族窒化物半導体の単結晶からなる結晶層をエピタキシャル成長させる工程と、
を有し、
前記結晶層をエピタキシャル成長させる工程では、
石英からなるガス生成容器内に、塩化水素ガスに対して耐性を有する介在部を介してマンガンを収容し、石英とマンガンとの直接接触を抑制した状態で、前記ガス生成容器内に塩化水素ガスを導入し、塩化マンガンガスを生成させ、前記結晶層中にマンガンを添加する
窒化物結晶基板の製造方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、
III族窒化物半導体の単結晶からなる窒化物結晶基板であって、
マンガン濃度は、1×1018cm-3以上であり、
シリコン濃度は、5×1016cm-3以下であり、
酸素濃度は、1×1016cm-3以下である
窒化物結晶基板が提供される。
本発明によれば、高抵抗な窒化物結晶基板を安定的に得ることができる。
本発明の一実施形態に係る窒化物結晶基板の製造方法を示すフローチャートである。 気相成長装置を示す概略構成図である。 (a)~(c)は、本発明の一実施形態に係る窒化物結晶基板の製造方法の一部を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る窒化物結晶基板の製造方法の一部を示す概略断面図である。 (a)は、参考例の積層構造体における二次イオン質量分析の結果を示す図であり、(b)は、比較例の積層構造体における二次イオン質量分析の結果を示す図である。 (a)は、実施例1の積層構造体を示す平面図であり、(b)は、実施例1の積層構造体の断面を蛍光顕微鏡により観察した観察像である。 (a)は、実施例1の積層構造体における遷移金属元素の二次イオン質量分析の結果を示す図であり、(b)は、実施例1の積層構造体におけるSiなどの二次イオン質量分析の結果を示す図である。 (a)は、実施例2の積層構造体における遷移金属元素の二次イオン質量分析の結果を示す図であり、(b)は、実施例2の積層構造体におけるSiなどの二次イオン質量分析の結果を示す図である。
<発明者等の得た知見>
まず、発明者等の得た知見について説明する。
半絶縁性の窒化物結晶基板を得るためのドーパントとしては、上述のFe以外に、例えば、マンガン(Mn)も用いられる。III族窒化物半導体の単結晶からなる結晶層中にMnを添加する方法としては、例えば、ハイドライド気相成長(HVPE)法により、Mnを収容したガス生成容器内に塩化水素(HCl)ガスを導入し、塩化マンガンガスを生成させ、結晶層中にMnを添加する方法が考えられる。
ここで、通常のHVPE装置では、ガス生成容器と気密容器(チャンバ)との間に線膨張係数差を生じさせることなく、これらの気密性を確保することが求められる。このため、ガス生成容器は、気密容器と同様に石英により構成される。
上述の特許文献1などのように、HVPE法により結晶層中にFeを添加する場合では、ガス生成容器を構成する石英と原料としてのFeとは互いに直接反応しないため、石英からなるガス生成容器内にFeを直接載置していた。
一方で、従来は、HVPE法により結晶層中にMnを添加する場合においても、Feの場合と同様に、ガス生成容器を構成する石英と原料としてのMnとは互いに直接反応しないと考えられていた(参考:信越石英株式会社資料「石英ガラス技術ガイド1」)。
しかしながら、発明者の鋭意検討の結果、石英からなるガス生成容器にMnを直接載置したところ、Mnの触媒作用に起因して、HClガスを含む雰囲気下でHClガスと石英とが反応し、石英が分解されてしまうことが分かった。
つまり、不活性ガス雰囲気下でMnと石英とを加熱した場合では、従来の認識のとおりに、Mnと石英とは互いに直接反応しない。また、HClガス雰囲気下で石英のみを加熱した場合でも、従来の認識のとおりに、石英は分解されない。しかしながら、HClガス雰囲気下でMnと石英とが直接接触した状態で加熱された場合では、従来の認識に反して、Mnの触媒作用に起因して、HClガスと石英とが反応してしまうことが初めて発見された。
上述のように石英が分解されると、石英を起源とするシリコン(Si)および酸素(O)が結晶層中に混入してしまう。SiおよびOはIII族窒化物半導体中でn型不純物(ドナー)となるため、結晶層中にMnを添加したとしても、結晶層を充分に高抵抗にすることができない可能性がある。
本発明は、発明者が見出した上記知見に基づくものである。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
(1)窒化物結晶基板の製造方法
図1~図4を用い、本実施形態に係る窒化物結晶基板の製造方法について説明する。図1は、本実施形態に係る窒化物結晶基板の製造方法を示すフローチャートである。図2は、気相成長装置を示す概略構成図である。図3(a)~(c)、図4は、本発明の一実施形態に係る窒化物結晶基板の製造方法の一部を示す概略断面図である。
なお、以下では、ウルツ鉱構造を有するIII族窒化物半導体の結晶において、<0001>軸(例えば[0001]軸)を「c軸」といい、(0001)面を「c面」という。なお、(0001)面を「+c面(III族元素極性面)」といい、(000-1)面を「-c面(窒素(N)極性面)」ということがある。また、<1-100>軸(例えば[1-100]軸)を「m軸」といい、{1-100}面を「m面」という。なお、m軸は<10-10>軸と表記してもよい。また、<11-20>軸(例えば[11-20]軸)を「a軸」といい、{11-20}面を「a面」という。
図1に示すように、本実施形態に係る窒化物結晶基板の製造方法は、例えば、下地基板準備工程S100と、初期工程S190と、Mnドープ結晶層形成工程S200と、スライス工程S400と、研磨工程S500と、を有している。
(S100:下地基板準備工程)
まず、図3(a)に示すように、III族窒化物半導体の単結晶からなる下地基板10を準備する。本実施形態では、下地基板10として、例えば、窒化ガリウム(GaN)自立基板を準備する。下地基板10の作製方法としては、例えば、VAS(Void-Assisted Separation)法が挙げられる。
下地基板10の直径は、例えば、2インチ以上、好ましくは4インチ以上である。また、下地基板10の厚さは、例えば、300μm以上1mm以下である。
下地基板10は、下地面(主面、下地表面)10sを有している。本実施形態において、下地面10sに対して最も近い低指数の結晶面は、例えば、c面(+c面)である。
また、下地基板10の下地面10sの二乗平均粗さRMSは、例えば、1nm未満である。
(S190:初期工程(初期層形成工程、ノンドープ層形成工程))
下地基板10を準備したら、図2に示す気相成長装置200内に下地基板10を載置する。気相成長装置200は、例えば、HVPE装置として構成されている。なお、本実施形態では、当該初期工程S190から後述のMnドープ結晶層形成工程S200までを同一の気相成長装置200内で連続的に行う。
ここで、図2を用い、気相成長装置200について説明する。なお、以下において、「成膜ガス」とは、HClガス、III族原料ガスとしてのGaClガス、窒素原料ガスとしてのアンモニア(NH)ガス、水素(H)ガス並びに窒素(N)ガス等のキャリアガス、Mn原料ガスとしてのMnClガスなどを含むものとする。
図2に示すように、気相成長装置200は、石英からなる気密容器203を備えている。気密容器203内には、成膜室201が設けられている。成膜室201内には、下地基板10を保持するサセプタ208が設けられている。サセプタ208は、回転機構216が有する回転軸215に接続されており、下地基板10を周方向(主面に沿った方向)に回転可能に構成されている。
気密容器203の一端には、成膜室201内へHClガスを供給するガス供給管232a、成膜室201内へHClガスを供給するガス供給管232b、成膜室201内へNHガスを供給するガス供給管232c、および、成膜室201内へHガスおよびNガスを供給するガス供給管232dが接続されている。ガス供給管232a~232dには、上流側から順に、流量制御器241a~241d、バルブ243a~243dがそれぞれ設けられている。
ガス供給管232aの下流には、ガリウム(Ga)融液を収容するガス生成容器233aが設けられている。ガス生成容器233aには、HClガスとGa融液との反応により生成された塩化ガリウム(GaCl)ガスを、サセプタ208上に保持された下地基板10に向けて供給するノズル249aが接続されている。以下、ガス供給管232a、流量制御器241a、バルブ243a、ガス生成容器233aおよびノズル249aにより構成されるガス供給ラインを「Gaライン」とも呼ぶ。
また、ガス供給管232bの下流には、固体のMnを収容するガス生成容器233bが設けられている。本実施形態では、Mnを収容するガス生成容器233bは、例えば、Gaを収容するガス生成容器233aと、気密容器203の軸方向(ガス流方向)に異なる位置(ガス生成容器233aよりも上流側)に設けられている。また、本実施形態では、Mnは、例えば、所定の介在部234bを介してガス生成容器233b内に収容されている。ガス生成容器233bには、HClガスとMnとの反応により生成された塩化マンガンガスを、サセプタ208上に保持された下地基板10に向けて供給するノズル249bが接続されている。以下、ガス供給管232b、流量制御器241b、バルブ243b、ガス生成容器233bおよびノズル249bにより構成されるガス供給ラインを「Mnライン」とも呼ぶ。なお、本実施形態において、Mnラインのガス生成容器233b内にMnを収容する態様については、再度、後述する。
また、ガス供給管232c,232dの下流側には、上述の成膜ガスをサセプタ208上に保持された下地基板10に向けて供給するノズル249c,249dが接続されている。上述のノズル249a~249dは、例えば、下地基板10の下地面10sに対して交差する方向(下地面10sに対して斜めの方向)に成膜ガスを流すよう配置されている。
一方、気密容器203の他端には、成膜室201内を排気する排気管230が設けられている。排気管230にはポンプ231(或いはブロワ)が設けられている。
気密容器203の外周には、所望の温度に加熱する3つのゾーンヒータ207(207u、207m、207d)が設けられている。気密容器203内には、成膜室201内の温度を測定する温度センサ209s、209g、209mが設けられている。温度センサ209s、209g、209mは、それぞれ、サセプタ208付近における温度T3、Gaラインのガス生成容器233a付近における温度T2、Mnラインのガス生成容器233b付近における温度T1を測定するよう構成されている。
Mnラインのガス生成容器233b付近における温度T1は、例えば、600℃以上850℃以下にゾーンヒータ207uにより維持される。これにより、HClガスとMnとの反応により塩化マンガンガスが生成される。また、Gaラインのガス生成容器233a付近における温度T2は、800℃以上900℃以下にゾーンヒータ207mにより維持される。これにより、HClガスとGa融液との反応によりGaClガスが生成される。また、サセプタ208付近における温度T3は、後述の成長温度にゾーンヒータ207dにより維持される。
気相成長装置200が備える各部材は、コンピュータとして構成されたコントローラ280に接続されている。コントローラ280上で実行されるプログラムによって、後述する処理手順や処理条件が制御される。
初期工程S140では、まず、下地基板10をサセプタ208上に載置する。また、ガス生成容器233a内にGa融液を収容し、ガス生成容器233b内に固体のMnを収容する。そして、サセプタ208を回転させるとともに、成膜室201内の加熱および排気を実施しながら、ガス供給管232dから成膜室201内へHガス(あるいはHガスとNガスとの混合ガス)を供給する。そして、成膜室201内が所望の成長温度および成長圧力に到達し、また、成膜室201内の雰囲気が所望の雰囲気となった状態で、ガス供給管232a,232cからガス供給を行い、下地基板10の下地面10sに対して交差する方向に、成膜ガスとしてGaClガスとNHガスとを供給する。
これにより、図3(b)に示すように、下地基板10の下地面10sに塩化マンガンガスよりも先にGaClガスを確実に到達させ、下地基板10の下地面10s上に、Mnを非含有とするIII族窒化物半導体の単結晶(例えばノンドープGaN)からなる初期層20をエピタキシャル成長させる。このとき、下地基板10の下地面10s全体に亘って、c面を成長面として初期層20を成長(ステップフロー成長)させ、初期層20の表面を鏡面化させる。なお、ここでいう「鏡面」とは、表面における隣り合う凹凸の高低差の最大値が可視光の波長以下である面のことをいう。
ここで、例えば、初期工程S190を行わずに、下地基板10の下地面10s上に直接、後述のMnを含む結晶層30をエピタキシャル成長させる場合について考える。この場合、結晶層30の成長初期からGaClとともにMnClガスを流すと、下地基板10の下地面10sの一部に、Mnだけが付着することがある。Mnだけが付着した部分は、III族窒化物半導体の結晶成長を阻害するアンチサーファクタント(成長阻害部)となる。このため、アンチサーファクタントとしてのMnを起因として、結晶層30が3次元成長(島状成長)してしまう可能性がある。
これに対し、後述のMnドープ結晶層形成工程S200の前に、下地基板10の下地面10s上にMn非含有の初期層20を形成することで、Mnドープ結晶層形成工程S200において、結晶層30の成長初期に、下地基板10の下地面10sの一部にMnだけが付着することを抑制することができる。これにより、Mnがアンチサーファクタントとなることを抑制することができる。その結果、結晶層30の3次元成長を抑制することができる。
初期工程S190では、成長条件を、例えば、以下のように設定する。
成長温度(T3):990℃以上1,120℃以下、好ましくは1,020℃以上1,100℃以下
V/III比:1以上10以下、好ましくは、1以上5以下
成長圧力:90~105kPa、好ましくは、90~95kPa
GaClガスの分圧:1.5~15kPa
ガスの流量/Nガスの流量の比率:1~20
なお、「V/III比」とは、III族原料ガスとしてのGaClガスの分圧に対するNHガスの分圧の比率である。
初期層20の形成目的は、上述のように、下地基板10の下地面10sに塩化マンガンガスよりも先にGaClガスを確実に到達させることである。このため、初期層20は、成長速度に応じて短い時間(数分程度)で成長させればよく、初期層20の厚さは、特に限定されない。
(S200:Mnドープ結晶層形成工程)
所定の初期層20の成長が完了したら、下地基板10を気相成長装置200内に配置した状態で、GaラインへのHClガスの供給、NHガスの供給、ヒータ207による成膜室201内の加熱、およびポンプ231による成膜室201内の排気を継続させたまま、以下のMnドープ結晶層形成工程S200を行う。
Mnドープ結晶層形成工程S200では、図3(c)に示すように、下地基板10の下地面10sの上方(初期層20上)に、Mnを含むIII族窒化物半導体の単結晶からなる結晶層30をエピタキシャル成長させる。
このとき、本実施形態では、石英からなるガス生成容器233b内に、HClガスに対して耐性を有する介在部234bを介してMnを収容し、石英とMnとの直接接触を抑制した状態で、ガス供給管232bからガス生成容器233b内にHClガスを導入し、塩化マンガンガスを生成させ、結晶層30中にMnを添加する。これにより、HClガスを含む雰囲気下でのMnの触媒作用を起因とした石英の分解を抑制することができる。
なお、このときに生成する塩化マンガンガス(MnClガス)は、例えば、MnClガスである。
また、本実施形態では、介在部234bをいわゆるライナーとする。介在部234bとしてのライナーは、例えば、箱状部材として構成されている。ここでは、介在部234bとしてのライナー内にMnを載置する。
また、介在部234bは、上述のように、HClガスに対して耐性を有することが必要である。また、介在部234bは、例えば、結晶層30の成長温度で融解または気化しないことが必要となる。また、介在部234bは、例えば、結晶層30の成長温度で不純物を放出しないよう、高純度(99.9%以上)であることが必要となる。また、介在部234bは、例えば、HClガスを含む雰囲気下で石英を分解させる触媒作用を示さないことが必要となる。さらに、介在部234bは、例えば、Hガス、NガスおよびHClガスのうち少なくともいずれかを含む雰囲気下で、石英およびMnに対して直接反応しないことも必要となる。介在部234bがこれらの要件を満たすことで、介在部234b自身を起因とした不純物の発生を抑制することができるとともに、上述のMnの触媒作用を起因とした石英の分解を抑制することができる。
具体的には、タングステン(W)、窒化ホウ素(BN)、炭化ケイ素(SiC)およびモリブデン(Mo)のうち少なくともいずれかを含む介在部234bを用いる。なお、BNとしては、例えば、PBN(Pyrolitic Boron Nitride)が挙げられる。これらの材料により介在部234bを構成することで、上述の要件を満たすことができる。
また、このとき、結晶層30のIII族元素サイトの少なくとも一部をMnに置換する。これにより、結晶層30のバンドギャップ中にMnによる深いトラップ準位を形成することができる。具体的には、GaN中では、Mnのトラップ準位の活性化エネルギーをFeよりも大きく、およそ1.5eV以上1.9eV以下とすることができる。その結果、結晶層30を安定的に高抵抗にすることができる。
また、このとき、下地基板10の下地面10sの全体に亘って、c面を成長面として結晶層30を成長(ステップフロー成長)させる。これにより、結晶層30の表面にc面以外のファセットの発生を抑制することができる。なお、ここでいう「c面以外のファセット」とは、例えば、{11-2m}、{1-10n}などである。ただし、mおよびnは0以外の整数である。このようなc面以外のファセットを成長面として成長した領域は、c面を成長面として成長した領域よりも、酸素(O)を取り込みやすい。本実施形態では、上述のようにc面を成長面とした成長を行い、c面以外のファセットを成長面とした成長を抑制することで、結晶層30中におけるn型不純物としてのOの取り込みを抑制することができる。
また、c面を成長面として結晶層30を成長させることで、鏡面化した結晶層30を安定的に得ることができる。
当該Mnドープ結晶層形成工程S200では、結晶層30中のMn濃度が所定値となるように、例えば、Mnラインのガス生成容器233b付近の温度T1、Mnラインに供給するHClガスの分圧などを調整する。
具体的には、Mnラインのガス生成容器233b付近の温度T1を、上述のように、例えば、600℃以上850℃以下とする。また、Mnラインに供給するHClガスの分圧を、例えば、1.6×10-2kPa以上0.8kPa以下とする。
Mnドープ結晶層形成工程S200のその他の成長条件については、例えば、以下のように設定する。
成長温度(T3):990℃以上1,120℃以下、好ましくは1,020℃以上1,100℃以下
V/III比:1以上10以下、好ましくは、1以上5以下
成長圧力:90~105kPa、好ましくは、90~95kPa
GaClガスの分圧:1.5~15kPa
ガスの流量/Nガスの流量の比率:1~20
なお、Mnドープ結晶層形成工程S200におけるその他の成長条件については、初期工程S190の成長条件と等しくしてもよいし、異ならせてもよい。
また、結晶層30の厚さを、例えば、300μm以上10mm以下とする。結晶層30の厚さを300μm以上とすることで、後述のスライス工程S400において、結晶層30から少なくとも1枚以上の基板50をスライスすることができる。一方で、結晶層30の厚さを10mm以下とすることで、結晶層30におけるクラックの発生を抑制することができる。
以上のMnドープ結晶層形成工程S200により、結晶層30が形成される。その結果、本実施形態の積層構造体90が形成される。
上述のように、初期工程S190からMnドープ結晶層形成工程S200までの工程を、下地基板10を大気暴露することなく、同一の気相成長装置200内で連続的に行う。これにより、初期層20と結晶層30との間の界面に、意図しない高酸素濃度領域(c面以外のファセットを成長面として成長させた場合よりも過剰に高い酸素濃度を有する領域)が形成されることを抑制することができる。
結晶層30の成長が完了したら、GaラインおよびMnラインへのHClガスの供給を停止する。一方、NHガスの供給、およびポンプ231による成膜室201内の排気を継続させる。
その後、上述のように、NHガスの供給および成膜室201内の排気を継続した状態で、ヒータ207による成膜室201内の加熱を停止する。成膜室201内の温度が低下し500℃以下となったら、NHガスの供給を停止し、成膜室201内の雰囲気をNガスへ置換して大気圧に復帰させる。その後、積層構造体90を気相成長装置200から搬出する。
(S400:スライス工程)
次に、図4に示すように、例えば、結晶層30の表面と略平行な切断面に沿ってワイヤーソーにより結晶層30をスライスする。これにより、窒化物結晶基板50(基板50ともいう)を少なくとも1つ形成する。このとき、基板50の厚さを、例えば、300μm以上700μm以下とする。
(S500:研磨工程)
次に、研磨装置により基板50の両面を研磨する。なお、このとき、最終的な基板50の厚さを、例えば、250μm以上650μm以下とする。
以上の工程S100~S500により、本実施形態に係る基板50が製造される。
(半導体積層物の作製工程および半導体装置の作製工程)
基板50が製造されたら、例えば、基板50上にIII族窒化物半導体からなる半導体機能層をエピタキシャル成長させ、半導体積層物を作製する。半導体積層物を作製したら、半導体積層物を用いて電極等を形成し、半導体積層物をダイシングし、所定の大きさのチップを切り出す。これにより、半導体装置を作製する。
(2)積層構造体
次に、図3(c)を用い、本実施形態に係る積層構造体90について説明する。
本実施形態の積層構造体90は、例えば、下地基板10と、結晶層30と、を有している。
結晶層30は、例えば、下地基板10の下地面10sの上方に設けられている。
なお、結晶層30は、例えば、上述の初期層20を介して下地基板10の下地面10s上に設けられていてもよい。この場合、初期層20は、例えば、下地基板10の下地面10sに接し、Mnを非含有とするIII族窒化物半導体の単結晶からなるものである。
結晶層30は、例えば、Mnを含むIII族窒化物半導体の単結晶からなっている。具体的には、結晶層30中のMn濃度は、例えば、1×1018cm-3以上、好ましくは5×1018cm-3以上である。
本実施形態では、Mnの触媒作用に起因した石英の分解を抑制しつつ、結晶層30を成長させたことで、結晶層30中のSi濃度およびO濃度が低くなっている。具体的には、結晶層30中のSi濃度は、例えば、5×1016cm-3以下、好ましくは3×1016cm-3以下、より好ましくは2×1016cm-3以下である。結晶層30中のO濃度は、例えば、1×1016cm-3以下、好ましくは6×1015cm-3以下、より好ましくは5×1015cm-3以下である。
結晶層30は、例えば、最も近い低指数の結晶面がc面である主面30sを有している。本実施形態では、結晶層30の表面全体は+c面に配向しており、極性反転区(インバージョンドメイン)を含んでいない。
(3)窒化物結晶基板(窒化物半導体自立基板、窒化物結晶基板)
次に、本実施形態に係る窒化物結晶基板50(以下、「基板50」と略すことがある)について説明する。
本実施形態において、基板50は、例えば、III族窒化物半導体の単結晶からなる自立基板である。本実施形態では、基板50は、例えば、GaN自立基板である。
基板50の直径は、例えば、2インチ以上、好ましくは4インチ以上である。また、基板50の厚さは、例えば、300μm以上1mm以下である。
基板50は、例えば、最も近い低指数の結晶面がc面である主面50sを有している。なお、基板50の主面50sは、例えば、鏡面化されており、基板50の主面50sの二乗平均粗さRMSは、例えば、1nm未満である。
その他、本実施形態では、基板50は、例えば、上述のように、極性反転区(インバージョンドメイン)を含んでいない。
(不純物濃度)
基板50中のMn濃度は、例えば、1×1018cm-3以上、好ましくは5×1018cm-3以上である。なお、基板50中のMn濃度の上限値は、特に限定されないが、基板50の結晶品質を良好に維持する観点では、例えば、2×1020cm-3であることが好ましい。
本実施形態では、基板50中のSi濃度およびO濃度は、介在部不使用の場合およびHVPE以外の製造方法を用いた場合などのそれらよりも低くなっている。具体的には、基板50中のSi濃度は、例えば、5×1016cm-3以下、好ましくは3×1016cm-3以下、より好ましくは2×1016cm-3以下である。基板50中のO濃度は、例えば、1×1016cm-3以下、好ましくは6×1015cm-3以下、より好ましくは5×1015cm-3以下である。
さらに、本実施形態では、基板50中の水素(H)濃度は、フラックス法またはアモノサーマル法などによって得られる基板よりも低くなっており、例えば、1×1017cm-3未満、好ましくは8×1016cm-3以下、より好ましくは5×1016cm-3以下である。
(絶縁性)
本実施形態では、基板50中のMn濃度が高く、かつ、n型不純物としてのSi濃度およびO濃度が低いことで、基板50が高抵抗となっている。具体的には、25℃における基板50の比抵抗は、例えば、10Ω・cm超、好ましくは10Ω・cm以上である。
(4)本実施形態により得られる効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
(a)本実施形態では、石英からなるガス生成容器233b内に、HClガスに対して耐性を有する介在部234bを介してMnを収容し、石英とMnとの直接接触を抑制した状態で、ガス供給管232bからガス生成容器233b内にHClガスを導入し、塩化マンガンガスを生成させ、結晶層30中にMnを添加する。これにより、HClガスを含む雰囲気下でのMnの触媒作用を起因とした石英の分解を抑制することができる。石英の分解を抑制することで、石英を起源とするSiおよびOが結晶層30中に混入することを抑制することができる。これにより、結晶層30中におけるn型不純物としてのSi濃度およびO濃度を、Mn濃度よりも桁違いに低くすることができる。その結果、Mnを添加した結晶層30を充分に高抵抗にすることが可能となる。
(b)特に大面積の基板50を製造する場合に、Mnラインのガス生成容器233b内に供給するHClガスの流量を多くしたとしても、上述の介在部234bを用いることで、Mnの触媒作用を起因とした石英の分解を安定的に抑制することができる。これにより、結晶層30の全体に亘って、SiおよびOが結晶層30中に混入することを抑制することができる。その結果、大面積(例えば2インチ以上、好ましくは4インチ以上)の高抵抗な基板50を得ることができる。
(c)本実施形態では、結晶層30中にMnを添加しつつもSi濃度およびO濃度をMn濃度よりも桁違いに低くすることで、Mnによる安定的な高抵抗化だけでなく、結晶層30の結晶品質を向上させることができる。これにより、本実施形態の基板50を用いて、高品質な半導体装置を製造することが可能となる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。しかしながら、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態では、下地基板10がGaN自立基板である場合について説明したが、下地基板10は、GaN自立基板に限らず、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化インジウム(InN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化アルミニウムインジウムガリウム(AlInGaN)等のIII族窒化物半導体、すなわち、AlInGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式で表されるIII族窒化物半導体からなる自立基板であってもよい。
または、下地基板10は、例えば、III族窒化物半導体と異なる材料からなる基板であってもよい。具体的には、下地基板10は、例えば、サファイア基板、SiC基板などであってもよい。この場合、初期工程190において、初期層20の成長前に、AlNなどからなるバッファ層を成長させてもよい。
上述の実施形態では、基板50がGaN自立基板である場合について説明したが、基板50は、GaN自立基板に限らず、例えば、AlN、AlGaN、InN、InGaN、AlInGaN等のIII族窒化物半導体、すなわち、AlInGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式で表されるIII族窒化物半導体からなる自立基板であってもよい。
上述の実施形態では、介在部234bをいわゆるライナーとする場合について説明したが、ガス生成容器233bの内壁を、介在部としての保護膜で覆ってもよい。なお、介在部としての保護膜も、上述の介在部としての要件を満たす必要がある。具体的には、介在部としての保護膜は、例えば、W、BN、SiCおよびMoのうち少なくともいずれかを含むものとする。このような構成であっても、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
上述の実施形態では、Mnを収容するガス生成容器233bが、Gaを収容するガス生成容器233aと異なる位置に設けられている場合について説明したが、Mnを収容するガス生成容器233bは、Gaを収容するガス生成容器233aの少なくとも一部と気密容器203の軸方向に一致する位置(例えばガス生成容器233aの上方または下方)に設けられていてもよい。この場合、Mnを収容するガス生成容器233bの温度と、Gaを収容するガス生成容器233aの温度とは、共通のゾーンヒータ207により制御され、ほぼ等しくなる。このような構成により、気相成長装置200の構成を簡略化することができる。
上述の実施形態では、スライス工程S170およびスライス工程S400において、ワイヤーソーを用いる場合について説明したが、例えば、外周刃スライサー、内周刃スライサー、放電加工機等を用いてもよい。
上述の実施形態では、積層構造体90のうちの結晶層30をスライスすることで、基板50を得る場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、積層構造体90をそのまま用いて、半導体装置を作製するための半導体積層物を製造してもよい。具体的には、積層構造体90を作製したら、半導体積層物作製工程において、積層構造体90上に半導体機能層をエピタキシャル成長させ、半導体積層物を作製する。半導体積層物を作製したら、積層構造体90の裏面側を研磨し、下地基板10と初期層20とを除去する。これにより、上述の実施形態と同様に、結晶層30と半導体機能層とを有する半導体積層物が得られる。この場合によれば、基板50を得るためのスライス工程S400および研磨工程S500を省略することができる。
以下、本発明の効果を裏付ける各種実験結果について説明する。以下において「窒化物結晶基板」を基板と略すことがある。
(1)積層構造体および窒化物結晶基板の作製
以下のようにして、参考例の積層構造体と、比較例の積層構造体および基板と、実施例1および2の積層構造体および基板と、を作製した。
[参考例の積層構造体の作製条件]
(下地基板)
材質:アンドープGaN
製造方法:VAS法
直径:2インチ
厚さ:400μm
主面に対して最も近い低指数の結晶面:c面
主面に対するマスク層等のパターン加工なし。
(結晶層)
材質:アンドープGaN
成長方法:HVPE法
成長温度:1050℃
Mnラインのガス生成容器内にはHClガスを供給しなかった。
厚さ:約550μm
[比較例の積層構造体および基板の作製条件]
(下地基板)
参考例と同じ。
(初期層)
厚さ以外の成長条件を参考例の結晶層と同じ条件とした。
厚さ:30μm
(結晶層)
材質:GaN
成長方法:HVPE法
成長温度:1040℃
GaCl分圧:9.5kPa(参考例と同じ)
V/III比:1.67
Mnのガス生成容器内には介在部を用いずにMnを直接載置した。
Mnラインのガス生成容器付近の温度:650℃
MnラインのHClガス分圧:1.6×10-2kPa
厚さ:約550μm
(スライスおよび研磨条件)
スライス時カーフロス:200μm
両面研磨
基板の最終厚さ:400μm
[実施例1の積層構造体および基板の作製条件]
Mnドープ結晶層形成工程において、Mnのガス生成容器内にWの介在部を介してMnを載置した点を除いて、比較例と同様に作製した。
[実施例2の積層構造体および基板の作製条件]
結晶層の成長条件を以下の条件とした点を除いて、実施例1と同様に作製した。
(結晶層)
成長温度:1040℃
GaCl分圧:9.5kPa
V/III比:1.67
Mnラインのガス生成容器付近の温度:610℃
MnラインのHClガス分圧:0.71kPa
(2)評価
(二次イオン質量分析(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry))
参考例、比較例、実施例1および2の積層構造体において、結晶層の表面側からSIMSを行った。
(比抵抗)
比較例、実施例1および2の基板の比抵抗を以下の手順で測定した。具体的には、2mm角の試料片に基板を切り出し、試料片の表面全体および裏面全体にそれぞれ電極を形成した。当該試料片を用い、温度25℃において、電極間に試料片の厚さ方向に電界を印加し、電流-電圧測定を行った。その結果に基づいて、温度25℃における基板の比抵抗を求めた。
(3)結果
<作製後のガス生成容器内の状態>
Mnを収容したガス生成容器内にHClガスを流さなかった参考例では、作製後のガス生成容器内の状態に異常はなく、Mnと石英とは直接反応していなかった。
しかしながら、ガス生成容器内にMnを直接載置した比較例では、ガス生成容器の底面が窪み、腐食されていた。上述の参考例と比較した比較例の結果から、HClガスを含む雰囲気下で、Mnを触媒としてHClガスと石英とが反応し、石英が分解されたと考えられる。
これに対し、ガス生成容器内にWの介在部を介してMnを載置した実施例1および2では、ガス生成容器の底面は、作製前から変わらなかった。また、介在部自身の状態も、作製前から変わらなかった。
実施例1および2によれば、ガス生成容器内にWの介在部を介してMnを載置したことで、HClガスを含む雰囲気下でのMnの触媒作用を起因とした石英の分解を抑制することができたことを確認した。
<実施例1および2の積層構造体の外観および断面>
図6(a)および(b)を用い、実施例1および2の積層構造体の外観および断面について説明する。図6(a)は、実施例1の積層構造体を示す平面図であり、(b)は、実施例1の積層構造体の断面を蛍光顕微鏡により観察した観察像である。
図6(a)に示すように、実施例1の積層構造体の結晶層は、赤褐色を呈していた。また、図6(b)に示すように、実施例1の積層構造体では、結晶層が3次元成長(ファセット成長)した痕跡はなく、結晶層の表面は平坦であった。なお、図6(b)において、視野を変える際に明るさを変えたため、結晶層の色が厚さ方向に変わって見えているが、結晶層の色は厚さ方向に均一であった。
なお、実施例2の積層構造体も、結晶層の色が薄い点を除いて、実施例1の積層構造体とほぼ同様であった。
実施例1および2では、下地基板の下地面の全体に亘って、c面を成長面として結晶層を成長させることができたことを確認した。
<不純物濃度>
図5(a)および(b)、図7(a)~図8(b)を用い、SIMSの結果について説明する。図5(a)は、参考例1の積層構造体における二次イオン質量分析の結果を示す図であり、(b)は、比較例の積層構造体における二次イオン質量分析の結果を示す図である。図7(a)は、実施例1の積層構造体における遷移金属元素の二次イオン質量分析の結果を示す図であり、(b)は、実施例1の積層構造体におけるSiなどの二次イオン質量分析の結果を示す図である。図8(a)は、実施例2の積層構造体における遷移金属元素の二次イオン質量分析の結果を示す図であり、(b)は、実施例2の積層構造体におけるSiなどの二次イオン質量分析の結果を示す図である。
[参考例]
図5(a)に示すように、Mnをドープしなかった参考例の結晶層では、Si濃度は約2×1016cm-3であり、O濃度は約6×1015cm-3であった。
[比較例]
図5(b)に示すように、介在部を用いずにMnをドープした比較例の結晶層におけるMn濃度は、約4×1019cm-3であった。一方で、比較例の結晶層におけるSi濃度は、参考例のそれよりも高くなっており、約2×1017cm-3であった。また、比較例の結晶層におけるO濃度は、参考例のそれよりも高くなっており、約2×1016cm-3であった。
比較例では、石英からなるガス生成容器にMnを直接載置したため、上述のように、Mnの触媒作用に起因して、HClガスを含む雰囲気下で石英が分解された。このため、石英を起源とするSiおよびOが結晶層中に混入してしまったと考えられる。
[実施例1および2]
図8(a)および図9(a)に示すように、介在部を用いてMnをドープした実施例1および2の結晶層におけるMn濃度は、それぞれ、約5×1019cm-3、約1×1019cm-3であった。
一方で、図8(b)および図9(b)に示すように、実施例1および2のそれぞれの結晶層におけるSi濃度は、参考例のそれとほぼ同等であり、約2×1016cm-3であった。また、実施例1および2のそれぞれの結晶層におけるO濃度は、参考例2のそれとほぼ同等であり、約5×1015cm-3であった。
なお、実施例1および2の結晶層におけるH濃度は、これらに若干の差はあったものの、1×1017cm-3未満であった。
実施例1および2によれば、HClガスを含む雰囲気下でのMnの触媒作用を起因とした石英の分解を抑制したことで、基板中におけるn型不純物としてのSiおよびOの混入を抑制することができたことを確認した。
<比抵抗>
上述のように、比較例の基板はn型不純物としてのSiおよびOを多く含んでいたため、比較例の基板の25℃における比抵抗は、約1×10Ω・cmであった。
これに対し、実施例1および2の基板の25℃における比抵抗は、約1×1010Ω・cm、約2×10Ω・cmであった。実施例1および2のそれぞれの基板は充分に高抵抗であることを確認した。
<まとめ>
以上の実施例1および2によれば、ガス生成容器内にWの介在部を介してMnを載置したことで、HClガスを含む雰囲気下でのMnの触媒作用を起因とした石英の分解を抑制することができた。これにより、基板中へのn型不純物としてのSiおよびOの混入を抑制することができたことを確認した。その結果、基板を充分に高抵抗にすることができたことを確認した。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
下地基板を準備する工程と、
ハイドライド気相成長法により、前記下地基板の上方に、マンガンを含むIII族窒化物半導体の単結晶からなる結晶層をエピタキシャル成長させる工程と、
を有し、
前記結晶層をエピタキシャル成長させる工程では、
石英からなるガス生成容器内に、塩化水素ガスに対して耐性を有する介在部を介してマンガンを収容し、石英とマンガンとの直接接触を抑制した状態で、前記ガス生成容器内に塩化水素ガスを導入し、塩化マンガンガスを生成させ、前記結晶層中にマンガンを添加する
窒化物結晶基板の製造方法。
(付記2)
前記介在部は、塩化水素ガスを含む雰囲気下で石英を分解させる触媒作用を示さない
付記1に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
(付記3)
前記結晶層をエピタキシャル成長させる工程では、
タングステン、窒化ホウ素、炭化ケイ素およびモリブデンのうち少なくともいずれかを含む前記介在部を用いる
付記1又は2に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
(付記4)
III族窒化物半導体の単結晶からなる窒化物結晶基板であって、
マンガン濃度は、1×1018cm-3以上であり、
シリコン濃度は、5×1016cm-3以下であり、
酸素濃度は、1×1016cm-3以下である
窒化物結晶基板。
(付記5)
25℃における比抵抗は、10Ω・cm超である
付記4に記載の窒化物結晶基板。
(付記6)
2インチ以上の直径を有する
付記4又は5に記載の窒化物結晶基板。
(付記7)
下地基板と、
前記下地基板の上方に設けられ、III族窒化物半導体の単結晶からなる結晶層と、
を有し、
前記結晶層中のマンガン濃度は、1×1018cm-3以上であり、
前記結晶層中のシリコン濃度は、5×1016cm-3以下であり、
前記結晶層中の酸素濃度は、1×1016cm-3以下である
積層構造体。
10 下地基板
20 初期層
30 結晶層
50 窒化物結晶基板(基板)

Claims (8)

  1. 下地基板を準備する工程と、
    ハイドライド気相成長法により、前記下地基板の上方に、マンガンを含むIII族窒化
    物半導体の単結晶からなる結晶層をエピタキシャル成長させる工程と、
    を有し、
    前記結晶層をエピタキシャル成長させる工程では、
    石英からなるガス生成容器内に、塩化水素ガスに対して耐性を有する介在部を介してマ
    ンガンを収容し、石英とマンガンとの直接接触を抑制した状態で、前記ガス生成容器内に
    塩化水素ガスを導入し、塩化マンガンガスを生成させ、前記結晶層中にマンガンを添加す

    窒化物結晶基板の製造方法。
  2. 前記結晶層をエピタキシャル成長させる工程では、
    タングステン、窒化ホウ素、炭化ケイ素およびモリブデンのうち少なくともいずれかを
    含む前記介在部を用いる
    請求項1に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
  3. III族窒化物半導体の単結晶からなる窒化物結晶基板であって、
    マンガン濃度は、1×1018cm-3以上であり、
    シリコン濃度は、5×1016cm-3以下であり、
    酸素濃度は、1×1016cm-3以下であり、
    25℃における前記窒化物結晶基板の比抵抗は、10 Ω・cm超である
    窒化物結晶基板。
  4. 水素濃度は、1×1017cm-3未満である
    請求項3に記載の窒化物結晶基板。
  5. 前記窒化物結晶基板は、主面を有し、
    前記主面に対して最も近い低指数の結晶面は、前記主面全体にわたって(0001)面である
    請求項3または請求項4に記載の窒化物結晶基板。
  6. 下地基板と、
    前記下地基板の上方に設けられ、III族窒化物半導体の単結晶からなる結晶層と、
    を有し、
    前記結晶層中のマンガン濃度は、1×1018cm-3以上であり、
    前記結晶層中のシリコン濃度は、5×1016cm-3以下であり、
    前記結晶層中の酸素濃度は、1×1016cm-3以下であり、
    25℃における前記結晶層の比抵抗は、10 Ω・cm超である
    積層構造体。
  7. 前記結晶層中の水素濃度は、1×1017cm-3未満である
    請求項6に記載の積層構造体。
  8. 前記結晶層は、主面を有し、
    前記結晶層の前記主面に対して最も近い低指数の結晶面は、前記主面全体にわたって(0001)面である
    請求項6または請求項7に記載の積層構造体。
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